10: ◯市長 文化芸術が人々の創造性を育み、その表現力を高めるとともに、人々の相互の理解を促し、心豊かな社会を形成するために大きな役割を果たしているものと、そう考えています。とりわけあの東日本大震災を経験いたしました仙台市にとっては、人々の心を癒し、勇気づけてきた文化芸術を将来に向けて継承し、発展させていくということは大変重要なことだというふうに思っております。
今後、このような考えに基づいて、この地域の特性や時代の変化などさまざまな視点も加えながら、
文化芸術施策を展開してまいりたい、そのように考えております。
11:
◯小野寺健委員 また近年、国の施策にも政策にも変化が見られております。平成13年12月の
文化芸術振興基本法においては、国の施策として、自治体や民間の
文化芸術活動を積極的に支援していくことが掲げられ、各自治体が国との連携を図りつつ、自主的かつ主体的に地域の特性に応じた文化施策を展開していく責務を明記していて、平成24年6月の劇場法では、劇場、音楽堂等を、文化芸術を継承、創造及び発信する場であり、人々が集い、感動と希望をもたらし、人々の創造性を育み、ともに生きるきずなを形成するための地域の文化拠点、国民の生活においていわば公共財と言うべき存在として、国や自治体は責任があるということを明記をされています。
さきにも述べましたけれども、劇場法についてはさまざま御質問しておりますが、簡単に言えば、日本ではこれまで劇場に関しては何をもって劇場とするかという法律はなくて、法律がないまま拠点助成という多額の資金が公共ホールに向けて出されているという現状でした。ですから劇場というものをきちんと規定して制度化して支援の体制を整えることで、地域文化を創造して、新たなにぎわいを創出しようというのが劇場法の趣旨でございます。
東京のものを地方へ持ってくるという時代は終わったんだと思っています。これからのホールは、文化芸術の愛好者だけではなくて、さまざまな市民の方々が使えるような
文化芸術施設、そして地域社会のために貢献できるホールを目指さなければいけないと思いますけれども、国会議員時代、劇場法にもかかわっておられるということですので、郡市長に劇場法についてどのような認識でおられるのか、改めて伺いたいと思います。
12: ◯市長 従前、劇場や音楽堂にはそれを根拠づける法律がございませんでした。それは御案内のとおりでございます。そこで平成24年6月に制定された劇場法によって、これらの施設は単なる貸し館ではなくて、多様な文化芸術を創造し、発信していくという役割が規定されたものでございます。そのような点におきまして、国内の劇場、音楽堂を取り巻く状況を大きく変える契機となったのがこの劇場法であるというふうに認識をしております。
これからのホールというのは、地域のコミュニティーの創造と再生を担う役割があるものでございますし、性別、年代、障害の有無にかかわらず、全ての人にひとしく開かれた施設である必要がある、そのように考えております。
13:
◯小野寺健委員 文化観光局に改めて伺いますけれども、今回、仙台市
音楽ホール検討懇話会というのが立ち上がっております。この懇話会においても
文化芸術基本法、劇場法の趣旨は生かされると考えてよろしいんでしょうか。
14:
◯文化観光局長 第1回検討懇話会におきまして、委員の皆様に対し劇場法や
文化芸術基本法の趣旨を改めて御説明し、委員の方々と認識を共有したところでありまして、現在、これらの劇場法や
文化芸術基本法の趣旨にのっとり検討が進められております。
15:
◯小野寺健委員 私もいろいろな方々とお話をする機会がございまして、若干危惧されているものがありまして、今の現状、音楽ホールに関してですが、
音楽ホール検討懇話会にホールの建設や仙台市が目指す文化政策について、丸投げをしているんではないかという危惧を持っている仙台市民の方々もおります。それで私もその声を聞いてまいりました。この点について
文化振興課長にお伺いしたいんですが、懇話会の審議事項について、まさか丸投げはしていないと思うんですが、さまざまなことを今お願いしていると思いますが、どういったことをお願いしているのか、改めて確認をさせてください。
16:
◯文化振興課長 音楽ホール検討懇話会では、音楽ホールに必要な機能、規模、立地条件、整備手法のほか、事業や管理運営の考え方等について御議論をいただき、平成30年度末までに報告書として取りまとめていただく予定となってございます。
本市といたしましては、この報告書の内容をしっかりと受けとめ、基本構想の前提となりますこれらの諸条件につきまして、議会での御議論を初め市民の皆様の御意見も踏まえ判断してまいりたいと考えております。
17:
◯小野寺健委員 懇話会のメンバーだけではなくて、懇話会終了後に多分基本構想の動きがあってと思いますけれども、基本構想策定時には多くの市民の方々の声を生かしていただく努力を求めたいと思います。
藤井市長さんのときだったでしょうか、仙台市においては
宮城野文化センター設置時に、多くの市民の方々から声を吸い上げるためにワークショップを行ったり、市民の方々がボランティアで基本構想に携わったという事例があります。そのように利用者目線で今回の
音楽ホール建設を進めていくことができないものか、改めて伺いたいと思います。
18:
◯文化振興課長 基本構想の段階におきましても、市民の皆様や利用者の方々の御意見をいただきながら進めていくことが必要であると認識をしております。
具体的な手法につきましては、今後検討してまいりたいと存じます。
19:
◯小野寺健委員 ぜひプロセス、コンセプトを大事にする必要性を感じています。仙台市における文化行政とは何か、またどのような芸術施策を展開するのか、このたびの音楽ホールの整備は市民に向けた大きな大きなメッセージになっていくのではないかなというふうに思います。市民のための市民に愛される劇場を、また箱物かと言われないように、文化の継承、創造と、新たなまちのにぎわい創出のためにぜひとも御努力いただきたいなと思います。
また、本物に触れ、一流の芸術を味わうことは、全ての市民の方々が享受されるべきでございまして、劇場、音楽堂などに質の高い事業実施や運営等を先ほどの劇場法でも求められています。音楽ホールの整備は、市民に向けた大きな大きなメッセージという視点をどのようにお考えなのか、これは局長でしょうか、所見を伺いたいと思います。
20:
◯文化観光局長 音楽ホールは、楽都の拠点として文化芸術を継承、創造及び発信する場だけでなく、多くの人が集い、感動と希望を共有し、創造性を育み、ともに生きるきずなを形成するための地域の文化拠点であり、さらには文化芸術を介した多様なまちづくりを推進する拠点であると考えております。
このような考え方を踏まえながら、基本構想などにおきまして、音楽ホールの意義や役割を市民の皆様にお示しできるよう検討を進めてまいりたいと考えております。
21:
◯小野寺健委員 文化芸術施策なんですけれども、仙台市のこれからのありようとマッチさせながら進めていかなければいけないと考えています。
仙台市は今後、人口構成の変化と税収減、少子高齢化によって人口構成が変化して生産年齢人口が減少していきます。これに伴い市税収入が減少していく一方で、福祉関係の経費は増加される、これが想定されています。私はこうした状況に対応して、若い子育て世代の流入を図る政策が必要だと考えておりまして、例えばまちと公園との接点に音楽ホールを位置させて、子育て世代、そしてファミリー層を積極的に受け入れて、
文化芸術活動を通して豊かな
生活環境づくりに貢献させていくことや、遊び、楽しみ、考え、そしてにぎやかな時間を過ごすことで、将来にわたって文化芸術に親しんでもらう施設、仙台の魅力を発信できる施設にできないかというふうに期待するものでございます。
今後の仙台市の施策とのマッチングについてどのように考えているのか、伺いたいと思います。
22:
◯文化振興課長 音楽や舞台芸術を初めとした文化芸術は、ホールの中で完結するものではなく、交流人口の拡大、福祉分野との連携など、さまざまな分野において力を発揮するものと考えております。
今後とも本市が行う各般の施策との相乗効果があるよう、
文化芸術施策の展開に取り組んでまいりたいと思います。
23:
◯小野寺健委員 市内の30年後の推計高齢化率は4割近くになりまして、14歳以下の年少人口は1割ぐらいまで減少すると予測されています。持続可能なまちの人口動態に近づけるためには、若い世代の転入を促す何か
きっかけづくりが必要だと思います。その動機の一つとして音楽ホールを位置づけていただきたいと思います。改めて、またその答弁をいただきたいと思います。
24:
◯文化振興課長 市内への転入を促す動機につきましてはさまざまあると存じますけれども、音楽ホールの整備によりまして総合的にまちの魅力が向上し、そのことが仙台を選んでいただける要素の一つ一つになるという視点を持ちまして、今後も検討を進めてまいりたいと思います。
25:
◯小野寺健委員 今回、るる質問をさせていただきまして御答弁をいただきましたが、
文化芸術施策を仙台市の施策にきっちり位置づけていただきたいと思っていまして、これから
次期総合計画策定のための準備が進んでいくと思います。ぜひとも
文化芸術施策に関して、これらの施策をきちんと計画等に位置づけた上での展開を求めたいと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
26:
◯文化振興課長 現在の本市の総合計画における基本計画は平成32年度までとなっており、今後、平成33年度以降の基本計画について検討していくこととなります。
音楽ホール検討懇話会での検討の次の段階となる
音楽ホール基本構想の策定の中で整理される
文化芸術施策のあり方などの考え方につきましては、本市の新しい基本計画の策定に反映できるよう努めてまいりたいと思います。
27:
◯小野寺健委員 計画については
まちづくり政策局等も携わってくると思いますので、何とぞ御配慮をいただきたいというふうに思います。
最後ですが、市民も建物もまちも、それぞれが全体的に高齢化しています。世代交代も行われている状況です。時間的経過や社会的状況に応じて自然に交代、更新されていくのもありますが、
公共的サービスの基本は、それほど大きく変化していくことはないことも承知をしています。
しかしながら、音楽ホールをただ建設するハード面だけではなく、今申し上げましたように仙台の将来計画との関係性やソフト面などの検討の上、建設するまでの工程についてもさまざま工夫するなどの視点が必要だと考えます。この点について、これは担当副市長でいいんでしょうか、最後に伺いまして私の質問を終わりたいと思います。
28: ◯伊藤副市長 国内で成功していると言われる音楽ホールは、器が立派だということもございますけれども、そこで行われている事業が大変すばらしいもので、必ずしも難解、高尚なものばかりではなくて、市民を巻き込んだ、あるいは市民のニーズに合致したプログラムを用意するということをしております。
仙台でも音楽ホールを建設するという流れの中で、その完成までに市民の皆さんとどういう形でかかわれるか、仙台の文化政策として何がふさわしいのかということをきちんと議論した上で、ホールの完成までに我々の政策を固めていく必要があろうかと思います。
29:
◯木村勝好委員 私からも、今、
小野寺健委員が質問したのと少し角度を変えながら、音楽ホールの整備のことについて、代表質疑に続いてお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。
まず、音楽ホールについてなんですけれども、今、検討懇話会で検討されていると思いますが、先ほどの御答弁を聞いていると、懇話会に丸投げではない、出してはもらうけれどもあとは自分たちでよく考えるよと、こういう話なので、懇話会で今やっている最中だからお答えができないということではないんだろうと思うので、その前提で聞かせていただきます。そういうことでしょう。出てきても、あと自分で考えると言っているんだから、今、聞かれて、それやっている最中なんで答えられませんということは多分ないんでしょうから。
まず、これの建設主体、建設資金、これはどういうふうに考えているんでしょうか。つまり本市が税金で建設する、いわゆる公設公営ということを基本に考えているのか、それともほかの方式、例えばPFIとかそういうのもあるというふうに考えているのか、その辺は今の段階ではどんなふうにお考えですか。
30:
◯文化振興課長 音楽ホールの整備に関しましては、PFIなども含めまして、整備手法や運営手法につきまして検討懇話会において議論をいただくこととしており、その結果を踏まえまして本市として決めてまいりたいと思います。
31:
◯木村勝好委員 後で聞くことにも関係するんだけれども、懇話会と当局との関係は最初からちゃんと整理してかからないと、向こうからすれば、せっかく出したのに全然違うものになっちゃったというんでは困るわけですよね。そうかといって、先ほどのように全部お任せで丸投げですと話にも当然ならないと思うんですけれども、そこら辺を踏まえてもう一回お願いします。
32:
◯文化観光局長 市の検討と、あと懇話会における検討との関係という御質問かと存じます。
懇話会につきましては、これは市のほうで事務局を務めているものでありまして、市のほうで一定の考え方を整備したものを資料としてお出しをして、そしてそれに基づいて懇話会において議論をしていただいていると。そしてまた、今、議論を進める中でシンポジウムを開くですとか、あるいはこういった議会においてさまざま御議論いただくですとか、そういったところで、議会を初めとした市民の皆様のお声もいただきながら懇話会、今検討しているところでございます。そしてまた、懇話会で最後、結果が出たときには、市のほうで議会を初めとした市民の皆様のお声を聞きながらちゃんと最終的な判断をしていくと、このような進め方を考えているところでございます。
33:
◯木村勝好委員 何かわかりやすく言うとこういうことですか。懇話会でいろいろ議論して検討してもらって、出てきたものというのは、仙台市が判断する上での一つの参考資料という位置づけになるのかな。そういう位置づけでいいのかな。
34:
◯文化観光局長 先ほど申し上げましたように、事務局を我々がやっているものでありまして、我々のほうで一定程度、前提を整理して、そしてまた懇話会においては議論していただいておりますので、参考資料というよりは位置づけとして重みのあるものというふうに考えておりますけれども、ただ、懇話会に全て丸投げということではないという趣旨でございます。
35:
◯木村勝好委員 上手に懇話会をリードしていきますから大丈夫ですよと、こういう話なのかな。
ところで、ほかのまちでできたいわゆる音楽ホールというか多目的ホールというか、2,000規模ぐらいのものの値段というのをお聞きしたら、
いわきアリオスという1,700席なんですが、これはPFIなので単純に比較できないといっても180億円ぐらい、それから
兵庫県立芸術文化センター、これは200億円くらいというふうに言われております。大ホール、中ホール、小ホール、皆持っている。大体これが一つの資金的な意味で言うと、このままでやれるかどうかは別にして、念頭に入るとするとこういうことになるんでしょうかね。
36:
◯文化スポーツ部長 整備資金でありますけれども、現実的にはこれから、今後整備しようとする音楽ホールの施設規模であるところを検討していただくと。それを踏まえて大体どれぐらいの大きさになるかというのが決まってまいりますので、そういう意味では、金額ということで言うと、なかなかお答えするものを持ち合わせてはいませんけれども、いろいろなホールがあって、それに関する整備費用というのはもちろん我々調べているところではございます。
37:
◯木村勝好委員 何でいわきと兵庫が出てきたかというと、それこそ当局が事務局として懇話会にお配りになったこの資料の中にこの二つとも入っているから、それで今申し上げたんだけれども、これも参考資料かな。
2問目に行きます。
建設するエリア、これはどうなるんでしょうか。具体的に言いますね。市の中心部ということを念頭に置いてやるのか。いやいや、それにはもう必ずしもこだわりませんということなのか。こだわらないとすれば、例えば荒井駅のすぐ近くでもいいよとか、そういう話になるのか。いや、そうはいかないでしょうと、やっぱり中心部ですよねと。これも検討懇話会で検討してもらうのか、それとも上手にそこは……今、岩切とかと言わなかった、というふうにリードしていくのか、その辺はどうですか。
38:
◯文化振興課長 ホールを建設するエリアでございますけれども、これもまた重ねてのお答えになりますけれども、検討懇話会での御議論を踏まえまして、こちらのほうで複数の候補地を提示した上で、それぞれの評価について報告書をまとめていただくこととしておりまして、その結果を踏まえまして本市として決定していくこととしております。
39:
◯木村勝好委員 なかなかおもしろい手法ですね。こっちから幾つか出して検討してもらって、こっちが出したやつを今度こっちが決める、今聞いているとそういうふうに聞こえるんだけれども、そうですか。三つぐらい出して、この中で評価してくださいと。三つそれぞれの評価が出てきて、そうすると、やっぱりこれがいいなと自分で決めると、こういうやり方なんですか。
40:
◯文化観光局長 検討懇話会に対しまして我々事務局のほうから幾つか候補地を提示させていただきまして、それにつきまして、楽都仙台の拠点としてふさわしいかですとか、まちづくりの観点からふさわしいか、こういったことについて懇話会の中でさまざま御議論をいただきまして、そして懇話会としての一定の結論は出していただくわけでございます。ただ、必ずしもその結論に最終的に縛られるかと言えば、それはもちろん懇話会の出した結論というものは尊重されるものではあるというふうに認識しておりますけれども、ただ、最終的にはそれは我々のほうで責任を持って判断するという趣旨でございます。
41:
◯木村勝好委員 これは今聞かれてもなかなか答えにくいんでしょうが、提示する例えば三つぐらいの案の中に荒井とか岩切というのが入る可能性はありますか。
42:
◯文化観光局長 ホールを建設するエリアというお尋ねかと存じます。
こちらについては、まだホールの機能ですとか規模ですとかそういったスペック、いわゆる諸元が決まっておりませんので、したがいまして、今の段階からその場所がどこだというふうに判断できるものではございませんので、その点につきましてはどうか御理解いただきたいというふうに思います。
43:
◯木村勝好委員 すごく理解していますから大丈夫ですよ。十分理解していますから。
それから、もうちょっと絞って、今度、建設する場所、土地なんですけれども、これは公園用地とかも含めて、現に本市が所有している土地をやっぱり念頭に置かざるを得ないのか。それとも新しく建設する土地を取得する、購入するなんていうこともあり得るんでしょうか。実際問題として例えば市の中心部と考えたときに、新たに敷地になる部分を購入するなんていうことは、私は物理的にも財政的にもほとんど不可能に近いのではないかなというふうに思うんだけれども、これも検討してもらうんでしょうか。それともこれも上手にリードするんですか。
44:
◯文化観光局長 繰り返しのお答えになるわけでございますけれども、まだ機能とか規模、そういった諸元が決まっておりませんので、どういう場所にするかということ、それからその場所は既に市が持っている場所なのか、そうでないのかといったところまで含めまして、まだ今の段階で判断できるものではないということでございます。
45:
◯木村勝好委員 ちょっと角度を変えて聞きますね。建設する土地、場所については、これは当然のことですけれども、どういうふうに道路と接道しているのか、道路づきがどうなっているか、あるいは観客のことを考えた場合に、でき得れば鉄軌道の駅から歩いて行っていただけるようなところがいいとか、いろいろなことがあり得ると思うけれども、それは当然念頭に置きますよね。それは完全に考えませんという話じゃないでしょう。それは念頭に置きますよね。
46:
◯文化観光局長 今、幾つか御指摘のありました条件のようなものも含めまして、先ほど申し上げました学都の拠点としてふさわしいかですとか、まちづくりの観点からふさわしいか、こういったことをもって判断してまいりたいというふうに考えています。
47:
◯木村勝好委員 やっぱりそれは使い勝手がよくなければだめですよね。来てもらえなければだめなんだ、当たり前のことだね。どこかがつくったグランディ何だかみたいに通うのが大変だなんていうのでは全然話にならないわけですから、それはどこら辺のエリアになるのか。道路とか駅との関係はどうなるのか。当然それは使い勝手のいいところということを考えるのは当たり前のことですから、それはもう聞くまでもないことですけれども、なかなかお答えにならないと、質問しているほうもつらいものがあるんですが、何をいわんとしているかはよくわかっていただけると思うし、私もわかりますから。
ところで、これは聞いて、ええっと思ったことがあったんですが、2,000席の多目的大ホールを中心に必要な機能、例えばさっき話が出た中ホールか小ホールか、その他リハーサル室とかもろもろで、そういうものもつくろうとすると、一般的には1万平米ぐらいの敷地が必要ではないかというふうに聞いたんだけれども、それはそんなに外れていませんか。
48:
◯文化振興課長 現在、機能や規模について懇話会で検討を進めておりますけれども、2,000席程度の多機能型ホールの事例としまして、例えば大中小のホールを備えました
兵庫県立芸術文化センターの敷地面積は約1万3200平米で、同じく大中小ホールを備えました福島のいわきにございますいわき芸術文化交流館アリオスの敷地面積は約1万1230平米となってございます。
49:
◯木村勝好委員 つまり1万平米は必要だということになっているんだと思うんですね。さっきの話に戻りますけれども、1万平米って100メーター四方ですよ。もし市の中心部あたりでという話になると、100メーター四方の、しかも仙台市がまさかこれから地上げをしますという話にならないわけだから、そうすると、今手持ちのもので100メーター四方のものが確保できるところなんて、仙台市の地図を見れば大体見当ついてくるじゃないですか。それを言っちゃおしまいだから言わないんだろうけれども、ということになるのかなというふうに思います。
ところで、ひところ音楽ホールと市役所の本庁舎を合築してはという話もあった時期がありましたが、合築ということについて、それこそ検討懇話会では議論として出ているようなことはありますか。
50:
◯文化観光局長 本庁舎との合築につきましては、施設規模に対応できる敷地の制約や検討の進捗状況などから難しいものと考えておりまして、検討懇話会におきましては単独での整備を前提に御議論をいただいているところでございます。
51:
◯木村勝好委員 これは音楽ホールのほうでそういう検討をしているということは、逆に言うと本庁舎の建てかえでもそれはないということになるわけだ。それはそれでいいと思います。すっきりしたと思います。
ところで、建設までのスケジュール、平成31年度に基本構想という話でしたけれども、その後はどういうふうになるんでしょうか。例えば普通に考えれば翌年、平成に32年度ってないのかもしれませんが、平成32年度には基本計画、平成33年度には基本設計、そして平成34年度に実施設計、平成35年度に着工、これまで役所がこういう大型施設をつくるときの基本パターンはそういう形で来ていると思うんだけれども、もしそうだとすると、実はそれこそ今申し上げた本庁舎の建てかえの時期とほぼ同時期につくり始める、つくっているということになるんじゃないでしょうか。どうですか。
52:
◯文化振興課長 音楽ホール整備のスケジュールにつきましては、基本構想から8年程度というふうにお示しをさせていただいておりますけれども、今後の検討懇話会の議論や基本構想の策定という段階を経まして、その時期なども決まってくるものと考えております。
一方、市役所本庁舎の建てかえにつきましては、老朽化が進んでおりますことから、基本構想策定に向け議論が進んでいるところであり、現時点では本庁舎の建てかえが先行しているものと認識をしております。
53:
◯木村勝好委員 本庁舎建てかえの想定スケジュールという資料があるんですよ。その中で、現地1棟で建てかえる場合ですけれども、平成35年度から工事に着手するとなっているんだ。そうすると今の答弁でいくと、音楽ホールのほうは基本構想が出てからしばらく間をとって、本庁舎の建てかえにはぶつけないようにしますと、本庁舎の建てかえが終わってからつくるようにしますと、こういうふうに聞こえるんだけれども、そういうことなんですか。
54:
◯文化振興課長 それぞれが本市にとりまして重要な施設でございますので、調整ということではなくて、それぞれが着実に歩みを進めるよう、これからの検討を進めてまいりたいと考えております。
55:
◯木村勝好委員 いや、そうじゃなくて、本庁舎のほうは約400億円と言われている。音楽ホールは、さっきいろいろあったけれども、200億円ぐらい。合わせると600億円なんだ。この600億円の大建設事業をほぼ同じ時期に、つまり仙台市内であっち見ると本庁舎をつくってて、こっち見ると音楽ホールをつくっているというような状態になっても仕方がないのか。それとも、そういうことは避けたい、本庁舎のほうを優先にするので、そこの問題が片づくまでは、段取りがどうなるかは別にしても、音楽ホールのほうは建設に着工するようなことはしないということに、市長、なるんですか。同じ時期に両方つくることがあり得るのか、それともそれはやっぱり時期は分けたほうがいい。それは極力避けたほうがいい。だから本庁舎のほうの優先順位が高いんですと市長何回かおっしゃっていますけれども、私も全くそう思う。だとすると、本庁舎の問題が解決してからでなければ、つまり立ち上がってからでなければ音楽ホールの建設には入らないというふうに調整をされるんでしょうか。市長、いかがですか。
56: ◯市長 繰り返しの答弁になりますけれども、市役所本庁舎の建てかえについては、老朽化が進んでいるということもあり、基本構想策定に向けて議論が進んでいるところでありまして、現時点では本庁舎の建てかえのほうが先行しているというふうに認識をしております。
実際に本庁舎の建てかえがどういうふうに進んでいくのか、そしてまた音楽ホールの整備スケジュールがどの程度進むのかと、そういう見合いをしていくということになろうかとは思います。
57:
◯木村勝好委員 すごく単純なこと。同じ時期に両方建てているという状態は、そうなっても仕方がないとお考えか、それは極力避けたいとお考えか、どちらですか。
58: ◯市長 今、木村勝好委員は、本庁舎の建てかえが全て完了するまで待つのかというふうなことをおっしゃられたと理解してよろしいでしょうか。だとしますと、多分本庁舎の建設が始まります。すっかり終わるまでになるかどうか、これはまだはっきりと申し上げられないと思います。重なる部分も出てくるやもしれない。これは今、それぞれ検討いただいておりますけれども、そのことも含めていかなくてはいけないというふうに私自身は思っております。
59:
◯木村勝好委員 今の御答弁をそのまま素直に受け取ると、本庁舎のほうを先行、優先させるということには変わりないんだけれども、場合によっては両方のスケジュールの見合いがあるから、ひょっとすると、どこかでかぶるところがあるかもしれないと。それは必ずしも排除しませんと、こういうことですよね。
60: ◯市長 十分に見きわめてゆくということだろうと思います。
61:
◯木村勝好委員 いずれにしてもスケジュールってすごく大事だと思うんですよね。こういうスケジュールというのは御当局が決めるんだよね。懇話会に決めてもらうんじゃないよね。そうすると、今の市長の御答弁のようなことも念頭に置きながら、ある意味、調整をする部分も含めてスケジュールを考えていくと、こういうことになりますか。
62:
◯文化観光局長 音楽ホール整備のスケジュールにつきましては、基本構想から8年程度というふうにお示しをさせていただいておりますけれども、今後の検討懇話会の議論や基本構想の策定という段階を経まして、その時期なども決まってくるというふうに考えております。
63:
◯木村勝好委員 次に、民間の美術館のことについて伺いたいと思います。
去年の12月ですが、蔵王町にあった民間の美術館、エール蔵王島川記念館というんだそうですが、これが閉館をして、2年後に本市に移転、オープンを目指しているんだというふうに某地元紙に報じられておりました。島川記念館って、残念ながら行く前に閉館になってしまいましたけれども、収蔵されている主な美術品というのはどういうのがあるんでしょう。
64:
◯文化振興課長 島川記念館は、報道などの情報によりますと、八百数十点の収蔵品がございまして、代表的なものには、横山大観の霊峰不二、平山郁夫のマルコ・ポーロ東方見聞行、橋本関雪の玄猿、岸田劉生の麗子像などがございます。
65:
◯木村勝好委員 ちょっと調べてみたんだけれども、すごいそうそうたる顔ぶれの、梅原龍三郎さんとか、川合玉堂さんとか、平山郁夫さんとか、前田青邨さんとか、陶器でいくと高村光雲さんとか、北大路魯山人とか、板谷波山とか、なんでも鑑定団に持ち込んだらすごい値段になるような。これ本物ですよね。まさか鑑定団に持ち込んで、安河内さんかなんかに、残念ながら偽物ですとかというんじゃなくて、これは全部本物ですよね。
66:
◯文化振興課長 そのように考えてございます。
67:
◯木村勝好委員 ところで現在、本市の中にある民間の美術館というのは、主なものはどういうのがありますか。
68:
◯文化振興課長 チョウチョウなどの鱗翅生物や絵画作品の展示を行っておりますカメイ美術館、それから狩野派の絵画などが収蔵されております福島美術館、あとは染色工芸家、芹沢けい介の作品を展示しております芹沢けい介美術工芸館などがございます。
69:
◯木村勝好委員 ちょっとお聞きしていると、今おっしゃったような美術館と比較すると、島川記念館の収蔵品のほうが随分メジャーなものがいっぱいあるように思えるんだけれども、その辺はどういう御認識でいらっしゃいますか。
70:
◯文化振興課長 市内の美術館でございますけれども、その成り立ちなどから、それぞれが特徴を持った展示となっているものと認識をしておりまして、島川記念館につきましては本当に国内外の幅広い作品を収蔵しているものと考えております。
71:
◯木村勝好委員 例えば横山大観さんとか東山魁夷さんとか平山郁夫さんの作品というのは、宮城県美術館には収蔵展示されているんですか。
72:
◯文化振興課長 済みません、存じ上げません。
73:
◯木村勝好委員 当局に聞いたらわかりませんというお話だったので、自分で直接確認しました。横山大観さんのものは1点あるそうです。でも、東山魁夷さんも平山郁夫さんもないということなんですね。そうすると宮城県美術館にないようなものをいっぱい持っているということなんだ、ここはね。
そういう意味では、全国的に見れば、倉敷の大原美術館、東京の根津美術館とか五島美術館、あるいはサントリー美術館とかブリヂストン美術館って、民間だけれどもメジャーなものをたくさん収蔵している著名な美術館っていっぱいあるんですよね。それと比較すると、先ほど三つ出てきましたけれども、どうも本市内の民間の美術館の実態というのは残念ながら貧弱だと言わざるを得ないのかなというふうに思います。こういう状態になっている理由、つまり仙台市内の民間が貧弱な理由って何ですかね。
74:
◯文化振興課長 難しいお答えではございますけれども、御案内の美術館につきましては大規模なコレクションを有しておりまして、御承知のように大企業に関連する美術館でございます。そういった点におきましては、これらの美術館のコレクションの形成過程には経済的なものが背景としてあるんではないかと推測をしているところでございます。
75:
◯木村勝好委員 そういう資金力なりあるいはそういう感覚なり志なりを持った主として経済人のような方が残念ながら仙台市には少なかったということなのかな。どうですか。
76:
◯文化スポーツ部長 仙台、この地域における経済人の方が、それは何も文化だけではなくて、例えばもちろんスポーツといった分野、それぞれ支援なりなんなりはありますので、文化のみ見てどうこうということではないんだろうというふうには思っております。
77:
◯木村勝好委員 ところで、島川記念館が一体仙台市内にどんな感じで新たに設置をしよう、どんなことを考えている、そんなことについて御当局としては何かリサーチしていますか。
78:
◯文化スポーツ部長 特段のリサーチはしておりませんで、そういう意味では、今後、情報収集にはしっかり努めていきたいと考えております。
これまで下校時の立哨を実施した場合の課題等の洗い出しを行ってきたところであり、新年度におきましては、各地区指導隊の皆様との意見交換を行い、どのような基準を設けて実施すべきかについて検討を行ってまいります。
129: ◯菅原正和委員 今、前向きな答弁でありがとうございました。ぜひとも、早期にいろいろな打ち合わせをさせていただいて、そして実現に向けて行っていただければありがたいなと感じております。
次に、新しい隊員を募集する際、朝は出ることができますけれども、月4回の定期立哨日に出動が難しい状況にあるというケースが見受けられるそうです。1日はマナーアップ強化日、15日はマナーアップ強化日と自転車交通安全の日に指定されており、それ以外の5日、25日に関しては柔軟な対応を図ることで隊員の出動回数が確保されると思います。現隊員の中にも、仕事の都合や勤務体制の変化などで出動ができなくなっている隊員も存在しております。出動に関しましては、定期立哨日以外の出動に関し、どのような検討が進められているのかお聞きいたします。
130: ◯自転車交通安全課長 日にちを定めまして全市一斉に行う定期立哨は、市民の交通安全に対する意識向上と、交通指導隊が行う活動への理解につながっているものと考えております。このため御提案いただきました立哨日の柔軟な対応は、現在のところ検討には至っておりませんが、一方で、時間に制約のある市民が活動しやすくなり、新規隊員の確保につながる可能性もございます。今後、この件につきましても、各地区指導隊の皆様と意見交換を行ってまいりたいと存じます。
131: ◯菅原正和委員 検討しないと言われてちょっとショックだったんですけれども、できるだけやっぱり出やすい、出やすくするということがまず一番必要なので、少しでもいいですから検討を進めていただければと思いますので、よろしくお願いします。
さきに決算等審査特別委員会で、市民局としてどのような見直しが交通指導隊の確保につながるのか真剣に議論しますという答弁が局長からありました。現在、どのような議論が進められているのか局長にお聞きし、私の質問を終わらせていただきます。
132: ◯市民局長 本市の交通安全の一翼を担う交通指導隊がその活動を継続していく上で、新規隊員の確保は重要な課題と認識しております。
新規隊員確保の取り組みといたしましては、各区役所、地区指導隊がさまざまな機会を捉え募集活動を行っていることに加え、隊員の定年の延長、それから先ほど御提案ございました定期立哨時間の見直し、それから被服の改善等についても検討、取り組みを行っているところでございます。
今後とも交通指導隊、地域団体、警察とも一層連携し、新規隊員の確保に力を尽くしてまいりたいと存じます。
133: ◯菅原正和委員 市民局長、ぜひとも、今のお言葉、私信じておりますので、いろいろなことを進めていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
〔西澤啓文委員、質疑席に着席〕
134: ◯やしろ美香委員 それでは、私からは第1項市民費、第1目市民総務費中、仙台ひと・まち交流財団補助金5200万円余、第4目文化振興費、仙台市
市民文化事業団補助金3億2900万円余、そして第6目地域施設費35億200万円余についてお伺いをしたいと思います。
まず初めに、仙台市
市民文化事業団と仙台ひと・まち交流財団でございますが、この二つの公益財団法人は、市内の多くの施設の指定管理者に選定されていますが、具体的にどういった施設を管理しているのかをお知らせください。
135:
◯文化振興課長 市民センターも含めました市内の施設のうち、青年文化センターとイズミティ21、これは現在はネーミングライツによりまして、それぞれ
日立システムズホール仙台と仙台銀行ホールイズミティ21となってございますけれども、この二つの施設につきましては仙台市
市民文化事業団が、区の文化センターや戦災復興記念館、市民センターにつきましては仙台ひと・まち交流財団が指定管理者に指定されております。
136: ◯やしろ美香委員 今のお答えでは、ホールとか市民センターに限ってのお答えでしたけれども、この両方の定款を見ますと、児童館であったりとか交通安全であったりとか、本当に本市に幅広く指定管理を請け負っていただいておりまして、市民生活の向上に大変役立つ両事業団だということは私も認識しております。
今回は、余りにも多岐にわたる事業を行っている両法人ですので、ホール系施設と市民センターということで、この二つの管理運営に絞ってお伺いしたいと思います。
この両法人の定款によりますと、その事業の一つとして、
市民文化事業団は文化施設及び生涯学習施設の管理運営とあります。一方、ひと・まち交流財団は地域文化施設の運営、地域生涯学習施設の運営となっています。
ここで定義する地域文化施設とは各区の文化センターを示すと思われますが、先ほどの御答弁にもありましたように、泉区文化センターの位置づけにあるイズミティ21の管理運営は、ひと・まち交流財団ではなく、旧泉市との合併以来ずっと仙台市
市民文化事業団となっております。
市民文化事業団によるイズミティ21の管理運営には何か理由があるのでしょうか、お答えください。
137:
◯文化振興課長 現在の仙台銀行ホールイズミティ21は、昭和62年に旧泉市が整備した施設でございます。当初は泉文化振興事業協会が施設管理を担い、宝塚公演などの自主事業も行っておりました。当該団体は、その後、変遷もございましたけれども、平成4年に仙台市
市民文化事業団に統合されたため、
市民文化事業団がイズミティ21の管理運営を行ってきたという経緯がございます。
その後、仙台銀行ホールイズミティ21は指定管理者を公募する施設になっておりますけれども、
市民文化事業団では指定管理者として応募して、複数者との競合の上に選定をされ、引き続き指定管理者になっているものでございます。
138: ◯やしろ美香委員 ただいまのお答えのとおり、歴史的な経緯があって
市民文化事業団が管理をなさっていて、その後は指定管理によって選定されているということだと思います。
今まで伺ってきましたが、泉区のイズミティ21のほかに、青葉区には青年文化センターがありまして、これは両方とも
市民文化事業団が管理運営しているホールなんですが、それぞれの施設運営費、使用料収入、そしてホールの年間稼働率はどのようになっておりますでしょうか、お答えください。
139:
◯文化振興課長 平成28年度の実績でございます。
日立システムズホール仙台の使用料収入等は約1億1100万円、コンサートホールの稼働率は82.8%、シアターホールの稼働率は69.9%、年間の管理運営費は約3億3900万円でございます。
一方の仙台銀行ホールイズミティ21でございますが、使用料収入等は約8200万円、大ホールの稼働率は66.2%、小ホールの稼働率は70.1%、年間の管理運営費は約2億4400万円となってございます。
140: ◯やしろ美香委員 この二つのホールでは自主事業が積極的に展開されているようですが、年間どの程度の自主事業を実施し、どの程度施設を使用しているのか。自主事業の状況についてお知らせいただけますでしょうか。
141:
◯文化振興課長 平成28年度の主催している事業の実績でございます。
日立システムズホール仙台の主催事業数は17件、年間129日、ホールを押さえております。
仙台銀行ホールイズミティ21の主催事業数は12件で、年間31日、ホールを押さえていたという状況でございます。
142: ◯やしろ美香委員 先ほどお伺いしましたホールの年間稼働率、ホールによって多少違いはありますけれども、60%台から80%の前半ということなんですが、こういった自主事業の開催もホールの稼働率を上げるためには確かに有効だと思いますけれども、やはり自主事業ではおのずと限界があると思います。
稼働率が上がるということは、施設使用料による増収にもつながりますので、この二つのホールはさらなる稼働率アップに向けて何か取り組みがなされているのでしょうか、お答えください。
143:
◯文化振興課長 両施設ともにホールの稼働率は一定程度高い状況にございますが、なお一層の収入増のために、施設全体の稼働率を上げるということが必要だと思っております。
日立システムズホールにおきましては、地域活動での近隣町内会の利用促進などを行うとともに、仙台銀行ホールイズミティ21におきましては、比較的稼働率の低い館内施設の認知度向上のため、自主事業を行うなどの取り組みを進めているところでございます。
144: ◯やしろ美香委員 市長、施政方針の中で、楽都の拠点となる音楽ホールの整備について、機能や立地場所などに関する検討を進めるとともに云々とあるんですが、まさにおっしゃるとおりで、ホールを利用する市民の目線で見れば機能や立地場所というのはとても大切で、会場を選ぶときというのは、キャパシティーを含めたホールの機能と立地場所によってホールを選んでいきますね。そこを一番最初に検討すると思うんです。ですからこの施設が文化施設なのか地域文化施設なのかと、こういうくくりでは検討しません。ですから
市民文化事業団、ひと・まち交流財団ともに共通して言えることなんですが、一度建設してしまったホールは動かせませんので、立地場所というのは建設の際に当たって十分検討すべきことでありますが、一方でホールの使いやすさとか機能といった面では、建てた後でも工夫ができることだと思います。ホールの使いやすさとか機能というのは、これは直接的に稼働率、利用率の向上につながりますし、ひいては増収につながってまいります。今後、予想されるホールの改修の際は、単なる補修ではなくて、利用者ニーズを考慮した機能強化につながる整備を目指すべきと考えます。
また一方、私、青葉区の文化センターは青年文化センターだと信じておりまして、今回、この質問でいろいろやりとりさせていただいたときに初めて、青葉区の文化センターの位置づけにあるのは市民会館と戦災復興記念館だよと御指摘を受けるまで、本当にお恥ずかしい話ですが、知りませんでした。
市民会館と戦災復興記念館なんですが、他区の文化センターに比べると老朽化も進んでいますし、機能的にも十分とは言えないものだと思っています。特に戦災復興記念館なんですが、その名称のためなのか、戦争の記録等々の収蔵品を展示してある展示館のように捉えていらっしゃる市民の方も意外と多くいらっしゃいまして、ホールがあるような施設ということを知らなかったという方がいらっしゃいました。ですので、例えば太白区の楽楽楽ホールとか宮城野区のパトナホールのように何か愛称でもあれば、このホールの存在を周知できるのではないかと思います。
また、先ほどネーミングライツのお話も出ました。私あえて青年文化センターとイズミティ21というふうに表現をさせていただきましたが、ネーミングライツ、この後もずっと20年、30年続いていって市民の方に定着をすればいいんですけれども、ネーミングライツは、やはりそこに応募してくださる企業があってのことなので、そのときの経済事情とか社会情勢によって今後、名前が変わる可能性もなきにしもあらずだと思いますね。市民の方々、本当にネーミングライツによってどの施設がどこなのかわかりづらくなって混乱をするという御指摘もあるので、今後の公募の際には何か一定の配慮を求めていくことも必要なのかなと思いますので、施設の名称の整理についても今後御検討いただければと思います。
続きまして、市民センターについてです。施政方針の中で第1の柱、各区中央市民センターの体制強化により市民センターと区役所等の連携を促進し、地域を担う人材の育成など、コミュニティーの力がより一層発揮できる環境整備とありまして、地域を担う人材の育成に関して市民センターの果たす役割の重要性を郡市長は十分に認識されていると思いました。
おおむね中学校区に1カ所建設されている市民センターですが、各市民センターの利用率については、それぞれの地域差や施設差など一定の傾向があるのではないかと思いますが、その辺のことはお調べになられていますでしょうか。
145: ◯地域政策課長 直近のデータとなります平成27年度分の実績では、施設全体の平均で74%、最も高い施設で95%、最も低い施設では16%となってございます。
全体的な傾向といたしましては、各区中央市民センターや交通利便性が比較的よい場所にある施設の稼働率が高い傾向にございます。
146: ◯やしろ美香委員 95%から16%、施設によってかなり差があるなというのが率直な印象でございます。
こういった市民センターの利用というものは、市民活動の拠点として利用する場合と、あとはセンターの主催事業等、そういう講座とかの企画に参加するという、大体大きく分けると二つあるのではないかと思いますけれども、市民センターは、先ほども申し上げましたとおり中学校区ごとに配置されているので、その運営には地域住民のニーズがかかわってくると思いますが、一方で、施設の利用率向上のためには、地域を限定せずに広く市民が興味を持てる講座の開催といった考え方もあると思います。こういった広域的な市民を対象にした企画であれば、他の市民センターとの連携も図れるのではないでしょうか。例えばですが、地下鉄東西線沿線の市民センターの合同企画といった場合には、施設の連携によって東西線の乗車率の向上も見込めると思います。市民センターにおける広域的企画、連携の可能性についてお伺いします。
また、こういった場合の広報のあり方についてなんですが、現状では施設内に設置されているラックにチラシを置くといった形が主流ですが、広域連携が進んだ場合、他区にわたる告知の方法も必要になると思われますが、いかがでしょうか。あわせてお答えください。
147: ◯生涯学習支援センター長 各市民センターにおきましては、学習ニーズや地域課題を踏まえた講座を実施しており、他の地域でも展開できる事業企画については市民センター間で共有し、その地域に合わせて実施しているところです。
今後は、地下鉄東西線沿線周辺にある市民センターが連携し、市民センターを広く知っていただき、利用者増につながる事業等の実施につきましても検討してまいりたいと存じます。
その際、現在は市民センターホームページや各館が発行する市民センターだより等での情報発信が中心となっておりますので、より効果的な広報に努めてまいりたいと存じます。
148: ◯やしろ美香委員 ただいままでは施設の利用率を上げることによる増収といった観点から伺ってまいりましたが、施設使用料金のほかに雑収入によって収入をふやすといった考え方もあると思います。利便性を向上させてその対価として受け取ることであれば、単に使用料を値上げするものではないので市民の皆様にも御理解いただけるのではないかなと思いますが、雑収入による増収といったお考えはありませんでしょうか、お答えください。
149: ◯地域政策課長 現在、市民センターには、飲料水の自動販売機を設置してございまして、年間400万円余の収入がございます。
今後、利用者のニーズなども踏まえまして、そのほか利便性向上とともに、収入確保につながるような方策につきまして関係部局と一緒に考えてまいりたいと存じます。
150: ◯やしろ美香委員 多分いろいろなアイデアが出てくると思いますので、その辺は積極的にお取り組みいただきたいものと思います。
本市においても、平成26年3月に公共施設総合マネジメントプランを策定し、公共施設の維持についてさまざまな検討がなされています。
建物の建設から廃止、解体までのトータルコストのうち約3割が建設費用、いわゆるイニシャルコストですね。一方で建設後の運営費などを含めたランニングコストが約7割を占めると言われていますので、ホール系施設だけではなくて、市民センターにおいても施設管理にはコスト意識を持って当たらなければならない時代だと思います。
雑収入も含めて施設利用による収入がふえれば、維持コストの削減につながりますので、施設の管理運営には箱物を経営するといった意識も必要ではないかという点を申し添えて質疑を終わらせていただきます。
151: ◯西澤啓文委員 私からは、市民費のうち、市民生活費に関連しまして、私どもの会派の代表質疑でも取り上げさせていただきましたけれども、客引き防止条例についてお尋ねをしたいと思います。
まず、客引きとはということでございますが、本市においては飲食店関係の客引きが幾つかの種類が出ております。その中で一番違法と言われていながら継続して出ているのがキャバクラ等の風俗営業店の客引き、加えてその方々が中心になると思いますが、そういったお店のスカウト業というのを兼ねて客引きをしているというのがあります。これはともどもに風俗営業法並びに宮城県の迷惑行為防止条例等でも既に禁止されており、罰則規定もある中、100人を超える人数が仙台市内の町なかに出ている状況にあります。
そのほかに、それぞれの仙台市内のお店の経営者であったり、あるいはそこの従業員、お聞きしてみますと大体は時給850円から900円ぐらいのお金で、お店の経営者とともにまちに出て客引きをしているという従業員の客引きといった、これは居酒屋系ですけれども、そういった客引きの両方が混在しているのが仙台市の状況であります。
そんな中にあって、このたび防止条例の御提案をなされる動きをされておられるという中において本市として、それではこの条例化をすることの効果というものをどのように捉えられて提案をされようとしているのか、まずお伺いしたいと思います。
152: ◯市民生活課長 居酒屋などの客引きを条例で規制しております指定都市及び特別区では、客引きの人数の減少に加えまして、身体や衣服を捉えるような悪質な客引き行為の減少といった効果があらわれております。
本市においても条例を制定し、地域や県警と連携しながら指導、取り締まりなどを行うことで同様の効果が期待できるものと考えております。
153: ◯西澤啓文委員 そんな中にあって、これから条例化を進めようとした上で考えなければいけないのは、まず、これを提案されるという立場で本市が何を役割として果たすことによってこの条例が有効なものになっていくというお考えなのか、どんなことが必要とお考えになっているかをお示しください。
154: ◯市民生活課長 先行都市の例を参考にいたしますと、条例施行後の本市の役割といたしましては、違反者への指導、取り締まりと広報啓発であると考えております。
指導、取り締まりについては、警察と連携しながら街頭パトロールや店舗等への立ち入り調査などを行うことが想定されます。
また、広報啓発については、条例の内容、趣旨を広く市民の皆様に周知するとともに、地域と連携しながら、店舗経営者に対しては客引きを行わないこと、来訪者に対しては客引きを利用しないことを啓発してまいりたいと考えております。
155: ◯西澤啓文委員 今お話しになったとおりなんですけれども、先行して条例化している都市のほうを見てみますと、なかなか実効性が伴わない部分も多く見られるところであります。これまで条例で客引きを禁止したうち政令市では四つ、そして東京都においては11特別区において、まず客引きをゼロにしようという思惑でこの条例を制定いたしましたけれども、残念ながらその期待値にまで至っていない現状にあります。
しかし一方で、今お話しありましたけれども、この条例を制定をし、それに基づいての取り締まりのパトロールを行うことによって体感治安、要するに今までよりも客引きの、先ほどあったようにしつこさとかそういうものを感じないし、何となく遠慮されているんじゃないかというようなこと、それからスカウトも大きく減っているという、そういった現実的に効果が出ているのも一方で事実であります。
そんな中にあって、先ほど申し上げた4政令市、11特別区の中で実は唯一、3分の2近く客引きを減らしているまちがあります。代表質疑のときもお答えありましたけれども、それは京都市であります。ただ、京都市は特殊な事情がありまして、ここだからこそ、これが成立したんだということであります。
その特殊な事情というのは、京都市に木屋町という歓楽街があります。一番にぎやかなところですけれども、そこはもともと、高瀬川に舟の流れる風流な木屋町通りという名称がつくぐらいのすばらしい京都の景観の場所でありまして、実はそういったものを復活させたいというまちの思い、これはどういうことかというと、木屋町通りというところは、二条から七条のまでの間、そのうち三条から四条の間のところが木屋町という繁華街ブロックになっておりますけれども、このブロックは、今申し上げた高瀬側に舟の流れる風流なというイメージにそぐわないということで、官民ともにここに歓楽街は要らないと、歓楽街をなくそうという思いで一致し、立誠まちづくり委員会というのを立ち上げ、そして今ある歓楽街のところに今後もう風俗店をつくらせないために、ここにもともとあった立誠小学校という、廃校になっていた学校なんですが、わざわざこの学校を復活させて、ここに小学校があるから風俗店はつくらせない、あるいは児童公園をつくって、児童公園があるからそこからの距離制限で風俗店はつくらせない、さらにはここに図書館をつくり、それまで距離制限をかける対象じゃなかった図書館も条例でその施設の中に入れ込んで、そこにもつくらせないといった物すごい取り組みをしているからこそ、ここは66%、67%という、3分の2のすばらしい客引き減少という数値を導き出しているということでございます。これはほかのまちではとてもできることではないと思います。ですから、その意味で、京都市は客引き防止において目標となる都市ではないという立場に私は立つべきだと思っています。
一方で、実はこの仙台市が先ほど申し上げたような4政令市や11特別区と違うのは、とても広範にわたる繁華街を持っている。その中身は、仙台市の場合はキャバクラ、要するに風俗店と、それから居酒屋が共存している。共存しているまちというのは、実は先ほど申し上げたような4政令市、11特別区の中でも本当に限られたところしかありません。それは大阪で言えばキタとミナミとあります。キタにはなくてミナミがその対象の一つであります。もう一つは新宿区の歌舞伎町です。もう一つは港区であります。赤坂があり、六本木がありということで、共存しているところを持っている区あるいは市というのは本当に限定されています。同じ条例を制定していても意味合いがそれぞれに全然違っている実情にあるわけです。
特に歌舞伎町に至っては、歌舞伎町の真ん中は全くこの条例の対象外であって、一切どなたもそこには立ち入っていない。靖国通であったりその周辺のところでそういうものを規制するようなことをして対応はしておりますけれども、ここの場合には残念ながら専門業者がほとんどでありますけれども、その専門業者さんが反社会的な勢力とのつながりもあるのではないかということまで言われるような状態にあり、たしか新宿区も余りかかわっていないのではないかなという気がしております。したがいまして、ここも対象的にはちょっと違うかなと思います。
広範にわたり居酒屋と風営店が共存している中において、大阪府においてそういうものに実効性を持たせるためにやったことがあります。それは先ほども触れさせていただいたパトロールというものの強化です。これは大阪市単独でやっています。最初にやったところから条例改正までして人員をふやして取り組んでいます。今26名いらっしゃるそうです。そうすると1人当たり大体人件費で換算しますと400万円ぐらいかかりますので、客引き防止のために大阪市は1億円を超える人件費を支払って取り組んでいるということになります。先ほど周知活動であったりさまざまな指導、監督というお話がありましたけれども、そういうものをするためだけに大阪市は今1億円以上かけています。その大阪市のミナミの繁華街の範囲と、仙台市の今想定している一番町四丁目あたりから国分町、そして駅までに至るまでの間を想定したときに、同じように人員配置をしたらどうなるか。同じようなチーム数で考えただけで四、五十人、仙台市は必要になります。ということは、それだけで2億円近くかかってしまう可能性があるということです。これはあくまでも指導のためのパトロール隊員の人件費だけでかかる可能性があるということをまず御理解の上で、こういったものを進めようとされているのかということをまず私は確認したくて先ほどお伺いをいたしました。本当に大変な仕事であります。しかし、一方で、仙台市民の多くの方、あるいは国分町、一番町に来られる方々から、客引きというものが本当にうるさくて嫌だというお話はたくさん私どもも聞いています。したがって、そのことに取り組んでいただくことは重要なことだと思っています。その立場でお話をしておりますので御安心をいただければと思います。責めているわけではございません。
ただ、客引きに関して、居酒屋系の客引きは今のところお店の人であり、そしてそういう方々、従業員であるわけですけれども、これがなくなる。条例化することによって、ほかの市でもそうだったんですが、そういう方々はやはり禁止されればやらなくなります。大きな問題は、先ほどお話をしたキャバクラやなんかの客引きをやっている方々がそこの担い手になってしまうということ。要するに歩合制で給料をもらいながら客引きをする。それを商売とする方々に居酒屋系の客引きも移ってしまうということが一番最悪の状態になると。これを避けなければいけないということを私はお話をしたくてここに来ております。
本当に専門業者になったと、今まで自治体において条例を制定したまちでは皆同じことを口をそろえておっしゃっています。特に名古屋市においては、今度、条例化するということで今取り組んでいるんですが、名古屋市では何と、自店舗の客引きなら問題ないと考えていますと。客引き専門業者が問題なんだということをおっしゃって、そこに絞り込んでの取り組みまでしようとしている。中身を聞きましたら、名古屋は六つの事業者がいて、その六つの団体が、客引き防止の条例を通そうとしたら反対運動を起こすようなことまでしている状況にあるようであります。これが一番直近の防止に対して取り組もうとしている例でありますので、こういったものもぜひ参考にしていただいて、逆に言えば、そちらの方々から見たら、客引きがお店の経営者であるというのはまだ許されると思っているということがあるということを踏まえていただいて、ぜひさらにその一歩上を、仙台市はこれから後追いで条例化するわけですから、進めていただかなければいけないなと思っているわけであります。でも、そのためには、先ほど申し上げましたように、仙台市が積極的に取り組むことは必要ですし、事前にきちんとしたコンセプトを持って取り組んでいただくことが大切です。
ただ、一方で、今度は地元の商店会であったり、あるいは防犯協会であったり町内会であったり、地元の皆様の協力も当然不可欠でありますし、一緒にやるべきことであると思います。ですから、そこに対して、これから後、先ほどおっしゃったようなスタンスの中でどのように地元の方々にお話をし、どのように進めていかれるのか。やはり市長もおっしゃっておられる市民協働というものの一つの大きな形だと思いますので、その実践に向けて地元対策を今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いしたいと思います。
156: ◯市民生活課長 現在、市内で居酒屋等の客引きを行っている者は、委員御指摘のとおり店舗従業員と見られますが、条例に基づく取り締まりにより、専門業者による客引きにかわる可能性があると考えております。
他都市では、街頭での取り締まりでもなかなか減少しない客引き専門業者への対策として、店舗等への立入調査を行い、指導、取り締まりを徹底することで効果を上げている例もあり、本市でも同様の取り組みが必要と考えております。
条例の実効性を確保するためには、行政の取り組みだけでなく、地域全体として客引きは許されないという環境づくりが大切となると考えております。
現在、地域では行政や警察も参加したパトロールを行うとともに、街頭でのポスター掲示などの広報啓発も進めているところであり、条例施行後は本市としましても、このような地域主体の取り組みがより活発になるよう支援していく必要があると考えております。
今後、効果的な取り組み方法につきまして、地域の方々と協議を進めてまいります。
157: ◯西澤啓文委員 今お話しありましたけれども、やっぱり客引きを専門業者にさせないという絶対的な目的を持って、それを実践するためにやるんだと。実践しなければこの取り組みは失敗ということですからね。ほかの市が先例でたくさんあるにもかかわらず、それよりもまだいい環境にあるのにやろうとするんですから、それよりも悪くなるような状態をつくり出したとすれば、これは失政になります。そこのところをきちんと踏まえていただいて、何を言いたいかというと、ほかの都市と同じ条例をつくったのではだめだと、同じことしか起きないということですから。さらに付加価値を加えたようなものをきちんと仙台から提案できるようにしていただく、その覚悟を持ってこれは取り組んでいただかなければいけないと思いますし、そのためにも市長、これね、お伺いしたかったんですが、そういう問題点があります。今よりも悪化する危険性もあります。そのことに仙台市として取り組む以上は、これは市民局というお話よりはトップとして、この問題は仙台市にとって大きな課題である。だからこそ、この問題は市民と協働の中できっちりと取り組み、間違いなく今よりもよい環境をつくるのだという、その決意についてぜひここでお伺いをさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
158: ◯市長 いろいろお教えをいただきましてありがとうございます。
居酒屋などの客引きの問題につきましては、これまで地域の方々と一緒になってさまざま取り組みを進めてまいりました。しかしながら、客引きが仙台市内の中心市街地全体に広がっていって、歩行の妨げとなったり、それからまちを訪れる方々に不快な思いをさせているという、こういう状況になったことで、やはり条例の制定に向け検討を本格化するべきだとして、ここの間、来たわけでございます。
今後は、2年後に開催されます東京オリンピック・パラリンピックのほか、仙台、さまざまな国際会議の誘致も考えているところでして、それらによって国内外から大勢の皆様方が訪れる機会もふえてまいりましょう。ですから今、御指摘の点も踏まえて、市民の皆様方や本市を訪れる全ての皆様方に安心して快適に仙台のまちを楽しんでいただけるように、地域の皆様方、また県警等々と連携をいたしまして、客引きを許さない環境づくりに取り組んでまいりたいというふうに思います。
159: ◯西澤啓文委員 先ほどちょっとお話し申し上げましたけれども、市長からも今お話しいただきました。ぜひこれは市長だけではなくて、本当に市民局の方々も、それから仙台市それぞれの関係の皆様も同じように取り組んでいかないとなかなか実践していけないと思います。本当に強い強い意志を持って取り組まなければいけないと思います。
ぜひともそういうことを肝に銘じていただいて、今後お取り進めいただきますようにお願い申し上げ、終わります。
160: ◯委員長 以上で第13号議案平成30年度仙台市一般会計予算、第1条歳入歳出予算中、歳出第3款市民費外に対する質疑は、総括質疑を除き終了いたしました。
この際、暫時休憩いたします。
休憩 午後3時06分
再開 午後3時25分
161: ◯委員長 再開いたします。
副委員長と交代いたします。
〔委員長退席、副委員長着席〕
162: ◯副委員長 委員長と交代いたします。
次に、審査日程区分表中の第13号議案平成30年度仙台市一般会計予算、第1条歳入歳出予算中、歳出第4款健康福祉費外についてであります。
日本共産党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔ふるくぼ和子委員、花木則彰委員、質疑席に着席〕
163: ◯副委員長 発言願います。
164: ◯ふるくぼ和子委員 私からは、生活保護、低所得者対策について伺っていきたいと思います。
まず、生活保護についてですが、今年度までの利用世帯、高齢者世帯、母子世帯、障害者世帯、傷病者世帯、その他とあると思いますが、これの推移と、新年度の推計についてお伺いをしたいと思います。
165: ◯保護自立支援課長 平成29年4月1日現在、本市の被保護世帯数は1万3231世帯で、微増傾向が続いております。
世帯類型別の内訳を見ますと、高齢者世帯5,814世帯、44.0%、母子世帯1,011世帯、7.6%、障害者世帯1,911世帯、14.4%、傷病者世帯1,632世帯、12.3%、その他世帯2,863世帯、21.7%となっております。
近年は高齢者世帯が占める割合が増加しているところでございます。新年度に向けてもこの傾向が継続するものと考えておるところでございます。
166: ◯ふるくぼ和子委員 本当に生活保護を必要とする、それを利用することで命をつなげている、そういう人たちが利用していらっしゃるということがこの世帯構成から見てもはっきりと見えてくると思います。
生活保護世帯に支給をされている保護費ですけれども、国庫支出金等で充てられるものだというふうに思っておりますけれども、この財源の内訳についても確認をさせていただきたいと思います。
167: ◯保護自立支援課長 生活保護費の財源でございます。4分の3が国庫負担で、残る4分の1が本市負担となっております。
また、生活保護に係る標準的な財政需要につきましては、普通交付税の算定に用いられます基準財政需要額に算入されているところでございます。
168: ◯ふるくぼ和子委員 4分の1がという話がありましたけれども、最終的には、基本的には国のほうの手当てで支出されてくると。
扶助費が財政を圧迫するかのように言われる傾向があるんですが、ここ数年を見ましてもそんなに大きくふえてきていない。そしてその財源からも、地方財政の負担をふやす大きな要因にならないというのは明らかだと思います。
利用世帯がふえていることを問題にするというのであれば、暮らしていけるだけの賃金を保障したり、あるいは安定して働き続けられる雇用を生み出すこと、これが本来の政治の仕事だというふうに思います。
ところが、政府はこれとは全く逆に、生活保護利用者を制度から追い出して、貧困をさらに拡大させることにもなる生活保護の基準額の引き下げ、これをまたことしの10月から行おうとしております。これは今回が初めてではありません。既に2013年度にも生活扶助費、これは食事であるとか衣服、電気、ガス、水道などに充てられる本当に最も基本となるべき費用ですけれども、これを3年かけて総額で約670億円もの削減を行いました。
このときの削減で、仙台市では母子世帯や子供を持つ夫婦世帯などではどれだけの生活費が削減をされたのか、これはモデルで示していただきたいと思います。
169: ◯保護自立支援課長 前回の基準改定によります影響でございます。40代夫婦と中学生1人、小学生1人の4人世帯の場合を例にいたしますと、住宅費と教育費を含め、改定前は約28万8000円、改定後は約7.9%減額の約26万5000円となっております。
また、30代の母親と小学生1人の母子2人世帯の場合、同じく改定前は約20万9000円で、改定後は約5.9%減額の約19万7000円となっております。
170: ◯ふるくぼ和子委員 そのほかにも何点かモデルを出していただきましたが、全ての子育て世帯で減額なんですね。それも少なくても毎月8,400円、多ければ毎月2万3000円もの減額。これが生活扶助費のところで行われて、そうした金額での生活を、削減をされた以降これまでずっと現在も、生活保護を受けながら暮らしている子育て世帯の中で強いられてきているという、こういう関係になっています。
それでは、これだけ減額された生活保護費ですけれども、今回検討されている10月からの基準額の引き下げではどうなるというふうにされているのか、お示しをいただきたいと思います。
171: ◯保護自立支援課長 現時点におきましては、本市に係る基準が国から示されておりませんので詳細は不明ですけれども、本市よりも高い基準が適用されます東京都区部を例に申し上げます。40代夫婦と中学生1人、小学生1人の4人世帯の場合でございますが、先ほど同様、住宅費と教育費を含め現在は約29万1000円で、改定後は約3.1%減額の約28万1000円となる見込みでございます。
また、30代の母親と小学生1人の母子2人世帯の場合ですけれども、こちら同じく現在は約21万8000円で、改定後は0.1%増額でほぼ同額となるという見込みでございます。
172: ◯ふるくぼ和子委員 仙台市は、等級で言うと1級地-2ということで、今お示しいただいたのは1級地-1という関係ですから、仙台の1級地-2のモデルが具体的に示されていない。その詳細がまだ示されていないということですが、東京の例をとって、小学校、中学校のいる40代夫婦では支援を強めるとしている子供の加算、この改定の中でそういう方向も出されていて、そういう加算を入れたとしてもマイナスで3.1%です。金額では約1万円減額ということになっています。
仙台市も1級地-2ですから、都市部のところに振り分けられています。等級としては都市部の等級ですから、当然子育て世帯や母子世帯にとっては大変厳しいものになる、これははっきりしていると思います。
この基準額というのは健康で文化的な最低限度の生活、これを具現化したものです。憲法第25条には、国民の生存権だけでなく国と地方自治体の責務についても明確にしていますから、それが下げられることの意味をやはり正確に捉えていかなければならないと思っています。そういう点で今回の基準額の改定は、責任を負うべき国が生存権を否定する内容と言わざるを得ない、こういうものだと思っています。生活扶助基準額の検討を行った社会保障審議会、生活保護基準部会の中でも、厚労省の今回の削減提案に対しては、専門家から懸念の声が相次いだ、こういう経過がありますけれども、これについては把握をしていらっしゃるでしょうか。把握をしていれば、どういう懸念の声なのか紹介をしていただきたいと思います。
173: ◯保護自立支援課長 生活保護基準につきましては、5年に一度、全国消費実態調査のデータ等を用いまして、専門的、科学的見地から定期的な検証が行われているところでございます。
今回の検証では、一般低所得世帯の生活費と現行の生活扶助基準額とではおおむね均衡しているものの、年齢、世帯人員、居住地域別の消費実態との比較ではばらつきが見られたため、増額を含め、基準の見直しが必要との結果となっております。
なお、留意事項といたしまして、これまでとの継続性、整合性にも配慮した透明性の高い妥当な検証方法ではあるとされる一方で、世帯への影響には十分配慮し、検証結果を機械的に当てはめることのないよう、そのような指摘があったところでございます。
174: ◯ふるくぼ和子委員 厚労省が検証結果を踏まえたものだというふうに説明していますけれども、この部会の中だけでなく、厚労省が実際に出した資料の中に今言った留意事項ということがありましたけれども、こうした文書の中に留意事項などが出てくること自体が大変異例な事態ですし、実際にほかの研究者の中からも、今回のように多くの留意点や課題を指摘した報告書はこれまでにない、政府の削減計画には根拠がないと、こういう批判の声も上がっています。
改めて、これまでの削減で特に厳しい生活に追い込まれてきている母子世帯、子育て世帯の実情を踏まえて、今回の生活保護削減計画に対する抗議の意見、本会議でも市長に求めました。改めて市長に、この抗議の意見を述べるということを求めたいというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。市長に御答弁をお願いしたいと思います。
175: ◯市長 今般の生活保護の基準改定につきましては、国の予算において、減額の幅を最大でも5%以内にとどめるということと、平成30年10月から3年間の段階実施にするなど、激変緩和措置もとられることになったと承知しています。
また、児童養育加算の高校生までの支給対象の拡大、それから制服などの購入費に充てるための入学準備金の増額など、子供の健全育成に必要な見直しも行われると、これも認識をしているところです。
この基準改定は、国において一定のルールに基づいて検討されたものでありまして、実施に当たって経過措置を設けるなど、受給者の暮らしに急激な影響が出ないよう配慮もされているところでおりますので、国への意見表明というのは予定してはおらないところでございます。
なお、本市に適用される基準の詳細についてはまだ国から示されていないところでありますけれども、各世帯への周知に際しては丁寧に説明してまいる所存でございます。
176: ◯ふるくぼ和子委員 急激な影響が出ないから、出ないようになるんじゃないかと、そういうことを想定もされながらの御答弁でしたけれども、これまでの生活水準が生活扶助費、憲法第25条の最低限度の生活を営む権利、この保障となる基準額がこれまで下げられてきた。それがさらに下がる。確かに加算だとか子育て世代に対する対応というのも今回の改定の中には含まれてくることになっておりますけれども、そもそも生きる基準となる基準額のところの減額なんですね。それが、計算をしたら仙台市はもう下がるということかほぼ見えている状況で、今それがまだわからないから国に何も言わないということでは、これは市民の暮らし、特に低所得で困って、生活を強いられている方々にとっては死活問題ですから、ここは実態をつかみながら、その実態に応じて必要に応じて、今後そういう声が求められたときには上げるということもするつもりはないでしょうか。再度確認します。
177: ◯市長 今、お話しございました。私自身は、今、激変緩和措置がとられるということと、実際にお金のかかる子育て世帯に対しての支給の増額ということもありますので、国に対して改めて要望するというふうなことは意見表明を予定はしていないということは改めてまた申し述べさせていただきます。
その上で、本市に適用される基準の詳細について、どういう状況になるのかにつきましては、各世帯に丁寧に説明できるように努力をさせていただきたいというふうに思います。
178: ◯ふるくぼ和子委員 国の制度改正によって起きることですから、市長がそれを丁寧に説明するというのではなく、大変なとき、困ったときには、ちゃんと国の問題として解決してもらわなければ困るよということをやはり市長の声で言っていただくということが求められている、そういう関係だと思うんですね。ぜひ実態をちゃんとつかんでいただいて、そうした皆さんの声を国に届けるということ、これは今後しっかりと検討していただかなくてはならないことだと思います。改めてここは強く、今後の取り組みのところで求めておきたいと思います。
それで、子供のいる低所得の世帯で既に大変な暮らしが強いられる状況になっている、この上で、ここまでの議論を踏まえながら、その上で見過ごせないのが、市が子育て中の低所得者に対する支援として独自に行ってきた入学援助金、入学祝金、修学旅行援助金を廃止するという提案についてです。新たに子供の貧困対策を充実させようとする方針に逆行するものだというふうに思いますが、まず、それぞれの施策の今年度までの実績をお伺いしたいと思います。
179: ◯保護自立支援課長 平成28年度の決算をもとに実績を申し上げますと、入学援助金が3796万円、入学祝金が91万2000円、修学旅行援助金が839万8000円となっております。
180: ◯ふるくぼ和子委員 準要保護、就学援助を利用している方たちの世帯で受けている入学援助金についてまずお伺いをしたいと思いますが、どうして廃止するというふうにしたんでしょうか。所得の低い子育て世帯の生活実態をきちんと見ていれば、こうした発想は生まれないんじゃないかというふうに思うんですけれども、誰が考えたんでしょうか、お伺いします。
181: ◯保護自立支援課長 入学援助金につきましては、生活保護制度によります入学準備金に比べまして、保護を受けていない準要保護世帯に給付される就学援助制度による給付のほうが低く、これらの差があいていたということを踏まえまして、就学援助制度を補う趣旨で本市独自施策として設けた制度でございます。
しかしながら、平成29年3月31日付の文部科学省通知によりまして、平成29年4月入学の児童生徒からですけれども、就学援助制度による給付額が生活保護基準の入学準備金と同一になったということで、入学援助金の必要性が低くなり、関係局とともにそのあり方を検討したというものでございます。
182: ◯ふるくぼ和子委員 廃止を決めたということなんですが、では、この対象世帯が実際に支出をしなければならない経費との関係で見ていきたいと思います。
今、小学校、中学校の新入学に向けて必要とされる費用負担がどういう状況にあるというふうに把握をしていらっしゃるでしょうか。ぜひ、していただいた結果、示していただきたいと思います。
183: ◯保護自立支援課長 小学校入学に当たりまして、ランドセルにつきましては値段の幅が非常に大きいと感じておりまして、一般的には5万円から6万円のものが比較的多く、安価なものでは3万円を切るものがあると認識しているところでございます。また、小学校の体操着につきましては1万円ほど要すると認識しております。
一方で、中学校入学に当たりましては、制服代として男子3万9000円、女子4万4000円、体操着につきましては1万1000円、通学用かばんで6,000円ほどというふうに認識しております。
184: ◯ふるくぼ和子委員 そのほかにも、小学校では上履きも要りますし、鍵盤ハーモニカだとか、学校によっては算数セットだとか、そういうものが入学のときに準備が求められます。中学校も同じです。上履きは必須ですし、それ以外にも新たに始まる美術のセットだとかアルトリコーダーだとか、こういうことが入学にあわせて準備と購入が求められます。
今、紹介いただいた金額だけでも就学援助金の金額で足りないということは明確だと思いますが、ざっと今私が申し上げたものを入れて計算をしても、小学校では7万円から8万円、中学校では部活に入って活動するということもあれば10万円は本当に下らないというのが負担の状況になっています。
一方、就学援助の額は、先ほどあったように増額になりました。小学校で4万600円、中学校で4万7400円です。これ足りないですよね、全然、実際のかかっている経費との関係で。足りないのは一目瞭然なんですけれども、足りないのはもう仕方ないんだと、それでいいんだと、こういうお考えなんでしょうか、伺います。
185: ◯保護自立支援課長 生活保護の入学準備金ですとか就学援助の給付額につきましては、国において実態に即した基準を設定すべきものと考えております。
なお、生活保護制度におきましては、通常予測される生活需要については、経常的な保護費の範囲内で賄われるべきものとされておりまして、入学時の費用も含めまして、いわば生活費のやりくりが想定された仕組みとなっているところでございます。
186: ◯ふるくぼ和子委員 足りないのは大前提ということなんですよね。それをやりくりで頑張りなさいと、こういうことが言われる関係に置かれているんですね、実際に。
先ほど生活保護と就学援助の差を埋める、補うための制度であった入学援助金だということで入学援助金の説明がありました。就学援助の増額で、生活保護世帯の入学準備金と同額になったから廃止なんだと、このようにおっしゃるわけですけれども、そもそも仙台市の制度を利用する世帯というのは準要保護、就学援助を必要とする世帯です。実際に必要とされている入学の費用と、増額となった就学援助でも生活保護の入学準備金でも足りないということで、大きな金額の差が経費との関係であるわけですから、子供の貧困対策なんだということで言うんであれば、準要保護世帯に出しているのをやめるんではなくて、準要保護世帯にだけではなくて、生活費がこの間、大幅に削られてきている生活保護世帯も対象にして、制度を拡充して継続するという方向に本来向いて当然なんじゃないでしょうか。違いますか。
187: ◯保護自立支援課長 本市では準要保護世帯に対する入学援助金のほか、生活保護世帯に対しましても入学祝金という制度を実施してきたところでございますが、今般の生活保護基準の見直し案におきまして、平成30年10月以降の入学準備金の額、こちらが小学校が6万3000円、中学校が8万円と、それぞれ2万円あるいは3万円増額するということで示されておるところでございます。この点を踏まえまして、本市独自の助成制度につきましては見直しをすることにいたしたものでございます。
188: ◯ふるくぼ和子委員 仙台市が独自で頑張って出してきた入学援助金は、準要保護世帯の皆さんからすれば、既に2年間もうそういう状況で出されてきていると。就学援助の額は上がったけれども、仙台市の入学援助金も実際に支給を受けている、こういう状況が2年間続いてきているという関係になっているんですね。利用者からすれば、これが新年度から引き下げられる、出なくなるという理由は全くわからない。去年出ていたのにことし出ない、なぜかわからない。
さらに言えば、今、紹介ありましたように、生活保護では有子世帯への加算額の増額というのが検討されていまして、小学校では4万600円が6万3000円程度に、そして中学生では4万7400円が8万円程度にまで引き上げられてくると、こういう計画になっています。そもそも就学援助を引き上げることについてもそうですけれども、子供の教育に経済格差を持ち込んではいけないという社会の要請があったから、この間、就学援助の金額というのも引き上がってきているんですよね。だからこそなんです。こうした社会の要請に応えて、生活保護でも入学のための必要な準備金が10月から引き上げられるというんであれば、就学援助を受けている準要保護の世帯とまた差が生じるわけですから、少々の支給金額の調整があったにしても、今回、市が言う廃止するという理屈が成り立たなくなる。これは継続のための再検討に当然入るべきだと思いますけれども、市長に対してこのことについてはきちんと伺いたいと思います。理屈は通らなくなった。直ちに再検討に入るべき。いかがでしょうか。
189: ◯市長 全ての子供さんたちに教育機会を均等に与えるというのは、それはもちろんのことでございます。経済的な理由によって学べないという環境がもしあるとすれば、それは是正していかなくてはいけないのは当然のことだというふうに思っております。
今し方いろいろ御説明させていただきましたけれども、生活保護制度の入学準備金は平成31年度の入学者から増額されます。これは子供の貧困対策に係る政策として、国も踏み込んでいただいたなというふうに評価をさせていただきます。その上で、就学援助制度との間で乖離が生じないように、文部科学省にもまた求めていくということも重要だというふうに思っております。
これら国の制度が充実することを踏まえますと、今、御指摘のあった本市の入学援助金制度がこれまでも貧困対策の一つとして機能してきたことは十分に認識しつつもですが、子供さんたちの日々の生活を支える視点で、私自身より効果が期待できる事業に財源を振り向けたいと、そのように判断をしたところでございます。御理解をいただきますようにお願い申し上げます。
190: ◯ふるくぼ和子委員 就学援助の額を、文科省に対して、生活保護の入学準備金と同額に引き上げるように求める、これは大事なことです。やはりそれだけの経費がかかっているんだから、当然それを国に対して求めていくというのはぜひ頑張っていただきたいと思いますし、私たちもこの増額を求めていきたいというふうに思っています。
ただ、より効果のある事業かどうかという、こういう物差しの当て方自身がやはりどうなのかということについて、ちゃんと検証していただかなくてはいけないのがこの制度だと思うんです。
続けて、修学旅行の援助金についても伺っていきますけれども、これは市長も本会議で、いとまがないというふうに認識を示されたように、新年度に入ってすぐのことになっていきます。決断が迫られている問題です。
まず、市立小中学校で実施されている修学旅行費がどういう額になっているのか把握をされているか。これは前もっての入金額だけでなくて、当日の活動に必要な経費やお土産代など手持ちの額についてもありますので、それについても伺いたいと思います。
191: ◯保護自立支援課長 修学旅行の1人当たりの経費といたしまして、平均いたしますと小学校で1万9000円ほど、中学校では5万7000円ほど要すると伺っておるところでございます。
また、当日のお小遣い等についてでございますが、市内の小学校におきましては5,000円から7,000円という額が見受けられたところでございます。
中学校におきましては、上限という形でお示しされている例を見受けたところでございまして、例といたしましては2万円というものを拝見したところでございます。
192: ◯ふるくぼ和子委員 本当に高額なんですね、今、修学旅行って。修学旅行にそれぞれかかる費用については前もっての振り込み、そして当日も、小学校であれば5,000円から7,000円、中学校であれば2万円も手持ち金として必要になると、こういうことです。この金額は、中学生を持つ生活保護の世帯であれば1カ月の生活費の半分かそれ以上にもなるぐらいの大変高額なお金なんです。
そもそも無償が原則の小中学校で、教育目標に基づいて立てられた教育計画があって、それに沿って教育の一環として行われているのが修学旅行なんですよね。ところが高額な費用負担をさせられたり、自由参加的な扱いになっていたり、就学援助が受けられたとしても後払いになっているというようなこと、これは根本的に問題があると思っています。これはまた別の機会に議論をしたいというふうに思いますけれども、とりわけ生活保護が削られてきた生活保護世帯や低所得者にとっては、たとえ一時的であっても、この金額を準備すること自体が暮らしとのせめぎ合い、この中でやらなくてはいけない、こういう現実があるんですね。
そういう中で支給をされてきたのが修学旅行の援助金です。どの時期にどのようにして対象者に支給されていたのか、伺いたいと思います。
193: ◯保護自立支援課長 修学旅行援助金でございますが、各区役所の保健福祉センターのほうから各小中学校に対しまして、修学旅行実施のおおよそ二、三週間前までに対象となる児童生徒を報告するよう依頼申し上げます。その報告を受けまして、センターのほうから各学校に修学旅行援助金として必要な額を交付しております。
学校におきましては、センターからのお金を各御家庭のほうに口座振り込みもしくは現金でお渡しするという流れとなっておるところでございます。
194: ◯ふるくぼ和子委員 この金額、小学校で3,000円なんですね。中学校で5,000円なんです。言ったら本当にわずかなということで、でも貴重な、対象者にとっては大事な金額です。それも修学旅行に行く直前に漏れなく、対象になる子供たちの手元に届くというのが修学旅行援助金なんですね。申請して自分がというんじゃなくて、漏れなく対象者のもとに届く、本当にうれしい、喜ばれているものです。
市は、子供たちにこうして手渡ったお金、これが具体的にどんなふうに使われているというふうに考えていらっしゃいますか。
195: ◯保護自立支援課長 先ほど御答弁申し上げました修学旅行に要する経費、交通費ですとか宿泊費、こちらはグループで行動する自主研修における交通費や見学料も含めまして就学援助制度により別途賄われますことから、修学旅行援助金につきましては就学援助の対象とならないもの、例えば自主研修時の昼食代ですとかお土産代に充てられているものと認識しておるところでございます。
196: ◯ふるくぼ和子委員 グループで動いている姿、この仙台でもよく見かけますけれども、ほかの子供たちと一緒にお昼御飯、食べたいものを選んで楽しんだり、家族だとか自分のために本当にささやかなお土産でも選んで買ったりと、子供たちにとってはかけがえのない貴重な体験のために役に立っている、これが修学旅行援助金なんですね。
市長、これ本当にやめてしまっていいんでしょうか。市にとっては年間わずか870万円です。しかし子供たちにとっては何物にもかえがたいものとして価値のある使われ方をしているお金です。年間870万円ですから、市の財政を圧迫していると到底言えない金額です。これを必要性が低いから切っていいなどと絶対にしてはならないというふうに思いますけれども、市長、考え直すお考えはないでしょうか。市長の答弁を求めます。
197: ◯市長 いろいろ御指摘ございました。私といたしましても大変頭の痛いところもございますが、交通費や宿泊料といった修学旅行の主要な経費は、御説明いたしましたように、御存じのことと思います。就学援助制度で賄われているということ。また、別の観点ではございますけれども、他の指定都市の多くでは同様の制度を既に廃止をしていることなども踏まえまして、私といたしましては、子供たちの日々の生活を支える視点で事業を重視したいということで、貧困対策全体の拡充のところに予算を配分させていただいたということでございまして、どうぞ本当に御理解をいただきたいというふうに思います。
198: ◯ふるくぼ和子委員 確かに手持ち金、中学校で上限2万円だと言われても、そこから必要な経費であるとか研修のための勉強するところに入ってかかる入館料だとか、そういうのは就学援助金等々でちゃんと出るということですから、申し上げたように、子供たちが友達と御飯を選んで食べたりお買い物をしたり、そのときに自分はお金がないから人と違うものを食べなければならないとか、お金がないからこれだけ同じようなものが買えないとか、そういう思いにさせないできたのが修学旅行援助金ということなんですよね。それを市長、今の話、子供たちに向かって言えますか。お小遣いを持たせているお父さんやお母さんたちに向かって言えますか。こういう問題なんですよね。私は本当に、市長自身も本会議で、現金給付がだめだということを申し上げるつもりはないというふうに答弁をしていらっしゃいましたけれども、大事な現金給付の制度なんですよ、これは。もう一つ、廃止をするとしている入学祝金についても、生活保護世帯に対して小学生で3,000円、中学校でも4,000円、年間にして市の予算でわずか90万円の施策ですよ。でも、このお金が実際の一人一人の家庭でどう使われているかということを想像してみてほしいんです。入学のお祝いと言えば、皆さんもそうだと思いますけれども、どこの家庭でも少し御馳走を準備したり、外食をしたり、ケーキだけでもとか、こういった特別の日としてのお祝いをしている。違いますか。そうですよね。皆さんそういうふうに子供の成長を祝うんですよ。この特別ということが生活保護の、日々の生活を維持するためだけの生活扶助の中にはないんです。
ですから、入学祝金も入学援助金も修学旅行援助金もそうですけれども、市にとって合わせても5000万円弱のお金で、しかし対象者にとっては、毎年じゃなくて毎月でもなくて、本当に一時的であっても特別の意味を持つ価値のあるものとして今まで利用されてきた、こういう関係なんですね。これが既存の事業のあり方を含めて検証しなければならないような施策なのかどうか。必要性が低くて、財源を充てなくてもいいと言っていいような施策なんでしょうか。子供の貧困対策全体の充実の中で切り捨てられてしまっていいような施策なんでしょうか。子供の貧困対策を充実させたいという市長の思いとは、私は相入れない廃止計画なんだと言わざるを得ません。
差し迫って決断が求められている修学旅行の援助金については、これは直ちに再検討に入ることの決断を重ねて求めて、終わりにしたいと思います。
199: ◯花木則彰委員 私は、国民健康保険、介護保険について質疑をいたします。
途中、資料の提示を行いますので、委員長、御許可をよろしくお願いいたします。
市長は、市役所出身でない私だからわかることもあると話されました。期待する分野の一つとして、高過ぎる国民健康保険料の問題があると私たちは思っています。毎回のようにこの委員会の場でも我々議論をしているテーマなんですが、所得額に占める保険料負担の割合は、市の職員の皆さんが入っておられる共済組合なんぞでは大体3%ぐらいというふうに言われています。しかし国保世帯では、所得額に占める保険料の割合は15%。実際に本市の国保、2016年度の決算で見ますと、現年度と過年度分を合わせた保険料総額は261億円でした。加入世帯の総所得金額は1776億円ですから14.7%になっています。また、所得割の算定基礎となる33万円を控除した額で比べますと18.2%にもなります。
市長は、議員時代は国保加入だったと思いますが、国保料の負担の重さについてどう捉えられているのか伺います。
200: ◯市長 国民健康保険における保険料負担についてでありますが、国民健康保険は、他の医療保険と比べまして、加入者に低所得の方が多い、あるいはまた高齢の方が多いことから医療費水準が高いために、構造的に保険料負担に課題を抱えている制度であるというふうに認識をしています。
今般の国保改革によって、国による財政支援に一定の進展が見られたところではありますけれども、国保料の負担軽減につきましては国保財政が抱えるこの構造的な問題の解決が不可欠でありますことから、さらなる国の財政支援の拡充を今後も強く求めてまいりたいと思います。
201: ◯花木則彰委員 単純に高いなと、これは加入者にとって本当に高いというふうに市長自身が理解されているのかどうかを伺っているんです。
202: ◯市長 国保の保険料の負担が重いということについては、そうした声を市民の方々からいただいているということは存じているところでございます。
一方で、国保制度を安定的に持続可能な制度として運営していくためには、国保財政の健全化が重要でありまして、仙台市といたしましても保険料の収納対策、医療費の適正化対策などの取り組みを積極的に進めているところであります。
保険料負担や国保財政の脆弱性といった国保制度が抱える課題の抜本的な解決には、国の財政支援のさらなる拡充はもとより、国の責任における医療保険制度の一本化に向けた改革、これが不可欠であるというふうに認識をしているところであります。
203: ◯花木則彰委員 市長が、高いということをやはりちゃんと実感をしていただく必要があるというふうに私は思います。
これまで何度も議論をしてきましたが、これまで私たちは引き下げる努力が必要だと求めてきています。しかし、市の当局の答えは、できるだけ上がらないように努力するというばかりで、実際には毎年のように値上げをしてきた。その結果が、先ほど述べたような所得額の18.2%にもなっている高い保険料ということなんです。
健康福祉局は保険料の値上げについて、これは当然だと、それが国保の安定運営につながるんだというふうに考えているのでしょうか、伺います。
204: ◯保険年金課長 国民健康保険は、医療費を公費と保険料で賄う制度となっており、本市としても、国庫負担金や県の交付金などを最大限活用した上で、被保険者の皆様から保険料として御負担いただいてきたところでございます。
また、低所得である被保険者の方々に対して、保険料の法定軽減に加えまして本市独自の減免制度を実施するなど、国保財政の健全な運営に努めながら負担の軽減に取り組んできたところでございます。
205: ◯花木則彰委員 だから、国保の安定運営のためには保険料値上げは当然だと考えているのかと聞いているんです。
206: ◯保険年金課長 繰り返しになりますけれども、健康保険は医療費を公費と保険料で賄う制度となってございまして、現行で1人当たり医療費が逓増している状況の中で、保険料は今のところ横ばいで推移しているというところでございます。
207: ◯花木則彰委員 横ばいじゃなくて上がってきているんですと。
住民税非課税世帯など、先ほど言われましたが、低所得世帯への法定減免はあります。それに加えて市は独自減免も行っています。また、今回は子供の均等割分を引き下げる減免措置をとるということにしました。これらの減免の内容と、その減免に係る費用についてお聞きします。
208: ◯保険年金課長 低所得者世帯向けの減免制度は、国が定める法定軽減に加えまして、均等割及び平等割を2割減免するもので、平成26年度から実施、来年度以降においても継続していく予定としているものでございます。この減免を実施する場合の国保財政への影響額は、約5億円と見込んでいるところでございます。
また、新年度から実施を検討しております子育て世帯に対する減免制度は、年齢や所得にかかわらず賦課される均等割が子育て世帯にとって大きな負担になっているということから、18歳未満の均等割保険料の3割を減免するものでございます。この減免を実施した場合の国保財政の影響額は、約1億円と見込んでいるところでございます。
209: ◯花木則彰委員 大事なのは、仙台市当局が、こういうことで支援することが大丈夫だと、理由があるというふうに判断すれば国保料の負担を軽減できるということなんです。実際5億円とか1億円の費用である程度の効果が出せるというのを実証してきているんだと思うんですね。
ここで委員長、資料を提示させていただきます。
これは国保の加入世帯がどのような所得分布になっているのかということを示すグラフです。一番上の青い線が加入世帯全体です。正確に言うと擬制世帯というのは除いてあります。それと緑が1人世帯、オレンジが2人世帯、赤が3人世帯、青が、一番下が4人以上の世帯です。ざっと見ていただいてもわかるように、正規分布じゃないですね。一番所得がないという人が一番多いんです。そこからだあっと減って、500万円ぐらいになるとほとんどいないという、これが分布です。それも1人世帯は特に激しいです。2人世帯についてはある程度、200万円のところでピークがあるという状況になっています。これは低所得者というのが、正規分布していて一番こっちのほうに特別にあるという状況ではない、全体が低所得になっているということをあらわしています。
国保料の全体が高過ぎるんだと。低所得者に対してだけじゃなくて全体に対して国保料が高いんだということをやっぱり理由にすべき、そしていろいろな手だてを打つべきだと考えますが、いかがでしょうか。
210: ◯保険年金課長 保険料負担につきましては、これまでも国の財政支援を最大限活用するなど増加の抑制に努めてきたところでございますが、保険料負担の軽減につきましては、国保財政が抱える構造的課題の解決が不可欠であると認識しております。
また、法定外の一般会計繰入金により一律に保険料を引き下げるといった運営につきましては、法定以上に市民全体に御負担いただくことになるため、負担の公平性や健全な制度運営の観点からも行うべきではないと考えております。
211: ◯花木則彰委員 先ほど低所得者に対する市で独自の減免をしていると。市が思っている低所得者というのは今回どこなのかということでグラフに描いてみました。1人世帯ではこのラインです。ここよりもこちらの人を低所得者として支援をしています。でも、まだまだいっぱいいます。2人世帯も同じです。ここを境にしてこちらを支援する。でも、一番多いところなんです、はっきり言って。ちょっとだけ所得が高い人は支援を受けられていないということになります。それぞれほかの世帯についても、ここからここ、ここからここだけしか対象にしていないという状況のもとで、このライン、ここで線を引くと、ここが低所得とそれから低所得でない人の切れ目だということは全く意味がない、そういうラインに今なっているんだということなんですね。
実際、低所得者への減免と言いますけれども、法定減免の対象世帯は7万6000世帯あります。仙台市の国保の加入世帯は約14万世帯ですから、もう既に半数以上が減免対象なんです。ぎりぎりで対象とならない世帯も大変多いと。もちろん低所得者の世帯に手厚く手当てする、これは当然ですけれども、平均所得が97万9000円しかないわけですから、全体が低所得、こういうところに線を引かないで、市の国保料全体の引き下げ、やはりできる手を打つべきだと思いますが、再度伺います。
212: ◯保険年金課長 国の法定軽減のほか、平成26年度から本市独自で実施してきた低所得者世帯を対象とした減免制度は、保険料負担の軽減に一定の役割を果たしてきたものと認識しております。
また、保険料水準につきましては、これまでも国の財政支援を最大限に活用し、保険料負担の増加を抑制してきたところでございます。
213: ◯花木則彰委員 県内の他市町では、来年度から国保の県単位化が始まりますので、それを目前にそれぞれ高い国保料を何とかしようと、引き下げを行ったところがあります。どうやって引き下げたのか、市の当局は調べているでしょうか、伺います。
214: ◯保険年金課長 来年度の保険料率を既に引き下げることを決定している県内の他の自治体でございますが、国民健康保険事業の財政調整基金を充てることにより引き下げることとしたと伺ってございます。
215: ◯花木則彰委員 多くのところは基金を取り崩して、そして引き下げをやろうとしている。しかし仙台市は、実は基金にお金を積んでこなかったんです。普通の自治体では、国保会計で黒字が出たときに基金に積んで、その後の保険料負担を引き下げるために使います。ところが仙台市は、今回の補正予算でもそうですが、国保会計が黒字になりそうだとなると一般会計に戻しちゃうんですね。そういう会計操作をやってきました。
今年度戻す分は35億円です。仮にこのお金を国保の基金に積んで、来年度の保険料算定時に基金の取り崩しを見込んで保険料を決めたとすると、保険料は1人当たり幾ら引き下げられますか。
216: ◯保険年金課長 平成29年度補正予算案における一般会計繰入金の減額約35億円のうち、法定外の一般会計繰入金の減額は約23億円となっており、平成30年度当初予算で想定している被保険者数約20万3000人で割りますと、1人当たり約1万1300円となります。
217: ◯花木則彰委員 法定外の分を積んだだけでも1人当たり1万1300円引き下げられると。
昨年度も、今回戻したのと同じように市の独自繰入分を戻した上で、それでもさらに剰余金が30億円も年度末には出ました。その剰余金も保険料算定、これは6月ごろやるんですけれども、その際には計上しないで今年度の保険料が決められました。
この剰余金を計上して保険料を算定すると幾ら保険料は下がったことになるでしょうか。
218: ◯保険年金課長 平成28年度決算の剰余繰り越し約30億円を、今年度の本算定時における国民健康保険の被保険者数約21万7000人で割りますと、1人当たり約1万3900円となっております。
219: ◯花木則彰委員 市長、厚生労働省が労働調査のデータを改ざんしたということが大きな問題になっていますけれども、裁量労働で勤務時間が短くなる、こんなことはおかしいなと気づく現場感覚が大切なんだと思うんです。国保料についても先ほど御答弁ありました。市の当局が言うことをただそのまま受け取って本当にいいんだろうかと。こんなに仙台市の国保が高いのは構造的な問題だけなのかと。違うんですよ。ほかのところでやっていることを仙台市はやっていないという部分があるんです。ここに市長にはぜひ気がついていただきたいと思います。
健康福祉局長、まず来年度、6月に予定されている保険料の本算定には本年度の剰余繰越金、これからどれだけ出るかわかりませんけれども、これについては見込み額を控除して保険料率を決めることにしないですか。大体、先ほどで1万円とかそのぐらいの引き下げ効果が出ます。このことをやることは今提案されている予算どおりで十分できることなんですが、伺います。
220: ◯健康福祉局長 剰余繰越金の保険料賦課算定への算入につきましては、本算定時において前年度の決算が未確定で、剰余繰越金も確定していないということから、これまでも答弁してまいりましたが、年度当初の保険料算定においては、繰越見込みを用いた保険料額の算定は行っていないところでございまして、この取り扱いは新年度におきましても継続したいと考えております。
221: ◯花木則彰委員 行っていないことはわかっているから求めているんですけどね。
今回はやったほうがいいよと。見込みであって確定していないと。当たり前ですよね、3月までの国保の財政で、決算するのは秋なんですから。だから6月の時点で決算は済んでいないと。当たり前ですけれども、決算が済んでいなくても大体どのぐらい出るのかというのはもうわかっているんですよ。わかっているのに、そんな理屈をつけてやろうとしないというところに問題があるんだということを言っているんです。
さらに、収納率を9割程度と見込んで、未収納分を保険料に上乗せすると。このことをやめれば約8,000円引き下げられるということが決算のときに議論になりました。またこれも本算定の計算方法を見直すだけでできるんです。国から来る国庫支出金や県負担金を本算定の時点ではわからないからと算入しないで保険料率を決めるというやり方も改めて、現実的な見込み額を算入して決めるとさらに引き下げが可能になります。これも予算どおりでできることですが、いかがでしょうか。
222: ◯健康福祉局長 収納率につきましては、健康福祉局とそれから各区役所一丸となってさまざまな取り組みを行い、その率の向上に努めてまいりました。その結果、平成28年度決算では現年度分として92.1%の収納率に達したところでございます。100%を目指すところではございますけれども、その達成は現実的には困難というふうに考えておりまして、こうした収納率を考慮した保険料の取り扱いにつきましては、過去の収納状況等を十分に勘案した上で実行可能な予定収納率を設定し、賦課総額を算定すると、こういった通達が国から示されておりまして、本市もこれに基づき算定を行ったところでございます。
また、都道府県単位化を見据えた平成30年度予算においては、県が市町村に負担を求める納付金等を算定する際に、国より示される収入は全て見込んだ上で当初予算を編成しているところでございます。
223: ◯花木則彰委員 だから見込みでやれるんだって、先ほどの話に戻るけれども。剰余金についてはあるんだから。あるお金について見込みに入れること、それもちゃんとやれば、もっと正確な保険料の算定になるんだと思いますよ。こんな毎年、毎年ね、見込みよりもたくさん集まりましたと。市から繰り入れる額がなくても黒字になりますから、だから戻しますなんていうのを何年続けているんですか。正確に保険料を算定するだけでも随分下げることができるということです。
さらに、補正予算や本予算を変える気持ちがあればやれることはもっと広がると。法定外の繰り入れを赤字補填の見込み分とするんじゃなくて、繰り入れする品目を決めて額も確定させることで、保険料算定の際に引き下げにしっかりつながるようにすることができると。県単位化した後もさまざま工夫、努力ができるということだと思います。
次に、国保料の最高限度額の引き上げについて伺います。
医療分では現在、年額54万円です。支援分が19万円。介護分第2号被保険者の場合は16万円も合わせると年額89万円、これが最高額で払うことになっています。
今回の提案は、そのうち医療分の限度額を4万円ふやして58万円にするというものですが、支援分、介護分もふえるのか、合わせると幾らになるのか伺います。
224: ◯保険年金課長 今回引き上げる限度額は医療分のみであり、後期高齢者支援金分及び介護納付金分につきましては据え置きとしております。これらを合わせた限度額といたしましては93万円となっております。
225: ◯花木則彰委員 もう100万円の大台が見えてきた感じで、相当厳しいなというふうに思います。
代表質疑での局長答弁は、最高限度額を引き上げることが低所得層の保険料引き下げに効果があるというふうに言われました。幾らの所得額以上で今、最高限度額に達しているのか。世帯人数ごとに示してください。
226: ◯保険年金課長 現在の医療分の限度額54万に達する所得は、1人世帯は706万円、2人世帯は671万円、3人世帯は637万円、4人世帯は602万円、5人世帯は567万円、6人世帯は533万円、7人世帯は498万円、8人世帯は463万円となっております。
227: ◯花木則彰委員 1人世帯では706万円ですけれども、8人世帯、実際こういう家庭がいるということですよ、今ここ加入世帯で。この8人世帯では、463万円年収あると最高限度額になっちゃうんですよ。家族の人数も多い世帯で500万円にも満たないところ、これが高額所得者といえるんですかと。5人世帯で567万円だって相当厳しいですよ。
こうした世帯を高額所得者として、今でも高い国保料をさらに値上げすることになっちゃうんじゃないですか、最高限度額をほいっと上げれば。国が最高限度額を上げてもいいからと決めたからといって安易に引き上げるような問題ではないと思いますが、いかがでしょうか。
228: ◯保険年金課長 賦課限度額につきましては、国におきまして被用者保険とのバランスを考慮し、当面は限度額超過世帯割合が全体の1.5%に近づくよう、これまで段階的に引き上げているものであり、本市におきましてもこれを踏まえ、限度額を引き上げることとしたものでございます。
229: ◯花木則彰委員 だから全体の超過世帯、全体の世帯数の1.5%程度が高額所得者になるであろうということでつくられているんです。けれども1.5%、先ほど言われたように全然高額所得になっていないですよ。当たり前ですよ、正規分布じゃないんだから。こういう分布なんですから。これはそもそも、この世帯数を高額世帯だというふうに思っている前提がもう外れているんだと思います。
先ほど1.5%に近づけると言いましたが、この合計の世帯数と、それから総加入世帯に対する割合というのは今何%になっていますか。
230: ◯保険年金課長 限度額超過世帯でございますが、現在、全体で2,660世帯、全体に占める割合といたしましては約2%となっております。
231: ◯花木則彰委員 所得が500万円台で2世帯しかないとかありますけれども、しかし、たった2%弱なんですから、局長、限度額4万円、その人たちに引き上げても、低所得層の保険料を引き下げる効果というのはほとんどないんですよ。だから加入者の所得分布がもっと高額所得世帯が多かったころの説明をずっと続けていると。構造的な問題だと一方では言いながら、その構造的な変化について全然考慮していないですよね。今では中間所得全体の負担を引き上げる、そういう効果しかないと思いますが、いかがでしょうか。
232: ◯健康福祉局長 限度額を引き上げることによって、必ずしも委員おっしゃるように多い金額が保険料軽減になっているとも言えない部分はございますけれども、ただ、一定の負担軽減に資することは間違いございません。
保険料の賦課限度額の引き上げ、これは国の政令に従ったものでございますが、国保においては受益と負担の観点から、被保険者の数に応じた均等割の負担がありまして、子供の数が多い世帯ほど、より低い所得で限度額を超過するということになります。
こうした世帯につきましては、先ほど課長から答弁いたしましたとおり、今般、新年度からでございますけれども、子供家庭の均等割を軽減する措置を講ずることによりまして負担の軽減を図ってまいることにしております。
233: ◯花木則彰委員 言っているのは、本当にほとんど効果がないのに、代表質疑に対する答弁で、そういう答弁を繰り返すのはやめなさいということなんです。
次に、介護保険について伺います。
65歳以上の第1号被保険者の介護保険料は、新年度から3年間の所得階層ごとの額が提案をされています。基準額となる第6段階ではことしから4,800円上げると。世帯全員が非課税で老齢福祉年金を受給している方でも2,200円の値上げです。
第1号被保険者の負担率が22%から23%に引き上げられた理由、そしてどうして今回も値上げになるのか伺います。
234: ◯介護保険課長 介護保険料の増加の要因につきまして、主に高齢者人口の増加等により、必要となる介護サービス費が増加していることが挙げられます。
また、65歳以上の方に御負担いただく保険料の割合につきましては、介護保険料は40歳以上の方々に御負担いただいておりまして、40歳から64歳までの方と65歳以上の方に区分が分かれておりますが、その人口比率が変化したことに伴って変更となるものでございます。
235: ◯花木則彰委員 介護保険制度導入のころと比べると本当に大きな値上げになっています。
一方、介護サービスを受ける段になると、どんどんサービスが受けられなくなってきているという状況が起こっています。これは本当に長年、高い介護保険料を払っても、必要になったときに受けられないのでは国家的詐欺だと言われる状況になっているわけです。
値上げを抑える努力はしたと話されていますが、一体どんな努力をされたのか。特に基金の取り崩しで年額保険料額は幾ら引き下げられたのか説明してください。
236: ◯介護保険課長 次期の保険料の算定に当たりましては、保険料基準額の上昇を抑えるため、基金の取り崩しに加え、所得に応じた負担割合についても、これまで所得が700万円以上の方を最高区分としていたものを、新たに1000万円以上の方の区分を加えるといった見直しにより、最大限引き下げを図ったところでございます。
基金につきましては、現在積み立てている全額となる35億円を取り崩し、引き下げを行いました。効果としては、基準額で年額4,700円の減額となってございます。
237: ◯花木則彰委員 こちらも構造的な問題が大変多いと、法律を変えなければいけない、制度を変えなければいけない問題だと思います。これについてもぜひ市として国に対して、このままでは本当に制度が続けられなくなるということを訴えていただきたいと思います。全ての自治体と力を合わせて介護保険制度、改善について迫るべきだと思います。
介護保険では、先ほど御説明ありましたが、35億円取り崩して保険料値上げを抑えたと言いますけれども、国保でも同じ努力をすべきだと思いますが、改めて局長に伺います。
238: ◯健康福祉局長 介護保険料につきましては、3年の計画期間を通じて算定しまして、単年度の収支結果により剰余が生じたものを基金に積み立て、保険給付費等が見込みを上回った場合に充当する仕組みとなってございます。今回の保険料算定においては、基金残高のほぼ全額を活用し、次期計画期間におけます保険料上昇を抑制したものでございます。
一方、国民健康保険料につきましては、国の財政支援の拡充を最大限活用し、見込める歳入は全て見込んだ上で保険料を算定してきたものでございます。
さらに、本市独自の低所得者世帯に減免措置を講ずるなど、保険料負担の軽減にも努めているところでございます。
先ほどお話しありました国への要望に関してでございますが、国保財政の抱える構造的な課題を解決するためには、医療保険制度の一本化による抜本的改革が必要でございます。それが実現するまでの間は、さらなる財政支援の拡充を引き続き他の政令指定都市とも連携し、国に強く求めてまいる所存でございます。
239: ◯花木則彰委員 いろいろ全て見込んで国保料を算定したと言うんですよ。けれども毎年30億円だとか25億円だとか、どうして剰余金がじゃ出るんですか。それは見込み方がやっぱり正しくないからでしょう。もう震災後ずっと続いているんですから。ここは、先ほどの繰り返しになりますが、しっかりやれることは何なのか、本算定のときに見込むべきものは何なのかよく検討して、引き下げにそれを活用するということをやっていただきたいと思います。もう一度伺います。
240: ◯健康福祉局長 国保財政の健全化、安定化のためには、国からの支援あるいは県からの支援、そしてさまざま私ども保健事業を含めまして事業運営に努めてまいりますが、財政の悪化を防ぐためには国への支援をさらに求めますとともに、保険料の軽減にもさまざま工夫をしてまいりたいと考えてございます。
241: ◯副委員長 社民党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔ひぐちのりこ委員、相沢和紀委員、質疑席に着席〕
242: ◯副委員長 発言願います。
243: ◯ひぐちのりこ委員 私からは、妊娠期から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援、318億3900万円余について質問します。
市長の公約にも掲げられ、本市の重要施策となったことを心強く感じております。新たな事業と内容についてまず伺っておきます。
244: ◯子供保健福祉課長 新年度における主な新規事業といたしましては、産婦健康診査助成や産後ケア事業、助産師サロンの実施などを予定しております。
それぞれの内容でございますが、一つ目の産婦健康診査事業は、産後鬱の予防を図るため、出産後間もない時期の産婦の心身の状態を把握する健診の費用助成をするものでございます。
二つ目の産後ケア事業は、育児不安を抱え支援が必要な産婦に対しまして、医療機関などでの心身のケアや具体的な育児指導を行う事業でございます。
三つ目の助産師サロンですが、子育てに不安や悩みを抱えた産婦に対して、のびすくなどにおいて助産師による相談支援を実施するものでございます。
245: ◯ひぐちのりこ委員 これですね、予算重点配分経費査定結果を見ると、産婦健診事業及び産後ケアの実施の要求額が4400万円余ですけれども、予算が3600万円となり、大体800万円ほど減額となっております。本来はどのような事業を想定していたのかお伺いいたします。
246: ◯子供保健福祉課長 産婦健康診査事業及び産後ケア事業の予算額につきましては、利用が見込まれる対象者数などを精査したことによるものでございます。
それぞれの内容はただいま申し上げましたとおりでございますが、詳細につきましては、今後、関係機関と調整しながら検討してまいりたいと考えております。
247: ◯ひぐちのりこ委員 プラスの方向で利用が見込まれるような、そういうことを期待するところでございます。
産婦健康診査が現行の1カ月を目安にしたもの、これに1回プラスして産後2週間の実施がふえました。具体的な内容とその趣旨について伺います。
エジンバラ産後うつの質問票を用いて、心身の状態を把握するとしていますが、判断をするには高い専門性が求められます。人材の確保についてお伺いいたします。
248: ◯子供保健福祉課長 新たに開始いたします産婦健康診査につきましては、医療機関や助産所において、問診や診察などによる母体の回復や授乳状況の把握に加えて、産後鬱の予防や新生児への虐待予防を図る観点から、産後うつ病質問票による状態の把握を行うものでございます。
実施に当たりましては、質問票を取り扱う助産師や看護師を対象とした研修を開催し、事業が円滑に行えるよう対応してまいりたいと考えております。
249: ◯ひぐちのりこ委員 産後1カ月以降2歳くらいまで、産後鬱などを引きずるケースもあると伺っております。その後のケアについてのお考えを伺います。
あわせて、里帰り出産で1カ月以降に本市に戻ってきた場合、産婦健診の助成、このチケットはどのように取り扱うのか伺います。
250: ◯子供保健福祉課長 産後1カ月以降の産後鬱のケアにつきましては、保健師や専門指導員などが個別に訪問を行うなど継続的に支援を行うほか、育児教室や幼児健診の場でも保健師が個別に相談に応じることにより対応しているところでございます。
また、里帰り出産された方で県外の医療機関で産婦健診を受診する場合には、償還払いによる対応など、助成の方法について検討してまいりたいと考えております。
251: ◯ひぐちのりこ委員 周知の徹底とかを求めたいところです。
妊娠届の場で、誰でも顔を合わせて相談できる体制や、必要に応じて相談内容にふさわしい窓口への紹介も必要と考えます。医療面だけではなく、生活面などでの相談体制が求められますけれども、お伺いいたします。
252: ◯子供保健福祉課長 妊娠届け出時における相談体制につきましては、各区役所、総合支所の窓口で妊娠の届け出を受け付ける際に、保健師が妊婦に対し保健指導を行うほか、家庭の状況や生活の様子をあわせて伺い、必要な支援につなげております。特に福祉サービスが必要な場合には、家庭相談員と連携しながら、情報提供や手続面でのアドバイスを行うなど、生活面での相談支援にも努めているところでございます。
253: ◯ひぐちのりこ委員 本市のたのしねっと、かなりきめ細かだということで定評があるんですけれども、さらなる推進を願うところです。
母体の身体的な回復、先ほどおっしゃいましたけれども、これの支援、また授乳指導などを行うことにより産後の大変な時期をスムーズに乗り切ることで、今後の生活の質の向上や育児への自信につながると思います。
フランスでは合計特殊出生率、一時1.65まで落ち込みましたけれども、現在2.01までV字回復しました。要因の一つとして公費で母体のケアを行ったこと、これが挙げられております。この取り組みの視点というのは、本市での出生率の向上にも一定の効果が期待できると思います。妊娠、出産など同じ体験を持った人たちが集まってのグループワークなども効果があると思います。
先ほど助産師サロンを行うというふうなことですけれども、具体的な内容についてお伺いいたします。
254: ◯子供保健福祉課長 本市がのびすくなどにおいて実施する助産師サロンでは、子育てに対する不安を軽減することや、母親同士の仲間づくりを促進することなどを目的といたしまして、産婦に対し助産師によるベビーマッサージなどの講座やグループワーク、個別相談を行うこととしております。
255: ◯ひぐちのりこ委員 のびすくでの事業というふうにあったんですが、本市でもさまざまな事業をこれまで行ってきているんですけれども、相談窓口につながることがなかなか困難なケース、おうちからなかなか出てこられない、こういう方もいらっしゃると思いますが、そのような方々に対するケアについて伺います。
256: ◯子供保健福祉課長 相談窓口につながることが困難な方に対しましては、新生児全戸訪問や育児教室、幼児健診など、全ての乳幼児やその保護者と面談する機会がございますので、その機会を通じて育児不安や悩み事を伺うようにしております。
また、必要に応じて各種相談窓口を紹介するほか、保健師が個別に訪問するなど、個々の状況に応じたさまざまな支援を行っているところでございます。
257: ◯ひぐちのりこ委員 連携についてまた詳しくお伺いいたします。
各区役所、保健福祉センターとのびすく、さらには保育所などで行っている地域子育てセンターとの情報共有、連携、情報発信についてお伺いいたします。
258: ◯子供保健福祉課長 現在、各区役所などにおける地域の子育て支援機関との定期的な連絡会や交流会により、支援機関同士の情報共有や連携に取り組んでおります。
また、ママフレなどのウエブサイト、紙媒体、メール配信などの多様な手段により情報発信を行っているところでございます。
259: ◯ひぐちのりこ委員 今まで母親同士のネットワークとかそういう話もあったんですけれども、実は厚生労働省による国民生活基礎調査の状況、2012年では、夫が家事育児にかかわるほど次の子供が欲しくなるという結果でした。家族の一員なのだから、家事や育児は当然やるべきと考える男性もふえています。具体的に子育てなどについて伝えることが肝心です。
のびすくでは、プレパパママ講座での沐浴指導や新米パパママ講座などを実施。年齢にふさわしい外遊びや男性向けの料理講座、こういうのも開催して好評とのことでした。反響や今後の事業展開についてお伺いいたします。
260: ◯子供未来局総務課長 今、御指摘いただきましたプレパパママ講座や料理教室などに参加された方からは、実際に体験してみて大変さがわかった、できるだけ妻を手伝おうと思った、家庭でもチャレンジしたいといった、家事育児にかかわるきっかけになったとの声を多くいただいているところでございます。
今後ともこのようなイベントを充実させ、男性の家事育児への積極的なかかわりが図られるよう取り組んでまいります。
261: ◯ひぐちのりこ委員 とっても期待するところでございます。
数々の講座ですけれども、実は現場の声を聞くと、男性の参加が思わしくない、妻に連れられてやっと参加するという、そういう状況もあるとのことです。思いがあってもなかなか足が向かない方々が出やすい環境づくり、これが肝心だと思います。御見解を伺います。
また、本市では職員向けに、これから子育て期に入る男性職員を対象に子育て応援交流会という企画を座談会形式で実施しています。参加者からは、男性職員同士で子育てについて話す機会がなかったのでよい機会になった、悩みも含めてざっくばらんに聞けてよかったなど、これも好評だそうです。これからも続けていくとのことですが、この同様の取り組みを市の中だけではなく市民向け、また企業向けに情報提供することも肝心と思いますが、伺います。
262: ◯子供未来局総務課長 のびすくにおきましては、男性を対象としたさまざまなイベントを開催しておりますけれども、例えば土日に開催したり、内容やイベントの名称など男性が参加しやすい工夫をしているところでございまして、今後とも男性が気軽に足を運んでいただけるような環境づくりに努めてまいります。
また、本市が職員向けに実施している子育て応援交流会についてですが、男性の育児参加を促進する上でこうした取り組みは大変有効なものと考えております。
子供未来局では、せんだい男女共同参画財団とも連携いたしまして、仕事と家庭の両立支援という観点から企業を対象としたセミナーなどを開催しておりますけれども、このような広報啓発の取り組みの中で、こうした事例の紹介なども行ってまいりたいと考えております。
263: ◯ひぐちのりこ委員 一方、さまざまな取り組み、実際いろいろ産後のケアの施設も仙台にあるんですけれども、その中でパートナーである夫の無理解、これで大変困難さを増しているという声も少なくありません。妊娠中や産後の体を休ませることや体のケアをすることなど、いわゆる目に見えないサービス、これについてなかなか理解を得られないということが少なくないそうです。このような方々に対しても啓発が大切ですが、御見解をお伺いいたします。
264: ◯子供保健福祉課長 パートナーへの啓発につきましては、男性の育児参加を推進し、女性の育児負担を軽減する上でも重要であると認識しております。
そのため、本市では妊産婦だけではなく、そのパートナーが妊娠、出産、育児についての知識や技術を習得し、育児に主体的に取り組めるよう、のびすくでのイベントや区役所で行う両親教室などにおきまして啓発に努めているところでございます。
265: ◯ひぐちのりこ委員 産後クライシスといって、産後のホルモンの変化によってカップルの間に重篤な亀裂が生まれるというのもあるということで、いろいろな行政からのサポートというのも期待するところです。
さて、このたび祖父母手帳ができました。これを大変歓迎するところでございます。配布状況と反響についてお伺いいたします。
266: ◯子供保健福祉課長 祖父母手帳につきましては、子育て中の父母世代と祖父母世代がお互いに育児についての理解を深め、ともに楽しく育児に向き合うきっかけとなることを目的といたしまして、昨年12月に7,000部発行し、各区役所、総合支所のほか、のびすくなどでも配布をしているところでございます。
区役所などからは、広報誌で知って高齢者の方が直接とりに来られるケースや、子育て中の母親が祖母に渡したいからとお持ち帰りになられるケースがあると伺っておりまして、御好評をいただいているものと考えております。
267: ◯ひぐちのりこ委員 私のところにも欲しいという声がありまして、本当にいいお取り組みだというふうに思っておりました。
男性の育児参加というところで、せっかく祖父母手帳ができたので、祖父の力、じいちゃんの力を生かすべきだと思っております。
1995年、初めて男性の育児休暇がスタートいたしました。ワーク・ライフ・バランスという概念はまだ年月を待つころだったんですけれども、この世代が祖父となってきている時代でございます。かつては保育所への送り迎え、また子供が病気になった場合、仕事を早退してお迎えに行った方々が少なくないと思います。育児を担った祖父の世代が、今子育てをしている男性に具体的にタイムマネジメントを教えるなど、ロールモデルとしての活躍が求められます。また、さらには、年齢的には会社、企業などで決定権を持つ世代となってきています。自身の体験をもとに子育てパパ黎明期と言われる方々の力を生かすべきと考えますが、お伺いいたします。
268: ◯子供保健福祉課長 御指摘のように、育児に積極的に参加する男性が多い世代の方々が祖父母世代になってきたということは言えるかと思いますし、このような方々の経験を子育てに生かすことは、若い世代を支えることにもつながると考えます。
一方、時代の変化とともに子育ての常識も変わってきておりまして、世代によって価値観が異なっている面もございます。まずは祖父母手帳の配布、周知を通じまして、父母世代と祖父母世代が協力しながら子育てできますよう、啓発に努めてまいりたいと存じます。
269: ◯ひぐちのりこ委員 祖父の世代が決定権を持つということは、やっぱり今までどうしても男性中心のところから、育児という概念を社会の中でもメーンストリーム化できる、そういうような効果もあるのかなというふうに思っております。
それでは関連して伺います。日本の赤ちゃんの出生体重が減少している、こういう統計が出ています。本市での低出生体重児の状況についてお伺いいたします。
270: ◯子供保健福祉課長 低出生体重児でございますが、仙台市の保健統計年報によりますと、本市における2,500グラム未満の低出生体重児につきましては、平成26年度が837人、平成27年も同じく837人、平成28年は878人となっております。
また、出生数に占める低出生体重児の割合につきましては、平成26年が9.06%、平成27年が9.2%、平成28年が9.86%となっております。
271: ◯ひぐちのりこ委員 平成の初めのころと比して、やはり全体的に小さく生まれる赤ちゃんが多くなっていると、そういう統計もあります。
そういうような一つの要因として、行き過ぎた妊婦の栄養不足によって出生体重が少なくなる可能性が指摘されています。生まれたときの体重が少ないと、そのお子さんが将来、生活習慣病などになるリスクが高くなる可能性があるとの報告がなされています。啓発が求められていますけれども、お伺いいたします。
272: ◯子供保健福祉課長 妊婦の栄養不足とその赤ちゃんへの影響につきましては、妊娠中に妊婦の体重が適正に増加していかないと、その赤ちゃんは低出生体重児で生まれる傾向があり、将来、糖尿病や心臓病になるリスクが高まることから、妊娠期においてはバランスのよい食事をとることが必要でございます。
本市では、母子健康手帳交付説明会の場で、栄養士によるこうしたリスクについての説明を行っているほか、交付時に配布しております子育てサポートブック、たのしねっとにおきましても周知を図っているところであり、引き続きこれらの取り組みを通じて、妊婦の栄養不足による赤ちゃんのリスクにつきまして普及啓発を行ってまいりたいと考えております。
273: ◯ひぐちのりこ委員 今、妊婦になる前の状態から、いわゆる背景として若年女性の痩せ願望があるというふうに言われています。いきいき市民健康プランでも、若い世代の女性の痩せに対して言及をしております。痩せ過ぎであることで御自身の生活の質も低下し、ひいては重篤な事態となるおそれがありますが、取り組みについてお伺いします。
274: ◯健康政策課長 昨年度に実施した仙台市思春期の健康づくり意識調査では、標準体重であるにもかかわらず、痩せたいと考えている女性の割合が多い状況でした。こうしたことから、平成30年度からの第2期いきいき市民健康プラン後期計画におきましては、青年期における健康的な食生活の啓発を強化していくこととしております。
これまでの専門学校や大学などと連携した、バランスのとれた食生活などについての啓発に加え、事業所などとも連携し、若い勤労者に向けて朝食の重要性や過剰なダイエットによる健康への影響などについて周知に努めていきたいと考えております。
275: ◯ひぐちのりこ委員 それから拒食症などによって、例えば外国なんかですと、モデルさんが余り痩せ過ぎて、それで亡くなってしまったという事例で、諸外国ではある程度BMI、細過ぎるモデルさん自体はもう使わないよというふうに、大体健康的な体はこうなんだよというロールモデルをつくっているようなことがあると思いますので、やはり健康の質向上というところでも仙台市としてもしっかり発信する、これを求めたいところでございます。
妊娠期から、出産、子育て期にわたる切れ目のない支援は、産婦や子供だけではなく、ひいては本市全体の市民の方々の体やまた社会の健康の維持増進につながるとも考えられます。さらなる推進について御見解を伺います。
276: ◯子供未来局長 本市におきましては、各区の保健福祉センターなどを子育て世代包括支援センターと位置づけまして、妊娠期から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援を行ってきているところでございます。そのさらなる充実に向けまして、今般、産後のサポート体制の強化に焦点を当てました産婦健康診査事業などに新たに取り組むことといたしたものでございます。
このような母親の心身が大きく変化する産後の時期に、きめ細かな支援を行う取り組みは、その後の母子の健康づくりなどにもつながるものと認識をしておりまして、今後ともこうした視点も持って取り組みを進めてまいりたいと考えております。
277: ◯副委員長 時間を延長いたします。
278: ◯ひぐちのりこ委員 最後の1問でございます。
今予算議会で、財政は長期的な視野を持つことが大切と、こういう議論がありました。次世代への支援に巨額の予算をつぎ込んでいる国は財政状況が良好という、こういう統計もあります。数々の施策で、望む人たちが子供を産み、育てられる仙台市を求めるものです。
未来への投資のため、妊娠期から出産、子育て期にわたる切れ目のない支援について、市長の御決意を伺います。
279: ◯市長 新年度の予算編成に当たりましては、未来を担う子供たちが健やかに育つ環境づくりに力を置いたところでございます。
特に出産直後の早期からの継続的な支援の取り組みは、その後の子供の育ちという視点からも大変重要だと考えておりまして、先ほど御答弁申し上げました新規事業などを通じまして妊娠期からの切れ目のない支援、これをさらに充実させてまいりたいと思います。
280: ◯副委員長 お諮りいたします。社民党仙台市議団の質疑の途中ではありますが、本日の審査はこの程度にとどめ、残余はあす行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
281: ◯副委員長 御異議なしと認めます。
なお、あすは午後1時より開会いたします。
本日はこれをもって散会いたします。...