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  1. 仙台市議会 2011-06-23
    平成23年第2回定例会(第6日目) 本文 2011-06-23


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(野田譲)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第六号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(野田譲)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、鈴木勇治君及び西澤啓文君を指名します。          ────────○────────     諸般の報告 3: ◯議長(野田譲)この際、報告いたします。会議規則第二条の規定により、佐竹久美子君から本日の会議に欠席の届け出がありました。          ────────○────────     日程第二 一般質問 4: ◯議長(野田譲)日程第二 一般質問を行います。  順次発言を許します。  まず、岡征男君に発言を許します。     〔五十一番 岡征男登壇〕(拍手) 5: ◯五十一番(岡征男)日本は、生誕のころから神話が生まれ、語り継がれてきました。侵してはならないもの、悟りを通してのさまざまな歴史の重さがその中に秘められて、社会に一定以上の影響を及ぼしてきたのです。安全神話、不敗神話がいかにもろくて無力であったかは、承知のとおりであります。  宣言が出たら、ちょっと待ったと声を上げる勇気と、嫌われても何重にチェックする冷静な能力が必要とされます。各所で、知見のない乱暴さが、さもリーダーシップがあるかのような錯覚がまかり通っていることは、世紀を間違っているとしか思えません。  村井知事の突出した強い言動には、逃げ道を国と設定、広言し、計算し尽くされた教科参考書になっています。目立つのは、強者の論理による地域を理解しない手法です。象徴的な言葉を発しています。復興計画策定の大前提は、主役は住民と企業だということ、国、県、市、町は側面から支援と、臆面もなく言い放っています。危ういし、賛同はもちろんできません。もろもろの事情をかんがみると、仙台市はできるだけ県の枠組みに入らないことが、復興への良質な早道になると断言しておきます。市長の見解を求めたいと思います。  水産業特区構想に、もろ、その考えが出ています。恐らく大手企業との漁業権を担保に相互打診があり、幻の交渉テーブルに着いているのではと見る向きもあります。妥協の兆しも出てきている中、あの高飛車な物言いは、対立が先鋭化する可能性があります。何なんでしょうか。そして、何でも最終判断、ジャッジは国だと開き直って、責任逃れの丸投げ姿勢は、やりようによっては、やりがいのある特区構想まで失っていく心配が出てきかねません。杞憂で終わればいいと思っています。
     農業地、漁業地の人々は、土地に根づき、かかわりが深く、歴史や自然環境を継承して、これからの復興へとつなげていくことになります。職住近接の考えは、こういうところから来ていると思います。知事の考えは、当初から見えていた日本の超シンクタンクにすべてゆだねた結果の受け売りと言われ、現場の考えは考慮されない体質的なものだと思わざるを得ません。三陸、いや東北の海や山を冒涜し、その歴史を否定することになります。わからないんですねと、私は慨嘆をしています。  四月十五日、県庁で初めて被災首長との意見を聞く会が開催され、厳しい指摘が相次いだと聞いています。市長は、この席で何を聞き、何を思ったか、改めて伺っておきたいと思います。  対話と協働を前面に出し、復興の中心に据えている奥山市長は、派手さではなく、一見地味のようではありますが、着実に実を取る戦略性を駆使して臨んでいると理解しています。東北市長会における評価も、じわりと高まっていると聞き及んでおります。  一方、村井知事は、当事者である人たちとの話し合いは、実質的には最少、至るところでさいざん譲れない発言を繰り返し、あえて時期などを引っ張り、持論の撤回はせず、少しの譲歩をちらつかせ、協議はこれからというしたたかな思惑が感ぜられます。  被災首長との会も、またしかりであります。マスコミが取り上げ、もてはやす村井流ではなく、事前に雑音的なものを入れず、周到に計算された損得に力点を置いた村井流でありましょう。奥山市長とは、明らかに手法の違いを見る思いがします。私の指摘する地方自治のリーダーの違いに、市長はどういう感想をお持ちでしょうか、お伺いします。  いずれ三年後あたりに、結果、優劣が判然とするでしょう。まちを再びよりよくつくるには、都市としての未来性が大事なのは言うまでもないことですが、震災の歴史をひもとき、事例を検証し、参考にすることも必要です。  関東大震災の復興の指揮をとった後藤新平は、総じて評価は高いが、買収費用がかからない共有地の森を削り、堀を埋めるなどにより都市計画を進め、都市として圧倒的に緑が少ない街にしてしまったことや、私有財産権を無視するなどの独裁的な手法と、地方自治のリーダーであったにもかかわらず、都市問題解決の中核となる地域コミュニティーの結束を破壊してしまった点が、問題として指摘されています。  漂流する政府、独断勝手流の県政を横目に、市長はバランスのとれた自治のプロですので、あきらめることのない、粘り強い自治体運営に心がけていただくことを望みますが、心根をお聞かせください。  次に、市税収入の件についてです。  大震災によって多くの市民や市内事業所が被災したところであり、減収などで市税収入は大きく落ち込むのではないかと予測されます。現状認識を正しくし、いかに地域経済を刺激、立て直していくか、政治、行政に課せられた緊急宿題だと思います。  把握の必要性から、簡単にお尋ねします。平成二十三年度の市税収入の当初予算計上額は一千七百十四億円ですが、粗い試算で結構ですので、現時点における主な減収要因と、今年度の市税収入の見込みについてお示しください。  復興の第一歩と言われる瓦れきの撤去、処理については、最優先課題と位置づけし、復興の成否がかかっています。農地内瓦れきの撤去は、七月一日より着手する旨の答弁があり、本市の対策は順調に推移していることを示す一つとして理解をしております。その最大のポイントは、廃棄物処理の実務上の経験、知見が豊富で、三月十七日、搬入場整備の検討を始めるなどの初動が早かったこと、そして何よりも県の委託事務に入らず、自己完結的な手法を選択したことが大きいし、ターニングポイントになったと思います。  発災後の極めて混乱した状況のもと、どこにも教科書、手本が存在しない中、みんなが国や県の方ばかりを向いていたときに、本市ですべてをやり切ってみせると市長が決断したことは、仙台が相応の都市規模、行政能力を有していたことを考え合わせても、評価をされるべきだと思います。一年以内に瓦れき撤去を完了、三年以内に全量処理を目指していますが、これは、復旧・復興を力強く進める上で最も大事な点であり、市の公約と言えるものです。まずもって、これまでの経過にかかわる所見を含め、市長の覚悟のほどを伺います。  さて、瓦れき、三年で完結のあかしとなるべく、具体的なことを一つ一つ尋ねていきます。  搬入時の瓦れき類は、先日の答弁によれば十七万トンとのこと、当局は総量を百三万トンと推計しており、これに比せば、搬入済みは一七%程度に過ぎず、数字だけを見れば、作業は順調に推移という当局の認識は甘いのではとの見方もあります。  一方、本市では、震災廃棄物処理の仕組み全体ができ上がった上での一七%と考えれば、作業は順調にも見えるのであります。この際どう解釈すべきなのか、また、その論拠もはっきり示してください。  宮城県も、完全撤去は三年と公言していますが、それはほとんど絶望的と思います。だから、国の直轄事業化を再三口にし、成否は得意となった国の最終判断によると転嫁をしているのであります。  世間では、マスコミの報道ぶりもあって、瓦れき処理は進んでいないということが共通の認識となっており、実際に、県内の自治体では一向に処理は進んでいないようです。何ゆえ本市では順調なのか。少しの理解はしていますが、納得のいくように細部までの説明を求めます。あわせて、すべてを自前で処理するとの方針をとったメリットをお聞かせください。  打ち砕かれた津波防御に、国交省の復興方針は、これまでの一線防御から多重防御を重視するまちづくりを進めるとしています。これを受けて、本市の復興ビジョン東部沿岸部のイメージ図にも、はっきりと描かれています。まちづくりの面からは是です。津波には、多重防御と組み合わせ、人命に焦点を当てた逃れ方の習得です。土地利用規制避難場所の特定、耐えられる強度の避難ビル、避難路の周知と整備の義務づけ、そして最も大事なのは発生の知らせです。地域に網羅した完全な津波サイレンがけたたましく鳴る。即避難。職住近接の環境で育ち、津波の特性を熟知し、津波を体験した者としての、シンプルだけど命だけは救うという、私なりの一番の思いを提言させていただきました。  新防災計画策定までに、研究課題、検討課題として取り上げ、実質的策定に盛り込まれるよう願っています。前提はたった一つ、徹底した正しい周知、訓練です。いかがでしょうか。  奥山市長は、マグニチュード九、震度七に匹敵する揺れに襲われても、つぶれなかった百万都市は世界にそうないと自負を持って発信しています。被害は広範囲に、多岐にわたっているのを認識し、大都市としての備えにいまだ万全でないのも認めながら、手ごたえを感じている様子がうかがえます。その面に関しては、私も全く同感であります。  新次元の防災都市を目指すという表現の、具体的イメージが少し見えてきました。東北、仙台に備蓄機能、エネルギー備蓄機能を内陸部の交通結節点に、さらに、救援物資の物流基地の整備にも市長は言及しています。極めて意欲的で的を射ていると思いますが、わかりにくいのが難点です。言葉を絵としてとか、言葉で絵図をかくがごとしとか、あらゆる工夫をして説明能力を発揮していただきたい。市長のみならず、市民の一線に立つ職員の自覚をも求めるものであります。  今回の大震災における対応を通じて私なりに考えますとき、組織として発揮する力やスピードを大きく左右するのは、職員や組織をいかにマネジメントできるかという中間管理職の能力にかかっているのではないでしょうか。災害復興は、これから長い道のりになります。火事場のばか力は役に立ちません。これをなし遂げるためにも、管理監督者層マネジメント能力の著しい向上が絶対条件であります。今後いかに職員の意識を変え、非常時対策を身につけさせていくのか、取り組みをお伺いいたします。  一方、本市の津波対策は完敗でした。宮城県沖地震の発生確率が、政府の地震調査研究推進本部が計算、公表し始めたのが、評価時点二〇〇一年一月一日で、数値は十年以内二六%、二十年以内八〇%、三十年以内九〇%台。その後、徐々に発生確率は高まり、地域住民の不安も比例して大きくなってきました。一気にピークに達したのが、二〇〇七年、平成十九年一月公表の発生確率十年以内六〇%、二十年以内九〇%、そして三十年以内九九%が発表されてからで、六郷、七郷地区では、地域で具体的行動が次々にここから起こってまいりました。その初めが、平成十九年の当時の市長出席での連合町内会主催によるタウンミーティング津波襲来に備える─私たちの街の自主防災」であったことは、その後の行動も含め、既に御承知のとおりであります。私は、不作為による結果の問題として、これをとらえています。中期的な経緯を踏まえ、市長は心のひだに抱えるものを語るときかなと思います。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 6: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの岡征男議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、震災復興に当たりましての基本的なスタンスについてのお尋ねでございます。  このたびの大震災では、甚大な被害が広域的に発生し、県や各市町村においては、それぞれの役割分担の中で、復旧と復興に向け、精力的に取り組みを進めているところでございます。  四月十五日の宮城県市町村長会議では、出席した各基礎自治体の首長が、それぞれに厳しい現状を訴えられましたが、そこには、日々、住民の皆様の苦難を目の当たりにしている首長として、一日も早く対策を進めたいという切迫した思いがひしひしと感じられたところでございます。  震災からの三カ月間、復旧と復興に向けた行政運営に取り組みます中で、私自身は、さまざまな分野がございますけれども、すべてについて三つのステップを丁寧に踏んでいくことが肝要ではないかと考えたものでございまして、具体的には、まず第一として、きめ細かな調査、そして聞き取りなどによる実態の把握、続いて、こうした現実を見据えた上での計画案の策定、そして、三段階目として、実施に向けた住民の皆様との丁寧な合意の形成、こうした段階をきちんと踏んでいくことが、この難しい課題に対しての一歩一歩の着実な前進を導いてくるものと考えているところでございます。  復興計画の策定に当たりましても、住民の方々との意見の交換を行い、思いを共有いたしながら、こうしたステップを踏みつつ、復旧・復興に向けての本市の枠組みづくりを進めてまいりたいと考えているところでございます。  このような方式は、あるいは一見回り道のようにも思われる場合もあるかと存じますけれども、仙台の百年の計を考えましたときには、確かな道のりであると確信をいたしているところでございます。  今後、仙台がただ単に震災以前の姿に復するのではなく、新しい次元の都市へと発展することを目指しまして、市長としてしっかりとその職責を果たしてまいる所存でございます。  次に、瓦れきの処理に関するお尋ねでございます。  今般の震災では、市内各所において膨大な瓦れきが発生をいたしました。とりわけ津波によって甚大な被害を生じました東部沿岸地区の惨状は目を覆うばかりでございまして、発災直後、現地に赴きました際には、かつてそこにあったさまざまな豊かな営みと失われたものの大きさを思い、また、見渡す限りに続く瓦れきの山を目の当たりにいたしまして、文字どおり、言うべき言葉が見つからないと思ったところでございます。  こうした圧倒的とも言える現実を前にいたしまして、ともかくも前に向かって歩みを始めることがすべてであると思いを定めまして、これら瓦れきを早期に処理できるよう、必要な体制を事務局ともどもつくり上げてきたところでございます。  発災直後には、先行市の神戸市、また、さまざまな都市の知見をいただきながらも、瓦れきの撤去から処理に至る一連の仕組みを検討、整理をし、経済的な復興の一助となるよう、地元企業の方々にできるだけ御参画いただきながら対応を進めることといたしました。  瓦れきの大半が津波によるという、前例のない中での取り組みではございましたが、地元の業界団体を初めとして多くの皆様の御協力を得て、目下作業は順調に進んでいると把握をしてございます。  本市といたしましては、発災から一年以内に瓦れきを撤去し、三年以内にはすべての処理を完了させることを目標としております。本市の復興への長い道のりにおきまして、瓦れきの処理はいわば第一関門と言うべきものでありまして、これを早期に乗り越えることが肝要と考えてございます。三年以内のお約束は当然のこととしまして、一日でも早く処理が完了いたしますよう、引き続き全力を挙げてまいりたいと考えてございます。  続きまして、津波対策に関連してのお尋ねでございます。  大震災が発生をいたしました三月十一日でございますが、それまでの私どもが承知をしておりました被害の想定を超えた大きな津波が本市の沿岸部を襲い、六郷地区、七郷地区におきまして多くの尊い命が失われたところでございます。  これらの地区では、周囲に避難に適する高台などがなく、万が一の津波襲来の事態に備えた御要望をそれぞれ地域からいただいていたところでございましたけれども、結果としてそれらを実現するには至らない中でのこの惨事でございまして、市長としてまことに無念の一語に尽きるところでございます。  地域の安全を願う住民の皆様のお気持ちにしっかりとおこたえしていくことが、市長としての私の務めでございまして、住民の皆様の生命を何よりも大切にしていくという考えのもと、このたびの震災復興ビジョンに具体の方向性をお示ししたところでございまして、今後の津波対策にも全力を傾けてまいる決意でございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 7: ◯総務企画局長(藤本章)管理監督者層マネジメント力向上等についての御質問にお答えをいたします。  三月十一日の大震災を境にいたしまして、本市を取り巻く環境は大きく変化し、これに対処すべき私ども職員には、これまでの仕事のやり方から意識を変革し、職員として何ができるか、何をすべきかをみずからに問いただし、実践することが求められております。  大震災からの復旧・復興を、スピード感を持ち、変化を先取りして、いかになし遂げていくかが問われており、そのためには、管理監督者マネジメント能力の一層の向上を図ることは極めて重要であると認識してございます。  こうしたことから、今年度より、管理監督者を対象といたしまして、目標の実現に向かって職員の能力を引き出し組織をまとめ上げる力、また、業務を効率的に進めるために的確に業務を分析する力といった、マネジメント能力を高める取り組みを充実させてまいります。  さらには、十年先、二十年先を見据え、若手中堅職員を対象とし、困難に立ち向かい、広い視野から新たな発想で課題に対応できる人材の育成にも重点を置いて取り組んでまいります。  今後、これまでにない厳しい行財政環境が予想される中で、本市の復興に向けた新たな将来展望のもとで取り組みを加速させていくに当たりましては、いわゆる平時でないという状況下にありまして、こうした職員の意識改革取り組みを積み重ね、緊急時にも的確に対応できる体制の充実強化に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 8: ◯財政局長(山内晃)今年度の市税収入の見込みについての御質問にお答えします。  いまだにり災証明の申請が週一万件以上なされるなど、震災に伴う被災の全体像を掌握し切れていない状況にございまして、現時点における仮定条件による推計となりますが、国の法改正による津波被害地域への課税免除、罹災程度に応じた減免措置や雑損控除、そして損失発生による企業収益の悪化などの要因によりまして、今年度当初予算額千七百十四億円に対し、一割程度の百七十億円、もしくはそれ以上の減収となるのではないかと試算しているところでございます。  以上でございます。 9: ◯環境局長(萱場道夫)瓦れき撤去の進捗状況などにかかわります一連の御質問にお答え申し上げます。  まず、本市の瓦れき処理が順調に進んでいる理由等でございますが、大量の瓦れきを処理いたします場合、一般的には、発生箇所の近くに設置いたします一次仮置き場に一たん集積をいたしまして、その後、分別、保管機能と焼却施設等を有した二次仮置き場に再運搬をいたしまして、改めて分別を行い処理することになります。  当市の場合、この一次仮置き場を設置いたしませんで、二次仮置き場となります搬入場を津波被災エリア内に三カ所早期に整備したところでございまして、震災廃棄物全体の一七%がこの搬入場に運び込まれ、既に必要な分別が済んでいるということでございます。  搬入場に設置する仮設焼却炉につきましても、この十月には焼却処理に着手できる見通しとなっておりまして、また、分別後の資源物に関しましても、順次リサイクルルートが確保されてきているところでございます。  次に、いわゆる自前処理のメリットということでございますが、本市では、実際に廃棄物処理を行っていることに加えまして、大規模災害時における廃棄物の処理計画をあらかじめ持っていたこと、また、膨大な瓦れき撤去作業を担える民間事業者が市内に多数存在し、その全面的な協力が得られたことなどであり、自己完結的な対応が可能となったところでございます。  瓦れき処理の現場では、時々刻々状況が変化いたしますので、これに的確に対応してまいりますためには、国が示されております大枠の方針を踏まえつつも、状況把握から意思決定、そして、それに基づきました現場におけるオペレーションまで、自前で行うという今回の仕組みが極めて有効に機能したものと考えております。  以上でございます。 10: ◯消防局長(高橋文雄)津波からの避難に関するお尋ねにお答えいたします。  本市におきましては、津波襲来のいざというときに確実な避難が行われるよう、さまざまな取り組みを進めてきたところでございますが、このたびの大津波においては、こうしたこれまでの取り組みが結果として不十分なものでございました。  今後、今回の大津波の経験を教訓として、地域の方々が迅速かつ確実に避難することができるよう、津波情報伝達システムの再整備や津波避難場所の見直し、津波に関する正しい知識の普及啓発などに取り組んでまいりますが、特に津波避難広報などによる津波避難訓練に力を入れ、人命の安全に主眼を置いた実効性のある津波対策を展開してまいりたいと考えております。  以上でございます。 11: ◯五十一番(岡征男)二点ぐらいですかね、再質問をさせていただきます。  まず、職員の意識改革、私はあえて非常時対応という言葉を使いました。平時と非常時では違う。非常時の対応をしっかりとという意味でありますけれども、今総務企画局長の話を聞いていますと、私は藤井市政時代を思い起こしておりました。あのときは、ずっと何年も職員の意識改革というのを一つの大きな目標というのでしょうか、それを掲げまして、何年も何年もこれに検討をし実施をしてきた。しかし、結果はどうだったでしょうか。相変わらず、その後も今も、議会からも市民からもいろいろなところから、いわゆるなれ合いではないのかと。敏速な対応がなされていないと。それは、敏速な対応がなされないというのは、いわゆる非常時対応が身についていないということなんです。生半可なことでは、先ほどの答弁では、私はまた同じことの繰り返しと。よほどの、本当によほどの決意を持って意識改革をしないとですね。  もう一つ、これに関しては、私はあえて言葉を使ったのですが、身につけさせていくのかと。どういうふうに身につけさせていくのかという、そういう表現をいたしました。まるで中学生が小学生に言うみたいに、身につけさせてという言葉を使ったのですが、そのぐらいなかなか難しいことでありますので、普通のやり方ではどうしようもないと私は思っているのですけれども、ただ、可能性があるのは、強権的ですけれども、やはり当局は、市長は人事権を持っていますから、この発動で、よほどのことを三年続ければ意識改革はできるかなと。これは私の個人的な思いでありますけれども、そのぐらい難しいので、あえて再度答弁を求めたいと思います。  それから、消防局長の答弁ですけれども、私が言った逃れ方という、このことには全く合わない答弁だと私は思っているんですけれどもね。今言っても余り実りが薄いものですから、次の機会までお互いによく検討をし、そしてまた議論もしながら、新防災計画ができ上がるまでにできたらいいなというふうに思っています。  ただ、消防局だけではできませんよ。消防局は本当に優秀で、一生懸命やって大変なんですけれども、この津波に関しては、私は特別委員会で言いましたけれども、もう防災安全課がここまでは来ない、津波は来ませんということを公言をしていたんです。それはおわかりでしょう。市民の前でですね。そんなことはないと私でさえもそう思っていたのですけれども、専門家は違うのかなというふうに実は大変不思議に思っていましたので、消防局のみならず、せっかく危機管理監というポストもつくってありますから。余り何しているかわかりませんけれども、ぜひ消防局とともに検討をしていただきたいと、このように思いますので、再度答弁をいただければと、こう思います。よろしくお願いします。 12: ◯市長(奥山恵美子)二点のお尋ねでございました。  まず、職員の意識改革ということでございます。  これは、まことに仙台市の職員にとっては難しいことで、およそ成功するとの見込みはかなり乏しいという大変厳しい御指摘でございます。私自身も、仙台市の職員として三十年以上勤めました身といたしましては、大変みずからのことを叱咤激励いただいているようで大変切実に感じている次第でございます。  非常時における対応ということになりますと、これは、ある意味では机上の水練として、泳ぐことを畳の上で本をもって学ぶような、どこかそうしたところが職員のこれまでの研修の中にはあったかと思うのですけれども、まさに現実の水に飛び込むというようなことで今回対応した結果、大変厳しい御指摘をいただいている状況でございます。そういう意味では、今回のこの経験で、私どもの職員の中に足りなかったことが明らかになってきたということが、一つの大きなある意味ではチャンスであり、ここをきっちり高めていくことが何よりも大切であろうというふうに思います。  一般的に、行政の職員、そしてまた私自身も、ある意味ではみずからの過去の行動に対して非はなかったという理由をお述べすることが多いわけでございますが、今回の中で非は多々あったのでございまして、それらをしっかりとみずからの課題として踏まえることによって、初めて非常時への覚悟のその一端が始まるのかというふうに思いますので、先般来たくさん御議論いただいております避難所の運営のあり方などを一つの課題として、一万仙台市職員だれもが、たった一人その場に置かれても行動できるような職員になることを目指しまして、一生懸命研さんを積んでまいりたいというふうに考えます。  それから、二点目といたしまして、津波の避難ということでございます。  私どものこれまでの想定、特に地元の住民の皆様にお示ししてきました各種の資料等におきまして、津波はおおむねこの程度の規模であろうと、津波が押し寄せてくるのはここまでであろうという想定が、今回完全に打ち破られましたことはお話のとおりでございます。そういう意味では、私どもも、冒頭お話にございましたある意味での安全神話的なものに、みずからの思考をとらわれていたのではないかということも、十分反省として踏まえなければいけないということでございますので、科学的知見をきちんと踏まえることが一方にある中で、もう一方では、やはり歴史的な経緯であるとか私どもが承知できない自然の脅威であるとか、そういったものにも謙虚になりつつ、今後の住民の方の安全を守るというために、再度枠組みを外してしっかりと根本から考え対応を深めてまいりたいと、そのように考えるものでございます。 13: ◯五十一番(岡征男)今の二点のお話は、それはそれで、特に一点目は、大変そのようにぜひしてほしいと思っております。  逃れ方ですけれども、私、実例を時間がありませんので言いませんでしたが、幾つもあるんです。私のふるさとは女川町で、結構亡くなりましたけれども、逃れ方を熟知していた人は多くは助かった。それはどういうことかといいますと、いわゆる海岸線に近い人たちは、すぐ、サイレン即避難という、そういった本当に何十年あるいは百年にわたる毎年の訓練が身につきまして、多くは助かった。私のうちの者もそうですし、同級生等も海岸線は全部助かりました。しかし、そうでない奥の方の人は大量に亡くなった。それは、市長も言うように甘く見ていたのと、逃れ方を真剣に考えていないのです。この道を通ってここにという、これをちゃんと習得していれば、千人亡くなるところが、私は数百人は絶対に生きることができたというふうに思っています。  そういった意味で、仙台市の今回の対応を私は不作為の結果によるという言葉を使っているわけであります。そこを作為的にちゃんとすれば多くは助かった。いろいろな習性がありますから、これを何度も何度もいわゆる逃れ方を習得していただく。戻った人は、ほとんどこれまただめであります。自分のことを言って失礼で済みませんが、私のうちの裏の写真屋の御夫婦は、一緒に逃げたんだそうですが、忘れ物で二人とも戻りました。御夫婦が。だめであります。これは、津波の習性を習得していれば必ず防げたことであります。そういった逃れ方を、単なる消防のいわゆる安全地域、区域云々ではない、古来伝わっているこういった逃れ方をぜひ研究して、一つの方策として取り上げてほしいなというふうに思っていますので、これは質問というより要望でありますので、よろしくひとつ御検討をいただきたいと思います。 14: ◯議長(野田譲)次に、村上一彦君に発言を許します。     〔十六番 村上一彦登壇〕(拍手) 15: ◯十六番(村上一彦)民主クラブ仙台の村上一彦です。議長のお許しをいただきましたので、順次一般質問をさせていただきます。  我々市議会は、被災に遭った市民の多岐にわたる、そして多様なニーズに対応し、ミスマッチのない復旧・復興に向け、本市執行部と力を合わせ、全力を挙げていく強い決意を改めて申し述べさせていただきます。  まず、震災前に戻さなければならない場所は、時間をかけずに直していく復旧のスピードが求められます。学校施設等は、可能な限り素早く復旧しなければならないことは論をまたないところですが、そのほかの公共施設、歩道、道路等は、公平に同時に復旧することは不可能です。もとに戻すのか、また違った復興にするのか、また、どこから復旧させていくべきなのか、論理立てた優先順位を明確にしなければならないと考えます。  私は、それを震災復興本部が調整し進んでいくものと思っておりました。しかし、五月十六日の東日本大震災対策特別委員会分科会において、優先順位を決める権限が震災復興本部にあることを確認したところ、震災復興本部長の答弁は、その権限が与えられているとは承知しておりませんというものでした。  復旧にスピード感を加えるには、優先順位を決め、集中した復旧が不可欠です。いまだに主要幹線道路がでこぼこの状態になっている場所が数多くあり、しっかりとした優先順位があるとは感じられません。復旧箇所を各区役所、各部署に任せたままになっており、何となくぼうっと進んでいく責任の所在が不透明な現状を変え、優先順位を決める責任は私にありますという気概のある体制が求められます。これはトップの判断しかないと考えます。市長の御所見を伺います。  また、災害救助法は、都道府県を軸に動くことをコンセプトとした法律と考えられます。したがって、例えば仮設住宅建設に関しては、県が主体的な役割を担うため、宮城県知事が仮設住宅建設に関し、力のある自治体が突出してしまうのは公平性に欠けるというような発言もあり、本市はあくまでも県の指示待ちのような状態が続きました。本市が県に気を使っていたのか、独自に進む気がなかったのかわかりませんが、本市は政令市として被災市民のためにもっと主体性を持って取り組むべきことが多々あると考えます。  また、仮設住宅に関して伺えば、入居担当部署がなぜ保険年金課なのか不可解です。災害救助法は厚生労働省が所管、県の担当部署が保健福祉総務課だからなのでしょうか。何も県に右倣えに合わせる必要があるとは思いません。建設担当部署と入居募集は一体となって対処する方が効率的で至極当然と考えますが、御所見を伺います。  今後も独自に主体的に動くには難しく、県との調整が必要な代表的な事例は何が想定されるのか。また、県の指示を待つ体制でなく、単独で進められるものはどんどん進めていく積極的な体制に切りかえるべきと考えますが、市長のトップとしての御判断を伺います。  次に、指定避難所と震災後の新たな防災計画について伺います。  私も、震災後は、地元小学校での避難所運営に携わらせていただきました。当日の夕方から、私の地元小学校には、想定していない、体育館には入り切れない千人以上の方々が避難してまいりました。備蓄していた食糧では到底全員に均等に分配できるものもありませんでした。ボランティアをしてくれる立派な若者もいる反面、全くそうでない人、また、年配の方でもボランティアの若者に食ってかかる人など、連日さまざまなトラブルが起こり、非常時の人間のさまようを見させていただきました。  各指定避難所は、町内会が主体的に運営された場所や、小学校の先生が目いっぱい頑張ってくれた場所など、各所各様でした。避難所の運営マニュアルがあることは後日知りましたが、そんなものは何の役にも立たないことがわかりました。そして、各避難所には、言われてきましたという何もしない市職員も数多くいたのも事実です。しかし、てきぱきと働く新潟などから来た他都市の市職員には大変頭が下がる思いをいたしました。  まず、お聞きいたしますが、こういった現実をどのように考えているのでしょうか。想定外の避難場所の数になってしまったなどという答弁でなく、資質や体制構築の甘さの反映と思いますが、今後の体制構築の決意を市長にお伺いします。  また、今後の備蓄食糧は、震災以前より多い備蓄が必要と思いますが、先日の消防局長の答弁では、賞味期限をずらして備蓄量をふやしていく予定のようですが、震災前よりどのくらいふやして備蓄する計画なのかお示しください。  私は、今後の防災計画は、季節ごとのシミュレーションが必要と考えます。季節によって必要なものが全く違ってきます。御所見をお聞かせください。  また、避難所に来れなかった人への対策もきめ細かく対処していかなければなりません。把握には大変難しい問題が残りますが、考えていかなければならない対策です。あわせてお聞かせください。  仙台市民は、この東日本大震災で、各自各様どうすればいいのか多くのことを学習させられたと思います。私は、行政には限界があることを痛感させられました。我が町内会では、震災後みんなで話し合い、すべてを行政に頼らない方針にかじを切りました。今月中には防災備蓄倉庫を建て、この町内には何が必要なのかをリストアップしていくことになっています。今後の減災計画には、自助・近隣の共助が最も重要なファクターになってきます。自主防災組織に積極的でなかった地域でも考えを新たにすると思われますので、絶好の機会と考えます。特に被害が少なかった地域では、数日間持ちこたえるためには、各自何が必要で、何をすべきかを積極的に啓蒙することが最も減災に効果があると考えます。そうすることにより、被害が大きい地域へ集中特化が可能になってきます。今後の御方針をお伺いします。  次に、人事組織の流動的な配置についてお伺いします。
     そもそも役所は、平時においてもその部署の忙しさについてはでこぼこがあります。震災後はそれが顕著になっていると感じますが、いかがお考えでしょうか。まだ再開されていない公共施設の職員や給食センターなどの職員は、毎日一体何をしていたのでしょうか。百日以上も後片づけをしていたとは思われませんが、お聞かせください。  民間では、大組織の会社であっても、当日の応援配置を朝に通告しても臨機応変に対応していけます。なぜそれが役所ではできないのでしょうか。恐らく答弁を書く職員は調べ上げ、あれもこれもやっていますということになると思いますが、私にはどうも忙しい本庁部署同士でのやりとりと感じます。本当に現状そうなっているのでしょうか、素朴な疑問にお答えください。  また、今後、日々思わぬ部署が忙しくなることが考えられます。例えば保護課では、それでなくても手いっぱいの現在、今後急激に多忙になることが考えられます。どのように対処するのでしょうか。また、予想しない部署が忙しくなることも考えられます。即座に対応することを可能にする体制を構築すべきと思いますが、いかがでしょうか、市長のお考えをお聞かせください。  次に、損壊家屋の解体撤去について伺います。  手続が開始され、個人の申し込みがあってから地元企業に優先発注するため、仙台市建設業協会と解体業組合に実務は丸投げのようです。本市は、今後マンションも含んだ大型施設、また一般住宅は何世帯と試算しているのでしょうか。  可能な限り地元企業に優先発注することは最も大事な視点ですが、現場では、スピードを上げての早急な撤去には、地元企業だけではかなりの無理があると言われています。地元企業に限定することとスピードは両立せず、相矛盾すると考えますが、本市の今後の御方針と御見解を伺います。  解体撤去の作業手順は、申し込み順に現場に依頼があり、地域一帯の解体撤去のような効率的な手順にはなっていないようです。また、作業工賃も一律で、例えば沿岸部の手間のかからない物件も、道路の壊滅で重機が入れず手作業の解体撤去も同じ工賃単価であるため、さまざまな業者間のトラブルも発生しているようです。仙台市建設業協会への実務の委託のような体制は、本当に地元企業に満遍なく発注されているのか、幾らかでも発注作業に関与して精査、検証すべき対策が必要と思われますが、御所見を伺います。  次に、地下鉄東西線駅上の仙商跡地に計画しているコンベンションホール機能を併設した施設について伺います。  宮城県が所有し管理委託している夢メッセの被害状況はかなりのものであり、県の見解でも資材の調達や建設業界の状況を考えれば、復旧は数年の時間を要すると考えられます。また、県の判断ですが、今後も津波の被害が想定され、立地場所の復興の考え方次第では、震災前の機能に復旧することは難しくなることが考えられます。  また、遺体安置所に利用されたグランディ21も、阪神・淡路大震災などの過去の事例を考えれば、取り壊されることも考えられます。現在でも、仙台市体育館では、騒音のため大きなコンサートは開催できません。そうなることを考え合わせると、仙台でのコンベンション、また外国ミュージシャン等の大きなコンサートの開催はできないことになってしまいます。これは、仙台市の復興や経済活動に大きな痛手になるのではないかと危惧いたします。  以上の点を総合すると、仙商跡地の施設の重要性と機能については、震災前の計画とは全く違うものになってくるのではないかと考えます。震災によってタイムスケジュールがずれてしまいましたが、今後の震災後の予算の調製がもちろん必要ですが、民設の考え方も含め軌道修正が必要と考えますが、市長の御見解をお伺いします。  次に、下水汚泥のリスク管理について伺います。  今、東日本の広範な地域で、上水道や下水道処理汚泥から放射性物質が相次いで検出されています。雨水管から処理場に集まり、脱水や焼却によって濃縮され、そして各自治体がその処理対策に苦慮しています。現在、本市では、下水汚泥を焼却できませんが、どういった方法でどこに汚泥を搬出しているのかお聞かせください。また、放射性物質の測定はしているのでしょうか。今後測定する必要があるかと思いますが、あわせてお聞かせください。  政府は、新基準で一キログラム当たり八千ベクレル以下の汚染なら、ほかの産業廃棄物と同じように処分できる指針を出しました。基準以下ならば防水対策をし、居住地や農地以外ならば埋め立て処分することができるものとしたものです。各自治体に判断がゆだねられますが、現在の本市の見解と方針をお示しください。今後、搬出している処理場が受け入れ拒否をすることを含め、リスク管理をしなければならないと考えますが、今後の御方針をお聞かせください。  次に、補正予算に消防団施設十四カ所、約一億四千七百万円が計上されていますが、まず津波被害に遭った消防団施設はどこで、被害状況をお示しください。  また、津波被害に遭った沿岸部の消防分団の機械器具置き場は、もとあった場所に新設するのでしょうか。その地域は、以前のように住宅地が張りつくとは考えられず、新設する場所は復興計画とあわせて考慮すべきではないでしょうか。しかし、沿岸部の流れた消防分団は、車両もなく、集まる場所もない状態が長期間にわたるのは、せっかくのモチベーションが下がってしまうことも考えられ、早目の対策が必要と考えますが、御所見を伺います。  また、例えば私が所属する消防団は、機械器具置き場は急傾斜地崩落危険区域に指定されている場所に建設されています。そもそも、いざというときに活動できない場所になぜ詰所を建設しなければならなかったのか。全くもって驚く話ですが、まずこの場所に建設した過去の経緯と御見解をお聞かせください。  震災後、我々は四次非常配備になって、その詰所に待機することもできず、小松島出張所やコミセンでの待機を余儀なくされました。しっかりと検証して移転させていただきたいと思いますが、御見解をお聞かせください。  また、現在活動するに当たって、支障を来している消防団を把握されているのか、今後の対策もあわせてお聞かせください。  最後に、災害時、他都市への本市の応援体制についてお伺いします。  三月十一日の大震災から二日後の三月十三日に、勾当台通を北から南へ南下いたしました。北四番丁から五橋交差点まで道路の両側に、赤い回転灯をつけた救急車と特殊消防車等が数百台並んでいました。それは壮観な眺めで、その特殊車両の多さに驚かされました。仙台市にこんなにも多くの特殊車両はないと思いナンバーを見ると、新潟ナンバー、神戸ナンバー、兵庫ナンバーなど全国各地のナンバーでした。そして、ちょうど私が通りかかったとき、一斉にサイレンを鳴らして各地域に発進していきました。その光景を見て、全国から助けに来てくれたんだと、私は胸が熱くなる思いがしました。恐らく震災があってすぐに各地域を出発し、高速道路も通らずに駆けつけていただいたと思われます。  そこでお聞きいたしますが、本市は、我が国のどこで大震災があっても各地域に即座に助けに行けるスキームに果たしてなっているのでしょうか。震災後すぐに来ていただけることは、現地の人間にとって大変心強いものです。各地域から来ていただいたのですから、本市も今後しっかりとした恩返しをしなければなりません。神戸、新潟ナンバーの大型バスには一般職員もおりました。まさに大震災の体験から、すぐに駆けつけていただいたと思われます。今後、本市も消防職員だけでなく、一般職員も含めた即座の対応が大変重要と思います。市長の御見解をお伺いして、私の一般質問第一問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 16: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの村上一彦議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、復旧の優先順位に関するお尋ねでございます。  今回の大震災により被害を受けました道路や公園、市民利用施設などの公共施設の復旧につきましては、震災前の状態に早期に戻すことが原則でございます。  しかしながら、その中には、今後の復興のまちづくりの中で、そのあり方等を検討すべきであります施設や、また、一定の調査を行った上で、大規模な改修まで踏み込んだ対応が必要となる施設などもございます。そうした優先順位の中でも、検討の状況を踏まえながら、この間さまざまな工事の発注に取り組んできたところでございます。  御指摘のありました主要幹線道路につきましては、震災後、速やかな緊急応急工事に努めまして、最低限の通行機能の確保を図ってきたところでございますが、応急工事でございましたところから、市民の皆様に、現時点で道路のでこぼこがあるなど御迷惑をおかけしている点もまだあることは承知をいたしてございます。  現在、復旧工事につきましては、一つは、早期に着手可能なものから順次に取り組んでいくというスピード対応を重視した取り組み、また一方で、幹線の重要度でありますとか、また、復旧の大規模なものといったような両面からの取り組みが必要だと考えておりますけれども、七月からは本格的な復旧工事に入れる段階でございますので、そういったものも加速してまいる予定でございます。  個々の施設、また工事の状況等によりまして実施時期の違いはございますけれども、迅速な対応を徹底し、市民の皆様に安心して御利用いただけるよう、特に教育施設につきましては夏休みを工事期間として使う必要もございますので、そうした時期を失することのないよう、発注作業に努めているところでございます。  続きまして、今後の他地域におきます震災時におきます応援についてのお尋ねでございました。  このたびの震災におきましては、発災当日深夜から、新潟市を初め複数の政令指定都市の連絡員の方々が到着をされ、避難所運営を初めとするさまざまな震災対応に御協力をいただくなど、多大な人的な支援をちょうだいいたしまして、こうした他都市の皆様からの応援に対しましては、多くの市民の方々からも感謝の言葉が寄せられているところでございます。  本市におきましても、昭和五十三年宮城県沖地震の教訓を踏まえまして、この間、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震など全国的な大きな災害に対し、本市の保健師等の職員の派遣や、また毛布など緊急物資の提供といった支援を多方面に行ってきたところでございます。  今後、他の地域で大規模な災害が発生しました際には、このたびの震災でいただきました御支援にお返しができますよう、即時対応を行う先遣隊の取り組みや、その後の派遣体制も含めまして十分に体制の整備を行い対応してまいりたいと、このように考えてございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長からお答えを申し上げます。  以上でございます。 17: ◯震災復興本部長(山田文雄)私からは、今後、県との調整が必要な事業に係る御質問にお答えいたします。  今後、県との調整が必要と思われる代表的な事業といたしましては、宅地被害の対策のうち、県が事業主体である災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業、それから、県から政令市である本市に管理権限が移管されております県道のかさ上げなどがございます。  本市の一日も早い復興に向けまして事業の推進を図るためには、財源の問題を含め、国や県との調整は極めて重要でありますことから、関係部局と連携しながら積極的に調整を進めてまいる所存でございます。  以上でございます。 18: ◯総務企画局長(藤本章)総務企画局にかかわります二点の御質問にお答えをいたします。  まず、人事組織の流動的な配置についてでございます。  震災復旧・復興作業のため全庁的に業務量が増加している中、り災証明や仮設住宅関係など特に繁忙を極める業務につきましては、企業局や外郭団体も含めほぼ全庁的な応援体制をしくとともに、臨時職員の雇用や他都市職員の応援もいただくなど、適宜体制の強化を図っているところでございます。  また、公共施設等の職員につきましても、順次供用を開始するまでの間、他の部署への応援なども行いながら対応をいたしておるところでございます。現在は、七月に向けましては、とりわけり災証明関係、仮設住宅関係が引き続き繁忙を極めるという要素のほかに、例えば固定資産税の関係で申し上げますと、七月には当初課税の納付書が送付されるというような業務の推移を見ながらの対応ということで、本来業務に職員を充てる結果、臨時職員や他都市からの応援、あと他部局からの応援の増強というようなことでの対応をいたしているところでございます。  今後とも、限られたマンパワーを最大限に活用するということを基本に、復興の段階に応じ変化いたします行政ニーズに、的確かつ臨機応変に対応してまいりたいと存じます。  次に、仙台商業高校跡地におけるコンベンション施設の整備についての御質問にお答えいたします。  仙商跡地を含め、国際センター駅周辺の整備につきましては、杜の都、そして学都といった本市の都市個性を象徴するこの地区の特性を踏まえ、コンベンションや観光といった広域的な集客交流を促す機能強化のあり方を中心に、有識者による懇話会などで検討を進めてきたところでございます。  しかしながら、今般の大震災によりまして一たん中断した形となっておりますが、地下鉄東西線建設工事が再開したことも受けまして、検討を再開させてまいりたいと考えております。  検討再開に当たりましては、御指摘のように、震災によるさまざまな影響も考慮する必要があると考えております。仙台、東北の復興、経済の再生に貢献するという点におきましては、コンベンション機能も含めた広域的な集客交流に資する機能の充実という、これまでの方向性には大きく変わるものはないというふうに考えております。  その一方で、復旧・復興に要する財源の確保などの財政上の制約が強まる中、事業手法といった面でもさまざまな選択肢についても考慮する必要があると考えておりまして、こうした点につきましても懇話会で種々御議論いただきながら検討を進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 19: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、応急仮設住宅の担当部署のお尋ねにお答えを申し上げます。  本市は、災害対策基本法に基づき、災害の拡大防止や応急対策に資するため地域防災計画を定めており、その中で、仮設住宅の土地の選定と建設は都市整備局、入居者の募集及び審査は財政局と監査事務局、入居者の決定等は健康福祉局となっております。  このたびの震災直後に、これらの関連部局が住居確保プロジェクトチームを立ち上げ、提供する仮設住宅の戸数や入居募集の方針等を協議いたしますとともに、募集や入居決定に際しては、各部局間で連携し、役割を分担しながら鋭意取り組んでいるところでございます。  以上でございます。 20: ◯環境局長(萱場道夫)損壊家屋解体撤去に関します数点のお尋ねにお答え申し上げます。  まず、今回の解体撤去作業につきましては、私どもと地元の業者の皆様と綿密な打ち合わせを行い、現地調査を踏まえた工事単価を設定した後、適切に発注を行っているところでございます。  解体対象となる家屋等の試算でございますが、約九千棟を見込んでおりまして、そのうち高層マンションを含みます大型物件は約二十棟、その他は一般住宅及び中小事業所と試算しているところでございます。  次に、今回の家屋解体撤去作業の地元発注につきましてでございますが、地域経済の復興の一助にするという観点から、可能な限り地元業者の活用を基本としているところでございまして、現在、宮城県解体工事業協同組合及び仙台建設業協会による二百班体制で作業に当たっているところでございます。  現在のところ、両団体において十分対応ができているものと考えておりますが、今後の申請状況や解体撤去の進捗状況を見きわめながら、作業体制の増強を初め、さまざまな手だてを検討してまいりたいと存じます。  次に、仙台建設業協会加盟業者への発注についてでございますが、協会から推薦された企業に対し、直接、個別に発注を行っているところでございます。  工事単価につきましては、物件の構造、規模、周辺環境などを踏まえて単価を設定しているほか、個別の状況についても反映できる仕組みとしており、適切な単価設定になっているものと認識しているところでございます。  なお、御指摘の業者間のトラブル等につきましては聞き及んでいないところでございますが、業務の実施に当たりましては、注意深く適切に行ってまいる所存でございます。  以上でございます。 21: ◯建設局長(栗和田幸夫)下水道汚泥のリスク管理に関する数点の御質問にお答えいたします。  初めに、雨水管から処理場に集まった汚泥処分についてでございますが、汚泥を応急復旧した脱水機により脱水し、管理型の産業廃棄物処分場に搬出して埋め立て処分をいたしております。  次に、汚泥の放射性物質の測定でございますが、作業環境の適正な管理を行うために、汚泥保管ヤードの空間放射線量、何シーベルトかということでございますが、これを日々測定してございまして、仙台市内中心部の空間放射線量と変わらない結果となっております。  また、汚泥の放射能濃度、何ベクレルかということでございますが、この測定につきましては、現在検査機関に測定を依頼しているところでございまして、結果が出次第公表することといたしております。  最後に、汚泥処分の指針についてでございますが、国より六月十六日付で上下水道の汚泥処分の基準が示され、本市の汚泥につきましてもこの基準が適用されることとなります。  汚泥の放射能濃度につきましては、まだ検査結果は出ておりませんが、空間放射線量の測定結果を勘案いたしますと、埋め立て処分が可能とされる一キログラム当たり八千ベクレル、これを大きく下回っているものと推測しており、現在のところは、今後とも管理型の産業廃棄物処分場への埋め立てを基本に対応してまいる方針でございます。  以上でございます。 22: ◯消防局長(高橋文雄)私からは、避難所関係、消防団、緊急消防援助隊に関する御質問にお答えいたします。  まず、避難所の体制構築の決意についてお答えいたします。  今回の震災におきましては、指定避難所やその他の公共施設や民間施設にも、非常に多くの市民の皆様が避難されたところでございます。発災直後におきましては、避難された方々に食糧や飲料水などの物資が十分に行き渡らなかったことや、逐次必要な情報を届けられなかったことなど多くの課題もございました。このような点につきましては、反省すべきところがあったものと深く認識しております。  今回、一連の避難所運営の実態や、そこから得られる教訓を、避難所指定のあり方や運営方法、避難所としての機能など、さまざまな観点から総合的に検討いたしまして、新たな地域防災計画に反映させるなど、市民の皆様の安心を確保できるよう取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  次に、今後の食糧の備蓄量についてお答えいたします。  今回の震災におきましては、避難された方々に十分な食糧等が行き渡らなかったという課題がありましたことから、指定避難所の見直しやこのたびの震災で物流回復に要した時間なども考慮し、避難所としての機能向上の観点から、今後必要とされる食糧の備蓄量等について検討したいと考えております。  次に、季節ごとのシミュレーションの地域防災計画についてでございます。  このたびの震災の発生は三月でありましたが、こうした災害に対応するには、季節ごとに災害発生のシミュレーションを行い、そこから得られた成果物を地域防災計画に反映させることが重要と考えております。今後予定しております地域防災計画の見直しの中で、指定避難所における暑さ、寒さへの対策や、備蓄食糧などについてもこうした配慮が重要でありますことから、それぞれの季節ごとに必要な対応について検討してまいりたいと考えております。  次に、避難所に来られなかった人への対応についてでございます。  健康状態のよくない、あるいは乳児がいる等の理由で避難所へ来られなかった人への対応につきましては、指定避難所における避難者への対応と同様に、大きな課題の一つであると認識しております。このような方々をどのようにして把握するか、また、避難所に来られない理由により、必要とされる支援、対応なども異なってくると考えられますことから、どのような対応が可能なのか、関係部局と協議しながら、そのあり方について考えてまいりたいと存じます。  次は、減災に向けた地域への啓蒙についてでございます。  地域防災力の実効性を高めるためには、御指摘のとおり自助・共助が重要な要素であると認識しており、これまでも災害に備えて、防災訓練や地域ごとの防災計画の作成など、取り組んでいただきたい対策などについて、さまざまな機会をとらえ働きかけを行ってまいりました。  今後は、これまでの取り組みに加え、今回の震災を契機として、市民お一人お一人が減災などについての議論を深めていただくよう後押しするなど、さらなる共助体制の強化、地域防災力の底上げにつながるよう啓発に努めてまいりたいと考えております。  次に、津波被害を受けた消防団の施設についてでございます。  このたびの津波により、沿岸部に所在の宮城野消防団、若林消防団の機械器具置き場が、全壊四棟、半壊六棟、一部損壊六棟の被害を受けております。これらの施設につきましては、復興計画や土地利用の見直し等を見きわめた上で、そのあり方を検討してまいりたいと考えております。  また、こうした機械器具置き場等を被災しました消防分団につきましては、機動力確保のため小型動力ポンプ付積載車を新たに配置するなど、活動環境の整備に努め、団員の士気の維持に配慮してまいりたいと考えております。  次に、青葉消防団小松島分団機械器具置き場の建設の経緯についてでございます。  現在の場所は急傾斜地崩壊危険区域に指定されておりますが、都市計画街路川内南小泉線の橋梁工事に伴い、周辺一帯の地盤補強工事が行われ、一定の安全性が保たれているとの判断のもとに、平成五年に建設されたものでございます。  また、当該置き場の移転についてでございますが、まずは、現地の安全性の再確認、今回の地震の建物への影響などを調査、検証いたしますとともに、このたびの津波被災を受けての機械器具置き場の全市的な配置のあり方の中で対応を検討してまいりたいと存じます。  次に、機械器具置き場が被災し、活動に支障を来している分団についてでございます。  地震後、市内百二十三カ所の機械器具置き場の被災状況を一斉調査しましたところ、津波被害を受けた機械器具置き場以外は、敷地の地盤面の段差や亀裂、建物の基礎や壁の一部に亀裂が生じたなどの軽微な被害が主であり、消防団活動に支障は来していないものと認識しております。また、これらの置き場のうちには、既に改修が完了しているものもございますが、今後、被害の程度を考慮しながら順次改修を行うことといたしております。  最後に、消防の応援スキームについてでございます。  このたびの大震災においては、本市を初め津波被災三県で、北海道から沖縄県までの緊急消防援助隊が、救助や消火、人命検索などの消防応援活動を行っております。緊急消防援助隊は、平成七年の阪神・淡路大震災を契機として発足し、被災した都道府県内の消防力のみでは対応できない大規模災害または特殊災害に、消防庁長官の指示や都道府県知事の求めに応じて、市町村の枠組みを超えて消防応援を迅速に行う制度で、全国七百八十三消防本部、四千三百五十四隊で構成されております。本市では、指揮、消火、救助、航空部隊など三十六隊、百四十名を緊急消防援助隊として指定しており、出動エリアにつきましては、今回のような大震災を除けば、主として東北、北海道となっております。  以上でございます。 23: ◯十六番(村上一彦)人事配置のことで再質問をさせていただきます。  現状を見てみますと、私たち市議会議員はいろいろな部署に行くので、本当に忙しくて一生懸命やっている部署と、一体何しているんだろうなという部署があるのも事実です。皆さんは、こちらにいる方はそれを把握されているのかどうか。私たちはわかるんですけれども、ぜひ、そういう部署があるのであればちゃんとそれを把握して、流動的に、滞っているんだから動かしてほしいということもあります。それがなぜできないのか私にはよくわからないのですけれども、ぜひそういう体制をきちんとつくっていただきたいと思います。  それと、他都市から応援に来ていただきまして、ガス局なども含めれば相当延べ何万人の方にお手伝いに来ていただいたと思うのですが、現在はり災証明書なんかの発行などで二百人前後の方が今でもお手伝いに来ていただいております。ですけれども、そのスキームが、要するに総務省の方に、うちの自治体は何人応援に行けるという膨大なリストがあって、手を挙げた自治体にそれを配分しているようなんですが、仙台市は、ほかの南三陸町とかに比べればそういう人員のことについては大丈夫なのかもしれませんけれども、私は滞っている実態があるので、もっと応援体制を総務省の方に申請するべきだと思います。それにおいて、政令指定都市だからというプライドがあるのか、お金もかかることですし、いろいろあるんですけれども、私はこの際もう非常時なんですから、もっと総務省に応援体制を申請すべきと思いますが、人事配置のことで一点だけお伺いします。 24: ◯総務企画局長(藤本章)他都市からの応援の体制についてでございますが、今御質問いただきましたように、総務省のスキームの中で対応をお願いしている部分ももちろんございます。一方で、既に例えば短期ということで、五月から六月にかけてり災証明の関係で応援に来ていただいた市からは、実際の業務を見ていただいた上で、引き続き応援をいたしたいというようなお話もいただいたような場合には、むしろ直接的に当該市とのお話し合いを踏まえた形で、総務省の方を後で整理していくというようなことでも、そういう意味では決して指定都市ということにとどまらず、あくまでも業務本意で、必要な人員について他都市からの応援というものをきちんと組み込みながら進めてまいりたいというふうに存じております。  あともう一点、流動的なという部分につきましては、いわゆる現在の状況でありますが、臨時的な業務と、こういう中での対応については、先ほど御答弁申し上げましたような形で、総務の方で各局と調整しながら、現在の各局の置かれている業務の状況を踏まえた中で、何とか協力をしていただきながら臨機な対応をさせていただいているところでございます。
     ただ、全体として各局の人員としてどうなのかということにつきましては、年度単位の中での人員計画、こういう中で業務量を見ながら新年度の人員体制を考えるというような両面からの対応もいたしておりまして、とりわけ今回特徴的なものは、まさに臨時的にふえている業務へどうやって対応するかというところで、今までにない全庁的な応援体制をしいているという状況でございます。 25: ◯議長(野田譲)次に、大泉鉄之助君に発言を許します。     〔五十七番 大泉鉄之助登壇〕(拍手) 26: ◯五十七番(大泉鉄之助)それにしても、ひどいものであります。これほどひどいものとは思いもしなかった。これは、今日、国民ひとしく感じている感懐であります。このたびの大震災は、大地震、大津波、原発事故、風評被害、加えて迷走する政治がもとでの混迷、混乱、国民すべからくこれら五重苦にあえいでいるのであります。  こんな非常時に、国民がどうにも理解に苦しむことの一つは、野党が提出した内閣不信任案の採決に当たり、政権与党の中では、やめると明言した人を信任したということであります。さらにもっと驚いたのは、やめると明言したから信任したという、まことにばかげた話であります。その後のことは、御案内のとおりのありさまで、政権党内にあっては、大震災による国民の塗炭の苦しみ、悲痛な叫びよりも、政局、政権延命にただただきゅうきゅうとして見苦しい醜態を演ずるばかりであり、大震災を政権延命に利用していると言っても過言ではないと私は思います。  これも、政党としての綱領さえも持ち得ない人たちを政権の座に着かせてしまった国民の責任なのでありましょうか。しかし、時間は刻々と経過し、被災地の住民には待ったなしの状況が、さらにさらに展開されております。我々地方だけは、我々仙台市は、被災した市民の立場に立ち、罹災者の声に丁寧に耳を傾け、行政と議会とが協調して、それぞれの問題解決のためにしっかりと汗をかいてまいりたいものであります。  質問に入ります。  第一番目は、避難所における市職員の働きであります。  申し上げるまでもなく、市役所の職員は、市民が日ごろからその血税をもって賄っている、いわゆる市民共有の財産であります。加えて、市民の血税によって、その力量は日々訓練されているはずのものであります。よって、一たん緩急のとき至れば、持てる力のすべてを駆使し、万全に機能し得るものでなければ、市民の財産たり得ないのであります。  市民は、常日ごろからこのように考え、市の職員に対して、厚い信頼と大きな期待を寄せているのであります。ゆえに、このたびの大震災による被災に遭っても、多くの市民が市役所職員に対し、それはそれは大きく、幅広く、力強く期待を寄せ、頼りにしたことは至極当然なことでありました。その結果、被災した市民には、どのような成果物が実質的に届けられたことになったのか。また、それに対する評価はどのようなものなのであったのだろうか。このたびは、私自身も幾つかの避難所を幾度かにわたり訪問し、その実態を目の当たりにいたし、その場において多くの市民の声にも接してまいったのであります。  かような経験をもとに改めて考えさせられたことは、今回の被災時における避難所の実態がどうであったのか、この際、明確に検証しておかなければならないということであります。その検証と検討をもとに、以後の備えを万全たらしめる必要性を痛感いたしたからであります。避難所の管理者である区役所職員は、避難所の責任者としてその責務を果たし得たのであろうか。また、各区役所などから派遣された市の職員は、市民の期待や要望にどの程度こたえることができたのだろうか。避難所の運営や管理に当たる組織や仕組みは適切に立ち上げられ、満足に機能させることができたのだろうか。避難所と各区役所、本庁との連絡、連携、調整等はうまくできたのだろうか。避難所に避難してきた市民の声が、上部に正しく伝達されることにうらみはなかったのだろうか。配置された担当職員の交代などにそごはなかったのだろうか。職員の日ごろの準備や研修が、うまく生かされたと言えるのであろうか。  これらについて、今しも考察するとき、日ごろからの研修や訓練には、大いにうらみがあったのではないかと思考いたすものであります。例えば、日ごろ役所で事務職に精励している職員であっても、何の訓練や経験もなく、いきなり避難所に駆けつけさせられたところで、一体何ができるのだろうかと、同情に値するものを禁じ得ないのであります。  施設管理の責任者は、一たん事が生じ、みずからの施設が避難所となり、これを避難所として機能させ運営していくため、管理者としての、また責任者としての研修や訓練は十二分に実施されていなければならないと考えるものであります。また、派遣される職員は、みずからが遂行すべき事柄について日常から熟知し、これを実践することができるだけの訓練が、常日ごろからなされていなければならないと思うのであります。  市の職員として、日常の仕事に対して極めて高い能力を発揮し得る人であっても、避難所で被災者のお世話をすることなどは、経験がなければ無理なことであろうと推測されるのであります。よって、市の職員には、即実践に対応できるだけの研修や訓練が事前に実施されていなければならないということであります。  結果、職員たちは、一生懸命励んでいても怒られ、怒鳴られ、文句や小言ばかり言われ、一向に評価などされないことが多発していたと推測され、また、その姿を目の当たりにもいたしたのであります。余りの惨事に神経が高ぶってもいたためであろうと思うのでありますが、おまえらはおれたちの税金で給料をもらっているんだろうとか、市長はどこにいるんだ、ここに連れて来いなどと怒鳴ってしまい、後でいたく反省したと話してくれた人がいたということなどを耳にいたしました。  今般の大震災における避難所の運営実態はどのようになっていたのか。その総括はきちんと行われたのか。派遣された職員の数と勤務実態はどのようなものであったのか。避難所などに勤務した職員に支払われた手当の総額は幾らほどになったのか。避難所の業務に従事した職員からの報告や感想の集約を実施し、アンケート調査などは行われたのか。これらの経験を通して、何か反省すべきことがなかったのか。今後の対応のため貴重な提言などはないのか。派遣された職員が、現場で悔しい思いもしたであろうが、それは何ゆえであったのか。多くのボランティアが活動する中で、それは適正であり当然なことであるというものの、唯一市の職員には多額の勤務手当が支給されているのでありますから、この貴重な体験、経験は、今後に生かされなければならないと思うのであります。これら避難所において惹起したことのすべてが、今後に生かされなければ、もったいないことであると言わなければなりません。それぞれにつき答弁を求めるとともに、これら提言についての所見を求めるものであります。  次は、杜の都仙台の再生についてであります。  去る四月二十一日開催の市議会臨時会冒頭、奥山市長は大震災復興への所信表明を述べられ、その中で、杜の都再生の決意を強くお訴えになられました。杜の都と呼称されるふるさと仙台をこよなく愛し、長年、杜の都再生を種々な角度で議論いたしてまいった立場のものとして、これを大いに了といたすものであります。大地震、大津波によって、都市も人身も凄惨なまでに痛めつけられ、踏みにじられた我がふるさと仙台の再生は、まさに杜の都再生そのものでなければならないと思考いたすものであります。  私は、大震災直後、植物生態学の世界的権威であり、国際生態学センター所長の宮脇昭横浜国立大学名誉教授御一行の案内役として、津波により甚大な被害をこうむった本県東部沿岸地帯を、南北につながる防潮林や屋敷林の被害状況調査に同行する機会に恵まれたのであります。その折、海岸線沿いに連なる防風林、防潮林の被災状況をつぶさに観察し、根こそぎなぎ倒され、流されてしまったクロマツ、アカマツの惨状の実態を目の当たりにいたし、大津波襲来という大自然の強大な力をまざまざと実感させられたのであります。  その一方において、クスノキ科の常緑高木のタブノキ、ブナ科の常緑高木シラカシ、アカガシ、ニシキギ科の常緑樹マサキなどは、強大な津波にも塩害にも耐え、見事に生き残り、春浅い北国の寒風の中、緑濃い枝葉を天空に向かって青々と茂らせていた姿に深い感動を覚えたのであります。これこそが、宮脇博士のかねてからの提唱である、その土地本来の樹木による森が防潮林として効果的であるとの主張に確信を得たのであります。それぞれの地方の土地本来の樹木は、深根性であり直根性であるために、たとえ強い津波に襲われても、根こそぎ倒されることはないという宮脇理論が実証されたものと感服をいたしたのであります。  沿岸部に延びる樹木の森が、緑の壁となって地盤を守り、津波の力を破砕して、その威力を減退させ、加えて被災者の避難する時間を稼いでもくれ、引き潮のときには漂流する人間や財産が海に流出することを食いとめてくれるのであります。  本市東部沿岸地帯の防風林、防潮林の再生、復興は、アカマツ、クロマツに加えて、これらシラカシ、アカガシ、タブノキ、マサキなど、東北の厳しい風土や気候に耐え、何万年、何十万年と生き長らえ、そのDNAを今日に伝えてきた、その土地本来の樹木による森や林とすべきであります。また、本市西部地区において発生した地すべりによる被害からの復興も、まさにこの教訓に学ぶべきであります。  加えて、本市百年の計とも言うべき百年の杜づくり推進事業の基本には、この教訓が生かされてしかるべきであります。いわゆる借り物やにせものでは、本番には、一たん緩急のきときには、およそ何の役にも立たないことが自明の理と証明されたということであります。  これらの提言を受けての、本市東部沿岸地域の防風、防潮の森の再生、西部山手地域の地盤被害からの復旧・復興、百年の杜づくり構想の促進に関する市長の所見を伺うものであります。  以上申し上げ、一般質問といたします。  ありがとうございました。(拍手) 27: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの大泉鉄之助議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、避難所における対応に関するお尋ねでございます。  このたびの大震災におけます避難所で果たすべき本市職員の役割につきましては、ただいまのお話にもございましたように、甚だ不十分なものがあったと認識をしてございまして、避難所開設や運営に責任を有します本市といたしまして、改めて私どもの備えに十分ではなかった点、そうしたものが多々ありましたこと、また、市民の皆様から現時点でもいただいております多くの御指摘や御意見につながっていることについて、反省をしつつ、今後これらの改善に向けて努力を進めていく覚悟でございます。  避難所における本市の職員に市民の皆様が期待する役割といたしましては、まず第一に、避難所運営等におけるルール等について熟知をしていること、また、大震災時におきます本市全体がどのような動きの中になっているのか、その全体に関する情報を把握していること、また、個別の避難所におきます例えば部屋の利用でありますとか、また例外的な事案に対する判断、この三つの側面が期待されているものと考えてございますが、このたびにおきましては、私どもにおけますマニュアルでの事前の設定に欠ける部分があったこと、また、判断においての細かい事案に対する事前のこちらでの想定がなかったものが多々あったこと、それらによりまして、現場におきまして職員が御回答できない部分、また、申し送りをしてもつながらない点等が多々ありまして、市民の皆様の多くの御不満を生じることになったというふうに考えてございます。  ただいまの議員の御提言、また多くの皆様の御指摘等もいただきながら、本市の防災対策、とりわけ避難所運営における本市職員の対応の向上に向けてさらに努力を進めてまいりたいと、そのように考えてございます。  続きまして、杜の都仙台の再生に関してでございます。  本市では、杜の都の伝統の継承と地球環境の保全という二つの視点から、新しい時代にふさわしい杜の都を創造する百年の杜づくりを推進してまいったところでございますが、このたびの大震災により、自然環境豊かな東部沿岸地域は甚大な津波被害を受け、海岸防災林の約八割を喪失するとともに、海岸公園はほぼ全壊するなど、貴重な緑が失われております。  このような中で、宮脇教授にはいち早く現地調査を行っていただき、その土地本来の樹木を活用した防災機能を高めた海岸林の再生について御提言をいただいたところでございます。海岸防災林の再生につきましては、現在、国及び県で被害の実態調査を行い、その防災効果の検証を進めているところでございます。これらの成果とあわせ、本市といたしましても再生手法について具体的に検討を進めてまいりたいと考えております。  御提案のその土地本来の樹木による森づくりは、東部海岸地域の防災機能の向上のほか、生物多様性の保全や地域景観の向上といった面からも、本市の復興にかなう、百年の杜づくりの理念に通ずる大切な考え方であると認識をしているところでございます。  今後、東部海岸地域の再構築や丘陵地域の地盤被害からの復興を進めてまいります中で、このような考え方を生かしていくとともに、市民の皆様、市民活動団体、事業者の方々と一体となって、災害に強く、自然とまちが調和した、緑豊かで美しい杜の都の再生を図ってまいりたいと、このように考えているところでございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  私からは以上でございます。 28: ◯危機管理監(曳地泰志)避難所における対応のうち、災害対策本部に関連するお尋ねにお答えを申し上げます。  市や区の災害対策本部につきましては、地震発生直後から立ち上げ、災害情報の把握に努めましたが、発災直後からの停電により電力の復旧の見通しが見えぬ中、自家発電装置などにより機能を維持いたしました。  また、避難所と各区、本庁の連絡調整につきましては、昨年度に指定避難所にも防災行政用無線を整備いたしたところでございますが、今回の震災では、固定電話や携帯電話などのいわゆる通常の通信手段が確保できず、発災当初におきましては、ほぼ唯一の通信手段として防災行政用無線を活用したところでございます。  しかしながら、整備後間もなく震災に見舞われたことにより、操作方法を十分に習得していなかったことや、長期間の停電によるバッテリー切れの課題なども生じたところでございます。こうした中で、指定避難所やその他の避難所運営に関する組織は立ち上がったものの、十分には機能できなかったものと考えております。  次に、避難された方々の要望への対応についてでございますが、さまざまな要望は市や区の災害対策本部に届いてはおりましたが、本部員初め職員が業務に忙殺され、すべての声を受けとめるには困難な状況となっておりました。また、避難所の担当職員間の引き継ぎにおいても、一部不備な面があったものと認識をいたしております。こうした災害対策本部と避難所間の通信連絡方法や手段の確保、また災害対策の中枢となる市及び区の災害対策本部が本来の機能を発揮され、大規模災害時における被災者の救護等に反映されるよう、さまざまな取り組みを進めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 29: ◯総務企画局長(藤本章)避難所運営に関する御質問のうち、職員の勤務実態に係るものについてお答えを申し上げます。  まず、避難所へ派遣されました職員数でございますが、発災当日から四月三十日までの間、区役所職員が五千五百人、他部局からの応援職員が延べ千三百人、延べ全体で六千八百人、一日当たりにいたしますと百三十人の職員を避難所へ派遣いたしております。  こうした職員の勤務につきましては、避難所ごとに異なっておりますが、それぞれの勤務ローテーションの関係から、避難所ごとの担当を固定化させることが難しかった面もあり、市民の皆様の御要望に十分にこたえられないこともあったと認識をいたしているところでございます。  次に、避難所などに勤務した職員に支払われた手当の総額でございますが、避難所勤務に従事いたしました市長部局及び行政委員会全体の超過勤務に係る手当で申し上げますと、その総額が、三月分が十一日以降で約六億円、四月が四億八千万円、五月が約四億三千万円となってございます。  このことは、御質問にもございましたが、避難所での経験というものが、その職員だけでなく全体としての共有を図り、今後の職務遂行にとりプラスとなるよう学ぶべきところがあろうかと思います。その意味で、今年度の職員研修の場におきましても、こうしたところからどういう教訓を引き出し、次に備えて身につけるかという点について、ある意味重点項目として研修の中でも取り上げながら、次に生かしてまいりたいと存じます。  以上でございます。 30: ◯消防局長(高橋文雄)避難所の開設、運営等についてお答えいたします。  まず、避難所の開設についてでございますが、今回の震災被害が市内全域にわたり、大津波による被害はもとより、発災直後からの停電を初めとするライフラインの途絶も相まって、多くの市民の皆様が避難され、また、市外からの帰宅困難者等も加わって避難所があふれたり、また、一部の指定避難所が避難所本来の機能を果たすことができなかったこともあり、指定避難所のほか公共施設や民間施設へ避難するといった状況になりました。  こうした中、指定避難所におきましては、教員等により避難された方々の誘導や避難所の開設が行われ、その後、避難所の開設、運営の責任者として区役所職員が派遣されたところでございます。当日の混乱の中、派遣された職員の避難所開設に不なれな点も見られ、また食糧や水、毛布などにつきましても、避難者数に対して備蓄量が少なく、また、補充するための手当てに問題があったことなどから、避難者の皆様には大変な御不便をおかけすることになりました。その後、他都市からの応援をいただき、ともに連携しながら避難所運営に当たっていただいたところでございます。  こうしたことは、避難所開設に当たった市職員の側に、事前の準備に足りない部分があったことに加え、情報提供を行うための段取り等に不備が重なり、結果として円滑な避難所の開設等にそごが生じたものと考えております。  今回こうした避難所開設に係る課題が生じましたことは、これまでの避難所に係るマニュアル、研修、訓練などの方法に問題があったものと認識しておりまして、今後は本市の防災対策のかなめとして検証、改善を図っていく中で、職員が実効性のある研修、訓練を重ね、今後に生かしてまいりたいというふうに考えております。  次に、避難所運営に当たった職員からのアンケートや報告についてでございます。  現在も開設されている避難所もありますことから、まだ実施には至っておりませんが、アンケートや報告等を通じてさまざまな面で苦労し、悔しい思いもした職員の実体験や提言を把握し、さらには避難された市民の皆様の御意見を踏まえて総括いたしまして、避難所運営の改善につなげてまいりたいと考えております。  このように、今回の震災時の避難所運営を振り返りますと、反省すべき点が多々あったものと考えておりますが、一方では、市民の皆様のつながりや、ともに支え合う心によりまして避難所を維持することもできました。今回の震災での一連の避難所開設、運営等を検証し、今後避難所のあり方、機能の向上、備蓄物資の種類や数量など、避難所に係るさまざまな課題に総合的に取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。 31: ◯議長(野田譲)この際、暫時休憩いたします。     午後二時五十七分休憩          ────────○────────     午後三時十五分開議 32: ◯議長(野田譲)休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、ふなやま由美君に発言を許します。     〔二十三番 ふなやま由美登壇〕(拍手) 33: ◯二十三番(ふなやま由美)日本共産党のふなやま由美です。雇用と経済復興策について一般質問いたします。  震災後の三月十二日から六月五日までに、離職票の交付を受けた人数は、岩手、宮城、福島の東北三県で約十二万人で、とりわけ宮城県は五万人を超えて最も深刻です。雇用保険に加入していない労働者や農業、漁業者も含めると、震災で失業した人数はさらに多くなり、対策が急がれます。  津波で被災したある方は、家族も仕事もなくした、生きている意味があるのかと話しておられました。被災した市民が悲しみを乗り越え、生活を立て直していくために、その第一歩になるのが仕事を確保することです。  市は、四つの柱で集中経済施策を出しました。しかし、困難に直面する市民を救えない施策では意味がありません。市長は、市内の経済を土台から支えてきた中小零細事業者や商工業などの小規模事業者や農業者が再建できるよう、生業を支援することを第一義的に取り組むべきです。いかがでしょうか、伺います。  市は、三年間返済猶予の災害関連融資制度や製造業施設の現地復旧に対する補助制度を行う予定です。被災した企業の立ち上がりを支援する枠組みの充実が必要ですが、今回の製造業への補助制度の助成要件は、投下する固定資産相当額一億以上、市内中小企業者は一千万円以上としています。救済の対象は大企業が中心になり、地元を支えてきた中小零細事業者などは対象になりません。  岩手県では、中小小売業者や旅館などのサービス業者の被災店舗に二百万円の補助を行う制度や、被災した中小製造業者の工場に二千万円を上限に修繕費の助成を行う制度をつくりました。仙台市独自でも、助成の枠組みを製造業だけに限らず、被災中小企業、零細事業者を支援するための助成制度をつくるべきですが、いかがでしょうか、伺います。  また、店舗の建物が全壊、半壊したために、その場所での事業を続けられず、資金繰りに苦しんで、やむなく廃業に追い込まれた事業者もいます。新たな場所で事業を再開するにしても、立ち上げ資金もありません。被災した事業者に対しての家賃補助制度と、立ち上げ資金の助成制度を創設すべきです。いかがでしょうか、伺います。  震災で多くの事業者が借金を抱え、再出発に二の足を踏む状態です。マイナスではなく、せめてゼロからのスタートをさせてほしいというのが、多くの農家や商工業者の切実な要望です。二重債務問題に対する民主党案では、再生可能と判断した企業だけを中小企業再生ファンドが買い取り支援する枠組みになっています。ファンドの二〇一〇年の実績では、支援先で最も多いのは、売上額十億円から五十億円です。利益を追求するファンドでは、結局、中堅以上の企業しか救済できません。市内の中小零細企業が再出発できるような、実効性のある二重債務問題の解決を国に強く求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。  宮城県は、約二万三千戸のプレハブ仮設住宅の建設を、すべて社団法人プレハブ建築協会などの大手に一括発注しました。この協会に参加している会員は、県外の事業者がほとんどです。仙台でも、地元の建築業者はプレハブ仮設住宅を建てられませんでした。公共事業の発注で、地元雇用に結びつかないような事態をつくるべきではありません。今後このような失敗を繰り返さないために、災害公営住宅の建築などの公共工事の復旧・復興事業に当たっては、地元業者を優先的に発注する原則にしっかり立つべきです。いかがでしょうか、伺います。  津波による塩害で耕作できない生産者への支援をもっと充実させるべきです。地域で復興組合をつくって農地の瓦れきの撤去などを行う場合に、その仕事に対して、水田では十アール当たり三万五千円の経営再開支援金があります。中田、高砂、七郷、六郷の四つの復興組合が立ち上がりましたが、具体的な作業はこれからです。被災した専業農家の方々からは、設定されたそもそもの支援単価が低いために暮らしていけないという不安の声を伺っています。少なくとも、漁業者へ一日一万二千円の支援がされるのと同等の金額が受け取れるような制度にすべきです。経営再開支援金の単価をもっと引き上げるように国に求めること、また仙台市独自での上乗せを行うべきですが、いかがでしょうか、伺います。  また、作業日誌や経理などの事務手続が煩雑になると心配する声も寄せられています。事務手続を簡便にすることを求めますが、いかがでしょうか、伺います。  名取川以南の中田、四郎丸地域の農地では、塩害の被害はなくても、排水機場が使えないために、水を引けずお米をつくることができません。実践組合の方々が、ハト麦や大豆の生産に取り組んでおり、稲作の作付制限のある農地で積極的な転作の努力をしています。しかし、水田が低い場所にあり、転作に向かないところもあります。また、この地域の農業者は、名取市域でもお米をつくっていますが、名取も同様に生産できない状況です。市は、県にも働きかけ、塩害はなくても、広域的に稲作の作付制限となった農業者に対して、所得補償になるような支援策を講じるべきです。いかがでしょうか、伺います。  そもそも農業者には雇用保険はありません。被災のために農地が使えず、耕作できない農業者に対しての休業補償を国や県の制度として創設すべきです。また、用排水路や排水機場の復旧とともに、全面的に農地再生を行うよう国に対して強く働きかけるべきです。あわせてお答えください。  復興ビジョンでは、東部地域を仙台の地域特性を踏まえたより生産性の高い農業地域に再生するとうたっています。しかし、労働生産性を上げるという意味で使っているのであれば、農業従事者を減らすことと受け取れます。専業農家も兼業農家も参加できる農業再生が、集落の復興に欠かせません。収益性が高く、多面的な機能を発揮する農業を再生するという表現に改めるべきです。いかがでしょうか、伺います。  また、市場競争主義を追求するTPPへの交渉参加は、被災地の農業にとって取り返しのつかない事態を生み出してしまいます。農業は、国民生活の命綱です。自国の農業が持続的に発展できるような貿易ルールを確立することこそ必要です。震災に乗じて、日本農業を壊滅させるようなTPPへの参加をやめるように強く政府に求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。  震災後、解雇やリストラをされた方がひっきりなしにハローワークに相談に詰めかけています。雇用調整助成金を活用して、雇い止めをせずに労働者への休業補償を行うなど、労働者の権利を守るルールが守られなければなりません。  市内の複合娯楽施設コロナワールドでは、二つの店舗で五百六十八人の従業員を自宅待機させた後、休業補償もなく解雇を言い渡して大問題になっています。しかも、解雇予告除外認定を申請したために、解雇予告手当などのお金を一円も支払っていません。本社は愛知県にあり、全国展開を行う大手で、労働者を守る体力を十分に持っている企業です。契約期間の途中で有期雇用の労働者を解雇することは、労働契約法第十七条で厳しい制限があり、震災であっても、企業が労働者の雇用継続への努力を行うべきです。市長は、被災した市民生活を守るために、震災を理由に、労働者に何の補償も行わずに解雇するような無法がまかり通らないよう、適切な労働行政を行うよう国に求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。  また、震災で失業し、仮設住宅で暮らす五十代のある方は、ハローワークに週四日通っているが、この年齢では求人票はほとんどない、娘も失業中、この先の見通しは全く持てないと話されていました。さらに、求人情報は、有期の非正規雇用がほとんどです。宮城県の最低賃金も六百七十四円と余りに低く、これではとても生活を再建できません。さまざまな苦労を抱えながら、地元での雇用を願う市民が生活再建できる思い切った施策が必要です。例えば、企業に支援金も出しながら、労働者に最低賃金千円以上を保障するような特区を国に提案してはどうでしょうか、伺います。  また、今後、失業給付が切れて生活が成り立たない方が続出します。被災者の生活を支えるために、失業手当の給付期間を大幅に延長するよう国に求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。  市は、被災失業者雇用事業で一千三百三十名の目標を立てました。六月十日現在、千二十名、七七%の到達にとどまっています。今後の集中経済施策で、合わせて二千名の雇用確保を行う予定です。長期にわたって生活を安定させるために、正規雇用で働く場をふやすことが欠かせません。  今回の震災で、公務労働の大切な役割を改めて痛感しました。消防やガス、水道などのライフライン、道路や下水道などの市民生活を土台から支える仕事、生活保護申請など業務は膨大です。市職員は、日常の本来業務を行いながら、救援、復旧で特別の任務分担を受け持ち、不眠不休の奮闘をしてきました。  仮設住宅やり災証明書発行などの震災関連業務は、市民の生命、財産にかかわるプライバシー情報を扱う内容も多く、守秘義務を持つ公務員だからこそ果たせる役割です。しかし、実際にはどの職場も人手不足で、スピードが追いつかず課題になっています。市長が、行財政改革で次々に人減らしを進めてきたことが、市民サービスへの対応能力の低下や困難な状況を生み出したことは明らかです。市民の基本的人権を保障し、福祉の増進に努める自治体の役割を果たすために、積極的に正規雇用をふやして復旧・復興の業務に当たるべきです。いかがでしょうか。  被災した市民が一日も早くもとの生活を取り戻すこと、安心して働き続けられる仕事を確保して、希望を持って立ち上がれるように、被災者主役の地域経済の復興策を求めて、私の第一問といたします。(拍手) 34: ◯市長(奥山恵美子)ただいまのふなやま由美議員の御質問にお答えを申し上げます。  集中経済施策に関する御質問にお答えをいたします。  震災後に実施をいたしました市内企業に対する緊急ヒアリングや、被災された農家の皆様への意向調査において把握をいたしました被災状況などを踏まえ、本市経済の危機的な状況を乗り越えるための緊急的な措置として、今般、資金繰り対策や設備更新への支援などを含む、中小事業者や農家の皆様の活動を支える各種施策を集中的に実施することといたしたものでございます。  今後とも、中小企業や農家の皆様に対しまして、確固とした経営基盤が構築されるまで支援を継続する必要がありますことや、事業者の皆様のニーズも、再生に向けたそれぞれの段階において、時々刻々と変化していくことを十分に踏まえつつ、適時適切に必要な経済支援策を実行してまいりたいと、このように考えてございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 35: ◯総務企画局長(藤本章)正規職員の雇用についての御質問にお答えいたします。  本市では、震災に関連する業務の増加にどのように対応するかにつきましては、庁内での職員の応援、臨時職員の雇用を行いますとともに、発災直後から大都市相互応援協定等に基づき人的支援をいただいているところでございます。  また、今月六月一日には、地方自治法に基づき、横浜市、京都市から派遣職員の受け入れを行うなど、業務の内容や繁忙期間に応じ、臨時的に体制の強化を図っているところでございます。  今後、復興に向けまして必要な人員の確保に努めなければなりませんけれども、財政状況が厳しさを増す中にありましては、正規職員の増員は必要最小限にとどめなければならないものと考えておりますので、引き続き行革面につきましては進めますとともに、民間の力の活用や、業務内容に応じた臨時職員の雇用などによる効率的な執行体制のもと、着実に取り組んでまいりたいと存じます。  以上でございます。
    36: ◯財政局長(山内晃)復旧・復興事業の地元優先発注についての御質問にお答えします。  東日本大震災による災害復旧工事につきましては、迅速な対応と地域経済の復興再生を図るため、随意契約や指名競争入札により地元企業へ優先的に発注しているところでございます。  今後予定されます災害公営住宅の建築などの復興工事におきましても、工事の規模や内容を踏まえながら、入札参加資格を市内本店の事業者に限定するなど、地元企業を優先した受注機会の確保を図ってまいる所存でございます。  以上でございます。 37: ◯市民局長(高橋一典)雇用に関するお尋ねにお答えいたします。  まず、企業の雇用継続に関してでございますが、今回の震災により企業が厳しい経営環境に置かれている状況においても、できる限り雇用の安定に配慮していただくことが必要であると認識しております。  震災における雇用の確保などに関しましては、国からその取り扱いについて具体的に示されているところでございます。本市といたしましては、これらの情報提供を行うとともに、企業における雇用関係が適切に維持されますよう、宮城労働局などの関係機関と連携を図ってまいりたいと考えております。  次に、最低賃金制度につきましては、国が法に基づき賃金の最低限度を定めたもので、その改正は、都道府県労働局長が最低賃金審議会に諮問し、賃金の実態調査や関係労使の意見などを踏まえて決定しております。労働者のセーフティネットとして重要な役割を担うものでございますので、その動向を注視するとともに、引き続き周知に努めてまいりたいと考えております。  最後に、失業給付につきましては、今回の震災を受け六十日の給付延長がなされ、最大四百二十日の給付期間とされたところでございます。本市といたしましては、今後、雇用の動向などを踏まえながら、必要に応じ対応を検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 38: ◯経済局長(高橋裕)中小企業支援政策及び農業者支援についての数点の御質問にお答えをいたします。  まず、中小企業支援政策のうち、被災中小企業に対する家賃補助を含む助成制度についてでございます。資金面の支援につきましては、融資を基本としているところでございますが、今回の被災の大きさにかんがみ、業種を問わず据置期間を三年間に延長し、利子及び保証料を補給することにより、その間、実質的に返済猶予とする一歩踏み込んだ対応を行うものでございます。  製造業は、本市の産業基盤の中長期的な強化の上で重要なものと位置づけておりますことから、現地での建物及び製造設備の復旧も助成対象としたところでございまして、零細企業を含め幅広く適用できるものと考えております。  事業所を失った事業者に対しましては、オフィスの貸し出しや仮設事務所の無償提供を行うこととしており、今後とも被災事業者に対する販路拡大や経営相談など、ソフト面も含めさまざまな支援を行ってまいりたいと考えております。  次に、二重債務問題についてでございます。  被災中小企業の早期の事業再建を進めるためには、二重債務問題の迅速な解決が重要であると認識いたしております。今般この問題に対する政府案が示されたところであり、今後、各般にわたる議論が行われると存じますが、事業を再開しようとする中小企業や零細企業の負担が軽減される制度とするとともに、できるだけ早期に開始するよう国へ強く働きかけてまいりたいと考えてございます。  次に、農業者支援のうち、経営再開支援金についてでございます。  各復興組合におきましては、一日当たりの作業賃金を漁業者と同程度の単価にする考えであると伺っております。東部地区の専業農家の平均耕作面積約五・五ヘクタールの場合、支援額は年間で二百万円程度というふうに想定いたしております。これまで本市では、単価の引き上げについて要望等は受けてはおりませんけれども、今後実情の把握などに努めてまいりたいと存じます。  また、事務手続につきましては、書式の簡略化や事務の簡素化につきましてJAと協議しているところであり、農家の負担軽減を図ってまいります。  次に、作付制限農業者への所得補償についてでございます。  本市の、津波被害を受けていないものの作付ができない水田につきましては、転作に不利な水田も含めまして、地区の生産組織が大豆、ハト麦等の集団転作を実施することといたしております。  農地の所有者は、生産組織に農地を貸し出すことにより、十アール当たり年間四万一千円の戸別所得補償を受けられるものでございます。  また、御質問にございました名取市におきましても、集団転作の取り組みが計画されていると伺っておりまして、対象になりました場合には、同様に戸別所得補償を受けることができると考えてございます。  次に、農業者の休業補償や農地の再生についてでございます。  国の経営再開支援事業は、耕作が困難な事業者に対する所得補償的な性格を有するものでございます。  加えて、瓦れきの撤去などの災害復旧事業や有害鳥獣対策などの緊急雇用創出事業、耕作可能な農地のあっせんなどの手法により雇用や営農の場を創出し、農業者の方々の収入確保に努めているところであり、今後ともこうした取り組みを進めてまいりたいと考えております。  また、排水機場の復旧や農地の再生につきましては、国に対し、国の直轄事業または国の全額負担で実施するよう、数度にわたり要望いたしております。  排水機場の復旧は、国の直轄事業により実施することとなっておりますが、圃場整備など農地の再生につきましても、引き続き強く要望してまいりたいと考えてございます。  次に、復興ビジョンにおける表現についてでございます。  東部地域の農業再生につきましては、生産基盤や経営主体、生産方式などに着目し、農業者それぞれが、より高い収益や安定した経営につながる農業を目指すものであり、ビジョンにおいて、より生産性の高い農業地域と表現したものでございます。  営農意欲の高い農業者につきましては、今後の農業の担い手としての支援を行うとともに、兼業農家や高齢者の方々につきましても、継続的に安心して農地を維持できるようさまざまな支援策をお示しし、今後とも安定した生活ができるよう支援してまいる所存でございます。  最後に、TPPへの参加についてでございます。  政府は、東日本大震災を受けまして、五月にTPP参加に向けた方針を見直し、その判断の見送りと農業改革の基本指針の取りまとめの延期を決定いたしたところでございます。本市といたしましては、これまでも政府等に対し、国民の間でも十分な議論を重ねた上で、慎重かつ適切な判断をされるよう要望してきたところであり、引き続き慎重な対応を求めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 39: ◯二十三番(ふなやま由美)中小企業支援と農地再生に関連して再質問させていただきます。  市は、震災復興に向けた市内企業七百三十二社に緊急調査を行いました。こうした努力が非常に大事だというふうに思います。被災した企業や事業者の声をしっかり反映して施策を打ち出す必要があります。ところが、今回経済施策で提示されているメニューで、本当に被災をしている中小、零細の事業者の皆さんが救われるのか、このことが厳しく問われているんだと思います。  返済猶予の災害関連融資制度で利子や保証料の補給ありますけれども、直接の補助制度は製造業だけに限定された枠組みになっているんです。また、企業立地助成金の雇用加算要件を五十人以上を二十人以上に要件の緩和を行っています。結局、規模の大きい企業だけを救ったり、企業誘致で呼び込み型の経済施策から脱却していないのではないかというふうに思わざるを得ません。  第一問で、私は、これまで地域を支えて必死に頑張ってきた中小、零細事業者を救う制度を具体的に提案いたしました。市長の御答弁の中にも、中小企業、農家など、基盤が確固となるまで適時適切に必要な支援を行うという旨での御答弁がございましたけれども、これを言葉だけに終わらせないで、実行していただきたいと思います。具体的な提言について、再度御答弁をいただきたいというふうに思います。  それから、東部地域の農業再生についてです。  復興ビジョンの中で、地域特性を踏まえた、より生産性の高い農業地域にということについては、営農意欲の高い人や高齢者が安定した生活を保障できるような意味で用いているというお話がございました。  危惧するのは、国や宮城県が、この震災を機に、財界の意向に沿って漁業や農業を企業の参入、法人化、大規模化などを一気に進めて塗りかえようとしている。こういう動きにあって、仙台のこの復興ビジョンの中では、現にこの地域で農業を営んで暮らして生きてきた方々が再建できる、このことがまずもって大事だというふうに思います。生産性の高い農業地域という名で、主役となる方々が実際には地域の再生からはじき飛ばされてしまうことがあってはならないというふうに思います。再度この点を確認、再質問をさせていただきたいと思います。 40: ◯経済局長(高橋裕)家賃補助等の助成制度など、具体の提言もいただきながら御質問をちょうだいしたわけでございますけれども、今もお話がありましたとおり、私どもとしては七百社以上のヒアリングなどを行いながら、まず、今当面できるものとして、今回の施策を予算も含めて提案させていただいているという状況でございます。  現在、今後とも、こういう各種企業につきましては、アンケート調査なども行う予定でございまして、まずは融資その他の施策をやらせていただきながら、継続的に事業者の状況を踏まえながら、そのときそのときに状況に応じて必要な施策を打ってまいりたいというふうに考えてございます。  次に、農業者の復興ビジョンのことでございますが、私どもは、東部地域の農業の復旧に向けては、定期的にJAや土地改良区の方々と協議をしながら、復旧その他について検討し、進めているところでございます。もちろん現在農業をなさっていらっしゃる方々のための我々の施策でございますので、そこはさまざまな生産性の高い新しいものは取り入れるという考え方を持ちつつも、そこの部分は基本に据えて今後とも対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 41: ◯二十三番(ふなやま由美)中小企業支援策ですけれども、融資の枠組みだけでは救われないということが、この間、被災した中小企業や事業者の方々からお聞きする声なんです。このプランを見た方が、例えば地域で全壊判定を受けた商店の方ですね、仙台はもうけにならないような弱小の商店は救わないんだなと話しておられました。被災して苦しんでいる事業者が再建してこそ本当の復興になると思います。この点でも、我が会派は繰り返し被災した事業者の支援策について、例えば災害救助法第二十三条第一項第七号の生業資金の活用も含めて求めています。  過去の政府が出した各種貸付制度は、整理、拡充されているから生業資金の給与や貸与は行わないと。こうした考え方に、被災地、これほどの被災者を抱えている仙台がしがみついているというのでは、被災者を救えないと思います。こうした財政投入法もあるのですから、最大限活用して救済を図る。市は、まず中小企業者への支援を、必要な手だてを行う、国にその費用を求める、独自の中小企業支援策を行うべきだと思います。これは、再度市長にお伺いをしたいと思います。 42: ◯市長(奥山恵美子)被災を受けられた中小企業の皆様にも、ぜひ仙台において、またしっかりとした事業活動を再開していただきたいということにつきましては、先ほど経済局長も御答弁したとおり、私もその気持ちを強く持っているところでございます。  この間の支援策が融資のみにとどまっていたということを踏まえまして、私どもではアンケート調査等も踏まえ、仮設店舗の提供でありますとか、また、今回の仙台港地区の重大な被災にかんがみての新たな制度の創設でありますとか、そういったさまざまな施策を御提示し、ただいま十六の施策にあわせまして、その早期の着手を図っているところでございます。  今後とも、観光の面、さまざまな需要の拡大にも取り組みまして、多くの皆様がしっかりと生業、事業を再開できるように市として支援をしてまいりたいと、そのように考えるものでございます。 43: ◯議長(野田譲)次に、池田友信君に発言を許します。     〔五十五番 池田友信登壇〕(拍手) 44: ◯五十五番(池田友信)民主クラブ仙台の池田友信です。議長のお許しをいただきましたので、東日本大震災被害対策を中心に一般質問を行います。  今震災で亡くなられました方に心から哀悼の意を表し、御冥福をささげるとともに、被害を受けられた方々に心からお見舞いを申し上げます。一日も早く復興され、日常生活が戻りますようお祈り申し上げます。  今大震災は、地震、津波、そして原子力発電所事故の被害による被災であります。昭和五十三年の宮城県沖地震と比べ、津波による被害の大きさが著しく甚大なものでありました。津波に対しまして、真剣に考えなければならないと痛感をしております。  今回の津波による被害は、後世にしっかり伝え残していくことが、被災地であります仙台市に課せられた義務であり責任であると考えます。今、震災の被害を正しく把握をしなければなりません。事前の対策は十分万全であったのか、発生時の対応は十分であったのか、今後の対策は何が重要なのか、正しく集計し、後世の人に伝えることが大変重要なことであります。まず、市長はどのように考えておりますか、お伺いいたします。  私は、発災前の議会で、津波の過去の状況、被害実態を調査把握し、津波警戒区域を見直すべきと、過去何度となく問題提起をいたしました。御当局は、学識者のシミュレーションにこだわり、過去の状況を参考にしませんでした。そのシミュレーションの判断についてどう思われているのか、御所見をお伺いいたします。  平成十九年四月、地下鉄東西線建設に伴い、若林区荒井地区の発掘調査から、沓形遺跡水田跡から、二千年前、弥生時代に起きた津波被害跡が発見されました。東部道路の地域を越えて、津波が西側奥に押し寄せた痕跡であります。これは、国内はもちろんでありますが、世界的に大変貴重な遺跡であります。過去の津波の記録を知ることにより、その予防が見えるはずであります。  これまでの津波の歴史の記録の主なものは、千百四十二年前、西暦八六九年、貞観十一年三陸沿岸津波は、多賀城下で死者一千名、津波の高さは三十メートル以上と予想されております。  続いて、四百年前、一六一一年、慶長十六年三陸沿岸北海道東津波では、伊達領内死者千七百八十三名、津波の高さはおよそ三十メートル以上と予想されております。  次に、百十五年前、一八九六年、明治二十九年三陸沖津波では、宮城県三千四百五十二名の死者、岩手県では一万八千百五十八名、津波の高さは三十八・二メートルの記録がなされております。  七十八年前、一九三三年、昭和八年三陸沖津波では、三陸沿岸で死者、不明者三千六十四名、津波の高さは二十八・七メートルと主な記録がされております。  今回は、以前から大型地震の襲来を予想しておりながら、津波については、仙台地域では仙台港を中心に八十センチメートルから百十センチメートルとの予想をし、学識者のシミュレーションによる判断に特段の対策を講じなかったことに、私は大きな判断ミス、想定ミスがあったのではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。  市長の所見と、事務担当者として過去の津波をどう分析したのか、危機管理監、消防局長の御所見をお伺いします。  環太平洋の地震帯で起きる地震による津波が、地球全体で起きる津波のおよそ八〇%を占めております。日本を初めとして、太平洋周辺に位置する国はすべて津波襲来国であります。津波の研究では、国際的な牽引役になっておる国は、日本、アメリカ、ロシアの三カ国であります。現在、津波に関する研究発表が毎年開催されております。  日本の津波研究が、世界に誇り得るものが五つあります。第一は、一千年以上にわたる豊富な津波の歴史記録を持っていること、第二は、海岸線に密に配置された検潮所などによる津波観測データの豊富さを持っていること、第三は、国内外に起きた津波の調査実績の量を持っていること、第四は、綿密で大規模な数値計算ができる体制を持っていること、第五は、気象庁の長年の努力によって得られた信頼性の高い津波警報システムがあることであります。  ロシアは、二百六十年間の津波記録を持っております。アメリカは、わずか二百年の記録しか持っておりません。我が国は、千三百年にわたる年代に起きた津波の歴史記録を持っております。しかし、このたびの荒井地区の沓形遺跡から、二千年前、弥生時代に起きた津波襲来の痕跡が発見されたことは、世界的に貴重な遺跡と言えます。くしくも、このたびの震災で海岸線の変化を考えると、襲来した津波と同規模の津波が襲来していたことが実証されております。  また、慶長十六年、一六一一年、伊達家の「貞山公治家記録」に、仙台藩の領内で大地震と津波が起きたことが記されております。このとき、仙台に初めて津波という言葉が史料に登場したことが判明をいたしました。  これらを総合して、第一に、世界に紹介されている津波という言葉が、四百年前に仙台で使われていると判明されたこと、第二に、世界で最も古い歴史的津波遺跡が仙台で発見されたこと、第三に、今日、仙台で起きた地震、津波の大震災、被害状況からどのように復興されるのか世界から注目されていること、これらの三項目を考えると、仙台は、古代から大震災から立ち上がり、復興してきた歴史があるという誇り得る実績を示すことが大変重要であります。この沓形遺跡を保存し、津波研究センターとして、後世に、そして世界に紹介するというシンボル的な施設を、地権者の方との理解と協力を得て建設してはどうでしょうか、市長の御所見をお伺いいたします。  次に、東部道路の問題についてお伺いいたします。  今回の大津波により、多くの尊い命が奪われました。二度とこうしたことがないよう、既存の施設を有効に活用した防災対策、津波対策が今後の大きな課題であります。仙台市復興ビジョンにおいても、東部道路が堤防機能を果たし、浸水区域の拡大を防いだとの評価がありましたが、この問題は以前から何度も指摘をしておりました。  私は、平成十二年、高砂連合町内会が陳情された、また、その後は、高砂の福田地区町内会連絡協議会から毎年要望を出しているのを受けて、毎年開催されます予・決算等審査特別委員会、防災対策調査特別委員会においてこの問題を取り上げ、質問を行っております。  この東部道路を津波襲来時に避難地として活用すべきであるとの提案を実現するためには、国に働きかけるべきと提案を行ったものであります。私も直接政府陳情をいたしましたが、前政府当局は、この件について重要視されておりませんでした。それは、仙台から重要要望事項等に組み入れることなく、仙台市が重要視していなかったからであります。  その後に発生したスマトラ沖地震の津波の被害状況を見て、津波警戒区域に近い東部道路を避難場所とすべく、再び強く要請をいたしました。私の質問に対し、これまで当局の答弁は、東部道路の有効活用について、国や東日本高速道路株式会社など関係機関と協議、調整をしていきたいとのことでありました。こうした協議はどのようになっているのでしょうか。その結果が全然見えておりません。国や市は本気になって検討されたのか、甚だ疑問に思うところであります。  今回の震災、津波では、約三百名ほどの方がこの場所で助かったという報告を受けております。東部道路を避難施設に位置づけすることを検討し実現していれば、今回の悲惨な状況を回避できたものと思います。非常に残念であります。御所見をお伺いいたします。  東部道路を避難場所と考えるならば、単に東側に階段を取りつけるだけではなく、道路の西側用地を有効活用しなければなりません。西側の用地を買い上げ、道路と接している同じ高さで幅広く土盛りをし、車で上れるような避難場所を設置すべきです。高齢者、弱者、子供のスクールバスなど、東側の階段で上れない人のためにも、避難場所として有効に整備し活用すべきと思います。  さらに、宮城野区の区域におきましては、東部道路の構造は高架式になっておりますが、この高架の底地の地域を買収し、津波防止対策を施すなど考えられます。仙台市は、津波対策として、他都市のように市独自で高所避難所を建設しようとする構想がないところに問題があります。その考えがあれば、既存の公共施設を活用した方が安くできるのではないか、高さのある丈夫な施設を活用することがいかに必要か、人命救助を優先する考えがあれば当然検討しなければならないことであります。  この震災での貴重な経験を十分生かし、仙台にて高速道路の有効利用を進めていくことにより、今後、全国各地沿岸沿いにある地域への参考となり、さらに世界へのモデルとなると思います。そのためにも力を入れて取り組むべきだと思いますが、市長の御所見をお伺いいたします。  県道塩釜亘理線をかさ上げして、第二の防波堤として利用することについては、防潮堤や海岸防災林との役割分担や正確な影響調査等が必要であると思いますが、どのように事業を進めるのかお伺いいたします。投資する財政を考慮し、東部道路の避難場所の活用等も考え、効果的に考えるべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、重要港湾でもある仙台港及び周辺地域の復旧・復興についてでありますが、御承知のとおり、仙台港とその周辺は大きな被害を受けております。ここは、仙台の経済にとって重要な拠点であります。神戸は、阪神・淡路大震災の影響で、いまだ震災前の物流拠点としての機能が回復していないと聞いております。仙台港周辺の企業においては、ここからの撤退を考えなければならないという話も伺っております。そうなりますと、二度と震災前の状況には戻りません。こうした事態を回避するための取り組みが重要になりますが、例えば企業の活動再開を円滑に行えるよう、速やかに瓦れきの処理を行うべきです。どのような状況になっているのでしょうか。また、港湾の活性化のため、港湾特区を導入するなどの対応を考えるべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。  次に、農地問題であります。  東部地域の広大な農地は、津波によって今も瓦れきが散在し、塩害も発生しております。瓦れきの撤去はこの七月から始まり、今年度中に撤去を終えるとのことでありますが、本格的に農地として活用するためには、施設の再整備等、なお数年が必要になると思われます。塩害解消も含め、早急な復旧が望まれるところであります。  特に稲作については、今回の早急な対応と同時に、作付調整や雨水幹線の利活用等により、まずは、次年度以降も取り組み可能な地域から順次作付面積をふやしていくことが重要であります。  また、被災農業者がみずから再開に向け行う農地の除塩作業等については、国の経営再開支援事業として実施することとなりました。このことは、被災農家の皆さんにとっては大きな支援になるものと大きく期待しております。これまでのさまざまな要望行動等の成果と認識しております。  今後も、このように農業復興に向けたさまざまな課題等を乗り越え、農地の一日も早い復旧とさらなる農業振興を推し進めるためには、農業特区の導入も検討すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  東日本大震災は三月十一日発生しましたが、その後、四月七日、震度六強の余震が発生しました。今後の地震及び津波についての襲来の見通しをどのように判断するのか重要であります。平成十六年、二〇〇四年十二月発災しましたスマトラ島沖地震では、マグニチュード九・一が発生してから一年後マグニチュード八・六、三年後マグニチュード八・五と続いて発生しております。海溝、地下のプレートの構造が違い単純に比較はできない状況にありますが、予測の見通し、判断がありましたらお伺いいたします。  次に、防災センターの建設についてお伺いいたします。  防災対策は、防災施設の設置整備と市民の災害に対する認識と、危機意識の高揚と、災害対策に対する協力体制をいかにつくるか、市職員はもちろんでありますが、いかに市民に徹底し、災害時に被害をいかに最小限にとどめるかが重要です。  防災施設の整備は、予算等もあり充実体制は難しい状況もあります。防災施設の整備が不備であればあるほど、市民の理解と協力体制によってそれを補完することが重要であります。そのためにも、市民各層に災害の実情をわかりやすく視聴覚資料で説明し、災害状況が体で体験できる施設が必要です。市民、町内会の対応実例、体験談、他都市の実例も含める施設が必要です。災害に対して、地域町内会の自主、自立の強い体制をつくることが今必要です。防災センターが完成していれば、よりよい活用方法が実施できたのではないでしょうか。長い間検討するとしてきましたが、何をどう検討してきたのかお伺いします。早急に防災センターの建設計画に着手すべきと思いますが、御所見をお伺いいたします。  このたびの大震災については、後世に正しく伝える、大震災を仙台市として整理することが何よりも増して必要なことであります。そして、これを日本あるいは世界の人たちのだれもが、いつでも見られる状況をつくっておくことが、今後の防災を考える際に重要になってくると思います。  今回の震災復興ビジョンの中に、広域的な災害対応拠点機能の整備の必要性を述べ、首都圏等、他の地域の大規模災害が発生した場合に、広域的な災害対応の拠点になる施設の整備を、国などとともに連携して目指すこととしておるようでありますが、こうした施設の整備は大歓迎するものであります。ぜひとも実現してほしいと思うのであります。  仙台市の防災センターは、この施設に、今回の震災を初めとしたこれまでの状況を記録したものを常備し、市民はもとより世界じゅうの人々に見ていただき、研究者に資料として提供できるような超広域的な災害の公文書館としての役割にも寄与すべきであると考えます。また、世界各国より義援金や多くの支援をいただいたことに感謝し、震災の実態とその対策と復興を広く公開すべきと考えます。市長の御所見をお伺いし、私の第一回の質問を終了いたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 45: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの池田友信議員の御質問にお答えを申し上げます。  津波被害の後世への継承についてでございます。  本市を含む東北の太平洋沿岸地域は、これまでも繰り返し津波の被害に見舞われ、先人たちは、霞目にございます浪分神社のように、津波の被害を示す名称を冠した建造物や石碑など、知恵を絞って後世への伝承を図ってまいりました。  しかしながら、長い歳月が経過する間に、津波に対する脅威については徐々に記憶から薄れ、大津波が襲来した三月十一日を経て、私たちはようやく、またこうした先達からの警鐘を再び認識するに至り、それまでの忘却について大変無念の思いを抱くこととなっているわけでございます。  今回の津波の被害の状況を正確に把握し、後世に伝えてまいりますことは、大津波の襲来を経験した私たちの責務でございます。映像や音声など現代の技術を駆使し、その猛威を克明に記録、保存してまいりますことはもちろん、これを人類共有の財産とすべく、御提案のございました津波研究センターや防災拠点施設への公文書館的な、いわゆるアーカイブ的な機能を付加する等の検討を進めまして、さまざまな伝達方法により、世界じゅうに向けて、津波の災害に対する情報の発信に積極的に努めてまいる考えでございます。  このほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。
    46: ◯危機管理監(曳地泰志)過去の津波の分析についてお答え申し上げます。  これまで政府地震調査研究推進本部により、宮城県沖地震と直下型の長町─利府断層の地震が本市に関係する地震として示されてまいりました。本市では、こうした流れを受けまして、平成九年の仙台市防災都市づくり基本計画策定時に、昭和六十三年に実施された宮城県津波被害想定調査をもとに、データの存在する明治二十九年の三陸地震、昭和八年の三陸地震、昭和三十五年のチリ地震の浸水実績や宮城県沖に想定したシミュレーション結果を加え、津波警戒区域等を設定し、その後、河川の津波遡上シミュレーションを追加するなどの見直しを行ってまいりました。  しかしながら、このたびの津波は、これまでのこうしたシミュレーションをはるかに超える甚大なものであり、まことに痛恨のきわみでございます。今後、こうした被害の実態と教訓を次世代に引き継いでまいるとともに、今後の津波対策に生かしてまいりたいと存じます。  以上でございます。 47: ◯震災復興本部長(山田文雄)私からは、東部道路に関連して、県道塩釜亘理線のかさ上げに関する御質問にお答えいたします。  震災復興ビジョンに掲げました減災、これは完全な防災の限界を認め、多重防御により市民の安全を守ろうという考えでございまして、県道のかさ上げにつきましても、防潮堤や防災林等との複合的効果による都市防災を目指すものでございます。  各施設の役割分担や効果などにつきましては、現在進めております津波シミュレーションによる分析などを活用しながら検討してまいりたいと考えております。その際、御提言の東部道路の避難所活用などにつきましても、シミュレーション結果や財政負担なども考慮しながら、東部地域全体のまちづくりの中で検討してまいりたいと存じます。  以上でございます。 48: ◯環境局長(萱場道夫)仙台港周辺地域の瓦れき撤去の状況でございます。  まず、経済局で行いました企業のヒアリング調査におきまして、瓦れき撤去の要望が寄せられた事業者につきまして、五月上旬より撤去作業に着手しておりまして、これらの事業者につきましては、おおむね瓦れきの撤去を終了いたしておるところでございます。  現在、その他の事業者からの要望が六十四件ほど寄せられておりましたので、このうちの二十四件につきましては既に撤去を終えておりまして、残りにつきましても七月中にはすべての撤去を完了する予定となっておるところでございます。  以上でございます。 49: ◯経済局長(高橋裕)港湾特区及び農業特区につきましてお答えをいたします。  まず、仙台港周辺の企業の支援のための港湾特区についてでございます。  本市の製造及び物流の拠点として、仙台港周辺は大変重要な地域であると認識いたしており、今回創設いたしました製造業の現地での復旧に対する補助制度におきましても、この地域につきましては要件を大幅に緩和しているところでございます。  立地する企業施設等の復旧のみならず、国際競争力を高め、強い産業基盤を形成するためには、関税に関する規制緩和、あるいは税の減免など多面的な支援策が必要なものと認識いたしており、特区制度も含め、さまざまな方策を検討してまいりたいと考えてございます。  次に、農業特区の導入についてでございます。  復興ビジョンにおいてお示しをいたしました東部地域における農と食のフロンティアの実現に向けて、再生可能なエネルギーの導入、他産業との融合などを図るための新たな土地利用への転換、あるいは民間企業等の新規参入を進めるに当たり、一定程度の制限を受けるなどの諸課題があるものと認識いたしております。  今後、課題解決を図りながら、農業復興に向け取り組む必要がございますので、特区制度の導入、活用も含め、さまざまな手法の研究を重ねるとともに、有識者の知見も伺いながら、有効な方策について検討してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 50: ◯都市整備局長(高橋秀道)東部地域における防災施設に関しましては、住民の皆様の命を守ることを最優先に、単一の施設による完全な防災ではなく、複数の施設の複合的な組み合わせによる減災を基本として整備を行ってまいりますが、その中で、避難施設についても、地域の安全性を確保するための重要な要素であると認識をしております。  避難施設の整備に当たりましては、復興後の新たな土地利用計画等に基づき、避難を想定する範囲や人数などから、施設の規模や数、配置等を総合的に検討する必要があることから、御提案のような東部道路の利用を初め、既存の公共施設や民間施設の活用なども含め、人命を守るための安全かつ効果的な施設整備について、関係機関とともに検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 51: ◯消防局長(高橋文雄)初めに、津波シミュレーション及び過去の津波の分析についての御質問にお答えいたします。  これまでの津波対策は、国の地震調査研究推進本部により示された、過去に繰り返し発生し、学説の定まった津波の中で、最大規模のものを対象に対策を立ててきたところでございます。津波シミュレーションは、こうした意味で、確実に起こり得る被害を示す集大成として示してきたものであり、本市におきましては、宮城県沖地震を初め、明治以降に発生した津波を河川遡上も考慮に入れて作成してございます。  今回の震災における津波被害は、これまでのシミュレーション結果を超える甚大なものとなりましたが、歴史上または津波堆積物としての記録にとどまるものなどを、防災対策に結びつけられる段階に至らなかったことにつきましては、まことに無念でございます。  今回の被害実態とその教訓を後世に伝え、そして、国などの防災対策に係る新しい知見を取り入れながら、一人でも多くの人を津波から守れるよう、今後の津波対策を見直してまいりたいと考えております。  次に、仙台東部道路を避難施設に位置づけることについてのお尋ねでございます。  東部道路への避難につきましては、被害想定に基づく津波の影響範囲から外れていたこともあり、住民の方々からの要望に対しましては、当該道路の管理者でありますネクスコ東日本に対して、その実現の可能性を打診するにとどまってきたところでございます。  今回の大津波においては、実際に東部道路に避難して助かった方がいらっしゃるという事実から、結果として沿岸地域の方々の思いを十分に受けとめ切れず、また対応も不十分であったと言わざるを得ないものと認識しております。  今度の震災を受け、ネクスコ東日本においては、東部道路ののり面に仮設階段を設置し、避難場所として利用できるよう整備いたしましたが、東部道路を避難施設として位置づけることについて、協議を速やかに進めてまいりたいと存じます。  次に、今後の地震及び津波の予測の見通しについてでございます。  政府の緊急災害対策本部の六月二十日発表の余震の見通しによりますと、余震は次第に少なくなってきているが、今後もまれに大きな余震が発生することがあり、震源が沿岸域や陸域の場合、規模が小さくとも最大震度五弱以上の揺れになる可能性があり、注意が必要とされており、今後とも地震や津波への備えが必要な状態にあるものと認識しております。  次に、防災センターでございます。  防災センターに関しましては、これまでその機能、役割、規模等について継続して検討を行ってきたところでございます。また、今回の震災のような広域的な大規模災害に対応するためには、広域的な災害対応拠点の整備も必要でありまして、今後、御提案の趣旨を踏まえ、災害対応拠点との連携も視野に入れながら、防災センターのあり方を検討してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 52: ◯五十五番(池田友信)私は、特に危機管理監にいろいろお尋ねをしたいと思います。  今回の災害の中で、一番危機感を感じなければならないのは管理者、危機管理監であります。しかし、今回の災害対応、それから実態を踏まえて、市民の地震、津波に対する認識、あるいはそういう習性、そういうことに対して大変なずれがあったということの危機意識を持っておかなければならないと思います。  例えば、津波は一時間後、地震発生後一時間後に到達しますという連絡に、一般の市民の方々は、一時間過ぎたら来ないようだということで、小学校の屋上に避難していた人たちが、一階の体育館の方に移動してしまったのです。たまたま三階にいた先生が津波の姿を見て、状況を見て、津波が来ると。こういうことで、急いで屋上に上がるように再避難をしました。危機管理監、これをどう思いますか。  津波に対する到達ということが、これは前回のチリ地震のときに、来る来るといって来なかったから、それで帰宅したんだと。これの繰り返しなのです。これは、全然そういう意味で、市民の津波に対する習性とか認識とか避難ということに対する大きなずれがあるということに対して、どうも徹底しなかったと。これは、市当局として危機意識を持って、こういった災害対策に対しては一番持たなければならないのはだれかといったら、危機管理監です。あなたですよ。消防の実務者がそれぞれ現地に入って対応する、あるいは実務体制を考える。しかし、関連していろいろなことを各局と調整をし、そして取り組んでいくという、そういう指示を出したり問題提起をしたりするのは、危機管理監、あなたではないですか。そういうことに対してどう認識をしているのか、お伺いします。  それから、今回の中で、平成十七年に荒井の沓形遺跡が発掘されているのです。あれが、今回の津波と同じような形で実はあるんです。来ているんです。あれを想定するならば、これは考えなければならないというふうに思わなければならない。ところが、沓形遺跡は、教育委員会の文化財どまりではなかったのですか。消防の方は、その認識をされていましたか。危機管理監も知っていましたか。私は、その後、消防の方に行きました。二千年前にこういう津波が来ていましたよと。それを知っていますかと。えっ、知らないと。これが現在の行政の縦割りでありまして、したがって、こういった貴重な史料とか文書は各局共通にするように、意識をレベリングするようにしなければならない。このレベリングがなされていないというところに、危機管理監、あなたが一番庁舎の中で危機意識を持って各局との調整をする、あるいはそれを市長に提言する。副市長と一緒にそれでは具体的にどうするか、こういう形の行動をするのがあなたではないですか。御見解をお伺いします。 53: ◯危機管理監(曳地泰志)津波の恐ろしさ、津波に関する正しい情報を市民の皆様方に周知していくということに対する再度のお尋ねでございます。  確かに、昨年のチリ地震津波に起因いたします津波の際にも、なかなか避難されない、または、避難しても長時間避難所にいられなくてお戻りになると、そういった避難行動が見られましたので、消防局とともに訓練も含めまして、地域の皆様方とともに津波の恐ろしさにつきましての教訓を語り合い、また、PR用のパンフレット等もつくりまして周知をしてきたところでございますが、今回の津波の被害に当たりましても、多数の死傷者を出す結果になりましたことは非常に痛恨のきわみでございますけれども、今後に当たりましては、この津波というものはもう避難するしかないということ、また、長時間、特に第二波、第三波が特に大きくなる可能性もあるということ、そういったことにつきまして再度私どもも認識を深めまして、正しい知識とともに、また、今後の津波シミュレーションの結果等も踏まえまして、今後とも市民の皆様方に周知徹底をしてまいりたいと、そのように考えておる次第でございます。  以上です。 54: ◯五十五番(池田友信)時間がありますから余り深追いしませんが、ぜひそういう意味で危機管理監の方から、今回の津波については、いいも悪いも実態を私は把握することだと思います。行政は行政として反省しながら、何が問題だったのかということをぜひここで把握をし、そして、それに対する対策をこれから講ずるべきだと思いますので、ぜひそういう意味で市民とひざを突き合わせながら状況を把握していくと、こういうことが私は肝要だと思います。  それから、行政側としては、ぜひこれから貴重なそういった史料を共有する。今見ますと、いろいろな公文書までどんどんどんどんスペースがなくて放置され、あるいは破棄されている、そういう傾向にあります。ぜひ公文書的な部分については、今後継続して役立てるような、そういったシステムを考えていくということをぜひ取り組んでいただきたいということをお願い申し上げます。市長の御見解をお伺いします。 55: ◯市長(奥山恵美子)再度のお尋ねでございました。  まず、一点でございますけれども、今回の津波の大きな災害を事実としてしっかり検証する中で、例えば市民の方の行動の中に、一定の時間が過ぎて何も起こらないので、もう安心していいのではないかというようなことでありますとか、先ほどの他の議員の方からの御指摘によります、例えば忘れ物を取りに行ったというような行動があったのではないかとか、さまざまな津波の危険性を無意識的に低く見ることによる結果として、罹災につながったというような事例があったのではないかということにつきましては、私どもも大変注意深くこれを検証すべき一つの大きなポイントだと考えているところでございまして、実際に津波の被害に遭われた皆様のそのときの行動等を幅広くお伺いする中で、今後の教訓を得、それらをこれからの防災に役立ててまいりたいと思うところでございます。  また、あわせて、これまでの私どもの想定というものは、近代以降の、ある程度その把握が十分にできている津波について、その結果を適用して知見を得てきたものでございますけれども、今回の大震災、また、今お話をいただきました歴史的に古い過去にさかのぼっての遺跡等に見られる痕跡、そうしたより長い歴史のスパンの中での自然災害の惹起ということも慎重に考えまして、これからの啓発、また、私どもの防災の前段の知識としての深め方、そういうことにもあわせて取り組んでいきたいと思うものでございます。 56: ◯議長(野田譲)次に、嵯峨サダ子君に発言を許します。     〔四十八番 嵯峨サダ子登壇〕(拍手) 57: ◯四十八番(嵯峨サダ子)日本共産党の嵯峨サダ子です。宅地被害の復旧・復興対策について一般質問いたします。  東日本大震災で、仙台市内の丘陵部を中心に深刻な宅地被害が発生しました。危険宅地と判定されたのは八百八十六件で、宅地被害総額は約一千億円と言われています。大規模な地すべり被害に遭い、三月末に市から避難勧告を受けた緑ケ丘四丁目の住民の一人は、地震で残されたのは傾いた住宅と被害を受けた宅地、どうしたらいいのか生活の見通しが立たないと話しています。生活再建のために、宅地被害の救済、復旧は待ったなしの課題です。  市は、地すべりなどの二次災害が発生するおそれがある箇所について、新たに百四十二宅地、百六十一世帯に避難勧告を出しました。市は、二次災害を防止するために、崩壊土砂の撤去、大型土のうの設置、排水設備を施すなどの措置をすると述べていますが、面的に被害があるところだけでなく、一戸でも市民から通報があればすぐに対応できるよう体制を整えておくべきですが、いかがでしょうか、伺います。  宮城県建築士協会の方々が、被災建物の調査、相談に当たっていますが、相談の多くは宅地被害の問題だと聞いています。宅地、地盤の問題は、土木や地盤工学などの専門知識が必要です。専門家の協力をいただいて、宅地被害の相談窓口を開設すべきですが、いかがでしょうか、伺います。  被災地区の住民から、地質や地盤の状況がどうなっているのか、市で調査してほしいとの要望が出されています。十戸以上まとまった被害のある地域は六十五カ所ですが、地質調査済み、調査予定を含めても三十カ所です。地盤対策を考える上でも、要望のある地域も含めて必要な箇所については地質調査を実施すべきです。伺います。  宅地被害のほとんどは、宅地造成等規制法以前に開発した団地で、沢や谷を大規模に埋めて造成したところです。そのため、盛り土地盤の崩落や地すべりが発生し、広範な地域で家屋や宅地、擁壁等に甚大な被害が出ました。宅地被害は二千件以上に上っています。  緑ケ丘四丁目の場合、被害の特徴は、宅地の地割れ、亀裂に原因する擁壁の損傷です。これの復旧、補修は、建物全体あるいは部分的な解体等を必要とするケースが多く、多額の費用を要します。所有者個人の負担だけで復旧できるものではなく、公的支援が必要です。それがない場合、被害宅地の放置という問題が多発するおそれがあります。  このことは、区域全体の復興のおくれの原因となり、長期避難を余儀なくされるという深刻な事態の発生も予測されます。しかし、現行では、個人の宅地被害に対する公的支援はないに等しい状況です。あっても限定的です。宅地災害復旧事業に関連する国庫補助制度を利用した場合、現行の制度では被害箇所の一割弱しか対象とならず、新潟県中越地震などの特例措置を適用しても、六割強が対象になりません。  六月九日の国会で、日本共産党の高橋ちづ子衆議院議員が、最低でも新潟でやった特例をやることと、国の負担割合を引き上げることを求めました。これに対し国は、今回の震災に対しても新潟の特例措置を活用しつつ、さまざまな工夫をしたいと答えました。宅地災害復旧関連事業は、県を通して国に事業申請する仕組みになっています。ですから、宮城県が手を挙げなければ事は進みません。  仙台市は、今回の被害は規模が大きいため、国に対し、地域防災がけ崩れ対策事業、緊急急傾斜地崩壊対策事業、大規模盛土造成地滑動崩落防止事業について全額国費とし、高さや人工のり面、擁壁等も対象に含めるなどの要件緩和を求めていますが、国からはいまだに何の指示も返事も来ておりません。被災住民を置き去りにするつもりなのでしょうか。被害宅地をこのまま放置するわけにはいきません。県と市が実施主体になって被害宅地を復旧し、国にその費用を請求するくらいの覚悟で臨むべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。  宅地被害を救済するために、知恵と工夫と柔軟な対応が必要です。公共工事で救済できるものは積極的に行うことです。道路災害復旧事業を活用して、個人の擁壁を道路区域に入れて直すなど、あらゆる可能性を追求して取り組むことを求めますが、いかがでしょうか。  被害の状況は、団地ごと、地域ごとに違いがあります。十戸以下の被害宅地も多数存在します。すべての宅地被害を救済する手だてが必要です。国の補助事業の対象にならない宅地については、市が独自に支援することが求められています。  人口三万人弱の那須烏山市は、今回の震災で被災住宅地復旧工事助成金制度をつくり、四月二十六日から事業を開始しています。地すべり、がけ崩れ、擁壁の崩壊、地盤沈下、地割れ等により住宅にも被害を受けている、あるいは被害を受けるおそれがあるもの、余震、降雨等により二次災害の発生するおそれがあると認められるものについて、最大で三百万円の助成金を支給しています。  岩手県一関市は、二次被害を防止するために補助金を支給することを決めました。対象となる宅地は、個人が所有する宅地で、放置すれば隣接する住宅や道路に二次被害を及ぼすおそれのあるもの、被災宅地を復旧しなければ被災住宅を再建または補修できないもの、相当の危険性があり、緊急に復旧工事を要すると市長が認めたものです。既に工事が完了している場合でも、要件に合えば補助対象になります。補助率は対象経費の二分の一以内で、限度額は百万円です。仙台市でも国に頼るだけでなく、独自の支援策をつくるべきです。お答えください。  地質、地盤調査結果の住民説明会が各地で開催されています。説明会では、調査結果だけの説明で、対策工法については説明されません。住民が一番知りたいのは、どのような対策を行うのか、費用や工法を含めてです。対策工法についての説明はいつごろになるのか伺います。  緑ケ丘三丁目は、一九七八年の宮城県沖地震の際に、宮城県が砂防工事として集水井戸と道路に鋼管くいを多数打ち込みましたが、今回の地震でくいが地中で傾いたり折れたりして、住宅の被害を防ぐには至りませんでした。そのため、県は、地震後に地盤調査を実施し、調査結果を住民に説明しました。県は、今後、集水井戸の増設や鋼管ぐいの打ち直し等を行うとのことです。ただし、個々の宅地には一切関与しないと言い、問題があれば仙台市と話し合ってもらいたいと住民に対し言っているそうです。被災宅地が取り残されることのないよう、市は県と連携を密にして責任ある対応をすべきです。お答えください。  地盤災害への対策工法を検討する中で、最終的に地盤の安定が図れない地区について、市はどのように対処するお考えなのか伺います。  恒久的に宅地として使用できないとなれば、集団移転ということが考えられます。しかし、その際に、国の防災集団移転促進事業が使える状況にあるのかが問題になります。この事業は、市が被災宅地を買い上げ、代替地に個人が住宅を再建することが条件です。しかし、被災地区の多くは高齢化しています。とりわけ高齢者だけの世帯の場合、年金収入しかなく、ローンを組むこともできません。そうなると、持ち家の再建は不可能です。高齢者世帯の住宅再建と生活の再建をいかに進めるかが最大の課題です。  考えられる方策は、市が従前の宅地を買い上げ、代替地を等価交換するとします。そこで、交換した土地を住民に寄附してもらい、その土地に市が災害公営住宅を建てて、被災者の負担をなくす方法があります。これは、中越地震のときに旧山古志村がやりました。また、代替地に市が一戸建ての公営住宅をつくり、何年か後に払い下げを行うなどいろいろな選択肢を用意して、住民と丁寧に話し合うことが大切だと考えますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。  次に、災害公営住宅について伺います。  市は、罹災状況から想定した滅失戸数に基づき、最終的な住宅供給戸数を約二千戸としています。その第一段階として、二〇一三年度に約六百戸の供給を目指します。建設位置は、田子西地区、荒井東地区、若林西地区、鹿野地区の四カ所です。災害公営住宅は、仮設住宅と同様に、なるべく従前の居住地に近い安全な場所で、地域コミュニティーを保持しながら暮らせるように建設、入居を行うのが基本です。孤独死などの発生が起こらないように配慮することが極めて重要です。被災者のニーズに合った多様な建設が必要です。小規模、低層、戸建て住宅など、従来型でない整備を検討すべきです。お答えください。  また、民間借り上げ応急仮設住宅に入居している被災者が、契約期間満了時に追い出されることのないよう、契約期限後に公営住宅扱いにして居住の安定を図るべきですが、いかがでしょうか、伺います。  自然災害によって必要最低限の生活すらできなくなっている国民に対して、生活再建の支援をするのは、憲法二十五条を持つ国として最低限の責務です。宅地の再建は、政治の責任で行うことを最後に求めて私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 58: ◯市長(奥山恵美子)ただいまの嵯峨サダ子議員の御質問にお答えを申し上げます。  災害公営住宅に関するお尋ねでございました。  被災された方々のニーズに沿った災害公営住宅の整備に関しましては、第一段階として建設してまいります宮城野区の田子西、若林区の荒井東及び若林西並びに太白区の鹿野の四地区でございますが、被災地の位置関係や鉄道駅に近く、生活の利便性が高いなどの条件を考慮し、建設地として選定をしたものでございます。  具体の建物の整備に当たりましても、新たにコミュニティーを形成し、維持していくという観点から、被災された方々のニーズを踏まえ、さまざまな整備方法について検討すべきものと考えております。  また、高齢世帯や子育て世帯など多様な世帯がバランスよく入居していくような配慮でありますとか、応急仮設住宅において形成されるでありましょうコミュニティーへの配慮なども重要であると考えております。今後そのための募集方式などについても検討して、入居されることとなる被災された皆様方が、安心してお暮らしいただけるような環境を整備してまいりたいと考えております。  このほかの御質問につきましては、都市整備局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 59: ◯都市整備局長(高橋秀道)私からは、宅地被害の復旧対策に関する御質問にお答えいたします。  まず、被災宅地の二次災害防止に向けた取り組みについてでございますが、特に危険な箇所に対しましては、ブルーシートの設置や大型土のうの設置などの対応を行っているところでございます。市民からの通報に対しましては、これまでも一件一件対応してまいりましたが、梅雨の時期を迎え、さらに体制を強化したところでございます。  二次災害の防止に向けましては市民の協力が不可欠であり、各宅地所有者にもできる範囲で応急処置に努めていただけるよう、ホームページやパンフレットの配布などによりお願いをしてまいりたいと考えております。  次に、専門家による宅地被害相談窓口の設置についてでございますが、宅地被害の復旧に関する相談は、内容が技術的なものが多く、かつ高い専門性が求められることから、専門家による相談窓口が必要と考えております。現在、学識経験者の方々の御意見もいただきながら、相談窓口の体制等について検討しているところでございます。  次に、地質調査の実施箇所についてでございます。  複数の宅地が被害を受けている箇所につきましては、今後、現地踏査等の概況調査をすることとしております。その結果、地すべり等の被害が想定される箇所におきましては、ボーリング等の地質調査を行ってまいりたいと考えております。  次に、国への働きかけについてでございます。  宅地災害の復旧にかかわる事業につきましては、本市が事業主体となるものや県が事業主体となるものがあるため、これまで県と共同で既存制度の拡充について国へ要望を行ってきたところでございます。これまでのところ、国からは明確な回答が得られておりませんが、被害の甚大さから復旧費用も膨大となるものと見込まれ、国の支援が不可欠でありますことから、先行して復旧を行うことは困難なものと考えております。  今後、一日も早く被災宅地の復旧を進められるよう、引き続き県と連携しながら、国に対し制度の拡充を求めてまいりたいと考えております。  次に、さまざまな制度を活用した取り組みについてでございます。  今回の甚大な宅地被害に対して、宅地所有者の負担軽減を図るため、現在、国に対して各種事業制度の拡充を要望しているところでございます。例えば道路等の公共施設の災害復旧事業による対応も一つの手法であり、さまざまな制度を活用し、多くの宅地被害の救済が図られるよう対応してまいりたいと考えております。  次に、宅地被害の復旧に関する本市独自の支援策についてでございます。  今回の宅地被害は、その甚大さから、個人での復旧はもとより、本市独自で復旧の支援を行うことは困難であり、被災宅地の復旧のためには国の支援が不可欠なことから、これまで国に対し、復旧に向けた全面的な支援に係る要望を重ねて行ってきたところでございます。現在、国の支援の枠組みを広げることについて最優先に取り組むべきものと考えており、引き続き国に対して強く働きかけてまいります。  次に、対策工法の地域への説明の時期についてでございますが、現在、地質調査の結果に基づき、箇所ごとの対策工法について、専門家の意見を伺いながら検討を進めているところでございます。今後、順次、対策工法が決まり次第、住民の方々にお示ししていきたいと考えております。  次に、緑ケ丘三丁目地区における県との連携についてでございますが、当地区は、宮城県沖地震による被害を受け、宮城県が砂防事業の一環である地すべり防止区域に指定し、対策工事を実施した区域でございます。今回の震災でも被害がありましたことから、県による地盤調査及び対策工の検討が行われております。本市が、個々の宅地の復旧に技術支援や融資制度の紹介を行うなど、県で行う対策工と連携して、宅地の復旧支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、地盤災害への対策工法についてでございますが、基本的には現地で生活再建が可能となるよう、対策工法の検討を行うこととしております。しかしながら、地質調査の結果により、宅地として地盤の安定を図ることが困難な場合には、集団移転事業の制度の活用なども視野に入れながら検討してまいりたいと考えております。  現在、住宅地の復旧の手法として、中越地震など過去の事例を参考に、地区ごとに防災集団移転促進事業や旧山古志村で適用された手法など、適用可能な事業を検討しており、今後、地区の皆様の御意見を十分お聞きしながら、ケースに応じた復旧策を示してまいりたいと考えております。  最後に、民間借り上げ応急仮設住宅を公営住宅扱いとすることについてでございますが、災害公営住宅として供給を目指す二千戸につきましては、本市による建設を基本としながら、民間賃貸住宅を災害公営住宅として借り上げる方式も実施したいと考えております。そこで、低所得者が入居する災害公営住宅としての基本的な条件もございますことから、今後、借り上げ条件などを検討してまいりたいと考えております。
     私からは以上でございます。 60: ◯四十八番(嵯峨サダ子)市長に二点再質問させていただきます。  先ほどの御答弁によりますと、宅地被害の救済は、国になかなか今要望しても何とも返事がないということで、私が先行して実施しなさいと、すべきだというふうに求めたのに対して、先行実施することは困難だと。しかも、市独自で支援することもできないと。本当にこれ被災者の皆さんが聞いたら嘆き悲しむと思います。本当に被災者の心情をどれだけわかっているのでしょうか。本当に悲しくなります。市民が悲嘆に暮れているときに、国だけを当てにしていたのでは市民は救われません。市独自でこういう支援をするから、国にもお願いしたいという強い姿勢を示さなければ、国に対しての説得力に欠けると思います。  第一問で述べた那須烏山市長は、住民が路頭に迷うような事態を避けるために制度をつくったと、このように述べておられます。奥山市長の判断で、今救いの手を差し伸べれば、どれだけ被災者を勇気づけるかわかりません。市長は被災住民に心を寄せて、市独自で最大限の支援をすべきです。  もう一点目は、被災した宅地をこのままにすれば、安全に住めない不良宅地が広範に残ることになるのです。あわせて、町内会などの地域コミュニティーも喪失しかねません。ひいては仙台の都市のまちづくりに多大な影響を与え、復興の大きな妨げになります。未曾有の大災害に遭い、苦しんでいる国民を救おうとしない、日本政府の存在意義が問われている事態です。市長は、このような国に対し、昨日は、腹立たしいと御答弁されていました。そう言うのであれば、市が先行して宅地の復旧工事に踏み出すべきです。費用は、後で国に出させればいいんですから。市長の決断を求めます。 61: ◯市長(奥山恵美子)広範な宅地被害が現在起こっているわけでございます。その復旧が、一個人の皆様の御努力では甚だ困難な面が多いということにつきましては、この間、繰り返し御指摘もいただいておりますし、また、私どももそのような認識であるということはお答えを申し上げているところでございます。  そうした中で、私といたしましては、この広範な被害を救済してまいる事業の枠組み、これを構築するためには、やはりしっかりとした国の国費が入り、この制度を確立することがまずもって最大の重要課題であると考えているところでございます。したがいまして、この間、何回にもわたりましてさまざまな形での国への要望も行っておりますし、また、あわせて政府関係の多くの皆様が御来仙いただく機会をとらえて、現地の実情等につきましても重ね重ねその実態の広さ、そして国の支援の必要性等について訴えてきているところでございます。  市単独での補助制度等を創設することにより、早期に着手すべきであるとの御提案でございます。早期に着手したいという思いにつきましては、私もたびたび現地の方々からも、現地において、また市役所においてお話を伺い、梅雨が始まりましたこの時期において、そのことを望む気持ちは同じでございます。しかしながら、国が、この間、これだけの被害に対して全く動きがないということそのものが大変大きな問題でございまして、これは、一仙台市が事業を先行するとかそういったような形によって回復されるものではないと考えてございます。私は、改めて国がこの甚大な被害をかんがみ、しっかりとした責任のある制度に対して回答をよこし、そしてまた、二次補正、三次補正において、それに必要な財源を地方自治体に明示する、このことがまず第一に必要であり、それに向けて仙台市として全力を尽くしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。 62: ◯四十八番(嵯峨サダ子)雨が降ると、本当に被災地区の住民は夜も眠れないほど心配でいるんです。私も同じ思いでいます。今、市長がおっしゃられましたけれども、これからもう本格的な、今も、きょうも雨も降っておりますし、台風も近づいてきております。かなり前に、八・五豪雨という大変な仙台でも災害がございました。そういう今異常気象の中で、ああいう事態が起こり得ないとも限らないわけなんです。ですから、いまだに三カ月以上たっても国から何の音さたもないと。ただただ待っているだけではもういかないのです。市長の決断で、先行して工事をやると。お金は後からついてくるんだという、そういう覚悟で私は臨むべきだと思うのです。こういう非常事態にこそ、奥山市長の真価が問われているんです。これまでの発想を転換して、何をおいても被災者を支援するという覚悟が奥山市長にあるのかないのか伺います。 63: ◯市長(奥山恵美子)被災された皆様の困難な状況を一日も早くお救い申し上げたい、そのための事業を実施してまいりたいということについては、私も嵯峨議員と同じ気持ちであるというふうに考えます。  ただ、御提案をいただきました国に対して市が覚悟を持って事業を先行していけば、国がおのずから予算を出すはずという認識について、私はそのようには考えてございませんので、私の判断によりまして適切なる対応を今後とも国に求めつつ、早期の着工に努めてまいりたいと、このように考えております。 64: ◯議長(野田譲)これにて一般質問を終結いたします。          ────────○────────     日程第三 第七十四号議案から第八十五号議案まで(継続議) 65: ◯議長(野田譲)日程第三 第七十四号議案から第八十五号議案まで、以上十二件を一括議題といたします。  お諮りいたします。ただいま議題となっております第七十四号議案外十一件については、お手元に配付いたしました議案付託表のとおり、東日本大震災対策特別委員会及び所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 66: ◯議長(野田譲)御異議なしと認めます。よって、第七十四号議案外十一件については、議案付託表のとおり東日本大震災対策特別委員会及び所管の常任委員会に付託することに決しました。          ────────○──────── 67: ◯議長(野田譲)以上で、本日の日程はすべて終了いたしました。  なお、本会議は、委員会の報告を待って再開の予定であります。  本日は、これをもって散会いたします。     午後四時五十八分散会...