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  1. 仙台市議会 2011-11-28
    平成23年第3回臨時会(第1日目) 本文 2011-11-28


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     〔修  礼〕     午前十一時開会 ◯議長(佐藤正昭)ただいまから、平成二十三年第三回仙台市議会臨時会を開会いたします。  会議規則第九条第二項の規定により、開議時刻を繰り上げ、これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第一号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(佐藤正昭)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、小野寺利裕君及び高見のり子君を指名します。          ────────○────────     日程第二 会期決定の件 3: ◯議長(佐藤正昭)日程第二 会期決定の件を議題といたします。  お諮りいたします。今期臨時会の会期は、本日から十一月三十日までの三日間といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 4: ◯議長(佐藤正昭)御異議なしと認めます。よって、会期は、三日間と決定いたしました。          ────────○────────     日程第三 諸般の報告 5: ◯議長(佐藤正昭)日程第三 諸般の報告を行います。  まず、会議規則第二条の規定により、大槻正俊君から今期臨時会の会議に欠席の届け出がありました。  次に、市長から、説明員の委任または嘱託について、お手元に配付のとおり通知がありました。
     次に、地方自治法第百条第十三項及び会議規則第百十一条第一項ただし書きの規定により、お手元に配付のとおり議長において議員の派遣を決定いたしましたので御報告をいたします。  以上で、諸般の報告を終わります。          ────────○────────     日程第四 第百十五号議案 6: ◯議長(佐藤正昭)日程第四 第百十五号議案 仙台市震災復興計画に関する件を議題といたします。  市長から説明を求めます。市長。     〔市長 奥山恵美子登壇〕 7: ◯市長(奥山恵美子)ただいま上程となりました第百十五号議案仙台市震災復興計画に関する件につきまして、概略御説明を申し上げます。  本市は、東日本大震災により、沿岸部の壊滅的な津波被害、全面的なライフラインの途絶、丘陵地などの宅地被害、交流人口の急激な減少と地域経済の冷え込みなど、まさに未曾有の被害に直面をいたしました。  経験のない大災害と向き合い、全力で復旧事業に取り組む一方で、四月には仙台市震災復興基本方針、五月には仙台市震災復興ビジョンと復興に向けた基本的な考え方を取りまとめ、市議会での集中的な御議論、市民の皆様への説明会の開催、震災復興検討会議における有識者の方々の御討議など、さまざまな場面で多くの御意見を伺ってまいりました。これらの御意見を踏まえながら、被災された皆様のお気持ちに沿った復興とは何か、どのような方策がより効果的であるか等について鋭意検討を重ねてまいったところでございます。  その中で、私は、すべての市民の皆様の参画により仙台の再生を図ること、新生仙台に向けてチャレンジ精神を発揮していくこと、東北の復興を牽引するリーダー都市としての責務を果たすこと、これらの三点を基本認識として復興計画の立案に取り組んでまいりました。  計画におきましては、本市の復興の柱として、何よりもまず被災された方々の生活の再建と復興の基盤となる経済の活性化を重視いたし、津波への防災、減災の取り組みとあわせて、復興のシンボルとなる百万人の復興プロジェクトを掲げております。また、このたび成立いたしました国の第三次補正を踏まえ、本市独自の支援制度などを打ち出すとともに、復興計画の期間を五年間として本市の一日も早い復興と東北の復興を牽引してまいりたいとの決意を示してございます。  計画に掲げました種々の取り組みを通じまして、復興の基本理念であるしなやかでより強靱な新次元の防災・環境都市づくりを強力に推進するとともに、復興する本市の姿を内外に向けて積極的に発信してまいる所存でございます。  私は、この計画を御提案いたし、議会の御賛同を得て、百万市民の皆様とともに未来に向けた一歩を力強く踏み出してまいりたいと考えており、議員各位におかれましても、今後の復興に向け特段の御支援と御協力を賜りたいと念ずるものであります。  以上、概略御説明を申し上げましたが、何とぞ慎重御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。 8: ◯議長(佐藤正昭)この際、暫時休憩いたします。     午前十一時七分休憩          ────────○────────     午後一時開議 9: ◯議長(佐藤正昭)休憩前に引き続き、会議を開きます。  これより質疑に入ります。  通告がありますので、順次発言を許します。  まず、田村稔君に発言を許します。     〔二十四番 田村稔登壇〕(拍手) 10: ◯二十四番(田村稔)田村稔でございます。会派、自由民主党・仙台を代表して質問いたします。  震災から八カ月以上の月日が経過し、被災者たちはそれぞれが復興に向けての思いを強くしております。日々不自由な生活を強いられながらも、生かされた者たちは生活の再生に取り組むことができていることに感謝の念を深くしなければならないと思うものであります。  物で栄えて心で滅びるの格言ではありませんが、廃れたと思っていた道徳心や倫理観が、まだまだ日本人の心の中にDNAとして立派に生きていたことを今回の大震災は私に実感させてくれました。  首都圏では、震災の当日は電車が全面ストップしたことにより多くの帰宅難民であふれましたが、人々は粛々と行動いたしました。その後、計画停電が実施された際にも、込み合う駅構内などでもだれ一人文句を言うこともなく、整然と列をつくり電車が来るのを静かに待ちました。また、被災地においては、避難所で、あるいは交通機関が途絶えた町中で、ありとあらゆる場面で規律ある行動に努めました。この大災害に対処した日本人の冷静沈着な行動に対し、世界じゅうの人々が感嘆と称賛の声を寄せたことは今なお記憶に新しいところであります。  改めて震災の直後を振り返ってみると、だれもが途方に暮れ、戸惑っていたときに、津波に襲われた被災地では懸命に死者、行方不明者の捜索、救援に当たった自衛隊員、消防隊員、警察官などの行動は感動的でありました。  もちろん自衛隊員は、事に臨んでは危険を省みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託にこたえると宣誓して自衛官になっており、これは他の公務員とは比較にならない重い義務を持っているとも言えるのであります。  自衛隊が福島原発での放水作戦に出動が決まったときのこと、これはいわば覚悟の作戦である。強制はしない。行ける者は一晩じっくり考えて自分の気持ちを固めてほしいと述べた上官の言葉に対して、全員がちゅうちょなく、自分が行きますと口をそろえて答えたと聞き及んでおります。  その奥にあるのは、教育勅語にある「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」ではないでしょうか。我々に勇気を与えてくれた自衛隊員の活躍に多くの国民が感謝し、国家としての誇りを感じました。自己犠牲をいとわずに公のために任務を遂行された自衛隊員、消防隊員、警察官の方々が勇気を奮い起こして「義勇公ニ奉シ」た姿は、日本人の生き方そのものであったと思います。  同時に、震災直後に対策本部を立ち上げ、未曾有の災害に対応するために不眠不休の活動を続けてこられた奥山市長初め市職員の活躍にも心からの敬意を表するものであります。  震災から八カ月以上が過ぎ、復興計画をまとめ上げられた今日、これまでを振り返ったときには数多くのことが去来していることと拝察いたします。まずは、復興計画を上程したその所感をお伺いいたします。  本市の復興計画に示されている復旧から復興への歩みは、被災地唯一の政令市としての牽引力を感じますし、市独自の支援制度もあり、市民の安心・安全の確保のため一日も早い復興へという強い思いが表されております。しかし、過去にないというか、初めてと言ってよい公的資金による復旧には、今後も何らかの災害が起こるたびに今回と同じような公的支援が受けられるものという前例にならないか、自立心という尊い意識を奪ってしまうことにならないか、市民力を弱体化させないかという思いもあります。  市民の不満の多くは、まるで国家観の見えない政府の初動対応の遅さにあるということは、これまでも幾度となく指摘されてまいりました。しかし、今回、国の第三次補正が成立し、詳細については今後の検討を踏まえる部分はありますが、本市からの要望の大方が反映された内容になっております。  それにより、宅地被害においては、市内の危険宅地、要注意宅地、約四千世帯の八割が公共事業により復旧されることになり、残りの二割も本市独自の支援制度により、それぞれ個人の負担が軽減されることになりました。被災者にとっては将来への不安が大きく解消されたことと思います。しかし、私有財産への公的資金による支援というものが、その結果としてこれからの市政運営の上にモラルハザードを生んでしまわないかという不安もあります。御所見をお伺いいたします。  私たちは、三十三年前に宮城県沖地震を経験いたしました。本市では、ガス局などの社会資本のみならず、企業や商店、個人住宅にも大きな被害が生じましたが、全くと言ってよいほど公的な支援などというものは皆無であったと記憶しております。にもかかわらず、本市は立派に復興することができました。私は、社会資本整備インフラ整備都市基盤施設の機能強化などに重点を置き、経済の活性化に結びつけることこそ優先すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、防災集団移転についてお伺いいたします。  新たな津波シミュレーションの結果、約四百世帯が災害危険区域から外れはしたものの、約二千世帯が防災集団移転の対象となっております。住宅の再建に向けて被災宅地の買い取り、被災建物の移転費用はどのようになるのか、移転先はどこになるのか、移転対象地区の多くの市民が将来に対し不安な日々を過ごしております。  この防災集団移転に係る本市独自の制度を含めた費用制度の決定はいつごろになるのか、移転先の決定など、今後どのようなスケジュールで進むのか、お伺いいたします。  あわせて、その取り組みについての考え方、本市独自の支援の考え方並びに予算措置についてもお示しください。  次に、先般行われた住宅等の再建に関するアンケート調査についてお伺いいたします。  このアンケートは、移転対象地区の土地建物の所有者と移転対象地区外土地建物所有者に分けて行われました。今後の新しいまちづくりの方向性を探る上でも重要なものであると考えます。  アンケートの結果から幾つかの特徴的なものを抜き出しますと、移転対象地区においては、移転したい、または移転はやむを得ないと答えた人を合わせると約八六%に達しております。この数字からも、安全な場所への移転を望む率は高く、この地域では移転はいたし方ないという意識が固まっていることが想定されます。  また、職業に関しては、無職の方が約二四%で、そのためか、収入の実態は年収四百万円以下が約六四%を占めており、御高齢で年金生活をされておられる方々が多いのではと思われます。  移転先としては、市街化区域を希望する方が多く、やはり生活環境を重視していることが読み取れます。復興公営住宅を希望する人も約二一%で、これは私の予想をはるかに超えるものでありました。  今後、本市の進める復興公営住宅の建設計画にも影響するものと推察されます。今後の移転に伴う施策を進める上でも重要なアンケートでありましたが、どのような所感をお持ちになられたのか、お伺いいたします。  また、今回のアンケートが最終的なニーズの確認となるのでしょうか。特に移転対象地区外の方々の住宅再建についての考え方は、被災者の多くが迷っているとお聞きしております。アンケートの結果を見ても、約六一%がもとの場所で生活したいと答える一方で、約三二%が移転したいと答えております。津波被害を受けた現地での生活の再建に不安をぬぐい去れないのであります。そのためにも新しいまちづくりについての提案が急がれます。  安全で安心できるまちの姿を早急に示す必要があります。新浜地区や鍋沼地区、井土地区や種次地区などの新しいまちづくりについての提案はいつごろまでにされるのか、スケジュールをお示しください。これこそスピード感が必要であると考えます。  今回のアンケートは、土地、建物の所有者を対象に行われました。震災前は二世代あるいは三世代が同居して暮らしていた家族であっても、現在、親夫婦は現地でリフォームを終えて生活をしていたり、あるいは応急仮設住宅で生活している一方で、息子夫婦と孫たちは民間借り上げ住宅というように、世帯を別にして生活をされている方たちが数多く存在いたします。また、応急仮設住宅で生活しておられる方たちとそれ以外の方々との意思の疎通が不足していることから、意識の違いなどが生じ、世代間や現在の住居形態の違いなどによる価値観の相違も指摘されております。  世帯主ではない若い夫婦たちからは、私たちにはアンケートが届かず、自分たちの思いを行政に届ける手段がないといった意見も多く聞かれました。本市を担う次世代の意識を今後どのように把握されていかれるのか、その対策についてお伺いいたします。  次に、移転対象地区外における津波防御施設、多重防御についてお伺いいたします。  今回の地震、津波の被害では、改めて自然の脅威と人間がつくり上げた文明の無力さを嫌というほど知らされました。しかし、限界はあるとしても、被害を最小限にとどめられるような津波防御施設は必要であります。具体的にはどのような防御施設をお考えになっておられるのか、お伺いいたします。あわせて、多重防御についてもその考え方を具体的にお示しください。  次に、避難施設がどのようなものなのか、そのイメージが描けないという声をよく耳にします。確かに、住民にとって身近な避難施設の具体的な整備内容が全く見えません。避難施設の整備方針は新しいまちづくりの検討内容の重要な位置を占めるものであると考えます。避難施設の具体的な整備内容が明確でなければ、自分や家族の命を守るために住民がみずから行おうとする、また行わなければならない対策をイメージすることはできません。若者たちが安心して未来を描ける地域の再生を目指さなくてはなりません。避難施設整備内容について具体的にお示しください。  今回の震災により、被災地では各地で地盤沈下が見られております。海抜ゼロメートル地帯が数多く生じたとの報道もありましたが、本市の状況については国土地理院などからの報告等はあったのでしょうか。  台風十五号により市内の各所で冠水による被害が生じました。私は、地盤沈下の影響も大きかったのではないかと考えております。地盤沈下は本市東部地区での農地の復旧や雨水対策などにも影響するものと考えます。現状把握の状況とその対策についてお伺いいたします。  次に、農地の再生についてお伺いいたします。  まずは、津波被害を受けた農地の復旧についてでありますが、農地の瓦れき処理の進捗率は現在どのくらいでしょうか。あわせて、排水路も修復が必要な箇所が見受けられます。今後の排水路の復旧はどのように進めるのかお示しください。  今般、地域の未来へという本市東部地区の農業再生のために行う具体的な取り組みを示したパンフレットができ上がりました。私は、農業の将来を見据えたときに、農地の大区画化や集約化は避けては通れないものであると考えるものです。その点からも、本市の東部地域の農業復興への方向性が明確に示されていることに安堵しております。  そこには、津波により甚大な被害を受けた農地を震災前の状況に復旧させるのではなく、収益性が高く、農業者が将来へ夢を持つことができる、さらには多様な担い手が集まる農業を実現させるべく、国、県、市が連携して事業を進めていくことが示されております。  このプランでは、東北農政局、本市、JA仙台、仙台東土地改良区が復興に向けた具体的な取り組みを示しております。特筆すべきは、災害復旧と関連して行われる圃場整備事業においては、今回に限り農業者の負担が一切ないということであります。  今後の圃場整備に向けてのスケジュールをお示しください。  また、当該地区には散居集落が点在しておりますが、圃場整備に伴っての移転などもお考えなのでしょうか、お伺いいたします。  当局では、認定農業者やJA仙台の実行組合、つまり実際に農業に携わっておられる方々との意見交換をされたと聞き及んでおりますが、圃場整備に対してはどのような意見が出されたのでしょうか、お示しください。  さらに、圃場整備における土地の所有権、利用権はどのようになるのでしょうか。現在、農業に携わっておられる人は御高齢の方々が高い割合を占めております。将来に不安をお持ちの方々も多くいらっしゃいます。また、この際に農業から離れたいという人もいると聞いてもおります。圃場整備事業によって農地の所有権、利用権はどのようになるのか、具体的にお示しください。  また、六次産業化については具体的な取り組みが示されておりません。もちろんこれからの検討項目であることは理解いたしますが、夢のある絵を描くことが若者を農業に引きつける大切な要素であると考えます。六次産業化に向けての取り組みへの考え方をお伺いいたします。  津波被災地域での農業の再生を目指し、農地の大区画化や集約に向けてのスタートが切られました。経済局にはコーディネーターとしての役割が求められています。本市農政の将来を託された事業と言っても過言ではないと考えます。大事業に臨む決意をお聞かせください。  最近の国分町は大変なにぎわいを見せていると聞きました。居酒屋ばかりではなく、高い料金設定の高級店もにぎわっているとのことであります。まるでバブル期を連想するという話も聞きました。不動産業界からは、土地の価格が一割ほど上昇したのではないかということがささやかれております。確かに県外ナンバーの車両をよく目にいたしますし、首都圏からも多くの建設関係者が来仙しております。本市全体の経済が活性化されるのは歓迎いたします。  しかし、復旧・復興の需要が本市の経済の発展につながらなくてはなりません。震災から八カ月以上が経過いたしましたが、いよいよ本格的に復興に向かう本市経済の今日の状況をどのように把握されておられるのか御所見をお伺いし、私の質問といたします。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 11: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの田村稔議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、震災復興計画を上程しての所感及び経済活性化に向けたインフラ整備等に関するお尋ねでございます。  大震災から八カ月余りが経過し、発災の日を思わせる寒い季節が再び仙台にめぐってまいりました。この間、仙台の再生に向けた市民の皆様との対話や議会での集中的な御議論を積み重ねながら、計画を練り上げ、今議会に最終案をお諮りするに至ったものでございます。  仙台の復興に向けた大いなる節目でありますとともに、新生仙台への歩みに向けたスタートラインに立ち、私といたしまして身の引き締まる思いでございます。  このたびの大震災では、ライフラインの全面的な途絶や燃料の不足など、すべての市民の皆様が何らかの被災をされたわけでございますけれども、中でも、大津波で大切な御家族や財産を含めそれまでの生活の一切をなくされた方々、また、甚大な宅地被害により御自宅が危険にさらされている方々などにとりましては、このたびの大震災が残したつめ跡は余りにも大きいと感じるものでございます。  私は、復興に当たりましては、何よりもまずこのような甚大な被害を受けられた皆様の暮らしを再建してまいること、そして、復興を支える経済の活性化と雇用の拡大を重視すべきものと考えております。復興計画のシンボルとして掲げました百万人の復興プロジェクトにつきましても、このような認識に基づいて組み立てたものでございます。  御指摘のございました、社会資本の再整備を地域全体の活性化につなげる、こういった方向性も、このような視点と軌を一にするものと認識をいたしております。  復興計画の着実な推進により、安定した経済活力と雇用が確保され、被災された皆様お一人お一人がみずからの生活を再建されることこそが、市長としての私の願いであり、その実現に向け、百万市民の皆様とともに本市の復興に全力で取り組んでまいる所存でございます。  次に、六次産業化に向けての取り組みと農地再生に臨む決意についてお答えをいたします。  本市の東部農地は、かつて美しい風景と豊かな実りをたたえたこのまちの財産であり、この地域の復興は仙台復興のシンボルともなり得るものと考えております。  この震災をばねとしたより成長性と収益性の高い新しい一次産業の実現が求められておりまして、そのためには、まず農地の大区画化や集約化が大変重要でございます。今回の甚大かつ広範囲な被害にかんがみ、農業者の皆様の御負担を少しでも軽減するため、全額公費の負担によるものとしたところでございます。  また、マーケットを広げ、収益を高める六次産業化は、農業の未来を開く上で重要なかぎとなるものでありまして、その成功には消費者ニーズを把握した商品の開発や販売ルートの確保、資金の確保などが必要なことから、専門的なアドバイスや事業運営面でのサポートなど、きめ細かい支援を行ってまいる所存でございます。  これらの事業につきましては、農業者の皆様の意向を把握しつつ、行政、JAなど関係団体が密接に連携していく必要がありますので、本市が先導的な役割を発揮し、若い担い手の皆様が夢と希望を持って携わることができる農業を実現してまいりたいと考えているものでございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  私からは以上でございます。 12: ◯震災復興本部長(山田文雄)初めに、多重防御の考え方と具体的な津波防御施設についてのお尋ねにお答えいたします。  まず、多重防御の考え方でございますが、今回の津波による被害を見ますと、巨大な津波に対し防波堤や防潮堤などの構造物による制御には限界があること、また、命を守るため逃げることなど、減災の視点の重要性を再認識したものでございます。そのため、防潮堤に加え、防災林、かさ上げした道路による複層的な防御により、津波被害を低減させるといった考え方でございます。  津波防御施設としましては、国が整備いたします数十年から百数十年に一度の津波に対応する海岸防潮堤を整備することに加え、盛り土をして根張りを強化することにより、津波減災効果を高めた防災林の整備、さらに、県道塩釜亘理線のかさ上げを行うことによりまして、想定し得る最大クラスの津波に対する多重防御を図ってまいることとしているものでございます。  次に、避難施設の整備内容についてのお尋ねでございます。  避難施設といたしましては、避難道路や海岸部の避難の丘に加え、中層の建物などを想定するものでございます。このうち中層の建物などにつきましては、公共施設や民間建築物などの有効活用といった視点も重要と考えているところでございます。  現時点におきましては、その内容や配置計画は確定しておりませんが、今後、東部地域の集団移転地区を含む集落などの状況や地震発生からの避難時間なども考慮しながら、具体的な施設内容や配置計画につきまして検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 13: ◯経済局長(高橋裕)経済局に係る数点の御質問にお答えをいたします。  まず、今回の震災による農地の地盤沈下についてでございますが、本市の状況につきましては、国土地理院からの公表により、航空測量に基づく面的な地盤沈下状況や水準点測量に基づく主要道路沿いの主な地点での地盤沈下量などを把握しているところでございます。  現在、東部の農地におきましては、国の直轄事業の中で詳細な調査を実施しているところでございまして、今後、排水解析を行った上で、関係部局と連携し排水機場の機能強化などの対策を進めてまいります。  次に、農地の瓦れき処理についてでございますが、本年七月一日より開始し、十一月二十五日現在の進捗率は約八一%となっておりまして、年内に完了させる予定でございます。  排水路の復旧につきましては、国の直轄事業により平成二十四年度からの作付計画に合わせまして、水路ののり面が崩壊した箇所を修復するとともに、水路内の土砂を撤去することにより、平成二十六年度にはすべての農地で作付ができるよう順次復旧させてまいります。  次に、圃場整備のスケジュールについてでございます。  生産性の高い農業の実現を効率的に進めるためには、速やかな圃場整備が必要であると考えてございます。
     現在、農業者の方々の御理解を得るための説明会やアンケート調査を実施しているところでございまして、地域の御理解を得ながら、平成二十四年一月中には圃場整備区域をおおむね定める予定といたしております。その後、平成二十四年度の後半からは土地改良法に基づく手続を行い、農地所有者の皆様の同意を得た上で、平成二十五年度の後半には工事に着手してまいりたいと考えてございます。  また、圃場整備事業によりまして散居集落の移転用地を創設することも可能でございますので、皆様の御意見を伺いながら、関係部局と情報を共有し、それらの手法につきまして検討してまいりたいと考えてございます。  次に、農業者の皆様の圃場整備に対する意見についてでございます。  説明会などにおきましては、地盤沈下等に対応した排水対策の実施、農業機械や施設へのさらなる支援、小規模な農業者への配慮を求める御意見などもございましたけれども、おおむね圃場整備事業の速やかな実施を希望される御意見を多くいただいているところでございます。  次に、圃場整備事業に伴います農地の所有権や利用権についてでございます。  圃場整備事業におきましては、土地区画整理事業と同様に、農道や水路などの公共用地分を減歩した上で、所有農地を集約し、換地されることとなります。  また、離農を希望される農業者につきましては、清算金を受け取り、その農地については規模拡大を希望される農業者が取得するということも可能でございます。  こうした農地の所有権取り扱いのほか、整備後に農業公社等による農地の一括利用権により農地の貸し借りを行っている事例もございますことから、今後とも農業者の皆様の御意向、要望を十分に把握しながら、農地の大区画化や担い手への集約化などを推進してまいりたいと考えております。  最後に、本市経済の状況についてでございます。  本市が実施しております地域経済の動向調査におきましても、復興に関する需要が徐々に拡大してきており、個人消費の拡大も相まって、特に建設業、宿泊、飲食サービス業など、復興に関連する業種の一部において顕著な伸びが見られる状況でございます。  一方で、円高や風評被害が継続しているため、輸出産業やIT、観光業などでは回復の足並みが遅く、経済状況の二極分化が進む可能性もございますことから、今後とも経済の動向を注意深く見守りながら、中小企業の経営基盤強化や販路拡大に向けた支援策を実施してまいる所存でございます。  以上でございます。 14: ◯都市整備局長(高橋秀道)私からは、都市整備局に係る数点のお尋ねにお答えをいたします。  まず、宅地に関係して公的資金の影響についてでございます。  今回の災害復旧事業におきましては、甚大かつ広範囲にわたる被害にかんがみ、防災機能の向上、再度災害防止という観点から、公的資金を導入し、従来にない踏み込んだ措置を講じたものでございます。  しかしながら、個人の宅地の復旧には、再度災害防止のほか、受益者が特定される私有財産の保全という面もあることに加え、御指摘の点も踏まえ、宅地の所有者に一部負担を求めることとしたものでございます。  次に、集団移転に係る本市の独自支援制度についてでございます。  国の制度拡充の内容をもとに、議会での議論やアンケート調査の結果、地域の方々の御意見などを踏まえて具体の制度設計や事業費の算定を行い、来年の第一回定例会に独自支援に係る関連議案を提出したいと考えております。  また、今後のスケジュールにつきましては、ことしの十二月中に集団移転の制度拡充の内容や本市の独自支援の考え方について地元への説明等を行い、その後、集団移転の事業実施に向けて意向調査を行うとともに、地元との合意形成を図り、早い地区では今年度内に事業計画の作成まで進めたいと考えております。  次に、集団移転の取り組みの考え方についてでございますが、移転対象地区は津波による危険性の高い地域であることから、できる限り早期に安全な地域へ移転していただくことにより、安全の確保を図ってまいりたいと考えております。  次に、本市の独自支援の考え方についてでございますが、集団移転を促進するため、移転する方の負担軽減を図ることを目的に、国の制度による助成に加え、本市独自の支援方策を検討しているものでございます。  また、それぞれの予算措置についてですが、十二月の第四回定例会に防災集団移転促進事業費の一部に係る補正予算を、また、来年の第一回定例会に集団移転を促進する本市の独自の支援制度に係る関連議案を提出したいと考えております。  次に、アンケート結果の所感についてですが、移転対象地区につきましては、移転したい、または移転はやむを得ないという回答を合わせますと八六%と高い割合となっており、今後、集団移転事業の実施に向け合意形成を図りながら早期に事業の具体化を進めていく必要があると感じたところでございます。  一方、移転対象地区外につきましては、移転対象地区にならないが移転したいと答えた方が三割を超えていることから、移転対象地区外にお住まいの方に対しましても、本市の独自支援を行う必要性について改めて認識したところでございます。  また、被災した方々の職業や収入などの基礎的な情報のほか、移転先の希望や復興公営住宅の入居希望など、さまざまな意向が把握できたことから、これらの内容を今後の復興事業の推進に生かしてまいりたいと考えております。  次に、新浜地区や鍋沼地区、井土地区、種次地区などの新しいまちづくりについては、地域の方々と市が協働で進めることが基本と考えており、それぞれの地域の状況によって進む速さは異なることとなりますが、地域の実情を踏まえ、安全性の向上やコミュニティーの再生なども含めた、地域にふさわしい新たなまちづくりについて地域の方々とともに検討し、一日も早い復興に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  最後に、今後の復興まちづくりにおいて、次世代の担う役割は非常に大きいものであり、十分に次世代の方々の意識、意見をお聞きしながら進める必要がございます。そのため、今後も説明会の案内等において家族での参加を呼びかけることや、個別での相談を行う際に若い世代の意向も伺うなど、さまざまな世代からの意向把握に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 15: ◯二十四番(田村稔)二点再質問させていただきますけれども、これは本部長にお答えいただいたんですが、避難施設につきましては、中層の建物等これからまちづくりの中で検討していくということなんですけれども、結局、これはアンケートの調査の結果にも影響してくることと思うんですが、今回のアンケートでも、避難対象地区外の人たち、六〇%が現地での再生を希望し、三〇%の人が移転を希望していると。こういうところにもすごく影響してくるんじゃないかなと思うんですよ。  要するに、じゃあどういう避難施設を現地につくってくれるのか。それによって、じゃあ自分たちは避難の方法というのはこういう方法があるんだなとか、それが全く今の段階で白紙だということは、じゃあ安全なのかしらどうかしらというのは、そこにまず疑問があるので、この辺はやはりニワトリが先か卵が先かじゃないですけれども、こういう施設をつくる、こういう形で考えているんだということを提示していかないと、自分たちの安全のために自分たちがしなくてはいけない、自分を守るためにしなくてはいけない避難の方法というのがなかなかイメージが描けないんじゃないかなと思っていますので、この辺まだ今の段階ではこれからの作業だという御答弁でございましたが、早急に取り組んでいただきたいなというふうに思っておりました。これについて、なおそのスピードアップをするというふうな御答弁をいただければなというふうに思っております。  それから、もう一点は、今回は宅地被害においては本当に過去に例がないというふうに私は思っておりますが、公的資金による支援、これは本当に被災者にとっては大変ありがたいことだなというふうに思っております。  ただ、全体として、政府のばらまき政策なのかわかりませんが、余りにもそういうものが、これはちょっと答弁がなかったものでお聞きするんですけれども、私は本当に今後の市政運営上にモラルハザード、倫理の欠陥みたいなものを生んでしまわないかなという、反面心配をしております。これについて答弁がなかったかなというふうに思っておりますが、御答弁をいただければと思います。 16: ◯震災復興本部長(山田文雄)私からは、避難施設の整備の検討についての再度の御質問にお答えいたします。  御指摘のとおり、移転対象とならない区域の皆様方からは、避難施設といったものの整備、そのあり方についてできるだけ早く示していただきたいという御意見をいただいているところでございます。  現時点では、その詳細については、先ほど申し上げましたとおり確定はしてございませんけれども、特に地域の集落のあり方、その配置によって、できるだけその分布に合わせた避難施設、こういったものを検討する必要があろうかと思っております。詳細の配置は別にしましても、基本的な避難施設の配置の考え方、そういった内容を含めまして、できるだけ早く検討を進めてまいりたいと思っております。 17: ◯都市整備局長(高橋秀道)御指摘のモラルハザードということの御懸念についてのお尋ねでございます。  私どもとしましては、今回の宅地被災の甚大さかつ広範囲ということから、その復旧、個人にお任せするだけでは非常に御負担が大きいと、こういうことも考えまして今回の独自支援を考えたものでございます。  その中で、御指摘のようなモラルハザードというようなことに関係しまして、我々としましては、受益者が特定される私有財産の保全という面があるということと、また御指摘の点のようなことも踏まえまして、今回一部の負担を求めることといたしたものでございます。  なお、運用に当たりましては、そういった御懸念があることを踏まえて適正な運用に努めてまいりたいというふうに考えております。 18: ◯議長(佐藤正昭)次に、安孫子雅浩君に発言を許します。     〔二十六番 安孫子雅浩登壇〕(拍手) 19: ◯二十六番(安孫子雅浩)市民フォーラム仙台、安孫子雅浩です。第百十五号議案仙台市震災復興計画案に対して、市民フォーラム仙台を代表して以下に順次質問してまいります。  先週月曜日、待ちに待った国の第三次補正予算が、共産党を除く与野党賛成多数により成立いたしました。本市の復興計画をスタートさせる基盤になるものであり、三次補正による国からの予算措置を財源として、これから震災復興計画が示す復旧・復興事業を可及的速やかに進めていかなければなりません。  まず初めに、復興計画を推し進める上で前提となる件、数点について御質問いたします。  国の第三次補正予算は、総額十二兆円余りのうち、九兆二千億円が震災復興に係るものであります。津波被災地区の集団移転事業、宅地被災地区の宅地復旧事業への公的負担の拡充、中小企業への資金繰り、繰り入れ対策を初め、時間は要したけれども、これまで本市が市長、議長ともに再三再四、国に要望してきた内容はほぼ網羅された予算措置であると考えます。  本市選出の郡代議士が政府側の震災復興対策本部長であり、財務大臣は安住代議士であり、財源問題の調整を初め与野党とも相当に汗を流した結果、成立した国の第三次補正予算でありますが、その内容に関してまず市長の御所見をお伺いいたします。  また、第三次補正予算には、当初から本市も要望してきた自治体の裁量にゆだねる使い道の自由度が高い復興交付金があり、防災集団移転促進事業、農業農村整備事業、道路整備など、新たな地域づくりに必要なハード事業を幅広く一括化したものであります。復興事業を進める上で使途の自由度の高い復興交付金は、自治体の調整力が問われるものです。本市東部地区の復興と再生を中心にいかに活用できるか、被災地復興の先陣を切り、交付金を活用した復興事業の先例となる震災復興交付金の活用について御所見をお伺いいたします。  また、被災して新たな借金を抱え、再建の見通しがつきにくい零細企業や農林水産事業などを二重ローン問題から救うための二重ローン救済法が、みんなの党を除く各党の賛成多数で成立しています。これは復興の機動力にかかわるものだけに、速やかなる救済実施に向けては、引き続き国の第四次補正予算の早期成立を求めていくものですが、二重ローン救済法の成立と本市の対応について御所見を伺います。  発災から既に八カ月が過ぎ、季節は冬を迎える中、本市の本格的な復旧・復興に向けた事業の実施は一日も早く進めていかなければなりません。それには、津波被災地区、宅地被災地区を初めとした復旧と復興に、人と物を集中させた市の事業執行体制の確保が不可欠であります。まず、被災者への復旧・復興事業体制、制度の周知と手続事務に即着手し、速やかな事業の実施が可能となるための市の事業執行体制をお伺いいたします。  また、本市震災復興計画の計画期間は五年でありますが、国が示している復興の基本方針では、当初五年間を集中復興期間と位置づけ、復興期間は十年としています。復興はこれから五年、十年、十五年と長き道のりとなる歩みには、本市が早期の設置を求めてきた復興庁の設置が必要であると考えます。現在まで国会で審議中であり、本市に限っては時期を逸したとの声もないわけではありませんが、本市のみならず、被災地東北全体の着実な復興の進捗管理の上で、本市に復興庁の設置を求めることについて市長の御所見をお伺いいたします。  次に、震災復興計画案の核となる百万人の復興プロジェクトの十項目のプロジェクトおのおのについて、以下に質問してまいります。  まず、津波防災・住まい再建プロジェクトでは、研究機関で示された津波シミュレーションを根拠として、防潮堤から防災林、小高い丘、六メートルかさ上げ予定の県道塩釜亘理線、避難施設、そして東部道路と多重防御の観点に立って示されています。そこで、海岸線が連なる多賀城市や名取市との防御の連続性が図られ、それら隣接自治体の復興計画とどのように整合性が図られていくのでしょうか。  政府の地震調査研究推進本部は、二十五日に、このたびの大震災を受けて見直した地震の発生確率の長期予測を公表しています。それによれば、今後三十年以内に津波を伴うマグニチュード八クラスの地震発生確率は三〇%であり、震災前の予測よりも一〇%も高くなっていることは、新たな不安要因であります。津波防御に関する近隣沿岸部自治体との整合性の確保についてお伺いをいたします。  また、このプロジェクトでは、復興公営住宅の早期整備が求められると考えます。集団移転と住まいの確保は一体であり、移転後の想定として、復興公営住宅の入居者は高齢者世帯が少なくないものと思われます。したがって、集団移転を促し、住まいを確保していく上で、復興住宅の整備に高齢者世帯に対応するためのケアつき住宅の整備も含めた福祉的機能の導入が重要であると考えますが、御所見を伺います。  次に、市街地宅地再建プロジェクトでは、国の補正予算成立を受けて、即座に制度の活用と手続、復旧工事の着手に向けた制度の正確な情報提供と住民説明会の開催が求められるところですが、どのように具体的に宅地再建に向けて進めていくのかお示しください。  また、復旧工事は冬を控えて可能な限り即時性が求められます。スピード感ある対応には、市役所担当の人的な充足も必要なところであり、また、申請手続完了後は一気に工事発注が集中するため、施工業者の確保も容易でなくなることが予想されます。手続は終われども、待っても待っても工事屋さんは来ないというような事態が想定されるだけに、それを回避する手だてがあればお伺いいたします。  次に、生活復興プロジェクトのかぎとなるのは、各地域を包括したケアシステムをどう構築していけるかであると考えます。本市では、次年度からの新たな高齢者保健福祉計画を現在策定しているところであり、年内にパブリックコメントを得て中間案をまとめることになっていますが、生活復興プロジェクトを進める上で、地域包括ケアシステムの積極的な展開と高齢者保健福祉計画の連動が必要であると考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、本市震災復興計画の大きな柱の一つであり、東部地区復興のかなめである農と食のフロンティアプロジェクトでは、これから具体には個々の権利調整がまず課題になるものと思われますが、本市食料生産基地の力強い再生に向けた行政の強い意志が問われるプロジェクトであると考えます。雇用の受け皿としても期待できるこのプロジェクトには、奥山市長のリーダーシップが問われるところであると考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、海辺の交流再生プロジェクトは、最も津波浸水被害が著しい地区の再生であり、現在は同地区に瓦れき搬入場が三カ所設置され、予定より早く瓦れきの処理が進んでいることを評価いたしますが、本市の瓦れき処理の見通しと搬入場の閉鎖予定時期について伺います。  また、処理場の閉鎖後は三基の焼却炉等も解体撤去となり、野球場の再整備を初めとしたスポーツ・レクリエーション施設の整備を進めることがうたわれていますが、現時点でそれら施設整備の見通しがあればお示しください。  大津波による浸水被害が著しい沿岸部自治体は、どこもその瓦れき処理が今も進まず、復旧・復興の大きな障害になっている状況であることは広く知られているところであり、同じ被災地であっても心は痛みます。私は、東北の復興を牽引する立場の本市としてできることがあるのではないかと強く考えるものです。  また、同地区荒浜には消防局荒浜航空分署消防ヘリポートがありましたが、被災後から仮場所に移り、現在は仙台空港近くの民間施設に仮住まいしながら二機体制の対処活動を行っています。余震は今も続き、さきの政府発表のように再びの大地震発生確率が言われている今、本市消防ヘリ二機の運用体制の確保の上で、消防ヘリポートの再整備は猶予ない課題であると考えますが、お伺いいたします。  次に、防災・仙台モデル構築プロジェクトは、これを進める上には市内各地域において地域コミュニティーの活力再生が図られることが前提であると考えます。地域の高齢化、少子化が一層進んでいる中、コミュニティーの核となる町内会役員や地区社協を初め、各地域組織のなり手不足が深刻な課題であり、自助、共助の地域づくりの促進には、まず現役世代や若年世代の力をいかに地域で取り込んでいけるかであると考えます。震災発災時には、避難所運営や地域高齢者の生活支援などにおいて地域格差が明らかになりましたが、何かのときにはみずからが汗をかき、人に声をかけて協力していくことを進めていく日ごろからの住民同士の関係性づくりには、中学校区単位で設置されている市民センターが担える面があると考えます。自助、共助のまちづくり、住民自治の真ん中に位置されている市民センターの今後の機能のあり方について御所見を伺います。  次に、省エネ・新エネプロジェクトでは、我が会派で先週、阪神大震災から十六年が経過した神戸市、淡路市へ視察調査を行いましたが、淡路市では、市役所庁舎の隣にメガワット級ソーラー集積事業が展開され、市役所を初め近隣公共施設の電気を賄っていました。本市においても、東部地区の再生にあわせて、公共施設等の整備に当たっては積極的に太陽光などの自然エネルギーの導入が本プロジェクトの推進に図られるものと考えます。神戸市役所においても、庁舎内を初めとした公共施設での省エネは、三・一一震災後さらに徹底されていました。市民への省エネ、新エネの啓発と実践は、まず市役所から、そして市民を代表する我々議員からであると改めて自覚し、復興計画を進めていかなければなりません。震災前まで全国の環境先進都市を標榜していた本市は、震災をきっかけとして、その復興の歩みとともに、本市の産業戦略としての位置づけも含めた、さらなる環境先進都市仙台の創生に向けて御所見を伺います。  次に、仙台経済発展プロジェクトは、中間案から最も修正、加筆がなされています。特徴的なのは、復興特区活用の記述です。国会では、被災地からの意見書により、議員立法で特例を拡充できる仕組みを加えた復興特区法案が年内成立の見通しとなり、本年度中に複数の特区をスタートさせる方針のようです。震災をばねとして本市経済がさらにたくましく再生、発展する上でも、復興特区制度の積極的な活用による税財源の涵養が不可欠なのでありますが、記述を修正した理由をお尋ねいたします。  また、本市の震災復興計画の予定事業予算は一兆円を超えると示されていますが、計画期間五年間で一兆円超という公共事業特需を、本市の地域経済の景気向上に可能な限り取り込む方策は、本市の財政運営上も極めて重要であります。神戸市は、阪神大震災前まで財政の優等生的自治体でありましたが、震災後、復興特需を市の経済再生に取り込む方策に弱かった結果として、今日まで財政難を余儀なくされていると言われています。復興特需を本市財政の再生に組み込む戦略的な取り組みを求めてお伺いをいたします。  次に、交流促進プロジェクトは、本市のみならず被災三県と東北地方全体が、これから先、震災による負のイメージを払拭していき、力強く立ち上がっていく被災地と東北の姿に、継続して国内外からの関心を集めていくことがプロジェクトの目指すべき方向であろうと考えます。本市は、本市みずからの復興を確実に進めていきながら、一方で、東北の中枢都市として東北地方全体が震災を乗り越えて繁栄していくための原動力とならなければならないと考えますが、御所見をお伺いいたします。  また、先月は福島・山形・仙台三市連携観光推進協議会で福島市を訪れ、地震、津波、原発事故、そして風評被害という四重苦の中にある福島の悲鳴にも似た声をお聞きしました。お隣の福島がいつまで続くかわからない塗炭の苦しみの中にいることに我々は思いをいたして、本市としてその苦しみを幾ばくかでも和らげることができないのか、できることがあれば進んで取り組む役目も本市にはあるものと思いますが、御所見を伺います。  そして、十番目は震災メモリアルプロジェクトであります。  会派視察で調査した神戸市の人と防災未来センターの入り口ホールには、東日本大震災の被災写真が多く掲示され、展示コーナーには南海地震を想定した浸水深が表示され、阪神、瀬戸内各地の津波浸水想定マップが簡単な操作で調べることができ、多くの来館者の関心は南海地震と津波被害のようでありました。  三・一一以降、同センターの来館者数はふえ続けており、館内ボランティアガイドの方々から、被災当事者の我々に対し、日ごろからの啓蒙と避難訓練が不足していたのではないか、なぜ逃げられなかったのかなどの指摘がありました。  未曾有の大震災、大津波に襲われた被災当事者の私たちだからこそ、正確に被災状況と被害の深刻さを伝え、後世に続く者たちに同じ不幸を繰り返させない役目があります。そこで、東日本大震災の被災記憶を継承するとともに、防災、減災の啓蒙啓発を図ることを目的とした施設の整備を、本震災復興計画案の計画期間終了ごろをめどとして将来的に着手していくことを求めて、御所見をお伺いいたします。  最後に、計画期間を五年とした本市震災復興計画の着実な進捗には、その事業財源の確保とともに、財政困難に陥らない本市の長期的な財政運営が担保されていかなければなりません。事業財源の確保については、すぐには国の第四次補正予算の年内成立を国会に求めていくとともに、阪神大震災を経験した神戸市の震災後十六年の財政運営を参考にして、これから五年、十年、その先までの復興の歩みは時代環境の変化も大きいことを十分に想定しながら、財政計画の見直しとさらなる行財政改革の断行が、復興計画の進捗管理とともに並行して進めていくことが肝要であると考えます。  復興計画の前半である一年半後には改選時期を迎える奥山市長が、計画案の期間である五年間を本計画の最高責任者として全うしていくためには、政治家奥山市長の手腕が存分に発揮されなければなりません。昨日の大阪市長、府知事ダブル選挙の結果を受けて、これから国と地方の政治の地殻変動も想定されていく中、我々市民フォーラム仙台は、このたびの未曾有の大震災を乗り越える歴史的な使命を自覚し、一意専心、全力で本計画の実行を担っていくことをお誓い申し上げ、本計画案の実行に向けた市長の熱い思いをお伺いして、第一問といたします。  御清聴いただきありがとうございました。(拍手) 20: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの安孫子雅浩議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、国の三次補正についてでございます。  先般成立いたしました三次補正予算は、復興交付金の創設など各種の支援制度が大幅に拡充され、被災宅地復旧や防災集団移転促進など、復興の基礎となる住まいの再建に必要な各般の事業費が計上されるとともに、地方財政の負担軽減に配慮した復興特別交付税が盛り込まれており、一定の評価ができるものと考えております。  この補正予算は、被災地の実情に身近に接している本市が、市議会や他の自治体とも連携しつつ、さまざまな機会をとらえ要望してきた結果でもありまして、復興へ向けた一歩を踏み出す契機となるものと、そのように考えております。  いまだ関連法案が審議中であり、運用面において明らかとなっていない点もありますことから、今後もさらに要望を行うべき事項等を検証しながら、復興に向けて必要な施策について国に強く求め、復興計画を着実に推進してまいる所存でございます。  次に、食糧基地の力強い再生に向けた所見についてでございます。  本市の農業を支え、多くの恵みをもたらしてまいりました東部農地をより生産性の高い農地へと再生するためには、農地の大区画化が必要でありますことから、国直轄によります圃場整備事業の実施に向けた取り組みをスタートしたところでございます。  圃場整備の推進に当たりましては、農業者の皆様の所有権や利用権などの権利に対するきめ細やかな配慮が必要と考えてございまして、本市といたしましても、今回の余りに甚大かつ広範囲な被害状況にかんがみ、農業者の皆様の御負担を少しでも軽減するため、全額公費で負担することとし、本市の事業に対する積極的な姿勢をお示ししたところでございます。  今後とも、関係団体等と連携を保ちながら、本市がかなめとなりまして、東部農地が豊かな食糧基地として復興するよう全力で取り組んでまいる所存でございます。  次に、震災復興計画の推進に向けたお尋ねについてでございます。  今議会にお諮りをしております震災復興計画は、仙台の再生に向けた道のりをお示しするものであり、その策定をもちまして復興への歩みをより加速させてまいるべきものと認識をいたしているところでございます。  その着実な推進のためには、五年間の計画期間はもとより、課題によりましてはその後の長期的な取り組みが求められるところであり、計画期間終了後におきましても持続可能となる財政運営が非常に重要であると考えるところでございます。歳出の削減と歳入向上を常に念頭に置き、復興事業の財源確保に引き続き取り組んでまいりますとともに、ゼロベースに立ち返っての抜本的な事業の見直しなどにつきましても、強い決意をもって臨んでまいる所存でございます。  本市が震災復興に全力を尽くしております間も、国内外の社会経済情勢は刻一刻と変化を続け、厳しさを増しつつあります。震災復興への取り組みを着実に進めつつ、時代の潮流に仙台が取り残されることのないよう、都市としての発展をさらに継続できるよう、市長として先頭に立ち復興を進めてまいる考えでございます。  このほかの御質問につきましては、伊藤副市長及び関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 21: ◯副市長(伊藤敬幹)私からは、環境先進都市仙台の創生についての御質問にお答えいたします。  本市は、これまでも高い環境意識を持った市民の皆様方とともに、都市と自然の共生やCO2削減、省エネ等の環境課題に取り組んできたところでございますが、今回の震災によりまして、安全・安心なエネルギーの確保という大きな課題が私たちに改めて提示されたと認識しております。  この課題に対応し、被災時にも必要な都市機能を維持し得るしなやかで強靱な都市の構築を目指したいと考え、新次元の防災・環境都市を復興の基本理念として掲げたところでございます。  その実現に向けまして、復興計画では、太陽光発電など再生可能エネルギーの活用や高効率機器の導入促進に加えまして、集団移転により東部地域において形成される街区で、ICTなどを活用した省エネ型のエコモデルタウンの整備を進めるほか、次世代エネルギー研究開発拠点づくりと関連産業の集積などを積極的に進めてまいることといたしております。これらの取り組みによりまして、防災や経済活性化の観点を加味した環境先進都市仙台の創生に向け、歩みを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 22: ◯震災復興本部長(山田文雄)初めに、復興庁の本市への設置についてのお尋ねでございます。  現在、政府が国会に提案している復興庁の設置法案は、本部を東京に、仙台、盛岡、福島の三市に支部となる復興局を置くという内容と承知してございます。  本市は、これまで、復興庁には縦割りの弊害を克服する権限と被災地の実態を反映した事業推進がなされるよう、被災地の中心都市である本市への設置が必要と考え、国に対しても要望してきたところでございます。現在は国会において審議中でございますことから、今後の議論を注視してまいりたいと存じます。  次に、近隣自治体と連携した津波防御についてのお尋ねでございます。  御指摘のとおり、津波に対しては一都市だけの防御はあり得ず、多賀城市や名取市と連携した防御策の構築が重要でございます。
     本市の津波シミュレーションにおきましても、県道かさ上げによる反射する波が近隣自治体に影響しないよう、河川堤防のかさ上げなどの工夫をしてきたところでございます。これまでも県や多賀城市、名取市に対し本市の対策を御説明し、意見交換を行ってまいりました。  広域的な防災対策の調整は県が担いますことから、今後とも県や近隣自治体と連携し、効果的な津波防御に努めてまいる所存でございます。  次に、交流促進プロジェクトに関連しまして、福島のための取り組みも含め、本市が東北の復興の原動力になるべきとのお尋ねでございます。  復興計画におきましては、東北の中枢都市である本市の東北の復興を牽引する責務を基本認識の一つとしており、被災三県の各地域と連携しながら復興を推進し、復興の姿を内外に発信してまいりたいと考えております。  このため、百万人の復興プロジェクトに掲げました国連防災会議を初めとする国際会議やコンベンションを誘致し、国内外に仙台、東北の復興の姿を発信してまいりますとともに、大型観光キャンペーン等を展開し、多くの方々に実際に東北へ足を運んでいただけるよう努めてまいりたいと存じます。  また、風評被害が深刻な福島につきましては、これまでも本市が誘致した国際会議等への食材の提供や、関西で実施した三市連携の物産展におきまして、食の安全や復興状況を積極的にアピールしてまいりました。今後も、アジア最大級の食の祭典FOODEX JAPANへの出展や国連防災世界会議等、あらゆる機会をとらえて福島のPRを行うなど、ともに助け合い、この難局を乗り越えてまいる所存でございます。  最後に、震災メモリアル施設整備についてでございます。  今回の震災の記憶を次世代に継承し、内外に発信していくことは、被災地の中心都市である本市の責務であると認識いたしてございます。このことから、震災メモリアルプロジェクトを掲げているところでございます。  御指摘の神戸市の人と防災未来センターは、地元自治体等が連携し、さまざまな災害の記録や教訓などを発信しているものでございます。  本市におきましても、防災教育、普及啓発を行うための展示体験施設、また、震災の記録を後世に承継するための取り組みを行うこととしているところでございます。今後、実現に向けましては、国や県、近隣自治体との連携の仕方やその機能など、多様な視点から検討を行ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 23: ◯総務企画局長(藤本章)国の第三次補正予算成立を受けた復興事業に係る対応体制についての御質問にお答えいたします。  このたびの大震災以降、これまでも庁内での応援体制の構築や正職員の増員、十月には被災した宅地の再建に向けた取り組みを進めるための組織の新設を行うなど、各段階に応じた対応を行ってまいったところでございます。  今般、第三次補正予算の成立を受け復興事業が本格化することに伴い、その実施手法や業務量が明確化してまいりますことから、速やかに事業を実施していくため、人的あるいは組織面につきましてもさらなる強化を図ってまいるべく、検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 24: ◯財政局長(山内晃)復興交付金の活用についての御質問にお答えをいたします。  この交付金は、防災集団移転促進事業等のハード事業を一括化するとともに、関連するソフト事業等を効果促進事業として実施することを可能としたものであり、被災自治体が事業の概要等を記載した復興交付金事業計画を作成して国に提出し、それに基づき国が配分計画を作成して交付金を交付することが見込まれております。  個別の事業の要件や効果促進事業の範囲など、なお詳細が明らかでない部分もございますが、復興交付金は、本市の財政負担を抑制しつつ、復興のために必要な事業を実施していくに当たって非常に有効な財源でありますことから、現在、対象事業の取りまとめ作業を鋭意進めているところであり、引き続き国との連絡調整を図りながら最大限活用できるよう取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 25: ◯市民局長(高橋一典)今後のまちづくりにおける市民センターのあり方についてお答えいたします。  このたびの大震災におきましては、地域のきずなや支え合うことの大切さを市民の皆様が改めて実感されたものと存じます。復興まちづくりを進める上においても、地域の多様な主体が有するノウハウや知恵を結集し、より連携を深め、協働により地域コミュニティーの活性化を進めていくことが肝要でございます。  そのためにはさまざまな活動の担い手の育成が重要であり、子供たちや学生、働き盛りの方々やシニア世代など、あらゆる世代の幅広い人材がそうした活動に加わっていくことができる仕組みづくりに、今こそ取り組む必要があるものと認識しております。  市民センターが有する地域における活動や交流の拠点としての機能、学びを通じた人づくりの機能は、市民主体の地域づくりを進める上で大きな力を発揮するものと考えております。今後、区役所と市民センターが連携しながら、地域づくりの理念などを共有する場の設定や、地域での防災活動の促進など震災時の教訓を踏まえた事業の実施、復興を支える新たな担い手の育成などの取り組みを充実させ、支え合う、自立、協働のまちづくりを進めてまいります。  以上でございます。 26: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、地域包括ケアシステムに関するお尋ねにお答えを申し上げます。  御指摘の医療、介護、予防、住まい、そして生活支援サービスを日常生活圏域において切れ目なく提供する地域包括ケアシステムにおきましては、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けることができるよう、さまざまな高齢者福祉施策を有機的に連携させながら、支援を行っていくことが重要であると考えております。  次期高齢者保健福祉計画におきましては、地域包括ケアシステムの中核的な役割を担う地域包括支援センターの体制強化はもとより、地域の関係機関や関係団体との連携強化を進めながら、小規模多機能型居宅介護等の地域密着型サービスやさまざまな生きがいづくり、社会参加活動の支援等の施策の充実を図ってまいることといたしております。  こうした施策をより地域に根差した形で積極的に展開していくことにより、ひとり暮らし高齢者や高齢者のみ世帯など、支援が必要な高齢者の在宅生活を支える地域包括ケアシステムの構築に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。 27: ◯環境局長(萱場道夫)瓦れき処理の見通しと搬入場の閉鎖時期につきましてお答え申し上げます。  本市におきます瓦れき処理の見通しについてでございますが、既に九割以上の瓦れきの撤去を終了いたしまして、十二月には残されております荒浜の焼却炉も稼働いたしまして、全搬入場におきまして焼却処理が開始される予定でございます。全体として順調に進んでいると認識をしておるところでございます。  今後、搬入場内に集積いたしました瓦れきのリサイクルや付着した土砂の撤去ぐあいなど不確定要素はございますけれども、平成二十五年度末までの全量処理完了と搬入場閉鎖という当初の目標については、現在のところ、ある程度前倒しできるものと見込んでおるところでございます。  本市の瓦れき処理に余力が生じる場合におきましては、復旧・復興事業との兼ね合いもございますが、他自治体の瓦れき処理への協力依頼がございました際には、どのような協力ができるか検討いたしてまいりたいと存じます。  以上でございます。 28: ◯経済局長(高橋裕)経済関係の数点の御質問にお答えをいたします。  まず、二重債務問題への対応についてでございます。  現在、再生可能と判断される事業者の債権買い取り等を行います宮城県産業復興機構の設立準備委員会が発足するとともに、同機構の支援が困難な小規模事業者や農林水産事業者等を重点的に対象とします東日本大震災事業者再生支援機構法が成立しまして、国や県等が支援基準や債権の買い取りなど、具体的な内容を協議しているところでございます。  買い取りなどの運営がみやぎ産業振興機構や再生支援機構法により設置される株式会社となりますことから、本市が直接かかわる仕組みにはなっておりませんけれども、今後の協議状況を十分に注視し、対象となる中小企業者等に対しまして、時期を逸することなく周知、広報に努めますとともに、創設される機構等と連携を図りながら、事前の相談など適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。  次に、復興特区についてでございます。  中間案の時点では、復興特区制度の枠組みが不明であったため、被害が大きく重要な産業エリアでございます仙台港周辺地区等にその活用を想定しておりました。しかし、その後示されました復興特区法案を踏まえ、本市経済を発展させるための重要な要因である都市型産業の誘致、あるいは復興関連事業の域内還元等も取り込み、実効性を高める手段として特区を活用しながら、全体を一つの総合的なプロジェクトとして産業政策を組み立てることがより効果的であると考えまして、現在の記述としたところでございます。  復興特区制度に関しましては、今後国の詳しい情報が順次公開されてまいりますので、時期を逃さずに適切な特区申請対応をとることができますよう、関係機関等と協議を鋭意進めてまいりたいと考えてございます。  最後に、復興特需による経済の活性化についてでございます。  最近の各種調査を見ましても、本市経済は復興需要に裏打ちされ、景気が徐々に上向いているものと認識いたしております。  しかしながら、この需要は復興に関連する事業の進捗に伴い今後縮小に向かう可能性もございますことから、この機会を市内企業が確実にとらえ、経営基盤強化や事業規模の拡大につなげられるよう、金融支援や販路拡大などの支援策等を引き続き実施してまいりたいと考えてございます。  さらに、今回の震災によりエネルギーやヘルスケアなどの分野におきまして新たな課題やニーズが顕在化しつつありますことから、それを新技術、新産業の創出に結びつけるべく、長期的展望を持って取り組んでまいる所存でございます。  以上でございます。 29: ◯都市整備局長(高橋秀道)私からは、都市整備局に係る数点のお尋ねにお答えをいたします。  まず、復興住宅整備における福祉的機能の導入についてでございます。  復興公営住宅につきましては、第一段階として平成二十五年度までに供給できるよう、さらに、第二段階としましてできる限り平成二十六年度までに供給できるよう、整備を進めてまいります。  また、復興公営住宅に入居する高齢者世帯が安全・安心に暮らすことができますよう、NPOなどが高齢者世帯の見守りなどに利用できる活動室をすべての復興公営住宅の集会所に設置する方針でございます。  さらに、すべての住戸や共用部のバリアフリー化を進めるとともに、車いす住戸を整備するほか、早期整備に向けて時間が限られる状況にはございますが、高齢者世帯の生活支援としてどのような対策が必要か、関係部局と検討してまいりたいと考えてございます。  次に、市街地宅地再建プロジェクトに係る情報提供の進め方でございますが、それに係る住民説明会につきましては、十二月中旬以降より、国の補助制度の拡充の内容や本市の独自支援の考え方などについて、説明会を開催する予定としております。その後、公共工事に伴う地区ごとの説明会の開催も検討しており、これらを通じて正確な情報の提供に努めてまいります。  次に、被災宅地復旧に係る本市の体制についてでございます。  これまでも、八月から十月にかけて局内からの増員や他の政令市からの御協力をいただくなどして人員を増強するとともに、開発調整課内に宅地支援にかかわる二つの係を新設して強化してまいりましたが、今後、公共事業による宅地復旧対応や市独自の支援対応の状況を踏まえ、さらなる人員の増強等について引き続き検討してまいりたいと考えております。  また、宅地復旧工事に係る業者の確保につきましては、現在のところ、工事業者は公共施設の復旧工事を初めさまざまな業務を受注しており、非常に多忙な状況にございますけれども、瓦れきの撤去業務などは収束に向かっていると聞いております。  事業者を取り巻く状況に関する情報収集を十分に行うとともに、ある程度の地区をまとめて受注しやすい工事規模とするなど、工事発注方法等を工夫し円滑な事業推進を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 30: ◯建設局長(栗和田幸夫)海岸公園の再整備の見通しについての御質問にお答えいたします。  海岸公園のスポーツ・レクリエーション施設につきましては、周辺の土地利用計画を踏まえながら再整備計画を策定した上で、順次整備してまいる考えでございます。  着手につきましては、瓦れき処理場としての利用が完了した後となりますが、各施設とも整備には二、三年程度を要するものと考えております。  以上でございます。 31: ◯消防局長(高橋文雄)消防ヘリポートの再整備についてお答えをいたします。  消防ヘリコプターの活動拠点の整備につきましては、今回の震災での被災を真摯に受けとめ、津波を初めとした大規模災害時においても継続的な活動を維持できるなど、防災活動拠点として有効に機能する場所、施設となるよう、改めての整備が緊急の課題と認識しているところでございます。  現在、これまで共同で運用してきました宮城県と緊密な連携を図りながら、適地に関して具体的な調整を行っているところでございます。  ヘリポートの整備には、気象条件、航空管制圏、さらには進入表面の確保などさまざま解決すべき課題もございますが、市内または仙台近郊に整備することを基本に、できる限り早期の整備に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 32: ◯二十六番(安孫子雅浩)御答弁をいただきましてありがとうございます。三点について再度質問させていただきます。  まず、総務企画局長からお答えをいただいておりましたけれども、事業の執行体制ですね。これからの事業の執行体制をいかに速やかにという点についてですが、お答えとしては、当然ながらその強化をして、そしてそこを検討していくと。その検討していくという答え方がちょっと気になりまして、時間がないわけですから、その検討は既に終わっていて、もうこれから行っていくと、強化を具体的に配置も含めて行っていくというような方向での、もう具体的な検討が終わるということはないのかというふうにお答えを求めたいところでありますが、いかがでしょうか。  それから、次は、経済局で特区申請について、復興特区についてお答えをいただきましたけれども、これは質問でも申し上げたように、年度内に、本年度内には具体的に複数の特区事業はスタートさせたいと、そういった方向で、今政府の方でも国会の方でも調整をしておりますので、やはりぜひとも仙台は、そういった点ではイの一番に復興特区を求めて、そしてそれを進めていくという立場で臨んでいくべきではないかと思いますので、もう一度ちょっとその点お答えをいただきたいと思います。  そして三点目になりますが、最後、消防局長にお答えをいただきました、このヘリポートの再建、再生という点は、非常に条件等も厳しいところありますので、難しいところがたくさんあると思いますが、ただ、やはり、ただいまの緊急性を考えると、いずれかに設定をして二機体制がしっかり運用できるような体制を本市としても整えておく必要があると思います。今の段階で、どちらかに場所なりを設定する協議の場があるのか、協議できているのか、その辺の可能性はただいまの時点でどうなんでしょうか。その点をお答えいただければと思います。  以上です。 33: ◯総務企画局長(藤本章)執行体制についての御質問にお答えをいたします。  確かに現行の各局の支援体制、復旧の体制というのは、三月十一日の大震災発災時のときの、ある意味で地域防災計画での具体の各所管ごとの対応をベースにして今日まで対応してきたというのが実情といいますか姿でございまして、今回の第三次補正予算の成立を受けました形では、ある意味で新年度に向けてどんな形でそれを整理集約、強化を図っていくかというところが大きなテーマになってこようかと思います。その意味で、人的な問題、組織面におきましても、やはりその辺もう少し新年度に向けました形の中で具体の検討をさらに進めてまいりたいと、こういうことでございますのでよろしくお願いいたします。 34: ◯経済局長(高橋裕)本市におきましては、特区につきまして例えば仙台港や東部農地、その他の内容を、今、鋭意検討しているところでございます。仙台港などにつきましては、宮城県との連携なども図っておりますし、我々の全体としての素案などにつきましては、これまでも国の関係するところに御説明をするなどの対応を進めているところでございます。  まだまだ情報をある程度詳細に得なければならないといったような側面はございますけれども、この制度がスタートする場合には、ほかにおくれることなく申請できるよう鋭意準備を進めてまいりたいというふうに考えてございます。 35: ◯消防局長(高橋文雄)消防ヘリコプターの整備についてお答え申し上げます。  ただいま消防ヘリポートの整備の進捗状況については先ほど答弁いたしたところでございますけれども、現在、数カ所の候補地に絞ってまで宮城県と協議を進めているという段階でございます。先ほど申しましたように、確かにヘリポートの整備に当たりましてはかなりの法的な条件をクリアしなければならないということもございますし、さらには、いかに二機体制を万全なものにするために、やはり早目の整備が求められるということでございますので、そういった早期の整備あるいは周辺環境を確保するという、そういった相反するような課題もございますけれども、県の上層部とも協議しながら検討を進めている段階でございます。 36: ◯二十六番(安孫子雅浩)再度、二点についてお尋ねをいたしたいのですが、総務企画局とそれから経済局であります。  事業執行体制については、新年度に向けてというような歯切れの余りよくないお答えであったんですけれども、これはどうなんでしょうか。今現在、確かにそれぞれの部署で、大変な復興・復旧にかけての事務と、それから通常の一般的な事務と並行してやっているというところが難しいところでありまして、その上で、さらに今回、予算成立後の具体的な復興事業を進めていくということが加わっていくという作業であるならば、これは、例えば本市のみの職員では無理であれば、また他都市なりから応援も得て進めていくということも含めた新年度に向けたということであるのかどうか。あるいは、あくまでも本市内の現状の組織体制の中で、人員の中で何とか振り向けてやっていきたいということであるのか。また、その新年度に向けてという点が非常に、まだ四カ月あるわけですよ。ことしはあと一カ月ありますし、新年度まで四カ月、年のまだ三分の一が残っているわけですから、その間どうするんだということは、やはり率直な市民の声でもありますので、その点をもう一度お答えをいただきたいと思います。  それから、特区について、他におくれることなくというようなお答えをいただきました。他におくれるではなくて、やはり仙台市が先んじて、先駆けてこの特区制度の導入は取り組んでいくという立場ではないのかという質問でありますので、その点、再度お尋ねをしたいと思います。 37: ◯総務企画局長(藤本章)再度の御質問にお答えいたします。  当然のことながら、他都市からの応援をいただくとか、例えばさらに臨時的な職員を雇用するなど、そういった面での対応は現在も行っておりますし、今年度におきましても引き続き対応してまいりたいと。業務面において復旧・復興の事業につきましては、そのような意味での対応はきちんと整えてまいりたいというふうに考えております。  新年度の絡みで申し上げますと、全体の事務事業の持ち方なり整理をいましばらく検討いたしたいという意味で新年度ということでございまして、業務それ自体については漏れがないよう、今年度まだございますので、対応してまいりたいということでございます。 38: ◯経済局長(高橋裕)特区制度の申請に当たりましては、ほかの地域のモデルとなれるよう、先頭を切って進められるよう、今後とも取り組んでまいりたいというふうに考えております。 39: ◯議長(佐藤正昭)次に、渡辺博君に発言を許します。     〔十六番 渡辺博登壇〕(拍手) 40: ◯十六番(渡辺博)復興仙台の渡辺博です。復興計画案につき、基本的な、あるいは具体的な幾つかの点について質疑をいたします。  まず初めに、復興計画実現を裏づける財源についてお尋ねをいたします。  この計画を実現するに当たり、仙台市の試算では約一兆五百億円に上る膨大な財源が必要になってまいります。仙台市政運営に与える影響について懸念する市民が多いところであります。これまで仙台市は政府に対して震災にかかわる国庫負担を求めてきたところでありますが、今回の政府の三次補正を見てどのような所見をお持ちなのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。  また、この際、今後の市政運営につきどのような影響が予想され、仙台市民に対してどのような理解と協力をお求めになるおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。  仙台市内被災者の皆さんの意見も、幾つかの要望に集約されつつあります。現時点で仙台市が求めていて、今回国の施策から外れた分につき、引き続き国に対してさらなる補正を求めていくことが必要かと思いますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  さらに、今後とも市独自の支援策を必要に応じて追加で行う必要が出てくると思われますが、それに関していかがお考えでしょうか、お聞かせください。  集団移転する際、移転先の確保、そして必要になる資金の調達方法の確立が必要になってまいります。予定し得ない災害で移転を余儀なくされている被災者の立場で考えれば、移転先についての希望をできるだけかなえる努力が行政には必要です。資金調達についても、行政が加わった調達方法の確立が求められます。基本的には自助自立ではありますが、資金調達のしやすさに対して行政としての支援も考慮されるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。  現在地に残られる被災者の皆さんに対する対応も大事であります。危険区域から外れた被災者の皆さんの中にある集団移転希望に対する対応も、行政として正面から取り組む課題です。この件についてもお考えをお聞かせください。  また、さきの台風による被害が、既にこの地域にも出ております。復興計画を進めていく上で、地形の変更により予想される浸水が心配であります。温暖化による集中的豪雨により、雨水対策も必要になってまいります。この件についても今後の具体的な対策を示すべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせください。  仙台市がこのたび定める仙台市震災復興計画は、国、県が定める計画に比べると計画期間が五年と短期になっており、スピードを大事にしているところが特徴であり、これは極めて大事な点であると考えます。今後、実施計画を策定し実施するに当たり、このスピード感を大事にしていくことが重要であると思います。復興計画を前期と後期に分け、可能な限り生活再建関連を前期に集中すべきと考えます。応急仮設住宅の居住可能年限などを考慮すれば配慮すべきことと思いますが、いかがお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。  例えば前期に集中すべきものとして、復興計画案にある暮らしと地域再生があります。経済的自立の確立、雇用の創出、就労支援などきめ細やかな手当てが必要であります。生活に希望が見出せる寄る辺となることがあれば、困難を乗り越える勇気が出てくると思います。お考えはいかがでしょうか。  さらに前期に集中して行うべきものとしては、避難所の総合的な見直しがあります。大震災の余震が長期間にわたって発生することが予想されているのみならず、新たな大地震の発生が昨今公表されたばかりであります。残された私たちは、東日本大震災で得た余りにも苦い教訓を十分に生かさなければなりません。特に政治行政にはその責任があることは、申すまでもないことです。今回の大震災において、避難所の総括はできているのでしょうか、お聞かせください。  発災八カ月過ぎた現在、今すぐにでも対策を講じなければなりませんが、その準備はできているのでしょうか、お聞かせください。  既存の指定避難所の見直しと拡大、非指定避難所への支援策を初めとして、機能強化、物資の確保、職員体制、福祉避難所の拡大と支援強化、帰宅困難者対策など、応急的な対策は講じられているのでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
     今回の震災で他都市相互応援協定が大きな力となり、私たちに勇気を与えてくれました。大きな効果を発揮した協定であったと高く評価するとともに、感謝を申し上げるところであります。都市間の広域連携のあり方の総括、そして強化を図るとともに、もっと生活に身近なレベルでの広域連携、例えば町内会、各種団体等の連携の重要性を再認識し、連携強化を図ることを推進していくことも考慮されるべきと思いますがいかがお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。  復興計画の推進に当たっては、計画では、市長をトップとした全庁的な震災復興推進本部会議をもとに柔軟な組織、人員体制を構築することとしてあります。ここで大事なことは、復興計画を推進するに当たっては、実質的な推進主体を決め、権限を与え、責任を明確にすることであると考えます。市民の目から見て明確にわかる推進体制を組むことが必要です。いかがお考えでしょうか。  さらに、住まいを離れざるを得ず、応急仮設住宅での生活を強いられている被災者の皆さんへの対策が、これから重要です。被災された皆さんへの衣食住にかかわる生活再建については、多岐にわたるきめの細やかな対応が必要です。そのためには、特別の組織が行政内に設けられ、ワンストップで被災者が相談でき、行政が対応できるようにすることを考えるべきだと思いますが、いかがお考えでしょうか。仙台駅東第二地区、終結を二十五年、あと三年後に控えておりますが、この区画整理事業で苦い思い出を持つ者として、この件について思いを強くするところであります。  復興計画の進行管理も極めて重要です。復興計画を五年とした意義を大切にするならば、厳格な進行管理を心がけるべきと考えます。この五年間には、政治家もかわり、行政内での異動も予想されます。復興計画を確実に期限内で、できれば前倒しで実現するためには、並々ならぬ覚悟と責任体制が必要です。いかがお考えでしょうか、お聞かせください。  去る十一月二十五日、住宅等の再建に関するアンケート調査の結果が公表されました。送付者数四千八百六人中、回答者数は二千六百九十一人、回収率は五六%です。このうち移転対象地区は、千七百八十七人のうち回答者は千二百九人、回収率は六八%。そして移転対象地区外は、三千十九人のうち回答者は千四百八十二人、回収率は四九%です。これらの数字をいかに解釈するか。回収率として高いと考えるのか、低いとして考えるのか、この数字の陰にどのような思いがあるのかなどを分析して対応していくことが大切です。  過日、岡田小学校で二度にわたる仙台市による説明会が開催されました。午前中の説明会では、無力感が参加者の中に漂っていたのが気になります。説明会場での震災復興本部小島副本部長の説明は、私にとってはわかりやすく、関係のスタッフの頑張りも伝わってきましたが、震災復興本部での説明の限界も感じたところであります。これまでの震災復興本部の山田本部長初め、スタッフの活躍に心から敬意を表しながらも、やはり政治の存在をそろそろ感じさせることが必要だと思います。  「ともに、前へ」が仙台市のこの震災を乗り越える合い言葉です。よい言葉だと私は思います。ともに、前へ、市長を前面にでもあると私は思います。仙台市長がこれから被災者とともに前へいかに進んでいこうとしておられるのか、関係市民はかたずをのんで見ております。被災した市民とともに胸襟を開いた交わりがこれから大事だと思われますが、いかにお考えかお聞かせください。  この復興計画案の提案理由の中で、市長は、すべての市民の参加のもとにという文言を織り込みました。市民の間に兆しが出ている温度差について、私は懸念を持つところでございます。この温度差につき市長の認識とその対応をお聞かせいただきまして、私の質疑といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 41: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの渡辺博議員の御質問にお答えを申し上げます。  復興計画の財源に関する数点の御質問についてでございます。  まず、先般成立をいたしました三次補正予算につきましては、復興交付金や復興特別交付税などが盛り込まれ、地方財政の負担軽減に配慮されており、復興に向け前進する契機として一定の評価をいたすものでございます。  他方、復興計画を推進するための事業費は膨大なものがありまして、財政環境も厳しさを増すことが見込まれますことから、市民の皆様の御理解と御協力を得ながら、事務事業の見直しを初め、本市が自立的に努力すべき部分には覚悟を持って取り組んでいく必要があると、このように考えております。  しかしながら、国難とも言うべきこのたびの震災を乗り越えますためには国の支援は不可欠でもございまして、さらなる補正も含め、ただいままでの制度において不十分な点につきましては引き続き強く要望してまいる所存でございます。  また、被災者への支援を初め本市の独自施策につきましては、復興計画案を踏まえ、実施計画策定や来年度予算編成に向けまして、個々の施策の必要性や財源等について鋭意検討を進めているところでございます。  次に、震災復興計画の迅速な推進とその進行管理に関するお尋ねについてでございます。  計画期間を五年間といたしましたことは、被災された方々の一日も早い生活再建を実現するとともに、東北全体の復興を本市が牽引していくとの考えに基づくものでございます。また、さきの政府の発表によれば、三陸沖から房総沖にかけての一帯において、今後三十年以内に極めて大規模の地震が三〇%の確率で発生するとの予測でございまして、防災対応の面からも待ったなしの取り組みが求められているものと認識をしてございます。  まずは被災された方々の生活の再建に向け、ともに、前へ、この思いを共有できますよう、さらにさまざまな対話の機会を積み重ねながら、可能な限り事業の前倒しも含めまして計画の迅速な推進に努めてまいる所存でございます。  同時に、復興事業実施によります財政への影響を的確に掌握し、その健全性を確保しながら計画の進行管理を行ってまいることが必要でございます。そのためには、震災復興本部を中心とした組織横断的な連携体制に加え、本市の復興再生という大局を踏まえました職員一人一人の取り組みが重要であり、市長として、その先頭に立ちまして計画を推進してまいる考えでございまして、あわせて、市民の皆様にもお一人お一人の地域での御活躍、そしてまた今回の被災から得られた教訓を地域づくりに生かしていくことが、被災された方々にとってだけではない、百万市民全員が参加してのこの震災復興であるという点につきまして、私も鋭意お訴えをさせていただきたいと、このように考えてございます。  以上でございます。  残余の質問につきましては、稲葉副市長及び関係の局長から御答弁を申し上げます。 42: ◯副市長(稲葉信義)私から、避難所の総合的な見直し等に関する三点のお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、今回の震災時における避難所運営の総括についてでございますが、震災復興計画案でもお示しをいたしておりますとおり、避難所に関する課題といたしまして、今回の災害が未曾有の甚大かつ広範な災害であったとしても、運営面を初め、被災者への支援あるいは情報の提供など、解決すべき課題、改善すべき事柄が多々あったものと認識をいたしております。  このうち早急に準備すべき対策につきましては、指定避難所等への食料等の再備蓄あるいは津波からの避難の手引、これは取り急ぎ暫定版という形で用意をいたしましたが、この手引での避難場所の明示、周知、津波情報伝達システムの屋外拡声装置の応急復旧など、市民の安全・安心にかかわる急ぎ対応すべき事項につきましては、具体的に対応を進めてまいったところでございます。  さらに、避難所の指定のあり方やその運営といった事項はもとより、備蓄のあり方あるいは職員の動員体制の検討、関係機関と一体となりました帰宅困難者対策、福祉避難所の確保など、このたびの震災で明らかになりましたこうした課題につきましても、必要により暫定的な対策も講じながら、新たな地域防災計画に反映されるように、スピード感を持って対応してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 43: ◯総務企画局長(藤本章)復興計画の推進体制についての御質問にお答えをいたします。  大震災発災後、地域防災計画を基本としながら、各部署が役割を分担し、全市一丸となって復旧・復興に当たってまいったところでございます。  復興計画では、復旧を先導し、復興を牽引する百万人の復興プロジェクトの取り組みや暮らしと地域の再生に向けた取り組み等を掲げておりますが、今後はこうした多岐にわたる取り組みを計画的かつ効果的に、スピード感を持って実施していく必要があり、その推進主体を明確にして取り組むことが大変肝要と考えておるところでございます。  被災をされました方々の生活再建も含めまして、復興に向けた取り組みの進捗状況に応じ、他都市や民間企業の御協力もいただくとともに、組織あるいは人員体制の強化についてもさらに検討を進め、復興の歩みを着実に進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 44: ◯経済局長(高橋裕)経済的自立の確立につきましてお答えをいたします。  被災された方々の生活再建を進めるためには、雇用の場の創出が最も重要であると考えてございます。  平成二十三年九月現在のハローワーク仙台管内における雇用状況は、災害復旧事業や緊急雇用対策事業等の効果によりまして、有効求人倍率が〇・九四倍となっておりますが、求人の増加が就労になかなか結びつかない雇用のミスマッチなどの現象も生じているところでございます。  このため、緊急雇用対策事業に加えまして、企業誘致の促進などさらなる雇用の場の確保に努めるとともに、働きながら資格の取得や技術の習得を目指す産業人材育成事業等によりまして、ミスマッチの解消と安定的な雇用を図っているところでございます。  今後とも的確に雇用情勢を分析しまして、関係機関と連携をしながら、適切な対応を講じてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 45: ◯都市整備局長(高橋秀道)私からは、都市整備局に係る二点のお尋ねにお答えいたします。  まず、移転する際の資金調達についてでございます。  まず、国におきましては、住宅金融支援機構の災害復興住宅融資について、基本融資額の融資金利を当初五年間はゼロ%まで引き下げ、申込期間を平成二十七年度末まで延長するなど、今回の震災により被害を受けられた方に対する制度の拡充を行っております。  また、今回の震災により自宅が半壊以上などの被害を受けた世帯のうち、一定の所得に満たない世帯に対し、平成二十九年度末まで生活立て直しのために災害援護資金貸付を行っております。  今後、事業を進める上で、被災者が円滑に資金を調達することができるよう、このような制度について紹介してまいりたいと考えております。  次に、移転対象地区外の方への支援についてでございますが、移転対象地区外の地域におきましては、さまざまな防災施設の整備によって津波による危険性は低くなることから、国の防災集団移転促進事業の制度の対象とはなりませんが、浸水が予測される地域については、現地で再建する場合の安全性の向上や、より安全な地域への移転を希望する被災者の意向にも配慮する必要があると考えております。  そのため、本市の独自支援として、現地での住宅再建に当たり、盛り土などの費用に対して助成することや、移転先の住宅再建資金の借入利子に対して国制度の集団移転と同等の額を助成する支援方策の考え方をお示ししたところでございます。  今後、市議会での議論や地域の方々の御意見などを踏まえ、具体の制度設計を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 46: ◯建設局長(栗和田幸夫)雨水対策についての御質問にお答えをいたします。  東部地区の治水対策につきましては、これまでも国や県などと連携して対応してまいりましたが、震災により地盤沈下や河川堤防の損壊等が生じ、浸水被害も出ておりますことから、排水機場の復旧や機能強化、また七北田川堤防と貞山運河の再整備などについて、関係機関とともに協議検討の上、対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 47: ◯消防局長(高橋文雄)都市間の広域連携の総括と町内会等の連携強化についてお答えをいたします。  今回の震災におきましては、政令市間の相互応援協定などに基づき、発災直後から人的、物的に多大な支援を受けましたが、特に避難所においては他都市からの応援職員が献身的に避難所の運営に当たっていただくなど、こうした都市間の広域連携が有効に機能したものと認識しております。引き続き、このたびの震災対応を関係都市間で共有するなど、連携がより深められるよう努めてまいりたいと考えております。  また、こうした広域連携が町内会、各種団体等の地域レベルにおいても発揮され、それぞれの得意分野で相互に補完し合うことは、避難所の運営や被災者支援などに効果が期待できるものと考えておりますことから、地域防災力のさらなる向上に向けまして効果的な連携が図れるよう、広く働きかけてまいりたいと存じます。  以上でこざいます。 48: ◯議長(佐藤正昭)次に、菊地昭一君に発言を許します。     〔四十二番 菊地昭一登壇〕(拍手) 49: ◯四十二番(菊地昭一)公明党仙台市議団を代表し、第三回臨時会に提案されております第百十五号議案仙台市震災復興計画について質疑いたします。  震災からもうすぐ九カ月が過ぎようとしておりますが、本日、議会の議決案件として仙台市震災復興計画が提案されました。一日も早い復旧・復興をと叫び続けてきた一人として、そして議決権を有する議員の一人として、責任の重さを実感しております。被災者に寄り添う思いで、復興計画について順次質問してまいります。  十一月二十一日に公明党仙台市議団として、奥山市長に対し、平成二十四年度仙台市予算及び制度改革に係る要望書を提出をさせていただきました。冒頭に、市民が団結して仙台の復興に一歩一歩進んでいくことが、市民が幸福で光輝く福光、福の光につながるものであると掲げさせていただきました。  仙台市震災復興計画の根底に、復興の主役は街ではなく人であり、一人一人に光を当てる人間の復興という視点がなければならないと考えます。奥山市長の御所見をお伺いいたします。  次に、震災復興計画、十の復興プロジェクトの最初に掲げた、津波から命を守る津波防災・住まいの再建プロジェクトについて数点質問いたします。  震災復興計画の十の復興プロジェクトの中でも、このプロジェクトは最も重要と考えます。理由は、この復興計画が議決されますと、東部沿岸地域の二千世帯に及ぶ津波で被災された方が従前地には戻れなくなるからであります。これまでも津波で壊滅的な被害を受けた東部地域の生活再建について、何度も質問し、当局の考えをただしてまいりました。今回提案された復興計画には、津波の浸水深が二メートルを超える地区に対し建築制限を課す項目があり、第四回定例会には仙台市災害危険区域条例の一部を改正する条例が提案されます。  本市として、津波から市民の命を守ることが最重要なのは十分理解できます。しかし、生まれ育ったもとのところにはもう戻れない、何百年とはぐくんできた文化や習慣、歴史が失われるとの思いは、閖上で育った私にも痛いほどわかります。だからこそ、被災された方への丁寧な説明と理解を得る努力を行い、拙速な災害危険区域の指定は行わないように、これまでも何度も訴えてまいりました。私は、住む権利を制限する選択をした本市として、まだまだ説明は十分とは思えません。  そこでお伺いしますが、本市としては、被災者に対し災害危険区域の指定に至る経過説明は十分で、理解は得られたものと考えているのかお尋ねします。  二点目に、被災された方のさまざまな声にどのようにこたえていくのか伺います。  震災復興計画素案が五月に発表になり、中間案が九月に示され、再度の津波シミュレーションにより移転対象区域が変更になり、今回の復興計画が提案されました。この間、東部地域で津波被害に遭われた方は、復興計画が示されるたびに、これからの生活再建について揺れ動き、悩み、市の対応を注視してきました。  移転対象区域の変更により、四百世帯の方が移転対象地域から外れましたが、その方から次のような声が寄せられました。中間案が示され、移転対象区域に指定されたので建築制限が課せられると思い、既に住宅を解体した。しかし、見直しで移転対象地域から外れた。解体しなければよかった。今後の生活再建の方向性を再検討しなければと困惑しておりました。  また、移転対象地域の変更により、防災集団移転促進事業から外れ、移転を考えていたが、費用負担を考えるとどうしたらいいのか等の声も寄せられました。  津波で被災された方の家族構成、資産状況等、お一人お一人の状況はさまざまです。改めて移転対象地域に至る経過を丁寧に説明し、理解を得る努力をすべきです。その上で、支援制度の中身をしっかり周知し、被災者に寄り添った丁寧かつ柔軟な対応を求めます。  津波で被災された方への対応について、奥山市長の御所見をお伺いいたします。  三点目に、今回新たに示された東部津波被災地域における住宅宅地再建の支援方策の考え方について伺います。  津波による危険性の高い移転対象地区等から防災集団移転などの移転や、浸水被害を受けた地域における宅地の防災対策を促進するため、本市独自の支援制度を創設すると、このように掲げております。国の制度で救済されない被災者を支援する本市独自の支援策で、津波で被災された方の声も反映をされており、一定の評価をするものです。  しかし、先ほど述べたように、移転対象地域の変更により国の集団移転事業の対象外になった被災者へ、一定の本市の支援策はあるものの、不十分と言わざるを得ません。さらなる負担軽減策を求めるものですが、御所見をお伺いいたします。  また、防災集団移転促進の点から、国制度の助成に加え、土地取得負担の大幅軽減を図るため、借地料をおおむね三十年から四十年免除する支援策を示しております。この市独自の支援策自体は、集団移転を希望する方から一定の評価の声が聞かれます。  しかし、問題は、三十年から四十年経過したとき、借地した土地がどのようになるかという点であります。改めて借地権を設定するのか、またそのときの借地料は幾らになるのか、土地の払い下げは可能なのか、またそのときの価格はどうなのか等々、懸念する声が聞かれます。土地を借りて住宅を新築すれば、三十年以上の長期にわたり居住することは当然想定されます。そのときに土地がどのようになるのかは、これからの生活再建を考える上で大変重要な視点であります。移転を希望するにしても、長期の見通しが示されなければ踏み出せないことは想像にかたくありません。  将来、長期借地した土地について、借地料免除後の取り扱いはどのように考えているのかお伺いをいたします。  東部地域の復興に関する質問の最後に、十一月二十五日に発表になりました、仙台東部道路より東側の土地建物所有者を対象に実施した住宅等の再建に関するアンケート調査結果について、数点質問いたします。  初めに、このアンケート調査の目的は復興まちづくりの基礎資料のためとしておりますが、具体にはどのようなことなのかお伺いいたします。  二点目に、アンケートの回収率についての認識についてであります。  送付者数四千八百六人中、回答者が二千六百九十一人、回答率が五六%であります。これからの安全な住まい、そして生活再建に関する重要な調査にもかかわらず、回収率は低いと言わざるを得ませんが、当局の認識はいかがなのか、御所見を伺います。  また、今回、国並びに本市の支援策が示され、改めて被災者へ意向調査を行うと聞いておりますが、今後の予定についてどのようになっているのか、あわせて御所見をお伺いいたします。  三点目に、調査結果の少数意見に対する対応についてであります。  ともすると、アンケート調査の分析は多数意見に偏る傾向があります。今回の調査結果でも、移転したい、また、やむを得ず移転が九〇%近くおりますが、反面、移転対象地域になっても、もとの場所で生活したい方も一一%で、百八人もおります。このアンケート調査は、被災した一人一人にとって生活再建にかかわる大変重要な調査です。少数意見に対してもくれぐれも丁寧かつ柔軟な対応を求めますが、御所見をお伺いいたします。  次に、復興プロジェクトの二つ目の安全な住まいの土台をつくる市街地宅地再建プロジェクトについて数点伺ってまいります。  宅地の再建も被災した方にとっては一日も早い復旧を望んでおり、待ったなしの重要プロジェクトであります。広範な宅地被害は、津波の被害と同様に甚大で、本市として四千三十一件に及ぶ地すべりや地割れ、造成のり面、擁壁等の損壊などが掌握されております。被災宅地の復旧は、公共事業で八割、残り二割を本市独自の制度で復旧を図るという支援策については、一定の評価をするところであります。  しかし、対象が中程度以上の被災地となっており、被災宅地危険度判定の結果、危険宅地、要注意宅地とされた四千三十一宅地としております。問題は、この対象外の中程度以下の、いわゆる緑紙の判定の宅地被害についてであります。  本市として、この中程度以下の被災宅地は何件くらいと掌握されているのか、お尋ねします。  また、中程度以下の宅地被害についても、基準を設け、一定程度救済する支援策を講じるべきではないかと思います。宅地被害は、宅地のみならず家屋の復旧にも大きな影響を及ぼします。例えば紫山の中程度以下と判定された宅地は、五センチから七センチ崩落し、宅地復旧だけで六百万円から一千万円かかると言われております。また、自宅が全壊で宅地も傾いているけれども、緑紙判定で、復旧には多額の経費が見込まれ、もう自分は自宅に戻れないとあきらめざるを得ない方もおります。  復興計画に示されている甚大な被害とは中程度以下の被害は含まれないのでしょうか、御認識をお尋ねします。  また、中程度以下の宅地被害についても何らかの支援策を講じるべきではないかと思いますが、あわせて御所見をお伺いいたします。  次に、宅地被災者への丁寧な対応についてであります。  これから被災宅地四千三十一件への支援策が始まるわけですが、まず、説明会を通して支援制度の内容を被災者に周知をします。説明会を受けて、被災者は自分の場合はどの支援策の対象になるのか、当局に相談をすると思われます。また、自分の被災宅地が新たな支援対象になるのかどうかとの相談も当然ふえてまいります。  丘陵部の宅地被害も、津波被害と同様に個別にさまざまな状況の違いがあり、丁寧な対応が必要です。しかも、震災から九カ月近くも不安な生活を強いられてきた多くの被災者の皆様は、迅速な対応を求めております。  被災宅地復旧の取り組みには、丁寧な対応かつ迅速な執行が求められますが、今後どのような体制で臨むのかお伺いをいたします。  宅地災害の質問の最後として、プロジェクトに掲げてある将来に向けた安全・安心な宅地の確保について伺います。  宅地被害に関する情報を国などに積極的に提供するとともに、今回の被災を教訓として、市内の宅地の災害履歴や大規模盛り土造成地等の情報を把握し、全国的な動向を踏まえながら、市民が安全に安心して暮らすための宅地情報の提供のあり方について検討すると、このように述べておりますが、被災した方の声として、造成宅地の単なる復旧だけではなく、再度の災害防止を訴えております。この数十年の間で大きな地震を経験し、少なからず被害が生じており、しっかりと原因究明を行い、本格的な対応をしてほしいという声もあります。国の第三次補正では、滑動崩落の原因究明につながる地盤調査及び設計に要する費用も対象になっております。  適切な工事を執行するとともに、安心かつ安全に市民の方々の生活を確保していただくことを求めるところですが、御所見をお伺いいたします。  十のプロジェクトのうち、二つに触れさせていただきましたが、残りの八つの復興プロジェクトも重要ですが、創造的な取り組みが多く、まだ全体像が具体に見えてきません。プロジェクトの中には、民間の力を活用しなければ迅速な復興を図れない取り組みが数多くあります。迅速な復興を進めるには、一日でも早くプロジェクトの内容について情報発信すべきと考えます。  復興の実施計画策定はいつごろになるのか、被災された皆さんへ、そして百万市民に希望の航海へと導く灯台の明かりが早く見えるよう、迅速に進めることを求めますが、御所見をお伺いいたします。  先日、ブータンのワンチュク国王夫妻が来日され、ブータン王国の国民総幸福量、GNHが話題になりました。一九七六年、スリランカのコロンボで開催された第五回非同盟諸国会議でブータン国王が、国民総生産より国民総幸福量が重要であると述べて以来、有名になった言葉で、ブータン王国では九〇%以上の国民が幸福と感じていると紹介されました。  右肩上がりの成長は望めない今日、ブータン国王の来日は、千年に一度という未曾有の災害に遭遇した日本の今後の国のあり方について、示唆に富んだ訪問であったと感じました。仙台市の復興が百万市民の一人でも多くの方が幸福と感じられるような復興を望むものです。
     最後に奥山市長の復興に向けての御所見をお伺いし、代表質疑といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 50: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの菊地昭一議員の御質問にお答えを申し上げます。  震災復興計画における復興の視点などに関しましてのお尋ねでございました。  今回の大震災では、多くの市民の方々が被災をされ、精神的にも経済的にも大変大きな痛手をこうむったところでございます。  私は、仙台の復興への取り組みは、被災された方々お一人お一人のお心に寄り添った、きめ細かなものでなければならないと考えるものでありまして、これまでさまざまな場や機会におきまして対話を積み上げながら、計画の策定を進めてまいったところでございます。  今回の経験を踏まえ、私たちは改めてきずなというものの深さを身をもって実感しますとともに、平穏であること、そのことが幸福の大きな礎であるということを率直に感じるようになったのではないかと考えてございます。  基本構想に掲げました人が輝く杜の都の実現を目指してまいるべく、すべての市民の方々の御参画をいただきながら、震災復興計画への取り組みを進めてまいる所存でございます。  次に、津波により被災された皆様への対応についてのお尋ねがございました。  移転対象地区を定めるに当たりましては、住宅などの建築を禁止するという強い私権の制限を伴いますことに加え、移転を余儀なくされる方々の精神的、また経済的な御負担も大変大きいものとなりますことから、本市といたしましては、その区域ができるだけ小さくなるよう地元からの要望が国、県、そして本市に出され、また、国の防潮堤の整備方針を受けるなど、さまざまな防災施設の効果的な整備について検討を進めてまいったところでございます。  この結果、復興計画中間案の時点から移転対象地区を縮小することといたしまして、このことについて、説明会を初め、地域の集会でありますとか、また勉強会などを通じて御説明をさせていただきましたが、この見直しにより移転の対象から外れました地区の皆様に戸惑いでありますとか、また混乱などが生じた面もありまして、引き続き地域の皆様の御理解が得られますよう努めてまいりたいと考えてございます。  東部地域におきましては、今後、地域の皆様とともに、それぞれの地域や被災された方々の実情に応じた復興まちづくりを進めていく必要があると考えているものでございまして、現在検討しております本市独自の支援方策も活用しながら、一日も早く生活再建が果たせるよう取り組んでまいりたいと考えております。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  私からは以上でございます。 51: ◯震災復興本部長(山田文雄)私からは、実施計画の策定時期等に関するお尋ねにお答えいたします。  復興事業の実施計画につきましては、基本計画掲載事業に係る実施計画とともに、新年度予算の編成作業とあわせ、今年度末までに策定を進めてまいる予定としてございます。  市民説明会などにおきましても、市民の皆様から復興事業の具体的な工程を示してほしいとの御意見を多くいただいているところでございます。  百万人の復興プロジェクトを初めとする復興事業の工程や具体的な取り組みにつきましても、実施計画としてできるだけ早期に取りまとめ、市民の皆様や議会に対してお示ししてまいりたいと存じます。  以上でございます。 52: ◯都市整備局長(高橋秀道)私からは、都市整備局に係る数点のお尋ねにお答えをいたします。  まず、津波から命を守る津波防災・住まい再建プロジェクトについてでございます。  初めに、災害危険区域の指定に関する住民の理解についてでございますが、東部地域における住まいの安全確保の考え方については、これまで説明会や懇談会、地域の勉強会などさまざまな機会を通じて説明してきております。  その中で、津波による危険性の高い地区に災害危険区域を設定し、建築制限を行うとともに、安全な地域への移転により安全確保を図ることについては、すべての方々の賛同を得るには至っていないものの、地域の方々の理解は徐々に進んでいるものと考えております。  このたびのアンケート調査におきましても、災害危険区域の予定地区では、八割を超える方から移転したい、または移転はやむを得ないとの回答をいただいており、事案の性質上、積極的な肯定が多いとは言えないものの、多くの方が容認の意思を示したものと考えております。  次に、集団移転事業の対象外となる被災者への支援についてでございますが、東部津波被災地域における住宅宅地再建の支援方策の考え方として示した本市の独自支援については、今後、さまざまな検討を行いながら制度設計を進めてまいります。  なお、さらなる支援については、移転対象地区外では国の制度による補助が受けられないことに加え、原則として、専ら個人や法人の資産を形成するものや、個人や法人の負担に直接充当するもの等はできないという制約もありますので、市議会での議論や地域の方々の意見なども踏まえて、慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に、長期借地した土地の取り扱いについてですが、今回の独自支援制度は、津波により住宅を失った方が恒久的な住まいを確保することへの支援を目的としており、この目的を達成するための制度詳細については、借地料を免除する場合の条件等を含め、これから検討を進めてまいります。  なお、借地料を免除する期間が経過した後の土地につきましては、その時点で、借地を継続して借地料をお支払いいただくか、土地を購入していただくかを選択できるようにしたいと考えております。  次に、アンケート調査に関連しての御質問でございますが、まず、調査の目的についてですが、今回の調査は、津波により被災した東部地域の復興まちづくりに向けた基礎資料とするため、住宅等の再建に関する意向などについてお尋ねしたものでございます。  アンケート調査の結果については、集団移転の事業計画の作成や概算事業費の算定のための参考とするほか、独自支援の検討にも活用してまいりたいと考えております。  次に、今回のアンケート調査の回収率についてでございますが、五六%の回収率は、郵送での回答を求める同種のアンケートと比べて比較的高いものと認識しております。その背景としましては、アンケートの内容が津波被害を受けた住まいの再建に直接かかわるものであったためと想定されます。  今後の意向調査の予定についてですが、移転対象地区におきましては、ことしの十二月中に集団移転の制度拡充や本市の独自支援の考え方について地元への説明等を行い、その後、集団移転の事業実施に向けて詳細な意向を確認してまいりたいと考えております。  また、移転対象地区外においては、地区ごとの意向を伺いながら、今後の復興のまちづくりの進め方などについて、地域の方々と一緒に検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、移転対象地区の移転に消極的な方々への対応についてでございますが、今後とも地域の方々への丁寧な説明に努め、より多くの方から御理解が得られるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。  次に、市街地宅地再建プロジェクトでございます。  まず、被害が中程度以下の宅地件数についてでございますが、これまで被災宅地危険度判定及び概況調査により、八千件余りの宅地の調査を行い、その結果として四千三十一宅地に中程度以上の被害を確認しているところでございます。  したがいまして、被害状況が中程度未満の宅地の件数といたしましては約四千件程度となっておりますが、この中には被害を受けていない宅地も含まれているところでございます。  次に、中程度未満の被害の宅地に対する支援策についてでございますが、中程度未満の宅地の被害状況は、おおむね地割れや擁壁のわずかな変状などであり、補修などによりその機能が回復できるものと考えております。  本市といたしましては、二次災害等が発生するおそれが強い中程度以上の被害を受けた宅地の復旧について、公的支援が必要であると考えております。  なお、御指摘の事例に関しましては、建物の復旧も含まれているものと考えております。建物の復旧に係る支援については、被災者生活再建支援金制度等を活用していただきたいと考えております。  次に、被災宅地復旧に係る本市の体制についてでございますが、これまでも、八月から十月にかけて、局内からの増員や他の政令市からの御協力をいただくなどして人員を増強するとともに、開発調整課内に宅地支援第一係、第二係を新設して強化しているところでございます。  宅地被害に関する相談につきましては、新設した二つの係を窓口としてきめ細かく対応してまいりたいと考えております。  最後に、将来に向けた安全・安心な宅地の確保についてでございますが、本市はこれまでもこのたびの甚大な宅地被害のメカニズム究明に努めてまいりましたが、今後も再度災害防止のため、引き続き適切な公共工事の執行に努めることにより、市民の皆様の安全かつ安心な宅地の確保に努めてまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 53: ◯議長(佐藤正昭)この際、暫時休憩をいたします。     午後三時二十四分休憩          ────────○────────     午後三時四十分開議 54: ◯議長(佐藤正昭)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、花木則彰君に発言を許します。     〔四十四番 花木則彰登壇〕(拍手) 55: ◯四十四番(花木則彰)日本共産党の花木則彰です。会派を代表して、復興計画案について質疑します。  日本共産党市議団は、震災直後から被災者の救援にみずから取り組むとともに、救援のための制度や情報を市民に知らせ、国や自治体の救援策をその時々のニーズに合ったものとするために、十七回にわたる緊急要望をまとめて提案をしてきました。同時に、阪神・淡路大震災では、創造的復興の名のもとに、被災者の生活と被災地域のコミュニティーがないがしろにされました。この過ちを繰り返さないために、被災者の生活再建こそ土台にして、上からの押しつけではなく、被災者参加型での復興計画づくりを訴えてきました。  復興計画を議会の議決事項とする提案が実り、今回の臨時議会で審議、決定することとなりました。市民、被災者から求められている方向に復興の道筋がつけられるよう、市議会が全力で取り組む必要があります。日本共産党市議団七名も、その立場で奮闘する決意です。  さて、最初に、復興計画策定の目的について伺います。  計画案では、本市が市民とともに東日本大震災からの復旧・復興に向けて取り組むべき施策を体系的に定め、計画的に推進していくことにより、一日も早い復興を達成することを目的としますと書いています。これでは、早い復興達成が目的となってしまいます。だれのための、どんな復興が大切なのか、そのために市は何をするのか、明らかにすることが大切です。  今回の震災で、津波被害、宅地被害、マンション被害、全半壊から一部損壊までの住宅被害、さらに働き場所を失ったり、原子力発電所事故による観光業や農業への打撃など、仙台市民は何らかの形で被災をしています。これまで当たり前に過ごしていた生活が壊れ、震災後八カ月以上が経過した今も先行きの展望が見出せないでいます。  計画案では、後の、三、復興に向けてのところで、震災からの復興に向けて何よりも重要な課題は、被災された方々の暮らしを一日も早くもとの姿に戻し、一人一人が生きがいを持って暮らせるようにしていくことですと明記しています。私は、この立場をこそ計画策定の目的にきちんと書き込むべきだと考えますが、いかがでしょうか。  計画案の復興の基本理念では、地域のきずなや自助、共助といった市民力が困難を乗り越える重要な力になることを明らかにしましたとあります。このきずなや自助、共助に比べて、仙台市を初め宮城県や国の救助、救援の取り組みが余りにも遅く、不十分であったことを反省し、これからの復興について市や公が果たすべき役割を市民に示すことこそ復興計画の役割ではないでしょうか。反省の部分、どこをどう改めていくのかをお尋ねします。  次に、復興の施策の柱となる幾つかの問題について質疑します。  まず、仙台市内において広範な被害を出した宅地被害の救済についてです。  建物の被害については、被災者生活再建支援制度が不十分ながらもあります。しかし、宅地の被害については国による支援の制度がないことを私たちも当初から問題として、救済制度を創設するよう求めてきました。地すべりやがけ崩れなどによる宅地の被害の復旧、主にのり面や擁壁の復旧を公共工事で行う制度をつくることと、それでも残る個人宅地の復旧工事のための助成制度などを県と仙台市が協力してつくるよう、具体的な提案も重ねてきました。  宅地被害の救済について、復興計画案では市独自の救済策を創設するとしています。具体的な施策として、一つは、国庫補助事業での復旧工事を行う約八割の箇所では、地区全体の崩壊抑止、道路など公共施設の復旧費は全額公費負担で、地区内の民有の擁壁等の復旧費については、費用の一割を被災者負担として徴収する案が示されています。この一割負担が幾らぐらいになるのか、折立団地への説明では、平均五十万円から六十万円、最高でも百万円くらいと話しています。二つ目は、国事業とならない箇所では、個人所有宅地工事費百万円を超える部分の九割を助成するとのことです。  被災者である市民の救済のため、市が独自の策をとることは大切なことです。市が負担することになる費用は国が財政措置をとるよう日本共産党の山下芳生参議院議員が十一月七日に質問し、総務大臣が、国庫補助事業に該当しない地方単独事業については、震災復興特別交付税で全額措置される仕組みになっていると答弁しています。市長はしっかりと国に負担を求めるべきです。また、宮城県の宅地被害者への支援策もつくらせて、市の制度もどちらも適用できるようにすべきです。市長は、国と県にそれぞれ具体的な提案を持って要請すべきです。いかがでしょうか。  市の独自支援策も国や県の制度も、それぞれの被災者の実情に合わせて選択できることが大切です。壊れた宅地をもとに戻すために、自己負担が多かれ少なかれ生じます。また、その宅地の上に住居を再建するためにも大きな費用がかかります。そういった費用を工面できる世帯と工面できない世帯が生まれています。これはどの地域でも現実です。  市は、公共工事で行う場合の一割の被災者負担分について、減免の制度を考えているそうです。減免の対象を年金生活者や低所得世帯に広げるべきだと考えますが、いかがでしょうか。  また、そのような世帯が自力での住宅再建ができない場合に、被災宅地は市が買い上げて、復旧工事の費用は被災者が負担しなくても済むようにするべきです。復旧された宅地を活用して復興公営住宅を建設するなど、有効活用することを提案しますが、いかがでしょうか。  被災地域住民の一部分が集団移転を希望した場合、現地での宅地復旧を求める住民と両立できるようにするなど、実情に合わせた各制度の弾力的運用が必要です。制度に合わせようとするのではなく実情に制度を合わせるよう、国には仙台市が求めるべきですが、いかがでしょうか。  国の支援策を受けられない宅地被害者への市独自の助成制度は、新潟県が中越沖地震でつくった制度と比べても充実しています。私たちも、震災直後から、宅地被害の救済策には公共工事としてののり面や擁壁の復旧とともに、それでも残る宅地内の復旧工事費に対するしっかりした助成制度が必要だと繰り返し求めてきた立場から歓迎するものです。  市独自の助成制度の対象は、これまでに市が把握している四千三十一宅地以外にも存在している可能性があります。四千三十一宅地に限ることなく、申請や問い合わせがあれば宅地の調査に出向き、中程度以上の被害があると認められた宅地も対象とすべきですが、いかがでしょうか。  さて、百万円を超える部分への九割助成という制度では、復旧工事に余りお金をかけられない人は何の支援も受けられない可能性があります。例えば二百万円までの工事費の二分の一とそれを超える部分の九割を助成することにするなど、制度設計の工夫の余地があると考えますが、いかがでしょうか。  津波被害地域の再生について、復興計画案では、津波の浸水深が二メートルを超える地域を危険区域とし、建築制限などをかけるとしています。この点をめぐっては、被災者の方々の間で複雑な意見が出されています。集団移転に係る個人負担や移転先の選定など、被災者がそれぞれの実情に合わせた選択を行える条件を整備することがまず大切で、住民意見の集約にはまだ時間も労力もかかるものと思われます。  計画で書かれているのは市の考え方であって、計画に示された図のとおりに危険区域の設定が決まるわけではないと私はとらえています。いかがでしょうか、伺います。  移転先を考えるとき、できる限り現在の地域と近く、これまでの生活を取り戻すことのできる場所を考えるべきだと思います。その点で、東部道路と県道塩釜亘理線の間で、盛り土等により安全性を確保した造成地を選択肢に加えることを求めます。いかがお考えでしょうか、伺います。  津波被害の地域でも、復興公営住宅、個別移転を含めて複数の選択肢が保障され、どの選択肢を選んでも住民が全体としてこれまでの地域コミュニティーを維持できるよう復興を進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。  復興公営住宅については、被災者の望むところにつくる、地域コミュニティーの再生を図れるところにつくる、そして、大規模な集合住宅でなく、地元建設業者が請け負うことのできる戸建て数軒の集合住宅を中心として、県産材の使用など地域経済復興に役立つ事業とすることが大切です。当局のお考えをお聞きします。  生活再建、地域再生を進める上で、地域経済の復興策は欠かせません。復興計画案には、復興特区の活用などとしてさまざまな事例が並んでいます。また、企業誘致中心の雇用拡大策が強調されています。しかし、思いつきやだれかの受け売りで地域全体の経済の活性化はなし遂げられません。雇用拡大も、ほとんど非正規雇用で安上がりに労働力を得てもうけようとする企業を呼び込んでも、地域経済の疲弊しか生み出せないことは、仙台を初め全国どの地域でも実証されているのではないでしょうか。  必要なことは、地場の産業を徹底して支援すること、需要は外需ではなく内需に、とりわけ地域内の需要にこたえることで成り立つ産業構造にすることです。地域内需要を拡大するためにも、福祉施策、子育て支援策、高齢者の生活支援を強め、地域内雇用の水準を上げることに自治体も地元企業も努力することです。プラスアルファで観光やコンベンションでの成果が加わって、一層活力が増すという関係です。  地域内需要の重視で、復興計画上最も重要なことは、復興関連需要の地域内還元です。計画案では、たった二行ですが書き込まれています。既に仮設住宅の断熱材工事、家屋解体などの復興事業で、他県の実体のないペーパーカンパニーが仙台市や宮城県発注の事業に介在し、実際に仕事をした業者への未払い、労働者の不当な契約解除などの問題が浮上しています。訴えのあった事例については、市は発注者責任を果たすために調査し、指導すべきですが、いかがでしょうか。  仙台市においても、公契約条例を制定するなどして、莫大な復興関連事業が地元業者や働く人の賃金にきちんと還元されるよう心してかかる必要があります。また、市の発注能力を高めてできる限り分離分割発注することや、受注経験のない地元業者にも受注を広げて育てる努力を積極的に行うべきです。いかがでしょうか。市長の地域経済復興についての決意をお聞かせください。  未曾有の被害をもたらした今回の震災は、福島第一原発事故によってさらに深刻なものとなりました。仙台市の復興計画には、原子力災害としての認識と対策が決定的に欠けています。東日本大震災の総括の項では、「さらに、東京電力福島第一原子力発電所の被災に伴う問題も相まって」と書かれています。東京電力を被災者と見ているのでしょうか、それとも加害者として責任を追及する立場なのでしょうか。市長の見解を伺います。  約百キロメートル離れた仙台市でも、多くの市民に大きな心配を与え、さらに長期にわたって影響を及ぼすことになった原発事故です。この事故は、津波に遭ったから起きたのではなく、地震や津波に対する対策を怠っていた、安全神話につかり切っていたために起きた事故であると、市民のだれもが感じています。  原子力事故対策を怠っていたのは仙台市も同じです。国の決めた基準で、県の計画で、仙台市は考えなくてもよくなっていたからと、何の手だてもとっていなかった。市民に必要な情報も仙台市には届かなかったのです。このことを反省し、きっぱりと改める。防災・仙台モデルを構築するなら、ここを欠落させるわけにはいかないと考えます。いかがでしょうか。  原子力発電所事故への対応の部分では、この間の市民の声や取り組み、議会での私たちの指摘や提案も受けて、今回の福島原発事故への対応策については前進があります。空間放射線量の測定を遅まきながら市内七百五十カ所で行い、継続した測定ポイントも設定し、続けていることは評価します。しかし、そのデータの公表が、多くの市民、とりわけ子育て中の保護者にわかりやすく行われているかといえば、そうではありません。市民の安心のために測定したのですから、ここが大切です。  また、給食の食材の独自検査を、横浜への発注方式から給食センターに測定器を導入して検査する方式に切りかえる方針を持ったことも前進です。測定器もセンター一台では、一部の食材しか給食提供前に測定できません。測定器の追加導入も必要ですが、いかがお考えでしょうか。また、自校方式の食材まで検査するために、検査のための人員、試料となる食材を運搬する人員を配置することを求めます。あわせてお答えください。  これからの原発事故への対応策も、復興計画には必要です。仙台市から五十キロメートルほどしか離れていない女川原子力発電所についての記述が一つもないことは問題です。三月十一日と四月七日の二度にわたって、女川原発の外部電源五系統のうち四系統がダウンし、一系統のみで辛うじて核燃料の冷却を続けていたことは、紛れもない事実です。もしその一系統もダウンしたとき使うことになっていた非常用のディーゼル発電機は、地震で倒れた上、津波で水につかって使用不能の状態でした。国や県が安全だと認めれば、仙台市民は安心するでしょうか。市民が安心できない以上、国や県がどう言おうと、仙台市としては女川原発の再稼働は反対であると復興計画に書き込むべきと考えます。市長、お答えください。  冒頭、復興計画の目的やこれまでの反省点についてお聞きしました。震災後の八カ月余りの経験で、私たち仙台市民はきずなの大切さも強く感じましたが、市や県、国が、市民、被災者に寄り添って、被災者救済の立場で働くことの大切さを痛いほど味わってきました。住民の命と暮らしを守る仕事、自治体の役割が明らかになったと思います。さまざまな救援の手だてがおくれた原因は、仙台市で十年間に一割も職員を減らし、通常業務でさえ正規の職員だけでは果たせず、臨時職員や委託など不安定な身分の労働者に頼っていたことにありました。作業のおくれがあらわれたときに、早目に思い切った人の配置を行えなかったのも、間違った行革へのこだわりにあったのではないでしょうか。  仙台市の復興の取り組みは、この計画で予定している五年、そしてその後へとつながっていくものです。何の反省もなく、職員削減を続けることはやめるべきです。お答えください。  あるべき街の姿だけでなく、自治体のあるべき姿もこの際しっかり見直した復興計画となるよう求めて、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 56: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの花木則彰議員の御質問にお答えを申し上げます。  復興計画策定の目的等に関してのお尋ねでございました。  私は、このたびの震災からの復興に当たり、被災された方々の暮らしを一日も早くもとに戻すことができるよう、スピード感を持って復興に臨むことに加えまして、そのことにより、被災された方お一人お一人が生きがいを持って暮らせるような取り組みを重視すべきものと認識をいたしておりまして、本計画にも明記をしたところでございます。  また、本市を初め、県や国によります発災時の対応につきましては、避難所の運営や被災された方への支援、情報提供などの面で多くの課題を生じ、市民の皆様からもたびたびの御指摘をいただいたところでございます。  このような御意見等を踏まえながら、今後、地域防災計画の改定など復興計画を具体化する取り組みの中で、公共が担うべき分野と、自助、共助を強化することで対応すべき分野といった役割分担なども検討いたしながら、しなやかで強靱な新次元の防災・環境都市づくりを推進してまいりたい、このように考えてございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 57: ◯危機管理監(曵地泰志)原発事故に関連いたします御質問のうち、二点についてお答えを申し上げます。  まず、原発事故対策と防災・仙台モデルに関連してのお尋ねでございます。  このたびの東日本大震災に伴います福島第一原子力発電所の事故は、原子力に対する信頼を大きく損ねるとともに、これまでの安全対策が十分でなかったことが明らかとなったところでございます。
     これまで本市におきましてもさまざまな放射線量の測定や関連情報の公開などを行ってきたところでございますが、その一方で、こうした事態へ対処するためには、他の災害と異なり、放射線や放射性物質に関する基本的な知識を必要とすることや、原子力に関する専門的知識を有する機関の助言等が重要であると認識しているところでございます。  現在、こうした専門知識を有する国の原子力安全委員会におきまして、原子力施設の安全性の検証や防災対策について見直しが進められており、今後、その検討結果につきましても段階的に明らかにされるものと存じますので、本市といたしましても情報の収集に努め、必要な対応について検討してまいりたいと考えております。  次に、測定結果のわかりやすい公表に関する御質問についてお答えをいたします。  これまで放射性物質に関するさまざまな測定を行い、それらの結果につきましては報道機関や市のホームページを通じた公表のほか、市役所や各区役所、総合支所で掲示するなど、市民の皆様への広報に努めてきたところでございます。  現在、国において若年層に配慮して食品中の放射性物質の基準値の見直しを進めておりますことや、お子様の健康への影響を心配される保護者の皆様からの御要望も踏まえまして、子供の生活環境に配慮した測定の充実に努めるとともに、空間放射線量の測定結果をマップ化してお知らせするなど、市民の皆様の安心につながりますよう、関係部局とも調整を図りながら、よりわかりやすい情報の提供に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 58: ◯震災復興本部長(山田文雄)初めに、東京電力の原発事故に係る責任についてのお尋ねでございます。  東京電力福島第一原子力発電所は、今回の震災で津波により壊滅的な被災をこうむり、事故後の対応の不十分さも伴い、本市を含む東日本全域に放射能汚染と風評被害を巻き起こした点で大きな責任を持つものと考えております。  国や東京電力は、一日も早い原発事故の収束と、被災地の除染や健康被害対策、復旧・復興など重大な責務を、迅速かつ適切に果たすべきものと認識いたしているところでございます。  次に、女川原発の再稼働に関するお尋ねでございます。  今回の原発事故を踏まえれば、女川原発につきましても、十分な安全対策が講じられるのでなければ安易に再稼働すべきではないものと認識をいたしております。  原発の安全性につきましては、現在、国を中心に専門的な見地からの検討が進められているものと承知してございます。その結果につきましては、国民の皆様が納得できるよう、わかりやすい説明がなされるべきものと考えております。  また、今回の被災の実態を踏まえれば、原発関連の情報提供を受ける自治体の範囲につきましても見直しが必要であり、関係機関に対し、本市も十分な情報提供を求めてまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 59: ◯総務企画局長(藤本章)職員の削減についての御質問にお答えをいたします。  今後、財政状況がさらに厳しさを増すことが想定される中にありましては、復興財源を確保しつつ、真に行政でなければ責任を果たし得ない領域で確実にその役割を担っていくためには、行財政改革の取り組みがますます重要となると改めて認識をいたしているところでございます。  今後とも、人的な対応につきましては、他都市からの応援職員の受け入れや民間の力の活用などを図ることはもとより、復興を着実に進めるため、必要な部分には集中的に職員を配置しつつ、効率的な執行体制を築き、一日も早い復興をなし遂げてまいりたいと存じます。  以上でございます。 60: ◯財政局長(山内晃)地域経済の復興に関連して、二点の御質問にお答えします。  復興需要の地域内還元についてでございます。  大震災からの復旧事業につきましては、市内に本店を有する事業者を優先して指名競争入札や随意契約により工事を発注しているところであり、被災家屋の解体につきましても、地元の事業者を会員とする信頼のおける団体を介した発注を行っているところでございます。  本市発注の契約におきましては、関係法令の遵守を旨としておりますことから、受注者が法に反するような行為を行った場合には、発注者として適切に対処してまいる所存でございます。  次に、復興関連事業の発注等についてでございます。  膨大な復興関連事業費を域内に還元していくことは、税源の涵養や地域経済の活性化の観点からも極めて重要と考えております。  このため、地元企業への優先発注や、可能な限りの分離分割発注を推進しているところでございまして、また、品質確保に支障のない範囲での施工実績等の要件緩和など、受注業者のすそ野を広げる取り組みも進めているところでございます。  今後とも、小規模事業者を含めた地元企業による受注を推進し、現在の復興需要を確実にとらえる受け皿となっていただくことで、地域経済のさらなる活性化を図ってまいりたいと存じます。  以上でございます。 61: ◯都市整備局長(高橋秀道)私からは、都市整備局に係る数点のお尋ねにお答えをいたします。  まず、宅地被害対策関連でございます。  国、県の支援策についてでございますが、宅地被害に関する本市の独自支援の財源に関しましては、現在のところ、本市負担によることとしておりますが、復興交付金や復興特別交付税などの国からの財政的な支援について、引き続き求めていきたいと考えております。  次に、宮城県への要請についてでございますが、本市で創設しようとする宅地に関する独自支援制度は、県内の宅地被害の大半が本市市域内に集中していることもあって、百万円を超える復旧工事費用の九割を助成するという、相当踏み込んだ内容となっております。改めて宮城県に対して別途支援策の構築を求めることは考えておりません。  次に、宅地復旧に関して本市が行う公共事業に係る分担金につきましては、資産をお持ちの方が対象となるものであるため、所有者の方には基本的に分担金を御負担いただくべきものと考えてございます。その減免につきましては、最小限の範囲にとどめるべきものと考えてございます。  次に、被災宅地の買い上げについてでございますが、国庫補助を活用した公共事業や本市の独自支援制度によって、基本的には現地再建が可能となるものと考えているところでございます。防災集団移転促進事業以外での被災宅地の買い上げは予定しておりません。  次に、支援制度の弾力的運用についてでございます。  同一のメカニズムにより被害が生じた一つの地域において、現地での再建を前提とする補助事業と、現地での再建が困難であることを前提とする補助事業を重ねて適用することは難しいものと考えてございます。  次に、新たな申請等への対応についてでございますが、これまで概況調査を実施した結果として、四千三十一の被災宅地を確認したところでございますが、新たに調査の要望があった場合には、現地を調査した上で、新たに中程度以上の被害と認められるものにつきましては、独自支援の対象としていきたいと考えております。  次に、さらなる制度設計の工夫についてでございますが、本市の宅地復旧に係る独自支援制度は、二次災害等が発生するおそれが強い中程度以上の被害を受けた宅地の復旧に係るものを対象と考えておりますことから、百万円までを自己負担とし、それを超える部分の九〇%を助成することとしたものでございます。  百万円未満の比較的軽度な被害に関しましては、自己負担にて復旧していただくべきものと考えておりますので、御提案につきましては困難なものと考えております。  次に、津波被害対策についてでございますが、初めに、危険区域の設定についてでございます。  震災復興計画災害危険区域の指定との関係についてでございますけれども、今回の震災復興計画案において移転対象地区とした地域については、防災施設整備後もなお津波による危険性が高く、住宅などの建築制限を行うとともに西側地域への移転を促進することにより、安全な住まいの確保を図るという方針をお示ししたところでございます。  この方針に基づく具体の建築制限の内容については災害危険区域条例により定めるのに対し、指定する区域については市長が告示で定めることとなりますが、震災復興計画案に示す移転対象地区災害危険区域に指定することを前提にしております。  次に、集団移転の移転先についてでございますが、今回の震災復興計画案において、移転先としては、田子西地区、荒井東地区の土地区画整理事業地や荒井地区の土地区画整理事業予定地区などのほか、仙台東部道路に近接する地域において盛り土等により安全性を確保した造成地などについても候補として挙げております。  また、移転先は、良好な住環境確保やコミュニティー維持のために一定程度の宅地のまとまりが必要であるため、できるだけまとまった移転が望ましいと考えており、今後、集団移転の事業実施に向けて、移転する方の希望を個別に伺いながら具体の検討を進めてまいります。  次に、移転の選択肢と地域コミュニティーの維持についてでございますが、移転対象地区からの移転に当たっては、集団移転のほか、個別移転や復興公営住宅への入居を選択する方についても、国の制度による補助に加え、本市独自の支援方策も講じながら、それぞれの移転がスムーズに進むよう取り組んでまいりたいと考えております。  また、移転先の整備に当たっては、地域コミュニティーを維持するための環境整備を行ってまいりたいと考えてございます。  次に、復興公営住宅の整備の仕方についてでございますが、住宅を失った被災者が安心して暮らすことができますよう、被災地との位置関係を考慮しながら、交通条件や生活環境がすぐれた場所を方面別に選定し、適切な規模の集合住宅を基本として整備を進めていく方針としております。  津波被害地域や宅地被害地域の被災者につきましては、この方針を提示して御意向を伺い、その結果を踏まえて、防災集団移転促進事業と連携した整備や木造の戸建て住宅を含めた整備についても検討してまいりたいと考えております。  また、これまでの市営住宅は地元企業が中心となって整備を行ってまいりましたが、復興公営住宅につきましても、地元経済の振興に重きを置き、できる限り地元企業に発注できるよう工夫してまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 62: ◯教育長(青沼一民)私からは、給食用の食材の検査体制に関する御質問についてお答えいたします。  現在、民間検査機関への委託によりまして、給食に使用する予定の食材のサンプリング検査を実施し、市場に流通している食材の安全を確認しておりますが、さらに実際に子供たちの口に入る食材の検査を行うことといたしまして、各給食センターに簡易検査器を配備する方針を固めたところでございます。  検査に当たりましては、新鮮な食材を調達するため当日に納品される食材があることや、調理前の限られた時間での検査となることなど、一定の制約がございます。こうした制約のため、すべての食材を検査することは難しい状況ではございますが、この検査結果の状況や運用上の課題などを見きわめながら、単独調理校の食材の検査も含め、その後の検査体制の拡大につきましては改めて検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 63: ◯四十四番(花木則彰)まず、最後の給食の件なんですが、この前、議会でこの問題について議論して、そして食材の検査結果などを見てから考えるという話で、それでは遅いというお話をしました。実際には、その食材の検査結果だとかそういうこととは余りかかわりなく、やはり今回、各センターに一台は配備しようということで今回決められたということは、非常に評価をしています。  でも、同様に、一台では足りないというこの検討やどうしたらいいかというのを、実際に入ってから、はかり出してから、それから考えようというのではさらにまた遅くなるんです。今回だって、あの器械を発注してから入るまでに何カ月もかかっちゃうわけですから、これは運用し出してから考えるのではなくて、今まず一台入れると決めたことはそれはそれでいいですから、それからじゃあ次どうしようかというのは、やはり来年度予算に向けて、もう今から考えないとだめだと思うんですけれども、それについて、器械とそれから検査のための人員の配置について聞いているので、ぜひ御見解をお聞かせいただきたい。  もう一つは、都市整備局長からありましたけれども、いわゆる現地再建の問題と、それから、あと防災集団移転の関係です。これは相入れないんだという御見解を先ほど示されました。これではやはりうまくないんですよ。だって、一つの住宅の団地を、例えば工事をして復旧をするというための事業と、それから、そこのところにはもう住めない、住みたくないというふうに思われる方と、これは当然いるんです。いるわけですから、そのどちらも成り立つようにこれは制度をつくらなきゃいけないという問題だと思います。  そもそも防災集団移転という事業は、それこそ住めないというところから出発している事業ですから、そこに乗っかっていくんじゃなくて、やはりそれとは別個に同様の支援策がとられるようにしていくということが、今仙台市で起きている宅地被害の個々の状況を見れば当然必要になると思うんですが、この検討を、これはやる必要があると思うんですが、無理なんだということで割り切るんじゃなくて、これは検討すべきだと思いますが、もう一度御見解をお聞かせください。 64: ◯都市整備局長(高橋秀道)まず、今、支援制度の弾力的運用といいますか、同一地域から複数の制度、一つは防災集団移転、それから現地再建というようなこと、こういったものを組み合わせできるようにしてはどうかということでの、新たな制度設計の検討をすべきというようなことだろうと思います。  これは先ほど申し上げましたけれども、一つの地域で、現地での再建を前提とする補助事業と、それから現地再建が困難であることを前提とする補助事業、これを重ねて適用することは現段階では不可能だということでございまして、この件につきましては、地域の皆様でよく話をしていただきまして選択をしていただくようなことになろうかというふうに考えてございます。  これから新たな制度設計なり制度を国に求めていくということは、時間もかかることでございますし、難しいものというふうに考えてございます。 65: ◯教育長(青沼一民)再度の質問の件でございますが、先ほど答弁申し上げましたように、民間検査機関への委託というのは現在行っておりまして、今後、各給食センターの検査の結果等々のことにつきまして分析しながら、実際に八十五校の単独調理校の検査を行うに当たりまして、機器の台数や、あるいは検査の手法、それから人員等の諸所の課題がありますことから、今後、給食センターに配備された機器の運用実績を踏まえまして、検討してまいりたいというふうに考えております。 66: ◯四十四番(花木則彰)どちらも余り前進がないようですので、主な議論は特別委員会等でやる必要があると思いますけれども、もうあと一点だけ都市整備局長にお聞きしておきます。  要は、現地でよく話し合ってもらってどっちかを選択してくださいということになると、それは住民が大変ですよ。例えばその場でこれからも住宅再建してやりたいという人もいれば、やはりここはもう怖いから別のところに移転をしたいんだという人もいると。それは話し合って決めろといったって、それは決まらないですよ。  そうでなくて、そういったそれぞれの被災者の実情に合わせて制度をつくると、これが今仙台市、担当部局には求められているんです。国に対して制度を今から求めていたのでは時間がかかるということであれば、それは市の独自策でもいいじゃないですか。同程度の支援策をとるという道だって、これは選択できると思います。ぜひこれについては御検討をいただきたいので、もう一度見解をいただいておきます。 67: ◯都市整備局長(高橋秀道)これまでさまざまな部分におきまして、国の制度の拡充を求めてきた部分もございます。また、国の制度の拡充に乗っからない部分については、市の独自支援策ということで、我々も十分努力してきたつもりでございます。  今お話ししたように、今の状況の中では一つの地域に二つの事業、先ほど申し上げた事業を重ね合わせるのは難しいものというふうに考えてございます。御理解を願いたいと思います。 68: ◯議長(佐藤正昭)次に、相沢和紀君に発言を許します。     〔二十番 相沢和紀登壇〕(拍手) 69: ◯二十番(相沢和紀)社民党仙台市議団の相沢和紀です。第百十五号議案仙台市震災復興計画に対して、会派を代表して質疑いたします。  三月十一日の震災発生から二百六十三日がたちました。小雪の降る冷たい時期から、暑く長い夏を経て、今また寒さが身にしみる冬を迎えようとしています。仮設住宅及び借り上げ住宅の建設等にやや時間を要したものの、七月下旬にはすべての避難所を閉鎖することとなり、一定の落ち着きをつくり出した御努力を評価するものです。しかし、避難所運営において多くの不満や問題点が指摘され、本議会においても多くの質疑が行われました。改めてこの問題を取り上げることはしませんが、復興計画の第四章復興まちづくりの(三)災害対応力の強化、避難所等の見直しの中に示された職員体制の整備と役割の明確化、そしていざというときの意識と対応力の向上を早急に行うことを求めておきます。  復興計画については、さきの第三回定例会に中間案が示され、震災復興推進特別委員会での集中審議や地域まちづくり説明会、さらに災害危険区域の方々を対象とした説明会など多くの議論を経て作成された内容であることは容易に感じ取れるものとなっています。そして、仙台市基本計画でもそうでしたが、今回の復興計画の中でも市民力という表現が多く使用されています。しかし、私は、この復興計画案を再度読んでいて、被災住民つまり市民と、仙台市、行政との距離感があるように感じたのです。  仙台市は、震災発生直後から「ともに、前へ 仙台」という標語、スローガンを前面に出して復旧・復興を進めてきました。避難所生活を強いられた方々から多くの要望が寄せられたときに、財政の問題や組織の不統一などで対応がおくれたことが目立ちました。スピード感に欠けるとの声に象徴される局面が幾度となくあったと考えます。もちろん行政が仕事を行う上で財源確保は前提条件となるので、仕方がないという側面もあります。しかし、当局は財源確保ということに重きを置き過ぎ、被災者つまり市民の実生活、実態について少し離れたところから見ていた、見ているように感じるのです。後でも具体の対応で触れますが、本計画をつくり上げるために携わった方々がどれだけ被災現場に立ち、そして被災者の目線で計画されたのか。警察現場では現場百回という格言がありますが、机上のプランではなく、被災現場に立ち、肌で感じてこそ、真に被災者そして将来の姿が見えてくるものと確信するものです。本計画を策定された責任者である市長の立ち位置も含め、その認識を伺います。  次に、災害危険区域の変更、つまり線引きの変更にかかわって伺います。  市当局は、科学的なデータ、根拠として津波シミュレーションをもとに、浸水深が二メートルを超える地域を災害危険区域として建築制限をかけることとし、中間案では、県道塩釜亘理線の東側全域と、県道の西側であっても若林区六郷の一部である井土地区と種次地区の一部、二木地区の二世帯が災害危険区域に設定されました。それが一カ月足らずで変更され、県道の東側のみという案が示されました。この問題についても他会派の質疑でも取り上げられておりますが、改めて質疑いたします。  変更に至った最大の要因は、国土交通省が担当し整備することになる海岸堤防の整備内容が、七北田川河口南側から井土浦手前の北側まで七・二メートルの高さで整備する計画でしたが、名取川河口の北側まで延長し整備する案に変更されることになったためです。井土浦は蒲生干潟に似ているところで、海岸線と井土浦の間は約百メートルの砂浜で樹木はありません。そして、今回の津波によってその砂浜も削り取られ、干潮時にしか確認できない状態となっています。このようなところに高さ七・二メートルの海岸堤防を築くことは、技術的にも難しいものと考えます。また、このような海岸堤防の建設は、この地域の自然条件を大きく変えることになると予想されます。  本計画では、東部地域の土地利用の中で海辺の交流再生ゾーンの具体的な表現として、「本市の貴重な自然環境である蒲生干潟や井土浦、海岸防災林と一体となった海岸公園などにより、多くの市民が海や自然と再び触れ合うことのできる魅力的な地域です」と表現し、美しい海辺を復元するとしています。貞山運河とその奥に位置する井土浦、そして太平洋の波打ち際が一望でき、この地には多くの水中生物、さらにそれをえさとする多くの鳥類が生息しています。このようなところに高さ七・二メートルの海岸堤防を建設することは、従前の環境を根底から破壊する危険性があります。一般市民が感じる美しい海辺とはどのような姿でしょうか。貞山運河両岸の緑の松林、そして青い水辺、水辺の上を飛び交う鳥たち、そして白砂の先には遠く牡鹿半島や金華山が望める太平洋という眺望が、無機質なコンクリートの壁によって取り囲まれた風景となっても、貴重な自然環境であって、市民が海や自然と触れ合うことのできる場所と言えるのでしょうか。私は大きな疑問を持つものです。ちなみに、蒲生干潟については、その再生を促すため、海岸堤防は干潟の西側に建設される設計となっています。  私たち社民党仙台市議団は、市民の尊い命を守るという立場から、防災のための堤防建設を進めるべきとは考えます。しかし、すばらしい景観を含めた自然環境の保全をも考慮したものにすべきです。今回の変更に当たって、地元町内会長の連名で政府に要望書が提出されていることは認識しています。そして、その要望の席上で、即採用するかのような対応があったと聞きます。仙台市域全体の復興を計画する震災復興本部として、国より整備内容の変更協議などはなかったのでしょうか。また、変更通知に対して、仙台市として自然環境の保全という立場から問題提起は行わなかったのでしょうか、伺います。  改めて社民党仙台市議団として、人命尊重の立場から堤防の建設を是として、その上で自然環境そして景観を守ることのできるよう、計画を変更すべきと考えます。具体的には、貞山運河西側に建設されている新堤防のさらなるかさ上げによって、同様の防災効果をつくるべきと考えます。この提案も含め、仙台市として国に対して再考を求めるべきと考えます。御所見を伺います。  二点目として、県道塩釜亘理線のかさ上げ工事による津波被害効果の実効性について伺います。  私は、第三回定例会震災復興推進特別委員会の質疑において、県道塩釜亘理線がかさ上げされても、井土浦川や幹線用排水路の護岸整備が行われなければ県道塩釜亘理線の上流部西側へ大量の流入が想定され、二メートルを超える浸水被害が出ると指摘し、井土浦川などの護岸かさ上げを求めてきましたが、その際の答弁として、今回の津波シミュレーションでは前提条件として用排水路については織り込んでいるが、護岸による防災効果については明らかでないとしています。今回の災害危険区域の変更を行い危険区域から除外されることになった井土地区や種次地区などの方々へ、しっかりとした検証結果を示すべきと考えます。私が質問をした十月十一日以降、この問題でどのような検討が行われてきたのか、さらに、検討されたとすればどのような数値が出てきたのか伺います。  建築制限を伴う災害危険区域とされ、一カ月足らずで百八十度異なる危険性の少ない地域にと変更された方々に、さらに同様の被害が予想される地域の方々に、しっかりとした説明を行うべきと考えます。御所見を伺います。  災害危険区域の決定を含んだ本計画ですが、中間案からの見直しで約四百世帯が災害危険区域から外れ、残る約二千世帯が防災集団移転事業の対象となり、土地の買い上げや集団移転地の提供が約束されます。加えて、仙台市独自の支援制度の骨格が示されています。その柱は、住宅再建に当たって二重ローンを回避するための方策として、集団移転地の宅地を借地として、その賃料を五百万円または一千万円の範囲で支援するというものです。端的に表現をすれば、土地については三十年ほど無償で貸しますよ、住宅は自前の資金、つまり生活支援金、旧宅地の売却代金や保険金、残る部分は銀行ローンで建てていただき、その後数十年後に土地を購入していただくか、そのまま借用するか選択してくださいという制度であると理解します。国の支援制度である銀行ローンの利子補給なども考慮すれば、大変大きな前進であり、被災者の住宅再建に弾みがつくものと考えます。  しかし、その一方で、移転対象地区外となった方々の中にも、被災地の住宅再建ではなく、より安全なところに建築したいと考える方も多数います。市が行った住宅等の再建に関するアンケートでは、三百九十七人もの方が他の地に移転したいと答えています。第三回定例会の質疑でも明らかなように、災害危険区域とそうでない地域との線引きは根拠が不明確であり、海抜一メートル前後という地域が県道塩釜亘理線の西側にも広く存在をしています。ですから、本当に安心なのだろうかという不安を解消できないことや、さらに子供の心のケアなどから、移転を希望する方が多くいると分析します。  幾ら市当局が胸を張って安全ですよと言っても、現実の津波を経験し、一晩じゅう恐ろしさと寒さに震えて過ごした記憶は消えません。そうした心の不安に対して、物質的な安全を押しつけても納得できないのです。現在の制度では、災害危険区域でなければ旧宅地の買い上げはありません。  今回、仙台市は災害危険区域の集団移転される方に対して独自支援が示されたわけですが、ぜひとも災害危険区域以外の被災者であっても新たな地に住宅を再建したい方、しなければならない方に対しても、同様の支援策を強く求めるものです。現行の法律のもとでは非常に難しい問題ですが、市独自の支援策に準じた支援を講じるよう市長としての決断を求めます。  関連して、さきの集団移転地での宅地借用への実質補てんは長期の借用となることが予想されることから、世帯主の死亡や相続者の転勤などもろもろの問題が想定されます。現時点でどのような検討、問題点への対処が行われようとしているのか伺います。さらに、借地料は宅地評価額の二%程度と想定されますが、土地価格の変動によって借地料も変化し、結果として当初想定の期間前に支援額を超える場合も出てくると考えます。このような問題に対して、毎年借地料の提示や独自支援額の残金明示などを行うことになるのか、現時点でのお考えをお示しください。  国の第三次補正予算の成立によって宅地被害の救済が大きく前進したことは評価するものです。しかし、今回の制度自体に大きな問題を内包しています。  まず伺うのは、設計費を含む総額三百十七億円にも及ぶ工事費ですが、平成二十三年度予算ということからすれば年内に着工することができるのかという問題です。さきの第三回定例会の補正予算において設計費などについて可決され、具体の契約に入っているものと推察いたします。当初より補助事業としての工事着工が想定されていた箇所の設計業務はどの程度進んでいるのか伺います。  第二点は、最大の問題ですが、今回の宅地被害の復旧工事は民有地の工事です。その宅地所有者には一割の工事代金を分担金として求めることになっています。工事を行うに当たって、当事者である宅地所有者からの分担金納入を含めた同意が一〇〇%とれる見込みであるのか伺います。  公共事業として宅地復旧を行う件数は三千戸にも及ぶ大変大きな被害件数であり、中には一割の分担金に対応できない方も出てくることが予想されます。具体的には、年金生活者や、所有者であっても引き続き生活する予定のない方などです。この同意がとれない場合、宅地が連続した擁壁工事等に支障が出るものと考えられます。このような場合はどのように対応するのか伺います。仮に工事を分割発注した場合は、管理経費など諸経費の上昇につながる問題も生じます。  第三点は、さきにも触れたように三千戸を超す被害件数、もちろん数戸が一体で行う箇所も多いとは思いますが、このような工事件数に対して工事業者が対応できる体制にあるのか伺うものです。地元業者を優先して発注していただくことはもちろんですが、発注件数の多さに対応できないとすれば、大手業者を通じて下請で、しかも他県業者が参入することも懸念されます。今回の災害で地元被災者の雇用、そして地元業者への工事発注による経済効果などもうたわれている中で、どのように対処していくお考えなのか伺います。  第四点は、公共事業としての工事発注に加えて本市独自の支援制度も用意され、国基準で救えなかった被災宅地についても復旧工事が可能となりました。本当に大きな決断であったと理解します。しかし、この補助事業が本当に機能するのかという問題があります。既に所有者が復旧したものについては遡及適用するということは評価するものです。その一方で、所有者が一割負担であっても工事に踏み切れない場合も考えられます。また、震災復興ということで詐欺的な悪質業者が入ってくることも想定されます。宅地所有者ばかりでなく、仙台市にとってもむだな支出につながる危険性があると考えます。民民の契約でありますが、適正な契約としっかりとした工事施工が求められると考えます。市として開発審査という業務にかかわってきて、現実に被害が出ている状況を考えたとき、優良業者の紹介や工事契約内容のチェックなどが必要と考えるものですが、御所見を伺います。  仙台市内に建設された応急仮設住宅は千五百戸ほどですが、現在はほぼ一〇〇%の入居率と伺っています。被災から約九カ月、今回の復興計画の決定によって、津波被害だけではなく、全壊、大規模半壊など大きな被害を受けた方々の中には、住宅の建てかえを考えている方がふえていると聞きます。こうした中で、一時的ではありますが住居を必要とする方が出てきています。仙台市内の場合、被災し住居を必要となった約一万世帯のうち八千世帯の方が民間借り上げアパートに入居しており、市内の空きアパートは非常に少ない状況にあると聞きます。その一方で、仮設住宅に入居された方の中には、新たな住居を確保し、プレハブ仮設住宅から転居される方も出ていると聞きます。このような状況を考慮し、本来の制度から外れるかもしれませんが、同じく震災で被害をこうむった方ですので、短期間の入居を可能とし対応すべきと考えます。ぜひとも県、そして国を動かし、被災住民の生活再建の力になることを求めるものです。前向きの答弁を求め、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 70: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの相沢和紀議員の御質問にお答えを申し上げます。  計画策定時の市民の皆様との距離感についてのお尋ねでございました。  今回の未曾有の大震災からの復興には、国による全面的な支援が不可欠でございますけれども、当初八月末とも言われました大型補正の成立が今月にずれ込むなど、被災された方々の実感からすれば極めてスピード感に欠けたものと認識をいたしているところでございます。  本市の復興計画につきましても、責任ある内容としますためには、前提となる国の予算が固まることを待たざるを得なかったところでございました。  本計画の策定に当たりまして、どれほど現場に立ち、被災された方々の御意見を聞いたのかとのお尋ねがございましたけれども、この点につきましては、私自身、発災直後からさまざまな被災の現場に足を運び、被災された方々から直接御意見を伺うよう努めてきたところでございます。また、各部局に対しましても、説明会や意見交換等を行う場合には、土日や平日の夜間など市民の皆様が参加しやすい時間帯において実施するよう、指示をしてきたところでございます。  復興計画には、これまでの本市の計画では類を見ない二千件もの御意見が寄せられるなど、市民の皆様の御意見を極力反映させて計画の策定に当たってきたものと考えてございます。さらに、今後は、具体的な事業の実施に当たりましても、極力現場に足を運びまして生の御意見を伺うなどいたし、市民の皆様のお気持ちに沿った事業として推進してまいりたいと、このように考えております。
     このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 71: ◯震災復興本部長(山田文雄)私からは、災害危険区域の変更に関しての数点の御質問にお答えいたします。  初めに、井土浦の防潮堤に関するお尋ねでございます。  国におきましては、数十年から百数十年に一度の津波に対応する防潮堤として、本市の海岸部一円に七・二メートルの防潮堤を整備することとしているところでございます。  井土浦部分の防潮堤につきましては、早い段階から海岸沿いに防潮堤を整備することを基本に検討されていたものでございますが、復興計画の中間案における津波シミュレーションでは、井土浦の生態系への配慮から、西側の河川堤防を七・二メートルとして試算したものでございます。  しかし、六郷地区の安全・安心の向上に配慮するため、地元から防潮堤の直線化を求める要望が国、県、そして本市に出され、また、国からは防潮堤の直線化の方針が改めて本市に対して伝えられたことを受けまして、直線化でのシミュレーションを行ったものでございます。  一方、本市が専門家に確認いたしましたところ、この井土浦につきましては、従前から防潮堤建設予定箇所には砂州があり海水の流入がなかったことから、防潮堤の建設により生態系に大きな影響が生じるとは考えにくいと、こういった見解が示されたところでございます。そのため、国の計画どおり防潮堤直線化により再計算した結果、県道の西側を危険区域から除外できるものと判断をいたしたところでございます。  国におきましては、防潮堤の整備に当たり、専門家に生態系の保全などの観点からのアドバイスを受けながら事業を推進するものと伺っております。本市におきましても、この点について十分に留意しながら、防潮堤の整備に向けた協議を進めてまいりたいと考えてございます。  次に、井土浦川などの護岸整備と地域への説明に関するお尋ねでございます。  井土浦川など内陸部の河川堤防、または用排水路の護岸による防災効果につきましては、現時点においてシミュレーションの条件設定が技術的に難しいところがあり、検討が進んでいない状況でございます。  今後、大学などとも連携しながらさらに検討を進めますが、基本的に今回お示ししている浸水域、これが広がらないような護岸の高さについて検討してまいりたいと考えております。シミュレーション結果につきましては、地域の方々にもしっかりと説明をしてまいりたいと存じます。  私からは以上でございます。 72: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、プレハブ仮設住宅の有効活用についての御質問にお答えを申し上げます。  応急仮設住宅は、災害発生により自宅が全壊、全焼または流出し、みずからの資力で住宅を確保することができない方々に対し、災害救助法に基づき無償で提供する住宅でございます。  プレハブ仮設住宅に空き住戸が発生した場合の活用につきましては、入居者のコミュニティー形成のための集会スペースとして活用するなどの例が国から示されておりますが、入居資格のない方々の住宅修繕や建てかえのための一時的な利用は、応急仮設住宅の提供趣旨や自力で住宅再建された方々との均衡を踏まえますと難しいものと考えております。  以上でございます。 73: ◯都市整備局長(高橋秀道)私からは、都市整備局に係る数点のお尋ねにお答えをいたします。  まず、災害危険区域外への支援策等についてでございますが、初めに、災害危険区域外の地区で移転を希望する方への支援に関する御質問にお答えをいたします。  災害危険区域外の地区におきましては、さまざまな防災施設の整備によって津波による危険性は低くなりますが、それでも、地域の方からは、安心して暮らすことのできる場所へ移転したいという御希望なども伺っております。  そうしたことから、先ごろ、本市独自の支援方策として、浸水が予測される地域から、より安全な地域に移転する際の住宅再建資金の借入利子に対して、集団移転による場合と同等の額を助成するという制度の考え方をお示ししたところでございます。  なお、さらなる支援につきましては、国の制度による補助が受けられないことに加え、公的な支援に関する制約もありますので、市議会での議論や地域の方々の意見なども踏まえて、慎重に検討してまいりたいと考えております。  次に、独自支援策に関してでございます。  移転先を借地する場合の条件等についてでございますが、集団移転先の土地を市から借地する場合につきましては、長期間にわたり借地料を免除する独自の支援制度を検討しておりますが、支援する際の条件等、制度の詳細についてはこれから整理していくこととなります。今後、御指摘のようなさまざまなケースを想定しながら、移転する方の状況などを踏まえ、独自支援の制度設計を進めてまいりたいと考えております。  次に、宅地被害の復旧工事に関連してでございます。  まず、設計業務の進捗状況についてでございますが、第三回定例会における補正予算の中の設計費については、国の第三次補正が早ければ十月ごろには成立するとの見込みに基づき計上したものでございます。  しかしながら、国の三次補正の成立時期が大幅におくれたことにより、今後、交付金事業計画書の策定、提出など、補助事業に係る所要の手続を行う必要があるため、現在のところ、設計業務等の発注には至っておりません。今後、三次補正成立を受け、補助事業に係る所要の手続を進め、早期事業着手に向け進めてまいりたいと考えております。  次に、宅地の所有者からの同意についてでございますが、公共工事による宅地の復旧に関しましては、再度災害の防止という面のほかに個人資産の保全という側面があることに加え、宅地所有者の管理責任もございますことから、所有者の方に工事費の一部を分担金として負担いただくものでございます。したがいまして、分担金の趣旨を御理解していただけるよう、十分に説明を行ってまいりたいと考えております。  なお、公共工事による宅地復旧に際しましては、分担金の納入も含め工事の施行について、書面による同意確認を予定しており、確認がとれたところから順次工事に着手してまいりたいと考えております。  次に、公共事業に係る分担金の徴収に同意が得られない方々への対応についてでございますが、今回の宅地復旧事業は、再度災害防止の観点から行うものであることや、今後の宅地利用にかかわらず土地の管理責任が宅地所有者にあることなどを説明し、御理解いただけるよう努めてまいります。  また、さまざまな御事情をお持ちの所有者の方もおられると存じますが、低所得者等の方々に対しましては、状況に応じて利用できる貸付制度を紹介するなど、分担金の納入に対し御協力をいただけるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、宅地復旧工事の地元業者への発注についてお答えをいたします。  震災からの復旧・復興に係る事業費をできる限り市域内で循環させ、地域経済を活性化させることが重要であることは、今回の三千戸に上る宅地復旧工事につきましても同様であると考えております。  現在のところ、工事業者は公共施設の復旧工事を初め、さまざまな業務を受注しており、非常に多忙な状況にありますが、瓦れきの撤去業務などは収束に向かっていると聞いております。  事業者を取り巻く状況に関する情報収集を十分に行うとともに、ある程度の地区をまとめて受注しやすい工事規模とするなど、工事発注方法等を工夫し、地元業者による受注に配慮しながら円滑な事業推進を図ってまいりたいと考えております。  最後に、適正な工事施工と契約についてでございます。宅地復旧工事を施工する業者に関しまして、本市として優良業者の選定等は行っておりませんことから、そうしたリスト等の提示は難しいものと考えております。  また、本市として特定の業者を紹介することはできませんが、本市の土木工事に係る入札参加資格者名簿をお示しするなど、参考となる資料の提示をしてまいりたいと考えております。  また、民民の契約について本市が立ち入ることはできませんが、助成金の執行に当たりましては、工事の施工方法や工事費が適正であるかを審査し、その交付額を決定していきたいと考えており、具体的な方法について現在検討しているところでございます。  私からは以上でございます。 74: ◯二十番(相沢和紀)多くの問題点はあるんですけれども、二点についてお伺いしたいと思います。  第一点は、井土浦の問題。当初仙台市も、本部長は、直線で考えたけれども、そのときまだ国から案が示されていなかったのでというふうなことは今伺いましたけれども、地区説明会ではそういった話は一切なかったというふうに私は理解をしております。それはさておいたとしても、今、答弁の中にあった専門家という表現がありましたけれども、これはどちら側の専門家なんでしょうか。工事をする側の専門家なのか、生物等々、自然保護という立場の専門家なのか、ここを明確にしていただきたいというふうに思います。  第二点は、宅地被害にかかわる工事の関係です。設計の予算は、もう既に第三回定例会で可決をしたと。しかし、細かな内容が国の補助制度を含めてないから、まだ設計は発注をしていない。こうなると、これから設計をし、その成果が上がってきて、そしてその地区、地区の住民、所有者の方に説明をして、この地区の工事はこれぐらいかかりますから、おたくの負担金一割はこれぐらいですよという説明をしなければならない。こういう大分時間が経過していく。そうすると、今年度中に実際の工事が始められるのかという問題になります。現時点で、もう既に十二月に入ろうとしている中で設計契約が行われていない。そしてまた、住民の同意もまだ全然手つかずという状況の中で、年内中に一カ所でも工事が始められる、そういった考えにあるのかどうか。もう既に、すべての工事は来年度、平成二十四年度にしかできないんですよというふうな認識なのか伺います。 75: ◯震災復興本部長(山田文雄)先ほど御答弁申し上げました中で、井土浦の環境に関する専門家の専門分野というようなことをお尋ねですけれども、私どもがお伺いしたのは大学の教授でございますけれども、これまで蒲生の干潟あるいは井土浦の環境保全面にかかわってきた教授でございます。 76: ◯都市整備局長(高橋秀道)御指摘のとおり、今現在、設計には着手していないというような状況でございます。そのようなことを考えますと、御指摘の年度内着工ができるのかどうかというようなことでございますけれども、我々としては、できるだけ手続関係の整理がされましたら設計を急ぎ、また、工事発注、住民の方々の同意を得て、できるだけ年度内に着手できるように精いっぱい努力をしてまいりたいというふうに考えてございます。 77: ◯議長(佐藤正昭)次に、柳橋邦彦君に発言を許します。  この際、時間を延長いたします。     〔五十四番 柳橋邦彦登壇〕(拍手) 78: ◯五十四番(柳橋邦彦)ただいまお許しをいただきました、みんなの党・みんなの仙台の柳橋邦彦であります。第百十五号議案に対する質疑をこれから行います。  力作とも言える仙台市震災復興計画は、まず、震災復興本部長のもとで、本年五月、アドバイザーの意見集約や被災者との意見交換を行い、震災復興ビジョンとしてあらあらのたたき台をつくりました。その後、専門家会議を経て取りまとめを行い、その上でパブリックコメントを聴取、さらに庁内の次部長級のワーキンググループによる精査を重ねながら、九月中ほどに中間案として発表され、最終の手直しの後、このたび、この第百十五号議案として成案、本会議に提出されたものであります。  この計画は、震災復興の方向性を示したものでありますが、本来、計画というのは、将来を見通した上でプロジェクトされなくてはならないものですから、したがって、計画五年、実質的にはこの後四年間で完成させるという成果を期待するのであれば、同時に実施計画とのいわば現実的な整合性がもたらされなくてはなりません。  以上の観点を踏まえて、以下質疑を行います。  どんなによくできた計画も、承認され実行されるためには種々の要因をスマートに整理をする、そういった仕掛けが必要となります。わけても財政的な裏づけというのは必須の条件でございます。ようやくにして決定を見た国の三次補正で施される交付金が実際に我々の手元に入る時期は、一体いつになるのでありましょう。また、補正十二兆円のうち二兆円内外と言われる地方への配分のうち、本市分は大枠どのぐらいを予想されているのか、これを伺います。  本計画執行に係る財政試案は総計一兆五百億円を見込まれておりますが、これを全うするに要する財源はどういったものをもくろむのか、その方策もあわせ伺います。  さて、都市は、他都市への影響なしに存在することはあり得ません。したがって、この計画の中にも述べられているように、今回の教訓を生かして、本市の復興を土台としながらも東北復興の力となるように多様なスキームを用意することは、まことに自然であり当然であります。このとき最初に考えるべきは、本市と境を接する隣接都市に対する影響への配慮であります。津波シミュレーションの最終結果を解析しても、宮城県を介在させた他都市、例えば名取市や多賀城市などとの連携の必要性は極めて重要なマターであります。そこで、このグレーター仙台をともに前へ進める方策をどのようにお考えなのか伺います。  百万人の復興プロジェクトに明記されてあるとおり、本市独自の支援制度を創設する計画がさまざまあるようです。今回の復興計画の肝の一つであり、言えば仙台モデルとして東北全域に、あるいはまたオールジャパンにまたがって参考となるであろう仕掛けが隠されていることは、なかなか痛快でありますし、宅地被害への助成など、これらは大きな拍手を送りたいと思うところであります。  私がこの計画書を数回読み込んだ中で透けて見えたものは、このような困難の中にあってさえ、なお依然として変わることのない中央と地方との関係、そして県と市のそれでありました。知恵を出さないやつに力は貸さない、助けはしないと言われたような記憶がどこかにあるんです。しかし、知恵も力も出していないのは一体どっちなんだと。まさに本計画の中で知恵として出された各種独自の支援制度の創設こそ、実は地方分権、地方主権型を目指す第一歩であることの証左であって、私ども会派がこの計画を支持するまずもっての大きな理由であります。  それらに関連して、復興公営住宅について伺います。  復興に資する公営住宅政策は、被災され、行き場を失った幾多の方々にとって朗報であります。まず、この住宅の全体のイメージ、概要につき伺います。整備の手法、進め方、スケジュールを伺います。そしてまた、外観のイメージや緑とのコラボイメージ、そしてどこに、また何カ所予定するのか、そのボリューム、総戸数を伺います。  次は、アーカイブ機能を有するメモリアル施設についてであります。  地震や津波の記録や資料を残すことはぜひ必要でありますが、どこからどういったものを収集し、それをどのように展示、展覧するものか。人々、わけても被災を直接こうむった方々への配慮についてはどう工夫するのか伺います。  阪神大震災の際によく言われました創造的復興から引けば、大規模な集客施設、例えば世界に通用し、世界に向かって開かれたようなシアターホールや音楽堂、あるいは近代美術館など、また、日本のスポーツ界に貢献する大規模な訓練施設などの誘致に手を挙げるとか、この際、考え配慮し得るあらゆるものについて、後世への遺産や夢のあるものとして検討、計画されてはどうか伺います。  次は、農業の六次産業化について伺います。  これから独自独立性が重要な課題となる農業は、TPPに対抗する手段としての大規模化とともに、いわゆる六次産業化に取り組むことは多くの大切な意味を持つことになります。自立したそれぞれが連帯しながら生産し、流通させ、販売することを、国の内外にわたって実行し、ときにブランディングを模索、企て、さらに農工商連携を図ることは、付加価値を高めるための高度化と、そして長寿命化への挑戦となります。  農に限らず漁業、林業にもこのことを広め、総力を挙げてこの被災地から発信することの意義は、まことに大きいものがあります。ですから、そのための切り口をどこにどのように求め、五年間での到達点をどのあたりに求めるのか。例示などもあれば示しながら御回答を願います。  東日本大震災で亡くなられた方々がいらっしゃいます。津波に押し流されながらも、助かった方々もいらっしゃいます。地震によって全壊となったお隣に、全く被害のなかった宅地、建物があります。私たちは、この生死の境を説明することはできません。それゆえに、残されている私たちは、次なる大規模災害に常に備えなくてはならないのであります。そのために、官民協働して互いに助け合う方策をシステムとして至急につくり上げなくてはなりません。  この災害の直後、我々市民は、多数、市立の小中学校など指定避難場所に行きました。しかし、学校に行っても、そこには避難所運営のための準備もノウハウもありません。また、近くには県立の高校や県の施設がいろいろありましたが、その門はかたく閉ざされておりました。助け合いの組織は縦軸にも横軸にも縦横なくてはならず、非常事態のとき、市、県、国の協議は民を置き去りにしていた感がありました。今後、これら官官の協議はどういった成果を求めていくのか伺います。  小学校区であれ中学校区であれ、何がしの地域を定め、その区ごとに単数であれ複数であれ、役割を明確にした地域防災リーダーを育成しておくことは、まことに重要な一点となります。  町内や団地などにはそれぞれ会長のもとに役員、幹部がそろっていたり、十戸内外の班組織がおありになっております。また、学校には、PTA、子供会育成会や種々のスポーツクラブなどが親子ともどもに組織されております。社協や民生委員、各種の老人クラブ、また趣味の会などがたくさんありますし、交通安全指導隊があれば消防団があり、防災の委員さえおるわけであります。そうしたエリア内にある各種各様の組織を一朝事あれば直ちに地域防災組織へ転ずる訓練を日ごろ定期的に行っておく。そうしておいて、地域防災リーダーと言われる人には、責任者として人、物、金、情報を一元化して把握してもらい、中枢として下命の権限と責任を持っていただく。このことが官と民の相互協力によってなされたときに、今回のような不必要な不満は解消されると思います。  さらに、共助の例を申せば、阪神大震災のときに命の助かった六割は近所の方々によって助けられたというデータがあります。そこで、地域防災リーダーを中心とした官と官、官と民、そして民と民相互の協力のあり方について、リーダーには何を期待し、市民のさまざまな組織とどのように連携するか、具体策をお示しください。  また、市立中学校を新設したり増改築をする際に、防災に関するハードの部分と、校長以下児童生徒を含めた防災ソフトをどう検討するのか。せんだって私ども会派が行きました、中越地震によって大きな被害を受けた長岡市の中学校では、ソフト、ハード面にわたって非常によくできておったということでありますから、ぜひお時間をとられて御視察をなさるといいと思いますので、そうしたことを踏まえながら真剣な論議をしていただきたいと思います。これを伺います。  もとより地域の学校は、そこに住む人々の座標軸であって、同時にこれからは、開かれた学校として、単に教える場から多様な現場となるであろうことを思えば、この際、非常時の対応についても大いなる議論が期待されるのではないかと存じます。  原子力発電所事故は対岸のものではありません。本市より五十キロ余り北方には、女川原発が存在いたします。脱原発に向かって段階的に廃炉とするべく唱えることは必要であり、その間にあっても情報のすべては開示されなければなりませんので、原発に対する基本的な姿勢につき伺います。  ホットスポットなど不自然な状態に対しては、直ちにその原因を明らかにすると同時に、対応する仕組みを構築するべきでありますが、伺います。  食品に対してもしかりでありまして、仙台独自の高い基準を持つことは何ら非難されることではありません。伺います。  まずは汚染マップを正確につくり周知させ、子を持つ若い親たちを、仙台は安全で安心できるまちであることを市長みずからが宣言することであります。母は、子供がおなかに来てくれたとわかった次の瞬間から、あらゆる気を使い、一センチにも満たないうちから守り続け、細心の注意を払って飲食に気を配り、育てていくのでありますから、その尊い行為に対して、ベクレルやミリシーベルトという数値が安全かもしれないが、安心を優先させるのだという思料が必要なのではないかと思います。伺います。  そして、今、ここに居並ぶ私たちは、間接的な被害をこうむったにしても、幸い生かされております。このことを僥幸とするならば、犠牲となられた方々や被災された人々に対して、将来を見据え、それぞれにでき得る限りを尽くすのが本分であろうと思考いたします。  この質疑の冒頭でも申し上げましたとおり、計画は実質実行のための道具であり、成果を求め、なし得たものには評価を加えて、さらなる前進を予定することが肝要であります。我が市仙台が未来へ向かって安心なまちであり、安全な策が数々施されている、住みやすく住み続けたい、こういうまちとなるように、本計画を執行されるに当たり、最後に市長の万感の思いを心のままにお述べいただければ幸いであります。  以上、御清聴に感謝申し上げます。ありがとうございました。(拍手) 79: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの柳橋邦彦議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、他都市との連携と本市の未来に向けた計画の推進についてでございます。  今回の大震災では、とりわけ仙台都市圏沿岸部における津波の被害が甚大であり、今後のまちづくりの課題やその方向性に大きな影響を及ぼしているところでございますが、そうした状況を見定めつつ、仙台都市圏の中で適切に連携を図ってまいりますことが重要であると認識しているところでございます。  このため、防災対策の面におきまして、近隣沿岸部の自治体と連携し、津波防御策を講ずることとした一方、北部中核団地における産業集積への動向も視野に入れながら、産業の活性化への取り組みを強化し、圏域全体として、復興と成長を両立させるべく、今後の取り組みを進めてまいる考えでございます。  震災復興計画の推進が本市を含みます仙台圏域の輝く未来につながりますことを、私は確信しているものでございますが、同時に、あれほどの大震災の中で幸運にも生を得ての取り組みでありますことを、今さらながら二たび三たび肝に銘じて、これからの取り組みの糧としたいと考えているところでございます。  「ともに、前へ」。この言葉はあの三月十一日までは私たちとともにあった方々を含めてのものである、こうした思いを大切にいたしまして、計画を進めてまいる所存でございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。 80: ◯危機管理監(曵地泰志)原発事故に関連しての御質問のうち、食品基準以外の御質問にお答えを申し上げます。  まず、原子力発電所に係る情報開示など基本的姿勢についてのお尋ねでございます。  女川原発につきましては、このたびの福島第一原発の事故を踏まえれば、市民の皆様の安全・安心につながる状態が確保されるとともに、十分な情報の開示が必要不可欠であると認識してございます。  脱原発に向けて段階的に廃炉すべく唱えることは必要との御指摘でございますが、この点につきましては、今後、国のエネルギー政策の中で、電力の安定供給あるいは科学的、専門的知見に基づく原子炉の安全性に係る検証など、さまざまな観点から今後の方向性が示されるべきものと考えております。  本市といたしましても、女川を含め原子力施設の安全性の確保等に関する国の動向について、情報提供が十分になされるよう引き続き求めてまいりますとともに、国から示されるさまざまな知見等を踏まえて判断してまいりたいと存じます。  続きまして、ホットスポットへの対応と安心を優先させる取り組みに関する御質問についてでございます。  これまでの測定結果では、本市における空間放射線量は健康への影響はないレベルでございますが、雨水や土砂の集積しやすい側溝等において局所的に高い放射線量が確認される場合もあり、発見の都度、清掃するなどの対応を行っているところでございます。  また、特にお子様の健康への影響を心配される保護者の皆様からの、よりきめ細かな対応への御要望が多いことも踏まえまして、学校や保育施設等の子供の生活環境に配慮した測定の充実など、関係部局とも調整を図りながら、より一層の安心につながるような対応に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 81: ◯震災復興本部長(山田文雄)メモリアル施設に関連しての御質問にお答えいたします。  初めに、アーカイブ機能を有したメモリアル施設についてでございます。現時点では詳細までは検討しておりませんが、震災時の記録や記憶について、映像や写真に限らずさまざまな記録媒体により幅広く収集し、保存すべきものと考えております。  メモリアル施設につきましては、御指摘のように被災された方々への配慮なども必要になりますことから、施設のあり方も含めまして、市民の皆様の合意を得られる手法により検討したいと考えております。  次に、大規模な集客施設整備についてでございますが、これは都市活力の向上や市民の復興意識の向上の面からも望ましいものと認識いたしており、東西線沿線のまちづくりなどと連動させながら、民間活力の導入などの手法もあわせ、検討を進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 82: ◯財政局長(山内晃)復興計画の財源的な裏づけについてお答えいたします。
     まず、復興交付金につきましては、被災自治体の事業計画に基づき、国が全体の配分計画を作成し、交付する仕組みとなってございますが、交付の時期については国から具体に示されておらないところでございます。  本市に対する交付額につきましても、現在対象事業の集約作業を鋭意進めておりますが、個別の事業要件などなお詳細が明らかでない部分もあり、引き続き国との連絡調整を図りながら、最大限活用できるよう取り組んでまいりたいと存じます。  また、復興計画の概算事業費約一兆五百億円の財源につきましては、現段階で内容が明らかになっている制度を踏まえた本市の負担額として約三千二百億円、その内訳として、市債が約二千六百億円、一般財源が約六百億円と見込んでおりますが、復興交付金や復興特別交付税を初めとするさまざまな財源を活用、確保するとともに、国による復興支援の充実強化を引き続き求めるなど、できる限りの本市負担の圧縮に取り組んでまいりたいと考えております。  加えて、本市独自に創設する復興基金の効果的活用や適切な市債の活用などにより、持続可能な財政運営に努めながら、復興計画事業を着実に推進してまいる所存でございます。  以上でございます。 83: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、食品中の放射性物質に関する御質問についてお答えを申し上げます。  現行の食品中の放射性物質の基準は、国が東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、三月に暫定規制値として定めたものでございます。その後、国において、食品の放射性物質による健康影響評価が取りまとめられ、現在、平成二十四年四月の施行に向け、より厳しい規制値とすべく審議が行われておりますことから、今後、国の動向を注視し、適切に対応してまいりたいと存じます。  本市といたしましては、新たに放射性物質の検査機器を導入して、中央卸売市場に流通する食品の検査を行うなど、本市独自の監視強化により、引き続き食品の安全性確保に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 84: ◯経済局長(高橋裕)農業の六次産業化につきましてお答えをいたします。  農業が今後収益性や成長性の高い産業として発展するためには、生産、加工、販売を一体的に行う六次産業化への取り組みが重要であり、力強い農業復興への機運の高まりがある今こそ、加速させる必要があるものと存じます。  その実現に向けましては、マーケティングやブランド化などの視点、企画力を持った人材の育成、企業とのネットワーク化などが重要でございます。今後、本市の農林漁業の資源を広く見据え、消費者ニーズを意識した商品づくり、国内だけでなく海外も視野に入れたブランド化の推進、ノウハウを持つ企業とのマッチングなど、多様な実効性のある取り組みを支援し、計画期間内に一定の成果が得られるよう、本市農業、農村の活性化に力を注いでまいりたいと考えております。  以上でございます。 85: ◯都市整備局長(高橋秀道)復興公営住宅に係る数点の御質問にお答えいたします。  まず、概要についてでございますが、復興公営住宅は、災害により住宅を失った方が低廉な家賃で入居できる公営住宅であり、国の補助を受けて県や市町村が整備するものでございます。一般の市営住宅では、入居資格として一定の収入以下であることが要件となっておりますが、復興公営住宅では、一定期間、住宅の滅失のみが要件となっているところでございます。  次に、復興公営住宅の整備手法につきましては、建設、買い取り、借り上げの三つがございますが、本市としましては、被災地との位置関係を考慮しながら、できる限り交通条件や生活環境がすぐれた場所を選定し、本市が直接建設するとともに、既存の住宅や民間事業者が建設した住宅を買い取る手法により、整備を進めてまいりたいと考えております。  整備の進め方とスケジュールにつきましては、当面の供給目標量を二千戸とし、東部浸水地域の被災者の意向調査等を踏まえまして、本年度中に供給目標量を取りまとめてまいります。  まず、第一段階としまして、平成二十五年度までの供給を目指し、田子西地区の百八十戸など、五地区、約六百戸について、建物の設計に着手するなど整備を進めているところでございます。  次に、第二段階としまして、平成二十六年度までの供給を目指し、荒井東地区の二期分百戸、鶴ケ谷第二市営住宅三十戸を整備するほか、卸町駅周辺地区の約百二十戸など、三地区、約四百戸につきまして、建設用地の確保に向けて土地所有者と協議を開始した段階であり、合意が得られ次第、来年度には設計に着手する予定でございます。  残りの戸数につきましても、できる限り空白地域が生じないよう整備候補地の検討を行っているところであり、早期に整備に着手してまいりたいと考えております。  次に、復興公営住宅の建物外観などのイメージでございますが、これまで本市が建設してきた市営住宅につきましては、地域の景観に調和した建物のデザインや緑化等に努めてきたところでございます。例えば、現在事業中の鶴ケ谷第一市営住宅におきましては、住棟の高さや位置に変化を持たせた配置としているほか、自然豊かな地域特性を踏まえた緑のネットワークを形成するなどの取り組みを行っております。復興公営住宅につきましても、地域の特性を踏まえたデザインとなりますよう、整備を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 86: ◯消防局長(高橋文雄)国、県、市の協議と地域防災リーダーに関する御質問にお答えいたします。  まず、国、県、市の協議の実効性の確保についてのお尋ねについてでございます。  現在、国において、防災対策の根幹をなす防災基本計画の修正作業が行われており、こうした修正内容や今回の東日本大震災の被害、教訓も踏まえつつ、本市の防災対策の再構築を行う必要があるものと考えております。  こうした中、今回の震災において、十分に対応ができなかった避難所の運営や、不十分な部分を補った市民の支え合いの経験などを国や県に伝え、今後につなげていくことが本市に求められる役割であると認識しておりますが、とりわけ、非常時において国、県、市が被災した市民の生活や心情に十分に配慮した役割を発揮することができるような仕組みづくりが可能となるよう、今後さまざまな機会をとらえ努めてまいりたいと存じます。  次に、地域防災リーダーについてでございます。  地域防災リーダーには、自主防災組織の責任者である町内会長の防災面での補佐役として、平常時には地域の自主防災計画づくりや防災訓練の企画、立案を手がけ、災害発生時には初期消火や救出、救護、避難誘導などの応急活動を率先する役割を担っていただくことを期待しておりますが、特に、平時からも地域の自主防災活動で力が発揮できるよう、活動発表会やフォーラムの開催、さらにはリーダー間のネットワークづくりなどにより、地域防災リーダーを支援してまいりたいと考えております。  また、このたびの震災では、避難所運営や応急対策などで地域の団体がそれぞれ連携することの重要性が浮き彫りとなりましたことから、こうした地域防災リーダーの養成に加えまして、災害時の活動、連携が行えるよう、自主防災組織や消防団、事業所などの地域の団体が防災訓練などを通して連携が推進されるよう努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 87: ◯教育長(青沼一民)私からは、市立学校の防災機能についてお答えいたします。  今回の震災を踏まえまして、文部科学省におきましても学校施設の整備方針の改正や東日本大震災の被害を踏まえた学校施設の整備に関する検討会からの緊急提言がなされるなど、学校の防災機能の強化が今後の課題となっております。  教育委員会といたしましても、地域防災拠点としての学校の役割は非常に大きいと認識しており、今回の震災を踏まえた全市的な課題として、防災担当部局と協議しながら学校の防災機能のあり方について検討し、災害時の多様なニーズにこたえるとともに、日ごろより児童生徒の防災意識の向上が図られるよう、ソフト面を含めた取り組みの強化に努めてまいりたいというふうに考えております。  これらに加えまして、新築、改築等におきましても、校舎と体育館を有機的に結ぶなど、建物の配置や設備面に工夫を重ねてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 88: ◯議長(佐藤正昭)これにて質疑を終結いたします。  お諮りいたします。ただいま議題となっております第百十五号議案については、お手元に配付いたしました議案付託表のとおり、震災復興推進特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 89: ◯議長(佐藤正昭)御異議なしと認めます。よって、第百十五号議案については、議案付託表のとおり震災復興推進特別委員会に付託することに決しました。          ────────○──────── 90: ◯議長(佐藤正昭)以上で、本日の日程は、すべて終了いたしました。  なお、本会議は、委員会の報告を待って再開の予定であります。  本日は、これをもって散会いたします。     午後五時三十一分散会...