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  1. 仙台市議会 2005-12-13
    平成17年第4回定例会(第6日目) 本文 2005-12-13


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時開議 ◯議長(柳橋邦彦)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第六号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(柳橋邦彦)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、高橋次男君及び石川建治君を指名します。          ────────○────────     日程第二 一般質問 3: ◯議長(柳橋邦彦)日程第二 一般質問を行います。  順次発言を許します。  まず、鎌田城行君に発言を許します。     〔七番 鎌田城行登壇〕(拍手) 4: ◯七番(鎌田城行)議長のお許しをいただきました公明党の鎌田城行でございます。一般質問を行います。  いよいよ年の瀬を迎えようとしております。ことし一年を振り返るとき、自然災害が猛威を振るい、凶悪な犯行によって尊い人命が失われる事件が次々と起こり、さらには自殺者が交通事故の死者を上回ってしまうという異常事態となっております。今、社会がどのような状況にあろうとも、私は自分に与えられた使命を忘れることなく、現場で悩み苦しむ市民の声に真摯に耳を傾けながら、よりよい市政の発展を願い、これまでの諸施策を点検し、もっと元気な仙台の構築に全力で前進してまいりたいと決意を新たにするところであります。  子供が大事にされている社会は、すべての人に優しい社会となるであろうとの思いから、子供たちが安心して暮らせる環境整備、すなわち子育て支援対策、若者の就労支援対策、市民の安心・安全対策に関して、順次、お伺いをしてまいります。  梅原市長の市政に臨むモットーは、現場第一とのことであります。我が会派の指針と全く一致しております。進取の気概で困難を乗り越え、市民に希望と勇気を与えていただけるような御答弁をいただきますよう、大いに期待するところであります。  初めに、子供を産み育てたくなる支援策として、医療、救急、相談体制の充実について三点お伺いします。  第一は、困ったときの相談ダイヤルの創設についてであります。  公明党宮城本部子育て支援本部として、結婚、子育てに関するアンケート調査活動や、若いお母さん方などを対象としての聞き取り調査を展開し、先日、子育てシンポジウムを開催いたしました。このシンポジウムでは、子供が万一病気にかかっても安心できる体制であるかどうかが、子育ての中で大きな比重を占めることが改めて確認されました。本市には、休日、夜間のための急患センター北部急患診療所などが市民の安心体制として充実が図られておりますが、混雑緩和策が求められて久しいところであります。
     そこで、子供の容体がおかしいとき、すぐに受診させた方がよいのか、翌朝まで待っても大丈夫なのかなど、判断に迷う保護者の方からの相談に、ベテランの小児科医が電話で助言する#八〇〇〇番の相談ダイヤルについて、我が会派としても昨年取り上げたところでありますが、宮城県こども休日夜間安心コールとして本年よりスタートいたしました。しかし看護師が、土日祝日と年末年始の午後七時から午後十一時までと限られており、いつでも相談できるとの市民のニーズにこたえ切れていないのが実態であります。  この#八〇〇〇番については、県に対してさらなる充実を求めていただくよう強く要望するところであります。本市として、小児相談に特化した#八〇〇〇番とは別に、世代を問わず一般の人がいつでも相談できる、困ったときの相談ダイヤルの創設を目指してはどうかと考えるのであります。#八〇〇〇番のモデルとなった広島県の取り組みでは、ダイヤルした先は固定した場所ではなく、当番の医師に渡された携帯電話に転送される仕組みであります。特別な場所を確保する必要はなく、転送される携帯電話一本と、それを預かる医師または看護師が確保できれば行えることになります。  自分で病院に行けばよいのはわかるが、どこに行けばよいのかわからないからと、安易に一一九番に通報する事例が後を絶たないようであります。救急車が一回出動するのにかかる経費と比較すると、相当な節約となるわけであります。そのような意識の上に立って、この事業のさらなる推進がなされるべきと思うのであります。電話相談先が#八〇〇〇番のように、簡単な覚えやすい番号で一つに集約されておれば、市民の安心は高まるものであります。県や市、民間などの協力を求めながら、一般の人がけがや突然の痛みなどを覚えた場合に相談できる窓口の創設を検討すべきと考えるのであります。当局の御所見をお伺いいたします。あわせて東京都でスタートした民間の救急サポート事業について、本市においても検討すべきと考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。  第二は、お母さんお父さんのための、我が子を守る乳幼児のための心肺蘇生法講習会の普及啓発についてであります。  心肺蘇生法の講習につきましては、救急車が到着するまでの数分間の対応で大きな効果を上げることになるわけで、より多くの方々に身につけていただきたいものであります。私も先般、昨年に引き続いての心肺蘇生法講習を受けさせていただきました。ここでは昨年の講習に加え、AEDを使っての講習も受けることができました。さらに、新生児の場合と乳児、幼児といった年齢、体格によって、蘇生法の仕方に違いのあることを改めて確認させていただきました。  この子供の成長期に合わせて救命法に違いのあるということを、子育て中のお父さんお母さん方が知っていらっしゃるか。そして、実技を重ね体得されていらっしゃるかが大切であると考えるのであります。消防局では、幼稚園や保育園などを対象に数多く講習の場を設けてきたとのことでありますが、子育ての現場にはまだまだ理解が十分にされているとは言いがたいのが現状のようであります。なお一層の普及啓発をすべきものと思いますが、当局の御所見をお伺いいたします。  第三は、新生児への聴覚検査早期実施についてであります。  この問題については、かねてより我が会派の先輩議員が、未来を担う子供たちの健やかな成長を願い、一日も早い取り組みについてその実現を願ってきたものであります。これまで当局からは、療育体制の確立が早期に望めないゆえ実施に踏み切れない旨の答弁があったと記憶しております。その後、これまでに実施に向けた取り組みがどのように検討されてきたのか、お示しいただきたいのであります。  先般、私は、さきに述べた我が党の子育て本部として行った聞き取り調査の中で、一歳半のときに聴覚障害がわかっても、どうすることもできなかったとの訴えをお伺いいたしました。療育体制という点では、私の子供の治療体験からすれば、異常が発見されれば、その治療のために対応できる医療機関を県内であれ県外であれ紹介してもらい、通院することもできるのであります。現に、東北大学病院へ、青森県から毎月治療に来られているお母さんとそのお子さんに出会ったこともありました。療育体制が整わないから実施できないとの理由は、あくまで二次的な問題であろうと考えます。今後、早期実施に向け、どのような取り組みをされるおつもりか、当局の御所見をお伺いいたします。  次に、子育て環境の充実について五点お伺いいたします。  第一は、空き店舗や空き教室などを活用した、子育てサポートスポットの創設についてであります。  本市が行っているファミリーサポートセンター事業については、昨年度一年間の利用実績を見ますと、保育所、幼稚園の迎え及び帰宅後の預かり六百九十七回、保護者等の短時間・臨時的就労の場合の援助六百六十一回など、全体で二千八十八回を数える利用実績がございました。会員数は、依頼する側の会員が一千人、協力する会員が二百八十七人、依頼、協力の両方にかかる会員が百六人となっております。  この事業に関して、子育てを応援しようという気持ちを持たれている方から、預かりたいけれども、うちでは狭くて、子供にとって危険な物がいっぱい。どこか場所を提供してもらえると応援できるのにとのお声をいただいております。こうした要望に対し、空き店舗や空き教室などを借り上げて、そうした声にこたえるためにも、子育てサポートスポットとして、新たな事業を創設してはいかがかと考えるものであります。当局の御所見をお伺いいたします。  第二は、児童館で対応できない放課後児童の保育の場としての、保育園の活用についてであります。  共働きをされている保護者の方から、児童館では五時、六時で帰されてしまい、子供はだれもいない我が家に帰って、一人で留守番をしてつらい思いをしているとの声を伺いました。また、市では、希望者が多くて利用できないでいる子供たちのために、本年十一月より幼稚園を活用しての留守家庭支援事業が始まっております。  子育て支援について、さきに紹介したシンポジウムにおいても、地域の総合力で支援する体制ということも求められておりました。保育園によっては、市から何らかの助成があれば、体制を整えて受け入れられると言っていただくところもありますので、保育園の活用について検討があってしかるべきと考えるのであります。当局の御所見をお伺いいたします。  第三は、子供たちの安全を守るための通学路の点検に、夕暮れどきの明るさを確保する対策についてであります。  小中学校における児童生徒の帰宅時刻は、クラブ活動などでさまざまであり、それぞれ違っているのであります。同じ午後五時といっても、冬場と夏場では日没の時間に開きがあります。私は、かねてより、街路灯の照度アップを要望し、市の設置基準を見直していただいたところでありました。先日の地方紙には、通学路における照度アップが、功を奏している旨の報道がなされたところでもあります。  子供を取り巻く犯罪や事件が後を絶ちません。こうした折、文部科学省から通学路の再点検について指示が出されたところであります。この点検の際に、夜間の視点を忘れないで取り組むべきと考えます。当局の御所見をお伺いいたします。  第四は、子供たちの安全を守るためのCAPプログラムの導入促進と、地域における防犯訓練の実施についてであります。  万が一、子供が危険にさらされた場合、子供たちが我が身を守るすべを知っていて、即座に行動に移すことができれば、難を逃れる割合も高まるものであります。この取り組みについては、昨今の各地で多発する事件などを考えた場合、より多くの子供たち、大人の人たちに知っていただくことが有効だと考えるものであります。学校や子供たちはもちろんのこと、地域もともに認識することによって、その効果を上げることができるものであります。これまでの取り組みと今後の促進について、当局の御所見をお伺いいたします。  また、子供が助けを求めても、周囲がその声に気がつかない、または気がついても、我が身の安全を考えるとどのように対処していいのか迷ってしまう。こうした状況では、いざというときに救いの手を差し伸べることはできないと思うのであります。東京町田市における高校生の殺害事件でも、付近の住民は異変を感じていたとの報道がされておりましたが、残念でなりません。助けを求められても助けようがないのであります。隣近所の守り合いの大切さは、防災にも防犯にも通じるものであり、安全意識を高めるためには日ごろからの訓練が必要であると考えます。地域における防犯訓練について、きめ細かに実施すべきと考えます。あわせて当局の御所見をお伺いいたします。  第五は、学校給食におけるアレルギー対応食の提供についてであります。  さきの質疑で、センター給食における対応については既に議論されたところであります。今後は、建てかえの際に検討したいとの答弁がなされておりました。新野村給食センターにおける新たな対応につきましては、できる限り食物アレルギー疾患を持つ児童生徒すべてに対応していただけるよう、期待を寄せるものであります。ここで問題は、建てかえの時点で実施するということでありますが、最近建てかえられたばかりの荒巻給食センター太白給食センターにおいては、計画段階から建設に至る中で、アレルギー対応食の提供ができなかったわけで、いつになったら対応できるかわからないということになるのではないでしょうか。建てかえたばかりの施設に対しては、次の建てかえまで待つのではなく、施設内の改造等を行って対応すべきと思うのであります。速やかに検討し方針を示すべきと考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。  次に、若者の就労支援策について二点お伺いいたします。  第一は、若者の就労支援の強化についてであります。  事業主体は国と県でありますが、アエルの二十三階にある、みやぎジョブカフェをより多くの市民が活用できるようにするための、本市の積極的な取り組みについてであります。さきに御紹介した我が党のアンケート調査シンポジウムでは、結婚を願う若者の率は昔も今も変わらない中で、晩婚化、未婚化が進んでいる。この理由として、出会いが少ないとか、周囲に世話をやく人が減ってしまったといったことなどが挙げられる中、正規雇用が減り、若年無業者がふえている。男性の側は結婚に踏ん切りがつかなかったり、自信が持てない一方、女性の側は相手の男性の収入では心配だといった声のあることなどが指摘されました。こうしたことから、仕事への意欲、将来設計を考える場づくりが求められ、これらを支援するため、国や県の手によってジョブカフェ事業が展開されております。しかし、お子さんの就職に悩んでいる御家庭であっても、その存在すら知らないのであります。しかし、利用者からは好評を博している施設であります。何となれば、広く知られていないという課題を克服することが急がれると思うのであります。そこで、本市では、市民がこのジョブカフェ就労支援に役立ててもらうためにどのようにかかわってきたのか、お伺いいたします。  未来を担う青少年のためにできることをありとあらゆる角度から思案し、行動に移していくことがあってしかるべきと考えるのであります。市長は、この施設に行かれたことはございますでしょうか。一つは、アエルの一階に行ってみても案内表示は見当たりません。伺いましたら、アエルそのものの管理規約上難しいとのことでありますが、広く市民に役立てていただこうとの姿勢が必要であり、何らかの知恵を絞ってしっかり目につくような表示を促すべきと思いますが、進言されたことはあるのでしょうか。建物の壁面には、懸垂幕もかけられるようになっておりますが、ここの活用をアドバイスしたことはあるのでしょうか。青年の目にとどまるような斬新な広告幕を張ることで、多くの人に周知が図られると思うのでありますが、いかがでしょうか。また、教育委員会から各学校に対して、施設の情報案内はどのように徹底されてこられたのでしょうか。当局の御所見をお伺いいたします。  第二は、就労支援をさらに具体的にするために、就労を体験する場づくりとして、県に対して、学生や若年無業者を対象としたジョブシャドーイングを試みるよう、環境づくりを促してはどうかということについてであります。  ジョブシャドーイングとは、ジョブシャドーとも言いますが、進路探索活動の一環として数日間企業などのキーマンに付き添い、仕事というものに触れ体感することで、就労意識を高めるプログラムであります。アメリカなどでは中学生の段階から幅広く行われている職場体験学習の一つでありますが、国内でも富山県において、NPO団体などによって事業展開されております。仕事自体をするというより、観察を通して就労意識を高めるプログラムのため、仕事を見せる、生き方を見せるということで、参加した人が仕事の楽しさや苦しさの本質を体得し、人が育ち就業意識が育つと注目を集めております。インターンシップよりも気軽に職業体験でき、企業の側も負担が少なく受け入れやすいということであります。  こうした取り組みについて、宮城県においてもNPO団体を立ち上げることなど、環境づくりについて働きかけることを県に求めてはどうかと思うのであります。当局の御所見をお伺いいたします。  次に、防災対策、市民の安全対策について三点お伺いいたします。  第一に、災害発生時の避難場所の点検と避難路や交通規制を求める道路についての表示強化防災訓練の夜間実施についてであります。  一つは、避難場所の点検についてであります。昨年の新潟県中越地震の被災地を調査した折、随所で地盤そのものが液状化したり、亀裂、崩落がありましたが、造成の状況が大きく影響したとのことであります。この点に関しては、市民の安全を確保する上で重要な本市の指定避難所について、早期に再点検すべきと考えます。御所見をお伺いいたします。  二つ目は、避難路などへの表示強化についてであります。我が会派で視察した静岡県浜松市では、電柱に避難場所や避難路がわかりやすく表示されておりました。また、東京都では、災害時に緊急車両専用として封鎖される道路についての表示が随所に見受けられます。本市においては、地域の要所要所に指定避難所等を表示した地域図は設置されておりますが、これに加え、いつどこにいても安全に避難できるようにするために、電柱や街灯ポールなどを活用した表示を行ってはどうかと考えるのであります。当局の御所見をお伺いいたします。その際、協賛スポンサーを募って広告収入を得ることも一考と思いますが、あわせて御所見をお伺いいたします。  三つ目は、防災訓練の夜間実施についてであります。万全を期すという観点から、何年かに一回くらいは夜間の訓練を初めとして、さまざまな状況を想定して対処しておくことが必要と考えます。当局の御所見をお伺いいたします。  第二は、聴覚障害者視覚障害者のためのテレビ電話の普及支援についてであります。  昨年の新潟県中越地震の折、聴覚障害者の安否を確認するためにテレビ電話が力を発揮したことがテレビなどで紹介されておりました。一方、視覚障害者にとっては、動画機能つき携帯電話によって、通話の相手が本人にかわって周囲の状況を確認して伝えたり、的確な指示を与えられるという利便性があるのであります。私は、テレビ電話を活用した公的施設での案内通訳事業の実施を求めてまいりましたが、防災の観点からも普及が望まれると思うのであります。障害者の生活支援用具の中にテレビ電話を加えることができないか、また避難所となり得る公的施設などへのテレビ電話の配置を検討すべきと考えますが、当局の御所見をお伺いいたします。  第三は、アレルギー対応食の災害備蓄についてであります。  先日、ある新聞に「アレルギーでも安心な非常食を」と題する読者からの投稿がありました。「もし大災害が起こったら、この子が食べられる食料を十分確保できるだろうかと常日ごろ思っていた。我が家では、自衛手段として災害時に持ち出すリュックサックに白米のレトルトパックアレルギーに配慮した食料を詰め込んでいます。間違って食べなれない物を食べると死に至ることもあるからです。昨年の新潟県中越地震の際、コンビニエンスストアなどで売られているおにぎりや菓子パンが避難所で配付されているのを見て、愕然としました。それらの市販品は、娘が食べられるものではないからです」と。この投書の結びには、「個人で食料を用意しておくには限界があります。やはり頼りになるのは地域の食料備蓄です。アレルギーを持つ子供たちに配慮した食材について、多くの人に御理解いただき、地域自治体単位食料備蓄体制を考えてほしいと思います」と記されております。  さきの質疑における消防局長の答弁では、国の動向を見ながら検討したいとのことでありましたが、想定されることへの対応をおろそかにしてはならないと考えます。教育局と連携して、実態を早急に把握することが求められると考えます。小学生や中学生の時代が一番危険であるわけでありますから、子供を預かる学校現場などからも積極的に働きかけるべきであると思うのであります。教育局としてどのように考えているのか、当局の御所見をお伺いいたします。  以上で、私の第一回目の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 5: ◯市長(梅原克彦)ただいまの鎌田城行議員の御質問にお答えを申し上げます。  ただいまの御質問のうち、防災対策に関する私自身の認識につきましてお答えを申し上げます。  本年第三回定例会の所信表明におきましても申し述べましたように、市政を推進する上で基本的な条件、これは市民生活の安心と安全の確保でございます。宮城県沖地震の再来の懸念は、去る八月十六日の地震によりましても、より一層切迫の度を高めておるところでございます。災害時の安全確保に市民の皆様、事業者の方々、そして行政の力を結集すること、これが緊急かつ最重要の課題であることを改めて強く認識いたしました。また、一昨年五月の地震を契機に制定されました宮城県沖地震に関連する地震防災特別措置法につきましては、内閣府の専門調査会において、仙台市全域を地震防災対策の推進地域に指定する案が提示されるなど、新たな動きにも適切に対応してまいる必要がございます。  従来から本市独自に進めてまいりました防災対策の充実強化に努めますとともに、特別措置法のメリットも十分に生かしながら、ハード面での防災環境整備ですとか、市民の皆様、事業者の方々との協働による地域防災体制の整備、さらには行政みずからの災害対応力の向上など、いずれ来るであろう宮城県沖地震はもとより、各種のさまざまな災害や事故など防災の全般にわたりまして、備えとその対応に万全を尽くすために、全力を挙げて取り組んでまいりたいと、かように考えております。  そのほかの具体の御質問につきましては、関係局長から答弁をさせたいと存じます。  以上でございます。 6: ◯市民局長(平井俊之)私からは、子供の安全を守る取り組みについてに関連いたしまして、地域の防犯訓練についてお答え申し上げます。  犯罪を抑止し、万が一犯罪が発生した場合に、被害を最小限に抑えるためには、市民一人一人が防犯に対して関心を持ちますとともに、緊急の場合に適切に対応できるような知識を習得し、ふだんから心構えをしておくことなど、防犯意識を高めることが必要だと考えております。これまでも防犯講座や市政の出前講座等を通じまして、市民の防犯意識の高揚を図ってまいったところでございますけれども、今後ともあらゆる機会をとらえまして、より具体的な防犯の取り組みを実施してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 7: ◯健康福祉局長(瀬戸和良)健康福祉局に係る数点の御質問にお答え申し上げます。  まず、救急相談ダイヤルの創設についてのお尋ねでございますが、本市では現在、録音テープによる休日テレホンサービスと、仙台市急患センターに設置しております初期救急医療機関案内によりまして、休日や夜間、診療可能な医療機関の御案内を実施しているところでございます。御指摘の宮城県が実施しております#八〇〇〇番につきましては、さらに利用しやすいものとなるよう要望してまいりますとともに、本市の救急医療相談のあり方につきましても、救急医療全体の充実を図る中で検討してまいりたいと考えております。  次に、新生児への聴覚検査早期実施についてでございます。  新生児聴覚検査につきましては、国における検査の有効性や実施する上での問題点の検討に進展が見られないところではございますが、本市におきましては、これまで宮城県や耳鼻咽喉科及び産婦人科の専門医との意見交換や、各都市での取り組み状況の調査を行ってきたところでございます。聴覚障害を早期に発見し、早期に支援することは、その後の子供の成長にとって大切でございますので、これまでの検討を踏まえながら、宮城県とともに早期に医療、教育及び福祉関係者等による協議の場を設け、療育体制を初め課題解決に向けた検討を行ってまいりたいと存じます。  次は、子育て環境の充実についてでございます。  初めに、子育てサポートスポットの創設についてでございますが、本市が実施しております仙台すくすくサポート事業においては、地域住民間の相互扶助の観点から、子供を預かる場所は自宅を基本としているところでございます。自宅での活動が難しい市民の方々におかれましては、主任児童委員など地域の方々による子育てサロンや、本市が助成しております子育て支援ボランティアによる託児など、さまざまな子育て支援活動の場に積極的に御参加いただきますよう、情報提供やスキルアップのための研修会の実施などの支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、放課後児童健全育成事業の保育所活用についてでございます。  御指摘の今回開始いたしました事業は、放課後児童健全育成事業のニーズが特に高い地域等を対象に、施設や児童の利用状況等を考慮し、放課後児童の受け入れを円滑に行うことが可能と認められる幼稚園等を対象に実施しているものでございます。保育所につきましても、対象地域の状況やその施設の規模、入所児童の状況等から適当と認められる場合は、活用してまいりたいと考えております。  次は、防災対策に関連し、障害者の生活支援用具についてでございます。  障害者の日常生活用具につきましては、これまでも国に対し必要な品目拡大を働きかけてまいったところでございますが、現在、国において、日常生活用具の対象範囲の見直しも含めた抜本的な検討が行われているところでございます。本市といたしましては、今後、国から示される予定の見直し結果を踏まえまして、適切に対応してまいりたいと考えております。  最後に、避難所となる公的施設などへのテレビ電話の配置についてでございます。  避難生活におきましては、聴覚障害者などの要援護者、援護が必要な方々に対し、適切な情報を提供し、支障なくお過ごしいただくことが重要であると認識しております。そのため、これまでも手話通訳者の派遣による支援や、テレビの文字放送、インターネットの活用など、情報支援策を検討しておりましたが、今後、御提言のテレビ電話による方法の有効性も含め、消防局など関係部局と連携し、検討を進めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 8: ◯経済局長(五十嵐悦朗)若者の就労支援策についての御質問にお答えを申し上げます。  まず、ジョブカフェの市民の皆様への周知についてでございます。  みやぎジョブカフェの運営につきましては、本市も現在その運営協議会の一員としてかかわり、取り組んでいるところでございます。具体的には、本市の事業を展開する中で参加者に紹介いたしますほか、各種パンフレットを市民のへやや各区役所、市民センター等市の施設に配置するなど、積極的に市民の皆様への周知を図っているところでございます。今後もジョブカフェ側と連携をいたしながら、効果的なPRに取り組んでまいりたいと考えております。  御指摘のございました案内表示につきましては、多数の企業が入居している大型ビルでの施設表示には、一定の制限があるものと理解しておりますけれども、なお一階の案内表示及び懸垂幕の掲示の可能性等につきましては、ジョブカフェ側の御意向を伺い、ビル管理会社等と相談してまいりたいと考えております。  次に、ジョブシャドーイングの提案についてでございます。  本市といたしましても、若者の適切な勤労観や職業観の醸成は非常に重要なことであると認識いたしておりますことから、市立高校や中学校における職場体験学習や、既卒者を対象としたジョブトライアル事業の充実を図っているところでございます。お尋ねのジョブシャドーイングにつきましては、御指摘のようにインターンシップより気軽な職業体験としてこのところ注目されておりますことから、本市といたしましても、今後、情報収集に努めますとともに、御提案の趣旨を県にも伝えてまいりたいと考えております。  以上でございます。 9: ◯消防局長(可沼伸一)消防局に係る御質問にお答えを申し上げます。  初めに、救急サポート事業についてでございます。  この事業は、緊急性のない搬送や病院間の搬送などを対象といたしまして、民間の患者搬送事業者やタクシー事業者を活用する取り組みで、東京消防庁が実施しているものでございます。こうした救急搬送における行政と民間の役割分担につきましては、現在、総務省消防庁におきまして、救急需要対策に関する検討会と民間活用に関する検討会を設置し、そのあり方について検討を進めているところでございます。本市といたしましては、救急車の適正利用について、市民の方々や医療機関に周知してまいりますとともに、これら国などの動向を踏まえながら、民間活用につきましても検討してまいりたいと考えております。  次に、乳幼児の応急手当の普及啓発についてでございます。  受講者が幼稚園児等の父母の場合には、乳幼児や新生児に対する心肺蘇生法を指導するなど、状況に応じて柔軟に対応しているところでございます。しかしながら、議員御指摘のとおり、子供の成長期に合わせた心肺蘇生法の違いなど、講習の内容につきまして周知不足の点もあろうかと存じますので、今後ともさまざまな機会をとらえまして、積極的に普及啓発を図ってまいりたいと考えております。  次に、防災対策についての御質問のうち、避難場所の再点検についてでございます。  議員御指摘のとおり、新潟県中越地震におきまして、液状化や崩落等が起こっているところがございました。本市の指定避難場所であります小中高等学校につきましては、建設時に地盤調査を実施して、用地造成、校舎等の建設をいたしているところでございますが、耐震基準を下回っている施設につきまして、現在、耐震化の工事を進めているところでございます。今後とも指定避難所の安全の確認につきまして、関係部局と検討してまいりたいと考えております。  次に、避難路等の表示についてでございますが、本市といたしましても、避難誘導等のための標識は必要なものと認識をいたしているところでございます。現在、避難所標識等における絵文字の表示や、外国語表記のあり方等の課題について検討をいたしているところでございますが、さらに御提案の緊急輸送路の表示等を含め、避難誘導標識の設置等につきましても検討を進めますとともに、広告収入につきましても研究をしてまいりたいと考えております。  次に、防災訓練の夜間実施についてでございます。  災害がいつどこでどんな条件下で発生するか予測できないことを考慮いたしますと、日ごろから夜間の訓練などさまざまな状況を想定し、地域の皆さんが協力して災害に対応できるようにしておくことが重要であると考えております。今後、時間帯や季節、気候などを加味した訓練方法を提案するなどして、地域の特性や自主防災組織の活動実績等に応じた訓練指導の実施に努め、地域防災力の実効性の向上に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 10: ◯教育長(奥山恵美子)私からは、教育に係る数点のお尋ねにお答え申し上げます。  初めに、通学路における夕方・夜間の安全確保についてでございますが、過日の小中学校の教頭会におきまして、通学路の安全点検や要注意箇所の把握について指示をいたしたところでございますので、今後、その結果を踏まえまして、街路灯の照度アップが必要な場合などには、関係部局と連携をいたしながら改善を図ってまいりたいと考えております。  次に、CAPプログラムへの取り組み等についてでございますが、昨年度は小中学校十一校におきまして、児童生徒や教職員、保護者を対象としたワークショップが行われたところでございます。議員御指摘のとおり、自分の命はみずから守るという視点は非常に大切なことでございますので、児童生徒、教職員はもとより、保護者や地域の方々も含めまして、より実践的な防犯・安全教育に努めてまいりたいと考えております。  次に、荒巻、太白の各学校給食センターにおけるアレルギー対応食の提供についてのお尋ねでございます。  学校給食センターにおきましてアレルギー対応食を提供しますためには、アレルギー専用の調理室を設けることが必要と考えますが、荒巻、太白の両学校給食センターにおきましては、現在、敷地が狭隘なことから、増改築によりこれを設けることは困難な状況となってございます。今後は、本市で初めてアレルギー対応に取り組みます新野村学校給食センターでの実施状況等も踏まえながら、さらに研究してまいりたいと存じます。  次に、ジョブカフェに関する学校への情報案内についてのお尋ねでございます。  ジョブカフェは、本来高校卒業後の若年者を対象とするものでございますが、高校生も一部対象とするヤングジョブスポットが併設されております。したがいまして、これまでも進路指導の際などに、生徒や保護者に紹介してまいったところでございますが、今後もその一層の活用を図るため、上部機関のハローワークとも連携いたしまして、主催事業の周知などに努めてまいりたいと考えております。  最後に、食物アレルギー対応食の災害備蓄についてのお尋ねでございます。  食物アレルギーを有する子供は、一人一人アレルゲンの数や種類、症状等が異なりまして、個別的対応が必要となるなどさまざまな課題がございますが、消防局とも必要な情報を提供し、お互いに情報を共有するということは大切なことでございますので、なおそういった面も含め連携を図ってまいりたいと考えております。  私からは以上でございます。 11: ◯七番(鎌田城行)御答弁ありがとうございました。  アレルギー対応食の提供のあり方について、給食の現場についての御答弁に対して再質問させていただきます。  荒巻給食センターについて、私も現地を見させていただきました。敷地が狭隘であるというような御指摘がありましたけれども、増改築は難しいという、そういう結論に至るのはちょっと早過ぎるのではないのかなという感が否めません。費用対効果もありますので、どれだけの対応をしていくことが必要なのかということは論議すべきところでもあるかもしれませんけれども、現に悩まれていらっしゃる御家族の方がその地域にいらっしゃれば、どこまで対応が可能なのか、しっかり検討していただく必要があると思います。特に、さきの答弁では、これから建てかえるところについてはという、希望のある答弁をいただいたわけでありますので、それが一層荒巻地域や太白地域において、希望を遠ざけてしまうようなおそれがあるのではないかという、そういう思いがありまして、あえて質問させていただきました。部屋の使われ方でありますとか、建物の建て増し、上に建て増すことも考えられないのかどうか。そして、本来の調理室を必要な場所に置いて、今使われている別な部屋を上の方に移動するとか、考えることはできるのではないかと思います。そのあたりのことも含めて、しっかり方針を検討していただきたいと思いますので、その点についての御答弁をいただきたいと思います。 12: ◯教育長(奥山恵美子)学校給食センターにおきますアレルギー対応食の提供につきましては、さまざまな課題を含みながら、しかし今後考えるべき重要な事項であると教育委員会で認識いたしております。ただいまの議員のお話にもございましたさまざまな御提案も含め、現場の中での動線の問題でございますとか、やはりさまざまな食品安全上の観点でございますとか、それらの諸課題の中で、なお私どもアレルギー対応食についても十分な要素として研究を重ねてまいりたいと、このように考えます。  以上でございます。 13: ◯議長(柳橋邦彦)次に、福島かずえ君に発言を許します。     〔三十六番 福島かずえ登壇〕(拍手)
    14: ◯三十六番(福島かずえ)日本共産党の福島かずえです。  私は、仙台市の地域経済の担い手である地元中小企業への支援策について、特に産学連携のあり方や、地域の個性を生かした経済政策づくりについて一般質問いたします。  市が、この間力を入れてきた経済政策の一つに、産学連携があります。その代表が東北インテリジェントコスモス構想です。三十年にわたる全体計画の十九年目を迎える今年度中に、その推進協議会が解散されます。仙台市は、これまで総額十三億円を超える多額の投資を行ってきましたが、地域経済に見るべき成果を上げていません。これは地域の中小企業の要求から出発するのではなく、ITやバイオなど、大企業が求めるハイテクノロジー中心の研究開発や、その研究成果の産業化に偏重してきた結果です。  ハイテクノロジーに対応するための一定の施策が、仙台市にも必要であることを否定するつもりはありません。しかし、仙台市内の事業所の多くは地元中小零細事業者です。そのほとんどが長引く不況と規制緩和の中で、大手企業との激しい価格競争を強いられ、売り上げや利益の減少、代表者の高齢化など、今、本当に厳しい状況に追い込まれています。この機会に産学連携のあり方を見直し、もっと地域に密着した、地域経済に直接、具体的に役立つものに転換すべきです。  市がことし行った仙台市製造業等実態調査には、市に求める支援策として、日常的な資金調達がトップに、以下販路開拓、市場調査、経営面、技術開発、サービス開発、人材育成への支援策という順番で、いずれも高い比率で挙げられています。これらの求めに、市は積極的に施策を展開し充実させていく必要があります。特に、回答した事業所の六割が、研究開発活動が必要としていますが、何らかの形で研究開発活動を行っているのはその半数にとどまっています。また、大学や公設試験研究機関等との連携を行っている事業所は、わずか一割強です。  製造業にとって技術力の向上は欠かせないものです。地元中小零細業者が研究開発活動を行えるよう、資金援助を初め、本市に集積されている知的資源との連携を進めるための施策の強化、敷居の低い利用しやすい体制づくり、また市の支援策、助成制度の周知徹底など、積極的な取り組みを進めていくべきですが、いかがお考えでしょうか、お答えください。  市が昨年から行っている地域連携フェロー事業の中で、歩行中の転倒事故を防ぐため、道路や床と靴の滑りぐあいをはかる軽量で小型の滑り測定機が開発され、マスコミで大きく取り上げられました。仙台市地域連携フェローの掘切川一男先生が、精力的に市内の中小企業を訪問する中で、舗道の敷石をつくっているある地元企業と出会い、滑りにくい舗装材を共同開発しました。その過程で滑りぐあいを数値化することが求められ、移動可能な測定機が開発されたそうです。県の産業技術総合センターとも連携があり、私はこれこそ市が力を入れていくべき産学連携のあり方の見本だと思いました。  こうした実績を大切にして、ハイテクノロジー重視、この研究成果が何に使えるかというシーズからの要求に偏った過剰投資を改め、地域密着型で具体的に地域経済と市民生活に役立つものに、産学連携の施策のあり方を変えていくべきですが、市長はいかがお考えでしょうか、伺います。  また、産学連携を製造業、工学系のものづくりに矮小化しないで、農業などの第一次産業のものづくりや、卸小売業、サービス業などの商業、そしてまちづくりにも役立てていこうとする施策展開が必要です。太白区中田では、昨年度、中小企業団体パイオニア事業助成制度を商工振興会が活用して、尚絅学院大学の先生や学生たちと一緒に商店街の活性化とまちづくりに取り組みました。産学連携による情報や研究成果、技術を求めているのは製造業だけではありません。  仙台市は、十四の大学や短大を初め、高専、専門・専修学校、高校などが多数存在し、知的資源に恵まれ、さまざまな分野の学が集積されています。いわば知的財産の宝庫です。ことし三月に企画局が中心になって、仙台学都連携プランを策定し、来年度中には(仮称)学都仙台コンソーシアムを設立し、大学等の連携を支える組織体制を整備する計画です。主に単位互換や市民公開講座などの教育機能や、インターンシップなど人材育成などの人づくりでのコーディネート機能を担うようですが、地域のニーズや地域課題を解決するようなまちづくりにも大いに役立つものにすべきですが、お考えを伺います。  その際、特定の大学や学部、学科に偏ることなく、高校や専門・専修学校なども含めて、この貴重な仙台らしい資源を余すことなく生かす視点が重要です。また、経済局で進める産学連携との役割分担や連携も欠かせません。あわせていかがお考えなのか、お答えください。  経済のグローバル化が進めば進むほど、地域の個性を重視した地域政策つくり、地域づくりが必要となります。そのためにはまず、そのまち、地域を知ることが出発点です。先月、仙台市内で開催された知的・産業クラスターセミナーin東北において、日本新事業支援機関協議会代表幹事の堀場製作所の堀場雅夫氏は、「IT産業とかバイオとかをやれば成功するのではない。徹底的に地場の産業、技術をどう生かせるか、研究することが大切」と強調され、「京都では、清水焼の技術が電子部品としてのセラミックになり京セラが生まれ、かるた屋さんだった任天堂がゲーム機器に、友禅染めの印刷技術がIC産業につながった」と話されました。私は、我が意を得たりという思いで伺いました。  かねてから私たち日本共産党仙台市議団は、東京都墨田区や東大阪市など、地域経済政策を重視している先進自治体の例を示しながら、産業振興策を進めていくべきであると提言してきました。これらの自治体では、全事業所規模の調査を繰り返し行いながら、独自の地域経済政策を作成しています。先ほど引用した仙台市製造業等実態調査は、委託での訪問留置方式での調査という点で不満が残りますが、産業ごとの実態調査を全事業所規模で行ったという点で評価できます。梅原市長のもとで今後さらに産業、業種ごとに全事業所規模で職員みずから訪問、聞き取りする実態調査を行って、本格的な仙台市独自の地域政策、産業振興策をつくっていくべきではないでしょうか。市長にお伺いします。  市長は、さきの九月議会で、国際会議誘致調査のために六百五十万円の補正予算を組み、国際的なシティセールスを展開しようとしています。私は、梅原市長が多国籍企業に選んでもらえる国づくり、地域づくりというグローバル国家論に基づき、この仙台でも過大な先行投資や地方税減免など、誘致企業にとっての高コストを見直す制度改悪をさらに進めようとするのではないかと、とても心配です。市長のお考えを伺います。  この間、国土開発計画に基づいて、新産業都市やテクノポリス構想など、装いと名前を変えて繰り返し出された地域開発としての企業誘致、産業立地政策と、そのための基盤整備である大型公共事業への投資は失敗、破綻してきました。仙台市にも巨額の借金が残りました。市民に重い負担を押しつけている現実や、歴史の教訓を真摯に学ぶことが大切です。県と市で合わせて十億円以上もの企業立地促進などの助成金を出した日本法人モトローラが、二〇〇二年にわずか十年足らずで突然撤退しました。同様に、市が三十二億一千万円という膨大なお金を注ぎ込んだ、この子会社の東北セミコンダクタは、その生産体制を半分に縮小しました。このときの撤退と縮小で、両社合わせて約千五百人いた従業員のうち、三分の一に当たる約五百五十人が解雇されました。この苦い教訓は記憶に新しいところです。  どこの国やどこの地域でも生産できる電気や電子商品などの汎用製品の製造は、地域経済への定着度が低く、より低いコストを求めて短期間のうちに立地と撤退を繰り返しています。他の地域や国ではつくることのできない、それぞれの地域に特有な自然資源や歴史資源、経営資源に根づいた産業や個性的な商品をつくり、互いに共存しながら持続的に発展できる独自のまちづくりこそ目指すべきです。グローバル競争を生き延びると称し、いつ来るかもわからないグローバル企業に立地してもらうため、多大な先行投資や税の優遇措置を講じることは、もうやめるべきです。  それよりも、農業などの第一次産業従事者や商工業者に対して、地域内で繰り返し再投資する力をつけるために、公的資金を活用して支援する方が、直接的かつ効果的に地域経済の循環と活性化、市民生活の向上や地域コミュニティーの持続的発展につながっていくと考えますが、いかがお考えでしょうか、伺います。  そして、改めて地域経済とまちづくりの担い手である中小企業や、零細業者、農業など第一次産業の役割を、そうした資源として評価し、その経営への支援策を強化していくことが今求められています。市長のお考えをあわせてお伺いいたします。  仙台市全体の産業に占める農林水産業の生産高や従事者数は、現在それほど高くありません。しかし、宮城県も東北全体も、基幹産業は農林水産業です。これら第一次産業の低迷が、東北の地域経済の長引く停滞を招いています。仙台市は、藩政時代から東北の流通の拠点であり、最大の消費地として、東北全体の経済の影響を大きく受けています。東北の地場産業である第一次産業の再建に、仙台市が本腰を入れて取り組んでいくことが、仙台自身の自律的な経済の活性化のために求められていますが、お考えを伺います。  そして、仙台市の製造業の中で大きなウエートを占めているのが、食料品製造、食品加工業です。この食品加工業と農業や水産業を結びつけて、個性的で魅力的な商品を開発していくことは、大きな将来性があるのではないでしょうか。地産地消の取り組みや仙台ブランドの確立、売れるものづくりなど、農業振興策でもさまざまな工夫がなされていますが、食品加工業と結びつけていく取り組みを本格的に進める発想が、今、必要ではないでしょうか。お伺いいたします。  また、地球温暖化に歯どめをかけるため、化石燃料から自然エネルギーへの転換が求められています。風力や木質バイオマスなど、自然エネルギーの供給基地としての東北の可能性は大きいものがありますが、仙台市の取り組みはおくれています。豊富な自然資源を生かした農林水産業の活性化政策と、その関連産業づくりを仙台市が率先して進めることが、仙台らしい産業政策の一つと言えますが、市長のお考えを伺います。  仙台市は、卸・小売業やサービス業の比重が大きいまちですから、とりわけ大型店の出店で苦しむ商業、商店街の活性化に役立つ経済政策の構築は重要です。中でもまちづくりと一体になった政策として、早急に具体化、条例化が求められているものにまちづくり条例があります。ことしは三百万円の基礎調査費も計上して、都市計画課で取り組んでいますが、進捗状況はどうなっているのでしょうか、伺います。  犯罪件数の増加や深刻化に対し、最も重要なことは、犯罪の温床となっている、崩壊しつつある地域社会のコミュニティー能力を回復し、高めていくことです。質の高い地域コミュニティーをつくることが、今後ますます定住者を集めるまちとしての最大の魅力につながっていきます。規制緩和の中で、地域社会の一員としてのモラルもルールも守らない企業の進出を放置するのではなく、地域経済と住民の住環境を守り、安全・安心の住みよいまちづくりを目指すべきです。市長の毅然とした迅速な対応を求め、一日も早いまちづくり条例の制定を求めますが、いかがでしょうか。市長にお伺いいたします。  関連して、宮城野区東仙台のJT跡地問題について伺います。  先日、この約三万坪の敷地へ、イトーヨーカドーの出店が明らかになったと報道されました。定例記者会見の場で、市長は、「中心部の商店街への影響は極めて大きい。仙台市の都市そのものの衰退にもつながりかねない」との懸念を示し、条例による規制の検討にも言及しています。その際述べた、市長の持つまちづくりのモデルや中心商店街に対する認識は、私も全く同感であります。アメリカの衰退し、空洞化していく都市を間近に見てきた市長の発言には説得力があります。イトーヨーカドーの出店から、住環境と地域経済を守るために、市長の知恵を絞った特段の働きを求めるものですが、いかがでしょうか、伺います。  また、まちづくりの主人公は住民です。行政が持っている情報を市民と共有し、互いに知恵を絞っていくことで、よいまちづくりが進んでいきます。現在、市が持っている情報をぜひ市民にお知らせください。伺って、私の第一問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 15: ◯市長(梅原克彦)ただいまの福島かずえ議員の御質問にお答えを申し上げます。  まちづくり条例の制定に関する御質問をいただきました。  仙台市が目指しておりますコンパクトなまちづくりを推進し、良好な市街地環境を形成するためには、大型店に限らず大規模な集客施設などの適切な配置あるいは誘導、これを図ることが必要であると考えております。条例制定も視野に入れまして、適切な誘導方策についての基礎的な検討を行っているところでございます。  現在、国におきましても、このような強い問題意識を持って、広域調整を含めた大規模集客施設などの立地規制の強化について、都市計画法の改正などの検討が行われているところでございます。これらの動向を注意深く見ながら、法律と条例の効果的な連携のあり方などについて、今後ともさらに検討を深めてまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、関係の局長から答弁をさせたいと存じます。  以上でございます。 16: ◯企画局長(佐藤信夫)大学コンソーシアムに関する御質問にお答えをいたします。  (仮称)学都仙台コンソーシアムにつきましては、より魅力ある学都づくりを図るために、現在、関係者とともに設立に向けた準備を進めているところでございます。その構成でございますが、仙台学長会議の構成メンバーをもとにいたしまして、県内のすべての大学、高専などの参加を得まして、まずは確実に動き出せる体制づくり、これを進めているところでございます。高校との連携につきましては、既に大学が高校教育を支援する事業等が展開されておるところでございますけれども、専門学校、専修学校との連携につきましては、今後の課題であるというふうに認識をしているところでございます。  また、まちづくり活動につきましては、御紹介のように既に大学や学生によりまして地域の課題に取り組むさまざまな活動が展開をされているところでございますが、こうした活動の支援につきましても、このコンソーシアムの共通課題となり、取り組むような検討がされていくものと、そのように認識をしております。  なお、このコンソーシアムの事業でございますが、共通課題を関係者が確認しながら、順次事業を展開していくというふうなことでございまして、当面は単位互換、生涯教育などの人材育成にかかわる事業、そして学生誘致の推進などを柱にスタートをする予定でございますが、産学連携につきましては既に幾つかの事業が展開されておりますので、これらとの役割分担を図り、これらのこうした分野における事業の可能性を検討していくというふうなことになろうかと思います。  以上でございます。 17: ◯経済局長(五十嵐悦朗)産学連携と産業振興策についての数点のお尋ねにお答えを申し上げます。  まず、研究開発活動を行うための取り組みについてでございます。  地域の企業が新製品の創出や既存製品の付加価値向上を行うためには、研究開発活動を積極的に進めることが極めて重要であると認識しておりまして、この間、本市産業政策の基本に据え取り組んでまいったところでございます。具体的には、各種相談受け付けや研究開発資金の助成、専門家等の派遣などの個別支援のほか、フィンランド健康福祉センタープロジェクト等のプロジェクトによる支援、他の産業支援機関とのネットワークによる各種支援制度の情報提供など、利用されやすい体制づくりと施策展開を行っているところでございます。  今後もこうした取り組みをさらに充実させるとともに、それら支援策の周知を図り、地元中小・零細業者の皆さんのために、より効果的な産学連携施策の展開を図ってまいりたいと考えております。  次に、産学連携の施策のあり方についてでございます。  地域経済の発展のためには、地域の既存企業の育成はもとより、ベンチャー企業の育成や大企業も含めた企業誘致などの総合的な取り組みが重要であると考えております。また、産学連携による研究開発におきましては、東北大学等の革新的な技術の製品化を図る取り組みと、地域企業のニーズに即した取り組みの双方が必要であると認識いたしております。  ニーズ志向の取り組みといたしましては、平成十五年度より御紹介のありました産学マッチング支援事業を実施するなど、企業ニーズに応じた技術指導を行う御用聞き型の取り組みも強化しているところでございます。今後とも、研究開発に対する意欲的な地域の企業を積極的に支援いたしまして、地域密着型の産学連携の推進に努めてまいりたいと考えております。  次に、本市独自の地域政策、産業振興策のお尋ねでございますが、本市では既に新産業プランなど、各産業分野における産業振興計画を策定しておりまして、その策定に当たりましては、さまざまな方々の意見を伺いながら進めてまいったところでございます。また、これに加えまして、毎年度四半期ごとに企業の大小、業種を問わず、当該企業や関連業界の状況などについて、経済局職員みずからがヒアリングなどを行い、地域の経済動向を把握するための実態調査を実施しております。  今後ともさまざまな機会をとらえまして、実態やニーズの把握に努めてまいりたいと考えております。  次に、企業誘致のための助成等についてのお尋ねでございます。  誘致を図る企業が、仙台市域にもたらす雇用、消費、その他の経済波及効果や、仙台市への直接の税源涵養効果等、これを勘案いたしまして、費用対効果に見合った範囲での助成制度といたしております。また、より経済効果の高い企業誘致を図るため、雇用創出効果の高いコールセンターや、地域の研究開発等への参加が期待できる研究所などを重点的に助成しているところでございますが、今後とも近年の産業界の実情や地元中小企業育成の視点も踏まえまして、より経済効果の高い助成制度としてまいる所存でございます。  次に、地域経済活性化のための支援策についてでございますが、仙台市ではこれまでも制度融資や助成制度など、あるいは国や他の機関の各種公的資金の情報提供など、きめ細かな支援策の提供に心がけてまいったところでございます。しかし、地域の各企業者がさらに成長していくためには、得意分野を生かしながら、産学連携やさまざまな分野の企業者との連携などを進め、新たな製品開発や新分野への進出を行うことなどが重要であると考えており、今後ともこのような観点から、資金支援も含めた総合的な支援に努めてまいりたいと考えております。  次に、第一次産業などへの経営支援強化策についてでございます。  地域経済を担う中小企業や商店街、農業者は、地域産業資源の基礎であり、これらを支援し、地域経済の活性化を図りますことは、極めて重要なことであると認識をいたしております。しかしながら、総合的かつ持続的な都市の発展を実現するためには、地域の企業等の力だけでは限界があり、国内外を含めました企業等の誘致など、外部資源の導入を行うことも大きな効果を発揮するものと考えており、今後、地域の育成と企業誘致を両輪といたしながら、地域経済の発展に資する取り組みに努めてまいりたいと考えております。  次は、第一次産業の再建についてでございます。  仙台市は、東北における流通、消費の中心地でございますので、東北の第一次産業を振興することは、仙台の経済活性化につながるものと認識をいたしております。そのため、仙台市の農林水産業と二次産業や三次産業との連携、協働を図りまして、地域産業活性化につながる事業モデルを構築するなど、第一次産業への支援を強化してまいりたいと考えております。そのような成功例を東北全体に提示し、波及させることによりまして、東北の産業活性化を先導していくことができるものと考えております。  次は、食品加工業と結びつけた取り組みについてでございます。  これまでも地産地消を推進するための協議会を設置し、食品関連事業者や消費者等への情報提供や交流を進めてまいったところでございます。特に、昨年度から実施してまいりました食品加工業者やホテル、飲食店等と農業者との交流事業では、市内産農産物への理解が深められ、また新たな取引が結ばれるなどの成果も得られております。  今後とも市内の農産物等を利用した新たな商品化などにより、地域農業の振興に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。  最後は、農林水産業の活性化政策についてでございます。  仙台市は、これまでも有機性資源を活用した循環型農業の推進を図るなど、資源の循環利用に努めてまいったところでございます。バイオマス等の自然エネルギーの活用につきましては、経済的な採算性もございますが、その関連産業づくり等も含めまして、環境保全や省エネルギーの観点からも重要な取り組みであると認識をいたしております。そのため、今後、民間における取り組みの推移を踏まえまして、関係部局との協議を行いながら、研究してまいりたいと考えております。  以上でございます。 18: ◯都市整備局長(保科学)私からはまず、まちづくり条例に関します調査の進捗状況についてお答えいたします。  この調査は、良好な市街地環境を形成するために、大規模集客施設等の適切な配置や誘導の方策を検討することを目的といたしまして、基礎データを把握するものでございます。具体的には、大規模集客施設等の立地に伴う交通や生活環境等への影響が、土地利用の現況や都市基盤の整備状況などの条件の相違により、どう異なるのかを調査しているところでございまして、年度内をめどに一定の整理をしてまいりたいと考えております。  次に、JT跡地問題についてお答えいたします。  まず、本市の今後の対応についてでございますが、この地区の開発につきましては、このまま進みますと、本市の環境アセスメント条例に基づく手続や大規模小売店舗立地法に基づく協議が予定されております。本市といたしましては、できるだけ早い段階から、JTと具体の協議を進めまして、周辺道路への交通負荷や住宅地の生活環境への配慮等について、関係部局と連携を図りながら必要な対応をしてまいりたいと考えております。  次に、JT跡地での開発において、本市が把握している情報についてのお尋ねでございます。  JTから、この工場跡地の利活用の最初の相談がありましたのは、平成十四年でございました。以後、本市といたしましては、一貫して周辺の道路や住宅地への影響についての懸念を伝え、周辺住宅地と調和する土地利用を要請してきたところでございますが、JTからは、十一月末に、開発計画のパートナーがイトーヨーカドーに決定したこと、それから現段階では商業施設計画の内容や規模は未定であることについての報告がございました。また、その際に、今後は来年一月に予定しているJTとイトーヨーカドーとの基本協定締結後に、本市に計画内容を明らかにし、協議を行いたいとの意向が示されたところでございます。  以上でございます。 19: ◯三十六番(福島かずえ)今、お答えいただきました中で、グローバル企業に来てもらうための国づくり、地域づくりという点での企業誘致、産業立地政策について認識のずれがあったようなんですけれども、これについては別のところでまた議論させていただくとして、一点だけ市長に再質問させていただきたいというふうに思います。  先ほどまちづくり条例にかける思い、その制定に向けての取り組みなどを市長御自身からお答えをいただきましたが、最後に当局からも示されたように、この東仙台へのイトーヨーカドーの進出は、その地域だけじゃなくて仙台市全体の商業あるいは都市そのものの衰退につながっていくという市長の認識、全く私も同感であります。アメリカでそうした都市の衰退をつぶさに見てこられた市長ならではの御発言であったなというふうに思っております。経済産業省出身ということで、この地域経済を元気にしてくれると思って応援してきた市民の皆さんや、地元事業者の皆さんに対して、この今JT跡地で繰り広げられようとしている大型店出店に対して、市長の迅速な機敏な対応を、ぜひ市長御自身の声でお聞かせいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。 20: ◯市長(梅原克彦)JTの跡地問題につきましては、先ほど都市整備局長から答弁申し上げましたように、仙台市としてこの問題についてあくまで現行の法体系の枠の中で、周辺の住宅地との調和をする、周辺住宅地との調和のある開発について、仙台市としてのまちづくりの考え方を示しながら、関係者の理解を求めるべく要望してまいりました。今後とも、そうした観点から引き続き働きかけてまいりたいと存じます。 21: ◯三十六番(福島かずえ)ちょっとお言葉が小さくて聞こえにくかったんですけれども、今、国も、先ほど都市計画の見直しという点の話がありましたが、経済産業省自身が例えば福島県でのまちづくり条例を評価して、直接現地に調査しに来ているという点も、私も先日、経済産業省の担当の方から直接、東京に赴いた際に伺いました。そのときに、そうした自治体らしいまちづくりは、積極的に支援していきたいようなお話もありましたので、その点も踏まえて、ぜひ元気に市長の地域経済応援の発言、御答弁をもう一度お聞かせいただきたいというふうに思います。 22: ◯市長(梅原克彦)まちづくり条例の制定については、先ほど御答弁申し上げましたように、国においてもいろいろな問題意識を持って検討が行われているところでございます。まず、その動きを私どもとしてもきちんと把握した上で、私ども自身の勉強を進めてまいりたいと思います。JTの跡地問題については、やはり法律による行政が基本でございますので、現行法の体系においてはやはりその対応には限界があろうかとは存じます。しかしながら、私自身としても粘り強く努力してまいりたいと存じます。  以上でございます。 23: ◯議長(柳橋邦彦)次に、小山勇朗君に発言を許します。     〔五十八番 小山勇朗登壇〕(拍手) 24: ◯五十八番(小山勇朗)社民党の小山です。一般質問をさせていただきます。  連日マスコミで報道されている、姉歯建築設計事務所による耐震データ偽造問題は、調査が進むにつれ被害が拡大してきており、ホテル経営者を初め、マンション住民の生活を脅かすばかりか、重大な社会問題となっております。  今回の耐震強度偽造問題は、姉歯建築設計事務所が国交省認定の電算プログラムを使いながら、にせの計算データに差しかえる手口と、総合研究所を頂点としたグループでの違法建築であり、悪質きわまりないものであります。さらに、構造計算した書面を、民間指定確認検査機関に持ち込む際、本来なら国土交通大臣の印がある認定書が必要なのに、これも添付されておらないというものであります。まさに国土交通省の民間指定確認検査機関の、不適切きわまりない検査によって引き起こされた偽造事件であると言っても過言ではないと思います。これらのことについて、まず御所見を伺います。  これらの偽造事件は、神戸大震災以降の規制緩和によって、国交省や県の民間指定確認検査機関で建築確認がおろせるようになった以降であり、仙台市においても、民間指定確認検査機関が七社あり、平成十六年度の申請数は四千三百十六件、平成十七年十月段階で二千九百八十一件となっております。民間検査機関への推移をさかのぼってみると、平成十三年、四六%、平成十四年、六一%、平成十五年、七〇%、平成十六、年七八%であり、民間指定確認検査機関への申請が八〇%、仙台市が二〇%というような状況となっております。このような中で、現在問題となっている日本ERIは、平成十六年が二百九十七件、十七年が二百八十五件、またイーホームズは平成十七年からで十一件となっています。  では、なぜ民間に申請する数が増加するのかを考えると、今回の偽造問題で明らかなように、マンションなどを建設する中堅業者は、採算ぎりぎりのところで競争し、そして落札、受注すると、ほかの建設会社や下請の設計会社に対し、厳しいコスト削減を要求することとなり、受注できるためには、元請業者の都合のよい設計や、三階建て以上にあっては構造計算書の偽造などもせざるを得ないとなれば、チェックの厳しい公的な確認審査機関よりも、民間の機関を選定するようになるのは当然かと思いますが、どうでしょうか、伺います。  市当局は、今日までの経過の中で、もう少し民間の検査機関に対するチェック、指導体制がとれないのかという指摘に対し、何か不正などがなければ図面の提示や指導ができないような答弁でありましたが、今回の偽造事件で明らかなように、責任の有無に関係なく、現在入居されている住民への説明は、関係企業はもちろんでありますが、自治体として説明も行わなければなりません。また、企業の対応を待つまでもなく、命にかかわる問題として入居先の確保なども考えざるを得ないのが実態であります。  さらには、本年六月の横浜中区のマンション訴訟での最高裁判決は、建築基準法の解釈から、民間検査機関による建築確認は、地方公共団体の事務との決定を下しております。また、先日、国土交通省が決定したマンションなどの建築確認申請の保存期間を十年に引き上げることと、下請業者も含め、その物件に関係した業者らが一目でわかる一覧表の提出も建築主に求めていくこととなりました。これらとあわせて、自治体独自に何らかのかかわりと、民間の指定確認検査機関に対する公的なチェック機能は絶対的に必要と考えますが、仙台市として具体的にどうかかわりを持って対応していく考えなのか、御所見を伺います。  次に、アスベストによる肺がんや中皮腫という健康被害が、製造現場以外にも発生していることが日を追うごとに明らかになり、みずからの住宅や子供が通学している学校、さまざまな施設について、大丈夫なのかという不安が広がり、大きな社会問題となっております。これまでの経過を見ると、アスベストの輸入量は、一九六一年に十万トンの大台に乗り、一九七四年には三十五万トンにまで増加、その後、労働安全衛生法や大気汚染防止法などの改正、強化により、作業の規制や禁止など、届け出が規定され、一定の飛散防止の措置は講じられてきましたが、吹きつけ作業が禁止された一九七五年の規制で、輸入量は確かに減少しておりますが、それでも一九九三年までは年間二十万トン台で推移してきたことと、ILO第百六十二号条約「石綿の使用における安全に関する条約」を政府が批准をせず、政府の取り組みが無策であったがために、アスベスト被害が多発、拡大したものであり、その責任は重大であります。  肺がんや中皮腫の健康被害の拡大が大きく報じられる中、国はようやく被害者に対するアスベスト問題への当面の対応を決定いたしております。また、文科省においても、国公私立すべての教育機関の対象施設を実態調査すると発表しております。仙台市としては、市有施設の調査対象を平成八年以前に竣工したすべての建築物とし、吹きつけアスベスト、アスベスト含有の可能性のある吹きつけ材、さらには折板裏打ち断熱材を調査対象として取り組まれております。また、民間施設については、昭和三十一年から平成元年までに竣工した床面積千平米以上の建築物とし、露出して吹きつけられているアスベスト、アスベストを含有するロックウールを調査対象として取り組まれたようでありますが、それぞれの調査結果について具体的にお示しを願います。  また、今後の対策として、まずアスベスト対策会議の設置と総合的な相談支援体制、窓口の設置を行い、健康被害の実態などの公表、アスベストを含む建築物の解体、補修に伴うアスベストの飛散防止対策及び中小企業への調査、除去に対する助成について取り組むと同時に、アスベストに関する市民の知る権利を保障し、あらゆる情報を市民に提供するためのパンフレットの作成や、ホームページに掲載して開示することを早急に取り組むべきと考えますが、お伺いをいたします。  次に、総合道路計画に関して伺います。  仙台市は、年々厳しくなり好転は期待できない財政事情により、道路整備計画の見直しを行うために、総合道路整備計画を本年十月に提起し、本年度末までに具体的な計画について市民に公表することとしております。この総合道路整備計画の中で述べている維持・管理部門と、その他改築系部門とに大きく区分し、予算枠も合わせていくようであります。ここで言うその他改築系部門とは、どのような路線、どのような道路づくりを想定しているのか、具体的にお示し願います。さらに、関係機関との協議や区ごとの説明会、地権者の理解を求める取り組みや市民アンケートなどによる意見集約などを含め、現状についてお示しを願います。  今回の道路整備計画は、財政事情の厳しさから考えた、さらなる道路建設の見直しであり、平成十二年に見直し、事業展開している都市計画道路五十七路線の当年度までの進捗率は五八%にしか達しておらず、これからの五年間で完成できるのか危惧されています。また、そのときに十年間凍結とされた、十七路線二十四工区の都市計画道路の整備はどうなっていくのか、大変心配であります。現在、凍結されている十七路線の中には、起点から終点まで全く手つかずの路線もあり、財政事情からしてやむなしの面もありますが、地域の幹線道路として、これまで買収をしながら、ある一定まで建設されてきていて凍結された路線については、立ち退いていただいた方々の声として、本当は友人や茶飲み友達がいて住み続けていたかったが、道路が建設されるということで買収に応じた方や、近いうちに買収されることを考えマンションを購入してしまった方など、いろいろな方がおられます。建設中止などとなれば、大きな問題であると同時に、立ち退いてくださった方々にどのような言いわけで理解を得る考えなのかなど、これらの問題を含め、当局としてはどのような見直しを図り、具体的にどのように対処していく考えなのか、御所見を伺います。  次に、道路法三十二条第一項第七号及び同法施行令第七条第一号の規定に基づき、宮城県公安委員会に対して青葉区が占用許可している、道路に設置のパーキングメーターについてお伺いします。  現在、青葉区で占用許可している県公安委員会管理のパーキングメーターは、北一番丁線十七台、北二番丁線二十八台、通町南町線十五台、東三番丁線九台で、総計六十九台となっています。このパーキングメーターによる使用料全額が、県公安委員会に入っており、仙台市には一銭も入っていないと聞いておりますが、仙台市の管理である道路を占用許可しているのに、なぜ仙台市への納金が全くないのか。また、県公安委員会に入った使用料がどのように支出されているのか、報告なりを求めたことがあるのか、占用の許可の期限はいつまでとなっているのか、あわせて伺います。  パーキングメーターの設置は、昭和六十二年に始まり、平成元年まで増設が続きましたが、それ以降は全く増加しておりません。このように現状からすれば、どれだけの必要性があるのか疑問であります。北一番丁線、北二番丁線、東三番丁線について考えてみても、狭い道路であり、歩道も狭い、一方通行にしている意味がない、自転車と歩行者が競合し危険、さらには地下鉄やバスを利用すれば用事も足せるなどを考えれば、パーキングメーターを撤去させてもよいのではないかと考えますが、いかがか伺います。  パーキングメーターの撤去後の利用については、今回策定された自転車利用環境整備基本方針でも述べられているとおり、都心部における交通手段の中で自転車利用の割合は二〇%にも達しており、重要な都市内交通手段となっています。その意味では、自転車道の確保と、歩道の拡幅について検討していくべきと思いますが、お伺いします。  また、来年六月から、警察業務の一環である駐車違反取り締まり業務の民間委託により、駐車禁止の場所にちょっとでも駐車したら即罰則、反則金ということになると聞いております。自家用車などについては、公的あるいは民間の駐車場に駐車すれば事足りると思いますが、自動車運送業の関係については、荷さばき所や企業による駐車場の設置が進まない中での対応と、これに加えて低運賃での競争、燃料費の高騰により、非常に厳しい運営を強いられているのが実態であります。これに荷物の積みおろし中、駐車違反で罰金となれば、支払うのは事業者か運転手となります。事業者も苦しいが、社員も低賃金を強いられており、その中から支払うというのは大変ですし、点数も加算されていきますから、すぐ免許停止や取り消しになるのであり、就労そのものに多大な影響を及ぼす問題であります。  これらのことを考えると、仙台市ではまだまだ数少ない荷さばき所の拡大、設置を、特に駐車取り締まりが民間委託で強化されると言われている南町、そして西公園方向、北四番丁、仙台駅前周辺については急ぐ必要があります。さらに、行政としてさまざまな企業に対し、荷さばき所の設置を強力に指導し、推進する必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。  次に、国勢調査に関して伺います。  一九二〇年から実施されている国勢調査が、総額六百五十億円の税金を投入して、去る九月二十三日から十月十日までの期間で、全国一斉に実施されました。仙台市においても、人口百二万八千二百十四人、世帯数四十四万四千九百三十世帯を対象に、指導員七百十四名、調査員六千百六十一名を選任し、実施されました。  マスコミ報道でも明らかなとおり、今回は多数の調査員が辞退するという状況となり、当局としても困惑したことと思います。当局の資料によりますと、各区の辞退者数は、青葉区百十名、宮城野区三名、若林区二名、太白区八名の百二十三名となっています。  さまざまな理由によって辞退されたと思いますが、青葉区の百十名を考えるとき、アパートやマンションが多いからではないかと思います。その理由として、ある調査員の経験談を披露しますが、共同住宅は表札がなかったり、セキュリティーで入れなかったり、声がけしても出てこない、日中は留守が多く夜に行く回数がふえる、戸建ての何倍も通うことになる、などの声であります。戸建て住宅と違い、本当に大変なようであります。これらを考えるとき、現状に合った見直しが絶対的に必要と思います。今回、辞退された方々の生の声というものを十分把握するとともに、総括し、五年後に役立つように総務省に強く働きかけていくべきと思いますし、あわせて調査員の選任方法についても多くの課題はあると思いますが、どのような対応、取り組みの中で選任してきたのか、具体的にお答えを願います。  以上で、一回目の質問を終わります。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
    25: ◯市長(梅原克彦)ただいまの小山勇朗議員の御質問にお答えを申し上げます。  耐震強度偽装問題に関する所見についてのお尋ねがございました。  建物の安全性に責任を有する建築士が、偽装に関与していたこと、これは市民並びに国民全体を不安と混乱に陥れた、極めて悪質な不正行為であると受けとめております。偽装にかかわった関係者のモラル、倫理性、道徳が厳しく問われているものと考えております。また、建築確認の際に、指定確認検査機関のみならず行政機関においても、この偽装を見抜けなかったこと、これは建築確認制度の根幹にかかわる重大な事態であると認識しております。  そこで、自治体独自のかかわりと公的なチェック機能についてでございますけれども、公的な関与を強めることによって、建築物の安全性がより確保されるということは、ただいま議員御指摘のとおりでございます。現在、政府におきまして、そのような観点を踏まえまして、再発防止策の検討に着手をしたところでございます。本市といたしましては、まず国における制度改正の動向を注意深く見きわめながらも、見直しの中で対応が可能なものは速やかに実施してまいる所存でございます。また、指定確認検査機関との協議体制の充実など、仙台市として独自にとり得る方策を含めまして、適切な対応を迅速に図ってまいりたいというふうに考えております。  そのほかの御質問につきましては、関係局長から答弁をさせたいと存じます。  以上でございます。 26: ◯企画局長(佐藤信夫)国勢調査に関する御質問にお答えをいたします。  今回の国勢調査におきましては、御指摘のとおり、調査員の大量の辞退を初め、さまざまな問題が大きく顕在化したところでございます。現在の調査方法のままでは、五年後の調査においても大きな混乱が避けられないのではないかというふうに危惧をしているところでございまして、本市といたしましては、抜本的な制度の見直しが必要ではないかというふうに考えております。  そのような観点から、現在、すべての調査員の方々並びに途中で辞退をされた方々を対象にいたしまして、改善方策を探るためのアンケート調査を実施をしているところでございまして、この結果を踏まえまして、他の政令指定都市とも連携を図りながら、国に対して制度改善要望、これを行ってまいりたいというふうに考えてございます。  また、調査員の選任につきましてでございますが、各町内会や統計調査員の団体などからの推薦を受けた方、これらの方々を中心に任命をしたところでございますが、この方法だけでは必要人数を満たすことはできませんので、シルバー人材センター、それから人材派遣会社なども活用したところでございます。しかしながら、国勢調査の調査員の確保につきましても、調査の難しさということからして、現在の方法も限界に来ているのではないかというふうに認識をしてございまして、この点も含めまして、国に対し改善要望を図ってまいりたいと思っております。  以上です。 27: ◯環境局長(荒井崇)私からは、アスベスト対策に関します環境局関連の御質問にお答え申し上げます。  まず、本市におきましては、七月に庁内にアスベスト問題に関する連絡調整会議を設置いたしまして、当面の対応を協議いたしまして、相談窓口の設置やまた庁内の情報の共有化を図ってまいったところでございます。今後とも、国におきまして検討されている各種法令の新設、改正などの動向を注視しながら、解体、補修時のアスベスト飛散防止対策を確実に実施してまいりますとともに、市民の皆様の健康確保のための情報の収集、また企業への助成等、御指摘の各般の課題に関しまして、本市としての対応を見きわめてまいりたいと考えてございます。  また、市民の皆様への情報提供につきましては、市のホームページに国が実施してございます健康被害実態調査の情報を含めまして、さまざまなアスベスト関連の情報を掲載いたし、順次、更新しているところでございまして、また九月、十二月号の市政だより、特に十二月号におきましては、特集を組んで情報の提供を図ったところでございます。  今後とも市民の皆様の安心・安全を確保するため、アスベスト対策には積極的に取り組み、本市が担うべき役割を的確に果たしてまいる所存でございます。  以上でございます。 28: ◯都市整備局長(保科学)私からは、まず住宅、マンションの安全確保に関する御質問のうち、民間の指定確認検査機関への申請の増加についてのお尋ねにお答えいたします。  本来、行政機関であれ、指定確認検査機関であれ、同一水準の建築確認審査が行われるべきということは、言うまでもございません。指定確認検査機関への申請が増加してきた背景として、議員御指摘のような事情があるとすれば、極めてゆゆしき問題ではないかと考えております。現在、国におきまして、今回の事件の徹底した原因究明が行われておりますが、その調査結果を踏まえながら、本市における審査のあり方も含めまして適正な建築確認業務がなされるよう努めてまいりたいと考えております。  次に、アスベスト対策についてのうち、調査結果に関する御質問にお答えいたします。  市有建築物の調査につきましては、すべての市有建築物二千五十四施設につきまして、施設管理者が目視調査を、さらに引き続き建築職の職員により、アスベストの含有の有無や劣化状況等の詳細な調査を行った結果、四百十三施設についてアスベストの含有濃度の確認が必要となりまして、現在、測定機関によるアスベスト含有濃度の分析調査を行っております。年内には調査結果が出る予定でございますので、その際、速やかに公表してまいる所存でございます。  次に、民間施設におけるアスベスト調査につきましては、二千八十九の施設を対象として調査してまいりましたところ、千五百五十七施設から回答が得られております。この中で、露出して吹きつけられているアスベスト等を使用している施設は、百八十五となっております。このような施設の所有者等に対しましては、引き続き、除去や飛散防止などの適切な措置を講ずるよう、働きかけてまいりたいと考えております。  次に、荷さばき所の設置についてお答えいたします。  御指摘の区域を含みます中心部におきましては、調査結果により、幹線道路での路上駐車の約四割が貨物車であることから、荷さばき用スペースの確保を急ぐ必要があると認識いたしております。そのため建物の新築の際に、荷さばき駐車場の設置を義務づけることを検討しているところでございます。また、既存の建物につきましては、現在ある駐車場の一部を荷さばき用に転用することを促すことや、さらに運送業者に対しましては、一般の駐車場などの一部を荷さばき用に借りて、そこから集配することなどを働きかけるなど、荷さばき用スペースの確保に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 29: ◯建設局長(中村克正)私からは、総合道路整備計画及びパーキングメーターに関する御質問にお答えいたします。  初めに、総合道路整備計画における新設改良工事を含めた改築系部門についてでございます。  整備計画では、本市の目指すコンパクトシティやアクセス三十分構想の実現にかかわる道づくりを初め、市民生活の安全・安心を確保するための道路整備等を進めていくこととしております。その具体的な内容につきましては、都市計画道路や国道、県道、市道の新設、改良のほか、歩道の新設、拡幅、交差点改良等の交通安全施設整備事業や震災対策事業などの必要な路線を選定してまいりたいと考えております。  次に、計画策定に向けた取り組みの現状についてでございます。素案の策定に先立ちまして、市民の皆様が何を道路整備に求めているかを把握するために、市民アンケート調査を実施いたしました。その結果としては、現在ある道路の歩道の拡幅や、道路防災等、市民生活の安全・安心の確保にかかわる整備を望む声が最も多くございました。このことを基本に据えまして、さらに事故データや地域の実情等を勘案しながら、現在素案を取りまとめているところでございます。  今後は、区ごとの説明会やパンフレット、ホームページ等により素案を公表しまして、市民の皆様の御意見をいただくとともに、学識経験者、関係団体の代表者からなる仙台の道づくり懇談会において、さまざまな角度から御議論していただいた上で、計画を固めてまいりたいと考えております。  次に、計画見直しとその対処についてでございます。  今回の見直しに当たりましては、アンケート調査の結果や地域の実情などを踏まえ、全路線を対象として改めて整備の優先性について評価するとともに、事業の推進に当たりましても、着実な整備が図られるよう努めてまいる所存でございます。また、地域の方々に対しましては、見直しの背景や内容等について、さまざまな機会をとらえて説明を行いまして、御理解を得られるよう取り組んでまいりたいと考えております。  次に、パーキングメーターについてでございます。  初めに、パーキングメーターの道路占用についてお答えいたします。  パーキングメーターの設置につきましては、宮城県公安委員会、つまり地方公共団体の事業となりますことから、道路法の規定により占用料は徴収いたしておりません。また、パーキングメーターの利用料金は、県の手数料収入となりますことから、その使途については特段の報告は求めてはいないところでございます。なお、現在の占用期間は、平成二十一年度までとなっております。  次に、今後のパーキングメーターの取り扱いについてお答えいたします。  現在のパーキングメーターは、昭和六十二年から平成元年にかけて、付近に駐車場が不足しているなどの事情を勘案して設置されたものでございます。しかしながら、中心市街地の変容によりまして、現在では都心部の民間駐車場も増加しているなどの事情もございまして、道路を駐車場とする必然性も低下しているのではないかと考えております。今後は、それぞれの道路状況等を踏まえて、公安委員会とパーキングメーターの撤去に向けまして、順次、協議を行ってまいりたいと考えております。  また、撤去後の利用についてでございますが、本来の車道としての利用のほか、自転車走行空間の創出や歩道の拡幅につきましても、検討を行ってまいりたいと考えております。  以上でございます。 30: ◯五十八番(小山勇朗)一つは、国勢調査に関してでありますけれども、先ほどの答弁では、調査員を実際にやられた方、あるいは途中で辞任をされた方を含めてアンケート調査をするということでありましたけれども、やはり五年後はですね、収入からなにから今回よりももっときめ細かな国勢調査になるわけですから、そういう意味では生の声としてディスカッションできるような、そういう場を設けて、本当の実感したその声というものを聞く場をつくっていくべきだろうと。そのことを受けて、きちっと総務省に具申をしていくというふうな取り組みをすべきだというふうに思いますが、その辺についてはどうなのか、お答えいただきたいと思います。  また、アスベストの関係でありますけれども、やはり中小企業等、除去するにも大変な経費を必要とされているようでありますし、東京都では二分の一助成という独自の助成制度を確立してやっているわけですね。そういう意味では、私がここに求めた除去に対する助成について、取り組む考えが全く示されない答弁でありましたので、もう一度それらを踏まえた答弁というものを、市長の方からぜひよろしくお願いしたいと思います。 31: ◯市長(梅原克彦)まず、国勢調査についてでございますけれども、議員御指摘のように、また新聞報道にもみられますように、調査の現場、調査員の方々に本当に頑張っていただいたわけでございますけれども、相当大きな問題があったというふうに私自身認識をしております。議員御指摘のように、調査員の方々の実際に携われた調査員の方々の生の声をできるだけ反映し、総務省初め関係省庁にも、あるいは他の政令指定都市の首長の皆さんとも議論して、五年後に向けてきちんと国に働きかけてまいりたいと思います。  次に、アスベスト対策でございますが、先ほど関係局長から答弁を申し上げましたように、まず企業への助成などの御指摘のような課題について、本市として諸般の状況、他の自治体の先行事例などもよく研究しながら、検討を進めてまいりたいと思います。  以上でございます。 32: ◯議長(柳橋邦彦)この際、暫時休憩いたします。     午後二時五十五分休憩          ────────○────────     午後三時十五分開議 33: ◯議長(柳橋邦彦)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、渡辺博君に発言を許します。     〔三十八番 渡辺博登壇〕(拍手) 34: ◯三十八番(渡辺博)仙台は美しいまちです。住んでみたいまちの常に上位を占め、多くの人たちがあこがれを抱いてくださるまちです。緑で装うまちとでも訳すのでしょうか。先日、会派視察先の名古屋で目にしたフリーの外国観光者向け英字新聞で、仙台がこう表現されておりました。緑で装うまち、何とすてきでおしゃれな表現でしょうか。仙台が美しく、安全な、住みやすいまちであり続けるように努めるのは、私たちのためだけではないのです。あこがれを抱いてくださる人たちのためでもあり、それは私たちの責任でもあると考えます。  梅原市長就任四カ月を経て、事象を素早く分析し、その意味を的確に判断し、勇気をもって発言、行動する姿勢に敬意を表する一人であります。今後ともその姿勢を維持していただきたいと願っております。  さて、会派を代表して柿沼議員が安心・安全のまちづくりについて提言しておられます。その件に関連して質問をいたします。  日本人にとって、安全は、水と空気と同じ当然なものと思っていた時代は、はや過去のものとなって久しい感があります。改正前の地方自治法の第二条第三項に、地方自治体は、「地方公共の秩序を維持し、住民及び滞在者の安全、健康及び福祉を保持すること」と定めてあります。平成十二年四月一日、自治法改正後、この文言は省略されましたが、地方公共団体の責務は当然引き続き生きているというのが法の精神であります。代表者たる市長の安全に対する責務は、引き続き重大であります。  政令市移行後、しばらくの間、政令市に設置された仙台市警察部は、兼務の体制が続き、具体的な活動ができない状態でありました。仙台市議会として、専任体制をつくるように県に働きかける議論が起こり、私もその主張をした一人であります。現在、警察部として独立し、専任六名、兼任九名体制になり、仙台市との連携を図っていただいております。  具体的には、地域安全が人手不足で危殆に瀕している状態を憂い、その対策を私は求めてまいりました。地域の安心を担っている市民団体の防犯協会を中心とした安全体制をさらに充実するために、条例化も提案をいたしました。現在、その流れができていることに喜んでおりますが、もっと早く取り組んでいただければよかったのにという残念な思いもあります。  さて、市長は、犯罪抑止と罰則適用に積極的姿勢を示され、条例を制定するに当たり、たばこのいわゆるポイ捨てに罰則を考える旨の発言をされたやにお聞きいたしました。私は、条例に罰則規定は有効であると考える立場であります。しかし、条例に罰則規定を設ける前に、本市が取り組まなければならないことがあるのではないかと考えます。その一つは、公共の秩序を乱す行為には、断固とした厳しい姿勢を示すことです。  具体的には、現行法の適用であります。ポイ捨てには軽犯罪法第一条二十七号、廃棄物処理法第十六条、落書きには軽犯罪法第一条三十三号、刑法器物破損第二百六十一条、法において車両であると指定されております自転車の目に余るルール違反や暴走行為には道路交通法等々、しっかりと各法律で罰則が定めてあるのであります。なぜ適用しないのか。確かに適用するには現実的に幾つかの課題が予想されますが、克服可能なのではないかと考えます。特に、落書きなど、市民の共有財産を傷つける行為については、重点監視地域の設定、パトロールの強化、防犯カメラの設置など、仙台市が果たすべき役割があると考えます。仙台市警察部と協議し、真剣な取り組みの姿勢を示してください。単なる被害届で済ませず、繰り返し行為を重ねる不心得な市民を絶対に許さないという、確かなメッセージを送るべきではないかと考えます。いかがでしょうか。  仙台市民の多くは、品格と良識を備えた方々です。規範意識の低いのはごくごく一部であると思います。一部の不心得な者の行為によって、またそれを仙台市が見過ごし放置することによって、良識ある市民の品位までが疑われることにならないように願いたいものです。  破れ窓理論を実践して、ニューヨークを比較的安全なまちに導いたジュリアーニ市長の実績は、本市にとって参考になるのではないかと考えます。小さな犯罪も許さない姿勢に、当初は市民の激しい反発もあったと聞いておりますが、犯罪の激減で、評価は逆に高まる結果になり、アメリカ大統領候補にまで推す声が上がったと伝えられております。市民生活の根幹を支える安全の確保のために、市長の特段のお取り組みを求めたいと考えますが、いかがでしょうか。  先ほど議会のお許しを得て、去る十月三十日から十一月九日にかけて海外視察を実行、無事帰ってまいりました。メンバーは、辻隆一、野田譲、岡部恒司、安孫子雅浩、横田匡人各議員と私の総勢六名であります。往復、土曜日曜を除くと六日間で、ウィーン、ローマ、フィレンツェ、バルセロナの四都市の視察先を訪問するという厳しい日程でありました。今回は特に、環境、まちづくり、歴史と文化、高齢者福祉などの幾つかの視点で、関係者の説明を受けての視察を実施いたしましたが、移動中も、見るもの聞くことすべて視察の対象という思いで、全員行動をいたしました。各都市の関係者から示唆に富んだ説明を受けることができ、考えさせられることが多々ありました。歴史、文化あるいは国民性の違いから、すぐには適用できないものもありますが、視察で得た数々の施策に対するヒントを今後の仙台市政に生かしていきたいと考えております。  さて、その中で三点につき感じたことにつき述べ、市長の御見解をお聞きしたいと思います。  一つは、楽都仙台の今後についてであります。  本市は平成七年、若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクールを開催、多くの参加者を得るとともに、音楽関係者から高い評価を得ました。同時に、市民が音楽に関心が高いこと、そして多くのボランティアとホームステイ受け入れ先の確保の可能性を確認することができました。その実績をもとに、その後世界レベルの新しい国際音楽コンクールを独自に企画し、平成十三年度を初年度として、第一回仙台国際音楽コンクールとして開催いたしました。以来回を重ね、現在、平成十九年五月開催の第三回コンクールに向けて準備中であります。  今回、第二回コンクールからオーディション会場となっているウィーン音楽演劇大学副学長ヴォルフガング・クロース教授と面談し、御協力に対する御礼とよりよき運営に関しての意見交換をすることができました。晩秋のやわらかい日の差し込む清潔な教授室での交流のひとときは、まことに有意義なものでした。本市からの要望に誠実にこたえられ、中東欧在住の音楽家への参加促進に意を注いでいることを確認できました。また、大学の年間報告書の中に、本市のコンクールについてもスペースを割き、オーストリア国内はもとより、関係のある中国、日本国内の関係機関、関係者に周知をいただいてもおりました。  私は確かな軌道を歩み始めたこの国際コンクールの注目度を上げ、さらに高いレベルに引き上げるために、惜しみなく力を注ぐべきだと考えます。市長はいかがお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。  クロース教授との意見交換で、ウィーン音楽演劇大学、そして個人のその交流の国際的な広さに改めて驚きました。私は、現在、パリ、上海、ニューヨークなど海外で行われているオーディション関係者と、市長みずからの密なる意見交換と、得た情報をもとにした適切な対応が、このコンクールのレベルアップと成功を図るためには必要と考えますが、いかがでしょうか。  さて、事業成果の市民への還元についてであります。  第二回若い音楽家のためのチャイコフスキー国際コンクール以来、クラシック愛好家ばかりでなく、広く市民の間に、仙台フィルハーモニー楽団というプロのオーケストラを有する都市の文化的意味の重さ、楽都仙台のイメージが着実に醸成されてきていると感じます。しかし一方、クラシックはかた苦しく近寄りがたいものというイメージが、まだまだ固定観念としてあるようにも感じます。この観念を払拭し、市民の多くが気楽に楽しめる環境をつくり、市民の満足度を高めていくことに意を用いることが大切なことだと考えます。いかがでしょうか。  ウィーンにおいても、夕食後、気軽な気分でオペレッタを、軽オーケストラの伴奏で楽しむことのできるコンサートが幾つか用意されておりました。滞在中の日曜日の朝、シェーンブルン宮殿の広大な庭園にある温室風のレストランで、クラシックのライブ演奏を聞きながら朝食を楽しむ市民の姿も見ることができました。ウィーンでは、市民あるいは旅行者が、音楽を気軽に楽しむことができる一方、演奏の機会を多くつくることにより、音楽家を支援して育てるシステムができ上がっていると感じました。  私もクラシック愛好家と自認をしております。そのきっかけとなった中学校時代のことが思い出されます。当時、母校宮城野中学校に熱心な先生が在職され、着任早々、瞬く間にバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスを調達し、既にあったブラスバンドを加えて、オーケストラを編成してしまいました。私は、バイオリンあるいはビオラを担当いたしましたが、厳しかったが、演奏会に向けて夜遅くまで練習したことが懐かしく思い出されます。先生に引率され、初めて聴いた読売交響楽団の演奏のすばらしさに、まさに心が震える感動を覚えたものです。  イギリスに、プロムスと呼ばれるクラシックコンサートの祭典があります。一八九五年、指揮者のヘンリー・ウッドが、国民が安い料金で音楽に親しめるようにと企画したプロムナードコンサートを前身とした、クラシック音楽の祭典であります。既に百有余年の歴史を持ち、イギリスBBC放送がその伝統を受け継いで今日を迎えております。現在、夏の二カ月、七十回を超える公演が行われ、最終回のロイヤルアルバートホールで行われるラストナイトコンサートは圧巻です。気軽さから厳粛さまで織り込んだ演目に、演奏者と聴衆が一体となります。時には歓声を上げながら、聴衆が体全体で演奏を楽しむその様子から、言葉にならないほどの感動を与えられます。  毎年、新年早々NHKで録画放送が楽しめますが、私は仙台でもこれができればと長い間思っておりました。立ち見席は三ポンド、約五百円、指定席もさまざまですが、五ポンドから六十五ポンド、約八百円から一万五千円、気楽に楽しむのが醍醐味で、一杯機嫌でもオーケーというものです。ここまでいかなくても、気軽さをコンセプトに、仙台フィルハーモニーを中心にアマチュア音楽団、合唱団の参加を求め、市民を挙げての音楽祭を実施してはいかがでしょう。お聞きするところ、フランス、ナント市でも例があり、日本でも本年東京で行われたと聞いております。音楽は、クラシック音楽、邦楽を問わず、人の心をいやし豊かにします。市長の御所見をお聞かせください。  また、本市には、伝統と歴史を有する音楽専攻科を持つ高校、大学、そして専門学校があります。卒業生は世界を舞台に活躍中の方もいれば、本市において音楽文化を支えておられる方も多数おられるとお聞きしております。楽都仙台たる本市にとって、貴重な財産であると考えます。協力の要請と連携のあり方の検討もあっていいのではないかと考えますが、いかがでしょうか。  関連して、本市中学校で盛んに行われている児童生徒の音楽活動をどう評価し、どう支援していかれるおつもりか、あわせてお聞かせいただきたいと存じます。私は、本市は支援を強めるべきであると考えております。冒頭申し上げました母校は、その後校地の一部を切り売りし、新校舎建設に充てたと聞いております。財政的に極めて厳しかったあの時代に、恩師がどれほど御苦労されて楽器を用意されたのでしょうか。御本人の使命感と情熱、それを支える上司がそれを可能にしたのでしょうか。間違いなく言えることは、本市には、児童生徒の成長と幸せを願って、献身的な努力をする教師が育つ土壌があるということであります。教育委員会のさらなる御努力と、梅原市長の御理解をいただきたいと存じます。  第二に、産業振興、特に対外との取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。  今回の視察で、イタリア貿易振興会会長バッターニ氏と会見し、意見交換できたことは、大きな収穫の一つであると思っております。イタリア貿易振興会は、イタリア生産活動省直轄の組織で、本部をローマに置き、海外八十カ国に百を超える事務所を配置されております。イタリア製品の普及促進と同時に、現地企業との技術提携、相互投資を目的に活動をしておるとお聞きしました。本市においては、東京、大阪に次ぎ、第三番目に事務所が本年九月に設置されました。バッターニ会長との一時間を優に超える長い時間、意見交換をして感じたことは、仙台に関しての並々ならぬ関心の深さでありました。経済面の関心はもちろんのこと、取り巻く自然の豊かさに興味を示しておられました。  私は、外国政府機関の出先事務所は、大使館あるいは公使館に準ずる重さがあるのではないかと考えます。その国の政府に直接通ずる、この貴重な拠点を大事にしていくことが肝要と考えます。この事務所が着実に成果を上げ、仙台に根づくことは、ひとりイタリア政府との関係を密接にするばかりではなく、広くEU加盟国との関係づくりにもつながっていく可能性が大いにあると考えます。市長はいかがお考えでしょうか、御所見をお聞かせください。  今後の活動に際して、本市が果たす役割は大きいものがあると考えます。本市初め東北には、土地柄から来るさまざまな課題もあろうかと思いますが、市長自身の課題意識も含め、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。  さらに関連して、市長が就任早々、早速手がけておられるタイ国とはどのような交流モデルを考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと存じます。今後の国際交流においてどの地域を重点に考えておられるのか、現在、新たに交流をお考えになっている国がありましたら、お聞かせいただきたいと思います。  第三は、グリーン購入国際会議と環境都市仙台の果たす役割についてであります。  バルセロナ市は、ヨーロッパでも環境先進都市と位置づけられている都市であります。分別収集が行われており、専用ボックスが住宅地域はもとより、観光客が頻繁に往来するメーンストリートにもきめ細かく配置されておりました。家庭ごみについても民間委託を実施し、各家庭が排出しやすい体制を整えておりました。連絡があれば、玄関先まで収集に来る等、きめ細かいサービスが行われております。  さて、バルセロナ市で、第二回グリーン購入会議inバルセロナが開催されることになりました。今から十七年前の一九八八年、イギリスで始まったと言われる、グリーンコンシューマー活動に端を発していると言われるグリーン購入運動ですが、世界的に大きな流れになるにはまだまだ多くの時間と努力が必要に思われます。持続可能性を目指す自治体協議会、いわゆるイクレイが、四十三カ国、約二百の自治体で発足したのが一九九〇年、十五年経た今日、四百六十の自治体及びその連合体の加盟を見たと聞いております。  しかし、このグリーン購入運動が実際に効果を上げる中核として期待される世界の自治体の参加数としては、いまだしの感があります。世界的に見ると、大消費国家アメリカ合衆国内自治体の参加数の少なさが気になりますし、我が国内においてもまだまだの感があります。昨年、第一回世界会議が発祥の地ヨーロッパではなく、アジアの中の仙台で開催され、成功に終わったことは記憶に新しいところであります。この運動の目指す目的の重要さを考えれば、仙台市が加速度的推進を図る中心的役割を果たすことは、まことに意義深いことであると考えます。市長はいかがお考えでありましょうか。御所見をお聞かせいただきたいと思います。  本年五月、仙台市がホストになって開催されたイクレイ世界理事会に参加された、マイヨール・ベルトラン副市長と会見することができました。女性としてのきめ細かさと、政治家としてのエネルギッシュな行動力が備わった、市議会議員でもあるベルトラン副市長との会見を通じて、次回の世界会議で仙台市が果たす役割は大きいものがあるのではないかと感じました。  お聞きするところ、開催を促したのが藤井前市長であったとのことであります。世界でも先進的な実践を行っている本市でありますだけに、第二回会議でも存在感を示していくべきだと考えます。市長はいかがお考えでありましょうか。現在、どのようなお取り組みをしておられるのでしょうか、お聞かせをいただきたいと思います。  バルセロナは、スペインの中でも独立心旺盛なカタロニア州の州都であり、ヨーロッパ大陸各国へのアクセスするための有力なゲートウエーでもあります。整備された港湾、国際空港、それが隣接して立地し、そこにアクセスする新幹線もまもなく開通するという、活気と可能性にあふれた都市であります。バルセロナ市議会議員でもある市長が、次のカタロニア州知事の最有力候補になるというのが伝統だともお聞きいたしました。  仙台市とは、一六一三年、慶長遣欧使節団が、この港を利用してローマに赴いたという歴史的御縁もあります。国際会議を契機に、将来の文化経済交流を見据えて、チャンネルづくりを考えてもいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。御所見をお聞かせください。  国際派市長をいただき、仙台市は足元を固めながらも、対外的な事業が多くなってくることが予想されます。現在の体制で対応できるのでありましょうか。今でも関係組織がフル回転をして、きしむ音が聞こえそうであります。効率的に事業を展開していく上で、今後組織再編の工夫が必要になると思いますが、いかがお考えでしょうか。  さて、梅原市長が海外で御活躍の時代に、仙台は多くの市民の努力でここまでの高い評価と豊かな魅力を持つまちになってきました。過去幾度となく、進むべき方向をめぐって激しい議論があり、施策に対して厳しい批判も起きました。しかし、それはすべて市民の幸せとは何かという、同一視点での議論だったと確信をしております。申すまでもなく、今日の仙台は、このような数々の過程を踏まえてここにあり、一朝一夕ででき上がったわけではありません。市民一人一人がこつこつと目に見えぬ努力を積み重ねて、今日に至っております。梅原市長は、歴史と文化を大事にされる方と聞いております。市長におかれましては、仙台市政に新しい息吹を吹き込んでいただくと同時に、歴史と伝統に意を用いられ、今日までの歩みをよく吟味し、広く市民の声に耳を傾けていただくことにより、よき仙台づくりのパイロットになっていただきたいと願います。  私たちの住むまち仙台は、まことに美しいまちです。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 35: ◯市長(梅原克彦)ただいまの渡辺博議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、安全なまちづくりについての、その取り組みについての御質問でございます。  いわゆるたばこのポイ捨て、落書きなど、軽犯罪法の第一条の各号に掲げておりますようなもろもろの迷惑行為については、同法によりまして罰則は定まっているものの、残念ながらその運用に限界があることも否めない事実であると私は認識しております。もちろん警察当局においても、定員増を含めてさまざまな努力を行っているわけでありますが、残念ながら市民の方々のマナーの向上に訴えるという手法のみでは、なかなかこういった迷惑行為がなくならないという実態があると思います。  いずれにしましても、こういった迷惑行為は仙台市全体のイメージ、私たちの仙台市が品格のある国際的にもさらに評価されるようなまちであるためにも、私たちの仙台市のイメージを損ない、また生活環境を悪化させるものであるというふうに思います。常日ごろから宮城県警本部あるいは各警察署長の皆さんと、今後の仙台のまちづくり、そして安心・安全のまちづくりということについて、中長期的な観点を含めて議論を既に始めておりますけれども、議員御指摘のように、既存の現行の法令のできるだけの厳格な運用、これも大切なことだと認識しております。  いずれにせよ、小さな犯罪を見逃すこと、落書きなどのような違反行為を不心得者にさせない、あるいはそういった行為を許さないという強いメッセージを伝え、市民を代表して行政の側が強いメッセージを伝えるということが重要であること、議員が御指摘のとおりだと考えております。  議員からお話もございましたニューヨークのジュリアーニ市長、私も大変尊敬をしている方でございますが、ブレークウインドーセオリー、割れ窓理論に基づきまして、警察官の大量の定員増、あるいは単に規制アプローチだけではなく、都市再開発というアプローチを組み合わせた発想、もちろんアメリカ経済の復活等、こういう背景があるわけですけれども、見事にニューヨークのまちを復活させた。これはすばらしい業績だと思っております。  現在、日本国内におきましても、例えば東京の新宿区歌舞伎町におきましても、歌舞伎町ルネッサンスというタイトルで、先ごろ特区の認定が行われ、規制のアプローチと都市再開発のアプローチ、これを併用した相当の努力があらわれつつあります。せんだって新宿区長さんとも東京でお目にかかる機会がございましたが、こういった他の自治体の先進的な事例、そして今、議員から御指摘のありましたような不心得者の小さな違反行為を見逃さない、これを見逃すことがひいては大きな犯罪を生み、その地域全体の治安を悪化させるという視点から、私たちの仙台のコミュニティーを犯罪抑止力の強いまちに、少しでも近づけたいと考えております。  次に、イタリア貿易振興会仙台事務所に関する御質問でございました。
     去る九月七日の当事務所の開所式、私も出席をさせていただきました。その際、本国から生産活動大臣、そして同振興会のバッターニ会長と昼食を交えてお話しする機会がございましたが、その時点におきましても、イタリア側関係者の仙台に対する並々ならぬ関心の強さ、これは藤井市長以来のワールドカップ二〇〇二年を契機とした、イタリアチームキャンプを契機とした交流が、少しずつ新しいステージに向けて実を結びつつある、その端緒についているという印象を持ちました。  具体的には、産業分野あるいは研究開発分野において、イタリアの得意とする製造業、例えば自動車のフィアットに代表されるような機械産業のみならず、最近では先端材料、例えばナノテクノロジーについても相当の自信を持っていることがうかがえました。私の方から、そういったナノテクノロジーを含め、先端分野の技術開発、研究開発について、仙台市とイタリアのそういった研究集積との交流を進めていくような、議論の機会を持ってはどうかという御提案をいたしましたところ、先方もぜひ前向きに取り組んでみましょうと、こういったお話がございました。  議員から御指摘ありますように、現在、欧州におきましては、地域統合が地域通貨統合まで進んでいること、御承知のとおりでございます。経済的にはもはや一つの国となっております。私ども、フィンランドあるいはスウェーデンといった北欧諸国について、御案内のようないろいろなアプローチを既に進めておりますし、一部成果も出つつあるところですが、イタリアをもう一つの窓口として、あるいは議員御指摘のようなスペインのカタロニア地方、その中心都市バルセロナとの交流も含めて、多層的ないろいろな入り口からヨーロッパとの協力を進めていく、こういう考え方でさらにいろいろ連携を推し進めてまいりたいと思います。  また、私自身も海外出張の機会あるいはさまざまなお客様の機会をさらにとらまえて、仙台のシティセールスにみずから相努めたいと思います。  次に、アジア関係でございますけれども、御指摘のタイとの交流、これは言うまでもなくまず観光客が多数いらっしゃることが考えられますし、現にタイからのお客様、仙台ないしその周辺へのお客様がふえております。現在もタイの旅行業界でございますアウトバウンド協会の皆様が、仙台あるいは宮城県内の観光地を視察されておりますが、明日私がタイのアウトバウンド協会の幹部の方々と面談をし、仙台のシティセールスに努めてみたい、やってみたいと思っておりますが、いずれにしろタイに代表されますように、東南アジアは近年著しい経済成長を示しております。タイだけでも六千万人の人口がございます。  こういった経済成長を背景に、観光客の伸びが非常に高い水準を示しているわけですけれども、いまだ東北地方全体として、あるいは宮城県、仙台市として、本来私たちが持っている観光資源を十分に生かし切れていないという現実がございます。以前にも申し上げましたように、広域的なアプローチでそれぞれの観光資源を集めて、パッケージにしてこれを強力にセールスするという方式で、仙台市が東北全体の牽引役となって、広域観光を推し進めてまいりたいと思います。  また、タイとの間では定期航空路線の開設が期待されておりますが、現在、原油価格の高騰その他の事情がございますので、タイ航空として直ちに定期便の開設は難しいというふうに私も聞いております。当面はチャーター便を成功させること、これを中心に、またメディアの方々を招聘するなど、いろいろなプロモーション活動を積極的に展開をし、仙台市の知名度アップを図ってまいりたいと思います。  その他、人的な交流ですとか、物流ですとか、いろいろな分野での交流、そして地域的には東アジア、東南アジア、そして産業分野での欧米先進国、さまざまな私どもの交流、そして言うまでもなく文化、芸術、スポーツといった、本来仙台市が誇る私たちの伝統文化、歴史を魅力ある観光資源として活用していくと、こういったアプローチが有効であるかと考えております。  そのほかの御質問につきましては、山浦副市長及び関係の局長から御答弁を申し上げます。  以上でございます。 36: ◯副市長(兼)総務局長(山浦正井)私からは、国際的な経済交流や文化交流に関しての、組織のあり方についてのお尋ねにお答えを申し上げます。  御指摘をいただきましたように、新たな貿易振興や国際交流事業につきましては、観光集客や新産業の創出の契機となりまして、本市の経済力の向上に大きく寄与しますとともに、仙台のブランド力の強化にも資するものでございます。その推進に当たりましては、現在も組織横断的な連携に努めながら取り組んでおるところでございますが、さらに一層その強化を図るために、組織再編につきましても検討を進める必要性を感じておりまして、より効果的な執行体制の構築を目指してまいりたいと考えております。  以上でございます。 37: ◯企画局長(佐藤信夫)私からは、バルセロナ市との交流につきましてお答えをいたします。  御指摘のとおりバルセロナ市は、仙台市とは歴史的な御縁がございますし、また環境政策も含めまして、これから交流を進めていく分野も多い都市ではないかと考えております。また、EU地域における交流拡大の足がかり、ゲートウエーとしてのポテンシャルもある、そのような都市の一つであるというふうに認識をしております。折しもことし愛知万博の開催を記念いたしまして、慶長遣欧使節団の武士が登場いたしますアニメ映画がスペインで制作をされまして、これがスペイン国内を含め、これから世界各地で放映されることになってございます。来春、バルセロナ市で開催されますそのPRイベントの機会をとらえまして、仙台市を紹介する展示などを早速行いたいというふうに考えてございます。  さらに、予定されております第二回グリーン購入世界会議の機会、これも生かしながら、バルセロナ市との交流拡大の可能性を探りたいというふうに思っております。  以上でございます。 38: ◯市民局長(平井俊之)私からは、楽都仙台に関連する三点の御質問にお答え申し上げます。  まず第一点は、仙台国際音楽コンクールについてでございます。  このコンクールは、次回で第三回目となる新しいコンクールでございますけれども、その参加者の質の高さあるいは運営、特に多くの市民のボランティアの方々の参加によりますホスピタリティーなどが、高く評価されているところでございます。また、ことしの五月には、国際音楽コンクール世界連盟への加盟が承認されまして、文字どおり世界一流のコンクールへの仲間入りを果たしたところでございます。  これまでの国際コンクールのさまざまな経験を踏まえまして、今後とも逐次改善を加えながら、楽都仙台の重要な事業の一つとして取り組んでまいりたいというふうに考えております。その際、コンクールがさらに国際的知名度を高めまして、名実ともに一流のコンクールとなるために、国際的な音楽関係者とのネットワークを大切にすること、これは非常に有益であるというふうに考えてございまして、機会をとらえまして、海外オーディション開催地の関係者との意見交換の場など、さまざまな機会を持つように努めてまいりたいというふうに考えております。  二点目は、音楽を気軽に楽しめる環境づくりについてでございます。  音楽文化をより一層普及し、そのすそ野を広げていくためには非常に大切なことであるというふうに私どもも考えております。そういった観点から、コンクールの開催に当たりましては、地元の子供たちやコンクールの出場者たちによりますさまざまなコンサートを開催いたしたり、あるいは市内の小中学校を対象としたオーケストラの鑑賞会でございますとか、あるいは学校の訪問コンサートなどに取り組んでまいったところでございます。  御提案のクラシック音楽を身近なところで、気軽に楽しんでいただける音楽祭のような取り組みでございますけれども、これはますます大切になっていくものと考えておりまして、本市ゆかりの音楽家の方々の御協力もいただきながら、その具体化に向けて検討してまいりたいというふうに考えております。このような楽都仙台づくりにおきましては、幅広い市民の方々と協働、連携していくことが、これは不可欠でございます。御指摘の音楽関係の学科等を持ちます教育機関との連携、これも極めて重視すべきものというふうに考えているところでございます。  三点目が、本市の小中学校における音楽活動についてのお尋ねでございます。  本市におきましては、小中学校を初めといたしまして、合唱やあるいは吹奏楽の活動が非常に盛んでございます。数多くの賞を受けるなど、その活動は高く評価されておりまして、楽都仙台を形づくる重要な要素ともなっているものと考えております。今後、そのような視点から、教育委員会とも十分に連携をとりながら、支援についても積極的に対処してまいりたいと考えております。  以上でございます。 39: ◯環境局長(荒井崇)私からは、グリーン購入世界会議における本市の役割等に関します御質問にお答え申し上げます。  まず、グリーン購入につきましては、経済発展と環境保全を両立させ、かつ地球規模での環境負荷低減を図る上で、極めて有効な手段であると認識してございまして、昨年、第一回グリーン購入世界会議を開催いたしました仙台市といたしましては、その世界的推進に取り組む必要があると考えているところでございます。そのため、本市におきましては現在、第一回世界会議の仙台宣言で提唱され、本年四月に設立されましたグリーン購入世界的推進のための国際グリーン購入ネットワーク、略称IGPNと呼んでございますけれども、このIGPNに、その企画運営において重要な役割を果たす助言者及び運営委員会の委員として参画しているところでございます。このIGPNにつきましては、各国におけるグリーン購入のための組織づくりや、各国間のネットワークづくりの援助を中心に活動を行ってございまして、本市としても今後協力してまいりたいと考えてございます。  議員御指摘の第二回のグリーン購入世界会議の開催に当たりましては、その成功に向けました貢献をしていくとともに、世界会議の場におきましても、本市がこれまで培ってまいりました先駆的な施策や、また経験などを広く発信してまいりたいと考えてございます。  以上でございます。 40: ◯議長(柳橋邦彦)次に、大泉鉄之助君に発言を許します。     〔五十番 大泉鉄之助登壇〕(拍手) 41: ◯五十番(大泉鉄之助)質問をさせていただきます。  梅原市長は、精力的に本市事業に関する査察や、予算執行のありようについて精査されていると聞き及ぶことから、私は市政各般にわたりそれぞれ質問をいたしたいところであります。しかしながら、本定例会最終の質問者であることなどを考慮し、今回は、本市の区制、区役所制の一点に絞って質問させていただきたいと思います。  当時、昭和の国盗り物語とマスコミが論評した、本市と泉市、宮城町、秋保町との大合併の促進、及び政令指定都市昇格の実現に、私は議会側の促進特別委員長として臨み、今日の区制、区割、区の名称の制定に深く関与いたしたものであります。それゆえに、私は区制がスタートした当時から今日まで、区制、区役所に関する論議を定期的に議会の内外において行ってまいったところであります。その立場で、新たに就任された梅原市長に対し、区制に関する所見と当面の問題点につき、改めて問うものであります。  思えば、政令指定都市スタートからはや十六年八カ月余り、移行時の平成元年の人口は九十一万、世帯数は三十三万戸でありましたが、平成十七年の今日、人口は既に百二万を突破、世帯数は四十四万五千戸に増加いたしているのであります。人口増加と戸数増加はそれぞれ十一万余でありますことから、本市においてもますます核家族化が進行しているということになるものと思考いたすものであります。  また、当初予算で見る本市財政規模は、平成元年一般会計二千七百六十五億円、三会計合計は五千三十五億円でありました。本年度は一般会計四千百六十五億円、三会計合計で九千三百九億円の規模になっており、財政力の一つのピークの時を既に越えてきてはいるものの、その規模の増大に感慨を深くいたすものであります。  質問の第一であります。  市長は、政令指定都市における区制というもの、区役所というものをどのようにとらえておられるのか。とりわけ本市が標榜してまいりました大区役所制については、どのようなものと定義し、本市区制の今日のありようをどのように見ておられるのか、区制の今後あるべき姿をどのように考えておられるのか、まず伺っておきたいと思います。  質問の第二であります。  区役所の組織の現状から来る問題点を申し上げてみたいと思います。  その一つは、まちづくり推進課の守備範囲が、巨大過ぎるのではないかということであります。この課は、御案内のとおり、市民が最も頼りとする課の一つであります。市民にとって使い勝手がよいように、細分化すべきではないかとかねてから考えてまいりましたものであります。御所見を伺いたいと思います。  その二つ目は、建設部であります。御承知のとおり、管理課、建設課、建築宅地課の三課に分かれております。行政側にとっては、公園、道路といったふうに分けることがよいのかもしれませんが、市民は整備と管理がそれぞれ分かれていることに不便きわまりないものを感じており、建設から管理まで一貫した形となる区分けにすべきであるというふうに、私は考えるものであります。御所見を伺っておきたいと思います。  質問の第三であります。  市民センターの問題であります。  市民から見れば、コミュニティ・センターも市民センターも、同じ市の市民利用施設でありながら、コミセンは使い勝手がよいが、市民センターは管理がお役所的で使いにくいという市民の声が、数多く寄せられているのであります。かねてから、市民の目から見て、区役所は大変親切だが、市民センターはどうも面倒くさい、市政の窓口のイメージを悪くしているという面があるというふうに思うのであります。  これまでの実績である市民と区役所の良好な関係の中において、市民センターの管理運営を包含し、任せることができないものでありましょうか。御所見を伺っておきたいと思います。  次に、質問の第四であります。  「私の心配は、女性の一人として全く当然のことであった。しかし、私は、千二百マイルにわたって旅をしたが、全く安全で、しかも心配もなかった。世界じゅうで日本ほど、婦人が危険にも不作法な目にも遭わず、全く安全に旅行できる国はない」  驚くべきことに、これはイザベラ・バードという当時四十七歳のイギリスの女性旅行家が、明治維新からたった十年後の明治十一年、一八七八年の五月二十一日にアメリカ経由で日本に到着、その後三カ月にわたって伊藤という十八歳の青年を通訳に雇い、馬の背に揺られて我が東北地方そして北海道南部を女性の一人旅をした際、記録に残し書き送った一文であります。当時、東北の田舎からその手紙がちゃんと母国イギリスまで届いているのでありますから、驚きであります。ところが、今日の我が国の実情はどうでありましょうか。  市長は、選挙公約で安心・安全、日本一の先進都市仙台の実現を掲げられました。私が議長時代の平成三年十一月、日米市長・商工会議所会頭会議が本市で開催され、本市はそのホスト役を見事に務め上げたという実績を有するのであります。その折、来日する市長たちの御婦人から、ジョギングする際、伴走してくれるボディーガードはいるのかと問われたものでありました。仙台は、御婦人がひとり夜の公園を散歩しても全く安全なまちであると答え、来仙された遠来の客は当時の仙台の安心・安全に驚愕し、安心・安全のまち仙台と高く私どもの仙台のまちは評価を受けたのでありました。ところが、今日の仙台は、暴力団や変質者による事件が多発し、公園には不気味なホームレスがたむろします。夜の国分町は、客よりも客引きの方が多いまちとなり、一番町や中央通りには何をねらっているのか、えたいの知れない外国人が徘徊いたしているのであります。  総括は本庁に置くことを前提として、この安心・安全のまちづくりの前線基地、前線部隊は区行政の中で一体的に取り組むべきと考えるものでありますけれども、御見解を伺っておきたいと思います。  質問の第五番目であります。  我々は、平成元年、我が仙台市が市政施行百周年の記念すべき年、我が国の中で最も新しい政令指定都市へと移行し、その感激の中で旧来なかったような分権都市をつくるという高い志を掲げ、大区役所制を採用したのであります。しかしながら、本市の大区役所制の現状を見るとき、本庁と区役所の間に格差や断絶が存在、区役所の部長、課長は本庁の部長、課長の下、区役所は人事の島流し、吹きだまり場所、区役所は市役所本庁の下請組織であるように思えてならないのであります。過去には、開発局、市民局の二局の局長経験者が区長に就任したという輝かしい歴史があったことを私は記憶いたすものであります。  大区役所制の根本は、市行政と市住民との接点という重要なポジションである区の業務権限をどう確保し、どう担保するかであります。それは、地方分権時代の仙台版とも言うべき権限、権能の移譲強化、人材的資源の適切な配分、財政的支援配分の強化、これらをもって本来の市民本位の行政機能を果たすのであります。近々襲いくることが予測されます宮城県沖地震の再来に対する備えをも増強するためにも、区役所の強化が強く望まれるところであります。これら大区役所制度のさらなる促進に関して、市長の所見を求めるものであります。  最後に、梅原市長が就任以来、市長の哲学、思想、仕事ぶりから、久々に市役所全体に良質の緊張感が走っていることを、私は大いに歓迎するものであります。どうぞ、ますます御精励をくださるよう祈念いたしまして、私の第一問とさせていただきたいと思います。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 42: ◯市長(梅原克彦)ただいまの大泉鉄之助議員の御質問にお答えを申し上げます。  大区役所制並びに安心・安全のまちづくりに関してのお尋ねでございます。  仙台市が政令指定都市に移行いたしまして、そして大区役所制を採用したわけでございます。その基本的な理念につきましては、区役所を市民に身近な行政サービスを総合的かつ完結的に提供する地域行政の拠点と位置づけております。市民の利便性を最優先にとらえ、市民生活にかかわる基本的なさまざまなサービスを、可能な限り市民に身近な区役所において提供していくという考え方でございます。  私も、地方自治体の長として、市長就任以来四カ月、そういった考え方を基本に各区役所を視察し、幹部の人々とも限られた時間ではございますが、直接現場の声を聞くように努めてまいりました。また、市長あてにさまざまな市民の皆様からのまちづくり提案、その中に区役所の業務についてのさまざまな御意見、御苦情も含めていろいろな声が寄せられております。これらの御提案についても、すべて丹念に読ませていただきながら、私自身の問題意識の醸成に努めております。  市民の皆さんの利便性、そして地域の個性を生かしたまちづくりの推進、そういう点におきまして、これまでこの大区役所制は一定の成果を上げてきたものと認識はしております。指定都市に移行後、十六年八カ月が経過し、仙台市民の皆様一人一人の価値観あるいは、いわゆる行動も多様化するという変化がございます。現在、これらの変化に的確に対応しながら、地域性そして独自性を尊重した政策を展開していくことが一層強く求められていると認識しております。とりわけ、ただいま議員から御指摘のとおり、市民生活の安全の確保につきましては、都市経営における最も基本的な責務であると認識しております。市民満足度を高めるまちづくりの最も基本的な要素であると認識しております。  議員からも御指摘のありました明治期におけるイザベラ・バード女史の旅行記にも書かれているような、本来私たち日本人の、あるいは日本の社会が持っていた世界屈指の安全・安心の社会、これが残念ながら、さまざまな要因により危機に瀕していること、御承知のような状況でございます。平成三年に開かれました日米の市長・商工会議所会頭会議でのエピソード、ほんの十数年前のことでございましたが、果たして現在の仙台市が胸を張って、そういったお客様に夜でも安全にジョギングができるまちですというふうに、必ずしも申し上げられない現状であると認識しております。あるいは、私も就任以来さまざまな会合、外国からのお客様も出席する学会などに出席し、スピーチをいたしますけれども、残念ながら、私どもの仙台市の繁華街の現状、お客様が楽しく仙台の夜のまちで楽しんでいただくという状況にない、これが仙台市のこれからの観光客の誘致ですとか、さまざまな活力をもたらすための大きなボトルネックになっているというふうに思っております。  いずれにしましても、今後、区役所における安心・安全も含めたさまざまな行政分野における効率的そして効果的な行政運営の体制の確保に向け、ただいま議員からたくさんの貴重な御指摘、御示唆をいただきました。それぞれの組織のあり方にも私自身の目で検討を加え、市民の皆様にとってますます身近な区役所になるよう、その区役所が適切な権能を有し、その自立的な判断によりまして職員の人的資源、そして能力、そして財源を適切に配分することにより、総合的かつ完結的な拠点としてその役割をきちんと果たしていけるような区役所になるように、さらに努めてまいりたいと考えております。  そのほかの御質問につきましては、山浦副市長及び市民局長から答弁をさせたいと存じます。  以上でございます。 43: ◯副市長(兼)総務局長(山浦正井)私からは、区役所の組織に関しての二点のお尋ねにお答えを申し上げます。  これからの地域づくりを考えますと、市民参加のもとに地域らしさを生かしたまちづくりをさらに積極的に進める必要がありますとともに、あわせて市長より御答弁申し上げましたように、今日的な課題でございます安全・安心に関する機能の強化も強く求められているところでございます。御指摘のまちづくり推進課の分割も含めまして、組織の見直しを行い、ソフト面での事業推進の強化充実に向けまして検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、建設部についてでございますが、現在は公園や道路の占用許可などの管理的な業務につきましては管理課が所管をいたしまして、また、公園や道路の新設改良や維持管理、いわゆるハード整備に関する業務は建設課が所管しているという業務の性質により役割の分担をしているところでございまして、市民から見た区役所の組織としてはわかりやすさという点で課題があるものと考えております。この点を踏まえまして、公園は公園、道路は道路ということで、建設改良から管理に至るまで一貫して所掌する組織とする方向で、現在、検討を進めているところでございます。  以上でございます。 44: ◯市民局長(平井俊之)私からは、市民センターの管理運営についてお答え申し上げます。  市民センターの管理運営につきましては、これまで市民相互の交流を通じ地域の振興を図るという観点から市民センターを設置してまいりましたけれども、地域におきましては少子高齢化等を背景といたしましてコミュニティーの意識の希薄化でございますとか、あるいは機能の低下が危惧される一方、災害対策や防犯対策など、安全・安心に対する関心が急速に高まっているという現状がございます。このような中におきまして、市民センターがコミュニティーの拠点としての機能の強化を図りまして、区役所と緊密な連携のもと多様化するさまざまな市民の皆様のニーズでありますとか課題に迅速かつ的確に対応するということが極めて大事になってくるものと考えているところでございます。現在、区役所の機能を充実強化するための組織の見直しを行っているところでございますが、このような点も十分踏まえまして、市民センターの果たすべき役割と、それから組織的な位置づけについて検討を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 45: ◯議長(柳橋邦彦)これにて一般質問を終結いたします。     〔七番 鎌田城行「議長、議事進行」と呼び、発言を求む。〕 46: ◯議長(柳橋邦彦鎌田城行君。 47: ◯七番(鎌田城行)済みません。まだ、学浅き身でありますので、学ばせていただくということも含めて、ただいまの質疑に対しまして二点お伺いしたいところがありますので、議長並びに市長の御見解を伺いたいと思います。  仙台においては、シティセールスまた観光客誘致の点、何度か質疑されました。そうした点から、先ほどの大泉議員の質問の中に「何をねらっているのか、えたいの知れない外国人が」というフレーズが私の耳に聞こえたところでありましたけれども、誤解を招くのではないかと危惧するところがありまして、この点について議事録に残るということはいかがなものか。また、その答弁の際には市長から「貴重な御指摘」という、そういう答弁の箇所がありました。この表記についても、かかるものなのか。ちょっと、私、考えられない、まだ理解の整わないところがございましたので、その点について、議事録に残ることが望ましいかどうかについて、議長にこの御見解を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。 48: ◯議長(柳橋邦彦)ただいま、鎌田城行議員からの議事進行につきましては、質疑の全体の内容及び当局の答弁内容、そうしたものの精査をした上で、議事録の確認をいたします。あるいは、質疑者の趣旨等も伺いながら、議会運営委員会などのしかるべき場所で適切に対応してまいりたい、このように存じますのでよろしくお願いいたします。     〔五十番 大泉鉄之助「議事進行」と呼び、発言を求む。〕 49: ◯議長(柳橋邦彦)大泉鉄之助君。 50: ◯五十番(大泉鉄之助)本人が議事進行で物を言うのは珍しいことかもしれませんが、私は、中央の通りでありますとか一番町でありますとか、こういったところにおける実態を見た上で、責任と自信を持って発言しておりますことを、議長においてしっかりと受けとめていただきたい、このことを申し上げておきます。 51: ◯議長(柳橋邦彦)承ります。  これにて一般質問を終結いたします。          ────────○────────     日程第三 第百三十四号議案から第百五十四号議案まで(継続議) 52: ◯議長(柳橋邦彦)日程第三 第百三十四号議案から第百五十四号議案まで、以上二十一件を一括議題といたします。  お諮りいたします。ただいま議題となっております第百三十四号議案外二十件については、お手元に配付いたしました議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 53: ◯議長(柳橋邦彦)御異議なしと認めます。よって、第百三十四号議案外二十件については、議案付託表のとおり所管の常任委員会に付託することに決しました。          ────────○────────     日程第四 請願書の委員会付託に関する件 54: ◯議長(柳橋邦彦)日程第四 請願書の委員会付託に関する件を議題といたします。  お諮りいたします。第一号請願 皇室典範問題に関する意見書採択についての件については、お手元に配付いたしました請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 55: ◯議長(柳橋邦彦)御異議なしと認めます。よって、第一号請願については、請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託することに決しました。          ────────○──────── 56: ◯議長(柳橋邦彦)以上で、本日の日程は、すべて終了いたしました。  なお、本会議は、委員会の報告を待って再開の予定であります。
     本日は、これをもって散会いたします。     午後四時二十六分...