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  1. 仙台市議会 2017-09-21
    平成29年第3回定例会(第5日目) 本文 2017-09-21


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(斎藤範夫)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第五号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(斎藤範夫)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十七条第一項の規定により、菅原正和さん及び伊藤ゆうたさんを指名します。          ────────○────────     日程第二 一般質問 3: ◯議長(斎藤範夫)日程第二 一般質問を行います。  順次発言を許します。  まず、佐藤わか子さんに発言を許します。     〔四十五番 佐藤わか子登壇〕(拍手) 4: ◯四十五番(佐藤わか子市民フォーラム仙台佐藤わか子です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  まず、産後ケアの充実についてお伺いします。  仙台市も、妊娠から出産、子育てまで切れ目のない支援に取り組んでおられることは十分承知しているところですが、平成二十六年十二月に、仙台市の錦ケ丘で生後四カ月の乳児を母親が窒息させ死亡させる事件が発生しました。なぜこの痛ましい事件を防ぐことができなかったのか、残念でなりません。母親は重度の産後鬱だったと言われています。  どんな母親も出産後は心身ともに不安定になるということを念頭に、産後鬱などの対策は現在も行われていますが、ハイリスクな母親及びハイリスクとまでは言えなくても育児不安が強い、親族などの支援が受けられないなど、心身のケアが必要と判断された母親に対して、今、他都市では行政の委託により、低料金で専門機関の産後ケアが受けられる事業が広まっています。民間の助産院でも産後ケアは受けられますが、自費だとショートステイでも六万円ほどかかってしまいます。仙台市も、産後支援として乳幼児全戸訪問事業育児ヘルパー派遣事業は行っていますが、重度の産後鬱対策にも効果が期待できる産後ケア事業を、一日も早くスタートすることで、一人でも多くの命を救うことができるのではないでしょうか。市長の御見解をお伺いします。  昨日の同僚議員の質問に、市内の受け入れ施設の確保に課題があり、今後検討していくと答弁されましたが、助産院などの関係機関と話し合いなどはなされたのでしょうか、お伺いします。  産後ケア事業の状況を調査して、仙台市や宮城県はかなりおくれているという印象を受けました。大変参考になった自治体は奈良市で、奈良市すまいるmamaサポート事業を調査させていただきました。奈良市は、アンケートなどで全国の先進事例を調査し、それを参考に助成額を決め、市内三カ所の病院、助産院に事業を委託して、ことしの六月からスタートしました。助成額は宿泊型が三万円、デイサービス型が一万五千円で、今年度の予算は九百五十一万円とのことです。  できない理由を並べていても前に進みません。まず、産後ケアを引き受けてくれそうな病院、助産院との意見交換から始められるよう提案するものですが、御所見をお伺いします。
     最近、子育てのことで気になることがあります。それは、人とかかわることが苦手で、自宅に引きこもって子育てしている家庭があるということです。本人の意思は尊重しつつも、悲しい事件につながらないために、緊急のときやパニックに陥ったとき、いつでも助けを求められる赤ちゃんダイヤルの必要性を以前提案させていただきましたが、現在までの検討状況をお伺いします。  引きこもりがちの子育てママに、外に出る機会を提供する支援も各地で行われています。神奈川県は、産後の助産師訪問の際、その地域に合わせた子育てサロンや、子連れオーケー各種レッスンママ向け講座などの情報を提供し、産後のママが外へ踏み出すきっかけをつくる役割を担っているとのことです。仙台市も新生児全戸訪問を実施しているわけですから、その際に親子連れで参加できる講座や、産後ケアプログラムを実施しているところの情報などを一覧表にして配ることは、情報の整理を行えばすぐにでもできると考えますが、実施の可能性も含めて御見解をお伺いします。  また、他都市で実施して効果を上げているのが、リフレッシュ券託児無料券などを提供することで、外に出るきっかけをつくっている例があります。例えば、板橋区では、乳幼児を抱える保護者の育児不安、負担を軽減し、子育てしやすい環境づくりを目的として、乳幼児を子育てしている世帯を応援する利用券、すくすくカードを配付しています。赤ちゃんカフェ、産後の育児支援、一時保育、ベビーマッサージなどの産後プログラムなどを利用できるメニューが充実しています。杉並区は、杉並子育て応援券ゆりかご券を発行し、産後ケア教室、マタニティー教室バランスボールなどが利用できます。仙台市もこのような子育て応援券のようなものを、乳幼児がいる子育て家庭に配付し、産後鬱対策の一つとして活用すべきと考えますが、御見解をお伺いします。  次に、第二回定例会でもその重要性について指摘させていただきましたが、発達におくれが見られる就学前の児童に対する療育についてお伺いします。  未就学児の療育を行う児童発達支援事業所が、急激にふえています。民間が十八カ所、仙台市で指定しているところが六カ所あり、児童発達支援センターが五カ所あります。最近これらの施設を利用する場合の流れとして、アーチルの支給決定通知書が要るという情報をいただきました。第二回定例会で、これらの施設は、以前から提案させていただいてきた東京のさくらキッズのように、アーチルにつながらなくても子供の発育で気になることがあれば誰でも気軽に相談でき、療育も受けられると受けとめさせていただいておりましたが、質問の第一は、実際の児童発達支援事業所の利用のあり方について、アーチルにつながらなければ利用できないのか、お伺いします。  質問の第二は、アーチルとこれらの施設のネットワークが今後必要になると、前回答えておられますが、未就学児の療育が行える児童発達支援事業所の情報は、アーチルのみならず保育所、幼稚園、各区の家庭健康課、のびすくなどにしっかり届けられ、子育てにかかわる担当者間で情報共有されるべきです。そのためには、これらの施設でどのような療育がなされているのか、しっかり調査すべきと思いますが、アーチルではこれらの民間の児童発達支援事業所がどのような療育を実施しているのか、その事業内容を把握しておられるのでしょうか、お伺いします。  質問の第三として、お子さんの発達のおくれを受容できない保護者がおられますが、このような場合、発達におくれの見られるお子さんを療育につなぐための対策として、どのような取り組みをなされているのか、お伺いします。  三歳児健診において、気になるお子さんがいた場合、面接を受けてもらうように丁寧に対応しても、うちの子は心配要りませんとお帰りになる方がおられるそうです。子供の発達に気になるところがあっても、それを認めない保護者に対する支援のあり方が、大きな課題ではないかと考えるものです。  発達におくれが見られる乳幼児が育つ環境もさまざまです。保育所も幼稚園もあります。所管を越えて、障害の受容できない保護者をどのように支援につなげられるか、検討されるべきと考えますが、御見解をお伺いします。  次に、放課後等デイサービスの質の確保についてお伺いします。  放課後等デイサービスが八月現在、市内に百カ所開設されています。数がふえたことは、障害児を抱えて仕事をしている保護者にとって大きな支援につながっていると思います。しかし、さまざまな方面からこれらの施設のことで心配な声が寄せられている事実もあります。本来なら障害児一人一人に個別支援計画を立て、自立に向けてその子に合った適正な支援をするべきところ、支援計画もつくらず、ずっとテレビやビデオを見せているところや、ゲームだけをしているところがあるという声が寄せられています。  質問の第一は、当局としてこのような事実の把握はなされているのか、お伺いします。  質問の第二は、現在百カ所あるこれらの放課後等デイサービスの質の確保という点に関して、どのような御認識をお持ちか、またこれらの施設に対してどのような指導がなされているのかも、あわせてお伺いします。  次に、老朽化した堆肥化センターの今後の方向性と、生ごみや食品残渣、街路樹の剪定枝などの有機系廃棄物リサイクルについてお伺いします。  石積の堆肥化センターは、平成十四年に稼働してもう既に十五年が経過しています。このような施設の耐用年数は十五年と言われていますから、堆肥化センターのあり方の検討は早急になされるべきと考えます。  質問の第一は、今までこの施設のあり方についてどのような検討がなされてきたのか、いつまでの稼働を考えているのか、具体的な方向性をお伺いします。  質問の第二は、本来一日に二十五トンの処理能力があるのに、実際は三〇%ほどの一日八トンくらいしか処理されていませんが、この理由についてお示しください。処理対象物の比率に問題があるのか、処理能力を上げるためにこの比率を変えることは考えられないのかも、あわせてお伺いします。  質問の第三は、このセンターを稼働しないとなった場合、現在、堆肥化センターに搬入している学校給食センターの給食残渣や街路樹の剪定枝を、今後どのように処理するつもりなのか、リサイクルの観点から焼却はあり得ないと思いますが、今後の方向性をお伺いします。  質問の第四は、街路樹の剪定枝のリサイクルについてです。堆肥化センターには、街路樹の剪定枝の半分しかリサイクルを目的にチップ化されておりません。残りは焼却されていると聞いています。公園の剪定枝については、一〇〇%焼却されています。杜の都と言われる仙台市で、たとえ剪定枝といっても、リサイクルされずにほとんどが燃やされているということが残念でなりません。チップにして公園に敷くとか、海岸公園などに植樹するときの苗木の保護のためのマルチング材として使用したり、ペレットの原料として活用できると考えますが、当局として公園及び街路樹の剪定枝のリサイクルについて、どのような御見解をお持ちか、今後の方向性について御見解をお伺いします。  質問の第五として、生ごみのリサイクルについてお伺いします。南三陸町は、町を挙げて生ごみをバイオガスプラントでエネルギーと液肥にしています。加美町も南三陸町と同じようなバイオガス施設の建設計画を進めていて、現在、生ごみ回収のモデル地区を定めて実証実験を行っています。今、全国的にエネルギーの地産地消が注目されている中、仙台市の生ごみのリサイクルについての考え方が見えません。生ごみ回収は難しいと、できない理由を挙げ続けていたら、いつまでたってもできないと思います。生ごみ回収を最初から全ての世帯で実施するのが難しいとしたら、加美町のようにモデル地区を選定し、実験を行うことはできると思います。南三陸町では、全世帯に生ごみの排出に協力してもらっていますが、異物混入はわずか一%で、プラントは問題なく稼働しているそうです。回収した生ごみをどう処理するかについても、自前で堆肥化センターバイオガスプラント建設が難しいのなら、仙台市内にある民間の施設と連携して、生ごみのリサイクルを実施することも考えられます。  大事なことは、まずやってみようと決断することです。生ごみのリサイクルについての当局の御見解と、いつまでに方向性を決めるのか、その時期についても御所見をお伺いします。  次に、市職員の意識改革についてお伺いします。  行財政改革推進プラン二〇一六において、職員の意識改革、組織風土の見直しに取り組まれていることは評価いたします。しかし、依然として、市役所職員は偉そうだとか、上から目線でものを言うというような声が聞こえてきます。こんなに市職員の意識改革に取り組んでいて、市民との意識のギャップが埋まらないのはなぜなのか、疑問です。  原因の一つに、意識改革を研修に頼っていることが挙げられると思います。窓口サービス向上に向けた取り組みも、コンプライアンスの意識の浸透も、部下の指導力向上も、全て研修しているから大丈夫という意識があるのではないでしょうか。研修することが、意識の改革の目的になっているように思います。研修は目的ではなく手段です。大事なことは意識改革の研修を行って、どこに向かうのか、そのゴールを示すことが重要です。  質問の第一は、仙台市がさまざま行っている研修の効果をどのように評価しているのか、お伺いします。また、仙台市職員の使命はどこにあるとお考えなのか、あわせて御認識についてもお示しください。  私は、市役所は究極のサービス業だと思っています。仙台市民に喜ばれる仕事をすること、市民に愛され、信頼される市役所職員を目指すべきです。  もう一つ気になる点が、市職員は一万人近くいるわけで、その全ての職員が研修を受けるというわけではありませんから、どんなに研修を強化しても、全職員の意識改革を実現することは困難ではないかと思えることです。研修に頼る現在の市職員の意識改革から、職場単位で意識改革を図る取り組みに変えたほうが、効果が期待できると考えるものです。  例えば、風通しのよい職場づくりのために、最近各職場で実施されるようになったオフサイトミーティングを活用して、その職場のミッションをみんなで話し合う、民間の企業ならどこでもやっている朝の挨拶運動に取り組むとか、テーマを決め、職場ごとに取り組む目標を決め、みんなで実践するというようなことも意識改革に効果があると考えますが、当局の御認識をお伺いします。  また、市民と市職員の距離感を縮める取り組みとして、現在は、市役所内部だけで実施している職員表彰制度を地域にまで拡大し、市民も巻き込んで、こんなすばらしい仙台市職員がいたのかというような情報を、メディアなどを通じ広く仙台市民に知らせるなどの取り組みも有効と考えます。  例えば、先日、泉中央駅でチョロQやミニカの販売があり、五百人以上も並んで、大変暑かったため、大声で騒ぐ人などで大混乱をしていたとき、とても感じよくてきぱきと対応して、混乱を静めていた職員がいたそうです。一時話題になったDJポリスを思わせるその対応を見ていた人が、仙台市にもこんな職員がいるんだ、と感心されたとお話しされていました。このようなエピソードを広く市民から集め、メディアなどを通じて多くの人に知ってもらう取り組みなども、市職員を市民の皆さんに身近に感じてもらえるきっかけになると考えますが、御所見をお伺いします。  仙台市が新たな提案制度、カイゼンアイディア育成制度を導入して、職員の意識改革に取り組んでいることは評価しています。しかし、より多くの市職員に仙台市の将来についてみずからしっかり考えてもらうための取り組みとして、無記名のアンケートによる提案制度も効果が期待できると考えるものです。全職員を対象に年一回から二回のアンケートを無記名で実施する、聞くことは二つだけです。一つは、日常あなたが仕事をする上で、おかしいと思う制度や規則を挙げてください。もう一つが、もしあなたが組織のトップだったら、やりたい政策を提案してください。書式は自由とし、何もない人は出さなくていいこととします。実際実行できるかどうかは考えなくていいのです。市職員に自分が働く市役所という組織について考える機会を与え、意識改革につなげるという方法ですが、当局の御見解をお伺いします。  最後に、いじめ対策に関係してくる仙台市の不登校対策の取り組みについてお伺いします。  以前から仙台市の不登校対策は、適応指導教室に代表される、児童生徒が不登校になってからの事後的な取り組みに偏っている。予防や早期介入に取り組まなければ、不登校の児童生徒数を減らすことはできないと、指摘させていただいてきました。前回の私の質問に対する答弁では、今年度早々に有識者による不登校対策検討委員会を立ち上げ、予防や早期介入の取り組みに着手するとのことでしたが、質問の第一は、この検討委員会は立ち上げることができたのでしょうか、お伺いします。  さまざまな理由で立ち上げができなかったとしても、今現在やれるところからやってみるという本気度が必要なのではないでしょうか。例えば、以前にも提案させていただきましたが、予防という点から別室登校で学校に来ている児童生徒に対して、授業のおくれを支援するための学生や教職員OBによる支援体制の構築など、有識者による意見を聞くまでもなく、すぐにでも取り組めることはたくさんあると思いますが、質問の第二として、このことは検討されたのでしょうか。また、その検討結果についてもお伺いします。  本気で不登校対策に取り組む気があるならば、他都市の先進事例は山のようにあります。例えば、岡山県は、対処療法的な取り組みをどんなにやっても不登校を減らすことができないとして、不登校対策を百八十度変更して、未然防止、早期発見、早期対応に全面的に軸足を置きかえることで効果を上げているとのことです。不登校の背景として多く見られる二つの要因、対人関係のつまずきと学習面でのつまずきについて取り組まれた事例として、対人関係のつまずきにおいては、岡山県総社市において、具体的な対人関係のスキルをロールプレーやグループワークで学ぶSEL、社会性と感情の学習を実践しています。  アメリカやヨーロッパで広く実践され効果が認められているSELを、最近取り入れる自治体がふえてきました。自分や他人の感情を理解することをもとに、他者とかかわるためのスキルを身につけさせる心理教育プログラムです。不登校やいじめに効果があると言われていますが、質問の第三は、総社市で取り入れているこのSELを教育局としてどのように御認識されておられるのか、その効果について御所見をお伺いします。  学習面でのつまずきでは、子供同士がお互いに支え合う活動の一つとして、ピア・サポートや、わからないところをわかる子が教えるミニ先生などを導入しているそうです。もちろんこのような子供たちが教え合うような取り組みは、今後の検討に値するとは思いますが、学校において教員が子供たちに対してわかる授業をするのは基本中の基本です。  質問の第四は、学習面でのつまずきのある児童生徒に対して、教育局として今までどのような取り組みを行ってきて、その効果をどう検証しているのかお伺いします。今後の対応についてもあわせて御見解をお示しください。  不登校の未然防止の大きな柱は、子供たちが登校したいと思える魅力的な学校を、地域も教員も、もちろん児童生徒もみんなで一丸となってつくっていくことだと考えます。もちろんいじめ問題が最重要課題です。このことに全力で取り組まなければならないことは承知していますが、いじめ問題が解決しなければ何もできないということではなく、いじめ問題と並行して不登校を生まない学校づくりに全力で取り組むことが、結果的に不登校の予防につながると考えますが、教育長の御見解をお伺いし、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯市長(郡和子)ただいまの佐藤わか子議員の御質問に、私のほうからお答えをさせていただきます。  私からは、産後ケア事業の早期の着手について、まずお答えいたします。  本市におきましては、これまでも産後の育児支援として、新生児全戸訪問による育児状況の確認や、また継続して支援が必要な御家庭への専門指導員育児ヘルパーの派遣によって、育児や家事援助あるいは専門的な相談指導を行っているところでございます。  私は、子育て世代の育児支援については、産前産後、この時期が特に重要であるという認識を持っておりまして、これまでの既存の事業に加えて、妊娠、出産を地域のさまざまな関係機関が支援するという視点で、新たな事業が必要とされているのではないかとも考えているところでございます。産後ケア事業もそうした取り組みの一つとして検討すべき事業と捉えておりますけれども、実施に向けてはさまざまな課題もございますので、引き続き先進地の事例研究やニーズの把握をしっかりと行って、事業のあり方について検討してまいりたいと思います。  それから、生ごみのリサイクルについて私のほうからお答えさせていただきます。  御家庭の生ごみについては、水分を多く含むことから重くなってしまいます。その減量というのは、一般廃棄物処理基本計画に掲げている数値目標の達成に向けて、一つの鍵になるというふうに認識しておりまして、これまで生ごみ処理機等購入費の補助事業、それからまた食品ロスの削減に向けた取り組み、これを実施してまいりました。  生ごみを分別収集してリサイクルすることは、回収場所の衛生環境の確保、また収集運搬経費の増加などの課題がございますけれども、生ごみの減量のポイントはこれも市民の皆様との協働にあるというふうに考えております。  さらなる生ごみの減量やリサイクルに向けて、今年度はまず、環境省の事業スキームを活用いたしまして、生ごみの排出状況の調査に着手してまいりますほか、ごみの減量について地域や市民団体の皆様と意見交換をさせていただき、企画立案する場を設けて、地域ぐるみでの堆肥化の取り組みの検討を進めているというところでございます。  この取り組みの推移も見まして、今後も市民の皆様方とともに、生ごみを初めとするごみの減量、リサイクル、これをしっかりと推進してまいりたいというふうに考えているところです。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  私からは以上でございます。 6: ◯総務局長(加藤俊憲)職員の意識改革についての数点のお尋ねにお答えいたします。  まず、職員の使命と研修、職場単位での取り組みについてでございます。  本市職員は、全体の奉仕者として市民サービスの向上に努めることが当然の責務であり、そのためにも市民の目線を大切にしながら、多様な課題に対し積極果敢に取り組むことが重要であると認識しております。  研修への参加は、こうした姿勢を促す大切な機会であり、接遇やコンプライアンス意識の向上など、意識改革に向けたさまざまな研修を実施しているところでございます。その効果については、一律の評価が難しいところがございますが、受講前後の意識や行動の変化を見る調査では、接遇などにおいて一定の効果が認められております。  加えて、研修の成果を実際の仕事に生かすためには、日常業務における助言指導が必要であることから、受講した職員の上司に対するフォローアップも行っているところでございます。さらに、研修のみならず、職場での取り組みも重要でございますことから、職場単位で定期的に実施している朝礼や、一般職員と幹部職員が自由に意見交換を行う場であるオフサイトミーティングなどを活用することで、職場ごとの課題の共有を行った上で実践につなげるよう、意識づけを図ってまいります。  次に、市民との距離感を縮める取り組みについてでございます。  お示しいただいた事例のように、それぞれの職場において、職員が市民サービスを第一に、創意工夫しながら献身的に職務に当たることで、市民の信頼を得ていくことが非常に大切なものであると認識いたしております。  本市では、顕著な業務功績として表彰された事例のほかにも、例えば、区役所の相談受付窓口をより親しみやすい雰囲気に見直すなどの職場主体の取り組みや、窓口サービスアンケートに寄せられた来庁者のお褒めの言葉など、すぐれた事例、職員が見倣ってほしい事例として推奨する観点から、庁内に発信し、動機づけを図っております。引き続き市民の皆様に信頼され、身近に感じていただけるよう、さまざまな取り組みを重ねながら、職員の意識や意欲の向上に努めてまいりたいと存じます。  最後に、提案制度についてでございます。  本市では、平成二十七年度から、職員自身の担当業務や内容の軽重にとらわれず、本市業務に関する新たなアイデアを広く募集し、すぐれたものはその実現につなげるカイゼンアイディア育成制度を実施しております。これは、提案者と提案内容に関連する部署が、その実現に向けて取り組むことにより、職員の政策形成能力等の向上を図るとともに、積極的に業務改善に取り組む組織風土の醸成を図ることを目的としているところでございます。  実現につなげるアイデアの選定に当たっては、全職員を対象にしたアンケートを行うなど、広く職員の関心が集まるよう工夫をしてきたところでございます。  引き続きさまざまな取り組みを通じて、多くの職員が自分にもできるのでは、自分ならこうするのにという意識のもと、改善提案ができる風通しのよい組織風土づくりに取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。 7: ◯健康福祉局長(佐々木洋)私からは、健康福祉局に係る数点の御質問にお答えします。  初めに、児童発達支援事業所の利用についてでございます。  児童発達支援事業所は、未就学児とその保護者を対象とし、日常生活の自立支援や機能訓練など、児童福祉法に基づく通所支援サービスを提供する施設です。利用に当たっては、利用者からの相談や申請に基づき、アーチルが児童の障害の状況を判断の上、給付の決定を行うこととなっております。  こうした法に基づく手続が必要であり、通所支援サービスの利用に当たっては、アーチルに申請していただく必要がございます。  次に、民間の児童発達支援事業所についてでございます。  アーチルでは、発達に関し継続的に確認が必要な児童について、保護者との相談の機会や事業所職員も交えての支援者会議等を通じ、各事業所の療育内容について把握をしております。  一方で、現在の本市の障害福祉サービスの利用案内ガイド等については、利用者への情報提供、保育所等関係機関での情報共有という観点から、掲載している情報量等の課題があるものと認識しております。現在、その課題整理に着手したところであり、来年度改定の際に反映させてまいりたいと存じます。  次に、発達障害に関する保護者の理解促進についてでございます。  発達のおくれが見られるお子さんの保護者の中に、そうした指摘を受け入れがたいという方がいらっしゃるのは事実でございます。そのようなお気持ちにも寄り添いつつ、必要な支援を届けるため、区の保健福祉センターでは、幼児健診あるいは健診後に行っている事後指導教室、個別相談等で丁寧な説明を行い、理解促進を図っているところでございます。  このほかアーチルでは、発達のおくれが見られるお子さんの保護者や周囲の方々を対象に、発達障害による行動面での特性や対応などを御理解いただくため、具体例も記載した啓発資料を作成し活用しております。  発達障害の受け入れに抵抗感のある保護者に対しましては、より相談のしやすい配慮が必要であると認識しております。本年、地域相談員を配置した児童発達支援センターの活用や、各種子育て支援施設における対応など、関係部局と連携しながら、相談しやすい環境づくりに努めてまいりたいと考えております。  最後に、放課後等デイサービスの質の確保についてでございます。  放課後等デイサービス事業所は、生活能力向上のためのさまざまなプログラムを設け、多岐にわたるサービスを提供しておりますが、利用する児童生徒の状況に応じて個別の通所支援計画を策定し、計画の目標達成に向け、支援の向上に努めることとされております。  そのため、これまでも国が定める運営基準等の遵守状況について、定期的に各事業所に出向き、関係帳票を確認しながら、きめ細かな実地指導を行っているところでございます。ここ数年の実地指導において、計画策定に未着手である状態を放置したまま漫然と支援しているといった、極めて不適切な事業所は見受けられなかったところでございます。  引き続き、各種研修等の開催を通じ、事業所の支援スキルの向上を図るほか、適切な指導監督を実施するなど、支援の質の向上を図ってまいります。  以上でございます。 8: ◯子供未来局長(福田洋之)私からは、産後ケアに関する御質問のうち、市長がお答えした以外の御質問にお答えをいたします。  まず、産後ケア事業に関する関係機関などとの話し合いについてでございます。  産後ケア事業を実施する上で、その受け皿施設となります助産所など関係機関の協力は欠かせないものであり、これまで宿泊型なども含めた産後ケア事業の実施の可能性について、宮城県助産師会や、受け入れが可能と思われる医療機関とも意見交換を行っております。  その中では、新たに必要となるベッドや職員の確保などが課題として上がってきておりますが、今後も引き続き関係機関等との協議を進め、事業実施に当たってのあり方を検討してまいりたいと考えております。  次に、赤ちゃんダイヤルの検討状況についてでございます。  本市では、子育ての悩みなどについて相談をお受けする、子育て何でも電話相談を開設いたしておりますが、昨年度の検討の結果、本年四月から新たに助産師の相談員を配置をし、ほかの職員への指導なども含め、赤ちゃんに関する相談への体制を充実させたところでございます。  また、夜間における相談窓口としては、急な発熱やけがの場合に看護師が対応する宮城県こども夜間安心コールのほか、さまざまな悩みの相談を受ける仙台いのちの電話や、よりそいホットラインがございます。  本市といたしましても、これまでもこれらの相談窓口の紹介に努めてまいりましたが、こうした夜間を含めた相談体制につきましては、さらなる方法がとれないか、引き続き検討してまいりたいと存じます。  次に、産後ケア等の情報提供及び子育てに関する利用券についてのお尋ねでございます。  子育てに関する不安や負担感が増す中で、母親が外出して地域や子育て仲間などとのつながりを持つことは、育児に関する不安や負担の軽減につながるものと認識しているところでございます。  母親の外出を促すため、親子で気軽に参加できる行事等の情報提供は有効であるというふうに考えておりますので、御提案の方法も含め、手法について検討してまいりたいと存じます。  また、子育て応援券のようなさまざまなサービスの利用券につきましては、母親が外出するきっかけにもなるなど効果も期待できますが、利用対象とするサービスの内容や財政負担等の課題を考慮する必要もあり、他都市の実施状況に関する情報収集を行いながら、本市としての導入可能性について研究してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 9: ◯環境局長(小林仁)堆肥化センターに関するお尋ねについてお答えいたします。  堆肥化センターは、学校給食の生ごみや地域し尿処理施設の汚泥、剪定枝を資源化し、有効利用するためのモデル施設として、平成十四年に設置いたしました。稼働後十五年が経過し、設備の老朽化も進んでいることなどから、行財政改革推進プランにおいて、ごみの排出状況や民間施設の動向を勘案しながら、今年度中を目途に具体の方向性を取りまとめることとしております。  昨年度は民間施設の処理状況を確認するなど、検討を行ってきたところであり、引き続き取り組みを進めてまいります。  次に、堆肥化センターの処理状況についてでございます。  現在、学校給食の生ごみ、し尿汚泥ともに、市内で発生する全量を受け入れているところであり、いずれも施設稼働当初の想定よりも発生量が減少しており、処理量は一日当たり約八トンにとどまっております。  剪定枝については、水分量の調整のために生ごみやし尿汚泥の量に応じて、一定の割合を定め投入しているものであり、その比率を大きく変えることは難しい状況でございます。  以上でございます。
    10: ◯建設局長(村上貞則)私からは、街路樹などの剪定枝のリサイクルに関する御質問にお答えいたします。  本市の緑の総合的な計画であります仙台市みどりの基本計画において、低炭素都市づくりの一環として、剪定枝の堆肥化等により、緑資源のリサイクルを進めることとしております。  具体的な取り組みといたしましては、街路樹の剪定枝をチップ化し、堆肥化センターで堆肥にリサイクルすることを中心に行ってまいりましたが、公園の剪定枝については焼却処分としているのが実情であり、リサイクル方法を検討する必要があるものと認識しております。  今後、堆肥化センターでの受け入れが困難な場合も想定されますことから、街路樹、公園樹の両方を対象に、例えばペレットなどの固形燃料の材料や、植栽の根元に敷くマルチング材としての利用などについて、関連する民間事業者との連携も含め、検討してまいりたいと存じます。 11: ◯教育長(大越裕光)私からは、教育に係る数点の御質問にお答えいたします。  初めに、学校給食の残渣処理についてでございます。  学校給食におきましても、ごみの減量やリサイクルの取り組みは重要なものと認識しております。給食残渣につきましてはリサイクルを原則とし、堆肥化センターにおいて、全ての学校給食センターと一部の単独調理校で生じる残渣を処理しているところでございます。  教育委員会といたしましては、魅力ある献立の作成など、食べ残しの削減に取り組んでまいりますとともに、給食残渣のリサイクルを継続することができるよう、環境局と連携を図りながら種々検討してまいりたいと存じます。  次に、不登校対策検討委員会の立ち上げについてでございます。  本年四月に発生いたしました自死事案への対応と、事案を踏まえたいじめ問題への緊急対策を優先的に実施してきましたことから、不登校対策検討委員会の設置につきましては、当初の見込みからおくれている状況にございます。  こうしたことからスケジュールの見直しを図り、年内を目途に委員の選任を行い、検討委員会を立ち上げ、具体的議論を始めるよう進めてまいりたいと存じます。  次に、不登校対策の検討状況についてでございます。  不登校対策として、別室登校は子供たちの安心できる居場所として大切な役割を持っており、教室復帰に向けた重要なステップでもあると認識しているところでございます。各学校では、この別室登校も含めて、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携し、学習についても考慮しつつ、児童生徒一人一人に応じた計画的、組織的支援に努めているところでございます。  今後、どのような不登校対策が有効なのかを、学校現場での試みや不登校対策検討委員会での議論も含め、しっかりと検討してまいりたいと存じます。  次に、対人関係の能力育成プログラムの一つであるSELについてのお尋ねでございます。  SELは、ロールプレーイングやグループワークなどの体験的学習などを通して、自己や他者の感情を理解し、適切な表現の仕方を学び、他者とのかかわり方を身につけながら、社会性を育むことを目指したものと認識しております。効果につきましては、総社市等においてSELを実践することにより、不登校出現率が減るなど、不登校の未然防止等に一定の成果があったと伺っております。  本市におきましても、子供たちがこれからの変化の激しい社会を生き抜くための、たくましく生きる力育成プログラムのロールプレーイングやゲーム的要素を取り入れるなどの授業実践を通して、自己肯定感を高めたり、他者とかかわる力や気持ちをコントロールする力を育成したりするなど、生きる上で必要となる知恵や態度を育んでいるところでございます。  今後、他都市の取り組みなどを参考としつつ、対人関係能力等を育成する上で、有効な手だてを授業プランに追加するなど、不登校の未然防止やいじめ防止等にも生かすことができるよう、改善を図ってまいりたいと存じます。  次に、学習面でのつまずきのある児童生徒に対する取り組みについてでございます。  各学校におきましては、つまずきの見られる児童生徒には、定着が不十分な内容についての個別指導や、放課後等を利用した補充学習等のきめ細かな指導に取り組んでおります。また、教育委員会では、大学と連携した確かな学力研修委員会により、つまずきの多い学習内容について、具体的な改善方策を取り入れた提案授業を公開し、教員の指導力の向上を図っているところでございます。  効果の検証につきましては、標準学力検査における目標値に対する達成状況について、その経年の変化を把握し、学習内容の改善が十分に図られているかなど、PDCAサイクルに沿った取り組みを推進しているところでございます。  今後は、課題となっております小学校中学年算数への改善策等について検討を進めるとともに、指導方法の工夫に努め、一人一人に確かな学力を確実に身につけさせてまいりたいと存じます。  最後に、不登校問題への取り組みについてでございます。  いじめ問題や不登校問題の解決には、子供たち一人一人にとって学校が、安心して登校し、互いに学び合い、心身を健やかに成長させられる場となることが、何より重要であると捉えております。  このような認識を持ちながら、子供たちが楽しく学び、充実感、自己肯定感を高めながら成長できる学校づくり、学級づくりができるよう、教職員の力量向上はもちろんのこと、保護者や地域の皆様の御協力をいただきながら取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。 12: ◯議長(斎藤範夫)次に、ふなやま由美さんに発言を許します。     〔二十四番 ふなやま由美登壇〕(拍手) 13: ◯二十四番(ふなやま由美)日本共産党のふなやま由美です。障害のある方が安心して暮らせる施策の充実について、一般質問いたします。  近年、LD、ADHD、高機能自閉症などの発達障害や、グレーゾーンと言われる支援の必要な方々が増加しています。発達障害は、見た目にはわかりにくい障害と言われ、相談にも診断にも結びつかずに日常生活を送る方も多く、発達障害のある方の正確な人数は把握できていないのが現状です。  発達障害の息子を育てているあるお母さんは、自分の子供はほかの子供と違う、と小さいころから感じてきた。小学校時代に、変わった子と言われ、いじめに遭い傷つき、地獄のような日々を過ごした。相談機関を知り、診断を受け、親も息子もやっと生きづらさの根っこがどこにあるのか、理解することができた。特別支援教育や福祉支援のサポートがなければ、今どうなっていたかわからない。その後、成人となり、一般企業に障害者雇用で就職がかなったが、今もパニックになるなど悩みは尽きないんです、と話されていました。  昨年五月に、発達障害者支援改正法が成立しました。幼少期からのきめ細かい支援、学齢期、就労、高齢期まで全てのライフステージを通しての支援の充実が位置づけられました。生きづらさを抱えた方々が孤立せずに安心して育ち、暮らしを支える取り組みの強化が求められています。  本市では、発達相談支援センターアーチルを中心に連絡協議会を持ち、ケース検討など日常的な連携を行っていますが、さらに取り組みの強化が必要です。法改正も踏まえて、これまでの取り組みの評価とともに、教育局も含めた発達障害者支援を総合的に検討する機関もつくり、支援の充実を体系的に施策化すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。  先日、袋原小学校に伺いました。発達や情緒障害の児童八人が一つの特別支援学級で学んでいます。子供たち一人一人、障害の特性や学習理解の程度にも違いがあります。数字の概念を教えるのも大変だというお話をお聞きしました。教室を飛び出して廊下を走り回る児童を必死に追いかけたり、ほかの学年の先生に連れて帰ってもらったなどの状況も頻繁にあります。  今、学校現場は、障害のある児童以外にも、いじめ、不登校、経済的困難や家族関係上に課題を抱える子供がふえています。教師が子供と向き合い、働きかけながら、子供が発する小さなサインに気づき、子供の内面にじっくりとかかわることが欠かせません。一人一人の成長を集団の成長に結びつけ、学び合える学級づくりを進めるためにも、児童生徒に心を寄せ、目が行き届く学校の環境改善が急がれています。  郡市長が、よりよい教育の充実を求める市民の願いに応え、三十五人以下学級拡充の意思を示されたことを高く評価するものです。少人数学級の検討の際に、特別支援学級の定数を一クラス八人から六人以下にする検討を求めますが、いかがでしょうか、伺います。  二〇一二年に文部科学省が実施した、通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査の結果では、知的発達におくれはないものの、学習面、行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒の割合は、六・五%という報告がまとめられています。  仙台市でも、専門機関で診断を受け、配慮の必要な児童生徒は一千四百五十三人です。特別な配慮が必要と学校が考える児童生徒二千百三十五人を合わせると、約三千六百人と報告され、どのクラスにも支援の必要な児童生徒が複数いる現状です。  こうした児童生徒の学びを支えるために、指導補助員を配置し支援に当たっています。ある小学校の通常学級の授業風景を見学させていただいたときに、授業中に床に座り込んでしまう児童に、補助員が丁寧に寄り添い支援する場面がありました。補助員が書き込む記録簿には、活動の様子、子供のよさ、気がかりな点、うまくいかなかったことなど、びっしりと書き込まれていました。この記録簿が担任の先生を初め、ほかの教職員にとっても、子供の特性を共有でき、子供支援に欠かせないものになっています。  配慮が必要な児童生徒は約三千六百人もいるのに、補助員を配置してほしいと学校から申請が出されている児童生徒数は二百九十一人です。さらに、実際に配置されているのは、九月一日時点で百五十七人にすぎません。教育局が当初予算で見込んだ数の枠内に抑えているとしか思えません。予算をふやして指導補助員を増員し、必要な支援を保障すべきです。いかがでしょうか、伺います。  子供の学びをサポートするために大事な役割を果たしている特別支援教育支援員や指導補助員が、募集しても集まらないなどの課題があります。求められる職務を果たせるための処遇改善も必要です。給与は一日六時間で五千九百六十円の日給制で、二十日勤務しても十一万九千円にしかなりません。児童生徒と信頼関係をつくりながら、サポートする支援員や補助員の給与引き上げなどの処遇改善も行うべきです。お答えください。  発達障害のあるお子さんは、こだわりが強い、人との距離感がうまくとれない、友達関係をつくれないなど、それぞれ障害特性があります。周りの理解がなければ、子供は自信をなくし、孤立してしまいます。また、学校のルールを守れないことも多くあり、障害に合った対応が必要なのに、ほかの生徒への影響を考え対応できないときがある、環境調整がうまくいかないと、学校現場では苦労されています。  多様な特性を持つ子供たちに対し、一人一人の成長に合わせたきめ細かな対応を学校で実現するには、支援内容を充実させることが必要です。発達障害者支援法の改正もあり、特別支援学級では全ての児童生徒に個別支援計画が義務づけられています。通常学級で学ぶ児童生徒に対しても、学校で支援が必要だと判断した子供に対しては、個別支援計画を立て支援を行うべきですが、いかがでしょうか、お答えください。  また、特別支援教育コーディネーターは、特別支援学級の教員などが兼務で行っていることが多く、日常業務と学校全体のプラン策定、アーチルとの連携など、多忙化の中で苦労されています。学校全体で支援の必要な子を包み込みサポートできる体制を充実させるために、養護教諭の複数配置、特別支援コーディネーターの専任配置も検討すべき時期と考えますが、あわせてお答えください。  発達相談支援センターアーチルは、児童相談所の障害児相談判定業務と、更生相談所の知的障害相談、判定業務を統合し、二〇〇二年四月に設置され、発達相談支援の行政機関として位置づけられました。現在、北部と南部の二カ所で運営しています。ワンストップで子供の療育の不安を受けとめて、継続的に支援する拠点として、本市の発達障害者支援にとって欠かせない役割を果たしています。  しかし、年々相談件数はふえ続け、昨年度末には開所年度に比べ約二・五倍となり、一万件を超えています。二カ所になってもなお、新規相談まで時間がかかるという課題があります。アーチルに相談し、検査するのも二カ月待ち、医師の診断書がおりるのにさらに三カ月、学校が判断してからでないと補助員は配置されない、一体いつになったら我が子に支援の手が届くのかという保護者の声が届いています。  電話相談を受けた後、来所により、相談員と心理判定員、理学療法士、作業療法士などの専門スタッフによる障害の状態や生育歴の聞き取りと、一次判定を行います。初回相談でも一組の相談におおむね二時間程度かかり、一チーム当たり一日に三組の相談、判定が精いっぱいです。専門スタッフが対応するためにスケジュール調整に時間がかかり、とりわけ心理判定員の不足は深刻です。また、二回、三回と来所して相談に乗るケースもあり、相談件数に体制が追いついていない現状があります。  不安を抱える方々にとって初期相談は、その後の療育を進める上で大変重要です。心理判定員などのスタッフを養成することも含めて、体制を強化し、新規相談を早く実施することができるよう改善すべきですが、いかがでしょうか、お答えください。  アーチルの体制強化とともに、市民の身近な場所での支援を重層的に行うことが必要です。札幌市では、発達障害者支援体制整備事業で、関係連絡会議の開催、家族支援、サポートファイルの作成、障害理解のための取り組みを行っています。二〇一四年度からは、小学校入学前の段階でフォローすることを目的に、五歳児対象にアンケートをとり、希望者には医師の診察を受けられる五歳児健診と発達相談を実施しています。本市でもこのような取り組みを行う検討をしてはいかがでしょうか、伺います。  また札幌市では、各区保健センターや児童会館を会場に、さっぽ・こども広場を開設し、月一回コース、週一回コースで支援を行い、判定や診断までの間に子供や親に寄り添う支援を実施しています。  本市では、今年度から障害児通所支援事業所五カ所に、地域支援担当者を一名ずつ配置し、相談事業を始めていますが、療育の充実のための各区役所での取り組みをもっと強化すべきです。本市でも、健診で気になったらアーチルへ紹介の取り組みだけでなく、保護者の不安に寄り添いサポートが必要です。  現在、市は健診後に気になった子供に幼児教室で支援していますが、これをさらに発展させて、親同士が悩みを語り合い、継続的なつながりが持てるよう、さっぽ・こども広場のような取り組みを各区保健福祉センターで実施してはいかがでしょうか、お答えください。  障害特性を周囲の人が理解することで、障害のある方の生きづらさを少しでも和らげることができます。札幌市を視察し、障害理解と周知の取り組みに大変参考になったのが、発達障害のある人たちへの八つの支援ポイント虎の巻です。子育て編、職場編、暮らし編に続き、教育委員会と保健福祉局が一緒に虎の巻プロジェクトを立ち上げ、学校編もつくられました。  四こま漫画で、日常的に起こり得るトラブルや場面が描かれ、どのような話しかけ方、説明の仕方をすれば、職場や学校、日常生活で円滑に暮らしていけるのか、わかりやすいものです。例えば、合唱の授業で、大きな声で歌いましょうと教員が呼びかけたら、障害のある児童は周りの児童が耳を塞ぐような大声で歌を歌ってしまいます。教員が、この音量は七くらいですと、目盛りをつけたパネルを示しながら実際に歌ってみせました。子供は、どれくらいの音量を出せばいいか理解し、みんなと息の合ったハーモニーをつくることができました。  二〇一三年に八万部を作成したこの虎の巻は、ことし四月二日の世界自閉症啓発デーでツイッター上にも紹介され、評判となり、虎の巻のホームページのアクセス数が二十万件にも上ったそうです。  障害のある方が社会の中で活躍し生きていけるよう、こうしたツールを積極的に活用して、障害理解を広げ、当事者の生きづらさを少しでも解決できるよう役立てていくべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。  青年期や成人期に進学や就労でつまずき、いじめやひきこもり、社会参加ができなくなっている方も多く、地域支援の充実も必要です。  先日、市の独自事業としてNPO法人に委託している自閉症児者相談センターに伺いました。昨年度末で二百六十六名の登録者に三千百四十九件の相談を行い、十八歳以上の方が半分以上を占めています。自宅を訪問して信頼関係を結びながら個別支援を行い、地域での発達障害者支援にとってなくてはならない役割を果たしています。市内全域を対応しており、訪問移動にも苦労があります。ぜひ各区に自閉症児者相談センターをふやして、地域支援を充実させてはいかがでしょうか。  また、通所型の支援場所として、地域活動推進センターがあります。切符を買えない、電子レンジが使えないなど具体的なつまずきに対して、その方に合わせた支援プログラムをつくりサポートしています。こうした発達障害者を中心に支援しているセンターは、現在市内三カ所で支援していますが、各区に整備するなどさらなる充実を求めます。いかがでしょうか、お答えください。  全ての児童生徒の発達保障の観点でも改善が急がれるのが、仙台圏の特別支援学校の教室不足と過密化問題です。  県は、二〇一四年度に小松島支援学校を開校しましたが、すぐに教室が不足し、二〇一八年度に泉区に分校を設置しました。それでも教室不足が解決されないため、県は今後、秋保の旧県拓桃医療療育センター跡地に特別支援学校を新設する方針ですが、それでも不足すると学校関係者から言われています。  仙台市立の特別支援学校は鶴谷特別支援学校の一校だけしかありませんから、ぜひ増設すべきです。いかがでしょうか。  また、高等支援学校の増設も必要です。今年度、県立の岩沼高等学園に入学を希望し受験した生徒が、入学がかなわず、泣く泣く仙台市から角田市や山元町まで遠距離通学を強いられ、生徒に負担がかかっているというお話を伺いました。公共交通で安心して通える場所に自力で通学することは、その後の社会参加を後押しし、自立につなげることができます。  高等支援学校は義務教育ではありませんから、仙台市の決断でつくることができます。ぜひ障害のある子供たちの教育の保障のために、仙台市立の特別支援学校の設置を検討すべきですが、いかがでしょうか、お答えください。  二〇一四年一月に日本は障害者権利条約を批准し、二〇一六年四月の障害者差別解消法の施行と同時に、本市では障害者差別解消条例を施行しました。各区役所や差別解消相談ダイヤルなどで、これまで九十六件の相談を受けています。差別事例では、盲導犬を連れてのタクシー乗車拒否や、飲食店での来店拒否などがあり、事業者に改善を求め解決に取り組んでいます。障害者差別解消条例では、不当な差別的取り扱いの禁止や合理的配慮が定められています。  合理的配慮は、民間事業者は努力義務ですが、行政機関などの公的機関は義務とされています。バスや地下鉄の公共交通部門、公営住宅、歩道整備、学校、市民センターなど全ての公共機関で、条例施行後一年が経過し、総点検をするなど、全庁を挙げた取り組みを求めますが、いかがでしょうか、お答えください。  市が行った調査では、この条例を知っている方が一般市民では一六・五%、障害のある当事者は障害種別により差がありますが、一五%から三〇%という結果でした。いまだ八割もの市民が条例を知らないという現状を、大きく変えていく必要があります。  健常者も障害者もともに語り合えるココロン・カフェを、職場や大学、高校で開催するなど、さらに発展させるべきです。また、啓発ポスターを当事者の方々にデザインをお願いしたり市民公募するなど、知恵と工夫を行うことや、ポスターを広く市内に張り出すなど、必要な予算を確保して取り組みを強めるべきです。いかがでしょうか、お答えください。  昨年の相模原市の津久井やまゆり園での殺傷事件は、多くの市民や障害のある方に衝撃と苦しみをもって受けとめられています。  障害のある方は、電動車椅子に乗って街に出たときに、周りの目が怖くなった。自分は存在しなくていい人間だと、周りの人に思われているのではないか、と話されていました。障害への理解や施策のおくれ、誰かを差別し命に優劣をつける優生思想がはびこるような社会では、障害のある人の権利は守れません。誰もが生きやすい社会へと変えていかなければなりません。  一人一人がかけがえのない存在であり、命は皆平等です。差別や排除されずに、障害のある人もない人も、誰もが輝いて生きていける社会の実現のために、このまち仙台から力強く発信していただくことを市長に求め、伺って、私の第一問といたします。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 14: ◯市長(郡和子)ただいまのふなやま由美議員の御質問に、私から御答弁申し上げます。  まず、アーチルの体制強化についてお尋ねがありました。  発達障害という概念の市民への広がりなどに伴って、アーチルへの相談件数が大変増加している状況にあります。そういう中においても、適切な支援につなげていくということがとても肝要だと、重要なことだというふうに思っております。  これまでも職員の研修などを通じて、心理判定員などの専門スタッフの人材育成に努め、体制の強化を図ってきたところではございますけれども、年々相談件数が増加をしておりまして、内容も大変複雑化、多様化する中で、アーチルのみでの対応ではなく、地域における相談支援機能の強化が必要になってきていると、こんなふうに認識をしているところです。  児童発達支援センター、これは保護者の身近な相談窓口、また保育所等への支援機関としての役割が期待をされておりますことから、本年度、地域相談員を配置して機能強化を図ったところでございます。また、アーチルでは、緊急性の高い御相談の速やかな対応に努めているところではございます。今年度から学校等との間での連絡票による情報共有という現在の手法について、まずは学校からアーチルへの事前の電話連絡によって相談を早めるという改善を行ったところでございます。  今後ともこうした工夫を凝らしつつ、お子さんの発達に不安を持つ保護者の皆様方への支援体制を充実してまいりたいというふうに考えています。  それから、障害者の差別解消についてお答えをいたします。  障害の有無にかかわらず、全ての市民がお互いの人権あるいは尊厳というものを大切にして支え合っていく共生社会、これが障害福祉行政において本市が目指すところであって、その実現のためには市民の皆様方の障害への理解というのが大変重要な要素であるというふうに思います。  こうした考えのもと、独自の条例を制定して、障害への理解の促進、そしてまた障害を理由とする差別解消を図る取り組み、これを行ってきたところでございます。その模範となるべきこの本市においてですけれども、合理的配慮の提供に向けて、職員対応要領を策定いたしまして、職員の障害に対する理解の促進、それから対応力の向上、これに取り組んでいるところでございますけれども、今後これらの中から好事例をまとめさせていただきまして、全庁で共有をし、実践的な取り組みをさらに広げてまいりたいと思います。  また、条例に対する現在の認知度を踏まえますと、幅広く市民の皆様方に対して障害に対する理解の啓発、これが必要であるというふうに考えています。障害のある人もない人もともに交流する場、この設定ですとか、あるいは学生や事業者等を対象とした当事者の講話など、理解の促進につなげてまいりたいと思います。  現在、新たな障害者保健福祉計画を策定しておりますけれども、この計画には、障害への理解の促進を柱に、障害者福祉施策を総合的に推進するという私の考えを反映いたしまして、共生社会の実現に向け取り組むという、その決意でございます。  以上でございます。  このほかの質問につきましては、関係の局長から御答弁させていただきます。 15: ◯健康福祉局長(佐々木洋)発達障害の取り組みに関する御質問にお答えいたします。  初めに、支援の充実についてでございます。  本市では、発達障害者支援法改正以前から発達相談支援センター連絡協議会を設置し、アーチルの業務を中心に、教育局も含めた関係機関等との情報共有や支援のあり方などを継続的に議論しているところでございます。  昨年の法改正では、市町村に医療、保健、福祉、教育、労働等の関係機関等で構成する発達障害者支援地域協議会を設置し、幅広い関係者間の連携の緊密化を図るとともに、地域の実情に応じた総合的な発達障害者支援体制の整備について協議することとされました。  法改正を受け、アーチル連絡協議会の委員構成や協議テーマなどの見直しについて既に検討を進めており、今後その結果を踏まえ、発達障害者支援施策を幅広く御議論いただく新たな協議会へ切りかえてまいる考えでございます。  次に、札幌市の各種取り組みについてでございます。  本市では、発達相談支援センター連絡協議会の開催、サポートファイルの作成、各般の障害理解促進の取り組みなど、札幌市と同様の事業を行っているものもございます。また、発達障害への対応に当たっては、早期の発見とその後の適切な療育が何よりも肝要でございますことから、保育所や幼稚園等と連携を強化し、支援を拡充していくこととしております。  区の保健福祉センターにおいては、幼児健診において気になった子供に対する健診事後教室による支援を行っており、その中で個別相談やグループワークなど、丁寧な対応に努めているところでございます。  アーチルでの初回相談後の小集団による支援として行っている初期療育グループ等において、同じ悩みを抱える保護者同士の交流や、先輩保護者との出会いの場を設けるなど、保護者間の相互支援の取り組みも行っております。  さっぽ・こども広場については、類似の支援を既に行っておりますが、今後とも他都市の取り組みを参考に支援の充実に努めてまいります。  次に、発達障害の理解促進についてでございます。  発達障害については、外見からはわかりにくく、その特性が理解されにくいことから、本市におきましても生活の場面での行動を理解し支えることができるよう、乳幼児編、成人編、行動障害編の三種類のパンフレットを作成し、発達障害者を支える家族や支援者など身近な方への理解啓発に取り組んでいるところでございます。  今後とも他都市の有効な取り組み等も参考にしながら、工夫を重ねてまいりたいと存じます。  最後に、自閉症児者相談センター及び地域活動推進センターについてでございます。  いずれの施設につきましても、開設当時、自閉症児者あるいは発達障害者への支援が可能な事業所が少なかったことから、本市の委託事業として設置し、その後も体制の強化を図りながら運営しているものでございます。その後、発達障害者への支援に取り組む民間事業所も増加し、当時と状況が大きく変化してきております。
     一方で、発達障害に関する相談の増加傾向を踏まえますと、支援体制の拡充は不可欠と考えております。今後、民間の相談支援事業所や就労移行支援事業所等も含めた関係機関のネットワークの強化による相談支援体制の構築が重要と考えており、そのような取り組みを通して、発達障害者への適切な支援体制の構築に取り組んでまいります。  以上でございます。 16: ◯子供未来局長(福田洋之)私からは、札幌市の五歳児発達相談の取り組みについてのお尋ねにお答えをいたします。  子供の発育や発達の確認を目的に、五歳児全員が対象の健診を行う自治体もございますが、希望者のみを対象とした札幌市のような発達相談の取り組みもございます。札幌市におきましては、就学前の発達状況を把握する機会になっているということですが、関係機関との連携強化が課題であるというお話もございました。  本市におきましては、各区役所の個別相談や保育所からアーチルを紹介するなど、発達障害の早期把握に努めておりますが、引き続き関係機関と連携を図りながら、発達障害の早期発見に努めてまいりたいと存じます。  以上です。 17: ◯教育長(大越裕光)私からは、特別支援教育に係る数点の御質問にお答えいたします。  初めに、特別支援学級の定数に関するお尋ねでございます。  特別支援学級の学級編制につきましては、国の標準により八名となっておりますが、障害が重複化、多様化する在籍児童生徒の現状を踏まえ、本市におきましては、児童生徒の実情に応じ、特別支援学級指導支援員を配置しつつ、定数改善についてはこれまでも国に対し要望してきているところでございます。  特別支援教育の充実は、本市が取り組むべき重要な課題と認識しておりますが、三十五人学級と同様に、財源確保などの課題もございます。引き続き国への定数改善の要望も行いながら、児童生徒の実情を考慮し、望ましい人員の配置となるよう努めてまいりたいと存じます。  次に、特別支援教育指導補助員の増員についてでございます。  通常の学級に在籍し、発達障害等があり配慮が必要な児童生徒は、年々増加傾向にあり、担任の指導を補助する指導補助員についても、各学校においてニーズが高まっております。このような状況を受け、本市といたしましては、これまでも指導補助員の拡充に努めてまいったところでございます。  今後も、通常の学級に在籍する発達障害等のある児童生徒数の推移を踏まえ、必要な支援を行えるように、指導補助員の拡充に努めてまいりたいと考えております。  次に、特別支援教育指導支援員、補助員の処遇に関するお尋ねでございます。  特別支援教育指導支援員、補助員など非常勤嘱託職員の報酬は、その業務内容や必要とされる資格の有無等を総合的に考慮して決定し、さらに正規職員も含めた給与体系全体の中で適宜その見直しを行っております。  これらの支援員、補助員の処遇につきましても、この間、同様に報酬改定を行ってきたところでございますが、今後とも必要人員の確保を含むさまざまな要素を勘案し、適正な処遇の中でこれら職員が配置できるよう努めてまいります。  次に、個別の教育支援計画についてでございます。  発達障害があるなど特別な配慮が必要な児童生徒につきましては、一人一人の教育的ニーズを踏まえて個別の教育支援計画を作成し、これに基づいて保護者や校内の教職員共通理解のもと、指導、支援を行うことが大変重要であると認識しております。また、ことし三月に公示された新学習指導要領においても、個別の教育支援計画等を作成し、活用に努めることと示されております。  こうしたことから、教育委員会といたしまして、保護者との教育相談等を通して合意形成を図り、個別の教育支援計画の作成と活用を図ることを、これまでも学校に働きかけており、取り組みが年々進んできているところです。  今後もこのような取り組みを推進し、配慮を要する児童生徒への支援をさらに充実させてまいりたいと考えております。  次に、養護教諭と特別支援教育コーディネーターの配置についてのお尋ねでございます。  養護教諭は、現在、各学校に一名配置されているほか、児童生徒の心身の健康への対応や被災児童生徒に対する心のケアなど、国の加配により二十四校に複数配置しております。  また、特別支援教育コーディネーターは、発達障害を含む全ての障害のある児童生徒の理解、個に応じた指導方法等の検討を進め、全教職員の共通理解のもと対応する学校体制を構築するための、校内外での調整や指導に当たる役割を担っており、その重要性から、これまでも国に対し専任化を要望してきたところでございます。  発達障害を含む支援を要する児童生徒が増加する中、これらの対応に当たる教職員等マンパワーの充実は望ましいものと考えており、限られた財源の中ではございますが、今後とも学校の実情に応じた、より効率的な人員の配置に努めてまいりたいと考えております。  次に、特別支援学校の増設についてでございます。  制度上、特別支援学校は都道府県に設置義務があることから、本市として、特別支援学校の増設は考えていないところでございます。  特別支援学校の狭隘化解消のための取り組みは、宮城県特別支援教育将来構想に基づいて県が進めてきており、障害のある児童生徒のための教育環境の整備に向け、本市としても市立学校施設の提供など、県に協力しているところでございます。  今後も可能なものにつきましては、県に対して協力をしてまいりたいと考えております。  最後に、高等支援学校の設置についてでございます。  いわゆる高等支援学校や特別支援学校の高等部につきましては、定員や入学者選考があることなどから、必ずしも希望どおりに入学できていないケースもあると認識しております。  宮城県におきましては、平成二十六年四月に高等部も含む県立小松島支援学校を、平成二十八年四月には県立支援学校女川高等学園を開校させたところでございます。さらに、ことし六月には小学部から高等部までを備えた特別支援学校を太白区秋保町に新設する方針を出し、現在、特別支援学校の高等部の増設を進めているところでございます。  このように高等部段階の生徒の教育環境整備については、県として取り組みを進めていることから、本市としては可能な協力を行うとともに、県の動向を注視してまいりたいと考えております。  以上でございます。 18: ◯二十四番(ふなやま由美)今回、発達障害のある支援の必要な方々への現場で支援に当たっているアーチルですとか、それから自閉症児者支援センター、学校現場にも伺ってまいりました。感じたことは、本当に現場では懸命に、その人の個性を生かしながら、どういうふうに支援をしていったらいいかということで、家族丸ごとの支援に懸命に頑張っていらっしゃるなというふうに感じています。  そして、生きづらさを少しでも軽くして、その人らしく生きていけるために、この取り組みをアーチルや支援センターだけに頑張れというのではなくて、仙台市が全体として総合的に施策化して取り組んでいくということが欠かせないと思います。そういう点で、一人一人に寄り添う支援の一層の充実、これを願うものです。  特別支援学校の増設について質問いたしますけれども、今の教育長の御答弁、県に設置義務があるということで、本市での設置は考えていないという御答弁でございました。県に設置義務や権限があるのは、全国どこでも同じはずです。それでも障害のある児童生徒の発達保障の観点で、自治体独自として特別支援学校をふやしてきているのが、この間の全国的な取り組みなんですね。視察に伺った札幌市でも地域的な偏在がありまして、それを解消するために児童生徒の通学に配慮をした支援学校を市が独自でつくっておりました。さらに高等支援学校については、御説明があったように義務教育ではございませんので、これは県に相談するとか市が相談するという義務の範疇ではなく、市がきちんと判断すればこれはできるんですね。そういうことから言いますと、やれること、市長にはぜひ再質問させていただきたいんですが、市としてやれること、このことにぜひ挑戦をしていただきたいというふうに思います。  他都市の状況もよく把握をしていただきながら、増設のために研究や検討に取り組んでいただきたい、このことを再度求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。市長にお伺いをいたします。 19: ◯市長(郡和子)お答えをいたします。  仙台市が設置を検討すべきじゃないかという、そういう御趣旨でございましたけれども、高等支援学校を含めまして特別支援学校の狭隘化につきましては、これまでも仙台市としても県に対してその解消への対応をお願いをしてきたところでございます。また、県においては、特別支援学校の新設や分校の開校を行って、県の計画に基づいて適切に対応が進められているものと、そう認識をしております。仙台市といたしましては、これからもこの県の動向を見据えながら、協力が可能なものについては協力をし、対応してまいりたいと考えております。 20: ◯二十四番(ふなやま由美)県とよく協議をしてということは当然必要なことだと思うんですが、今、御提案申し上げましたのは、自治体独自の努力と判断で、特別支援学校の増設というのは十分にできます、ということをお伝えをしております。これまでの従来の仙台市の答弁というのは、やはり設置権限が県にあるのでできません、でストップしてしまうんですね。そこではなく、実際に支援の必要なお子さん方の教育の実情ですとか、現場の実態を市長にはぜひごらんいただいて、本当に必要性が感じられると、見ていただければ感じていただけると思いますので、ぜひ他都市の状況も検討し、さらに仙台市内の子供たちがどういう教育環境の中で学んでいるかというのも、実際に目で見ていただきながら研究をしていただきたい、検討していただきたいと思います。再度お答えいただきたいと思います。 21: ◯市長(郡和子)特別支援学校の狭隘化ということについては、これまでも承知をしておりまして、県の対応についてさまざまお願いをしてきているわけです。ぜひその実情を踏まえてということでありましたけれども、なお実情を踏まえさせていただきながら、県の動向も見据えていかなければならないということだろうというふうに思います。 22: ◯議長(斎藤範夫)次に、石川建治さんに発言を許します。     〔二十六番 石川建治登壇〕(拍手) 23: ◯二十六番(石川建治)社民党仙台市議団の石川建治です。  全国で公共施設の再編や統廃合が推し進められる中で、公共施設の問題をきちんと論じることが求められているとの認識に立ち、本市の公共施設総合マネジメントプランに基づく公共施設の現状と今後の課題及び関連事項について、一般質問をいたします。  二〇一一年の東日本大震災で、東京の九段会館の天井が崩落し二十九人が死傷した事故は、建物の老朽化が原因であったとされています。翌年に中央自動車道の笹子トンネルで発生した天井崩落事故もまた老朽化が原因でした。これら公共施設の老朽化による事故が表面化し、可視化されるようになったことで、全国の自治体が公共施設の老朽化問題を政策課題の柱に据えてきています。  今回取り上げる公共施設は、道路や橋梁、港湾、上下水道などのいわゆるインフラではなく、学校教育施設や行政関連施設、公営住宅、観光施設、市民利用施設などといったものです。国はこれまで十分な管理やマネジメントがなされてこなかった公共施設等の総点検を行うよう全国の自治体に求め、自治体は公共施設等総合管理計画の策定に着手しました。その進捗状況は、ことしの三月末日現在で九八・一%にも上っています。全国の自治体が、こぞって公共施設等総合管理計画を策定したのはなぜか、当局の所見を伺います。  公共施設の老朽化問題は、全国の自治体で抱えており、長期にわたってさまざまな問題が惹起されることや、時には公共施設の再編や統廃合などをめぐり、政争の火種になることも想定されます。一例を挙げれば、公共施設の約四割を占める学校施設の老朽化問題です。文部科学省の調査で、公立小中学校のうち建築後二十五年以上の学校が七割に上り、そのほとんどが改修を必要としていることが明らかになりましたが、財政制約などもあり、校舎等の計画的な建てかえや改修工事などが思うように進まない現状にあります。  多くの自治体でこうした経験を持っているからこそ、公共施設の老朽化問題は自治体にとって一層重要になっていると言えますが、当局の認識を伺います。  公共施設等総合管理計画の策定の背景には、一九六〇年代から七〇年代に急速に進められた公共施設の老朽化が一斉に進んでいることに加え、その老朽化対策のための財源確保ができなくなっていることがあると考えられます。加えて、国が地方に対する財政圧力を強めているということが色濃く反映されていると思われます。  二〇〇〇年代以降に国が財政再建を大義として、地方財政を抑制してきたことが挙げられます。国は経済成長を政策の最優先課題に据え、地方創生の名のもとに地方にも選択と集中という論理を求めてきました。もとより財政状況が厳しい自治体は、社会的資源を集中させる動きを強めてきました。コンパクトシティーなどです。  また、少子高齢化が進む中で、社会保障分野の財政がふえ続けることから、投資的経費と人件費を大幅に削減してきています。財政における選択と集中です。  つまり国が進める地方創生の柱とする選択と集中の狙いは、どの分野においても財政の支出を削減することが難しい状況にある地方で、唯一財政支出を抑制あるいは削減が見込めるのが公共施設関連であり、そうして生み出した財源を都市部への投資に充てる狙いがあるのではないかという気がしてなりません。  国にとって、公共施設の老朽化問題は、その事業主体である地方自治体の問題であり、公共施設の再編等で国の財政負担を軽くしたいとの思惑が透けて見えます。これを裏づけるように、国は三年間の限定で一千億円を予算化し、公共施設等総合管理計画の策定に当たって、経費の半額を特別交付税で措置するほか、これまで認めてこなかった公共施設等の除去費用に地方債を充当することを認め、集約化や複合化、さらには転用に対する地方債の起債も認めました。国は、これで無罪放免としたいのでしょうか。  しかし、地方もまた背に腹はかえられないとして、国の方針に従っているのではないでしょうか。市長は、自治体の政策課題の焦点とも言える公共施設の再編や統廃合問題の背景に、どのような認識を持っているでしょうか、所見を伺います。  公共施設の再編や統廃合などを進める際に大切だと思われるのは、その本質を明らかにすることだと考えます。それは、公共施設とは何かという問題です。自治体が公共施設を整備し、管理運営を行うのは、地方自治法第二百四十四条の公の施設についての条文に基づいたものと理解しています。自治体が管轄する公共施設は、地域住民が共同で利用することを前提にしています。しかし、その目的は、住民福祉の増進であり、誰もがひとしく差別されることなく利用できる権利が保障されているものです。  しかし、近年、各地の自治体で政治的中立を盾に、公共施設の使用を認めないという事態が起きています。本市でも施設の利用目的に合致しないなどの理由から、利用を断るということが起きていますし、これらと同様とも言える問題が本会議でも議論の俎上に上げられてもいます。  このような事態は、集会や表現の自由といった基本的人権を守る自治体の責務を放棄し、自治体みずからが民主主義を危機に追いやる行為と言えるのではないでしょうか。公共施設とは何か、との問いに対する市長の所見を伺います。  さて、既に公共施設の再編や統廃合を進めている自治体は少なくありませんが、そこに共通する特徴として、公共施設を行政の立場から見たマネジメントの対象として捉える視点が強いことだと指摘する学者や有識者がおります。公共施設には、整備、管轄する自治体と、利用者たる住民という関係する二つの主体があります。しかし、公共施設のあり方に対する住民の関係は極めて弱く、再編や統廃合等を決定する権利は自治体にあるかのように進められています。果たして公共施設とは誰のものか、ということが問われなければなりません。  公共施設は、利用者のみならず住民や地域にとって貴重な社会資源であるならば、公共施設の再編や統廃合は、まさに住民自身の問題であり、住民自治の問題であるはずです。したがって、公共施設は住民のものであると言えると思うのですが、残念ながらそうした視点は置き去りにされ、行政による上意下達によって進められかねない現状にあるのではないでしょうか。当局の認識を伺います。  本市でも、二〇一四年三月に、公共施設総合マネジメントプランを作成しましたが、作成した目的や狙いとするものは何か、伺います。  公共施設総合マネジメントプランでは、本市の公共施設の現状について触れています。本市は、二千百二十七施設を有し、延べ床面積は総計で三百四十万平方メートルを超えています。最も多いのが学校教育施設で全体の四割を占め、市営住宅、スポーツ施設、本庁舎や区役所庁舎などが続きます。  二〇一五年以降の五十年間で発生する財政負担は、推計で四兆円を超える施設コストが発生し、年間八百四十四億円が必要とされています。現在の財政負担水準六百一億円を差し引いた、二百四十三億円超の規模で不足するとしています。推計とはいえ、厳しい財政状況にあることを踏まえ、プランでは、大切に長く使う、効率的につくる、総合的に進めるの三点を基本方針にしています。  この基本方針を具体化するために、長寿命化を初めとする総合的な管理、保全の強化を図り、現有施設の活用の徹底のために施設のデータの一元化整備、把握や、見える化などを進めています。プラン策定から三年半が過ぎましたが、進捗状況についてお示しください。  プランでは、マネジメントの取り組み方策に、民間活力の活用、市民協働の推進も掲げていますが、例えば民間施設を活用することで利用制限が強められたり、企業の撤退や倒産などによる不利益をこうむることになる可能性も排除できません。そういう点からも民間に任せることは慎重を期すべきであるし、市民が民間活用の賛否を判断できるよう、民間活用のメリットのみならずデメリットも具体に示すべきと思いますが、当局の考えをお示しください。  市民協働による有効活用の推進では、あくまでも施設の利活用や運営に限定されており、公共施設のあり方について市民が主体的にかかわる方針が示されていません。さきに指摘したように、本市のプランにおいても、残念ながら住民自身が公共施設のあり方をみずからの課題として、みずからが学び検討していくといった住民自治の推進と、自治体がそれを可能な限り支援していくという姿勢が確認できませんでした。私は、本来この姿勢が行政にとても大切だと思うのです。  これまで、学校や保育所の統廃合、福祉施設の民間委託や転用など、幾つかの公共施設をめぐる問題に携わってきましたが、そのたびに感じることは、行政の主体は住民であるはずなのに、行政が主体で住民は客体になっているように見えるということです。  公共施設の統廃合などを進めるため、住民を対象とした説明会が開催されますが、議論がかみ合わないまま時間切れになってしまい、行政としては住民合意を取りつけたとする一方で、住民には違和感が残るという結果が少なくないように思えます。この違いは、行政が財政面からの事情などを強く打ち出すものの、住民は公共施設を地域のまちづくりにとって欠くことのできない大切な要素であるとの視点から主張していることが多く、この認識のずれが行政と住民との対立を生み出す要因にもなっているのではないかと考えます。  こうした問題を回避し、双方が納得の上で進めるための方策として参考になると思われるのは、さいたま市の公共施設マネジメントに掲げている住民参加型のワークショップの活用です。これは、施設の複合化を住民参加でモデル的に進めようとするもので、老朽化による小学校の建てかえに際して、周辺にある老人福祉センターや子育て支援センターなどの公共施設との複合化を検討したものです。このような手法は、住民の理解を深め、直接参画することによってその意欲を高めることが期待されますし、行政からの押しつけではない再編や統廃合を進めていく点で有益ではと考えます。  しかし、公共施設の複合化が与える影響の及ぶ住民の範囲が広範囲にならざるを得ず、ワークショップの成果の正当性や、住民への周知方法、ワークショップで策定されたプランの実現可能性などの課題に、どう対応するのかが問われる面もあります。  そうした課題があっても、さいたま市の取り組みは大いに参考になるものと思います。公共施設が住民のもの、市民のものであるとの位置づけを明確にし、市民協働の主体の一方として、住民が積極的に参画するという、住民自治の一層の推進に取り組むべきと考えますが、当局の認識と今後の姿勢について伺います。  最後に、先日の地元紙に掲載された将監市民センターほか二つの施設の複合化に向けたモデル事業について伺います。  今回のモデル事業は、先ほど先行事例として紹介したさいたま市の事業と非常に似ていることから、本市として既に参考にしたのではないかと推測していますが、今後の公共施設のあり方に大きな示唆を与えるものとしても注目していきたいと思います。しかし、こうした事業は、公共施設総合マネジメントプランでは示されていないと認識しています。どのような経緯で、このモデル事業を実施することとしたのか伺うとともに、今後の公共施設の再編等についての考えを伺い、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 24: ◯市長(郡和子)ただいまの石川建治議員の御質問にお答えをいたします。  まず、公共施設とは何か、その本質ということ、それからまた住民自治への認識、そして住民参画の取り組みについて、私からお答え申し上げます。  公共施設というのは、学校ですとか市民センターなどさまざまなものがございますけれども、地方自治の根幹とも言える住民の福祉を増進する目的で設置される重要な施設であるというふうに考えております。したがいまして、公共施設の老朽化ですとか、施設ニーズの変化などへの対応は、まさに地域の課題として、住民自治の主体であり利用者でもある住民の皆様と、今後のあり方、また取り扱いについて合意形成を図った上で、協働して進めていくこと、これが重要であるというふうに私も認識をしているところでございます。  ですから、これを進めるに当たりましては、住民の皆様方に主体的にかかわっていただくように説明会での十分な意見交換、またアンケートの実施、ワークショップの開催など、さまざまな手法で工夫をしながら取り組んでまいりたいと考えております。  また、自治体における公共施設の再編、統廃合でございますけれども、全国的に少子高齢化、これが急速に進んできていること、また財政的な制約も強まる中におきましても、住民の皆様方に対して公共施設を安全かつ持続的に提供していかねばならないことを背景といたしまして、再編あるいは統廃合の必要性が高くなってきたものと認識をしております。  私からは以上とさせていただきまして、そのほかの御質問につきましては財政局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 25: ◯財政局長(板橋秀樹)私からは、本市の公共施設に関するお尋ねのうち、市長がお答えした以外の御質問につきましてお答えをいたします。  初めに、公共施設等総合管理計画の策定理由と、公共施設の老朽化問題への認識についてでございます。  人口急増期に数多くの公共施設を整備をいたしました本市を含めた多くの自治体におきましては、その安全面や住民サービスの観点などから、老朽化対策が極めて重要な課題となっているものと認識をいたしております。加えて、国におけるライフサイクルコストを縮減する長寿命化計画の議論や、施設やトンネルの事故などを契機として、公共施設の老朽化対策に早急に取り組む必要があるものとして、現在では、全国のほとんどの自治体において、公共施設等総合管理計画を策定するに至っているものと考えてございます。  次に、公共施設総合マネジメントプランの目的と進捗状況についてでございます。  本市では、昭和四十年代から五十年代及び平成元年前後に多くの施設が整備をされ、それらが今後一斉に大規模改修や建てかえが必要な時期を迎えますことから、大きな財政負担となる懸念がございます。また、人口減少や少子高齢化が進行する中、人口構造の変化に対応した公共施設のあり方を検討する必要もございます。  このような公共施設を取り巻く課題に的確に対応し、安心して利用できる公共施設を将来にわたって持続的に提供することを目的に、平成二十六年三月にこのプランを策定いたしました。プランの策定後は、まずは古い施設の劣化状況等の調査や改修の進め方等の検討を進め、昨年度からは、その結果を踏まえた改修基本計画の策定や改修設計に着手し、あわせて公共施設の利用頻度やコストなどの現状や課題等について、対外的な共有を図る見える化を実施したほか、本年度より施設の質と量の適正化の一つの手法として、施設の統廃合を地域協働により検討する事業にも着手をいたしたところでございます。  次に、公共施設総合マネジメントにおける民間活力の活用についてでございます。  プランの取り組み方策の一つとして位置づけております民間活力の活用は、その具体策として、PFIや指定管理者制度、ネーミングライツなどを掲げているところでございまして、これらは公共施設として必要とされる機能や役割の維持向上を前提としながら、それを実現する方法として民間のノウハウや知識を活用するものでございます。  実施に当たっては、施設が急に利用できなくなるようなことなどが生じないよう、想定され得るリスクを事前に明確にし、官民の分担を詳細に定めるとともに、実施方法や事業者の安定した運営管理を行う能力なども十分考慮しながら内容を決定してございますが、こうした検討結果なども、利用者の方々に対して丁寧に御説明していく必要があるものと考えております。  最後に、モデル事業実施の経緯と今後の公共施設再編についてでございます。  既存の異なる種類の公共施設を統合、合築する複合化につきましては、さいたま市や新潟市などにおいても実施をされており、必要とされる設備やスペースを共有化することなどにより、財政的な負担を抑えながら、需要の変化に応じた柔軟な利用を可能とすることで、市民サービスの充実を実現できる手法として期待されますことから、本市においてもプランに掲げる機能の統合の一つの手法として、その課題を検証するためモデル的に事業に取り組むことといたしたところでございます。  公共施設の再編につきましては、これまでも転用や廃止などに取り組んでまいりましたが、今後も地域の実情や利用実態に応じて、機能の統合や転用、廃止など、さまざまな手法を組み合わせて対応していくことが必要であると認識しており、引き続き実質的な成果につながるよう取り組んでまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 26: ◯二十六番(石川建治)二点伺います。  一点目は、局長の答弁の中に、施設データを作成して見える化してきたということなんですね。そのデータに基づいて今後の対応を決定していくということなんですけれども、施設データは、建築されたのが何年で、利用者が年間何人ぐらいでといった中身なんですね。通常、建物が建つと、例えばその減価償却とかあるんだろうと思います。では、この建物というのは、例えば市民センターであれば何年で減価償却されていくのか。そしてその中で、この時期にこれは一定程度の補修をする必要が出てくるとか、そういうことがあるんだろうと思うんですが、その一元化された施設データにはそういったことがありません。そうすると、決して十分なデータとは言えないですし、それでその施設の見える化ができるんだということにはならないんだろうと思っているんです。ですから、伺ったんです。改めてその辺について一点お聞きします。  二点目は、市長答弁です。公共施設とは何かといったことについて、三点についてお答えしますということであったんですが、住民自治ですね、ここのところについてよく答弁の中に紛れ込んでしまったのかどうか、ちょっと明確に聞き取れなかったんですが、例えばワークショップなどの手法で進めていくという答弁があって、そのことが住民自治というふうに置きかえられたのかなと受けとめようともしたんですが、住民自治のありようというのは本質的な問題なので、その点については改めてできるだけわかりやすく、その住民自治に対する所見を改めて示していただきたいと思います。 27: ◯市長(郡和子)では、私から御答弁させていただきます。  公共施設というのが、地方自治の根幹とも言える地域住民の皆様方の福祉を増進する目的で設置される、重要な施設だということも申し上げさせていただきました。そこで、それらをお使いになられる皆様方、そしてまたその施設の老朽化ですとか、またニーズの変化等への対応というのは、まさに地域の皆さんたちの、地域の皆さんたちによる課題解決の場と直結をしているというふうに思っておりまして、あくまで住民自治の主体である、利用者である皆様方の活動のありようが、その施設の中にもしっかりと生かされていくのだという、その思いを込めて申し上げさせていただきました。  繰り返しになりますけれども、住民自治の主体である利用者の皆様方と今後のあり方、取り扱いについて合意形成を図った上で、協働して進めていくということでございます。
    28: ◯財政局長(板橋秀樹)公共施設の見える化データにつきまして、その掲載しているデータの内容についての再度の御質問にお答えいたします。  今、御指摘をいただきました見える化のデータにつきましては、利用者数その他のデータ、これは各施設に共通するものとして所管課でデータを、ある意味統計的にとっているもの、これをベースといたしまして取りまとめをいたしました。  将来的な補修経費その他につきまして、これをもとに地域の方々と改修ですとか、あるいは建てかえ、複合化等の議論をしていく、そういう議論の段階というのはいずれ必ず出てくるだろうというふうには思っております。ただ、現時点におきますと、先ほど御指摘のありました減価償却という概念は、公共施設の場合はなかなかございませんで、また補助整備、補助金が入って整備をした場合の扱いですとか、あるいは老朽化といいましても、例えば障害者の施設のように単純に利用率その他で評価ができないといったものもございます。また、その置かれている立地状況、交通環境等によって、同種の施設であってもその利用状況に大きな開きがあるというようなことも、今回調査をすることで徐々に見えてきたところでもございます。  今後、地域の方々と施設のあり方、その整備の方針等について御議論する際には、データとしてまだまだ盛り込んでいかなければいけない点があると、これは認識をいたしておりますが、実はこれを盛り込み始めますと膨大な作業になりまして、内部的には実はある程度既に集積はしてございますが、一般の方々にお示しをする段階になりますと、余りにも膨大な資料があって、かえって話が見えないという御批判も当然出てくるだろうというふうに考えておりまして、どのような形で整理してお示しをするのがいいのか、これをいろいろ検討する、そしてまたその利用の頻度、その格差について、その要因についてもなお検討する必要があるだろうと、このような考えにおりまして、いわば現在進行形でこのデータの整理と、見せ方について検討しているという状況でございます。  以上でございます。 29: ◯議長(斎藤範夫)次に、安孫子雅浩さんに発言を許します。     〔三十八番 安孫子雅浩登壇〕(拍手) 30: ◯三十八番(安孫子雅浩)市民ファースト仙台の安孫子雅浩でございます。お許しを得て、久方ぶりに質問に立たせていただき、私からは以下三項目及びほか二点について一般質問をいたします。  まず、質問の第一項目は、郡市長の市民観、市民像についてお尋ねをいたします。  我が会派は、会派名に市民を冠しておりますので、市民が意味するところについてはそれ相当のこだわりを持っていることを市長に御理解をいただき、そしてその心は、今後の郡市政のもとで展開する各種施策の進め方において、郡市長の市民観、市民像と我が会派のそれとの距離感を、郡市政スタート時に確認をし、議会として認識しておくことがまず肝要であると考えるからであります。  郡市長の任期中には、本市の最上位計画であるマスタープラン、平成三十二年度から十カ年の次期仙台市総合基本計画の策定作業があり、その計画策定において基底をなすのは、行政サービスの守備範囲のあり方並びに行政サービスの受益と負担のあり方であると考えます。そして、その判断の基軸となるのは、まさに市民なのであります。  そこで、まずお尋ねをするのは、郡市長が考える市民観、市民像とはどのようなものなのかであります。衆議院議員として十二年、国家国民のために活動され、相手とされてきた国民から、今回市長となり市民を相手とする立場に変わりました。国民と市民の両者を、郡市長はどのように認識なさっているのか、御所見をお伺いいたします。  また、その認識のもとで、ちょうど本日就任一カ月を迎えて、国会議員の立場とは異なる自治体の首長として、最も肝心なことは何であると意識されているのか、御所見を伺います。  今回、政治家郡和子さんは、四百七十五名の衆議院議員の中の一議員の立場から、一転して、全国七百九十一市の中で十一市のみである人口百万人以上の大都市仙台の市長に転身されました。郡市長誕生に導いた市民応援団の皆さんには、今から三十三年前の島野武市政を応援されてきた諸先輩もおられたようであります。そこでお尋ねするのは、今後の郡市長の市政運営に当たっては、それら先輩諸兄が陰に陽にと御意見番となり、また政策等の判断においても郡市長は頼りの綱となさるお考えがあるのか、率直にお伺いをいたします。  今回私は、郡市長誕生により、かつての革新自治体隆盛の時代を顧みる機会を得ました。島野市政の時代とは、時は高度経済成長の真っただ中であり、都市が産業工業政策に傾注をし、着実に経済を大きくしていく一方で、その負の所産として公害、環境問題が注目された時代であり、それゆえに本市では健康都市宣言がなされたものと理解いたします。また、経済成長に並走して、歳入、税収も右肩上がりで伸び続けたため、財源のめども立ち、福祉施策を中心とした行政施策の展開も追い風の中で進められたのであります。  その時代と三十四年後のきょうとでは、隔世の感があることは言うまでもありません。革新自治体隆盛の時代の市民と、経済成長はなく福祉部門の負担が拡大する一方の今日の市民とを考えたとき、郡市長誕生の背景にあったであろう民主主義とポピュリズムの今日のありようが、政治論のテーマとして私たちの前に迫ってまいります。  今日それらを考察する具体な事例としては、ヨーロッパにおける英国のEU離脱、米国ではアメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領の誕生、アジアでは韓国朴大統領が放追され、フィリピンは強権主義のドゥテルテ大統領が就任するなど、これらは今日現在の民主主義とポピュリズムの現実を映す鏡であると、私は考えるものであります。  そこでお尋ねするのは、郡市長が奥山市政を継承する柱に、市民協働型の市政運営を標榜されている点であります。それを理解する鍵を、郡市長の民主主義とポピュリズムについての所見に求めたいのでありますが、国会議員を経験された豊富な見識に裏打ちされた御所見に、その鍵を求めるべくお伺いをいたします。  次に、質問の第二項目は、国際姉妹都市交流のあり方等についてであります。  折しも本市は、昨年から来年にかけて、台湾台南市、米国リバーサイド市及びダラス市、フランスレンヌ市、韓国光州広域市、ベラルーシ共和国ミンスク市、メキシコアカプルコ市など七都市の国際姉妹都市等との交流事業が実施され、また予定と聞いています。  その中で、私は台湾台南市並びに米国ダラス市へ、議長にかわり公式訪問に同行してまいりました。  台湾台南市は、台湾の古い都であり、経済交流も含めた台南市が有する将来的な潜在力は大きなものがあり、また三・一一大震災時には、真っ先に本市に義援金を手に駆けつけてくださった頼清徳市長が、今月、台南市長から台湾政府の首相に相当する行政委員長に就任されたこともまた、台南市と本市との今後の交流促進に期待を抱かせるものであります。  また、米国テキサス州ダラス市は、米国内で最も経済成長性があり、米国の成長エンジンと称されるテキサス州にある都市であり、世界最大級のダラスフォートワース空港を擁し、近年、日本企業の進出は著しく、NECやクボタを初め百五十社を優に超える日系企業が、米国内の拠点地としてダラス市及びその近郊に展開しており、トヨタ自動車の北米本社も開設。それら日系企業の進出に伴い、カメイ系のスーパー、ミツワマーケットも出店しており、商工会議所訪問時には、在ヒューストン日本国総領事やジェトロ所長も我々と同席するなど、経済成長性にすぐれたダラス市と本市は、これまでの友好交流のレベルから、経済活動面での実利的な交流を深めるパートナー都市に切りかえるべき、可能性にあふれた都市であることを認識してまいりました。  国内の都市間競争が今後一層進む中、横浜市、神戸市、福岡市を初めとする政令市では、姉妹都市交流のあり方を見直し始めています。本市も他の政令市におくれることなく、実益面を目的とした国際姉妹都市交流へと、郡市長に交代した今をその機会として舵を切るべきであると申し上げ、御所見をお伺いいたします。  また、かつてはリバーサイド市やレンヌ市等、姉妹都市への駐在派遣も行われていましたが、現在では、本市職員の海外派遣は、自治体国際化協会シンガポール事務所に一名のみとなっているようであります。本市が今後、仙台市のみならず東北地方全体の地域経済の牽引役を目指す本気度を内外に示し、攻めの姿勢を示す意味においても、相手方をよく観察した上で、十年、二十年先を見据えた本市若手職員の海外駐在派遣並びに姉妹都市交流派遣の再開を強く求めて、御所見をお伺いいたします。  次に、質問の第三項目は、来年度からの制度改正に、現在、策定作業を進めている第七期仙台市介護保険事業計画についてであります。  平成十二年四月から公的介護保険制度が発足して十八年、三年ごとに制度は見直されるルールになっており、平成三十年度から平成三十二年度までの計画が第七期ということになります。改正の都度に、介護サービスの報酬単価は見直されるため、事業者には常に経営力が問われ、一方の被保険者は利用限定の制度でありながら保険料負担は上がる一方であり、また人手不足が輪をかけて、特養老人ホーム等の待機者数は一向に減らないなど、公的介護保険制度はここへ来てもいまだに制度の安定性と信頼性に不安と不満を抱えたまま、介護の社会化の御旗は揺れ続けているのであります。  そこで私は、以下四点に絞ってお尋ねいたします。  まず、現在、市内五十カ所設置の地域包括支援センターの委託業務内容の見直しと箇所数の増設についてであります。  地域包括支援センターには、年間約六万件の相談が寄せられているとともに、解決困難なケースもふえており、また要支援一と二に特化した介護予防支援件数の負担感も大きくなっているようです。そこで、来年度からは、共生型サービスが創設されることも踏まえて、委託業務内容を改めて精査をし、センター箇所数はふやす必要があると考えますが、お伺いいたします。  二点目は、特別養護老人ホームを初めとする入所系施設の計画整備量の考え方と、将来的な整備総量の想定についてであります。  今、入所系施設では、待機者はいるにもかかわらず、なぜか稼働率は上がらないという怪に悩まされています。それは、老人保健施設やサービスつき高齢者住宅、小規模多機能や有料老人ホーム等、入所施設系サービスの多様な基盤整備が進んでいることが理由のようでありますが、三年ごとに各サービスの整備量を定める計画の積算が、整備必要量のピークと想定している二〇二五年以降に、過剰整備とならない視点を持った第七期の計画設定となるよう、お伺いをいたします。  三点目は、ますます深刻化する介護人材不足問題についてであります。  国の調査によれば、ホームヘルパーの実に四八%が五十五歳以上であるなど、介護現場に三十代以下の定着率が低くなっている状況は、今後十年の要介護者ピーク時代へ向けて、深刻な課題であります。調査機関による都道府県推計では、宮城県が全国的にも介護人材不足が深刻になると予測されており、養成校にも県内外にも介護人材がいない現況を見れば、本市も県と連携して、あらゆる方策を駆使して介護人材確保に取り組まなければなりません。  その方策の中には、もはや海外からの人材確保も具体に検討する段階に来ているものと考えますが、お伺いをいたします。  四点目は、平成三十年度から新たに始まる高齢障害者の介護保険サービス利用、いわゆる共生型サービスの創設についてであります。  これは障害福祉サービス事業所と介護保険事業所が共生型サービス事業所となって、ホームヘルプやデイサービス等を行っていくもので、障害福祉部門と介護保険部門が新たに交わることになります。両部門の相談機能の連携も漏れることがあってはなりませんが、共生型サービスの創設に向けた取り組み状況をお伺いいたします。  最後に、以下二点についてであります。  その一点は、東北学院大学泉キャンパス移転後に向けた地域対策についてであります。  私も泉キャンパス周辺を地元とする立場から、キャンパス移転については相当の不安感を持っております。その不安とは大きく三つあり、一つは、一千戸単位で発生するであろう空きアパートの群れ、二つに、黒字営業路線を失う宮城交通のそれからと路線減便の進行、三つにアルバイト学生も消え、人手不足が深刻化する泉中央地区の商業地図であります。  泉区の地域経済にとっても、区内住民の足を守る点においても、行政サイドと大学側とで何らかの対策も図られないとすれば、二〇二三年泉キャンパス移転後は、キャンパス周辺に限らず、泉区地域全体が相当の打撃をこうむることになります。例えば対策として、地域から声が上がっているのは、空きアパート群は旅行者向け民泊エリアに、また学生利用とのすみ分けを図りながら、四百メートルトラックや五十メートルプール、野球場やラグビー場等の運動施設を利用するスポーツ合宿所などが出ております。  東北地方を代表する私学の雄である東北学院は、そのTG会に郡和子市長を初め、議会にも市役所にも多くの秀逸なTG会関係者がおられますので、行政と大学側とがかたいスクラムを組み、決して立つ鳥が跡を濁すことなどないものと、私は地域を代表して信じております。  この三つの不安に対して、それを裏切る回答を期待してお伺いいたします。  最後の一点は、仮称小松島支援学校松陵校の設置準備についてであります。  特別な支援が必要な子供たちのための教育環境は、年々狭隘化が進んでおり、支援学校の整備は、市も県も共有すべき喫緊の課題であると認識しております。泉区の旧松陵小学校では、県教育委員会と市教育委員会、そして地域との間で校舎施設を利用した地域利用スペースとともに、小松島支援学校の分校設置に向けた準備がこれまで進められてきました。しかしながら、来年度開校に向けて地元地域では理解を深めようとしているにもかかわらず、県教育委員会はやっと今月の下旬に地域説明会を行うこととしています。  開校予定半年前のスケジュールであることを考えれば、県教育委員会の特別支援学校整備に取り組む本気度を疑わざるを得ない、と言えば言い過ぎかもしれませんが、今後の本市内における特別支援学校整備の協議においても、不安を覚えるものであります。本市としては、どのように県教育委員会と連携を図り、来年度からの松陵校設置を進めていくつもりであるのか、お伺いいたします。  以上、御答弁には郡市長の肉声が響くことを期待申し上げ、私からの第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 31: ◯市長(郡和子)ただいまの安孫子雅浩議員の御質問にお答えをいたします。  市民観、市民像に対する一連の御質問でございます。  私は、もちろん仙台市長というのは百八万市民の負託を受けて職務を遂行するものでありまして、一部の方々の意見を重視するというようなことはございません。さまざまな意見を十分に踏まえ、よりよい方向性を見定めながら、市政を運営していくこと、これが肝要だというふうに思っております。  人々の間にはさまざまな御意見がおありだと思います。十人十色ということも御承知のとおりでございます。私はこれまで、国会議員としても多くの方々、皆様方との対話の機会を得てまいりました。そして、時には私とは違うお考えの方、まるで反対の御意見の方の中にも、新たな視点というものに気づかされることもございましたし、真剣に耳を傾けるべきことの重要性、これについてはずっと実感をしてきたところでございます。今、市長の任に当たるこのときでも、その思いはいささかも変わっておりません。  同時に、御指摘にありましたようなポピュリズムですけれども、これに陥ることなく、同じように市民の負託を受けてこの議場におられる市議会の皆様方の、幅広い御議論や御意見を真摯に受けとめていく中にこそ、健全な民主主義を照らす道筋があるというふうに考えております。私といたしましては、今日の厳しい財政状況下にあるからこそ、多様な人々の合意形成のプロセス、これを重視した市政運営というのがとても大切だと考えております。  今後とも議会の皆様方とともに、未来の仙台を切り開いていきたいというこの思いと覚悟でおりますことを申し述べさせていただきます。  以上でございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し述べます。 32: ◯総務局長(加藤俊憲)将来を見据えた職員の海外派遣についてのお尋ねにお答えいたします。  職員の派遣につきましては、語学力や国際感覚を涵養するなど、中長期の人材育成の面で有用との認識のもとに、現在は自治体国際化協会の海外事務所への派遣を継続的に行うとともに、職員みずからがテーマや視察先を選び応募する短期海外派遣研修を再開するなど、広い視野と実行力を持った人材の育成を図ってきております。  また、日常業務におきましても、インバウンド推進の取り組みや下水道に係るトルコへの技術協力など、各部局の事業の中で、職員が直接海外の機関や関係者と接する機会もふえており、こうした業務を通じた国際経験の蓄積も図られているところでございます。  将来にわたって、本市と海外都市との各分野における事業を支える人材の育成を図ることが重要でありますことから、若手職員の海外派遣について、引き続き関係部局と協議して取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。 33: ◯まちづくり政策局長(大槻文博)私からは、東北学院大学の泉キャンパスの移転についてお答えいたします。  地域において大学の存在は、多くの学生や教員などの大学関係者が集うことにより、当該地域に活力と交流を生み、さまざまな経済効果を創出するものでございます。  東北学院大学のキャンパス移転に伴いまして、現キャンパスのある泉区では、バスの減便などによる公共交通の利便性の低下や、アルバイトの担い手不足などによる商業活動の減退、あるいは空き家等の増加によります不動産業等への圧迫、防犯上の課題など、さまざまな側面で地域への影響が懸念されるものと存じます。  仙台市といたしましては、大学に対し、地域の不安に配慮して早期に移転計画やその後の土地利用方針について、地域へ説明するように継続して求めているところでございます。また、キャンパス移転に伴う影響は、行政の各分野に関係いたしますことから、関係局、区との連携を図りながら、移転に伴う影響への対応について御例示いただいた内容も含めまして、鋭意検討してまいります。  以上でございます。 34: ◯健康福祉局長(佐々木洋)私からは、介護保険事業計画に関する御質問にお答えいたします。  初めに、地域包括支援センターについてでございます。  高齢化の進展により、支援を要する高齢者は増加傾向にあり、また相談内容も複雑化している中、センターの役割はますます大きくなってきております。本市ではこれまでセンターが適切に業務を行えるよう、担当圏域の高齢者数を踏まえたセンターの増設とともに、センター機能の強化を目的とした増員、さらには要支援者等のケアプラン件数に応じた委託料の加算など、センターの負担軽減を行ってきたところです。  第七期介護保険事業計画の策定に際しましても、地域の状況等の把握に努めながら、センターが高齢者や御家族の身近な相談支援の窓口として、その機能を十分に発揮できるよう適切に対応してまいります。  次に、特別養護老人ホーム等の計画整備量と、将来的な整備総量の想定についてでございます。  三年ごとの事業計画の改定において、入所施設の整備目標を定め、着実に整備してまいりましたが、本年四月に実施いたしました特別養護老人ホームの入居申し込み状況調査では、昨年時より三百人ほど減少したものの、まだ二千三百十九人の方々が入所をお待ちの状況にございます。  次期計画における入所施設の整備量につきましては、団塊の世代の方々が後期高齢者となる二〇二五年ころの入所ニーズへの対応も踏まえ、待機者の詳しい状況や要介護等認定者数の推計等をもとに、事業者へのアンケート調査や関係団体へのヒアリングなども行いながら、現在、検討を進めているところです。  次期計画以降につきましては、高齢者のニーズの多様化や、将来的な入所希望者数の減少など、中長期的な観点も踏まえつつ、将来に過度な負担を残さないよう、適切な量の介護サービス基盤の整備に努めてまいりたいと考えております。  次に、介護人材確保についてでございます。  介護の現場を支える人材の定着、確保は、まさに喫緊の課題であると認識しております。  海外からの人材確保につきましては、EPA経済連携協定や技能実習制度など、国において受け入れ基準、制度の拡充を進めている状況にあり、生活習慣の違い、コミュニケーションなどの課題は想定されるものの、有用な人材確保策の一つであると認識しております。  本市といたしまして、今後の国の受け入れ制度の動向を注視しつつ、一方でサービスの質の確保も念頭に置きながら、当該方策について検討を進めてまいりたいと考えております。  最後に、共生型サービスの円滑な利用についてでございます。  このサービスは、介護保険と障害福祉の制度の縦割りを超え、障害者が六十五歳に到達した以降も同一の事業所を利用しやすくするよう、介護保険または障害福祉のいずれかの指定を受けた事業所が、もう一方の制度における事業所指定を受けやすくするものでございます。  今後、国から平成三十年度の実施に向けた制度の詳細が示されますので、介護、障害両部門が連携しながら、利用者はもとより事業者への制度周知など、必要なサービスが提供できるよう準備を進めてまいります。  以上でございます。 35: ◯文化観光局長(館圭輔)私からは、実益面を目的とした国際姉妹都市交流についてお答えをいたします。  本市におきましては、国際姉妹都市等との間におきまして、幅広い交流を積み重ね、相互の信頼関係を構築してまいったところでございます。この中には、本市が橋渡し役となり学術交流に至った例や、本市訪問団派遣の機会を捉えて、現地観光事業者等を対象とした観光PRを実施するなど、友好親善から一歩進んだ事例もございます。また、本年五月に訪問団を派遣したダラス市については、経済発展の著しさを認識したところです。  国際姉妹都市等との交流につきましては、市民交流に加え、観光や経済、学術、文化など、各分野での深化の可能性を探っていくことも重要であると考えており、各都市の特性を踏まえながら、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 36: ◯教育長(大越裕光)私からは、県立小松島支援学校松陵校の設置準備についてお答えいたします。  本市では、県立特別支援学校の狭隘化解消に協力するため、旧松陵小学校を一括して県へ無償貸与することといたしました。現在、県教委においては、本市を通して入学予定の児童生徒の状況なども把握しながら、平成三十年四月の開校に向けて準備を進めており、十月中に改修工事着手の見込みであると伺っております。  これまで本市と地域住民の方々とで協議してきた地域活性化に向けた活動に資するための施設開放についても、県と連携しながら実施できるよう準備しているところでございます。  今後とも円滑に開校準備が確実に進むよう、本市といたしましても県に働きかけてまいりたいと存じます。  以上でございます。 37: ◯三十八番(安孫子雅浩)御答弁ありがとうございました。  三点について再質問をさせていただきます。  一つは、郡市長からお答えをいただきました、民主主義とポピュリズムの関係についてのことであります。それから、もう一つは、第七期の介護保険事業計画のことで、健康福祉局長からお答えをいただきました中で、包括支援センターについてのことであります。それから三点目は、まちづくり政策局のほうで取りまとめてお答えをいただきましたけれども、その私の三つの不安に対しての裏切らない回答にはならなかったことの中で、交通政策、バス事業の関係については、これはまちづくり政策局を越えて、公共交通政策そのものの担当からお答えをいただきたいという思いを持って、再質問させていただきます。  まず一点目の、郡市長お答えになっていただいたところでありますけれども、先ほどのお答えでは、ポピュリズムに陥ることなく健全な民主主義を照らす道筋をということでございまして、それは全くそのように志向していただくこと、ぜひとも望むところでありますけれども、現在混乱しているのは、民主主義というものとポピュリズムというものの位置関係が、非常に交錯をしてしまっているということであります。それゆえに私は先ほど、具体的な海外の事例も取り上げたわけでありますけれども、ともすると、それは対立と分断を生むものとしての民主主義のあり方、ポピュリズムのあり方というのが今の現代社会の課題でありまして、一方で民主主義というのは今日はポピュリズムに取り込まれてしまっているのではないかと、言わざるを得ない現象もあるというところであって、つまり民意というのはどこにあるのだろうかと。  市長がよくおっしゃる市民というカテゴリーの中に、市民というのは私は民意ある集団をもって私は市民だというふうに思うんですが、今の問題というのは民意そのものの所在が果たしてどこだと言い切れないということが、世界的に見ても社会現象、政治的に見てもあるということが課題でありまして、そういった中において今回郡市長が誕生されて、郡市長はいわゆる市民という点については、どこまでのお考えをもって述べられて、またそこに立脚をして市政を展開されるかという点のお尋ねとして私は形を変えて、このような表現のもとに第一問をさせていただきました。  改めて郡市長が思い描く市民というものを、再度お答えをいただきますようにお尋ねいたします。  それから、二点目でございますが、包括支援センターというのは現在、五十カ所仙台市内にありまして、これは久しくもう五十カ所で頑張っているんですね。包括支援センターというのは、本来の設置の目的から言うと、各中学校区エリアごとを担当して、仙台市全体を網羅するということであって、しかし毎年該当する方、要支援の方々がふえているにもかかわらず、ここずっと五十カ所で頑張ってきていただいております。もうそろそろそれは、仙台市内は実は六十三以上も中学校区があるわけですから、それぞれの今の現状、それから先ほど第一問で申し上げたような、そういった今の包括支援センターの業務内容を見たときに、やはり次の第七期においては、五十プラス幾つか支援センターをやはり増設しなければならないのではないかという観点からの質問でございましたので、その辺、いや実は準備はしてるんだけれども、まだ言えないというのであれば、そのような雰囲気を伝えていただければ、それなりに私も納得をさせていただきたいと思います。  ぜひともこれはふやすべきだという観点からの再質問であります。  三点目の、東北学院大学が移転することに伴っての中での一番の私の懸念材料というのは、それは具体には宮城交通バスさんが、泉区を中心とする北部地区の市民の公共交通機関の最たるものでありますが、そこが実は今までの学生を相手にしながらも黒字路線であったところが、実はそれで黒字でなくなってしまうということは、これは会社本体にとっても大変に経営的に深刻であるということは、十分聞いているところであります。
     したがって、私は今回、市立病院の跡地が無事処分、売却されることはうれしかったわけですが、その瞬間に私が描いたのは、仙台市北部地区の市民の公共交通の足が奪われてしまうのではないか。交通弱者の地図を生むことになるのではないかということの懸念がございました。そのことの回答というのは、できるだけ早くいただかなければ不安でたまりませんので、そういった意味においては、これはまちづくり政策局で取りまとめて答える限界を超えておりますので、その上のレベルで、あるいはより専門の立場から、この交通政策、これは公共交通そのもののあり方にもかかわるし、交通難民、交通弱者を生まないということの思いを、ぜひともこの場でお答えをいただきたいということを申し上げて、第二問といたします。 38: ◯市長(郡和子)民主主義とは何ぞや、ポピュリズムとは何ぞやというようなお話になりますと、なかなか短時間では言い尽くせないところもあろうかというふうにも思いますが、まず今日的なポピュリズムというのは、住民の間に制度に対するさまざまな不満ですとか、鬱積したものが背景にあってあらわれているというふうに、私自身はそう見ております。しかし、今ここで安孫子議員がおっしゃられる仙台市政においての民主主義、そしてまた市民というふうな捉え方ですけれども、まさしくこれはこれまでもお話ししてきましたけれども、基本的には仙台市内に住まう皆さんたちですけれども、この百八万市民の皆様方もさまざまな御意見をお持ちでございます。  私といたしましては、仙台における市民の皆様方、さまざまな御意見がある中でも、それを受けとめさせていただきながら、最終的には議会の皆様方もそうですけれども、いかに調整を図っていくのか、全ての方々に満足のいく行政、政治というのは不可能でございますから、それをいかに調整をさせていただき、誰しもに御納得をいただけるか、この説明責任もまた政治家として重要な役割だというふうに思っておりまして、繰り返しになりますけれども、私の仙台市政における姿勢でございますけれども、百八万市民の負託を受けました私といたしまして、仙台市民の多くの方々のさまざまな御意見も真摯に受けとめながら、議会の皆様方の御議論も踏まえつつ、十分な御期待に応えていくということに尽きるのだろうというふうに思います。  私から以上でございます。 39: ◯健康福祉局長(佐々木洋)地域包括支援センターに関する再度の御質問がございました。  先ほど答弁いたしましたように、これまでセンターの増設ですとか、増員を図ってきたところでございまして、現在、担当圏域の高齢者の人口の見通し、あるいは負担の一つでありますケアプラン件数の実情、さらに今後センターのお考えをお聞きするなど、次期計画策定に合わせましてセンターの負担を軽減しつつ、センターが十分機能を果たせますよう、検討を進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 40: ◯都市整備局長(鈴木三津也)総合交通を担当させていただいている都市整備局長でございます。  議員のお話につきましては、正直申し上げまして、今現時点におきまして、東北学院大学の泉キャンパスが移転された後に、宮城交通さんの路線バスへの影響でございますとか、宮城交通さんそのものへの会社の経営ということにどの程度の影響があるかは把握できないというのが今の現時点での実態ではございますけれども、最近議会でもたくさんの御議論をいただいてございます交通につきまして、まさにその路線バスにつきましても、市民の方々の移動を確保するという意味での大変重要な交通機関であると同時に、まちづくりにおきましても重要なインフラであろうと考えてございます。  今現在、私のほうから申し上げられることといたしましては、今後示されるであろう東北学院大学のキャンパスの移転の詳細でございますとか、さらには先ほどまちづくり政策局長も申しておりましたけれども、その移転後の土地利用計画、施設の利用計画と、今どのようになるのかということにつきましてまずは提示をいただきまして、それを受けまして、交通事業者である宮城交通さんのお考えも確認しつつ、仙台市としてどのようなことが可能なのかという、その対応につきまして検討していくというところが、今現在申し上げられる最大限のところでございます。  以上でございます。 41: ◯議長(斎藤範夫)この際、暫時休憩いたします。     午後三時四十九分休憩          ────────○────────     午後四時十分開議 42: ◯議長(斎藤範夫)休憩前に引き続き、会議を開きます。  副議長と交代いたします。     〔議長 斎藤範夫退席、副議長 菊地昭一議長席に着く。〕 43: ◯副議長(菊地昭一)議長と交代いたします。  次に、太白区選出のわたなべ拓さんに発言を許します。     〔九番 わたなべ拓登壇〕(拍手) 44: ◯九番(わたなべ拓)自由民主党所属、太白区選出のわたなべ拓でございます。議長のお許しをいただきましたので、以下、大綱三点につき一般質問いたします。  北朝鮮による累次の核実験、並びに大量破壊兵器の運搬手段となる弾道ミサイル発射は、我が国の安全に対するより重大、かつ差し迫った新たな段階の脅威であり、断じて容認できません。国連安保理決議の重ねての明白な違反であり、核兵器不拡散条約を中心とする国際的な軍縮、不拡散体制に対する重大な挑戦であります。また、日朝平壌宣言や六者会合共同声明にも違反し、東アジア地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものであります。  我が国の主権を脅かし、国際社会に深刻な脅威をもたらす無法国北朝鮮の暴挙に対し、断固として抗議するものであります。  累次の北朝鮮による弾道ミサイル対応に際して、消防局はもとより、危機管理室においては、Jアラート発出から三十分以内に数名が役所に駆けつけるという精励ぶりに、心から敬意を表します。  第二回定例会において、有事における退避施設につき質問し、本市営地下鉄構内の収容能力は二万七千五百名である旨答弁いただきましたが、あれからたった三カ月でシェルター、退避壕の必要が全国紙で喧伝される時勢となりました。  今月十五日早朝の弾道ミサイル発射に係るJアラートに接した中学生が、戸惑いながらただ学校に走る姿を見かけ、政治家として大変申しわけない思いをいたしました。これも国民保護の知見が共有されず、実動訓練を欠いているがための現状であります。第二回定例会で提案したように、いよいよNBC弾頭ミサイルの着弾を想定した、自衛隊、消防、警察、自主防災組織、一般市民に、さらに学校を加えた実践的内容で実動訓練を実施すべきであります。当局の所見を伺います。  次に、サッカー場の芝生化について伺います。  私の選出された太白区には、本市最古のスポーツ少年団である中田スポーツ少年団が存在します。Jリーガーや県内サッカー強豪校の指導者を多数輩出する一方、独自の主催大会、中田カップには、県外二チームを含む十八チームが集うなど、地域のスポーツ振興に顕著な実績を上げ、地域になくてはならない存在となっているのであります。  ちなみに、昨年の全日本少年サッカー宮城県大会における優勝、準優勝チームは、天然芝で練習し、県内各地から選手をセレクトするチームである一方、三位入賞を果たした中田スポーツ少年団は、地元の選手のみで構成され、土のグラウンドで練習するチームでありました。他チームと同じく、試合環境と同じ芝生のトレーニング環境があれば、さらに上位の成績を残せたとの評が少なくないのであります。  我が太白区には芝のグラウンドがなく、グラウンドの芝生化は長らく地域の悲願でありました。実績も実力もある子供たちの未来のため、仙台から新たにヒーローを輩出すべく、太白区にも芝生のサッカー場整備を熱望いたします。  しかし、誇り高き中田の皆さんは、この御時世に必ずしも公費丸抱えの整備ばかりとは考えていません。一例を挙げれば、中田中央公園の人工芝化を期するとして、NPO法人たる仙台中田スポーツクラブが契約主体となり、リース契約などの手法を用い、民間ベースで芝生化や照明施設の設置を実現する一方で、管理業務の委託を受け、収益も上げていくなど、いわば新しい指定管理のあり方を通じた芝生化実現を追求する気概を持っております。ぜひともこうした意欲ある民間ベースの発意に応えていただき、藩祖伊達政宗公のモットーたる進取の精神で後押ししていただきたいと考えますが、当局の所見を伺います。  次に、郡市長の政治的見識について伺います。  さきの選挙戦では、なぜか郡市長の政治的見識の実態についてはほとんど触れられず、従って有権者の皆様にその問題性が十分に理解されないまま、現状に至った感があります。そこで、市長にとり初議会となるこの機会に、国政を四期経験された政治家郡和子の本音を、過去の発言や行動から事実ベースで読み解く意義は少なくないのであります。  まず、永住外国人に対する地方参政権付与について伺います。  さきの市長選に際して、地元紙による候補者に対する公開アンケート、五十の質問においては、市長は外国人参政権の賛否については、どちらとも言えないと回答しています。市長はなぜ、御自分の主張を隠すのでしょうか。あなたは、平成十八年一月六日の自身のコラムで、こう言っているではありませんか。  「私自身は、憲法第十五条の文言である「すべての国民」の「国民」に対して、多少の違和感を持っている。例えば、何世代も前から日本で生まれ、日本で生活する在日の皆さんや、定住する外国人の皆さんは、言わずもがな憲法の枠外である」としております。また、同年五月三日の憲法記念日には、「国民という言葉から除外されているこの国の何代にもわたる定住者について、改憲でしか解決できないわけではない。これもまた、別の道があるのだと思っている」として、永住外国人に対する参政権付与に前向きであることを隠そうともしないのであります。  なぜ公開アンケートに、正直に、永住外国人に対する地方参政権付与について賛成と回答しなかったのでしょうか。なるほど、市長が所属していた旧民主党も、政権奪取の際には、実現に前向きだった外国人参政権の実現を選挙での批判をおそれて、マニフェストに載せず、それを詐欺フェストなどと批判されたことを想起するのであります。それとも、選挙直前になって、永住外国人に対する地方参政権付与の問題点に気づき、考えを改めたのでしょうか。市長に伺います。  ちなみに、外国人の地方参政権は、平成七年二月二十八日最高裁判決において、明確に否定されております。すなわち我が憲法は第十五条第一項で、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と規定するところ、国民主権の原理から、公務員を選定罷免する権利の保障は、権利の性質上、日本国民のみをその対象とし、外国人には及ばないとしたのであります。また、憲法第九十三条第二項「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」とありますが、ここでいう住民とは、地方公共団体が我が国の統治機構の不可欠の要素をなすことを考えますれば、日本国民と解するのが相当であると判示しております。同僚議員の質問でも触れられましたが、昨今、安全保障やエネルギー政策といった国政にかかわる重要テーマも住民投票の対象とされておりますため、特に注意を要する点なのであります。  改めて、我が最高裁判所は、判決主文において、明確に我が憲法下の外国人参政権を否定しております。我が最高裁が否定する外国人参政権に拘泥するのはやめて、我が憲法の精神たる国民主権の原則を尊重してください。市長の御所見を伺います。  さて、北朝鮮は、国連安保理による対北朝鮮制裁決議に反発し、日本列島の四つの島を核爆弾で海中に沈めるべきと、我が国に対して遂に明確に核恫喝を加えてきたのであります。同時に、信じるものは自分の手で握りしめた自衛的核戦力だけだと強調し、もはやレトリックとしての対話が通用する段階にはないことを知らしめられるのであります。  ところで市長は、平成二十六年九月二十五日のコラムにおいて、こう言っております。集団的自衛権行使容認派は、日本周辺の安全保障環境は変わったと、尖閣への中国の圧力、韓国の竹島問題、北朝鮮の核武装などを例に、危機感を強調します。この危機感があおられて、軍事活動の範囲が拡大されてきたのが二十世紀、戦争の世紀の実態だと述べております。  現在の我が国が直面する危機は、国内で危機感をあおられた結果、我々がそう思いなしているにすぎないのでしょうか。市長の所見を伺います。  さて、我が国のミサイル防衛システムは二重構造をとり、まず日本海上に展開するイージス艦による海上配備型迎撃ミサイルSM3で対処し、それを撃ち漏らした場合には地対空ミサイルPAC3で迎撃することとなっております。しかし、我が海上自衛隊はイージス艦四隻を保有するものの、整備、訓練などの関係上、常時展開可能なのは二隻程度、多数の弾頭が同時に発射された場合など、必然的に米国第七艦隊所属の五隻のイージス艦との密接な連携が必要不可欠となるのであります。  また、市長が強調する専守防衛を我が国防の前提とするならば、なおのこと、日米の密接な連携は必須の前提であります。市長は、平成十八年二月十一日のコラムにおいて、日米の連携強化はアメリカの独善的な世界戦略の中で、日本をより戦略列島化させるものだと述べています。  私は、日米の連携強化は、周辺懸念国に対する抑止力を高め、我が国の安全保障に資するのみならず、東アジアの安定の基軸となるものと考えますが、市長はあくまで日米連携を、米国の独善的な世界戦略の一環だと考えるのでしょうか。市長は、東日本大震災時の米軍によるトモダチ作戦をお忘れなのでしょうか。そのような認識で政令市市長が務まるのか、甚だ疑問であります。市長の真意を伺います。  そもそも市長は、平和安全法制についてしっかり理解しているのでしょうか。平成二十六年五月十七日のコラムでは、「個別的自衛権の問題をすりかえ、海外で戦争する国になろうとしているとしか思えません」としています。また、同年七月十三日のコラムでは、「偏狭なナショナリズムをあおり、個別的自衛権や警察権で対応可能なものまで、無理やり集団的自衛権の行使がなければ国民が守れないとねじ曲げた」とありますが、本当でしょうか。  では伺いますが、弾道ミサイル対処は、我が国の個別的自衛権のみでしっかり対応できるのですか。また、朝鮮半島有事の際は、長・短期滞在者の同胞だけでも五万六千人から成る半島からの避難民の護送、そして防護任務が予想されます。これも個別的自衛権や警察権のみでカバーできるのですか。国民保護の任に当たり、有事には自衛隊とも密接に連携すべき市長の見解を伺います。  ちなみに、市長は、衆議院議員時代は一貫して平和安全法制に反対してきました。市長は、第百九十三回国会、会期は本年の一月二十日から六月十八日、そして第百九十回国会、会期は昨年の一月十四日から六月一日の二回にわたり、戦争法を廃止することに関する請願の紹介議員として、平和安全法制に反対の意を表明しています。  ところで、ちょうど同時期に、北朝鮮は計三回の核実験を行っているほか、実に計四十発ほどの弾道ミサイル発射を行ったのであります。そのうち七発の弾道ミサイルが、操業漁船の多い我が国の排他的経済水域に着弾したのであります。市長は、これほどの危機のさなかに、北朝鮮弾道ミサイル対処に必須の前提である平和安全法制の廃止を訴えることの意味がわかっていたのでしょうか。市長は、平成十八年一月六日のコラムにおいて、こう言っています。「重ねて問い返してみる。本当に中国や北朝鮮が日本にとって脅威なのだろうか」と。  市長、私からも繰り返し問いますが、現状でもまだ北朝鮮や中国が脅威ではないと強弁するのでしょうか。今や有事における国民保護の責務を果たすべき市長となったわけでありますが、考えは変わらないのでしょうか。市長の所見を伺います。  また、平成二十六年五月十七日のコラムにおいて、「日本が集団的自衛権を行使する国になれば、平和な国から戦争をする国へと見方が変わってしまうことになり、世界からの信頼や宝を手放す」ことになる、とコメントしています。本当でしょうか。  ちなみに、平和安全法制に対しては、欧米、アジア主要国の四十四カ国が賛成しています。EUは、積極的平和主義に基づく日本の取り組みに対し、支持、賛同するとし、ドイツのメルケル首相は、日本が国際社会の平和に積極的に貢献していこうとする姿勢を百%支持する、とのコメントを寄せています。さきの大戦で戦場になったベトナムからは、日本の積極的平和主義及び平和国家としての歩みに対する支持を表明し、日本の地域及び国際関係における平和と安定のための貢献を高く評価する、とズン首相のコメントがあり、同じくさきの大戦で戦場となったフィリピンからも、フィリピンは平和安全法制の取り組みを評価、支持する、とのアキノ大統領のコメントがありました。  市長と同じく、平和安全法制に反対だったのは、世界で中国と韓国とロシアのみであります。御存じ、全て我が国と領土紛争を抱える国々であり、中韓は中華主義並びに小中華主義を奉じる世界に冠たる反日国であります。市長は、世界四十四カ国の賛意を無視し、我が国と領土紛争を抱える反日国などとあくまで共同歩調をとるお考えなのでしょうか。市長に伺います。  市長は、地元紙の公開アンケートに、憲法第九条改正反対と回答しています。  そして、市長は、平成二十七年八月九日のコラムで、こう述べています。「軍事力による平和の維持を否定した日本国憲法の立場は、世界に比類のないものであります。それは武力でテロを押さえつけようとしてきた米国などにはできないことを可能とするものと、私は考えています。だからこそ日本ほど外交において有利な立場にある国はないとも言えるのです」とおっしゃっています。  私はこれを読んで、内心、おお、米国よりも有利な外交的立場に実は我が国はあるのか、知らなかった、ではこれで北朝鮮による拉致被害者も遂に全員が帰国かと、ドキドキして読み進めました。すると、「世界平和を実現するために、憲法第九条を活用すること。この第九条に基づく外交が、日本の安全保障のとるべき第一の柱である」と意気揚々と結論され、心底がっかりいたしました。  片や平成二十一年七月十六日のコラムでは、「建前でない本音の議論ができる、そして平和を守る、命を守る、そんな政治にしてゆきたい」と述べています。これらの発言は、壮大な時間差を用いたシュールなギャグのつもりなのでしょうか。  ところで、憲法第九条に象徴される平和憲法をいただいているにもかかわらず、我が国は北朝鮮による拉致事件を防げず、北朝鮮の弾道ミサイル発射、核恫喝、他の周辺懸念国による侵略も一向にやむ気配がありません。市長は、この現実と御自分の認識との整合性をいかに考えておられるのか、伺います。  さらに驚くべきことに、平成二十八年九月三十日の市長のコラムではこう言っています。「東アジアで、既に安全保障のジレンマと呼ばれる軍拡に陥っていることに、拍車をかけるような日本であってはいけないと、強く思います。」私は目を疑いました。信じがたい倒錯的認識であると、言わざるを得ません。東アジアで一方的に軍拡に拍車をかけ、南シナ海、東シナ海において力による現状変更を強引に推し進め、地域を不安定化しているのは中国であり、また北朝鮮であることは、郡和子市長以外、世界中全ての人が知るところであります。  ちなみに、中国の二〇一七年度の軍事費は十七兆七千五百四十七億円、前年度比で七・一%の伸びを記録し、十年前の同国比較では三倍、過去三十年で五十倍の大軍拡を記録しています。ここには研究開発費や外国からの兵器調達費は含まれません。ちなみに、我が国固有の領土、尖閣諸島を日常的に中国に侵されつつある我が国の防衛省予算額は四兆八千九百九十六億円で、中国の公表値の三分の一にも満たない額であります。  周辺に核武装した複数の一党独裁軍事覇権国が存在するという、世界的に見ても過酷な安全保障環境下にありながら、先進国の平均水準であるGDP二%どころか、一%に満たない防衛予算に甘んじている我が国に、中国や北朝鮮は触発されて軍拡に走っているのでしょうか。到底私には信じられません。市長の所見を伺います。  次に、金剛山歌劇団公演について伺います。  金剛山歌劇団は、我が国を核恫喝する北朝鮮の直轄団体、朝鮮総連傘下の事業体でありますが、本日、イズミティ21において予定していた公演を中止したことが、九月十三日付の全国紙の全国版社会面に大きく報じられました。良識ある仙台市民にとっては、まことにまことにことほぐべき、歓迎すべきことでありました。  市長に伺いますが、来年も金剛山歌劇団から本市所管の施設において公演したいとの申請があったならば、市長は許可を出すのでしょうか。自由な民主主義体制自体を憎悪し、我が国の主権を全否定するような無法国の公演を、来年も許す理由はないはずです。  金剛山歌劇団は、毎年北朝鮮に渡航し、北朝鮮の独裁者を礼賛し、弾道ミサイル発射、核実験、核恫喝を礼賛する公演を実施しています。文化交流、国際交流を標榜するものの、公演は非公開であり、一般市民の自由な公開参加が許されず、事実上在日朝鮮人とその関係者に参加者が限られる以上、文化交流、国際親善する余地はありません。また、当該公演が、本市施設の設置目的である市民の文化活動の促進、文化振興に資するものでないことは明らかであります。  より憂慮すべきは、金剛山歌劇団公演の実施は、北朝鮮による資金収集手段である点であります。国際社会が一致して北朝鮮の経済制裁に取り組んでいる中、仙台市の責任において、北朝鮮に重大な潜脱行為を許すことになってもよいのでしょうか。市長に伺います。  北朝鮮による拉致問題について伺います。  北朝鮮にいる拉致被害者に向けたラジオ短波放送、しおかぜがあります。拉致被害者に対して、日本で救出の努力をしていることを伝え、北朝鮮にかかわることについて外部から情報を注入するなど、重要な役割を果たしております。  市長はかつて、平成十八年十月十四日の自身のコラムにおいて、この短波ラジオ国際放送において、拉致問題を重点的に扱ってほしいとの政府の要請について、とんでもない、と消極的考えを披瀝したのであります。「政治が放送介入することに恐ろしさを感じずにはいられない」のだそうであります。北朝鮮という無法国家に拉致された同胞の恐怖と絶望に寄り添う、通常の人間性と想像力さえあれば、ささいな政府の介入と拉致被害者の救出との比較衡量で、前者にはかりが振れることなどあり得ません。  さらに市長は、「命令放送が例外的に認められるといっても、プロパガンダ放送になるのは国民の利益にそぐわない」との、耳を疑う言葉を続けます。拉致された同胞に対する市長の信じがたいまでの冷淡さに、背筋が凍る思いであります。しおかぜはプロパガンダ放送なのでしょうか。また、国家テロを実施した軍事独裁国相手の放送が、なぜ国民の利益にそぐわないのでしょうか。市長に伺います。  拉致問題は、言うまでもなく我が国の国家主権及び国民の生命と安全にかかわる最重要の問題であり、国連からも人道に対する罪と評価される、深刻な人権侵害であります。市長はかかる認識を持っているのでしょうか。さきの発言は、拉致被害者とその家族に対する看過し得ない侮辱であります。この際、真摯な謝罪と認識、発言の修正を要すると考えますが、市長の所見を伺います。  以上、私の第一問といたします。(拍手) 45: ◯市長(郡和子)ただいまのわたなべ拓議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、外国人参政権に関するお尋ねでございます。  御指摘の平成七年の最高裁の判例については、承知をしております。民主主義社会における地方自治の重要性に鑑みて、我が国に在留する一定の永住外国人の方々に対しては、法律をもって地方公共団体の長、議会の議員等に対する選挙権を付与する措置を講ずることは、憲法上禁止されていないともされています。  私は、これらの方々に対して地方参政権を付与すべきではないかという考えを以前から持っておりますが、しかし、この問題は立法政策として、国民の皆様方の幅広い議論を経て合意が得られることが肝要と考えているものでございます。  次に、たび重なる北朝鮮の弾道ミサイル発射など、我が国を取り巻く国際環境、厳しさを増していると承知をしております。テロ、また軍事的脅威に対し、外交、防衛その他の手段を駆使して、国民の生命と財産を守り抜く政府の責務が重要性を増しているものと、こう考えております。この問題に対しては、日米連携を初め国際連携の強化が重要と認識しております。  安保法制に関してですけれども、平和安全法制に関してですけれども、私はこの法案を審議するときに、御承知のとおり国会議員でございました。この法案が我が国の平和と安全に寄与することよりも、私はむしろ現行憲法との関係、国民の権利を過度に制限しかねないなどの問題があるなどの立場から、反対をし、対案も提示してまいりました。この法制度につきましては、諸外国から評価というのがあるというのは承知をしておりますけれども、ここでの問題点は、権力の抑制を図るべき立憲主義に基づくこの国のあるべき姿の議論であったと、今でも思っております。私は、一政治家として、近隣諸国との軍拡競争が、さらなる負の連鎖を生むと考えるものであります。  戦後の日本の現行憲法のもと、国民の安全・安心を守るために軍事的手段に訴えることなく、平和主義国家として歩みを進めてきた我が国の先人たちの努力を、忘れてはならないというふうに考えております。他国との友好を図りつつ、自国の立場も主張していくことは、外交の基本であるというふうに承知をしておりまして、軍事的緊張の前にあっても外交努力を決して諦めてはならないという、こういう思いでございます。  次に、金剛山歌劇団の公演についてお尋ねがございました。  公の施設の使用については、地方自治法において正当な理由がない限り拒んではならないものとされ、最高裁判例やさきの本市の取り消し訴訟で示されたとおり、非常に限定されており、明らかな危険の発生が具体的に予見されるかどうかも判断の基準となっているわけでございます。  一方、北朝鮮による核実験や相次ぐミサイルの発射、それに伴いますJアラートの発動など、社会情勢は厳しさを増しているのは御承知のとおりであり、私もそう認識をしております。  このことから、公演の実施に伴う市民の安全や施設管理への具体の影響を想定し、事前の対応を検討しておくとともに、開催実績のある他都市とも情報交換を行いたいというふうには考えてございます。仮に使用許可申請があった場合は、このような考えのもと、適切な判断を行ってまいりたいと存じます。  それから、北朝鮮による拉致問題に関する認識についてお尋ねがございました。  この問題は、国家主権の侵害であるとともに、重大な人権侵害であります。私はかつて内閣府大臣政務官、拉致の担当政務官として、この問題にかかわってまいりました。直接拉致被害家族の皆様方にその痛切な思いをお聞かせいただき、国の責任で一日も早い拉致被害者の帰国を目指すことをお伝えしてまいりましたし、国際世論に働きかけなければならないという思いで、各国の大使に、お一人お一人にこの深刻な現状を訴えてまいりました。数々の企画もさせていただいたものでございます。その思いは、今も持ち続けております。  御指摘のラジオの短波放送、しおかぜについては、もともと北朝鮮における日本人拉致被害者に呼びかけることを目的としたラジオ放送であって、私がこのしおかぜに対して、活動に異を唱えたということは全くございません。先ほど御紹介のあった、私自身が警鐘を鳴らしました放送への政治介入とは、直接関係のない話でございます。  以上、私のこれまでの政治家としての発言等につきまして、るる御答弁をさせていただきました。私はもとより百八万市民の皆様方の負託を受けた仙台市長として、今この場に立たせていただいております。今後とも市政の発展、そして市民の皆様方の福祉の向上に向けて、さまざまな諸課題に対し、全身全霊をもって取り組んでまいる覚悟でございます。  そのほかの質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 46: ◯危機管理監(佐々木英夫)私からは、弾道ミサイルの着弾を想定した訓練についてお答えいたします。  昨今の北朝鮮のミサイル発射の状況などに鑑みますと、ミサイルが着弾した場合に備え、市民の皆様に適切な避難行動を身につけていただくための避難訓練や、関係機関の対処能力を高めていくための連携訓練を実施していくことが必要であると認識しております。  今後、国民保護の主体となります国や県を初めとする関係機関と、訓練の想定や内容などについて協議を行い、より実践的な訓練の実施に向けて取り組んでまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 47: ◯市民局長(村山光彦)金剛山歌劇団公演による資金収集についてお答えいたします。  公演に際して、歌劇団に広告協賛の収入があることは聞き及んでおります。歌劇団と朝鮮総連については、総連のホームページの記載などから関連があることはうかがえますが、歌劇団の収入の使途につきましては、本市として情報を持ち合わせておりません。  国際社会が一致して北朝鮮の経済制裁に取り組む中、北朝鮮への資金流入を防ぐということの重要性は十分承知をしておりますが、本市として資金の流れを確認できないことから、潜脱行為に当たるかどうか判断できかねるものと考えております。  以上でございます。 48: ◯建設局長(村上貞則)私からは、サッカー場芝生化など民間事業者による公園の整備、運営管理に関することについてお答え申し上げます。  改正都市公園法や先般策定いたしました仙台市公園マネジメント方針でも、民間事業者との連携を都市の魅力向上につながる施策の一つとして位置づけているところであり、都市公園の再生や活性化を図る上で、今後ますます重要になるものと考えております。
     民間活力の導入に当たりましては、公園施設の整備、管理手法や民間資金の活用手法、事業の収益性など、検討すべき課題があると認識しておりますが、活用可能な制度や他都市における先行事例、また民間事業者の方々への御意見も参考にしながら、実現に向けて研究を進めてまいりたいと存じます。 49: ◯九番(わたなべ拓)再質問させていただきます。  郡市長、ちょっと理解できないところが幾つかありましてですね、平和安全法制について、当時において、権力による強度の制約等々、私権の制約等々というものを重視して、国際環境というものよりもそちらを重視したというような、まあまあよくわからないような説明でしたけれども、私、お聞きして思ったのは、目の前、目の前の火事に背を背けて、火事場に対処したらやけど、小指にやけどするんじゃないかと、そう悩んでいるような状況でしたね。もはや母屋に火が移らんとしている状況ですよね。目の前の朝鮮動乱の可能性等々を見てもですね、これにどのように対応するのかということが、当時もう具体に論じられていたわけですよね。  今、例えば北朝鮮から弾道ミサイルが飛翔してきていますけれども、これには個別的自衛権で対処できるんですか。警察権の範囲で対処できるんですかと私は質問しているわけだから、これに対してきちんと答えていただきたい。私は客観的に見た場合、これは極めて厳しいだろうと思っております。それに対するお答えをまず求めております。  また、またですね、金剛山歌劇団の問題です。市民局長からは最大限頑張ってくれたなと、努力を感じる発言をいただきました。答弁いただきましたけれども、やっぱりここは、やっぱり市長ですよね。みずから自負するように、百八万人都市の市長がですね、どういう気概でもって、あのような無法国北朝鮮の資金収集手段に立ち向かっていくのか。毅然たる対処をするのかということが示される、示さなくてはいけない。それを全国が注目しているんですよね。先ほど申し上げたように、九月十三日に全国紙の全国版の社会面で、多くの人がこの問題を目にしている。随分啓発されている状況なんです。目が集まっております。これに対して、毅然たる対応が必要だと思います。  御案内のとおり、国際社会では北朝鮮に対する今までにない、前例のないほどの経済制裁というものが世界一致で進んでおります。したがいまして、これまでの金剛山歌劇団の公演というものとは、位置づけが変わってきています。どういう意味かというと、我が国の中、比較的安全に外貨が収集できる、在日の同胞、商工人から収集できるということで、相対的に金剛山歌劇団の公演のその意味づけ、価値というものが北朝鮮にとって高まっているという中なんです。これをみすみす看過するわけにはいかないと思うんですね。  特に、市長は北朝鮮に行ったことありますよね。あなたはそういうところからも、どう見られているのかというところをしっかり意識してですね、しっかり、先ほど国民主権の話がありましたけれども、国益をしっかり守る、国益あっての市民益ですから、そういった点をしっかり留意してお答えいただきたい。 50: ◯市長(郡和子)まず、わたなべ議員に、この場が仙台の市議会であるということを申し述べさせていただきたいと思います。しかし、その上で、今の北朝鮮に係る問題について御指摘がございました。基本的には、これはもちろん日本政府としてどのように対応するのか、国際社会がどのように対応するのかということもございますけれども、あくまで私の私見をここで申し述べれば、アメリカと北朝鮮との関係性、これが今回の状況を起こしている、その根幹にあるのだろうというふうに思います。その中において、何ができるのかということはやはり考えていくべきではないかなというふうに思っているところでございます。  しかし、あくまでここは仙台市議会の場でございますので、これは国と国との、また国際社会の中で国の政治としてどうあるべきかという議論でございましょうから、これ以上は申し上げませんし、これ以上申し上げる立場にも今はないということを申し上げたいと思います。  それから、金剛山歌劇団の対応ですけれども、先月に引き続いてJアラートが鳴り響いたわけでして、このことについては市民の皆様方も大変憤りと、そして不安を持たれたというふうに思います。  一方で、仙台市の持っている施設での使用ということについては、法令、判例などに沿って使用許可をするかどうか判断せざるを得ないわけですけれども、仮に来年、仮の話ですから仮定の話で余り答弁をするのはふさわしくないというふうにも思うところではございますが、仮に申請がなされた場合には、その時期における状況等も踏まえまして、総合的に判断をしてまいりたい、適切に判断をしてまいりたいと思います。 51: ◯九番(わたなべ拓)再々質問させていただきます。  郡市長、先ほど民主主義とは云々のくだりで、説明責任をしっかり果たしていくとおっしゃったばかりですよね。舌の根も乾かぬうちに、全く答弁をしないと。私の質問に答えないというのは、私ちょっと理解に苦しむんですけれどもね。  私、申しましたよね。平和安全法制に反対しておられるけれども、そんなことで目前の危機、弾道ミサイル対処でありますとか、あるいは朝鮮半島からの五万人を超える、少なくとも同胞だけで五万人を超える、それ以上に韓国人の民も来るでしょう。そうした対応、防護、輸送をどのように個別的自衛権と警察権だけで対処、実現できるんですか。不可能ですよね、端的に。平和安全法制はそのためにこそあったわけです。あなたはそれに反対したんですよ。  あなたは国民保護、国民保護の責に任ずる政令市の市長であるにもかかわらず、あなたは命を守ることができないではありませんか、そのような考え方では。大変不安に思います。そんなことで国民保護ができるのかどうか。大変不安に思っております。  また、あなたは質問に答えていないんですけれども、ラジオの問題です。短波放送の支援の件ですね。あれは本質的に同じじゃないですか、はぐらかされてるけれども。 52: ◯副議長(菊地昭一)再質問では触れてませんので、再々質問には当たりません。 53: ◯九番(わたなべ拓)はい。金剛山歌劇団への対処の問題について、再質問においてお答えいただいてないと判断しますので、再々質問させていただきます。  金剛山歌劇団の資金収集チャンネルは、極めて現下北朝鮮にとって重要なものとなっております。これに対して毅然たる対処を示さなくては、みすみす北朝鮮本国に資金が流れていくということになります。ここは泉佐野市の判例が出ております。極めて厳しい要件が課されているということは、当然承知しております。しかし、今、民主政体自体を核恫喝でもって破壊せんとする北朝鮮が、資金収集を目の前でしようとしているわけですよ。これに対しては、今までの区々たる法律論を離れて、もっと大局から、かつ多角的に仙台市として誇りをもって、このような巨悪に立ち向かうと、毅然たる対処を示すという姿勢が必要なんじゃないですか。  全国がこれを注視しています。郡さんというのは、北朝鮮にも渡航している人でありますから、どういう人なんだろう、どういう思想性の人なんだろう、どちらに軸足を置いた人なんだろうと、大変懸念するところであります。そういった懸念を払拭するような、勇気ある態度、対処を期待したいと思うんですが、郡市長のお考えを伺います。 54: ◯市長(郡和子)お答えをいたします。  まず、私が北朝鮮に渡航いたしましたのは、ちょうどアメリカのオルブライト国務長官が北朝鮮を訪朝した、そのすぐ後でございました。私は当時、東北放送ジャーナリストとして、実は日本がとっていた北朝鮮への帰国事業についてと、それから日本人妻の問題について取材を重ねておりまして、番組をつくるというその過程の中で、ジャーナリストの立場で取材をさせていただいたものでございます。取材のために訪れさせていただいたものでございます。  それから、今しがたございました個別的自衛権、集団的自衛権の議論でございますけれども、これにつきましては国会の中で、当時国会議員としてどう考えているのか、あるいはまたそれこそ国連の安全保障に対して、日本がどういうふうな姿勢でいるべきなのかを含めて、議論をさせていただいたものでございますが、これはあくまで国会議員としての立場でございます。いろいろなお話ございましたけれども、百八万市民の皆様方の中には、わたなべ議員のようにいろいろな御意見をお持ちの方々がおられるというふうに思います。その皆様方の御意見も真摯に耳を傾けつつでございますけれども、あくまで市政の運営に当たりましては、市民本位で進めるべきであるという観点から申し上げれば、今の御議論というのは少しこの場にぴたっというんでしょうか、余り即さないのではないかという、そのような気持ちでおります。  最後になりますけれども、あくまでも私は市長としての責務を果たしてまいるということを、再度申し上げさせていただきまして、私からの答弁といたします。  以上でございます。 55: ◯副議長(菊地昭一)市長、歌劇団の件についての答弁が漏れていると思います。 56: ◯市長(郡和子)失礼をいたしました。御答弁させていただいたつもりでございましたけれども、再度させていただきます。  公の施設については、法令、判例などに沿って使用許可するかどうか判断せざるを得ませんが、仮に来年も申請がなされた場合には、その時期における状況を総合的に勘案しながら、適切に判断してまいりたいと思います。  以上でございます。 57: ◯副議長(菊地昭一)次に、小田島久美子さんに発言を許します。     〔二十八番 小田島久美子登壇〕(拍手) 58: ◯二十八番(小田島久美子)公明党仙台市議団の小田島久美子です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。  初めに、発達障害者支援の拡充について、四点お伺いいたします。  第一は、発達障害児者への理解促進のための全教職員等を対象とした研修についてです。  発達障害者支援法が平成十七年四月に施行され十二年が経過する中で、本市においては、平成十四年度から全国に先駆けて発達障害者支援センターアーチルを設置し、事業展開されてこられたことは評価するところです。  仙台市における発達障害者の支援ニーズは増加し続けており、アーチルの相談件数についても、平成二十八年度は、平成十四年度の開所当時の約二・五倍となる一万二百八十三件となっており、その中での発達障害との見立てとなったケースは五百六十八件と、毎年増加している状況です。 59: ◯副議長(菊地昭一)この際、時間を延長します。 60: ◯二十八番(小田島久美子)発達障害を初め、発達段階の特性については、まだまだ理解が得られていないと言われています。一例を挙げれば、コミュニケーションをつくるのが苦手とされる一方で、その行動や態度は、自分勝手とか、変わった人と誤解され、本人への非難や、親、家族の生活のかかわりまでとがめられることがあると言われます。さらに、生まれつきの特性であることへの理解が不十分なため、支援の手が届いていないという悪循環が続いているとのことです。  このことは、特別支援に携わる教員だけの問題とするのではなく、教育委員会を初めとする学校等関係機関、さらには地域、社会、全てにおいて、発達障害などの理解の促進を喫緊の課題として取り組まなければならないと思われるのです。  仙台市教育委員会や発達支援センターでは、これまでも教職員及び保護者に対する発達障害等の理解促進につながる研修等を開催しておりますが、実際の研修状況は年に一、二回の開催に限られ、参加人数は各学校から一名ないし二名とのことです。障害を持つ子供も、持たない子供も、ともにそれぞれのニーズに合わせて学ぶ環境を、とのインクルーシブ教育の観点から見れば、一日も早く全ての教職員が受講されることが求められると思うのですが、御所見を伺います。  第二は、発達障害児者に対する適切な対応と、事例研究についてです。  教育委員会では、いじめ等の問題の中には、発達障害や発達環境が影響しているとの見解を示しておりますが、学校によっては発達障害児の特性への理解が不十分なために、結果として対応に課題があったと思われる状況を聞き及んでおります。  例えば、アーチルで専門の医師の面談を受け、自閉症スペクトラムの疑いがあるとされた小学生が、学校においての生活態度に課題が見られ、その都度先生から注意されていたようであります。学校には、保護者からアーチルでの診断情報を伝えていたのですが、状況になかなか改善が見られないとして、個別に注意を促す文書を持たされて帰ってきたとのことです。そこには、お約束としていろいろ書かれていたようで、要約すると、感情をコントロールしましょう、我慢することも出てきますが先生の指示には従いましょう、約束を守れなかった場合はおうちの方に連絡をして迎えに来てもらい下校してもらいます、とのことでした。  クラスの子全員への共通のお手紙ならば、お願い事として理解できることかもしれませんが、その子に対してのみの求めだとすれば、余りにも配慮に欠けた文書ではないかと、お母さんは学校に訴え、私のもとにも相談に来られたのであります。残念なことに、その子は学校を休むようになってしまいました。  失敗は成功の母と言われます。よかれと思っての行動が相手を傷つけ追い込ませてしまうことがあるかもしれません。自身の行動が子供の成長にどうつながったのか、対応が求められていると思うのです。地域でも学校でも、人とのかかわりを持つ以上、常に問われることであり、発達障害であればなおのことだと思うのです。こうした事態に直面したとき、学校ではどのように事例研究されているのでしょうか。ケーススタディーが今後の鍵を握ると思うのです。  学校も教師も教育委員会も、一つ一つの事例を真摯に捉え、誤りがあれば率直に受けとめ、保護者と一緒になって子供たちがその特性を理解して前に進むために、向き合う姿勢が必要と思われるのです。対応の一つ一つが適切であったのか、不適切だったのか、情報共有して具体の検証が行われるべきと思われます。御所見をお伺いいたします。  第三として、発達障害等の早期発見に向けた支援策についてです。  本市の平成二十八年度一歳六カ月児健診において、発達上の特性が疑われたケースは二千二百九十二人、受診した幼児の二五・五%となりました。同じく三歳児健診では八百十七人となり、受診者の九・四%となっております。  仙台市立小中学校の通常の学級に在籍している児童生徒のうち、発達障害とその可能性のある児童生徒は、平成二十九年度の概算では四千人となっており、五・二%に上ります。十年前の平成十九年度と比べると、人数で約二倍にして二・四八ポイントの増加となっております。  一方、周囲の人から、支援が必要なのではと思われているにもかかわらず、本人や家族が支援を求めていないというケースが年々増加していることも、本市の調査結果で明らかになっております。こうした中、総務省行政評価局は本年一月、発達障害の早期発見等への仕組みづくりが不十分だとして、文部科学省と厚生労働省に改善勧告を出しております。主に、乳幼児健診等において見過ごされるケースがあると、課題を指摘しております。  勧告を出した理由として、発達障害の発見がおくれれば、その特性により生じる問題に周囲が気づかずに、無理強い、叱責などを繰り返す。そのことで失敗やつまずきの経験が積み重なり、自尊感情の低下等を招き、二次的な問題としてさらなる適応困難、不登校やひきこもり、反社会的行動、鬱病、暴力行為等が生じるおそれがあると指摘しておりました。  早期発見への総務省の勧告について、市長の御所見をお伺いいたします。  子供の特性と対応について、健診時に保健師が家族に伝えても、家族が正しく受けとめられずに過ごしてしまうことが多く、発達障害の支援のおくれを招いていると指摘されています。こうした点を改善する方策として、健診時の保健師の見立てを補助する医療機器システムが、厚生労働研究開発機構のもとで開発され、連合小児発達学研究科が推奨されております。  本年第一回定例会で紹介したこのシステム、通称かおテレビについて、大阪府では既に一歳六カ月児健診において導入している府内市町村の保護者に、アンケート調査を行いました。かおテレビは、お子さんの特性を理解するのに役立ちましたかとの問いに、役立つと回答した保護者は八〇%以上という結果が出ております。保健師の見立てを補い、客観性も高めることで、保護者への理解にも役立つ補助的な導入を早期発見対策として検討することを求めますが、市長の御所見をお伺いいたします。  第四として、早期発見の機会をふやす上で、五歳児健診の創設を求めるものです。  発達障害の早期発見といっても、その特性があらわれるのは、これまでの健診の機会だけでは不足していると言われており、注意欠陥多動性障害などの発達障害は、多くの児童が保育所または幼稚園で、集団生活になれ始める五歳ごろまでにその特性があらわれるとされており、そのためにも五歳児健診は重要な役割を果たすものと考えられますが、市長の御所見をお伺いいたします。  次に、子供の声を受けとめられる体制整備について、二点お伺いいたします。  第一は、子供の人権を守る基礎自治体である本市の役割についてです。  子供の権利条約が発効されてから二十六年を迎えた昨年六月に、児童福祉法が改正され、子供の権利を初めて法律上明確に位置づけるなど、制定以来の抜本的な改正が行われております。第二条では、子供の意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されるよう努めること、と子供の権利が保障される内容が明確に示され、子供の目線による法律となっているというところが改正の大きな柱であると、国会では議論されております。  厚生労働省は、改正児童福祉法により、国、都道府県、基礎自治体の役割と責務の明確化において、子供の権利が守られる環境にするための子供や家庭への相談の支援について、市町村の責務として示しておりますが、本市として今後、具体な事業としてどのように展開されていこうとお考えになられるのか、市長の御見解をお示しください。  第二として、子供の声を受けとめられる第三者機関の設置についてです。  改正児童福祉法では、子供の権利擁護に関する仕組みの創設についても触れており、一定期間内で実施に移すべき事項として掲げております。全国的にも自分から声を上げられない子供の権利が保障されているかということを重視されており、第三者性の独立した権限を持つ機関の設置が求められている中で、先進的な取り組みを行っている兵庫県川西市に会派において視察調査を行いました。  川西市子どもの人権オンブズパーソン制度は、平成十年十二月に公的第三者機関として、日本で初めて創設されております。電話や相談室などで相談活動を行ったり、教員や保護者との対話の橋渡し役をして調整するなど、人権侵害からの救済を図るために、調査、勧告、意見表明を行っておりました。週一回程度、オンブズパーソン会議、研究協議を開催し、情報共有や対応状況の確認をしております。  平成二十八年度の訪問、調整活動は、子供四百六十回、大人三百四十六回となっており、多く寄せられる相談は、家族生活、不登校、またいじめ等の内容で、それらの相談は重なり合って生じているケースが多く、その根深さが表面的に見えづらくなっているからこそ、子供のSOSを受けとめられるオンブズパーソンの役割の重要性が高まっており、見えてきた課題を社会に発信する役割もあると、その使命を実感している確信あるお話もお聞きしたところです。そのほか、全国において札幌市や川崎市なども事業展開されておられるとのことです。  本市におきましても、子供のSOSを受けとめ、具体的な人権侵害から救済を図るためには、川西市等の取り組みを研究して、条例化も視野に入れた公的第三者機関等の設置を検討すべきと求めるところですが、市長の御所見を伺います。  次に、肝炎の重症化予防対策について三点お伺いいたします。  第一は、肝がん罹患率減少の目標についてです。  ウイルス性肝炎の持続感染者は、自覚症状がないことが多いため、適切な時期に治療を受ける機会が少なく、気がつかないうちに肝硬変や肝がんへ移行することが問題と指摘されております。厚生労働省の肝炎対策推進協議会では、国民の約半数が肝炎検査を受けていない未受検者であることや、検査で肝炎陽性と判断されても、その四〇%に上る約五十三万人が治療に進んでいないという実態が報告されており、肝硬変、肝がんへの移行者を減らすことを目標とすることが示されております。  昨年六月に改正された国の肝炎対策基本指針では、地方公共団体がその目標、具体的な指標等を設定し、定期的にその達成状況を把握し、必要に応じて策定の見直しを検討することと通知をされております。仙台市は、目標や具体の指標等をどのように対応されているのか、御所見を伺います。  第二は、肝炎ウイルス検査の未受診者への受検促進についてです。  仙台市のホームページを見ますと、肝炎ウイルス検査を無料で受けられることが紹介されてはおりますが、平成二十五年度以降の受検実人数は毎年五千人から七千人であり、合計は二万四千八百八十七人とのことです。国では、全ての国民が少なくとも一回は肝炎ウイルス検査を受けることが必要であることをスローガンに掲げております。  さきに示した厚生労働省肝炎対策推進協議会の報告によれば、国民の約半数が受診されていないとのことですので、本市においても相当の人数が受診を終えていないと予想されるのであります。対して先ほどの受診者数は、四年間で二万五千人足らずというのは、看過できないものではないかと思うのであります。  本市においては、ホームページのほか、ポスターの掲示等啓発活動は行っておりますが、今後、新聞やラジオ、インターネットなどを通じて、さらに広く市民の方々に肝炎検査を受けていただく取り組みが必要と思われます。特に、市民健診の際には、同時に肝炎ウイルス検査が無料で受検できることなどについて、市民への周知を強化すべきと思います。御所見を伺います。  第三として、陽性者への支援についてです。  さきに示した厚生労働省肝炎対策推進協議会の報告では、検査結果が陽性であるにもかかわらず、その後、必要とされる医療機関での再検査や治療を受けていない方が四割に上っているとのことで、フォローアップ体制の整備が重要と思われます。  本市においての過去四年間の平均の陽性者の割合は、B型が〇・八五%、C型が〇・五九%とお聞きしました。フォローアップ事業として、受診状況の調査票と医療機関リストを郵送し、同意を得た上で受診・診療状況を確認してはおられるとのことですが、これまでの事業の効果、評価について伺います。  第四として、肝炎医療コーディネーターの配置と効果的なリーフレットの活用についてです。  全国三十四の都道府県では、既に各県ごとに数十人から数百人の肝炎コーディネーターが設置され、肝炎患者やその家族を支える体制がとられ始めております。  本市においては、肝炎コーディネーターは未設置とのことですが、今後、肝炎の患者さんが安心して検査や治療を受けたり、服薬や治療費の助成制度など肝炎に関する幅広い知識とスキルを持ち、地域で活躍できる人材を育成するために、宮城県との連携も協議して養成講習会等を実施されてはいかがでしょうか。さらには、基礎的な知識や情報をわかりやすくまとめた新たなリーフレットの作成も早急に実施し、肝炎対策の普及と啓発を強力に展開すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。  以上で第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 61: ◯市長(郡和子)ただいまの小田島久美子議員の御質問にお答えをさせていただきます。  発達障害の早期発見に関する総務省の勧告についてお答えいたします。  発達障害を早期に発見することは、保護者の方がその子供の特性を理解して適切な対応が可能になるほか、そのお子さんにとっても、自分の得意分野、これを生かしながら、社会に適応していく歩みを進める上でも大きなメリットになるものと、そういうふうに思っております。  総務省の勧告によりますと、幼児健診について抽出調査を行ったところ、市町村によっては発達障害が疑われる児童の発見が漏れている可能性があるとの指摘がなされました。  本市の幼児健診におきましては、保健師や心理相談員が発達の状況を確認して、必要に応じて精密検査や電話、面談などによる経過観察を行うなどして、そのお子さんにとって適切な支援に結びつけているところでございます。本市の健診での精密検査や経過観察が必要と判断された幼児の割合、今回の調査対象となった市町村の全体の平均を上回っているところでございますけれども、今後も発達障害の早期発見及び適切な支援に取り組んでまいりたいと、そんなふうに思っているところです。  次に、子供の声を受けとめる体制整備についてのお尋ねがございました。  市民に一番身近な基礎自治体として、声なき声にもしっかりと対応する。また、子供たちが発するさまざまなメッセージを敏感に受けとめる。そして、必要な支援なども迅速かつ的確に提供していくということが、私どもに求められている重要な役割だというふうに思います。  こうした認識のもと、これまでも学校現場におけるスクールカウンセラーの配置や、教育委員会における二十四時間いじめ相談電話の設置などのほかに、児童相談所や子供相談支援センターにおける相談対応など、さまざまなチャンネルを通して、子供たちの声を受けとめる体制づくりに努めてきているところでございます。  子供たちが抱えている悩み、また置かれている状況、それぞれ違いますけれども、できるだけ相談しやすい機会や場所を設けることはもちろん、個々の声に丁寧に対応していく体制、仕組みづくりが重要です。  御提案のありました第三者機関の設置でございますけれども、ほかの都市の取り組みについての情報収集を行わせていただきますとともに、厚生労働省が各都道府県に第三者機関を置くためのガイドラインの整備を進めていくといったような、こういう報道もあったことでございますので、こうした国の動きも踏まえながら、仙台市としての対応について検討してまいりたいと思います。  今後とも、子供のSOSを受けとめる環境整備、相談機能の充実に向け、力を尽くしてまいりたいと思います。  そのほかの質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  私からは以上でございます。 62: ◯健康福祉局長(佐々木洋)私からは、肝炎対策に関する御質問にお答えいたします。  初めに、肝がん罹患率減少の目標についてでございます。  宮城県では、国の方針に沿って本市を含めた肝炎対策の推進に関する指針を策定し、肝炎ウイルス検査の実施、検査体制の強化などの五つの目標を定めております。  本市は、これまで市域を越えて、県内の登録医療機関においても無料の肝炎ウイルス検査を受検できる体制を整えるとともに、市民への検査の普及啓発に取り組んできたところでございます。  次に、肝炎ウイルス検査の受検促進についてでございます。  本市の肝炎ウイルス検査の延べ受検者数は、B型、C型合わせまして、平成二十七年度は一万三千二百二十三人、平成二十八年度は一万一千二百八十三人であり、少ないものと認識しております。
     今後、肝炎に関する正しい知識や検査が無料で受けられること、陽性者の検査料助成制度などについて、さらなる周知を図り、受検者数の増加に努めてまいりたいと考えております。  次に、陽性者へのフォローアップ事業についてでございます。  フォローアップ事業では、検査の結果、陽性者に対し調査票を郵送し、医療機関の受診状況などを回答していただき、確認しております。回答のない方には、再調査を実施するとともに、回答の中で未受診者に対しては改めて受診を勧奨しております。  平成二十八年度のC型肝炎陽性者については、回答のあった方のうち八割の受診が確認できましたが、回答のない方や医療機関への問い合わせに同意のない方もいるため、フォローアップを行う上でのさらなる工夫が必要と考えております。  最後に、肝炎医療コーディネーターの配置と効果的なリーフレットの活用についてでございます。  コーディネーターにつきましては、都道府県が養成することとなっておりますことから、今後、本市といたしましては宮城県と協力して人材育成に取り組んでまいりたいと考えております。  また、啓発用リーフレットについては、今後、県が作成することとなっておりますので、本市としてはリーフレットを登録医療機関等に配付し、周知を徹底するなどして、まだ検査を受けていない方、受診につながっていない方たちへの普及と啓発に努めてまいります。  今後も肝炎検査を普及し、患者を早期に発見し、また肝炎患者が安心して治療を受けられるよう、宮城県や関係機関と連携しながら肝炎対策の強化を図ってまいります。  以上でございます。 63: ◯子供未来局長(福田洋之)私からは、まず発達障害の早期発見のための機器に関する御質問にお答えをいたします。  健診等で保健師などの見立てを補助する御指摘の機器は、子供の視線の動きを測定して、発達の水準を計測する機器でございます。幾つかの自治体が大学と共同で幼児健診に導入をしておりますが、導入自治体では幼児の発達を理解する手助けになる反面、保護者への結果の説明が難しいこと、一人当たりの所要時間が原則十分以上かかることで、待ち時間がふえるなどの課題もあるというふうに伺っております。  当該機器につきましては、現在まだ実証の段階にあるものと認識をしておりまして、今後も必要な情報収集を行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、五歳児健診についてのお尋ねでございます。  本市では、一歳六カ月児、二歳六カ月児、三歳児の各幼児健診におきまして、発達の状況を確認し、必要に応じてアーチルなど専門機関を紹介しております。一方、四歳児以降につきましては、本市では約九六%の児童が保育所や幼稚園に就園をしており、毎年就園先で内科や歯科の健康審査を行っているところでございます。  また、発達に関しましては、就園先で必要と思われるお子さんについて、園から個別にアーチルにつながる場合もございます。このため全ての五歳児を対象とした網羅的な項目の健診ということではなく、この時期の発達相談につきまして、他都市の事例も参考に関係部局とも連携しながら、さらなる方策が可能かどうか検討をしてまいりたいと存じます。  以上でございます。 64: ◯教育長(大越裕光)私からは、教育における発達障害に係る御質問にお答えします。  初めに、発達障害の理解を促進するための教職員を対象とした研修についてでございます。  発達障害のある児童生徒に対しては、一人一人の特性や課題に応じて特別な支援が必要であり、そのためには教職員の研修が重要でございます。  こうしたことから、教育委員会では発達障害等に関する研修等を行い、毎年延べ千二百人程度の教職員がこれを受講しております。このほかに各学校ごと、または複数の学校が協力して自主的に実施する研修や、発達相談支援センター等が主催する研修もあり、多くの教員が受講しております。  今後も発達障害に関してさまざまな研修の機会を設けることで、可能な限り多くの教職員が研修を受講し、専門性を高めることができるよう取り組むなど、配慮を要する児童生徒の指導について、教職員の一層の理解や指導力向上をさらに推進してまいりたいと考えております。  次に、発達障害のある児童生徒に対する適切な対応と事例研究についてでございます。  発達障害のある児童生徒は、特性や置かれた環境等が一人一人異なることから、その対応状況や結果について常に検証しながら、よりよい実践を積み重ねていくことが重要であると認識しております。  各学校においては、特別支援教育コーディネーター等が中心となり、校内委員会等で一つ一つの事例の対応策や、その結果について研究するなど、組織的な対応力の向上に努めております。また、教育委員会といたしましても、これまで対応してきている事例を参考にし、さまざまな角度からの助言や情報提供をするなどの支援に努めているところでございます。  今後も引き続き事例を通して得られた知見を、教職員全体で共有し、その後の対応に生かしていけるよう、教育委員会として一層の支援に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 65: ◯二十八番(小田島久美子)三点お伺いいたします。  肝炎の御答弁で、フォローアップ体制において、本市として受診状況の調査票と肝炎機関リストを郵送して、受診と診療について送ってはいるけれども、余り回答がないと。これは送っている内容が理解できないんだと思うんです。ですので、新しく今度作成される広角的なリーフレット、これまでの方にもぜひもう一度、お手元に届くような、そういうことを検討していただけないでしょうか。  それから、発達障害の早期発見に向けた補助的な導入の支援策についてです。  問題の中心をどの部分に置くのかというのは、非常に施策を構築する上では重要だと思います。先ほど導入の部分で補助的なものを導入すると、一人当たりの時間が十分というお話もありましたけれども、先ほど市長にも御答弁いただきました総務省の勧告について、市長のおっしゃるとおりでございます。勧告内容は、やはり市町村においての健診で見過ごされていることがあるという、市長のお考えと同じでございます。ここをどうするのか。保健師さんがなかなか客観的にお話しできない。また、保護者の方も受けとめられないという状況が見えてきて、国の厚生労働省でも研究開発機構でつくったわけでございます。国の補助的な支援の予算措置も国ではしております。本市ではなかなかそこまで行き着いておりませんけれども、やはり科学的根拠に基づいた、そういうものを保護者の方々に早期にお示ししてあげるということが大事ではないかと思います。  それから三点目、子供の人権を守るということで市長の御答弁をいただきました。ありがとうございます。一点確認をさせていただきます。  見解を求めさせていただきました。この子供の人権を守る、市長がおっしゃるとおり、重要な課題だと思います。もう一歩踏み込んで、国の体制はもう待たなくていいと思われます。もうここで勧告の中でも、市町村の役割を明確に指摘がされているわけでございますので、もうどんどん進めていただきたい。その上で、実は昨日NHKのあさイチの番組において、まさにこの問題を深く掘り下げた番組内容が放映されておりました。  現在のいじめの問題と同様に、子供の虐待、待ったなしの問題を取り上げておりました。深刻な社会問題として増加しているこの事業に、父親から暴力を受ける子供たちの事例が実際放送されていました。子供たちの心の傷、もうこの部分については、大変深く本市としても言及しなければいけない。また、増加傾向にあるというのも番組の中で放送されておりました。表面に見えてきた課題だけではなくて、また聞こえてきた声だけに対応するのではなくて、しっかりとその子供たちの声を受けとめられる、身近なところの市町村として、そういった強力な相談しやすい窓口、この設置については喫緊の課題だと思いますので、この拡充についてもう一歩、市長、よろしくお願いいたします。 66: ◯市長(郡和子)私から、小田島議員の御提案の、子供オンブズパーソンを含めた第三者機関についての御提案でございました。  私も大変重要な問題だというふうに思っておりますし、この機関が他地域でそれぞれ子供の人権を擁護し、子供を守っている機能を果たしているということも承知をしてございます。ぜひ今御提案いただきましたけれども、さまざまいろいろ国の動きも見つつというふうに先ほど申し述べさせていただきましたけれども、なるべく進められるように頑張って検討させていきたいというふうに思っております。 67: ◯健康福祉局長(佐々木洋)肝炎対策のフォローアップ事業に関して、再度の御質問がございました。  フォローアップ事業といたしまして、陽性者の方に郵便物を送付しているわけですけれども、正直その送付物が分厚いというか、大変多くて、わかりにくいという面がございます。御提案のありましたリーフレットを含めまして、わかりやすい資料で啓発を行ってまいりたいと思いますので、そのように努めて進めていきます。 68: ◯子供未来局長(福田洋之)発達障害の早期発見のための機器に関しての再度の御質問でございます。  発達障害につきましては、早期発見、そしてそれに対する早期対応というのが非常に大事になるということは認識をしてございます。そういったことで、幾つかの自治体でこういった機器の導入ということにもなっているかと思います。  実際、導入するとなった場合に、その健診の現場での対応がうまくいくかどうかといったことについても、しっかり見定めていくと、仮に導入するとすればそういったことも見定めていく必要があるというふうに考えておりますので、現在ほかの自治体で行われているそういった状況について、それぞれの自治体から情報収集などして、まずはその状況を見定めていきたいというふうに思います。 69: ◯健康福祉局長(佐々木洋)これまで送った方へのフォローという御質問もございましたので、私どもこれまで送付した中で御回答がない方、あるいは未受診の方、こういった方々にも改めて送付してまいりたいと考えております。 70: ◯副議長(菊地昭一)次に、松本由男さんに発言を許します。     〔十一番 松本由男登壇〕(拍手) 71: ◯十一番(松本由男)自由民主党の松本由男です。  冒頭、昨日、日本時間午前三時十四分ごろ、メキシコ合衆国において発生したマグニチュード七・一の地震に当たり、死傷者多数の情報が世界を駆けめぐっております。速やかな行方不明者の救出を願うものであります。  また、本市消防局からは、国際緊急援助隊救助チーム七十名のうち、高度な指揮能を持った三名が昨日十九時に出動いたしました。東日本大震災において世界各国からいただいた御恩に思いをいたし、無事の任務の完遂と帰還をお祈りするとともに、派遣隊員の御家族の安心のためのしっかりとした家族支援もお願いするものであります。  さて、郡市長、第三十五代十六人目の市長就任おめでとうございます。五十年後、百年後を見据えた人づくり、まちづくりのため、どなたが市長になられても確認する予定であった教育、土地問題などに関する基本的考え方について順次伺ってまいります。  国家百年の大計は教育、人づくりにありと言われております。市長は、先般の所信表明において、全ての市民が健やかに安心して暮らせるまちづくりを進める中で、特に学びの環境整備として、いじめ再発防止のため、いじめ防止条例の制定を強力に推し進めるとしております。  私は率直に申し上げて、この条例を制定することによって、学びの環境が整備されるとは考えない一人であります。その理由は、私なりに二つあります。  一つは、いじめを少なくするには教育基本法、学校教育法及び学習指導要領などに基づき、児童生徒に向き合える環境のもと、社会全体として、いわゆるしっかりした教育がなされることによって、その結果としていじめが少なくなってくるものだと認識するものであります。  二つ目は、平成二十五年いじめ防止対策推進法が制定され、内容は一般的に法律にはなじまないほどに、細部にわたって規定してある法律があるからであります。内容は、国、地方自治体、学校設置者、学校、保護者の責務や、いじめ防止などのための基本的施策、当該児童等への懲戒などを定めた、細部にわたる条例並みの法律となっております。その意図するところは、条例ありきではなく、自治体の努力義務として、いじめ防止にかかわる基本方針を策定し、具体的に教育行政をすればよいものとなっております。また、本市教育の施策の方向性を示す教育振興基本計画が、本年一月に策定されたばかりでもあります。  市長は、所信表明において、本市のいじめ自死の状況を踏まえ、「国会議員として法の成立に奮闘した私にとって痛恨の極みであり、立法の理念が生かされていない現実に無念の思いを抱いた」とおっしゃっております。仏をつくって魂入れず、法律、条例をつくればいじめがなくなるわけではなく、問題も解決しません。教育現場がこの法律の理念を実行できないほどに、厳しい環境にあるのではないかという視点を持つことが大切なのではないでしょうか。現場の環境整備のための抜本的な改革が急務と考えます。  事いじめにかかわる条例化については、条例をつくる前に、やれること、やらなければならないことがあるかないかを調査、検討の後に、手だてを尽くした上で、最後の手段として出てくるのが条例化でしょう。また、市長が掲げる現場主義から捉えても、現場の教職員、地域の方々から条例化を望む声が多くあるとも思えません。慎重であるべきです。  以上のことを踏まえ、四点伺います。  質問の第一は、郡市長の教育に対する考え方、特に、教育はいかにあるべきか、教育行政はどのように進めるべきか、基本的なお考えを伺います。  また、平成二十七年十二月に前市長のもとで総合教育会議の議論の上策定された、本市の教育、学術及び文化の振興に関する総合的な施策の大綱である仙台市教育の振興に関する施策の大綱、並びに本年一月に策定された第二期仙台市教育振興基本計画についての御所見を伺います。  質問の第二は、本市の教育行政において、市長と教育委員会とはどのような関係にあるべきかを伺います。  質問の第三は、市長のいじめ防止条例のイメージはどのようなものか伺います。理念条例なのか、法律をさらに具体化するものなのか、はたまた大人同士のいじめ防止も含めた条例なのか。  また、宮城県においても、いじめ防止条例の策定を検討していると伺っておりますが、本市も策定する場合は、条例を受ける側は重複することになりますが、どのようにすり合わせていくおつもりか、伺います。  最後に、学びの環境整備の抜本的改革のための二つの提言であります。  一つ目は、不登校児童生徒、中一ギャップなど、学校教育にかかわる大半の課題が解決されると言われている、小中一貫教育の速やかな試行です。先進の実績として、政令市二十都市中八都市が実施し、それぞれ大きな成果が挙げられております。また、新潟市にあっては、平成三十二年全市一斉の推進に向けた準備を進めていると聞き及んでおります。  私は、昨年四月に学校教育法が改正されたことを受け、同年六月の第二回定例会において、小中一貫教育を取り入れる方向で、早急に調査、検討することを提言しました。その後、小中一貫教育の可能性を視野に入れた調査研究委員会が教育委員会に設置されたと伺っておりますが、現在までの進捗状況と今後の方向性についてお聞かせください。  二つ目の提言は、学校現場における環境整備、教職員の多忙化の解消などのための課題として必ず浮上する部活動について、学校の管理から切り離し、民に任せることの試行をすることであります。  部活に関する定義は、学習指導要領により示されております。その文言は、生徒の自主的、自発的参加により実施される部活動は教育の一環となっており、この自主的、自発的参加と、教育の一環という中途半端さが、現場に無理を生じさせていると認識しております。  戦後の時代背景からは、何事においても学校が地域の核とならざるを得ない環境にありましたが、これからも学校を取り巻く環境がますます厳しくなる中にあって、何でも学校の中に取り込むという発想を変え、民間でできるものは民間でという仕組みづくりが重要ではないでしょうか。まさしく仙台発の創例でしょうか。  次に、所有者不明土地の行政による把握について伺います。  いわゆる所有者不明土地とは、根拠法令もなく、明確な定義はされておりませんが、国土交通省によると、所有者の所在の把握が難しい土地としております。  本年六月に、増田寛也元総務大臣らによる所有者不明土地問題研究会が発表したデータによると、日本全国で九州の面積を超す広さの、約四百十万ヘクタールが所有者不明土地となっているという推測値を発表しました。土地の筆数で見た所有者不明率は約二〇%であり、土地の種類別では宅地が一四%、農地が約一九%、森林は約二六%となっております。不動産登記後の年数と所有者不明率の関係を、国土交通省の調査をもとに調べると、最後の登記から三十年未満は不明率二一%にとどまりますが、五十年以上七十年未満になると六二%、九十年以上では八〇%に達します。  これだけの所有者不明土地が発生する大きな要因は、相続未登記にあります。相続登記は、所有者の任意でもあり、罰則もありません。また、資産価値がなくても、管理コストや登録免許税、固定資産税などの負担が発生するため、法定相続人が誰も相続登記せず、何十年も放置されると、子や孫の代になって法定相続人がどんどんふえていき、ネズミ算式に増加し、事実上、相続も売却もできない物件となっています。これが長年にわたって放置される構図をつくってきました。  時代の変化から来る地域社会の縮小、少子高齢化、土地価格の低下、林業の低迷、経済活動のグローバル化などが、所有者不明土地を拡大させてきました。少子高齢化が急激に進む我が国の人口動態を踏まえれば、今後、多数の相続が発生し、その結果、所有者不明土地は増加の一途をたどることは明らかであります。  このように所有者不明土地の問題とは、現行の制度と社会の変化との狭間で広がってきた問題であります。適切な相続登記がなされないことにより発生する諸課題には、固定資産税の課税実務上の問題を初め、民間及び公共事業のための土地の取引などに関する問題、土地放置による土地管理の問題があります。  災害復旧や空き家対策などの地域の公益上の支障となる例が全国各地で報告されており、いわゆる地方創生の阻害要因でもあります。所有者不明土地が解決されることは、最新の新しい用語にもある防災、事前復興にもつながります。国においても、所有者不明土地問題対策の法案が、来年国会に提出される予定ですが、法律一つでは解決しません。さまざまな官民一体となった施策を組み合わせていくことが重要であります。  本市税務部局における問題解決に向けた対応としては、指定都市市長会などを通じた国への要望、並びに仙台法務局との連携による相続登記促進啓発のためのパンフレットの配付を行っていることも承知しております。以上のことを踏まえ、伺います。  平素から土地の把握については、本来、行政の役割と認識するものですが、昨年の決算等審査特別委員会において先輩議員からの問題提起があり、その際、本市においては、固定資産税の課税実務上は問題ないが、所有者不明土地を把握している部署はない旨の質疑が行われております。  質問の第一は、課税実務上、問題とならないとのことですが、なぜ問題とならないのか伺います。  質問の第二は、本市において東日本大震災を含め、所有者不明土地の関連において、どのような課題があり、どのように対処をしてきたのか伺います。関連する部局は、大半の部局に及ぶと想定しますが、お聞かせください。  質問の第三は、本市行政として、所有者不明土地を把握することについて、どのようにお考えか。また、現在も把握する部署はないと認識しておりますが、総合的な危機管理の観点からも早急に立ち上げ、調査研究を開始することを提言しますが、市長の御見解を伺います。  この問題に詳しい東京財団研究員の吉原祥子氏は、所有者不明土地は地域の活力を奪っていく存在である、土地は個人資産であると同時に、地域の生産基盤であり、暮らしの土台であり、領土でもあると指摘しております。今こそ将来に禍根を残すことのないよう、官民挙げて早急に取り組むことを提言します。  最後に、杜の都仙台の価値をさらに高めるため、未来への投資、世界に誇れる街並みにするため、無電柱化を積極的に推進すべきと考え、二年前の一般質問に引き続き伺います。  昨年十二月十六日、無電柱化の推進に関する法律が初めて施行されました。また、つくば市においては、法律施行前の昨年九月には無電柱化推進条例を施行しております。  欧米やアジアの主要都市は、日本の都市と比べ美しい街並みであります。その理由の一つに、立ち並ぶ電柱と空を横切る電線がないことが挙げられます。ロンドン、パリなどのヨーロッパの主要都市や、香港、シンガポールなどのアジアの主要都市では、無電柱化が概成しているのに対し、日本の無電柱化率は東京二十三区で七%、大阪市で五%、本市は二十政令市中十一位の二%、宮城県は四十一位、〇・七%となっており、戦前戦後の歴史的背景があるにしても、我が国の無電柱化は立ちおくれております。  私は、二年前の平成二十七年十月、第三回定例会において、当時法律がない中で、本市の無電柱化の現状と今後の方向性について質問をしました。当局の答弁は、昭和六十一年度から平成二十年度までの五期にわたる計画と、平成二十一年度からの無電柱化に係るガイドラインに基づき整備を行っているが、平成二十六年度以降、国のガイドラインが示されていないため、新規事業に着手できないでいる。また、今後の方向性については、都市の景観上、防災上、大きな利点があり、有意義な事業であり、道路管理者が中心となりこの無電柱化を進めていくという内容でありました。  今回の法律の目的は、災害の防止、安全、円滑な交通の確保、良好な景観の形成などを図るため、無電柱化の推進に関し、基本理念、国の責務など推進計画の策定を定めることにより、施策を総合的、計画的、迅速に推進し、公共の福祉の確保、国民の生活の向上、国民経済の健全な発展に貢献することとうたっております。  国、地方公共団体、事業者には、無電柱化の推進のための責務を課し、国民には、無電柱化の重要性に関する理解と関心を深め、国または地方公共団体が実施する無電柱化の推進に協力するようにうたっております。  本市の電線類の地中化は、平成二十七年度末現在で、総延長約五十一キロメートルとなっております。具体的には仙台駅西側の歩道が広い主要道路や、仙台駅東口付近の幹線道路が完了しております。現在行っている地中化の工事は、仙台駅東第二地区や、あすと長町地区に接続する路線、都市計画道路事業においては、元寺小路福室線の道路整備に合わせ、電線類の地中化を行っております。今後は、昨年四月に本市に移管された、県道仙台名取線長町一丁目地区の電線類の地中化を進めると承知しております。  以上のことを踏まえ、三点伺います。  質問の第一は、この法律の第四条において、地方公共団体は、基本理念にのっとり、無電柱化の推進に関し、国との適切な役割分担を踏まえて、その地域の状況に応じた施策を総合的、計画的にかつ迅速に策定し、実施する責務を有する。また、第八条においては、努力義務ではありますが、自治体は、無電柱化推進計画を策定し公表することとなっております。本市として、無電柱化の推進計画を策定することについて、どのように考えておられるのか、見解を伺います。  質問の第二は、具体の無電柱化の推進に関する施策の中で、法律に盛り込まれている広報活動、啓発活動はどのようにするおつもりか、伺います。また、十一月十日を無電柱化の日とし、地方公共団体は、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとするとあります。この十一月十日の由来と、本市の行事の予定、概要につても伺います。  質問の第三は、この法律の附則において、無電柱化の費用の負担のあり方として、国、地方公共団体及び関係事業者の適切な役割分担についてうたわれておりますが、本市としての費用負担の基本的な考え方についても伺います。  以上、郡市長におかれましては、所信表明の一端にもある現場主義、創例主義、スピード感を持った的確な取り組みを要望し、私からの第一の質問を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 72: ◯市長(郡和子)ただいまの松本由男議員の御質問にお答え申し上げます。  教育行政の基本的な考え方に関するお尋ねでございました。  私は、まちづくりの基本は人づくりであって、教育はその人づくりの根幹をなすものだというふうに認識しています。未来を担う子供たちはもちろんのこと、全ての人が心豊かな人生を送るべく、生涯を通じて学び続けているわけです。  教育の目的や理念は、教育基本法に掲げられているところでありますけれども、私といたしましては、全ての人が夢や目標の実現に向けて知識や経験を積んでいく学びの手段となるのが教育であって、教育行政はそうした方々の学びを支援するために何ができるかという観点で、取り組んでいくべきものと考えているところでございます。  教育の振興に関する施策の大綱及び教育振興基本計画に関するお尋ねについてでございます。  仙台市の教育振興に関する施策の大綱及び教育委員会において策定した第二期教育振興基本計画は、仙台市の教育環境を取り巻くさまざまな課題を的確に把握していて、その対応の基本的な方針や今後の方向性を示したものであって、私といたしましては、これらを本市の教育行政の指針として、今後、教育委員会とともに具体の取り組みを進めてまいりたいと存じます。  次に、市長と教育委員会の関係に関するお尋ねでございます。  地方自治法におきまして、教育委員会は首長から独立した執行機関である行政委員会として教育行政を担当することとされているわけですけれども、予算の編成権が首長に留保されていることによって、相互の均衡が図られているというふうに思っております。  地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正で、首長が教育大綱を策定するとともに、首長と教育委員会との協議調整の場として、総合教育会議が設けられたところでございますけれども、その趣旨は、自治体経営の責任者である首長が、教育行政に対しても一定のイニシアチブを発揮すべきというものであると、そのように承知をしております。
     教育委員会につきましては、独立した執行機関であることに留意をした上で、適度な緊張関係を持ちつつ、基本は相互に協力をし合いながら、よりよい教育行政のために尽力をするということだろうというふうに思っております。  次に、いじめ防止条例に関するお尋ねがございました。  いじめをなくしていくためには、学校教育のみならず、家庭もそうですし、地域、これもいじめを許さないのだという意識を醸成して、地域社会全体で取り組みを進めていくべきものであろうというふうに考えております。  市議会での御議論、それからまたいじめ問題専門委員会などの第三者機関の答申、提言なども踏まえた上で、仙台市にはどのような形の条例がふさわしいのかということについて、検討を進めてまいりたいと思います。  また、宮城県におきましても、条例制定に向けた検討が行われておりまして、県議会の動きも含めて県とも情報交換を行ってまいりますけれども、本市における自死事案三件続いているという重い事実を受けとめて、丁寧に議論をさせていただきたいと思います。  そのほかの質問につきましては、藤本副市長並びに関係の局長から御答弁を申し上げます。  私からは以上でございます。 73: ◯副市長(藤本章)私からは、所有者不明土地に関する課題とその対処、事前の把握の必要性についての御質問にお答えいたします。  所有者が不明な土地に関しましては、例えば復興道路整備事業の用地取得におきまして、事業対象となる土地で、土地登記簿上の所有者が既に亡くなっているのにもかかわらず、相続登記が未了であったことから、法定の相続人が数十名となっている事例がございました。その際には、司法書士の助言をいただきながら、相続人調査を行い、全ての相続人と個別に連絡をとり、売買契約を締結し、ようやく用地の取得に至ったところでございますが、完了までに多くの時間と労力を費やすこととなったところでございます。  このような事業の進捗に影響を与えるなど課題が生じておりますが、所有者不明土地につきましては、相続登記や私有財産への関与が求められるものの、根拠となる法律がなく、本市独自での把握や対応にはやはり限界があるところでございます。  この問題につきましては、現在、国におきまして国土交通省を中心に検討が進められておるものの、具体的な制度改正の内容等は未定でありますことから、本市としましては今後の国の検討状況等を見定めまして、適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 74: ◯財政局長(板橋秀樹)所有者不明土地に対する固定資産税の課税につきましてお答えをいたします。  固定資産税は地方税法の規定により、土地の所有者として登記されている方、いわゆる登記名義人に対して課税することとされております。また、この登記名義人が死亡した場合で、相続登記が適切に行われていない場合には、その法定相続人を所有者として認定し、課税することとされております。  このため、法定相続人が多数存在する場合に、その全容の把握に苦慮する事例はあるものの、実務上は適切に課税を行うことはできているところでございます。  以上でございます。 75: ◯建設局長(村上貞則)私からは、無電柱化の推進についてお答えいたします。  昨年十二月の関係法令が施行され、国が設置した無電柱化推進のあり方検討委員会において、現在、低コスト化や占用禁止路線の拡充を初めとしたさまざまな推進の方策について、議論がなされているところでございます。  各自治体の計画の基本となる国の推進計画が本年中に策定予定と伺っており、本市としましては、この動向を注視しながら、本市の推進計画を策定してまいりたいと考えております。  次に、無電柱化推進に関する広報、啓発活動等に関するお尋ねでございます。  現在のところ具体的な予定はございませんが、他都市の取り組み状況などを勘案しながら、今後策定する本市の推進計画において効果的な方策を検討してまいりたいと考えております。  なお、無電柱化の日につきましては、趣旨に賛同した民間組織が世間での認知拡大を図る目的に制定したもので、十一月十日の三つの数字の一を電柱に見立て、それをゼロにするとの意味合いが込められているものと伺ってございます。  最後に、無電柱化の費用負担のあり方に関するお尋ねでございます。  費用負担の基本的な考え方につきましては、法令等に基づき、電線共同溝本体に係る費用につきましては、国と本市がそれぞれ二分の一を負担することを基本とし、トランスなどの地上機器や電線などのケーブルについては、各電線管理者が負担することとしております。  事業の推進には多額の費用を要することから、各自治体の共通課題であると認識しており、引き続き、必要な財政措置について、他都市と連携しながら、さまざまな機会を捉えて国に要望してまいりたいと存じます。  私のほうからは以上でございます。 76: ◯教育長(大越裕光)私からは、市長がお答えした以外の教育に係る二点の御質問にお答えいたします。  初めに、小中一貫教育の進捗状況及び今後の方向性についてでございます。  学校教育法等の一部改正に伴い、設置者の判断のもと、平成二十八年四月より義務教育学校等の小中一貫校の設置が可能となっております。  本市におきましては、本年度より、有識者、保護者などから成る小中学校の接続・連携に関する調査研究委員会を立ち上げ、小中一貫校の試行も視野に入れながら、本市の実情に合った接続、連携のあり方について、検討を始めたところでございます。今後は、本委員会において十分な検討を重ね、平成三十年度中には提言をまとめる予定でございます。  教育委員会といたしましては、その提言を受け、先進地の視察や情報収集をしつつ、小中一貫教育のあり方について判断してまいりたいと存じます。  次に、部活動を民間に任せることの試行に関するお尋ねでございます。  学校の部活動指導につきましては、生徒指導上の効果は一定程度あるものの、教職員の負担感、多忙感の要因の一つと認識しております。  現在、国においては、部活動の指導や大会への引率を行うことができる部活動指導員の導入や、部活動に関するガイドラインの策定などが進められております。本市としても、部活動指導員の検討を行うとともに、外部指導者の登用、適切な休養日の設定の呼びかけ、教職員の負担軽減に向けた取り組みを行っているところでございます。  御提案の部活動を学校の管理から切り離し、民間に任せることにつきましては、学習指導要領における学校教育活動の一環としての部活動の位置づけとの関係、受け皿となる地域のスポーツ団体等の設置状況など、多くの課題があるものと考えております。  今後も国の動向等を注視しつつ、よりよい部活動のあり方について、学校外の力で支えていただくことなども視野に入れながら、研究してまいりたいと存じます。  以上でございます。 77: ◯十一番(松本由男)藤本副市長初め前向きな御答弁ありがとうございました。  一点だけ、教育長が今おっしゃった部分、市長に御意見をいただきたいんですけれども、小中一貫教育の調査研究委員会ということで、三十年度には形をつけたいということなんですけれども、これから二年間あるんですね。約二年間。期間ありきではなくて、私はスピード感を持って、この諮問機関に対する目的だとか目標をお示しなはずですから、期間ありきではなくてやったほうがいいのではないかと私は思うのですが、市長、首長と教育委員会との関係、いい緊張感を持ってというお話がございましたが、このことに関して二年間かけてというか、期間を二年間にしてというか、目的、目標ありきではなくて、期間ありきでやることに関してどのように感じられますでしょうか。お願いします。 78: ◯市長(郡和子)松本議員にお答えをいたします。  私も、この小中一貫教育のあり方について国会で議論をさせていただいたということがございます。既に取り組んでいる新潟県の三条市長からも、いろいろとお話を聞かせていただいた経緯もございました。  翻って仙台市でございますけれども、本市でも既に小中連携を強化しているところがあるというふうに認識をしております。丸ごとの一貫教育ということにつきましては、先ほど教育長からお話がございましたけれども、今いろいろ委員会を立ち上げて御議論もいただいているわけでございまして、それらの御議論も見させていただいた上で、鋭意努力をさせていただきたいというふうに思います。  以上でございます。 79: ◯十一番(松本由男)一点だけ、答弁は求めません。  私からのお話です。私は、後ろに試行のお話をしておりまして、一斉に始めたらどうかという提言をしているわけではなくて、一校でも二校でもいいので、いわゆる試しで、当然それは手当てが地域だとか必要なんですが、そういうことを再度お話ししておきます。  以上です。 80: ◯副議長(菊地昭一)答弁は。答弁求めますね。 81: ◯十一番(松本由男)求めません。 82: ◯副議長(菊地昭一)答弁求めますね。再質問ですから、答弁求めないのは再質問ではありません。 83: ◯十一番(松本由男)失礼いたしました。市長にもう一度お願いいたします。 84: ◯教育長(大越裕光)私のほうから再々質問についてお答えさせていただきます。  この小中一貫教育ということにつきまして、今、調査研究を始めているところでございます。この制度の枠組みというのは、ある意味で児童生徒そして保護者、地域の方々にも大きな影響を与える制度ということでございます。当然メリットもございますし、またそれを仮に実現する場合の課題をやはり丁寧に確認、そしてそれを解決していく必要があろうかと思います。  そして、仮に実施する場合は、やはり一気にということは難しゅうございます。まず、物理的に立地的に可能な学校、そういうところ、そしてかつ保護者や地域の皆様の御理解、そういうことをしっかりと見きわめた上で始めるということになろうかと思いますが、その上でも試行であっても、例えばモデル校として実施するであっても、それを実施する児童生徒や保護者の方々からすれば、やはりさまざまな今までとは違う状況になるものですから、その点は慎重に今後、調査検討委員会の中においても、また私どももしっかりと検討してまいりたいと存じます。          ────────○──────── 85: ◯副議長(菊地昭一)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 86: ◯副議長(菊地昭一)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、明日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後六時十五分延会...