音楽教室などでは、早期教育によって絶対音感を手に入れられるように推奨してきましたが、最近の脳科学の研究では、この絶対音感教育が、子供の脳に与える影響が決して好ましいものばかりではないことが明らかになってきました。
絶対音感をつかさどっているのは、左脳の言語野と呼ばれる部位なのですが、絶対音感を手に入れた人たちの左脳が発達して、右脳よりも大きくなっているとかつては思われていました。ところが、最近の研究で、実は右脳の発達を阻害している可能性があると指摘されたのです。芸術を目指すつもりが、感性に大きく影響すると言われる右脳の発達に悪影響があるという結果は、音楽好きな私にとってもかなりの衝撃的な事実でした。
このように、これまで正しいと思われていたものが、最新の研究では全く逆の研究結果が出ることがあります。以前から、脳科学の研究成果を学校教育に取り入れるべきではないかと提案してきましたが、このように子供たちに悪影響を与える危険性等々、最新の研究結果を本市の学校教育に取り入れていくことは、東北大学、
宮城教育大学等の研究機関を有する我が仙台市の利点を生かした本市独自の教育につながると思います。本市の教育について、東北大学や
先端科学技術研究所や加齢研等との連携、協力は行われているのでしょうか、お伺いいたします。
本市の
教育振興基本計画では、その基本方針に沿った取り組みを効果的に進めるために念頭に置く点として、仙台の資源を生かすこととしています。その資源とは、歴史や伝統、豊かな自然はもとより、大学や企業の集積、市民主体の広範な活動なども含むとされていますが、現在、各大学などで開催されている公開授業やイベントなど、さまざまな取り組みを授業として活用することは可能でしょうか、あわせてお伺いいたします。
また、アメリカの美術館や博物館などの施設を見るときに一番驚くのは、その駐車場に待機しているスクールバスの多さです。中では、子供たちが有名な美術品の前でスケッチをしていたり、巨大な剥製の前で解説員の話を聞く姿が見られたりもします。本市において、このような美術館、科学館、天文台、動物園、水族館などを活用した授業はどの程度行われているのでしょうか。
また、その移動には公共交通は使われているのでしょうか。修学旅行などで仙台を訪れた東北各地の小中学生が、緊張ながらも楽しそうに地下鉄に乗っている姿を見ると、とてもほほ笑ましく思います。地元の子供たちでも、地下鉄のない地域に住む子供は、余り乗る機会がありません。マイカーを持つことが当たり前の生活では、路線バスに乗る機会もめったにありません。
乗車マナーなどの社会のルールは、教室で学ぶよりも、体験を通して身につくものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
このように、学校外での多様な学習機会の創出のために授業時間をふやしたり、たくさんの経験を積み重ねることは、学習効果だけでなく、
ふるさと仙台市への愛着、そして誇りにもなるでしょう。仙台市独自の教育を目指すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
次に、これらを検討する立場にある
教育委員会の活動とその実績についてお伺いいたします。
昨年四月に法改正がなされ、新
教育委員会制度が誕生しました。
総合教育会議の設置により、地域の民意を代表する首長の教育行政における権限と責任が強化されましたが、教育に関するさまざまな問題は、仙台市
教育委員会がその検討機関として最上位にあることは変わりありません。
改正地方教育行政法では、会議の透明化のために、原則として会議の議事録を作成し、公表することとしました。このような会議の透明化は、
教育委員会の審議の活性化につながるものと期待されていますが、仙台市
教育委員会の現状として、年間どの程度の会議が開かれているのでしょうか、お伺いいたします。
地方自治体における
教育委員会には、住民の
教育ニーズを伝達するといった役割も持つものですが、市民の声を反映させるために、どのような取り組みがなされているのでしょうか、お伺いいたします。
仙台市の教育における最重要課題は、教育大綱にも記載されているように、いじめ問題です。本市の中学一年生男子生徒が、いじめにより自死を選択した痛ましい事案が公になってから一年が過ぎました。
教育委員会や
総合教育会議でも議論がなされているようですが、現在までの検討の次第と結果をお知らせください。
以前の一般質問におきまして、
いじめ防止条例の制定を提案させていただきましたが、そのときにも言及いたしましたように、いじめ問題は教育だけの問題ではないということ、市民全体の意識が改革されていかなければ解決しないということは、市長の御同意を得たものと思っておりましたが、行動としてはあらわれていないようです。
過日、ネットを見ておりましたら、いじめをなくす方法が提案されていました。子供がいじめに遭ったら、すぐ医者に行って診断書をもらうこと。もちろん心の問題でもありますので、精神科の診断書も必要になるでしょう。その診断書を持って警察に行き、被害届を出すこと。子供といえども立派な犯罪です。警察には、少年犯罪を担当する部署があります。不幸中の幸いかもしれませんが、少年法の改正により、少年犯罪は厳しく罰せられるようになりました。いじめを犯罪として、法をもって処罰することが、いじめをなくす最も簡単な方法だというのです。
いじめ対応の最初のアプローチが、学校ではなく警察という点には、
学校関係者は落胆されることと思いますが、学校は当てにならない、学校は子供の味方ではない、
教育委員会も子供の味方ではない、だったら子供の味方になってくれそうな警察に頼るというのは、いじめに苦しむ被害児童や親にとって至極当然な思考かもしれません。
市民の協力なくしていじめはなくなりません。
教育委員会任せにしないこと。市民全体の問題として捉え直すこと。そのためにも、市民を巻き込んだ
いじめ防止条例の制定が必要だと考えますが、いかがでしょうか、市長の御見解をお伺いいたします。
続いて、教育の点検、評価に関して伺います。
本市におきましても、平成十九年に改正された
地方教育行政法によって義務づけられた教育に関する事務の管理及び執行状況の点検及び評価が行われております。毎年配布されるこの報告書を見ますと、実に多くの点検、評価が行われています。
小中高等学校、各種学校や生涯教育など多岐にわたる分野について、事務局で点検、評価に当たっていると伺いましたが、どのような作業で点検、評価が行われているのか、その現状をお知らせください。
また、法律によって、点検、評価に当たっては、
学識経験者の知見を活用することとされていますが、人数等の定めはありません。本市においては、二名の
学識経験者に全ての項目に対する意見をいただいておりますが、異なる専門性を持つ有識者を増員し、それぞれの専門分野に関する意見をいただくことによって、より議論が深まり、有効な教育施策につながるものと思いますが、いかがでしょうか。
また、この点検、評価の結果報告書は、議会に提出するとともに、公表しなければならないとされています。レイマンコントロールの仕組みにより、広く地域住民の意向を反映した
教育行政実現のために、この点検、評価によって市民への説明責任を果たすことを目的にしています。この目的は達成されているのでしょうか、どのような方法で市民に公表しているのか、お答えください。
この点検、評価は、本市の
教育基本計画に基づき展開している教育施策に対するものですが、設定した成果指標及び目標値等については、社会情勢の変化等を踏まえて適宜見直しを行い、必要に応じて追加、修正を行うとされていますが、これまでに、見直しや追加、修正はされてきたのでしょうか。教育改革に向け、確実になった
学習指導要領や試験制度の変更は、まさに社会情勢の変化であり、見直しや追加、修正は急務であると考えます。いかがでしょうか。本市における効果的な教育行政の推進に資する点検、評価について、市長の御見解を伺います。
次に、
消費者教育のあり方について伺います。
これまでも
消費者教育については、さまざまな観点から質問、提案をさせていただきましたが、子供たちを取り巻くバーチャルな世界の危険性については、大人たちの理解がなかなか進みませんでした。この夏休みには、
ポケモンGOが日本でもリリースされ、連日のニュースやワイドショーなどで取り上げられる大ヒットとなりました。親子や祖父母と孫が、スマホを見ながら町なかを歩き回り一緒にゲームをすることで、これまで大人が気にもとめなかった
ネットゲームの危険性が注目されるようにもなりました。
子供たちが知らぬ間に巻き込まれてしまうゲーム、SNSへの課金やそこでの出会いなど、架空の状況で教えるのではなく、具体的に子供たちが興味を持ちやすいヒットしているゲームを通じて、ネットとお金や人間関係など、より具体的な危険性を効果的に教えることができると思いますが、いかがでしょうか。
これと同様に、家庭で持ち上がる問題。例えば家やマンションの購入、クレジット払い、リボ払い、保険や
ネットショッピングなど、家庭で話題になるキーワードもきちんと教える必要があるのではないかと思います。
最近では、失業保険や年金制度も話題です。大人でもきちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか。かくいう私も、政治の世界に入るまでは曖昧な知識しか持っていませんでした。詐欺に遭わないようにするためには、その仕組みを知らなければなりません。日々進化する特殊詐欺の実態は伝わっているのでしょうか。そのような教育が、より具体的に常にアップデートされた状態で行われているのか、伺います。警察などとの情報交換をどのようなシステムと頻度で行っているのか、それが教育現場でどのように生かされているのかをお知らせください。
続いて、福祉施策についてお伺いいたします。
女性の
就業人口増により、日本中で問題となっている
待機児童対策ですが、晩婚化、高齢化により、育児と同時に介護が始まる
ダブルケアもあらわれ始めました。
東京都の小池知事は、
待機児童解消のために大なたを振るったようですが、
待機児童対策に取り組む自治体は数多くありますが、施設入居を待つ
高齢者対策については余り取り組みが進んでいないように思います。急速に進む
高齢化社会においては、待機児童問題よりも深刻な問題になるのではないでしょうか。
少子化の社会では、子供の数が急激にふえることはありませんが、高齢者の数は今後も確実にふえていきます。待機児童の場合、学齢期に達すれば、自動的に施設の定員にあきが出るので、ある程度の予測はつきますが、高齢者の場合はそうはいきません。失礼な言い方ですが、天寿を全うするまでの期間は計算できないからです。また、ある日突然、施設入所が必要になることもあります。
本市においては、仙台市
高齢者保健福祉計画・
介護保険事業計画に基づいた施設整備が順調に進んでおりますが、高齢者の不安は健康面だけではありません。施設入所に当たって、経済的不安を訴える高齢者も少なくありません。
最近、大手銀行が次々と参入し話題になっている
リバースモーゲージという制度があります。一九八一年に武蔵野市が全国に先駆けて導入し、世田谷区や神戸市などの自治体、また信託銀行も導入したもので、高齢者の持ち家を担保に融資を受けて、借りたお金は死亡時に自宅を売却することで一括返済する仕組みです。我が国の高齢者の
預貯金残高と資産状況などを考えると、十分に可能性のあるやり方ではないでしょうか。
厚生労働省の調べでは、六十五歳以上の単身あるいは夫婦のみで暮らす世帯は、一九七〇年代では九十六万世帯で、全体のわずか三%だったものが、二〇一〇年には一千八十一万世帯で全体の二〇%に達し、二〇二〇年には三〇%超になるとのデータが出されています。今後ますます増加する
空き家対策にも効果が見込まれる制度ではないでしょうか。
現状では、対象エリアや住居形態などの制限があり、全ての高齢者が利用できる制度にはなっていませんが、新たな枠組みとして、金融や
福祉サービスを担当する
民間事業者と行政が協力し、
リバースモーゲージのような資産活用をした方に対し、住まいの確保とあわせ、必要な
福祉サービスが総合的に受けられる仕組みを検討してはいかがでしょうか、市長の御見解を伺い、私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
5: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの
やしろ美香議員の御質問にお答えを申し上げます。
いじめ防止条例についてでございます。
いじめ問題は、本市の教育行政における最重要課題であり、私自身も
総合教育会議の場で
教育委員会とその対策に関する議論を重ね、昨年十二月に策定した教育大綱において、
いじめ撲滅に向けた施策の総合的な推進を基本方針に位置づけたところでございます。
条例制定との御提案でございますが、本市では、
いじめ防止対策推進法の施行を受け、学校、家庭、地域、その他関係機関との連携のもと、いじめ問題の克服に向けて取り組むよう、仙台市
いじめ防止基本方針を策定し、取り組みを進めているところでございます。
私としては、自死事案の発生を重く受けとめ、まずはこの基本方針により、学校や保護者を初めとした地域社会全体で、子供たちを見守り育んでいくことができるよう、
教育委員会や関係機関ともしっかり連携をして、
いじめ防止対策に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
6:
◯市民局長(寺田清伸)私からは、
消費者教育についての御質問にお答えをいたします。
インターネット上のゲームやSNSを舞台に、
ワンクリック詐欺や高額請求などの被害が全国的に多発しており、中には、子供が犯罪や深刻なトラブルに巻き込まれる例もございます。
このような被害の防止に向けて、宮城県警察とは、少年を
ネット犯罪から守るための連絡会議を初め、年に五回程度、最新の手口や被害情報を共有する場を設けているところでございます。
また、
学校教育関係者とは、
消費者教育連絡会議において、情報交換や啓発手法などの協議を行い、今年度は児童や教員向けの情報誌やチラシに加え、親子で消費者問題について話し合うきっかけとなるようなパンフレットを配布することとしております。
今後も、
教育委員会と連携し、
ネットゲームやSNSの危険性はもちろんのこと、消費生活にかかわるさまざまな話題が、より身近に感じられる効果的な啓発手法について検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。
7:
◯健康福祉局長(佐々木洋)私からは、高齢者の住まいと
福祉サービスの確保についてお答えいたします。
ひとり暮らしや高齢者のみの世帯が増加する中、住みなれた地域で安心して生活を送るためには、そのニーズに合わせた多様なサービスや生活支援の提供に加え、住まいの確保は今後ますます必要性が高まってくるものと認識しております。
本市では、高齢者が介護を必要となっても安心して生活ができるよう、
特別養護老人ホーム等の整備、
在宅サービスの充実等に鋭意取り組んでまいりました。
御提案の手法も参考にしながら、今後とも、高齢者の多様な
居住ニーズに対応できる
福祉サービスの充実及び住まいの確保に努めてまいります。
以上でございます。
8: ◯教育長(大越裕光)私からは、教育に関する数点の御質問にお答えいたします。
初めに、
東北大学等との連携、協力についてでございます。
本市におきましては、これまでも在仙の十一の大学と連携、協力を進めてきておるところでございます。その中でも、平成二十一年度に
東北大学加齢医学研究所と協定書を締結し、確かな学力育成のための重要な要素である学習意欲の解明に向けて、脳科学や
認知心理学の観点から分析、検証を行う共同研究を進めてまいりました。
これまでの成果として、生活習慣や人間関係が学習意欲と関連していることや、携帯電話や
スマートフォンなどの使い過ぎが学力に悪影響を与えることなどが明らかになっており、各学校では、この新たな情報を活用し、保護者と連携を図ったり、授業に取り入れたりしているところでございます。
引き続き、東北大学との研究を推進し、明らかになったことを本市の学校教育に積極的に生かしてまいりたいと存じます。
次に、大学の活動を利用した授業の増加についてでございます。
本市では、大学との連携を図りながら、小中学生の
理科的分野への興味、関心を高めることを目的として、
子ども科学キャンパスや大学探検などの事業を行っております。また、各学校では、必要に応じ、理科学習の出前授業を大学に要請するなど、さまざまな連携を推進しております。
小中学校において、教科等の目標に照らし合わせながら、児童生徒の発達段階や実態に応じて、大学の専門的な知見や技術、人材等を授業に取り入れることは、児童生徒の興味、関心や思考力を高める授業を構成する上で大切な視点であると考えております。
次に、美術館等を利用した学習についてでございます。
本市におきましては、全ての中学校で二年生が科学館、一年生が天文台を利用した学習を行っております。また、その他博物館、地底の
森ミュージアム、縄文の森広場、
歴史民俗資料館、美術館、動物園、水族館などにつきましては、それぞれの学校において遠足や校外学習などで利用し、教科学習との関連を図りながら、体験学習を通して気づいたことなどをまとめたり、発表し合ったりするなどの活動の充実を図っているところでございます。
次に、
公共交通機関の
乗車マナーについてでございます。
各学校におきましては、総合的な学習の時間や社会科などの校外学習、修学旅行の自主研修などで、バスや地下鉄などの
公共交通機関や公共施設などを利用する機会がございます。これまでも、このような実体験の機会を捉え、各学校では
乗車マナーについて指導を行っているところでございます。今後も家庭との連携を図りながら、このような社会のルールを子供たちに身につけさせてまいりたいと存じます。
次に、本市独自の教育の推進についてでございます。
本市におきましては、人や社会とのかかわりを大切にしながら、児童生徒の将来の社会的、職業的自立を目指した
仙台自分づくり教育や、震災を教訓とし、独自の副読本を活用した
仙台版防災教育の充実を図るなど、特色ある施策の推進に努めているところでございます。今後も、これまで積み重ねてまいりました
仙台ならではの特色ある施策を、さらに展開、拡充してまいりたいと存じます。
次に、
教育委員会の
会議開催状況についてでございますが、平成二十七年度におきましては、月一回の定例の会議と臨時の会議を合わせまして、二十四回開催したところでございます。
次に、市民意見を反映させる取り組みについてでございますが、例えば、
教育振興基本計画等各種計画の策定に当たりましては、
学識経験者に加え、
PTA役員等幅広い外部委員による委員会を設け御意見を伺うほか、
パブリックコメントを実施するなど、その目的に応じた手法により市民の御意見を取り入れてまいったところでございます。今後とも、市民の御意見が反映される教育行政となるよう努めてまいりたいと存じます。
次に、いじめ問題に関する
教育委員会、
総合教育会議での検討状況と結果についてでございます。
教育委員会におきましては、自死事案について報告するとともに、
いじめ問題専門委員会の答申を受け再発防止を検討し、学校における取り組みを指示しております。
さらに、平成二十八年度に向けた新規事業について協議し、
いじめ専任教諭の配置や二十四時間
いじめ相談電話の開設など、今年度の
教育委員会の最重点事業である
いじめ防止対策を決定したところでございます。
総合教育会議におきましても、いじめ問題について協議しており、さらに教育の振興に関する施策の大綱の策定に当たりましても、市長と
教育委員会が
再発防止策やいじめ問題への取り組みについて十分な意思疎通を図り、共有しているところでございます。
次に、点検・
評価報告書に関してでございます。
まず、点検・
評価報告書作成の作業の現状についてでございますが、毎年二月から五月末までの間に、教育局の各
事業担当課におきまして、それぞれの事業の実施状況を取りまとめ、その効果を検証の上、課題に対する改善の方向性を見定めるなどの自己評価を行っております。
次に、
学識経験者の知見の活用についてでございます。
今年度のお二人の
学識経験者は、学校教育と生涯学習を御専門とする方であり、それぞれのお立場から全ての施策分野に的確な御意見をいただいているものと考えております。お二人には、専門に限らない多岐にわたる分野の評価をお願いしており、
学識経験者に御負担をかけている面もございますことから、知見の活用のあり方につきましては、今後検討してまいりたいと存じます。
点検・
評価報告書の公表についてでございます。
毎年、市議会への提出後、
教育委員会ホームページへの掲載に加え、市政情報センターにおいて閲覧いただけるようにしているほか、市政だよりにも点検、
評価報告書を公表したことを掲載するなど、市民の皆様への周知に努めているところでございます。
最後に、点検・
評価報告書における成果指標等の見直しについてでございます。
点検・
評価報告書は、本市の
教育振興基本計画の進捗管理に活用しており、その成果指標や目標値につきましては、基本計画の最終年度である平成二十八年度末までに達成すべきものとして設定しております。
これまでも、既に目標値を上回った項目につきましては、その都度、適正な目標値に上方修正するとともに、成果指標につきましても、国の動向等に応じて追加や修正を行っているところでございます。
現在、策定作業を進めております第二期仙台市
教育振興基本計画では、社会情勢の変化や国の教育制度改革を踏まえることとしており、その進捗管理として行う点検、評価につきましても、成果指標等の見直しも含め、より効果的な教育行政の推進に役立つものとなるよう検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。
9: ◯十三番(
やしろ美香)本市独自の教育について一点、市長にお伺いしたいと思います。
今、教育長からいただいた御答弁、あくまでも教育指導要領の範囲の中で行われている教育のように私は伺いました。この
学習指導要領というのは、全国どこの地域においても、一定水準の教育を受けられるようにすることが目的とされているのがこの指導要領でありますが、奥山市長のお名前で出されました教育振興に関する施策の大綱、本市の教育大綱においては、これからの人口減少社会においては、都市の魅力や活力を高めることに教育は必要であるというふうにおっしゃっております。
その中で、本仙台市の歴史や伝統文化、食、その他もろもろのことを教育していくことが、これからの仙台市のために必要だというふうにこの大綱の中にはあるんですが、市長どうでしょうか、この教育指導要領を超えたところの教育がなされないと、市長の大綱で目指す仙台市の未来を支える子供の教育にはつながらないような気がするんですが、その点、市長の御見解よろしくお願いいたします。
10: ◯市長(奥山恵美子)本市独自の項目、例えば仙台市の歴史でありますとか自然でありますとかさまざま文化、そういったものを子供たちがしっかりと教育活動を通じて身につけ、また、自分たちもそれについて興味、関心を深めていけるような力を持つということ、それは極めて大事なことだというふうに思っております。
教育指導要領は、お話しのとおり、大きな形として子供たちの学習目標を提示し、また、教科書の内容等についても、その方向性でありますとか分野などについても定めたものでございますけれども、それぞれの地域性に応じて、その枠組みや目標を踏まえつつ工夫を重ねると。これは現場に委ねられているものでありまして、先ほど教育長から答弁申し上げましたように、仙台市の
教育委員会においても、さまざまなそうした取り組みを進めているところではございますが、なお、そうした歴史、文化、郷土についてしっかりと子供たちが学べるように、私も
教育委員会とともに力を尽くしてまいりたいと考えております。
11: ◯議長(岡部恒司)次に、木村勝好さんに発言を許します。
〔五十一番 木村勝好登壇〕(拍手)
12: ◯五十一番(木村勝好)発言のお許しをいただきました木村勝好です。私は、当面する市政の諸課題について、市長並びに御当局に質問するいたすものであります。
質問の第一は、市役所本庁舎の建てかえ問題についてであります。
本年四月に発生した熊本地震は、最初に震度七の前震があり、その二日後に同じく震度七の本震があって、その後、長期間にわたって余震が続くという異例の展開を示しました。
この地域にとっては、まさに想定外の事態であり、それが被害をさらに拡大させることになりました。この地震によって、五つの自治体で庁舎が損壊し、立入禁止や使用停止の事態に陥りました。これが、各地域における救助活動や復旧活動に支障を来しただけでなく、その後の行政サービスをも低下させ、住民に多大な迷惑をかけたことは御案内のとおりであります。
各自治体の本庁舎は、大震災など緊急事態の際には、住民の生命や財産を守るための救助や復旧の司令塔ともなるべき施設です。それが、地震などによって損壊し、立入禁止などの状態に陥って、救助や復旧に支障を来したり、行政サービスを低下させて住民に多大な迷惑をかけることなど、本来はあってはならないことであります。
これまで行政側は、ともすれば本庁舎を職員のためのオフィススペースとして捉え、世論に配慮して必要な建てかえも後回しにしようとしてきたのではないでしょうか。しかし、今や、こうした従来の発想は転換されなければなりません。市役所本庁舎は、職員のための単なるオフィススペースではありません。想定外の大災害が発生しても、救助や復旧の司令塔としてその機能を遺憾なく発揮し、市民の生命と財産を守るとりでともなるべきことが第一義的に求められている施設であると考えます。まず、この点について市長の御見解を求めるものであります。
現在、こうした観点をも踏まえて、本市以外の複数の政令市、すなわち横浜、京都、川崎、千葉の各市においても、市役所本庁舎の建てかえなどについて検討を進めているところであります。
私は、先日、その中で最も進んでいる横浜市を視察し、市役所の担当者から説明を受けるとともに、建設現場も見てまいりました。横浜市は、現在の関内地区ではなく、みなとみらい地区にほど近い北仲通南地区に、地上三十一階、地下二階、延べ床面積十四万平方メートル余りの新庁舎を、建設費約六百七十九億円で建設することとし、既に昨年十二月に落札業者を決定したところです。
新庁舎の場所は、みなとみらい線の馬車道駅から徒歩一分、JRの桜木町駅からも徒歩五分の場所であり、その完成及び供用開始は、東京
オリンピックのある二〇二〇年の六月とのことであります。