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平成20年第3回定例会(第4日目) 本文 2008-09-16
平成20年第3回定例会(第4日目) 名簿 2008-09-16

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  1. 仙台市議会 2008-09-16
    平成20年第3回定例会(第4日目) 本文 2008-09-16


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(赤間次彦)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第四号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(赤間次彦)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、小田島久美子君及び菅原健君を指名します。  この際、報告いたします。  市長から、本日より九月十八日までの会議に欠席する旨の届け出がありました。          ────────○────────     諸般の報告 3: ◯議長(赤間次彦)この際、報告いたします。  市長から、本日より九月十八日までの会議に欠席する旨の届け出がありました。          ────────○────────     日程第二 一般質問 4: ◯議長(赤間次彦)日程第二 一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  まず、加藤和彦君に発言を許します。     〔二番 加藤和彦登壇〕(拍手) 5: ◯二番(加藤和彦)ただいま赤間議長より指名を受けました改革ネット・自民の加藤和彦です。前回六月定例会における質疑に引き続き、自動車産業の進出とそれに伴うJR貨物駅の移転計画及び仙台市のかかわりを中心に質問いたします。
     脱炭素・省エネルギー社会の実現を目指して。  「地球全体で発想せよ」とは、レアメタル専門会社の中村繁夫の言葉ですが、トヨタのプリウスなどハイブリッド車は、レアメタルの塊のようなものと言えます。現在、どれほど需要があるからといっても、現在のトヨタの力でさえもハイブリッド車の大増産は無理だといいます。  しかし、トヨタは製造工場である堤工場に五万本を植樹し、太陽光発電によって車両組み立てにかかる電力の半分程度を賄い、壁面にはNOX分解のため、光触媒を塗装するなど、環境向上へと変身を遂げつつあるといいます。かぎを握る従業員の意識改革こそエコの本命だとして、エコポイント制度を導入して取り組んでいると報じられている。ここのエコは太陽光発電、森づくり、大気浄化を柱とし、地域住民がずっとこの場所にあり続けてほしいと願う工場に育てたいと、地域との融合をキーワードに掲げている。両者とも「地球全体で発想せよ」を実践していることに注目したい。世界じゅうからレアメタルを集める側も、それを使って自動車を生産する側も、地球全体を考えて活動している。これについて市の脱炭素、省エネルギー対策は徹底しているか、当局の御意見を伺います。  平成五年第四回定例会において、資源の有効活用が世界的課題となっている現在、学校給食の残飯や外食産業から出る著しい生ごみを焼却処分するのではなく、下水道処理で生ずる汚泥とともに資源化する、生ごみのリサイクルを提案した自由民主党市民連合のA議員は、その当時まともに受け入れた局はなく、今後十分検討していく程度の答弁でした。数年後に学校給食の残渣と樹木の剪定後の枝葉、それに下水道の汚泥を混合発酵させて肥料化したのは、仙台市の環境対策の功績と考えている。エコというが、自然の摂理に従って考えれば当然のことだろう。それを実践するには、人並み以上の研究と実験の積み重ねが必要で、現在から見れば当然かもしれないが、初めて事業化するには将来を見通す力と決心が必要だったと思う。この件について、当局の御意見を伺います。  平成十二年第一回定例会において、グローバルネット仙台のA議員は、前回の質問を受けて、ポイ捨てを初め住民のモラルへの警告、再資源化よりも埋め立て優先への処理方法の変更提言、廃棄物ゼロを目指す運動の活用、環境対策全般の見直し、最新ディーゼル自動車の無公害化への変身についての見方、自然との共生の視点で農業の見直し等を質問しております。これに対する藤井市長の答弁で、今日的な環境問題をもたらした人類社会を、環境負荷の少ないものに変えていくことを基本に、具体的な個別計画を策定して、さまざまな対策を実施していると述べております。この答弁後の市の環境対策事業の進行状況をお伺いします。  省資源、脱炭素への市の取り組みについて。  さて、仙台市では、この十月からごみ収集の有料化を開始するが、そもそもエコに対する発想は、地球的危機を克服するために考え出したのかどうか。先行的に実践した分も含めて、環境対策はどれほど取り上げてきたのか。そして、成果として得られたエコ効果はどれほどなのか。CO2の排出量を計算、管理するソフトが始動している現在、前に取り上げた企業の取り組みを参考にしながら、当局の御答弁をお願いします。  宮城野貨物駅の移転事業へのかかわりについて。  石油価格の高騰については、世界じゅうのひんしゅくを買っているにもかかわらず、オイルマネーの暗躍でアメリカの経済が揺るぎ、サブプライムローンの影響とともに、日本経済にも多大の悪影響を及ぼしている実情はどなたも御存じであるが、自由経済の原則から手をこまねいて眺めるしかない、極めて困った状態が続いている。だから、石油を極力節約しエコに精を出すとともに、最も有利な物流方法としてトヨタが打ち出したJR専用貨物列車の増発利用は、時宜を得たものとしてその慧眼に賛辞を送りたい。  もちろんトヨタ内部でも貨物船を抱えているため、必ずしも全力投球とはいかないが、世界的にもモーダルシフトが起き、ロシア、ヨーロッパでは鉄軌道の活用で大きな成果を上げている。最近は、自動車とその部品の輸送の拡大利用が多くなっている。自動車産業は、世界じゅうに生産拠点をつくり、その国内で販売する手法が主流となっており、そのための物流は輸送速度と確実性を求められ、輸送経費の節減が利益を左右する時代になっている。市では、鉄道による物流輸送に対しての確実性をどのように考えているのか、また脱炭素貢献度についてもお伺いします。  新設の貨物駅の構想と市の取り組みについて。  言うまでもなく、鉄道輸送は発着駅間の直通であり、その前後は道路をトラックでの輸送となるため、高速道路や取り付け道路の整備は、効率化の手段として必要欠くべからざるものである。そこで、新設の貨物駅についても市として最大の配慮を行うものと考えている。  設備規模は、コンテナ車二十四両EH五百連結牽引トン数千二百トン、発着線七線五百四十九メートル、荷役線八線五百八十九メートル発着線兼用、コンテナホーム七面五百メートル、トラックプール約五千平米一部コンテナ置き場コンテナ置き場二千個、引き上げ線一線五百五十メートル以上、貨物附帯倉庫八千二百平米以上となっており、仮称仙台貨物ターミナル駅として最新型の貨物駅を目指しており、広大な敷地に展開するものであると考える。そこで、道路整備等も必要と考えますが、その場合市はどのような対応をお持ちか、当局にお伺いします。  仙台港の抱える諸問題について。  梅原市長は、東北唯一の特定重要港湾仙台塩釜港の物流を考えるシンポジウムに出席し、講演を行ったと聞いています。仙台港の有用性については強調しておりますが、現在の規模や設備では、大型貨物船の入港接岸ができない状況であるため、大量のコンテナの搬出入には、港湾の整備が前もって必要となります。自動車の大量積み出し港としての活用は大いに望むところであるが、原材料の搬入にも役立つため、県とともに早急に計画を立案して着工にこぎつけてほしい。また、仙台港背後地に大規模な商業施設が立地することに、港付近の道路が渋滞してしまうのではないかと懸念が示され、コンテナ輸送トラックを高速道路に誘導するような財政的な支援を求められている。効率的な物流機能整備を掲げる市長に申し上げますが、急にはできないまでも、急がないと間に合わないのが一番困るので、どの順序に整備していく考えなのか、お伺いします。  宮城野貨物駅の跡地利用について。  JR宮城野貨物駅の移転については、前議会で梅原市長より、平成年度の調査時点よりもさらに必要性が高まった旨の御答弁をいただいておりますが、移転費用の捻出にはJR貨物の収支から見れば、その跡地の処分が間違いなく必要条件であることは、だれの目から見ても当然であると考えます。買い手はだれか、当然民間の事業として行われるべきものである。しかし、この事業を推進するのに市の協力は欠かせない状態である。道路にしても、土地利用地域の変更にしても、細かく見れば多くの点で市の協力なくしては成り立たない。最大の問題は、課税による原資の減少である。市として最大の譲歩を行って、この事業を成功させていただきたい。この点について御当局のお考えをお伺いします。  跡地利用計画構想について。  民間が行うからには、事業について市の意見を無視して推進すべきではない。この地域には、陸上競技場、野球場等の運動施設があり、隣り合っているため、相互に影響し合って、明るい雰囲気の地域になると考えられる。さらに、宮城野原駅に近接しているので、多くの施設が建ち並ぶことが予想され、跡地だけの見方では近視眼的ではないかと考えられる。また、商業施設が入らないと、原資確保が難しくなることは事実である。しかし、市内には大型のモールが続々と誕生し、既存の商業地域がその存立に危機感を持っていることも事実である。この点を市では心配してこの事業に消極的だと聞きますが、当局の御意見をお伺いします。  市の市街化区域の拡大しない方針との整合性について。  仙台市は、都市計画制度における二〇〇九年度末の区域区分見直しで、開発を推進する市街化区域を基本的に拡大しない方針を決めた。郊外の住宅地や商業施設などの乱開発を防ぎ、機能集約型都市の形成を目指すとしている。その中で貨物駅跡地の再開発については、都市整備の観点から広く見直しして、施設群の種類と地域割りなど、市当局ではどのようなお考えをお持ちかお伺いします。  この事業について、梅原市長の強力な推進力に期待する市民は多く、市長のゴーサインを待ちわびている関係者はいつ出るかとかたずをのんで見ている状態である。まさかあつものに懲りてなますを吹くの例えのように、憶してしまったのではといううわさが聞こえている。しかし、それには各局の積極的な立案と進言が伴わなければ、簡単にゴーサインを出すわけにはいかないだろう。  一方、日本貨物鉄道株式会社では、現在、移転の必要経費を積算中で、近いうちに明らかになるものと見られ、私はこの両者が相伴ってゴーサインの根拠になるだろうと考えている。これらについて市長の御見解と、当局の準備状況をお聞かせください。  私見を申し上げれば、これからの都市計画は人の和、コミュニケーションが弾むような人間関係の熟成、人間愛に満ちたまちづくりが至るところにあらわれるようにしたいものと考えている。高層ビルが林立する都市づくりはどこにもある。しかし、それは企業の投資による競争力の顕示にすぎない。エコの観点から見れば、エネルギーの消耗を促進する。  これからの人口構成を見てもわかるように、少子高齢の社会が急速に進行している。したがって、高齢者ケアつきマンション等の設置と、クリニック用の複合施設が伴うように配置されるべきであると考える。また、健康増進用の施設の配置も魅力になると考える。仙石線宮城野原駅に近接した地域は、市内のみならず近郊都市からも利用者が集まるのではないか。それに幼児教育の施設が伴えば、一日じゅう利用者が絶えないと考える。  広大な土地だから緑地や公園等のぬくもりを求める人、いやしを求める人、家族の団らんを求める人に潤いをもたらす地域を併設し、さらに遊園地で遊んでストレス解消となり、ここに住んでよかったと多くの住民が満足するような地域づくりをしてはどうでしょうか。これについて当局の御意見をお伺いします。  人材育成について。  六月三日、とうほく自動車産業集積連携会議の総会が盛岡市で開催され、出席者たちは、東北各県で加速する自動車関連企業の集積と取引拡大に意欲を示した。一方、今後に向けて人材育成がかぎと課題が指摘された。大企業の進出で、優秀な人材が大手メーカーに流れる。地元企業のためにも産学官の人材育成が必要であると訴えていた。  二月定例会で、自動車工業技術者の養成について、若者の理工系離れ現象を指摘し、企業が期待する人的資源や地域の理解、支援がある姿から遠ざかる心配を述べた。六月議会の質問の中で、仙台市は第三次産業が突出した産業構造になっており、将来の発展のためには第二次産業の進展が必須であり、学校教育も人材育成もその充実に傾斜する必要があると強調しました。  八月八日の地元紙で、東北電子専門学校自動車組み込みシステム科を新設する旨、報じられた。同校では、予想されるエンジニアの需要増加に対応したいと話している。同校によると、組み込みソフトを学んだ学生に対する求人数は、学生数を圧倒的に上回る状況が続いているが、定員の半分ぐらいしか学生がいないという。八月十日付地元紙が報ずるところによれば、地元メーカーに人が集まらない、こんな不安が宮城県を中心に東北の中小製造業者に広がっている。ハイブリッド車用電池製造パナソニックEVエナジーが、七月上旬、仙台市で開いた就職説明会では、百人の募集に対し、受付前に約四百五十人が行列をつくったという。東北に工場を新設し、新規雇用を計画しているのは、セントラル自動車を初め六社で二千二百人を超え、理工系離れが進む中での大量採用だけに、地元製造業者には工業系の高卒者さえ満足に採用できないのではないかと不安の声が渦巻く。  こうした情勢を受けて、基本的には幼少のころからの教育がかかわっており、ものづくりの大切さを身につけることが求められる。そこで、市では、東北への大手メーカーの進出による人材需要の変化に対応する道をお持ちなのか、当局にお伺いします。  広域連携による観光振興について。  去る八月二十七日、仙台・福島・山形市議会広域観光連携推進協議会が開催され、観光立国と観光の現況、住んでよし訪れてよしのまちづくり、広域連携による観光振興、滞在型観光促進のための観光圏整備インバウンド促進のための広域連携、仙台・福島・山形広域連携による観光振興のテーマで、株式会社ジェイティービー常務取締役清水愼一氏の講演を下に勉強会を行った。  観光交流人口の拡大による日本の再生、旧来型観光とこれからの観光は、旅の形、旅の目的、地域との関係、旅の経済性において相違があること。  住んでよし訪れてよしのまちづくりでは、地域を取り巻く厳しい環境から、交流なくして活力なし、活力なくして交流なしをモットーに、地域コミュニティーの活性化、交流人口の拡大を図ること。東北では仙台市が訪問先のトップだが、再訪希望は二位で、再訪希望が低い。長所としては、広瀬川の川沿いが歩けるなど、仙台は生活感があり、行き先、商店街、飲食街が多く、歴史文化の町並み、緑豊かなまちで話題性があり、東北各地の食べ物がそろっていること。さらに可能な限りバリアフリーを実現し、景観条例等によりこんな場所からも青葉城が見えると驚かれるような町並みづくりに努めること。また、観光のポイントは、まち歩きの感触で、歩いていて心地がよい、オープンカフェがある、歩いて回れると感じること。  広域連携による観光振興では、滞在メニューやプログラムの多様化、ストーリーでつないだ観光コース一体的プロモーションによるイメージ形成、強調すべきはストーリーに従って時間を過ごすお客様からは自治体の境界が見えないこと。  インバウンド急増の主役は韓国、台湾、中国である。アジア系は、温泉、リラックス、ショッピングに関心が高く、伝統文化、歴史的施設はこれに次いでいる。したがって、伊達な観光圏を目指す仙台市は、県内の広域的な歴史的、文化的、自然、景勝地の観光ゾーンと、温泉ごとの特色と宿泊施設の紹介情報のほか、世界遺産候補平泉とその周辺の文化的資源を中核とした観光資源等をインターネットで紹介する情報発信に力を入れ、滞在型観光促進のための観光圏形成に努力しなければならないこと。  これらのことから、仙台駅、空港を拠点とした周遊コースづくりを考え、これに観光資源をストーリーでつなぐコースとして見る観点で整備する計画を、仙台・宮城デスティネーション期間にマッチさせて推進しようと話し合った。  七月十九日に、仙山カレッジの第十七回フォーラム、ものづくり連携の可能性が開かれ、自動車産業の東北進出を受け、宮城と山形の企業がビジネスチャンスを生かしていくための連携策について話し合った。仙台市では、観光を大きな資源として位置づけ、支援する体制ができているため、千人力を得たような気分で取り組もうとしておりますが、果たしてどうなのか。当局から具体的計画を御提示いただきながら、その熱意のほどをお聞かせください。  今回は、一歩踏み出した提案と質問を行いました。つきましては、市長及び当局の、明快でだれにもわかる踏み込んだ御回答を期待して終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 6: ◯副市長(笠原周二)ただいまの加藤和彦議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、仙台港の物流機能整備についてお答えを申し上げます。  今後、仙台圏には自動車関連産業などの大規模工場の立地が進むこととなりますが、こうした産業の集積をさらに継続、加速していくためには、将来にわたる企業の円滑な事業活動を支える物流基盤の整備を迅速に進めることが不可欠であると、このように認識をしているところでございます。  仙台港の整備につきましては、現状ではセントラル自動車の操業に伴う完成自動車輸送等への対応として、モータープールの拡張や大型船舶の接岸が可能となる水深の確保などが課題となっております。現在、港湾管理者であります宮城県において策定中の次期港湾計画におきまして、自動車関連施設の優先的な整備が盛り込まれることとなっております。  また、大規模商業施設の立地なども踏まえた港周辺のアクセス道路環境の整備などにつきましても、的確かつ迅速に対応していくことが必要であると考えており、こうした諸課題に対しましても、仙台港の物流が円滑に進むよう、引き続き宮城県などとともに協議を行いつつ、精力的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  次に、宮城野貨物駅の跡地利用に関しまして、都市整備の観点からの見直し及び都市開発の考え方についてお答えを申し上げます。  本市は、公共交通軸を中心に多様な都市機能を集約し、過度に自動車に依存せず、市民だれもが多様な都市機能にアクセスできる、便利で暮らしやすい都市の形成を目指しております。市街地の外延的拡大の抑制もその一環として進めているところでございます。宮城野貨物駅が移転した場合の跡地利用につきましても、この方針に即した計画であるべきと考えております。  また、跡地利用は、都心周辺におけます大規模な土地利用転換となるため、本市にとって望ましいあり方について御提案の内容も含め、幅広く検討することが必要と認識しているところでございます。跡地利用に伴う用途地域の変更など、都市計画における対応等につきましては、事業者が提示する計画により、必要性も含め検討してまいりたいと考えております。  そのほかの質問につきましては、関係の局長から答弁いたしたいと思います。  以上でございます。 7: ◯企画市民局長(宮本昭彦)私からは宮城野貨物駅の跡地利用に関係いたしまして、跡地処分について、跡地利用計画について、跡地利用計画の推進と準備状況につきまして、以上三点の御質問にお答え申し上げます。  まず、宮城野貨物駅の跡地利用についてのお尋ねでございます。  宮城野貨物駅が仮に移転した場合の跡地売却につきましては、議員御指摘のとおり基本的に民間の事業として行われるものでございまして、課税面での対応は極めて困難ではないかと考えております。しかしながら、この土地は都心からほど近く、土地利用の動向は本市のまちづくりにとりましても重要であると認識いたしておりまして、本市といたしましては引き続きJR貨物の今後の動向を注視してまいりたいと考えております。  また、跡地利用計画に関しましては、現在JR貨物において利用方法等を検討しておられると伺っており、現時点において計画の是非について判断することは困難でございますことから、具体的な計画が明示された段階で、検討の上必要な対応を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 8: ◯環境局長(山内晃)脱炭素、省エネルギー社会の実現についての数点の御質問にお答えします。  まず、市役所における脱炭素、省エネルギー対策についてでございます。  平成十年に環境率先行動計画を策定し、翌年には政令指定都市初のISO14001の認証を取得し、十八年度にはこれらを新・仙台市環境行動計画として一本化して、全庁的に徹底した環境配慮行動に取り組んでおります。  その結果、十九年度にはごみ排出量を十一年度比で四八%削減するとともに、リサイクル率もオフィス系で八六%、全体で五七%と高い値を達成し、またCO2の排出については基準年である十六年度に比べ約七千トン、東京ドーム三個分を削減いたしております。これによる経費の削減効果も約三億四千万円となっております。  次に、資源の有効活用についてでございます。  仙台市の公共事業において排出される生ごみ、剪定木くずや、し尿系脱水汚泥の資源化を図る施設として、平成十四年度から堆肥化センターを稼働しております。生成された堆肥につきましては、杜のめぐみとして、公園事業や学校、町内会の花壇づくりなどで循環利用をしているところでございます。  この施設の情報を提供し、民間事業者の生ごみの減量、リサイクルの促進に努めるなど、今後とも限りある資源を有効に活用し、環境への負担を減らしていく取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、環境対策事業の進行状況についてでございます。  まず、計画といたしましては、平成九年に策定した杜の都環境プランを基本とし、地球温暖化対策推進計画自動車環境負荷低減計画一般廃棄物処理基本計画など、さまざまな個別計画を順次策定してまいりました。また、事業につきましては、新エネルギーや低公害車の普及促進、百万人のごみ減量大作戦や環境教育など、幅広い分野にわたって展開してきており、十九年度においては市全体で六百余りの環境対策事業を実施したところでございます。  最後に、省資源、脱炭素への市の取り組みについてでございます。  まず、ごみ有料化との関連でございますが、有料化につきましては一層のごみ減量と資源循環を推進し、地球温暖化防止に貢献するものと考えております。また、これまでの環境対策とその効果につきましては、河川愛護や清流保全活動とその成果を初めとして、交通対策や車両の低公害化促進などによって、大気中の二酸化窒素濃度政令指定都市の中で最も低い値となるなど、杜の都仙台の環境が良好に維持されているところでございます。  さらに、緑化推進や学校等への太陽光発電設備の積極導入、企業の環境管理システムの導入促進など、地球温暖化対策につきましても幅広い事業や啓発活動を展開してまいりました。こうした取り組みの結果、昨年度の調査では、十七年度の市域内の温室効果ガス排出量は七百三十万トンと、十二年度の七百五十八万トンをピークに減少に転じる傾向となっております。  今後とも低炭素型の都市づくりや資源循環の推進など、地球環境に負担のかからない取り組みを推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 9: ◯経済局長(藤本章)宮城野貨物駅の移転事業についての御質問のうち、脱石油の鉄道輸送についてお答えいたします。  鉄道輸送につきましては、トラック輸送と比較いたしまして、輸送の頻度やスピードといった面では劣るものの、大量一括輸送に適しており、また定時性も高いといったすぐれた特徴を有しているものと認識いたしております。また、温室効果ガス排出量が少なく、環境への負荷も小さいなどの特性を持つ輸送手段であると認識いたしております。  企業における輸送手段の選択は、経済性や効率性、あるいは危機管理などを総合的に勘案し行われるものではございますが、原油などの価格が高騰し、環境問題への対応の必要性も高まる中、鉄道輸送の重要性が今後も増していくものと考えております。  次に、広域連携による観光振興についてお答えいたします。  近年の旅行形態の変化や旅行ニーズの多様化など、観光をめぐる環境の変化に対応しながら、国内外からの観光客数や滞在日数を伸ばし、地域の活性化につなげることが課題でございます。とりわけ地域間競争の中におきまして、観光客の目線に立った魅力ある観光メニューの提示が求められており、多様な観光資源を、テーマ性を持ったルートやプログラムとしてPRできる広域観光は、一層重要性を増しつつあると認識いたしております。  その観点から、本市といたしましては、本市固有の資源を活用した都市観光の確立など、足元の取り組みと同時に、あわせて連動させつつ、福島市、山形市との三市連携、宮城県、岩手県の六市四町によります伊達な広域観光圏の連携等の中で、滞在プログラムや日帰りツアーの開発、ホームページ等での情報発信、旅行会社の招聘、二次交通の充実などに取り組み、魅力ある観光地のイメージづくりや、滞在型の観光促進を積極的に推進しているところでございます。  こうした取り組みは、東北観光の拠点都市である本市が、東北全体の活力向上にも寄与する契機となるものでございまして、そうした責任を果たすという観点も踏まえながら、今後も大いに推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 10: ◯都市整備局長(中村克正)新貨物駅の構想と市の取り組みに関する御質問にお答えいたします。  貨物駅の新設に対する本市の取り組みにつきましては、現在のところJR貨物から貨物駅の新設計画が明らかにされておらず、具体的な対応について申し上げる段階ではございませんが、新設に伴い必要となる既存道路のつけかえ等の補償は、基本的には開発事業者が行うことになると考えております。しかしながら、物流機能の強化は不可欠であると考えておりますので、広域交通体系の検討など、本市が担うべき役割を踏まえまして、必要な取り組みを行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 11: ◯教育長(荒井崇)私からは、大手メーカーの進出に関連しての人材育成についてお答え申し上げます。  まず、ものづくりの振興のためには、それを支える地域の人材育成が重要と認識してございます。そのためには、まずは早い時期から科学やものづくりの楽しさを感ずることができるよう、市立小中学校におきまして、理科支援員の配置による実験学習の充実、最先端の科学を学ぶサイエンススクールの開催、また、ものづくりの現場における中学生の職場体験など、さまざまな取り組みを進めてございます。  さらに、ものづくりを支える人材の育成に直結する取り組みといたしまして、高校では、仙台市内に位置する宮城県工業高校と仙台工業高校の生徒のインターンシップなどを、みやぎ工業会や地域企業との連携で進めているほか、さらに仙台工業高校では、本年度より学校での専門教育と企業での長期実習を組み合わせまして、即戦力となる技術者を育成するデュアルシステムに取り組みを始めたところでございます。  今後とも関係機関との連携を密にいたしまして、地元産業を支える人材の育成に積極的に取り組んでまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 12: ◯議長(赤間次彦)次に、安孫子雅浩君に発言を許します。     〔十九番 安孫子雅浩登壇〕(拍手) 13: ◯十九番(安孫子雅浩)民主クラブ仙台の安孫子雅浩です。一般質問をさせていただきます。  今から十一年前、日本経済新聞の紙上で連載されていた「二〇二〇年からの警鐘」は、「日本が消える」という衝撃的な副題がついて書店に並べられていました。そして、きょう既に我が国は人口減少社会に突入し、高齢化は加速、製造企業は国外に流出し、非正規雇用の拡大は進み、個人の孤独感は深刻さを増していくなど、警鐘のとおりの道筋をたどっております。  先日発表された荘内銀行総合研究所のレポートによれば、東北地方全体の人口は二〇三五年までに二百二十万人も減少し、一割の自治体では老年人口が人口の五割を超えて、自治が機能できない限界自治体が出現するとなっています。  本市を核とする仙台圏域では、現在の百九十一万人人口圏が百七十四万人に減少する一方で、人口の集積率は高くなり、都市圏以外の東北地方の過疎化は一層進む推計になっています。このような東北地方の将来推計に対して、同レポートは提言として、自治体では将来の行政需要の縮小を先取りした、身の丈に合った地域計画が必要であり、また東北地方全体を牽引する強い都市圏域を確立し、道州制で議論される東北州から、さらに踏み込んだ東北国を目指す気概が必要であると報告しています。  そこで、本市でありますが、あらゆる行政施策の基本をなす仙台市基本計画が、その計画期間を平成十年度から二十二年度までとした仙台21プランがあります。現在、この計画の最終実施計画が進められているところであり、実施計画の重点事業は昨年度の進捗状況が報告されています。仙台市基本計画は、平成二十三年度からの次期計画の策定に向けて、今年度から企画市民局に総合計画課を設置し、策定作業の着手に向けて準備を始めています。  本市の施策の大もととなる基本計画の基礎資料となるのは、人口推計であります。計画期間中の人口の増減、年齢構成の推移、移動人口の推計などの算定をもとに、市民が安心して快適に暮らすことのできる生活環境の整備を初め、福祉やまちづくり、教育、環境政策など、あらゆる行政施策の目標を定めることになります。現在の基本計画では、本市の人口フレームは百十二万人と推計されています。計画期間を二年残し、現時点での本市の人口は百三万人であり、推計に対して九万人も満たない実態となっています。人口フレームは、その算出いかんによって本市の都市基盤整備、土地利用、交通政策、住宅政策などの想定量も決められることになります。計画期間中の行政サービスの総量を判断していく指標となる人口フレームは、基本計画策定の策定根拠となるものです。その上で、数点伺います。  まず、現行の計画において、本市の推計人口が九万人もの誤差を生じ、割合にして実人口と一割近くも異なるフレームの設定となった原因はどこにあるのか、お伺いいたします。次期計画を策定する際の基本指標は、相当に慎重に各種データを分析した上で、実態と乖離しない堅実な人口フレームの設定を求めるものです。人口推計には、時代環境やトレンド、市民意識や産業構造、景気動向や雇用環境等々、膨大な各種データの分析を経なければならないものでありますが、本市としては、どのような手法で次期仙台市基本計画の策定に当たり、計画の基本資料である人口フレームを設定していくのか、御所見をお伺いいたします。  次に、本日市長はあいにく答弁席にいませんので、次年度市政運営の基本方針案について予定していた主要三点の質問は、残念ながら審査特別委員会等で質疑することといたしまして、二点のみ伺います。  市長が次年度の基本方針案に、都市ビジョンとコミュニティビジョンの施策の具体化に来年度は本格的に取り組むとありますが、両ビジョンの具体化へのプロセスに本格的に入っていくとは、その作業手順はどのような段取りで、具体に進めようとされているのか、お伺いします。また、コミュニティビジョンについては、区役所を中心に町内会、地域のボランティア団体と議論を深めていきながら進めていくとしています。コミュニティビジョンでは、コミュニティー活性化は行政責任であるとし、地域と行政が適切に役割分担を行う指針がビジョンであり、双方が主体性を持って積極的に取り組むことが重要であるとしています。その上で具体には、地域コミュニティーと行政の連携、地域課題を共有、解決する場の設定、新しい連携の取り組みの促進など、二十数項目にわたって設けます、図ります、進めますと示されていますが、問題は果たしてこれらをだれが主体となって、設け、図り、進めると言っているのかが不明なのであります。その主体は区役所、市民センター、町内会あるいはどこにあるのか、お示しください。  また、コミュニティー支援機能の強化や活性化のための特色ある事業展開とは、具体にはどのようなものを目指しているのでしょうか、お伺いいたします。  次に、財政の健全化について以下に伺います。  方針案の基本的な考え方に、本市の財政は歳入は当面の間、市税収入の伸びは期待できず、国からの地方交付税や臨時財政対策債も削減が続くと予想され、一方の歳出は、福祉関係経費の増加と、これまでの都市基盤整備に係る公債費の高どまりなどで増加傾向になると示されています。今後、予算編成作業はますます困難なものになると予想され、現在の収支見通しでは、来年度の新規事業は何もできない状況にあることは深刻です。したがって、財源の捻出のために、事務事業の見直しを徹底し、本市が単独で実施しているさまざまな補助金についても、例外なく点検すると示しています。
     また、仙台市の財政見通しと対応の方向性では、平成二十五年度までの本市の歳入と歳出、収支バランスの推計が示されていますが、歳出の見通し試算から明らかなのは、これまで人件費や公債費、扶助費などの義務的経費の増加分は、道路や公園など公共施設整備の普通建設事業費を削ることによって吸収してきましたが、これももはや限界に来ているという点です。地方分権改革がなかなか軌道に乗らず、税財源の移譲についても不透明な中、現行の税財政制度を前提に収支を見通せば、近い将来本市は極めて深刻な状況になる可能性があると示され、それを回避するには行政サービスの水準や費用負担を総点検し、市民の声を聞きながら見直しを進めていくとしています。  これまで梅原市政では、市民生活に直接かかわる町内会、老人会、福祉関係など、コミュニティーを担う各団体への活動助成金、また教育関係の補助金などが逐次減額されてきました。この基本方針案によれば、来年度はさらに対象項目を広げて見直しを図り、削減していくということであるのか、お伺いいたします。  また、政令市移行後、平成元年からの経常収支比率の推移を見ると、人件費、公債費、物件費などの経費負担割合は年々高くなる一方でありますが、特にここ十年でその比率は八〇%を超え、昨年度の速報値では九七・四%にまで高まっています。財政の硬直化が深刻さを増す中、本市は政令市に移行して二十年、そして今後、道路管理や公園、学校、市民センター、コミュニティセンターなど、公共施設の維持管理と修繕に係る経費は確実に大きくなると予測され、経常経費を拡大させる要因となり、本市の財政運営はますます深刻さを増すことが予測されます。  下水道事業では、今年度より資産管理戦略室を設け、下水道施設の機能維持を目的に、長期的な更新費用予測に取り組みを始めました。今年度から自治体の財政破綻を防ぐ目的で、財政健全化法が施行され、公営企業や外郭団体を含めて自治体全体でのストック等の積立不足額を評価するスキームが構築されています。仙台市の資産総額は、下水道以外にも道路、公園などの都市基盤、学校、市民利用施設など莫大な資産を抱えています。そこで、下水道事業での取り組みを契機として、長期的視点に立った政策の優先順位づけを確立し、道路や公園を初めとする莫大な資産の維持管理に、その費用予測や更新財源の確保による取り組みが今後必要となっていきます。  仙台都市ビジョンは、夢を持ってその具現化を志向する一方で、現在ある快適な本市の都市環境水準を今後も損なうことなく、未来の仙台市民に引き継いでいく都市マネジメントが問われていくと考えますが、取り組み方針をお伺いいたします。  次に、重点事業の進捗状況について、重点五十事業のうち四事業について以下に伺っていきます。  まず、介護サービス基盤整備です。  平成十二年度から介護保険制度が始まって以来、本市では三年ごとに事業計画を策定し、現在まで三期が経過し、来年度からの第四期介護保険事業計画の策定作業が進められているところです。サービス基盤の整備について、計画期間中の目標数を定めていますが、入所待機者が三千人を超えている特別養護老人ホーム、介護老人福祉施設は、百五十床が計画に対していまだ未整備となっています。六月の第二回定例議会では、特養ホームの施設整備は個室ユニットに限定しない二人、四人部屋などの多床室整備の緩和を求める意見書を国に提出しています。個室ユニット整備が進まない大きな理由は、事業者には報酬単価が抑制されている経営環境にあって、施設建設費と人件費を初め運営経費の大きな負担が足かせとなり、また利用者側には個室加算による利用負担が重く、事実上入所を制限させていることなどが上げられます。  来年度からの介護保険法の制度改正に当たって、国から示された参酌標準によれば、平成二十六年度までに特養ホームの個室ユニット化率は七〇%とされています。本市の場合、この参酌標準に従っても、向こう六年間特養ホームの施設整備を一〇〇%個室ユニットで整備しても達成できない数値になります。そこで、来年度からの施設整備に当たっては、特養ホーム並びに特定施設、入居施設も含め、多床室整備の枠を設け、多くの入所待機者を前に、入所施設整備が滞ることなく整備されるよう強く求めるものですが、お伺いいたします。  もう一点は、地域包括支援センター業務と、各区保健センター担当との連携についてです。  市内四十一の支援センターは、おおむね中学校単位を日常生活圏域として、地域の高齢者の総合相談窓口、生活支援窓口として本市から委託を受け業務に当たっています。今年度から委託料が増額されたことにより、人員体制を整え、委託業務を行っていますが、包括支援センターから委託業務遂行上の大きな不安として寄せられている多くの声は、保健福祉センターとの情報の共有や、課題解決への連携の希薄さです。ひとり暮らし世帯、高齢者夫婦のみ世帯や生活困窮世帯がにわかにふえている昨今、多様化する困難事例に対して、保健福祉センターは相談を受けた事例を支援センターに振り分けるだけではなく、さらには緊急避難的な措置対応が求められるケースには、支援センター職員とともに即座に対処する姿勢を強く求めます。両者間の連携の度合いは、各区や担当職員による温度差も小さくないと聞いていますが、行政は市民の生命と財産を守る最終責任者としての立場から、家庭、家族環境の変化とともに、今後ますます困難化し、深刻化していくと思われる個々の事例に対して、包括支援センターと行政の連携の充実を改めて強く求め、お伺いいたします。  特定高齢者の把握と、介護予防プランの作成、担当地域の包括ケア体制の充実などを、地域包括支援センターがしっかり担当していく上でも、これを求めるものです。  次年度基本方針案の行財政改革では、市民サービスの向上と職員の意識改革を示し、区役所等の窓口は便利で快適な窓口の実現に向けた取り組みを実施していくとしています。例えば、相談があった内容を窓口でそしゃくし、委託先の支援センターに連絡することなく、担当の連絡先だけを相談者に教え、相談者は支援センターへ連絡し、また一から相談内容を繰り返さなければならないというような対応にも、意識改革が必要なのであります。  次に、生涯学習施設整備、泉岳少年自然の家改築事業について伺います。  本市では、新たな事業手法としてPFI事業を導入し、スポパーク松森、新野村学校給食センター、そして新天文台が整備され、多くの来館者を集め、これから新高砂学校給食センターも整備予定となっています。一方で、PFI事業を予定しながら、市の直接設置に変更したのは、宮城野区文化センターであり、泉岳少年自然の家となっています。今回、泉岳少年自然の家改築事業をPFI事業から直接設置に変更した判断理由をお示しください。  PFI事業そのものの事業妥当性は、先駆けて発注してきた他都市でも意見が分かれている事例が認められていますが、本市としては今後もPFI事業を有効な施設整備手法として導入可能性調査を継続していく方針であるのか、お伺いいたします。  次に、百年の杜づくり推進事業について伺います。  この事業の趣旨は、これまでの杜の都の伝統に地球環境という新たな視点を加えて、新しい時代にふさわしい杜の都を市民、事業者、行政が連携して創造していくものであり、個別事業では緑の保全、創出、普及に努めているところです。これら個別事業それぞれが相まって、杜の都がより美しく、豊かさを増して引き継がれていくことは実にすばらしいことです。その上で、今後特に注目される事業は、緑の保全事業であると指摘するものです。  次年度基本方針案の未来への貢献では、洞爺湖サミット議長国として、低炭素社会形成に向けた国の先導的立場に呼応して、市民、事業者、行政が一体となって低炭素社会づくりの取り組みに着手するとしています。地球温暖化効果ガスの排出を二〇五〇年までに半減させることをかたく誓ったサミット開催では、二酸化炭素の排出と吸収を取引する排出量取引という用語を多く耳にしました。国では、今年度から平成二十四年度までの五年間に、二酸化炭素の総排出量を平成二年比で六%削減させる目標を掲げていますが、そのうちの三・九%は森林の吸収分で補おうとしています。したがって、二酸化炭素の有効な吸収源として森林の保全が注目されているところですが、本市は西部地区に広大な森林面積を有しています。  先進例として、地域の六八%を森林が占める広島市では、市内に広がる森林の保全に市民と行政が一体となって取り組み始め、市民参加型の排出量取引制度をつくる予定です。都市の市街地から発生する二酸化炭素を森林が吸収して、市内排出量をゼロにする観点を、低炭素都市づくりを目指す本市の森林保全事業に加えていくことが肝要であろうと考えます。従来からの緑の持つ多様な価値に加えて、これからは地球温暖化を抑制し、二酸化炭素を吸収してくれる都市の環境保全装置として、森林地域の緑の保全事業へ市民と協働した積極的な取り組みが、新しい時代の杜の都づくりを目指していくに当たり、より重要度の高い事業になるべきものと考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、シティセールス推進事業について二点伺います。  本市では、国際会議の誘致活動を市長のリーダーシップのもと積極的に展開しています。政府間レベル、国際会議の開催ともなると、都市のアピール効果は大であり、またそのような大きな国際会議には開催に至るまでの過程で、さまざまな関連部門の環境が整っていく意義があります。七月に開催された洞爺湖サミットでは、各閣僚レベル会議が他都市でも開催され、エネルギー担当大臣会議は青森市で、労働大臣会議は新潟市で開かれました。本市のコンベンション機能の充実については、かねてから議会でも取り上げられていますが、今回その機能水準で本市と変わりない近隣の地方都市で開催されました。昨今市内の宿泊施設は充実の一途であり、閣僚級の国際会議等の開催に対応可能な水準の宿泊施設も整いつつあります。費用対効果の検証は不可欠でありますが、国際会議誘致事業の目的と今後の方針をお伺いいたします。  最後に、仙台の夕べ開催について伺います。  ことしは例年の二月から来月十月に実施時期を変更し、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンをテーマに開催する予定となっています。首都東京の中心部で、ホテルのコンベンションホールを会場に、首都圏で本市のシティセールスを行うことが目的であり、政令市となった平成元年から毎年開催してきたものです。これまでも大学との共催を図るなど、当局ではそれなりの工夫をしながら開催してきた経緯がありますが、その開催効果については意見の分かれるところであります。四年前に策定したシティセールス戦略プランの練り直しも必要と思われる今、仙台の夕べは二十年を経過し、改めて首都圏でシティセールスを行う意義とその手法について再検討すべき時期に来ていると思われます。仙台の夕べ、来年度以降の展開についてお尋ねいたします。  以上伺ってまいりましたが、冒頭のレポート提言に戻れば、本市はこれから相当の速度で進む超高齢化と人口減少で、自治体経営も険しくなっていく東北地方の時代環境に、東北人としての誇りを持って立ち向かいながら、私たちは強い仙台圏域を確立させ、東北全体を牽引し、世界に開かれた東北州ならぬ東北国を目指していこうではありませんか。その本市のリーダーには、強いリーダーシップが求められることは言うに及びませんが、変化球の投げ方も身につけ、目線は市民の目の高さで、適度なバランス感覚を備え、仙台市民の利益のみならず東北全体の利益を見据えられる人を求めると申し上げ、私の第一問といたします。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 14: ◯副市長(笠原周二)ただいまの安孫子雅浩議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、都市ビジョン及びコミュニティビジョンの具体化についてのお尋ねでございます。都市ビジョンとコミュニティビジョンは、市政運営の大きな柱と位置づけられるものであり、都市ビジョンが目指す都市の力とコミュニティビジョンの目指す地域の力が相まってこそ、活力と魅力にあふれた都市の実現に向かっていけるものと考えているところでございます。このような認識に立って、それぞれのビジョンの具体化を進めていく考えでございますが、まず都市ビジョンにつきましては、平成二十二年度までに一定の成果を上げることを目指した取り組みを、早期の達成を目指す取り組みとして位置づけ、それらにつきましても実施計画の重点事業として現在取り組んでいるところでございます。今後、都市ビジョンで掲げた理念と方向性を踏まえ、個別の事業が所期の成果を上げられるよう、引き続き積極的に取り組みを進めてまいります。  次に、コミュニティビジョンについてでございます。市民が豊かで幸せな生活を送るためには、子育て、防災、安全、そして安心、福祉などの幅広い分野において地域に根差した取り組みが重要であると、そのように考えております。このようなことから、全庁的な検討組織でありますコミュニティ活性化推進会議を今般設置したところであります。今後、各区におけるモデル事業等を皮切りに、コミュニティーの活性化に資する広範な事業を全庁挙げて取り組んでまいりたいと考えております。  次に、国際会議誘致事業に関する御質問でございますが、開催に伴う宿泊等の直接的な経済効果に加えまして、都市の知名度の向上等により投資やビジネス交流の拡大、さらには観光コンベンション産業の振興など、さまざまな効果の獲得を誘致事業の目的としており、これが都市の活力の向上につながるものと認識をしております。本市におきましては、これまで国際的な学術会議はもとより、政府間会議等にも焦点を当て、積極的に国際会議の誘致に取り組んでまいりました。今後においても、二〇一〇年に日本で開催されますAPECの各種会合を初め国際会議の誘致の実現に向けまして、関係団体と緊密な連携をとりながら、誘致事業に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。  そのほかの質問につきましては、関係の局長から答弁をさせたいと存じます。  以上でございます。 15: ◯財政局長(高橋亨)最初に、補助金、助成金の見直しについての御質問でございます。  仙台市の財政は、現在の税財政制度を前提とした歳入見通しのもとでは、各般の事業をこれまでの水準で継続すれば、収支不足が確実に拡大していくという見通しでございます。したがいまして、例外を設けず、事務事業の検証、見直しを進めることが必要と考えております。見直しに当たりましては、行政が果たすべき役割としての妥当性、費用対効果、事業の運営手法といった視点が基本となりますけれども、御指摘のような助成金、補助金といった性格の予算につきましては、市民生活などへの影響といった点にも十分配慮いたしまして、御理解もいただきながら進めてまいりたいと考えております。  次に、公共施設などの資産管理についてでございます。  各種施設の管理につきましては、下水道事業における取り組みに加えまして、先般市有建築物につきましても、適正な保全と更新を図るための長寿命化実施方針を策定したところでございます。今後、この実施方針などに基づきまして、施設の改修、建てかえなどを計画的にトータルコストの低減を図りながら取り組んでいくということにしておりますが、既存施設の経年劣化などによりまして、施設整備費用などの増加は避けられないものと考えております。今日の財政状況でございますので、事業費の平準化あるいは年次調整、これが必要となりますけれども、施設の安全ということを第一に、適切な市民サービスが提供できるよう、予算の確保配分に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 16: ◯企画市民局長(宮本昭彦)私からは、基本計画について、コミュニティ活性化について、PFIについて、仙台の夕べについて、以上四点の御質問にお答え申し上げます。  まず、基本計画における人口フレームと実績値との乖離の原因についての御質問でございますが、現行基本計画では計画終了時点の平成二十二年度末に、本市の人口が百十二万一千人に達すると予測しておりますが、本年九月一日現在の人口は百三万五百七十人となっておりまして、現時点で約九万人下回っていることは、議員御指摘のとおりでございます。この原因につきましては、当初予想しておりませんでした社会減が続いていることでありますとか、特に平成九年以降、首都圏への転出超過が続いており、その幅が増大していることに加えまして、合計特殊出生率が予想を下回る水準で推移してきたことが大きく影響しているものと考えております。  次に、人口フレームの設定の考え方につきましての御質問でございますが、人口フレームの設定に当たりましては、議員御指摘のとおり多種多様な要素を勘案する必要がございますが、我が国全体が既に人口減少社会を迎えておりますことや、少子高齢化が進展していることなどを踏まえまして、社会情勢の変化を的確に反映した人口フレームとなりますよう、検討してまいりたいと考えております。  次に、コミュニティ活性化に関して、コミュニティ活性化に向けた取り組みの主体についてのお尋ねでございます。  活力ある地域コミュニティーを引き続き維持していくことは、行政としての責務であることはもちろんでありますが、そこにお住まいの方々が地域への愛着を持って主体的に取り組んでいただけることが肝要であると考えております。コミュニティビジョンにおきましてはこのような考え方に立脚いたしまして、町内会を初め地域が主体となった取り組みが円滑かつ効果的に進みますよう、私ども行政内部におきましても、市長部局、区役所、総合支所、市民センターなどにおきまして、適切な連携、役割分担を図りながら、活動の場づくりや担い手の育成、情報提供等の支援を行うこととしております。  次に、コミュニティ支援の機能強化や活性化のための特色ある事業の展開についてでございますが、コミュニティ支援機能の強化といたしましては、例えば区民と創るまち推進事業などの地域づくり事業と、市民センターの各種事業との連携強化や、地域づくりの担い手の育成などを進めてまいりたいと考えております。また、活性化のための特色ある事業といたしましては、今年度から、先ほど副市長から申し上げましたように、各区におきまして地域固有の課題解決などを目指すコミュニティ活性化モデル事業を実施することといたしており、その実施状況を検証しながら、今後さらなる事業展開を図ってまいりたいと考えております。  次に、PFIにつきましてのお尋ねがございました。  本市におきましては、PFI手法の導入に際しまして、事前に導入可能性調査を実施し、従来手法に比較して財政縮減効果が一定以上見込まれ、かつ民間の創意工夫を活用することによって、質の高いサービスが提供される可能性が高い場合に、PFIの手法を導入することといたしております。本市のこれまでのPFIの導入事例を見てみますと、去る七月に開館いたしました新天文台を初めとして、低廉で良質なサービスを提供するというPFIのすぐれた点が十分発揮されていると認識いたしております。  一方、御指摘のとおり、導入可能性調査等によりPFI導入を見送った事例もございまして、今後とも対象となる事業につきましては十分な調査、検討を行い、他の手法に比べてPFIが有利であると考えられる場合につきまして、PFI手法を活用してまいりたいと考えております。  次に、仙台の夕べに関する御質問ですが、これまで首都圏における人的ネットワークを構築するとともに、産学連携に象徴されます学都としての仙台の魅力や優位性を広く訴えるなど、成果が得られたものと考えております。本市のシティセールス事業として効果的に展開していくためには、テーマの設定やイベントのあり方など、絶えず工夫を凝らしていくことが必要と考えております。  今年度は、仙台・宮城デスティネーションキャンペーンに合わせまして、観光集客をテーマとして開催する予定でございますが、来年度以降につきましては、今年度の実績を踏まえるとともに、関係者の御意見をいただきながら、より効果的な事業となりますように、この事業の共催団体でございます仙台商工会議所とともに検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 17: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、介護保険に係る二点のお尋ねについてお答えを申し上げます。  まず、特別養護老人ホーム等の整備における多床室の取り扱いについての御質問でございますが、今年度を最終年度とする現在の高齢者保健福祉計画のもとでは、入居者一人一人の個性や生活のリズムが尊重され、在宅での生活に近い住環境が確保される個室ユニット型の整備を進めているところでございます。しかしながら、施設の利用者や事業者の方々の間に、議員御指摘のような声があることも十分に認識してございます。このような地域の実情をつぶさに把握し、宮城県や国との意見交換を行うとともに、市議会、介護保険審議会における議論なども踏まえながら、次期計画策定の中で整備のあり方について検討してまいりたいと考えております。  次に、地域包括支援センターと各区の保健福祉センターとの連携についてのお尋ねでございますが、これまでも地域包括支援センター連絡会議を定期的に開催し、情報交換等行っているほか、虐待などの困難なケースの場合には対応についての検討会を行うなど、連携して取り組んでいるところでございます。今後、こうした困難なケースはふえていくものと見込まれ、その解決に当たっては地域包括支援センターや、区保健福祉センターを初めとした関係者間の情報の共有や連携が特に重要となりますことから、個々の状況を十分に把握し、より一層の充実に向け努力してまいりたいと考えております。  以上でございます。 18: ◯建設局長(犬飼良次)百年の杜づくり推進事業についてのお尋ねにお答えをいたします。  百年の杜づくり推進事業は、自然とまちが溶け合う杜の都仙台を基本といたしまして、市街地を中心に、緑の創出、保全、普及を市民協働のもとに進めてまいりました。その中で、市民協働の先導的役割を担う団体を緑の活動団体として本市が認定し、支援を行っているところでございます。これらの団体の中には、里山を初め森林の保全活動などを熱心に行っている団体もございます。議員御指摘のように、森林地域は緑の持つ多様な価値に加えまして、二酸化炭素の吸収源として地球温暖化を抑制する役割も果たしておりますことから、今後、関係機関と連携するとともに、他都市の事例も参考にしながら、こうした市民活動の輪が広がるよう取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 19: ◯教育長(荒井崇)私からは、泉岳少年自然の家の改築事業に関してのお尋ねにお答え申し上げます。  当改築事業に当たりましてのPFI手法の導入見送りについてでございますが、導入の可能性調査の結果、費用面で見ますと、本市のPFI活用指針で定める財政縮減効果が期待できないことが判明いたしました。  また、PFI事業は、おおむね事業内容が確定した契約に基づきまして運営されます。一方で、新学習指導要領では、道徳教育等の活動例としまして新たに集団宿泊活動が明示され、今後新しい宿泊型の学習プログラムを随時つくり、また実施することが求められる可能性があるために、少年自然の家の運営には極めて高い柔軟性が必要になることも考慮いたしまして、PFI手法の導入を見送ったものでございます。  以上でございます。 20: ◯十九番(安孫子雅浩)御答弁いただきましてありがとうございました。  私からは、今御答弁いただいたことをもとに六点について再質問をさせていただきます。  まず、補助金、助成金等の見直しについてでございますが、その方針についてのことでございますが、御答弁では、御理解をいただきながら検討を進めていくというお答え方になっております。この進めていく方向というのは、見直して増額をするというふうな理解なのか、やっぱり今の社会環境、時代、生活環境をとらえたときに、一応懸案事項ではあるけれども見直しをせず減額もしない、あるいはもう少し戻して増額をしていくということも検討していくのか、どちらに向かった検討を進めていくということなのか、もう一言お答えをいただきたいと思います。  それから、二点目でございますが、本市は莫大な資産を抱えております。今後はこの莫大な資産の適正な維持管理、安全を第一とした適正な維持管理が必要であるということについてのお答えでございますが、その長寿命化、実施方針というようなものを設けて、そういったものを設けながら安全を第一に適切なサービス確保をしていくと、施設管理についてというようなお答えでございましたが、問題はやはりこの膨大な施設維持管理経費に対する財源の捻出でありまして、このお金の捻出の際にその資金計画ということをどうされるかということが大きいわけであります。これがなければ、安全を第一に適切なサービス確保というのは当然なことでありますが、それは実体を伴わないということになりますが、財源についてはどのように見解を持っているのか、お尋ねをしたいと思います。  それから、三点目でありますけれども、人口フレームのあり方についてであります。お答えの中では、当初予想していなかったこの十年間、十二年間の期間の中に、当初予想していなかった社会減なり、流出が大きかったと、人口流出が大きかったのが原因で九万人の乖離を生んでいるということでありまして、そういった目でこの次については的確な人口フレームとなるようというお答えでありました。それは答え方としてはもっともなことでありますが、今問題なのは、これだけいろいろな社会環境、時代環境あるいは家族環境等々、グローバルな中でも変動要因が大変に大きい中において、的確な人口フレームの設定をつくるということが大変に困難であるということを私は指摘をしながらの質問でありますので、現状の要因をしっかりと分析した上で、的確な人口フレームを次期の計画には設定をしていきたいということは、例えばどういうことをしっかりと次期の計画については分析をしていく、データとして取り組んでいくということをお考えなのか、その点をお尋ねしたいと思います。  次に、四点目でございますが、これはコミュニティビジョンに関してであります。コミュニティビジョンに関しては、副市長の方からも都市ビジョンとの兼ね合いということで、都市ビジョンを実現していく上でもコミュニティビジョンが基盤となってしっかりやっていかなければいけない、そこについては協議会等も設け、全庁挙げて取り組んでいくというふうなお答えがございました。そして、コミュニティビジョンそのものをよく見ると、確かに現状のコミュニティーの課題等を網羅をして、だからこのようにしていこう、こうして図っていこう、設けていこう、進めていこうという表現がたくさん見られます。私の質問の趣旨は、これらをやらなければいけないということは当然なのでありますが、そこは一体どこが主体となって、だれが責任を持って、そのボールを持ち、投げて、受け取るキャッチャーがいるのかということであって、ボールはあるわけですね。ボールはあるんですが、そのピッチャーがわからない、キャッチャーもわからない、その点が読み取れない、ビジョンの中ではですね。そこについては、これは決して時間のある話ではありません。コミュニティーの現状の問題については、時間のある課題ではありませんので、今後モデル事業をやってみて、その検証結果をもとにということで、そこでまた時間が発生し、その間また地域コミュニティーは揺らいでいくわけであります。したがって、来年度本格的に取り組むというようなことをおっしゃっているわけですから、具体にだれがこれを引っ張ってしっかりとやっていくのか、それが果たしてどこであるのか、全庁挙げて取り組むということでありますが、その主体となる、主語となる部分のお示しをお願いしたいと思います。  それから、第五点目でありますけれども、特養ホームの基盤整備についてであります。個室ユニットの整備のあり方については、今後検討していきたい、それは各種審議会であるとか、現在策定中でありますのでそういった経緯を見てということでありますけれども、今後向こう三年間なりの中で、多分数字としては四百なり五百なりの特養ホームあるいは入居施設をそれ以上の数つくっていこうということになるんでしょうが、そのときに果たして何割を個室ユニットとして、何割は個室ユニットとしないということまで打ち出せないのかどうか。やはりどうしても国の方では、現状では一〇〇%個室ユニットでやれというふうな指針を示しているので、そこに完全に背くわけにもいきませんでしょうから、しかしある程度は国の指針に沿ってやると。しかし、仙台市の現場の地域の地方の現状から考えれば、個室ユニットではなくて、多床室、二人部屋、四人部屋が必要だというのが今の介護保険の施設、利用者の間の声でありますから、そういった点は枠の設定という点において、必要ならせめてそのアリバイとして二割は、今後の基盤整備の中で二割は個室ユニットとしても、あとの八割については多床室を認めると。その上で仙台市は入居施設を整備していくということの訴えが、主張が、次期の計画に盛り込まれていくべきであるというふうに考える立場から質問いたしたものです。  それから、もう一点ありました。六点目になりますけれども、最後に教育長がお答えになったPFIの導入可能調査について今回は導入をしなかった、見送りを図ったという点についてのお答えですが、行革の集中計画の中にも、いわゆる行革の柱の中にPFIの事業手法を導入することによって、いろいろな意味での縮減が図られるということ、これはもっともなことでありますが、ただ今、先ほどもおっしゃったように、それぞれの施設についてはその時々の時代とか、あるいは国とのやりとりとか、あるいはそのときの社会の状況があって、必ずしもそれはPFIという一つの土俵に一律乗せるというものではないんだというふうに思うんですね。この間、宮城野区のセンターにしても、泉岳にしても、それ相当の時間と経費と労力をかけて、時間を置いてその結果やっぱりだめだということで変更するということになったわけですが、そうすると、今後そのPFI事業そのものの手法は残るんでありましょう。仙台市としては、導入手法としては。しかし、例えば生涯学習施設を初め、初めに乗せるべきものと乗せないべきものの線引きなり積み上げというものが、やはり当局の方でできるのではないかと。そういった点で今後このPFI事業、完全にやめろというふうなことを言ってるわけではありません。導入可能性調査に乗せる前に、分ける、そもそも分けてやっていくという考え方が今後の施設整備等に必要なのではないかという点について質問いたしましたので、お答えをお願いいたします。  以上六点でございました。 21: ◯財政局長(高橋亨)まず、補助金、助成金についてでございます。  先ほど私御答弁申し上げましたのは、行財政改革あるいは事務事業の見直しという視点からでございましたので、御理解もいただきながら見直し、減額について検討していくという趣旨でございましたけれども、もちろん新たな行政需要への対応ということは、これはまた別に考えなければいけない部分でございますので、そうした視点からの増額というのも、これは事業によっては上げるというふうに考えております。  次に、資産の維持管理のための財源の捻出ということでございます。事業内容によりまして国庫補助金の活用あるいは市債の発行が可能な事業もございますけれども、いずれにせよ他の施設整備などと比べて、特別な財源というのはこれはないわけでございまして、各年度の歳入の中で年次調整を行いながら必要な対応を図っていくということに尽きるかと存じます。  以上でございます。 22: ◯企画市民局長(宮本昭彦)私からは、基本計画の関係の人口フレーム、それからコミュニティビジョン、それからPFI、以上三点につきまして御答弁申し上げます。  まず、基本計画の人口フレームでございますが、先ほども申し上げましたとおり、当初予定をしておりませんでした社会減がかなりの水準で推移したことが、今回の大きな人口の乖離の原因となったものと考えております。この社会減でございますが、前回の統計におきましては過去のいわゆるトレンドを見て、一定の社会増が見込まれるものと想定しておりましたが、実際には平成九年以降社会減が続いたというところでございます。例えば、今回の新計画における人口フレームにおきましては、当然社会減、首都圏に対する流出という一方、県内各市町村また東北全域から仙台に流入する方もいらっしゃいますので、先ほど議員御指摘のありました東北全体の人口の増減など、そういった要素も加味しながら、例えば社会減のところにつきましてはもう少し精緻な議論を展開していきたいというふうに考えております。  それから、コミュニティビジョンの関係でございますが、コミュニティビジョンにつきましては御指摘のとおり、施策の方向性という形で私ども行政として取り組んでいくべき方向性について記載をしているところでございます。このそれぞれの施策につきましては、私ども企画市民局でありますとか、健康福祉局でありますとか、教育局、各区役所、総合支所等でそれぞれ担当している部分がございますが、地域のコミュニティーの活性化につきましては、基本的には私ども企画市民局の方で担当しておりますので、私どもが主体となって必要な各部局との調整等も含めて進めてまいりたいと考えております。  それから、三点目、PFIでございますが、本市におきましてはPFIの導入可能性指針を策定いたしまして、一定の施設整備に要する経費がかかる事業でありますとか、でありかつ施設整備費の維持管理運営の費用が一定の金額であります事業につきまして、導入可能性調査を行ってきたところでございます。宮城野文化センターにつきましては、PFIで十分な財政縮減効果も見込め、かつ民間の創意工夫が図れるという期待をいたしましたが、度重なる入札停止等もございまして、より早く、一刻も早く建設を促進するという観点から、PFIを取りやめたところでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたような一定の基準に合致する案件につきましては、PFIによって十分な効果が発揮できないかということは、今後とも検証してまいりたいと考えております。  以上でございます。 23: ◯健康福祉局長(上田昌孝)特別養護老人ホームの多床室の整備についてでございますが、私どもも建てかえを迎える古い特別養護老人ホームについて、多床室の設置というのは深刻な要望であるということは十分認識してございます。現在、直ちに多床室の割合をどのぐらいにするかということはなかなかお答えしにくい問題でございますが、私も夏に厚生労働省の方に行って直接要望はしてまいりました。そのときの情報でも、やはり同じような要請がかなり厚生労働省の方にも届いているということでございましたので、今後国の動向や、同様に介護保険計画を立てることになっております他都市の動向等も十分踏まえながら、介護保険審議の中で議論をしていただきまして、その中で検討してまいりたいと思います。  以上でございます。 24: ◯十九番(安孫子雅浩)ただいまお答えいただいた中で、三点について再度質問させていただきます。  まず最初に、資産管理についての財源の捻出について、財政局長さんからは財源はない、それで方法として考えられるのは、年次調整を図りながら何とかなけなしの金をはたいていきたいということでございますけれども、これは今後の見通しを考えたときに、これだけ大きな莫大な資産を年次調整程度の中で、本市の年次調整程度で賄えると言い切ることの限界がもう既にあるのではないかと思うんですね。したがって、その財源はないということはやはり御当局も認識をされておりますし、私たちもやっぱりなくてだからだめです、都市の基盤整備はどんどん崩れていきます、今都市環境水準が崩れていくという仙台になってはいけないわけでありますから、そういった点では年次調整を図る程度で何とかしようというのではなくて、やっぱりもっと踏み込んだ、踏み込んで本市の、それこそ十年なり二十年なりの長期的な財政運営計画を立てた上で、今後の資産管理、適正な施設の資産管理等についての財源確保を求めていくべきものであると思いますが、その点を再度お伺いをいたします。  それから、二点目でございますが、やはり人口フレームについてであります。人口フレームについてでありますが、二度繰り返して局長はお答えになりました。予定していなかったと。確かに今の現行の計画を策定するときの、その前の一九九七年、九六年あたりの計画をつくるころの日本というのは、まだバブルの余韻にありましたし、まだまだ計画なりあるいはまちづくりというのは、大きく拡大して発展をさせて夢を描くものだという前提があったという時代背景が当時はあったと思います。ところが、現在ここに来て、そして次のまた十年なり十五年なりの総合計画になるわけですが、これからについてはやはり今まで描いてきたような、ある種行政の計画というのは国との予算のやりとり等もありますから、ある意味縮小均衡型ではなくて、ちょっと無理を言っていても大きく拡大した形で数字なり枠を掲げなければ、国に対してもいろいろなお金の手配のやりとりでも認められない作文であるという、そういった性格があったのかもしれません。しかし、これからはお互い現実的になって、実態に合った、決して少し余裕を持ったとか、バラ色を描いてみてというのではなくて、現実的な人口フレームの算定をして、その上でこの現状の器の中でいかに私たちはしっかりと、先ほどの資産管理も含めて、資産の維持管理も含めて適正に、お金と人と市のバランスをもって行政サービスを展開していくかという考え方こそが必要なのでありますから、そういった点について再度人口フレーム、時期についての見方についてお尋ねをしたいと思います。設定の仕方についてお尋ねをしたいと思います。  それからもう一点でありますが、コミュニティビジョンの推進についてのこの主体についてお答えになっておりましたが、これはどうなんでしょうか。よくわからないんですけれども、二回お答えになってましたがよくわかりませんが、例えばこれはわかりやすく具体的に考えるならば、各中学校区に市民センターがあります。そうすると、市民センターというのは大体連合町内会の規模とも似ておりますから、具体には市民センターあたりが主体となってそれが今までの、二十数項目にわたる進めるとか、設けるとか、図るということについての主体の置き場は市民センターが主となってやっていくべきものだというふうな理解でよろしいのかどうか、お尋ねをします。  以上でございます。 25: ◯財政局長(高橋亨)資産管理のための財源ということでございますけれども、先ほども申し上げましたように、これに着目した特別の財源というのはこれはないわけでございまして、現状の税財政制度を前提といたしますと将来的にもなかなか困難が多いというふうには思っております。しかしながら、新規の建設事業だけではなく、これからはやはり保全、更新費用というのも建設事業費の中で大きな割合を占めてまいりますので、普通建設事業予算を一定程度確保するということはこれは必要というふうに考えております。扶助費の増加等がございましてなかなか厳しいところではございますけれども、行財政改革の推進なども行いながら、一定の予算は確保していかなければならないというふうに考えてございます。  以上でございます。 26: ◯企画市民局長(宮本昭彦)私からは、人口フレーム及びコミュニティビジョンにつきまして、御質問にお答え申し上げます。  人口フレームでございますが、先ほど申し上げましたとおり、前回の計画策定時には一定の社会増が見込まれるということを、これは過去の実績をもとにして設定した数字でございますが、これをもとにして人口フレームをつくりましたところ、議員御指摘のとおり乖離が生じていると、こういうことでございます。当然のことでございますが、先ほど私が申し上げましたように、現状の社会減の状況、また東北全体、宮城県における人口減の現状等も踏まえた上で、実態をきちんと反映、従前もきちんとそういったことを検討したわけですが、実態を反映した形の社会減の今後の想定をしていかなければいけないと思いますし、また少子化につきましても前回の計画策定時点からは想定を超えて進行してしまいましたので、現在の合計特殊出生率の状況をきちんと踏まえた上で、将来の設定をして、今後の人口の推移に十分見合ったような形の人口フレームができるように努力してまいりたいと考えております。  二点目のコミュニティビジョンでございますが、先ほど申し上げましたように、こちらの施策の方向性という中でさまざまなものがございます。これにつきましては例えばここに記載もしております、地域で活動を担う人材の育成などという部分ということも記載しておりますが、こういったものは現在私ども企画市民局の方で、地域の人材を担う研修の実施について今検討しておりますし、また市民センターの機能拡充というふうなことにつきましては、市民センターを所管する教育局から、私ども企画市民局、各区役所等とも御相談しながら進めているところでございます。  実際、市民センター、各地域に根差したような社会教育事業も行っていただいておりますので、市民センターがコミュニティビジョンの達成について相当な役割を担っているのは事実でございますが、市民センターが主体となって行うということではございませんで、私ども市の内部でそれぞれ分担、適正に役割分担をしながら進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 27: ◯議長(赤間次彦)次に、郷湖健一君に発言を許します。     〔五十五番 郷湖健一登壇〕(拍手) 28: ◯五十五番(郷湖健一)私は、会派きぼうの郷湖健一と申します。  ただいま議長より、我が仙台市長の梅原市長が病気で十八日まで欠席する旨の報告がございました。まことに遺憾であり、残念であります。私も一日も早い病状の回復をお祈りしつつ、赤間議長にお許しをいただきましたので、次の三点について順次一般質問をさせていただきます。  まず最初に、本市の財政問題について質問をさせていただきます。  本市財政を見ると、大変厳しい状況にあります。平成十九年度一般会計決算において、歳入は前年度に比べ一・三%、五十一億九千九百万円減少して、三千八百八十二億七千三百万円となっております。歳出は前年度に比べ一%、三十九億三千四百万円減少して、三千八百四十七億八千六百万円となりました。その結果、形式収支が三十四億八千七百万円、翌年度への繰越財源を差し引いた実質収支が五億八千五百万円の黒字となり、単年度収支でも二億三百万円の黒字となりました。  しかし、その内訳を見ますと、国からの地方交付税は大幅に減少し、歳入が伸び悩む一方で、扶助費などの増大が歳出を押し上げている状況に見られます。今後、あらゆる歳出削減や事務事業の効率化に本市が一丸となって取り組んだといたしましても、仮に〇九年度以降の歳出予算が今年度と同額の四千八十億円程度にとどまったとしても、市税がふえず、地方交付税や臨時財政対策債などの国からの歳入が減少すれば、財源不足が拡大していくことになります。さらに、財政調整基金についても、今後取り崩しにより減少していくものと思われます。  当局においても、これまで事務処理の効率化などによる職員配置の見直し、学校給食センターにおける調理業務を初めとした民間委託の推進、家庭ごみ等についての受益者負担制度の導入など、さまざまな行財政改革を鋭意実行されてきたところでもございます。例えば、保育所の入所待機児童の問題など、新たな行政課題がふえている中で、歳出削減にもおのずと限界があることと存じます。当局の財政見通しは、来年度から平成二十五年度までの累積で一千二百八十二億円の財源不足が生ずることと予想され、財政健全化団体になる前に何らかの思い切った対策が必要不可欠かと存じます。今後の財政当局における収支不足解消の手だてについて、お尋ねをしたいのであります。
     次に、農政問題についてお伺いをさせていただきます。  今、日本の農業は、昨年の米価の大幅下落、最近でも景気の後退などによる野菜価格の低迷に加え、異常気象による災害や、これらに追い打ちをかけるように原油や生産資材などが高騰したことにより、経費が増大するなど、農家は一段と厳しい経営環境に陥っている状況にあります。さらに、以前から言われている農業従事者の高齢化、担い手の不足などの構造的な問題も抱えて、まさに農業、農家の置かれている状況は極めて厳しいものと言わざるを得ません。  一方、私たちの生活の最も重要な基盤である食料については、さまざまな要因が重なり、世界的な規模での需要逼迫が叫ばれております。今、世界の人口は六十五億人と言われております。また、一方では飢餓に苦しむアフリカ諸国等、飢餓人口が年間四百万人ほどふえ続け、世界の飢餓人口は八億五千万人と言われます。また、さらには中国、インド等の経済成長により、一層の食生活の向上が図られ、穀物消費が伸びることとなります。また、一方でアメリカ、ブラジル等のバイオ燃料に穀物が使われ、穀物価格を引き上げ、最も逼迫いたします。このことが穀物価格の高騰、あるいは飢餓を助長することとなります。  こうした情勢の中、我が国では例えば輸入に頼らざるを得ない小麦は、昨年以来売り渡し価格の値上げが続き、この十月にもさらに一〇%値上げされるとのことであります。また、その他の輸入農産物を原料とする加工品の相次ぐ値上げなど、市民生活、家計などに大きな影響を与えている現状にあります。このような状況の中、国においては、平成十七年三月に見直した食料・農業・農村基本計画において、国の食料自給率を平成二十七年度で四五%、将来には五〇%以上を国内生産で賄うことを目標にいたしております。平成十九年度には一%上昇し、現在四〇%に回復したものの、生産調整の強化や耕作放棄地の増大などの状況下では、自給率向上の目標達成は容易なことではないと憂慮すべきことと考えます。また、そのため本市において、平成十九年度から始まっている国の水田経営所得安定対策などを十分に活用しながら、行政が農業者や農協を積極的に支援し、食料の安定供給を図り、本市農業を先導していくことが必要かと思われます。  一方、私たちの市民生活においても、昨年の中国産冷凍ギョーザの農薬混入問題を初めとして、たび重なる食品の偽装問題、さらには今全国的な広がりを見せている事故米問題など、食品の安心・安全が揺らいでいる状況にあります。まさに国内農産物に対する期待が増大し、今後安心・安全な生活を確保する上からも、国内産農産物により自給していくべきものと考えます。  そこで、我が国の農業の現状や、世界的な食料情勢を踏まえ、自給率向上に向けた市長の御見解をお尋ねをいたしたいと思います。  次に、水田での生産性向上のための具体的な方策についてお伺いをいたします。  我が国の自給率は、四〇%という状況の中で、今生産調整により水田に麦、豆等を耕作している状況にあります。比較的降雨量の多い我が国では、水田に畑作物を栽培することは非常に困難であります。しかしながらこれらを日本の機械力、技術力により乾田化できれば、これまでにも増して生産性の向上を図ることができるのであります。今年度仙台市で生産調整されている水田は二千ヘクタール、三六%にも上り、水田の乾田化により自給率の低い小麦、大豆、トウモロコシ等つくれる状況を整備すれば、これまで以上に自給率を高めることができます。今の日本の機械化性能、技術体系のもと、国、地方、農協、農家が一丸となりこれに取り組むならば克服できると私は思うのであります。御所見をお願いをいたします。  次に、農業経営がさらに厳しさを増している要因の一つになっている肥料価格の急激な高騰に関して伺います。  麦、豆、野菜、我々の生命維持に欠かすことができない食料を生産するには、窒素、燐酸、カリが、いわゆる化学肥料が必要であります。このことは農作物を育てる上で欠くことができないのであります。さらには、有機肥料もさることながら、化学肥料も作物生産には最も大事であります。しかしながら、この化成肥料である窒素、燐酸、カリについても、今世界的な規模で争奪戦が始まっていると報道されております。先般も六月に六〇%もの値上げをされました。さらには、主産国である中国、インドでは、さらに関税率を引き上げる状況にございます。このことは、さらに穀物価格の値上がりにも関連し、世界経済もなお一層の厳しさを増すこととなります。これらの要因としては、世界的な需要の増加による国際価格が高騰していることに加え、輸出国側においても自国の資源確保のため、大幅な輸出関税をかけるなどの措置も影響しているものと言われております。  こうした肥料価格の高騰は、原油や資材の高騰とあわせて、直接農家の経営を圧迫する状況となり、国民経済にも大きな影響を及ぼすこととなります。このような中、先般県北の一部の農協においては、先取りして独自に肥料購入に対して、農家に助成措置をとるなど報道されましたが、まさに時宜を得た対応だと私は存じます。本市においては、市民に農産物の安定供給を図る上からも、農協と連携しながら生産農家への支援が必要かと存じます。御所見をお聞かせいただきたいのであります。  次に、食料自給率の向上に向けた取り組みとして、生産する側からの取り組みに加えて、消費する側の取り組みについてお伺いします。  本市においても、平成十七年度の食育基本法の制定を受けて、平成十八年度に仙台市食育推進会議条例が施行されていることは御案内のとおりであります。さらに、この条例に基づき、市においては平成十九年三月に、仙台市食育推進計画が策定され、さまざまな経験を通じて食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実施することができる人間を育てるとした食育の取り組みが、総合的かつ計画的に推進されている。特に、食育のさまざまな取り組みの中でも、小中学校において児童生徒に対して、身近でとれる農産物に関する知識をきちんと教えることなど重要かと存じます。こうした取り組みを今まで以上に強く進めていくことは、食料自給率の向上のためにも有効な取り組みであるとともに、将来的にはすばらしい効果が期待できる取り組みであると考えられますが、いかがでしょうか、お伺いをします。  また、生きていくためには、食物の生産過程や実際にその過程を体験することも大事であります。種をまき、肥料をやり、水をやり、いろいろな管理経過を経て、自分たちが食べる生命を維持する食べ物が大きく成長し、大きな実がなることを、小中学校において体験することが重要であります。休耕田あるいは学校農園などの借り受けを体験させるべきと考えますが、その取り組みについての御所見と、現在学校田、学校農園等の取り組み状況においてお尋ねしたいのであります。  また、学校給食の食材について、全体の何%の地元食材が利用されているか。また、今後地元産の食材を何%まで引き上げていく目標値などがあれば、お示しいただきたいのであります。  以上申し上げましたが、食育は幼少のときから、特に小中学校の中で食物を大事にし、その過程を学びとり、食べ物に感謝し、いただくことが大事な食の教育でありますが、当局の御所見をお聞かせください。  最後に、学校統廃合についてお伺いいたします。  仙台市教育局は、市立の小中学校において一定規模を確保することにより、児童生徒の教育環境の整備、向上を図るため、小中学校の一定規模確保に向けた方針を策定いたしました。これは平成十七年二月に設置した仙台市立小中学校適正規模等検討委員会において、種々の検討を重ね、平成十九年五月に提出された最終報告の内容を踏まえ、改めて各学校、地域の実態や他都市の実践例等について調査、分析を行いながら、教育委員会としての方針を固めたものとのことです。  方針では、小学校八校、中学校六校が、統合により一定規模の確保を目指す学校とされ、中でも今回優先的に取り組む学校として位置づけられた貝森小、松陵小、野村小については、地元町内会、保護者会、育成会等に、あらかじめある程度説明もされたと聞いております。統合の対象となっている十四校の中には、要望書や署名などを提出されているところもございます。そこには地域のコミュニティーの拠点としての役割について、またコミュニティーを壊さないでくださいという意見などが多く述べられていると思いますが、各学区からの統合やむなし、あるいは反対の要望は、それぞれいかほどになるのかをお示しいただきたいと思います。  また、各校それぞれ置かれている環境が異なりますが、多くの反対を押し切ってやるべきことでは、私はないと存じます。当局はあくまで地域の方々の合意形成ができるまで話し合い、合意がなされた上で統合を図ると言っておられますが、地域社会の話し合い、そのような心配をお持ちの地域の方々の思いや考えをしっかりと受けとめ、慎重に統廃合を進めていくべきと考えます。御所見をお伺いをいたし、以上をもって私の一般質問とさせていただきます。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 29: ◯副市長(笠原周二)ただいまの郷湖健一議員の御質問にお答えを申し上げます。  農業施策に関する質問のうち、食料自給率の向上についてお答えを申し上げます。  食料自給率の向上は、食料の輸入依存度の高い我が国にとって、食料安保の観点からも最も重要な課題の一つと認識をしております。また、世界的な食料需給の逼迫に加え、食の安全の問題などを契機として、今後国民一人一人がみずからの問題として食を見直し、日本の食料自給率について真剣に考えなければならないと認識をしております。一方、我が国の農業を取り巻く現状は、担い手の不足などさまざまな課題を抱えているところではございますが、農業が持続的に営まれていくためには、農業者の収入が安定的に確保されることが肝要であると考えているところでございます。  こうしたことから、仙台市といたしましては、農協など農業団体と連携を図りながら、国が進める水田経営所得安定対策などの農政改革を推進するとともに、昨今注目されております飼料米や加工米などの自給率向上につながる新たな作物の導入普及に取り組んでまいりたいと存じております。今後とも意欲ある農業者への積極的な支援を図りながら、収益性の高い水田農業の確立に向けた取り組みを進め、食料自給率の向上を図ってまいりたいと存じます。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から答弁いたします。  以上でございます。 30: ◯財政局長(高橋亨)私からは、財政問題についての御質問にお答え申し上げます。  仙台市の財政、歳入の伸び悩みや義務的経費の増大などによりまして厳しい運営を強いられておりますことは、御指摘のとおりでございます。また、先日公表いたしました今後の財政見通しにおきましても、当分の間は法人市民税を初めとした市税収入の伸び悩み、地方交付税の減少傾向が継続いたしますし、一方、高齢化の進展などに伴う社会福祉関係経費の大幅な増加が予測されます。これまで同様の行政運営を続ければ、収支不足が拡大するという見込みでございます。  対策といたしましては、やはり事業の運営経費の削減、事務事業全般の見直し、検証を徹底いたしまして、効率的な行財政の推進に努め、そして収支の均衡を図っていくことがまず肝要と考えております。また、地方財政制度の構造的な課題もございますので、地方の実情を踏まえた適切な税財源措置がなされるよう、今後とも国に働きかけてまいりたいと存じます。  以上でございます。 31: ◯経済局長(藤本章)農業施策についての御質問のうち、二点お答えいたします。  まず、水田の生産性向上についてでございます。  本市におきましては、これまで生産性の高い水田農業の確立を目指し、稲作と麦、大豆等の転作作物の組み合わせによる生産振興を図ってきたところでございます。特に、水田での転作作物の生産に当たりましては、御質問にもございましたように、乾田化に向けたいわゆる湿害対策が重要でございます。栽培技術の高度化などの普及啓発や、用水路ごとのブロックローテーションによる集団転作を進めるとともに、共同利用機械の整備などへの支援を行いながら、生産性の向上に努めてきたところでございます。  こうした対応につきましては、一定の成果はございましたものの、さらに改善すべき点もございますことから、今後とも国、県等の補助事業も活用し、農業者や農協とも連携しながら、高畝栽培の徹底や排水対策などの湿害に強い生産環境の整備を図り、より効果的な対策を講じてまいりたいと存じます。  次に、肥料価格や資材の高騰に伴う農家への支援についてでございます。  これまで農協と連携し、過剰な施肥とならないよう土壌分析の無料診断を、農業者の方々に対して働きかけてきているところでございます。今後は、これらの診断結果等を踏まえ、化学肥料の適正な施肥技術の誘導を行いまして、コストの削減につながるよう農家を支援することといたしております。  一方、国におきましては、総合経済対策の中で、農業用燃料油、肥料などの高騰に対する補てん策を実施する方向で検討がなされておりますとともに、全国農業協同組合連合会、いわゆる全農におきましても施肥コスト抑制や、物流コスト低減などの対策を検討していると伺っております。  本市といたしましては、これらの動向を見ながら、より効果的な支援策につきまして、時期を失することのないよう検討してまいりたいと考えております。  以上でございます。 32: ◯教育長(荒井崇)私からは、教育に関する数点のお尋ねにお答え申し上げます。  初めに、身近でとれる農産物に関する小中学校における取り組みについてでございますが、現在、各小中学校におきましては、社会科や総合的な学習の時間の中で、身近な地域ではどのような農産物が栽培されているのか、また、自分たちが食べている食べ物のうち、どれくらいが地元でとれたものなのかといった調べ学習を行っております。こうした学習は、子供たちが我が国の食料の供給状況とその課題を学ぶとともに、今後自分たちがどのような取り組みをすべきか、これを考えるきっかけになる大切な学習であると認識してございます。今後とも地域との連携を図りながら、その充実に努めてまいりたいと考えてございます。  続きまして、小中学校における食べ物の生産体験に関するお尋ねでございます。  現在、小学校で四十三校、中学校で五校、合計四十八校が、学校の近くの農地を借用いたしまして野菜や米の栽培を行ってございまして、また、これ以外にも校内に畑を設けるなどして、栽培体験を行っております。御指摘のとおり、実際に栽培を体験することは、作物を育てる苦労、また収穫する喜び、食べ物のありがたみなどを実感できる貴重な経験でございますので、今後ともその充実に努めてまいりたいと考えてございます。  続きまして、学校給食における地元産食材の利用についてでございますが、本年六月に実施した調査によりますと、学校給食での県内産の使用割合は、食材数のベースで三一・三%でした。地場産品の使用目標値の設定につきましては、これらの作付面積、天候、これによりまして市場価格が大きく変動する面がございまして、数値目標を掲げることは難しいと考えてございますが、使用実績は着実に増加しているところでございます。今後とも、給食といたしまして、必要な栄養素、栄養量や、また献立のバリエーションを確保しつつ、地場産品の使用割合を可能な範囲で拡大してまいりたいと考えてございます。  続きまして、小中学校における食育のあり方についてでございます。  近年、食料自給率や食の安全に関する問題が指摘され、また、現代人の食生活や栄養バランスの乱れなどが取りざたされる中、子供のころから食に関する正しい知識と習慣を身につけることの重要性は、これまで以上に高まってきているものと認識してございます。こうしたことから、食の大切さを学び、自然の恵みや生産、収穫に感謝する心をはぐくみながら、健全な心身を培い、生きる力を身につけるよう、さらに食育の充実に努めてまいりたいと考えてございます。  続きまして、学校統廃合に関する要望に関してのお尋ねにお答えをいたします。  仙台市立小中学校適正規模等検討委員会における検討時も含めまして、これまで十校に関連する地域の皆様、また同窓会の方々から、延べ十四回にわたりまして要望書や署名簿をいただいております。いずれも学校の存続を求める、あるいは統合に反対するという趣旨のものでございます。  最後に、学校統合の進め方についてのお尋ねでございます。  御指摘のとおり、地域コミュニティーにおきまして学校は大きな役割を果たしてございます。また、地域の方々から学校運営に対し、さまざまな形で御支援をいただいてございます。学校の役割としましては、子供たちが基本的な知識、技能を習得するといったことに加えまして、さまざまな意見、考えを持った多くの仲間とのかかわりを通じまして、徐々に多様な人間から構成されてございます実社会への適応能力を高めるといったような役割を担っておろうかと思います。この役割を十分に果たしていくためには、学校としての一定の規模が必要であろうかと認識しているところでございます。  地域コミュニティーにおける学校の役割に関しまして、地域の皆様からは今後話し合いを進める中で、さまざまな御意見、御要望をいただくことになろうかと思います。それらを真摯に伺いながら、地域の皆様とともによりよい解決を考えながら、慎重に対応してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 33: ◯議長(赤間次彦)この際、暫時休憩いたします。     午後三時十七分休憩          ────────○────────     午後三時三十五分開議 34: ◯議長(赤間次彦)休憩前に引き続き会議を開きます。  副議長と交代いたします。     〔議長 赤間次彦退席、副議長 佐藤嘉郎議長席に着く〕 35: ◯副議長(佐藤嘉郎)議長と交代いたします。  次に、小野寺利裕君に発言を許します。     〔八番 小野寺利裕登壇〕(拍手) 36: ◯八番(小野寺利裕)公明党仙台市議団の小野寺利裕です。一般質問をさせていただきます。  地球環境問題は、文明社会に生きている私たちにとって最重要課題であります。近年の科学技術の飛躍的な進歩は、高度経済成長に支えられ、大量生産方式のもと私たちは電化製品、自動車、衣類、食事など、あふれるばかりの大量消費型の生活をすることが豊かさであると考えてきました。二十四時間いつでも開いているコンビニエンスストアや、至るところにある自動販売機などは、その象徴的なものの一つかもしれません。一度享受したこのような生活様式は、経済が停滞するようになっても大きく変わることはありません。しかし、この結果、大気や土壌汚染、家庭のごみ処理問題、生活排水による水質汚濁、自動車の排気ガスなどによる大気汚染、また二酸化炭素など温室効果ガスの増加による地球温暖化現象、フロンガスなどによるオゾン層の破壊、砂漠化や酸性雨など、地球的規模の環境問題は、人類を含む生態系への重大な危機をはらんでいます。今こそ私たちは、人間と地球環境とのかかわりを総合的に理解し、地球環境に配慮した生活様式を確立しなければなりません。  本年七月七日から、三日間にわたって行われたG8洞爺湖サミットは、議長を務めた福田首相がリーダーシップを発揮し、採択されたG8首脳宣言では、二〇五〇年までに二酸化炭素等の排出量を世界全体の五〇%まで削減を達成する目標を、気候変動枠組条約の締結国と共有し、採択することを求めると明記されました。また、二〇二〇年から二〇三〇年の中期目標に関しても、アメリカを含むG8各国が、国別総量目標を設けることを初めて示すなど、大きな成果を上げたと言われています。G8洞爺湖サミットに連動した七夕ライトダウンには、全国で七万六千の施設が参加し、二時間で百二十二万キロワットの消費電力が削減され、四百七十五トンのCO2の削減効果がありました。  今回のG8洞爺湖サミットは、環境サミットと言われるくらい、環境に力を入れております。公明党からも環境大臣が誕生しておりますが、初めにG8環境サミットを踏まえ、環境先進都市を目指す梅原市長の御所見を伺います。  次に、本市の取り組みについて伺います。  本市では、市民、事業者の取り組みを先導することを目的に、平成十年に仙台市環境率先行動計画を策定し、平成十七年までに市役所みずから環境負荷を低減し、グリーン購入や新エネルギー活用などに取り組んできました。この間、平成十一年には政令指定都市として初めてISO14001の認証を取得し、国際規格に沿った環境マネジメントシステムの運用、さらに市の業務に伴う二酸化炭素排出量を、平成十六年度には平成十一年度に比較して九%、一万六千トンを削減しました。また、せんだいエコ・チャレンジ及びみちのく環境管理規格の推進などにより、市民、事業者の環境配慮行動も促進されました。この平成十年から平成十七年にかけて取り組んだ仙台市環境率先行動については、当局ではどのように総括されているか、お伺いいたします。  また、平成十八年に新たに策定された新・仙台市環境行動計画は、平成十七年までに取り組んできた仙台市環境率先行動計画をより進化させたものと思いますが、二つの行動計画の違いについて伺います。あわせて、本市として新・仙台市環境行動計画を今後どのように推進していくのか、御所見を伺います。  愛知県の安城市では、環境に配慮した一課一施策という取り組みを行っております。その内容として、市役所の四十七課すべてに環境の視点を取り入れた事業を実施しています。例えば、財政課では職員がゆっくりスタート、早目のアクセルオフ、アイドリングストップなど、十のエコドライブ宣言をし、公用車のガソリンの使用量を記録し、燃費の減少を確認しています。また、契約検査課では、工事完了時に請負者が提出する書類のうち、工事写真などを電子データにより提出させることによって、約二万八千八百枚の写真を削減するなどの取り組みをしております。注目すべきは、必要な予算は不要な事業を取りやめて確保することを原則とし、予算の膨張に歯どめをかけているとしているところでございます。このような事例も参考にしながら、本市においても二〇〇九年度予算編成の考え方として、環境の側面から各種予算の枠組みを考えることも必要ではないかと思いますが、当局の御所見を伺います。  次に、学校における環境教育についてお伺いいたします。  文部科学省では、平成七年に環境教育資料の中で、環境や環境問題に関心、知識を持ち、人間活動と環境とのかかわりについての総合的な理解と認識に立って、環境保全に配慮し、望ましい働きかけのできる技能や思考力、判断力を身につけ、よりよい環境の創造活動に主体的に参加し、環境への責任ある行動がとれる態度を育成すると、環境教育の重要性に触れております。  本市でも次のような取り組みを行ってきております。  一つは、平成九年から平成十四年にかけてクリーン・グリーン仙台九万人のトライが実施されておりますが、これは市内の小中学生九万人が夏休み期間中、昆虫探しや身近な自然や環境を知り、環境を守るための取り組みを行うものであります。  二つ目は、平成十一年から五カ年にわたって開催された事業として、環境保全の意識向上を目的とした子ども環境実践フォーラムがあります。  三つ目に、平成十四年から平成十六年にかけて行われた杜の都エコ・スクール事業、これは児童生徒が環境保全に主体的に取り組むことをねらいとした事業であります。  四つ目に、平成十七年度に開催された地球環境親子タウンミーティングイン仙台事業があります。これは児童生徒が人間として環境のかかわりについて理解し、環境への関心を高めるよう推進してきた事業であります。  これまでこのようにさまざまな取り組みが行われてきましたが、どのような成果があったのか伺います。また、平成十八年から実施されている省エネ還元事業は、光熱水費を前年度同月比較で節減した学校に対して、一部を学校に還元する事業ですが、成果を上げた学校数と、幾ら節約することができたのか、お示しください。  ドイツでは、学校入学時に子供たちに対してリサイクルされた鉛筆やノート等の学用品を支給し、自然な形で子供のころから環境に対する啓発を行っていると聞きました。杜の都仙台の未来を担っていく子供たちに対する環境教育は、将来を見据えた大事な視点であると思っております。今後の環境教育に対するさらなる取り組みを期待するものでありますが、御当局の御所見をお伺いいたします。  次に、防災対策についてお伺いいたします。  一つは高齢者の防災対策。二つ目、自主防災組織の取り組み。三つ目、津波対策の順にお伺いいたします。  まず初めに、高齢者の防災対策についてであります。  高齢化がますます進んでいく中で、高齢者の安心・安全をいかに確保するか、またいかに被害を最小限に食いとめていくのか、私の住んでいる地域でもこの高齢者の防災対策は大きな課題になっております。特に、ひとり暮らしの高齢者への防災対策は不可欠であります。そこで、緊急通報システムについてさらなる推進の点から伺います。  この緊急通報システムは、ガスセンサーや熱、煙に反応する火災センサーがついており、ひとり暮らしの高齢者にとって災害時には大変有効なシステムであると思います。本市では、現在六十五歳以上のひとり暮らしの高齢者は、約一万八千九百人おり、このうち緊急通報システムを利用している高齢者は二割弱と非常に少ないのが現状であります。今後、当局はこの緊急通報システムの普及、推進について、どのように取り組んでいくのか、御所見をお伺いいたします。  次に、高齢者世帯に対する家具転倒防止策についてであります。  これは自力避難が困難な高齢者に対し、当局が家具類の固定をする施策であり、人災を最小限に食いとめる点から大変重要なものでございます。現在、対象世帯が七千六百四十五世帯あり、実施世帯は二千二百三十一世帯と聞いております。さらに推進すべきと考えますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。  二点目に、自主防災組織の取り組みについてであります。  当然のことながら、本市全体としての防災対策は最重要でありますが、地域によって高齢者の多い地域、道路の狭い地域、マンションの多い地域、戸建ての多い地域、海岸に近い地域、これら地域によってさまざまな状況の違いがあることから、きめ細かな防災体制を確立する上で、自主防災組織の取り組みも非常に重要であると認識しております。大規模災害時に行政の救助がすぐに来ることは考えられず、まずは避難等は地域で対応しなければならず、自主防災組織の役割は大きいものがあります。  そこで、初めにこの自主防災組織の果たす役割について、当局はどのような認識を持っているのか、御所見をお伺いいたします。  次に、町内会単位で組織される自主防災組織の組織率は、現在どの程度になっているのか伺います。自主防災組織の取り組みについては、地域でもかなりの温度差があると認識しております。防災マップを作成し、町内会独自で定期的に避難訓練や消火訓練を実施している地域もあれば、ほとんどできない地域もあります。自主防災組織の防災訓練の取り組みについて、どの程度掌握しているのか。また、今後地域の温度差を解消するためには、どのように指導、啓発していくのか。また、積極的な取り組みをしている自主防災組織を顕彰するなど、励みになると考えますが、あわせて御所見をお伺いいたします。  三点目に、津波対策についてであります。  本市では、近い将来発生が予想される宮城県沖地震の津波対策として、民間企業ビルを一時避難場所とする津波避難ビルの協定を本年五月に結びました。一貫してこの津波避難ビルの実現を求めてきた我が会派としても評価いたすところでありますが、地域の皆さんも大変喜んでおります。今回の避難対象となったのは、蒲生地域千七世帯の住民であり、協定を結んだ三社の建物で三百四十人を一時的に収容することができます。住民説明会の当日、私も地域の皆さんとともに避難ビルを視察しました。しかし、健常者の私でも、階段が狭く急で、四階の屋上まで上るのに時間がかかり大変でした。ましてや災害時に、高齢者や障害者が階段を上るのはもっと大変だと実感いたしましたが、企業から協力していただいた施設を最大限に生かしていくためにも、本市が助成をして手すり等の設置を要望するものですが、御所見をお伺いいたします。  また、蒲生地域には企業等の建物があるので、今後も津波避難ビルの普及、啓発に取り組んでいくことができますが、同じように津波被害が予想される荒浜地域にはそのような建物がほとんどありません。荒浜地域について、津波発生時にどのような避難体制を考えているのか、当局にお伺いいたします。  以上で私の一般質問とさせていただきます。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 37: ◯副市長(笠原周二)ただいまの小野寺利裕議員の御質問にお答えを申し上げます。  環境先進都市づくりに関する御質問にお答えをいたします。  さきの洞爺湖サミットでは、CO2削減につきまして世界全体での長期目標が共有されたところでございます。今後はこの目標に沿った制度の方針や取り組みとも連動しながら、低炭素社会を構築していくことがこれからの大きな政策課題の一つであると認識をしております。このような課題に対応していくためには、低炭素型の都市システムへの転換やライフスタイル、ビジネススタイルの変革等について、市民、事業者とともに取り組んでいくことが必要であります。そうした観点に立ちまして、環境先進都市にふさわしい取り組みを進め、杜の都のすぐれた環境を継承、発展させていきたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から答弁いたします。
     以上でございます。 38: ◯財政局長(高橋亨)私からは、環境に配慮した予算のあり方についての御質問にお答え申し上げます。  仙台市におきましては、新環境行動計画におけます環境負荷低減を進めるためのさまざまな取り組みと、そしてその目標管理、あるいは事業のあり方、進め方の見直しなどを通じまして、環境に配慮した活動を推進しているところでございます。環境への配慮は、多くの場合、経費の節減につながるものでもございます。財政的効果も期待できるというふうに考えております。現在の財政状況、厳しい折でもございますので、こうした視点も十分念頭に置きまして、予算の調整、執行に当たってまいりたいと存じます。  以上でございます。 39: ◯健康福祉局長(上田昌孝)私からは、緊急通報システムについての御質問にお答えを申し上げます。  このシステムは、日常生活上注意が必要なひとり暮らし高齢者の方などを対象として、平成六年度から開始した制度でございます。当初は事前に登録した協力員の方が、緊急時に駆けつける協力員方式のみでございましたが、協力員の確保が困難であるといった声もあり、平成十五年度からは民間の警備会社を活用した方式も選択できる制度といたしております。これまでも区役所の高齢者総合相談窓口や、地域包括支援センター、ケアマネジャー等、高齢者の支援に当たる関係者を通して、緊急通報システムの普及に努めてきているところでございますが、今後につきましてもさまざまな機会をとらえて、広報し、普及に努めてまいりたいと存じます。  以上でございます。 40: ◯環境局長(山内晃)地球環境問題についての二点の御質問にお答えいたします。  まず、平成十年から十七年にかけての環境率先行動の取り組みの総括についてでございます。  平成十年に策定した環境率先行動計画及び翌年認証を取得したISO14001の運用により、全職員に計画、実行、点検、改善という基本的手順と、環境配慮行動の重要性に対する意識の浸透が図られたことが大きな成果であったと考えております。また、環境負荷の低減につきましても、廃棄物排出量、リサイクル率、燃料使用量、水道使用量など、ほとんどの項目で目標を達成したことにより、一人一人の職員の行動が大きな実績を生み出すことがわかりまして、次の新環境行動計画実施への土台となったものでございます。  次に、エコプランと新環境行動計画の取り組みの違いについてでございます。  エコプランは本市独自のシステムとして、全庁的に取り組んでいたものでございますが、新環境行動計画はこのエコプランにISOの実績把握や法令遵守の考え方などを導入し、質の高い環境マネジメントシステムに発展させたものでございます。  最後に、今後の新環境行動計画の推進についてでございます。  市役所みずからの率先的な環境負荷の低減に向け、継続的に取り組んでいくことは、市民や事業者の取り組みの促進のためにも重要なことでございますので、効率性にも留意しながら、引き続き計画を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 41: ◯消防局長(藤橋孝彰)防災対策に関します数点の御質問にお答え申し上げます。  初めに、高齢者世帯に対する家具の転倒防止対策についてでございます。  近年発生した大規模地震における負傷者のうち、三割から五割は家具類の転倒、落下によるものでございまして、特に自力避難が困難な高齢者の方々の安全を確保する上で、転倒防止対策は重要な施策であると考えております。こうしたことから仙台市では、これらの方々を対象に、平成十四年度から転倒防止器具の取りつけを実施してまいったところでございます。今後につきましても、対策が未実施の世帯や、新たに対象となった世帯を中心に取り組みを強化いたしまして、そのほかさまざまな機会をとらえ、この制度自体の普及啓発に努め、取り組みを一層推進してまいりたいと考えております。  次に、自主防災組織の果たす役割についてでございます。  自主防災組織は、地縁組織を活用した我が国特有の防災組織でありまして、大規模災害発生時における地域の消火、救助活動にとどまらず、その活動も災害予防から安否確認、避難所への誘導など、地域に密着した組織として、その役割は非常に大きなものがございます。特に、議員御指摘のように、大規模かつ広域的な災害が発生した場合には、公助だけではすべての被害に対応することは不可能でありますことから、公助の手が届くまでの間、地域における被害をできるだけ少なくするための共助の中心的な役割を担う組織であると認識してございます。  また、仙台市における自主防災組織の結成率につきましては、さきの宮城県沖地震を契機に、町内会単位に自主防災組織の結成を促進してまいりまして、全国平均の七〇%に対して、本年八月末現在で九三・五%の結成率となっているところでございます。  次に、自主防災組織の防災訓練と地域間の温度差解消についてでございます。  防災訓練の取り組み状況につきましては、訓練の実施報告は義務づけされておりませんが、消防署におきまして町内会等から報告を受けた訓練の内容や件数等を把握しているところでございます。自主防災組織の取り組みにつきましては、議員御指摘のとおり、地域の実情や組織の成熟度等により、地域によって温度差がございます。これまでもホームページなどで活発な地域の活動事例を紹介するなどしてまいりましたが、今年度からは地域住民の関心を呼べるよう、住民の方々を巻き込んだ災害図上訓練DIGなどのロールプレイング型訓練を導入していくこととしております。こうした取り組みや地域特性に応じた訓練指導などにより、地域間の温度差解消に努めてまいりたいと考えております。  また、御提案の自主防災組織に対する顕彰につきましては、積極的な取り組みへの効果的なインセンティブにもなり得るものと考えますので、他都市の事例等も参考としながら、検討してまいりたいと考えております。  次は、津波対策についてでございます。  議員御提案の津波避難ビルへの手すり設置の助成につきましては、民間の施設、財産であることや、相手方の意向など、さまざまな課題がありますことから、他都市の例なども参考としながら、関係部局と研究してまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、万一の場合には当該施設が避難施設としての役割も果たすことができるよう、今後事業所が行う改修などの際に、協力をお願いするなどの対応を図ってまいりたいと考えております。  最後に、荒浜地域の津波避難体制についてでございます。  津波からの避難につきましては、いずれの地域におきましても早急に津波警戒区域外に避難することを基本としておりまして、御指摘の荒浜地域につきましても区域外に避難していただくことを第一としているところでございます。しかしながら、区域外に避難できない方も想定されますことから、そうした方々につきましては、荒浜小学校には津波避難ビルとしての機能を有してございますので、この荒浜小学校に一時的に避難していただきたいと考えております。  こうした避難体制につきまして、津波避難訓練を初めさまざまな機会をとらえ、荒浜地域の住民の方々に周知徹底を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 42: ◯教育長(荒井崇)私からは、環境教育についてのお尋ねにお答え申し上げます。  初めに、今までの取り組みの成果についてでございますが、教育委員会では御指摘のように、身近な環境問題から地球環境保全まで、児童生徒の理解を深め、環境への責任ある行動に取り組めるよう、さまざまな教育活動を展開してきたところでございます。その結果といたしまして、節水、節電、校内でのごみの分別や環境美化に児童生徒が自然に取り組むようになりまして、実際に水道や電気の使用量などの削減が図られていることは、大きな成果であろうかと考えてございます。こうした取り組みは日常化されまして、既に各学校のよき習慣の一つとなってございます。さらに、清掃回収した枯れ葉から腐葉土をつくる活動ですとか、河川などの水質浄化活動など、より深い環境学習に発展させている事例も出てきてございます。これらの取り組みを通しまして、児童生徒がグローバルな視点から日常生活を考えることができるというのも、教育的効果が高いものと考えてございます。  続きまして、省エネ還元事業に関するお尋ねでございますが、平成十九年度はモデル校三十六校のうち、三十一校で光熱水費を削減してございまして、その削減額は二千六百三十八万四千円となってございます。  最後に、学校における環境教育の今後の取り組みにつきましてのお尋ねにお答え申し上げます。  今後は、節水やごみの分別など日常的な環境配慮行動を一層定着させるとともに、これに加えまして、先進的な取り組みとして実践が始まった水質浄化活動のような、地域の身近な環境に関する課題をみずから発見しまして、創意工夫をしながら児童生徒が問題解決を図るといいましたような、創造的な取り組みを広げてまいりたいと考えてございます。そのような活動を通しまして、児童生徒が将来にわたり環境の保全やよりよい環境の創造のために、主体的に行動する実践的な態度を育成してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 43: ◯副議長(佐藤嘉郎)次に、高見のり子君に発言を許します。     〔十二番 高見のり子登壇〕(拍手) 44: ◯十二番(高見のり子)日本共産党の高見のり子です。  仙台市は、八月二十九日に開催された教育委員会で、仙台市立小中学校の一定規模確保に向けた基本方針及び実施方針を決定しました。この基本方針の中で、教育委員会は、学級数を小学校十二学級以上、中学校九学級以上を学校としての必要な一定規模としました。市教委は、この一定規模確保の必要性を、小規模な学校では規模に起因する課題があり、生きる力をはぐくんでいくという役割を十分に果たすことが難しいからとしています。しかし、この規模に起因する課題の設定自体が、一面的なとらえ方と言えます。科学的根拠も示さずに、小規模校を好ましくない環境と決めつけ、学校統廃合を正当化しています。  日本の学校規模の実態は、全国的に見れば十一学級以下の学校の割合が、小学校では四九・八%、約半分もあります。また、国連のWHO世界保健機関では、子供の心身の健康に責任を負う立場から、世界の調査研究を集約し、学校は百人以下が望ましいと指摘しています。それを裏づけるように、諸外国の学校規模の実態は、平均で初等学校で百から二百人程度が一般的です。これに対し、アメリカは四百六十一人、日本は三百二十二人は飛び抜けて多い方です。仙台市の小学校の平均は、分校を入れても四百三十八人と、全国平均より多くなっています。  フィンランドは国際学力調査で過去三回、九年間トップレベルを維持して注目されました。その学校規模は、初等百一人、中等各百から二百人程度以下、教員一人に対する子供の数は、初等が十五・八人で、中等が十・六人です。小規模学校、学級での協同学習が特徴です。  学校全体の児童生徒、教職員の総数や、学級の定数は大きく教育環境にかかわるものです。それらを全く検討、議論せずに、単に学級数のみで学校の一定規模を定め、それを上回りさえすれば学校の課題が解決するような議論は、余りにも乱暴なものと言えます。  今回、市教委が学校長に行ったアンケートにも、小規模校のよさとして、教師が全校生徒とかかわりを持ちやすい、学校全体が教職員、児童、保護者を含め、一丸となりやすい、児童一人一人に合わせたきめ細かな指導ができるなどが上げられています。どんな条件であっても、子供たちに最善の教育が保障されるべきであり、教員の加配や学校間の交流などで、小規模校ゆえの悩みを解決させることは十分に可能です。  また、七月の教育委員会では、方針案が市民に非公開で審議され、一カ月後の八月の教育委員会で決定してしまいました。方針はわずか一カ月というスピードで決定され、方針案に対する市民の意見聴取も、市民的議論の保障もしていませんでした。市民の合意も納得もなく、拙速に教育委員会が決めたものです。本来、教育委員会は、子供最優先の立場で、幅広く市民に情報提供を行うとともに、地域住民の教育行政に対する意見に耳を傾けるべきです。そのために教育委員会の公開、傍聴を推進することはもちろん、必要な説明会や公聴会を開くべきです。  今回、教育委員会が決定したこの一定規模の基準は、将来にわたって学校の教育環境を拘束し、仙台の子供たちに多大な影響を与えます。科学的な根拠も明らかにせず、検証もしないまま、市民不在で決定した一定規模基準は認められません。撤回すべきです。教育委員会を代表する教育委員長に伺いたいと、議会への出席を要請いたしましたが、都合がつかず出席できないとの御返事をいただきました。一般行政と独立した教育委員会の代表としての答弁をいただきたかったのですが、残念です。かわって教育長に伺います。  国は、骨太方針二〇〇六で、二〇一〇年まで一万人の教員削減を閣議決定しました。学校統廃合は、この教育リストラが背景になっています。二〇〇七年六月、財務省の財政制度等審議会は、二〇〇八年度予算編成建議に学校規模の最適化を掲げ、児童生徒一人当たりのランニングコストも約三割効率化、縮減できたとし、政府、省庁総ぐるみの学校統廃合を推進しています。さらに、ことし六月に閣議決定された骨太方針二〇〇八には、教育的観点からの学校適正配置を盛り込み、文部科学省の要請を受けた中央教育審議会専門部会は、統廃合の基準づくりに着手しています。  学校統廃合の歴史的背景は、昭和の町村合併、行政改革、構造改革、平成の市町村合併など各時期で異なりますが、学校統廃合の真の目的は、財政合理化、経費削減です。地方交付税の算定基礎となる基準財政需要額は、学校数や教職員数、学級数、児童生徒などを基本に、地域や施設の事情を考慮し、補正し、例えば教職員ならその平均給与を掛けて機械的に算定されます。学校統廃合すれば、学校数、教職員数、学級数が減少します。それによって市町村の教育費を減らされ、その分都道府県や国の負担経費が削減されます。国と都道府県は教職員給与を負担し、さらに国は都道府県負担分を地方交付税により交付しているからです。  学校統廃合は、市町村、地域のために県や国が負担している多額の教育費をみずから返上する自損行為であり、一番損をするのは市町村、一番得をするのは国、財務省です。結局、子供のためでなく、国は教育費や地方交付税削減のために学校統廃合を進めています。市はそのための基準づくりはやめるよう、国に対して意見を述べるべきです。財政的に教育環境を整備する責任がある市長に伺います。  私たち日本共産党市議団は、学校統廃合だからとにかく反対という立場ではありません。学校統廃合計画の是非については、次の三つの基準があると考えます。第一に、子供の教育にとってどうなのか。第二に、学校は単に子供の教育にとどまらず、その地域にとって独自の役割があり、その点から見てどうなのか。第三に、学校の統廃合は、地域の子育て、地域の存続に深くかかわることだけに、行政が一方的に進めるべきではなく、徹底した住民合意が欠かせないということです。そうした点から、優先的に話し合いを行う対象として位置づけられた三つの学校の統廃合問題も検討すべきです。既に、貝森小や野村小については、地域の広範囲な方たちから統廃合反対という声が出ています。この声を無視して、統廃合を進めるべきではありません。  また、一九七三年に文部省から出された通達には、公立小中学校の統合についての重要な教訓や原則が含まれています。例えば、学校規模を重視する余り、無理な学校統合を行い、地域住民との間に紛争を生じたり、通学上著しい困難を招いたりすることは避けなければならない。また、小規模校には教職員と児童生徒との人間的触れ合いや個別指導の面で、小規模校としての教育上の利点も考えられるので、総合的に判断した場合、なお小規模校として存置し、充実する方が好ましい場合もある。さらに、学校統合を計画する場合には、学校の持つ地域的意義等をも考えて、十分に地域住民の理解と協力を得て行うよう努めることとも述べています。  この通達は、子供たちに豊かな教育を保障する上で、今も生きている内容です。この通達の理念を尊重すべきであり、学校統廃合の基準を主に学級数だけで判断することはやめるべきです。いかがでしょうか、伺います。  経済協力開発機構で、九月九日に発表した日本の教育への公的支出は、国内総生産GDP比三・四%で、二十八カ国中最下位でした。日本はもっと教育にお金をかけるべきです。仙台はもちろん、今全国で教育条件の充実を求められているのは、子供たち一人一人の豊かな教育の保障です。そのために学級の定数を現在の四十人から三十人に減らすことです。三十人学級の一日も早い実現が求められています。国に求めるとともに、市独自でも実現することを重ねて求めます。いかがお考えでしょうか。  また、小中学校の一定規模確保に向けた基本方針では、一定規模といいながら、大規模、マンモス校の問題には触れませんでした。過大規模校は国の基準では三十学級以上とされていますが、それは余りにも大き過ぎます。教育を受ける権利を保障するためには、学校施設が子供のために見合っているかどうかが大切な視点になります。  仙台市の小中学校で、プレハブ教室での学習を余儀なくされている子供がいる学校は十五校あります。うち解消予定が立てられているのが七校、児童の推移を見て判断するとして、解消予定のない学校が七郷小学校など八校となっています。その八校は、施設改善もしくは何らかの対策が求められています。推移を見ているだけでは、教育環境の改善がおくれてしまいます。学校の分離、新設などは、保護者や地域住民との合意づくりなど、時間をかけての丁寧な話し合いが求められます。学校ごとの課題を整理し、学校、保護者、地域住民がそれを共有し、解決に向けて話し合う場をつくるなど、それぞれの学校ごとに対策の検討を具体的に行うべきです。いかがでしょうか、伺います。  仙台市では、四十学級になっていた広瀬小学校が大規模校とされ、来年度愛子に小学校が新設されます。しかし、新設される愛子小の一年生は、既に六学級と言われています。開校と同時に、児童数増でプレハブ設置が心配されています。広瀬小は三分割、二校の学校増設を検討すべきだったのではないでしょうか。お考えを伺います。  新田小学校は、新田東地区の開発で児童数が急増し、さまざまな問題が生じています。二〇〇四年三月には仙石線小鶴新田駅が開業、人口が急激に増加し、児童数がふえました。二〇〇六年にプレハブ校舎を六学級分増築し対応してきたものの、さらに教室が足りなくなって、ことしの秋にはもう一棟、六学級分新築予定です。狭い校庭がさらに狭くなって、運動会の開催もできなくなりかねない状況です。ことしはプレハブの二棟目が建つ前に、前倒しで学区民運動会が開かれました。来年はどうなるかわからないと、地域の方は心配されていました。児童数に対応して、教職員の数もふえました。そのため職員室が狭くなり、隣の図書室の一部まで広げ、図書室が狭くなったため、一学級全員で図書室での読書ができなくなりました。本は廊下にまではみ出しています。また、更衣室もないため、三年生以上の女子はトイレにひしめいて着がえをしている状況です。子供たちの教育環境を劣悪にし、負担を強いていると言えます。  今後六年間の推計学級数を見ると、二〇〇九年度の学級増に備えて二棟目のプレハブ校舎を建てても、二〇一〇年には空き教室がほとんどなくなります。また、二〇一〇年以降は加速度的に児童数、学級数はふえていきます。二〇〇八年五月一日現在、八百三十三名の児童数が、六年後の推計では千四百八十一名になります。二、三年辛抱すればピークを越すという状況ではありません。将来に見通しを持った計画が必要です。実態をわかっていて解決策を示さないのは、仙台市の怠慢であると言わざるを得ません。早急に子供、保護者、教職員、地域住民の入った改善委員会などを設置し、必要があれば学校用地の確保も視野に入れて検討すべきではないでしょうか。伺います。  将来を担う子供たちの健やかな成長を心から願って、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 45: ◯副市長(笠原周二)ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えを申し上げます。  学校統合に対する考え方と、中央教育審議会における学校規模のあり方等に関する検討についてお答えを申し上げます。  学校は、子供たちが基本的な知識、技能を習得する場でありますが、そのことに加えまして、多くの仲間とのかかわりの中でお互いに切磋琢磨しながら成長し、実社会への適応能力を高めていく場でもあります。こうしたことから考えますと、学校には一定の規模を確保することが望ましいと、そのように考えているところでございます。  また、中央教育審議会初等中等教育分科会におきまして、今後のさらなる児童生徒の減少の動向を踏まえ、学校規模のあり方や学校の適正配置について審議を行う旨、伺っているところでございます。全国的に少子化が進展し、児童生徒数が減少する中で、このような審議は非常に重要なものと認識しておりますので、その状況を注視してまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、教育長から答弁をいたします。  以上でございます。 46: ◯教育長(荒井崇)私からは、学校統廃合等に関する数点のお尋ねにお答え申し上げます。  初めに、市立小中学校の一定規模の基準に関するお尋ねでございます。  学校は、ただいま笠原副市長より御答弁申し上げましたように、子供たちに基本的な知識、技能だけではなく、多くの仲間とのかかわりを通じて社会性などを培っていく役割を担ってございます。例えば、一学年に一学級しかなければ、クラスがえを行うことはできませんし、この場合には入学から卒業まで同じ人間関係が続くこととなり、知らず知らずのうちに児童生徒の間で互いの評価の固定化ですとか、また順番づけがされてしまうなどの可能性がございます。これは学校規模そのものに起因する課題であるため、学校の努力だけでは解消することが極めて困難でございます。このため、小学校においては少なくともクラスがえによる交流が可能な一学年二クラス、学校全体としては十二学級が必要であるといいましたような、一定規模の基準を定めたところでございます。  続きまして、学校統合の判断基準に関するお尋ねでございます。  一定規模の基準につきましては、先ほども申したとおり、学校としての役割を十分に果たすためには、少なくともすべての学年でクラスがえができるよう、一学年二学級以上が必要であると考えておりますが、あわせて児童生徒の過重な負担とならないよう、通学距離についての基準も設けるとともに、また今後の開発動向なども加味しながら、学校ごとの方策につきまして総合的に判断したものでございます。  教育委員会といたしましては、一九七三年に当時の文部省から出されました「公立小・中学校の統合について」の通達の理念も踏まえまして、保護者や地域の皆様の御理解を得られますよう、丁寧な話し合いを行ってまいりたいと考えてございます。  続きまして、学級定数の見直しについてのお尋ねでございますが、まず学級編制は、都道府県教育委員会で定める学級編制基準により行われるのが基本となってございます。また、義務教育に係る基本的な役割分担としまして、教員の人件費は都道府県が負担するものとされており、この役割分担に基づいて税財源が配分されているところでございます。  このような中、県の方は四十人学級を標準とする一方で、仙台市で独自に三十人学級を実現するために、必要な教員を採用することは困難であろうと考えてございます。そのため今後とも、国に対して他の指定都市と連携しながら、学級編制の標準となる一学級当たりの子供の数の引き下げを働きかけてまいりたいと考えてございます。  続きまして、児童や生徒の急増により、過大規模となっている学校の対策についてのお尋ねにお答え申し上げます。  この場合、新たな学校を建設し、過大となっている学校を分離する方法や、隣接する学区の見直しにより適正な規模とする方法がございますが、いずれの手法による場合におきましても、保護者やまた地域の方々との十分な協議を踏まえて進めるべきものと考えてございます。  続きまして、広瀬小学校の分割についてのお尋ねでございます。  平成十六年度に分離新設の決定を行いましたが、愛子小学校の学区内となる錦ケ丘地区につきましては、その時点での販売状況をもとに児童数を見込み、分離新設について判断をいたしました。その後、錦ケ丘地区の販売内容が、子供のいる若い世代にもより購入しやすいものとなりまして、その結果として児童数が当時の見込みよりも増加している状況でございます。今後、住宅販売の動向、またそれに基づき推計されます児童数の推移を十分注視しながら、必要に応じましてさらなる分離新設等の必要性について検討してまいりたいと考えてございます。  最後に、新田小学校の対応についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  新田小学校につきましては、平成二十年五月一日現在の在籍児童数が八百三十三名となってございまして、また、この地区は未就学の児童の数が非常に多く、仮にその児童がそのまま全員入学するとした場合には、御指摘のように六年後の在籍児童数は一千五百名近くになると想定されます。しかしながら、これまでの入学実績等を見ますと、新田東地区を除く旧来の地域などにおきましては、かなりの割合の児童が入学前に他の地域に転居している傾向もありますことから、実際にはその人数よりも少なくなるものと考えてございます。  いずれにいたしましても、現在のプレハブ校舎の設置による校庭の狭い状況は、解消すべきであると考えてございます。今後詳細な児童数の推計を行い、他校との学区調整などを含めた対応策につきまして、早急に検討する必要があると考えてございます。また、その対応策につきましては、適切な時期に保護者やまた地域の方々に御説明してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 47: ◯十二番(高見のり子)再質問をさせていただきます。  一つは、一定規模の基準について私は幾つか質問をいたしました。要するに、規模が小規模校であることが、生きる力をはぐくまないというような判断をしているわけですけれども、実際野村小学校で統廃合に反対をする皆さんから出された陳情書の中の一文なんですけれども、「野村小学校で育った同窓生は、立派な社会人として多方面で活躍しています」と訴えているわけですけれども、小規模校でしっかりと立派な人材を輩出していらっしゃるということを言っているわけです。ですから、小規模だから生きる力をはぐくまないというのは、やはりそこはちょっとおかしいのではないかというふうに思います。  あと二学級が必要だと、一学級ではクラスがえができないということでしたけれども、その点につきましてはやはり学級定数の問題もあると。やはりここのところでフィンランドなんかの例も出しましたけれども、より子供たちの能力を伸ばすためにも、少人数のクラス編制というのもやはり必要なのではないかと思いますので、この点はどうかというふうに思います。  それから、新田小学校の問題なんですけれども、今本当に異常事態と言えるというふうに思います。先ほど動向を重ねて見るとおっしゃってましたけれども、これは広瀬小の結果からもわかるように、動向を見て一番被害を受けるのは、やっぱりそのときにその学校にいる子供たちであるというふうに思います。新田小学校は早急に方針を立てる。その立てる場合には、地域の皆さんや学校、PTAの皆さんに事前に相談する、やはりそういう場をつくっていくということが求められると思いますので、新田小学校においてはまずそういう場を設定するということをぜひ行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 48: ◯教育長(荒井崇)まず、最初の御質問の、小規模の学校であってもきちんと生きる力をはぐくむことができるのではないかという御指摘でございますが、これに関しましては、議員から御指摘のように、そういった小規模な学校におきましても、先生方のいろいろな工夫、また子供たちの頑張り、また地域の方々のいろいろな御協力によりまして、きちんとした教育がなされているという状況でございます。ただ一方で、やはりより一層こういった生きる力を、今後これから社会が大きく変化する中で、より思考力、また判断力等、またコミュニケーション能力等を問われる時代が到来してくる中で、やはり一層そういった教育環境の充実を図ることが必要だろうと考えているところでございます。そのためにもやはり一定規模が必要だろうと考えてございます。  もう一点の学級定数の課題でございますけれども、これに関しましては、先ほど御答弁申し上げましたように、国に対しまして他の指定都市とも連携をしながら、学級編制の標準となるような、一学級当たりの子供の数の引き下げを働きかけてまいりたいと、これは引き続き働きかけてまいりたいと考えてございます。  続きまして、新田小の状況の改善でございますが、これに関しましては議員御指摘のように新田小、やはり子供たちに負担をかけている状況でございますので、早急にこちらの方の対応の方は検討してまいりたいと思っておりますし、また適切な時期に保護者また地域の方々に御説明するようなことを考えていきたいと思っております。  以上でございます。 49: ◯十二番(高見のり子)一点だけ、再々質問をさせていただきます。  国連のWHOで、子供の心身の健康に責任を負う立場から、世界の調査研究を集約して、学校は百人以下が望ましいと指摘をしています。この点についての御認識を伺いたいと思います。 50: ◯教育長(荒井崇)ただいま議員から御指摘ございましたWHOの指摘でございますけれども、これに関してはいろいろと調べてみたんですけれども、なかなかこの百人以下の理由といいますか、この根拠となるものに関してなかなか見つからなかったのでございまして、今私の方からこれに関して見解を正確に述べることはできないわけでございますけれども、これは学校制度というのは、各国によりまして歴史的な背景、また社会状況等、いろいろなものに基づいて現在成り立っているものと考えてございます。いわゆる各国ごとにいろいろとまたこれを判断されていくものもあろうかと考えているところでございます。  以上でございます。          ────────○──────── 51: ◯副議長(佐藤嘉郎)お諮りいたします。本日の会議は、この程度にとどめ、延会いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 52: ◯副議長(佐藤嘉郎)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、明日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。
        午後四時三十五分延会...