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平成25年第3回定例会(第5日目) 名簿 2013-09-12
平成25年第3回定例会(第5日目) 本文 2013-09-12

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  1. 仙台市議会 2013-09-12
    平成25年第3回定例会(第5日目) 本文 2013-09-12


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(西澤啓文)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第五号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(西澤啓文)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、庄司俊充君及び花木則彰君を指名します。          ────────○────────     諸般の報告 3: ◯議長(西澤啓文)この際、報告いたします。  まず、会議規則第二条の規定により、野田譲君から、本日の会議に欠席の届け出がありました。  次に、佐藤危機管理監氏家若林区長から、本日及びあすの会議に欠席する旨の届け出がありました。かわって小野次長、吉岡副区長が議場に出席しております。          ────────○────────     日程第二 一般質問 4: ◯議長(西澤啓文)日程第二 一般質問を行います。  順次発言を許します。  まず、及川英樹君に発言を許します。     〔八番 及川英樹登壇〕(拍手) 5: ◯八番(及川英樹)八番、みんなの党・みんなの仙台、及川英樹です。議長より発言のお許しをいただきましたので、質問をしてまいります。  介護保険について伺ってまいります。
     本市は、平成二十四年度、一千百三十六回の認定審査会が開かれ、三万八千九百四十八人が介護認定されました。介護保険の理念は自立支援です。加齢により身体機能が低下しますが、対策が課題です。厚生労働省は、昨年の春から、ケアマネジャーの資質向上と今後のあり方に関する検討会を設置、さらに社会保障制度改革が進む中、各自治体の運営が課題となります。  まず、本市は、自立支援の現状についていかが認識しているのでしょうか。また、地域包括ケア体制の強化に向け、ケアマネジャーなど生活支援者スキルアップを客観的に確認できる、包括的、継続的なケアマネジメント支援の環境整備が必要です。どのように考えているのでしょうか、伺います。  本市は、十年前に、鶴ケ谷プロジェクトに大学や地域と共同参画するなど、さまざまな考えに基づき介護予防の取り組みに力を入れております。二次予防の取り組みで、豊齢力チェックを六十五歳から八十九歳までに、二年に一度、誕生日の月に直接リストを送付し、生活機能の確認を行い、ことしの四月現在で、不安を感じている一万三千九百八十八人を把握しました。しかし、その中で介護予防に取り組んだのは四%、五百六十人です。このことを重く受けとめ、今年度より手続を簡素化するなど、包括支援センター区障害高齢課がさらに連携して対応に当たっていました。このことについては、今後に期待ができます。そのほか、新たな仕掛けは考えているのでしょうか、伺います。  そこで、介護予防に詳しい専門家に伺ったところ、ポイントは二点、一つは、本人の問題点を探り、実情に合ったケアプランを作成し、生活のビジョンを示す。もう一つは、本人の自主性を誘導する。このことから、厚生労働省の方針、介護予防事業が効果的に進んでいる他都市の状況を調べてまいりました。  埼玉県和光市では、平成十三年度から独自の介護予防スクリーニング健康一〇〇を実施、これは本人の必要量に応じたケアプランづくりを、介護認定者を除いた全ての一般高齢者を対象に、日常生活や健康状態など百五十六項目の質問表を郵送し回収、未回収者に対しては民生委員が訪問調査をしておりました。この結果は、高齢者台帳にまとめられ、本人の問題意識を高めるため全員に健康アドバイス表を送り、個別に合った予防事業を選んでおりました。また、エリアごとに分析、評価し、必要な介護サービスの需要と供給の計画をまとめるなど、高齢者保健福祉施策全般の指針にも生かされておりました。  本市の場合、事業計画は一般高齢者と要介護者の実態調査です。これは六十五歳以上の方を無作為に抽出したそれぞれ五千人、合わせて一万人に三十一項目と五十六項目から成る調査票を郵送、有効回収率は一般高齢者と要介護者で七一%と六三%、人数にして三千五百人と三千二百人、合わせて約六千七百人の調査結果を基礎資料として計画を立てております。  そこで、第六期介護事業計画において実態調査をするに当たり、調査内容の見直しなど、工夫する考えはあるのでしょうか。また、介護サービスに関しても、需要と供給のバランス、分析、評価をする必要がありますが、あわせて伺います。  本市は平成十八年度から、自主グループ支援育成事業を行い、百四十五団体までふやしました。さいたま市の場合、昨年十月から半年間で、八百以上の団体、一万人以上が日々活動をしております。月日を追うごとにふえておりました。なぜ短期間でここまでふえたかというと、長寿応援制度の創設です。この制度は、ラジオ体操などの健康づくり活動、カラオケなどの趣味活動、高齢サロンなどの活動を行ったときにポイントを付与し、一定以上たまったポイントに応じて、奨励金上限五千円に交換できる制度です。  本市のように、お金をかけず、市民の自主性を重んじ取り組むことはとても大切です。しかし、さまざまな自主グループ創設きっかけづくりも重要です。現行の元気はつらつチャレンジカードと連携、さいたま市のような計画、これからの自主活動のあり方として、いかが考えているのでしょうか、あわせて伺います。  次に、豊齢リストで実際把握ができた六割の介護予防の事業への課題と、把握できていない四割の調査です。二次予防の指針などにより、栄養や口腔ケアの回数、体力づくり教室、三カ月の期間で十八回などと決まっておりますが、結果として一万四千人中五百六十人の利用でした。介護保険は、自主性や創意工夫も必要です。例えば、期間や開始日程など利用しやすくするなど、これからの計画を伺います。  また、把握できていない四割の方です。そもそも、この豊齢力チェックは、閉じこもり事業から始まりました。本市の考えている、不安を抱いている方から優先的に事業に取り組むスタンスも、確かに大切です。しかし、閉じこもり防止などの観点から、回答をいただかない方の調査もする必要があると思います。高齢企画課で民生委員が三年に一度、在宅高齢者世帯の全数調査、また包括支援センターが必要に応じて訪問して実態調査を行います。現行でも調査を行っているわけです。調査内容や情報をもっと共有することで、さらに質の高い分析ができるのではないでしょうか。風通しのよい組織運営は、どのようになっているのでしょうか、あわせて伺います。  次に、豊齢力チェックリストの煩雑な事務手続であります。  本市を除くほとんどの政令都市では、配付、集計などを外部委託しておりました。今年度で終わる緊急雇用、これからの業務効率に向け、今後の方針を伺います。  本市は、他都市と比較して、さまざまな施策にいち早く取り組んでいることがわかりました。しかし、先進事例を学び、参考にすべきです。これまで述べてきた本市の取り組み、これからの社会保障制度改革健康都市宣言をした経緯などを踏まえ、仙台から健康寿命を発信すべきです。本市の見解を伺い、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 6: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの及川英樹議員の御質問にお答えを申し上げます。  健康寿命延伸に向けた取り組みについて、お答えをいたします。  介護保険制度は、高齢期において介護が必要となった場合でも、住みなれた地域や家庭で安心して暮らすことができるよう、介護を社会全体で支える仕組みとして、平成十二年度に導入をされ、それまでの家族による介護から、社会保障制度としての介護へと大きな転換が図られたところでございます。この間、本市におきましては、特別養護老人ホームなどの施設サービスや、ホームヘルプ事業を初めとする在宅生活を支えるサービスなど、介護基盤の整備を進めてまいりました。  その一方で、あらゆる世代の市民を対象とした健康づくりや、要介護状態となるリスクの高い高齢者を対象とした介護予防の取り組みにつきましても、市民の皆様や地域のさまざまな団体と連携をいたしながら、積極的に進めてまいったところでございます。  今後、超高齢社会を確実に生き抜いていくために、他都市の取り組みも参考としつつ、新たな介護予防施策を推進し、これを発信しながら、市民の皆様とともに健康寿命の延伸を目指してまいりたいと考えております。  そのほかのお尋ねにつきましては、健康福祉局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 7: ◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、介護保険等に関する御質問のうち、市長より御答弁申し上げました以外の御質問にお答えをいたします。  初めに、介護保険の要介護認定を受けている方の自立支援の現状についてでございます。  介護保険は、身体機能などの状態に応じて、自立した生活を営むことができるよう介護サービスを利用していただくための制度でございます。介護認定の更新は、おおむね一年から二年ごとに行われておりますが、その際、全体の約一割に当たる方が、前回の判定よりも要介護度が改善されたという結果となっておりますことから、介護サービスの利用が身体機能の維持、改善や生活の質の向上の一助になっているものと認識しております。  次に、地域包括ケア体制の強化に向けた、ケアマネジャーなどのスキルアップの取り組みについてでございます。  これまでも地域包括支援センターが、ケアマネジャーなどを対象に専門性を生かした相談支援や研修会を実施し、支援スキルの向上に取り組んできたところでございます。今年度は、地域包括支援センターの職員に加え、保健、医療、福祉の多職種連携による地域ケア会議のあり方を検証するモデル事業に取り組んでまいる予定としております。  次に、介護予防事業への参加促進のための新たな誘導策についてでございます。  まず、介護予防の普及啓発の取り組みとして、本年十一月を介護予防月間と位置づけ、健康づくり体験会など、さまざまなイベントを連続して開催することといたしております。さらに、介護施設などにおいて実施する運動機能や口腔機能の向上を目指した元気応援教室につきましても、開催場所や開催回数をふやすとともに、映像による事業紹介など、新しい取り組みも積極的に行ってまいります。  次に、介護保険事業計画策定のために実施する、要介護者実態調査についてでございます。  この実態調査は計画策定のためのニーズ調査であり、介護の必要な方が住みなれた地域で暮らしていけるよう、必要な施策の推進につなげるため、前回三年前に実施した調査項目について追加等の見直しを行っているところでございます。また、調査結果の分析においては、クロス集計を用いながら地域ごとの特性を見きわめ、計画の策定に資するものとなるよう、的確な介護ニーズの把握に努めてまいります。  次に、介護サービスの需要と供給のバランスの分析、評価についてでございます。  介護保険事業計画の策定に際しましては、実態調査の結果から得られる介護ニーズを把握、分析し、必要な介護サービスの供給量を適正に見込むことが重要であると考えております。その上で、サービス提供事業者の参入意欲なども考慮し、サービスごと、地域ごとの需要供給のバランスなども勘案しながら、介護サービス提供基盤の着実な整備に努めてまいります。  次に、介護予防を行う自主グループ育成についての現状と今後の取り組みでございます。  本市では、要支援、要介護状態となるリスクが低い、いわゆる一次予防事業対象者に向け、介護予防の普及啓発を行うとともに、自主グループリーダー育成と、その後のスキルアップ研修などを行ってまいりました。その結果、介護予防の取り組みを継続して行う自主グループが着実に増加してきており、本市としては、こうした取り組みを継続して進めてまいります。なお、御紹介の事例につきましては、その効果や課題、さらには実現可能性も含めまして検討してまいりたいと考えております。  次に、介護予防事業の利用者をふやすための工夫についてでございます。  要支援、要介護状態になるリスクが高い、いわゆる二次予防事業対象者については、できるだけ多くの方に介護予防に取り組んでいただくことが重要と考えております。これらの方々を対象とした元気応援教室について、新たに短期間の体験教室を開催するなど、参加者数をふやす取り組みを進めてまいります。  次に、高齢者支援にかかわる組織間での情報の共有等についてでございます。  在宅で健康面に不安を抱えるひとり暮らし高齢者の方などを支援するためには、庁内関係部局はもとより、民生委員児童委員地域包括支援センターなど、関係者間の情報共有と連携が必要であります。御指摘の在宅高齢者世帯調査の結果は、これまでも、民生委員児童委員の見守り活動や消防局の防火指導に活用されているところでございます。今後、こうした関係者間での情報の共有と効果的な活用が一層図られるよう、連携を密にしてまいります。  最後に、豊齢力チェックリストの送付、集計等の事務の効率化についてでございますが、本市では、現在、国の緊急雇用事業を活用しているため、外部委託は実施していないところでございます。緊急雇用事業が終了する際には、外部委託を含め効率的な事業の実施方法を検討してまいります。  今後とも、市民の皆様が住みなれた地域で安心して暮らせるよう、介護予防の充実、強化に取り組んでまいる考えでございます。  以上でございます。 8: ◯議長(西澤啓文)次に、大泉鉄之助君に発言を許します。     〔五十二番 大泉鉄之助登壇〕(拍手) 9: ◯五十二番(大泉鉄之助)市長選挙も終わりました。見事二期目の御当選を果たされた奥山恵美子市長に、改めて衷心より祝意を表したいと思います。  しかし、事が終わり、今し振り返るとき、大変残念でならないことがあります。それは、向こう四年間にわたる百六万仙台市民の生活とその基盤をどのように構築するのか、あすへのさらなる都市づくりがどのように展開されるのか、これら重大事が問われた極めて重要な選挙であったにもかかわらず、その選挙は、論戦もさることながら、選挙戦そのもの、いたって盛り上がりに欠けたものに終始したのであります。結果、市民有権者の高い関心と参加を呼び込むまでには至らなかったのであります。そのため投票率は過去最低の三〇・一%にとどまり、無効投票も七千百八十四票を数え、有権者の実に約七割が棄権した結末となったのであります。  当選された奥山市長の相対得票率が、有効投票数の七四・七%であったことはよしとしても、全有権者に占める得票率は何と二一・九%にとどまるなど、何とも残念至極であります。この結果が、今後、仙台市民の市政に対する参加意識の低さの査証などとやゆされ、喧伝されることになりはしないか。また、市政運営、都市経営の施策展開の上で、ためにしたあしき物言いの源とならなければよいがと、ひそかに案ずるものであります。  そこで、これらを念頭に置き、ここ数年来、本市が重点施策を展開する中で物足りなさを覚え、不安さえ募らせてきたことについて申し上げてまいりたいと思います。それは、本市の経済力をいかにして向上させるかであり、それにより、さらなる安全・安心の地域社会をいかに構築するかという一点であります。  その一つには、去る六月、本市が政府に対して行った、国に対する要望でも明らかであります。今後、復興に向けた歩みをさらに加速していくとともに、復興のその先を見据えた施策にも鋭意取り組み、東北の復興を先導する役割を果たしてまいる所存ですと、その前文では高らかにうたわれております。しかしながら、実要望の各論においては、復興特区の活用により企業誘致を図る、東部地域の農業の復旧・復興について農地の集積をさらに進めていく必要がある、緊急雇用創出事業の継続は必要不可欠であると述べ、肝心の要望は、復興特区の税制上の特別措置の延長、農業の担い手に対し各種支援施策を充実、拡充、緊急雇用創出事業を継続との項目にとどまっているのであります。  何度も申し上げてまいりましたとおり、今日、本市における緊急にして喫緊の課題は、大震災被災からの復旧・復興事業にあることは論をまたないところであります。しかし、せっかく本市が国に対する要望の機会に接していながら、国の今次の成長戦略を捉えた、復興後のその先を見据えた、復興後のその先を見通した施策展開に関する国の支援、本市における国の施策の展開を何ゆえ求めないのか、まことにがっかり、不満を覚えるものであり、市当局の気力を感じないのであります。  私は、かねてから申し上げてまいったとおり、阪神淡路大震災直後から現地の支援、調査に赴き、震災後の復旧・復興の実情を把握するとともに、復興後の地域経済の落ち込みと、そのために行財政がいかに困難をきわめたかについて、その実態をつぶさに観察してきたものであり、それに伴う提言、提案を本市に対し重ねていたしてまいったのであります。その時期の奥山市長は、女性企画課長や生涯学習課長をされておられた時代であります。  さて、めでたく二期目の当選を果たされた奥山市長の新しい任期は、平成二十九年八月までであります。よって、今任期の後半は、五年間の復興計画事業を卒業し、復興後の平常時における、いわゆる未来創造計画ともいうべき事業が、つち音高く推進される時期となるのであります。市長が、今次選挙に当たって市民に示された選挙公約、いわゆる百六万市民の皆様とのお約束にも、どういうわけか、先行きの地域社会に経済的な豊かさを呼び込む施策の展開が欠落している。聞こえたのは、交流人口増加との言葉だけでありました。  また、経済戦略として、加えて食料安全保障としての農業政策も見当たらないのであります。あるのは、これも復興計画をなめたというか、なぞっただけのもので、あえて数を上げれば具体の方策そのものは全く見えにくい、新規雇用十万人創出、新規開業率日本一中小企業支援条例制定、農と食のフロンティアづくり産業集積地区再整備などにとどまっているのであります。  どのような戦略、戦術を駆使して、本市が地域社会の経済力創出とその増強を展開し、もって東北地方全域の牽引車たらんとするのかがうたわれていないのであります。東西線に関してもしかり、開発型地下鉄を目指すことを創意に、整備事業に着手した基本である沿線まちづくりについても、具体策は何もなく、地域協働をうたうだけであります。申すまでもなく、あらゆる人々が安心して暮らせる地域社会の福祉も、医療も、教育も、文化も、芸術も、スポーツも、その基盤は一に、どれだけの経済力が完備した自立した地域社会を創造し得るかであります。どうにも、せっかくの経済局の努力も、存在そのものも、何かもやにかすんでよく見えないのであります。  去る七月八日、宮城県の発表によれば、一昨年度の県民経済速報によると、県内の経済成長率は、名目が前年度比四・七%減、実質二・九%減とのことで、大震災の被災による大幅な落ち込みが数字の上でも明らかなのであります。これは一大事であります。また、市長選挙の期間中に、地元紙河北新報が行った世論調査の結果においても、復興以外の市政課題として、回答者が最優先で取り組むべき課題と答えたのは、第一位に群を抜いて、経済活性化や雇用でありました。これは市民の偽らざる心のうち、本音であります。  これらの実態を勘案すれば、本市の地域経済再生、振興の施策展開は、まさに待ったなしであります。復興計画は順調に進捗し、二年半後には大方の目標達成の日を迎えることになるでありましょう。そのとき復興特需、復興バブルとも言われた特異な時代を卒業した本市地域社会が、あの阪神淡路大震災復興後の轍を踏むことがあってはならないのであります。今こそ復興事業促進に並行させ、復興後の地域社会の経済の進展、経済の活性化、経済力の惹起を、確実に展開するときであります。  奥山市長は、たしか東北大学経済学部の御出身と伺っております。今次選挙の啓発コマーシャルではないが、手を打つのは今でしょう。二期目を順調に船出した奥山市長の、腰を据えた本市経済発展戦略についての決意と所見を求めるものであります。  以上で終わります。(拍手) 10: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの大泉鉄之助議員の御質問にお答えを申し上げます。  本市経済の発展戦略について、お答えを申し上げます。  本市経済は、震災後の復興需要により企業業績の回復も見られたところではありますが、最近の需要の減少とともに景況感は低下の傾向を示しており、復興後を見据えての発展戦略をいかに描くか、まさに正念場を迎えていると認識をするところでございます。特需の追い風はいつかはなぎとなり、やがてやんでしまいますことは、阪神淡路の際に実際に生じたところであり、我々はこれに学び、風のやまぬうちに手だてを講ずることが肝要と考えるものでございます。  その第一の視点は、東北全体の復興と成長に寄与する、そのようなことであります。  商都仙台の商圏や取引先は、東北全体に及ぶところであり、本市はある意味で東北全体に支えられ、発展してまいったという面がございます。今こそ本市に集積された学術機能や物流機能、高速交通体系網の力を存分に発揮をし、国家規模のビッグプロジェクトを東北へ誘致し、国家としての経済成長の恩恵を東北の隅々に行き渡らせてまいりたいと考えるところでございます。  本市が岩手県や宮城県、東北経済連合会と共同で進めております国際リニアコライダー計画は、まさにそうした目的にかなった事業であり、国家戦略特区の活用など国の政策との連動や、国連等の国際機関、グローバル企業との連携などを模索し、東北全体が潤うよう支援や投資を呼び込んでまいりたいと考えております。  発展へ向けての第二の視点は、本市の特性を生かした成長戦略を構築するということでございます。  企業立地においては、安価で広い土地を必要とする組み立て型製造業については仙台広域都市圏に、それらを支えるいわゆる仙台版ものづくり関連産業は本市市域内にそれぞれ集積を目指し、各企業間の取引の拡大等を図るといった戦略が効果的なものと考えております。  さらに、学術研究機能の集積という強みを生かしての藻類バイオマスを初めとする新エネルギーへの取り組みや、五千ヘクタールに上る農地を生かすための六次産業化等による収益性の高い農業の展開、新たな投資や新事業を生み出す日本一起業しやすいまち仙台など、将来の成長力を確保するために新たなチャレンジを進めてまいります。  今後、中小企業支援条例の制定や、経済懇話会の設置等を通じ、中小企業の方々や市民の皆様と戦略やビジョンを共有し、必要なものは前倒しをして実施するなど、強い決意をもって復興後の仙台を支える産業づくりに取り組んでまいります。  私からのお答えは以上でございます。 11: ◯議長(西澤啓文)次に、菊地崇良君に発言を許します。     〔一番 菊地崇良登壇〕(拍手) 12: ◯一番(菊地崇良)一番、自由民主党・仙台、菊地崇良が一般質問を行います。  本日で、大震災から二年半が過ぎました。被災された方々の日々のお苦しみに心からお見舞い申し上げます。  本定例会は、市長再選後の初めての定例会であります。いわば今期市長の施政方針の確認の場でもあるわけですから、その位置づけを踏まえながら、平成二十六年度予算編成方針案に記述された基本的な考え方のうち、その先を見据えたまちづくりの一点に絞って質問いたします。  中央政府は、平成二十五年六月十四日、日本再興戦略、JAPAN is BACKを閣議決定いたしました。いわゆるアベノミクスであります。  御存じのとおり、金融政策、財政出動、新たな成長戦略を三本の矢として、規制、制度改革、官業の開放による民間の力を引き出しながら、男女各世代を最大限活用しつつ、世界で活躍する人材を育成し、技術立国の再興を図ることによって、産業基盤の強化、新たな市場の創造、国際市場の獲得を期し、もって十年間の平均で名目成長率三%程度、実質成長率二%を実現することによって、十年後には一人当たりの名目国民総所得を百五十万円以上拡大を目標としております。  一昨日決定した東京オリンピックの開催が、この第四の矢と位置づけられたことは、記憶に新しいところであります。  この閣議決定された日本再興戦略において、具体的施策の一つとして、総理主導によって国家戦略特区の創設が位置づけられました。国家戦略特区創設の趣旨等について、要約して述べてみます。  第三の矢である新たな成長戦略のかなめとして、国家戦略の観点から、内閣総理大臣主導のもと、大胆な規制、制度改革等を実行するための強力な体制を構築して取り組む国家戦略特区を創設する。同特区は、規制改革の実験場として突破口を開く、国、地方自治体、民間の各主体が三位一体となって取り組むプロジェクトを対象とし、大胆な規制、制度改革を行い、制度設計に応じた税制措置を検討の上、必要な措置を講ずる、であります。  日本経済を停滞から再生に導くため、広く現場から提案を募集して特区でまず実施し、成果分析を行い、新制度を創設していく流れによって、国際競争力の向上、アジアのビジネス拠点の形成や起業、人材、アイデア交流の場の拡大、イノベーションによる生産性の向上等によって、世界で一番ビジネスのしやすい環境をつくっていく構想であります。今回の特区は、単に地域を対象にするだけではなく、拡張的な定義としてバーチャル特区、すなわち分野等も特区として認定することにしてあるのも特徴です。また、企業実証特区も併用して提出してよいのも着目点であります。  この創設に際して、本年五月以降、地域活性化担当大臣のもと、民間有識者等から成るワーキンググループが立ち上げられております。ワーキンググループは、五月から八月にかけて、有識者や各省庁からのヒアリングが行われ、国家戦略特区において実現されるべき規制改革の例として、都市再生、医療、介護、保健、雇用、人材、教育、農業、そしてエネルギー、文化、芸術、クールジャパン、インフラ等の民間開放、行政改革等の広範にわたる規制改革の可能性が提示されております。  これらを受け、政府は国家戦略特区に関する提案募集要領を発表し、八月十二日から提案を順次受け付けし始め、昨日九月十一日の十七時に第一次募集が締め切られました。  これまでの提出状況ですが、北海道、新潟市、茨城県の牛久市、東京都を中心とした同各区及び民間事業者による合同案、愛知、岐阜、三重県、静岡県、名古屋、静岡、浜松市の合同案、単独での愛知県、関西経済連合会、兵庫養父市、福岡市が既に提出を終えています。内容は、企業誘致促進のための法人税、事業税、不動産取得税の免除、次世代自動車の拡大、医療、介護機器等開発のための規制緩和、農業等新産業創出事業、新たな企業と雇用を生み出すための規制緩和等々さまざまであります。  政令市を例にとれば、県との共同で三市が、また単独では二市が既にエントリーを終えております。本市と比較の対象となる新潟市などは、何と農業力を最大発揮するニューフォードバレー特区、また南海トラフで被害を受けない利点を打ち出しつつ、東アジアとの交流促進拡大を期する環日本海ゲートウェイ特区、起業促進のためのそうぎょう特区を軸に、エネルギー問題も絡めて構想を策定しております。  さて、国家戦略特区は仙台市にとって有益なのでしょうか。近年、国内外を取り巻く環境の変化とスピードはすさまじく、本市を取り巻く環境についても逐次の分析と評価が必要となっております。当面の本市市政運営に大きな影響を及ぼす要素を大づかみに列挙するならば、復興計画が上げられます。復興計画は、他に例を見ない五年に定め、復興特区も四種類申請しています。しかし、本特区は震災後五年で受け付けを終え、措置については震災後十年までの時限が定められております。  また、二年後の平成二十七年度には、震災復興計画が一応の結節を迎えます。同じく平成二十七年度には、地下鉄東西線が開通、七年後の平成三十二年には東京オリンピックが開催され、宮城、仙台でも会場誘致を目指すでありましょうし、一定の経済効果が期待できると思料いたします。  しかしながら、平成二十六年度予算編成方針や総合計画二〇二〇などに記述されているとおり、世界的諸課題や国内の少子高齢化、人口並びに労働人口の低下、財政及び社会保障制度等の影響や、社会経済構造の全体の変化の懸念は大課題であり、中央の動向を注視しつつ、その動きに連動した当面の本市による措置は当然のことながら、あわせて先ほど述べたオリンピックなどの主要事業が終了した後を見据えた中長期の構想策定と各種の先行的措置が、本市においてもさらに求められていることに疑いはありません。  市長は、連日の質疑応答において、総合計画、基本計画等に基づき、都市の活力や魅力にあふれるまちづくりに取り組む旨の御答弁をされていますが、確実性と実現性の高い計画的市政運営と認識いたします。しかしながら、計画は時の状況の変化に応じて逐次見直しされるべきものであり、震災復興計画などはまさにそれとしてつくられたものでありましょうが、同時に、臨機に目的を達成することができる手段、手法等が見出された場合には、戦機を逸することなく、これを取り入れ、目標への近道をつくり、さらなる成果を生み出すことも、仙台市を取り巻く環境の激しい近年だからこそ、なお求められるものと信じます。  まして中長期にわたり効果を及ぼすことなら、なおさらと思います。措置すべき将来への数々の対応策について、引き続き、あるいはこれまで以上に知恵と脳漿を絞って求めていくべきであります。  以上のことから、政府が提示した国家戦略特区は、仙台の都市像具現のための大変有効、有益な措置の一つになり得ると考えますが、以下お尋ねいたします。  本案件につきましては、都市の戦略にかかわるものであり、短期と中長期の異なる時間軸と、高次元の視点を持って全体、横断的事項を統括調整する戦略部署、司令塔が必要でありますが、担当部署はどこでありますか、お尋ねします。  国からは、本案件に関する情報がいつごろ提供され始め、本市としてのワーキンググループにおける検討状況や、八月二十三日に実施された国の説明会を含む一連の情報収集への分析、対応はどのように行われたのか、伺います。  また、分析、対応に当たっての宮城県との調整経緯は、さらに本市産学連携推進の対象となっている経済、福祉、教育等の各種団体、東北大学を含む学術界との調整経緯はいかがだったのでしょうか、お尋ねします。  奥山市長が二期目に臨むに当たり、市民に約束した復興、防災、雇用、起業、地下鉄東西線に係る都市整備、スポーツ、文化、環境、福祉、情報等の広範にわたる市長公約の具現のためにも有用と思料するが認識を伺います。さらに、東北で唯一の政令指定都市として、その地位を意識し、国家戦略特区について積極的に研究をし、東北全体の発展に寄与することも本市の役割と考えますが、御認識を伺います。  当面の最重要課題である震災復興特区、最長十年間で終了するわけでありますが、事業の確実性をさらに向上させるために、国家戦略特区に包含して申請することの必要性と可能性について、分析結果をお伺いします。  さきの質問において、ILCについて活用する旨の市長の御答弁がありましたが、仙台市として国家戦略特区案について申請をしたのか否か、また政府は昨日一次締め切りを終えましたが、この後も受け付けをするとの情報があるのか、お伺いします。  以上を踏まえ、仙台市として今後、国家戦略特区制度の活用について積極的に分析し、産学連携や関係機関との連携を強化し、希有な頭脳が集結している本市の力を結集し、将来の理想の絵姿を描くべきと考えますがいかがでしょうか、お尋ねします。  最後になります。国家戦略特区申請については、検討対象となるべき要素について私案を申し上げたいと思います。例えば、仙台市の推進しております持続エネルギー戦略に係る全市先進的な取り組みは、これは世界に誇るべきものですし、全人類にとっても有益なものであると認識します。私も先般提案したことがありますが、あわせて震災復興地域沿岸部一帯のオーランチオキトリウムの大規模精製工場の開発運営、あるいは木質バイオマスやシェールガスの発展性を見込んだ新世代の複合的エネルギー開発都市のための特区申請も、有力な一案ではないかと提言します。  さらに、さきの定例会で提言いたしました我が国の港湾、海上輸送の競争力強化の一役を担いつつ、東北振興の核を強化しながら、来る南海トラフ地震によって被災するおそれのある京浜、阪神の各国際戦略港が機能停止した場合の国家的補完、代替機能を仙台塩釜港が担うことについて、国のリスクマネジメントを国に認識させ、特区制度を申請しつつ、国土強靱化政策の一環として、仙台港一帯に資源投資を訴える絶好の機会でもあると考えます。  さらに来年十二月に、タイとの定期便就航等が開始されるわけでありますが、観光、経済、人事交流等の各分野に、ここに係る特区制度を活用、反映し、実績向上、成果拡大の可能性についても考察すべきではないでしょうか、提言いたします。
     以上申し上げ、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 13: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの菊地崇良議員の御質問にお答えを申し上げます。  国家戦略特区に関してのお尋ねでございます。  先般、募集要項が示されました国家戦略特区は、国と地方公共団体、民間の三者が一体となって、我が国の経済成長に大きなインパクトを与えるプロジェクトに取り組むものでございます。被災地としての東北には、既に復興特区という制度がございますが、将来へ向けての東北全体の発展ということを考えますとき、これとあわせて国家戦略特区の活用を図っていくことが必要と考え、この間検討を進めてまいったところでございます。  このたび、宮城県及び岩手県、東北経済連合会とその協議が整いましたことから、昨日、本市を含む四者の連名により、国際リニアコライダー計画の推進などを中核とする戦略特区を提案したところでございます。本市独自の戦略特区につきましても、今後、幅広く検討を進めてまいりますが、事業規模や波及効果など、国家戦略としてインパクトのある内容とすることが眼目となるところであり、そのような視点に基づき、本市の有する特殊機能や学術資源などの活用、連携の可能性を十分精査をいたしながら、鋭意作業を進めてまいる所存でございます。  そのほかの御質問につきましては、総務企画局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 14: ◯総務企画局長(高橋一典)市長がお答えした以外の御質問にお答え申し上げます。  国家戦略特区は、東北全体の活性化にとって有用なツールであり、全庁横断的な取り組みが不可欠との認識のもと、総務企画局が総括役を務め、関係部局と連携し、取り組みを進めることとしたところでございます。八月上旬には、国から提案募集要項が公表され、その後、説明会が開催されました。その中でいわゆる三大都市圏限定ではなく、広く全国の都市や地方も対象となることが示されたことを受け、関係機関と協議を進め、昨日の四者による共同提案に至ったものでございます。  復興特区につきましては、制度上その位置づけが異なっておりますことから、現在の復興特区の枠組みの中で事業を進めてまいりたいと存じます。復興後において、本市が成長を持続していくため、国家戦略特区について先ほどの案件に加え、本市独自の提案を模索することが必要と考えているところであります。先ほど市長がお答え申し上げました視点に基づき、今後、本市としてさらに情報の収集や分析に努めまして、特区活用の検討を進めてまいる所存でございます。  以上でございます。 15: ◯一番(菊地崇良)御答弁ありがとうございました。  国際リニアコライダーについて、昨日提出を図ったということについては、賛意を申し上げます。その上で、老婆心ながら一つ質問をしながら申し上げるのですが、今回のILCについても共同ということで、またそれが将来確実かどうかということについては、これはまだ不明であります。これは募集中、当然でありますけれども。そういうことをつらつらと考えたときに、今回、今国家戦略特区の分析に当たりまして、仙台市にどう絡められるかということで、市長の公約を改めて深く拝読させていただきました。  その中には、ほとんどの文言の中に、ほとんどの文章の中にチャレンジという言葉が散りばめられております。まことにすばらしいなと。チャレンジは何かなと考えたときに、いわゆる挑戦であると。挑戦とは何ぞやということを分析してみました。市民と仙台市役所、あるいは市議会にとってどうかということを大きく三つ感じたところであります。  一つ目は、市政目的の達成のために、そのチャレンジをもって目標をかち得ると、いわゆる勝利して目的を達成するということだと。これが一点目。  二点目は、負けるかもしれないけれどもチャレンジをすることによって、仙台市の名を内外に示す。特に中央政府に示す。もしくは東北六県の各都市あるいは市民に対して、この頑張っている姿を見せる。これが次回の国からの仙台市に対する意識の傾注、あるいは東北が仙台に引き続き求心者として行動を連携してくれるという信頼醸成にもつながっていくのかなと。市民もまたしかりであります。  三つ目のチャレンジ。これも負けるかもしれないけれども努力をすることによって、高い目標に、あるいは独自のものをつくっていくことによって、その力が養われると。本市の職員の方は非常に優秀な方が多い。仙台市も優秀な方をいっぱい輩出している。だから、そういったいわゆる潜在的力のあるところでありますから、さらに高い目標を持つことによって、今までよりも東北の中心であったのが、これが全国の中でさらに高い位置づけである都市となり得る可能性が、この努力をすることによって求められるのではないか。失敗を恐れてはいけないということなのかなというふうに分析しました。  こういったことをつらつらと考えたときに、随時、今回のILCについては共同で御提出ということではございましたが、しかし単独で、仙台市独自の、仙台市発のというものを、先進事例をつくっていただきたいと考えております。ぱっと考えてみたときに、仙台市が初めてつくった事業というのは、復興事業に関する独自支援はありましたが、平素の業務における先進事例というのはなかなか見当たらないのかなと。私の勉強不足かもしれませんが認識しました。ぜひ、本機会を仙台の先進事例発信の場にもしていただきたいということを申し上げたいと思います。  オリンピックはできますが、オリンピックも努力をしたと、頑張るという目標があったから、あそこまでいったと。インターハイには何とかいけましたという話もございますので、ぜひ、頑張っていただきたいということがあります。  そして、最後に申し上げたいのは、今回の復興に関しての大目標が一番でありますが、今の国家戦略特区というのは、この震災復興の後押しを必ずやつけるものであると考えますので、必ずや震災復興の後押しになると思います。二期目の仙台市長に申し上げたいのは、そういった手がたい仕事で一歩一歩というのは間違いありません。ですけれども、ぜひ、次の新しい事業についても、失敗を恐れずに突破していっていただきたいと。そういうことを申し上げ、市長の改めての御認識を問うて質問させていただきます。よろしくお願いします。 16: ◯市長(奥山恵美子)国家戦略にチャレンジする、挑戦するということの意義についてのお尋ねというふうに受けとめてございます。確かに挑戦、チャレンジということの中には、ただいま結果としての失敗があり得るという御例示でございますけれども、リスクがあるからこその挑戦だということにつきましては、私も議員と意見を同様にするものでございます。  行政におきましては、確実にその成果を上げるという使命もございますけれども、しかしながら、分野また事象によりましては、これは挑戦しなくては結果が得られないという分野もあることも事実でございます。私どもそうした中での今後の仙台市の都市のありようをしっかりと考える中で、果たすべき挑戦はしっかり果たしていくということが、このたびのお約束の中に、五つの分野にわたるチャレンジとして述べさせていただいたことの、私の根底に持っている心構えというものでございます。  ただいまいろいろ御例示いただきましたことも踏まえ、仙台の都市として、どのような戦略の方策が単独で持ち得るのか。また現時点におきましては、連携する力というのも都市が持つ大きな力だと考えてございますので、その可能性も模索しながら、この国家戦略というプロジェクトについての仙台のチャレンジを進めていきたい、そのように考えてございます。 17: ◯議長(西澤啓文)次に、加藤けんいち君に発言を許します。     〔四番 加藤けんいち登壇〕(拍手) 18: ◯四番(加藤けんいち)議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。市民フォーラム仙台の加藤けんいちです。  まず初めに、さきの第一回定例会の一般質問において、ソーシャル・ネットワーキング・サービスを活用した行政広報について取り上げさせていただきました。趣旨としては、市民一人一人とつながることのできる双方向のソーシャル・ネットワーキング・サービスを活用することで、これまで以上に多くの市民の声を聞くことができ、防災、行革、子育て、観光などを初め、市民ニーズを捉えたタイムリーな情報発信と広聴活動に結びつくもので、早急に開設すべきと提案したものでありましたが、当局の御努力もあり、総務企画局広報課によるフェイスブックが、先月の八月十五日から運用を開始されました。  仙台市の公式ウェブサイトの右下へ、ソーシャルメディアのアイコンが追加され、まだまだ目立たないことなど若干の修正は必要であると思いますが、効率的に情報発信することで、自治体の広報広聴機能を充実することが可能になるものと考えます。運用に当たられた当局の御努力に敬意を表するとともに、今後の情報発信に期待をするものであります。  現在は、一日一回から二回の情報発信にとどまっているようですが、今後、市民一人一人とつながることのできる双方向型のフェイスブックは、多くの市民の声が寄せられることが想定されます。市民の声に応えるためにも、各部局との調整や、市民から寄せられた声への対応など、広聴活動に対する対応体制も必要になるものと思います。佐賀県武雄市のように、フェイスブック課を設置し、積極的に取り組んでいる先見事例もありますが、本市として、今後、どのような体制整備を図っていくのか、当局の御所見をお伺いいたします。  次に、第二点目は、仙台自分づくり教育と、土曜日授業再開についてであります。  本市は、平成二十年度から、仙台自分づくり教育を最重点事項として教育施策に位置づけ、学校はもとより家庭や地域の大人が総力を挙げて、子供の将来の社会的な自立を目指した教育に取り組んでいるところであります。そうした中、東京都品川区と京都市で展開しているスチューデント・シティとファイナンスパーク事業を、本市においても展開することとし、来年の平成二十六年七月の開設に向けて準備を進めております。  私たちの会派では、平成十九年に事業を開始した京都市の事業について視察調査をしてまいりました。京都市では、生き方探求館の指針の一つ、体験を伴う学習プログラムの活用として、スチューデント・シティとファイナンスパーク事業を展開しており、職員はわずか二十名程度、運営は企業ボランティアと市民ボランティアの皆さんにお願いしているとのことでありました。  本市においても、本年四月より、市内企業に対してブース出展等の協賛をお願いしてきていると伺っておりますが、具体的に事業内容が見えない状況です。来年七月の開設に向けた今後のスケジュールについて、お示し願います。  また、本事業の運営には、市民ボランティアの協力が必要不可欠とも伺ってまいりました。京都市では約二百四十名の方が登録されており、年間延べ四千五百人の方々の協力をいただいているそうです。事業規模によって状況は異なりますが、本市においても同様の取り組みが必要と考えます。質問の第一として、市民ボランティアの活用など、スチューデント・シティとファイナンスパークの運営体制について、お伺いをいたします。  本市においては、自分づくり教育の核として、中学校における職場体験活動を取り入れております。子供たちが将来、社会的、職業的に自立できる力を育むためには、必要な取り組みであり賛同するものであります。が、懸念される点があります。それは、ファイナンスパークと職場体験活動の授業時間の確保であります。中学一年生は職場見学一日ですが、中学二年生は職場体験五日間を実施しております。以前にも私の一般質問で取り上げた経過もございますが、平均では三・五日ということでありました。ファイナンスパークについて京都市の取り組みでは、中学一、二年生を対象に事前学習として五時間、ファイナンスパークの施設で六時間、事後学習で二時間程度実施しており、本市においても同様の時間の確保が必要であります。  先日、教育委員会がまとめた教育に関する事務の管理及び執行の状況の点検及び評価の結果報告書におきまして、五日間の職場体験の拡大や事前事後指導の充実が今後の課題であるが、自分づくり教育全体計画の中での職場体験活動の位置づけを明確にしていくと報告がされておりました。今後、職場体験活動とファイナンスパークの時間確保が必要であります。質問の第二として、果たして現在のタイトな授業時間で対応が可能なのでしょうか。自分づくり教育の全体計画の見直しが必要ではないのでしょうか。当局の御所見をお伺いいたします。  学習指導要領の変更により、授業日数は約一〇%の増、一週間当たりの授業日数は一こま増加しているとの報告があります。小学校では五千三百六十七時間から五千六百四十五時間、二百七十八時間の増、中学校では二千九百四十時間から三千四十五時間、百五時間の増加です。今年度既に土曜日授業を再開した都府県は十二に上ります。私もこれまで複数の保護者や教職員に、土曜日授業の再開について御意見を伺ってまいりましたが、その多くは再開を希望する声でありました。  文部科学省では、来年度から土曜日授業を行う公立学校への補助制度を設ける動きが出ております。地域の会社員などの協力を得、体験活動といった総合的な学習を行うことも想定されているようです。新指導要領の実施で、授業時間が増加して過密となり、子供や教員の負担が懸念されております。平日五日間に詰め込んだ授業のうち、平日に実施している合唱祭や球技大会などの各種行事を土曜日に回すことで、少し緩和されるものと思います。これまで取り組んできた職場体験活動とあわせ、スチューデント・シティとファイナンスパークの実施に向け、時間的な整合を図ることも可能です。  質問の第三として、仙台市においても先見都市の取り組み事例を参考に、土曜日授業再開に向け、改めて検討すべき時期に来ていると考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。  教育局関連でもう一点伺います。  国語教育の充実についてであります。平成二十五年度全国学力・学習状況の調査結果が公表されました。本市の結果は、小学生、中学生ともに全国平均、宮城県平均、大都市平均を全て上回っており、これまでの教職員の努力に敬意を表します。本市独自で実施している平成二十五年度仙台市標準学力検査結果によると、目標値を五ポイント以上上回ったものとして国語が多く、基礎的知識、応用力いずれも目標を大きく上回っており、上位学年になるほど顕著にあらわれております。  私は、弱いところを、いわゆる弱点を克服するという取り組みも必要でありますが、それよりもよいところをさらに伸ばしていく取り組みも重要であると考える一人です。母国語である国語は、あらゆる教科の基礎となるものです。国語力を向上させることで、コミュニケーション能力やプレゼンテーションにおける能力にもつながるものと考えます。国語教育を充実することで、子供たちが将来自立できる力を育むことに結びついていくのではないでしょうか。特に昨今、敬語を中心とした若者の言葉遣い、日本語の乱れが気になります。  質問の第四として、土曜日授業を活用し、講師を募集するなど敬語の授業を取り入れてみてはいかがでしょうか、提案いたします。国語教育の充実を図り、国語日本一の都市仙台を目指すことを探求してみてはと思いますが、当局の御所見をお伺いいたします。  次に、三点目の質問として、地域力を活用した防災教育について伺います。  先日、上杉山通小学校において、上杉チャンネット主催による第十四回学校へ泊まろうという行事が開催され、私も事務局の一人として参加いたしました。今年度は、平成二十五年度文部科学省委託事業の体験活動推進プロジェクトとして、宮城県防災キャンプ推進事業に選定され実施したものですが、親子で二百名を超える方に参加いただきました。その趣旨は、災害に対して適切に対応した事例や経験を参考にした避難生活体験型の防災キャンプを実施し、防災教育の観点に立った青少年の体験活動を推進するものであります。  宮城県内では、東船岡小学校おやじの会防災キャンプと、上杉チャンネット防災キャンプが選定され、当日は小学校を初め連合町内会や地元消防団、PTAやジュニアリーダーなどからも協力いただき、東京から文科省の担当者と宮城県生涯学習課の担当者らが見学視察にいらっしゃいました。  まず、お伺いいたします。この文部科学省委託事業、宮城県が主管ではありますが、本市はどのようにかかわっておられるのでしょうか。防災教育に力を入れていく本市として、今後の連携も必要と考えますが、御認識を伺います。  これまで私の一般質問において、防災対策における地域との連携の必要性や、地域のコミュニティーの形成において、子供会やPTAなど、小学生や中学生の子供を通じた保護者のネットワークも重要な位置づけになっているものの、卒業と同時に地域の活動から離れていくことも多く、若い世代の方々が地域活動に参画していけるような仕組みづくりが必要であると提言してまいりました。上杉チャンネットの特徴は、いわゆるPTAだけのおやじの会ではなくて、子供が小中学校を卒業した保護者も参加している地域のおやじの会で、商店街の七夕飾りのお手伝いや、地元夏祭りへの出店など、地域活動に積極的に参画している団体であり、今後の地域コミュニティー形成に向けた参考になる取り組みであると思います。  若い世代の方々が地域活動に参画するきっかけとなる取り組みでもあり、本市の教育振興基本計画に掲げる、親が学ぶ機会の充実の取り組みにおいて、父親の参加意欲を向上させる方策について検討が必要と、学識経験者の意見もいただいておるようですが、この行事は父親の参加しやすい企画でもあります。この行事で使用したクイズは、全て仙台市が作成した防災副読本から出題するなど、親子で防災対策について学ぶ機会でもありました。質問の第二として、以上のことから、本市において防災教育の一つの手法として、防災キャンプ推進事業を制定してみてはいかがでしょうか、お伺いいたします。  また、避難所運営に携わったことのない保護者も多く、アルファ米の炊き出しから食事配給の経験など、現在、各区で進めている避難所運営マニュアルの地域展開にも役立つものと思います。積極的な取り組みを求めるものです。あわせてお伺いいたします。  さらに、今回の行事では、校区内にある子ども一一〇番の家や町内会長宅を回るオリエンテーリングを実施いたしました。これは常日ごろ見守っていただいている子ども一一〇番の店舗やお宅への御礼と、子供たちに場所を覚えてもらう目的でもありました。子ども一一〇番の家は、どちらかといえば防犯が目的であると思いますが、震災時なども子供たちが避難できる場所として有効な場所であります。質問の第三として、子ども一一〇番の家を子供一時避難所として協力を呼びかけてみてはいかがでしょうか。地震発生時など、子供たちは大人が一緒にいるだけで安心するものと思います。子供たちにもわかりやすいネーミングも重要です。市内の防犯協会などとの連携により、子ども一一〇番の家の役割強化を求めますが、当局の御所見をお伺いいたします。  四点目は、東北大学農学部雨宮キャンパスの跡地利用について伺います。  この課題については、これまで多くの同僚議員が質疑されておりますが、都心部に残された貴重な土地でありますので、私からもお伺いいたします。  平成二十五年四月に、東北大学キャンパス移転まちづくり会議による検討報告書がまとまり公表され、私も時間をかけて拝見させていただきました。跡地利用は、仙台市の都市計画方針を基本に実施することとしており、本市も会議の委員として協議を重ねてきたと伺っております。  計画では、平成二十五年度売却、平成二十七年度以降に新たな土地利用が開始される予定で、待ったなしの状況です。土地の売買の動きについて、現段階で当局はどこまで把握されているのでしょうか。まず伺います。  検討報告書によりますと、土地利用の方針は、周辺市街地と調和する杜の都の次代の市街地モデルにふさわしい快適な居住環境と、豊かな暮らしを彩るにぎわいと安全・安心のバランスを備えた複合市街地の形成を目指すとしており、イメージとしては、医療、福祉、健康増進機能、商業、生活便利機能、まちなか住居機能、公的貢献機能の導入を期待しているとまとめておりますが、地域の方々からは、さまざまな不安の声が寄せられております。  この移転まちづくり会議は、当事者である東北大学と学識経験者、仙台商工会議所、そして本市による委員構成となっておりますが、委員のお一人でもある稲葉副市長は、さきの同僚議員の質問に対し、この地区の歴史を踏まえ、周囲の住環境や交通環境、緑の保全等に配慮する必要があると考えており、今後とも、より市民に親しまれる場となるよう働きかけてまいりたいと、答弁しております。最終的には、都市計画審議会に委ねられることと思いますが、質問の第一として、答弁にありました市民に親しまれる場となるよう、開発事業者任せとせず、本市が積極的にかかわっていくことを求めますが、市長の御所見をお伺いいたします。  先日、雨宮地区が所属する地元連合町内会の役員会が開催され、同席をさせていただきました。連合町内会としても大きな関心を寄せていることは言うまでもありませんが、土地利用転換の方向性によっては、地域住民に多大な影響を与えることが懸念されるため、今後、行政と実施される地域懇談会のテーマとして提出していくことを検討されておりました。まちづくりを進めていく上で、地域の方々の協力は必要不可欠であります。市民力、市民協働を掲げている本市でありますが、市民、地域が置き去りになってはいないでしょうか。行政として地域の声をしっかり受けとめ、要望などについて対応していくべきと考えますが、今後の地域に対する対応についてもお伺いいたします。  市民とともにまちづくりを進めていくためにも、地域懇談会の充実など市民と直接話し合う場の設定も重要であり、その窓口でもある区役所の役割強化が求められます。担当行政区でもあります青葉区長にも、あわせてお伺いいたします。  質問の第二として、学校公共施設と人口配置について伺います。  この跡地利用に当たっては、大規模な宅地開発も予想されます。報告書では、まちなか住居機能として集合住宅の導入も期待されているようです。この上杉地区は、隣接地で計画されているマンション開発も含め、今後、数年間で一千件以上の世帯増加も見込まれております。特に、上杉山通小学校は一千人に達しようとしており、わずか六年前の平成十九年に新築された校舎では対応し切れず、現在はプレハブでの対応を余儀なくされており、来年から校舎改築工事が始まります。跡地利用の方向いかんでは、数年後にまたプレハブ仮設の対応や、さらなる増築工事など同じ轍を踏むことが懸念されます。跡地利用に当たって、世帯数や児童数増加を検証しておられるのでしょうか、伺います。  質問の第三として、外国資本の土地売買への対応についてであります。  さきの第一回定例会において、適正な土地利用を図るための取り組みとして、庁内の体制づくりと、売買、利用ルールの整備を図っていくことを求めてきました。雨宮キャンパス跡地は九・三ヘクタールという広大な敷地であり、都心周辺部の市街地でもあることから、外国資本にとっても魅力的な土地であると思います。特に、中国領事館等の設置の動きについても気になるところであります。ある日、突如として中華街ができ上がってしまったということのないよう、課題が生じる前に取り組むべきと考えます。  第一回定例会での答弁では、質問の趣旨が水資源保全の観点であったことから、杜の都の風土を守る土地利用調整条例の制定により、土地の適正な利用の促進に努めているとのことでありました。この条例の適用は、市街化区域外であり、この土地は該当いたしませんし、国の定めた国土利用計画に基づく届け出制度では、事後届け出であることから、事前の対策がとれないのが実態です。本市として、安全保障や市民の財産を守る観点から、適正な土地利用を図るため、保全対象地域を指定するなど、土地売買、利用ルール整備の取り組みを再度求めますが、御所見をお伺いいたします。  雨宮キャンパス跡地利用に関する質問の最後として、跡地を利用した庁舎の整備について伺います。  現在、本市が入居している仮庁舎は、環境局の小田急ビル、監査委員事務局の日本生命勾当台南ビル、税関係のMSビル、経済局の仙台パークビル、市民局のアーバンネット勾当台ビル、消防局のカメイ勾当ビル、教育局の東二番丁スクエアビルなど、仮庁舎の費用が四億円を超えているのが実態であります。また、自前の庁舎であっても、老朽化に伴い、近い将来建てかえ、または、さらなる仮庁舎への移転が必要な庁舎も存在します。特に、先輩議員も取り上げておりました消防局青葉消防署の庁舎は、既に三十年以上が経過しており、消防庁舎整備も検討が必要と考えますし、防災計画の担当箇所が手狭により、仮庁舎での分断された状況で執務に当たっており、防災都市仙台を目指す本市として、危機管理の観点から同一庁舎内で一体的な運営が必要と考えます。  庁舎全体のあり方について、当局は今後の大きな課題で、大震災の課題も含め、財政見通しや庁舎、設備の耐用年数も考慮しながら検討を進めていく必要があると、答弁しております。検討を進めていく上で、雨宮キャンパス跡地を積極的に利用すべきです。一年に四億を超える仮庁舎の賃貸料、今後の自前庁舎老朽化対策、防災機能の充実などなど、さまざまな観点から、雨宮キャンパス跡地を利用し、消防局青葉消防署や、将来の本庁舎整備後も利活用できる仮称雨宮分庁舎を整備していくことを求めますが、最後に市長の決断と御所見をお伺いし、私の第一問とさせていただきます。  御清聴いただきまして、大変ありがとうございました。(拍手) 19: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの加藤けんいち議員の御質問にお答えを申し上げます。  東北大学農学部雨宮キャンパスの跡地利用に対する本市のかかわりについて、お答えを申し上げます。  雨宮地区は、市内中心部に残されました杜の都の歴史や教育文化を感じられる大変貴重なエリアとして、長年にわたり市民の皆様にも親しまれてまいりました。跡地の利用につきましては、こうした経緯を踏まえながら、周囲の住環境や交通環境、緑の保全などにも十分配慮する必要があるものと考えておりまして、本市といたしまして、キャンパス移転まちづくり会議の場でも積極的に意見を述べてまいったところでございます。  東北大学からは、今年度中に土地売却先を決定する予定と伺っておりまして、大学にはその売却に際しましても、私どものまちづくりの考え方について御配慮をいただくよう、改めて要請をいたしております。私といたしましては、今後、本市のまちづくり全体とのかかわりの中で、引き続き意見を申し上げますとともに、事業者に対して、地域の皆様に計画の内容を丁寧に御説明をし、寄せられた御要望等を可能な限り開発計画に反映するよう求めてまいるなど、地域と調和のとれた跡地利用の実現に向け、取り組んでまいりたいと考えております。  このほかのお尋ねにつきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 20: ◯総務企画局長(高橋一典)フェイスブックの活用についての御質問にお答えいたします。  ソーシャル・ネットワーキング・サービス、SNSは、即時性や双方向性などの特徴があり、行政と市民の皆様との良好なコミュニケーションを促進するための広報媒体として、今後重要な役割を果たし得るものと認識しております。本市でもさまざまな部署でフェイスブックやツイッターなどを活用し、情報を発信しているところでございます。  広報課フェイスブックにつきましては、イベントのお知らせやお出かけスポットなどの幅広い話題について、写真や動画も使いながら紹介しております。市民の皆様に興味を持っていただくことが第一と考え、かたい表現をなるべく使わないように心がけております。開設から約一月と運用を始めたばかりでございます。今後、フェイスブックによる情報発信がより効果的になるよう、工夫を重ねるとともに、必要な体制整備についても研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 21: ◯財政局長(佐藤清)雨宮キャンパス跡地利用に関しまして、外国資本の土地買収への対応についての御質問等にお答えいたします。  土地利用のルールにつきましては、御案内のとおり外国資本であるか否かを問わず、都市計画法や建築基準法などの法令に基づき、建築物の用途や高さなどが規制されているところでございます。一方、土地取引において、外国資本であることを理由に制限を行うことにつきましては、WTO協定に基づき、他の加盟国の国民等が日本の土地を取得する際に、国籍を理由とした制限を課すことは認められないこととされております。  この問題は、国レベルでの議論が必要と考えておりまして、本年三月の参議院財政金融委員会において、土地取引に関し、外国資本であることを理由にこれを制限することは困難であるものの、国防や水資源確保のための制限について、よく議論していく必要があるとの見解が総理より示されたところでございます。  次に、雨宮キャンパス跡地を利用した分庁舎等の整備についてのお尋ねでございます。  本庁舎建てかえを含む庁舎整備の必要性は十分に認識しておりますが、現在は財源確保を含めて、復興に注力しなければならない時期でもあり、ワーキンググループで各候補地の建築可能な延べ床面積等について、種々検討を行っているところでございます。本庁舎機能は、近々建設に入る予定の上杉分庁舎と合わせ、一定のエリア内に集中させる方向で検討すべきものと認識しておりまして、雨宮地区への分庁舎等の建設は困難と考えてございます。また、その他の公共施設の整備につきましては、それぞれの施設ごとの特性や整備時期を踏まえ、必要に応じ適切に検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 22: ◯市民局長(渡邊晃)子ども一一〇番の家について、お答え申し上げます。  子ども一一〇番の家は、子供が危険を感じ駆け込んできた際に、一時保護し、警察等に通報していただくボランティア活動であり、学校と宮城県警が連携して運用している制度でございます。学校やPTAからの働きかけなどにより、通学路周辺の一般のお宅や商店など、市内八千七百カ所以上に設置されていると伺っております。現在でも、子供がけがをした際や、トイレに行きたくなった際などにも柔軟に対応をいただいており、いわば、いざというときの一時避難場所としての役割も担っているものと考えております。  今後につきましても、地域の子供たちの安全を確保するため、地区防犯協会が日ごろの防犯パトロールや学区内の防犯マップづくりなどを通じ、学校やPTA等と連携し、子ども一一〇番の家を幅広く活用していくことができますよう取り組んでまいります。  以上でございます。 23: ◯青葉区長(木村智)私からは、雨宮キャンパス跡地利用に関するお尋ねのうち、地域の要望等への区としての対応について、お答えいたします。  雨宮地区の開発につきましては、仙台市全体のまちづくりにとりまして重要なものというふうに認識してございます。また、ここに住まわれる方々の生活環境にも大きく影響するというふうにも感じてございます。  市民に最も近い立場にございます区役所といたしまして、地域懇談会などさまざまな機会を通しまして、御意見や御要望等きめ細かにお聞きしながら、また関係部局とも連携し、地域の皆様と一緒になってよりよいまちづくりとなりますよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 24: ◯教育長(上田昌孝)私からは、教育局に関する数点の御質問にお答えを申し上げます。  まず、スチューデント・シティとファイナンスパーク事業に関するお尋ねについて、お答えをいたします。  初めに、今後のスケジュールについてでございます。  ブース出店等の企業につきましては、現在、地元企業を中心に応募をいただいておりまして、今後、出店審査会において審議を行った上で、十月ころまでに決定してまいりたいと存じます。あわせて小中学校長による事業の検討委員会で、全体の運営方法等の検討を進めますとともに、教員による指導計画作成委員会において、十一月末までに仙台版のプログラムの作成を行う予定であり、その後、順次、教員対象の研修を実施することといたしております。また、アエル八階の予定施設につきましては、来年の四月から改修工事を行い、七月中の完成を見込んでいるところでございます。  次に、運営体制における市民ボランティアの活用についてでございますが、先進市の例でも多くの市民ボランティアが活動しております。平成二十六年度は、モデル校の約五十校で同事業を実施することといたしており、ボランティアにつきましても、保護者や地域の方々を募って研修を行いながら養成してまいりますが、その後の全校実施に向けて、市民ボランティアを拡充していきたいと考えております。今後、円滑な実施に向けて運営体制の準備を鋭意進めてまいりたいと存じます。  次に、授業時数確保と自分づくり教育の全体計画の見直しについてでございます。  中学校にファイナンスパーク事業が導入された場合には、授業時数の調整が必要とされますことから、ファイナンスパークをどの学年で実施するかにつきましては、各学校が自校の状況を踏まえて判断することといたしております。また、学校で行う事前事後の学習につきましても、学習プログラムの版権を有する公益社団法人ジュニア・アチーブメント日本と、時数の縮減に向けた協議を行っているところでございます。
     一方、職場体験活動についてでございますが、全校実施から五年を経過いたしておりますことから、改めて学校の実情なども調査の上、スチューデント・シティとファイナンスパーク事業も包括した、仙台自分づくり教育の再整理を進めてまいりたいと考えております。  次に、土曜日授業についてお答え申し上げます。  学校において過密な時間割を避けるためには、年間を通した計画的な時数の確保が重要でございまして、これまでも対応を図ってきたところでございます。具体的には、以前は休業日としておりました各学校の開校記念日を授業日とし、また夏休みを一日短縮したことにより、計二日間の授業日の増加を図ったほか、校長の判断で、長期休業中に年間七日間を限度として、授業日にできることといたしているところでございます。  また、各学校において、土曜日の授業参観や学校行事等も行い、保護者や地域への公開も実施してきておりますことから、土曜日授業につきましては今後国の動向も注視しつつ、適宜検討してまいりたいと考えております。  次に、本市における国語教育の充実について、お答えを申し上げます。  国語の力は、思考や論理の基盤となるものであり、子供たちに豊かな表現力や感性を養う上でも重要でございますことから、コミュニケーションに欠かせない敬語の指導なども含めて、国語科の授業の一層の充実を図っていく必要があると考えております。こうしたことから、小学校において、ほぼ全校で朝読書に取り組むなど、授業以外にも豊かに感じ、考え、表現する力を育むことに努めているところでございます。  今後とも、そのような取り組みや学校教育全体を通した正しい言葉遣いの指導の推進に努めるなど、国語教育の充実を図ってまいりたいと存じます。  次に、宮城県防災キャンプ推進事業に関する質問にお答えを申し上げます。  本事業は、PTAや地域の方々で構成された地元の団体が実施主体となって行われた事業でございますが、親子で防災に関する知識を学び、災害への対応方法を実習することができるなど、大変有意義な取り組みであると認識してございます。  このたびの事業につきまして、キャンプの成果等について参考にさせていただき、今後の防災教育に生かしてまいりたいと考えております。  次に、仙台市における防災キャンプ推進事業の実施についてでございます。  現在、本市におきましては、児童生徒が自助、共助の力をしっかり身につけることができますよう、小中学校の協働や保護者、地域との連携などによって、創意工夫の上、さまざまな取り組みを進めているところでございます。こうした先進的な取り組み事例などを積極的に情報発信し、市内各学校がその情報を共有しながら、それぞれの地域の状況を踏まえた防災教育にさらに取り組むことが重要でございます。  このたびの防災キャンプにつきましても、親子で地域での防災訓練に参加することにより、防災教育の一環となりますとともに、災害時には避難所運営なども含めた地域の総合力として、その力を十分に発揮することにつながるものと考えております。  今後、学校、PTA、地域の連携による実践例の一つとして紹介させていただき、本市としての防災教育の質的向上を図ってまいりたいと存じます。  最後に、東北大学雨宮キャンパス跡地利用に当たっての児童数等の増加の検証について、お答えを申し上げます。  移転まちづくり会議による検討報告書では、土地利用に当たって子育て世代のみならずシニア層や単身層など、多様な世帯が暮らす住宅の整備が期待されております。新たな世帯数や児童数の増加を見込む場合、住宅戸数のほかにこうした住宅の形態などについても考慮した上で、検証する必要がございます。  今後、跡地における住宅整備の情報の迅速な把握に努めながら、学区内における将来の児童数について、詳細な推計を行い、適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 25: ◯四番(加藤けんいち)御答弁ありがとうございました。  雨宮キャンパス跡地については分庁舎は無理だということで、明確に否定をされたのですが、市長から、今後、地域の方々の御要望というものも可能な限り求めていくという答弁がありましたので、ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。  一点だけ再質問をさせていただきたいと思うのですが、土曜日授業の再開についてでございます。  これまでもいろいろと検討してきたという部分もお伺いしておったのですが、新学習指導要領に、中学生を例にとりますと、平成二十四年から始まったという中で、先週ちょうど中学校の先生方とお話しする機会がございまして、そのお話の中で、授業時間の苦しさだけではなくて、今、週五日のうち四日がもう六時間授業になっていると。子供たちのいろいろな活躍の場の提供という観点で、体育祭であったり、文化祭であったり、そういった実行委員会をつくってやっている学校が多いと思うのですが、その打ち合わせを六時間目終わった以降にしか、なかなかセッティングができない。そうすると、その実行委員に当たった子供たちは、自分が所属している部活動に参加がなかなかできなくなる。一方で、その行事に当たっている担当の教員は、部活動の指導もできなくなるというような、これまでにない、授業だけではなくて、そういった影響も出てきているという状況になってきていますし、先ほど国の動向もという話もありましたけれども、まだこれは概算要求の段階でありますけれども、国としても来年度七十校ぐらいでしょうか、モデルとして土曜日授業再開のところに補助金を出していくと。そんな動きもございますし、それに加えて本市はファイナンスパークも入ってくるということで、今までの検討していた素材と違って、新たな要素が入ってきていますので、そういった意味では、これまでの延長線上の検討ではなくて、今の新しい要素を含んだ中での検討に入るべきではないかという意味での質問でございましたので、教育長からも、今後検討していくというお話があったのですが、できれば、その検討の時期というものを早めた中で、しっかりと検討の俎上に上げていただきたいと思うのですが、その点について、再度、御答弁を求めたいと思います。 26: ◯教育長(上田昌孝)確かに、御指摘のように、ファイナンスパーク事業等新しい要素が入りまして、これまでも学校では、一定授業時数につきましては、予備の時数をとるなどして、例えば、インフルエンザが流行して学級閉鎖とか学校閉鎖になった場合も対応してございました。それから、夏休み期間中も授業をやったりして、授業の枠を十分に確保してきたところではございますが、今、御指摘のありましたように、新しい要素もございます。それから、文部科学省でも御指摘もありました概算要求を初め、そのほかにも、いろいろな動きがございます。それは私どもも情報として把握してございますので、これらの議論の経過と結論をよく監視しながら、仙台市の学校の授業等も勘案しながら、教育委員会としても対応を検討してまいりたいと考えております。 27: ◯議長(西澤啓文)この際、暫時休憩いたします。     午後二時四十三分休憩          ────────○────────     午後三時開議 28: ◯議長(西澤啓文)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、高橋次男君に発言を許します。     〔四十九番 高橋次男登壇〕(拍手) 29: ◯四十九番(高橋次男)復興仙台の高橋次男です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をいたします。  初めに、田園の生態系に関連して伺います。  過日、中田小学校開校百四十周年記念式典が挙行され、式典終了後、リコーダーの記念演奏会が開催されました。小学校唱歌、赤とんぼ、めだかの学校などの曲目も演奏され、生徒たちよりも来賓の方々が郷愁にふけっておりました。  近年、私たちの住む田園地帯の昆虫などの生態系について、気になることがあります。まず、赤とんぼをほとんど見かけなくなりました。二十年くらい前は、九月の空に群れをなして飛んでおりました。小川のほとりを揺れ飛ぶ夏の風物詩であったホタルも同様であります。これらの昆虫を餌とするツバメ等の鳥類も減少し、同じようなことがドジョウ、フナ、メダカなどの淡水魚においても言えます。ニホンメダカに至っては絶滅危惧種に選定され、今では姿も見られません。これは水田を取り巻く水辺の環境が変化をし、このことに昆虫を含めた生物が生息できなくなった結果と考えられます。  まず、これらの原因の一つは、用水堀であります。名取川、広瀬川からの農業用水の取水は、主に四月から八月いっぱいで、その後はほとんど幹線を除き、取水、通水はなくなります。しかも、以前は土側溝で、用水もゆっくりとした流れの中で水草が育つ田園の水環境でありました。しかし、今日、農業用水路はほぼ百%コンクリートの側溝となりました。その結果、水路にはほとんど水は滞留しません。  また、水田に用水が必要でなくなる九月から翌年四月までの間、幹線水路以外の支流に通水はありません。結果として、トンボの幼虫であるヤゴなどの水生昆虫、メダカ、フナなどの水中生物は生息できません。これらを餌とする鳥類の飛来も当然なくなるわけであります。  次に考えられるのが、長年使用してきた除草剤、殺虫剤などの影響であります。近年特に稲作栽培において、カメムシなどによる被害が著しく、苗床の薬剤処理、さらに稲の登熟期にも殺虫剤を散布しているのも影響していると考えられます。  また、震災により沿岸地域は津波に襲われ、生き物の生息する干潟も大きくその姿が変わってしまいました。シギやチドリの渡り鳥、貝などの生態系への影響も懸念をされています。  杜の都仙台は、豊かな緑や名取川、広瀬川の清流、都市の風景に溶け込む田園風景に象徴されますが、それを形成しているのは、さまざまな動物であり、植物であり、水、大気などの自然の恵みであります。これら自然の営みと人の営みがバランスを保ち、共生をすることによって成り立っています。本市はこれまで、七年から八年ごとに自然環境の基礎調査を行ってきていますが、調査報告資料等に課題がありそうであります。  昆虫等の生態系は一度破壊されると、回復はなかなか困難と言われています。めだかの学校、赤とんぼ、故郷などの唱歌が、今の子供たちに幻の風景とならないように、杜の都の田園の生態系を後世に引き継いでいかなければなりません。そのためには、本市が専門の先生方を初めとして市民、生産者、農協などの協力をいただきながら、津波被災地の生態系も含め、まずは正しく現状を把握することが重要と考えます。当局の御所見をお伺いします。  次に、地下鉄東西線開業機運の醸成について、お伺いをいたします。  本市は、平成十一年、都市交通の計画としてアクセス三十分構想を打ち出しました。すなわち地下鉄南北線が開業していて、さらに南北線に東西線を十字に交差させ、バスなどの公共交通を活用して、最寄りの地下鉄駅まで移動、乗りかえることによって直接地下鉄線の恩恵に浴さない地域にも、市の中心部におおむね三十分以内で移動可能なことを表題に、東西線建設の必要性と重要性を訴えた説得力のある表題でありました。  その後、市街地形成と公共交通政策の連携や都心部交通機能の強化、公共交通利便性向上の必要性などの課題等を踏まえ、アクセス三十分構想の理念を継承しながら、平成二十二年には計画の名称が、せんだい都市交通プランに変わりました。このような総論的なタイトルとしたことにより、東西線と南北線を活用して、速く時間どおり移動できる地下鉄軌道を基軸とした効率的な交通体系を実現するという考え方は継続しているにもかかわらず、市民には東西線の必要性が伝わりにくくなってしまったように思います。  地下鉄東西線の施策については、主に沿線のまちづくりなどにウエートが置かれてきたように思います。その結果、多くの本市域の住民には、私たちの地域には地下鉄が来ないから関係ない、という風潮が生まれてしまっているように思われます。目指すべき本市の交通体系構築の重要施策である地下鉄東西線の開業が間近に迫っているにもかかわらず、駅を中心とした一部の沿線だけの期待感が伝わるだけで、いま一つ全市的な盛り上がりに欠ける印象を拭い切れません。原因はここにもあると思います。  私は、地下鉄東西線について、より広く市民に周知して利用してもらうためには、東西線沿線だけのアピールでなく、南北線をも活用した、本市のどこからでも中心部におおむね三十分で行けるというアクセス三十分構想の原点に立って、地下鉄東西線に直接面しない地域の利便性にどれくらい貢献するかを、具体にアピールすることが今こそ大切であると考えます。どこからでもパーク・アンド・ライド、バス・アンド・ライド等を利用して、三十分で仙台市の中心部に行けること、できれば運賃体系も含めたこの具体的な利便性の説明こそ、こぞって市民が地下鉄東西線の開業を期待し、祝福し、ひいてはこのことが利用促進にもつながるものと考えますが、当局の御所見を伺います。  かくなる意味で、東西線開業に向けて、本市地下鉄全線の営業に伴う公共交通であるバス路線再編の具体的な経路、所要時間、運賃などの説明は、とても重要なことであります。その再編の検討状況と説明も含めたスケジュールはどのようになっているのか、お伺いをいたします。  質問の終わりに、新市立病院について、数点お伺いをいたします。  新市立病院がいよいよ来年度に開業予定であります。しかし、現在の時点で、震災復興事業の増の影響もあり、二カ月程度のおくれがあるとのことでありますが、できるだけ早期の開業を望むものであります。  本病院は、政策的医療の中心的担い手として、地域医療機関と連携、機能分担をして、地域完結型の医療システムとして貢献をする。また、常に患者の視点に立ち、安全・安心な医療を提供することを基本的な考え方として開業するとのことであります。これらのことを背景に、従来の医療に新たに提供する三つの医療、すなわち一つに、初期から三次までの総合的な小児救急医療、二つに、周産期母子医療センターとしてのNICU、三つ目に、身体合併症精神科救急医療を設けるとのことであります。  このうち身体合併症精神科救急医療は、単科の精神病院では対応が難しい、身体疾患と精神疾患をあわせ持った救急患者を、院内各診療科と連携しながら総合的に対応していくものであります。近年、本市を含む大都市圏では、高齢化と少子化及び核家族化が進み、家族機能が著しく低下をしていること、また、経済構造、社会構造システムから来るリスクなどで、ストレスに満ちた生活社会となっていると言われています。このような状況の中、仙台市を含む県下の精神科患者数は年々増加の一途をたどっております。これらのことを考慮し、病床五十床を備えた本市における精神科救急の新たな政策的医療の提供は、市民にとって大きな安心であり光明でありまして、新病院開業においての大きな目玉の一つであります。  しかるに、この精神科を担う先生方が決まっていないのが現状であります。本市の計画している精神科救急を担っていくに必要な先生は何人なのか。現在の人数も含め伺います。また、ここ四年から五年で先生方の離任が目立ち、着任が見えません。なぜ精神科の先生方の着任がないのか、その原因についてもお知らせください。  開業まで約一年余りであります。本来であれば、よりよい診療を目指して、精神科の医師を中心にさまざまな計画を模索し、運営についても調査研究がなされ、看護師、精神保健福祉士などはもちろん、さまざまな市立病院の診療科の先生方と、連携について打ち合わせがあってもしかるべき時期であろうかと思います。開業に向けて、いまだ決定していない先生方の着任に、当局はどのような努力をされているのか。着任の見通しと身体合併症精神科救急医療の開業についても問題はないのか、あわせ伺います。  また、八月三十日の某新聞に、大病院、診療所などの紹介なしの初診料について、一万円以上の負担を求めるとの記事が載っておりました。二〇一五年、健康保険法を改正、二〇一六年、実施の見込みとも書いてありました。  現在、建築をしている建物も含めたハード的なものは、従来の病院の来院患者数より多く見込んでの設計と考えます。また、紹介状なしで来院する患者数は、当然減少するかと考えられます。現在、建築している部分で、例えば受付なども含め、何らかの影響を受ける部分はあると考えますが、当局はどのようにお考えなのか伺います。  また、平成二十四年度決算の総患者数のうち、紹介状の有無の割合はどのようになっているのか。関連して、二十四年度決算に、健康保険法改正の初診料を当てはめた場合、すなわち二通り、一〇〇%通院を控えたときと、そのまま診療を受けた場合の決算に与える影響について伺います。また、今後の病院経営に与える影響についても御所見を伺います。  以上、私からの一般質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 30: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの高橋次男議員の御質問にお答えを申し上げます。  東西線開業に向けた取り組みについての御質問にお答えを申し上げます。  本市では、公共交通を中心とした移動しやすく暮らしやすいまちづくりに向け、アクセス三十分構想や、その理念を引き継いだせんだい都市交通プランに基づき、東西線の整備、バス路線の再編、そして仙台駅大改造などの取り組みを進めてきたところでございまして、東西線の開業により、南北線と合わせた本市の骨格的な都市基盤が整うこととなってまいります。  この機会を捉えまして、沿線の方々のみならず、より広い範囲にお住まいの方に、御指摘のような所要時間の短縮の効果などを具体的に御説明をするとともに、新たな交流やにぎわいの創出による豊かな暮らしが実現されることをお示ししていくことが、極めて重要であると認識をしております。  今後とも、東西線まちづくり市民応援部や事業者の方々などとも連携をいたしながら、さまざまな機会を捉えまして、積極的に東西線の持つ利便性をアピールし、開業機運をより一層盛り上げ、新たなまちづくりに向けた活力を育ててまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、病院事業管理者並びに関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 31: ◯環境局長(大友望)私からは、田園等の生態系に関する御質問に御答弁申し上げます。  本市におきましては、全市域における自然環境や生態系の現況を把握するため、平成六年度から数年置きに、直近では平成二十二年度に自然環境基礎調査を実施しているところでございます。加えまして、昨年度は、東日本大震災の津波等により大きく変化いたしました沿岸部の状況を把握するため、津波浸水区域を対象に補足調査を実施いたしたところでございます。  これらの調査に基づきますと、宅地開発や農地整備などによりまして、動植物の生息、生育環境の一層の厳しさが増していることが確認されている一方で、沿岸部では、津波等の影響を乗り越え、これまで見られなかった動植物が新たに生息生育している様子などが報告されております。  本市では、杜の都環境プランにおきまして、自然共生都市の実現を目指しており、こうした生態系の変化を継続的に注視しつつ、自然がもたらす多様な恩恵が広く市民の皆様に及ぶよう、対応を図ることが肝要と認識いたしております。このため、今後の調査に関しましては、これまでの調査の積み重ねによって把握した経年的な変化を踏まえながら、さらにきめ細かく現況を捉えるべく、田園生態系に関して知見を有する専門家の方々あるいは関係団体の方々などとも連携をいたしまして、調査を実施してまいりたいと考えております。  以上でございます。 32: ◯都市整備局長(小島博仁)東西線開業に伴うバス路線再編の検討状況とスケジュールについて、お答えいたします。  現在、昨年度に実施しました利用状況調査の結果も踏まえ、経路設定や運賃施策等について市民生活への影響や交通事業者の経営方針との整合など、さまざまな観点から総合的に検討を行うとともに、事業者との協議、調整も進めているところでございます。  今後のスケジュールといたしましては、年明けに再編案を取りまとめ、第一回定例会前に議会にお示しするとともに、その後、地域で実施する説明会におきまして所要時間や運賃など具体にお示ししながら、市民の皆様や利用者の御意見を伺い、再編の内容を固めてまいりたいと考えております。内容の確定後、国に対する許認可申請手続等を行い、平成二十七年度の東西線開業に合わせ、路線再編を実施する予定としているところでございます。  以上でございます。 33: ◯病院事業管理者(遠藤一靖)市立病院に関します数点の御質問にお答え申し上げます。  まず、新病院で必要となります精神科医師の体制と現在の状況についてでございます。  新病院におきましては、精神科病床を現行の十六床から五十床に拡大し、新たに身体疾患と精神疾患をあわせ持った患者を対象に、総合的な救急医療を提供することとしております。このような精神科医療の拡充を図るため、精神科医師の体制は、当面、常勤医師四名程度の配置を目標としているところでございます。しかしながら、精神科医師の体制は、現在、常勤医師一名、非常勤医師四名となっており、ここ数年、常勤医師が減少してきているところでございます。  常勤医師の確保が困難になっておりますのは、全国的に総合病院に勤務する精神科医師が大きく減少していることに加え、供給元であります大学側の医師もまた減少していることが、その主な要因であると考えておりますが、医師の招聘に向け各方面に働きかけを行っているところでございます。  次に、新病院における身体合併症精神科救急医療の提供に向けた取り組みについてでございます。  新病院における精神科医療の拡充は、政策的医療の柱の一つでございますので、市長部局との連携のもと、東北大学や他の医療機関など地域の精神科医療の関係者と、精神科医師の確保や人事、教育研修システムの整備などについて、協議及び検討を進めているところでございます。現時点では、目標とする精神科医師の体制の確保についての見通しは厳しい状況にはございますが、引き続き、地域の関係者との協議、検討を粘り強く進め、必要な医師の確保につなげてまいりたいと考えております。  また、新病院に向けましては、看護師の他病院への研修派遣や、院内関係職員による新病棟運営の検討チームを立ち上げるなど、必要な準備を既に進めているところであり、新病院において身体合併症精神科救急医療を円滑に提供できるよう、今後とも努力してまいりたいと存じます。  次に、初診料の引き上げによる新病院への影響についてでございます。  紹介状を持たない患者さんの初診料引き上げに関する先日の報道においては、対象となります医療機関の種別や病床規模、対象患者などが明確でありませんが、議員御指摘のとおり、初診料の引き上げにより、紹介状を持たない初診の患者数が減少することも考えられるところでございます。しかしながら、当院においては、地域の医療機関との連携強化により、紹介患者をこれまで以上に積極的に受け入れ、高度で専門的な医療の提供を推進していく考えでございます。こうしたことから、仮に、紹介状を持たない患者さんの初診料が引き上げられた場合においても、再来を含めた外来患者総数は大きな変動はないものと想定され、新病院の施設などへの影響はないものと考えておりますが、なお制度の動向を注視してまいりたいと存じます。  また、平成二十四年度に初診で受診された患者さんのうち、他の医療機関等から紹介された患者さんが約四〇%となっており、紹介状を持たない患者さんは約六〇%でございます。  最後に、初診料引き上げによる病院の収支や経営への影響についてでございます。  仮に、初診で紹介状を持たない患者さんから一万円の負担をいただくことになった場合、当院の平成二十四年度の患者数を当てはめますと、そのまま受診した場合は約五千八百万円の増収が見込まれます。一方で、該当する全ての患者さんが通院を控えた場合には、約六千万円の減収となる見込みでございます。しかしながら、今後は医療連携をさらに推進し、紹介患者をより多く受け入れることにより、収益の確保を図っていく考えでございます。こうしたことから、紹介状を持たない患者さんの初診料が引き上げられた場合においても、病院の収支や経営に大きな影響はないものと考えてございます。  以上でございます。 34: ◯議長(西澤啓文)次に、小田島久美子君に発言を許します。     〔十七番 小田島久美子登壇〕(拍手) 35: ◯十七番(小田島久美子)公明党の小田島久美子です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。  東日本大震災から二年六カ月がたちました。岩手、福島、宮城の三県には、両親を亡くした子供たち、いまだ父母の行方がわからない子供たちが一千七百人おります。国内外の遺児を支援している非営利組織あしなが育英会では、ことし一月から二月にかけて、東日本大震災の遺児家庭一千百八十世帯に協力を依頼し、七百八十九世帯からの回答による震災後の意識と生活に関する調査を公表しております。  その中で、ほぼ半数の子供に何らかの影響があると認められており、十二歳以下では、揺れに敏感になったと感じている子供たちが五一・五%、暗闇が怖いと感じているが三〇・一%と、年齢の低いお子さんほど反応が敏感になっている状況が見られます。  つくば国際大学の高橋聡美教授は、時間が経過する中で、周囲の関心が低下しているとし、遺児の中には適切な支援を受けられず引きこもっているケースもあると指摘、遺児のサポートには地域の大人たちの見守りサポート、プログラムによるサポート、医療や福祉の専門家によるサポートを合わせたグリーフサポートの長期的な支援を強調しています。  被災地においては、方言や文化などが微妙に異なることから、セラピーの専門家であることよりも、地元の人、いわゆる話のわかる、生活のわかっている人、肌のぬくもりを伝えるくらい身近に寄り添って支援サポートすることが望ましいとされるのです。ややもすると何気ない一言で遺児が傷つくこともあるので、研修の必要性も訴え、地域の大人たちに呼びかけているとのことです。そういった中で、行政レベルの取り組みも活発化されており、岩手県では震災遺児家庭支援者育成研修を実施し、民生委員や保育関係者、地元住民が参加し、遊びを通したサポートも行われているようです。  仮設住宅にお住まいの方のところに訪問した折、御両親を亡くされた御兄弟を市外から受け入れて、一緒にお住まいになられている御家族のお話を伺う機会がありました。その方のお話は、震災当時、避難所生活でも仮設住宅等のサポートなど、支援していただけることはさまざまあったけれども、まずは親族で子供たちの世話は頑張ってみようと思い、全てを受け入れたといいます。しかし、時間の経過とともに、それまで生活してきた環境も形態も全く異なった家族が同居することは容易なことではなく、地域のサポートは必要と感じているとのことでした。  仙台においては、NPO法人が毎月二回、子供たちのためのグリーフケア活動として、仙台ワンデイプログラムの企画、運営を行っていただいている様子を新聞記事で目にしております。今後さらに長期にわたりサポートが必要であろうと思われる、震災で大切な人を亡くした子供たちの心のケアの方向性については、どのような見解をお持ちなのか御所見を伺います。  二年半たった今だからこそ、いま一度、お一人お一人の被災状況に照らして、丁寧に細やかに望まれる形に向けた支援を確認しておかなければならないと思われるのです。例えば、親族の支援に頼った場合の被災者支援のあり方等についても、心強く自立を目指して身内で頑張られた方々が、結果的には苦しい状況となっている事態を、どこかで改善されることが急務であると思うのです。心からなる復興を真に願う市長の力強いリーダーシップによって、これまで以上に一歩踏み込んだ相談にも応じていただくなど、相談の体制強化を求めるところですが、御所見をお伺いいたします。  次に、有権者の皆様が選挙権の行使に誇りを持っていただける環境の整備についてです。  さきに行われた市長選の投票率は三〇・一一%、前回の四四・七二%より一四・六一ポイント低く、第二十三回参院選の投票率の全国平均は五二・六一%で、前回二〇一〇年の五七・九二%を五・三一ポイント下回り、過去三番目の低さとなっています。投票率の著しく低い世代に対しては、政治に対する認識そのものが危惧されるとの意見も聞こえています。  先人が近代日本の夜明けを目指す中で、闘いかち得てきたものの一つが参政権であり、納税者に限らず、男女の区別なく投票できる権利を得て、今日の社会が築かれているのです。このことを思ったとき、投票率の余りの低さを関心の低さと安易に片づけるわけにはいかないと思うのです。情報の偏りを補おうとインターネットを使った選挙運動が解禁され、特に若者の投票率向上に期待されたのですが、今後の検討と改善を求めたいところです。  一方、高齢者世代の投票率は、現役世代の高投票率から年々減少傾向に歯どめがかからないようであります。その要因を探ってみたときに、投票行為についての物理的要因が指摘されて久しいのです。今後一層の高齢者人口の増加に配慮した高齢者にも障害者にも投票しやすい環境づくりと、具体的な配慮が求められていると考えます。
     質問の一点目は、投票所のバリアフリー整備の強化についてです。  高齢者の方や障害を持っておられる方の中には、投票に行きたくても行かれない方や、投票所に向かっても会場に入れず帰られた方などがいらっしゃいます。これまで何度となく強く求めてきたこともあって、本市の投票所のバリアフリーの整備は、車椅子の配置、スロープ等の仮設も含めた整備、点字器の用意、これらは全ての投票所に設置していただいているところです。  残念なのは、記載台の幅が狭くて、車椅子の方が記入しにくかったり、スロープの場所が近くになくて遠回りさせて不便をかけたり、また障害者の特性によっては補助員よりも読み上げ器での対応を求める方もおります。投票人によっては、候補者名を記入するのに立ったままでは大変な方もおられました。こうしたときに、椅子に座れる記載台があれば気持ちよく投票していただけると思うのですが、今のところはそのような対応はしていただけないようです。  高齢者や障害者の動線を考え、椅子席を設けることを含めた投票しやすい会場の環境づくりや、知的障害者、発達障害者等にわかりやすい投票用紙の様式等について、公職選挙法によって準備が進められているであろうと思いますが、本市としてできることは何か、熟慮しながら市民の意見を伺い、できることは積極かつ速やかな改善を求めますが、御所見を伺います。  二点目は、期日前投票の宣誓書の事前配布についてです。  二〇〇三年十二月から期日前投票制度が始まって、ことしで十年が経過しました。市民の皆様にも広く御理解いただいているところと思われますが、期日前投票所において、宣誓書という書類に住所、氏名、生年月日、性別や、投票日当日に投票できない理由を記入し、提出することについて、高齢者や障害のある方々からは、投票所の雰囲気の中で投票するだけでも緊張し、その中で宣誓書を書くとなると手が震え、記入に時間がかかることや、後ろに並ばれると焦ってしまうなどのお声を耳にします。  一度嫌な思いをされると、投票への足が遠のいてしまうのは当然です。期日前投票に来られた方々の負担を軽減するために、宣誓書を投票所入場券の裏面などにあらかじめ印刷して送付する自治体や、ホームページの選挙管理委員会のサイトから宣誓書をダウンロードし、プリントアウトすることができるようにしている自治体が全国に見られます。事前に自宅で記入し、投票に来ていただく方法であれば、事務の軽減や投票までの時間短縮も図られるのではないでしょうか。  本市においては、入場券を世帯単位で配布するカード型としていることから、裏面の記載が難しいと思いますので、期日前投票の宣誓書の事前配布について、改善すべきと思いますが、御所見を伺います。  三点目は、投票所へのメモ等の持ち込みについてです。  二〇一〇年、十一月二十六日の衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会の中で、メモの持ち込みに関する質疑がありましたので、このときの会議録を少し紹介いたします。  質疑の中で、投票するときに、あらかじめ投票しようと決めてきた候補者の正確な氏名を記載したメモ、あるいはまた法定ビラ、こういったものを投票所に携帯して持ち込んで、それを見ながら投票用紙に記載する、こういうことはぜひ可能にしていただきたいとの質疑に対して、当時の総務大臣からは、これは法律上といいますか、法律の仕組みの中で一般論で申し上げますと、有権者の方が今おっしゃったような文章といいますか、メモを持ち込むことは別に妨げてはおりません。公選法上は特段の制限はありませんと、投票所にメモや法定ビラを持ち込むことは問題ないとする答弁がありました。  今日の参院選や市長選では、このあたりの事業について答弁に反する対応があったやに聞こえていますが、仙台市として対応に誤りがないよう明確にすべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  四点目は、投票率アップに期待の高まる投票済み証明書の交付についてです。  投票を終えた人に対して、選挙管理委員会が投票を済ませましたと証明書を発行するものです。横浜市等において発行された証明書の活用は、商店街においての取り組みとして、価格の割引や特典などをつけ、投票率向上に取り組んでいる事例もあるように伺いました。  本市として投票済み証明書の発行は、申請があれば行われているようでありますが、残念なことに市民には余り知られていないようであります。どの程度の活用が行われているのか、伺います。  投票して当たり前とする環境をつくるには、一般的にしない人に対してペナルティーを科すとか、した人に対してサービス、特典を付与するかが手っ取り早い方法だと言われています。本市選挙管理委員会として、必要としている選挙人に対して投票済み証の交付を行うことを、選挙のお知らせとあわせて周知すべきではないでしょうか、伺います。  高齢者は投票に行く場合、なかなか家族に投票に行きたいと言いづらいという話を耳にします。ぜひ、投票に行って当たり前という環境づくりを検討していただくことを求めますが、御所見を伺います。  次に、市民に愛される市営バス事業の利便性向上についてです。  本市バス事業は、平成二十四年度には営業路線約五百九十キロを五百二十一両で運行、一日平均約十二万人の市民の皆様の生活の足としての役割を担っていただきました。公共交通網を考えるとき、軌道系の地下鉄、JRとバス路線との連携、連絡が一定の間合いで保たれれば、利便性が高まり、利用客は確保されると思うのです。当然、経営が成り立たなければなりませんので、計画を着実に進めていくことが前提となりますが、計画の立て方自体が、ややもすると縮小に傾斜しているように感じられるところです。  忘れてならないのは、公共交通に課せられた使命です。交通弱者を初めとした市民生活の足の確保のために、市民ニーズを的確に捉え、速やかに手を打っていく中に未来への光が見えてくると思うのです。  例えば、郊外団地で生活をされている方の中にも、年齢を考慮して一大決心をしてマイカーを手放し、免許証を返納される方がふえ始めています。皆様が異口同音におっしゃるのは、これからは市バスが頼りだとのこと。今後、市営バスに生活の足を委ねる覚悟をされているわけです。また、障害をお持ちの方の中には、毎日の生活にバス利用が欠かせない方もおられます。お一人お一人のお声に耳を傾ければ、実は希望、要望をたくさん持ちながら、我慢して利用されている。そのけなげさに何か少しでもお応えしてこそ、安心と期待が高まり、利用増にもつながる重要な要素があると思うのです。  今後も、さらに中長期的な事業を検討する上での有益な分析とともに、高齢者社会においての交通弱者等のバス利用の特性を把握し、安全性、利便性向上に取り組んでいただきたいと期待し、以下三点について伺います。  質問の一点目は、バス待ち環境の整備についてです。  多くの市民に安全に快適にバスを利用していただくためには、よりバス待ち環境に取り組んでいただきたいとの御要望があります。本市の平成二十四年度の上屋整備状況は三百九十二カ所となっており、設置できるバス停留所九百七十五カ所に対しての設置割合は約四〇%となっております。同じくベンチ整備は二百六十二カ所で、整備率は約二六%と伺いました。過去三年におけるベンチ設置要望は九件あり、うち設置できたものは一件となっております。  ベンチの整備率については、いまだ半数に満たない状況ですが、既存維持の老朽化に伴う改修予算すら、なかなか手当てできないとの苦渋の実態を伺っております。この際、民の力をかりて、バス停に限らず歩道の店先、軒先に固定ではなく、可動式の一服ポイントの設置を呼びかけることなども検討されてはいかがでしょうか。民の力をかりて、フラワーロードならぬ思いやりロード等によって、利用者の心に潤いを与える工夫、取り組みを図る中で、今後増加する高齢者等の利用促進につながる整備ではないかと思うのです。  ベンチ整備等設置要望に対しては、関係部署が連携、調整を図り検討すべきと思われます。御所見を伺います。  質問の二点目は、バス停留所新設についてです。  バス利用、利便性向上のためには、バス停新設は大事な要素であると思われます。本市におけるバス停留所の設置基準は、バス停とバス停の間隔が中心部では三百メートル、周辺部では五百メートルとなっておりますが、現在、おおむね五百メートル以上の間隔を有するところは、全体の二割程度あると伺いました。バス停新設の要望があっても、道路の勾配やカーブ等交通安全の関係や、沿線の地権者などの希望から設置の進まない状況があります。  一方、バス停がふえると乗車時間が延びるという課題がありますが、例えば郊外路線においては停留所を間引くなどした快速バスをつくる工夫があってもよいのではとのお声もいただいています。また、バスベイを新設するなど検討し、バス停新設の要望には積極的に対応していただきたいと求めるところですが、御所見を伺います。  三点目は、市民の声を求める努力についてです。  京都の京丹後市バスでは、片道運賃が千円を超す地点もあったようですが、上限二百円均一に変更して利用者が増加し、区間を延長するとの内容がテレビの情報番組で紹介されていました。また、他の番組では、長野のタクシー会社のエピソードが紹介され、従業員の方々が独自の判断で顧客にサービスを提供し、その成果は売り上げの向上につながっているという内容です。会社会長の、小さく損して大きく得するとの考え方も注目を集めておりました。  仙台市交通局としても、一日の運行を終えての日報を回収する際に、運転手さんが気のついたエピソードを集めてみるとか、市長への手紙のように、例えば、目安箱的に利用者から広くお声を求められる環境整備をするなど、今後の改善につながる努力をされることも検討されてはいかがかと思うところですが、御所見を伺います。  最後に、食物アレルギー対策について二点お伺いいたします。  一点目は、本市の学校給食における食物アレルギー対応の手引についてです。  文部科学省は七月末に、昨年十二月東京都調布市の小学校で、食物アレルギーを有する児童が亡くなるという事故があったことを受けて、再発防止に向け、アレルギーがある児童生徒への対応に関する全国調査を行っております。小中学校五百校を抽出し、給食での事故防止や緊急時の対応方針を把握し、秋にも結果をまとめて今後の施策に反映させるとしています。  本市の教育委員会では、他都市に先駆けて独自に食物アレルギー対応の手引を作成し、市内の学校に配布していただいているところです。改訂版は二〇〇八年に出されております。しかしながら、既に手引書は作成から五年以上が経過しているところです。  今回の文科省の中間報告では、食物アレルギーによる事故は全国どこの学校でも起こり得るとして、教職員個人ではなく学校全体での対応が必要と指摘し、給食設備の整備状況や栄養教諭の配置、アレルギーがある子供の有無など、個別事情が異なるため、各校のマニュアルの重要性を強調しています。  本市として、国の中間報告を受けての今後の手引の改定について、最新情報を盛り込んだ見直しが必要ではないかと思うところですが、御所見を伺います。また、現場の教職員に十分活用していただいているかなど、対応への指摘があるところですが、あわせて工夫した活用方法の検討内容を伺います。  二点目は、救急搬送時の対応についてです。  本市の過去の幼児、児童、生徒の学校等における救急搬送状況は、平成二十二年は三百二人、平成二十三年は三百二十二人、平成二十四年は三百四十四人と、毎年約二十人の増加傾向にあり、食物アレルギー症状による救急搬送の件数は、平成二十三年度は一件、平成二十四年度は六件、本年度は八月末現在で八件と伺いました。その中で、学校等で初めて発症したケースにおいては、平成二十四年度は三件、今年度に入ってからは二件あると伺いました。  症例としては、原因食品とは別に食品に反応したことが疑われるものや、経口免疫療法により除去が解除された食品に反応したことが疑われたことや、また激しい運動の後に発症したとのことです。今後はさらに、主治医と学校、保護者が情報を共有し、命を守る対策として、緊急時に備えた学校と消防署との連携強化等、自主的な取り組みを期待するところです。  群馬県渋川市では、市内の小中学校など児童生徒らが病気やけが、アレルギー症状で緊急搬送される際、学校と消防署などが迅速に連携できるよう、子供の病歴などを記入する緊急時対応の子ども安心カードを作成し、運用を始めました。  このカードの記載内容は、病歴、かかりつけ病院名と主治医、そして連絡先、服薬状況が記載されるようになっています。子ども安心カードは救急隊が持参し、搬送された担当医が直接カードを確認する方法が図られています。アレルギーのショック症状対応は時間との勝負で、的確な情報の伝達が重要とされながら、いざ学校に救急隊が駆けつけると現場はパニック状態で、情報の伝達がなかなか難しいとの意見を受けて作成されたと伺いました。  本市においては、学校関係者が保健調査票を持参し付き添うことになっておりますが、保健調査票は記載内容が多岐にわたっており、瞬時に的確な情報を提供できるか、確認し検討すべきではないでしょうか。一刻を争う命の危険を伴う救急搬送時の対応について、子ども安心カード等のような工夫を参考にし、関係部署が協議検討を行い、正確な情報伝達と対応を求めるところです。  御所見を伺い、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 36: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの小田島久美子議員の御質問にお答えを申し上げます。  被災された方々への相談体制についてのお尋ねでございます。  東日本大震災の直後には、多くの方々からかけがえのない御家族、御友人を失い、また住みなれた我が家を失って、あすへの希望が見えないといった不安の声を伺ったところでございます。  発災から二年半が経過いたします中で、仮設住宅での暮らしにも一定の落ち着きが生まれ、地域の皆様や相談員、ボランティア、NPOの方々などとのお話し合いや意見の交換を重ねながら、御自身の生活再建に向き合えると、そのような方もふえてきていると実感をしております。現在、実施をしております仮設住宅訪問調査におきましても、約八割の方がお住まいの再建について一定の方針をお持ちになっているという状況でございます。  しかしながら、一方ではいまだ震災に伴います喪失感やストレスを抱えたままでいらっしゃる方、健康面の課題をお持ちの方、仕事を失い、生計に不安のある方など、新たな一歩を踏み出すに至っていない方も多いところでございます。このような皆様に対しましては、この間もさまざまな見守り活動を続けてはまいりましたけれども、さらにお一人お一人の課題やニーズに応じた相談、支援の体制の構築が重要と認識をしておりまして、区保健福祉センター、また、はあとぽーと、復興事業局など、それぞれの組織がその専門性を生かしながら、個別の支援プランの作成など、今後、鋭意取り組んでまいる所存でございます。  このほかの御質問につきましては、交通事業管理者、関係の局長並びに選挙管理委員会事務局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 37: ◯子供未来局長(西城正美)震災で大切な人を亡くした子供たちの心のケアについてでございます。  震災で親を失った孤児、遺児のみならず、身近な人を失うという体験をした子供たちは少なくなく、本市においては、子どもの心の相談室で幼児期の子供の心のケアを行うとともに、小中学校においてはスクールカウンセラーを派遣するなど、子供の成長段階に応じた支援を行っております。  子供の心の傷は、直後には見えず、後々顕在化する場合もございますし、また養育者の方が安定した気持ちで子育てできることが、子供にとって何より重要であると認識しておりまして、今後とも子供の心のケアと養育者の相談支援に努め、子供たちが今回の大震災という経験を乗り越え、健やかに育つことができるよう取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。 38: ◯教育長(上田昌孝)私からは、学校における食物アレルギー対策についての御質問にお答えを申し上げます。  まず、本市独自の食物アレルギー対応の手引の改定についてでございます。  本市では、これまでも適宜手引の見直しを行いながら、食物アレルギー対応に取り組んでまいりました。来年三月に国の最終報告が出た際には、その内容を精査の上、本市の手引の改定に反映させてまいりたいと考えております。  また、各学校においては、これまでも手引を活用した校内研修の実施や、それぞれの実情に応じたマニュアル等を作成して取り組んでまいりました。今後とも全職員が共通認識のもとで対応できますよう、こうした取り組みのさらなる充実強化を図ってまいりたいと存じます。  次に、食物アレルギーによる救急搬送時の対応についてでございます。  近年、学校現場において食物アレルギーを発症し、救急搬送される事例もふえておりますことから、その際には救急隊や医師への的確な情報の伝達が大変重要であると認識してございます。こうした中で、本市では従前から全市で統一の保健調査票等を活用しているところでございます。  今後とも、より一層的確な情報伝達が行えますよう、御提案の事例等も参考にしながら、保健調査票等について見直しを行ってまいりますとともに、緊急時における迅速な判断や情報伝達が徹底されますよう、教職員に対する研修や指導の強化に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 39: ◯交通事業管理者(中鉢裕)私からは、市営バスの利便性向上に関する御質問にお答え申し上げます。  まず、バス待ち環境の整備についてでございます。  バス停上屋やベンチの整備につきましては、厳しい経営環境を踏まえ、経営改善計画に基づきまして、民間活力による広告つきバス停上屋整備事業や県の補助制度などを活用しながら、計画的に進めておるところでございます。設置箇所の拡大につきましては、歩道幅員の確保や地下埋設物の状況といった課題もございますことから、今後も御提案のような民の力の活用策なども参考といたしまして、道路管理者など関係機関とも協議しながら、さまざまな方策について検討してまいりたいと存じます。  次に、バス停留所の新設についてでございます。  お客様からの御要望や新たな公共的施設の設置など、バス停のあることがお客様の利便性向上につながる可能性が大きい、こういった場合に、その新設を検討するということになりますけれども、関係法令上の制限がない場所であることのほか、他の自動車や自転車、歩行者といった通過交通の安全確保といった観点からの判断も必要となりますことから、道路管理者や警察と協議を行い、設置の可否を判断することになります。この通過交通の安全という観点からは、御指摘のバスベイを設けることによりまして、バス停が設置しやすくなりますけれども、新たな道路外の敷地の確保などのいろいろな問題もございます。  また、快速バスにつきましてでございますが、現在、一部路線で朝夕の通勤通学時間帯に運行しておりますけれども、速達性を確保できる道路が一定限られているということもございまして、対象路線の拡大は現状では困難でございますので、御理解いただきたいと存じます。  今後、新たなバス停設置の必要性が生じた場合につきましては、さまざまな可能性を探り、積極的に実現に向けた努力を行ってまいりたいというふうに存じます。  最後に、市民の声を求める努力についてでございます。  市営バスを御利用なさいますお客様からは、電子メールやお手紙等でバスの運行やサービスの向上に関するさまざまな御意見をいただいておりまして、バスダイヤの改正に際し、運行時刻や経路の見直し等に反映をさせ、事業運営に生かしているところでございます。また、私初め、関係部課長が各営業所に出向いて行います乗務員との意見交換会や、営業所で毎月行います職場研修会におきまして、乗務員からお客様の生の声を踏まえたバスの運行に関する要望などを聞き、ダイヤ改正や車両の安全性向上につなげているところでございます。  今後は、御提案のような乗務員からの日常の終業点呼時等において聞き取りを行うなど、さまざまな手法により、お客様からの御要望、ニーズを把握し、なお一層利便性の向上に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 40: ◯選挙管理委員会事務局長(木村純一)私からは、選挙関連の御質問にお答え申し上げます。  初めに、投票所のバリアフリー整備の強化についてでございます。  投票所のバリアフリーにつきましては、これまでも臨時のスロープの設置や車椅子の配置など、投票環境の改善に努めてきたところでございます。今後、ますます高齢者や障害者等の方々への配慮は重要になると考えますので、スロープ等設備の改善、より適切な案内掲示の工夫、事務従事者の接遇の改善などにより、さらなるバリアフリーの充実に努めてまいりたいと考えております。  次に、期日前投票の宣誓書の事前配布についてでございます。  期日前投票の宣誓書の事前配布につきましては、有権者の利便を図る上で効果があると認識しております。現在、宣誓書の様式につきましては、ホームページからのダウンロードには対応していないところでございますけれども、今後事務のあり方を見直ししながら、ダウンロードによる事前配布について検討してまいりたいと考えております。  次に、投票所へのメモ等の持ち込みについてでございます。  そのメモ等に記載された候補者の氏名を、故意に周りの有権者から見えるようにすることは禁止されておりますけれども、有権者が投票しようとする候補者の氏名を忘れないようにするために、メモや選挙運動用ビラ等を持ち込むことのついての制限はございません。なお、このことについて、投票管理者説明会等におきまして、事務従事者に周知徹底を図ってまいります。  次に、投票済み証明書の交付についてでございます。  まず、投票済み証明書の交付状況でございますが、さきの七月執行の参議院議員通常選挙における交付者数は八百八十六人でございました。その内訳は、職場への提出のための申請が九割となっております。  投票したことによる商店街のサービスセールにつきましては、本市においても一部の商店で投票所の看板を背景にした写真を提示することで、割引サービスが行われたところでございます。投票済み証明書の交付につきましては、その活用が図られますよう、ホームページによる周知を行ってまいりたいと考えております。  今後も社会の変化に伴い、投票しやすい環境づくりに必要なさまざまな課題が生じてまいりますが、高齢者や障害者に対するバリアフリーの取り組みを初めとしまして、有権者の方が投票しやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 41: ◯十七番(小田島久美子)一点だけ、お願いいたします。  できれば、この議会、市民の皆様もインターネットでも見ていただいている方もおられると思いますし、また傍聴していただいている方もいると思います。御答弁はできるだけわかりやすく御答弁いただければ、大変ありがたいと思うんですけれども、先ほど、バス停新設のところでお答えがございました。  バスベイは設置できても、関係法令上の都合により設置することは、新設は考えていないというような文言の御答弁があったやにお伺いします。関係法条例というのは、どういう意味でございますか。 42: ◯交通事業管理者(中鉢裕)これは道路の構造関係から来る法令等がございまして、いわゆるバス停やベンチを設置した場合に、その余の間隔が十分とれないとか、そういうところについての法令の制限があるという意味で申し上げました。  以上でございます。         ─────────────────── 43: ◯議長(西澤啓文)お諮りいたします。  本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 44: ◯議長(西澤啓文)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、明日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。
        午後四時七分散会...