まちの通りや広場や公園といった公共空間でなぜにぎわいなのか、なぜにぎわいが必要なのか。にぎわいを考えるときに、パリやヨーロッパの幾つかの都市が浮かんできます。
奥山市長は、年度の所信表明で
ポートランドを事例として出しました。四月二十五日、
メディアテークで開かれた山崎満広氏の
トークイベントを聞く機会があり、
ポートランドについていろいろな話を聞くことができました。山崎満広氏は、著書の中で
ポートランドを詳しく紹介しております。著書の中にたくさんのヒントが書かれてありました。
ポートランドは世界で一番住みたくなるまちと言える、いろいろな要素を含んでいるまちです。まちの中心部ということは、通りをたくさんの人々が行き交うことでにぎわいが生まれます。アメリカのような車社会でも、歩くことが楽しい通り、歩きたくなる通りは人気があり、そこに住みたいという評価も高まります。車を使わず、徒歩や自転車またはバスや
ライトレールを使って二十分以内の場所に仕事場があり、買い物ができ、レストランやバーに行ける。二十分圏内でふだんの生活に必要なものが何でもそろうコミュニティーが
ポートランド市内には幾つも存在しております。それらを
公共交通機関でつなぐことにより、コンパクトで住みよいまちをつくり上げてきました。
仙台市は、これまで建設局主導で定
禅寺通利活用推進事業を展開してきてまいりました。平成十三年八月には緑の
回廊づくりをテーマに道路の
リニューアルが完成するなど、
ケヤキ並木を生かした道路空間の環境整備に取り組んでまいりました。平成十四年には、有識者、市民、
関係機関等により定
禅寺通利活用方策検討委員会を設置し、
オープンカフェの実験等を通して市民等の意向を把握しながら、市民が主人公になって継続的で多彩な定禅寺通の利活用を行う上でのルールや仕組みなどを検討し、基本的方向の提言をいただき、この提言を受け、市民による各種催事の自主的な管理運営を行っていく
マネジメント組織として、平成十五年四月にハロー定禅寺村が発足し、コンサートや
オープンカフェなどの実験が試みられてきました。市は、この市民組織に支援を行い、市民の皆様と協力しながら活用方法の検討を進めてきております。
質問の第一として、今まで進めてきた施策があるが、今回、
まちづくり政策局に定
禅寺通活性化室を新たに設け、さまざまな施策を実施しようとしているが、今までと今回の施策の違いは一体何なのか、考えをお聞きします。
質問の第二は、福岡を初め各地で歩道拡張の動きがあります。昨年、
都市整備建設委員会の他都市視察において、京都の四条通の烏丸通─川端通の道路を削って歩道を広げた
歩道拡張状況を見てまいりました。京都は「歩くまち・京都」という標語で
まちづくりを目指しています。
渋滞が激しくなったとか不便になったとか批判もかなりあるようだが、時がたてばきっとこれでよかったと思う人も多くなる。歩くということはただ目的地に行くための移動だけではなく、体を動かし、ぶらぶらすること自体の楽しみもある。歩道拡張によって楽しさがふえ、まちはにぎわうという話をお聞きしました。
先行して実施されている青葉通は、仙台駅前から西公園まで定禅寺通より本数の多い
ケヤキ並木が続く杜の都仙台の
シンボルロードです。
青葉通周辺の商店会、町内会、企業により組織された
青葉通まちづくり協議会も立ち上がり、協議会の目指しているものは
ケヤキ並木と調和した魅力ある町並みであり、拡張された歩道も活用したイベントを開催したりし、にぎわいの創出に取り組み始めており、地域や沿道の方々と市の協働による動きが徐々に生まれつつあるとお聞きしましたが、定禅寺通に関してはどんなコンセプトをつくっていくのか、非常に大事なテーマになります。
先ほど述べたように、京都は「歩くまち・京都」という標語があります。では、仙台市がこのコンセプトをつくるに当たり、市民の意見を十分取り入れることが最も重要と考えるが、どのようにしてコンセプトをつくっていくのかお尋ねいたします。
質問の第三は、今回の定禅寺通における活性化の取り組みの効果がどの範囲に波及し、結果として都心部の人の回遊性にどう結びつけていくのかお尋ねいたします。
最後に、以前より検討されている定禅寺通における
リノベーションまちづくりと、今回の定
禅寺通活性化室の取り組みの関係はどのようなものなのかお尋ねいたします。
次に、児童生徒の交通安全についてお伺いいたします。
新緑が鮮やかなこの季節は大人も子供も活動的になります。実はこの時期、小学校低学年の児童が交通事故に遭う件数が急増する時期でもあります。五月といえば、新人社員や大学の新入生、社会人が新しい環境に適応できないことに起因する精神的な症状の総称の五月病がありますが、五月病ならぬ、五月事故というものがあります。
中でも小学校低学年の交通事故は際立って多いと言われています。警視庁が全国の小学校の歩行中の交通事故を分析した結果、平成二十一年から平成二十五年の五年間の
死傷者合計は、小学校一年生が一万六百四十人、二年生が九千二百二十二人、三年生が六千七百八十三人、四年生が四千八百八十九人、五年生が三千六百三十七人、六年生が二千七百六十三人で、学年が下がるほど死傷者が多くなっています。特に一年生、二年生は要注意ということになります。
五年間の死傷者を月別で見てみると、一年生は四月六百九十三人、五月千三十一人、六月千百三十九人、七月千人、八月六百九十九人、九月八百五十六人、十月千七十二人、十一月千二十一人、十二月九百十一人、一月六百二十三人、二月七百三十二人、三月八百六十三人となっております。
新一年生として緊張して登下校している四月よりも、学校になれてきた五月から七月のほうが実際には交通事故に遭うことが多いという数字が出ております。二年生の死傷者も、四月は八百四十八人だったものが、五月は九百八十一人、六月は千四十六人、七月は八百四十七人で、一、二年生を通して見ると五月から七月が事故の多い魔の季節となっています。
被害が起こる原因は多岐にわたりますが、大人が常に付き添う幼稚園、保育園時代とは違い、小学校入学を境に子供だけで行動する時間がかなりふえるのが一因となっております。
五月から七月にかけての交通事故の多発は、新しい生活になれ、行動範囲が拡大する一方、
交通ルールを守る意味を十分に理解していないことが原因の一つとして考えられます。単に規則だから、
交通ルールだから従うのではなく、自分自身の安全のために
交通ルールを守る必要があることをきちんと理解させることが大切です。
学校教育においては、各
指定都市教育委員会教育長宛てに文部科学省及びスポーツ庁から、
児童生徒等に
交通ルールの遵守と正しい
交通マナーの実践を習慣づける等、
交通安全教育の推進に努めるよう所管の学校に対し周知を図るよう通知があり、これを踏まえ、平成二十九年春の全国交通安全の実施に当たり、各
市立学校長宛てに教育局の担当課長名で通知を行っております。
その内容は、学校における
交通安全指導については、
文部科学省作成のリーフレットなどを活用し、より一層の充実を図る等、特に幼稚園や小学校においては、道路の歩行と横断の仕方などについて繰り返し指導を行い、安全な行動が身につくよう努めること。さらに、学校においては、体育、保健体育の時間はもとより、関連教科、
ホームルーム活動、学校活動に指導を充実するとともに、
児童会活動における自主的な
交通安全活動を助長するように配慮し、児童生徒の交通安全に対する関心や意識を高めること。帰宅後においても学校で指導したことが正しく守られ、実践されるよう、家庭との連携に努めること。
また、小学校等においては、PTA、
地域子ども会、関連機関、団体等の協力を得て、
児童生徒等と保護者が一緒に学ぶ
交通安全教室等を開催し、踏切や道路における安全な通行などについて具体的に理解させるとともに、
通学通園等の交通安全総点検、
安全マップの作成を実施し、
児童生徒等の目線による通学路等における交通上の危険箇所の把握と解消に努めること。
さらに、通学路の
交通安全確保のため、地域の実情に応じて各市町村で策定された
通学路交通安全プログラムに基づく取り組みを引き続き推進すること。
スクールゾーンは、
交通事故防止に効果を上げている一方、
スクールゾーン内での交通事故も発生していることから、
教育委員会、小学校等において、今後とも地域の警察と協力して、
スクールゾーン内における児童生徒の
交通事故防止を積極的に推進すること等、事細かに指導内容の記載がございます。
質問の第一は、小学校一年生の百十センチのまなざしについてであります。
仙台市は、この一、二年生の
交通安全対策として、各学校で
地区安全協会、学校、PTA、管轄の警察署、仙台市
交通指導隊などと連携し、入学、新学期開始直後に
交通安全教室を実施しております。
市民局自転車交通安全課にお聞きしましたら、平成二十九年度五月までに仙台市指導隊が実施した交通教室の実施学校数は百八校で、学校周辺の実際の道路を利用したり、体育館、校庭を使って新入学生の
交通安全教室を行っております。
学校の指導の狙いは正しい歩行の仕方が中心となるため、
交通指導隊は指導のかなめとして、とまる、見る、確かめるを基本とし、安全確認、安全な渡り方、待つ姿勢などを指導してもらっています。
しかし、登下校の途中には大人の気づかない死角がたくさんあります。子供の目の高さにかがむと、脇にある電柱や看板、五月、六月とぐんぐん生い茂った植え込みが視界を遮っています。大人にはわからない死角が子供にはたくさんあるのです。白線の内側を歩こうとしても、ごみの集積所や看板があって車道にはみ出すしかないという道路も多くあります。
大人は小学校一年生の百十センチのまなざしでまちの道路をチェックすることが大事です。そこで、教育局にお尋ねいたします。
通学路点検項目や今までの
安全マップにさらに百十センチのまなざしを加え、新たな指針を提案しますが、いかがでしょうか。また、学校側は
交通指導隊に指導内容をお任せすることが多い傾向にあります。指導隊に申請する交通教室の狙いの中にも、百十センチのまなざしを取り入れることも必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。
さらに、通達には繰り返し指導することの明記がございます。現状は、
東二番丁小学校、
片平丁小学校、立町小学校は年に二度交通教室を開催していますが、その他の小学校では年一回の開催にとどまっております。安全教育を進める上でも複数回の開催を求めますが、いかがでしょうか。
さらに、日本は安全な環境であるがゆえに、我が子の危険回避力の有無を問わず、親が早目に子供を手から放そうとします。しかし、子供は、なれないうちは慎重に安全確認をしていた子供も、だんだんこれぐらい大丈夫と無理な横断をしたり、おしゃべりに夢中になり周りの状況に気づかなかったりします。危険を予測し判断して行動するに至っていないがため、事故に遭う原因にもなっております。家庭と学校との連携が不可欠と考えますが、御所見をお伺いいたします。
質問の第二は、
スクールゾーンの規制についてでございます。
学校の周辺には
スクールゾーンがありますが、
スクールゾーンには、時間
帯通行規制、速度規制、一方通行規制などのいろいろな規制があります。時間
帯通行禁止の
自転車歩行者専用道路を指定するには、学校、
教育委員会、警察、
道路管理者、
公安委員会などの連携、さらにそこに住まいする地域の代表者などから同意を得なければ指定はできません。しかし、
自転車歩行者専用道路は、地域の住民が生活する上でその道路を通らなければならない人もおり、警察に許可申請すれば
通行禁止道路通行許可証が出され、通行禁止時間帯でも通行することが可能です。
しかし、時間
帯通行禁止の
自転車歩行者専用道路を指定するに当たり、不利益をこうむる地域住民との合意形成のもとに指定はされたものの、いつの時代に合意形成があったのか定かではありません。世代がかわり、合意形成を知らない方、新しく地域住民になられた方などは、
自転車歩行者専用道路であるという意識がない人も多くおられます。許可証を取らずして運転しているドライバーも数多く見られます。
自動車運転死傷行為処罰法の施行により、自動車、
原動機付自転車を運転し、
自転車歩行者専用道路等の規制に故意に違反して交通事故を起してしまい、人を死傷させた者は、
危険運転致死傷罪となり、人を負傷させた場合は十五年以下の懲役に処し、人を死亡させた場合は一年以上の有期懲役に処され、また、運転免許の行政処分に関しては、
特定違反行為による
交通事故等の基準が適用され、基礎点数四十五から六十二点により免許の取り消し、欠格期間五年から八年の行政処分を受けることになります。
違反の一番の原因はドライバーにあります。標識は設置してあることから、見落としの違反であることは明白です。しかし、子供たちの安全を守る上で設置された
自転車歩行者専用道路ですが、地域住民の不利益をつくっていることは明らかであります。発想の転換をし、違反者をあえてつくり出すことより、地域住民に
通行禁止道路通行許可証の申請を広報することも必要なのではないでしょうか。
宮城県警交通規制課にこの事実を説明いたしましたら、取り締まる警察も
地域住民向けの広報を始めるというお話をいただきました。
学校が子供たちの安全確保のために要望し、関係団体と連携し設置した前提を考えれば、仙台市としても、まずは子供たちのために交通規制への協力を市民に対し広報すべきと考えますが、所見をお伺いいたします。
また、これとあわせて
自転車歩行者専用道路における通行許可の制度に関して広報し、子供の安全を確保するための
スクールゾーン環境を整えることも必要であると考えるが、御所見をお伺いし、私の一般質問といたします。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
5: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの
菅原正和議員の御質問にお答えを申し上げます。
定
禅寺通活性化に関して、これまでに進めてきた施策との関係等に関してのお尋ねでございます。
私は、本市の将来にわたる
まちづくりにとり、仙台駅から
中心部商店街、定禅寺通に至る都心部全体について、にぎわいと活力にあふれ、世界に通用するような文化の薫る空間形成を図ることが重要なものと考えております。
そのため、まずもって杜の都を代表する
ケヤキ並木の景観を誇ります定禅寺通において、
都心部まちづくりのインパクトとなるような空間の形成を進め、
中心部商店街における
にぎわい創出の取り組みと相まって、仙台駅前から定禅寺通に至る新しい人の流れを生み、魅力ある都心部の形成につなげられるよう、この事業を立ち上げたところでございます。
今後、新設いたしました定
禅寺通活性化室が中心となりまして、本庁舎の建てかえや
音楽ホール整備事業等との地域の関係の調整など、組織の垣根を越えた連携を図るとともに、一方では、
エリアマネジメントなど新たな手法も活用して、仙台の都市個性が輝く新しい杜の都の空間形成を目指して息の長い取り組みを進めてまいりたいと存じます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
6:
◯まちづくり政策局長(大槻文博)私からは、まず、定
禅寺通活性化における市民意見の反映についてお答えいたします。
定
禅寺通活性化の取り組みに当たりましては、市民はもとより、市外から定禅寺通に来訪される方など、多くの皆様から御意見を伺いながら進めていくことが重要であると考えております。
具体的には、現在行っております地元団体や地権者等に対するヒアリングや、今後開催する
公開フォーラム等を通じまして、定
禅寺通活性化に関する御意見を幅広くお聞きし、頂戴した御意見をもとに、
周辺地権者、関係者との協議、調整の場として協議会を設け、合意形成を図ってまいりたいと考えております。
次に、都心部の回遊性についてお答えいたします。
本市が
仙台商工会議所とともに実施した
中心部商店街の
通行量調査によりますと、仙台駅前に人の通行量が集中する一方で、
アーケード商店街については減少するという傾向がございまして、今後、都心部全体にわたる回遊性向上への対応が重要であるというふうに認識しております。
今後、定
禅寺通活性化事業の取り組みと、それぞれの商店街における
にぎわいづくりの取り組みの連携を図ることによりまして、活気を増しております仙台駅前と定禅寺通との間のエリアにおいて、
アーケード商店街などへの新たな人の流れを生み出しまして、まちのにぎわいの促進に貢献してまいる考えでございます。
次に、
リノベーションまちづくりとの関係についてお答えします。
リノベーションまちづくりにおきましては、民間が主体となって
まちづくりの担い手となる人材の発掘、育成に関するイベントを実施するとともに、実際の遊休の不動産、公共空間を題材といたしましたワークショップを通じまして、民間の利用されていない不動産だけでなく、公共空間の利活用についても踏み込んで議論がなされてきたところでございます。
この
リノベーションまちづくりの手法は、定禅寺通を中心とするエリア全体の価値を高め、魅力ある都市空間の構築に資する有効なものの一つとして認識しており、今後、関係者とお互いに連携しながら定
禅寺通活性化事業を鋭意推進してまいる考えでございます。
以上でございます。
7: ◯教育長(大越裕光)私からは、児童生徒の交通安全に係る御質問にお答えいたします。
初めに、子供の目線での
通学路点検及び
交通安全教室に関する御質問でございます。
通学路については、各小学校が毎年定期的に実施する安全点検などにおいて安全性の確認を行い、必要な対策を講じております。
また、
交通安全教室は、多くの学校において、
学習指導要領に基づき指導内容を決めた上で、主に年度初めの時期に
交通指導隊初め関係機関の御協力をいただき実施しているところでございます。
低学年児童の目線の高さでその視野や判断力を考慮し、どのような危険やリスクがあるのか大人が再確認して、児童の安全に反映させることは極めて有用であると認識しております。
今後、こうした視点を
通学路点検や
交通安全教室に生かしていくよう、各学校に周知を図ってまいりたいと存じます。
次に、
交通安全教室の複数回開催についてでございます。
交通安全教室は児童生徒の安全意識の向上に有効であることから、年度ごとに複数回開催することが望ましいと考えておりますが、全体の授業時間数の制約などから、ほとんどの学校で一回限りの開催となっているのが実情でございます。
こうした状況の中で、学級活動や総合学習の時間を活用した安全教育の実施や、地域と連携した登下校の見守り活動における指導などを通じ、児童生徒に対して
交通安全教育を効果的に推進するよう努めているところでございます。
次に、家庭と学校との連携についてでございます。
各学校においては、安全教育を行うとともに、
交通ルールやマナーに関する資料の配付等を通じて保護者の皆様にも周知啓発を行っているところでございます。
児童生徒の
交通安全対策として家庭との連携は大変重要でありますことから、今後、家庭でも
交通ルールが学習できるようなわかりやすい
資料づくりを工夫するとともに、
本市PTA協議会の御協力をいただきながら、児童生徒の
交通安全意識の向上を図ってまいりたいと存じます。
最後に、交通規制への協力及び通行許可に係る広報についてでございます。
スクールゾーンは、小学校等を中心とした一定の範囲において、
交通安全施設の整備や交通規制の強化等を重点的に行うものでございます。
そのうち自動車等の
通行禁止規制の実効性を高め、より安全な通学路とするためには、運転者の御協力が不可欠であると認識しております。
今後、運転者に交通規制への御協力をお願いするとともに、
当該道路沿いにお住まいの方へ通行許可の仕組み等の周知について
警察等関係機関と連携してまいりたいと存じます。
以上でございます。
8: ◯議長(岡部恒司)次に、
佐藤わか子さんに発言を許します。
〔三十九番
佐藤わか子登壇〕(拍手)
9: ◯三十九番(
佐藤わか子)
市民フォーラム仙台の
佐藤わか子です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
仙台市の市立中学校で二年七カ月の間に三人の男子生徒がみずから死を選んでしまったことは大変痛ましく、残念でなりません。二度と起してはならない重要案件と思いますので、今定例会でも多くの議員がこの問題を取り上げられましたが、私からも再発防止の観点から提案も含めて質問させていただきます。
今回の事案で当該生徒が配慮が必要な生徒だったと言われていますが、そのことを理由に防ぎようがなかったような発言は決してあってはならないし、どうやったら防ぐことができたか、しっかり検証すべきと考えます。
二件の自死事案の後、教育局はいじめ担当専任教諭の配置を初めさまざまな対策をとられてきました。しかし、ことし四月に三件目の自死事案が起きてしまいました。詳しいことはこれから調査をしていくわけですが、これまでに判明したことから、今までのいじめ対策の取り組みで今回の事案を防ぐことができなかった最大の要因はどこにあったとお考えでしょうか。まず、質問の第一として市長の御見解をお伺いします。
市長は、他の機関と連携していくと発言されています。このこと自体は大変重要で、早急に進められるべきと思いますが、問題は、教育現場にほかの機関につなぐという意識がなければ、どんなに完璧なネットワークをつくっても絵に描いた餅で終わってしまうおそれがあるということです。
まず、真っ先に改革しなければならないのは学校内の指示命令系統です。どんなときも校長、教頭の指示を仰がなければならない今の状況下では、校長の判断一つで他の機関につながなくていいということになってしまうこともあり得るのです。緊急事態の場合は、担任など現場の教職員がみずからの判断で他機関に連絡できるようなルールをつくり現場に徹底させることも、他の機関との連携の実効性を高める手法になると思いますが、教育長の御見解をお伺いします。
質問の第二は、今回の自死事案後に行われた全校生徒アンケート調査結果についてです。
その中に、いじめの疑いのある出来事として記載されたものが五十件もありました。子供たちは見ていたし、知っていたのです。この中の少しでも周囲の大人や学校側でつかむことができたら、未然に防ぐことができたように思います。
いじめの情報に限らず、心配なこと、気になることなど子供たちからのメッセージを受け取れる仕組みをつくり、予防に力を入れるべきと考えます。以前提案させていただいた、各中学校にいじめ専用のメールアドレスをつくり、いじめ担当専任教諭が担当するやり方も情報収集の一つのツールとして有効と思いますが、取り組み状況をお伺いします。
質問の第三は、今定例会でのいじめ自死事案に対する教育局の答弁で、ケース会議もやっていた、配慮が必要な生徒に対する指導も教職員研修で行っている、さらには、配慮が必要とされている児童生徒に対して個別支援計画もつくっていたというように、聞きようによっては未然防止に完璧に取り組んでいたように受け取れる発言が気になりました。そんなにしっかり対応していたのなら、なぜこの三件の事案を防ぐことができなかったのでしょうか。その効果を見きわめることなく、ただ実施しているということだけで終わっていたように思います。
そこでお伺いしますが、まず当該校で実施していたサポート会議ですが、ここには誰が出席していて、どのような内容のものだったのかお伺いします。この場にスクールカウンセラーや特別支援コーディネーター、いじめ担当専任教諭は参加されていたのかもあわせてお示しください。
このような会議で大事なことは、単なる情報共有などの表面的なもので終わるのではなく、対象となっている児童生徒の状況を先入観なしに適正に判断し、支援の手を差し伸べることです。サポート会議で当該生徒の支援策は話し合われていたのでしょうか、お伺いします。
各学校に配置されている特別支援コーディネーターの役割は、配慮が必要とされる児童生徒が年々増加傾向にあることを考えれば大変重要になってくると思いますが、現在、このコーディネーターは、いじめ担当専任教諭のように専任ではなく、担任を持つなどしているため大変多忙で、特別支援教育に集中できていないと聞いています。教育局としてこのような状況をどのように認識しているのか。このままの状況では、個別支援計画も立てられない状況になっていくことが予想されます。特別支援コーディネーターに対する教育局の御認識と今後の方向性についての御所見をお伺いします。
今回の事案では、教職員による体罰もあったと報告されています。詳細は現在行っている体罰に関するアンケート結果が出てからになるかと思いますが、配慮が必要な生徒の指導に対する研修は受けていたとしても、実際の授業において指導がうまくいかないケースが出てくれば、自分の指導に対して不安を持つ教職員は出てくると思います。本来なら特別支援コーディネーターが指導助言すべきところなのでしょうが、現実には余裕がない状況です。
配慮が必要な児童生徒は三千六百人いると言われています。教育局は、研修を行っているから大丈夫というような答弁をされていますが、東京都では、研修だけでは教職員の特別支援教育に対する理解、特に発達障害とされている児童生徒に対する指導支援が十分ではないとの判断から、ソーシャルスキルトレーニングの資格を持つ作業療法士などの専門家を巡回相談員として委託し、各学校に巡回しながら、特別支援教育にかかわる全ての教職員を対象に個別のケースの巡回相談を行っています。
仙台市も特別支援学級の巡回相談を始めましたが、さらに対象を拡大し、普通学級で配慮が必要な児童生徒の指導に当たっている教職員の個別ケースにも気軽に相談ができるような仕組みをつくり、教職員の指導力向上と不安解消につなげるべきと考えますが、御所見をお伺いします。
特別支援学級や特別支援学校の教職員の特別支援教育免許の取得率の向上に努めるよう、以前から指摘させていただいてきました。徐々にその比率が上がってきていると思いますが、依然として五十代の教職員で免許を持たない教員がいる現状が続いています。平成三十二年度まで特別支援学校は免許の取得率一〇〇%にしなければならないことになっています。仙台市としてこのことをどのように受けとめ、対策を立てていかれるのかお伺いします。
普通学級のクラス担任は持たせられないが、特別支援学校や特別支援学級なら少人数なので大丈夫という認識をお持ちの校長先生が以前おられました。今はそのような認識をお持ちの方はおられないと思いますが、以前、体罰で問題になった教師が、特別支援学校ならいいだろうということで特別支援学校に移り、残念なことにそこでも同じような暴力的指導を行った事案がありました。今後このようなことが起きないためにも、特別支援学級、特別支援学校の教職員には特別支援教育の免許を義務づけるよう徹底していただきたいと思いますが、当局の御見解をお伺いします。
今回の全校生徒アンケート調査結果の中に、僕が死んでも誰も悲しまないと当該生徒が言っていたというところがありました。本当にそう思っていたとしたら、こんなに悲しいことはありません。
学校現場で何ができるかですが、いじめは絶対だめと諦めないで言い続けることは重要です。それと同時に、お互いを認め合う取り組みも重要なのではないでしょうか。市内のある中学校で取り入れているほめほめシャワー、ありがとうシールは、本当に小さな取り組みですが、少しずつ効果を上げています。誰にも認めてもらっていない、孤立している生徒でも、誰かがその生徒のよいところを探して、紙に書いて壁に張ってくれる。何気ないたった一枚の紙だけど心がほっこりする。誰かが自分を見ていてくれている。わかってくれている。それだけで頑張ろうという気になれるかもしれません。
できることは何でもやってみる発想の柔軟さが今求められていると思います。このような取り組みを広くほかの中学校にも広めていただいて、仙台市の全ての学校に他を思いやる雰囲気をつくり出していただきたいと思いますが、当局の御見解をお伺いします。
発達障害と思われる児童生徒が増加傾向にあります。学校における支援体制の強化と同時に、小学校に入学する前の療育に力を入れていくことが、結果的に指導困難学級をつくらない予防的措置につながると考えます。そのためには、就学前に社会適応力やコミュニケーション力の育成、集団参加の力を育てることなど、療育と作業療法を受けることが重要です。仙台市もアーチルがその役目を担ってこられたと思いますが、仙台市の就学前の療育の現状と課題認識をお伺いします。
アーチルもさまざまな取り組みを実施されてこられたことは承知していますが、アーチルイコール障害児という認識が広く市民に浸透していることもあり、アーチルに相談してくださいと言われると拒否反応を示される保護者が多い現実があります。そのため、何の療育的な指導も受けずに学校に行くことになり、学校での集団行動に入っていけないお子さんがふえています。
このことの対策として、以前から東京千代田区のさくらキッズの取り組みが非常に参考になると提案させていただいてきました。さくらキッズでは発達障害という言葉は一切使いません。子供の育ちで気になること、心配なことがあれば気軽に相談に来てくださいというように、相談窓口のハードルを低くしています。まず、その子の困り感、保護者の困り感の改善に最初に取り組んでいて、保護者の安心感につながっています。
今回、就学前の幼児、児童に対する取り組み、就学後に始まる道徳教育、そして保活に関する待機児童問題などについて伺ってまいりました。
これらの子ども・子育て環境の改善の取り組みは、同時に家庭での教育力や保護者の子育て力の向上につながることが求められていると考えます。私たちには、幼児期から高等教育まで子供たちの健やかな学びと育ちを図りながら、何より命を守り、未来への可能性を育んでいくという意識を、保護者と学校あるいは幼稚園、保育所などとともに、行政側が立場を超えて認識を共有していく責務があるものと考えます。本市の
教育委員会、子供未来局の関係局はもとより、行政側全体での御認識と決意を改めてお尋ねいたします。
奥山市長へのねぎらいと感謝の言葉は次の先輩議員に譲りまして、私の一般質問といたします。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
39: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの跡部薫議員の御質問にお答えを申し上げます。
教育や子育てに係る認識についてのお尋ねでございます。
将来を担う子供たちが、社会を生き抜く力を身につけ、健やかに育っていってほしい、これが関係者の皆様にとっての共通の願いであると思うところでございます。
教育や子育てに携わる者が改めて認識すべきは、命が何にも増してとうといものであること、育った環境などに違いがあるとしても、それを認め合う心が大切であること、そして、どんな子供でも希望に満ちた未来が開かれるようにするのが大人たちの役目であること、そうしたいわば大変基本的なことではないかと考えております。
このような思いを家庭や学校、幼稚園、保育所、そして行政、地域などが共有をし、それぞれの役割を果たしていくとともに、大人たちが見守る中で、たくましく成長していってほしいという願いが子供たちの心に伝わっていく、そうしたことが今求められているものと感じているところでございます。
そのためには、社会全体で子育て中の家庭をしっかりと支えていくとともに、学校においては、児童生徒一人一人の生きる力を育む教育を展開していくことが重要であり、そうした視点に立って私ども行政も一丸となってこれを進めてまいる考えでございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
40: ◯健康福祉局長(佐々木洋)就学前後の発達障害に関する取り組みに関する御質問にお答えいたします。
初めに、発達におくれがある児童の全体像の把握についてでございます。
本市では、市内にお住まいの全ての乳幼児を対象とした複数回にわたる健診、あるいは幼稚園や保育所、かかりつけ医などからの紹介等、さまざまな機会やネットワークを通じてアーチルにおける相談や支援につなげております。
悉皆調査の実施は考えておらないところでございますが、こうしたきめ細かな取り組みを進めることにより、本市における全体的な把握に努めながら、児童の個々の特性に応じた療育等につなげてまいりたいと存じます。
次に、発達相談に係る人材育成についてでございます。
就学前児童の発達相談については、アーチルのほか区保健福祉センター、児童発達支援センター、地域子育て支援センターなど地域のさまざまな機関が相談を行っており、相談に向き合う人材の育成が重要でございます。
こうした認識のもと、アーチルでは相談支援職員向けの初任者研修や中堅者研修などを行っており、また、今年度からは、より身近な地域で早期からの支援ができるよう、五カ所の児童発達支援センターにアーチルでの研修を受けた専門相談員を配置し、本人はもとより御家族の支援に当たっているところでございます。
発達障害の認識の浸透とともに、地域での相談のニーズは増しておりますことから、関係機関の職員のさらなるスキルアップに向け取り組みを進めてまいりたいと存じます。
次に、今後の取り組みについてでございます。
発達におくれがある児童については、その特性等に応じ、地域の子育てや教育の関係機関が連携を図り、早期からの支援を行うことが大変重要でございます。
こうした観点から、アーチルでは、従来より
教育委員会の就学相談において保護者の同意を得て学校と情報共有するなどの対応をしておりますが、近年、就学相談には至らない児童への対応が課題になってきているものと認識しております。
切れ目のない一貫した支援の継続のためには、保護者の理解を得ながら、アーチルと保育所や幼稚園、学校との情報共有の強化が必要でございます。今後、御提案の点も含め、関係部局の協働により体系的な連携体制のあり方について検討してまいりたいと存じます。
次に、知能検査による評価についてお答えいたします。
学校での成績と知能検査結果の関係につきましては、一般的に相関関係がありますが、知能指数では知的障害とは判定されない方でも発達障害の特性がある場合もございます。例えば学習障害や注意欠陥多動性障害、広汎性発達障害などは、知能検査や日常の様子などから総合的に判断する必要がございます。
こうしたことから、アーチルにおいては、知能検査等を踏まえた判定結果では明確に知的なおくれがない場合でも、判定結果に加え児童生徒の特性に応じた留意点をつけて、学校や保護者と情報の共有を図ってきておりますが、その後の対応状況についての確認等が十分でない場合もあるものと認識しております。
今後、学校等において適切な対応に結びついているかといった、当初判定後の学校等との双方向かつ緊密な連携を強化してまいりたいと存じます。
以上でございます。
41: ◯子供未来局長(福田洋之)私からは、まず、幼稚園や保育所等における特別な配慮が必要な子供への支援に関するお尋ねにお答えをいたします。
保育所等におきましては、かねてより、発達臨床学等の外部専門家による巡回相談や困難な事例に対応できる人材の養成事業を行ってまいりました。
また、幼稚園におきましても、今年度、職員を対象とした研修を拡充いたしますとともに、外部専門家による巡回相談を試験的に実施することといたしたところでございます。
次年度移行につきましては、今年度のこうした取り組みについて幼稚園などの関係者から御意見をいただくなどして評価をした上で、検討してまいりたいというふうに考えております。
こうした取り組みを通しまして、特別な配慮が必要な子供たちにも、その特性に合わせた適切な教育、保育が提供されるよう支援をしてまいりたいと考えております。
次に、待機児童の要因と背景などについてのお尋ねでございます。
待機児童が生じる要因と背景といたしましては、入所希望の地域的な偏在や保育施設の整備に伴い新たな需要が喚起されることなどによるものと考えております。
また、待機児童の特徴や傾向といたしましては、三歳未満児の割合が高く、子ども・子育て支援新制度が開始した平成二十七年度以降で見ますと、毎年度、全体に占める割合が一貫して八〇%を超えており、特に今年度はゼロ歳児と一歳児だけでも約八一%となっているところでございます。これは、育児休業明けに保育施設の利用を希望される方が多くなっているということではないかというふうに分析をしております。
次に、新たに保護者となる方に対する保育情報の提供についてでございます。
妊娠中の保護者に対しましては、母子健康手帳の交付手続の際に、子育てサポートブックたのしねっとをお渡しし、保育施設の利用に関する情報提供を行っておりますほか、保育サービス相談員などが個別の相談の御要望にも対応しているところでございます。
今後もこれらの取り組みを継続することに加えまして、保育サービス相談員による出張相談などにおきましても、妊娠中の方が御参加いただくこともありますことから、こうした相談の場を利用してきめ細かな情報提供を行うことなどにより、出産後の保育施設の利用に関する不安の軽減に努めてまいりたいと考えております。
次に、地域的な偏在に対する取り組みに関するお尋ねでございます。
本市では、保育施設等の新規公募を行う際、開発が進み子育て世代の増加が見込まれる地域を優先整備地区として設定し、効果的な基盤整備に努めているところでございます。
また、そのような地域に新たに転入された方などに対する保育施設等の情報に関しましては、本市ホームページや各種パンフレットにおきまして幼稚園や保育施設等の地図を掲載するなどし、情報を手軽に得られるようにしておりますほか、保育施設等の申し込みの際に、各区の窓口におきまして、通勤経路など個別の事情を丁寧にお伺いしながら、利便性を考慮した保育施設等の紹介に努めているところでございます。
次に、今後の保育基盤の量的確保に関するお尋ねでございます。
本市では、平成二十七年三月に策定をいたしました、すこやか子育てプラン二〇一五に基づき、認可保育所を初め小規模保育や家庭的保育、事業所内保育など、さまざまな保育基盤の整備を民間の力をおかりしながら進めてきましたほか、市有地を活用いたしました三歳未満児専用保育所や都市公園内への保育所設置など、新たな方策にも積極的に取り組んできたところでございます。
今般、国において新たな保育の受け皿の拡大策が示されたところであり、その内容も見きわめつつ、引き続きさまざまな手法を検討し、保育基盤の計画的な整備に生かしてまいりたいと考えております。
最後に、質の面からの民間の力やのびすくを活用した子育て支援についての御質問でございます。
子育て支援に関する多様なニーズに的確に対応していくために、民間ならではの柔軟な発想やノウハウを活用することで子育てに関する支援の幅を広げていくことが需要でございます。
本市におきましては、子育て支援にかかわるNPO団体等がのびすくや児童館などを指定管理者制度により運営をし、その中で、育児サークル等に対しての活動の場の提供、あるいは研修などを通じた団体や担い手の育成などを行っているところでございます。
また、子育て支援にかかわる方々の連携を目的として、全市的な交流会の開催などを通じて情報の共有なども図っているところでございます。
今後とも、全区に整備されることになりますのびすくの事業などを通じまして、地域の子育て支援団体の連携や情報共有を密にしていくことで、子育て世帯の個々のニーズに応じた情報提供や相談対応などを行い、子育てに関する不安の解消や負担感の軽減につなげることができるよう努めてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
42: ◯教育長(大越裕光)私からは、教育に係る数点の御質問にお答えいたします。
初めに、発達障害への取り組みについてでございます。
通常の学級に在籍している発達障害等配慮を要する児童生徒の対応については、これまでもさまざまな支援の充実に努めてきたところでございます。
しかしながら、発達障害のある児童生徒が増加していることや、児童生徒の持つ課題が多様化していることもあり、学校の力だけでは対応が困難になってきていると認識しております。
これまでも学校とさまざまな機関との連携を進めてまいったところでございますが、今後、
教育委員会と児童相談所やアーチルといった市長部局の関連部署との連携をさらに強化する方策について、ともに検討してまいりたいと考えております。
次に、幼稚園、保育所等から小学校への子供の情報の引き継ぎについてでございます。
通常、小学校では、幼稚園や保育所等との連絡会を二月ごろに開き、在園している子供一人一人の状況について引き継ぎを行っております。
また、小学校と幼稚園等との交流活動を通して、職員同士が学びの姿を共有し合ったり、小学校の教員が直接幼稚園等を訪問し子供の様子を参観したりするなど、連携を深めているところもございます。
発達障害も含め障害のある子供については、保護者の了解のもと、個別的により詳しい情報を幼稚園等から引き継ぎ、これを活用することによって小学校生活が円滑にスタートできるものと考えております。
次に、道徳の特別の教科化を踏まえた本市の方針と目標等の設定についてでございます。
これまでのように、読み物資料の登場人物の心情理解のみに偏るなどの形式的な指導とならないよう留意するとともに、今後は、児童生徒一人一人が発達の段階に応じ、答えが一つではない課題を自分とのかかわりで多面的、多角的に深く考え議論する授業へと転換するものであります。
本市としては命と心を守り育む道徳教育の充実を目指し、各校において道徳教育の全体計画を作成し、児童生徒や地域の実態を考慮した重点目標等も設定することとしております。
次に、道徳教育におけるいじめ防止の取り扱いについてでございます。
いじめの防止に向け、実際の日常生活と深く関連させ、人権教育資料「みとめあう心」等も活用しながら、命を大切にする心や思いやりの心を育む指導の充実を図ってまいりたいと存じます。
また、道徳科の授業を公開したり、保護者の方々の授業への参加や協力を得たりするなどして、道徳教育への理解と協力をいただき、いじめの防止に向けた意識が家庭、地域にも浸透していくよう努めてまいりたいと存じます。
最後に、道徳科の評価についてでございます。
道徳科の評価につきましては、ほかの児童生徒と比較したり数値により優劣を決めたりするものではなく、授業の記録を積み重ね、児童生徒を励ますために文章によって評価するものでございます。
児童生徒が自分自身のよりよい生き方を求めようとしている努力を積極的に認め、励まし、勇気づけることを通して、自分の成長を実感し、次の一歩への意欲につながるような評価を行うことが肝要であると考えております。
以上でございます。
43: ◯十五番(跡部薫)一点確認をさせていただきたいと思います。
ただいま御答弁いただきました健康福祉局の答弁ですね、アーチルの就学相談、そしてそこに至らない児童もいるとの御認識だということであります。発達障害を持つ、あるいはその可能性のある児童に対するさまざまな円滑な接続あるいは支援の取り組み、これについて大変期待をしたい。連携体制を検討するという前向きなお話でありました。ぜひこれを進めていただくということで期待を申し上げたいというふうに思います。
あと半年症候群という言葉があって、相談に行くとまたあと半年後に来てくださいということで、やはり大分時間がかかっていたり、相談がスムーズじゃないというのが地域からの声であります。
これに関連しますが、子供未来局のほうですね。私の質問では、やはり施設、幼稚園、認定こども園、保育所、こういう施設側、あるいは保護者からの相談ニーズ、支援の要請、こういうことについてさまざまな取り組みを保育所でもされているし、今後幼稚園でもしていくということであります。しかし、この幼稚園のモデル事業などをとりましても、実際は各区一園を回るという程度の今回のスタートということであります。
今後ですね、私の質問は次年度以降の取り組みというので伺いましたが、さらにこういう取り組みを充実して、先ほど健康福祉局からも前向きにぜひ連携を強めていく取り組みをしていくということでありますので、健康福祉局と子供未来局の連携を強めて、もう一段ぜひ充実した取り組み、しかも早期にきめ細かくやっていただける、この確認をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
44: ◯子供未来局長(福田洋之)ただいまお話のございました幼稚園の巡回相談でございますが、各区一カ所ずつ、それで年間で年二回ですね、二回ずつ回るということで今年度試行的に行うことになっております。
幼稚園の関係者の方々からは、近年こういった配慮が必要な子供たちがふえているといったようなお話をお伺いしておりますことから、今年度の取り組みを見て、さらに幼稚園の関係者からのいろんなお話を伺いながら、そういった現場のお声にお応えできるような形で検討していきたというふうに思います。
45: ◯議長(岡部恒司)次に、宮城野区選出の渡辺博さんに発言を許します。
〔五十番 渡辺博登壇〕(拍手)
46: ◯五十番(渡辺博)渡辺博でございます。一般質問をいたします。
仙台市政の当面する問題について、奥山市長、数点お伺いしますので、よろしくお願いをいたします。
まず初めは、安全・安心の
まちづくりに関してであります。
本市は、今日まで安全・安心の
まちづくりに、仙台市政の最重要課題として位置づけ、継続して取り組んできました。
仙台市はこれまで、市民が安全で安心して暮らせるまちの実現を目指し、平成十八年四月に仙台市安全安心街づくり条例を施行し、翌年平成十九年三月には仙台市安全安心街づくり基本計画を策定し、具体的施策を実施してまいりました。平成二十三年九月に第二期仙台市安全安心街づくり基本計画を策定するなど、途切れのない取り組みをしてきたことは評価をするところであります。
現在、新たに平成二十八年度から平成三十二年度までを計画期間とする、第三期に当たる仙台市安全安心街づくり基本計画が実施中であります。
平成二十七年七月報告された安全安心街づくりに関する市民意向調査には、これまでの取り組みの成果が如実にあらわれていると思います。真摯に取り組めば成果につながり、仙台市民の生活の安定に寄与できるということであります。
例えば犯罪が発生する可能性について見てみますと、前回調査に比較して犯罪が発生する可能性は、高くなったが一三・九ポイントの減少を見せ、低くなったは〇・九ポイントの増加、変わらないが一・八ポイントの増加という結果があります。全国的に犯罪が増加傾向にある中で、仙台市の政策は効果を発揮していると考えるのが妥当なところであると考えるところであります。
一方、個人や地域の防犯対策に関して見ると、道路、公園の暗がり、空き家、廃屋、エレベーター内の安全に対する不安が挙げられております。被害に遭わない工夫についても、男性よりも女性がみずから取り組んでおり、犯罪に対する備えに対する女性の意識の高さが明らかになっております。依然として、市民の不安解消に向けて防犯対策に関して一層の取り組みが必要であると考えます。
まず初めに、調査結果を基本計画にどのように生かしているのか、ここで改めてお聞かせをいただきたいと思います。
調査によれば、地域の防犯活動の必要性については、必要だと思うが実に八九・七%、ちなみに必要だと思わないが六・二%であります。老若男女を問わず地域の防犯活動の必要性を認識されております。この点についていかがお考えになっておられるのかお聞かせください。また、お取り組みについてもお尋ねいたします。
地域の暗がりなどの点検、そして解消、児童の登下校時の見守り、パトロール、夜間パトロールなど、地域の防犯力を高めることの必要性も市民意識調査で明らかになっております。計画的、着実な取り組みが必要であると考えますが、現在具体的な取り組みはいかがなっているのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。
地域における防犯活動の中心を占めているのは仙台市防犯協会連合会であります。現在、防犯連絡所二千八百四十六カ所、防犯指導隊六十三隊、千三百十五名、防犯女性部三十四隊、六百七十二名の市民の皆さんが献身的な活動を行っておられます。
この活動をどのように評価され、いかなる支援を行っているのかお聞かせをいただきたいと思います。大事な組織ではありますが、組織の持続可能性に関して高齢化、後継者不足など大きな課題を抱えていると私は認識をしているのですが、市長のお考えをお聞かせください。
本市には、市民生活の安全・安心に深くかかわる組織として、市民により編成される消防団、
交通指導隊があります。両組織とも仙台市民の安全を守るためこれまで大きな貢献をしてこられ、今後とも活躍が期待されるところであります。防犯指導隊も市民の安全を守るという点ではまさるとも劣ることはありません。
現在、消防団、そして
交通指導隊の両組織は条例で守られておりますが、防犯指導隊はそうではありません。その違いについて、御当局はこれまで、防犯指導隊は市民の自発的な活動にその淵源があるとの説明を専らにしてきました。
しかしながら、消防団の歴史をひもとけば、これも庶民の自助努力の中から生まれ、時代とともに官がその持てる資源を消防に注ぐ過程の中で、常備消防に重点が移ってきたという歴史的事実があります。近代になって生まれた
交通指導隊においても、その成立過程は同じであると考えます。両団体とも、高齢化、そして後継者難という問題を抱えております。
現在、都心の一部地域では、高齢化、後継者難で存続の危機に瀕していると思われる指導隊が出てきております。仙台市全域でも遅かれ早かれ同じ問題が起こってくるものと容易に予想できそうです。地域の防犯活動の必要性を多くの市民が認識しているという調査結果から見ても、地域の安全確保について大きな懸念が生まれているということであります。早急な対策が必要です。この際、防犯指導隊においても、ボランティアのレベルから格上げをして、条例でその存在を公にして、仙台市が責任を持ってその運営にかかわるべき時期に来ていると考えます。いかがでしょうか。
全国では条例に位置づけている都市も見受けられるようになりました。既に横手市、大仙市のように防犯指導員設置条例を制定しているところもあります。重ねて申し上げますが、本市でも、防犯協会、そして防犯指導隊に対して一歩踏み込んだお取り組みを求めるところでありますが、いかがでしょうか、お考えをお聞かせください。
市民の安全確保に関して一点お尋ねをいたします。