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  1. 仙台市議会 2011-03-15
    平成23年第1回定例会〔  防災・危機対策調査特別委員会報告書 〕 2011-03-15


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:         防災危機対策調査特別委員会 報告書  防災危機対策調査特別委員会調査概要について御報告いたします。  本委員会は、防災危機対策充実強化を図ることにより、宮城沖地震等あらゆる災害危機から市民の生命と財産を守ることを目的に設置されました。  初めに、本委員会における1年間の運営方針及び調査項目について協議を行い、災害発生時においてはまず家庭地域など、身近なところでの対応が重要となることを考え、「家庭等備え防災対策について」をテーマとし、「災害から身を守るための取り組みについて」、「日常生活から取り組む防災意識向上について」、「行政とともに取り組む防災対策について」の三つ視点から調査を行うことといたしました。  調査活動概要は後述の「調査経過概要」のとおりであります。以下、これまでの活動経過及び調査の中で委員から示された意見等について御報告いたします。 1 災害から身を守るための取り組みについて ○ まずは家具固定など、自分身の回り耐震化が重要であり、次に地域  や町内会防災力高めるなど、この二つが家庭等備え防災、あるいは  地域備え防災として大事なのではないか。 ○ 地域防災を担う人材の育成というところに、女性視点を重視した考えを  取り入れてはいかがか。避難所においても、授乳や着替えの際の対策など、  女性独特の視点がある。女性役割視点、持っている力を上手に引き出し  ていけるような対策をするべきではないか。 ○ 自主的な市民取り組みが肝心であり、そういった意味では、防災リーダ  ーを育てていくことや、自主防災組織充実ということも必要ではないか。  自主防災組織があるところもあるが、いざ災害が起きたときにどのような行  動につながるかという点ではまだ不十分な点があるため、できたところは組
     織の充実を目指していく、できていないところは、いざとなったときには地  域で助け合える、そういった取り組みができるような自主防災組織づくりが  大事なのではないか。 ○ 災害は昼に起こるのか夜に起こるのか、さらには夏に起こるのか、真冬に  起こるのかわからない。そのため、具体的な防寒対策の問題など、仙台市の  場合にはどのような備えが必要なのかを一つ一つ市民イメージできるよう  なアプローチの仕方を常に問いかけて発信し続けていくということが、防災  の取り組みでは非常に大事なのではないか。 ○ 町内会での防災訓練温度差があるが、この温度差を解消するためには、  実際に自主的な防災訓練などを行っている町内会があるというPRがもっと  必要ではないか。また、大規模災害時に備え、みずからの町内だけで防災訓  練を行うということも考える必要があるのではないか。 ○ 防災については、町内会によっても温度差があり、住民によっても温度差  があるが、隣近所で取り組んでいることは興味を持つものである。そのため、  自主防災活動地域活動を活発にしていくためには、各町内会取り組み  はもちろん大切であるが、これを支援するような、例えば連合町内会単位な  ど、町内会よりも少し枠組みを広くし、横の連絡から関心を上げていくため  の、自主防災協議会のようなものが必要ではないか。   また、その協議会を立ち上げることによって、小学校や中学校などの指定  避難所運営がよりスムーズになるのではないか。 ○ 市民に対して防災啓蒙活動をさらに進めるための提案が大事である。防災  訓練なども、参加する方としない方がいるなど、市民皆さん温度差があ  る。そういった中で、学校を通じて、小学生、中学生皆さん一緒防災  に参加していただき、それを家庭に持ち帰っていただくことも大事である。 ○ 各家庭での防災意識が高まるということと、地域での防災活動が高まると  いうことは相乗的に取り組んでいく中身ではないか。各家庭で、どのような  備えをしているかなど、家庭取り組みを交流、共有するなど、話し合いの  場を重ねていくこと、あるいは図上訓練のような形で、みずからの地域を歩  き、体験して取り組んでいくことなど、先進的な取り組みを行動できる地域  をいかにふやしていくかが非常に大事ではないか。 ○ 訓練が盛大になればなるほど、すばらしい、頼もしいで終わってしまうの  で、むしろ外部から一切手をいれずに訓練をし、後で消防人たちに採点を  依頼し、指摘をしてもらうなど、自立した防災訓練地域でどのように高め  ていくかということで取り組まないと、家庭での対策までいかないのではな  いか。 ○ 中学生災害があったときに地域に一番近くにいて、かつ、動けて認識が  できる年代である。大人は働いているので、地域に残っているのは高齢者や  専業主婦などであり、地域の中で中学生が果たす役割は大きい。実際に中学  生を防災訓練などに参加させて、大人一緒に行動していくということも地  元においては大事だと思う。 ○ 地域の中で子供たち一緒になって防災訓練取り組みをした地域がある  が、非常に新しいスタイルで、今後そういったことを行っていくことが必要  である。こういったことも含めての問題意識危機意識をどう高めていくか。  防災センターがないならないなりに仙台市は全面的にいろいろな研修をした  り、危機意識を出すような形で取り組まなければならない。 ○ 連合町内会連合婦人部消防団、それに中学生一緒に参加して防災訓  練を行うという計画がある地域もある。私たちも、地元に帰ったらリーダー  シップを発揮し、学校地域でもそのようなことを提案するなど、地域でも  音頭をとって取り組むべきである。また、訓練はやれば身について、いざと  いう場合確実に役に立つので、いろいろな機会でもって啓発する必要がある。 ○ 地域の方と中学生避難訓練一緒にすることは大事だが、いつも学校に  いる方とそうではない方がまざって防災訓練をして、それが災害時に本当に  役に立つのか。そういった意味で、教育委員会、特に中学生防災訓練等に  かかわる部分については、もう少し慎重に、なおかつ教育現場との話し合い  をもう少し密にするべきである。 ○ 中学生防災に対して求めるのであれば、地域の中へ協力を要請するなど、  自主防災組織について、身近な足元のところに組織をつくるということにつ  いて議論をしないと、いざというときに大きな問題が起こるのではないか。 ○ 日常防災訓練に参加できない人たち防災意識を持ってもらうために、町  内会単位など、もっと小さい規模での訓練も視野に入れながら、防災訓練を  行うなど、参加できない人にいかに参加していただくかという努力が必要で  はないか。 ○ 地震対策における町内会加入世帯については、未加入世帯の方が実際に  地震が起きたときにどこに避難すればよいかということで、みずから町内会  の区割りを記した学区の地図を作成し、町内会の意義や役割など、自主防災  組織取り組み方がいかに大事かというのを、改めて保護者皆さん地図  づくりなどをする中で気がついていったという報道もあった。マンションや  アパートがふえている中で、町内会への加入率も下がってきているため、加  入していない方々への対策アプローチというのも大事ではないか。 ○ 備蓄品については、水などもそのままにしておくと腐ってしまって飲めな  くなることがあり、日常生活の中で飲みながらためていくことや、また、持  病のある方で薬を飲んでいる方などは薬の手帳を持っているが、手帳自分  のかばんの中に入れておくなど、日ごろ何でもないようなことであるが、そ  ういうことを言ってもらうことによって対策できることもあるのではないか。 ○ 備蓄品、あるいは一時避難場所などについて地域で具体的に相談、アドバ  イスをするということにおいては、職員だけではなく、消防団地震防災ア  ドバイザーをもっと活用することも必要なのではないか。 ○ 静岡県では各家庭災害発生時に対応できるような取り組みに主眼をおい  ているように感じたが、これからは家庭避難所の両方を考えていかなくて  はならない。 2 日常生活から取り組む防災意識向上について ○ 危機意識という点では災害をいかにみずからに引きつけてとらえるかとい  うところがキーワードになるのではないか。一人一人の命を守るというとき  に、自分の命、大切な人の命をいかに守っていくのかということが、104  万人市民に届くような取り組み方が非常に大事ではないか。 ○ 減災には関心層をふやしていくことが大事であり、いかにその意識高め  ていくかということが非常に重要である。関心層中間層、無関心層方々  に対するアプローチの仕方というのは一つだけではなく、それぞれの層に応  じた細かい分析や対策が必要ではないか。また、仙台消防防災に関する  市民意識調査の結果を見ると、地震が来ることはわかっているけれども対策  がなかなかとられていないということであり、どのように強化をしていくか  が非常に大切である。 ○ 地震はだれにもひとしく降りかかる災害であり、こういったものに対して  は、みんなで同じような興味関心を持つべきである。いろいろな先進事例  や、災害に遭われた方の経験談は非常に参考になるし、また、無関心層に対  して思いを向ける、灯をともすということに非常に効果的であると思う。ま  た、今後そのようなことを子供たちに対する教育に使っていくことも必要で  はないか。 ○ 身近に防災意識高めるという点においては、学校子供の中で防災意識
     を高め機会がこれからは非常に大事ではないか。中学生訓練に参加して  いる事例のような取り組みをいかに広げるかが重要な点である。 ○ 地震はいつ起きるかわからないし、家庭で起きるとは限らないため、地震  が起きたときにどこへ逃げるかなどということを、家族で話し合っておく必  要がある。 ○ 先日テレビで、地震が来て電気もガスも水道もストップしたという想定で、  どのように行動するかという内容があり、水はない、電気はない、だんだん  寒くなってくるという中で、どうやって暖をとるかなどと苦労している場面  があったが、やはりそういったことを日ごろから家庭の中で話し合いをして  いくということが大事ではないか。また、何かあったときに混乱しないよう  に、先人から学んでいかなければならない。 ○ 関心が薄いということは、やはり市側からも言っていかなくてはならない。  そのためには子供に教えていくことが大事である。仙台市では6月12日が  市民防災の日になっているが、その日は、子供一緒家庭の中で我が家の  防災について語り合う日と決めるのも一つではないか。やはり絶えず語り合  うことによって防災意識は高まっていくのではないか。 ○ 無関心層の方の関心をいかに高めるかという取り組みについては、議会も  さまざまな機会を通じて、また、当局もさまざまなツールを利用して、日常  生活の中で、さまざまな切り口で取り組むことが大切ではないか。 ○ 防災意識向上、また、災害から身を守るために市民意識高めていく  活動について、視察で訪問した静岡県では、例えばHUGという、ゲームの  形にした自主防災取り組み避難所運営訓練などが非常に有効活用されて  いる例があった。また、DIGと言われる図上訓練は、本市においても大分  普及してきているが、静岡県のような他都市でも活用されている最新のもの  は、本市市民意識向上策に有効に使えるのではないか。   また、女性子供視点を踏まえて家庭関心を上げるためには、そうい  ったツール広報関係を駆使しながら、いかに無関心層関心層へ持ってい  くかということが大切であり、これを家庭単位からスタートしていくこと  が重要である。 ○ 静岡県では、3日間は自助、共助をして頑張ってください、そのためには  こういうマニュアルでやってくださいということを正面切って言えていたと  いうのが非常に危機意識高めているのではないかと感じた。家庭に対する  防災対策危機意識がどのように高まるかということについては、3日間の  意識をいかに徹底するかが重要ではないか。 ○ 町内家庭での準備状況格差があり、地震などの問題を個人地域で未  然に防ぐ努力をするかしないかはやはり危機意識の問題である。視察で訪問  した静岡県は、県全体で危機意識が非常にあると感じた。静岡県の、地震が  発生してから何分間にはどのようなことをしなければならないというような  ことが時系列に書いてある、見やすい資料がある。そういうものがあること  によって、地域、あるいは家庭で行動しなければならないという危機意識に  つながると思う。 ○ 平成19年12月の地震防災アドバイザー室が呼びかけていたニュースの  中には、大掃除は建物の位置や配置、家具固定はどうか点検する機会です  と呼びかけていたのは非常に良いと思う。特に、新しい気持ちで年始を迎え  たいと思っている家庭が多いので、そういった気持ちとかみ合うようなこと  で家具固定などが前に進むような形になればいいのではないか。 ○ 町内会では、現在役員なり手不足、あるいは毎年役員や班長がかわると  いうことが起きており、非常に防災に熱心だった顔ぶれがかわってゼロから  のスタートになることがある。毎年かわることによって、また防災について  知識を広めていこうとすれば、末端での意識が深まっていくとは思うが、何  も手をつけられないというような町内会も実際にある。このような問題への  支援策が必要ではないか。そのことによって、トータルで防災についての意  識を持った住民がふえ、家庭での防災意識も高まっていくのではないか。 ○ 有識者の方から伺ったお話のような中身を、できるだけ地域でも学習して  いけるような機会を重ねていく、また、こちらからも発信していくというこ  とが非常に大事ではないか。 3 行政とともに取り組む防災対策について ○ 静岡県の命のパスポートは、各自が72時間どう生き抜いていくかという  ことの一つマニュアルであり、非常にコンパクトでわかりやすい。混乱し  ているときにそういう手引きがあるということは非常に大事であり、こうい  ったものもぜひ検討願いたい。 ○ 本市でも、地域においては高齢化が大分進んできているという現状があり、  働く世代が日常昼間に地域にいない、子どもの数が少なくなっているなど、  地域コミュニティー活性化が失われてきている傾向にある。こういった中  でいかに地域自主防災を盛り上げていくか。行政側取り組みとしては、  健康福祉局との災害時要援護者取り組みや、消防局においては日常防災  活動消防団取り組み、また、各区においては各町内会日常のさまざま  な業務等についての取りまとめ、この三つがある程度連携しながら機能する  ことによって、地域防災意識、あるいは自主防災活動も活発になるのでは  ないか。 ○ 防災についてそれぞれ町内格差があるということは、家庭地域での危  機意識格差である。その危機意識高めるために防災センターをつくり、  できるだけ早く市民危機意識をそろえることが重要である。いろいろな災  害が発生している中で、メディアを通じて、あるいは視聴覚を通じて現実に  感じてもらい、危機意識高めるために、やはり防災センターを早急につく  り、意識高めるための工夫をし、最高のメディアと最高の技術をつくって  市民認識高めていく、そういう行政側努力が必要である。 ○ 有事のときは、自分の身を守るのが精いっぱいということもあるし、いろ  いろな地域差もある。また、高齢の方や体の不自由な方などさまざまある。  そのときに、自分の家から動かなくてもいい、自分の家は一番安全だという  ことがとても大事であり、行政においては、耐震化を図っていくことが重要  である。 ○ 一番大切なことはやはり災害を未然に防ぐ取り組みであるが、高齢化、核  家族化が進んでいる中で、古くなった家を建てかえるかというと、仮に70  歳代の夫婦が何千万円もする家を建てかえるということはなかなかできない。  一番災害に遭いやすい方が一番厳しい条件下に置かれている。これを行政が  どうするのかとなると、個人的な財産についてどこまでかかわれるかという  問題と綿密にかかわってくる。これから人口減少時代に合わせていくならば、  消防も人的にも削らざるを得ない事態が発生してくるかもしれない。そうし  たときに、やはり個人の家、家族家庭の中でどのように未然に災害を防ぐ  のかということについて幅広く意見を出し、公的な補助も含めて検討をする  時期に来ているのではないか。 ○ 委員会でこれまで議論されたことが、仙台市民の一人一人に届き、防災意  識の向上につながっていくような啓発、啓蒙をしっかり行わなければならな  い。そのために、関係局も含めてさらなる徹底を願いたい。 ○ パンフレットやリーフレットなどは、毎月とか毎年というのはなかなか難  しいにしても、一定の機会のときには訓練にきた人だけではなく、各家庭に  届くような形でお届けできるような対策も必要ではないか。 ○ 町内会自主防災組織家庭との間で災害状況が結びつくような形の資料
     パンフレットが必要ではないか。 ○ 関心を持っている方々取り組みが進んでいる地域防災組織の教訓をた  くさん学び、多くの市民にお知らせをしていくことと同時に、先進的な事例  を相互に学んでいく機会仙台市としても多く取り組んでいくべきである。 ○ 耐震補強工事の面で、木造家屋補強工事の上乗せが制度化されたので、  建築関係の部署とも連携しながらアプローチしていくにはいい機会ではない  か。時期やタイミングを逃さず、啓蒙活動をしていくことが大事ではないか。 ○ 家庭からの取り組みを守っていく基盤になるためにも、市の防災力が安定  し、向上させていき、災害時にきちんと役割が担えるような人員体制をきち  んと確保していかなければならないのではないか。 まとめ   近い将来発生が確実視されている宮城沖地震や、風水害など、仙台市に  おける自然災害危険性はますます高まっております。自然災害発生した  場合、火災や建物の倒壊など、個人家庭では対応が困難な被害が想定され、  公共機関による救助、支援が必要な場合は多々あります。しかし、実際に大  規模災害発生した場合には、まずは自分自身家族の身の安全の確保、  そして周辺地域住民と協力し、地域の安全を確保することが必要となります。  そのため、日常生活において、家庭地域災害備えていくことが必要で  あるという考えから、次の三つの観点から意見を述べさせていただきます。   まず、災害から身を守るための取り組みについてであります。平成17年  に行った仙台消防防災に関する市民意識調査の結果をみると、地震をは  じめとする災害に対しての危機感は高いものの、実際にはなかなか対策がと  られていないことが課題であります。このため、被災軽減のための取り組み  のさらなる強化が必要です。   災害から身を守るためには、家庭地域での防災力向上が必要であります。  家庭における対策としては、自宅の危険な箇所の確認を行い、家具固定や  ガラスの飛散防止を行うなど、身の回り安全対策を講じることや、備蓄品  の確認等が必要であり、さまざまな機会を通じて、啓発を行うことが大切で  す。   また、地域での防災力高めるためには、地域防災を担うリーダーとなる  方のリーダーシップが重要です。この地域防災リーダーを育成し、地域住民  への防災知識の普及や地域での防災訓練の指導などを行うことで、市民の自  主的な取り組みにつながるのではないかと考えます。さらに、リーダーの育  成に際し、女性視点や持っている力を上手に引き出していけるような対策  や、子供高齢者災害時要援護者等への配慮も必要だと考えます。   次に、日常生活から取り組む防災意識向上についてです。防災意識の向  上のためには、災害をみずからに引きつけてとらえることが重要です。その  ためには、実際に災害に遭われた方の経験談参考にすることや、わかりや  すいツールを使用して子供たちへの防災教育を行うことが必要です。また、  先進的な事例を相互に学ぶ機会を設けて意識高めていくことや、災害が発  生した場合の避難場所防寒対策についてなど、あらゆる想定日常から家  族で話し合いをしていくことも必要ではないかと考えます。   最後に、行政とともに取り組む防災対策についてです。行政としては、家  庭からの取り組みが進むための対策考えることが必要と考えます。例えば、  防災について視聴覚で学べる場を提供し、市民関心高めていくことや、  有事の際に必要な情報が簡単に確認できるようなツールを作成し、各家庭へ  配布をすること、あるいは、家庭地域での先進的な取り組み事例を広める  ことなどが必要ではないかと考えます。特に、災害時の行動が簡単にわかる  手引きなどは、日常から携帯できるような工夫をすることで非常に効果があ  るものと考えます。   以上、本委員会としての考えについて述べてまいりましたが、災害に強い  まちづくりをし、災害による被害を最小限にとどめるためには、行政による  防災活動もさることながら、生活の基礎である家庭地域において、日常か  ら防災について関心を持ち、各家庭からのきめ細かな防災対策を行うことが  重要であるものと考えております。   市当局におかれましては、本委員会における委員意見などを踏まえ、仙  台市民一人一人の防災意識向上につながるような対策をし、家庭からの防  災対策が進むよう全庁を挙げて積極的に取り組まれることをお願い申し上げ、  報告とさせていただきます。                            平成23年3月15日  仙台市議会   議 長  野 田   譲 様                       防災危機対策調査特別委員会                          委員長  山 口 津世子  調査経過概要 1 第1回委員会 平成22年8月6日(金) (1)防災危機対策調査特別委員会調査事項等について協議    ・テーマ     「家庭等備え防災対策について」    ・調査項目     1)災害から身を守るための取り組みについて     2)日常生活から取り組む防災意識向上について     3)行政とともに取り組む防災対策について 2 第2回委員会 平成22年9月2日(木) (1)「家庭等備え防災対策現状」について、当局から報告  主な質疑  ・パンフレット等配布方法について  ・中学生防災訓練の参加について  ・市民に積極的に訴える手段の工夫について  ・話し合いの結果がまとめられるようなものの具体的なイメージについて  ・災害発生時の行動イメージの切りかえについて  ・パンフレット等受け手側市民側の目線に立った工夫について  ・子供たちへの防災教育について  ・他局との連携について  ・防災訓練を行う対象ごとのプログラムの工夫について  ・町内会単位などでの防災訓練を行う回数について  ・防災訓練等町内会ごと温度差について  ・防災に関するホームページアクセス数について  ・災害発生後の状況報告の方法について  ・防災に関するホームページアクセス数について   この中で、パンフレット等受け手側市民側の目線に立った工夫につい  ては、「パンフレット等については、その年代層に応じた内容で、子供たちで  あればわかりやすく簡潔にポイントを得たようなパンフレット、あるいは自  主防災組織であれば、初期消火や地震時の対応といったような、組織の目的
     あるいは年代層に合わせたパンフレットをつくることが重要と考えている。  」という答弁がありました。   また、防災訓練等町内会ごと温度差については、「自主防災組織につい  ては、活動温度差があるということが実態である。組織それぞれを見るとや  はり活発な活動がなされている組織にはリーダーとなる人がいるため、活動の  キーマンとなるような人間が必要だということは我々も十分認識している。そ  のため、現在地域防災リーダーを育成するための養成プログラムの検討委員会  を立ち上げて審議をしている。そのプログラムに沿って地域防災リーダーとし  ての必要な知識、技術あるいはプランニングなどを身につけていただき、それ  ぞれの自主防災組織などに配置あるいは指導していくような体制をとりたいと  考えている。」という答弁がありました。 3 他都市視察 平成22年10月28日(木)~29日(金) (1)防災力向上に向けた取り組みについて(静岡県庁)  <説明の概要>   「自分の命は自分で守る。」の考えから、家庭内の地震対策により、一人  でも多くの命を守る取り組みを推進することとし、木造住宅の耐震化プロジ  ェクト「TOUKAI-0」の推進や家具等の固定やガラス飛散防止措置の  推進、非常持ち出し品の準備や家庭内備蓄の推進などを行っている。また、  各種啓発資料やゲーム感覚での「DIG(災害図上訓練)」「HUG(避難  所運営ゲーム)」などの普及、地震防災強化月間や津波対策推進旬間の設定、  地域防災を担う人材の育成を行うなど、防災意識向上のための取り組みに  も努めている。 (2)社員の家族も含めた防災取り組みについて                   (愛知県刈谷市 株式会社デンソー)  <説明の概要>   地域行政と連携をとり、災害発生時に応援要請があった場合には人命救  助や支援活動避難場所の提供などを行っている。また、防災月間を設け、  防災訓練防災フォーラムの開催などを集中的に行うなど、社員の意識啓発  にも努めている。 4 第3回委員会 平成22年11月12日(金) (1)有識者からの意見聴取  参考人 特定非営利活動法人環境防災総合政策研究機構                   理事・事務局長 松 尾 一 郎 氏  テーマ 「最近の災害の課題と市民被災軽減に向けた家庭等での取り組み」  <有識者の発言の概要>  ・災害発生した際に、自主的に避難する関心層は約3割。気にはなるが積   極的にみずから動かない中間層が約3から4割。自分災害に巻き込まれな   いと思っている無関心層が約3割である。この関心層をいかに増やしていく   か、そのための施策や対策が減災や防災のためには重要と考えている。  ・市民災害から守るためには防災・減災の協働戦略化が必要である。平時は   公助の役割が非常に高いが、災害時は住民みずからが判断して逃げなければ   ならず、市民あるいは住民防災組織が連携して行動できるためには情報が   必要である。自治体は避難所を発表する、気象官署は防災情報を提供する、   報道機関はそれを伝えるなど、それぞれ役割があり、それぞれの機関が同じ   ベクトルで行動するということが重要であると考える。  ・地震による人的被害の多くは家具、家屋の倒壊によるものである。自宅等   の耐震化家具等の固定化が非常に大事である。  ・昨年、兵庫県佐用町で発生した水害では、20名の方が亡くなっているが、   同じ町内の久崎地区では川の堤防が決壊し、1,000トンの近くの水が流   れ、最大2メートル以上の床上浸水、8割強の家屋が全壊という大規模な被   害がありながら死者はゼロであった。これは、久崎自治会の自治会長の下に、   地域ごとに大体5世帯から15世帯の面倒を見ている15人の隣保長がいて、   激しい雨をうけて隣保長数名が河川を巡視し、自治会長に対策会議を開くよ   う提言をし、自治会長と隣保長、消防団などが集まって相談をして各世帯に   避難の呼びかけを行った。こういった自治会の事前の行動と対応によって最   寄りの知人宅や避難所に避難をし、救われた事例である。  ・ことしの7月の岐阜県八百津町での土砂災害時に、奥さんの機転で家族を救   ったという事例がある。テレビで土砂災害の前兆は、水の濁りや流れが急に   変わることと言っていたのを見ていた奥さんが沢の水を注視していたところ、   午後5時頃に石や砂まじりの赤い水が流れてきたため、大丈夫だと言う旦那   さんを説得して午後7時過ぎに夫婦で避難所へ避難した。翌朝家に帰ると自   宅は跡形もなかった。奥さんの機転と行動が家族を救うという事例であり、   こういった成功例はどんどん発信したいと考えている。  ・防災という取り組みの中で、人づくりをしていくためには報道機関、メディ   アとの連携が重要である。緊急時に報道を通じて情報を出していただくとい   う取り組みも必要だが、日ごろから防災啓発を、放送を通じて流していただ   くという意味でも必要である。  ・防災、減災には家庭から、地域からの双方向性が必要である。自主防災、学   校教育防災、企業防災など、それぞれの役割において情報を得て、それを家   庭で話し合う、共有し合うことが必要であり、最短ルートとも考えられる。  意見聴取の後、有識者に対して次のような質問、発言がありました。  ・住宅の耐震化の促進策について質問があり、「なかなか耐震化が進まないの   は必要だと思っている方と、そもそもそういうことを含めて余り関心を持っ   ていないというところがあると思う。必要だと思っている方をどうサポート   するかというところは、行政としてどう支援するかという枠組みを考えてい   くことが重要である。」という発言がありました。  ・防災センターの有無の調査について質問があり、「防災センターのあるとこ   ろとないところでの比較をしたことはないが、そこに参加をしてものを見て   という気づきの世界にはつながると思う。しかし、その気づきをいかに取り   組みにつなげるかということが非常に難しいところであり、その部分を地域   に帰って家族で何か考えるというところにつながっていくかどうかがもう一   つ必要である。宮城沖地震の記憶がほとんどない方や経験していない方々   の記憶を呼び起こす、もしくはすり込みをするという意味では必要な施設か   もしれないが、個別の取り組みではなく、全体として何が必要かという枠組   みの中で考えていくことが重要である。」という発言がありました。  ・防災センターなどでのリーダー育成について質問があり、「リーダー育成、   人づくりという意味では、そこに自主防の人をどう呼んでくるかというよう   な仕組みづくりも必要であるが、防災センターにはそういった役割はあると   思う。しかし、一方的な研修だけではなかなか身にならないので、市の広報   誌の防災記事等で成功例を発信し、そこで少しでも読み取って、大事だなと   いうことが次につながればいいのではないかと考える。」という発言があり   ました。 5 第4回委員会 平成22年12月21日(火)
    (1)委員相互の意見交換   これまでの委員会における協議事項を踏まえた委員相互の意見交換 6 第5回委員会 平成23年1月18日(火) (1)委員相互の意見交換   委員会報告を見据えた委員相互の総括的な意見交換...