• 殉職(/)
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  1. 仙台市議会 2016-09-27
    平成27年度 決算等審査特別委員会(第2分科会) 本文 2016-09-27


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:                  ※会議の概要 ◯会長  ただいまから、決算等審査特別委員会第2分科会を開会いたします。  それでは、これより質疑を行います。  昨日に引き続き、本分科会審査案件中、消防局所管分についてであります。  公明党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。            〔小田島久美子委員、質疑席に着席〕 2: ◯会長  発言願います。 3: ◯小田島久美子委員  私からは、平成27年度決算における仙台市実施計画中の市民の応急救護技術向上促進事業についてお伺いいたします。  初めに、事業内容と決算額、執行率についてお示しください。 4: ◯救急課長  当事業は、心肺停止傷病者の救命率の向上を図るため、市民の応急救護技術の向上とちゅうちょなく実施できる意識の醸成を目的といたしまして、市民の方々に救命講習を受講いただいているものでございます。  平成27年度の決算額につきましては、業務委託費や講習に使用する備品の購入など、2628万8000円となっており、執行率はおおむね100%となってございます。 5: ◯小田島久美子委員  議会でも承認いただいた予算をしっかりと市民のために、本当にそういった意味では、そこは評価させていただくところでございます。地域団体や企業、市民の皆様が救命スキルを身につけることを目指す、その目的で救急救命、AED講習等についての救命講習を実施しているところですけれども、救急救命講習心肺蘇生AED講習等の受講者数について、平成27年の延べ人数と年間の推移についてお伺いいたします。また、目標としてきたところ、御確認をさせていただきます。 6: ◯救急課長  平成27年の救命講習会の受講者数の実績でございますが、延べ2万5754人となっており、ここ数年の推移につきましては、延べ2万3000人から2万7000人の方々が受講している状況でございます。  また、本市の目標といたしましては、平成16年度から市民20万人、いわゆる市民5人に1人の受講を目標として取り組んでまいりました。現在は年間2万人を目標としております。 7: ◯小田島久美子委員  市民5人に1人、年間2万人の受講者を目標に実施されているというところで、昨年の受講者2万5754人、目標を上回る人数となっているところも評価をさせていただきます。  ただいまお伺いしました、これまでに38万人以上の方々が受講していることで、今後さらにこの事業を拡大するために、どういった方々を対象に講習参加を呼びかけ、また目指すところの目標人数についての御所見をお伺いいたします。 8: ◯救急課長  万が一の心肺蘇生に備えるためにも、幅広い世代の方々に救命講習を受講いただくよう、その周知に努めているところでございます。特に若い世代の方々の応急救護の意識の普及が重要と考えておりまして、その入り口となる救命入門コースのさらなる啓発に取り組んでいるところでございます。  また、目標人数につきましては、平成25年度に目標の20万人に到達し、当初の目標は達成したものと認識しておりますが、達成後につきましても、市民の応急救護技術力について、一定程度以上のレベルを長期間維持できるように、引き続き毎年2万人を目標に掲げまして、さらに積極的に広報に取り組み、受講促進を図ってまいります。 9: ◯小田島久美子委員  1点確認させていただきます。繰り返し、2回目、3回目、講習を受けた方の人数も入っておりますでしょうか。 10: ◯救急課長  再講習の数も入ってございます。
    11: ◯小田島久美子委員  また、もう一つ確認をさせていただければと思うのですけれども、平成24年度から新たに短期講習を普及されて、子供たちへの応急手当てに特化した講習や、より手軽に応急手当てが学べる胸骨圧迫とAEDに特化した救命入門コースを設置していただきました。仙台市議会調査特別委員会におきましても、その講習を見学させていただいた経緯があるのですけれども、その講習の効果について、どのように評価をされているのかお伺いいたします。 12: ◯救急課長  当該コースにおける受講者数につきましては、関係局とも連携を図りながら、平成24年度から平成27年までの間、延べ147回、1万4117人が受講しており、このことにより若年層の救命に対する動機づけが図られ、また実際の学校や家庭での的確な救護活動につながるものと認識しております。 13: ◯小田島久美子委員  この救命入門コース、非常に好評で、また再講習させていただきたいというお声もいただいているところですけれども、心肺蘇生応急手当ての講習については訓練用の用具を充実させることで、効果的な講習につながるとも言われております。  昨年、私市内の町内会の防災訓練に参加した際、地元の中学生の皆様が心肺蘇生圧迫強度を手軽に習得できるトレーニングツールを活用されておりました。これをお借りしてまいりました。このツールを活用して講習を見学させていただいたのですけれども、このトレーニングツール、心臓部分にこういったハート型の、笛が内蔵されておりますけれども、これを心臓のところに置きまして、人の形のこういったシートでございますけれども、この上にハート型の内蔵されているこの形の物を置いて、これを上から圧迫することで、こちらから圧迫をすると、乳幼児の圧迫強度が確認、体感できると。また、反対側から押すと、大体大人の圧迫強度につながるといった訓練を見学させていただきました。その中学生の皆さんも、より身近なところで強度を習得できる、大変効果的だったという感想をいただいております。  本市として、このトレーニングツールを導入したきっかけ、また活用するに当たり工夫しているところ、またこの講習の効果、どのように受けとめておられるのか、お伺いいたします。 14: ◯救急課長  救命入門コースにつきましては、救命講習の体験的な位置づけとなるものです。特に救急訓練用ツールにつきましては、本コース導入時に小中学生でも興味を持って、正確な胸骨圧迫のポイントや正しい圧迫強度を手軽に習得できる資器材を模索し、当該ツールを選定したものでございます。  この救急訓練用のツールは、従来型の心肺蘇生用訓練の人形より簡易な仕様であり、一度に多くの受講者が救命救急体験できるといった特徴がございます。  本年7月の夏休みの期間中に、ある小学校で当該ツールを用いた救急訓練に私も参加したものでございますが、その際みんなで確認し合い、楽しみながら救命を学ぶ児童の目の輝きがひときわ強く感じられたと実感してございます。 15: ◯小田島久美子委員  確認させていただきますけれども、大体このツール、ワンセットでお幾らぐらいなのでしょうか。お伺いいたします。 16: ◯救急課長  約1,500円でございます。 17: ◯小田島久美子委員  本市として何個ぐらい保有されているのかお伺いします。 18: ◯救急課長  本市といたしまして320セット用意してございます。 19: ◯小田島久美子委員  今後、こういった安価なものでもしっかりと講習が確認できるという意味では、拡大していただくことを求めるところですけれども、そのインパクトがあるという、講習のこういったツールをしっかりと体感できる、また例えばこういったもので、目だけではなくて耳で体感、ちょっと鳴らしてみますけれども、圧迫の強度を確認ができるという意味におきましては、効果的な訓練で、生徒たちもより実感できたと思うところでございます。  本市において、全市的に防災教育の向上が、今全力を挙げて計画が実施されているところでございます。災害時の訓練と合わせて、身近に起こり得る事態に対応するために、こういったトレーニングツール等を活用して、手軽に実施できる講習、児童生徒も含めた多くの方々に普及することを期待させていただきます。  心停止の現場に居合わせた方が、すぐに胸骨圧迫を始めると、救命率を2倍から3倍にふやすことができると言われております。講習を実施するに当たり、胸骨圧迫講習の必要性、重要性と有効性について、正しい知識を御認識していただくことが求められていると思いますけれども、本市としての推奨しているところ、どういったところにあるのかお伺いいたします。 20: ◯警防部長  国際的なガイドラインでは、心肺停止の場合の応急処置の中で、発症後、迅速に継続した胸骨圧迫が行われることが最も重要であるとされております。この胸骨圧迫は、血液を脳など重要な臓器へ送ることによりまして、救命のみならず予後の改善、社会復帰のために極めて有効なものであると認識しております。こうしたことから、本市といたしましても、ガイドラインに基づき、胸骨圧迫の重要性及び有効性について、救命講習を初め、あらゆる機会を通じて周知に努めているところでございます。 21: ◯小田島久美子委員  こういったトレーニングツールを活用しての講習も有効的だというところでございます。  消防庁では、より国民のニーズに応じて、専門性を高めつつ、受講機会の拡大の目的で応急手当の普及啓発活動の推進に関する実施要綱の一部を改正したとお聞きいたしました。そして、そこに救命入門コースにおける45分コースを新設されたようでございます。講習の時間が短縮されるための要綱を簡単に御紹介願います。  そして、本市においても、そのコース、今後の受講者の拡大に期待できるところと思われますが、御所見をお伺いいたします。 22: ◯救急課長  現在の救命入門コースでは、5人に1セット程度の訓練用ツールを使用して実技訓練を実施しておりますが、新たに設けられた救命入門コースにおける45分コースでは、受講者1人から2人に1セットの救急訓練用ツールを用意することにより、講習時間を90分から45分に短縮し、実施するものでございます。こうしたコースの導入は、本市といたしましても、講習時間の短縮により、さまざまな世代の多くの方々が気軽に受講できる環境が整い、応急手当ての知識や技術の裾野の拡大と定着に大いに期待される施策と考えているところでございます。  今後、当該コースにおける講習時間の短縮に適切に対応するため、より効果的で実効性のある講習内容となるよう、各都市の動向等も注視しながら検討を進めてまいりたいと存じます。 23: ◯小田島久美子委員  確認させていただきます。これまで本市が行ってきた応急講習、一番短い時間で講習は何分だったでしょうか。 24: ◯救急課長  平成24年度に新設しました救命入門コース、こちらでは90分の講習時間となってございます。 25: ◯小田島久美子委員  新たに消防庁が救命入門コースにおける45分コースを新設したというところで、本市としても検討していただいている状況をお伺いさせていただきました。そして、このツールも今までは5人に1人だったけれども、こういった手軽に身近に感じられるツールであれば、2人に1人準備をしていただいて、そこでより多くの方に講習に参加していただける、こういう狙いがあるというところと認識をさせていただきました。本市の取り組みに期待させていただきます。  町内会の防災訓練においても、地域ぐるみで工夫をして、救命講習を身近に感じていただく取り組みも行われているところでございます。一昨日、私も地元の町内会の防災訓練に参加させていただきました。より多くの児童生徒たちが参加する中で、応急手当て等救命講習も学ばせていただいたところです。その活動を繰り返し、年に1回でございますけれども、行うことで、以前習得した内容の確認にもつながると大変好評でございました。今後も効果的な講習、さらに御指導をしていただくことを求めるところです。  心肺停止の現場に居合わせた市民による心肺蘇生の実施は、年々増加しているとのことで、平成26年で47.2%とお聞きいたしました。今後、これまでの講習参加率の成果も踏まえて、習得した技能を維持していただくための2年から3年ごとの再講習の受講等も推奨され、市民生活の安全・安心を確保するために、行政と市民が一体となった応急手当ての普及に向けて、さらなる充実を求めさせていただくところですが、御所見をお伺いいたします。 26: ◯消防局長  一刻を争う心肺停止状態の傷病者の救命のためには、私ども行政や医療従事者だけでなく、救命の連鎖と言われるような、その場に居合わせた市民の方々の迅速な対応が極めて重要でございます。日常で起きる事故や体調の急変はもとより、近年はこれまでにないような規模での災害や事故が発生しておりまして、それらに向けた社会全体としての救護力の向上が必要になるものと考えております。引き続きさまざまな機会を利用しながら、再講習を含めた救命講習を積極的に開催し、効果的な講習の指導も含め、応急手当てのさらなる普及に向け、市民の皆様と一体となって取り組んでまいりたいと考えております。 27: ◯会長  自由民主党から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。          〔松本由男委員跡部薫委員、質疑席に着席〕 28: ◯会長  発言を願います。 29: ◯松本由男委員  私からは、消防局に対し、歳入第17款国庫支出金第2項第7目消防費国庫補助金、歳出第8款消防費第1項第3目消防施設費関連のうち、緊急消防援助隊の体制維持のための経費及び訓練のあり方について伺います。  御存じのように、緊急消防援助隊は、平成7年の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ創設されました。地震などの大規模特殊災害発生時の人命救助活動などを効果的に、かつ迅速に実施する援助体制を国として確保しようとするものであります。  仙台市もことしは熊本地震、先般の台風10号による岩手県への派遣がありました。けさの新聞でも岩泉町ですか、妊婦をヘリに乗せて、八戸で翌日予定日に生まれたという、無事出産の記事が掲載されておりました。任務を遂行されたことに改めて敬意を表するものであります。  それでは、まず緊急消防援助隊の制度の概要について伺います。 30: ◯警防課長  緊急消防援助隊制度は、委員御指摘のとおり、平成7年の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、地震等の大規模災害が発生した際の消防機関の全国的な広域応援体制を確保することを目的に創設されたもので、総務大臣が定める基本計画に基づき、全国の消防機関が消防隊を登録し、大規模災害が発生した場合に消防庁長官の指示等により出動し、被災地に入って救助活動を行う制度です。 31: ◯松本由男委員  ここで確認しておきたいのは、徹底的に警察だとか、自衛隊だとかと消防の違いです。消防は市町村、現場直属であると。警察、自衛隊は国の機関であるというところが、最大の特性になっております。  次に、緊急消防援助隊の出動の形態、活動の実績を伺います。 32: ◯警防課長  緊急消防援助隊の基本的な指導計画では、県単位で活動することとされており、宮城県隊は北海道、青森、秋田、岩手、山形、福島県の近隣6道県が被災地となった場合に、第1次出動隊として出動することとなっております。また、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟県の8都県が被災地になった場合には第2次出動に備えて出動準備を行うこととなります。  こうした近隣の応援とはまた別に、南海トラフ地震など特に甚大な被害が予想される災害については、国家的見地から消防庁長官が特別にアクションプランを策定しており、このプランの中で宮城県隊の役割も定められているところでございます。  なお、これまでの緊急消防援助隊の出動実績は、発足から今回の岩手県岩泉町への出動まで、東日本大震災など全国で32回あります。このうち本市は10回出動しております。 33: ◯松本由男委員  事前に前もって出動先が指定されているというのを確認できました。  次に、緊急消防援助隊に対する財政措置はどのようになっているのか伺います。 34: ◯消防局管理課長  緊急消防援助隊への財政措置につきましては、車両に対する補助と実際の活動経費に対する経費負担の二つがございます。車両等に対する補助は、通常時から本市で使用している消防ポンプ自動車救急自動車などの登録車両等の購入に対し、基準額の2分の1を補助する緊急消防援助隊設備整備費補助金と大規模災害等でも使用する特殊な機能を持った車両等の無償使用制度がございます。また、実際の活動経費につきましても、全額国等から措置されることになっております。 35: ◯松本由男委員  今あった車両に対する補助金の総額は幾らかということと、その総額の中に車検だとか整備などの維持経費は含まれているのかどうか伺います。 36: ◯消防局管理課長  平成27年度に緊急消防援助隊として登録した消防車、救急車等6台の国庫補助金の総額は1億3184万2000円となっております。また、維持管理経費に対する補助制度はなく、一部普通交付税で措置されております。 37: ◯松本由男委員  続いて確認します。大物の車両、装備品の救助工作車などありますけれども、調べましたら、一部を除いて本市が計上しているようですけれども、ここら辺の実態はどのようになっているのでしょうか。 38: ◯消防局管理課長  経費についてですが、緊急消防援助隊の中の救助車両についても、補助の制度を受けて申請を行っております。 39: ◯松本由男委員  細部はなかったのですが、私調査したところでは、やはり市からも半分ぐらいは計上されているということでありますけれども、基本的に本来国の制度なわけですから、私は国から全額、限りなく全額というか、いただくように要望すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 40: ◯消防局管理課長  近年、国内におきましては地震や台風などにより想定を超える規模、内容で災害が発生しているほか、南海トラフ地震首都圏直下地震など大規模災害の発生が危惧されております。これらの災害に対処するため、緊急消防援助隊が出動する機会もふえるものと思慮されます。  このような状況を踏まえまして、緊急消防援助隊の整備費や維持管理経費への一層の財政支援につきまして、これまでも全国消防長会などの関係団体と連携しながら国に対して要望活動を行ってまいりましたが、今後も状況を見ながらしっかりと対応してまいりたいと考えております。 41: ◯松本由男委員  引き続き頑張って要望してください。私も頑張りたいと思います。  次ですけれども、先般の常任委員会報告において、緊急消防援助隊の充実強化のために、部隊活動能力の向上、部隊相互間の連携強化、車両資器材等の増強整備とありましたけれども、具体的に伺いたいと思います。 42: ◯警防部長  本市では、緊急消防援助隊の登録車両や特殊資器材等取り扱い訓練を実施いたしまして活動能力の向上を図っているほか、消防大学校の指揮隊長コースに職員を派遣し、指揮能力の向上等に努めております。  また、局内の合同訓練、そして毎年各都市持ち回りで実施しております北海道東北ブロックの合同訓練、あるいは5年ごとに開催されます全国合同訓練、こうした機会に参加いたしまして、部隊相互間の連携強化にも努めているところでございます。  車両や資器材につきましては、ただいま管理課長がお答えしたとおり、緊急消防援助隊設備整備補助金制度無償使用制度、こうした制度を活用いたしまして整備しており、引き続きこうした制度の積極的な活用を図り、車両、特殊資器材等の増強、整備を進めてまいりたいと考えております。 43: ◯松本由男委員  今お聞きしたところ、考えておられると思うのですが、人というか、人材にかかわることがなかったかなと思いまして、人材の育成だとか、特に出動指定先との人事交流も重要と考えますけれども、現状と今後の予定についてお聞かせください。 44: ◯消防局総務課長  人事交流は、他消防本部の得意分野を学び、あわせて職員のネットワークを構築するために極めて重要と認識しており、平成27年度から札幌市との人事交流を行い、それぞれの職員がそれぞれの配置された部署で一定の成果を出しているところでございます。  札幌市からの派遣職員は、東日本大震災で本市の経験を踏まえ、緊急消防援助隊の応援を受ける、いわゆる受援について学ぶ目的でしたが、先日の岩手県への応援活動では指揮支援隊の活動を経験するなど、思わぬ実践的な成果もございました。  今後とも他消防本部との人事交流を通じて、相互の組織機能のさらなる向上や、ネットワークの強化が図られますよう、制度の有効な活用に努めてまいります。 45: ◯松本由男委員  引き続き人事交流の拡充を頑張っていただければと思います。  次ですけれども、出動指定先との間の平素からの移動経路、予備経路だとか、地形偵察だとか、上空からの偵察、そして顔の見える連携、こういうのが大事だろうなと思うのですが、現状はどのようになっているのでしょうか、伺います。 46: ◯警防部長  本市では、毎年東北の各県の代表として、緊急消防援助隊の調整役を担う消防本部の担当者による緊急消防援助隊に関する会議を開催して、制度の確認や各種の調整を行っておりますほか、北海道東北ブロック合同訓練等の機会を通じまして、災害対応の手法について共通認識を図るなど連携強化に努めております。  また、広域的に地理を把握いたしますことは、他地域へ派遣する場合に極めて有効と考えられますので、今後は他地域での合同訓練等の機会を捉えるなどいたしまして、当該エリア内の経路あるいは地形、こうしたものの積極的な把握に努めてまいりたいと考えております。 47: ◯松本由男委員  ここで私の経験知からなのですけれども、どうしても公務というか、業務の中では皆さん忙しいですから、計画的に偵察するだとかは限界があるだろうなと思って、私当時部下を持ったときにお話ししたのは、家族で観光旅行とか行くのです。北海道とかね。そういうときに、旦那さんとか、それは奥さんになる人も、奥さんもおりますけれども、ただ行くのではなくて、温泉とか入ってもいいけれども、道路を走るときは、ここはトラックはだめだけど中型ぐらいはいいとか、小型車はいいだろうなとか、その反対だとか、そういうのを積み重ねて、情報としてとっておいて、集めて、有事のときに活用するだとか、そういう金のかからないことも意を持ってやればいいのかなと、参考までにですけれども。  次、最後になりますけれども、以上、緊急消防援助隊の体制維持のための経費、特に装備品維持だとか訓練のあり方について伺いましたけれども、平成26年3月、2年前に緊急消防援助隊の編制だとか装備にかかわることで法律が改正されていますね。これは東日本大震災がありましたけれども、それ以上の南海トラフ地震、こういうのを予期して、大規模、そして迅速な部隊投入のための体制整備が不可欠だという認識のもと、2年後、平成30年度末までに登録目標隊数、現在5,400部隊ぐらいあるのですかね。6,000部隊規模にするという話も出ております。こういう中にあって、最後の質問ですけれども、日夜訓練、職務に精励されておられると思うのですが、仙台市消防局のトップとしての決意をお伺いして、私の質問を終了いたします。 48: ◯消防局長  本市では、救急消防援助隊として、これまで新潟県中越地震を初め、先日の台風10号による岩手県岩泉町の災害にも延べ178名を派遣するなど、県外の被災地においてさまざまな活動を行ってまいりました。近い将来、南海トラフ地震直下型地震など大規模な災害の発生が危惧されております。これらを見据えまして、引き続き緊急消防援助隊の資器材、車両等の整備を初め、隊員、人材の育成、関係する機関との連携など、財源の確保も含め、さらなる体制の充実、整備に取り組んでまいります。  とりわけ本市は、東日本大震災におきまして、全国から多くの献身的な応援をいただいておりますことから、その応援に報いるためにも、他地域での災害時にはいかなるときでも迅速的確な応援活動が実施できますよう、局を挙げて取り組んでまいります。 49: ◯跡部薫委員  それでは、引き続き平成27年度決算、消防費について私からも質問させていただきます。  ただいま我が会派の松本委員から緊急消防援助隊の質問ですね。私も関連して伺おうかと思いまして、先月、8月30日の台風10号ですね。本市の消防ヘリの救助の件が、岩手県の岩手日報に大きく取り上げられまして、この件の質疑の通告をして、答弁の御用意をいただいたのですが、まさか、けさ新聞であれほど大きく載るとは思いませんで、でもせっかく御準備いただいているということでありますので、改めてこの概要を、かいつまんでで構いませんので教えていただければと思います。 50: ◯警防課長  台風10号の被害の救助応援のため、本市では宮城県隊として緊急消防援助隊を岩手県へ出動いたしました。期間は8月31日から9月9日までの10日間で、1次から3次派遣隊まで延べ178名の隊員を派遣し、岩泉町で行方不明者の検索と孤立地区の安否確認活動に当たったところでございます。  本市消防ヘリコプターは、機動力を生かし、孤立地区からの救出活動に従事し、13名の被災者の方々を救助しております。このような活動の中で、孤立集落にいる出産間近の妊婦の救助依頼を受け、妊婦1名を含む3名を救出、搬送した活動が、岩手県の地元紙と本日の宮城県の地元紙に取り上げられたものでございます。 51: ◯跡部薫委員  13名もの方を救助した。これは緊急消防援助隊としての仕事、ミッションでありますので、当然の活動かもしれませんけれども、臨月の方を無事に救助して、もう24時間以内に生まれたわけでありますから、まさに貴重な活動であったと思います。局長から決意も聞いたので、この件につきましてはこれで終わりにしまして、決算のほうに戻ってまいりたいと思います。  私からは消防団員の確保、入団促進の取り組みについてお尋ねしてまいります。  全国では消防団員、ピーク時は1950年代ということで200万人もいたということを聞いたのですが、現在は85万人まで減っているということであります。大変少なくなっているという現状で、国も各自治体も消防団員の確保、入団促進に一生懸命取り組んでいるということであります。  決算年度における本市の消防団をまず確認していきたいと思います。総定数、そして何より充足率ですね。それから、もう一つ聞きたいのは、各分団、各部、組織立っておりますが、100%定員に満たない分団や部がどれぐらいあるのか、これについてお示しいただきたいと思います。 52: ◯消防局総務課長  平成28年3月1日現在の消防団員数は2,122名で、定数2,430名に対し、充足率は87.3%となっております。また、充足率が100%の分団数になりますが、市内56分団中、14分団となっております。 53: ◯跡部薫委員  お示しいただきました充足率、最近一番近い数字だともう少し落ちるというのも聞きましたが、決算年度ということでございますので、87%ということであります。そして、100%を満たしている分団は14しかない。2割強ですね。なので、8割弱ぐらいは定員に満たないということであります。  具体的に消防団員の入団確保をしていく取り組みですが、まず本市では、消防団協力事業所表示制度というのを行っております。2009年ですから、平成21年から6年間で、当初28事業所から、決算年度は78事業所までふえているのだというお話であります。この事業所に所属する団員、そういう意味では制度を活用して、どのぐらいの団員が現在所属、活動しているのか。そしてまた、この効果についての評価があれば伺いたいと思います。 54: ◯消防局総務課長  消防団協力事業所表示制度は、会社等に勤務する団員の増加など就業形態の変化を踏まえ、団員確保や活動環境の整備を目的に、平成21年度から導入したものでございます。具体的には、消防団員を2名以上雇用している事業所を協力事業所、4名以上雇用している事業所を優良協力事業所と認定し、表示できる制度でございます。  運用当初は28事業所、団員は158名でしたが、平成28年3月現在で78事業所、団員は305名に増加しており、団員確保に一定の成果があったと認識しております。 55: ◯跡部薫委員  消防団員として活動しますと、実は協力事業所から入団した方と、あるいは地域からの団員と、ともに活動することについては何ら違いがないわけであります。そういう意味では、火災のときや災害出動、あるいは特別点検の訓練等を通じまして、ごく普通にごく当たり前に活動されている、そういう仲間でありまして、団結心も非常に変わりなく、団員としては活動されているということでありますので、私としてはこの協力事業所をもっともっと広めることによって、団員確保に非常に効果があるのではないか、活動の活発化につながるのではないかと考えるところであります。  そういう意味では、他都市の例を見てみますと、静岡県ではふじのくに消防団応援連盟事業として、活動に協力する事業所等には県税の軽減制度、ここまで踏み込んでやっているということがあります。また、高松市では消防団応援制度といいまして、幅広い店舗とか事業所を募集しまして、一つのグループ、連盟をつくりまして、店舗利用の際には割り引き優遇制度、こういうものを活用したり、また合同でPRするなど、そういう支援制度も行っている。そういう意味では、PRとか販売促進にもつながっているという制度があるようであります。  本市の場合、協力事業所に認定されると、事業所側にとってはどのようなメリットがあるのかをお伺いしたいと思います。 56: ◯消防局総務課長  協力事業所に認定されることにより、社屋等に表示証及び認定証を表示できますほか、市ホームページ等でその事業所の地域貢献について広く公表され、また本市発注工事における総合評価一般競争入札において評価ポイントが上がるというメリットもございます。 57: ◯跡部薫委員  そのような地域貢献という意味においても協力している事業所でありますので、PRにもつながりますけれども、実際には入札等においても、そういう評価も違ってくる面もあるかもしれない。その意味では、ぜひこの事業所の活動を続けてもらいたいと思います。最近では、地元の企業だけではなくて、大手の全国的な企業の社員もこの制度を使って入団している事例が本市に実際ありまして、非常にその点においては効果が出てきているのではないかと思いますので、この点についてはぜひ進めていただきたいと思います。  続きまして、消防団員確保について、学生に対する取り組みというのも、国が一生懸命応援をして進めているという状況があります。全国では学生消防団員は2006年から9年間で3,000人を超えたということであります。具体的には千葉市の淑徳大学では、2010年の話でありますが、学生による消防団が結成されまして、現在も活動していると。それで、千葉市ではこの活動を支援しようということで、学生消防団活動認証制度というのをスタートしたのですね。報道によると、このような学生消防団活動認証制度、こういったものは昨年度までに36の市町村でつくられているということであります。そして、今年度には66市町村が導入を検討している、予定しているということであります。  この学生というのは、もちろん若い人材、18歳から22、23歳、こういう人材でありますが、実際に社会貢献を実践して、貴重な学びの機会としたいということもあるでしょうし、また大学によってはボランティア活動に単位を付与するなんてこともあるかもしれません。そういうことで、就職活動時には学生時代を通じて消防団活動をしたというのもアピールポイントになるのではないかと思います。  そういう意味では大学側、特に本市においては、在仙の大学とも、ただのPRだけではなくて、より一歩、何か学生の社会キャリア教育につながるような取り組みということで、働きかけるということも可能性としては非常にあるのではないかと思いますが、この点についてお考えがあれば伺いたいと思います。 58: ◯消防局総務課長  学生消防団活動認証制度は、一定の消防団活動を行った大学生に対し市町村長が認証を行い、就職活動を支援するという制度で、一部の自治体で取り組みが始まっております。現在、先行して取り組んでいる自治体から成果や課題など情報収集を行っているところですが、学生団員の確保に効果が期待できますので、引き続き検討を行ってまいります。  また、県内の一部の大学では、地域の安全・安心に関するカリキュラムを設け、消防団活動の重要性についての講義が行われておりますので、今後さらにそうした取り組みが広がりますよう、他の大学にも相談するなど連携強化を図ってまいりたいと考えております。 59: ◯跡部薫委員  効果という意味では、若い人材でありますし、これから社会に出るということもあるので、なかなか継続的には難しい面もあるかもしれません。しかしながらぜひとも御検討いただきたい。本市においても学生が多いわけですから、御検討いただきたいと思います。  次に、機能別消防団という制度があります。本市においては、この制度をどのように理解されて、導入等も検討されているのかどうか、それについて伺いたいと思います。 60: ◯消防局総務課長  機能別消防団制度は、例えば普段の消防団活動はせずに、大規模災害時の活動や防火防災の普及啓発など特定の業務のみを担当するなど、負担を軽減してより多くの方々が参画しやすくなるという制度で、一部の自治体で導入がなされております。  本制度はどのような機能を担っていただくかなど整理すべき課題もございますが、団員確保という側面では一定の効果が期待できますので、他都市の実績なども踏まえ、実効性のある方法について研究してまいりたいと考えております。 61: ◯跡部薫委員  続きまして、確保の取り組みということに関連して、定年制、定年のことであります。消防団の定年は自治体ごとに条例で定められているということでありますが、実際定年を定めていない自治体もあるそうであります。政令指定都市でも決めていないところもあるそうであります。  本市の場合は、本部の団長、副団長は70歳、そして地域で活動する各分団ごとに分団長や副分団長は67歳、そして部長以下班長、団員は65歳という定年になっております。これまでも検討されて引き上げられてきたということは、私も存じ上げております。しかし、先ほど冒頭に伺ったように、定員に満たない分団というのは、56分団中42分団ある。8割近い分団が定員に満たないという中で、班長、部長を含めた団員は65歳で定年であります。実際には仕事もリタイヤされて地域貢献をしたいとか、まだまだ元気だよということで、何とか継続したいのだという声が私にも大分寄せられております。そんなことで、ぜひとも本部の団長、70歳の定年でありますので、せめて同じ年齢にしてもいいのではないか。なぜなら、各地域における分団ではその構成員が少ないわけですし、そして御自分の体力や活動に自信があって、そして知見も経験もあるわけでありますので、これはぜひ定年の年齢というものを再度御検討いただけないかと思います。  我が会派の先輩議員の一般質問でも、交通指導隊の年齢も70歳を超えていくような話の検討もありましたので、ぜひ消防団も65歳なんて言わないで、もう少し、ぜひ検討いただけないかと思いますが、いかがでしょうか。 62: ◯消防局長  本市の消防団につきましては、社会的動向などを踏まえまして平成元年に定年を定め、その後平成4年、平成17年にそれぞれ定年を引き上げた経過がございます。  ただいまお話がありましたように、近年は定年に達した方でもまだまだ消防団員として地域の消防防災活動に貢献したいという熱意あるお声も伺っております。団員の確保や人員の活用という観点から重要なものと考えております。  今後、改めまして消防団の実態を把握した上で、他都市での制度の状況なども参考にしながら、消防団員とも十分な相談を行い検討してまいりたいと考えております。
    63: ◯跡部薫委員  大変前向きな御答弁をいただいたと受けとめさせていただきますが、ぜひとも他都市には定年を定めていない自治体もありますし、まさに今生涯現役時代の消防団員でありますので、ぜひとも70歳までを含めて御検討いただきたいと思います。  続きまして、消防団の活動、具体的な強化策について関連して伺いたいと思います。  東日本大震災の経験を踏まえて、平成27年からスタートいたしました消防団強化緊急事業5カ年計画であります。決算年度は2年目でありますか、さまざまな処遇改善や安全装備の充実などを5カ年かけて進めるといたしております。この決算年度までの進捗状況、そして今後は職務報酬あるいは分団の運営の基礎となる運営補助金の見直しというのがスケジュールに載っているわけであります。この部分につきまして、この状況を伺いたいと、今後どのように検討されて進めていくのか伺いたいと思います。 64: ◯消防局総務課長  本計画は、処遇改善、安全装備の拡充など消防団の充実強化を5カ年で計画的に実施するものでございます。平成27年度は出場報酬の増額、活動服の更新、救命胴衣や耐切創手袋の配備などを行いました。また、平成28年度は引き続き救命胴衣等の安全装備を拡充するほか、双方向通信が可能な無線通信機器の配備などにも取り組んでおり、計画どおりに事業が進捗しております。  今後もこの5カ年計画に基づきまして、職務報酬や運営補助金の増額、防火衣の更新など計画的に消防団の充実強化に努めてまいります。 65: ◯跡部薫委員  計画どおりに進めていくという御答弁をいただきました。  その中で一つ、やはりあえて取り上げさせていただきたいのは、東日本大震災殉職した消防団員は197名、本市においては3名の消防団員、とうとい命を犠牲にされ、殉職されました。この亡くなられた197人は、30代、40代が6割であります。また、例えば津波が来るということで、水門を閉めるという職務のために亡くなられた方は59名おられたそうであります。これは全体でですね。  そういう意味では、災害時に大変危険な任務を地域で担うことになるという、この活動に私は以前から、震災の前から双方向の通信が可能な通信機器を早く入れるべきだと。なぜなら、消防団員は一方的な受令機しかないわけですから、何かあったときには、例えば3.11のときの退避という指令を早く出せば、もしかしたら多くの方が助かったかもしれません。8年前から私取り上げて、何度かお願いしているわけであります。国のデジタル化ということも含めて、通信設備の整備ということは御説明を伺いましたが、命を守るということについては、一刻も早く現場の消防団員と本部をつなぐ双方向通信可能な設備を、できるだけ早く、一日でも早く導入すべきということをこれまでも申し上げてきました。具体的にいつごろ配備の予定なのか、お伺いしたいと思います。 66: ◯消防局総務課長  現在、無線通信機器の仕様の作成や配備後の円滑な運用を行うためのマニュアル作成等を行っているところでございまして、取り扱い訓練を含めまして、年度内には配備を完了したいと考えております。 67: ◯跡部薫委員  年度内、お待ちしております。できるだけ早く、災害はいつ来るか本当にわかりません。特に命を守るという観点からいって、最優先で取り組んでいただきたいと思います。  次に、大型台風、豪雨災害についての件を質問させていただきます。実際の台風、豪雨災害に対する地域防災計画の見直しというのが本市でも行われましたが、消防団にはどのように周知して、そして連携していくのか、活動として反映していくのか、この点伺いたいと思います。 68: ◯消防局総務課長  今回の修正に伴いまして、水防計画の修正部分もあわせまして、見直しの内容について、本年5月に開催されました7消防団合同分団長以上幹部会議において、各消防団幹部に周知しております。また、この計画変更に伴い、消防団の非常配備計画や活動内容の変更もございましたことから、さらに各消防署において7月中にそれぞれ消防団に具体的な周知を図ったところでございます。 69: ◯跡部薫委員  その意味では、3.11の後はやはり地震に対する備えということでの防災訓練が盛んに行われてきたところであります。しかし、去年、おととしを踏まえた豪雨災害、大雨、台風、こういったさまざまな災害に対する防災訓練、今月も来月も各地域で盛んに行われております。こういうことについて、やはり消防団員は現場で身近に住民の皆さんと接する活動をしております。こういった分野については、危機管理部局なんですということではなくて、やはり消防団員は地域に密接につながっていますので、ここについてもぜひ情報の提供とかノウハウの伝達とか、あるいは出張所と団の連携、これもあるかもしれません。地域におけるそういう地震防災だけではなく、大雨被害、土砂災害等に対する防災力の向上、こういうことを踏まえた取り組みというのをぜひ進めるべきだと思いますが、これについての御所見をお伺いして終わりたいと思います。 70: ◯消防局長  消防団は自主防災組織や地域防災リーダーとともに、地域防災のかなめでございます。とりわけ消防団員につきましては、近年のたび重なる風水害等での長時間の活動や常日ごろからの地域での防災活動など、現場での経験に基づく知識やスキルなどを生かした献身的な活動をいただいております。今回の計画等の見直しに際しましても、速やかに研修や勉強会を行うなどして情報共有し、見直しに合わせた体制がとれるよう、努めてまいりました。  今後とも消防団員が地域において、その職責を十分に果たせますよう、情報共有や研修、訓練など消防局と消防団がさらなる連携を図りながら、地域防災力の向上など市民の安全・安心の確保に取り組んでまいりたいと考えております。 71: ◯会長  以上で本分科会審査案件中、消防局所管分に対する質疑は、全体会質疑を除き、終了いたしました。  この際、お諮りいたします。本日予定の審査が終了いたしましたので、9月30日に予定しております教育局所管分に進みたいと思いますが、これに御異議ございませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 72: ◯会長  御異議なしと認め、そのようにいたします。  答弁者入れかえのため、少々お待ち願います。                〔答弁者入れかえ〕 73: ◯会長  それでは、本分科会審査案件中、教育局所管分についてであります。  日本共産党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。         〔すげの直子委員、花木則彰委員、質疑席に着席〕 74: ◯会長  発言願います。 75: ◯すげの直子委員  まず、就学援助費に関連して伺います。  決算年度の認定率は12.71%で、2014年度の13.01%、2013年度の13.44%に比較して低くなっております。これは何が原因だと分析していらっしゃるのか伺います。 76: ◯学事課長  認定率は、就学援助の場合ですと、全児童生徒に占める就学援助認定を受けた児童生徒の割合でございますが、近年の低下傾向について、はっきりとした理由は不明ですが、認定者のうち被災児童生徒で対象となる方が減少していることなどが要因となっているのではないかと考えられます。 77: ◯すげの直子委員  一般質問でも指摘しましたが、本市の認定率、他都市と比較しても非常に低い水準になっています。周知を丁寧にすることももちろんですけれども、やはり基準額が低いから、対象が狭くなっているということだと思います。  ただでさえ低いのに、教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果報告書、これを呼んで、私びっくりいたしました。就学援助の基準について、生活保護基準が引き下げられてきたことを踏まえ、他自治体との情報交換を密に行いながら、本市の基準額についての検証を進め、適切な制度運用を行うと書いてございました。もともと低い基準額です。引き下げなど、まさかなさらないと思いますけれども、いかがでしょうか。 78: ◯学事課長  就学援助基準額をどのようにしていくかにつきましては、国の考え方や他都市の動向等を視野に入れながら、常に検討を行っていくべきものと認識しておりまして、現時点で具体的な変更を想定しているものではございません。 79: ◯すげの直子委員  書き方を、こういうふうに書いてあるとなれば、引き下げられたことを踏まえとなっていれば、下げる検討をしているのではないかと捉えられるのではないかと。捉えるのが当たり前じゃないかと思いますので、そういう検討ではないというのであれば、こういう書き方はちょっと違うのではないかなと思います。  さらに、子供の貧困にみんなが今胸を痛めております。何とかしないとというのが社会的な機運になっております。そういうとき、やっぱり行政こそ力を尽くさなければならないというときです。そういうときに、就学援助の引き下げなど全く逆行だと思います。たとえ他都市が引き下げをしたとしても、本市は基準額を検討するのであれば、常々検討はされるということですので、ぜひ引き上げの検討こそ行うべきだと思います。強く申し上げておきたいと思います。  次に、特別支援学校に通う市内の子供たちの問題についてです。決算年度には県立の小松島支援学校が開校いたしました。これで仙台圏の特別支援学校の狭隘化については解消されたのでしょうか。御認識について、まずお伺いいたします。 80: ◯特別支援教育課長  仙台圏域において、特別支援学校の児童生徒数増加の現状とそれに伴う施設の狭隘化につきましては、子供たちの学校生活を送る上での課題であると認識しているところでございます。これまでもさまざまな機会を捉えて、県に対して特別支援学校の狭隘化解消に向け、改善について要望いたしますとともに、県と協議しながら松陵小学校の跡施設を活用した小松島支援学校の分校設置など可能なものについては協力してきたところでございます。  今後も具体的な御相談等があった場合には対応してまいりたいと考えております。 81: ◯すげの直子委員  市内の子供たちがどれぐらい仙台圏の知的障害特別支援学校に通っておられるのか、3年間の推移についてお示しください。 82: ◯特別支援教育課長  仙台市在住で小学部から高等部まで県内にある知的障害特別支援学校に在籍している児童生徒の総数の3年間の推移でございますが、平成26年度は969名、平成27年度は1,014名、平成28年度、今年度は1,022名となっております。 83: ◯すげの直子委員  ずっとふえ続けております。依然としてどこも過大規模化、狭隘化が深刻です。小松島支援学校は既に特別教室を二つ潰して普通教室に転用しているということです。さまざまな障害を抱えた本市の子供たちが1時間あるいは1時間半もバスに乗って通学しております。こういう事態を早期に解決するためには、やはり特別支援学校の増設が必要だと決算年度にも繰り返し求めてきました。  昨日、宮城県議会で知事が仙台市南部に特別支援学校を新設することを視野に検討すると表明したそうです。本当はきのうまではこの場で市がつくれということを私求めますと言う準備をしておったのですけれども、知事が昨日こういう表明をしたということなのですが、これについて御当局、何かお聞きになっていたのでしょうか。伺います。 84: ◯学校教育部長  昨日の県議会で県知事が仙台市南部に特別支援学校の新設を視野に入れていると御答弁されたことについては、昨日夕方、県から情報をいただいたところでございます。 85: ◯すげの直子委員  県から情報をもらったと。こっちで聞いていて、急いでこちらから問い合わせをしたということではなかったということでしょうか。 86: ◯学校教育部長  県の担当課から連絡をいただいたところでございます。 87: ◯すげの直子委員  これまでも市の姿勢としては、ずっと県に設置義務があると言って、消極的な姿勢だったのではないかと思います。決算年度にも、先ほどもでしたが、可能な限りの御協力をしていきたいという御答弁を繰り返されてきました。本来であれば、仙台市の障害を持つ子供たちの学ぶ権利の保障の問題ですから、市も主体的に取り組むべき課題だったと思います。ぜひお伺いしたいのですけれども、先ほど担当課のほうでは、県に要望もしてきたということなのですけれども、教育長御自身は決算年度、この課題について県に対して何か直接働きかけはされたのでしょうか、お伺いします。 88: ◯教育長  特別支援学校の問題は、もう数年にわたって仙台圏の課題の一つ、特別支援に関しては課題になっておりまして、私どもですと県教育委員会と折につけいろいろ情報交換をしたり、意見交換をしてきたところでございます。  その中で、先ほども述べさせていただきましたが、松陵小学校の跡施設を小松島支援学校の分校という形で協議が整い、今その準備を進めているところでございます。ちょっと前の過去では、長命ケ丘小学校を一時的ではございましたが、光明支援学校の分教室としてお貸しした経過もございます。  そういう中で、きのう知事答弁があったと、仙台市南部に特別支援学校の新設をお考えになっているというお話がございました。本市といたしましては、今後も県、市の役割分担の中で可能なものについては協力し、県と連携しながら、この問題に関して協力し合ってまいりたいと考えているところでございます。 89: ◯すげの直子委員  私がお伺いしたのは、教育長御自身が、特別支援学校の狭隘化は本当に深刻なんだと、ぜひこれは解決をしなければならないと。分校とか空き教室提供とかはされてきたという経緯はありますけれども、それでも依然として狭隘化が解決されるという状態ではなかったわけです。そのことについて、私は教育長御自身が決算年度、県に対して直接働きかけを何かしたのでしょうかとお伺いしました。 90: ◯教育長  昨年度、決算年度というお話でございます。その点につきましては、また繰り返しになりますが、松陵小学校の跡施設の利用につきまして県と協議を進めておりまして、この狭隘化につきましては、その一つの手法ということで県と協議が整って、ことしの1月、昨年度に当たりますが、そういうことで進めてきた経過がございますので、この特別支援学校の狭隘化というところについては、県教育委員会と情報を密にしながら進めてきたところでございます。 91: ◯すげの直子委員  その県との協議には、じゃあ、教育長もいらっしゃったということでよろしいのですか。 92: ◯教育長  日常的には担当課のところで進めておりますが、節目、節目で県の教育長と私どもが直接お話をしながら進めてきた経過がございます。 93: ◯すげの直子委員  単純なことをお伺いしたつもりだったのですけれども、ずっと学校の設置義務は県にあると御答弁されていたわけですから、そうであるならば、県にどれぐらい本気で迫ってきたのかということが、やっぱり問われるのではないかと思います。  学校をつくることも視野に検討するということで知事が御答弁されたということなのですけれども、学校をつくると決めてから、できるまでは約5年間ぐらい時間がかかるということになっています。そういう意味では、本当に市内の深刻な狭隘化、過大規模化を早期に解消するためには、一刻も早く具体化をしていくということが必要だと思います。どの程度の学校規模が必要なのか、1校だけでいいのかどうか、真剣な検討が必要です。直ちに県に対して今の検討状況、それから考えなどを聞いて、市も主体的にかかわって協議をしていくということが求められていると思いますけれども、いかがでしょうか。 94: ◯教育長  私ども具体的な支援学校のお話は、まだ詳細についてはお聞きしていないところでございます。ただ、この間、突然県がこういうお話ということではないと思います。それまでそれなりに県の中でいろいろ御議論もあったかと思いますし、私たちもこの県、市の中でいろいろ御協議していた経過の結果として、知事が御判断なさったのかなと今考えているところでございます。  今後、県教委と具体的なことをいろいろお聞きしながら、またこちらで協力できることをきちんと確認し合ってまいりたいなと思っております。 95: ◯すげの直子委員  基本的には仙台市の子供たちの問題だとやはりきちんと捉える必要があると思います。そして、そういうしかるべき対応をぜひしていただきたいと思います。  次に、学校施設の老朽化対策について伺います。  代表質疑でも指摘をいたしましたが、給食室の改善を求めて、保健所から指導が出るぐらい施設の改善は急務となっております。今後、学校の老朽化対策、どのように進める予定なのかお伺いいたします。 96: ◯学校施設課長  公共施設総合マネジメントプランにおいて、施設は計画的な保全を行うことで長寿命化を図る方針が出され、学校施設もその対象となっております。校舎につきましては、今年度から小中学校5校で実施する大規模改修の設計や工事等を通じて得られるノウハウの検証や蓄積を持って、関係部局と協議、調整を図りながら、改修計画の具体化を図ってまいりたいと存じます。 97: ◯すげの直子委員  5校を大規模改修なさるということなのですけれども、着手をする学校、どこなのかお伺いしたいと思います。 98: ◯学校施設課長  今年度実施の5校につきましては、小学校は北中山小学校、将監小学校、黒松小学校の3校でございまして、中学校は北仙台中学校、南小泉中学校の2校でございます。 99: ◯すげの直子委員  子供たちのことですし、やっぱり学校は地域の核とも、そして災害時は避難所にもなる施設です。公共施設総合マネジメントプランの中でも、一番中心を占めていい施設ではないかと私は思います。  新年度以降、計画的に毎年今後も5校ぐらい実施していくというお考えなのでしょうか。もっとペースを上げないと、待たされるところは延々と待ち続けるということになってしまうのではないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。 100: ◯学校施設課長  ただいま申し上げましたように、公共施設総合マネジメントプランに基づく大規模改修については、今回の5校で得られるノウハウの検証や蓄積を踏まえながら、今後具体的な年次計画や実施校数について、さらに検討を深めてまいりたいと存じます。 101: ◯すげの直子委員  何かまだまだこれからなのかなという感じなのですけれども、一刻も早く計画をつくるべきだし、市内約200校近くですよね、小中合わせると。5校ペースだと、それだけで40年かかる計算なんです。既に築40年を超えている校舎が75校ということですから、これを5校ずつやっていくだけでも15年かかるということです。できる限りピッチを上げて、早期に着手を次々としていくということを求めておきます。  あわせて、本当はこの大規模改修のタイミングで、やっぱりエアコンを整備するのが効率的だし、財政負担も大きくならないと思うのです。私は市の財政のことを考えても、やっぱり今エアコンの設置を決断することが必要だとつくづく思います。これについては、きょうはお聞きいたしません。  さらに、非常に心配しているのが、この老朽化対策で、大規模改修に今度力を入れるということになることで、大分お金もかけるということになるので、また教育局が要らぬ遠慮をして、それ以外の維持修繕費などを減らすのではないかということを心配しております。学校現場からしますと、とにかく予算がないからとか、緊急性が高いところからということを常々言われて不便を強いられたり、現場の努力に任せられております。学校側もむやみに要求しているのではなくて、これは子供たちの教育に支障があると思うから要求をしているのです。大規模改修が始まったことを言い訳にして、それ以外の修繕などをより待たせるなどということがあってはならないと思いますけれども、いかがでしょうか。 102: ◯学校施設課長  修繕予算につきましては、経常的に当然必要な予算でございますので、その確保に向けて努めてまいりたいと存じます。 103: ◯すげの直子委員  ぜひ頑張って確保していただきたいと思いますが、ここでパネルを提示させていただきます。そもそも本当に教育予算は減らされてきております。この20年近く決算額で追ってみました。大変細い線で申しわけないのですけれども、1999年には一番長いところですね。558億円、そして翌年も576億円、2003年あたりまでは500億円を超える教育予算を確保しておりました。それがもうここ数年はずっと340億円から、いっても390億円、400億円までほとんど届かないということで、ずっと推移をしてきております。一般会計の歳入総額は、震災分を除いてもほとんど変わらないのに、教育費はこういうふうに減ってきているという状態です。  子供たちの教育に熱心じゃない都市だと言われないように、思い切って教育予算をふやすべきだと思います。やるべきこと、求められていることは、たくさんあります。教育長、いかがお考えでしょうか、お伺いします。 104: ◯教育長  教育予算についての御質問でございますが、今経年的にお話がございました。そのとき、そのときで必要な施設整備や教育予算全体で予算を講じてきたところでございます。近年ではやはり震災対応、また更新を迎えている施設等の整備、そういうものが課題になってきていることも事実でございます。そういう点で、私どももちろん必要な予算はしっかりと確保してまいりたいと思いますし、また最近ではソフト予算の面でも例えばスクールカウンセラーとか、ソーシャルワーカー、また特別支援の関係では、支援員の増加と、やはり近年ではアレルギー対応だったり、特別支援発達障害のお子さんがふえているとか、その時代時代で必要なニーズがございますので、その点についてはしっかり見きわめながら、予算の確保に努めてまいりたいと存じます。 105: ◯すげの直子委員  本当に見てのとおり、本当はもっと思い切っていろんなことをやっていただいていいのではないかと思うのです。教育長は財政局長ではありませんから、何よりもやはり現場の声を受けとめて、それを真っすぐ堂々と毅然として市に求めるというのが仕事だと思います。市にどう要求すれば実現できるのかと、そのことにこそ力を尽くすべきだということを最後に申し上げて、私からは終わります。 106: ◯花木則彰委員  私からは、教育費の中で、教育総務費、教育職員人事管理システム構築ほか、権限移譲準備の取り組みについて伺ってまいりたいと思います。  決算年度を含めて、今年度までは仙台の市立小中学校の教職員は県の雇用ですが、来年度からは市の雇用になります。必要な教職員の定数配置についても、これまでは県に要望を出して、県が配分をするという関係でしたが、これからは市が文部科学省に直接要求し、必要な定数を確保し、適切な配置をしなければなりません。ぜひその立場から、この間の定数管理の状況をつかみたいと思います。  まず、県費雇用となっていた教職員の定数はどのように決められていたのかお伺いいたします。 107: ◯教職員課長  宮城県におきましては、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律に基づいて算定された学級数をもとに、基礎定数及び政令の定めにより国から配当される加配定数に基づいて毎年の全教職員数を決めているところでございます。 108: ◯花木則彰委員  基礎定数とそれから加配定数で定数が構成されている。そうすると、10年前と直近3年間、この二つの定数の推移は小中それぞれどうなっているかお示しください。 109: ◯教職員課長  初めに、小学校についてでございますが、基礎定数は10年前の平成18年度が2,544人、平成26年度が2,507人、平成27年度が2,500人、平成28年度が2,492人となっており、徐々に減少してきております。  小学校の加配定数は、10年前の平成18年度が354人、平成26年度が318人、平成27年度が347人、平成28年度が365人となっております。  次に、中学校についてでございますが、基礎定数は10年前の平成18年度が1,609人、平成26年度が1,573人、平成27年度が1,561人、平成28年度が1,557人となっております。  加配定数は、10年前の平成18年度が169人、平成26年度が164人、平成27年度が189人、平成28年度が242人となっております。  全体的に見ますと、小中学校ともに基礎定数は減少し、加配定数は増加しているという状況でございます。 110: ◯花木則彰委員  資料パネルを示させていただきます。  今お伝えいただいた中身を表にしてみました。まず、基礎定数で見ますと、10年前に比べて小学校で52名、中学校でも同じく52名減っています。これは、やはり児童数の減とか、クラス数の減とか、そういうことで減っていると見ていいのでしょうか。 111: ◯教職員課長  基礎定数は、児童生徒数により算定される学級数に基づいているため、児童生徒数の減少に伴う学級数の減少が主な要因と考えております。 112: ◯花木則彰委員  その一方で加配定数を見ますと、10年前に比べて、3年前はそんなに変わっていないのですが、この一、二年、大分ふえているなということです。例えば小学校では47名ふえましたし、中学校では78名ふえています。これはどういった理由でふえているのでしょうか。 113: ◯教職員課長  直近3年間で加配定数が増加している主な要因についてでございますが、平成29年度に県費負担教職員の給与負担等の権限移譲に向けて、宮城県教育委員会と定数の枠組みについて調整を行ってきた中で、平成27年度は児童生徒支援、指導方法工夫改善等の課題解決のため定数増を認めていただきました。さらに、平成28年度には本市教育の最重要課題であるいじめ問題への対応のための人的措置として県に御理解をいただき、配置されたことによるものでございます。 114: ◯花木則彰委員  今言われたように、加配定数についてはここ一、二年で県に認めていただいたという話なのですけれども、認めていただいたという話ではなくて、これまで余りにも少なくしか配置されなかったということではないかと思います。  これは宮城県の教員定数について一覧にしてみました。この間の推移を調べてみました。そもそも基礎定数で言いますと、大体全県で約1万人なんです。そのうち仙台市が占めているのは39%、約4,000人になっています。この39%というのは、児童数、クラス数に応じて大体決まっているわけですから、これぐらいの数が加配定数でも回ってこないとだめだと思うのですが、見ていただくように、2014年、平成26年のときには、仙台市以外には908名いて、仙台市には460名、結局仙台市の割合は33.6%です。実に5%以上低いという状況です。平成27年度も同じくらい。そして、今年度はちょっと上がって35.4%になったという状況だと思います。33.6%という数というのは、アンバランスな状態がずっと続いていたのではないかと思うのですが、仙台市ではどのように捉えておられたでしょうか。 115: ◯教育人事部参事  ただいまお話しいただきました基礎定数の割合と加配定数の割合につきましては、必ずしも同程度になっていないというものについては認識しているところでございます。ただ、加配につきましては、児童生徒数や学級数のみが算定の基準になっているわけではなく、それぞれの学校の課題を考慮して配当していると県から説明を受けているところでございます。仙台市教育委員会といたしましては、そのような状況も鑑みまして、平成29年度権限移譲に向けて、課題解決に向け、必要な加配についてきちんと申請をいたしまして、加配定数の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。 116: ◯花木則彰委員  県はそうやって言うでしょう、それはほかにもいろんな事情があるんだから、仙台市の求めるのもわかるけれども、ほかのところに回すよということで、ずっと言われてきたということです。でも、権限移譲するということになって、改めて見てみると、余りにも枠組みに差が出ているということで、やっぱりその是正が必要だということで動き出していると見たほうがいいのではないかと思います。  しかし、39%に見合う加配定数にするには、まだあと50名ほど多く獲得する必要があります。加配定数をふやす必要があります。現在、県の調査では501名、そして市の数え方では養護教員だとかいろいろ入りますので607名になっているのですが、これを50名はふやさなきゃいけないというのが、39%に見合う加配定数にしようと思ったら、そういうことだと思うのですが、来年度一体どれだけ加配されるのかということについては、今度は仙台市が文部科学省に直接要望して、そして獲得しなきゃいけないと思うのです。これは移譲準備室が当たると聞いておりますけれども、獲得目標のラインが現状維持にならないように、ちゃんとプラス50名とるんだということで獲得目標のラインになっているのかどうか伺いたいと思います。 117: ◯教育人事部参事  加配定数の確保につきましては、今委員おっしゃられたとおり、今年度からになりますね。文部科学省に直接仙台市として申請を行うことになってまいります。本市といたしましては、本市が抱えるさまざまな教育課題解決のために必要と考える加配につきまして、十分に国に対して説明をした上で、加配を認めていただけますよう、努めてまいりたいと考えております。 118: ◯花木則彰委員  本市の教育の課題にとって十分に必要な数を出して、そしてそれを訴えるのだということです。実際に学校に必要な教職員というのは、どのぐらいなのかということについて伺いたいと思うのですが、クラス数と基礎定数の関係を、まず中学校の場合を例に御説明いただきたいと思います。 119: ◯教職員課長  教職員数は、義務標準法におきまして、学校規模に応じて定められ、それに基づいて配当されております。中学校では教科担任制でございますので、配当されている教員数は、学級数見合いで多くなり、通常学級におきましては、結果としておおむね学級数の1.6倍程度の教員数が基礎定数となるところでございます。 120: ◯花木則彰委員  校長、教頭、クラスの数の担任だけでは学校運営はできないと。教科担任ですから、それを考慮して基礎定数が決められているということですね。しかし、この基礎定数だけでは学校運営が今できないというのも現実で、これまでは先ほど言われていたような加配の要望を出して、そして加配を認めてもらって、学校運営を行っているということだと思います。どんな目的を示して加配要望していて、それが認められているのか。中学校の加配定数の目的別の人数、どのぐらいでしょうか。 121: ◯教職員課長  平成28年度でございますが、中学校の加配定数は242名でございます。内訳といたしましては、教員が236名、養護教諭6名でございます。  教諭の内訳といたしましては、最も加配数の多い、指導方法工夫改善加配は96名加配されております。多くの学校が主に数学の少人数指導に活用している状況でございます。  また、児童生徒支援加配は91名配置されており、今年度いじめ対策専任教諭といたしまして、青陵中等教育学校を含め、64校全校に配置し、また現場の状況に応じて複数加配を行っている学校もございます。このほかに初任者研修加配12名、教育復興加配11名など加配している状況にございます。 122: ◯花木則彰委員  いろいろな目的でということですが、人数的に多いのは、先ほど御説明にあった児童生徒支援加配、これはいじめ担当などを中心にやってもらっていると。指導方法工夫改善も96人、これは少人数グループ別の学習などに当たっているというお話です。
     今、このいろいろな加配で獲得をした場合に、指導方法工夫改善で当てられた教師については、少人数学習だけではなくて、少人数学級にするときの加配としても、ここが割と融通がきくということで認められていることが多いと思うのです。加配はそのようになっていて、全体としてそれなりの数があります。もっとそれをふやしていかなければならないとなっています。  せっかく定数を確保していても、正規雇用でなくて講師として採用している、いわゆる定数内講師というのが中学校で88名、小学校で108名にも上っています。定数分の人件費は国から手当されているわけですから、正規雇用をして、さらに力を発揮していただくべきだと私は思います。  そのほか、これでもまだ足らないということで、市費で非常勤講師を雇って、学校運営に必要な仕事をしてもらっています。中学校では教員が免許外の科目の授業をしなくてもよいように、30人から40人ほどの講師に時給制で働いてもらっていますし、また週30時間の非常勤講師も小中合わせて150名ほどいらっしゃって、複式学級解消や指導困難、少人数学習指導で役割を担ってもらっています。つまり、定数を50と限らず、もっともっと確保していくということ。そうやって定数をふやしていって、そこを担ってもらえる人材は、今仙台市に十分いるのだということで、ぜひ自信を持って定数確保に取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。 123: ◯教職員課長  講師につきましては、定数内講師と非常勤講師などがございます。定数内講師につきましては、児童生徒数の変動により生じる学級数の増減に対応するため、一定程度の数が必要になってきているところでございます。  講師の本務化につきましては、私どもといたしましても重要な課題と認識していることから、今後適切な採用に努めてまいりたいと考えているところでございます。 124: ◯花木則彰委員  ちょっとずれているような気がしますが、定数内講師ね、確かに年度の初めで変動すると動く部分があるというお話ですけれども、中学校だけで88名もいるんですよ。小学校で108名もいるんです。こんなに講師にとどめておく必要は全くないと思います。  加配定数ですが、目的別に申請、認定をされます。ですから、何のためにこれだけの教員加配が必要なのかというのを、しっかり文部科学省に対して掲げて臨むことが大事だと思うのです。権限移譲に当たって、ぜひ少人数学級への取り組みのステップにしてほしいと。これは子供たちも、親も、教職員も、また議会各派からも願いが今出されている中身だと思うのです。それに対して、市教育委員会も少人数学級の効果には期待していると言っているわけです。  ところが、教育長のこの前の本会議での答弁は、クラスがふえれば、教職員も教室も足らないのでお金がかかるみたいな感じの大変消極的な答弁になっていたと思うのです。仙台市の子供たちのために、今が頑張りどころだと。ことし頑張らなきゃだめだと思うのですが、弱腰では困るのですけれども、強気で文部科学省に当たるという姿勢でいるのか、伺っておきたいと思います。 125: ◯教育長  まず、35人学級については、子供と向き合う時間がふえて、子供との丁寧なかかわりができるという点では、一定の効果があるということは私どもも認識しているところでございます。  そして、今加配のお話がございました。加配につきましては、先ほどもお話しさせていただきましたが、今年度いじめ対策専任教諭を全中学校に配置したということ。これを最優先にいたしました。さらに、小学校におきましても、やはり必要な学校、三十数校にも配置したところでございます。ただ、これも必ずしも今十分と言えません。そういう点では、私ども加配を可能な限り確保してまいりたいということは、おっしゃるとおりでございますが、与えられた枠、加配という枠の中で、当然その中で必要な目的をきっちりと見きわめて配置していく形になります。  その中で私ども今現在は、繰り返しになりますが、いじめ対策を最重要、最優先としているところでございます。今後、直接国に加配の申請者となるわけでございます。ということは、県費から市費にということは、私どもが今度約5,000人の教職員を、自己責任のもとで予算としても抱えながら、今後運営していく形になります。そういう点でしっかりとこの数を見きわめながら、有効な配置、それについてはしっかりと配置について意を尽くしてまいりたいというところで、私どもとしては、今現在においては、この加配の考え方につきましては、35人学級ということではなく、必要な配置についてしっかりと考えてまいりたいと思うところでございます。 126: ◯花木則彰委員  強気には全然聞こえない答弁で残念なのですけれども、問題を整理する必要があると思うのです。35人学級をやるということと、いじめ対策を強化するということが、何か別々のことのように捉えている答弁になっていると思うのです。それは別々にする必要は全くないと思うのです。35人学級にすることによって、いじめ対策への教職員の力というのは、当然随分強化されることになりますし、いじめ担当の役割を担う先生を、その中でつくっていくことも当然できるわけです。特に中学校の場合は、全員がクラス担任ではないわけですから、教科担任だけの人がいっぱいふえるわけですからね。そういう意味で、対立的に捉えていたのではだめじゃないかということ。  もう一つは、先ほど課長のほうからありましたけれども、じゃあ、来年度の要望、仙台市にとってこれが必要なのだということで文部科学省に求めていくときに、プラス50人以上という必要数を、何で必要だというふうに言うのかですよ。ことしいじめ対策でつけましたと。それで認めたと。では、来年も同じぐらい必要ですって、同じことで言えるのかと言ったら、なかなかそうはいかないだろうと。やはり必要なのは、今度は35人学級にするためにこれだけ必要なのだとか、そういう攻めどころでいかないと、結局今年度と同じぐらいの話になってしまうのではないかと思うのですけれども、まずそのいじめ問題の対策と35人学級という少人数学級にした場合の話を分けないと、ちゃんと一緒に考えるということについてはいかがでしょうか。 127: ◯教職員課長  いじめと35人学級というお尋ねでございます。先ほど教育長のほうからも申し上げましたが、本年度はいじめ対応ということで中学校全校に配置したところでございます。その中で、それぞれの学校課題というものがございまして、それ以外の学校課題を抱えているところもあると認識しているところでございます。そのためには、やはり学級担任以外の立場で、全体的な立場から見る教諭というのも必要ではないかと考えているところでございますので、35人学級よりも、まずはいじめ対応に全力を傾けていきたいと考えているところでございます。 128: ◯花木則彰委員  いじめ問題を最重要課題にというときに大分議論したつもりなんですけれども、いじめ担当の先生がいればいい話ではないんですよ、いじめ問題を最重要にするというのは。やはり教員の側の体制も強化しなければいけないし、学校と地域のつながりもしていかなきゃいけないし、もっと学校が全体として力をつけていく必要があるのだと。その中でも、子供たちにもっと丁寧なかかわり合いができる。いじめの問題だって察知もできるし、そしてそれに対応もできるという形にしていくためには、少人数学級というのは大きな役割を果たすのだと私は思います。それをわざわざ避ける話に、いじめ対策を持ってくるなんていうのは、ちょっと理解できないですね。  ことしの各学校の児童数の一覧から、35人学級にした場合のクラス増を計算してみました。小学校では109クラスふえる。中学校では63クラスふえるという結果になりました。例えば中学校で中学校2年生、3年生も35人学級にするというのは、先ほどのあと50人加配をとるということからいうと、十分現実性のある射程に入っているのではないかと。そういう要望をしたって、仙台市は要望し過ぎだなんて文部科学省には言わせないだけの、そういった状況になっているのではないかと思うのです。  いじめ対応ということでも、今中学校で特に教職員を手厚くすることが、強く求められていると。クラスがふえることで、教室の手当てが必要なんだという話も教育長が言われましたけれども、それも中学校で言うと2校か3校ですよ、手当てが必要なのは。そんな大したお金がかかるわけではない。やはりそんなに難しいハードルだとは考えられません。  仙台市は実際に35人学級にした場合に必要な教員数をどのぐらいだと見込んでいるのか、お伺いいたします。 129: ◯教職員課長  本年5月1日の児童生徒数をもとに、小学校3年生から6年生の学級において35人学級を実施した場合は、新たに109名の教員が必要になると試算しているところでございます。  中学校におきましては、教科担任制でありますので、必要となる教員数は学級数よりも多い95名になると試算しているところでございます。 130: ◯花木則彰委員  大体そういう感じだと思うのです。そのプラス50の部分を使いながら、それから今いろいろな形で加配している先生たちの役割をもっと果たしてもらえるように、定員内の人はちゃんと正規雇用にして働きを強めてもらうということをすれば、十分現実的なことが、特に中学校2年生、3年生を先行させて来年からやるということについて見えてきたんだと思うのです。ぜひこれは文部科学省に対して、これから働きかけをして、獲得していかなければいけない課題ですから、低いところにラインを置いて何とか頑張りましょう、初めての交渉だからということにするのではなくて、ここまで必ずとると。そのためには、少人数学級を実現したいんだと。だから、必要なんだと強く、強く迫ることが必要だと思うのですが、最後にもう一度教育長に伺って終わります。 131: ◯教育長  権限移譲後の本市の小中学校の教職員定数について、これから本市が国に直接申請をするということになるわけでございます。いろいろ今御議論あったところでございますが、必要な加配を求めていくということが、我々今当面課題ではございますが、この加配の数というところは予断を許さないところでございます。そういうところで、今私どもはまずこの加配の必要なものをしっかり見きわめて、そしてできる限りその申請を行っていくわけでございますが、まず必要な課題について、それを加配の中でしっかりと優先順位を見きわめた上で、定数の確保に努めてまいりたいと存じます。 132: ◯会長  社民党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。         〔ひぐちのりこ委員、石川建治委員、質疑席に着席〕 133: ◯会長  発言を願います。 134: ◯ひぐちのりこ委員  学校建設費、維持修繕費12億6000万円余などについて伺います。大規模改造及び学校維持補修の内容及び修繕などを行った基準について伺います。 135: ◯学校施設課長  大規模改造及び学校維持修繕内容についてのお尋ねですが、大規模改造におきましては、学校トイレの改修設計業務が主な内容でございます。また、維持修繕につきましては、受変電設備改修、受水槽改修、屋体等の天井落下防止対策改修や学校敷地の樹木剪定、除草、屋上防水や建具等の学校施設修繕、給食調理施設内の設備修繕などを行っております。修繕の実施につきましては、特に基準はございませんが、学校からの依頼や定期点検における報告等に基づき、必要に応じて職員が現地を確認するなどして緊急性及び必要性を判断して行っております。 136: ◯ひぐちのりこ委員  維持修繕費のうち、補助金などの内訳及び金額について伺います。 137: ◯学校施設課長  維持修繕費のうち、屋体等天井落下防止対策改修事業のみが国庫補助対象でございまして、工事費等は約1億200万円、そのうち国庫補助金については3300万円となっております。 138: ◯ひぐちのりこ委員  これまでは東日本大震災で被災を受けた学校施設について復旧をするという緊急対応が優先でした。復興計画中の5年間に、本来であれば大規模改修や維持補修を行うべき学校施設についての考え方や対応について伺います。 139: ◯学校施設課長  震災前は学校施設の耐震化完了を最優先として取り組んできたところであって、震災直前にはほぼ完了したところでございます。そのような状況において、当時は計画的な大規模改修等老朽化への取り組みを今後検討課題としていたところでございます。 140: ◯ひぐちのりこ委員  ほぼ完了とあったのですが、1981年の建築基準法改定前に建築された箇所数と対応について伺います。 141: ◯学校施設課長  1981年の建築基準法改正、いわゆる新耐震基準により、前の旧耐震基準で建設された学校数は111校ございまして、これらの学校のうち、耐震診断により耐震性が劣っていた学校につきましては、耐震補強工事を行い完了しているところでございます。 142: ◯ひぐちのりこ委員  完了したということで、ただいまも質疑あったのですけれども、公共施設総合マネジメントプランに鑑み、建てかえや大規模改修について計画的に進めなければならないと考えます。今、5校という話、まずやってみるということであったのですけれども、考え方と、またスケジュールについてお伺いいたします。 143: ◯学校施設課長  校舎においては、これまで施設の老朽化につきましては、建てかえや部分的な改修により対応してきたところでございますが、公共施設マネジメントプランに基づく大規模改修については、今年度から小中学校5校でモデルケースとして取り組みを始めたところであり、これらの学校で実施する設計や工事等に通じて得られるノウハウを検証、蓄積しながら、今後スケジュールを含めた施設改修について、関係部局と協議調整を重ね、検討してまいりたいと存じます。 144: ◯ひぐちのりこ委員  スケジュールというのは、まだという形ですか。 145: ◯学校施設課長  スケジュールについては、今後の検討課題になっております。 146: ◯ひぐちのりこ委員  私は築43年の仙台高校の調査をしてまいりました。東日本大震災で校舎の内外に被害がありました。応急的な手当てをやったということなのですが、あと今大雨が降ると必ず雨漏りがあると。必ず大雨になって、天井がしみになっているのですけれども、こういう状態がある。そして、漏電のアラームが年1回以上必ずなってしまうということで、深夜に教職員の呼び出しが来ることもあったそうです。廊下のロッカーやロッカーのドアが既になく、カーテンで対応していました。壁全体や床にも損傷が目立っており、かなり老朽化が目立っております。建てかえを含む早急な対応が求められますが、伺います。 147: ◯学校施設課長  仙台高校も含め、学校施設の老朽化につきましては、公共施設総合マネジメントプランの方針に沿って関係部局と調整を図りながら、長寿命化や建てかえについて検討を進めているところでございまして、この中で対応してまいりたいと思います。  なお、緊急性の高い事案が生じた場合には、修繕など個別の対応を行ってまいりたいと存じます。 148: ◯ひぐちのりこ委員  学校は指定避難所となっております。住民の方が集まる体育館には車椅子対応トイレがない、そういう学校も散見されております。また、体育館のトイレが全て和式であり、車椅子の方やけがをした生徒が学校のトイレを使用できない、改善を求めるということが生徒大会で要望が出た、こんな学校もありました。その御認識と対応についてお伺いいたします。 149: ◯総務企画部長  東日本大震災の経験から、災害時に避難所となります学校の体育館につきまして、トイレの洋式化とバリアフリー化を図ることは重要であると認識しているところでございます。小中学校の体育館につきましては、国の補助金を受け、今年度から10年間の計画でトイレの洋式化と車椅子対応のトイレの設置を進めているところでございます。また、高等学校につきましては個別に対応を検討してまいりたいと存じます。 150: ◯ひぐちのりこ委員  次に、給食調理場について伺います。  単独調理校のドライシステム運用校及びドライシステムを導入していないけれども、ドライ運用を図っている学校数についてお伺いします。 151: ◯健康教育課長  単独調理校83校ございますが、調理場の床が乾いた状態で作業をいたします構造であります、いわゆるドライシステムにつきましては20校となってございます。また、もともとは床に水を流すつくりではございますが、乾かした状態で作業するドライ運用につきましては、63校ございます。 152: ◯ひぐちのりこ委員  ドライシステムの給食調理場では、エアコンの整備がなされているのですけれども、それ以外のところはありません。調理場の高温に対して大変問題になっております。エアコンのないドライ運用施設では、夏場において38度を超えるというところもありました。学校給食施設及び施設の整備及び管理に係る衛生管理基準では、施設は十分な換気を行い、高温多湿を避けること。調理場は湿度80%以下、温度は25度以下に保つことが望ましいとされています。食中毒菌の多くは、この温度以上になると急激に発育が盛んになります。安全な食事の提供のためにも適正な温度管理が重要です。  また、県内のほかの自治体においては、過去に高温多湿の調理場で、暑さのために調理員が体調を崩して、仕事中に倒れてしまったという事例があったそうです。幸い大事には至らなかったものの、対策は急務です。エアコンやスポットクーラーなどの空調設備の向上について保健所からも指導されていました。御認識を伺います。早急な対応が必要です。あわせて伺います。 153: ◯健康教育課長  ドライシステムではない調理場には、エアコンが設置されていないことから、夏場の作業環境といたしましては、外気温よりも高い温度帯となることもございます。保健所からは、調理室内が高温になる際は食材の取り扱いに注意すること。高温多湿の対策として、空調設備の設置が望ましいとの指摘を受けてございますが、各調理場とも献立や調理手順の工夫等によりまして、衛生管理基準に即した食品の温度管理を行っているところでございます。  また、これまでも各調理場の現況把握に努めてきており、温湿度の管理に一定の効果がございます給排気設備の改善など、作業環境の向上策につきましても、順次対応しているところでございます。  なお、新たにエアコンを増設することにつきましては、建物の構造上、後づけで整備することが困難な状況にございますことから、今後学校全体の改修や建てかえ等の時期に整備してまいりたいと存じます。 154: ◯ひぐちのりこ委員  あわせて、冬場においては、今度は温度が10度以下、下回っている場合、また結露がひどい例も散見されました。こちらについての対応もお伺いいたします。 155: ◯健康教育課長  給食調理場の結露対策につきましては、給排気設備の改善などを実施してきておりますが、引き続き各調理場の現況把握やさらなる改善に努めてまいります。  また、室温が10度以下の低温となる場合、衛生管理に支障のない範囲で可能な対策についても検討してまいりたいと存じます。 156: ◯ひぐちのりこ委員  私は、改修後40年ほどを経た向山小学校の調理場を調査してまいりました。古い設備ながら工夫をして、安全・安心でおいしい食事の調理の様子を見学させていただきました。夏は調理場が高温になるため、加熱調理後、冷却する必要のあるあえものの献立、今献立の工夫とあったのですけれども、これは避けているということでした。本来ならば、暑い日には冷たくさっぱりした食事を出したいのだけれども、施設設備面でなかなか制約があると栄養教諭の方がお話をしていました。  掃除を初め、衛生管理も行き届いている調理場でしたが、床の傷が、大変傷みが目立っておりました。このように傷んでいたのです。ほかの学校も壁や天井、また排水管とか、その周りの塗装がはがれていたりとか、こういう状態もありました。保健所からの改善指導もあるようですけれども、本市学校のこれまでの改修状況と今後の予定についてお伺いいたします。 157: ◯健康教育課長  一定の年数が経過した調理場につきましては、保健所からも床や壁の傷み等に関連する指摘を受けておりまして、学校からの修繕要望も踏まえまして、順次修繕を行ってきたところでございます。平成27年度の実績といたしましては、調理場の床や壁の傷みの修繕に加えまして、給排気設備のダクトの清掃、換気扇の修繕交換、網戸の交換、各種配管水漏れの修理などの経常的な修繕について、86カ所実施いたしたところでございました。  今後とも必要な予算を確保し、調理場の機能維持に努めてまいりたいと考えております。 158: ◯ひぐちのりこ委員  さらに、耐久年数を超えた設備とか、あと実際これはかなりさびが出ている器具もありました。さびなどによるふぐあいが発生している設備、備品について、大変不安を感じながら使い続けている事例もあります。保存用冷凍庫についても、規定のマイナス20度以下に保つように確認し、必要に応じて修繕をするよう、これも保健所から指導を受けたところもあります。  ドライ釜などドライ運用に必要な備品を初め、備品、設備についても現場が必要なものについて調査を行い、計画的に配備するなど改善を図るべきですが、お伺いいたします。 159: ◯健康教育課長  調理場の機器や備品につきましては、施設の修繕と同様、衛生管理基準の遵守の観点から、必要となる修繕や更新等を順次対応してきたところでございます。  また、ドライ運用に必要な備品につきましては、これまでシンク蛇口栓の足踏み式化や汚染、非汚染エリアの明確化のための受け渡し棚の設置、専用作業台や代車の配置を計画的に進めてきておりますが、ドライ釜などの大型機器等につきましては、設置スペースや周囲の各種設備などの状況や実態に応じて適否を判断し、対応している状況でございます。 160: ◯ひぐちのりこ委員  現場の話を聞いているとあるのですけれども、要求していて、こういうものがいいとあったのですが、同等品といいながら、実は要求しているものとちょっと違って、かえってふぐあいがあったというお話も聞きますので、きめ細かな対応をお願いしたいと思います。  ABS食器が導入されて15年以上経ています。ゆがみや破損とか、汚れも目立ってきているとのことです。必要数の交換や補充を的確に行うとともに、計画的に学校ごとの更新を求めますが、伺います。 161: ◯健康教育課長  耐熱性樹脂食器、いわゆるABS食器につきましては、導入よりこれまでの間、一斉更新は行っておりませんが、汚損や破損の状態が著しい食器につきましては、学校からの申請があり次第、その都度交換を行っているところでございます。  また、食器の計画的な更新につきましては、今後各学校の食器の劣化状態や保管状況を調査しまして、更新の時期あるいは対象について検討してまいりたいと考えております。 162: ◯ひぐちのりこ委員  やはりきれいな食器に盛るとおいしそうに見えますので、ぜひとも御対応をお願いしたいところです。  また、学校の給食従事者専用のトイレなのですけれども、食品を取り扱う場所及び洗浄室から直接出入りできない構造とすること。また、食品を取り扱う場所及び洗浄室から3メートル以上離れた場所に設けるよう努めること。さらに、便所の個室の前に調理衣を着脱できる場所を設けるよう努めることと、このようにされているのです。しかし、対応ができていない事例もあります。衛生面からも改善が必要ですが、伺います。 163: ◯健康教育課長  ただいま御指摘のとおり、文部科学省の学校給食衛生管理基準におきましては、学校給食従事者専用の便所は、食品を取り扱う場所及び洗浄室から直接出入りすること。また、食品を取り扱う場所及び洗浄室から3メートル以上離れた場所に設けるよう努めることとされてございます。  本市の給食調理施設は、全て直接出入りできない構造となっておりまして、3メートル以上離れた場所への設置につきましては、新設調理場については対応しておりますが、同基準の施行前に整備されました既存施設で3メートル以上の距離が確保できていない場合には、便所の移設は困難でありますことから、調理衣の着脱や手指の消毒徹底により食品汚染の防止に努めております。  なお、この基準では、便所の個室の前に調理衣を着脱できる場所を設けるよう努めることともされておりますが、脱衣室が設けられない場合にはカーテン等で間仕切りをし、着脱スペースの確保に努めているところでございます。 164: ◯ひぐちのりこ委員  また、古くなっている、学校全体がそうなのですけれども、上水道からの赤さびですね。また、排水やダクトのふぐあいも聞くところです。るる修繕しているということだったのですが、また、吸気とか排気の改善によっても、ある程度調理場の空調の改善になると考えております。調理場全体についても、現場の意見を聞いて、それぞれ個別に対応というところも多いと思います。生かして、計画的に改修や修繕の対応を行うことが必要だと思います。年次計画を立てて進めるべきですが、伺います。 165: ◯健康教育課長  学校からの改善要望や年次計画に基づく安全衛生パトロール等の実地調査を通じまして、各調理場の状況把握に努めており、衛生面や確実な給食提供の観点から、緊急的に実施すべき内容につきましては、今後とも優先的に対応してまいります。  一方、施設の長寿命化の観点での改修は、かなり大規模な工事となりますことから、工事期間中の給食提供の方策の検討や計画的な予算措置が必要でございまして、また校舎内の給食調理室の場合、水道、給排気等の各種配管や電気設備などは校舎全体と連動しており、学校全体の大規模改修や改築等とあわせた対応が必要となりますことから、計画的な対応等について今後検討してまいりたいと存じます。 166: ◯ひぐちのりこ委員  私も安全衛生パトロールの結果を見ました。早急に改善できるところは、やはり努力するように求めます。  一人一人に対応した食事の提供として、本市において本年10月から全ての学校で食物アレルギー対応給食が実施されることになりました。本市における食物アレルギー対応食、また宗教に対応したハラル食、また医療的に必要のある病態食など特別食の実施状況について伺います。 167: ◯健康教育課長  平成28年5月1日現在の単独調理校及び給食センター対象校の状況でございます。食物アレルギー対応食といたしまして、調理場で原因食品の除去あるいは代替食品を使用いたしまして給食を提供している児童生徒数は1,182名となってございます。  また、疾病による病態食につきましては37食でございますが、そのほか献立内容を家庭に提供いたし、保護者と児童生徒で確認いただき、摂取量を調節している例もございます。  なお、ハラル食といった宗教食につきましては、現在食数は把握してございませんが、一部の単独調理校において可能な範囲で対応しているところでございます。 168: ◯ひぐちのりこ委員  全国的に見てもこのぐらい個別対応している学校給食というのは、本当に先進的だと言われるところでございます。  次に、給食調理員の人員体制について、栄養教諭、栄養士、給食調理員の人員配置方針について伺います。 169: ◯教育局人事課長  人員体制でございますけれども、単独調理校におきましては、栄養教諭または栄養士を1名、それから給食調理員については食数や調理場の状況にもよりますが、正規職員を2名配置することを基本としております。加えまして、パート職員については、食数やアレルギー食などの特殊な状況に応じて配置を行っているところでございます。 170: ◯ひぐちのりこ委員  本来ならば、給食調理の正規職員が栄養士、栄養教諭除いて2名配置されなければならないところが、1名が8時間勤務で雇用期間が最長1年の臨時的職員となっているところがあります。給食パート職員も含めて、配置状況と現在欠員になっている学校がありますけれども、実態と認識を伺います。 171: ◯教育局人事課長  単独調理校83校について、正規職員の配置154名が基本となっておりますけれども、21名欠員が生じており、このうち17名について臨時的任用職員を配置したところでございますが、残る4名分については臨時的任用職員も欠員となっており、現在これに対して給食パート調理員を活用するというようなことで対応している状況でございます。給食パート職員については、こうした臨時的任用職員の対応分も含め、おおむね必要数が充足されておりますけれども、正規職員の欠員に対しては、給食提供への支障を最小限にとどめるためにも、フルタイムの職員を充てることが望ましいと認識しておりまして、この間も臨時的任用職員の募集を続けながら、経験者に就労の可能性を問い合わせるなど作業を行っているところでございます。 172: ◯ひぐちのりこ委員  今、問い合わせているとあるのですけれども、ことし4月の時点とそんなに変わっていないのですよね、欠員の状況ね。その欠員が続いている状況についての原因について伺います。さらに、その対応についてお伺いいたします。 173: ◯教育局人事課長  年度当初から正規職員の欠員を補充するという趣旨で臨時的任用職員の採用を行っておりますので、これまでより多くの人数を必要とするという状況がございます。そうした中、業務内容や勤務条件の実態と、雇用される側のイメージにミスマッチが生じており、臨時的任用職員の中途退職の増加というのもふえていると。こうしたことが原因かと考えております。  こうした欠員につきましては、ハローワークや市政だよりなどを通じまして随時募集を行うとともに、面接の際により丁寧かつ具体的に業務の内容や勤務条件を説明して、理解を深めた上で就労していただくなど、できる限りの対応に努めているところでございます。 174: ◯ひぐちのりこ委員  実際は給食作業が始まる前にやめてしまったという事例も聞いておりますので、やはりこれは抜本的な問題を解決しなければならないと思います。  来年度から県費負担教職員の権限が本市に移譲されることとなっております。先ほど栄養教諭の話も出ましたが、特に本市の食育の推進のためにも、栄養教員の増員も求めますが、伺います。  学校給食は教育の一貫として実施されており、給食調理はプロフェッショナルな仕事です。食物アレルギー対応食の調理は、一つ間違うと命にかかわる可能性もあります。給食調理員の認識について伺います。  また、給食調理員などのいわゆる技能職の技士ですね。児童生徒の評価をする教員とはまた違った視点で児童生徒に接するという側面があります。児童生徒からすると、本音がこの技能職の技士だったら言いやすいなという話を耳にいたします。情報共有や課題解決に向け、学校の教職員の集団として職員会議への出席について、各学校への周知徹底を求めますけれども、伺います。 175: ◯教職員課長  私のほうからは、栄養教諭についてお答えさせていただきます。  現在、市内の単独調理校におきましては、栄養教諭、もしくは県費、市費の栄養士が学校給食の栄養管理を行っております。来年度からは栄養教諭と市費栄養士が行うということになります。  今後の栄養教諭の増員につきましてでございますが、食に関する指導の重要性の観点から、栄養士の退職者等の欠員が出た際に、栄養教諭に切りかえていくことを検討しているところでございます。  また、現在栄養士等で勤務している職員につきましては、本人の意思を確認しながら、積極的に栄養教諭の採用選考を受けるように進めてまいりたいと考えているところでございます。 176: ◯健康教育課長  私のほうからは、給食調理員についてお答え申し上げます。  学校給食に携わる調理技師は、栄養教諭、学校栄養職員の指示のもと、安全で安心な学校給食の提供のために食品衛生に関する理解や調理に関する高い技術が求められる職務であると認識しているところでございます。 177: ◯教職員課長  職員会議への参加ということでございます。職員会議は、校長が学校経営を行う上で重要な会議であり、学校マネジメントの中心をなすものであるという認識でございます。校内の全教職員が参加した上で開催されることは大切でありますが、業務の都合により一部参加できない職員がいる場合もございます。その際は、会議内容を確実に伝えることはもとより、開催時刻や開催場所など十分に考慮し、極力教職員全員が参加の上行えるよう、周知徹底してまいりたいと存じます。 178: ◯ひぐちのりこ委員  栄養教諭ですけれども、欠員が出たらというようなところより、もっと積極的な形の増員を求めます。  先ほどの臨時的な任用職員についてなのですけれども、研修があるものの、やっぱり現場での自分の仕事をしながら調理作業などを教えなければならない。給食調理員、給食パートの方々にたくさんの負担がかかるということ、これは御当局も認識なさっていますよね。また、正規職員の給食調理員は、長年現場で働き、経験を積み重ねる中で、施設設備が長く使えるような掃除の方法であったり、また器具機材のメンテナンスとノウハウを会得し、次の世代にも伝えています。現場からのまさに超寿命公共施設総合マネジメントの実践者にほかならないと思います。本来は、正職員が2名であったのに配置ができなかった理由についてお伺いいたします。 179: ◯教育局人事課長  今お話しありましたとおり、給食調理や洗浄、清掃作業、また施設設備に対する習熟というのは、経験により培われるものがございまして、こうしたことは正職員である給食調理員の業務の安定性、工夫などにもつながっていると思っております。
     しかしながら、この間仙台市全体の技能職員の配置につきましては、民間への業務委託や定年退職者の再任用などを進めながら、新規採用は行わない中で対応を図ってきたというところがございます。こうした中、教育局に配置される技能職員につきましても、昨今、年度ごとの退職者全体をカバーするには至っておりませんので、こうしたことが欠員を生じる理由になっているかと考えております。 180: ◯ひぐちのりこ委員  ことしの第1回定例会で、私たちの会派で、来年度以降、学校用務員を含めた技能職員の採用について質疑をさせていただきました。御当局は2005年以来、採用を見合わせている、今もお話があったのですが、技能職員についての採用再開について、関係部局と協議検討を鋭意進めていきたいとのことでしたが、給食調理員の採用という観点からも、ぜひとも採用を強く求めるものです。協議検討の内容や進捗状況、対応について伺います。 181: ◯教育人事部長  技能職員の採用再開に向けましては、本年度当初から関係部局との協議を続けており、その中では採用に関する検討とともに、食数や調理場の実情に応じた配置の見直しなども並行して行うべきではないかとの議論も出ているところでございます。  教育局といたしましては、種々の見直しを行うにいたしましても、現在学校用務、給食調理と欠員が出ている状況に加え、年度末に生じる一定数の退職者も考慮した方策が必要と考えておりまして、採用再開も含め、実際の人員補充につながるような対応について調整を続けているところでございます。 182: ◯ひぐちのりこ委員  ぜひともその実情と欠員状況を調べたということもありましたが、方策を含めてしっかりと主張し、そして実現に結びつけてもらえるよう求めます。  学校給食は教育の一環として重要だという、それだけではなく、現在子供の貧困が問題視される中、困難を抱える子供にとって、1日のうちに学校給食だけが唯一栄養バランスが整った食事という事例も耳にいたします。お腹も心もいっぱいにする学校給食への期待は、一つのセーフティネットとしての意味合いもあって、ますます高まっております。  また、さらに教育環境の整備は、次世代の育成のかなめの一つであります。老朽化した施設設備の改善にしっかりと財源の確保を行うことが大切です。そのために必要な予算は確保すべきですし、国に対してもしっかりと求めるべきですが、教育長に御見解と御決意を伺いまして、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。 183: ◯教育長  教育環境の予算等の国への対応ということでございます。これまでも国に対しましては、指定都市教育委員・教育長協議会や本市独自要望によりまして、予算額の確保を強く求めてきておりまして、今年6月には学校施設の老朽化対策に関し、十分な財政措置を講じるよう、緊急要望も実施したところでございます。  今後とも給食施設を含む学校施設の改善などの教育環境の整備につきましては、しっかりと国に働きかけを行うとともに、さまざまな財源の活用も図りながら、必要な予算の確保に努めてまいりたいと存じます。 184: ◯会長  社民党仙台市議団の質疑の途中ではございますが、この際、暫時休憩いたします。                休憩 午後3時24分                再開 午後3時45分 185: ◯会長  再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を続けます。  発言願います。 186: ◯石川建治委員  私のほうからは、学校給食費及び就学援助等に関連しまして、幾つか質疑をさせていただきたいと存じます。  今回、本議会で単独調理校の給食費を平成31年度から公会計に移行するという答弁がございました。この件については、長年、我が社民党会派も求めてきたものでございまして、歓迎するところでございます。  一方、学校給食をめぐっては、さまざまな問題が惹起されております。殊さらに強調して取り上げられるのが、給食費の滞納問題ということになります。文部科学省の調査では、給食費の未納は全国で約9万9000人、全小中学校全体の1%、年間22億円ということで言われております。  昨年、埼玉県内の中学校で3カ月未納が続いたら、給食の提供を中止するということを保護者に通知したということが問題になりました。これに対して、当然だとする世論に後押しされるように、裁判所に訴え、未納金の強制執行や民事訴訟を起こすなど、全国で未納に対する強引とも思われる対応が強められています。滞納を認めるわけではありませんが、保護者が滞納したからといって、法的手段や給食の停止などで果たして問題は解決するのかと思うわけです。未納の背景に横たわっている格差社会、あるいは格差の固定化、それらに伴う子供の貧困問題を解決することが、まずは必要なのではないかと思います。そういう視点で質疑をさせていただきます。  まず最初に、学校給食の成り立ち、目的や目標、定義について伺います。 187: ◯健康教育課長  本市におきましては、昭和初期より一部の学校でのみそ汁の提供、戦後になってからのミルク給食といった取り組みが記録に残っておりますが、現在のような主食、おかず、牛乳という完全給食につきましては、昭和26年から小学校において開始いたしております。  学校給食法における学校給食の目的は、児童及び生徒の心身の健全な発達に資するものであり、かつ児童及び生徒の食に関する正しい理解と適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものでございます。  また、目標といたしましては、適切な栄養摂取による健康の保持増進、健全な食生活を営む判断力と望ましい食習慣の涵養、給食活動を通じての明るい社交性や協同の精神の育成、自然を尊重する態度や伝統的な食文化に関する理解の深化などが掲げられております。  これらの目標を達成するために義務教育諸学校におきまして、児童生徒に対し実施されるものが学校給食と定義づけられておりまして、本市におきましても学校教育の一環として給食の提供を行っているところでございます。 188: ◯石川建治委員  そういうにもかかわらず、残念ながらお金を払う、払わないということが強調されて、本来の給食のありようについて非常に揺らぎが出ていると思います。  今回、公会計に移行するということを決断されました。改めてその目的と理由を伺います。 189: ◯健康教育課長  本市での学校給食費は、開始当初から学校長が集金管理を行う私会計方式で実質してまいったところでございます。私会計では単独調理校における給食費が学校給食実施者である仙台市の予算に計上していないことや、給食費の収納状況が食材費に影響を与える可能性があることでの安定性に課題があること。そのほか、収納管理や督促といった学校での事務負担につながっている現状がございまして、それらを解消するためには公会計への移行が必要であると考えております。 190: ◯石川建治委員  その公会計の導入に向けて検討が行われてから、かなりの期間が過ぎました。もう十何年になります。非常に時間がかかったのですが、その理由と決算年度を含めて、これまでどのような検討をされてきたのか、その経過について伺います。 191: ◯健康教育課長  公会計化の検討でございますが、東日本大震災以前から給食費の公会計化に向けた検討を行ってまいりましたが、発災によりまして当面は移行の準備を行うことが困難であると判断いたしたところでございます。  こうした中、平成27年度に本格的な検討を再開いたしまして、他都市での運用状況を参考とした業務内容の整理や、それらを踏まえたシステム導入に要する経費の算出などといった調査を行ってまいりました。  今年度は関係部局との調整をしながら、給食会計管理システムの仕様内容について検討を進めているところでございます。 192: ◯石川建治委員  この間の検討を踏まえて、今後公会計を導入するということですが、その導入後の課題としてはどのようなものがあると考えられるのか。そして、またその対策についてはどのようなことを考えているのか伺います。 193: ◯健康教育課長  公会計化の導入によりまして、児童生徒約7万9000人分の徴収管理を教育委員会において行うことになりますことから、新たに必要な人員を確保の上、収納や督促、徴収などの未納対策が課題でございます。今後、効率的かつ実効性のある収納対策を講じてまいりたいと存じます。 194: ◯石川建治委員  文部科学省の方針も公会計のほうに軸足を移してきたということもあって、全国でもその公会計導入というのが進んできております。そういった中で検討されるのは、収納システムをどうするのかとか、事務分担をどうするのか、あるいは人員体制ですね。現場の学校と教育委員会の事務局の人的配置の問題、それから予算の確保、このことについて、こういった非常に検討すべき課題というのが山積しているのです。そういった面では、平成31年度というのは非常にタイトな時間だと思うのです。速やかに協議を進めて、間に合うように具体化をお願いしたいと思います。  次に、決算年度を含む震災の前年度からの未納状況についてお示しください。 195: ◯健康教育課長  教育委員会で把握しております給食センター対象校の収納状況でございますが、平成21年度は98.90%、平成22年度は98.88%、東日本大震災直後の平成23年度は99.24%、平成24年度は99.16%、平成25年度が99.15%、平成26年度が99.16%、平成27年度が99.23%となってございまして、ほぼ横ばいで推移しているところでございます。 196: ◯石川建治委員  その未納の理由なんですね。未納の理由について、どのようなものなのか、その要因も含めて伺います。 197: ◯健康教育課長  学校が把握している中での未納の理由といたしましては、経済的に困窮し、資力がなく払えない御家庭のほかに、払い忘れでありますとか、資力があるにもかかわらず、払う意思のない御家庭があると考えているところでございます。 198: ◯石川建治委員  モラルの問題というのは、文部科学省の調査なんかでもあるのです。調査というのは、学校現場に聞いてまとめたもので、モラルのほうが60%を超えているのですかね。それから、経済的なものが30%を超えている。そういったことになるのですが、そのモラルの中にも、実は経済的な問題があって滞ってしまうということもあるのではないかというのですが、そのことについての調査というのはされていないのです。だから、具体的に未納の理由というものを本当に把握しているかどうかというのは、まだ疑問の余地が残っているのではないかと思います。  給食費の未納のことを聞いてきましたが、関連して先ほども質疑ありましたけれども、就学援助制度について伺います。この就学援助制度とは一体何なのか、その援助内容についても伺います。 199: ◯学事課長  就学援助制度は、経済的理由のために就学が困難な児童生徒が、小中学校における教育を円滑に受けられるよう、その保護者等に対し、学用品費や給食費、就学旅行費等を援助する制度となっております。 200: ◯石川建治委員  決算年度での就学援助の申請者数や認定者数、認定率など制度の利用状況についてお示しください。 201: ◯学事課長  平成27年度においては、申請者数が1万507人、認定者数が1万70人、全児童生徒数7万9215人に対する認定率は12.7%となっております。 202: ◯石川建治委員  次に、震災の前年度からの利用状況はどのように推移しているのか、お示しくだい。 203: ◯学事課長  震災が発生した平成22年度は認定者数が9,000人台で推移しておりましたが、平成23年度は1万1,000人台となり、その後は緩やかに減少しておりますが、震災前よりは依然として多い人数となっております。 204: ◯石川建治委員  認定状況を今、経年で伺いましたけれども、率から言うと決して高いと思えないのです。制度が利用できるにもかかわらず、実は申請していない家庭も多いのではないかと思うのですが、この点についてはいかがな認識をお持ちでしょうか。 205: ◯学事課長  就学援助制度につきましては、新入学説明会や年度当初など各小中学校を通じてお知らせの文書を配付するほか、仙台市のホームページや市政だよりなどによる広報を行っており、制度については十分に周知を図っているものと考えております。  なお、今後も制度について機会を捉えた周知を行うなど、対象となる御家庭の皆様に確実に御利用いただけるよう努めてまいりたいと存じます。 206: ◯石川建治委員  ぜひ丁寧にやっていただきたい。それで、先ほども申し上げたとおり、実は滞納している未納の家庭も、実は経済的な面が大きいにもかかわらず、理由としてはモラルの話になっちゃっているというところもあると思うので、その辺はしっかり丁寧にやっていただきたいと思います。  子供の貧困問題がクローズアップされる中で、給食費の未納者に対する非難が強められております。冒頭私が述べましたが、格差と貧困がその背景にあると指摘しましたけれども、未納問題の背景について、どのような所見をお持ちなのか伺います。 207: ◯健康教育課長  先ほども御答弁いたしましたが、給食費を払えない、あるいは払わないという御家庭ごとに事情が異なりますので、未納問題の背景を一概に申し上げることは難しいと考えております。私どもといたしましては、今後も未納者の個別の御相談に応じるとともに、特段の理由のない未納者に対しては収納に取り組んでまいりたいと存じます。 208: ◯石川建治委員  きのうの朝日新聞に学校集金ということで特集が載りました。そこでも公立中学校でこれだけ支払うのだということで載っております。給食費を含めて、関東地方の市立中学校で言うと、1年生が13万6700円超といった数字が載っているのですが、では仙台市を計算しますと、給食で言えば小学校で4万2000円前後ですか。それから、中学校では一番払うときだと約5万円近い給食費を支払うと。それに、学校のさまざまな教材費とか何とかを含めると、保護者が年間負担する経費というのが、大体小学校で20万円、中学校で17万円ぐらいかなと、そんなことが出ます。  先ほどの貧困問題といったときに、親の年収が200万円あるいは300万円といったときに、20万円というのは、ほぼ1カ月の生活費に相当すると思うのです。その1カ月分が丸々なくなってしまうと。そうすると、やっぱり生活が大変になってくるというのが実態なんだと思うのです。そういう子供たちへは、家庭の経済的な大変さということについては、しっかりと思いを持って対応しないと、そのことについてはなかなか機械的にやるだけで、本来の魂が入っていかないということにもなりかねませんので、ぜひしっかりとこれについては取り組んでいただきたいと思います。  成長期にある子供にとって、食事というものは大変大切なものです。経済的な問題を抱える子供の食のセーフティネットを確保するという視点を持って取り組むべきと思いますが、いかがか伺います。そういう意味では、まずは就学援助制度などの周知をより徹底して、制度で救われる子供たちにきちんと対応すべきと思いますがいかがでしょうか、伺います。 209: ◯教育長  学校給食費は学校教育の一貫として実施しておりますことから、児童生徒同士のかかわりに配慮を要することもあり、給食費が未納の児童生徒に対しても、給食は提供してきておりまして、今後も同様の対応をしっかりととってまいりたいとまず思います。  また、学校給食の未納を契機として、就学援助を必要とする御家庭を把握した場合には、さらに個別に制度を御案内するなど、先ほど担当課長も申しましたが、しっかりと周知を図り、必要とされる子供たちに制度が行き渡るよう、意を用いてまいりたいと存じます。 210: ◯石川建治委員  ぜひとも取り組んでいただきたいと思います。  今回、公会計の導入ということで決断していただいて、平成31年度実施というところの目標に向かって進んでいくという状況ですけれども、全国的には学校給食の無償化ということも出ているのです。先ほど紹介した新聞でも、51市町村で無償化をしていると。それから、148市区町村で第3子以降を無償にするなど、さまざまな工夫をして一部無償や補助を始めているところがあるということでございます。今回は、公会計の導入ということですので、今今無償化ということについて求めるものではありませんけれども、今後そういったものが間違いなく必要になっていくだろうと思います。  そういう意味では、憲法で定められている教育費は無償と、義務教育は無償という基本から行くと、先ほど来から申し上げている、その教育に係る、義務教育に係る保護者の負担について、できるだけ軽減していく方向で検討されるべきだろうと思います。そのことによって、経済的な問題で学びのステージから転げ落ちるような子供たちがいないようにしていくということが、本来の教育のあるべき姿だろうと思います。そういう意味では、そのことにしっかり意を持っていただいて、将来的にはその無償化というものについてもにらみながら、今後の学校教育に係る費用の負担のありようについて、しっかりと受けとめていただきたい。このことを強く要望いたしまして、質疑を終わります。 211: ◯会長  自由民主党から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。         〔松本由男委員、やしろ美香委員、質疑席に着席〕 212: ◯会長  発言を願います。 213: ◯松本由男委員  私からは、教育総務費、キャリア教育、いわゆる自分づくり教育関連について伺います。  本市は、仙台版キャリア教育として自分づくり教育の実践を推進して約10年経過したということで節目に当たると。本市としても自分づくり夢教室、たく生き、アエルでやっている仙台子ども体験プラザなどなど、すばらしい事業を展開して成果を残しておるということを認識しております。  学習指導要領では、変化の目まぐるしい社会を生き抜いていくために、児童生徒の発達段階に応じた各教科を横断するキャリア教育の重要性が示されております。児童生徒が生きる力を身につけて、主体的に自分の生き方を選択決定し、社会人、職業人として自立していくために学校現場としての支援のあり方が問われていると思います。  今回は、本市の児童生徒のキャリア教育、仙台自分づくり教育のあり方、よりよい自分づくり教育のためにという視点で伺っていきたいと思います。  まず、キャリアという言葉ですけれども、私なりに一言で言うと、生涯にわたる一連の職業上の活動だとか行為と私は捉えておりますけれども、そこで質問です。キャリア教育の意義とそのキャリア教育が求められている背景について伺います。 214: ◯学びの連携推進室長  キャリア教育のキャリアとは、一般には生涯にわたる経歴、専門的技能を要する職業についているなど、解釈、意味づけが多様にわたるものでございますが、国では、人が生涯の中でさまざまな役割を果たす過程で、みずからの役割の価値や自分と役割との関係を見出していく積み重ねを意味するとしています。  キャリア教育が求められる背景につきましては、近年、若年層の離職率が高まっているとともに、就業する意思のない若者の増加など、若者の勤労観や職業観についての課題が指摘されております。そのような背景を受け、学校教育においても変化の激しい社会を生き抜くために主体的に自己の生き方を選択決定し、社会人、職業人として自立していく力を育むことが求められるようになったと認識しているところでございます。 215: ◯松本由男委員  ここからはキャリア教育のことを自分づくり教育とお話しさせていただきます。  それでは、本市の自分づくり教育の枠組み、全体像、総時間数だとか、小中高の区分についてお伺いします。 216: ◯学びの連携推進室長  本市のキャリア教育である仙台自分づくり教育を効果的に展開していくためには、小学校、中学校、高等学校と発達段階に応じて推進していくことが重要であり、自分づくり教育の全体像を作成しております。  具体的には、小学校におきましては、基盤を形成する時期、中学校では進路等の選択志向期、高校では社会、社会人への準備期として位置づけ、それぞれの校種を通した系統的な指導を行っております。  総時間につきましては、例えば子ども体験プラザ事業については小学校のスチューデントシティの指導時間を15時間としたり、中学校の職場体験活動については3日間から5日間で行うこととしたりするなど、全市的な目安を決めているものもありますが、これらを含めた全体の指導時数につきましては、各学校において児童生徒の実情に応じた取り組みの中で設けているところでございます。 217: ◯松本由男委員  今確認しますと、基本的には枠組みができているようですけれども、各学校長の判断、裁量によって、時間配当が違うのかなと感じたのですけれども、このことに関してどのように評価されていますでしょうか。 218: ◯学びの連携推進室長  各学校におきましては、子供の実態や地域の状況等を踏まえ、特色ある教育活動をそれぞれ展開しているところであり、こうした取り組みの中で学校ごとに時間配当の判断をしていくことにつきましては、一定の意義があると考えております。 219: ◯松本由男委員  そういう考え方もあるでしょうが、いま一度、今のところは調査をされて、分析、検討される余地があるのではないかと私は思っております。  次ですが、本市の自分づくり教育についての方針とか、何かしら教師のための手引書だとか、あるかどうか伺います。 220: ◯学びの連携推進室長  仙台自分づくり教育の方針につきましては、児童生徒がみずから学ぶ意欲を持ち、人や社会とのかかわりを大切にしながら、将来の社会的、職業的自立に必要な態度や能力を育むことを狙いとし、自分づくり教育の全体計画及び指導計画の作成、職場体験活動の事前事後指導の充実、たくましく生きる力育成プログラムの実施と周知の徹底などを重点事項と掲げまして、学校に対し示しているところでございます。 221: ◯松本由男委員  実はここに立派な小冊子、自分づくり教育推進の手引というのを拝見しました。本当にすばらしいです。ただし、方針はあるかという私の質問に対して、方針という言葉はないのですね、漢字2文字は。読み取っていくと、それが方針かなという感じです。  もう一つは、これ結構厚いのですが、教師のための手引という観点でいくと、これ手引ですから、担当者のものだと思うのですけれども、8分目ぐらいが各学校の教育で実施した成果というか、そういうものがあるのです。そういう意味では、担任教師、現場の担当教師としては、非常にこれだけではつらいものがあるかなと感じましたので、ここら辺はいま一度検討されたらいかがかなと思います。  次に、お金面の話をします。この教育に関する経費と主な事業についてお伺いします。 222: ◯学びの連携推進室長  本市の自分づくり教育にかかわる全体としての経費につきましては、平成27年度決算額で申し上げますと、職場体験活動などを中心とした自分づくり教育費として605万円、そのほか広義の自分づくり教育として仙台子ども体験プラザ運営費が3968万円、高校のキャリア教育推進費として109万1000円となっており、総額約4692万6000円となります。 223: ◯松本由男委員  今のお話の費用対効果の観点から、どのように評価されていますでしょうか。 224: ◯学びの連携推進室長  評価につきましては、保護者の感想と児童生徒の感想と、それから学力・学習状況調査等における自分づくりの項目等につきまして、一定の評価を得ていると認識しているところでございまして、これらの財源が有効に活用されているものと考えております。 225: ◯松本由男委員  次に、自分づくり教育をやっていくのですが、積み重ねていく、各学年ごとですね。何かしらの記録ですか、そういうものがないとつながれていかないし、共有もされていかないと思うのですが、具体の話なのですが、そのための仕組みだとか、そういうのはなされているのでしょうか。お伺いします。 226: ◯学びの連携推進室長  特に申し送りとしては行っておりませんが、小学校においては将来の夢やなりたい職業などを発表し合ったりすることで、中学校においては職場体験活動の発表会や報告書を通して、一人一人の児童生徒の職業に関する思いや理解を担任のみではなく、学年の教員で共有するような機会をつくっております。 227: ◯松本由男委員  基本的には記録がなされていないというか、様式化されていないということですので、非常にもったいない話だと思うのでどこかしら、チェックリストにもなりますから、漏れのないように、当初から様式の中に項目を1カ所設けておくとか、そういうことによって継続したキャリア教育、自分づくり教育ができるのではないかと思いますので、よろしくお願いします。  次に、人材の話なのですけれども、この教育に関する専門スキルを持った教師の育成が必要だと考えますが、どのようになっているのでしょうか。 228: ◯学びの連携推進室長  仙台自分づくり教育を推進するに当たり、教員が理解を深めることは重要と認識しております。校務分掌に自分づくり担当教員を位置づけるようにし、校内の推進役を務めさせております。また、年間指導計画の作成や具体的な実践の進め方、改善につなげるための評価のあり方等についてさまざまな研修会を開催し、教員の自分づくり教育の理解を深めるなど、人材の育成にも努めているところでございます。  なお、さまざまな職業があり、教員が必ずしも全ての職業を理解しているわけではございませんので、地域や企業の方々の御協力をいただきながら、仙台自分づくり教育の推進により一層努めてまいりたいと存じます。 229: ◯松本由男委員  忙しい中ですから、大変かと思うのですが、参考までにですけれども、民間資格でキャリアカウンセラーだとか、多分今年度から国家資格になったキャリアコンサルタントだとか、そういうのもありますので、そういうのを通じて専門的なスキルアップ、当然全員はできないわけです。核となる人を養成するだとかしたらどうかと思います。  なお、せっかくですから、調査ですか、教職員のお持ちかどうかも含めて、資格を調査してみるのも一つかなと思いますので、参考までに。  次に、平成27年度の教育事業評価というものがございます。本当にすばらしいものだと思います。一事業、一事業きめ細やかに書かれておって、最後には有識者2名の方の本当にそれぞれきめ細やかな所見がございました。  その中で、この教育について着実に推進が図られているのだけれども、学校教育課程全体の中での位置づけがいま一つというか、やわらかく書いているのですが、これまでやわらかく書いているのですが、書いているということは、結構全体の中で共有化がされていないのかなと、落とし込まれていないのかなと感じ取りました。ということで、具体的な対策だとか講じていることがあればお伺いします。 230: ◯学校教育部長  点検評価における学識経験者の意見について、私どもも同様に認識しており、今年度各学校に対して、改定した仙台自分づくり教育推進の手引を配布し、全体計画と年間指導計画の見直しを行い、一過性のものとならないように、しっかりと子供の心に根づいていくよう、各教科、領域の指導との関連を図りながら、効果的な指導が行われるようにしているところでございます。 231: ◯松本由男委員  最後の質問になります。自分づくり教育について伺ってきたのですけれども、教育長にお伺いします。  目指すところは、その時々、その学年ごとにおいてしっかりとした職業観を持った児童生徒を育てていくことだと考えるわけです。そうすることによって、それがほかの教科に関係して、相乗効果で教育の質が上がるのかなと考えます。あとは、他者とか社会とのかかわりの中で、自分にしっかり向き合えるような児童生徒を育てていくことだと考えるわけです。小中高校、その発達段階の学年が点だとすれば、それを実線でつないでいって、そのつながりを児童生徒一人一人が築きながら、体得しながら、自分づくりというか、自分を探し出す。生涯にわたることだと思うのです。そういう意味でも、自分づくりの教育は、児童生徒の心の底を脈々と流れる極めて重要な地位を占めるものだと認識しているわけです。教育を預かるトップとして、自分づくり教育について今後の取り組みの決意を伺って、私の質問を終了します。 232: ◯教育長  仙台自分づくり教育についての所見ということでございます。本市の自分づくり教育は、将来を担う子供たちが主体的に自己の生き方を選択決定し、望ましい職業観を身につけていく上で、また変化の激しい社会の中で自立した大人として生きていくためにも大変重要な教育であると認識しております。
     今後、人口減少社会を控え、本市の自分づくり教育を受けた子供たちが、本市で学び、そして将来仙台のこの地で働き暮らしていくことを我々も願うものでございます。そのためにも、本市は東北の中でも企業数、就業者数をかなり有する都市でございますから、企業との連携協力をさらに深めるなど、本市ならではのキャリア教育が展開できるものと考えておりまして、地域や経済界の方々の協力をいただきながら、これまで以上に充実を図ってまいりたいと存じます。 233: ◯やしろ美香委員  それでは、私からは教育振興基本計画に係る施策について、決算年度の実施状況についてお伺いいたしたいと思います。  まず、不登校対策ですが、確かな心の育成の課題の一つとして不登校が挙げられております。まず初めに、本市における不登校の定義についてお聞かせください。 234: ◯教育相談課長  本市の不登校の定義につきましては、文部科学省から示されているとおり、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により児童生徒が登校しない、あるいは登校したくてもできない状況にあるもので、病気や経済的理由を除いた年間30日以上欠席した児童生徒でございます。 235: ◯やしろ美香委員  文部科学省ではこのように定義をしておりますが、これは平成15年に発表されたもので、その後平成17年に留意事項が追加されております。これは、不登校の定義は、この文部科学省の定義が一つの参考になるが、その判断は小学校等またはその管理機関が行うこととし、例えば断続的な不登校や、不登校の傾向が見られる児童生徒も対象となり得る、このように追加されております。  本市において、不登校の長期化というのは問題を複雑化させますので、早期の解決が図られるべきと考えます。欠席日数が30日に満たなくても対応すべきと考えておりますが、何か対応はなされていますでしょうか。 236: ◯教育相談課長  新たな不登校児童生徒を出さないために、未然防止や初期対応は重要であると認識しているところでございます。各学校におきましては、児童生徒が登校を渋る状況にあったり、欠席が数日間続いたりするなどの心配な状況が見られた場合は、学校生活の状況を十分把握するとともに、家庭とも連携しながら、欠席理由の把握に努め、その状況に応じた対応を行っているところでございます。 237: ◯やしろ美香委員  ただいまは定義を伺いました。それでは、本市における不登校の実態についてお伺いいたします。本市における不登校の実態というものはどのような方法で把握されておりますでしょうか。 238: ◯教育相談課長  本市における不登校児童生徒の実態につきましては、文部科学省による児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査により、各学校ごとの状況を把握しているところでございます。また、いじめ不登校対応支援チームによる全市立学校に対する訪問等により、不登校児童生徒の実態や対応状況の具体的な把握に努めているところでございます。 239: ◯やしろ美香委員  ただいまのお答えでは、文部科学省でやっている調査をもとにして把握をなされているということですね。  教育大綱では、継続的な課題として、いじめ、不登校対策とまとめています。この教育の点検評価でもいじめ、不登校対策というように、一つの対策のように取り上げられているのですが、私としてはいじめと不登校というのは一つには捉えられないものだと思っております。先ほどお答えいただきました文部科学省の調査の結果を見ますと、いじめを原因とする不登校というのは約1%であって、いじめは不登校の原因にほとんどなっていないのです。どちらかというと本人の無気力であったりとか、情緒的な混乱など本人を原因とする不登校が一番多くて、その次に多いのが親子関係をめぐる問題だったり、家庭環境の変化だったり、家庭を要因とする不登校が続いていくのです。なので、本市として対応するときは、欠席日数で一概に判断するのではなくて、不登校の形を、例えば子供が無気力なのか、遊び、非行なのか、人間関係なのか、そういう類型化をして、それぞれの形に合った対策をとることが必要だと私は思っております。  続いて、不登校の対策についてお伺いしたいのですが、お子さんは朝起きて、学校に登校して、教室に入って、授業を受けて、夕方下校をする。これが普通のお子さんの通常登校だと思うのですが、そういった通常登校を果たしていない児童生徒、こういうお子さんに対する対策というのは、個別対応というのはどのようなものがございますでしょうか。 240: ◯教育相談課長  不登校児童生徒に対しましては、本人の気持ちに寄り添いながら家庭とも連携し、一人一人の状態に応じた丁寧な対応が必要であると認識しているところでございます。そのようなことから、各学校におきましても、家庭訪問による指導、保健室登校や別室登校、登校時間をずらしての登校など、児童生徒が安心できる居場所の確保など必要に応じた個別対応を行っているところでございます。 241: ◯やしろ美香委員  ただいまお答えいただきました別室登校と通常登校をなされていない子供たちの数というのは、本市の不登校の数には含まれているのでしょうか。 242: ◯教育相談課長  年間30日以上の児童生徒であれば含まれております。 243: ◯やしろ美香委員  確認ですが、では30日に満たなければ、学校で通常に授業を受けていなくても、出席しているということでよろしいですか。 244: ◯教育相談課長  はい。そのとおりで、30日に満たなければ、別室登校であっても不登校ではないという認識でございます。 245: ◯やしろ美香委員  それでは、授業を受けていなくても、学校に行っていて、30日に満たなければ登校とみなすと。  それでは、本来の意味で学校に行っていない生徒、30日以上欠席している生徒に対する不登校対策はどのようなものをされていますでしょうか。 246: ◯教育相談課長  新たな不登校児童生徒を出さないための対策としましては、魅力ある学校や学級づくりの推進、積極的な小中学校の連携など、これまでも未然防止に努めているところでございます。  さらに、校内支援体制を整備しまして、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを活用しながら初期対応を図っているところでございます。  不登校状態にある児童生徒につきましては、適応指導センター児遊の杜や適応指導教室杜のひろばにおきまして、個別対応や小集団対応、訪問指導等の学校への復帰を目指したさまざまな取り組みを進めているところでございます。 247: ◯やしろ美香委員  ただいまお答えいただきました適応指導センター児遊の杜と杜のひろばは個別対応であるので、ここに通っているお子さんたちは不登校の数には含まれないということでしょうか。 248: ◯教育相談課長  杜のひろば、児遊の杜に通級している子供につきましては、通級した日数については出席日数としてカウントしておりますので、その日数によって判断しております。 249: ◯やしろ美香委員  それでは、先ほどの別室登校と同じように考えてよろしいですね。  それでは、国の第2期教育振興基本計画の中の成果指標の例というところで、いじめ、不登校、高校中退者の状況改善と、成果の指標として改善という例が挙げられているので、文部科学省としてはやはり改善というものを求めていると思うのですが、このような不登校支援で、本市において不登校は改善をしているのでしょうか。いかがですか。 250: ◯教育相談課長  平成26年度の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査によりますと、小学校では不登校児童数210名について、指導の結果、登校できるようになった児童が約42%、それから指導中の児童のうち、継続した登校に至らないものの、家庭訪問で会えるようになるなど好ましい変化が見られるようになった児童が約24%という状況でございました。  また、中学生は不登校生徒920人のうち、登校できるようになった生徒が約22%、好ましい変化が見られるようになった生徒が約31%でございました。 251: ◯やしろ美香委員  改善の成果が出ているということだと思うのですが、具体的にどのような取り組みが、不登校の改善に効果があったとお考えでしょうか。 252: ◯教育相談課長  教育委員会といたしましても、さまざまな取り組みを行っているところでございますが、その中でも効果のあった取り組みといたしましては、杜のひろばや児遊の杜における小集団対応や個別対応、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門職を活用した相談活動を行うことなどにより、部分登校ができるようになった例などが挙げられます。 253: ◯やしろ美香委員  ちょっとお伺いしたいのですけれども、仙台市における不登校対策として点検評価を見ると、そのほかに例えばサポート体制事業として学校支援とか不登校支援ネットワーク、さまざまな施策が出ておりますが、ちょっと計算をさせていただきましたが、児遊の杜はもう不登校とみなされていない子供たちがいると思うのです。まあ、児遊の杜も含めましょう。児遊の杜に行っている子供たちが188名、それから不登校支援ネットワークの職業体験等に参加した子供たちが延べ200人、ハートフルサポーターの活動、これは悪天候で1回足りなかったので若干少ないということでしたけれども、たしか170名程度だと思います。それから、保護者支援の親の会とかに相談した親御さんが延べで130人ということで、このトータルを数えても、本市の不登校の実態1,232人には届いていないと思うのです。どう考えても全ての不登校の子供たちに本市の施策は届いていないと思うのですが、いかがでしょうか。 254: ◯学校教育部長  ただいまお話があった児遊の杜とか、そういう機関で不登校の対応をしているケースもあれば、各学校で御家庭を訪問していろいろな資料を置いていったり、適宜面会して必要な指導を行ったりといった対応なんかもしているところでございます。 255: ◯やしろ美香委員  それでは、もう1点お伺いいたします。  教育の点検評価の不登校に関する保護者支援の事業の効果等の項目を読みました。親の会についてですが、不登校という同じ悩みや不安を抱えた方々にとって、経験者の話を聞き相談できることが、不安や悩みを軽減するよい機会となっており、継続して参加している保護者の方々も見受けられるという記載があります。この親の会は、親御さんの不安や悩みは軽減できるが、継続して参加しているということは、解消には至っていないのではないでしょうか。保護者の皆さんがここで求めているものは、もちろん不安の軽減という心のケアも求めていらっしゃるでしょうけれども、一番求めるものは、どうすれば子供が学校に戻ってくれるか、復学してくれるかということではないかと思うのです。例えば別室登校もできない、児遊の杜等のそういうところにも行けない、おうちの中にこもってしまっている、そういう子供たちを支援するのには、やはりこちら側から出ていくアウトリーチ型の訪問支援を考えていかなければ、不登校は解消しないのではないかと思います。保護者と一緒に解決策を探して復学を目指していく伴走型の復学支援が必要ではないかと思っております。  不登校の原因はさまざまで、その解決法もさまざまですので、親御さんは大変迷っていらっしゃると思います。特にICT化が進みましたので、いろんなところから情報があふれています。その氾濫する情報の中から、自分の子供にとってどういった対応が一番適しているとか、そういうことを取捨選択することも親の役目になると思うのです。  先ほど無気力型とか、遊び型とかいう類型の話をさせていただきましたが、それは子供の側から見た類型であって、逆の視点、親子関係とか家庭の状態から類型化すると、また別の形が見えてきます。例えば過干渉型の親子関係であったり、放任主義の親子関係であったり、例えば親の支配が物すごく強いとか、親の期待が物すごく強い、期待過剰とか、そういった親子関係によっても、同じ無気力型でも、その解決策というのが違ってきますので、やはり家庭からのアプローチというものも必要になってくると思うのです。その親の学びというものも必要になってくると思います。今、文部科学省ではアウトリーチ型の家庭教育支援体制の構築というものを重点事業として取り組んでいます。この補助金とか人材等の支援を、本市の不登校対策に活用していき、より保護者の皆さんに寄り添った不登校対策を進めるべきと私は考えております。  続いて、不登校の解消についてお伺いしますが、このような成果が出て、不登校が改善しました。本市では何をもって不登校の解消と判断していますでしょうか。 256: ◯教育相談課長  不登校の改善の判断でございますが、児童生徒の登校が安定し、完全に学校復帰ができれば改善されたと判断できるものと考えており、また引きこもり傾向の子供は教員と会えるようになったり、全く登校できなかった子供が、時間外に学校に来られるようになったりするなど、よい変化が見られた場合においては、改善しつつあるという認識に立っているところでございます。 257: ◯やしろ美香委員  不登校の解消で目指すべき姿は、復学をして、そのまま登校が継続しなければいけないと思うのです。一時的に学校に来られても、また不登校を繰り返してしまう可能性がかなり高くて、私はその原因の一つが学力の欠如にあると思います。  長期間学校を休むことによって、体力も落ちますけれども、やはり学力が落ちて、学校の授業についていけなくて、それがつまずきとなって、また不登校を繰り返すという話をよく聞きますので、やはり復学支援のためには、学力の確保ということにもこれから取り組んでいかなくてはいけないと思うのです。  それで、本市ではたくましく生きる力というものを目指していますけれども、それこそまさに学校に適応できる能力であり、その課題を乗り越えていく能力ということがたくましく生きる力ではないかと思っています。  今、次期学習指導要領に向けた審議のまとめ、現在パブコメ中なのですが、来月取りまとめられます。その中には、学校そのものが子供たちや教職員、保護者、地域の人々などから構成される一つの社会でもあり云々と続くのですが、学校に適応できる力を育むことこそが、社会に適応できる力につながっていくと思います。ですから、課題を乗り越えるということは、時には子供にとって大変つらいことであり、周りで見ている親もかわいそうだなと思うかもしれないけれども、目先のかわいそうではなくて、その子の将来的なかわいそうというものがどういうものなのか、それを取り除くということを意識した対応をすべきであって、やはり復学と継続、そこを目指していくべきだと思っております。  いろいろな対策の成果が出て、豊かな心が整って、健やかな体が育って、さあ学校に行ったけれども、確かな学力が備わっていなくて、また不登校に陥ってしまった。やはり本市の教育目標としての確かな学力、豊かな心、健やかな体というのは、まさに不登校対策に必要なものでございます。  ここで一つ、確かな学力について私から提案させていただきたいのですが、子供未来局でやっている生活学習サポート事業というものがあります。これを御活用なさってはいかがかということなのですが、これは平成25年に貧困家庭の子供たちの貧困の連鎖を断ち切るということで、太白区のモデル事業から始まりました。私、当初からこれを地域拡大とか、全市展開ということを要望してきまして、平成27年から全市展開となりました。基礎学力や進学率も向上し、成果が出ています。  これを見たときに、この子供たちは貧困の連鎖を断ち切って、経済的に自立する子供たちを育てるというのが目標なのですが、今不登校で引きこもりに陥るかもしれない子供たちは、やはりこの後に貧困というのが待っているわけです、経済的自立ができないですから。だから、部局は違うかもしれないけれども、子供たちが置かれている立場というものは同じなわけですから、ぜひこういう事業を拡大していただきたいと思います。  この事業の目的なのですが、基礎学力の向上を目的とした学習支援、心の安定を図る居場所の提供、保護者への相談支援、この三つはまさに不登校対策と合致しますので、ぜひこういった事業を拡大していただいて、不登校対策を目指していただきたいと思うのですが、教育長どうでしょう、復学支援と学力の確保、こういった不登校対策についてお考えをお聞かせください。 258: ◯教育長  今委員から不登校対策について、るるお話をいただきました。  私どももこれまでもいろいろ対策は行ってきたところではございますが、実はこの不登校の実態というのは、非常に複雑多様化してきておりまして、今お話のありましたように、従来の寄り添いながらというのは当然心がけておるわけでございますが、居場所というところでも非常に面的にも広がってきており、またお話の中に学習のおくれ、学業のおくれということが、いわゆるアフターケアの中でも非常にこれから課題として受けとめてきているところでございます。  そういうところで、最近でも文部科学省のいろいろな調査が行われ、かなり以前に比べますと、必ず学校に復帰しなければならないというような考え方から、かなり弾力的に捉えて、やはり最後は子供たちの社会的自立にどうつながっていくか。そのときに、学業というのは一つの要素になってくるわけです。そういうところで、学校に戻ってくることの対策ももちろん大事でございますし、あわせてそういういろいろな、必ずしも学校でない場においても、そういう学習を初めとする支援を、どのように今後広がりを持たせていくか、そういうことがこれからも課題として対策を考えていかなければならないと認識しております。  そういう意味では、プレ対策ももちろんなのですが、予防ということは、これは息の長い、ある意味で小学校から芽が出始めている子供に対して対応していくという初期対応、これも大事ですし、実際今そういう不登校状態になっている子供の対応、今申しました児遊の杜や杜のひろばでの対応ももちろんなのですが、アフターケア的にいろいろな指導、学習支援も含めて、不登校対策はまだまだ道半ばと認識しております。そういう点で、数字から言えば仙台の子供が年間1,000人を超すと、これも事実でございます。この数字に関しては、一気に解消できるわけではござませんが、とにかく少しでも取り組みを進めていくことで、不登校対策につなげてまいりたいと存じます。 259: ◯やしろ美香委員  それでは、続きましてICTを活用した授業の推進についてお伺いします。決算年度でのICT環境整備の内容についてお伺いいたします。 260: ◯教育指導課長  平成27年度におけるICT教育環境の整備内容といたしましては、例年どおり小中学校の校内LANの更新整備を行ったところでございます。 261: ◯やしろ美香委員  それでは、第2期教育振興基本計画で国が目標としている水準とその達成状況についてお聞かせください。 262: ◯教育指導課長  国の第2期教育振興基本計画で目標とされているICT環境整備の目標水準のうち、本市において達成しているものは、コンピューター教室への40台のコンピューター配備、超高速インターネット接続、教員1人1台の校務用コンピューターの配備、このことにつきましては目標水準に達してございます。  一方、1校当たり40台の可動式コンピューター、いわゆるタブレット端末等の整備、1学級当たり1台の電子黒板及び実物投影機の配備、全校への無線LAN整備等につきましては、未達成の状況でございます。 263: ◯やしろ美香委員  本市の教育振興基本計画というのは平成24年に出されているので、国の第2期教育基本計画が平成25年ですから、本市の計画にこの計画が反映されていないのはいたし方ないことなのですけれども、平成26年から国の財政措置として単年度で1678億円、4カ年ですので総額6712億円の財政措置がされていたにもかかわらず、本市で行われた整備拡充が校内LANだけだということは、ちょっといかがなものかなという気がしています。  本年度からモデル校にタブレット端末が整備されたということで、一歩進んだのかなと思いましたけれども、これは従来のコンピューター教室のパソコンの更新をタブレットに置きかえるというだけだったので、逆に一歩後退しているのではないかなという感を持っております。  それでは、ICT教育における教育的効果というものについてちょっとお伺いしたいのですが、文部科学省の全国学力・学習状況調査分析、平成25年、これによりますと、ICT活用に関する取り組みが進んでいる自治体の学校が、平均正答率が高いという結果が出ております。このように、ICT活用による教育の効果というものがもう明らかになっているのですが、本市の目指すICTを活用した授業、その教育的効果が出ると思われる授業の形というものは、どのようなものを想定していらっしゃいますでしょうか。 264: ◯教育指導課長  新しい次期学習指導要領の考え方も踏まえまして、児童生徒同士が互いの考えを理解し、自分の考えを深めたり発展させたりする学習の一層の充実を図る必要があると考えているところでございます。したがいまして、一斉授業における教員を主体としたICT活用だけではなく、グループ学習や個別学習における児童生徒を主体としたICTを活用した授業を通して、児童生徒の知識、技能の習得や思考力、判断力、表現力等の育成を図ってまいりたいと考えているところでございます。 265: ◯やしろ美香委員  それでは、そのような教育的効果が得られる授業をするとした場合、活用頻度、1日に何時間ぐらいICTを活用した授業があればいいのか、1週間に何時間なのかもしれませんけれども、その活用頻度について、またその授業をするためには、パソコン1台当たり何人の生徒で使うといった配置数、そういったものはどのようなものを想定されていますでしょうか。 266: ◯教育指導課長  国の懇談会の議論では、ICTを日常的に活用している学校では1日に1ないし2時間程度のコンピューターを活用した授業が行われていると報告がございます。児童生徒がICTに触れる機会をふやすことで、思考力や表現力の向上など教育的効果にも寄与すると考えられることから、本市におきましてもこれまで以上に年間を通してのICT機器を活用した授業の展開が求められてくるものと認識しているところでございます。  現在本市では、おおむね1校当たり1クラス分のコンピューターを利用している状況にあります。したがいまして、本市におきましても、コンピューター等の活用を図るための工夫などをさらに進めてまいりたいと存じます。 267: ◯やしろ美香委員  ただいま活用の工夫というお答えがありましたので、私からちょっと細かくなりますが、提案させていただきます。  本市では、教員用のコンピューターは1人1台が確保されていますが、各教室並びに特別教室への配備がなされておりません。これを例えば校務用コンピューターを、可動式のものにして教室に持ち込むことができれば、全ての教室でパソコンが使えますので、普通教室と特別教室のパソコンの達成率というのはクリアできます。  それから、電子黒板の整備率なのですが、本市においては266台ですので、1校当たり1台か2台というところなのだと思います。国の目標とするのは1学級1台なのですが、これを本市の大型デジタルテレビ、これは台数が3,474台ありますから、1クラス当たり1.2台あります。それから、プロジェクター、これが693台ありますから、およそ4クラスに1台あります。これに先生がクラスに持ち込んだパソコンをつなげることによって、ほぼ電子黒板の役割が果たせますので、そうすることによって電子黒板の整備率はクリアできます。  それから、実物投影機なのですが、本市では975台ですから、大体1校当たり4台ぐらいあると思うのですが、各学校で、総合学習などで子供たちがデジカメを持って学習をしたりしていますので、各学校には複数のデジカメがあると思われますので、この先生方のパソコンにそのデジカメをつないで、大型デジタルテレビもしくはモニターを使えば、ほぼ実物投影機の代用もできます。  先生方が持ち込むパソコンを、もし仮にタブレット端末とした場合、そのカメラ機能によって実物投影機はもう全く完璧に代用できます。表示拡大鏡モード、あとアプリを使えば画面への書き込みもできますし、教室内で移動して指導することもできます。価格は大体3万円から5万円程度です。大変お安くなります。そして、このタブレット端末に大型デジタルテレビもしくはプロジェクターをつなぐと、ほぼ電子黒板と実物投影機を合わせた活用ができます。ですから、この高い電子黒板と実物投影機を用意しなくても、タブレット端末さえあれば、今実際学校にある大型デジタルテレビをつなげることで、ほぼ国の目標とする整備率はクリアできるのですが、こういった今ある機材の活用というものはいかがでしょうか。 268: ◯教育指導課長  現在、各学校に整備されておりますICT機器について、例えば御指摘にもございましたが、教育用パソコンを特別教室での授業で活用したり、プロジェクターを大型デジタルテレビの代用にしたり、デジタルカメラを実物投影機がわりに活用したりするなど、そういった工夫をしながらさらに活用を図ってまいりたいと存じます。 269: ◯やしろ美香委員  それでは、細かい話になってしまったのですが、教育の情報化の推進の計画についてお伺いしていきたいと思います。  新学習指導要領に向けて、このようなICTの環境整備が大前提となっておりますので、もう待ったなしの状況です。具体的導入計画を策定すべきと思いますが、いかがでしょうか。 270: ◯学校教育部長  急速に情報化が進展する中、情報や情報手段を主体的に選択し、活用していくために必要な情報活用能力を育むことは極めて重要であり、ICTを活用した教育活動、そのための環境整備は本市における重要な課題であると認識しております。  平成29年度からの計画期間とする本市の第2期教育振興基本計画のための検討委員会におきましても、学校におけるICT環境の整備の重要性について御意見をいただいているところでございます。  今後、こうした御意見も踏まえながら、当計画の策定を進めるとともに、ICT環境の整備について検討を進めてまいりたいと考えております。 271: ◯やしろ美香委員  それから、新しく配置基準というものも考えていかなければいけないのですが、国ではコンピューター教室40台、プラス、可動式のパソコン40台ということになっているのですが、この80台では、本市で1,000人を超えるような学校では、なかなかその活用につながらないと思います。ぜひ今後の配備計画におきましては、1校当たりではなくて、生徒数も勘案した計画にしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。 272: ◯学校教育部長  ICT環境の整備につきましては、各校一律に整備するとなりますと、児童生徒数により各校間において1クラス当たりの活用頻度に差異が生じることとなりますので、学校規模に応じた配置整備も検討する必要があると考えております。 273: ◯やしろ美香委員  続いて、指導人材の育成と確保なのですが、特にプログラミング教育が必修化する小学校においては、基本的に学級担任が全ての教科を担当する担任制なので、研修制度の確立と研修時間の確保が必要となります。指導人材の養成と確保についてのお考えをお聞かせください。 274: ◯教育センター所長  指導する教員の研修といたしましては、これまでもICT活用研修を初め、情報に関する研修を充実させ、教員の指導力向上に取り組んでまいりました。  また、平成24年度からは現場の先生方と有識者とで構成する教育の情報化研究委員会を立ち上げまして、仙台市の情報教育の現状と課題に対応した実践研究に取り組んでおります。その研究の成果につきましては、毎年教育センターで行われます研究発表会において発表するとともに、リーフレットにまとめて市内全ての教職員に配付しまして、指導の際の参考として活用されております。  また、ことし6月、文部科学省でまとめられました小学校段階におけるプログラミング教育のあり方についてを受け、教育の情報化研究委員会におけます研究の一環として、プログラミング教育の実践研究等について検討しているところでございます。 275: ◯やしろ美香委員  プログラミング教育の実践研究が始まったということですが、やはり新たな教科になりますので、その指導方法や教育教材の開発というものが必要になってまいります。この場合、仙台市の内部人材だけで可能なのでしょうか。今までのように大学等研究機関との連携が必要と思いますが、いかがでしょうか。 276: ◯教育指導課長  これまで大学との共同により実施してきたモデル授業におきましては、タブレット端末を活用して、大型デジタルテレビに資料を投影して、その資料のポイントを確認したり、グループ活動で行った調査や取材をもとにビデオレターを作成するなど、授業におけるICTの有効活用の研究を行ってまいりました。また、ICTを活用したよりわかりやすい授業を行うための教材の開発についても研究してきたところでございます。  今後も大学と連携し、専門的見地からの御意見をいただきながら、一層研究を進めてまいりたいと存じます。 277: ◯やしろ美香委員  最後になりますが、ICT支援員の養成についてお伺いいたします。  国の第2期計画では、ICT支援員を配置することとなっておりますが、本市ではまだ配置されておりません。今後、プログラミング教育が導入されますと、現在の支援員というのは、どちらかというと接続であったりとか、操作方法とかの技術的な支援を主にしているのが他都市の例なのですが、今後は授業に対する補助、授業支援というものが必要になってくると思います。より内容が高度化すると思うのですが、本市においてICT支援員を、どのような支援を想定しているのか、また養成に必要な期間、必要人数、外部人材の活用等々、そのお考えをお聞かせください。 278: ◯会長  時間を延長いたします。 279: ◯学校教育部長  ICT機器や無線LAN等の整備とともに、トラブルへの速やかな対処や授業での効果的な活用方法等について、教員や子供たちを支援する取り組みというものも必要になってまいります。ICT支援については、人材の確保などの課題もあることから、まずは今後ICT環境整備とあわせて検討してまいりたいと考えております。 280: ◯やしろ美香委員  仙台市ICT利活用方針の中に、ICTは行政運営に欠くことのできないインフラという記述があります。教育にとってもICTはインフラです。子供たちの育ちにとって絶対に欠かすことのできないインフラなんです。ですので、教育長、いかがですか、これからの整備についてお考えをお聞かせいただいて、最後の質問とさせていただきます。 281: ◯教育長  特にタブレット等を中心とするICT環境の整備というのは、仙台、若干説明的になるかもしれませんが、震災後なかなかそこに取り組んでいけませんでした。  復興5年が過ぎて、今おくればせながら、このICT環境の整備、これについて私どもも、先ほども申しましたが、ちょうど来年、平成29年度以降が教育振興基本計画の改定にも当たりますことから、その中でやはり今情報化社会が急速に進展する中、子供たちが賢く使う、そして先生たちも賢く指導していくということが、やはり手法の一つ、ツールと考えます。  そういう点で、この点については一定程度、やはり相当の環境整備を伴う予算も必要となりますことから、今後十分検討してまいりたいと存じます。 282: ◯会長  お諮りいたします。自由民主党の質疑の途中ではありますが、本日の審査はこの程度にとどめ、残余は来る30日に行いたいと思いますが、これに御異議ありませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 283: ◯会長  御異議なしと認めます。なお、30日は午後1時より当特別委員会室で開会いたします。本日はこれをもって散会いたします。...