これより採決に入ります。
第六十
号議案 仙台市
乗合自動車運賃条例の一部を改正する条例を採決いたします。
委員長報告は可決であります。本案は、
委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔
賛成者起立〕
68:
◯議長(
斎藤範夫)起立多数であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
────────○────────
日程第七
いじめ問題等対策調査特別委員会委員長報告の件(
中間報告)
69:
◯議長(
斎藤範夫)日程第七
いじめ問題等対策調査特別委員会委員長報告の件を議題といたします。
いじめ問題等対策調査特別委員会委員長から報告について申し出がありますので、発言を許します。
佐藤正昭さん。
〔五十二番
佐藤正昭登壇〕
70: ◯五十二番(
佐藤正昭)議長のお許しをいただきましたので、
いじめ問題等対策調査特別委員会のこれまでの調査の概要につきまして、御報告をいたします。
本
委員会は、平成二十九年第二回
定例会におきまして、
市立中学校で相次いで発生している生徒の自
死事案等について、事実関係の把握と原因の究明を行い、速やかに
いじめ及び体罰の
防止対策を講じることを求め、
児童生徒が安心して健全な
学校生活が過ごせるようにすることを目的として設置され、事実経過を調査するとともに、
いじめ問題等に関する諸課題、
再発防止策等の調査を行うことについて、付託を受けたものであります。
昨年六月二十三日に委員が選任され、同日、正副
委員長の互選を行った結果、私が
委員長に、
木村勝好さんが副
委員長に選任をされました。
また、昨年七月七日の第一回
委員会において、正副
委員長のもと
理事会を設置し、同日、理事が選任をされました。
以来、今日まで七回にわたる
委員会を開催し、当局が設置する、
いじめ問題に関する各
委員会の調査の経過と結果について報告を求めてきました。
さらに、有識者からの
意見聴取として、宮城教育大学の久保順也准教授から
児童生徒間の
いじめの理解と対策について、
大阪大学大学院の
片山泰一教授からは
発達障害に関する現状及び
課題等について、専門的な立場からそれぞれ御意見を伺いました。
また、当時の
市立五城中学校の
尾形孝徳校長から、
いじめ問題に関する中学校の現状と課題について、
NPO法人ジェントルハートプロジェクトの
小森美登里理事からは、御遺族という立場でのお話をいただくなど、さまざまな調査を行い、知見を深めてまいりました。
委員会におけるこれらの調査に加えて、二十回にわたる
理事会を開催し、当局からの報告を受けながら、
中間報告等について協議を重ねてきました。
その過程で、学校現場に伺って、
いじめ問題の当事者である子供たち自身の話を聞く必要があると判断し、
理事会として南小泉中学校を訪問し、
いじめ対策専任教諭やスクールカウンセラーなど教職員から直接お話を伺うとともに、生徒代表六名とも
いじめ問題について意見交換を行いました。
これまで、市当局におきましても、
いじめ問題に関するさまざまな施策が実施されてきましたが、これらが有効に機能していたかどうかについては疑問の余地があります。
市当局は、
いじめ問題の早期解決及び自死事案の原因究明と再発防止に向けた
取り組みを速やかに行い、一日も早く市民の信頼回復を図っていかなければなりません。
このような現状を鑑み、本
委員会では、これまでの調査や議会での議論を踏まえ、再発防止策を六つの項目に整理をいたしました。
一つ目は、学校内の情報共有や教職員間の連携と役割分担の明確化などにより、
いじめ問題に適切に対応できる体制を整備することです。
いじめ問題への対応について、学校内での情報共有や教職員間の連携、役割分担の明確化といった点に不十分な面が見受けられます。
担任の相談体制の充実を図るとともに、校長がその役割を十分に発揮し、教職員とともに、学校の体制を整備していくことが必要であります。
二つ目は、
いじめを認識したときは、深刻な事態につながらないよう初期対応を適切に行う体制を確立することです。
学校と
児童生徒や保護者との間で、
いじめを認識したときの初期対応において意識のずれや認識の違いがある場合、
いじめ問題がさらに深刻化してしまうケースが見受けられます。
学校及び教育
委員会には、
いじめが発生した際、
児童生徒及び保護者にしっかりと向き合い、意向を酌み取りながら心情に寄り添った対応を行うことが求められます。
また、学校と教育
委員会が情報を共有し、さまざまな事由や要因を排除せずに、適切に対応するための体制を確立していくことが必要です。
三つ目は、発達に特性のある
児童生徒に対する関係者の理解を深めるとともに、
学校生活における支援の充実を図ることです。
発達に特性のある
児童生徒に対する認識や理解が周囲に浸透し切っていないことに加え、当該
児童生徒の
学校生活における支援についても十分とは言えない状況にあります。
そうしたことは、
いじめを誘発する原因の一つにもなり得ることから、
児童生徒や教職員、保護者に対して、発達に特性がある
児童生徒に関する知識や理解を深める
取り組みを進めるとともに、関係機関と連携しながら、
学校生活における適切な支援の充実を図ることが必要であります。
四つ目は、教員の多忙化を解消し、
児童生徒一人一人と向き合う時間を確保できるようにするとともに、
児童生徒との信頼関係を構築するための環境を整備することです。
教員は、日々の業務や部活動などにより、
児童生徒一人一人と向き合う時間が限られ、
いじめを認識し対処することも難しい状況にあります。少人数学級の導入や人員体制の充実などの施策を進め、教員の業務の軽減を図ることで、
児童生徒一人一人と向き合う機会をふやし、信頼関係を構築することができる環境整備を行うことが必要です。
五つ目は、地域が子供を見守り育てる仕組みをつくるなど、
児童生徒がさまざまな世代とのかかわりを通じて、豊かな人間性を育み、自己肯定感や自己有用感を得られる環境づくりを進めることです。
子供たちは、
LINEやツイッターなどSNSによって、帰宅しても学校における人間関係が途切れない状況にあります。
児童生徒が、豊かな情操と道徳心を培い、心通う豊かな人間性を育むためには、学校や家庭といった限られた人間関係だけではなく、さまざまな世代とのコミュニケーションの機会を創出することが重要です。
例えば、地域が主体となった居場所づくりや、地域行事や祭りへの参加など、地域で子供を見守り育てる仕組みをつくることで、子供たちがお互いに個性を尊重し、自己肯定感や自己有用感が得られる環境を醸成していくことが必要であります。
六つ目は、市は、
いじめ問題の再発防止に向けて統括的な役割を果たし、
児童生徒が安心して健全な
学校生活が過ごせるよう環境づくりを進めることです。
いじめは、子供の権利にかかわる重大な問題です。
いじめは、どの子供にも起こり得ることを強く認識し、発見した場合は、早期解決できるよう、保護者や地域の関係機関とも連携し、
いじめを受けた子供に対する適切な支援や、
いじめを行った側などに対する適切な指導、援助を行うことが求められます。
いじめ防止対策が有効に機能するためには、
いじめ相談体制の充実や、学校、家庭、地域住民、関係機関などとの連携強化が必要です。
また、教育
委員会の独立性、中立性を踏まえつつ、市長のリーダーシップのもと、市の総力を挙げて
取り組み、
児童生徒が安心して健全な
学校生活を過ごせるよう、学校の環境整備と社会全体の環境づくりを進めていくことも必要です。
以上、これら六項目については、再発防止策の柱となる部分として、
中間報告書に記載をいたしております。
このほか、
いじめ問題の課題と対策についても、各会派からさまざまな御意見があり、その主なものを記載しておりますが、詳細につきましては、お手元に差し上げております附属資料のとおりですので、あわせて御高覧賜りますようにお願いをいたします。
いじめを防止するためには、現場の教職員が真摯に
児童生徒と向き合うことはもとより、さまざまな
取り組みを有機的に組み合わせ、着実に前に進めていくことが重要です。
例えば、必要な条例の制定などを含め、社会全体で子供の健やかな成長を支援し、子供が安心して豊かな生活ができるような環境をつくっていくことが必要であります。
平成三十年第一回
定例会において、当局から
いじめ問題にかかわる新たな事業や施策が示されたところですが、議会におけるこれまでの議論を集約した本
中間報告や、市当局が設置する各
委員会における今後の調査結果なども踏まえ、一刻も早い再発防止に向けたさらなる
取り組みが行われることを期待をいたします。
加えて、
児童生徒が安心して健全な
学校生活を送ることができるよう、市長を初め教育
委員会及び市の組織全てが、総力を挙げて
いじめの防止に向けて確固たる
取り組みを進めていくことを強く求めます。
また、本
委員会としても、
いじめ問題に係る議論を広く市民に知らせるとともに、議会のチェック機能を発揮し、
児童生徒の命が二度と失われないよう、引き続き全力で取り組んでまいりたいと考えております。
以上で、本
委員会の
中間報告といたします。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
71:
◯議長(
斎藤範夫)ただいまの
委員長報告に対して質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
72:
◯議長(
斎藤範夫)質疑なしと認めます。
以上で、
いじめ問題等対策調査特別委員会委員長報告の件を終わります。
────────○────────
日程第八 第七十九
号議案から日程第一七 第八十八
号議案まで
73:
◯議長(
斎藤範夫)日程第八 第七十九
号議案 平成三十年度仙台市
一般会計補正予算(第一号)、この際、件名の朗読を省略いたします。以下、日程第九 第八十
号議案から日程第一七 第八十八
号議案まで、以上十件を一括議題といたします。
市長から説明を求めます。市長。
〔市長
郡和子登壇〕
74:
◯市長(
郡和子)ただいま上程になりました第七十九
号議案平成三十年度仙台市
一般会計補正予算から、第八十八
号議案専決処分事項に関する件までの各案件につきまして、概略御説明申し上げます。
初めに、第七十九
号議案平成三十年度仙台市
一般会計補正予算でありますが、経済費におきまして、農業担い手総合支援事業費の追加を計上いたしております。補正総額は二千八百万円余の増額となり、この歳出予算の財源につきましては、所要の措置を講じております。
次に、条例案その他の各案件につきまして概略御説明申し上げます。
初めに、第八十
号議案仙台市市税条例の一部を改正する条例でありますが、これは、地方税法の改正を考慮し、一定の先端設備等に該当する機械及び装置等に対する固定資産税の課税標準の特例に係る割合を定めるものであります。
次は、第八十一
号議案仙台市介護保険条例の一部を改正する条例でありますが、これは、介護保険法施行規則の改正に伴い、看護小規模多機能型居宅介護に係る指定地域密着型
サービス事業者の指定の申請等に係る場合において、その指定等をすることができる者に病床を有する診療所を開設している者を加える等のものであります。
次は、第八十二
号議案仙台市公害防止条例の一部を改正する条例でありますが、これは、大気汚染防止法等の改正に伴い、所要の規定整備を行うものであります。
次は、第八十三
号議案仙台市市民センター条例の一部を改正する条例でありますが、これは、西多賀市民センターの改築に伴い、同センターの使用料を改定するものであります。
次は、第八十四
号議案仙台市病院事業使用料及び手数料条例の一部を改正する条例でありますが、これは、保険医療機関及び保険医療養担当規則の改正に伴い、医師である保険医による初診の場合に係る非紹介患者初診加算料を改定するとともに、再診患者加算料を定めるものであります。
次は、第八十五
号議案あらたに生じた土地の確認に関する件でありますが、これは、仙台塩釜港仙台港区内の公有水面の埋め立てにより、新たに生じた土地について確認をするものであります。
次は、第八十六
号議案住居表示を実施する市街地の区域及び住居表示の方法の決定に関する件でありますが、これは、本市の区域内に新たに生じた土地に関し、住居表示を実施する市街地の区域及び当該区域における住居表示の方法を定めるものであります。
次は、第八十七
号議案市道路線の認定に関する件でありますが、これは、芋沢赤坂線ほか三路線を市道として認定するものであります。
次は、第八十八
号議案専決処分事項に関する件でありますが、その一は、地方税法の改正を考慮し、用途変更があった宅地等の固定資産税及び都市計画税の算定方法に関する特例を適用しないことに関する件、その二は、
地方自治法施行令の改正を考慮し、介護
サービス情報公表手数料及び介護
サービス情報調査手数料を定めることに関する件、その三は、放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準の改正に伴い、五年以上放課後児童健全育成事業に従事した者のうち、市長が適当と認めた者であって、都道府県知事が行う研修を修了した者を放課後児童支援員とすることができることとするとともに、所要の規定整備を行うことに関する件、以上三件につき、それぞれ特に緊急を要したため専決処分といたしましたので、御報告申し上げ、御承認をお願いするものであります。
以上、提案の各案件につきまして概略御説明を申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、御賛同賜りますようお願いを申し上げます。
────────○────────
休会の件
75:
◯議長(
斎藤範夫)お諮りいたします。議案調査のため、六月八日、十一日及び十二日の三日間、休会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
76:
◯議長(
斎藤範夫)御異議なしと認めます。よって、六月八日、十一日及び十二日の三日間、休会することに決しました。
────────○────────
77:
◯議長(
斎藤範夫)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
78:
◯議長(
斎藤範夫)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
なお、本会議は、来る六月十三日定刻再開の予定であります。
本日は、これをもって延会いたします。
午後一時四十八分延会...