石巻市議会 > 2020-02-21 >
02月21日-施政方針に対する質疑-02号

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  1. 石巻市議会 2020-02-21
    02月21日-施政方針に対する質疑-02号


    取得元: 石巻市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-20
    令和 2年 第1回 定例会  令和2年石巻市議会第1回定例会会議録(第2号)                                           議事日程第2号  令和2年2月21日(金曜日)午前10時開議 第1 会議録署名議員の指名 第2 施政方針に対する質疑 散 会                                          本日の会議に付した事件 日程第1から日程第2 延 会                                          出席議員(30名)   1番  阿  部  浩  章  議員    2番  佐  藤  雄  一  議員   3番  髙  橋  憲  悦  議員    4番  阿  部  和  芳  議員   5番  木  村  忠  良  議員    6番  黒  須  光  男  議員   7番  楯  石  光  弘  議員    8番  奥  山  浩  幸  議員   9番  遠  藤  宏  昭  議員   10番  大  森  秀  一  議員  11番  櫻  田  誠  子  議員   12番  鈴  木  良  広  議員  13番  青  木  ま り え  議員   14番  千  葉  正  幸  議員  15番  星     雅  俊  議員   16番  青  山  久  栄  議員  17番  阿  部  正  敏  議員   18番  齋  藤  澄  子  議員  19番  阿  部  久  一  議員   20番  丹  野     清  議員  21番  安  倍  太  郎  議員   22番  阿  部  欽 一 郎  議員  23番  森  山  行  輝  議員   24番  渡  辺  拓  朗  議員  25番  千  葉  眞  良  議員   26番  山  口  荘 一 郎  議員  27番  髙  橋  栄  一  議員   28番  西  條  正  昭  議員  29番  後  藤  兼  位  議員   30番  水  澤  冨 士 江  議員欠席議員(なし)                                          説明のため出席した者  亀 山   紘  市     長        菅 原 秀 幸  副  市  長  境   直 彦  教  育  長        椎 葉 健 一  病 院 局 長  久 保 智 光  復 興 政策部長        岡   道 夫  総 務 部 長  大 塚 智 也  財 務 部 長        後 藤   寛  復 興 事業部長  村 上 秀 樹  半島復興事業部長       千 葉   巧  河北総合支所長  阿 部 徳太郎  雄勝総合支所長        村 上 浩 則  河南総合支所長  今 野 裕 之  桃生総合支所長        鈴 木   清  北上総合支所長  大 窪 茂 久  牡鹿総合支所長        福 田 寿 幸  生 活 環境部長  守 屋 克 浩  健 康 部 長        津 田 淳 一  福 祉 部 長  吉 本 貴 徳  産 業 部 長        伊勢崎 誠 一  建 設 部 長  柏   春 雄  会 計 管 理 者        大 内 重 義  病院局事務部長  及 川 伸 一  教 育 委 員 会           事 務 局 長                                          事務局職員出席者  近 藤 順 一  事 務 局 長        松 﨑 泰 政  事 務 局 次 長  吉 田 秀 樹  事 務 局長補佐        吉 田 直 也  主     幹  川 田 秀一郎  主     査        一 宮 康 広  主     査  菊 地 光 大  主 任 主 事 △午前10時開議 ○議長(木村忠良議員) ただいまから本日の会議を開きます。欠席通告議員はありません。 本日の議事は、日程第2号をもって進めます。 △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(木村忠良議員) 日程第1会議録署名議員の指名を行います。本日の会議録署名議員に9番遠藤宏昭議員、10番大森秀一議員、11番櫻田誠子議員、以上3議員を指名いたします。 △日程第2 施政方針に対する質疑 ○議長(木村忠良議員) 次に、日程第2施政方針に対する質疑を行います。質疑通告者は4名であります。申合せにより、あらかじめ発言時間の制限をいたします。発言時間は、答弁を含めず1人50分以内といたしますが、質疑の回数については制限いたしません。なお、発言順位はお手元に配付の通告調のとおりといたします。これより質疑に入ります。22番阿部欽一郎議員の質疑を許します。22番。   〔22番阿部欽一郎議員登壇〕 ◆22番(阿部欽一郎議員) 皆さん、おはようございます。ただいま木村忠良議長のお許しを得ましたので、去る2月13日、亀山紘市長による令和2年度施政方針演説に対し、ニュー石巻を代表して質疑をさせていただきます。 令和2年の正月も静かで穏やかに過ぎていくかに思えたのですが、中国武漢市で新型肺炎患者が発生してから約1か月経過後の1月8日、それが新型コロナウイルスであることが判明したという驚きのニュースが飛び込んできました。それが瞬く間に28の国、地域(2月16日現在)に拡散し、猛威を振るっています。感染症で思い出されるのが2002年から2003年にかけて大流行した、これも中国が発生源である重症急性呼吸器症候群、SARSです。このときは、感染者8,096人、死者774人でしたが、2月19日時点で既に感染者は7万4,000人を超え、死者も武漢市が中心とはいえ2,000人を超えました。 政府のチャーター便で武漢から帰国した在留邦人のこととか、石巻市民にもなじみの深い大型クルーズ船、ダイヤモンド・プリンセスの乗員乗客3,700人の中で発生している集団感染の行方もまた大いに気になるところであります。入港しても下船できない、いわば隔離状態にあり、彼らの精神的疲労の解消とか正確な情報の速やかな提供、何よりも環境の改善が必要であろうと思います。 私たちが今できることといえばうがいと消毒であるが、肝腎なマスクや消毒液が市内のコンビニ、ドラッグストアでも品切れ状態にあるということに驚きました。それだけ皆さん不安に思っているからでしょうが、ここは少し冷静な判断、行動を取るなど、国内感染の推移を見守ることも大事ではないかと思います。 いずれにしても、世界の製造工場といわれる中国経済の機能が麻痺している現在、日本経済にも少なからず影響が出ているようで、先が読めないと嘆く専門家もいます。また、通常よりも大量のウイルスをまき散らして多くの人々を感染させるスーパースプレッダーの存在も排除できないとの声もあります。新型ウイルスが長引けば長引くほど、私たちの日常生活に支障が出てくることはもとより、観光を含めた地域経済にも多大な影響を与えることが現実として懸念されるところであります。 さて、石巻市は総額1,952億円の令和2年度の一般会計当初予算案を発表しました。東日本大震災からの国の復興期間の最終年度となることから、復興事業全てを盛り込んだ結果、前年度比8.7%、156億円の増となった。津波被災県である宮城、岩手については、以後5年間復興庁からの支援が決定しているものの、これはあくまでも被災者の心のケアやコミュニティーの再構築などソフト面が中心であることから、復興のハード事業は何としても完遂しなければなりません。主な事業として、半島沿岸部の低平地整備費に104億9,000万円、複合文化施設整備に37億円、(仮称)鎮守大橋整備費として31億4,000万円など計上されておりますが、当初予算案の中身については後ほど質疑させていただきます。 それでは、通告に従い質疑を行います。初めに、大綱1、市長の政治姿勢、課題に対する考えについて。 ①、令和2年度の施政方針の冒頭で、市長は大川小学校問題に対する謝罪を示されました。当該訴訟において、本市の主張は退かされ却下されました。どのような認識の甘さから市が敗訴したのか、その原因について改めて分かりやすく説明願います。 また、昨年の12月議会閉会後、謝罪の記者会見を開き、今年に入ってから市長は御遺族への弔問をされたようでありますが、記者会見や遺族への弔問を通しての所見を伺います。 加えて、現在の心境並びに宮城県との賠償金をめぐる問題について、その後の話合いはどうなっているのか、時間はかかるかと思いますが、粘り強く協議を重ねることを期待します。 ②、令和2年度は、震災復興期間の最終年度に当たります。本来であれば、当初予定されていた事業を完結しなければならない年度ですが、今年度中の完結は国・県との事業の関係で不可能と思われるが、インフラ整備の完了年度はいつになるのかお聞きをいたします。 ③、また、心の復興も大事なテーマであります。被災者の心のケアについて、どのような方策を講じていくのか、その内容についてお聞きをいたします。 ④、今年は、復興五輪の名の下に開催される2020東京オリンピックパラリンピックイヤーであります。平和と希望の象徴である聖火がギリシャから特別輸送機で、いよいよ3月20日、航空自衛隊松島基地に到着します。聖火は、「復興の火」として石巻南浜津波復興祈念公園に展示されますが、これまで当市は「全国や世界へ復興した姿を発信する。これまでの支援に対する感謝の気持ちをお伝えする」と述べてきましたが、機運が高まる状況下で、その内容はどのようなものなのか、また市民にどのような形で公表するのでしょうか。市民との一体感を醸成させることも必要と考えますが、御所見をお伺いいたします。 ⑤、次に、地方創生の実現に向けたSDGsの具体的な取組について、急激な少子・高齢化による様々な課題に対したモビリティーと情報技術を核にした持続可能な地域社会の構築を図ると伺いました。2020年度SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業の選定については、2月18日から3月2日まで、まさに今、募集期間となっております。 内閣府は、昨年7月1日、一昨年に引き続きSDGs未来都市を選定しました。選ばれたのは神奈川県小田原市、福井県鯖江市、愛知県、沖縄県恩納村など31の県や市町村であります。一昨年選定された東松島市を含む29自治体と合わせて、現在全国の60自治体がSDGs未来都市となっております。各自治体が提案する取組内容の審査、評価によって選ばれ、取組の支援と成功事例の普及展開を行い、地方創生の深化につなげていくことが狙いとされています。 特に先導的な提案を行った10自治体の取組はモデル事業として、国から上限3,000万円の補助金が支給されます。モデル事業として評価されるための取組のポイントは、経済・社会・環境の3側面の統合的取組による相乗効果、多様なステークホルダー連携、自律的好循環の3つであります。モデル事業を筆頭に、持続可能なまちづくりを牽引する自治体として、SDGs未来都市に注目が集まっているところでありますが、本市が今回応募するものはどのような内容のものなのか、タイトルも併せてお伺いいたします。 ⑥、集団感染が発生しているダイヤモンド・プリンセスは、石巻港に今年3回入港予定であるが、取りあえずの4月下旬の入港について、市長はどのように考えているのか、所見を伺います。 また、妊婦の感染が原因で新生児が陽性反応との報道があります。本市における妊婦へのケアについて伺います。 ちなみに、気仙沼市は今月、マスクの無料配布を行っています。 ⑦、宮城県が来年度の導入を目指す宿泊税に関し、圏域県議との懇談があったようですが、その中身と市長の所見について伺います。昨年消費税がアップしたばかりであり、加えてこの新型ウイルスの大流行です。最大被災地である石巻市の業界にとってはかなりの痛手となることから、知事の拙速を止めるべきであります。 ⑧、本市では、歳入の根幹をなす市税や地方交付税の減少が見込まれる中、安定した財政運営が行えるよう歳出の削減が必要不可欠であります。そこで、他自治体では災害公営住宅の直接管理に方向転換し、県住宅公社への委託費削減に努め、新たな市内雇用創出につなげる狙いがあると報道されております。本市は、市営住宅1,500戸、災害公営住宅4,456戸を所有し、今後の大きな財政負担となります。また、公共施設の維持管理の増加も見込まれております。このような現状を見るとき、市営住宅や災害公営住宅の直接管理を検討すべきであると思いますが、所見をお伺いいたします。   〔亀山紘市長登壇〕 ◎亀山紘市長 それでは、ただいまの御質疑にお答えいたします。 初めに、市長の政治姿勢並びに課題に対する考えについてお答えいたします。まず、大川小学校訴訟最高裁決定後の市の対応と今後の取組についてでありますが、学校管理下において大切なお子様の命を守ることができなかったこと、また事故後、御遺族の皆様に対し十分な対応ができず、御遺族の皆様に深い悲しみを与えてしまったことに対しましては、遺族説明会を開催し謝罪するとともに、現在御遺族宅を個別に訪問し、謝罪をしているところであります。 個別訪問時の御遺族との面会では、これまでに筆舌に尽くし難い思いをされたこと、またこれまでの対応が深い悲しみを与えたことなどを伺い、本当に胸が締めつけられる思いであり、二度とこのような悲劇を繰り返さないよう、大切な子供の命を守るために、引き続き学校安全に向けた不断の取組を進めてまいりたいと決意を新たにしたところであります。 最高裁の決定により確定した仙台高裁判決では、学校として津波に対する避難場所、避難経路、避難方法を決めず、危機管理マニュアルを改訂しなかったこと、教育委員会が危機管理マニュアルの内容を確認せず、学校に対し指導しなかったことについて、学校や教育委員会に過失があったとの認定がなされました。最高裁の決定を真摯に受け止め、本市の学校防災の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 次に、震災復興期間の最終年度に当たり、インフラ整備の見通しについてでありますが、昨年12月に閣議決定された復興・創生期間後における東日本大震災からの復興の基本方針において、関連工事との調整など、やむを得ない事情により期間内に未完了となる一部の事業については、期間内に計上された予算の範囲内で支援を継続するとされております。 本市におきましては、国や宮城県等との連絡調整を強化するとともに、各種事業の進捗管理を徹底し、計画期間内の事業完了に向けて、全力で取り組んでまいります。 次に、被災者の心のケアの具体的な方策についてでありますが、復興公営住宅の健康調査結果によると、入居経過とともに抑鬱状態にある方の割合が増加する傾向にあります。被災者の心のケア事業につきましては、震災後に懸念される不眠、鬱状態、ストレス等に対し、心理カウンセラーや保健師によるこころの相談会や訪問等の個別支援、さらにストレスの対処法の講演会や出前講座の実施など、あらゆる機会を捉えて、こころの相談窓口の周知に努めております。また、仲間づくりの場の提供や、鬱病、閉じ籠もり等の予防のために、復興公営住宅の集会所4か所において傾聴ボランティアによるサロン活動を実施しているほか、心のケアに関わる関係団体と連携し、孤立予防のためのコミュニティーづくり等の各種イベントを開催するなど、被災者の心に寄り添った継続的な支援に取り組んでおります。 次に、2020東京オリンピックパラリンピックの機運をどのように高めようとするのかについてでありますが、これまでオリンピック・パラリンピック種目のPRなどの機運醸成事業やオリンピック・パラリンピック選手の皆さんに来石いただき、同大会の魅力を紹介しております。具体には、市内小中学校でのパラアスリートによるパラスポーツ体験石巻川開き祭りに合わせたプロスケートボーダーによるパフォーマンスイベントの開催、さらにはチュニジア共和国オリンピアン事前合宿の受入れを行うなど、引き続き機運醸成を図ってまいります。 次に、地方創生の実現に向けたSDGsの具体的な取組と今回応募する内容、タイトルについてでありますが、地方創生の実現に向けたSDGsの具体的な取組につきましては、昨年12月に改訂した石巻市まち・ひと・しごと創生総合戦略において、SDGsを原動力とした地方創生の推進に向け、多様なステークホルダーとの連携を進め、積極的に取り組んでいく旨を盛り込んだところでございます。本市が将来にわたって活力ある地域社会を実現していくためには、市職員をはじめ、市民一人一人がSDGsの考え方を理解することが重要であり、職員研修をはじめ、SDGsを身近に感じていただけるような市民向けのセミナー等を開催し、SDGsの認知度向上に努めてまいります。 今回応募する内容、タイトルにつきましては、東日本大震災に起因した人口減少や高齢化、コミュニティーの再生のほか、市民の移動手段の利便性向上に向けた取組を提案することとしております。今月末に提案書を国に提出する予定であり、国に確認したところ、選定審査に影響があることから、選定結果の公表前に提案内容を公表することは控えるよう回答がありましたので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、集団感染が発生しているダイヤモンド・プリンセスの4月下旬の入港についてでありますが、運航会社のホームページ上において、今年4月分までの運航中止が正式に発表されております。今は、一刻も早く事態が終息されることを願っております。 また、本市における妊婦へのケアにつきましては、一般的には感染症予防対策としてマスク着用も一定の効果がありますことから、その配付についても妊婦へのケアの一つであると考えております。しかし、現状は新型コロナウイルスによる感染症の拡大が懸念される中、マスク需要の急激な高まりにより品薄状態が深刻化している状況にあります。 本市におきましても、マスクなどの予防対策用品の備蓄に努めておりますが、免疫力が低下する妊婦への配付枚数を十分に確保できない厳しい状況にあります。国は、全国で品薄になっているマスクの安定供給に向けた支援を図るとしていることから、今後の供給状況を見極めながら、妊婦への配付について検討してまいりたいと考えております。 なお、母子健康手帳交付時に予防方法について周知を行い、不安解消など、妊婦の方々のケアに努めているところでございます。 次に、宿泊税導入に関する、圏域県議との懇談の中身と所見についてでありますが、本年2月7日に開催された石巻圏域県議との行政懇談会の中で、宿泊税に関する要望をさせていただきました。要望内容につきましては、宿泊税の導入に関し、沿岸被災地域への配慮をはじめ、宿泊事業者のみならず、本市の観光関連事業者や観光動向への悪影響が懸念されることから、慎重に審議を図っていただくよう要望したものであります。私も宿泊税導入に関しましては、宿泊事業者への丁寧な説明とその使途の明確化などが必要であると考えております。 次に、歳出削減のため、市営住宅や災害公営住宅の管理運営を委託から直営にすべきについてでありますが、市営住宅等の管理につきましては、平成27年度より宮城県住宅供給公社に委託をしております。同公社については、長年、県営住宅の管理を行っており、公営住宅法に精通しているほか、県内の多くの市町の公営住宅を管理していることから、スケールメリットを生かした経費の削減や他自治体との情報共有が図られております。 現在の市営住宅の管理戸数につきましては、震災前の3倍強になっておりますので、当面は専門的な知識に精通した公社との連携による継続的で効率的な市営住宅等の適正な管理運営を行ってまいります。 ◆22番(阿部欽一郎議員) 次に、大綱2、5つの重点施策について、一気に質疑させていただきます。 (1)、安心して暮らせるまちづくりについてであります。①、令和3年春までに雄勝総合支所と雄勝公民館を複合施設にするとのことですが、複合施設にすることによって何がどう変わるのか、住民へのメリットはどのようなことが期待できるのか伺います。 また、雄勝公民館は震災以前、大集会室や和室の集会室、ほかに和室が2室、調理実習室や研修室、図書室などがあり、隣接してグラウンドなどが整備されていたが、複合施設になった場合、施設規模が縮小されると想像されるが、具体的にはどのような施設なのか、また多目的グラウンドの整備計画はどのようになるのか、職員体制は何人で、社会教育や生涯学習活動等をどのように推進するのか伺います。 ②、公共交通の環境整備についてでありますが、地域住民の移動手段の確保や利便性の向上を図りながら、移動手段の構築を検討するとのことですが、既に平成30年にNTTデータ東北などとともに、IoTを活用して、住民バスやカーシェアリングなど複数の交通モードを連携させ、石巻市中心街と地域間の住民移動の在り方について検討している。その後の経緯と実現性について伺います。 ③、災害に強いまちづくりについてですが、道路整備の遅れについて伺います。災害時における市民の迅速かつ安全な避難を可能とする復興道路の整備を進めるとのことでありますが、半島沿岸部は震災による道路整備の遅れもあり、以前から災害による道路の崩壊などが多く、特に台風第19号後からは著しく地盤などが軟弱になっており、危険個所が多く見受けられておりますが、いまだ工事が着手されていない。災害に強いまちづくりが重点施策の一環であることから、なお一層の整備促進への市長の決意を伺います。 ④、防災体制強化の推進についてでありますが、各広域消防庁舎の改築を適宜進めてまいりました。その一方、団員不足や団員の高齢化が進み、地元消防団の活性化に積極的に取り組むことが肝要だと思いますが、市長の所見を伺います。 次に、現在の自主防災組織は市内でどれくらい設置されているのか、今後どのような方策により設置を促していくのか伺います。 また、防災士の養成とスキルアップを目指すとのことですが、現在の防災士の数と、今後どのような方策により防災士を養成しようとするのか伺います。 ⑤、防災センターを拠点とした防災・減災に係る啓発を図るということですが、昨年秋の台風第19号の際、完成後の防災センターの役割、機能を果たす大きな試金石になったわけであります。防災センターが台風第19号の災害対応に果たした役割と、防災センターの年間の利用日数を含めた稼働率について伺います。 ⑥、学校防災については、大川小学校訴訟の最高裁決定前に市が設置した第三者委員会の報告結果を受けて、各学校に周知しました。今回、大川小学校訴訟の最高裁決定を受けて、最新の知見に基づく対応を進めるとのことであります。最新の知見に基づく対応とはどのようなものであり、また教職員の職務内容に応じた研修とはどのようなものであるのか伺います。 次に、学校防災の重点施策、防災教育充実事業の中で、学校の危機管理マニュアルを定期的に点検するということですが、誰がどのように点検するのか伺います。例えば教育委員会だけでなく市の防災担当課、消防署、警察、地元住民など、学校立地の様々な機関にもマニュアルを示し、指導、助言を頂いてはどうか。それらを含めまして、所見を伺います。 次に、現在市内の多くの学校ではスクールバスが利用されております。大川小学校事故でも、当時55人乗りの大型バスが駐車して、児童の下校を待っておりました。ぜひとも地理的条件など考慮した、大川小学校のあった石巻市だからこそ、全国に誇れる学校の危機管理マニュアルを構築していただきたいと強く要望するものでありますが、所見を伺います。 (2)、産業振興と人づくりについて伺います。①、中心市街地では元気いちばを中心に堤防一体空間の供用、牡鹿地区・雄勝地区・北上地区の拠点整備事業は今年度完成を見ますが、これらの地区拠点を利用した交流人口の増加策と定住人口の増加策について、見解を伺います。 ②、施政方針では、地域産業の活性化による雇用の拡大と人材確保が必要不可欠として、5つの柱に各種施策を展開するとあります。産業基盤の強化では、産業集積ゾーンの基盤整備を推進するとありますが、整備完了後の利用計画と、それに伴う政策について、所見をお伺いいたします。 ③、半島沿岸部において、なりわいの再生に必要な生産基盤の整備を進めるとのことですが、具体的ななりわい再生の政策と、それに伴う跡地利用計画について、所見をお伺いいたします。 ④、水産業については新たな取組として持続可能な海岸資源の確保、海洋環境の維持を目指すとありますが、具体的な政策についての所見、また農業の振興については農地の集積、集約化を図るとありますが、この政策を推進するにはこれまで以上にJAいしのまきとの連携が不可欠と考えますが、JAとの連携強化策についての所見を、さらに林業の振興については森林環境税と森林環境譲与税を活用し、経営管理調査と経営管理集積計画を策定し、管理放棄されている私有林を市が委託を受けて森林整備を実施するとありますが、具体的な推進策について、所見をお伺いをいたします。 ⑤、セルロースナノファイバーを活用して、企業との連携を強化するとありますが、具体的手法と、これによって企業との連携強化はどう図れるのか、所見をお伺いします。 ⑥、企業立地による雇用拡大についてでありますが、雇用創出事業として新卒高校生向けの企業説明会や見学会等を継続的に行い雇用促進を図るとされていますが、今年度の説明会や見学会の開催状況と、この春市内の企業に就職される高校生の数について伺います。 また、地元への就職あっせんには産業部と教育委員会が一体となって取り組むべきと思うが、所見を伺います。 ⑦、産業を担う人材育成についてでありますが、6次産業化の推進として、石巻市6次産業化・地産地消推進センターが挙げられており、継続して支援を行っていくようであります。同センターの構成と活動内容、特に具現化されたものについて伺います。 また、産業を担う人材育成、特に雄勝地区の硯職人や、商業捕鯨が再開され、鯨工芸職人の後継者の確保が本市の喫緊の課題であります。まずは、石巻市に根差した伝統産業に本腰を入れるべきであると思いますが、所見を伺います。 ⑧、農業・漁業の担い手育成については、水産業担い手センター、農業担い手センターを継続して運営を図るとされておりますが、両センターのこれまでの実績と実情について伺います。 さきの両センターの活動は、移住者向けの活動を主としますが、漁業、農業のなりわいとする家業の子息が後を継いだ場合の奨励策などは、市が積極的にサポートする体制も必要ではないかと思いますが、所見を伺います。 ⑨、観光産業の振興については、重要施策が2ページにわたって9事業が掲載されておりますが、牡鹿地域拠点エリア活用推進事業を除き、全て継続事業であります。これらの継続事業は、無難な表現、文言で紹介されておりますが、熱意があまり伝わらない感じがします。 私たちの会派、ニュー石巻は、先月、岐阜県岐阜市の健康ステーションを視察してまいりました。その職員の方々から視察研修後、健康ステーションがある場所、長良川を挟んで対面にある岐阜城周辺を散策するよう勧められました。先月から始まったNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の大河ドラマ館がオープンしたそうです。頂いたどの職員の名刺にも「戦国武将ゆかりの地」と題して、戦国武将のデザインが施されていました。岐阜市の観光に対する意気込みの強さに感銘いたしました。 本市では、以前に民間の方や市職員の名刺にサン・ファン号を用いた統一したデザインで、当時知名度は低いものの、サン・ファン号の偉業をたたえ、サン・ファンパークを発信した時期がありました。本市の観光について、官民挙げて発信する手段を再構築すべきだと思いますが、所見を伺います。 ⑩、観光産業の振興は、市外からの来訪者、インバウンドの受入れも大事ですが、まずは市民が誇りを持ち、胸を張って、内外にPR、発信することが最優先課題だと思いますが、その具体策と所見を伺います。 次に、重点施策(3)、子育てしやすい環境づくりについて伺います。①、子育て世代の負担軽減について、新規事業として始める本市独自の国民健康保険税子ども均等割減免の概要を具体的にお聞かせください。 この事業を行うことにより、一般的な子育て世帯の経済的負担はどれくらい軽減されるものか、併せて伺います。 ②、子育て世代に対するこの新規事業のPRの方法はどのように考えているのか。本市の子育てしやすい環境づくりのセールスポイントとともに伺います。 また、子育て世代の心身面の負担軽減について、本年5月に供用開始予定の石巻市ささえあいセンター内に設置される子育て世代包括支援センターの概要について伺います。この包括支援センターの設置により強化されるであろう相談支援体制についても併せて伺います。 ③、保育人材の確保について、保育士資格の取得支援を行うとのことですが、保育士確保支援事業の概要についてと、この事業を継続して行うことにより、毎年度何名程度の保育人材が確保されるのか、目標人数も併せて伺います。 ④、家庭教育の充実について、保護者を対象として、親の役割や子供の発達段階に応じた子育てなど、学習の機会を提供する家庭教育学級開設事業を継続して行うとのことですが、これまでの実績と得られた成果についてお聞きします。 また、この継続事業に保護者の積極的な参加を促すためにどのような工夫をしているのかも併せて伺います。 ⑤、通常の学級に在籍する支援の必要な児童・生徒の学習環境の向上のために、各校の実情に応じ、特別支援教育支援員の配置と拡充を図るとのこと。現在の特別支援教育支援員の配置状況と、どの程度拡充するのか、目標をお伺いします。 また、学校司書についても、現在の配置状況と、どこまで拡充を考えているのか、その目標を併せて伺います。 ⑥、教員の指導力向上のための研修会はどれくらいのペースで行われているのか、また学習習慣の形成のための取組とは具体的にどのようなものであるのか伺います。 ⑦、コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)の導入を促進すると伺いました。文部科学省では、学校が地域住民等と目標やビジョンを共有し、地域と一体となって子供たちを育む「地域とともにある学校づくり」を推進しています。コミュニティ・スクールは、学校と地域住民等が力を合わせて学校の運営に取り組むことが可能となる「地域とともにある学校」への転換を図るための有効な仕組みであります。コミュニティ・スクールの導入が進めば、学校運営に地域の声を積極的に生かし、地域と一体となって、特色ある学校づくりができると考えています。平成29年4月1日には全国で3,600校だったものが、平成30年4月1日現在5,432校と、1年間におよそ1.5倍増えております。本市のコミュニティ・スクールの導入状況と今後の計画をお伺いします。 次に、重点施策の(4)、市民の健康づくりについて伺います。①、世界保健機関の健康の定義によると、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、また社会的にも、全てが満たされた状態にあることだそうです。本市の健康寿命の推移、県、全国との比較とその所見についてお伺いいたします。 ②、保健指導による重症化予防に取り組んでいるとのことですが、いつ、どのように、誰が、どれくらい指導しているのかお伺いいたします。 ③、こころと体の健康増進についてですが、近年中高年のひきこもりが問題となっております。復興公営住宅でも、ボランティアグループがイベントを催しても、参加する人は固定化されてしまうとも聞いております。特に男性の参加が少ないと言われます。孤立予防や心のケアなど、具体的にどのように行われ、今後どのような対策を考えているのかお伺いいたします。 ④、今年は、オリンピックが日本で開催されます。行政が健康づくりのきっかけを大いに提供すべきと考えます。交流と健康づくりができる環境の整備を継続して進めるとありますが、具体的にどのように行ってきて、今後どのようにして本市の健康レベルを上げようとしているのかお伺いいたします。 ⑤、(仮称)ささえあいセンターもいよいよ今年5月オープン予定であります。地域包括ケア推進への市長の意気込みをお伺いいたします。 次に、重点施策の5つ目、絆と協働の共鳴社会づくりについて、①、復興応援設置事業について、地域に根差したコミュニティー主体の復興を支えるため、復興応援隊を設置し、コミュニティー再構築に向けた人材面での支援を行うとは、どのような応援を実施し、コミュニティー再構築に結びつけるのか伺います。 ②、課題を抱える地域に焦点を当てて支援するため、新規事業として実施する地域活動サポート事業の具体的な事業内容について伺います。 ③、地域自治システム構築事業について、亀山市長が重点施策として、これまで継続事業として実施してきましたが、市長の任期もあと1年余りとなりました。住民自治組織を全地区に立ち上げようとする具体策について伺います。 ④、市民公益活動団体との協働推進事業について、継続事業としてNPO等の団体に職員を派遣する協働推進育成事業について、何団体に何人ぐらいの職員を派遣されたのか、具体的な事業実績について伺います。 ⑤、移住対策事業についてでありますが、本市への移住促進の総合窓口となる移住コンシェルジュについて、具体的な事業内容及び移住に関しての問合せはどの程度あるのか、状況について伺います。 ⑥、本市としての移住、定住を促進するため、新規事業として、東京23区の在住者や通勤者が本市に移住し、就業及び起業をされた方を対象に移住支援金の支給を実施するようですが、具体的な事業内容について伺います。 ⑦、地域おこし協力隊設置事業について、この事業は地域振興及び地域活性化に資する市外の人材を積極的に受け入れ、定住促進を図ることを目的に、国の制度として継続されてきましたが、これまでの実績について、また地域に根差したコミュニティー主体の復興に取り組んでいる復興応援隊とのマッチング等についての考えを伺います。 ⑧、交流人口の拡大について、中心市街地における展開で、川とまちをつなぐ新たな水辺空間を整備する水辺の緑のプロムナード計画を推進すると述べられておりますが、水辺と堤防とまちを一体的に活用したにぎわいを呼ぶ空間を創出するため、本年度は住吉地区、不動町地区、井内地区、南浜地区、門脇地区の休憩施設等の整備を計画されています。これらを利活用した交流人口の拡大策を具体的にお伺いします。 ⑨、震災の伝承ということで、門脇小学校、大川小学校について、震災遺構の整備を進めるとの考え方が示されました。議会への報告によれば、地区の方々からの様々な要望を酌み取り、工事が始まったとの理解です。しかし、ここに至ってもまだ門脇地区の町内会が集会を重ねており、市の対応の不適さを訴えております。この事業の推進に当たり、地区住民の理解を得ながら進めていく状態になっているのか、いささか心配であります。経過についてお伺いするとともに、推進体制の構築に問題はないのか、その決意について伺います。 ◎亀山紘市長 5つの重点施策のうち、安心して暮らせるまちづくりについてお答えいたします。 まず、雄勝総合支所と雄勝公民館を複合施設にすることによるメリットと具体的な内容についてでありますが、機能を集約することにより、公民館活動で来館した際に総合支所窓口で手続を行うことができるなど、利便性の向上が図られるほか、出入り口、トイレ、会議室などを共用することにより、建物面積を縮減し、建設費や維持管理費を抑制することができるものと考えております。 多目的グラウンドの整備計画、職員体制、社会教育や生涯学習活動をどう推進するのかについてでありますが、多目的グラウンドの整備計画につきましては、造成した拠点エリアに2,262平方メートルのグラウンドを整備しており、普段は軽スポーツで使用し、イベント時には臨時駐車場として活用することを想定しております。 職員体制につきましては、隣接する体育館に管理人を配置する予定としております。 また、社会教育や生涯学習活動の推進につきましては、隣接して整備する雄勝公民館において、これまで行ってきた各サークル活動のさらなる充実と、同敷地内に整備する体育館及び艇庫において、生涯スポーツの推進や伝統芸能の継承、マリンスポーツの普及促進を行いながら、公民館と体育館、多目的グラウンド等の各施設が一体となった活用を検討し、社会教育や生涯学習活動を推進してまいります。 次に、公共交通の環境整備の取組と、その後の経緯と実現性についてでありますが、平成27年度に策定した石巻市総合交通戦略前期計画に基づき、骨格路線の導入や路線バス、住民バス等の路線再編などを行っております。 その後の経緯と実現性につきましては、石巻免許センター線や鹿妻線等を骨格路線と位置づけ再編するとともに、河北線の経路変更、鮎川線の経路短縮、防災集団移転や復興住宅建設に伴う運行経路の変更など、利用実態に見合った施策を実施してまいりました。また、昨年度は交通空白地解消のため、石巻渡波線の運行開始、住民バスの運賃改定等を実施しております。今後は、今年度策定する石巻市総合交通戦略後期計画に基づき、バスの乗換え時間の短縮や料金体系の検討など、復興事業の進展状況に合わせた環境整備を進めてまいります。 次に、半島沿岸部の道路整備についてでありますが、半島沿岸部の各地域を結ぶ幹線道路につきましては国道や県道となっており、地域間の交流促進や緊急時の避難道路として重要な道路となっております。県道の整備につきましては、市が工事を受託するなど、県と連携し、事業の推進を図っております。今後も関係機関との連携を図り、効率的な整備を進めてまいります。 次に、防災体制の強化の推進についてでありますが、地元消防団の活性化につきましては、昨年4月1日現在1,783名の団員がおり、震災前の平成22年4月1日時点の団員数と比較し512名減少しております。 消防団の活性化には、消防団員の確保が必要不可欠であると考えておりますことから、その方策として学生消防団活動認証制度を活用しての石巻専修大学等へのさらなる働きかけや、市内の消防団協力事業所等を訪問し、消防団員の勧誘活動を展開するとともに、新たな消防団協力事業所の開拓を進め、引き続き消防団員の確保に努めてまいります。 自主防災組織機能強化につきましては、啓発活動として、自主防災組織のPRを目的とした「自主防災だより」を年3回発行しているほか、備蓄食糧、資機材購入等の支援を実施することにより、自主防災組織の機能強化を図っております。また、今後は昨年設立した石巻市防災士協議会との連携を深め、地域の避難訓練等における防災士の支援促進に努めてまいります。 自主防災組織の現在数につきましては、本年1月末現在236組織が発足しており、防災士については361名が資格を取得しております。防災士には、災害時の活動だけではなく、平時でも防災啓発や防災訓練によって、地域の防災力の底上げを担う防災リーダーとしての活躍を期待しておりますことから、継続して防災士養成講座を開催し、資格取得を支援することにより、今後も防災士の養成に努めてまいります。 また、消防団ではこれまでも自主防災組織への訓練支援を行ってまいりましたが、さらなる自主防災組織との連携強化のため、消防団と意見交換をしながら、地域防災力の向上に努めてまいります。 次に、防災センターの役割と稼働率及び台風19号の災害対応で果たした役割についてでありますが、防災センターの役割につきましては、災害時には災害対策本部として機能するほか、災害応急活動の拠点として、情報の収集と伝達、資機材の備蓄などの機能を有しており、平時には市民の防災学習活動の場として、防災意識の普及、啓蒙活動を行っております。 稼働率につきましては、台風第19号時に災害対策本部として活用したほか、平時の利用といたしましては昨年4月から本年1月末までに研修会や会議等の実績として101団体、5,448名が利用しております。 台風第19号の災害対応で果たした役割につきましては、防災センターは市民へ冠水情報や避難所開設情報及び避難勧告等の災害情報を発信する中枢としての機能、市民からの問合せに対応するコールセンターとしての機能を果たしたほか、消防等の各種関係機関からの情報収集に努め、ICTを活用した災害対策本部会議を開催し、関係機関と情報共有をする場として役割を果たしたところであります。 次に、大川小学校事故を踏まえた学校防災についてでありますが、最新の知見に基づく対応につきましては、近年気象災害による大きな被害が発生しており、気候変動による水害の発生、土砂災害等の頻発化、激甚化が懸念されております。現在、本市では学校防災推進会議において、各方面の代表者の委員から最新の情報や助言を頂きながら、学校防災を推進しております。今後も関係部署等と連携を図り、最新の知見が出た場合は、その知見を取り入れ、安全対策を講じてまいります。 教職員の職務内容に応じた研修につきましては、園児、児童・生徒の安全を確保するため、校長や教頭などの管理職に対しては、平常時及び緊急時それぞれに求められるリーダーシップの教育や、防災教育の中核となる防災主任を対象として研修会等を実施してまいります。また、研修会での内容を校内で共有させることで、引き続き教職員の災害対応力の向上を図ってまいります。 防災教育充実事業の中での危機管理マニュアルについて、誰がどのように点検するのかにつきましては、学校では立地する状況に即したマニュアルを作成し、前年度の3月31日までに教育委員会に提出しております。その後、学校防災推進会議のワーキンググループ「防災管理」のメンバーと、安全担当主幹教諭が各校のマニュアルを点検し、6月に開催する防災主任研修会で点検結果を伝えるとともに、改善が必要な点を指導しております。さらに、各幼稚園及び学校が点検結果を精査し、必要がある場合にはマニュアルを再修正し、9月に教育委員会に再提出しております。 全国に誇れる学校危機管理マニュアル構築に向けての所見につきましては、マニュアルに完成形はないという考えに立ち、チェックリストの見直しや避難訓練等を通じて検証するなど、より実効性の高いマニュアル作りを目指して実践をしております。石巻市のマニュアルが全国の学校防災の一助になるよう発信してまいります。 5つの重点施策のうち、産業振興と人づくりについてお答えいたします。まず、地区拠点を活用した交流人口及び定住人口の増加策についてでありますが、半島沿岸部各地区の拠点エリア整備事業が本年3月に雄勝中心部地区の一部を除いて完了予定となっております。今後は、拠点施設と地域が一体となったイベントの開催など、継続したソフト事業の展開により、地域外から人を呼び込み、にぎわいの創出を図ってまいります。また、本市の観光拠点であるかわまち交流センターをゲートウエーとして、半島沿岸部の情報を発信し、来訪者の周遊促進を図るとともに、様々な形で継続的に地域と関わる関係人口の拡大に努め、定住人口の増加につなげてまいります。 次に、産業基盤強化の具体的な取組と整備完了後の利用計画、跡地利用についてでありますが、湊西地区、上釜南部地区及び下釜南部地区につきましては、産業集積を図るべく、土地区画整理事業を行った地区であり、それぞれに石巻港及び石巻漁港の背後地という立地特性を有しておりますことから、企業誘致をはじめ、その特性を生かした産業集積に努めてまいります。 また、半島沿岸部における防災集団移転促進事業により買取りをした市有地の土地利用については、地域の代表者へのヒアリング及び周辺民有地所有者の土地活用意向調査等を踏まえ、市有地の維持管理費低減のため、民間主体による土地利用を推進するとともに、地域を巻き込んだ維持管理手法について検討してまいります。 次に、生産基盤整備の具体的な方策についてでありますが、各地域の漁業者が生産性の高い漁業活動が行えるよう、漁具置場や網干し場として使用できる水産関係用地を整備するほか、一部地域においては漁業作業時の休憩スペースとなる番屋を整備することとしております。 次に、水産業、農業、林業振興の具体策についてでありますが、初めに水産業の振興につきましては、震災によって失われた販路がいまだに回復していないことや、人手不足等により厳しい状況が続いていることから、新たな販路拡大のため、石巻産水産物の輸出拡大に向けた取組を支援するほか、持続可能な海洋資源の確保と環境維持のため、新たに漁業者等が行う藻場の保全活動や、漂流、漂着ごみの回収、処分に係る経費に対し支援してまいります。また、漁業従事者の減少及び高齢化が深刻な状況にあることから、担い手育成に関する活動への支援とともに、これまでに整備した水産業担い手センターを活用し、新たな担い手を確保するための活動を引き続き行ってまいります。 農業の振興につきましては、担い手の高齢化や後継者不足など、依然厳しい状況が続いており、TPPをはじめ日米貿易協定など大型自由貿易協定の相次ぐ発効により、日本の農業は大きな変革期を迎えております。その対策として、米、麦、大豆を生産する土地利用型農業の取組が重要と考えており、大区画の農地整備事業と併せ、農地中間管理事業を活用し、農地の集積、集約化を進めてまいります。また、米の需給調整や戦略作物の生産拡大に取り組むため、本市をはじめJAや農業関係団体で構成する石巻市農業再生協議会を通じ、JAとさらなる連携強化を図ってまいります。 林業の振興につきましては、長期的な林業の低迷や森林所有者の世代交代等により、森林への関心が薄れ、森林の管理が適切に行われず、民有林の手入れが不足している状況であります。このまま森林の適切な経営管理が行われないと、災害防止や地球温暖化防止など、森林の公益的機能の維持増進にも支障が生じることから、新たな森林管理システムにより、森林所有者に適切な経営管理を促すことが重要であると考えております。具体的には、森林環境譲与税を活用した森林管理システムにより、森林の適切な経営管理を行い、森林の公益的機能の維持増進を図るとともに、間伐等の作業により、林業経営者の規模拡大や雇用の安定が図られるよう取り組んでまいります。 次に、セルロースナノファイバーを活用した企業との連携強化についてでありますが、セルロースナノファイバーは、その特性から様々な用途への展開が期待されている素材であります。日本製紙石巻工場において、平成29年4月より年産500トンの量産設備が稼働しておりますことから、地の利がある本市にとっては一層の産業振興のきっかけになるものと考えております。そのため、昨年11月に市内事業者を対象にセルロースナノファイバー利活用推進セミナーを開催し、新たな製品の開発を促進するための取組を行っております。今後も日本製紙株式会社と情報共有を行うとともに、セルロースナノファイバーに関心のある市内事業者の利用促進に向け、関係各所との連携を強化してまいります。 次に、雇用創出事業による市内高校生の就職状況についてでありますが、ハローワーク石巻及び宮城県の情報では、本年3月の管内高校卒業予定者について、昨年12月末現在の就職内定率は85.7%となっており、就職内定者の約半数が地元への就職を希望している状況と伺っております。本市では、ハローワーク石巻や高校、地元企業などと連携しながら、若者の地元への定着と地元企業の人材確保及び人手不足解消に取り組んでいるところであります。今後も教育委員会の協力を得ながら、合同企業説明会や企業見学会の開催など、市内企業への就職促進に向けた取組を引き続き実施してまいります。 次に、石巻市6次産業化・地産地消推進センターの内容と伝統工芸職人の後継者確保についてでありますが、石巻市6次産業化・地産地消推進センターでは、地場産業の振興を目的に、地域資源を生かした商品開発や各種事業計画の策定など、事業者からの相談内容に合わせて支援員を派遣するハンズオン支援をはじめ、6次産業化を担う人材育成のため、販路開拓や商品開発に係るセミナーを開催しております。また、支援事業者の販売促進として、スーパーや各種イベントに出店し、チャレンジショップを実施しているところであります。 伝統工芸職人の後継者確保につきましては、雄勝硯職人に対しては、これまで後継者育成事業及び需要開拓事業、意匠開拓事業への取組のほか、伝統技術継承支援事業により、雄勝硯の継承等への支援を行っております。昨年春に2名が硯組合に就職しており、引き続き後継者育成の推進に努めてまいります。 牡鹿地区の鯨の工芸職人につきましては、牡鹿地区の鯨文化を継承する意味でも、その後継者確保が重要であると認識しております。現在工芸職人は1名のみとなっており、原材料のマッコウクジラの歯の入手が困難であることから、将来の事業継承に向けて厳しい状況にはありますが、代替原材料の対策や牡鹿稲井商工会との連携により、事業継承の手法や新たな人材の確保、育成強化を図ってまいります。 次に、水産業担い手センター、農業担い手センターの実績と実情等と両センターへのサポート体制についてでありますが、水産業担い手センターの実績につきましては、市内5か所に担い手センターを整備しており、延べ49名が利用し、そのうち5名が現在入居している状況で、短中期的な研修や、就業し定住先を確保するまでの居住地として有効活用しております。 サポート体制につきましては、委託事業者及び宮城県漁協各支所の職員、親方漁師による担い手の研修や作業状況の把握、長期的な就業及び定住に向けた相談窓口の設置や定例会の開催により、関係者で情報共有の場を設けながら、サポート体制の構築を図っております。 農業担い手センターの実績につきましては、市内2か所に整備した担い手センターを延べ9名が利用し、就農につながっております。 サポート体制につきましては、就農希望者に対する研修や新規就農した方との座談会を開催し、求人活動や農業者とのマッチングを行い、利用者の就農までのサポートを実施しております。 次に、本市の観光資源を官民挙げてPR、発信する方策についてでありますが、現在大型客船寄港時における街なかでのおもてなしを目的に設立された官民組織である街なかインバウンド推進ネットワーク運営会議において、市内事業者や観光関連団体、市民ボランティアなどの協力の下、市内の観光資源のPRや発信に官民を挙げて取り組んでおります。また、官民21団体で構成する食彩・感動いしのまき観光推進協議会においても、食イベントの開催や県外イベント参加によるPRを実施しております。今後も新たな観光拠点施設の管理運営事業者等と連携しながら、官民連携による観光資源のPR、発信により一層取り組んでまいります。 次に、本市の観光資源に市民が誇りを持つための具体策についてでありますが、今年度の重点事業として掲げる地方創生RPGアプリにおける地域賑わい創出事業は、本市の魅力を情報発信し、来訪者の増加と回遊率の向上を図ることを目的としており、本市の観光施設や地場産品、名所、歴史的施設などの観光及び文化資源をコンテンツとして活用したアプリケーションにしたいと考えております。本アプリケーションについては、市民の皆様の御利用も想定しておりますことから、これらのコンテンツを盛り込むことにより、本市の観光資源の魅力を再認識していただけるとともに、地元に対する関心や理解を深め、郷土愛が醸成されることで、市民が誇りを持つことにつながるものと考えております。 5つの重点施策のうち、子育てしやすい環境づくりについてお答えいたします。まず、国民健康保険税子ども均等割減免の概要と効果についてでありますが、均等割保険税は年齢や所得に関係なく、18歳未満の子供に対しても一律に課税されることから、子育て世帯の経済的負担が大きく、扶養者がいても保険料が変わらない被用者保険等との不公平感につながっております。このようなことから、子育て世帯の負担の軽減を図り、子育てしやすい環境づくりの一助とすることを目的として、満18歳未満の子供の均等割保険税の3割を減免するものであります。 次に、子育て世代に対する新規事業の周知と心身面の負担軽減についてでありますが、新規事業の周知につきましては、市報やホームページ、チラシ等による従来からの周知方法に加え、今年度からは子育て支援アプリを導入し、子育て世代において普及率の高いスマートフォンやタブレット端末により、新規事業の周知を図ってまいります。 また、同世代の心身面の負担軽減につきましては、子育て世代を包括的に支援できるよう、切れ目のない相談支援や様々な機会を通じた情報提供等の充実を図るとともに、ささえあいセンター内に子育て世代包括支援センターを新たに設置し、不安や課題を抱える親子を早期に把握し、継続した相談支援を行うことができる体制の強化に努めてまいります。 次に、保育士確保支援事業の概要と実績についてでありますが、保育士確保支援事業は市内の私立保育所等に新たに勤務する保育士に対し、就労支援金及び資格取得支援金を助成するものであり、市内に住所を有し、市内の私立保育所等に雇用期間の定めのない保育士として2年以上継続して勤務することなどを要件としております。 助成額につきましては、就労支援金として就労時10万円、勤続1年経過後10万円の合計20万円、市外から転入された方には就労時20万円、勤続1年経過後10万円の合計30万円を支給しており、保育士の資格取得支援金については最大10万円を支給しております。 実績につきましては、平成30年度は13人、昨年度は勤続1年経過後の保育士を含め20人が本制度を活用しております。今年度は、継続2年目の保育士を含め22人を目標人数とし、私立保育所等の保育士の安定した確保に努めてまいります。 次に、家庭教育学級開設事業の実績と周知方法並びに得られた成果についてでありますが、平成30年度の実績は、市内の小中学校、幼稚園、保育所等を合わせて81か所において、延べ160回の講座を開催しており、参加者の内訳といたしましては、保護者が5,782名、児童・生徒が4,457名で、合計1万239名の参加となっております。 周知方法につきましては、多くの保護者に興味や関心を寄せていただくため、「家庭教育学級だより」の発行や学校だよりへの掲載及びPTAの会合等を通して、広く周知を図っております。 事業実施により得られた成果といたしましては、参加者からは「講話を聴くことで、子育ての悩みにどのように取り組むべきか参考となった」、「子供と一緒にゲームを楽しみながら、食育について学ぶことができた」などの感想が寄せられており、講座に参加することで家庭教育のヒントを得ることができたとうかがえることから、本事業が家庭教育の学びの場、学びの機会となり、家庭教育に対する理解を深める効果が現れていると考えております。 次に、特別支援教育支援員と学校司書の配置、拡充策、目標についてでありますが、特別支援教育支援員につきましては、特別な支援を必要とする児童・生徒に十分な対応をするため、当面の間、毎年3名ずつ増員する計画を立てております。 配置につきましては、児童・生徒の教育環境を十分に考慮した上で配置しております。学校全体で学習面や行動面で何らかの困難を示す児童・生徒を含む全ての児童・生徒が理解しやすいよう配慮した授業等、指導方法の工夫を進めてまいります。学校司書の配置につきましては、平成28年度から段階的に配置を行い、今年度は小学校29校、中学校10校の計39校へ、昨年度より2名増員し、14名の学校司書を配置する予定としており、小学校全校への配置を進めてまいります。 次に、教員の指導向上のための具体的な取組と研修会の実施ペースについてでありますが、教育委員会では、教員の指導向上のための具体的な取組として、大学教授を招き、学ぶ土台となる「学級づくり」、児童・生徒同士や教師と児童・生徒との「人間関係づくり」、そして、教師の「児童生徒理解」を基礎とした研修会を実施しております。研修会の実施ペースにつきましては、年間14回の研修会を実施しておりますが、定期的な開催ではなく、5月から2月まで行っております。また、各小中学校では、この研修会を受けて校内研修のテーマを決め、実践に取り組んでおります。 次に、コミュニティ・スクールの導入状況と今後の計画についてでありますが、昨年度、貞山小学校と青葉中学校の2校を導入モデル校に指定し準備を進めており、本年4月より導入となります。今年度は、新たに8校を導入モデル校に指定し、令和3年4月の導入を目指してまいります。その後につきましては、先行導入校の実施状況を共有しながら順次導入を進め、令和6年度には全ての学校への導入を目指してまいります。 5つの重点施策のうち、市民の健康づくりについてお答えいたします。まず、本市の健康寿命の推移についてでありますが、日常生活が制限されずに暮らせる期間の平均を健康寿命としたデータで見ますと、平成28年の本市の男性の健康寿命は78.99歳、女性については84.05歳となっております。男性はここ5年間でほぼ横ばいであり、女性は5年間で2年延伸している状況にあります。全国や宮城県と比較しますと、女性は全国及び宮城県とほぼ同水準にありますが、男性は全国及び宮城県よりも健康寿命が短くなっておりますので、今後もより一層市民の健康寿命の延伸に向けた取組を推進してまいります。 次に、保健指導による重症化予防の具体例についてでありますが、特定健診の結果に応じた特定保健指導のみならず、血圧や血糖、腎機能検査などから、生活習慣病の重症化リスクの高い方を対象に重症化予防事業を実施しております。重症化予防には、早期の医療機関受診や生活習慣の改善が重要であることから、対象者の方への面談、家庭訪問等による結果説明や生活習慣改善の提案等を行っております。また、人工透析の原因となる慢性腎臓病や糖尿病性腎症の重症化予防を目的に、かかりつけ医や専門医への早期受診勧奨と保健指導を自治体で行う医療機関と地域保健の連携システム事業を石巻圏域2市1町で実施しており、今後も医師会、保健所等の協力を頂きながら、効果的な取組の実施に努めてまいります。 次に、こころと体の健康増進の具体例と今後の対策及び健康レベルの向上についてでありますが、まずこころと体の健康増進につきましては、正しい知識や情報を周知し、地域ぐるみで市民の健康づくりを推進しております。具体的な体の健康増進への取組といたしましては、各地区でウオーキング教室や運動教室等を開催し、地域のウオーキングマップを作成するなど、市民が健康増進に取り組む機会を提供しているほか、家庭血圧測定の重要性を伝えながら、生活習慣病予防について啓発しております。心の健康につきましては、メンタルヘルス講演会や聴き上手養成講座等の事業を実施し、一般市民の方々が心のサインにいち早く気づき、対応いただけるよう取り組んでおります。今後も、こころと体の健康増進事業を推進し、市民の健康レベルの向上に取り組んでまいります。 次に、地域包括ケアに対する考え方についてでありますが、本市においては、高齢者に限らず、子供や障害者等も対象とした次世代型地域包括ケアを目指しているところであります。地域包括ケアは、地域コミュニティーによる生活支援などを基本として、医療・介護連携による専門職のケアを提供することで、市民が地域で安心して暮らせることを目指すものです。今後は、多機関とのネットワーク構築による連携や協働を進め、断らない相談支援やアウトリーチにより包括的な相談支援を進めてまいります。 5つの重点施策のうち、絆と協働の共鳴社会づくりについてお答えいたします。まず、復興応援隊の取組と活用についてでありますが、今年度は石巻中央地区、雄勝地区、北上地区の3地区において、被災地の持続可能な地域コミュニティーの構築を目指し、マンパワー不足の解消や地域の将来を担う人材の育成と住民主体の地域活動を促進するため、その活動を支援する取組を行うこととしております。各地区においては、これまで地域コミュニティー紙の発行及び地域おこしイベントへの補助、まちづくり構想への提案や事業実施のサポートなど、幅広く活動を展開しており、今後はこれまで培われてきたまちづくりのノウハウと成果を活用し、地域主体の活動へと移行できるよう検討してまいります。 次に、地域活動サポート事業の具体的な内容についてでありますが、良好な地域社会をつくるために自治会の存在は大変重要だと認識しておりますことから、居住人数の減少などにより活動継続が困難になっている自治会や復興公営住宅の入居者が加入していない自治会などに対し、課題の解決に向けた調整業務を委託事業として行うことで、自治会の機能を強化し、継続した活動を行えるよう支援するものです。今年度については、区域内に復興公営住宅が整備された自治会の中から対象自治会を選定し、事業を実施してまいります。 次に、地域自治システムを全地区に立ち上げる具体策についてでありますが、住民アンケート調査を実施するなど、住民の地域に対する考えを把握しながら、地域が抱える課題を抽出し、地域が解決できる住みよいまちづくりを目指し、地域とともに組織化に向け、意識の醸成を図ってきたところであり、しかしながら地区の運営母体となる協議会の設立は、設立予定の北上地区を含め4地区にとどまっておりますことから、これまで以上に地域との関わりを深め、具体的な課題解決の手法や組織化の事例の提示などの積極的な支援を行ってまいります。今年度は、残りの重点地区の着手を始め、一つでも多くの地区において協議会または準備組織が立ち上がるよう取り組んでまいります。 次に、協働推進人材育成事業の実績についてでありますが、昨年度は子供支援や移動支援など5つの市民公益活動団体に各1名、計5名の本市職員を派遣いたしました。事業内容につきましては、NPO等についての基礎知識を学ぶ事前研修に続き、昨年10月から本年1月までの間に各団体へ職員を計5日間派遣し、実際の活動を体験させ、実施報告会においては所属長や各団体が派遣職員の活動体験を共有し、協働の必要性について認識を深める場となりました。本事業につきましては、協働のまちづくりを進めるに当たり、市職員の協働推進の意識向上に有効な方策と考えますことから、本年度も引き続き実施してまいります。 次に、移住コンシェルジュの具体的な事業内容、実績や問合せについてでありますが、現在2名の相談員を配置し、移住希望者からの相談窓口として、居住や仕事に関しての問合せに対する情報提供や移住促進事業等の紹介を行っております。また、首都圏でのイベントを通した移住希望者との交流を積極的に図るほか、本市の魅力や地元事業者の職場を体験する移住体験ツアー等の企画により移住促進を図っており、平成28年度から現在まで37名が本市へ移住しております。 次に、移住支援金の具体的な事業内容についてでありますが、東京圏の一極集中や地方の中小企業等の担い手不足を是正することを目的として、昨年10月より宮城県と共同で移住支援金の支給を行っております。対象者の要件につきましては、東京23区の在住者または通勤者であること、さらには宮城県が指定した事業者に就業した方などが対象となっております。また、支援金額は世帯移住者に100万円、単身移住者に60万円を支給するものでございます。 現在、移住支援金登録申請事業者は本市内の23社を含め県全体で228社ありますが、移住支援金の申請者は県全体で5件にとどまっている現状でございます。昨年12月に宮城県において対象者の要件緩和が行われており、本市といたしましてはより多くの方が支援金を活用できるようPRに努め、移住定住事業の促進を図ってまいります。 次に、地域おこし協力隊の事業実績と復興応援隊とのマッチング等の考え方についてでありますが、地域おこし協力隊につきましては、平成29年度より地域外の人材を積極的に受け入れ、その定住、定着を図っております。現在5事業者、5名の隊員が任期3年間の期限で活躍されております。また、復興応援隊とのマッチング等の考え方につきましては、今年度末に復興応援隊の任期が終了する際に、これまでの事業内容を検証した上で、人材の活用手法について検討してまいります。 次に、休憩施設等を利活用した交流人口の拡大策についてでありますが、古くから川湊として栄えてきた本市にとって、旧北上川の水辺環境や景観はまちづくりの原点であることから、集い、憩い、学ぶことができる交流の場とすべく、各地区の意見を取り入れた休憩施設等を整備してまいります。整備後は、地域の方々が水辺空間に親しみを持って利活用するほか、本市を訪れた方々との交流の場となることで、交流人口の拡大につながるものと考えております。 次に、旧大川小学校、旧門脇小学校の震災遺構の整備についてでありますが、地区住民への説明責任につきましては、これまで基本設計における住民説明会や震災遺構に関する意見交換会などを開催し、地区住民に対する説明を行ってきたところであります。 また、今後の当該遺構の推進体制につきましては、東日本大震災の事実と教訓を永続的に伝承するため、既に市内で伝承活動をされている団体との連携や語り部の育成に向けた検討、さらには青森・岩手・宮城・福島の被災4県にある震災遺構や伝承施設を結ぶ3.11伝承ロードとの連携強化により推進体制を検討してまいります。 ◆22番(阿部欽一郎議員) ありがとうございました。 次に、大綱3、予算編成について伺います。 ①、昨年12月に財政収支見通しが市議会へ示されました。その説明では、令和2年度一般会計の予算額は1,926億7,000万円でした。それから僅か2か月後、今回の施政方針では1,952億円になりました。2か月で25億3,000万円増額となりました。その理由について、なぜたった2か月のうちに25億3,000万円も増額になったのか、その内容について、また令和3年度の一般会計の予算額は昨年12月に示された758億円でよいのか、併せて伺います。 ②、予算編成に当たっての方針の中で、大川小学校の遺族の方に支払う20億5,650万円問題、県に支払う年間2億円の問題は一切触れられておりません。市民の中には、市民要望が実現できない理由に必ず「市は、大川小学校問題で20億円という大金を払うので、こちらまで手が回らないのだ」という意見が多く出ております。市民の皆さんがそう思われる以上に、職員も口には出しませんが、多くの職員が危惧されていると思います。改めて所見を伺います。 ③、新たな公共施設の維持管理費の増加が見込まれる見通しを示されておりますが、新たな公共施設を建設する際には、事前に維持管理を想定されて着手されたと思います。市民が外から見た場合、防災センターや歩行者デッキなど、本当に必要だったのか、疑問視されている施設もあります。市役所内部でどのように検討がなされ、維持管理費の増加をカバーするために歳出抑制や収入源のアップをどのようにされるのか、その具体策について伺います。 ④、安定かつ持続可能な財政運営に努めるとのことですが、震災前の一般会計は約600億円であると言われております。昨年12月に示された財政見通しでは、令和3年度の見込み額は758億円であります。単純計算で158億円上回ることとなり、扶助費や人件費、施設管理費などの増加が見込まれ、大変心配です。市長の任期中に令和3年度以降の財政見通しをいち早く公表して、だから安定かつ持続可能な財政運営なのであると市民を安心させるべきだと思います。特に大川小学校問題で、知事のコメントを読んだ多くの市民から「石巻市は、財政的に大変なんだ」と心配する声が寄せられております。その心配を払拭する意味でも、いち早く公表すべきだと思いますが、所見を伺います。 ⑤、復興期間の10年間は、市民生活において「復興のためなら少々のことは我慢しよう」という 市民の理解の下、被災が少なかった地域の課題は後回しになった感は否めません。復興期間が終了し、今度は被災が少なかった地域の課題にも目を向けてほしいとの声がよく聞かれます。復興期間の最終年、地域の均衡ある発展のためにどのように取り組まれるのか、所見を伺います。 ⑥、施政方針では、これまでの行財政改革の評価、今後の行財政改革の具体的なものが示されておりません。これまでの行財政改革の評価、今後の行財政改革について、併せて安定かつ持続可能な財政運営の確約を含め、所見を伺います。 ◎亀山紘市長 それでは、予算編成についてお答えいたします。 まず、一般会計の予算額の所見についてでありますが、一般会計の予算額につきましては復興期間の最終年度ということで、各種復興事業の完遂を目標に復興事業予算をほぼ全額計上する一方、通常予算につきましては復興期間終了後の財政運営を見据え、前年度決算額を基準に、歳入予算に見合った歳出予算への転換に向けた予算編成としたところであります。 次に、大川小学校訴訟に関する賠償金約20億円の対策と影響についてでありますが、今年度から10年間にわたる宮城県に対する償還金は一般財源でありますことから、特殊財政事情として特別交付税の交付を要望申請するなどし、可能な限り予算編成に影響が出ないよう努めてまいります。 次に、歳出抑制、歳入増加の具体策についてでありますが、歳出の抑制策につきましては決算実績に基づく予算編成を徹底するとともに、新電力の導入による経費節減や、公共施設の統廃合などによる管理運営の効率化を進めてまいります。歳入の増加策につきましては、行財政運営プランに掲げたふるさと納税の推進や新たな市税納入方法の検討のほか、企業誘致の推進など、税収確保につながる施策を実施してまいります。 次に、来年度以降の財政見通しの早急な公表についてでありますが、財政収支見通しには正確性が必要であり、歳出面は直近の決算資料及び総合計画実施計画の裁定内容を基に作成しているところであります。また、歳入面は直近の市税の課税状況や地方交付税の動向を踏まえ作成しており、今後とも精度の高い財政収支見通しの作成に努めてまいります。 次に、被災地優先から被災が少なかった地区にも目を向け、財政配分を検討することについてでありますが、今後新しい総合計画策定の中で、地域それぞれの均衡ある発展に向けた施策が検討されることから、財政配分につきましては総合計画実施計画での位置づけも含め、地域の均衡に配慮してまいります。 次に、今後の行財政改革及び安定かつ持続可能な財政運営の確約についてでありますが、現行の行財政運営プランの計画期間は平成27年度から令和2年度までとなっております。しかしながら、令和3年度以降も人口減少などの影響により、市税や地方交付税などの歳入環境はさらに厳しさを増すものと考えております。また、歳出面においては再建する公共施設の維持管理経費などの増加が見込まれることから、今後はさらに厳しい財政運営を強いられるものと想定されます。そのため、限られた行財政資源を有効に活用し、持続可能な行財政運営の実現に向け、令和3年度以降の期間を対象とした新たな行財政改革を推進するプランを今年度中に策定することとしております。 財政運営につきましては、市民が安心して暮らすことのできる財政運営を第一義に考え、今年度当初予算は通常予算において歳入予算に見合った歳出予算を編成しており、今後も安定かつ持続可能な財政運営を基本とした予算編成に努めてまいります。 ◆22番(阿部欽一郎議員) 次に、大綱4、復興完結にかける思いについてであります。 亀山市長の3期目の任期も残すところ1年。思い返せば、大学教授から合併後第2代石巻市長に就任したのが平成21年4月29日のことでした。それから僅か2年足らずの平成23年3月11日午後2時46分、東日本大震災が発生しました。地震の規模はマグニチュード9.0、最大震度7が栗原市築館で記録されました。1995年の阪神・淡路大震災、2004年の新潟県中越地震以来、観測史上3回目である。マグニチュード9.0は、1923年、関東大地震を上回る日本観測史上最大であるとともに、世界でもスマトラ沖地震(2004年)以来の規模で、4番目に大きな超巨大地震であった。地震動とそれに伴う津波は、最大で海岸から6キロメートル内陸まで浸水、津波の高さが8メートルから9メートルに達し、最大遡上高40.1メートルを大船渡市で記録するなど、東北から関東にかけての東日本一帯に甚大な被害をもたらしました。 私は、発生から5日目に、網地島からどうにか石巻工業港にたどり着きました。周辺を警戒していた警官に「ここに船は置くな」と注意されましが、ごりを押して上陸。歩きながら、そのあまりに変わり果てた市内の様子に知らず知らずに涙が流れました。ふるさとが消えた、その思いをどうすることもできませんでした。 旧市立病院まで来ると、玄関口に大型のワンボックスカーの車体が半分突っ込む形で見え、その先の道路が寸断されていました。瓦礫の山をどうにか乗り越え、市街地の中央に行くと、何隻かの船が道路を塞ぎ、内海橋にはレジャーボートが乗り上げていました。消滅した市街地に唖然として言葉はなく、絶望感が全身を覆っていたことを思い出します。 ただ、行き交う人々に対しては不思議と親しみを感じ、互いに見ず知らずでありながら、どちらからともなく自然と激励やねぎらいの言葉を掛け合ったことを覚えています。1,000年に1度と言われた大震災を生かされた者同士が相哀れむ、同類、仲間といった無意識がより親近感を抱かせたのかもしれません。発災直後しばらくは、他人を思いやる気持ちが人々には確かにありました。 間もなく9回目の慰霊の日がやって来ます。震災によりかけがえのない多くの命が失われ、今なお哀惜の念に堪えないところであります。震災の大きな犠牲の上に得られた教訓を風化させることなく、相次ぐ自然災害の教訓を生かして、防災・減災、そして国土の強靭化を進め、一度は消滅したふるさとを新たにつくり上げつつあります。 3期12年、うち10年間を震災の復旧、復興に携わることとなる亀山市長にとって、生まれ故郷の再生はある意味巡り合わせであったのかもしれません。悔いの残らない復興完結にかける熱い思いについて伺います。 ◎亀山紘市長 それでは、復興完結にかける思いについてお答えいたします。 施政方針で申し上げたとおり、今年度は復興の総仕上げと復興期間後の取組を見据えた重要な年となります。私は、震災からの復興に向け、これまで全力で走り続けてまいりました。平たんな道のりではなく、道を切り開き、走り出すと大きな壁がある、その繰り返しでありました。しかし、これまで幾度も大きな壁に直面しても、そのたびに議員の皆様をはじめ、市民の皆様からの心強い力添えがあり、乗り越えることができました。 復興完結というゴールに向け、ここからが正念場であります。最大の被災地石巻市の復興完結は私の使命でありますので、私がこれまで培ってきた経験を生かし、勇気と知恵を振り絞り、骨身を惜しまず、必ず復興事業を完結させ、市民の暮らしと生きがい、地域を共につくっていく新しい石巻市の姿を思い描ける1年となるよう、各種施策に取り組んでまいります。ありがとうございました。 ◆22番(阿部欽一郎議員) 本市の震災復興基本計画の最終年度に込められた各種施策について質疑をさせていただきましたが、おおむね誠意ある回答を頂いたと評価いたします。 なお、細部にわたる質疑並びに事業等につきましては、後日一般質問の場で同僚議員に託したいと思います。 最後になりますが、この3月で退職されます職員の皆様、長い間本当に御苦労さまでした。あの震災から間もなく9年目を迎えますが、復興にかける皆様の英知結集があって、画竜点睛の完成も目前であります。どのような境遇立場にあろうとも、皆さんは間違いなく大変な時期を身を粉にしてふるさと再生に貢献された方々であります。これからも皆さんが長年培われてきた経験、知識を生かして、新生石巻市のために、それぞれの立場で御尽力いただきますよう切に願い、私の質疑を終わります。ありがとうございました。 ○議長(木村忠良議員) 以上で22番阿部欽一郎議員の質疑を終わります。暫時休憩いたします。   午後0時00分休憩                                             午後1時10分開議 ○議長(木村忠良議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。26番山口荘一郎議員の質疑を許します。26番。   〔26番山口荘一郎議員登壇〕 ◆26番(山口荘一郎議員) ただいま議長のお許しを頂きましたので、会派創生会を代表し、石巻市令和2年度施政方針に対する会派代表質疑を始めます。 東日本大震災の発生から9年近くもの時が経過しようとしています。時の流れは、過ぎ去れば早く、待ち遠しければ遅く、常に止まることなく流れ続けるという唯一のルールの中で、人は皆、震災後の9年間、それぞれに与えられた、考えるという使命と向き合ってまいりました。 令和最初の新春を迎え、復興五輪の準備とともに華々しく時が進むと思いきや、新型コロナウイルスへの対応に、我々は考える時間を費やしています。経営学者ピーター・ドラッカーは、大抵の経営者が時間の大半を昨日の諸問題に費やしていると語る一方で、未来は予測できないが、予測するのに最善の方法は未来をつくることとも言っています。復興基本計画最終年度に向けて、昨日までの諸問題、復興の未解決課題に費やす時間も多くなっていますが、未来をつくるためには今議論していくことが重要、この観点を持ちながら質疑を進めてまいります。 会派議員おのおのの思いから質疑をつくり上げ、相当なボリュームとなっておりますけれども、午前中の議論と重複する点は特に簡潔明瞭に答弁くださいますようお願いし、質疑を始めます。 それでは、大綱1点目、震災復興基本計画最終年度に当たっての基本姿勢について、8項目お伺いします。 1点目は、住まいの再建についてです。施政方針で市長が話すとおり、住まいの再建事業を全て終えられたことに一定の評価をしております。しかしながら、昨年の台風第19号においては、津波冠水を踏まえて再建されたはずの復興土地区画整理事業地内においても雨水冠水が発生したことは、大変遺憾であります。この点について、市長はどのように受け止めているのかお伺いします。 2点目は、復興施策の積み残しについてです。言うまでもなく、令和2年度は震災復興基本計画の最終年度ですので、施政方針において、今年を復興の総仕上げと復興期間後の取組を見据えた重要な年と位置づけることに異論はありません。しかしながら、実際には基本計画策定当初に見据えた10年後の姿との乖離も見えます。復興の積み残しや新たな課題についてはどのように把握していくのかお伺いします。 3点目は、半島沿岸部の復興についてです。施政方針において、市長は半島沿岸部の事業進捗が形となって現れた1年と、プラスで評価しておりますが、現実的には復興はまだまだであると受け止めております。半島部の復興の遅れを取り戻すべく、半島復興事業を立ち上げた経過にありますが、現時点での半島部の復興状況の評価を伺うとともに、今後の見通しについて伺います。 また、半島沿岸部拠点エリアの施設維持費及び利用者の獲得は喫緊の課題であると考えますが、どのように取り組むのかお伺いします。最初にインパクトを与えるようなオープニング、アピールが重要だというふうに考えておりますが、おしかホエールランド、雄勝硯伝統産業会館のオープニングセレモニーをどのように行うのか伺います。 4点目は、石巻駅周辺地区津波復興拠点整備事業についてです。にぎわい交流広場、ささえあいセンターの整備完了をもって事業が全て完了することとなりますが、この事業の目的はハード整備ではなく、復興拠点としていかに活用できるかという点にあると考えます。市はどのように活用するのか伺います。 5点目は、石巻市複合文化施設についてです。令和2年度末のオープンに向けて整備を進めていくと示されました。オープニング行事や集客スポットとしての呼び込み施策の準備状況について伺います。 6点目は、被災者の心身のケアについてです。複合的課題に対する包括的な相談体制の構築を図るとのことですが、具体的な体制整備について伺います。 7点目は、SDGsへの取組についてです。第2次石巻市総合計画においてSDGsの視点を取り入れるとのことですが、地球規模の気候変動によって、石巻市の特産とも言える魚や農産物の収穫量が減少するという現実的な危機感を持つことも大切だというふうに考えます。食材王国石巻、これを守る視点からも生物多様性保全の戦略を策定する必要性について伺います。 8点目は、行政改革についてです。財政運営については、人口減少の影響による歳入減少、扶助費等の社会保障費や公共施設維持管理費の増加など、厳しい見込みが示されました。公共施設の削減や組織のスリム化など、掛け声だけではない取組が必要だというふうに考えますが、行政改革の基本的な考え方と具体的な手法を伺い、ひとまずの質疑といたします。   〔亀山紘市長登壇〕 ◎亀山紘市長 ただいまの御質疑にお答えいたします。 初めに、震災復興基本計画最終年度に当たっての基本姿勢についてお答えいたします。まず、住まいの再建についてでありますが、昨年の台風第19号の大雨により、再建後の土地区画整理事業地内で冠水が発生し、市民の皆様に大きな不安をもたらす事態となってしまったことを重大な問題として受け止めております。今回の浸水被害を教訓に、日常点検の徹底等はもとより、台風等の大雨が予想される場合にはパッケージポンプの設置や仮設ポンプの追加設置など排水能力を増強し、冠水対策を強化してまいります。 次に、復興施策の積み残しについてでありますが、次期総合計画の策定を進める中で、現行の総合計画並びに震災復興基本計画に基づき実施している施策の成果及び積み残し課題について、特定分野の事項を調査、検討するため、庁内に設置した6つの専門部会において評価、検証を行っております。引き続き対応が必要な施策やよりきめ細かに対応しなければならない課題については、次期総合計画へ位置づけ対応してまいります。 次に、半島沿岸部の復興についてでありますが、半島復興事業につきましては、現時点での評価といたしましては、半島復興事業部の立ち上げにより、ふくそうする事業間調整を一体的に行うなど、半島沿岸部の復興事業の進捗を図ることができたものと考えております。今後とも関係機関との事業調整を進め、非常に厳しいスケジュールではありますが、今年度末までの完了を目指し、事業の推進を図ってまいります。 次に、半島沿岸部拠点エリアの展望につきましては、各地域内の施設の効率的な管理運営を行うことにより維持費を抑制していくとともに、地元の方々と協力し、地域の特色を生かしたイベントの開催や利用者ニーズに即応した体験活動など魅力ある企画を行い、年間を通して多くの皆様に来場していただけるよう、効率的で効果的な運営を図ってまいります。 また、イメージ戦略としてオープニングセレモニーをどのように行うのかについては、地元関係者の方々と十分な協議を行い、より多くの皆様に来場していただけるよう、各地域独特のイベント等を企画し、にぎわいのあるスタートにしたいと考えております。 次に、石巻駅周辺地区津波復興拠点整備事業についてでありますが、東日本大震災の教訓を踏まえ、市民の命を守る災害に強いまちとして再生するために、市役所庁舎を核とした強靱な防災拠点を構築し、災害時における司令塔としての役割を迅速に発動できる環境を整備したものであります。災害時において、防災センターは災害対策の司令塔として、ささえあいセンターは福祉避難所として、にぎわい交流広場は避難生活支援のための活動拠点として、歩行者デッキは発災直後の避難路及び避難場所としての機能を発揮いたします。一方、平常時において、防災センターは防災体制の強化や防災教育の推進の場として、ささえあいセンターは医療や福祉、介護の総合的な相談窓口となる地域包括ケアの拠点として、にぎわい交流広場は憩いと安らぎの空間として、歩行者デッキは市役所周辺の人と車を分離した安全な移動空間として活用してまいります。 次に、石巻市複合文化施設についてでありますが、オープニング行事や呼び込み施策の準備状況につきましては、単にこけら落としを実施して終わるのではなく、一定期間を通して開館を祝い、質の高い芸術文化の提供により、市民の参加意欲の高揚を図ることとしており、今年度からプレイベントを開催し、オープニングにつなげたいと考えております。 オープニング行事については、音楽コンサートや演劇、伝統芸能などを企画するとともに、復興支援等でつながりを持つ多くの皆様からも複合文化施設で公演したいとの申出を受けておりますことから、バランス等も考慮しながら、開催時期について検討してまいります。 また、呼び込み施策につきましても、ホームページやSNSなどのインターネットを活用した情報発信、新聞、情報誌等広報媒体への情報提供などの広報宣伝のほか、イベントの興行主等への営業活動、イベントを軸とした新たな観光の提案などについても今後検討してまいります。 次に、被災者の身心のケアについてでありますが、複合的課題に対する包括的な相談支援体制の構築における具体的体制整備につきましては、昨年10月から福祉まるごと相談として、断らない相談をモットーとする相談支援を進めており、引き続き多機関のネットワーク構築等による包括的な相談支援体制を充実してまいります。具体的には、個別課題に対応するための検討会議や横断的連携を図るためのネットワーク会議の開催により、多機関の連携や協働による体制構築を図るほか、個別支援に当たってはアウトリーチを重視した取組を進めてまいります。また、包括的な相談支援のための人的体制については、複合的課題に対応できる専従の相談支援包括化推進員の配置や、保健師、社会福祉士等による体制整備を図ってまいります。 次に、SDGsへの取組についてでありますが、生物多様性の包括的な保全が世界的に重視される中、地球規模の気候変動が生物多様性に与える影響についても看過できない状況にあると考えております。今後、本市の海、山、川など多様な自然からの恵みの保全と、持続可能な資源利用に向けた措置も必要と考えていることから、本市における生物多様性の基本となる取組方針を示すため、石巻市生物多様性地域戦略の策定を進めているところであります。 次に、行政改革についてでありますが、平成26年度に策定した行財政運営プランに基づき、歳入面においては、安定的な歳入の確保を図ることとし、市税等の滞納対策の強化や各種使用料等の収納率の向上、ネーミングライツの導入、ふるさと納税の推進などに取り組んでまいります。 一方、歳出面においては、平成27年度に策定した公共施設等総合管理計画に基づき、公共施設全体の面積や維持管理経費の削減に努めることとし、市の財政状況や人口推計等を考慮しながら、施設の現状や必要性を十分に検討した上で、不要な施設については廃止や転用等を随時検討するほか、新たな施設整備を行う際は複合的な施設の建設を検討してまいります。 また、組織に関しては簡素で効率的な組織体制を確立していくこととし、今後復旧・復興事業の完了の見通しがついた事業に関係する部または課の統廃合などに取り組んでまいります。
    ◆26番(山口荘一郎議員) それでは、再質疑いたします。 過日開催されました議会運営委員会の中で、令和2年度の当初予算は復興基本計画の最終年度だからか、工事に関わる復興の関連事業予算、全て計上していますというのは説明がありました。期間内に全ての工事を仕上げるという強い思い、意気込みは感じるのですけれども、例えばこれまでの七窪蛇田線のように、工期は大丈夫なのかと心配され続けながら、実際に蓋を開けてみると、突然3年間工期が一気に延長になったというような事例もあるのです。 ですから、完成したはずの市街地で雨水冠水が起こったり、そういった部分もあったり、あとははたから見ると遅れていると思われる下水道の整備事業の工期については、机の上での管理だけではなくて、実際の現状を見極めて情報を発信する、こういった時期ではないかというふうに思いますけれども、市長の考えをお伺いしたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 今議員御指摘のように、特に下水道事業、いわゆる雨水対策事業については遅れが出ているというふうに考えております。令和2年度の復興・創生期間にとにかく完成させるという意気込みを持って事業展開していきたいというふうに考えておりますけれども、ある程度の段階で、その辺の事業の見直しといいますか、事業の完成時期については、やはり市民の皆さん、議会に示していくことが必要であるというふうに考えております。 ◆26番(山口荘一郎議員) ある雨水排水区の工事なんかは、まだ工事の進捗率が数%、1桁台というところがあります。そんな中で、工期が来年の3月に終わるかというと、それまでに頑張ると言い続けるのは無理があるタイミングが間もなく来ているのだろうというふうに思いますから、しっかりと情報発信をお願いしたいというふうに思っています。 さらに、冠水対策ですね。パッケージポンプ車をいち早く予算を取ったということは評価をしたいというふうに思っていますけれども、市民からは、移動可能なポンプ車だからこそか、臨機応変で万能だという過剰な期待を背負い過ぎる、このことも危惧しています。広範囲の被害になればなるほど、パッケージポンプ車では不足するという現実は目に見えていますので、今言ったような雨水排水対策工事、これが本丸でしょうから、この工事をしっかりと工程管理して、着実な進行を求めたいというふうに思っておりますし、雨水冠水の対策は、これは限界を決めつけずに矢継ぎ早に対策を取っていく、こういった基本姿勢を求めたいというふうに思いますが、再度答弁をお願いします。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 今回の台風第19号に伴う大雨の被害については、被災については、本当にこれは申し訳ないというふうに思っております。私どもとしては、もうこのような大雨が想定外というようなことは言うわけにはいかないというふうに思っておりますので、やはり事前の対策をしっかり進めていかなければならないと。 パッケージポンプについては、機能性があるということでもあるのですけれども、ある程度その辺の取組は、前もってやはりどういった場合にどうするかというようなマニュアルのようなものを作っておく必要があるのではないかというふうに考えております。また、今後の大雨についても予想できないほどの雨量になる可能性もありますので、国の国土強靱化を見据えた上で、さらに体制を高めていきたいと考えております。 ◆26番(山口荘一郎議員) 先日の庁議では、東日本大震災との二重被災に対する見舞金の関係なども確認をされたようです。被災者に寄り添う姿勢というのも大切なので、それを評価するとともに、できるだけ被災者を再び発生させないような観点というのを大切にしてほしいというふうに思っております。 続きまして、大綱2点目、安心して暮らせるまちづくりについて、5点伺います。 第1点目は、コンパクトなまちづくりについてです。市長の施策の中心でもあるコンパクトシティですが、広大な面積を誇る石巻市の中でコンパクトシティを形成するには、公共交通ネットワークの充実と表裏一体でなければならないというふうに考えております。施政方針で言及されました地域の実情も勘案した移動手段の構築とはどのようなものなのか伺うとともに、付録として配付されました施政方針重点事業一覧には、それに見合った施策が入っていないのはなぜか伺います。 あわせて、利便性の向上を図るとも言及されましたが、これまでも議論のありました利便性に関する議論のうち、①として公共交通による旧町から中心部までの時間短縮と料金及び隣接町、とりわけ南三陸町での公共交通事業との連携について、②として1世帯で2人以上の通学生徒を持つ家庭への負担軽減策について、対策の検討状況を伺います。 2点目は、排水不良対策についてです。施政方針冒頭では、残された復興事業の完遂に向け、総力を結集して初志貫徹の思いで取り組むとの姿勢を示されましたが、工事の進捗が芳しくないと思われる排水不良対策についても期間内に完遂できる見込みでよいのか伺います。 また、半島沿岸部の地盤かさ上げ等についても言及されましたが、その進捗状況についても伺います。 3点目は、災害に強いまちづくりについてです。施政方針の中で、近年頻発する台風等による自然災害にも対応する基盤整備と組織体制の充実強化が求められていると見解を示されました。そういった意味では、急傾斜地崩壊危険区域への対策が喫緊の課題であることは言うまでもありませんが、国の基準が厳し過ぎるために、個人での対応には限界が生じているという現実があります。事業を実施する宮城県との調整状況や国への要望状況を伺うとともに、土地改良区との協力、連携が図られているのかお伺いします。 4点目は、災害時の情報連絡体制についてです。災害時にも明かりと情報が途切れない安全・安心なまちづくりを実現していくと改めて示されましたが、防災行政無線の難聴地域解消の状況を伺うとともに、昨年の台風第19号で破綻が明らかになりました災害に強い情報連携システムを政策の中でどのように位置づけていくのかお伺いします。 また、ハード事業としてではなく、市側の情報発信体制の強化についてはどのように考えているのか伺います。 あわせて、関係機関や市民に対し迅速に情報提供を行うことで、自助、共助、公助の防災体制を強化するとも訴えられましたが、大雨の際の国土交通省排水ポンプ車の早期配置に向けてはどのように情報共有していくのか、また早期配置に関して国土交通省側との協議はなされているのかお伺いいたします。 最後、5点目は学校防災についてです。大川小学校訴訟の確定判決を踏まえて、研修を実施していくとのことですけれども、確定判決の中で、学校側は第三次避難場所とされる箇所にプレハブ小屋の設置や照明、情報機器などの設置を石巻市に求める義務があったと言及されていることを踏まえれば、児童の避難場所に係る環境整備についても先進的に取り組んでいく必要があるものと考えております。市は、どのように現場の要望を集約し整備していくのか伺い、大綱2点目の質疑といたします。 ◎亀山紘市長 安心して暮らせるまちづくりについてお答えいたします。 まず、コンパクトなまちづくりについてでありますが、公共交通施策につきましては、地域によって利用者の要望、利用状況が様々であることから、路線バス、住民バスに限定することなく、カーシェアリングの活用等、利便性の高い移動手段の構築を目指しております。 重点事業に公共交通に関する施策が入っていないことにつきましては、路線バス、住民バスのほかにどのような移動手段が活用できるか、または地域ニーズや財源確保などを検討しながら、後期交通戦略に包含できるように進めてまいります。 次に、地域住民の移動手段の確保についてでありますが、時間短縮と料金、連携につきましては、本市全体の利便性向上という面では、移動距離など大きな課題であると痛感しておりますので、乗り継ぎ時間の短縮、距離に応じた料金設定の在り方、協力金額の設定基準の見直し、さらには隣接町での公共交通事業との連携について研究してまいります。 負担軽減策につきましては、高校生の通学は県内1学区であり、仙台市をはじめ広いエリアに通学する生徒もおります。石巻圏域の通学においても、半島沿岸部や内陸部、中央部など様々な通学形態があることから、通学支援に当たっては公平性の確保や多額の財源の確保策などの課題の解決に向けて検討しております。 次に、排水不良対策についてでありますが、復興事業として雨水排水ポンプ場を11か所整備中であり、このうち3か所のポンプ場につきましては本年3月までに完成する見込みであり、残り8か所につきましても今年度内の完成を目指し、現在全力で取り組んでおります。 また、半島沿岸部の地盤かさ上げ等の進捗状況につきましては、漁業集落防災機能強化事業及び低平地整備事業の対象である68集落のうち、本年3月までに42集落が完成する見込みであり、残り26集落については今年度内の完成を目指しております。 次に、災害に強いまちづくりについてでありますが、急傾斜地崩壊危険区域への対策につきましては、急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づき、崖の所有者が自ら対策することが原則とされておりますが、施工が困難な場合については宮城県が所有者に代わって施設整備を実施いたしますことから、県に対しまして指定基準の緩和を働きかけるとともに、土地改良区をはじめとする各関係機関と連携して要望してまいります。 次に、災害時の情報連絡体制についてでありますが、情報発信につきましては、現在防災行政無線は屋外スピーカーを500基以上、屋内の戸別受信機を6,500台以上設置しておりますが、屋外スピーカーは暴風雨の際には聞こえにくいという御指摘を頂いており、完全な難聴解消には技術的な限界があると考えております。このことから、市民の皆様に対し、災害情報の取得については災害情報テレホンサービスや災害情報メール配信サービス等の複数方法で情報を取得するようお知らせしているところですが、さらに啓発を進めてまいります。 また、災害に強い情報連携システムについては、現在老朽化に伴い一部サービスが利用できない状況にあり、システム維持が難しいことから、台風第19号の対応で課題となった災害情報の収集機能を強化するため、AIを活用した新たなシステム導入に向けて調査研究を行っているところでございます。 情報発信体制の強化については、防災行政無線、メールほか、地元のFMコミュティ放送局の協力を頂きながら、防災ラジオにより同じタイミングで発信することで、市民の皆様に分かりやすくかつ確実に災害情報を伝達できるよう努めてまいります。 次に、関係機関との情報共有についてでありますが、国土交通省北上川下流河川事務所とは、本市の排水能力や排水状況について常に情報交換を行っておりますが、今後はさらに連絡を密にし、情報共有を図っていきたいと考えております。 早期配置の協議につきましては、事前準備の具体的な方法等について申入れした経緯があり、様々な協議の場において、排水ポンプ車の早期配置を要望しております。今後も北上川下流河川事務所に対し継続的に本市の状況を説明し、早期配置等の申入れを行っていきたいと考えております。 次に、学校防災についてでありますが、昨年12月5日付の文部科学省からの自然災害に対する学校防災体制の強化及び実践的な防災教育の推進についての依頼文書に基づき、本年1月10日に開催した定例園長・校長会において、学校設置者における取組として、園児、児童・生徒の安全確保を図る観点から、災害等により生ずる危険を防止するため、幼稚園及び学校からの改善の申出に対して、その内容を確認し、必要ならば設置者として適切な措置を講じさせていただくことを改めて説明したところであります。また、1月30日に開催した総合教育会議においても本件内容について議論し、意見交換を実施したところであります。今後につきましては、さらに関係部署と連携を密にしながら、幼稚園及び学校の要望に対し適切に対応してまいります。 ◆26番(山口荘一郎議員) それでは、大綱2について再質疑いたします。 コンパクトシティですけれども、「コンパクトシティ」という言葉がどうも「まちなか居住」という言葉で代用されていまして、知らないうちに町なかに住んでいる人のためだけの政策にしてはならないというふうに思っています。本市は、高台移転や復興公営住宅がところどころに震災を経て配置されるようになっておりますので、こういった行政の状況からすると、行政サービスこそ、財源の関係、財政の関係もあって集約すれども、ネットワーク、足の確保、この担保はこれまで以上の責務となっているというふうに思っておりますけれども、市長の考えをお伺いしたいと思います。 ◎亀山紘市長 コンパクトシティ化ということで、ともすれば議員御指摘のように中心市街地だけの取組というふうな捉え方をされるということは、これは本当に私どもとしては説明不足のところがあるのかなというふうに思っています。 私どもは、やはりこの震災を受けて、各地域に拠点をつくることによって、そこを拠点としてその地域の暮らし、生活を支えていくという考えでおります。それが機能するためには、やはりネットワーク化が絶対必要だというふうに思っております。特に移動手段の確保ということは喫緊の課題であり、私どもとしてはやはりSDGsが一つの取組の中心課題であるというふうに捉えて、これから取組をさせていただきたいと思います。 ◆26番(山口荘一郎議員) 独り暮らしの高齢者なんかにとっては、半島部であろうが町なかであっても、移動手段がないというのは、これは生命に関わることになりますから、公共ネットワークの確保、これは非常に重要な観点としてこれからも位置づけていただきたいというふうに思っております。 さらに、大綱2の関係でもう一点再質疑ですけれども、学校の防災関係です。学校の防災環境の整備については、これは市の財源での上限、キャップ、出せるところと出せないところというのは当然出てくると思うのですけれども、まずは一回これを度外視して、要望は全て掘り起こすということが必要だろうというふうに思っています。判決の文章、内容では、機器などの設置を石巻市に求める義務があったと学校側には言及されています。こういった義務があるからこそ、災害発生時の現場に、先生たちに責任を負わせないためにも、遠慮せずに、まずは市に環境整備に関する要望を全て挙げてもらうということが私は必要だというふうに思っています。その総量把握について、これは最低限私は進めるべきと考えますけれども、市長の見解をお伺いしたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 学校防災の在り方の中で、特に今回の文部科学省からの依頼文書によりましても、やはり施設設置者としての役割をしっかり果たしていかなければならないというふうに考えておりますので、今後教育委員会と連携をしながら、設置者としての防災に対する義務を果たしていきたいと考えております。 ◆26番(山口荘一郎議員) 災害発生時の児童・生徒の命を守るためには、どうしてもかかってしまうお金があるということはもう理解していただかなければならないというふうに思っています。その上で、総量をしっかり把握した上で、基礎自治体では足りないのであれば、新制度の設立であるとか補助率の変更などというのを、これは県と国に訴えていくということは必要だというふうに思っていますから、まずは総量把握、これに努めていただきたいというふうに思います。 続きまして、大綱3点目、産業振興と人づくりについて、9項目にわたり質疑いたします。 1点目は、地域の宝研究開発事業、いわゆるオリーブについてです。重点事業と位置づけ、推進体制の強化を図るということですけれども、これまでの実績と今後の課題についてお伺いするとともに、今後の民間参入の時期や試験栽培以降の樹木の扱いに関する方向性を伺います。 2点目は、企業立地による雇用拡大についてです。国・県の各種優遇制度も活用し、積極的に企業誘致を推進していくということですけれども、昨年策定した石巻市企業誘致推進計画の進捗状況と課題をお伺いします。 また、金融機関や産業支援機関等との連携により新規創業を促すようですが、どのように取り組むのか伺います。 あわせて、湊西、上釜南部及び下釜南部地区の基盤整備後の集積業種と誘致方針について伺います。 3点目は、持続的な海洋資源の確保と海洋環境の維持についてです。近年水揚げ量が大きく減少しており、原魚の確保は喫緊の課題となっております。持続的な海洋資源の確保を重点として示されましたが、その具体策についてお伺いします。 また、海洋環境の維持についても言及をされています。藻場の保全や漂流、漂着ごみの回収など、海洋環境の維持に対してどのように取り組むのかお伺いします。 4点目は、農林業従事者高齢化への対応についてです。高齢化への対策として施政方針で掲げられた農地の集積、集約化によって、既存の農業従事者の生産性向上効果は確かに期待できるものと理解しておりますが、従事者自体を増やすための取組や若手就農者の確保を狙った施策が望まれます。具体的には、担い手育成、独立就農、生産機材の導入、これらに関する支援の必要性について、市の見解をお伺いします。 また、農林業者高齢化への対応として森林環境の整備を促進するということですが、これについても農業と同様に既存の従事者が高齢になっても続けていけるような仕組みであり、従事者の拡大につなげる方策が望まれます。その取組内容と期待する効果についてお伺いします。 5点目は、企業との連携についてです。午前中も議論がありましたが、セルロースナノファイバーについては、これまでも議会答弁の中で幾度も登場しているキーワードとなっています。しかしながら、その取組が、残念ですが、見えない状況になっておりますので、市は改めて利活用の推進を図っていくと示されましたが、これまでの実績、成果、さらには今後の展望をお伺いします。 6点目は、担い手育成についてです。施政方針の中で「担い手」という単語が複数回繰り返し出ていることからも、本市はどの分野も人材不足であると言える一方、人材育成があまり上手ではない地域性なのかなと危惧しております。 そこで、産業分野で言及されたそれぞれの担い手育成について伺います。まずは、農業、漁業の担い手についてですが、魅力発信と就業機会の確保とはどのようなものなのでしょうか。 担い手センター等の活用により移住者等の支援を積極的に行うとのことですが、これまでの新規就農、新規就業者の実績、とりわけなぜ石巻市在住者ではなく移住者等の支援に力点を入れるのか伺います。 さらには、6次産業化の担い手についても取り組んでいくとされましたが、どのように取り組むのか伺います。 また、地域伝統産業の技術伝承と後継者育成については、雄勝硯に関する事業のみが重点事業となっておりますが、本市にはそのほかの伝統産業もあります。石巻市として、地域伝統産業の技術伝承と後継者育成へどのように関わっていくのかお伺いします。 7点目は、観光産業の振興についてです。施政方針で述べられた観光施策は、施設整備などハード事業に特化しております。観光のソフト施策の担い手として立ち上げられた石巻圏DMOの実績と今後の課題についてお伺いします。 8点目は、新型コロナウイルス対策についてです。本年4月に予定されていたダイヤモンド・プリンセスの寄港が予定どおり運航になるのかを質疑通告しておりましたが、通告後に4月の寄港は中止になるというような発表がありました。寄港予定はなくなったということの確認と、新型コロナウイルスの水際対策について伺います。 9点目は、インバウンド受入れ対策についてです。作成すると示されております多言語表記の案内板及び観光ガイドブックについては、何か国語での表記になるのかお伺いするとともに、観光ガイドブックをPRする際の相手先、対象と手法について伺い、大綱3点目の質疑といたします。 ◎亀山紘市長 産業振興と人づくりについてお答えいたします。 まず、地域の宝研究開発事業についてでありますが、震災後の集団移転元地を活用しながら新規産業を創出するため、北限の地と言われておりますオリーブ栽培の実証実験を行っております。昨年度の実績は、オリーブの果実を約105キログラム収穫し、整備した搾油施設で初めて約2キログラムのオイルを搾油しており、成分分析により高品質なオイルであることが判明しております。今後の課題については、果実の収穫量増加と、実証実験栽培から本格栽培へ切替え、民間事業者に栽培移行後の圃場造成費等の支援や未収益期間の経営基盤体制の構築であると考えております。今後の民間参入については、早期に実施したいと考えており、試験栽培以降の樹木の取扱いにつきましても、原則払下げにより参入事業者に引き継ぐ方向で検討しております。 次に、企業立地による雇用拡大についてでありますが、企業誘致につきましては、企業誘致推進計画の進捗状況ですが、県内外の企業に対し意向調査を実施し、それを基に企業訪問を実施しているほか、東京及び名古屋で開催されている企業立地セミナーに参加し、誘致活動に努めておりますが、3か年で12件の企業立地の目標に対し、現時点での実績は2件となっております。 課題といたしましては、本市には工業用水が整備されていないこと、強固な地盤の産業用地が少ないこと等が挙げられますが、これまでの企業訪問活動により、数社から本市への進出を前向きに検討いただいている状況でありますことから、継続して本市立地に向けた粘り強い企業誘致活動を展開してまいります。 金融機関や産業支援機関等との連携による新規創業を促す取組については、石巻産業創造株式会社をはじめ、各種金融機関、商工会議所、商工会、石巻専修大学で構成する石巻市創業支援事業者連携会議を組織しており、創業に関する経営戦略、販路拡大、事業計画などの基礎知識の習得のためのセミナーの開催や創業個別相談会の実施、創業支援補助金の審査など、各種支援事業を産学官連携により取り組んでおります。 次に、産業集積ゾーンの活用につきましては、上釜南部地区・下釜南部地区産業ゾーンですが、国際拠点港湾仙台塩釜港石巻港区の背後地であり、臨港区には製紙、木材加工、飼肥料製造、鉄鋼、環境エネルギー業等が集積しておりますことから、それら企業とサプライチェーンを構築する関連企業や海上輸送等で港湾を必要とする企業等を集積してまいります。また、湊西地区産業ゾーンは、世界三大漁場の一つでもある三陸金華山沖漁場から多くの新鮮な魚介類が水揚げされる石巻漁港を活用する水産加工業等の集積を目指してまいりたいと考えております。 なお、誘致方針については、分譲可能となった画地から順次公募を行っていくとともに、各産業ゾーンの立地特性と各種助成金をPRし、企業誘致、産業集積に努めてまいります。 次に、持続的な海洋資源の確保と海洋環境の維持についてでありますが、原魚確保につきましては、持続的な海洋資源の確保の具体策として、多くの水生生物の生活を支え、産卵や幼稚仔魚に生育の場を提供する藻場の保全を目的として、今年度より宮城県漁業協同組合等が実施する活動を支援し、海洋資源の回復、増大を目指すこととしております。また、現在産学官グループ交流会において陸上養殖の検討を行っているところであり、陸上養殖の研究施設整備を予定している宮城県とともに、持続的な資源の確保に向け、連携して取り組んでまいります。 海洋環境の維持につきましては、藻場の保全について、海中に生息するウニなどの食害生物の除去や海藻の種苗投入等により、藻場の繁殖及び保全活動に取り組んでまいります。 また、漂流、漂着ごみの回収等については、漁業者が操業中に回収したごみや、ボランティア活動等により海岸等の清掃活動を行った際に回収されたごみを一般廃棄物と漁網などの産業廃棄物とを分別し、専門業者への委託により処分を行い、海洋環境の維持に努めてまいります。 次に、農林業従事者の高齢化への対応についてでありますが、農地の集積、集約化につきましては、本市においては農業の競争力強化のために不可欠な農業構造の改革と生産コストを削減するため、農地中間管理機構事業による農地の集積、集約化に努めております。担い手育成については、独立就農を目指す新規就農者に対して、農業次世代人材投資事業、新規就農者独立支援事業、地域農家に対しては集落営農の組織化や法人化による持続可能な経営体づくりを推進しております。生産機材の導入につきましても、強い農業・担い手づくり総合支援交付金により生産機材購入に係る費用を支援しており、それぞれ農業の担い手を確保、育成し、効率的かつ安定的な農業経営を実現するための重要な施策であると捉えております。 次に、森林機能の向上につきましては、本市の林業は森林所有者の世代交代及び林業従事者の高齢化に伴い、森林の管理が適切に行われず、民有林の手入れが不足している状況であります。災害防止、水源の涵養、地球温暖化防止などの森林の公益的機能の維持増進に支障が生じることのないよう、適切な経営管理が重要であります。 そのような中、森林環境譲与税を活用した新たな森林管理システムにより、森林所有者自らが経営管理を実行できない場合には、本市が森林所有者から森林の経営管理の委託を受け、適切な経営管理を行うこととしており、これにより森林の公益的機能の回復が図られるものと期待するところであります。 次に、企業との連携についてでありますが、セルロースナノファイバーの利活用推進の実績、成果、今後の展望につきましては、昨年11月に日本製紙で生産される製品の活用を目指し、セルロースナノファイバー利活用推進セミナーを開催し、市内事業者20名の参加をいただいたところであります。セミナーにおけるアンケートにより、セルロースナノファイバーの利活用を希望すると回答を頂いた複数の事業者が、現在生産者である日本製紙石巻工場と活用に向けた検討を進めているところであります。まだ商品化には至っておりませんが、セルロースナノファイバーはその特性から、様々な用途への展開が期待されることから、今後も日本製紙石巻工場と情報共有を行い、利活用促進に向け取り組んでまいります。 次に、担い手育成についてでありますが、農業、漁業の担い手につきましては、担い手センター運営業務を委託する中で、事業PR動画の作成やホームページ等を活用し、石巻市の農業、漁業の魅力や石巻市で実施している担い手支援の取組について、就業を希望する方、特に若い世代の目に止まるような情報発信を行っております。 本年1月末現在の就業者数につきましては、農業で9名、漁業で20名となっております。具体の支援として、移住者が必要とする住まいの確保、就業に向けた研修などを実施しておりますが、支援事業の対象には石巻市在住者も含まれており、漁業についてはこれまで6名の石巻市在住者が就業しているところであります。 次に、6次産業化の担い手につきましては、6次産業化と地産地消への取組を支援する窓口として、平成26年8月より石巻市6次産業化・地産地消推進センターを設置し、運営を行っております。センターでは、6次産業化への取組を担う人材育成として、6次産業化への理解や商品開発、販路拡大などの取組に係る研修会やセミナーの開催などの支援活動を継続して行っております。また、事業化への支援として6次産業化・地産地消推進助成金制度の活用を推進しており、これらの支援策を活用した事業者の取組の成果は、着実に実を結んでいるところであります。今後につきましても、センターと連携して、多くの6次産業化を目指す事業者に対し、継続的な支援を図ってまいります。 次に、地域伝統産業の技術伝承と後継者育成につきましては、雄勝硯は国及び県の伝統的工芸品として指定されておりますことから、本市といたしましても社会情勢の変化を見据えた雄勝硯の継承や、産地及び生産者の体質強化を図ることを目的に、伝統技術継承支援事業により、雄勝硯生産販売協同組合が取り組む需要開拓などに対し支援を行っております。また、後継者育成については、昨年の春に2名が雄勝硯生産販売協同組合へ就職し、同組合において技術継承と後継者育成に取り組んでおります。今後は、今年度再開する雄勝硯伝統産業会館において、本市の硯文化や雄勝硯の魅力を発信し、雄勝硯の技術継承と後継者育成に貢献してまいります。 また、国や県の指定を受けていない鯨歯工芸品などの市内産業については、関係者の皆様と連携しながら取り組んでまいります。 次に、観光産業の振興についてでありますが、平成29年度に設立された石巻圏DMO法人石巻圏観光推進機構の実績につきましては、通年型サイクルツーリズム推進の取組として、市内各所におけるレンタサイクルの導入やサイクルコースのマップ作成、地域内事業者の協力の下、サイクルステーションの整備などに取り組んでおります。また、石巻圏域の観光イベントやコンテンツを活用した旅行商品の販売、震災伝承並びに防災リーダーの育成を目的とした教育旅行の受入れ推進にも取り組んでおります。今後は、石巻圏観光推進機構の自立に向けた自主財源の確保が必要であることや、広域連携につながる旅行商品の企画、海外への効果的なプロモーションなどが課題となっておりますことから、課題の解決に向け、関係者間において協議してまいります。 次に、新型コロナウイルス対策についてでありますが、4月に予定されるダイヤモンド・プリンセスの寄港につきましては、運航会社のホームページ上において、今年4月分までの運航中止が正式に発表されております。また、本市の対応といたしましては、1月29日に感染症対策を推進するため、石巻市新型コロナウイルス感染症対策本部を設置しております。今後も引き続き情報収集を行い、宮城県など関係機関とのさらなる連携を図っていくとともに、刻々と変化する感染の状況や、手洗い、せきエチケットなどの感染症の予防対策について、広報周知に努めてまいります。 次に、インバウンド受入れ対策についてでありますが、多言語表記の案内板につきましては日本語と英語の2か国語表記としており、観光ガイドブックにつきましては日本語、英語、韓国語のほか、中国語については繁体字、簡体字の4言語を作成しております。 また、観光ガイドブックをPRする際の対象と手法については、本市への誘客を目的として、県内外で開催されるイベント来場者への配付、市内の観光案内所や各観光施設のほか、仙台空港や宮城県アンテナショップなどへも配置しております。また、国内外の観光旅行エージェントやマスコミ等へのプロモーション活動の際にも活用し、本市のPRに努めております。 ◆26番(山口荘一郎議員) 産業分野は幅広いのですけれども、1点だけ再質疑いたします。 新型コロナウイルス対策ですけれども、刻一刻状況は変化しているわけです。ただ、石巻市、宮城県にいずれ遅かれ早かれこれは来るのだろうというような形で準備をしていたほうがいいのだろうというふうに思っています。その際は、場当たり的な対応ではなくて、石巻市はもともとから新型インフルエンザ等対策行動計画というものを持っていますので、それに準じた形で、用意周到な準備をお願いしたいというふうに思っています。 恐らく医療については県が主導的に仕切るのでしょうけれども、重要なのは石巻市が基礎自治体としての行政サービス、これはストップできないというところだというふうに思っています。そのためには、これまで私もBCPの策定を求め続けてきたわけなのですけれども、現段階ではまだ策定はされておりません。職員が行政サービスを継続する、業務を継続できるためにマスクや消毒薬の準備、さらには物理的な隔離であるとか、やる仕事とやめる仕事、このすみ分け、こういったことで体制は準備できているのかどうか、していく覚悟はあるのかお伺いしたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 新型コロナウイルス感染症については、これは私どもも大変危機感を持って今対応したいというふうに考えております。やはり議員御指摘のように、感染者が発生した場合の対策というのを速やかに作成していくという方向で今取り組んでおります。その中で、参考になるのがやはり議員御指摘のようにインフルエンザに対応した取組がありますので、それを参考にして、早急に受入れ体制、あるいは感染者が出た場合にどう対応するかと、あるいは市役所としてどのような対応ができるか、あるいは体制をどうするかというようなことを早急に作成していきたいと考えております。 ◆26番(山口荘一郎議員) 3月にはオリンピック・パラリンピックの復興の火の式典もあります。全国、世界に注目されるようなイベントが華々しくそのまま実行できることを祈っているばかりですけれども、そちらについても、そこでの対応、地元の石巻市の対応に不具合が起きると、様々なマスコミで扱われることになりますので、しっかりとこれも万全を期すように準備を整えていただきたいというふうに思っております。 続きまして、大綱4点目、子育てしやすい環境づくりについてです。 1点目は、保育供給量の確保と保育人材の適正配置についてであります。会計年度任用職員制度の導入、特にパートタイム職員に限定することによって、保育供給量の確保や保育人材の適正配置の障壁とはならないのかお伺いします。 2点目は、特別支援教育支援員の配置についてです。特別支援教育支援員の拡充を図るということですが、特別な支援を必要とする児童・生徒数の増加に対応できるのかお伺いします。 3点目は、コミュニティ・スクールの導入についてです。先行実施2校の状況が共有されぬまま、さらに8校でのモデル校の指定を行うことになった背景について伺うとともに、準備はどのように行い、児童・生徒、保護者、地域の理解活動はどのように行われるのかお伺いします。 ◎亀山紘市長 子育てしやすい環境づくりについてお答えいたします。 まず、保育供給量の確保と保育人材の適正配置についてでありますが、今年度に入所する児童数、支援が必要な児童数、保育士の産前産後休暇または育児休暇の取得状況等により、パートタイム会計年度任用職員の保育士のほか、産前産後休暇等の代替については、フルタイムの任期付職員の保育士を採用し、保育所等の運営及び児童の保育に支障が生じないよう、保育供給量の確保や保育人材の適正配置を図ってまいります。 次に、特別支援教育支援員の配置についてでありますが、今年度は昨年度より3名増員し、全体で88名を配置することとしており、今後も計画的な増員を進めてまいります。特別支援教育支援員は、通常の学級に在籍する、特別な支援を必要とする児童・生徒の支援に当たっており、主たる支援は通常の学級担任、教科担任が行い、そのサポートを特別支援教育支援員が行っております。特別な支援を必要とする児童・生徒数の増加に対応するために、学級担任、教科担任は全ての子供に分かる授業を心がけ、ユニバーサルデザインの授業づくりに努めております。今後も教員向けの研修会を充実することで、特別支援教育の充実に努めてまいります。 次に、コミュニティ・スクールの導入についてでありますが、昨年9月に石巻市コミュニティ・スクール検討推進委員会を立ち上げ、市全体の推進について検討してまいりました。その中で貞山小学校、青葉中学校の導入モデル校2校を指定し、教職員の研修会、保護者や地域の方々への説明会を実施し、コミュニティ・スクール導入に向けて準備を行ってまいりました。今年度は、来年度導入予定の学校も加え、これまで先行実施された2校の取組を共有してまいります。また、導入予定の8校の児童・生徒には集会等で周知し、保護者、地域の皆様にも説明会等を行っていく予定としております。さらに、リーフレットを作成し、市内小中学校の全教職員及び導入モデル校の保護者等に配付したところでございます。 ◆26番(山口荘一郎議員) 再質疑は、1点お伺いします。 保育供給量についてですけれども、パートタイムであるとか任期付の職員などということで、答弁をいろいろ頂きました。要は今回の制度変更、会計年度任用職員の人事の制度の変更であって、保育サービスの低下は招かないということでよろしいのかお伺いしたいと思います。 ◎亀山紘市長 会計年度任用職員の制度を活用することによって、むしろ保育士の意識の向上につながるような取組にしていきたいと考えております。 ◆26番(山口荘一郎議員) 保育士の意識向上につながるようなということで御答弁いただきましたけれども、保育士の人材の確保というのも非常に重要であります。今回の制度変更と手続によりまして、保育人材をしっかり確保できないと、現場のほうの保育サービスが下がるというような形になりますので、保育サービスの低下にならぬように、人材確保についてもこれまで以上に力を入れていただくようにお願いしたいなというふうに思っております。 続きまして、大綱5点目、市民の健康づくりについて、4項目お伺いいたします。 1点目は、健康寿命の延伸についてです。健康診断の受診率が低位に推移している状況が続いております。健診や生活習慣病予防などの啓発について、町内会、地域企業を巻き込んだ取組の必要性について伺うとともに、啓発や促進の観点から導入された健康ポイントについて、その実績と課題を伺います。 2点目は、高齢者の健康と生きがい対策についてです。施政方針では、高齢になっても地域で元気に暮らせる社会の実現が求められているとの認識を示されましたが、高齢者の出不精による体力低下などを個人レベルではなく環境整備により予防していくという、いわゆる介護のゼロ次予防としての施策が重点事業には見当たりません。ほかの自治体では、それを提示するだけで高齢者が公共施設利用の優遇や免除を受けることができるシルバーカードを導入している事例もありますが、民間事業者と連携した高齢者の外出促進策の必要性について伺います。 3点目は、こころと体の健康増進についてです。施政方針の中で、健康状態の悪化を防ぐための心のケア、つまり事前に予防していくという姿勢を示されました。しかし、一方で被災された方の中には、既に心身に支障を来されている方もいらっしゃいます。こういった方々へのケアをどのようにしていくかという観点も必要ではないかと考えますが、現行で実施しているまちの保健室であるとかこころの健康づくり事業は、気づきや発見という入り口の事業に加えて、医療的な立場として、石巻市立病院の積極的な関わりが必要ではないかお伺いします。 また、復興公営住宅等で生活される被災者の孤立予防を行うということですので、住民同士のコミュニティー構築とも関連し、集会所の効果的な活用が必要不可欠であると考えます。利用頻度が活発になるよう、地域や支援団体が健康増進などで集会所を利用する際の使用料を減免する、こういった踏み込んだ取組の検討についてお伺いします。 4点目は、石巻市立病院についてです。新市立病院としての再建から一定期間が経過し、当初の目標と現実のギャップを正しく認識し、かじ取りを行っていく段階に入ってきたものと受け止めております。国でも、地方病院の再編議論を加速させようと、やや荒療治のようにリストが示され、大きな渦に巻き込まざるを得ない石巻地域の地方医療をどのように確保していくかが重要であるとの観点から、深く3点伺います。 まずは、医師の確保についてです。市は、医師の確保に積極的に取り組むとしておりますが、実際には医師の依願退職が続いています。医師の採用に心血を注ぐことはもちろんですが、医師の離職対策についても力を入れるべきではないか伺います。 また、低位で推移する救急受入れ率に対する受け止めと対策についても伺います。 2つ目に、安定した医療の提供についてです。安定した医療を提供するには、石巻市新公立病院改革プランの目標達成が必須と考えております。改革プランにおける医療機能等指標に係る数値目標の達成度合いの傾向を伺うとともに、牡鹿病院の在り方や医療局構想など経営体制検討の遅れについての見解を伺います。特に牡鹿地区は、人口減少に伴う外来患者の減少、病床稼働率の低迷など、病院経営環境には厳しいものがあると認識をしております。牡鹿地区の地域医療をどのように守っていくのかお伺いします。 3つ目は、厚生労働省の病院再編リスト公表への受け止めについてです。リストに掲載された石巻市立病院、牡鹿病院について、石巻市はどのような方向性を示していくのかお伺いします。 大綱5の最後は、地域包括ケアの推進についてです。地域包括ケアが標榜する自宅でのみとりについて、理想像としては理解するものの、現実的には大半の方が病院や施設で終末期を迎えている実情にあり、人生の最後では医療、介護従事者の専門的な処理を必要としております。この点についての現状認識を伺うとともに、医療、介護従事者不足を解消すべく、さらに踏み込んだ医療、介護従事者の人材確保事業の必要性についてお伺いします。 また、地域包括ケアに当たっては、相談者を包括的に受け止める相談支援体制を推進するとのことですが、石巻市ささえあいセンターはどのような役割を果たし、相談機能としてはどのような事業を行うのか、特に次世代型地域包括ケアに包含していくこととしているネウボラの機能はささえあいセンターに含まれるのか伺います。 あわせて、石巻市立病院との連携はどのように果たされるのかお伺いいたします。 ◎亀山紘市長 市民の健康づくりについてお答えいたします。 まず、健康寿命の延伸についてでありますが、健診受診率につきましては、本市の特定健診及びがん検診、いずれも低い傾向にあります。受診率向上のためには、町内会や地域企業を巻き込んだ取組が重要であると考えており、各地区や企業に出向き、健康教育や健康相談での啓発のほか、医療機関や保健推進員の協力による住民への啓発など、受診率向上への取組を積極的に実施しております。また、受診率向上等を目的に協定を締結している企業と協働し、がんの正しい知識の普及啓発、がん検診の受診を勧奨する活動等にも努めております。今後も受診率向上を目指し、健診や生活習慣病予防などの重要性について啓発を図ってまいります。 次に、健康ポイントにつきましては、本事業は健康意識の啓発、健診受診のきっかけづくりを目的に、平成29年度及び平成30年度は受診率の低い40歳から59歳までを対象に、昨年度からは全世代を対象として実施しており、連続受診やがん検診等の受診状況により、抽選で1,000名の方にクオカードを、さらに30名の方に地場産品を贈呈することとしております。 昨年度の受診率は、支払い実績で43.2%と、平成30年度と比較し3.6%の増加となっております。これは、昨年度から実施した自己負担額無料化と併せて、健康ポイント事業や勧奨通知など、未受診者対策を強化した成果と感じております。しかしながら、県内市町村の中ではまだまだ低い状況にありますので、受診率のさらなる向上を目指して、引き続き健康ポイント事業を実施してまいります。 次に、高齢者の健康と生きがい対策についてでありますが、介護予防における高齢者の外出促進策につきましては、要支援または要介護状態となる前から実施することが重要であることから、地域のサロン活動への活動費の支援、地域に出向いての体操プログラムの実施、介護予防教室の開催などを行っております。また、外出することは元気な高齢者にとっても健康維持に有用であり、さらに介護予防及び生活機能の低下を防ぐ観点からも重要であることから、本市の事業だけでなく、NPOなどの民間事業者と連携し、身近な地域活動への参加の促進や自立生活継続のための支援に努めてまいります。 次に、こころと体の健康増進についてでありますが、石巻市立病院の関わりにつきましては、現在石巻市立病院地域医療支援センターにおいて、心身のケアが必要な方からの受診相談を受け、必要に応じて内科医師が診療を行っているほか、連携する専門医療機関を紹介するなどの対応を行っております。石巻市立病院への心療内科の設置につきましては、専門医や専門職の確保のほか、施設の整備等、診療体制の構築が必要であり、現時点では課題が多いことから、心療内科の設置は今後の検討と考えております。 次に、コミュニティ活動拠点の活用につきましては、市民の心身の健康増進や孤立予防には、住民同士のコミュニティー形成により、住民主体の健康増進活動やサロン活動等で集会所が効果的に活用されることが重要と考えております。一方、避難所から仮設住宅、仮設住宅から本設住宅へと目まぐるしく住まいが移動したことにより、本市のコミュニティー形成には震災後の影響が懸念されることから、今後自治会などと連携を図り、孤立予防対策をはじめ、集会所の効果的な活用に取り組んでまいります。 次に、石巻市立病院についてでありますが、医師の確保につきましては、医療を安定的かつ継続的に提供していく上で最も重要な課題と認識しており、今年度においても東北大学病院や東北医科薬科大学病院をはじめ、各関係機関へ医師の派遣要請を継続していく等、医師招聘に努めてまいります。 医師の離職につきましては、派遣元の人事異動によるほか、開業や家庭の事情、個人のスキルアップなど様々な理由がありますが、引き続き環境整備を図りながら、可能な限り長く石巻市立病院に勤務していただけるよう対応してまいります。 また、救急受入れ率に対する受け止めと対策につきましては、御指摘のとおり、救急要請に対する受入れ率は決して高くない状況となっております。石巻市立病院については、診療領域やマンパワーの関係から重篤な状態など受入れが難しく、断らざるを得ないこともありますが、今後は積極的に要請に応じ、公立病院としての役割をより一層果たしてまいります。 次に、安定した医療の提供につきましては、医療機能等指標に係る数値目標における平成30年度の実績については、石巻市立病院では目標に達していない項目があるものの、おおむね目標を達成しておりますが、牡鹿病院では全体に目標に達していない状況であります。また、経常収支比率や病床利用率等の経営指標については、その多くが両病院ともに数値目標を下回っており、さらなる経営努力が必要な状況となっております。 医療局構想につきましては、組織の中核である石巻市立病院において常勤医の確保が難しく、医療局としての医療提供体制の構築が非常に難しい状況下にあるため遅れが生じておりますが、今後東北医科薬科大学病院からの配置など、医師の確保に見通しがついた段階で設置してまいります。 牡鹿地区の地域医療につきましては、地域内の人口減少に起因し、牡鹿病院における入院、外来患者数ともに新公立病院改革プランで見込んだ数値を下回る厳しい状況が続いていることから、今後牡鹿地区においてどの程度の診療機能を維持、確保すべきかについて、現在病院局内に病院局長、牡鹿病院長等を委員とする牡鹿病院あり方検討委員会を設置し検討を行っており、今年度中に方針を決定したいと考えております。 次に、厚生労働省の病院再編リスト公表への受け止めにつきましては、石巻市立病院は近隣に類似した診療機能を有する医療機関があることで、牡鹿病院は診療実績が特に少ないことで、それぞれが再検証対象医療機関とされました。急性期病床については、全国的にかなりの数が過剰とされ、石巻・登米・気仙沼医療圏でも同様となっており、県の地域医療構想では今後急性期病床を削減し、回復期病床あるいは慢性期病床への転換のほか、在宅医療への対応も示されております。このようなことから、石巻市立病院及び牡鹿病院につきましても、本医療圏の中で必要な医療の提供を行うため、病床機能等の見直しが必要でありますが、具体的な内容については、医療圏ごとに設置されている医師会長や歯科医師会長、薬剤師会、医療機関の長、行政機関の関係者等で構成される地域医療構想調整会議の場で議論されることになっておりますので、今年度中に方針を決定の上、同会議に諮ってまいります。 次に、地域包括ケアの推進についてでありますが、自宅でのみとりについての現状認識につきましては、地域包括ケアの観点から、在宅でのみとりについて啓発をしているものの、当事者の体に変化が起きると不安を感じ、救急車を呼び、入院するという例が少なくありません。このことから、医療や介護が必要になる前から、みとりに関する知識や意識を高めていく必要があると考えております。本市におきましては、出前講座や研修会等を行い、市民の意識醸成を図り、在宅でのみとりに係る周知に努めているところであります。 人材確保の事業の必要性については、地域医療福祉セミナーや医療・介護従事者研修会などのほか、高校や専門学校等養成機関への働きかけを引き続き行い、効果的な人材確保に向けて取り組んでまいります。 次に、包括的な相談支援体制におけるささえあいセンターの役割と相談機能として行う事業につきましては、ささえあいセンターにおいては次世代型地域包括ケアを推進する拠点としての役割があり、包括的な相談支援として福祉まるごと相談や在宅医療と介護の連携を推進するための相談支援、さらにはネウボラ機能として子育て世代包括支援センターが妊娠・出産期からの切れ目のない相談支援を行うこととしております。 石巻市立病院との連携については、石巻市立病院地域医療支援センターとの情報交換やささえあいセンター内で開催する研修、講演会等への医療職の講師派遣などのほか、大規模災害時に福祉避難所としての機能を果たす際の医療、介護連携について、体制整備に努めてまいります。 ◆26番(山口荘一郎議員) こちらについては、市立病院について1点、再質疑いたします。 厚生労働省の病院再編リスト、これの功罪はあるかと思いますけれども、先月末全国で5か所の国の病院再編重点支援区域のうちの1か所として、この石巻市を含む石巻・登米・気仙沼区域が指定されております。具体的な視点は、登米や米谷病院などと石巻赤十字病院の連携にあるようでありまして、直接的に石巻市立病院には無縁のようにも思いますが、石巻市も既に石巻赤十字病院と連携関係にある以上、間接的には影響してくるのではないかというふうにも思っております。 石巻市立病院の新公立病院改革プランは、未達事項が多いまま次のプランの策定に移っていきます。石巻地方の医療をどうしていくか、どう守っていくのか、このことは石巻市として、石巻市立病院としての考えを抜きにした石巻赤十字病院主導の連携、受け身では到底なし得ないテーマだというふうに思っておりますので、次期のプランは新しく病院を再編したときのプランのように、医師が足りれば、スタッフが足りれば、このまま患者が元の数に戻れば、多ければというような、たらればではなくて、計画性、合理性を持った計画にすべきというふうに考えますけれども、市長の考えをお伺いします。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 石巻市立病院としては、やはり石巻赤十字病院との連携を強化しております。そういった中で、やはり医療圏の今後の医療体制の在り方というのは、しっかりと取り組んでいくことが必要だというふうに思っております。石巻圏域といいますか、石巻市内の医師の不足というのは、市立病院だけでなくて、やはり医療機関の不足が大きな課題だというふうに思っております。いろいろな石巻医療圏を検討していく上で、医師会、歯科医師会、そのほか薬剤師会と、様々な医療機関との連携によって、将来の病院の在り方について検討してまいりたいと考えております。 ◆26番(山口荘一郎議員) 先ほどお話がありました牡鹿病院の在り方であるとか、医療局であるとか、そういったところは計画としてはまだ検討の途上ということで、未達になっております。こういったところも粛々と進めながら、計画性を持って臨んでいただくようにお願いしたいと思います。 続きまして、最後の大綱6、絆と協働の共鳴社会づくりについて、4点お伺いします。 1点目は、コミュニティ形成と人材育成についてです。地域の課題解決や多様なニーズに応え、市民一人一人が安心して心豊かに暮らせる地域社会を築くということですが、そのためには復興公営住宅の住民コミュニティー形成が必須であり、行政の一歩踏み込んだ施策が望まれます。既存町内会等を活用した具体的な施策の必要性について伺います。 また、市民との協働について、現行で実施しているような一部の特定の市民と市民公益活動団体での協働まちづくりは極めてミクロ的であり、資金的にも範囲的にも効果は限定されています。行政が踏み込んで具体的なマニュアルを示すなど、地域に根差した既存自治組織を活用してのマクロ的なまちづくりの必要性はないかお伺いします。 2点目は、地域の担い手育成についてです。産業分野に引き続いて、地域の担い手もいないという表れの令和2年度施政方針になっています。地域の担い手育成についても、それにつながるような人材育成支援を行うということですが、残念ながら重点事業の中には見当たりません。どのような取組を行っていくのかお伺いします。 3点目は、定住・移住の促進についてです。まずは、これまでと比較し、平成30年度に人口減少が加速的に進んだ原因の分析内容についてお伺いします。 また、多種多様な相談に応じる総合窓口を設置するようですが、その内容についてお伺いします。 続いて、確実な定住に向けて、起業型人材育成等の支援を進めると言及されましたが、これまでの移住者の起業した数を伺うとともに、石巻版松下村塾の成果をお伺いします。 また、起業型人材育成は石巻市で生まれ育った方の定住にとっても重要な視点であると考えますが、市内、市民への取組方策についてもお伺いします。 あわせて、住まい、仕事、子育て、環境など、移住希望者の要件についてどのように把握しているのか、石巻市の魅力発信はどのように行っているのかお伺いします。 最後は、魅力発信と回遊率の向上についてです。スマートフォン向けのゲームアプリの活用を図り、回遊率の向上を図るとのことですが、その概要とゲームの更新計画について伺います。 また、ポケモンGO流行当時は、歩きスマホの回遊者の増加による不安全行動が問題となりました。市も当時は対応に苦慮したという記憶がありますが、ゲームの開発者側として携わる今回はどのように対策を講じていくのか伺い、ひとまずの質問といたします。 ◎亀山紘市長 絆と協働の共鳴社会づくりについてお答えいたします。 まず、コミュニティ形成と人材育成についてでありますが、既存町内会との連携につきましては、復興公営住宅入居者が地域で心豊かに暮らすためには、既存町内会の一員として活動に参加し、良好な地域コミュニティーを形成することが大変重要であると認識しております。今後も引き続き既存町内会が主体となり、夏祭りや敬老会の実施など、地域コミュニケーションを推進する事業に対し補助を行ってまいります。さらに、課題の残る地域に対しましては新たなサポート事業を実施することとし、復興公営住宅入居者と既存町内会の融和、コミュニティー形成については特に重点的に支援してまいります。 次に、市民協働についてでありますが、地域に根差した既存自治組織を活用したマクロ的なまちづくりの必要性につきましては、協働のまちづくりを進めていく上で、自治組織は重要な役割を担うものでありますので、本市といたしましても、自治組織からの相談にはより具体的な参考となる事例を示せるような相談体制の充実を図ってまいります。また、各地域における自治会等の代表者で組織する石巻市地域連携会議において、情報共有と交流を促進して、課題解決に取り組み、地域と行政が協働しながら、よりよい地域づくりを進めてまいります。 次に、地域の担い手育成についてでありますが、人口減少や高齢化による地域の担い手不足は、将来的に自治組織としての活動が維持できなくなる可能性があり、非常に憂慮すべき課題であると認識しております。昨年度には、石巻市地域連携会議において、地域自治システムアドバイザーを講師に迎え、「これからの地域づくりに向けて」と題し、ワークショップ形式の研修会を開催いたしました。また、各地区においては、地域自治システムの運営母体となる人材の発掘と育成につながるような支援を行っております。石巻市の将来を担う人材の育成は重要と考えており、今後も引き続き研修会の開催やアドバイザーを派遣するなど、地域の担い手としての人材育成に努めてまいります。 次に、定住・移住の促進についてでありますが、人口減少の原因分析につきましては、震災以降増加傾向にあった転入者が、ここ数年ほぼ横ばいに推移している一方で、転出者が増加傾向にあります。具体には、20代の転出が多く、平成30年度の転出者4,517名のうち1,737人と、約39%を占めております。特に20歳から24歳までの女性の転出が一番多く、474人となっております。その要因といたしましては、市内の大学3年生を対象に行った意識希望調査において、就職希望先について、市内企業を希望する学生が6.0%で、前年比4.7ポイント減少しており、市外に住みたい理由としては「地元に戻りたいなど」が34.0%、「就職先がない」28.7%、「通勤先への移動に時間がかかり過ぎる」が18.1%となっております。本市が将来にわたって活力ある地域社会の実現を果たしていくためには、人口減少の克服が重要であり、今後は要因分析に基づき、効果的な施策を展開してまいります。 次に、総合窓口につきましては、平成28年度より、移住コンシェルジュとして相談員を2名配置しており、住まいや仕事に関する相談、各種移住支援事業の紹介を行っております。引き続き職場体験ツアーなどの事業に取り組み、今後については、これまでの事業の検証を行い、より効果的な移住、定住の促進を検討してまいります。 次に、起業型人材育成につきましては、これまでの起業数は、移住者37名のうち8名が起業され、うち5名が松下村塾の受講生であります。 また、起業型人材育成に係る市内での取組については、対象者や活躍する場を限定することなく、多くの方々に起業への知識を学んでいただき、有能な人材の育成に努めてまいります。 次に、移住、定住施策の研究につきましては、移住希望者が移住を決める際に、住まいや仕事に関することをはじめ、多種多様な情報が必要となることから、移住コンシェルジュにおいて、不動産関係やハローワーク等の関係機関と連携を図り、常に最新情報を提供できるよう努めております。 また、石巻市の魅力発信につきましては、本市で活躍されている先輩移住者等を紹介したホームページの活用や本市の移住促進事業の案内や事業のレポートをSNS等で発信するほか、ローカルベンチャー推進協議会参加自治体との情報交換により得た知見を参考にしながら、本市の魅力をアピールしてまいります。 次に、魅力発信と回遊率の向上についてでありますが、スマートフォン向けのゲームアプリにつきましては、石巻市内を舞台としたロールプレイングゲームとし、石巻市の歴史、史跡、名物などを落とし込んだ冒険ゲームとして、地域の魅力を発信するものであります。また、このゲームを通じた本市来訪者へのインセンティブとして、商業施設などで利用することができるクーポン等を搭載することを検討しております。 更新計画については、既に先進的に取り組んでいる兵庫県南あわじ市では、配信開始から1年を迎えようとする現時点において、利用者や関係者の一部から続編を望む意見が出始めていると伺っており、事業の実施状況と併せ、他市の事例も参考にしながら検討を行ってまいります。 また、歩きスマホへの対策といたしましては、ゲーム起動時の注意喚起の表示や安全に留意した仕様とし、併せてゲーム依存への対策として1日のプレー時間制限の設定等、より有効な方法を検討してまいります。 ◆26番(山口荘一郎議員) それでは、再質疑いたします。 市がコミュニティーという言葉を使う事業においては、必ずと言っていいほど地域の自主性というキーワードが出てきます。この地域の自主性がなければ、コミュニティーというのは順調に回っていかないということからすれば、それはその言葉のとおりなのだろうというふうに思っておりますけれども、地域の自主性という言葉とかコミュニティーという言葉に関連する市の事業は、何ができればその目標の到達点なのかが曖昧であるがゆえに、何をやるかは地域任せ風任せ、市が口出しするのは領収書の切り方とか報告書の締切りといったような指導程度になってしまっていて、担当する市の職員を見ていても、かわいそうだなと思う部分もあります。市は口を出してはいけないという縛りだけが担当課に課せられているようなことも感じておりますので、この点はしっかりとこれから課題として受け止めていかなければならないと思っています。 一部でこういったコミュニティーの補助金を活用してうまくいっている団体、地域もあるのだと思います。その広がりは、ただうまくいっているところは地域性や、そういった人に左右される要素が強くて、ではそのままほかの地域に先行事例として共有することができるのかというと、なかなか難しい状況にあるのではないかというふうに思っております。 こういった事業、コミュニティー、そして地域の自主性に関わる部分については、事業、これはイコール予算ですけれども、これを消化するようなことを主眼とした補助金ではなくて、地域の課題、これに向き合って、地域の課題解決を住民と、そして市で共有できるような方向性を見せるような仕組みにしなければうまくいかないというふうに思っておりますけれども、市長の考えをお伺いしたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 地域の自主性、あるいはコミュニティーの形成というところで、協働の地域づくり、まちづくりということで、協働の社会づくりということで、協働という言葉に強調するところがあるのかもしれませんが、ある程度地域の人材育成なり、あるいは地域の自主性が育成されるまでの間は、ある程度行政も、あるいはそういったアドバイザー等の御指導を頂きながら進めていくことが必要だというふうに思っております。 そういう意味では、これまでも職員が地域に入って、コーディネーターと一緒に地域づくりというものを進めてきたというふうに考えておりますけれども、なかなか地域自治システムが進まないという要因の中には、やはり地域での自主性について強調する余り進まないところもあるかもしれませんので、その点については地域に寄り添った形で、協働の地域づくりを進めていきたいと考えております。 ◆26番(山口荘一郎議員) 地域の自主性という定義は、言葉はあるものの、それぞれが地域によって求める課題というのは違うと思うのですね。そこを市の職員、市側が自主性という言葉だけに頼ってしまうと、地域がどこに行くかというのがふらふらしてしまうので、かえってその地域の将来像が見えにくくなってしまう可能性がありますから、市としては基本政策としてこういう将来像を示しているけれども、この地域としてはどうなのかというような、そういった同じベクトルを向けるような施策をしていかないと、生きたお金の使い道にならないというふうに思っていますので、その点は今年度の活動の中で、しっかりと肝に銘じて活動していただきたいというふうに思っております。 本日は、膨大なボリュームの質疑に対して丁寧に答弁いただきましたことに敬意を表します。 二元代表制は、団体自治を代表する市長と住民自治を代表する議会によって成り立つのは言うまでもありませんけれども、両者が議論によって現状を共有することが重要であるというふうに考えております。 この代表質疑に当たりましては、会派内での意見交換、議論を経ながら、市長の目指す石巻市の姿の概要をただしてまいりました。施政方針の内容や通告のタイミングなどとの兼ね合いから、今回の質疑には含めなかった重要な案件も多くあります。例えば特にヤマニシの会社更生法適用申請からの波及については予断を許さない状況であり、でき得る限りの対応を求めたいというふうに思っております。さらに、そのほか深く突っ込む議論や不足する点につきましては、今後の議案質疑、一般質問等の中での会派議員のやり取りに委ねたいと思いますので、丁寧な答弁をお願いしたいというふうに思っております。 最後になりますけれども、本年3月をもって退職される方々へのこれまでの御労苦に感謝申し上げるとともに、石巻市には、市民が復興を体感できるよう、この復興基本計画最終年度を推し進めるよう求め、会派代表しての質疑を終了いたしたいと思います。どうもありがとうございました。 ○議長(木村忠良議員) 以上で26番山口荘一郎議員の質疑を終わります。 △延会 ○議長(木村忠良議員) この際、お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(木村忠良議員) 御異議なしと認め、さよう決しました。明日から24日までは休会とし、25日本会議を再開いたします。本日はこれにて延会いたします。   午後2時58分延会...