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平成26年第4回定例会(第4日目) 本文 2014-12-09
平成26年第4回定例会(第4日目) 名簿 2014-12-09

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  1. 仙台市議会 2014-12-09
    平成26年第4回定例会(第4日目) 本文 2014-12-09


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(西澤啓文)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第四号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(西澤啓文)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、佐藤和子君及び小野寺淳一君を指名します。          ────────○────────     日程第二 一般質問 3: ◯議長(西澤啓文)日程第二 一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  まず、やしろ美香君に発言を許します。     〔二番 やしろ美香登壇〕(拍手) 4: ◯二番(やしろ美香)自由民主党・仙台、やしろ美香でございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を始めます。  まず初めに、女性の活躍推進についてです。  こうしてこの場に立って議場を見渡せば、右から左まで、政党、会派は違えども、同じ女性としての立場で議員活動を行っている、ある意味での同志の顔が見えます。思想信条、目指すところは違うライバルでもありますが、男性優位の社会制度の中で、女性の力を活用した新しい時代を開こうとする同志でもあり、有形無形のエールを感じます。翻って行政の席を見渡せば、女性は奥山市長ただ一人、男性社会の中で孤軍奮闘するお姿に、私からエールを送りたいと思います。  さて、内閣総理大臣の専権事項である解散権を見事なタイミングで使った安倍内閣ですが、その内閣が経済再生に向けて展開している大胆な金融政策、機動的な財政政策、成長戦略の三本の矢があります。まず、その三本目の矢、成長戦略の中から、女性が輝く日本をつくるための政策である、待機児童の解消、職場復帰、再就職の支援、女性役員、管理職の増加について、仙台市の取り組みについてお伺いいたします。  まず、待機児童の解消について伺います。過日の報道では、仙台市子ども・子育て会議は、子ども・子育て環境整備の基本方針となる、市すこやか子育てプランの素案を了承したとのことです。国の子ども・子育て新制度が導入される来年度から始まるこの計画では、二年後の二〇十七年度当初までに待機児童の解消を目指すとされていますので、計画どおりに実現することを期待するものでありますが、初めに仙台市における待機児童の現状と今後の解消計画についてお答えください。  一方、仙台市には、この計画上の数字にあらわれない都市特有の事情を抱えた待機児童が存在すると思います。家庭の事情や経済的理由などで、ある日突然保育が必要になる、言ってみれば緊急的待機児童です。例えば、ひとり親家庭で働くお母さんが、予期せぬ事情によって突然子供の預かり先が必要になった場合、預け先を探すだけでも仕事を休まなければなりません。預け先が見つからなければ職を失い、生活が困窮するのも時間の問題です。待機児童などと言っていられない、待ってはいられない子供たちを一時的に保育する対策が必要ではないでしょうか。  本市には、仙台すくすくサポート事業があり、保育園、幼稚園のお迎えやその後の預かり、保育施設からの緊急の呼び出しを受けた病児の送迎援助などを行っております。この制度は、地域で子育てを支援するもので、育児の援助を受けたい利用会員と、育児の援助を行いたい協力会員をサポートセンターのアドバイザーが仲介、あっせんするものですが、子供を預けたい親に対して預かり手となる有償ボランティアが足りないと聞いております。次に、このすくすくサポート事業の会員登録状況についてお答えください。
     預かり手が少ない理由を私なりに考えてみましたが、一番の問題点は、対象者として自宅で安全に子供を預かれる方という部分ではないでしょうか。住宅事情やプライバシーの観点から、自宅で預かるということにちゅうちょされる方もいると思います。ましてや安全にという一言が加われば、なおさらのことです。  私からの提案として、商店街の空き店舗やマンションの空き室などを利用して、すくすくサポートステーションを開設し、ステーションにて一時保育に当たってはいかがでしょうか。素案では、二〇一九年当初までに放課後児童クラブを小学校全学年に拡大することとしておりますが、地域によっては放課後児童クラブへの待機児童が発生するかもしれません。当事業は、生後二カ月から小学六年生までを対象にしておりますので、制度の拡充は未就学児だけでなく、今後、発生が懸念される学童保育の待機児童の対策にもつながります。教員免許を持つ保育ママさんを配置すれば子供たちへの学習支援も可能で、市すこやか子育てプランに列挙されている低所得世帯への学習サポート事業への活用もできると思います。福祉と教育の観点からも有効な施策になると考えますが、いかがでしょうか。地域の実情に応じた子育て支援の充実を望みます。  次に、職場復帰、再就職の支援と女性役員、管理職の増加に関連して伺います。  御存じのように、これらの項目なども含まれた女性の職業生活における活躍の推進に関する法律、いわゆる活躍推進法が衆議院の解散によって廃案になりました。しかし、法案そのものは既に閣議決定されていますので、自公連立が維持され、安倍政権が継続されることになれば、次の国会で成立することは確実です。女性の活躍推進に向け、野党の女性議員の皆様の御支持も期待するところであります。  さて、この法律では労働者三百一人以上の企業のみならず、地方公共団体に対しても推進計画の策定については努力義務、行動計画の策定については実施を求めています。中でも注目すべきは、女性の採用比率や女性管理職比率の分析と定量的目標や取り組み内容などを含む行動計画の策定と公表です。女性の活躍に関する情報の公開が特記され、都道府県レベルでは既に半数の自治体が女性の係長以上の管理職を二〇%以上にするなど、具体的な数値目標を掲げて公表しております。  政令指定都市である仙台市は、平成十五年四月施行の仙台市男女共同参画推進条例に基づいて策定された男女共同参画せんだいプラン二〇〇九─二〇一〇を受け継ぐ計画として策定された、男女共同参画せんだいプラン二〇一一において、市の審議会等における女性委員や市役所における女性管理職の割合についての数値目標を定めました。計画期間は平成二十七年度までとされており、残すところ一年余りとなっておりますが、まず初めに、現在までの進捗状況とその評価、加えて最終年度に向けての取り組みについてお答えください。  また今後は、活躍推進法に沿った行動計画の策定等が求められますが、この中には女性の活躍に関する状況の把握、改善すべき事情についての分析が含まれております。  過日、同じく政令市である岡山市を視察してまいりましたが、岡山市では市長公約として、今年度、女性が輝くまちづくり推進課が開設されました。これまでの男女共同参画に、女性が輝くまちづくり事業をプラスして、女性が輝くまちを目指すものです。初年度の事業としては、岡山市女性が輝くまちづくり調査が実施され、企業と市民に向けてのアンケート調査が行われました。現在ではまだ中間報告の段階でしたが、興味深い回答も多く、これからさらに分析が進めば計画等の策定に際しても有効なものと考えます。仙台市における調査の状況についてはいかがでしょうか、お伺いいたします。  また、安倍首相の推進する女性の活躍は、ウーマン、女性とエコノミクス、経済を合わせた造語、ウーマノミクスとも言われ、どちらかといえば経済活動に重心を置いており、これまでの男女共同参画の観点からの女性の活躍とは違った方向性にあると思います。今年度策定された仙台経済成長デザインの中にも、九つの戦略プロジェクトの一つとして、ウーマノミクスが掲げられていますが、来年度で終了する男女共同参画せんだいプラン二〇一一以後の女性の活躍推進に関する取り組みについて、市長の考えをお聞かせください。また、管理職に限らず、局長や区長、次長、副区長などの行政の中枢にも積極的に女性を登用すべきと考えますがいかがでしょうか、お答えください。  続いて、アベノミクスの円安効果についてお伺いいたします。  アベノミクスにより株価が上昇しました。しばしば批判的に取り上げられる株価ですが、二年前、アベノミクスが始まる前の株価が八千五百円台だったことを御記憶でしょうか。今は一万五千円割れでも、アベノミクスの限界やアベノミクスならぬアベノミスなどと言われておりますが、人間の記憶の曖昧さについては脳科学の専門家に任せるとしても、いつに比較しての失敗なのか疑わしいものです。  そのアベノミクスが生み出した副産物が円安です。過去最高値の八十円と現在の百二十円を比較するならば、一五〇%の円安ということになります。当たり前のことですが、八十円で輸入できたものが百二十円になり、原材料を輸入していたさまざまなものが値が上がり始め、市民生活を圧迫するようになりました。一方で、八十円で輸入していたものが百二十円になるということは、国内で生産されているものにとっては競争力がアップする好材料だということになります。  一時期、中国産品への不信感から国産食品がスーパーの棚に並ぶようになりましたが、最近ではその価格差が確実に縮まってきています。これは日本の農業や林業にとって、千載一遇の逆襲のチャンスではないでしょうか。自動車や家電メーカーなどの輸出産業にとって有利に働く円安は、輸入品と競争している国産品にとっても有利に働きますので、ここで幾つかの提案をさせていただきたいと思います。  まず一つは、農業です。  仙台近郊の一部の農家には、都市型農業に転換し成功しているところもあります。米中心の旧来の農業ではなく、野菜などを主要産品とした、都市近郊であることを活用した都市型に特化した農業です。一例として水耕栽培がありますが、シンガポールなど土地のない国ではビルを活用して行われています。基本となる土地に対して面積当たりの収穫は何倍にもできますので、自然頼みの農業ではなく、どちらかといえば工業に近い形になりますが、東日本大震災の被害により、土を使う農地としては再開までに時間と費用がかかる地域でも、土を使わない農業ならすぐにでも始めることができます。  農業を過去形にするか、現在進行形にするか、あるいは未来形にするか、円安の進む今だからこそできるチャンスだと思われます。仙台の被災地域での水耕栽培の取り組みについて、国からの補助金の活用も含め、現在までの進捗状況、また他の地域でも同様の手法が可能だと思いますが、その点についてもあわせてお伺いをいたします。  次に、林業に関して伺います。  日本の林業は、衰退の一途をたどっているというのが大方の見方でしょう。林野庁の発表した数字によれば、国内の木材生産額は一千九百十五億円、対して木材輸入額は一兆二千百六十億円で、前年比一二七%です。  国産材が安い外材に勝てないという理由は、日本の人件費の高さにあるとされていますが、詳細を見てみますと、丸太の輸入が一千七十四億円、輸入先のトップはアメリカが四八%、続いてカナダが二七%、上位二カ国の合計で七五%になります。参考までに一人当たりのGDPは、アメリカが九位でカナダが十位ですので、人件費が安いはずはありません。しかも太平洋を越えてきていますので、当然輸送費というコストもかかっています。  次に、製材について見ると、輸入総額三千二十二億円で、こちらはヨーロッパからが四三%、カナダからが三二%、こちらも上位二カ国で七五%を占めています。ヨーロッパ各国の一人当たりGDPも、日本の二十四位より、おおむね上にあると考えてよいでしょう。もちろん人件費が安いわけではありません。しかもEUは木材に関する厳しい規制もあります。それでも日本に輸出をしています。  合板になると、ようやくイメージしやすいマレーシア、インドネシアが登場します。上位二カ国で八四%、総額は一千七百三十八億円です。木材チップは二千百八十億円で、オーストラリアとチリが上位二カ国です。集積材は五百四億円で、オーストリア、フィンランドでした。  これらの数字が示すとおり、国産材が輸入外材に勝てない理由は人件費などによる価格差ではなく、農業と同様に古いままの林業というその業態ではないでしょうか。日本の伝統的な林業では、木材の規格は統一されていません。JASによって一九七四年に規格が制定されましたが、いまだに守られていないことが問題になっています。住宅建設がブームになった一九七三年をピークに、現在の木材需要量はピーク時の六割程度に落ち込み、そのうちの九割が輸入という現実です。  この原因の一つは、最近の漁業で問題になっている乱獲と同様の乱伐にあります。住宅建設ブームに乗って売れるだけ売って、売れる木材がなくなったそのすき間を埋める形で、輸入材が入ってきたということです。当時の木材価格の高騰を、業者さんたちは木材バブルと呼ぶそうです。つまりはバブルが崩壊して、気がついてみたら規格が統一されているアメリカ型の住宅建設が主流になって、日本の売り方では勝負にならなくなっていたということです。アメリカ型の住宅とは、皆さんよく御存じのツーバイフォー、正式には枠組み壁工法です。アメリカの開拓時代に考えられた、素人でも簡単に組み立てられる規格品の材料を組み合わせるだけのプラモデルのような工法です。  かつての日本の建築は、まさに、たくみの世界でした。木材にしても大工が現場で寸法を合わせるもので、出来合いの規格品を組み合わせるような家は、ばかにされていました。この世界に誇れる日本のたくみのわざが、世界標準におくれをとる原因となってしまったのは、ガラパゴスと呼ばれる日本の携帯電話に通じるところがあるようにも感じます。  このように衰退の一途をたどっていると思われている日本の林業ですが、林業も農業と同様に、変革によって新たな道が見出せるのではないでしょうか。幸いなことに、木材バブル時代に植えた木が伐採の適齢期になっているここ数年来、林業の復活の兆しが見えてきています。国内で使用される木材に占める割合は、国産材が盛り返してきており、日本産材の輸出も行われています。このようなときこそ広大な森林を有する県内産、市内産の木材を活用し、林業の振興に努めるべきではないでしょうか。  そこで伺います。仙台市の森林資源の状況はどのようになっているのでしょうか。また、幾ら森林資源があっても、木材の需要がなければ何の意味もありません。森林資源を活用するために木材の利用促進が必要と考えますが、仙台市としてどのような取り組みを行っているのか、伺います。  現在の豊かな森林は、先人たちの汗水流し努力した結果であります。こうした森林を維持していくため、世代を超えた長い取り組みが必要であり、このような中、現在の森林資源の多くは個人所有となっています。林業における木を植える、育てる、使う、植えるというサイクルが機能することで、森林が持つ役割を維持できるものと考えています。  一方、最近はマツクイムシなどによる病虫害により枯死する樹木がふえてきており、その対応にも迫られています。森林整備及び管理を継続していくことは、数十年規模のサイクルで行う必要があり、その費用は長期間にわたって発生するため、個人で負担することは大変厳しいものがあると考えております。  このような課題に対して、仙台市の取り組み状況や支援策について伺います。さらには、森林の適正な整備、保全のため、林業にかかわる人材育成の強化を図るとともに、林業関係者の体制整備が必要であり、山林所有者による振興会と森林組合、製材会社、建設建築業等による横断的な組織などが考えられます。そこで伺います。市として、人材育成の強化と林業振興の体制整備について、どのように考えているのでしょうか。  最後に、仙台市は、政令市として他に類を見ない広範囲な森林を有しています。豊かな森は多くの林産品や木材の供給のみならず、森林の公益的な役割として、保水、浄化、温暖化対策など、自然環境保全効果も果たしており、国土を守るためには森林の整備、保全と災害防止機能維持は絶対に欠かせないものと思っています。こうした森林の多面的な機能も踏まえ、仙台市の森林整備と林業振興の方針について伺います。  続いて、平成二十七年度使用教科書の選定について伺います。  来年度は四年に一度の公立中学校の教科書採択の年に当たり、翌年度より新しい教科書が使用されることになります。教科書の採択は、教科書が教科の主たる教材として学校教育において重要な役割を果たしていることからも、綿密な調査、研究に基づき適切に行われる必要がありますが、特に歴史教育は、技能や技術の知識を扱う他の科目とは異なり、その内容で教えられる自国の歴史観は、子供の人格形成の要素となる国家観や価値観に大きな影響を与えるものであります。  本年四月に文部科学省から出された平成二十七年度使用教科書の採択についての通知においても、適正かつ公正な採択の確保を徹底することを求められておりますので、採択権者の権限と責任のもと、最良の教科書が採択されることを望むところであります。  まず初めに、本市における教科書選定、採択のプロセスについて伺います。  昨年十月の宮城県議会において、中学校で使用する歴史、公民教科書の採択に関して、宮城県教育委員会の指導強化を求める請願書が採択され、長期にわたって採用されてきた選択基準を抜本的に改めました。今年度県が示した採択基準は、本市の教科書採択プロセスにどのように生かされたのでしょうか、お答えください。  次に、教科書選定資料について伺います。  中学校の教科書採択を翌年に控えた今年度は、小学校教科書の採択が行われました。前述した請願を受け、県教委は公明正大な採択を確保するため、記載内容やその分量を比較対照できる参考資料として、平成二十七年度使用教科用図書(小学校)選定資料社会科別冊が追加されました。本市の教科書採択は、最終的には教育委員会が決定いたしますが、その前段として選定協議会、またその前段として調査研究委員会に諮られます。各社教科書の特徴等が明確にされた当該資料について、本市では教科書選定のどの段階で、どのように活用したのかをお示しください。  最後に、来年度に行われる中学校の教科書採択について伺います。  恐らく小学校同様に県教委によって選定資料が追加作成されるものと思いますが、中学校の教科書採択に当たっては、この選定資料をどのように活用するお考えでしょうか。県の別冊資料は、教科書採択において透明性を確保し得るものと考えますので、仙台市においてもその趣旨を十分に生かして活用されることを望み、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯市長(奥山恵美子)ただいまのやしろ美香議員の御質問にお答えを申し上げます。  女性の活躍推進に関する取り組みについてのお尋ねでございます。  女性の置かれている状況はさまざまであり、直面する課題も多岐にわたっておりますが、女性の活躍を推進することは、持続可能な活力ある地域社会の構築に向けて大きな力となるであろうと認識をいたしております。  本市におきましては、子育てとの両立支援やワーク・ライフ・バランスの推進などはもとより、ただいまお話にもございました仙台経済成長デザインにおいて、女性の起業へのきめ細かな支援を行うことや、女性の社会進出の増加に伴う新たな市場の開拓に女性の視点を生かすといったことなども戦略的に進めているところでございます。  また、職員の女性比率が高まりつつあります仙台市役所におきましても、女性職員の意欲と力を引き出していくことが重要な課題でございます。出産、育児世代の職員の両立支援に配慮をいたしながら、女性職員の育成を計画的に行い、さまざまな段階の役職で能力を十分に発揮できるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次期の男女共同参画せんだいプランにおいては、これらの施策を初め幅広い視点から盛り込むべき方策を検討し、女性がみずからの意欲に応じて多様な働き方を選択し、また誇りとやりがいを持って地域や職場で活躍できる環境づくりに向けて、取り組みを進める所存でございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 6: ◯市民局長(渡邊晃)男女共同参画に係る二点の御質問にお答えを申し上げます。  まず、男女共同参画せんだいプランに掲げる数値目標の進捗等に関するお尋ねでございます。  市の審議会等における女性委員の割合は、平成二十七年度末までに三五%以上とするプランの目標値に対し、平成二十五年度末で三四・七%まで近づいてまいりました。また、市役所における女性管理職の割合は、平成二十七年度末までに一五%とする目標に対して、平成二十六年度当初で一三・六%となっております。いずれの指標も年々向上しているところではございますが、プランの最終年度に向けて、女性人材の発掘、女性職員のキャリア支援等、引き続き取り組んでまいりたいと存じます。  次に、企業や市民へのアンケート調査についてのお尋ねでございます。  本市では、男女共同参画せんだいプランの改定に向けて、今年七月、市民二千五百人を対象とした意識調査を行い、女性の就労に関する意識や就労の阻害要因等に関し御意見を伺いました。  また、せんだい男女共同参画財団では、ノルウェー王国の復興支援により、企業の女性管理職育成に関する調査研究を進めており、今年度は在仙企業約六百五十社へのアンケート調査や、働く女性との意見交換等を行っております。  次期の男女共同参画せんだいプランの検討に当たっては、こうした調査の結果を十分踏まえながら進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 7: ◯子供未来局長(板橋秀樹)私からは、待機児童対策に関する数点の御質問にお答えをいたします。  初めに、待機児童の現状についてでございます。  本年四月の待機児童数につきましては、認可保育所の増設や小規模保育事業の開始など、保育総量の拡大を図ってまいりましたが、保育所入所申し込み者の増加がこれを上回ったため、昨年と比較して三十七人増加し、五百七十人となりました。この要因といたしましては、保育需要の伸びに加え、東日本大震災以降の就学前児童数の増加によるものと考えております。  次に、今後の待機児童解消に向けた計画といたしましては、現在取りまとめを行っている新制度における事業計画案におきまして、潜在的な保育需要を含む今後の保育ニーズと、それに対応した整備計画を定めており、これに基づいて多様な団体等と連携協力を図りながら、平成二十九年度当初までに二万一千人分の保育基盤整備を着実に推進してまいりたいと考えております。  次に、すくすくサポート事業の会員登録状況についてでございます。  平成二十五年度末で、育児の援助を受ける利用会員は二千九百五十五名、育児の援助を行う協力会員は四百二十八名、利用会員と協力会員の役割を兼ねる両方会員が百三十九名となっております。  また、すくすくサポート事業は、国の子育て援助活動支援事業実施要綱に基づいて行っているものでございまして、地域住民と連携しながら行うという趣旨から、子供の預かり場所としては、原則として援助を行う会員の自宅とされております。御提案の空き店舗等を活用した拠点型につきましては、施設管理のコストの問題、活動場所までの移動中の事故といったリスクなども考えられることから、他の自治体の事例も含めて研究してまいりたいと存じます。  なお、担い手となる協力会員につきましては、地域でのボランティアに興味はあるが、大切なお子様を預かることについて不安をお持ちで、一歩踏み出せない方もいらっしゃると認識をいたしております。このため、子育て支援施設はもちろん、大規模小売店舗の場などを活用して、すくすくサポート事業の趣旨や協力会員の活動内容についてのわかりやすい広報に力を入れているところでございます。  以上でございます。 8: ◯経済局長(氏家道也)私からは、農林業施策につきましての数点の御質問にお答えいたします。  まず、水耕栽培に係るお尋ねでございます。  仙台東部地区の水耕栽培への取り組み状況でございますが、現在、国の交付金を活用して震災後新たに設立された複数の地元農業生産法人が、トマトなどの大規模な水耕栽培を開始しております。また、他地区への展開におきましては、施設の建設や維持に対する大きな投資や専門的な栽培技術が求められますとともに、栽培計画策定や販路確保が必要となりますことから、県やJA等、関係機関、団体と連携した指導によりまして、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。  次に、林業に関するお尋ねでございます。  本市の森林面積は、市域面積の約六割の四百五十四平方キロメートルとなっており、このうち国有林を除いた森林面積は約二百六十平方キロメートルでございます。このうち杉、ヒノキなど人工林につきましては、木材価格の低迷等による採算性の悪化や、従業者の高齢化などにより、なりわいとしての林業経営は大変厳しい状況にあるものと認識しております。  本市におけます木材の利用促進の取り組みにつきましては、これまでに八木山動物公園ビジターセンターや、ことし七月に開館いたしましたオーエンス泉岳ふれあい館などの公共建築物において、地元産の木材を使用してまいりました。今後、公共建築物や土木工事、民間福祉施設などでの利用につきまして、公共建築物等における木材利用の促進に関する方針を策定し、関係部局とも連携を図りながら、さらなる地元産木材の利用促進に努めてまいる所存でございます。  次に、個人の森林整備等に関する課題への対応及び支援策についてでございます。  国土保全などのさまざまな機能を有する森林につきましては、適切な管理を個人のみで行うには限界があるものと認識しております。そのため、行政においても、森林管理に必要な林道の計画的な改修、整備、松やナラ枯れなどの防除事業等を実施しております。  あわせて森林所有者が行う森林経営や保護に関する計画策定、間伐などの費用に対して助成を行っておるところでございます。  次に、林業に携わる人材育成等についてでございます。  本市は、高度な知識と技術を有する林業労働者の育成について、宮城県林業技術総合センターと情報共有を図りながら取り組んできたところでございます。また、林業振興の体制整備につきましては、現在、関係市町村等からなる森林・林業活性化センターにおいて、森林整備や木材の生産加工、流通体制の整備などに努めておるところであり、引き続き、これらの充実を図ってまいる考えであります。  最後に、本市の森林整備と林業振興の方針でございます。  森林は、木材の育成、生産にとどまらず、水源涵養や山地災害防止、生物多様性保全、レクリエーションなど、多様な公益的機能を有しております。  本市は、平成二十三年三月に仙台市森林整備計画を定めたところであり、この計画に基づき、今後ともこのような多面的機能を有する森林の保全と機能向上、さらなる林業振興に鋭意取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 9: ◯教育長(上田昌孝)私からは教科書の選定に係る三点の御質問にお答え申し上げます。  初めに、宮城県教育委員会の教科書採択基準の活用についてでございます。  本市におきましては、まず学校の教員により構成する調査研究委員会において、本市の教科書採択の観点とあわせ、県教委の採択基準に照らして調査研究を行っております。  この調査研究委員会の報告書並びに県教委の採択基準につきましては、有識者、保護者、校長で構成する教科書選定協議会において、また選定協議会の答申を受けて、最終的に教科書採択を決定する教育委員会において活用しているところでございます。  次に、県教委の教科用図書選定資料の活用についてでございます。  本市の教科書採択方針においては、文部科学省からの採択に関する通知や、県教委から示される採択基準などにのっとり検討することを掲げております。御指摘の宮城県教育委員会教科用図書選定資料社会科別冊につきましては、県教委より、平成二十七年度使用教科書選定資料のうちの社会科別冊として示されたものでございます。  したがいまして、調査研究委員会や選定協議会におきまして、さらには教育委員会におきましても、教科書採択のための参考資料として活用しているところでございます。  最後に、次年度の中学校用教科書採択における教科用図書選定資料の活用についてでございます。  本市の教科書採択方針においては、例年、県教委から示される採択基準、教科用図書選定資料等にのっとり検討することとしております。本年度同様に、調査研究委員会や選定協議会、さらには教育委員会、それぞれの段階において、十分活用を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 10: ◯二番(やしろ美香)最後の教科書のところについて、もう一度確認させていただきます。  まず一問目なんですが、私が伺いましたのは、教科書採択のプロセスではなくて、そのプロセスに、新たに今年度示された採択基準が生かされているのか、どう生かされているのかということをお伺いしておりますので、そこを一点確認させてください。  それから二問目もそうなんですが、この別冊資料を教科書選定のどの段階でどのように活用したかを伺っておりますので、もう一度御説明をお願いいたします。 11: ◯教育長(上田昌孝)再度の質問でございます。  まず最初は、宮城県教委の教科書採択基準でございますけれども、これにつきましては、先ほど申し上げましたプロセス、学校の教員により構成する調査研究委員会で、この採択基準に照らしてそれぞれの教科書の内容について調査研究を行い、それの報告をつくってございます。  それから、二番目の教科書選定資料でございますが、これは細かに小学校の社会科の教科書につきまして項目を拾いまして、それぞれの教科書ごとの拾った項目につきまして集計をしております。それに基づきまして、教科書一冊一冊につきまして、この研究会、それから選定協議会で、それが確実にそのとおりになっているかどうか調査吟味して、それの答申を教育委員会に上げるように活用しているところでございます。 12: ◯二番(やしろ美香)再度確認させていただきますが、今、まず教科書採択のプロセスにどう生かされたというところでは、その教育委員会での採択の前段の選定協議会、またはその前段の調査研究委員会の段階で使われているということですか。最終的に決めるのは教育委員会なんですが、そこの場ではなくて、その前段の部分で活用しているということでよろしいんでしょうか。 13: ◯教育長(上田昌孝)段階は三段階ございますが、それぞれの段階でこの教科用図書の選定資料に基づいて調査された研究成果と、それから選定協議会の答申がございますので、それと照らし合わせて、この選定資料どおりの調査研究あるいは審議が行われたかどうかを含めて、教育委員会で最終的にこの選定資料と照らし合わせて確認をいたして、その内容についてそれぞれの教育委員から御意見をいただいて、教科書の審議をしているところでございます。 14: ◯議長(西澤啓文)次に、岡本あき子君に発言を許します。     〔二十五番 岡本あき子登壇〕(拍手)
    15: ◯二十五番(岡本あき子)市民フォーラム仙台の岡本あき子です。一般質問をさせていただきます。  初めに、自治体議員選挙の再統一について伺います。  私たち被災自治体の議会で要望を続けていた、東日本大震災で日程が分散した地方統一選挙の再統一について、この間、歴代の議長、副議長を先頭に働きかけを強化してまいりました。さきの国会で法改正案の提出が期待されたところですが、提出に至らないままに突然の解散、総選挙となりました。  このことにより、仙台市議会議員と宮城県議会議員の選挙を実質同時に行うことがかなわなくなりました。巨額の税金をかけて行うには大義が全く見えない選挙です。被災地東北の声に耳を傾けることも、地方自治体選挙への配慮も念頭にないままに、地方創生と安易に言われることが残念でなりません。  質問の第一に、改めて仙台市議会と宮城県議会の選挙を別々に行う場合、どのくらい税金の持ち出しに差が出るのか、お示しください。  質問の第二として、こうなった以上、仙台市議会議員選挙の日程を決めないとなりません。年明け速やかにも決めてほしいと望みますが、どのタイミングで決めるのか、お示しください。  次に、仙台市における指定管理者制度等への労働条件審査の導入について伺います。  私たち市民フォーラム仙台も民間でできるものは民間でという発想のもと、さまざまな行財政改革の提案もさせていただいております。民間活用を進める理由としては、単にコスト削減ということではなく、民間の発想による専門性や新しいアイデアの取り込み、市民サービスの付加価値を高めることが第一であり、高い効果を期待する上での費用対効果だと認識しております。  ことしも十二月一日に流行語大賞が発表され話題となっていますが、昨年はブラック企業という言葉が受賞し、仙台市出身で若者の労働問題に取り組むNPO法人代表の今野晴貴さんが授賞式に参加されました。  そのブラック企業大賞のことしの業界賞には、エステサロンを経営する企業が受賞しました。発端は仙台市にある店舗での残業代の未払いのほか、パワハラ等の慢性化が発覚し、仙台労働基準監督署が労働基準法違反で摘発、是正勧告が出されたことや、経営者の発言等によるものです。仙台市内で働く方々の労働環境が問題となったという事実を、自治体として重く受けとめ、少なくとも仙台市がかかわる仕事においては、率先して方針を示し、価格の低下により働く側にしわ寄せが行くことのないよう、取り組まれることを期待するものです。  他都市の事例も調べてみました。東京都板橋区では、平成二十年八月に指定管理者制度導入施設のモニタリング評価に関する基本方針を発表し、効率的な運営やサービス水準の維持、向上、利用者の安全対策など、適切に運営されているかどうかをモニタリングし、客観的に評価、検証を行う取り組みを進めています。方針の中に、財務状況及び労働条件の点検の項目が掲げられ、モニタリング評価の点検を外部専門家に委託をしています。  また、川崎市や相模原市などの政令指定都市を含め、既に二十一の自治体で公契約に関する条例も定めています。  本市が進める指定管理者制度等についても、民間活用が非正規雇用の拡大や労働条件の悪化の悪循環に陥らないよう対策をとり、少なくともモニタリング調査や評価検証を行うべきと考えますが、御所見を伺います。  次に、配慮が必要な児童生徒の教育環境の充実について伺います。  昨日の同僚議員の発言もありましたが、総選挙に伴う税金の支出が七百億円とも言われています。このお金があれば、全国全ての公立の小中学校で三十五人学級が実現する金額だと思うと、じくじたる思いです。特に、少しでも配慮が必要な児童生徒に対しては、教育環境を充実させる取り組みを加速させることを望みます。  先日、「自閉症の僕が飛び跳ねる理由」の著者、東田直樹さんを取り上げたテレビ番組の再放送がありました。七年前の十三歳のときに書かれた本書が翻訳をされ、現在世界中でベストセラーになっており、講演会はあっという間に申し込みがいっぱいになるとのことです。東田さんは、私も愛読しているビッグイシューに連載をされている重度の自閉症の当事者です。彼がビッグイシューに寄稿した文章を少し引用させていただきます。  「あの人、変だよね。この言葉を聞くたび、私は泣きたい気持ちになるのです。他の人からの刺すような視線に耐えられず、その場から逃げ出したいといつも思っています。街中でわけのわからないひとり言をつぶやく、おかしな動きを繰り返す、ぴょんぴょん飛び跳ねる、そんな人を見かけたことはありませんか。見かけても、かかわりたくないと避けたり、顔をしかめたりされる方もいることでしょう。体のどこも悪そうに見えないのに、言葉が通じない、意味のない行動ばかりやりたがる、普通の人から見れば、自閉症はわからないことだらけの障害だと思います。  話せないから、心がないのでしょうか。みんなと違うから、異星人なのでしょうか。私は、自閉症とは、自分で自分のことをうまくコントロールできない障害だと考えています。」と書いています。  自閉症など発達障害の方は、周り以上に最も苦しんでいるのは当人です。コミュニケーションツールが十分でないために、障害の方が何を考え、なぜこういう行動をとるのかが理解されないままに過ごされてきました。  しかし、年齢とともに小学校、中学校に入学します。仙台市教育委員会の調査では、昨年度普通学級に在籍する小中学生のうち、発達障害の診断を受け、保護者が学校に対して配慮してほしいと申し出のある児童生徒は、一千四百二十三名、また発達障害の可能性があり、特別な配慮が必要であると学校が判断している児童生徒は一千八百八名です。合わせると三千二百名に上ります。これは十年前に比べて八倍にふえている状況です。また、小中学校の特別支援学級に在籍する児童生徒も合わせると、四千三百名を超える人数となります。  ほかにも食物アレルギーやシックハウス症候群等の子供たちもふえています。学校現場では、特別支援教育や配慮について教職員に理解は広がりつつも、より一層の啓発が必要ではないでしょうか。一人一人個性も障害の特徴も異なるのが当たり前です。日常活動で配慮が必要ということは、その子を見守り、サポートする人手が必要という意味です。  現在は、普通学級に在籍する障害のある児童生徒を支援するために指導補助員を、また特別支援学級には指導支援員を配置してきました。それでも希望する学校全てに対応しているわけではありません。しかも、その半数以上を緊急雇用対策事業で賄っているのが現状です。現在の配置状況と今後の需要見通しをお伺いします。  私たちも緊急雇用対策事業の継続も国に対して求めていますが、保障されているものではなく、そもそも雇用対策ではなく今後も継続していくべき事業との明確な位置づけを求めます。お答えください。  お答えを伺った後、引き続き一問一答方式で質問を続けます。 16: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの岡本あき子議員の御質問にお答えを申し上げます。  特別支援教育指導員の事業等についてのお尋ねでございます。  特別支援教育指導補助員の事業は、平成十四年度からADHD等個別指導補助プランとして始まり、その後、発達障害等配慮の必要な児童生徒の増加に伴い、高まる学校現場のニーズに応えて指導補助員の配置を年々拡充してまいりました。一方、特別支援学級における指導支援員につきましては、平成二十二年度より配置事業を開始し、特別支援学級の人数の増加や障害の多様化に対応するため、その増員を図ってきたところでございます。  いずれの事業も学校に定着し、必要不可欠な事業となっており、今後もその必要性はますます高くなるものと考えられます。したがいまして、これまで財源として緊急雇用創出事業を活用してきた経過はございますが、この二つの事業は特別支援教育のみならず、学校教育を支える重要な柱であることを鑑み、今後も推進してまいりたいと考えているものでございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長並びに選挙管理委員会事務局長より御答弁を申し上げます。  以上でございます。 17: ◯総務局長(高橋一典)指定管理者制度におけるモニタリング調査などについてお答えいたします。  指定管理者制度の導入施設につきましては、事業者選定段階から、各局の指定管理者選定委員会において、労働関係法令などの遵守状況や人員配置体制などについての確認を行っております。また、事業者指定後も毎年度施設所管課による立入調査などにより、管理運営状況を確認しており、利用者アンケートなどを踏まえた上で五段階の評価を実施しております。  今後ともこうした評価制度を活用しながら、施設運営の適正化に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 18: ◯教育長(上田昌孝)私からは、特別支援教育指導補助員等の現在の配置状況と、今後の見通しについてのお尋ねにお答えをします。  通常の学級に在籍する発達障害の児童生徒を対象とした指導補助員は、十二月一日現在で百六十二人を配置しております。特別支援学級を対象とする指導支援員は、同じく十二月一日現在で六十九人を配置しております。  本事業は、特別支援教育を推進する上で重要な事業でございますことから、今後におきましても学校からの申請に応じて、その適切な配置に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 19: ◯選挙管理委員会事務局長(木村純一)私からは、地方統一選の再統一に係る御質問にお答え申し上げます。  まず、市議会議員選挙と県議会議員選挙を同時に行わなかった場合の選挙費用についてでございます。  市議会議員選挙につきましては、震災前に同時に執行された平成十九年における経費が二億九千五百万円、震災後に単独執行された平成二十三年は三億四千万円で、四千五百万円の増でございました。また、県議会議員選挙の仙台市分につきましては、震災前に執行された平成十九年が一億六千五百万円、震災後に執行された平成二十三年が二億円で、三千五百万円の増でございました。この結果を踏まえますと、別々に選挙をした場合、合計では八千万円程度の増となる見込みでございます。  次に、来年の市議会議員選挙の選挙期日についてでございます。  市議会議員の任期が統一地方選挙から外れることから、選挙期日につきましては市選挙管理委員会に諮り決定することとなります。その時期については、立候補予定者の準備期間を考慮し、市長選挙と同様に任期満了日のおおむね五カ月前に開催される選挙管理委員会に、選挙期日の議案を提出する予定としております。  具体的には、市議会議員の任期満了日は来年の八月二十七日でございますことから、その五カ月前の時期となります三月下旬の選挙管理委員会に議案を提出する予定でございます。  以上でございます。 20: ◯二十五番(岡本あき子)ここから一問一答をさせていただきます。  最初に、質問ではなく選挙の関係では、やはり八千万円というお金を復興に回すことができなかったということを残念に思います。  まずは、労働条件審査について伺ってまいります。  本市の指定管理事業者が、契約期間満了後の入札や再提案の際、価格が低減したり、非正規雇用が拡大している、そういうような状況はないものなのか、確認させてください。 21: ◯総務局長(高橋一典)今回公募選定した二十三件の例で申し上げます。  前回選定時と比較のできる十七件について、指定管理料の金額を比較いたしますと、運営体制の見直しなどにより前回より減額となっている施設もございますが、総じて前回と同レベルか増額傾向となっております。こうしたことから、非正規職員が大きくふえているとは認識しておりませんが、今後、事業者選定時や毎年のモニタリング調査の際に、雇用形態の実績を報告させることも含めて、検討を進めてまいりたいと存じます。 22: ◯二十五番(岡本あき子)モニタリング調査のほかに労働条件、雇用の形態もチェックをするということで一歩前進すると思いますけれども、今お答えいただいたように非正規雇用が大きく拡大しているとは思わないという中でも、拡大している事実もあるかもしれないということですよね。大きくはないという、しかも減額しているところもあるということで、ぜひチェックを強化していただきたいと思います。  先ほど答弁で五段階評価をされているとおっしゃっていましたけれども、実際は多分いついつ伺いますから、必要な書類をそろえていてくださいと。行った先の事業者の責任者に面談をして、雇用状態、労働条件、ちゃんと法律にのっとっていますかとか、そういう確認をするという意味ではないかと思います。これでは相手先も、性善説に立っているということは評価しますけれども、決して不都合なことはおっしゃるはずがないですし、仙台市としても委託する先に不都合があるということはないだろうという前提で評価がされるということについては、ちょっと疑問を感じています。  そういう意味でいきますと、例えば抜き打ちで行くとか、そういうこともあってもいいと思いますけれども、私からするとぜひ第三者のチェック機能が働くよう、そういう形で仙台市にとっても指定管理を受けている方にとっても、客観的なデータが出るような形での機能強化を求めたいと思います。再度お答えください。 23: ◯総務局長(高橋一典)指定管理者の運営評価を外部の専門家へ委託することにつきましては、評価する専門家の選定方法や立入調査の実施体制などについて課題が多く、難しいものと考えております。今後は雇用形態や人員の配置状況など、各事業者の労働実態をより詳しく把握するなど、必要な見直しを行いながら、先ほどお話がありました市民サービスの向上、それから効率的な運営、これを踏まえましてモニタリングができるよう、モニタリング制度について適正な状況となるよう指導してまいりたいと、そのように考えております。 24: ◯二十五番(岡本あき子)モニタリング制度を入れる、それから配置状況、非正規なのか正規なのか、あるいは仙台市が求めている指定管理に伴っての人件費の状況という部分についても、チェックをしていくという答弁をいただいたので、一歩前進かと思いますけれども、先ほど外部の委託は難しいという話でしたけれども、まだやってもいない中で難しいかどうかもわからない状況だと思います。まずはモニタリング調査をやっていただいて、さらに客観的な評価も必要じゃないかという部分は、改めて検証していただきたいと思います。しばらくは推移を見守りたいと思います。  次に、教育の関係について伺います。  配慮が必要な児童生徒の対象として、具体的に幾つか伺っていきたいと思います。一つは、シックハウス症候群等のお子さんです。  仙台市では、市有施設の新築、改築等におけるシックハウス対策マニュアルを策定して、全ての市の建築物を対象に対応しています。もちろん学校もその対象になっていて、新築、改築の際には丁寧に対応をいただいていることは存じ上げています。しかし、日常の維持管理の際はいかがなんでしょうか。子供たちは否応なしに学校で一日のうちの多くの時間を過ごすことを考えると、日常生活について食物アレルギー同様、教職員の理解と必要な対応が求められます。どのように取り組んでいるのか伺います。 25: ◯教育長(上田昌孝)学校におけるシックハウス症候群やいわゆる化学物質過敏症の問題につきましては、保護者から相談があった際に、学校と連携して個別に対応してきたところでございます。また、学校施設の維持管理を担当する職員に対する研修の中で、配慮すべき内容について周知を図っております。 26: ◯二十五番(岡本あき子)個別の対応ということで、個別にかかわった先生方あるいはそのときの管理者の方々はわかるかもしれないですけれども、やはり人がかわったり、担任がかわったり、時期が変わったり、そういう状況によっても対応が異なってくるということもあると思います。特に日常施設の維持管理で、床のワックス、それからトイレの消臭剤、樹木の殺虫剤など、使わなくてもよいものは使わないという発想も必要じゃないかと思います。  埼玉県では、シックハウス対応の学校版として、シックスクールマニュアルを作成しています。これは対象となる児童がいる場合、換気とか、具体的な対応方法も明記されていて、もう、そっくりそのまま仙台市で参考にしてもいいんじゃないかと思うぐらいです。  仙台市では学校施設課だけがわかっているということではなく、今申し上げたように、教職員、それから周りの児童生徒にとっても、全ての人がわかる、学校にかかわる方がわかるという意味でマニュアル整備を求めますが、いかがでしょうか。 27: ◯教育長(上田昌孝)シックハウス症候群などの症状には個人差がございまして、その程度もさまざまでありますことから、保護者と十分に協議をし、個別に配慮すべき事項を明確にしていくことが非常に重要であると考えております。現在、教職員用にその原因や症状、または日常における留意すべきことなどの要点をまとめた啓発用のリーフレットを作成し、各学校に配付する予定でございます。  今後はこのリーフレットにより教職員への周知を図り、個別の事案については保護者とも十分に意思疎通を図りながら、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。 28: ◯二十五番(岡本あき子)まずは初めてリーフレットをつくるということで、こちらも一歩前進していただけるのかなと思います。まずは使ってみて、当事者の方々とも意見交換しながら、適宜更新をしていっていただいて、その蓄積がマニュアルとなることを期待したいと思います。  次に、不登校児童生徒の対応について伺います。  今まで申し上げた自閉症等発達障害、シックスクールなども含めて、学校に行けなくなる理由はさまざまです。これらの理由でいじめなどに遭う場合も多く、あってはならないケースも含めて、対象となる児童生徒の最善の利益を優先に対応を求めます。  東日本大震災の後、青葉区は五橋に移転、また太白区は八木山に増設と、杜のひろばの整備が進んでおり、移転の連続を余儀なくされてきた中では、ようやく落ち着いて運営ができるものと喜んでいます。しかし、特に距離が離れている学校の児童生徒が、不利益を講ずることがあってはならないと思っています。各区の杜のひろばとそれぞれの学校との連携強化をどう進めているのか、伺います。 29: ◯教育長(上田昌孝)学校との連携としましては、通級状況報告書を作成し、在籍校へ月ごとの通級日数や日々の活動、成長の様子などを伝えております。また、在籍校の教員に活動の様子を見てもらう機会を設けたり、担任や保護者も交えた面談を計画的に実施するなど、連携を図りながら、不登校児童生徒の支援に努めているところでございます。  また、通級に当たりましては、通級可能な杜のひろばを選んでもらうとともに、居住地から離れている場合においては、通学定期乗車券購入のための証明書を発行しているところでございます。  今後ともこれらの情報交換や通級支援をもとに、学校との一層の連携強化に努めてまいりたいと存じます。 30: ◯二十五番(岡本あき子)杜のひろばに通う児童生徒は、学校においても出席の扱いとなりますけれども、フリースクールなど、ごく一部を除いて、そういうところに通っているお子さんはその出席の対象となっていません。子供の状態によっては、必ずしも学校や杜のひろばだけが本人の能力を育て、社会性を身につけるのに適しているとは限りません。その子にとっては、フリースクールだったり、塾だったり、習い事が最も能力を伸ばし、居場所として落ち着ける場所である場合もあります。  当該児童生徒に対し家庭訪問も行っていただいていますが、対象となる児童生徒が自宅以外に自分の居場所というのを持っているのか、その把握を学校で十分把握されているのか伺います。 31: ◯教育長(上田昌孝)不登校児童生徒への対応の中で、安全な環境のもと、安心して過ごせる居場所をつくることは大切であると考えております。  学校以外の居場所として、児遊の杜や市内六カ所の杜のひろばに通級している場合がございますが、それ以外では、不登校児童生徒の状態や希望により、民間施設等を利用しているケースもございます。民間施設に通っている児童生徒につきましては、定期的な家庭訪問や保護者との連絡の中で確認を行い、一人一人の居場所の把握に努めております。 32: ◯二十五番(岡本あき子)努めていますということですけれども、しっかりと把握しているのかどうか定かじゃない事例も散見されていますので、ぜひお子さんの利益を最優先という意味では、自宅以外で居場所があるのかどうか、いない場合は保護者等含めて、どういう形で支えられるのかというところまで、ぜひ検証していただきたいと思っています。  杜のひろば以外の民間施設等の活用などは、その子にとって少しでも望ましい環境にあるのであれば、出席日数とカウントできる仕組みを拡大するべきだと思っています。出席日数があるかないかでは、特に高等学校の入試など進路を決める選択肢に大きな影響を与えることになります。能力を育て、選択肢を広げるためにも、出席日数の対象となる居場所の拡大をさらに求めます。いかがでしょうか。 33: ◯教育長(上田昌孝)不登校児童生徒が学校外の民間施設等に通っている場合の指導要録上の出欠の取り扱いについては、文部科学省からの通知を踏まえつつ、民間施設を学校復帰に向けての居場所の一つとして捉え、本市としての民間施設についてのガイドラインを策定したところでございます。その運用に当たっては、毎年施設の状況調査を行い、おおむね要件を満たしていれば総合的に判断して出席扱いとしているところでございます。  基本的に認定に当たっては、在籍校との連携や、当該児童生徒に対応した支援計画があることなどが必要であると考えており、例年行っております民間施設との情報交換の場などを通じて、制度の理解を広めながら、対象施設が増加するよう努めてまいりたいと存じます。 34: ◯二十五番(岡本あき子)文科省の方針はあるにしても、自治体で決められる部分もあると思います。現在、二カ所と伺っておりましたので、ぜひそれがもっともっと子供さんの足で通える地域に広がっていくことを望みたいと思います。さまざまな児童生徒にきめ細やかに対応していただくためにも、学校にかかわる教職員の体制強化は論をまたないところです。  特別教育の補助員、支援員については、市長から重要な柱だということと、推進をしていくというお答えをいただきました。拡充という方針だと受けとめさせていただきますので、ぜひそれに見合う成果を出していただきたいと思います。そして、必要とする全ての学校に速やかに拡充されることを求めたいと思います。  最後に、先ほど選挙費用の七百億円があれば、三十五人学級が実現すると申しました。財務省は十月に財政制度等審議会で、教職員定数の合理化案として、四十人学級に戻すべきだと提案をされました。一人一人に目が届き、配慮が必要な児童生徒の力を伸ばすためにも、三十五人学級が拡大されることがあっても、決して後退することがないよう求めます。最後にお答えいただきたいと思います。 35: ◯教育長(上田昌孝)基礎学力の向上と習熟度別など個に応じたきめ細かな指導を実現し、不登校やいじめ等の学校教育上の課題に適切に対応するためには、教職員定数の改善が不可欠でございます。三十五人学級の拡大につきましては、教育委員会におきましてもその重要性に鑑み、他の指定都市教育委員会とともに国に対し毎年要望しているところでございます。  また、全国市長会においても、職員定数の改善につきまして十分な財政措置を含め要望されております。今後とも学校教育の一層の充実に向け、鋭意取り組んでまいりたいと存じます。 36: ◯二十五番(岡本あき子)最後に質問ではないですけれども、今お答えいただきまして、毎年要望はされていると。その中でも四十人にしてほしいと財務省が提案をされているという事実があるということを受けとめると、緊急要望とか、そういうアクションをとるということも含めて、ぜひ早急に対応していただきたいということを要望として申し上げさせていただき、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手) 37: ◯議長(西澤啓文)次に、跡部薫君に発言を許します。     〔十五番 跡部薫登壇〕(拍手) 38: ◯十五番(跡部薫)自由民主党復興仙台の跡部薫です。一般質問をいたします。  解散、総選挙もあり、一層気ぜわしく、慌ただしさを感じさせることしの十二月であります。平成二十六年、この一年を改めて振り返り俯瞰いたしますと、政治にはこれまでの既成概念や短期的な人気とりの施策を超えた、中長期的視点を持って多様な諸課題に対応し、的確な政策を遂行する強い意思と気概が一層求められていると感じます。  現在、正念場を迎えている三党合意による消費増税を財源とした社会保障と税の一体改革は、少子高齢化が加速する社会保障の持続可能性を高める施策の一環であり、国民が健やかな子育てや、安心して医療、介護、年金で老後を過ごせるよう、中長期的視点での社会保障像を国民に提示することが政治の責務と考えます。  人口減少の進行により、地方都市の消滅危機が顕在化してきている今日、本市も財源制約において、福祉や公共事業等施策の優先順位を、透明性を高めた手続で決定し、高齢者が生き生きと暮らし、現役世代が働きやすく住みよく、若い世代が安心して子育てできるまち仙台を構築していかねばなりません。そのためには、当局と議会が真摯な議論を行い、先見性を持った施策に取り組んでいく必要があると考えます。  今回の一般質問では、子ども・子育て支援制度と介護保険制度に関する施策について、順次お伺いいたします。  初めに、子ども・子育て支援新制度の準備状況と、幼児教育、幼保小連携の取り組みについてお伺いいたします。  来年四月から本格実施される子ども・子育て支援新制度は、現在、幼稚園、認定こども園、保育所の入園受け付けが始まっており、実質的なスタートを切りました。この新制度は、社会保障一体改革の大きな柱であり、消費税増税分七千億円を財源として、量的拡充に四千億円、質的改善に三千億円を充て、恒久財源を加えて一兆円規模で施行される予定であります。また、新制度は市町村が、地方版子ども・子育て会議の意見聴取手続を経て、子ども・子育て支援事業計画を策定、実施することとされております。  本市は、子育て環境整備の基本方針となる、次期仙台市すこやか子育てプランの開始時期が二〇一五年四月であることから、子ども・子育て会議で素案を取りまとめ、今月十九日にパブリックコメントを開始することといたしております。そこで三点についてお伺いいたします。  このプランは、子ども・子育て支援事業計画を兼ねる方針とのことでありますが、二〇一五年度からの子ども・子育て施策を、どのような方針に基づいて進められていくのか、子ども・子育てプランの概要についてお伺いいたします。また、仮単価の発表から消費増税先送りなど、財政状況が変化している現状において、利用者負担や公定価格が来年一月に国から示されることになります。現段階では当局は、消費増税延期の影響についてどのように把握し、どう対応していくお考えなのか、お尋ねいたします。  来年度は十一園の認定こども園がスタートし、子育てプラン計画期間中、五年間で認定こども園を五十九にふやすとのことでありますが、増加の根拠と目標達成への支援策についてお伺いいたします。  次に、保護者の支給認定手続についてお尋ねいたします。
     新制度においては、幼稚園や保育所等の利用申請の際に、保護者は入園、入所決定とは別に、就労状況などを勘案した保育の必要性と、年齢に応じた三区分の支給認定を受けることになりますが、この手続に関連して三点お伺いいたします。  初めに、新制度の開始に当たっては、幼稚園、認定こども園、保育所それぞれの入園、入所手続の変更により、保護者の理解不足による不安や戸惑いが懸念されるところであります。当局はこれまで区ごとに説明会を開催してまいりましたが、保護者への新制度、申請手続の周知に、この間どのように取り組んでこられたのか、お尋ねいたします。  次に、現在、入園、入所の手続の時期ではありますが、区役所や幼稚園では支給認定手続での混乱等がないのか懸念するところであります。二〇一三年度から実施した保育相談員、保育コンシェルジュの相談実績等を含め、区役所での対応状況と今後の課題等についてお伺いいたします。  三点目に、本市の全九十四の私立幼稚園のうち、十一園が認定こども園に、五園が新制度の幼稚園に移行いたしますが、七十八園は従来型私学助成の幼稚園として継続いたします。毎年新たに五千人もの幼児を受け入れてきた各幼稚園にも、保護者から新制度や認定手続についての問い合わせが来ることが予想されますが、私立幼稚園への周知や支援の取り組みについてお尋ねいたします。  次に、幼児教育無償化についてお伺いいたします。  国の教育改革の取り組みは、強い意欲を示す安倍首相の意向のもと、教育再生実行会議が設置され、幼稚園、保育所での三歳児から五歳児の教育を無償化するとの方針が提起され、財源を確保して段階的に進めて、完全無償化実現の暁には、義務教育を一年前倒しするなどの将来的展望が示されております。  この幼児教育無償化の取り組みは、全ての子供に質の高い幼児教育を保障することを目的として、今年度は低所得世帯、多子世帯の負担軽減が実現いたしました。さらに来年度には、小学校教育との連続的な運用を図ることを目的に、年収三百六十万円未満の世帯の五歳児約二十三万人を対象とした、五歳児の無料化が検討されております。  しかし、十一月二十八日の朝日新聞一面には、二〇一五年度に実施予定の幼児教育の一部無償化が見送られ、代替案として自治体の保育料補助への財政支援や、一部の五歳児の保育料引き下げなどが検討されているという記事が報じられました。この記事に対し、下村文部科学大臣は事実無根の誤報と批判し、幼児教育の無償化は消費増税の成否にかかわりないとの見解を示されました。  幼児教育の充実、無償化は、幼稚園、認定こども園、保育所、全ての子供に関係することから、今後の進捗に向けて本市はどのような認識を持ち、また次年度の国の方針についてどう把握しておられるのか、お尋ねいたします。  次に、特別支援と幼保小連携についてお尋ねいたします。  近年、障害があるなど特別な配慮が必要な子供については、早期から発達段階に応じて一貫した支援を行っていくことが重要とされております。また、平成十九年には、学校教育法の一部改正による特別支援教育の本格的な導入により、幼稚園においても特別な支援を要する幼児への適切な教育が義務づけられた経緯があります。  平成二十一年度の文部科学省が実施した調査では、幼稚園での特別支援教育の体制整備が小中高等学校に比べておくれている現状が指摘され、特別支援教育の取り組みが喫緊の課題となっております。  現在、本市の小中学校には、特別支援コーディネーター、補助員を配置しておりますが、文部科学省も早期からの一貫した支援を掲げ、幼稚園や保育所と小学校の接続に関して、障害があるなど特別な配慮が必要な子供の引き継ぎは特に重要と考えます。発達障害のある子供が増加する現状においては、今後は私学助成から新制度に移行する認定こども園も含めて、関係機関の引き継ぎ、連携はますます重要性を増していると考えますが、教育委員会はこれまでどのように取り組んでこられたのか、お尋ねいたします。  また、特別支援に限らず、幼児教育の重要性と継続的な質の高い教育を就学前に行い、円滑な接続と安定した教育環境を整備するためには、認定こども園、幼稚園、保育所と小学校との連携、さらに本市では教育局と子供未来局の連携への取り組みについて御所見をお伺いいたします。  次に、介護保険制度に関連して質問いたします。  初めに、制度改革についてお伺いいたします。  来年四月に施行される介護保険制度改革は、これまで社会保障審議会介護給付費分科会において、制度設計、報酬改定の議論が行われてまいりました。現在は運営基準変更のパブリックコメント中であり、一月下旬には新たな報酬体系が示されることになっております。  今回の制度改革は、社会保障と税の一体改革の一環として、消費増税財源により制度の持続可能性を高め、介護従事者の処遇改善や安定的な人材確保を目的とするものでありました。しかしながら、現段階の改正の方向は、訪問介護、通所介護の市町村移管や、特養、通所介護等での大幅な報酬減額、利用者負担の引き上げ等であり、利用者、サービス事業者、自治体関係者は不安と懸念を抱える現状にあります。  東京都はこのような状況に危機感を抱き、九月十六日に福祉保健局長名で、厚生労働大臣宛ての緊急提言を提出し、制度設計や予防給付の保険者への移行に当たり、区市町村の意見聴取、反映、低所得者の利用者負担増への配慮、地域区分の抜本改正、処遇改善加算の報酬本体への組み入れ、お泊まりデイの規制強化、さらに多床室特養の報酬格差の是正等を国に強く求めました。この件に関連して三点お尋ねいたします。  まず本市は、今回の制度改正の趣旨をどのように捉え、第六期計画期間においてどのような方針で取り組みを進めていかれるのか、お伺いいたします。  次に、消費増税財源を活用して安定的な制度運営が行えるよう、国への働きかけを強めるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  三点目に、二〇一五年八月から導入される年金収入二百八十万円以上の利用者への二割負担導入は、サービスの利用抑制やサービス事業者の経営への影響も懸念されるところであります。今後、利用動向の調査を実施して、二割負担の影響を把握して、時宜を得た対策を講じる必要があるものと考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、介護報酬についてお尋ねいたします。  財務省は、財政制度等審議会を通じて総額で六%の介護報酬の減額を厚労省に求めてまいりましたが、消費増税先送りによる財源不足で、介護関係者はさらなる減額への不安を強めております。消費税増税に加え、金融緩和に起因する輸入価格上昇による物価高が重なり、実質可処分所得が十六カ月連続して前年割れし、給与水準が他の産業より低い状況にある介護従事者は深刻な打撃を受けております。介護報酬引き上げを国に強く働きかけるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、特別養護老人ホームに関連してお尋ねいたします。  今回の制度改革において、厚労省は特養の内部留保の存在に焦点を当て、介護報酬の大幅減額の理由にしているとの見方があります。法人が自由に使える資金を内部留保とするなら、次期繰越額から会計上義務づけられている減価償却積立金や半年分の運営費を控除するべきという考え方もあります。適切な内部留保の金額については、明確な基準が示されていないことから、その多寡に関しては慎重な検討が必要であると考えますが、今後、施設の老朽化に伴い建てかえなどが必要となってくることを考慮しますと、特に規模の小さい法人等の内部留保が少ない施設では、財源不足で必要な更新が行えない状況が想定されます。こうしたことからも留保資金は必要と考えますが、この点についての御所見をお伺いいたします。  特養整備の際の主要な資金調達先である独立行政法人福祉医療機構が、十一月十三日に公表した福祉施設の建設費等に関する動向によりますと、近年資材費、労務単価の高騰により、特養、保育所等の建設費が上昇傾向にあり、特に東日本大震災の被災三県で顕著となっていることが明らかとなりました。被災三県の建設費の平米単価は、二〇〇九年の十八万二千円から、二〇一三年度には二十八万円と、実に五三・八%も増加し、全国平均の二十三万二千円、首都圏の二十五万二千円を大幅に上回っている現状にあります。  この状況で市内法人が特養を整備、更新するには、減価償却積立金では不十分で、相当の内部留保が必要になるものと考えます。この点に関連してお尋ねいたします。  東日本大震災による建設費高騰により、老朽化した特養の建てかえ、増床ができない状態が続くと、運営法人の経営不安やサービスの劣化リスクが懸念されるところであります。今後、市内の特養は建てかえを検討する段階を順次迎えると予想され、法人の置かれた状況を踏まえて必要な支援を検討すべきと考えますが、今後の取り組み方針についてお尋ねいたします。  次に、特定施設についてお伺いいたします。  特定施設は補助金なしで整備が可能な上、事業者の参入意欲も旺盛であることから、さらなる整備枠の拡充を期待するところであります。第六期事業計画期間では、特定施設に特養の代替機能を担う位置づけを与えて、特養の整備数を抑えるとのことであります。今後ますます施設での介護を必要とする高齢者がふえてくることが予想される中、特定施設の整備をさらに推進すべきと考えますが、今後の取り組みの方針をお尋ねいたします。  次に、定期巡回随時訪問型訪問介護看護についてお伺いいたします。  定期巡回随時訪問型訪問介護看護は、地域で生活する高齢者を二十四時間体制で支援する、まさに地域包括ケアのかなめの事業です。本市では、今年度から事業を開始し、一部学区を残して事業者が参入したことは喜ばしい限りであります。  そもそもこの事業は、三十人程度の採算ライン到達には相当の時間を要するため、事業者の参入が進まない実態があります。事業拡充を目指して国は市を通じて初期投資の支援を行っており、他都市では運営支援にも取り組んでいる事例も見られておりますが、当局の御所見をお伺いいたします。  本市は、有料老人ホーム等の集合住宅に居住する利用者を全利用者の五〇%未満とするという上乗せ規制を導入したとのことでありますが、今回の制度改正で、厚労省は集合住宅での定期巡回サービスについて、報酬の減算措置を強化するとのことであり、上乗せ規制の必要性は薄いと考えます。事業の採算確保を困難にし、対象者拡充の支障となるこの上乗せ規制は、弾力化または撤廃をすべきと考えますが、御所見をお伺いします。  以上で一般質問を終わります。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 39: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの跡部薫議員の御質問にお答えを申し上げます。  介護保険制度改革の趣旨と、次期計画期間における対応方針についてでございます。  介護保険制度は、平成十二年四月にスタートして以来、家族中心でありました介護を社会全体で支える仕組みとして定着をしてまいりました。この間、急速な高齢化の進展とともに、地域社会や家族のありようが大きく変容する中で、地域包括ケアシステムの構築が求められており、今般の制度改革は将来世代の負担が過大とならないよう、受益と負担の均衡を図りながら、持続可能な社会保障制度の確立を目指すものであると認識をしております。  現在策定を進めております次期高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画におきましても、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年を見据えた中長期的な視野に立ち、高齢者の方がその尊厳を保ち、健康で生きがいを感じながら社会を支え続けるとともに、支援が必要となっても地域で安心して暮らすことができる社会の実現を目指して、高齢者施策を推進してまいりたいと、このように考えております。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 40: ◯健康福祉局長(高橋宮人)介護保険制度に係る数点の御質問にお答えをいたします。  まず、制度の安定運営のための国への働きかけについてでございます。  今後、高齢化の進展に伴い、給付費のさらなる増加が見込まれる中、将来にわたる介護保険制度の安定的な運営のためには、財政基盤の確立など国が果たすべき役割は大きいものと認識しております。本市ではこれまで全国市長会等を通じ、介護保険財政の健全な運営のための所要の財政措置を国に要望してまいったところであり、今後も必要な措置を強く求めてまいりたいと考えております。  次に、利用者負担の見直しによる二割負担の導入についてでございます。  今般の制度改革により、来年八月から一定以上の所得のある方のサービス利用については、一割から二割へと負担割合が変更されますが、この見直しは応能負担の原則に沿ったもので、必要なものであると考えております。  一方、利用者負担額には月額上限が設けられておりますことから、サービス利用の過度の抑制や事業運営への影響は考えにくいところでありますが、なお導入後の利用動向を注視してまいりたいと考えております。  次に、介護報酬についてでございます。  介護従事者については、国全体として二〇二五年までに約百万人の増加が見込まれておりますが、他の業種に比べ離職率が高いなど、人材の安定的な確保が大きな課題となっております。  本市といたしましては、平成二十七年度の介護報酬の改定に向けて、人材確保のための処遇改善等の観点から、適正な報酬水準を確保するよう国に対し、全国市長会等を通じて要望してまいったところであり、引き続き強く働きかけてまいりたいと考えております。  次に、特別養護老人ホームの内部留保についてでございます。  特別養護老人ホームを運営する社会福祉法人につきましては、営利を目的としない事業運営が原則でありますことから、社会福祉事業の運営に必要のない余剰資金を保有することは想定されていないところでございます。しかしながら、老朽化に伴い施設の建てかえが必要となる場合に備えて、一定の資金を計画的に積み立てることは、社会福祉事業の安定的な運営とその持続性を確保し、入所者が安心して施設を利用できるようにするためには必要であると考えております。  次に、建てかえを検討する法人への支援についてでございます。  市内の特別養護老人ホームは、昭和五十年代後半から平成の初めごろにかけて建設された施設が、今後建てかえの時期を迎える状況にございます。こうしたことから、老朽化に伴う建てかえの必要が生じる施設については、定員の増加も含め、円滑な建てかえが行えるよう整備計画の協議に応じてまいりたいと考えております。  次に、介護つき有料老人ホームなど、特定施設の整備についてでございます。  特定施設につきましては、高齢者の多様な生活ニーズに応え、二十四時間対応のサービスを提供できる施設であり、自宅での介護の継続が困難な高齢者を支えるため、特別養護老人ホームとあわせて整備が必要であると考えております。特定施設は、事業者の参入意欲も高く、現行の三百人分の整備目標を超える事業選定を行ったところでございます。  こうしたことを踏まえ、次期計画においてはさらに現行の計画を上回る三百六十人分を目標とすることを予定しており、着実に整備を推進してまいりたいと考えております。  次に、定期巡回サービスの運営支援についてでございます。  本年四月に行ったこのサービスの募集では、事業者の参入を促すため、通信機器の導入経費や人件費、賃借料など、事業開始に必要な経費の助成を行ったところ、四十一中学校区について事業者を選定いたしました。その後、残りの中学校区について募集を継続して行い、これまで合計七事業者により六十三中学校中、五十五中学校区での実施が決定したところでございます。  このように、このサービスについて事業者の参入意欲がありますことから、今後の募集についても現在の枠組みで進めてまいりたいと考えております。  最後に、定期巡回随時対応型事業の上乗せ規制についてでございます。  このサービスの実施に当たりましては、広く地域の方々がサービスを受けることができるよう、有料老人ホーム等へのサービス提供の割合を三年後には五〇%未満とすることといたしており、事業者はこれを踏まえて利用見込みを立てているところでございます。  本市におきましては、このサービスの提供がことし十月に始まったところでございますので、適切なサービスの提供や運営が行われますよう、事業の実施状況を確認し、事業の検証を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 41: ◯子供未来局長(板橋秀樹)私からは、子ども・子育て支援新制度に関する数点の御質問にお答えをいたします。  初めに、新たな子ども・子育てプランの概要についてでございます。  このプランは、子ども・子育て支援法に基づき、教育、保育の量的確保等を定める市町村事業計画等を兼ねる、子ども・子育て支援に係る今後五年間の総合的な計画でございます。  基本理念として、未来を担う子どもたちがすこやかに育つまち仙台を掲げ、具体的には、事業計画に基づき平成二十九年度当初までに、待機児童の解消を目指すほか、質の高い教育、保育の総合的な提供を担う認定こども園の普及にも努め、教育、保育等の量的な整備を計画的に進めてまいります。  また、教育、保育の質の確保、向上や、身近な地域での相談支援の充実等にも取り組むことにより、全ての子供や子育て世代を質と量の両面から支援してまいりたいと考えております。  次に、消費増税延期による子ども・子育て支援新制度への影響についてでございます。  新制度に必要な財源確保につきましては、来年度より予定どおり新制度を施行する方針が示され、具体的に財源措置される公定価格等の項目やその水準については、今後の国の予算編成過程において調整される旨の連絡を受けているところでございます。こうしたことから、新制度に係る財源については国の責任のもと手当てされるべきものと認識をいたしておりまして、本市といたしましては、新制度に向けて着実に準備を進めてまいりたいと考えております。  次に、認定こども園の設置数の根拠とその支援策についてお答えを申し上げます。  新たなプランにおきましては、子ども・子育て支援法に基づく国の基本指針に基づき、既存の園に加えて、事業者への意向調査により、平成三十二年度当初までの間に認定こども園への移行が予定されている園などを積み上げて、設定したところでございます。  また、認定こども園設置に対する支援といたしましては、認可申請に係る手続や施設改修に際しての留意点等について、個々の事業内容に応じたきめ細かな相談支援を行うほか、幼稚園が認定こども園に移行する際、三歳未満児の保育を行うなど、一定の要件を満たした場合に、定員数に応じた本市独自の運営費補助を行うなど、円滑な移行に向けた支援を行うこととしております。  次に、新制度の申請手続についての保護者への周知についてでございます。  保護者の方々が新制度に対する理解を深め、御自分の御家庭に合った保育や教育のサービスを選択できるよう、各区及び宮城総合支所における市民説明会に加え、各区の保育サービス相談員がのびすくなどに出向き、新制度等に関する相談に対応いたしております。  また、保護者からの個別の問い合わせや相談に応じるためのコールセンター開設のほか、市政だよりの特集や本市ホームページ等による情報提供等、周知に取り組んできております。  次に、区役所での対応状況と今後の課題等についてであります。  保育所等の利用に当たりましては、区役所において保育サービス相談員が平成二十五年十月から本年十月末までの間に、窓口等で約六千二百件の相談に応じてきております。このほか、新制度の利用手続について、御家庭の状況やニーズに応じた情報提供ときめ細かな相談対応に努めてきており、円滑に受付事務を進めてきております。  今後の課題といたしましては、新制度下で初の支給認定や多様な保育サービスの利用調整を適切に進めていくことと考えております。  次に、新制度に関する私立幼稚園への周知や支援の取り組みについてお答えをいたします。  本市では、幼稚園関係者に対して新制度の説明会を開催するとともに、八月以降、希望する全ての幼稚園を担当職員が訪問して個別の質問にお答えするなど、周知に努めてまいりました。加えて、幼稚園が保護者に説明する際に活用いただけるよう、利用できる施設、事業や申請手続の流れをまとめたリーフレットや、新制度に関する質問をお受けする本市専用ダイヤルの案内を幼稚園に配付し、保護者からの問い合わせに円滑に対応できるよう支援を行ってきております。  最後に、幼児教育の充実、無償化についてでございます。  幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであり、親の収入等にかかわらず、全ての子供に平等に与えられるべき権利でありますことから、その充実や無償化につきましては、国の責任において財源の確保等にしっかりと取り組むべきであると考えております。  次年度の国の方針につきましては、概算要求時点におきまして、幼児教育無償化に関する関係閣僚・与党実務者連絡会議の方針を踏まえ、五歳児から段階的に取り組むとされ、その対象範囲や内容等については予算編成過程において検討されると伺っておりますが、その後、国から新たな情報は示されてございません。  以上でございます。 42: ◯教育長(上田昌孝)私からは、幼稚園、保育所と小学校の連携に係る質問にお答えを申し上げます。  まず、特別支援教育におけるこれまでの幼保小連携の取り組みについてでございます。  教育委員会では、保護者の同意を得た上で、幼稚園、保育所から子供の状況をまとめた相談資料をいただき、就学先決定後は、発達相談支援センターアーチルの資料とあわせて、これらの情報を入学予定校に引き継いでおります。学校ではこれらをもとに、幼稚園、保育所を訪問するなどして、一人一人の子供に即した指導計画を作成し、スムーズな学校生活のスタートと、入学後の指導の充実につなげております。  今後も教育委員会として、配慮の必要な子供が一貫した適切な支援が受けられますよう、認定こども園も含めた関係施設との引き継ぎや連携の充実に努めてまいりたいと存じます。  次に、幼保小連携についてのお尋ねでございます。  特別支援教育に限らず就学前の幼児教育は、その後の生涯にわたる人格の形成や生きる力の基礎を培う場であり、その後の小学校教育との接続の上からも、大変重要であると認識しております。  今後とも、認定こども園を含め、幼保小の円滑な接続と教育環境の整備のために、小学校でのスタートカリキュラムを進めますとともに、統一した引き継ぎ文書などによる情報交換の促進や、幼保小連携の研修会の開催など、子供未来局とも緊密に連携しながら、未来を担う子供たちの健やかな育ちをしっかりと支えられるよう努めてまいります。  以上でございます。 43: ◯議長(西澤啓文)次に、小田島久美子君に発言を許します。     〔十七番 小田島久美子登壇〕(拍手) 44: ◯十七番(小田島久美子)公明党仙台市議団の小田島久美子です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。  市民お一人お一人が日々の生活を安全に営むとともに、希望豊かな社会を構築していくために、国が地方創生を最重要課題として掲げ、責任を果たそうとしております。これまでの、ややもすると中央の論理を押しつけるかのような事業スキームとは違い、極力各地の現場で知恵を絞り、より有力な事業展開を進めていく画期的な施策と、期待が高まっているところであります。ですから、今後、各自治体の手腕が問われることにもなろうかと思います。
     本市においても、いかに市民の皆様のニーズにお応えし地域の課題に対応していくのか、先を見通した方向性を見定め施策に反映させていくことが、厳しい財政状況の中で求められていると思うのです。  初めの質問として、仙台市の地域づくりの方向性について三点お伺いいたします。  質問の一点目は、女性の活躍による活力ある地域づくりについてです。本日、同僚議員により同様の質問がございましたが、重複するところ以外の質問を行います。  政府は、さきの臨時国会に、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律案を提案いたしました。この法案は、地方公共団体による女性の職業生活における活躍についての推進計画策定の努力義務や、すぐれた取り組みを行う民間事業主の認定などを立法化しようとするものでありました。しかし、この女性活躍推進法案の成立に至らなかったことは、非常に残念なところです。  現在、全国の企業や団体の中には、既に行動計画を策定しているところも見られます。本市においても、男女共同参画せんだいプラン二〇一一の計画期間が平成二十七年度に終了することを踏まえれば、次期プランの中に女性の職業生活における活躍についての推進計画を組み込み、より実効性のある施策を検討することを求めるところですが、御所見を伺います。  あわせて、今年度市民局において、次期プラン策定に当たり、市民参加によるテーマ別ワークショップ、参画プラン・カフェを開催しております。積極的に市民の皆様の御意見を聴取したことは評価するところです。現場で浮かび上がってきた女性の活躍推進に期待されているものは何か、具体の御意見と今後施策に反映されていくべき方向性など、御所見を伺います。  本市としてよりよい施策を展開していく上で、他都市の取り組みなどもつぶさに学ぶこともあるべきと思います。例えば広島県では、女性の働きやすさ日本一を目指し、平成二十五年四月より、働く女性・子育て支援部長が置かれ、働く女性応援プロジェクトチームが設置されております。女性の就業支援と子育てに関する事業を一元的に推進する体制を整備したということです。  働き続けることができる職場環境について、一旦子育てで仕事を辞職しても再就職できること、多様な働き方ができること、就業したいときに保育所に入所できること、働き方に応じた保育サービスの利用ができることなど、子育てをしながら安心して働き続けることができるようにするための施策について、具体的に目標を示して集中して検討しているそうです。  経済再生の鍵を握る女性と活躍をさらに推進できる体制を構築するために、他都市との交流を一層高めて、事例を収集検討することを求めますが、御所見を伺います。  質問の二点目は、高齢化社会におけるボランティアの育成促進による支え合う地域づくりについてです。  本市において、地域包括ケアシステムの構築に向けて、定期巡回随時対応型訪問介護看護事業が始まりました。平成二十六年度、五カ所の事業所が既に選定され、十月一日からはその中の二カ所の事業所が開始したところです。また、昨今の緊急課題である認知症対策については、地域の見守りが急がれます。認知症サポーターの養成講座を町内会や各種団体、事業所単位で積極的に開催され、昨年度の累計で二万九千四百五十八人のサポーターが誕生していることは、大変に評価するところです。  また、地域包括ケアシステムにおいて特に重要な課題は、医療や介護に携わる人材の確保と言われているところです。現場の求めるところは、できる限り専門的なサービスをいつでも受けられることですが、地域の守り手としては、その度合いによって予防的対応として、地域とNPOやボランティアの方々の手を借りていこうとしております。  そのような環境を本市としてはどのように構築していけるのか、という声が寄せられております。市民が一体となって力を合わせ、地域の潜在力を引き出し、支え合っていくための取り組みについて、本市行政として具体のモデルケースを市民の皆様に指し示しながら、現場現場の構築に向けた方向性をそろそろ示すべきではないでしょうか。  神戸市では、有償ボランティアの活用やソーシャルビジネスの積極的な取り組みが行われています。地域の方々のボランティアの育成に民間の力をお借りして、その橋渡しを行政が行うことにより、ボランティアの育成が成功しているとのことです。ボランティアを受け入れる行政や施設側の意識変革で、活動する方々が増加しているのです。  兵庫県で活動するボランティアグループ園は、一九八七年に設立され、その活動はそれまでの固定概念にとらわれず、自分たちにできることを探してかかわりましょうを合い言葉に、外出同行等、高齢者の暮らしの各場面に日常的にかかわるほか、書道、園芸等の特技を生かしたプログラム活動を行い、喫茶店や居酒屋などで気軽に気兼ねなく高齢者の愚痴を聞くなど、楽しんでこそボランティアと、生き生きと活動されています。  また、別な事例では、安否確認を兼ねてごみ出しを一回百円で行うボランティアが地域によってあることも知りました。  市民活動が新たな公共の担い手として定着していくためには、民間の力を活用して、その組み合わせによる高齢者を支える生活援助の仕組みの基盤づくりを施策の中に位置づけています。  今後の本市の地域包括ケアシステム構築の方向性を見据えたボランティアの位置づけと、提供されるサービス量の内容と考え方、またそれを担う方々の育成の方向性について、御所見を伺います。  質問の三点目は、災害警報に備える安心な地域づくりについてです。  地球温暖化等の影響を受けて、豪雨や豪雪また竜巻など、異常気象による災害が増加しています。ことしの七月は台風八号が九州を横断、八月は台風十一号の影響で約四十市町村、六十万人に避難指示が出されました。広島土砂災害は記憶に新しいところです。犠牲が大きかった状況を検証すると、適切な自治体の危機管理がさらに求められるところです。  気象庁では二〇一三年八月から、特別警報の運用を開始し、ことしの七月には沖縄本島地方、八月には三重県、九月には北海道と、これまでに四回発表されております。  それまでの警報の基準をはるかに超える重大な災害となる大雨や洪水、暴風等の災害が起こるおそれがある場合や、地震、津波、噴火による災害でも危険度が高くなった場合には、特別警報と位置づけられました。また、新たに通知を受けた市町村長は、直ちに公衆等に周知させる措置をとらなければならないこととすることも明記されました。  運用されてから一年を経て、既に幾つかの浮き彫りとなった課題があります。一つは、五十年に一度の災害であるにもかかわらず、なぜ発表されなかったのかとのこと。また、発表される言葉が似ているために、わかりにくいといった意見や疑問です。本年十月に発生した台風十九号において、本市においては避難準備情報が発表され、避難所の開設も行われました。対象地区に住んでいた方の中には、情報の内容が理解できずに混乱したというお話も伺ったところです。  特別警報の発令が定められた経緯には、東日本大震災や紀伊半島を中心とした大雨災害があり、それまでの既存の気象情報が迅速な避難につながっていない教訓を受けてのことと伝えられていますが、市民の皆様に、自分の身は自分で守るという防災に対する意識の向上を求めてきた以上、自分を守る一つとして、地域に指定された避難所の開設手順などは、全ての地域で着実に実施できるまで、丁寧に説明することが求められていると思われます。  また、気象災害が複合化している現状を考えると、その対策は各自治体で地域の安全を守る仕組みが必要と思われます。その上で、災害の専門性を重視した技術や判断能力を高めていかれるような職員の配置を求めるところですが、御所見を伺います。  次に、総合コールセンター設置に係る四点についてお伺いいたします。  公明党仙台市議団では、政令指定都市の総合コールセンター事業の調査を行うため、札幌市、さいたま市、京都市、大阪市へ視察を行い、そのほか電話等による調査を実施いたしました。調査項目は、総合コールセンターの事業概要のほかに、導入過程や効果と課題、また市民の評価についてです。  全国の政令市において、平成二十六年度現在でコールセンター事業を実施しているのは、仙台市、堺市、岡山市、福岡市の四市を除く十六市となりました。開設している都市のコールセンターでは、いずれも年中無休となっており、受付時間はほとんどが午前八時から午後九時までとなっております。  応対する業務内容は、税や戸籍、環境、子育て、福祉等の制度や手続に関する情報や施設案内、イベント情報の提供のほか、講座への参加申し込みの受付業務も代行している都市もありました。また、札幌市、千葉市、川崎市、名古屋市では、市役所本庁舎の代表電話業務をコールセンターで行い、さいたま市、横浜市、川崎市、大阪市は、各区役所の電話業務も集約しており、多くの都市では外国語対応も行っております。さらには、東日本大震災を教訓として、市役所、区役所以外に行政への問い合わせができるコールセンターを置くことの重要性も指摘されております。  平成二十二年の第一回定例会において、我が会派の菊地議員が、総合コールセンター設置について質問したところの答弁は、効果が期待できるものと考えるが、他都市の状況を見ますと、多額の経費を要する等の費用対効果の面や、膨大な応対マニュアルの維持管理のあり方など課題が見られる状況から、他都市の運用上の課題などについて、より詳細な把握に努めながら検討するという内容でした。  初期費用については、コールセンターの運営形態が異なるため一概に比較はできませんが、二千万円から六千万円程度となっており、開設費用を全く要しないで設置したところもあるようです。平均的な運営費については、電話交換を含む都市では約一億一千五百万円、含まない都市では約四千七百万円となっております。他都市の運営費等の調査と分析状況についてお伺いいたします。  質問の二点目は、仙台市における電話交換業務との費用対効果の比較についてです。  仙台市の平成二十五年度の本庁舎の電話交換業務委託費は、年間二千百二十三万円余で約十六万件の着信件数であり、各区総合支所の委託費の合計は六千四百四十三万円余とのことですが、残念なことに一部の区役所、総合支所において着信件数を記録されておりませんでした。  さいたま市においては、各区の電話交換手の委託費、電話のリース料金よりもコールセンター事業のほうが費用削減につながったとされ、ワンストップサービスの費用対効果について詳細に分析し、コールセンター開設の参考資料としております。着信件数を記録し、効率的な人員体制の委託を行うことや、市民の問い合わせ状況を把握することは、行財政改革として効果的な新たな施策につながることと思われますが、御所見を伺います。  総合コールセンターで市民のお問い合わせに対応し、専門的な知識が必要な場合などに限って担当者へ電話が取り次ぎされれば、職員の本来の業務に集中することが可能となり、時間的コストの削減につながるのではないでしょうか。本市職員の業務時間に占める電話応対時間の割合と、コールセンターを設置した場合の業務の効率化や、費用削減効果への御認識について伺います。  質問の三点目は、窓口のワンストップサービスに係る市民アンケート調査の実施についてです。  平成十五年に自治体として初めてコールセンターを導入した札幌市では、事前にアンケート調査を実施しております。平成十三年度の調査結果では、平日の昼間しか対応してくれない、どこに聞けばいいのかわからない、たらい回しにされるなどの電話応対業務の課題が明らかになったとされております。  本市においては、これまで実施している市政モニターアンケートや施策目標に係る市民意識調査において、窓口のワンストップサービスについての市民の御意見を聴取する調査は行われておりません。市民サービスの利便性向上のためにも、窓口案内の資質向上につながるためにも、市民へのアンケート調査は実施すべきと思いますが、御所見を伺います。  質問の四点目は、ホームページに掲載しているよくある質問の充実についてです。  札幌市や静岡市では、コールセンターの機能強化のためFAQを一千五百件以上整備して開設しております。本市においては、現在ホームページで市民からのよくある質問として掲載している項目は、二百七十五件です。広聴相談事業としては、毎年度約三千件の市民の声をデータベースとして蓄積しているとのことですが、市民への各種事業のPR効果も含め、よくある質問項目を拡充すべきと思われます。御所見を伺います。  コールセンターを開設した各都市が共通して示されたところは、年中無休、夜間対応により、市民からワンストップサービスへの高い評価が得られたこと、広聴媒体を集約するシステムを導入した都市は、それまで所管する担当課の事務処理が異なっていたために難しかった市民意見の全体像を把握し、施策に反映されやすくなったところです。  何よりも市民サービス向上を最重視してコールセンターを開設した他都市の判断は、高く評価するところと思われ、早期の開設を求めるところですが、市長の御所見を伺います。  質問の最後は、振り込め詐欺の未然防止対策の強化についてです。  警察庁の調べによりますと、全国の平成二十六年十月末までの振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺全体の被害総額は、前年同期に比べて一七・五%増加の約四百五十三億円となっており、初めて年間五百億円を超えるおそれがあるとされております。宮城県においては、四八・六%増加の約八億七千万円となり、過去最悪となりました。  認知件数は前年同期より五十四件増加しており、その中の五十一件が仙台市内となっております。この増加率の状況をどのように捉えておられるのか、実態把握もあわせて伺います。  私もことしの夏ぐらいから複数の御高齢の方から、振り込め詐欺の被害状況や架空電話があったことをお聞きしました。  先月中旬、七十代の女性の方のところに、区役所の職員と名乗る男性から保険料の還付があると電話があり、口座番号を聞かれた後に、役所やコンビニに向かい手続をするように言われたそうです。その通話内容を横で聞いていた御友人が不審に思い、役所に連絡するようアドバイスをしてくださったので未然に防ぐことができたそうですが、口座番号を相手に伝えてしまったことで、口座変更の手続など、本来なら支払う必要のない手数料等の出費がかさみ、悔しさを感じておられました。  別の方は、同じような手口で三十万円振り込んでしまう被害に遭い、これまで地域の中心的立場として未然防止を訴えてきた自分が、まさか被害に遭うとは信じられないとショックを隠し切れない様子でした。  手口は巧妙化し、過去に被害に遭われた方の中には再び同様の被害に遭った方もいることを知りました。  本市においては、宮城県警や各種団体と連携し、ホームページや市政だより等においてさまざまな広報啓発活動を行っておりますが、残念なことに被害が増加しております。  他都市の事例ですが、茨城県では、振り込め詐欺などのにせ電話防止策の一環として、本年十月から詐欺や悪質商法で使われた番号からの電話の着信をブロックする機器、迷惑電話チェッカーを通信会社と協力して、県民に二年間無償貸し出しを開始しました。また、宮崎県では、市民に注意を促すポップアップステッカー、マッタくんを作成し、電話の受話器の下に張り付けて使用し、受話器をとったときにステッカーが起き上がることで、詐欺電話に注意することを気づくように未然防止を推進しております。  六十五歳以上の約四人に一人が認知症か、その予備軍との指摘もあり、被害の増加が懸念されます。高齢者を振り込め詐欺被害から守るには、県との協議を行い、早急に対策を強化し、その対策の周知に努めることを求めますが、御所見を伺い、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 45: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの小田島久美子議員の御質問にお答えを申し上げます。  女性の職業生活における活躍に関するお尋ねでございます。  女性活躍推進法案では、国が定める基本方針に基づき、女性の職業生活における活躍の推進に関する施策を市町村推進計画において定めることになるものと承知をしておりましたけれども、成立に至らなかったことはまことに残念に思っております。  平成二十八年度から開始する新しい男女共同参画せんだいプランにおきましては、復興を支える地域経済の活性化といった観点からも、女性が持ちます知識や経験を生かし、職場においてその能力を十分に発揮していくための施策を盛り込むことが肝要と、そのようになってまいります。両立支援や女性の登用促進により女性の活躍を実現するにとどまらず、機会に恵まれず働くことのできない女性や、ひとり親として世帯を支える女性たちへの支援、ハラスメントの防止など、安心して働くことのできる環境整備など、国の動向も注視しつつ、多様な視点から実効性のある施策を検討し、次期プランの策定に取り組んでまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 46: ◯危機管理監(加藤俊憲)災害の専門性を重視した職員の配置についてお答えいたします。  昨今の異常気象による災害に対しては、市民の皆様に気象情報や災害特性について十分御理解いただけるよう、平素からわかりやすい情報提供を行うとともに、災害時には状況に応じた迅速、的確な判断、対応が行えるよう、職員の気象や災害に係る専門性を高めていくことが重要でございます。  こうしたことから、本年四月より気象台から防災担当職員の派遣を受け、適時、適切な助言を得て、円滑な警戒体制への移行や、早目早目の災害対応につなげており、また気象に関するスキルアップ研修会を行うなど、職員の知識向上にも効果を上げているところでございます。  今後とも外部機関による専門教育や研修等に積極的に参加させ、職員個々の能力を高めるとともに、気象台を初め、関係機関との緊密な連携のもと、防災力の向上に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 47: ◯市民局長(渡邊晃)女性の活躍による活力ある地域づくりに関する二点のお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、男女共同参画に関するワークショップ、参画プラン・カフェについてでございます。  女性の活躍やDV防止等のテーマを設けて、三回開催をいたしましたカフェでは、男女とも幅広い世代の皆様や、男女共同参画推進審議会の委員等に参加をいただき、毎回活発な議論が行われました。女性の活躍推進に関しては、職場や地域での女性の参画が十分でない現状とともに、両立支援制度の充実や男女双方の意識改革の必要性が再認識されたほか、活躍している女性たちの見える化といった、今後の施策につながる視点についても御意見がございました。  カフェの内容は審議会にも報告をし、市民の皆様の貴重な御意見を踏まえながら、次期プランの検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、他都市事例の収集、検討についてでございます。  男女共同参画の分野につきましても、日ごろから指定都市を初めとする他の自治体と予算や事業等についての情報交換を行うほか、現下の政策課題や推進体制等について意見交換を行っております。また、今年度指定都市市長会に設置された女性の社会進出プロジェクトでは、本市を含む五つの参加都市の担当課が集まり、女性の活躍に関する調査研究や、国に対する政策提言を検討する中で、密度の濃い議論を行うことができました。  今後とも、さまざまな機会を捉え、他都市との交流を深めながら、積極的な情報収集に努めてまいりたいと存じます。  次に、総合コールセンターに係る数点の御質問にお答えを申し上げます。  市政全般にわたる定型的な御質問にワンストップでお答えする総合コールセンターにつきましては、執務時間外も含め、市民の方が手軽に情報を入手できるという点で、市民サービスの向上につながるものと認識をしております。  他都市の状況を見ますと、開設及び運営に多額の費用が新たに必要となることに加え、コールセンター業務維持のための職員による対応マニュアル作成、及び適時適切な内容の更新などが求められるという現状がございます。  また、スマートフォンの普及に代表されるICT環境の変化等によるホームページアクセス件数の増加など、他都市がコールセンターを導入した当時とは異なる状況も出てきていると分析をいたしております。  一方、費用対効果の観点から分析を進めるに当たり、代表電話の着信件数等の把握に努めてまいりたいと存じますが、業務中における職員の電話対応時間の割合を具体的に把握し、これによる削減効果を算定することは難しいものと考えているところでございます。  今後、市政モニター制度なども活用した、窓口や電話での応対に係るアンケート調査の検討を進めるとともに、ホームページ掲載のよくある質問の項目拡充にも取り組みつつ、望ましい問い合わせ対応のあり方や、有効な情報提供の手法について、コールセンターの開設も含め、関係部局と連携し、総合的に検討してまいりたいと存じます。  最後に、特殊詐欺に関する御質問にお答え申し上げます。  宮城県内だけではなく、本市内における認知件数も昨年に比べ大幅に増加しているなど、憂慮すべき状況にあると認識をいたしております。高齢者などの犯罪弱者を狙う振り込め詐欺を初めとする特殊詐欺は年々巧妙化し、その手口等について県警から情報提供いただくなど、実態の把握に努めているところでございます。  これまでも仙台市防犯協会連合会と連携し、町内会や高齢者施設などでの防犯出前講座や各種メディアを活用し、振り込め詐欺の手口を紹介するなど、被害の防止に取り組んでいるほか、防犯講座においては、電話の受話器に張る振り込め詐欺撃退シールを受講者へ配付するなど、より効果的な啓発を進めているところでございます。  また、宮城県警においても、電話口で犯人に警告メッセージを発する録音機能つき装置の貸し出しを、この十二月から開始したと伺っております。  引き続き、宮城県警や地域防犯にかかわる方々と連携をし、また他都市の効果的な取り組みも研究しながら、地域における防犯力の向上の取り組みを、その周知も含めまして進め、特殊詐欺被害の拡大防止に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 48: ◯健康福祉局長(高橋宮人)高齢化社会におけるボランティアの育成促進についての御質問にお答えいたします。  高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、地域包括ケアシステムを構築することが必要であり、そのためには公的な介護サービスの充実とともに、多様な主体が地域で高齢者を支える取り組みは重要であると認識しております。今後、こうした取り組みを進めるため、高齢者向けのボランティア活動の状況を調査し、必要なサービス内容等について検討を進めてまいります。  また、その担い手の育成につきましては、地域において成果を上げているボランティア団体などの力をかりながら、そのノウハウを学ぶ研修会を開催するとともに、さらにその活動の場を提供する仕組みづくりを検討するなど、本市においてボランティア活動のポテンシャルを最大限高め、支え合いの地域づくりが円滑に展開されるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 49: ◯議長(西澤啓文)この際、暫時休憩いたします。     午後三時二十二分休憩          ────────○────────     午後三時四十分開議 50: ◯議長(西澤啓文)休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、庄司あかり君に発言を許します。     〔十一番 庄司あかり登壇〕(拍手) 51: ◯十一番(庄司あかり)日本共産党仙台市議団の庄司あかりです。子供を取り巻く格差と貧困の解決を求めて、一般質問をいたします。  今、日本では、子供の六人に一人が貧困に陥っています。ことし七月の厚生労働省の発表で、子供の貧困率が過去最悪の一六・三%となりました。ひとり親家庭の貧困率は五四・六%にも上ります。政治と社会が総力を挙げて、子供の貧困対策に取り組むべきときです。  先日、児童相談所でお話を伺ってまいりました。上半期の相談件数は、昨年度に比べて四十一件多い一千二百九件、DVの現場に子供がいたことによる警察からの通告件数が増加したことで、児童虐待の相談件数も六十七件増と、昨年度を大きく上回っています。一時保護の定員二十名は、満杯状態になることもあると聞きました。背景には、広がる貧困の問題があります。経済的困窮が要因となってのDVの増加、保護者の労働状況の悪化、ひとり親家庭、病気や障害、孤立など、事態は厳しさを増しています。  私もこの間、たくさんの声を聞いてきました。夫のDVから逃げるために正規の職を手放し、子供との生活を守ろうと派遣社員として働いたけれど、過労がたたり体を壊した三十代の女性、震災、出産、離婚を経験し、仮設住宅で暮らす二十代のママと赤ちゃん、乳児を抱え、所持金があと千円しかないと電話をしてきた母親など、緊急を要する相談も少なくありません。  仙台市の子供たちが置かれている深刻な状況を、市長はどのように把握されているのでしょうか、初めに伺います。  子供が生まれ育った環境によって将来が左右されないようにと、子どもの貧困対策法制定の運動が広がり、二〇一三年に全会一致で可決され、ことし一月から施行されたにもかかわらず、大綱が策定されませんでした。
     六月には、内閣府の有識者会議が大綱策定に当たり、子供の貧困率改善の数値目標設定や、返済不要の給付型奨学金導入、ひとり親家庭への児童扶養手当の対象年齢引き上げなどを意見としてまとめ政府に求めるなど、充実した大綱を望む声が広がっていました。  それにもかかわらず、八月にようやく閣議決定された子供の貧困対策大綱は、深刻な現実を打開するのに見合った中身とは到底言えません。学校で貧困問題に当たるスクールソーシャルワーカーの増員など、ある程度の対策は具体化したものの、児童扶養手当の拡充や給付型奨学金の導入などは見送られました。さらに貧困率改善の数値目標も盛り込まれませんでした。政府の責任を明確にする上で、数値目標を設定することは欠かせません。例えば、自殺対策基本法に基づく自殺総合対策大綱は、自殺死亡率二〇%以上減少の改善目標を掲げています。  子どもの貧困対策法の大綱は五年ごとに見直すことになっていますが、見直しを待つのではなく、改定を検討すべきです。子どもの貧困対策法は、親から子への貧困の連鎖を断ち切る第一歩となる法律です。国民世論と運動が生み出した法の精神を生かすために、実効性のある対策を国に求めるべきです。いかがでしょうか、市長の御認識を伺います。  安倍政権は、子どもの貧困対策法の理念に真っ向から逆らう政策を次々と打ち出しています。子育て世帯を直撃する生活保護扶助基準の引き下げや、仙台市でも成果を上げている生活保護世帯の学習支援について、国庫負担補助を半減させる計画など、逆行そのものです。  さらに、ひとり親世帯の生活を支える児童扶養手当と障害のある子供たちが対象の特別児童扶養手当の削減が、受給世帯を苦しめています。  中学三年生の障害の子供を持つシングルマザーの方は、二〇一二年四月には月五万五百五十円だった特別児童扶養手当が、ことし十一月には四万九千九百円と、ついに五万円を切ってしまった。障害児を抱えながらダブルワークしているが、もう暮らしていけないと話していました。  児童扶養手当は、二〇一〇年から支給されるようになった父子家庭を含めて、全国で約百万人が受給しています。二〇一三年度の〇・七%削減に続き、ことし四月にはさらに〇・三%削減されました。その上、就業している、求職活動など自立を図るための活動中などの証明書類を提出しなければ、減額されてしまいます。自立支援の名で児童扶養手当を削減する制度改悪は撤回すべきです。手当削減の撤廃と、受給要件の緩和、支給額の拡大など制度の改善、拡充を国に求めるべきです。同時に、勤労意欲を証明させる書類は廃止し、提出書類を簡素化して、受給世帯の負担軽減を図るよう求めるべきです。あわせて伺います。  問題は、手当の削減だけではありません。児童扶養手当の認定、審査基準は、手当を受けられる対象を狭めるもので問題です。  ひとり親家庭が親族と同居していても、生計を異にする事実が客観的に証明できる場合は、児童扶養手当を受給できます。しかし、国の児童扶養手当マニュアルや宮城県が出している手引は、生計が同一でないことの確実な証拠として、実態にそぐわない煩雑な事務を求めています。例えば、住居の見取り図から玄関、廊下、風呂、トイレ、台所等が別々であるかどうかを確認することや、家計簿の写し、公共料金のメーターを別々にして領収書を提出するよう求め、出せない場合はその理由について申し立て書を添付せよというものです。これだけの書類を提出できない場合には、給付を認めないという状況です。  八割以上が働いている母子世帯の総所得は、子供のいる平均世帯の四割以下にすぎません。児童扶養手当の対象を狭めようとする認定審査基準の見直しを、国、県に求めるべきです。いかがでしょうか。  子供の貧困をなくしていくためには、関連する全ての分野で制度の抜本的な拡充が必要です。義務教育無償の原則にもかかわらず、無償の対象は授業料や教科書代などに限られ、給食費、制服代、ドリル代、修学旅行積み立てなど、義務教育の家計負担は余りに重過ぎます。仙台市の就学援助は、生活保護基準額に学校外活動費を足した額ということになっています。収入で三百九十万円、所得で二百五十八万円という大変低い水準になっていることは、これまでも指摘してきました。生活保護基準の一・五倍以上に引き上げるべきです。いかがでしょうか、伺います。  義務教育にふさわしく家計負担の解消を目指し、段階的に負担の引き下げを行うべきです。市内でも、教育の一環であるはずの修学旅行や野外活動などの宿泊を伴う活動に、負担が重くて参加できなくなる子供が出ています。所得制限で就学援助の対象にならない世帯に対して、こうした活動費の負担を軽減する仙台市独自の支援策をつくるべきです。お答えください。  貧困状態に置かれた子供たちは、食事も満足にとれず、病気になっても十分な治療を受けられないなど、健康が脅かされています。子供の医療費無料の対象拡大は、子供の貧困対策においても、かなめとなる施策です。宮城県に対し、子供の医療費無料の対象を拡大するよう求める意見書が、仙台市も含め県内全ての自治体で決議されました。それにもかかわらず宮城県は全く対象を引き上げようとしていません。本当にひどい態度です。  全国最低水準の県に対し、対象を拡大するよう求めるとともに、市独自で対象を中学三年生まで引き上げ、所得制限を撤廃し、ワンコインの負担もなくすべきです。いかがでしょうか、伺います。  市内のある児童養護施設でお話を伺いました。  少子化の中でも、入所してくる子供たちは一向に減らないそうです。子供たちの自立への支援と、家庭に戻れる可能性のある子供には、家庭との調整も行います。施設長は、子供を守るための連携体制を張りめぐらせているつもりでも、それぞれのセーフティネットの網の目の大きさが違えばすり抜けていってしまう、まずはケース会議などで、この家庭にはどれくらいの網の目の大きさで対応することが必要なのかを共通認識にすることが大切だ、と強く訴えていらっしゃいました。  虐待を受けた子供たちは、決して自分から虐待を受けたとは言いません。自分が悪いことをしたから、と考えているからです。傷ついた子供たちを守り、育て、子供たちの聞こえない声を聞き、見えないものを見ることが欠かせません。セーフティネットを用意しているつもりでも、その網の目が大き過ぎる、そのような制度や体制は見直すべきです。  子供の貧困が拡大する中、命を守る最後のとりでとしての役割を果たしているのが児童養護施設です。子供たちは二十四時間そこで生活していますが、守り育てる職員の配置は大きな課題になっています。現在は子供五・五人に対し職員が一人で、一人一人に目を配り向き合うために相当の努力が求められています。安倍政権は消費税を一〇%にすることを条件に、児童養護施設の職員定数を子供四人に対し職員一人に改善するとしていました。ところが、消費税一〇%増税の先送りを理由にして、許しがたいことに職員定数の改善も先延ばししようとしています。  消費税は逆進性が強く、さらなる増税は格差と貧困をますます拡大させるものです。消費税増税は先送りではなく、中止の決断こそすべきです。一方で、児童養護施設の職員配置は、増税とセットではなく、子供の貧困対策の観点からもすぐに実施すべきものです。現場に不安をもたらしているこの問題について、増税実施の有無にかかわらず、必要な予算を確保するよう国に求めると同時に、職員の加配ができるよう市として補助をすべきです。いかがでしょうか、伺います。  児童相談所でも、児童養護施設でも、子供の障害に関する相談がふえているといいます。障害のある子供たちへの適切なケアを行うことができる施設が足りないことが課題になっています。障害の子供のケアを充実させなければ、親と子も行き場がなくなってしまう、児童養護施設も障害の子の対応でほかの子に手が回らなくなってしまう、こういった実態が寄せられています。重度の障害に対応する施設はもちろん、中軽度の子供を療育する施設が足りません。一人一人が適切なケアを受けられるよう、障害者施策の充実と施設整備を行うべきですが、いかがでしょうか、お答えください。  学生の奨学金は、本来若者の夢と希望を後押しするものです。ところが、奨学金をめぐる状況はかつてとは大きくさま変わりし、返済をめぐって若者の人生を狂わせる事態になっています。現在、奨学金の一人当たり平均貸与額は、三百万円に上っています。  私がお話を伺った尚絅大学に通う男子学生は、学生支援機構の有利子奨学金を利用しています。月八万円支給され、四年間利用すると、返済額は元本だけで三百八十万円、利息込みで五百二十万円です。返済方法は月々二万一千円を二十年間、四十二歳まで払い続けます。また、月十二万円の奨学金を利用している学生は、四年間で元本と利息を合わせ一千百六十万円の借金を背負って社会に出ます。  一番心配なのは、卒業後、返済していけるのかどうかです。今、若者にとって卒業後の雇用と収入は不安定で、大学を卒業しても三分の一以上が年収三百万円以下となっています。そうした中で、奨学金という借金が返済できなくなる若者も生まれ、八人に一人が滞納や返済猶予となっています。現在の奨学金制度は、一日でも返済を滞ると翌日から五%の延滞金が課され、三カ月続けば金融機関のブラックリストに載せられ、一括返済が求められる場合もあります。九カ月続けば裁判所に訴えられます。二〇一三年、日本学生支援機構が延滞者に起こした裁判は、六千件以上に上っています。  もともと日本の教育への公的支出は、OECD加盟国の中でも最下位であり、日本の大学教育は家計に重い負担を強いてきました。それももう限界です。政府は二〇一二年に、ようやく国際人権規約の高等教育無償化条項を受け入れました。それなのに安倍政権は、こうした世界の流れに逆行し、高校授業料無償化にすら所得制限をかけています。高等教育無償化について、国に責任を果たさせるべきです。いかがでしょうか。  政府は奨学金ニーズの高まりを逆手にとって、有利子奨学金を拡大するという教育ローン化を進めてきました。無利子奨学金の補完措置であった有利子奨学金が、今や貸与額の七五%に達しています。奨学金は金融商品であってはならず、所得や資産もない学生に借金を背負わせて利子を取り立てるローンの対象にすること自体が間違っていると言わざるを得ません。  仙台市の制度である高等学校等修学資金借入支援制度は、こうした高等教育の過大な学費負担を軽減しようと、議会が全会派一致して協議しつくった制度です。せっかくつくられた制度ですが、今年度の実績は認定件数が五十件と、利用状況が余り芳しくないのが非常にもったいないと感じています。さらに生かしていくべきです。返しても返しても借金が減らないという事態をなくすため、利子補給の所得制限をなくし、対象も大学生や専門学校生まで拡大すべきです。いかがでしょうか、伺います。  東北福祉大学に通う女子学生は、学生支援機構の無利子奨学金を受け、奨学金月六万四千円と、アルバイト収入の三万円を生活費に充てています。家賃や水光熱費、教科書代でお金はすぐに飛んでいくといいます。無利子奨学金を受けるには、学業成績と家庭の経済状況が審査されます。さらに奨学金を受けてからも、定期的に成績や健康、経済状況などで奨学金を継続できるかの認定を受けることになっています。  この学生に、学生支援機構から突然、激励通知が来たそうです。激励通知とは、奨学金を継続できるかの認定において、不適格だと見なされると受ける三段階の処置の一つです。激励、警告、停止の順で処置を受けます。  激励通知には、こう書かれていました。学校からの報告によりますと、あなたの成績は残念ながら奨学生として満足すべきものとは思われません。今後、学業成績が向上しない場合、さらに重い処罰の対象となることもあります、という内容です。しかし、彼女は単位を一つも落としていないし、赤点もとっていないのに、と話していました。激励どころか脅迫ともいうべき通知です。  学生たちは、必死でバイトをしないと学費も生活費も払えない。どうしてこうまでして、学生のうちから重荷を背負って社会に出なければならないのか。これからの日本を支えていく学生が、ぼろぼろになって出発するのではなく、希望を持って社会に出られるようにしてほしい、と話していました。  高過ぎる学費を値下げする方向に踏み出し、奨学金制度を拡充することは、国の責任であると同時に、学都仙台の課題でもあります。仙台市独自で給付型奨学金制度を創設すべきです。いかがでしょうか、伺います。  経済的な理由から進級、進学を断念する事例は、後を絶ちません。未来を担う子供たちが、劣悪な状態に置かれ将来の可能性を奪われていることは、子供の人生に影響を与えるだけでなく、社会全体の損失です。子供の貧困は、個人の自助努力や自己責任では解決できない課題です。政治と社会の責任が問われています。  雇用破壊と社会保障切り捨てを進める安倍政権の政治は、子供の貧困を加速させるだけです。子供を抱える貧困家庭を追い詰める、逆行した政策を中止し、子供の暮らしと福祉、教育を充実する政治へ転換することこそ必要です。このことを強く求め、私の第一問といたします。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 52: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの庄司あかり議員の御質問にお答えを申し上げます。  子供の貧困対策についてお答えを申し上げます。  子供の貧困対策に関する大綱では、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、また貧困が世代を超えて連鎖することのないよう、必要な環境整備と教育の機会均等を図ることの重要性をうたっております。  当面の重点施策としては、教育支援として、貧困の連鎖を防止するための学習支援の推進、保護者に対する就労の支援として、ひとり親家庭の親への就業の支援、また経済的支援として、母子寡婦福祉資金貸付金等の父子家庭への拡大などが掲げられております。  本市におきましても、子供の育ちの部分に着目し、低所得世帯の子供の居場所づくりを含めた学習サポート事業などを進めてまいっております。  今後の子供の貧困対策につきましては、全国的な子供の貧困の実態や、特色ある先進施策の事例の収集、提供などを継続的に行うことが掲げられており、あわせて施策の実施状況や効果を評価し、改善を図ることとされており、こうした国の取り組みと連携して、今後さまざまな施策に継続的に取り組んでいく所存でございます。  そのほかのお尋ねにつきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 53: ◯健康福祉局長(高橋宮人)障害者施策の充実と施設の整備についての御質問にお答えいたします。  障害のある子供の支援については、一人一人の障害の特性を踏まえた早期の支援と、保護者への療育相談等が重要であるという点において、議員の認識と見解を同じくするものでございます。  本市は、これまで療育の場となる障害児通園施設を計画的に整備するとともに、発達相談支援センター職員が児童相談所や児童養護施設に赴き、障害児の個別支援にかかわる助言を行い、さらに研修会等の開催により、施設職員の支援力の向上に努めてまいったところでございます。  今後、障害児通園施設については、改築時に定員の増加を図るとともに、通園児以外の地域の保護者からの相談についても対応できるよう、現在検討を進めており、障害児者のライフステージに応じた支援の充実を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 54: ◯子供未来局長(板橋秀樹)私からは、子供未来局に係る数点の御質問にお答えをいたします。  初めに、本市の子供たちが置かれている状況についてでございます。  児童相談所における近年の相談件数は増加傾向にございますが、これは児童虐待に対する社会的関心の高まりなどを背景として、警察や市民からの早期の通報が増加していることも要因の一つと認識をいたしております。また、児童相談所や各区保健福祉センター等で受け付けた相談の中には、御指摘のような事案も含まれておりますが、そうした際には、関係機関と連携して迅速に対応するとともに、子供がいる家庭につきましては個別に訪問をするなど、継続的な支援に努めているところでございます。  次に、児童扶養手当制度についてお答えをいたします。  当該手当の金額につきましては、法律により物価の変動率に応じて改定されることとなっております。そのため近年の全国消費者物価指数の下落によって、手当の額も影響を受け、金額が下がったものでございます。一方で、当該手当はひとり親家庭の生活を支える重要な給付の一つでありますことから、本市といたしましても国に対し支給範囲の拡大、所得制限の緩和等について、他都市と共同で要望を続けてきているところでございます。  次に、児童扶養手当の支給の手続についてでございます。  当該手当は、収入の少ないひとり親家庭の生活を支えるための給付であることから、御指摘のようなさまざまな手続が定められているところであり、適正な支給のためには一定程度必要なものと認識をいたしております。  しかしながら、求職活動等について証明する書類に関しましては、受給者の負担も大きく、自治体での確認作業が煩雑過ぎることなどから、本市といたしましても、他の政令市とともに国に対し事務の簡素化を求めているところでございます。  次に、子供医療費助成制度についてお答えをいたします。  子供の医療費に対する経済的支援につきましては、宮城県の乳幼児医療費助成制度が全国最低ランクであることから、県内各市町村が独自に上乗せ措置をとっているところでありますが、これによって地域間での助成内容のばらつきが広がるなど、課題が生じております。このため宮城県に対し、当該制度の強化と市町村への補助の拡大について求めているところでございます。  一方、自治体単独では制度を継続的に維持することが困難であることに加え、安心して子供を産み育てることができるためには、全国どこにいてもそのために必要な基礎的な環境が保障されていることが重要であり、地域によって大きな差が生じることがあってはならないという考え方のもとに、子供医療費助成の全国一律の無償化を実施すべきであると、全国市長会を通じて国に対して要望しているところでございます。  最後に、児童養護施設の職員配置についてでございます。  国は、今般の消費税引き上げ延期に当たり、子ども・子育て支援の充実に影響を及ぼさないよう配慮することとしておりますが、児童養護施設における職員配置基準の改善につきましては、現時点でその実施の有無に関し、具体的には示されていないところでございます。  本市といたしましては、職員配置基準の改善には国として安定的な財源を確保した上で、継続的に支援を行うことが必要であると考えており、国の動向を注視してまいりたいと考えております。  以上でございます。 55: ◯教育長(上田昌孝)私からは、教育局に係る数点のお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、就学援助制度の基準についてでございますが、本市の就学援助認定基準は、生活保護基準に基づき、児童生徒がいる世帯において通常必要となる生活費を算出し、これに家庭内での学習費やスポーツ活動に要する経費等の学校外活動費を加算したものとしております。したがいまして、生活保護基準に係数を乗じて基準額を設定する方法より合理的な算出方法であり、就学に必要となる基本的な経費を積み上げて算定しておりますことから、支援が必要な方には対応しているものと考えております。  次に、修学旅行などの活動に要する費用への本市独自の支援についてでございます。  経済的な理由から修学旅行や野外活動などに参加できない児童生徒につきましては、従来から就学援助制度により支援しております。就学援助の対象者は、先ほど申し上げた認定基準などによって判断しておりますので、対象者の追加は考えていないところです。  今後とも国の基準や他都市の状況などを考慮しながら、引き続き現行の就学援助制度を適切に運用してまいりたいと存じます。  次に、高等教育無償化についてでございます。  今般の国における就学支援金制度への所得制限の導入は、これによって財源を生み出し、低所得世帯を対象とした給付型奨学金の実施などを目的としたものでございます。これは、国会における議論を経て法改正が図られたものであり、その改正に当たっては、施行後三年を経過した後、具体的な効果を検証した上で必要な措置を講ずるとする附帯決議もなされたところでございます。  こうした経過を踏まえ、本市としては、改正後の制度の状況や、今後行われる政策効果の検証の議論を注視してまいりたいと考えております。  次に、高等学校等修学資金借入支援の拡充についてでございます。  この制度は、成績要件など収入基準以外の借入要件を満たさず、宮城県の奨学金制度を利用できない高校生の修学を支援していくために実施したものでございます。このような制度目的から、収入基準や支援対象は県の奨学金と同じ内容に設定しているものであり、対象の拡大については考えていないところでございます。  利用件数の減少の要因につきましては、貸し付けの窓口となります日本政策金融公庫とも連携しながら、必要に応じ調査、検証してまいりたいと存じます。  最後に、市独自の給付型奨学金の創設についてでございます。  文部科学省の新年度概算要求では、経済的な理由で大学等への進学を断念することがないよう、無利子奨学金の割合をふやすとともに、卒業後の所得に連動して返還する奨学金制度が計上されております。また、今年度からは宮城県が実施主体となり、高校生のいる低所得世帯に対し、返済不要の奨学金が支給されており、高等教育における学びのセーフティネットの充実が図られております。  こうした国や県の制度に加え、民間でもさまざまな奨学金制度が創設されておりますことから、本市といたしましては、給付型奨学金を創設するのではなく、まずはそれらの制度の御案内に努め、意欲や能力のある生徒、学生の支援に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 56: ◯十一番(庄司あかり)子供の貧困対策は待ったなしです。関連する部局が連携を強めて、支援策を拡充することが喫緊の課題になっています。それなのに、ただいまの答弁からは、子供の貧困対策に本気で取り組むという市長の決意は全く感じられませんでした。三点について再質問いたします。  まず、就学援助についてです。支援が必要な方には対応していると言いますけれども、物価が上がって税負担が上がって、賃金は下がると。今国民の暮らしが大変疲弊しています。中でも子育て世帯には負担が重くなっているときです。それなのに、仙台市の就学援助の基準は、一九九七年から十七年間全く変わっていません。これではセーフティネットにはなり得ないと思います。基準の引き上げが必要です。再度伺います。  二点目は、児童養護施設の職員定数です。市長は昨日の代表質疑において、消費税一〇%になるのを待っているような、長期的に見れば必要だというひどい答弁をしましたけれども、社会保障の大事な機能が所得の再分配機能です。累進課税と一体で所得の再分配という機能が強まります。低所得者に負担の重い消費税は、社会保障の目的と相入れません。このことを何度も指摘しているのに、社会保障財源として消費税増税が必要などと、いまだに言っているということには本当にあきれました。国の動向を注視してなどと言って何もしないのではなく、消費税一〇%とセットにしないで、子供の貧困対策として急いで児童養護施設の職員定数を改善するよう国に求めるべきです。そして、国を待たずして、市としても補助を行うべきです。改めて伺います。  三点目は、奨学金についてです。今の御答弁は、いろいろな県や国、民間でやっているので、市としては何もやらないという答弁でした。全く学生の置かれている状況を御存じないのだと愕然としました。政令市二十市中、十市で給付型の奨学金制度を独自につくっていますから、仙台市はおくれているグループに入っています。例えば、神戸市は自宅外から通う大学生に月二万円を支給していますし、札幌市は大学の入学支度金として最大二万一千円、月額最大九千円を支給しています。学都仙台の名にふさわしく、給付の奨学金をつくるべきです。  以上、改めて三点について伺います。 57: ◯子供未来局長(板橋秀樹)児童養護施設の職員配置についての再度の御質問でございます。  先ほど申し上げましたように、児童養護施設の職員配置につきましては、国においてその必要性を議論し、国の責任において財源を確保した上で改善を行うという、内部の検討とその結果の表明がなされたところでございます。こうした検討、そして国においてその責任の所在を明確にしたという点については、極めて重く受けとめるべきものと考えております。  今般の消費税の引き上げ延期の関係につきましては、いまだ国から明確な対応が示されておりませんので、現時点で断定を申し上げることはできませんけれども、こうした国の検討の結果、国の中において財源の確保と継続的支援についての意思表示というふうに受けとめておりますので、国の責任を今後とも果たしていただけるよう、我々としては受けとめているところでございます。  以上でございます。 58: ◯教育長(上田昌孝)二点の再質問についてお答え申し上げます。  まず初めに、就学援助認定基準の見直しについてでございますけれども、就学援助の認定基準につきましては、一つは生活保護基準額、それからもう一つは文科省の子供の学習費調査の結果による学校外活動費、そしてそのほか公共料金の変動等、消費税の引き上げ等、三つの要素を足し上げて基準を算定しているところでございまして、長くこの基準が変わらなかったのはデフレ傾向が長く続いたこととも関連するものと考えております。  したがいまして、この認定基準につきましては積算により算出されるところでございますので、これを変更するつもりはございません。  それから、もう一点でございます。給付型奨学金の創設でございますけれども、学ぶ意欲と能力のある学生が、経済的な事情により学び続けることが困難となり、社会での活躍に支障を来すことは、我が国全体の損失となりますことから、各般の奨学事業は国が主導的な立場を担っております。今般、指定都市の教育委員会が共同して求めていた所得連動型の奨学金返還制度の着手が、文部科学省の新年度概算要求に盛り込まれたところでございますので、今後も国に対して必要な施策の実施を働きかけてまいりたいと考えております。 59: ◯十一番(庄司あかり)二点について伺います。  一点目は、就学援助です。先ほどの御答弁で、宿泊を伴う活動、修学旅行や野外活動については、就学援助を受けている方たちでカバーされているんだというふうにお答えになりました。しかし、私が聞いたお話では、市内のある学校では、修学旅行費を払えていなかった家庭の子供さんが、払っていなかったことを本人は知らなかったんでしょう。修学旅行の当日に、旅行の準備をしてリュックを背負って、集合時間に学校にいらしたそうです。しかし、お金を払っていないからと、その子を置いてバスは出かけてしまったと。本当に胸が痛む話ですが、当局にお聞きしたところ、経済的な事情で修学旅行に行けなかった子供が市内にどれくらいいるのか、把握もしていないとのことでした。教育の一環として修学旅行があるはずなのに、行けない子供がいるということを認識もしていないから、先ほどのような御答弁になるんだと思います。就学援助の基準を引き上げて、子供の貧困対策に直ちに踏み出すべきです。いかがでしょうか、もう一度伺います。  二点目は奨学金についてです。私の身近でも有利子奨学金を利用した友人がいます。卒業後、奨学金の返済の負担が重くて、何とか返そうとしても延滞利息がついて、いつまでも元本が減らない。五百万円にも上る債務です。ついには強制執行の通知が送られてきました。友人は、お金を払わないと差し押さえるという事務的な書類だけが送られてきた、差出人の学生支援機構の文字を見ていたら涙が出てきた、どこが学生支援なのか、と話していました。奨学金を教育ローンにして若者の未来を奪うこと、これも社会全体の損失だと思います。子供の貧困対策を講ずることは、未来への投資です。出し渋るべきではありません。お金を出す市長に、これは伺います。 60: ◯市長(奥山恵美子)奨学金制度の今後のあり方につきましては、先ほど教育長が御答弁申し上げましたとおりの考えを私も持っているものでございます。未来のある子供たちの貧困の対策というのは、日本の国全体として考えていくべきことであり、その国の方向性について、このたび大綱ができたということでございまして、それらを踏まえつつ仙台市としても、個別の施策については今後とも進めてまいりたいと考えております。 61: ◯教育長(上田昌孝)就学援助基準の見直しについての再度のお尋ねでございますけれども、きちんとした生活保護基準額、それから学校外活動費、そして公共料金等、その年年の経済情勢を反映した上での基準の設定で決めております。そのことについての周知不足がございましたら、やはりいろいろな問題も惹起すると思われますので、さらにこの就学援助制度につきましては各学校を通じて周知の徹底に努めてまいりたいと存じます。 62: ◯議長(西澤啓文)次に、相沢和紀君に発言を許します。     〔二十番 相沢和紀登壇〕(拍手) 63: ◯二十番(相沢和紀)社民党仙台市議団の相沢和紀です。一般質問を行います。  地方分権、地方自治の推進、強化がうたわれて久しいわけですが、緩やかな歩みながら着実に前進していると認識するものです。しかし、国も地方も財政的に大変厳しい状況にあり、事務事業や権限の移譲に対して適切な財源の移譲がなされない事例が目立っています。  仙台市は一九八九年四月、政令指定都市に昇格し、区役所制度をしきました。その際、保健所行政や児童相談所及び一時保護所など多くの業務が宮城県から移管されました。その後も国の組織として設置されてきた地方制度調査会の報告をもとに、各種の事務事業及び権限の移譲が進められてきました。
     私たち社民党仙台市議団としても、地方自治の拡大を歓迎するとともに、より一層市民と一体となった自治が展開できるよう努力する決意です。  このような中で、近々大きな課題となる小中学校の教職員の権限移譲に関する諸問題と、宮城県議会十二月議会に提案されている農地法等にかかわる権限の移譲に関し、市当局の考え及び対応を伺うものです。  政府は、二〇一三年三月に閣議決定された義務付け・枠付けの第四次見直しについてにおいて、道府県の給与等の負担、教職員の定数、教職員配置等の権限を指定都市に移譲することが盛り込まれました。教職員の任命権は指定都市が有しているのに対して、給与等の負担、教職員の定数、教職員配置等に係る権限は道府県が有している現状の中で、学校の設置者である指定都市が、主体的に市民の要望に応える教育の提供できる体制を整える必要があるとして、指定都市市長会として長年求めてきた問題でした。  二〇一七年四月より身分が切りかわることになりますが、約五千人と推定される大規模な身分の切りかえであり、人事に関するシステムや研修等のソフト事業、さらには財政的な問題について伺うものです。  第一点は、教職員の研修などについて、これまでも市教育センターを中心として行われてきたと認識するものですが、新たな特別なメニューが加わることになるのか、またそのような対応に対して現状の施設等で対応できると考えているのか、伺います。  第二点は、採用試験の実施方法です。二十都市となった指定都市ですが、採用試験の実施方法はまちまちです。旧六大都市等は、府県とは別に独立して行っています。また、札幌市では北海道と共同で問題を作成、そして試験日を同時に実施し、会場は別々として採用を行っています。また、仙台市と同様に、県と合同で行っている都市は、千葉市、岡山市、広島市となっています。宮城県全体を見たとき、仙台市が県の中央にあり、県北と県南に分断している状況であり、これまでは人事の交流を含め一体で行われてきたわけです。今後の採用及び人事交流についてはどのように考えているのか、伺います。  第三点は、さきの問題とも関連しますが、校長及び教頭の人事が変わることがあるのか伺います。具体には退職時の任用が宮城県なのか仙台市なのかで、退職金の支払いに直結する問題ですので、あえて伺うものです。  第四点は、五千名もの職員を預かることになるわけで、人事を担当する教職員課を初め、新たな業務に従事する職員が必要になると考えます。教育委員会事務局として、どの程度の増員が必要と考えているのか伺います。  次に、財政的な問題について伺います。  教職員の身分移管に当たり、指定都市市長会として、平成二十六年度国の施策及び予算に関する提案において、県費負担教職員制度の見直しでは、関係者の理解を得た上で包括的な権限を指定都市に移譲し、それに伴い必要となる財源については教職員給与、退職手当及び移管に伴って生じる事務関係経費を含めた所要額全額を、個人道府県民税を初めとした基幹的な税目の税源移譲により措置するよう求めてきました。これに対し、平成二十五年十一月に指定都市所在道府県と指定都市の間で、国の適切な地方財政措置を前提として、県費負担教職員の給与負担など、包括的な権限を指定都市に移譲すること、及び個人住民税所得割二%の税源移譲が行われることに合意しています。  その上で、平成二十七年度の国への要望では、現在道府県が提供している教育行政の水準を維持できるよう、教職員給与はもとより、移譲に係る事務関係経費を含めた所要額全額を、適切かつ確実に措置することを求めています。  昨年十一月の市民教育委員会に報告された資料をベースに、数点について伺います。  まず第一点は、給与等の負担額として示されている四百六十一億円は、退職金手当を含めた給与総体一年分の総額と認識してよろしいのか、伺います。  第二点は、教職員給与の三分の一は国庫負担金で賄われることとなっており、その額は百七億円。また、さきに合意した個人住民税所得割の二%分による税源移譲は百七十二億円。残る百八十二億円は、地方交付税に頼るものとなっています。小泉政権時、地方交付税の大幅削減が行われ、大変な努力が求められたことを思い出しますが、今日的にも国の財政はより悪化しており、地方交付税による満額の対応が厳しいと見なければならないと考えます。地方交付税そのものが、基準財政需要額の引き下げが意図的に行われており、期待する金額にほど遠いものとなる可能性は大きいと考えます。また、財務省は三十五人学級を四十人学級に戻す動きもあり、国庫負担金の削減も考えられます。財政当局の見通しを伺います。  第三点は、さきに新たな事務について触れましたが、教職員の出張などに関する事務と、その経費が仙台市の負担になることが判明しています。その支出件数は約十万件にも及ぶものと考えられており、費用は数億円になると推察されます。この財源はどのように措置されるかについても伺っておきます。  最後に、指定都市会として国に対して、所要額全額を適切かつ確実に措置することと要望しているわけですが、さきの見通しに対して不十分な財源措置となった場合、市長会として、さらには奥山市長としてどのように対処される考えか、伺います。  次に、農地法及び農振法にかかわる権限移譲について伺います。  今回の権限移譲は、農地法第四条、第五条に係る農地転用許可及び違反転用に対する現状復旧の命令、措置等の事務と、農振法の第十五条に規定する農用地区域内の開発行為の許可等に関する事務となっています。それぞれ違反転用や違反開発行為が確認された場合は、行政不服審査法の規定に基づく処理として、具体的には農地法関連では、個人の場合三年以下の懲役または三百万円の罰金が、農振法関連では一年以下の懲役または五十万円の罰金を科すことができるというものです。もちろん全てを対象とするものではなく、二ヘクタール以下の面積に限っているわけですが、懲罰を伴う判断を任せられるわけであり、当然に大きな責任が生じるものです。  実際に判断を行う農業委員会が蚊帳の外に置かれて、提案されることには大きな問題があると考えるものです。そこで、以下三点について考えを伺います。  第一点は、農地法関連の移譲は、塩竈市、蔵王町、加美町の三自治体が、農振法の関連では、登米市が以前から行われてきました。多くの分野で権限の移譲を積極的に行ってきた本市が、今日まで移譲を受けてこなかった理由について伺います。  第二点は、本市の農業委員会から県の地方振興事務所長に対して、九件の違反転用の報告を行っていると聞いておりますが、この対応はどのようになっているのか、伺います。具体には、県の中で処理され、新たな問題についてのみ本市で対応することになるのか、あわせて伺います。  第三点は、違反転用等が判明し、農業委員会として指導、勧告、さらに命令を出し、それでも相手方が従わなかった場合は、告発もしくは代執行を行うことになります。その際、相手側より取り消し処分の訴訟が提起された場合は、違反転用を提起した農業委員会のトップ、つまり会長が訴えられることになるわけですが、農業委員全員が非常勤であり、農業の専門家ではありますが法律の専門家ではありません。その意味で、経済局を初めとする市の行政全体がバックアップしていくとの決意が必要であると考えるものですが、どのように対応されるのか伺います。  次に、住宅再建に向けた取り組みについて伺います。  復興公営住宅や防災集団移転地の造成が進み、来年の春には多くの被災者が新たな生活が可能となります。平成二十四年度完成の十二戸、平成二十五年度完成の六百六十一戸については、既にほぼ入居が終了しております。そして、平成二十六年度完成予定の約二千戸については、さきの災害危険区域にお住まいであった方や、障害者や高齢者の方を対象とした優先入居の申し込みが終了し、入居が決定しました。そして、残る一千四百七十一戸に対して、一般入居の申し込みが十一月十日から十一月二十八日まで行われました。応募結果は速報値によると、応募件数が二千二百七十七件で、募集戸数に対して八百六件も上回っています。  応募件数の中には入居条件を満たさない方も若干いると推察しますが、単純に考えれば、需要戸数に対して約八百戸が不足しているということです。この募集戸数と復興公営住宅に入居を希望する世帯数の差について、どのように考えておられるのか伺います。また、入居希望者の意向などを精査された後、どのように対応されるか改めて伺うものです。  仮に、復興公営住宅の整備戸数をふやすことが必要との判断に至った場合、宮城県との協議を早急に行うことを求めます。県は当初、一千戸を整備するとしていましたが、いまだ一戸の整備も示していません。本市の場合、福島県の原発被災者や県内他市町村からの多くの被災者が転入しており、県として積極的な対応が求められていると考えるからです。今後どのような考えのもとに対応するのか、伺います。  第三点は、自力で住宅再建または修繕される方の把握をしっかり行い、全体としてより大きな一歩を踏み出す努力を、どのようにつくっていくかという課題です。既に新築及び修繕によって住宅の再建を終えた方には、加算支援金も支給されており、その件数は三万四千三百五十七件に及んでいます。基礎支援金の件数が四万八千九百三十一件でしたので、残る件数は一万四千五百七十四件となります。さきの数字は大規模半壊以上の方が対象であり、マンションにお住まいで全体として修繕を行わなかった世帯も多くいると考えます。また、復興公営住宅に入居される約三千世帯については、加算支援金はありませんので、残る方々は数千世帯と推計できます。  この今なお方向性が定まらない方へ、きめ細かなアドバイスが必要と考えるものです。加算支援金を受けても、いまだ本市の独自支援金の申請をしていない方には、これまで三度のお知らせが行われております。非常に丁寧な対応と感心しておりますが、今後、住宅再建を考える方に対しても適切なお知らせやアドバイスを求めるものです。決意を伺います。  本市は、復興計画期間を五年と定め、全力で事業を展開し推進しています。しかし、残された計画期間は一年となります。  さきの議会質問において復興事業の中間総括を求めてきたわけですが、残された課題も多くあることが明らかになっています。事業費の多くが復興交付金を財源としており、今後も可能な限り確保に努めていただきたいと考えます。  それとは別に、震災復興基金の使途について、一定の方向性、さらに具体の事業を示す時期に来ていると考えます。震災復興基金の主な財源は、復興宝くじ収入二十八億円、寄附金二十五億円、国から県を通じての復興基金交付金九十四億円、農業振興関係として二十億円、特別交付税分として七十億円、そして職員給与地域手当削減分の三十九億円などで、総額二百七十六億円となっています。  これに対して、執行及び執行見込みとして計上されているのは、被災宅地再建支援事業に三十五億円、津波被災住宅再建支援事業に合計三十八億円、東部農業復興事業に十二億円、海岸公園整備に八億円、東部復興道路整備に六億円、そして中小企業融資利子補給と中小企業融資保証料補給費に十億円等となっています。総額で百五十三億円となっています。残る財源は百二十三億円ほどであり、今後予想される職員給与削減分の十三億円や若干の寄付金、さらにさきに計上している事業の執行残などを含めると百五十億円と推察します。  さきに示したように、復興交付金によって多くの事業が行われておりますが、完全に百%の裏打ちではなく、市の持ち出しがあることも承知をしておりますが、寄附金や職員給与削減分の財源は、地域住民の防災や今後の住民自治のバックアップに寄与するような事業に補助すべきと考えるものです。  さきの議会で、復興財源として各自治体に入る市民県民税均等割の財源については、避難所の備蓄資機材整備、公共施設の耐震性強化、さらには緊急時の燃料備蓄などに使用するとの答弁がありました。これらはあくまでも市の直接的な事業となっています。この震災復興基金の活用に当たっては、さらに枠を広げ、町内会など公益的団体への補助も検討すべきと考えます。  例えば、地域防災計画の見直しにおいて、町内会施設である集会所は臨時避難所という位置づけになりました。小中学校など指定避難所には太陽光発電装置とバッテリー、さらには小型の発電機等の整備が図られます。一つの提言として、各町内会が所有する集会所等に太陽光発電装置を設置する場合、五〇%程度の補助を検討してはいかがでしょうか。停電時におけるテレビ等による情報収集に対応できますし、今では私たちの必需品となった携帯電話などの充電にも利用できます。また、余剰電力を売電することによって、町内会に還元できると考えます。このような設備を設置する経緯の中で、住民同士が町内会組織のあり方や防災対策、さらには災害時の諸問題を考えるよい機会になるとも考えます。  さらに、集会所の建設補助の上限が八百万円となっています。この間、物価の上昇や工賃の上昇、さらに消費税の引き上げなどを考えれば、上限の引き上げが求められます。さきにも触れたように、臨時避難所として活用することを申請段階で明記した場合などに限って、別枠加算を行うことなども検討に値すると考えます。  改めて伺います。震災復興基金の活用について、幅広い活用と、さきの提言のような地域住民組織への補助を検討すべきと考えます。市長の御所見を伺い、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 64: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの相沢和紀議員の御質問にお答えを申し上げます。  県費負担教職員の移譲に伴う財源措置についてお答えをいたします。  今般、指定都市と道府県の間で合意をいたしました県費負担教職員制度に係る包括的な権限の移譲は、指定都市と道府県双方の財政運営への影響を最小限に抑えるよう、財政中立を基本に、地方財政措置を国が適切に行うことを前提に合意をしたものでございます。  しかしながら、現時点では、給与費に係る財源として基幹的税目の税源移譲は決定しましたものの、人事、給与等に関するシステム構築や、それらの事務執行に係る職員の人件費など、その他所要額の財政措置は約束されておらず、十分満足できる状況には至っておりません。  このことから、本市といたしましては、給与負担以外の経費の状況なども踏まえながら、指定都市市長会として行っている国家予算に関する要望などにおいて、国に対して引き続き適切な財政措置を強く求めてまいりたいと存じます。  今回の移譲は、指定都市が人事権と給与負担者としての権限を一元的に担うことで、地域の特性を踏まえ、より主体的な教育を推進することを目指すものでございますので、遺漏なく、適切かつ円滑に県からの移譲を実施してまいる所存でございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 65: ◯財政局長(西城正美)初めに、県費負担教職員制度の見直しに係る財政措置の見通しについてでございます。  県費負担教職員に係る権限や税源移譲は、指定都市の権限の強化につながるものでありますが、その円滑な執行に当たっては、十分な財源の確保が不可欠でございます。  具体的な財政措置につきましては、教職員の出張に係る経費等も含め、移譲時期に合わせて国で検討されるものであり、現時点でお答えすることは困難でございますが、今後、国の検討状況の把握に努めながら、移譲後の財政運営に支障が生じない適切な措置が講じられるよう、他の指定都市と共同して引き続き強く求めてまいりたいと存じます。  次に、震災復興基金の活用に関しての基本的な考え方についてお答えいたします。  この基金は、東日本大震災からの復興に関する事業の推進を図るため設置したものでございます。これまで津波被災地域住宅再建支援や、被災宅地再建支援、中小企業融資利子補給など、他の財源で手当てされない事業に対して活用してまいりました。  新規の事業等の展開に当たりましては、事業の必要性やその効果など、さまざまな観点から種々の検討を加え判断してまいりますが、今後とも復興のために必要な事業に対しまして、限りある基金を有効に活用してまいる考えでございます。  以上でございます。 66: ◯市民局長(渡邊晃)復興基金の使途に関連いたしまして、地域住民組織への補助についての御質問にお答えを申し上げます。  地区集会所は、地域の皆様の活動や交流の拠点として、地域コミュニティーの活性化に大きく貢献をする重要な施設と考えております。そのような中で、近年の建築資機材単価や人件費の高騰により、町内会で御用意いただく自己資金が、従前よりも多額に必要となっていることは承知をしているところでもございます。  今後、御提案の趣旨も踏まえまして、コミュニティー活動のかなめともなります地区集会所の補助制度のあり方につきまして、検討を進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 67: ◯健康福祉局長(高橋宮人)住宅再建を考える方への支援についての御質問にお答えいたします。  被災者生活再建支援制度につきましては、これまで市政だよりや復興定期便等による広報に加え、住家被害による基礎支援金の申請時に合わせて、住宅の建設や補修等に対して加算支援金が支給される旨を説明してきたところでございます。  今後もこの支援制度については、市政だよりなどにより広く周知を図るとともに、仮設住宅に入居されている方々に対し、生活再建支援員が訪問する際、住まいの再建に係る各種制度の案内やアドバイスを行う中で、この加算支援金についても改めて説明を行い、被災された方々が一日も早く生活再建に歩み出せますよう促してまいりたいと考えております。  以上でございます。 68: ◯経済局長(氏家道也)私からは、宮城県からの農地法等に係る権限移譲についての御質問にお答えいたします。  本市では、これまでも権限移譲の協議をしてまいりましたが、県において処理中の違反転用案件の対応や、移譲に係る財源措置等の調整に時間を要するなど、直ちに移譲を受ける状況にはなかったものでございます。しかしながら、今年度創設されました農地中間管理事業により、農地の流動化が加速されることなどを踏まえ、今回移譲を受けることとしたものでございます。  次に、県に報告した違反転用への対応についてでございます。  この十年間に本市農業委員会から県に報告した件数は十七件あり、そのうち八件は違反状態が解消され、残る九件につきましては現在も指導中となっておるところでございます。これらの九件につきましては、事務の権限移譲とともに今後市で引き継ぐこととはなりますが、移譲後も引き続き県と連携しながら、適切に対処してまいる所存でございます。  最後に、訴訟に発展した場合の行政のかかわり方についてでございます。  違反案件が訴訟まで発展した場合につきましては、農業振興地域の整備に関する法律や、都市計画法などにも関連いたしますことから、経済局を初めとする関係部局で連携を図りながら、必要な支援に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 69: ◯都市整備局長(小島博仁)復興公営住宅に関する二点の御質問にお答えいたします。  今回の応募状況では、募集戸数を上回る結果となりましたが、応募された団地に偏りが生じている状況でございます。また、これまで被災者の皆様から多くの相談を受けてまいりましたが、民間賃貸などほかの住宅も選択肢として検討されている方が相当数いらっしゃったことから、今回はそうした方々も含めて応募者数が多くなったものと受けとめております。  今後の対応についてでございますが、年明けに実施予定の第二回、第三回一般抽せんにおける応募者数などを見きわめながら、さらなる対応の必要性について判断してまいりたいと考えております。  次に、整備戸数に係る県との協議についてでございますが、被災した自治体間での広域調整や情報共有が必要と考え、県に申し入れを行い、これまでも本市と県、被災自治体での協議、意見交換を行ってきたところでございます。県としても、復興公営住宅の早期完成を目指し、各市町の状況把握を行いながら調整を図っていくことと伺っており、今後とも情報の共有、意見交換を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 70: ◯教育長(上田昌孝)私からは、県費負担教職員の移譲に係る一連の質問にお答え申し上げます。  まず、移譲後の職員研修制度についてでございますが、本市におきましては、平成五年度に教育センターを開設し、法定の初任者研修を初めとする各種研修等を行ってきたところであり、平成二十三年度からは、仙台版いきいき教員づくり研修構想に基づき研修体系の整備を図り、各種研修に取り組んできているところでございます。  研修事業につきましては、このたびの権限移譲による直接の影響はございませんが、本市が推進する教職員育成の観点から、移譲後の研修計画や内容の充実についても、十分検討してまいりたいと存じます。  次に、移譲後の教員採用選考及び人事交流についてでございますが、本市におきましては、これまで県費負担教職員の人事の均衡と活性化等を図ることを目的として、宮城県教育委員会と共同、連携し、実施してきたところでございます。  本市の教育水準の維持、向上のためには、引き続き本市が求める人材確保に努める必要がございますことから、採用及び人事交流につきましては、今回の権限移譲を踏まえ、本市の教育に資するような新たな研修の仕組みづくりについて検討してまいりたいと存じます。  次に、教職員の人事についてでございますが、今回の権限移譲では、教職員の給与負担等に関する事務は指定都市に移譲されますが、校長、教頭を含む指定都市の教職員の任免につきましては、これまでも指定都市の権限により行ってきたところでございます。  なお、平成二十八年度末までに退職した県費負担教職員につきましては、県費により退職手当が支払われますが、平成二十九年度以降に退職する教職員につきましては、退職手当も市費負担となるものでございます。  次に、県費負担教職員の移譲後の事務執行体制についてでございますが、今回の権限移譲では、教職員に係る包括的な権限が指定都市に移譲されます。新たにふえる業務といたしましては、人事管理に係るシステムの構築、年間約十万件に上る旅費の支給事務、給与費の原資となる国庫負担金や教職員定数の国への申請事務等が上げられます。  これらの業務に係る人員数については、今後詳細な算定を行い、必要な組織体制を整えて、県からの円滑な事務引き継ぎに備えてまいる所存でございます。  最後に、給与等の負担額についてでございますが、昨年の市民教育委員会において御報告いたしました給与等の負担四百六十一億円という額につきましては、平成二十四年五月一日現在の仙台市立学校に在籍の県費負担教職員数四千九百二十九人をもとに、県の平成二十四年度決算から積算したものでございまして、御指摘のとおり退職手当を含んだ一年間の総額でございます。  以上でございます。 71: ◯二十番(相沢和紀)一点再質問をさせていただきます。  復興公営住宅の募集、そしてその件数との乖離の関係で、八百戸数が少ない。県のほうにはこの間、協議をしてきたというふうな答弁がございました。仙台市は既に三千戸という戸数から二百戸ふやすということを決意して、その全てを仙台市が建設するというふうにしてきたわけでありますけれども、その際に、さらに追加というふうなことも想定をして、今回のような部分について、既にこういった場合は、県についても十分検討してほしいというふうな要望は、その時点でしていられたのかどうか、確認をさせていただきたいと思います。 72: ◯都市整備局長(小島博仁)再度の御質問にお答えいたします。  県のほうで整備する、これにつきましては早期入居開始を目的としまして、市町の状況を踏まえて必要な場合、県が県営住宅として整備するということの方針と、我々としては理解しておるところでございますが、三千戸から三千二百戸にふやした段階で、さらにふえた場合に県のほうに要請するということについては行っていないところでございまして、今後この件に関しましては、先ほど答弁しましたように、第二回、第三回の一般抽せんの結果を見て、必要性については判断してまいりたいというふうに思っておりますし、その段階で県のほうと協議してまいりたいと思っております。          ────────○──────── 73: ◯議長(西澤啓文)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 74: ◯議長(西澤啓文)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、明日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後四時五十六分延会...