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03月05日-施政方針に対する質疑-03号

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  1. 石巻市議会 2013-03-05
    03月05日-施政方針に対する質疑-03号


    取得元: 石巻市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-08-20
    平成25年 第1回 定例会  平成25年石巻市議会第1回定例会会議録(第3号)                                           議事日程第3号  平成25年3月5日(火曜日)午前10時開議 第1 会議録署名議員の指名 第2 施政方針に対する質疑 散 会                                          本日の会議に付した事件 議事日程のとおり                                          出席議員(30名)   1番  阿  部  久  一  議員    2番  丹  野     清  議員   3番  阿  部  純  孝  議員    4番  黒  須  光  男  議員   6番  髙  橋  左  文  議員    7番  山  口  荘 一 郎  議員   8番  大  森  秀  一  議員   10番  水  澤  冨 士 江  議員  11番  阿  部  欽 一 郎  議員   12番  安  倍  太  郎  議員  13番  遠  藤  宏  昭  議員   14番  千  田  直  人  議員  15番  櫻  田  誠  子  議員   16番  渡  辺  拓  朗  議員  17番  千  葉  眞  良  議員   18番  阿  部  正  敏  議員  19番  青  山  久  栄  議員   20番  阿  部  和  芳  議員  21番  西  條  正  昭  議員   22番  庄  司  慈  明  議員  23番  石  森  市  雄  議員   25番  森  山  行  輝  議員  26番  長  倉  利  一  議員   27番  伊  藤  啓  二  議員  28番  堀  川  禎  則  議員   30番  阿  部  政  昭  議員  31番  髙  橋  栄  一  議員   32番  後  藤  兼  位  議員  33番  髙  橋  誠  志  議員   34番  阿  部  仁  州  議員欠席議員(なし)欠  員(4名)                                          説明のため出席した者  亀 山   紘  市     長        北 村 悦 朗  副  市  長  笹 野   健  副  市  長        境   直 彦  教  育  長  柳 田 正 人  総 務 部 長        阿 部 明 夫  企 画 部 長  星   雅 俊  震 災 復興部長        堀 井   栄  河北総合支所長  相 澤 清 也  雄勝総合支所長        伊 藤   亮  河南総合支所長  石 川 文 彦  桃生総合支所長        新 藤 喜 悦  北上総合支所長  岡 田   伸  牡鹿総合支所長        須 田 昌 義  生 活 環境部長  水 野 正 昭  健 康 部 長        内 海 正 博  福 祉 部 長  阿 部 正 博  産 業 部 長        阿 部 善 弘  建 設 部 長  松 川   正  会 計 管 理 者        鷲 見 祐 一  病院局事務部長                                   兼 病 院 局                                   石 巻 市立病院                                   事務部門事務長  佐 藤 和 夫  教 育 委 員 会           事 務 局 長                                          事務局職員出席者  日 野   智  事 務 局 長        佐々木 恭 弘  事 務 局 次 長  渡 邉 伸 彦  事 務 局長補佐        佐 藤 真 一  主     幹  髙 瀬 禎 幸  主     幹        佐々木 直 樹  主     査  星   貴 幸  主     査        平 塚 悦 子  主 任 主 事 △午前10時開議 ○議長(阿部和芳議員) ただいまから本日の会議を開きます。欠席通告議員はありません。 なお、伊勢病院局長は寄磯診療所での診療業務のため、本日欠席の申し出があります。 本日の議事は、日程第3号をもって進めます。 △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(阿部和芳議員) 日程第1会議録署名議員の指名を行います。本日の会議録署名議員に12番安倍太郎議員、13番遠藤宏昭議員、14番千田直人議員、以上3議員を指名いたします。 △日程第2 施政方針に対する質疑 ○議長(阿部和芳議員) 次に、日程第2施政方針に対する質疑であります。昨日に引き続き施政方針に対する質疑を行います。発言時間は、昨日と同様答弁を含めず1人50分以内といたしますが、質疑の回数は制限いたしません。31番髙橋栄一議員の質疑を許します。31番。 ◆31番(髙橋栄一議員) おはようございます。明心会を代表して市長の施政方針に対する代表質疑を行います。 初めに、市長の政治姿勢について伺います。市長は昨年の12月、4月に執行される市長選挙に再度立候補の意思を表明されましたが、これまでの4年間をどのように総括されているのか、また立候補に当たっての基本的な考えを伺います。 次に、職員のマンパワー不足への対応策について伺います。平成25年度一般会計予算2,260億円が今議会に上程されておりますが、これは前年よりは少ないものの、震災前の4倍弱の規模であり、職員のマンパワー不足が復興のおくれにつながることは否めません。被災自治体が全国行脚で職員の派遣をお願いするだけではなく、国がもう少し主体的に取り組んでいただけるような仕組みづくりが必要と考えますが、市長の考えを伺います。また、退職された職員の再雇用への取り組みについても伺います。 ◎亀山紘市長 おはようございます。ただいまの御質疑にお答えいたします。 初めに、政治姿勢についてお答えいたします。まず、立候補に当たっての基本的な考えについてでありますが、私は震災後は市民の皆様の暮らしを一日も早く取り戻すことを最優先に各種復旧、復興に全力を傾注し、取り組んでまいりましたが、復興までにはまだまだ乗り越えなければならない多くの課題がありますことから、復興半ばにして身を引くことは決して許されないものと考えております。復興をなし遂げる道筋をつけることこそが私に課せられた使命であるとの強い思いから、このたび出馬を表明させていただきました。 次に、職員のマンパワー不足への対応策と退職者の再雇用の取り組みについてでありますが、マンパワー不足解消に向けた対応策につきましては、さきの質疑でもお答えしてございますが、本年4月における派遣職員は59団体、3県、4特別区、48市、4町から157人の派遣を受ける予定であり、現在より38人ふえる見込みであります。さらに、全国市長会を通じて情報提供された自治体OB職員の活用のほか、復興庁を通じての民間企業職員や青年海外協力隊経験者の受け入れについても調整しているところであります。 次に、退職者の再雇用の取り組みについてでありますが、本年度の定年退職者から希望する職員を対象に、フルタイム勤務を前提とした再任用を行うこととしております。 ◆31番(髙橋栄一議員) ただいま市長の答弁の中で、震災後は市民の皆様の暮らしを一日も早く取り戻すことを最優先にというお話がございました。それで、きのうの議論の中でも、被災された方々の生活を一日も早く取り戻すためには住環境の整備が最優先だというお話がございました。私も全く同じ認識でございますけれども、集団移転や高台移転、こういったものの取り組みに、例えばことしの1月に地権者の皆様に同意をいただいたと、それが実際に宅地の造成工事入るまでには10カ月ぐらいの期間を要するというようなお話を聞いております。これでは、やはり被災者はなかなか待っていられないと。一日も早く目に見える形で住宅の再建、宅地造成を進めていただきたいという思いが非常に強くあるわけですが、この期間を市の内部、あるいは復興庁の審査、そういう手続に非常に時間を要するということだと思うのですが、これをもう少し早く進められないかなという思いが非常に強くあります。市長は、この辺のところをどのように考えておられるのか、どういう対策を立てようとしておられるのか、この点について伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 防災集団移転促進事業を進める上で、まず用地の確保が最も大事でございます。一番早く進みました11月4日に着工式が行われた新蛇田地域の場合には、地権者の同意を得るのに3カ月から4カ月かかりました。それから、今度は復興庁に計画を提出して、そしてそれが大臣同意を得るまでに、やはり半年から1年近くかかると。要するに、なぜ時間がかかるかというと、どうしても農業振興地域になるものですから、農地を転用する手続に非常に時間がかかると。復興庁でワンストップで行っていただいているわけですが、通常農地転用の上では3年から5年ぐらいかかるというところを、何とか半年から1年近くでやっていただいておりますが、しかし地権者同意を得られてから農地転用の大臣同意が得られて、そして都市計画審議会にかかると、やはり1年から1年半かかってしまうと。そういうふうな、平常時とは言わないまでも、かなり手続上の課題が多いというのが、私もそういった見方をしております。今回の防災集団移転促進事業に必要とする用地120ヘクタールについては、ほぼ確保できましたので、今からは宅地造成工事に早く入っていくことになりますが、議員御指摘のようにこれまで手続が非常にかかったということは否めないと思っております。そのために、復興がおくれているという認識を私も持っています。 ◆31番(髙橋栄一議員) 具体的に言えば、河北の二子南地区、地権者の御理解をいただいてようやく1月中旬に全員の同意をいただきました。被災者の皆さんは、同意をいただければすぐ造成工事が始まるものという期待を非常に大きく持っているわけでございます。それが11月、12月ごろにならないと造成工事が始まらないというお話では、なかなか被災者の皆さんも待っていられないというのが心情でございます。そういう点では、やっぱり農地転用の手続なりを国のほうでもう少し早めてもらう必要があると。こういう全く予想していなかった非常事態の中で、被災者の皆さんに一日も早く住環境を整備するという点では、もう少し国の手続の簡略化、スピード化、これが求められていると私も強く思っております。そういう点では、ぜひ市長に5市町の連携会議なりを通じてもっと早い認可手続をやっていただくように、改めて強く働きかけていただきたいということを要望したいと思います。改めて市長の考えを伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 議員御指摘のように、復興を加速するためにはそのような認可についてもっとスピード感を持って手続を簡素化していただきたいということは、単に防災集団移転促進事業土地区画整理事業のみならず、いろいろとありますので、今後とも国に制度の柔軟性を要望してまいりたいと考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) 次に、職員のマンパワー不足への対応ということでございますが、ただいまの答弁の中で59団体から157人の派遣を受ける予定になっているというお話をいただきました。全国の自治体にいろんなこういうお願いをし、協力をしていただいて、復旧、復興を助けていただいているわけですが、こういった中で市の内部、特に震災復興部をこれから強化していくというお話でございますけれども、今も申し上げましたようにいろんな事業、特にこれから集団移転、高台移転、それらの発注工事がどんどん入ってくるという状況の中で、もう少し増員の工夫が必要ではないかなというふうに思いますけれども、この辺についてもう一度市長の考えを伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 この復興事業、膨大な量の復興事業がございます。単なる震災復興部だけに限らず、例えば産業関係ですと卸売市場の本格的な復旧、あるいは漁業集落事業、それから高台移転事業、産業部あるいは建設部、そのほか一丸となって整備を進めていく上では、組織がやはり単なる縦割りではなくて、お互いに協力し合いながら1つの目標、いわゆる復興を目指して取り組んでいくことが必要だと思っておりますので、横断的な取り組みができやすいような組織改編を含めて検討してまいりたいと考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) それから、これもきのうの議論の中でありましたけれども、総合支所の機能強化、総合支所もそれなりに復旧、復興に向けて頑張っております。ただ、人員配置の中では非常に厳しいものがありまして、なかなか住民の要望に応え切れないという現実があります。この辺の人員配置についてどのように考えておるか伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 総合支所の復興事業もこれから本当の意味でまちづくり、あるいは高台移転等、さまざまな復興事業を抱えてまいりますので、適切な人材配置ということが必要になりますので、組織改編にあわせて早く検討していきたいというふうに考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) それでは、2件目について伺います。 災害に強いまちづくりについてであります。市は、大震災の教訓を踏まえて津波避難ビルの認定を既に始めておりますが、計画全体でどの程度の認定を見込んでいるのか伺います。 また、大震災によって多くの消防団員が犠牲となってしまいましたが、消防団員の確保対策と震災時の避難マニュアルはどのように考えておられるのか伺います。 ◎亀山紘市長 災害に強いまちづくりについてお答えいたします。 まず、津波避難ビルの認定の見込みについてでありますが、現在2社と津波避難ビルの管理協定を締結いたしました。避難ビルの認定につきましては、民間事業者の皆様の協力をいただくことが前提でありますが、現在既設の建物や建設中の建物を合わせ10数件の方と協議を進めているところであり、協議が調いましたところから早期に認定していきたいと考えております。 消防団員の確保につきましては、まずさきの震災により消防団員として崇高な使命を果たすべく殉職された19名の方々に哀悼の誠をささげますとともに、御遺族の皆様には心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。団員の確保対策として、市のホームページやポスターなどで募集を行っておりますが、市報4月号からは毎月団員募集の情報を掲載するなど、さまざまな機会を捉えて団員の確保を図ってまいりたいと考えております。 次に、消防団員の被災時の避難マニュアルについてでありますが、昨年8月に消防庁から報告されました東日本大震災を踏まえた大規模災害時における消防団活動のあり方等に関する検討会報告書などをもとに、地域防災計画津波災害対策編の中で基本的な行動などを位置づけいたしました。今後は、同報告書に示されているとおり、津波災害にあっては消防団員を含めた全ての人が自分の命、家族の命を守るため、避難行動を優先にすべきとの基本原則に基づき、活動可能時間の設定や単独行動の原則禁止などを申し合わせしたところであります。 ◆31番(髙橋栄一議員) 2件目については了解でございます。 次に、3件目に入ります。3件目は、暮らしを早く取り戻すについてであります。被災によって住宅を失った方々は、一日も早く安心して住める住宅の確保を願っておりますが、集団移転や高台移転については地権者の温かい御理解をいただいて着工したところや今月に起工式が行われるなど、少しずつではありますが、目に見える形になってきたことは、遅いと言われながらも一歩前進だと思います。しかし一方では、住宅の自力再建を希望している方々から宅地確保のため農業振興地域からの除外緩和や市街化調整区域の早急な見直しを求める声が多くありますが、これらの要望にどう対応するか伺います。また、震災によって住宅を失った方で、市外へ住宅を求めた方に対する支援策についても伺います。
    ◎亀山紘市長 お答えいたします。 暮らしを早く取り戻すについてお答えいたします。まず、宅地確保のための農業振興地域の除外緩和や市街化調整区域の早急な見直しについてでありますが、農業振興地域は総合的に農業の振興を図る地域であり、農業振興地域の除外は公共用施設用地とする場合などに限られております。また、市街化調整区域の早急な見直しについては、市街地の現況や5年ごとに行われる都市計画基礎調査をもとに、将来の都市的利用の需要が明らかである場合において転換が検討されるものでありますことから、総合的かつ計画的な土地利用とならない宅地確保は、区画整理事業など具体的な事業を実施する見込みがない以上、市街化区域に編入できないこととなっております。 なお、被災された個人の方が市街化調整区域内に住宅を建築する場合につきましては、東日本大震災による特例により家屋が全壊であることなど、一定の要件のもとで許可しております。 次に、市外に住居を求めている人への支援策についてでありますが、現行のがけ地近接等危険住宅移転事業におきましては、市外での住宅再建への支援が認められております。今般新たに追加交付されることになりました東日本大震災復興基金による津波被災住宅再建支援につきましては、市内への再建者に限定して支援できることになっております。これらを踏まえ、現行制度との整合性を図りながら、現在住宅再建支援制度全般を検討しておりますので、御理解を賜りたいと存じます。 ◆31番(髙橋栄一議員) 農業振興地域からの除外の件についてなのですが、私も例えば圃場整備事業が終わった区域についてまで除外申請を認めるようにということは言うつもりはございません。ただ、集落の周辺で圃場整備事業から除外されている地域、この辺のところについてはもう少し見直しをやっていただいて、認めていただいている事例もありますけれども、その辺についてはもう少し緩和をしていただいてもいいのかなというふうに思っております。ぜひ検討をしていただきたいと、このように思います。 次に、2点目の市外へ住宅再建をされた方の支援ですが、ただいま市長の答弁の中では、現行のがけ地近接等危険住宅移転事業で支援をするというふうに答弁をいただきました。私もこれが全て適用されればこの件を取り上げるつもりはございませんでしたけれども、このがけ地近接等危険住宅移転事業は遡及適用は認めないというふうに話を伺っております。つまり震災後早い段階で市外に宅地を求め、住宅を建てられた方については、このがけ地近接等危険住宅移転事業も適用にならないという事例があります。これは、石巻市の支援事業ではなく国がやることだと思いますので、これをやはり県にまとめてやっていただくというのが一番適切ではないのかなというふうに思っております。市にいただいた予算は、石巻市が進める市内への住宅建設、定住化という目的がありますので、この予算を使って市外に行った方を支援するということはなかなか理解は得られないと思いますけれども、県内全体のがけ地近接等危険住宅移転事業の遡及適用ができない方々に対して県がまとめて調査をし、この遡及適用をやっていただくように、ぜひ市長にも働きかけをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 転出あるいは転入者に対する住宅再建に対する支援ですが、これは議員御指摘のように県に対応していただきたいという考えは、私もそういうふうに思っております。ただ、やはりがけ地近接等危険住宅移転事業の被害対象者については、今後市の独自支援としては方向をしっかりと考えていかなければいけないというふうに思っておりますので、その辺は今後対象者、あるいは対象事業に対しての県との話し合いの中で、その辺の要望もしっかりとしていきたいというふうに考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) ぜひこれ実現をしていただくように、しっかりと県のほうにお願いしたいと思います。 それで、市外に行った方々、たまたま私もそういう相談を受けているのですが、そちらに行った自治体のほうにも確認の電話を入れました。それで、石巻市から前回災害危険区域に指定になった方々が、例えば登米市とかに行ってうちを建てた場合、何かそちらの自治体として支援策はあるのでしょうかという確認をいたしましたところ、そういう方についての支援は一切ありませんという回答でございました。津波被害を受けた以外の自治体では、県内ほとんどそういう支援策はないというようなのが今の実態でありますので、ぜひ遡及適用を実現していただきますように強く要望したいと思います。 次に、4件目に入ります。産業経済の再生についてであります。初めに、エコ・セーフティータウン事業の導入について伺います。市では、世界に誇れる復興を目標としていますが、その代表的な事例がこのエコ・セーフティータウン事業だと思います。大震災の教訓を踏まえて、新蛇田地区を初め市内数カ所でこのシステムの実用化に向けて取り組んでいることは評価をいたしますが、この計画に約420世帯の方々が移転する二子南地区が入っていないことは大変残念に思っています。多少おくれても、二子南地区にもこの計画を実用化すべきと思いますが、市長の考えを伺います。 次に、農林水産業の6次産業化についてですが、これは大いに進めてほしいと願うものであります。もう少し踏み込んだ具体的な取り組みが必要と思いますが、市長の考えを伺います。また、漁業分野での取り組みもおくれているようなので、具体的な取り組みについて伺います。 次に、昨年10月、仙台塩釜港と石巻港、松島港が一体となった国際拠点港湾仙台塩釜港が実現しましたことは運動の成果と思いますが、大事なことは今後石巻港がどのように整備されていくのか、その中身、実態だと思います。そこで、石巻港の今後の整備の見通しについて伺います。また、大型客船の誘致活動を進めるとありますが、それとあわせて石巻港に海上自衛隊の隊員の休息を目的とした艦船の寄港を国に働きかけるべきと思いますが、市長の考えを伺います。 次に、新エネルギー等関連産業の集積についてですが、2月23日の石巻かほくに「上品山付近における風力発電事業可能性あり」との見出しで掲載されておりましたが、市長はこの事業化についてどのように考えておられるか、以上4点について伺います。 ◎亀山紘市長 それでは、産業経済の再生についてお答えいたします。 まず、エコ・セーフティータウン事業の導入についてでありますが、同事業は民間住宅や公営住宅、公共施設に太陽光発電設備、蓄電池、エネルギー管理システムを設置することにより、再生可能エネルギーを利用した効率的で災害に強いまちづくりを実現しようとするものであります。同事業は、本市の復興を産学官で推進するため発足した石巻復興協働プロジェクト協議会の10事業の1つであり、スマートコミュニティー構築事業として経済産業省の補助を受け、昨年9月にマスタープランを策定し、同年12月には同省の承認を受けるなど着実に進捗しており、今後は具体的な事業化へと進むこととなっております。現在は市内4地区をモデル地区として設定しておりますが、そこでの成果をもとに他地域への展開を図ってまいりたいと考えております。 次に、農林水産業の6次産業化推進の具体的な取り組みについてでありますが、これまで各種研修会や異業種間マッチング交流会などを開催してきたところでありますが、本年度におきましては去る2月18日に6次産業化推進セミナーinいしのまきを開催いたしております。セミナーの内容といたしましては、既に6次産業化を実践している方の講演と東北農政局の6次産業化専門官による支援制度等の説明、さらには意見交換会及び個別相談会を実施し、6次産業化を考えている方にとっては非常に有意義なものであったと認識しております。今後につきましては、セミナー参加者や興味のある農林水産業者を対象として6次産業化を成功させた先進事例を視察するなど、6次産業化の推進に向けた事業を図ってまいります。 次に、今後の石巻港の整備の見通しについてでありますが、現在石巻港区では復旧事業として岸壁のかさ上げや防潮堤のかさ上げ、新設、防波堤のかさ上げ等が国及び県により平成27年度完了に向け整備が進められております。今後は、雲雀野地区の大水深岸壁や日和埠頭の増深化、防波堤の延伸、耐震岸壁等が計画されており、3港統合一体化に伴う大型バルク貨物の拠点機能拡充及び大規模災害時の産業活動維持に必要な施設整備を国及び県に対し引き続き要望してまいります。議員御指摘の海上自衛隊の寄港地としての取り組みについては、いろいろと海上自衛隊とも意見交換をさせていただいておりますが、これからも要望活動を進めてまいりたいと考えております。 次に、新エネルギー等関連産業の集積の見解についてでありますが、本市におきましては従来から木材製品関連や紙パルプ工場におきましてバイオマスボイラーが導入されるなど、新エネルギー技術が蓄積されております。現在は、牡鹿泊地区に国内最大級の太陽光発電所が、牡鹿清崎山地区におきましてはマリンバイオマスエネルギーの抽出を見据えた微細藻類培養施設が建設中であります。先月21日には、環境省の委託調査を受けた研究グループの報告会が開催され、風力発電の事業化が難しい地域とされていた本市域においても、上品山周辺の丘陵部においては事業化が有力であるという評価がなされております。本調査では、採算性だけではなく低周波騒音や自然環境及び景観なども踏まえ総合的に評価し、風力発電施設の規模、電力買い取り価格など、一定の条件の上で事業化が見込まれるとのことであります。本市としましては、この事業報告の評価を受けて新エネルギーを導入し、環境にも配慮した災害に強いまちづくりを推進するために、新エネルギー等関連産業の集積に努めてまいりたいと考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) 最初に、エコ・セーフティータウン事業の二子南地区への導入について伺いたいと思います。 現在の計画では、市内4カ所ということで計画をされているようでありますが、この4カ所については経済産業省の国の補助金を活用してやっていくということになっております。それで、この実績を見ながらという考え方なのかなというふうに受けとめておりますけれども、私としては補助金を活用してやっていただくほうがより早く実現できるのかなというふうに受けとめております。それで、今民間企業のほうでも新しく住宅団地を造成する場合には、このエコ・セーフティータウン事業構想を補助金なしで、これを売りにして新しい住宅団地に入っていただくような宣伝も今見えるようになりました。そういう点では、可能性はあるのかなというふうには思いますけれども、これまでは地権者同意がなかなか得られなかったということで、私も余り強くは言えませんでしたが、420世帯が入る場所ですから、ぜひ補助金を探して、この地域にも実用化していただくように強く要望しておきたいというふうに思います。改めて市長の考えを伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 住宅メーカーもかなりそういった意味でエコ・セーフティータウン、要するにスマートコミュニティーに対する関心が高い状況にありますので、やはりその辺の状況と、それからまずお住まいになる方々との話し合いを通して、このエコ・セーフティータウンをほかの地域でも進めることができれば、私どもとしても考えていきたいというふうに思います。 ◆31番(髙橋栄一議員) 次に、6次産業化の推進について伺いたいと思います。 今回の津波によりまして、石巻市内の農業、農地、大変な打撃を受けました。この中から農業の復興ということを考えていく場合に、この6次産業化というものは非常に重要なテーマだと、このように受けとめております。それで、これを具体的に進めていく場合に、行政としてどのような具体的な支援ができるのか、その辺のところを早急に検討し、取りまとめをしていただいて、この6次産業化に取り組みたいというところも今出てきておりますので、その辺にぜひ市としての支援策を具体化していただきたいというふうな思いですが、改めて市長にその辺のところについて伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 6次産業化については、これは震災前に平成23年1月に実は第1回のセミナーをやりました。そのときも百数十名の方々が参加して、大変関心の高い事業だというふうに思っております。震災後、やはり農業を営む方々、いきなり6次産業化にいかなくても、とにかく販路拡大を進めていく中で、つまり1次と3次を連携し販路を拡大していく中で、さらに皆さんとその中でものづくりを考えていくと、そういった取り組みをすることによって6次産業化に進めることが可能であるというふうに考えておりますので、それを後押しする支援策というのは、やはりしっかり考えていくことが必要だというふうに考えておりますので、これもどうか皆さんと一緒に、またこの石巻市の大事な農業、水産業、1次産業を立て直すために協力をよろしくお願いしたいと思います。 ◆31番(髙橋栄一議員) 次に、自衛隊の艦船の石巻港への寄港について伺いたいと思います。 海上自衛隊の艦船、物資の補給については神奈川県の横須賀港、それから青森県むつ市の大湊港、この2港が東北の関係ではあるそうですが、ちょうど石巻港というのはその中間に、場所的には当たっていると思います。それで、物資の補給というのは、もう必要は、その2港がありますので、そこまでは求められないのかなというふうに思いますけれども、隊員の休息のための寄港というのは、ぜひ実現させるべきだというふうに思っております。幸いにも防衛大臣が今6区選出の小野寺議員ということで、働きかけもやりやすいのではないかなというふうに思いますが、改めてこの件に対する市長の取り組みの決意というものを伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 実は、震災前に海上自衛隊のミニ観閲式が平成23年度に石巻工業港で行われることが計画されていました。しかし、今回の大震災でそれは中断されておりますけれども、議員今御指摘のように横須賀から大湊の間に寄港地がありませんので、そういう意味では石巻は地理的に非常に優位であるというふうに判断しておりますので、これからも海上自衛隊と意見交換を進めていきたいというふうに考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) 次に、上品山への風力発電の事業化について改めて伺います。 この間石巻かほくに掲載されました記事の中では、8基、それから16基建設した場合の事業化のコストとか、いろいろ記載されておりました。それで、もしあの上品山に16基も風力発電が建設された場合、道の駅から見ますとちょうど正面に当たりまして、非常に景観的にもいいのかなというふうに思っております。そういう点では、ぜひ実現していただくように、いろいろ市のほうとしても事業者に働きかけをやっていただきたいと思うのですが、改めて市長の考えを伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 私は、平成21年度から市長の役割を担って進めているわけですけれども、そのときから自然エネルギーを生かしたまちづくりということで目標に掲げておりましたので、今の状況では太陽光発電施設が先行しているという状況にありますので、やはりもう一つの自然エネルギーとして重要なエネルギー資源である風力を生かした自然エネルギーを誘致していくということが大変重要だと思っておりますので、頑張って進めてまいりたいと考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) それでは、5件目に移ります。 総合支所エリアの復興についてであります。第1点は、各漁港施設の復旧についてですが、入札不調や応札がないという現状をどのように考えているか、また応札可能な仕組みづくりを考えるべきと思いますが、その対応策について伺います。 2点目は、大川地区長面囲230ヘクタールの農地復旧への対応策について伺います。 3点目は、北上地区に新設するカントリーエレベーターの利用促進策について伺います。 4点目は、市内の堆肥センターでは農地やハウスが被災したため利用者が激減し、製品化した堆肥が滞留し、自助努力の限界を超えて大変困っていると聞きますが、行政の支援策について伺います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 総合支所エリアの復興についてお答えいたします。まず、各漁港施設の復旧に係る入札不調や応札がない現状の対応についてでありますが、今年度より復旧・復興建設工事共同企業体、いわゆる復興JVの導入や予定価格事前公表などの入札契約制度の緩和措置を講ずるとともに、大型工事として発注を行っているところでありますが、平成25年度からさらなる大型化により複数港を大くくり化することや1つの漁港の全ての施設を一括で発注することなどを計画しております。また、工事の大型化に伴い、工事施工期間を確保するため複数年での契約を可能とすることなどの取り組みを実施してまいります。 次に、河北大川地区長面囲の農地230ヘクタールの復旧への対応策についてでありますが、長面工区の農地復旧については、釜谷から長面排水機場までの約170ヘクタールについて仮締め切り用の仮設道路を建設、排水作業により干陸化を行い、現在行方不明者の捜索と瓦れき撤去を進めており、平成25年度で75ヘクタール、平成26年度で95ヘクタールを宮城県により本格的な農地復旧に着手する予定であります。また、残りの60ヘクタールについては、国土交通省による北上川下流長面下流地区築堤工事、宮城県による海岸堤防築堤工事等が完了後に干陸化を行い、瓦れき撤去後に農地復旧に着手することになりますことから、関係機関に対し事業の早期完了を要望してまいります。 次に、北上地区へ新設するカントリーエレベーターの利用促進策についてでありますが、本施設につきましては北上川の河口に位置する北上、河北・大川地区の農地、農業者を対象に、農業機械が流失するなど大きな被害を受けた方々が共同で利用できる施設として整備を進めております。現在北上、河北・大川地区ではカントリーエレベーター整備のほか、宮城県による農地の災害復旧事業なども進められていることから、農地復旧に伴う作付面積の増加に伴い、カントリーエレベーターの利用が促進されるものと期待をいたしております。今後も地元の農業者の皆さんやJAいしのまき等の関係機関と積極的に意見交換し、カントリーエレベーターの利用促進に向け取り組んでまいります。 次に、堆肥センター利用者激減により製品化した堆肥が滞留している。行政の支援策はについてでありますが、現在市内で稼働している堆肥センターは、河北大谷地、河南、桃生、北上地区の4カ所で指定管理者が運営しており、年度終了後には実績報告とともに課題や問題点等を報告いただいております。今回の震災では、利用者である農業者の多くが被災されたために、利用者が減少していることは認識いたしております。堆肥センターの運営は、堆肥の品質、価格、そして販売促進活動が重要であることから、今後は市のホームページを活用するなど、利用拡大についてもJAいしのまき等の関係機関、団体に強く働きかけを行っていくほか、利用拡大の可能性について引き続き検討してまいりたいと考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) それでは、最初に各漁港施設の復旧について伺いたいと思います。 ただいま市長からいただきました答弁で、方向性としてはこれ以外にないのかなというふうに思いますけれども、建設業者のほうも潜水夫の不足とか技術者の不足、これらがあってなかなか数を受け取れないという現状が今までありました。そういう点では、大くくりの中で発注をしていくということは、方向性としてはいいと思うのですが、今言ったような事業者側の事情もありますので、その辺も配慮をしながら、ぜひ早期に契約が成立するような方向性を実現していただきたいと、このように思います。この点について、改めて市長の考えを伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 石巻市が管理している漁港34港のうち、入札不調がその半分の17漁港が不調になっているという状況があります。いわゆる入札が5割というような状況にありますので、やはり半島部の漁港の整備を急ぐ必要があります。事業者の抱えている問題もあります。例えばどうしても技術者が工事確認が終わるまでその事業に張りついていなければいけないというふうなこともありまして、そういったところも含めて、もう少し何か工夫すれば早く次の入札に入る可能性もあるのではないかと思いますので、これはやはり事業者の方々とも話し合いしながら、加速する方向をしっかり探っていきたいというふうに考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) ぜひ創意工夫をしていただきまして、一日も早く工事が始まるように努力をお願いしたいと思います。 次に、大川長面囲の農地の復旧について伺います。この件については、これまでも何度か一般質問の中でも取り上げさせていただきましたけれども、2月に議会の東日本大震災復興促進特別委員会がこの長面囲に現地視察に行っていただいたと聞いております。その中で、やっぱりいろんな疑問が出されたそうですけれども、あそこで長い間海水に浸かったままの土地を本当に農地として復旧し、生産活動をやって収益を上げ、借地料を払うことができるような農地にまで復旧できるのかということが一番の課題だというふうに受けとめております。それで、まず長面囲もそうなのですが、その手前の針岡囲、ここは入札のおくれによって工事発注がおくれたために、当初はことし作付予定ということで説明をしておったのが、平成26年度作付ということになりました。この中でも問題になっているのが用水の源であります富士沼、ここの塩分濃度が思うように下がらないという現実があります。来年の作付までは1年間ありますから、いろんな手を打っていただけると思うのですが、本当に安心してその用水を使える状態にまで1年間の中でやっていただけるのかどうか、これがまず1点大きな問題として今あります。当然この用水は、長面囲を農地として復旧させた場合には、そこにもこの富士沼から用水が行くわけですから、まずもって塩分濃度をきちんと下げていただくための対策、この工事を早急にやっていただかなければならないと、これをぜひ市長も念頭に置いておいていただきたいというふうに思います。 それから、仮に塩分濃度が下がって用水として使えるというふうになった場合に、今申し上げましたように長面囲にもその用水が行くわけですが、海状態であったということは、海面よりも地盤沈下をして低いという状況になるわけです。そこのところで、本当に米づくりができるような農地復旧がやれるのかなというのが、私も初め地権者のほとんどの方々の疑問というふうに今なっております。新聞報道によりますと、東松島市でも農地復旧を辞退したいというような地域も出てきました。それは、ただ単に農地を諦めるということではなくて、別の利用方法も考えていただきたいと、このような考えを持って農地復旧を辞退したいというような考えのようでございます。 それで、これまでもいろんな話し合いを重ねてきた経緯があるわけですが、新聞報道の中で全くそのとおりだなというふうに思う記事がありましたので、ちょっとだけ読み上げさせていただきたいと思います。これは、東京新聞が長面、東松島の農地復旧の現場に来て取材をしながら書いた記事なのですが、この中で1人は石巻市にも住んでいただいた国の復興構想会議の委員を務められた高成田さんが取材を受けて、次のようにお話をされていました。「長い時間と巨額の費用をかけて、誰も耕さない田んぼをつくる。悪い冗談のような話が、現実にはまかり通っている」と、このように指摘をされております。つまり災害復旧というのは、これまでの国の制度の中では、被害を受けたものをもとに戻すということが前提になって全てが進められていくと。例えば地域の方々が話し合って、この地域をどのように復興させていくのか、そういった議論を聞く余地すらないと、これが今の災害復旧の一番の大きな問題点だなというふうに私は思っております。それで、もう一人、尾崎の西村さんという方がこのように答えております。西村さんは、「もう一度田んぼをやりたいという農家は余りない。何が何でも田んぼに戻すんではなくて、細かく要望を聞けばいい。日本中から税金をもらっておいて、こんな使い方はおかしい」と、このように指摘をされております。そして最後に、高成田さんは「予算消化のための拙速な事業ではなく、例えば地元に自由に使える基金を設置するなど、時間をかけた地元主導の復興が求められている」と、このように指摘をされております。国や県は、農地復旧というのは石巻市から要望があって、それに基づいて事業を施工している。もしそのような考えがあるのであれば、やはり石巻市がもう一度きちんと被災者の意見なり考え方を取りまとめて、具体的にどのようなやり方があるのか、その辺の取りまとめまでやるのが行政の地元自治体の責任だというふうに言われております。 実は、私も早い農地復旧をという要望書にサインをした一人でありますので、私もその責任は非常に大きいものがあると思っております。ただ、一番最初の段階で大川地域の農地復旧を早くやってほしいというのは、堤防も何もない海状態のままで、このまま何も運動をしなければ見捨てられてしまうのではないかという非常に強い思いがありました。その時点では、集団移転の話も何もなくて、どのようにしたらこの地域を見捨てられないで復興できるのかなと。その一つの手段として、堤防をつくっていただいて、農地復旧をやるというのが当時の構想でした。しかし、時間の経過とともに災害危険区域に指定され、大川地域の方々は二子南地域にほとんどの方が集団移転をされるということに今は決定され、その方向で動き始めました。つまり農地復旧をやっても、あそこで改めて農業をやるという方はほとんどいないというのが現状です。ただ、県のほうではその辺も配慮をして、針岡地域内に新たに農業生産法人を立ち上げて、何とか長面囲の農地復旧をやって、それを請け負っていただいてやるというところまで話は進んできておりまして、そのことに私は水を差すつもりは毛頭ございませんけれども、問題はその請け負った集団が整備をされた農地から収益を上げて、きちんと被災者に借地料、いわゆる小作料を支払うくらいの農地復旧でなければ、誰のための農地復旧になるのかわからないという思いを今は強く持っております。もし農地復旧で今後とも進むということであれば、やはり農地復旧の方法も含めてきちんと収量が上げられるような整備の方向というものを考えていただきたいというふうに思いますし、また別の視点で、別の利用方法も考えるということであれば、それは被災者も含めて行政も一体になってその利用方法について考えていかなければならないと、この2つの方向を早く話し合いを持って、何とかやっていただきたいなというふうに私は思っております。 そしてさらに、県の計画では長面囲を3つの区域に分けて農地復旧をやっていく計画がございます。ことしの9月ごろから入る第1工区、それから平成26年度復旧工事をやる第2工区、そして第3工区は今堤防工事がこれから始まりますけれども、まだ海状態の70ヘクタール、やはり今も海状態の70ヘクタールについては、行政としても被災者の意見を聞くような場を、これはぜひ設けていただければなというふうに私は思っております。この辺のところについて市長の考えを伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 長面囲、それから針岡囲については、第1、第2工区については農地としての利用ということで県が復旧を目指しておりますけれども、今後その利活用についてはやはり被災者の方々、要するに地権者の方々、あるいはその地域の方々と話をしていくことが必要だというふうな認識は持っております。また、第3工区については、これは今も海の中ですから、何とか横須賀堤防を整備していただいて、まず復旧するということがやはり必要だというふうに思っております。その後、県に任せ切りにするのではなくて、地域の方々と地元石巻市がしっかり意見交換をしながら、将来の復旧、復興のあり方について、これからしっかり検討させていただきたいというふうに考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) 大変前向きなお話をいただいたなというふうに受けとめました。私は、県、そして東北農政局が農地復旧のために堤防を築き、農地を復旧させるという努力に対しては、大変感謝をしております。大変な努力をいただいたなというふうに受けとめております。ただ、今申し上げましたようにあの状態の中で誰のための農地復旧になるのか、その辺のところが私も被災者もよく見えないという現状でございますので、ぜひその辺を踏まえながら話し合い、被災者の話を聞きながら復旧させていくという方向に、前向きに取り組んでいただきたいというふうにだけ申し上げたいと思います。 次に、6件目に入ります。市民が安心して生活するための防災対策について伺います。第1点は、津波で被災した消防署の北上・雄勝出張所の早期再建について考えを伺います。 第2点は、車社会に対応した避難道路の新設計画について伺います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 市民が安心して生活するための防災対策についてお答えいたします。まず、被災した消防署北上・雄勝出張所の早期再建についてでありますが、北上出張所、雄勝出張所については、震災に伴う津波により全壊となり、現在それぞれ総合支所内に仮設で事務所を設置し、運用している状況であります。今後当該地区のまちづくりに伴う土地利用の状況や市内全体の消防署所の配置を勘案し、各地区と協議しながら対応してまいりたいと考えております。 次に、車社会に対応した避難道路の新設計画についてでありますが、津波から逃れるためには高台や津波浸水区域外に逃げることが大事であります。昨年12月7日の津波警報時にも市内各所で車による渋滞が発生しており、今後の災害に備え、解決しなければならない大変大きな課題であると認識いたしております。津波からの避難については、原則徒歩としておりますが、災害時要援護者の避難や高台等の避難目標地点まで時間を要する場合もあり、車避難を完全に否定することはできません。現在市内数カ所において避難路整備の可能性について調査を実施しておりますが、今後は地域の皆様の御意見を伺いながら、車避難のルールづくりと並行して道路整備のあり方についても検討してまいりたいと考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) 消防施設の北上・雄勝出張所の整備方針について、改めて伺いたいと思います。 私もこの2つの出張所については、震災前の状況がどうだったのかということもちょっとお話を聞きに行ってきました。それで、どちらも出張所ということで、救急車が出れば消防自動車が出動できないと、消防自動車が出動したときは救急車両が出動できないと、こういう状況にあったというお話を聞きました。それで、今回の再建に当たっては、考え方としては北上・雄勝出張所を統合して、場所はいろいろ綱引きもあるのかなというふうには思いますけれども、基本的な考え方としては2つの出張所を統合して、その人員をきちんと確保しながら救急車両、消防車両が同時に出られる体制をつくるというのが大事でないのかなというふうに思っております。統合の問題になりますと、いろいろ感情論もあるかと思いますけれども、考え方によっては今まで両方出動できないという問題を解消することも可能になるわけですから、私は前向きに捉えて、そういう方向で整備方針を立てるべきではないのかなというふうに思っております。そして、どちらも救急車両ですから、一日も早く再建をしていただくと、再建計画を立てて実際に一日も早く消防施設を建てていただくというのが地域住民の要望だと思いますが、その辺に対しての市長の考えを伺いたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 これからのまちづくりに当たっては、まず安全、安心を図る上でも消防署出張所の必要性は私も理解しております。何とか早く、統合という話もありましたけれども、統合も含めて出張所の再建については担当課に指示をして検討させていただきたいと思います。 ◆31番(髙橋栄一議員) 7件目に入ります。 市民生活に密着したインフラの復旧についてですが、市役所やJR石巻駅周辺の交通渋滞緩和を考えるとき、望ましいのは駅舎や線路の高架化ですが、この構想は以前に検討され、余りにも膨大な予算がかかるということで断念されたという経緯があると聞きました。そうであれば、せめて駅舎の橋上化を実現し、駅舎と市役所、そして新病院が建てば新病院を、この3つを橋でつなぐことを目指すべきと考えますが、市長の考えを伺います。また、JR仙石線では現在多賀城駅が高架の工事中と聞きますが、次は石巻駅に取り組んでいただけるようJRに対して運動すべきと考えますが、市長の考えを伺います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 市民生活に密着したインフラの復旧についてお答えいたします。JR石巻駅周辺の整備についてでありますが、JR石巻駅周辺の整備につきましては、庁内組織である石巻駅周辺地域整備検討会議において、災害時の市民、来訪者の避難、行政機能の維持等、津波防災拠点の整備に向けて必要な公共公益施設や道路等の公共施設の配置について、津波復興拠点整備事業の採択に向けて国土交通省の指導をいただきながら計画の策定を進めているところであります。また、JR石巻駅につきましては、駅北側からの利便性の向上と鉄道を挟んだ市街地の一体化を図るべく、南北自由通路を併設した駅舎の橋上化に向けて検討を進めているところであります。議員御指摘の駅舎の高架化については、確かに多賀城駅の高架化が終了いたしますので、次の候補としては石巻駅という思いも私どもも持っておりますので、今後かなりハードルは高いと思いますけれども、JR東日本との話し合いを持っていきたいというふうに考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) 橋上化については、市長に大変前向きなお話をいただきました。ハードルは高いということですけれども、新病院、それから市役所、そして駅、この辺の交通渋滞を緩和するには大きな手段になると思いますので、ぜひ強い決意でもって働きかけを要望したいというふうに思います。 次に、8件目に入ります。市民が健康に暮らせるための施策について伺います。第1点は、虐待防止センターを新たに設置するとありますが、マンパワー不足の中で迅速かつ適切な対応をするために、専門職員を含めた人材確保対策をどのように考えているか伺います。 第2点は、震災によって両親を失い、震災孤児奨学金給付事業の対象となった児童・生徒に対する心のケアなどはどのようになされているか伺います。 ◎亀山紘市長 市民が健康に暮らせるための施策についてお答えいたします。 まず、新たに設置する虐待防止センターの専門職員を含めた人材確保についてでありますが、センターには一般行政職員、児童虐待の相談、支援業務に当たる専門員、ドメスティック・バイオレンスを担当する専門員に加え、新たに社会福祉分野の専門的知識を持つ社会福祉士や保健及び福祉に関する精神保健福祉士などを配置する予定としております。これらの職種につきまして一般公募しましたところ、有資格者からの応募がありましたので、採用について審査し、適正な配置に努めてまいります。 次に、震災孤児奨学金給付事業の対象となった児童・生徒に対する心のケアについてでありますが、この事業の対象になった児童・生徒は40名おります。各学校では、事業対象の児童・生徒を含めた全てに対して個々の児童・生徒の状況をよく把握できるように、スクールカウンセラーを引き続き配置するとともに、スクールソーシャルワーカーを増員するなど、心のケアに適切に対応するための取り組みを行ってまいります。 ◆31番(髙橋栄一議員) ただいま市長の答弁の中で、震災孤児奨学金給付事業の対象となった児童・生徒は40名おりますというお話でございました。震災によって突然両親を失ったということは、子供たちにとっては本当に大変な思いだというふうに思います。この子供たちが大人になっていくために、やっぱり真っすぐ育っていっていただきたいという思いを強く持っているわけですが、そのためにも心のケアといいますか、このことが非常に大事だというふうに思っております。行政ができる範囲は当然限られておりますけれども、その子供たちに対する配慮といいますか、ケアといいますか、そういうものの大事さを行政の側も受けとめておられると思いますが、もう少し踏み込んだ回答をいただければなというふうに思いますが、市長、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 孤児になられた方が40名、さらに遺児、孤児を合わせますと、石巻地域だけで218名に及びます。そういった中で、しっかりと心のケアを図っていくとともに、やはり今必要なのはそれと同時に、心のケアを進めると同時に住環境の整備、それから教育環境の整備を急ぐことが必要だというふうに思っておりますので、やはり地域でそういった遺児、孤児に対して支えていただくような取り組みにしないと、次世代を担う子供たちの成長をしっかりと私ども地域で支えていくということが必要だと思っておりますので、さまざまな事業について取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) 次に、最後の9件目に入ります。 市民生活の礎となる産業の復興に向けた基盤づくりについて伺います。第1点は、石巻漁港水揚げ量の回復について伺います。仮設市場という大きなハンディを背負いながらも、関係者の懸命な努力によって、昨年は震災前の4割程度まで水揚げ量が回復してきたと聞きますが、復旧途上にある水産加工団地の原魚確保の観点からも、平成25年度はどの程度まで回復させようと考えているか、その具体的な取り組みについて伺います。 第2点は、肉質日本一の茂洋号を活用した石巻和牛ブランド化への取り組みと消費拡大への対策について伺います。 第3点は、被災農地のうち多くは平成25年度内で復旧工事が完了し、平成26年度作付に向かっているようでありますが、平成26年度以降も作付できない水田については、被災農地経営再開支援事業は作付可能になるまで継続されるのかどうか、その見通しについて伺います。 第4点は、林業の復旧、復興支援については、何よりも地元産木材の利活用を後押しすることが大切と考えますが、半島部における一戸建ての災害公営住宅への利用や集団移転も含めた自力再建への利用に対する支援措置が必要と考えますが、その対応策について伺います。 第5点は、中小企業の復旧、復興に大変役立っているグループ補助金についてですが、グループ補助金を希望しながら、いろいろな事情でまだ認定を受けていない方々への対策についてどのように考えているか伺います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 市民生活の礎となる産業の復興に向けた基盤づくりについてお答えいたします。まず、石巻漁港水揚げ量の回復策についてでありますが、水揚げ量の回復には漁船の入港をふやすための漁船誘致活動に力を入れなければなりませんが、その前提となる漁港や魚市場など関連施設の復旧整備を急がなければなりません。あわせて、水揚げした魚を消費する水産加工業の早期の再生も必要であると考えております。石巻漁港の復旧整備につきましては、宮城県を初め関係機関と連携を図りながら推進しており、魚市場の本格復旧につきましても早期実現に向けて今後とも努力してまいります。今後は、市場整備を見据えた漁船誘致活動について、業界と一体となって推進してまいりたいと考えております。また、水産加工業の再生につきましては、本市の水産加工業再生支援事業や国の中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業での施設整備が今後形となってあらわれてくると思われますので、それぞれが同時並行的に本市水産業の復旧、復興を促進することで、水揚げの回復につなげてまいりたいと考えております。 次に、茂洋号の和牛ブランド化の取り組みと消費拡大対策についてでありますが、石巻市が生誕の地であります宮城県の基幹種雄牛茂洋の産子は、県畜産試験場の統計におきましても1月末で2,683頭の枝肉成績で、等級がA4以上の上物率が86%と、いまだに驚異的な数字を示しており、その名前は全国から認知され、銘柄は仙台牛として名実ともに全国のトップレベルの銘柄牛の仲間入りをしています。振興策として、市では平成20年度から茂洋産子の購入に対しての補助金の交付や県内の畜産共進会や東京で開催されます枝肉共励会での茂洋の郷石巻和牛といった帽子、ジャンパー、たすき、横断幕を掲げてアピールするなど、市内の牛肉販売店にもポスターやのぼりを配付し、PRに努めております。口蹄疫や震災の影響で3年間開催を見送った畜産フェスティバルも本年は盛大に開催し、茂洋の消費拡大に努めることとしております。また、5年に1度開催されます全国和牛能力共進会、いわゆる和牛のオリンピックが平成29年に宮城県を会場に開催されることから、県の担当本部では参加する牛全てを茂洋の系統で統一するなど力を注いでおりますことから、震災からの畜産業の復興とブランド化を推進してまいります。 次に、被災農地経営再開支援事業の継続の見通しについてでありますが、本事業は津波被害を受けた農地の早期復旧と被災農家の所得の確保を目的に国が創設し、平成23年度から平成25年度までの3カ年を事業期間としております。本市では、大川、北上地区など5地区の地域農業復興組合に対し支援しておりますが、本事業の継続に関しましては、現時点ではまだ国から方針が示されていないことから、農地復旧の進捗状況を見きわめながら関係機関、団体と連携を図り、被災農地のより早い復旧及び被災農家の所得確保が図られますよう、国に対し事業継続の要望活動を行ってまいります。 次に、林業の復旧、復興支援に対する対応策についてでありますが、本市におきましては昨年7月に策定した石巻市の公共建築物における木材利用の促進に関する方針に基づき、地域産材の利用を推進してまいります。復興公営住宅等につきましては、石巻市公営住宅設計ガイドラインに位置づけられていることから、積極的に地域産の木材利用を推奨してまいります。また、木材利用促進のためには安定的な木材の供給等の課題もありますことから、間伐や路網整備等を推進し、安定的な木材の供給やコストの低減に取り組んでまいりたいと考えております。 なお、地域産材を使用した住宅への支援制度につきましては、今後検討してまいりたいと考えております。 次に、グループ補助金を希望しながら認定を受けていない方々への対策についてでありますが、県、商工会議所、各商工会など関係機関と連携しながらグループの再編や計画の見直し等について支援するほか、グループ補助金は平成25年度も継続することから、国に対して市内グループの採択を要望してまいります。また、被災事業者への支援制度につきましては、グループ補助金以外に県が実施する中小企業施設整備復旧支援事業費補助金、地域商業等事業再開支援補助金及び観光施設再生支援事業補助金のほか、これらの県補助金では対象とならない小規模な復旧に対しては、本市独自の支援策として石巻市中小企業復旧支援事業補助金を創設しておりますことから、これらの支援策の活用を促進し、きめの細かい事業者支援に努めてまいりたいと考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) 1点だけ伺いたいと思います。 被災農地経営再開支援事業の継続についてですが、これは回答のほうでもお話がありましたけれども、この事業が立ち上げられましたのは震災直後3年間この事業を継続するということで国のほうからお話がありました。しかし、答弁の中でもありますように、来年以降どうなるのかというのは国のほうではまだきちんと方針を出していないという現状であります。そう簡単にはこの事業は打ち切らないとは思いますが、被災した農家が米もつくれない状況の中で、農地復旧がまだ終わっていない状況の中で、この事業が打ち切られた場合には、所得が全くなくなるという場面に直面いたします。そういう点では、何としてもこの事業は農地復旧が終わるまで継続をしていただきたいと思いますが、これは市長初め被災農地の関係自治体の首長一丸となって事業の継続を国に働きかけるべきというふうに思いますが、市長の考えを伺います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 農地の復興がなかなか進んでいない状況でこの事業が打ち切られるということは、農家に対して大変な負担をかけることになりますし、やはり所得確保を図るためにはこの事業を継続して行っていただきたいという、強くこれからも中央に要望をしていきたいというふうに考えております。 ◆31番(髙橋栄一議員) 以上で明心会の代表質疑を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。 ○議長(阿部和芳議員) 以上で31番髙橋栄一議員の質疑を終わります。暫時休憩します。   午前11時33分休憩                                             午後 1時00分開議 ○議長(阿部和芳議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。27番伊藤啓二議員の質疑を許します。27番。 ◆27番(伊藤啓二議員) 議長のお許しを得ましたので、公明会を代表して市長の施政方針に対する質疑を行います。 質疑も6番目でありまして、重要なテーマはほとんど答弁されておりますけれども、震災復興の課題も山積しておりますことから、前者との重複につきましては御了解いただきたいと思います。 あの悪夢のような東日本大震災から間もなく2年を迎えます。石巻市は、4,000名にも及ぶ多くのとうとい命を失ってしまいました。改めて哀悼の意をささげます。そして、被災された方々は今なお狭い仮設住宅で不自由な生活を余儀なくされ、今後の生活に不安を抱えながら暮らしています。石巻市は、平成23年12月策定した石巻市震災復興基本計画、最大の被災都市から世界の復興モデル都市石巻を目指して鋭意取り組んできておりますけれども、いまだ復旧事業が手つかずの実態があります。また、復興住宅も計画の1%と緒についたばかりで、市民目線では進んでいるという声は聞こえてきません。 施政方針で、市長は震災により失われた暮らしを一日も早く取り戻すために強い信念と情熱を持って取り組むと決意をあらわし、そのために今求められているのはスピードと実行力と強調されました。精神論でその言葉に異論はありません。そのためには、まず復興の推進に向けて両副市長初め理事者との信頼関係が最重要であると思います。そして、各部からの提言や課題については素早く明確な判断と指示をする、そしてトップがその全責任をとる覚悟が求められると思います。 さて、平成25年度の全会計予算総額は2,876億7,477万3,000円の規模であり、防災集団移転促進事業の高台造成工事も本格的に着工する年であります。被災者の方々にとって、復興が進んでいると実感できるスピードと実行力の具体の考え方もあわせ、市長の政治姿勢について伺います。まず、当市の震災復興基本計画を推進するための課題は多岐にわたりますが、今最大の課題は入札中止、不調の問題であります。現時点で5割の入札中止、不調でありまして、この重要課題が改善されなければ震災復興基本計画が大幅におくれてしまい、被災者の方々の生活再建に支障を来します。この入札改善については、政治判断が重要であると思います。この点についての市長の見解を伺います。 2点目は、昨年11月、被災地の復興を加速させるために3市2町による宮城県東部沿岸大規模被災市町連絡協議会を発足し、首長、議長が国への要望活動を展開してきた結果、このたび住宅再建に係る財政支援が決定されたことは大きな成果であります。市長が施政方針で述べているとおり、今後も被災地の実情に合わせた法制度の変更や新たな制度の創設が急がれます。その意味で、連絡協議会の活動は復興を加速させる大きな手段であります。石巻市として、さらなるイニシアチブをとって推進すべきと思いますが、市長の見解を伺います。 3点目は、1期4年間の市政運営について、市長御自身の評価としてどのように捉えているのか見解をお伺いします。 ◎亀山紘市長 それでは、伊藤議員の御質疑にお答えいたします。 まず、政治姿勢についてお答えいたします。復興のスピードを上げるための政治手法についてでありますが、復興事業を推進していく上での大きな課題といたしましては、各種の制度要件の緩和や財源の確保、マンパワー不足などが挙げられますが、議員御指摘の入札中止、不調の問題も大きな課題の一つであります。本市におきましては、復旧・復興建設工事共同企業体、いわゆる復興JVの導入や予定価格の事前公表など、円滑な施工を確保するための特例措置を講じているところであります。また、通常の発注方式では膨大な復興事業を実施していくことが困難となる可能性が高いことから、発注ロットの工夫を含め、どのような発注方式が本市の復興事業を加速させるために適切かなどの検討を進めております。私は、復興のスピードを上げるためには、制度運用の柔軟な対応や新たな制度の創設など、被災地の実情に即した対応が大変重要であると考えておりますことから、国・県に直接訴え、その実現に努めてまいりたいと考えております。 次に、宮城県東部沿岸大規模被災市町連携会議の活動についてでありますが、この会議につきましては被災自治体ならではの現場の課題を、その解決に向け一丸となって制度の拡充や弾力的運用に取り組んでいくことを目的に設立したものであります。国に対する要望活動の結果、住宅再建に関する支援が決まり、本市に約319億円の復興基金が交付されることになり、これまでの5市町による活動が実を結んだものと考えております。最大の被災地である本市は、さまざまな課題を多く抱えていることから、課題解決に伴う意見交換などを臨機応変に行い、イニシアチブをとりながら5市町議会連携会議や宮城県と連携の上、復興を加速させるため国への要望活動を適時適切に行ってまいります。 次に、1期4年間の評価についてでありますが、私は市長に就任以来市民参加型の協働によるまちづくりを進めるため、4つの基本政策を柱として市政運営に当たってまいりました。東日本大震災によりやむを得ず中止した事業もありますが、その目標はほぼ達成できたものと認識しております。また、震災後は市民の暮らしを取り戻すことが最優先課題であるとの認識のもと、復旧、復興事業に全力で取り組んでおり、少しずつではありますが、その姿が目に見えるようになってきたと考えております。 ◆27番(伊藤啓二議員) 今答弁いただきました。若干確認させていただきたいと思います。 まず、入札執行の状況についてなのですが、昨年10月、管財課のほうからの資料、全業種の入札不調、中止の状況ですけれども、この時点では49.81%不調と。また、去年12月5日、入札不調、中止の状況は50.49%、ことしの2月15日48.26%ということで、半数、5割が不調という状況が続いております。そういう状況の中で、これだけ入札中止、不調が続いているということですと、当然震災復興基本計画の中で、市で示しているさまざまな復興計画、この中で現実その計画からおくれというのはどのように捉えたらいいのでしょうか。例えば5割不調だけれども、計画どおり進んでいるよと捉えるのか、それとも本来これは計画ではこんな不調はないのだということで、計画をつくるわけですから、そういう意味からすると、この入札不調、中止が続いているということは、この計画に対して市民の皆さんにどのように説明するか、そして修正等も加えなければいけないと。したがって、よく企業で、きのうもお話出ましたけれども、プラン・ドゥー・チェックと、企業はこれにもう一つ入れて、アクションを入れるのです。プラン・ドゥー・チェック・アクション、このアクションが意外と自治体にはないのです。したがって、このおくれの部分についてどのような捉え方をされているのかということでお聞きしたいと思います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 入札中止、不調の問題は、今議員御指摘のように、これは震災復興基本計画にかなり影響を与えてくるというふうに認識いたしております。予定価格の事前公表をしてから入札の改善が進められたといっても、いまだ5割程度、特に半島部の石巻市管轄の漁港については、34漁港のうちまだ半分の17港という状況にありますので、やはり半島部の復興事業のおくれというのは、これは非常に大きな問題を抱えております。そういった復興がおくれることによって地域からの人口流出、そして過疎化という方向に向かうという大変大きな問題を抱えておりますので、何とか早く入札を進めていきたいというふうに考えております。さまざまな進め方を今検討しておりますけれども、今議員御指摘のようにチェック、アクションという、アクションのところで震災復興基本計画をその都度見直しを図りながら、しっかり地域の方々にお知らせしていくことがやはり必要だろうというふうに思っております。しっかりとしたチェックをしながら、アクションをさらに加速するためにさまざまな検討を進めてまいりたいと考えております。 ◆27番(伊藤啓二議員) 市当局としても、入札の改善は結構御努力されているというふうには認識しております。ことし1月30日現在での入札改善では、指名競争における参加者数の緩和ということで1社入札を有効にしたと。それから、全事業についての予定価格の事前公表、複数等の入札の施行についてと、AとB、BとC、CとDというふうな複数で認めるというふうに大幅に改善されたというふうに思っております。ただ、これもきのうお話しありましたCM方式の導入についてなのですが、平時のときにはどこの自治体もこれは使わなかったのです。要するに、公共事業は少ないということで、メリットはないということなのですが、こういう異常時の場合にやっぱり民間の活力を使っていかなければいけないと。3市2町の被災地の復興を加速させるためにということの中でも、CM方式をぜひ取り入れたいというふうなことで入っております。JVによるコンストラクション・マネジメント方式ということです。このCM方式についても2通りあるということで、1つはピュア方式、これは分離発注で建設コストの内容が明確になると。透明性の向上が期待されるのだけれども、価格が予算をオーバーする可能性もあると。もう一つは、アットリスクCMということで、これはCMRにマネジメント業務に加えて最高限度額を保証させるという制度だそうです。今国土交通省のほうで、震災対応でこのCM方式のモデルを事業として検討していると。アットリスクを採用する方法で国土交通省のほうで鋭意検討しているそうです。したがって、期間はかかるかもしれないけれども、今後平成25年、平成26年、平成27年、この辺がもう復興住宅を一気に建設すると。したがって、この辺の建設なんかも、資材等も含めてマンパワーの問題も相当負荷がかかってくるだろうと。したがって、こういう事業についてぜひ推進していただきたいと思いますし、市のほうでも国・県に対してもこれを極力簡略化した制度として取り入れていただくように要望いただきたいというふうに思うのですが、市長、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 今議員御指摘のようにコンストラクション・マネジメント方式、これはやり方によっては非常に事業が進む可能性もありますので、これまでも勉強会を通して石巻市としてどのようにこのCM方式を適用していくかということは検討してまいっておりますけれども、また国・県の御指導いただきながらこのCM方式の導入を図っていきたいというふうに思っております。ただ、どうしてもマネジメント部門がなかなか大変なところがありまして、その事業全体を統括してマネジメントする人材の確保が大変重要になってくるというふうに考えておりますので、今後しっかりと検討しながら事業を進めていきたいというふうに考えております。 ◆27番(伊藤啓二議員) それでは、2点目に入りたいと思います。 災害に強いまちづくりについて伺います。昨年12月7日午後5時18分、三陸沖を震源とする地震が発生し、気象庁は沿岸部で最大1メートルの津波警報を発令しました。まさに東日本大震災再来ではとの恐怖から、内陸へ、高台へと避難する車両で道路は渋滞し、混乱したことは周知のとおりであります。過日石巻市が当時の避難状況の検証結果を公表しましたが、車での避難は53%であり、各地域の幹線道路は総延長で40キロメートルの渋滞が発生したとされ、道路網の整備と避難体制のあり方など、早急な対策が求められる結果となりました。沿岸部の可住地域に自宅を改修して戻っている市民から、12月7日緊急避難する際に、車では渋滞が予想されることから歩いて避難したとのことでした。しかし、近くには高台がなく、万一津波到達時間が早ければ間に合わないという恐怖に駆られたと話されました。防波堤や高盛り土、そして避難道路はいつできるのか、本当にここで暮らして大丈夫なのかと、家族間でも意見が分かれていらいらしているとも話しております。災害に強いまちづくりとは、申すまでもなく今、きょう起きるかわからない状況の中で、市民の生命をいかに守るか、日々その対策を打ちながら防災計画を遂行していくことです。以下4点について質疑させていただきます。 1点目は、津波避難ビルの整備についてであります。中央防災会議における専門調査会報告では、津波到達予測時間が短い地域ではおおむね5分程度、距離で500メートルの避難が可能となるようなまちづくりとされています。当市においては、民間事業者の協力を得て、このたび避難ビルが2カ所認定されたことは、緊急時に一時避難する施設として近隣住民や就業者の安心、安全につながります。そこで、震災前に既に協定を締結している3事業者の一時避難場所としての位置づけはどうなっているのでしょうか、また業者との協議は行われたのかどうかお伺いします。 2点目は、避難タワーの整備についてであります。計画によりますと、平成25年度は3カ所の整備を予定しております。その場所と規模、形状等について伺います。また、石巻市都市基盤復興基本計画図(案)では、避難ビル及び避難タワーを全体的に38カ所程度整備する計画であります。施政方針では、避難ビルの指定が困難な地域に随時整備を進めると述べております。これは時期を待っての姿勢でありまして、防災、減災の意識が問われると思います。市長の見解をお伺いします。 3点目は、コミュニティーFM中継局の整備についてであります。24時間365日いつ起きるかわからない災害時に、あらゆる手段でいち早く市民に情報を伝達する防災行政対応が喫緊の課題であります。当市は、防災行政無線をアナログからデジタルへと国策としての切りかえを進めておりますけれども、風向きによっての障害や近年機密性の高い家屋の建築によって聞こえにくくなり、防災無線による全市民への情報伝達には限界があります。平成25年度は、この難聴地区を補完する手段としてFM中継局が整備される計画でありまして、大いに期待するものであります。中継局が整備されることで、市内難聴地区がどの程度解消されるのか伺います。 4点目は、自主防災組織についてであります。応急仮設住宅団地における自治会設立も、役員の皆さんの御努力によって少しずつ組織化が進んできています。そこで、応急仮設住宅団地内の自主防災組織の設立状況について、また市内全域の組織率と設立計画について伺います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 災害に強いまちづくりについてお答えいたします。まず、津波避難ビルの整備についてでありますが、震災前から一時避難場所として湊地区で協定をしている3事業所のうち1事業所につきましては、今後新たに改築する予定であると伺っており、事前に避難ビルとして機能を有する整備とすることについて相談を受けているところでございます。その他の2事業所につきましては、既に改築が終了しているところもあり、今後避難ビルとして指定できるかについて改めて協議を行ってまいります。 次に、避難タワーの整備についてでありますが、震災の教訓から、昨今市内で事業再開を予定されている事業者の皆様には、従業員の方々を初め周辺住民の皆様も避難対策に非常に熱心に取り組まれ、避難ビルの問い合わせが10数件寄せられているところであります。このような状況から、民間事業者の皆様の協力により今後避難ビルの指定が進むものと認識しております。市といたしましても、避難タワーを平成25年度に3基整備することとしており、渡波保育所の跡地や魚町の東西地区の公共用地を活用したいと考えております。今後とも避難が困難な地域を見きわめ、避難タワー整備を積極的に進めてまいりたいと考えております。議員御指摘のように、このやり方はやはり時期を待っての姿勢というのは、それは確かにおっしゃるとおりだと思います。そういったことで、先にどういった場所に避難ビルが必要か、あるいは避難ビル指定の可能性のない地域はどのぐらい存在するか、そして避難タワーをそれでは何基設置したらいいかと、そういったことを前もってやはり検討しながら進めていくことが必要ではないかというふうに考えております。 次に、コミュニティーFM中継局の整備についてでありますが、コミュニティーFM放送は災害時の地域情報の伝達手段として非常に有効な情報手段であることから、中継局の整備を進めることとしておりますが、現在の電波受信エリアは本庁地区を中心としておりますことから、今後これまでの難聴地域である雄勝、北上、牡鹿地区などの沿岸部や河北、河南、桃生地区などの内陸部につきましても受信が可能となるよう、平成25年度に中継局を整備してまいりたいと考えております。 次に、自主防災組織についてでありますが、仮設住宅団地につきましては仮設住宅自治会等での組織の設立や機能強化補助金についての相談を数件いただいておりますが、現在独自に組織を立ち上げられた自治会はまだありません。仮設住宅団地にお住まいの方々の中にも、近隣の既設組織に加わり、ともに活動をしているところもありますので、今後はそうした近隣の自主防災組織への働きかけや仮設住宅団地における組織の設立につきましても後押ししてまいりたいと考えております。現在の自主防災組織数は205組織、本市の全世帯数から見た組織率は70.6%となっております。今後は、地域の防災力、機能強化を図るべく、自主防災組織機能強化補助金の活用を促進するとともに、市内全域での自主防災組織の組織化を目指し、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆27番(伊藤啓二議員) まず、避難タワーについてなのですが、実は全国的にはもう避難タワーを建設しているところがいっぱいあります、最近。特に東南海のほうです。このタワーの形状なのですが、(資料を示す)意外と多いのがこんな感じのイメージとしての……(「ジャングルジム」と呼ぶ者あり)ジャングルジムですね。円形というのは、非常に抵抗をよけていくということで、これは建設学会の皆さんもこういう話ししているのです。例えば石ノ森萬画館なんかも円形ですので、抵抗が少なく、それで引き波も少なくなって、持っていかれなかったと。三重県のほうにもこんな円形のやつがあるのですけれども、今回の震災で実は女川町のビル、パイルごと抜かれたビルがしばらく残っておりましたけれども、あれなんかも引き波の抵抗等で、もう根こそぎ持っていかれる抵抗、したがって避難タワーについての構造、この辺のところもいろいろほかの地域、それからあとこういった専門のさまざまな情報を得ながらぜひ進めていただきたいというふうに思います。 それが1つと、あと津波避難のエリア的に、市としてまず半径500メートルということでこれは考えて決定したということでよろしいでしょうか。 ◎亀山紘市長 はい、そのとおりです。何とか高齢者の方々も、なかなか難しいところはありますけれども、500メートルの範囲で設置していくという考えでおります。 ◆27番(伊藤啓二議員) わかりました。 あと、防災無線関係でコミュニティーFM、総務企画委員会で昨年10月、愛知県岡崎市に視察に行ってまいりました。そのときにFMラジオということで、岡崎市内にあるFMのラジオ局、そこから防災ラジオというのを特注でつくったと。そして、これを市内に約8,500台、これは有償です。初年度は2,000円、次年度は3,000円ということで、有償で買っていただいて、これは緊急時に自動的にスイッチが入るということで、一斉に入るのですね。したがって、最大のメリットはコストが非常に安くて、1台7,000円から8,000円。したがって、通常の受信機、屋外、屋内の受信機と比較すると相当安く上がると。予算的には、岡崎市内では約7,800万円、8,000台でこの予算を組んだと。エリアとしては、岡崎市内のFMラジオのエリアというのは結構山間部が多いということで、38%ぐらいらしいのです。石巻市としては、FM石巻ラジオの電波は90%以上いっているのかなというふうに思うのですが、こういったラジオなんかもぜひ検討したほうがいいというふうに私は思っています。なかなか復興庁のほうでどういう返事をするかわかりませんけれども、戸別受信機を整備するとなると相当の台数が必要になってきますし、それからいろいろ組み合わせていくというのが非常に大事かなと思いますので、ぜひこの件については検討いただきたいということで、答弁は要りません。 では次、3点目に入りたいと思います。3点目、市民生活の復興に必要な基盤づくりについて伺います。1点目は、応急仮設住宅及びみなし仮設住宅についてであります。現在石巻市社会福祉協議会に委託している訪問支援員の活動状況と苦情や悩みなどの相談について、どのような対処をされているのかお伺いします。また、応急仮設住宅の入居待機者が増加の傾向にありますけれども、その対策について伺います。 2点目、新蛇田地区と新渡波地区の土地買い上げについて、一部地権者の理解が得られておりませんけれども、当初の計画面積からの変更はあるのかどうかお伺いします。 3点目は、被災市街地復興土地区画整理事業についてであります。既成市街地の釜大街道、門脇、湊地区については、地権者の方々への説明会やまちづくり協議会を設立して、地域の将来像を描きながら鋭意取り組まれていることは理解しております。ただ、行政施行の土地区画整理組合事業は、40数年前、県と共同の向陽ニュータウン以来と私は記憶しております。これまで長年暮らしてきたまちが区画整理によって新しいまちとなる、そのイメージの捉え方には大きな温度差があります。街区から避難道へのアクセスや住民側の負担、減歩率がどのくらいなのか、さらにさまざまな事情で相続登記ができず、そのままになっている地権者の思いも複雑であります。そこで、現地に残るという地権者はどのくらいと予想されているのか、また移転希望者の対応について伺います。 4点目は、防災集団移転についてであります。過日集計された第2回の今後の住まいに関する意識調査結果によると、半島部、沿岸部を希望する世帯が前回との比較で大幅に減少しましたが、雄勝、牡鹿、北上地区の将来ビジョンをどう描き推進していくのか、厳しい問題に直面していると思います。市長の見解をお伺いします。 5点目は、がけ地近接等危険住宅移転事業についてであります。石巻市は、昨年12月1日に災害危険区域指定の告示がされ、その助成措置としてがけ地近接等危険住宅移転事業の申請受け付けを開始しました。各被災地の中で、当市は遅い決定となりました。さらに、地権者説明会では、内容が複雑で一部誤解を招く説明があったことも否めません。したがって、災害危険区域指定の告示前に新築移転された方々は補助対象とならず、その不満の声が多くあります。私たちの公明党としても、市長に何度も要請しましたし、多くの議員諸氏も問題提起した結果、市長の英断で大臣告示前に移転された危険区域及び可住地域の住民の方々に対し独自支援策を決定したことは、評価するものであります。さらに、3市2町の連絡協議会でも自治体財政の格差で被災者の不公平があることは問題であるとして国へ要望しまして、2月25日に石巻市に319億3,250万円が交付決定されたことは朗報であります。今後被災者の住宅再建のはずみになると期待しているところであります。そこで、この追加支援を市の独自支援策とどう組み合わせて支援するのか、早期に制度設計しなければならないと思います。見解をお伺いします。 6点目は、国営復興祈念公園について伺います。国において、平成25年度予算に石巻市と陸前高田市に復興祈念施設基本構想検討調査費が計上されたことは、これまでの関係機関への強い要望が一歩前進したものと思います。この事業は、多くの犠牲者の方々への追悼の思いと、私たち市民が東日本大震災を風化させない、そして復興に向けて力強く前進していく決意を込めて取り組むべき事業であります。今後国・県との協議が重要な時期になりますことから、石巻市としての構想をしっかり持って要請すべきと考えます。市長の描く国営復興祈念公園についてお伺いします。 7点目は、河川堤防を生かしたいしのまき水辺の緑のプロムナード計画についてであります。平成23年2月、震災の1カ月前に策定された同計画は、骨格を残しつつ津波や高潮の安全を確保する旧北上川の河川堤防を生かしたプロムナード計画として平成24年10月3日に一部見直しが行われました。計画案では、新たに整備される堤防を生かしたまちづくり、人々が集い、にぎわい、憩い、交流できる水辺空間創出を目指すコンセプトになっています。そこで、全体計画の中から2点伺います。 1点目、中央、立町地区の市街地再開発事業の進捗状況について伺います。 2点目は、旧北上川河口部堤防護岸復興について。過日国土交通省東北地方整備局の堤防護岸復興の着工式が行われました。旧北上川河口部沿川の住民地権者との交渉については、おおむね理解を得られたというふうな認識でよろしいでしょうか。また、旧北上川河口部で操業している造船業者の移転計画はどのようになっているのかお伺いいたします。 ◎亀山紘市長 それでは、お答えいたします。 市民生活の復興に必要な基盤づくりについてお答えいたします。まず、応急仮設住宅及びみなし仮設住宅についてでありますが、石巻市社会福祉協議会に委託している訪問支援員の活動状況につきましては、応急仮設住宅団地の全134団地、みなし仮設住宅については希望のあった280世帯余りを対象に130人体制で巡回訪問を実施し、さまざまな苦情や相談などに耳を傾けております。また、これらの苦情や悩み等の相談への対処につきましては、石巻市社会福祉協議会の担当者が関係機関と連携を図っているほか、内容に応じて市の関係部局や心のケアなどの専門機関と連携し、被災者一人一人の実情に応じた対応を行っております。また、応急仮設住宅の入居待機者につきましては、新規の希望者が100名を超えておりますことから、今後契約更新の時期に合わせ居住実態を確認し、退去可能な方へは退去を促し、待機者の削減に努めてまいりたいと考えております。 次に、新蛇田地区と新渡波地区についてでありますが、両地区の新市街地における土地区画整理事業は、災害に強いまちづくりを進める中で、移転を余儀なくされる市民の皆様の移転先の住宅団地を整備することが目的であります。現在そうした市民の皆様を対象に個別相談会などを開催し、意向の確認と必要とする面積の精査を行っている状況であります。 次に、被災市街地復興土地区画整理事業についてでありますが、まず既成市街地の釜大街道、門脇、湊地区で現在地に残る地権者の把握につきましては、2月28日から湊地区での地権者個別相談会を開始し、順次門脇、釜大街道地区でも実施することとしておりますので、その中で現在地に残る地権者の把握をすることとしております。また、移転を希望される方への対応についてでありますが、復興公営住宅への入居や石巻市東日本大震災被災者住宅再建資金利子補給補助金制度を利用していただくなど、円滑な移転に努めてまいります。 次に、防災集団移転についてでありますが、半島、沿岸地域内に造成する団地への希望者が減少しており、人口流出に伴う過疎化と高齢化がこれまで以上に深刻化していくことが懸念されます。したがって、防災集団移転促進事業を最優先課題とし、高台等への住居の移転を加速していくことが必要ですので、早急に移転先の用地取得や造成工事に着手してまいります。現在それぞれの地域におきましては、地域特性を生かしたなりわいの復興や魅力あるまちづくりのための土地利用計画、さらにはグリーンツーリズム等の観光振興による交流人口拡大のための事業展開を検討していることから、高台の住まいの整備とあわせて半島、沿岸地域の再生を図ってまいります。 次に、がけ地近接等危険住宅移転事業についてでありますが、東日本大震災復興基金の追加交付に伴う独自支援策の拡充につきましては、平成25年2月25日付で宮城県から交付限度額、対象者及び対象事業等制度の概要が示されたところであります。この中には、住宅取得補助や移転費用、かさ上げ補助など、本市が実施している独自支援策以外の事業も含まれておりますことから、現在現行制度との整合性を図りながら住宅再建支援策の拡充について検討しているところであります。石巻市が市外転出者に対しても独自に支援していくという方向は、特にがけ地近接等危険住宅移転事業の場合には市外転出者を対象に独自支援策としては遡及適用しておりますけれども、そのほかにも危険区域指定した12月1日以前に危険区域から市外に転出して家を建てられた方に対する支援をどうするかとか、やはりその辺が今後きめの細かい被災者への支援というのが必要だと思っておりますので、今後とも3市2町と連携をとりながら県と協議を進めさせていただきたいと思っております。 次に、国営復興祈念公園についてでありますが、国営復興祈念公園の持つべき役割としては、石巻市民を含む全ての犠牲者への追悼と鎮魂の場、震災記録、教訓の伝承、復興の象徴、地域の活性化の役割とともに、防災、減災機能を備えたものであるべきと考えております。本市といたしましては、さまざまな形で御支援をいただいた国内外の皆様への感謝の意とともに、復興に向けた市民の思いを国や県にお伝えしながら、国営復興祈念公園の実現に向け努めてまいりたいと考えております。 次に、河川堤防を生かしたいしのまき水辺の緑のプロムナード計画についてでありますが、中央、立町地区の市街地再開発事業の進捗状況についてでありますが、中央地区が4カ所、立町地区につきましては2カ所の計6カ所で市街地再開発準備組合が設立されております。そのほか検討中の地域も含めますと、計7カ所で市街地再開発事業等の検討が行われております。その中で、中央3丁目1番地区につきましては、昨年11月22日に都市計画決定がされました。現在は、事業認可に向け関係機関と協議を進めております。また、立町2丁目5番地区につきましては、さきの2月28日開催の石巻市都市計画審議会において承認をいただいたところであります。そのほかの地区につきましては、早期に事業化できるよう準備組合や関係機関と協議を進めてまいります。 次に、旧北上川河口部堤防護岸復興についてでありますが、国土交通省が進めている旧北上川河口部堤防及び浸水対策護岸の整備については、これまで北上川下流河川事務所とともに河口部沿川20町内会の自治会長及び住民の方々を対象に140回にわたって説明会等を実施し、地域の御理解をいただいたと思っております。堤防整備については、現在土地建物の調査段階であり、調査が終了次第地権者と用地協議に入り、契約が成立後順次工事を開始する予定と伺っております。また、河川からの逆流を防止する浸水対策護岸工事については1月27日に着工式を行い、順次工事を行っていくとのことであります。 また、造船業の移転計画についてでありますが、堤防及び中瀬地区の公園整備事業に伴い、4社が移転対象となっておりますが、移転先の用地取得や新たな施設整備に多額の費用を要することが大きな課題となっております。造船業は、本市の基幹産業である水産業を支える重要な産業でありますことから、支援制度の早期創設を国に対し強く要望してきたところであります。今般国による中小造船関連事業者に対する再建支援制度が新たに創設される見込みでありますことから、こうした制度を十分に活用し、早期の移転が図られるよう努めてまいりたいと考えております。 以上です。 ◆27番(伊藤啓二議員) まず、仮設住宅についてちょっと確認したいと思います。 新規の方がふえているということで、実はみなし仮設住宅に入っている方が2年契約で県と3者契約しているわけですけれども、これが更新は認めないという事業所もいらっしゃって、そういう方については別なアパートなり借家を探すと、もしくはそれが今なかなか厳しいので、そういう方については仮設住宅も認めるというふうになっているので、この辺も大分ふえている要因なのかなと。それとあと、中には鍵を持ったまま、移られたのだけれども、荷物を持っていけないとか、いろんな理由でそのままの状況もあるということも聞いております。 あと1つは、単身、もしくは2人の希望者が結構多いのです。これはことしの2月中旬なのですが、1DKの未入居、待機待ちは62世帯、2DKが67世帯ぐらい、そして3Kが34世帯ぐらいと、これは待っている方々です。あいている部屋というのは、1DKがこの時点では4戸ぐらいしかあいていなかったと。そして、2DKは56戸と。したがって、1DKは1人という枠組みありますので、2DKは2人から3人ということで、間取りが多いところ、2DK、3DKがあいているのだけれども、1人の人が待っていると。でも、それは入れないのだというふうなミスマッチが結構あるのです。したがって、この辺のところも一つの区切りとしては、例えば2年後の更新するときに、1つは更新の鍵の確認、入居者がまだそこで暮らしているかどうかの確認、それとあわせて通常の公営住宅の扱いは1人でも2Kはオーケーですので、そういう部分での一つの区切りとして、何かこの方策を手当てしないと、このままあき待ちの状態が続くのだろうというふうに思います。この辺はぜひ検討していただきたいというふうに思います。 それから、がけ地近接等危険住宅移転事業についてちょっと確認なのですが、きのうから各会派の質疑の中でも何度も触れられていました。このがけ地近接等危険住宅移転事業については、今回のやつと非常に複雑に絡んできまして、昨年の12月1日に当市として大臣認可を受けたと。そこまで、12月1日前までに建設した市民の方はどのぐらいいるかということで、去年10月15日現在なのですが、全部で2,762件が建設されたと、これは加算金等を使って。そのうち危険区域に住んでいらっしゃった方は何世帯あるかと、約670件。そして、危険区域外の方は2,092件ということです。したがって、この670件の方々については、やはりがけ地近接等危険住宅移転事業の遡及適用をすべきだと思います。ただ、これは全部が全部ローンを組んだかどうかはまだわかりません。したがって、まずはローンを組んだ方々に対しての利子補給、そして石巻市内に限定するのか、市外も認めるのかと、この辺も非常に議論が分かれるところなのです。定住促進ということで、今回石巻市に320億円来ていますけれども、これはやっぱり3市2町の協議も必要ですし、あわせてこれは県としてしっかりと制度設計したほうがいいのかなと、午前も髙橋栄一議員からも質問ありました。市としてはどういう政策がいいのかということで、市の独自支援策ありますね。独自支援策も60万円、30万円に、それは上乗せ若干すると。そして、がけ地近接等危険住宅移転事業の遡及適用もできるように、そういう制度がやっぱり市民の皆さんの公平性とか、これからの自立再建についてはいいのかなと。したがって、被災された方々にしっかり行き渡るように、薄くても広くという思いでちょっと私言わせてもらっているのですけれども、この辺については県のほうで縛りかけたと、要するに持ち家でなければだめだと、市内に限るとか、そういうことでさまざまに縛りかけてきていますけれども、この辺は3市2町でしっかりと歩調を合わせて、こういう制度をぜひやってほしいのだという部分を県に対して要望していただきたいというふうに思いますけれども、市長、いかがでしょうか、再度。 ◎亀山紘市長 議員おっしゃるとおりで、やはり被災者の方々に対して、今自立再建を後押しするためにもきめの細かい対応をすべきだというふうに思っております。今回の場合には、家を失った方で、新築に対応しますけれども、しかし一方で今まではアパートに入っていたのだけれども、新たに新築して家を建てて再建しましたというような方もいますし、また転出された方、あるいは転入された方、さまざまな対象、あるいは対象事業がありますので、その辺は沿岸5市町としっかりと協議を進めながら、必要なことは県にもっと柔軟性を持たせて、自治体にその辺の対応を任せていただくと。しかし、5市町とも連携しながら、新たに市町間でいろんな格差が出るというのはまた問題がありますので、その辺はしっかり話し合いながら進めさせていただきたいというふうに考えております。 ◆27番(伊藤啓二議員) ぜひそのようにお願いしたいと思います。 それで、このがけ地近接等危険住宅移転事業と独自支援策、それから今回追加のやつ、自立再建される方、市役所に来たときに非常に窓口がわからないと。がけ地近接等危険住宅移転事業は震災復興部、それから独自支援策は生活再建支援課です。これは、次追加される部分も生活再建支援課のほうになるのだろうと。そうすると、今マンパワーの問題も結構、仮設住宅等も管理していますので、もうかなり大変な量だというふうに思っていますし、できればがけ地近接等危険住宅移転事業も、それから独自支援策も、今回国・県から来たやつ、これについての自立再建については窓口を一本にして、やっぱり市民の目線でやるべきだなというふうに思っておりますけれども、この辺について市長の考えをお伺いしたいと思います。 ◎亀山紘市長 市民目線からすると、いろんな対象事業で窓口が違うというのはやはり大変だと思いますし、混乱を招く要因にもなりますので、できるだけワンストップで進めていきたいと思いますので、これから検討させていただきたいと思います。 ◆27番(伊藤啓二議員) よろしくお願いします。 あと、 防災集団移転促進事業の関係で、これから災害公営住宅、借り上げ、それから買い上げ、 防災集団移転促進事業等整備されていきますけれども、この管理をどうするのかと。今回の根上り松20戸と、それから中里7丁目20戸、将来的にこれ4,000戸になりますから、そうすると市の建築課のほうでは、これはもうとてもとても処理できないと。現在でもこれまでの市営住宅は約1,500戸で、被災してその後ですから、1,400戸ぐらいですか。そこに4,000戸が入りますから、これは例えば民間の公社として管理するとか、そういうふうに今から準備しておかないと、一気にふえてきたときに、これはもう対応し切れないというふうに思っております。この件について、ぜひ前向きに検討いただきたいというふうに思います。 あと、今回の根上り松20戸、それから中里7丁目20戸、これは申し込みかけて、実質的には根上り松が3世帯申し込み、中里7丁目が13世帯という答弁ございました。実は、これ申込期間が2月19日までということで決めておいて、もう締め切りになっております。今回申し込みの数が少ないので、条件を緩和してまた受け付けるというときに、一旦今申し込んでいる方は、ではここでもう締め切ったということで、この方々はもう既に入れる条件だというふうに受けとめるべきだというふうに思うのですが、そうでないとここで多い場合は抽せんになりますと言っておきながら、少ないからもうちょっと待ってくださいと。次に枠拡大して入ったときに、では30戸、30戸来たから、抽せんで20戸、20戸決めますよというのではおかしいのです。したがって、これは今申し込んだ方3世帯、あと13世帯の方については、条件が整っていればこれは決定ということでよろしいのでしょうか、これ確認しておきたいと思います。 ◎亀山紘市長 ちょっと私も確認しなければならないのですが、ただ根上り松が3世帯、それから中里が13世帯です。これは、やはり決定して入っていただくというのが必要ではないかというふうに、その方々も含めて改めて抽せんというのは、ちょっと私としては考えにくいと思いますが、その辺はしっかり内部で検討させていただきたいと思います。そのようにするということでございます。 ◆27番(伊藤啓二議員) 行政都合の仕事にならないように、ぜひ市民の視点で一つ一つ判断していただきたいというふうに思います。 それから、国営の復興祈念公園についてなのですが、1点だけ。実は、あそこの南浜のところに、3.11震災の後、約3週間ぐらいたって、あの周辺も瓦れきの山となっていたと。そういうところに1つの看板ができたのです。頑張ろう石巻という看板ができたと。それで、被災した市民の皆さんは、本当にこれからどうしていったらいいのだろうと心が折れて、本当に暗い思いの中でさまよっていたと。そのときにあの看板を目にして、そうだ、頑張ろうというふうに前向きに捉えることができたという声がいっぱいあります。そして、震災以降もあそこでの犠牲者が多いということで、その前で手を合わせる方がいっぱいいらっしゃいます。市長も海外の要人が来たときに、日和山からあそこに下がっていって、あそこにも御案内したと。そして、石巻市のさまざまな資料の中にも頑張ろう石巻というのも入っています。したがって、これも一つの震災のときの励みとしてその看板があったということで、この辺もぜひ保存する方向で考えていただければなというふうに思います。今さまざまに全国、あるいは全世界の方々からこの看板を残してほしいというふうなメールとか、それからフェイスブックとか、さまざまにそういった署名といいますか、集めているようなのですけれども、これは本当に、市職員の方でもあそこの看板の部分をパソコンの画面にも出している方もいっぱいいらっしゃいますし、やはりあの場面、あそこで犠牲になった方が非常に多いと、そして門脇小学校、その辺も含めて、今後あの看板はこういう励みの看板になったのだということで、ぜひ残していただきたいという声があるのですが、市長、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 あの看板は、私もいつも日和山から、あるいはフランスのフィヨン首相が来たときも御案内いたしました。それから、国内の各要人が来た場合もあそこに立ち寄っていただいたというところがありますので、何とか保存する方向で、どんなふうな保存の仕方があるかも検討させていただきたいと思います。 ◆27番(伊藤啓二議員) では、次に4点目に入ります。 市民が健康に暮らせるための施策について伺います。1点目は、児童、高齢者、障害者などへの虐待の実態についてであります。厚生労働省によると、全国の児童相談所が平成22年度に対応した児童虐待の相談件数は、前年度を3,478件上回り、5万9,862件となりました。21年連続で過去最多を記録したと発表しております。また、高齢者虐待防止法が施行されて6年目の平成23年度に、市町村による調査で虐待相談の対応が行われた件数も年々増加し、要介護施設従事者によるものが前年比35.8%増との調査結果が公表されております。障害者への虐待の実態についても増加しておりまして、その対策が急務であります。市長は、施政方針で児童、高齢者、障害者の虐待が石巻市においても年々増加していると述べております。当市は、震災以降多くの市民の方々が環境の変化や将来の不安などでストレスがたまっていることも大きな要因になっているものと思います。そこで、当市の相談件数の推移と対処結果について伺います。また、虐待防止センターを設置するとありますが、その体制と虐待防止の改善計画等について、ありましたらお伺いします。 2点目は、医療供給体制の整備についてであります。施政方針で述べているとおり、石巻赤十字病院への患者の過度の集中がありまして、医師不足の問題など、医療供給体制の整備が急務であることは周知のとおりであります。石巻市の将来の地域医療をどうするのか、医療機関である健康部所管の診療所や夜間急患センターの医師と石巻市立病院部局の医師との連携はとれているのかお伺いします。また、長年の懸案である医療行政の統一をどのように考えているのか伺います。 3点目は、放課後児童クラブについてであります。震災以降家族や地域、そして未来を担う子供たちの生活環境も大きく変わってしまいました。小学校低学年の子供を持つ共稼ぎの保護者からは、仮設住宅での生活を送っており、平成25年度は4年生になるので、帰宅後の子供のことが心配なのですと、このような声が寄せられておりました。この件について、昨年11月保護者と一緒に亀山市長へ要望した経緯もあります。対象児童年齢を平成25年度から小学校第4学年まで拡大することは、大いに評価するものであります。受け入れ人数枠の状況もあると思われますが、4学年まで拡大して受け入れ可能な放課後児童クラブは何カ所か、また今後希望によっては6学年までの拡大をすべきと考えるが、いかがでしょうか、お伺いします。 ◎亀山紘市長 市民が健康に暮らせるための施策についてお答えいたします。 まず、虐待の実態についてでありますが、本市への虐待に関する通報、相談件数は、児童、障害者、高齢者、ドメスティック・バイオレンスを合わせて平成21年度が137件、平成22年度が183件、平成23年度が228件と増加しており、平成24年度は1月末現在で214件となっております。東日本大震災後は、住環境の変化、家族構成の変化などにより複雑化、重症化している傾向がうかがえます。その対処といたしましては、児童相談所を初め県の関係行政機関や警察署、地域包括支援センターなどと連携を図るとともに、必要に応じ弁護士、司法書士、行政書士や医師など各分野の専門家の協力をいただきながら、虐待を受けた方などへのカウンセリングや緊急一時保護、成年後見の申し立てなどを適宜行っております。また、新たに虐待防止センターを福祉部内に設置し、一般行政職員に加え社会福祉士、精神保健福祉士の有資格者や児童虐待を担当する専門員、ドメスティック・バイオレンスを担当する専門員などを配置する予定としております。虐待防止に向けた取り組みにつきましては、地域包括支援センターや警察など関係機関との連携を一層強化することにより、虐待の防止や早期発見に努めるとともに、通報、相談から必要な措置までを一貫して行い、総合的な支援につなげてまいりたいと考えております。 次に、医療供給体制の整備についてでありますが、石巻市の将来の地域医療をどうするかにつきましては、宮城県地域医療計画に沿って石巻地区地域医療対策委員会等で県や医師会、関係団体と連携、協議しながら、切れ目のない医療供給体制の推進に努めてまいりたいと考えております。 次に、健康部所管の診療所や夜間急患センターの医師と石巻市立病院部局の医師との連携はとれているのかについてでありますが、現在石巻市立病院長が寄磯診療所に隔週応援に入り、往診を担当しており、他の医科診療所についても可能な範囲での連携、協力体制をとっております。また、医師同士の意見交換の場については、医師全員が一堂に会する場を設定しての開催はありませんが、病院部局と診療所の医師の間では個別の協議や交流の場が持たれており、その中で市の医療の充実に向けた御意見もいただいております。今後は、さらに医師同士の意見交換が行われるよう環境の整備に努めてまいります。 次に、今後の石巻市立病院、診療所、夜間急患センターの位置づけについてでありますが、現在石巻市立病院については、石巻赤十字病院との相互連携により急性期から慢性期、在宅までの幅広い医療を担う医療機関として、また地域の診療所や夜間急患センターについては初期救急医療を担う医療機関として、それぞれ医療機能を位置づけております。市の医療機関の一元化等につきましては、連携のあり方や効率的な運営について継続して検討してまいります。 次に、放課後児童クラブについてでありますが、平成25年度において4学年まで拡大する放課後児童クラブ数は、新たに開設する大谷地地区や増設する開北地区及び万石浦地区を含めて放課後児童クラブ全ての31クラブとなっております。しかしながら、鹿妻地区につきましては児童数の増加により4月からの受け入れが困難な状況にありますが、今後セーブ・ザ・チルドレンの支援により専用教室を整備していただく予定でありますことから、平成25年度中に受け入れが可能となる見込みでございます。また、6学年までの拡大につきましては、新たな余裕教室の確保等の課題がありますことから、当面は学校の施設環境や各放課後児童クラブの実情を見据えながら検討してまいりたいと考えております。しかし、お母さん方の子育てと仕事の両立を図る上で、やはり必要な政策ですので、拡大は必要であるというふうに認識いたしております。 ◆27番(伊藤啓二議員) 1点だけ確認しておきたいと思います。 まず、診療所なのですが、市長も過日いろいろ話しされていました。非常に診療所の医師は物すごく多忙で、そしてまた孤独な状況があると。したがって、定期的に医師同士が一堂に会して石巻市の地域医療は、うちのほうはこういうふうになっている、うちのほうはこうなのだと、したがって僻地のほうはこうなっている、こういう実態なのだというふうな意見交換とか、しっかり医師同士で話し合う場を設置していただきたいというふうに思います。要望しておきます。 最後に、市民生活の礎となる産業の復興に向けた基盤づくりについて伺います。震災で大打撃を受けた石巻市の産業は、グループ化補助金等の決定によって、少しずつではあるが、復興の兆しが見えてきています。しかし、当市の基幹産業である水産業は、風評被害の影響を受け、とりわけ水産加工食品の販路の再契約は難しい状況にあります。グループ化補助金等を受けても、つなぎ融資ができずに倒産に追い込まれた事業所もありまして、復興の厳しい現実を感じています。そこで、産業の復興に向けた基盤づくりについて5点伺います。 1点目は、市管理の漁港施設34港の復旧についてであります。前段でも質疑しましたが、市管理の漁港施設は地区によって入札中止、不調が続き、操業している漁業者が危険な岸壁で大変苦慮して操業している実態があります。復旧も進まない現状に希望を見出せなくなってしまうことが懸念されますことから、危機感を持って対策を講ずるべきと思います。市長の見解を伺います。 2点目は、放射能問題についてであります。平成25年度導入予定の放射能情報共有システムについて、具体の内容を伺います。また、農林水産物全体の風評被害の実態についてどのような認識を持っているのか伺います。関連して、昨年6月補正で風評被害を払拭する事業として取り組んでいる特産品の普及及び販路拡大を図るための物産市開催支援事業の成果と次年度の改善点について伺います。 3点目は、農林漁業者による6次産業化について伺います。先般この会場で開催した6次産業化推進セミナーinいしのまきは、産業の復興に向けた新たな戦略として多くの参加があったと伺っています。私も参加したかったわけですが、東日本大震災復興促進特別委員会の視察と重なって参加できませんでした。昨年石巻市内の若い漁業者たちも6次産業化事業を立ち上げていることから、市として何らかの支援策を講ずるべきであります。市長の見解を伺います。 4点目は、水産加工業再生支援事業についてであります。140億円の復興予算で取り組んだ水産加工業再生支援事業は、8分の7の高い補助率から1社辞退で38社の申し込みがありました。選考の結果、12社の決定となったわけであります。今回は水産物加工施設と水産物鮮度保持施設が申し込み要件の支援事業でありますが、選定されなかった事業所の復興を支援するため、国に対し追加支援を要請すべきであると思います。さらに、今回対象にならなかった業種についても検討して国への支援要請をすべきであると思います。市長の見解を伺います。 5点目は、中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業についてであります。同事業は、地域経済の中核を形成する中小企業等グループ復興計画を作成し、県の認定を受ける制度であります。過日第6次のグループ補助が決定したことは周知のとおりであります。そこで、前期後期で何グループ、何社なのか。第1期から第6期まで決定となった事業所で、既に再建し、操業している事業所は何社か。また、周辺のかさ上げや区画整理など、復旧整備状況を待っている事業所の実態について、市当局はどの程度掌握されているのかお伺いします。また、国・県に対して第7次の追加支援の要求はしていると思いますが、いかがかお伺いします。 ◎亀山紘市長 それでは、お答えいたします。 市民生活の礎となる産業の復興に向けた基盤づくりについてお答えいたします。まず、市管理の漁港施設34港の復旧についてでありますが、現在入札中止、不調が多く、50%の17漁港が計画どおりに復旧工事に着手できない状況であります。沿岸部での漁業活動の本格的な再開のためには、防波堤や物揚げ場などの漁港施設の復旧整備が前提であります。漁業者の皆様に将来への希望を持っていただくためにも、計画どおりに復旧工事を進めなければならないと考えております。このことから、入札中止、不調対策といたしまして、工事規模を大型化することや工期につきましても複数年契約にする等の対策を講じ、一日でも早い漁港施設の復旧を図ってまいります。 次に、放射能問題についてでありますが、新たに導入いたします放射能情報共有システムは、買い受け人等の求めに応じて検査結果を提供するだけでなく、全体的な検査結果や海域別の状況など、必要とされる情報を魚市場内に設けるテレビモニターを通じて関係者にリアルタイムで提供する本市独自のシステムとなっております。 次に、農林水産物の風評被害の実態につきましては、農林産物では肉牛から基準値を超える放射性セシウムが検出されたことにより出荷制限の指示がなされ、価格の下落が安全な肉牛や子牛にまで及ぶなど、風評被害が発生しているとの情報を得ております。また、水産物ではスズキやヒラメなどから基準を超える値が検出されたことにより出荷制限の指示がなされ、そのことが魚の消費を冷え込ませ、対象魚種以外の魚価にまで影響しているとの見方があります。さらには、水産加工業では取引先から納品を断られたり、取引価格を抑えられたりするなどの風評被害があるとの情報を耳にしております。 次に、石巻市物産市等開催、参加支援事業の成果と次年度の改善点でありますが、平成24年度の実績見込みにつきましては、市内で開催されるイベントに対する補助件数は6件、市外で開催されたイベントに参加した場合の補助件数は30件となっており、地元特産品の普及や販路拡大が促進されたものと考えております。次年度の改善点といたしましては、遠方からのイベント参加の依頼も多数ありますことから、補助限度額の見直し等を検討するとともに、本制度の周知を図り、活用を促進してまいります。 次に、農林漁業者による6次産業化についてでありますが、先月18日に開催いたしました6次産業化推進セミナーinいしのまきには、認定農業者や各種団体等80名にも及ぶ方々に参加いただき、関心の高さを認識するとともに、事業推進の重要性を改めて感じた次第であります。東日本大震災により甚大な被害を受けた農林漁業者の中には、独自に6次産業化事業を立ち上げた方々もおりますが、事業が軌道に乗るまでは何らかの支援も必要であると考えておりますので、今後市民のニーズを把握しながら支援のあり方を研究してまいりたいと考えております。 次に、水産加工業再生支援事業についてでありますが、多数の事業者が採択されなかったことから、地元業界からも追加支援が求められていることは認識しております。また、水産加工業以外の製造業や運輸業等の他業種についても、水産加工業再生支援事業と同様の事業を復興交付金で実施してほしいとの要望があります。一方で、補助率4分の3の中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業による復旧につきましては、事業計画の採択を受けながらも事業に着手していない事業者もおり、これからの事業者の再建がどういう形であらわれてくるのかという状況を見きわめる必要がありますので、今後どういった部分をさらなる支援としなければならないのかを判断し、国への追加申請や制度の拡充を要望してまいりたいと考えております。 次に、中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業についてでありますが、まず第6次のグループ補助決定状況につきましては、前期と後期の2回に分けて公募が行われ、前期が8グループ、補助決定事業者数は416社となっております。後期につきましては、1グループ、11社となっております。 次に、第1期から第6期までの事業所で、再建し操業している事業所についてでありますが、全ての事業所の再建状況は把握できておりませんが、第3次の石巻商工会議所が取りまとめた3グループ406社においては、昨年7月末時点で事業を完了した企業が47%、事業実施中の企業が37%となっております。 次に、復旧整備状況を待っている事業所等の実態についてでありますが、土地区画整理事業や用地のかさ上げなど、復興まちづくり事業の完了を待たなければ補助事業に着手できない事業所も多くあるものと認識しております。 次に、国・県に対する追加支援の要求についてでありますが、本市といたしましてはグループ補助が不採択となっている事業所につきましては、県、商工会議所、各商工会など関係機関と連携しながら、グループの再編や計画の見直し等について支援してまいりたいと考えております。また、国に対して平成25年度においても必要十分な予算を確保していただき、市内グループが採択されるように要望してまいりたいと考えております。 ◆27番(伊藤啓二議員) まず、6次産業化の支援についてなのですが、実はこの6次産業化については、国も県もそうですし、それから金融機関等も非常に注目しております。これはインターネットでとったのですが、高品質計画ということで、ある銀行がインターネットでこういう記録を出しております。当行は、今後も被災された農業、漁業者を初めとする第1次産業者の方々に対し復旧、復興の御支援並びに6次産業化のサポートを積極的に対応してまいりますということで、金融でこういうふうに出すというのは珍しいのですけれども、積極的に融資していきますと、現実に融資していますから。だから、こういう金融なんかも積極的に6次産業化に対して支援していくと。では、行政として、石巻市としてどういう支援の仕方があるのかなということがあるのですけれども、これは一企業になってくるので、単体の企業になってくるので、難しいと言えばそうかもしれないのですが、ただ、今は国から1社単位で水産加工業の再生支援事業等含めて、1社でもこれからの復旧とか、新たな産業とかいうところについてはしっかりと支援していくと、こういう捉え方が非常に重要かなというふうに思っております。 それから、グループ化補助金等なのですが、実は過日宮城県議会の大震災復旧・復興対策調査特別委員会と石巻市議会の東日本大震災復興促進特別委員会との協議がありました。このときに笹野副市長も出席されましたけれども、ある県議会議員から、第7次申請については実態わからないで申請できるのですかというふうな話がありまして、したがってこの辺は商工会議所を窓口に出されているグループのほうはつかめると思うのですけれども、そうではない直接申請している企業がよくつかめないと。したがって、この辺のところをしっかりと県のほうに要請するなりしないと、実際は認定を受けたが、しかし実態としてどういうふうになっているかわからないとかいうふうなことになりますので、この辺しっかりとアンテナを張っていくようなシステムを要求をしていただきたいと。 そして、復興に向けては、これまでの県、国に対して伺い立てるとか、お願いするというふうなことよりは、一番市民の皆さんのためにそばにいる市行政ですから、県、国に対しても強く物を申していくと。私たちも、実は私どもの県議会、それから国会議員もどんどん、どんどん物を申しています。こっちに来いというぐらい、現場見ろということで要請しております。そのぐらいやっぱり市民の立場に立って国・県を動かしていくというふうな姿勢が必要かなというふうに思います。 それから最後に、ことし3月退職される職員の皆様、本当に長年市勢発展のために公僕として勤務いただきましてありがとうございます。感謝申し上げます。ぜひ、マンパワー不足ですので、再任用に手を挙げていただければ、さらなる復興が加速するというふうに思います。 以上で公明会を代表しての質疑を終わります。 ○議長(阿部和芳議員) 以上で27番伊藤啓二議員の質疑を終わります。暫時休憩します。   午後2時29分休憩                                             午後2時50分開議 ○議長(阿部和芳議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。22番庄司慈明議員の質疑を許します。22番。 ◆22番(庄司慈明議員) あの日が近づいてきます。昨年12月31日現在、死者、不明者3,943人という未曽有の被災を経験したあの日。お亡くなりになった方々に衷心からの哀悼の誠をささげますとともに、命をつなぐことができた人間として教訓の伝承と復旧、復興への誓いを心に刻みながら、日本共産党石巻市議団を代表して施政方針に対する質疑を行います。 また、この3月をもって公務員生活に別れを告げる皆様に感謝と慰労の気持ちをお伝えいたします。長い方とは13年になろうとするおつき合いとなりました。その長短だけでなく、実に中身の濃いおつき合いをさせていただきました。これで私と同じく60歳代に突入です。でも、人生まだまだ今後もお互い納得のいく人生を過ごすことができるように、今後の復旧、復興にかけて、地域などでの御活躍を心から期待申し上げます。長い間大変に御苦労さまでした。そして、ありがとうございました。 さて、質疑の第1は、就任4年を振り返る中で、市長の政治姿勢について質疑したいと思います。市長の使命として施政方針で語られた「市民が、豊かな自然環境の中で、このまちに住むことに誇りを持ち、健康で楽しい、充実した人生を送ることができる舞台づくり」、この表現を確かに私も思い出しました。そうそう、政治家がすべきことは、市民が主役の舞台づくりなのだと共感を持って聞いた記憶が鮮明によみがえりました。あれから4年がたちました。 そこで、この大項目では、(1)、初心忘るべからずとして、市長にとっての初心を伺います。 (2)、政治家としての信念を伺います。 ◎亀山紘市長 それでは、ただいまの御質疑にお答えいたします。 初めに、政治姿勢についてお答えいたします。まず、初心忘るべからずについてでありますが、市長に就任してから間もなく1期4年が過ぎようとしておりますが、就任当初から私が目標としてまいりましたのは市民と行政との協働のまちづくりであります。間もなく任期を迎える今でもその思いに変わりはなく、政治姿勢の基本としております。 次に、政治家としての信念についてでありますが、私は市民の皆様が石巻市に住んでいてよかった、そう思っていただけるようなまちづくりを目指しております。市民のための政治こそが私の信念であり、今後も市民の皆様と一緒にまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 市民と行政との協働のまちづくりが政治姿勢であり、市民のための政治が政治信念、結果としての石巻市に住んでよかったまちづくりを目指すということでございます。わかりました。子ども医療費の入院、中学3年生までの無料化の施策は、その典型であると存じます。なお、この質疑の答弁を通して、施政方針演説がその立場であることを確認させていただきたいと存じます。 質疑の第2は、被災市民の暮らしに心を寄せる市政をです。(1)、分断された過去と現在(コミュニティーの分断)。被災地とは、日常と非日常が混在する地域なのだということを今改めて思います。過去と現在とが、そして現在と未来とが切断されたことが被災なのだということを改めて今思います。切断された過去と現在をどう自分の中で再構築するのか、今を懸命に生きる中でどんな未来を切り開くことができるのか、市民一人一人が不安の中でもがき苦しんでいます。 仮設住宅に住み、知り合いもなく時を過ごさざるを得ない方もいます。仮にAさんといいます。年齢は80歳。これまでの隣近所の友人たちは、彼女とは別の、しかし一つの仮設団地にいるのだけれども、御自身だけが抽せんでそこではない仮設住宅に当たってしまったのです。彼女は、その皆がいる仮設団地に移りたいと切望します。「そりゃ、この近くの人とも話すよ。あっちも年寄りだし、できるだけ明るく過ごそうとは思うよ。でも、すぐに会話は尽きるし、昔話はできないよ。東京の息子のところへしばらく避難していたけど、やっぱり共通の話題はないし、つまんなかったし、寂しかった。みんなに会いたいという気持ちが日に日に湧いて、日に日に強くなって帰ってきたんだ。みんなに会って、あんなことあったね、あんときあんたこんなこと言ったねって笑い合いたい。だから、みんながいる仮設団地に移り住みたいの。みんなに会って愚痴を言いたいし、愚痴を聞きたい」。市長がこのつぶやきをどのように聞き、どのように思われるか伺うものです。 (2)、分断された過去と現在(ふるさとの喪失)。さらにAさんは言います。「長年住んでいたところってさ、見なれた風景があるんだよね。それが懐かしくってね、私たまに石巻のまちへ行くと、ふうらふらとまちを歩くんだ。とってもこう気持ちが落ちつくんだよね。そりゃ湊で見た風景と同じじゃなくてもしようがないんだけど、湊から毎日見ていた牧山を見ながら暮らしたいんだよね、だから」。市長がこのつぶやきをどのように聞き、どのように思われるか伺います。 ◎亀山紘市長 それでは、被災市民の暮らしに心寄せる市政についてお答えいたします。 まず、コミュニティーの分断についてでありますが、震災により地域コミュニティーが崩壊したり、仮設住宅で離れ離れの生活を強いられている市民が多いことは認識しております。復興公営住宅の整備や防災集団移転促進事業を推進していく上で、震災直後のコミュニティーにも配慮した入居方法や住宅移転となるよう取り組んでまいりたいと考えております。 次に、ふるさとの喪失についてでありますが、ふるさとの原風景というものは日々の暮らしの中にあって私たちの心の支えであり、私といたしましても石巻市のなれ親しんだ風景が原風景として脳裏に記憶されているからこそ、このまちに愛着を感じているのだと思います。震災によって市民の皆様の生活は一変してしまいましたが、このようなふるさとを思う気持ちこそが復興を後押しする原動力になるものと考え、コミュニティーの再生に最大限に配慮しながら、住まいの確保などの施策を進めてまいる所存であります。市民の皆様が愛着を持って住み続けることのできる安心して暮らせるまちづくりに努めてまいりたいと考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 自分のことをちょっとお話をさせていただきますけれども、ことしの正月の休みは長かったのですよね。それで自分はひげが伸びたというか、そらなかったという状態になって、仕事始めとなりました。そうしたら、お一人でしたが、職員の人が涙を流し始めるのです。「どうしたの、しばらくぶりだからうれしいの」とかと言ったら、そうではないと。そのひげ、少ししか伸びないのだけれども、あの当時のことを思い出してしまった。あのときのつらさとか、嫌なこととか、失ったものを思い出してしまったのだと私に言うわけです。フラッシュバックですよね。 この3月3日に行われた「震災記録知っておこう・残そう・伝えよ 石巻市フォーラム2013」に私も参加しました。未来のためのアーカイブと地元紙では報道もされました。その席で講師の方が被災者は復旧、復興でアーカイブどころでないのだというお話をされたのです。2度お話をされたのです。そのたびに、実は私はちょっと違うのだよなと思いながら聞いておりました。アーカイブに対する被災者の心理というのは、思い出すから、つらいからという思いのほうが、フラッシュバックするからアーカイブはいいやという思いをお持ちなのでないかなというように思うのです。だから、被災者にとってアーカイブ事業というのは結構重いものになっていると感じます。でも、アーカイブ事業それ自身は確かに必要なものであり、未来と現在の石巻市に暮らす人々に限らず、日本全国、世界各国に私たちは伝えないといけないというようにはもちろん思います。それは乗り越えなければならないというように自分自身は思います。そして、市長だけでなくて、全ての市の職員の方々に私は申し上げたいのです。このような心理状態にある多くの市民の方々に寄り添う仕事が皆さんの仕事なのだということを私は申し上げたいのです。 市長は、昨年の施政方針演説で膠漆の心一つに、その思いでこの被災と闘う旨述べられました。そして、膠漆の心をつくり上げるキーマンは市長御自身だとも語られました。市長の思いを職員の思いとしていく必要もあるのではないかと思います。市長の思いをいま一度語っていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 大震災から間もなく2年を迎えようとしております。しかし、復興はなかなか進んでいないというのが私の認識しているところです。職員は本当に毎日頑張っていて、復興住宅の再建、それから防災集団移転促進事業、高台移転事業、もう物すごい数の復興事業に今取り組んでいただいております。時間のかかる、しかも課題が山積している中で本当に頑張っていただいているというふうに思っております。市の職員一丸となって復興に取り組んでいく姿勢は、震災発生時から変わっておりません。これからが本格的な復興を迎えるという状況にありますので、この間2年が経過して職員も大変負担が多く疲労が蓄積している状況にはありますけれども、やはり市民の方々の暮らしを早く取り戻したいという一心で、一体となって取り組んでいきたいというふうに思っております。これは震災後からずっと私の脳裏から離れない意識でありますので、議会とも一緒になって今後石巻市の復興を目指して取り組んでまいりたいと考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 質疑の第3は、生活の再建です。 被災した1年間は、いかに命をつなぐかに市民も市当局もきゅうきゅうとした1年であり、その2年目は市やコンサルタントを中心に市民も参加して将来を切り開くためのいろいろな議論をし、準備をした1年であったと感覚的に思います。その中で鮮明になりつつある問題を共有したいと思います。住まいの確保を中心に議論しますが、これは土地の問題と家屋の問題が含まれています。 次の6点につき、現状と課題、そして打開の方向についてまず伺います。(1)、白地地域、(2)、復興推進地域(非可住区の場合)、(3)、復興推進地域(可住区の場合)、(4)、都市計画区域外にある市街地、(5)、地盤沈下した土地、(6)、災害復興公営住宅、以上です。 ◎亀山紘市長 生活の再建についてお答えいたします。 まず、白地地域、いわゆる被災市街地復興推進地域以外の被災した市街地における復興まちづくりについてでありますが、復興推進地域以外の地域は推進地域と同様の被害であったものの、過去に実施された土地区画整理事業などにより地域内の道路は比較的整っており、土地区画整理事業による大規模な面整備事業は特に必要ないものと考えております。このため、道路や下水道等の災害復旧事業を基本とし、必要に応じて避難路や避難タワー、復興公営住宅などの施設整備を考えております。白地地域と言われる地域については、職員のマンパワー不足からこれまで復旧、復興のまちづくりについて地域の方々との話し合いが十分には行われておりませんでしたが、昨年末に松並、緑町地区の住民の方々からの要請により、避難路や避難タワーといった防災まちづくりについて話し合いを始めております。今後は、安心、安全で暮らしやすいまちづくりに向けた話し合いを引き続き行ってまいります。 次に、復興推進地域内の非可住地域についてでありますが、住民の生命、財産を災害から守るため、災害危険区域を指定し、防災集団移転促進事業がけ地近接等危険住宅移転事業により危険区域からの移転をお願いしております。従前地の買い取りに関しましては、抵当権や相続の問題、事業用地の取り扱いなど解決しなければならない課題がありますが、引き続き国・県と連携を図り、必要な制度改正を求めながら課題を解決してまいりたいと考えております。なお、買い取り価格や移転先の分譲価格については、不動産鑑定評価等による適正な時価によることの原則を変えることはできませんが、移転先の宅地は借地が可能で、30年経過後の期間延長も検討しております。 次に、復興推進地域内の可住地域についてでありますが、土地区画整理事業を行わない地域であっても、引き続き避難路や避難タワーの整備などの防災まちづくりや復興公営住宅の整備などについて継続して話し合いを行い、安心、安全なまちづくりの実現に向けた取り組みを進めてまいります。また、土地区画整理事業の実施に当たっては、スピード感を持って換地計画を定め、早期の事業完了に努めてまいります。 次に、都市計画区域外における市街地についてでありますが、鮎川、雄勝、北上の各地区における復興に向けた土地利用について、津波復興拠点整備事業も手法の一つとして現在も検討を重ねているところであります。今後とも国・県と相談しながら、対応を検討してまいりたいと考えております。 次に、地盤沈下した土地の対策についてでありますが、基本的には海岸や河川堤防の整備により海や河川からの浸水を防止するとともに、雨水排水ポンプ場の整備により雨水対策を進めてまいりたいと考えております。 次に、災害公営住宅についてお答えいたします。まず、家賃についてでありますが、公営住宅の家賃は公営住宅法で所得に応じた算定基準となっており、復興公営住宅につきましても同様に取り扱うこととなります。低所得世帯は低廉な家賃で入居ができますが、高所得世帯に対しましては法の趣旨に基づき、将来の自立再建をお願いすることとなりますので、御理解を賜りたいと存じます。 次に、設計についてでありますが、復興公営住宅へ入居を望む高齢者世帯が多いことや、入居者の高齢化を見据え、福祉や店舗等のサービス施設を併設することも生活支援や利便性の向上の面からも有効であると考えられることから、可能な限り住民からの意見も取り入れながら検討してまいります。 次に、借り上げ型復興公営住宅についてでありますが、借り上げ型住宅の利点は早期に供給できることにあります。20年の借り上げ期限はありますが、早期に入居したい方、若年の入居者及び将来自立再建を検討される方に適していると考えております。将来の転居や退去に関しまして、十分に説明し、入居していただくよう努めてまいりたいと考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 白地地域について初めに議論します。 おっしゃるように、松並、緑町がございます。同じく被災したのに、道路を一本挟んであっちはあるのに何で私たちには説明ないのという声が徐々に高まってきて、昨年の12月8日、初めての会合が持たれました。その後も2月8日、22日と話し合いが行われています。市長の市民と行政との協働のまちづくりの実践であると私は評価します。そこでは、防波堤や高盛り土道路の高さはどのくらいになるのか、取りつけ道路はどのくらいになるのか、防災ビルはこの地域に建つのか、ネズミ駆除に市の力をかりることはできないのか、災害公営住宅に我々は入ることができるのか、あるいは今ある公園の防災公園化を提言したいのだけれども、どうだろうか等々のお話が出ています。このとき大切なのは、市が国の代弁者にならないということだと思います。住民要求がもともと無理なものであれば無理と言うほかありません。しかしながら、そのときは必ず理由を明示することが大切です。そして、住民要求が正当なものではあるのだけれども、国のルールがそれを許さないのであれば、それを明確に伝えるということが大切だと思いますが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 被災地の実情に合わせて復興計画を立てるということが基本だと思っております。ですから、国の制度に合わせて事業を展開するということは、私どもとしてはそれは避けて、しっかりと地域の方々の意見を聞きながら地域の実情に制度を合わせていくということで取り組ませていただきますので、これからもそういう姿勢で事業展開していきたいというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) その姿勢はよろしいのですけれども、肝心なことは説明するときに結論しか言わないというやり方はもうやめていただきたい。その理由を言っていただきたい、ちゃんと相手にわかるように。それが説得というものだと思うのです。あるいは国の姿勢がこうだからこうなのですということをはっきり明確に言うということに勇気も持っていただきたいということでございます。 ちょっとネズミ駆除について市長の御意見をお伺いしたいと思うのです。市民の「ネズミを何とかして」への回答は出たのです。各家庭で対処してくださいということでございました。でも、今松並、緑町は家はぽつりぽつりと点在しているのです。1軒の家で駆除しても余り効果はない。昔のように町並みがあったときは、各家庭で対処すれば、その地域としては一挙に効果があるのだけれども、被災後の今はそういう状況になっていないと、それなのに平常時の対応と同じく各家庭でとの回答に苦情が今度は寄せられております。個人で対応し切れないから、その話し合いのときに出した話なわけです。もちろんネズミがいて、各家庭で対応しないなどということはないわけですから。あるべき回答というのは、例えばこうでないかと思うのです。基本的に各家庭で処理をお願いします。しかし、地域の状況を考えるとそれだけでは対応し切れませんでしょうから、我々市とも相談して協働して考えましょうではないかなと私は思うのです。寄り添う姿勢、協働の姿勢を見せるべきと思いますけれども、市長、どうでしょうか。 ◎亀山紘市長 ネズミ駆除については、これは各家庭で対応できないほどの大量発生ということであれば、これはやはり行政と各家庭が連携して駆除対応していくというのが、対策をとるというのが私は必要だというふうに思っておりますので、早急に検討させていただきたいと思います。 ◆22番(庄司慈明議員) 私が申し上げたいのは、駆除してねというお話をすると同時に、その説明のあり方なのです、ありようなのです。もっともっと先ほど言った被災した市民の方々の気持ち、もちろん市の職員の方々も苦労しているというのは前提条件、その方も被災しているというのもわかります。しかしながら、職務として行ったときに、その被災した方々の、その地域で頑張っている人たちの気持ちを思いはかってお話をするということをぜひ心がけていただきたいということなのです。いっぱいいるかどうかちょっとわかりませんけれども、その地域には魚町も近いですし、今水産加工207のうち100近く復活し始めている。そのときにこんなネズミのふんなんかその中に出てきてしまった日には、我々の努力が本当に水の泡になってしまう、そういう視点も含めてぜひ対応をお願い申し上げたいと思います。 この白地地域の今後の話し合いの進展に、私も含めて市民の方々は大いに期待を寄せています。行政としては、復興交付金の対象となる効果促進事業との関連性に注意を払っていただきながら、その地域でできることは何かということを探求していただきたいということを第一にお願いする次第です。 そして、この白地地域というのは、松並や緑町に限ったところではございません。例えば地盤沈下に苦しむ塩富町、万石町があります。その地域でも、ようやく話し合いの機運が高まってまいりました。石巻市の対応が先行する松並、緑町と同様であることを切望するものですが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 これまでどうしても被災地域に目が行って、被災をしていながらその白地地域については対応がおくれてきたという反省をして、これからはそういった白地地域の住民の方々と向き合って、そして今やれることをしっかりと進めていきたいというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) マンパワー不足であるとか、市のお家事情というのは市民の方々も言えばわかりますから、言った途端にすぐ協働の関係が生じますから、ぜひその辺よろしくお願いしたいと思います。 復興推進地域のお話に、そして非可住区のお話に行きます。非可住区にあった土地で居住用土地の課題というのは、既に御答弁がありましたように買い取り価格の問題、担保提供物である場合、あるいは相続登記がなされておらないで相続人の特定に時間が膨大にかかるという問題、あるいは移転先の分譲価格の問題があると思います。御答弁では、不動産鑑定評価等による適正時価で買い取りがされて分譲がされるということ、そのこと自身はやむを得ないことかもしれませんけれども、それはもう合理性があるという意味で。そして、第三者の不動産鑑定士の評価であるなどということを明確に伝えることも大切です。この金額ですと言うだけでなくて、この金額というのはこのようにして適正な時価を不動産鑑定のプロである鑑定士がしたのですよということもやっぱりお話をちょっとする、それだけで市民の方々の理解というのはずっと進むということなのです。移転先の分譲価格というのが場所にもちろんよりますが、買い取り価格の3ないし5倍しているということの困惑というのも相手方は持っている、住民方々は持っているということをしっかり理解した上で説明すべきだと私は思いますが、改めて市長の御見解を伺います。 ◎亀山紘市長 議員御指摘のように、説明をしっかりして、そして住民の方々に理解していただく、しっかりとした対応をすることがやはり行政には必要だというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 抵当権が入っていたりする相続の問題というのも、実際、実に悩ましいと思います。抵当に入っていれば、その債権者と金融機関との間での話し合い、最終的には、具体的にはこの条件変更等の話があるでしょうし、相続の場合にはとにかく相続人を探し出す作業に膨大な時間を要します。この2つの問題に対して、市長の御答弁では制度改正を求めるとの御答弁でした。でも、ちょっと違和感を感じます。制度というよりもこれは法律そのものですから、相続などについては。ですから、制度改正というのであればやり方とかということになるのですけれども、法律ですから、これはなかなか難しいです。そうすると、何が私たちは求められるかというと、やっぱり早い取っかかりだと思います。その辺どうでしょうか。 ◎亀山紘市長 法律ではあるのですけれども、相続あるいは抵当権の問題とか、そういった問題が解決しないと土地区画整理事業も、あるいはさまざまな事業が進まないという状況にありますので、私どもとしては早く住宅の再建なり、あるいはまちの再興を進めていく上では、そういった問題を市が一旦受け入れて、それから整備をしながら相続問題を解決するというような手法がとれないのかどうかというのを今検討しているというところであります。 ◆22番(庄司慈明議員) それは、少しわかりました。非可住区にお住まいの方々へは、御案内のとおり借り入れの利息の補填がございます。これが先ほどもお話しになりましたけれども、昨年の12月1日以前に危険と判断して次のお住まいの場所を確保した方々には適用が遡及されないというこの問題。やっぱりこの問題でここの部分、恐縮ですが、重なりますが、ちょっと御返答をいただきたいと思います    遡及しない問題に対しての。利息補填をするけれども、遡及しない問題を市はどのように、この問題へのアプローチの仕方です。 ◎亀山紘市長 利子補給の、いわゆる今度の、要するに危険区域以外の方々に対する国の財政支援における利子補給の遡及適用ということでしょうか。これは、その場合に再建の需要の内容、要するにがけ地近接等危険住宅移転事業にかかわる方々の場合、12月1日以前の危険区域の方々に対する支援ということでは遡及適用したいという考えではおります。 ◆22番(庄司慈明議員) 次の問題にもかかわりますから、別な形でも今のお話は聞かせていただきたいと存じます。 購入の場合にはそういう補助がある、支援があるよということですが、非可住区にお住まいの方が新しく土地を買った、家を建てたというときのお話です。それはそれとして、借地の場合もありますよということで、先ほど30年後の返還の問題を御答弁いただきました。その期間延長をするということは、基本的には30年後返還しなければならないという縛りがあるということの認識をいたします。 問題は、この間に例えば相続があったとき、相続人は家を売ることができるのかとか、あるいはその間に    その間というのは30年の間に差し押さえがあった場合、市はどう対応するのかとか、あるいは30年の間に自己破産があったとき建物譲渡、所有者が変わる、それが目的がまた変わっていく、そういう場合にどうするのかとか、今の間に考えておかないと30年後とはいえ自分のお金を使うわけですから、その方々一人一人にとっては本当に大変、大切なことですよね。そのときにどうするという方向、方針を、説明を持っていないと、私としては被災者の方が次のステージを用意するというのは困難だと思うのです。ですから、期間延長を検討するというお話ですけれども、ぜひともそう遅くない時期に結論を出していただくということを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 私どもは、今までは借地に対してずっと住み続けていただくというような前提で話をしているから、どうしても今のような、では途中でそういうふうな抵当権が設定されるとか、そういったことはちょっとこれから考えて、そして実際に借地する場合にはその辺の30年間の期間でのさまざまなそういった事例について答えられるように、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。 ◆22番(庄司慈明議員) 話を前に進めます。復興推進地域で、住んでいいよと言われた地域です。そこは基本的には土地区画整理をする地域としないと決めた地域、この2つに分かれるわけですけれども、しないと決めた地域については今後話し合いの場がなくなるという危険性があります。そのためには、チャンネルの維持というか、話し合いの窓口の維持というのが大切だというように思うのです。白地地域の場合もそうなのですけれども、これまでの話し合いの事務局的な役割を担ってきたのはコンサルタント会社です。単年度主義の予算の関係上、来年度も市との契約が成立するか否かはわからない。ハード面でも単年度主義の弊害というのは、きのう後藤議員が議論しましたけれども、コンサルタント会社が継続的に石巻市の復旧、復興にかかわりを持ち続けるということも非常に大切ではないかというように思うのですが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 土地区画整理事業を進める場合には、ほかの議員からもありましたように、現地にしっかりと対応できる職員を派遣して進めるということになると思いますけれども、どうしても区画整理事業にかかわらない地域については、今後その地域に対してどのように、区画整理事業ではないけれども、ではどういったまちづくりを進めるかというような、やはりその地域にまちづくり委員会のような形でとにかくつくっていただいて継続して話し合う。そして、その中でコンサルタントの事業については継続してやれればいいのですが、あるいは特に土地区画整理事業でなければコンサルタントが入らないというケースも出てくるわけです。ですから、地元地域のまちづくり委員会との話し合いをしっかりする中で、継続して取り組んでいくということにさせていただきたいと思います。 ◆22番(庄司慈明議員) 契約の問題ですから、そう軽々には私も申し上げられないのですけれども、できればとにかくそのコンサルタント会社と継続して議論ができるということも非常に大切だということは御理解いただきたいというように思います。 今度は、その住民の方々が土地区画整理事業を選択したと、ここでやりましょうというふうになった場合、市長の御答弁ではスピード感を持って換地計画を定め早期の事業完成に努めるというお話でございました。この換地計画を定めるまでが大変で、むしろこれが決まればあとは脱兎のごとく前に進むのではないかというような期待があるわけです。換地計画を定めるときに、今もお話ありましたその地域のまちづくり協議会、委員会のこれまでの要望というものがどのように生かされるのかということを心配する向きもございますが、どのようにお考えでしょうか。 ◎亀山紘市長 まちづくり協議会と連携していかないと換地計画も進まないと思いますので、やはりしっかりと協議会との連携をとって土地区画整理事業を進めていくことが必要だというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 在宅避難者が今いるわけですけれども、補修の問題についてちょっと議論をさせていただきたいと思います。 その補修というのは、当然に金銭の支出が伴います。そのときの支援策というのは、国の制度としては被災者生活再建支援法による加算支援金、修繕ですから、2人以上の世帯で100万円、1人世帯で75万円です。そして、市の制度としては、市が創設した30万円、借り入れがある場合ですけれども、その2つです。その他貸付制度というものがあります。でも、これではいかにも手が薄いなと。修理、修繕に関してですが、1階を全部やられて2階で何とか避難する生活を始められた在宅避難者の方々、幸い柱などが無事で補修したほうが安いということで補修したわけで、基本的に100万円で補修が済むとは思われないと思います。少なくとも国の制度として、借入金の利息補填の制度があるのは取得の場合だけです。したがって、石巻市は国に先行して30万円の修繕にも使える利子補給制度を準備いたしました。国に対してもこの点ちゃんと言うべきではないかと、要請すべきではないかというように思いますが、既に要請していたら失礼なのですが、どうでしょうか。 ◎亀山紘市長 住宅の修繕費に対する支援というのは、独自支援策としても打ち出しておりますけれども、今回の住宅再建に対する財政支援についても、今後市の独自支援策をどのように進めていくかということも含めて検討させていただきたいと思います。私としては、やはり住宅の新築だけではなくて、修繕する方々に対する支援もしっかり進めていきたいと考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 手元資金、手元の現金で補修した場合というのは、すっかり支援というのはないのですよね。それは手元資金で取得した人もそうなのです。これもやっぱり個人個人の格差というのがあって、地震保険に入っていた人といない人の大きな差が生じたりもしているということで、例えば現金で補修した人はあり余る金があって補修したわけでないので、少なくない市民の方がもう金が底をついたというように私にお話はされています。その辺の支援策の拡充というものはあり得ないのでしょうか。 ◎亀山紘市長 住宅再建支援制度の拡充について、今後5市町とも話し合いを進めて、そして県との意見交換を踏まえて取り組んでいきたいというふうに考えておりますので、そういった中で今回の国からの復興交付税の取り扱いについて、まず取り組ませていただきます。制度の拡充を目指して取り組みますが、さらに被災者に対する支援が必要な部分がもしあるとすれば、それはまた国に要望してまいりたいと考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 宮城県から最近来るというか、319億円のお話でございますけれども、そのホームページでは、(2)、対象事業のただし書きに、こうあります。既存の復興基金等を財源として対象事業を拡大することは可能(例、大規模修繕費に対する補助)とあるのです。震災復興部長にお伺いしたところ、これどうなのですかと、319億円を大規模補修のほうに回せるのですかと、この復興基金等を財源としてという意味は何ですかというようにお伺いしたところ、今大ざっぱに言えば85億円ある基金のうち45億円は60万円のほうに使いますので、残り40億円、この40億円をそう使ってもいいよという話であって、今回の319億円をそういう大規模補修に使っていいよという話では全くないのだということをお伺いしました。 ただ、今度の新しい着眼点は、利子補給または補助となっているのですよね。ですから、補助の部分で319億円をどのように使えるかというのはあるにしても、しかしながら基本的に非常に制限していると、国だけ出なくて県もこう制限するのだということを私も改めて実感をした次第です。先ほど来お話あるかもしれませんが、ぜひ県への要請を強めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 今回の復興基金の充当事業といいますか、いわゆる今回の制度外の事業について、これは以前の復興基金85億円を使うとなると大変な金額になりますので、やはり独自支援策でやるということはなかなか難しい。ですから、制度の拡充を目指していくということが必要だろうというふうに考えておりますので、5市町と連携して県に、拡充を目指していきたいと思っております。 ◆22番(庄司慈明議員) 都市計画区域外にある市街地の話に行きます。 具体的には、例えば鮎川のような小さいけれども、何でもあって、人口減少はあっても市街地を形成している地域に対する国の補助メニューがないということは全く驚きなのです。鮎川というところを特定させていただいてもいいのですけれども、その地域の住まいの確保の施策の現状について市長の御認識を伺います。 ◎亀山紘市長 鮎川地域については、比較的、これは非常に失礼な言い方になりますけれども、雄勝地域に比べると牡鹿、鮎川地域に残っていただける方の人口は3,500名程度というふうに見ております。震災前は4,300人近い人口がありましたので、人口減少は起こっているわけですけれども、何とか早く住宅の再建を進めていって、特に高台に防災集団移転促進事業を促進することがまちの再建にとって必要だというふうに考えております。 ただ、鮎川の場合には、防潮堤と、それから道路の据えつけの問題がありますので、そこをどのようにするかというのは一番今必要になっておりますし、また拠点の施設としてどういった施設をつくっていくか、その中で使い勝手がいいと言うと語弊がありますけれども、やはり津波復興拠点事業を使いたいという気持ちがあります。そのためには、あの地域は都市計画区域外になっておりますので、何とか県との協議を進めながら都市計画区域に指定して、そして津波復興拠点事業で整備していきたいというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) しかしながら、津波復興拠点整備事業というのが結構なハードルですよね。被災面積が20ヘクタール以上なければならない。鮎川は28ヘクタールですから、それはクリアしているのですけれども、浸水被災した建物が1,000棟以上なければならない。鮎川はもともと700世帯ほどです。そのうち五、六十%ですから、400から450ということで、これもクリアしないといけない条件、あるいはいろいろ言われる中で皆さんも御存じのとおり、1つの市に2つしかこの制度は適用されない問題もあるというクリアしないといけない問題はやっぱりあるということを認識をまたするものなのです。しかしながら、この石巻市にとって鮎川と同じような状況にあるというのがいっぱいあると。例えば雄勝の上雄勝、下雄勝、伊勢畑、あるいは北上では月浜、立神、長塩谷、農村部で言えば追波、釜谷崎等のいっぱいの地域があって、本当にこれは極めて柔軟に対応を求めないといけないという認識を持つものですが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 津波復興拠点事業の場合に、確かに今議員からありましたように20ヘクタールあるいは世帯数とかいろいろあるわけですけれども、私のスタンスとしてはとにかく制度はそうなっているけれども、制度に合わせるのではなくて今のまちの復興に制度を合わせていただくと、それはやはり国を動かさなければならないというふうに思っておりますので、その辺は全力で私としては取り組んでいきたいというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 地盤沈下した土地の話です。 地元紙の正月の市長談話でかさ上げ問題をお話をされていたと記憶あるのですが、その後国の動きはどうなのでしょうか。
    ◎亀山紘市長 今回の住宅再建支援制度においては、国からの話ではかさ上げも認められるということですので、何とか住宅再建のときのかさ上げについては、できれば補助事業として取り組みたいというふうな考えを持っております。 ◆22番(庄司慈明議員) そういう意味で言うと、地域の要望を積み上げて考えると319億円でも本当にまだまだ足りないのだなというように自分自身は思います。その辺は具体の必要予算というものを確認しながらのお話になるとは思います。 災害公営住宅、復興公営住宅のお話に移ります。設計プランの問題ですけれども、非常に前向きの御回答いただいたと思っております。これは質疑は用意はいたしましたが、飛ばします。ただ、例えばこの間、ここに復興住宅建てますよとなっても、どういう形の復興住宅ができ上がるのだということについて、やっぱり住民の方々の御意見を聞く機会を持っていただきたいと思うのです。つまり何年間かは市民は待つのですよね、その覚悟は必要だと。その待つときに、ただただ待つということよりは、参加する形で待つということになれば、地域コミュニティーをどのように大切にするかとかという部分も理解していただきながら時間を待つということが可能だと思うのです。ただそばで眺めながら、果たしてどんなものが建つのかということが不鮮明になるというよりは、自分たちが参加しながら決まっていくということの姿を求めたいと思いますが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 もっと丁寧に説明する機会を持って、そしてどうしても公営住宅にしろ宅地の提供にしろ、平成26年度、平成27年度まで事業がかかりますので、その辺はしっかりと待っていただくためにも説明をしていきたいというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 災害公営住宅の入居募集については、石巻市の工夫というのはすごいなと私思っています。1つは、優先的に入居しなければならない世帯への配慮をちゃんとしているということ、もう一つは事前登録制の導入をしているということ、もう一つはグループ募集をしているということ、これは非常に入りやすいというか、自分の生活設計もしやすいということ、あるいは安心感があるということ、そういう意味では大変に評価しているということもお話をさせていただきます。 なりわいの再生のほうに行きたいと思います。質疑の第4は、地域経済再生の柱となるなりわいの再生です。施政方針で述べているように、雇用問題と地域経済再生問題は表裏の関係でもございます。 次の5点につき、現状と課題、そして打開の方向についてまず伺います。(1)、グループ化補助金、(2)、事業の二重ローン問題、(3)、産業ゾーンの実現のために、(4)、鮎川、雄勝、北上、(5)、林業、以上です。 ◎亀山紘市長 それでは、なりわいの再生についてお答えいたします。 まず、グループ化補助金についてでありますが、第6次の公募における認定状況は、グループ数が9グループ、補助金交付決定事業者数は427事業者となっております。なお、グループ補助が不採択となっている事業所につきましては、県、商工会議所、各商工会など関係機関と連携しながらグループの再編や計画の見直し等について支援していくほか、来年度につきましても岩手、宮城、福島の被災3県を対象に補助事業が継続されることから、国に対し市内グループの採択を要望してまいります。 次に、事業の二重ローン問題についてでありますが、本市の事業者の債権買い取り件数は公表されておりませんが、昨年12月末現在の宮城県内事業者の債権買い取り件数は、東日本大震災事業者再生支援機構が21件、宮城産業復興機構が27件となっており、債権買い取りが進展していない状況にあります。本市といたしましては、既存債務の解消が必要な事業者が多数存在するものと考えておりますことから、中小企業者等がよりきめ細かい相談ができるよう、東日本大震災事業者再生支援機構に対し石巻事務所の設置を要望しており、事業所の確保等条件が整えば石巻事務所の開設についても前向きな感触を得ているところであります。また、国に対して多くの被災事業者の債権買い取りが進展するよう、買い取り基準の緩和や買い取り決定までの期間の短縮化、さらには柔軟な返済条件の設定や利子負担の軽減などの措置を講じていただくよう、今後も引き続き要望してまいります。 次に、産業ゾーンの実現についてでありますが、産業ゾーンの形成には土地所有者の理解と協力が必要不可欠であり、産業ゾーン内での再建を希望する事業者の意向を踏まえながら業種ごとのゾーニングを行うなど、将来性や利便性を考慮した整備を推進していくことが重要であると考えております。その実現に当たっては、事業者との十分な協議、調整を基本に、復興に伴う特例及び復興交付金などの復興支援策等を有効に活用しながら、スピード感を持って推し進めてまいりたいと考えております。 次に、鮎川、雄勝、北上についてでありますが、まず牡鹿地区についてでありますが、なりわいの再生を図るためには、水産業と観光産業の早期復興が第一でありますことから、水産物地方卸売市場牡鹿売り場及び牡鹿製氷冷蔵庫、鮎川漁船上架施設を早急に復旧、整備することとし、現在これら3施設の実施設計業務を実施しているところであります。また、家族旅行村、御番所公園、金華山休憩所等の施設整備に加え、網地白浜海水浴場の再開を図るなど、鮎川を中心とした観光ルートの確立に努めるとともに、商店街も含めた周辺環境の整備を行い、観光地としての姿を取り戻すための具体的な手法等について検討を行っております。 次に、雄勝地区についてでありますが、11地区の漁港が壊滅的な被害を受けたことにより、基幹産業である養殖漁業従事者の減少による水産業の衰退が懸念されているところでありますことから、漁港施設の早期復旧を進めるとともに、漁業生産と加工、販売の一体化を促進する6次産業化を推進し、地域資源の有効活用を図りながら地域経済の再生と水産業の活性化を図ってまいりたいと考えております。 次に、北上地区についてでありますが、農業につきましては現在宮城県による農地等の災害復旧事業等が進められており、水田面積約300ヘクタールのうち、この春には約260ヘクタールの水田で作付が可能となる見込みとなっております。また、農地の復旧にあわせ、農業用機械を被災農業者に貸与することや、カントリーエレベーターの整備を進めており、これまで以上に農地の利用集積や農業経営の効率化が図られるものと期待しております。漁港につきましては、5つの漁港が被災しておりますが、平成24年度から徐々に復旧し、特産のワカメも最盛期の出荷量に回復しつつあることから、さらなる付加価値の向上を図るため、イベント等での周知によるブランド化について取り組んでいるところであります。 次に、林業についてでありますが、今後かなりの規模で戸建て住宅等の新築工事が想定されますことから、建築資材等に地域産材を活用することは本市の林業再生のためにも非常に重要であると考えております。宮城県では、みやぎ環境税を財源とし、戸建て住宅の新築の際、一定量以上の県産材を利用する場合に補助を行う県産材利用エコ住宅普及促進事業を実施しており、県産材の利用促進に一定の効果があったと聞いております。また、本市におきましても、昨年7月に策定した石巻市の公共建築物における木材利用の促進に関する方針に基づき、地域産材の利用を推進してまいります。なお、復興公営住宅等につきましては、石巻市公営住宅設計ガイドラインに位置づけられていることから、積極的に地域産の木材利用を推奨してまいりたいと考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) グループ化補助金のお話です。現在対象から外された企業グループというのは、中小企業グループからより経済的に小さい影響力である小企業、零細企業のグループだなというように実感しています。そういう小さい影響力しかない事実があるのにもかかわらず、その書類にはグループとして宮城県で果たしている役割や重要性、あるいはグループにおける県内中小企業の役割等の中でそのグループが役割をどう果たしているかということを求められても、率直に言って書けないと、大風呂敷を広げるのであれば別ですけれども、そういう状況にあるということなのだなというように思います。中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業復興事業計画書なるその計画書、このチェックというのも結構厳しいものがあるわけです。今本当にグループ化補助金、確かに大いに役に立っているのだけれども、今漏れている方々を救うには、もっと視点を変えないといけないというように思いますが、市長の見解を伺います。 ◎亀山紘市長 今まで6次にわたるグループ補助がありましたけれども、これまでの補助を採択いただいたグループは、やはりグループが組める業者、それからそういった中で対象にならなかった、あるいは申請しなかった方々というのは、中小零細企業でグループを組むのも非常に難しい、そういった企業の方々ですので、その辺は今後どのようにグループ化させて、その書類の作成についても支援できるかというところが一番課題だというふうに思っております。どういった取り組みをしたらいいか、検討していきたいというふうに思っております。 ◆22番(庄司慈明議員) このグループ化補助金では、もう申請を受けたところ、認定を受けたところというか、そのところでも実はアンケートをとったところ、4分の1の部分の自己資金といっても借り入れですから、それをどう補填するのか。それだけでなくて、これは8分の7の水産関係の方々も同じなのですけれども、設備をつくれば当然に在庫を抱える、在庫の運転資金というか、仕入れの運転資金、人件費の運転資金をどう工面するかということで、このグループ補助金交付先アンケート調査では3割の方々がその手だてに困っているということがございました。8分の7も大きな補助になりますと、そのキャパはもっと大きくなるわけで、運転資金も必要なものが当然にもっと大きくなるということもございますので、国への要望なのですけれども、先ほどのグループの残された方々のほかにもこういう問題があるということについての御見解を伺います。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 グループ補助を受けても4分の1は自己資金ですので、そういった中でいかに銀行からつなぎ資金を融資できるかというところにかかっております。しかし、つなぎ資金が融資できない企業も多いということは聞いておりますので、その辺で補助率の高い8分の7事業があればということはあるのですけれども、これはこれから要望していきたいと思いますけれども、要するに金額がもっと低くていいから8分の7でというのはなかなか認められないところがあるかと思いますけれども、つなぎ資金の問題、それからグループを組めない中小零細の問題、それから今のさらに負担の少ない8分の7補助、こういった問題については国の支援がどの程度やられるか検討して、それで要望していきたいというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 事業の二重ローン問題にお話を移させていただきます。 この復興機構、支援機構の相談件数というのを確認をいたしましたところ、1,094件なそうです。それに対して債権買い取りまでいったところが48件というお話でございました。解決率が4.4%、もう2年たっても4.4%かという思いを率直にいたします。しかも、以前は市町村単位で公表していた数値、今は県単位でしか公表しなくなる。では、石巻市における二重ローン問題はどの程度解決したのかということを私たちはつかむことができない状況になっている、これも本当に後退だと思います。私たちの世論をかわすのかというように思ってしまうくらいのお話です。 これがなぜ進まないのかというと、最大の理由は債権の買い取り額をめぐる機構と金融機関との話がさっぱり決着つかないということなのです。債権を買う側は当然安いほうがいい、機構は安いほうがいいということで大体3割を言うわけです。しかしながら、金融機関はその7割部分を損失をして受け入れることはできないので、できれば7割程度にしてよというこの綱の引き合いが現状を生んでいると。ほかにも要素は考えられます。考えられますけれども、それが最大だなというように思います。私も支援機構の方にお話をしました。皆さん方の計算がどうも不鮮明だからでないですかと言ったら、私たちは決まっているのです、私たちの計算はこういう方法ですと。そういう意味ではなくて、金融機関の納得を得ていない状況、現状がそうさせるのではないですかというお話をその人にもいたしました。この部分、確かに御答弁あったように、本当に債権の買い取り額の基準の見直しというものをしっかり要請していかないと、企業は再生できないというように思います。いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 この二重ローン問題は、なかなか難しい状況にあります。どうしても買い取り基準が緩和される、あるいは買い取り決定までの期間が余りにも長過ぎると、そういったさまざまな問題がありますので、今後も引き続き要望してまいりたいと考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 2番目の理由というのは、その債務者、A社にとっては最長で15年後において自分の債務額の評価が幾らになるかというのがわかる、だからその間全然見当がつかない。15年後ですから、自分は結構年をとるわけですよね。そうすると、この判断を自分がしていいのかどうか、むしろ今もう何もできないとバンザイしたほうがいいかと思ってしまうというところにもあったりもします。 あるいは3番目の問題としては、金融機関は急いで返してよと言っていないのですよね。でも、利息だけは頂戴ねと言っているのです。これは金融機関としては、下手にと言うと失礼かもしれませんが、この仕組みに乗ってしまうと3割とか7割とかそういう損失をかぶるわけですから、それはできるだけ遠くしたいという思いもあるわけです。そういう金融機関の姿勢を正していかないといけないということなので、それは国に対してこの視点も語らないといけないと思いますが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 金融機関の姿勢を変えなければならないというのは確かにおっしゃるとおりなのですけれども、なかなか難しくて、これはやっぱり国にもっと指導していただくということが必要だというふうに思っております。 ◆22番(庄司慈明議員) ただ、問題は、復興機構、支援機構にはもう既に2,000億円とか5,000億円とかの金がちゃんとあるわけです。本来的には、その機構がそのためにあるのですから、そこが損失をかぶらないといけないということなのですよね。だって、そのためにつくられたのですもの。どこかがかぶるのですよ。ですから、その辺も強調したいなというように思います。 話を前に進めます。産業ゾーン実現のためにという部分なのですけれども、法人所有の土地、つまり非可住区で法人所有の土地というのは買い上げの対象としないという問題がございます。しかしながら、法人所有の土地というのは所有地面積の62%にもなります。ですから、この姿勢というものをよく考えないと前には進まないと。したがって、産業ゾーンは成立しないのではないかとは思いませんけれども、そういう心配もするということなのですが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 民間のといいますか、要するに個人の住宅の買い上げはできますが、法人の土地の買い上げはできないと。ですから、そこが制度の問題で、そこを変えないと土地区画整理事業もなかなか進まない。国に申し上げているのは、個人も法人もとにかく一旦市で一括買い上げさせてくださいと、それから区画整理をして土地のかさ上げをして、そしてそれから買い取っていただくと、そういうふうな方式ができれば一気に産業ゾーンの整備というのは進むというふうに思っておりまして、何とかそういう方法でやれないかということは大臣が来るたびに言っているのですが、なかなか返事は返ってこないのですが、引き続き要望してまいりたいと考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) とにかくしつこさで頑張りたいということだと思います。本当にそれは必要なことだと思います。 鮎川、雄勝、北上のお話をさせていただきたいと思うのです。本当に深刻だなと改めて思います。例えば私の知っている範囲で申し上げますと、鮎川にはしかしながらグループ化補助金が認定されたグループがいるのです。希望を失わないためにも、そのグループ化の事業計画の延長、これを求めないといけないということなのだと思うのです。市長は先ほど6回グループ化とあったのですが、7回なのです。2月15日が締め切りだったのですよね。それはそれとしていいのですけれども、その締め切りというのはそれで、第7次のグループ化の締め切りというのは平成25年3月31日なのです。この期限の打ち切り問題というときに、自分の事業再開のとき、この制度というのは残っているのかというような心配をお話しされる方もいらっしゃいます。この期間への対応について、市長の御見解を伺います。 ◎亀山紘市長 これは、これまでも国に延長してもらうように要望してまいりましたけれども、これも本当にもう何回でも国に、とにかく今の状況からするとなかなか復興が進んでいないので、何とか延長を頼むということで要望していくしかないというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 粘り強く頑張りたいと思います。 次の第5に入ります。放射能とどう向き合うか。市長は、昨年の私の代表質疑において、「再稼働問題につきましては、これは大変、現在の福島第一原子力発電所の事故については重く受けとめております。福島の住民の方々が今回の地震、津波による被害とはまた違う非常に大きな悲劇を味わっているという状況にありますので、福島第一原子力発電所の検証あるいは解決があるということが前提にならざるを得ないのですが、やはり再開に向けては極めて慎重に対応していくことが必要だ」と述べていらっしゃいます。現在もこのお気持ちと変わらないと理解してよろしいでしょうか。 ◎亀山紘市長 変わりはありません。今の福島の現状はかなり深刻な事態を招いているというふうな、いろんな事態がありますけれども、要するに県外に避難されている方が福島県の場合にはたしか7万人近いというふうに言われております。それから、宮城県の場合でも、宮城県外に避難されている方は8,000人いると、そういう状況にありますので、その中でもやはり福島の現状を考えると慎重にならざるを得ないというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 質疑の第6に入ります。 市民の願う安全、安心のまちづくりについて。(1)、安全と安心。私たちは、物事を語るときによく安全、安心と一くくりに言います。でも、安全と安心とは異なる概念です。安全には科学性が求められます。安心というのは、市民一人一人の心の問題です。安全だと言われても安心できないという思いはどうしようもありません。大丈夫だと言われても、やっぱりつり橋は怖いのです。その意味で、この石巻市震災復興基本計画の基礎となったシミュレーションの科学性を市民にいかにわかりやすく伝えるかというのが重要だと思います。見解を伺います。 (2)番目、石巻市立病院。今回の施政方針では、石巻市立病院に触れる箇所が大変薄くなっていると感じました。市長の石巻市立病院建設への情熱を語っていただきたいと存じます。 ◎亀山紘市長 市民の願うまちづくりについてお答えいたします。 まず、安全と安心についてでありますが、災害に強いまちづくりを推進する上で、各種施策の基礎となる津波浸水想定を設定するための有効な手法として津波シミュレーションを活用し、多重防御による津波防災地域づくりに取り組んできたところであります。第1防御となります海岸堤防や河川堤防は、数十年から百数十年に起こり得るレベル1津波、第2防御となります高盛り土道路等はレベル1津波をはるかに上回る最大クラスのレベル2津波を想定し計画を行っているところです。津波シミュレーションの解析には特に専門知識を必要とするために、有識者の協力のもと検討を行い、その結果をもって市の計画に反映させることにより、市民の安全の確保と安心を与えるまちづくりが実現できるものと考えております。 次に、石巻市立病院についてでありますが、石巻市立病院復興基本計画では、石巻赤十字病院との機能分化や各医療機関との連携強化により、石巻医療圏で切れ目のない医療供給体制を構築し、市民の誰もが安心して暮らせる地域社会の実現に向けて良質の医療を提供する旨掲げているところであります。本年4月からは、開成仮診療所において24時間体制による訪問診療の実施を予定するなど、今後は在宅医療についても重点的に実施していくこととしており、高齢化がより一層進展する中、新病院では地域の医療ニーズに沿った的確な医療サービスの提供を行えるよう努めてまいります。石巻医療圏では、医療供給体制が大変逼迫している状況にありますので、新病院を一日でも早く開院し、市民が病院で診療を受けられるよう、新病院の建設に取り組んでまいりたいと考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 安全と安心のお話ですが、市長の御答弁はこれまで市の職員の方々がいろんな説明会でされてきたことと基本同じです。問題は、市民がこれをどのように受けとめているか、多くの人がまだ安心感を獲得したと断言できる状態では決してないのだろうと思うのです。この安心感をできるだけ多くの方々が持つか否かというのは、実は石巻市の将来がかかっている問題ではないかと私は非常に心配しています。せっかく土地区画整理しても、安心感を持つことができないがために、ふるさとを去ってしまうという場合だってあり得るし、それは白地地域も同じだし、そうすると30億円かけても半分しかいないのだったら15億円無駄になるわけです、変な表現かもしれませんが。しかし、そのときに私たちは安全であるという説明をもっと知恵を使わないといけないと思うのです。これまでの石巻市の説明というのは、最大浸水深分布図というものを1枚示して口頭で説明してきたのです。こうなりますから、皆さん安全です。これは、シミュレーションは専門家がしてきたのです。でも、率直に言って、それは伝聞なのです。皆さんそう言われたからそう言っているという側面があるのです。それを市民がわかるから、市民が受ける印象というのは、「ふうん、そうなんだ」という程度にとどまるというのが実際だと思います。そうではなくて、例えば映像化してスクリーンで説明する等の知恵が必要でないかなと思います。それも堤防等の防災施設がない場合はこうなって、L1対応になったら、それはこういうふうに皆さんに影響を与え、したがって二線堤のL2対応をするから皆さんこう安全なのですよということをちゃんと目に見える形で御説明をしていただきたいというように思うのです。それが映像として映らなくとも、紙で比較対照しながら市民の方に御理解をいただくという工夫が必要と思いますが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 お答えいたします。 津波シミュレーションについては、防潮堤を築かなかった場合、あるいは第二線堤としての高盛り土道路が何メートルだったときにどの程度津波がこぼれるかというような、そういったシミュレーションの絵はあります。それは、私としては説明されているのかなというふうに思っておりました。確かにおっしゃるとおりだと思います。やはりそういった紙媒体でも、あるいは映像でもいいですから、そのシミュレーションの中身については非常に難しいですので、これは私もわかりませんので、やはりこうした場合にこうなりますよというふうな説明は必要だというふうに思っております。 ◆22番(庄司慈明議員) そうなのです。市民には結果しか見せないのね、結論しか。ちょっと前に進みますが、このシミュレーションというものが現在の科学の知見の最高水準であるものということの確信を私たちは欲しいのです。そのためには、このシミュレーションができ上がるまでの過程、経緯、経過を市民に知らしめることも一考だと思います。このシミュレーションというのは、決して一人の、あるいは一研究所の成果ではないということがネットを見ると確かに明確になるのです。東北地方太平洋沖地震を教訓として地震・津波対策に関する専門調査会というものがあって、これが何回も開かれているということがわかります。多くの研究者の多くの議論があってこその判断なのだということは、より一層の科学性を私たちに伝えてくれるわけです。当然門外漢の私がその議論に入れるわけはありません。それでも、私の中に安全への信頼を植えつけていただく、そのためにはその議論の過程というのを知らしめるということも一考ではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ◎亀山紘市長 津波シミュレーションというのは膨大なコンピューターで描くものですから、その過程について一般に説明してわかるかというとなかなか厳しいところがあると思うのですけれども、専門家の方々を呼んで聞くというのも必要かもしれませんので、検討させていただきたいと思います。 ◆22番(庄司慈明議員) 3月3日のアーカイブに行ったのは、その意味もあって、今村先生がおいでになるというので、直訴しようと思って私行ってまいりまして、先生にお話を申し上げました。そうしたら、先生は、いやいやと否定はされずに、うんうんとうなずいてくださって、検討してみるというお話でしたので、これ予算もつく関係もあるでしょうから、ぜひ市長のほうからもお願いしたいというように思います。 石巻市立病院への期待の議論です。再生する石巻市立病院の新たな立ち位置について確認をしたいと思います。医療供給体制の逼迫状況は、石巻赤十字病院の病床稼働率100%に象徴されます。その中で再生石巻市立病院は、第1に亜急性期の患者を受け入れて、第2に1.5次救急の担い手として、第3に在宅医療の担い手として、第4に緩和ケアの担い手として新たな立ち位置を獲得する。その結果、石巻医療圏に切れ目のないシームレスな医療供給体制を構築する、これが医療機関としての本来の意義であり、本来的役割だということでございまして、これはこの間何度も議論されてはまいりました。 そして、昨日の後藤議員、千葉議員の議論に対して、市長は地域包括ケアシステムの拠点となることも視野に入れる旨の発言がありました。この間、市長の言葉としてそのようなことが余り私自身は記憶がないので、そこで認識を新たにさせていただきたいのですが、そのお気持ちをいま一度聞かせていただきたいと思います。 ◎亀山紘市長 今石巻赤十字病院に患者が集中しております。かなりそういう意味では、石巻市の医療体制というのが逼迫している状況にあるというふうに理解をいたしております。ですから、早急に石巻市立病院を再建して、市民の皆さんに医療として安全、安心を図っていくということは、やはり一番大事な時期ではないかというふうに思っております。 今議員から御指摘がありましたように、亜急性期、1.5次医療、さらに在宅医療、それに地域包括ケアというふうな、この地域の医療環境をしっかりと構築していくためには、石巻市立病院の再建が最も重要であるというふうに考えておりますので、できるだけ早く再建していきたいという思いでおります。 ◆22番(庄司慈明議員) 地域包括ケアシステムの先進地というと、尾道市を連想します。そのイメージというのは非常に大きいです。そこでは核となる病院の周りに健康管理センターや介護施設が建設されています。私の提案する石巻版地域包括ケアシステムというのは、少々意味合いが違います。再生石巻市立病院の近くにこのようなスペースを設けるゆとりはないし、お金もないと。私の提案は、市内各地にある民間の健康増進施設や医療機関、そして介護施設や福祉施設をつなげる役割を再生石巻市立病院が果たすことにあるのではないかというイメージです。これが実践的に成功すれば、復興基本計画の副題でもある最大の被災地都市から世界の復興モデル都市石巻を目指して飛躍したと胸を張って宣言することができると思うのです。被災を受けた石巻市立病院の再生が石巻版地域包括ケアシステムを確立する、何と夢のあることかなというように思いますが、市長の御見解を伺います。 ◎亀山紘市長 そのような医療体制というものを考えていきたいと思います。やはり地域包括ケアというのは、医療にかかわる人だけではなくて、さまざまな方々が参加することによって、高齢者の方々が住みなれた場所で安全に健康で生活できる体制をつくることにありますので、それは単に医療機関だけの問題ではなくて、福祉関係、それから健康、多くの方々にかかわっていただくということが必要だろうというふうに考えております。 ◆22番(庄司慈明議員) 切れ目のない地域医療、そして地域医療、地域包括ケアシステム、この関係のたて糸とよこ糸が市民を包み込む、その糸を織りなすのは石巻市立病院で、市民はこの暖かい織物で包まれる、この環境があってこそ市民の幸せの条件がつくられ、市長の言う幸せの舞台づくりが広がっていくと確信します。 以上で日本共産党石巻市議団の施政方針に対する代表質疑といたします。ありがとうございました。 ○議長(阿部和芳議員) 以上で22番庄司慈明議員の質疑を終わります。 △散会 ○議長(阿部和芳議員) 以上で本日の日程は全部終了いたしました。明日本会議を再開いたします。本日はこれにて散会いたします。   午後4時26分散会...