新規施設整備を実現する、また既存施設も再整備が必須、しかし財源は減少傾向という状況の中、市長は本当に全て実現するとお考えなのでしょうか。そのことも考慮していただいた上で、新庁舎建てかえと
音楽ホール整備、既存施設の
老朽化対策の今後の進め方を伺います。
また、既存施設の老朽化で言えば、小中学校の校舎や体育館も多く老朽化が散見されます。トイレの洋式化や空調設備、長寿命化の取り組みについて、過去の議会でも取り上げられておりますが、老朽化に伴う教育環境の再整備は、未来を担う子供たちの人間形成の場として、ストレスを与えることなく、安全に快適に過ごせる環境でなければなりません。また、防災の観点からも、地域の防災拠点としての学校施設の重要性は、特に震災を経験した本市は、学校施設の位置づけを高いところに置く必要があります。長寿命化も含め、建てかえや改築等を含めた
施設整備コストの多くを占める
学校施設整備をどのように進めていくお考えなのか、伺います。
例えば、
片平丁小学校からも老朽化や生徒数の増加など、地域の各団体から陳情が出されていると聞いておりますが、当局の今後の進め方を伺います。
また、
大手門復元に関しては、これまでもたびたび質問させていただきました。前回質問させていただいてから、市民団体による署名活動、そして昨年十一月に一万七千六百四十六名の署名とともに、市長に要望されるなどの動きがありましたが、地元紙によると、団体理事長が、大手門は市のシンボルだった歴史遺産である、復興整備をお願いしたいと挨拶され、郡市長は、はい、わかりましたと言えないが、どういうものが望ましいか、市民と一緒に考えたいと応じたとありましたが、この回答には二つの違和感があります。
一つ目は、はい、わかりましたとはいかないという点であります。御案内のとおり、市長は大手門の復元は選挙公約であるにもかかわらず、市民の思いのこもった署名を手渡した場での回答としては、非常に残念なものであったと思います。
二つ目は、どういうものが望ましいかという点です。どういうものとは、どういう意味でしょうか。これまで写真、絵図等、歴史的正確な資料をもとに復元することを要望しています。全くの他人事のような発言で、市民も残念に思っています。
大手門復元には、これまでの答弁のとおり、課題があります。その中で大きなハードルとして、
文化財保護法であります。平成三十一年四月から改正された
文化財保護法が施行されますが、今回の改正で、大手門を復元するに当たりどのようなことが影響すると考えられるか、伺います。
また、高校生たちが
政宗公ゆかりの
まちづくりをしていこうと、NHKのニュースにも取り上げられた、全校生徒を巻き込んだ高校生による高校生の署名活動も含め、集まった市民の大きな気持ちがこもった署名を受け取られて、市長は受け取りから半年以上たった現在まで、何をされてこられたのか、これまでの進捗を伺います。
次に、市中心部再開発への本市のかかわりについて伺います。
本市は、
仙台ホテル跡地や旧
さくら野跡地のように、仙台市民にも大きく関係する再開発事業があります。
さくら野跡地に関しては、多数の地権者の意見がまとまらず、前
都市整備局長も頭を悩ませていたとお話しされておりました。皆様も御存じのとおり、仙台駅前は仙台の顔であり、仙台で一、二を争う
交流人口密集エリアであり、もちろん旅行者の方々も仙台駅を入り口に利用されています。そのような仙台の玄関の目の前にある空きビルを、いつまでそのままの状態にし、それを黙認されるおつもりなのか、問い合わせをいただいております。地権者やディベロッパーと、本市はどのような話をされてこられているのか、そして今後の方向性についても伺います。
また、
東北大学農学部跡地について伺います。
農学部跡地について地元の方々の話を伺うと、
梅原市長時代に
上杉山通小学校区各団体の代表が集まって市長に面談し、この
農学部跡地の利用については、その中に想定される市民対応のスペースや広場を設けてほしいという要望があったと聞いています。さらに近年は、北仙台駅周辺の各団体が、
農学部跡地に子供たちが安心して自由に遊べる広場の整備を要望していると伺いました。本市は、開発者である開発会社との関係はどのようになっているのか、また要望等にどう応えていくのか、明快な御答弁に期待し、質問を終わらせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
5: ◯市長(郡和子)ただいまの
高橋卓誠議員の御質問にお答えを申し上げます。
新規施設整備と既存施設の
老朽化対策について、今後どのように進めていくのかということについてお答えを申し上げます。
公共施設は、さまざまな市民活動を支える場としてはもちろんのことですけれども、都市の活力を支えるという重要な役割も担っているものと、そのように認識をしております。こうした認識のもと、本庁舎を含めました既存施設の更新や大規模改修につきましては、
公共施設保全整備基金の活用のほか、複合化など施設の質、量の見直し、また民間活力の導入、さらなる
整備コストの縮減など、
公共施設総合マネジメントプランに掲げたおりますさまざまな対策を講じることにより、財政負担の軽減を図り、さらには現在順次策定を進めております種別ごとの
施設整備計画により、平準化も図って進めてまいりたいと考えております。
また、
音楽ホールを初めとする多額の負担を要する
新規施設整備でございますけれども、それにつきましても事業の具体化の際には、既存施設の
老朽化対策に影響することのないように、財源の確保の検討も深めながら事業を進めてまいりたい、そのように考えております。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。
6:
◯文化観光局長(天野元)私からは、
音楽ホールの事業費の想定についてのお尋ねにお答えいたします。
音楽ホールの事業費の算出に当たりましては、その用地が市有地であるか、私有地であるか、買収を要する土地であるか、また建物の規模や構造、各種規制など、さまざまな条件が複雑にかかわってくることから、まずは懇話会におきまして、これらの諸条件について一定の整理をしていただくこととしております。
これを受けて、想定される事業費についても十分に考慮しながら、本市として立地等の判断を行うとともに、その後に予定されている基本構想の策定過程におきましても、できるだけ財政負担を軽減するための方策について検討を重ねてまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。
7:
◯都市整備局長(小野浩一)私からは、市中心部の再開発に関する数点の御質問にお答えいたします。
初めに、
さくら野百貨店跡地の地権者などとのかかわりと、今後の方向性についてでございます。
現在、地権者の代理人などから情報収集を行うとともに、現状と今後についてお話をさせていただいているところでございますが、地権者間の権利関係の調整に時間を要しているところと伺っております。
今後の方向性につきましては、地権者の皆様の御意向が第一と考えておりますが、仙台駅前は仙台の顔となる大変重要な場所でありますことから、東北全体のにぎわいや交流の拠点となるエリアとして再生できますよう、今後とも本市として可能な取り組みを行ってまいりたいと存じます。
次に、
東北大学農学部跡地についてでございます。
農学部跡地につきましては、市街地における大規模な開発であることから、周辺との調和が図られ、地域の機能を高める開発が実施されるよう、本市としても適切に誘導していく必要があるものと認識しております。
本市はこれまで、広場や緑地の確保を含め、きめ細かな土地利用のルールを定めた地区計画の決定などを行うとともに、事業者に対して、地域のさまざまな要望などもお伝えしながら、事業計画に関する指導や要請を実施してきたところでございます。
現在、事業者におきまして、地域からの要望への対応も含め、具体的な整備内容について検討していると伺っております。今後とも事業者に対し、地域の皆様への積極的な情報提供を求めるとともに、地域の利便性の向上につながる
まちづくりが早期に実現されますよう、指導を行ってまいります。
私からは以上でございます。
8: ◯教育長(佐々木洋)私からは、初めに学校施設の
老朽化対策についてお答えいたします。
学校は、子供たちの教育の場としてだけでなく、地域の防災拠点としても重要な役割があると考えております。本市においては、学校施設の老朽化が進んでいることから、昨年度より
公共施設マネジメントプランに基づく大規模改修に取り組んでおり、これをモデルケースとして、実際の設計と工事で得られたノウハウや課題等を検証しながら、今後の計画的な改築等を進めてまいりたいと考えております。
片平丁小学校につきましては、築四十八年を経過した校舎もあり、また児童数の増加により、平成二十九年度から仮設校舎により不足分の教室を確保している状況にあります。
このため、他の老朽化した学校と同様に、学校施設や設備の状態を確認しながら、今後の
児童生徒数の推計なども踏まえ、時期を失することのないよう適切に対応してまいります。
次に、
大手門復元に関し、
文化財保護法の改正についてでございます。
今般の
文化財保護法等の改正は、文化財の計画的な保存と活用や、
地方文化財保護行政の促進を図ることを目的としております。文化庁からは、
歴史的建造物の復元など、史跡整備のあり方についての方針には変更はないと伺っており、大手門の復元に特段の影響はないものと考えております。
次に、
大手門復元の進捗についてでございます。
平成二十九年十一月より、
仙台城跡保存活用計画の策定に向けて、有識者による検討委員会を設置し、検討を行っているところでございます。この計画は、史跡の保存と活用に関する基本方針等を示すものであり、大手門、巽門などの復元についても方向性を示す予定としております。
これまで四回の委員会を開催しており、今年度内の計画策定に向けて引き続き作業を進めてまいります。
以上でございます。
9: ◯七番(高橋卓誠)二つほど再質問させていただきます。
まず、
農学部跡地についてであります。
今、
都市整備局長から御答弁がありましたけれども、地域のほうに情報とかを出せるような形に事業者にお願いするということでしたけれども、実際に要望してからいまだに来てないという、何も変わらない状況だということで、スピード感がまずないのかなということがあります。今後考えられないほどの大規模な中心街における再開発が行われているわけでございますし、この事業の許可は仙台市が出されているわけです。
その許可を出す仙台市において、市民に対して責任を負わなければならないと思います。その責任の一端というのは、市民から寄せられる声に対してどう決着するのか、どう帰結するのか、これが市に課せられた責務ではないでしょうか。もう一度御答弁願います。
もう一点目は、大手門でございます。
市長は、大手門の復元に力が入っていないように見受けられました。実際やるのか、やらないのか、やるならこれまでできることがあったはずです。基金を募り始めたり、やれることもやらないということは、やる気がないと思われても仕方がありません。商工会とか文科省とか、そういったところとお話しされたのか。そういったことも含めて、もう一度大手門に関して、市長の決意を伺います。
10: ◯市長(郡和子)大手門につきまして、お答えをさせていただきます。
現在、有識者による委員会におきまして、
仙台城跡保存活用計画の策定に向けた作業を行っております。まずは、その検討状況を注視したいというふうに、私、考えているところでございます。大手門の復元につきましては、市民の皆様方の大きな関心事でございますので、機会を捉えてさまざまな声をお聞きするとともに、議会の御意見も十分に踏まえながら、検討を進めてまいりたいと思います。
農学部跡地に関しましては、
都市整備局長から御答弁申し上げます。
11:
◯都市整備局長(小野浩一)
農学部跡地の開発事業に関する再度の御質問にお答えいたします。
この地区の開発事業につきましては、これまでも地域の方々や団体などからさまざまな御要望をいただいてきたところでございますが、こうした要望などにつきましては、その都度事業者にその趣旨や内容などをお伝えしまして、事業計画を具体化していく中で検討するよう、仙台市のほうからも要請してきたところでございます。
現在、事業者におきまして、これらの要望を計画にどう反映していくかということも含めまして、具体的な整備内容について検討を進めているところと伺っておりますが、現時点で一つ一つの要望への対応がどうなるかといった詳細までお示しできる段階にはございません。しかしながら、今後ともこの地区での開発事業が地域にとりましてよりよいものとなりますよう、引き続き指導を行ってまいりたいと考えております。
12: ◯議長(斎藤範夫)次に、佐藤幸雄さんに発言を許します。
〔六番
佐藤幸雄登壇〕(拍手)
13: ◯六番(佐藤幸雄)
公明党仙台市議団の佐藤幸雄です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
初めに、
子育て支援について伺ってまいります。
本市における平成三十年四月現在、
保育施設等の
利用待機児童数は百三十八人となっており、昨年度との比較では九十四人の減となっておりました。御当局のお取り組みに敬意を表するところです。しかしながら、あくまでも目標は待機児童ゼロであります。子育てしやすい本市の取り組みを期待して、以下伺ってまいります。
本市では、仙台市
すこやか子育てプラン二〇一五をもとに、さまざまな施策を講じ、実績の評価をされていると伺っております。そこで、特に効果があった施策について具体にお示しください。
平成十六年より待機児童ゼロを更新し続けている富山県に視察をしてまいりました。私は率直に、待機児童ゼロを推進できた理由を伺うと、最大の理由として現知事が知事選挙へ立候補した際の公約、全国一の
子育て支援の推進のもと、いわゆる首長が市民への約束を果たしているのであるとのことでした。その上で、待機児童ゼロを含め、
子育て支援については最優先課題として、やれることは何でも行うとの強い
リーダーシップのもと、現在まで推進してきたとのことでした。
また、今後の課題としては、さらなる利用者の要望を的確に捉え、常に待機児童ゼロを更新し続ける努力を惜しまないことであり、具体には待機児童を年度中でも出さないために、保育人材の確保と需要のマッチングを緻密に連携して推進していると、熱く語っておりました。
そこで市長にお伺いいたしますが、待機児童ゼロの実現は、期限を決めて必ず結果を出すのだとの強い
リーダーシップにかかっていると、私は考えます。明確に期限を決めてのお取り組みについて、御所見をお伺いいたします。
さらに富山県では、子育て、少子化に関する計画、かがやけとやまっ子みらいプランを策定しており、計画の目標と今後取り組むべき重点課題等が詳細に、また明確に記載されておりました。その中でも大変に喜ばれている施策、
子育て応援券を実施しているとのことでした。
この制度の目的は、三歳までの子供を持つ家庭に、
保育サービス等の利用券、とやまっ
子子育て応援券を配付することで、子育て家庭の精神的、身体的、経済的負担の軽減を図るとともに、地域における
各種保育サービス等の利用促進を図るとなっておりました。この施策は、平成二十年十月一日から実施されており、応援券の金額は第一子、第二子は一万円、第三子以降は三万円となっており、使いやすくするため、五百円券のつづりとなっているとのことでございました。
また、応援券の有効期限は、誕生日から三年間としており、利用できるサービスは、一類型では、保育、保育支援の一時預かり、病児・病後児保育、
家事サービス、読み聞かせ絵本の購入等々しており、二類型では、
任意予防接種、産後ケア等となっておりました。なお、
子育て応援券の消化率を伺うと、転入転出を除けば、ほぼ百%使用されております。
本年、富山県は住みたい県、全国第十位、前回の十三位から十位に
ランクアップとなっており、まさに子育てしやすい県を推進してきたことが、このランキングにもあらわれていると実感いたしました。
この事業の予算額は、平成二十九年度で一億一千八百二十二万円、平成三十年度予算額は一億二千四百二十二万円とのことでした。なお、平成三十年度からは、第二子を一万円から二万円に拡充するとの予算となっております。
本市としても、まずはゼロ歳から一歳等の段階を踏んででも、同様の事業を検討すべきと考えますが、御当局の御所見をお伺いいたします。
次に、
パークゴルフについて伺ってまいります。
本市には、
海岸公園荒浜地区パークゴルフ場があり、現在二十三ホールが整備され、二〇二〇年度には二十七ホールまで拡張されると伺っております。
東日本大震災にて甚大な被害を受けた当施設でしたが、平成二十九年七月一日には、震災前に整備された二十三ホールが全面利用開始されました。御当局のお取り組みに敬意を表するところであります。
パークゴルフとは、芝で覆われたコースで、クラブでボールを打ち、カップインするまでの打数を競い合いながら、男女を問わず楽しく遊べるスポーツであります。
御利用されている方からの声をいただきました。それは、本市としても全国大会が開催できる
公認コースの整備をしていただきたいとのことでした。
一昨日の跡部議員からの代表質疑では、三十六ホールへの拡充についての整備には、前向きの御答弁があったところでございます。今後の
パークゴルフ場の整備につきましては、本市の震災からの復興を推進する、にぎわいの創出を進める貴重な施設にすべきと考えます。御当局の御所見をお伺いいたします。
全国有数の
パークゴルフ大会を実施されている、富山県射水市に視察をしてまいりました。五カ所ある市有施設の整備目的としては、いずれも平成十七年の市町村合併以前に整備された施設であり、国体競技の誘致と遊休地や河川公園の利活用であります。
また、射水市には、民間施設の三十六ホールを有する公認の
パークゴルフ場もあり、市有施設三十六
ホール整備の二カ所を含め、
日本パークゴルフ協会公認コースが三カ所整備されておりました。市有施設での利用人数は、平成二十八年度で九万三千五百十六人と、市の人口とほぼ同じ人数が御利用されており、民間施設の
公認コースを含めると、さらに四万人から五万人がプラスされるとのことでした。
全国大会等を開催している
市有施設下村パークゴルフ場を視察した際には、指定管理者からクラブハウスの整備手法や食堂と休息所の時間を区切っての活用法など、全国大会や各種団体の大会を年間の半数近く実施されているノウハウなど、使用されている方の満足度向上のために、さまざまな工夫を凝らして取り組みをしていることを伺うことができました。
射水市では、無料で使用できる市有施設が二カ所、二十七ホール一カ所、十八ホール一カ所、整備されていることもあり、
パークゴルフが日常的に普及されている要因の一つであることもわかりました。
本市としては今後、超
高齢化社会に向けて、健康増進と
交流人口拡大及び被災地のにぎわいの創出のために、
日本パークゴルフ協会公認の三十六ホールを整備する際には、先進事例を取り入れた推進をすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、
市民サービスの直接の窓口業務について伺ってまいります。
本市では、さらなる
市民サービスの向上のため、市民局が中心となり、各区役所での窓口業務の改善を推進しております。共通の取り組みでは、昨年三月二十五日と四月一日の日曜日について、
戸籍住民課及び
保険年金課の窓口を開庁したこと、また平成二十八年から平成二十九年度に窓口の
番号呼び出し装置の更新を行った際、
呼び出し方法の効率化を図ったとのことでありました。そのほかにも各区にて独自の取り組みを推進しており、一定の評価をするところであります。
しかしながら、市民の皆様からは、もっと窓口を簡素化してほしい、できれば一カ所の窓口で全ての手続を済まさせてほしいとの声をいただいているところであります。
例えば、転入転出の際に、届け出が必要な窓口、いわゆる
戸籍住民課と
保険年金課が同じフロアにあるのは、宮城野区、若林区、太白区の三つの区役所でありますが、青葉区、泉区ではフロアが別となっており、不便さを感じているところであります。
我が会派の代表質疑でも推進すべきとお訴えした、
ワンストップ総合窓口の業務を実施している岐阜市に視察をしてまいりました。
この事業は、平成三十三年度から稼働する新庁舎に向けて、総務省が二〇一八年十二月十四日に示した、
地方公共団体の窓口業務における適正な民間委託に関するガイドラインのもと、可能な限りの委託範囲の取り組みであります。
窓口業務における民間委託前の課題は、次のような内容でありました。
一点目は、限られた人数で窓口や専門業務を対応するため、時間外や休日出勤の振替休日取得により、平日勤務職員の減や嘱託職員の勤務年数制限など、人数的課題。
二点目は、繁忙期への柔軟な対応ができない時期的課題。
三点目は、DV支援措置、戸籍のない児童の対応、マイナンバー事務、そして他機関、警察、庁内との連携など、事務量増加の課題となっておりました。
ICT等を活用し、窓口業務を低層階へ集約設置して、
ワンストップ総合窓口、便利で優しい窓口サービスの導入を目的に、平成二十九年に総合窓口実施計画を策定、平成三十年度より現在の庁舎でワンフロアの中で実施をされておりました。なお、業務委託することでの事業費の効果は、三年間で七百六十二万七千六百八十円の経費削減となっておりました。
まだ、実施から二カ月の経過でありましたが、窓口で行っている満足度アンケート調査では、昨年度と比較して、挨拶、言葉遣い、説明のわかりやすさ、身だしなみ等、全ての項目において満足度が向上したこともわかりました。
課題としては、移動窓口での一件当たりの時間が多目にかかっていることでありますが、これはミスがないよう慎重に審査を実施していることが原因で、今後従事者の習熟度が上がれば、対応時間が早くなると想定できるとのことでありました。現に四月から五月にかけても早くなっているようであります。
委託による職員のスキル低下を懸念することに対しては、民間企業が開発したeラーニングを活用して、基本業務、特に戸籍業務の習熟度の習得を行い、レベルアップを図っているとのことでした。なお、eラーニングとは、コンピューターなどのデジタル機器通信ネットワークを利用して、教育、学習、研修などの活動を行うことであります。
本市としても今後、さまざまな
市民サービスのニーズに応えていくためには、検討すべきときが来ていると私は考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、高齢ドライバーの安全対策について伺ってまいります。
本市における運転免許保有者数は、平成二十九年十二月現在で六十九万八千七十八人であり、そのうち高齢者の保有者数は十二万二千九百六十五人となっており、割合としては約一七・六%となっております。なお、高齢者の定義は、御承知のとおり六十五歳以上であります。
また、本市における平成二十九年の高齢者の事故発生件数は六百五十五件となっており、高齢者の占める割合は本市全体の一七・八%と、事故件数は前年より減っているものの、割合は横ばい傾向となっております。
二〇一八年一月九日の朝、群馬県前橋市で女子高生二人が、高齢男性の運転する車にはねられ、二人とも重体、その後一人が死亡いたしました。事故を起こした男性は、当時八十五歳。事故を起こす前年の認知機能検査では、認知機能低下のおそれという判定は出たものの、認知症であるという結果にはなりませんでした。
その後、この男性はたびたび物損事故を起こしていたらしく、家族から注意されても聞かなかったようであります。男性は、自動車運転処罰法違反、過失致傷容疑で逮捕。本人は、気がついたら事故を起こしていたなどと供述しており、その後、鑑定留置が決まったようです。
この事故の恐ろしい点は、免許更新時点では認知機能などに問題がないと思っていても、その半年以内でここまで悲惨な事故を起こしてしまう可能性があることであります。危険性に気づいていながらも防ぎ切れなかった家族としては、後悔の念にたえなかったのではないでしょうか。この事件は他人事には思えないのであります。
そこでお伺いいたしますが、御当局では、高齢運転者への安全運転啓発を推進されていますが、どのように進めているのか、具体にお示しください。高齢の親を持つ方から御相談をいただきました。八十歳を超える親が、運転免許証を更新して運転し続けていることがとても心配で、免許の返納を勧めても、心配ない、大丈夫だ、と受け入れていただけないとのことでした。理由を伺うと、車がなければ病院や買い物、そして趣味など、さまざまな移動に制限がかかり、行動できなくなるからであります。
本市における自主返納をされた方への新たな施策はありませんが、七十歳になられた市民の皆様は敬老乗車証を御利用できるとのことでありました。他自治体の取り組みについて調べたところ、大分市ではタクシー臨時乗車券一万円分の贈呈、群馬県富岡市では高齢者タクシー利用券七百三十円掛ける二十四枚を贈呈など、足の確保を推進する内容となっております。民間企業でも、自主返納された方へのさまざまな特典があり、大手スーパーでは購入した商品を無料で配送するサービス等があり、高齢者に優しい取り組みをしております。
なお、本市における高齢ドライバーの自主返納状況は、平成二十九年の一年間で二千三百五十五人であり、高齢者の保有者比率で約二%であります。今後、本市としてさらに高齢ドライバーは増加傾向になることは明らかであり、事故の減少対策は県警が主体で進めることは私も承知しているところですが、本市における事故の被害者、そして加害者を減少させる対策は検討すべきと私は考えますが、御当局の御所見をお伺いいたします。
免許返納については、現在の地域公共交通についても考えることが必要であります。これからは本市バス事業の減便などを考慮すると、免許の返納はなかなか進まないことは否めないところであります。そのような中、これから進めなければならない地域公共交通の現状を丁寧に説明するとともに、各区で行っている高齢者等への交通安全教室を開催する際に、地域が主体で考える地域公共交通のパンフレットを老人クラブ等に配付して、本市が進めることができる制度の内容をお伝えするなど、新たな地域の取り組みである乗合タクシーやコミュニティバスなど、地域の協力で進める施策を免許返納の代替策と提案していくことも必要であると私は考えます。
資金不足の改善を行う交通局、交通事故防止を推進する市民局、地域公共交通を推進する都市整備局がしっかりと連携し、高齢者の自動車事故の削減に取り組みを進めていくべきと考えます。最後に、明確な取り組みの御答弁を求め、私の第一問といたします。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
14: ◯市長(郡和子)ただいまの佐藤幸雄議員の御質問にお答えを申し上げます。
待機児童解消の時期についてのお尋ねにお答えをいたします。
本市では、平成二十七年に策定しました計画に基づきまして、一部前倒しも行いながら、保育基盤の整備につきまして積極的に取り組んでまいりましたけれども、待機児童の解消には至らず、私といたしましても、さらに取り組みを強化していかなくてはならないと受けとめさせていただいたところでございます。
そのため、ことし三月に計画の見直しを行いまして、今後三年間でおよそ二千三百人分の定員の拡充を図ることといたしました。引き続き多様な保育基盤の整備に努めますとともに、保育人材の確保も図りながら、二〇二〇年度末には待機児童が解消できるように鋭意取り組んでまいります。
次に、高齢運転者の交通事故防止に向けた取り組みについて、お答えをいたします。
近年、高齢運転者の運転操作の誤りなどに起因する事故が各地で発生しておりまして、このことは大変憂慮すべき事態であると認識をしております。このような事故の未然防止に向けましては、安全運転に不安を感じる方々に自主的に運転免許証を返納いただくということが有効な取り組みであり、そのための環境を整備していくということが重要であると、このように考えております。
本市における自主返納者は、制度が浸透してきたことなどに伴いまして、年々増加傾向にございますけれども、免許返納後の移動手段が確保できないなどの理由から、返納できない方も依然いらっしゃることも承知いたしております。
今後、こうした事故の防止につながりますよう、安全運転を所管する部署のみならず、交通政策や地域での支え合いの体制などを所管する部署など、関係部局で連携して取り組んでまいりたいと、このように考えております。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。
15: ◯市民局長(斎藤恵子)私からは、市民局に係る御質問のうち、市長がお答えした以外の部分につきまして御答弁を申し上げます。
まず、窓口業務に関するお尋ねについてでございます。
現在、各区役所や総合支所におきましては、異動届の受け付けの際に、国保、介護保険証の住所変更や、転入学児童生徒の学校指定などの手続を一括して実施いたしております。また、総合案内の設置やわかりやすいサイン表示の整備など、来庁される方々の利便性向上にも努めているところでございます。
庁舎の構造や職員体制など一定の制約はございますが、窓口業務の現状分析や業務委託のあり方、ICTなど先進技術の活用等の検討も行いながら、複雑化する手続にも的確に対応できる窓口サービスの効率的な運用に努めてまいりたいと存じます。
次に、高齢運転者に対する安全運転の啓発と、事故を減少させる対策についてでございます。
これまで町内会や老人クラブ等を対象とした高齢者交通安全教室や、自動車教習所を会場とした講習会の実施のほか、関係団体と連携した高齢者世帯への戸別訪問による交通安全の働きかけを行ってまいりました。加えて、昨年三月に改正道路交通法が施行され、七十五歳以上を対象とした臨時認知機能検査が追加されたことを受け、各町内会へ啓発パンフレットを配付し、運転免許返納制度の周知を行ったところでございます。
今後とも事故の減少、運転免許返納の促進に向け、啓発活動などを継続してまいりますとともに、他自治体の事例も参考にしながら、さらなる取り組みについても検討を深めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
16: ◯子供未来局長(岡崎宇紹)私からは、
子育て支援に係る二点の御質問にお答えいたします。
まず、
すこやか子育てプラン二〇一五に基づく施策についてのお尋ねでございます。
これまでの主な実績といたしましては、まず、保育基盤の整備を計画的に進め、本年度当初で約二万人分の保育の受け皿を確保しております。また、
子育て支援の拠点であるのびすくについて、昨年十月ののびすく若林の開館により五館体制に移行しましたほか、放課後の子供たちの居場所である児童クラブについて、受け入れ対象の段階的な拡大を図ってきたところでございます。さらに、子供医療費助成の対象年齢の引き上げにより、子育て世帯の経済的負担を軽減するなど、各施策において着実に成果を上げているものと認識いたしております。
次に、
子育て応援券に関するお尋ねでございます。
本市におきましては、子育て家庭が安心して出産、育児を行うことができるよう、産前、産後のサポート体制の充実強化を図ってきており、今年度は新たに産婦健康診査への助成や、産後ケア事業を実施する予定でございます。
子育て応援券のような多様なサービスの利用券につきましては、子育て家庭の経済的負担などの軽減を図る効果が期待されますが、利用対象とするサービス内容や財政負担等の課題もございますことから、他都市の状況を踏まえ、今後のあり方について研究してまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。
17: ◯建設局長(小高睦)私からは、海岸公園
パークゴルフ場に関するお尋ねにお答えをいたします。
パークゴルフ場は、高齢者を初めとするさまざまな市民の皆様の健康増進はもとより、世代間交流の促進や交流人口の拡大にも寄与するものと認識をいたしております。
今後、
パークゴルフ場については、二十七ホール化による
公認コースの認定に向け整備を進めてまいりますが、将来の三十六ホール化を目指すに当たりましては、他都市の先進事例や利用者等の御意見を参考にしながら、被災地のにぎわいの創出にもつながるよう、整備を行ってまいる所存でございます。
以上でございます。
18: ◯議長(斎藤範夫)次に、ふるくぼ和子さんに発言を許します。
〔二十四番 ふるくぼ和子登壇〕(拍手)
19: ◯二十四番(ふるくぼ和子)日本共産党仙台市議団のふるくぼ和子です。
子供たち一人一人の権利が保障され、健やかに、安心して成長できる仙台市政を目指して、一般質問を行います。
今もなお、幼い子供たちへの虐待死の報道が後を絶ちません。つい先日も北上市で一歳九カ月の子供に食事を与えず衰弱死させた事件や、東京都目黒区では五歳の女の子が、もうおねがい、おねがいゆるして、といったメモを残して、十分な食事も与えられないまま、体調を崩しても病院に連れていってもらうことなく、虐待死したという、本当に痛ましい事件が続いています。
仙台市においても、虐待の相談件数は二〇一七年度で六百九十七件となっており、前年度比では若干減少しましたが、この間の増加傾向は続いています。不安定雇用が拡大し、格差と貧困が広がる中、子育て自体が困難になる世帯や、生活苦を抱える世帯は増加しているものと考えられます。全国でニュースになる虐待事件は、決して他人事ではありません。あくまで氷山の一角であり、仙台市でも引き続き深刻な事態として捉え続け、対応を強化することが求められています。
児童福祉法の第一条には、全て児童は児童の権利に関する条約の精神にのっとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られること、その他の福祉をひとしく保障される権利を有するとあります。
第二条には、全て国民は、児童が良好な環境において生まれ、かつ社会のあらゆる分野において児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、心身ともに健やかに育成されるよう努めなければならないとし、保護者と国、
地方公共団体の責任について明記されています。
さらに第三条で、前二条に規定するところは、児童の福祉を保障するための原理であり、この原理は全ての児童に関する法令の施行に当たって、常に尊重されなければならないとしています。
虐待によって命が失われることはもちろん、この子供の権利が守られない事態を生み出してはなりません。児童福祉法の理念を握って離さず、児童虐待に正面から向き合い、子供たちの健やかな成長と権利を保障する立場を明確にして、正確な現状認識を持って施策展開していくことが大事です。市長の御所見を伺います。
子供の健やかな成長と発達を保障し、その守り手としての大事な役割を持っているのが児童相談所です。事業概要の設置、機能、業務に書かれているように、児童相談所は、子供の持っている問題や真のニーズ、置かれている状況を的確に捉えて、最も効果的な援助を行って、子供の福祉を図るとともにその権利を擁護すること、また、そのための相談援助活動は、児童福祉法の理念に基づき、常に子供の最善の利益を考慮して行われることになっています。
つまり、児童相談所は、子供の権利の第一の守り手として、その役割を発揮すべき大事な行政機関であるということです。この認識についての市長のお考えを伺います。
厚生労働省は、業務量に見合った児童相談所の体制や専門性を確保する必要があるとして、二〇一六年に児童相談所の体制強化を打ち出しました。それによると、二〇一九年度までに児童福祉司を二〇一五年実績の二千九百三十人から三千四百八十人に増員するとしています。まだまだこれで十分な数だとは思えませんが、児童福祉司をこれまでの人口四万から七万人に一人以上という配置基準から、経過措置を設けながら二〇一九年度には四万人に一人以上を基本にするという、前進させる内容です。
先ほども仙台市の虐待件数について述べましたが、虐待相談は土日に関係なく平均して毎日二件の相談が入るという現状です。現在、児童福祉司が二十三名配置されていますが、地区担当の児童福祉司の持ちケース数は、年間一人平均で九十二ケースにもなるとのことです。これでは、深刻な事態を生み出さないためにとどんな努力を行っても、対応し切れないのは当然と思われる危機的な状況と言わざるを得ません。
厚生労働省の体制強化方針に照らせば、来年度当初には二十八人にまで児童福祉司をふやす必要があります。子供の命のとりでともなる児童相談所の機能強化は、待ったなしの課題です。年度途中からの増員も含め、国の最低ラインにとどまらない人員配置による強化を求めますが、いかがでしょうか、伺います。
一時保護業務についても、充実、改善が求められています。児童相談所内の一時保護は二十人定員ですが、男女別、年齢別、虐待や非行などの保護の理由別、障害児対応など、多様個別の対応が必要です。また、求められている定員数と合わせ、施設面での改善が求められている課題も多くあります。
二歳未満の子供については、乳児院に委託して対応しているとのことですが、通常の入所児童がいる中での受け入れですから、財政的支援があったとしても、いつも受け入れ可能というわけにはいきません。
子供の身体や生命にかかわる緊急性の高い事例があることを考えれば、いつでも一時保護できる体制を整えておく必要があります。措置として行われる一時保護なのですから、市の責任で直接処遇を行う一時保護施設の増設が必要です。人口五十万人に一カ所という児童相談所の国の設置基準から考えれば、もう一カ所、児童相談所を設置する検討を進めながら、一時保護施設については早急に増設することを求めますが、いかがでしょうか。
また、一時保護の委託については、仙台市では国の委託基準額に上乗せをして委託料を設定していて、評価をするものです。しかし、現在の日額単価での実績対応では、委託を受けた施設の人員体制がなければ、受け入れはできないことになります。こうした実績に応じた委託ではなく、年間で定数委託を行い、常時緊急の一時保護が可能となるよう、必要な経費を保障するなど、一時保護の拡充を求めるものですが、あわせて伺います。
近年、障害を持つ子供の一時保護や、施設入所について課題が生じています。障害を持つがゆえに養育できない保護者がふえていることとあわせ、中度、軽度の障害児の入所施設が少ないことが、保護者の支援につながらない困難な事態を生んでいます。
児童相談所の努力で、民間施設での受け入れや、拡大された里親制度の活用もしながら、障害児の養育環境の確保に取り組んでいると伺っています。しかし、一時保護とその後の支援にもかかわって、限界があるのも事実です。保護者が障害児と向き合い養育するための支援を行うという点からも、子供の全ての成長発達段階において、子供の成長と権利を保障するための入所施設は必要です。アーチルの努力もあって、この間、民間の施設での一時保護受け入れ拡充を進めているとのことですが、障害児の一時保護の拡充は急がれる課題です。アーチルとの連携を行いながら、障害を持つ子供のための療育を行う、一時保護も可能とするショートステイを兼ね備えた障害児入所施設を、市の責任で創設することを求めますが、いかがでしょうか、伺います。
児童相談所がその役割を発揮するためには、誰でも気軽に相談でき、信頼できる機関になることが不可欠です。そのためにも当事者である子供はもちろん、保護者や関係者との関係づくりが重要であり、問われるのがケースワーク技術の向上です。
児童相談所に来所する保護者の多くが、自分が責められるのではないかという疑念と不安を持ってくるものと思われます。人には言えない、言いたくないことを抱えている保護者や、嫌だと思っていることをどう表現し、誰に言えばいいのかわからない子供などと向き合うには、まず話を聞き、受けとめることから始まります。すぐに全てを話してくれるものではありませんから、長い時間をかけて面接を繰り返し、ケースワークの技術を用いながら、相談者との信頼関係をつくっていきます。服装や態度も含め、さまざまな技術と努力が必要とされるのが、ケースワーク業務の実態だと思います。
時には、話し合いの経過やそこで確認したことをペーパーにまとめて、当事者含め関係者で確認をしたり、理解を深めるための資料を示すこともあると思います。個人情報の取り扱いや情報開示のあり方などは、当然逸脱があってはなりませんが、これもケースワークの大事な一手法です。
いずれの場合も、子供を中心に、子供が健やかに成長するための権利を保障するためのものですから、ケースワークの専門性と技術の向上を求めるものですが、いかがでしょうか、伺います。
児童相談所には、虞犯や触法行為と言われる非行による相談も寄せられます。その中には、警察から通告され審判に付すことや、拘束や強制的措置が必要として、児童相談所から家庭裁判所に送致するケースもあります。そうした場合も、当然保護者や子供と面接を行うことになります。子供が将来社会とどうかかわっていくことになるのか、将来を左右する大事な面談となるわけですから、より高度な面談が行われなければなりません。明らかな触法行為であったとしても、児童としての特性と権利を踏まえて、直接子供の意見を聞くことを省くようなことがあってはなりません。この点でも、子供の権利の第一の守り手としての児童相談所の役割を期待するものですが、御所見を伺います。
今、少子化が叫ばれていますが、まさに将来社会にかかわる深刻な問題です。解決の方向は明らかで、保育所の増設や子供医療費無料化拡充、教育にかかる費用の軽減など、子育てへの支援を強めることと、人間らしく働ける雇用のルールの確立など、子供を産み育てることが困難になっている状況を打開していくことです。
そうした施策を展開するときに、しっかり堅持しなければならないのが、子供の権利です。冒頭にも述べましたが、子供には特有の権利があります。児童福祉法で述べている児童の権利に関する条約とは、子供の基本的人権について国際的に保障するために定められたもので、一九八九年の第四十四回国連総会において採択され、一九九〇年に発効し、日本は一九九四年に批准しています。
この中で、子供の権利について、全ての子供の命が守られる生きる権利、持って生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療や教育、生活への支援などを受け、友達と遊んだりする育つ権利、暴力や搾取、有害な労働などから守られる権利、自由に意見を表したり団体をつくったりできる参加する権利の、大きく四つに分けています。
市長は、市政運営の第一に人を置き、施策の第一の柱に人を育み、人がつながる
まちづくりを上げています。その中で、未来を担う子供たちを取り巻く環境づくりや、切れ目のない
子育て支援の拡充をうたい、三十五人以下学級の拡充や子供の貧困対策の具体策などを実施してきています。
こうした各施策をさらに強化し、発展、展開する上で子供の権利を明確にして市政の中に位置づけるための条例の制定は、大変重要だと考えますが、市長はいかがお考えでしょうか。子供の権利という柱を立てて、子供たちの育ちをしっかりと保障する施策を推進することを求めますが、市長の御見解を伺います。
今年度からいじめ対策推進室が設置され、現在、条例の検討を進め、来月末までには骨子が示されることが今議会で明らかにされました。
私たちはかねてから、子供の権利を柱にした条例化を求めています。というのも、いじめの防止を目的とする条例とした場合、禁止事項と責務が並ぶものになる心配があり、根本的にいじめをなくす方向で役に立たないものになると考えるからです。
いじめは、子供の成長発達段階において、他者を認め理解していく過程の中で必ず起きます。全ての子供に起こり得るものという認識のもと、学校や関係者が早期対応を行えば、深刻、重大な事態を遠ざけることが可能となります。
一方、いじめは絶対に許してはならないとか、撲滅ゼロということを強調すればするほど、学校現場では子供に対しては、してはならないと言うだけの指導につながります。いじめがあってはならないものという認識のもとでは、いじめがないことを前提にして、実際にあってもいじめではないといった誤った対応を生み出しかねません。また、いじめを見えなくしてしまい、早い段階での対応を難しくしてしまうことにつながりかねません。
あってはならない、許してはならないのは、子供の権利が侵害されることです。そのことを市民が広く知らされ、大事な合意事項となる中で、社会全体がいじめをなくそうという方向に進むことができます。必要なのは、子供が持つ特有の権利と基本的人権を守ろうという学びと共有であり、そのあり方をいじめ防止の条例の検討の中心点にすべきです。
市長におかれましては、子供の権利を柱にした条例化を進めるとともに、その条例の中に、子供の権利を守る取り組みの一つとして、いじめ防止が推進されるものとなるよう研究していただくことを強く要望し、御所見を伺って、私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
20: ◯市長(郡和子)ただいまのふるくぼ和子議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、児童福祉法の理念等についてでございます。
子供への虐待という報道に接するたびに、大変痛ましく残念でならない思いでおります。
本市におきましては、学校や保育所、警察、医療機関など、児童にかかわるさまざまな機関により構成される、要保護児童対策地域協議会におきまして、情報共有や連携を図るとともに、保育所などの施設職員向けの研修の実施、また児童虐待防止マニュアルの配付、周知などを通じて、児童虐待防止に取り組んでまいりました。
また、児童相談所におきましては、子供や家庭への相談援助活動に当たり、常に子供の最善の利益を考慮して、適切な支援を行う役割を果たすべき機関であるとの認識のもと、日々業務に努めているところでございます。
もとより児童福祉法は、子供の福祉を保障するための根幹となる、いわば原理だろうというふうに思っております。私といたしましては、こうした法の趣旨をしっかりと受けとめまして、関係機関との連携を密にし、児童虐待の防止に取り組み、子供たちが心身ともに健やかに成長する社会の実現を図ってまいりたいと考えております。
それから、子供の権利に関する条例について、お答えをいたします。
子供たちを取り巻く環境というのを見てみますと、児童虐待を初めとして、いじめや不登校あるいは貧困といった憂慮すべき多くの課題がございます。こうした課題への対応に当たりましては、何よりも子供たち一人一人がかけがえのない存在であって、子供たちの最善の利益が守られなければならないという認識のもと、さまざまな施策を講じていくことが重要と考えております。
子供の権利に関する条例につきましては、具体の施策を進めていく中で、その必要性も含め、幅広く検討してまいりたいと考えております。また、いじめ防止対策は、本市にとって喫緊の課題でございまして、現在そのよりどころとなる条例について、いじめ防止の取り組みが実効性あるものになるように、子供の視点も踏まえつつ検討を進めておりまして、来月中にもその骨子案をお示ししたいと存じます。
そのほかの御質問につきましては、関係局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。
21: ◯健康福祉局長(舩山明夫)私からは、障害児入所施設に係る御質問にお答えをいたします。
一時保護が必要な子供に障害がある場合につきましては、障害児短期入所事業所への委託のほか、なお不足する場合に備えた緊急対応事業を実施しており、これまでも利用状況を踏まえた受け入れ枠の拡充を図ってきたところでございます。
本市の障害者保健福祉計画では、地域での安定した生活を支援する体制の充実を基本方針の一つとして掲げておりまして、今後とも緊急対応事業による柔軟な対応に努めながら、障害のある子供が地域で必要な支援を受けられるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。
22: ◯子供未来局長(岡崎宇紹)私からは、児童相談所に係る数点の御質問にお答えいたします。
まず、児童相談所の機能強化についてのお尋ねでございます。
児童福祉司の配置につきましては、現時点では国の配置基準を満たしておりますが、児童虐待に係る関係機関、市民の方からの通告や相談は年々増加しているとともに、一つ一つの案件も複雑化してきており、対応が難しくなってきております。
児童相談所がその役割をしっかりと果たし対応していけるよう、今後とも基準に応じた人員配置に努めてまいりたいと考えてございます。
次に、一時保護施設の増設についてでございます。
児童相談所の一時保護所につきましては、二十四時間三百六十五日受け入れられる体制をとっており、重篤な虐待を受けた子供など緊急性の高いケースはもちろんのこと、それぞれの事情に応じ、一人一人丁寧な対応を行っております。また、男女別に定める定員を一時的に超過することはありますが、年間を通しておおむね定員内におさまっております。
増設の必要性につきましては、今後の一時保護児童数の推移を見ながら検討してまいりたいと考えております。
次に、児童福祉施設等への一時保護委託の拡充についてでございます。
昨年度は六十三件の一時保護委託がございました。委託先の児童福祉施設との個々の入所調整等においても支障は生じておらず、現状の委託方式が適切と考えております。
なお、一時保護委託のあり方につきましては、引き続き各施設と情報交換を行ってまいりたいと存じます。
次に、ケースワークの専門性と技術の向上についてでございます。
児童福祉司については、児童福祉法により、各種研修の受講が義務づけられており、本市におきましても、全ての児童福祉司に法定の研修を行っているほか、ケースワークの技法や面接技術についても、外部講師を招いての所内研修や専門機関への派遣研修などを計画的に実施しております。
その仙台国際音楽コンクールは三年に一度開催されますが、来年がその開催年となっています。世界中にいわゆる音楽コンクールと言われるものはあふれています。音楽コンクールの数は、世界中で重立ったものだけでも三百を超えるものがあります。単純に計算すると、おおよそ毎日一つのコンクールが世界のどこかで開かれている計算になります。たくさんあるコンクールですから、受ける側のコンテスタントも、より質の高いものを受けようと、みずからがコンクールを選ぶことになります。
そこでお伺いいたします。仙台国際音楽コンクールの世界においての評価はどのように感じておられますか。世界においての仙台のレベルは、全体のどの位置にあるとお考えでしょうか。それは、なぜそう思われるのか。根拠になる事実の分析についてもお答えください。
コンクールの入賞者は、その後、世界でどんな活躍をしているのか。コンテスタントはもとより、コンクールの主催者にとっても大変気になるところです。それは、コンクールにおいて入賞したコンテスタントのその後の活躍が、そのコンクールの格、つまり世界のランキングや権威に非常に影響があるからです。入賞者が活躍することは、そのコンクールにおいての評価が適正だったという、まさにあかしなのです。また、演奏家にとっても、コンクールに入賞することはゴールではなくスタートで、そこからが彼らにとっては勝負なのです。
さて、このことについてお伺いをいたします。仙台のコンクールは過去六回行われていますが、入賞者のその後はどのような活躍をなされているのでしょうか。これまでの入賞者の主な活躍と、またその方々はほかのどのようなコンクールを受け、成績はどのようなものだったか、把握されていればお示しください。
前段で述べさせていただきましたように、仙台で入賞したコンテスタントがほかのコンクールでもよい成績をおさめることは、仙台市の評価が一緒に上がることです。仙台市のコンクールの評価が上がれば、世界中からレベルの高いコンテスタントが仙台に集まってきます。そうなれば、おのずとコンクール自体のレベルが上がり、また上質のコンテスタントが集まってくる好循環が生まれます。
このことをお伺いする理由は、実は仙台市の国際音楽コンクールも、そろそろ正念場だと考えるからです。コンクールも回を重ね、来年は七回目になります。コンクールを受けるレベルの人たちの間では、どのコンクールに挑戦をするのか話題になっているはずです。そのような中、仙台市のコンクールの世界的評価は上がっていくのか、それとも衰退していくのか、七回目を迎える今が大事な時期のように思います。コンクールを長く続けていくことは、引き締めをしていかないと、マンネリ化していくこともあるのではないかと感じます。その点についてはどのように考えられていますか。
仙台のコンクールとして二十一年目を迎えるに当たり、進めていく方針は今までと変更なくやっていかれるつもりか。または今までを振り返り、修正すべき点はあるのか。具体的な変更や改善点、または新しい取り組みの予定があれば、お答えください。それはどのような新たな効果をもたらすと考えられてのことかも、あわせてお示しください。
二〇一一年、
東日本大震災が発災し、原発事故がありました。その影響からか、二〇一三年に行われた第五回仙台国際音楽コンクールには、欧米のコンテスタントはほとんどいませんでした。バイオリンとピアノ部門合わせて七十四名が来仙し、コンクールに臨みましたが、その半数以上は日本と韓国のコンテスタントでした。
それから三年後の第六回のコンクールでも、日本と韓国のコンテスタントで過半数を占める状況は変わっていませんでした。音楽の本場であるヨーロッパ、特にイタリアやドイツからの挑戦者は、両国合わせても全体のわずか二%に満たない人数です。
アジア人のコンテスタントが多い理由に関して、御当局にお伺いをしましたところ、ヨーロッパに留学しているアジアの学生だということでしたが、ヨーロッパからの挑戦者が少ないという現象については、何ら変わりがないと思います。この状況から、私は来年開催される予定のコンクールについては、特定の地域のコンテスタントを想定しているのでなければ、広くヨーロッパからも仙台のコンクールに応募してもらえるよう、もっと方法を考えるべきだと思います。
まさか仙台国際音楽コンクール・イン・アジアと考えているのではないと思いますが、冒頭に述べさせていただいたように、世界中に多くの音楽コンクールがあります。その中でどのようにこの仙台をアピールしていくのか、戦略が必要です。四回目までの審査方法は、予備審査も要所であるパリなどの何カ所かに赴き、直接審査をしていましたが、予算の都合やほかのコンクールもDVDに収録するか、動画データでアップロードする審査方法をとり始めましたので、仙台もそのような対応をするようになりました。DVDなどの提出による審査方法は、申し込む、申し込まれるだけの作業になり、直接現地に赴くアピール感は、こちら側の顔も見えず希薄になります。その分、仙台のコンクールを知っていただき、関心を持っていただくための対策を考えるべきだと思います。
各国の音楽関係、例えば音楽大学や音楽書籍出版会社や楽器の販売会社に、情報として周知していただくのは当然です。そこでお伺いをいたしますが、周知していただく手当てとしての宣伝は、特にヨーロッパにおいてはどのようなことを実施なさっていますか。どこでどんな方法を実施しているのか、具体的にお答えください。
次回は七回目となり、二十一年目を迎える仙台国際音楽コンクールですが、その活動は多くの市民ボランティアの皆さんで賄われています。全くの手弁当で、会場運営、広報宣伝、出場者サポート、ホームステイの四部門から成り、第六回コンクールでは総勢二百五十九名の市民の方の大きな力で運営されました。市民のボランティアの支えは、仙台のコンクールの特徴です。そのボランティア力が、さまざまな面でのサポートになっていることは間違いありません。そして、市民の協力を得ながら、仙台市の国際コンクールを中心的にまとめ、運営しているのは、公益財団法人仙台市市民文化事業団であります。
文化事業団の目的は、定款第三条にあるとおり、文化芸術の振興、郷土の歴史の継承及び生涯学習の支援に関する事業を行い、魅力ある市民の文化創造と豊かな市民生活の実現に寄与することであります。その文化事業団が、このコンクールを中心的に運営し、推進しているのですが、三年に一度のコンクールに対してのプロジェクトとしての体制はどのようになっているでしょうか。
事業団のコンクール担当者は、正職員については十三人とのことでしたが、このコンクールについての専任ということではなく、他の業務もしながらのコンクール担当ということでした。コンクール担当者には、ある程度の専門性が必要と思われますが、このスタッフの中に音楽に精通した、ある意味自分の意見を持った方は何人いるのでしょうか。
私は、ある程度の専門的知見を持っている中心的なスタッフが入っていることが前提だと考えます。それは、専門性が要求される分野ということはどうしても否定できないからです。さらに、コンクールに対して研鑚を積んでの意見と、自由な発想を持った人材を希望するものであります。これらのことを踏まえて、文化事業団のコンクール担当者は、人材という点からどのような構成になっているか、お示しください。
さらに御説明いただきたいのは、事業団と本庁文化観光局とのかかわりです。文化観光局サイドは、このコンクールについての方向性や考え方を、どの時点で事業団に伝えているのでしょうか。どのような経過を経て、コンクールの計画を練り上げていくのか。文化事業団でつくられてきたものを文化観光局は承認するだけのことになってはいないか、どうしても私は御当局の顔が見えない気がするのです。しかし、あくまでコンクールの企画を進めていくのは文化観光局だと思いますが、いかがでしょうか。そこで、文化観光局と文化事業団の連携は、企画運営の進め方の中でどのように行われているのか、具体的にお示しいただきたいと思います。
末永く市民に親しまれるコンクールでありたいと考えます。
以上で、私の一般質問といたします。
御清聴いただきありがとうございました。(拍手)
55: ◯市長(郡和子)ただいまの平井みどり議員の御質問にお答え申し上げます。
仙台国際音楽コンクールの世界における位置づけについて、私からお答えさせていただきます。
このコンクールは、才能ある若い音楽家を輩出して、世界の音楽文化の振興及び国際的文化交流の推進に寄与することを目的として開催しているものでありまして、楽都仙台の発展と世界的な知名度の向上、これを目指すものであります。
このコンクールは、協奏曲を中心としてオーケストラとの共演に重点を置いたものでございます。また、公平な審査方法、市民ボランティアによる温かいホスピタリティー、きめ細やかな運営などに力を注いでいるところでございます。
世界で数々のコンクールに携わる審査委員や運営委員の先生方からは、世界のトップクラスに位置するという高い御評価をいただいているほか、本コンクールの入賞者が世界の代表的なコンクールにおいても優秀な成績をおさめていることからも、非常に高いレベルの音楽家が参加するコンクールに成長しているなというのが実感でございます。
今後につきましても、これらの強みをさらに伸ばして、これまで以上に世界に誇れるコンクールになるように努めてまいりたいと存じます。
そのほかの御質問につきましては、文化観光局長から御答弁申し上げます。
私からは以上でございます。
56:
◯文化観光局長(天野元)私からは、音楽コンクールについて市長がお答えしました以外の数点のお尋ねにお答えいたします。
まず、コンクール入賞者の活躍についてでございます。
本コンクール入賞者におきましては、多くの方々がほかの国際コンクールでも優秀な成績をおさめております。具体的には、エリザベート王妃国際音楽コンクールや、チャイコフスキー国際音楽コンクール、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール等、世界的にも歴史と権威のあるコンクールで、優勝や入賞を果たされた方々がいらっしゃいます。
また、ソリストとしてさまざまな実績を積まれた後、著名なオーケストラのコンサートマスターや世界的な音楽大学等の指導者として御活躍されている方々もおられます。
次に、音楽コンクールの今後の方向性についてでございます。
本コンクールは、協奏曲を中心とすることで注目を集めておりますが、さらに特色を出すために、来年の第七回コンクールのバイオリン部門におきまして、これまでのソリストとしての技量を見るという観点に加え、コンサートマスターとしてオーケストラを率いる能力も評価するという、世界でも珍しい審査方法としたところでございます。
今後とも審査委員や運営委員から御意見をいただきながら、より一層特色のあるコンクール運営に努めてまいりたいと考えております。
次に、音楽コンクールのヨーロッパにおける周知についてでございます。
来年のコンクール開催に向け、ことし一月に出場者の募集を開始いたしましたが、ヨーロッパにつきましては、三十八カ国三百九十二校の音楽学校に実施要項をお送りいたしました。また、ヨーロッパ十四カ国の著名な音楽関係者千二百九十名にもお送りし、優秀な若い音楽家への周知をお願いしたところでございます。
あわせて、国際音楽コンクール世界連盟等のホームページに情報を掲載したほか、欧米の代表的な音楽関係の雑誌やウエブサイト、世界最大の音楽データベースなどを通じて、幅広い広報に努めているところでございます。
次に、コンクールの運営体制についてでございます。
市民文化事業団におけるコンクール担当の職員は、大学で音楽を専攻した者や外国語が堪能な者が多く、またほとんどの職員が、これまでに複数回のコンクールを経験するなど、専門性を備えた人材を配置しております。
引き続き海外の審査委員との調整や、市民ボランティアの皆さんとの協働による企画、運営を行う能力を向上するとともに、最新のコンクールの動きにも触れさせることなどで、幅広い見識を有する人材の育成にも努めてまいります。
最後になりますが、コンクールの企画運営の進め方についてでございます。
コンクールの事業計画は、関係団体で構成される組織委員会及び専門家から成る運営委員会で決定しており、両委員会には本市も参加しております。この事業計画に基づきまして、市民文化事業団が事務局としてコンクールの運営を行っておりますが、文化観光局としましても事業の各段階において進行管理や助言を行い、密接にかかわっているところでございます。
今後につきましても、市民文化事業団の専門性を生かしながら、楽都仙台のさらなる魅力向上に資するコンクールとなるよう努めてまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。
57: ◯議長(斎藤範夫)次に、佐々木心さんに発言を許します。
〔八番 佐々木心登壇〕(拍手)
58: ◯八番(佐々木心)自由民主党の佐々木心です。議長のお許しをいただきましたので、大綱三点について順次伺います。
まずは、さきの代表質疑でもありましたが、私からも青葉山公園センター整備に関連して、近隣地域一体の魅力づくりについて伺います。
平成二十八年六月から、公園センターの整備に関する四回の懇話会、設計業務に係る公募型プロポーザルに十一者の応募があり六者に絞り、公開プレゼンテーション、ヒアリング審査を行い、業者を決め、昨年十二月からデザインレビューを五回、ワークショップを三回開催し、多くの皆様に参加をいただき、今日に至っていることを認識します。この設計案が伝えられ、本年十月には実施設計着手予定となっています。当局においては、賛否がある中で対応していることも認識をしますが、その中でこの整備が事業費約二十三億円をかけて、この公園整備を部分的に考えるならば、大きな疑問を持つわけであります。この近隣地域一体で整備する必要があると考えます。
まず初めに、公園整備を進める中で、この追廻地区には六百軒近くあった皆様に、理解を示し移転をしていただいたことに感謝を申し上げる次第であります。公園整備計画の南側にある、今なお移転せずにいられる追廻地区二軒の移転交渉について、どのようになっているのかをお伺いいたします。また、先月の常任委員会で、青葉山のテニスコートに関連しての質疑に対し若干の違和感を覚えたので、当時も担当局長が御答弁を行っていますので、御所見をお伺いいたします。
今後、計画を進める中で、公園敷地内そして中央広場には、イベント活用場所については創意工夫が必要であると考えます。この追廻地区は、最近では仙台七夕祭りの前夜祭である七夕花火祭の開催時、打ち上げ場所等の変更で、この場所が観覧場所としてよい場所ということが市民の方々に認知され、地下鉄東西線開業に伴い、多くの方が来ている状況であります。主催者である仙台青年会議所は、たび重なるハードルを乗り越え、開催をしています。
また、地下鉄東西線の開業から今日までの一日の乗車人数を調べると、一位は地下鉄東西線開業時の十一万二千五百四十二人で、二位、三位は七夕花火祭開催時で、二回とも九万人を超える状況であります。交通局には、利用者人数に大きな影響を与えていると認識します。七夕花火祭が本年の開催も含め、来年度開催の七夕花火祭は五十回の節目を迎えます。今回のこの公園整備計画について、主催者と綿密な情報交換をお願いするものでありますが、御所見をお伺いいたします。
また、この公園のイベント開催時に必要と思われる電気設備の確保や、隣接している五色沼は日本のフィギュアスケート発祥の地ということで、羽生結弦選手や荒川静香選手が男女でオリンピック金メダリスト輩出の本市として、特に羽生結弦選手は国民栄誉賞の受賞が決まり、大変名誉なことで喜ばしい限りです。そして、公園センター駅の二人のモニュメントや、五色沼に観光地として足を運んでもらう機会も魅力と感じますが、御所見をお伺いいたします。
また、将来、国際大会が開けるアイスリンク場の設置を求めますが、早急には困難と考えるので、公園整備完成の暁には、光のページェント期間に勾当台公園市民広場で開催しているような、冬季期間のアイスリンクを設置することを御提案しますが、担当局の御所見をお伺いいたします。
代表質疑でも観光施策として大手門の復元について、早期に検討を行うことと、先ほど同僚議員からこれまでの対応に指摘させていただきました。そこで、大手門の復元については、昨年十一月二十九日に仙台市の市民団体、政宗ワールドプロジェクトの理事長らで、仙台城の
大手門復元を求める署名を市長に提出を行いました。改めて復元整備をお願いするところでありますが、復元整備には
文化財保護法や幾つかの課題があることを認識します。その一つである八木山地区への交通の問題でありますが、近年この地域の交通量調査を行っていないと伺いましたので、交通量調査を行い、正しいデータでの検証が必要と考え、確実に実施できることを提案いたしますが、御所見をお伺いいたします。
本丸懸造についても提案させていただきます。
仙台城本丸の東側の崖には、城下を見下ろすように懸造という建物があり、京都の清水寺の舞台のような、崖にせり出すようにして建てられたものであります。名古屋市では、現在の名古屋城天守閣について、戦後、市民の多大な寄附により再建された鉄骨鉄筋コンクリートづくりの建造物でありますが、再建から半世紀が経過し、設備の老朽化や耐震性の確保の理由から、特別史跡名古屋城跡の本質的価値の理解を促進するため、金城温故録や昭和実測図、ガラス乾板写真など、現代に残された豊富な資料に基づき、天守閣の木造復元を進めています。そして、その総事業費は約五百億円を超える予算であり、本市の庁舎建てかえより多額に投資をして、観光地を創出しています。とてもすばらしく、まことにうらやましくも感じる取り組みに、同じ政令指定都市の行政のトップとして、市長の御所見をお伺いいたします。
国立社会保障・人口問題研究所が本年三月に発表した地域別将来人口推移を視覚化したとき、二〇一五年の人口を基準にして、東北の人口減が特に大きく、約三十年後には人口が七割に減少する状況であります。国の施策をまつのではなく、地域が力強くこの問題に取り組むことが必要であります。
本市においても、人口減少の速度を緩めるためにさまざまな取り組みを行っている状況でありますが、青葉山公園センター整備と近隣一帯を観光地としてつくることが必要であると考えます。現在、
仙台城跡保存活用計画等検討委員会も行われていますが、そのこととリンクを行い、完成の想像で大橋から公園方向を見たとき、青葉山公園センター、大手門に脇櫓、懸造と要塞の石垣に仙台城があることを想像すると、本市の魅力ある
まちづくりを進めることが必要であると考えます。現実の部分と魅力づくりの部分で提案を行ってきましたが、市長の御所見をお伺いいたします。
次に、中学生の部活動について伺います。
六月九日から本年の中総体が始まり、一部の競技については雨天により延期もありましたが、無事に開催されました。中学三年生にとっては最後の中総体で、悔いのないように各競技を行い、大会が終わったことと思います。そして、県大会に進まれた方は、次のステージでの活躍を期待するものであります。
そこで、新年度を迎えるに当たり、本年三月二十七日に各学校に届いた部活動の指導に従事する時間等の取り扱いについて、この通知は平成三十年三月十九日付でスポーツ庁から、運動部活動の在り方に関する総合的なガイドラインが公表されたことで対応しました。新年度が始まる中、保護者や学校からさまざまな御意見を伺ったので、数点伺います。
スポーツ庁からのガイドラインでは、学校の部活動は、スポーツに興味、関心のある生徒が参加し、各運動部の責任者の指導のもと、学校の教育の一環として行われ、体力や技術の向上を図る目的以外にも、異年齢との交流の中で生徒同士や生徒と教師等との好ましい人間関係の構築を図ったり、学習意欲の向上や自己肯定感、責任感、連帯感の涵養に資するなど、生徒の多様な学びの場として教育的意義があります。しかしながら、部活動の指導に従事する時間が、教員の長時間労働の一因となっているとの指摘があります。このことについて違和感を覚えるわけであります。
まず初めに、今回のこのガイドラインは、実際に活動している子供たちを中心に考えるべきであると思いますが、保護者への丁寧な説明も含め、本市の御所見をお伺いいたします。また、国、県のガイドラインを受け、本市が定めるガイドラインとはどのような関係になり、いつごろ作成するのかをお伺いいたします。
次に、県のガイドラインでは、朝練習を禁止とし、ただし書きで校長の判断により特別な事情があると認める場合のみ、限定的に行うことが可能とありますが、このことが校長の判断に差異が生じてしまい、現場で混乱していると伺いました。中総体を前に、各競技が練習のピークを迎える中、隣接する学校で競技によって練習を行っている、行っていない等で不公平感が生まれているとのことでした。ハイシーズンについて、当局の御認識と対応について伺います。そして、シーズンオフと考えられる冬期間でも、種目によって、この時期だからこそできる活動もあります。年間を通じた活動計画が必要であると考えますが、御所見をお伺いします。
また、ガイドライン作成に当たっては、各競技団体との調整を行う必要がありますので、適宜対応を求めますが、御所見をお伺いいたします。
この項最後に、部活動の将来像について伺います。
昨日、地域において地元の児童館の運営委員会で教えていただきましたが、卓球部に所属している中学生が、児童館の子供たちに自発的に卓球を教えたいとありました。非常にすばらしい取り組みであり、校長先生も出席をしていましたが、非常に喜んでいた様子でありました。新たな可能性であり、中学生と小学生をつなぐすばらしい取り組みであると感じました。
そして、昨今では、スポーツ界において中学生のときからの活躍が大きく取り上げられています。部活動ではないのかもしれませんが、本市においては卓球の張本選手の活躍は広く知られています。そして、実はその妹選手も大活躍をされています。また、本市在学の女子テコンドー選手も、国内外で活躍をされています。本市からの活躍は明るい話題提供であり、中学生の活躍は大変喜ばしく思います。東京オリンピック・パラリンピックを迎える中で、必要以上の制限をかけることなく、子供たちの自主性が必要であると考えます。教員多忙化も理解はするところでありますが、全国的には一部の指導者のあり方も問われています。指導者の資質向上を求め、教育局の御所見をお伺いいたします。
次に、仙台市学生消防団員活動認証制度について伺います。
この制度は、大学生等が消防団員として真摯かつ継続的に消防団活動に取り組み、地域社会へ貢献したものについて、市長がその功績を認証することにより、就職活動を支援するとともに、本市消防団への入団を促進することを目的とする制度であります。
他都市の取り組み状況を調べると、政令指定都市においては、導入時期は熊本市が平成二十七年三月に導入をして、平成二十七年度横浜市、京都市が導入し、これまで平成二十九年度までに十七都市が導入をしています。また、県内他都市では、平成二十九年三月に大崎市、平成二十九年四月に石巻市、平成三十年二月に名取市が導入しています。先行している他都市においては、充足率解消と若者の地域へのコミュニティー参画も大きく担っています。また、本市における平成元年からの消防団員の充足率は、平成十九年二千二百七十五人の九三・六%をピークに、年々減少し、
東日本大震災の平成二十三年からの現在は一〇%近く減少している状況であります。
本市においては、
東日本大震災から七年三カ月が経過し、宮城県沖地震から四十年の月日がたち、昨日六月十二日の市民防災の日は、仙台市シェイクアウト訓練を実施し行いました。そして、昨年、議員提案で、仙台市防災・減災のまち推進条例を策定しました。さまざまなことを想定し、万が一のときに備え、災害に対する取り組みや消防団としての活動を示し、学生消防団員活動認証制度導入スタートは他都市におくれをとりましたが、大規模災害を経験した本市が他都市の見本となり、本制度を活用した消防団員の充足率解消に大いに期待するところであります。
そこで伺いますが、対象者は一年以上継続的に活動が必要であります。短大については、入学当初から活動をしなければ、その期間に満たない状況になります。四年大学についても、就職活動は入学当初から始まっていると言われています。そこで、互いにメリットあると言われている学校と企業へのアプローチは、おのおのどのようになっているのかをお伺いいたします。
また、実施要綱を確認しましたが、学生からは認証推薦依頼書を消防団長に送り、それを受け認証推薦書を作成するわけであります。交付の流れについては、消防団長から仙台市長に推薦とありますが、消防団長は日々忙しく活動しています。制度が始まったばかりでありますが、事務的手続は必要最低限の簡略化を求めますが、どのようになっているのかをお示しください。
消防団員皆様の今日までの活動に、感謝と敬意の気持ちを伝え、消防団員の若年層の入団と就職後も継続して活動できるように、企業に理解を働きかける取り組みをお願いするものでありますが、担当局の御所見をお伺いいたします。
今回のこの消防局の取り組みは、若年層のコミュニティー参画、交通指導隊の充足率解消や町内会の役員等にも同様な悩みがあり、地域において若年層の担い手不足の解消になるとも考えます。本制度に近い制度の導入を求めますが、市民局に御所見をお伺いいたします。
最後に、関連をして消防団員定年について伺います。
現在の消防団の定年は、消防団長、副団長が七十歳、各分団ごとの分団長、副分団長が六十七歳、団員は六十五歳になっています。我が会派の先輩議員から、平成二十七年度決算等審査特別委員会第二分科会で提案がありました定年制については、平成元年に定年を定め、その後、平成四年、平成十七年にそれぞれ定年を引き上げた経過があり、一般団員について六十五歳という年齢はまだまだ活動できる方もいます。一律に定年制を適用するのではなく、活動を希望する方については一定の配慮をお願いするところでありますが、担当局の御所見をお伺いいたします。
以上、大綱三点について一般質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
59: ◯市長(郡和子)ただいまの佐々木心議員の御質問にお答え申し上げます。
青葉山公園センター周辺の一体的な整備に関する御質問にお答えをいたします。
仙台城跡及び青葉山公園エリアは、藩政時代から続く歴史ある伊達文化の象徴でありまして、仙台市民の心のふるさととなっていると思っています。
交流人口の拡大が求められている中、伊達文化は観光資源として観光客に対する訴求力も強く、中でも仙台城跡は一つのハイライトとなっておりますが、他方さまざまな御期待があることも承知をしているところです。
このエリアは、仙台城跡や博物館を初めとした歴史、文化資源、また国際センターなどのコンベンション機能、青葉山公園など市民の憩いの場が凝縮されていて、これらを効果的に連携させることで、さらに全体の価値が高まる可能性があるものと認識しています。
現在、仙台城跡につきましては、教育委員会において
仙台城跡保存活用計画及び仙台城跡整備基本計画の策定を進めているところでございまして、その議論を踏まえつつ、青葉山公園を含めたこのエリア一体の魅力向上に鋭意努めてまいりたいと、そのように思います。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。
60: ◯市民局長(斎藤恵子)私からは、学生消防団員活動認証制度に関連いたしまして、地域活動への学生等の参加を促す仕組みについての御質問についてお答えいたします。
若年層の方たちに、町内会や交通指導隊の活動に参画いただくことは、担い手の確保や組織の活性化など、さまざまな面から大変有意義であると認識いたしております。
現在も一部の町内会では、地域のお祭りや防災訓練の実施に当たり、企画段階から学生や留学生といった若い世代にも参加していただくなど、地域の活動への意識を高めてもらう取り組みが行われております。
今後とも若者たちの参加が進む取り組みについて、御提案いただいた内容も含め、町内会を初め地域の関係団体の皆様と御一緒に検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。
61:
◯文化観光局長(天野元)私からは、光のページェント実施期間におけるアイスリンクの設置についてのお尋ねにお答えいたします。
現在、光のページェント期間中に市民広場に設置されていますアイスリンクは、ページェントのさらなるにぎわい創出等の趣旨から、光のページェント実行委員会が実施しているものでございます。
設置場所につきましては、実行委員会が来場者の利便性や集客効果などを総合的に勘案した上、決めているものでございますので、御提案のありました今後の設置場所につきましては、実行委員会にその趣旨をお伝えしてまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。
62: ◯建設局長(小高睦)私からは、青葉山公園に係る数点のお尋ねにお答えをいたします。