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平成30年第4回定例会(第4日目) 本文 2018-12-14
平成30年第4回定例会(第4日目) 名簿 2018-12-14

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  1. 仙台市議会 2018-12-14
    平成30年第4回定例会(第4日目) 本文 2018-12-14


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(斎藤範夫)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第四号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(斎藤範夫)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十七条第一項の規定により、菊地崇良さん及び渡辺敬信さんを指名します。          ────────○────────     日程第二 一般質問 3: ◯議長(斎藤範夫)日程第二 一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  まず、高橋卓誠さんに発言を許します。     〔七番 高橋卓誠登壇〕(拍手) 4: ◯七番(高橋卓誠)自由民主党の高橋卓誠でございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  初めに、今週十二月十日から十六日まで、北朝鮮人権侵害問題啓発週間であります。本市においても、重大な人権問題である北朝鮮に拉致された日本人を救出するための啓発活動が行われており、市役所一階ギャラリーホールにおけるパネル展示のほか、本庁舎東側の懸垂幕、地下鉄全線、全車両への啓発シール貼付など、本市の取り組みを高く評価いたします。  ある日突然、無理やり家族から引き離され、連れ去られ、苦しみに暮れる被害者と家族を絶対に忘れてはならず、本市議会ほとんどの議員から成る議員連盟一同、改めて決意をともにするものであります。平成も終わろうとしています。この問題を平成のうちに解決できるように、議連の皆様におかれましては、一丸となって奮励努力してまいりましょう。  それでは、一般質問に入らせていただきます。  通告のとおり、旧さくら野について、子育て環境について保育園事情に特化して、大綱二点、順次伺います。  昨日の代表質疑にも取り上げられましたが、東北の玄関口であり仙台駅前の顔である、これからの仙台にとって重要な拠点である旧さくら野について伺います。  第二回定例会で質問をさせていただきましたが、六月議会以降の本市の対応を伺います。昨日の答弁では、平成二十九年二月に閉店してから今日まで、地権者や建物所有者の間での問題が解決しないと進まない、と聞いていますが、だからといって今日まで変わらないこの状況を市民にどのように説明しているのでしょうか、伺います。
     結局何も進捗が見られないこの現状に、市民から落胆の声が寄せられています。都市整備局は地権者や建物所有者の代理人から情報収集をしているそうですが、果たしてそのような待ちの状態でよろしいのでしょうか。当事者全員と会って、それぞれの状況や気持ちを聴取し、解決策をともに探るべきではないでしょうか。  何よりも、交流人口拡大を目指している本市にとって、旧さくら野の問題は一刻の猶予もありません。早期解決のためには、このまま都市整備局だけの対応でよいとは到底思えません。市長、二役も含めた全庁的な取り組みを求めるものですが、都市整備局を所管する高橋副市長に御所見を伺います。  子育て環境について伺います。  平成三十年度、郡市長による施政方針では、平成三十二年度末までに本市における待機児童解消を目指し、私立保育園等の整備など保育基盤の強化に取り組むとあります。本年四月時点で待機児童数は百三十八名、振り返ればピーク時の平成二十一年の六百二十人から十年間で、多少増減があったものの改善傾向であり、奥山市長のころから待機児童解消施策は継続している取り組みで、郡市長御本人の将来的なビジョンが見えないとの声もありますので、市長の待機児童解消に対するお考えを伺います。  待機児童解消には、全国で約六万人いると言われている隠れ待機児童などの課題も解決しなければなりません。本年度の保育の受け皿としての整備数は何件あり、来年度の待機児童は何人解消される見込みであるのか伺います。  待機児童解消は、子育て世代全てと、特に、働きたいと思う女性の切実な願いであると思いますし、早期に解決しなければならない問題でありますが、保護者や保育施設経営者の実態では多くの課題が山積しています。そこで数点伺います。  まず初めに、利用者の観点から伺います。  本市の認可保育施設を利用する際、各区区役所家庭健康課などに申し込み、支給認定を受ける必要があります。また、それぞれの御家庭の事情に合わせた保育の必要性、必要量を指数化し、その指数により入所が決まるわけであります。指数によって振り分けられる、いわゆる利用調整は区役所内で行われていますが、その基準はどのようなものなのか伺います。  例えば夫婦共働きで、近所に両親も住んでいるが両親も現役で共働きであるため、子供はどうしても保育園に預けたいという世帯もあるし、母子父子家庭で生活保護を受けていて、近くに身寄りもいない、仕事をしたいので保育園に預けたいという世帯もあり、状況は世帯によりさまざまです。それぞれの実情を指数化し、点数で希望の施設に入所する流れになっているものの、本当に適材適所に振り分けられているのでしょうか。  よく、なぜ近所の保育園に通えず、遠くまで通わなければならないのかというお声や、なぜ子供が生まれる前に申し込みができないのかという不満の声を聞きます。産休明けにすぐにでも仕事に復帰したいと希望している人にとっては、全く希望が持てない仕組みです。頑張ろうとしている人が救われない仕組みです。そのようなお声が多々ある中で、利用調整は現行の方法で最善な制度と認識されているのでしょうか、伺います。また、こういったお声に対しどのように対応しているのか、子供未来局長に伺います。  さらに、兄弟で同じ保育園に通えていない方が散見されます。住所や兄弟の有無の位置づけは、利用調整の中でどのような扱いになるのか伺います。ある御家庭では、兄弟が別々の保育園に通っています。夕方六時までに一つ目の保育園に迎えに行き、二つ目に到着するころには六時を過ぎてしまうので延長保育となり、余計な支出が発生してしまっています。さらに、運動会などのイベントが同日に重なってしまうことも多く、上の子の保育園にお父さん、下の子にはお母さんが参加するという状態であります。この実態に対し、どのように感じるでしょうか。私は、このような状態で本当に子育て環境として最適と言えるのか、甚だ疑問と言わざるを得ません。  今回指摘させていただいている問題は、子育て支援策として基本的な課題であり、認定に必要な指数を保護者の実情に合わせたものに早急に見直すべきであると要望いたします。また、そのために需要や実態の調査を行うべきと考えますが、御所見を伺います。  次に、保育施設経営側に沿った質問です。  新規保育事業の整備方法について伺います。保育所等整備事業者募集要項では、立地に当たっての条件で、既存の保育所、認定こども園が近接していないこととありますが、本年新設された保育園の中に、既存の保育園から徒歩二分圏内に整備されている事例と、またさらに近隣に新たな整備計画があるとの情報がありますが、本市が考える近接の定義を伺います。  場合によっては、待機児童解消の数字だけを追いかけているのではないかと思われても仕方ありません。その地域で本当に需要があるのか、どのような根拠で調査をしているのか、また、そのデータはどこで公開しているのか伺います。  次に、保育施設の老朽化について伺います。  本市内には、設置から四十年余、最後の改修から三十年余といった、長きにわたり仙台市の子供たちの育成、子育て環境の充実に寄与されてこられた団体も少なくありません。既存の保育施設の老朽化は顕著であり、改修が必要な施設もこれからふえていく一方です。もし待機児童解消の施策が順調に進んでも、既設の保育施設が、改修や新築工事ができず、お手上げ状態で廃業に追い込まれたら、保育の受け皿の整備が進まず、待機児童問題は一向に解決できません。このような施設の老朽化の問題に対し、どのように考えておられるのか伺います。  そういった団体の経営状態の実態を見ると、大改修や新設工事ができるような体力はありません。待機児童ゼロを目指す本市として、老朽化に苦慮している団体に対して補助や支援策が必要と考えますが、市長の所見を伺います。  次に、外国人対応について伺います。  本市には東北大学の留学生を初めアジア圏の外国人が多く暮らしておりますが、その方々の子供たちも保育園に通っております。毎年、子供未来局では、どこの国の方が何人保育施設へ入所されたのか調査をしていますが、外国人利用者へのフォローはどのようにされているのでしょうか。通訳が必要など、さまざまな対応が考えられます。  また、これは保育施設側にもフォローは必要であります。ある保育園ではネパール人の子供を預かっていますが、お母さんが全く日本語をしゃべることができず、大変困ったことがあったそうです。たまたま関係者の知り合いに翻訳ができる方がいらしたということで、県外に住むその方に保育園からの連絡などを毎回ファクスでやりとりをしながら翻訳してもらい、お母さんに渡していたそうです。なかなかの御苦労です。  同じようにお困りの保育施設はほかにもあると思います。本市には、仙台観光国際協会がつくった保育所での会話集がありますが、保育施設関係者には全く知られていません。また、外国人の子供が通う保育施設にはその該当国の会話集を当該施設に案内するなどのフォローがあれば、保育施設も助かりますし、何より保護者も安心して子供を預けることができ、お互い毎日が生活しやすくなります。  グローバル化が進み、本市で生活する子育て世帯は一時的に増加することが予想され、子育てしやすい社会環境を整えるためにも御検討いただきたいと考えますが、御所見を伺います。  最後に、来年十月から開始される保育無料化について伺います。  保育現場では、来年度の入園説明会も来年二月に迫り、無償化によってさまざまな変化に対応しなければならないが、いつごろ概要が正式に決まるのでしょうか、説明会前に知りたいし、保護者と共有したいというお声をいただきました。また、無償化施策の概要は国で議論中ということもありますが、事業者は少しでも情報が欲しいとお困りの状態でありますので、現在までの中間報告など、丁寧に対応していただきたいと考えますが、御所見を伺います。  現在、国によると、食材料費は主食費が月三千円、副食費が月四千五百円とされており、保育園に通う三歳から五歳児の場合は、主食費は実費で副食費は保育料に含まれていますが、無償化により副食費についても実費徴収されるという方針が出ています。特に食物アレルギー対応食は高額であるため、実際対応経験のある保育園に伺うと、小麦粉、卵、乳製品のアレルギーに対応した副食費は約一万円かかるということを聞きます。  無償化によりさまざまな課題が新たに増加するのは明白であり、事前に準備や対応を検討し、本市の地域性を分析するために、保護者や事業者のニーズをしっかりと聴取しながら、足りない部分は本市独自の施策で補うなど、変化の激しい子育て環境にしっかりと対応し、未来を担う子供たちを社会全体で見守れるように当局には努めていただきたいと考えますが、最後に御所見を伺い、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯市長(郡和子)ただいまの高橋卓誠議員の御質問にお答えを申し上げます。  待機児童解消に対する私の考えについてお尋ねがございました。  お子さんを保育施設に預けたいのだけれども、預ける場所がなくて仕事に復帰できない、そうした切実なお声に対しまして、仙台市として少しでも早くお応えしてまいりたいと思っております。待機児童の解消は、仕事と育児の両立支援、あるいは女性の活躍推進といった点におきましても、大変重要な課題であると認識をしているところでございます。  本市では、平成二十七年に定めました保育所等整備計画に基づきまして、保育基盤の整備を積極的に進めてまいりましたが、待機児童解消には至らず、私といたしましても、さらに取り組みを強める、その必要があると受けとめたところでございます。  そのため、本年三月に計画の見直しを行いまして、今後三年間で二千三百人の定員拡充を図ることにいたしました。また、今年度から若手保育士等に対する本市独自の補助を開始するなど、保育人材の確保のための取り組みも進めているところでございます。  今後とも、多様な保育基盤の整備に努めるとともに、保育人材の確保も図りながら、二〇二〇年度末には待機児童が解消できるように、鋭意取り組んでまいりたいと存じます。  そのほかの御質問につきましては、高橋副市長並びに関係局長から御答弁を申し上げます。  私からは以上でございます。 6: ◯副市長(高橋新悦)私のほうからは、旧さくら野百貨店への全庁的な取り組みについてお答えいたします。  旧さくら野百貨店が閉店し空き店舗となっていることにつきましては、私を初め市長もそうなのですが、この状況が長期化することは、にぎわいや魅力の喪失による影響、あるいは衛生面での影響などが出るものと認識しております。市民の方からの不安の声、あるいは仙台のまちを訪れた企業の方々からも、御心配の声などもお聞きしているところでございます。  仙台駅前にあるこの地区につきましては、仙台を印象づける重要な場所であり、新たな土地利用が展開されるために再整備が必要な地区と捉えております。  現在の状況といたしましては、地権者の代理人より、まずは地権者間で権利関係の調整を進めたいと伺っており、地権者の方々との話し合いを持つことは本市としては行っておりませんでした。しかしながら、代理人の方に対しましては、地権者の方々から再整備に向けた情報提供や助言等の要請をいただいた際には、積極的に対応する旨をお伝えしております。  引き続き、東北の玄関口にふさわしい都市空間を形成し、にぎわいの創出が図られるよう、時期を逸することなく、全庁挙げて事業化の支援に取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。 7: ◯子供未来局長(岡崎宇紹)私からは、子育て環境に関する御質問のうち、市長からお答えのありましたもの以外の質問にお答えいたします。  まず、本年度の保育施設等の整備数及び来年度の待機児童解消見込みについてでございます。  平成三十年度においては、十七カ所の保育施設等の整備を行い、約五百人分の定員拡充を予定しております。また、待機児童解消見込みについてでございますが、来年四月からの利用申し込みについて、現在、第一次の申し込み受け付けを終了し、調整作業を進めているところです。今後、保育施設ごと利用調整を行い、入所児童を決定してまいりますことから、現時点において待機児童の見込み数を算出することは困難でございますが、きめ細かな利用調整などにより、入所を希望する児童を一人でも多く受け入れられるよう、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  次に、保育施設等利用調整の基準についてでございます。  入所決定に向けた調整におきましては、保護者の就労や疾病、看護、介護等、保育を必要とする状況を、その頻度や時間等に応じて指数化した数値を基準としております。さらに、家庭の経済状況や保育の支援の状況等に応じて加算、減算を行い、算定した指数を用いて優先順位を判断し、入所を希望する施設ごとに、指数の高い児童から順番に入所の可否を決定しております。  次に、保育施設等利用決定方法に関する御質問についてです。  現行の指数による利用決定方法は、多くの利用希望者がいる状況のもとで、選考内容の客観性と透明性を確保するため有効な方法であると認識しております。個々の指数については、これまでも利用者等の実態を踏まえて必要に応じて見直しを行ってきたところであり、現在、住所地による加点はございませんが、兄弟が同時に申し込みをした場合には指数を加点しております。指数により保育の必要性に関して調整を行っているところですが、保育需要が集中する地域においては、多くの方が施設の利用を希望されるため、なかなか御希望に沿えない場合もございます。  区役所等の窓口での相談や利用申し込みの状況から家庭の実情等が一定程度把握できますことから、改めて実態調査を行う予定はございませんが、まずは待機児童の解消に向けて保育基盤の整備を計画的に進めてまいりますとともに、利用決定方法に用いる個々の指数についても、今後とも必要に応じて見直しを行ってまいりたいと考えております。  次に、保育所及び認定こども園の設置に当たっての近接の定義についてでございます。  近接に関しては、厳密な定義ではございませんが、隣接あるいはそれに準じるような状況を想定しております。なお、保育所等の整備に当たり最も重要な要素は当該地域における保育需要でございますので、需要が多い地域については、複数の保育所等が設置されている例がございます。  次に、保育需要の根拠とデータの公開についてでございます。  地域の保育需要については、公開されている町名ごとの年齢別データから算出した就学前児童数を基本に、待機児童数の推移、既存の保育所等の配置状況のほか、都市開発等による将来的な人口増加なども加味し、保育需要を予測しております。毎年度の事業者公募に当たっては、この予測に基づき、新たに創設する必要がある地区を優先整備地区としております。なお、その予測に用いた指標は多岐にわたりますことから、事業者の方々には、御応募いただく際などに適宜説明いたしております。  次に、老朽化施設への対応と助成や援助についてでございます。  民間保育所は、これまで児童福祉の向上と近年の保育需要増大への対応に大きな役割を果たされてきたものと認識しております。民間保育所の中には老朽化が進んでいる施設があることは承知しており、これまでも定員増に際して施設の改修を支援してきた例がございます。  今後も、将来的な保育需要等を勘案した上で、子供たちにとってよりよい保育環境を確保する観点から、方策について検討してまいりたいと存じます。  次に、保育施設を利用する外国人への対応についてでございます。  本市におきましては、保育施設入所申し込みを受け付ける際に、国籍や保護者の通訳の要否等を確認しており、各施設では、そうした情報をもとに、必要に応じて通訳ボランティアや翻訳機等を活用しながら意思疎通を図っております。また、本市から各施設に対しましては、保育所での会話集に関する情報提供や、国際センター内の通訳サポート電話の紹介などを行ってまいりました。  市内の施設数も増加を続けておりますので、改めて保育所での会話集に関する情報提供を行うなど、外国籍の子供や保護者が安心して保育施設を利用することができるように、継続的に取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、幼児教育・保育の無償化に関する御質問にお答えいたします。  無償化に関する情報については、現在、国から示されている内容を本市のホームページに掲載し、事業者や保護者に向けて提供しているほか、事業者の皆様には、状況についてお知らせする機会を設けたところでございます。今後とも、提供できる新しい情報が入り次第、適切に発信してまいりたいと考えております。  また、無償化の実施に関しましては、御指摘の食材料費の取り扱いのほか、新たな認定の仕組みや認可外保育施設への対応など、制度の詳細についていまだ不明なところもございます。本市といたしましては、事業者の皆様からの御意見等も伺いながら、対応を検討するとともに、必要に応じて国に働きかけてまいりたいと存じます。  今後も、幼児教育、保育の質の確保、向上に向け、鋭意取り組んでまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 8: ◯都市整備局長(小野浩一)私からは、旧さくら野百貨店に係る御質問のうち、高橋副市長がお答えした以外の、本市の対応と市民への説明に関するお尋ねにお答えいたします。  本市では、これまで地権者の代理人などから、逐次、権利関係の調整などの状況について情報収集を行ってきたところでございます。しかしながら、この権利者間の調整は、権利関係が複雑なこともありまして時間を要していると伺っております。  また、市民への説明につきましては、今後の動向について多くの市民の方々が関心を寄せていることは認識しているところでございますが、現在、地権者間で行われております権利関係の調整内容につきましては、個々の権利に関する情報に当たるものと、そのように認識しております。  この地区は仙台駅前の重要な場所でありますことから、本市といたしましては、引き続き情報収集に努めるとともに、必要な情報提供や助言を行うなど、早期の再整備に向け取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 9: ◯七番(高橋卓誠)再質問させていただきます。  まず、さくら野跡地についてですけれども、副市長からも都市整備局長からも同じようなお答えだったんですが、要はもう完全に待ちの状態であるということですね。土地の権利者同士の調整に時間を要していると。これ、いつまでやるんですかね。正直、ずっとこれ待っている状態で、全く進むような動きが見えない、全く見えないとお声が強く、たくさんのお声をいただいています。  副市長にもう一度お尋ねしますけれども、これは人任せでやっている場合じゃないと。要請があったら出るということですが、もう少し違った形で、本市として、やっぱり重要な土地でありますから、もう少しかかわっていくような決意が見えないということで、もう一度御答弁いただきたいと思います。  また、子供未来局のほうですけれども、利用調整が有効だということで自信を持ってお話ししていましたが、自信があって、ちゃんとしたものなら、ここまでいろんなお声は聞こえてこないわけでありまして、特に現状をきちんと把握していないということが、特に待機児童を解消しようとしているのか、本気なのかなということが本当にわからないんですけれども。じゃあ、逆に、兄弟でばらばらの保育所に通っている世帯、何世帯あるんですか。それを調べていないとは思うんですけれども、それを調べていない時点でもう本気で待機児童を解消しようとしているように見えない。もう一度その辺を、利用調整についてお答えいただきたい。  あと、老朽化についてであります。老朽化について補助を出した例があったということでしたが、個々で誰が判断して、どういう条件でやられたんでしょうか。公平公正じゃないと思うんですね。だから、制度をきちんとつくるべきだということで申し上げておりますので、もう一度答弁をお願いします。 10: ◯副市長(高橋新悦)積極的なかかわりという話なんですが、この地区に関しましては、仙台市民、皆様方なじみのある場所で、あの状態が決していいとは誰も思っていないとは私も思っています。ですから、できるだけ早い時期に何らかの形で、せめて建物がなくなるとか、そういうことが発生すれば一番よろしいんですが、何分あそこの場所に関しましては権利者が複数いる。それも土地と建物をお持ちになっている、あるいは借りている方々おられて、これを整理するのはやはりそう簡単にはいかないというのが実態でございます。  当然、私どもの関与の仕方というのはすごく難しい部分がありまして、話がまとまればすぐ進めるようには準備はしているところでございますが、各権利者の間に入って手を入れていくということはかなり難しい場面もございますので、現在のところは、代理人の方からお話を伺いながら進めようというスタンスでございます。  確かに高橋議員言うように、私ももっと一歩踏み出したい気持ちはありますが、これだけは地権者の方々がまとまらない限り、開発は建物だけで済まないので、そういうことを含めて取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。 11: ◯子供未来局長(岡崎宇紹)まず、利用調整についてでございますけれども、兄弟について、残念ながら実数は持ち合わせておりませんが、兄弟一緒で入っているところのほうが、もちろん兄弟別々のところよりも二倍相当以上多いというように伺ってございます。  ただ、本来、確かに兄弟一緒の園に通うというのが望ましい状態だとは思いますけれども、現在、先ほどもお話し申し上げたとおり、一部の地区については大変需要が多いということで、幾つかの施設についてかなり希望数が多いという状況がございます。ここにやはり客観的な指標を用いて、今回の指数ということですが、これによって公平に選ぶということもある意味必要でございますので、この結果については大変残念なところもございますけれども、これについては少しずついろいろな面で改良を加えながら取り組んでいきたいというふうに考えてございます。  次に、老朽化の関係の問題でございます。先ほど、補助といいますか、出した例があるというのは、現在、待機児童解消ということで、やはり定員増、受け入れ増というのを市として強く進めているわけでございますが、この中で、老朽化の改築とともに定員増を図ったところにつきましては、その定員増に見合う分について助成を行ったという例があるということでございまして、これは別に特定の施設を優遇したということではなくて、御相談をした上で判断して行ったということでございます。 12: ◯七番(高橋卓誠利用調整のほうなんですけれども、その兄弟の件で、ばらばらに通っているという世帯数、これね、持ち合わせていないんじゃなくて調べていないんですよ。本当、調べていないのにこんな、もう本当にその分析というかね、いろいろやっていないということ自体が僕はおかしいと思っています。これはちょっと意見として言わせていただきます。  質問したいのは老朽化のほうなんですけれども、定員増を図った事業者に対して助成をしているということでしたけれども、正直、既設のところで定員増を図れるような、その土地柄、できるところとできないところがあると思うんです。できないところに関して、じゃあどうすればいいのかと。そういう意味で公平公正にやるためにもその助成をいろいろ考えたほうがいいということでお伝えしています。もう一度お願いします。 13: ◯子供未来局長(岡崎宇紹)老朽化施設への対応についての再度の御質問でございますが、こちら、こういった老朽化施設については、定員増を図るというのが今のところ最も喫緊の課題だということで、こちらに対して補助をいろいろな形で行って定員増を行っているということでございますが、その定員数がふやせない施設についてどうするかということでございますけれども、こちらにつきましては、現在のところ、直接補助を積極的に行うというようなところの整理は特にございません。  ただ、例えば認定こども園への移行とか、そういった形でいろいろなところで補助等を行って支援しておりまして、こういったことの施設の改修というのは非常に大切なこととは考えておりますので、その時々のいろいろな市の方針、こういった施設に関する整備方針、こういったものに合致した場合には行っていくということもあり得ると思いますが、現時点ではそういった整理はされていないというところでございます。 14: ◯議長(斎藤範夫)次に、佐々木真由美さんに発言を許します。     〔十七番 佐々木真由美登壇〕(拍手) 15: ◯十七番(佐々木真由美)公明党仙台市議団の佐々木真由美です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問させていただきます。  国連が二〇三〇年の達成を目指し二〇一六年一月からスタートさせた持続可能な開発目標SDGsでは、貧困をなくそう、飢餓をゼロに、すべての人に健康と福祉を、エネルギーをみんなにそしてクリーンに、住み続けられるまちづくりを、など、十七の目標が掲げられています。目標達成には、全ての国や企業、NGO、NPO、国際機関、そして一人一人の主体的な参加が求められています。  公明党は、SDGsの意識を踏まえ、国内で地域振興や人権、環境など多彩な分野で活動するNGOといち早く連携し、また、政府には司令塔をつくって取り組むよう求め、内閣府の推進本部設置につなげ、それを受け、日本政府もSDGs達成のために二〇一六年には推進本部を設置、すぐれた団体を表彰するジャパンSDGsアワードを設け、第一回は循環型の森林経営に取り組んでいる北海道下川町が総理大臣賞を受賞しました。また、特別賞には吉本興業が選ばれて、広範なSDGsの啓発活動に取り組んでおります。教育機関では、東京都江東区の八名川小学校が以前よりESD教育、持続可能な社会づくりの担い手を育む教育に力を入れており、SDGsパートナーシップ賞を受賞しました。  本市にあっても、誰一人取り残さない持続可能な社会の実現に向けて果たす自治体として、行政の役割は大きいと思います。初めに、本市として積極的にSDGsに取り組む姿勢を示すことが市民の皆様への啓発につながるものと考えますが、市長の御所見をお伺いいたします。  本年十月にユニセフ、外務省、文部科学省が制作したSDGsに関する中学三年生対象の副教材「私たちがつくる持続可能な世界~SDGsをナビにして~」が完成しました。私もダウンロードし拝見しましたが、十七の目標の説明、一人一人が何を優先するか、行動計画や目指すべき目標に導く内容となっております。二〇三〇年、まさに今回学ぶ生徒の皆さんが社会の第一線で活躍する時代です。副教材の本市の取り組み状況についてお伺いいたします。  次に、防災対策について二点お伺いいたします。  台風などの災害が迫っているとき、まだ被害に遭っていないのに自宅を出て避難するという決断には、大きな覚悟が必要です。政府の中央防災会議の作業部会は、現在、水害や土砂災害に際し、住民が迅速な避難行動をとるために必要な対策について検討を進めております。  西日本豪雨では、気象の変化や避難の必要性に関するさまざまな情報が自治体などから発信されていましたが、必ずしも避難行動につながらず、甚大な被害をもたらしました。  作業部会が先月二十七日に発表した報告書の素案には、とるべき対策の方向性とその理由が示されております。具体的には、ハザードマップに対する理解が不十分であり、災害リスクに対する認識を深める必要がある、また、特別警報などの気象情報や避難勧告、指示に対する住民の受けとめ方にばらつきがあり、わかりやすい情報提供に努めるべきとあります。経験や、自分は大丈夫という思い込みで判断することの危うさをどう理解してもらうのか、この点について、報告書素案では、避難行動の原則を個人単位で確認することが重要としております。  公明党が訴えているマイ・タイムラインは、災害に備えて避難するまでの取り組みを時系列にまとめておくもので、作成作業を通じて避難意識を高める効果が期待できます。質問の一点目として、マイ・タイムラインを本市としても導入し、普及すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  厚生労働省は、乳児用液体ミルクの製造販売を可能にする規格基準を定めた改正省令を施行しました。国内にはこれまで安全性を担保する基準がありませんでしたが、江崎グリコは、液体ミルクの開発、製品化に成功、先月十九日には災害時の救援物資として備蓄する取り組みについて会見を行い、同二十九日には紙パック入りの液体ミルクを二〇一九年春に販売すると発表しました。  液体ミルクは常温で保存でき、容器に吸い口を装着すればすぐに飲めます。粉ミルクのようにお湯で溶かしたり、哺乳瓶の洗浄や消毒をする必要がなく、夜中や外出時も授乳が格段に容易になり、親にとっても祖父母にとっても朗報であります。清潔な水や燃料の確保が難しい災害時に、赤ちゃんの命をつなぐ栄養源となる乳児用液体ミルクは貴重であります。実際、東日本大震災や熊本地震では、フィンランド製品が救援物資として被災者に届けられました。  ただ、懸念材料として、液体ミルクは粉ミルクに比べ割高で、海外では二、三倍の価格差があり、国内でも粉ミルクの倍以上になると想定され、少子化が進む中でメーカーの採算がとれるのかとの課題も指摘されております。だからこそ自治体が災害備蓄として進める意義は大きく、一定の市場規模の確保や価格の抑制にもつながると言われております。質問の二点目に、災害時の備蓄品に国産の液体ミルクを早急に加えるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
     次に、フレイル予防の取り組みについて二点お伺いいたします。  フレイルとは日本老年医学会が提唱した概念で、加齢に伴うさまざまな機能変化や予備能力の低下によって健康障害に対する脆弱性が増加した状態と定義され、英語で脆弱を意味するフレイルティーからつくられた言葉で、要介護になる一歩手前、健康な状態と要介護の間の状態として、近年知られるようになりました。高齢化が進む中で、フレイルという心身の活力が低下した状態は、加齢とともに誰でも起こり得るもので、国内に推定四百五十万人いるとも言われております。  予防や健康長寿のための三つの柱は、栄養と身体活動と社会参加です。アメリカの研究結果では、長生きに影響が大きいのは運動ではなく人とのつながりと発表されました。社会とのつながりを失うことが、フレイルの最初の入り口です。こうした予防的観点に着目した取り組みは、今後の超高齢化社会において、健康寿命の延伸、医療費の抑制、そして地域コミュニティーの維持拡大につながるものとして重要であると考えます。質問の一点目に、フレイル予防について、本市としての御認識、どのように位置づけられているのかお伺いいたします。  高齢者のみならず、幅広い世代にフレイル予防の大切さを周知していくことも大事だと思います。自治体の多くは、介護予防事業として筋力トレーニングに重点を置いた運動教室を実施しております。しかし、運動習慣のない人が定期的に通い続けることはハードルが高く、長く続きません。まずは自身の心身の状態に気づいてもらい、自発的に健康づくりを促す手段として考案されたのがフレイルチェックです。これまで、神戸市、静岡市の政令市など約二十の自治体が導入しております。質問の二点目に、介護予防の大切さを広めていく上で、フレイル予防の取り組みは重要と考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、観光振興の取り組みについて三点伺います。  二十八回目となる二〇一八仙台の夕べが、十一月二十九日、東京のホテルニューオータニで開催されました。仙台の夕べは、平成元年の政令指定都市移行を契機に、首都圏でお世話になっている方々を招待し仙台の観光を盛り上げるなど、シティーセールスの一環として、仙台商工会議所と共催で開催しております。首都圏の企業、団体等の代表者、国会議員、外国機関や官公庁など、多くの方が参加しております。  ここ数年の出席者数は、本年が招待者七百四十八名、平成二十九年度は六百九十三名、平成二十八年度は六百八十七名、開催に要する費用は約一千七百万円と、参加者も費用も毎年大きな差異はありません。質問の一点目に、市長は二〇一八仙台の夕べについてどのように総括されたのかお伺いいたします。  私も毎年参加しておりますが、企業誘致に向けた窓口として、特に本年は、次世代放射光施設が青葉山に整備されることが決定し、東北大学総長によるセミナー、また、本市の展示ブースでも紹介があり、注目度、地域経済への効果の高さがうかがえました。一方、防災環境都市・仙台の展示がありましたが、二〇一九年開催の第二回世界防災フォーラムを含め、もっと強く発信してもいいのではと感じたところです。質問の二点目に、本市ホームページで、仙台の夕べは観光振興初めシティーセールスの一環とうたっております。私もそうだと思いますが、改めて開催する目的についてお聞かせください。これまで開催してきた仙台の夕べは、本市シティーセールスにおいてどのような場として活用してこられたのか、また、今後も同様のスタイルで継続するのか、あわせて伺います。  これまで二十八回開催したことによる仙台の夕べのシティーセールス効果は、一定程度あったと評価するところです。そこで、例えば、仙台の夕べを福島、山形と三市共催にするという考えはいかがでしょうか。会場の問題等もあり難しいと思いますが、発想の転換も必要です。  十一月十六日、福島市で仙台、山形、福島三市議会でつくる広域観光連携推進協議会の研修があり、秋田出身で本年五月から福島市観光コンベンション協会事務局長を務める高崎経済大学特命准教授の吉田秀政氏が基調講演をしました。インバウンドを含めて観光誘客が全国に比べ大きくおくれをとっている東北の現状を打破する一つとして、三市が点の連携から面の連携へ広げ、そして他者を生かして初めて自分も生きる、三市がウイン・ウインの関係を構築すべきと話されました。人の流れ、お金の流れなどの詳細なデータをもとにした講演は説得力があり、大いに共感するところがありました。  そこで、大きく発想を広げ、三市を点から面による連携を推進し、互いにウイン・ウインの関係を築くことは、三市ともにプラスこそあれ、マイナスはないと思われますし、福島、山形両市には本市にない観光資源がありますし、人脈も大きく広がります。  最後に、東北のトップランナーを自認する本市が牽引役になり、インバウンドを含む観光客の増加につながるよう、仙台、山形、福島三市の面の連携による新たな観光振興の取り組みを推進すべきと考えますが、御所見をお伺いし、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 16: ◯市長(郡和子)ただいまの佐々木真由美議員の御質問に御答弁申し上げます。  SDGsに関する御質問についてお答えを申し上げます。  二〇一五年に国連で開かれたサミットで採択された国際目標であるSDGs、持続可能な開発目標、これは環境のみならず防災、教育、福祉など幅広い分野にわたる内容でございまして、この基本的な考え方は、本市の防災環境都市の推進や機能集約型都市づくり、子育て支援、地域活性化など、各般の施策に通じるものだと、このように認識をしております。  その実現に当たりましては、行政はもとより、企業や市民団体など多様な主体との連携した取り組みが不可欠となります。現在、国や地方自治体、企業などでこのSDGsに向けた取り組みが広がりつつございまして、本市におきましても、市民お一人お一人の主体的な取り組みを推進することが重要になるものと、このように考えております。  今後ともSDGsの理念を踏まえながら、杜の都の都市環境を生かした持続可能なまちづくりを、市民の皆様方とともに進めてまいる考えでございます。  それから、仙台の夕べについてお答えを申し上げます。  ことしの仙台の夕べも、首都圏の企業の皆様方や団体のトップの方々など、大変多くの方々にお越しをいただきまして、議員の皆様方とともにおもてなしをすることで、多彩な仙台の魅力を大いにアピールすることができたと、このように考えております。  特にことしは、御指摘にもございましたけれども、東北大学の大野総長が次世代放射光施設に関するプレゼンテーションのプログラムを組み込んで御講演をいただきました。首都圏のメーカーを初めとするさまざまな企業の皆様にも、本市のポテンシャルを強く印象づけることができたと、このように思います。また、現在誘致活動を行っております企業のトップの方々にもお会いいたしまして、働きかけることができて、本市への誘致、立地に対して手応えを感じたところでございます。  今後とも、仙台の夕べの効果的な企画運営に努めながら、オール仙台として首都圏をターゲットとした戦略的なプロモーションに取り組んでまいりたいと存じます。  そのほかの御質問につきましては、関係局長から御答弁申し上げます。  私からは以上でございます。 17: ◯危機管理監(佐々木淳一)私からは、防災対策についての二点のお尋ねにお答えを申し上げます。  初めに、マイ・タイムラインの導入についてのお尋ねにお答えをいたします。  市民の皆様に地域の危険箇所や避難先等を御理解いただき、その実情を踏まえ、あらかじめ時間軸に沿った避難行動等を考えていただくことは、災害時に安全に避難をしていただく上で大変有効と、そのように認識しております。  こうしたことから、本市では、地域の皆様と連携し、本市のハザードマップに地域で把握している危険な箇所を追加した地域版のハザードマップの作成や、また、大雨時の避難所運営マニュアルでお示ししたモデルを参考とする地域ごとのタイムラインの作成を進めているところでございます。  引き続き、こうした地域ごとの取り組みを促進いたしますとともに、市民お一人お一人のタイムラインの作成を支援する取り組みにつきましても、国や県の動向や先進事例を踏まえながら検討してまいりたいと存じます。  次に、乳児用液体ミルクの備蓄についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  液体ミルクは常温で保存が可能で、粉ミルクのようにお湯を必要としないことから、災害時において一定の有効性があるものと認識をしております。  一方で、現在、国内では市販されておらず、本年九月の北海道胆振東部地震の際に外国産の液体ミルクが支援物資として送られましたものの、飲用に抵抗があったことなどから、導入に当たりましては一般消費者への普及が前提になるものと考えております。  また、販売予定の液体ミルクの賞味期限は、本市が備蓄している粉ミルクの三分の一の六カ月と非常に短いことなどの課題もございますことから、今後の製品開発や市場での流通の状況などを慎重に見きわめながら、検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 18: ◯健康福祉局長(舩山明夫)私からは、フレイル予防についての認識、そしてまた取り組みについての御質問にお答えをいたします。  フレイルの方は、適切な食事や運動、社会参加を心がけることにより、生活機能の維持向上が可能であると言われており、高齢になっても自分らしく自立した生活ができるよう、早い段階から予防に取り組むことが大変重要であると認識をしております。  このような認識のもとで、本市におきましては、日常生活に必要な機能の確認を行う豊齢力チェックリストにより、御自身の心身の状態を確認していただく取り組みを行っております。確認後、フレイルの方には、短期集中で筋力トレーニングや栄養指導を行う元気応援教室、地域の介護予防自主グループなどを御案内をし、御自分に合った取り組みを促すという形で進めております。  今後も、栄養、運動、社会参加それぞれの方面から、フレイル予防の取り組みを積極的に進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 19: ◯文化観光局長(天野元)私からは、仙台の夕べに関する御質問のうち、市長がお答えしたもの以外の数点の御質問にお答えいたします。  仙台の夕べは、首都圏に対するシティープロモーションの役割を担っており、仙台にゆかりのある方々をターゲットとして、さらなる交流人口の拡大や投資促進などを目的として開催しております。  近年では、国連防災世界会議の開催や地下鉄東西線開業などを初めとする本市の旬な話題の提供や、企業誘致における市長のトップセールスの場としても活用してまいりました。今後とも、これまで同様のスタイルを基本としまして、首都圏とのネットワークの維持、構築に取り組んでまいりたいと考えております。  福島市、山形市との共催につきましては、企業誘致を初めとしたさまざまな案件での競合など、難しい課題があるものと存じます。  一方、観光誘客のため、三市連携や東北連携など広域的な取り組みは重要と認識しておりますことから、本市がリーダーシップを発揮しまして、両市とも相談しながら、旅行商品の造成や首都圏におけるプロモーションなど、さまざまな施策を展開してまいりますとともに、仙台の夕べにおける展示等においても、そうした観点を踏まえ対応してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 20: ◯教育長(佐々木洋)私からは、SDGsに関する副教材の取り組みについてお答えいたします。  新学習指導要領においては、持続可能な社会づくりの観点から地球規模の諸課題や地域課題を解決しようとする態度など、国家及び社会の形成者として必要な資質、能力を育むことが求められており、SDGsはこれにつながる取り組みと認識しております。  このたび作成された副教材は、ユニセフを通じ、十一月に市内各校へ配付されたところでございます。中学校三年生の社会科において関連する学習を行う時期としてはおおむね二月となっておりますことから、この副教材の活用について、改めて各中学校に周知してまいります。  以上でございます。 21: ◯議長(斎藤範夫)次に、高見のり子さんに発言を許します。     〔十三番 高見のり子登壇〕(拍手) 22: ◯十三番(高見のり子)日本共産党の高見のり子です。市民の命と安全を守るために災害に強い仙台を目指して、防災・減災対策について一問一答で伺います。  今や日本列島は、地震や津波を初め、台風、豪雨、竜巻、火山噴火、豪雪、熱暑など、いつ、どこで、どんな災害が起こるかわからない状況です。最近でも北海道胆振東部地震、西日本豪雨、大阪府北部地震など、記憶に新しいところです。被災し犠牲になられた皆様に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。  地震、津波、原発と甚大な被害だった東日本大震災から、七年九カ月が過ぎました。防災の基本は、国民の生命、身体及び財産を災害から保護することです。仙台は、防災環境都市として世界に防災力をアピールしています。  災害があれば必ずやっておかなければならないのが、災害の検証と、それに基づく改善です。何がうまくできて何がまずかったのか、次の災害に備えて検証し、計画の見直しを繰り返すことです。いかがでしょうか、伺います。  他の地域で起きたことでも、きちんと教訓とすることが必要です。本年七月に発生した西日本豪雨では、広島、岡山等で河川の氾濫や浸水被害、土砂災害が発生し、死者数二百名を超える甚大な被害となりました。この豪雨、河川災害では、瀬戸内海側の広範囲にわたって、長時間、記録的な大雨が発生しました。二十四時間、四十八時間降水量は、多くの地点で過去最高を記録しました。  被害が甚大となった理由として、自治体の避難指示に大きなおくれがあったことが指摘されています。さらに、堤防決壊に至る越水の原因は、大量の雨による水位上昇に加えて、川の中に生えている樹木を放置し、川底の掘削を実施してこなかったことで、川の容量が不足をしたことだと言われています。河川管理を怠ってきた国と自治体の責任は重大です。  仙台市は西日本豪雨の経験を今後の防災にどう生かすべきと考えているのか伺います。  次に、原子力防災について伺います。  福島第一原発事故は、想定外では済まされない、人災と言える大事故でした。今もなお、福島の被災者はふるさとに戻ることができず、耐えがたい苦しみを抱え、その深刻さは日を追うごとに深まるばかりです。  宮城県の女川原発も、電源喪失寸前で間一髪であったことが明らかになっています。そうした経験を経て、女川原発の再稼働の是非について、県民の命や暮らしにかかわることはみんなで決めようと、住民投票の実現を目指す運動が広がっています。直接請求署名は、一昨日、丸森町を除いて十一万三千四十六筆提出されました。仙台市内だけでも四万四千六百八筆となっています。  私たちは、一番の備えは、原子力事故が起きないよう女川を初め全ての原発をとめ、廃炉に向かうことが何よりの防災だと考えます。しかし、それまでの間に原発事故が起こらないとは限りません。  市は、地域防災計画の中に原子力災害対策編をつくっています。しかし、事故が起こった際、仙台も被害を受け、市民が直ちに避難せざるを得ない事態を想定した計画になっていません。そうした計画にすべきです。いかがでしょうか、伺います。  次に、地域の防災力向上について伺います。  災害は、年月が経過すればその記憶も薄れ、何もしなければ忘れられてしまいます。仙台は、宮城県沖地震を教訓に、一九八〇年から町内会を単位とした自主防災組織の結成促進を進めてきました。東日本大震災を経て、さらに位置づけが高まっています。しかし、その実態は地域によってさまざまです。  市は、震災の翌年の二〇一二年からは、仙台市独自の講習カリキュラムに基づき、仙台市地域防災リーダー、SBLの養成を開始しました。地域では、町内会、自主防災組織、SBLを初め、婦人防火クラブ、消防団など関連団体もそれぞれ頑張っているわけですから、そういった団体や個人が連携していくためにも行政の支援が不可欠です。地域防災力を高めるために、市はどのような役割を果たそうと考えているのか伺います。  以上、大きく四点伺って、その後は一問一答で質問を進めたいと思います。  御清聴ありがとうございます。 23: ◯市長(郡和子)ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、災害の検証と改善についての御質問にお答えをいたします。  自然災害を初めとするさまざまな危機から市民の皆様方の安全・安心を確保して守っていくということは、行政として最も重要な責務の一つでございまして、そのためには過去の災害等の検証と計画の見直しが不可欠だと認識をしております。  本市では、東日本大震災という未曽有の災害をさまざまな観点から分析、検証し、平成二十五年に、百八万市民の総合力による防災を基本理念として、地域防災計画の全面修正を行いました。また、平成二十八年には、関東・東北豪雨で明らかとなりました課題を検証して、河川の氾濫による避難勧告などの発令範囲、これを見直すなど、適宜計画の修正を行っているところでございます。  引き続き、地域防災計画を初めとする計画の不断の見直しを行いますとともに、訓練の実施など計画の実効性を高める取り組みも推進して、防災環境都市にふさわしい防災力の向上に努めてまいります。  そして、地域防災力の向上に関する御質問でございます。  東日本大震災から七年余りが経過をいたしまして、風化も懸念される中、地域の防災力を持続的に向上させていく上では、町内会を中心とする自主防災組織を初めとし、婦人防火クラブや消防団など関係団体がそれぞれの地域特性や実情を踏まえて互いに連携し防災に取り組める環境を整備していくこと、このことが重要だと認識をしております。  本市では、宮城県沖地震以降、自主防災組織の結成を促進するとともに、あの東日本大震災以降は地域防災リーダーを養成し、婦人防火クラブや消防団を含む多様な団体等の参加による防災訓練や地域版避難所運営マニュアルの作成などを通じまして、各活動主体の連携強化に努めてまいりました。  今後は、多様な団体等の連携がさらに図られますように、地域の防災の取り組みへ若い世代や、また民間事業者の皆さんなど、さまざまな団体の参加の促進を図りますとともに、各団体等が抱える個別の課題の解決支援を行うなど、本市の取り組みを強化してまいります。  そのほかの御質問につきましては、危機管理監から御答弁申し上げます。  私からは以上でございます。 24: ◯危機管理監(佐々木淳一)初めに、西日本豪雨の経験を踏まえた今後の対応に関する御質問にお答えを申し上げます。  近年、西日本豪雨を初め、日本各地で災害が多発しており、これらの災害の教訓を本市の災害対策に生かしていくことが大変重要と認識をしております。  西日本豪雨では、ハザードマップとほぼ同じ浸水被害が発生し、ハザードマップに基づく避難行動の重要性が改めて確認されましたことから、本市といたしましても、発災翌月の八月からハザードマップの説明会を各区で実施するなど、市民の皆様への周知を強化したところでございます。また、ダムの緊急放流やため池の決壊時の対応など、新たな課題も明らかになっておりますことから、国の動きなども注視しつつ、来年の出水期に向け、早急に地域防災計画の見直しを行ってまいりたいと存じます。  次に、原子力災害対策に関する避難計画についての御質問にお答えを申し上げます。  本市は、女川原子力発電所から三十キロ圏外に位置しており、原子力災害対策特別措置法に基づく計画の策定を求められる地域ではございませんが、原子力災害が発生した場合には影響が広域に及ぶ可能性があるという認識に立ち、平成二十六年四月に地域防災計画原子力災害対策編を策定し、屋内退避や一時移転といった避難に関する事項も含め、本市の原子力災害対策の基本となる内容を定めたところでございます。また、ことしの四月には、屋内退避及び一時移転の方法等の詳細について、計画への記載を追加したところでございます。  引き続き、計画の必要な見直しを行いますとともに、国や県とも連携しながら、原子力災害対策を進めてまいります。  以上でございます。 25: ◯十三番(高見のり子)今、市長からもお答えいただきまして、地域防災力を引き上げるために努力をされているということでございました。  まず、豪雨災害について伺いたいと思います。  河川管理、護岸改修、ダムの管理等は宮城県の仕事ですから、県との連携が不可欠です。上流域の間伐、森林の保全、貯水池の増設など、やるべき抜本的対策は多くあります。来るべき災害に備え、一つ一つを確実に進めていかなければなりません。  冠水常襲地帯である七北田川、名取川などの下流域には津波が遡上しました。そのために、川底にたまった土砂の撤去と、流水を阻害する樹木や雑草の除去を求める声が地域から強く上がっています。豪雨に備えて早急にこうした河川対策を県にも国にも求めるべきですが、いかがでしょうか、伺います。 26: ◯危機管理監(佐々木淳一)名取川及び七北田川の各流域につきましては、激甚化する災害に対して社会全体で洪水に備えることを目的に、流域自治体や河川管理者等で構成される大規模氾濫時の減災対策協議会が設立されておりまして、本市といたしましても、協議会の場などを通じ、国や県に対して堤防強化や土砂、樹木等の除去などのハード対策の実施を要望してまいったところでございます。また、地域からの個別の要望につきましては、本市の建設部局からも国や県に伝え、対応を求めております。  今後もさまざまな機会を捉えまして、十分なハード対策を実施するよう、国や県に求めてまいります。 27: ◯十三番(高見のり子)被害に遭うのは市民であるということを肝に銘じて、しっかり対応、市民の命を守る立場で取り組んでいただきたいと思います。  内水対策でも、県との関係でただしておくべきことがあります。県の広域防災拠点計画に伴って岩切地区に移転するJR貨物駅工事予定地についてです。  ここは現在、広大な水田地帯で、優良な遊水地です。二十四ヘクタールの水田で貯水していた推定七万二千トンの保水機能が、今回の工事で失われることになります。県の基準に沿って一万七千トンの調整池をつくるとされていますが、住民からは不安の声が上がっています。  この土地の南方に位置する田子、福住、仙石地域は、二〇一五年の関東・東北豪雨の際にも、避難勧告が発令された深夜二時時点で一メートル以上冠水しました。幾度も水害の被害に遭っている住民からは、この地域は内水被害に長年悩まされてきた地域だ、JR貨物がやってきて被害が大きくならないようしっかり対策をやってほしいと要望が上がっています。県とJR貨物に対策を求めるべきですが、いかがでしょうか、お答えください。 28: ◯建設局長(小高睦)当該地域、田子、福住、仙石地域でございますが、内水被害が多い地域であるというふうに認識をしてございまして、本市といたしましては、これまで仙石排水ポンプ場の整備や田子排水機場における大雨時の運転管理業務を下水道部局に移管するなど、浸水対策に努めてまいったところでございます。  今回のJR貨物駅の移転に際しましては、当該地域の被害状況に鑑みまして、本市から宮城県とJR貨物に対し、当該地域へ雨水を流入させない計画とすることや、雨水の流出抑制施設を設置することなどを要望してまいりました。その結果、現在の計画では、別ルートでの雨水排水や雨水防災調整池の設置など、本市の要望が反映されておりますことから、JR貨物駅の移転による当該地域への影響はないものというふうに考えてございます。 29: ◯十三番(高見のり子)三百ミリを想定した対応なんですね。でも、今は本当に突発的な集中豪雨などの発生が増加しています。住民の声にしっかり耳を傾けて対応していただきたいと重ねて申し上げておきます。  二〇一五年の豪雨では、以前から水害を心配して地域から改修要望が出ていた七北田川にかかる馬橋に流木がひっかかって水があふれ、水害被害を引き起こしました。また、下流での越水もあり、七北田川周辺での被害は、床上浸水四十二棟、床下浸水百二十棟となりました。
     当時、床上浸水の被害を受けた住民から、現場に役所が来るのが遅く、取り残されたような状況で、自力で復旧した。結局、市からの支援は一万円程度の見舞金のみだった。つけたかった止水板の補助制度も市街化調整区域のため使えなかった、との憤りの声を伺いました。  床上浸水程度の被害では、仙台では小規模災害見舞金制度しかありません。これだけでは被害の復旧さえできません。国の災害救助法が適用されない場合であっても、実情に合わせた、例えば生活再建支援金や応急修理制度のような被災者への支援策が必要だと思いますけれども、いかがお考えでしょうか、伺います。 30: ◯健康福祉局長(舩山明夫)本市におきましては、災害救助法が適用されない水害によりまして床上浸水などの被害を受けた世帯に対しまして、世帯人員に応じて小規模災害見舞金を支給しておりますほか、被害の内容に応じて住民税や国民健康保険料等の減免措置の対象となる場合もございます。  現在、全国的に県レベルで自然災害による住家被害への独自の支援が講じられてきておりますことから、今後、宮城県に対し提案をしてまいりたいと考えております。 31: ◯十三番(高見のり子)県への要望もいいんですが、やはり市独自でもきちんと考えたほうがいいと思うんですね。災害救助法がたとえ適用されても、一部損壊となるとほとんど、それこそ税の減免とかはありますけれども、支援がありません。被災した市民の思いに寄り添った支援策の創設、重ねて求めておきます。  次に、原子力防災について数点伺います。  直ちに避難する計画となっていない理由ですね、直ちには避難しないという計画になっていますから、その理由が国や県の基準ということです。そもそも、そう言えば仙台はUPZ外で原子力災害対策編も必要がないということになってしまいます。女川から直線距離で約五十キロには宮城野区、若林区が位置しています。福島原発事故では三十キロから四十七キロにある飯舘村が、二〇一七年春まで全村避難を続けました。  放射性物質は風によって運ばれ、風向き、風速、雨、地形に大きく左右されます。市は仙台市民の避難計画は国や県の計画と整合を図るということで、それでいいんでしょうか。それで本当に市民の命や健康が守れると今でも思っているんでしょうか、伺います。 32: ◯危機管理監(佐々木淳一)原子力災害対策は広域的な対応が必要となりますことなどから、本市単独で対応することは難しく、国や県との連携した対応が基本となるものと考えております。国の原子力災害対策指針や県の地域防災計画等との整合を図りながら、本市の原子力災害対策を進めているところでございます。一方で、本市の地域防災計画では、空間放射線量が基準値を超えた場合には、本市独自に一時移転等の判断を行うことも規定しております。  引き続き、国や県と連携しつつ、市民の安全・安心の確保に向けて着実に対応してまいります。 33: ◯十三番(高見のり子)やはり不十分だと思うんですね。福島第一原発事故の経験を生かすとすれば、やはりいち早く情報をつかむということが大事だと思うんです。放射性プルームが来て放射能が上がったから、それでそれからということでは遅いと思うんですね。すぐに避難を想定していないこと自体、問題です。  女川原発で事故が起こった場合、いち早く情報をつかむことが必要です。仙台市では、東北電力と独自に情報提供の協定を結んでいます。事故が起きた場合、放射線量と風向きと風速のデータが市に直接届くよう、きちんとシステム化するべきです。モニターやアラームで危機管理室が把握できるようすべきではないでしょうか、伺います。 34: ◯危機管理監(佐々木淳一)市内の空間放射線量につきましては、各区役所等に設置しておりますモニタリングポストで常時観測をしておりますほか、緊急時には、車両に搭載した測定機器により市内を広範囲に把握することといたしております。また、女川原子力発電所において事故等が発生した場合には、直ちに東北電力から通報があり、その後の状況についても連絡を受けることとなっております。  市外の空間放射線量や風向き、風速のデータにつきましては、本市が独自でシステム化するよりも、国や県と連携し、素早く情報を得ることが重要であると考えておりますことから、原子力災害が発生した場合、直ちに本市職員を県の災害対策本部に派遣して情報を取得するなどの対応を検討してまいりたいと存じます。 35: ◯十三番(高見のり子)本当に何が起こるかわからない。いろんな場合を想定することが重要だと思います。一旦事故が起きれば混乱も想像できます。市が瞬時に災害に対応するための情報をしっかりと把握できるようしておくことが大事だというふうに思います。  原発事故が発生すると、放射性プルームには放射性ヨウ素が大量に含まれています。吸い込んで甲状腺に集まると、甲状腺がんの発症する確率が高くなります。ヨウ素剤を事前に服用して、甲状腺には安定ヨウ素でいっぱいにして放射性ヨウ素を入れないようにするのが有効な手だてです。そのためには、子供たちや妊婦さんなどが直ちに服用できるよう備えておくことも必要です。いかがでしょうか、伺います。 36: ◯危機管理監(佐々木淳一)安定ヨウ素剤の服用につきましては、その効果が服用の時期に大きく左右をされ、また副作用の可能性もあるため、原子力災害対策指針において、原子力規制委員会が必要性を判断し、国や県の指示に従うこととされております。  三十キロ圏外の自治体につきましては、国が一括して現在備蓄を進めておりますことから、今後は配付方法等の具体の運用について、これを明らかにするよう、国等に求めてまいりたいと存じます。 37: ◯十三番(高見のり子)国の対応では遅いです。自治体によっては、安定ヨウ素剤を希望者に配付しているところもあります。  福井県篠山市では、最も近い高浜原発から四十五キロ離れていますが、原発の地元自治体とみずから位置づけて、原子力防災を進めるために「原発災害にたくましく備えよう」というハンドブックを作成しています。原発事故に備えて可能な事故対策の検討をし、安定ヨウ素剤の事前配付はもちろん、全自治会での学習会や消防団員への原子力災害の研修を行っています。こういった原子力防災の取り組みを学び、本市の原子力防災の計画に取り込んではいかがでしょうか、伺います。 38: ◯危機管理監(佐々木淳一)原子力災害対策について市民の皆様に御理解をいただくことは大変重要と認識をしておりまして、地域防災計画においても、市民の皆様に対する啓発や原子力災害対策の周知の徹底に努めることを定め、これまで取り組みを進めてまいりました。今年度は、計画の見直しを踏まえ、市政だより六月号で屋内退避、一時移転の内容についてお知らせをしましたほか、ことしの九月には、全戸配布した防災タウンページに、原子力災害の備えについて掲載をしたところでございます。  引き続き、さまざまな機会を捉えて市民啓発に努めるとともに、県に対して三十キロ圏外の住民にも啓発を行うよう求めるなど、関係機関と連携しながら、さらなる啓発の取り組みを検討してまいります。 39: ◯十三番(高見のり子)福島第一原発事故、原発を廃炉にするのが一番の防災だと思いますが、しっかりやらなければなりません。  次に、地域防災力の向上について伺います。  まず初めに、地域防災のかなめになる自主防災組織への支援についてです。自主防災組織が結成されると防災用品の助成が行われます。内容について伺います。 40: ◯危機管理監(佐々木淳一)防災用品の助成につきましては、町内会における自主防災活動を促進するため、結成時に町内会の世帯数に応じて助成対象品目の中から町内会が要望した防災用品を支給するもので、救助用の担架やバール、大型ハンマー、トランジスターメガホン、救急バッグ等、九品目を助成対象としております。 41: ◯十三番(高見のり子)ある町内会で、震災後、機運が高まって改めて防災用品をそろえようと消防署に相談したところ、自主防災組織が三十年前にできたときに既に支給を行っているということで、防災用品をもらうことができませんでした。高まった住民の防災意識に水を差すような対応です。自主防災組織への助成のあり方をもう一度見直して、定期更新も含めて、実態に合った必要な助成を行うべきですが、いかがでしょうか、伺います。 42: ◯危機管理監(佐々木淳一)自主防災組織への防災用品助成事業は、昭和五十三年の宮城県沖地震を踏まえ開始したものでありまして、阪神・淡路大震災の発生を機に一部の防災用品を見直したものの、事業開始から三十年以上が経過をしております。  現在、さまざまな防災用品が開発されている状況にもありますことから、市民の皆様の御意見なども踏まえつつ、防災用品の品目の見直しも含め、自主防災活動の実態に即した助成のあり方について検討してまいりたいと存じます。 43: ◯十三番(高見のり子)次に、震災以降、養成が進んでいる仙台市地域防災リーダー、SBLについて伺います。概要と養成状況、その役割を伺います。 44: ◯危機管理監(佐々木淳一)地域防災リーダーの概要でございますが、本市の地域防災計画の中で、平時から町内会長等を補佐しながら地域に根差した自主防災活動の中心的な役割を担う人材と位置づけております。  これまでの養成状況でございますが、平成二十四年度からの累計で七百九十三名を養成し、現在六百八十名が地域で活動を行っております。  主な役割は、平常時には、地域の特性や実情に応じた防災マニュアルの作成や防災訓練の企画等を行っていただき、災害発生時には、避難所運営等に主体的に取り組んでいただくことでございます。 45: ◯十三番(高見のり子)現在、六百八十名のSBLが養成され活動しています。そのSBLの養成では、ことしは百名程度の募集で、七十名を各連合町内会枠とし、三十名が個人の募集枠とされました。個人で希望された方のうち、二十五名が受けることができませんでした。防災を学びたい方には大いに受講していただいて、地域防災力の向上に力を発揮してもらうことが大事です。学生や事業者などにも枠を広げ、募集人数もふやすべきですが、いかがでしょうか。 46: ◯危機管理監(佐々木淳一)地域防災リーダーの養成講習に学生や事業所にお勤めの方などにも御応募をいただき、地域で防災活動を実践していただくことは、地域防災力の向上につながるものと認識をしているところでございます。  昨年度までは、各区の連合町内会長協議会からの推薦のほか、町内会に所属していることを条件として公募をしておりましたが、今年度から公募の条件を改めまして、町内会への所属の有無にかかわらず、幅広く市民の皆様に御応募いただけるように見直しを行ったところでございます。  今後も、多様な人材からの応募があるように呼びかけに努めてまいりますとともに、地域防災リーダーが効果的に配置されるよう、募集人数についても検討を行ってまいります。 47: ◯十三番(高見のり子)講習終了後は、毎年、バックアップ研修が行われます。もっと学びたいという気持ちに応える応援であり、大変重要です。  二〇一六年度に生涯学習支援センターが行った地域づくり支援講座を受講したSBLが中心となって企画、準備、運営を行った、仙台防災減災講座二〇一八が好評です。この講座の企画の中で、先進的な町内会の防災訓練の見学会なども行われています。SBLの皆さんが豊かな活動をしていくために、集団で学び合い、情報を交流し、学んだことを地域に還元していくことが地域防災力を高めるために必要だと考えますが、いかがでしょうか、伺います。 48: ◯市長(郡和子)地域防災リーダーの皆様方がさまざまな機会を通じて学んだことを交流しながら互いに共有していく、そしてまた、各地域にそれを還元していくというのは、大変重要なことだと考えております。  本市では、地域防災リーダーの皆さんのスキルアップのほか、交流を通じたネットワーク化も念頭に講習会の開催等を行っておりますけれども、年々交流が深まって、ネットワーク化や相互協力による活動の機運も高まっているところでございます。  今後は、先進的な事例を紹介するモデル事業の実施など、さまざまな工夫を加えながら、こうした支援に努めてまいりたいと存じます。 49: ◯十三番(高見のり子)市民センターは、地域の防災の拠点にもなります。防災塾などを企画しているところもあり、親子で楽しむサバメシなども、親子で防災を学ぶテーマとして好評です。身近な市民センターでの防災講座の開催など大変有効と思いますが、認識を伺います。 50: ◯危機管理監(佐々木淳一)市民センターは地域の皆様にとって身近な施設であり、地域防災力の向上を図る上でも重要な拠点であると考えております。  本市では、仙台市総合防災訓練基本方針に、市民センター等における防災・減災啓発の推進を掲げ、さまざまな防災関連講座やイベントでの防災講話等を通じ、防災に関する普及啓発活動に取り組んでいるところでございます。  今後とも、防災・減災アドバイザーの派遣など、市民センターとの連携を深めながら、地域防災の支援に取り組んでまいります。 51: ◯十三番(高見のり子)地域防災力を高めるためには、市民一人一人の意識を高めると同時に、地域全体で継続した繰り返しの取り組みが必要です。子供からお年寄りまでみんなで防災に取り組むこと、自主防災組織はもちろん、市民センターや学校、SBL、防災士、地域の町内会や関連団体など、それぞれの取り組みも大事です。区役所に地域の防災活動を支援する防災コーディネーターの役割を担える担当職員を配置すべきですが、いかがでしょうか、伺います。 52: ◯危機管理監(佐々木淳一)本市では各区の区民生活課が地域防災活動の支援を所管しておりまして、同課には地域防災活動の指導に精通した元消防職員を配置しまして、支援を行っております。また、各地区総合防災訓練などの実施に当たりましては、危機管理室とも連携を図りながら、地域への支援に努めているところでございます。  今後とも、必要な体制を確保しながら、各区との連携を密にし、地域の防災活動の支援に努めてまいりたいと存じます。 53: ◯議長(斎藤範夫)次に、石川建治さんに発言を許します。     〔二十五番 石川建治登壇〕(拍手) 54: ◯二十五番(石川建治)社民党仙台市議団の石川建治でございます。化学物質過敏症患者への支援策及び自転車の安全利用の推進策等について一般質問いたします。  十月に仙台文学館で催された短歌講座に友人と参加を楽しみにしていた化学物質過敏症の方から、私の事務所に電話がありました。内容は、文学館が害虫駆除に使用している有機リン系薬剤を使用していたことから入館できず、とても残念だった、ぜひ改善してほしいというものです。相談を受けて担当課に問い合わせ、改善を求めたところ、業者や関係部局との検討の結果、化学物質過敏症やアレルギー疾患を持つ方に配慮し、薬剤の定期散布をやめ、ゴキブリやネズミ、ハエや蚊などの生息調査を踏まえて対応するとの改善策を示していただきました。  この速やかな対応について、相談者から喜びとお礼の声が寄せられました。所管の文化振興課を初め、関係部局や文学館及び関係業者の御理解と御協力に心より感謝申し上げます。その上で、他の集客施設を初めとする本市の公共施設においても、化学物質過敏症の方などが安心して安全に過ごせる環境づくりを進めるのか、本市の考えを伺います。  一昨年の第四回定例会において、化学物質過敏症対策について一般質問いたしました。当時でもその認知度は低く、本市としての取り組みは、教育委員会が児童生徒や教職員、保護者向けに作成した「化学物質過敏症の理解のために~学校ではどんな対応が必要でしょうか?~」と題するチラシのみでした。私から、患者数などの現状把握、相談窓口の開設、啓発ポスターの掲示、本市ホームページへの掲載などの広報啓発などを提案し、実施を求めました。さらに、化学物質の使用削減や香料の自粛ガイドラインの作成、医療機関や専門医の育成拡大を国に働きかけるよう求めました。  これに対し、当時の奥山市長は、現状把握や相談窓口は設置できる状況にないとしながらも、ホームページでの周知啓発や国への働きかけを行うと答弁しました。答弁を踏まえ、本市ホームページでの周知啓発は行われたものの、国への働きかけの状況やその他の施策についてどのようになっているのか、現状における認識を伺います。  化学物質過敏症は、二〇〇九年十月に病名登録された新しい疾病で、せきや頭痛、吐き気、めまい、湿疹などの症状が起こり、重症者は寝たきりに近い状態になってしまうといいます。化学物質過敏症は未解明の部分が多く、この病気を研究し診察できる医師も少ない現状にあります。そうした中でも、専門的な知見の蓄積や症例の把握などが進められていると認識しています。  厚生労働省の二〇一二年の研究調査では、成人で化学物質に高感受性を示す人は四・四%、約四百五十万人、準高感受性の人は七・七%、約八百万人と報告されており、未成年者を含めると患者数はさらに膨らむと言えます。加えて、二〇一五年に環境省の委託調査として行った環境中の微量な化学物質による健康影響に関する調査研究業務では、アレルギー疾患との合併が六〇%から八〇%と高率であるとして、アレルギーとの関連性が示唆され、原因物質の回避が有効であることが共通点だと結論づけています。  これらの調査研究や積み上げられてきた知見などを踏まえれば、化学物質過敏症に関する情報が限られ、少ない専門医の現状等を反映して市民の認知度や理解の広がりが欠けている現状を改善し、化学物質過敏症患者の痛みや不安を緩和するためにも、具体の取り組みが急がれます。  化学物質過敏症の一つである香りの害、いわゆる香害問題が大きくクローズアップされてきました。強いにおいを放つ香料やにおいが長時間続く、カプセルタイプに至ってはさわるなど軽い刺激や汗に反応してにおいを放つなど、人工的な香料を使用した商品が氾濫し、香りに苦しむ患者がふえていると言われています。加えて深刻なのは、家庭用品品質表示法では指定品目外となっている柔軟仕上げ剤は、品質や成分表示義務がないため、どんな物質が使用されているのかがわからないという問題を抱えています。  全国的には、香害問題などを初め化学物質過敏症に関するポスターやパンフレットを作成し、公共施設や町内会などに掲示し周知広報等を行っている自治体もあり、患者にとっては周囲の理解を得られる効果的な手段として評価されています。また、千葉県佐倉市では、市有施設における農薬、殺虫剤等の薬剤使用に関する基本指針を策定し、化学薬剤だけに依存せず、さまざまな防除手段を有機的に組み合わせて行う総合防除による公共施設管理に取り組んでいると伺っています。金沢市においても、保健所のホームページで情報提供をするほか、保健所に相談窓口を設置し、患者さんの相談への対応に加え、必要に応じて簡易検査の実施や医療機関の紹介を行っています。  幸いにも本市には、食物アレルギーや化学物質過敏症の患者やその家族、支援者や協力者などが三十年にわたってみずから情報収集や調査研究などを重ね、学習会や講演会、食事会等を開催し、患者や家族らの暮らしに役立つ冊子の発行などに取り組んでいる市民団体があります。そうした市民らとも積極的な情報交換や連携を図りながら、本市の施策等を展開するよう求めるものですが、所見を伺います。  市民の認識や理解を深める有効な手段として、多くの市民の目に触れるポスターの掲示やパンフレットの作成、配布や相談窓口の開設、医療機関との連携など、今すぐにでも着手すべき課題を整理し、具体化を図るよう求めるものですが、市長の所見を伺います。  次に、自転車の安全利用の推進策について伺います。  一点目は、自転車損害賠償保険の加入促進に関連して伺います。  十月に制定した仙台市自転車の安全利用に関する条例の認知度を高めようと、現在、担当部局を中心に街頭啓発に取り組んでいます。来年三月まで二十回の街頭啓発を行う予定になっています。街頭啓発を通じて、この条例の趣旨や目的などが自転車利用者を初め市民に広く浸透することを願うものです。  この条例は、自転車の安全利用の推進及び促進を図るため、総合的な施策の推進を主な目的としています。柱の一つが、自転車損害賠償保険加入の義務づけです。担当課によれば、市民の自転車保険の加入率はおよそ四割から六割としています。その根拠は、条例の策定に向けた市民アンケート調査などから推計したものとしています。また、自転車条例の制定後に、市内の自転車販売店などで保険に関する問い合わせや新たに加入する利用者がふえているとの変化も見られるとのことです。  こうした新しい動きや市民の中に機運が高まっている時期を逃さず、集中した啓発活動の工夫が求められているのではないかと思いますが、街頭啓発以外の自転車保険加入促進に向けた取り組みについて伺います。  神奈川県大和市では、自転車事故が小学校高学年からふえ始める傾向にあることや、同市が十三年連続で県の自転車交通事故多発地域に指定されている事情などを踏まえ、全国で初めて、二〇一六年度から市立小学校五年、六年生と中学生で交通安全教育などを受けた子供を対象に、自転車保険つきの自転車免許証を交付しています。  警察庁の統計によれば、小学校三年生で自転車による事故がふえ、高学年になるに従って増加傾向が顕著にあらわれていることを踏まえれば、大和市のような保険費用を自治体が負担する取り組みについても検討に値するのではないかと考えますが、所見を伺います。  二点目は、ヘルメット着用の推進に向けた取り組みについて伺います。  警察庁の統計によれば、自転車死亡事故による損傷部位の割合で最も多いのが頭部で、六割強にも上っており、本市もヘルメット着用を推奨しています。道路交通法では、十三歳未満の子供にヘルメット着用の努力義務が課せられています。交通事故総合分析センターのデータでは、ヘルメットを正しく着用することで、死亡する割合が約四分の一まで低減すると分析しています。ヘルメット着用の重要性は高まっており、本市としてヘルメット着用の促進に向けどのように取り組まれようと考えているのか伺います。  ヘルメットを着用する市民は少ない現状にあります。通勤や買い物などで自転車を利用している方に着用しない理由を伺うと、面倒くさい、格好悪い、髪型が崩れる、お金がかかるなどの答えが返ってきました。こうした利用者や市民の声に応え、ヘルメットの着用を進めるには、利用者の声を把握し分析することはもちろん、安全性とデザイン性、着脱の簡易性、求めやすい価格などを備えたヘルメットの開発、ヘルメットの有効性の周知と啓発、ヘルメット着用への支援策を明確にすることなど、その誘導策が重要になると考えます。  昨年視察した松山市では、高校生の死亡事故を機に高校生らのヘルメット着用を義務化し、ヘルメット購入への補助制度をつくりました。あわせて、ヘルメットの必要性を訴える映像などを制作し、さまざまな場面で活用しているというものでした。また、堺市にある企業では、自転車通勤を奨励して自転車通勤手当を設け、支給に当たってヘルメットの着用、非着用で支給額が異なる制度設計を導入しています。子供用ヘルメットの購入費の補助制度を設けている自治体もあるなど、さまざまな工夫と施策が実施されています。そういう意味では、他都市や企業等に学び、ヘルメット着用に向けた具体策を講じるよう求めるものですが、所見を伺います。  三点目は、自転車安全教室の推進策についてです。  近年は、全国の自転車乗車中の事故による死者数は約六百名で下げどまり、交通事故死者数全体に占める自転車乗車中の死者数の割合が増加しています。こうした現状から、長年続いている自転車教室の内容などについて、その効果を疑問視する指摘も出ています。自転車教室は、運転スキル、知識や経験、そして自転車整備の三点が柱となっていますが、知識の習得に焦点を当て過ぎていないかというものです。  それをライフステージ、年齢に応じた交通安全教育のカリキュラムの構築と、欧州等のように運転スキルを高めることを優先した教室に変えた取り組みが始まっています。京都市は、ライフステージに合わせた体系立った自転車安全教育を実施するために、自転車安全教育プログラムを策定して取り組んでいます。京都市や金沢市では、幼児を対象としたデンマーク式自転車教育と言われるキックバイクによる幼児向け自転車教室を行っています。ペダルのないキックバイクを使用して、ゲームを通じて自転車に乗る楽しさや安全な運転を学ぶ最初のステップとして大きな効果を発揮すると評価されています。自転車に乗ってバランスが保てない、ペダルに足をつけられない子供たちは、周囲に注意が必要な道路に出ることはできません。キックバイクに乗り、シャボン玉を追いかけることやリングライディングができるようになると、周りの交通にも目が行くようになり、安全運転のできる人になるというものです。  しかし、このデンマーク式自転車教育を行える団体は全国で二、三団体と少ない現状にあり、いつでも利用できる状況にないのが課題となっています。担当課は、このデンマーク式自転車教育プログラムについてどのような認識をお持ちでしょうか、評価も含め伺います。  本市では、近年、スケアードストレイト方式の自転車教室を開いていますが、市民のライフステージに合わせた自転車安全教育とデンマーク式自転車教育の導入について検討するよう求めるものですが、所見を伺います。  また、自転車教室の会場として、市内に二カ所ある交通公園の活用のほか、自動車学校等の協力を得てコースを使用しての自転車教室の開催など、自転車の安全利用の推進を図るよう提言するものですが、所見を伺います。  最後に、自転車の利用環境に関する関心が高まる中、全国の行政関係者や企業、NPO等が集まり、相互の情報共有や自転車利用環境の整備を促進するための意見交換などを行う自転車利用環境向上会議が、十月、堺市で開かれ、参加いたしました。全国から六百名を超える参加者が真剣に学び合い情報交換を重ねるとても有意義な会議で、以前、担当課に参加を勧めましたが、かないませんでした。来年は札幌で開催する予定であり、ぜひ参加するよう望むものです。加えて、将来、本市にこの全国会議の誘致を求めるものですが、この点についての答弁を求め、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 55: ◯市長(郡和子)ただいまの石川建治議員の御質問にお答えを申し上げます。  化学物質過敏症に係る御質問にお答えをいたします。  化学物質過敏症は新しい病気でございまして、社会全体としての認知も余り進んでおらず、患者の方々は、その症状とともに、周囲から理解されないことにもつらい思いをしながら生活しておられるものと存じます。  この病気につきましては、いまだ原因も十分に解明されず、治療法も確立されていない状況にありますことから、患者数の現状把握や市として相談窓口を設置することには難しい面もございます。一方で、患者支援に取り組んでおられる市民団体の方々の活動が進められておるところでございます。  本市といたしましても、社会の理解を広げることで不安の軽減につながるよう、市民団体の皆様方との意見交換などを通じて、この病気の特性、公共の場での配慮など、理解の促進のための情報発信の強化に努めてまいりたいと存じます。  そのほかの御質問につきましては、関係局長から御答弁を申し上げます。  私から以上でございます。 56: ◯市民局長(斎藤恵子)私からは、自転車の安全利用についての一連の御質問にお答えいたします。  初めに、自転車損害賠償保険についてでございます。  保険への加入は、万が一の事故があった際のセーフティーネットとして、被害に遭われた方の救済、並びに加害者にとっても重要なものでございます。そうしたことから、保険料につきましては利用者自身に御負担いただくことが基本であると考えており、加入促進に向けまして、幅広く市民の皆様に保険の重要性を周知する必要があると認識しております。  現在、街頭啓発に加え、小中学校、高校の児童生徒を通じた保護者へのチラシ配布、自転車販売店での購入者への情報提供、市政だよりやラジオによる広報等に取り組んでおります。今後、こうした取り組みに加え、損害保険会社等とも連携を図るなど、保険の加入促進に一層力を入れてまいります。  ヘルメット着用の促進についてでございます。  ヘルメット着用は、事故による自身の被害の軽減を図る上で有効な手段でございます。地域や学校で開催する交通安全教室等の機会を通じ、自転車利用者だけでなく保護者の皆様へも十分に御理解いただけるよう丁寧に説明し、着用につなげてまいりたいと存じます。  また、他都市における高校生等に対する購入費補助や企業独自の取り組みなど、さまざまな促進策については、その費用対効果等も踏まえつつ、引き続き検討してまいります。  自転車安全教育の推進等についてでございます。  交通安全教育は年代や発達段階に応じた場所や内容とすることが効果的であることから、これまでも自転車まつり等のイベントでの子供向けの乗り方教室や、中学、高校におけるスケアードストレイト方式の交通安全教室、市民センター等での高齢者自転車教室などを実施してまいりました。条例の施行を機に、交通公園の活用や自動車教習所との連携に取り組み、教育機会のさらなる充実を図ってまいりたいと存じます。  御提案いただきましたデンマーク式自転車教育でございますが、就学前の子供の技術習得等を目的としたものであり、ゲームを通じて操作感覚が身につくなど、一定の効果があるものと認識しております。  また、御紹介の自転車利用環境向上会議につきましては、情報収集に努め、会議の参加を検討してまいりたいと存じます。
     以上でございます。 57: ◯健康福祉局長(舩山明夫)私からは、化学物質過敏症対策についての御質問のうち、市長がお答えした部分以外の御質問にお答えをいたします。  化学物質過敏症につきましては原因の究明が重要であることから、これまで国に調査研究の推進などを求めてまいりました。しかし、依然として未解明な部分も多い現状にあり、引き続き、国に原因の究明と治療方法の確立などを要請をしてまいります。  あわせまして、患者の方々にも各市民利用施設を安心して御利用いただけるよう、文学館の事例を参考に、化学物質過敏症の方への配慮について、それぞれの施設に周知を図る取り組みも進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 58: ◯二十五番(石川建治)答弁ありがとうございます。一点、市民局長にお伺いをいたします。  先ほど、ヘルメットの件について、各自治体あるいは企業の取り組みについて参考にするということなんですが、それでも費用対効果というところで判断をしたいという答弁に受けとめました。  問題は、ヘルメットをなぜ着用するのかということの認識をどれぐらい行政側が持つのかということが問われるわけです。命の問題になるわけですから、そのことについて費用対効果というところが答弁に出るということは残念でなりません。本来であれば、現在、仙台市内の中学校でも自転車通学を認めている学校ではヘルメット着用を義務化しています。そういったことからすると、できないわけでもないんですね。  子供たちの、あるいは高齢者の安全をより確保するという意味では、ヘルメットについて、より体と命を守るという視点からすると、もう少し積極的な姿勢を示す必要があるだろうと。そうしなければ、条例でヘルメットの努力義務をうたっても、それは進まないのではないかというふうに思っています。改めてその辺の姿勢をはっきりと出していただかなければ、なかなか納得のできる答弁にはなっていない。改めてお願いをいたします。 59: ◯市民局長(斎藤恵子)ヘルメット着用の促進についての再度の御質問にお答えを申し上げます。  先ほども御答弁申し上げましたとおり、ヘルメットの着用は自身でできる、自転車事故の被害の軽減を図る上での有効な手段というふうに考えております。  また、御紹介のございました松山市、他の自治体におけますヘルメットの助成についてのお話でございますが、これは、高校生の死亡事故が相次いだことから、愛媛県といたしまして、愛媛県教育振興会が実施する無償の配布に対する助成を行ったという事例かと思います。  こうしたさまざまな助成の事例などもあるかと存じますので、まずは事例のほうを収集いたしまして、私どもとしてヘルメット着用の促進を図れるような事業、あるいは実施できるような事業などについて、なお検討してまいりたいと存じます。 60: ◯議長(斎藤範夫)この際、暫時休憩いたします。     午後三時二分休憩          ────────○────────     午後三時二十五分開議 61: ◯議長(斎藤範夫)休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、村上かずひこさんに発言を許します。     〔十五番 村上かずひこ登壇〕(拍手) 62: ◯十五番(村上かずひこ)アメニティー仙台の村上かずひこです。一般質問をさせていただきます。  十二月三日に開催されたいじめ問題等対策調査特別委員会で家庭訪問について伺いましたが、改めて数点伺います。  自分が担任する子供たちの育っている家庭環境、バックボーンを知る唯一の重要なツールであり、子供たちを指導するに当たり、家庭環境を知っているか知らないかでは大きく違ってくるのではないかと考えます。  本市の家庭訪問の実態をお聞きしましたところ、中学校一学年で行われている学校が二十三校、二学年もしているのは、六十三校中、二十四校にとどまっています。全学年全くしていない中学校が、十六校になっています。また、全小学校百二十校のうち、四十一校は家庭訪問が実施されていません。家庭訪問を実施しない理由は、希望制にしている、保護者が家庭訪問を望まない、三者面談を行っていることなどが挙げられているようです。  ほかの政令市の実施状況は、二十都市中十九都市は本市のように学校判断に任せていますが、岡山市では玄関先での対応にしたり、家庭訪問を拒否された場合でも庭先、玄関先での対応にしているところもあります。福岡市は、平成二十八年度に、校長会を通して小中全校実施を委員会から依頼しているようです。  本市は、小学校四十一校、中学校十六校を合わせた五十七校、三一・一%は実施されていません。約七〇%は実施しているのですから、本市の置かれた状況、いじめ問題が最重要施策であることを鑑みれば、福岡市のように全校実施を依頼すべきと思いますが、教育長のお考えをお聞かせください。  十二月六日に水道法改正案が国会で可決されました。宮城県知事も、大変前向きな発言を各所でされているようです。安心で安価な水が二十四時間いつでも供給されていることが当たり前の日本人にとっては、民営化によって効率化されたほうがいいのではないかという安易な意見もあるようです。  水道施設の老朽化や人材不足、災害時の対応等、水道事業の基盤強化が水道法改正により前に進むことはよいことだと考えます。しかし、宮城県も導入に積極的なコンセッション方式により民間企業が運営することになれば、利益を出すことが最大の目的である民間企業と水道事業がなじむとは思えません。空港の民営化と水道事業の民営化は、根本的に全く違うことだと考えます。民間企業が運営し、コストカットや安価な薬品や薬剤による消毒が始まると、安全な水の供給は二の次になってくるのは明らかだと思われます。  世界の事例を見ると、二百三十五件で、一旦民営化した事業を公営に戻す事例が相次いでいます。しかも、一度民間企業に運営を任せると、公営事業体の人材、技術が失われ、もとに戻すことが不可能になってきます。また、もうからないための撤退や倒産により、一時的に水の供給がとまってしまうリスクも考えなければなりません。また、海外の事例を見ると、公営に戻す場合、アメリカのインディアナポリス市では約三百億円、ベルリンでは約千五百億円以上の新たな資金が必要となり、水道料金に上乗せされることになったようです。フランスのパリでは、水道料金が二・二五倍まで高騰し、再公営化になっています。  本市の水道事業も、人口減少による運営の困難さを乗り越えなければなりません。まず、このコンセッション方式による運営を民間に任せることに対する本市のスタンスはどうなのか、水道事業管理者の方向性を伺います。  現実問題として、本市は、約四分の一の飲料水を県の水道事業から買っています。万が一この料金が高騰した場合、本市の水道料金にはね返ってきますが、これを拒否できるのか、また、四分の一を受け入れなくても本市の水道事業が運営可能なのか、お聞かせください。  また、宮城県がこの方式を導入することは、もはや明白になりました。宮城県のコンセッション方式に対して、県の説明を聞かなければわからないではなく、どのようなスタンスを本市は述べるおつもりなのか。神戸市は導入しないと、大阪市は導入の方向性を、本会議で市長が明確な答弁を既にしています。本市のわかりやすい御見解をお聞きいたします。  次に、フードロスについて、本市の取り組みについて伺います。  日本のフードロスは年間約七百万トンあり、世界の飢餓が優に解決する量だと言われています。これから忘年会、新年会が数多くホテルで開催されますが、これらに出席するたび、膨大な食べ残しについてどうにかならないものかと考えさせられます。  本市は、条例に基づき、大規模建築物三千平米以上の事業系一般廃棄物の処理量の報告を受けています。ホテル、旅館は七十件程度登録されています。しかし、食品廃棄物をリサイクル処理施設に搬入しているのは、わずか一件だとお伺いしました。それは、これらの食品廃棄物は割り箸、プラ容器、金属製スプーンなどの混入物を取り除かなければならないので一件だけのようです。されど、一件のホテルができるのですから、二件、三件とふやす本市の熱意あるアプローチが足らないのではないかと感じますが、御当局の御見解を伺います。  出口の取り組みがなかなか進まないのであれば、入り口を減らすしかありません。例えば三〇一〇運動があります。これは、以前、同僚議員もお聞きしていますが、宴会の食べ残しを減らすために、乾杯後三十分間は席を立たず料理を楽しみ、お開き十分前になったら自席に戻り、再度料理を楽しみましょうという運動です。長野県で始まり、福岡市を初めとして全国各地で取り組みがされています。白石市、石巻市でも取り組んでいますが、本市は今月の市政だよりの片隅に、三〇一〇運動を実践しましょうと載せている程度で、積極的に取り組んでいるとは言いがたい現状です。  福岡市長のドキュメントを拝見しましたが、全ての市主催の宴会では、市長みずから丁寧に説明して、参加者は乾杯後もお酌などに立たずに、三十分間料理を食べている様子が映されていました。地道に継続することによって、福岡市では浸透しているようでした。郡市長はどう思われます。御見解を伺います。  次に、ごみ集積所についてお伺いします。  誰でも自分の家の前がごみ集積所になるのは避けたいと思っています。我が町内会でも、家の建てかえなどで家の前のごみ集積所の移転を町内会長の私に要請されることがあります。新しいごみ集積所を探すのは困難をきわめ、大変苦労することになります。青葉区の町内会長会、連合町内会長会などでは、ごみ集積所の移転の話は常に話題になります。各町内会も大変御苦労なさっているようです。最後は多くの方が町内会長をやめたいと吐露されることになります。環境局に実態を相談しても、それは町内会でお決めくださいという安直な返答が返ってくるだけです。また、我が町内会の九カ所のごみ集積所のうち、八カ所は道路または歩道上にあります。  まずお聞きいたしますが、本市の二万一千三百五十一カ所のごみ集積所のうち、六千三百二十一カ所が道路、歩道上にあります。そもそもこのごみ集積所を道路、歩道上に設置する場合は道路占用許可をとらなければならず、現在は見て見ぬふりの、正確には違法状態になっていると考えていいのでしょうか、お聞かせください。  ひとり暮らしの高齢者がふえ、ごみ出し困難な方が急激にふえてくると予想されますが、本市では今年度から地域ごみ出し支援活動促進事業を始めました。申し込み件数は、わずか十六団体だけのようです。この事業を町内会に依頼されても、なかなか難しいと思われます。  そこで伺いますが、政令市二十都市中、四都市において、家庭ごみの戸別収集を実施しています。各都市、戸別収集の経費は幾らかかっているのでしょうか。また、その経費は、ごみ袋などの値段に反映されているのでしょうか。本市で戸別収集をするとすれば、幾らの経費がかかると予想されているのか、そして現実的に可能なのか不可能なのか、御見解をお聞かせください。  超高齢社会が急速に進み、独居の高齢者がふえてくるのは明らかですので、今後、本市もせっぱ詰まる前に、ごみ集配の幾通りかのシミュレーションを具体的に考えていかなければならないと思いますが、環境局長の御方針を伺います。  次に、交通局に、交通系ICカード、イクスカについて伺います。  イクスカは、市交通と宮交バス等、仙台近郊のJR名取駅、塩釜駅、作並駅等まで使用可能です。しかし、ほかの機能が全くないという寂しい状況になっています。導入が一周おくれの後発なため、追加の機能を付加するなど、Suica等に機能の相乗りは多額の資金がかかり断念したと伺いました。しかし現在、政府は、キャッシュレス決済に大きくかじを切っています。LINEを初めとする後発の取り組みがめじろ押しの状態と思われます。  しかし、本市は、市交通の乗客約八〇%以上の動向のビッグデータがあります。大したことのないビッグデータと思い込んでいるのは、交通局だけかもしれません。交通局が気がつかないデータの可能性があるかもしれません。交通局は、乗車料金以外の収入を得る至上命題があるはずです。二周おくれになり取り残されないためにも、イクスカの多様性の付加価値を検討する必要があると考えますが、交通事業管理者の御見解を伺います。  最後に、本市の経済政策について伺います。  本市は、大学卒業後の若者を中心として、人口流出がかねてから課題となっています。二〇一七年における本市から東京圏への転出超過数は三千五百二人であり、大阪、札幌、名古屋などの大都市を上回り、全国一になっています。こうした中で、若者の地元定着促進に向けた奨学金返還支援事業は評価いたします。しかし、この制度だけで人口流出を食いとめることは難しく、根本的な問題はこの地域に魅力的な雇用が少ない、特に理系人材が活躍できる企業が少ないということに行き着きます。ますます売り手市場化が進めば、東京の大企業の就職を目指し、加速する事態が懸念されます。  しかも、経団連は、大卒の就職協定を破棄することを決定いたしました。経団連は、就職協定を遵守すると外資系、IT企業に早目の内定を出されることが不利になると考えているようです。このことの行き着く先は、大学一年から内定を出すことになり、日本の大学教育が就職するためのただの機関になってしまわないのか、大変危惧するところです。本市にとってもますます不利な条件がそろってしまいます。それゆえに、本市は新規創業の取り組みを強化することが必要になってくると考えます。  創業支援に関して、私は、約十五年前の議会においてビジネスグランプリの事業について取り上げ、ただ単に表彰するだけでなく、ビジネスプランの実現までしっかりとサポートすることが重要で、仙台でグランプリをとれば実現するというインセンティブがなければなくなってしまうと指摘させていただきました。やはり昨年度をもって終了してしまいました。当局は新たに開始した起業家集中支援プログラム東北アクセラレーターとの統合を図ったとのことであります。そこで伺いますが、起業家集中支援プログラムの概要やビジネスグランプリとの違い、また、当該プログラムに関するこれまでの成果についてお示しください。  本市における起業のさらなる促進に向けては、ビジョンの明確化や他都市との差別化が重要と考えます。  アメリカオレゴン州のポートランドは、すぐれた都市政策やコミュニティーの質の高さが世界的に注目されています。若い市長は起業家を呼ぼうとしたのではなく、中心市街をブロックごとに分けさまざまな魅力的な施策に取り組んだところ、意識の高いレストランや起業家が自然と集まってきたようです。隣のワシントン州のシアトルはそれより早くからこのような取り組みをした先進都市ですから、マイクロソフトやスターバックスなど今では大企業に成長した企業が、移転することなくシアトルに存在しています。また、国内を見れば、福岡市が、シアトルを参考に暮らしよさとビジネスを結びつけ、新しい価値を生み出すことを目指した取り組みを進めております。  本市の取り組みはどうでしょうか。地道なさまざまな取り組みは評価いたしますが、仙台市はこういう方向性にこのように進んでいくという確固たる背骨となる大きなビジョンが欠けていると感じます。私は、本市も、若者の多さや暮らしやすさなど、他都市と比べてもポートランドのような新しい価値を生み出すポテンシャルを持っていると考えます。それなのに、なぜ本市はぱっとしないのでしょう。  本市が取り組むべき創業支援の方向性としては、世界に挑戦する気概と事業性はもちろんのこと、地域課題、社会問題としっかり向き合い、地域に貢献、還元する起業家を生み出すことが重要です。また、次世代放射光施設に関連したベンチャー企業の創出など、東北大との連携も重要です。  本市は、新規創業の取り組みについて、何を目指して、何を売りに、またどういった部分で他都市との差別化を図ろうとするのか、これらのお考えについて伺います。  また、例えば起業をしようとする若者が金融機関や投資家、経営者の前でプレゼンをする機会も重要ですが、逆のプレゼンテーション、仙台の中小企業側がスタートアップ起業家たちに、私たちの会社はこういう企業でこのような技術とビッグデータを持っています、これを使った取り組みを一緒に考えましょうという逆プレゼンの機会をつくるべきと考えますが、どうでしょうか。スタートアップ側も仙台市の中小企業が持つポテンシャルを知る重要なチャンスと思います。御見解を伺います。  以上で私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 63: ◯市長(郡和子)ただいまの村上かずひこ議員の御質問にお答えを申し上げます。  本市の水道事業へのコンセッション方式導入に関する見解についての答弁をさせていただきます。  今般、水道法が改正をされまして、水道事業へのコンセッション方式導入が可能となったことを受けまして、複数の自治体で今後の対応方針についてさまざまな報道がなされておりますけれども、いずれも詳細の検討はこれから進められるものと認識をしております。  現在、本市では、コンセッション方式の導入を検討している県に対しまして具体の内容を問い合わせておりますけれども、県からは、詳細は、今後、事業者公募に向けた実施方針を策定する中で検討していく予定だと伺っております。  本市といたしましては、今後、受水市町と協力しつつ、市民や事業者の不安の解消につながる十分な説明を求めて、県での検討状況等を十分に踏まえながら、本市として望ましい対応を見きわめてまいりたいと思います。  次に、フードロスの取り組みについてお答えをいたします。  フードロスの削減につきましては、食料問題や環境問題の面からも国際的な関心が高く、我が国においても廃棄物の発生抑制や資源の有効利用の点で課題となっておりまして、これに対しては、市民、事業者、行政を含めたさまざまな関係者が連携して取り組むことが重要と認識をしております。  御指摘の三〇一〇運動は、飲食店を利用する皆様方の心がけで食品廃棄物の発生抑制につながる、有効な取り組みだと認識をしております。本市においては、市政だよりなどによる広報のほか、市職員向けに、パソコンの庁内ネットワークを活用して周知をしているところでございます。私自身、会食を伴う会合の機会には三〇一〇運動を御紹介するなど、多くの皆様にこの取り組みが広がるよう呼びかけてまいりたいと存じます。  そのほかの御質問につきましては、交通事業管理者、水道事業管理者並びに関係局長から御答弁を申し上げます。  私からは以上でございます。 64: ◯環境局長(遠藤守也)私からは、市長が答弁した以外の環境局に関するお尋ねにお答えいたします。  まず、食品廃棄物のリサイクルについてです。  本市では、多量に食品廃棄物を排出する事業者に対し、リサイクルの呼びかけを行っておりますが、食品以外の混入物の除去に係る負担が大きいことなどから、リサイクルがなかなか進んでいない状況にございます。  一方で、ホテルや飲食店から発生する廃棄物は、主に利用者の方々の食べ残しであることから、利用者に対しまして食べ切りを呼びかけるなど、食品廃棄物の発生抑制に向けた取り組みが重要と考えており、三〇一〇運動など、市民、事業者の皆様への働きかけを進め、食品廃棄物の削減に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、道路や歩道上のごみ集積所についてです。  ごみ集積所の設置については、道路管理者から、地域の生活環境の清潔保持のため必要なことであり、市民生活に直結したものであることに鑑み、道路通行上に支障を生じさせない範囲において一時的に使用するということで、従前より了解を得ているところでございます。これに基づき、環境局では、町内会等からの御要望に対し、地域の状況に応じた適切な集積所の設置について御相談をお受けするなどの対応をしております。  ほかの政令市における戸別収集に係る経費についてです。  各世帯の門前からごみを収集する、いわゆる戸別収集につきましては、福岡、堺、大阪及び名古屋の四都市において実施しています。そのうち福岡市、堺市では、本市と同様に委託化による収集を行っております。平成二十九年度における委託経費は、本市が二十七億二千万円余りであるのに対し、福岡市が七十七億円余り、堺市が四十六億三千万円余りとなっております。一方、大阪市と名古屋市においては職員による直営収集を基本としており、大阪市では職員約一千六百名、名古屋市では約千名の人件費等が主たる経費となっている状況でございます。なお、これらの四都市のうち、ごみ袋の有料化により処理手数料を市民の方々に御負担いただいているのは福岡市のみであり、平成二十九年度の歳入額といたしましては、三十一億四千万円余りという状況でございます。  本市において戸別収集を実施する場合に予測される経費、実現可能性及び今後の方針についてです。  まず、経費につきましては、本市と同様に委託化による収集を行っている福岡市、堺市における委託料を参考に試算いたしますと、概算で年間六十数億円程度となり、これは、本市の平成二十九年度の委託経費二十七億二千万円余りの二倍を超える費用を要する額となります。これを踏まえますと、戸別収集の実施は、本市においては困難であると考えているところでございます。  ごみの収集方法につきましては、今後も集積所方式を基本としてまいりますが、少子高齢化の進展など社会情勢の変化への対応といった視点を持ちながら、他都市の事例なども研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 65: ◯経済局長(遠藤和夫)私からは、経済施策に係る数点の御質問にお答え申し上げます。  まず、起業家集中支援プログラム東北アクセラレーターについてでございます。  本事業は、東北全域の起業家を対象とした起業支援プログラムとして昨年度から開始し、地域経済にインパクトをもたらす起業家の輩出を目指すものでございます。具体的には、ビジネスプランをもとに起業家を選抜し、専門家によるレクチャーや助言を通じてプランを磨き上げ、投資家や金融機関、大企業とのマッチングを行い、新たな事業の創出と拡大につなげていくものであります。起業家へのサポートを強化している点が、ビジネスグランプリと大きく異なっております。  昨年度の成果といたしましては、支援したビジネスプランが投資家などから総額約一億二千三百万円の資金調達に成功しており、また、その中の一つが経済産業省のベンチャー企業支援事業に活用されるなど、具体的な成果が生まれ始めているところでございます。  次に、新規創業における他都市との差別化についてでございます。  人口減少や高齢化が最も進行する東北におきましては、社会や地域の課題解決に正面から取り組む起業家を本市から輩出し、育成していくことが重要であり、この点を特に重視している点が他都市との違いであると認識しております。  加えて、多くの研究成果を有し産業界との連携も強めている東北大学の存在が本市の強みであり、研究成果に基づく大学発ベンチャー、さらに今後は、次世代放射光施設に関連したイノベーションの創出支援に取り組んでまいります。  世界に挑戦し、また、地域の豊かな未来のために貢献する多様な起業家が生まれ育つ仙台を目指してまいります。  次に、地元中小企業による起業家に対する逆プレゼンテーションについてでございます。  本市では、これまで、起業や新規事業の創出につきましては、起業家やベンチャー企業のアイデア、ビジネスプランなどを投資家や既存企業につなげる取り組みを進めてきたところでございます。  御提案の地元中小企業からの情報発信による起業家とのマッチングにつきましては、中小企業が持つ自社の強みを再確認することにもなり、その強みと起業家のアイデアを結びつけることは、中小企業の活性化にもつながる可能性があるものと思われます。経済団体などの意見も伺いながら、どのような取り組みがより効果的か、検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 66: ◯教育長(佐々木洋)私からは、各学校における家庭訪問についてお答えいたします。  児童生徒の自宅を訪問し保護者との面談を行うことは、その児童生徒の家庭での状況等を確認し、連携を深める面から、意義があるものと考えております。しかしながら、保護者との時間調整が難しい面があること、プライバシーや授業時数の確保等の理由から、玄関口への訪問や校内での面談としている学校もございます。  今後とも保護者の理解をいただきながら、全ての保護者と直接話し合う機会を家庭訪問も含めて設定するとともに、生徒指導上の課題がある場合等には個別に家庭を訪問し、必要な情報を共有するなど、積極的な取り組みを進めるよう、教育委員会としても各学校に働きかけてまいりたいと存じます。  以上でございます。 67: ◯交通事業管理者(加藤俊憲)イクスカに関するお尋ねにお答えいたします。  現在のイクスカに乗車券以外の機能として電子マネー機能を付加することにつきましては、多額の費用がかかることなどから現段階では導入は難しいと判断しておりますが、全国各地の交通系ICカードにSuica電子マネー機能の搭載を目指す研究も開始されていることから、中長期的課題と捉え、引き続きJR東日本等と協議してまいりたいと考えております。  また、お客様に関するビッグデータの活用につきましては、個人情報の取り扱いに留意しながらも、アンテナを高くして他の事業者の活用事例も注視しつつ、研究を進めてまいりたいと存じます。  今後とも、イクスカの利便性の向上やデータの活用など、さまざまな工夫を凝らし、運賃収入以外においても収益の確保を図ってまいりたいと考えております。
     以上でございます。 68: ◯水道事業管理者(板橋秀樹)私からは、水道事業にかかわる御質問のうち、市長がお答えした以外の御質問にお答えをいたします。  初めに、コンセッション方式により民間に水道事業の運営を任せることに対する本市のスタンスについてでございます。  水道事業は、人口減少等に伴う厳しい経営環境が予想されており、安全・安心な水を安定して届けるという重要な社会的使命との両立を図るべく、既に、全国的には包括委託や第三者委託などさまざまな手法による事業運営への民間活力の導入が進められている実態にあります。本市といたしましても、今回の水道法改正により導入が可能となったコンセッション方式も含め、事業運営の面でさまざまな民間活力の活用可能性を検討すること自体は、必要な取り組みと認識をいたしております。  一方で、このコンセッション方式は、法律が改正されたばかりで国内の水道事業での導入事例がなく、詳細が詰められていない部分も多いため、御指摘の諸外国の事例等も踏まえて、不安の解消につながる、わかりやすく十分な対策が講じられるべきものと考えております。今後、県における水道事業へのコンセッション方式導入に向けた検討状況を見きわめ、市民や事業者の不安解消につながる十分な説明を求めつつ、他の受水市町とともに、基礎的な社会インフラである水道事業の持続的な健全経営につながるよう取り組んでまいります。  次に、宮城県が運営する仙南・仙塩広域水道からの受水についてでございます。  全ての受水市町にとって、水道水を安定的に供給する上で県の広域水道は重要な水源であり、既にそこからの受水がなければ事業運営が成り立たない状況となっており、本市においても例外ではございません。  また、県の広域水道の受水料金は、県と全ての受水市町が五年ごとに締結する覚書により定められており、本市の水道料金算定上も一定程度の影響を生じるものでございますが、これが万一、合意形成ができない場合は、必要水量の確保が困難となり、各受水市町の事業運営に大きな影響を及ぼすことが見込まれます。  このため、今後も広域水道からの受水を安定的に継続できるように、他の受水市町と連携を図りながら、各市町の水道事業の持続的健全経営に資するよう、受水料金の抑制を図ることや災害時の迅速な対応等を県に対し求めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 69: ◯十五番(村上かずひこ)教育長のほうに家庭訪問のことについてちょっとお伺いします。  今の答弁では、全校で行うことを依頼するとはなっていないような答弁なんですけれども、七〇%はやっているんですよ。三〇%だけが全くやっていない。  それで、いじめ問題について、いじめを認知したときに、いじめる側、いじめられる側の家庭環境を知っているかどうかということは、初めの初動対策で最も大切なことの一つだと思っています。何かが起きてから話し合うんじゃなくて、初めから知っているか知っていないかによって、初動の対応が本当に影響してくると思います。  やっている学校とやっていない学校があるということ、凹凸があること自体、私はおかしいと思いますし、私は、福岡市のように、校長会を通してでもいいですけれども、全校で、全ての学校で行うことをお願いするのがいいと思いますけれども、再度御答弁ください。 70: ◯教育長(佐々木洋)さまざまな教育課題の解決のためには、保護者と密接な連携は欠かせないものと認識してございます。その一つの手法として家庭訪問というのも大変有効なものと考えておりますので、この家庭訪問の取り組みが進みますよう、教育委員会としても、各学校に取り組みを促してまいりたいと考えてございます。 71: ◯議長(斎藤範夫)次に、加藤けんいちさんに発言を許します。     〔十六番 加藤けんいち登壇〕(拍手) 72: ◯十六番(加藤けんいち)市民ファースト仙台の加藤けんいちです。議長のお許しをいただきましたので、一般質問させていただきます。  初めに、ジャイアントパンダについて伺います。  まず、市長に伺います。郡市長はパンダはお好きでしょうか。愛くるしい容姿と何とも言えないしぐさを見れば、パンダを嫌いという方を探すほうが難しいと思います。パンダが好きであっても、パンダを八木山動物公園に導入することについてはさまざまな意見があることは、皆さんも承知のことと思います。  十月に菅官房長官は、国民に広く親しまれるパンダの来日が実現すれば喜ばれると思いますと発言し、パンダの貸与について中国政府との協議を進めていく考えを表明したとの報道がなされ、私のところにも何件かの問い合わせが寄せられました。この間、政府側から何らかの話がなされたのか、また、本市より政府に対して問い合わせ等をされたのかお伺いいたします。  そもそもパンダ導入については、奥山市長が平成二十三年十月に、ジャイアントパンダつがいを無償で貸し出してほしいと中国政府に求めていることを記者団に対して明らかにしたころから始まりましたが、外交上の課題でもあり、両国間の状況などを見守りながら静観してきた経緯にあります。  導入に当たっての議論はジャイアントパンダ導入プロジェクト会議でなされていると認識いたしますが、委員長には新たに高橋副市長が就任されたと伺っております。今回の政府の動きを受けて、プロジェクト会議は開催されたのでしょうか。されていないとすれば、パンダ導入の検討はどこで行われているのかお伺いいたします。  私が初めにパンダ導入について質問しましたのは、平成二十三年十二月の第四回定例会でありました。その際、本市としてパンダ誘致による経済波及効果をどの程度見込んでいるのかお尋ねしたところ、初年度には約五十億円の直接経済効果とそれに付随する経済波及効果があるものと推計しており、その後につきましても相当の経済効果が見込まれると、当時の建設局長が答弁されております。その後、細かい積み上げをされたとも伺いました。あれから七年が経過しましたが、経済効果の推計に変更はないのかお示し願います。  パンダ導入については、常任委員会や特別委員会、本会議において、多くの同僚議員も取り上げてきています。何よりも多くの市民が関心を寄せており、子供たちに喜びと元気を与えられる、パンダで観光客を呼び込むことにより集客力が高められ、経済効果も期待されるといった声の一方で、本市が中国の外交カードに利用されることにならないだろうか、領事館の誘致の話にまで発展しはしないかなど、推進、慎重の意見がさまざまでありますが、ことしは日中平和友好条約締結四十周年の節目の年ということで、例年になく両国間の動きに注視した対応が求められますが、市長はパンダ導入に向けていかがお考えになっているのか、御所見をお伺いいたします。  次に、仙台市奨学金返還支援事業について伺います。  若者の地元定着や市内中小企業の人材確保を目的とした政策的な奨学金制度創設について、私自身も、平成二十七年第三回定例会から複数回にわたり提言してまいりました。また、過日、市長に提出させていただいた会派基本政策、予算要望の際には、早期の制度設計を求めてきた経過にありまして、現在大学三年生から適用となるよう、奨学金返還支援事業の素案を急ぎ取りまとめられたことについては、一定の評価をするものですが、この仙台版奨学金制度の創設は市長公約の大きな柱の一つであり、代表質疑においてもるる議論がなされましたが、確認も含め、私から何点かお伺いいたします。  支援額一人当たり年間十八万円、月一万五千円、これは日本学生支援機構の貸与型奨学金の平均返済額を参考にされたとのことですから、一定の理解をしなければと思いますが、返済額三年間の根拠を伺ったところ、離職者は入社後三年が一番多いことからとの説明でありました。逆に、奨学金返還支援の終了をもって、離職するきっかけを後押しすることにならないか懸念するものです。そもそも奨学金の返済期間は十五年、二十年の長期返済が主流であります。支援期間の延長を求めるものですが、当局の所見をお伺いいたします。  対象人数についても伺います。年間七十名、三年間で合計二百十名です。昨日までの代表質疑において、御当局は、七十名の根拠を、県内就職希望者で県外に就職された学生や市内従事者の割合、市内就職者数などから算出されたと答弁されております。これまで私は、先行して実施している北九州市の奨学金返還支援を参考とするよう提案してまいりましたが、本市より人口の少ない北九州市では、年間三百名を対象としています。学都仙台の事業として、対象人数七十名は適当なのでしょうか。奨学金返済支援を受ける対象者が就職する、いわゆる認定事業所、これは少なくても百社以上と答弁されております。であるならば、対象人数は百名が最低ラインになると考えるのが至極自然と思いますが、見解を伺います。  北九州市では、事業初年度だった平成二十九年度、そして本年度の応募状況は、定員の三百名を超えており、交付候補者の認定方法は選考方式を採用しています。本市の認定方法は先着順と伺いました。候補者多数となった場合を想定し、選考方式の検討もすべきと考えます。いかがでしょうか、伺います。  奨学金返還支援事業について、最後に市長に伺います。このたび取りまとめた素案では、三年間の時限事業の内容です。市長は、この三年間、力を入れて取り組み、利用実績や意見を伺いながら効果を検証し検討したい旨、答弁されました。事業を継続しながら検証することも可能ではないでしょうか。事業を三年に限定した理由をお尋ねいたします。  奨学金返還支援は私自身も提言してきたスキームであり、賛同するものではありますが、若者の地元定着、市内中小企業の人材確保を力強く後押しするためにも、もう少し手厚くなるよう踏み込む必要はないのでしょうか。改めて市長に所見をお伺いいたします。  次に、宅配の再配達削減に向けた本市の取り組みについて伺います。  環境省は、九月二十五日、山形県山形市と京都府宇治市で宅配ボックスを活用した実証実験を始めることを公表いたしました。宅配ボックスが宅配便の再配達とそれに伴う二酸化炭素排出量の削減に寄与するかを検証するため、来年二月までにオープン型宅配ロッカーをスーパーや大学、公共施設に約十五台ずつ設置するとのことです。この課題については、昨年の第四回定例会において、国土交通省が取りまとめた宅配の再配達の削減に向けた受取方法の多様化の促進等に関する検討会報告書や、先行する他自治体の事例を紹介し、本市の取り組みについて求めてきた経過にあります。  福岡市では、ことし八月、IoTやAIといった最先端の技術を活用したプロジェクトをサポートする福岡市実証実験フルサポート事業に届いた公募の中から採択された五件のプロジェクトを発表いたしましたが、五件のプロジェクトのうち二件が再配達問題解消に向けた宅配ボックス関連のプロジェクトであり、自治体として課題解決の取り組みを加速しております。改めて、この課題に対する本市の認識と今後の取り組みについてお伺いいたします。  誤解がないように補足させていただきますが、ネット通販を助長するものではなく、本来であれば地元での消費を促すことにこそ力を傾注すべきでありますが、この課題は、環境省のみならず、先ほど紹介したとおり国土交通省でも検討会報告書を取りまとめ、この検討会には経済産業省も参画しております。また、消費者庁も宅配サービスの受け取り方法の現状と消費者意識について調査に乗り出しているなど、国も社会問題として取り組んでいることから、本市の対応について確認するものです。  昨年の質問では、駐輪場への設置と地下鉄駅構内への宅配受け取りロッカーの設置について提案させていただき、本年四月に、地下鉄南北線長町南駅にオープン型宅配便ロッカーの設置に至りました。御当局の取り組みに感謝いたします。利用状況について伺ったところ、五月から六月は約二十件の利用であったのが、十月には約五十件に増加しているとのことであります。利用件数だけで評価するのは難しいと思いますが、地下鉄利用者の利便性向上に資する取り組みであると考察いたします。御当局はどのように受けとめておられるのか伺っておきます。  先日、地下鉄駅構内のコインロッカーの利用実態について、南北線を中心に調査してまいりました。一番利用率の高かった旭ケ丘駅で、十五ロッカー中、利用されていたのが三件で利用率二〇%、次に北四番丁駅が二十八ロッカー中四件で一四・三%、低いところでは、勾当台公園駅が四十八ロッカー中二件で四・八%、富沢駅では二十ロッカー中ゼロ。この日は平日でありましたが、日中の平均利用率は七・七%と極めて低い利用率でありました。この結果からも、利用の少ないコインロッカーの一部を宅配受け取りロッカーへ変更するなど、さらなる取り組みを求めるものです。当局の所見をお伺いいたします。  次に、特別養護老人ホームの待機問題について伺います。  入居の条件から要介護一、二が外された際は一時的に待機者数は減ったと伺っておりますが、最近は全国的に増加し、三十六万人の方が待機状態という報道もなされております。本市においても、特別養護老人ホームの入居待機者数は二千三百十九人、うち、早期入居希望者は千三百九十三人とのことです。  第七期の仙台市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画では、平成三十二年度内に八百五十人分の整備計画としております。さまざまな推計や要介護度別の伸び率を掛けて算定したものと考察いたしますが、八月の常任委員会で示された入居申し込み状況等の調査結果では申込者数二千百六十一人で、整備計画八百五十人との乖離は大きいものと受けとめざるを得ません。年金が減少し生活が苦しくなる高齢者がふえていく昨今では、経済的理由から特別養護老人ホームの希望者はさらに増加することが予想されますが、待機者は解消されるのかでしょうか、お伺いいたします。  本市の要介護認定者数は、平成二十九年十月一日現在四万四千百三十二人、今後の推計では、平成三十二年に約四万九千人に増加すると見込んでおります。今後とも居宅サービス、地域密着型サービス、施設サービス等、必要とするサービス量を確保することが求められる中で、特別養護老人ホーム以外へシフトしている自治体もあるようですが、先ほど述べたとおり、経済的理由や高齢者のひとり暮らしの増加、さらには高齢化の進展により平成三十七年には後期高齢者が十五万人を超える推計であり、特別養護老人ホームのニーズはさらに高まるものと考察するものです。今後の本市における介護サービスのあり方について、施設サービスの視点も踏まえた当局の所見をお伺いいたします。  関連して、介護人材の確保についても伺います。  介護の担い手不足から、昨年十一月から外国人の技能実習分野に介護が追加されましたが、この一年間に来日した実習生はたった二百四十七人にとどまることがわかったとの報道がありました。国会では改正出入国管理法が成立しましたが、私は、外国人労働者の受け入れが拡大されたとしても、介護職場の労働力不足は依然として大きな課題になるものと懸念している一人です。  本市においては、高度化する介護ニーズへ対応できる介護人材の確保に向けて、仙台市介護人材確保取組み実行委員会を組織し取り組んでいると伺っており、この実行委員会の取り組みにも期待を寄せるところでありますが、今後の介護サービスの安定的な提供に向けた人材確保の取り組みについてお伺いいたします。  最後に、小学校卒業式の服装について伺います。  東松島市長が十一日の市議会十二月定例会の一般質問に対し、小学校の卒業式は華美になり過ぎていると答弁されたと地元紙で報道がなされました。郡市長は、ここ数年の小学校卒業式をごらんになったことはございますか。どんな感想をお持ちになっているのかお聞かせいただきたいと思います。  そもそも小学校は私服での登校ですから、何を着て卒業式に出席するかは自由であり、それを楽しみにしている児童もたくさんおられることでしょう。しかし、卒業式は最後の授業であり、必要のない服装の演出で卒業ショーのような式になってしまわないよう留意することも必要ではないでしょうか。  はかまを着た女子児童が体調が悪くなり、卒業証書を受け取れなかったり、最後まで式に出席できなかったという光景を目にしたことがあります。トイレに行きたくても着崩れが気になって我慢したり、早朝から準備をしたため体調が悪くなったり、体を締めつけられて気持ちが悪くなったり、ふだん着なれない羽織はかまを着ることには心配な点があります。  また、和装だけでなく、大人顔負けの派手な洋装も多く、保護者のSNS投稿が目的になっているとやゆする見方もあるようです。たった一度しか使用しない卒業式の服装を用意するための負担が大きいとの声も寄せられているのが実態です。何よりも、経済的理由で他の児童と同じような服装が用意できず、小学校最後の日に悲しい思いをしている児童もおられると伺いました。  そこで、提案いたします。保護者の皆様に、卒業式にふさわしい服装について配慮を求めてはいかがでしょうか。進学予定先の中学校の制服着用を推奨してみるのもよいでしょう。アンケート等により調査を行うことも一つの方法だと思います。  服装について、根拠となる決まりはありません。当然、強制するものでもありませんが、最後の授業にふさわしい服装で臨むよう配慮をお願いすることはできないでしょうか。ぜひ御検討いただきたく、教育長の所見をお伺いし、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 73: ◯市長(郡和子)ただいまの加藤けんいち議員の御質問にお答えを申し上げます。  ジャイアントパンダの導入に関する御質問にお答えを申し上げます。  去る十月二十六日に行われました日中首脳会談では、中国から日本へのジャイアントパンダの供与のための環境を整備し、パンダの繁殖研究を後押しするために、両国政府間で協力していくことで認識が一致したと承知をしております。震災からの復興の中で、東北の子供たちに夢と希望を届けるために招致に取り組んできた本市といたしましては、一歩前進と受けとめております。  政府側及び支援を表明いただいておりますマーチングジェイ財団とは、この間、連携を図ってまいりましたけれども、日中首脳会談後も情報の共有や今後の対応について御相談をいたしております。  ジャイアントパンダの導入に当たりましては自治体の取り組みも重要となることから、本市といたしましては、十一月に開催されました中国ジャイアントパンダ繁殖技術委員会に八木山動物公園の園長らを派遣するなど、飼育や繁殖に向けた情報の収集などに努めているところでございます。  今後とも、政府と密接に連携をし、多くの人に愛されるジャイアントパンダ導入の実現に向けて取り組んでまいりたいと存じます。  次に、奨学金返還支援事業についてのお尋ねでございます。  私が座長で開催をいたしました経済成長戦略策定の懇談会におきましても、経済界の皆様方から人材の不足について多くの御意見を伺わせていただきました。こうした点も踏まえまして、この三年間、地元中小企業の人材確保をしっかりと後押しし、若者の地元定着を促進してまいりたいと考えまして、今回、素案をお示ししたものでございます。  事業規模などにつきましては、学生の就職状況や他の自治体の先行事例なども参考に設定をしたところでございますけれども、今後、取り組みを進めていく中において、人材の確保の状況や本事業の活用実績、また地元経済団体等からの御意見なども踏まえまして検証を行って、事業のあり方について検討してまいりたいと存じます。  それから、小学校の卒業式の服装についてでございます。  私自身、近年、小学校の卒業式に直接参列したことはございませんけれども、はかまなどのさまざまな服装で参加する児童の様子になっていることについても承知をし、報道にも触れているところでございます。  卒業式は、小学校の最後の儀式として、厳粛で清新な雰囲気のもと、子供たちが決意も新たに希望や意欲を抱く場であるというふうに考えます。当日の服装につきましては、さまざまな御意見があるかと思います。保護者の皆様方がどのようにお考えになるのか、また、子供たち自身がどうしたいのかなど、意向を確認しながら検討する必要があるのではないかと、このように考えます。  そのほかの御質問につきましては、交通事業管理者並びに関係局長から御答弁を申し上げます。  私からは以上でございます。 74: ◯健康福祉局長(舩山明夫)私からは、特別養護老人ホームにかかわる御質問にお答えを申し上げます。  まず、特別養護老人ホームの待機者についてでございます。  現在の事業計画における特別養護老人ホームの整備量の目標につきましては、平成二十九年四月一日現在の入居申込者を対象としたアンケート調査をもとに推計しております。申込者には、早期に入居を御希望される方だけではなく、将来的な入居希望者などもおられますことから、申込者の状況の的確な把握と検証を行い、適切な量を算定したものでございます。  特別養護老人ホーム等の整備に当たりましては、引き続き、高齢者の入居ニーズや介護人材の確保状況などを十分に勘案しながら進め、待機者の早期解消に努めてまいりたいと存じます。  次に、介護サービスのあり方についてでございます。  高齢者が住みなれた地域で暮らし続け、必要なときに適切な介護サービスを受けることができるよう、日常生活圏域における居宅サービスや施設サービスなどの質の確保とサービス基盤の一層の充実が必要と認識をしております。  高齢化の進展により、今後さらにニーズの高まりが見込まれますことから、とりわけ入居を必要とされる高齢者が円滑に支援に結びつくよう、特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームなどの施設系サービスの計画的な整備を初めとする、多様な介護サービスの基盤整備を進めてまいります。  次に、介護人材確保の取り組みについてでございます。  人材確保につきましては、現場を預かる高齢者福祉関係団体との連携、協働が重要と考え、仙台市介護人材確保取組み実行委員会を組織をし、介護関係職員の研修会や交流会の開催、小学校への出前授業の実施など、職員の離職を防止し定着を図る取り組みや、将来の担い手の掘り起こしにつながる取り組みを行ってまいりました。  今後とも介護従事者の処遇改善などについて国への要望を継続してまいりますほか、これまでの取り組みに加え、他都市の先進事例も参考にしながら、関係団体等と連携をし、人材確保の取り組みを進めてまいります。  以上でございます。 75: ◯環境局長(遠藤守也)宅配の再配達削減についてお答えいたします。  近年、インターネットを利用した商取引の拡大に伴い、宅配便の取り扱い件数も急速な伸びを示しております。これに伴い、宅配便の再配達による二酸化炭素排出量の増加やドライバーの労働力不足等が全国的な課題となっております。  再配達の削減に向けては、販売や物流にかかわる事業者のハード、ソフト両面にわたる取り組みと、宅配便を利用される消費者の意識や行動の双方が重要と認識しております。今後の対応につきましては、こうした事業者の取り組みのほか、国が実施している啓発活動や調査の経過等を注視しながら、関係部局と連携して検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 76: ◯経済局長(遠藤和夫)私からは、奨学金返還支援事業に関しまして、市長がお答えした以外の質問にお答え申し上げます。  まず、支援期間についてでございます。  本事業は、地元中小企業の人材確保と、その人材が企業及び地域に定着することを主たる目的としております。このことから、支援期間につきましては、就職後三年以内は離職率が高いこと、また、その後は給与水準の向上が国の統計調査からも見込まれることなどを踏まえ、入社後三年間を支援し、定着を促進したいとするものでございます。  次に、対象人数についてでございます。  素案の検討に当たりましては北九州市の事例も参考といたしましたが、本市は中小企業を対象とする一方、北九州市はそれに加え規模の大きな企業や社会福祉法人も対象にするなど、内容が異なるものでございます。そのため、対象人数は、中小企業における地元定着の上積みを目指した七十名としたところでございます。また、認定企業数につきましては、学生が企業を選択する機会をふやすとともに、内定後の辞退といった状況も想定されますことから、対象人数を超える認定企業が必要と考えているところでございます。  次に、対象者の認定方法についてでございます。  認定に当たりましては、早期の支援確定が学生と企業双方にとって望ましいものと考えられますことから、内定解禁日である十月一日より学生からの申請受け付けを開始し、先着順とすることを予定しております。先着順ではありますが、大学などを卒業見込みであることや奨学金を利用していることの確認、また、対象となる企業への就業の意思や就職後に市内へ居住する見込みであることなど、交付要件を設定して、その確認を行う予定でございます。  私からは以上でございます。 77: ◯建設局長(小高睦)私からは、ジャイアントパンダ導入に関するお尋ねのうち、市長が答弁した以外の質問についてお答えいたします。  初めに、ジャイアントパンダ導入プロジェクト会議についてでございますが、これは、全庁的な情報の共有と課題の整理のため平成二十四年度に二回開催をいたしましたが、日中関係の変化に伴い、その後は休止いたしております。その間は事務局である建設局で情報収集等を担ってまいりましたが、昨今の日中間の外交上の進展を踏まえ、今後、会議の開催について検討してまいりたいと考えてございます。  次に、ジャイアントパンダ導入に係る経済効果についてでございます。  直近の八木山動物公園の入園者数や観光等における平均消費額等を踏まえ、改めて県の産業連関表を使いまして試算をしました結果、直接効果は約四十七億円、総合波及効果としては約七十五億円の経済効果が期待できると考えてございます。  以上でございます。 78: ◯教育長(佐々木洋)私からは、小学校卒業式の服装への配慮についてお答えいたします。  学習指導要領において、儀式的行事は、児童が積極的に参加できるようにするとともに、十分な教育的配慮のもとに計画するとされております。  卒業式にふさわしい服装については、保護者の皆様に協力をお願いしている学校もありますが、最終的には、当日の服装に関しまして、保護者の判断となるものと考えております。  今後、卒業式における服装について児童や保護者の考えも聞きながら、行事の持つ狙いや意味をお伝えし、御理解いただけるよう努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。
    79: ◯交通事業管理者(加藤俊憲)地下鉄駅構内への宅配ボックスの設置及びさらなる取り組みについてのお尋ねにお答えいたします。  宅配ボックスにつきましては、全国的に拡大傾向にある中、設置事業者に働きかけ、目的外使用許可により、本年四月に地下鉄長町南駅に設置されたところです。利用件数は徐々に増加していると伺っており、地下鉄利用者の副次的な利便性向上につながっていると認識しております。  事業者は認知度を高めるため一定エリアへの集中的な設置を検討しているとのことであり、資産の有効活用やお客様の利便性向上、また、環境負荷の低減への寄与という観点からも、可能な限り協力してまいりたいと存じます。  以上でございます。 80: ◯十六番(加藤けんいち)それぞれ答弁いただきましてありがとうございました。二点ほど再質問させていただきたいと思います。  一点目は、仙台市奨学金返還支援事業の関係でございます。先ほどの経済局長の答弁で、候補者の認定方法は先着順ということで、オーバーしたら切っていくのかなということで私は受けとめざるを得なかったんですが、これは置いておいたとしても、例えば支援額の問題、三年、そして対象人数七十人。先ほども市長から答弁いただいたとおり、今後の取り組みであったり企業からの御意見だったり申し込み状況を勘案しながら検討していくんだということでありますから、ここについては今後の拡充を求めておきたいと思うんですが、ただ、何で三年間の時限事業なんですかというのが、今の答弁では私としては納得ができるような答えがなかったと思っています。  例えば、今、大学三年生から始めると、大学一年生までですよね。その三年の方々しか該当にならないんですよ。先日の代表質疑でも話がありましたけれども、今度仙台が新しい奨学金返還制度をつくりましたよとやっと認知されるころには、この事業がどうなっているかわからない。  さらに、私がなぜここで三年以上延ばしてほしいというお話をさせていただいているかというと、今の高校生の方々が、例えば経済的理由で大学に進学したいんだけれどもどうしようと。奨学金もらって頑張ろうか、いや、奨学金もらって行っても、その後の就職した後の返還を考えるとやっぱり難しいから、じゃあ進学諦めようかと。そういう人たちが、仙台市で今度こういう制度ができたんだと、何とかこれを使って地元の企業に自分も頑張って入るために大学に進んでみようと、そういう呼び水にもなるんじゃないですか。何で三年間なのか、全く正直わからないです。もう一度、なぜ事業を三年事業にしたのか、改めて御説明をいただきたいと思います。  もう一点、教育長に再確認させていただきます。  小学校の卒業式の正服、私もどちらかといえば地味なほうではないので、華やかなのは大好きでございます。決して華美だとは思っていないんです。今の教育長の答弁だと、児童や保護者のいろいろお聞きしながらということでありましたが、例えば一歩アンケートに踏み込むんだというならまだわかりますけれども、ここで一番懸念しなきゃいけないのは、羽織はかまの体調の問題もありますけれども、家庭の事情でみんなと同じ格好ができなくて、最後の日に何で悲しい思いをしなきゃならないんですか。  これは、先ほど第一問でも触れたとおり、必ずしも強制もできませんし、来年三月の卒業式からこうしてくださいと言えないと思います。ただ、時間をかけて、例えば保護者の皆様にも考えてもらえるきっかけになるような、教育委員会としてちょっとお便りを出すとか、要は来年すぐ、再来年すぐという話ではないと思いますので、少しずつ時間をかけて、数年後には仙台市の小学校の卒業式は、ある程度みんなが遜色のない形で出席できるんだと、そういうところに結びつけてほしいという意味での質問でございますので、再度の答弁をお願いしたいと思います。 81: ◯市長(郡和子)お答えをいたします。  私といたしましては、素案をお示しし、このように議会の皆様方に活発な御議論をいただき、さまざまな御指摘をいただきました。このことは大変ありがたいことだというふうに思います。  事業効果の検証につきましては、やはり制度を利用された企業の方々、それから地元就職者へのアンケート等々を行いまして、実際に効果があったのかどうか、この辺についてもしっかりと検証を行って、次につなげるように総合的に判断してまいるということでございます。  いずれにいたしましても、年明けの第一回定例会におきまして、改めましてお示しをさせていただきたいというふうに存じます。 82: ◯教育長(佐々木洋)小学校におきましては、児童に対し、卒業式の意義や厳粛な場における儀礼やマナー等の規律を身につけるよう指導しているところでございますが、一方で、お話ありましたように、ふだん着なれない服装により歩きにくく、トイレに行きにくいという安全面あるいは健康面での配慮、こういったことも必要でございます。保護者の方々にもこういった事情、状況を御説明する、生徒を通じてお便り等で御説明するという機会も設けまして、児童が楽しく卒業式に参加できるよう、さまざま取り組みを進めていきたいと思います。  以上でございます。 83: ◯十六番(加藤けんいち)市長から再度御答弁をいただきました奨学金返還の支援事業。非常に言っていることもわかりますし、この制度自体は私もこれまで何度も提言したスキームでありますので、全くもって賛同するものなんですね。ただ、何で三年なのかなと、やっぱりどうしても理由がわからない。  今の市長の御説明ですと、三年間をもって検証しますということは、一回、三年間で切っちゃって検証するんですか。そこなんですよ。要は一年二年で検証して、次、三年目、四年目、五年目の方に結びつけられるような検証になるのか。今のお話だと、ひょっとしたら三年までで一回ぶった切って、もうやめましょうかというのもあり得るということですよね。  ただ、今、市長の答弁の中で、年明けの定例会にきちんと次お示しをするというお話でありましたので、多少の猶予があるというふうに私は受けとめたんですけれども、その点について再度確認をさせていただきたいと思います。 84: ◯市長(郡和子)重ねての御質問をいただきました。  私どもといたしましても、そして仙台市のこれからの経済情勢を考えましても、若者の地元定着と地元の皆さんたちの人材確保に困難をきわめているということを考えますと、大変有効な手段であるという、その気持ちで今回お示しをさせていただいているところでございます。  実際この制度を走らせてみて、どのような効果が上がるのか、やはりこれもしっかりと見きわめたいというふうに考えております。  以上でございます。 85: ◯議長(斎藤範夫)次に、平井みどりさんに発言を許します。     〔五番 平井みどり登壇〕(拍手) 86: ◯五番(平井みどり)みどりの会の平井みどりです。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  報道などによりますと、全国の至るところで、ごみをため込んでいる問題、いわゆるごみ屋敷の問題が発生しています。総じてごみだと認識されるものが敷地いっぱいにうずたかく積んであれば、周囲に影響を及ぼすことは明らかであります。ネズミ、害虫、悪臭の発生、また、特に冬場などは火災の発生がありはしないかと近隣の住民は非常に心配になり、それは昼夜を問わず、常に住民に精神的苦痛を与え続けることになります。ごみ屋敷と言われるものは、大方、長い年月をかけて形成されたものです。ですから、その年月の長さだけ、近隣の住民は苦痛を味わっていることになります。いわれのない苦痛を強いられている住民の心中を察すれば、余りある思いがします。  本市内においても、ごみ屋敷とおぼしき家を時々目にいたしますが、市民の方からの通報や相談などは、どのくらいの件数が本市に寄せられているでしょうか。ごみ屋敷問題は認知度も高く、各自治体でも問題になっていますので、通報のあったものに関しては本市としても把握していると考えます。具体的な数値でお示しください。  先般、本市内において、空き家については代執行が行われているとの報告がありました。この空き家とごみ屋敷との決定的な違いは、ごみ屋敷には現在も住人がいて、その積み上げられたごみの量などが人為的に日々変化していることです。問題が現在も進行しているのであります。そのような状況の中、市民は問題の解決を求めて区役所に行くのですが、いまだ本市では、どの部署がこの問題を扱うのか決まっていないようです。ごみ問題でありますから環境局なのか。屋敷の住人については健康や福祉の観点から健康福祉局なのか。あるいは火災の可能性から消防局なのか。または、そのごみ屋敷のブロック塀が中のごみに押され今にも崩れそうになっており、そこが子供たちの通学路となっているので都市整備局なのか。生活の安心・安全の観点から市民局、そして生い茂った敷地内の樹木はツタとともに電線に絡みついていることの危険はどうするのか。一体市民はどこへこの問題について相談に行けばよいのでしょうか、お示しください。  自治体によっては、条例をつくり、ごみ屋敷問題に対応しているところもあります。県庁所在地と政令市及び東京二十三区の計七十四市区を対象とした、二〇一六年ごみ屋敷条例制定状況のデータがあります。それによれば、制定しているのは十二市区で、全体の一六%にとどまっています。  本市にはまだごみ屋敷についての条例はありませんが、しかし、市民が安全で安心して暮らせるまちの実現を図ることを目的とした第三期仙台市安全安心街づくり基本計画が、本市には制定されています。この中で、迷惑行為は周りの人が不快な思いをするだけではなく、迷惑行為を放置しておくことで社会全体の規範意識を低下させると言っています。この基本計画制定時当初の趣旨には、ごみ屋敷は含まれていないかもしれませんが、言わんとする考え方の方向は共通であると考えます。  私は、通常であればごみであると認識すべきものを、近隣に迷惑をかけながら、なお、経済的価値がある財産だとする考えにジレンマを感じています。それでは近隣の住民の快適に暮らす権利はどうなるのかと思いますが、このことについての市民の安全・安心を守る立場からの御所見を示してください。  ごみ屋敷問題の解決は、本来であれば住民同士の話し合いで解決するのが一番の方法であると考えます。しかし、それができないときは、ごみがなぜそこまで蓄積されたのか、原因は何か、例えばその居住者自身の体の衰えや、または何か病気などによりごみを捨てることができないなどの理由を確かめ、その方にも寄り添って解決していくことが求められていると思います。そのようなことから、行政としてのかかわりは必要であると考えます。  多くの問題が絡み合って発生しているごみ屋敷問題、本市でも顕在化するのは時間の問題であると思いますが、今後の対応をお示しください。  次に、仙台市高齢者向け優良賃貸住宅等実施要領中の条文の扱いについてお伺いいたします。  国においては、平成十年度より、民間事業者の活用の促進を掲げ、高齢者の身体的な機能に配慮した高齢者向け優良賃貸住宅制度を実施してきました。平成十九年度には、高齢者、障害者、子育て世帯など居住の安定に配慮の必要な世帯に良好な賃貸住宅の供給の促進を目的として、地域優良賃貸住宅制度が創設されました。さらに、平成二十三年度に当該制度の再編が行われ、高齢者住まい法の改正に伴い、サービス付き高齢者向け住宅制度が創設されました。  この間、本市では、制度の活用を広く民間から求め、仙台市高齢者向け優良賃貸住宅等実施要領を策定しました。その要領中、第三十二条は、家賃についての補助金を交付する期間は、認定計画に定められた管理の期間とし、ただし、認定管理期間が二十年を超える場合は二十年とする、となっています。さらに、この条文の第二項では、このただし書きの規定は、市長が同項ただし書きの期間を延長することを妨げない。ただし、さらに二十年を超えて延長することはできないものとする、としていました。これらの意味するところは、基本的には本市の家賃に関する補助は最長二十年間とはしているが、さらに市長が認めれば二十年以内の補助期間の延長をすることができるというものです。場合によっては最長四十年以内の家賃補助が受けられることを定めています。このように家賃の補助をすることは、居住者となる高齢者の方や設置者である民間事業者にとって助力になるという本市の方向性のあらわれであったと思います。  ところが、いつのころからか、この市長のただし書きが実施要領から削除されていました。そこで、お伺いいたします。市長が家賃の補助期間を延長することを妨げないとする第二項は、いつ削除されたのでしょうか。また、あわせて、なぜ削除され、どのような手続を踏み削除されたのか、お示しください。  しかし、この第二項の削除については、附則がついています。削除以前に事業に着手した住宅については、引き続き削除前の要領の適用を受けることができるとしています。ですから、この改正により不利益をこうむった人はいないという説明を御当局より受けましたが、削除された要領で事業者の募集をしていますから、果たしてそうでしょうか。さらに、国の制度が変わり、高優賃から地優賃への移行があったので削除した、とも説明がありました。  しかし、当の国である国土交通省地方整備局や、また住宅財団の助成期間の説明ではこう言っています。地方公共団体の判断で管理開始から四十年以内の期間まで延長を可能とすると。このようなことから、継続している要領などの条項の削除等は、特に関係者に対しては周知を徹底し、慎重にするべきだと考えます。  市で出される条文は大変重要であり、市民に対しても影響があることです。このことから、この第二項の削除とは市民にとってどのような利益があったのでしょうか。御答弁いただきたいと思います。  以上で私の質問といたします。  御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手) 87: ◯市長(郡和子)ただいまの平井みどり議員の御質問にお答えを申し上げます。  いわゆるごみ屋敷についてでございます。  住宅及びその敷地に置かれましたごみは、景観を損なうほか、悪臭や害虫の発生など、周囲の住環境に悪影響を及ぼしておりまして、近隣の方々は一日も早く解決したい、解決してほしいと望んでおられるのだというふうに思います。他方で、所有者がごみを積み上げるに至った要因は、加齢あるいは疾患などによるものなど、複雑な背景がある場合も多いものと考えます。  その解決には、行政の各分野横断により対応することはもとより、周囲からの支援をいただくことも重要と考えております。地域の皆様や関係機関等と連携しながら、それぞれの状況に応じ、専門職による訪問など福祉的なアプローチも含めまして、適切に対応してまいります。  そのほかの御質問につきましては、関係局長から御答弁を申し上げます。  私からは以上でございます。 88: ◯市民局長(斎藤恵子)私からは、ごみ屋敷に関する相談の数及び相談窓口についてお答えいたします。  ごみ屋敷に関し、区役所の広聴相談を担当する区民生活課に寄せられた苦情、相談の数は、平成二十九年四月から本年十一月末までで、一つの物件に対し複数寄せられたものも入れて、延べ十七回でございます。  相談窓口につきましては、市民生活に関する相談として区民生活課でお話を伺い、ごみ屋敷となった要因や周囲への影響等に応じて、担当課が連携して対応することとなります。  私からは以上でございます。 89: ◯都市整備局長(小野浩一)私からは、高齢者向け優良賃貸住宅、いわゆる高優賃に関する御質問にお答えいたします。  高優賃制度は、バリアフリーなどの条件を満たした高齢者専用住宅を市が認定し、国からの補助金と合わせて、本市が建設費及び家賃相当額の一部を住宅の所有者に補助するものでございます。  平成十九年三月に、国の補助要領から、御指摘のありました補助期間延長に関する規定を削除する改正がなされたことを受けまして、本市における対応を検討し、同年十月に市要領から同規定を削除する改正を行っております。  この改正に当たりましては、既に認定されていた高優賃については従前の取り扱いとする経過措置を設けるとともに、改正後の高優賃募集においては、当該家賃補助期間についても明示したところでございます。  このようなことから、市民の方々に大きな影響はなかったものと考えておりますが、今後も制度改正に当たりましては、関係者に与える影響を十分に考慮し、必要な周知を図るなど、配慮に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。          ────────○──────── 90: ◯議長(斎藤範夫)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 91: ◯議長(斎藤範夫)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、来る十二月十七日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後四時五十四分延会...