1: ※会議の概要
◯委員長 ただいまから、
予算等審査特別委員会を開会いたします。
それでは、これより質疑を行います。
まず、審査日程・区分表中の第17号議案平成29年度仙台市一般会計予算、第1条歳入歳出予算中、歳出第10款公債費、第12款諸支出金、第13款予備費外についてでありますが、いずれの会派からも質疑通告がございませんでしたので、本件については総括質疑を除き終了いたしました。
次に、審査日程・区分表中の第17号議案平成29年度仙台市一般会計予算、第1条歳入歳出予算中、歳入全部外についてであります。
市民フォーラム仙台から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔岡本あき子委員、質疑席に着席〕
2: ◯委員長 発言を願います。
3:
◯岡本あき子委員 私からは、歳入に関してなのですけれども、まだ準備段階とは聞いておりますけれども、市税における
クレジットカード収納198万円余について伺います。
市県民税、固定資産税、軽自動車税などを対象に新年度に準備を進めるというものです。あわせて、水道局でも同様に
クレジットカード払いの導入の準備を進めています。既に市立病院、ガス局で導入済みであり、交通局でも導入していると伺いました。取り扱い業者もそれぞれだと思いますので、導入していらっしゃる市立病院、ガス局、交通局それぞれの特徴、また現在の効果がどうなっているのかお答えください。
4:
◯交通事業管理者 交通局における
クレジットカード収納につきましては、平成26年12月の地下鉄南北線における
ICカード乗車券イクスカの利用開始に合わせ導入したところでございます。乗車券発売所やバス営業所等で定期券を購入する際に利用いただいておりまして、定期券販売額をベースとした利用率は、導入当初が15%程度でしたが、今年度では30%程度にまで上昇しているところでございます。
5:
◯ガス事業管理者 ガス局におきましては、ガス料金の支払い方法を多様化いたしまして、お客様サービスの向上を図ることを目的として、平成19年10月にクレジット払いを導入したところでございます。このことによりまして、導入当初は6.8%の
クレジットカードによる支払いでございましたが、現在は17.8%まで上昇しておりまして、安定的な料金収納に効果があるというところでございます。
6:
◯病院事業管理者 市立病院では医療費の支払いの際に、救急受診など予定外の多額の支出が必要となった患者の利便性を考慮して、
クレジットカードによる収納を平成20年3月から実施しております。
クレジットカード収納の効果につきましては、導入初年度の利用率は9.85%でございましたが、その後年々増加し、平成27年度には18.05%と医療費の支払いの約5件に1件程度が
クレジットカードによる取り扱いとなっております。
7:
◯岡本あき子委員 導入されてから、比率でいくと
クレジットカードによる、こちら側からすると収納になるのですか。非常に順調に伸びていると伺いました。
市立病院や交通局の定期券のように、1回で支出する金額が万単位など大きい場合は急な出費でも調整できること。市民にとってもクレジット契約の場合はポイント還元などカード会社のメリットが払う側にとってもメリットがあること。また、ガス料金のように毎月必ず支払うものなど、都度都度窓口とかコンビニに行く必要がなく、また口座引き落としなどでも、記帳しないと経緯がわからない。そういうことが、カード明細ですぐにわかるような金額になるという意味でいくと、非常に効果が期待されると思います。
水道局、それから仙台市、これから導入する準備をされる、あるいは導入の準備を整えていると伺っておりますが、それぞれ期待すべき効果をどう見込んでいるのかお答えください。
8: ◯収納管理課長 市税に係るクレジット収納を導入することにより、納税者はパソコンやスマートフォン等でインターネットに接続できる環境さえ整っていれば、場所や時間を問わずに簡便に納付することができるようになるなど利便性が向上し、納税者がより一層納税しやすい環境を整備することができるものと考えております。
このことにより、市税の納期内納付の促進や、これに伴う督促、催告に係る費用の縮減等の効果も期待しているところでございます。
9: ◯水道局料金課長 本年10月から水道料金及び下水道使用料を
クレジットカード決済でお支払いいただくことができるよう、鋭意準備を進めているところでございます。
導入により期待しております効果でございますが、口座引き落としやコンビニエンスストアでの納入などに加え、お客様の支払い方法の選択肢が広がること。また、本市に転居された方などが、お持ちの
クレジットカードにより円滑な手続が行われることから、お客様へのサービス向上が今まで以上に図れるものと考えてございます。
あわせて、本局にとりましても、
クレジットカード会社による代理納付となりますものですから、安定的に料金収納ができるものと考えてございます。
10:
◯岡本あき子委員 それぞれにとって、まずは確実に収納が約束されるという意味でいくと、非常に期待が大きいのかなと思っています。水道などのように毎月カード払いの引き落としですと、1回だけの手続をとることで引き落としが始まりますけれども、市税の場合、毎月というものではありません。請求が来た都度に、ウエブ上でみずから手続をとらないと支払いができません。別な意味でいきますと、頻度が少ない分、やり方が面倒だったりとか、その手続の方法を忘れていたり、そういう部分がありますので、手続の方法をより丁寧に説明してもらいたいと思います。この点の取り組み、いかが進めるつもりでしょうか。
11: ◯収納管理課長 市税に係る
クレジットカード収納の手続方法でございますが、一般的なインターネット上での
クレジットカード決済と同様に、市税支払いの専用サイトに
クレジットカード番号などを入力して手続いただくものでございまして、税目、納付ごとに手続していただく、いわゆる都度払いという方法を考えております。この手続方法につきましては、
クレジットカード収納の広報を行う際にしっかりと納税者の皆様にお伝えしてまいりますとともに、お支払いの専用サイトにつきましても、わかりやすく、使いやすいものになりますよう、取り組んでまいりたいと考えております。
12:
◯岡本あき子委員 お客様あるいは市民の皆さんからすると、クレジット払いが可能になることの広報も非常に重要だと思います。カード会社の場合、たまに公共料金をカード払いにしませんかという広告が封書に入ってきたりしておりますけれども、これから取り扱い業者を選定する際、切りかえの促進、
クレジットカードに切りかえていただく、そういう促進に取り組む啓発方法なども審査の重要なポイントだと思います。これから市税のほうは業者も選んでいくという中で、要はよりクレジット払いに移行していただく、そういう部分も踏まえた業者の選定というところに力を置くべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
13: ◯収納管理課長 市税に係る
クレジットカード収納の導入に当たりましては、本市のホームページ、市税の冊子及び市政だよりを活用した広報のほか、
クレジットカード納付の対象となる税目の納税通知書1通1通に案内チラシを同封しまして、納税者への周知を適切に図ってまいりたいと考えております。
また、平成29年度には
クレジットカード収納を委託する事業者の選定を行う予定でございますが、
クレジットカード収納の利用者増加につながるよう、事業者と協議をしてまいりたいと考えております。
14:
◯岡本あき子委員 市民の皆さんからしますと、水道とかガスとか事業局、市本庁舎、市税とか、制度としては別ですけれども、市民の皆さんからしますと、公共料金を支払っているという意味でいきますと、
クレジットカードで払えるものは、同じ市あるいは公営企業に払っているという感覚があると思います。今広報啓発の説明がありましたけれども、ちょっと市税はタイミングがおくれるかもしれませんけれども、それぞれがそれぞれで啓発をしていく、
クレジットカード払いにしませんかということではなく、あらゆるもの、市に関するもの、こういうもの全て
クレジットカード払いができるようになりますよという意味でいきますと、市や事業局共同で啓発を促していく取り組みも必要だと思いますけれども、協調して取り組んでいく方策というのは何かお考えでしょうか。
15: ◯財政局長 市税以外のさまざまな市への納付に当たりましての協調した広報というお尋ねでございます。
市税以外のさまざまな公金につきましては、種類が大変多くなっておりまして、できるだけ多くの方々に似たような納付方法をお知らせするということは大事だと思っております。ただ、
クレジットカード納付につきましては、利便性が高い、また納付しやすい環境を整備するというメリットがあります一方で、導入に係ります債権ごとのシステム改修にまた費用が発生いたします。また、ほかの収納方法に比べまして、手数料等が割高になるという課題もございます。本市が所管する債権の性質や規模ごとにさまざまなものがありますので、
クレジットカード収納を導入した場合のメリット、デメリット、これも異なってまいります。したがいまして、市民の立場に立った利便性向上の視点も踏まえながら、各所管部署ごとに適切に判断していく必要があるものと考えております。
今後は、全庁的な組織でございます
債権管理推進会議等を通じまして、
クレジットカード収納の効果や課題を共有するなどして、積極的な広報も含めまして取り組んでまいりたいと思います。
16:
◯岡本あき子委員 ちょっと質問が前後している部分もあるのですけれども、まず既に導入している部分については、市、それから事業局合同で公共料金を
クレジットカードによって支払うことができますよという啓発は、それはそれでやっていただきたいと思います。
市民の皆さんからすると、いろんなチャネルで支払いができるということは、非常に有効ですし、ただ一方で今申し上げたほかに、例えば公金としては市営住宅の使用料、保育料、給食費などもあると思います。市民の皆さんからすると、これはクレジット払いできるけれども、これはだめだよ、これはこういう方法でしかだめだよ、そういうほうが逆にわかりにくいということもあります。時代の流れとしては、先ほど御説明いただいたように、システムの問題、それから手数料、そういう問題はあるとは思いつつも、しかし市民の皆さんの利便性向上、そういう意味でいくと、公金についてはさまざまなチャネルをふやしていくのだと。そういう方向性で検討していくのだという考えに基づいて、できること、できないことを整理していただきたいと思いますので、最後にもう一度方向性の確認をさせてください。
17: ◯財政局長 債権管理の効率化というのは、私どもの大きな課題でもございますし、先ほど申し上げましたように、債権の種類、それから金額、収納の方法、さまざまでございますので、いろんな収納方法の選択肢を広げていく、これは極めて重要でございますけれども、収納に当たって、債権の種別に照らして効率的かどうか、これはやはりしっかりと検討した上で、最も効率的な方法で、かつ選択の幅が広がるような取り組みをやっていく必要があるだろうと思っております。
新しい収納方法がこれからもいろいろ世の中に出てくると思いますので、私どももアンテナを高くして新しい手法に取り組んで、できるだけ皆様の利便性が向上するように努力してまいりたいと考えております。
18: ◯委員長 次に、公明党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔鎌田城行委員、質疑席に着席〕
19: ◯委員長 発言を願います。
20: ◯鎌田城行委員 私からも実はクレジット決済が始まるということを聞いて、初めに聞こうと思いましたけれども、聞くことは今岡本委員からあらあら聞いていただきましたので、ポイントだけ確認したいと思います。
平成19年6月の議会で私、クレジット決済についてもコンビニ収納の拡充とともに訴えたところでございました。10年たちました。この中で、あのときに既に実施していれば、多分全国に先駆けた取り組みではなかったかなという思いをいたしておりますが、現状では政令市、ことし1月末時点で6市ですか、導入しているのが。そして、ことし4月から札幌市も導入予定だと。国税及び宮城県においても自動車税などで導入をしているというようなお話でございました。
この中で気がかりな手数料、これは市民の側に負担をかけるということですが、御説明いただいたときには、
クレジット会社各社いろいろと工夫をされておって、ポイント還元等で結果的には負担はほぼないということが期待されるのではないかと。そういうことで市民に手数料を負担しても、余り負担感はなく順調に進むのではないかという説明をいただいたところでありますが、そのことについて改めて確認をしておきたいと思います。
21: ◯収納管理課長
クレジットカード収納の手数料負担でございますが、現在は当市としては納税者負担を求めるということで考えております。これは、クレジット納付の特徴でございます納付手続を行う時点では、カード会社から市に支払われることで、納税者がそのカード会社に支払うときの金銭的負担は後日になるということで、期限の利益が発生するということ。また、
ポイントサービス等の利益還元等が行われるなど、ほかの収納方法とは違いがあるということで、国の通知により他の収納方法との公正性を求められているところでございます。そのため、納税者負担にしたというところでございます。
22: ◯鎌田城行委員 それで、実施は来年4月からスタートできるように準備を進めるということでありますので、市民の負担もできるだけかからない中で順調に進むことを願っております。
次に私から伺っておきたいのは、これまでいろいろと提案してきたこと、歳入アップの取り組み等ございました。自動販売機の設置にかかわるところの契約の仕方の変更等をもって増収が図られるのではないか、またホームページをせっかく設置したのだから、そこにバナー広告を張ることなども大事ではないか、そういったこともあらあら伺ってきたところでありますが、こうした取り組みについて、現状と今後の見通しについてお示しいただきたいと思います。また、課題ももしあればお示しいただければと思います。
23: ◯財政局次長兼財政部長 広告等の事業や自動販売機設置に係る貸し付けについてでございます。
初めに、広告等の事業でございますが、歳出削減の面も含めまして効果額で申し上げますと、平成28年度の実績見込みといたしまして、ネーミングライツが約8600万円、
ホームページバナー広告や納税通知書の封筒など各種印刷物への広告、
広告つき情報案内端末などで約5800万円でございます。
また、平成29年度の見込みでございますが、新たに八木山動物公園などへのネーミングライツの導入や青葉区役所や若林区役所のエレベーター前ホールへの
広告つき情報案内端末の設置、また家庭ごみ等指定袋への広告の導入を行ったところでございまして、このような取り組みによりましてネーミングライツが約2700万円増の約1億1300万円、その他広告が約200万円増の約6000万円を見込んでございます。
一方、自動販売機設置に係る貸付契約料に関する増収効果につきましては、平成28年度の実績見込みは約3000万円でございまして、平成29年度は近年の設置台数の推移を勘案いたしますと、微増程度と見込んでおります。
また、今後の課題ということでございますが、近年自動販売機の設置に関する台数につきましては、ここ数年は10台程度の増で推移しておりますが、昨年度から今年度にかけては1台の増となっておりまして、設置場所の発掘と申しますか、そういったことが課題だろうと考えております。
24: ◯鎌田城行委員 また、他都市を視察などしますと、さまざまなところで各自治体が工夫をされているなと拝見するところがございました。エレベーターの中でありますとか、またエレベーターの周辺でありますとかに広告のスペースを設けたりしておりました。
また、ちょっとここで委員長、資料の提示を認めていただければと思います。
最近というか、去年たまたま信号待ちをしていたときに、こういう公用車、東松島市が、公用車の後方のドアの扉、左右両側だそうです。あと後方に1カ所、こういう形で、初めは何とか金物店ということでありましたので、復興支援として公用車に無償でスペースを貸しているのかなと思いましたらば、違いました。ちゃんと広告料をとっていらっしゃるということで、契約の条項等も
インターネットホームページ上にしっかりと示されておりました。こういうことも一つの知恵かなと思いました。
また一方で、何年か前に千葉市に伺ったときに、千葉市のモノレール、
千葉都市モノレール株式会社、ラッピング広告、全面に、中身がすごいなと思いました。県警の啓発です。市民の安全を守るということで、このためにこれだけのスペースを使って広告を張っていただいていると。これは市民にとってみれば一挙両得なのかなと。また、仙台市営地下鉄でこれをやれば、増収、県からお金をもらえるという喜びを感じるのですけれども、千葉市がすごいなと思ったのは、
千葉都市モノレール株式会社、実は第三セクターなのですね、千葉市と千葉県と、そういったところでやられているということがありましたので、そういったことは一つ事例として、本市においてもさまざまな広告を考えてはどうかと思うのですけれども、取り組み、検討等いかがでしょうか。
25: ◯財政局次長兼財政部長 新たな広告の導入を検討する際には、活用できる広告媒体と、一方その広告掲載に対する市場ニーズを把握することが重要であると認識しております。
こうした観点から、御提案のありました公用車を利用した広告ですとか、そういったものにつきましては、今後エレベーター内の壁面のスペースなども含めまして、広告関連会社から意見聴取を行うことなどにより、市民ニーズについての調査も行いながら、引き続き新規の広告収入の取り組みについて幅広く検討を進めてまいりたいと考えております。
26: ◯鎌田城行委員 ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。小さなことからこつこつと、ちりも積もれば山となるでありますので、よろしくお願いしたいと思います。
一方で、前に動物愛護の観点から訴えさせていただきました、活動するにはやはり資金が必要だというところで、ふるさと納税にしっかりとメニューをうたって徴収することによって、活動の安全・安心が高まるのではないかということもお願いしたところでありますが、
仙台ふるさと応援寄附、今26項目のメニューがございます。できるならば、このそれぞれにいろいろと濃淡があるように感じます。非常に大枠を訴えているところもあれば、ポイント、ポイントでしっかりと訴えているところもあるように感ずるのですが、地域猫支援を含める動物愛護の、そういうメニューがしっかり加わることを願っているところでありますけれども、このあたり、その他の局についてももう少し市民の側から、全国の方々が応援しようと思いたくなるような、ちゃんとめり張りをつけたメニューにすることも大事ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
27: ◯財政局次長兼財政部長
仙台ふるさと応援寄附の寄附メニューにつきましては、寄附される方の視点に立ちまして、具体的な事業や施策の名称を用いるなど、寄附の使い道のイメージが明確に伝わることが重要であると認識いたしております。
今年度に導入したばかりの制度ではございますが、御提案いただきましたような寄附メニューの見直しにつきましては、他都市の事例ですとか寄附の実績等を踏まえまして、関係局の意見を聞きながら検討してまいりたいと考えております。
28: ◯鎌田城行委員 他都市の事例を参考にして、ぜひ他都市にぬきんでる、皆様の目にとまるような、そして心をくすぐるようなメニューにしていただくことを期待しております。
もう一方、返礼品の取り扱いについては、先ごろ総務大臣からも幾つか指摘があったところで心配されるところでありました。本筋を外さないで、そしてなおかつやはりふるさと納税をされた方に対しては、真心がこもる、真心が届く、そういう返礼品であるべきと思いますが、この点のところについてはいかがでしょうか。
29: ◯財政局長
仙台ふるさと応援寄附の返礼品についてでございます。生まれたふるさとですとか、お世話になった地域などを応援したいという皆様のお気持ちから行われる地方自治体への寄附でございまして、税の控除が適用されるという制度の趣旨をしっかりと踏まえまして、寄附に対する御礼という位置づけのもと、一定の節度を保った上で、寄附額に応じて返礼品の価格に上限を設けております。また、地元の特産品のPRやシティーセールスなどにつながる品物を、お礼状を添えてお贈りさせていただいているところでございます。
今後もこうした観点を踏まえながら、本市を応援してくださる方々の思いに応えられるように取り組んでまいりたいと存じます。
30: ◯委員長 次に、
日本共産党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔花木則彰委員、質疑席に着席〕
31: ◯委員長 発言を願います。
32: ◯花木則彰委員 歳入、個人市民税に関連して伺います。
毎年5月ごろ、事業所宛てに発送する従業員の税額通知書にマイナンバーを市が印字する問題です。1月の総務財政委員会で議論し、再検討を求めました。指摘した問題をどう検討したのか、まず伺います。
33:
◯市民税企画課長 1月の常任委員会後の検討状況でございます。主な指摘は2点ほどあったと思います。
1点目につきましては、会社にマイナンバーを教えたくないという従業員分の番号を通知することは問題ではないかといったような御指摘でございました。これにつきましては、今回の個人番号の通知は、地方税法等の法令で定められたものでございまして、当該法令には従業員本人の同意でありますとか、承諾等が要件とはされておりませんので、番号の提供を拒否している方の分を含め、通知を行う必要があるというところでございます。
2点目につきましてでございますが、大量の個人番号を紙に印字し、普通郵便で送ることは、セキュリティーの確保ができないのではないかといったような御指摘でございました。これにつきましては、検討過程の早い段階で郵便局側の対応能力でありますとか、特別徴収開始時期のおくれといった懸念から、簡易書留は現実的ではないとの結論になったところでございます。その中で、どのような措置がとれるのかということを、昨年来から検討を行ってきたところでございますが、これにつきましては、郵便局への誤配防止の要請でありますとか、誤配があった場合につきましても、誤った開封を防止するための注意喚起表示を封筒に行うことなどを基本としつつ、
セキュリティー確保のためのさらなる工夫がとれないか、他都市の状況なども確認しながら引き続き検討を行ってきたところでございます。
34: ◯花木則彰委員 通知書に印字する場合の問題点について、二つということで整理をされましたが、どう対処するのかの検討を求め、対応できないのであればやめるべきだと私は考えています。対処することの検討になっていないのではないでしょうか。
市は事業者に従業員のマイナンバーを聞いて市に報告するように求めています。中には、事業所に自分のマイナンバーを伝えることを拒否する人もいます。拒否しても何の不利益もないと法に定められているのです。納税者である従業員がマイナンバーを教えたくないのに、市が勝手に教えることは納税者の権利の侵害です。そうではないですか。
35:
◯市民税企画課長 今回の個人番号の通知につきましては、地方税法等の法令で定められたものでございまして、先ほどもお答え申し上げましたが、当該法令につきましては、従業員本人の同意でありますとか承諾等が要件とはされておりませんので、全ての従業員分について通知を行う必要がありますので、権利の侵害に当たるものではないと考えているところでございます。
36: ◯花木則彰委員 法に従ってやる必要があるというお話がありました。まずこれがおかしいと思います。また、地方税法によって送ったとしても、それが権利の侵害に当たるか、当たらないかについては、ちゃんと検討する必要があると思いますが、検討しましたか。
37:
◯市民税企画課長 今回の番号通知につきましては、課税の公平性の確保、行政事務の効率化を図るという趣旨から、通知を行うとされたところでございまして、今回の番号の通知は、その番号を教えたくないという理由をもって通知を行わないという点につきましては、公平性の観点から、むしろ好ましくないと考えているところでございます。
38: ◯花木則彰委員 答えてもらいたいのですけれども、そういうことをすると、納税者の権利の侵害になるのかならないのか。ならないということを、ちゃんと説明してください、では。
39:
◯市民税企画課長 委員御指摘の番号を教えたくないというところを拒否できるというところでございますが、番号法には拒否できるという明確な規定も実はございません。というところもございまして、法令で通知が義務づけられてございますので、権利の侵害に当たるとは考えてはいないというところでございます。
40: ◯花木則彰委員 まちづくり政策局長、あの答弁でいいのですか。
41: ◯まちづくり政策局長 まちづくり政策局としては、これまでマイナンバーを取り扱う情報システムのセキュリティー対策に万全を期すべく、総合行政ネットワークをインターネットから切り離したり分割するような厳重な措置を講じていると。
今回、マイナンバーの収集、提供という実務に関しては、地方公共団体はやはり法令等の定めに基づいて厳格に運用していくことが当然と考えておりまして、先ほど財政局から答弁いたしましたとおり、それぞれの担当部局において適切に対応しているものと考えております。
42: ◯花木則彰委員 権利の侵害になるのではないかと。マイナンバー法には拒否できるとは書いていないから、だから権利の侵害に当たらないという答弁でしたよ。マイナンバー法の審議の過程で、そういう個人情報のコントロール権については、どういうふうに答弁されてできた法律ですか。
43: ◯まちづくり政策局長 国から各担当部局に出ている通知の中では、記載することを基本としながらも、記載しなかったからといって、受け取らないということはありませんよという通知が来ているかと思いますけれども、あくまでもそれは記載することを前提として組み立てられたお話でございます。
44: ◯花木則彰委員 記載しなくてもいいということを認めているということですね。
45: ◯まちづくり政策局長 記載することが義務だけれども、記載しないからといって通知を受け取らないということはしなくてもいいですよという話です。
46: ◯花木則彰委員 まず、マイナンバーの担当の部局がそういう理解だというのが、大変な問題だと思います。
戻しますけれども、これは個人情報の自己コントロール権の侵害です。それ以外にないです。市も、宮城県保険医協会から陳情が出されています、市にも。特別徴収義務者とされる事業者にとっては、安全管理の重い責務が課され、大きな経費負担になると訴えています。知りたくないという事業者にまで教えるなんておかしいと思わないのでしょうか。
47:
◯市民税企画課長 今回の個人番号が記載された通知書でございますが、先ほど来答弁してございますとおり、地方税法に基づき送付されているものでございまして、事業者におきましても個人番号関係事務実施者としまして、個人番号を取り扱うための安全管理措置、つまり安全な保管場所の確保等を行っていただく義務が番号法で定められているところでございます。
また、同じく番号法によりまして、事業者は国や地方公共団体が実施するマイナンバーのための施策に協力するよう努めるものとされているところでございます。これら特別徴収義務者の方には一定の義務を果たしていただくことになりますが、本市といたしましても法の趣旨について丁寧に説明し、事務が円滑に進むよう努めてまいりたいと考えてございます。
48: ◯花木則彰委員 この事業者には従業員からマイナンバーを聞くようにと課されています。聞くと。従業員は教える人は教えます。教えない人は教えない。教えてもらった分については市に報告する。そこに、教えてもらっていない人の分まで教えられる。これは従業員と事業者の間で信頼関係が壊れると思いませんか。
49:
◯市民税企画課長 今回の通知につきましては、法令に定められた手続にのっとり通知されるということでございますので、その趣旨を従業員の方にも丁寧に説明いただく必要があると考えているところでございます。
50: ◯花木則彰委員 事業者が伝えて、説明しなきゃいけないの。
51:
◯市民税企画課長 特別徴収事務関係につきましては、課税当局と事業者と従業員、その三者の関係でございますが、従業員との窓口ということでありますと、一義的には事業者のほうで説明いただくというふうになってございます。
52: ◯花木則彰委員 本当に従業員にとっても、事業者にとっても全く余計な仕事ですよ。じゃあ、何でこんなことしなきゃいけないんだということがどんどん上がっていると。だから、各自治体でも困っているのではないですか。ほかの政令市も含めて、困っているという話は聞いていないのですか。
53:
◯市民税企画課長 今回の通知でございますが、通知するというところにつきましては法令で定められているというところもございまして、ほとんどの市において通知するというところでございますが、一方で通知方法という部分についてでございますが、やはり個人番号を記載した書類を送るという部分につきまして、送付方法等について情報漏えい等がないような方策、こちらをどういった方法で送るのかといった部分について検討していると、苦慮しているというような話は聞いているところでございます。
54: ◯花木則彰委員 自治体によっては、簡易書留郵便を使わないところや、事務所からマイナンバーが報告された従業員だけ、その分だけのマイナンバーを記載するところ、あるいは印字をしないと決めたところもあります。東京保険医協会が都内の全自治体にアンケートした結果が3月2日に発表されています。東京23区では検討中が13区、記載予定が5区、記載しないが世田谷区、中野区、足立区、葛飾区の4区と、一部のみ記載という杉並区を合わせると、5区が国の言うとおりでない対応となっています。都内62の自治体の中では、検討中が21自治体、記載するが10自治体、記載しない、一部記載で合わせて30自治体になっています。記載しないとした自治体は、セキュリティーの確保が困難なことを理由にしています。マイナンバー法第12条を守れないということです。
約4万の事業者に宛てて40万人分のマイナンバーが印字された文書を、一般の郵便で送るなんて、どこで漏れてもおかしくない事態になるのではないですか。重大な問題です。二役でもきちんと検討されたのでしょうか。セキュリティー担当の副市長に伺います。
55: ◯藤本副市長 この間、一番大事なのはセキュリティー対策という中で、関係局の中での検討を進めてきておりまして、この部分は法令にのっとった形で、それぞれ自治体によっての対応の温度差はあろうかもしれませんが、本市としては法令にのっとった形で、課税当局サイドとして特別徴収義務者宛て、対応するという中で検討しております。
56: ◯花木則彰委員 いや、だからどういう検討をして、どういう対策をとるのですか。
57: ◯藤本副市長 いろいろこちらのほうからも特別徴収義務者への説明を通じて、徴収義務者と従業員との関係の中での説明を十分尽くしていただくようお願いすべきはするという中での対応もしつつあろうかと思います。
58: ◯花木則彰委員 セキュリティーはどうなるのですか。
59: ◯財政局長 個人情報の管理というのは、行政体としては非常に大きな従来からの課題でございます。特に税関係につきましては、納税者の住所、氏名、それから税額、税目などさまざまな個人情報をこれまでも把握しておりますし、納税者に対しまして、これを文書によって通知するということも、相当数にわたりましてそれぞれの納期ごとに行っていると。これがいわば定型的な業務としてこれまで行っているところでございます。
したがいまして、こうした業務の中でもきちんとした情報管理を行うということは当然のことでございまして、これまでそのための事務処理マニュアルをしっかりつくること。また、封入、投函、それぞれのステップにおきましてダブルチェックを行うことなど、細心の上にも細心の注意を払って、情報の管理をした上での事務処理というのを恒常的に行っているところでございます。
今回、個人番号がそれに追加をされるところでございますけれども、同じように情報についてはしっかりと本市が責任を持って管理をするということで取り組んでいるところでございます。
60: ◯花木則彰委員 個人番号、マイナンバーはこれまでと同じような取り扱いではだめだというのが基本だと思います。これについては、仙台市の個人情報保護審議会で、ちゃんと全項目チェックしなければいけないということになっている中身です。これはされたのですか。
61:
◯市民税企画課長 今回の通知方法でございますが、税全体の個人番号の取り扱いにつきましては、個人情報保護審議会等での評価ということはしているところでございますが、通知方法という部分につきましては、審議会での検討といったようなことは行っていないところでございます。
62: ◯花木則彰委員 なぜやっていないのでしょうか。
63:
◯市民税企画課長 当初、税分野でのマイナンバー制度というのを、個人情報の審査を行う段階では、今回の特別徴収税額通知につきましての取り扱いという細かいところの部分までは、審議会では対象にはなっていないというところでございました。
64: ◯花木則彰委員 それはわかっているのです。だから、今回問題があるのだから、それはちゃんと検討してもらわなきゃいけないと思うのですが、これは総務局ですか。
65: ◯総務局長 ただいま税のほうからお答えいたしましたが、十分な資料を持ち合わせておりませんので、この場で御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
66: ◯花木則彰委員 二役でちゃんと検討したんでしょう。だとしたら、この問題が個人情報保護審議会でちゃんと議論しなきゃいけない問題かどうかわかるんじゃないですか、やったんですか、本当に二役で。
67: ◯藤本副市長 ただいま市民税企画課長から御答弁申し上げましたように、詰めの部分といいますか、手続的な部分で詳細な部分まで、ちょっと私も承知しておりませんので、全体としてこの件については、セキュリティー上問題があるということで、大変だということで、その都度進行管理の中で図ってきたものと理解しております。
68: ◯花木則彰委員 具体策もまだ検討中だと言っているのです。具体策出して、それをちゃんと審議会に諮って、大丈夫かどうか確認してもらう必要があるのではないですか。
69: ◯税務部長 まず、特別徴収税額通知書に個人番号を記載する、そして通知するということが法律で決まっているということは、再三市民税企画課長からも申し上げたことでございます。
こちらの送付方法につきましては、先ほど審議会の審議事項になっていないということもありまして、これについて市町村の裁量の中で、どのぐらいのセキュリティーを確保しながら通知できるかということを今検討しているところでございます。これにつきましては、委員御指摘のとおり、政令市、各自治体で今盛んに検討しているところでございます。そのような中で、どのようにして先ほど来御指摘の納税者の個人情報を確保するかということを念頭に入れて、日々考えているわけでございます。
そして、その具体のことにつきましては、新たな工夫、そういったものを導入することによって新たなリスクというのが発生することもありましょうし、また我々県内市町村もしくはほかの東北6市の市町村に与える影響というのもございますので、こちらについて対応策等、本当に知恵を絞って今来ているところでございます。5月の発送までには、残された時間は確かにわずかではございますけれども、個人情報は絶対漏えいしてならないことだということは、私ども税に携わる者は、日々これを肝に銘じて責務と考えておりますので、最大限の努力を払って、来るべき5月には事故のないよう安全に送付できるように万全を期してまいりたいと考えております。
70: ◯花木則彰委員 一番守らなければならない税情報とマイナンバーがそろった形のデータを、電子データとしてではなく、紙ベースで大量に40万人分も市役所の外に出してしまうのです。私は背中が寒くなるほど恐ろしいことと感じます。税務当局が、市民の個人情報の保護について、総務省が言うから、地方税法で決まっているからというだけで、こんなに軽々しく扱っているのでは困ると市長は考えないのでしょうか。副市長、もしも漏えいが起きれば、重大な責任を市長が負うことになりますが、副市長はそれでいいと思っているのですか。
71: ◯藤本副市長 ただいま税務部長が御答弁申し上げました中での対応をさらに詰めさせていただくと。私も税に一時携わった中で申し上げれば、税情報ほど自治体が取り扱う情報の中で万全を期さなければいけないということは、私も重々理解しているつもりでございます。今般こういった形でマイナンバー制度が導入されるという中での、それ以上に、セキュリティー面については、さらなる慎重な対応が必要と。これは委員と同じだと思っております。発送は5月ということになりますので、それまでの間、さらに発送という部分の手続ではありますが、さらに詰めた形で検討して、御心配のことがならないよう、最大限努めてまいりたいと存じます。
72: ◯花木則彰委員 最大限って、どれが最大限なのかわからないけれども、できることをやりましたと。でも、結果として漏れちゃいましたというときに、責任を負わなければいけないのは市長なんです。それでいいのかということなんです。
例えば政令市でも、大阪市は下4桁しか印字しないと決めたそうです。税額通知書にはね。いろんな工夫ができるんです。それを全くそういうことを考えないで、送付方法だけに限ってしまうとか、まだセキュリティーの確保ができていないのに、全桁印字して送るということだけ決めてしまっているという、その姿勢が問題だと思っているのです、どうですか。
73: ◯藤本副市長 基本的に税務事務は、まさに税法にのっとった形での対応が基本中の基本でございますので、そういう中での一つの検討として現在作業を進めているものと認識しておりますので、さらに詳細といいますか、細部に至るまで詰めた検討が必要という理解でおりますので、それは万全を期してまいりたいと存じます。
74: ◯花木則彰委員 総務省からの事務連絡というのがあって、それに沿ってやっているということなのですけれども、総務省自身が言っているんですよ。要は、地方自治体には地方税法を守ってほしい、だからやってください。だけど同時に、マイナンバー法第12条を守る必要があるんだと。両方守れと言っているんです。これ、両方守ることは相当難しいのです。そのときに、マイナンバー法第12条を守れないのであれば、どうするのかということについては、自治体の判断が求められているのです。ほかのところはみんなそういう判断をしているのです。だから困っているのです。
聞きますけれども、この税務の事務というのは何事務になりますか。
75:
◯市民税企画課長 税の事務は自治事務と理解してございます。
76: ◯花木則彰委員 ですから、総務省は記載しないと決めた自治体に対してペナルティーはない。地方税法上の罰則規定もないと認めています。国税庁は郵便事故等による情報流出のリスク増のため、源泉徴収票には個人番号を記載しなくてもよいとしました。税額通知書にマイナンバーを市が印字しなくても、事務処理上も何の障害もない。市民の安全・安心を守るべき自治体の責任としておかしいところは、国に対しても現場からしっかり意見し、変えさせると。少なくとも新年度は印字しない判断を求めます。責任ある二役での検討を求めますが、市長、いかがでしょうか。
77: ◯財政局長 今回の個人番号の通知でございますけれども、先ほど担当課から繰り返し申し上げておりますけれども、自治体の自治事務ではございますけれども、その取り扱いについて、国から定められた法の手続に従って事務処理をすることを求められる立場でございます。我々の勝手な判断で法律の適用をしないということは許されておりませんので、そういう意味では厳格な運用というのが基本でございます。
先ほど来申し上げておりますように、他都市の取り組みについても私どもも情報収集をしておりますけれども、先ほど担当課長から申し上げましたように、ほとんどの市では通知をするということを現時点で決めていると承知しております。本市におきましても、この通知を行うことは、法の求める厳格な運用に則したものと認識いたしておりまして、その方向で取り組みをするのが基本だと。
一方で、第三者に対して情報の漏えいがあってはならないと。これまた重要なことでございますので、こうした番号の通知と番号の保護、大変難しいというお話、委員からもございましたけれども、この両面の取り組みが求められておる立場でございますので、難しい課題ではございますが、これが両立できるような最大限の努力をしていくことが、我々の責務であると考えているところでございます。
78: ◯花木則彰委員 だから、財政局はこんな話しかできないんです。セキュリティーについて、マイナンバー法を守るということについても、ちゃんとした立場に立てない。税法上の指示、事務連絡で動いているのです。これじゃだめだから二役で検討しろと言っているのです。
79: ◯市長 特別徴収税額通知におけるマイナンバーの記載ということでございます。これにつきましては、財政局よりるる御答弁申し上げましたとおり、国からの通知に基づき、私としては税法にのっとり、これを記載すると、このような立場で事務を進めるという判断に立つものでございます。
その際に、やはり御指摘のように、情報のセキュリティーを高めると、これは大変重要だと考えてございまして、いろいろな課題がございますけれども、担当部局においてさらに改善すべきところ、また他都市の事例等も勘案しながら、仙台市として取り得る方策について思いをめぐらし、万全に備えていきたいと判断しているものでございます。
80: ◯花木則彰委員 国のほうは、それはもう自治事務だから、マイナンバー法を守れなくて、結局情報漏えいが起こったときには国の責任じゃないよと逃げるための通知なんですよ、あれは。結局そんなことが起こったら、市長が責任とらざるを得なくなると。ここはしっかり考えてもらいたいということを最後に述べて終わります。
81: ◯委員長 副委員長と交代いたします。
〔委員長退席、副委員長着席〕
82: ◯副委員長 委員長と交代いたします。
自由民主党から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔跡部薫委員、質疑席に着席〕
83: ◯副委員長 発言を願います。
84: ◯跡部薫委員 平成29年度一般会計予算、歳入第21款寄附金、
仙台ふるさと応援寄附金1億6000万円から、ふるさと納税についてお伺いしてまいりたいと思います。加藤副委員長におかれましては、他局に質疑がまたがりますので、どうぞ特段の御配慮よろしくお願いします。
平成20年度からスタートしたこのふるさと納税制度であります。生まれ育ったふるさとに貢献できる制度、あるいは自分の意思で応援したい自治体に対して選ぶことができる制度ということで創設されました。本議会でもこれまで多くの質疑と答弁がなされてきましたし、先ほど鎌田委員の質疑の中にもふるさと納税制度の寄附メニューとか返礼品についての指摘がありました。
平成27年度に制度拡充が行われまして、特例控除枠が2倍になったという納税枠の拡大でありますとか、また5自治体までなら確定申告が要らないというワンストップ特例制度など、さらに納税しやすくなったということで、急激に納税規模というか、制度の規模が大きくなっております。総務省によりますと、寄附総額の平成27年度実績は1653億円で前年比の4.3倍、受け入れ件数は726万件で前年比3.8倍ということであります。今年度は何と2600億円とも3000億円とも言われている、そのぐらい伸びているということが事実として見られております。制度拡充を機に納税額の規模が拡大しているこの現状において、今や地方自治体の財源確保策として注目を浴びているのは間違いないところであります。
しかしながら、制度の課題も大分指摘されておりまして、自治体の取り組みにもそれぞれ温度差が出てきているところであります。本市は今後どうしていくのかということも含めて、ぜひ今後の取り組みについて、方向性も含めて確認してまいりたいと思います。
それでは、初めに本市のふるさと納税の現状を確認したいと思います。平成27年度、昨年度のふるさと納税の件数と収入額、そしてまた今年度、平成28年度ですね。現状までの件数と収入額、そしてさらには今回の予算にもかかわります次年度、平成29年度にはどのような予算ということで組んでおられるのか、確認のために伺いたいと思います。
85: ◯財政局次長兼財政部長 ふるさと納税の対象となる個人の方からの寄附につきましては、本市では平成28年度から返礼品を再開いたしましたり、またお一人から多額の寄附をいただいたりするなど、年度によりましてさまざま条件は異なっておりますが、平成27年度決算では件数が193件、収入額が約1億2300万円、平成28年度は平成29年1月末までの実績でございますが、件数が4,037件、収入額が約1億3200万円でございます。また、平成29年度の歳入の予算額につきましては、1億4500万円を計上しているところでございます。
86: ◯跡部薫委員 これまで1億2000万円から、今年度1億3000万円ぐらいということで、予算額も1億4500万円ぐらいということで微増の予算を組んでおられたということであります。
この返礼品ですね。先ほどの質疑でもありましたけれども、この返礼品に非常に特徴のある制度でありますが、実質2,000円を払うことで、自治体へ寄附がしやすくなり、豪華な返礼品が楽しめるということから、ウエブサイトとかガイド本とかテレビでも大分話題になっております。まさに通販感覚です。ネットで見ましても、物すごい商品が並んでおりますが、具体的なこの返礼品を見ますと、まずブランド牛というか、牛肉、豚肉が非常に多いということであります。
昨年度の結果、トップとなった宮崎県の都城市、平成27年度で42億3100万円、これは宮崎牛のブランドがメーンですね。それから、2位であります静岡県焼津市は38億2500万円、マグロとか、カツオとか、ウナギとか、海産物だということであります。3位は山形県天童市、32億2700万円、サクランボとかフルーツだということであります。
先ほどの答弁にもありました、本市は今年度からスタートしたということであります。震災対応のために、拡充の取り組みというのはおくれてスタートしたということになりますが、本市は一体この返礼品の人気、何があるのか、それについて上位3件ぐらい、ぜひ御紹介いただきたいと思います。
87: ◯財政局次長兼財政部長 平成29年1月末までの返礼品の申し込み実績でございますが、本市におきましてもやはり肉が人気でございまして、上位3品は全て牛タンに関する品物が選ばれております。
88: ◯跡部薫委員 牛タン3件ということでよろしいですね、上位はね。
これも返礼品ですかね。ここの時点で送付コストとかウエブサイト、ふるさとチョイスというところに出しているのですかね、本市はね。こういうものにかかわる費用、経費についても伺っておきたいと思います。
89: ◯財政局次長兼財政部長 平成29年1月末までの返礼品等に要した経費の実績でございますが、ポータルサイト運営を含む支援業務の委託料に約1300万円、返礼品及び送付料に約1600万円となっておりまして、このほか臨時職員やパンフレット印刷などの経費を合わせまして合計で約3100万円となっております。
90: ◯跡部薫委員 本市でも経費としては3100万円ぐらいかかっていると。市によっては、返礼品を非常に豪華にして、価格も高いし、送付の手数料も相当かかるなんて例もあるようでありますが、とりあえず本市の場合の経費は3100万円ぐらいということで押さえておきたいと思います。
昨年、熊本地震が4月にありました。この際には、熊本県に対する被災地を支援する目的で、返礼品を辞退した上で納税するという方が大変多くて、昨年4月から半年間で納税額が45億4000万円ということで、記録上トップだったそうであります。同時に熊本市は、前年から約60倍伸びて21億8000万円ということで、県と市で67億円ぐらいのふるさと納税があったということであります。また、昨年12月には新潟県糸魚川市で大火がありました。あれも12月にありましたが、12月と1月の2カ月弱で4億4000万円がふるさと納税ということで集まったということであります。本市もこれまで多額の義援金や寄附をいただいたということはありますが、このふるさと納税がさまざまな全国の災害に対する援助の気持ちで使われるということであれば、非常に価値あることではないかと思います。全国の納税額が例えば大都市から過疎地、人口減少と移っている。今は災害のことも取り上げましたけれども、そういうことで納税されているということであれば、ふるさとへ寄附するという創設の目的の狙いどおりということが言えると思います。
ちなみに、東京23区の減収額は平成27年度で129億円、今年度、平成28年度で208億円にも上ると予想されているそうであります。
一方で、ふるさと納税制度の課題には、自分が住む自治体の住民税が控除されるという面がありますので、地域社会における、そこに住んでいる住民が応分の負担をしないで、ほかの自治体に納税しているということも課題であり、そのことによって地元自治体の税収減につながっているという指摘もあるわけであります。
ところで、ここで本市について聞きたいと思います。本市の市民のふるさと納税による減収額、一体どれぐらいあったのか、昨年度、平成27年度の決算、そして今年度、平成28年度の見通しを伺いたいと思います。
91:
◯市民税企画課長 ふるさと納税による個人市民税の減収額でございますが、平成27年度は約9700万円でございまして、平成28年度は約4億9100万円と見込んでいるところでございます。
92: ◯跡部薫委員 では、もう一つ質問を先にいきます。
本市の寄附分から控除分を差し引いた収支額を伺いましょう。プラスから減収分を引いて幾らになったのか。そしてまた、全国自治体、市町村は1,741ありますが、この中で大体本市の位置づけはどのぐらいなのか、それについて伺います。
93: ◯財政局次長兼財政部長 平成27年度の寄附額とそれに対する平成28年度で税が控除される税額との差し引きにおきましては、寄附額が約1億2300万円に対しまして、税の控除額が約4億9100万円となっておりますので、差し引きで収支は約3億6800万円の赤字となっているところでございます。
この収支における全国での位置でございますが、平成28年6月に総務省が公表したふるさと納税に関する現況調査によりますと、全国で32番目に赤字額が大きい市町村となっております。また、これを指定都市だけで見ますと、指定都市の中では13番目に赤字額が大きくなっております。
94: ◯跡部薫委員 ランキングを聞くと、非常にそういう意味ではショッキングでありますが、1,741の自治体の中でワースト32ということでございますが、政令指定都市では13番目ということであります。
もう一度確認ですが、平成27年度の制度改正後の税収が1億2300万円、ところが控除額がその次の年度になりますから、平成28年度の控除額が4億9000万円ということになりますね。それで、差し引き3億6000万円のマイナスだということであります。せめてこの収支が合うぐらいはいってほしいと思いますが、確かに売り上げの設定として1億円ぐらいで刻んでおりますが、もう少しこれを3億円、4億円とやっていく余地はあるのかなと思います。
しかしながら、私もその後調べてみましたら、ワーストテンを見ますと、例示させていただきますが、横浜市、名古屋市、世田谷区、港区、大阪市、川崎市、神戸市、京都市、さいたま市、福岡市ということで、政令指定都市と東京23区の自治体が入るのです。大体こういうところは赤字になっている。特に東京23区は不交付団体でありますので、減収がそのままマイナスになるということになると思います。特に過疎地や人口減少で悩む自治体の住民の税収も奪いかねないというのが、この制度の課題だと思います。実際に全国の自治体では、この制度にどんどん積極的に取り組もうという自治体と、いやいや、もうこれはうちでは取り組めないというような消極的な自治体と大分二極化が進んできているということも指摘されているようであります。
元総務大臣でもある片山元鳥取県知事ですか。返礼品で誘って、住民税を他の自治体に納めるということで、振り込め詐欺同様だと痛烈に批判もしているようであります。
このふるさと納税の影響で減収となる自治体に対して、国はどのような対策をしているのかについてお伺いします。
95: ◯財政局次長兼財政部長 ふるさと納税制度による税収の減につきましては、寄附を行った方の住所地の自治体が地方交付税の交付団体、不交付団体ではなくて交付団体である場合、個人住民税の減収分の75%に相当する基準財政収入額、これが減少となりますので、その分の地方交付税が増加するという仕組みとなっております。
96: ◯跡部薫委員 自治体の税収を減らしてしまうと思われがちな面もありますが、地方交付税で75%は補填されていると。そういう意味では、国が下支えをしている制度ということは言えると思います。
そうであっても、やはりこの制度に取り組むかどうかの姿勢によっては、大分結果が違ってきているということも、また事実であります。課題の認識等について伺ってまいりたいと思いますが、現在のふるさと納税制度ですね。自治体の返礼品の過度の豪華化、あるいは競争が激化して、物欲をあおるがごとく宣伝合戦にもなっているという指摘もあります。高額な返礼品競争が激化することは、例えば控除枠の大きい高所得者の手厚いリターンが助長されるという反面、もともと納税額が少ない、例えば高齢者とか、年金生活者などは恩恵が少ないという指摘もあります。
それから、返礼品について、Tポイントカードのポイントもあれば、商品券などもあるということが、そしてある自治体の返礼品である感謝券がインターネットで出回ってしまって転売されている事例もあって、これもトラブルになっているということも聞きました。
本市としては、この制度の課題についてどのように把握されているのかお尋ねいたします。
97: ◯財政局次長兼財政部長 現在、地方自治体によりましては、先ほど御指摘がありましたように、商品券など金銭類似性の高い返礼品ですとか、家電製品などの資産性の高いもの、あるいは寄附金に対して返礼割合の高いものなどを扱っておりますことが国からは問題点として指摘をされております。また、特に大都市において税額控除が大きく、財政的な影響がありますことや、先ほどこれも御指摘いただきましたが、控除額の大きい高額納税者が優遇されるような制度運用が見られることなどの課題があるものと認識いたしております。
98: ◯跡部薫委員 先ほどの質疑にもありましたけれども、国は高市総務大臣が今回の国会の予算委員会で、やはり一定のルールが必要だろうということを示されたようであります。返礼品競争に歯どめをかけるとの認識で、この春にもそれぞれの細かい点も含めて、制度が改善されるのではないかということの見通しがあるようであります。
こんなことの流れではありますが、本市はこの返礼品に関してどのようなルールや基準を持って臨んでおられるのか。それから、今後も引き続き運営していくのに、こういう基準やルールというのが私は必要だと思いますが、どのようにお考えなのか、そこを伺いたいと思います。
またもう一つ、国から何か通知があるのかどうか。3月、4月というこの年度が変わるということで、何らかの通知があるのかどうか、その件についても伺いたいと思います。
99: ◯財政局次長兼財政部長 本市のふるさと応援寄附の返礼品につきましては、制度の趣旨を踏まえまして、寄附に対する御礼という位置づけのもと、一定の節度を持って寄附額に応じて返礼品の価格に上限額を設けております。具体的には、1万円以上3万円未満の寄附に対して、返礼品の価格を2,000円以内、同様に3万円以上10万円未満で5,000円以内、10万円以上で1万円以内を上限額といたしております。あわせて、本市の魅力を発信し、交流人口の拡大や地域産業の振興につながる要素を持つ品物であることなどの条件を設けまして、協力いただける事業者を幅広く公募いたしております。今後もこうした観点を踏まえながら、本市を応援してくださる方々の思いに応えられるように取り組んでまいりたいと存じます。
また、国におきましては、平成28年4月に金銭類似性の高いもの、あるいは資産性の高いものなど、制度の趣旨に反するような返礼品を送付する行為を行わないように求める通知を発出しておりまして、さらに地方間の返礼品競争の加熱等の現状を踏まえまして、返礼品の価格に上限を設けるなどの検討を行うと聞いているところでございます。
100: ◯跡部薫委員 一定の基準を決めている、そういうルールを決めて行っているということについては私は評価をしたいと思います。豪華返礼品競争に巻き込まれることなく、先ほど鎌田委員からは真心が伝わるという話がありましたが、やはり本市の思いというものを伝えつつも、もらった方がうれしいものを、さあどうやって工夫するか、そこの部分が見せどころかなと思いますので、そのようなことは引き続きしていただきたいと思います。
ところで、今の話がありました。返礼品がいろいろ見直されて新しいものを検討しているということであります。昨年12月の定例会でも話題になっておりました。新たな返礼品の検討ですね。体験型サービスの返礼品を初め、民間事業者が提供するサービスの提案を受けて、2月には決定したいということの答弁があったようであります。今3月でありますので、大分概要が見えてきているのかなと思います。返礼品についての検討状況はどうなっているのでしょうか、伺います。
101: ◯財政局次長兼財政部長 平成29年度予算に向けました返礼品の検討についてでございますが、これまでの議会での御議論や御意見を踏まえまして、寄附される方に仙台を訪れていただけるような返礼品を提供できますよう、個別に事業者に対して働きかけを行ってまいりました。この結果、11の事業者から新規の提案をいただき、うみの杜水族館の入場券など体験型の返礼品を含めまして、新たに17件の返礼品を決定いたしたところでございます。また、そのほかにも季節限定型の提案もいただいておりまして、引き続き事業者の方々と調整をいたしているところでございます。
102: ◯跡部薫委員 うみの杜水族館の入場券ですね。体験型という意味では、非常に本市の一つの特徴を生かした返礼品になるのかなと思います。そのほか17件もあるということでありますが、まだ概要は明らかになっておりませんが、非常に期待を持って注目していきたいと思います。また、体験型とか季節型というのもありましたね。それぞれ仙台の季節といえば夏も秋もいろいろとあると思いますが、楽しみですね。何らかの返礼品を検討されているのかなと期待したいと思います。
その中でも、例えば今まで、これまでの議論にあった仙台国際ハーフマラソン大会の参加権というのもありましたね。他都市でもこのようなマラソンの出場権とか参加権なんていうのを使っている例があるようでありますが、これは非常に工夫されたと思いますが、今回のハーフマラソンには加わってはいなかったようでありますが、いろいろと現実の問題があると思いますが、このようなスポーツイベントを初めとする観光資源とか、その他さまざまな特徴あることについて、シティーセールスにもつながる可能性があると見えるわけであります。関係当局、財政局だけではなくて、ほかの局との連携というのも大切になると思いますが、シティーセールスという意味でいえば、文化観光局ですね。ぜひともそういう意味での御所見があればお伺いしたいと思います。
103: ◯文化観光局長 本市が有する観光資源、さまざまなものがあるわけでございますけれども、ふるさと納税の返礼品を通じまして、こうした観光資源をPRしていくということは、本市の知名度向上や交流人口の拡大に大変効果があると考えておりますので、関係当局と連携をしながら、観光客の誘致につながるように工夫を我々としてもしてまいりたいと考えているところでございます。
104: ◯跡部薫委員 局長、やはりそういうアイデアとか、こういうものを組み合わせたら魅力になる、話題になるということも含めて、ぜひとも御検討いただきたいと思います。
今後、この制度自体の改正でありますとか、規制などに新たなルールが検討されているというふるさと納税制度であります。しかしながら今の話、例示的に出させていただきましたが、あえて活用していくということで得られるメリットもあるのではないかと思いますが、当局の効果とかメリットに対する認識をお伺いしたいと思います。
105: ◯財政局長 ふるさと納税制度につきましては、大都市における税源確保の観点からは評価が難しいといった点もございますけれども、一方で地域の特産品のPRやシティーセールスでの活用など、地域産業の振興や交流人口の拡大などの面において、地方の創意工夫を発揮できる制度であると考えているところでございます。
106: ◯跡部薫委員 それだけですね。はい。
今局長、地域産業の振興とか、交流人口拡大がありましたが、その前のシティーセールスもありましたね。地場産品のPRもそうですし、やはり地域産業の振興、これはイコール、地域経済の活性化また雇用の創出にもつながるわけでありまして、他都市も積極的にやっているところは、地場産品を売りたいだけではなくて、必死に経済の部分のメリットを見据えているケースが大分出てきている。
またもう一つ、やはり地方創生の目的でもあると思いますが、アイデアとか、発想とか、さまざまな工夫、こういったものを積極的にもっと出していくということが、この制度の実は狙いであるのかなと。その意味で、税収を大きく伸ばす自治体と減らす自治体など、こういう差が出てきている中でありますが、この制度を活用してどうしていくのかというところはしっかりとして、財政局を中心として皆さんが認識していかないといけない点だと思います。
その意味でも、せめて収支は、私はとんとんぐらいに、何か魅力あるものをそろえてほしいという気持ちもありますし、そう言いながら、返礼品競争とは一線を画して、本市らしい取り組みをしていただきたいと思います。
それでは、次に使途の明確化について確認していきたいと思います。本市のサイトには震災復興など26のメニューがあるということは、皆さん御承知のとおりであります。本市の寄附金の使い道について、どのジャンルにどれぐらいの寄附が集まっているのか、その傾向について、改めて伺っておきたいと思います。
107: ◯財政局次長兼財政部長
仙台ふるさと応援寄附の実績でございますが、26ある寄附メニューに対しまして、平成29年1月末現在で4,037件、約1億3200万円の寄附をいただいております。
このうち、1000万円以上の寄附のありましたメニューを金額の多い順に申し上げますと、震災復興に約5000万円、障害者施策推進に約2300万円、仙台まるごと応援に約2100万円、子育て支援に約1400万円となっているところでございます。
108: ◯跡部薫委員 震災復興を初めとするメニューに、それぞれの寄附が集まっているということでありますが、本市のサイトを見ておりまして、そこには仙台市のメニューがあったり、特徴があったり、そして財政状況とか書いていて、仙台市のページになっておりますが、自治体からの最新情報という自治体のメッセージの欄があります。そこには、ついきのうまでも、ただいま光のページェント開催中と載っているわけです。
いろんなサイトを見ますと、熱心なサイトほど情報も細かいし早いわけであります。本市の姿勢がかいま見られるようで、私もぜひこれは手を加えてほしいと。できるだけ早く小まめにやってほしい。要するにお金がかからないこういう部分において、姿勢が見えるのではないかということで非常に残念であります。
先ほどの質疑にもありました、めり張りあるメニューということでありますが、実際このメニューについて、もう少し踏み込んで確認していきたいと思います。
自治体が寄附者、納税者に対して、納税後の使い道、使途に対して明らかにしていくということは重要であります。本市のまちづくりに共鳴していただける方、そういう志ある方に、ぜひとも我々の積極的な姿勢とか真摯な姿勢というものに共鳴して、納税していただきたいと思うわけであります。
この手法、ガバメントクラウドファンディングですか。これは自治体が課題に対する対策を示して、納税者の趣旨を、賛同を得て資金を調達できる、そしてまちづくりに使うという効果的な手法だと思います。例えばこの26のメニューに、街路樹シンボルロード保全というメニューがあります。定禅寺通、青葉通、東二番丁通など市内中心部の街路樹の健全度調査や植えかえなどに活用するとあるわけであります。
実はこの定禅寺通は、本議会でも議論されている杜の都を象徴する定禅寺通の再整備、活性化を行うのだという取り組みが始まるということで議論されているわけでありますが、こういうものをどのようにこういう制度と組み合わせていくか。昨年まで見ますと、やはりこのシンボルロード保全には30万円の寄附しか集まっていないわけであります。こういったものにつきましても、仙台内外の広く仙台を愛する方に対して、まちづくりについて呼びかけるという姿勢が必要ではないかと考えるわけであります。
このような一つの例で取り上げましたけれども、定禅寺通の整備もさることながら、例えば伊達政宗公生誕450周年ということでありますので、歴史的な資源を生かしたまちづくりをやりたいとか、あるいは先ほど取り上げた観光などもそうでありますが、まちづくりに関する共感を得る仕組みづくり、こういったものをぜひともまちづくり政策局なんかも連携を強めて、こういった制度と一緒につくってほしいと思いますが、まちづくり政策局には何か御所見ありますか。伺いたいと思います。
109: ◯まちづくり政策局長 本市のまちづくりにおけるふるさと納税の活用につきましては、これまでも防災・減災の推進や、ふるさとの杜再生などの多くの分野において寄附をいただいているところでございまして、まさにガバメントクラウドファンディングの要素があります。定禅寺通周辺の活性化を初めとした今後の新たなまちづくりへのふるさと納税の活用につきましても、こうしたまちづくりの機運を高める効果もあろうかと存じますので、今後財政局と協議をしながら検討してまいりたいと考えております。
110: ◯跡部薫委員 そのようなことで考えますと、いろいろ可能性は広がるということであります。今議会でも議論されている本庁舎の建てかえ、本庁舎にどれだけの皆さん、思いを持っていただけるかというのがあるかもしれませんが、しかしながら公共施設の更新が今後大きな課題となってくるのは、我々皆が認識するところであります。
ふるさと納税を活用してメニューとして打ち出すことによって、さまざまなPRというのも工夫ができるのではないか。例えば共鳴いただきやすいテーマとしては、やはり音楽あふれる都市としての音楽ホールとか、そういう整備というのも一つテーマとしてあると思いますし、また公共施設の更新ということでは、小中学校の老朽化が大分進んできているということがあります。教育施設についても、例えば仙台で子供時代を過ごした方がほかの地域に行って、教育や福祉に対する還元として寄附をするということも考えられるわけであります。そういう母校、小中学校に対する寄附なども含めた、例えばテーマで言えば学都仙台や待機児童対策は実際にもうやられていますし、幼児教育の振興もそうでありますが、そういった仙台らしさということも含めて、人生を通じた受益と負担のイメージというものを持ちつつ、共鳴をいただくような取り組み、こういったことも工夫の仕方によっては、あるのではないかということで考えるわけであります。
このような局を超えて、まちづくりに関連した取り組みということで、さまざま工夫すべき方策があると思いますが、それについてお伺いしたいと思います。
111: ◯財政局長
仙台ふるさと応援寄附につきましては、寄附をされる方々が希望する使い道を選択できるように、先ほど来御説明申し上げておりますが、多様な寄附メニューを設定しているところではございますけれども、現時点の実績を見ますと、一定のメニューに偏るという傾向もございます。より寄附者の方にわかりやすいものとなるように工夫をする必要があると認識いたしております。
御提案いただきました小中学校などを含む公共施設の更新は、本市における重要な課題の一つでもございます。これらに対する寄附の活用につきまして、今後他都市における先行事例も参考にしつつ、関係局とともに協議をして、ともにさまざまなアイデアを出し合いながら、さらに取り組んでまいりたいと存じます。
112: ◯跡部薫委員 ふるさと納税制度ですね。自治体のまちづくりの理念、都市の魅力、自治体を離れて、あるいは応援したいという方と共有できるという側面がありますので、過度の競争とか、そういうことではなくて、本市は本市の道というのがあります。しかしながら、先ほど指摘したようにやはり工夫とか手をかけるという部分については、まだまだ届いていないところもあると思いますので、ぜひともこんな制度、こういう制度もあるということも、ある種ポジティブに捉えて活用していくという姿勢で取り組んでいただきたいと思いますが、その意味での今後の方向性と意気込みについてお伺いしたいと思います。市長、よろしいですか。
113: ◯市長 ふるさと納税ということでございます。委員のほうからもいろいろお話しございましたとおり、仙台をふるさと、生誕の地とされる方、またそれだけではなくて、仙台で学生時代を過ごした、または転勤で仙台にゆかりがあった、さまざまな方が仙台に思いをはせ、また仙台のまちづくりを応援するという気持ちをあらわす場として、このふるさと納税という制度、一定の大きな役割を果たすものと考えております。
現時点では今さまざまに御議論いただきましたように、大都市にとってハンデのある部分であるとか、また寄附返礼品のありようなど課題があるわけでございますけれども、この制度に人気があります理由の一つというのは、大抵のことは大規模であるほうが強いというか、勝ち目があるということでありますけれども、この制度の場合は比較的小規模の自治体においても工夫次第によっては活路が開けるというところが、一つ大きな魅力として各自治体に受けとめられているのかなとも思っております。
そういう意味では、御指摘いただきましたとおり、我々仙台市、どちらかというと大都市組に入ろうかと思いますけれども、まだまだ工夫が足りないという部分については、私どもも率直に感じている部分もございますので、なお議会におけるさまざまな御指摘も踏まえつつ、より我々にとっての望ましい仙台の発信、アピールにつながるようなふるさと納税の活用について取り組んでまいりたい、そのように考えております。
114: ◯副委員長 以上で、第17号議案平成29年度仙台市一般会計予算、第1条歳入歳出予算中、歳入全部外に対する質疑は、総括質疑を除き終了いたしました。
答弁者入れかえのため、少々お待ち願います。
〔答弁者入れかえ〕
115: ◯副委員長 次に、審査日程・区分表中の第28号議案平成29年度仙台市下水道事業会計予算外についてであります。
日本共産党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔庄司あかり委員、質疑席に着席〕
116: ◯副委員長 発言を願います。
117: ◯庄司あかり委員 副委員長、初めに質問が他局にわたりますのと、途中でパネルを掲示しますので、よろしくお願いいたします。
下水道事業会計予算中、雨水対策について伺います。
下水道職員の皆様におかれては、東日本大震災で南蒲生浄化センターが津波による甚大な被害を受けながら、市内に汚水をあふれさせることなく迅速に対応いただいたこと、近年増加するゲリラ豪雨や台風による冠水の現場で昼夜分かたぬ御尽力をいただいていることに心から感謝を申し上げます。
また、2011年秋には下水道管理センターの職員2名が台風15号の対応中にお亡くなりになる痛ましい事故もありました。災害や危険と隣り合わせの中、市民の生活インフラを支えている縁の下の力持ち、下水道の大切さに改めて敬意を表し、そのさらなる発展を求めて質問いたします。
初めに、若林区六郷地区や大和町地区を初め、市内全域で雨が降ると冠水し、トイレが使えなくなる事態が起こっています。この原因について御説明ください。
118: ◯下水道調整課長 本市の8割以上を占めます分流式下水道では、汚水と雨水を別々の管渠で流すシステムとなっておりますけれども、雨天時におきましてはマンホールのふたの穴、あるいは管路のふぐあい箇所から雨水の浸入、そのほか宅地内の排水設備において雨水を汚水に流している、いわゆる誤接続により、汚水管に雨水が流入する状況が市内の一部の地区におきまして発生しているところでございます。
この雨天時浸入水の流量が多くなり、汚水の本管の容量を超えた場合、宅地内のますに逆流してトイレが使用できなくなる場合がございます。
119: ◯庄司あかり委員 市は、下水道事業の状況をあらわす指標として、下水道経営指標レポートを公表しています。この経営指標レポートのうち、暮らし、社会の視点の中で汚水溢水事故回数が挙げられています。
そこで伺いますけれども、先ほど紹介したように、強い雨が降るとマンホールから汚水があふれ、トイレなど排水設備への逆流という被害が生じていますけれども、それらはこの指標に反映されないのか伺います。
120: ◯下水道調整課長 下水道事業経営指標レポートの汚水溢水事故回数には大雨時に発生しましたマンホールからの汚水の溢水や排水設備への逆流は含まれておりません。
121: ◯庄司あかり委員 こうした雨天時の汚水溢水、カウントしないのはなぜなのでしょうか。
122: ◯下水道調整課長 下水道事業経営指標レポートにおけます汚水溢水事故回数は、日常的な維持管理業務を対象に設定した指標でございます。管の詰まり発生後の清掃対応が間に合わずに汚水があふれた場合の回数を集計したものでございますので、雨天時の汚水は含まれていないところでございます。
123: ◯庄司あかり委員 それでは、暮らしの視点の項目とは言えないのではないかと思うのです。指標に市民の生活実態が反映されないということになってしまいます。日常的な維持管理によるふぐあいや管路施設のふぐあい以外で汚水が公共用水域に溢水、放流された可能性はあるのでしょうか。伺います。
124: ◯下水道調整課長 合流式下水道区域につきましては、降雨時に雨水により希釈されました下水を河川に放流する場合がございます。
また、分流式下水道につきましては、大雨時における溢水等の被害軽減のため、緊急避難管を経由して雨水管に下水を排出する場合がございます。
125: ◯庄司あかり委員 今出されました分流式下水道、汚水系統にある緊急避難管という、いわゆる暫定はけ口と呼ばれる雨天時汚水排出口について伺ってまいりたいと思います。
これはいつからなぜ設置され、現在はどのぐらいの数になっているのか伺います。
126: ◯下水道調整課長 雨天時に下水を排出する緊急避難管につきましては、本市の分流汚水マンホール約9万2000個のうち、111カ所で設置しております。
最初に設置しました時期は不明でございますけれども、本市の市街地の拡大に伴いまして雨水排水量が増加し、大雨時に下水があふれるなどの被害が生じたことから、緊急避難的に当該施設を設置したものでございます。
127: ◯庄司あかり委員 ただいまのお話ですと、全体で111カ所ということですけれども、ここでパネルを掲示させていただきます。この緊急避難管とおっしゃいますが、暫定はけ口一覧ということで資料をいただきまして、位置図を仙台市の地図に落としますと、分流式下水道区域のほぼ全域に配置されているということで、全体で111カ所あるということです。この暫定はけ口を私も見てまいりました。
太白区土手内にある汚水排出口がこちらなのですけれども、これは一つのマンホールを別の角度から見ているもので、こちらがまず下水が流れているところです。それを反対側から見ると、ここに穴があいていて、これが少し高い位置にありますけれども、汚水排出口ということで、ここから直接金洗沢川に放流される形で接続されています。この出口がどうなっているかというのが次のパネルです。
これは金洗沢川のボックスカルバート内ですけれども、この二つが汚水放流管、こちら雨水の放流管ですね。この汚水放流管の出口にはトイレットペーパーや汚物と見られる付着物があるということも確認してまいりました。この汚水排出口なのですけれども、どのようにしてマンホールからの汚水溢水や排水設備への逆流を防ぐのか。ポンプ場の流入ゲートとの関連も含めて、順を追って御説明ください。
128: ◯下水道調整課長 分離式下水道区域において、誤接続などによります不明水が多い地区では、大雨時に汚水のマンホール内の水位が上昇する場合がございます。また、下流側に汚水のポンプ場がある場合、ポンプ施設を冠水から守るために流入ゲートの流入調整を行うことがございます。その場合、ポンプ上流側にその影響が生じ、上流側のマンホール内の水位が上昇しやすくなります。
緊急避難管は、汚水マンホール内の比較的地表に近い位置に設置しまして、マンホールから下水が溢水する前に、この管を通じて雨水系統に越流させる仕組みとなっております。日常的に機能しているものではなく、大雨時において下水の溢水を軽減するものでございます。
129: ◯庄司あかり委員 先ほど、汚水排出口111カ所という御説明でしたけれども、広瀬川浄化センターの流入管に設けられている汚水排出口は、この111カ所の中に含まれているのでしょうか、伺います。
130: ◯下水道調整課長 広瀬川浄化センターに設置しました施設につきましては、浄化センターへ流入しますルートから、浄化センターでの処理後に放流するルートに向けてバイパスしたものでございますけれども、この111カ所には含まれておりません。
131: ◯庄司あかり委員 なぜこの111カ所に含まれていないのでしょうか。
132: ◯下水道調整課長 広瀬川浄化センターに設置しました緊急避難管につきましては、災害時における処理施設の水没防止ということを目的に設置したものであることから111カ所に含めていないところでございます。
133: ◯庄司あかり委員 性質が異なるということだと思いますけれども、では、カウントしていない暫定はけ口というのは、ほかにもあるのでしょうか。
134: ◯下水道調整課長 ほかの四つの処理場におきまして、広瀬川浄化センターと同様の機能を設置しているところでございます。
135: ◯庄司あかり委員 ほかにもあるということですので、実態としては115カ所に上るということなのだと思います。この汚水排出口は下水道台帳図に記載されているのでしょうか、伺います。
136: ◯下水道調整課長 下水道台帳への記載はしておりませんけれども、別途把握しているところでございます。
137: ◯庄司あかり委員 台帳図に記載されていないということですけれども、なぜでしょうか。
138: ◯下水道調整課長 緊急避難管につきましては、大雨時の緊急避難的な対応のための施設として暫定的に設置してきたというところが理由でございます。
139: ◯庄司あかり委員 暫定的な施設として設けたものだから、台帳図に記載されていないということですけれども、先ほどいつからあるのかと伺えば不明だとおっしゃいます。この状態が数十年にわたって続いてきているのだと思うのです。とても暫定的な施設とは言えない状態になっているのではないかと思います。
法的にはこの汚水排出口、どのように規定されているのでしょうか、伺います。
140: ◯下水道調整課長 この緊急避難管につきましては、恒常的な下水道施設ではないと捉えているところでございます。
141: ◯庄司あかり委員 恒常的な施設でないから、暫定はけ口と呼んでいらっしゃるのだと思うのですけれども、法的にはどう規定されているのかと伺っています。
142: ◯下水道調整課長 この緊急避難管につきましては、好ましい施設というところではございませんけれども、法全体の趣旨からしまして、法を逸脱した施設とまでは言えないと思っているところでございます。
143: ◯庄司あかり委員 法律上の規定はないということなのだと思うのです。だからといって、下水道台帳図に記載しなくていいということにはならないのだと思うのです。
国土交通省は、仙台市に百十数カ所の汚水排出口があるということを知っているのでしょうか。伺います。
144: ◯下水道調整課長 国土交通省の下水道部に対しましては、維持管理上、市民生活に重大な被害を生じさせないために必要な暫定的な対策ということで、この緊急避難管を設置しているということを報告してございます。
145: ◯庄司あかり委員 国には報告してあるということですけれども、どのような指導が国からはあったのでしょうか、伺います。
146: ◯下水道調整課長 この緊急避難管につきましては、改善すべきものであるという意見をいただいてございます。
147: ◯庄司あかり委員 改善すべきものだと言われているということです。
雨天時の汚水の溢水ですとか、トイレ等への逆流を防ぐために緊急避難としてやむを得ず設置してきたというのが、この汚水排出口だと思います。先ほどの答弁からもわかるように、法のすき間を縫って知恵を絞った結果かもしれません。その経緯については承知した上で伺いたいのですけれども、雨水まじりの汚水の排除という点では、汚水排出口によって地表面にあらわれることなく、効率的に排除されるとして、その処理という点ではどうなのか検証してまいりたいと思います。
2009年、東京都北区のJR王子駅のトイレで発覚した誤接続の概要とこれについての国の対応はどうだったのか伺います。
148: ◯下水道調整課長 JR王子駅のトイレの誤接続の事例は、東京都北区のJR王子駅にある駅のトイレの排水管が雨水用の管につながっていたため、トイレの汚水が約40年にわたり近くの川に直接流れ込んでいたというものでございます。
国土交通省ではこの事例を踏まえまして、平成21年3月に排水設備の誤接続に対する適切な対応、また同年8月には汚水の雨水管への誤接続に関する緊急点検の実施等についてということで通知を発出してございます。
149: ◯庄司あかり委員 ここでもパネルを御紹介したいと思います。今の王子駅の事例ですけれども、30年近くにわたってトイレの汚水が誤って雨水管に接続され、河川に流出していたということで、改善措置を講じるよう国が指導しています。国はこの下のところ、小さくて申しわけないのですが、このような事態は公衆衛生の向上、公共用水域の水質保全等の下水道法の目的を損なうものであり、全下水道管理者において重く受けとめるべきものだとしています。
この王子駅のケースは、汚水を雨水管に誤って接続したいわゆる誤接続で、汚水そのものを直接川に放流しているという点で仙台市のケースとは違いますけれども、仙台市の場合は故意に汚水を雨水管に放流しているというところで、幾ら雨水まじりの汚水で薄まっているとはいえ、市内の百十数カ所で汚水が何の処理もされずに公共用水域に放流されているということは、公衆衛生の向上、公共の水質保全等の下水道法の目的を損なうものであるとお考えにならないでしょうか。
150: ◯建設局長 緊急避難管からの下水の流出という部分につきましては、大雨時に限るという部分ではございますけれども、やはり下水道の本来の目的、公衆衛生、そして水質汚濁防止という観点からは好ましくないと。
ただ、一方で現実的には仙台市、下水道の整備は大分古くから始めたわけでございますけれども、現実に汚水管の中に本来まじるはずのない雨水が実際にまじってしまっているというのは事実でございまして、そうしますと先ほど来課長が答弁しましたように、現場のほうでは実際に市街地に下水が溢水してしまうと。そういう状況の中でやむにやまれないというような対応の中でさせていただいているという部分のところはございます。
ただ、基本的には国のほうの指導もありますけれども、我々としてもこれにつきましては、今後やはり改善が必要だという部分は十分認識しているところでございます。
151: ◯庄司あかり委員 やむを得ず設置したものであるけれども、下水道法の目的に照らすと、好ましい施設とは言えないということなんだと思います。
今建設局長からもお話しありましたけれども、水質汚濁防止法に基づく規制や指導を所管する環境局の見解はどうでしょうか。伺います。
152: ◯環境対策課長 水質汚濁防止法においては、公共用水域への排出については、事業者の責務として水質などの排出状況の把握や汚濁防止のために必要な措置を講じることとされており、環境局ではこれに基づき担当部局への指導を行っております。
153: ◯庄司あかり委員 環境局では指導を行っているということですけれども、汚水排出口についてですが、市長はこれまでどのような指示をしてこられたのでしょうか。伺います。
154: ◯建設局長 この緊急避難管につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、大雨時に現実的には汚水管から下水が溢水してしまうという部分のところに関しまして、市民生活に重大な被害が発生してしまうということがございまして、そういった中でやむを得ず緊急避難的な、まさに対応をさせていただいているところでございます。
これらの原因であります汚水管への雨水の浸入、また誤接続など、そういった雨水の浸入があることにつきましては、市長に御報告を申し上げているところでございますが、具体的な緊急避難管の設置については報告していないところでございます。
155: ◯庄司あかり委員 市長には報告してこなかったということなので、では奥山市長が汚水排出口の存在を知ったのはいつになるのでしょうか。
156: ◯市長 緊急避難管の設置につきましては、ただいま建設局長から御答弁申し上げましたとおり、市民生活への影響を考慮し、下水道部署においてそれを対応したものと承知しているところでございます。ただいま委員からお示しいただきましたような総数等について、具体の報告等は受けておりませんでしたけれども、この原因となります雨天時の不明水による汚水の漏れなどの問題につきましては、これまでも随時下水道の担当からの報告を聞いてまいったところでございます。
雨天時におけます汚水があふれることにつきましても、合流区域からの汚濁流出や低い地域におけます浸水などと同様に、大雨時におけます大きな下水道施策上の課題の一つと認識をしておりまして、今後ともさまざまに雨水対策を行う中で、計画的にこれを更新、改良すべきものと認識してまいったところでございます。
157: ◯庄司あかり委員 やはり市民生活にも大きくかかわる問題ですので、市長にもこの問題について把握した上で、今後対策をしていただきたいと思うのです。現在はどうなっているかわかりませんけれども、過去には上司から汚水排出口の存在について、棺おけまで持っていけと極秘扱いを指示された職員もいたと伺っています。法令遵守にかかわるこのような課題について、職員に対して秘密を強いるというのは問題だと思います。暫定はけ口のことだけに限らず、職員が法と正義に基づいて、正すべきは正すことができる風通しのよさが市役所に必要だと思いますけれども、これも市長に伺いたいと思います。
158: ◯建設局長 この緊急避難管につきましては、一般の下水道工事として外部に発注して設置しているものでございますので、そのこと自体が極秘扱いという状況ではなくて、ほかの方でも当然そういった事実は知り得る内容だと考えてございます。そして、過去においてお話のありましたような指示がなされていたという部分のところについては、承知していないところでございます。
市の職員としまして市民生活を第一に考えまして、さまざまな視点から、まさに今委員からもお話のありました法と正義のもとに、しっかりと市民の生活を支えていくというところでは、当然風通しのいい職場づくりというところも、これにつきましても近年特にコンプライアンスという部分では、積極的に我々としても取り組んでいるところでございまして、今後こういうことがないようにしっかり対応していきたいと考えてございます。
159: ◯庄司あかり委員 今建設局長から、建設局内の風通しのよさについて確保するという決意が語られたと思うのですけれども、市役所全体について市長にお伺いしたいと思います。
160: ◯市長 市役所内の風通しということでございます。もとより市政をあずかる者といたしましては、さまざまな情報、特にそれが市民生活に重要な影響を及ぼし、かつまた本市にとって、例えばさまざまな自分たちの責任で行った事業について、都合の悪い情報であっても、そうであればこそ、なおさらしっかりとそれを受けとめ情報を開示するとともに、その改善に向けて取り組んでいくということが、極めて重要であろうと考えてございます。
今後とも全庁挙げて、風通しのよいコンプライアンスにのっとった市政運営に努めてまいる所存でございます。
161: ◯庄司あかり委員 下水道の二つの基本機能のうち、処理の点については犠牲にしつつも、排除を優先させてきた緊急避難的対応であるということは、よくこの議論の中でも承知しました。大事なのは、それを隠すのではなく、下水道法や水質汚濁防止法など、法の目的も含めた法令遵守の意識が求められているのではないかと思います。汚水排出口の存在を明らかにして、適切な管理と処理を行うべきだと思いますけれどもいかがでしょうか。
162: ◯下水道調整課長 公共用水域の流出を防止するためには、不明水対策、あるいは新たな管路の布設など、抜本的な対策が必要となり、時間を要するということから、市民生活への被害を最小限にとどめる緊急避難的な措置を行ってきたところです。本来は、法の目的に沿った措置をとっていくことが必要であると認識しておりまして、暫定措置解消までの間は適切な管理等に努めてまいりたいと思います。
163: ◯庄司あかり委員 暫定措置を解消するまでは適切な管理を行うということです。
まず、その管理についてですけれども、汚水排出口の位置や構造を把握した上で、そこからの排出頻度、排出量、水質などの現況を調査、解析する必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
164: ◯下水道調整課長 緊急避難管につきましては、現地調査を行った上で、管の口径や雨水管等への接続状況等を記録し、管理しているところでございます。
また、緊急避難管からの排出頻度、排出量、水質などの調査につきましては、大雨時というところもございまして、通常の対応と重なってしまうところもございます。そういった点から、実施が困難ではあると思っておりますけれども、大雨後の管内の痕跡を調べるなど状況の把握には努めてまいりたいと思っております。
165: ◯庄司あかり委員 大雨後の状況を調査するというお話ですけれども、確かに汚水放流の瞬間は大雨が降っているわけで、そこに人がいて見るということはできないと思いますけれども、そうしなくても済むように計測器を設置するなど方法はあると思いますので、ぜひ検討していただきたいと思います。
ポンプ場や浄化センターの運転状況のデータをきちんと記録し、詳細に分析を行って、汚水排出との関係を明らかにするための検証も必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
166: ◯下水道調整課長 ポンプ場や浄化センターの運転状況のデータは記録しており、そのデータから雨天時におけます不明水の全体量を捉えることは可能と考えておりますけれども、緊急避難管からの流出との関係というものを現時点で明らかにすることは難しいと考えており、不明水の流量調査が今後とも不可欠であると考えてございます。
167: ◯庄司あかり委員 不明水の流量調査ももちろん大切なのですけれども、先ほど御説明があったように、流入ゲートポンプ場のゲートが閉じることで、上流部の管路の水位の上昇が起こり、結果汚水排出口から放流が起こるという関係性もございますので、やはりポンプ場の運転状況というのはきちんと把握して分析していくことが必要だと申し上げておきます。
放流出口での処理という部分も大切です。下水道法や水質汚濁防止法などに基づく適正な規制が必要です。合流式の下水道の改善と同じように、微細夾雑物の除去など、排出汚水の水質改善を図るべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
168: ◯下水道調整課長 緊急避難管につきましては、合流式の雨水吐き室と同様の水質改善を行うに当たりましては、設置しておりますマンホールのスペースが狭いということなどの問題がございまして、現時点におきましては、水質そのものの改善というのは、なかなか難しいと考えております。
169: ◯庄司あかり委員 全体で百十数カ所ありますので、確かにその全ての排出口の水質改善というのを図るのはなかなか困難だと思いますけれども、排出頻度などを調査する中で優先順位をつけて、処理の部分の適正化というのも行うべきだと思います。
次に、そもそもこの汚水排出口を設けざるを得ないほど多発している汚水系統への雨天時浸入水の問題と、その根本的な解決についてです。雨天時浸入水の原因とこの間の対策の内容及びその対策にかけた予算総額について御説明ください。
170: ◯下水道調整課長 雨天時浸入水の原因としましては、マンホールのふたの穴、あるいは管路のふぐあい箇所からの雨水の浸入、そして宅地内の排水設備における雨水を汚水に流している、いわゆる誤接続による汚水管への雨水の流入が考えられます。
雨天時浸入水の対策、対応としましては、これまで不明水調査と対策工事というものを実施してきてございます。不明水調査としましては、平成元年より誤接続調査、それからカメラ調査、流量調査などを行い、これまでの費用は約10億円となってございます。対策工事としましては、平成4年度より実施しておりまして、下水道管のひび割れ補修や取りつけ管の補修などを行いまして、これまでの費用は約8億円となってございます。
171: ◯庄司あかり委員 これまで18億円かけながら対策を進めてきたということだと思います。一連の流れからいうと、不明水の調査をして、誤接続の調査をして、公共部分の浸入水対策を図り、民間部分の誤接続改善を図るとあるわけですけれども、この一連の浸入水対策、始めてから完了するまでおおむね何年ぐらいかかるのでしょうか。
172: ◯下水道調整課長 これまで誤接続調査につきましては、平成元年度から始めておりますけれども、平成27年度末現在では全体の約34%が完了したところでございまして、全体の完了時期を現時点でちょっとお示しすることは難しいところでございます。
173: ◯庄司あかり委員 それだけ時間がかかるということもあって、住民の皆さんから見ると、いつまでも対策が進んでいないように感じられるというのが実態だと思うのです。スピードアップを図るために予算をふやすことが必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
174: ◯下水道調整課長 雨天時浸入水対策につきましては、今年度から始まりました仙台市下水道事業中期経営計画に基づき取り組んでいるところでございまして、平成29年度は調査費としまして前年度より6000万円増の1億500万円を計上しているところでございます。
175: ◯庄司あかり委員 ぜひ大きく進めるための予算増をかち取っていただきたいと思いますけれども、民間部分での対策も急がれます。雨どい誤接など各戸排水設備の誤接率、今どのぐらいになっているでしょうか。
176: ◯下水道調整課長 平成元年度から平成27年度までに約7万5000戸の調査を行った結果、約6,000戸の誤接続が確認されております。誤接率は8.2%でございます。このうち、8割以上の方々において改善が完了しているところでございます。
177: ◯庄司あかり委員 誤接続の改善指導を行った住宅の8割で改修が図られたという話ですけれども、逆に言えば2割はそのままなので、浸入水となってしまっているということがあります。誤接の改善というのは自己負担で行わなくてはならないことがネックになっているのではないかと思います。そこで、より実効性ある対策として、排水設備の誤接続改善は全て市施行、市負担で行うべきですけれども、いかがでしょうか。
178: ◯下水道調整課長 誤接続の原因であります排水設備につきましては、民地内の個人資産であることから、個人で管理していただく施設であるということを説明し、これまで8割以上の方に改善していただいたところでございます。引き続き市民の皆様に御理解いただき、誤接続の改善に努めてまいりたいと考えてございます。
179: ◯庄司あかり委員 個人資産なので出せないというお話ですけれども、ここで水道局に伺いたいのですが、個人資産である給水管で漏水があった場合に、水道局ではどのように対応しているのでしょうか。
180: ◯南配水課長 道路に埋設されております配水管の分岐箇所から宅地内のメーターまでの給水管についてもお客様の財産でございますが、この間で漏水した場合には、陥没等の2次災害を防止するということから早急な対応が必要になりますので、原則として水道局で修繕をしております。
なお、メーターから宅地側につきましては、ここで漏水した場合はお客様の修繕になってございます。
181: ◯庄司あかり委員 宅地内であっても、お客様の資産であるメーターボックスまでは、水道局として修繕するということで、インフラとしての役割を果たすために必要な対策は仙台市が行うということで、それは水道局でもやっているわけです。個人資産だというのは理由にはならないと思うのです。そうした抜本的対策なしに、雨天時浸入水の削減のスピードアップを図れないと思いますけれども、いかがでしょうか。
182: ◯建設局長 私どもの下水道も、宅地内に最終ますと呼んでおりますけれども、それを設置していただいて、そこの宅地の中までが、我々が公共下水道ということで管理をさせていただいておりますので、まさにその最終ますと先ほどの水道局のメーターというのはほぼ同じなのかなと考えておりますので、そういった中でしっかり我々も個人の敷地内の部分でも、きちんと守る部分は守っていきたいと考えてございます。
そうした上で、雨天時の浸入水の対策につきましては、誤接続の改善とか、汚水管の中に入ってくる浸入水、いわゆる下水道管のふぐあい等によって、そういった雨水が入ってくるという部分も考えられますけれども、そうした修繕をやっていくということが必要だということで、先ほど予算の中でも述べさせていただきましたけれども、調査そして対策という部分のところ、平成元年、そして平成4年からやってきてございます。そして、平成29年度におきましては、調査費につきましては、前年度の倍額以上の部分を当てながら対策を講じていかなければならないと思っているところでございます。
ただ、全体といたしましては大変膨大な事業量がかかる内容かと思ってございまして、そういった部分では時間は少しかかるかなと思っておりますけれども、着実にそういった部分について進めていきながら、市民の皆様の生活の中で公衆衛生上の問題であったりとか、また河川へ未処理の下水が流れ込むことでの水質汚濁防止という部分のところの対応というものを、しっかり今後とも取り組んでまいりたいと考えてございます。
183: ◯庄司あかり委員 市民の生活を守ることを優先した結果、汚水排出口を増加してきました。これから管理と処理を適切に行う方向に転換していただきたいと思います。
一方で、根本的な問題である浸入水の対策については、これまでの対策とスピードでは追いつかないということもあると思いますので、これについては抜本的な施策をぜひ打ち出していただきたいと思います。
今まさに雨が降るたびに困っている市民がいらっしゃるわけで、その解決のために力を尽くしていただきたいということを申し上げて終わります。
184: ◯副委員長 この際、暫時休憩いたします。
休憩 午後3時16分
再開 午後3時35分
185: ◯副委員長 再開いたします。
自由民主党から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔庄司俊充委員、質疑席に着席〕
186: ◯副委員長 発言を願います。
187: ◯庄司俊充委員 私からは平成29年度の下水道事業、27億8000万円余の南蒲生浄化センター及び地域浄化槽について伺ってまいります。
南蒲生浄化センターに関連しては、市内の約7割の汚水処理をしていただいているわけでありますけれども、この南蒲生浄化センター、東日本大震災によりまして津波で壊滅的な被害を受けたわけでございます。本市の大事なライフラインと申しますか、先ほどもお話しありましたけれども、大きな部分を占めておりますが、その後、被災から5年後、昨年4月、水処理施設の全ての施設での処理を再開することができたわけでございますが、改めて確認いたしますが、被災直後から昨年4月までのこの間、南蒲生浄化センターにおいての水処理はどのように行われてきたのか、改めてお伺いさせていただきます。
188: ◯下水道計画課長 東日本大震災の津波によりまして、全ての処理機能が失われましたことから、被災直後は沈殿処理と塩素消毒を行っておりました。その後、従前の沈砂池や前曝気槽、それから最初沈殿池を利用した暫定処理施設において水処理を行ってきました。
189: ◯庄司俊充委員 この南蒲生浄化センターでは、新水処理ということで改修をしてから、施設の沈下が発生いたしました。これについては、日本下水道事業団において、その対策がなされると聞いておりますけれども、当局が1月に実施した記者発表の資料によりますと、対策工事は2月着手、3月末を目途に実施するとありましたけれども、現在の対策工事の状況はどのようになっているのかお伺いいたします。
190: ◯下水道計画課長 南蒲生浄化センターの沈下につきましては、ほぼ終息しているところでございます。
対策工事といたしましては、浄化センターに下水が流入する箇所などにおいて、躯体間の継ぎ手の工事ですとか、構造物間の目地補修を行うほか、水処理部におきましては、水の流れを制御するための堰板の調整などを実施することとしておりまして、既に一部の工事に着手しているところでございます。
191: ◯庄司俊充委員 この対策工事につきましては、日本下水道事業団が費用を負担して施行されるとのことでありますけれども、7億円を超える7億2000万円の費用とのことでございますので、私どもも大変心配したところでございます。しかし、日本下水道事業団が対応することになったということで安心したわけでありますが、本市負担でなくなったことは、大変大きいことでありますけれども、この考えに至った理由というか、その辺お伺いさせていただきます。
192: ◯下水道計画課長 南蒲生浄化センターの災害復旧事業につきましては、受注者である日本下水道事業団におきまして、当初の設計段階から施行、完成に至るまで責任を持って実施してきているところでございます。本市との協議の結果、経営体としてみずから総合的に判断したものと伺っているところでございます。
193: ◯庄司俊充委員 これは、本市としても大変ほっとするというか、安心したところでありますけれども、そういう中で将来的にも適切な処理機能が確保できる施設としていただく必要がありますが、南蒲生浄化センター、水処理の状況について伺ってまいります。
ただいま質問した南蒲生浄化センターにおいては、先ほども申し上げましたけれども、仙台市の約7割を処理しているという状況でございますけれども、現在の南蒲生浄化センター水処理の状況、改めてお伺いさせていただきます。
194: ◯下水道計画課長 昨年4月から全ての水処理施設での処理を再開しておりまして、処理機能上、問題なく運転しており、今後とも適切な水処理に努めてまいりたいと思います。
195: ◯庄司俊充委員 やはり浄化センターというのは、汚水とは申しますけれども、ほとんどトイレ関係の汚水でございますので、大変重要な施設となっておりますので、しっかりとした対応をお願いしたいと思います。
また一方で、本市においては、下水道本管の通っていない、整備が困難な地域において、汚水処理に浄化槽が用いられているわけであります。仙台市では平成16年に公共での下水道地域と浄化槽で進めていく地域に分けました。それから約13年を経過しているわけでありますけれども、その後下水道の整備が進んで汚水対策も進んでいるとは伺っておりますけれども、本市の平成27年度での普及状況はどのようになっているのか、お伺いさせていただきます。
196: ◯下水道調整課長 本市の汚水処理の整備は、公共下水道、農業集落排水、それから地域下水道、そして合併処理浄化槽の四つの事業により実施しておりまして、平成27年度末現在の汚水処理人口普及率は99.6%となってございます。
197: ◯庄司俊充委員 ただいま普及率は99.6%ということで、かなり進んでいるなという印象ではございますけれども、しかしその残った0.4%ですか。人口的にいくと4,000人ぐらいになりますか。その普及はこれから、残った地域をどのような事業手法で実施していくつもりなのか、お伺いさせていただきます。
198: ◯下水道調整課長 未普及の区域につきましては、主に浄化槽整備区域となっております。使用者からの申請に基づきまして、公設浄化槽の整備を進めてまいるところでございます。
199: ◯庄司俊充委員 公設浄化槽というお話でありますけれども、しかしながら残っている地域はやはり山間部なのだろうと思います。太白区あるいは青葉区、私どもの泉区、特に西部地域と言われる山伝いになりますか。山間部の一部地域に多いのだろうと思いますけれども、この設置されない、残っている未整備の皆様は、現在どのような処理をされているのか、把握していればお聞かせいただきたいと思います。
200: ◯下水道調整課長 未普及の区域におきましては、くみ取り、または水洗便所の汚水のみを処理します単独処理浄化槽によりし尿処理が行われているという状況でございます。
201: ◯庄司俊充委員 トイレの水洗化はもちろんでありますけれども、まだくみ取りをやっている地域もあるということですが、行政サービスは市民がひとしく享受すべきものだという意味では、できるだけ早く下水道が入っていない地域にも浄化槽事業が進んでいただければと願うところでありますが、それについても幾つかの質問をしてまいりたいと思います。
浄化槽事業には、市が個人住宅やあるいは集会所に設置して維持管理する公設公管理型と、民間設置の浄化槽があると存じますけれども、この二つの浄化槽事業における仙台市の関与について、あり方というか、お伺いいたします。
202: ◯下水道調整課長 公設公管理型の浄化槽につきましては、使用者から提出されます申請書に基づきまして、公設浄化槽の設置の決定を行った後、本市において設置工事と維持管理を行います。
民間設置型の浄化槽につきましては、設置者から提出されます届け出書に基づきまして、設置計画の審査を行います。また、法定水質検査により、設置後の維持管理状況を確認するとともに、必要に応じて指導を行っているところでございます。
203: ◯庄司俊充委員 私も山間部の地域に住んでいるものですから、地元に水利組合というものがございまして、その水利組合が浄化槽から流れる水の管理の部分で、総会に出席させていただいたのですけれども、浄化槽からの放流に関して、使用者の認識と放流を受ける水路を管理する水利組合の認識が若干違っているなという感じがいたしました。そういう中で、浄化槽の制度に関して再認識、再確認というか、させていただきたいと思います。
先ほどの設置許可申請の届け出に関しまして、浄化槽からの放流に関する事項に関して、改めてどのようになっているのか伺いたいと思います。
204: ◯下水道調整課長 浄化槽からの放流につきましては、申請者または届け出者において確保するということが原則となっております。
205: ◯庄司俊充委員 その申請ですけれども、放流先はどのようなところというか、場所というか、あるのかお伺いいたします。
206: ◯下水道調整課長 浄化槽処理水の放流先としましては、道路側溝、河川、農業用水路、あるいは湖沼などというところがございます。
207: ◯庄司俊充委員 今示していただきました、4カ所名前を出していただきましたけれども、その放流先で一番多いのは、農業用の排水路というか、河川に行く部分の水路になると思うのですけれども、それを山間部で管理するのは、地域の水利組合ということになっております。その水利組合の協議を通しながら、浄化槽設置をお願いするということになるんだと思いますけれども、そして了解していただいた設置者、放流先の確保が困難な場合はどのような手法というか、どうしても放流先が難しいという方に対しては、どのような手法があるのかお伺いをさせていただきます。
208: ◯下水道調整課長 放流先の確保が困難な場合につきましては、敷地内で処理します一般的な方式としまして、遮水シートで浸透を防止して蒸発、発散させる蒸発散方式のほか、地下浸透方式がございます。
209: ◯庄司俊充委員 今説明ありました蒸発散あるいは地下浸透方式と申しますと、何かイメージ的に地下にしみ込ませたり、長期間になると、あるいは夏場はかなりにおってくるような感じもするのですけれども、それでいいのかどうかという疑問も残らないではありません。しかしながら、仙台市にそういう実績があるのかどうかお伺いさせていただきます。
210: ◯下水道調整課長 蒸発散方式につきましては、現在10カ所の実績がございます。
それから、地下浸透方式につきましては、仙台市建築基準法の施行細則におきまして、市域全体を衛生上、地下浸透により処理することに支障がある区域として定めておりますから、本市では認めていないところでございます。
211: ◯庄司俊充委員 この浄化槽の設置について、申請者は届け出申請に当たり、その放流先となる水路や側溝を管理する地域の水利組合の了解が必要であろうと、今申し上げたように存じておりますけれども、設置後においては各水利組合の規則もあると、いろいろ組合によっては違うのだと思いますけれども、私が顔を出した地域では水利組合に参加していただくことが、まず条件だと。その水利組合に入っていただきますと、毎年会費を取るみたいなんですね。1,000円のようですけれども、そういうことで、みんなで維持管理をしていくと。当然農家の方々は毎年維持管理費としていただいてやっているのですが、田畑を持たなくても、浄化槽を設置すれば、その水利組合に加入していただくというのが条件になっているようでありますけれども、しかしながらこの間参加させていただいた総会では、浄化槽を設置した方ががっかりすると。どうしましたと申し上げたら、浸透式にしたんだというお話があったんだそうです。浸透式にしたというのは、先ほど課長からお話がありましたように、認められるのだとは思いますけれども、しかしそれは誰かが確認しないと、本当にそれでしっかりとした浸透方式になっているのかどうかという確認も必要だと思うのですけれども、このような報告の場合、当局への変更届とか、あるいは現地確認等は必要ないのかどうか、その辺お伺いさせていただきます。
212: ◯下水道調整課長 浄化槽法上、放流先の変更につきましては、変更届の対象となってございません。
ただし、地下浸透方式は本市では認めてございませんので、そのような事案が発覚した場合には、建築関係部署と連携しながら、現場調査を行うなど適切な対応をしてまいりたいと考えてございます。
213: ◯庄司俊充委員 地元では、本人の申し出なのでどうしようもないねという形で、総会で終わっていたようでありますけれども、今お伺いしますと地下浸透方式は認めていないということでございますので、また後でお知らせしておこうかなと思います。
地域の管理組合の申し出があれば、やはり受け入れざるを得ず、対応に苦慮しているようでございますので、今後未設置の皆様に対しましても、浄化槽の設置を促進するための広報をしていくということも大事だと思いますし、しかしながら設置していない方々は、やはり資金面などのいろいろな事情があるかとは思いますけれども、お金がかかるという部分でのちゅうちょということもあるだろうし、あるいは新築の際にという方もいるかもしれませんけれども、市のいろんな補助制度もあるかと思いますので、その内容等をお聞かせいただきながら、資金面も含めた丁寧な説明をしていくべきだろうと思いますけれども、お伺いさせていただきます。
214: ◯下水道調整課長 浄化槽設置に係る本市の補助制度につきましては、公設浄化槽の設置に伴い、宅内の配管工事を行う際の工事費の融資あっせん制度を設けているほか、自然流下により放流先に流れない場合のポンプ設置費の補助制度がございます。
浄化槽未設置の方に対しては、設置に向けてパンフレットの配布やホームページの活用など広報に努めてまいりますとともに、これらの融資補助制度の説明もあわせて行ってまいりたいと思います。
215: ◯庄司俊充委員 しっかりとその資金面なども相談に乗っていただければ、若干進んでいくのかなという感じをいたします。
また、浄化槽に関しましては、もう古いのだとどのぐらいになっているのか、ちょっと私はわかりませんけれども、制度が始まる前に自分でつくって設置している方もあるかと思いますので、とうに二、三十年は過ぎているような感じもしますけれども、この浄化槽に対しての、当然建物もそうですけれども、浄化槽にも耐用年数があるのだと思いますが、その耐用年数は、物によって違うのかどうかわかりませんけれども、浄化槽の耐用年数というのはどうなっているのか、あると思いますけれども、お知らせいただきます。
216: ◯下水道調整課長 浄化槽本体につきましては、約30年の耐用年数と考えてございます。
217: ◯庄司俊充委員 30年と申しますと、大体地域で使っている浄化槽は間もなく耐用年数に近づく方々がたくさんいるかと思いますけれども、しかし市から指摘されなければ、本人はいつまでも使えるものだと思っているのか、あるいは公設だからこれは下水道と同じで、市から当然お知らせがいくのかと思いますけれども、民設でやっている方と、あと公設でやっている方々に対する本市の指導というか、どのようになっているのか、お願いいたします。
218: ◯下水道調整課長 公設の浄化槽に関しましては、仙台市が設置し管理していくということでございますので、全て仙台市が関与していくということになります。
民設の浄化槽に関しましては、基本的に民間での設置になりますので、民間での管理ということになりますので、特に仙台市からの特段の指導というところについては、現在ないところでございます。
219: ◯庄司俊充委員 公設の部分は市でしっかり管理していく。しかし、民設であれば自己管理で、中には40年、50年使う方もいるかもしれないということになるかもしれません。そういう意味ではちょっと心配な部分もありますけれども、老朽化してきております浄化槽の維持管理が、今後は大きな課題になってくる部分もあるかと思います。これからの施設の維持管理が重要となってまいりますけれども、公設管理の浄化槽、これからそういう意味では維持費等も、改築も含めてかかっていくのかと思いますけれども、どのような管理になっていくのかお伺いさせていただきます。
220: ◯下水道調整課長 公管理の浄化槽の管理に関してでございますけれども、平成27年度末現在で1,357基ございまして、浄化槽法に基づく年1回の清掃や浄化槽法及び仙台市浄化槽指導要綱に基づく月1回の保守点検を行っております。
また、年1回の法定水質検査も行っておりまして、検査結果が不適正な浄化槽については使用者や保守点検業者に対して改善の指導を行っているところでございます。
221: ◯庄司俊充委員 公共下水道と同様に、浄化槽につきましても、設置時期や場所などの施設データ等が必要だと思いますけれども、浄化槽整備台帳、このようなものの作成が必要だと思いますけれども、本市でも当然整備台帳の管理は進められているものと思いますけれども、今現在どのような状況になっているのかお伺いさせていただきます。
222: ◯下水道調整課長 本市では平成16年度に浄化槽台帳システムを整備しまして、設置等の届け出、法定検査結果の報告のほか、工事情報や保守点検、清掃、修理、指導監督の記録など、浄化槽に関するさまざまな情報を体系的に管理しているところでございます。
また、台帳システムはGISと呼ばれます位置情報システムと連携させることで、浄化槽の位置を地図上で視覚的に把握できるため、東日本大震災では現場調査等において有効に機能したところでございます。
223: ◯庄司俊充委員 すばらしい管理になっているようでございます。安心しました。
今後、先ほども申し上げましたように、三十数年が過ぎるという浄化槽がどんどんふえてまいります。そういう意味では、順次修繕や改築というか、そんな施設がふえてくるのかなと思いますけれども、この公共下水道を利用している皆様とは違いまして、浄化槽を使用している皆様にとっては、住宅の中にある浄化槽が故障したり、あるいはふぐあいが生じた場合、トイレというものは毎日使うものでありますから、震災のときも大変でしたけれども、そうでない場合も故障すればトイレが流せないとか、いけないとかということになりますので、修繕等が大変大事になってくるわけでありますが、その皆様に、工事の際の対応状況の周知が不可欠かと思います。古くなってくると、その状況がふえてまいるような気がいたしますので、そのような部分どのように対応していくのかお伺いさせていただきます。
224: ◯下水道調整課長 公管理の浄化槽につきましては、保守点検や清掃を行うたびに、その結果票を使用者に配付して、維持管理状況をお伝えしてございます。
また、大規模な修繕や工事を行う際は、使用者に対して事前にお知らせしまして、必要に応じて仮設トイレを準備するなど、日常生活に支障を来さないよう配慮しているところでございます。
今後とも浄化槽の維持管理状況をお知らせしまして、情報を共有するとともに、適切な維持管理を行い、使用者の皆様に安心して御利用いただけるよう努めてまいりたいと思っております。
225: ◯庄司俊充委員 浄化槽と申しますと、ライフラインではありますけれども、土の中に埋まった部分で、日の当たらない浄化槽の管理でありますので、先ほども下水道の皆さんには感謝しているという話がありましたけれども、今後もしっかりとした管理運営をお願いいたしたいと思います。
最後に、本市下水道事業は明治32年に日本で最初の事業ということで認可を受けまして、完成から116年を経た歴史遺産となっている場所がございます。それは宮城県沖地震や東日本大震災を経ても大きな損傷もなく、今日でも使用されているわけでございます。仙台市の下水道は、そういう意味では、まさに全国に誇れる下水道だろうと思います。
本市においては、昨年西公園内にあるれんがづくりの下水道見学施設がオープンいたしました。多くのメディアに取り上げられたようでございますけれども、その様子をごらんになった方もいらっしゃると思いますが、その土木学会の選奨土木となっております、歴史的価値も高いことから、公開開始から4カ月を経過したわけでありますけれども、2月末現在で350人の見学者が訪れたとも伺っております。このような、市民の皆様に下水道の役割を理解してもらう取り組みはとても大切なことだと思いますけれども、最後に局長の所見をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
226: ◯建設局長 ただいま委員から御紹介していただきましたけれども、昨年11月から一般公開を始めましたれんが下水道見学施設、杜の都れんが下水洞窟でございますが、今お話しいただきましたように、おかげさまで大変多くの方に見学に来ていただいているところでございまして、その際の感想といたしましては、仙台の下水道が大変昔から市民生活を支えているインフラということで、それを再確認したといった声も寄せられているところでございます。
普段はなかなかマンホールのふたぐらいしか見えない、または処理場とかポンプ場ぐらいしか見えない、ほとんど地下に埋まっている下水道ではございますけれども、人々の生活、快適な暮らしを送るという中では大変重要な施設だと我々も自負してございます。本市といたしましては、引き続き適切な維持管理を行っていくとともに、さまざまな機会を捉えて市民の方々に下水道事業への御理解、そしてまた下水道施設を適切に御利用いただくといった内容につきまして、今後ともしっかりとPRしてまいりたいと考えてございます。
227: ◯副委員長 以上で、第28号議案平成29年度仙台市下水道事業会計予算外に対する質疑は、総括質疑を除き終了いたしました。
答弁者入れかえのため、少々お待ち願います。
〔答弁者入れかえ〕
228: ◯副委員長 次に、審査日程・区分表中の第29号議案平成29年度仙台市自動車運送事業会計予算及び第30号議案平成29年度仙台市高速鉄道事業会計予算についてであります。
民進党から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔伊藤ゆうた委員、質疑席に着席〕
229: ◯副委員長 発言を願います。
230: ◯伊藤ゆうた委員 私からは、運転手の私用スマートフォンのバス車両への持ち込みについてと、ICカードイクスカの残額不足時の処理について何点かお伺いしてまいります。
本市バス事業の経営基盤の悪化に伴って、本議会でも先輩、同僚議員が事業の継続見通し、路線のあり方、経営改善計画等について議論がなされているところであります。
市民の安心・安全を第一とする公共交通において、昨年は残念な事故がありました。東仙台営業所での回送中のバスにおいて、スマートフォンの操作、ポケモンGOをしながら運転を行い、接触事故が発生した事案であります。その後の改善策として、交通局では委託事業者への監視強化を進め、委託事業者では社内の規則の変更、車内教育の強化が図られたということであります。
先週の京都市議会の予算特別委員会において、緊急時に備え、電源を切った私用のスマートフォンの持ち込みを認めていた対応を改め、車内に持ち込まないようにする方針が明らかとなりました。京都市内においても、昨年運転手が乗務中にスマートフォンを操作し問題が発生したことを受けて、持ち込みを禁止にし、安全対策を徹底するということであります。
電話で恐縮でありましたけれども、京都市交通局にお話をお伺いいたしました。緊急時とはいえ、そもそも業務の中で私用のスマートフォンを活用することが適切なのかどうかということについても改めて議論がなされ、私用のものを業務の中で利用させることは好ましいものではないと整理がなされたということであります。京都市内で運行委託をしている民間事業者6社のうち3社は会社として持ち込みを禁止しているということもあり、民間と同等の安全対策が必要であるという判断がなされたということであります。また、緊急用の専用の携帯端末の導入についても検討がなされるということです。
今回の京都市交通局の取り組みや検討の方向性について、まず本市交通局として注視、それを研究すべきと思いますけれども、御所見をお伺いいたします。
231: ◯交通局業務課長 本市交通局では乗務員個人の携帯電話をバス車内に持ち込むことを認めておりますが、これは事故が発生した場合などに現場から乗務員が直接119番や110番通報などを行うことを想定したものでございます。
京都市交通局では、バス車内への乗務員個人の携帯電話の持ち込みを禁止し、その代替措置としてバス全車両に業務用の携帯電話を新たに備えつけ、緊急時の通報用に使用する方針と伺っておりますが、その費用を勘案いたしますと、本市交通局において同様の対応をとることは困難でございます。
個人の携帯電話を持ち込む際には、あらかじめ電源を切るように徹底いたしまして、運転中の使用による事故防止に努めてまいりたいと考えております。
232: ◯伊藤ゆうた委員 京都市交通局の取り組みが安全性の向上に資するものであれば、本市としても同様の取り組みについて検討がなされるべきと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、ICカードイクスカの残額不足額のときの処理についてであります。
運賃の適正収受は、事業を安定的に継続していくためには欠かせません。市営バスの運賃の収受においてICカードが使用されている割合は、現在約87%であり、大半の運賃の支払いがICカードで行われています。どのようなオペレーションでやっていくかということも、このICカードでの運賃の収受において重要であります。
本市営バスの運賃の支払い時に、ICカードが残額不足になった場合は、その時点でチャージされている残額を自動で引き去らずに、乗客が支払方法を選択するというオペレーションがなされています。タッチされて残額不足の時点で保留をされ、現金かチャージの選択を乗客の方にしていただき、一つはチャージをした上で引き去りをする。二つ目は、その時点でチャージしてある全額を引き去って、残りを現金で精算する。三つ目は、全額を現金で精算する方法であります。
複数の運転手の方にお話をお伺いいたしましたけれども、運転手が手動で引き去りをした後に不足している金額を現金で投入していただくことになっており、これは運転手にも乗客にとっても手間と時間を要するというお声をいただいております。
例を言えば、区間運賃250円の場合でありますけれども、カード残額が200円だった場合、ICカードを読み取り機にかざすと不足額50円と表示されます。この場合、200円は自動的に引き去れないので、運転手側の引き去りが必要でありますけれども、不足と表示された額の50円を投入すればいいと考えている乗客も多く、運転手のほうでお客様に操作するのでお待ちくださいと声をかける前に乗客が降車していくために、結果的には200円の運賃未収受が生じてしまうということであります。この保留前の残額不足時は、その時点でチャージされている残額を引き去るか、引き去らないかという部分について、事業者によって対応が分かれます。本市はなぜ引き去らないというオペレーションが選択されているのか、そのメリット、デメリットについてお伺いいたします。
233: ◯交通局業務課長 システム導入に際しましては、東日本における全ての公営事業者が、現在私どもが行っております方式を採用していたことを参考にしたところでございまして、当時、システムを共同開発していた宮城交通とも協議の上、不足額の精算が必要となった場合、お客様の選択肢が一つでも多いほうが望ましいと判断したものでございます。
私どもが採用している方式でございますけれども、先ほど委員からも説明があったとおり、ICカードに不足額が生じた場合、そこからの引き去りを一旦保留した上で、ICカードにチャージして運賃全額を精算するか、ICカードの残額を使った上で、なお不足する金額を現金で精算するか、あるいはカードの残額を使わず、運賃全額を現金で精算するか、以上の三つからいずれかの方法をお客様に選択していただけるものでございます。お客様に選択をしていただいたことを反映させるため、乗務員の機器操作が一手間ふえるということがデメリットとなっているというところでございます。
234: ◯伊藤ゆうた委員 本市と違って、まず引き去るというオペレーションを採用している自治体や民間の交通事業者もあります。政令市中、1例として大阪市があります。どうしてまず引き去るというオペレーションをしているのかと大阪市交通局にお話をお伺いしたところ、理由の一つに、ICカード導入前のバスカードのときに残額不足の場合でも、まず引き去っていたので、ICカードでも同様の対応をされているということでありました。もう一つの理由としては、適正な運賃収受のためということであります。民間事業者でわざわざこのシステムに移行がなされたというところもありまして、理由は大阪府と同様のものでありました。まず、この引き去るという、今度はオペレーションのメリット、デメリットを教えてください。
235: ◯交通局業務課長 大阪の方式のメリットとデメリットということで、大阪市交通局の方式は、まずはICカードに残る金額を全て引き去った後に、不足する額を精算するというものでございまして、精算前に最大限可能な料金収入を確保することができるというものでございます。また、不足額をICカードにチャージをして精算しようとする場合に、私どもが採用している方式と比べ、乗務員による機器操作が1回少なくて済むというメリットがございます。
デメリットでございますが、精算を行う場合においては、特にはないということです。
236: ◯伊藤ゆうた委員 今、引き去るということのメリット、デメリットをお示しいただきました。一定のメリット、デメリットがあるということは理解いたしました。
未精算で降車をしてしまっている件数というのは把握しているのでしょうか。ICカード移行時からの件数をお伺いいたします。
237: ◯交通局業務課長 システム導入当初は、お客様はもとより、バス乗務員にも機器操作にふなれな点があり、未精算のままお客様が降車してしまった事案について若干の報告は受けておりましたが、それから1年以上が経過した現時点では、お客様の御理解が進んだことや、バス乗務員の習熟度も増したことから、未精算のまま降車してしまうケースはほとんど見られなくなったということです。
238: ◯伊藤ゆうた委員 件数をお伺いしているのですけれども、技術的に件数を把握するということは不可能なのでしょうか。