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平成26年第2回定例会(第5日目) 名簿 2014-06-20
平成26年第2回定例会(第5日目) 本文 2014-06-20

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  1. 仙台市議会 2014-06-20
    平成26年第2回定例会(第5日目) 本文 2014-06-20


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯副議長(日下富士夫)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第五号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯副議長(日下富士夫)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、菊地崇良君及び及川英樹君を指名します。          ────────○────────     日程第二 一般質問 3: ◯副議長(日下富士夫)日程第二 一般質問を行います。  順次発言を許します。  まず、大泉鉄之助君に発言を許します。     〔五十二番 大泉鉄之助登壇〕(拍手) 4: ◯五十二番(大泉鉄之助)杜の都仙台のまちが、一年のうちで最も装いの美しさを誇る新緑の四月二十六日、吹いてくる緑の風の爽やかさにも増して、若き美丈夫、羽生結弦さんが、ソチオリンピックの金メダルを胸に、九万人を超える歓迎の市民の前に颯爽と登場、沿道は歓呼の声に沸き立ちました。昨年の東北楽天ゴールデンイーグルスの日本一に続く、感激の一こまでありました。奥山市長は、去る二月、賛辞の楯を贈り、羽生結弦さんの功績を讃えたのであります。これは、東日本大震災から三年、被災した多くの人々にどれだけの感動と勇気を与えてくれたことでありましょう。  思い起こせば、平成十八年のトリノオリンピックフィギュアスケート女子シングル金メダルの荒川静香さん以来の快挙であります。これで本市は、男女ともに、冬季オリンピックフィギュアスケートゴールドメダリスト輩出都市となったのであります。  全国を見渡せば、施設整備に力を入れ、また指導者の充実を図るなど、フィギュアスケート振興に熱心な都市があると承知するものでありますが、オリンピックフィギュアスケート金メダルは、何といっても仙台が御当地であります。御承知のとおり、今をさかのぼる明治四十二年当時、本市博物館入り口にある五色沼において、旧制の第二高等学校のドイツ語教師ウィルヘル教授によって、我が国初のフィギュアスケートの指導が行われた故事によって、仙台市は日本フィギュアスケート発祥の地と言われるのであります。  この二つの金メダルは、まさに本市に流れる、強く、そして濃いDNAにつながる何かがあるのではないかと思考いたすものであります。そこで、数点提案をいたしたいと思うのであります。  五色沼の発祥の地の記念碑は、リレハンメル冬季オリンピックフィギュアスケート競技に、本市出身の及川史弘選手が代表として出場したことを記念して、平成七年、民間団体が整備したものであります。しかしながら、道行く人には全く目にとまりにくいのであります。今日の快挙を機に、何とかならないものでありましょうか。  五色沼の日本フィギュアスケート発祥の地の記念碑と並べて、それぞれ同種目第一号のオリンピック金メダル獲得者、荒川、羽生両選手の記念碑を整備してはどうか。かつて少年の日にスケート遊びをした五色沼や広瀬川を懐かしむものであります。今や仙台の冬の風物詩となった市役所前の広場のアイススケートリンクのように、冬季間、五色沼を人工凍結させ、日本フィギュアスケート発祥地アイススケートリンクに活用するなど、考えてみてはいかがでありましょう。  東北大学農学部が八木山への移転を果たした後、その跡地の再開発が追って始められるとの情報に接するのであります。跡地は、医療、福祉、商業、住宅など多目的な活用が計画されているとのことであります。もう一つ加えて、スポーツ施設、荒川、羽生記念スケートスタジアムを誘致整備するように、本市から事業者に働きかけることはいかがでありましょう。これらについて、それぞれ所見を求めるものであります。
     震災復興メモリアル荒浜小学校校舎。このたび荒浜小学校校舎地震津波調査の結果が出たようであります。何と、その業務委託費の総額は二千四百五十余万円とのことでありまして、委託料の高額なことに、まずは驚いているのであります。これは、同校舎を震災復興メモリアルとして後世に残すための調査委託であります。何か盲目的に、あの日大地震があり大津波が押し寄せました、その大震災のこれが記念碑ですと、一つは残しておこう、ただただ刹那的に短絡的に発想しているように思われ、何か違うなと強い違和感を覚えるものであります。  以前から、何かおかしいのではと論議をいたしてまいったものでありますが、荒浜小学校校舎を大震災の記憶遺構とすることに、やみくもに反対いたすだけのものではありません。しかし、残せばよいだけが第一義であってはならないと思うのであります。仙台市が用地買収を進める荒浜地区の旧住宅地約四十九ヘクタールの土地を、将来どのように生かしていくのか、使っていくのかが全然見えてこないこの手法に、異議を唱えるものであります。  この地域全体を将来このように活用していくのだという計画の中で、荒浜小学校校舎と被災住宅の土台群を、大震災の記憶を風化させないために、防災減災の教訓とするためにと、残すのであるという確かなる哲学、思想がなければならないのであります。例えば、緑豊かな防災、防潮の森、大きなイベントを誘致する多目的な広場、市民が広く自然や環境に親しむ野外施設などを整備、その中に遺構としての荒浜小学校校舎や被災宅地の土台群が位置づけられ、訪れた市民に向かって無言のうちに、あの忌まわしい出来事を語りかけるという確たる絵を描き、物語を編むことが求められるのであります。  さらに加えて、荒浜小学校校舎の一部を改修し、短期間単位でのギャラリーやミュージアムなど、多目的な市民の利活用に供することなどはできないものでありましょうか。  これらの整備のためには、その事業が復興事業局、市民局、経済局、環境局、都市整備局、建設局、教育局、区役所等々にまたがることが予測され、これぞ政策調整が最重要であります。これこそ頭にまちづくりをいただく、新設まちづくり政策局の出番でありましょう。所見を求めるものであります。  終わりに、一言つけ加えたいと思います。  近年、市職員、教職員の不祥事が頻発し、後を絶ちません。新年を迎えてからこの方、何度人事当局がテレビカメラに向かって頭を下げていることでありましょう。過去十年を振り返ってみても、近年におけるその頻度は顕著であります。現市長の就任を得て以来、職員がのびのびと仕事に精励していると思っていたのでありますが、のびのびではなくのんびりとやっているのではと残念なことであります。まさに緊張感の欠落と、巷間市民からの指摘を受けても返す言葉がないのであります。  果物箱を開ければ、一個や二個の傷みはやむを得ないと思っていたのでありますが、余りの多さに驚きであります。改めて、奥山市長の所感と今後の対応を問うものであります。  以上で終わります。(拍手) 5: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの大泉鉄之助議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、震災復興メモリアルに関するお尋ねについてでございます。  メモリアルプロジェクトにつきましては、亡くなられた方々への哀悼の念や失われたふるさとへの思い、そして被災の経験や震災から得た新たな教訓、そうしたものを今いる私たちがどのように共有し、未来へ残していくかという課題意識のもと、復興計画のプロジェクトの柱として位置づけたものでございます。  昨年七月には、検討委員会を立ち上げ、地域文化の伝承や教訓の具現化など、さまざまな角度から御検討をいただいているところでございます。荒浜地区につきましては、かつて確かにここに四季折々の自然の恵みに彩られた住民の方々の暮らしがあり、仙台開府以来四百年の長きにわたり、地域の歴史が積み重ねられていたことなどを深く記憶にとどめたい、また将来再び起こり得るかもしれない災害への警鐘を強く発信をしたい、このような思いから検討委員会におけるテーマの一つとして御議論をいただくこととしたものでございます。  遺構整備の議論とともに、この地区全体のあり方について検討を深めるべきことにつきましては、私も考えを一にするところでありまして、被災された方々の思いを酌み取り、全市を挙げて未来へのメッセージをつなぐことができますよう、検討委員会や地域の御意向も踏まえ、熟慮を重ねてまいる所存でございます。  続きまして、職員の不祥事に関するお尋ねでございます。  このたび職員の不祥事が続きましたことにつきまして、改めて議員の皆様、そして市民の皆様におわびを申し上げる次第でございます。  この間、発生をいたしました事案につきましては、管理監督の立場にある職員が常日ごろから適切に注意、指導を行い、当事者である職員本人もしっかりと自覚を持って行動をしておれば、未然に防ぐことのできたものであると考えるところでございます。不祥事が続く原因といたしましては、他の職員あるいは他の部署が起こした同様の事案につきまして、我が身、我が部署に置きかえ、同じ過ちに陥らないよう改めて襟を正すという意識が不足していたのも、その一つであろうかと理解をしております。  全ての職員や組織が、このような自覚を持つことが今後の不祥事の防止につながるとの認識のもと、一層の綱紀粛正と服務規律の確保に努めてまいりたいと考えております。また、あわせて私自身もこの復興の途上四年目という時期が、あるいは気の緩みやすい時期となっているかもしれないということを十分胸にとどめ、職員とともにしっかりと規範意識を持って、業務の推進に取り組んでまいりたいと考えるものでございます。  そのほかのお尋ねにつきましては、市民局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 6: ◯市民局長(渡邊晃)フィギュアスケートに関する数点の御質問にお答えを申し上げます。  冬季オリンピックにおきまして、荒川静香さんと羽生結弦さんの二人の金メダリストが、フィギュアスケート発祥の地仙台から誕生したことは、本市の大きな財産であり、これを機会に仙台がフィギュアスケート発祥の地であることがさらに認知されるよう、取り組む必要があると考えております。  お尋ねの新たな記念碑の設置につきましては、設置を求める市民の機運の盛り上がりなど、状況を見きわめながら検討を進めてまいりたいと考えておりますが、既存の記念碑につきましては、多くの方々に五色沼の発祥の地を紹介できるよう、青葉通や西公園からの人の動きも意識した誘導サインの設置に向け、具体的に検討を行っているところでございます。  また、五色沼でスケートができるようにするという御提案は、スケート発祥の地として大変夢のある内容とお伺いいたしましたが、文化財保護や景観の配慮を初め、技術的な課題もございますので、実現の可能性の検証が必要であると考えております。  東北大学農学部の跡地につきましては、今後、民間事業者において売却の際に示された条件に基づいて、具体的な利用計画を策定することとなっており、大きな変更は難しい状況にあるものと認識をいたしております。  一方で、羽生選手の金メダル獲得以降、市に対してスケートリンク整備を求める声も多数いただいており、また都心部における施設整備はスケート人口の拡大や魅力づくりにもつながることから、民間による開発等に対しましては、そういった視点で情報発信を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 7: ◯副議長(日下富士夫)次に、やしろ美香君に発言を許します。     〔二番 やしろ美香登壇〕(拍手) 8: ◯二番(やしろ美香)自由民主党・仙台、やしろ美香でございます。議長のお許しをいただきましたので、一問一答方式により質問をいたします。  本年四月より、新たにまちづくり政策局が立ち上がりました。奥山市長の横断的な組織という言葉にも、未来志向の新部局にイメージが膨らみます。情報政策部が総務局からまちづくり政策局の下に置かれることになり、ICT情報通信技術について数々の質問と提案を続けてきた私にとりましては、大きな変化と受けとめております。  ICTの活用という観点から、その施策と関連項目につきまして、順次お伺いいたします。  まず初めに、まちづくり政策局について伺います。  局の体制として、政策企画部と情報政策部が分かれて設置されていますが、今後のまちづくりにとってICTが重要な意味を持つということは、仙台市ICT戦略の見直しの中でも指摘されており、政策企画部の下にある政策調整、政策企画、プロジェクト推進エネルギー政策の各課においても、そのツールとしてICTが大きな意味を持つことは、今さら説明の必要もないことです。  情報政策は、ICTを導入する政策ではなく、ICTを政策に活用する時代になっていますが、この二つの部を分割した理由について、お伺いいたします。  次に、まちづくり政策局と財政局の連携について伺います。  総合調整や政策会議を行うというのは結構なのですが、そこでの結果が予算にどのように反映されるのかが重要です。政策実現のために重要なのは、やはり予算であると思いますが、しっかりとした予算の手当てがなされないとすれば、どのような会議も意味が薄れてしまいます。まちづくり政策局と財政局との関係は、どのような連携をお考えでしょうか、市長の御見解を伺います。  この問題は、行財政改革という意味でも重要な課題であると考えています。まちづくり政策局という縦割りではない新しい新部局の立ち上げは、国に先駆けて横軸の行政という新たな視点を設けることであり、さらなる行財政改革に貢献できるのではないでしょうか。具体的には、市民からしばしば指摘されている、同じ地域での工事の繰り返しなど、いかにも縦割りの無駄と思われているようなものを適正化するよいチャンスではないかと考えます。このまちづくり政策局が予算に対してもしっかりと横軸を通すことで、重複工事などが削減されるならば、財政的な面はもちろん、市民にとっても不便を強いられる期間の短縮ということになると思います。  次に、マイナンバー制度に関連してお伺いいたします。  今回発表されたICT戦略の見直しの中に、さまざまな提案が実現したことに、ささやかではありますが喜びを感じています。しかしながら、それはあくまでも文言の上であって、現実的な行政の改革に直結しているわけではありません。大変残念なことではありますが、いまだに検討段階である事項が多過ぎます。  情報政策は、全ての政策の根幹にかかわると私は考えています。これまでは紙媒体であった資料、申請書類、許可証等々、さまざまな書類が電子媒体となりました。特に二〇一三年五月に成立した、行政手続における特定個人を識別するための番号の利用等に関する法律、いわゆるマイナンバー法により、二〇一六年一月からマイナンバーの利用が可能になります。来年度には、市民を対象とした全ての行政業務を、マイナンバーを基準として動かすことが可能となります。もちろんリスクも存在しますが、市民が受ける恩恵はそのリスクをはるかに超える大きなものであり、私が提案する行政のコンビニ化もマイナンバー制度によって一段と推進されるものと期待しています。  制度導入の詳細につきましては、後の一問一答でお尋ねいたしますので、ここではこの制度の活用について、現行法では難しいとは思いますが、将来の課題として一つ提案させていただきます。  まちづくりに欠かせないのは市民の意向です。現在でも市民アンケートパブリックコメントなどがありますが、匿名であったり、複数回の回答が可能であったりと、曖昧さや意図的な意見誘導などが回避できません。市民の意向調査にマイナンバー制度が活用できれば、ネットによる新しい方法が考えられ、政治や行政に距離を感じている若い世代からの意見も集まるのではないでしょうか。  マイナンバーを利用して回答者の居住地をGIS、地図情報システム上に重ね合わせれば、地域の要望の把握にもつながると思います。ICT機器になれない方にははがきで、なれている市民にはネット上でというすみ分けも可能であり、まちづくり政策局にとっては得がたいツールになると考えますが、いかがでしょうか。  ここでもう一つ、電子媒体に関連して提案がございます。紙媒体からデータへの移行は、利便性だけでなく経費の削減にもつながります。一例として、今定例会におきましても私たち議員に対し、たくさんの紙媒体の議案資料が届きました。当局にお伺いしましたところ、議案書の作成費用が年間約三百万円とのことでした。これは議案書に係る費用ですから、各種費用も含めると、さらに金額がかさむと思います。タブレット端末の配付と、配付資料の電子化を考えた場合、最安値のタブレット端末は三十二ギガメモリで一万四千百三十三円でした。これを五十五人分として七十七万七千三百十五円となりますので、行財政改革の観点からも、コスト削減に資する情報化の推進は歓迎すべきものと考えます。  続いて、教育に関してお伺いいたします。  ICT教育とは、コンピューター教室をつくってコンピューターの使い方を教えるのではなく、コンピューターやインターネットで何ができるのか、何が危険かを教えることであり、情報リテラシーが最重要課題です。かつてのPC、パーソナルコンピューターからスマートフォンタブレット端末などに変化し、子供たちでも簡単にアクセスできるのが今のICT環境です。  このような現状に対して、情報リテラシーや情報モラルについて、教育委員会として教育現場にどのような支援がなされているのでしょうか、伺います。消費者教育としての情報リテラシーという課題には、消費者生活センターとの連携強化も必要です。最近でもコンサートチケットの転売を装った詐欺で逮捕されたケースがありました。かつて裏サイトで行われていたいじめは、今ではツイッターやLINEが主流となりました。このような環境の変化を、教育行政はどの程度把握しているのでしょうか。子供たちのツイッターやLINEの利用率など、御存じでしたら、その状況についてお答えください。また、それらの利用に対して、特に新しいSNS、ソーシャルネットワークサービスによるいじめには、どのように対応しているのかをお知らせください。  最近では、リベンジポルノなどという悪質な例も報告されています。こちらもスマートフォンの普及が背景にあると見られていますが、仙台ではいかがでしょうか、あわせてお答えください。  続いて、eラーニングについてお伺いいたします。  以前の一般質問におきまして、職員研修として取り入れられたeラーニングについて伺いましたが、教員研修については相変わらず教育センターに招集しての研修になっています。なぜ、ネットを活用しての研修を行わないのでしょうか。その研修自体をコンテンツとして完成させれば、デジタルノンリニア編集で更新も簡単に行えますので、繰り返しの使用が可能です。同じレベルの研修を誰もがいつでも受けることができますが、今後の研修システムについてのお考えをお聞かせください。  また、これらのバックアップとして仙台の大学ネットワークに協力してもらえるならば、新たな高等教育のためのシステムが構築できると思います。最近では、iTunes UniversityやSoftbank大学といったネットに対応した学習システムができています。仙台市は、かつて仙台市立大学構想を立ち上げながら、ビッグプロジェクト見直しによって頓挫した経緯がありますが、このようなネット大学という方法であれば、初期投資も安くつきますし、また大人のためのリカレント教育の場としての活用もできるのではないかと考えます。  生涯学習に力を入れている仙台市のもう一つの方向として、リカレント教育を主眼とした仙台市立ネット大学という可能性が広がるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。転勤族の多い仙台市にとって、仙台に転勤するとスキルアップができるというのは、シティセールスとしても有効活用できるのではないでしょうか、市長の御意見をお伺いいたします。  続いて、児童虐待に関連してお伺いいたします。  先日、我が仙台市で、二歳の女児に母親の交際相手が暴行し死亡させるという痛ましい事件が起きました。児童虐待については、これまでも何度か質問させていただいていますが、まさに喫緊の課題と実感させられました。  未成年で出産したシングルマザーで、かつ託児を頼める親族もいない状況は、虐待発生のハイリスク家庭と言えます。住民基本台帳とリンクするマイナンバーに、医療情報が導入されれば、医療機関との連携も強化され、その対策の可能性も広がるでしょう。  仙台市でも四月一日から、市立病院を拠点とした児童虐待に係る医療ネットワーク事業が始まりました。十一月の新病院移転が本格スタートになると思いますが、現時点では、どのような事業を行っているのか、お伺いいたします。  続いて、ネットワークの多重化、多層化についてお伺いいたします。  東日本大震災では、現在の通信ネットワークの脆弱性が露呈いたしました。先日の市民防災の日には、防災訓練用エリアメールが配信されましたが、実際に災害が起きた場合には、携帯用の電波に規制がかかると思われます。災害時には、どの程度の信頼性が確保されているのでしょうか、お伺いいたします。  さて、福島第一原子力発電所の例で、電源を失うことの危険性があらわになりました。原発だけではありません。市民生活も電気頼りであったことが明らかになりました。ガソリンを求める行列は、まさに車社会の弱点を見せつけました。また、テレビやラジオ、ネットや携帯電話の普及によって、電波頼りの生活であることも実感させられました。  情報は錯綜し、仙台市でもデマによる混乱が起きました。あの三月十一日の震災の後、石巻では石巻日々新聞が壁新聞を張り出しましたが、デジタルが使えないならアナログでの姿は、メディアとしての伝える義務を果たした実例として、世界から称賛されました。災害時にどこに行けば、どのような情報が得られるのか、また、それが失われたときに次の手段はどうするのか。自然災害からは逃れようがありませんが、ライフラインや情報の多重化と多層化によって危機は回避できます。それは、東日本大震災以降の各地で起きる災害への対応にも見られます。あらゆるエネルギーや情報ネットワークについて再検証するとともに、多重化、多層化を準備しておくことは重要なことと考えますが、市長の御見解を伺います。  続いて、国連防災世界会議に向けた取り組みについて伺います。  過日、仙台市総合防災訓練が開催されました。エリアメールの聞きなれない音に驚いた市民も多かったようで、ネット上では、事前の周知が足りなかったのではないかといった意見も交わされていました。  東日本大震災当時のエリアメールは受信の場合のみの発信であり、また対応していない携帯キャリアもあり、緊急警報としては限定的なものでしたが、各地での続発する災害に対する意識の高まりから、現在では全てのキャリアが受信のみならず、津波や豪雨などさまざまな災害に対応するようになりました。  昨年、山形県を移動中に、豪雨による警報メールを受信したことがあります。メールの配信内容が自治体によって違いがあることも、このときに知りました。ある自治体では、大雨警報が発令されましたといったシンプルなもの。また、隣の自治体では○○地域の方は××公民館へなどと、具体的な地名を上げて避難を指示していました。一見、大変親切なように見えますが、土地勘のない人間にとっては避難先どころか、今、自分がどこにいるのか、そこが安全な場所なのかもわからず、とても心細い思いをいたしました。大震災時に仙台に滞在していた旅行者の皆さんを思うと、土地勘がないということは、どれだけ不安なことだったのか。言葉の通じない外国人の方々ならなおさらでしょう。  過日、東京ビッグサイトで開催された自治体フェア並びにITソリューションを視察してまいりました。防災意識の高まりからスマートフォン対応のアプリが多数出品されていましたが、特に大震災時、首都圏で発生した多数の帰宅困難者の事例から、安全に自宅まで誘導できる帰宅支援アプリに注目が集まっていたようです。  二〇一五年三月、本市において国連防災世界会議が開催されますが、大きな余震の可能性も否定できない時期に、万が一地震が発生した場合、全世界から集まった参加者の安全を確保することが必要であると考えます。そのとき、全員が会場内にいるとは限りません。オフタイムに災害が発生した場合、その安否確認にもかなりの手間と時間を要するはずです。  民間だけでなく、多くの自治体でも独自の防災アプリを開発していますが、GPSとGISを融合させたハザードマップや、最新の災害情報に応じて最適化された避難所までの経路の案内など、国連防災世界会議に向けて土地勘のない人々でも安全な場所まで誘導できる、多言語の仙台市防災アプリの開発に取り組まれてはいかがでしょうか。世界に向けて防災都市仙台を大きくアピールできるよい機会であり、その後の観光客誘致にも効果があると思いますが、御意見を伺います。  以上を一括質問とし、以後、マイナンバーと児童虐待に関しまして一問一答でお伺いいたします。 9: ◯市長(奥山恵美子)ただいまのやしろ美香議員の御質問にお答えを申し上げます。  マイナンバー制度に関するお尋ねでございます。  マイナンバーは、従来の行財政運営を大幅に改革する可能性を秘めた重要な制度であり、平成二十八年一月からの利用の開始へ向け、鋭意導入の準備を進めているところでございます。マイナンバーの独自利用につきましては、利用範囲について厳しい制限がございますことから、御提案につきましては、現行の制度のもとではなかなか実現が難しい状況にはございますが、可能な限りマイナンバーの利活用が図られますよう、庁内からアイデアを募りながら議論を深めているところでございます。  このうち、個人番号カードを活用したコンビニエンスストアでの各種証明書の交付など、本市にとりましても導入可能性が高い利活用の案もございますことから、現在導入についての庁内協議を行っております。国におきまして、将来的な利用拡大の動きもございますので、国の今後の動向を注視しながら、引き続き、活用に向けての検討を進めてまいりたいと存じます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 10: ◯危機管理監(加藤俊憲)防災対策に関する三点の御質問にお答えします。  初めに、エリアメールの信頼性についてでございます。  大規模災害時においては、携帯電話等の通信回線には規制がかけられますが、エリアメール等の緊急速報メールにつきましては、対象エリア内の対応機種をお持ちの皆様へ、回線混雑の影響を受けずに配信できる仕組みであることを確認しております。  このようなことから、ハード面では一定程度の信頼性は確保されているものと考えておりますが、携帯電話の機種によっては事前の設定が必要であったり、緊急速報メール配信時に利用者が使用中であった場合は、メールが届かないことなどもありますので、こういった特徴や設定方法等も含めまして、緊急速報メールによる広報につきまして、今後、総合防災訓練等の機会を捉えながら周知を図ってまいりたいと存じます。  次に、災害時のネットワークの多重化、多層化についてでございます。  このたびの震災の教訓を踏まえますと、市民生活に不可欠なライフラインや情報につきまして、供給設備等の多重化や多層化を進めることは、防災、減災対策の重要な観点だと認識しております。  本市としましても、新たに策定しました地域防災計画の基本方針におきまして、災害時の都市機能を確保する災害対策の推進を掲げ、ライフラインや情報通信網のバックアップ体制の確保などにより、しなやかで、より強靱な都市の構築を目指すこととしております。今後とも、新たな技術開発や社会変化を踏まえながら、防災、減災対策について不断の見直しを図るよう、事業者に対して働きかけてまいります。  最後に、防災アプリについてでございます。  災害時にGISとGPSを活用して避難所等へ円滑に誘導するなどの機能を有するツールとして、防災アプリは首都圏を中心に複数の自治体において活用されており、来訪者にとっても非常に重要なものと存じます。一方、自治体間の地図データが異なり互換性がないことや、操作性が異なることなどの課題がございますことから、現在、国におきまして共用の地図データベースの構築が進められております。  こうしたことから、今後、国の開発状況や他都市の運用状況を注視しつつ、防災アプリの有効性などの検討を進めてまいります。なお、当面の対応といたしましては、災害時に安全な場所まで円滑に誘導する仕組みとして、せんだいくらしのマップや、ヤフーなど民間団体の地図情報の活用を図ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 11: ◯総務局長(高橋一典)情報政策部門の組織に関する御質問にお答えいたします。  情報政策部門の組織といたしましては、予算や人員の規模、ICT施策の企画立案及び情報システムの的確な運用の観点から、専任の部長を置いた部相当の組織としているところでございます。これからの都市政策の立案には、ICTの新たな利用方策や、先端の情報技術などを積極的に活用することがより重要になるものと考えております。そのため、この四月の組織改正におきまして、中長期的な展望のもと、重要施策の企画立案を行う政策企画部とともに、情報政策部まちづくり政策局に配したものでございます。  以上でございます。 12: ◯まちづくり政策局長(大槻文博)私からは、まちづくり政策局に関する二点の御質問にお答えいたします。  まず、財政局との連携についてでございますが、各年度の予算編成に先立ち、次年度の施策の方向性について議論を交わし、重点的に取り組むべき分野などを予算編成方針に位置づけることとしているところでございます。また、予算の執行段階におきましても、その過程で重要な政策判断が必要になる場合がございますので、そうした際に財政局と連携しながら施策の総合調整を行うことといたしております。  次に、行財政改革につきましては、これまでも総務局が中心となり取り組みを行っておりますが、まちづくり政策局の企画立案機能や総合調整機能が、行財政改革を一層推進する上で力となれますように努力してまいる考えでございます。 13: ◯子供未来局長(板橋秀樹)児童虐待に係る医療ネットワークについて、お答えをいたします。  当該ネットワークは、かねてから病院内に児童虐待対応の専門組織、被虐待児対応チームを設置していた仙台市立病院をネットワークの拠点病院として位置づけたもので、現在、メディカルソーシャルワーカーが児童虐待専門コーディネーターとして、地域の医療機関からの相談に対応しております。  四月の事業開始以降、既に地域の医療機関から複数の相談が寄せられており、虐待対応のための助言や各区保健福祉センターや児童相談所などの関係機関との連絡調整などを行っております。  以上でございます。 14: ◯教育長(上田昌孝)私からは、教育に関する数点のお尋ねに、お答えを申し上げます。  初めに情報リテラシーなどの教育における学校への支援についてでございます。  教育委員会といたしまして、道徳や技術科など関連する教科等の指導において、情報リテラシーや情報モラルの指導が効果的に行われますように、教員を対象とした検証を実施いたしております。さらに、消費生活センターと連携の上、ネット社会の心得等を学ぶ消費者教育啓発教材のDVD等を作成し、各学校に配付しているところでございます。  次に、新しいネット環境への対応についてでございます。
     本市におきましては、生活、学習状況調査において、今年度よりLINE等の通信アプリの使用状況も調査したところであり、現在、その結果の集計中でございます。  ネットいじめにつきましては、インターネット巡視事業により把握の上、対応を行っているところであり、昨年度のネット上の誹謗中傷の書き込みは、小学校で二件、中学校で二百三十六件、高等学校で四十九件ございました。しかしながら、LINE等につきましては、メンバー以外の第三者は見ることができないため、ネット監視による把握は難しく、児童生徒からの相談等により、その都度対応しているのが現状となっております。なお、リベンジポルノなどの悪質な事案については、今のところ、学校からの報告にはございません。  ネット環境は日々進化しておりますが、児童生徒がいじめやトラブルを起こしたり、巻き込まれたりしないようにするためにも、情報モラル教育をさらに推進してまいりたいと存じます。  次に、eラーニングを活用した教育研修についてでございます。  教育センターにおいて行っております研修につきましては、受講者同士がお互いに学び合うことを重視し、意見交換やグループ討議、演習など、双方向による研修を中心に行っているところでございます。  eラーニングシステムにつきましては、時間や場所にとらわれず主体的に研修を受講できる利点がございますことから、その活用につきましては、他都市の状況も踏まえながら、費用対効果なども含め、可能性について検討してまいりたいと存じます。  最後に、eラーニングを活用した生涯学習についてのお尋ねでございます。  平成二十四年に行った生涯学習に関する調査結果では、市民が生涯学習に取り組めない主な理由として、時間がないことや、きっかけがないことなどが上げられております。eラーニングを活用した学習システムは、時間や場所に制約されず学ぶことができ、仕事などで忙しい方々にとりまして有効な学習の手段であると考えられます。  このため現在、放送大学や民間事業者等で行っておりますICTを活用した生涯学習の状況の把握に努めますとともに、本市として生涯学習にどのように活用できるか、調査をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 15: ◯二番(やしろ美香)それでは、これより一問一答でお伺いいたします。  まず初めに、マイナンバー法について、お伺いいたします。  本市市政にICTを活用する上で、最重要課題はマイナンバー制度への対応であることは、皆様も御認識があると思います。個人番号の利用開始となる二〇一六年一月まで残すところ一年半余りでございますが、制度導入に向けた本市の準備状況について、お聞かせください。 16: ◯まちづくり政策局長(大槻文博)制度の導入に向けました準備につきましては、藤本副市長を委員長とする連絡会議のもと、業務運営検討、情報システム整備、個人情報保護制度などの見直しの三つの部会で具体の検討を鋭意進めておりまして、先月開催した連絡会議において、平成二十八年一月のマイナンバー利用開始に向けた作業計画の取りまとめを行い、業務フローや関係規程の見直し、情報システムの改修などの詳細な検討を進めているところでございます。  今後は、平成二十九年七月の開始が予定されております他の市町村や行政機関との情報連携に向けまして、実施項目や作業項目について整理を進めてまいりたいと考えております。 17: ◯二番(やしろ美香)制度導入に当たっては窓口の手続や事務処理の変更が必要になるほか、個人番号を含む個人情報については、より慎重な取り扱いが求められております。条例など関係規程の整備も必要となると思いますが、こちらはどのようなスケジュールで考えていらっしゃいますでしょうか。 18: ◯総務局長(高橋一典)個人番号を利用する事務やシステムにつきましては、個人番号を含む特定個人情報について適切な保護措置が講じられていることを確認する必要がございます。特に、プライバシーなどに影響を与える可能性が高い事務などについて、必要となる第三者点検を本市の個人情報保護審議会が行うこととするための条例改正案を、本年の第三回定例会に提出する予定でございます。  また、既存の個人情報保護条例と番号制度関連法令との整合を図るための条例改正案などを、平成二十七年のできるだけ早い時期に議会にお諮りしたいと考えております。 19: ◯二番(やしろ美香)情報システム基盤の整備や対象業務の情報システム改修についても、確実に行う必要があると思います。情報システムの整備、改修に係る検討状況について、お聞かせください。 20: ◯まちづくり政策局長(大槻文博)情報システムの整備、改修につきましては、先ほどお答えいたしました連絡会議のもと、情報システム整備検討部会におきまして、既存の情報システムの改修や情報連携のための基盤システムの構築などに関して、具体の検討を進めているところでございますが、特に大規模な改修、開発が必要となります住民基本台帳システム、税務システム、基盤システムにつきましては、今年度から作業に着手しています。  対象となる各業務におけます、情報システムの改修、あるいは業務間ないし他の市町村などとの情報連携のための基盤システムの整備につきましては、所定の時期までに確実に行う必要があることから、情報システム整備検討部会で情報共有を図りながら、適切に進行管理を行ってまいる所存でございます。 21: ◯二番(やしろ美香)どうぞ、これからも鋭意お取り組みいただきたいと思います。  多額の経費をかけて導入する制度であることから、市民サービスの向上が何よりも重要となります。この法は施行から三年後をめどに利用範囲の拡大を検討するとされておりますが、本市における制度活用の考え方について、お聞かせください。 22: ◯総務局長(高橋一典)制度導入によりまして、国の行政機関や地方公共団体間での税、社会保障、災害対策の三分野での情報連携が可能となりますことから、各種行政手続において、これまで必要とされていた添付書類の省略などが見込まれるほか、マイポータルと呼ばれる情報提供システムによる本人の状況に応じた子育てや介護サービスなどの情報提供などにより、市民の利便性が高まるものと考えております。  また、これらに加え、個人番号カードを利用した証明書のコンビニ交付などの活用策について検討しているところでございます。制度導入を契機とし、市民サービスの向上につなげてまいりたいと考えております。 23: ◯二番(やしろ美香)どうもありがとうございました。  続きまして、児童虐待に係る医療ネットワーク事業について、お伺いしたいと思います。  この事業は、平成二十四年度より都道府県で、その翌年平成二十五年度より政令指定都市にて開始されましたが、現状を見ますと、都道府県では三県、政令指定都市では本市のみの取り組みであり、大変難しい事業であることをお見受けしております。本市が他都市に先駆けてこの取り組みを始めた意義について、お聞かせください。 24: ◯子供未来局長(板橋秀樹)当該事業について、本市が早期に実施できた背景といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、従前から仙台市立病院が独自に児童虐待に対する取り組みを行っていたことが大きく寄与しているものと考えております。全国的に見ても、まだ実施している自治体が少なく、政令市においては、現状では仙台市のみということもございまして、他の自治体から事業内容などについてお問い合わせをいただくなど、先進的な取り組みとして注目されております。  このネットワークは、児童虐待防止に係る有効な施策の一つと考えており、児童虐待の早期発見のためにしっかりと機能させていきたいと考えております。 25: ◯二番(やしろ美香)児童虐待対策として、これまで仙台市では要保護児童対策地域協議会、要対協が取り組んでまいりましたが、本ネットワーク事業とはどのような違いがあるのでしょうか、お聞かせください。 26: ◯子供未来局長(板橋秀樹)仙台市要保護児童対策地域協議会は、仙台市医師会、弁護士会、小中学校の校長会、児童養護施設や保育所の連合会、民生委員児童委員協議会、警察など、地域の関係機関等により構成された組織でございまして、保護が必要な児童とその保護者に関する情報を交換し、支援内容の協議を行うことを目的として設置しているものでございます。  一方、児童虐待に係る医療ネットワークにつきましては、予防接種や受診の際に児童虐待の兆候を発見することが多い地域の医療機関のネットワーク化を図るもので、地域医療全体の児童虐待に対する対応能力の向上を目指すものでございます。 27: ◯二番(やしろ美香)本事業は、体制の整備として専門組織を設置するとされております。この被虐待児童対応チームは、どのようなメンバーで構成されているのか、お伺いします。 28: ◯子供未来局長(板橋秀樹)この被虐待児童対応チームは、救命救急部、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、産婦人科のそれぞれの医師のほか、看護師、メディカルソーシャルワーカー、臨床心理士で構成されております。 29: ◯二番(やしろ美香)児童虐待医療ネットワークの専門コーディネーターを配置するとされておりますが、この専門性ですね、どのような専門性を持つ人材が配置されているのか、お伺いいたします。 30: ◯子供未来局長(板橋秀樹)児童虐待専門コーディネーターの人材についてでございます。  被虐待児対応チームのメディカルソーシャルワーカーを、児童虐待専門コーディネーターとして位置づけております。 31: ◯二番(やしろ美香)このたびの虐待事例も、病院から警察に連絡があったものでございます。逆に、警察から児童相談所への通報で明らかになる虐待もあると思いますが、警察との連携についてはどのようにお考えでしょうか、お伺いいたします。 32: ◯子供未来局長(板橋秀樹)警察との連携につきましては、先ほど御説明いたしました仙台市要保護児童対策地域協議会の構成員として、代表者会議には宮城県警本部から御参加をいただいております。また、各区でそれぞれ年三回以上開催している各区の実務者会議には、それぞれ所轄の警察署から御参加をいただき、必要な情報交換や他の構成機関との連携を図っております。  また、児童相談所におきましては、市内の各警察署から児童虐待に係る通告を受ける都度、事案についての詳しい情報と所見を共有の上、その案件に応じて在宅援助や一時保護などの指導援助を行っております。さらに、宮城県警察本部及び市内五警察署と児童相談所が一堂に会する業務連絡協議会も開催をしておりまして、課題の解決に努めているところでございます。 33: ◯二番(やしろ美香)今回の場合は、死亡という大変残念な事例だったのですが、一時保護された子供というのは、いずれ家庭に戻っていくと想定されるのですが、そのまま帰してしまっては、また再発するおそれも懸念されます。しつけと虐待の境界がわからない親御さんとかもいらっしゃるので、再発防止に向けて、その親御さん等に対してどのような支援をしていくのでしょうか、お伺いいたします。 34: ◯子供未来局長(板橋秀樹)再発防止に向けた親への支援についてでございますが、児童相談所におきましては、児童福祉士による指導や助言などを行い、児童が安全かつ安心して生活できる家庭環境の確保と、親の行動改善につなげております。また、継続的に通所相談している親に対して、児童福祉士の面接指導に加えて、心理指導面接を行い、しつけに対する親の認識の改善を促しております。  一時保護や施設から親元に戻る際には、段階的な交流や生活訓練プログラムを取り入れて、親子がお互いを受け入れることができるよう支援をいたしております。 35: ◯二番(やしろ美香)どうもありがとうございました。  今回は、ICTという当選以来質問を続けてきたテーマで、さまざまな分野について、お伺いいたしました。今回の質問を考えながら、ICTが市民生活のインフラとして定着したという思いが一段と強くなりました。  それは同時に、ICTに対しておくれがちな行政への問題提起にもつながりました。情報が新しいライフラインとして重要であることは、東日本大震災で十分に理解できたと思います。その教訓を次にどう生かすかが、今生きている市民の、まだ生まれていない市民に対して果たすべき義務だと考えております。  奥山市長の深い御理解を期待して、質問を締めたいと思います。東京都議会では、女性議員に対するやじが大変大きな問題になっているようですが、本日は御清聴いただきましてありがとうございました。(拍手) 36: ◯副議長(日下富士夫)次に、岡本あき子君に発言を許します。     〔二十五番 岡本あき子登壇〕(拍手) 37: ◯二十五番(岡本あき子)市民フォーラム仙台の岡本あき子です。議長のお許しをいただき、一問一答方式で質問をさせていただきます。  初めに、女性の登用と子育て支援策について伺います。  政府は、成長戦略の柱の一つに女性の活躍を掲げ、その中で女性の登用と待機児童の解消を重要施策としています。二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合を三〇%以上とするとし、上場企業や各省庁にも女性の登用を養成し、男女別の割合の開示を求めています。  企業のうち情報が開示されているのは三分の一程度ですが、雇用機会均等とはいうものの、平均年齢や平均勤続年数が男女で大きく乖離している企業や、有給休暇消化率がわずか三割程度の企業があるなど、女性の登用やワーク・ライフ・バランスには課題が多い状況です。  さて、仙台市では、意思決定機関としての審議会があります。目標である女性就任率三五%を達成しそうな見込みとはいえ、同じ名前の方が幾つかの委員を兼ねている状況です。これは男性委員にも言えることですが、幅広い人材を発掘し真に登用するためにも、重複を避けてもらいたいものです。  質問の第一として、委員の重複を認めず、同じ団体などに依頼をする場合も代表にこだわらず、かわりになる方に就任いただくなどの工夫で、女性が登用される機会もふえるのではないでしょうか。三五%にとどまらず、近い将来、半数までを目指して、また多くの方にとって機会が与えられるような審議会委員の選任を望むものです。お答えください。  女性の社会進出とともに必要なのが、ワーク・ライフ・バランスと子育て支援環境の整備です。  喫緊の課題として、保育所の受け皿整備があります。横浜市が、昨年、待機児童解消を達成しました。達成がさらなる需要を喚起していますが、引き続き最優先課題として取り組んでいます。また、福岡市、京都市、千葉市も政策優先順位をトップに掲げ、ことし四月に待機児童ゼロを達成しました。横浜市長は、数値目標としてゼロを達成すると掲げたことが、施策展開としては効果があったとおっしゃっています。京都市長は、京都市は小学校入学前の児童数に占める保育所入所児童数は四三・五%とトップで、政令市平均を大幅に超えている、保育所の処遇も全国トップクラスの水準を確保している、今後とも待機児童ゼロを継続していくとし、引き続き最優先課題として位置づけています。  質問の第二として、奥山市長は二万人体制を構築するという公約ですが、二万人イコール待機児童解消という目標なのかが見えません。やはり待機児童ゼロを目指すという断固たる決意を示すべきではないでしょうか。宣言することで、子供未来局のみではなく、全庁的に取り組むという意識も生まれます。国の制度で、仙台市の持ち出しが軽減される分で、保育士の処遇改善や保育サービス相談員のコンシェルジュ機能の強化など、結果として受け皿拡大になるアイデアも出てくるのではないでしょうか、伺います。  子供たちを健やかに育てる上で、残念な事件として話題になっているのが、居所不明の児童です。その児童が実は虐待を受けていたという事例が相次いでいます。また、先週末に本市で二歳女児が亡くなり、母親の交際相手に虐待の疑いがあるというニュースもありました。未来のある子供たちが、大人の都合で命を奪われることがあってはなりません。  質問の第三として、先週の事件も仙台市として子供を守ることができなかったのでしょうか。また、昨日は児童相談所で把握している居所不明の児童への対応の回答がございましたが、現在、厚生労働省から、十八歳未満の子供の居住実態が把握できない児童に関する調査協力が求められています。本市においては、既に把握されているのか伺います。  本市では、もともと乳幼児期における各健診の未受診者への追跡を行っており、二〇一二年度では、未受診者のうち、すぐに把握ができなかった四十四名を追跡し、数を減らす努力を重ねています。今後、十八歳までとなると、追跡の体制も強化をしないと間に合いません。少しでも数を減らせばよいということではなく、仙台市においては居所不明の子供はゼロであると言えるよう、所在確認について着実な実施を求めます。お答えください。  子育てに関して、保育の次に来るのは学童保育です。来年四月から、児童クラブは小学六年生までが対象となります。小学三年生まででも受け入れができない児童が市内に百十七名いる中で、六年生までの受け入れが可能なのでしょうか。園庭がなく、外遊びが制限されている児童館もあります。放課後こども教室の活用や、他の施策もあわせ、高学年の子供たちが長時間過ごす場所として適切かどうかも含め、今後、児童クラブのあり方の見直しが必要です。お答えください。  次に、マイナンバー制度と行財政改革について伺います。  今ほど、同僚議員からも質問がありました。重複を避けて伺います。  独自に条例に定めることにより、本市の独自利用も可能になる制度です。例えば保育料や市営住宅使用料など、収入未済の額が大きく、本市の課題になっているものも、この独自利用を有効活用すれば課題解決の大きな力になります。質問として、本市の行財政改革という観点から、この制度をどう活用していくのか伺います。  次に、安全・安心のまちづくりについて伺います。  交通局の安全対策ですが、バス事業について有責事故が年々増加しています。一昨年、昨年度と百件を超える事態が続いており、そのうち人身事故が半数近くになります。営業キロ当たりの他都市の公営バスとも比較しましたが、横浜市、川崎市、京都市など、交通量の多い都市よりも悪く、しかも、近年悪化をしている状況です。対策として研修等を充実させている報告がありますが、質問の第一として、研修の内容が個々の乗務員に本当に合っているのか、検証を求めます。  以前、常任委員会でも指摘がありましたが、接遇向上のため乗務員が懸命にバスの中でアナウンスをしていますが、その人にとっては、かえって運転の注意力の低下を招いているのかもしれません。質問の第二として、そもそも事故件数がふえているのに、目標件数だけは年々減らしています。この目標設定自体、現実的ではありません。嘱託乗務員で補充し続けた結果、職員の高齢化とともに運転技術や乗客への対応の質が向上していないのではないでしょうか。個々の乗務員への指導だけでなく、交通局全体の取り組みとしての安全対策を講ずるべきです。お答えください。  続いて、地下鉄についても伺います。  今回、駅務業務の民間委託を進めていますが、駅務員は二十四時間交代で一改札二人体制という状況と伺いました。二十四時間勤務のうち、途中、昼食や休憩、仮眠等も入ることになります。実質一人勤務の状態が六時間三十分ある中で、改札のチェック、窓口対応、防犯カメラの監視、旅客とのトラブル対応、障害者の乗降補助など、業務は次々とあるように見受けられます。民間委託により五年間で六億五千万円の削減効果と説明も受けましたが、削減額の大きさだけを強調するよりも、この際、より安全を担保すること、質を向上させることも一緒に考えていただきたいと思います。  今まで大きな事故がなかったからよいではなく、委託となれば、職員と委託先との迅速な連絡や判断、非常時の駆けつけ方法など、責任を持って対応できる体制を構築し、駅務業務が遂行されるよう、しっかり考えていただきたいと思います。質問の第三として、駅務業務の委託に際して安全策向上について伺います。  防災の観点で、防火についても伺います。  火災の発生件数ですが、件数自体は減少していますが、現在、残念なことに火災による死亡件数が昨年同時期の四倍の数になっています。特に、太白区では死亡者数が十名と突出して多く、ほとんどが高齢者住宅です。改めて日常の防火の呼びかけや、高齢者住宅の多い地区への警戒の強化を求めます。  先日、街頭で呼びかけをしているのを見かけましたが、緊急事態と捉えて防火啓発に努めるべきです。お答えください。  以上、地震や津波の備えも重要ですが、日常の防災、安全への取り組みがおろそかにならないよう、改めて緊張感を持った業務運営に努めていただくよう求めて、第一問といたします。お答えを伺った後、一問一答で伺ってまいります。 38: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの岡本あき子議員の御質問にお答えを申し上げます。  待機児童解消を目指す決意に関連してのお尋ねでございます。  本市における就学前児童のうち、保育所に入所している児童の割合は、およそ二五%でございまして、二十政令市の中では下位にある状況でございます。とりわけ待機児童が増加をしておりますゼロ歳児また一歳児では、二〇%に満たない現状でございまして、このような状況をもとに女性の就労意欲の高まりを考えました場合、今後しばらくは保育のニーズがさらに増加していくものと、私は考えてございます。  このような中、私は特に平成二十五、二十六年度をこうした待機児童解消の緊急集中取り組み期間と位置づけ、国の待機児童解消加速化プランを活用しながら、各種保育基盤の整備を鋭意進めているところでございます。さらに、本市を生活の場として選んでいただいた若い世代の方々が、仙台で子供を産み育ててよかったと実感していただけるような環境を実現するため、平成二十九年度当初までを目指して、二万人分の保育基盤を確保することを昨年の選挙の際、公約の一つとして掲げているわけでございます。  これまでも待機児童の解消を目指します取り組みは、私の中でいささかも揺るぎのないところでありまして、こうした本市の基本的な状況を踏まえつつ、潜在的な保育ニーズにも対応した各種保育基盤を整備しますとともに、御指摘のようなソフト施策も組み合わせ、強力に待機児童対策を進めてまいる所存でございます。  このほかのお尋ねにつきましては、交通事業管理者並びに関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 39: ◯まちづくり政策局長(大槻文博)私からは、マイナンバー制度に関する御質問について、お答えいたします。  マイナンバー制度につきましては、関係する部署が数多く、事務処理手続の変更やシステム改修など、さまざまな制度導入に向けた準備が必要となりますことから、庁内の連携を密にとりながら対応に万全を期することが肝要と考えております。  一方、自治体でのマイナンバーの独自利用などが可能となりますことから、このマイナンバーのメリットであります、さらなる行政の効率的な運営や、サービス改革に向けた創意工夫の取り組みについても検討する必要があると認識しております。現在、庁内で寄せられた制度活用による業務見直しのアイデアについて、実施スケジュールや費用対効果の面から実現の方向性を探っているところでございますが、今後とも、国の取り組みや他都市の事例を参考としながら、行財政改革の視点も踏まえ、マイナンバーの利便性を市民の皆様が実感できるよう、具体の検討を進めてまいります。  以上でございます。 40: ◯市民局長(渡邊晃)審議会委員への女性の登用について、お答えを申し上げます。  市政に重要な役割を果たす審議会委員に女性を登用し、政策形成や意思決定の場への参画を進めていくことは、複雑化する課題解決に必要な多様な視点を取り入れていくため、大変重要なことであると考えております。このようなことから、男女共同参画せんだいプランにおいて、平成二十七年度までに女性委員の登用率を三五%以上とする目標を定め、その達成に向け、全庁挙げて取り組んできたところでございます。  今後も幅広い分野で女性人材の発掘に努めるとともに、委員公募制の活用や委員の重複を避けることで、女性の登用につながる機会をふやすなどにより、将来的には男女の均衡が図られることを目標といたしまして、引き続き力を入れて取り組む考えでございます。  以上でございます。 41: ◯子供未来局長(板橋秀樹)私からは、子供未来局にかかわる数点の御質問にお答えをいたします。  初めに、先般報道のありました児童の死亡事例についてでございます。  当該児童につきましては、乳幼児健診は受診しておりましたが、その際には異常は認められませんでした。本件については、医療機関からの連絡により初めて知り得たところでございますが、報道によりますと、傷害容疑で逮捕され現在も捜査中と聞いております。こうした事態が発生いたしましたことは大変残念なことであり、今後、関係機関と一層緊密に連携をいたしまして、早期発見に最大限努めてまいりたいと存じます。  次に、居住実態が把握できない児童に関する調査について、お答えをいたします。  現在、国から十八歳未満の児童について、居住実態が把握できない児童の数や当該児童の所在を把握するための取り組み状況について、調査の依頼がなされているところでございます。この調査では、五月一日を調査基準日として、母子保健における健診の未受診者のほか、学校や児童相談所なども対象に、それぞれが把握可能な範囲で幅広く調査することとなっており、半年後には、その後の取り組み状況について国へ報告することとなっております。現在、継続調査の対象となる児童の数につきまして、六月末までに国へ報告するべく集計中でございます。  次に、児童の所在確認の着実な取り組みについてでございます。  居住実態が把握できない児童をなくす努力を着実に進めることは、本市として極めて重要であると認識をいたしております。今後、継続して行われる実態把握のための取り組みにおきましては、関係機関はもちろん、民生委員や町内会といった地域の皆様などとも幅広く連携しながら、努めてまいりたいと考えております。  最後に、児童クラブでの小学六年生までの児童の受け入れについてでございます。  子ども・子育て支援新制度におきましては、小学六年生までを対象とすることとされており、小学校高学年の子供たちにとっては放課後を過ごす場所として選択肢がふえたことになります。しかし、一方で、登録希望の増加という課題があるということも認識をいたしております。放課後児童クラブにつきましては、子ども・子育て支援事業計画で五カ年間の計画を策定することになりますが、放課後の子供の居場所や過ごし方については、民間も含めた放課後児童クラブの拡充とともに、放課後子ども教室との一層の連携等も視野に入れつつ、今後の児童の安全・安心な居場所のあり方を検討してまいりたいと考えております。
     以上でございます。 42: ◯消防局長(栗村渉)防火の啓発について、お答えいたします。  本市の火災件数は年々減少傾向にございますが、ことしに入り、太白区内で死亡火災が連続して発生しましたことから、緊急事態と捉え、消防職員、団員による訪問指導や街頭での防火キャンペーンなどを行いますとともに、特に高齢者に対しましては、民生委員児童委員の協力を得ながら、高齢者世帯へ防火チラシを配布するなど、積極的な注意喚起を行ってまいりました。  現在は、発生件数も落ち着いておりますが、引き続き、発生状況等を注視しながら、適宜適切な啓発活動に努めてまいります。  以上でございます。 43: ◯交通事業管理者(佐藤清)交通局の安全対策に関する御質問にお答え申し上げます。  初めに、バスの事故防止に向けた研修内容についてでございます。  従来から事故防止、接客サービス向上研修やスキルアップ研修等を実施し、事故の未然防止に努めてまいりました。しかしながら、有責事故は二年連続して増加していることから、これまでの研修内容の検証等を目的に、各営業所で直接乗務員の指導に当たる副所長や運行管理者による事故削減プロジェクトを今年度から実施し、事故分析や個々の乗務員の特性に応じた指導方法を習得することとしております。  今後も、現在導入を進めておりますドライブレコーダーの映像等も研修に役立てるなど、より効果的で実効性のある研修を実施してまいりたいと考えております。  次に、有責事故の削減目標と安全対策の取り組みについてでございます。  まず、有責事故の削減目標につきましては、平成二十三年度から二十六年度までの仙台市自動車運送事業経営改善計画を策定する際に、それまでの発生件数を踏まえ、改善目標として設定したところでございます。また、交通局としての安全対策の取り組みにつきましては、平成十八年度から運輸安全マネジメントに取り組み、管理者から現場まで一丸となり、安全管理体制を構築することにより、輸送の安全性の向上に努めてきたところでございます。  今後も安全快適な輸送サービスを提供するため、乗務員の年齢構成や特性を踏まえた研修、指導を実施するとともに、健康管理の徹底や再雇用職員の短時間勤務制度などによる適正な配置等も含め、さらなる安全対策を講じてまいりたいと考えております。  最後に、地下鉄駅業務委託に伴う安全策向上について、お答えします。  駅の業務につきましては、南北線の開業以来、各駅の改札ごとに二名体制のもとで、安全を最優先とした運営を行ってまいりました。今後、駅業務の受託事業者に対しましても、異常時におけるマニュアル等に基づき、直営職員と同等の教育、訓練を十分に行うとともに、交通局による指導、確認により、受託事業者の質の向上を図り、これまでの南北線と同様、お客様の安全確保に万全を期してまいる所存でございます。  以上でございます。 44: ◯二十五番(岡本あき子)これから一問一答で伺ってまいります。  ちょっと御答弁いただいた中で、市長が受け皿、待機児童解消というのに対して二万人体制でいくというお答えをいただきました。私は、待機児童ゼロということを目指そうという、スローガンを上げるということが全庁的な取り組みにつながるという意味で提案をさせていただきましたので、その分の趣旨も踏まえた今後の方針のあり方というか、表現の仕方、そういうところを工夫いただければと思います。  また、児童虐待の件で、先週の仙台市で起きた本当に痛ましい事件ですけれども、どうも長きにわたって虐待の形跡があったのではないかという疑いがあります。今回は、健診でも把握できなかったということですが、こういうことがなぜ起きているのかということも踏まえた対策というのを講じていただきたいと思います。これは、意見として申し上げたいと思います。  女性の登用の件で、重複を避けていきたいという御答弁はいただきましたけれども、現在、男女問わずですが、審議会の委員については四つまでという規則があると伺いました。できれば三つ、二つと、この基準を縮小していくということで、幅広い人材を確保する努力ができるのではないかと思いますが、これは多分、総務局の話かと思いますが、この件についてもお答えいただきたいと思います。 45: ◯総務局長(高橋一典)附属機関や協議会などの委員の兼職につきましては、現在のところ、要綱に基づき、原則として四までとして運営しております。各附属機関などで審議をお願いする事項も年々専門化してきており、適任者が限定的にならざるを得ないケースも多いといった課題もありますことから、制限を減らしていくには、なお時間を要することとは存じますが、今後とも人材発掘に努め、幅広い人材登用に取り組んでまいりたいと考えております。 46: ◯二十五番(岡本あき子)できるだけ努力いただきたいし、逆に三つ、二つと決めることによって、探さなければならないということにもなりますので、ぜひ、肩書が偉い方になると、逆に肩書が偉くて発言しないという方よりも、若手や肩書が高くなくても、仙台市の将来のために積極的に発言していただける人という意味でも、幅広く探す努力をしてもらいたいものです。  次に、児童クラブの六年生までの拡大ですが、時間延長を利用する場合、必ず保護者の迎えが必要となっています。極端な話、中学生になるまで自力で下校する経験がない児童もいるということになります。本来小学生は、自力で登下校し、時には道草を食ったり、友達の家で過ごしてみたり、校庭で遊んだり、自分で過ごし方を考え、それに伴う危険回避の能力を身につけることが成長にも必要なことです。  児童クラブの登録を安易に活用するよりも、自由来館などをうまく組み合わせ、保護者に御理解いただき、子供の過ごし方の選択肢を広げることを前提にするべきです。お答えください。 47: ◯子供未来局長(板橋秀樹)現在、児童クラブにつきましては、小学一年生から三年生までの低学年児童の利用となっておりますことから、児童の安全確保のため、延長利用をされた場合には保護者にお迎えをいただくこととなっております。一方、児童館の自由来館の場合につきましては、学校の下校時刻までに帰宅することとなっております。なお、高学年児童につきましては、子供の自主性、主体性を育てるという観点で検討する必要があると考えておりますので、今後、放課後子どもプラン推進委員会において御議論をいただきたいと考えております。  以上でございます。 48: ◯二十五番(岡本あき子)ぜひ、子供の観点という点で、そういう過ごし方の審議を進めていただきたいと思います。  子供がさまざまな体験をする機会として、沿岸部井土浜の海岸公園にあった冒険広場は、貴重な子供の居場所でした。火遊び、水遊び、木材などの大工遊び、泥んこ遊び、何でもオーケーで、自分の責任で自由に遊ぶという方針のもと、プレーリーダーが見守っているプレーパークという広場です。全国二百十六カ所あり、本市で開設している唯一のこの冒険広場は、震災後閉鎖されており、市内何カ所かでサテライトとして設置しています。  冒険広場の再開を待っている子供たちが大勢います。再開に向けた御努力と、市内で暫定開設している広場についても、復興後の定着拡大を求めたいと思います。いかがでしょうか。 49: ◯建設局長(吉川誠一)海岸公園井土地区の冒険広場につきましては、年度内に災害査定を受け、平成二十七年度より復旧工事に着手する予定としており、平成三十年度の再開を目指して鋭意取り組んでまいります。  冒険広場は、震災により休園を余儀なくされましたが、市のサテライト事業として荒井四号公園で活動を行っているほか、さまざまな団体の支援を受けたNPOの御尽力により、仮設住宅や公園等の複数箇所で展開されております。  これらの活動には、子供たちを見守るプレーリーダーを擁する専門のNPO等の協力が欠かせないことから、東部被災地域での活動状況等を勘案しながら、引き続き連携を図り、定着や拡大について検討してまいります。 50: ◯二十五番(岡本あき子)ぜひ、御努力をお願いします。  子育て支援策とはいうものの、政府の成長戦略では、母親をいかに働かせるかという目的のみで、さまざまな施策が展開されようとしています。母親、父親ともにワーク・ライフ・バランスを確保し、安心して働くことができると同時に、子供の成長にとってふさわしい環境でなければ本末転倒です。早寝、早起き、朝御飯、挨拶を奨励する仙台市が、子供の生活時間や空間など生活環境を保障することを前提として展開することを望みます。  奥山市長、子供の成長という視点を忘れずにという指示を出して、全庁的にワーク・ライフ・バランスに配慮した女性の社会進出、並びに子育て支援策に取り組んでいただきたいと思います。市長にお聞きしたいと思います。 51: ◯市長(奥山恵美子)子育て支援の基本が、一人一人の子供が健やかに成長することができる社会の実現にあるということは、お話の中でも御指摘されておりますけれども、我々が基本に置いているところでございます。  そしてまた、ワーク・ライフ・バランスといいますのは、こうした社会、子供にとっての視点の社会と同時に、また、男女共同参画、また、さらには、それぞれの男性も女性も地域社会での活動という、いわゆる市民の中には個人であることと家族であることと地域社会の人間であること、この三つの要素があり、その三つのそれぞれの部分でバランスのよい活動ができることが大変重要であると考えてございますので、今後とも、そうした視点にしっかりと配慮をしながら、施策の推進に努めてまいりたいと、このように考えております。 52: ◯二十五番(岡本あき子)次に、マイナンバーについて伺います。  マイナンバーは、先ほど、答弁の中でコンビニ交付の話もあったかと思います。各種証明書が、今後、コンビニでも交付が可能となると思います。ぜひ、これは早期の実現を求めますが、お答えください。 53: ◯市民局長(渡邊晃)マイナンバーカードの利活用例の一つとして、国からも例示されている、いわゆるコンビニ交付につきましては、各種証明書の取得機会の拡大による利便性の向上、また行政側の事務効率化が図られますとともに、マイナンバー制度の利用拡大にも資するものと考えております。  現時点でマイナンバーカードを活用したコンビニ交付の詳細が明らかにされておりませんが、引き続き国の動向を注視し、本市における導入について検討を進めてまいりたいと考えております。  以上です。 54: ◯二十五番(岡本あき子)本市の特徴としては、災害時の活用も認められているマイナンバーですが、被災者支援システムを既に構築し活用している仙台市ですから、災害時にどのようなデータが必要で、どう活用するかなどの経験を生かして、この災害時の率先モデルを仙台市から構築してはと思います。いかがでしょうか。 55: ◯まちづくり政策局長(大槻文博)災害が発生した際に、個々の被災者に対してきめ細かな支援を的確に行うためには、必要な情報を収集し、関係部署において共有、活用することが大切であり、そのためにはマイナンバーの活用が有効と考えております。災害時においては、マイナンバーは災害救助法や被災者生活再建支援法による事務などにおいて利用可能とされておりますことから、東日本大震災の経験を踏まえ、マイナンバーの利活用による各種応急対策業務支援システムの構築に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。 56: ◯二十五番(岡本あき子)ぜひ、仙台モデルとなるように率先して取り組んでください。  独自利用の際、乳幼児医療費助成制度など他都市と共通する施策もあります。広域で共通して構築することで、費用対効果が高まるものもあります。広域利用を考えると、牽引するのは、やはり、宮城県内の近郊都市を考えると仙台市だと期待されます。その可能性について御検討いただけますでしょうか、伺います。 57: ◯まちづくり政策局長(大槻文博)乳幼児医療など多くの自治体で実施しております独自利用事務につきましては、システムを共同で開発運用することによりまして、一定の効果が期待できるものと認識いたしております。しかしながら、更新時期の調整や事務フローのすり合わせ作業などが必要となるほか、本市は近隣自治体と比べ人口や組織の規模が大きく、また区制を敷いているなど違う部分が多いために、調整等の作業も相当の期間が見込まれるという課題がございます。  国におきましても、マイナンバー制度の導入と合わせて既存のパッケージシステムの共同利用の取り組みを促進しているところでございますので、将来的には、本市においてもその検討を行いたいと考えてございますが、作業スケジュールが、現在、大変厳しい状況でございますので、まずは制度導入に伴うシステムの改修整備に遺漏がないよう、確実に準備を進めたいと考えております。 58: ◯二十五番(岡本あき子)もし共同利用をするとすれば、やはり牽引をするのは仙台市であるというのを念頭に置いて、可能な限りできることをやっていただきたいと思います。  ワンストップ化については、先ほどお答えをいただいたようでしたので、ぜひワンストップも含めて、マイナンバーは仙台市民がお客様という認識のもと、貴重なデータベースとなりますので、市民サービスの向上が実感できるためにも、このマイナンバー制度の積極的な活用を求めたいと思います。  最後に、安全・安心のまちづくりについて、お聞かせください。  バス事業の交通安全だけでなく、市職員、教職員の交通事故も多い状況です。  軽微なものも含めて、震災以降、年間百件を超えていると聞きました。先日も仙台市の教員が二名を死亡させるという痛ましい交通事故を起こしたばかりです。先ほど不祥事が続いているということに対しては、市長からも答弁がありましたが、いま一度、緊張感を持って日常業務に当たること、特に交通安全、事故防止を徹底することを求めます。いかがでしょうか。 59: ◯総務局長(高橋一典)職員の交通法規の遵守、安全運転の徹底につきましては、定期的に実施している服務チェックにおいて、職員がみずからの遵守状況を振り返る機会を設け、所属長から職員への指導を徹底することとしているほか、毎年職員向けに開催している交通安全セミナーや、公務員倫理研修において注意喚起を図ってきたところでございます。  公私の別を問わず、交通事故を起こした場合には、事故の相手の方はもちろん、職員本人にも重大な結果を招くことを肝に銘じるよう、引き続き、職員に対する指導、注意喚起を徹底し、事故の防止に努めてまいりたいと存じます。 60: ◯二十五番(岡本あき子)先ほど、のんびりという表現もありましたが、やはり緊張感ということをもう一度徹底する御努力をお願いします。  最後に、現在の防災の課題である災害時の権限移譲について、改めて決意を伺いたいと思います。  政令指定都市市長会においても決議され、内閣府に対し、法における権限移譲を求めましたが、内閣府の見解は現在の運用で可能とのことでした。あらかじめ明確に権限が分担されていることの重要性、特に災害時は上部組織の判断を待つのではなく、現場で判断できる権限がいかに大切なのかについて、再度、政令指定都市一丸となって主張し、結果を出していただきたいものです。  改めて一連の取り組みと今後について、お聞かせください。 61: ◯まちづくり政策局長(大槻文博)災害時の指定都市への権限移譲につきましては、先般開催された指定都市サミットにおきまして、指定都市市長会としての要請が去る五月二十九日に決議され、早速、政府等に対する要請行動を行ったところでございます。  南海トラフ大地震や首都直下型地震など、大規模災害の発生が懸念される中にあって、指定都市が災害救助の主体となり、柔軟かつ迅速に対応していくことが極めて重要であるということは、東日本大震災時の本市の事例を見ましても明らかでございますので、今後とも、あらゆる機会を捉えまして、国への働きかけを粘り強く行い、実現への取り組みを進めてまいる所存でございます。 62: ◯二十五番(岡本あき子)ぜひ、粘り強く、そして早急に実現するようにお願いしたいと思います。  日常業務における安全と、いざというときのための安心に向けて、確実に取り組んでいただくことを求め、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。(拍手) 63: ◯副議長(日下富士夫)次に、鈴木勇治君に発言を許します。     〔四十一番 鈴木勇治登壇〕(拍手) 64: ◯四十一番(鈴木勇治)鈴木勇治です。一般質問をいたします。  市民の健康づくりの取り組みについて質問いたします。  いつまでも元気で健やかに充実した生活を送ることは、市民一人一人の願いです。本市においては、国の健康日本21に先行する形で、平成二十三年三月に第二期いきいき市民健康プランを策定し、現在、この第二期プランに基づいた市民の健康づくりを推進しております。  その基本理念として、全ての市民が健康で明るく、元気に生活できる市民社会の実現に向け、壮年期死亡や要介護状態の人を減少させ、健康寿命を延ばし、健康に関連する生活の質の向上を目指すということを掲げております。寝たきりや介護が必要な状況が長くなっており、医療費や介護給付費が増加することの大きな要因であることから、これを解消し、財政的負担を抑える効果も期待しているものです。  この第二期プランは、今年度で四年目を迎えておりますが、これまでの取り組みについて、現時点において、どのように評価しておられるのか伺います。  第二期いきいき市民健康プランでは、健康づくり推進の重点分野として、活力ある青壮年と元気な高齢期を目指す生活習慣病の予防を掲げ、そのメーンターゲットを働き盛り世代としています。働き盛り世代は、家庭においても職場においても重要な役割を担う立場であることから、この世代が健康であることが本市の活力づくりの基礎となるものと考えます。  全国でも仙台市でも死因の第一位はがんであり、平成二十四年の人口動態統計では、総死亡者数のうち約三割をがんが占めております。がんは今日では不治の病ではなく、検診を受けることで早期発見や早期治療につなげることができ、また治療を受けながら仕事を続けることも可能となってきたと聞いております。  働き盛りの世代というと、自身の健康を過信していたり、また忙しいといった理由から検診を受けないでしまう方も多いのではないでしょうか。働き盛りの世代の人がより多くがん検診を受けるために、取り組みを強化すべきと考えますが、御所見を伺います。  第二期いきいき市民健康プランでは、健康的な食生活も重点分野の一つとして掲げ、取り組みを進めています。規則正しい、栄養バランスの整った食事をすることは、健康づくりの基本であり、食習慣の乱れは、生活習慣病を初め、さまざまな病気の原因につながるものと考えます。  本市の平成二十一年度の市民健康意識調査によると、朝食を食べている中学生や高校生は八九%であるのに対し、二十代、三十代の若者では男女とも五〇%、半分の人が朝食を食べていない現状にありました。これはとても心配な状況であり、二十代や三十代の若い人、特に子育て世代には、まず親自身が毎日の食事のあり方を見直して、正しい食習慣を身につけることが大切であることを伝えていく必要があると思います。  このような若者や子育て世代である二十代、三十代、将来の仙台市を担っていく世代の食生活の課題に対し、どのような取り組みを進めているのか。また、今後の取り組みについてもあわせて伺います。  健康的な食生活を送るために、一つ提言をいたします。  玄米食の普及についてであります。  バランスのよい食事は、健康的な体づくりの基本です。プランの中でもうたわれていますが、楽しいバランスのとれた食事を実践することが目標となっています。昨年、ユネスコ無形文化遺産保護条約の政府間委員会において、和食、日本人の伝統的な食文化がユネスコ無形文化遺産に登録されました。日本食のすばらしさが世界に認められたのですが、日本食のすばらしさの中には素材の味を大切にしたバランスのよい食生活が上げられ、各国で日本食ブームが起こっていることは、ニュースでよく耳にいたします。  このように世界に誇れる和食ですが、主食の米は白米として食べられるだけでなく、玄米としても食べられることで、ミネラルや食物繊維の摂取量がかなりふえると言われております。生活習慣病の予防や、市民の健康づくりにつながる玄米食を普及すべきと提言いたしますが、御見解をお聞かせください。  次は、ツキノワグマ対策についてです。  ある情報誌で、森と熊を守る団体の会長の談話を目にすることがありました。拡大造林の結果、近年、熊、猿、鹿など野生動物が次々と里におり、地元の人々を困らせるようになった、開発、人工林、地球温暖化で、餌場を壊したのは人間の責任にもかかわらず、絶滅寸前の熊が大量に捕殺されています、動物は森に寄生しているのではなく、森をつくっている、大型動物がつくるほど豊かで、保水力も大きい、こんこんと水が湧き出る森が消えるとき、全ての産業が都市が消える、私たちの命は森に支えられている、熊のすむ豊かな森を残し、全生物と共存しなければ、人間も生き残れないと語っていた内容は、大変衝撃的でありました。  言うまでもなく、本市も自然に恵まれています。多種多様な動植物が存在し、豊かな生態系を形成していますが、市民の豊かで潤いのある生活環境に大きな役割を果たしていることも事実であり、熊の住宅周辺の出没が全国的にも大きな問題になっています。先日、太白区でも森林が連担していない住宅地周辺まで出没しています。  熊の餌となるドングリ類の不作が、人里への出没の要因の一つだとされています。それに加えて、農村の過疎化や生活態様の変化、住宅開発等による森林の減少などの影響もあることが指摘されています。子供や高齢者の安全を確保し、安心して生活できる環境づくりのためにも、人間と熊、そして自然と共生した社会を築くことが求められています。自然への配慮や熊の生態系を正しく理解した対策を行い、人間と野生動物との共存、共生のあり方を考える必要が問われています。  まず、市はこのような熊の住宅地への出没の原因は、どのように考えているのでしょうか、伺います。  次に、安心・安全な生活環境確保の対策として、実効性の高い対策はどのようなものであるのか、伺います。  三つ目に、森林政策として広葉樹を伐採し、材木になる針葉樹を大量に植林したことにより、餌とすみかを失ったことが、人里にそれを求めて出没する理由の一つとして考えられております。さらに、林業の衰退により、森が荒廃し、さらなる餌不足に拍車がかかったと言われております。熊などの野生動物と共存した森林整備のあり方について、どのように考えているのか、伺います。  最後に、森林におけるこれらの状況は、国全体においても同様であると認識していますが、適切な対応について国に対し要望すべきではないでしょうか。国の基本方針も含めて、お答えください。  次は、地域づくりと学校の統廃合についてであります。  本市の面積の六三%を占め、市民の約八%が居住している山村振興法等で地域指定されている、いわゆる中山間地域は、耕地面積でも約三一%、森林面積でも約八一%となり、食料の供給はもとより、水源の涵養や森林による大気の浄化など、自然環境の保全とともに保水機能による国土の保全、美しい景観の形成など、多面的な公益機能を持っています。しかし、中山間地域及びその周辺地区は、市全体に比べ少子化、高齢化の進展が速くなっています。この地域では、約九割が農地を所有していると考えますが、自分の家で耕作できなくなった農家は増加しています。また、日常生活においては、交通手段の不便さや災害時の孤立化などの不安が上げられます。  私はよく中山間地域及びその周辺地区の方々と懇談する機会があるのですが、よく出てくる話は、高齢化が進んでいるので、地域の農業はあと五年もしたら誰もやる者がいなくなる、高齢で自動車の運転ができなくなったらトラクターさえ動かせなくなり、農作業もできない、集落コミュニティーの維持も困難、集落内を回るデマンドバスが必要、小中学校などが保たれるか不安だなど、多くの声を耳にいたすのであります。  市長はさきの定例会において、私の質問に対し、郊外住宅や中山間地の集落等で、人口減少や高齢化の進展により、地域の活力や生活利便性の低下が懸念される地域においては、生活環境の維持改善に向け、地域の再生に取り組むと答弁しておられました。市長はこの状況に対し、地域づくり、まちづくり、過疎化対策の視点から具体的にどう対処なさるのでしょうか、お答えください。  学校の魅力づくりについて伺います。  市内全体の一六%に当たる三十一校が中山間地域とその周辺地区にあり、複式学級となっているところは六校になっています。地域コミュニティーの核としての機能を持っていた学校が、子供の減少により複式学級化し、やがては休校、廃校といった状況になっている現状を見ますと、学校機能を支えることの重要性がわかります。  現在、中山間地域とその周辺地区の小規模校において、体育、音楽などの合同授業、地域交流学習を進め、そこの地区の学校の魅力づくりとともに、子供たちの学力向上に積極的に取り組む必要もあると考えますが、所見を伺います。  坪沼小学校の統廃合と地域づくりについて伺います。  さきの定例会において、教育長は私の質問に対し、学校の統廃合を検討する際は、保護者や地域の皆様の御意見をしっかりとお聞きし、さらに統合の必要性について理解を深めていただけるよう丁寧な話し合いを行うことが、合意形成のために大切であるとの答弁をいたしておりました。坪沼小学校の統廃合について、教育長はここまでの状況を見て、丁寧な話し合いが行われ、その上でしっかりと合意形成が行われたとお考えなのでしょうか、お答えください。  もう一点、同じくさきの定例会の答弁、そして今回の代表質疑の答弁でもありました。地域の皆様と保護者が統合に向けた話し合いを教育委員会にお願いしたと、経緯を説明しておられました。これは少々事実と食い違っているのではないでしょうか。保護者から相談を受けた学校側が、指定校制度の変更を一つの方策として示したからこそ、保護者がそう向いてしまったのではないですか。御見解をお示しください。  学校は、地域づくり、地域コミュニティーの拠点であると言われております。教育長は、今回の坪沼小の統廃合は、子供たちの教育環境をよりよいものに改善するためであると言っておられます。とすれば、せめて、この再編が地域活性化の阻害にならないようすべきであり、統合後の坪沼小学校施設の有効利用策や、通学路の安全確保などは庁内の他部門との連携が欠かせないものであり、連携の上で対処すべきではないでしょうか。それが対応されていないのであります。いかがですか、お答えください。  これまで坪沼地区は、地域再生という視点で、御当局の協力もいただきながら、地区全体が一つになって農を基軸としたふるさとづくり、やるっちゃ坪沼、乗り合いタクシーなどの事業展開や、地域づくりの勉強会などで地区全体が連携し、地域再生に向けよく頑張っている地区だと感じています。今回の坪沼小学校の廃校で、地域づくりの意欲が失われないよう、またコミュニティーの崩壊につながらないよう、今後の地域づくりを支援する庁内体制を構築すべきであります。御所見を伺います。
     次に、通学路などの安全対策について伺います。  ここ数年、登下校時における児童生徒を巻き込む悲惨な事故が多発し、通学路の安全対策が大きな問題となりました。近年では、本市においても平成二十三年九月二十七日、通町小学校の三年生児童の下校中の死亡事故、平成二十四年四月の京都府亀岡市での三名死亡の事故、同じく平成二十四年四月、千葉県館山市での一名死亡事故などがありました。こうした状況を受け、国では通学路の緊急合同点検の実施を各自治体に依頼し、本市においても平成二十四年八月に、道路管理者、学校、教育委員会、警察、PTA等による通学路の緊急合同点検を実施されたところであります。  いただいた資料によりますと、対策必要箇所数としては四百五カ所でありました。これらに対する対応策としては、警察、学校、道路管理者、それぞれどのような対応がとられたのでしょうか、伺います。また、対策が済んだのは、どの程度になっているのでしょうか。  過日、マスコミ報道で目にしたのですが、ある業界団体が通学路の安全対策の協力として、太白区の向山小学校、上野山小学校の周辺において、路側帯のカラー化の試験施行を行ったとの記事がなされておりました。どのような内容だったのでしょうか、伺います。  昨年度、一昨年度に緊急的な対策がとられたのですが、それ以後も地域からはさまざまな安全に対する要望があるようですが、本市の将来を担う児童生徒の安全な通学環境の確保については、関係者と恒常的な点検、対策実施の枠組みをつくり、そして効果の見える予算立てを行い、腰を据えて取り組むべきと考えますがいかがでしょうか、お答えください。  以上で、私の一般質問といたします。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 65: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの鈴木勇治議員の御質問にお答えを申し上げます。  中山間地域のこれからに向けてのお尋ねでございます。  少子高齢化の進む中山間地域では、人口減少の影響がとりわけ顕著にあらわれるところであり、生活環境を維持し、地域の結びつきを保つべく、地域の特性や置かれている状況などを勘案し、きめ細かな対応を心がけてまいる必要がございます。  そのためには、地元の方々のお声をしっかりとお伺いし、ニーズや課題を把握いたしますとともに、その地域において活用が可能な資源は何であるか、また優先的に取り組むべき施策はどれかといいましたことを含め、地域の皆様とともに考え、議論を深めていくことが肝要と考えております。  今後も、市民の方々に一番身近な存在であります区役所の地域協働の拠点としての機能を充実させながら、また、本年度実施をいたします町内会を対象とした実態調査も活用しつつ、それぞれの地域の実情に合った住民の皆様の主体的な取り組みと、また、私ども行政として各部局が持ちます専門性を合体した形で、中山間地域における活性化に向けて、ともに取り組んでまいりたいと、このように考えてございます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 66: ◯健康福祉局長(高橋宮人)市民の健康づくりに係る数点の御質問にお答えをいたします。  まず、第二期いきいき市民健康プランの取り組み状況についてでございます。  本市が平成二十三年に策定したこのプランでは、つながる、広がる、健康づくりの輪をテーマに、重点分野と対象者を明確にしながら、市民の健康づくりを進めているところでございます。  このプランの中間評価は平成二十九年度に行うこととしておりますが、全国健康保険協会宮城県支部と連携した健康づくりや、職域連携による心の健康づくりなど、人と人とのつながりを生かした活動の輪が着実に広がってきているものと考えております。  その一方で、がんや心疾患、脳血管疾患の三大死因で亡くなる人の割合が、全体の半数以上を占めていることから、生活習慣病予防の取り組みをさらに強化する必要があると考えております。  次に、がん検診の受診率向上に向けた取り組みについてでございます。  働き盛り世代のがん対策を推進するに当たっては、企業と連携し、検診を受けやすい環境づくりを進めることが重要でございます。本市は、これまで民間企業十社とがん検診の受診率向上に向けた協定を締結し、啓発用リーフレットを市民や職場に配布するなどの取り組みを進めております。  今後、さらに協定する企業をふやし、働く世代への健康情報の発信や、がん検診受診の働きかけを強化してまいりたいと考えております。  次に、若者や子育て世代への食に関する取り組みについてでございます。  若い世代の食への関心が低いという現状を踏まえ、学生が作成した同世代向けのリーフレット等を活用し、若者自身が主体的に食生活の改善に取り組めるよう啓発を行っております。  また、子育て世代に対しては、乳幼児健診等の場を活用しながら、保護者自身の食生活の改善を働きかけているところでございます。  今後とも、若い世代が食への関心を持ち、望ましい食生活が実践できるよう、市内の大学等との連携した取り組みを進めてまいりたいと考えております。  最後に、玄米食についてでございます。  玄米食は、白米に比べ食物繊維やビタミン、ミネラルなどの主要な栄養素を豊富に含む食品でございますが、その一方で、消化が悪く、胃腸への負担がかかるといった留意点もございます。現在、市のホームページに掲載している食育推進事業の取り組みの事例の中で、健康食として玄米入り御飯を紹介しており、今後は食のバリエーションの一つとしての玄米食について、わかりやすく情報を提供してまいりたいと考えております。  以上でございます。 67: ◯環境局長(大友望)私からは、ツキノワグマ対策のうち、環境局にかかわる二点の質問に御答弁申し上げます。  初めに、住宅地への出没の原因についてでございますが、元来、熊は行動圏の広い動物でございまして、餌となるものを求め、相当広い範囲を移動いたしますが、近年では里山に十分な人の手が入らなくなったことなどによりまして、熊の生息域と人里を分ける緩衝帯が失われ、抵抗なく住宅地にまで近づくようになったものと考えられております。  また、本市は山地、丘陵地、市街地が連続しており、これらを貫くように河川が流れております。その中で連担する緑地や河川沿いの茂みなどが熊の移動経路や潜み場所となっているものと考えられているところでございまして、このような本市の地形的な特徴も、住宅地にまで出没する要因の一つと認識いたしているところでございます。  次に、安心・安全に向けた対策についてでございますが、その基本は人の活動領域と熊の生息域とを適切に隔て、人里に引き寄せない環境をつくることにあるものと考えております。このため、中山間地域周辺にお住まいの農家の皆様などに対しましては、熊の潜み場所となりそうなやぶや下草等の刈り払い、あるいは誘引するもととなります柿、クリなどの早期収穫や、利用していない果樹の伐採を広く呼びかけるとともに、そのための助成等を行っているところでございます。  さらに、本年度は熊の行動調査を実施しておりまして、今後、その結果を踏まえまして、人里への移動ルートを遮断する方策等を検討することといたしております。  以上でございます。 68: ◯経済局長(氏家道也)私からは、野生動物との共存に配慮した森林整備のあり方などにつきまして、御答弁申し上げます。  本市では、森林法に基づく森林整備計画におきまして、林業の活性化や希少動植物の生息、生育環境の保全を図ることとしております。国におきましても、本年四月から実施されました全国森林計画におきまして、生物多様性保全機能の確保が掲げられており、野生動物にも配慮した適切な森林の保全を推進することとされております。  本市におきましても、近年の熊の出没状況等も踏まえ、野生動物との共存に配慮した森林整備のあり方につきまして、関連自治体との情報交換も行いながら、必要に応じて国への要望を行ってまいりたいと考えております。  以上です。 69: ◯建設局長(吉川誠一)私からは、通学路の安全対策のうち、業界団体による試験施工についての御質問にお答えいたします。  平成二十四年度の緊急合同点検の結果を踏まえ、道路管理者としましては、主に路側帯のカラー化など即効性のある対策を実施してまいりました。  昨年、宮城県交通安全施設業協同組合より、従来の工法よりも安価で施工時間も短い工法を用いた試験施工の御協力の申し出がございました。これを受け、関係者との調整を経て、向山小学校と上野山小学校の通学路二カ所において、計六百六十メートルの区間にわたり路側帯を緑色にカラー化し、車道との視覚的区分を図ったものでございまして、学校側からも安全対策として評価をいただいております。  以上でございます。 70: ◯太白区長(庄司克茂)坪沼地区の地区づくり支援について、お答えをいたします。  坪沼地区は、歴史と自然環境に恵まれ、自主自立の精神に富んだコミュニティーによる地域活動が盛んな地域であると認識してございまして、本市として、これまでも地域づくりの支援に努めてまいったところでございます。  今後とも、地域の特色を生かした地域づくりが進んでまいりますよう、太白区が窓口となり、地域の皆様の御意見をしっかりお伺いし、関係部局と連携しながら、さらに支援を続けてまいりたいと考えております。  以上でございます。 71: ◯教育長(上田昌孝)私からは、教育にかかわる数点のお尋ねに、お答えを申し上げます。  初めに、小規模な学校の魅力づくりと学力向上についてでございます。  現在、中山間地域などの小規模校では、近隣の学校や地域の皆様との交流学習を実施しております。交流学習は、地域の魅力に気づくことや、相手校のよさを取り入れる機会になりますとともに、児童生徒の学ぶ姿勢の変化につながり、魅力ある学校づくりに役立っております。  さらに、小規模校における複式学級の支援のために、非常勤講師を配置し、一人一人の児童生徒に対するきめ細かな指導により、学力向上に取り組んでおります。  今後とも、小規模校における教育環境の改善に努めますとともに、学力向上にも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、坪沼小の統合に向けた話し合いについてでございます。  坪沼小の児童数減少が続き、小規模化に伴う課題が生じてきましたことから、今後の学校のあり方について、保護者、地域の皆様と学校による地域懇談会等において、協議が行われてまいりました。平成二十五年七月から教育委員会もオブザーバーとして参加し、地域の皆様の御意見をお聞きするとともに、統合に関連して、さまざまな事項を御説明させていただきました。地域の皆様からは、統合する場合の通学支援などの課題が出されましたことから、その対応についてもお示ししたところでございます。  このように、地域の皆様と丁寧な話し合いをさせていただいたことにより、統合について御理解が得られたものと考えております。  次に、統合に向けた話し合いの経緯についてでございます。  地域での話し合いが始まる前に、保護者の方から児童の通学について相談を受けた学校では、指定校変更制度などの説明を行ったことがあったと伺っております。その後、地域懇談会が開催され、坪沼小学校の今後のあり方や地域活性化に向けた取り組みなど、坪沼地域の将来像について真剣な協議が続けられました。  その結果、児童数減少への対応は難しいことから、学校の存続を望む声もございましたが、生出小学校との統合を望む保護者の考えを尊重し、統合に向けた話し合いを進めるべきとの結論をいただいたところでございます。  次に、庁内の他部門との連携についてでございます。  これまでも、統合に向けた取り組みを進めるに当たりましては、関係する部局と事前に情報交換を行い、地域の皆様との話し合いの中で出された御質問等につきましては、連携しながら対応してまいりました。現在、地域の方々と統合準備委員会を開催しており、通学路などの安全対応について協議をしているところでございます。  跡施設の利活用につきましては、地域の御意見を伺いますとともに、貴重な市民共有の財産でございますので、関係部局と連携しながら、公共施設総合マネジメントプランに沿って、有効な利活用策の検討を進めてまいりたいと存じます。  次に、通学路の安全対策について、お答えを申し上げます。  平成二十四年に実施いたしました通学路の緊急合同点検において、対策を要する箇所として抽出した四百五カ所につきましては、学校による通学指導、道路管理者による防護柵の設置、警察による横断歩道の設置など、関係機関が連携して安全対策を行ってまいりました。この結果、三百九十四カ所の対策が完了しており、残りの十一カ所につきましても、歩道の拡幅を行う際に、他の工事との調整などにより一部未完了となっている箇所がございますが、鋭意対応に努めているところでございます。  最後に、点検や対策の実施に当たっての枠組みづくりについてでございます。  通学路の安全を確保するためには、しっかりとした点検により課題を発見し、それぞれの担当機関が必要な予算措置を講じつつ、ソフト面、ハード面からの対策を迅速かつ確実に実施していくことが重要となります。そのため、平成二十四年に行った緊急合同点検のように、学校、道路管理者、警察等が連携し取り組むことが必要であり、現在、関係機関との調整を進めているところでございます。  以上でございます。 72: ◯四十一番(鈴木勇治)先ほど、玄米食の提言を一つさせていただいたのですが、消化に悪いというふうなお話もあったのですが、よくかんで食べれば消化もいいはずですし、かむということで、また健康づくりにもなるというふうに考えますし、また味噌汁と一緒に食べればというふうな話も聞こえてまいりましたので、ひとつ、そのことだけはつけ加えさせていただければというふうに思っております。  ところで、るる御答弁をいただきましたが、一つ目は、先ほど建設局のほうから御答弁をいただきました、効果の見える予算立てを行って腰を据えて取り組むべきだというふうなことでお話をさせていただきましたが、効果の見える予算立て、この部分については、どのようにお考えなのでしょうか。  それから、もう一つ、坪沼小学校の問題であります。  協議会を、あるいは勉強会をやってきたというふうなことがございました。そして今、存在しているのは事前準備会、この一つということなんですが、これまでも、まちづくりに関する要望等々が、あわせてこの協議会なりのところでお話があったわけなんですが、これら関係する部局、たまには出てまいったということなんでありますが、ほとんど出てきているということのお話は聞いたことがありませんでした。ということは、その場で出た話を聞き置くということにとどめたというふうなことでありますし、また、私もそのように聞いております。  しかし、これまでのことはこれまでのこととして、教育長の言う坪沼の子供たちによりよい教育環境をつくってあげるんだという思いがあるということ、これを是とすることにいたしますけれども、もう一つの学校の存在として、コミュニティーの核であるということをずっと答弁しておられました。ある意味、地域再生の核なのだと思います。この地域再生ということは、まちづくりでありますね。このまちづくり、これを地域の話を聞きながら、意見を聞きながら、提言を聞きながら進めていくというこの体制、これは先ほど区長も答弁なさいましたが、関係する部局がこぞってこれは事に当たる、こういったことに尽きるのだと思います。その答弁がなされていないと私は思いますので、これは副市長のほうから御答弁をいただきましょうか。よろしくお願いします。 73: ◯副市長(藤本章)坪沼地区の学校統合にかかわります地域づくりについての再質問にお答えを申し上げます。  過日、坪沼地区四町内会の皆様おそろいで、地域再生に関する要望書を頂戴いたしたところでございまして、私がお相手をさせていただきましたので、私のほうから御答弁をさせていただきます。  懇談を通じまして、まず改めて坪沼の皆様の地域づくりに対する思いの強さ、これは大変重く受けとめたところでございます。このたび、児童生徒さんの教育環境をより望ましい姿に整えていくという視点から、さまざま、地域の皆様ともお話し合いをさせていただきながら、学校統合という一つの選択もやむを得ないということで、このたびの議会に提案をさせていただいておるところでございまして、まずもって、これにつきまして、何とぞ御理解を賜りたいと存じます。  こうした中で、このたび懇談を通じまして直接お話を伺ったところでございますが、地域の皆様にとりましては学校という施設が、教育面ではもちろんでございますけれども、まさに地域のコミュニティー形成、地域づくりの拠点という位置づけの中でいかに大きな位置づけをされているかという一点、あわせて、このたびの統合によるある意味での危機感の大きさ、さらに加えて、そこから地域再生に向けての強い決意、こういったものをあわせてお話を直接伺い、私も大変重く受けとめたところでございます。  そうした中で、今、御質問にありましたように、一部局の対応ということではなくて、先ほど市長から御答弁申し上げましたけれども、中山間地域の活性化と、こういった大きな枠組みもございますけれども、その中で坪沼地区の地域づくりにつきまして、太白区を窓口としながらも、関係部局挙げて取り組んでまいりたいと。とりわけ地域の皆様とも十分お話し合いをしながら、進めさせていただければというふうに思っております。 74: ◯建設局長(吉川誠一)これまでも緊急的な通学路につきましては、取り組みが一定の効果を上げてきたとは思っております。さらに、国のほうからも通学路の安全対策が非常に大事であり、継続的に取り組み、推進するようにという通知もなされております。我々としましても、通学路の安全対策というのは非常に重要でございますし、社会交付金におきましても防災安全交付金の重点施策となっているところでございまして、集中的に支援が見込まれますことから、継続的な財源を確実に確保して推進してまいりたいと考えております。 75: ◯副議長(日下富士夫)この際、暫時休憩いたします。     午後三時十五分休憩          ────────○────────     午後三時三十五分開議 76: ◯副議長(日下富士夫)休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、小田島久美子君に発言を許します。     〔十七番 小田島久美子登壇〕(拍手) 77: ◯十七番(小田島久美子)公明党仙台市議団の小田島久美子です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。  本日、朝の爽やかな日差しの中で、ワールドカップの声援と同じようなにぎわいで、通学する子供たちの声が団地内に響き渡っています。仙台の子供たちの未来のために、希望ある市政の構築を願って、一括質問をさせていただきます。  仙台市バリアフリー基本構想について伺います。  本市では、人にやさしいまちづくり条例を平成八年に施行いたしました。これは全国的に見ても、国のバリアフリー新法の動きを見ても、先駆けとなった条例であると思うのであります。お年寄りや障害のある方を初め、お子様連れなどが日常生活の中で建築物や道路、公園などを円滑に利用できるよう制定されておりますが、現在、地下鉄のエレベーターやエスカレーターの改善状況を見ても、時代の流れとともに、当時はベストであったと思われても、今振り返ってみると、一層の改善が求められる箇所が目にとまるところです。  ここで伺う質問の一点目は、平成十二年に交通バリアフリー法が施行され、平成十八年のバリアフリー新法の趣旨を踏まえ、新たな基本構想として平成二十四年に策定されたバリアフリー基本構想ですが、策定されてから八年を経て見えてきた課題について、また国のバリアフリー新法の趣旨を踏まえて、仙台市バリアフリー基本構想を実現させるためには何が求められていると考えておられるのか、御所見を伺います。  国の示したバリアフリー新法においては、当事者の意見を聞くことが示されており、整備ごとのプロセスにおいて、その参加の取り組みが行われていると思いますが、現状と今後の方向性について伺います。  質問の二点目は、バリアフリーマナーアップの啓発活動についてです。  仙台市交通バリアフリー特定事業計画では、ハード面として、誘導案内、設備整備が進められており、ソフト面では、バリアフリー研修やマナーアップの啓発活動等も進められているところです。バリアフリーマナーアップ啓発活動として、譲り合いなどについての啓発放送などを行っていただいているところですが、先日、地下鉄を御利用される視覚障害の方から、駅構内の安全な歩行を確保するための御相談がありました。  視覚に障害があるため、白い杖を利用して歩行されるわけですが、点字ブロック上に立ちどまって、駅構内の周辺地図案内板を見ている方と接触することがあり、案内板を見る方に対しては、点字ブロック上に立ちどまらないよう、十分な配慮を促してほしいとのことでした。その後、担当課に接触した際のビデオ映像の内容を確認していただきましたが、視覚障害者の白い杖が点字ブロック上で立ちどまり、案内板に気をとられている方の両足の間に入り込み、接触し、転倒した様子を伺いました。  以前、公道上の点字ブロックの配慮について、同僚議員が改善を求めたところです。また、最近、全国の呼びかけを見ても、物を置かないでとの啓発が進められているところであります。これらのことは、公共のスペース一つ一つで確認していくべき課題であります。駅構内の周辺地図案内板の下に配慮を求める表示が掲示されましたが、その効果は検証しておられるでしょうか。誰もが安心して安全に地下鉄構内を御利用いただけるような早急な対応を求めますが、御所見を伺います。  質問の三点目は、内部障害者のハート・プラスマークの普及啓発についてです。  仙台市のホームページでは、ハート・プラスマークについて身体内部に障害がある人をあらわしており、外見からはわかりにくいため、さまざまな誤解を受けることがあり、内部障害のハート・プラスマークを着用されている方を見かけた場合には、御理解、御協力をお願いしたいとの掲載があります。  本市では、平成二十四年一月二十日と六月二十日の都市整備建設委員会、十月十九日の健康福祉協議会で、内部障害をお持ちの方への支援促進の観点から取り上げられてきたところです。平成二十五年度の障害白書によれば、全国の内部障害者は推定で百四十七万人おり、在宅の障害者の三〇・五%となっています。  仙台市では、平成二十五年度末で市内に約九千八百十八人がおられます。しかし、内部障害、内部疾患というハンディがまだ市民に十分認識されておりません。仙台市交通局では、全国に先駆けて交通バリアフリーへの取り組みとして、市営バス五百三十二台、地下鉄車両二十一編成の優先席にハート・プラスマークを設置し、ポスター百六十八枚も掲示して、譲り合いへの啓発活動を行っており、高く評価するところです。  早速、公明党仙台市議団として、設置後の市民の理解度や反響などを調査するため、車両基地においてお話を伺いました。内部障害者や病気の方も優先席を利用しやすいようにするため、ハート・プラスマークを表示したとのことです。その後、二年が経過しましたが、改めて、障害者団体や内部障害をお持ちの方へのマークの啓発、またサポートする側の市民への周知は、現在どこまで、どのように行われてきたのか伺います。  内閣府の推進もあり、福岡市等では障害者本人が携帯するための缶バッジなどをお配りし、ポスターなども各区役所などで掲示しております。本市においても、啓発や配布への取り組みを行い、全庁的に推進されることを求めますが、御所見を伺います。
     質問の四点目は、バリアフリーに留意した通学路整備についてです。  本日、同僚議員も質疑されたところでございますので、重複するところ以外で質問をさせていただきます。  平成二十四年八月の通学路の緊急合同点検の対応で、安全対策が必要とされた四百五カ所の通学路において、未整備箇所は先ほどお答えいただき十一カ所と伺いました。平成二十八年度までに完了する予定と伺いましたが、これまでの整備に当たっては、どのような計画で行われてきたのか伺います。あわせて、今後の合同通学路点検の予定と整備対策の方向性について、お考えを伺います。  実沢地域では、数年前から学校、町内会、保護者として、実沢小学校に通学する児童と高校生の自転車通学の安全対策のため、県道泉塩釜線の通学路歩道整備の要望を市長に提出されておりました。登下校時間の交通量が多く、しかもカーブがあり、見通しも悪く、歩道がない上、樹木と雑草が生い茂り、危険な箇所であることはたびたび訴えていたとのことです。  しかし、いまだに対策が講じられておりません。通学路の安全対策について観点が違うかもしれませんが、昨今の子供が犠牲となる犯罪行為を耳にすることで胸が痛みます。実沢小学校の児童の中には、学区内の小学校に通学することは非常に危険を伴うこともあり、指定学校変更を行うことを苦渋の選択とし、平成二十六年度は六名の児童が学区外の小学校に通学している状況となっております。実沢小学校では、現在、全校児童が二十一名となり、四年後には全校児童が五名から八名という状況が想定されております。学校の入り口から一キロ付近までの歩道も整備されていないということは、学校適正化に関係する重要な課題であるとの地域の御意見もあります。このような理由での児童減少の現状は御認識されていたのか、お伺いいたします。  その上で、当事者の方々への歩道整備の説明は、どのようにされてきたのか。通学する安全な道路の確保については、どこまで検討されてきたのでしょうか、お伺いいたします。このような検討が必要な通学路の安全対策は、早急に講じることが必要と思われますが、御所見をお伺いします。  次に、胃がん予防について、四点伺います。  日本では、毎年約十二万人が胃がんと診断され、約五万人が亡くなっております。仙台市では、胃がん予防に向けて啓発と検診の増加に取り組まれてきました。医療技術の進歩もあり、今では早期治療で治せるとまで言われるようになり、大切な命を守るためには何より早期の発見が重要と思われるのです。  そこで伺う一点目は、日本人に多いピロリ菌についてです。  日本ヘリコバクター学会理事長の浅香正博北海道大学教授によりますと、胃がんの方の九五%はヘリコバクター・ピロリ菌の感染症であるとし、除菌すれば胃がんを予防できる確率が高いとして、世界の常識となっていることを指摘されております。医学界において新しい部類の菌として研究が進められる中、ついに平成二十四年六月、厚生労働省はがん対策推進基本計画の中に、胃がんに対してピロリ菌が関連することを明記しました。  ピロリ菌は胃の中の強力な胃酸もくぐり抜ける細菌で、日本人の多くは赤ちゃんのときに殺菌処理されていない井戸水や川の水から感染しており、かつて人口の半数に感染していたと考えられていましたが、衛生環境が改善した戦後以降、徐々に減少しており、若い人ほど感染率は低下していると言われております。十代では一〇%台、四十歳以上では七〇%以上、また五十歳以上の年齢層では八〇%以上の方が感染していると推計されています。日本人に多いと言われているピロリ菌感染について、本市の御見解を伺います。  質問の二点目は、胃がん予防に対する除菌についてです。  厚生労働省は、除菌治療の保険適用の対象を、それまでの胃潰瘍や十二指腸潰瘍などに加え、慢性胃炎に対しても有効性を確認し、保険を適用としました。WHO世界保健機構の国際がん研究機関では、既に今から二十年前の一九九四年には、ピロリ菌を発がん因子であると認定し、除菌治療を勧めていた経緯があります。感染すると慢性胃炎や萎縮性胃炎を引き起し、その一部から胃がんが発生する可能性があることも指摘されており、除菌することでその先にある胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がんになる可能性を大幅に減少することができると言われております。胃がんの大きな原因と言われている除菌の効果についての御見解を伺います。  仙台市立病院においては、現在、ピロリ菌感染診断、除菌治療を行っており、平成二十五年度は、百七十名の方が治療を受けられていることを伺いました。医療を専門とするお立場から、胃がん治療に対する感染診断の必要性と除菌治療の効果について、御見解を伺います。  質問の三点目は、胃がんの早期発見にピロリ菌抗体検査の導入についてです。  国において推奨されてきたがん検診の早期診断能力は、世界でトップに立ち、胃がん全体で五年の生存率は六〇%を超え、欧米の二〇%を大きく上回りました。しかし、受診率が低いことが課題です。本市の平成二十四年度の胃がん検診受診率は五万六千十三人の受診者で、一六・四%であり、肺がん検診や大腸がん検診と比較すると、約二万人も少なく、受診率が約一二%低下しています。胃がん検診の検査方法について、苦痛を伴うとのさまざまな御意見を伺うところです。ピロリ菌のリスク検査は、血液検査や尿や吐く息等の七つの方法の中から選択できるため、比較的身体には負担が少ないと言われております。  平成二十二年に視察調査をさせていただいた群馬県高崎市で、市民検診の中に胃の萎縮の程度を診断するペプシノゲン検査と、胃の粘膜の炎症を引き起こすピロリ菌の感染の有無を検査する二種類の検査を開始しましたが、胃がんリスク検診の対象をそれまでの四十歳以上から、平成二十六年度は二十歳以上に拡大し、胃がん発症の因子を持っているか、胃がんのリスクが高いかなどを認識することで、定期検診や除菌治療をする市民が増加していると伺いました。  そのほか、リスク検診を導入する自治体は、全国でも増加傾向にあります。受診につながるところで、市民の健康を守ろうとしているのです。リスク検査を行い、個人のリスクが評価され、早期の治療につながれば、医療費削減効果が期待され、市民の生活の向上にもつながり、さらなる仙台市の胃がん撲滅に近づくのではないでしょうか。  今後、本市としても希望される市民の皆様に対しては、胃がん検診のオプションとしてピロリ菌抗体検査を推奨されてはいかがでしょうか。市長の御決断を求めるところです。御所見を伺います。あわせて市民へのリスク検査と除菌への普及啓発について伺います。  ここまで障害者、高齢者、児童の安全について質問をさせていただきましたが、最後に一家の太陽である女性の活躍応援について伺います。  市長の公約として掲げられた日本一起業しやすいまちを目指して、起業支援センター、通称アシ・スタが本年一月に設置されました。開設から五カ月間の相談件数は五百十三件となっており、市民の皆様に御理解と御認識を深めていただいているところと評価するところです。これまでの発想にはなかった小さいビジネスや、女性起業家支援がワンストップで充実され、現在十名の起業家が誕生し、夢を形にした喜びの体験を伺ってきたところです。  今後、少子高齢化やグローバル化の進展、生活スタイルの多様化などにより、これまでの働き方とは異なる発想で、個性を生かした働き方が推進されれば、新たな仙台の成長につながると期待するところです。しかし、課題は多く、そこに携わる方々の意識が大きく変わらなければ、せっかく開きかけた芽も摘まれてしまうのではないかとも危惧するところです。  公明党女性局では、女性元気応援プランを策定し、五月十四日、女性議員を中心に、安倍首相に直接申し入れを行いました。本年の二月から四月までの三カ月間にわたり、女性の起業家、NPO等二千四団体に、女性の活躍を推進するための課題等について調査を行いました。これまで家庭での役割の多くを担ってきた女性の皆様にとって、子育て、介護と就労、起業の両立の課題は多く、役割のバランスを保ち続けるには、社会そのものが就労に対する意識を量から質に転換することが求められるところです。  単に長く勤めるだけではなく、いかに質の高い働き方を推進するかに注目し、女性の活躍の推進の施策を講じることは、本市にとって重要課題と思われます。例えば看護師の約六割、保育士の約七割が、子育て等の理由で退職していると想定されることから、柔軟な働き方による就業継続のための枠組みづくりが重要です。仙台で働きたいと望んでいる方のためにも、また仙台市が目指す将来像を実現するためにも、さらなる市長のリーダーシップにより、思い切った施策の展開を期待するところです。市長の御所見をお伺いし、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 78: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの小田島久美子議員の御質問にお答えを申し上げます。  女性の活躍応援に関するお尋ねでございます。  女性の社会進出を進め、女性が生涯にわたり生き生きと働き続けられる環境を整えることは、女性の持つ多様な力や可能性を、経済の成長や地域課題の解決に生かしていくことにつながり、これからの仙台のまちづくりにとっても欠かせないものであると考えております。  本市では、これまでも女性がライフステージに応じ、多様な働き方を選択できるよう、きめ細かな就労支援や起業のための支援体制の充実、働く女性のネットワークづくりなどの取り組みを積極的に進めてまいりました。  しかしながら、出産や育児、また家族の介護等のため、御自身の希望に反して仕事を諦めざるを得ない女性は、残念なことに、いまだ多い状況でございます。とりわけ御指摘のとおり、女性の割合が高い看護師や保育士など専門職の方々においても、そうした傾向が見られることは、大きな社会的な損失であると受けとめております。そうした専門職の方々を初め、多くの女性が今持っていらっしゃる高い意欲やスキルを十分生かしつつ、生涯のそれぞれの段階に応じた柔軟な働き方ができるよう、私自身もさらに率先してリーダーシップを発揮しながら、社会環境の整備に取り組んでまいる所存でございます。  このほかのお尋ねにつきましては、交通事業管理者、病院事業管理者並びに関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 79: ◯健康福祉局長(高橋宮人)健康福祉局に係る大きく二点の御質問にお答えいたします。  まず、ハート・プラスマークの周知についてでございます。  ハート・プラスマークは、内臓疾患など外見からわかりにくい内部障害者に対する理解を広め、配慮を求めるためのものであり、本市はこれまで、障害者やその支援者等に配付しているふれあいガイドでお知らせするとともに、市政だよりやホームページにより、広く市民への周知に努めてきたところでございます。  今後は、これまでの取り組みに加え、各種手続で市の窓口に来所される内部障害者本人に、ハート・プラスマークの情報提供を行うほか、市民利用施設等でのポスター掲示、各種イベント会場でのパネル展示やチラシ配布など、さまざまな機会を捉えて周知に努め、内部障害者に対する理解を促進してまいりたいと考えております。  次に、ピロリ菌の感染についてでございます。  日本人の高年齢層において、ピロリ菌の感染率が高い傾向にあるのは、乳幼児期における上下水道の普及率などの衛生状態が影響し、一度胃の粘膜に定着すると、一生涯にわたり持続すると言われております。また、ピロリ菌の除菌は、胃潰瘍や慢性胃炎の治療、胃がん再発のリスクの低減に有効であるとされておりますが、胃がん予防全般に対する除菌の有用性については、医学的に未解明の部分が多いところでございます。  最後に、ピロリ菌抗体検査の推奨と除菌の普及啓発についてでございます。  この抗体検査は、感染の有無を調べ、将来胃がんになるリスクについて判断するとされておりますが、国が示すがん検診の検査方法に位置づけられていないことから、本市の胃がん検診事業のオプションとして実施することは難しいと考えております。  しかしながら、胃の健康度チェックとしてのピロリ菌抗体検査や除菌治療については有用性がありますことから、がん検診の周知とあわせ、広く市民への情報提供に努めてまいりたいと、このように考えております。  以上でございます。 80: ◯都市整備局長(小島博仁)私からは、バリアフリー基本構想の実現等について、お答え申し上げます。  本市は、平成十五年に仙台市交通バリアフリー基本構想を策定し、駅などの公共交通機関のバリアフリー化などに取り組んでまいりました。その後、バリアフリー新法が制定され、対象施設が拡大されるとともに、新たに心のバリアフリーという考え方が位置づけられたところでございます。  本市では、新法の趣旨を踏まえ、高齢者や障害のある方々などに参画いただき、まち歩きワークショップを行うとともに、協議会を設置し改善が求められる箇所等の検討を重ねながら、平成二十四年に新たな基本構想を策定いたしました。今後、構想の実現に向けましては、引き続き高齢者や障害のある方々にも御意見を伺っていくとともに、誰もが互いを理解し、支え合う市民意識の醸成を図りながら、バリアフリー化を担うさまざまな主体とも協力し、一体となって取り組みを推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 81: ◯建設局長(吉川誠一)実沢小学校付近における歩道整備等に関する御質問にお答えいたします。  この地域の県道泉塩釜線につきましては、これまで地域懇談会などを通して、歩道設置の御要望をいただいており、この中で実沢小学校の児童数が減少している現状についてもお話を伺っております。本市といたしましては、用地買収を伴う道路拡幅の早期実現は難しいことから、定期的な除草などの維持管理に努めてまいりました。  児童生徒が安全に通学できる環境整備は重要でございますことから、今後、地域の実情を踏まえながら、緊急性や必要性などを勘案し、歩道設置を含めた安全対策について総合的に検討してまいりたいと考えております。 82: ◯教育長(上田昌孝)私からは、通学路の安全対策の質問にお答えを申し上げます。  本市の将来を担う子供たちが、学校に安全に通うことができるよう、環境整備に努めることは大変重要なことと認識してございます。平成二十四年に行った合同点検によりまして、対策を要する箇所として抽出された四百五カ所につきましては、一部他の工事との調整が必要となっている未完了の箇所もございますが、可能な限り迅速な対応を図るべきものとして、各担当機関において着実に対策を講じてまいりました。  こうした道路管理者や警察と学校が連携した取り組みは、通学路の安全確保に非常に有効でございましたことから、現在、次の点検実施に向け、関係機関との調整を進めているところでございます。  以上でございます。 83: ◯交通事業管理者(佐藤清)地下鉄駅構内におけるバリアフリーマナーアップの啓発について、お答え申し上げます。  点字ブロック上への立ちどまりにつきましては、よりわかりやすいよう注意喚起の掲示の見直しを行ったところであり、その後、お客様同士の接触等によるトラブルは確認されていないところでございます。  今後も、さらにお客様にわかりやすい工夫をするとともに、引き続き啓発に取り組むなど、お客様が安心して安全に地下鉄を御利用いただけるよう努めてまいりたいと存じます。 84: ◯病院事業管理者(遠藤一靖)ピロリ菌感染診断と除菌治療に関する御質問にお答え申し上げます。  当院では、自覚症状を持ち受診され、内視鏡検査などで慢性胃炎、胃潰瘍などの疾患が確認された患者さんに対し、ピロリ菌の感染診断を行い、必要な場合にはピロリ菌除菌治療を行っているところでございます。  内視鏡治療を施行した早期胃がん患者に対し調査されたところによりますと、ピロリ菌除菌により、胃がん再発が一定程度抑制される効果が認められていることから、当院でもこの治療を行っているところでございまして、引き続き、必要な患者さんへの治療を進めてまいる考えでございます。  以上でございます。 85: ◯十七番(小田島久美子)二点お伺いいたします。  女性の活躍推進というところで、市長に御答弁いただきました。これまでの市長のリーダーシップ、私たちも認識をさせていただいております。ただ、今のままの課題が多いという現状では、さらなる思い切った市長のリーダーシップをお願いしたいというところで、どういう施策の可能性で活躍の推進ができるとお考えなのか、その点をもう一度お伺いします。  それからもう一点、胃がん対策のピロリ菌でございます。ピロリ菌の抗体検査導入というのは、非常にオプションとしても難しいというところでございました。この質問に関しましては、特別委員会でも取り上げさせていただきまして、そのときも国の動きを見て、その国の動きの中のガイドラインの中に、死亡率を減少させる効果、これについて検証されていないというところで、難しいという御答弁でございました。  しかし、先ほど御紹介させていただきました群馬県の高崎市ほか東京都でも一市七区、これはもう実施しておりますし、そのほかに他都市でも取り組んでいる導入でございます。検診とまではいきませんけれども、こういう他の自治体は、受診率の部分に対して重きを置いて、施策を中心に考えているのではないかと思います。医療に対する取り組みは国で行う、その役割があると思いますけれども、検診受診率を上げていくというのは各自治体が検討していかなければならない問題ではないかと思うんですけれども、もう一度お伺いします。 86: ◯市長(奥山恵美子)女性が社会で活躍することをどのようにバックアップしていくか、ということにつきましての再度のお尋ねでございます。  まず第一は、やはり子供を産み育んでいくということが、女性が家庭における中で大きな役割として、現今の状況の中で仕事を継続する場合の障害になっているということがございますので、これについて、もちろん待機児童の問題の解消のように、受け皿そのものの拡大ということが基本にございますけれども、お話にございましたような専門職の方々の仕事の継続ということで考えますと、例えば、看護師の方であれば、やはり夜間の保育をどうするかとか、受け皿だけではない質の面での充実というのが、これから大きな課題になっていると認識をしてございまして、さまざまな保育関係者の皆様等とお話し合いを進める中で、さらに御要望の多いこうした夜間の問題、また休日や病気になったときの病児対策、それらについても仙台市としてしっかり取り組んでいきたいというふうに考えるところでございます。  あわせて、働いていらっしゃる女性の皆様からは、子育てが一段落したと思ったら、今度は介護で同じような悩みを抱えるようになったということをたびたび、最近は、とりわけ高齢社会の中でお聞きすることでございます。やはり介護も社会的に支えていくということによって初めて、生涯にわたって御自身のスキルを十分に社会の中で発揮していくことができるようになるわけでございますので、そうした介護面の課題についても、施設の充実やさまざまなヘルパーの方々等における支援など、多様な制度の拡充をもってニーズに応えていけるように取り組んでまいる考えでございます。 87: ◯健康福祉局長(高橋宮人)ピロリ菌は胃がん発症の数あるリスクの一つとされておりまして、実際、どの程度関与しているかは医学的に解明されていないということでございます。現時点で解明されておりますのは、胃の粘膜に、がんのもととなりますがん幹細胞ができた場合に、ピロリ菌の毒素がこのがん幹細胞の中に蓄積されて、それが、がん発症を刺激するシグナルを出し続けるというところまで解明されているのが現状でございます。  特に、慢性萎縮性胃炎とか、あるいは潰瘍のある人の場合は、こうしたピロリ菌を除去することによりまして、がん発症のリスクの低減は期待できるものの、ほかにもリスク要因があるために、ピロリ菌を除去したからといって確実に予防できるというものではございません。そのために、がん予防、あるいは、がんの早期発見のためには、定期的ながん検診が必要とされているところでございます。先ほど申し上げましたように、ピロリ菌の有用性、健康度チェックという意味での有用性について、がん検診の周知とともに、市民の皆様に広く情報提供してまいりたいというふうに考えているところでございます。 88: ◯副議長(日下富士夫)次に、ふなやま由美君に発言を許します。     〔三十二番 ふなやま由美登壇〕(拍手) 89: ◯三十二番(ふなやま由美)日本共産党仙台市議団のふなやま由美です。子ども・子育て支援新制度について、一問一答方式で質問いたします。  子供の育ちを支援する枠組みが大きく変わろうとしています。二〇一五年四月からスタートする国の子ども・子育て支援新制度に向けて、市は急ピッチで準備を進めています。国の基準に関する政省令も示されたばかり、公定価格に至っては仮単価が示されただけという極めて不十分な中で、今議会には関連する条例も提案されています。  この新制度は、国と地方自治体による公的責任を後退させ、保育を市場に委ね、もうけの対象にするものだと、保育関係者や国民から多くの危惧の声が広がっていた中で、安倍政権が消費税増税と一体に実施を強行に進めてきたものです。仙台市は、新制度への移行に当たっては、子供にとってよりよいものになっているのか、発達を阻害するものでないのかどうかの視点で取り組まなければなりません。  児童福祉法第二十四条第一項は、市町村の保育の実施責任を明確にしています。一方、第二項に、保育所と保護者の直接契約が持ち込まれました。これを理由にして、行政責任が曖昧にされ、保育を後退させることがあってはなりません。何よりも、子どもの権利条約に明記されている、子供の最善の利益を保障する立場で、基準や事業計画をつくり実施すべきです。いかがでしょうか、伺います。  ことしの四月一日時点の保育所待機児童数は、認可保育所に入所を申し込んでも入れない児童は一千八十三名で、昨年度より百四十四人もふえています。保育ママやせんだい保育室などの保育施設に入所している児童を除いた国定義の場合でも、待機児童は五百七十名になっており、依然として入りたくても入れない状況です。  奥山市長は、昨年の市長選挙時には、待機児童ゼロとは言わず、市民の要求に押された形で、四年間で四千人分の保育基盤整備を行っていくことを公約に掲げました。市民が切実に願っている待機児童ゼロは、市長の言う四千人分の基盤整備で実現できるのでしょうか、お伺いいたします。  新制度が導入されても、この間のすぐれた保育実践をしっかりと生かす取り組みにしていかなければなりません。四月一日現在で六十二施設あるせんだい保育室は、二〇一八年度までの間に新制度へ移行しなければなりません。既に、小規模保育事業を併設して運営している三歳以上児対象のせんだい保育室は二施設です。今後の移行では、認可保育所は二十九カ所、小規模保育事業は三十一カ所になっています。  せんだい保育室から新制度への移行で、今、困難に直面しているのが、せんだい保育室A型の朝市センター保育園です。朝市センター保育園は、一九八七年に開所し、朝市や近隣で働く保護者を支え、ぬくもりのある保育を実践してきました。同園は、せんだい保育室が廃止されるため、認可保育所への移行を目指していますが、市は風営法などを理由に認可保育所にはできないと、当初言ってきました。  しかし、この間、保護者や卒園者、保育関係者など多くの市民が運動に立ち上がり、市の姿勢を変えさせてきました。六月十三日には、二万二千六百八十一人分の署名を市に届けています。市長は、この間の定例記者会見で、新しい制度の中で発展していきたいという園の意向は大事にしたい、課題を一つ一つクリアする方向で、一緒に考えていきたいという趣旨の発言をされました。この立場で進めるべきです。  朝市センター保育園を含めて、新制度への移行にさまざまな困難を抱えているところもあります。せんだい保育室はこれまで、待機児童を数多く抱える本市の保育の一翼を担い、よりよい保育を実践してきました。しっかりと希望する事業へと移行できるように支援すべきです。いかがでしょうか、伺います。  新制度で保護者は認定申請を行い、満三歳以上で幼稚園や認定こども園の教育のみ受ける第一号認定、満三歳以上で保育が必要な第二号認定、満三歳未満で保育が必要な第三号認定の三種類あり、いずれかの認定証をもらうことになります。市町村は、それぞれの子供の教育、保育必要量として、一日四時間の教育標準時間、一日十一時間までの保育標準時間、一日八時間までの保育短時間の三区分で必要量を決めることになります。市は認定申請と審査、交付決定は各区で行うことを想定しているようです。  昨年度から各区に一名、保育サービス相談員を配置し、相談活動や保育サービスの情報提供などの支援を行っていますが、相談窓口での対応がますます重要になります。各区の保育サービス相談員は、もっと人員をふやし、正規職員にし、子供の権利擁護の専門職や保育ソーシャルワーカーのような位置づけを持たせて、保育のニーズをしっかり把握し、支援できるようにすべきです。いかがでしょうか、伺います。  仙台市の幼稚園は、それぞれ特色ある教育実践を行い、人格形成の基礎となる幼児期の子供の成長発達を支えてきました。多くの子供たちがよりよい幼児教育を受け、各園の魅力ある取り組みの中で育まれています。新制度に当たり、公定価格も仮単価のみではっきりと示されない中で、今後の移行を決められないのは当たり前です。  そもそも待機児童解消は、保育の量的整備での対応が求められているのに、そこにお金をかけないで無理やり幼稚園を活用するという新制度の考え方で、これまでの幼稚園の教育実践がさらに充実できるでしょうか。幼稚園が担う大切な役割をもっと高めるために、無理やり新制度の枠に当てはめずに、しっかりと支援することこそ必要です。市は、仙台市の幼稚園を今後どのように発展させようと思っているのか伺います。  六月四日に示された公定価格の仮単価を見ると、保育必要量区分や人件費などから算定した基本部分に、休日、夜間などのさまざまな加算を加えた加算部分を合算しての方式になっています。これまでの国の基準より上がっているようです。実際の運営において、これまでの保育内容を後退させることがあってはなりません。公定価格で必要額を十分に保障すべきです。また、保育料は応能負担の原則で引き上がらないようにすべきですが、いかがでしょうか、伺います。  昨年度、国は、保育士の処遇改善にかかわる補助を全額負担で実施していましたが、ことしは別事業とし、国負担分を四分の三に減らしています。新制度移行後は、公定価格に処遇改善加算分が組み込まれますが、仮単価で示された国の負担分は二分の一だけです。公定価格の枠にはめ込むのでなく、国が全額負担して、別枠で保育士処遇改善のための支援を行うことを強く求めるべきです。あわせて市独自で保育士処遇改善の補助制度を創設することを求めますが、いかがでしょうか、伺います。  国の新制度導入の狙いの一つは、規制緩和で保育の分野を営利企業に明け渡すことです。現にこの間、安倍政権は財界言いなりで、待機児童対策を口実にどんどん株式会社の参入を推し進めてきました。今年度から市が行っている新制度先取りの小規模事業者を見てみると、開所した十四施設のうち九施設は株式会社や有限会社になっています。また、民間認可保育所の中で、株式会社が設置主体になっている保育所は、現在十一カ所ありますが、とりわけ二〇一〇年度以降の設置は九カ所にも上っています。  営利企業の保育への参入の問題点は、全国的に指摘されています。安上がりの経営のために、経験年数の浅い保育士が多い問題、処遇が悪いために定着しない問題、国や自治体からの保育所への運営補助が企業の本部経費として上納されている実態などが明らかになっています。  市は、市内の株式会社立の保育所で、こうした問題はないのか把握されているのでしょうか、伺います。  以上、一括質問とし、以下は一問一答で質問いたします。 90: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの、ふなやま由美議員の御質問にお答えを申し上げます。  私からは、本市における幼稚園の今後について、お答えを申し上げます。  幼稚園が担います幼児教育は、自立した心や他人とかかわる力を養うとともに、基本的な生活習慣を身につけることを通して、小学校以降における学びの基礎を培い、子供たちの人格形成の基礎をつくる根幹に位置づけられているものでございます。  本市におきましては、三歳以上の未就学児の約六割が幼稚園に就園をしておりまして、これまでも幼児期の教育の提供において、重要な役割を果たしていただいているものと認識をしております。  こうした中、多くの方が幼稚園における長時間預かり保育を利用している現状にありまして、質の高い幼児教育と保育を一体的に利用したいという保護者の皆様のニーズには、強いものがあると捉えております。  来年度に実施が予定されている子ども・子育て支援新制度において、認定こども園などへの移行は、各幼稚園の主体的な御判断によることとなりますが、本市といたしましては、市内の幼稚園が長年にわたり培ってこられた幼児教育にかかわる人材やノウハウを生かして、仙台のこれからの将来を担う子供たちの教育と保育にその力を発揮していただけるよう、支援をしてまいりたいと考えているところでございます。  このほかのお尋ねにつきましては、子供未来局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 91: ◯子供未来局長(板橋秀樹)私からは、子ども・子育て支援新制度に関する数点の御質問にお答えをいたします。
     初めに、子供の健全育成の視点に立った基準や事業計画のあり方について、お答えをいたします。  子ども・子育て支援新制度におきましては、全ての子供の健やかな成長のために適切な環境が確保されるよう、社会全体で子ども・子育て支援の充実を図ることとされ、子供の健全育成の視点で施設等の基準や事業計画を策定することが求められております。  このため、新制度における各種基準につきましては、本市がこれまで培ってきた保育の質を確保しつつ、保育の受け皿を確保する観点も踏まえた上で、このたびの条例案の内容に至ったものでございます。  また、平成二十七年度から五年間の事業計画の策定に当たりましても、全ての子供の育ちを支援する観点から、乳幼児期の教育、保育の質の確保のほか、在宅の子育て家庭も含め、地域での子育て支援の充実を図ってまいります。さらに、教育、保育基盤の量的な確保についても、子育て家庭の潜在的なニーズに配慮した上で、その受け皿の整備に努めることとして、当該計画を取りまとめ、その推進を図ってまいります。  次に、待機児童に関するお尋ねでございます。  保育を必要とする児童数につきましては、東日本大震災後の一時的な転入増加の要素も加味しながら、昨年度実施した子ども・子育て支援新制度に係るアンケート調査を基礎に推計を行い、平成二十九年度当初において二万九百人余りと見込んだところでございます。  今後、この推計結果や本年四月の就学前児童数等を加味しながら、保育需要の精査を行い、待機児童の早期解消を目指して、保育基盤の計画的な整備を積極的に推進してまいりたいと考えております。  次に、せんだい保育室に対する移行支援に関する御質問でございます。  せんだい保育室の新制度への移行に当たりましては、国の待機児童解消加速化プランの活用による、施設の改修費や賃借料に対する補助などの財政支援を実施しております。  せんだい保育室については、新制度下においても、これまで培ってきた実績を十分に発揮していただけるように、施設それぞれが抱える事情に配慮しながら、でき得る限り希望に沿った形で、認可保育所あるいは小規模保育事業へ円滑に移行できるよう、きめ細かな支援をしてまいる所存でございます。  次に、保育サービスの相談体制についてでございます。  新制度のスタートに向けましては、区役所窓口での相談が増加するとともに、相談内容も多様化するものと想定し、各区に保育サービス相談員を配置する等の対応を行っております。また、各区において、子供の保健福祉等に関する総合的な相談のため、ケースワーカー、保健師等による子供家庭総合相談を実施しております。  引き続き保育サービス相談員とケースワーカー等が必要な情報の共有を図りながら、保護者のニーズを踏まえた適切な支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、公定価格と保育料に関するお尋ねでございます。  本市の給付水準につきましては、今回、国から示されました公定価格で必要な額が一定程度確保されるものと認識をしております。  また、保育料につきましては、現在、本市の独自施策として、国の基準額より引き下げている状況にあります。新制度におきましては、現在、所得税ベースで設定している料金表を、市県民税ベースに変更するなどの必要がございますので、そうした中で、保護者負担のあり方を含め検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、保育士の処遇改善に関するお尋ねでございます。  保育士の処遇改善事業につきましては、これまで国の補助金を活用し、単年度限りの事業として実施してまいりましたが、子ども・子育て支援新制度のもとで公定価格に組み込まれることによりまして、本市の一定の負担はございますが、国の義務的経費と位置づけられ、継続して処遇改善に取り組めることになったものでございます。  また、今後、新たな財源が措置されれば、さらなる処遇改善が図られるとされており、引き続き、国に要望を行ってまいりたいと考えております。  次に、本市単独での保育士の処遇改善でございますが、新制度施行後に現在の教育、保育施設がどのような形態、規模の施設に移行することになるのかを把握し、影響額を見きわめた上で、助成措置を含めた現行の給付水準と、新制度における給付水準とを比較検証し、その必要性を含め、検討してまいりたいと考えております。  最後に、株式会社の保育所の現状に関するお尋ねでございます。  市内で株式会社が運営する保育所につきましては、平成二十二年四月に開設した施設が多くを占めるため、比較的経験年数が短い保育士が多い状況にありますが、全体として定着率が低いとは認識しておりません。こうした施設に対しましては、毎年実施している指導監査におきまして、児童の処遇や施設の運営管理体制について確認した上で、必要な場合は適宜指導を行い、保育の質の確保に努めているところでございます。  また、市から委託費として支払った運営費につきましては、運営主体が株式会社か否かを問わず、本市と協議を行い、一定の要件を満たすことが確認できれば、法人本部の運営に要する経費にその一部を充当することも認められております。  以上でございます。 92: ◯三十二番(ふなやま由美)ただいま御答弁いただきましたけれども、まず待機児童に関する問題です。先ほどの子供未来局長の御答弁では、待機児童の早期解消に向けて取り組んでいくというお答えでしたが、市長のはっきりとした御答弁がございませんでした。先ほども議論があったところですけれども、二〇一六年度当初までの四年間の今の市の四千人整備の計画で、本当に待機児童が解決するのか。そして、待機児童ゼロを公約として掲げなかった市長、ここでもはっきりと掲げるべきだと、はっきり言うべきだと思いますけれども、最初に市長にお伺いしたいと思います。 93: ◯市長(奥山恵美子)さきにこの議会でもお答えを申し上げましたとおり、本市におきます保育基盤の総量の問題につきましては、当該児童の年齢層の全体に比較しまして、いまだ他都市と比べて低い状況でございます。そうした中で、社会的なさまざまな、働きたい、働き続けたいという女性の方々や、また男女それぞれの双方の方々からのそうしたお気持ちに応えるべく、私としては、本市の財政面、またそれから受け皿となります、さまざまな経営主体の方々の受け入れる力、そうしたものを勘案します中で、最大限の努力として、年度間に千の保育総量を整備するということを考え、それを公約として掲げさせていただいたものでございます。  私の問題意識の基本につきまして、そのようなことでございますので、ここにおきまして、例えば瞬間風速的に待機児童ゼロを達成するということは、あるいは可能かもしれませんが、私としては、そうしたことは市民の皆様に対して責任あるお約束にはならないものと考えまして、私として基本的に考えますお約束をさせていただいたところでございます。 94: ◯三十二番(ふなやま由美)結局、待機児童ゼロとははっきりとおっしゃらないと。その公約にも掲げられないで、今の市民の願いに応えようとしないという姿勢があらわれたというふうに思います。待機児童の問題ですけれども、あくまでも認可保育所への入所を申し込んでも入所できない子供の数を待機児童と言っていますけれども、国は、この間、自治体による認証保育所や幼稚園の預かり保育、特定の保育所を希望している場合などを待機児童から外して、定義をどんどんと曖昧にしてきました。  仙台市は待機児童という場合に、現在はこれまでの新定義と、それから旧定義と、それぞれ把握をされて常任委員会にも報告をしておりますけれども、新制度移行後も、あくまでも認可保育所を希望しても入れない場合を待機児童と捉えるべきだと思います。認可保育所を希望しているのに、定員がいっぱいで入所ができないということで、小規模保育事業などに入所したという場合についても、やはり待機児童と捉える考え方を堅持すべきだと思います。そして、市民ニーズをきちんと把握して、待機児童解決のための事業計画に反映させることを求めますが、いかがでしょうか。 95: ◯子供未来局長(板橋秀樹)新制度における事業計画の策定についてでございますが、市民の方の多様なニーズに対応できるように、昨年秋に実施をいたしました市民アンケートの結果も参考に、さまざまな形態の施設や事業による量の確保に努めてまいりたいと考えております。なお、新制度の開始により、保育所以外にも認定こども園や小規模保育、保育ママなど、本市から認可等を受ける多様な施設等の中から、保護者がみずからの意向により市町村に利用を申し込み、市町村がその希望を踏まえて利用調整を行う仕組みとなりますことから、それらの多様な施設等も保育の受け皿として位置づけることとしております。  以上でございます。 96: ◯三十二番(ふなやま由美)結局、先ほど市長が待機児童ゼロと言えない、言わないということの根底には、この概念、待機児童の捉え方の問題が大きくかかわると思います。認可保育所を希望しても、入りたくても入れない子供という定義は、これは明確にしていくべきだというふうに思うんですね。結局、この支援新制度の狙いの中に、認可保育所を希望しても入れない子供というその概念、待機児童の概念そのものをなくしてしまうという考え方がありますから、これは公的責任を放棄する考え方です。ごまかすのはやめて、しっかりと市民ニーズを把握すべきです。その上で、あくまでも新制度で保育所に入る場合、市は利用調整やあっせんを行うことになりますけれども、認可保育所を希望する人、それから小規模保育所を希望する人、家庭保育室を希望する人、それぞれいらっしゃいますから、選択肢を決めるのはあくまでも保護者自身、あくまでも保護者の意向に沿った対応が行われるべきと考えますけれども、いかがでしょうか。 97: ◯子供未来局長(板橋秀樹)新制度における保育利用の申し込みに当たりましては、保護者の利用希望をお伺いした上で、利用希望が集中する保育所等の場合は、優先度の高い方から順に利用調整を行い、利用可能な保育所等を決定していくという仕組みとなっているものでございます。 98: ◯三十二番(ふなやま由美)それから、小規模保育事業や家庭保育室で保育を受ける対象年齢が三歳未満となります。三歳になれば、ほかの連携施設に移らなければならなくなります。さらに、新制度では、認定書をもらっても入所希望に見合う施設整備がなければ、保護者が行きたくても行けない、受け入れられないという状況は変わりませんから、三歳を迎えたときに行き場を失わないようにすべきだと思います。安定した保育提供を支えるための基盤整備が欠かせないと考えますけれども、いかがでしょうか。 99: ◯子供未来局長(板橋秀樹)小規模保育事業や家庭的保育事業の卒園児童の受け皿となる保育基盤についてでございます。  市民の皆様に安心して小規模保育事業等を御利用いただくためには、卒園後の受け皿となる保育所や認定こども園、幼稚園が確保されていることが大変重要であると認識しております。今後の保育基盤整備に当たりましては、子ども・子育て支援新制度における五カ年の事業計画の中で定めていくこととなりますが、受け皿として必要となる保育需要を踏まえながら、必要な施設整備が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。 100: ◯三十二番(ふなやま由美)しっかりと安定した保育提供のための基盤整備を求めたいと思います。その上でも、やはり認可保育所の整備が欠かせないと思います。その中で、子供の保育の継続の保障のためにも、公立の認可保育所の役割はますます大事になってくると思います。それなのに、仙台市がこの間行ってきた政策は逆行していまして、公立保育所を廃止して、九カ所、八百八名分の定員減らし、これを進めているというのは全く逆行です。廃止計画は今すぐやめるべきだと、これを強く指摘しておきたいと思います。  新制度移行後、三歳以降の連携施設を確保する問題や、障害や支援の必要な子供たちをしっかりと受け入れて、求められるニーズに応えて、保育の量も質もしっかりと保障できるように、公立保育所がその役割を果たすべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。 101: ◯子供未来局長(板橋秀樹)小規模保育事業等の連携施設の確保につきましては、民間保育所、認定こども園、幼稚園のほか、公立保育所についてもその活用を検討することとしております。  また、障害児など特別な支援の必要な子供の保育につきましては、主に公立保育所において処遇の著しく困難な児童の受け入れを行ってきており、現在の役割を基本としながら、新制度における公立と民間の役割について検討してまいりたいと考えております。  こうした取り組みを通じて、新制度下において、公立保育所に求められる役割を十分に果たせるよう検討してまいります。 102: ◯三十二番(ふなやま由美)ぜひ、ますます役割が大事になるわけですから、公立保育所を廃止するなんていうことはやめていただきたいというふうに思います。  次の問題に移りますが、保育への営利企業参入の問題です。先ほど一括質問への御答弁の中で、余りにも仙台市の認識が甘いんじゃないかというふうに思いました。定着率が低いとは認識していないですとか、指導監査でやっていくからいいんだというような御答弁でしたけれども、本当に実態を捉えていらっしゃるのでしょうか。そのことを強く思いました。  私は、市内のある株式会社が運営する認可保育所に勤務していた方からお話をお伺いしました。細切れの配置で、職員とも子供とも信頼関係が築けない。同系列の別な園で人員が足りないと、突然、応援体制が組まれる。保育士は将棋の駒のように扱われて、疲れ果ててやめてしまったと語っておられました。こういうことが、本市の株式会社立の保育所で行われているのです。これで、市は本当に子供たちのよりよい保育の保障に責任を持っていると言えるのでしょうか。どのように認識しているのでしょうか、伺います。 103: ◯子供未来局長(板橋秀樹)保育所の運営内容につきましては、先ほども申し上げましたけれども、定期的な指導監査におきまして所定の基準に適合していることを確認いたしております。また、運営内容につきましては、経営方針、経営内容、さまざまな所定の書式についての記述内容と実態を照合しながら、その適正な運営について継続して指導しているところでございます。 104: ◯三十二番(ふなやま由美)市の認識が余りにもなさ過ぎると思うんですね。認可保育所を運営するときの人件費率ですけれども、八割近くに上るというのが普通の運営です。私、この間、仙台市の認可保育所の中で、株式会社立の保育所がどうなっているのか、当局に資料を出していただきました。決算収支内訳書を見て、大変驚いたことがあります。  それは、株式会社立の認可保育所の人件費率が余りにも低いということです。少ないところでは五割にも満たず、四五%というところまでありました。これは、余りにも異常な運営と言えるのではないでしょうか、伺います。 105: ◯子供未来局長(板橋秀樹)市内の株式会社が運営する保育所につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、比較的最近開設した施設が多いため、経験年数が短く若い保育士が多い状況にあります。そのため、人件費の割合が低い状況にございますが、社会福祉法人など、ほかの主体が運営する保育所と比較して、児童の処遇や施設の運営において支障があるとは認識をしておりません。 106: ◯三十二番(ふなやま由美)四五%にも満たない人件費率で支障がない、それは子供の保育がどうなっているかと心配に思わないんでしょうか、伺います。 107: ◯子供未来局長(板橋秀樹)運営の内容の適否というのは、人件費比率のみで考慮されるものではないというふうに認識をしております。 108: ◯三十二番(ふなやま由美)子供たちの保育、心配じゃありませんか。子供未来局長、お答えください。 109: ◯子供未来局長(板橋秀樹)保育の質の確保につきましては、先ほども申し上げましたように、所定の基準に適合していることを定期的な指導監査等で適宜確認の上、必要な場合は指導を行っているところでございます。 110: ◯三十二番(ふなやま由美)本当に子供たちの命を預かる大事な保育の仕事を担う仙台市が、しっかりとこうした事例がないかということで、是正や勧告、指導を行っていく必要があるというふうに思います。再度、強く決意を求めますけれども、いかがですか。 111: ◯子供未来局長(板橋秀樹)適正な運営の確保というのは当然でございまして、これは制度にのっとって我々として必要な措置をきちんと行っていく覚悟でございます。 112: ◯三十二番(ふなやま由美)さらには、全国的には大手の営利企業による保育所の撤退問題、突然の閉鎖などが起きて、継続しての安心の保育が根底から崩れていると、こういったことまで指摘をされています。市はこうした現状も検討しないで、この間、二十年間の賃借料などの補助を、これを先払いまでして株式会社立の保育所を認可させてきました。全国チェーンの大手のように、保育事業でもうけようなどという営利企業は参入させるべきではないと思いますけれども、いかがでしょうか。 113: ◯子供未来局長(板橋秀樹)国におきましては、待機児童の解消等の課題に対して、地域の実情に応じた取り組みを容易にするため、平成十二年に設置主体の制限を撤廃し、株式会社の参入を可能としたところでございます。本市におきましても、多様な主体により保育基盤の拡充を図るため、株式会社の参入を進めてまいりました。  保育所を円滑に運営していくためには、運営主体の安定した経営が必要であることは、社会福祉法人でも株式会社でも同様でございます。本市では、経営の安定性や経営理念、保育所の運営方針等について十分な確認を行い、年度ごとの指導監査におきましても子供の処遇や経理の監査を行い、必要な指導を行っておりますことから、営利企業であることのみをもって保育所運営の参入を拒む考えは持っておりません。 114: ◯三十二番(ふなやま由美)安倍内閣はどんどん保育の分野、福祉の分野の規制緩和を進めて、新制度に当たっても各自治体に株式会社を参入させないというような取り決めをしないような、そんな通知まで出しているんですね。これは、本当にとんでもない中身だと思います。先ほどからも何度も申し上げていますけれども、子供の命を預かっているのです。子供の保育は、決して商品ではございません。この立場でしっかりと新制度に当たっても子供の最善の利益を保障する保育を提供すると、堅持すると、このことを強く求めておきたいと、これは市長にお伺いしますが、いかがですか。 115: ◯市長(奥山恵美子)子ども・子育て支援新制度の運用に当たりまして、これは仙台市の子供たちがよりよい保育、教育を受けられるようにということで進めているものでございます。 116: ◯三十二番(ふなやま由美)しっかりとした決意もお答えいただけないというのは非常に残念なんですけれども、次に財源の問題で、安倍政権が当初、子ども・子育て支援新制度の財源には、一兆円を超える財源を確保して、量的拡大だけでなく質の向上を行うということを約束していました。しかし、この約束もすっかりほごにされて、ことし三月になってからは、大幅に当初約束から後退して、七千億円の施策案になりました。そのために、当初、質の改善については八千七百億円充てると言っていたのですが、たった三千億円に圧縮されてしまいました。これでは、約束した質の改善すら全くなされないのではないでしょうか。財源保障を国に強く求めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。 117: ◯子供未来局長(板橋秀樹)新制度における保育等の質の改善に向けた財源の確保でございますが、この新制度が成立する際の法案審議の過程におきましては、いわゆる三党合意や関連法案に対する附帯決議におきまして、幼児教育、保育、子育て支援の質、量の充実を図るため、一兆円を超える程度の財源が必要であり、政府はその財源の確保に最大限努力するとの文言が盛り込まれております。  消費税増収分から充当される七千億円程度以外の三千億円超については、今後、国の予算編成過程において、歳入歳出の見直し等の動向を踏まえて、確保に取り組むこととされております。新制度のもとでの子ども・子育て支援の質と量の充実を図るための財源の確保に向け、今後、他の指定都市等とも連携し、国に対して要望してまいりたいと考えております。 118: ◯三十二番(ふなやま由美)しっかりと財源確保に取り組んでいただきたいと思います。そして、そもそも、この子ども・子育て支援新制度の枠組みが消費税と一体になっているというこの制度設計そのものが、根本から間違っていると思います。こんなやり方をやめて、先進国の中でも極めて低い水準にとどめられている子育て支援策について抜本的に引き上げていくことこそ、安倍政権は責任を持つべきだというふうに思います。この立場で強く求めていただきたいと思います。  子供たちの最善の利益を保障する保育の実現こそ重要です。仙台市がその役割を果たすことを強く求めて、質問を終わらせていただきます。(拍手) 119: ◯副議長(日下富士夫)次に、石川建治君に発言を許します。     〔三十一番 石川建治登壇〕(拍手) 120: ◯三十一番(石川建治)社民党仙台市議団の石川建治です。  奨学金制度の現状認識等について伺うとともに、本市における奨学金制度の創設を求める立場から、一問一答による一般質問をいたします。  ことし大学を卒業し県内の企業に就職した青年から、奨学金制度を利用して大学を卒業し、現在は少ない賃金から毎月二万五千円を返済しており、これが四十歳まで十六年間続きます。大学で学ぶことができたのも奨学金のおかげですが、返済はとても大きな負担になっています。奨学金を利用している学生は、決して少なくありません。若い人が将来の夢を持って暮らすためにも、奨学金制度の見直しと、仙台市でも給付型奨学金を創設して学生を支援してほしいとの声が寄せられました。  また、奨学金を利用した子の保護者からも、奨学金の返済は本当に大変、教育費は親の責任と思い、子供にかわって奨学金を返済していると明かされました。  将来の夢と希望を持って社会に出た若者が、既に数百万円の借金を抱え、その返済に十数年もかかるという現実は、その後の人生に大きな影響を与えるものと容易に推察されます。返済期間には、結婚、出産などがあり、子育てや教育の時期と重なります。加えて、仕事でも責任が増し、中には親の介護などを担うこともあり得る時期でもあります。  仮に、大学を卒業した本市の一般職の新規採用者が、親元を離れてひとり暮らしをし、月二万五千円の奨学金を返済する場合、税金や社会保障費、家賃等を支払うと、手元に残るのは八万円前後と想定されます。これで一カ月の生活を賄うことになります。これが、結婚相手も同額の奨学金を借りていた場合、毎月五万円を返済することになります。市長や教育長は、奨学金受給者が急増している現実をどのように受けとめているでしょうか、伺います。  奨学金について教育局に伺いましたら、奨学金に関する相談や問い合わせは、月に一、二件あり、内容は、仙台市に奨学金制度はあるか、奨学金を利用したいがどうすればよいか、といったものと伺いました。相談件数は思ったより少ないと感じますが、これらについての記録はとっていないとのことでした。相談や問い合わせにどのように対応しているのか、伺います。  奨学金を利用する学生は、全国的にふえ続けています。独立行政法人日本学生支援機構の平成二十四年度学生生活調査では、奨学金受給者の割合は、大学学部昼間部で二〇一〇年度に五〇%を超え、二〇一二年度では五二・五%に増加しました。奨学金を返済できない滞納者も急増しています。二〇一二年度には滞納者が三十三万四千人となり、総額九百二十五億円が未返済となっており、滞納者の四割ほどは非正規雇用や無職等であると言われています。  日本政策金融公庫が昨年十二月に発表した教育費負担の実態調査結果では、世帯年収の減少が続く中、教育費用が増加しており、子供二人世帯の年収に占める教育費負担は四〇%を超え、一段と厳しさを増していると指摘しています。日本型雇用制度の解体や、賃金の抑制、削減などで、家庭の経済力が大幅に低下したことによって、奨学金を借りなければ進学させられない家庭がふえたことが、奨学金利用が急増した主な要因の一つであることは明らかです。  さらに、一九八四年の日本育英会法の改定により、日本学生支援機構の前身である日本育英会が行っていた無利子貸与奨学金に、新たに有利子奨学金が加えられ、その後、有利子貸与制度は拡大の一途をたどりました。また、特殊法人等改革基本法に基づいて、二〇〇四年に日本育英会が廃止され、特殊法人日本学生支援機構が誕生しました。特殊法人化により、奨学金制度を金融事業に位置づけ、民間資金の導入も始めたことで無利子貸与の利用枠を狭め、有利子貸与の条件は極めて緩やかなものにして、有利子貸与奨学金の急速な拡大を図ってきたことなどが背景にあると言えます。  奨学金利用が急増した要因や背景について、当局はどのような認識をお持ちでしょうか、伺います。  問題はこうしたことにとどまりません。日本学生支援機構は、重い負担に耐えかねて滞納者が急増してきた二〇一〇年に、債権管理部を設置し、回収の強化を図ってきています。強化策には、三カ月滞納すると個人信用情報機関に登録されるというものがあります。そうなれば、いわゆるブラックリストに登録され、その期間はクレジットやローンなどの審査が通らない可能性が高くなり、生活や社会的信用への影響は大変大きなものとなります。また、滞納が四カ月に達すると、債権の回収は債権回収専門会社に委託され、厳しく取り立てられることになります。  返済金は、奨学金の元本の返済に充てられる前に、一〇%にもなる延滞金、次に上限三%の利息に充当され、奨学金の原資を確保するための元本への充当は後回しになっているため、返済金はなかなか減らず、返済期間も長期にわたることになります。まさに奨学金という名を借りた教育ローンであり、金融事業になっていると言わざるを得ません。  教育評論家の尾木直樹さんは、高額な返済金利がつく奨学金制度は、国際社会に類を見ないと指摘し、国際人権規約で定められている高校、大学の学費無償化条項の批准を拒否し、国連から勧告を受けていた日本は、二〇一二年の民主党政権時に、国連に対して批准の拒否を撤回する旨の申し入れを行ったのだから、無償教育の導入を進める立場にある、と述べています。  日本の教育支出が総支出に占める割合はOECD加盟国中最下位で、OECD平均一三・〇%にほど遠い八・九%となっています。少子高齢社会や人口減少時代を迎えた今日、将来に向け学ぶ意欲や能力のある人材を育てていくことは、これまで以上に力を入れるべきであり、国の責任で具体の事業を進めていくべきと考えます。  そういう意味では、国が高校や大学等の授業料の無償化の導入や、日本学生支援機構の行っている奨学金制度の見直しを進めるよう求めるべきです。早急に取り組むべきは、返済金の充当順位を元本、利子、延滞金の順に変更すること、所得連動型奨学金制度の導入、延滞金制度の廃止などであります。また、二〇一二年の衆院選で、多くの政党が給付型奨学金の創設を公約に掲げ、政権与党に復帰した自民党と公明党もまた、高校、大学における給付型奨学金制度の創設に取り組むとしていましたが、二〇一三年度予算では、創設を見送りました。今年度予算では、対象を限定した奨学金を創設しましたが、全く不十分と言わざるを得ません。制度の拡充を図り、国際社会で当たり前となっている給付型奨学金制度を本格的なものにするよう、国に働きかけるべきと思いますが、当局の御所見を伺います。  急増する奨学金利用者は、本市においても例外ではないと思います。本市内には、高校や大学、専修学校等百二十を超える学校があり、十万人を超える在学生がいます。昨年五月一日現在で、短大生を含む大学の在学者数は約五万人となっておりますが、そのうち奨学金受給者の数を把握しているかを教育局に伺いましたら、把握していないとのことでした。  仮に、全国の受給者率五二・五%でいえば、二万六千人を超える受給者がいることになります。しかし、奨学金制度の利用対象者が人口の一割を占める本市には、給付型、貸与型のいずれの奨学金制度もありません。 121: ◯副議長(日下富士夫)この際、時間を延長いたします。 122: ◯三十一番(石川建治)仙台を含め、全国二十都市ある政令指定都市で、いずれの奨学金制度も持っていないのは、仙台市と広島市の二市のみとなっています。他の政令市では、貸与型は十一市で十四制度、給付型は十市で十四制度となっており、両制度を持っている市もあります。対象者数や金額はそれぞれの市によって違いはあるものの、給付型は高校生を対象としたものが中心で、大学生に対しては貸与型が主になっています。  奨学金制度を持たない本市では、二〇一〇年度から議会の求めに応じて、日本政策金融公庫の教育一般貸し付け、いわゆる国の教育ローンを借りた方に対して、利子補給を行う、高等学校等修学資金借入支援制度を導入しました。昨年度までの四年間で、申請三百三十八件のうち三百三十件を認定し、これまでの財政負担は五百十七万円ほどとなっています。申請及び認定件数や周知方法などを含め、制度の評価や今後の事業のあり方についての所見を伺います。  これまで述べてきたように、少子高齢社会を迎え、今後の人口減少社会への対応が求められてくることを踏まえれば、学都を冠する本市の経済的支援が、利子の補給のみで足りると言えるでしょうか。奨学金制度によって、経済的、金銭的格差を縮小し、若者の能力や学ぶ意欲を支えることは、将来にわたる人材の育成となり、良質な労働力を供給し続けることにもつながることからも、本市として奨学金制度の創設が必要と考えますが、所見を伺います。  以上について当局の答弁をお願いし、以下については一問一答による質問を行います。 123: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの石川建治議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、奨学金受給者の状況などに係る私の認識についてのお尋ねでございます。  奨学金を受給する若者がふえているという現実は、景気の低迷が続く中、進学はしたいが保護者の経済的負担を少しでも減らしたいと願う若者がふえていることのあらわれと受けとめております。もとより家庭の経済的事情により、修学を断念することを余儀なくされ、個人の資質や能力を社会に生かすことが難しくなることは、我が国社会全体にとっての損失であると考えております。  一方で、大学教育など高等教育を受けますことは、より高い報酬の職につく可能性を広げるなど、御本人の受益につながる面もございます。今後の奨学金制度のあり方につきましては、こうした奨学金制度が持ちます意味合い、また既存の奨学金制度の利用の状況などを勘案し、検討を進める必要があるものと受けとめているところでございます。  そのほかのお尋ねにつきましては、教育長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 124: ◯教育長(上田昌孝)私からは、市長が御答弁申し上げたもの以外の奨学金制度に関する質問にお答えを申し上げます。  初めに、奨学金に関するお問い合わせなどへの対応についてでございます。  本市に御相談やお問い合わせをいただいた際には、宮城県が実施する高等学校等育英奨学資金貸付金の制度や、日本学生支援機構のホームページに掲載されている各種奨学金制度について、御紹介しております。  また、震災以降は、さまざまな民間団体から被災者に対する奨学金や給付金などの御案内をいただいておりますので、被災された方からお問い合わせがあった際には、そうした奨学金制度についても御案内をしているところでございます。  次に、奨学金利用の増加要因についてでございます。
     奨学金利用者の増加は、長引く景気低迷によって、家計収入が伸び悩み、その結果、家計に占める教育費の割合が増加していることから、家計がその負担に耐えられなくなっていることによるものと考えております。  次に、給付型奨学金の拡充などの国への働きかけについてでございます。  国に対しましては、これまで指定都市の教育委員会が共同で、日本学生支援機構の貸し付け要件の緩和や、基準を満たす希望者全員への貸し付け、育英奨学金を目的とする法人などに対する税制上の優遇措置の拡充、低所得者世帯の負担を軽減する給付型奨学金制度の実施に対する財政措置などを要望してまいりました。  今後も、今年度から開始される奨学のための給付金の支給状況なども踏まえつつ、さらなる支援の方策などについて、他都市と協議しながら機会を捉えて働きかけを行ってまいりたいと存じます。  次に、本市の高等学校等修学資金借入支援制度の評価と今後のあり方についてでございます。  この制度は、成績要件がある宮城県の奨学金制度を補完するものとして創設したものであり、経済的な理由から修学が困難な生徒を支える役割を一定程度果たしてきたものと認識しております。しかしながら、利用者数が当初の見込みを下回っておりますので、日本政策金融公庫とさらなる連携を図りながら、周知、広報などに工夫を重ねてまいりたいと考えております。  最後に、本市独自の奨学金制度創設についてでございます。  先ほども申し上げましたとおり、今年度から高校授業料の不徴収制度の見直しに伴う国の補助金を活用し、宮城県が実施主体となり、高校生のいる低所得世帯に対し、奨学のための給付金が支給されます。これは返済不要の奨学金であり、就学支援金制度と相まって、高校生が安心して教育を受ける環境が向上するものです。  また、国では大学等への進学を予定している高校生に対し、無利子奨学金を拡充する施策も実施することとしております。こうした国や県の制度を基本として、本市として、その活用を進めてまいりたいと存じます。 125: ◯三十一番(石川建治)奨学金の関係ですけれども、ぜひ、これからも要望を強めていってほしいと思いますけれども、その最後の答弁はちょっと残念でございます。国の新たな給付の費用というのは、総額で二十八億円だったと思いますけれども、あとは県で新たに取り組むということになりますね。私は、本市として主体的にそのことをどう考えるのかということを求めたつもりであります。そういった面では、非常に不十分な答弁と言わざるを得ません。  ちなみに本市でですが、奨学金制度の創設について検討したことがあるのかどうか。あるとすれば、創設に至らなかった理由や課題をお示しいただきたい。検討したことがないとすれば、その理由を伺います。 126: ◯教育長(上田昌孝)本市独自の奨学金制度につきましては、平成二十年度に県や他都市の状況を調査し、本市に導入する場合の検討を行いました。その結果、県の奨学金制度には成績要件があり、希望しても借り入れることができない生徒がいること、また入学時に必要となる一時金を貸し付ける制度がないことなどから、それらを補完する制度が必要と判断し、既存の国の融資制度を活用して、より融資を受けやすい環境を整える制度として、利子補給型の支援制度を創設することとしたものでございます。 127: ◯三十一番(石川建治)利子補給が、先ほど言ったように五百数十万円程度ということになっているんですね。それが本当に学生を支えている力になっているのかどうかということは、改めて考え直すべきだろうと思います。  そもそも仙台市内の在学生がどれぐらい奨学金を借りている人たちがいるのか、どういう状況にあるのかということについて把握していないという話でございました。改めて、この受給者の現状や実態を把握する必要があるのではないかと思いますが、実態調査やあるいは受給動向調査などを行って、学ぶ意欲のある学生等に対する支援のあり方について、検討することが大切だと思いますけれども、御所見を伺います。 128: ◯教育長(上田昌孝)文部科学省が所管する日本学生支援機構では、全国の学生を対象として、学生生活調査を隔年で実施しております。この調査結果からは、学費や生活費のほか、奨学金の受給状況など学生生活の実情が明らかになっております。  仙台市といたしましては、現在、本市の実施する高等学校等修学資金借入支援制度が、創設から四年が経過し、高校入学時に申請した生徒が卒業したことから、それらの学生の卒業後の進路や生活実態などについて調査を実施し、検証を行ってまいりたいと存じます。 129: ◯三十一番(石川建治)全国の自治体で奨学金制度というのは独自にたくさん持っているんですね。ただ、なかなか、大学生を対象にしたものというのは貸与型が多くて、給付型は少ないんです。それは、財源の確保が非常に難しいというのが大きな課題になっているようでございますが、そういった中で、今年度、長野県で新たに県内大学奨学金給付事業をスタートさせました。  受験料及び入学料に、三十万円以内で給付を行うというものなんですね。確かに金額的にも小さいですし、たとえ一時金的な性格であっても、それでも若者の学びを支えようと、こういった自治体の姿勢、このことについては、ぜひ、学んでいいのではないかと思いますが、当局はどのような見解をお持ちか、伺います。 130: ◯教育長(上田昌孝)長野県では、経済的理由により大学への進学が困難である方を支援するため、今年度から返還の必要がない入学一時金を支給することとしております。これは、長野県内の教育事情を見据えた上での、長野県教育委員会における取り組みと考えております。 131: ◯三十一番(石川建治)今の答弁は、ちょっとショックを受けました。そういう答弁ってありなのかということですよ。学都ですよ。学都仙台と言われる都市の教育長が、その程度の認識でいいのかどうかと。改めて、それは答弁し直していただきたいというふうに思いますが、時間もありません。最後になりますけれども、あわせて東日本大震災で被災した学生や生徒に向けて、民間企業や財団が新たに設けた奨学金制度、このことをやってきましたけれども、今後、新規募集を打ち切るという動きが出ているとマスコミ報道がありました。被災者向けの奨学金が廃止された後も、その後も高校や大学、専門学校等に進学を希望する学生というのは、これからも続いていくんですね。そうしたときに、どのような制度設計をするのかというのが、それは今後の検討の中で十分あると思うんです。  全国で二千四百団体を超えるところ、民間を含めて四千以上の制度がある中で、そういったものと組み合わせながら支えていくということが必要なんだろうと思うんです。学都仙台として、能力のある学生に加えて、学ぶ意欲のある学生などを対象にした給付型奨学金制度を創設するように求めますけれども、この点についての所見を伺います。 132: ◯教育長(上田昌孝)先ほどもお答え申し上げましたけれども、今年度から宮城県が実施主体となり、高校生の授業料以外の教育費負担を軽減する給付金が支給されますとともに、育英奨学資金貸し付けもございます。また、日本学生支援機構では、大学生などを対象とした無利子、有利子の奨学金制度があり、ほかにも民間団体が実施するさまざまな奨学金制度がございます。  本市といたしましては、まずそれらの制度の御案内に努めますとともに、高等学校等修学資金借入支援制度について一層の利用促進を図り、学ぶ意欲のある生徒、学生の支援に貢献することを第一といたします。給付型奨学金制度の創設につきましては、導入は考えていないところであり、国や県の制度を基本として、その活用を進めてまいりたいと存じます。 133: ◯三十一番(石川建治)杜の都仙台という冠を持ち、そして学都仙台という、学生たちが憧れてこの仙台にやってくる、そういった子供たちを励ますという姿勢が全く感じられない。非常に残念な答弁でありますが、時間が来てしまいました。  以上で私の一般質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)          ────────○──────── 134: ◯副議長(日下富士夫)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 135: ◯副議長(日下富士夫)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、来る六月二十三日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後五時十三分延会...