新
学習指導要領により
中学校では
英語が週3時間から週4時間にふえ、各学年で年間140時間となり、全ての教科の中で最も
授業時数の多い教科となっています。扱う
文法事項等については大きな変更はなく、
授業時数がふえた分、実際に
英語を使う
コミュニケーション活動の充実に努めることが求められています。
次に、
中学校における
外国語教育の充実のための
取り組みについて、御説明いたします。
仙台市では、昭和63年度に初めて
ALTを採用いたしましたが、その後段階的に増員し、平成8年度より全国に先駆けて
仙台市立の全
中学校・
高等学校に70名の
外国語指導助手ALTを配置する
仙台ハローワールドプランを実施し、
外国語教育の充実に努めてまいりました。
市教委にも
ALTの
研修担当と
生活面で2人の
ALTアドバイザーを配置しております。
ALTが
学校に常駐することで、生徒が日常的に
ネイティブの
英語に触れる機会が保障され、
学習意欲を高めることができる、外国の文化に直接触れることができる、教室内で生徒が
英語を使う自然な環境ができるといった効果があります。また、
英語科の教員にとりましてもみずからの
スキルアップにつながりました。
市教委では教員のさらなる
指導能力向上のために
ALTを講師とした
研修会の充実などにも努めてまいりました。
次に、
ALTの活用について、御説明いたします。
ALTは、
日本人教員とのチームティーチングで授業を行います。
ALTの主な
活用場面としては、
担当教員との
役割演技で生徒に英文の意味や活動のやり方を理解させる、発音のモデルになる、活動の中で生徒と
英語で会話をする、個別にアドバイスをするなどが一般的です。
また、仙台市では
ALTを
外部講師やゲストとしてではなく、
学校の教職員の一人として
位置づけており、
出身国の文化を紹介する掲示板を作成する、一緒に教室で給食を食べる、掃除を行う、
部活動に参加するなど、日常の
学校生活においても生徒と触れ合う
ALTが数多くおります。
現在の仙台市における
中学生の
英語の学力ですが、仙台市
標準学力検査の結果では検査を実施した中学2、3年生とも
基礎的知識について全ての観点で
平均正答率が
目標値を上回っております。また、
応用力についても
平均正答率は
目標値を上回る結果となっております。
次に、本市の
小学校における
外国語活動について御説明いたします。
仙台市では、平成12年度に
文部科学省の
研究指定校の指定を受け、
小学校における
英語活動の研究に
取り組みました。
指定校には当時は全国的にも少ない
小学校専任の
ALTを配置しました。
指定校の
研究発表を機に、総合的な学習の時間の中で
英語活動や
国際交流活動に取り組む
小学校が少しずつふえ、その後も継続的に
小学校英語活動の研究が進められてきました。
平成20年度に、
文部科学省より新
学習指導要領が告示されました。平成23年度から
小学校外国語活動が必修となり、
小学校高学年で週1時間の
外国語活動が義務づけられました。自主的に研究を進めていた
学校も多く、また、
移行措置期間中にどの
学校も準備を整えていたので、
東日本大震災直後の
完全実施にもかかわらず大きな混乱もなくスタートを切ることができました。
それでは、
小学校外国語活動の様子を
ビデオでごらんください。
〔
ビデオ上映〕
5:
◯教育指導課長 次に、
外国語教育の課題と対応について、御説明いたします。
本市の
外国語教育についての課題ですが、大きく三つ挙げられます。
一つは、
小学校外国語活動における教員の
指導力の向上です。
小学校外国語活動は実施されてまだ3年目であり、また、
指導法も他の教科と大きく異なることから、現場の教師の
スキルアップが必要になります。
その対応として、
ALT教育アドバイザーによる
研修会を開催しています。副教材として
文部科学省が作成し配付している「Hi!
friends!」の
活用方法や
指導法、教材や教室で使う
英語等について月1回のペースで行っています。現場の教師の希望も取り入れ、授業に生かすことのできる
指導のアイデアや工夫を数多く取り入れております。写真にある絵本の読み聞かせの研修も教員の声をもとに設定いたしました。また、どの教員でも
外国語活動の
指導ができるように、低
中学年担当教諭も参加できるようにしており、今後も研修の充実を図ってまいります。
なお、本日お手元にただいま申し上げました「Hi!
friends!」の一部をコピーして配付させていただきましたので、後ほど御高覧いただきたいと存じます。
課題の
二つ目は
小中連携です。
小学校で2年間
外国語活動を経験した生徒が今年度から
中学校に入学するようになり、
小学校外国語活動から
中学校外国語科への、より円滑な接続が求められております。
その対応として、今年度より
小中連携推進協議会を開催しています。
中学校区ごとに
外国語活動と
英語科の目標を理解したり、
お互いの
教科書を見ながら内容のつながりや
発展性についての話し合いや
情報交換などを行いました。今年度は、どのような連携が可能かじっくりと話し合うことができ、
参加者の感想からは
お互いの
授業参観の計画を進める、
外国語活動を生かした
中学校の
指導を開発するなどの声が聞かれたところです。
外国語教育における
小中連携はまだ始まったばかりであり、研究すべきことも多くありますが、
取り組みの充実に努めてまいります。
課題の
三つ目は、より確かな
コミュニケーション能力の育成です。仙台市
標準学力検査の検査結果は全体的に良好であるものの、場面に応じた
表現力について課題があるとの結果が出ています。そのために、本市においては宮城
教育大学と連携の上、確かな
学力研修委員会を組織し、
標準検査の結果を踏まえながら
表現力の向上を図り、より確かな
コミュニケーション能力を育てるために、
指導事例の開発や
提案授業の公開に取り組んでいるところです。平成24年度は、身近な話題について自分の意見を
英語で表現できることなどを狙いとした授業を計画し、
英語科教員を対象とした
提案授業を公開しました。今後も効果的な
指導の
あり方についてさらに研究してまいります。
今後、ますます
国際社会が広がり、これからの
子供たちは世界の人々とともに考え行動することが求められます。
世界共通語としての
英語の
重要性は高まっております。国においても
小学校の
教科化など、
外国語教育の今後の
あり方について検討が始まったところです。
教育委員会としても
子供たちが
国際社会の中で活躍できる力を育むことを目指して、
外国語教育の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
6:
◯委員長 ただいまの説明を含めて、本件について
質問等はございませんか。
7:
◯小山勇朗委員 まず最初に、
ALTについて、この
ALTの
選定基準あるいはその
雇用契約の内容について、まず、お示しをいただきたいと思います。
8:
◯学校教育部参事 ALTの
選定基準でございますが、まず国の
あっせんを受けております
JETプログラムにつきましては、日本の大使館、
在外公館が窓口となりまして外務省が現地で
採用等の面接その他選考を行っております。その後、
自治体国際化協会を経まして仙台市が
あっせんを受けるというような手順になってございます。
一方、仙台市の
独自採用の
ALTにつきましては、仙台市
教育委員会で独自に
面接等の選考を行っております。
9:
◯小山勇朗委員 この前も
ALTで問題を起こした部分がありますけれども、それは仙台市独自に採用した
ALTだったんですか。
10:
◯学校教育部参事 先日の件につきましては
JETプログラムの
あっせんを受けた
ALTでございました。
11:
◯小山勇朗委員 そういう意味では、
あっせんを受けた
ALTであっても十分にこの審査というものをして採用をしていくべきだろうと思っていますし、
雇用契約内容についても
自治体が独自に
契約内容についてできるのかどうか、
お答えください。
12:
◯学校教育部参事 ALTの給与を初めといたしまして、
勤務条件等につきましては
自治体国際化協会のほうで一応
ひな形といいますか、定めておりまして、各
都道府県等によって差が出ないような形で定めておりまして、基本的には仙台市もそれにならっているところでございます。
13:
◯小山勇朗委員 一般的に
試行期間というものをある程度設けながら、その
指導内容とか、あるいは日常的な活動なども含めて精査をするというふうな部分があってしかるべきだろうというふうに思いますけれども、そういったこの前のような事件があって、それは誰が責任を負うような形にあとなっているのか、
お答えをいただきたいと思います。問題を起こした場合、どういう形で、仙台市が処分をするだけで終わっているのか、それについても
お答えをいただきたいと思います。
14:
◯学校教育部参事 御指摘の点、
ALTにつきましては来日した後の
私生活面その他含めまして、さまざまな
指導あるいは助言、支援、これは必要でございます。仙台市におきましては、先ほどの御説明の中でも触れさせていただきましたが、
市教委に
ネイティブの人間でございますが2名配置いたしまして、さまざまな
日常生活、
学校での授業の
あり方その他について適宜
指導助言を行っているところでございます。
試行期間でございますが、
ALTにつきましては、特に
JETプログラムの
ALTにつきましては
世界各国からほぼ同一日に一斉に日本に来日いたします。その後、3日程度の東京でのオリエンテーションございますが、その後につきましてはそれぞれの
雇用自治体の責任で雇用するというような形になってございます。
特に試行といいますか、特に来日1年目の
ALTにつきましては、これはさまざまな部分で支援が必要でございますので、毎月定期的に
ALTの
定例会等を開催いたしまして、適宜必要な
対応助言等を行っているところでございます。
15:
◯小山勇朗委員 子供たちに
英語を教えるというふうな部分からすれば、やはり
ALTの人格というものを非常に大切にしていかなければならないだろうと。そういうものをきちっとやはり把握した中で、そしてそれを
ALTにして採用するというふうな状況というものをつくっていくことが問題の発生するようなことがない、そういった部分につながっていくだろうというふうに思うんで、その辺について
十分留意をしていただきたいなというふうに思っています。
あと、仙台市における
小学校3年生から
英語の
教育を始めているかというふうに思いますけれども、週何分で、年間何時間ぐらい
小学校3年生でやっていているのか、
お答えください。
16:
◯学校教育部参事 小学校の
外国語活動につきましては、
小学校の5年生及び6年生でございまして、週1時間、1こま45分でございますが、年間でそれぞれの学年35時間となってございます。
17:
◯小山勇朗委員 仙台である調査によると、日本の中で
小学校3年生でアジアへ行ったり、調べた資料があるんですけれども、
小学校3年生で週1時間で、
あと学校内年間11時間というふうな形で、総時間数で59時間ということで
英会話等、塾週1回というものが入っての時間数になっておるようでございますが、ほかの中国なり見ますと、中国で
小学校3年生で週7時間、1こま40分、
学校内160時間という、総時間数でいえば260時間。これは2004年度の調査でそういうふうな状況。
あと、台湾のほうでは
小学校1年生から教えているということでありますけれども、韓国でも
小学校3年生から教えていて、年間で25時間、総時間数でいうと180時間。2004年度でそういう状況になっています。
そのほかにもベトナムなりタイなり、いろいろ
英語を
小学校3年生なり1年生から教えているというふうな状況でありますけれども、仙台市でいうのは2011年からの
文部科学省からの
指導によってこの
英語の
教育をやってきていると。しかし、
小学校は5、6年生から教えるにしても、
必修化にはなっているけれども結果的に
教科書がないんでしょう。
教科書がないと思うんですが、それはどういうふうな形で教えてきているのか、具体的に。
18:
◯学校教育部参事 今回の
小学校新
学習指導要領におけます
位置づけでございますが、
外国語活動といたしまして教科としてではなくて、道徳あるいは総合的な学習の時間等と同じ領域と言われる部分に
位置づけられております。
教科書でございますが、教科ではございませんので御指摘のとおり
教科書はございません。ただし、本日配付させていただいております「Hi!
friends!」が
副読本という形で、
文部科学省のほうから、これは無料で全児童に配付されておりまして、基本的には、その
副読本を使いながら適宜授業を進めているという状況でございます。
19:
◯小山勇朗委員 2011年に
文部科学省で
小学校5、6年生からということでやったときに、この
特例校として仙台市は申請をして、その
特例校扱いの形の
取り組みをしているんですか。全国で1,600校ありますけれども、そういう中に入ってこの5、6年生含めてこの
英語教育というものをやってきているのか、
お答えください。
20:
◯学校教育部参事 教育課程特例校制度でございますが、これはあらかじめ国の許可を得まして
学習指導要領の基準によらない
教育課程を編成できるというような制度でございますが、仙台市におきましては現時点におきましては
学習指導要領の範囲内と。したがいまして、
位置づけとしては
教科英語ではなくて、
学習指導要領に準じた形での
外国語活動というような形で取り組んできているところでございます。
21:
◯小山勇朗委員 そういうことは特別に
特別校として申請しないで、
必修科の中でやってきたと。やはり私が思うのは、
小学校、例えば5、6年生であっても
英語を読むことは
一定程度、アルファベットから始まって
英語を読むことはできても、聞いて、話して、書くというふうな行為は苦手というふうに
日本人はこれまでも言われてきていますし、私らのときなんか、特に
中学校に入ってようやく
英語を習って、そうやって覚えてきた経過がありますけれども、
小学校段階から
日本語の読み書きも大変なときに
英語も話し方から、読み書きできるまで教えるのかどうかは内容的にはわかりませんけれども、そういう部分について、どのように捉えながらこれまで
指導されてきたのか、
お答えをいただきたいと思います。
22:
◯学校教育部参事 日本語、いわゆる母語と
外国語習得の
関連性につきましては、さまざまな議論があるところではございます。今回の
外国語活動におきましては、
児童生徒のそのような部分の負担あるいは母語への
影響等も恐らく考慮してのことかと思われますが、そのような理由もあって5年生、6年生という
高学年にまずは導入されたと理解しております。
なお、
小学校の
外国語活動につきましては、基本的には文字を使った、あるいは
文字そのものを学ぶということは目標には含まれておりません。あくまでも耳で聞いて口でまねてという、そういった部分での
英語に親しむと、あるいは習得した
文型等の定着までは求めないと。あくまでも
子供たちになれ親しませると。
中学校で正式に始まる
英語科の学習のその素地をつくるというような目的で行われるところでございます。
23:
◯小山勇朗委員 先ほどお話ししましたけれども、
英語を勉強する中で耳で聞いて
英語になれるというよりも、必ず文法が先で、それが話し言葉というよりも、そういった長文で覚えたり、文法で覚えたり、そういうものが主になってきていたというふうに思うんですけれども、現在はどのような形で、まず耳で聞いてまず話して会話できる、そういうものを主体的に取り入れて重要視しながらやってきているのか、その違いというものをちょっと教えてほしいなと思います。
24:
◯学校教育部参事 特に、
中学校の
英語学習におきましては、確かに委員御指摘のとおり二昔前ぐらいまではいわゆる文法の
習得そのものが
英語の授業の目的となっていた、目標となっていた、そのような時代も確かにあったやに認識しております。ただ、今現在
コミュニケーション能力が重視されておりますが、一方で
文法そのものの学習が軽視されているわけではございません。最近の基本的な
考え方といたしまして、いわゆる
コミュニケーション能力を育むための基礎としての文法、それは文法は文法としてきちんと教えると。さらに、学んだ
表現等を実際に使うという活動、そこまでで
英語教育という
英語教育の視点といいますか、幅といいますか、それが広がりを持ってきているというような状況でございます。
25:
◯小山勇朗委員 この文法へのこだわりというのは、確かに
先生方も非常に強いというイメージを私は持っているんですけれども、しかしながら、テストだけでは文法にこだわってきていると、これだってあるわけですから、こういったものを重視する余りある程度型にはまってしまうというものがあって、
柔軟性を欠いた
英語というか、生きた
英語というか、そういった話す力を身につける妨げになってきた部分もあったのだろうというふうに私なりに思っています。
そういう意味では瞬間的にぱっぱっと会話できる、文章だけにこだわらない、さっき
小学校での「I can notどうのこうの」とやっていましたけれども、すぐに会話できる、そういったものを子供の小さいときからつけていくと、だんだん
中学校で文章的なものを習ってもすんなりいろいろな形で取り組めるというふうに私なりに考えている一人なんですが、そういうどうせ
小学校からやらせるんだったらそういうおもしろく楽しく会話である程度教えながらそうやって引っ張っていって、
中学校の中で文章と会話とを一緒にしたような形で
コミュニケーションが十分養える、そういう
教育というものが本当に必要なんではないかというふうに思いますけれども、それについてどうですか。
26:
◯学校教育部参事 今現在、
学習指導要領等の
考え方につきましては、まさにただいま委員から御指摘いただいたとおりでございます。
27:
◯安孫子雅浩委員 外国語教育ということですが、イコールそれは
英語ということになっておりますけれども、話す人口だけでいうと
中国語とか
スペイン語というものも十分に
外国語として学ばなければいけないということがこれからやってくるんだと思うんですが、それで、やはり仙台はひとつプライドを持って、25年以上前、政令市になる前から一応
ALTなる
システムを
学校の現場に導入をしてやってきたという、まさに全国に先駆けてのことであります。
本格的には平成8年ですから、それにしてももう17年です。17年前に仙台は
ハローワールドプランというものを策定をして全国に先駆けて全
市立中学校に70名の
ALTを配置したと。今でこそ全国津々浦々にその
ALTなるものの
システムというものがあって、
子供たちに、そういった
英語環境を提供するということが当たり前のようにありますけれども、そういった点を仙台市はもう20年来の昔から実は手がけてきたんだという、そういった経緯に基づいて今日ただいまの
外国語教育、
英語教育がどうかという点のきょうの御報告ということでありますけれども、そういった意味で、何点かお尋ねをするんですが、せんだっては、
国際音楽コンクールも大変すばらしく第5回を開催できまして、まことにおめでとうございました。御当局の皆さん、大変お疲れ様でございます。
仙台の場合は
地方都市でありますが、そういった
国際音楽コンクールでも世界何十カ国か応募があって実際
外国人が訪れるし、また、東北大学という大変立派な著名な大学もありますから、そこに多くの
研究者なり留学生もたくさん来ておりますし、そういった意味では
地方都市にあっても仙台の場合は比較的そういった外国とのなじみといいますか、交流というのは過去からもあったというところにおいて、その
子供たちが
中学校なりでこれだけの長きにわたって先駆けて
英語を勉強してきていると。
であるならば、その
子供たちはまさに、それもまた全国に先駆けて
中学生なんだけれども随分
外国人と物おじせずに日々当たり前に接して、そして
コミュニケーションを図っている、そういったすばらしい仙台だなという評価がついて回っていなければいけないきょうではないのでしょうか。その点、ちょっと私は大きなギャップを感じるんです。
よく考えてみると、これだけのことをやってきていると。そしてまた、環境的には
音楽コンクールであれ
観光交流イベントであれ、さまざまなそういった機会がある。チャンスなり、そういった環境がある。そこで、そういったここまで積み上げてきたものがまさに目の前にあらわれてきているかという点については、ここはちょっとどうかなというふうに私は見る立場でありまして、それは御当局においても実はそんなこと言わなくてもわかっているということかもしれませんが、そこは痛いところではないかなというふうに考えております。
ちょっとその話の上で、せんだっての議会でもうちの会派のほうから佐藤わか子議員などが、あの方も大変御熱心な方でございますので、
ALTについては先ほど小山委員も取り上げられましたが、半ば一括して外務省関係の外郭団体のほうの通ってきたところを受け取って、それで配置をすると。数的に、時間的にもやっていくにはやはりそれが一番効率的な運用上、簡単な方法というか、いいということでやっているんでしょうけれども、ただ、やはりこれだけ歴史的な経緯を持ってやってきたんであれば、そういう対外的な国等のそういった機関に丸投げをした状態を継続するんではなくて、やはり本市独自で今までの経験則をたくさん踏まえた上で採用していって、さすが仙台と言われるような中身の濃い
ALTの活用というものを図っていくべきではないかというふうに私も考えるわけですが、この点についての今までの検討経過とか、あるいは本当に
独自採用という枠に踏み出すということを考えようとしているのか、あるいはやはり最もやりやすいから従来どおりのこういった形でやり続けようとしているのか、その点は今どうなんでしょうか。改めてお伺いしたいと思います。
28:
◯教育指導課長 ALTの
独自採用についてでございますが、現在、本市では5年間の
JETプログラム修了者4名を採用しております。これは
JETプログラムの契約期間が満了してもさらに意欲がある者を採用することで、
ALTのリーダーとして期待できる質の高い人材を確保できるというメリットがあること、日本における一定の
指導経験や生活経験、
日本語能力も期待できるということから
独自採用を実施しているものでございます。
さきの第2回定例会で
教育長より御答弁申し上げましたとおり、今後とも仙台市の
児童生徒にとって、より質の高い
英語活動や授業を提供することができるように、
JET採用を基本としつつ、優秀な
ALTの採用に向け
JET採用と
独自採用それぞれのメリットを十分に踏まえ、
独自採用者の増員の可能性についても検討してまいりたいと存じます。
29:
◯安孫子雅浩委員 現在、
ALTは大体70名ぐらいいるんですか。その中で今年度の場合は4名と。1割に満たないわけです。その4名の方がいかに優秀であれ、しかし、それもそれぞれいろいろな国から来ている、それこそ
ALTというのはそもそもは一人ずつが何かバックパック背負ってやってきたような方々もいるわけですから、そういった人たちを4人くらいの、いかに優秀でも束ねるというか、リーディングするというのはなかなか難しいと思うんです。ですから、ぜひともこれは今後
独自採用なりを拡大をしていくという方向で、積極的にそういった拡大の方向で検討しているというふうに理解をさせていただいていいのでしょうか。
30:
◯教育指導課長 今後、来年度以降の採用において、その増員の可能性につきまして検討を重ねてまいりたいと存じます。
31:
◯安孫子雅浩委員 私もPTAのほうに長く携わっているものですからしょっちゅう
ALTなんかと顔を合わせたりするわけですけれども、やはりちょっと散見できるのは個人差が結構あるんです。やはり一人一人それなりにいろいろな思いを持ったり、いろいろな経緯を経てきていて、日本で二、三年滞在できていい経験ができるのかなと。それはそれぞれ一人一人が違うわけですから。
そうすると、確かに
ネイティブスピーカーなんだけれども、しかし、その背景も違うし、動機も違うし、ただ
JETなりなんなりの幅があると思うんです。この幅の中に入るならばとにかく数も必要だからいらっしゃいませということだと思うんです。やはり一人一人の個体差なり個人差というのは結構大きいなというふうに思いますけれども、そうすると、受けた側の、来た側の
学校側で個体差なり個人差はあってもやはり受ける側というか、
学校の現場に入ってもらう
学校の中で、どのようにうまく
学校内の
コミュニケーションなり、あるいは一番は、やはりまさに
日本人の
英語教師が、
英語科の先生がまずもって
英語がわかっているわけですから、少なくともわかっているという前提で、建前じゃなければ
英語教師できないわけですから、その
英語の先生がその
ALTなりとうまく
コミュニケーションを図って
学校の中での
ALTの
位置づけなり役割というものを十分に生かせるような工夫なりが当然必要だと思うんですが、そういった点については
教育委員会は、どういう認識をされているんですか。
32:
◯教育指導課長 ALTは
外国語指導助手であり、担当の
日本人教諭とTTを行う中で改善点があれば担当の教諭が
指導しながら授業を進めているところでございます。また、
ALTも当該
学校職員の一人であり、通常の教員の場合と同様に校長、教頭が状況に応じて適切に
指導、アドバイスを行っているところでございます。また、
教育局といたしましても
ALTアドバイザーによる研修も年間20回程度きめ細かに実施しており、常日ごろより
指導力の向上に努めているところでございます。
ALTに課題がある場合、その課題に応じて管理職が校内で助言をしたり、
教育指導課にいる
ALTアドバイザーによるカウンセリングを行ったりして個別に
指導しているところでございます。
33:
◯安孫子雅浩委員 このように問われて答えるんであれば、やはりそれはまさに校長、教頭の責任において適切に対応しておりますというふうな
お答えということに立場上なるんでしょうけれども、本当はどうかなという点を議会の立場で申し上げているわけでありまして、その辺はまさに
ALTもある意味でいうとフリーハンドになってはいけないんです。
学校に来たんだけれども、籍があっているんだけれども、結局、何か
学校内の
コミュニケーションがうまくとれないし、こういった
位置づけでこういったことが必要だということをきっちり伝えられていないから、じゃあアバウトでいいのかと、自分のプライベートな時間も優先していいのかと、そういうふうに少し軌道がずれてしまうというか、そういうことにはなりかねないという例をちょっと私も見ているものですから、その辺も含めての、まさに適切な
指導なりができているかということなんですが、その辺の話というのは当局の方において上がってこないんですか。そこに対して常に逐次、何回かトレーニングをやっていると言いましたけれども、生活
指導というのもあれでしょうけれども、そういった暮らしていく中でのちゃんとしたルールも含めた日本の組織はこうであって、
学校という機関の中というのは日本はこうだということも含めた、そういったフォローも必要だと思えばそういったものもフォローしつつ、より本来の
ALTの目的にかなった役割を担わせると、そういった面のトレーニングというのは十分にできているでしょうか。
34:
◯学校教育部参事 確かに
ALT、現在10カ国から仙台のほうに招致しております。例えば、同じアメリカ人であっても、年齢あるいは性格、確かにさまざまでございます。あるいは社会人としての経験を経て
ALTとして来る人間もいれば、大学を卒業してすぐ来る人間と、確かにさまざまでございます。
そういった中で、日本の
学校あるいは日本の社会にうまく適応できるか、あるいは一般社会人としての一定の常識のようなものを身につけているか、それにつきましても確かに個人差はございます。
そのようなケースでございますが、
学校の、特に管理職等から
ALTへの対応等について相談があることも事実でございます。そのような場合、こちら
指導課並びに
ALT本人に対してはアドバイザーによる面接と、ケース・バイ・ケースでの対応というような形で対応しているところでございます。
35:
◯安孫子雅浩委員 先ほど御紹介ありました例えば一つの見方として、学力検査をやってみたらば、それは常にさすがに
英語については、
目標値というよくわからない数値なんですけれども、その
目標値よりも市の正答率のほうが高いと。これをもって
ALTなり、こういった
ハローワールドプランなりというものがうまく機能しているんだという
お答えの仕方になるかもしれませんが、やはりそもそも
コミュニケーションの道具ですので、
英語というものを使ってしっかり
外国人と言葉だけのやりとりじゃなくて、人と人としての
コミュニケーションが図られているか。
それが仙台においては、繰り返しになりますけれども、それだけ過去から一生懸命やってきているんで、やはり全国に抜けて、全国のレベルに抜けてやはり仙台の
子供たちは、その辺、
外国語を使った
コミュニケーション能力にたけているということをやはり目指していただきたいという立場でありますけれども、その辺について先ほどのお話で最後にございました
子供たちが
国際社会で活躍できる力を育んでいくんだというふうに先ほど報告の最後にまとめられておりました。
国際社会で活躍できる力を。ともに考え行動することが今どきの
子供たちには、日本だけではなくて世界を視野にして行動することが求められているんだと、それを目標にしてこういった
外国語教育も仙台市で展開をされるんだという御説明でございましたけれども、ちょっと改めてこの目的に基づいた今仙台市がやっている
英語教育の充実という点についての当局の御所見をお伺いします。
36:
◯教育指導課長 産業や経済のグローバル化の進展や情報通信ネットワークの世界的な拡大など今後国際化が一層進み、諸外国とのかかわりの中で生きていく上で、我が国の将来を担う人材の育成という観点からも、
コミュニケーションの手段としての
英語力はその
重要性が一層増していくものと考えております。
37:
◯安孫子雅浩委員 その
英語力というものの中身が大切で、単語とかの知識だけならそれは別にいいんです。それで、私はやはり
小学校あたりも一生懸命
英語をやり始めるということに対してかねてから私も疑問を持っている立場なんですけれども、まずもってやはり自分の自国語、自分の国の言葉がわからなければ、そしてまた、自分の国の社会なり歴史というものがわからなければ、何をもって
英語が得意で国際
コミュニケーションがとれるかといった先がないんです。
やはり、まずもって自分のことがよくわかっていて、
日本語の中での細かい言葉のやりとりなりというものが国語力の中で培われているからこそ、それを
英語に置きかえて
日本人として
外国人に
コミュニケーションがとれるわけであって、
英語に走る前に
日本語と
日本人としてのそもそも学ばなければいけない基礎的な部分が
小学校あたりからどんどん
英語の時間だ、
英語の時間だ、もっとふやしたほうがいいんじゃないかとかいうのと私は違うと思うんです。
その点、私は
小学校、
中学校で一生懸命
英語をやっていくということの一方で、本来の国語であるとか歴史であるとか、日本文化としてのそもそも
日本人として持つべき知識とか教養という点の
教育を怠っては元も子もないということをあえて申し上げておきたいんですけれども、御当局においてはそういったことも私の意見として踏まえた上での
コミュニケーション能力ということを、どのように受けとめていらっしゃるんでしょうか。
38:
◯学校教育部参事 子供たちが将来
国際社会で主体的に力強く生きていく、そのような資質あるいは能力を育むのが義務
教育の責務であると考えてございます。
英語による
コミュニケーションにおきましては、
英語を使う力、
英語の会話力、これはいわゆるスキル的な部分でございますが、その背景となるいわゆる
日本人としての自覚あるいは我が国の歴史文化、国語を含めての文化あるいは歴史、そのようなものに関する理解が真の
コミュニケーションを育む上での基本となる部分であると考えてございます。
したがいまして、
小学校あるいは
中学校におきまして
英語の時間のみならず、関連する教科等含めまして総合的に
子供たちの
コミュニケーション能力を育んでいく必要があると考えてございます。
39:
◯安孫子雅浩委員 今の
子供たちは余りにも物が豊かでいろいろな媒体が手元にたくさんあって、ですから、極端な話、隣に友達が座っているのに会話しないで何かメールでやりとりしているとか、そんなことが実際起きているわけです。そういうまずもって
日本人なら
日本人として
日本人同士で普通の当たり前と思われる
コミュニケーションがとれないような、そういった
コミュニケーションスキルレベルにあるものが
英語、
英語だといって果たしてその
英語で何をするのかというそもそも論的な疑問も非常に私は持っているんですが、これはちょっと意見としてとどめますけれども。
やはり、今、求められているのは、
外国語の
コミュニケーションと言うけれども、その手前で
日本人としての真っ当な
コミュニケーションがとれるかどうかということも非常に今は問われているということを最後に申し上げて、今後、ますますの仙台市の
ALTなるものの
外国語教育が繁栄することを市長選挙の前に御期待を申し上げまして、ここの部分の質問は終わります。
40:
◯委員長 ほかにございませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
41:
◯委員長 なければ、これをもって
委員会を閉会をいたします。...