虐待の発生予防には、育児の孤立の防止や育児不安の解消など、虐待に至る前の気になるレベルでの適切な支援が必要とされており、その施策として
子育て支援事業の普及、推進が図られてきました。本市におきましても、
新生児訪問指導を平成十九年十月より全数に拡充し、その訪問実績は九五から九八%と大変高いものになっています。
また、平成二十三年度より
乳幼児虐待の要因の一つである産後
うつ病早期発見のため、全訪問数に対し、エジンバラ産後
うつ病質問票を実施しているとのことですが、これらの拡充策からの効果はどのようにあらわれているのかをお聞かせください。
次に、
乳幼児健康診査等についてお伺いします。
本市では、母子手帳にあわせて健診票を交付し、生後二カ月、四、五カ月、八、九カ月と三度の健診を実施しています。その受診率については、最初の健診が九〇から九五%となっているものの、徐々に低下し、八、九カ月健診では八〇%台に落ち込みます。その後の一歳六カ月、二歳六カ月、三歳児健診においても、同様の受診率になっています。
住民基本台帳からリストアップし個人に通知される三、四カ月育児教室も、受講率が七〇%台となっていますが、未受診者への対策はとられているのかをお伺いします。受診率を上げる工夫が必要と思われますが、いかがでしょうか。
続いて、育児不安やストレスを抱えている子育て中の女性を対象にした、女性のための
健康支援教室について伺います。
平成二十四年度の実施状況を見てみますと宮城野区のみ開催されていないのには、何か理由があるのでしょうか。また、二十四年度の実施内容は、
虐待グループミーティングのみとなっています。確かに、育児不安は虐待の要因にはなりますが、虐待対策のみで育児不安の軽減は図れるとお考えでしょうか、お聞かせください。
このほかにも、全国的にも評価の高い仙台市子育てふれあいプラザの
びすくの運営や、児童の養育について支援が必要な家庭に対する
育児ヘルプ家庭訪問事業、保護者が一時的に養育困難になった場合に
一定期間施設にて保護、養育する
子育てショートステイなど、さまざまな施策に取り組まれていますが、
支店経済都市と言われる仙台市の特性を考慮すると、施策のさらなる充実を目指すべきではないでしょうか。
転勤族だけでなく、震災後、本市で生活再建を望む
子育て世帯や
ひとり親世帯、
経済的理由から職を求め移り住む人が多い都市だからこそ、身近に頼る人や相談する人がなく、家庭内で不安を抱え込んでしまう可能性の高い母親に手を差し伸べる施策が必要です。
さきに挙げました
子育てショートステイの利用状況を見ますと、多くは保護者の疾病や出産、家族の看護などを理由としており、その半数が
ひとり親世帯の利用であることからも、家族、親族等から育児支援を得られない世帯の実態があらわれています。
育児の
孤立化対策が急がれると思いますが、いかがでしょうか。
このような、家族等から支援を受けられない人を対象とした
先駆的事業として、世田谷区の産後ケア事業があります。急激な少子化によって子供に接する機会がないまま親となり、子育ての難しさに直面するものの、核家族化により産後の世話や子育てに対する支援を得られず孤立化を深めていくといった現状に、都市部においては、産後の母子に向けての専門職による育児支援が必要とされました。
この産後ケア事業は、母子そろっての
ショートステイとデイケアの二本立てですが、本市の
子育て支援ショートステイとは違って、育児の不安の軽減と
生活リズムづくりの支援を目的にしています。施設滞在中は、母体ケア、乳児ケアのほか、育児に関するさまざまな指導を受けられるなど、内容も充実しており、出産直後の心身ともにつらい時期の母親に癒やしと安らぎを与える
育児支援施設と言えるでしょう。利用者からは、夜泣きがひどく夜は全く寝れなかったが、産後初めてゆっくり眠れたとか、赤ちゃんがいると食事の用意もままならず、栄養価も考えられた食事をゆっくりと食べることができたなど、喜びの声が上がっていました。
課題としては、利用者一割負担と公的支援が入っているためか、初回申請時は窓口のみでの手続となっており、出産直後の母親では申請が難しいこと、当該事業で使用できるベッド数が限られているため、なかなか予約がとれないなどの意見もありました。
当該事業は、
プロポーザル方式により
武蔵野大学に運営委託しているとのことですが、産後ケアに限らず、
本市子育て支援策についても、在仙の医療系、保育系の学校との連携が考えられると思います。本市の
子育て支援施策の拡充に向けた御見解をお聞かせください。
続いて、低所得世帯の子供のための
学習サポート事業について、お伺いいたします。
仙台市では、震災後の
被災地支援の一つとして、
NPO法人キッズドアとの共催により、震災で困難を抱える中学三年生への学習支援、
無料公立高校受験対策講座タダゼミに取り組んでまいりました。平成二十四年第三回定例会における私の一般質問に対しまして、当時の教育長から、このような
NPO活動がさらに広がるよう必要な支援に努めてまいりたいとの御答弁をいただきました。
まず初めに、震災から二年半を迎えるきょう、この事業は継続されているのか、仙台市としてどのような支援をしてきたのかを伺います。また、このタダゼミの成果をどのように認識しておられるのかもあわせてお聞かせください。
本年七月より、新たに、低所得世帯の子どものための
学習サポート事業が始まりました。単年度の
モデル事業ではありますが、その事業概要を見ると対象者を太白区内の生活保護及び
児童扶養手当全額受給世帯としており、居住地を限定せず、
ひとり親家庭や失業、休業で経済的に困っている家庭なども対象としているタダゼミと比較すると、その対象範囲が狭まっているようです。
教育委員会が共催した従前のタダゼミと、
健康福祉局、
子供未来局が所管する本事業の違いについて、お伺いいたします。
このような低所得世帯に対する
学習支援策は全国各地の自治体で取り組まれており、貧困の連鎖を断ち切るために有効であるとされています。制度の違いは見られますが、実施に当たっては共通の課題があると思われます。
まず第一に、
受け入れ先の問題です。多くは
NPO法人によって運営されているようですが、一部地域での
モデル事業として取り組まれていることが多く、全市域など広範囲にわたる事業展開には至っていないようです。
本市における事業も太白区に設置された一カ所の
常設拠点会場と二カ所の
サテライト会場にて実施されており、対象地区に住む五百人ほどの子供たちのうち約四十名の学びの場となっています。今後、五、六カ所を開設し、百名程度の受け入れを目指しているそうですが、仙台市全域の事業として捉えた場合、どのくらいの対象者がいるのか、その対象者を受け入れるには何カ所の会場が必要になると試算されるのか、また、その場合、
業務委託先の確保の見込みはあるのかもあわせて伺います。
また、会場をふやさずにエリアを広げる方策として、埼玉県では交通費の支給もしているようですが、仙台市として対象地域の拡大については、どのようにお考えかをお聞かせください。
次に、対象世帯に対する呼びかけ、働きかけの問題です。低所得世帯では、親が教育や進学について熱意や関心がないことが多く、親の意識が子供の学習意欲に影響を与えているとされています。子供たちへの学習支援の第一歩は、教育に対する親の理解を得ることから始まるのではないでしょうか。
ふえ続ける
生活保護受給者に
ケースワーカーが足りず、
社会福祉法で定められた担当数を上回る世帯を抱え、自立支援が進まないという悪循環が続いている自治体もあります。大人たちに対する就労支援などが優先され、子供たちの学習支援までは手が回らないといった声も聞かれます。
本事業では、
生活保護世帯には
ケースワーカーが訪問し、
児童扶養手当全額受給世帯にはダイレクトメールにて参加を呼びかけているとのことですが、現在の参加率八%をどのように捉えておられるのかをお聞かせください。
低所得家庭の子供たちは、不登校や非行などさまざまな問題を抱えていることが少なくありません。専門性を持った支援員による家庭訪問や参加の呼びかけを継続し、親子双方に対する学習意欲の喚起が必要と考えます。家庭学習を含めた生活支援だけでなく、心の安定を図る
居場所づくりといった
福祉的支援も目的とされる本事業においては、一人でも多くの子供たちに支援の手が届くような取り組みがなされるべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、会場確保の難しさについても共通の課題です。自治体によっては、
介護老人福祉施設の
交流スペースを活用し、介護を必要とする高齢者や介護する職員との触れ合いを通じて、学校や家庭で孤立している子供たちの新たな
居場所づくりにつなげる工夫がなされているところもあります。仙台市においては、
支援対象者等の利便性を鑑み、
社会教育施設の会議室を借り上げるなどにより会場を設置しているとありますが、現状はいかがでしょうか、お伺いいたします。
生活保護受給家庭の高校生の中退率の高さも問題になっています。埼玉県の調査では、
学習支援教室に参加して高校に進学した子供たちの約七%が中退しており、その割合は一般家庭の二倍に及びます。中退の理由として学業不振を挙げている子供たちも多く、基礎学力に乏しいことがその原因であると考えられています。学習習慣に欠ける家庭の子供たちには、単に高校に合格できれば終わるばかりでなく、継続的な支援が必要ではないでしょうか。
また、努力のかいなく高校受験に失敗してしまった子供たちをどう支えていくのかも課題ではないでしょうか。低所得世帯の子供たちへの支援のゴールは、就労による経済的安定にあると思います。
先駆的取り組みがなされている埼玉県では、学習支援だけでなく、就労の支援にも及んでいますが、高校に進学できなかった子供たちに対する支援についてのお考えをお聞かせください。
生活保護世帯の子供たちが、大人になって再び生活保護を受給する貧困の連鎖の発生率は、実に二五%を超えており、この連鎖を断ち切ることが喫緊の課題とされています。子供たちの
経済的自立に向けた本事業の拡充が必要と思われますが、御当局の御見解をお伺いいたします。
続いて、被災地の経済復興について、お伺いいたします。
あの日から二年と六カ月がたち、復旧から復興へと表現も変わりました。経済のほうは、復旧・
復興バブルと呼ばれた時期を終えて、その次の段階に入ったようです。現状、景況指数の推移はどのようになっているのでしょうか。また、それをどう分析しているのか伺います。
それなりの数字が出ているにもかかわらず、なかなか実感として伝わりづらいのではないでしょうか。そこには、もともと不況の中で苦しい経営が続いていたということにも原因があると思います。そのような企業が震災後、倒産や廃業に追い込まれ、結果として切り捨てられたような状況があるのではないでしょうか。せっかく復活しつつある経済を継続させるためには、より一層の
金融緩和策が必要だと考えますが、現在どのような施策を実施しているのか、その利用実績はどのようになっていますでしょうか、お知らせください。
ところで、景況指数については、直近の三月に一段と悪化したようです。これをどのように分析しているのでしょうか、あわせてお答えください。
さて、二〇二〇年の
オリンピックが東京に決まりました。お家芸とされるレスリングも
オリンピック競技として残ることが決まりました。東京が選ばれた要因の一つに、
自民党政権が実行している
アベノミクスによる
経済的背景があります。金融市場に巨大な資金が投入され、かつての一ドル八十円時代から一ドル百円時代へと変わったわけですが、仙台市が受けた影響について、どのように分析されているのでしょうか。
アベノミクスが被災地に与えている恩恵はあるのでしょうか。仙台市として
アベノミクスをどのように評価しているのか伺います。また、地域の中小企業が
アベノミクスの各種施策を活用するために、仙台市はどのような支援をしているのかもあわせてお答えください。
次に、GIS、
地理情報システムの活用について、お伺いいたします。
さきの第二回定例会において、GISの更新について伺いましたところ、今年度更新に着手したという御答弁がありました。あれから三カ月近くが経過しましたが、GISの更新について、どのような進捗状況にあるのでしょうか、お伺いします。
また、
現行GISが抱えている課題について、更新によって一定の改善が図られる見込みであると伺いましたが、どの程度の課題改善が図られるのか、その見通しについて、お伺いいたします。
本市のGISは市民向けの
市民GISと庁内向けの
庁内GISとがありますが、
市民GISについては、システムの更新により、利用される市民の皆様にとって、より使い勝手のよいシステムになることを期待しております。
一方、
庁内GISについては、観光施設の把握や単に町内会などの区域を把握するような現在の利用の仕方だけでなく、地図とデータを連動させた活用ができるのではないかと思います。
例えば、
高齢者対策を一例に挙げてみますと、高齢者の分布について、数字としての
都道府県別、市町村別、区別のデータはありますが、同一区内でも各町内、各区画によって密度が異なりますので、数字で見ているだけでは、なかなか実感ができません。GISによって
グラフィックイメージにすると、この分布が明確になり、同時に、現存する施設などを重ね合わせれば、どの地域にどのような問題があるのかが可視化されます。商店やスーパー、コンビニなどを表示すれば、地域と商店のマッチングも検討でき、
買い物弱者対策に有効なデータとなります。これは小売業の店舗開拓などでは既に活用されていますが、行政も積極的に活用すべきと考えます。年齢別の
人口分布データと地図を連動させることで、将来その地域で発生するであろう問題も見えてくると思います。
このような
データ分析を含めて
庁内GISを有効に利活用するためには、職員の皆さんの研修も必要だと思いますが、今後の職員研修をどのように考えていらっしゃるのかもお伺いいたします。
前回も申し上げましたとおり、
庁内GISは、施設の適正配置のための分析に利用するなど、
まちづくりには有用なツールであると考えております。先ほど例に挙げました高齢者の住む
まちづくりには
健康福祉局と経済局がかかわることになり、GISを活用した
まちづくりを検討する場合には、複数の局にまたがることも予想されます。
庁内GISの
システム更新後は、職員の皆さんへの研修などを通じて、GISのさらなる有効活用が図られるように願っております。
最後に、災害時要
援護者支援に関する取り組みについて、お伺いいたします。
このたびの
東日本大震災を経験し、大規模な災害が発生した直後は市や消防を初めとした行政の対応が間に合わないという状況は、過去の災害の教訓からも明らかで、こうした災害時に最も頼りになるのは、隣近所を初めとした住民相互の助け合いや町内会、
自主防災組織など地域の団体であるということから、本市は、昨年三月、災害時要
援護者避難支援プランを策定いたしました。そして、
避難誘導等が迅速かつ的確に行われるためには、地域の中で誰が支援を必要としているのかを把握することが必要ということで、あらかじめ、そうした方々に災害時要援護者として登録を申し出ていただく制度が導入されました。
しかし、今回の制度が導入される以前の平成二十年に作成された「地域で備える災害時要
援護者支援の手引き」をもとに、地域によっては、町内会や
民生委員児童委員等が連携し、アンケートの実施や民生委員の保有する情報の活用などにより、要援護者の
名簿づくりが進められていたところもありました。こうした中で、現在の災害時要
援護者情報登録制度を新たに導入したその狙いを改めて伺います。
今回の登録制度においては、災害時要援護者として登録した方の名簿が、昨年度から既に各町内会等に配布されております。受け取った町内会の中には、この名簿をどのように活用したらいいのか、災害が起きた場合には、この名簿の要支援者を自分たちだけで避難所に連れていかなければならないのか、崩れた家屋の中から探し出して救出しなければならないのか、そのためのマンパワーをどのように確保したらよいかなど、義務感や負担感を感じて悩んでいるところもあると伺っております。実際の災害が起こった場合に、本市では、この登録制度によって、地域における共助の取り組みにどこまで期待しているのかをお伺いします。
また、この件に関しては、ことし六月に
災害対策基本法が改正され、新たに要援護者の名簿作成が市町村に義務づけられたところです。この法改正により、現在取り組んでいる要
援護者名簿の位置づけ、取り組みがどのようになるのかをあわせてお伺いします。
この法改正による、名簿作成の義務づけについての具体的な取り組みは、各自治体に任されているところが多く、登録制度の限界や
個人情報保護に対する対策など、課題が山積しているようです。どちらを向いても手探りで始めているといった印象ですが、
被災地仙台市として、大震災の経験を生かし、有効な支援体制が構築できるような取り組みを期待して、私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
6: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの
やしろ美香議員の御質問にお答えを申し上げます。
子育て支援拡充に向けた見解についてのお尋ねでございます。
子育ての孤立化や育児不安がふえている今、子供たちの健やかな育ちを支え応援することは、これからの仙台を考える上で欠かせない重要な課題の一つでございます。
特に、子育てを身近で感じることの少ない環境で育った方々が多くなっております今日的な状況や、本市の特性であります他都市から転入される
子育て家庭への支援の必要性につきましては、本市として特に重視をして施策の展開を図ってまいらなければならないと認識をしているところでございます。
こうした考えのもと、
子育て世代の皆さんからの評価の高い子育てふれあいプラザのびすくの、さらなる設置を進めておりますほか、地域で子供と
子育て世代を見守る力が発揮されていくよう、保育所などの専門的知識を活用した地域の
子育て支援などにも引き続き力を注いでいく考えでございます。
子育て世代の皆様が、仙台で子育てをしたいと、そのように考えていただける
環境づくりを進め、現在、そして将来の仙台が若い力でにぎわい、子供たちが健やかに学び育つまちでありますよう、
子育て支援に取り組んでまいりたいと考えてございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
7:
◯総務企画局長(高橋一典)
地理情報システム、いわゆるGISの活用について、お答えいたします。
システムの更新につきましては、七月に
事業者選定を行い、今月初めに契約を締結したところでございます。今後、システムの構築や
データ移行などを行い、来年二月に新システムが稼働する予定となっております。
次に、GISの課題改善の見通しについてでございます。
現行システムの動作速度の課題につきましては、利用者がよりスムーズに操作できるよう改善される見込みでございます。また、
市民GISにおいては、
スマートフォンからの利用が可能となり、
庁内GISにおいては、一度に利用できる人数の上限を引き上げるなど、それぞれ機能向上を図ることとしております。
最後に、
庁内GISの有効活用に向けた職員研修についてでございます。
更新後の
庁内GISは、
現行システムに比べ、さまざまな
統計データを地図上に表示する機能も向上する見込みですが、
現行システムとは使い勝手が異なりますことから、研修が必要と考えております。そのため、システムの操作やデータの入力などの基礎的な研修を行うこととしておりますほか、
データ分析などの応用についての研修も実施し、
庁内GISの有効な利活用の推進を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
8:
◯健康福祉局長(高橋宮人)私からは、
健康福祉局に係る御質問のうち、まず、低所得世帯の
学習サポート事業に関する御質問にお答えいたします。
初めに、
無料公立高校受験対策講座と
学習サポート事業の相違点についてでございます。
無料公立高校受験対策講座は、
教育委員会の支援により、
NPO法人が中心となって実施している事業であり、
東日本大震災により学習の場が失われ、経済的にも困窮している世帯の中学三年生を対象に、
高校受験対策を主な目的とする学習支援でございます。
一方、
学習サポート事業は、貧困の連鎖を防止する目的で、
生活保護受給世帯と
児童扶養手当全部支給世帯の中学生を対象に、学びの場の提供を通じて、家庭学習を含めた生活支援や心の安定を図る
居場所づくりを支援するものでございます。
両事業は、中学生に学びの場を提供するという共通する部分もございますことから、今後、連携を図りながら事業の推進に努めてまいりたいと考えております。
次に、事業の対象者数、対象地域の拡大についてでございます。
学習サポート事業の対象となる中学生は、本年四月現在、市全体で約二千百名となっており、必要な会場数の試算といたしましては、現在の二倍の利用率を想定した場合、二十カ所程度になるものと考えております。
また、今後の事業の拡大につきましては、市内で同様の事業を実施している
NPO法人等が複数あり、こうした方々の御協力をいただきながら、対象世帯が多い地域から優先的に実施してまいりたいと考えております。
次に、事業の利用状況と対象世帯への働きかけについてでございます。
学習サポート事業は、本年七月からスタートして間もないという事情もあり、必ずしも高い利用率ではございませんが、さまざまな家庭の事情を抱え、支援が必要な子供たちが現に利用している状況にあると認識しております。
今月、新たに二つの
サテライト会場を太白区内に増設する予定であり、対象世帯への呼びかけにつきましては、既に
ケースワーカーによる家庭訪問や区役所窓口で周知を図っているところでございます。また、会場近隣の中学校に対し事業の説明に努め、支援が必要となる生徒に対して個別に働きかけていただくなど、連携した対応を行っているところでございます。
次に、学習サポート会場の確保についてでございます。
この事業の会場は、今月増設予定の二カ所を含め、計五カ所となります。そのうち、常設会場一カ所は賃貸マンションで、残りの四カ所の
サテライト会場は、障害者施設の
交流スペースや民間商業施設の集会室を借り上げて対応しているところでございます。
次に、高校生への継続的支援についてでございます。
高校入学後において、中退を防ぐための支援は、貧困の連鎖を防止するための一つの有効な方策であると認識しております。本事業により培った基礎学力やみずからの進路を考える力をもとに、高校進学後も前向きに学び、相談できる
環境づくりについて、今後、NPOなどの支援団体と検討してまいりたいと考えております。
次に、今後の事業拡大の考え方についてでございます。
低所得世帯の子供が大人になって生活保護を受けることがないよう、貧困の連鎖を防止するためには、将来の進路を考える時期とされる中学校の段階で、学習習慣を身につけるための
環境づくりが必要であると考えております。今後は、この
学習サポート事業の成果や課題を検証し、子供の将来が生まれ育った環境によって左右されることのないよう、事業の拡大について検討してまいりたいと考えております。
次に、災害時要
援護者支援に関する御質問にお答えをいたします。
初めに、制度導入の狙いについてでございます。
震災前から、地域の共助により災害時要援護者の
名簿づくりが進められておりましたが、その一方で、誰が支援対象者なのかわからないなどさまざまな理由により、取り組みが進まないといった実情もございました。こうしたことから、本市は、大震災の経験や教訓を踏まえ、地域における取り組みを一層促進するため、災害時要
援護者情報登録制度を導入したところでございます。
次に、地域の取り組みへの期待についてでございます。
災害の規模によって、安否確認や情報伝達、さらには避難誘導など、災害時要援護者への支援内容は異なりますが、まずはできる範囲での支援を行っていただき、支援が困難で危険を伴う場合には、消防や警察などへの支援要請を行っていただきたいと考えております。
共助による災害時要
援護者支援は地域住民相互の支え合い、助け合いであり、本市といたしましては、先行事例の提供や避難訓練の働きかけなど、地域の実情に応じた取り組みが円滑に進められますよう、引き続き支援してまいりたいと考えております。
最後に、
災害対策基本法改正による名簿作成の義務づけ等についてでございます。
本年六月の法改正により、災害発生時に避難支援が必要とされる方々の名簿作成が市町村に義務づけられ、平常時からの支援体制づくりのため、本人同意のもとで地域団体等に情報を提供することとなりました。
本市の登録制度に基づいて地域に提供する名簿とその活用方法は、法の趣旨に沿うものと考えており、支援を必要とされる方々から確実に御登録いただけますよう、さまざまな機会を捉えて登録勧奨を行い、地域における災害時要援護者の支援体制づくりを促進し、災害時の自助、共助の取り組みを支援してまいりたいと考えております。
以上でございます。
9: ◯
子供未来局長(西城正美)
子育て支援の拡充と
学習サポート事業に関連しての就労の支援について、お答えいたします。
初めに、
新生児訪問指導拡充の効果についてでございます。
新生児訪問指導は、心身ともに母親の負担が大きい時期に、保健師、助産師が直接訪問し、不安な気持ちに寄り添いながら支援や指導を行うことで、育児における孤立感や不安感の払拭、軽減に大きく寄与しているものと認識しております。
また、エジンバラ産後
うつ病質問票の導入は、客観的な状況把握だけではなく、質問項目を糸口にした聞き取りも行いますことから、的確な精神的支援につながっていると認識しております。
次に、
乳幼児健康診査等の未受診者対策についてでございます。
乳幼児健診や育児に係る各種教室につきましては、母子健康手帳交付時における周知のほか、出産に備えた母親教室、新生児訪問の際など、保護者と接するさまざまな機会を捉えて御案内しているところでございます。未受診もしくは不参加だった場合には、電話等で直接連絡をとって母子の状況を把握した上で、支援が必要な場合には改めてお宅を訪問するなどの対策を講じているところでございます。
今後とも、未受診者対策等を継続するとともに、各種教室のさらなる参加率向上のために、窓口での案内やチラシ等の広報について工夫を重ねてまいりたいと存じます。
次に、女性のための
健康支援教室についてでございます。
女性のための
健康支援教室は、虐待を未然に防止するため、育児不安やストレスを強く感じ、子供の養育に特に困難を抱える母親を対象に実施しており、グループで話し合うことなどにより、子育てに関するストレスの発散や不安解消を図るものでございます。対象者が参加しやすいよう名称を工夫し実施しておりまして、内容はそれぞれの地域の状況等に応じ企画しております。宮城野区では育児相談会などという形で実施しているところでございます。
育児不安の解消のための取り組みにつきましては、子育て仲間同士で気軽に集え相談に応じられる場である子育てふれあいプラザのびすくや、児童館など地域の
子育て支援拠点での事業、市民相互の育児援助であるすくすくサポート事業、地域の皆様による子育てサロンや育児サークルの活動を推進しておりまして、母親同士の情報交換や不安に思う気持ちの共有がなされ、その軽減が図られているところでございます。
今後とも、虐待防止の取り組みとあわせて、このような育児不安解消のための各種の施策の充実に努めてまいりたいと存じます。
次に、育児の孤立化防止策についてでございます。
近年、出生率の低下、核家族化の進行、地域社会の相互扶助機能の希薄化に伴う育児の孤立化がより大きな課題となってきておりまして、それを防ぐ取り組みが急がれてきているところでございます。
本市では、妊娠の届け出あるいは転勤や相談で窓口にいらした皆様には、先ほど申し上げました、のびすくなどの
子育て支援事業の情報を提供しているところでございますが、保育所の専門的な知識や経験を活用した地域
子育て支援事業や、児童館での地域の方々による
子育て支援クラブ事業など、身近な地域の
子育て支援機能の充実にも努めているところでございます。
今後とも、さまざまな施策を複合的に展開するとともに、情報提供にも力を入れながら、
子育て家庭の孤立化の防止と育児不安の解消を図ってまいりたいと考えております。
次に、産後ケア事業などの
子育て支援策の拡充についてでございます。
本市といたしましては、
子育て家庭が孤立せずつながりを持てるような地域の子育て
環境づくり、訪問指導や各種健診等における個別の指導、支援のさらなる充実に、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
御紹介いただきました世田谷区の事例は、大学の取り組みということがベースとなって実現しているものと認識しておりまして、同じような形で直ちに本市において具体化できるものではございませんが、今日的な状況を踏まえました産後ケアの充実方策につきましては、今後、他都市の取り組みも参考にしながら、幅広く検討してまいりたいと存じます。
最後に、高校に進学できなかった子供に対する就労の支援についてでございます。
現在、子供相談支援センターにおきまして、中学校卒業後に進路が決まっていない子供たちの支援を行っておりますが、その中で、就労活動の支援として、履歴書の書き方や面接の受け方を指導したり、センターの職員がハローワークに同行して登録支援を行うなどの取り組みも行っております。
今後とも、関係する部局と連携しながら、このような子供たちに寄り添った支援を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
10: ◯経済局長(高橋裕)被災地の経済復興に関する数点の御質問にお答えをいたします。
まず、景況指数と
アベノミクスについてでございますが、本市事業所の景況指数は、震災以降、各種施策や復旧・復興需要の増加に伴って上昇し、平成二十四年一月から三月期には初めてプラスに転じ、平成十一年の調査開始以来、過去最高の景況判断となりました。その後、復興需要の減少に伴い、指数が低下傾向となり、本年四月から六月期につきましては、多くの業種で一段の低下があり、復興需要がさらに減少しているものと分析いたしております。
国の
アベノミクスによる経済対策は、日銀等の景気判断が上向いておりますように、日本経済の再生に向け一定の効果を上げているものと認識いたしておりますが、本市においては、円安の恩恵を受ける一部の業種への波及にとどまっており、また、円安で原料高となる状況もあり、その効果が本市を含めた地方にまで広く行き渡るまでには時間を要するものと考えてございます。
本市におきましては、商店街のアーケード改修やイベントに対する助成など、国の施策に連動して独自の支援を行うことにより、
アベノミクスの各種支援策の適用を受けた事例も出てきておりますことから、今後とも幅広く地域の中小企業に対しまして情報提供を行い、利用を促すなど、
アベノミクスの活用を通じた支援と状況に適宜対応した施策によりまして、地域経済の活性化に努めてまいりたいと考えております。
次に、金融緩和についてでございます。
震災以降、被災企業の復旧や経営再建を金融面から支えるため、全体の融資枠を拡大するとともに、三年間返済を猶予する震災関連融資や、利子・保証料補給などを行ってきたところでございます。
これまで、震災関連融資は二千三十七件、三百六十六億円、利子・保証料の補給は八千七百四十二件、九億八千万円の実績がございましたが、震災から二年半を経まして、その利用は大幅に減少してきており、現在は資金需要的には落ち着いてきているものと見ております。
また、今年度より、復興を加速させるため、二重債務を負う企業や復興プロジェクトなどにかかわる企業に対しまして、年利一・〇%、融資上限額を一億円とする融資制度を新たに立ち上げたところでございまして、既に利用実績も上がっているところでございます。
以上でございます。
11: ◯教育長(上田昌孝)私からは、
無料公立高校受験対策講座の御質問について、お答えを申し上げます。
本講座は、
NPO法人が、震災等により困難を抱える中学三年生の子供たちへ学習支援を行いたいとの趣旨で取り組んでいるものでございまして、被災生徒への支援という観点から、
教育委員会が共催し、平成二十三年度から継続しているものでございます。
この講座は、昨年度五十回開催されておりまして、大学生等のボランティア講師によるきめ細かな学習指導や進学相談等により、学習習慣の定着や進路に対する不安の解消といった効果があったものと認識しております。引き続き、各学校への募集案内の配付や会場の確保などの支援を行ってまいりたいと存じます。
以上でございます。
12: ◯議長(西澤啓文)次に、渡辺敬信君に発言を許します。
〔三番 渡辺敬信登壇〕(拍手)
13: ◯三番(渡辺敬信)市民フォーラム仙台の渡辺敬信です。議長から発言のお許しをいただき、一般質問をさせていただきます。
あの未曽有の
東日本大震災から、本日で二年半になります。改めて、犠牲になられた方々の御冥福と被災された全ての皆様にお見舞いを申し上げます。
それから、奥山市長がさきの市長選挙で二期目の当選を果たされ、
東日本大震災からの復興がより加速していくものと期待されています。私も、復興をなし遂げていくために一生懸命取り組んでまいる決意を改めていたしております。
それでは、以下、順次質問させていただきます。
初めに、本市が後援しているお祭りやイベントについて、お伺いいたします。
本市では、仙台青葉まつりや仙台七夕まつり、仙台すずめ踊り、定禅寺ジャズストリートライブ、光のページェントなど、年間を通じてさまざまなお祭りやイベントが開催されています。これらの主催団体には多くの市民の方々が携わり、それを見に来るお客様は県内外からだけではなく、遠く海外からも足を運んでいただいているのは御承知のとおりであります。
この数あるお祭りやイベントの中で、昨年ぐらいから深刻な課題を抱えているイベントがあります。それは、仙台七夕まつりの前夜祭で開催している仙台七夕花火祭です。この議場におられる先輩議員や奥山市長を初めとして本市職員の中で、少なくともこの花火祭を一度はごらんいただいていることと思いますが、毎年四十万人から五十万人の人出のある花火祭です。ことしで第四十四回を迎えたこの仙台七夕花火祭は、本市経済界の名立たる方々が毎年携わっており、仙台の夏の風物詩といっても過言ではありません。
その風物詩である花火祭が、来年以降の開催ができるかどうかの瀬戸際に立たされています。その理由として、平成二十七年度の開業に向けて地下鉄東西線の工事が鋭意進められており、打ち上げ場所である中ノ瀬グラウンドから、国際センター駅の駅舎や線路が、花火を打ち上げる際の保安距離内に位置しているからです。そのために、来年以降は打ち上げ場所を変更せざるを得ない状況にあります。主催団体の関係者からは、私たちは来年以降も花火祭を継続して開催していきたいのだが、このままこの課題が解決できなければ、市民の皆さんが楽しみにしている花火祭を中止しなければならないとお話しされていました。
このような課題を市民の皆様に理解していただくために、主催団体が独自に市民向けのアンケート調査を行ったそうです。その結果をお聞きしたところ、サンプル数は約千人で、そのうちの約九割の方々が、今後も花火祭を継続してほしいと回答していました。また、八割の方が、今後の打ち上げ場所として、市内中心部での打ち上げを希望しているとのことであります。
このことからもわかるように、仙台七夕まつりの前夜祭である仙台七夕花火祭を継続していかなければならないと考えますが、本市にとってこの仙台七夕花火祭の位置づけはどの程度のものであるのか、当局の御認識をお伺いいたします。
また、主催団体から来年の打ち上げ場所の候補地として東北大学のグラウンドや萩ホール前の広場をお借りして打ち上げたいともお聞きしておりますが、東北大学との交渉や依頼について、本市も積極的にかかわっていかなければならないと考えますが、それについて、どのようにお考えでしょうか。
仙台七夕花火祭の主催団体と本市の関係部局が、花火祭開催前の事前協議と終了後に翌年の花火祭に向けての打ち合わせを行っているとのことであります。ことしは花火祭終了後の打ち合わせについては、まだ開催されていないとお聞きしておりますが、先ほど申し上げたとおり、本年については来年以降の花火打ち上げの存続にかかわる大変重要な打ち合わせであると考えます。
仙台青葉まつりや仙台七夕まつりの主催団体の定期的な会議に本市職員も加わり、さまざまな調整や準備等に携わっていると聞き及んでいます。仙台青葉まつりや仙台七夕まつりと同様に、今後は、仙台七夕花火祭の主催団体の定期的な会議等に本市職員が参画すべきです。そのことにより、本市と主催団体の連携が一層図れることと担当部局の職員が現場を経験することで、これまで以上に安全な花火祭の開催につながるからです。御当局の御所見をお伺いいたします。
昨年、一昨年と、
東日本大震災により東北方面への観光客が大きく減少し、本市も同様でありました。現在は回復基調にあるものの、震災前と比較してみると、完全に回復したと言える状況ではありません。被災した本市が元気に復興へ向かって進んでいるという姿を、震災のときに災害支援の派遣で訪れていただいた方々や災害ボランティアでこの仙台にいらした県外や海外の皆様に発信していくことや、本市の交流人口の拡大と地元経済の活性化のために、仙台七夕花火祭はその一翼を担っている、本市にとってなくてはならないお祭りの一つであると考えます。この仙台七夕花火祭に対する本市の支援体制をさらに充実強化すべきですが、御見解をお伺いいたします。
次に、仙台市海岸公園復興基本構想に関してお伺いさせていただきます。
一昨日の代表質疑で当会派の安孫子雅浩議員が質疑しましたが、私のほうから、その質疑を受け、改めて質問させていただきます。
本年三月に、この基本構想が示されました。今後、この基本構想に基づき、基本計画が策定されると聞き及んでいます。
平成二十三年第三回定例会の一般質問で取り上げさせていただきましたが、
東日本大震災後、市内の運動施設は、仮設住宅に使用されているところや瓦れきの搬入場及び焼却施設等で使用しているため、かなり不足しております。中でも海岸公園の野球場は、津波被害の影響により壊滅的な状況にあります。関係者から、海岸公園の野球場については硬式野球も使用可能なことから、一日も早い海岸公園の再整備を行ってほしいという御要望をいただいています。市内の運動施設を見てみると、硬式野球ができるグラウンドは限定されているため、それらの関係者はグラウンド確保に苦慮されているというのが現状です。
今後、施設利用者である各種利用者団体二十五団体にアンケート調査を実施するとお聞きしていますが、そのアンケート調査の結果を基本計画の策定段階で、どのように反映していくのか、その方向性について、お伺いいたします。
震災前の海岸公園の利用状況を見てみると、土曜や日曜、祝日は、各種大会等で予約が埋まっていたと伺っています。海岸公園野球場、庭球場、パークゴルフ場、冒険広場、馬術場の利用者数は、年間三十万人を超える利用状況でありました。これだけ利用頻度の高い施設であることから、再整備後については、ネーミングライツの公募をするなどして、本市の歳入増につなげていくことも必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。
海岸公園の再整備について、現状復旧だけではなく施設の改良を行うべきと、これまで先輩議員や私が質問してまいりました。財源が国の復興交付金を活用して再整備するので、震災前の状態に戻す原状復旧しかできないとの答弁でありました。
本市の運動施設の中で、現在使用できている軟式野球しかできない施設で、規格上は硬式野球も使用可能と思われる施設や、若干の改修工事を行うことにより硬式野球の使用が可能になるのではないかと思われる施設が十施設以上あります。これらの施設で、住宅地の中にある球場であれば、住宅にボールが飛ばないよう高さのある防球ネットを増設することによって、それが可能となり得るものがあると考えます。また、外野の両翼及びバックスクリーンの位置を数メートル引き延ばすことで、使用可能となり得る施設もあるのではないでしょうか。
海岸公園の再整備が原状復旧しかできないとのことであるならば、このような施設を改修し、硬式野球も使用可能となるよう施設の更新を図るべきと考えますが、御見解をお伺いいたします。
次に、市内小学校校庭及び街区公園の維持管理について、お伺いします。
さまざまな活動を通じて、市内小学校に訪問する機会や地域行事で街区公園に行った際に、小学生の子供を持つ親の方や地域の町内会関係者から、表土が山砂のために、強い風が吹くと飛ばされ、雨が降ると流されてしまうので、敷石が見えるようになり、でこぼこしていてつまずいてしまう危険性があることや、表土が削られ地面がかたい状態にあるので、滑りやすくなっていて非常に危険であるから修繕してほしいという御要望をいただきました。
小学校の校庭や街区公園では、子供たちがさまざまな遊びをしていたり、鬼ごっこをしたりと、その場所で走り回って遊んでいます。このような環境の中で子供たちが走り回って遊んでいては、いつ大きなけがにつながるか、時間の問題であると考えます。そのような事態が起きてからでは遅いのです。子供たちが安心して遊べる
環境づくりを行うことは、行政の役割であります。そのための本市小学校の校庭及び街区公園の表土の維持管理についての考え方をお示しください。
また、すこやか子育てプラン二〇一〇においても子供の身近な遊び場を創出するとうたっており、以前は、平成二十二年までに一人当たりの公園面積二十平方メートルとしておりましたが、残念ながら達成に至りませんでした。みどりの基本計画においても、平成三十二年度を目標に公園等面積二十平方メートルとしております。ぜひ、子供の足で行ける場所への計画として、着実になし遂げられるよう取り組むべきですが、いかがでしょうか。
次に、本市の道路整備について、お伺いします。
震災で破損した市道の復旧は今年度中に終了する予定とのことでありますが、震災前に市道の維持改修整備に着手していて、その工事がおくれている路線は現在八路線あり、その工事が完了するのを路線地域内にお住まいの市民の方々は今か今かと待っています。ある高齢者の方から、歩道がでこぼこしていてこの間転倒しそうになったというお話や、小さいお子さんを持つお母さんからは、子供が歩道で自転車と接触するところだったなど、日ごろから危険を感じていることや不便を感じているという意見が寄せられてきました。
市民皆様の生活道路や歩道の維持改修工事の計画から工期スケジュール及び完了時期を、本市から直接地域住民に対して説明するなど、その方々に対しての周知に配慮すべきですが、御当局の御見解をお伺いいたします。
以上で、私の第一問を終わります。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
14: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの渡辺敬信議員の御質問にお答えを申し上げます。
仙台七夕花火祭に関する御質問にお答えを申し上げます。
七夕花火祭や定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、市民の間から自発的に生まれましたイベントは、市民の皆様のパワーが遺憾なく発揮される場であり、仙台のまちに活気と魅力を与えてくれるとともに、多くの観光客を呼び寄せる重要な観光資源にもなっていると認識をいたしております。
七夕花火祭は、ことしで四十四回と大変長い歴史を持ち、仙台七夕まつりを盛り上げる前夜祭として多くの市民や観光客の皆様に楽しんでいただいているところでありまして、今や欠かすことのできないイベントでございます。
東日本大震災直後の七夕花火祭では、色とりどりの花火がすばらしいドーンという響きとともに人々の気持ちを大変明るくさせてくれたことも、忘れられないことでございます。観客の皆様の中に子供たちや若い方々の姿が目立ちますのも、この都心近くで行われる花火祭ならではでありまして、仙台の若い経済人の方々が汗を流し、工夫を重ねながら取り組んできた成果であると感じているところでございます。
今後も、仙台のこの夏の風物詩であります七夕花火祭を市民の皆様がともに楽しんでいくことができますよう、継続の開催に向けて、引き続き支援をしてまいりたいと考えているものでございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
15: ◯経済局長(高橋裕)仙台七夕花火祭への本市のかかわりなど、数点の御質問にお答えをいたします。
まず、花火祭主催団体の会議への職員の参画についてでございますけれども、準備の進捗に応じまして主催団体の皆様から報告をいただき、関係機関との調整や運営へのアドバイスを行ってまいりました。
祭りの成り立ちや経緯から本市のかかわりが深い、七夕まつりや青葉まつりと異なり、市民創造型のイベントにつきましては、主催団体のより自由な発想と熱意が市民の皆様を巻き込んだ魅力ある祭り開催につながっていると認識いたしておりまして、今後も情報共有を図りながら、自主性を尊重しつつ、必要な支援を行ってまいりたいと考えてございます。
次に、来年以降の花火打ち上げ場所と支援の強化についてでございますけれども、地下鉄東西線の建設、開通に伴い、花火の打ち上げは、法令等に基づき施設と一定の距離を確保しなければならず、場所を変更せざるを得ない状況でございます。
昨年より、主催団体と本市の関係部署による随時の情報交換や全体での検討会議を行いながら打ち上げ場所の協議を進めており、現在、東北大学の敷地を候補地とした案の安全性や観覧場所、交通導線など、実施概要を検討いたしております。
実現性が見込まれ、東北大学の敷地での打ち上げが最良であるとの結論に至った場合には、本市も主催団体とともに東北大学との調整に積極的に当たるなど、継続開催に向け、市を挙げて支援に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
16: ◯建設局長(吉川誠一)建設局に関する数点の御質問にお答えいたします。
初めに、海岸公園復興基本計画への各種利用団体アンケート調査結果の反映に関するお尋ねでございます。
海岸公園復興基本計画は、さきに策定した基本構想を受け、具体の計画内容を示すことを目的として策定するものでございます。その計画立案に際しましては、原形復旧が基本とされる災害復旧にあっても、施設の配置を工夫するなどして利便性の向上に努めることとしており、利用に関する御意見をいただく必要があると考え、旧施設を御利用されていた団体から広く御意見をお聞きするものでございます。
今後、お寄せいただいた貴重な御意見を踏まえながら、将来像も見据えた計画の策定に当たってまいりたいと考えております。
次に、海岸公園再整備後のネーミングライツに関するお尋ねでございます。
ネーミングライツに関しましては、歳入確保の取り組みとして重要なものと考えており、公園施設といたしましても、七北田公園のスタジアムに導入しているところでございます。
海岸公園は、議員御指摘のように野球場、テニスコート、パークゴルフ場、冒険広場や馬術場など、施設が広範囲に点在する公園であり、公園全体の名称にネーミングライツを導入することは難しいと考えておりますが、公園内の個々の施設へのネーミングライツの可能性につきましては、関係部局と協議、検討を行ってまいりたいと考えております。
次に、公園内にある既設の野球場の改修に関するお尋ねでございます。
現在ある軟式野球場を硬式野球場としても使用する場合には、御指摘のような、高い防球ネットの設置やファウルグラウンドの確保等の改修が必要になるものと考えております。しかしながら、交通量の多い道路や線路、住宅地に近接している野球場が多いことを踏まえますと、硬式野球場として使用することは、安全の確保上、大変難しいものと考えております。
また、既設野球場の拡張につきましては、他の公園施設のレイアウトの見直しを伴うものとなり、大規模な改修が必要となるため、公園全体の再整備を行う際に検討してまいりたいと考えております。
次に、街区公園の維持管理についてでございます。
街区公園の維持管理は、職員によるパトロールのほか、公園愛護協力会など地域の方々からの情報提供などの御協力をいただきながら行っているところでございます。パトロールなどにより、表土が飛散し危険な場所を発見した場合は、砂の補充や修繕等で対応しているところでございます。
街区公園は、子供を初め、幅広い年齢層の方々に利用されておりますので、今後とも適切に維持管理を行ってまいりたいと考えております。
次に、みどりの基本計画の取り組みに関するお尋ねでございます。
昨年七月に策定いたしました仙台市みどりの基本計画では、基本方針の一つである生活環境の向上を目指し、都市公園に類似した公共施設を含む都市公園等の一人当たり面積を二十平方メートルとすることを目標としております。計画目標年である平成三十二年度の達成に向け、国の補助事業を効果的に活用しながら、身近な公園や特色ある公園の整備を行い、緑豊かで潤いのある
まちづくりを進めてまいります。
最後に、本市の道路整備に関する御質問でございます。
御指摘のございました震災の影響で改修工事を一時中断していた八路線につきましては、他の事業との調整が必要な二路線を除き、既に工事を再開しているところでございます。
道路の工事に関する地域の皆様へのお知らせにつきましては、これまでも工事期間や内容について、事前に町内会長や沿道の方々に直接御説明してまいりましたが、工事の進捗に合わせて必要となる情報につきましても随時お知らせするなど、より丁寧な広報に努めてまいります。
以上でございます。
17: ◯教育長(上田昌孝)私からは、小学校校庭の維持管理に関してのお尋ねにお答えを申し上げます。
小学校の校庭は、児童の身体への影響を考慮したかたさの表土としておりますため、御指摘のように風雨により削られるなどの影響がございます。こうしたことから、日常的に校庭の点検を行い、軽微なケースは砂の追加などにより対応し、学校での対応が困難な場合は、修繕や大規模整備工事を行うことといたしております。
今後とも、児童が安全に安心して校庭を利用できますよう、学校との連携を密にしながら適切に維持管理をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。
18: ◯議長(西澤啓文)次に、渡辺博君に発言を許します。