要するに、何を言いたいかと申しますと、年度内に予算を消化しないということは、仕事をやっていないということ。現実問題として、この繰越金の金額が370億円余にもなっているわけでございます。普通の市だったらば、市全体の予算にも値するような金額を恒常的に残しているわけでございます。
一つ一つ理由を聞くと非常にまことしやかで、いかにも本当にできなかったんですというふうなことであります。
これは何を言わんかと申しますと、年度初めになったならばすぐにでも仕事できることを、いつもこれが6月、7月になってしまう。何で4月からすぐに仕事をしないのか。なぜ4月から
予算どおり執行をできないのか。4月に執行さえすれば、年度内に消化できるかどうかということは9月もしくは12月にもうわかるわけです。そのときに補正なりなんなりを組んで、その執行できない分の予算をその年度内に消化していかなければならないと思っています。
いわばこの繰越明許というやつに対して、余りにも職員の意識が恒常化している。危機管理がない。ましてや今回のように
財政調整基金を全部取り崩していく、ましてや電力株の売却益をも見込んでいるわけでございます。そういう点においては、非常に貴重なる財源であるはずでございます。そしてまた、せっかく予算を組んだのに、費用対効果、早く市民に多くのサービス、利益供与をしなければいけないのが公僕としてのあるべき姿ではないかというふうなことを言いたいわけでございます。
要するに、市職員全体の問題であるから、これらを徹底的に、ここにいらっしゃる市の幹部の人たちが牽引者になって、大きく指導していかなければならないというふうに考えるわけでございます。そういう点で、予算を組む方として、いわば率先してその
予算交渉に当たるだけではなくて、いつの時期からどのようにやるんだというふうなことまで精査しながらやるのが
財政局長ではないかと思っています。そういう点での御答弁を願います。
5:
◯財政局長 ただいま御指摘いただきましたように、さまざまな事情から
繰り越しをしている事業が現実ございます。各般の事業を計画的にあるいは効果的に推進いたしますためには、御指摘のような可能な限り早期の事業の着手ということが大変重要でございまして、あわせて年度内に完了するということが行政の基本姿勢であろうかというふうに存じております。
私ども職員を指導監督する立場の者といたしましては、
繰り越しと申しますのは予算単年度主義の
例外的措置だということでございます。そういう原則を改めて確認いたしまして、まずは適切な執行計画の策定、それから早期発注、工期設定など、事業の実施に当たってのさまざまな工夫を行いまして、常に
事業年度内に、そして早く早期に完了すると。そして、その予算の投資を効果あるものにすると、こういう意識を職員全員で共有できるように私どもが指導していかなければならないというふうに考えております。その結果として、
繰り越しについては極力これは減らしていくという方向で頑張ってまいりたいというふうに思います。
6:
◯佐々木両道委員 最も私が憤りを感じているのは、去る12月に補正を組んだ数字があります。しかし、それが国の基準等々によってそれはだめよと言われて、また今議会にも提案をしているわけでございます。そういう点では、余りにもいいかげんなやり方ではないかと言わざるを得ません。やはりそういったものに対しての市の職員の緊張感がない、見通しの甘さ。なぜ12月に出した提案を早速今回の定例会において修正しなければいけないのか。そういうことは非常に今後とも慎むべきであって……。今までもありました。今回が初めてではございません。そういった面をきちんと認識しておかなければいけないと思います。
そしてまた大切なのは、税収を得るという認識が職員には全然ない。与えられた数字を、与えられたものを全部使うだけ。
市民サービスというものは税金ですべてをやっているんですから、そのために福祉向上のために皆さん方は知恵を絞りすごくやってきているわけでございます。が、しかし、皆さんから税金をいただいている、あるいはより以上いただこうという精神がなくては、税金を得る方も一つの方策であります。もちろんこれからガス局の売却益等々が見込まれます。
私は、前からガス局の売却は1000億円以上もうけなければいけないと申し上げております。何が根拠かと申しますと、先般の出した数字においては、設置の
工事費代が全然ゼロに計算されているんです。1戸の家庭で約35万円程度の工事費がかかるわけです。それが36万戸の需要家庭でしたら、簡単に1000億円以上になってしまいます。それをゼロとしてしか計算しない。いわばガス局の
売却方法として、ツーペイあるいは何十億円程度もうければいいという概念があるのではないか。私は、何も支出した工事費の35万円分丸々もらえという意味ではございません。古いものがあれば新しいものもある。そういった面において、ある程度の価格を見積もってもいいのではないかということをお訴え申し上げたいわけでございます。そういう点で、このガスの収益というのは、もちろん今は一番安いときですから、タイミング、方法、あるいは売りやすい条件というものを整えながら慎重に対応すべきだというふうに思っております。
そのほかに、仙台市が所有している土地が今何百カ所あるかわかりませんが、数年前に調査したときには660カ所もございました。そういったものも年々売却をして、大変努力をしているということは認めます。それでは、ほかにあと何かあるかといったら、なかなかそういう財源というものは難しいと思います。が、しかし、経費の節減という面においては、支出増というふうなことに関しては対応ができる。何が対応できるか。これも前から私は申し上げております。交通局の
民営化売却、水道の
民営売却、あるいは下水道の
民営売却、これらも必ずしも仙台市がやっていかなければいけないというものではございません。今後とも、こういうことを検討するような時期、時代というものが来ようかと思います。そういうときには、それなりにきちんとした判断をしてほしい。何を言いたいかと申しますと、105万市民のために税金で処しなければいけないものは、より充実しなければいけない。しかし、他の方法、手段がある場合には、それを研究、模索をしていくべきであるということを申し述べたいわけでございます。
次に移ります。次は、人事の安定性でございます。
人事というものは、もちろん市長の特権事項でございますが、今現在、責任ある
ポスト課長が余りにも細分化されております。多過ぎると指摘せざるを得ません。昔の
ポスト係長が現在の
ポスト課長ではないかと錯覚さえいたします。そしてまた、その責任ある課長職が平均で2年間なんです。この責任ある課長が2年間で、ましてや、ろくな
引き継ぎは全然ないんです。課長がかわると、知らないうちに前年度までの施策が変わってしまっているんです。こういうふうな責任ある課長は、ある程度の任期、ざっくばらんに申せば三、四年ぐらいがふさわしいというふうに考えるところでありますが、いかがでしょうか。
7:
◯総務局長 行政サービスが多様化いたしまして、各種制度が複雑化をしております中にありまして、課題に対して的確に機動的に対応してためには、それぞれの専門分野に対応する組織体制をとることが必要という中で、組織の細分化についても従前よりは進んでいるというふうに理解はいたしております。
そういう中にありまして、所属長に求められる
在職期間につきましては、一方では事業の進捗状況、関係者の方々の信頼関係の構築など、業務の性格的な側面、他方、職員の育成、
人事管理上のものとしましては、幅広い分野を経験していただくとかモチベーションの向上など、そういった面なども含めまして総合的に判断すべきものと考えているところでございます。今後の職員の配置に当たりましては、こういった状況も勘案しつつ、御指摘のような責任あるポストについて、適切な
在職期間につきましてなお努めてまいりたいと考えております。
また、御指摘にありました職員の交代がありました場合には、市民の皆様にくれぐれも御不便をかけることがないよう、
業務引き継ぎを十分行うよう、なお重ねて周知徹底を図り、業務の停滞を招くことがないよう努めてまいりたいと存じます。
8:
◯佐々木両道委員 この
ポスト課長については、非常に不可解なところがあるんです。と申しますのは、もちろんすべてを集合化しなさいとか、すべてをより細分化しなさいとかを申し上げているわけではございません。いわばこの一つの同じような仕事をやっているのに、何でそれをより細分化しなければならないのかと。細分化するんだったら、係長を細分化すればいいわけです。そういう面では、私から言わせますと、必要な課長は細分化してもいいでしょう。必要でないところまで細分化しているから私が申し上げているわけでございます。そういう点では、
ポスト課長が一番責任者です、現場の。
現場監督なんです。その
現場監督が、一つの事柄においてその部分はそっちへ、その部分はそっちということはいかがかと申しているわけでございます。
そしてまた、その部分がそっちで、こっちが何ぼ忙しくたって、こっちは手助けするわけでもないんです。まるっきり違うんです。そういう面では、同じ一区切りにされるところを非常にお互いの協調性がない。余りにも
縦割りポストであるというふうに言わざるを得ないです。そういう点では、もちろん一番の根源は国の省庁にあるわけでございますが、我々市としてできることは、もうきちんとある程度やっていかなければいけない。私から言わせますと、何か
ポスト課長職をふやすことに意義ありみたいな感じのところがあります。
また、それからポスト
課長そのものが、いわば同じ仕事をやって名前が変わっているのです。いつの間にか。そういうものも、何だかせっかく二、三年でなれてきたなと思うと名前を変えてしまう。こういった名前の変え方もより何か進化しているように見えるけれども、もう市民はわからないですし、ましてや我々内部にいる人間でさえわからない課があるわけです。そういう面では、ある程度それこそ行政というのは3年間ぐらいは何でも変えないというのが普通ですけれども、それを3年と言わず変えているというところに私はこの課題があるなというふうに思うのですが、
総務局長いかがでしょうか。
9:
◯総務局長 広く全体的に本市の組織を見渡した中で、ただいまの御質問にございましたように、どういうまとまりを持って課単位としていくかについては、種々さまざまな見地から検討が必要であるというふうに思っておるところでございます。
そういう中で大きく見ますと、より総合性が求められる部門とある種業務の専門性が求められる部分という大きな見方をしてまいりましたときには、総合性を求められるところではある程度まとまりを広く、
あと専門性が求められるところでは業務の的確な遂行という面から、ある程度コンパクトな単位で組織をつくってきているというのが私どものこれまでの対応でございます。そういうことではまいっておりますけれども、ただいま御指摘にございましたような業務をどういうふうにきちっと継続的、安定的にするのかという趣旨が、市民のためにとって最も重要であるという御指摘というふうに理解をさせていただきまして、その辺、今後とも単純に仕分けをするのではなくて、そうした兼ね合いも十分踏まえながら検討してまいりたいと存じます。
10:
◯佐々木両道委員 御当局言葉で検討というのはやらないということ、このように私は長年経験を積んでおります。そういう面では、
総務局長としては、検討という言葉はいかに解釈すればいいんですか。
11:
◯総務局長 検討にもいろいろな段階があろうかと思いますが、具体の組織をどうあるべきかを検討する際に、可能な限り具体性を持たせたいということでございます。
12:
◯佐々木両道委員 私は、
課長職そのものも問題であると思っていますが、より局長職の方が問題だなと思っております。これは、局長職も余りにも早くかわり過ぎるんだ。これが非常に、どの局長がどこに行って、どの局長がどうする、それぞれその局にかわると人間が変わったみたいに過去のことは捨てて、新しい方にだけ邁進する。局長というのは仙台市の幹部であるんです。だから、すべてのことに精通していなければいけない。自分の局だけではないんです。もちろん自分の局をよくするのは当たり前のこと。それ以上に、仙台市の最高幹部であるという認識を持っていただきたい。一つの局の問題ではございません。そういう点で、お互いにいろいろな意見、いろいろな立案、いろいろな計画、そういったものをともども出し合うような局長のやり方でなければいけない。それを
企画調整局長だけが調整するのではないのです。そういう面での局長の人事というものに対して、私は余りにも責任というか、いわば一つの局をやろうとするとき、果たして一、二年でできるものでしょうか。先ほども言ったように、
局長自身にも
引き継ぎはございません。そういう面で、非常に行政というのは
引き継ぎがないものだという先入観でしか私どもは取り組めないところが残念なのであります。
この
局長人事、もっといえば
区長人事です。区長というのは、各区においては市長の代理であるはずなんです。それがまた、ことしも違う人。いわば一番直接住民、市民と対話できる、そしてまた一番信頼の置ける立場の人間です。もちろん市の説明会あるいは町内会の説明会、あるいは地域振興のためのやり方、そういう面ではすべて区長です。そしてまた、市政に訴える最高の場なんです。市長代理で区長がいろいろな会合に出ます。その区長が1年で、あるいは長くて2年でかわっていいんですか。私は、こういう
局長人事においても、庁内の
局長人事にも何だか局長について順番があるようでございますけれども、そういったことは別問題といたしまして、私は
区長人事というのはそれほど市民に大切にされている、ましてや市民に対して直接訴える、そういう最高の機関であるというふうに思っております。そういう点で、区長の
在任期間も三、四年がふさわしいなというふうに思うのです。ほかの局長のために皆、がたがた動かす。何か順番をつけて動かすというふうなやり方しか私は今日まで見えません。そういう点でのこの区長の
在任期間というものに対していかにお考えか、お尋ねいたしたいと思います。
13: ◯市長 仙台市の枢要な幹部といたしまして市の行政を担当いたします局長、また、地域に向けまして市長とともども、
まちづくりの先頭に立って市民の皆様と接していく区長の仕事の年限、そういったことについてのお尋ねでございます。両方の局長、区長とも大変重要な仕事と考えておりまして、その適材適所によってこれを充てるというのが人事の根幹であり、また、その事業の統一性を保持するという意味でも適当な年限を確保してまいることは御指摘のとおりと思うところでございます。
この間の人事において、御指摘のように
在任期間が1年であったというような経過も過去にございますけれども、なお御質問の
まちづくりにおける長期的な視点からの重要性という点もかんがみまして、今後とも意を用いながら人事に当たってまいりたいと、そのように考えるところでございます。
14:
◯佐々木両道委員 次に、私の持論であります国との人事の交流についてでございます。
私は、今日まで国との
人事交流について何度か問いただしてまいりました。仙台市が、こういう人を欲しいからということで来てもらうのはよいが、国の依頼で
国家公務員を停止して
地方公務員になる。とんでもない話でございます。今は、月給も大変是正されてきているようです。昔は、地方に行くと1.5倍の給料がもらえるから地方に行けみたいなこと。
国家公務員に戻ると、また月給が安くなる。そういうふうな国の都合によって、地方の人事まで影響されるということはいかがなものかと。
私ども、前は仙台市の職員が研修生で行って、それで両方とも経費は仙台市が持つ、そんなばかな話があるかと。これが
往復びんたと言わないで何と言えると。しかし、少なくとも現状は仙台市の要望のようになってまいりました。現に
国家公務員になって、仙台市の職員が係長職さえなっているんです。そういう面では是正されてきました。しかし、私は、新しい
国家公務員が必要とするならば、局長職、課長職には持ってくるなと言っています。なぜかというと、局長に持ってくると必ずお付き人が必要なんです。全部説明しなければならないのです。そういう面では、非常に仙台市を理解しないで責任ある立場はいかがか。同じことが課長職にも言えます。
しかし、この仙台市では理事だの次長だの部長だの、どうでもいいような本当にこういうものが多過ぎると私は言っているのです。部長があるところには次長がいないとか、次長があるところには部長がもう1人ぐらいでいいとか、何で次長だの部長がいっぱいいなければいけないのか。ましてや
局長待遇という理事もあります。あるいはもっと新しい
国家公務員で、もっと下であれば主幹もあるでしょう、参事もあるでしょう。必要と思われる人材はぜひともそういうところに持ってくるべきだということを今日まで申し上げてきているわけでございます。責任ある
ポスト課長、責任ある
ポスト局長には持ってくるなと。輸入品は要らないというふうに申し上げてきているわけでございます。
そういう点では、私どもが地方主権にもう時代とともに移ってくるような状況になっております。もちろん戦後は、確実に
国家公務員の指導なくして地方はなり得ませんでした。が、しかし、現在は、地方でそれこそ仙台市みたいに大変優秀な職員が多いわけです。これは自信を持って言えます。政令市19市あるうちの中で仙台市の職員は最高にいい方です。そういう面では、優秀なる人材が仙台市にいっぱいおるのです。私は、そういう面で少なくとも仙台市が必要である方は局長、課長には持ってこないで、ほかの方に持ってきなさいということを言いたいわけでございます。それが、この私ども100万仙台市民に対する公僕としての責任ではないかというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。
15:
◯総務局長 国と仙台市との
人事交流につきましてでございますが、現在は国からのある意味で一方的な要望を受け入れるということではなくて、こちらから国の方に参りますときにも、本市の実情も踏まえた上で即戦力として国での経験、知識を活用するというような視点なども見ながらお願いもしております。他方、国から受け入れる場合におきましても、その時々の私どもの置かれている
課題状況等を踏まえながら判断をいたしているところでございます。
御指摘にございましたポストという意味では、より相互的な
人事交流という側面もございますことから、例えば国の職員の方がなかなかご自分の出身省庁では経験をしないような貴重な経験をしていただくと、そういう側面もございますことから、ある意味で相互的な
人事配置に意を用いているところでございます。そういう中にありましても、今日的な実態状況を御指摘いただきましたので、
人事交流に当たりましてはその目的を明らかにしながら、受け入れる職でありますとか人選等につきましても双方協議を十分行いながら、本市にとりまして最も有益であると、そういった視点から努めてまいりたいと存じます。
16:
◯佐々木両道委員 私は、なぜ申し上げたかというと、省庁のやり方が余りにもひど過ぎるというふうに申し上げたいわけでございます。今現在は、総務省に郵政省が入ったものですから、すごい人数になっております。郵政省を除くとたかが知れた人数になるんですが、その定員の倍以上を
国家公務員に雇っているんです。そして、全部、地方に半分ぐらいを渡しておいて総務省が成り立っているのです。そんなばかな話、今の時代になってまであってたまるものか、そこを一番言いたいわけでございます。それに応じるような
地方公共団体ではいけないと。今現在だって、必ずしも必要なものが来ているわけではございません。完全に国から頼まれてやっている人もいる。このやり方というものを完全にきちんとした認識を持たなければいけないということを言いたいわけでございます。
次に進みます。次に、職員の
意識向上でございます。
先ほども申し上げましたが、いわゆる公僕としての
意識向上というものに対しては、私は現市長になってからかえって緩やかになったのかなと思う。いわば現市長は職員のトップです。ですから、職員の状況を余りにもわかり過ぎるわけです。そういう面で、なれ合い過ぎはしないか。私は、職員の意識喚起をすごく望むものでございます。もちろん行政改革の名のもと、私なんか当選したころは約1万2000名の職員がおりました。現在は民間委託等々によって9,400人余り、そういうような状況になっております。仕事量は減ったか。私は減ってはいないと思います。かえってふえているのではないかというふうに予想されるところであります。政令市になって23年たちます。いわゆる政令市になった当時と、23年たった現況とでは仙台市の仕事の現況は一体どうなっているのですか。
17:
◯総務局長 今、具体の職員数をお示しの上で、その関連での業務の増についてでありますが、確かに職員数については政令市に移行した当初と比べまして全体として減っております。一方では、新たな業務、国、県からの移管業務を含めまして、障害者支援制度とか具体の介護保険制度とか、当初考えておらなかった業務が相当ふえているということでございます。そういう意味で、仕事の量として見ましたときには、政令市移行時と比較しまして14万人程度増加しているという中で、具体の指標全般にわたってお示しはかなわないところではございますが、業務量としましては明らかに増加をいたしているというふうに理解をしております。ただ、そういう中に職員の行政需要の増への対応としましては、これまでもさまざまな手法を用いながら行財政改革を進めることにより、新たな行政需要に対応してきたというのがここ20年間のおおむねの姿でないかというふうに理解をいたしております。
18:
◯佐々木両道委員 ただいま答弁のとおり、仕事量が減ってはいないという感覚は持っております。しかし、当時と違って、いろいろな意味で手作業でやっていたのが機械化されるとか、あるいは民営化によって分離されるとかいろいろな面であります。しかし、いろいろな面で、今答弁あったように業務量はふえているわけでございます。しかし、それをいかに効率的に対応するかが、市の職員のこれからもまた与えられたいわば工夫、あるいは方策としてのお互いの論議というものも必要ではないかというふうに思っているわけでございます。そういう点では、先ほど申し上げましたように局が違うとまるっきり違う。ましてや課が違っただけでも違っている。お互いに助け合うという共助の精神がない。そういう面では、仙台市民という最高のお客様がいるわけです。そのお客様に対するサービスを常にいかにするかということが、営業努力ではないかというふうに思っております。
そのためには何かというと、市民にわかりやすくやれということです。理屈や理論ではないよと。わかりやすくするべき。インターネットで報告していますからと。あの数字とかなんとか見て理解できますか。そういうものではないと思います。どういう施策でどうするためにどのようにしているんですというふうな、より丁寧な説明が必要でしょう。そういう面では、非常に職員の
意識向上、いわゆる対象が対内部のことではない、局長のためでもない、市長のためでもない、いわゆる全体のためにやるんです。全体の。その課のためにやるんではないのです。もう最終目的は仙台市民のためにやるんです。仙台市民イコール国民のためになるわけです。そういう認識を持たなければいけないわけでございます。そのためには、ここに並んでいる幹部の人たちが率先して職員を引っ張っていかなければいけないと思います。そのやる気喚起をぜひともしたいと思いますが、いかがでしょうか。
19: ◯市長 行政の施策というのはさまざまな所管部局に分かれているわけでございますけれども、その所管部局がみずからの所管の固有性に余りにも固執するがゆえに、市民の皆様の全体としてのサービスが損なわれることがあってはいけないということにつきまして、まことに御指摘のとおりと考えるものでございます。私ども、とかく所管におけます法律でありますとかそうしたものの根拠、またその範囲等にとらわれた立場から発言をすることもございますけれども、市民の方が期待しておられるのは、そういったことはもちろんながら、それらの隘路を越えるような形で新しい
市民サービスが創造されていくことも、大変多くの市民の方から期待されている昨今だというふうに自覚をしております。私自身も率先して問題を総合的に把握する視点を持つとともに、各局局長また区長とともに、縦割りの弊害に陥ることなく縦と横の糸を地域できちんと通していく、そうした仙台市役所の行政施策執行になるように今後とも十分努めてまいりたいと、そのように考えるものでございます。
20:
◯佐々木両道委員 私は、幹部職員のやる気というものが非常に大切であると。そしてまた、この9,400人余の職員をみんなで引っ張っていこうというふうなことが必要だということを言いたいわけでございます。
話は変わりますが、けさの新聞で松陵小学校に2人しか入学できないと。生徒しかいないというふうなことがあります。教育の大切さは今さら言うまでもございません。安倍晋三内閣のときに、教育基本法の改定がなされたわけでございます。ことしの4月からそれが実施されたわけでございます。ですから、世にいう1.5倍の教科書になったというふうなことになっておりますが、私は、基本的に今までの教育、ゆとりある教育は非常に日本人の精神をだらけさせたと言わざるを得ません。そういう面で、お互いに教育というものは切磋琢磨して、そして競争心を持ってそれぞれの子供のよさを引っ張り出していくのが教育ではないでしょうか。もちろん教育の原点は家庭にありでございます。なおさら未就学児の教育が最も大切であります。そういう点では、教育の大切さというものを私どもは改めて認識をしなければいけないと思っております。
男女共同参画もそうでございます。男と女のよさをそれぞれ認め合いながら、共同参画をしていくのがいわば共同参画でございます。男と女が全部イコールではないんです。お互いによさを認め合うということに共同参画の意義があるわけです。そういう点では、いわば私どもの教育というものも非常に民主主義の社会において何でもあり、何でも自由、全体意識、いわゆる観点が間違っている観点を持っております。日本人は、古来、一番大切な要素として、勤勉さ、そしてまた忍耐、そして頑張る力、この三つの教育が非常になされてきたのが日本人の伝統古来の教育なんであります。そういう面においては、親子のきずな、家庭の大切さ、そういったものも常に私どもは把握していかなければいけません。
そういう点での教育における、私から申せば教育委員会なってないよと。なぜかというと、統廃合も何年も前からやっているわけです。そういったことを問題の先送り先送りで何ら解決をしていない。一体、仙台市民を騒ぎ過ぎるくらい騒がしてからどういう道を歩んでいるのか、非常に疑問にたえないところです。そういう点でのやり方として、私は教育委員会に対する大きな不信感を持っています。何をやるにも遅過ぎる。何をしても全然まともな論理だけで、まともな論理がイコール現場に通じるというふうなことは考えてもいません。市民の理解を得ながら進むべき道は進んでいく、一貫したやり方をしなければいけないと思っております。
こういう統廃合の問題、そしてまた教育の問題、教育の場合には教科書だけではございません。副読本の問題があります。副読本は、子供たちは教科書より以上に漫画も入って理解もしやすい。絵も入っています。それが教科書と同等以上に扱われているんです。それが、学校長の責任だけで採用されているんです。そういう点では非売品でもある。ですから、今はきちんと、前申し上げたように、教育センターにおいて副読本もいつでも市民に公開できるという制度に改めてきておりますが、一般市民は買おうと思っても買えないのです。そういう不合理な副読本でいいものか。それが、教育現場の実態であるというふうなことを私は常々声を高くして言っております。
私は、実例を申し上げますが、その副読本に、第二次世界大戦に参加したのはオーストリアであると書いてある。正しくは、オーストリアは戦争に参加していません。オーストラリアなんです。発行元に聞いたら、来年から直しますから、これで終わりですよ。その本くれと言ったって売りません。そういうふうなことが、平気で教育現場で行われているんです。そういうものに対して、統廃合について、そしてまた教育現場についての考え方を問います。
21: ◯教育長 先ほど委員御指摘の統廃合のことにつきましてでございますが、確かに専門組織として立ち上げてからもう既に4年ほど経過しております。学校それぞれが子供たちの教育の場であると同時に、もう一つは地域コミュニティーを形成する重要な場面だろうと、そんなふうに思っています。こうしたことから、地域の方あるいは保護者の方々に丁寧に御説明をしながら合意形成に向けて行っているところではございますが、要は学校統廃合それ自体が、要するに将来を担う子供にとって一番教育環境を担保できるかどうかということもございますので、そのような観点から今後とも教育委員会といたしましても、丁寧に説明しながら地域の方々と合意形成に向けて進めたいと、そんなふうに考えております。
22:
◯佐々木両道委員 教育長、頑張ってください。しかと。とにかく大変な現場でございますので、非常に私は大きな指摘をしておきたいと思います。
次に移ります。次は、国分町の特区の構想についてであります。
この国分町というのは風俗地域、そしてまた東北一の歓楽街であります。御承知のとおり、平成15年に小泉特区で特区制度ができたわけでございます。そういう面においては、仙台市が提出した特区、いわばみなし3歳児という幼稚園児を特区として認められ、それをやった実績もございます。が、しかし、残念ながら他の都道府県、市町村からさっぱり追随するところがなかったものですから、普通の特区はそのまま生きているのですけれども、この幼稚園特区だけはなくなってしまった。が、しかし、私は、特化して国分町の終夜営業の特区というものを取ったらいかがかというふうに考えております。もちろん行政に取りなさいということではございません。いろいろな形でいろいろな手順がございますから、追ってその手順を御紹介願いたいと思います。まず、特区制度の趣旨についてお伺いいたします。
23: ◯企画調査課長 構造改革特区は、特定の地域における規制を緩和することにより地域の活性化を促しますとともに、当該地域における成功事例を全国に展開させることにより、我が国全体の経済活性化の実現を目的とする制度でございます。
24:
◯佐々木両道委員 具体的に特区制度を活用する場合、手順としてはどういうものかお尋ねいたします。
25: ◯企画調査課長 特区制度を活用するに当たりましては、まず、規制緩和のアイデアを国に提案いたします。その提案が国により認められ、構造改革特別区域基本方針といういわば規制緩和のメニュー表に掲載されました後、自治体が規制緩和措置を盛り込んだ具体的な特区計画を作成し、国に申請いたしまして、その後、認定を受けるという手順となります。特区の募集につきましては、規制緩和のアイデア提案が年に2回、特区計画の申請が年に3回、それぞれ募集期間が設けられているところでございます。
26:
◯佐々木両道委員 仙台市の飲食店の営業時間の制限の現況はいかがですか。
27: ◯市民生活課長 仙台市内の飲食店の営業時間に関する制限でございますけれども、風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律、通常風営法と言われておりますけれども、その法律及び同法施行条例によりまして、飲食店が深夜に酒類を提供する場合には届け出が必要になってございますけれども、特に営業の時間はございません。ただし、遊興、接待等を伴い風俗営業に該当する場合の営業時間は原則午前0時までとなっております。
なお、国分町地区の飲食店につきましては、特別な事情のある地域として、現在午前1時まで営業できることとなってございます。
28:
◯佐々木両道委員 この特区制度の活用により、国分町に特化して終夜営業の特区を取るようなことは可能かどうかお尋ねいたします。
29: ◯市民生活課長 現在1時までとされております営業時間の制限につきまして、特区制度を活用してその規制を緩和することは制度的には可能と思われます。
30:
◯佐々木両道委員 この場合、この特区を取るときに支障になる、問題になる、あるいは障害になる、そういった点はいかがですか。
31: ◯市民生活課長 風営法によります営業時間の制限は、善良な風俗環境の保持と少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するために設けられておるものでございます。風俗営業の時間の延長に伴いまして、深夜の騒音、振動の発生ですとか、酔客による迷惑行為の多発、事件事故の増加といった周辺の生活環境への影響や風紀の維持の問題など、規制緩和に伴いますデメリットも大変多くありますことから、実現に当たりましては、まず地域の住民、関係の団体の理解が不可欠となります。
また、現在、宮城県警におきましては、国分町において歓楽街対策を強化し取り締まりを行っているところでもございますので、このような国分町を取り巻く状況を考慮する必要がございます。
32:
◯佐々木両道委員 終夜営業の特区を取ることは可能だけれども、支障がいっぱいあると。大変難しいのは、警察の問題が非常に大きいのではないかというふうなことでございます。我が国において特区を申請したのは、六本木が3回ほどやっています。もう3回ともだめ。もう1カ所やっています。これは、三重県条例で元旦だけいいという、伊勢神宮がありますから、もう終夜営業オーケーというふうな三重県条例でやっております。が、しかし、私が今実現可能かどうかというのは、仙台市として取り組めるかどうかということでございますから、こういう面では関係諸団体並びにいろいろな組織がございます。国分町に関連しているだけで10余りの関連団体もございます。そういう面での活動、運動、そしてまたそれなりのやり方、そしてまた警察行政への相談、あるいはなし遂げる。警察行政は非常に大きい問題ではございますが、国際ハーフマラソンでさえクリアできたんです。あれだって、健常者と一緒に走ることにクリアできたわけです。そういう面では、しつこくというか、ある程度話し合って理解してもらえればすごくいいのかなと。国分町の発展なくして仙台市の経済の発展はあり得ません。国分町の発展が一つのバロメーターと言われております。そういう面では、今後、私は一生懸命市民の皆さんとともにこういう国分町特区を取るために邁進してまいりたいなと思っております。
次に移ります。予算関連法案の成立がないとき、本市への影響でございます。
公債特例法案いわゆる赤字国債、税制改正法案など、まず公債特例法案、税制改革法案を端的にわかりやすく説明を求めます。そしてまた、成立しない場合、具体的にどのような影響を及ぼすか説明を願います。
33:
◯財政局長 公債特例法でございますが、これは国の予算におきまして建設国債以外のいわゆる特例公債、赤字国債でございますが、これを発行する場合の根拠となる法律でございます。赤字国債を発行する場合には、毎年度制定する必要があるものでございます。また、税制改正法案につきましては、所得課税における控除の見直しや法人税率の引き下げなどが、その主な内容となってございます。
それでは、その予算関連法案が成立しない場合の影響でございますが、赤字国債約38兆円の予定でございますが、これが発行できなくなりまして、国の予算執行のための財源が大幅に不足するという事態に陥ります。その結果として、広範囲にわたります予算執行の延期とかあるいは中止をしなければならないような状況が想定されます。仮にこのような状況になりますと、これは本市のみならず、国庫支出金を前提に予算を組んでおりますほとんど全部の
地方公共団体になると思いますが、全体にわたりまして生活保護とか介護保険あるいは教育、公共事業も含めましてさまざまな事業の実施に大きな影響が出てくるというふうに考えております。
34:
◯佐々木両道委員 端的に言えば、非常に影響が大きいというふうなことではないかと思います。
もう1点ございます。この地方交付税法改正案、いわばこれは仙台市が一般財源として使っているわけです。これも特別法であり単年度であるわけでございます。具体的に、平成22年は幾らもらって、今年度はどのような形になるんですか。
35:
◯財政局長 地方交付税の予算額でございますが、平成22年度におきましては、今回提案をいたしております
補正予算を含みまして約244億円でございます。また、新年の23年度の地方交付税の予算額といたしましては228億円を計上いたしておりまして、16億円ほどの減というふうな見込みでございます。
36:
◯佐々木両道委員 なかなか理解できないのが、一般財源として使う金額が減っているということが非常に難しいわけでございますが、現在の国会で法案が通らない場合、大変な影響力を持つわけでございます。現実の法案とはまた違いますが、地方一括交付金についてでございます。残念ながら平成23年度は都道府県のみであり、政令市及び市町村は平成24年度を目指すとなっております。現状を御当局はいかに把握しておりますか。
37:
◯財政局長 ただいま御指摘いただきましたように、一括交付金につきましては平成23年度が都道府県、24年度から市町村というふうな予定とされております。現段階では、具体の制度設計が明らかでない部分もございまして、都道府県におきましては47のうち38の都府県が当初予算への計上を今の段階で決めていないという情報もございます。したがいまして、23年度におけます都道府県の実施状況も十分に見きわめまして、24年度以降に予定されている私ども市町村に対する状況がどうなるか、その制度設計がどうなるのかということで国の動向を十分に見きわめまして、他の政令指定都市とも連携しながら国に対して必要な働きかけを行ってまいりたいというふうに考えております。
38:
◯佐々木両道委員 予算関連法案で一番国民的な話題を呼んでいるのが、子ども手当法案でございます。これは、非常に直接市民、国民に渡っているものですから、痛烈にみんな感じているわけでございます。ましてや、この子ども手当というのは、自民党時代にも児童手当というものがあったわけでございます。実質的には、児童手当の値上げであったはずでございます。第1子が5,000円、第2子以降は1万円、それが1万3000円ずつになったというふうな、名前を変えたやり方でございます。なおさら痛手を食ったのが、いわば国庫助成金ですべてを賄いますということが地方負担にそのままさせられているということに、非常に国民あるいは地方自治体すべてのところが大変違和感を感じているわけでございます。もちろん旧来の児童手当のみ適用になるのですが、所得制限があり、全対象者の調査が必要である事務手続システムの更新等、支給できないことも私は懸念いたしておるわけでございます。
今年度の施政方針にあるように、待機児童対策は平成25年に幼保一体化を実施すると政府は発表しております。それを仙台市は待っていられないということで、3歳未満児中心の仙台市独自の施策が本
年度予算にも計上されております。もとより、昭和22年に制定された学校教育法での幼稚園と、児童福祉法での保育所を今日まで引っ張り続けた省庁の役人が悪いと言わざるを得ません。何で同じ4、5歳児で片方は園庭がなくてもいいんですか。また、片方はどうして食事の制限があるんですか。また、インフルエンザの対応について、片方は学級閉鎖や園閉鎖もできます。閉鎖をしてはいけませんよと。何で4、5歳は同じですよ。同じ児童です。これが、どうしてこんなに違いがあるのでしょう。
幼稚園の許認可は都道府県、保育所は市町村、大きな差があるんです。今年度の予算を計上している中でも、これらの障害を乗り越えなければいけない。預かり保育やみなし3歳児などは、国より先駆け仙台市の施策が発祥の地であります。子ども手当以前に、本来3歳児以上の保育料は、少子化社会において義務教育に準じて国が負担すべきであると考えております。平成25年度に国策として幼保一体化となるかどうかもわからない現在、仙台市独自予算で未満児対策をスタートすることは大きく評価されると言えます。地域的課題もありますが、積極的に仙台市の施策として前進させるべきであると考えますが、いかがでしょうか。
39: ◯子供未来局長 待機児童の解消に向けましては、子供子育てに関するさまざまな資源をフルに活用することが不可欠と考えております。その点、幼稚園には幼児教育と子育てのノウハウを持った人材や園舎、園庭など、子供たちが安心して生活できる環境が既に備わっておりますことから、不足しております3歳未満児の保育の一部を私立幼稚園に担っていただきたいと考え、今般、3歳未満児専用認可保育所の創設に係る費用の単独補助制度を新設するなどの措置を講じることとしたところでございます。
今後につきましても、国において検討されている(仮称)こども園について、地方の実情を反映した制度になるよう国に働きかけていくとともに、幼稚園預かり保育補助の制度設計など、待機児童解消に向けた本市独自の取り組みをさらに積極的に推進してまいりたいと考えてございます。
40:
◯佐々木両道委員 先般、先月ですけれども、私は、小宮山副大臣と直接応答する機会を得ました。そこで、政府としては平成25年度にやりたいというお話もございました。が、質問者の答弁に対しては、認定こども園、幼稚園、保育所と三つ持っている経営者の方から質問がありました。幼稚園と保育所はどうなるんですかと。それに対しては、10年かけて整備したいというふうに言っておりました。私は、本当に平成25年に幼保一体化を実現できるんですかとお尋ね申し上げました。私はやりたい。でも、ねじれ国会ですからというふうな御答弁でございました。
私は、非常に平成25年に幼保一体化ができるかどうか疑心暗鬼でならないのであります。それまで、各市町村のいわば対応というものが一体このままでいいのでありましょうか。私は、非常にそこを懸念するわけでございます。そういう点で、現在やっている幼稚園保育室並びにせんだい保育室のA、そういったものを認可保育所にするというふうな方針は、もう道を得たものというふうに考えておるところでございます。そういう点では、仙台市の市立保育所も今まで計画していたものは別として、新たにつくるものは3歳児未満。そして3歳児から幼稚園に行くとき、普通の幼稚園では5万円の入園料というものを取っております。しかし、もちろん取らない幼稚園もございます。いろいろな面でそういう点もかんがみながら、仙台市の将来の市立保育所は未満児対策にすべきであるというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
41: ◯子供未来局長 公立保育所の年齢構成の是正といったあたりは、いろいろと考えなければいけないかと思っておりますが、年齢で区切って3歳未満児に限るといったことにつきましては種々さまざまな問題も予想されますので、慎重に考えさせていただきたいと思います。
42:
◯佐々木両道委員 最後に、議会と首長のあるべき姿でございます。今国会に提出予定の自治法改正案について、議会関係部分に特化してお伺いいたしたいと思います。
昨年、地方行財政検討会議、奥山市長もメンバーの一人で議論されてきました。阿久根市や名古屋市の問題等が起き、これらの問題解決策を含め、一部改正案を国会に提出する予定であると聞き及んでおります。この改正案を説明願います。
43: ◯行財政改革課長 今回の地方自治法改正案における議会関係の改正は6点ございます。
まず、1点目は、議会の会期についてでございます。条例により定例会、臨時会の区分を設けず、通年議会とすることが可能となるものでございます。
次に、2点目は、臨時会の招集権についてでございます。長が議長等の請求どおり招集しない場合、議長が招集することが可能となるものでございます。
3点目は、本会議の運営に関して、公聴会の開催や参考人招致を可能とするほか、委員会の委員の選任に関する事項等について、地方議会に任される部分を拡大するものでございます。
4点目は、再議制度の対象を条例、予算以外の議決事項にも拡大するものでございます。
5点目は、専決処分に関して、その対象から副知事、副市町村長の人事案件を除くほか、条例、予算に係る専決処分についてその後の議会で不承認となった場合は、長に対して当該条例の改正案や
補正予算を提出させるなど、専決処分の効果を失わせる措置を講じることを義務づけるものでございます。
最後に、6点目は、議会が可決した条例について、20日以内に具体的な措置を講じない限り、再議の必要性等を理由として、長が公布をしないことはできなくなるものでございます。
44:
◯佐々木両道委員 その改正点につきまして、早急に決めるべきものもあると思われますが、地方行財政検討会議で議論されたと存じ上げておりますが、経過はいかがだったんですか。
45: ◯行財政改革課長 地方行財政検討会議におきまして、ただいま御説明申し上げた改正点のうち、当初から論点とされていたものは、議会の会期と運営に関するもののみでございます。その後、阿久根市の問題などが生じた都度、関連するものが議論の対象に追加されてまいりましたが、それらは主に学識経験者で構成されております二つの分科会で議論されておりまして、市長が出席しております本体会議では2回の議論にとどまっておるところでございます。
46:
◯佐々木両道委員 ただいまのとおり経過を聞きますと、まだまだ拙速な判断と言わざるを得ません。もともと地方自治法の抜本改正ということで、検討会議は始まったはずであります。1年目の成果は枝葉末節の改正でありました。特に議会議員のあり方をきちんと整理して、所要の改正を行うべきと認識している。そのような議論はないと思われるが、会議に参加していた市長は、今回の改正や進め方にどう思っているのかお聞きいたします。
47: ◯市長 検討会議におけます審議の経過ということでございますけれども、議会や議員のあり方、また議会と長との関係等につきましては、これは会議のスタートの時点から、いろいろな案が示されるとともに議論があったところでございますけれども、しかしながら、憲法に定めます議会制民主主義の大きな基礎となるものでございますので、なおより一層議論が深められる必要があるものと考えてまいったものでございます。
その後、地方自治の幾つかの自治体におきます状況等をかんがみまして、幾つかの論点が出てまいったことでございますけれども、例えば今回の改正の中で申し上げますと、招集権でありますとか、また専決処分の部分につきましては、一定程度妥当な結論が今回の改正案に盛り込まれているのではないかと考えるところでございます。しかしながら、一方では、直接請求の対象に税条例を含めるという部分でありますとか、また住民投票のあり方等につきましても、まだまだ議論は不十分だというふうに感じているところでございまして、なお一層地方自治体の意見等も踏まえながら検討していくべきものと考えるところでございます。
48:
◯佐々木両道委員 名古屋市長が市議会解散請求について、その住民投票のため署名集めをしたことは大きな驚きでありました。今回のリコール成立について、市長の考え方を聞きます。
49: ◯市長 今回のリコールについて、その賛成及び反対の票を見てみますと、まず解散の賛成が反対を2倍以上に上回っているような、そんな数となってございますので、名古屋市民の方々が議会に対して、その議会の決定事項に対して別の御意見を持っていたということで、そうした意向が大きく出ているものというふうに思うところでございました。しかしながら、今回のリコールにおきまして、河村市長が掲げられます市民税の10%恒久減税というのを発端としているわけでございますが、それらの争点をもとに首長みずからが強力にリコール運動を主導したという点については、私自身はそれはいかがなものかということで、かなりの違和感を持っているところでございます。
50:
◯佐々木両道委員 河村市長は、出直し選挙で、みずからが代表する地域政党から候補者を立てる。橋下知事も首長みずからの政党を立ち上げ、大阪府議会議員、大阪市や堺市の市会議員選挙に自分を支援する候補者を擁立する。二人とも共通するのは、首長を支援する議員を直接議会へ送り政策を図るということである。こういった首長の議会に対する対応についてお伺いいたします。
51: ◯市長 今、委員からお名前をいただきましたお二方につきましては、それぞれに大変強い個性と情報発信力をお持ちの首長であるというふうに感じてございます。そこで、そうした御自分の主張を議会において実現していくために、みずから地域政党を率い、そしてまた、地方議会における多数の議員の方々をその党によって輩出させるという政治手法を今とられているというふうに認識してございますけれども、ただいま憲法が私どもの地方自治体において定めております二元代表制の趣旨からいたしますと、そのような首長の、議会における議員の多数派を占めるための活動というのは、これは必ずしも二元代表制の趣旨にふさわしいとは言いかねる部分があるというふうに感じているところでございます。
52:
◯佐々木両道委員 近代地方議会のあり方や二元代表制の話題が大変多くなってまいりました。憲法において、
地方公共団体の長と議会の議員は住民が直接選挙することとなっております。これは、議会と執行機関はそれぞれ独立、対等の関係であることを定めております。議員内閣制の国会と違い、議会内における議員同士の議論はあっても、いわゆる与野党的な緊張関係が求められているわけではありません。ともに市民を代表する議会と首長が牽制し、時には対立し、また合意点を模索する、いわゆる是々非々の関係を保ち続けることが求められているものと認識しております。
住民に最も身近な市議会議員は、時には国政レベルにおける所属政党や方向性に根差した考え方や判断、そして積極的な行動が必要であります。私は、5代にわたる市長、御当局と激論をしてまいりました。時には厳しく追求し、さまざまな提案もし、大いに賛意を表してきたこともあります。まさに是々非々で御当局と議論をしてきたつもりであります。市長の考える市議会の果たすべき役割はいかに思っているか、お尋ねいたします。
53: ◯市長 首長と議会の議員を住民がそれぞれに直接選挙いたします二元代表制におきまして、議会は自治体の運営の基本的な方針となる予算や条例案件などについて、最終的な決定をいたします団体意思の決定機関として、また常に長及び執行機関を監視、評価する機関としての役割を担うものと考えております。
議員お一人お一人の皆様が、日々の活動を通して市民の方々を初め企業や各種団体等の皆様と接しておられるわけでございます。そうした中で、全市的あるいはそれぞれの地域が抱えますさまざまな課題を集約され、それらを踏まえながら、開かれた場におきまして長と正面から向き合い、十分に議論を尽くし、よりよい市の進むべき方向性を模索しながら、市政の発展、住民の皆様の福祉の向上に努めていくということでございまして、そうした大変重要な役割を担っていただいているのが市議会であるというふうに考えるものでございます。
54:
◯佐々木両道委員 市長には、人事権、執行権、予算権があります。残念ながら、議員には議決権ほかしかありません。それゆえ議員提案しようにも財源がありません。さらに、議会事務局の人事も市長部局職員の回しであり、調査立案するには不十分であります。だから、議員としては、お金のかからない条例や請願、意見書等を各会派や委員会等で議論をしているわけであります。100万仙台市民福祉向上のために、我々は選良されているわけであります。自信と勇気を持って活動していかなければなりません。
政令市の議員は、非常に多岐にわたります。市民よりの声があり、現地調査はもとより聞き取り調査、御当局との打ち合わせ、また諸団体との調整、報告、各市政の勉強、それらを議員としていかに活用していくか。私ども議員、議会に求められていることは、非常に大きなものがあります。それゆえ我々としては、議会基本条例の制定、通年議会の開催、反問権等々を早急に取り組んでいかなければなりません。市長は、仙台市議会についてどのように感じているのか、その評価や期待するものについてお伺いいたします。
55: ◯市長 先ほどの御答弁でも触れさせていただきましたが、私といたしましては議員お一人お一人の皆様が、さまざまな場面で仙台市民から受け取られた負託につきまして、この議場の場などを通じまして、さまざまに御意見や御提案をいただいていること、大変私の市政運営にとりましても貴重なことというふうに考えているところでございます。
しかしながら、昨今のさまざまな市民の皆様の御要望等によりますと、行政はもとより議会においても、より開かれた議会運営、またさまざまな説明責任をより明確に果たすべき等との御意見も日々高まっていると感じるところでございまして、今後とも仙台市議会におかれましては、より一層活発な議論により、当局とともに仙台の明るい
まちづくりに向けてお力をいただくように、そのためのさまざまな動きが一層進んでいくことを期待いたしているところでございます。
56:
◯佐々木両道委員 数々申し述べてまいりましたが、これも仙台100万市民のためであります。御当局は9,400名の職員がおります。お互いに切磋琢磨して、その職員の大いなる奮起、そしてまた、これからの市民のための尽力をともども頑張っていこうと申しながら、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
57:
◯委員長 この際、暫時休憩いたします。
休憩 午後2時44分
再開 午後3時05分
58:
◯委員長 再開いたします。
民主クラブ仙台から発言予定の方は、質疑席にお着きください。
〔小野寺健委員、佐藤わか子委員、質疑席に着席〕
59:
◯委員長 発言を願います。
60: ◯小野寺健委員 私からは、総務費中、総務管理費に関連して伺ってまいります。
まず初めに、仮庁舎等維持管理費1億5235万円について伺ってまいりたいと思います。
現状では、本庁舎、北庁舎、上杉、錦町、国分町庁舎が自前の庁舎でありまして、そのほかに環境局が入ります小田急ビル、そして監査委員事務局などが入ります木村ビル、税関係が入りますMSビルを借りまして仮庁舎としているわけですけれども、この特別委員会で審査されております平成23年度税事業の見直しによりまして、組織の一元化が予定されております。そうなると、組織の大きさとして相応の人員が働くスペースと、それから事務スペースが必要になってきますが、現段階において市庁舎においてどの場所で事務を行う予定があるのか伺います。
61: ◯庁舎管理課長 税務事務の集約化に伴います事務室の確保についてでございますけれども、税務事務に係ります事務室につきましては、来庁される市民の皆様の利便性や庁舎の運営費用をできるだけ抑えるという観点から申し上げますと、1カ所に集約することが望ましいところでございますが、面積上の制約から1カ所に集約することができないことから、経済局と教育局が入っております北庁舎と、税の収納部門が入っております二日町第二仮庁舎(MSビル)の近接しております二つの庁舎に配置する予定でございます。
62: ◯小野寺健委員 といいますと、北庁舎に税が入る場合、現在の教育局と経済局が移動するということになりますけれども、この現2局は一体どの辺に行くのか。あわせて、移動に対してスケジュール等、決まっていることがあるのであればお示しいただきたいと思います。
63: ◯庁舎管理課長 現在、北庁舎に配置しております経済局と教育局につきましてですが、現時点では経済局と教育局を本庁舎に近隣しております2カ所の民間ビルへ移転する予定としております。
移転スケジュールについてでございますが、経済局と教育局は平成23年7月に民間ビルへ移転する予定でございます。その後、北庁舎などの必要な改修を行いました上で、10月上旬に税務部署の移転を行う予定としております。
64: ◯小野寺健委員 今、近隣のビルというふうにお話が出ましたけれども、環境局が小田急ビルに今ありまして、なかなか本庁舎と環境局の場所が近いようで遠い、遠いようで近いという、何か非常に行政の効率上ではなかなか厳しいものがあるんですが、例えば今具体名を出さなかったですけれども、経済と教育の両局が入るビルですね、具体名が出せるのであれば出していただいて、できれば近いのか近くないのかも判断していきたいと思いますので、お願い申し上げたいと思います。
65: ◯庁舎管理課長 現時点でございますけれども、経済局につきましては、本庁舎の南側にございます、市民広場の西側にあります仙台パークビルに、それから教育局は同じく市民広場の南側にございますアーバンネット定禅寺ビルをお借りする予定で移転する予定としております。
66: ◯小野寺健委員 そうすると、定禅寺通を越えない形での場所に仮庁舎を今度借りることが予定されているということですね。
費用の方にいきたいと思いますけれども、この1億5235万円の内訳をお聞かせいただきたいと思います。
67: ◯庁舎管理課長 税務事務の集約に伴います仮庁舎の借り上げ費用についてでございますけれども、年間ベースで申し上げますと、賃借料が約1億2000万円、清掃等の委託料が約1300万円、電気料が約1200万円を予定しております。
68: ◯小野寺健委員 私は、この仮庁舎の費用に1億5000万円ほどかかっている状態というのが正常ではないと思っています。今回の仮庁舎の件は、例えばどこかに庁舎の建設を行っていて、その間、仮に移動して借りているということではなくて、ほぼ10年、20年間借りしていかなければいけない、そういった状態になるわけです。このような状態において、賃借料が年間1億円以上、長年にわたりかかってくることになるんです。以前、私も質問させていただいたことがありますが、長い目で見て庁舎の建設等の検討も必要ではないかというような質問もさせていただきましたけれども、そのときの答えでは、内部で議論、研究等、検討等をしていくというような御答弁をいただいておりますけれども、どのように進捗していのか現段階での状況をお尋ねします。
69: ◯庁舎管理課長 庁舎建設に関します検討の状況でございますけれども、庁舎建設は、本庁舎の建てかえを含めまして総合的に検討することが必要であると考えております。そうした中で、税務事務の集約化に向けての分庁舎、仮庁舎の再編の検討とか、分庁舎の中で耐震性に課題のあります上杉分庁舎について、今後の利活用のあり方について調査、検討を進めてきたところでございます。
70: ◯小野寺健委員 建物の長寿命化、それから耐震工事を行ってきたわけなんですけれども、あのときの議論、前の議論も一応調査させていただくと、その耐震性は15年ほどのめど、15年を延長して使うための耐震であり、それから長寿命化であるというふうなことであります。調べますと、前の質問のときにも申し上げましたけれども、そのときでももう5年間通過しておりまして、残り10年というようなところであります。10年というのはあっという間に来るわけでございますので、ぜひとも内部での検討を進めていただきたいというふうに思っております。
改めて伺ってまいりますけれども、行政効率の観点からも、市民の皆様の利便性からも、この状態の早期解消というのは必要だと思いますので、改めて局長どうでしょうか、御答弁お願いします。
71:
◯財政局長 御指摘のとおり、行政効率あるいは市民の利便性を勘案した場合に、庁舎をできるだけ早く集約する、本庁舎も含めて今後検討する時期がいずれ来るということでございまして、分庁舎や仮庁舎の分散解消につきましても、この本庁舎の建てかえとの整合を図る必要がございますので、御指摘のように本庁舎の建てかえについても、数年の後には始めなくてはならないというような状況も見込まれるところでございますので、そういった全体の中の検討の中で見直しをしてまいりたいというふうに考えております。
72: ◯小野寺健委員 こういった状態なんですけれども、現在、各分庁舎に外郭団体等の団体が入っております。この団体に減免をしながら貸し出している状態があるんです。一方では、本体の事務スペースが足りないという状況の中で、こういった状態があるわけです。この減免しながら貸し出ししている状態というのは、できる限り解消していくように努力していくべきだと思います。そしてまた、何よりも現状このスペースが、市役所全体のスペースが足りないという状態の中で、高額な費用でほかのテナント、ほかのビルを借りているという状態、この状態は整合性に欠けると私は思うのですが、その辺の所見を伺います。
73:
◯財政局長 外郭団体に市の庁舎をお貸ししているわけでございますが、その使用料につきましては、現在、今日的な状況の中でさまざまな減免を行っている状況が、公共性等にかんがみてどうなのかという分につきましては、十分に確認をいたしまして見直すべきところは改めてまいりたいというふうに存じます。
また、分庁舎や仮庁舎を借りているという状況と庁舎の建てかえとの関係でございますが、ここにつきましてもなるべく早く解消するように、先ほど申し上げました全体的な見直しの中で検討してまいりたいというふうに考えております。
74: ◯小野寺健委員 ぜひ検討を進めていただきたいと思います。
それで、先ほどに戻りますけれども、市民の皆様が御来庁して各部署に行くわけですけれども、この自治体の事務を行う場所が、本庁舎、北庁舎、分庁舎、仮庁舎と分かれていることは、わかりづらくない、それが必須であると思うのです。ですから、わかりやすく案内表示を設置するなど万全を尽くしていただきたいと思いますけれども、あわせて伺います。
75:
◯財政局長 確かに分庁舎、仮庁舎、この周辺に分散しております。したがいまして、今までもいろいろな市政だより、あるいはホームページといった一般的な広報は行っておりますけれども、本庁舎の出入り口に業務場所のお知らせをする掲示を行ったり、あるいはまた市民の部屋でも総合案内窓口において案内をしておるところでございます。
今後でございますけれども、本庁舎内に周辺庁舎の総合的な案内図を新たに設置することで今検討しておりまして、来庁市民の皆様方に御不便のないように充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
76: ◯小野寺健委員 続いて、行財政改革推進に関する経費に関連して伺ってまいります。
まず、基本的、基礎的なことをお聞きしたいと思いますが、なぜこの本市において行財政改革が必要なのか、市民の皆様にわかりやすいように御説明いただきたいと思います。
77: ◯行財政改革課長 景気の低迷や高齢化の急速な進展など社会経済情勢の変化に伴い、市民ニーズが多様化する一方、本市の財政状況は一層厳しさを増しております。このような中にありましても、将来にわたって質の高い
行政サービスを確実に提供するとともに、新たな課題に的確に対応していくことが重要であると認識いたしております。このため、持続可能な財政基盤の確立を目指して、事務事業全般の見直しを徹底し、効率的で効果的な行政経営に向けた取り組みを進めているところでございます。
78: ◯小野寺健委員 では、この行財政改革というのは成果を上げているとお考えなのでしょうか。
79: ◯行財政改革課長 平成7年策定の行政改革大綱以降、これまでの行財政改革の取り組みにより、累積効果額は700億円を超えるなど、また職員数を約1,800人削減してきたところでございます。一定の成果を上げてきたものと考えているところでございます。
80: ◯小野寺健委員 私は、なぜこの基本的なことを今お聞きしたかといいますと、市民の皆様は、仙台市においては他都市に先駆けて行財政改革を進めていることというのはわかっていらっしゃるんだと思いますが、その意義や取り組み、成果や内容など十分に伝わっていないのではないか、また、行財政改革については市民の理解を果たして十分に得られているのかというのを疑問に思えたからでございます。この点について、総務局に認識を伺います。
81: ◯行財政改革課長 行財政改革の意義や成果等につきましては、毎年度、市政だよりでお知らせをするほか、ホームページへの掲載などにより、財政状況とあわせた行財政改革の取り組みにつきましてわかりやすく説明するとともに、年度途中の進捗状況についても随時お知らせをいたしておりますが、幅広く十分な御理解をいただくためには、さらにわかりやすさと工夫が必要であると認識いたしているところでございます。
82: ◯小野寺健委員 これからは、財政面から行財政改革を見ていきたいと思いますけれども、仙台市の現在の財政の現況でございますが、まず、現在の状況を仙台市民の皆様にわかりやすくお伝えするため、私の方で5段階に分けてみました。それで、本市の現況がどの段階かお答えいただきたいと思っているんですが、レベルを5段階に分けて、レベル1、注意する状態。財政悪化の兆候が見られて、その推移に気をつけることが必要な状態。レベル2、警戒状態。財政悪化傾向が強まり、以後の財政運営に格段の注意と用心が必要な状態。レベル3、危機状態。財政悪化傾向が恒常的になる様子が見られ、重大な事態に向かう危険性がある状態。レベル4、非常事態の宣言。財政の悪化が決定的なものとなり、緊急に改善策を講じないと手おくれになってしまう状態。レベル5、破綻状態。財政がもはや市の財政規律だけでは健全化が困難で、国の指導によって財政破綻を回避するしかない状態というふうに分けてみたんですが、この五つのレベル段階において仙台市の段階はどの段階なのでしょうか、お示しいただきたいと思います。
83:
◯財政局長 仙台市の財政状況、今大変厳しい状況というのは私どももいろいろと御説明させていただいているところでございますが、今示されました五つのレベルのうちどこかというのはなかなか難しいことはあるかと思いますが、あえて申し上げますと、財政悪化傾向が強まり、以後の財政運営に格段の注意と用心が必要な状態、いわゆるレベル2とおっしゃいましたけれども、この状態は明らかに超えているのではないかなというふうに思います。したがいまして、その次のレベル3の状況に近づきつつある状況ではないかというふうに認識をいたしております。
84: ◯小野寺健委員 無理にレベルを五つつくってしまっているので、それでお答えいただいて大変恐縮だったんですけれども、危機的な状態であることは変わりないと思います。皆さん言うまでもなく、今平成23年度、最終的な収支不足は233億円に達して、
財政調整基金からの繰り入れのほか、退職手当債や行財政改革推進債などを発行し、また保有株式の売却で乗り切っているような状態であります。
このような状態の中で、行財政改革の必要性があって、施設の統廃合や整理縮小を進めてきたわけなんですけれども、その過程においてその都度反対の声が上がってまいりました。私が議員として活動を始めてからでも、エル・パーク、エル・ソーラや健康増進センターの件でも、市当局からは厳しい財政状況の折、やむを得ない決断であるという説明がそのたびになされておりました。財政状況が危機的な状態であれば、この行財政改革を進めることはいたし方ないことだと思います。しかしながら、4年間の議員活動の中で、私は、市民の皆様からは、本当に仙台市が財政難なのか実感がわかないなどの意見もいただいたことがありました。確かに毎年毎年財政危機、厳しいというふうに聞きますけれども、最終的には何とかなっているんだから大丈夫といった変な安心感を持っている市民の皆さんも大勢いらっしゃると思います。また、話は違うかもしれませんが、職員の皆様でもそのように考えている方はいらっしゃるのではないでしょうか。このギャップはなぜ生まれてくるのか。なぜ、この市民の皆さんに財政の危機、今言った、局長がおっしゃっていただいたような状態が正しく伝わらないのか、このことに対する認識を伺ってまいりたいと思います。
85: ◯財政課長 これまでも、市民の皆様に向けまして全戸配布しております市政だよりで、予算特集や決算の特集ページ、あるいはまた、財政状況の公表書であります財政のお知らせなどを通じまして広報を行ってまいりましたが、財政という市民生活に一番身近なものでありながらも、反面なじみにくいテーマでもございまして、興味、関心を引きつけ、またわかりやすくて理解しやすいといった点において十分とは言えない面もございまして、全体的に伝わっている状況には至っていないものと感じているところです。
また、これまでの内容についても、予算においては総額やその推移、主な事業内容、決算では、市債の残高や健全化判断比率などを中心としたお知らせでございまして、収支不足への対応など、財政状況の厳しさという点でも十分とは言えない面があったものと考えております。
86: ◯小野寺健委員 財政局は、財政状況に関する市民への丁寧な説明が必要という観点から、今回、平成23年度当初予算案の編成状況という資料をつくりました。この資料は、政策形成過程を明らかにして、重点政策の経費などの編成状況について透明化を図るために作成されたもので、予算編成の方針、それに基づいた予算要求、要求時点における収支不足額への対応策や重点政策経費の状況などについて記載したもので、市民広報という観点から考えれば一歩前進ではありますが、少し残念なところがございます。この資料をつくったはいいけれども、どのようにしたらより多くの市民の皆様の目に触れていくのか。現況は、資料発表後、新聞各紙、報道各社に少し記事として取り上げられた程度で、本市のホームページでも、この資料までたどり着くのには大変苦労するような状態になっています。つくりっ放しではやはりだめだと思っています。財政局としても、市民理解を図るため積極的な広報活動が必要だと思うのですが、この資料を生かすための手だてを何か今考えていることがございますでしょうか、伺います。
87: ◯財政課長 財政状況の厳しさを市民の皆様へお知らせするためのこれまでの取り組みについては、まだまだ十分と言えるものではなかったことですので、本市の財政状況や予算編成過程に対する市民の皆様の関心を高め、御理解を深めていただくための一つの資料といたしまして、今回初めて、先ほど御指摘ございました当初予算案の編成状況という資料を作成したものです。
今後は、今回作成した資料等も活用しながら、職員みずからが地域にお伺いし説明させていただくという案、市政出前講座というものもございますので、これまで以上に活用いたしますとともに、財政状況に関する広報については、関係部局とも連携しながら、より一層工夫を重ねてまいりたいと考えております。
88: ◯小野寺健委員 財政危機を乗り越えるためには、どうしても厳しい財政状況についての市民と行政との間の共通認識が欠かせないと思います。今の質問と関連いたしますけれども、ここで広報の専門の担当課もございますので伺ってまいりたいと思いますが、財政状況を市民の皆様に理解していただくため、何か効果的に広報する手だてはないものでしょうか。早急にできるもの、早くできるもの、それから平成23年度中で展開するもの、何か考えられるもの、手だてがありましたら、広報課だと思いますが、お話を伺いたいと思います。
89: ◯広報課長 効果的な広報についてでございますが、
市民サービスの見直しなど暮らしに影響する項目につきましては、市民の皆様に適時適切に情報提供し、コミュニケーションを図りながら御理解をいただくという過程が大切であるというふうに考えております。
現在は、財政状況等につきまして、市政だよりにおいて、わかりやすさ、親しみやすさに努めながら、折り込みあるいは特集ページなどで詳しくお知らせいたしますとともに、ホームページへの掲載に当たりましても、トップページに財政・行財政改革という項目を設け、アクセスしやすいよう工夫しているところでございます。
新年度におきましては、これらに加えまして、テレビ、ラジオや新聞広告、報道機関への情報提供によるパブリシティなど、幅広い広報媒体を活用してまいりますとともに、市民アンケートや説明会、パブリックコメントなど、市民の皆様とのコミュニケーションのプロセス、そういったものも織り込んだ戦略的な広報を展開すべく、担当局と連携しながら鋭意取り組んでまいりたいというふうに考えております。
90: ◯小野寺健委員 ぜひ広報課におきましては、ホームページが最近変わったんですけれども、そのホームページから財政の状況を今わかりやすく工夫されたということだったんですが、なかなかわかりづらいのが現状なんです。どう工夫したらよく伝えることができるか、少し検討を重ねていただきたいなと思います。
今、課長がおっしゃったように、多くの市民の皆様に届くように、わかりやすく、身近に感じるように、このことというのは広報の基本ではありますけれども、非常に難しいことだと思います。しかしながら、こういったものに関しては、まずは情報への入り口をふやすことというのが必要だと思っています。市民が、財政に関する情報が欲しいと思ったときにアクセスできる場や窓口、そして、その表示や案内をだれにでもわかりやすい形で設置して周知を図ることや、そこで得られる情報の充実を図ること、消防局の地震対策アドバイザーのように、財政に対する広報担当の職員を委嘱して積極的に地域に入っていくことなども考えられることかなと思います。
そこで、私伺いますけれども、全庁でこの財政危機について、行財政改革でもいいんですが、キャンペーンとして取り組み、力を入れることも必要ではないのかなと思いますけれども、いかがでしょうか伺います。
91: ◯財政課長
行政サービスの水準を大きく低下させることや、あるいは市民の皆様の生活に直接影響を与え、混乱を生じさせるような状況が予測されるような場合には、御提案にございましたようなキャンペーンも有効な手段として考えられるところだと思っております。
現段階におきましては、本市の財政状況について市民の皆様と情報を共有し、共通認識に立つという御指摘の趣旨も踏まえまして、市民の皆様により一層関心をお寄せいただけるよう、今年度初めて取り組みました予算編成過程の透明化などのさらなる拡充を行いまして、厳しい財政状況についてお知らせしてまいりたいと考えております。
92: ◯小野寺健委員 この財政状態の悪化というかそういった財政危機というのは、何も私どもの仙台市だけではなくて、全国の自治体で見られているわけでございます。それで、他都市においてどのような展開をしているのかというのを調べたところ、例えば千葉市では、熊谷千葉市長と市民の皆さんが直接話し合う対話会を、昨年7月、市の財政と健全化の取り組みというテーマで開催をしたそうでございます。市長みずからが、市の厳しい財政状況と財政危機の克服に向けた取り組みを説明して、市民の皆さんとの意見交換を通して市政に対する理解を深めていただくといった努力をしていたそうでございます。
また、深刻な財政危機にあります高知市では、市長が中学校区ごとに説明会を開いて、その中で財政状況を説明して状況を共有し、真摯に財政改革の手法であるとか今後の
まちづくりのあり方について市民の皆様の意見を伺ったそうでございます。私は、この事例のように市長や幹部の皆さんが何らかの工夫をして、市民の皆様に財政状況を伝えていくことも手法の一つだと考えます。仙台市においては、ごみ有料化のときに地域に入り施策を説明したことがあります。そのときを倣ってみてもよいのではと思いますが、このことについて伺います。
93:
◯財政局長 ただいまもごみ有料化のときの例というふうなお話もございましたけれども、ごみ有料化につきましては、市民の皆様に具体的に御協力をいただくとかそのような説明も大変重要ということでございました。そういうことで、大変有効な手段ではございましたけれども、特に財政の状況について御説明をするというテーマ性につきまして、そういうことだけで説明会を開くというのはなかなか難しいのかなという考えも少しございます。ただ、今御指摘ありましたような、他都市でも既にそのようなことを千葉市長も含めてやられているということも承知いたしておりますので、どのような手法が効果的なのかということについて、さまざまな例も調査しながら工夫を重ねてまいりたいというふうに存じます。
94: ◯小野寺健委員 ぜひやらないよりはやった方がいいものですから、手法は一つとして、さまざま検討していただいて何らかの展開をお考えいただきたいと思います。
先ほどもお話し申し上げましたけれども、市民も財政については安心だと思っているところがあるということを申し上げましたが、市職員の皆さんも意外と大丈夫だというようなところの考えを持っていらっしゃる方が多いのではないかなと思います。市職員である以上、今日のような財政状況というのは、職員共通の課題としてとらえる必要性があると思います。現状、オール仙台の市役所職員の皆さんが本市の財政状況を認識する手段、手法というのはどのようなことを行っているのか、そういったところをお示しいただきたいと思います。
95: ◯財政課長 職員への周知につきましては、毎年の予算編成作業に入る前に、各局区などに対しまして、予算編成方針案の通知あるいは関係職員を集めての説明会の場、あるいは職員研修の場などにおきまして、担当職員から直接財政状況の説明を行っているところです。また、年度当初には、予算執行方針という文書を通知しておりますが、その中で財政状況に関する概況説明も行うなど、周知に努めてきたところでございます。
96: ◯小野寺健委員 そういったことをされているということは承知いたしますが、しかしながら、わかっていないというか共通理解が図られていない部分もあるのかなと思いますので、平成23年度、新たにそういった現在の財政状況が皆さんに浸透していくように、何らかの手だてをぜひ考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
こういったものは、職員の方々への周知徹底方法というのは、時間をかけずに速やかにやっていくべきだと私は思います。この点について財政局に伺っていきたいと思いますが、いかがでしょうか。
97: ◯財政課長 財政状況に関する全庁的な共通認識につきましては、これまでの予算編成におけるマイナスシーリングの設定でありますとか、予算執行段階での厳しい予算管理などを通じまして、厳しさの認識という面では一定程度浸透しているものと考えてございますが、その理解の度合いという面において、まだ十分とは言い切れない部分がございますので、例えば毎日利用しております庁内LANを活用した職員向けの情報提供など、理解が深まるよう一層工夫してまいりたいと考えております。
98: ◯小野寺健委員 市の職員の関係でいいますと、非常事態と言えるこの現在の状況の中で、平成23年度その中にあっていかに市民生活を支えていくか、それから将来にわたって環境に負荷をかけない
まちづくりをしていくか、未来に向かって有効な、効果的な投資をしていくか、今考えなければいけないことは数多くあると思います。しかしながら、私もこの4年間議員の活動をさせていただいた中で、厳しい財政状況の中でも、ユニークな魅力的な取り組みをやっている部署それから事業というのは、必ず黒子のように支援している本市の職員の皆さんの存在があります。やる気と力のある職員がいるかいないかで、この仙台市の活力というのは大きく変わってくるかと思います。ぜひとも職員お一人お一人がこの状況を打開するというお気持ちで、強いお気持ちで活動していただきたい。そして、ぜひ、いいふうに変化していただきたいと思っております。
仙台市と仙台市民が現況において共通理解をして、力を合わせてこの難局を乗り切っていく、ぜひともこういった形に持っていきたいと思っております。行財政改革というと、財政コストの削減という話になりがちなんですけれども、この改革自体、市民の視点で新たな価値を創造することととらえて、そのために仕組みを見直すなど、行財政構造を再構築すると、そういった視点で頑張っていただきたいと思いますが、この今までの議論を踏まえて、市長に最後に所見を伺って私の質問を終わります。
99: ◯市長 大変厳しい社会経済状況の中で、自治体もこれまでの既存のやり方のみではなく、さまざまに体質変換をして新しい価値を創造していくべきというような御指摘は、今回の総合計画の策定におきましても、私どももそれを踏まえまして、将来の方向性を市民の方々とさまざまに議論したところでございます。そうした目指す方向が一定程度明らかになっている中で、次年度以降、鋭意取り組むべきところは、それに向けた市役所の体制また施策の精選といったことであろうかというふうに思うわけでございます。市民の皆様と、そうした施策の方向性について共通の目的意識を持てますように、さまざまな共通認識の醸成に向けた方策を工夫いたしますとともに、鋭意市職員もそれをみずからの認識として深めながら、全庁こぞって取り組んでまいりたいと、このように思うものでございます。
100: ◯佐藤わか子委員 ただいま小野寺委員から、仙台市の職員がやる気のある職員で仙台が変わるとか、前の
佐々木両道委員の方からも、たくさん市職員の意識改革について質疑がありました。私の方も、今まで何回も何回もこの場でも提案させていただきました市役所の職員の意識改革、自己変革ということについてと、あとミュージアム都市構想について、2点に絞って質疑をさせていただきます。
まず、第32号議案基本計画の中に、市役所自己変革というところがしっかりとうたわれているわけなんです。仙台の未来に責任を持つ都市経営の中で、市役所がみずから変革していかなければならないというようなことがうたっているんですけれども、この基本計画の中に市役所の自己変革を入れた意義、それとこの自己変革をどのようにとらえておられるのか、まず市役所自身が考える自己変革についてお伺いします。
101: ◯総務局理事兼次長 ただいま委員から御指摘いただきました総合計画におきましては、市役所の自己変革ということで、今後未来に向けて政策を進めていく中で、都市経営というものを今回基本計画の中で重視したということがまず基本でございます。その上で、自己変革におきましては、持続可能な財政基盤の確立、そして創造的な都市経営の発揮というところの中で自己変革という内容となっておるわけでございますが、自己変革につきましては行財政改革プランにも掲げておりまして、そこにおきましては将来のより質の高いサービスを提供するという目的から、組織につきましては縦割りの弊害を排除して、迅速かつ柔軟に対応できるような効率的な行政運営を進めると。さらに、職員につきましても、困難な課題にも挑戦できる意欲的で機動的な職員となるよう、資質を向上させるといったようなところで自己変革を掲げたところでございます。
102: ◯佐藤わか子委員 そのとおりなんです。まさにそのとおりなんです。でも、今までだって行財政改革の中で同じように、何回も何回も何回も同じような答弁を繰り返されてきたという事実があります。だから、こういうことに関しては、言うは易し行うは難しというところがあると思うのですけれども、今回は違うんだよというところ、何をもって今までの行革で取り組んできた市職員の意識改革と、今回この基本計画に載せて自己変革を行っていくんだというその大きな違いは何なんでしょうか。今までの行革でやられてこられた、いろいろさまざまなことをやられてきたと思うのですけれども、それの評価、それも含めてそれをどういうふうに評価していて、その課題はどこにあって、その課題を解決するために平成23年度はこういうふうにやっていきますよというのがあればお示しください。
103: ◯総務局理事兼次長 これまでも、御指摘のとおり職員の意識改革ということについては取り組んできたところでございます。それは、職員研修でさまざまな研修のプログラムをつくる、あるいは配置管理、意欲のある職員を登用する、あるいは人事評価制度をつくりまして、そういう部分、意識を持った職員をきちっと評価した上で、そのようなところに人事等などにも活用していくといったような取り組みはしてきたところではございます。
ただ、そういうところの中で市の職員に求められるさまざまな資質、そういうところを総合的に高めようという意識がございまして、何というか幅広い形でやってきたところではございますけれども、今後そういうところとは別に、より重点化するということで、例えば対人力、市民としっかりした信頼関係を築く、あるいは政策形成力、新しい政策をつくっていく、そういう部分に目指すべき職員像、そういうものをしっかりつくりまして、そういうところについて職員研修あるいは配置管理、そういうところで具体にそれらの理念に基づきましてさまざまな人事のところ、あと研修を連携させまして取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
104: ◯佐藤わか子委員 それでは、仙台市が考える目指すべき市職員の職員像というのはどういうものなんでしょうか。
105: ◯総務局理事兼次長 目指すべき職員像でございますけれども、先ほどもちょっと触れましたが、地方分権の進展によりまして、みずからの
まちづくりを市民の皆様とともにやっていくというようなところから、地域に出て多くの皆様とともに考え、ともに行動し、そして困難な課題にも果敢に挑戦する気概を持った職員となる、それが一つでございます。
さらには、厳しい財政状況の中で、少数精鋭でやっていかなければならないということでございますので、これまで以上に質の高い
行政サービスを提供していくため、多面的に活躍できる経営感覚に富んだ職員、こういうものを目指すべき職員像ととらえているところでございます。
106: ◯佐藤わか子委員 それでは、そのような職員を育成するためには、今までさまざま提案させていただいてきましたけれども、今までのようなやり方では、研修をやりましたとかそういういろいろな偉い人を呼んできてセミナーを受けましたとか、そういうようなことではそういう気概を持った職員をつくることは難しいということを何回も申し上げてきまして、やる気のある職員を育てるのであれば、その人が本当にやったことをきちんと評価できるようなシステムをつくっていかなければいけないということを申し上げて、例えば今まで私が提案させていただいた中で、係長試験で昇級が決まっていくというやり方だけでなくて、例えばプロジェクトチームみたいなものができた場合に、そこのトップは広く市職員の中から、その分野にすぐれているという人を飛び級でもいいから公募でそこに課長職に充てるとか、必ずしも段階を踏んで上がっていくということではなくて、横浜でもやっていますよ、他都市でもこういうようなやり方もやっていますよということで提案をさせていただきました。そのことに対して検討されたことはあったのでしょうか、お伺いします。
107: ◯総務局理事兼次長 今、他都市の事例も含めまして御提案いただいてきていたわけでございますけれども、職員の意欲向上のためには、一部の職員のみならず、職員一人一人がやりがいを持って、それぞれの職務、職位に見合った役割を果たすことができるような取り組み、これが肝要であるというふうに考えてございます。
その中で、これまでは特定の業務において秀でた能力、業績を有する職員につきましては、その能力がより発揮できる部署に配置するといったような適材適所の人員配置に努めてきたというところが基本でございまして、検討ということでございますけれども、できる限り多くの職員がやる気を高めていくという取り組みにつきましては私どもも認識いたしておりまして、飛び級という部分については課題もございますけれども、今後ともさまざまな観点から研究してまいりたいというふうに考えてございます。
108: ◯佐藤わか子委員 すべて平等主義でいくということは、すべて横一線に並ぶということなんです。優秀な人をどんどん伸ばしていって、将来の仙台市役所をしょって立っていただくぐらいの気概のある職員を育てていくということも大事なんではないでしょうか。底辺の一人一人の職員を全員、9,400人の職員のレベルを一斉に上げるという、それはとてもすばらしいことです。でも、そういうことも大事ですけれども、やる気があって能力があって、仙台市をしょっていくというぐらいの気概のある職員を育てていくということも同時に進めていかなければならないと思うのですけれども、やる気のある職員を伸ばす工夫ということで、今現在、仙台市として取り組んでいることはどのようなことですか。
109: ◯総務局理事兼次長 先ほども少し触れましたけれども、人事評価制度をしておりまして、それにつきましては、人事評価という部分については、直接の現時点では給与等への反映ということはやっておりませんけれども、それにつきましては昇任あるいは人事異動、そういうところでの活用材料として使っておりますし、また庁内公募制度なども実施しておりまして、一定の分野につきましては、そういうところで働きたいというモチベーションのある職員につきましても、公募で採用するといったような取り組みをしているところでございます。
110: ◯佐藤わか子委員 前々から私は、人事評価制度は、今は昇任とかそういう人事異動とかに使っているということです。でも、前々から私は、一生懸命やったらそれの対価として何か、別に表彰状が欲しいということではないと思いますけれども、給与に反映されるそういう人事評価であるべきだというようなことで、何度も何度もこの場でも言わせていただいているんですが、なぜ人事評価が給与に反映することが実行できないのか、その理由をお伺いします。
111:
◯総務局長 やる気のある職員に対して、そういった方を将来的にどうやって育てていくかというプロセスの中で、我が方が持っている制度的なものとしましては、人事面からどう評価していくかというのは、一つは任用面から。今、御質問にございました給与面からの評価はどうなのか、この2点をどういうふうにして具体の人材養成の中に反映させていくかというのは、非常に私どもも何度も御質問いただいている中で検討しつつある中でも、それをいざ具体的にするという場面になったときに、幾つか課題を持っておるところでございます。とりわけ給与面でどう評価するかについては2点考えられるところでありまして、1点は通常職員が良好に勤務成績、勤務をした場合のいわゆる昇給面において何らかの見ることができないか。これは、かつて民間企業でも業績評価という中でいろいろ議論されたところでございます。あともう1点は、いわゆる勤勉手当、いわゆるボーナス時における勤勉手当で反映させられないかと、この二つが具体のものだと思っています。
現時点では、全体的にどういう業務をした人を給与面で処遇するかということについては、区役所も含めて市役所全体の業務の幅広さからいくと、何をもってプラス面なりマイナス面を評価するというのは非常に難しいというふうに思っております。そういう中で、現時点ではまずは管理職以上になろうかと思いますが、その時点でのいわゆる勤勉手当に対して何らかの加算ができないかと。これについて具体に検討してまいりたいというふうに、御質問のありました給与面ではそういうふうに考えているところでございます。
112: ◯佐藤わか子委員 管理職からだけでもぜひ一回やってみて、一歩進んでいただいて、頭の中だけで考えていればそれはゼロです。何もやらないことと同じです。ゼロはどんなに掛け算してもゼロなんです。一歩でも二歩でも進んで初めて1や2になって、それがどんどんどんどん掛け算でふえていくんではないですか。一歩も行動を起こさなかったら、いつまでたってもゼロです。進みませんよね。
それから、先ほど人事人事ということでお話しいただいていますけれども、これも以前から指摘させていただきました。今たくさん仙台市民が市役所職員に求めているのは、専門性です。窓口に行って聞いて、私わかりませんから、それでは上の方に聞いてみますとか、そういうようなことでは市民はがっかりします。市役所に行って、すみません、ちょっと私かわったばかりで何にもわからないんです。ちょっとお待ちくださいなんて言ったら、そういう専門性が、これからはいろいろ問題も複雑になっていったりニーズも多様化していく中で、専門性、スペシャリストというものを育てていくことがこれからの市役所の、求められる市役所の一つの形だと思うのです。
そのことを何回も提案させていただくんですが、そのたびにローテーション人事、2年、3年、先ほど佐々木委員のときも言っていましたけれども、2年、3年でローテーション人事。それは、幅広く市職員がたくさんの業務を覚えることが必要だから。でも、それはだれのためなんでしょうか。市役所って、市民のためにあるんではないんですか。市役所のためにあるんではないと思うのです。だから、ローテーション人事のメリットとデメリットはもちろんあります。でも、スペシャリストもきちんと育てていくような人事のあり方が、これからは求められていくのではないかと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
113:
◯総務局長 これまで仙台市がどちらかというととってきた手法というのは、ある種、幅広い人材養成という視点に重きを置いてきたという感じがあります。ただ、今御質問にありましたような専門性という部分については、近年、非常に区役所等における窓口サービスにおいても、さまざまな法改正等を受けた細かい部分も、詳細な部分もお答えしなければいけないという役割が相当ふえてきているということを考えますと、一定程度専門性を踏まえた形での職員養成に意を用いなければいけないというのは、まさにおっしゃるとおりだというふうに理解をいたしております。
ただ、他方、これから、市長が申し上げておりますような、地域全体に対して、縦割りでないというところで地域政策を進めていこうということになりますと、ある種、福祉もわかり税もわかりというような部分も一方で必要だということもございますので、それぞれ職員の意向なり希望もあろうかと思いますが、一定程度バランスをとった養成は必要だというふうに思っております。ただ、御指摘の専門性という部分については、意を用いた対応が今後必要というふうに理解をいたしております。
114: ◯佐藤わか子委員 ぜひ全員がスペシャリストになれと言っているわけではないのです。ただ、バランスが、大体毎年毎年、市役所9,400人の3分の1、3,000人規模で異動があるんです。これは毎年なんです。このことを、バランスもこれでいいのか、ジェネラリストを育てるんだからこれでいいんだという判断であれば、それはもうこれ以上の議論はないんですけれども、私はこれからの仙台市役所が目指すべきその方向性としては、その部署部署によっては専門的な知識もしっかりと持った人で、
市民サービスの向上を目指していただきたいということで、この辺のバランスをとっていていただきたいと思うのです。
あともう一つが、よく市民の方から言われるのは、責任をとらない市役所ってよく言う方がおられるんです。責任を、何というか、それは上の方、上の方、上の方、上の方、どんどんどんどん上の方にいくんですが、最終的にだれも責任をとらないでうやむやになってしまうケースがあったりなんかするんですけれども、組織を、これはもう極論なんですが、縦割りを一切なくしてしまっている自治体があるんです。チーム制をとっているところがあるんです。それがやれるかどうかということは、これからの仙台市の今後なんでしょうけれども、つまりチーム長がいて、そこに横につながるという形なんです。そこには、そのいいところは、そこにすべて責任と、そういうところがくるわけです。だから、そういうふうにきちんと市民に向き合った行政で対応していくという、チーム制というようなものをとっている自治体があるんですけれども、そういうようなことを仙台市としてお考えになったことはありますか。つまり、縦割りで上に局長がいて、部長がいて、課長がいて、係長がいて、主任がいてと、こういうふうにびっとこうなっているのではなくて、横に組織としてチーム長がいて、そこの部署に横に並ぶみたいな感じの、そういうようなことをお考えになった、検討されたことはあったでしょうか。
115:
◯総務局長 恐らく経営学の世界で、組織論の中で、そういったものはかつてから種々議論されてきて、いろいろな場面で適用されてきたかと思います。それは、あくまでも何をするかという業務内容、あるいは何のためにという目的に沿った形でのチーム編成だろうと思います。基本的に、行政の組織を見ましたときには、まさに先ほどの御質問とある種相反するかもしれませんが、逆にきちっとした対応をしなければいけないということになりますと、ある程度、とりわけ法的な根拠等もありますことから、基本的にはある種、縦割り的なものが基本だろうというふうに理解をいたしておりますが、地域政策育成推進の中で地域に対して着目をしていきますと、どうしてもある種チーム制を持った形で進めましょうと。それは、逆に言うと、いわゆる法的な備えとかそういうことでない、もっと別な動きを求められるような感じもしますので、目的に応じた形でフレキシブルに組織対応はしていく必要があるというふうに考えております。