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  1. 仙台市議会 2017-09-11
    平成29年第3回定例会〔  総合交通政策調査特別委員会報告書 〕 2017-09-11


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:          総合交通政策調査特別委員会 報告書  総合交通政策調査特別委員会の調査の概要について御報告申し上げます。  本委員会は、地下鉄東西線の開業を機に、公共交通の利便性が高く、持続可能なまちづくりの実現に向けた総合的な交通政策を推進することを目的に設置されました。  まず初めに、本委員会における運営について協議を行い、「東西線開業後の新たな都市交通政策と持続可能なまちづくり」をテーマとし、「新たな交通政策の方向性について」、「持続可能なまちづくりの実現に向けた交通のあり方について」、「地域交通のあり方について」の三つの観点から調査を行うことといたしました。  以下、これまでの活動経過及び調査の中で委員から示された意見等について御報告いたします。 1.新たな交通政策の方向性について  平成27年12月に地下鉄東西線が開業し、本市の公共交通体系の骨格軸となる新たな鉄道網が形成された。定時性、速達性にすぐれた鉄道を中心に、鉄道と連携するバス路線が再編され、自動車に過度に依存しない交通体系の構築が進められている。  少子高齢化の進行や人口減少社会の到来、財政的制約の強まりなど、本市を取り巻く社会経済情勢は厳しい状況にある。このような中、新たな交通政策の方向性としては、既存の基幹交通を最大限活用し、公共交通の利便性を高めることにより、利用の促進を図っていくことが重要であると考える。  調査の中で実施した有識者の意見聴取において、本市の公共交通の利用促進策について、良いメニューはいろいろあるが、それぞれ個別で実施しているという印象が強く、今後は全体をマネジメントするということが必要であるとの意見があった。本市の厳しい財政状況の中で、既存のインフラを活用し最大限の効果を発揮するためには、仙台市営の地下鉄やバスに加え、民間の交通事業者も含めた市全体の交通体系の中で考えることが重要である。  一方で、本市の市営バス事業は、利用者数、乗車料収入ともに減少傾向にあり、経営環境は今後更に厳しさを増すと見込まれる状況であり、経営の持続性を確保する抜本的な取り組みが不可欠である。公営企業としての市営バス事業においては、IC乗車券等から得られるビッグデータを活用し、地域・路線ごとの利用者の需要を見定めながら持続的な運行を確保していくことが求められる。京都市ではバス停に路線ごとの営業係数を公表しているが、本市においても、市民が自らの利用するバス路線の経営状況を把握することで、積極的に利用するよう働きかけることを目的として、さらなる情報発信の取り組みを検討していく必要がある。また、民間バス事業者との連携や運行エリアの住みわけを行うとともに、公営企業のみで対応することの難しい生活交通については、乗合タクシーコミュニティバスの運行など、本市が施策として取り組んでいくことが求められる。  さらに、新たな交通体系の利用促進を進めるうえで、自動車からの乗りかえを促す取り組みを推進し、市民の意識を転換していく必要がある。本市においても、せんだいスマートを始めとするさまざまな施策が実施されているが、公共交通を利用するライフスタイルの提案や乗り継ぎ利便性の向上により、さらに市民への意識づけを図っていくべきである。 <主な意見> ○ 市民に、ともに公共交通を支えていくという意識をより発信していく時期になってきたと思う。人も税収も減っていくという中においては、お互いに力を合わせるところ、我慢できるところについて広く情報を発信していく必要があると強く感じた。 ○ バスに関して、公営企業としてやる部分と、公営企業では難しいコミュニティバスを運行させるような部分を切り離して考えないといけない。公営企業で市全域を網羅しようとすると、結局全てを密度の薄い運行にしてしまい、かえってバス離れを助長することになってしまうのではないか。 ○ 公共交通の大切さ、高齢化社会における公共交通の重要性もこれから啓発していかなくてはならない。
    ○ 鉄道とバス路線の結節を強化し、市民にとってプラスとなるような施策を進めることにより、新たな交通政策の有用性が増し、持続可能なまちづくりも進む。 ○ 公共交通の一番のネックは、人件費の経費に占める割合が大きいこと。近年、オートドライブについて話題となっているが、運転手がいなくとも運行できるシステムが実用化すれば、バス事業は大きく変わると思う。 ○ バス事業者が公営民間を問わず結束し、バスの自動運転の開発研究について国などに積極的な取り組みを求めていく必要があるのではないか。 2.持続可能なまちづくりの実現に向けた交通のあり方  地下鉄東西線開業を機に、沿線のまちづくり推進や魅力向上に係るさまざまな事業が実施されており、持続可能なまちづくりを実現するためには、まちの活性化という視点からの公共交通のあり方が今後も問われるものと考える。より多くの人が移動し、活動することを支えることが公共交通に求められる役割であることから、利便性を高め、公共交通の利用を促進する取り組みが重要である。  本市においては、鉄道網を基軸として鉄道駅へバスを結節させる交通体系の構築を進めているが、利用者の利便性を高めるためには、鉄道とバスの結節を強化する取り組みが不可欠である。このためには、循環バスの活用や鉄道と連携したバス運行ダイヤの設定などにより、待ち時間の短縮を図ることが効果的な手法と思われる。市内の交通体系全体を網羅した総合的な乗り継ぎ時刻表の作成や、積極的な乗り継ぎ情報の提供、商業施設との連携等によるバス待ち環境の改善といったことも、待ち時間の有効活用を可能にするという点において、利用者の利便性を向上させる取り組みとして有効なものと考える。  また、公共交通の利用に際して、仙台駅前のバス停の位置や市営バスの系統番号表示、100円パッ区の区間表示など、日常的に公共交通を利用しない市民や観光客にわかりにくい部分がある。公共交通の利用を促進するためには、誰にでもわかりやすく、利用しやすい環境を整備するべきである。 <主な意見> ○ 地下鉄、バスのモーダルコネクト、交通機関の一体化をどう図っていくのか。バスと地下鉄を切り分けるのではなく、総合的な視点で乗客の利便性を考えていく必要があるのではないか。 ○ 東西線・南北線の基軸ができたが、フィーダーバスの乗り継ぎはまだまだうまくいっていないところもある。全体として利便性がよくなるよう、つなぎの部分を調査していかなければならない。 ○ 市中心部ではバスの100円均一運賃制度があるが、地下鉄とバスの乗り継ぎが必要な地域についても運賃体系の見直しを考えていく必要がある。 ○ 東西線をつくったからいいではなく、東西線に乗ってもらう、あるいは帰ってきたとき待つ必要もなくバスに乗って自宅に帰れる仕組み、循環バスを最大限活用する方法なども考えていかなければならない。 ○ 市民のために何ができるかというところから考えて物事を進めていくことによって、より利便性が高まる。まちの足になるという感じがした。 ○ いろいろ工夫をしているが、総合的に見ていくというのが大事。どういう人が何を使うのかという機能分けをしていくのも大事だと思う。 ○ 利便性が向上しなければ、市民はバスや地下鉄には乗らないと思う。その対策を、我々も知恵を絞りながら、市民と一緒になって考えていかなければならない。 3.地域交通のあり方について  少子高齢化の進行や人口減少社会の到来により、特に中山間地域や郊外団地等において日常生活に必要な地域交通の確保が今後より一層懸念される。本市においては、市民協働の取り組みによる地域交通の確保をせんだい都市交通プランにおける施策の柱の一つとして位置づけ、路線バスの維持や坪沼地区における乗合タクシーの運行など、地域の生活交通の確保に取り組んでいる。  今後、こうした生活交通の確保に際しては、地域ごとの課題や特性を考慮した住民主体の仕組みづくりを行うことが重要である。視察調査を行った和歌山市や津市においては、地域が主体的になってコミュニティバスなどの運営を行い、これを行政が積極的に支援するという事例が見られた。すでに述べたとおり、公営のバス事業では対応が困難な地域については、コミュニティバスなどの積極的な導入により本市の施策として早急に対応していくべきである。制度化するにあたっては、ガイドラインを作成し十分な試行期間を設定するなど、地域の実情にあったより具体的な支援を行っていくことが必要である。  また、地域交通を持続的に維持していくためには、地域自らが積極的に利用に努める意識を持つことが不可欠であることから、意識の醸成を促すよう取り組むべきである。 <主な意見> ○ 高齢化社会が進むことにより過疎地も含め、コミュニティバス小型タクシーなどの取り組みは、本市においても現実的にふえてくると思われる。 ○ コミュニティバス乗合タクシーなど、いわゆるエアポケットになっているところを埋めていくための方向性を、制度的につくっていくことが必要である。 ○ 公営バス、JR、地下鉄という、住民自身が地域の足を守っていくのだという方向に意識をまず変えていき、そして利用すること。せっかく走るのであれば、利用することにも努力してもらう。 ○ 生活交通の導入を支援するには、まずガイドラインを作成して進めればよいのではないか。 ○ バス事業については、予算環境と人口の推移を見ながら、これからどこまで維持していけるかという可能性を求め、方向性を定める必要がある。 ○ 今後の交通網を考えたときに、地域の特性を考慮しながら、住民が困らない状況をどうやったらつくれるかという、その視点を見失うことなく、それぞれの競合会社とも協議し、市民のためにどうあるべきかということを進めていくべきだと思う。 ○ 津市の視察調査において、地域住民の要求に寄り添ってフレキシブルに対応しているという話は非常に新鮮に受けとめることができた。 ○ 地域ごとにいろいろな問題点があるので、その問題点を解決するためにどのような仕組みづくりをしていくか、きちんと研究していかざるを得ないと思う。 まとめ  本委員会では、「東西線開業後の新たな都市交通政策と持続可能なまちづくり」のテーマのもと、有識者からの意見聴取や先行事例の視察などを通じて調査を行ってまいりました。  本市の公共交通は、平成27年12月の地下鉄東西線開業を機に、大きく変化しています。本市のせんだい都市交通プランは平成22年度から32年度までの計画であり、将来に向けた新たな交通プランの策定が求められております。新たなプランにおいては、少子高齢化に加え人口減少社会を迎える中で、地下鉄南北線・東西線、JRの鉄道を中心とした公共交通体系の構築を進めていくことが必要です。  本委員会は、このような状況の中、大きく三つの意見を述べております。  一つは、公共交通施策に係るマネジメント力の向上についてであります。特に、市営バス事業の経営を改善し、経営健全化団体となることのないよう、経営の持続性を確保する抜本的な取り組みを交通局に求める一方で、本市全体の公共交通については、施策の総合的なマネジメントのもとで全庁的に取り組んでいくことが必要であります。  二つ目は、公共交通の利便性向上についてであります。当局においてもさまざまな施策を実施していますが、公共交通に対する市民のニーズに応え、利便性を向上させるさらなる取り組みが求められます。交通機関相互の結節を強化し、快適な交通環境を整備することにより、市民が自ら利用したいと感じる魅力ある公共交通を実現していかなければなりません。  三つ目は、生活交通についてです。本市の中山間地域や郊外住宅地においては、少子高齢化が進行しており、生活交通のあり方がますます大きな課題となると思われます。当局においては、他都市の事例も参考に、地域主体の取り組みに対し、各々の実情に応じた具体的な支援を行うことにより、地域の課題解決につなげていくことを求めるものであります。  報告の最後に申し上げたいのは、今後、市民とともにまちづくりを進め、公共交通のあり方を考えるにあたっては、積極的な情報発信により、市民の理解を求めていくことが大変重要であるということであります。当局においては、交通事業の経営状況や施策について積極的に情報を発信し、市民が自ら公共交通を支えるという意識を持ち、公共交通の利用促進が図られるよう取り組んでいくことを強く求めるものであります。  以上、本委員会としての考えを述べてまいりましたが、市当局におかれましては、本委員会における委員の意見などを踏まえ、公共交通の利便性を高め、持続可能なまちづくりの実現に向けた総合的な交通政策を推進するために、全庁を挙げて、スピード感を持って積極的に取り組まれることを要望いたします。本委員会の報告が今後の本市の交通政策の方向性を示すものとなることを期待し、報告といたします。                          平成29年9月11日 仙 台 市 議 会   議 長   岡 部 恒 司 様                     総合交通政策調査特別委員会                       委員長  鈴 木 勇 治            調 査 の 経 過 概 要 第1回委員会 平成27年12月3日(木) (1)総合交通政策調査特別委員会のテーマ及び調査項目等について協議   〔テーマ〕     東西線開業後の新たな都市交通政策と持続可能なまちづくり   〔調査項目〕     1)新たな交通政策の方向性について     2)持続可能なまちづくりの実現に向けた交通のあり方について     3)地域交通のあり方について 第2回委員会 平成28年2月1日(月) (1) 当局からの報告   「せんだい都市交通プランの概要と今後の交通政策の検討について」     1) 三つの基本方針     2) 本市を取り巻く状況の変化と課題     3) 今後の交通政策の検討の方向性 (2) 当局からの報告及び調査項目を踏まえた意見交換 他都市視察 平成28年3月16日(水)~17日(木) (1) 富山ライトレールについて(富山ライトレール株式会社)  【説明要旨】  1)導入の背景について   ・富山市では、昭和62年頃からJR沿線の産業活動の衰退と自動車交通の利用    増などにより、市街地の拡散と中心市街地の空洞化が進行。   ・JR利用客減少と北陸新幹線の富山駅乗り入れ計画を機に、まちづくりの観点    からJR富山港線路面電車化を選択。事業実施にあたり、市民アンケートや    市民に対する説明会を頻繁に行い市民の要望を踏まえた計画を策定した。  2)整備、運営について   ・ライトレールの路線は、旧JR富山港線の線路の大部分を活用して整備。延長    7.6km、停留所13カ所(うち新設5カ所)   ・公設民営による事業運営を行っている。行政は施設整備と開業後の維持管理に    責任を持ち、運営会社は運賃収入で運行費用(人件費・動力費)を賄い、安全    で快適な公共交通サービスに責任を持つこととし、単なる運営赤字に対する行    政からの支援は行わないこととした。  3)利用促進について   ・路面電車化に合わせ、JR時代に比べ、列車本数の増便(通勤・通学時間帯は    約10分おき、日中~夜は15分おき)、終電時間の改善(21時台から23時    台に改善)を行った。   ・低床ホームの導入により、電車とホームの間に段差をなくし、電車の乗降口や    床に段差をなくすなど施設のバリアフリー化を図った。   ・最寄駅までの交通手段を多様に選択できるように、フィーダーバスの接続やパ    ークアンドライド駐車場の設置、駐輪場の整備などを行った。   ・JR時代とライトレール開業後の輸送人員比は、平均約1.8倍増となった。    (利用客数は、平日約2.2倍増、休日約5.3倍増)   ・トータルデザインを導入し、車両のカラーリングや運転士の制服、会社のロゴ
       マーク、サイン等を統一し、ライトレールのイメージのPRを図っている。   ・運賃割引き制度自主企画イベントの開催。   ・沿線企業や学校地元ボランティアなどと一緒に、ライトレール沿線の緑化活動    を行っている。 (2) 金沢市のまちづくりについて─交通の視点から─(金沢大学)  【説明要旨】  1)金沢の都市構造と交通課題   ・藩政期の町割りをそのまま残した都市構造で、中心部の交通渋滞の慢性化が課    題となり、マイカー規制の導入が検討されていた。  2)金沢市のまちづくりの考え方   ・まちづくりの考え方は、開発と保全の調和によるまちづくり。相反する二つの    内容だが、条例による規制と誘導により調和をとるというトップダウンによる    考え方。第1回パーソントリップ調査(昭和49年)から平成16年までの間    に4回のパーソントリップ調査と数度の新交通システムの導入や交通実験を    実施している。  3)オムニバスタウン計画   ・バス交通を公共交通の基軸とした都市交通体系の確立のため、オムニバスタウ    ン計画を平成10年から3段階に計画。   ・バス空白地域モビリティ向上、高齢者の移動支援、中心市街地へのアクセス    改善、人の交流の活性化、マイカー依存からの脱却を目的に、金沢ふらっとバ    ス(4ルート)を導入。  4)歩けるまちづくりの推進   ・個別地区において、歩行者優先化を目的とし、住民による調査・実験・検討・    計画策定・整備・実践を進めている。トップダウン構想(ビジョン)により、    ボトムアップでまちづくり団体が構想を策定し、歩けるまちづくり協定を市長    と締結。  5)第二次金沢交通戦略   ・現状の交通問題や都市問題を解決するだけでは十分ではない。将来に向けての    価値創造型の都市交通計画の策定が必要。(便利で安全で安心して暮らせる街、    活気にあふれた街、楽しく歩ける街等。)   ・公共交通重要路線を位置づけ、乗り継ぎの利便性、利用しやすくわかりやすい    ダイヤ、定時運行による信頼性と利便性の向上、バス待ち環境を改善。さらに    主要路線、生活路線を位置付け、バス路線のランク付けを行っている。   ・バストリガー協定により、バス事業者地域住民側で値下げ等の利便性向上策    を導入。行政は、公共交通利便性向上の実証実験と捉え、協定締結を仲介。大    学での成功を機に地域版トリガーへ展開。 第3回委員会 平成28年4月27日(水) (1)他都市視察を踏まえての意見交換 第4回委員会 平成28年5月19日(木) (1)当局からの報告   「公共交通の利用促進に向けた取り組みについて」   「せんだいスマート」の取り組み     1)モビリティマネジメント     2)小学生交通環境学習     3)パーク&ライド、パーク&バスライド     4)公共交通利用促進イベント     5)ICカード乗車券導入、利用しやすい運賃設定 第5回委員会 平成28年7月28日(木) (1)有識者からの意見聴取   「今後の仙台市に求められる交通政策のあり方について」    菊池 輝 氏(東北工業大学工学部都市マネジメント学科教授)  【説明要旨】  1)仙台に戻ってきて思うこと   ・仙台は非常にコンパクトな都心が形成されている。交通の起点となるJR仙台    駅からアーケード街へスムーズに接続されており、仙台三越付近まで約1.8    km、しかもアーケードがあるので徒歩で移動できる。   ・バスの系統番号がわかりにくい。3桁プラス一部アルファベットを併用し、覚    えるのが難しいが、人間の認知能力を考えると2桁がせいぜいだと思う。一部    は非常に整理された系統番号であるため、理解すれば使いやすいが、最初のハ    ードルが高くなっているのではないか。   ・仙台駅前のバス停が多過ぎる。バスが主要な交通機関であるべきだが、やや不    便さもある。   ・公共交通の事業経営の詳細(どういったところで何が赤字なのか)がわかりに    くい。   ・自動車優先の文化が仙台に根づいているのではないか。自動車依存が高いと感    じる。  2)京都市の取り組み   ・バス停の時刻表には、路線の営業係数を記載し、市民に対してオープンにする    取り組みを行っており、十分認識されている。   ・バスの路線数は圧倒的に仙台のほうが多いが、所有しているバスの台数は京都    のほうが多い。8年間で50台ほどふえ、ノンステップバスを9割以上導入。    それでも経常収支としてはプラスである。   ・「歩くまち・京都」憲章の制定による主な取り組み    ・四条通の歩道空間の拡幅      最初の社会実験から7年かけ、地元関係者と具体的な検討を進めて完成。    ・バス停のセットバック      バス停への停車が渋滞の要因であったが、四条通は料金箱を外に出し、      バスが着いたらドアをあけてまず乗客におりてもらい、運賃は外で払う駅      のホームのようなつくり。ここでバスの乗降時間をかなり短縮している。  3)実験やシミュレーションによる調査結果    ・利用者の視線に立って自動車と公共交通の長所短所を比較すると、圧倒的に    自動車のほうがメリットが多い。自動車に乗り続ける人の習慣性や性格を考    えると、公共交通への転換というのはなかなか難しい。その中でバスに乗っ    てもらいたいという気持ちがなければ、利用促進を図れないのではないか。    ・自動車への依存が必ずしも市民生活の向上に直結するものではないというこ    とが示されている。    ・交通施設の整備、自動車交通の抑制策、公共交通の利用促進策だけが今後の    交通政策ではない。つくったからそれが利用されるというものではない。利    用してもらうためにはどうしたらいいのか、公共交通を利用した生活とは、    どういうものなのかをまず提示することが大事である。    ・ライフスタイルを提案するということが非常に重要である。自動車から公共    交通への転換を呼びかけてもなかなか利用は進まない。公共交通を利用する    メリット、自動車に依存し続けるデメリットも、きちんと市民に伝えていく    必要があるのではないか。  4)コンパクトシティーの考え方    ・徒歩圏内の非常に便利なところにバス停があり、駅も近いが、毎日自動車を利    用し郊外で買い物をして、休日は郊外の娯楽施設で遊ぶのであれば、コンパク
       トシティーとは呼ばない。バス停やスーパーが近くにない地域もあるが、生活    している人が工夫をしながらコンパクトな生活を営んでいるのであれば、その    まちのこともコンパクトシティーと呼ぶのではないか。まちの構造をコンパク    トな生活ができるというふうに変えたから、コンパクトシティーができ上がる    ということではない。やりたいことは全て身近にできるような都市構造をつく    るということではない。コンパクトシティー的な生活のあり方、そのようなラ    イフスタイルが営まれて初めて、それはコンパクトシティーというものが実現    されるはずである。  5)仙台市に求められる交通政策のあり方   〔魅力あるまち〕    ・質の高い公共交通は必須である。質の高いというものは「大量の人々を快適     に効率よく運ぶ」と考える。自動車はこの大量輸送ということはできない。     質の高い公共交通を整備して、空間の利用密度を上げる。これが魅力あるま     ち、都心に求められる非常に重要な視点である。   〔公共交通を活用したライフスタイルを提示すること〕    ・車利用は便利で快適であるということは間違いないことではあるが、必要以     上に便利で快適なものであると利用者が思い込んでいるところがあるので     解消する。そうするだけでかなり公共交通に対しての態度が変わってくると     いうことも実験事例から示されている。   〔公共交通を便利にする〕    ・地下鉄東西線ができて基軸ができたが、交通機関間の結合がもっとスムーズ     に快適にできなければ基軸とは呼べない。機関間のコネクト強化を図りたい。     地下鉄、バス、これを区別するのは事業者、行政の発想である。利用者にと     ってはあくまでも一つの移動でしかない。地下鉄とバス両方組み合わせて乗     るにあたり、ここを連結しなければ一つのものとして地下鉄も利用しようと     いう気持ちにはならないはずである。便数をふやす、料金を安くするという     のは簡単に思い浮かぶ施策だが、事業として成立させるためにはこればかり     に走るわけにはいかない。円滑な乗りかえ機能(乗りかえ距離が長くない)、     滞留機能の確保。待ち時間が発生するのは仕方ないが、待ち時間と感じさせ     ない工夫が必要。   〔総合的にマネジメントする〕     ・仙台市の公共交通の利用促進は非常にすばらしいメニューがそろっている     が、個別で実施しているという感が強い。全体をマネジメントするという     ことが次の段階として必要になってくる。個々の施策をいかに一つに結び     つけていき、仙台の将来像に結びつけるか。総合交通政策をマネジメント     する組織及び施策を推進するリーダーシップが必要である。一部の組織が     頑張るだけでは、なかなか変わらない。まち全体の話なので、マネジメン     トする組織と牽引するリーダーシップは絶対的に必要になると思う。 (2)有識者からの意見聴取を踏まえての意見交換 第6回委員会 平成28年10月13日(木) (1)市内視察   1)八木山動物公園駅周辺    駅周辺の整備状況について、地下鉄駅構内までの動線等について、駅か   ら結節しているバスの概要について、駅構内に設置しているバス発車時刻   案内表示やベンチなどについて調査を行った。   2)JR長町駅周辺    東口駅前広場について、結節しているバスの概要について、JR高架下   のバス待ち空間について、地下鉄駅構内までの動線について調査を行った。 第7回委員会 平成28年12月22日(木) (1)当局からの報告   「東西線沿線まちづくりの取組みについて」     1)沿線での開発状況     2)沿線開発誘導の取組み     3)今後の取組み 第8回委員会 平成29年1月19日(木) (1)当局からの報告   「バス事業及び地下鉄事業の現状について」     1)仙台市自動車運送事業経営改善計画             〔平成29年度~平成33年度〕(中間案)の概要     2)東西線の月別乗車人員について     3)東西線の利用促進に向けた取り組みについて 他都市視察 平成29年1月25日(水)~26日(木) (1)和歌山市における交通政策について(和歌山市)  【説明要旨】   1)和歌山市の概要   ・平野部を中心にまちが形成されており、面積約209km2、人口約36万人。自    家用車利用がメイン。路線バス利用者数は平成7年から41%減少。JR・私    鉄は微増。関西国際空港からのインバウンド客の影響。   2)公共交通機関の利用促進の取り組み   ・和歌山都市圏公共交通路線図を市民団体が作成。駅に設置しても利用する人し    か手に取らないため、公共交通を知ってもらうために約15万世帯に配付。   ・市役所を活用し、各交通事業者によるPRを行っている。   ・不採算バス路線の乗降客調査を行い、沿線住民に調査結果の周知。   ・職員のエコ通勤(公共交通・徒歩)の実施。   ・鉄道駅の駐車場、駐輪場等の整備。   3)地域バス制度の導入   ・路線バスの廃止により、地元住民から要望が市にあったことがきっかけ。   ・行政が主体となるコミュニティバスなどは、地域交通確保の一助となる一方、    行政の財政負担や住民のニーズに合った運行に苦慮するなど、課題が大きくな    っていく。また、行政主体でバスを運行させても、利用者がいなくても走らせ    なくてはならないような状況になり、ますます公共交通を維持していくのは難    しい。   ・持続可能な公共交通体系を構築していくために、バスを必要とする地域が主体    となって、地域の負担も取り入れ、地域・運行事業者・行政がそれぞれ協力す    る形で運行する仕組みとしている。   ・地域の役割    →需要調査・運行計画の作成、地域の合意形成、申請手続き、事業者の選定・     運行委託、地域住民への利用啓発等。   ・行政の役割    →導入のための勉強会の開催、導入作業のサポート、補助金の支払い等。     バスは市が準備し、運行事業者に無償で貸与。   ・市の補助率と地域の負担率    →試験運行:運行費の90%を上限に補助。継続判断は、地域の運営協議会が     判断。運賃収入が運行経費の10%に満たない場合は、組織負担や協賛金等     で補っていただく。    →本格運行:運行経費の80%を上限に補助。継続判断は、1年ごとに地域の
        運営協議会が判断。運賃収入が運行経費の20%に満たない場合は、組織負     担や協賛金等で補っていただく。ただし運行経費の10%を運賃収入で補え     ない場合は継続運行できない。   ・収支率(運行経費に占める収入の割合)が20%以上で地域負担は0(ゼロ)    になる。平成27年度の収支率は、試験運行時(平成25年度)と比較して    2.4%増加。平成28年度は、12月時点で地域負担はなし。   ・他の地域からも導入したいという声があるが、需要調査などの結果から、導入    には至っていない。市で予約型のデマンドタクシーの導入についても検討中。 (2)津市における交通政策について(津市)  【説明要旨】   1)津市の概要   ・面積約712km2、人口約28万人。10市町村の合併により集落が点在し、    人口の6割が中山間部に居住。地域をどう結び付けていくかが交通の主な課題。   2)地域公共交通網形成計画の策定   ・平成21年策定の地域公共交通総合連携計画の検討課題及び施策の実施状況の    点検、市民アンケートの結果を踏まえた課題の整理を行い、形成計画に引き継    いだ。さらに上位計画・法改正を踏まえた新たな視点と、より重点的に取り上    げるべき視点から、将来像及び基本理念を定め、基本方針と目標、目標に対す    る施策を定めている。計画の達成状況についてはしっかりと評価することが重    要。(1年間かけて分析・評価を行うこととしている)   3)利用促進の取り組み   ・地域公共交通活性化協議会において、毎年度、施策の進行状況、数値目標の達    成状況等について協議及び評価を行い、課題の再整理を行う。また、各地域の    利用者・自治会長・社会福祉協議会代表者等で組織される検討会での意見も踏    まえ、必要に応じて運行変更等を行っている。   ・公共交通に対する市民意識の向上を図るために、Webを活用したモビリティ    マネジメントの推進、高齢者の外出意欲増進のために、低床バスの導入などを    行っている。乗り継ぎの利便性を高めるため、国の補助事業を活用し、異なる    事業者の時刻表を一冊で確認できる総合時刻表を作成・配付。インターネット    路線検索サイトにコミュニティバスの路線データを提供し検索を可能にした。   ・セントレアと津市を結ぶ航路(公設民営)のPR、海上アクセス拠点「津なぎ    さまち」(指定管理者制度)の活用。   ・JR名松線を市・県・JRの3者で完全復旧させ、行政と市民が一体となり、    さらなる利用促進のため観光振興に取り組んでいる。  4)市が事業主体のコミュニティバスの取り組みについて   ・10市町村の合併によりバス事業再編が必要となり、地域公共交通総合連携計    画を策定、旧市町村でそれぞれ運営していた町営バスなどを整理し、平成22    年から3年間コミュニティバスの実証運行を行った。平成25年から本格運行    を開始し、地域の声や検討会の意見等を踏まえ、フレキシブルに実情に応じた    きめ細かな運行変更を行っている。旧市町村を一部越えたルート設定の整理な    どを行っている。現在8路線。   5)地域住民が主体のコミュニティバスの取り組みについて   ・既存のバスがすべての地区を網羅することは難しいため、交通空白地ができる。    従来だと要望・要請型でお断りの回答をしていたが、地域住民でバスの運行を計    画してもらい、新たな補助制度を設けた。地域住民が運営主体となり、乗合タク    シーを運行。運行経費から運賃を引いたいわゆる赤字分の4分の3を市が補助す    る仕組みを作った。4分の1は地元で負担。自治会費等からの支出となるので空    バスを走らせるわけにはいかない。真剣に取り組んでもらっている。それぞれの    地区に市の担当者が入り、協議を進めて、現在3地区で運行を行っている。   6)公共交通ネットワークに対する課題に対する対応方針   ・全体のネットワークの中で個々の路線の位置づけを整理し、状況ごとに3段階に    分け、路線・地域に優先順位や濃淡をつけて施策を検討していく。   ・利用者の減少が続いている地域においては、住民にも危機感を持ってもらうよう    に情報発信していく。 第9回委員会 平成29年2月2日(木) (1)他都市視察を踏まえての意見交換 (2)当局からの報告   「地域交通の確保について」     1)せんだい都市交通プランにおける位置づけ     2)国の動向     3)交通手段の分類     4)実施事例     5)本市における取り組み 第10回委員会 平成29年4月27日(木) (1)これまでの委員会を踏まえての意見交換 第11回委員会 平成29年7月27日(木) (1)委員会報告書について内容確認...