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平成28年第1回定例会(第5日目) 本文 2016-02-22
平成28年第1回定例会(第5日目) 名簿 2016-02-22

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  1. 仙台市議会 2016-02-22
    平成28年第1回定例会(第5日目) 本文 2016-02-22


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(岡部恒司)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第五号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(岡部恒司)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十七条第一項の規定により、村上かずひこさん及び跡部薫さんを指名します。          ────────○────────     日程第二 一般質問 3: ◯議長(岡部恒司)日程第二 一般質問を行います。  順次発言を許します。  まず、佐々木心さんに発言を許します。     〔二番 佐々木心登壇〕(拍手) 4: ◯二番(佐々木心)自由民主党の佐々木心です。議長のお許しをいただきましたので、大綱三点について順次お伺いします。  最初に、G7仙台財務大臣中央銀行総裁会議についてであります。  昨年の第三回定例会でも種々質問させていただきましたが、政策重点化方針二〇二〇の柱の一つである東西線開業を契機とした都市の楽しさを創造するまちづくりの中で、ことし五月二十日、二十一日にG7仙台財務大臣中央銀行総裁会議の開催に向けて機運が高まる秋保地区については、受け入れ環境を整備するとともに、歴史や伝統文化、自然、そして宮城、仙台の食材などを生かした和食など、すぐれた観光資源を世界のメディアを通じ発信していく絶好の機会でもあります。  現在、歓迎レセプションの開催や語学ボランティアの派遣、地域住民への説明など、開催に向けて着実に準備がされていることを認識しているところでありますが、開催に当たりましては、日本人の心の限りを尽くした万全のおもてなし体制で各国の皆様を迎えていただきたいと存じます。  そこで初めに、前日開催の歓迎レセプションや宿泊先等において、宮城、仙台の海の幸、山の幸の食材を生かしながら、仙台が誇る和食調理人のたくみのわざを生かした食のおもてなしとして、ユネスコ無形文化遺産でもある和食の魅力を全世界にアピールしていただくことを切望しますが、国との調整を含めどのようにお考えかお伺いします。  開催場所となる秋保地区には、国指定重要無形民俗文化財ユネスコ無形文化遺産の馬場田植踊、長袋の田植踊、湯元の田植踊や、県指定無形民俗文化財の滝原の顕拝や、市指定無形民俗文化財馬場愛宕神社神楽市登録無形民俗文化財秋保神社神楽の伝統芸能が多くあり、歓迎レセプション等で披露していただき、開催地区秋保の風土と文化の理解を深めるものとしてぜひ企画していただきたいと考えますが、御所見をお伺いします。  次に、語学ボランティアの要請をしている件について、通訳者の英語はもちろんですが、どのような言語に対するボランティアを要請しているかをお聞かせください。
     また、秋保、仙台の魅力を語学ボランティアの皆様を通じ、サミット参加関係者へ、秋保地区の風土や文化、そして仙台の魅力などを発信していただくためには、語学ボランティアへの研修のあり方も重要であると考えますが、御所見をお伺いします。  開催場所の秋保湯元地区は、主要地方道仙台山寺線県道秋保温泉線県道秋保温泉川崎線等、片道交通二車線の道路であり、秋保地区住民にとっては生活道路でもあります。開催期間の交通規制に伴う生活支障への御理解、その周知の徹底が必要であると考えますが、秋保地区全体地域への説明会の開催など、周知方法のあり方とその時期をお伺いします。  秋保地区のG7仙台財務大臣中央銀行総裁会議の開催や本年三月二十六日の北海道新幹線開通、七月からの仙台空港民営化のスタート等、仙台にとっても外国人観光客のさらなる誘致に向けた取り組みも強化していくものとして文化観光局ができることになります。東日本大震災により減少した仙台市における外国人観光宿泊客の現状と今後の目標を含めたインバウンドによる観光振興施策について、新設される文化観光局が主導になった今後の取り組みをお聞かせください。  仙台が持つ観光資源においては、私たちから見たよさと外国の方から見たよさは違う場合もあります。今後の施策の展開として、限られた予算の中で外国人観光客に特化した効果的なインバウンド対策を行う意味からも、最重点地域を定め、教育旅行やインセンティブツアーの誘致を図るべきであると考えますが、最重点地域とその施策の今後の展開についてお伺いします。  次に、妊婦一般健康診査に対する助成制度についてお伺いします。  本市の妊婦健康診査の制度の変遷を振り返ってみると、平成十年度から一般財源化になり、当時は、前期、後期の二回の受診券方式で実施しておりました。平成二十年度からは十回までの助成券方式に改正され、当年七月には里帰り等で宮城県外の医療機関で受診した場合の償還払いの助成も開始し、平成二十二年度にはヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV─1)抗体検査に対する助成を開始しました。  現状は、平成二十六年に消費税率の引き上げに伴い助成額を変更し、一人当たり助成上限額は、初回券一万八千五百十四円、第二回から十四回券五千六百五十八円、HTLV─1抗体検査二千二百六十三円の総額九万四千三百三十一円になっております。  健診内容は、初回はさまざまな項目があります。問診及び診察(超音波検査)、血圧、体重測定、尿化学検査、子宮頸がん検診、ABO血液型・Rh血液型検査、不規則抗体、梅毒血清反応検査B型肝炎抗原検査C型肝炎抗体検査、グルコース、貧血、HIV抗体検査クラミジア抗原検査風疹抗体検査などがあります。また、二回目以降は問診及び診察(超音波検査)等の定期的な健診が行われます。  今日までの議会等での議論や本市の理解ある取り組みでここまでの改善に、子育て世代として感謝するところであります。  そこで、健診費用が助成上限額を上回った場合、差額分は自己負担になりますが、現状そのようなケースになられている方はどのくらいの割合になっているか、その割合に対する見解とあわせてお伺いします。  また、来年には消費税が一〇%に上がる予定でありますが、現時点において平成二十六年のときのように同様の対応を検討されているのかお伺いします。  次に、さまざまな健診項目がありますが、胎児心エコー検査についてお伺いします。  文字どおり胎児の心臓の超音波検査であります。この検査の意義は、単に胎児の心疾患を診断するだけでなく、心臓病がないことをはっきりさせることで、生まれてくる子供に対する御両親のたくさんある不安を少しでも軽減させることにあります。  仮に重篤な心疾患を胎児期に発見したときには、心のケアを含め御両親に十分な時間をかけて包括的に説明し、生後すぐに処置が必要な疾患では、生まれた後の子供の受ける医療の内容を説明し、生後に予想される変化をどの時期にどのような治療を行うのが最もよいのか、手術を行うとした場合にはどの施設で行えば等の予想される準備対応ができます。  もっと簡潔に言うのであれば、この検査を受けることで、医学の発展により未来への希望となる多くの助かる命の可能性が格段に高まります。これは、仙台市のホームページに記載してある「妊婦健康診査は、すこやかな出産を迎えられるよう、赤ちゃんの成長や妊婦さんの体調を確認するために、また、病気などに早く気付き対応するために、定期的に受けることが必要です」の考えに合致するものではないでしょうか。  この検査がまだまだ一般的に認知されていないことも踏まえ、本市での胎児心エコー検査の現状の認識と整理すべき課題などがあればお聞かせください。  また、病院によって費用負担の変動がありますが、助成金を組むことも検討の価値があると考えますが、お伺いします。  最後に、十八歳選挙権に対して本市の取り組みについてお伺いします。  昨年六月に公職選挙法が改正され、施行日である本年六月十九日以降に行われる選挙から選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられ、この夏の参議院選挙から適用される見込みとなっております。高校三年生でも十八歳に達した生徒が実際に選挙権を行使する日が迫っております。  近年、各選挙のたびに投票率の低下傾向が続き、特に若い世代の投票率が低調であると言われる中で、さらに若い世代まで選挙権年齢が拡大するわけですが、若い世代の政治や選挙に対する意識を高めていくことは投票率の向上の必須の要件であると考えます。  新たに選挙権を得る若い世代に対して、みずからの人生の中で最初の選挙に参加する、その動機づけが大変重要であり、その一票の大切さを感じてもらうことで今後継続した投票行為にもつながると考えますが、広報活動も含め選挙管理委員会としては具体的にどのような働きかけを行っているのかをお伺いします。  十八歳に達した生徒は、選挙権を得ると同時に選挙運動を行うことができるようになります。選挙運動には、公職選挙法上さまざまな制限があり、生徒が意識せずに法律で禁止されている行為を行うことが危惧されるところであります。政治や選挙に熱心に取り組んだことが裏目になって法律違反に問われるようなことがあってはならないし、本人の将来にマイナスになるようなことは避けなければなりません。  具体的にどのようなことが許され、どのようなことが禁じられているかを、高校生にもわかりやすいように、選挙運動の仕組みも啓発活動の中に盛り込むべきと考えますが、御所見を伺います。  また、学校生徒が選挙権を持つ上で、教育環境の政治的中立性の確保も重要なことであります。  昨年十月には、宮城県柴田農林高校の社会科学部が行った時事問題に関する校内アンケートで、安保関連法案をめぐる設問に、安保関連法、括弧書きで戦争法の目的はアメリカが行う戦争の肩がわりと言われるが、どう思うかという不適切な表現があり、学校側が生徒と保護者らに謝罪。さらには、昨年十二月、埼玉県春日部市の市立中学校の男性教諭が九月に、ホームルームで安全保障関連法への反対デモを取り上げた共産党機関紙のコピーと安倍首相の七十年談話を欺瞞と批判する文書を配付、その後、校長が教諭を指導したが、十二月に再びマイナンバー違憲訴訟の記事を張り、国家による管理、統制、つまりは昔歩んだ危険な道のりへの後戻りを感じさせるなどと記述し配付したこと等々報道がされており、学校教育現場においては決してあってはならないことであります。  このように、明らかに政治的中立性を欠く不適切な表現や指導方法が行われた場合、教育委員会の対応をどのようにお考えかお伺いします。  また、選挙年齢が十八歳に引き下げられるのを踏まえ、学校教育の中で生徒が政治的課題を学び研究に取り組むことが、これからはそのままの生徒の投票行動に直結していくことにもなっていく時代となります。  社会的に見解が分かれる課題は一面的な指導にならないように教員の配慮が必要でありますが、市内小中学校へのガイドライン等の通達は行っているのかお伺いします。  次に、主権者教育について伺います。  選挙があれば投票に行くことを認識してもらうことは当然でありますが、単に投票に行くことにとどまらず、異なる価値観に基づく多様な主張の中から、みずからの判断で権利を行使できるようになることもまた大事であります。そのためには、日ごろからさまざまな課題を多面的、多角的に捉え、国や社会の問題を自分の問題として捉え、みずから考え、みずから判断し、行動していくことを身につけていく必要があると考えます。  十八歳への選挙権年齢の引き下げを前にして、そうした主権者を育てていくために学校現場ではどのような姿勢で進められておるのかお伺いします。  先般の仙台市議会における子ども議会で、仙台市内の小学生が議会の見学の際に興味を持っていたのは模擬投票であります。現在使用の紙幣の肖像画四人を候補者に見立て、模擬投票体験をしておりました。こうした光景を目の当たりにすると、義務教育段階で全ての市内小中学校で模擬投票の実施を提案いたしますが、教育長の御所見をお伺いします。  また、開票作業についても、この夏の参議院選挙では衆参同時選挙が行われる可能性があります。仮にそのようになると、投票用紙は五種類になり、特に参議院選挙の比例区においては、党名の記載のほかに全国の候補者の個人名の記載になり、仕分け等の作業が多くなります。昨年の仙台市議会議員選挙宮城県議会議員選挙でも大幅な開票作業のおくれがありましたが、準備体制について選挙管理委員会にお伺いします。  以上、大綱三点についてお伺いして一般質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの佐々木心議員の御質問にお答えを申し上げます。  今後のインバウンドによる観光振興策についてのお尋ねでございます。  昨年の訪日外国人観光客数が過去最高となる一方、本市では震災前の水準に回復するにとどまるなど、仙台、東北のインバウンドは厳しい状況が続いております。  この間、本市では、タイを初めとしたアジアからのインバウンド誘致に重点的に取り組み、タイ旅行業協会とのインセンティブツアー促進協定の締結、香港での映像見本市への出展や、アジアからのマスコミの招請などに加え、国連防災世界会議の場において仙台の名を世界に向け発信をしてまいりました。  本年は、仙台空港の民営化やG7仙台財務大臣中央銀行総裁会議の開催などの大きな動きがございます。これらを好機としながら、LCCを初めとした新規国際航空路線大型国際会議の誘致などを進めるほか、タイや台湾を対象としたインセンティブツアーなどの誘致にも取り組んでまいりたいと考えております。  さらに、東北各地域のすぐれた観光資源や文化・スポーツイベントなどを組み合わせ、国内外に発信するなど、設置を予定しております文化観光局を中心に、本市が先頭に立って東北全体の魅力向上に努め、仙台経済成長デザインに掲げる目標の達成と東北への交流人口拡大を力強く推進してまいる所存でございます。  そのほかのお尋ねにつきましては、関係の局長並びに選挙管理委員会の事務局長より御答弁を申し上げます。  以上でございます。 6: ◯まちづくり政策局長(大槻文博)仙台財務大臣中央銀行総裁会議に関してお答えいたします。  国内外から発信力の高い多くの参加者やメディアの方々がお越しになる今回の会議は、歴史、文化、食、産業、温泉など、仙台、東北の多彩な魅力を世界中に発信し、風評の払拭や交流人口の増加、投資促進など、さらなる発展につなげていく重要な機会であると認識しております。  本市内に滞在中の食事につきまして、効果的に仙台、東北の豊かな食材や和食をアピールするため、関係する料理担当者の方々とメニュー調整会議を設置し、国との調整を進めております。  また、歓迎レセプションメディア向けイベントなどにおきましては、ユネスコ無形文化財の秋保の田植踊などを披露し、秋保独自の文化を参加者の皆様に広く御紹介させていただきたいと考えており、現在調整を進めているところでございます。  語学のボランティアにつきましては、英語のみの対応を考えておりまして、お申し込みをいただいた百三十名の皆様には、会議参加者をおもてなしするための座学研修に加えまして、地域の食や伝統などの魅力を学ぶ秋保地域での実地研修なども行いまして、存分に力を発揮していただくことで仙台のおもてなしをあらわしていきたいと考えております。  次に、秋保地区の住民の皆様への周知についてでございます。  一月に二回開催いたしました秋保地区の各種団体向け説明会においていただきました御意見、御要望にできる限り沿えるよう調整を行いつつ、現在、三月から順次、地域住民の方々への説明会を開催すべく準備を進めております。  また、広報手段といたしましては、市政だよりの掲載に加えまして、秋保地区の町内会、商工会等の連絡機能を活用した回覧やチラシ配布を行うとともに、宮城県警との協力により、新聞折り込み、ラジオなどを通じた広報など、皆様にできる限り丁寧にわかりやすくお知らせしてまいる考えでございます。  以上でございます。 7: ◯子供未来局長(板橋秀樹)私からは、妊婦健診に係る二点の御質問にお答えをいたします。  初めに、妊婦一般健康診査に対する助成制度についてでございます。  健診費用が助成上限額を上回り、自己負担が発生しているケースにつきましては、一回ごとの受診費用で見ますと、全体の件数のおおむね八割程度と把握をしております。  一方、受診回数の面におきましても、助成の対象となる十四回を超えたことにより自己負担が発生する方がいらっしゃることを、母子健康手帳への記入内容などから把握しているところでございます。  多くの方に自己負担が発生している背景には、医療機関における金額設定、受診する検査項目、妊婦や胎児の状況などがあるものと認識をいたしておりますが、なお、その詳細については分析を行う必要があるものと考えております。  また、今後の消費税率の引き上げに伴う助成上限額の改定につきましては、平成二十六年に上限額を引き上げた経過も踏まえ、仙台市医師会等とも協議の上、適正に対応してまいりたいと存じます。  次に、胎児心エコー検査の現状認識と課題等についてでございます。  胎児心エコー検査は、専門的な技能を備えた医師により、治療の一環として実施される場合に保険診療の対象となるものであり、そのような条件下において最も効果が高い検査方法であると認識をいたしております。  一方、治療の有無にかかわらず、妊婦の方の希望に基づき検査を受けることもできますが、その場合は自由診療となり、全額自己負担になるといった課題がございます。  仮に、広く妊婦の方が受診する妊婦健康診査の検査項目に加えることとする場合には、導入による効果、市内医療機関における実施体制、導入コストなど、さまざまな観点から検討していく必要があるものと考えております。  今後、専門家の意見等も伺いながら、そうした点について調査、分析を進めた上で、どのような対応が可能であるか検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 8: ◯教育長(大越裕光)私からは、十八歳選挙権に係る数点のお尋ねについてお答えいたします。  初めに、授業等における不適切な表現や指導方法に対する教育委員会の対応についてでございます。  学校において授業の指導内容や指導方法に関して不適切な行為があった場合には、当該教員に対して問題点を指摘し、指導するとともに、教育委員会が直接学校現場に出向き授業改善を図るよう、厳正に対処してまいりたいと存じます。  次に、市内小中学校へのガイドライン等の通達についてでございます。  教育委員会といたしましては、教育基本法を初めとする関係法令等を遵守し、教育の政治的中立性を確保するように、文部科学省からの通知とともに全市立学校に対して指示する文書を発出するなど、指導の徹底を図っておるところでございます。  また、学習指導要領に基づき授業を行うことや、多面的、多角的に取り扱うよう、学校内で複数の教員間で検討し、校長がその状況を把握することにより、教育の公正・中立性の確保を図っているところでございます。  高等学校等における主権者教育に対する取り組みについてでございます。  これまでも主権者にふさわしい政治的教養の充実を育む教育を行ってまいりましたが、今回の選挙権年齢の引き下げを受け、より具体的で実践的な指導が求められております。今回、国が新たに作成した副教材等を効果的に活用し、公民科を中心とする教科指導だけでなく、ホームルーム活動生徒会活動等も活用し、学校教育全体を通じた系統的、計画的な指導に努めてまいります。  また、新年度に十八歳となる現在の市立高校の二年生を対象とし、選挙管理委員会と連携した模擬投票を含む出前授業も実施しているところであり、生徒一人一人がみずからの判断で権利を行使できる取り組みをさらに進めてまいります。  最後に、市内小中学校における模擬投票の実施についてでございます。  現在、小学校六年社会科で生活と政治、中学校三年社会科公民的分野で国会等の議会政治や選挙の意味等に関する学習を行っているところでございます。  今回、公職選挙法が改正されたことを踏まえ、模擬選挙など実践的な活動を取り入れることが求められており、現在小学校で行っている選挙管理委員会の出前講座や中学校での生徒会選挙等を活用し、今後も選挙を体験する授業等を進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 9: ◯選挙管理委員会事務局長(木村純一)十八歳選挙権に対する本市の取り組みについてでございます。  近年、投票率の低下傾向が続く中で、若者の政治参加が重要な課題となっております。十八歳への選挙権年齢の引き下げは、若い世代が政治や選挙に関心を持ち、これからの社会形成に参画してもらう大きな契機と考えております。  今年度は、教育委員会や学校と連携しながら、高等学校の二学年、三学年の生徒を対象に選挙出前授業を十二回行うこととしております。出前授業では、選挙の仕組み、候補者を選ぶための情報収集の方法等を説明し、模擬投票を体験してもらうという構成としておりますが、初めて選挙権を行使する選挙におきまして実際に投票することは、今後の投票率向上に効果があると考えますので、生徒の意識や理解が深まるよう取り組んでいるところでございます。  次に、公職選挙法の違反行為に関する高校生への啓発についてでございます。  例えば、インターネットによる選挙運動におきましては、有権者はフェイスブック等のソーシャルネットワーキングサービス、SNSのメッセージ機能を使用して友人に投票依頼することはできますけれども、電子メールにおきましては、これはできないといったことがございます。また、同級生であっても十八歳未満の方は選挙運動が禁止されているということもございます。  高校での出前授業におきましては、こうした具体例を挙げながらわかりやすく説明を行い、生徒が違法な選挙運動を行うことのないよう取り組んでいるところでございます。  次に、この夏の参議院議員選挙が衆参同日選挙となった場合の準備についてでございます。  参議院議員選挙に向けましては、公正で正確な投開票事務処理となりますよう、事務改善に引き続き取り組むとともに、衆参同日選挙となる場合も想定いたしまして、手狭な投票所を変更する可能性や必要となる人員体制の検討など各種準備を進めており、適正な選挙執行となるよう努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 10: ◯議長(岡部恒司)次に、平井みどりさんに発言を許します。     〔七番 平井みどり登壇〕(拍手) 11: ◯七番(平井みどり)市民フォーラム仙台の平井みどりです。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  仙台市の施設、ごみ最終処分場、石積に関してお伺いいたします。  富谷町石積に埋め立てているごみ焼却灰は、今泉、葛岡、松森の市内三カ所の工場から排出されています。埋め立て工法は、焼却灰と覆土を繰り返すサンドイッチ工法及びセル工法を採用しています。  敷地全体の面積は約八十万平方メートルであり、この広さは仙台市陸上競技場のおよそ二十二個分の大きさです。その広さは大変広大なもので、実際に訪れてみると圧倒されるものがありました。  第一期埋立地は平成二十九年度に埋め立て可能量の限度に達する予測で、次の埋立地として第二期計画を平成二十七年度から平成二十九年度まで三年間の工期予定で整備を進めているところです。  しかし、五年前の震災時には多くのごみが発生し、東京電力福島第一原子力発電所事故由来の放射性物質の問題も起こりました。放射性物質が放出する放射線はさまざまありますが、注意深く見ていかなければならない放射性物質はセシウム137と考えられます。セシウム137はガンマ線を放出します。ガンマ線はアルミニウムなどの薄い金属板ぐらいは通過してしまいます。ガンマ線を防ごうとするならば、鉛や厚い鉄板でなければ遮ることはできません。  石積の最終処分場の遮水シートや設備などは、このような性質を持つガンマ線を防ぎとどめる働きを備えているでしょうか。原発事故以前であれば考える必要がなかったことですが、埋め立てが周りの環境に影響を与えることがないように注意をする必要があると思います。  現在進行中の第二期計画第一期工事分の遮水シートや設備などについても、放射線に対する何らかの対策はなされているか、または今後の方針があればお示しください。  次に、放射性物質濃度についてお伺いをいたします。  環境局施設部による一般廃棄物処理施設における平成二十七年十一月中の四日間分の灰の放射性物質濃度の測定結果が公表されました。  焼却後に排出される灰は焼却灰と集じん灰の二種類あり、そのうちの焼却灰はいわゆるごみを燃やした後に残る灰で、焼却炉の底の部分から排出される灰です。また、集じん灰はろ過式集じん機などで捕集された排ガス中に含まれるダストのことです。  仙台市の焼却施設三工場の中で、焼却灰と集じん灰を分けて貯留、搬出できる構造になっている工場は松森工場のみです。今泉と葛岡工場は焼却灰と集じん灰を分けて貯留、搬出できる構造にはなっていないため、混合灰として排出されています。
     測定結果中、半減期が二・一年である放射性セシウム134については、松森工場の測定結果によれば、焼却灰からは測定日の四日間ともセシウム134は不検出でありましたが、集じん灰においては三十四から五十九ベクレルの濃度が測定されました。焼却日全てが焼却灰より集じん灰の濃度の数値が高いということから、放射性物質は焼却灰より集じん灰にたまりやすいと考えられます。  さらに、半減期が三十年である放射性セシウム137においては、焼却灰では十一月四日の不検出以外は五十から六十四ベクレル、集じん灰については二百二十から二百九十ベクレルと測定されました。  同じ焼却をするという目的の今泉、葛岡工場と松森工場ですが、焼却灰の貯留、搬出の設備の違いがあります。この設備の違いはそれぞれどのような特徴があるのでしょうか、お尋ねします。  また、放射性セシウム134は二・一年の半減期ですから、不検出は予想どおりかもしれませんが、放射性セシウム137の二百二十から二百九十ベクレルという数値については予想どおりだったでしょうか、お伺いします。  続いて、牧草、ほだ木の焼却についてお伺いをいたします。  仙台市においては、東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の影響により、市内の畜産農家の方やシイタケ生産者の方に牧草、ほだ木の使用を自粛していただき、一時保管の要請をお願いしてきた家畜用の餌としての牧草とシイタケの露地栽培用のほだ木を平成二十七年八月二十四日から十二月十八日までの期間、本格焼却をしました。その際、本格焼却を始める前に、平成二十七年七月十三日から十七日までの五日間にわたり、市内全三焼却施設において牧草十五・七トン、ほだ木二十一・二トンの試験焼却を行いました。  平成二十七年八月十一日、経済局担当の記者発表資料の中で、保管牧草、ほだ木試験焼却における搬出時の測定結果中、放射性物質濃度について平均値で数値を出していますが、平均値を出すことは妥当な検証方法でしょうか。私は、計測された数値を平均してしまうと、正確ではなくなることもあるのではないかと思います。  それは、五日間の牧草についての計測結果が平均値で、七月十三日八百五、十四日七百九十九、十五日八百十三、十六日八百二、十七日七百七十七ベクレルと示されています。  試験焼却の一日の牧草焼却数は九ロールであり、放射性物質濃度の測定は一ロールごとに行い、九ロールの平均値を出したということでした。その際、環境省の基準値である八千ベクレルを超えるものはその中に含まれていないという当局の説明がありましたが、しかし、考え方として、例えばその九ロールのうちのたった一つが八千ベクレルに近い七千五百ベクレル、残りの八ロールがゼロベクレルであったとすると、平均値は七千五百割る九で一ロール八百三十三ベクレルになります。  八百三十三ベクレルという数値は環境省の基準である八千ベクレルからはほど遠く、安全であるように思えます。しかし、数値上では安全と言えても、実際は八千ベクレルに近い高い濃度の牧草そのものがその中に含まれており、安全とは言えないのではないでしょうか。御所見をお伺いします。  また、七月十三日焼却の牧草三千三百七十キログラムの平均放射性物質濃度は八百五ベクレルとありましたが、その牧草の中でも、例えばある部分の一キロの牧草は八百五ベクレルかもしれませんが、別なある部分一キロの牧草は四千ベクレルかもしれないし、ゼロベクレルかもしれないということも考えられます。  実際に、十一日二十日の牧草四千四十キログラムの放射性物質濃度は平均百八十ベクレルでしたが、十一月十九日は、重量がそれより千百六十キロも少ない二千八百八十キロにもかかわらず、放射性物質濃度は逆に高い五百五十二ベクレルもありました。  このことから、ベクレル濃度は平均的に存在するものではなく、部分によっては固まりになって存在することもあると考えます。そして、これらの平均値を出すことによって非常に曖昧な不確かなことが起こると考えます。そのことから私は、計測の数値は平均せず、計測した数値の一つ一つを明示するべきだと考えます。  質問いたします。平均値を出す妥当性の説明をお伺いします。  放射性物質は私たちの目には見えない非常に小さなものです。今回の東京電力福島第一原子力発電所の事故において大気中に放出されたセシウム137は、わずか四・七キログラムしかありません。その四・七キログラムのうち、東北、関東を中心に広い範囲を放射線管理区域にしなければならないほど汚染したセシウム137の重さは、わずかに七百五十グラムです。わずか七百五十グラムのセシウム137が、東北、関東を中心としたこの広い範囲を汚染し、五年の歳月が過ぎようとしている今なお、私たちを不安に陥れ、苦しめている現実があります。  放射性物質の特性として、土のようにでこぼこのあるものにつきやすい性質があります。三・一一のあの日から、樹木の幹や家の屋根、砂利、コンクリートのでこぼこは水で流してもこすってもなかなか除染できませんでした。また、放射性物質は焼却しても消滅させることはできません。  このことから、今回のように放射性を帯びた牧草やほだ木を焼却しても、焼却することによって放射性物質が消滅することはありません。むしろ、焼却することにより牧草やほだ木の部分が燃えてなくなり、それにくっついていた放射性物質が残り、灰に凝縮したことになります。  多くの一般ごみにまぜて焼却したから放射性物質が薄まったというよりは、実際の放射性物質の量は減っていなく、量的には変化のないものを一般のごみの灰とまぜて埋め立てたのだと考えます。それは広い範囲にばらまいたという表現のほうが近いと思います。  私は、今の時点では、牧草、ほだ木は単独で焼却して、その灰はきちんと管理するべきだったと思います。聞くところによれば、放射性を帯びたものを管理する何重にもなった容器があるということです。汚染された灰を一般の灰にまぜ埋め立てれば、その灰は散らばり、管理できなくなります。  お伺いします。一般ごみとまぜて焼却した意図は何でしょうか。  次に、空間放射線量についてお尋ねいたします。  平成二十七年八月十一日、経済局農業振興課から発表された資料の中に、保管牧草、ほだ木試験焼却における運搬時の空間放射線量測定結果がありました。  仙台市では、環境省のガイドラインに沿って、運搬時の空間放射線量はトラックから一メートル離れた前後左右四カ所の地点で測定をしました。牧草の運搬時空間放射線量は、どの実施日も最低が〇・〇三または〇・〇四マイクロシーベルトでした。  それと同時に、参考としてその日の十二時時点の仙台市役所の空間放射線量が示されています。それによると、〇・〇六六から〇・〇七二マイクロシーベルトであり、数値を比較すると焼却する牧草より市役所の空間線量が高いことになります。ほだ木に至っては、〇・〇二から〇・〇四マイクロシーベルトとさらに放射線量は低くなっています。  一方、搬出に際しては、積み込んだ牧草、ほだ木をシートで覆うなどして、運搬時に放射性物質や牧草、ほだ木そのものが飛散しないように留意して実施することとしています。つまり、そのように留意しなければならない放射線がある可能性が認められるほだ木、牧草ということではありますが、しかし、市役所の空間よりこれらの空間線量が低いという結果が出ています。それはなぜなのでしょうか。  私には、放射性物質がついているだろうと思われる牧草やほだ木の空間放射線量より市役所の空間放射線量のほうがなぜ高いのかわかりません。計測の方法が適切ではないということはないとは思いますが、御所見をお伺いいたします。加えて、市役所のどの場所で線量を計測したかお示しください。  次に、焼却灰の放射性セシウム濃度についてお伺いいたします。  環境省が示した災害廃棄物の処理に関するガイドラインでは、焼却処理による焼却灰の放射性セシウム濃度は八千ベクレル以下になるように定めています。  今回の放射性物質は人間の手でつくり出したものですが、幾ら焼却しても、または水で洗い流しても消滅することはありません。放射性物質がただ別な場所に移動していくだけです。  仙台市の焼却炉は、今泉、葛岡、松森、全ての工場がストーカ炉です。ストーカ式の焼却炉で焼却する場合、集じん灰への濃縮率は最大で三十三・三倍程度になります。環境省では、この場合、焼却物の濃度が約二百四十ベクレル以下であれば、集じん灰の濃度が八千ベクレルを超えることはないとしています。  本格焼却の十一月十六日から二十日までの五日間、牧草の搬出時の放射性物質濃度は、二十日以外は全てその二百四十ベクレルを超えており、十六日二百五十九ベクレル、十七日五百五十二、十八日五百九十四、十九日五百五十二ベクレルと、二百四十ベクレルの二倍以上の数値となっていました。  これらの牧草やほだ木を焼却し、集じん灰を測定すれば、八千ベクレルを超えることもあり得ると思われますが、しかしながら、仙台市は一般ごみとまぜて焼却する方法をとりました。  焼却しても量的には変わらない放射性物質を一般ごみの焼却灰にまぜたとしても、部分的に放射性物質が固まっているかもしれないし、均等にまざったとはっきり確認できるものではないのではないでしょうか。焼却することによって八千ベクレルを超えることがあるかもしれない可能性があることを想定していたでしょうか。この点について御所見をお伺いします。  そして、東京電力福島第一原子力発電所の事故以前は、国の規定として、放射性セシウム濃度は百ベクレルを超えるものは特別な管理下に置き、低レベル放射性廃棄物処分場に封じ込めることが定められていました。  ところが、現在、国は、放射性物質汚染対処特別措置法に基づき、八千ベクレルまでは一般ごみと同じ扱いが可能と緩和をしました。事故後に緩められた基準は、五年近く時間が経過した今ももとに戻ってはいません。八十倍もの基準値の緩和をなぜ今も続けているのかわかりません。  私は、地方の自治体として、中央の基準さえ守っていればよいということではなく、地方は地方の、仙台市は仙台市として、もっと慎重に、しかし大胆に考えていくことが求められていると思います。事故が起こってしまったことは非常に残念で、これから先、放射能による汚染問題はそう簡単には収束しないと思われます。だからこそ、未来のある子供たちのために、後々禍根を残さず、後悔をしないよう、私たち大人がしっかり対処するべきだと思います。  そして、仙台市は、自治体として自分の頭脳で模索、決定していくべきだと考えます。リーダーとしての市長のお考えをお伺いいたします。  これで私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 12: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの平井みどり議員の御質問にお答えを申し上げます。  東京電力福島第一原子力発電所事故を受けた本市の対応に関するお尋ねでございます。  この事故に起因する放射性物質の汚染対策につきましては、放射性物質汚染対処特別措置法を基本として、これまでさまざまな措置が講じられてきたところでございます。  ここに定められた各般の基準は、国の災害廃棄物安全評価検討会などにおいて、有識者が専門的な知見を持ち寄り議論を重ねた結果、制定されたものと承知しており、本市といたしましては、まずは国が責任を持って定めたこれら基準を適切に遵守、運用することが対応の基本になるものと考えております。  このたびの保管牧草、ほだ木の焼却処理に際しましては、こうした考え方に基づき、あらかじめ試験焼却を行い安全性を確認した上で、本格焼却の作業期間中においては、国の基準を上回る頻度で焼却灰の放射能濃度の測定を実施し、これを速やかに公表するなどの対応を行ったところでございます。  今後とも、市民の皆様の安全・安心を第一義として適切な対応を図ってまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 13: ◯環境局長(小山京)放射性廃棄物の処分に係る数点の御質問にお答えします。  まず、石積埋立処分場の放射線への対策等についてでございます。  お尋ねにございました埋立処分場の遮水シートは、焼却灰等からしみ出る汚水が周辺に漏れ出すことを防止することを目的として設置するものでございまして、処分場における放射線への対策としては、放射性セシウムを吸着させ、その流出を防止するために、埋め立てる灰と灰の間に十分な厚さの土壌層を設けるとともに、外部への放射線を低減させることを目的に、その日のうちに土をかぶせるといった措置を講じております。  これらの対策により、埋立地周辺の空間放射線量は市街地など一般の環境と同じ程度の値となっており、また、放流水等などからも放射性物質は検出されていないことから、十分な対応がなされているものと考えております。  また、石積の第二期整備計画分につきましても、同様の対策を講じることによりまして、放射線対策はもとより、周辺環境に影響を与えることのないよう万全を期してまいりたいと考えております。  次に、焼却工場の設備の違い等についての御質問にお答えいたします。  各焼却工場は計画時の関係法令に適合した構造となっており、今泉、葛岡工場では焼却灰と集じん灰をあわせて貯留する設備としておりますが、平成十二年の廃棄物処理法改正において、ダイオキシン類の発生を抑制するために施設の構造基準が大幅に変更されたことから、松森工場では焼却灰と集じん灰を分けて貯留する設備となったものでございます。  また、松森工場の放射性セシウム濃度につきましては、震災後に実施している測定結果の推移を見ますと、予想された範囲内であると理解しております。  以上でございます。 14: ◯経済局長(氏家道也)私からは、保管牧草、ほだ木の焼却について数点の御質問にお答えいたします。  まず、放射性物質濃度の公表等についてのお尋ねでございます。  保管牧草の焼却につきましては、試験焼却前には、最高一キログラム当たり約五千四百ベクレル、最低が検出限界値未満、平均四百九十ベクレルであることを公表の上、焼却を開始いたしました。  なお、牧草等の焼却に当たりましては、清掃工場内のピットにおいて攪拌の上、焼却することから、これに係る放射性物質濃度の公表は平均値を用いたところでございます。  次に、牧草等を一般ごみとまぜて焼却した理由などについてのお尋ねでございます。  牧草等の処理につきましては、廃棄物処理法に基づき一般廃棄物としての取り扱いとなりますことから、家庭ごみなどと混焼することとし、あらかじめ試験焼却により、焼却灰が八千ベクレルを超えていないことを確認した上で実施したものでございます。  最後に、空間放射線量の測定値についてのお尋ねでございます。  空間放射線量につきましては、国の放射能濃度等測定方法ガイドラインに基づき測定いたしました。  今回の焼却前から行われております本庁舎前の噴水東側のモニタリングポストを初め、市内七十カ所での定期的な測定結果におきましても、市中心部と周辺地域で測定値に差が出ていたところでございまして、お尋ねの結果につきましても同様であったものと考えております。  以上でございます。 15: ◯七番(平井みどり)御答弁ありがとうございました。  私がお伺いしたかったことは、今ほとんど何か答えていただけなかったような気がするんですが、集じん灰に関しては、三十三・三倍になる可能性があるので、二百四十ベクレル以上のものは八千ベクレルになる可能性があるけれども、それはどういうふうにお考えですかということを質問させていただきました。  それから、平均値を求めるというのは、想像していただきたいんですが、例えば先ほど申し上げましたように、たった七百五十グラムのセシウム137でこのような状況になる。本当に目に見えないもので、もしも放射性物質が赤い色がついていたとすると想像しますと、それがぱらぱらとまかれたと。そのときに平均にまかれるって、誰もそれは確認することできないんですよね。ですから、平均値を出してしまうとすごく曖昧になってしまうという御質問をさせていただきました。  再度、もう一度、それから市長さんにも、今後の取り組みというか、中央の基準に、特措法に頼らずにということで、仙台市として、やはり被災地として考えていかれることはないかということをお伺いしたいと思います。 16: ◯市長(奥山恵美子)ただいま進めております八千ベクレル以下のほだ木、牧草等についての処理につきましては、国の特措法等に基づき、それによって進めることが適切だと考えておりまして、本市独自として新たな基準をつくって進める等の処理方法は考えておらないところでございます。 17: ◯環境局長(小山京)今のお話にありました八千ベクレルの関係で、二百四十ベクレル以下のものに濃縮される関係で、そういう取り扱いにしているというお話がありましたけれども、確かに廃棄物そのもの自体は、これは焼却をすれば減容どころか相当小さくなります。  今回のこのほだ木、牧草の関係については、先ほど来ありましたように混焼ということですが、対象となっているほだ木、牧草の大体百倍程度のほかの一般廃棄物をまぜて行っているわけなんですけれども、そういったやり方をとるということで、単純に濃縮されるというようなやり方にはならないので、結果的にも、今回の試験のときの焼却もそうでしたし、本格焼却でも同じように、ほとんど値的には変わらないような結果となっているというふうに考えております。 18: ◯七番(平井みどり)済みません、根本的に考え方が違うと思うんですが、まぜて薄まらないということです。つまり、あるベクレルがどんなにばらばらになろうとも、それとも固まってあろうとも、あるベクレル数は同じだという私は立場で考えさせていただいています。それをばらばらにすることによって、減るんじゃなくてやっぱり同じベクレルはあるんだと。もしかして危険かもしれないということを考えていただきたいという意味で質問させていただきました。 19: ◯経済局長(氏家道也)放射性物質を一ところにほかのものとまぜないで合わせればお考えのようなことになると思いますけれども、我々は、ほだ木、牧草の場所からの搬送をする前、それから工場に持ち込んだ後、それから焼却の後ということで、それぞれ環境に与える放射線量を測定の上やっておりますので、お話のように放射性物質だけを集めればそういうことになるかもしれませんけれども、今回やったのは、ちゃんとした、環境に影響を与えないことを確認しながら、一般廃棄物の処理方法に従って処理させていただいたということでございます。 20: ◯議長(岡部恒司)次に、小野寺利裕さんに発言を許します。     〔三十番 小野寺利裕登壇〕(拍手) 21: ◯三十番(小野寺利裕)公明党仙台市議団の小野寺利裕です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。  初めに、地方創生に向けた人材育成についてお伺いいたします。  地方の魅力を最大限に引き出すためには、その地方の現状と資源を理解し、地方の活性化に向けて牽引する人材の力が必須であります。本市においても、地方創生に向け、あすの仙台を担う人材の育成こそが最も重要であると考えます。  現在、自治体が大学や企業などと協力して進めている人材育成事業があります。例えば、京都では、府内の九つの大学が自治体や京都商工会議所などと連携し、地域資格制度、いわゆる地域公共政策士として実施しています。  この制度は、京都府内の大学を卒業した若者が、京都で就職せず、大阪府など関西地方の他府県や関東圏に流出する傾向が強く、特に二十五歳から二十九歳の若年層の人口の流出が深刻なため、京都府内の地域活性化に貢献できる人材を育成し、若者人口を定着させるために創設されたものであります。既に二〇一一年から行われており、全国で初となる先駆的な地方創生を担う人材育成の取り組みとして注目されております。  さらに、二〇一五年の六月に、大学学部レベルのプログラムを履修するだけで取得できる初級地域公共政策士の資格制度を設けることにより、京都府内の九つの大学の在学生の一割に当たる約千人の資格取得者を毎年誕生させるという事業をスタートさせております。  この地域公共政策士の資格取得を目指す学生は、チームを組み、実際に地域の課題解決に向けた活動を行い、例えば歩道のバリアフリー化や撤去される公共施設の跡地利用といった地域が抱えている問題を調査し、最終的に自治体に政策提言を行うものであります。  資格の付与は、地域公共政策士の資格制度を運用する大学や自治体などが創設した、地域の民間認証機関である一般財団法人地域公共人材開発機構が実施するとしています。  本市において、若い世代に仙台を定住の地と定めていただくためにも、地元の大学、商工会議所等と連携し、このような人材育成事業を実施すべきと考えますが、いかがでしょうか。  また、このように地方創生を実現していくための人材育成について、市長の御所見をお伺いいたします。  次に、がん対策加速化プランについてお伺いします。  厚生労働省は、昨年十二月、国民の死因第一位であるがんの死亡率を減らすためのがん対策加速化プランを公表いたしました。  国は、がん対策推進基本計画で、二〇〇七年度から十年間で七十五歳未満の年齢調整死亡率を二〇%減少との目標を掲げていますが、対策のおくれなどにより、このままでは一七%減少にとどまると予想されていることから、がん対策加速化プランを打ち出し、各自治体に対し、予防、治療・研究、共生を柱に、二〇一七年の次期基本計画策定までの間に集中的に実行すべき具体策を明示しました。  例えば、この中の予防では検診受診率の引き上げ、たばこ対策、がん教育の実施、治療・研究ではゲノム医療、拠点病院の検索システム構築、医療や長期支援の体制検証、若年者の実態調査、また、共生では就労支援、緩和ケアなどが盛り込まれております。  今回、厚生労働省が打ち出したプランは、かなり詳細にわたって事業の内容が提示されております。本市として、これまでもがんの死亡率を減らすためにさまざまな取り組みが行われてきておりますが、さらに死亡率を減らすため、今後どのように取り組んでいかれるのかお伺いいたします。  次に、がん患者の就労支援について具体にお伺いします。  国民の二人に一人が経験すると言われておりますが、医療の進歩で生存率が高まり、がんを患っても治療を受けながら働き続けられる人は着実にふえてきております。  例えば、東京の都立駒込病院の相談支援センターでは、昨年からハローワークと連携して、がん患者など長期治療に対する就職・転職支援を行っております。通院する必要はあるが、少しでも働きたい、自分の症状や体力に合った仕事はないか、仕事の復帰に際して必要なスキルは何か等、こうした患者の声に応えるため、ハローワークの就職支援ナビゲーターが定期出張し、病院側の社会福祉士の協力を得ながら、患者の症状や通院状況に配慮した求人情報を提供しております。また、応募書類の作成や面接の受け方についてもアドバイスしております。  このようなハローワーク飯田橋と都立駒込病院の取り組みの結果、これまでに七十人が就職していると言われております。  本市においても、がん診療の拠点病院として東北大学病院、東北労災病院、仙台医療センター、東北薬科大学附属病院があり、それぞれがん患者の就労支援についてハローワークと連携をとっておりますが、この取り組みを知らない方も多くおります。市民への周知徹底も含め、御当局の今後の取り組みについてお伺いいたします。  次に、がん教育についてお伺いします。  日本は、最近の知見では、男性の三人に二人、女性の二人に一人ががんに罹患すると言われ、世界一のがん大国とも言われております。近年、百万人近くの人ががんと診断され、三十七万人もの人ががんで死亡しておりますが、国民病と言われるがんに関する知識はほとんどの人は持っていないとも言われております。  本市においても、保健体育の授業で生活習慣病の予防や喫煙などの有害性を学ぶ際、ほかの病気とあわせて紹介される程度であります。
     国が定めたがん対策推進基本計画では、子供たちが理解を深めるためにはこれでは不十分だと指摘をしております。がん対策の第一人者と言われる東京大学医学部放射線科の中川教授は、がん対策のおくれという潮流を変えるには、学校でがんを学ぶ体制を充実させる必要があると訴え、七年以上も前から全国の学校でがん教育を実施しております。  この授業を受けた生徒を対象に受講の前後に調査を行ったところ、受講前はがんは生活習慣が原因の一つだと考えられる病気と答えた生徒は三一%だったのに対して、受講後は八六%まで上昇し、また、がんは予防ができる病気と答えた生徒は、受講前は二三%だったのに対し、受講後は八四%になっています。  このように、がん教育はがんに対する生徒のイメージを大きく変えております。また、受講後には八九%の生徒が家族にがん検診を受けるように勧めると回答するなど、子供から親への逆世代教育も進んでいるといいます。  さらに、中川教授は、がん教育の一番のポイントは、がんを理解することで命の大切さを学ぶことであり、生と死を考えるきっかけにもなり、子供のいじめや自殺防止にもつながる可能性があるとしております。  本市においても、学校現場で質の高いがん教育を実施する必要があると思います。その際、保護者や地域の方も一緒に学べる場をつくることも大事だと思いますが、いかがでしょうか、御当局の御所見をお伺いします。  次に、障害者の就労支援についてお伺いします。  全国の障害者数は、身体障害者が約三百六十六万人、知的障害者が約五十五万人、精神障害者三百二十三万人で、合計約七百四十四万人となっており、国民の約六%に当たります。  二〇一三年度に国において障害者雇用率が一・八%から二%に引き上げられ、企業にとって障害者雇用責任はますます大きくなってきております。全国での実雇用率は一・七六%で、未達成の企業は半数以上の五七・三%となっております。  例えば宮城県のここ五年間のデータでは、実雇用率が平成二十三年度一・六%、二十四年度一・六三%、二十五年度一・七一%、二十六年度一・七四%、二十七年度一・七九%と、御当局の御努力もあり確かに年々増加をしてきておりますが、全国的に見ると二年連続最下位となっております。また、未達成企業の割合も、平成二十三年度から二十七年度までの全国平均を大きく上回っているわけであります。  本市としてこのような状況をどのように捉えているのか、お伺いいたします。  健常者と比べ、労使ともに業務適性が判断しづらい障害者雇用では、単に受け入れ数を多くすることはミスマッチの拡大につながり、適性に合わない業務では就労意欲を高く保つことができず、企業にとっても必要な人材とは言いがたくなってしまうとの指摘もあるようであります。  現在、障害者の就労について選択肢はまだまだ少なく、障害者の多様なニーズに十分に応えられていないのが実情であります。雇用率を上げるには、障害者の個々の特性を生かし、雇用を実現することが急務となっております。  障害者基本法には、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するとあります。本市では、仙台市障害者保健福祉計画において、障害のある方の働くことを市民全体で支え、働く意欲のある障害者が生きがいや働きがいのある生活を送ることができまちを進めるとあります。  また、今回提出された仙台市障害を理由とする差別をなくし障害のある人もない人も共に暮らしやすいまちをつくる条例の中に、労働者の募集または採用を行うに当たり、業務の性質上やむを得ない場合その他の客観的に合理的な理由がある場合を除き、障害を理由として、障害者の応募もしくは採用を拒否し、もしくは制限し、またこれらに条件を付することその他の障害者でない者と異なる不利益な取り扱いをすることとあります。  障害者が生きがいを持って生活を送ることができるまちづくりを進めるためにも、障害の程度、特性に応じた就労環境づくりを推進する必要があります。また、就労継続のための支援の強化をすることや、就労支援ネットワークの充実、障害者就労支援センターによるコーディネート機能の強化などが重要になってきます。  本市独自の取り組みとして、企業の雇用促進支援と就労している障害者の定着支援の強化を行うジョブコーチによる障害者雇用促進事業などの新規事業も含め、本市における今後の具体的な取り組みについてお伺いいたします。  次に、ブラックバイトについてお伺いいたします。  近年、学生がアルバイトをする際、サービス残業や長時間労働などを強いられたり、事業主の労働基準法違反等により不利益をこうむったり、学業に支障を来したりといったことが社会問題となっております。  昨年、厚生労働省が現状や課題を把握するため、アルバイト経験のある学生千人を対象にアルバイトに関する意識調査を行いました。この調査によると、労働条件で何らかのトラブルがあったとする学生が六〇・五%に上っております。  具体的な内容として、準備や片づけの時間に賃金が支払われなかったものや、一日に労働時間が六時間を超えても休憩時間がなかった、残業分の賃金が支払われなかったといった労働基準関係法令違反のおそれがあるものや、採用時合意した以上のシフトを入れられたといった労働時間のトラブルなどがあります。  また、私自身も学生から直接相談を数件受けたことがありますが、悪質な事例になると、店長に消費者金融でカードをつくらされて、借金を負わされたというものがありました。  このように、トラブルがふえる要因として、アルバイトとして契約する際、時給や仕事の内容などを明記する労働条件通知書を経営者から受け取らないと、口約束のみの契約になってしまうことも要因の一つとして挙げられるようであります。  また、学生がアルバイトに頼らざるを得ない経済状況もあるようです。仕送り金額が十万円以上の割合が、一九九〇年代は六割を超えていたのが、二〇一四年には三割を切っております。さらに、仕送りが全くないという割合も年々増加傾向にあるようであります。  このようにアルバイトにおけるトラブルがふえている状況に対して、本市としてどのように認識しているのかお伺いいたします。  宮城労働局では、総合労働相談コーナー等を設けたり、大学へ出向いて出張相談を受けたり、業界団体等への要請や意見交換などを行ったり、また、高校、大学等への労働法制の普及に係るセミナーを実施したり、労働条件の確保に向けた取り組みを強化しております。  しかし、厚生労働省で行った調査結果にも出ているように、行政機関などの窓口に相談した割合はわずか一・六%にとどまっております。本市として、行政機関の専用窓口の周知徹底を図ると同時に、宮城労働局と連携を強化し、学生のアルバイトに関する具体的な事例等の冊子やチラシなどを大学入学時や高校の卒業時に配布したり、働くことに対し正しい理解と知識を得る機会をふやしていくことが求められますが、いかがでしょうか。御当局の御所見をお伺いし、私の第一問といたします。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 22: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの小野寺利裕議員の御質問にお答えを申し上げます。  地方創生における人材育成についてのお尋ねでございます。  都市の課題が多様化し、複雑化する時代におきまして、地域の知の拠点である大学との連携や学生など若い世代の新しい視点を課題解決に結びつけていくことは、まちづくりにおいて極めて重要であると考えるものでございます。  地域公共政策士につきましては、将来的には学生の就職活動における活用も視野に入れて、京都府内の大学、自治体、NPO等が連携して取り組む京都発の試みと承知をしておりますが、本市におきましても、今年度、知の拠点大学による地方創生推進事業という枠組みを活用して地元大学等と連携し、学生の地元定着や人材養成などを目指した事業展開を図っております。  今後とも、若者の力が地域課題の解決やまちづくりに生かされるよう、関係する皆様と連携しながら、若者がこのまちに愛着を感じ、住み続けたいとの思いを強くし、定着へとつながっていくよう取り組んでまいる所存でございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 23: ◯市民局長(寺田清伸)私からは、いわゆるブラックバイトについての御質問にお答えをいたします。  ブラックバイトが新たな社会問題として顕在化してきた要因として、仕送りの減少傾向があることや、違法な労働条件を強いる事業者がアルバイト雇用の現場にも広がるなど、さまざまな背景があるものと存じます。  本市におきましても、大学生が労働審判を申し立てる事案が生じるなど、放置できない問題であると認識をしております。  このような雇用関係上のトラブルが生じた場合は、事案に応じて、労働局や労働基準監督署など指導、監督等の権限を有する機関へできるだけ早くつなぐことが重要と考えております。  国におきましても、実態調査結果を受け、学生アルバイトの多い業界団体等への労働条件確保の要請や、困ったときの相談窓口を記載した、しごと応援カードの県内高校等の卒業予定者への配付を進めているところです。  本市といたしましても、そのような動きと連携しながら、労働相談室の活用やホームページ、広報誌による相談窓口の周知など、学生が安心してアルバイトに取り組むことのできる環境づくりに努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 24: ◯健康福祉局長(佐々木洋)初めに、がん死亡率減少のための取り組みについてでございます。  がん対策におきましては、定期的にがん検診を受診し、早期発見、早期治療に結びつけることが何よりも重要であり、国のがん対策加速化プランの中でも受診率向上が掲げられております。  本市のがん検診受診率は全国に比べ高い水準にあり、これをさらに引き上げていくため、受診しやすい環境づくりに努めるとともに、がん啓発等に関する協定を締結している民間事業者と連携しながら、がん検診の重要性など市民啓発を強めてまいります。  次に、がん患者の就労支援についてでございます。  ハローワーク仙台では、平成二十六年六月から、専門相談員を配置し、がん患者の方々の就労支援を行うとともに、がん拠点病院に出向き、入院中から個別の状況を踏まえた就労相談や職業紹介を行っているところでございます。  これらの取り組みは医療機関において案内しておりますが、本市でもホームページにより周知を図ってまいります。  また、本市は、企業の人事労務担当者を対象に、がん予防と就労に関するセミナーを開催しているところであり、今後とも、がん患者の方々が職業生活を全うしながら適切な治療を受けることができるよう取り組みを進めてまいりたいと存じます。  次に、障害者雇用率に関する現状認識についてお答えいたします。  宮城県内においては、障害者雇用に積極的に取り組む企業がふえているものの、障害に関する理解不足などから雇用に至らない企業が依然として多く、雇用率が伸びない現状にございます。  就労は収入を得て経済的自立につながりますが、とりわけ障害者にとりましては、能力の発揮や社会参加という観点からも大事でございまして、改めて障害者雇用の促進に向けた取り組みを一層推進していかなければならないものと認識しております。  最後に、新規事業も含めた障害者雇用の今後の取り組みについてでございます。  これまで仙台市障害者就労支援センターにおいて、障害者、企業双方の相談支援やハローワークなどと連携した企業の理解促進、職場開拓などに取り組んでまいりました。  新年度は、ジョブコーチを増員して定期的に企業を訪問することにより、職場の実情に応じた環境整備や相談体制の充実を図りながら、障害者と企業双方にとって望ましい職場環境を実現することで、障害者が安心して働き続けられるよう支援の強化に取り組むこととしております。  また、就労支援センターが中心となって、一般就労を目指して訓練などを行う事業者同士のネットワークを強化し、障害者が障害特性に応じて事業所を選択できるよう情報共有するなど、障害者の就労支援の充実を図ることとしております。  以上でございます。 25: ◯教育長(大越裕光)私からは、学校でのがん教育についてお答えいたします。  現在、保健の授業において、発達段階に応じ、がんを含む生活習慣病の予防や検診による早期発見、早期治療が重要であることを学習しております。  がん教育の拡充が必要との国の考え方も示される中、今年度、本市も協力して宮城県が作成したがん教育教材を各学校に送付し、その活用を促したところでございます。今後、保護者や地域の方も対象に、専門家等による講演会の開催などの手法も検討しながら、がん教育の充実に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 26: ◯議長(岡部恒司)次に、すげの直子さんに発言を許します。     〔二十一番 すげの直子登壇〕(拍手) 27: ◯二十一番(すげの直子)日本共産党仙台市議団のすげの直子です。新年度から五カ年の次期行財政改革計画(案)とその根拠ともなっている財政見通しについて順次伺います。  二月三日の地元紙に、本市の新年度予算の概要が大きく掲載されました。市がマスコミを通じて市民に強調したことの一つに、二〇一七年度から二〇一九年度までの財政見通しも含まれています。紙面には「財源不足三年で八百三十八億円。社会保障費が増大」との見出しで記載されました。  財政局から私たちがいただいた資料にも、各年度の収支差は二百五十億円を超えると、またしても太字のゴシックで強調されています。この財政見通しは毎年財政局が試算を行い公表しているもので、昨年もこの予算議会の際に示されました。  今回出された歳入歳出面の数字を、昨年出された二〇一六年度から二〇一八年度までの財政見通しの額と比較してみました。社会保障費である扶助費は、昨年立てた見通しの合計額よりことしの見通しでは、三年間で合わせて五十二億円減っていました。逆に、大きくふえているのは、権限移譲による教職員分の人件費を除くと、普通建設事業費です。新年度予算を含め、二〇一八年度までの三年間で合わせて四百十七億円もふえていました。  財政見通しとは、今後、どのような事業に予算がかかると考えているのか、どういう施策に重点を置くつもりなのか、市長の政策的な考えや判断が反映されるものだと受けとめています。昨年と違って、ことしになって普通建設事業費を大幅にふやす見通しとしたのはなぜなのでしょうか。昨年の予算編成時の時点とことしで、奥山市長にどのような心境の変化があったのでしょうか。具体に御説明ください。  財政見通しには、毎回のように、社会保障関係経費が確実に増加し、その結果、何百億円の収支差となると書かれています。もとより福祉のための予算は、地方自治体がその本旨として一番の重点にするのは当然です。  市の財政見通しでは、二〇一七年度から二〇一九年度まで、扶助費は毎年約三十億円ずつふえるとの見通しになっています。新年度の予算額を基本にして、過去のトレンド等により試算したとのことですが、この試算からは、市民の強い要望である子供の医療費助成の拡充など、新たな福祉施策をするつもりも意欲も全く見えません。社会保障費の自然増分のみの試算としか見えません。  こうしてみると、市の財源不足は社会保障費の増大が理由とは言えないのではないでしょうか、お答えください。  福祉のための予算を、消費税という最も不公平な税金で賄うこと自体が許しがたいことです。市民を苦しめ、地域経済に打撃を与える消費税増税には、市民とともに反対の声を強く上げるべきです。何度伺っても、やむを得ないと容認し続けていることこそが、自治体の財政に責任を持とうとしない国の姿勢を正せない原因です。  国のこの間の地方交付税の削減などにもっと強く意思表示をすることが必要です。国が交付税を出す際に、自治体が職員削減でどれだけ成果を上げたかが判断の基準になるなど、自治体を財政で縛り、国言いなりに誘導する、地方自治の侵害とも言えるものです。  こうした国の姿勢と闘うこともなく、あたかも財源不足の原因は市民にあるかのように責任を転嫁するのはいかがなものでしょうか。こういうときこそ、市民と協働し、住民福祉の向上を発揮できるよう、国に対して十分な財源保障を強く求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。  私は、この際、過去からの財政見通しにも目を通してみました。二〇一二年度の予算編成時には、二〇一三年度から今年度までの財政見通しが出されています。このときは、二〇一三年度からの三年間で八百九十億円の財源不足が生じると、これまた強調されていました。  三年間のうち、二年間については既に決算が出されています。比べてみると、二〇一三年度は三百十一億円の財源不足との見通しでしたが、決算が出てみれば財源不足額はゼロ円です。二〇一四年度は、二百八十四億円の財源不足との見通しに対して、決算では十二億円だったとお聞きしました。  以前にも指摘しましたが、財政見通しと実際の数字の乖離が余りにも激し過ぎます。このままでは、今年度約八百八十億円の収支不足にならないと合いません。一円の果てまで正確にとは申し上げませんが、市民の税金を扱う行政がマスコミも通じて広く知らせる情報です。市民の側も、行政がそんなに実態と違うことを言っているとは思わないはずです。  財政局長は、前回の私の指摘に対して、財政見通しや予算計上額の精度の向上に努めていきたい、正確な数字をお示しできるようにしていきたいと答弁されています。今回の財政見通しは、こうした過去の実態を十分に検証した上で出されているのでしょうか、伺います。  結局、市の出している財政見通しは、財源不足だと見せかけるために、市の都合のいいように数字を積み上げているようにも感じられます。そして、その原因があたかも福祉予算にあるように演出し、市民に我慢を強いています。  本当に財源不足が生じるとすれば、それは、奥山市長が住民の暮らしには目もくれず、福祉をお荷物のように扱いながら、身の丈に合わないまちの体裁だけを繕うことに熱中しているからではありませんか。施政方針では、地下鉄東西線の移動手段にとどめない活用でまちの可能性が大きく開かれるなどと述べていました。一体何をしようとしているのでしょうか。こういう態度を改めることこそが、財源不足を生じさせない、健全な財政を目指す市長の責任と考えます。いかがでしょうか、伺います。  こうしたまやかしの数字を根拠にしながら、市がひたすら取り組んでいるのが、職員削減と市民サービス切り捨ての間違った行財政改革です。  新しい行革案を策定する際には、市の経営戦略会議でも議論がされています。ここでも、市が提案する職員削減や収納率向上と称した徴収、差し押さえの強化に対して疑問を呈する意見が出されていました。職員の意識改革、区役所機能の強化などもこれまで同様並んでいます。  今回の行革案を策定するまでの過程で、市長と御当局はどれほど市民の実態や市民に接する区役所などの職員の意見を聞いたのでしょうか。市民協働を行革にも掲げる奥山市長ですから、こういう計画をつくる際に職員とも協働していないなどということはないと思いますが、お答えください。  行革の対象がどの分野にも及んでいることも、奥山流行革の特徴の一つです。市長の進める行革には何の理念もありません。  私は、これまでも指定管理や民間委託の問題を取り上げてきました。図書館を初め天文台、少年自然の家など、市は子供たちや市民の学びの場を次々と民間任せにしてきました。奥山市長が図書館長や教育長を歴任したことも、もはや看板倒れの様相です。  先月の常任委員会には、科学館のPFI導入可能性調査の結果が報告されました。  サイエンスルームからの歴史を持つ本市の科学館は、博物館の機能を持つ展示も子供たちの実験や理科作品展なども、全国的に高い評価を得ている施設です。中学校の理科教員が指導主事として六人配置され、実験の事故防止や安全確保、子供たちの知的欲求に応え、科学の発展にも機敏に対応した授業づくりに取り組んでいます。また、教員が科学館で仕事をすることで、さらに専門的な知識を深められ、学校現場に帰ったときに、子供たちはもちろん、若い教員に伝えることができるというお話も伺いました。意欲を持って、科学館職員でいる間に学芸員資格を取得する教員もいるとのことです。  これだけの蓄積があることを認めているからこそ、今回のPFI提案では、学習支援事業は市が直営で行うとしています。これまでは展示部門も含めてトータルで職員が実践してきましたが、PFIになれば、一つの館の中に二つの事業主体が混在することになり、教員が展示の内容などについてPFI事業者に直接言えば、偽装請負となります。  ここまでしてPFIに固執する必要は全くありません。これまで積み上げてきた専門性や経験を、市が責任を持ってさらに生かす努力をこそすべきです。いかがでしょうか、伺います。  PFI手法導入の判断基準は、VFM三%以上かつ一億円以上とされています。科学館の導入可能性調査では、結果がVFM三・一一%、二十年間で二億七千万円というものでした。市にとって大きなメリットになるとは思えません。わずかな改修費や運営費を惜しんで、市が持つ貴重な財産を失うことは誤りです。  PFIで運営されている天文台も、五年間の引き継ぎ期間を終え、市の職員は誰もいない状態になりました。中学生が必ず授業の一環で利用する施設ですが、どんな授業が行われているのか、適正なのかの判断もできなくなります。本市の図書館の指定管理を受けている事業者は、先日ある研修会で、指定管理者を導入しても運営コストは必ずしも直営時代より抑えられるとは限らないと語っていました。  行政の側は少しでも少ない経費にしようと思っても、一定の質を担保するためにはそれなりの運営費は必ずかかるということです。同じ経費はかけながら、行政が失うのは市が持っている専門性です。一旦手を放してしまえば、市が積み上げてきた専門性を取り戻すことはできません。目の前の財政の効率化に目を奪われ、かけがえのない知的財産や経験を失うことほど愚かな選択はありません。行革を進めるに当たって、市はこうした施設などの価値を真剣に考えたことがあるのでしょうか、伺います。  市の仕事を担う委託先で働く方々がどんな待遇で働いているのか、市は把握すらしていません。行革プランを審議する経営戦略会議では、委託がふえることで、そこがブラック化したり労働強化では万々歳とは言えないと、危惧する発言がされました。  さらに、施設の運営について心配する意見に対して、当局は、モニタリングもするし、施設がふえれば当然チェックする人もふやすのだと説明していました。委託の拡大で、職員を減らしながら、それを点検するために人をふやすというのも皮肉な話です。  千葉県市川市では、ごみ収集事業者への委託料を増額し、月二万円の賃上げを実現したそうです。ルート選択を含めて熟練した技術と経験の積み重ねがなければ、重大事故にもつながりかねない過酷な業務です。住民にとって絶対になくてはならない仕事です。自分たちの待遇の悪化は住民サービスの低下に直結しかねないと、市と繰り返し懇談する中で、担当課長が一週間、委託先の労働者と一緒にごみ収集業務を体験もしたそうです。見習うべき姿勢です。  東京都港区では、公共工事や指定管理者を含めた委託業者など、市の仕事にかかわる人たちは時給最低一千円以上にする公契約条例と同質の労働環境確保策の手引きをつくり、この四月から実施するとのことです。本市でも、こういう改革こそ求められています。お答えください。  行革では、今回も収納率の向上を掲げ、数値目標が示されています。今でも収納率は約九九%であり、圧倒的な市民は税金や保育料などをきちんと納めています。市民の実態を無視するような徴収や差し押さえはすべきではないと問えば、必ず丁寧な対応に努めているという御答弁が返ってきます。  先日伺ったのは、やむなく市税を滞納し、市と相談して支払計画を立て、八千円ずつ毎月納めていたのに、昨年末に突然差し押さえ予告が届き、驚いて電話をしたら、一万五千円払わなければ差し押さえです。差し押さえになってもいいんですかと言われたそうです。こういう事態は氷山の一角で、徴収強化に走る余り、追い詰められる市民が生まれています。数字を上げることに職員はとらわれ、機械的な対応を迫られています。  市長は、行革で市民のニーズや社会の要請に的確に応え、市民との強固な信頼関係を構築するとうたっています。徴収強化のもとで市民には不信感が生まれ、職員は親身に対応することもかなわず、信頼どころか深い溝をつくっています。市民がどうにかしたいと相談に行きたくても怖くて行けないというのは、市の本意でもないはずです。  経営戦略会議でも、督促や催促の強化だけ言っても限界がある。恐らく払えないのには貧困とか格差とかの問題があるのではないか。収納係のお尻をたたくだけでは解決できないというもっともな御意見がありました。機械的な滞納整理はやめて、その人が抱える問題の解決を一緒に図ることこそ大事にすべきです。いかがでしょうか、伺います。  市の歳入をふやしたいなら、委託の拡大や職員減らしで安上がりな労働者を市みずからが生み出す路線と決別すべきです。
     マイナンバーのように、事務事業が想定され、臨時職員を六十四人ふやしても、市民を待たせ、職員がおわびをしている事態です。臨時職員を幾らふやしても、正規職員がふえなければ業務を教えることも指導もできません。産休の代替が嘱託職員、残念ながらメンタルでやめてしまい欠員になっても補充はないなど、事態は深刻です。  総務財政委員会の議論の中で総務局長は、少ない人数でも意欲の高い人間が集まれば成果が上がるという答弁をされました。本当に驚きです。効率だけを優先する職員ばかりでは、困難を抱える市民に丁寧に寄り添うことはできません。人減らしをここまで進め、職員の意欲を奪ってきたことを真摯に反省すべきです。いかがでしょうか、お答えください。  十年余りで三百人以上の区役所正職員が減らされました。青葉区の人口は約三十一万人で、秋田市とほぼ同じ人口です。秋田市は、消防や教育委員会、水道、議会事務局などを除き、正職員は一千五百十五人でした。青葉区の正職員は四百八人です。三分の一に満たない職員数で、地域や市民の実情をつかみ、施策に反映させることなどできません。区役所の機能強化というなら、最前線で市民に接する区役所の職員を思い切ってふやすべきです。伺います。  市は、選挙事務にアルバイトを活用し、経費を節減したと行革の成果として報告してきました。昨年の選挙事務にかかわる職員アンケートには、アルバイトに頼ることで開票事務に精通する職員がいなくなっていることや人材育成の必要性などがつづられていました。  費用対効果だとか効率性を優先し、市の仕事を安上がりに、誰でもできる仕事として扱うことが、公務労働の尊厳を失わせ、民主主義の根幹とも言える業務で市民の信頼を大きく損ねる結果となりました。  行革には職員の意欲や意識の向上という言葉が並んでいますが、公務労働への誇りや矜持を失わせてきたのがこの間の行革です。自治体本来の役割を忘れ、人の暮らしよりもまちの体裁にしか目を向けない奥山市長の責任が大きく問われています。人減らしや委託の拡大が市民にとってもはやサービス向上などとは言えない事態になっていることを肝に銘じて、行革の方針を転換することを強く求めて伺って、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔四十番 鎌田城行「議長、議事進行」と呼び、発言を求む。〕 28: ◯四十番(鎌田城行)表現の自由はいささかもゆるがせにしてはいけないと思いますけれども、一言だけちょっと気になった質問の表現がございましたので、議長に確認をしていただきたいと思いました。  それは、財政見通しの問題点について質問されている中で、まやかしの数字を積み上げたものというふうに断言されたように私には聞こえたのでありますが、これは、いたずらに市民の不安をあおるような、誤解を招くような表現ではないかというふうに感じたところでありますので、この表現が望まれるものか、議長のもとで判断をいただきたいと思いまして議事進行させていただきました。 29: ◯議長(岡部恒司)承りました。     〔四十四番 花木則彰「議事進行」と呼び、発言を求む。〕 30: ◯四十四番(花木則彰)今回も議事進行をかけられた方がおります。表現の自由あるいは質問権というものに関して、非常に制約的なそういった中身を主張しておられるように聞こえます。  また、中身について言えば、数字の問題については、この質問の中で一つ一つ実例も挙げて、そういう問題についての表現をしているわけですから、これについて一々、一言だけちょっと気にかかるという程度で議事進行をかける、このような議事のあり方について問題だと私は思います。これは取り下げるべきだと思います。 31: ◯議長(岡部恒司)お話をそれぞれ承りました。議事録を精査し、しかるべき場で対応したいと思いますので、よろしくお願いいたします。  続けます。 32: ◯市長(奥山恵美子)ただいまのすげの直子議員の御質問にお答えを申し上げます。  まちづくりの考え方についてのお尋ねでございます。  市民生活の根幹的な基盤であります都市に求められる機能は、産業経済、雇用、保健福祉、文化など多岐にわたり、そのどれもが目指しているものは市民の幸福の最大化であるということは論をまたないところでございます。  そして、この都市を現在のみならず将来にわたって持続的に発展させ、次の世代に引き継いでいくことは、私たちの重要な責務であると考えております。  そのために求められることは、中長期的に都市のあるべき姿を見据えながら、安定的な財政運営を確保した上で、医療・教育・福祉サービスの充実や公共インフラの基盤整備などの投資をバランスよく行っていくことであろうと考えるものでございます。  今後とも、市民の皆様の暮らしを支え、元気あふれるまちづくりを進めてまいる所存でございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 33: ◯総務局長(加藤俊憲)総務局にかかわります行財政改革の御質問についてお答えいたします。  まず、次期行財政改革計画の策定についてでございます。  本計画の策定に当たっては、全ての局・区が、日々の業務の中で見えてきたさまざまな実情をもとに検討を進め、庁内で議論を重ねるとともに、行財政改革担当副市長と区役所職員との意見交換の中で出された現状認識等も踏まえまして、適宜二役からの指示を受けながら進めてまいりました。  また、さまざまな分野の有識者による経営戦略会議から御意見をいただくとともに、パブリックコメントも実施したところでございます。  今後、市議会や経営戦略会議での御議論も踏まえながら、年度末の策定に向けて取り組んでまいりたいと存じます。  次に、職員の配置に関する御質問にお答えします。  職員の配置に当たりましては、必要な人員を適材適所に配置することが重要と認識しております。  これまで、特に区役所におきましては、主に税務事務を初めとする事務の本庁集約化等により職員数が減少した面もございましたが、例えば個人番号カードの交付のように一時的な業務の増加に対しては、臨時的任用職員等を活用したり、あるいは、生活保護世帯の増加等に対しては、正職員の増員により対応してまいりました。  さらに、産育休職員の代替について、一律に判断することなく、職場の実情に応じて正職員を配置するなど柔軟に取り扱い、ワーク・ライフ・バランスを考慮しつつ、職場の負担がなるべく軽減する措置も行っているところでございます。  本市は、本庁部門と区役所とが一体となって業務を行っており、区役所と他の市役所との職員数を単に人口ベースで比較するのには難があるものと考えますが、引き続き、区役所を初めとした各職場の業務状況の把握に努めるとともに、職員の適性を踏まえ、配属希望や意欲を酌み取りながら、適正な職員の配置に取り組んでまいりたいと存じます。  最後に、行財政改革の方針についてでございます。  厳しい財政状況にありましても、市民の皆様に必要な行政サービスを持続的に提供していくため、歳入の確保、事務事業の見直し、職員の意識や組織風土の改革などの行財政改革を着実に進めることで、新たに増大するさまざまな行政課題に対応してきたところでございます。  今後、本格的な人口減少・少子高齢社会の到来など、社会経済環境の変化に伴い多様化、複雑化する課題に適切に対応していくとともに、活力と魅力あるまちづくりを進めていくため、しっかりと将来を見据えながら、中長期的視点を重視した取り組みや人材育成を初めとする行財政改革に、不断かつ確実に取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 34: ◯財政局長(西城正美)初めに、財政見通しに関する御質問にお答えします。  財政見通しは、本市の財政状況を中期的に把握し、今後の財政運営方針を検討していくための資料として作成しているものでございます。  試算に当たりましては、復興関連など変動の大きい事業については、最新の事業計画等に基づき個別に積み上げるとともに、その他につきましては、現在のサービス水準の維持を基本として計上しているものでございまして、この時点で方針が定まっていない施策の経費の計上、あるいは現行施策に要している経費の削減といった特段の政策意図を反映しているものではございません。  普通建設事業費につきましては、東部復興道路整備など復興関連事業費の精査や、各種公共施設の長寿命化のための計画的な改修事業費を計上していること等が主な増加理由でございます。  次に、社会保障関係費の見通しと収支差の要因についてでございます。  財政見通しにおける収支差は、各年度における歳出と歳入の見積もり結果の差額でございまして、それはつまり一般財源の不足を意味するものでございます。  各般の扶助費に加えて、国民健康保険事業特別会計等への繰出金も含めますと、社会保障関係費は今後も確実に増加していくことが見込まれまして、それに伴い必要となる一般財源も増加することとなりますことから、これが収支差拡大の大きな要因の一つであることは間違いのないところでございます。  次に、地方財源の確保についてでございます。  地方自治体が社会保障制度の充実や生活環境の整備などの財政需要に対応しながら、安定的に行政サービスを提供し、自主的な財政運営を行うためには、持続的な財政基盤の構築に必要な地方財源を確保していくことが重要であります。  今後も、税源移譲を中心とした地方財源の確保について、他の指定都市と共同しながら国に対して強く求めてまいりますとともに、地方自治体の主体性が発揮される制度設計となるよう要望してまいります。  次に、財政見通しの精度についてでございます。  財政見通しは、冒頭にも申し上げましたように、本市の中期的な財政運営の方針を検討するための基礎となるものであり、その最大の目的は、財源不足に陥り予算の編成ができなくなる事態を避けることでございます。  したがって、各年度の予算編成の段階においては、見通しで算出された収支差を極力圧縮するため、歳入歳出両面から一つ一つの項目について精査や調整を行いますし、執行段階においては、効率的な事業実施などを徹底し、決算における財政調整基金の残高確保を図っているところでありまして、推計時の収支差と乖離が生じるのはある意味当然のことでございます。  将来を見据えた財政運営を進めるため、今後とも見通しの精度向上に努めてまいりたいと考えておりますが、そのことは見通しと決算が一致するということではありません。  次に、行財政改革に関する御質問についてでございますが、まず労働環境確保策についてでございます。  労働者の労働条件の確保は本来、労働政策、賃金政策に係る全国的な法制の問題であると考えております。本市が発注する業務に従事する労働者のみを対象とする制度を設けることは、慎重な対応が必要であると考えております。  なお、本市では、低入札調査の対象となった業務委託につきましては、担当課において賃金支払い状況を確認しているほか、公共工事におきましては、監督員による施工体制の点検を通じて、下請代金や賃金の適正な支払いを促しているところでございます。  次に、市税の滞納整理についてでございます。  滞納整理においては、滞納の原因や生活状況等を十分にお聞きした上で、財産調査により客観的に担税力を判断し、滞納者の個別の事情に応じて進めております。差し押さえは、担税力があり、十分な催告等を行ってもなお納付や納付相談のない場合に実施しているところでございます。  また、納付相談において、生活に困窮されていること等が判明した場合には、福祉部門の窓口を紹介するなど適切な対応に努めているところでございます。  今後とも、こうした滞納者の担税力に合わせたきめ細かな対応を行ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 35: ◯教育長(大越裕光)私からは、仙台市科学館の改修に係るPFI手法の導入に関する御質問にお答えいたします。  今回、PFI手法導入に当たっての検討案においては、学校教育業務は市直営で引き続き行い、展示などの学芸業務や施設管理を民間に委ねるという内容としております。  科学館の運営に当たっては、展示リニューアルにおいて事前協議を義務づけることや、市と民間事業者による連絡調整会議などを行うことによって、情報を共有し、それぞれの業務に還元できるように連携を図ることを想定しております。  科学館としての専門性や蓄積してきたノウハウを生かした上で、より効果的な事業運営が実施できるようになるものと考えており、PFI手法の導入に向けた検討を進めてまいりたいと存じます。  次に、社会教育施設における行革の推進についての御質問にお答えいたします。  本市では、行財政改革プランを策定し、改革に取り組んでおりますが、社会教育施設におきましても、高度化、多様化する市民のニーズに応えながら、財政負担の軽減を図り、将来にわたって効果的、効率的に運営していくことが求められております。  施設の整備や管理運営において、民間の資金やノウハウを活用したPFI手法や指定管理者制度を導入することは、市民サービスの向上に有効な手法であると考えておりますことから、これらを導入することについての検討を深めながら、市民の生涯学習の振興に資するため、今後も社会教育施設としての目的、役割をしっかりと果たしてまいりたいと存じます。  以上でございます。 36: ◯二十一番(すげの直子)二点について再質問をさせていただきます。  まず、財政見通しについてです。私が社会保障費の増大が財源不足の理由とは言えないのではないかという質問をさせていただきました。社会保障関係経費がふえることが財源不足の大きな要因の一つであるという御答弁をされたと思います。そうであるならば、要因の一つだというのであれば、やはりこれだけを強調するというのはどうなのかというのがあります。  それで、行革の中間案が出たときも、その中間案の中に生活保護費などがふえることで市の財政は大変になるんだというような記述があったわけです。私、これについて、生活保護費というのは国から全額賄われるわけだから、保護受給者がふえることで市の財政を圧迫するという関係にはならないはずだという指摘を常任委員会でさせていただいて、その記述が今回の行革案からはなくなっておりますが、こうやって一つ一つ指摘をしなければ、社会保障費がとか生活保護費がとか、必ずそういうことが理由だと市民に思わせたいかのように書いているのではないかと、これまでの繰り返しの議論の中でですね、大きな要因の一つだというふうに言うのであれば、そういうふうに言うべきだし、ほかの要因は何なのかということもあるんじゃないかと思うので、この辺が一点、どうなのかということをお伺いしたいと思います。  二点目です。行革について、私は、人減らし、市民サービス切り捨ての行革はやめるべきだというふうに求めたわけですけれども、総務局長からは、配置は適正な配置に努めているとか、多様化、複雑化している住民のニーズに的確に対応していくというような御答弁があったんですけれども、本当に、今の時点でも、先ほども申し上げましたが、産育代替だとか欠員の補充すらできない事態が、総務局長がそれを適切だというふうに考えていること自体が私は間違っているのではないかというふうに思います。  今後、五年間で職員をさらに三百九十人減らすと。二百七十人ふやすという計画もありますので、でも、差し引きでまた百二十人減らすという計画になっています。内訳いただいたら、公立保育所の保育士が一番多くて、百四十人減らすということです。安心して預けられる保育所が欲しいと今切実に市民が願っているときに、市民が保育士減らすのいいですねというふうに思うでしょうか。私はそんなことはないと思うんです。  保育士不足が深刻になっていますけれども、これも、公立保育所の廃止を進めていることが保育士全体の待遇悪化を招いて、若い人が保育士を希望しないという事態をつくっています。地域限定保育士という苦肉の策まで取り入れようというときになぜこういう案が出るのか、全く理解ができません。職員を減らさなければならないということを至上命題にしているから、こういう市民の願いとかけ離れた行革案になっているんじゃないかと思うんですけれども、二点について御答弁願います。 37: ◯総務局長(加藤俊憲)次期行財政改革における職員数の削減についての再度のお尋ねにお答えいたします。  私ども、保育所の民営化につきましては、急増いたします、引き続き増加しておる行政需要、保育所の需要に対しまして、民間の活力を利用して保育所をふやしていくということが適切な手法だと考えて、この間取り組んでまいってきたところでございます。  そういった過程において保育士が削減されるということでございますが、この間民営化されてきた保育所の実績を捉えましても、決して保育所の民営化イコール保育の質の低下になるというふうには考えておらないところでございまして、保育所の民営化も含めまして、また、必要なところには必要な人員を増員するということも引き続き生活保護の分野等については行っていくという、そういった計画でございまして、単純に業務を減らして百二十人削減すると、そういう計画ではないということを御理解いただきたいと思います。  以上でございます。 38: ◯財政局長(西城正美)財政の見通しに関連して収支差の要因でございますが、財政見通し、歳出につきまして性質別の各費目ごとに推計いたしますと、毎年確実に増加していくと試算されるのが扶助費であることは間違いございません。国庫補助金等の制度はございますが、一般財源も市の負担として必要になってまいります。そのような試算結果から、扶助費が収支差拡大の要因の大きなものを占めているというふうに認識してございます。  他の要因といたしましては、公共施設の老朽化が進んでございますので、そういった対応も必要となってくることが見込まれます。これまで扶助費の増大に対して普通建設事業を抑制して対応してきたという経過がございますが、今後、公共施設の老朽化等の財源もきちんと確保して対応しなければならないということもございまして、中期的な財政運営の中で、普通建設事業費を抑えてつじつまを合わせるという手法は極めて難しい状況になってきておりますので、そのようなことも含めて扶助費の財政負担というものを記載してまいったところでございます。 39: ◯二十一番(すげの直子)福祉に一番お金をかけるのは当たり前のことだと。それが自治体の一番の仕事ですからね。それがふえるということの中で、扶助費は義務的経費と言われているものですよね。だから、そこの部分が今後ふえていくということがわかっているし、かけなければならないというふうになったときに、どうやって財源不足にならないかということを考えれば、やっぱり投資的経費をどうやって抑えるかというふうに考えなければならないんだと思うんですね。  そうじゃなくて、もちろん普通建設事業費でも、学校とか市民センターの長寿命化とかそういう、保育所、特養ホームの建設費とか、必要な公共事業費というのは私もそれは当然あるというふうに思っています。  しかし、今回の財政見通しは、やっぱり福祉にお金がかかるということがわかっていながら、普通建設事業費にはやっぱりそれ以上に積み上げているようにどうしても見えてしまいます。ハード、ソフト両面ともに大事だということを先日御答弁されておりましたけれども、やっぱりハードのほうに大分かじを切ろうとしているように見えるんです。やっぱりこれが財政難を生む原因になるんだし、第一問でも申し上げましたけれども、やっぱり身の丈を超える、必要じゃない公共事業に熱中するという姿勢を改めるということが、財源不足をつくらない道になるんだということだと思います。財政見通しではこの点が質問です。  行革の問題です。本当に市民の願いともどんどんかけ離れた行革になっていると思います。  先日、代表質疑の中で藤本副市長は、行革をやることで行財政基盤の強化を図るという御答弁もされておりました。強化されるどころか、私は逆にどんどん弱まっているというふうに思います。本市では、やはり青葉区選管の票の水増し事件という最悪の結果となってあらわれたわけです。こういうことをきちんと反省すれば、これまでの行革から大きく転換させなければなりません。行革で職員が市民からどんどん遠ざかれば、市の進める政策自体がやっぱり市民の実態をきちんと反映したものにはならない、市民からかけ離れた政策になっていく。そのために、また職員も効率性を求められて、そういう中で本当に困難を抱えた市民は切り捨てられていくという悪循環につながっていると思います。  一九九五年からやってきた行革の成果を誇っておられますけれども、市民や職員がどんなにこの間協力してきても、ここぞというときに、県内最低の子供の医療費助成の拡充が行われるわけでもない。ほかの市町が継続を次々と決断している被災者の医療、介護の免除がいち早く継続を表明されるわけでもない。一体誰のための、何のための行革なのかと思います。  以前、同じ問いに奥山市長は、市民の皆様への行政サービスの水準を維持・向上させることを目指した市民のための行革だと答弁されていました。今も胸を張ってそうお答えになれるのでしょうか、伺います。 40: ◯副市長(藤本章)二点について再度の御質問についてお答え申し上げます。  行革の問題で申し上げますと、おおむね、私の記憶で申し上げますと、昭和五十三年当時は企業体も含めまして総職員数が約八千五百人と。ピーク時が平成八年度、約一万一千人程度、現在が九千三百人程度という構造になっておりまして、この間ずっと見ますと、やはり仙台市政としましては、南北線の新設、あと政令指定都市に向けての一市二町の合併に伴う千人程度の増員と、それから指定都市移行に伴う県からの移譲事務に伴う増員という中で、相当数の増員の手当てをしてきております。  それをそのまま単純に増員だけで対応してくるというのは、これは極めて難しいわけでありますので、その間見直しをしながらきておりまして、現在の人的な水準になっているということでありまして、そういう意味でのずっと仙台市政全体の行政基盤ということで見ますと、そのときそのときの事情はありますが、総体として見れば、こういう形で財政基盤、行政基盤を整えてきたと、こういう理解でおります。  あと、いわゆる普通建設と健康福祉関係の予算で申し上げれば、もともと仙台市は土木費のほうが圧倒的に多い状態できておりましたけれども、現在はむしろ健康福祉費のほうが、民生予算のほうがはるかに上回っておるわけでありまして、そういう意味では、仙台市政の全体の構造としてはどちらかというと民生費に重点配分をした予算の姿になっていると、こういうふうに理解をいたしております。 41: ◯財政局長(西城正美)普通建設事業費につきましては、復興関係の東部復興道路整備ですとか各種の公共施設の計画的な大規模改修といったものを計上しているところでございまして、引き続き必要な建設事業については措置してまいりたいと考えております。 42: ◯議長(岡部恒司)この際、暫時休憩いたします。     午後三時十六分休憩          ────────○────────     午後三時三十五分開議 43: ◯議長(岡部恒司)休憩前に引き続き、会議を開きます。  ここで、副議長と交代いたします。     〔議長 岡部恒司退席、副議長 安孫子雅浩議長席に着く。〕 44: ◯副議長(安孫子雅浩)議長と交代いたします。
     次に、辻隆一さんに発言を許します。     〔四十三番 辻隆一登壇〕(拍手) 45: ◯四十三番(辻隆一)社民党市議団の辻隆一です。一般質問を行わさせていただきます。  まず初めに、地方交付税と総合戦略、行革プラン等についてお伺いをいたします。  来年度の政府予算における地方財政計画を見ますと、消費増税や税収の自然増などを背景に、前年度比〇・六%、〇・五兆円増の八十五・八兆円となっています。その一方、地方交付税は、対前年度比〇・三%、五百四十六億円減の十六・七兆円になっています。  その中で特徴的には、地財計画における地域の元気創造事業費に人口減少等特別対策事業費が加えられ、平成二十七年度に創設されたまち・ひと・しごと創生事業費が引き続き一兆円計上されていることです。このことについて、まず政権の政策に乗じた場当たり的な施策と指摘しておきたいと思います。  この一兆円の枠とともに、地方創生関連予算として計上された交付税をめぐって、全ての自治体がまち・ひと・しごと創生総合計画の策定を迫られ、その評価によって国からの交付額が決められるということであれば、いたずらな都市間競争をあおるものであり、極めて大きな問題をはらんでいると考えます。  本市も、この交付税のためにと言って過言ではありませんが、名称も上倣え、右倣えとなったかのような仙台市まち・ひと・しごと創生総合戦略の原案を策定しました。市長はこれらの点についてどのような御所見をお持ちか、お伺いするものです。  二点目は、地方交付税が本来の趣旨からかけ離れて、国の政策誘導の手段として、また地方財政縮減のために安易に利用されているのではないかという点です。  それは、歳出の効率化を推進する観点から、歳出効率化に向けた業務改革で他団体のモデルとなるようなものを地方交付税の基準財政需要額の算定に反映させる取り組みを推進するというトップランナー方式の導入であります。つまり、二十三の自治体業務について、民間委託や指定管理者制度の導入などの評価を地方交付税額の算定に反映させるというものです。  これまでも震災直後からの国が取り組んだ人件費削減を地方に押しつけてきた手法と同じであり、まさに地方交付税削減をちらつかせた、上からの行革命令のようなものであり、地方分権の否定そのものであると言わざるを得ません。  本市は、現在、行革推進プラン二〇一六の策定を進めていますが、このような分権改革と逆行する施策が国から押しつけられる中で、その流れに乗ったものであってはならないと考えますが、御所見をお伺いするものです。  また、地方交付税のあり方、地方財源の確保などについて、とりわけ法人税を全国再配分の財源として地方交付税に組み込むことや、消費税を地方消費税として税源移譲することなどを政府に求めていくべきと考えますし、政令市長会や全国市長会等を通じて働きかけていくことを求めたいと存じますが、御所見をお伺いいたします。  次に、介護保険、地域総合事業に関連してお伺いをいたします。  一昨年六月に成立した地域医療・介護総合確保法は、高齢化がピークと想定されている、いわゆる団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年問題を見据えて、医療と介護を一体的に扱いながら、その効率化を柱とする改革を目指すものとされましたが、その中身は、介護保険の高齢者の自己負担引き上げなど、負担増、給付縮小の厳しい改悪となりました。この年の四月に消費税が引き上げられましたが、税と社会保障の一体改革の議論はどこへ行ったのか、いぶかるしかありません。  また、今回の改定は、介護の必要な方を、家庭も含めてではありますが、地域で支援するということは、安倍内閣が新しく掲げた三本の矢の介護離職ゼロの方針とも矛盾するものと指摘しておきたいと思います。  今回の改定で、予防給付のうち、訪問介護と通所介護サービスを全国一律の基準から外し、市町村事業、地域支援事業に移行されることになり、既存の指定事業者によるサービスに加えて、町内会やNPO、民間企業、ボランティアなど、地域の多様な主体を活用したサービスを総合的に提供することになります。  そこで伺う第一点は、財政負担の問題です。  国は、この総合事業推進に指針を策定し、財源確保も含め市町村の事業の円滑な実施を支援するとしていますが、介護保険全体の費用削減の意図が見え見えであり、要支援切りとの批判が出されてきました。この地域支援事業の展開による本市の財政負担はどのようになるのかお示しください。  二点目は、地域の多様な主体の活用も視野に入れた取り組みということになっていますが、町内会や民生委員、地区社協などの役割がふえていくのではないかという懸念の声も聞こえてきています。特に要支援と判定された方のうち、認知症を患っている方等への支援は、本来、専門的なスキルを持った方の支援が求められていますが、果たして地域支援事業になじむのかどうか疑問に思うところです。  地域支援事業について、地域の諸団体との関係についてお伺いをするものです。  三点目は、地域包括ケアシステムの構築についてであります。  地域包括ケアシステムとは、自宅や地域で安心して暮らし続けられるために、介護、福祉、保健、医療などを各種サービスを有機的に結びつけ、高齢者のニーズに対応できるトータルサービスのことです。おおむね三十分以内に必要なサービスが提供できる日常生活圏域、中学校単位での取り組みが想定されています。  しかし、現実的には、地域での医療サービスや往診体制、訪問看護などは充実していないのが実態です。在宅医療に関する医師の意識や、担うマンパワーの確保の問題などが横たわっています。地域包括ケアの重要な一翼を担う訪問看護サービスの拡充も求められており、これらの点についての当局の認識についてお伺いします。  四点目は、この総合事業の担い手の軸は地域包括支援センターということになり、本市は平成二十七年度から二十八年度にかけて五十カ所のセンターに専任職員を配置することと伺っており、そのことは評価するものです。  その上で、先ほど述べた地域包括ケアシステムの構築という点では、これまで以上のスキルアップや専門性のレベルアップも問われているのではないでしょうか。御所見をお伺いします。  また、関連して、市長は、本定例会冒頭の施政方針の中で、地域で高齢者の生活を支える体制づくりを進めると述べられました。介護予防の観点に立って考えると栄養指導も必要な観点だと考えますが、この点についての御所見をお聞かせください。  また、高齢者の運動機能の低下は低栄養や栄養欠乏が要因の一つにもなっているという指摘もあります。国の自立支援型プランの例でも取り上げられているものでもありますし、食の改善が認知症の改善例になったという事例もあります。栄養指導の重要性に鑑み、地域包括支援センターへの管理栄養士の配置もまた視野に入れていくべきではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、総合交通政策に関連してお伺いします。  昨年十二月に地下鉄東西線が開業し、本市の骨格交通体系の核をなすものと期待されています。市長も、本定例会冒頭の所信表明で、東西線が加わった交通体系を最大限生かすとともに、都心の道路空間の利活用などまちの魅力につながる都市交通政策の検討を進めますと述べられています。  二〇一六年度は二〇二〇年までの十年間の本市の交通プランの折り返しとなります。国は、二〇一三年十一月に交通基本法を成立させ、二〇一五年二月には交通基本計画を策定しました。今や自治体を含め交通政策を見直す機運が進行してきていると言えます。そこで、本市の交通政策について、また関連して諸課題についてお伺いします。  まずは、直近の課題として地下鉄東西線のアクセスについてでありますが、開業以来、乗り継ぎの問題が私どもに対しても寄せられていますし、マスコミでも取り上げられてきました。特に、帰路、地下鉄をおりてからの乗り継ぎの不便さが指摘され、まさに行きはよいよい帰りは怖いの世界ではないかとさえ言えます。  この問題は、開業前から想定、指摘されてきたものです。これに対して当局は、住民の意見を反映させたものと言ってきましたが、現時点でどのように受けとめておられるのでしょうか。今後の対策も含めてお考えをお示しください。  このバスと地下鉄を含む鉄軌道との結節をめぐって、また、バスの便そのものが悪い、利用しづらいなどの意見が寄せられています。交通プランでは、鉄軌道との結節のための路線再編は意識されているものの、市民の足としてのバスが果たす役割については捨象されている感がいたします。  高齢社会の進展等とともに、郊外住宅地域等での生活に必要な施設の撤退などによる買い物難民という言葉が躍るようになって久しくなります。かつては、行政路線、福祉路線などとしてバスによる移動環境も意識されてきた経緯もありましたが、近年はバス事業の経営、効率化等が前面に出されてか、聞かなくなってきています。改めてこのような状況についての当局の考えをお聞かせください。  コミュニティバス等の地域交通にしても、これまでの施策では交通事業者のみに負担がかかるシステムとなっていては、事業は成功しませんし、市民の期待に応えることはできません。行政の責務の明確化とともに、市民協働で取り組む姿勢こそが問われているのではないでしょうか。この点についても御所見をお伺いします。  この問題の冒頭に交通基本法について触れました。この法は、民主党政権時代に検討が進められ、安倍政権になって制定されたものです。地域交通弱者の足をどう確保するか、交通権、つまり国民の移動する権利をどう保障するかの議論から出発したはずで、紆余曲折を経て成立しました。  交通モードごとの縦割り行政の交通体系が整理されたことは一定評価できますが、しかし、肝要な交通権の保障の視点は削られ、国際競争力強化、国土強靱化政策を裏打ちする、巨大交通インフラ整備の促進に法的根拠を与えるものと大きく変質したことは残念に思うところです。  また、二〇一五年二月に策定された交通基本計画にしても、財源保障は提起されず、自治体の交通政策にあめをぶら下げて丸投げするような政策は絵に描いた餅になるという疑念は拭い切れません。  今、多くの自治体で交通基本条例の制定が進められてきています。その中でも私が先進的と評価できるのは、福岡市の生活交通条例、熊本市の交通基本条例などです。これらの条例では、公共交通空白区、公共交通不便地域などの定義を明確にして、行政の責務や市民協働の取り組みなどが盛り込まれています。  ぜひ本市でもこのような視点を明確にした条例を制定すべきではないかと考えますし、本市の交通プランの後期の施策の柱にすべきと提言をするものでありますが、御所見をお伺いいたします。  以上で一般質問の第一問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 46: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの辻隆一議員の御質問にお答えを申し上げます。  まち・ひと・しごと創生の進め方についてでございます。  急激な人口減少や東京圏への一極集中などの問題に対し、将来にわたって活力ある社会を維持していくことを目的に、全国を挙げて地方創生の取り組みが進められているところでございます。  今後の少子高齢、人口減少社会に対応していくためには、それぞれの自治体において、みずからの地域の未来をどのように思い描き、まちづくりを進めていくのかという創造力と自立性が問われているものと考えます。  このため、本市におきましては、政策重点化方針を策定し、新年度より各般の取り組みを進めることといたしたところであり、その基本的な考え方は国の地方創生の動きとも共通するものと考えております。  今回原案をお示ししております本市版の総合戦略の策定に当たりましては、政策重点化方針に沿って改めて基本目標を定め、関連する事業の体系化を図っているところでございます。  今後、事業の実施に当たりましては、地方創生に関する交付金の申請の前提とされる地方版総合戦略の策定を年度末までに終え、国費を最大限活用しながら、本市にとって必要な事業を推進してまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 47: ◯総務局長(加藤俊憲)次期行財政改革についてお答えいたします。  本市ではこれまでも、財政状況を初めさまざまな行財政環境を十分に踏まえた上で、民間活力の導入や各般にわたる既存の事務事業の見直しなど、本市の実情に即したさまざまな取り組みを絶えず行い、的確に行政需要に対応してまいりました。  民間活力の導入に際しましては、行政と民間の適切な役割分担を図りながら、民間の創意工夫により効率的なサービスの提供に取り組んできたところでございます。  現在策定を進めている次期行財政改革計画におきましても、個々の取り組みを具体化する際には、引き続き、こうした視点を基本に、本市の現状を十分考慮しながら実施することで、持続可能で確かな行財政基盤の確立を図ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 48: ◯財政局長(西城正美)地方交付税のあり方と地方財源の確保についての御質問にお答えいたします。  次年度の地方財政計画における地方創生や歳出効率化の観点は、地方も認識を共有する部分がございますが、そもそも地方交付税は地方固有の財源であり、国の歳出削減や政策誘導を目的とした取り扱いを行うべきではなく、必要な地方財源の総額を確保すべきものであると認識しております。  地方財源の確保につきましては、分権型社会の実現に向け、国と地方の役割分担を抜本的に見直した上で、その役割分担に応じた税配分となるよう、消費税や法人税など基幹税からの税源移譲により、地方が自立的な財政運営を行うための税財政制度を確立することが重要であると考えております。  これまでも、この実現に向け国に対して求めてまいりましたが、今後ともさまざまな機会を捉えて他の指定都市と共同しながら強く要望してまいりたいと考えております。 49: ◯健康福祉局長(佐々木洋)介護保険に関する数点の御質問にお答えいたします。  初めに、地域支援事業の財政負担についてでございます。  地域支援事業の費用につきましては、被保険者からいただく保険料と国、県、市町村の公費により、法定の負担割合に基づき賄われております。  今後、介護予防給付のうち地域支援事業へ移行する訪問介護と通所介護の費用につきましては、移行後も現在の介護予防給付と変わらない財源構成となります。  また、地域包括支援センターの運営や介護予防、認知症施策の充実を図るため、事業費の増加が見込まれるところですが、その費用の負担はこれまでどおり地域支援事業の枠内で法定の財源構成により支える仕組みとなっております。  次に、地域支援事業と地域の諸団体との関係についてでございます。  地域支援事業は、市町村がその地域の実情に応じた取り組みを展開できるものでございます。  本市におきましては、認知症など専門的なケアが必要な方に対しては、医療や介護のそれぞれの専門機関と連携しながら対応しており、今後とも必要な方に適切なケアが提供できるよう基盤整備に努めてまいります。  少子高齢化の進展により、家事や掃除、見守りなど生活支援を必要とする高齢者は今後も増加することが想定され、地域のさまざまな主体による支え合いの取り組みは重要であると考えております。引き続き、その体制づくりに力を注ぐとともに、医療や介護の専門機関ともしっかりと連携しながら、高齢者の地域での生活を総合的に支えていくシステムを構築してまいりたいと考えております。  次に、地域包括ケアシステムの構築に係る在宅医療についでございます。  高齢者が住みなれた地域で安心して暮らしていくためには、心身の状況に応じて必要な医療を受けることができる環境が欠かせないものでございます。  市内において訪問診療や往診を行う在宅療養支援診療所や訪問看護事業所は年々増加しておりますが、高齢化の進展に伴い、これまで以上に自宅での医療や看護のニーズが高まっていくものと認識しております。  今後、仙台市医師会や宮城県看護協会などと連携し、在宅医療の調査を行い、サービスの提供体制について検討するなど、在宅医療の充実に向け取り組んでまいりたいと存じます。  次に、地域包括支援センターのスキルアップ等についてでございます。  地域包括ケアシステムの構築に向けては、地域における医療や介護のサービス提供と、地域団体や地域住民による支え合いの活動が効果的に連携していくことが必要でございます。  地域包括支援センターには、地域に根差した活動を通し、地域のさまざまな主体の連携強化につなげていくことが求められており、その果たすべき役割はこれまで以上に大きくなるものと考えております。  この間、専任の職員を配置するなどセンターの体制の充実に取り組んできたところであり、加えて、介護予防や認知症の研究者を招いての研修会の開催、処遇困難事例に対する医療関係者等を交えた事例検討会を通じて、業務のレベルアップ、スキルアップを図っております。  今後も、これらの取り組みを充実し、センターの機能強化を進めてまいりたいと考えております。  最後に、栄養指導についてでございます。  高齢者の栄養指導は、運動機能の保持を初めとした介護予防の視点や、食を楽しみ、自立した生活を維持し、生活の質の向上を図る観点からも非常に重要であると認識しております。  現在、本市においては、区保健福祉センターの管理栄養士による訪問指導や、元気応援教室において栄養改善の普及啓発に取り組むとともに、地域包括支援センターが実施する介護予防ケアマネジメント業務においても、介護サービス事業所の管理栄養士と連携しながら栄養指導につなげているところでございます。  このように、管理栄養士との連携のもと、さまざまな取り組みを行っているところであり、地域包括支援センターへの配置は考えてございませんが、引き続き、高齢者の皆様が生涯を通じて生き生きと生活が送れますよう、介護予防、健康づくりへの取り組みを積極的に進めてまいります。  以上でございます。 50: ◯都市整備局長(小島博仁)交通政策の一連の質問にお答え申し上げます。  まず、東西線からバスへの乗り継ぎについてでございます。  バス事業者におきましては、乗車習慣の定着や季節変動の把握に一年程度必要と考えておりまして、乗車実績等を分析した上で、利用状況を踏まえた路線や便数の見直しに取り組むものとされております。  本市といたしましては、乗り継ぎという乗車習慣の早期定着に向けた周知等について、バス事業者と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。  次に、市民の生活の足としてのバス並びに市民協働による取り組みについてでございます。  郊外における買い物や通院など、日常生活に必要な交通手段の確保は大きな課題になっておりまして、その対応を厳しい経営環境にあるバス事業者のみに頼ることは困難な状況になりつつあると認識しております。  こうした状況を踏まえますと、持続可能な市民の足の確保のためには、住民による積極的な利用や運営など、地域の主体的な取り組みが重要と考えておりまして、交通事業者も含めて連携し、市民の足の確保に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。  最後に、交通基本条例の制定に関するお尋ねでございます。  国におきましては、交通政策基本法の趣旨を踏まえ、地域の活力を維持し、持続可能な地域公共交通ネットワークを構築することを目的に、地域公共交通活性化再生法を改正し、路線バスとコミュニティバスとの連携によるネットワーク化などの自治体の取り組みを促しているところでございます。  現在、本市ではこれを受け、有識者の御意見をいただきながら、他都市の事例なども参考とし、新たな都市交通政策の策定を進めているところでございまして、この中で地域、交通事業者、行政の役割分担や連携のあり方を検討しており、今後それに基づき各種施策を展開してまいる所存でございます。  以上でございます。 51: ◯四十三番(辻隆一)行革の関連で一点だけ再質問させていただきます。  仙台市が今取り組んでいる行革プランについては説明があったとおりなんですが、私が質問している趣旨は、来年度からの地方財政計画の中にトップランナー方式というものが導入されて、さらに行革を進めろと。それで、そうでないと地方交付税に反映されるぞというような、おどしとも言える中身が伴ってきているんじゃないかということです。そのために、その餌に飛びつくような形での行革プランの拡大ということはやっぱり問題ではないかということを私は指摘しているわけで、その点についての考えをもう一度お示しいただきたいと思います。 52: ◯総務局長(加藤俊憲)行革に対する再度の御質問にお答えいたします。  私ども行財政改革は、先ほども御答弁いたしましたとおり、仙台市の実情に応じて取り組みを進めるということが基本でございまして、確かに国に掲げる交付税のメニューに飛びつきたいという気持ちがないわけではございませんが、あくまで仙台市が置かれている状況を見ながら進めていくということが基本だということを繰り返し申し述べさせていただきまして、御理解を賜りたいと思います。  以上でございます。
    53: ◯副議長(安孫子雅浩)次に、太白区選出のわたなべ拓さんに発言を許します。     〔三番 わたなべ拓登壇〕(拍手) 54: ◯三番(わたなべ拓)議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  まずは、さきの台湾、台南市震災犠牲者の皆様に心より哀悼の意を表します。  台南市は本市の協定締結都市であり、東日本大震災に際しては、台南市長みずからが、早い時期にあの混乱状況の中で何度も交通機関を乗り継いで、海外から寄附金としては最高額である一億四千万円もの寄附金を仙台まで届けてくださいました。本物の友好関係を築いている真の友人、台湾、台南市の苦境を、今度は我々が救う番です。引き続き募金活動や台南への旅行などを継続してまいりましょう。  さて、平成二十七年の訪日外国人旅行者数は過去最多の千九百七十四万人を記録し、平成二十六年に比較して四七・一%の増加を見たのであります。また、大阪万博の開催された昭和四十五年から実に四十五年ぶりに、日本人の出国者数を訪日外国人数が上回ったのであります。  平成二十七年の訪日外国人旅行消費額は、前年度比で七一・五%増の三兆四千七百七十一億円で、初めて三兆円の大台を突破し、過去最高値を記録しました。人口減少、少子高齢化によりGDPの成長が難しくなりつつある我が国において、観光業は数少ない成長産業であり、地方創生は喫緊の課題でありますが、海外からの旺盛なインバウンド需要の取り込みにより交流人口の増大を図り、地域経済を活性化させる原動力とするところに主眼があるのであります。  こうした国を挙げての観光立国推進の取り組みの中で、本市ではこのたび文化観光局の新設が提起されました。平成二十八年度施政方針で述べられましたように、仙台市の魅力の創出や発信に広い視野で取り組み、スポーツや文化、観光などの分野の有機的な連携を図りつつ、戦略的なインバウンドを実現するための文化観光局の新設あれば、歓迎すべきことであります。  仙台市政策重点化方針二〇二〇戦略プロジェクト四にも、国内外からの誘客、広域観光の推進がうたわれております。また、仙台市まち・ひと・しごと創生総合戦略第三部総合戦略基本目標2)(原案)では、観光振興の一方向性として地域資源の発掘と磨き上げによる地域の魅力向上がうたわれており、正しいアプローチだと思える一方で、大変残念な点も見られるのであります。それは歴史的価値の軽視であります。  確かに、当該項目自体は地域の文化、スポーツ、歴史等の資源を活用した観光振興となっているものの、文章内容は、冒頭から文化財や観光名所に限らずと始まり、歴史文化遺産を相対視するかのように受け取れる文意であり、歴史的価値を正面から評価し、観光振興に生かしていこうとの前向きな意気込みは見てとれないのであります。  こうした歴史的価値の軽視を裏書きするように、仙台市政策重点化方針二〇二〇では、スポーツツーリズムという文言は登場するものの、歴史という文言はついぞ見当たりません。新年度における施策の第一の柱となる三つの政策重点化方針の三番目、東西線開業を契機とした都市の楽しさを創造するまちづくりにも、歴史という文言はついに登場しません。無論、スポーツや芸術もまちの魅力づくりには欠かせない要素ではあります。しかし、現状では我がまち仙台の歴史に対する愛を欠いていると疑われても仕方がありません。  仙台藩祖伊達政宗公が文化的骨格を築いた歴史ある我が仙台であるからは、歴史的価値を尊重し、歴史的町並みや歴史的建造物など、地域の有する歴史文化遺産をまずはしっかりと保全すること。その上で、保全された歴史文化遺産をインバウンドをにらんで磨き上げ、戦略的にまちの魅力づくりに活用していくべきではないでしょうか。  さて、そうはいっても、我々の生きている現実の仙台には、既に歴史的建造物がそう多く残されてはおりません。昨年の国連防災会議に際しては、国外の教養ある専門家たちを連れていく歴史スポットが質、量ともに乏しいことに頭を抱えたものであります。  仙台の歴史的な町並みは戦災で失われたとよく言われます。確かに中心市街地においてはそう言えるのかもしれません。しかし、喪失の原因は戦災だけなのでしょうか。戦災を免れた歴史的建造物の多くは、都市開発や不便さ、維持の困難のゆえをもって取り壊されてきたのが実情だったのではないでしょうか。  近代仙台研究会や東北工業大学大沼正寛准教授の研究、そして我が仙台市史通史編七近代二に詳しいのですが、現に、戦災を免れた貴重な歴史的建造物は、主なものだけでも十二件中十件が戦後に取り壊されています。最近では、農林中央金庫東北支店が二〇〇七年、仙台政府倉庫が二〇〇八年、仙台市登録文化財であった荒巻配水所管理事務所が二〇一一年に永久にその姿を消したのであります。  これらの建物は皆、戦前から先輩方が悲喜こもごもを重ねられてきた現場であり、そこからいかにして現在我々の生きる仙台になったのかを定点で目撃してきた証人であります。  一棟の建物が残ることで、過去と現在、そして未来へも時間軸をつなげることができます。そこで重ねられた多くの先人の記憶を、我々も、そしてまだ生まれてもいない後生も追体験することができます。我々の来し方を確認できるよすがを地域に残していくのは、我々の後世に対する責務であります。不断に変化を遂げていくのは都市の宿命だとしても、我々の時間感覚を超えてそこにあり続ける遺産がまちには必要なのではないでしょうか。  一たび失われれば回復が困難である歴史的・文化的建造物等を仙台の魅力や個性を創出する源と捉え、これらをしっかり保全し、活用する。そうすることで、伝統ある杜の都仙台の歴史的・文化的景観を継承し、市民がまちに愛着と誇りを持てるようにと、かつて我がまちの先輩方は真剣に考えておられました。  平成十四年には、杜の都の風土を育む景観条例の一環である景観重要建造物等の指定制度について、仙台市景観審議会は答申を提出。歴史的・文化的建造物等を、文化財的な視点に偏らず地域の活性化のために活用していくことが、地域に対する市民の愛着や誇りの醸成につながるとしており、卓見であります。  具体的には、伝統的和風建築、洋風建築、現代建築、樹木・緑地などの類型により、景観重要建造物等の指定候補を四十五件挙げられ、そのうち十五件が優先的に保全を要する案件だとの答申がなされました。  結果的に、平成十四年に三件、平成十六年に二件の計五件が景観重要建造物として指定され、今に至ります。そうです。歴史ある我が仙台市における景観重要建造物は、通町の横山味噌醤油店、舟丁の石橋屋など、たったの五件であります。最後の二件が指定され、同時に景観法が施行された平成十六年以降十二年間、一度も景観重要建造物の答申、指定はありません。これでは余りに消極的な指定と言わざるを得ません。  この十二年間で数多くの歴史的建造物が漫然と失われました。例えば、さきの答申の指定候補リストにも記載されていた、昭和十三年築の農林中央金庫仙台支店は、くしくもちょうど九年前の今月、平成十九年二月に惜しくも取り壊されました。  この際、さきの答申の指定候補リストの物件を中心に、改めて指定を進めるべきではありませんか。当局の所見を伺います。  また、仙台市景観審議会は、何と平成十四年以来、ただの一度も歴史的・文化的資源についての審議、答申をしておりません。  かかる審議停滞の背景には、委員の構成の問題があると考えます。前回、答申提出の平成十四年当時は、委員に歴史専門家たる仙台市歴史民俗資料館長が含まれていたため、歴史的観点に立った提言が、委員構成上可能だったと考えられるのであります。しかし、先月で任期を終了した現在の同審議会委員には、都市計画や環境などの専門家がほとんどで、歴史に造詣の深い有力市議会議員の先生こそおられますものの、職業的な歴史専門家は委嘱されておりません。  この際、委員構成を旧状に復し、歴史民俗資料館や仙台市博物館、郷土史研究家などから歴史専門家を委員に任命してはいかがでしょうか。当局の所見を伺います。  また、そもそも、歴史的建造物の指定を進める前提として、当の建造物が現状幾つ残っているのか。平成十四年答申の指定候補リスト所載物件の現状について伺います。  また、平成十四年答申の指定候補リスト所載の建造物は、保全の重要性が高い、比較的著名な物件のみで構成されています。しかし、地域の魅力を醸成している歴史的・文化的に価値を有する建造物はこれらに限られるものではありません。庶民の一般邸宅などにも歴史的・文化的に保全に値するものが少なくありません。  本市では、平成十四年答申の指定候補リストには含まれない近代遺産住宅などの分布状況、物件の属性などについて把握しているのでしょうか。この点につき伺います。  また、もしこうした実態調査が未実施であるのなら、市民の力をこそかりるべきであります。まち遺産ネット仙台、近代仙台研究会を初めとする市民団体では、既に地理情報システムを活用した空間データベースを構築し、歴史的・文化的価値を有する地域遺産につき調査の蓄積があります。  仙台市協働によるまちづくりの推進のための基本方針(平成二十八年一月)では、政策形成過程において、企画、実施、評価など各過程に市民がかかわることを期待する旨うたっていますが、まさに行政だけでは対応困難な課題を市民との協働で克服することが期待できるケースではないでしょうか。当局の所見を伺います。  次に、地域における歴史的な風致を保存、活用する手だてとして、いわゆる歴史まちづくり法の活用が考えられます。  同法は、高齢化や人口減少による担い手不足により、歴史的価値の高い建造物や地域の伝統的活動などが失われつつあることから、文化財保護法が保護の対象として予定してこなかった、地域における固有の歴史伝統を反映した歴史的風致の維持、向上のため、歴史的建造物の復元や買い取り、移設、歴史的風致を損ねている建造物の修景、すなわち景観の修正、コントロールをも可能とするものなのであります。  同法によれば、補助金の上限が四〇%から四五%へとかさ上げ可能であり、電線電柱の地下埋設なども事業に追加できるなど、メリットが大きいのであります。これまでに全国で五十一市町村が同法の認定を受け、政令市では京都市、名古屋市、堺市が認定済みであります。  歴史まちづくり法は平成二十年に施行されましたが、本市にも歴史まちづくり法活用の余地はないのでしょうか。当局の所見を伺います。  また、従来の文化財行政は、史跡や寺社仏閣、伝統芸能など、個々の歴史文化遺産を点として指定し、保存するあり方を基本としてきたところ、地域に点在する歴史文化遺産を一定のテーマ、観点からストーリー性を持ってパッケージ化して説明する、いわば面として魅力を発信する枠組みとして、日本遺産の制度が創設されました。  昨年度、日本遺産に認定されたストーリーは十八件。本制度の申請は、単独自治体だけでなく、例えば水戸市、足利市、日田市などから成る「近世日本の教育遺産群─学ぶ心・礼節の本源─」という認定ストーリーなど、対象領域が複数自治体にまたがる場合には共同申請も可能である点に特色があるのであります。  施政方針では東北の各自治体との広域連携をうたっていますが、本市としても、例えば「古代東北経営の拠点群─古代城柵・「官衙」の展開と「日本化」の道のり」あるいは「もうひとつの明治維新─旧奥羽越列藩同盟出身者による近代国家建設」などと銘打って、関係史跡所在の自治体と広域観光連携の紐帯としての活用の余地はないのでしょうか。当局の所見を伺います。  また、歴史的建造物の創造的復元についても伺います。  仙台城近傍に所在し、現在、公園整備事業が進む追廻地区の活用方法ですが、同地は、伊達家の重臣、片倉小十郎公の邸宅跡でもあります。青葉山公園周辺には、開発と戦災のため、仙台の歴史を感じさせる建造物がほとんど残されておりません。かつ、追廻地区は、国際センターに隣接し、国史跡の仙台城入り口に位置するため、インバウンドの観点からも重要な意義を持つポイントであります。さらには、史跡指定地からも外れており、厳格な建築規制にはかかりません。  この際、現在進めている整備計画や、平成二十八年度から進める基本設計において、片倉小十郎公の邸宅跡地であることを十分に生かし、インバウンドに留意した内容となるように求めます。この点、当局の所見を伺います。  また、国内外の旅客の誘致には、仙台の有する多彩な魅力、強みを総動員し、複線的な楽しみを用意する必要があります。  まず、コンテンツを活用した観光、地域振興、いわゆるコンテンツツーリズムについて伺います。  平成二十五年に観光庁、経産省、JETROなどが、クールジャパンコンテンツから想起される観光地(総本山、聖地)への訪日を促すとの共同行動計画を発表しましたが、仙台市も、七人の少女がアイドルを目指して立ち上がるアニメ作品「Wake Up,Girls!」の舞台となったため、作品中に登場した場所がいわゆるアニメ聖地となり、ファンが訪れるアニメ聖地巡礼が国境を越えて広がりつつあるのであります。  しかも、ある者は、アニメの主人公などをあしらった車、いわゆる痛車、これは痛い車と書くのであります、この痛車で聖地巡礼を実施したり、ゆかりのある神社などでは、作品のテキストや精巧なイラストを絵馬に表現した痛絵馬、これは痛い絵馬と表現するのですが、この痛絵馬などが見られるのであります。  現に、某作品中に登場した大崎八幡神社、宮城県護国神社では、英語、ロシア語、フランス語、繁体字や簡体字の中国語、タイ語、ハングルなどで表現された、各国アニメファンによる痛絵馬が普通に掲示されているのを私自身確認しております。  さて、こうしたニーズに応えるべく、仙台市観光国際協会は詳細な舞台散策マップを提供するなどし、ファンに喜ばれているようであります。こうしたファンは、たとえいるにしても少数派だろうと過小評価するのは禁物であります。観光庁の訪日外国人の消費動向調査報告には、マンガ・アニメ・キャラクター関連商品、さらには映画・アニメゆかりの地訪問の項目が立てられており、こうしたファンの消費力は極めて旺盛であります。  ここで、仙台を舞台にしたアニメ作品の計画はあるのか、あるいは作品誘致の働きかけはしているのでしょうか。当局の所見を伺います。  また、ゲームやアニメとなり大ヒットした作品である戦国BASARAの事例は社会学的にも興味深いものがあります。同作品には、仙台にゆかりの深い伊達政宗公、真田幸村公、片倉小十郎公が登場しますが、歴史ネタを偏愛する、いわゆる歴女のファンが仙台に殺到し、大手旅行会社企画のツアーでは、参加者の実に八〇%が女性だったそうであります。彼女たちは、大きな歴史においては覇権を確立できなかった挫折者や脇役に対する思い入れが深く、マイナーな視点からの歴史の再評価など、意外な副産物ももたらしてくれております。  ポップカルチャーを内容とするコンテンツツーリズムは、必ずしも一般的ではないのかもしれませんが、ファン層による手がたいニーズを維持し、何より仙台の魅力を複線化する上で貴重な楽しみの一コースとなる上に、インバウンド誘致にも資するのであります。コンテンツファン対象の痛車フェスなどイベント企画、ひいては作品を入り口としてファンに仙台の魅力を認識してもらうための産官民による提携の余地も多分にあると考えますが、当局の所見を伺います。  次に、文学ツーリズムについて伺います。  仙台は、劇作家にして著名な井上ひさしや、ベストセラー作家の伊坂幸太郎、瀬名秀明を輩出し、作品の映画化も進んでおります。また、最近の作家だけでなく、偉大な歌人の落合直文、「荒城の月」や「天地有情」の詩人土井晩翆、そして文豪島崎藤村、中国近代文学の父魯迅などに深いゆかりを有するのが我が仙台であり、本市所管の仙台文学館で、これら文学者の生活上、作品上の舞台など、仙台市内の関係スポットをマップ化しております。  しかしながら、残念なことに、これら知的資産を観光の視点から十分に活用するには至っていないのが現状であります。例えば、この仙台文学館作成の文学関係マップを仙台市や仙台市観光国際協会のホームページに記載し、あわせてスマホ対応サービスにしたらどうでしょうか。さらには、仙台駅東口の島崎藤村の下宿、三浦屋旅館跡を中心とする名掛丁藤村広場に見られるように、文学者に関するエピソードをベースにまちづくりする余地は多分にあると考えます。当局の所見を伺います。  また、平成二十七年に、ようやく仙台市史全三十二巻の完成を見ました。必ずや後世に残る知的遺産となるでしょう。この知的成果を仙台のまちの魅力づくりに生かすべきです。重厚な地域史や、これまで一般には知られなかった各分野の偉人と仙台とのつながりなど、新たな知見をまちづくりに反映すべきであります。  例えば、歴史上の人物のエピソードや関連する空間、行動経路などを網羅したエピソードマップなどあれば、まち歩きの楽しさは倍加します。さらには、これをスマホで閲覧可能にすれば利便性も高まります。内容も、より詳細なもの、外国語対応など差別化を図り、有料サービスとすることも検討すべきであります。当局の所見を伺います。  さらに、博物館や民俗資料館が所蔵する歴史的文物を活用して、例えば、仙台城大広間跡で政宗公など歴史上著名な人物と記念写真を撮影できる有料のサービスがあれば、相応の人気が見込めると予想されます。有料のサービスにより収入が上がれば、文化財の保全などを自立して実施できます。稼げる文化財にしていく工夫が必要であります。当局の所見を伺います。  次に、DMO、すなわちDestination Marketing OrganizationないしはDestination Management Organizationについて伺います。  これは、要するにマーケティングでもってターゲットとなる顧客層を精緻に分析し、戦略を策定する、あるいは、地域の関連業者や住民を広く巻き込み、ブランディングやプロモーションなど経営管理的手法を駆使して、収益性ある地域観光づくりを行う、かじ取り役となる組織体制を意味するものであります。  これは欧米で広まった手法でありますが、我が国も、既に国外からの観光客誘致をめぐり熾烈な都市間競争を勝ち抜かねばならない上に、広域連携をも実現しなければならない時勢となり、従来の観光への取り組みでは体制的に不十分であります。文化観光局の役割としてDMO的機能を担保すべき問題認識を有しているのか、当局の所見を伺います。  次に、東北は震災後に訪日観光客が減少した唯一のブロックであります。東北の他都市との広域連携のもとインバウンドを追求するには、DMO的な枠組みが必要になると考えます。  新しい取り組みとはいえ、本市は、これまでJR東日本さんとのデスティネーションキャンペーンの機会などを通じて、宮城県内の他自治体との提携経験を有するのであります。これらの下地を有効活用し、広域連携への足場とすべきですが、デスティネーションキャンペーンにおける連携とDMO的なアプローチとは次元が異なる面もあります。  本市として、デスティネーションキャンペーンなどと今後求められるDMO的なアプローチとの異同をどのように認識し、文化観光局のリーダーシップに生かしていくお考えか、当局の所見を伺います。  次に、外国人観光客に関するマーケティングの問題であります。  仙台市政策重点化方針二〇二〇においても、目標値がなく、記述も一般的で、いかなるインバウンドを追求するのか、その内実がまだまだ不明瞭であります。昨年話題になったデービッド・アトキンソンの「新・観光立国論」にも指摘されているように、仙台を訪れてほしい外国人層を細かく分析し、明らかにすべきです。  ちなみに、日本観光振興協会は極めて廉価にマーケティングを受託しておりますし、先月になりますが、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部は、ビッグデータを活用した外国人滞在分析・消費分析を見える化した、極めて有用な地域経済分析システムであるRESAS、これを発表いたしました。  平成二十八年度当初予算に外国人観光客動態調査として六百五十万二千円が計上されていますが、以上の活用も十分に検討した上で、コストに見合う内容なのか具体的に伺います。  また、歴史や文化に関心があり、滞在日数も長い、欧米豪など比較的富裕な国民層に十分に訴求できていない現状がある中で、欧米豪からのインバウンド対策が必要と考えます。本市としての取り組みについて当局の所見を伺います。  最後に、東日本大震災からの復興をアピールし、東北地方の魅力を紹介するため、我が外務省が二月二十日、二十一日とソウル市で開催予定だった行事、Explore REAL JAPAN in ソウルが、開催当日にソウル市により一方的に中止されましたことに深い遺憾の意を表します。  韓国は、いまだに宮城を含む八県の水産物の輸入を科学的根拠もなく全面禁止しています。明白なWTO協定違反であり、我が国に対する不当な差別であり、我が仙台に対する重大な侮辱でもあります。断じて看過すべきではありません。仙台市としても、宮城県と連携のもと、外務省を通じ正式に抗議すべきです。  平成二十八年度当初予算案では、日中韓三カ国の国際姉妹都市所在の地方政府との交流会議などに四百三十七万円を計上していますが、仙台市を含む八県の水産物の輸入を科学的根拠もなく全面禁止していることを議題にしたのでしょうか。また、次回の交流会議においては、不当な水産物輸入禁止への抗議と、今回のExplore REAL JAPAN in ソウルドタキャン事案に関して強く抗議すべきことを市長に要請して、私の第一問を終わります。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 55: ◯市長(奥山恵美子)ただいまのわたなべ拓議員の御質問にお答えを申し上げます。  本市を舞台としたアニメ作品やコンテンツツーリズムについてのお尋ねでございます。  近年、ライフスタイルの多様化や情報化の進展に伴い、観光ニーズの多様化が進んでおりますが、そのような中にあって、アニメやゲームなどのポップカルチャーは、若年層や外国人を中心に高い誘客効果を生み出す可能性を有するコンテンツとなっているものと認識をいたしております。  こうした状況を踏まえ、本市におきましても、仙台を舞台とした人気作品である「Wake Up,Girls!」の制作に当たり、官民連携組織であるせんだい・宮城フィルムコミッションが支援を実施し、仙台シネマに認定した上、作品の中に登場する名所や店舗などを紹介するマップ及びウエブサイトを立ち上げるなど、聖地巡礼と呼ばれる熱心なファンをターゲットとした誘客に取り組んできたところでございます。  本市を舞台にした新たなアニメ作品の制作計画につきましては、現時点で情報は得ておりませんが、今後とも、フィルムコミッションと連携をし、ロケ地に関する情報提供の充実を図るなど、コンテンツツーリズムを本市への誘客に積極的に活用する取り組みを進めてまいりたいと存じます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 56: ◯経済局長(氏家道也)私からは、市長がお答え申し上げました観光施策についてのその他の御質問につきましてお答えいたします。  まず、文学の活用についてのお尋ねでございます。  本市は、多くの文学者を育み、数々のすぐれた文学作品を生み出している文学のまちとしての性格を有しております。仙台文学館では、文学者や文学作品ゆかりの地を案内するせんだい文学マップを作成したほか、仙台観光国際協会のホームページ、せんだい旅日和の中でも、作品ゆかりの地をめぐるモデルコースなどを紹介してまいったところでございます。  今後、せんだい文学マップを初めとする文学関連のコンテンツを観光プロモーションにも取り入れるほか、より多くの観光客の皆様が仙台ゆかりの文学に触れながらまち歩きを楽しみ、仙台の魅力を感じていただけるよう、その手法も含め工夫をしてまいりたいと考えております。  次に、DMOに関するお尋ねでございます。  DMOは、観光を通じた地域経営の総体を指すものとされ、大型観光プロモーションのデスティネーションキャンペーンとは、広域性という視点は同様であるものの、恒常的な組織を設置し、多様な関係者と連携しながら、観光を通じた経済活性化に取り組むという点において違いがあるものと認識しております。  地域間競争が激化する中にあって、仙台、東北の交流人口拡大に向けましては、多様な広域連携の強化とこれによる地域の魅力向上や発信が不可欠であり、こうした取り組みにより、雇用や経済活力の創出を図ることが肝要なものと存じます。  このような認識から、今後の観光施策のあり方といたしましては、滞在期間の増加やリピーターの獲得促進など、地域の収益性を高める取り組みの強化が重要と考えており、設置を御提案している文化観光局を中心として、東北各地のすぐれた観光資源とともに、文化・スポーツ分野との有機的な連携を推進しながら、戦略性を持って国内外からの東北への誘客を牽引してまいる所存でございます。  次に、外国人観光客動態調査についてのお尋ねにお答えいたします。  外国人観光客誘致を効果的に進めるには、現状を的確に分析し、これに基づく戦略的な施策を講ずる必要があるものと認識しております。  現在公表されております地域経済分析システムなどの統計におきましては、外国人観光客の滞在日数や消費額などが明らかとなっているものの、一方で、地域ごとのサンプル数が少ないことや市町村単位のデータが公表されていないなどの課題がございます。  こうした状況を踏まえ、新年度に予定しております外国人観光客動態調査におきましては、市内でのアンケート調査などを重点的に実施し、国の統計とあわせ、本市を訪れる外国人観光客の把握に努めてまいりたいと存じます。  最後に、欧米豪からのインバウンドについてのお尋ねにお答えいたします。  震災以降の市内外国人宿泊客数につきましては、アメリカからの来訪者が二番目に多いという実績があり、また、欧米豪からの観光客は、滞在日数が長いことに加え、少人数で広域を周遊する傾向があると言われており、このような特徴を踏まえて誘致に取り組む必要があるものと認識しております。  英語圏に向けたプロモーションといたしましては、ウエブやSNSを活用し、欧米豪の方々が強く興味、関心を抱く、歴史、文化、祭り、食などの多様な魅力の発信とともに、東京都や東北六県などと連携したプロモーションなどを行ってまいりました。  今後、二〇二〇東京オリンピック・パラリンピック開催も視野に入れながら、関係団体と連携した誘客に力を入れてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 57: ◯都市整備局長(小島博仁)景観重要建造物に係る一連の質問にお答え申し上げます。  本市におきましては、昭和六十年の都市景観基本計画の策定以降、景観シートによる地域の町並みの誘導、杜の都の風土を育む景観条例の制定など、景観法に先駆けた取り組みを進めてまいりました。  景観重要建造物等の指定につきましては、そうした取り組みの一環でございまして、平成十四年の景観審議会からの答申を踏まえ、所有者の同意を得た上で五件を指定しております。  この制度では、保全のための改修経費に一定の補助を行う一方で、現状変更に一定の制約を課すことから、所有者の御理解を得ることが難しく、加えて、震災により被災した景観重要建造物等の修繕を優先したこともあり、それ以降新たな指定をするには至っておりません。  しかしながら、これらの指定候補につきましては、所有者がかわるなど状況の変化等もございますことから、優先的に保全を要する案件を中心に、改めて指定に向けた説明に努めてまいりたいと考えております。
     次に、景観審議会の委員につきましてでございます。  この委員につきましては、景観重要建造物や景観計画策定など、歴史的知見を必要とする審議を行っておりました平成十三年から平成二十年までは、歴史の専門家を委嘱しておりました。  その後、定禅寺通などの街並みガイドライン、屋外広告物施策のあり方検討などを中心に審議を行っておりますことから、現在、歴史関係の委員は委嘱していないところでございまして、今後とも審議状況に応じた委員構成としてまいりたいと存じます。  次に、指定候補の現状等についてでございます。  平成十四年答申の指定候補リストでございますが、景観審議会委員や一般市民などから成る景観サポーターからの推薦も踏まえ選定した三百件以上の景観資源、これには明治・大正期以降の価値のある近代遺産住宅も含まれておりますが、この中から景観審議会の議論を経て四十五件を選定しております。  指定候補の現状でございますが、農林中央金庫仙台支店などの三件を解体、八幡の天賞酒造は一部を移築保存の上で解体となっております。また、指定候補のもととなりました景観資源の現在の状況については確認しておらないところでございまして、今後、景観資源の現状を把握する必要がございますことから、情報を広く収集する方策について検討してまいります。  最後に、歴史まちづくり法の活用についてでございます。  この法律は、国の重要文化財などの歴史上価値の高い建造物を中心に、古くからの町並みなどが連続するような区域と、地域の歴史と伝統を反映した人々の活動が一体的になって生まれる歴史的風致の維持・向上を図ることにより、良好な市街地環境の形成を目指すことを趣旨としております。  本市における同法の活用につきましては、歴史的建造物などの資源はございますものの、歴史的な町並みとしての面的な広がりという点からなかなか難しい面があるものと思われます。  しかしながら、歴史的建造物や伝統行事などの歴史的資源はまちづくりの大切な要素でございますので、本市の状況を改めて検証し、他都市の事例なども調査しながら、活用の可能性について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 58: ◯建設局長(高橋新悦)私からは、青葉山公園の追廻地区の整備に関する御質問にお答えいたします。  現在、整備について検討しております(仮称)公園センターの周辺は、片倉小十郎屋敷跡もあり、歴史的な風土や広瀬川等の豊かな自然を有する場所であると認識しております。  整備に当たりましては、平成二十八年度に予定しております(仮称)公園センターの基本計画や造園などの基本設計におきまして、歴史や文化等に配慮するとともに、インバウンドも意識しながら、全体として調和のとれた、より魅力のあるものとなるよう取り組んでまいります。  以上でございます。 59: ◯教育長(大越裕光)私からは、教育に関する御質問にお答えいたします。  初めに、日本遺産についてでございます。  日本遺産は、地域の歴史的魅力や特色を通じて文化、伝統を語るストーリーを文化庁が認定するものであり、本市としても意義のある制度であると認識しております。  議員より具体例を挙げられて日本遺産制度を活用してはどうかとの御提案がございましたが、昨年末より宮城県が本市を初め多賀城市、塩竈市、松島町と協議し、今月十日に文化庁に対し「政宗が育んだ“伊達”な文化」というタイトルで平成二十八年度の認定申請を行ったところでございます。  戦国武将にして時代を代表する文化人でもありました伊達政宗公が豪華絢爛たる伊達な文化を仙台の地に花開かせ、それが、歴代藩主や武士はもとより庶民にまで、さまざまな方面へ広がり定着していったことをストーリーの主軸としております。  本市といたしましても、日本遺産に認定された場合は、本市の文化財や伝統文化を通じた地域の活性化を図ることに大きく貢献していくものと考えており、まずはこの申請が認定されるようしっかり取り組んでまいりたいと存じます。  次に、仙台市史の成果をまち歩きに活用してはとの御質問でございます。  博物館では、昨年十二月に仙台市史の成果を生かした携帯可能な仙台城ポケットガイドを刊行し、好評をいただいております。  今後は、このシリーズの一環として仙台城下編などを作成する予定としており、その中で歴史的人物や特定のテーマに係るコースガイドも盛り込みたいと考えているところです。また、その内容については、スマホ等の利用を想定してデジタルコンテンツによる展開や、外国語への対応も含め、効果的な情報発信のあり方について今後検討してまいりたいと存じます。  最後に、歴史的文物の活用についてでございます。  仙台城大広間跡の遺構などの魅力の向上を図ることは、観光や文化財活用の視点から見ても必要なことであると認識しております。今後、史跡等の場における魅力あるサービスの提供のあり方につきまして、有料化等も含めて観光部局とも連携しながら検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 60: ◯三番(わたなべ拓)都市整備局長に御質問でございます。  先ほどお答えいただいたんですが、最後のお答えのところが不明瞭でございまして、結局のところ、これから新しい任期、審議会が始まりますけれども、そこに歴史の専門家が委嘱されるのか否かというところであります。  もし否であれば、先ほど私の質問にもありましたように、DMO、これ仙台市全庁的な取り組みでやっていただかなくてはいけないことでありますから、もちろんながら都市整備という観点には歴史性を踏まえた専門家の委嘱が僕は必須であると考えております。DMO的な観点にも留意して、ぜひ前向きなお答えをいただきたいと存じます。 61: ◯都市整備局長(小島博仁)再度の質問にお答え申し上げます。  例えばの話でございますけれども、現在の景観審議会の委員につきまして、構成として例えば専門的な知見を有する方がいないという場合につきまして、一昨年度の国連防災会議に向けまして、歩道系案内システム、これを構築しなくちゃいけないということがございました。ここにつきましても、専門委員を委嘱しまして専門的な部会を開いて、そこで議論をした上で審議会としての答申を得たという経緯がございます。  条例上、専門的な知見について適宜委員としての委嘱というのは可能でございますので、我々としましては、歴史的なそういった審議が必要な場合につきましては柔軟な対応をしてまいりたいというふうに考えております。 62: ◯三番(わたなべ拓)済みません。たびたびで恐縮なのですが、やはりこれからは歴史性を踏まえたまちづくりということは、臨時的なもの、従のものではなくて、もっと主たるものとして捉えて、まちの魅力づくりに知見を反映していくべきだと思うんですね。今、従来とは違って、もっと前向きに専門部会としてという御提案がありましたけれども、私としてはやはり、正規の委員として正面から歴史的な価値をしっかり啓発していただけるような委員の委嘱を希望いたします。最後の質問でございます。 63: ◯都市整備局長(小島博仁)再度の質問でございます。  景観審議会につきましては、その時々の審議に当たっての専門的な知見ということで審議委員を委嘱しているところでございまして、現時点におきましては、屋外広告物、そのあり方について検討を加えているというところがございまして、そういった方々を中心として選定してきたという経緯がございます。  今後、歴史的な建造物についていろいろと調査してまいりたいというふうに考えておりますけれども、その調査、新たな指定とかそういった時点におきまして、我々としましては、先ほども申し上げましたとおり、専門的な知見のある先生方を委員として委嘱してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 64: ◯副議長(安孫子雅浩)次に、加藤けんいちさんに発言を許します。     〔十七番 加藤けんいち登壇〕(拍手) 65: ◯十七番(加藤けんいち)市民フォーラム仙台の加藤けんいちです。議長のお許しをいただきましたので、一般質問させていただきます。  初めに、仙台市地球温暖化対策推進計画について伺います。  本市の地球温暖化対策推進計画は、計画期間が平成二十二年度末での終了でありましたが、東日本大震災の影響により計画の前提となる状況が大きく変化したことから、改定を見合わせてまいりましたが、昨年の六月に仙台市環境審議会に諮問し、本年一月に答申書が提出されました。  温暖化対策の国際枠組みとしては、昨年十二月、フランス、パリで開催された国連気候変動枠組条約第二十一回締約国会議、通称COP21においてパリ協定が採択されたところであります。  このたびのパリ協定は、トップダウン型で先進国のみに温室効果ガス削減義務を課し、米国の不参加などで実効性を失った京都議定書とは異なり、ボトムアップ型の仕組みが示され、全ての国が削減目標を五年ごとに提出、更新し、共通の方法で実施状況を報告してレビューを受ける仕組みであり、実効性が高まることを期待するものであります。  まず初めに伺います。パリ協定を踏まえ、日本の削減目標を達成するための国内対策については、中央環境審議会と産業構造審議会の合同会合を中心に検討を行い、ことしの春までに地球温暖化対策計画が策定される予定と伺っておりますが、本市の地球温暖化対策推進計画策定後の動きであります。国の地球温暖化対策計画と本市の推進計画の整合は図られるのでしょうか、お伺いいたします。  今回改定される本市の地球温暖化対策推進計画の特徴は、何といっても温室効果ガスの削減目標が国を上回る目標になっている点であると考察いたします。国の二〇三〇年度削減目標は二三・四%であるのに対し、本市はそれを五%上回る二八・四%を目指すこととしております。  震災後の排出量の増加や社会情勢の変化を踏まえ、より積極的な地球温暖化対策に取り組むため、国の目標を上回る削減を目指すとしており、その積極果敢な意気込みは評価するものでありますが、この国の目標は、オイルショック後のエネルギー効率改善に匹敵する、徹底した省エネ、対策前比一七%を盛り込んだ、そもそも大変厳しい目標です。改めて国の削減目標を上回る目標を設定するに至った考えについてお伺いいたします。  温室効果ガスの削減目標に向けた計画書制度についても伺います。  この二〇三〇年度目標から二〇二〇年度目標を換算すると、市独自の取り組みで排出量七万四千トンのCO2削減が必要となり、その達成に向け六つの重点プロジェクトを掲げております。その一つに、快適な暮らしや地域経済を支える省エネ促進において、エネルギー消費量が相当程度多い事業者に対し、エネルギー消費量、温室効果ガス排出量の削減抑制に向けた計画書、報告書の作成、提出等による計画書制度の導入の検討が記載されております。  導入の時期はいつごろを想定されているのでしょうか。スケジュールについてお伺いいたします。  事業者の省エネに向けた取り組みは、既に国のエネルギーの使用の合理化等に関する法律、いわゆる省エネ法に基づき対策が強化されております。  規制となる事業者は、工場等、輸送、住宅建築物、機械器具等の四つがあり、工場等においては、年間エネルギー使用量が一定規模以上の事業者に対し、本社及び全ての工場、支店、事業所で使用した燃料、熱、電気の熱量を求め、原油換算係数を乗じ一年間のエネルギー使用量を算出し、定期報告書や中長期計画書の提出が義務づけられ、既に取り組みは行われておりますが、本市が検討している計画書制度の対象事業者と省エネ法に基づく対象事業者が重複することになれば、事業者に対しての負担が大きいものであり、上乗せ規制とならないか懸念を持つものです。  現段階での計画書制度導入に向けた対象事業者はいかがお考えでしょうか。国の制度のもとで取り組んでいる事業者に対して、事業者の効率性の観点にも配慮すべきではないでしょうか、お伺いいたします。  また、計画書制度は、横浜市、名古屋市、川崎市など、既に政令指定都市では八つの都市で導入されているようですが、自治体ごとに定められているためその内容はさまざまであります。多くは対象事業者を省エネ法と同様としているようですが、省エネ法の要件よりも拡大している名古屋市。また、事業者の取り組みに対し表彰を行っている横浜市や京都市。一方、政令指定都市ではありませんが、事業者にCO2排出量削減を義務づけ、達成できない場合に罰則、公表といった自治体もあるようです。  私は、計画書制度導入に当たっては、提出を義務化するのが目的ではなく、事業者の温暖化対策が進むようサポートメニューの充実を図るなど、いかに支援していくかが重要と考えるものです。計画書提出を求めるのであれば、事業者に対してのインセンティブも重要でしょう。他都市の取り組みも調査研究し、事業者にとって効果的な制度となることを求めますが、当局の御所見をお伺いいたします。  次に、災害時要援護者支援について伺います。  災害時要援護者支援の取り組みに当たっては、何度も質疑をしてまいりました。これまでの質問と当局の答弁に対しての検証を含め、何点か伺ってまいります。  一点目として、登録状況についてであります。  平成二十七年十二月時点での登録者数は一万三千五百九十六名となっており、登録制度を開始した平成二十四年十二月の登録者数は一万一千八百六十二名でありましたから、三年間で千七百三十四名しかふえていないのが現状です。ここ半年では九十七名の増加にとどまっています。登録の対象となっている障害者手帳をお持ちの方、要介護、要支援認定を受けている方、六十五歳以上でひとり暮らしの方などなどであります。  本市における高齢者人口は六十五歳以上で二十万人を超えており、七十五歳以上でも十万人を超えています。この高齢者人口と登録者数だけを比較しても、余りにも少ない登録状況であると言えます。逆に捉えるのであれば、支援を必要としていない元気な高齢者が多いという見方もできますが、果たしてどうでしょうか。  そもそも御当局は、災害時要援護者情報登録制度導入時にどのぐらいの方が登録されると見込んでスタートされたのでしょうか、伺います。  また、登録者数がふえない原因はどこにあるとお考えでしょうか。今後の対策とあわせお伺いいたします。  二点目として、登録者リストと管理についてであります。  名簿登録から二年経過した時点では、名簿の更新は行われておらず、新しく登録された新規分だけの名簿が作成され配付されておりました。関係団体の皆さんからは、名簿の整理、抹消や変更など、リストを所有しているおのおのの団体が同じ作業を別々にやらなければならず、苦労されているようでしたので、定期的なリストの更新を求めてまいりました。当局の御努力もあり、昨年十二月に新規分も含めたリストが更新となりました。  しかしながら、気になる点があります。個人情報である更新前の登録者リストについて、配付された各人に破棄を求める点であります。制度導入当初は、個人情報であることから、配付時には自宅に直接持参したり印鑑を求め厳重な対応をされていたのに対し、破棄は各自というのは余りにもお粗末ではないでしょうか。不要になった更新前リストは、当局が責任を持って回収し、破棄すべきと考えますが、いかがでしょうか、お伺いいたします。  支援体制を整えることも重要な要素の一つでありますが、余りにも情報が少なかったことから、登録申請書の様式について変更を求めてまいりました。新しく作成された手引には、支援が必要な理由、どんな支援を望んでいるのか、緊急時の連絡先など支援する側にも配慮された内容となるよう災害時要援護者支援カードの参考資料も示されました。  これで必要な情報が得られることで、以前より地域におけるさまざまな担い手の方々が利活用しやすくなると思っておりましたが、配付された新しいリストは、新たに対応する民生委員の名前が追加されただけであります。支援が必要な理由や緊急連絡先などはリストに記載がありません。支援する側への配慮に欠ける対応ではないでしょうか、お伺いいたします。  この項の最後に、コミュニティソーシャルワーカーの役割について伺います。  災害時要援護者支援の取り組みに当たっては、安心して暮らせる地域づくりのため、町内会未加入者や網にかからない支援が必要な方々の把握なども含め、地域の福祉ネットワークを推進していくことだと考えます。  地域包括支援センターの役割、とりわけ地域の福祉課題解決に取り組めるよう支援していくコミュニティソーシャルワーカーが重要な役割を担ってくるのではないでしょうか。  当局は、平成二十五年第四回定例会の私の質問に対し、現在は復興公営住宅が建設される地域を重点支援地区と位置づけ、集中して取り組んでおりますことから、そうした課題への対応は難しい状況にございます。しかし、今後、復興事業の進捗状況を踏まえながら、改めてコミュニティソーシャルワーカーのあり方を見直す中で、将来的にはそのような対応も可能となるよう検討を深めてまいりたいと答弁されております。  震災復興計画が終了する時期を迎えております。改めてコミュニティソーシャルワーカーの役割について当局の御所見をお伺いいたします。  次に、青葉山公園整備とスポーツ公園施設について伺います。  青葉山公園は、仙台の礎である仙台城跡を含む青葉山と広瀬川に囲まれた、藩政時代からの歴史的・文化的資源を有し、すぐれた自然景観はまさに杜の都のシンボルとなる公園となるよう整備が待たれるところであります。  公園整備に向けた事業スケジュールでは、平成二十八年度より(仮称)公園センター地区の基本設計に入り、平成二十九年度以降、建築計画、実施設計、そして実際の公園整備工事となると伺っておりますが、まずお伺いいたします。公園整備の中でも、公園センター予定地を含む追廻地区の整備に変更は生じないのでしょうか。 66: ◯副議長(安孫子雅浩)この際、時間を延長します。 67: ◯十七番(加藤けんいち)現段階でのスケジュールについてお示し願います。  この公園整備の区域には二十二面を誇る青葉山テニスコートがありますが、国内で二十面を誇るクレーコートはほとんど存在せず、十面を超えるクレーコートでも数カ所で、全てが中山間部に位置しており、青葉山テニスコートは地下鉄東西線国際センター駅の開業により公共交通機関での利便性も向上し、全国屈指の人気のテニスコートであると言えます。  また、クレーコートは他のコートとは違い、膝に優しい特徴も兼ね備えており、生涯スポーツとして愛好されている高齢者の方々の人気も高く、昨年は全日本シニア大会も開催されました。成長期の小中学生にとっても優しいコートであり、市内に代替のクレーコートはありません。  さきの常任委員会の質疑において、先輩議員は日本一のテニスコートと表現されておりましたが、私も同感であります。青葉山テニスコートを当局はどのように評価されているのでしょうか、お伺いいたします。  余り知られておりませんが、日本中学校体育連盟が毎年実施している全国調査によると、中学校の運動部で最も人気の高いのはソフトテニスであり、三十七万人と断トツで二位のバスケットボールを大きく引き離しております。同様の高校の調査でも、ソフトテニスと硬式テニスを合わせたテニス全体として第一位で、野球やサッカー部を抑えており、その人気の高さがうかがえます。  本市の中学校運動部活動の人口においても調べてみたところ、ソフトテニス部三千三百六十六人、二位のバドミントン部二千六百人、三位の陸上部二千四百人と比較しても、全国同様、人気の高さが確認されました。  私自身も、中学、高校から憧れの青葉山テニスコートでの県大会出場に向け汗を流してきた一人でもあります。現在は中学校の外部コーチとして何度もお世話になっているテニスコートでもあります。  この青葉山テニスコートの人気の高さは、本市のスポーツ・公園施設の稼働率からも明らかです。本市内のテニスコートがある施設は二十二カ所ありますが、全施設の平成二十七年四月から九月の稼働率平均は、土日祝日七八・九%、平日との合計五三・九%に対して、青葉山テニスコートは、土日祝日八二・三%、合計五六%となっています。  他のテニスコートは人工芝またはハードコートのため、雨天後の使用も容易でありますが、青葉山テニスコートはクレーコートのため、雨天時やその後は使用が制限されるにもかかわらず、他の施設の稼働率を上回っています。  青葉山公園整備基本計画では、このテニスコートが移転されることとなっております。整備計画にある、いこい・にぎわいゾーンとして、親水空間や自然散策空間を予定されているようですが、青葉山テニスコートはこれまでも自然と調和しながら市民の皆さんに愛されてきました。移転をしなくても公園整備は可能ではないでしょうか。存続を強く求めるものです。当局の所見を伺います。  青葉山公園整備に関連して、スケートリンクの設置についても伺います。  世界歴代最高三百三十点超えの偉業を達成した羽生結弦選手、二〇〇六年トリノオリンピック女子金メダルの荒川静香選手を輩出した本市であります。青葉山公園整備区域内の仙台市博物館入り口近くにある五色沼のほとりには、フィギュアスケート国内発祥の地を示すモニュメントが建てられております。  地元紙の紹介では、一九九五年に及川史弘さんが宮城県初のオリンピックフィギュア代表となったことを契機に設置され、モニュメント設置のかいがあり、九八年の長野オリンピックでは、荒川、田村、本田、荒井各選手が五輪代表に選ばれたとのことです。  残念ながら現在は泉区のスケートリンクのみであり、羽生選手や荒川選手に憧れて練習に励む子供たちの練習環境は十分ではないと言われております。フィギュアスケート国内発祥の地としてフィギュア王国仙台復活に向けて、スケートリンクの設置を検討されてみてはと思いますが、いかがでしょうか。  先ほど提案したテニスコートの存続とスケートリンク設置により、青葉山公園は、歴史、文化、自然に加え、スポーツ公園として杜の都の新たなシンボル公園と整備されることを期待をするものです。  最後に、交通局のイクスカについて伺います。  イクスカのポイントについてであります。  宮城交通に路線移譲した系統を利用している市民の方は、仙台市営バス、宮城交通バスのどちらに乗るか選択肢がないのが現状であります。いつも利用する路線がたまたま仙台市営バスだった方はポイント率が高く、たまたま宮城交通バスだった方はポイント率が低いという実態です。  そもそも同じ仙台市にお住まいであるのに、交通局の事業で路線移譲されたわけですから、利用者から見れば、バス事業者でポイント率に差をつけるのは不公平ではないでしょうか。月六十回以上利用することで逆転するようですが、ポイント率はバス事業者によって格差をつけるべきではないと考えます。いかがでしょうか、お伺いいたします。  なお、格差是正に向けては、宮城交通のみが負担するものではなく、本市が主体性を持って対応すべきと考えますが、あわせて御所見をお伺いいたします。  イクスカの販売開始から一年が経過をしました。ポイントをイクスカのチャージに回すには、御自分で地下鉄駅券売機や乗車券販売所に出向き操作をしないと、失効してしまいます。ポイントの有効期限は乗車日の翌月十日から翌年同月の月末でありますから、先月の一月末には実際に失効された方々もいらっしゃることと思います。  どのぐらいのポイントが失効されているのか、把握されているのであればお示し願います。  操作方法を知らない方や、特にバスのみの利用者は、バス車内でのチャージはできないことから、端末機のあるところまで足を運ばなければチャージができないのです。このこと自体を知らない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。改めてポイントを無駄にしないようチャージする方法の周知徹底を求めます。いかがでしょうか、最後に当局の所見をお伺いし、私の第一問といたします。  御清聴大変ありがとうございました。(拍手)
    68: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの加藤けんいち議員の御質問にお答えを申し上げます。  温室効果ガス排出削減に係る新たな目標についてのお尋ねでございます。  昨年末のCOP21では、地球温暖化が自然環境や人間社会にもたらす影響の深刻さに関する認識が世界各国において共有された結果、画期的とも言えるパリ協定が採択をされました。  このCOP21の決定文書の前文では、昨年の国連防災世界会議における仙台防災枠組を含めた一連の国際的議論がパリにおける今般の合意につながったとされているところでございます。  国が設定した目標の達成に向けては、相応の覚悟を持って取り組みを進める必要があるものと受けとめておるわけでございますが、仙台防災枠組の採択の地である本市といたしましては、地球温暖化の防止によって災害リスクを低減させるために、より積極的にみずからの役割、責任を果たしてまいりたい、このような考えから、国の対応に加え、今後本市が独自にとり得る対策も勘案しつつ、より高い目標を目指すことといたしたものでございます。  そのほかの御質問につきましては、交通事業管理者並びに関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 69: ◯市民局長(寺田清伸)青葉山公園へのスケートリンク設置についての御質問にお答えをいたします。  羽生結弦選手と荒川静香選手の二人の金メダリストがフィギュアスケート発祥の地仙台から誕生したことは、本市にとって大きな誇りであり、現在、世界で活躍される羽生選手の姿は、将来の金メダリストを目指す子供たちの憧れであるとともに、大きな目標にもなっております。  御提案の青葉山公園へのスケートリンクの設置は、文化財保護や景観への配慮など解決すべき多くの課題もあるものと認識しております。  一方、市内のスケートの練習会場が必ずしも十分ではなく、スケートリンクの設置を求める声も多くいただいておりますことから、今後、施設の必要性等も含め長期的な視点から研究してまいりたいと存じます。 70: ◯健康福祉局長(佐々木洋)初めに、災害時要援護者情報登録制度の登録状況についてでございます。  災害時要援護者情報登録制度は、在宅高齢者世帯調査におけます登録希望者のデータなどをもとにいたしまして、約二万人の登録を想定し、平成二十四年度スタートいたしました。  これまで約一万七千三百名の方に登録をいただいておりますが、お亡くなりになった方や施設入所などにより約三千七百名の登録抹消があったことから、現在、一万三千五百九十六名の登録者となっております。  想定の二万人に達していない理由としては、地域の方々に病状や障害の状況を知られたくないなどの事情により申し出をためらう方、まだ登録の必要がないと考える方、こういった御事情があるものと考えております。  登録の推進に向け、民生委員による七十五歳以上の高齢者への全戸訪問や、障害者手帳の交付、各種福祉サービスの申請の際に、区の窓口等において支援が必要と思われる方に御案内するなど、制度の周知に努めてまいりたいと存じます。  次に、登録者リストの廃棄方法についてでございます。  更新等で不要になった登録者リストについては、シュレッダー等による裁断あるいは区役所に持ち込んでいただくことをお願いしておりますが、先般、全登録者の更新リストを配付した際に、分量が多く裁断が難しい、あるいは直接市に持ち込むのが負担であるとの御意見をいただきました。  このため、今後は希望する方には本市より返還用の封筒をお送りして郵送いただくなど、地域の皆様の負担軽減につながる方策を実施してまいります。  次に、登録申請書の様式についてでございます。  支援を希望される方が、多くの個人情報を記入することで登録をためらうことのないよう、必要最小限の情報を記入していただく様式としております。  本市が提供する登録者リストに基づいて地域の支援者が要援護者の御自宅を訪問し、必要な支援内容や緊急連絡先などについて、顔が見える関係を構築しながら把握していただくことを基本としているところでございます。  そのため、地域の方々の活用に資するよう、昨年十月から災害時要援護者支援の手引を各町内会などに配付し、訪問に当たっての留意事項や情報把握のためのカードの様式を示すなど、具体の進め方をお示ししたところでございます。  今後とも、地域の避難支援体制づくりが円滑に推進されますよう取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、コミュニティソーシャルワーカーの役割についてでございます。  災害時要援護者支援の取り組みを初めとした地域の共助の仕組みづくりを進めるに当たっては、コミュニティソーシャルワーカーが、地域の実情に応じて、人材の発掘やネットワークづくりなどで力を発揮していくことが重要であると認識しているところでございます。  今年度が震災復興計画の最終年となりますが、入居して日が浅い復興公営住宅もあり、新年度以降も、一定の期間、これらの地域を重点に見守り、支え合いづくりを継続していくこととしており、今後は、その進捗状況を踏まえながら、復興公営住宅以外の地域へも支援を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 71: ◯環境局長(小山京)仙台市地球温暖化対策推進計画に係る数点の御質問にお答えいたします。  まず、本市の計画と国の計画との整合に関するお尋ねでございます。  国の計画は、日本の約束草案及びパリ協定を踏まえ、現在その策定作業が進められているところですが、約束草案で定めた目標の前提として、削減すべき温室効果ガスの総量と部門別内訳並びにその対策の概要があらかじめ示されておりまして、今般、私どもが提出を受けました環境審議会からの答申は、それらを踏まえて本市において進めるべき対策を取りまとめたものでありますことから、双方の計画における基本的な方向性は十分に整合が図られているものと考えております。  次に、いわゆる計画書制度に関する一連のお尋ねでございます。  この計画書制度につきましては、本市計画の重点プロジェクトの一つに位置づけているところでございまして、目標年次である平成三十二年度を目指し、具体化に向けた検討を進めていく考えでございます。  対象事業者の範囲や省エネ法との関係などにつきましては、重要な論点として今後十分な検討を行ってまいりますが、事業者の皆様にとって過度な負担とならないよう配慮することはもとより、この制度に参画することによるメリットを感じていただけるようなものとしてまいりたいと考えております。  今後、実績を上げている先行自治体の事例を参考に、モデル事業の実施なども視野に入れながら、しっかりとした検討作業を積み重ねてまいる所存でございます。  以上でございます。 72: ◯都市整備局長(小島博仁)イクスカポイントについてのうち、バス事業者によるポイント率の差についてお答え申し上げます。  ポイント付与率につきましては、これまでのカード乗車券における割り増し分と同様に、事業者が採算性も考慮しながら販売促進の一環として設定しているものでございます。  宮城交通と交通局の付与率が同一である状態が望ましいとは思いますが、宮城交通におきましては、交通局の付与率等を参考にしつつも、経営上実施可能なサービス内容を検討した結果として、交通局とは異なる付与率を設定したものと受けとめております。  以上でございます。 73: ◯建設局長(高橋新悦)私からは、青葉山公園整備に関する御質問にお答えいたします。  まず、追廻地区の整備スケジュールについてでございます。  青葉山公園につきましては、国連防災世界会議の開催や地下鉄東西線の供用開始に合わせ、国際センター地区を中心に順次整備を進めてまいりました。  追廻地区の整備スケジュールにつきましては、現在、青葉山公園や仙台城址方面の玄関口として、歴史、文化の発信拠点となる(仮称)公園センターの基本計画の素案を庁内でまとめているところでございます。  平成二十八年度には、学識経験者の方などからの御意見を踏まえまして基本計画を策定し、引き続き造園などの基本設計に着手する予定であり、平成三十一年度の完成を目指し、(仮称)公園センターの整備を進めてまいります。  その後の整備を予定している中央広場や自然散策広場等につきましては、事業地内の家屋移転交渉及び文化財調査に時間を要していることから、今後改めて整備スケジュールを検討してまいりたいと考えております。  次に、青葉山公園整備に伴う庭球場に関するお尋ねでございます。  庭球場の評価につきましては、二十二面のクレーコートを有するテニスコートは国内でも有数の規模と認識しておりますが、近年はコート表面の補修や設備の老朽化など課題も出てきております。  青葉山公園におきましては、庭球場の周辺は、これまで、自然環境を生かした散策の場などとして整備することを前提として、追廻住宅にお住まいの方々への説明を行い、移転の御協力をいただいてきたところでございます。  一方で、昨年十二月の地下鉄東西線開業による利便性の向上や、仙台国際センター展示棟の整備などによる交流人口の増加など、周辺環境が変化してきております。  このような中で、庭球場周辺の整備の着手にはまだ時間がありますことから、関係部局とも協議しながら、歴史と自然を感じられ、より多くの市民の皆様に親しまれる、憩いとにぎわいの空間としての公園整備のあり方について検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 74: ◯交通事業管理者(佐藤清)イクスカのポイントについての御質問にお答え申し上げます。  イクスカのポイントが失効することを避けるため、券売機周辺への掲示、地下鉄・バス車内へのポスター掲出、市政だよりによる呼びかけなどを行ってまいりましたが、一昨年十二月の御利用分に係る基本ポイントで一月末に失効したものはおよそ二百二十八万円分でございます。  ポイントは、地下鉄駅の券売機、乗車券発売所に加え、バスのみ御利用の方の利便性を考慮し、バスの営業所や民間の二十の店舗においてもチャージを可能としているところであり、失効するポイントの減少に向けさらに工夫を凝らして周知に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。          ────────○──────── 75: ◯副議長(安孫子雅浩)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 76: ◯副議長(安孫子雅浩)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、明日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後五時二十二分延会...