平成24年 第3回 定例会 平成24年石巻市議会第3回定例会会議録(第3号) 議事日程第3号 平成24年9月20日(木曜日)午前10時開議 第1
会議録署名議員の指名 第2 一般質問 散 会 本日の会議に付した事件 日程第1から日程第2 延 会 出席議員(31名) 1番 阿 部 久 一 議員 2番 丹 野 清 議員 3番 阿 部 純 孝 議員 4番 黒 須 光 男 議員 6番 髙 橋 左 文 議員 7番 山 口 荘 一 郎 議員 8番 大 森 秀 一 議員 10番 水 澤 冨 士 江 議員 11番 阿 部 欽 一 郎 議員 12番 安 倍 太 郎 議員 13番 遠 藤 宏 昭 議員 14番 千 田 直 人 議員 15番 櫻 田 誠 子 議員 16番 渡 辺 拓 朗 議員 17番 千 葉 眞 良 議員 18番 阿 部 正 敏 議員 19番 青 山 久 栄 議員 20番 阿 部 和 芳 議員 21番 西 條 正 昭 議員 22番 庄 司 慈 明 議員 23番 石 森 市 雄 議員 24番 松 川 惠 一 議員 25番 森 山 行 輝 議員 26番 長 倉 利 一 議員 27番 伊 藤 啓 二 議員 28番 堀 川 禎 則 議員 30番 阿 部 政 昭 議員 31番 髙 橋 栄 一 議員 32番 後 藤 兼 位 議員 33番 髙 橋 誠 志 議員 34番 阿 部 仁 州 議員 欠席議員(なし)欠 員(3名) 説明のため出席した者 亀 山 紘 市 長 北 村 悦 朗 副 市 長 笹 野 健 副 市 長 境 直 彦 教 育 長 伊 勢 秀 雄 病 院 局 長 柳 田 正 人 総 務 部 長 兼 病 院 局
石巻市立病院長 阿 部 明 夫 企 画 部 長 星 雅 俊 震 災 復興部長 堀 井 栄
河北総合支所長 相 澤 清 也
雄勝総合支所長 伊 藤 亮
河南総合支所長 石 川 文 彦
桃生総合支所長 新 藤 喜 悦
北上総合支所長 岡 田 伸
牡鹿総合支所長 須 田 昌 義 生 活 環境部長 水 野 正 昭 健 康 部 長 内 海 正 博 福 祉 部 長 阿 部 正 博 産 業 部 長 阿 部 善 弘 建 設 部 長 松 川 正 会 計 管 理 者 鷲 見 祐 一
病院局事務部長 佐 藤 和 夫 教 育 委 員 会 兼 病 院 局 事 務 局 長 石 巻 市立病院
事務部門事務長 事務局職員出席者 日 野 智 事 務 局 長 佐々木 恭 弘 事 務 局 次 長 渡 邉 伸 彦 事 務 局長補佐 佐 藤 真 一 主 幹 髙 瀬 禎 幸 主 幹 佐々木 直 樹 主 査 星 貴 幸 主 査 齋 藤 悦 子 主 任 主 事
△午前10時開議
○議長(
阿部和芳議員) ただいまから本日の会議を開きます。欠席通告議員はありません。 本日の議事は、日程第3号をもって進めます。
△日程第1
会議録署名議員の指名
○議長(
阿部和芳議員) 日程第1
会議録署名議員の指名を行います。本日の
会議録署名議員に13番遠藤宏昭議員、14番千田直人議員、15番櫻田誠子議員、以上3議員を指名いたします。
△日程第2 一般質問
○議長(
阿部和芳議員) 次に、日程第2一般質問であります。質問通告者は20名であります。質問は前者と重複しないよう願います。なお、申し合わせによりあらかじめ発言時間の制限をいたします。発言時間は、答弁を含めず1人30分以内といたしますが、質問回数は制限いたしません。通告順に発言を許します。4番
黒須光男議員の質問を許します。4番。
◆4番(
黒須光男議員) まず、通告をいたしておりました内容なのですが、私は亀山市長の疑惑の回送と帝王学への対処についてというこの内容であります。 私は、先日松本清張の小説「犯罪の回送」という本を読んだのです。たしか田舎の市長が東京の出張先で殺害されたという内容なのですが、「回送」というのは広辞苑で調べますと、もとの場所に送り戻すという内容なのですが、この事件をずっと捜査当局も調べていきましたら、小説の内容なのですが、実は殺された場所が地元の田舎で殺されて酒だるに詰められて送られたのですね、東京のほうに。ですから、この犯罪者は完全犯罪をもくろんだのですが、やっぱり余りやり過ぎて犯罪を隠そうと、隠蔽しようというものが一つ崩れて、手の込んだ完全犯罪が発覚してしまったという内容であります。 私は、余り手の込んだ仕掛けというのがどうもこのごろ多過ぎる、市政の流れの中で、そういうふうに理解しているのです。亀山市政における幾つかの疑念を指摘させていただきたいと思うのですが、まず1つは、電算の問題、これはもう過ぎ去った過去なのですが、これは回送しますとやっぱりおかしいのです。6億円でやれる見積書がありながら、最終的には12億円に膨れて契約をした。しかも、契約したのが完成の3カ月前ですから、3カ月で12億円の工事したという。1日幾らの人工を使ったかというと700人ですよ、そうなりますと。700人もの人工を使って電算工事をした、これあり得ないのです。ですから、私は市長にも市長選挙に入る前にいろんな資料をお見せしながら、市長になったらこれはぜひ市長の手でこれは暴いていただきたいというふうなことでお願いをしたのですが、これはやっぱり就任とともに忘れ去られたと。私は断腸の思いです。 また、現在の庁舎、私はただより高いものはないというふうに指摘をしてまいりました。ただでもらったからいいのだと。しかも、幾らかかったのでしょうか、この改修工事に。改修工事は、発注責任者は亀山市長ですよ、土井さんではないのです。しかも、議会棟も壊れ、この災害によって太陽光パネル、これも大破しました。6億円とも7億円とも言われる建物が無残にもこういうものが水の泡になってしまった、水に流されてしまった。これに対して、市長の反省の色が全然見えてこない。私は、これまた断腸の思いです。 また、次に齋藤氏庭園、これは私は地震が来たら一番最初に壊れますよと言っておった。こういうのを単に安易な形でもらっていいのですかと。ただではないのだ、ここは買ったのですよね。しかも、必要のない駐車場まで買って、大変な金額をここにぶち込みました。今でもこれに何億円という金がこの災害を通じてつぎ込まれている。これは人の話を聞かない市長のてんまつではないかな、私はそう思うのです。 また、次に病院建設、我々にはちゃんと今の土地で10分間に合いますよと話をしていたのではないですか。ふたをあけてみましたら、やっぱり20億円もの駐車場を用地も含めてつくらなければならない。どうしてそのように急ぐのでしょうか。どうしてこの設計業務を急ごうとしているのか、私にはわからない。局長も部長も真摯になって、やっぱり目線に立って市長にだめはだめ、ノーはノーと言ってくださいよ。何やっているのですか、この2人は。年間十数億円もの補助金を出している石巻市立病院ですよ、採算合わなくて。恥ずかしくないのですか、もう少し真面目に仕事してもらいたいな、私は。そういう不透明さもあります。 また、この間私は
石巻地方広域水道企業団議会議員として初めて
水道企業団議会に行ったのですが、水道の浄水場移転120億円ですよ、これね。もう業者が決まっていると皆通知が来ている、書類が届いた、私に。議会でも私はただしたのですが、まんざらうそでもない。色濃い、そういう流れが見える、不透明さが見える、目立つということではないでしょうか。 次に、ごみの問題、不正会計処理が、市長が手をこまねいているものですから、市議会が告発するに至りました。きのう議長もちゃんと調書をとられているようでございますが、もう警察も動いているようでございますが、数々の疑念が亀山市長の周りには横たわってまいりました。こうした問題を回送して、市長はどういう認識を今持たれているのかお尋ねしたいと思いますが、お答えください。
◎亀山紘市長 お答えいたします。 議員、数々の疑惑があるということですが、昨年の3月11日に発生した東日本大震災以降、やはり石巻市の復旧、復興が今最も大事でありまして、私としてはこの市政に対して真摯に石巻市の復興を目指して取り組んでいるところでございますので、御理解を賜りたいと思います。
◆4番(
黒須光男議員) 全然答えてくれないのですね、答えられないでしょうね。復興のために身をささげているということで、今はそれで手いっぱいだから、私の答弁にも答えられないのでしょうけれども、お疲れになっているからね。ですが、議会の質問に対して真摯にお答えすると、胸を張って答えられる、そういうのが亀山市政には全く欠如している。これでは、私が言っているのがみんな本当になるのではないかな、それで構わないのかな。 次に移りたいと思います。次に、亀山市政につきまとう疑惑、これには必ず共通点が出てきたのです。今述べた問題点をずっと調べたが、共通点がある、必ずある。それは、梟雄というかな、残忍で猛々しい者ということなのですが、特定の梟雄に囲まれていないだろうかということなのです。市長、まずこれをお答えください。
◎亀山紘市長 内容がはっきりしなかったので、済みませんが、もう少しわかりやすく示していただきたいと思います。
◆4番(
黒須光男議員) 今の質問に答えられなければ、次に変わりますから、大体関係するやつありますから。 やっぱり亀山市長の問題の中で人事は問題だと思います。亀山市長がスタートして監査委員の選任がありました。私は、その人の名前を聞いて、「市長、どうしてこの委員を決めたのですか」とお伺いしたところ、市長は、「議員から推薦を受けたから決めた」と、私は愕然としましたね。私はまだ記憶から離れませんよ、これは。不祥事が続く部署があるのです、これは不祥事が続く。その幹部職員の人事、私は特定のそうした議員の介入があるのではなかろうかと。そのためにこういう問題が噴き出ただろうと、噴き出ている、そういうふうにしか私は思えないのです、共通点。どうですか、市長、そういう人事。副市長とか、人事課長とか、総務部長なんかとしっかり相談しながら決める人事ではないのではないですか。トップダウンで、横からちょこっと来た人の話を聞いてやる人事が今石巻市の亀山市政の人事ではないのでしょうか。監査委員の選定から見てもそうでしょう。あわせて伺いたいと思います。
◎亀山紘市長 人事に関して、議員からの介入ということは全くありません。これは、はっきりと私からは申し上げます。人事を遂行するに当たっては、私は一番この組織、復興に当たっての人事というものは大切ですし、また組織をいかに束ねていくかということからすれば人事は重要ですので、単にトップダウンで決めているのではなくて各部、それから若い方々の意見も聞きながら人事を進めておりますので、決して独断で決めているわけではございません。
◆4番(
黒須光男議員) 監査委員の決定、これについて触れられておりませんけれども、お答えください。
◎亀山紘市長 監査委員の選考についても、これはやはり議員からの介入によって決めたものではございませんので、やはり部内でしっかり考えて人選をさせていただきました。
◆4番(
黒須光男議員) 私からすれば、全くリーダーとしてこういう場でうそをつくと、つかれていますから、私は。全く私は残念だな。私にはちゃんとあなたは名前も言いましたよ、議員の名前も、覚えていないのですか。いや、知らないふり、わかりました。梟雄の群れ、梟雄というのはさっき市長はお答えできなかったのですが、残忍で猛々しい者たちなのです。こういう人たちに囲まれているのではないですか、市長。これはどうですか、人事でそういう人の話を聞いていないという、私にはちゃんと言っているのですよ、就任当時。忘れたのですか、もう一度思い出してください、市長。
◎亀山紘市長 私は黒須議員に言った覚えはございません。(「とぼけるな」と呼ぶ者あり)
◆4番(
黒須光男議員) 全く、今とぼけるなという話が、とぼけていますよ。こういうところで堂々とうそをつくのですから、推して知るべしです、しっかりこれは心に当てて。市長、大体あなたは井戸を掘った人にそういううそをついてはだめではないですか。そういううそをついてだめですよ。しっかりうそつき市長と言われないように私は言いますけれども、ですからしっかりそういうことのないように、政治家として責任のあるお答えをする、素直な気持ちでお答えをするというふうなことが必要ではないでしょうか。 次に、瓦れきの処理の問題であります。私も百条委員会の末席に入れていただきました。遠慮しながら話ししてきたのですが、百条委員会で要約いたしました。まず、笹野副市長に聞きたい。まず、改善意見というふうなことをまとめたのですが、その中で内容がこうなっているのです。「業務完了から約3カ月を経過した、任意様式の作業員名のない作業日報や不備な完了写真による業務完了報告が出来高検査において黙認され、また、およそ五千万円に上る」と、これは5,000万円というのはその当時の災害からの5月のやつですよ、5月分だけで「委託業務が受付から審査請求まで1日で処理されるなど、市当局の当該業者に対する特別な配慮があったのではないかと疑念を抱く場面が散見された。」ということなのです。これはとんでもない話だ。市役所の職員がこれに加担しているという内容ですよ、まさに我々議論している。副市長、どういう見解ですか、お答えください。
◎笹野健副市長 お答え申し上げます。 今ほど議員のほうから御説明ありました業務完了から3カ月後の書類、契約関係の作業員名簿、出来高検査等の書類の不備等々ございますけれども、確かにこの業務自体は環境部署からの補助金によって成り立っている事業であり、契約でありますので、さまざまな事務処理において、ちょっと私は当時おらなかったので、そこは答えにくい部分もありますが、混乱の中であったのでありますけれども、やはり国庫からいただくお金でやるべき仕事でありますので、至らなかった部分は市当局として、当局の一員としてお謝りしなければならないところがございます。疑念に関しましては、そういう御指摘があることについては謙虚に受けとめますが、その疑念の有無について、ちょっと私はお答えできる立場にございませんので、その点は回答を保留させていただきます。申しわけございません。
◆4番(
黒須光男議員) あなたも国の官僚、エリートの国からの職員です。これは当然会計検査が入りますよ、恥かくのは皆さんではないですか。市長だけの恥ではないですよ、これ。国から派遣されたあなたなんかは全く恥じなければならない、エリートが地に落ちるということですよ。しっかり精査しなくてはならないのではないですか。今の答弁で私は満足しないな、もう一度お答えください。
◎笹野健副市長 お答え申し上げます。 議員御指摘のとおり、国庫からの交付金による事業でございますので、今からでも取り組めることは真摯に取り組んで、精査なり、今後の再発防止なりに精いっぱい取り組んでまいりたいと思います。
◆4番(
黒須光男議員) 次に、北村副市長にお尋ねしたい。 改善意見書の中に今質問した次の行から書かれているのですが、「週刊誌や新聞で報じられ、社会問題化した藤久建設の不正請求の疑いについて、本来であれば、市として緊急に真相究明して適正な対応をとるべき必要が高かったのに対し、市長はじめ担当部は議会からの告発すべきなどの指摘を受け入れるどころか、災害後の混乱を理由に既成事実の肯定に奔走するだけであった。担当部以外の幹部職員による調査機関を設置するなど、真相を明らかにしようとする姿勢が必要だったのではないだろうか。」というふうになっているわけです。これに対して、県の企画部の次長だったのですよ、企画部の次長というと相当なエリートですからね、真摯にお答えください。
◎北村悦朗副市長 お答え申し上げます。 今黒須議員御指摘の点につきましては、週刊誌等で指摘があった後に市役所内部でさまざまな議論が交わされ、結果として告訴には踏み切らないという結論に至りました。その後、いろいろな経過をたどり、議会において告発ということになったわけでありますけれども、まさに今回の百条委員会の報告書あるいは監査委員の指摘にもあったと思いますが、関係部長を含めない広範な担当部長で構成する検証委員会なるものを立ち上げることにつきましては、早急に市内部で議論をし、検討し、答えを出すべき案件だというふうに思っております。そういった意味で、この検証委員会につきましては早急に取り組む必要があるというふうに考えております。
◆4番(
黒須光男議員) 救われたのは、副市長がこの議場で個人的にも訴える必要があると述べましたよ、遠藤議員の質問に答えて。それは、ちょっと私の気持ちも、そういう意見も役所の中にはあるのだなというふうには理解しましたけれども、私は当時、告発するかしないか、いろいろ議会で議論しておった、あるいは市のほうでも調査をした。その際、疑われる職員が弁護士に相談したり、そうしている自体、全く欠如しているのだな、リーダーとしての。私は、市長はわかってやったのではないか、このことを。そう疑わざるを得ないのですよ、市長。私が市長だったら、どうも職員が絡んでいると思ったら、その職員にそういう調査なんかさせませんよ。ここに大きな乖離がある。市長が疑念が持たれる、疑惑が持たれる大きな要素なのです。そして、かたっぱったように告発しない、私の意見だったと、私がまとめたということでしょう。最終的に弁護士なんか言っていないかもしれませんよ、だって絡んだ職員が行っているのだもの。これに対して、北村副市長、見解を伺いたいです。
◎北村悦朗副市長 お答え申し上げます。 実は私も弁護士との相談の場にはおりませんでした。担当課長が行ったというふうには伺っておりますけれども、私の立場としては担当課長なり、担当課長補佐かもしれませんが、弁護士とのやりとりはそれこそ地方公務員として真摯にやったのではないかというふうに私は思っております。したがいまして、正確に弁護士とのやりとりを真摯に報告をしてくれたものと私は信じております。
◆4番(
黒須光男議員) あなたからそういうふうに言われると、なかなか追及の手も鈍りますけれども、副市長、かばうだけではだめだな。やっぱり厳しく、市長に口を聞かれなくても、これは一つの根幹をなすものですよ、今回の告発に至るまでの。勝負です、勝負、男の勝負ですよ、これ。こんなことがみんなだらだら、だらだらやられて (22番庄司慈明議員「勝負に負けたのはあなただ」と呼ぶ)負けたの、負けていない、今から……
○議長(
阿部和芳議員) 静かにしなさい。
◆4番(
黒須光男議員) 庄司君、勝負に負けた、ふざけるんじゃないよ、今から見ていなさい。ですから、こういうやじを入れてごまかしてきたのです、皆。そうでしょう、市長。梟雄に助けられながら、あなたは。こういう初歩の段階でつまずいているのですよ。全く私は残念だな、亀山市政の終わりだと。終わるに当たってまずいな、これは。調べていくと、回送すると全部ぼろぼろではないですか。わかったでしょう。そういうことなのですよ、皆さん。市長の答弁は求めても、これは返ってこないと思いますので、これはいいでしょう。 両副市長、今真摯に受けとめるということですから、これはしっかりやってもらいたいですよ。副市長、いいですか。市長が何と言ってもやってくださいよ。これはどうせ警察の段階で明らかになってきますから、市役所の職員も明らかになりますから。これは後の祭りだなんて言わないように、今のうちから心してやっていただきたいということです。 市長、それともう一つ市長にお尋ねしたいのは、県議会議員の候補者になろうとした人が物資を配布していた。そこに市長が横に立っていた、これ百条委員会でも市長が認めたのです。どちらからお誘いがあったのですか。その候補者から配るから来てくださいとあったのですか、それともあなたが気づいて、私が出席しますからとその横に立っていたのですか、どっちなのですか。
◎亀山紘市長 お答えいたします。 今回東日本大震災以降、いろんな団体から支援をいただきました。ですから、支援する団体から呼びかけがあれば私はどこでも参りまして御礼を申し上げてまいりました。それだけ石巻市は未曽有の甚大な被害を受けました。そういった中で全国からさまざまな支援をいただいておりますので、蛇田地域の仮設住宅で支援してくれる方々が被災者に対して向き合ってくれるということで、候補者の方からちょっと来てくださいというようなことがありまして、やはり私はどんな場合でも、どんな方から要望があった場合でも出かけておりましたので、その姿勢は変わらないで今も続けているつもりです。
◆4番(
黒須光男議員) 候補者の方から呼びかけがあったので行ったと市長がお認めになったのです。ほかの候補者から呼びかけがなかったのですか。配っていないのですね、ほかの候補者は、物がないから。だから、私はこの物がどこから来たのかと調べたいのです。これ市長はおわかりなのではないですか、この物がどこから来たのか。
復興支援協議会から来たのではないですか、その辺の確認はさせていただけませんか、市長。
◎亀山紘市長 私が聞いていたのは「明るい
社会づくり運動」というふうに聞いておりました。
◆4番(
黒須光男議員) 明るい社会とその候補者は関係あるのですか。明るい社会、あれ宗教団体ですよ、宗教団体が行っている団体ですよ。それはおわかりですか、明るい
社会づくり運動というのは、ある宗教団体が取り仕切っている団体だということは御存じだったのですか、市長。
◎亀山紘市長 いろんな宗教団体も入っていますし、いろんな団体がそこにかかわっているということは聞いております。
◆4番(
黒須光男議員) ですから、あなたが配っていたところに立っている人たちは、「ああ、市長選挙も近いからね」と。そして、後から聞いたら、「あの人候補者だったんだ、すぐ立ったんだっちゃ、一緒に選挙運動してたんだべっちゃねや」というようなことからこの問題が出てきたのですよ、市長。市長選挙を意識した物の配布だったのかどうか確認させてください。
◎亀山紘市長 全く政治的な色合いはございません。私としては今回の震災を受けていろんな団体から御支援をいただいておりますので、支援団体の方々には率直に伺って、それで御礼を申し上げるというのが私のやり方ですので、御理解いただきたいと思います。
◆4番(
黒須光男議員) 私はもっと公平な形で広く求めると、多くの皆さん、候補者だったら平等にやられたほうがよかったのではないかなというふうに思っております。 それで、この市長の責任、これは要するに市が告発しないために議会が訴えられたり、あと私も訴えられているのですよ。これは手の込んだ何か仕掛けなのですね、これは何か手の込んだ演出をしているのです。問題をすりかえているのです。多くの皆さんが、議会初め皆さん迷惑している。市長が訴えていれば、やっぱり市長が責任持ってやれば何もなかった。改めて問いたい。お答えください。
◎亀山紘市長 お答えいたします。 これは前の議会でも申し上げましたように、やはり3月から2カ月間部内協議をして、それでさまざまな角度から事務処理、あるいはいろんな角度から検討をしてまいりました。それから、業者を、
復興支援協議会の会長の伊藤秀樹さんも3回ほどお呼びして意見聴取をしたと。それから、市長部局で6回にわたる協議をさせていただきました。そういった中で、やはり今回のを詐欺として立証するのはかなり難しいという判断に立ったということで告訴を見合わせたということになりました。
◆4番(
黒須光男議員) 議会は訴えているのですよ、市長と大きな見解のずれがある。どうしてそういうずれが生じているのですか、改めてお伺いしたい。
◎亀山紘市長 市長部局には調査権がございませんので、そういう意味では調査権を持っている議会が百条委員会を設置して、それで調査していただき、そして今回告発されたということで、今後私どもとしても司法当局の動向をしっかりと見守りながら対処していきたいというふうに考えております。
◆4番(
黒須光男議員) 調査権がないからできないと、調査は十分市役所はできます。現金出納帳とか皆出させてやればいいのです。肝心なところ何もしなかったというところに市長の疑わざるを得ないところがあるということです。 それで時間もないので、あと5分しかないものですから、帝王学について入りたいのですが、ちょっとこれもひもときましょう。帝王学とは、現代では政治家や企業2世もしくは次期指導者に対して帝王学が施される場合もあり、権力、財力を持った者がその力を自覚し、維持しつつ正当に行使するためのさまざまな行為、表現、ノウハウといったものが考えられると物の本に記されているわけです。市長はこの帝王学をどのように理解をし、どのように実践に移されてきたのかお伺いいたします。
◎亀山紘市長 帝王学という大変難しい御質問なのですが、これは本来は王国の一族に受け継がれる英才教育ということで、支配体制の安定と永続的継続のために行われてきた教育であるというふうに言われております。しかし、現代においては帝王学というのは組織、大きな会社等の組織のトップに求められる、いわゆる地域貢献だったり、あるいは健全的経営に資するためのリーダーとしての人間学であるというふうに理解いたしております。そういった健全的経営あるいは社会貢献に資するためのリーダーとしての人間学であるという意味におきましては、私としても就任以来、リーダーとしてあらゆる面で向上していくために日々努力してまいったつもりでありますが、今後ともより一層努力を積み重ねて、そして復興を早くなし遂げていきたいというふうに考えております。
◆4番(
黒須光男議員) 市長、この帝王学の本を私読んだら、権力を握れば3年でばかになるという言葉がありました。市長は就任2年目過ぎて、災害前の定例議会において右顧左べんしない政治というものを標榜されました。誰の声も聞かないということでしょう。亀山市政が行き詰まった原因、今行き詰まっていますよ。どういうふうな形で行き詰まったのか。3日間、災害のとき市役所に来なかった、大川小学校の発言あった、いろいろありましたよ、さっき言ったほかにも。そういうもろもろも含めて、どういうふうに行き詰まったのかお尋ねしたいと思います。
◎亀山紘市長 その辺は、私は見えないのかもしれませんが、私としては行き詰まったというふうな思いでは、考えではおりません。その辺は今後議員としっかり話し合っていきながら、私にそういうふうな行き詰まったところがあるということであれば、御指摘をいただきたいというふうに思っております。
◆4番(
黒須光男議員) そういうことで、何点か指摘をさせていただきます。 まず、就任当時は与党議員が多かったのです。今は野党が多くなっているのです。野党が制して四苦八苦している市政ではないでしょうか。これも一つの大きな市長の欠如するものがあったのではないかと、野党が多くなったということは。全く議会との対話ないですよ、私たちもこの3年間。あなたと心を割った話なんてしたことない、皆議員がそうでしょう。特定の方々だけに囲まれていたのではないかな、その辺はどうですか。与野党が逆転した理由、それはお答えください。
◎亀山紘市長 逆転した理由については、私ははっきりとわかりませんけれども、ただ与党、野党という構造が議会にとってそれが望ましいかどうかということになると、やはり議会というのは是々非々で判断していただけるというふうに私は理解いたしておりますので、私が誠実に市政を行うことによって議会からの理解は得られるというふうに考えております。
◆4番(
黒須光男議員) それは市長、全く間違いだな。与野党が逆転した、それは知らない。やっぱり是々非々でやっているから、議会はちゃんとやってくれるだろうと。あなたがやっていないから、野党が多くなったのではないですか。この辺の現実はしっかり踏まえていただきたいのですが、いかがですか。
◎亀山紘市長 行政、それから議会と二元代表制である以上、ある程度そこで闘うということは必要ですし、また議会といろんな角度で議論しながら市政運営を担っていくということでは、私は与党、野党というふうな区別をつけていつも答弁しているつもりはございません。私は常に議会と真摯に向き合って進めていきたいというふうに思っております。ただ、議会との間に意思疎通が少し欠けているということであれば、しっかりと反省して今後議会との、余りべったりでも困ると思うのですが、しっかりと協調しながら進めていきたいと思っております。
◆4番(
黒須光男議員) ですから、特定の議員とべったりでなく、皆と公平にやっていただきたいということが私の願いです。しっかり受けとめてください。 それで、帝王学は、権力者に対して直言や苦言を呈する方を傍らに置くということが不可欠であったにもかかわらず、亀山市長にはどこにも見えないのです。このままでは終わりを全うできないのではないですか。いかがですか。
◎亀山紘市長 その御指摘は、私はちょっと今の時点では理解できませんので、今後その辺は考えさせていただきたいと思います。
◆4番(
黒須光男議員) 市長、この帝王学をしっかり把握していないなと思うのです。リーダーとしての器量が見えてこないのです、答弁にも。私たちを黙らせる、うならせるものが何もないではないですか。かえって質問してむなしさを感じるだけですよ、私も。うならせるものを持ってくださいよ、市長。何もない、あなたは、男の器量が足りない。よって、ここは議会として、私もいろんな市民の声を聞くと、いろんな声が上がっています。最終的にはリコールをすべきだという声まで随分出ていますから、リコールで勝負つけようという人多いですよ、市長。菅原康平さんの時代、末路はそうでしたけれども、リコールで失脚しましたけれども、それに何倍も付加する亀山市政の評価だと私は思っている。市長、やっぱり決断すべきことは決断する、市民の心を心としてしっかり踏まえながら、私は市長の退陣を求めたいな。それが石巻市のためになる、私はそう思う。そういうふうなのをつけ加えさせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(
阿部和芳議員) 以上で4番
黒須光男議員の質問を終わります。次に、14番千田直人議員の質問を許します。14番。
◆14番(千田直人議員) ただいま議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問いたします。 まず、通告の1件目ですが、第三セクターの運営について伺います。現在石巻市が出資または出捐している団体は57団体ありますが、これまで運営状況やその経営改善等については年度経営状況説明書を受け内部検討されていることと思料されます。一般的に第三セクターと言われる市と民間出資の団体は、専ら公共的事業を実施し、第三セクター形態による利点を活用して、市から付託された公共的業務を遂行し、効果を上げている団体と言われております。 そこで、3点伺います。1点目、本市において現状市の指定管理を受けている第三セクターはどこのどのような施設が指定管理されているのか伺います。 2点目、出資金、出捐金、補助金について、第三セクターの経営状況は総務省調査によると72%が赤字と言われているそうです。反面黒字経営で地域振興上の効果を上げている第三セクターもあると。本市第三セクターへの出資金、出捐金、補助金等公金はいかほどになるのか、適正に管理、運用されているのかお伺いいたします。 3点目、本市の第三セクターの中から株式会社街づくりまんぼう、株式会社かほく・上品の郷、財団法人石巻市文化スポーツ振興公社の運営状況について詳細を伺います。 以上で1回目の質問といたします。
◎阿部明夫企画部長 千田議員の御質問にお答えいたします。 初めに、第三セクターの運営についてお答えいたします。まず、指定管理についてでありますが、市の出資、出捐の割合がおおむね25%以上の法人、またはその割合が25%未満で市が補助金を支出する法人を第三セクターとしてお答えいたしますと、これに該当する法人は10法人となります。 現在これらの第三セクターのうち、株式会社かほく・上品の郷と株式会社街づくりまんぼうがそれぞれ石巻市道の駅上品の郷と石ノ森萬画館の指定管理者となっておりますが、石ノ森萬画館については現在閉館中であり、市長管理としております。なお、震災前においては、財団法人石巻地区勤労者福祉サービスセンターが石巻市勤労者余暇活用センターを指定管理しておりましたが、施設が被災し、管理運営ができないことから、設置条例を廃止しております。また、財団法人石巻市文化スポーツ振興公社が石巻文化センターを指定管理しておりましたが、本年3月31日をもって指定期間が満了しております。 次に、出資金、補助金等についてでありますが、先ほど申し上げました第三セクター10法人の出資、出捐、補助金の状況について申し上げます。財団法人石巻市救急医療事業団につきましては、基本金2,500万円のうち2,000万円を出捐しております。財団法人石巻地域高等教育事業団につきましては、基本金5,000万円のうち4,536万6,000円を出捐しております。財団法人石巻市文化スポーツ振興公社につきましては、基本金1億2,105万円のうち1億2,000万円を出捐しております。財団法人石巻地区勤労者福祉サービスセンターにつきましては、基本金3,000万円のうち2,481万円を出捐しております。株式会社街づくりまんぼうにつきましては、資本金6,000万円のうち3,000万円を出資しており、昨年度は790万3,000円の補助金を交付しております。株式会社かほく・上品の郷につきましては、資本金5,045万円のうち4,500万円を出資しております。石巻産業創造株式会社につきましては、資本金14億3,950万円のうち3億5,300万円を出資しております。一般社団法人おしかパブリックサービスにつきましては、基金355万円のうち300万円を出捐しております。網地島ライン株式会社につきましては、資本金1,000万円のうち120万円を出資しており、昨年度は574万7,000円の補助金を交付し、5,100万円の貸し付けを行っております。公益財団法人慶長遣欧使節船協会につきましては、宮城県及び石巻市が設立時にそれぞれ5億円、合わせて10億円を拠出しております。 以上申し上げました出資、出捐につきましては、法人設立時において設立の目的や趣旨を十分にしんしゃくした上で拠出しており、各法人においてその目的達成のために、また趣旨に沿った形で活用されているものと認識しております。補助金につきましては、所管部署において審査がなされ、補助金の交付目的、用途に沿った適正な支出と実績の確認がなされているものと認識しております。
◎阿部正博産業部長 私から、株式会社街づくりまんぼうの運営状況についてでありますが、本法人は平成13年2月の設立以来、本市の中心市街地活性化を担う機関として、石ノ森萬画館の管理運営など漫画を活用した収益事業を展開いたしております。従業員は、本年8月末現在で正社員4名、契約社員8名、役員は取締役12名、監査役1名となっており、また株式の5割を本市が保有しております。 経営状況といたしましては、昨年度は東日本大震災により甚大な被害を受け、収益部門におきましては津波によって在庫商品が全て流失し、石ノ森萬画館も休館を余儀なくされました。全国各地で物販展、海斗ショー等を開催したものの総売上高は5,764万1,569円で、経常損失89万5,877円を計上いたしております。現在石ノ森萬画館の11月中の再開を目指し修復工事を行っているところであり、今後も経常経費の節減に努め、さらなる経営努力と安定的収入の確保に努めてまいりたいと思います。
◎堀井栄
河北総合支所長 私から、株式会社かほく・上品の郷の運営状況についてでありますが、当会社は道の駅上品の郷の指定管理者として、平成17年3月の開所当初から道の駅の管理運営に携わり、農産物直売所や地場産品の手づくり料理を提供するレストラン、日帰り温泉施設の営業、各種テナント、店舗での販売、イベントも多数行い、地域の活性化を図る拠点として運営しております。従業員は、正社員のほかパート、アルバイトを含めて65名、役員は取締役が5名、監査役が2名となっております。また、株式の9割を本市が保有しております。 経営状況につきましては、昨年度の総利用者数は122万6,000人、総売上高が10億8,500万円で、前年度比134.7%の増収となっており、経常利益8,900万円を計上いたしました。震災の影響や景気低迷により多くの企業が経営に苦慮している状況でありますが、今後も利用満足度の高いサービスを提供し、施設運営の継続性、安定性を確保していくとともに、経費節減に努め、効率的、効果的な運営を行ってまいります。
◎佐藤和夫教育委員会事務局長 私から、財団法人石巻市文化スポーツ振興公社の運営状況についてでありますが、本財団は平成元年に旧石巻市の行政改革の一環として文化施設の管理運営と文化芸術事業の弾力的な実施を目的に設立された石巻市文化振興公社と、平成14年にスポーツ施設の管理運営とスポーツ事業の実施を目的に設立された石巻市スポーツ振興公社を平成16年に統合し、設立されたもので、その際に旧スポーツ振興公社の基本財産である5,000万円を旧石巻市に寄附しております。 公社の事業としては、石巻市民会館と石巻文化センター、石巻市総合運動公園の管理運営と各種の文化スポーツ事業を行ってまいりましたが、平成18年度の指定管理者制度の導入を機に、石巻市民会館と石巻文化センターの2つの施設の指定管理者となり、特殊技術を要する運動公園については市直営となっておりました。しかし、昨年の東日本大震災により2つの施設とも津波の直撃を受け使用不能となり、文化施設の指定管理業務からは撤退しております。 現在は、河北総合センター、遊楽館等のホール機器操作業務、震災復興文化芸術事業業務及び仮設住宅のささえあいセンターの管理を受託して収入を確保するとともに、職員給与の削減等の経営努力をしております。来年度以降につきましては、生涯学習施設の業務委託の拡大を視野に入れながら経営の安定を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
◆14番(千田直人議員) 御答弁いただきました。再質問4点ほど伺いますが、前段申し上げました第三セクター形態の利点を活用して効果を上げている企業というふうに評価できると思うのですが、株式会社かほく・上品の郷、資本金5,045万円のうち4,500万円が市からの負担、出資となっていると伺いました。毎年度黒字決算、平成21年度は経常利益2,600万円、ただいま説明ありましたけれども、平成21年度は2,600万円、平成22年度の経常利益というのは1,800万円、そして昨年度はただいま御説明の売上高、前年対比134%の6億400万円、経常利益については9,800万円、売り上げ対比が実に15%の高利益率、見事な決算内容でございます。 代表者である太田社長の経営手腕が評価されるところですが、ここに取締役として北村副市長が経営に参画しておられますので、現状、課題はないかもしれませんが、課題と今後の方針などありましたら伺いたいと思います。
◎北村悦朗副市長 お答え申し上げます。 ただいま
河北総合支所長からも答弁申し上げましたが、経営状況は特に昨年は震災の対応ということもあり、大変な利益を上げたというところでございます。この6年で配当金も市に対して1,200万円ほどいただいているところでございまして、経営状況は順調ではないかというふうに思っておりますが、今後さらにどうしたらいいかという点から二、三点お話をさせていただきますが、1つはやはり上品の郷ならこの物だというブランド化といいますか、そういったものを早くつくり出していくということが大事であり、そのことによってリピーターがますますふえてくる、そしてまたお客様も広範囲の地域から来るようになるのではないかと、そういうふうに思っております。 2番目は、特に生産者、農業者あるいは漁業者になると思いますけれども、そういった方々が上品の郷に納品をする、そして利益を得る、そういうことを通して、さらに足腰の強い農業者、漁業者になっていただきたい、そんなことを考えております。それによって、いわゆる6次産業化というのもその先に見えてくるのではないかというふうに思っております。 やはり地域の人たちが前向きに張り切って納品をし、そしてそのことが消費者に喜ばれ、そして見返りというリターンが返ってくる、そういった好循環を今後とも続けるように、行政の代表として経営に参画する者としてそのように考えておるところでございます。
◆14番(千田直人議員) その会社の昨年度の営業成果として、このような報告がなされています。一部ですが、リピーター獲得のために震災後休まず営業を行い、特需的な傾向もありましたが、努力をすれば効果も上がると、社員の認識にも結びついた1年でしたというふうに結ばれていまして、全く今後もぜひ頑張っていただいて、この石巻市を全国に発信してほしいものというふうに願うところであります。 次に、財団法人石巻市文化スポーツ振興公社ですが、設立の目的を芸術文化事業の企画及び実施であり、照明技術初め音響効果技術やホール運営のノウハウを有する組織と伺います。御答弁ですと、利用満足度の高いサービスを提供し、施設運営の継続性、安定性を確保していくと伺いましたが、あり方検討会議というのを立ち上げて運営状況など協議されていると伺っておりますが、その設立経緯と成果についていかなるものなのかお伺いしたいと思います。
◎佐藤和夫教育委員会事務局長 あり方検討会議につきましては、震災前の年でございましたが、8回ほど庁内で組織しました会議を行いました。その時点では石巻文化センターの改修ですとか、あるいは石巻文化センターの2階部分への毛利コレクションの部分の改修ですとか、あるいは石巻市民会館の老朽化への対応といったような問題が迫っておりましたので、それらに対応するために指定管理の拠点となる場所がなくなるということで、その運営についてさまざま協議を重ねまして、その中でそういった二十数年来積み重ねてきた技術を生かせるような公共施設、そういったところでの業務を請け負うことによりまして、彼らのノウハウを十分にそういったところで発揮する中で、拠点となる施設が再開された折に、そういったところでの再度の事業の展開というような形で公社を運営していきたいという方向性を話し合ったところでございまして、その後震災によってこういった状況になったということでございます。
◆14番(千田直人議員) しかしながら、メーンとする石巻市民会館が御案内のように休館、石巻文化センターが休館となりまして、それまで当該施設の指定管理料を収入の根幹としていたわけですが、一転して主たる収入を失いまして、運営に大変苦慮しているというふうに伺います。しかも、職員は15%の給与カットで耐えているというふうに聞きますが、石巻市民会館も石巻文化センターも当分見込めない現況、何か代案で打開しなければならないというふうに私は思うのですが、ただいま生涯学習施設の指定管理業務を視野に入れるとお聞きしましたが、経営の安定化を図る要因になるのか、教育長の見解を伺いたいと思います。
◎境直彦教育長 ただいまの質問にお答えいたします。 平成24年度につきましては、ただいま議員御指摘のとおり職員人件費のカット等によりまして、何とか経営努力を重ねて乗り切れるものでございますが、これはあくまでも非常措置であるということでございます。平成25年度以降につきましては、先ほど事務局長が答弁いたしましたとおり、20年以上にわたりまして公社の職員というものが積み重ねてきた技術、ノウハウというものは、これは限りなく貴重な財産であるというふうに思っておりますし、それを生かした形で文化、体育施設での管理運営に関する業務を受託拡大するとか、そういう形で収入を確保して経営の安定化を図っていくこと、これが今後考えなければならないことであり、教育委員会及び関係団体でその方向で検討を今重ねているところでございますので、御理解を賜りたいというふうに思います。
◆14番(千田直人議員) ぜひその辺真剣に検討して対応していただきたいと思うのですが、毎年度提出いただきます経営状況説明書によりますと、平成23年度の報告書の収支計算書を見ますと事業活動収入が5,000万円だけなのです。だけという表現は適当でないのですが、前年度と比べますと、前年度が1億7,000万円ですから、3分の1以下に落ち込んでいるという状況です。これでは、もう15%カットなんか当然、それでも焼け石に水かというふうに思うのですが、収支差額で見ますと平成23年度は5,000万円の赤字、5,000万円の売り上げで5,000万円の赤字です。単年度で5,000万円の欠損金というのは、これは大変大きい、大変な状態なのです。このような経営が続くわけがないので、ただいまお聞きしましたような何か打開策、このままいきますとやはり基本財産に手をつけざるを得ない。そうしますと、県のほうの登録があるそうですが、それらも受けられなくなるというような状況であると、大変な状況なようです。震災被害ですから、緊急事態なので、ただやっぱり今後の収入、見直し改善がもうこれは絶対避けられないので、この辺改めて市長の見解を伺いたいというふうに思います。
◎亀山紘市長 文化施設が今回の大震災で壊滅的な被害を受けている状況にありますので、施設の復旧、復興が一番大事でございますけれども、何とか代案を考えて基本財産に手をつけないような対策をとらなければならないというふうに考えておりますので、今後検討させていただきたいと思います。
◆14番(千田直人議員) わかりました。ここの会社も理事長が北村副市長なのですよね。理事長ですので、どうでしょうか。今この議論をお聞きしまして、公社の営業方針などありましたら、伺いたいと思います。
◎北村悦朗副市長 お答え申し上げます。 理事長という立場からお答えさせていただきますが、大変苦しい状況であるということは今事務局長なり教育長が御答弁申し上げました。私どもとしましても、なるべく早く本来の設立目的である市民の明るく健康な生活に寄与するという、そういう観点から頑張りたいというふうに思っています。 具体的には、1つ今模索していますのは、文化スポーツ振興公社でありますが、ほとんどが文化事業でありますので、スポーツの面でも何がしか寄与できないかという観点から、理事には体育協会長、副会長もおられますので、この辺はしっかり検討していきたいと思いますし、もう一つは県の文化振興財団との連携もしたいと。8月の下旬に県の財団の専務理事ともよくお話をしてまいりまして、何なりと協力するから相談してくれというお話も伺ってまいりました。そういうことも進めていくと同時に、やはり公益法人制度改革がなされまして、その公益財団法人への移行期間が来年11月いっぱいというふうに迫っておりますので、そこをしっかり乗り切って公益目的の財団法人ということで、さらに活躍の場を広げられるようにやってまいりたいと。経営の面から、そして公益法人制度改革への対応という観点から取り組んでまいりたいというふうに思っていました。
◆14番(千田直人議員) 市で出資、出捐までしている57団体なのですが、トータルしますと五十数億円と記憶していますが、出資していますので、これからも注視してまいりたいというふうに思います。 次に、通告の2件目ですが、石巻市立病院の再建計画について伺います。本年3月、石巻市立病院復興基本計画(案)が示されました。それによると、一般病床140床、診療病床40床、診療科目6科体制、建設地は駅前駐車場敷地約8,500平方メートル、総床面積が1万8,000平方メートル、建設事業費90億円、スケジュールが平成25年度着工、27年度中の開院とされました。 そこで、3点伺います。1点目、3月定例議会附帯決議事項3項目、1、駅前周辺は津波で冠水し、1階部分が浸水した。不慮の災害は予想をはるかに超えて発生することを考慮すると不適地であり、再考すべきである。2、周辺道路は狭隘で、一刻を争う救急車の走行に支障を来すのは明らか。車社会に沿った適地を求めるべきである。3、最終候補地3カ所、渡波、蛇田はいまだ用地交渉中、駅前駐車場ありきの用地選定、選考過程が非常に不透明である。よって、建設地はいま一度原点に返り、他の場所への再考を求める。以上決議するとした附帯決議への取り組みの実態を伺います。 2点目、新病院建設事業費、建物70億円、機器20億円、合計90億円ですが、示されましたステップ1概算事業費20億円の詳細を伺います。また、開業まで要する事業計画の総予算をお伺いします。 3点目、新病院計画では診療科目6科体制、ドクター18人確保と説明を受けましたが、果たせるのかお伺いいたします。 以上で1回目の質問といたします。
◎鷲見祐一
病院局事務部長兼病院局石巻市立病院
事務部門事務長 私から、石巻市立病院再建計画についてお答えいたします。 まず、附帯決議事項について、附帯決議のあった3項目への取り組み実態でありますが、まず1点目として、津波冠水し不適地、再考すべきであるにつきましては、新病院を駅前に建設する際の津波対策は、市街地の安全確保対策として行われる防潮堤など海岸保全施設や河川堤防の設置により、その危険性を解消することを前提といたしております。また、1階部分には駐車場のほか救急患者と体の不自由な方専用のエレベーターを設置し、上層階へのアクセスがスムーズに行えるように計画をいたしておりますが、これは高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律、いわゆるバリアフリー法等の関係法令に準拠した整備を行うことといたしておるものであります。なお、1階部分は、災害時におけるトリアージのスペースとして活用することも検討いたしております。 次に、2点目、周辺道路狭隘で渋滞、救急搬送に支障あり、他適地を求めるべきであるにつきましては、コンサルタントによる交通量調査や交通量分析により、駅前周辺における現況交通の問題点が明らかになり、それに対する交通環境改善計画は既にお示ししているとおり、将来交通量をもとに石巻駅周辺の交差点の検証を行った結果、各交差点とも交差点需要率には問題がないとの評価を得ているところであります。 また、車線混雑度につきましても、一部信号現示の調整により車の流入量を調整し解消できるとの調査結果が示されておりますことから、清水町1丁目交差点や水押踏切方面への右折専用レーンの設置に伴う車線機能の見直しを初めとした新石巻市立病院への動線の確保に努めてまいりたいと考えております。このほか駅前北通り地区からは、新石巻市立病院への緊急車両専用の跨線橋を設置することとし、JRとの協議に入っております。 次に、3点目、駅前ありきの用地選定、選考過程が不透明であるにつきましては、候補地を選定する基本として、南浜町にあった石巻市立病院に入院、通院している多くの患者の病気や今後の治療に対する不安感を耳にし、また病病連携や病診連携を担う地域医療への公的病院としての貢献ができなくなった現状を踏まえ、一日も早く診療を開始しなければ地域医療の疲弊は一層大きな問題となり、また市民の命と健康を守る使命が果たせなくなることを危惧することから、早期着工のためには候補地の優位性のほか、それぞれが抱える課題を早期に解消できる可能性を検討しながら選定をいたしてまいりました。蛇田、渡波地区につきましては、造成等に相当期間が要することは懸念されるものの、施設規模において新たな病院機能を十分に補完できる可能性と今後の発展性が他の候補地よりも優位性が高いとの判断から、最終的な選考の範囲に含まれることとなったものであります。 これらのことから、今度の候補地選定の考え方といたしました施設規模の視点、用地取得と造成工事からの視点、交通と周辺環境の視点、防災、災害対策の視点及び規制、制約の視点の5つの視点による評価を行った結果のほか、従前の石巻市立病院における1日平均約160人の入院患者と320人近くの外来患者の実績を考慮した場合、早期着工が可能で、交通弱者への配慮も可能となる石巻駅前駐車場用地以外には適地がないと判断したところでございます。 次に、建設事業費等についてでありますが、国の平成23年度第3次補正予算により被災3県に積み増しされた地域医療再生基金720億円を原資とした宮城県地域医療復興事業補助金の交付を受け、本市で予定いたしております病院建設費に70億円及び医療機器購入費に20億円の合わせて90億円を充当しようとするものであります。なお、病院建設費につきましては、従前の石巻市立病院の建設実績を参考に要望したものであり、現時点において詳細設計ができていないことを御了承願います。 ステップ1概算事業費20億円等の資金詳細につきましては、駅前周辺の整備にかかわるものであることから、津波復興拠点整備事業にエントリーを行う予定といたしております。 また、開院までに要する事業、予算計画についてでありますが、これは実施設計等が完了する平成26年度には本体工事費に係る予算案を提案したいと考えております。 次に、診療科目実現についてでありますが、医師の招聘は現在も東北大学病院を初め多方面の医療機関関係あるいは有識者を通じて展開しているところであります。必要な保健医療サービスを受けられる社会を目指し、国際保健や地域医療の専門性を持ちながら、個人だけではなく地域全体を見る活動を通し、地域に根ざした活動を展開しているNPOとも接点を持ち、さらには在宅医療に精通している医師をお招きした現在、被災地での地域医療のあり方を初め、プライマリーケアの実践を目指す医師や学生の指導、研修を行っていただいている状況から、今後の新病院開院時までの招聘活動に十分効果のあるものと考えております。 なお、宮城県においても全国の医師の希望条件と自治体病院の求人情報の双方を登録し、県が紹介、あっせんを行う地域医療医師登録紹介事業、いわゆるみやぎドクターキューピット事業を展開しており、さらには自治医科大学等から県職員として採用し、その後自治体病院への派遣をするドクターバンク事業など、さまざまな仕組みを活用しながら医師確保に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
◆14番(千田直人議員) この建設地につきましては、率直に申し上げましていろんな人から、「なして駅前や、だめだぞ、あそこでは」という声がほとんどです、私に入ってくるのは。私自身も不可解だなというように思うものですから、全員協議会でも伺いましたが、きょうは率直に地名を挙げて具体的にお伺いします。 まず、御答弁で1階は津波発生を考慮して駐車場と専用エレベーターで2階アクセスをスムーズにするというふうにお聞きしましたが、1階というのは非常に病院機能の中で重要なスペースです。通院患者の受け付けとか救急患者の受け入れ、あるいは体の不自由な人方の重要なスペースとなるわけなので、全く津波の来なかった心配ない場所に建設すべきだと私は強く思うのです。同じ過ちを繰り返さない。ただいま答弁でも津波発生を考慮するならというようなことですが、津波発生を考慮するということであったら、何でもう一回検討しないのですか。何で駅前にこだわるのですか、非常に不可解です。いま一度事務部長、お答えください。おかしいよ。
◎鷲見祐一
病院局事務部長兼病院局石巻市立病院
事務部門事務長 駅前にこだわるということではないのですけれども、今までその8カ所等説明はしてきました。その中で、今こういうふうな被災に遭った中で、市有地というふうな部分も考えた中で、早期に建設できる場所というふうな部分でも検討させていただきました。その中で、今市有地の部分に関しては、もう仮設住宅等の建設がありまして、まして今回のうちのほうの補助金に関しては土地の購入費はないと、90億円の中には土地の購入はできないというふうな、補助金がないので、そうなると当然市有地に建設というふうな形になると思います。そういうふうな中でいろんな部分を検討した結果、駅前が交通の利便性等々を考えた場合、まして市有地だと、それで造成も要らない、すぐ建設できると。それで、あくまでも今回は災害復旧ですので、時間がないというふうな状況から駅前というふうな決定をしたことでございますので、御理解いただきたいと思います。
◆14番(千田直人議員) 今から三、四年ほど前の私の一般質問で、南浜町にあった病院、津波の心配はありませんかとただしました。そうしましたら、ここは津波の心配ないのだと、当時の伊勢病院局長、質問終わったと同時に私のところへ来て、津波の心配はないのだというふうに強く言われました。私ははっきり覚えていますけれども。どうですか、現実は。何もなくなってしまったではないですか。津波が30センチ乗れば、病院機能は私は喪失だと思いますよ、30センチ。今8候補地の5番目が南境なのですが、その8候補地を示されました、この資料で。建設候補地選定についてということで。その8カ所のうち丸が3カ所、三角印、南境が示されました。これについて、この中でこのように言っているのです。防災公園と運動施設と病院が一体となった災害医療支援が可能になる場所、災害対応の拠点化が図られ、市民の安全、安心に大きく貢献できると言われているのです。ただ、都市計画法上の事業認可の取り消しが難しいことから適地でないというふうに判定したということですが、ではその取り消すための検討、どういう検討されたのか、実際にどういう行動を起こされたのか。何もしないで、ただ駅前に決めたということだけでは許せませんよ。そういう検討する価値がある場所なのだもの、これもやるべきでないのですか、いま一度お答えください。
◎鷲見祐一
病院局事務部長兼病院局石巻市立病院
事務部門事務長 確かに南境というのは、その8カ所には当初入っておりませんでした。それで、今千田議員が委員長をなさっております地域医療対策特別委員会の中で、その委員の中からそういうふうな御意見が出て、南境も含めて検討したらどうだということで、もう一度3カ所プラス1カ所で4カ所で検討はさせていただきました。それで、運動公園に関しましては第3工区というふうなことで、当病院局としてはそのルール等まだわからない部分がありますので、建設部とも協議させていただきました。その中で建設部のほうの関係では、一応都市計画決定をしていると、もう防災公園として都市計画決定をしていると、それをもう一回変更するには相当の時間がかかるというふうなアドバイスをいただきました。それと、そこには用地を取得する際のいろんな起債あるいは補助金等が入っているので、その返還も生ずる可能性があるというふうなお話を聞きまして、用途変更するためには相当時間がかかるというふうなことがありまして、それを病院局として県のほうに確認したかと言われれば、うちのほうは確認はしておりません。ただ、建設部のほうのお話を伺った中で、そういうふうな判断をさせていただきました。
◆14番(千田直人議員) 結局何もしていないのですよね。防災公園用地、18ヘクタールあるのですよ、3工区、18町歩。病院局で希望する用地は1.8ヘクタールですよ、1町8反。これの部分さえ解除になれば、石巻市立病院建設に向けて私は大きく前進していくのではないかと思うのですが、市長、やっぱりアクションを起こすべきだと思うのですが、いかがでしょうか、この辺。
◎亀山紘市長 お答えいたします。 現在の医療環境は大変悪い状況にあります。石巻赤十字病院、今病床の稼働率100%です。それから、平成22年度に比べて今平成24年度、とにかく患者の受け入れが困難な状況が続いています。6月は6割が受け入れられなかったという状況にあります。 そういった中で、さらに今救急患者、私の計算によると30日と考えても1日50件の救急搬送患者がふえているというような状況にありますので、大変な医療環境になっております。何としても石巻市の医療体制、安全、安心を確保するためには、病院を早く建設するということが必要になってまいりまして、その中でいろいろ検討した結果、駅前が利便性も高いと、それから公共交通機関が集中しているところで、今後の高齢者の交通弱者対策にもなるということで駅前に決定をさせていただきました。 南境ということもありますけれども、南境についても早急に建設を進めるということは、今の時点では厳しいという判断に立ちましたものですから、そのように駅前で建設を推進していきたいという考えでおります。
◆14番(千田直人議員) 南境は大変厳しいという今市長の答弁ですが、8候補地、5つの視点で評価したと言いますね、事務部長。では、検証しましょうか。1の施設規模の視点、これは1.8ヘクタールを確保できる場所は、南境は確保できるのではないですか。2の用地取得と造成工事の視点は、市の用地で容易に造成できる場所が南境です。3、交通と周辺環境の視点で、決定した駅前、最悪の場所でしょう。国道に面した最適地は南境ではないですか。4点目、防災と災害対策の視点、津波が乗って近寄れなかった駅前こそ最悪の場所ですよ、災害と防災だったら。津波の来ない安心な場所は南境ですよ。どれも全部合っているではないですか。そして、最後の規制と制約、ただいま言いました規制の部分ですが、この視点は1,000年に1度と言われる大震災なのです、このたび。防災公園の一角を最適地として設定して、国・県へ市長を先頭にして、もちろん議会も一緒になって、特例というようなこともあるかと思います。要望、協議を展開すべきだと、これが本質だと私は思うのです。市長、どうでしょうか、その辺。いま一度見解を伺いたいと思います。
◎亀山紘市長 お答えいたします。 今回の1,000年に1度という、とにかく1,000年に1度にしろ、災害に当たって危険区域であるというような御指摘ですけれども、しかし今回の雲雀野埠頭海岸には7.2メートルの防波堤を築き、そして内陸部には高盛り土道路で、要するに今時津波にも耐え得るような災害に強いまちづくりをしていくと。それから、北上川の河川堤防についても、これもやはり早く整備することによって中心市街地、駅前も含めて災害に強いまちにしていくという考えですので、第1点の課題についてはクリアしているのではないかと。それから、第2点については救急車両の搬送場所ということで、駅前北通りから跨線橋を通して受け入れるということで対応していきたいというふうに考えておりますので、それはもう跨線橋については今検討しておりまして、病院が開設までには跨線橋をつくりたいということで今事業の推進を図っていきたいというふうに考えておりますので、とにかく今の医療体制が大変な状況にあるということを御理解いただいて、一日も早く病院の建設を進めていきたいというふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと思います。
◆14番(千田直人議員) 私も病院は必要だというふうに、基本的には認識しています。早く開院しなければならないという思いだから、このように訴えているのですが、ところで全員協議会で示されました駅前周辺の土地利用構想、これはこの説明のときに駅前病院整備とは関係ないというふうに、私はたしか聞いたのですが、どのような認識で関係ないという説明をなさったのか、いま一度ここでそれを伺いたいと思います。
◎鷲見祐一
病院局事務部長兼病院局石巻市立病院
事務部門事務長 この間の発言なのですけれども、今回石巻市立病院を駅前の駐車場に建設するということでの市当局の考え方に附帯決議がついたと。その附帯決議の中で交通渋滞をどうするのだという問題もありました。そういうふうな交通問題を解決するために石巻市立病院のほう、病院局のほうでは解消する手だてがない、やはり当然市として考えていかなければならない。病院局でなく市全体として、要は建設部も病院局もまずは市ですので、その中で考えていかなければならないと。その中での役割分担が出てきます。その中で、病院局としてはそういう手だてがないので、建設部と協議をしながら交通渋滞をどういうふうな手だてで解消できるかということをまず相談させていただきました。その中で、今までの懸案事項だった駅前周辺の再開発をこの機会に、国のほうから予算もつく可能性があるというふうな部分もありますので、その予算の中で今まで課題だった駅前の再開発をしようと、その中で石巻市立病院の交通渋滞も考えましょうというふうな考えで、こういうふうな事業になっていきました。 それで、私の関係ないというのは、関係ないのではないのですけれども、そういう部分で、あくまでも石巻市立病院としては病院だけの建設だと、あの駐車場に病院だけの90億円しかない、その予算の中で石巻市立病院を建設させていただきたいと、その後の周辺の整備に関しては建設部のほうが中心となって駅前の再開発の中で整備をさせていただきたいというふうな考え方の発言でございましたので、御理解を賜りたいと思います。とにかく90億円という予算があくまでも期限がありますので、できるだけ早く着手をしたいというのが我々事務局の考えでございますので、どうぞ御理解を賜りたいと思います。(4番
黒須光男議員「詭弁だな」と呼ぶ)
◆14番(千田直人議員) そうなのですよ、関係なくないのですよね。この鳥瞰図ごらんくださいよ、石巻市立病院を真ん中にして描いてあるではないですか、何が関係ないですか。石巻市立病院建設のための全部事業ではないですか。いいです、後ほど触れますけれども。 さて、ただいま市長からも駅前北通りから緊急車両専用の跨線橋を設置するというふうに、この鳥瞰図も描いてありますが、ずっと駅から線路をまたいで、新石巻市立病院の2階に救急車がサイレンを鳴らしながら入っていくわけです。容易に想像はできるのですが、ただ実現となったらどうなのかなと私はちょっと首をかしげるのですが、もしこれが本気で計画されているとしたならば、まず先ほど言われましたJRとの協議経過をもう少し詳細にお答えください。今JRの中のどの機関とどこの辺まで協議を進めているのか。また、費用をどれぐらいと、この跨線橋だけでいいです、救急車搬入路だけで、どれぐらいの費用を見込んでおられるのか、その辺伺いたいと思います。
◎阿部善弘建設部長 JRの協議のほうにつきまして、私のほうから回答いたします。 JRの協議につきましては、こういう計画がありますということで、ことしの4月、JRのそういった担当していますJR東日本企画部というところがありまして、そちらのほうと事前にこういった病院があった場合、救急車の進入路というのですか、そういったものを計画したい、どうなのでしょうかといった相談とかしております。 その後につきましては、5月の下旬なのですが、今後どういう設計をして進めたらいいのか、そういった協議についても行っております。その次に、今回こういった計画案を示す段階には、こういう設計、詳細についてはJRのほうのコンサルタントがありますので、そちらのほうと細部について詰めていただきたいというような回答をいただいて進めました。 また、事業費につきましては、取りつけの高さ、それから勾配、それから位置、そういったものを細部にわたってちょっと検討しなければならないということですので、はっきりした事業費を示すというのはまだ設計図面もありませんので、そこまでまだ答えられない状況にあります。ただ、概算でどれぐらいというのは、20億円というのは周りの環境整備、それも含めて約20億円ぐらいというのを出したものです。
◆14番(千田直人議員) 約20億円と部長、何が何ぼで何が何ぼで、合計したら20億円でないのですか。約20億円とぼんと出るわけないでしょうよ。その跨線橋はどれくらい積算されているのですか、もう一回お答えくださいよ。約20億円なんて、そんな話聞いていませんよ。
◎阿部善弘建設部長 今の救急車の車両の跨線橋ということで、延長にすると約250メートルぐらいあります。幅員については1車線ということですので、3メートルから4メートルということになると思います。これについては、そういう長さということで、あと地盤を改良しなければならないと。そういったものを含めると、今考えているものでは本当の概算です、12億円ぐらいになるのかなと。ただ、これにつきましては、そういう下部とかいろんなものをまだ調べておりませんので、今考えられる金額をお話ししたという状況です。
◆14番(千田直人議員) 市も直接の市税で持ち出すのではないと、国の予算だと言われる方もあるかもしれませんが、全て税金ですから。ただいま示した鳥瞰図、これを見るとまさに石巻市立病院を中心にした駅前整備構想以外の何物でもないですよ。54人の地権者の中で既に52人にこの整備構想を説明して渡りをつけているのです。中心市街地再生に名をかりた活性化策構想の一端で、石巻市立病院を利用して駅前市街地整備のための計算され尽くした計画としか私には、計画された緻密な計画としか映らないのですが、市長、ところでこの絵なのですけれども、これまですばらしい絵を誰がいつの時点で、どんな目的で描いたのか、あるいは描かせたのか。どの機関がこれを作成したのでしょうか、お伺いします。俯瞰図と鳥瞰図ですよ。これ市の建設部ではないでしょう。
◎亀山紘市長 駅前については前の議会でも議論になりまして、要するに駅前のグランドデザインの中で石巻市立病院の位置づけというものをある程度描いていくべきだと、それを議会に示すべきでないかというような御意見がありましたものですから、建設部を中心にしてこれまで検討してきた結果だというふうに聞いておりますが、具体的にどこに頼んだかということは建設部のほうから答弁させますので、よろしくお願いします。
◎阿部善弘建設部長 こういった施設の計画につきましては、津波防災地域づくりに関する法律というのがありまして、この中で津波復興拠点整備事業というのがあります。これは復興交付金の事業ということになります。それにつきましては、都市機能を津波が発生した場合において守るというような状況から、拠点となる市街地を形成することが必要であるということで、認められる地域については都市計画の中で一団の津波防災拠点市街地形成施設を定めることができるということで、それが津波復興拠点整備事業ということになります。そういった中で公共施設、道路、公園、緑地、広場、そういったものの整備、それから津波防災拠点ということで、地域の防災センター、それから避難施設、それから集会所、災害応急対策としての耐震性の貯水槽とかそういったものをつくることができますと。それから、空間形成の施設ということで、緑化施設とか植栽、照明施設、カラー舗装とかそういったものもできますと。それから、津波復興拠点の支援施設ということで、各種のイベントと、それから展示、余暇活動等の地域交流や子育て支援と、そういったものの活動ができる拠点整備をすることができるというような、こういった法律等の内容に基づきまして今回一体的にこういった施設を考えた次第であります。
◆14番(千田直人議員) 津波復興拠点事業に申し込むというふうに答弁でもお聞きしましたが、この土地利用計画のステップ1、概算事業費は20億円ですが、これは駅前周辺整備に係るものであると言われながら、もう一点、土地利用計画のステップ2の概算事業費はどれほどと見込んでいるのか、お聞きしたいと思います。 また、ただいまの津波復興拠点事業に申し込んでもしかなわなかったら、必ずしもオーケーとは限りませんよね。かなわなかったら、この間示された資料には復興交付金と市の起債と一般財源を充当すると言われていますが、ステップ1と2、JRでお金出す分、あるいは国の交付金出る分、いろいろ細かい中ではあるのでしょうが、起債などこの上起こす、あるいは一般財源からどうやって繰り入れするのですか。その辺もし予算が思惑どおりいかなかった場合の手当てなんかどうされるのか、どのように計画されているのかお伺いしたいと思います。
◎阿部善弘建設部長 今の津波復興拠点整備事業につきましては、国のほうの職員の方ともいろいろ相談しております。まだ具体的に事業費を詰めているというような状況でないのですが、こういうのを対象にしていただけるように今内容のほうを詰めているというような状況ですので、まだはっきりとこの事業で全てが網羅できるというような状況でないのですが、現在この法律に基づいた津波復興拠点整備事業の中でぜひ整備していくように働きかけているというような状況です。
◆14番(千田直人議員) 今私は市の現在の起債高は存じ上げません。この起債がさらにふえていくということになっていったら、大変なことだと。市長はいつぞや新聞に上がっていましたが、財政再建団体に陥るかもしれないなんて言われていますが、そんな次元でないですよ、これ。ステップ2はまだ概算もできていないのですか。ステップ1は20億円ですが、ステップ2はどうなのでしょうか。だって、もう大体54人の地権者の中、52人の地権者に計画の説明をされているのですもの、せめて用地買い上げ費ぐらいは出せるのではないですか。幾らぐらい見込んでいるのですか。
◎阿部善弘建設部長 こういった計画の案を示すに当たって、議会のほうとかに当たりましては、区域内の市民の方がどのように思っているのか、まずもってこういった計画を今回説明しますと、こういう計画で区画整理とか出てきた場合にどうなのでしょうかといろんな相談をしたということで、そういった場合に用地の協力等はどのように思っているのか、そういった内容を教えていただきたいということで各関係者の54名中52名の方に、こういうことで今回駅前周辺を整備していきたいのだというお話をしましたと。ただ、その中では、ぜひお願いしたいという方もおります。それから、場合によってはそういう補償等をしていただけるのだったら協力しますというようなお話、それからまた中には家庭の事情等ありまして協力できないというような方もおりました。ただ、大半の方がぜひこういった計画で進めてもいいよというようなお話がありましたので、今回このような計画をお示ししたというような状況です。
○議長(
阿部和芳議員) 部長、その中で金額とか概算でまだできていなかったのかという質問だった。
◎阿部善弘建設部長 これらにつきましては、用地、そういったものの単価もございます。それから、お示ししてあります複合公共施設等の関係、それからにぎわい交流広場、市民交流施設、そういったものをどのように整備していくかというようなこともありますので、はっきりとまだ示せるような状況にはありません。
◆14番(千田直人議員) とても不思議なのですよね。石巻市立病院を建設するのに何でこういう開発まで一緒に手がけなければならないのかなと、どうも私は不思議だ、そこはイコール結びつくのです。この鳥瞰図見てそうではないですか。 ところで、診療科目実現ということで御質問いたしました。18人のドクター体制確保ということで私ども示されたものですからお伺いするのですが、例えば答弁では医師の招聘は東北大学病院や多方面の医療機関、あるいは有識者を通じて展開していると、十分に効果あるというふうにお答えいただきました。石巻市立病院再建をお決めになられてから、伊勢院長は東北大学、里見総長に挨拶に行かれましたが、その席で石巻市立病院再建の意向を話され、医師の招聘についてもお願いされたと私は思料しますが、席上、その里見総長の御意見はいかがなものであったのかお伺いいたしたいというふうに思います。
◎伊勢秀雄病院局長兼病院局
石巻市立病院長 当時病院長でしょうか、里見先生が病院長をなさっていて、この4月から総長になられておりますので、東北大学病院というふうな格好で対応していきたいというふうなお言葉をいただいております。その前までは、各医局単位というふうなことで今まで人員の派遣等お願いしていたわけで、この震災というふうなこと、あるいは今後の病院の運営形態、その病院の特徴、そういうふうなことを考えると、ある特定の医局というふうなことよりは大学全体というふうなことで対応していただきたいと、そういうふうなことでのお願いもそのときにしております。
◆14番(千田直人議員) ところで、事務部長に伺いたいのですが、現在病院局事務所として7階建てかのビルのワンフロアを利用されていますよね。あれはどれぐらいの家賃なのでしょうか、ビル家賃。それから、当初計画時に敷金あるいは保証金等々もあったと思うのですが、それらは幾らになっているのか、その辺おわかりでしたら教えていただけますか。
◎鷲見祐一
病院局事務部長兼病院局石巻市立病院
事務部門事務長 細かい関係の資料をちょっと持ち合わせしていませんので、細かい話はちょっとできませんけれども、当初我々石巻市立病院がなくなったことによって本庁のほうの会議室の部屋を借りておりました。本庁のほうも派遣の職員等々入ってきて、我々もいる場所がないということで、当初は平成23年度に関しては全て管財課のほうで用意させていただいて、立町の石巻ビルディングの5階をお借りすることになりました。それで、当初看護師もたくさんおりましたので、1つのフロアだけでは足らないということで、部屋を2つお借りしておりました。事務局の部分と看護師の部分というふうなことで2つお借りして、その家賃に関しては細かい数字ちょっとわかりませんが、たしか2部屋で60万円ぐらいだったと思います。 それで、今まで管財課のほうで出してもらったのですけれども、病院のほうで支払えというふうなことになりましたので、病院会計のほうに移していただきました。それで、私のほうも今こういう状況ですので、収入厳しいので、その1部屋を今月で返すことにしました。それで、今は1部屋で、だから家賃というと半分ぐらい、20万円ちょっとかなと思っております。ちょっと細かい数字はわかりませんけれども、大体そのぐらいの状況になっております。
◎柳田正人総務部長 管財課のほうのいろんな契約の関係の資料が今手元にございますので、その中から御紹介をさせていただきたいと思います。 石巻ビルディングの5階を昨年の8月からお借りをしてございます。賃料が月に30万6,000円ほど、それから共益費が21万円ほど、それから敷金が175万円ほどかかって今契約を執行中でございます。
◆14番(千田直人議員) わかりました。 さて、新石巻市立病院の収支計画書ですが、事務部長、この計画書を粗々ですけれども、拝見しますと、平成28年度開業して、医業収益費用の差額がマイナス10億円、平成29年度がマイナス8億8,000万円、平成30年度、いわゆる3年目はマイナス8億7,000万円ということですから、ほとんどこの辺から変わらないのです。本業ベースは毎年度膨大な赤字の計画です。しかし、一般会計等の繰入金を医業外収益ということで12億円見込んで収支がとんとんという帳尻合わせの計画書です。これまでと何ら変わらないのです、経営の感覚が。経営姿勢、経理改善が見られないと、このような計画では大変心配されるのが、開業当初から資金ショートを起こすのでないだろうかと。当然どんどんと患者が来るわけでもないので、いろんな面で経費もかかる。そうすれば、資金不足で銀行から借り入れ、イコール不良債務となってまた発生していく。何ら十数年前の石巻市立病院建設したのと変わらない道を歩むのではないのかというふうに思うのですが、その辺どうなのでしょうか。もう少しこれ具体に、もっと緻密な計算をして、例えば初年度は12億円の一般会計繰り入れ、次年度は10億円の繰り入れ、3年目は8億円でいいよというような計画を示さなければ、3年目に1億円をふやして13億円ですよ、この計画書。こんなの見たことないですよ、いかがでしょうか。
◎鷲見祐一
病院局事務部長兼病院局石巻市立病院
事務部門事務長 このシミュレーションなのですけれども、あくまでもシミュレーションなのですが、確かに医業外収益ということで一般会計のほうから繰り入れをしていただくと。それはある程度、ルールで繰り入れしていただく部分というのはあります。あとは、我々の企業努力が当然必要になってくるというふうに思っています。 それで、今度の病院の形態が常に満床になるような病院形態になっていく可能性があると。石巻赤十字病院のほうからの後方的な病院になるよということですので、先ほど市長が申し上げましたとおり、今石巻赤十字病院はベッドの稼働数がもう100%近くになっていると、そして在院日数が11日と。在院日数11日ということは、入院して手術しても何しても11日でもう出るような状況になっています。そういうふうな市民の方を今度はうちのほうで、石巻赤十字病院とはそういうふうな支援をとるということですので、今までのうちのほうの急性期病院と違って、今度病院の経営形態が変わってくるので、常に石巻赤十字病院からそういうふうな患者が来る可能性が大だというふうな部分もありますので、開院当初は当然そういうふうなマイナス部分というのは出てくるとは思いますけれども、それを短期のうちに黒字に変えていきたいというふうな形で考えておりますので、御理解賜りたいと思います。
◆14番(千田直人議員) では、現実問題に話を戻しまして、現在年度末累積欠損金101億円出ていますよね、先般も話しましたが。結局これは現金支出が伴わないからというようなことですが、埋めるのにどうするのですか。利益を出さないと、これ埋まっていきませんよね、当然のことですが。まず、これの帳消しする方法、どうやってやるのか。 それから次に、監査委員が指摘されました、企業債の償還残51億円。清算事業会計を設けて借金を新しい病院に引き継がないようにするべきだと、経営が苦しいものになりますよと、石巻市立病院は不幸な船出となりますよというふうに監査委員からの指摘ですが、そうなりますと借金51億3,800万円は誰がどのような形で返済していくようになるのか、これをお伺いします。
◎鷲見祐一
病院局事務部長兼病院局石巻市立病院
事務部門事務長 起債のほうで今話ししていた50億円ほどあります。それは借金です。それは現金で返さなければならない部分でございます。それに関しては、当初新しい南浜町の病院を建設する際には、一切もう手持ち金も何もない中でのスタートで、全て起債を借りて、借金からスタートしていった部分があります。当初100億円ほどの起債を借りてあの病院を建てております。それで今まで13年かかって半分ほど返してきたというふうなことですけれども、その50億円というのは当然新しい病院になってもそれは返さなければならない部分ですので、それを背負って企業努力をしながらこつこつと返していきたいというふうに考えております。
◆14番(千田直人議員) 時間がありませんから、次に通告の3件目に入ります。 瓦れき処理補助金ちょろまかし事件について伺います。平成24年4月5日発行「週刊文春」報道により発覚した事件であります。市議会は、東日本大震災復興促進特別委員会において、経緯、経過など問題を慎重に調査しました。委員から百条委員会設置の提案がなされ、5月31日、災害廃棄物処理業務委託等に関する調査特別委員会を設置し、約2カ月半にわたり計14回会議を行い、記録提出請求や証人尋問など精力的な調査を継続しました。結果として、地方自治法第100条第9項の規定により、藤久建設株式会社代表取締役伊藤秀樹氏を正当な理由なく資料提出を拒んだとして告発した。石巻警察署は、法と証拠に基づいて捜査を進めると告発を受理されました。 そこで、2点伺います。1点目、災害廃棄物処理業務委託等に関する一連の調査、書類提出要請や承認尋問など、議会主導による調査に対して当局の見解をまず伺います。 2点目、地方自治法第100条第9項の規定により告発された。今後司法当局の捜査に委ねられる。市長は議会の告発について、どのような見解をお持ちなのか、まずお伺いいたします。 以上で1回目の質問といたします。
◎亀山紘市長 それでは、瓦れき処理についてお答えいたします。 まず、災害廃棄物処理業務委託等に関する調査特別委員会についてでありますが、今回の東日本大震災に係る災害廃棄物処理業務において不適切な会計処理があったとされる問題を再調査するため、議会が地方自治法第100条の規定により設置した調査特別委員会、いわゆる百条委員会は、関係者に対し関係資料の提出や証人としての出席要請を行いました。本市といたしましては、百条委員会からの関係資料の提出や証人喚問等の要請に対し誠実に対応し、事実の究明のためにできる限りの協力を行ったものと考えております。 次に、刑事告発についてでありますが、百条委員会から求められた関係資料の提出を建設会社が拒否し、地方自治法の規定により議会が建設会社社長を刑事告発した件に関しましては、今後の司法当局の動向を注視するとともに、捜査に対しましては全面的に協力してまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
◆14番(千田直人議員) この件に関しましても、決算審査の意見書で柴山代表監査委員から、「このような問題が発生してまことに遺憾である。今後は、我々監査委員も含めてさまざまな立場の人々がそれぞれの立場からこの問題に取り組まなければならない」と強烈に指摘を受けております。この指摘を受けまして、どのような取り組みを行おうとしておられるのか、その姿勢をお伺いいたします。
◎須田昌義生活環境部長 今御指摘のありました件についてお答えいたします。 まず、平成24年度から解体業務につきましては入札による事務執行を行っているところであります。また、職員といたしましては、現場立ち会い、それから履行の確認、それから書類のチェックにつきましては適切に行っているところでございます。
◆14番(千田直人議員) また、市議会百条委員会で調査している震災瓦れき処理の不適切な会計処理の問題については、このように言われています。「直ちに市で調査チームをつくる必要があったが、真剣に事実調査と原因究明、再発防止に当たろうとする態度が見られなかった」というふうに、監査委員から指摘ですよ。そして、翌日の新聞は、直ちに調査すべきだったと監査委員が厳しく指摘としたタイトルで、市民がその報道をごらんになっています。当日の監査委員のまことに遺憾であるとした指摘への対応と、今後この問題に対してどのように対処されようとするのか、市長の所見を伺いたいと思います。
◎亀山紘市長 監査意見書については、私どもとしても真摯に受けとめさせていただきたいと思います。このような今回の災害廃棄物の会計処理については、これはこういう非常時、異常時における、災害時と言ってもいいのですが、災害時におけるこういう事業に関してしっかりと今回を教訓にしていかなければいけないというふうに考えておりますので、今後このような非常時における会計処理のあり方というものを検討させていただきたいというふうに思っております。
◆14番(千田直人議員) 先般水に浮かぶ石巻市役所が画面いっぱいに映し出されました。想像を絶する光景、まさに言葉に詰まりましたが、NHKスペシャル「東日本大震災追跡復興予算19兆円」とした中で、最大の被災地石巻市の瓦れき処理費は東松島市の実に7倍であると。それから、東松島市の瓦れきの管理費用は5億円、石巻市の管理費用は40億円、東松島市の実に8倍だそうです。どうしてと、ショッキングな報道ですよ、これ。ぎょっとしました。NHKスペシャル、全国放送を受けて、市長どうでしょうか、この見解を伺いたいと思います。
◎亀山紘市長 これについては、さまざまな問題点が指摘されております。実際にこの費用についても、現在確認している金額と違う金額になっております。それから、東松島市と石巻市の災害廃棄物の量ですけれども、これもどのようにこういうふうな、同じ大きさになっておりますけれども、東松島市についてはどうも津波汚泥ですか、そういったものも含めて計算しているということで、計算の根拠がわかりませんので、今精査させているところでございます。
◆14番(千田直人議員) あのテレビ報道で見ますと、石巻市の瓦れきは426万トン、東松島市は419万トン、たった7万トンしか違わないのだけれども、これも私も見ていてちょっと不思議だなとは思ったのですが、しかしNHKですよね。全国放送で沖縄まで放送になりましたから、これはもう大変恥ずべきことですから、はっきり言ってやっぱり正すべきだというふうに思います。 それから、その中で本当に詐欺をしたのかと、作業員の顔もない、担当者の名前もない、どこの現場か確認できない作業日報が相次いで見つかると。何度も目にしたカラーコピーのあの作業日報が映し出されていました。担当された方のコメント、正確なチェックだったり不備を見つけて業者を指導する時間もなかったというコメントでした。この放送を見ましていま一度、環境部長、いかがでしょうか、お伺いします。
◎須田昌義生活環境部長 確かにその当時は目いっぱいなときでございましたが、当然もう少しちゃんとチェックをやっておかなければいけなかったかなというふうに反省しております。
◆14番(千田直人議員) そうですね、やっぱりもう少しきちっとチェックすべきだったですね。 ところで、国は適正であったか調査するとのことですが、テレビにも報道になる本市の日本一高いと言われる処理費用は適正だったと言えるのか。国の調査が大変心配されるところなのですが、そのあたり大丈夫なのかどうか、市長と笹野副市長にお伺いしたいというふうに思います。
◎笹野健副市長 お答え申し上げます。 議員御指摘のようにNHKの報道は非常にショッキングなものでございまして、翌日私からも生活環境部長に、まさに議員が御指摘になりました東松島市と石巻市の瓦れきの量から、ちょっと算定根拠が幾つか、私のような者から見てもちょっと首をかしげるところもありますので、本当にNHKの報道のとおりなのかどうかからちょっと数字を精査するように部長にお願いをしております。 国のほうからまだ御連絡はございませんが、いずれにいたしましてもああいう報道もありましたので、私どもとしては今後の公金の検査等の対応というのはあり得るものだということを前提に、こちらとしても身を引き締めて受けとめていかなければならないというふうに考えております。
◎亀山紘市長 本当にこれは私も聞いていて、大変ショックを感じました。ただ、その中で要するに瓦れき量が石巻市と東松島市がほぼ同じということで計算の根拠にしておりました。それは絶対あり得ないことですので、まず全壊家屋の数からいっても石巻市と同じ数量であるというのはちょっと私も疑ったわけですけれども、それから総事業費についても403億9,000万円となっているのですが、これはどこにもこういう金額はないそうです。実際に東松島市の今の総事業費が645億8,245万円というふうに聞いておりますので、まず計算の根拠が違いますし、また瓦れきの量についても従来私どもが災害廃棄物の量にしても石巻市の場合には426万トン、それから東松島市の場合はたしか89万トンぐらいだったと思います。ですから、それで計算するとむしろ逆になりまして、石巻市がトン当たり6万8,000円の処理、東松島市が7万7,000円になりますので、ですからその辺の根拠がはっきりしませんので、このように一旦テレビ報道、しかもNHKですので、テレビ報道された大きなやはり問題ですので、しっかりと今後精査をして、それで市民の方々にわかっていただくように広報させていただきたいと思います。 それで、リサイクル率もそうなのですけれども、石巻市の場合もリサイクル率はかなり上がっておりますので、90%以上のリサイクル率で行っておりますので、その辺もどうもPR不足のところがありますので、今後しっかり対応していきたいと思っております。
◆14番(千田直人議員) そうですね。やっぱりしっかり対応、調査するべきだと思います。それにしても、7倍と8倍ですから、半分になっても4倍と5倍ぐらい、もうその差はかなり大きいわけですので、そのテレビの取材の中で石巻市の職員は「手間がかかるのは間違いないので、その分経費として上乗せされるでしょう」と話されていました。そして、東松島市の職員は、「全国の皆さんが御負担されている。我々は一円でも安く終わらせることが使命です」というコメントでした。所属部署、氏名も字幕で公表になりました。全国放送、このコメント、認識の相違は何でしょうか。市長と北村副市長に所見を伺いまして、私の一般質問を終わります。
◎北村悦朗副市長 お答え申し上げます。 まさに公金でございますので、我々としましても適正に、効率的に、幾らかでも安く処理できるように、また早期に処理できるように努めてまいりたいというふうに思います。
◎亀山紘市長 お答えいたします。 1次仮置き場の数からいって、石巻市は23カ所で東松島市は4カ所ですから、維持管理だけでも相当な違いがあると思います。そういったことも含めて職員が恐らく話されたと思いますけれども、やはりああいった報道のときにしっかり実情に応じて、そのときに応じて真摯に話ししていただけるような取り組みは必要だというふうに思っておりますので、職員に対しては今後とも教育をしていきたいというふうに思っております。
○議長(
阿部和芳議員) 以上で14番千田直人議員の質問を終わります。暫時休憩いたします。 午後0時16分休憩 午後1時15分開議
○副議長(阿部欽一郎議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。13番遠藤宏昭議員の質問を許します。13番。
◆13番(遠藤宏昭議員) 震災から1年と半年が過ぎ、果たして市民が望む復興は実現できているのか、市民の目線で物事を考えられているか、悩みが尽きることはありませんが、我々が責任を持って新たなるまちづくりを進めていく、この熱い思いを胸に議員活動を継続していきます。 通告に従いまして一般質問をします。質問事項1、市民の求めるまちづくりを正しく推進できているか。 ①、本市の財政が2014年度に実質破綻するとの試算結果が及ぼす市民の将来に対する不安について伺います。また、財政破綻しないためにはどのようにすればよいのか、市民への周知、広報も必要だと思われますが、どうお考えかお聞きします。 ②、石巻市震災復興推進会議の位置づけについて伺います。市民から、あの会議はどのような役割を担うのかわかりづらいねという声があるが、市当局の考えをお聞きします。 ③、11月17日の予定でリニューアルオープンする石ノ森萬画館の周辺整備の進捗状況について伺います。具体的には、大型駐車場の確保、内海橋の歩道整備、マンガロードの整備は万全なのか。また、本市を訪れる観光客をもてなす体制は整っているのかお聞きします。 ④、石巻駅周辺道路整備について、三角茶屋交差点及び水押踏切の交通渋滞緩和策は果たして有効なのか。石巻市立病院のあるなしにかかわらず、将来的には駅周辺の道路改良は必要だと思われますが、どうお考えか。 ⑤、小中学校の通学路の危険箇所の把握と安全対策について伺います。復旧工事の進捗に伴う大型ダンプトラックの往来が増加している現状に、保護者は大きな不安を抱いています。その解消策はあるのか。また、歩道等の道路の陥没について、水道企業団との災害復旧工事の協議は進んでいるのかお聞きします。 ⑥、小・中・高校のいじめの実態は把握できているのか。また、教育委員会には隠蔽体質があるのではないかとの市民の懸念を払拭するための具体的な取り組みについて伺います。 ⑦、亀山市長の情報発信力とリーダーシップについて伺います。各自治体への義援金の受け付け額の差はテレビ等の報道によるところが大きいが、地元紙記者団初めメディア対応はきちんとできているのかどうかお聞きします。 以上、7項目について答弁を求めます。よろしくお願いいたします。
◎亀山紘市長 それでは、市民の求めるまちづくりを正しく推進できているかの⑦から答弁させていただきます。 市長の情報発信力とリーダーシップについてでありますが、議員が御指摘された義援金の額の多少と、マスコミやメディアに取り上げられたこととの関連につきましては、正確には言えない部分が多々ありますが、甚大な被害を被った地域がマスコミに多く取り上げられたことにより、義援金や寄附金が集中したものと思われます。本年7月末日現在、本市に寄せられました義援金は約10億5,260万円、災害復旧寄附金は約10億630万円、がんばる石巻応援寄附金は約3,480万円、一般及び指定寄附金は約4億3,480万円となっております。 メディア等の対応につきましては、時間がとれる限り取材には応じております。また、昨年来定例記者会見のほかにも記者、メディア等の対応につきましては時間がとれる限り取材には応じており、また昨年来、定例記者会見のほかにも記者会見を開催し、月2回にふやすなど、常に情報を報道機関に提供することを心がけております。今後は、これまで以上に復興計画の進捗状況や産業、文化の復興に関する情報や課題など、メディアを通して全国に発信してまいりたいと考えております。
◎亀山紘市長 それもありましたけれども、あと自分の原稿の執筆がありましたので、ちょっと時間が欲しかったというところです。
○副議長(阿部欽一郎議員) 以上で25番森山行輝議員の質問を終わります。暫時休憩いたします。 午後3時39分休憩 午後4時00分開議
○議長(
阿部和芳議員) 休憩前に引き続き会議を開きます。10番水澤冨士江議員の質問を許します。10番。
◆10番(水澤冨士江議員) 震災から1年半がたちました。被災地から離れているところでは、震災が風化される声が聞こえつつあることに不安を感じます。被災地の現実を見ると、今なお生活再建の見通しは立たず、むしろ仮設住宅の生活に疲れたなど、身体的不調、将来不安や経済的な困窮の声は強まっています。 先日被災者の国民健康保険の窓口負担金等免除を来年3月まで延長すると発表されました。しかしながら、その財政負担を国が10割だったものを8割へと減らされ、2割は地元自治体の負担となりました。宮城は県が負担します。国の姿勢の中に被災地の生活再建が前進しているとの認識があるのではないかと危惧するものです。 1つ目の質問は、前回に続いて住まいの再建とまちづくりについて伺います。8月10日、石巻住まいと復興を考える会が市長宛てに要望書を提出しました。この半年間600人を超える被災者と懇談を重ねてきたものです。意向調査が届かないなど、意見を言えないうちにまちづくりがどんどん決まっていくなどの声が寄せられました。それらを踏まえ、何点か質問いたします。 ①、これまでも職員不足の中にあっても、要望があれば職員やコンサルタントが出席していただいて説明会が持たれました。しかし、全体としてはまだ説明不足で、再建の見通しが立てられない方が多くいます。国も6月、「復興まちづくりの進め方(合意形成ガイダンス)」と題する文書を被災自治体向けに出しました。被災者の声を反映させ、住民参加の復興とするためのマンパワーなど体制の強化を図るべきではないでしょうか。 ②、復興公営住宅建設について。イ、現在の進捗状況について伺います。 ロ、現在住んでいる仮設住宅で新しいコミュニティーができ、その付近に建設を望む声があるが、考えを伺います。 ハ、事業を急ぐ手だてとして、UR都市再生機構に委託することについて、大街道で1カ所、20戸を要請しているようですが、今後について考え方を伺います。
③、防災集団移転事業について。イ、被災者に大きな負担をかけないで再建支援策を。まず初めに、生活再建支援金について伺います。内閣府「被災者に対する国の支援のあり方に関する検討会」の中間発表では、被災者生活再建支援金について、被災地などから給付の拡大を求めるなどさまざまな点について声があったとしています。阪神・淡路大震災以降、被災地からの声を反映し制度の拡大が図られてきたことから、国に対して要望していくべきではないでしょうか。また、危険区域外の住宅再建には借入金の利子補給等の支援がありません。市独自支援では財政負担が大変重くなってしまいます。先日石巻市、気仙沼市、東松島市、女川町、南三陸町の5つの市と町で国に要望書を提出されたようですが、今後の展望を伺います。 ロ、移転先については、可能な限り要望に基づくべきではないでしょうか。 ④、CM方式導入の考え方について伺います。復興庁と国土交通省は、東日本大震災の被災地の復興まちづくりを推進するためとして、防災集団移転や区画整理事業の公共事業をCM、コンストラクション・マネジメントを活用した新たな発注方式を導入して行うとしています。市町村などの発注者が行う調査、設計と施工管理などの業務を一括して大手ゼネコンに委託するもので、この方式が公共事業に使われるのは異例のことだといいます。実際にこの方針に基づいて大量の災害廃棄物の処理などが行われています。被災市町村の専門職員が不足し、事業が進んでいないため、この方式を採用すると国土交通省は説明していますけれども、住民の生活基盤であるまちづくりの工事の発注業務である調査、設計、工事を大手ゼネコンに委託するため、全ての情報が民間に筒抜けになってしまいます。 この点について国土交通省は、手続における透明性や公共性を確保する必要があるため、公共機関であるUR都市再生機構が計画、設計、調整、施工管理などの市町村業務を代行することも一つの事例として対象にするとしています。女川町では、この方式が取り入れられようとしています。この新方式による復興プロジェクトは、分離、分割発注などによる地域建設業の受注を困難にし、下請受注者には低単価、低賃金が強いられる可能性があります。本来住民合意形成能力を高めるため、専門家やほかの自治体の支援の一層の強化など、地域主権を第一義にしながら国が責任を持った支援体制を行うことが急がれます。この方式を検討する場合、地域の実情に合わせて議会で審議するなど、徹底した情報公開が必要だと考えますが、見解を伺います。 ⑤、生活再建の見通しが立たない中、仮設住宅の入居期限と生活支援について伺います。 以上、1つ目の質問です。終わります。
◎亀山紘市長 それでは、水澤議員の御質問にお答えいたします。 住まいの再建とまちづくりについてお答えいたします。初めに、被災者の声を反映させ、住民参加の復興とするための体制強化についてでありますが、被災市街地復興推進地域におきましては、町内会単位でまちづくりの勉強会や協議会を設置するなど、住民みずからがまちづくりに取り組んでおり、職員やまちづくり業務を受託しているコンサルタントが出向き、住民のさまざまな相談に応じるなど、被災者の声を十分に吸い上げ、復興事業に対する御理解と御協力が得られるよう体制を整えております。 さらに、8月下旬から月2回、町内会等の復興に向けての活動状況について、復興まちづくり通信というかわら版を発行し、またホームページで被災者の皆様にまちづくりの情報を提供することにより、復興に向けて住民の関心や参加を促しているところであります。なお、復興のまちづくりへの住民参加につきましては、市民等で構成する石巻市震災復興推進会議を設置しており、震災復興基本計画の進行管理や復興に関する意見、要望等を反映してまいりたいと考えております。 次に、復興公営住宅建設についてでありますが、進捗状況につきましては、現在建設地が確定した大街道西2丁目、吉野町1丁目、黄金浜地区の3カ所で約240戸分の設計作業を進めており、平成26年度中の完成を予定しております。また、民間借り上げ型といたしまして応募のありました5カ所、149戸分の設計作業を進めております。さらに、新蛇田地区の土地区画整理事業地内に約300戸分の建設地を確保するほか、新渡波地区や用地公募で応募のあった箇所など直接交渉中の箇所も含め、現段階で市街地部に想定している整備戸数2,950戸のうち約50%の用地をほぼ確保できる見通しとなっております。今後は、被災市街地復興推進地域内で土地区画整理事業により建設用地を確保する手法や中心市街地における再開発事業により住宅を確保する手法、さらには買い取り型災害公営住宅の公募など、多様な整備手法を取り入れながら必要な住戸の確保に努めてまいります。また、半島部につきましては、防災集団移転事業とあわせて移転団地内に必要な戸数を確保してまいります。 次に、建設地の選定における考え方についてでありますが、現在仮設住宅が建設されている場所については、敷地の活用状況から見て災害公営住宅の建設は困難であり、また周辺に適正な敷地を確保することも困難な状況であります。今後の市街地における災害公営住宅の整備につきましては、市域全体的に均衡ある配置が必要と考えており、現在行っている被災者の意向調査の集計結果をもとに全体の整備戸数を精査し、さらに地区別に目標となる整備戸数を定め、できるだけ早い時期に供給できるように努めてまいります。 次に、URへの委託についてでありますが、本市は当面の目標として4,000戸の住宅整備を予定しており、直接発注するにはマンパワーが不足していることから、宮城県代行による建設、またはUR都市機構へ建設を要請し、完成した住宅を買い取る方式により整備を進めております。本市は、本年3月10日にUR都市機構と東日本大震災における災害公営住宅の整備に係る基本協定を締結し、現在大街道西2丁目の災害公営住宅の建設を要請し、受託されているところであり、今後建設を予定している地区についても、県、UR都市機構と協議しながら建設を進めてまいりたいと考えております。 次に、防災集団移転事業についてでありますが、被災者に大きな負担をかけない再建支援策といたしましては、生活再建支援法に基づく支援制度のほか、危険区内を対象とした防災集団移転促進事業による土地の購入及び住宅の建設に対する借入金の利子相当額の補助並びに引っ越し費用の助成、さらには従前地の土地の買い取り制度があります。しかし、現行制度において危険区域以外の住宅再建につきましては、生活再建支援法に基づく支援制度以外の支援がないため、何らかの独自支援により住宅再建を推進していく必要性を強く認識しております。しかしながら、本市の被災規模は全壊戸数だけでも2万2,000戸以上あります。そのうち危険区域以外が約1万5,000戸と半数以上を占める状況の中、仮に防災集団移転促進事業と同等の支援を行った場合には数百億円という財源が必要となり、本市の財政状況では到底対応できない状況であります。このようなことから、現在独自支援に必要な財源の確保について本市独自で要望するほか、隣接する気仙沼市、南三陸町、女川町及び東松島市との沿岸5市町と連携し、国に強く要望を行っているところであります。引き続き県や沿岸市町と連携を図りながら国に対する要望活動を展開し、財源の確保を図り、早急に具体的な支援を打ち出してまいりたいと考えております。 次に、移転先については可能な限り要望に基づくようにすべきについてでありますが、防災集団移転促進事業における移転先は、市域の均衡ある発展と地域のコミュニティーを維持するため、半島部では地区の合意により被災前の地区の近傍に移転先を計画し、既に24地区の大臣同意を得たほか、市街地におきましては新蛇田地区や新渡波地区などを主な移転先として計画しております。本年5月末から6月に行った移転対象者等を対象とした意向調査の結果、移転団地先を近傍の地区以外に希望されている世帯の概数を把握したことから、現在市街地における必要面積の検討を重ねているところであります。新蛇田地区への希望集中の対応は、地域バランスや適地が限られており困難とは思われますが、今後開催する個別相談会などにおいて石巻市公共事業空き地情報バンクの情報を提供することにより、移転先の選択肢をふやすなど、可能な限り移転対象者の要望に対応できるように検討してまいります。 次に、CM方式導入の考え方についてでありますが、コンストラクション・マネジメント方式は、コスト意識の高まる中で事業のコスト構成、発注プロセスの透明化及び公共事業発注者の技術者不足の解消を図るため、コンストラクション・マネジャーが発注者側に立ち、発注者の補助者、代行者として事業の調査、設計、工事施工等、事業のマネジメント業務を行い、事業発注者の事業管理機能の強化を期待できるものであります。 従来の発注方式では、各事業の事業統括を発注者が担う必要があり、工事等を施工する際に調査、設計を発注し、設計完成後工事施工を発注するために事業完了までに時間を要しておりましたが、事業の迅速性が優先される住まいの再建に係る事業において、CM方式は事業を調査、設計から工事施工まで一括発注できるなど、効率的な施工を図るとともに、技術者不足を補うことができるという利点がありますことから、導入する方向で考えております。 次に、仮設住宅の入居期限と生活支援についてでありますが、仮設住宅の入居期限につきましては原則2年間とされておりましたが、本年4月17日付の厚生労働省通知により、これが1年間延長となり、これとあわせて応急仮設住宅としての民間賃貸住宅、いわゆるみなし仮設住宅についても2年間の供与期間が1年間延長となっております。 次に、仮設住宅入居者の生活支援についてでありますが、本市におきましては県補助金等を活用して医療や福祉の専門職等による相談支援事業を仮設住宅団地のささえあいセンターを中心に実施しているほか、訪問支援員による定期的な巡回や生活相談の受け入れを行っております。また、被災者見守りシステムに係る予算を本議会に提案し、被災されたひとり暮らしの高齢者等の不安の解消を図るとともに、居住環境の改善策として宮城県が事業主体となっているお風呂の追いだき機能の追加、物置の設置についても現在入居者との調整を本市が行い作業を進めているところであり、年内中に完了する見込みとなっております。仮設住宅の入居者が安心して健康な生活を送れますよう、今後も地域包括支援センターや県東部保健福祉事務所、社会福祉協議会等の関係機関と連携を図りながら事業を継続するとともに、住環境の改善も含めて被災者の生活支援の充実を図ってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
◆10番(水澤冨士江議員) それでは、1つ目の再質問、絞って伺います。 危険区域外の方々の救済措置をどうするか。まず、危険区域と区域外の線引きによって、同じように津波の被害に遭い移転した場合、危険区域外では土地の買い上げも利子補給も受けられない状況です。これを石巻市が独自で支援を行う場合、約1万戸を対象とする場合に100万円の利子補給だけで100億円の負担ですから、不可能なことです。何といっても国の支援がなければできません。沿岸5つの市町、これは死者、行方不明者で全体の4割、災害廃棄物の量でいっても4割の地区ですが、要望書を提出しましたけれども、震災復興部長に改めてお伺いします。今後の展望について伺います。
◎星雅俊震災復興部長 お答えします。 議員御承知のとおり、単独支援のための要望につきましては8月20日に宮城県のほうに、それから8月30日に国、復興庁等々へ要望いたしました。その後5市町の連携会議につきましては、宮城県のほうでも積極的になっていただきまして、現在一緒に具体的な戦法としまして、どういった形での要求が国に対して通るかということでの検討が始まっております。ただ、今後の展望と申しますと、それをまだ国のほうに対して提案していないものですから、これをまとめて、そういったまとまった案ができましたら再度国のほうにお示ししながら国の見解を待ちたいと思っています。私どもとしては、この支援措置がないといろんな制度格差がありまして、市民の方が困っているものですから、ぜひとも何らかの方法で国からは支援をいただきたいというふうに考えております。
◆10番(水澤冨士江議員) 19兆円と言われます復興予算のうち、集団移転、区画整理などに使われる復興まちづくり交付金はそのうちの2兆円と言われています。本来被災者のための予算、本当に被災地のために使わなければならないと思います。先日のテレビなどの報道を見ますと、復興と関係するのかと思われるような、全国いろんな場所で使われていました。 笹野副市長に伺います。19兆円のうち2兆円という認識で間違いないでしょうか。一番必要としているところに配分が少ない、今後予算の積み増しということもあるようですが、何としてもこの部分に支援が渡るように国に強く働きかけるべきではないでしょうか。副市長と市長に伺います。
◎笹野健副市長 お答え申し上げます。 水澤議員おっしゃいますように、19兆円とも言われる復興予算、復興財源の中で、復興交付金がまさに議員おっしゃる住まいやなりわいの支援をするコアな部分でございますけれども、合わせて1兆9,000万円、約2兆円でございます。 確かに増額ということも引き続き言っていかなければいけないのですけれども、それはもう議員の御指摘のとおりですが、あとそれ以上に私どもが意を用いていかなければいけないのは、この予算が平成27年度まででしかないということが1つ。それから、交付金が5省40事業になっておりますので、効果促進事業もという話もありますが、これポジティブリストが出たとはいっても、やはり私どもとしてはもうちょっと充てたいところが広いものですから、そこの拡充のための努力というのをしていかなければいけないと思います。 あと最大の話は住宅再建のことでありまして、これは復興交付金になるのか、復興基金になるかわかりませんけれども、いずれにしましても市民の皆さんにとって今一番お金が必要なところというのは住まいの再建の部分だと思いますので、その部分については引き続き汗をかいてまいりたいと考えております。
◎亀山紘市長 お答えいたします。 今笹野が申し上げましたように、やはり今最優先課題は住まいの再建をするためにいかに支援していくかということが大事です。そういう意味で2兆円ということもありますけれども、まずは次の第4回の申請まで、10月になりますけれども、あらゆる事業を精査して、そして予算獲得に向けて申請していくということで、震災復興部を中心として庁内でとにかく全職員が一丸となって今取り組んでいるところですので、何とかとにかく住まいの再建、あるいは働く場の確保も含めて取り組んでいきたいというふうに考えております。 そういう意味で、今回東部沿岸地域の3市2町が一体となって取り組むということで、議会も今取り組んでいただいておりますので、そういう意味では本当に被災地域が声を上げて、しっかりと政府に働きかけていくことが必要だろうというふうに考えております。
◆10番(水澤冨士江議員) 次に、おくれている復興住宅の建設をどのように加速していくかです。このことについては、土地の取得とマンパワー不足がスピード化のネックになっていると言われています。市街地の5割、土地のめどがついたとの答弁がございました。被災者、特に仮設住宅で我慢している方々に一日も早く快適な復興住宅に入居できる展望を示すことが一番の生きる勇気となると思います。新聞報道によりますと、石巻市借り上げが採算面で不発、買い取りに活路、今月中にも買い取り価格の基準を決め全体計画の見直しをするとありましたが、現在の状況について伺います。
◎星雅俊震災復興部長 お答えします。 災害公営住宅につきましては、全体で4,000戸という計画でございまして、そのうち1,050につきましては半島部で、市街地については2,950という計画でございます。2,950のうち大体おおむね半分程度の敷地に関しましては、今交渉いたしておりまして感触がいいという状況でございます。今後につきましては、買い取り公営住宅、これは民間の方がつくった建物、土地を条件が合えば市が買い取るといったものでございまして、それを進めていきたいと。それにつきまして、スキームづくりに関しましては、先週県からおおむねのスキームが示されましたので、これを今市のほうにアレンジするように作業を進めております。早ければ10月の下旬あたりには企業の相談説明会、そういったものをやりながら、11月中になると思いますが、公募をかけて早々に民間の活力を生かした建設計画に行きたいというふうに考えています。 それから、そのほかに中心市街地における再開発事業に関しましては、これは再開発事業に係る保留床の処分の中での災害公営住宅ですので、買い取り公営住宅のスキームとは別に再開発事業に伴う保留床処分に係る公営住宅についても並行的に現在進めております。
◆10番(水澤冨士江議員) 民間等の力もかりて、ぜひ加速していっていただきたいというふうに思います。 先ほども申し上げましたけれども、URの活用、石巻市は技術職員が足りないというふうな報道がされていました。その点で買い上げ方式であるならばURの活用ということもあるというふうに思いますが、いかがでしょうか。
◎星雅俊震災復興部長 買い取りの公営住宅と申しますのは、大きい意味では市が頼んだURがつくったものもその中に入っておりますが、それとは別に今回の公募と申しますのは、純民間、大手建設会社、住宅メーカー、そういった方々を対象にしたものと考えておりますので、URの方法とは別途考えております。
◆10番(水澤冨士江議員) 先ほどCM方式というのを申し上げましたけれども、大手建設会社と、買い上げ方式でしたらいいのですけれども、さっきのようなCM方式ですと議会等に説明がないと非常に透明性がないということもございますので、ぜひ先ほどのことを参考にしていただきたいと思います。 次に、入居者選定について伺います。1995年の阪神・淡路大震災の教訓では、700人を超える孤独死、高齢者の入居の偏りによってコミュニティーの維持が難しくなった。これらの経験を生かし、検討会などを立ち上げ、入居者選定について見通しを立てるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
◎星雅俊震災復興部長 入居者の選定の考え方でございますが、以前議会のほうから非常にいろんな問題がございまして、コミュニティーへの配慮、それから高齢者への配慮、それからいろんな公共施工に対する配慮とか、もろもろございます。現在の考え方につきましては、まず石巻市内で住宅の用地がどれだけ必要なのかという精査、それもアンケート結果が8月で大体出ましたので、それから持ってきて今精査中でございます。そういった用地獲得のめどを立たせながら入居方法についてもどういった入居するか、半島部分の方々の希望をどう酌み取るか、それから何回も申しますが、個別にはコミュニティーとか高齢者への配慮、そういったものについても今後検討していきたいと考えています。
◆10番(水澤冨士江議員) 選定方法について、いつごろ公表されるのでしょうか。
◎星雅俊震災復興部長 入居者の選定方法につきましては、いろんなものが係りますので、現在は市民の方々の市民委員会を立ち上げまして、その中で再度いろんな問題につきまして関係の方々の御意見を踏まえながら考えたいと思っていまして、スケジュール的には年内には確定に持っていきたいという事務目標でございます。
◆10番(水澤冨士江議員) 続きまして、被災者の生活支援について伺います。 住まいと復興を考える会が仮設住宅を中心に730人の方からアンケートをとりました。震災前と比べ家計収入が苦しくなったが68%にもなります。鬱病やアルコール依存症がふえている、ストレスがたまり先の見通しもない、ひきこもりになる人もふえているとの声が寄せられています。義援金も取り崩し、生活の厳しさを訴えています。 そこで、福祉部長に伺います。義援金、今後の配布予定はありますでしょうか。
◎内海正博福祉部長 今後の義援金の支給の見通しについてでございますけれども、今月の14日に宮城県の災害義援金配分委員会が開催されまして、マスコミでも報道されたと思うのですが、義援金受付団体分の第4次と宮城県の災害対策本部分の第3次を合わせまして、まず死亡、行方不明者につきましては5万円、住宅被害につきましては全壊が7万円、大規模半壊が5万円、半壊が3万円、さらに津波の浸水地区における住宅被害の加算分として全壊が10万円、大規模半壊が7万円、半壊が4万円が配分されることが決定しております。これは、結果的には浸水区域の住家につきましては、浸水区域ですけれども、全壊が17万円、大規模のほうが12万円、半壊の方に7万円の配分になるということでございます。県のほうから私のほうへ義援金が配分されました後、10月中には支給させていただきたいというふうに考えております。 なお、本市で受け付けました義援金につきましては、現在残金が3億349万円ほどございますことから、この金額につきましては、今回の分に合わせて支給するかどうかについては、今月石巻市の災害義援金配分委員会の開催を予定しておりますので、今月開催いたしますので、それに諮りまして決定させていただきたいというふうに思います。
◆10番(水澤冨士江議員) 少しでも被災者の方の生活の足しになればいいなというふうに思います。 この第1の部門で最後でございますが、先ほども同僚議員から取り上げられましたけれども、震災復興推進会議、この女性の占める割合が25人中3人、12%です。これまでも何回か取り上げられましたけれども、この議会後、女性団体との議会の懇談会もございます。やっぱり12%というのは余りにも低いのではないかと、抜本的にこの推進会議の中で女性の委員をふやしていくべきと考えますが、いかがでしょうか。
◎星雅俊震災復興部長 お答えします。 推進会議につきましては、基本計画の進行管理及びその他の意見をもらうということでつくりましたが、公募がそのうち7人でございました。その他は学識経験者、各階層の会の代表者ということで頼んだ結果、どうしても女性が少なくなってしまいました。一応期間的には3年間ということで委嘱いたしておりますので、急にかえるというわけにはいきませんので、女性への参加の配慮につきましては、恐れ入りますが、次期の改正のときにもう少し考えたいと考えます。
◆10番(水澤冨士江議員) この会に入っていただくのが可能でないならば、いろんな形でぜひ女性の声、子育て、介護等の声を取り入れていっていただきたいというふうに思います。 2つ目の質問に移ります。9月9日、NHKスペシャルで19兆円巨額の復興予算がどう使われているか検証した番組が放映されました。第1次補正予算、第2次補正予算、第3次補正予算と、国民に増税しながら19兆円という金額になったが、被災地でその実感はなく、まちの再建は進んでいないと番組で語られました。東北から遠く離れた沖縄や東京などで予算が使われている例が紹介されました。被災地ではどう使われているでしょうか。第1次補正予算4兆円は、主に瓦れき処理に使われました。その中で1トン当たりの瓦れき処理費用が高い例として石巻市、低い例として東松島市、その差は7倍にもなるというものでした。この間議会に災害廃棄物処理業務委託等に関する調査特別委員会が設置され、調査が行われました。この番組では、写真の使い回しなどが紹介され、それ以外にも処理全体の中で、混乱の中、不適切なことがあったことをうかがわせるものでした。東松島市では、平成15年、宮城北部地震の経験を生かし、分別を細かく行ったといいます。石巻市の今後、ひいては今後起こり得る全国の震災時の教訓にすべく、また番組最後では復興予算をどう使うのか被災地に問われている、被災者が置き去りにならないように、この国の将来がどういう国であるべきか問いかけていると語られていました。それらを踏まえ、以下質問いたします。 1、現在の震災廃棄物処理の進捗状況について伺います。 2、1次仮置き場の状況と問題点について。 3、2次処理の状況、県への委託量、委託金額の変更について。 4、処理費用の適正化について、平成23年11月11日付環境省通知は生かされたのか伺います。
◎須田昌義生活環境部長 私から、災害廃棄物処理についてお答えいたします。 まず、進捗状況についてでありますが、8月31日現在、本市の災害廃棄物推計量は436万1,000トンで、そのうち1次仮置き場へ搬入が済んでいるものは304万6,000トン、進捗率は69.8%となっております。また、処理、処分済みのものは市独自処理分72万2,000トンに県処理分46万5,000トンを加えた118万7,000トンで、進捗率は27.2%となっております。なお、118万7,000トンのうち、約96%に当たる114万1,000トンは再生利用、残る4万1,000トンは焼却、5,000トンは埋め立てにより処理、処分しております。 次に、1次仮置き場の状況と問題点についてでありますが、現在市内21カ所に1次仮置き場を設置しております。昨年苦情が多く寄せられたハエの大量発生や火災の発生につきましては、早い時期から対策を講じたことにより改善されておりますが、新たな問題として仮置き場周辺の復興に伴い、近隣の事業所の方や住民の方々から粉じん等に対する苦情が増加しております。そのため仮置き場内や搬入路への散水作業や仮置き場へのフェンス設置などの対策を講じ、近隣の方々への影響の軽減に努めております。 次に、2次処理の状況、県への委託量、委託額の変更についてでありますが、災害廃棄物の2次処理につきましては宮城県に事務委託しており、現在の施設の整備状況は破砕選別施設と焼却炉5基の全てが完成しており、今月下旬から本格的に稼働する予定と伺っております。県に処理を委託する数量につきましては、当初約581万トンと推計しておりましたが、1次仮置き場の搬入量の精査や被災家屋の解体数が当初の見込みより大幅に減少したことにより、また相当程度の災害廃棄物が海洋に流出したことなどの理由により、現在は約364万トンと見込んでおります。宮城県が鹿島JVに委託しております石巻ブロックの災害廃棄物処理業務の委託金額につきましては、当初の1,923億6,000万円から約441億円減額される予定と伺っております。その内訳といたしましては、災害廃棄物処理対象量の減少による減額分約640億円、敷地内災害廃棄物の移動、焼却灰の固化施設及び土壌残渣施設の設置等による増額分が約199億円となっております。 次に、処理費用の適正化についてでありますが、昨年11月に環境省から東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に係る契約の内容に関する指針が示され、補助の対象や処理事業の適切な実施について周知されております。本市におきましても、膨大な災害廃棄物が発生し、迅速な処理が求められる一方で、限られた人員での対応に迫られる状況でありましたが、今後とも環境省の指針に沿いながら適正な処理業務に当たってまいりたいと考えておりますので、御理解を賜りたいと存じます。
◆10番(水澤冨士江議員) では、再質問させていただきます。 災害廃棄物処理業務委託において、不適切な請求があったのではないかとする議会百条委員会の指摘がありました。この教訓を生かしていかなければなりません。大災害による混乱期における緊急業務の委託発注について、今後に生かすべく質問をさせていただきます。 改めてこの130社の完了報告書、提出書類のチェックは全部終わったのでしょうか。
◎須田昌義生活環境部長 平成23年度分ということですか。(10番水澤冨士江議員「今回問題、百条委員会で」と呼ぶ)
○議長(阿部和芳議員) 部長、聞くのもいいけれども、先に平成23年度分の百条委員会でやった分と言っているのだから、平成24年度分ではないでしょう。平成23年度分でお答えください。
◎須田昌義生活環境部長 平成23年度分については、今もやっているところでございます。チェックしているところでございます。
◆10番(水澤冨士江議員) まだ途中だということでよろしいですね。ぜひ大変な忙しい中であると思いますけれども、チェックをしていただきたいというふうに思います。 国民の税金で行っていることでありますから、少しでも低い金額でなされるようにしなければなりません。それで、スピード感が強く求められる業務、災害廃棄物の撤去、仮置き場への運搬387億円、解体撤去177億円、これは全て随意契約で行われました。ほか環境省の査定に提出された書類によれば、これは担当課からいただきました環境省に査定で出したもの、全部で95件、このうち1件だけコンサルタントですが、指名入札というのがありますが、それを除いて94件は全部随意契約です。その金額は800億円となっておりますが、これは間違いないでしょうか。
◎須田昌義生活環境部長 私の手元にその資料がないものですから、ちょっとお待ちいただきたいと思いますけれども。
○議長(阿部和芳議員) 今資料持ってくるというので、ちょっと待って。部長、資料来る前に、資料は担当課から議員に渡してあるのですから、先に自分のほうでも掌握するようにお願いします。
◎須田昌義生活環境部長 議員の指摘どおりでございます。申しわけございませんでした。
◆10番(水澤冨士江議員) これは、いわば瓦れきの関係だけでも復旧に要した金額800億円、これがほぼ全部随意契約だということでございます。こういうふうな場合、業者のモラルが問われるというふうに思うのです。例えば1次処理で瓦れきの分別が進んでいる東松島市では、業務委託を東松島市建設業協会加盟の業者のみに委託をしたそうです。その業者が分別を行ったと。石巻市の場合、委託した瓦れき処理ですが、130社のうち宮城県建設業協会石巻支部に加盟しているのは35社だったと。そのルールというのが徹底されなかったのではないかというふうに考えますが、部長、見解を伺います。
◎須田昌義生活環境部長 災害の連絡協議会というのが建設業協会の中でありますが、確かに加盟している方は市の全部の会社の方が加入しているというわけでない状態でしたので、今後につきましては災害に対する何か協力的なものを、パイプ的なものをつくっていかなければならないのかなというふうに思います。
◆10番(水澤冨士江議員) 番組の中で1トン当たりの単価が低かったという例で出された釜石市では、入札で業者を決めていたと。あの大変な中、入札できたのかというふうに考えますけれども、石巻市でも先ほど少し話題になりましたけれども、入札ということも含めて改善策を探っていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎須田昌義生活環境部長 平成24年度からは透明化、それから競争性を持たせるということによりまして、家屋の解体につきましては入札方式で業務を遂行しております。
◆10番(水澤冨士江議員) あと単価の上がる原因として考えられる一つとして、広域処理があります。スピード感ある処理のために全国にお願いしているものですが、北九州市など困難な中受け入れてくれる自治体があるわけです。その広域処理の自治体の数と数量について伺います。
◎須田昌義生活環境部長 先ほども申しましたとおり、石巻市の発生量で県のほうに処理を委託しておりますが、そのうちこれは5月末現在でございますが、県内外に広域処理をお願いしなければならない数字が144万トンございました。そのうち県外につきましては72万トン、それで県内につきましては61万トンというようなかなりの大きな数字でございました。 それで、今広域処理で受け入れていただいている市を申し上げますと、青森県八戸市の民間施設が、これは現在でなくて予定数量ということで言わせていただきますと、廃飼料で約2万トン。それから、茨城県古河市の民間施設でございますが、漁網等で1万トン。それから、東京都の民間施設で廃畳で約1万トン、可燃物が3万トン。これにつきましては、可燃物については一応平成24年8月まででございますので、そこからさらに延長して受け入れていただくというようなことも可能でございます。それから、茨城県笠間市におきまして可燃物が1万トン、それから不燃物につきましては3万トン。それで、北九州市の清掃工場でございますが、これが7万トン受け入れて今実施されているところでございます。それから、県内で可燃物ですが、受け入れていただいていますが、仙台市の仮設焼却炉で10万トン、それから亘理ブロックの仮設焼却炉で5万トン、それから岩沼の民間施設で木くず3万トン、色麻町の民間施設で同じく1万トンというような状況でございます。なお、残りについては今宮城県のほうで協議、交渉中というふうに伺っております。
◆10番(水澤冨士江議員) 全国の協力をいただいているということで、大変ありがたいことだなというふうに思います。 この廃棄物処理、市の委託業務でありながら、現場で周りに迷惑をかけている業者があります。これは、先ほど言った建設業協会に加盟していないといった例に当たったわけなのですけれども、アスベストですとか飛灰、仮囲いなど十分な指導、教育をしていくべきだというふうに考えますが、改めていかがでしょうか。
◎須田昌義生活環境部長 その業者のほうを集めて一応研修会等をしておりますが、今後につきましてもなお一層研修会等を開催しまして、事故の防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
◆10番(水澤冨士江議員) 最後になりますけれども、NHKで放映されました処理費用の比較の確認であります。 先ほども出ました。大変7倍というのはショッキングな内容でございます。きちんと私も東松島市の担当の方からお話を伺いました。先ほど議論になりましたように、東松島市では津波堆積物が入っています。これと石巻市のそれが入っていない数字が比較されたわけですから、こういうことについて市といたしましてもきちんと調査、またはNHKに抗議といいましょうか、こういうことをやっているのかどうか伺います。
◎須田昌義生活環境部長 この算出根拠につきましてはNHKのほうに確認しまして、算出した根拠につきましては確認したところでございます。
○議長(
阿部和芳議員) いや、部長、今確認したところではなくて、抗議したかとかということだったので、それに答えてください。
◎須田昌義生活環境部長 NHKのほうにはまだ抗議はしておりません。環境省と、それから県のほうに数字の再確認を今お願いしているところでございます。
◆10番(水澤冨士江議員) 東松島市も石巻市もNHKで報道されたような数字はどこを見てもぴったり合う数字はないのですよね。だから、その根拠をぜひ示していただきたいということと、全国的に与える影響は大きいものです。本当に先ほど来義援金が届かないというような話もありますけれども、こういった報道をなされますと、せっかく職員の方だって大変な中頑張っていらっしゃるわけですから、こういうことはきちんとやはり物を言っていくべきだというふうに思います。 それで、総務部長、お伺いいたしますけれども、復興予算が真に被災者のために使われるよう、被災地は大変注目をされています。今後緊急時の発注のあり方について、先ほど申し上げました生活環境部のほうだけでも800億円、これが随意契約だというふうになっています。災害廃棄物のみならず、全庁で建設部等々もどのようになっているのか、今後また震災があるかもしれませんし、全国的にも石巻市はそのモデルとなるというふうに思います。発注の方式について全庁で検討していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
◎柳田正人総務部長 現在入札制度検討委員会というのが庁内に組織ございまして、担当部長も含めての検討の中で、これまではどうしても施工確保対策ということで、事業を進めようということで、どのような制度をということで、これまでも何回か制度改正も含めてやっておりました。今議員から御提言のありました緊急時の発注の手法等についての検討、研究というのは実際のところまだ行っていないところが正直なところでございますので、どのような進め方があるのか等々も含めて、事務方が管財課でございますので、管財課のほうとちょっと打ち合わせといいますか、考え方のすり合わせをさせていただいた中でどのように進められるものかどうかも含めて、私のほうでちょっと扱っていきたいというふうに考えております。
◆10番(水澤冨士江議員) 本当に国民の税金から出る予算でございますので、それが有効に使われるようにというふうに考えます。 最後に、市長の見解をお伺いして終わります。
◎亀山紘市長 今回の災害廃棄物の件に関しては、やはり緊急時における発注の仕方をしっかり考えて進めていかないと、今回のように疑念を持たれるということがありますので、やはり今後に教訓を残すためにも発注方式について、あるいはそのほかの点について検討させていただきたいと思っております。
○議長(
阿部和芳議員) 以上で10番水澤冨士江議員の質問を終わります。
△延会
○議長(
阿部和芳議員) この際、お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
阿部和芳議員) 御異議なしと認め、さよう決しました。明日本会議を再開いたします。本日はこれにて延会いたします。 午後5時00分延会...