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平成20年第4回定例会(第5日目) 名簿 2008-12-12
平成20年第4回定例会(第5日目) 本文 2008-12-12

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  1. 仙台市議会 2008-12-12
    平成20年第4回定例会(第5日目) 本文 2008-12-12


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(赤間次彦)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第五号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(赤間次彦)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、庄司俊充君及び岡本あき子君を指名します。          ────────○────────     日程第二 一般質問 3: ◯議長(赤間次彦)日程第二 一般質問を行います。  順次発言を許します。  まず、渡辺博君に発言を許します。     〔三十九番 渡辺博登壇〕(拍手) 4: ◯三十九番(渡辺博)議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  初めに、動物愛護法の改正と本市動物行政についてお尋ねをいたします。  我が国における動物愛護の基本にかかわる法律は、昭和四十八年九月、議員立法による「動物の保護と管理に関する法律」として制定されました。以来、社会の変化とともに動物が市民生活に身近になるにつれてと同時に動物虐待に関する事件が頻発し、社会問題として世の注目を集めるようになりました。  このような社会状況を受けて、平成十一年十二月、議員立法により「動物の愛護と管理に関する法律」に改正され、自治体の役割が明文化されるとともに、動物取り扱い業届け出制の導入が初めて行われるようになりました。その後も、不適切な飼養保管、販売実態が存在し、自治体レベルでは年間約三千件に上る口頭指導が行われるにもかかわらず、動物取り扱い業者の中には、相も変わらぬ不適切な取り扱いが行われるという例が発生し続け、行政指導の実効性を問われる状況が続いたのであります。  平成十一年六月、再度改正が行われ、取り扱い業の適正化を図るための方策が講じられ、届け出制から登録制に改められ、行政が、悪質な業者に対し登録及び更新の拒否、登録の取り消し及び業務停止の命令ができるようになりました。この改正において、環境大臣が定める基本指針に即して、都道府県は動物の愛護と管理に関する施策を推進するための計画を定めることになっており、本県宮城県では昨年十二月に「動物愛護推進計画」が策定されております。この計画を受けて、本市においても不適切な事例が決して起きないよう事前の対策が必要であると考えますが、今現在どのような対応をしておられるのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。  また、一方、動物の愛護と管理は、ひとり取り扱い業者の問題だけではなく、広く社会全体で取り組むべき問題であると考えます。  法においては、動物の愛護と適正な飼育に関する普及啓発を推進するために、教育活動を行う場所の例示として、学校、地域、家庭が明記されることとなっております。三者連携はとても大事なことであると私は思います。地域社会を一つの単位としてそれぞれが役割分担をしながら取り組むことは、実効につながってまいります。本市においても、一定のモデルをつくりながら対応していくことが求められていると考えます。この点についてどのようにお考えになっておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
     さて、具体的な話になりますが、本市においてはかつて地域猫問題が発生し一定の取り組みが行われましたが、根本の解決には至らず、引き続き課題として存在しております。最近、再び、学校、幼稚園、保育園、家庭の軒先、道路などが汚される例が発生しております。必死に生きる命を大事にしながらも、根本的な解決を図るため、地域、ボランティアえさやりの愛猫家、そして行政の役割分担と連携をうまく図ることができればと思うのでありますが、本市の取り組みは今いかがなっておりますでしょうか、お聞かせをください。  他都市では、それぞれの役割分担を明確にすると同時に、無責任なえさやりには罰則を適用する条例を準備している例もあると聞いているのでありますが、御認識をお聞かせください。私は、状況が改善されない場合、条例化の必要もあるのではないかというふうに考えておりますが、いかがでございましょうか。  関連して、生命の大事さを実感し思いやりのある心を養う教育の一つとして、動物介在活動CAPPキャップ)があります。  先日、市内鹿野小学校での実践を見学してまいりましたが、一時間の短い時間ではありましたが、児童の動物に対する対応の著しい変化を目の当たりにして、動物介在活動の効果の大きさに驚いたところであります。動物に関心を持ち、慈しむ心を養うには、かなり効果的な方法であると思います。現在、本市においては、仙台市内の小学校で細々と実践されているとのことであります。実践を続ける専門家のお話によれば、子供の成長初期の段階、幼稚園、保育園あるいは小学校低学年の時期に触れ合いの機会を設けることが、生命の尊さの教育には有効であるということでございます。  CAPPキャップ)については、私もかつて議会で発言したことがありました。その際、教育長もその実効性についてはお認めになっておられたと思います。今、教育の場で、命の尊さに関しての教育はどのようになっているのでありましょうか。今後、CAPPに関して、教育現場でどのように実践していこうとお考えになっておられるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。  分権委員会二次勧告に関してお尋ねをいたします。  かつて、仙台市議会議員で団を組み、北欧三カ国を訪れたことがあります。目的は、高福祉社会の実際を視察することにより本市施策に生かすヒントを得ようというものでありました。幾つかのことを学び、以来、私の議員活動に生かしてまいりました。  この際学んだ最大のことが、地方分権社会の実現が高福祉社会をつくり上げたということであります。大都市に住んでも、地方の数百人規模の村に住んでも、受ける福祉サービスは同じ水準であります。時代が経て少しでもアンバランスが起きると、仕組みそのものが自動的にアンバランスの解消の方向に動くというシステムでございます。  履いている靴が緩いかきついか本人しかわからない、履いている自分の靴が緩いのかきついのかはその本人しかわからない、これが当時現地で学んだ地方分権の要諦であります。主権者である市民本位システムの構築の大事さであります。  さて、去る十二月八日、地方分権改革推進委員会丹羽宇一郎委員長は、第二次勧告を正式決定し、麻生太郎首相に提出をいたしました。勧告を受けた政府は、来年三月までに出先機関見直し計画をまとめることになりました。さらに、地方税財政抜本改革を柱にした第三次勧告がされることになっております。  まず最初に、今回の分権委員会の二次勧告をどう評価されるのか、お聞かせをいただきたいと思います。また、地方分権に関しての、これまでの本市は、どのような動きをしてきたのでしょうか、御説明を願います。当事者である宮城県市長会、東北市長会が一体となっての行動が極めて重要であると思いますが、会長市として、本市の果たしてきた役割はどのようなものであったのでしょうか。宮城県との連携、意見交換も必要と思われますが、今日まで、宮城県と協調し行動するところはあったのでしょうか。村井宮城県知事とはいかがであったでしょうか。  地方分権改革の中で政令市の位置づけが明確でない状況が課題としてありますが、市長はいかがお考えでありましょうか、お聞かせをいただきたいと思います。市長として、今後の制度設計の中で、政令市の明確な位置づけにつき積極的に情報発信をしてはと思いますが、いかがでございますか。  分権改革は、国と地方の権限争奪ではなく、主権者たる国民、県民、市民当事者の問題であると考えます。しかしながら、市民の皆さんにはどうも当事者意識が薄いと思われてなりません。どこに原因があると市長はお考えでしょうか、お聞かせください。それに対する対策は講じてこられたのでしょうか。  私は、本市の啓発活動が弱かったのではないかと考えます。例えば、国道の管理が仙台市道と一元化されると、街路樹の剪定を初めとした統一性が図られます。そしてまた、市民生活に身近な例えば歩道橋、冬の歩道橋の管理は大変難しい問題になっておりますが、これも一元化されてまいります。このように身近な例を挙げた啓発活動は可能であり有効であるというふうに私は考えております。市長が先頭になって市民運動を起こすくらいの意欲と姿勢を持たないと、地方分権改革は不本意なままで終わるのではないかと危惧するものであります。市長の御認識はいかがでしょうか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。  梅原市政がスタートして三年余り過ぎました。今回の第四回定例会は四回目の議会になります。梅原市政の今までの総括と今後の市政運営に関連してお尋ねをしたいと思います。  ここに宣誓書が一枚あります。仙台市職員が入庁するときに宣誓するものであります。以下読み上げます。「私は、ここに、主権が国民に存在することを認める日本国憲法を尊重し、かつ、擁護することを固く誓います。私は、地方自治体の本旨を体するとともに公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行することを固く誓います」。以上が宣誓書であります。  市長就任宣誓書ではありませんが、私は、市長もまた同じ全体の奉仕者であるというふうに考えます。この宣誓書にかんがみて、この三年半の行動をいかがお考えでありましょうか、市長にお尋ねをいたします。  市長が就任されて二回目の議会になる平成十七年十二月第四回定例会で、私は、海外視察で得た成果をもとに、市政運営に関して幾つかの質問と提案をいたしました。その質問の最後に、以下のエールを送りました。読み上げます。「梅原市長が御活躍の時代に、仙台は多くの市民の努力でここまで高い評価と豊かな魅力を持つまちになることができました。過去幾度となく進むべき方向をめぐって激しい議論があり、施策に対して厳しい批判もありました。しかし、それはすべて市民の幸せは何かという同一視点での議論であり、時には時間をかけつつ決定してきた事柄であったと確信しております。重ねて申し上げますが、今日の仙台の施策は、数々の必要な過程を踏まえてここにあり、一朝一夕ででき上がったことではありません。市民一人一人がこつこつと目に見えぬ努力を積み重ねて、今日に至っております。梅原市長は、歴史と文化を大事にされる方と聞いております。市長におかれましては、仙台市に新しい息吹を吹き込んでいただくと同時に、歴史と伝統に意を用いられ、今日までの歩みをよく吟味され、広く市民の声に耳を傾けていただくことにより、よき仙台づくりのパイロットになっていただきたいと願います」。いささか長くなりましたが、以上が私が送ったエールであります。この件につき、市長から、答弁の中で特に御返答はありませんでした。  就任早々海外出張が話題になり、長町空中中華街白紙撤回等、矢継ぎ早に梅原カラーを押し出す性急な行動に、私は危惧の念を持ちました。前市長の後継ということでの選挙戦、そして勝利という経過を踏まえて就任された市長であります。前市長の市政のキーワードは、協働でありました。市長は、どうお考えになっておられましたでしょうか。いずれ自身のカラーを出すのは当然としても、決して焦ることはないと呼びかけたつもりです。十分時間をかけて、今行われている施策を吟味し、そのよって来た経過をたどることにより、あなたが留守にした数十年の仙台の歩みを学んでほしいと願ったのであります。  過去三年余りの市長の行動を振り返ると、私にとって印象的な事柄が幾つもあります。例えば、男女参画行政ツインベース位置づけられたエル・ソーラ、エル・パークの突然の廃止提案、ごみ有料化については方向を決定してからの市民説明、突然とも感じられる提案は、市民、議会は大いに戸惑いました。事に当たって、十分な準備をして事に取り組むという周到さが感じられませんでした。私であれば、なぜ取り組まねばならないのか、事前の説明、意見の聴取にみずから足を運ぶことを考えます。  反対意見があるとやめてしまうこともありました。あれほど「まかぬ種は生えぬ」と言いながらお出かけになった、御自分で計画された海外出張によるシティーセールス、継続は力なりとは言いますが、その後、どう生かされたのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。本当に必要な出張であったならば、説明をした上で継続しても理解を得られたのではないでしょうか。海外経験を持ち味にした市政運営を期待した人々には、残念なことであったのではないかと思います。  梅原市長は、中央の力を、あるいは文化を、本市のために役立てようとされました。地方分権推進では中央との協調、都市ビジョン作成では中央の人材の登用がありました。私は、このことに対して一定の評価をさせていただきながらも、市長の中で主権者である市民の存在が希薄になってはいなかったかという点で、極めて残念な思いになるのであります。市長の軸足は常に中央にあったのではないかと思うのでありますが、いかがでしょうか。私は、軸足は仙台にしっかりと置きながら市政を運営していくのが基本だと思います。私であれば、職員を信頼し、市民の力を生かす市政を心がけてまいります。  また、自分だけは特別と思い、自分中心の市政になってはいませんでしたでしょうか。今回のタクシーチケット問題にしても、職員が再三にわたって是正を進言しても聞き入れなかったと聞いております。市民の間にある不信感は、市長と職員、市長と市民の間に基本的な信頼関係が醸成されずに今日に至ってしまったからではないでしょうか。  「これからの都市経営は、地方分権への対応と市民参画なくしてはありません」。これは、市長が第三回定例会で、就任に当たり所信を述べられた一節であります。果たしてこのことが現実に行われてきたのでありましょうか。同じく所信にある、東北各都市、各地域との主体的な連携が行われてきたのでしょうか。そのために必要な各首長と肝胆相照らす信頼関係を築くことができたのでありましょうか。漏れ聞くところによると、残念な状態になっていないか、私は危惧するところであります。  就任早々所信表明には、そのほか、シニア世代の活躍する社会の実現、市民満足度実現のための経済力の向上、そのための中小企業、農林山振興の活性化、仙台の知的財産を生かした新産業創出、仙台ブランドの強化、アジアとの交流などが示されておりました。これら所信表明で述べられた事柄につき、現在の御認識をお聞かせいただきたいと思います。  さて、自治体の長は選挙で選任されますが、決して特別な市民ではないと私は考えます。主権者の代理人であり、全体の奉仕者であると私は考えます。大いに批判を受けることも大事な職務であると思います。  本議会には、六十人という市議会議員という立場の選良が、それぞれの価値観、視点で政策を、そして本市の未来を議論しております。その基本は、政策にいささかの誤りもないよう、行政執行に瑕疵がないようにとの願いにあると信じております。  私は、市長の一生懸命さを認めます。そして、市長が持論を持つことは大事だというふうに思います。しかし、全体の奉仕者である立場で持論を述べるには慎重であるべきであり、その持論を決して振りかざしてはいけないと私は思います。市長はいかがお考えでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。以上で私の第一問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯市長(梅原克彦)ただいまの渡辺博議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、地方分権改革に関するお尋ねにお答えを申し上げます。  地方分権改革は、市民の皆様お一人お一人の安全で安心な生活、そして豊かな生活を実現するとともに、仙台、宮城県、そして東北全体の将来の発展のために、本当の意味で自立した地方政府を確立していくための最重要の課題でございます。村井知事とは、日ごろから宮城県そして仙台市の発展のために、共通の事柄について密接に情報の交換、意見の交換、議論を行っており、それぞれの事務方に対しても、可能な限りの連携をして取り組むよう指示を出しております。  次に、今回の地方分権改革推進委員会からの第二次勧告についてのお尋ねがございました。  地方自治体に対する事務の処理またはその方法の義務づけに関しまして、数多くの見直し方針が示されております。地方の自由度を拡大し、それぞれの地域の実情に合った対応が可能になるものと考えております。国の出先機関の見直しにつきましては、出先機関事務権限の地方への移譲という視点よりも、出先機関の統廃合という考え方が先行したものというふうに感じております。  これら第一次勧告、第二次勧告を通じまして、見直しに伴う権限の移譲先として政令市が明確に位置づけられておりません。権限の移譲先として、都道府県と私どもの政令指定都市を同等に扱うことを強く求める必要があると考えております。  また、現在の政令市の実態に即応した税財政制度を含めて、政令市の位置づけにつきましては、指定都市市長会の各市長とも十分に連携をし、今後とも、地方分権改革推進委員会や国に対して、私たち政令市としての考え方をこれまでと同様強く主張してまいりたいと考えております。  次に、これまでの総括と今後の市政運営についてのお尋ねがございました。  私は、就任以来、市民の皆様だれもが幸せを実感できる都市仙台の実現を目指して市政に当たってまいりました。この間の私の取り組みは、ひたすら、現在そして将来の仙台の発展、そして仙台市民の皆様の安心した豊かな暮らしの実現を図ろうとするものでございます。私は、全体の奉仕者として日々取り組んでまいったものでございます。  海外へのシティセールスにつきましては、種をまかなければ芽が出ることはないという考え方に立ちまして、就任当初から積極的にみずから海外に赴いたものでございます。例えば、台湾の台南市とは交流協定を締結し、その後も大変すばらしい交流が続いております。平成十八年にタイ王国首都バンコクで開催した物産展は今年度も開催され、市産品の販売が続いており、また、タイからの仙台への来訪者、観光客もこれまで大幅に増加をしております。これは幾つかの例示でございますが、このように当初のトップセールスが十分に生かされているものと私は認識しております。  私は、地方と国はともに支え合う共生関係であると理解しております。地方が豊かで暮らしやすくなってこそ、その国は本当の意味で豊かな国でございます。先進国として不可欠の要件でございます。政策の企画立案に当たって、仙台の内側からの視点のみならず、外側からの視点をも大事にしてきたものでございますが、市政運営の基本は、あくまでこのまちの歴史、文化、伝統を踏まえた上で、現にお住まいになっている市民の皆様と私ども行政が、手を携えて協働で進めていくものと考えております。  就任時に掲げましたさまざまな施策につきましては、着実に少しずつ成果に結びつつあるものと認識しております。これから、初心に立ち返りまして、行政の透明性を確保し、また、説明責任を果たすことを原点として、誠実かつ公正を旨とし、信頼関係を基本といたしまして、今後とも仙台市政行政課題に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、関係局長から答弁をさせたいと存じます。  私からは以上でございます。 6: ◯総務局長(大嶋英世)地方分権改革に関する数点のお尋ねに御答弁を申し上げます。  まず、仙台市の地方分権に関する取り組みについてでございます。  これまでも指定都市市長会の場などにおきまして、各都市と議論を重ね、地方分権改革の推進に向け地方分権改革推進委員会や国への要望を行うとともに、地方分権改革の意義、動向などにつきまして、仙台市のホームページを通じ市民の皆様にお知らせをしてきたところでございます。また、宮城県市長会や東北市長会の会長市としては、地方分権改革の趣旨に基づき、各市とも議論を重ねながら連携協調し、さまざまな政策課題について国に要望するなど、積極的に対応をしてまいったところでございます。  次に、宮城県との連携でございます。  地方分権一括法によりまして、県知事の権限に属する事務の一部を県条例の定めるところにより市町村が処理することができる制度、いわゆる条例による事務処理特例制度というものが創設されております。仙台市と宮城県におきましては、同制度に基づき三百を超える項目の事務移譲を受けるなど、住民に身近な行政は、できる限り、より住民に身近な基礎自治体において担うことが望ましいという共通の理念の実現に向けて、連携を行ってきたところでございます。今後の国との協議等に際しましても、この共通理念を踏まえまして、連携を密にし、地方分権改革の推進に取り組んでまいる必要があるというふうに考えているところでございます。  また、これまでも、県知事、市長会長等で構成する宮城県自治体代表者会議におきまして、地方税財源の充実強化及び地方分権改革の推進に向けた緊急提言などを行うなど、連携した活動を行っているところでございます。  次に、地方分権改革と市民の皆様に関するお尋ねでございます。  地方分権改革は、市民の皆様一人一人の安全で安心な生活、豊かな生活を実現していくための最重要の課題でございます。これまでも、先ほど申し上げましたけれども、ホームページにおきまして、分権改革のいろいろな動きというようなものを情報提供というような形で掲載をし、御理解を深めるよう努めてまいったところでありますけれども、必ずしも十分な成果といいますか御理解という部分には至らない部分もあるのかというふうに考えております。  来年三月には、地方分権改革推進委員会の最後の勧告となります第三次勧告が予定されております。こうしたことに向けまして、ただいま御質問の中で種々御提案がございました、市民の方々に、より具体的でわかりやすい事例などによりまして、さらにわかりやすい情報提供に努め、市民の方々に地方分権改革への理解が深まるようさらに努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 7: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、動物愛護行政に関する数点のお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、動物取り扱い業者による動物の不適切な取り扱いの防止対策についてでございますが、動物取り扱い業の登録時や登録後の定期立入検査時に加え、動物取り扱い責任者研修会において、動物の健康及び安全を保持する基準の遵守等の指導を適切に行い、優良な業者の育成に努めているところでございます。  次に、動物愛護適正飼育に関する啓発活動についてでございますが、動物愛護に関する市民講演会等の開催や、市ホームページ、市政だより、パンフレット配布等により、適正飼育について普及啓発に努めているところでございます。また、市内の小学校とも連携し、児童が直接犬や猫と触れ合うことにより動物の命の大切さについて学ぶ動物介在活動を実践しているところでございます。さらに、地域においても、町内会、子供会や高齢者の施設の要請に応じ、動物との触れ合い活動を行っております。  今後は、さらに学校、地域、家庭が連携して、動物愛護をモデル的に推進していく取り組みを検討してまいりたいと考えております。  次に、地域猫問題の取り組みについてでございますが、仙台市動物愛護行政基本指針に基づき、現在、市内二カ所を地域猫モデル地域として選定し、町内会、動物ボランティア並びに仙台市獣医師会と連携し、飼い主のいない猫の増加を防止し、人と猫が共生できるよう対策を進めているところでございます。このモデル地域以外の地区におきましても、地域の猫問題が原因となって周辺の生活環境が悪化している事例が起きており、現在、環境局や区役所とも連携して問題の解決に取り組んでいるところでございます。こうした問題のある地域につきましては、今後、地域の方々、動物ボランティアを中心に、町内会等の地域団体とも連携して、問題を起こしている猫を地域で適切に飼育管理する、いわゆる地域猫活動に対する支援を推進してまいりたいと考えております。  また、地域の猫問題等の条例による規制についてのお尋ねでございますが、みずから所有していない動物へのえさやりによる周辺住民の生活環境の悪化を防止するための条例の制定を図っております自治体があることは承知してございます。  本市といたしましては、動物愛護と地域住民の快適な生活環境の調和に向けて、無責任なえさやりを行わないよう啓発を進めて問題を解決することが望ましいと考えております。この条例案につきましては賛否両論の意見があるとも伺っており、今後、その成果や他の自治体の動向も見きわめながら、条例化の必要性も含め、有効な施策について検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 8: ◯教育長(荒井崇)私からは、学校における生命の尊さに関する教育及び動物介在活動についてのお尋ねにお答え申し上げます。  本市の学校教育の重点施策の一つでございます健やかな心と体の育成の推進に当たりまして、命を尊重する心、他者を思いやる心の育成は極めて重要でございます。そのため、学校では、道徳の授業の充実を図るとともに、保育所での幼児との触れ合いなどのさまざまな体験的活動を実施いたしております。動物介在活動も、そのような活動の一つとして大変意義深いものと認識してございます。  動物介在活動教育現場での状況でございますが、今年度は、現時点で、動物管理センターと連携し動物ふれあい教室を実施いたしました小学校が二校、動物病院の獣医師の方にボランティアで犬や小動物を連れてきていただいた小学校が六校、合わせて八校でございまして、また、適応指導センターにおいては、不登校の子供たちに年六回ほど動物と触れ合う機会を設けております。  現在、教育委員会では、動物管理センターとの間で、学校での活動をふやすための方策につきまして検討を行っているところでございます。学校で動物介在活動を行っていく上では、動物アレルギーへの対応や、また安全性確保のために、活動を支える十分な知識を持ったボランティアの養成や指導に当たる教員の研修などの課題もございますので、今後とも協力して検討を進めてまいりたいと思っております。  以上でございます。 9: ◯三十九番(渡辺博)もう少し詳しく御答弁をいただきたかったのですけれども、いたし方ありません。二点について、さらに質問をさせていただきたいと思います。  先ほど質問の中で、前市長の市政のキーワード、協働ということであるというふうに私は思いました。大方の皆さん方、御認識を同じくしていただけるんじゃないかと思いますけれども、その協働という意味を市長はどうお考えになって、後継者としてそれをどう生かされてこられたのでしょうか。あるいは、あえてこられなかったのでしょうか。  それともう一つ、この男女共同参画行政、エル・ソーラ、エル・パークの問題については、やっぱり議会で激しい議論があったというふうに認識しております。ジェンダーという言葉についても激しい議論があったわけですが、しかし、議論の末、ツインベースと言いましたけれども、二つの拠点でやろうということになって、仙台市全体の意思になったわけですが、それに対して市長はメスを入れた。そのことは、果たして継承ということを言われた市長として適切だったのかどうか。これは市民の間でやっぱり議論があるところであると私は思っておりますが、そのことに関してどうお考えになっておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。 10: ◯市長(梅原克彦)ただいまの再質問にお答えを申し上げます。  市民協働ということ、これは言うまでもなく、仙台市民が仙台市の運営を担っていく主体であり、また主役であるわけでございます。そして、私ども行政あるいは企業体も含めて各事業者の皆様、各種団体、NPO、こういったいろいろな地域社会の主体、プレーヤーが、それぞれの持ち味、それぞれの立場で積極的に連携をし、共通の目的である仙台の将来に向けてのまちづくり、そしてそこに住まう市民の皆様の幸せ、現在並びに将来の市民の幸福という全体として共通の目標に向かってともに働いていくということが市民協働であるというふうに認識しております。  去る十月から実施をしておりますごみの有料化につきましても、市民の皆様と私ども行政、時に不法投棄対策における例えば警察当局、そういったいろいろな主体が連携、協働し、私たちの大事なまちの自然環境、そして広く地球全体の環境を守るために共同作業をしていくこと、こういう営みであるというふうに認識をしております。  後段の男女共同参画政策についてのお尋ねでございますけれども、言うまでもなく人間の社会は、男性と女性、男と女で構成をされており、そして、男と女、男性と女性がともに助け合い共同して、時にいがみ合い、時に愛し合い、そうやって人類は何万年もの間、私たちの社会を構成してまいりました。そして、男女の間においては、いかなる意味においても差別はない、平等である、これが基本となり、また、それぞれの持ち味を積極的に生かしながら、社会全体の運営あるいは家庭の運営を行っているものでございます。  そのことと、実際、男女共同参画政策のもとでどのぐらいの資源を自治体において投入するかということは、およそ次元の異なる問題でございます。どのような政策分野であっても、残念ながら財源は限られております。財源は決して天から降ってまいりません。歳入アップのための努力をいたしますけれども、年間六億円を費やすというこれまでのいわゆる二館体制の運営については、行財政改革という観点から、例外扱いとせず、十分な吟味が必要であるということで、これまでいろいろな御提案をしてまいった次第でございます。  以上でございます。 11: ◯三十九番(渡辺博)協働という言葉に対する理解の仕方というのが違うんだなあというのを、今、認識をいたしました。  ごみの有料化のお話を、今、市長みずから答弁の中でされましたけれども、私は、その協働というのは、決まって説明してわかりあって協働していくというよりも、その前にもっともっと市民と市長とが十分に話し合う機会あるいは情報を集める努力をすることから協働作業というのは始まるのではないかという、私は理解でございます。この点について批判があるわけですけれども、その点については市長はどう理解されておられますか。 12: ◯市長(梅原克彦)お答えをいたします。  ごみの有料化を例に挙げるならば、これまで、昨年の秋にその方針を議会にて御決定いただいた、またそれまでの過程、いろいろな形で市民の皆様の御意見を可能な限り伺い、また、それを私どもの原案に反映をさせたものでございます。その上で、さらに議会におきまして十分御議論を尽くしていただいた上で、今般十月一日からスタートした内容が固まったわけでございます。  いずれも地方自治の民主主義のルールにのっとって、所要の適正な手続のもとで、全体としての地方における民主主義、日本国憲法下のルールにおける意思決定として行われてきたというふうに、私は理解をしております。 13: ◯議長(赤間次彦)副議長と交代いたします。     〔議長 赤間次彦退席、副議長 佐藤嘉郎議長席に着く〕 14: ◯副議長(佐藤嘉郎)議長と交代いたします。  次に、小野寺健君に発言を許します。     〔五番 小野寺健登壇〕(拍手) 15: ◯五番(小野寺健)民主クラブ仙台の小野寺健でございます。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  十月から十二月末まで、「美味し国伊達な旅」というキャッチフレーズ、人気キャラクターむすび丸とともに三カ月間にわたって行われております仙台・宮城デスティネーションキャンペーンの開催期間も、早いもので残りおよそ二週間となりました。期間中、岩手・宮城内陸地震、ガソリンなどの燃料費の高騰、アメリカのサブプライムローン問題から波及した経済問題など、これでもかとマイナス要因が重なり、本来ならば仙台市観光飛躍のための第一歩となるはずであったのが、実のところは前年比の確保、マイナスイメージの払拭に力を割かなければならなかったのは、本当に残念であります。  そのような中でも、本市の予算からこの事業は多額の費用が拠出されておりまして、当然ながら、その成果も求められるものであります。そこで伺います。市長は、現状においての総括をどのようにされているのか。また、この取り組みを単発だけで終わらせることなく、継続した取り組みにすることも必要です。次年度以降、どのようにこの取り組みを生かしていくつもりなのか、この取り組みでの最大の成果は何だったのか、あわせて伺います。また、きょうから光のページェントが十二月三十一日まで行われます。気を抜くことなくラストスパートしていただきたいと思います。  関連して伺います。JR仙台駅西口で、ペデストリアンデッキの側壁が一部崩壊した件です。仙台・宮城デスティネーションキャンペーンの開催期間中このようなことが起き、衝撃を受けました。管理をしている青葉区によれば、平成十七年、十八年度の点検では異常は見つからず、過去にデッキの側壁が落ちたことはないということですが、余りにも間が悪過ぎます。もし、キャンペーン中にお越しになった観光客がその場を通り被害に遭われていたらと思うと、ぞっとします。人的被害はなかったからよいようなものの、今後起きないとも限りません。JRを初め関係機関と連携し、小手先ではなく総力を挙げて早急に対策をとるべきだと思いますが、所見を伺います。  先日、元オリックスの清原和博選手が、出身地の大阪府岸和田市に、ふるさと納税制度を利用して百五十万円を寄附したという報道がありました。岸和田市のふるさと納税制度では、集まった寄附を基金として積み立て、伝統のだんじりやスポーツの振興などに利用していて、清原選手は「野球を通じてさまざまな人と出会い、さまざまなことを学んだ。岸和田の子供たちがスポーツを通じて何かをつかんだり、スポーツ選手に夢を抱いてもらえたりするような環境づくりに役立てて」と、寄附したとのことでした。  一方、県内の自治体に目を向ければ、南三陸町へのふるさと納税制度による寄附が十一月末で二百八十万円を超え、年度末までで六十万円と予測していた町は、ふるさとを離れても町を応援してくれている人がたくさんいることを実感していると感激しているという報道がありました。報道によれば、南三陸町には、募集を始めた十月一日から十一月二十八日までに四十六件、二百八十三万円の寄附の申し出があり、その内訳は、東京在住者が最も多く、名古屋や千葉などからも届いていて、金額としては一万円を寄せる人が多いけれども、中には五十万円を寄附した人もいたそうです。そして、中には、申し出書に手紙を同封してくる人もいて、茨城県から寄附を寄せた人は「親も亡くなり、兄弟も町を去った。夏になるとふるさとを思い出す。ふるさとがいつまでも栄えるよう頑張ってください」といった激励メッセージが添えてあったそうです。  そこで伺います。当局において、現在、ふるさと納税でどのような努力をされているのか、この制度で歳入を幾ら見込むのか、今現在の状況についてお示しください。また、来年度の確定申告に反映しようとすれば、ことしは今月がリミットだと思いますが、今後の施策の展開についてもあわせて伺います。  ふるさと納税は、国民が優れた施策を打ち出している自治体を応援したいという思いを託すことができる可能な制度です。例えば、あの市は小さいけどあの市長は頑張っているから応援してやりたいと思えば、その自治体に住民税の一部を寄附でき、もっともその分、仙台市に入る税金は減ります。控除額は住民税の一割を上限としていますが、住民によって自治体が選ばれる時代に入ったということで、頑張る自治体は報われるので頑張りがいがあるのではないかと思います。  仙台市が選ばれる自治体になるということは、選ばれる自治体になるために競わなければいけません。自分たちはこんなことをしたいからお金を寄附してほしいとアピールすれば、今日のネット社会ではさまざまな波及効果も生まれる可能性がありまして、うまく活用できるかどうかも自治体力と言えると思います。アピールには、不特定多数の人に見てもらわなければいけないので、当然ホームページが重要になってくるでしょうし、その内容はインターネットから寄附を申し込めるようにすることや掲載すればよいということではなくて、寄附したくなる中身の工夫、気のきいたポスターやパンフレット、駅や空港ターミナルで申込書を書けるようにすること、こういったことも必要だと思います。申し込み者にとってのメリットをどうアピールするかを含め、PR方法について現状と今後の展開について伺います。  より創意工夫のある自治体にはお金が入り、逆に工夫がなければ入ってこない。ただ、ふるさと納税という趣旨からいっても、仙台市の場合は、出ていくよりもよそに住んでいる出身者などに寄附をしてもらう可能性の方が高いと思います。現在、ほかの自治体はPRに熱心です。この制度は、本市のシティセールスとも関連する施策だと思っています。PRについてぜひとも工夫していただきたいと思いますが、あわせて所見を伺います。歳入の少しでもアップに努力をしていただきたいと思います。  次に、郊外の住宅団地の高齢化対策について伺います。  仙台市内において、特に泉区では、昭和四十年代から五十年代後半にかけ、郊外に大型の住宅団地が開発されました。今、それらの住宅団地では高齢化が進み、急速に老夫婦中心のまちになろうとしています。団塊の世代の方々が高齢者の仲間入りする二〇一五年以降は、住宅団地という偏った地域で大量の人口が一斉に高齢化し、既存の集落や市街地よりも高齢者比率が急に上昇するなど、問題は一気に深刻化します。  郊外の団地では、車の運転ができないと買い物や病院に行くのも困難になります。自立した生活が営めないとなると、日常生活に大きな支障が出るばかりか、生存に直結する問題が起きないとも限りません。コミュニティバスの充実や確保が当然重要であるだけではなくて、問題はそれだけでなく、地域としての持続可能性を高めていくための総合的な政策が求められまして、仙台市としても近い将来この問題に対処していかなければなりません。  そこで、提言をさせていただきますが、今のうちから課題を抽出していくための基礎研究を始めていく必要があるのではないでしょうか。以前、都市総研において鶴ケ谷団地などの調査を行っていたことは承知しておりますけれども、そのときとまた背景も要素も違ってきていると思いますので、すべての郊外団地を対象に調査研究をすることはできないでしょうか。そこで伺います。急速に高齢化時代を迎える団地という新たなコミュニティーの持続可能性のための総合政策の必要性について、どのようにお考えか所見を伺います。  郊外の住宅団地では、既に人口減少や高齢化が深刻化して、空き地や空き家の発生、治安悪化などのさまざまな現象が複雑に絡み合い、結果として地域の魅力が低下していき、地域の持続性のための対策が喫緊の課題となっています。行政としてどのようにかかわっていくことが可能であるのか。現在、当局で取り組まれている施策もあることは承知しておりますけれども、それらを含めて、これから取り組もうとされている予定である施策についてお示しください。
     次に、仙台市においてこの秋から順に行われる予定の、区役所の窓口事務を総合窓口化し、ワンストップサービスについて伺います。  一つの窓口でさまざまな用事が済む、たらい回しのない役所、待たされない役所に変貌することがねらいであることは承知しております。我が国における総合窓口化導入の取り組みは、平成五年に浜松市が導入して以来、多くの自治体で実践しているようです。私は、東京都千代田区役所に調査に行ってまいりましたが、千代田区はスピード、スマイル、信頼の3Sのサービスを旗印に、昨年五月から、総合窓口と開庁時間の延長をセットで導入されておりました。  本市においては総合窓口の設置のみが行われておりますが、本来であれば、総合窓口化とセットで考えていかなければならない取り組みがあると思います。一点目は、平日の夜間、土日を含めて窓口業務を時間延長する開庁時間の延長、二点目は、一元化された電話窓口であらゆる問い合わせや相談に一次対応するコールセンターです。以上二点について、現在検討しているのか、今後について見通しについてお示しください。来庁した人を待たせない、たらい回しにしないサービスと、わざわざ来庁しなくても済むサービスの実現を望みます。  住民の生活や福祉の向上を図るための公共施設の整備が、近年厳しい自治体の財政状況下のもとで思うように進んでいません。公共施設の投資額は、平成四年度の二十五兆八千四百万円から、平成十四年度には十七兆六千万円と、この十年間でほぼ三分の二まで縮小しています。用途別で見ますと、老人ホームのように施設数が大幅にふえているものもあれば、小中学校のように数を減らしているものもあります。右肩上がりの時代は、公共施設は需要の増加に対応し、全面的に整備が進められてきました。これからは、ニーズが減少する既存施設をどのように扱うか、つまり需要とストックとのミスマッチをどのように解消していくかが課題となります。  そのような中、既存施設のあり方について再検討を始めた自治体もあります。管理運営状況、稼動状況、建築物の築年数、劣化状況などを施設単位で整理し施設を評価する試みで、評価結果に基づき、最終的には既存施設を存続、用途・利用形態の見直し、廃止の三つに区分しています。この評価プロセスと連動し、利用者が減少した施設の統廃合、利用圏域の見直しによる施設の再配置、類似する機能を有する施設用途を再編する試みが進められておりまして、今後、この仕組みは全国的に広がっていくかと思います。  今までは、用途は喪失しているのに建築物の築年数が浅い場合、これまではスクラップアンドビルド方式で施設を整備してきました。今後は、財政状況の悪化や環境負荷の削減などの観点から、既存建築物を用途転換することが求められてきます。本市においては、公共施設の長寿命化に対する施策が本年四月に計画を策定しこれから検討実施されていくことは承知しておりますが、近年、このようなやり方、既存建築物の用途転換手法としてのコンバージョンという呼び名が定着しています。このコンバージョンについての本市の見解と今後の展開について伺います。  次に、公益認定ガイドラインを踏まえた外郭団体の統合について伺います。  地方公共団体財政健全化法によりまして、外郭団体の損失補償も将来負担額として自治体財政の健全化指標に組み込まれることになったことから、負債が地方自治体財政に及ぼす影響への関心が高まってきています。一連の新聞やテレビの報道を見ますと、外郭団体は無計画、放漫経営でむだが多くあるような印象を受け、そのため、一般には、世の中の外郭団体には存在価値がないかのようなイメージが広がっています。  しかし、本来外郭団体には明確な意義と役割があったと思います。外郭団体の代表的な役割は、一九七〇年代の社会資本整備のための大規模開発プロジェクトの推進から、一九八〇年代以降には民間活力導入による地域振興と公的セクターへの受け皿へと変化し、一九九〇年後半からは中心市街地活性化や住民主体の地域発事業の推進に活用されるようになってきました。  しかし、近年は、PFIや指定管理者など官民協働の新たな仕組みが整備され、従来では外郭団体によって実施されてきた事業でも別の手法を選択することが可能になっておりまして、例えば施設整備、維持管理の資金調達と運営を民間に委託することはPFIで、施設運営を民間が代行することは指定管理者制度で対応可能ですし、また、NPO法により、NPO法人が自治体と協力して地域課題の解決に当たっている事例もあります。官民協働のスキームが多様化している現在、現存する外郭団体よりも適切な手法が存在する場合は、外郭団体の意義、役割が終わったと判断すべきでありまして、外郭団体を解散し、他の手法に移行することを検討することも必要だと思います。  ことし四月、内閣府公益認定等委員会より、「公益認定等に関する運用について」いわゆる公益認定等ガイドラインが示されました。公益法人制度改革について公益認定基準等の詳細が明らかになってきたわけですが、その中で、移行期間は施行後五年間とされています。仙台市の外郭団体においても、社団法人、財団法人について今後公益認定を受けようとするならば、認定基準を意識し、その事業展開を見直していく必要があるのではないでしょうか。  このような中、仙台市は行財政集中改革計画を策定し、懸命に行財政改革に取り組んでいます。それを承知で改めて申し上げますが、公益認定のために事業展開を見直す必要がある今こそ、外郭団体の役割を根本的に見直し、官民連携のパートナーとして真に必要な外郭団体を見きわめ統廃合を進めることが必要ではないでしょうか、所見を伺います。  最後に、タクシーチケット問題が市政に与える影響について伺います。  市長の不適切なタクシーチケット使用問題が連日大きく報道されて、今回、市長がいつも率先して取り組まれているシティーセールスの施策が、いわば仙台の宣伝が、違った形で全国ネットという形で日本じゅうにテレビで発信され、新聞、インターネットで取り上げられて、私は大変残念に思っています。  きのうの本会議において、市長は、給料の五〇%、三カ月の返納を表明されました。私は、この件に対してなぜ市長は事の重要性を認識され迅速に対応されなかったのか、本当に残念です。みずから処分を行って市長はけじめを一応つけたとお思いかもしれませんが、私は、やはり市民に対して、なぜこのようなことが起こったのか、今後どうしていくのかを、市民に対してわかりやすく説明していくことが必要だと思っています。私にも、十一月末以降、市民の方から多くの疑問が寄せられています。今回の問題は、もはや市長個人の問題ではなく、仙台市政に携わっている皆さんに対して、今言っていること、行っていることは本当なのかという不信を抱かれています。  梅原市長、施策実施において影響は現在出ているんです。今やらなければならないことを、きっちりやっていく必要性があるのではないでしょうか。それは、まず、信頼回復のために市長ができる限りタクシーチケットの説明をすること、相手先の名前を伏せた上で、どのような集まりだったのか、何人ぐらい参加したのか、仙台市の施策にどのように役に立ったのか、このようなことを可能な限り市民に提示し、それによって開かれた仙台市政の展開につなげていくことが必要になってくるのではないでしょうか。  そして、今後の対策であります。例えば、三役のタクシーチケットを全廃する、また、高知県で行っているように、タクシーチケットの使用状況をホームページで公開することなど、思い切った対策を市民に提案することが必要ではないでしょうか。対応が後手後手に感じます。先んじて対策や方針を決め、対応を決めた方がよろしいかと思います。市長の明確なお答えを期待し、私の一般質問といたします。  ありがとうございました。(拍手) 16: ◯市長(梅原克彦)ただいまの小野寺健議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、タクシーチケットについてのお尋ねでございます。  御指摘の第三者にどのような場合に渡していたかという点についてでございますが、相手方に御迷惑をおかけすることなどを考えますとき、お示しすることは困難であるということを御理解いただきたいと思います。いろいろな形で、仙台市政全般につきまして、仙台市の経済政策なり、観光振興政策なり、都市整備、まちづくり関係なり、あるいは教育なり、いろいろな分野のいろいろな有識者の方々からお話を伺う、こういうことでございます。  今後のタクシーチケットの取り扱いにつきましては、経路の記載など運用ルールにのっとって使用してまいりますとともに、より透明性を高めるためにどのようなことができるか、さらに検討してまいりたいと考えております。  次に、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンに関する数点の御質問にお答えいたします。  まず、現時点での総括でございますが、議員御指摘のように、地震の風評被害あるいは昨今の経済情勢の影響がございまして、宿泊者数については前年を下回る状況になっておりますが、観光客入り込み数は増加をしております。観光関連業界全体が苦戦をしている中、健闘しているのではないかというふうに考えております。  次に成果についてでございますが、観光客入れ込み数の増加のみならず、このキャンペーンを契機といたしまして、中心部商店街や温泉地域などで新たな取り組みがなされていること、JR東日本を初めとする多くの企業、民間団体との連携あるいは地域間の連携が強化されたことは、次のステップへ上るための大変大きな成果であるというふうに考えております。  最後に、デスティネーションキャンペーンについて次年度以降の取り組みでございますけれども、このキャンペーンを一過性のものとすることなく、その中で得られた成果を積極的に活用しながら、引き続き観光キャンペーンを展開してまいりたいと考えております。現在、その詳細について、宮城県あるいはJR東日本などと検討を進めております。  今回の仙台・宮城デスティネーションキャンペーンを総括しながら、より効果的、より戦略的な観光施策を展開してまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、関係局長から答弁をさせたいと存じます。  私からは以上でございます。 17: ◯総務局長(大嶋英世)公益法人制度改革に関連しての外郭団体についてのお尋ねに御答弁を申し上げます。  仙台市の外郭団体につきましては、現在、宮城県が策定中のガイドラインに基づき、公益性の認定が行われるということになります。今後、各団体の事業内容につきまして、公益性の観点から精査をしていく必要があるものというふうに考えております。  今回の公益法人制度改革に合わせまして、各団体が実施している事業のみならず、現在見直しを行っている外郭団体経営評価マニュアルの活用などによりまして、各団体の設置目的や役割も含め点検、評価を行うなど、外郭団体の見直しに向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 18: ◯財政局長(高橋亨)最初に、いわゆるふるさと納税についての御質問にお答え申し上げます。  この寄附金税制でございますけれども、個人住民税からの控除を拡充し自治体への寄附を推奨することをねらいとして創設されたものでございます。  仙台市におきましては、この制度や百年の杜づくり、学校教育や子育て支援といった本市の重点施策をホームページ上で紹介し、また、東京事務所の協力でPRのためのチラシの配布を行っております。現時点で、本制度で税控除を受けることができる寄附としては、約百万円の御寄附をいただいております。  この制度は、ふるさとを応援したいという思いを託する制度でございますので、御指摘のように、仙台というまちの現状や魅力を発信していくことが有効と考えられます。ホームページなどPR内容に工夫を凝らすとともに、県外在住の仙台市関係者への御案内の手法等さまざま検討いたしまして、制度の活用を図ってまいりたいと考えております。  次に、施設の用途転換に関する御質問でございます。  公の施設などが果たす役割は、社会経済情勢の変化、行政需要の変化などに伴いまして、見直しが必要な場合がございます。こうした事由により、制度を廃止、縮小または移転する際には、その施設の状況に応じ、他の有効な活用について全庁的な調整も行いながら検討することとしております。これまで、旧泉保健所の発達相談支援センターとしての活用、こども宇宙館の子育てふれあいプラザとしての転用、あるいは茂庭荘や看護専門学校につきましては民間への移行など、さまざま実施、実現してまいったところでございます。  特に、今日の財政状況のもとでは、資産の有効活用はますます重要と考えております。今後とも既存施設の見直しに際しましては幅広く検討いたしまして、最も適切な活用を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 19: ◯企画市民局長(宮本昭彦)私からは、住宅団地の高齢化対策及び区役所の総合窓口に関連した御質問にお答え申し上げます。  まず、高齢社会を迎える郊外住宅団地に関する総合的な取り組みの必要性についてのお尋ねがございました。  本市におきましては、昭和四十年代から五十年代にかけまして開発、供給された郊外住宅団地につきましては、少子高齢化や団地内の人口の減少等によりまして、議員御指摘のとおり、将来的にさまざまな問題が生じる可能性があると認識いたしているところでございます。郊外住宅団地にお住まいになっておられる方々の生活や地域のコミュニティーを持続可能なものとするために必要となる取り組みにつきましては、来年本格化いたします次期基本計画の策定に当たりましても重要な論点の一つになると考えておりますので、関係各局と連携をとりながら、現状の把握と将来的な課題の抽出に努めてまいりたいと考えているところでございます。  次に、総合窓口に関連し、開庁時間の延長についての御質問でございますが、区役所の窓口業務の時間延長につきましては、市民の利便性の向上につながるものと認識いたしているところでございまして、現在、時間外の対応策として、区役所や総合支所等への自動交付機の設置を行っておりますほか、地下鉄仙台駅行政サービスセンターにおきまして、平日の夜間や土日も開庁をいたしております。また、毎年三月末から四月初めの窓口の繁忙時期におきましては、各区役所で十九時まで窓口延長を行っているところでございます。  区役所におけるさらなる時間の延長や土曜日、日曜日の開庁につきましては、これは電算システムの抜本的な改修のほか運営体制の課題もございますことから、現在行っております電算システムの見直しにあわせまして、さまざまな課題の解決に向けて検討を行ってまいりたいと考えております。  次に、コールセンターにつきましてでございますが、コールセンターは特定業務における一般的なお問い合わせや簡単な御質問等につきましては速やかに回答できるという点で、一定の効果があるものと考えております。しかしながら、仙台市のような自治体の多岐にわたる業務を対象といたしましたコールセンターの場合には、多額の経費を要するなどの費用対効果の面がございますし、また、膨大なマニュアルの維持管理のあり方など、さまざまな課題がございます。  今後、コールセンター制度を導入済みの他都市の運用上の課題などにつきましてより詳細な把握に努めながら、さらに研究を重ねてまいりたいと考えております。  以上でございます。 20: ◯都市整備局長(中村克正)郊外住宅団地の高齢化対策における具体的な施策についての御質問にお答えいたします。  だれもが安全に安心して暮らし続けるためには、住みかえ支援等の住宅政策や地域交流の場の提供など、総合的な取り組みが必要であると認識いたしております。  現在進めております具体的な取り組みといたしましては、鶴ケ谷第一市営住宅の建てかえにあわせ、民間施設の立地誘導を図るなど、地区全体の再生に寄与する拠点づくりを行うこととしております。また、現在、持続可能な郊外居住のあり方について検討を行っておりまして、今年度は、タイプの異なる数カ所の団地を選定し、人口及び世帯動向、宅地や生活利便施設等の現況の把握や、住民の住みかえ等に関する意向調査を行い、詳細な現状分析を行うとともに、団地の将来像をさまざまな視点から予測し、問題、課題を整理することといたしております。  これらの結果等を踏まえ、来年度以降は必要な対応策について検討し、関係各局と調整を図りながら、具体に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 21: ◯青葉区長(瀬戸和良)仙台駅西口ペデストリアンデッキに関する御質問にお答え申し上げます。  今月九日に発生いたしました外壁落下事故でございますが、幸い人的被害はなかったものの、このたびの事故により市民の皆様に御心配、御迷惑をおかけいたしましたことに対しまして、心よりおわびを申し上げます。  事故発生直後、直ちに現場の立入規制を行うなど二次被害の防止措置を講ずるとともに、同様の構造にある箇所を中心に緊急点検を実施したところでございます。その結果、問題となる箇所は確認されませんでしたが、JRなど関係者との連携のもと、西口ペデストリアンデッキ全体につきまして早急に施設の健全度に関する詳細な調査を実施することといたしております。また、事故発生箇所につきましても、専門家とともに、より詳細な原因究明を行いまして、必要な対策を講じてまいりたいと考えております。  以上でございます。 22: ◯五番(小野寺健)私の問いがちょっと速かったので、なかなか御理解いただけなかったこともあると思いますので、タクシーチケットの件についてなんです。  私は、相手先の名前を伏せて、その上でも可能な限り、市長が覚えている限り、例えばどこでどういう集まりだったのか、何人ぐらい集まったのか、施策にこういうふうに役に立っているんだよというものをつくって市民にお示しした方がわかりいいのではないかというような質問をしたのであって、お名前を出せという質問をしたわけではありません。その点についてお答えをいただきたいということと、やっぱり何よりも対策が必要だと私は思っているんです。  十一月の末にこのことが起こってから、きょうは十二月の十二日です。この段階で、例えば今後の対策について市長がお示しにならないのは、なかなかこれはうまくないことではないかなと、私は思っているんです。こういうことを一応考えています、具体的なものをお示しいただければいいのではないかなと思って、再質問させていただきます。 23: ◯市長(梅原克彦)ただいまの再質問にお答え申し上げます。  第三者の方の具体的な名前については控えさせていただくわけなんですが、仙台市の市政の全般あるいは個別の政策分野、例えば経済政策でありますとか、中小企業政策でありますとか、教育問題でありますとか、まちづくり、都市整備、エネルギー政策でありますとか、そういった各般の行政分野、行政に関連する問題についていろいろな意見交換などを行ったということでございます。  今後の取り扱いにつきましては、先ほど申し上げましたように、経路の記載などの運用ルールにのっとって使用することはもちろんでございますし、また、より透明性を高めるためどのようなことができるか、現在、総務局が中心になりまして検討を進めておるところでございます。  以上でございます。 24: ◯副議長(佐藤嘉郎)次に、嶋中貴志君に発言を許します。     〔二十二番 嶋中貴志登壇〕(拍手) 25: ◯二十二番(嶋中貴志)公明党の嶋中貴志です。議長より発言のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。  初めに、工事契約制度の見直しについて伺います。  全国的に公共工事の入札にかかわる競売入札妨害や贈収賄事件が続発しており、入札制度の透明性の一層の拡大が求められています。また、国、地方を通じた厳しい財政状況のもと公共投資が減少傾向にある中、価格競争が激化し、著しい低価格の受注による工事の品質低下や地域経済への影響が懸念されております。こうした状況の中、本市においても入札制度の透明性の拡大、地域経済の活性化や工事品質の確保などから、昨年度、三度にわたって入札制度の見直しが行われてきました。  平成十九年四月の見直しは、低入札対策の再構築でした。当局の資料によりますと、低入札価格調査の調査件数は、十五年度三十七件、十六年度五十八件、十七年度七十六件、十八年度百十三件と年々増加し、地域経済や工期への影響といった課題が生じていることから、最低制限価格制度の導入などが行われました。そして、七月には、一層の透明性の拡大のため、制限付き一般競争入札の対象範囲が拡大されました。  その後、本年一月にも、失格基準が導入されるなどの見直しがなされました。この見直しの理由は、十九年度からの制限付き一般競争入札の対象工事の範囲拡大と、最低制限価格制度や特別重点調査制度の導入により著しい低入札は排除できたが、本市の落札率は、平成十七年度で八八%台、十八年度で八四%台、十九年度十二月末までで八〇%台、土木工事については七八%台と、低入札傾向がおさまらなかったことによるものです。  しかしながら、原材料費の高騰等、特に建設業界は大きな打撃を受け、この対応ということで、先般、単品スライド条項の適用を本市でもいち早く実施いたしました。ここでお伺いいたしますが、その後の状況はどのようであったのか伺います。また、現在は逆に低下し、逆単品スライドになっているとのお声も聞きますが、本市の状況はどのようであったか伺います。  話は戻りますが、三度にわたる入札制度の見直しが行われた結果、落札率は一時期より上昇したとのことではありますが、本年に入ってから大手の地元業者など、本市の受注実績のある地元の工事業者が十社以上倒産しています。倒産しないまでも、傷が浅いうちに仕事をやめようか、そう考えている経営者の方もいるとのことです。地域にとっては、これら地元建設業の方は災害復旧のときなど一番頼りになる存在です。雇用においても多大な貢献をしております。適正な価格で受注できるようさらなる入札制度の改善が必要と考えます。  その際、大きく三点がポイントと思います。一つ目は、冒頭申し上げた競売入札妨害や贈収賄事件の対策として出てきた予定価格の事前公表。二つ目は、利益を度外視した低入札を抑制するための対策。三つ目は、入札価格だけではない地域貢献を評価する総合評価制度。この三点について、今後さらなる改善が必要と考えます。経営者の方、働いている方にとっては死活問題であり、現在取り組んでいらっしゃると思いますが、取り組み状況、今後の方向について御所見を伺います。  次に、仙台市シニア活動支援センターのさらなる充実という観点から質問いたします。  本市は、平成十九年七月に、シニアの方のセカンドライフをアクティブに過ごしていただくために、全国に先駆けて仙台市シニア活動支援センターを広瀬通に面した仙台市市民活動サポートセンターの三階にオープンしました。「五十代になったら、ちょっと早目にセカンドライフについて考えてみませんか。自分のために、家族のために、自分を生かすこと。あなたのもう一つの生きがいは、自分づくり、仲間づくりから始まります。そんなあなたのお手伝いをするシニア活動支援センターです」、このようなコピーがチラシに入っており、「会社人から社会人へ、人生再設計のススメ」と大きくうたっております。  日本社会全体が団塊世代の方々が定年を迎えている現在、このような事業はニーズに合う大変重要な事業であると考えます。仕事で得たキャリア、人脈、特技や趣味で行っていたこと、例えばギョーザづくりやそば打ち等、身につけた技術を生かしてみたいという方にとっては、最高のパートナーがシニア活動支援センターであると思います。  先日、シニア活動支援センターを視察いたしました。さまざまな情報や企画をお聞きしましたが、他都市からの行政視察も多く、平成十九年度においては開設九カ月間で六十件、百八十五名の方が視察に訪れているとのことでした。  以前、広聴活動の中で聞いていた、ゴルフ場でコース整備のボランティアをするかわりに無料でプレーをできることってありますかと聞いたところ、ちょっとお待ちくださいと言い、棚のファイルを取り出し新聞の切り抜きのスクラップをぺらぺらとめくり、これですねと言って見せていただきました。こちらがうろ覚えのことを素早くアドバイスしていただき、大変感心いたしました。ボランティアで好きなゴルフができ、作業を通じて足腰が鍛えられ健康づくりになる。ゴルフ場側は、経営の効率化で従業員を減らしコース管理の細かい作業に手が回らないので、ボランティアさんは大変に助かると、双方にメリットがあるという説明を受けました。団塊世代のもう少し上の方でも、何かをやってみたいという方にとって、情報収集の場としてすばらしいセンターではないかと考えます。  このように多くの情報があり、シニア世代のセカンドライフの相談や講座を行うシニア活動支援センターは、これからの社会において大変重要であり、今後の事業展開が期待される施設であると思います。しかしながら、市民の方には存在が知られていないのが現状です。先ほどのゴルフ場のボランティアをしている方も、たまたま知ったとのことでした。さらなる広報に努めるべきであると考えますが、いかがでしょうか。  そもそもシニア活動支援センターの入っている市民活動サポートセンターは、阪神・淡路大震災を契機に、市民活動を支援していく仕組みづくりなどについて幅広く調査研究が行われ、活動の拠点、団体間のネットワークの拠点や情報交換の拠点としての機能を持ったサポートセンターの必要が認識され、仙台市総合計画に市民活動支援の姿勢を明確に打ち出し、平成九年に仙台市民公益活動支援策検討委員会、平成十年には仙台市市民活動サポートセンター整備市民委員会を設置、この検討のプロセスの中で市民と行政との意見交換が何度も開催されるなど、市民参加、市民主体の議論が活発に展開されました。その結果、平成十一年六月三十日、全国初の公設NPO営の仙台市市民活動サポートセンターがオープンしたわけであります。このような市民協働の経緯があった中で、シニア活動支援センターがあるわけです。さらなる充実を求めるには、市民の皆様から逆にシニア活動支援センターのあり方について御提案をいただくというのも一考ではないかと思います。  また、現在、スタッフは非常勤の方一名を含め三名体制で、運営費はおよそ一千二百万円とのことでしたが、積極的に事業展開をするに当たり、運営面においてもさらに充実するべきと思いますが、御所見を伺います。  次に、どこバス仙台についてお伺いいたします。  仙台市交通局と宮城交通株式会社は、平成十八年四月一日から、携帯電話やパソコンを使って利用できるどこバス仙台の運用を開始しました。どこバス仙台とは、バスロケーションシステムの愛称で、路線バスの接近情報を、インターネット等を通じてバスを利用する皆様にお知らせするものです。このシステムにより、バス待ちのいらいら感、バスが今どこにいるのか、バスがおくれているのかそれとも行ってしまったのかわからないなどが解消され、バスを利用される皆様へのサービス向上が図られます。  具体的には、インターネットに接続できる携帯電話やパソコンから、乗車するバス停、降車するバス停を指定すると、その時点で利用できるバスが幾つ前の停留所を出発しているか、市内のほとんどのバス停における情報をお知らせするものです。また、公共施設近くの一部のバス停には、接近表示機つきバス停が設置されており、次のバスが幾つ前の停留所を出発しているかをバス停で確認することができます。  運用を開始した平成十八年度の平日一日平均のアクセス数は、当局の資料によりますと一万五百九件、十九年度は一万八千百五十四件、平成二十年度は九月までの上半期で二万四百七十一件と、普及啓発が行き届き、当初の倍という物すごい数になっており、利用者の喜びの声をお聞きするところです。  大変すばらしい事業と思うわけですが、一部改善ができないかと思う点がございます。バス停にシールで案内されているわけですが、その中に「インターネットが御利用いただけない方は電話でお調べすることもできます。交通局案内センター、電話二二二―二二五六」と表示されています。ところが、お聞きしたところ、平日は十八時三十分、土日、祝日は十七時までとのことでした。その時間以降の場合はつながらないということです。また、サービス向上の観点から行けば、フリーダイヤルというわけにはいかないのかということであります。御所見をお伺いします。  次に、バス車内での携帯電話の取り扱いについてお聞きします。  「携帯電話はペースメーカーなど医療機器に影響がありますので、車内では電源をお切りください」とのアナウンスが行われています。私はマナーモードにすればよいかと思っておりましたが、昨今は電話は受信しないが音楽を聞いている方やゲームをする方がおり、実際、ペースメーカーを入れている方からすると心配になるとの声をお聞きしました。通話しなければ電源が入っていてもペースメーカーに影響しないと思っている方が、私の周りにもおります。そこで、内部障害者の方の不安を解消するためにどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。  次に、交通局では、この十月から、大学生や専修学校生を対象に「学都仙台市バス(+地下鉄)フリーパス」の実証実験に取り組んでおりますが、このパスの発売以来の販売枚数をお聞きしたところ、約六千枚になっているということであります。私が大学関係者や多くの学生、そして父兄から聞いたところでは、このフリーパスの価格の安さや全線乗り降り自由という便利さから、この取り組みを高く評価しております。今後、購入する学生がさらにふえるであろうと思われます。私は、常々、バスなどの公共交通機関は安くて便利に利用できるのであれば利用者はふえるものと考えております。そういう意味では、この学都仙台フリーパスの実験が成功し、高校生をも対象に含めて本格実施されるよう期待しているところであります。実験を開始したばかりですから、まだ詳細の分析ができる状況にはないと思いますが、現在の状況や今後の取り組みについてどのように考えているのかお伺いいたします。  最後に、市長にお伺いいたします。  就任当初、交渉力で歳入アップ等述べられ、大変力強く感じた一人です。実感されていると思いますが、選挙で選ばれたとはいえ、市長単独の判断では、例えばまちづくりなどは方向を大きく変えることのできない仕組みになっております。行政とは何よりも手続や行政の連続性を重視し、極端な政策変更による混乱を回避するためというふうにも考えます。  一つの例を挙げれば、青森市のコンパクトシティ構想です。現在の市長がこの構想を公約として掲げ当選したのは、平成元年です。その後、平成八年に長期総合計画でコンパクトシティ構想が初めて明確に示され、パブリックコメントなど二年間の時間をかけて議論を尽くし、同時に青森市都市計画マスタープランでの検討を開始し、平成十一年に青森市都市計画マスタープランが完成し、市長就任から丸十年、全国初のコンパクトシティを掲げたマスタープランができ上がったわけです。  市長におかれましても、就任当初、海外に出かけ、歳入アップの御努力をされていました。先ほど渡辺議員への御答弁でもございましたが、着実に進行しているということです。当然のことであり理解するところでございますが、現状でどのような結果を出し、また、結果は出ていないが目的達成のためここまで来ているというものはどのようにお考えか、お伺いいたします。  今こそ市民のために結果をと申し添え、私の一般質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 26: ◯市長(梅原克彦)ただいまの嶋中貴志議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、歳入アップの取り組みの現状につきまして、御答弁を申し上げます。  仙台市が魅力的な都市として今後持続的な発展をしていくためには、都市の活力の醸成を図り、経済を活性化させ、歳入増に結びつけていくことが重要でございます。この認識のもとで、新しい産業の創出、そして投資の促進、地元の中小企業、商店街のさらなる活性化、国内外の交流人口の拡大などの多様な施策を戦略的に推進してまいったところでございます。
     こうした取り組みによりまして、大企業の生産拠点や事業所などが仙台ないしはその周辺、仙台圏への進出を決めているほか、仙台市内の外国人の宿泊者数の着実な増加など、あるいは地元企業の海外への事業展開など具体的な事例の進展も見られるなど、少しずつではありますけれども、着実に成果に結びつき始めているものでございます。  現在の厳しい経済環境の中ではございますけれども、こういった時期にこそ、今後、仙台市の歳入増に向けて、各般にわたる施策を通じ布石を打ちまたそれを発展させていく、そしてさらなる具体的な成果に結びつけてまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、交通事業管理者並びに関係局長から答弁をさせたいと存じます。  私からは以上でございます。 27: ◯財政局長(高橋亨)私からは、工事契約制度に関しての御質問にお答え申し上げます。  まず、予定価格の事前公表についてでございますが、これは、さまざまな経緯を踏まえまして、入札の透明性や公正性を確保するため全国的に採用されてきたものでございます。その見直しにつきましては、慎重に対処すべき課題と考えております。  次に、低入札の抑制のための対策でございます。これまでも低入札価格調査制度の改善や失格基準の導入など、その時々の状況に応じて所要の改正、対策を講じてまいりました。本年一月に見直しを行いました現行の制度につきましても、ただいま運用状況などの検証を行っているところでございます。また、あわせて、その検証を踏まえた必要な制度の改善、対策について、検討を進めたいと考えております。  次に、総合評価についてでございますが、昨年度からこれまで、簡易型を中心といたしまして試行的に実施してまいりました。これを受けまして、これまで技術力などの評価項目、入札の結果、事務手続などにつきまして効果や課題の把握に努めてきたところでございまして、早期の本格実施に向けた検討、調整も進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 28: ◯企画市民局長(宮本昭彦)私からは、シニア活動支援センターについての御質問にお答え申し上げます。  まず、シニア活動支援センターの広報についてでございますが、これまで市政だよりやチラシのほか、新聞、ラジオなどさまざまなメディアを活用するとともに、また、シニア世代のセカンドライフの相談に御利用いただけるよう、民間企業を訪問して企業の方にお願い申し上げるなどといった積極的な広報に努めてまいったところでございます。今後も、より多くの皆様方に御利用いただけますよう、引き続きさまざまな工夫を行いながら、より効果的な広報を行ってまいりたいと考えております。  次に、施設の運営についての御質問でございますが、当面は、現在の体制の中で、議員御提案にございましたような利用者の方からの御意見を反映させるなどいたしまして、利用者の方のニーズに合わせた効果的な事業展開を図りながら、さらに充実した運営に努めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 29: ◯都市整備局長(中村克正)単品スライド条項に関する御質問にお答えいたします。  単品スライド条項の状況についてでございますが、現時点で適用した工事は三件、協議中が一件となっておりまして、今後、竣工を迎える工事が多くなる年度末に向けまして請求が増加してくるものと想定いたしております。  一時急激な価格高騰を見せた燃料油や鋼材類につきましては、最近では下落傾向にありますが、いわゆる逆単品スライドにつきましては現在のところ適用した事例はございません。  以上でございます。 30: ◯交通事業管理者(保科学)私からは、交通事業に関する数点の御質問にお答えをいたします。  まず、交通局案内センターの営業時間とフリーダイヤルの導入に関する御質問でございます。  現在、案内センターでは、一日平均約五百件のお問い合わせに対しまして、受託事業者におきまして最大六名程度の職員で対応いたしております。御指摘の営業時間の延長、さらにフリーダイヤルの導入につきましては、利用者へのサービスとしては望ましいものと考えておりますけれども、相当の経費が必要となるなど、交通局の厳しい経営の現状を勘案いたしますとなかなか難しい状況にございますので、バス停に表示しております案内ステッカーに案内センターの営業時間を明示するなど、利用者の方々に配慮した必要な工夫をしてまいりたいというふうに考えております。  次に、バス車内での携帯電話についての御質問でございます。  全国的に事業者によって対応に違いがございますが、マナーモードであっても電波が発信されておりまして、御指摘のようにペースメーカーへの影響を懸念される方がいらっしゃるということから、仙台市営バスにおきましては、電源を切っていただくようお願いをいたしております。また、最近では、電波の発信をとめた上で音楽やゲームなどの機能のみを使用している方という方もいらっしゃるなど、一律な対応が難しい状況もありますことから、当面は内部障害者の方への配慮を第一に、これまでと同様の内容で御協力を呼びかけてまいりますが、引き続き情報収集等に努めてまいりたいというふうに考えております。  最後に、「学都仙台市バス(+地下鉄)フリーパス」についてお答えを申し上げます。  現在の状況でございますが、実験参加校が、大学、短期大学十二校を含めまして二十八校でございます。このフリーパスを新規に購入された方は、十二月十日現在で約二千八百名というふうになっております。例えば、東北大学の川内から青葉山のキャンパスでの十月の乗降数が対前年同月比で一三・四%増加をいたしておりますし、また、新規購入者も増加しつつありますことから、バス、地下鉄の利用促進につながっているものというふうに判断をいたしております。  今後でございますけれども、各学校が行うフリーパスの普及活動とも連携をいたしまして、特に来春の新入学生を対象とした販売促進に積極的に取り組む所存でございます。また、バス通学生の増加に対応いたしまして必要な増便等を行う予定でございまして、それらの結果を十分見ながら、費用対効果などさまざまな観点から検証してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 31: ◯副議長(佐藤嘉郎)この際、暫時休憩いたします。     午後二時四十五分休憩          ────────○────────     午後三時五分開議 32: ◯副議長(佐藤嘉郎)休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、福島かずえ君に発言を許します。     〔六十番 福島かずえ登壇〕(拍手) 33: ◯六十番(福島かずえ)日本共産党の福島かずえです。東北電力女川原発での相次ぐ事故やプルサーマル計画と仙台市ガス局の民営化問題について伺います。  まず、女川原発について伺います。  八六年、旧ソ連ウクライナ共和国で起きたチェルノブイリ原発事故では、十三万五千人の住民が移住を余儀なくされ、周辺三十キロメートル圏内は現在も居住禁止となっています。三百キロも離れた地域にまで高汚染地域が広がっており、人が住めない場所があります。女川原発から七十キロと離れていない仙台市も、女川原発で重大事故が発生したら、直接深刻な影響を受けます。決して無関係ではありません。  女川原発では、十月に一件、十一月に二件と、最近、続けて作業中の火災事故が発生しています。さらに、十二月に入ってからも、マニュアル違反の作業による工事中の事故が起きています。しかも、一号機原子炉建屋の放射線管理区域内での二件の火災事故の原因が火を扱う作業でのマニュアル違反にあったことは、大変深刻です。  この火災事故から連想されるのは、日本で最初の臨界事故を起こした茨城県東海村JCOウラン加工場事故です。JCOの事故は、現場作業員に必要な知識をもたらす教育を行わなかったことや、作業効率を上げようとして正規の作業マニュアルを違法な裏マニュアルに改ざんしたことなどが原因です。死者二名と六百六十七名の被曝者を出した、かつてない重大事故でした。  女川原発でも、一号機の定期検査とあわせて行われている耐震補強工事の効率化が優先されて、作業マニュアルの徹底などの安全性がないがしろにされている疑いがあります。たび重なる事故に対して、このままではいつか女川原発で取り返しのつかない重大事故が発生するのではないかという不安と心配の声が市民から出されています。  さらに、昨年七月に起きた中越沖地震では、改めて地震国での原発の危険性を示しました。新潟県柏崎刈羽原発では、想定最大地震動の四百五十ガルをはるかを超える千六百五十ガル以上の揺れが生じ、火災や放射能漏れなどの被害が出ました。現在、一号機から七号機まですべて運転を停止し、点検中です。  原発の耐震安全性が新たな大問題になっています。国は、耐震設計審査指針を見直し、女川原発は三百五十ガルから五百八十ガルへ基準地震動を引き上げました。しかし、この指針は、活断層などの必要な再調査もなく、そうしたやり方に著名な地震学者が抗議、辞任する中で策定された不十分なものです。  近い将来、九九%の確率で起きると言われている宮城県沖地震に対して、女川原発は大丈夫なのかという不安が、仙台市民の中にも広がっています。それにもかかわらず、仙台市は、女川原発の耐震安全性や抜本的な安全・安心対策について無関心なままです。国や東北電力の言い分をうのみにしていては、百万市民の安全・安心を守ることはできません。仙台市は、耐震安全性など女川原発の安全・安心を恒常的にチェックできるよう、専門家を入れた第三者機関の設置を国や県に求めるべきですが、いかがでしょうか、市長に伺います。  こういう中で、東北電力は、先月五日、二〇一〇年を目標に女川原発三号機でプルサーマル計画を実施すると、宮城県、石巻市、女川町に申し入れました。プルサーマル計画とは、ウラン燃料のかわりに使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムをウラン燃料に混ぜ、MOX燃料として既存の軽水炉原発で再利用することです。  九七年二月の政府決定を受けて電気事業者連合会が発表したこのプルサーマル計画は、東京電力の柏崎刈羽原発三号機、福島第一原発三号機、関西電力の高浜原発三、四号機の四原発では二〇〇〇年までに、二〇一〇年には全電力会社で合わせて十六から十八基で実施するというものでした。日本政府は、核兵器転用が可能なプルトニウムを大量に保管することへの世界的非難を回避しようとして、世界各国が撤退している高速増殖炉へのプルトニウム利用を本命にしてきました。しかし、九五年に起きた高速増殖炉もんじゅの事故によってそれができなくなり、軽水炉でのプルトニウムの利用という場当たり的な方向に走っています。けれども、九七年三月に起きた東海村再処理工場固化施設での火災爆発事故や、九九年のイギリス核燃料会社のMOX燃料検査データ捏造事件が起きて、プルサーマル計画は現在まで延期を余儀なくされています。  軽水炉にMOX燃料を使った場合の問題点として、専門家から、一、自動車のブレーキに相当する制御棒のききが悪くなる、二、原子炉内の圧力と反応度が上昇してしまい暴走しやすい、三、ダーティープルトニウムと呼ばれ、数万年も存続する超長寿命の放射性物質を生じ、透過性の強い放射線により労働者の被曝のリスクがふえるなどの指摘があります。また、これらが、事故の際には相乗し、被害を大きくすると言われています。加えて、ウラン燃料の再処理に莫大な費用がかかる上、MOX燃料は一度使えば燃料としての価値が大幅に低下して、実際はリサイクルできないと言われています。また、一度使用したMOX燃料は原発の敷地内に保管しておく以外、今のところ手だてがありません。このことから、女川の地域住民は、プルサーマルが実施されたら女川が永久的に核廃棄物の最終処分場にされてしまうのではないかと大変危惧しています。  こうした数々の問題を抱えているから、世界の流れは、プルサーマル計画の中止撤回に向かっています。しかも、MOX燃料の使用実績は、日本では敦賀と美浜原発の二カ所のみで実験が行われただけです。まだまだ安全性も実用性も確立されていません。原発を認める立場の人も、プルサーマル計画には多くの疑問を抱いています。  余りにもお粗末な作業管理のずさんさに、通常の運転、操業すらも市民から不安の声が出されている女川原発で、さらに安全性、経済性、必要性のないプルサーマル計画実施は、とても認められるものではありません。市長は、プルサーマル計画推進の発言をしていますが、科学的な知見や市民の声に基づく発言とはとても言えません。発言を撤回するとともに、プルサーマル計画自身の撤回を、国や県、東北電力に求めるべきです。いかがでしょうか、市長に伺います。  特に、仙台市は東北電力の株を約五百十九万六千株所有し、発行株式総数の一・〇三%を占めており、株主としては上位十一番目の大株主です。株主として、また自治体として、市民の安全・安心を求める声に従って、東北電力の経営に直接関与し、女川原発での安全・安心確立のために積極的に動くべきです。東北電力の立場に立つのではなく、市民の立場に立つ言動が市長に求められています。市長のお考えを伺います。  次に、仙台市ガス局が果たすべき公営企業としての役割と民営化問題について伺います。  東北経産局は、去る十月に、東北各地の都市ガス事業者に対して、原料費調整制度による値上げについて値上げ幅の圧縮をお願いする検討依頼を出しています。私も、たびたび議会で、この原料費調整制度について、制度自体の見直しを国に求めることや、これによる値上げをやめるよう市当局に求めてきました。国でも制度の見直しに具体的に着手しており、この制度設計そのものが破綻していることは明らかです。国からもお願いされているわけですから、原料費調整制度にとらわれることなく、市民の福祉、利益を事業目標にする公営だからこそ来年一月からの値上げを撤回すべきです。そのために一般会計からの繰り入れも求めるべきです。市民生活と地域経済を守る景気対策として、市民に歓迎されることは間違いありません。いかがでしょうか、伺います。  また、仙台市ガス局は、全国の都市ガス事業者の中でも八番目の規模であると同時に、公営企業では断トツでトップの位置にあります。そういう存在にふさわしい役割と責任があります。例えば、国に対して、自治体を代表し、安定的に安価な原料調達のための国際的な努力や企業債の借りかえを求めるなど、積極的な役割を果たすことができます。利潤追求の民間会社でない公営企業だからこそ、国に対しても、国民の立場での説得力ある政策提言ができます。  仙台市に次いで、公営で国内二番目の約十万ユーザーを持つ金沢市ガスを先日視察しました。対応してくださった金沢市企業局の担当者は、「固定資産税や道路占用料の減免など、公営ならではのメリットがある。そうしたメリットを生かし、市民利益を第一に考えて、引き続きガスは公営を堅持していく」と、高らかに誇りを持って語っておりました。八万世帯ユーザーを持つ滋賀県大津市ガスも、同様に、公営での事業運営を明確にしています。  三十六万世帯ユーザーを持つ仙台市が、そのスケールメリットを生かし、公営企業での運営を継続していくことは十分に可能です。他の公営ガス事業者とも連携しながら、直接、日本のエネルギー政策に関与し、国民生活を守る積極的な役割を担っていくべきです。投機マネーに翻弄され市民生活と地域経済を犠牲にしている日本のエネルギー政策を転換させるために、そういう名誉ある歴史的な役割を果たすことこそが、今、仙台市ガス局に求められていることです。お考えを伺います。  先月ワシントンで開かれたG20経済サミットでも、世界じゅうを襲った金融危機の原因は幾つかの先進国の政策、規制当局がリスクを適切に評価しなかったとし、政策の誤りを認めました。そして、すべての市場、商品、参加者への適切な規制や格付会社の監督強化を打ち出しました。新自由主義、ルールなき弱肉強食の競争による市場万能主義の破綻を世界が認めたと言えます。  それにもかかわらず、国内では、自民公明政権のもと、新自由主義を具体化させた大企業奉仕、国民いじめの構造改革路線がいまだはびこっています。仙台市ガス局民営化計画の大もとにも、国策として進められてきた規制緩和によるエネルギー市場の自由化が横たわっています。九五年から始まったガス小売市場の自由化により、トヨタなどの大企業、大工場には有利に安くガスを供給する仕組みが、着々とつくられてきました。電力も同様です。  原料や燃料の高騰を口実に市民には高く売る一方で、大企業や大工場には相対で価格を自由に決めて安売りしています。原油高で苦しむ庶民をしり目に、大企業は、高い重油から安いガスや電力にエネルギーを切りかえてきました。仙台市ガス局でも、トヨタ系工場などの大口需要家に比べ、市民には三倍も高い料金でガスを売っています。市民にも議会にも秘密のうちに、大口需要家の料金は決められるようになり、その金額を示すよう求めても、企業のプライバシーを盾にして公表しません。そればかりか、大口需要家の最低料金、最高料金すらも開示しません。梅原市長のもとで、あらゆる場で市政の透明性は後退し、密室化が進んでいます。梅原市長の非開示体質と言われていますが、ガス局運営も同様です。  このようなガス局の非開示体質を改め透明性を高めていくことや、大口需要家と市民の料金格差も是正し、公平性を担保していくべきです。いかがでしょうか、伺います。  トヨタなどの大工場では、一立米当たり一円の収入しか見込めないという話も聞きます。そういう収益しか見込めないにもかかわらず、市ガス局では、大衡村や大和町に進出するトヨタ系工場のためには、総額二十一億円もかけて導管の延長をしようとしています。また、岩手にあるトヨタの子会社関東自動車には、東北電力と石油資源開発の子会社の東北天然ガスを通じて、タンクローリーでLNGを卸しています。その際、東北天然ガスの気化ガスと熱量等量等価交換という手法によって、これらの企業に不当な便宜、利益の供与が行われている疑いもあります。  この問題や民営化に関連する事業継承者選定についてなど、さまざまな資料請求をしていますが、当局は、この間、企業のプライバシー、営業活動の保護という名目で、開示を拒否しています。市民から議会に与えられている調査権やチェック機能を無視し、疑惑解明にふたをするような態度は、公営企業としての理念に反するもので、市民への背信行為です。  公営企業である現在でも市民利益に反し特定の巨大企業を優遇していますが、民営化されれば、議会の調査権やチェック機能は全くなくなります。大企業には奉仕する一方、市民やユーザーの利益をないがしろにする運営が、ますます進んでいきます。これが、仙台市ガス局民営化の真のねらいです。このような民営化計画は撤回すべきです。市長の決断を求めます。いかがでしょうか。  効率優先、大企業優遇から、何よりも市民の安全・安心や暮らし最優先の日本のエネルギー政策への転換を願いながら伺って、私の第一問といたします。(拍手) 34: ◯市長(梅原克彦)ただいまの福島かずえ議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、プルサーマル計画に関する発言についてでございます。  地球環境への負荷が小さい低炭素社会の形成に向けて、非炭素系のエネルギーの確保が重要になっております。この観点から、資源循環型社会の構築を目指した施策の充実強化ということに関連して、同計画の推進が重要であるということを申し上げたものでございます。もちろん市民の安全の確保を大前提とした上での発言でございまして、株主の立場で一企業の経営に関与するということはございません。  ガス事業の民営化につきましては、事業を取り巻く現在の厳しい経営環境を考えますと、その永続的な発展のためには、より機動的な経営判断が可能となるような民間経営にゆだねることが最善であるというふうに判断をしております。さきに策定をいたしました仙台市ガス事業民営化計画を着実に実行しまして、仙台市民にとっての利益が最大になるよう、利益の最大化に向け鋭意努めてまいる所存でございます。  そのほかの御質問につきましては、ガス事業管理者並びに危機管理監から答弁をさせたいと存じます。  私からは以上でございます。 35: ◯危機管理監(中鉢裕)私からは、国や県に対しまして女川原発の安全性確保に関する第三者機関設置を求めるべきとの御質問にお答えをいたします。  女川原子力発電所の防災対策全般につきましては、災害対策基本法等の法令に基づきまして、宮城県において地域防災計画の原子力災害対策編を策定いたしまして、その対策を講じているところというふうに認識しているところでございます。  申すまでもなく、原子力発電所の運転におけます安全性の確保は最優先の課題であるというふうに認識しておりまして、仙台市といたしましては、施設の安全性向上あるいは万全なチェック体制の確保という点につきまして、宮城県等の関係機関の対応を見守りたいというふうに思っております。  以上でございます。 36: ◯ガス事業管理者(稲葉信義)ガス事業に関する三点の御質疑に御答弁を申し上げます。  まず、原料費調整制度についてでございますが、来年の一月からの原料費調整制度によるガス料金の改定につきましては、この十月に東北経済産業局から対応の検討の御依頼があったところでございます。私どもといたしまして、この依頼に基づき種々検討をいたしてまいりましたが、今年度は大幅な赤字決算が見込まれること、また、値上げ額が電力会社や大手のガス事業者における圧縮後の値上げ額とほぼ同水準であること、大手四社以外のガス事業者では全国的にも負担軽減措置の実施を予定している事業者はないことなどから、負担軽減措置は行わずに、現行制度に基づき来年一月からの料金調整をさせていただくこととしたものでございます。  次に、公営企業としての役割に関する所見ということでございますが、都市ガス事業はお客様の暮らしや都市の活動を支える重要なエネルギーでございまして、関係法令に基づきまして、官民の区別にかかわりなく、公益事業者としての役割と責任を担っているものと承知をいたしております。私どもといたしましては、このような認識、そして先ほど市長が御答弁申し上げました事業環境や経営環境についての認識に基づき、今般、ガス事業の民営化を進めているものでございます。  次に、大口、小口の料金についてでございますが、年間十万立方メートル以上ガスを御使用いただいているお客様との間では、ガス事業法上の大口供給として、使用量や使用形態等を勘案して相対による個別の契約により料金を定めております。料金単価につきましては、大口供給は一般供給より低廉なものとなっておりますが、これは主に供給量や供給コストなどの違いによるものでございまして、また、大口需要部門として一定の利益を確保いたしておりますことから、適切なものというふうに考えております。  また、透明性の確保につきましては、市政運営上、最も重要なことというふうに私どもも認識をいたしてはおりますが、大口需要家との契約内容につきましては、これを公にすることは、私どもにとりましても、またお客様にとりましても、その後の事業運営上支障を生じ、それぞれの企業利益を害するおそれがございますことから、開示をすることは差し控えさせていただいておりますので、御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 37: ◯六十番(福島かずえ)まず、市民の立場で日本のエネルギー政策を転換、チェンジさせようというそうした大志が市長にないのが、非常に残念であります。  また、ここ何日か、タクシー券問題で市長の反省とおわびを繰り返して聞いておりますけれども、そうした非開示体質を変えるおつもりはないのでしょうか。何を反省して何をおわびされているのか、市民には十分判断できる材料を得ていません。まず、市民に必要な情報を提供することが大事です。ガス局の運営も同様であります。本当に公平な形でやっているのか、市民の利益を第一にした運営をしているのかどうか、まず、情報を市民に開示する必要があると思いますが、いかがでしょうか、市長に伺います。  また、一月からのガス料金値上げを抑えるためには、伺いますと四億一千六百万円あればできるそうです。トヨタのために二十一億円ぽんと出せるのに、市民の暮らしのためにはなぜ出せないのか伺います。  そして最後に、プルサーマル計画について伺います。  非常にまず市長の認識が不十分だと思います。CO2排出が少ないから、イコールクリーンなエネルギーだとは言えません。事故による放射能汚染の危機や危険や放射能廃棄物の問題も考えれば、原発がクリーンでないことは明らかです。二十年ほど前から、もはや温暖化防止の国際会議で提起できる問題では既になくなっています。少し勉強が足りないのではないでしょうか。  また、六ケ所村の核燃料再処理施設でのトラブルが、また大きく報じられています。このこと一つとっても、核燃料サイクルは技術が確立されていません。既に破綻していると言ってもいい状況です。  MOX燃料の処理については、政府としてまだ方策が打ち出せていません。当面、サイト内に保管しておくということ以外ないんです。だから、女川の人たちは、最終処分場に、核廃棄物のごみ捨て場になってもいいのか心配だというふうに言っているわけです。  今、プルサーマル推進の立場を主張するということは、女川をそういう場にしてもいいという立場であります。地元は、とても神経質になっています。地元住民の頭越しに発言すべきではありません。仙台市長の発言は、非常に重たいものです。もっと慎重な発言をすべきですが、いかがでしょうか、伺います。 38: ◯市長(梅原克彦)プルサーマル計画に関する発言についてでございますけれども、私は、原子力発電所を含め核燃料サイクルの確立した上で、非炭素系のエネルギー源の確保というのは、国全体としても、あるいは人類全体にとっても必然的にこれは必要不可欠のものだということを申し上げております。  しかしながら、他方、発電所の地元の住民の方々を初めとする、あるいは周辺の自治体の住民を含め、市民の安全第一ということが大前提でございます。電力会社あるいは国、そして県を含め、直接関係される方々に、安全の確保を前提とした上での同計画の推進を期待しております。  ガス関係につきましては、ガス事業管理者の方からお答え申し上げます。 39: ◯ガス事業管理者(稲葉信義)ガス関連の二点、御答弁を申し上げます。  まず一点は、一月からの料金スライドの適用についてでございますが、先ほど申し上げましたような理由、それとガス事業運営をしていく上で、原料費の適切な料金への反映をし健全な事業運営を続けていくということ、これまたやはり大事なことであるというふうに考えております。  また、大口、小口の関係でございますが、個々の契約内容につきましては先ほど申し上げましたとおりでございますけれども、大口、小口の部門別の収支につきましては、これは国の定めに基づきまして私どもきちんと経済産業局の方にも報告をし、これは公表されておりますので、決してすべての情報を提示できないというようなことではなく、我々としては事業運営上に支障のない限り、さまざまな経営データというものも、適切に国への報告を行いながら、また市議会にも御説明を申し上げているところでございます。 40: ◯六十番(福島かずえ)仙台市ガス局が民間ではなく公営企業だからこそ、明らかにできるし、すべきだというふうに求めているわけでございます。それが、本当に市民利益第一に行われているかどうかをチェックするのは市民であり議会でありますので、必要なものを出すべきです。最高金額、最低金額、こうしたものはすべて出すべきだと思いますが、いかがでしょうか、伺います。  また、安全性も経済性も実用性も確立されていないから今問題になっているにもかかわらず、この時点で、安易に市長が、安全の確保がされたらという想定の話で推進すべきだということを軽々に発言するべきはないと私は言っているのですが、そういうことの真意をおわかりにならないんですか。そういうことを聞いているんです。 41: ◯市長(梅原克彦)先ほどもお答えを申し上げましたが、プルサーマル計画を含め、核燃料サイクルを確立し、非炭素系のエネルギー源による電源その他のエネルギー源を確保することは、国全体あるいは人類全体が今後生存をし続けていく上で必要不可欠なものでございます。  しかしながら、と同時に、言うまでもなく、現在そして将来、発電所のサイトないしその周辺で暮らしておられる住民の方々、市民の方々、市民の皆様の安全の確保を前提とした上で、このような計画が進められていくべきであるという考えでございます。 42: ◯ガス事業管理者(稲葉信義)重ねての御質問でございますが、先ほど申し上げましたような基本的な考え方、個々の契約の内容、こういったものにつきましては、それを公にすることはお互いのその後の企業活動に重大な支障を生じると、こういった観点から、契約の中におきましてお互い守秘義務を負っている部分でございます。これは、私どもの契約に特殊な例ではなくて、一般的にこういったエネルギー供給あるいはそれ以外の通常の商行為におきましても、こういった双方が守秘義務を負うということは一般的な取り扱いでございますので、御理解を賜りたいと存じます。          ────────○──────── 43: ◯副議長(佐藤嘉郎)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 44: ◯副議長(佐藤嘉郎)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     なお、本会議は、来る十二月十五日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後三時三十六分延会...