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  1. 仙台市議会 2013-05-20
    東西線整備・まちづくり促進調査特別委員会 本文 2013-05-20


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:                  ※会議の概要 ◯委員長  ただいまから、東西線整備まちづくり促進調査特別委員会を開会いたします。  説明員の出席についてでありますが、本日は、総務企画局、経済局、都市整備局、建設局、交通局より関係職員の方々に出席いただいております。  次に、本日の委員会進め方についてであります。  本日の日程は、お手元に配付の日程のとおりでありますが、本日は、交通ジャーナリスト鈴木文彦様をお招きし、交通ネットワークの構築と鉄道整備に伴う沿線まちづくりの推進についてと題しましてお話をいただくこととしており、具体的な進め方といたしましては、鈴木様からは40分程度お話をいただき、その後、約20分程度を質問等の時間にさせていただきたいと思います。質問等が終了いたしましたら、引き続き、当局より地下鉄東西線の駅名について及び「東西線沿線まちづくり基本方針」の一部見直しについて報告をいただくことにしておりますので、よろしくお願いいたします。  それでは、早速有識者からの意見聴取に入ります。  まず初めに、私から鈴木様の御紹介をさせていただきます。  本日は、御多用のところ御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。  鈴木様は東北大学理学部地学科を御卒業後、東京学芸大学大学院修士課程を修了され、その後、フリーの交通ジャーナリストとして活動されております。月刊雑誌鉄道ジャーナル」にレギュラー執筆するほか、「路線バスの現在・未来」など、著書、論文、取材記事なども多数あり、また、自治体などの協議会や検討会にも参画し、御活躍をされておられます。  なお、皆様のお手元に鈴木様の略歴書をお配りしておりますので、後ほど御高覧いただきたいと思います。  それでは、鈴木様、よろしくお願いいたします。 2: ◯鈴木文彦参考人  交通ジャーナリストの鈴木と申します。どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、限られた時間でもございますので、早速お話をさせていただきたいと思います。私は、今も御紹介ありましたように、学生時代4年間、もう30年以上前ぐらいになりましたが、ちょうど現在の地下鉄の建設に伴ういろいろな検討をされている時期、あるいはバス路線との調整などがなされている時期に仙台におりました。そういったことで、仙台の地域性とか、あるいは構造といいますか、そういったようなことについては、ある程度の知識を持っているつもりでございます。  なお、きょうお配りしてある資料は、かなりボリュームが大きい資料でございますので、これを全部丁寧にお話をさせていただくことになりますと多分3時間ぐらいかかってしまうと思いますので、全体的にはストーリー性を持った資料にはしてありますので、一部は後でごらんをいただくというようなことで、多少、はしょりながら説明をさせていただきたいと思います。  非常に重要なことは、これからの社会の中で公共交通を活用したまちづくりをどういうふうにしていくかというところになろうかと思います。当然のことながら30年ぐらい前の状況と大きく違っているのは、やはり全体に高齢化をし、しかも人口がこれからは減少をしていくというような状況の中にあるということです。  特に、早いところでは1960年代、それから、その後、1980年代ぐらいまでに開発された住宅地が非常に高齢化をしているということと、当時の開発の進め方の中でどうしても丘陵地などの坂道を介した地域に住宅地が開発されていて、そこに住んでいる人たち高齢化をしていくという状況の中で、移動というものが、今後非常に難しくなっていくと。坂道ゆえに元気な人でもなかなか自転車等が使えないような状況がありますので、そういった観点からしても一つは公共交通というものの重要性が高まっていくという面があります。  もう一つは、よく言われることで環境的な面なんですけれども、これは特に説明を加えるほどのことはないと思います。  もう一つ非常に重要なことは、今かなりマイカーで移動を賄っている社会なわけですけれども、これがいずれ、全てではないですけれども、限界を迎えてくるということです。渋滞の問題などはもう早いうちから言われてきたことですけれども、これからは高齢ドライバーが増加をします。この高齢ドライバーがみんながみんなずっと運転をしたいと思っているかというとそういうことではないわけで、一つは今も全国的な問題になっている高齢ドライバーの安全の問題、それから乗りたくない、あるいは運転をやめたいと思っている、だけれどもなかなかやめられない人たち、そういう人たちかなりの比率になってきているということを考えますと、今後はその受け皿となる公共交通の存在というものが非常に重要になってくると。  それから、マイカー使い方の中に送迎という使い方があります。マイカーを使った移動で送り迎えをしてもらうことによって何とかなっている。何とかなっているように見えるんですけれども、実はこれが非常に脆弱な仕組みでありまして、送迎というのはする人もしてもらう人にとってもいろいろな意味での負担がかかっているということ。それから、だんだんと、特に高齢者の送迎を高齢者がしているというような実態が見えてきているというあたりを考えますと、ずっと続けられる手法では必ずしもないであろうと。  私がかかわっているある地域で、60代の後半ぐらいの方が、「今の自分が70代、80代の人たちを病院へ送り迎えしているんだけれども、あと10年たったら俺の面倒は誰が見てくれるんだろうか」と。そこはいわゆる過疎地域に当たるような場所ですので、次の世代の人がまちへ出てしまっていて、住んでいないんです。そうすると、今の人口が、今の年齢層がそのまま上に上がるだけなものですから、後を引き受けてくれる人がいないと。そうなったときに本当に移動ができなくなってしまうおそれがあるというようなことを考えますと、今、何とかなっているような仕組みに見えるマイカーでの移動というのは非常に危うい仕組みだと言うことができるだろうと思います。
     町中のことを考えてみましても、マイカーというのは用事があるところに直接行って、用事が済むとマイカーでさっと帰ってしまうと。つまり、まちをぶらついたり歩いたりするということがない。これが結局にぎわいというものをなくしているという部分が非常に大きいわけです。  そういったことを考えますと、やはりまちににぎわいを取り戻すというような意味でも公共交通を使って町中をぶらついてもらうと、こういったようなまちにしていくことが非常に重要なことであろうというふうに考えられます。そういう意味で、こういったことを実現することができる公共交通というのは、やはり社会全体で育てていくべきインフラなんだろうと私は考えております。  ところが、一方で非常に今、公共交通を事業として見たときには厳しいものがあります。バス事業の厳しさなどについてはもう30年前も言われていたことですけれども、これが今は鉄道事業などについて見ても非常にその厳しさというのが募ってきている面があります。  これは先ほどの少子高齢化という社会的な状況の中で、通勤利用者かなりボリュームリタイア世代になっていると。つまり通勤需要が減るということが間違いなくあります。それから、少子化により高校生が減少することによって、今公共交通かなりの部分を占めるのは通学輸送になっていますので、この部分が減少するということになりますと、公共交通が最も得意とする大量集約輸送ニーズというのがどんどん減少してしまうと。  その結果、今までもいろいろ厳しく経営悪化の中で廃止、縮小の動きというものがあったんですけれども、これがさらに加速するおそれがあると。今までは何とかだめになった部分を埋めるような補助金政策を国も地方自治体もやってきて、何とか現状維持を続けてきたんですけれども、これがなかなか限界に来ている面があって、今後はそういうふうな形をとったとしても縮小がとまらないおそれがあるということに加えて、近年では燃料が非常に高騰している面であるとか、あるいはなかなか人が集まらないといったような事業側の課題も大きくあります。  ですから、そういう意味でいいますと、これからの社会の中で公共交通は非常に期待が大きいんですけれども、それと現実とのギャップというのは非常に大きいものがあって、その期待にいかに乗って公共交通を使う人をふやし、社会的な地位を上げていくかと、こういったことも非常に大きな課題になってきます。  そういう意味でトータルでいいますと、やはり人が動くこと、それから人がまちを歩く、そういったことによって地域が活性化をし、また、ある意味公共交通というのはそれがあることによるある種ライフラインとして地域の安心につながるといった面を重視していく必要があるであろうというふうに言えるかと思います。  ここはちょっと簡単に飛ばしますけれども、実際にここ数年バス事業者かなり撤退をしたり、あるいは経営破綻をするといったようなケースがあり、昨年は本当に代替措置も当初なく、いきなりある程度の規模のバス事業者が破綻をするといったようなケースも出ました。これは、いわば今当たり前に走っている公共交通が1カ月後にも走っているという保障はないと言ってもいいくらい、地方の公共交通の状況は厳しいんだということを突きつけたというふうに言えるかもしれません。  では、これから地域公共交通を考えるときにどういう考え方を持っていればいいのかということなんですけれども、一つ大切なことは、交通というのはネットワークがきちんと構築されていて初めて機能するものだということです。今まではどちらかというと、個々の一つの単位の路線なりルートの単位でしか物事を考えてこなかった面があります。ですから、例えばその路線に全ての役割を負わせて、こういうところも回り、都心にも直結しといったような形で考えていた部分があるんですけれども、今後は事業環境も厳しい中で、それぞれの交通モードに一番適した機能を上手に結びつけながら、全体として利用しやすい公共交通体系をつくっていく必要があります。これはある意味広域を視野に入れながら、さらにその時期的にも先を見ながらやっていかなければならないことです。  そういう意味で、今まではどちらかというと交通というのは自治体にとっては後追いの対策の部分が非常に強くて、だめになったらそれを何とかするということで進んできた面がありますけれども、これからはやはり先を見た政策に切りかえていく必要があるだろうと。やはり、10年後ぐらいを見据えた、10年以上先になるとまた社会の状況がかなり変わる可能性もありますので、私は10年後ぐらいを見据えながら考えていくのが一番いいのかなというふうに思っているんですけれども、いわゆる後追いではなく10年後ぐらいを見据えた形で地域の交通を考えていく必要があるだろうということです。  例えば、現在足がない地域であるとか、いろいろな課題があります。ただ、その課題を議論することは必要ですけれども、その課題だけではなくて、やはり地域全体の交通ネットワークを視野に入れながら、いわゆる地域の生活交通課題解決と、全体の交通ネットワークビジョン、こういったものを車の両輪のように両方を考えていく必要があって、個々の地域の課題解決というのは、全体の交通のネットワークの中にどういうふうに位置づけていくかということが大切なことです。  適材適所で、いろいろなそのモードを組み合わせていくことによってつくっていくネットワークなんですけれども、非常に大切なことはそれをどうやってきちんと結びつけていくかということです。ネットワークというのは、ただ地図の上でルートがつながっているということではなくて、その違うモードなり、あるいは違うルートというものがきちんと結節をしているかどうかということです。この結節が上手にできるかどうかによって、後でも申し上げますが、例えばほかの交通機関同士乗り継ぎ等についてもきちんとそれが機能するかどうかが決まってきます。  そういう意味で、きちんとそれらを結びつけつつ、幹線と支線あるいは生活交通といったものをそれぞれ適材適所で組み合わせ、分担し、トータルでいうと一本の木のように幹と枝と葉が上手に養分を行き渡らせながら一つの地域の中の交通として存在すると。こういうような形を目指していく必要があろうかと思います。  特に、その中でも鉄道というのは非常に大量集約輸送が可能なものです。鉄道が開通することによって、一つはやはり地図にきちんとそのルートが記載されるという意味での存在感が非常に強くなりますので、次第にその鉄道ルートに流れが集約する傾向が出てきます。都市圏ではですけれども。  そういうような中で、通勤通学はもとより、あるいはデイタイムであったり、あるいは早朝深夜といったものについても、さまざまな移動ニーズを鉄道がカバーするようになります。仙台都市圏について見ますと、現在、仙台駅を核とした、どちらかというと放射状に近い形の鉄道ネットワークがあって、JR線がある程度の広域輸送を行って、現状の地下鉄南北線が比較的高頻度で市内サービスを提供するというような形になっているわけですけれども、一つの大きな課題として、これは先ほどの丘陵地の話にも通じることなんですけれども、JRにしても地下鉄にしても駅勢圏かなり傾斜地が多いということで、駅へのアクセスをどういうふうにするかというのはやはり非常に大きな課題になってくるであろうということです。  今度、東西線は新たなルートになるわけですけれども、都市圏ネットワークから見たときに鉄道新線の意味というのはどうなってくるかというと、それによって新たな交通軸が構築されることによって一つの流動のパターンに変化が生まれてくるであろうと。非常に典型的だったのは、首都圏JR武蔵野線あるいは中部の愛知環状鉄道といった、いわゆる環状路線が新たにできたことによって放射状の各線を縦に結んだことによって新たなネットワークが非常に大きく拡大をされたと。  そういうことがあるわけですけれども、今回環状路線ではないですけれども、今までどちらかというと南北系鉄道ネットワークが中心だったところに東西軸が入るということは、これはやはり非常に大きなインパクトがあることであろうと思います。鉄道がその地域の宅地化なり、あるいはさまざまなニーズを新たに生んだというようなケース都市圏の場合にはかなりありますので、その旅客需要鉄道ルートの中で集約されていくという可能性というのは十分に考えられるであろうと思います。  そうなってきますと、やはり鉄道がある程度機能するようになってきますと、鉄道の輸送力というのはやはりかなり大きいものです。それがその大量集約輸送というのは、実はかなり代替が難しいものです。これは震災後の仙台での様子の一部を切り取ったものですけれども、地下鉄、あるいはJRの、右側はJRの仙石線のルートのかわりを果たした臨時バスになるんですが、これをバスでさばこうとすると限界がある。そういう意味ではやはり鉄道の輸送力というのは非常に大きなものがあります。それを一つの幹線軸として育てていくというのは非常に重要なことであると同時に、こういった機能代替というのが非常に難しいぐらいのボリュームにいずれなっていくであろうということなんです。  そういう中で、地域における都市型のそういった高速鉄道はどんな意味合いを持っているかということなんですけれども、一つはやはり非常に高速性、速いということ、それから大きな輸送力を持つということ、それから高度な安全性、特に新たにできる鉄道の安全の基準というのは非常に高いものがありますから、非常に安全性の高い乗り物であるということ。  それから、鉄道というのは事業体は違っても全国ネットワークとしての意味合いが非常に強くなりますので、そういう意味での広域のアクセスの一環を果たすと。それから、環境性能という意味です。さらに、駅というものの拠点性が非常に高くなるという面を持ちます。  そういう意味でいいますと、やはり鉄道というのはその地域の基幹交通として育てていくものであり、駅というものを地域の玄関口として駅を中心としたまちづくりというのは非常に大切な考え方になってきます。  そのまちづくりの拠点としての駅、これは私が鉄道を語るときの持論なんですけれども、駅をいかに人が集まる場所にし、駅を意識してもらうかと、そのことによって駅のまちの中での位置づけを確かなものにするとともに、公共交通利用促進につなげていくと。こういったことによって、いわゆる鉄道の意味づけを強めるという考え方です。  ただ、いわゆる地下鉄の地下駅の場合、ちょっとこれには弱点もありまして、通常出入り口のみの場合が多いので駅の存在感というのは非常に希薄な面があります。これが非常に典型的だったのは埼玉高速鉄道という、首都圏地下鉄南北線という地下鉄の延長で埼玉県のほうに行く地下鉄があるんですけれども、この地下駅が全く新たなところに駅ができ、そこが拠点となるはずだったんですけれども、駅舎がなくて単に出入り口があるだけなものですから、外から見ると駅の存在というものが全くわからない。結局、そこは拠点にならないまま、余り利用もふえないといったようなことがありました。  そういう意味でいいますと、やはり地下駅であっても駅の存在というものをきちんと、駅舎をつくるなり、仮に何らかのほかの建物であっても、これは駅を持っている建物なんだということをきちんとアピールをすることによって、駅を中心とした活性化というものを図っていく必要があるだろうということ。  それから、そういう位置がなかなか存在が認識しにくいだけに非常に重要になってくるのは、インフォメーションをいかにきちんとするかということになってくるかと思います。地方の、これは各地のいろいろな事例なんですけれども、これはそれぞれの状況の中でやっていることですからこれがそのままどうこうということではないんですけれども、やはり駅舎、それから駅に併設するバスターミナルあるいは周辺施設、こういったものをきちんと結節機能を持たせて地域の核として駅を活用していると、こういった事例が幾つもあるということを御紹介するとともに、地方などでも、例えば市街地と駅前を全部一体化したデザインで構築しているケースであるとか、あるいは国道が並行しているようなところで道の駅と鉄道駅を一体的に整備をすることによって、ここを一つの人が集まる場所あるいは商業的にも中心になるような場所に育てていくといったようなケース。これは幹線道路が並行しているといったようなそのロケーションによって左右される部分はありますけれども、実はこれは東北地方でもかなり事例が今ふえているやり方です。  それから、もう一つは、先ほど駅へのアクセスが非常に課題だというふうに申し上げましたけれども、特に鉄道とバス、あるいはタクシーといったような交通機関をきちんと結節させることによってネットワークを構築していくことが非常に重要です。  特に、先ほど申し上げましたように、適材適所でいろいろな公共交通を上手に組み合わせていくという中で、鉄道は幹となるべきものです。そこの枝の部分にバスを上手に組み合わせていく。そして、葉っぱの部分というのはある程度限られた地域の生活交通ですけれども、これにはバスよりもさらに小規模なシステムであったり、あるいは乗り合いタクシー等を上手に活用して、これもその枝、幹にうまく組み合わせていくことによって全体を連携させていくという考え方が必要です。  さまざまな交通機関にはそれぞれの特性がありますので、これは右へ行くほど需要の集約度が高い、つまり大量集約輸送ができるかどうかというのが左右の軸になります。それに伴って全体にかかるコストというのは右に行くに従って高くなります。一方で、個人アクセス度、ある意味個人から見たら自由度がいかに高まるかというのはこの縦軸のほうであらわしています。そのかわり、これは単位コストは小さいんですが、1人当たりのコストということになりますと上に行けば行くほど高くなると。  こういうことは、運賃の違いで見ていただくと非常にわかりやすいかと思います。鉄道がなぜ、例えば初乗り100幾ら、200円以内のところからスタートして比較的安い運賃で推移し、タクシーが、ちょっと今の現状の仙台の値段を私はちょっと今把握していませんけれども、例えば東京でいえば710円がスタートというような運賃になるか。これは、こういう関係を見ていただくと理解していただきやすいかと思います。  それで、こういうものを上手に個人アクセス道集約道路にあわせて配置をしていくことによって、その幹と枝と葉っぱを上手に構築していくという考え方をしていく必要があろうということで出させていただいた図になります。  基幹交通としての鉄道、あるいは最近では新たな鉄道をなかなか引けないというようなケースの中では、バスをうまく活用することによっていわゆるBRTといった仕組みを構築することもありますけれども、まず大量集約輸送ができるルート大量集約輸送にふさわしい仕組みをつくりながらネットワークの幹として構築をし、それとそのほかの交通機関を上手に結節をさせていくと。  その結節をさせていくには、結節点というものが非常に重要になってきます。結節をさせるということは、ある意味乗り継ぎをしていただくということになります。全部乗り継ぎをしなければならないかというとそういうことでは必ずしもないんですけれども、基本はそれぞれにふさわしい交通機関をつなぎながら、自分に一番近いところから目的地まで公共交通でつないでいくというような考え方ですので、乗り継ぎをしていただく可能性が高くなる。  乗り継ぎというのは、ある時点を越えると生活習慣になるんです。例えば、東京の人間が地下鉄や鉄道、バスなどを乗り継ぐのが当たり前になっているのは、それは乗り継ぐことによって利便性が高まるということと、それから、乗り継ぎをしたほうが速かったり安かったり、得だという感覚があるからです。そういう乗り継ぎをしたほうが有利だという状況になってきたら、人は乗り継ぎをするようになりますし、乗り継ぎ生活習慣になっていきます。  そうなっていくためには何が必要かというと、一つは乗り継ぎ抵抗になるようなことをなるべく少なくするということです。その乗り継ぎ抵抗を少なくする方法は、一つは乗り継ぎ結節点そのもの乗り継ぎがしやすいような仕組みにしていくこと、それから、ダイヤ、あるいは運賃などを乗り継ぎによって、得をするというところまではいかないまでも、損をしないようにしていくことが必要です。  それからもう一つは、いかに乗り継ぎ結節点を適切な場所につくるかということです。例えば、バスから地下鉄に乗り継ぐということを考えたときに、その乗り継いだ先、バスで行っても例えば15分ぐらいのところだとしたら、乗り継ぎの動きをしている間についてしまう。そのぐらいの距離だとなかなか乗り継ぎというのは定着しません。  しかしながら、乗り継いでからの距離がもう少し長くなって、乗り継いだほうが確実に速いというようなことになりますと、最初は乗り継ぎは面倒だなと思っていてもやはり乗り継ぎのほうが便利だということになって、乗り継ぎのほうに次第にシフトをしていく。これは現在の地下鉄の起終点に近いほうの乗り継ぎの状況を考えていただければわかるかと思います。そういうところをきちんと利用者心理なり、あるいは利用者損得勘定、こういったものをきちんと把握をしながら結節を上手にしていくと、乗り継ぎによるネットワークというものはできていきます。  例えば、パーク・アンド・ライドにしても同じことで、パーク・アンド・ライドなども、ただパーク・アンド・ライドの駐車場を駅につくったから乗りかえてもらえるかというとそういうものではなくて、いかに乗りかえたら便利で早く行けるかという場所、それから、そういった都心の状況とのバランスといいますか、そういったものを考えていくと上手に機能することもありますし、それから、仙台などの場合ですと、よそから入ってくる車もかなり多い中で、例えば高速道路などから特に今度東西線の場合ですと東部道路や三陸道のほうから地下鉄駅に上手に誘導してパーク・アンド・ライドが構築できるような場所があれば、そういうところは機能する可能性があるかと思います。  いずれにしても、パーク・アンド・ライドにしても鉄道、バスの乗り継ぎにしても、利用者にこのほうが便利だと思ってもらえるような仕掛け、仕組みをつくっていく必要があります。  本来であれば、鉄道、バスの乗り継ぎなどは上手にやれば非常に楽に乗り継げる方法もある。ただ、地下鉄の場合、どうしてもその地下鉄というロケーションの問題がありますので、例えばここに例に挙げているような平面移動ですぐ隣で乗りかえができるような仕組みというのはなかなかつくりづらい面はあるかと思いますけれども、これはここで今御紹介しているのは鉄道からほんの20メートル程度歩けばすぐ目の前に平面移動でバスが待っていて乗れるといったような仕組みを構築することによって鉄道とバスの乗り継ぎをスムーズにしている事例です。  それから、これはバス、バスの乗り継ぎですけれども、盛岡で行われているゾーンバスシステム、都心とこの乗り継ぎ拠点を結ぶ幹線バスと、それから、ここから住宅地の中をきめ細かく回る支線バス、これを乗り継ぎターミナルで平面移動で、これも10メートルくらい歩くと乗り継ぎバスが待っていてすぐ乗り継げるというような仕組みをつくってやっているものですけれども、こういったことによって乗り継ぎは発生しても結構バスは便利だなということが定着をしていくケースになります。  ちなみに、これは二つの写真、ほぼ同じ場所で撮った写真が並んでいますけれども、左は今から四、五年前のものです。右は、ほぼ現在の半年ぐらい前の写真なんですけれども、ここで人が乗り継ぎをする、人が動くということがわかったものですから、何もなかった隣にコンビニだとか購買店が立地をするようになりました。人が動く、人が滞在するということがわかってくると、商売をする人はちゃんと対応をしてくるものだということを証明したのかなというふうに思っています。  ネットワークはそのほかいろいろなやり方がありますけれども、とにかくこういうふうに目の前で乗り継げるという安心感、こういうことも非常に大切だということをこの例だとか一つ前の木曽町の例、全て乗り継ぐバスが1カ所に集まってきてここで目の前で乗り継ぎができると、こういうことによって乗り継ぎが非常に機能しているというケースが多いということは、ちょっと申し上げておきたいと思います。  それから、この右側はコンビニを活用して、ここで幹線と支線を乗り継がせたというふうな仕組みをつくっているところです。  支線、コミュニティー交通については、これはちょっと今回の問題と少しずれますので、この辺は少し割愛をさせていただきます。  もう一つ、ちょっと申し上げておこうと思っていたのは、いわゆる地下鉄から接続をするバスをいかにスムーズに駅にアクセスさせ、そのバスをきちんと走らせるかということです。これは実は走行環境をいかに整備をするかということなんですけれども、そんなにインフラに大きく手を加えなくても、警察と協力をして交通規制をするだけでできるバス優先策というのは結構あって、これが全国で結構取り入れられているということなんですが、それを少し御紹介しておきたいと思います。  これはちょっと外国の例なので、日本がこれほど思い切ってするというのは難しいことかもしれませんけれども、完全なバス専用のレーンを一つ確保して、通常渋滞している一般車線を尻目にバスがすいすい走っていると。休日にはここが全部一般車を締め出しまして、トランジットモールとなってこのバスだけが歩行者と一緒にゆっくり走っていくというようなジャカルタの例をちょっと出しておきますけれども、日本の場合、少し大がかりなものでいうとこの中央車線をバスレーンにした名古屋の基幹バスのケース。あるいは、この2つは本当に交通規制だけで道路を何もいじっていないというところが非常に大切なことなんですけれども、左側は2車線の道路から都心へ短絡する1車線の道路へ曲がる交差点のところでバスレーン、片側2車線の道路のほうは左車線をバスレーンにしています。この短絡路については朝の一定時間帯はバス、タクシーしか左折ができないようにしてあります。わだちを見ていただけるとわかると思います。  つまり、一般車は都心へ入れないわけではないんですけれども、都心へ短絡するこの左折、つまり向かって右側の道路へは直接は行けなくて、ちょっと迂回してくださいねという仕組みをとっているケースです。ですから、ここはバスはずっとバスレーンを走ってきて、バス、タクシーだけが優先的にここを都心短絡の道路へ入れますので、バスの所要時間が非常に短いと、そのことによってバスの利用者が四、五%伸びたというケースです。  それから、この右側は橋を渡るところ、どうしてもネックになりがちなんですけれども、この橋を朝のピーク1時間、バス、タクシー専用にしています。つまり、一般車はこの橋にはこの時間帯は進入ができません。したがって、ここはタクシーとバスだけがここを渡れるということで、このメーンストリートをバスがスムーズに走れるようにしたものです。一切新たな道路をつくるとか新たな橋をかけるとか、そういうことをしないで、現状のインフラの中で交通規制だけでバスをスムーズに走らせた事例です。  この左側なども車線構成を少し変えて、駅前にアクセスする部分についてだけ真ん中のレーンをバス専用にしてアクセスをさせると、こういうふうなことをしている例などがあります。  また、運行の仕方によって鉄道でカバーできない深夜あるいは早朝の時間帯をバスでカバーするというようなことでアクセスを確保しているようなケースなどもありまして、こういった今ある資源の中で、いかに工夫するかによってバスというのはまだまだいろいろと上手な走らせ方ができ、アクセスを向上させることができるんだということを少し知っておいていただければなというふうに思います。  あとは、ここだけ申し上げておきます。交通利用を考える中で一番大切なのは、持続できる方法、仕組みをつくるということです。公共交通は走らせればいい、あるいはそのときあればそれでいいというものではなくて、5年後、10年後に続いていかなければ意味がないものです。それをするためには、どこかに過大な負担がかかるような仕組みでは今後もたない。今、どちらかというと事業者の限界がもう見えている中で、行政がいわゆる補助金というような形で大幅な負担をして何とか現状維持をしているという部分が非常に大きいんですけれども、そうではなくて、やはり市民も含め、それぞれの立場が役割を明確にしながら負担すべきものを分担していくという仕組みをつくっていく必要があるということ。  一方で、これからの公共交通の機能からいって、ある程度福祉機能を持ち、それから社会的な基盤という意味も含めますと、その採算だけで判断はできないんですけれども、ただし、採算を無視してしまうとどこかの負担がふえるだけ。赤字がふえ続けたら将来もちませんので、少なくとも利用者がふやせるような設定をしていく。つまり、乗って収入を上げられるようなことを考えていく必要があります。本当に必要なものであれば地域がきちんとそれをフォローしていく、地域の人たちがいろいろな形でかかわり、ある程度の責任分担もしながら進めていく必要が出てきます。  実は、地域の細かな生活交通だけではなくて、鉄道のようなものについても、もちろんお金をだすというふうなことは、これはもうレベルが違ってきますので、例えば乗り合いタクシーを走らせるとか、バスを維持するとか、そういうこととはかかるお金のレベルが違ってきますので、お金を出すという意味だけではなくて、さまざまな形で地域の人たちが鉄道をサポートするというふうな仕組みをつくることは可能です。ですから、そういう意味で地域を巻き込んでいろいろやっていくことが、今後、必要になってきます。  この後のそれぞれの役割分担等については詳しくは申し上げませんけれども、住民もやはり自分自身の問題としてみんなで支え、育てるという意識を持っていただく必要があります。そのことによって公共交通というのは乗って、支え、育てるといったような形の社会インフラとしての存在感が高まってくるものになるだろうというふうに思います。  あとはちょっと幾つかの事例を出しておりますけれども、これはちょっと後ほど資料のほうをごらんいただいて、もし何か疑問点等がありましたらお問い合わせいただければというふうに思います。  最後のほうは、いかにバスや鉄道を楽しいものにするかというようなこともちょっとつけ加えておきました。それから、きちんとインフォメーションをしていく必要があるということで、インフォメーションの面の説明もつけてありますので、あとごらんになっていただければというふうに思います。  そういうことで、地域の公共交通活性化には交通のネットワークとしてきちんと構築をし、位置づけていくということ、それから、鉄道の場合は駅、それから公共交通ルート、こういったものを地域の中できちんと位置づけをして活用するという意思を持ってもらう必要がある。これは例えば病院や公共施設などの立地をどういうふうに配置していくかということにもかかわってくるだろうと思います。それと同時に、地域の人たちが一体となって利用し、支える意思を持ち、魅力づけをしていくということが大切だということを申し上げて、ちょっとはしょりましたので余りまとまらない終わりになりますけれども、一応時間ですのでここで私の話を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手) 3: ◯委員長  ありがとうございました。  それでは、皆様から御質問等がございましたらお願いいたします。 4: ◯大槻正俊委員  幾つかちょっとお伺いさせていただきます。  今、確かに短い時間で先生お話しいただきまして、まずありがとうございました。それで、お聞きしている中で、やはりまちづくりと結びつかないことには、仙台の場合ですと地下鉄の利用がうまく進まない。これは当然のことながらそのことを改めて教えていただきました。  それで、いろいろ私はまちづくりの中で、例えば仙台でも拠点駅、泉の駅の中で、例えば今ベガルタなどでみんな地下鉄でお客さんを運んでくるということなどもありますが、どうやって公共施設を配置していくか、あといろいろな民間の施設が鍵を握っているなというふうに思うんです。それらで成功しているので、この辺のところはもう少し見てきて参考にしたほうがいいですよという、ほかの事例などがおわかりでございましたらば、それも教えていただきながら、いわゆる駅周辺のまちづくりでもう少し補強してお話しいただけることがあればよろしくお願いします。 5: ◯鈴木文彦参考人  ちょっと以前にいただいた資料だと福岡市は皆さんごらんになったと伺っておりますが、福岡市も実はメーンになっている地下鉄空港線についてはその沿線の施設立地等がかなり進みまして、当初の状況に比べるとかなり沿線まちづくりのようなものが進んでいる面があります。  それから、先ほどちょっと例に挙げました愛知環状鉄道という、これは第三セクターの鉄道なんですけれども、この愛知環状鉄道がちょうど名古屋の都市圏の末端部をぐるっと回るようなロケーションにあって、これが途中の豊田市であるとか、行政もその駅周辺を核とした施設の立地や配置を考えつつ進めている中で、もちろん住宅が新たに立地するというようなことも含めて鉄道の利用がふえてきていて、第三セクター鉄道の中では数少ない経営が成り立っている鉄道になっているというような面があります。  最近やはり鉄道新線の開業がそんなに多くはないものですから、今の御質問のような一番適切なうまくいっている例があるかというと、なかなかそうでもないんですけれども、こういったようなところは少し参考にはなるかなと。  逆になかなかうまくいかなかった例としては、先ほどちょっと申し上げた埼玉高速鉄道のようなケースもありますので、いい例、うまくいかなかった例、ちょっといろいろ資料を集めて見られるとよろしいかなと思います。 6: ◯嵯峨サダ子委員  どうもありがとうございました。資料がたくさんあって、あと読まさせていただきたいと思います。  先生の話の中で、交通に対する考え方なんですが、対策から政策へというお話なさりました。これは非常に深い意味があると思っていまして、その辺のところのもっと深いお考えをお聞きしたいのが1点と、それから、仙台も丘陵地を大分郊外に抱えていまして、当然のことながら高齢化しているわけです。そうすると、そういった地域がほとんど交通空白地域だったり不便地域だったりしているわけです。そこをどう本当に交通ネットワークをつくっていくのかというのが仙台市の課題だと思っているんですけれども、コミュニティー交通の成功例、これにもたくさん出ていますけれども、こういう成功しているコミュニティー交通の事例の中身、代表的なものでも結構ですので、教えていただければというふうに思います。  私は個人的にちょっと連休に武蔵野のムーバスに実際乗ってみたんですが、あそこは当初よりもかなり路線数をふやして拡大をして、かなり利用者をふやしているという事例があって、できるときからかなり綿密な計画を住民との話し合いでつくったということも1つ大きな成功の事例なのかなというふうに思うんですけれども、そういったことも含めてお話しいただければと思います。お願いします。 7: ◯鈴木文彦参考人  1点目は、先ほどもちょっと申し上げましたように、今までの交通に対する取り組みというのは、どちらかというと、例えばバスはバス事業者が走らせるものだということで、そのバス事業がだめになってきたので何とかしなければということで後追いで補助金を出すとか、あるいは何らかの形で補填をするような、どちらかというと後追いのやり方しかしてこなかったのが日本全体を見渡したときの今までの公共交通に対する取り組み方だったんですけれども、それでは恐らく今後もたないであろうと。むしろ積極的に行政として交通というのはこういうふうなネットワークビジョンを持ってこの地域は考えるべきだというような中で、事業者なり市民も巻き込んで、将来こういう交通ネットワークを構築したいという1つの同じ方向性を持って進めるような形に切りかえていく必要があるだろうというのが基本的な私の考え方です。それが1点目です。  それから、2点目はコミュニティー交通、これからやはりコミュニティー交通のようなものが必要になってきます。資料の中にもいろいろ書かせていただいた中に、逆にこういうことはきちんと考えていってくださいよとか、あるいはこういうことがコミュニティー交通がうまくいかなかったんですよといったようなことも、資料の中に書いてありますので、ちょっとそこは後でごらんいただきたいんですけれども、一番のポイントは本当にその地域の人たちがどういう交通、どういう移動手段を望んでいて、何がしたいのかということをきちんとリサーチをし、本当ならばその地域の人たちを巻き込んで一緒にそういうコミュニティー交通について考えていく必要があるだろうと思っています。  私も、山口県の山口市に今もう既に十数年かかわってきているんですけれども、山口市では地域の住民の方たちが本当にこの地域は何らかのことをやっていかないと今後人々の足がもたない、移動が賄えないという人たちが、自分たちで市の人と一緒にどういう交通手段が必要で、それを続けていくためにはどんなことをみんなで考えていかなくてはいけないのかというようなことを検討しながら、今、8つの地域でコミュニティータクシー、バスにするほど大きな需要ではないので、コミュニティータクシーという手法で幹線の路線バスの、あるいは路線バスの拠点までの交通機関という位置づけで、つまり先ほど私が申し上げたもので言えば本当に枝に結びつける葉っぱの部分ですよね。そういうものを地域の人たちが主体的につくっているんですけれども、結局、そういう形で地域の人たちがかかわっていくことによって、みんな自分たちの交通手段だという意識が非常に強いですから、自分たちで何とか乗って育てようという意識を持ってやるようになります。  当然、市もそれに対して一定の基準で補助はするんですけれども、基準を設けて、やはりそれに向かってみんなで努力をしていくというような仕組みをつくってやっています。  ですから、私はただただ、コミュニティーバスにしても、それから今どちらかというとブームになりつつあるデマンド交通なんかにしてもそうなんですけれども、それそのものを導入することが必要なのではなくて、それをどういうふうに地域の人たちが一番いい方法で活用していくかということを、ちゃんとそのプロセスの中で追っていくことが必要だと私は思っています。  武蔵野のムーバスは成功例としてよく言われるんですけれども、いらっしゃったのであれば御承知だと思いますが、あれだけびっしり住宅が張りついて、しかも非常に大きな商業施設を抱える駅にアクセスしている路線ですから、ある程度乗って当たり前の場所です。ですから、一生懸命いろいろなことを考えながらつくった成功例であることは事実ですけれども、あれがどこでも通用するものではないということは申し上げておきたいと思います。 8: ◯大泉鉄之助委員  御講演を伺わせていただきまして、一つ一つごもっともなお話だったなと。  ところで、我々が聞きたい、それから先生の後ろにいる市の関係者は、どうすればお客が乗ってくれるんだと、この1点なんです。必要度が高ければお客が乗るんです。料金が高くても。例えば、さっきちょっと話が出た福岡空港と福岡の博多駅の間なんて、これ必要に迫られればあの区間で200円。こんな高さはないじゃないかと思うけれども、乗るんです。本当に必要に迫られれば高くても乗るんです。  ところが、もう一方で、とても安ければ歩くよりはいいから乗るかというんです。例えば、広島駅からあの宇品港、今広島港と言いますけれども、かつての宇品港というのは大陸や何かに、あるいは太平洋の島々に日本陸軍が移動するとき、全部あそこから部隊が出たんです。宇品港まではあの長い距離を乗りますと35分ぐらいかかるんです。ところが、150円なんです。これなら、歩くよりはいいから乗るかということになって、だから、私は本当に必要に迫られれば高くても乗る、一方において、無理して歩けば歩けるんだけれども安いから乗ろうかという、こういうことだろうと思うんです。  それで、この料金と乗客と企業としての経営という、この三つがどういう形であれば一番利用者である住民にとってもいい、企業を運営する側にとってもいいという、そういう何か決め手みたいなもの、その長い御経験から、そこのところを我々聞きたいし、後ろの方々も聞きたいわけなんです。いかがでしょうか。何か長い御経験を通じて、4年間学生時代に暮らした仙台のために、この話だけは置いていこうという話ありませんか。 9: ◯鈴木文彦参考人  おっしゃるように、確かに運賃というのは単純に高い安いということではなくて、いわば私は値ごろ感がどこにあるかだと思うんです。つまり、今必要に迫られれば高くてもと、そのとおりだと思います。コミュニティーバスを見ても、例えば全国のコミュニティーバス、100円でやっているものが多いですけれども、では100円じゃなかったら乗らないのかというとそうわけじゃなくて、本当に困っている人たちはそれが200円であろうが乗るわけです。  一方で、おっしゃるように、距離が短いから歩いていけないことはないけれども、100円のバスが来たんだったら乗ろうかということも確かにある。だから、それはもう値ごろ感の問題だと思いますので、それをどういうふうに構築するかということなんですけれども、一つはまずわかりやすい運賃体系にすることと、それから、初乗り、例えば一駅なら一駅みたいなものは少し低く抑えておく、それから、あとは、仙台の場合そんなに長距離にはならないですけれども、長距離の割高感はなるべく抑えておく。ちょうど歩ける距離じゃなくて、それで移動需要がある、ニーズがあるところはそれなりの、キロ単位にするのか運賃のつくり方はいろいろありますけれども、それなりの運賃設定にしておくというような考え方はあるだろうと思います。  だから、結局一番ボリュームとしてニーズが取り込めそうなところはある程度の運賃設定にしておくことによって収入面を、それはどのぐらいのボリュームになるかによって変わりますので、それで、ではこういうふうにすれば経営が成り立つかどうかというのは、これは断言はできませんけれども、一番ボリュームの大きそうなところについてはある程度とれるような仕組みをつくると。  例えば、長距離の部分の割高感があるとすれば、それを少し抑えることによってこの値段だったら乗ってもいいなと思う人が1人ふえたら、少なくともそれで増収になるような上手な設定をすることは可能かと思います。 10: ◯委員長  ほかにございませんでしょうか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 11: ◯委員長  なければ、以上で鈴木様からの意見聴取を終了させていただきます。  鈴木様より本日いただきました御意見は、今後、当委員会の調査を進める上での参考とさせていただきたいと思っております。本日は、まことにありがとうございました。               〔参考人 鈴木文彦退室〕 12: ◯委員長  それでは、次に当局からの報告についてであります。  まず、地下鉄東西線の駅名について交通局より報告願います。 13: ◯東西線建設本部管理課長  それでは、地下鉄東西線の駅名について御報告させていただきます。  資料1をごらんください。  東西線の駅名につきましては、これまで仮称を用いてまいりましたが、平成27年度の開業に向けて市民の皆様に東西線事業を身近に感じていただき、開業への期待感や沿線まちづくりの機運をさらに高めていくためにも、早目に正式な駅名を決定する必要があると考えまして、年内に決定することといたしました。  また、前回の当委員会の中で外部委員会方式により決定していく旨を述べさせていただきましたが、その委員会の構成やスケジュール等が固まりましたので、御報告させていただきます。  まず、検討委員会でございますが、地下鉄の駅が市民を初め、観光やビジネス等で本市を訪れる多様な方々に利用される施設であることを考慮いたしまして、誰もがわかりやすく親しみを感じられる駅名とするため、多様な分野の外部委員から構成される仙台市地下鉄東西線駅名検討委員会を設置いたしまして、駅周辺の歴史や地名、周辺の施設などを参考に幅広く御検討いただいた上で、本市に対し、駅名案の提言をいただくことといたしました。  また、市民意見を反映させる方法といたしまして、検討委員会での検討にあわせて広く市民の皆様から御意見、駅名案の募集も行うことといたしました。この市民意見募集の結果を検討委員会に報告し、検討委員会での審議の参考にしていただくこととしております。市民意見募集の際は、混乱や戸惑いが生じないよう、駅名を選定する際の指標となる駅名選定基準をあらかじめ検討委員会で作成していただき、これを募集要領とあわせて提示し、選定基準に沿った駅名案を応募していただくようにいたしたいと考えております。  次に、今後のスケジュールでございますが、来月に第1回の検討委員会を開催いたしまして、駅名決定の手順、スケジュール、各駅の周辺状況などを確認していただき、第2回目に駅名選定基準及び市民意見募集の実施要領を決定していただく予定としております。また、7月から8月にかけて市民の皆様から御意見あるいは駅名案を募集いたしまして、これを取りまとめた上で10月ごろの第3回の検討委員会に報告する予定としております。  検討委員会におきましては、市民の皆様からお寄せいただいた駅名案のほか、地域からの要望等も参考に御審議いただいた上、最終案を11月ごろの第4回検討委員会で決定し、本市に提言していただきたいと考えております。この提言を受けまして、本市の最終決定は12月ごろを予定しているところでございます。  最後に、資料の裏面をごらんいただきたいと思います。  参考といたしまして駅名検討委員会の委員の方々の名簿を掲載してございます。学識経験者、観光やまちづくりの関係者など、幅広い分野からそれぞれの分野において造詣の深い10名の方々に駅名検討委員会の委員就任をお願いしたところでございます。
     地下鉄東西線の駅名についての説明は以上でございます。 14: ◯委員長  ただいまの説明に対し、何か御質問等がございましたらお願いいたします。 15: ◯菊地昭一委員  今、説明いただいた中に、駅名の募集について一定の選定基準をもとに市民から駅名を募集するという話があったと思うんですけれども、この選定基準というのは大体いつごろに選定基準を示して、市民の方から駅名を募集するんですか。 16: ◯東西線建設本部管理課長  この今後のスケジュールの中で、7月ごろに第2回の検討委員会がございますので、ここの中で選定基準を決定していただきます。この決定したものを7月ごろから8月ごろにかけて市民意見を募集いたすわけですけれども、この募集の段階で募集要領とあわせて提示いたしまして、それに基づいて応募していただくというような形にしたいと考えております。 17: ◯菊地昭一委員  どうしてお伺いしたかというと、先ほども話の中にありましたけれども、地域からの要望も伺っていくという話がありました。ちなみに地域のほうからこういう駅名はどうだろうかという要望は現段階でどのぐらい当局のほうには来ていますか。 18: ◯東西線建設本部管理課長  いろいろと第三者から御意見があったというようなことはございますけれども、正式に地域の方々から御要望いただいたのは現在のところ1件でございます。 19: ◯菊地昭一委員  その選定基準が、今のところ具体的なことは見えないんでしょうけれども、ぜひ市民の意見や、あるいは地域の意見も大事にしていただいて、この仙台市に観光とかビジネスで来られる方にとって誰でもわかりやすいというのは大変大事な、親しみも大事なんですけれども、地元に愛される駅名というのは非常に大事だと思うので、その辺もぜひ考慮しながら、今後検討していっていただければと思いますので、よろしくお願いします。 20: ◯大槻正俊委員  今、検討委員会の委員の名簿も示されました。私は常々早く駅名を、市民の皆さんからの公募も含めて決めて、そして、東西線に対する機運を高めていくべきだとずっと申し上げてきました。ですから、基本的にこの取り組み自体は賛成なんです。  それで、その上に立ってですが、検討委員会の委員は各方面からということで、今、お示しをいただきましたけれども、どういうふうな視点でこういうふうに至ったというものをもう少しきちんとお伺いをしておきたいと思います。今回物すごく大事な駅名を決めていただくに当たっての案を決めていただく人ですから、それをお聞きしておきたいと思います。 21: ◯東西線建設本部管理課長  東西線というのは全市的な財産となる交通基盤でございますので、検討委員会におきましては全市的な観点から幅広く御審議をいただくことがよりふさわしい駅名を選定する上で重要だと考えまして、学識経験者あるいは観光、まちづくり関係者、鉄道事業者、福祉、子育て関係者など、各界各層の造詣の深い方々に委員をお願いしたというところでございます。 22: ◯大槻正俊委員  では、これで大体網羅されているとお考えになっている、今、例えば福祉、子育て関係者というのはボランティアなどの代表の方なんでしょうか。あと、東北大学の鉄道研究会というもの、これはいわゆる教授というか、教員の役職をお持ちでこういう研究会をつくられているといったことなんでしょうか。ちょっと代表的なところ、二つお聞きをしたいと思います。 23: ◯東西線建設本部管理課長  まず、東北大学の鉄道研究会でございますけれども、これは、やはりどうしても年齢がいった方に偏りがちだということもありまして、これは東北大学のサークルの一つでございまして、大学4年生の方に入っていただくということにしております。  それから、いろいろな分野の方がございますけれども、やはりユニバーサルデザインやバリアフリーなどというような関係もございますので、ボランティア関係、あるいは社会学級研究会とか、このようなところの造詣の深い方々に委員になっていただいたというところもございます。 24: ◯大泉鉄之助委員  このメンバー、いろいろな方があるかもしれませんけれども、仙台市がいろいろなことを頼むときの委員のメンバーに比べるとまあまあいいのかなと。いつも決まった人ばかり出てきて、決まったことをやって。そのように大体の原案は当局が決めておいて、それを諮問して了承してもらうという、そういう手法がまかり通っているわけなんですけれども、そういったことからいえばなかなかいいのかなと私は思っています。  そこで、いずれにしても相当行政側が主導的に立ち居振る舞いすると思うんです。いつものことながら。そのときに、南北線のときのような間違いを起こさないでほしい。例えば北仙台駅。北仙台中学校、小学校に行く人は時々あの辺でうろうろしているんです。私はすぐそばだからわかるんですけれども。他都市から来て仙台駅でおりて、仙台から北仙台駅という、地下鉄に乗ってきます。そこからまたタクシーを拾わないと北仙台という地名のところまで行けないという。確かに北仙台というJRの駅と、それから地下鉄の駅名は今ようやく定着してきました。  でも、北仙台と名のつくのがもっともっと北にあるんですよね。そうすると非常に誤解があって、知らない他都市から来た方で訪ねていく人がわざわざ仙台駅でおりて、地下鉄に乗って北仙台におりて、そこからまたタクシーを拾わなければそこに行けないという、そういう混乱がないように。  バスもそうなんです。ずっと中まで入っていっても北仙台だし、入り口のほう、いわゆる泉区のほうに真っすぐ行ってしまうバスも北仙台と、同じ名前の停留所が物すごく離れているんです。これは改称してくれということで頼んでいるんですけれども。  だから、そういった過去の例を踏まえて、乗客やなんかに混乱を起こさせない地名にちなんだ駅名になるように、ひとつ御尽力を願いたいと思って、今から注文しておきたいと思います。 25: ◯委員長  ほかによろしいですか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 26: ◯委員長  なければ、次に「東西線沿線まちづくり基本方針」の一部見直しについて、都市整備局より報告願います。 27: ◯東西線沿線まちづくり課長  報告事項の2番、東西線沿線まちづくり基本方針の一部見直しにつきまして、御報告いたします。  資料2をごらんください。  本日は、現在見直し作業中のこの基本方針につきまして、その趣旨と主な見直しの内容を御報告させていただくものでございます。  初めに、見直しの趣旨といたしましては、現行の基本方針が平成21年7月に策定したものでございまして、約4年が経過してございます。このことから、各施策の時点修正などに対応する必要が生じてございます。また、復興の先を見据えまして、沿線の魅力向上や新たな交流を促進いたしまして、これまで以上に市民協働のまちづくりを進めることが重要となってございます。このようなことから、見直しの作業に着手したものでございます。  次に、2番、主な見直しの内容でございます。  まず1点目といたしましては、震災後、早期に南北線が復旧いたしまして市民の足として御利用いただけたという実績を踏まえまして、地下鉄の災害対応への有効性や沿線で現在進められております防災集団移転促進事業や復興公営住宅の整備など、東西線が復興事業を牽引する役割を担っていることを記載いたします。  2点目といたしましては、これまでも取り組んでまいりましたが、沿線の魅力向上を図りまして新たな交流を促進するための市民協働を軸とした取り組みを追記いたします。  そして、3点目が各施策の時点修正などに対応するというものでございます。  これらの見直しによりまして既存の施策を着実に推進いたしますとともに、多様な主体との連携をこれまで以上に深めてまいりまして、戦略的な広報を展開することなどにより民間開発の誘導や沿線でのイベント開催など、さまざまなまちづくりの動きを加速させてまいりたいと考えてございます。  次のページからは、今回の見直しの内容につきましてイメージしていただくために、現行の基本方針をもとにいたしまして見直し箇所を例示してございます。  4ページでございます。  冒頭の部分の背景や位置づけ等におきまして、東日本大震災を経て地下鉄は災害に強いインフラであることの再認識をさせていただいたこと、そして、東西線は復興の取り組みを牽引する重要な役割を担っているという旨の記述を追記いたします。  次に、まちづくりの新たな方針といたしまして、市民参加型のまちづくりの推進というものを追記してまいります。  5ページからは個別の施策となりますが、複数の駅での施策といたしまして復興公営住宅の整備を追記してまいります。  6ページの駅ごとの施策といたしまして、国際センター駅をお示ししてございますけれども、駅の出入り口の位置や昨年公表いたしました駅舎デザインなどの情報を加えてまいります。さらに、これも昨年度、計画の見直しをしたものといたしまして、スポーツセンター跡地のコンベンション施設整備について修正をいたします。  本日はその見直しの作業中でございますので、見直し箇所の一部を御紹介させていただくにとどまってございますけれども、この後に早急に作業を進めまして、次回の本委員会におきまして見直し案全体につきまして御報告申し上げたいというふうに考えてございます。 28: ◯委員長  ただいまの説明に対し、何か御質問等がございましたらお願いいたします。 29: ◯大泉鉄之助委員  今回の復興公営住宅というのは相当東西線を意識して位置づけをお考えになられたなというふうに私は読み解いているんです。それはそれでいいんです。そのことによって例の乗客予測、いきなり下方修正しましたよね。あれはまた少し変わってくるんですか。そういうことはないんですか。それはもう完全に加味されているんだというふうに受けとめるんですか。それとも、これからちょっとそういったことも含めてまた修正が行われるというふうに理解すればいいんですか。 30: ◯東西線建設本部管理課長  ほとんどの復興公営住宅については再評価をする時点で加味してございましたけれども、後のほうで出てきました公募買い取り方式の復興公営住宅に関しては入れてございませんので、その分需要増につながる可能性はあると考えております。 31: ◯大槻正俊委員  非常に基本方針の一部見直しということで、大事なことだというふうに思います。  それで、少し申し上げておきますが、まずこれから約2年の間というのは物すごくまちづくり、あと駅の周辺の整備というのは物すごく大事になってくると思います。それで、その際に各局それぞれかかわりを持っていますが、共通認識、共通理解のもとに進んでいるのかどうかということを絶えずチェックをして進んでほしいなというふうに、これはまず要望として申し上げておきます。  大体こういうふうに進むだろうなと思っていて、一部周辺の整備で全然進んでいないような状況があるとか、そういったことになったのでは大変なので、これは一つ一つお互いに進行状況をチェックし合って、基本方針をせっかく見直しをされるんであれば、そのことを徹底してほしいなというふうに思います。  そうでないと、どこかの部署が物すごくおくれていたなんていうことになるとこれは大変ですから。細かくはきょう言いません。何が言いたいかわかっていらっしゃる方もいると思いますから、そのことを特に申し上げておきたいと思います。  その上に立って、この一部見直しの関係で一つだけ申し上げておきますと、(仮称)動物公園駅のパーク・アンド・ライド駐車場があります。まず、これちょっと確認のためにお聞きをしておきますが、519台ということで私の記憶なんですが、それでいいのか。あと、トイレについては各階につくらないというふうになっていたと思うんですが、それでいいのか、これについてだけちょっと確認をしておきます。 32: ◯東西線推進事業課長  パーク・アンド・ライド駐車場の駐車台数は519台で今工事に入ってございます。  トイレに関しましては、ちょっと今正確な箇所数を持ち合わせてございませんので、確認をさせていただきたいと思います。 33: ◯大槻正俊委員  つまり何が言いたいかというと、そういうふうにきちんと持ち場持ち場で把握をしながら、お互いに検証をしてきちんと進めてほしいということを私は申し上げているんです。  それで、とりわけ、私もいろいろなところを見てきましたけれども、519台で、つまり各階に100台とか、それ以上の車が配置されるわけです。全部入ったとき。そうすると、利用者はお子さんから高齢者からいろいろおります。各階にトイレがないということになるとかなり不便を来すというふうに私は思うんです。ですから、何としてもこれは各階につくるということで進めていかないと、私は、いやトイレどこにあるんだとなって、上の階に下の階にと右往左往になってしまうと思うので、これはぜひもう1回見直しの中できちんと精査をして、本当に役に立つパーク・アンド・ライド駐車場になって、そして利用者もたくさん来て、そして地下鉄の乗客増につながるということにしていってほしいと思うんです。  ですから、自分の部署なんですから、そういうところをきちんと把握をしておいていただいて取り組んでほしいと強く申し上げておきます。 34: ◯菊地崇良委員  1点。大泉委員の御質問に関連してなんですが、需要予測の見直しをやっていただいたと。いろいろな変化があると。その中にいわゆる希少動物の、今、お話にあった八木山の動物の件と、それからあと、宮城野の水族館ができることによる乗車予測の変化、これについては今御検討といいますか、もう計算が終わっているのか、まずは確認させてください。 35: ◯東西線建設本部管理課長  八木山の希少動物ということでございますけれども、そちらと、あるいは水族館に関しましては当初から入れていなかったということもございますし、それがこういう現実になってきたというところであっても、再々評価をするという予定はただいまのところはございません。どの程度ふえるかという大ざっぱな予測は我々としてはできるかとは思いますけれども、実際にコンピューターを動かして予測するということはしない予定でございます。 36: ◯菊地崇良委員  今、いかに乗車数をふやすかということに御腐心されているというふうに思う中で、まさに東と西の最端それぞれに誘客施設があるという意義は非常に大きいと思います。それをこれまで何回もいろいろな委員が言っているにもかかわらず、それを計数評価しないということが、よく私は理解できないというのがまず1点。  あるいは、人をさらにふやさなければいけないという視点を持ってお仕事をされている中で、逆にそのような希少動物、パンダでもいいんですけれども、そういったものが来ることによっての経済効果が本当にあるのであれば、それを例えば関係部局のほうに、より皆さんのほうで積極的にお願いをするとか、あるいは水族館のほうもそうですけれども、菊地昭一委員がたしかおっしゃったと思うんですが、シャトルバスなんかをどんどん連接するように早期に働きかけをするといった、御当局からの関係部署に対する乗車率向上のための積極的な働きかけというのが、総合戦略の中でなされていくべきじゃないのかなと思っております。これについていかがお考えですか、お答えください。 37: ◯東西線建設本部管理部長  ただいま委員からいただいた御視点、非常に重要なものだと思っております。需要増につなげるというのは非常に大事なお話でございます。ただ、関係部局ともお話をすることになるかと思いますけれども、今現在ではっきりとした数字が、希少動物の件についてはちょっと時点も難しいところもございますし、その中で私どもとしては今の段階はかなりかた目の需要予測というような形で捉えております。今いただいた御意見も踏まえまして、今後それに限らずさまざまな需要の伸びとか、今後の再評価云々ということではなくて、地下鉄をいかに東西線を使ってもらうかというのは大事な視点でございますので、そういった中で一つ一つ積み上げになるような形で他の部局とも調整してまいりたいと考えてございます。 38: ◯菊地崇良委員  誤解なきように言うんですけれども、希少動物、パンダがいいとは私は思っていませんけれども、あれが増加のよすがと考えているならば、万が一それが外交上の問題でだめになった場合の代替手段等についても関係部署のほうにどのように考えているのかということを、あと2年しかない地下鉄開業、この間に早急に積極的に、口をあけて待っているんじゃなくて、皆さんのほうから働きかける必要があるというふうに思いますので、御提言申し上げて質問を終わります。 39: ◯高橋次男委員  同じような視点で、国際センター駅のそばにコンベンション施設ができるわけですけれども、この利用客もこれによってふえてくると思います。このような視点でもぜひ見直しと申しますか、把握をしていただければなと。  それから、せっかく総務企画局から企画部長がおいででございますので、コンベンションホールの施設建設等に関する新たな情報がありましたら御披瀝をいただければと思うところでございます。 40: ◯企画部長  新しいコンベンション施設につきましては、新年度から所管を経済局のほうに移行させておりまして、現在基本設計を進めているところでございまして、その設計が仕上がり次第、議会のほうに御報告したいと思っております。 41: ◯委員長  ほかにございませんか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 42: ◯委員長  なければ、当局からの報告等については以上とさせていただきます。  それでは、当局の報告以外の件で、何かございますか。 43: ◯木村勝好委員  では、御報告になかった点について私のほうから若干質問させていただきたいと思います。  実は、私は4月30日に東西線の車両を受注しました近畿車輛の本社工場を訪れまして、常務さんを初め、担当の方々からいろいろとお話をお聞きをしてまいりました。その後で工場内を見学させていただきまして、最後にこの近畿車輛が製造して東西線の今後でき上がる車両に一番近いだろうというふうに言われています大阪市営地下鉄の今里筋線というものに乗ってまいりました。こうしたことを踏まえていろいろお尋ねをしたいと思います。  まず1つは、近畿車輛のお話では今回東西線を受注するに当たってシステムを一括発注という形で出してもらったことのメリットが非常に大きいというふうに判断をして、受注するためにコストの低減のためいろいろな努力をしましたと。そのことでコストの低減が実現したと思っていますというお話でした。  ちなみに、その落札価格はこの近畿車輛で約68億円ということで、4両掛ける15ということの落札になっているわけでありますけれども、この68億円という数字はもともとの事業許可のときの申請した額、あるいは今回入札にかかるほかの会社との比較についてどのぐらいのコストの低減になっているのか、まず、そこからお尋ねをしたいと思います。 44: ◯東西線建設本部参事兼技術課長  事業許可時の車両本体の費用は、全体で約155億円でございました。需要予測の見直し等によりまして必要編成数が21編成から15編成に減ったことによりまして、約44億円の縮減となってございました。  今回の契約といたしましては、そこからさらに28億円減ってございまして、トータルで事業許可時の数字155億円と比べますと、約46%、72億円の減額となってございます。  また、他のメーカーの金額でございますが、近畿車輛よりも約10億円ほど高い金額でございます。 45: ◯木村勝好委員  非常に頑張っていただいてコストの低減につながったのかなというふうに思うところなんですけれども、いろいろな理由が恐らくおありになったんだと思います。近畿車輛という名前からしても営業の基盤はどうしても西日本中心ということもあって、東日本のほうに進出したいという思いがあるいはあったのかもしれないなというふうに思います。しかし、いずれにしても当初の予定の価格よりも相当安く発注することができたというのが東西線の事業全体にとっても、非常に大きな意味があるんだろうというふうに思っています。  ところで、会社が盛んにこういうことを言っていました。実はこの受注をされてからのおつき合いのほうが長いんですということなんですが、一般的に地下鉄の車両というのは平均すると何年ぐらい使うことになるんでしょうか。 46: ◯東西線建設本部参事兼技術課長  地下鉄車両の耐用年数、一般的にどのくらいかという御質問でございます。私ども仙台市も含めて一般的に言えば40年から50年と見ているようでございます。  ただ、使用されます線区の特質によりまして、例えば高速で走るとか長距離を走るとか、そういうふうな条件が重なりますと、使用している車体の部材あるいは台座の部材等の金属疲労の進み方の度合いが違ったり、あるいは電気部品の劣化の進行も違いますので、40年から50年という幅があると考えてございます。 47: ◯木村勝好委員  意外な長寿命なんですよね。もうバスよりもはるかに長く使えるということで、そういう意味でまさにこの会社が受注してからのおつき合いのほうがはるかに長いということになるわけですけれども、この会社に発注した以上、今言ったその40年から50年という間の、例えば部品の供給ですとか、あるいはその時々に修理とか改造をしていかなくてはならないわけですが、そういったことについては基本的にはこちらにお願いをしていくということになるんでしょうか。 48: ◯東西線建設本部参事兼技術課長  今お話ありましたように、補修部品の供給でありますとか、あるいは車両の、例えばトラブルに対する協力、その他、古くなりましたときの技術的な協力等含めて、基本的にはつくりましたメーカーと長いつき合いが続いていくものと考えてございます。 49: ◯木村勝好委員  ちなみに、南北線は川崎重工にお願いをしたはずであります。こんなこと言っては身もふたもないのかもしれませんけれども、40年から50年というのは相当な長い期間ですから、民間企業である以上ずっと無事とは限らないわけでありまして、もし万一例えばその会社がだめになってしまったといったようなことがあった場合、どういう対応になりますか。 50: ◯東西線建設本部参事兼技術課長  今回の近畿車輛も実は戦前から営業されている会社で、既に90年くらいの歴史を持っている会社でございます。昨今の経済状況もございますので長い歴史を持った会社といえども倒産するなどということもあるやもしれませんが、一般的にはメーカーとしては部品の供給体制をつくる存続会社のようなものをつくる場合もございますし、今回、近畿車輛だけではなくて、車両の部品では他の大手のメーカーがおつくりになっている部分もございますので、部品の供給等については心配ないものと考えてございます。 51: ◯木村勝好委員  それを聞いて安心したわけですけれども、一方で近畿車輛は、最初の4両の第1編成を仙台に搬入して組み立てをするのが来年、平成26年の秋ごろというお話でございました。これが入ってくるときに交通局側としては、どこにどういうふうに受け入れて、そこからさらに開業まで約1年ぐらいあるわけですから、その間どんなふうな試験や運行をしていく予定になっているんでしょうか。 52: ◯東西線建設本部参事兼技術課長  車両の搬入につきましては、車両メーカー、近畿車輛があります大阪から船で仙台港に運びまして、その後荒井の車庫に搬入する予定でございます。これが平成26年秋ごろと考えてございます。そのときの受け入れの状況でございますが、現在、車庫につきましては建築工事あるいは軌道、電車線、架線工事等を施工中でございまして、車両の搬入が始まります時期までには受け入れの可能な状況になる見込みでございます。  その後のスケジュールでございますけれども、第1編成を荒井車庫に搬入後、車庫構内の試運転線で試験を行います。さらに、本線ができました後は本線での車両の性能試験あるいは信号設備等の地上設備との組み合わせの試験を行いまして、最終的な設備全体との総合試験あるいは乗務員の習熟訓練を経まして、国の完成検査、保安監査を受けまして開業の予定となってございます。 53: ◯木村勝好委員  第1編成が入ってからも当然それ以降、第2編成、そして最後が最終の第15編成となるんでしょうが、これが入ってくるわけです。これはどういうペースで入ってくることになるんでしょうか。そして、その最終の第15編成が搬入されるのはいつごろということなんでしょう。 54: ◯東西線建設本部参事兼技術課長  2編成目からの車両は大体20日に1本くらいのペースになると思います。最終的に最後の車両が入ってまいりますのは平成27年の中ごろぐらいになるのかもしれません。  あと、先ほどの御質問の中で、入りましてからの保全の仕方ということがございましたけれども、それにつきましては例えば電車の点検あるいは車庫構内でのならし運転を随時やっていく予定でございます。 55: ◯木村勝好委員  会社のお話ですと、自分たちはとにかく納期は必ず守るということがプライドでやってきていますと、おくれることは絶対ありませんということなんですが、それはいいんだけれども、こちら側の受け入れがしっかりしていないと電車が途中でとまってしまったというのではまずいわけでありますから、これはやはりもう発注してしまった以上はきちっとこちらの受け入れ体制をやっていかなければいけない。  それから、こういうことも言っていました。納入した車両というのは動かさないでおくといろいろなふぐあいが生じると、だから、納めた以上はずっと動かしておいてくださいねと、こういったことを言っていました。したがって、その辺につきましても十分対応ができるのかどうか、改めてもう1回確認をさせてください。 56: ◯東西線建設本部建設部長  現在、私どもの工事といたしまして土木工事、まだ進捗中ではございます。さらに、ただいま委員からお話あったとおり、車両の製造も進めております。これは全て平成27年度内の開業を目標として全体を確認しながら進めておるところでございまして、現時点で平成27年度の開業は十分見込めるというふうに確認しながら進めておるところでございます。 57: ◯木村勝好委員  私、今回こうやっていろいろ視察調査してお話を伺いながら、やはり我々が認識しているよりもう電車が走るのは目の前に来ているなということを改めて痛感をしたわけであります。どんどんもう編成が入ってくるわけですので、したがいまして、当委員会として周辺まちづくりの話ももうかなり切羽詰まった話になってきているのかなと。もう遠い将来の話ではないわけでありますから、そういうことを改めて認識しながら対応しなければならないんじゃないかなと思っています。  それとの関連でもう1点だけ、ちょっと別の観点でお尋ねをしたいんですが、それは東西線のいわゆるターミナル駅といいますか、結節駅の駅前広場についてです。荒井と、それから薬師堂と、それと動物公園の駅に駅前広場を整備することになっています。それぞれどこが担当されるか、ちょっと改めて確認をさせてください。 58: ◯道路部長  まず、東の起点駅であります荒井駅でございますけれども、この駅前広場につきましては組合のほうで駅前広場のほうも整備するという計画だということになっておりますけれども、実際その部分を指導していただいておりますのは都市整備局の区画整理課が担当になります。  あとは、薬師堂の駅前広場と動物公園の駅前広場につきましては、道路部の東西線推進事業課で担当しているところでございます。 59: ◯木村勝好委員  実はこれは東西線じゃないんですけれども、南北線の富沢駅の東口の駅前広場というのが平成26年の秋に一応完成するということで今工事を進めています。ということは、つまり平成26年から平成27年にかけて東西線、南北線合わせて地下鉄の4つの駅前広場が開業する、開設されるということになるわけですけれども、どうも私は今までつくっている仙台市の例えばJRの在来線の駅前広場の整備を見ていると、交通結節機能に余りにも特化し過ぎて、先ほどの先生のお話じゃありませんけれども、にぎわいの拠点ですとかまちづくりの顔とか、そういうほかの要素が非常に何か、軽んじられているとは言いませんけれども、何か薄いのかなという感じがします。  例えば、私率直に申し上げてこれはひどいできだなと思っているのは、長町駅の東口の駅前広場です。あすと長町の顔のはずなのに何の特徴もないんです。バスは確かに入れる、タクシーの入るところもある、駐輪場もある。だけれども、何ですかといったら別に何でもないというふうなものになっていて、今言いましたように南北線も入れると4つ一緒にできるわけですよね。つまり、どこの駅前広場もバスとタクシーと駐輪場があって、交通結節はあるけれども何の特徴もなくて金太郎あめと同じだと、全然おもしろくも何ともないというんでは、せっかく金をかけて、そしてまた、この委員会で周辺まちづくりとして議論してきたのに、一番目の前にできる駅前広場が全然おもしろくもないというんでは、これはどうなのかなという気がするんです。この辺それぞれの駅なり、その周辺に特徴を持たせるような駅前広場づくり、これについてはどうお考えですか。 60: ◯道路部長  ただいま木村委員のほうからお話ありましたように、今までつくってきました駅前広場につきまして交通結節機能を中心にやってきておりますので、我々道路の1つということでの駅前広場の性格上、それはそういった性格というのはいたし方ない、そういうふうに見られるという部分もあるのかなというふうには思っております。  ただ、その中でどのような特徴を持たせるのかという部分につきましては、今、動物公園の駅前広場でありますとか薬師堂の駅前広場につきましては、地域のまちづくり協議会の方々とお話をさせていただきながら、その中で駅前広場としての機能を十分発揮しながら、地域の方々の御意見も取り入れられればというふうな形で進めているところでございます。 61: ◯木村勝好委員  これは、お答えというよりもお願いをしたいと思うんですけれども、やはり交通結節だけじゃなくて、まさにそのまちの顔、にぎわいの中心ですから、そういう観点も踏まえて、直接的に施工されるのは道路サイドにせよ、いろいろな知恵を出し合いながら、それこそ全庁的に大事に取り組んでいただきたいなというふうに思います。 62: ◯委員長  ほかにございませんか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 63: ◯委員長  なければ、以上とさせていただきます。  次に、次回の委員会の開催についてですが、副委員長とも相談の上、6月7日金曜日に開催したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
     なお、当日は今回の有識者の御意見等を踏まえまして、意見交換を中心に実施したいと考えておりますが、その内容等については正副委員長に御一任いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 64: ◯委員長  それでは、そのようにさせていただきます。  それでは、次回の委員会に向けて皆様から当局に対し資料要求等はございませんか。               〔「なし」と呼ぶ者あり〕 65: ◯委員長  なければ、以上で東西線整備まちづくり促進調査特別委員会を閉会いたします。...