• "環境アセスメント等"(/)
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  1. 仙台市議会 2005-06-01
    経済環境協議会 本文 2005-06-01


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:                 ※会議の概要 ◯委員長  ただいまから経済環境委員協議会を開会いたします。  さて、本日はお手元の日程にありますとおり、松森工場の全炉停止の問題について御協議いただきたく御参集いただきました。  この件に関しては、去る5月20日の経済環境委員協議会におきまして環境局より説明を聞きましたが、委員の皆さんから、明らかにできなかったことについて現地視察を行った上で、直接三菱重工業さんから説明を聞きたいという御要望をいただきました。日程等については正副委員長に御一任をいただきましたので、委員の皆さんの日程等を調整した結果、本日、実施の運びとなりました。前回の協議会の議論を踏まえて、技術的な問題や今後の改善策などを三菱重工業さんから直接お聞きしたいと思います。  それでは、本日の三菱重工業さんの御出席者を私から御紹介させていただきます。  市議会からの聴取の要望にこたえていただきまして本当にありがとうございます。早速ですが、三菱重工業株式会社取締役横浜製作所長宮首昭彦さんでございます。 2: ◯宮首昭彦関係者  宮首でございます。よろしくお願いいたします。 3: ◯委員長  よろしくお願いいたします。  次に、三菱重工業株式会社横浜製作所環境ソリューション技術部長土井亨さんでございます。 4: ◯土井亨関係者  土井でございます。よろしくお願いいたします。 5: ◯委員長  よろしくお願いいたします。  そのほかお手元の名簿に記載の皆様に御出席をいただいております。  それでは、早速協議に入りたいと思いますが、進め方として、まず三菱重工業さんから今回の松森工場の全炉停止について御説明をいただいた後、委員から御質問をいただくということで進めていきたいと思いますが、そのようなことでいかがでしょうか。             [「異議なし」と呼ぶ者あり] 6: ◯委員長  御異議なしと認め、そのように協議を進めてまいります。  それでは、三菱重工業さんより御説明をちょうだいいたします。 7: ◯宮首昭彦関係者  ただいま御紹介をいただきました、三菱重工横浜製作所の所長の宮首でございます。本日、ただいま委員長の方からお話がありましたように、今回に至りました件につきまして、その経緯、それから調査結果及び改善対策につきまして、本日御説明をさせていただきます。  その前に、このたびはこの松森工場引き渡し寸前のところで触媒の熱損傷という事故を起こしまして、その結果、煙突からばいじんが出たわけですが、非常に施設の引き渡しがおくれまして、またごみ行政におきましてもいろんな御迷惑を仙台市様並びに市民の皆様に多大な御迷惑、御心配をおかけしておりますこと、まずもっておわびを申し上げます。どうも申しわけございませんでした。  当社といたしましては、社を挙げて総力をもってその原因の究明、先ほど申し上げましたが対策に向け早期復旧に向けまして、また再発防止ということを一刻も早く実施をし、皆さんに御安心をいただけるよう努めてまいりますので、今後とも御指導のほどをよろしくお願いいたします。  本日は、まことに申しわけございませんが、ただいまからお時間をちょうだいいたしまして、私の隣におります技術部長の土井の方から今般の経緯、それから最終的な対策に向けての話を御説明させていただきます。プロジェクターの使用を許可をいただいておりますので、説明につきましてはプロジェクターの方で説明をさせていただきますが、お手元の方にその資料と、中に若干専門的な言葉が入ってまいりますので専門用語の解説集的なものを1枚入れているかと思いますが、それも御参照いただきながらよろしくお願いをしたいと思います。
     それでは始めさせていただきます。土井の方からさせていただきますのでよろしくお願いいたします。 8: ◯土井亨関係者  技術部の土井でございます。よろしくお願いいたします。  それでは本日の御説明事項でございますが、1、トラブルの御説明、2、全体の稼動の状況、3、大気放出板破損の経緯、4、触媒の熱的損傷までの経緯と原因、5、5月13日休止後点検結果報告、6、3号ばいじん濃度計、7、恒久対策、以上の順番に御説明をさせていただきます。  まずトラブルの御説明でございます。ここに示しておりますのが松森工場の大まかな機器と設備でございます。まず焼却炉は1日200トンのごみを処理する能力のものを3基設置してございます。各系統にはごみの焼却排熱を回収して蒸気として回収するためのボイラー、排ガス中の有害物質を除去するためのろ過式集じん器触媒反応塔が設置されております。ボイラーにて発生された蒸気は蒸気タービンに送られ発電が行われます。  本件トラブルはまず蒸気タービン回りの補機で高圧蒸気系統の運転を誤り、その結果、安全装置であります大気放出板が作動したことがきっかけでございました。大気放出板は作動後、予備品と交換することが必要でありますが、予備品に在庫がなかったため、焼却炉の埋火状態が長引きました。埋火中にガス状の未燃炭化水素類が発生し、触媒へ蓄積しました。復旧後の立ち上げの際に蓄積未燃炭化水素類の触媒上での急速な酸化発熱反応が起こり、煙突から可視煙が発生いたしました。  以上がトラブルの全容でございます。  次に、全体の稼動の状況について御説明をいたします。問題の詳細につきましては後に御説明いたしますので、ここでは3月28日から5月13日までのそれぞれ1号炉、2号炉、3号炉の概要の流れについて御説明申し上げます。  3月28日21時30分ごろにタービン排気関係ドレン移送ポンプふぐあいが発生し、その復旧の過程で誤操作により安全装置である大気放出板を破壊させました。予備の大気放出板の在庫がなかったために、埋火状態での休炉が長引き、最初は各炉自然排気でガスを排ガス処理装置経由で排出しておりましたが、だんだん排出が難しくなってきたので1号炉の誘引送風機で集合的に排出いたしました。新しい大気放出板の設置完了後、3月30日11時20分に2号炉を立ち上げ、その後、順次立ち上げまして最終的には1号炉を休炉時間約64時間後の3月31日13時22分に立ち上げました。最後に立ち上げました1号炉で16時13分に可視煙が発生し、16時22分には緊急停止をいたしました。その後の調査で1号炉の触媒は熱的損傷をしていることがわかりました。2号、3号炉は5月13日まで運転を継続され、その後、点検を実施いたしました。  それでは、まず3炉が長期間、休炉となることになりました大気放出板破損の経緯について御説明申し上げます。まず簡単にタービン周りのフローを御説明いたします。各炉のボイラーから発生いたしました蒸気を集めます高圧蒸気溜という装置から蒸気はタービンに供給され、タービンにて発電を行った後、大気圧以下の負圧の低圧蒸気としてタービンから排気され、低圧蒸気コンデンサへ送られます。高圧蒸気の一部は低圧コンデンサの負圧を維持する装置であるエジェクタの駆動用にも供給されます。タービン排気管内で発生するドレンを排出する機能はドレンポットドレン移送ポンプでございます。またタービンバイパスはプラント立ち上げ時等のタービン停止時に使用し、高圧蒸気を減圧弁を通して低圧コンデンサへ送る装置でございます。  では、3月28日21時30分のボイラー停止後の状況について御説明申し上げます。タービン排気管ライン通常運転では低い圧力の蒸気が通っておりますが、何らかの要因で蒸気の圧力が上がった場合に備え放出板が破れることによって蒸気を逃がす安全装置である大気放出板を設置し、機器の保護を図っております。あちらの方に実物の大気放出板がございますが、これが松森工場で使用しております大気放出板の実物でございます。直径が600ミリございまして、へこんでいる方が低圧側で、こちら側から破れますと膨らんでいる方にこの板が裂けるような構造で安全が維持されるような方法になってございます。  それでは今回の大気放出板破損の経緯でございますが、まずドレン移送ポンプ出口圧力が下がりましてドレンポットの水が排出されないというふぐあいが発生いたしました。これによりドレンポットの水位が上昇したため、タービンを保護するために焼却炉及びタービンを停止いたしました。高圧蒸気溜出口弁をその際に閉としたため、高圧蒸気溜圧力は蒸気の逃げ場がなくなりまして圧力が徐々に上昇する状況となりました。このタービンバイパス減圧弁自動モードのとき高圧蒸気溜の圧力に応じて蒸気溜圧力が上がれば弁が開き、下がれば弁を閉じる動作を自動で行います。今回のケースでは高圧蒸気溜出口弁が閉まっているために、タービンバイパス減圧弁が開いてもタービンバイパスには蒸気が流れていかず、高圧蒸気溜圧力が下がらないためにさらにタービンバイパス減圧弁自動制御により開こうということで、最終的に21時30分の段階では全開の状態でございました。その後、ドレン移送ポンプふぐあいを解消いたしました後、再立ち上げの操作に移ったわけでございますが、このとき、タービンバイパス弁の状況を確認せず高圧蒸気溜出口弁を開としたため、タービンバイパスよりタービン排気管高圧蒸気が流れ込み、排気管圧力が上昇を起こしました。これにより安全装置である大気放出板が作動、破損いたしました。タービンバイパス弁の状況を確認せずに出口弁を開としたことは運転ミスでございますが、大気放出板が破壊したこと、これ自体は安全装置が正しく働いたということで正常な機能でございます。ここで大気放出板の予備があればすぐに交換して再立ち上げが可能でございましたが、予備品が手元になく埋火運転が長期化いたしました。  次に、それでは何が正しい操作であったかということでございますが、正規の操作といたしましては、タービンバイパス減圧弁手動モードにして自動モードで開いていた減圧弁を強制的に閉める操作を行います。その後、エジェクタに蒸気を流すために高圧蒸気溜の出口弁をあけます。この操作でエジェクタを起動させ、タービン起動の操作へと進んでまいります。これが正しい操作でございます。  今回の場合、タービンバイパス減圧弁手動モードの切りかえを忘れ、自動モードのままの減圧弁は開いたままの状態となっております。そして、エジェクタに蒸気を送るため高圧蒸気出口弁をあけましたが、減圧弁は開いておりますのでエジェクタだけではなくタービン排気管にも高圧の蒸気が一気に流れ、タービン排気管の圧力が上昇し、そして大気放出板が作動して破壊をいたしました。大気放出板は一度作動いたしますと交換が必要です。交換のためには蒸気をとめる必要があるため直ちに焼却炉を埋火する措置をすることになりました。  以上が大気放出板の破壊に至りました経過でございます。  以上、御説明いたしましたボイラー停止が最終的には触媒の損傷につながっていくわけでございますが、次に触媒の損傷が生じるまでの経緯について御説明いたします。まず1号から3号炉の排ガスを1号炉へ集合排気した経緯について御説明いたします。  各炉埋火後、自然通風で排ガスを排出しておりましたが、ガス温度の低下とともにガスを煙突から排出する力が低下してまいりましたので誘引送風機を運転しました。しかしながら発生する排ガス量に比較して誘引送風機の排出量が大き過ぎるため、バランスをとるために1号炉の排ガス処理装置に3炉分の排ガスを集めて処理をいたしました。結果として各炉再立ち上げ後、1号炉では可視煙の発生と触媒の激しい損傷が発生し、3号炉でも軽微な触媒の損傷が発生したという状況でございます。  触媒損傷の原因について究明いたしました結果、現在、結論として埋火中に発生した未燃炭化水素類が触媒で蓄積し、その後、排ガス温度上昇に伴い触媒の酸化発熱作用が加速的に進行し、この際発生したすすが可燃物と認識され、またこの温度上昇に伴い触媒が熱的損傷したものと考えております。  一方、各炉の触媒の損傷の差は上記理由から以下の条件の差によるものと考えます。1号炉は23時間、3炉分のガスを処理したこと、立ち上げが最後であったことから最も埋火時間が長く損傷が一番激しかった。2号炉は最も埋火時間が短く異常が見られなかった。3号炉は1号炉と2号炉の中間の埋火時間でありましたが、排ガスの集中処理がなかったので一部損傷が見られたという状況かということで考えております。  以上が熱的損傷に至りました経過でございます。  次に、今述べました3号炉の一部損傷は5月13日から14日にかけての2号炉、3号炉の停止後の点検の結果、判明したものでございます。  それでは、この5月13日以降の点検結果について御報告いたします。  まず2号炉でございますが、1、ろ過式集じん器につきましては、この写真にも見られますように排ガス出口側にダストの堆積が全くなく、異常は認められませんでした。触媒につきましては現場で御視察いただきましたように異常がなく、触媒メーカーによる評価試験におきましても熱的損傷はありませんでした。煙道及び誘引送風機は目視検査の結果、すすの堆積などもなく異常は認められませんでした。公害防止計器につきましては計器メーカーによる点検、校正の結果、正常に測定操作していることを確認いたしました。3月30日から5月13日までの運転データでございますが、これは運転管理値内にあり異常は認められませんでした。4月7日から8日の煙突入口排ガス中のダイオキシン計測を実施いたしましたが、その実測値は0.0034ng-TEQ/m3Nであり、管理基準値0.01ng-TEQ/m3Nを下回った状況でございました。以上より4月1日から5月13日までの運転において2号炉は機能的に健全な状態であったものと判断いたしております。  次に3号炉について御説明申し上げます。まずろ過式集じん器につきましては、この写真に見られるように2号炉と同様、灰の吹き漏れがなく、問題は認められませんでした。触媒につきましては、既に現場で御視察いただきましたように部分的にやや熱的損傷が認められました。煙道及び誘引送風機開放点検の結果、一部でやや白っぽい付着物が見られましたが、これらの付着物は煙道塗料成分であります鉄、カルシウムの化合物であるというふうに推定をいたしております。また、5月16日のメーカーチェックの結果、ばいじん濃度計が正常に機能しておりませんでした。原因は基板内のレーザーユニットふぐあいであり、16日には部品を交換して復旧済みでございます。しかしながら、ばいじん濃度計以外の運転データにつきましては、2号炉と顕著な差が見られなかったこと、及び4月8日から9日の煙突入口排ガスダイオキシン類濃度実測値が0.0022ng-TEQ/m3Nであったことから4月1日から5月13日までの定常運転時におきましては3号炉は機能的には2号炉と同レベルで健全な状態であったと推定いたしております。  次に3号ばいじん濃度計の経緯につきまして御説明いたします。3号炉は3月31日1時09分に立ち上げを開始いたしました。31日16時13分ごろに1号炉で可視煙が発生し、1号炉休止後に緊急に2号、3号炉の立ち上げ運転の記録を調査いたしましたところ、19時ごろに、当日、早朝4時15分に3号炉触媒反応塔出口の温度が上昇していることを発見いたしました。一方、この時点で同時刻のばいじん計の記録を調査いたしましたところ、記録濃度はゼロでございました。当時、当社の運転管理責任者担当運転員にデータについて確認いたしましたところ、ばいじん濃度計は点検中または校正中で、ばいじん濃度の計測はできていないと回答し、当社の管理者もそのとおり認識をいたしました。その後、4月15日ごろ、予定の2カ月に一度のばいじん計手動校正が実施されず、ばいじん計ふぐあい、故障は5月13日の休炉後の総点検で発見いたしました。  問題点を整理いたしますと、1番目が測定モードへの切りかえのおくれがあり、炉の立ち上げが1時09分に対し3時30分に測定モードに切りかえられたこと。2番目は、4時15分に触媒反応塔出口は温度の上昇に気づきませんでした。これはその下にDCSと画面を出しておりますが、触媒反応塔出口温度というのはそこの部分にちょっと表示される内容でございます。この段階では警報もついていなかったということから、この4時15分の段階で触媒の温度上昇を見逃したということがございます。  次に、31日19時の1号炉可視煙発生調査時点で、運転員の記憶があいまいで思い込みがあったということでございます。4番目といたしまして4月15日、2カ月ごとの手動校正点検が実施されなかったと。以上が問題点であり、これらの事象を5月13日、休炉後の総点検で詳細経緯と故障を発見いたしました。  それでは、次に点検にて発見されました3号炉ばいじん濃度計故障原因について御説明いたします。ろ過式集じん器を持つ清掃工場におきましては、ばいじん集じん効率が非常に高く、ばいじんは通常低い濃度であり、計算上でも計器上でもほぼゼロが表示されております。この松森工場においても同様であり、ばいじん濃度表示はゼロであることについて違和感がなかったというのが実情であります。しかしながら埋火決定後の3号炉のばいじん濃度計を調査した結果、現地にて基板の故障が判明いたしました。メーカーの調査員が5月16日に基板を交換し、本体は復旧することができております。一方、故障いたしました基板を製作メーカーの工場に持ち込んで詳細調査いたしましたところ、レーザーユニットが故障いたしておりました。原因といたしましては、メーカー工場での組み立て時に接触サージ電流が発生し、レーザーユニットにダメージを与え、通常7年程度期待できる寿命が短くなったものであるという報告を受けております。以上がこのばいじん濃度計の故障の原因が判明するまでの経緯でございます。  以上が今回のトラブル経過説明でございますが、これらのトラブルを踏まえ当社がとるべき対策は以下の4点と考えております。1が運転管理の面、2がばいじん濃度計、3が触媒の保護、4がバーナの設置、以上の4点でございまして、以下、それぞれについて御説明いたします。  まず、運転管理について御説明いたします。今回の未燃炭化水素類の蓄積による触媒の損傷を避けるために未燃炭化水素類蓄積防止運転マニュアルを作成いたします。また、緊急停止に対しましては緊急停止及びその後の起動操作を正しく実施するために中央制御室起動操作画面にガイダンスを表示する機能を追加いたします。次に、ばいじん濃度計に関しましては通常がゼロ表示であるためにふぐあい発生が認識できるように発光部の警報出力機能を追加いたします。また、維持管理項目一覧表及びチェックリストを作成し、間違いのない運転管理が行えるようにいたします。  触媒の保護対策といたしましては三つございます。まず、触媒反応塔内に温度計を追加設置し、触媒反応塔内の温度上昇を常時監視できるものといたします。2番目といたしましては、現在、既に設置されております触媒反応塔の入口と出口の温度、これのデータを拾ってまいりまして温度差を検知し、出口が入口より高い場合には触媒の酸化発熱が想定されるため警報を発報するという機能を追加いたします。3番目といたしまして触媒反応塔出口温度が異常上昇した場合に警報が出るように追加し、警報機能を設けるとともに触媒反応塔入口排ガス温度を下げる機能を追加いたします。弊社は今回の事象を踏まえたマニュアルの整備により非常時におきましても炉内でごみを燃し切る対応を基本と考えておりますが、万々が一、ボイラーへの給水が不可能になるような場合、炉内から未燃炭化水素類が発生した場合に備えての対策として緊急停止時に炉内より発生した触媒上に蓄積発熱する可能性のある未燃炭化水素類を燃焼処理するためのものとしてバーナ装置を設置いたします。  以上がトラブルの経緯と恒久対策の内容でございます。  私どもは仙台市民の皆様方に御迷惑をおかけしましたことを深く反省し、二度と同じ過ちを犯さないように再発防止対策に努め、松森工場早期復旧に向けて全力を尽くしていく所存でございます。今回はまことに申しわけございませんでした。以上で説明を終わらせていただきます。 9: ◯委員長  ありがとうございました。  始まります前に、きょう6月1日より軽装が解禁になりましたので、冷房が入ったみたいですけれども、お暑い方は上着をお脱ぎになって結構でございますので、進めさせていただきたいと思います。  委員の皆様からの質問をお受けする前に私から一言申し上げます。  本日は三菱重工業さんから直接お聞きしたいということで設定した場でございますので、まず三菱重工業さんへの質問を行っていただき、当局への質問があれば後ほどお受けしたいと思いますのでよろしくお願いいたします。それでは、御質問をお受けしたいと思いますのでどうぞ。 10: ◯佐藤正昭委員  本日はお越しをいただきましてまことにありがとうございます。まずは技術的なことをお伺いする前に、松森工場の炉が全炉停止してから2カ月以上が経過しているわけですけれども、三菱重工業は市民の安心・安全を脅かし不安にさせている。今、あいさつの中でも市民が安心できるように努めていきたいというお言葉があったんですけれども、このことに対してしっかりと説明責任を果たしていくことが大切であると私は考えます。そのことは原因究明と同じぐらい大切なことであると思います。本日、この委員協議会が開かれたからこそ、三菱重工業さんも説明の機会があったわけですけれども、もしこの場がなかったら御社はいつどこでどのように今回のことについて説明をするおつもりだったのか、まずはお伺いをさせていただきます。 11: ◯宮首昭彦関係者  このように全炉が、もちろん全炉の前に1炉がとまったわけですが、これを受けまして我々として過去にこういう事態を経験していませんので、基本的に非常に大変なこと、重大なことを起こしてしまったと。我々が今回工事をさせていただく背景というのも重々承知をしております。そういう中で環境局様にはすぐ連携をとらせていただき今日まで進めてきたつもりでございますが、先ほど来、お話がありますように、結果として時間がかかっております。このことに対しましては、我々もこちらに支社がございますので、こちらにおける情報というのはもちろんインターネットでもわかりますが、遅くとも次の日、大体その日には私もすべて大体把握しているような状況でやってまいりました。結果的に今お話が出ましたように説明責任を果たしていないということに対してはまことに申しわけなかったなというふうに思っておりますが、基本的には先ほど来、申し上げましたような形での動きはとっておりましたので、その中で我々ももう少し知恵がなかったかなと。私も横浜に帰れば市民です。したがいまして、私もその点はわかりますのでそういう意味では我々にもう少し何といいますか、動くべきところがあったのかなということをきょう、また新たにしておるところでございます。 12: ◯佐藤正昭委員  先日、三菱重工業さんのホームページを見せていただきました。その中で1ページ目に社是が書いてありました。「一、顧客第一の信念に徹し、社業を通じて社会の進歩に貢献をする。一、誠実を旨とし、和を重んじて公私の別を明らかにする。一、世界的視野に立ち、経営の革新と技術の開発に努める」と、こういうことが書いてありました。私はこの1番目に書いてある顧客第一の信念に徹し、ここだと思うんですね。顧客というのは市民でありますから、市民が皆様方を選んだわけですから、そしてその次のページには社長が世界の三菱重工業の実現をすると、そういうふうにおっしゃっているんですけれども、そういう意味におきまして今回の事故についてはこの社是に照らしてどのような考えで基本的に対応していくおつもりなのか、ちょっとお伺いしたいんですけれども。 13: ◯宮首昭彦関係者  3代目の社長の言葉が現在まで通用するということでわが社の社是になっているというふうに記憶しておりますが、私も約2,000名の配下がいます。協力会社、関連会社を入れますと大体四、五千人になりますので、そういう意味合いではミニチュアの社長でございます。私自身も先ほどの社の社是を受けて経営理念としてその道筋を立てておりますが、その中のトップがやはりお客さんの満足度、三つのSということをうたっております。一つはCS、お客さんの満足度が我々は物づくりにおいては一番だと。それと二つ目がパートナーの満足度、PS、パートナー・サティスファクション、三つ目が仲間の満足度、ES、エンプロイー・サティスファクション、これを行動理念としているところでございます。今、2年ちょっとでございますが、そういう中で今お話がありましたようなことが起こったということは、私自身としては内心じくじたるといいますか、非常に残念な思いがしております。一刻も早くこちらに飛んできて頭を下げ云々ということもいろいろあったわけですが、そして起こったことに対して、もちろんなぜ起こったかということがベースですが、それに対して一刻も早く解決をするような動きをとるべきだというふうに自分自身の製作所の中でも言っておりますが、それが非常に大切なお客様に対して実現ができなかったということに対しては非常に申しわけなく思っております。今、私ができることは、先ほど申し上げましたように、これから早期にこれを解決をし、一刻も早く仙台の皆様方に安心をしていただき、先ほど工場内でありましたが、三菱マークが泣いているよというお話も承りました。まさにそうだなということで私の胸も非常に痛くなりました。思いと実際がなかなか合致せず苦しいところがありますが、気持ちで早く皆さんの期待に沿えるようにやっていきたいというふうに思っております。 14: ◯佐藤正昭委員  ありがとうございます。私もそういうことで仕事をしていただければうれしいですし、これはスピードが必要ですし、確実性も問われます。そして、何よりこの社是にもありますとおり、市民に信頼されること、これが御社にとっても一番だし、我々にとっても一番であります。そして安心をしていただくことが必要だと思いますけれども、それではちょっと質問をいたしますけれども、まず確認をさせていただきます。御社の触媒反応塔つきのプラントは仙台市のほかに二十数カ所あるようですけれども、試運転の期間中、本稼動中、再稼動時、同様な事故とかトラブル、ミスというものはあったのでしょうか、確認をさせていただきます。 15: ◯宮首昭彦関係者  多少システム的に違うんですが、ほぼ同系統でこちらの工場を含めて27プラントございます。このようなトラブルは初めてでございます。 16: ◯土井亨関係者  若干補則させていただきますと、触媒を使用しておりますプラントの中で定期点検をした際に一部熱損傷を発生していたことを確認したプラントはございます。しかしながら今回のように長期の埋火の後に多量な炭化水素類の蓄積、それからこういった重大な熱的損傷、こういった事故が発生いたしましたことはございません。 17: ◯佐藤正昭委員  若干お聞かせをいただきますけれども、大気放出板というのを今見せていただいたんですけれども、びっくりしました。部品と言うから小さいものかなと、だからなくてもわからなかったのかなと思ったんですけれども、あれほど大きい部品であるというのは初めてわかりました。この大気放出板という部品がなくて3日程度とまったということなんですけれども、なぜこのようなことが起こったんでしょうか。それを前回の委員会で私、当局に聞きましたら、そのことは補充を三菱重工さん側が怠っていたからだということですけれども、このことはこれでいいんでしょうか、確認をさせていただきます。 18: ◯宮首昭彦関係者  先ほど申し上げましたように、イメージ的に若干説明させていただきますと、この大気放出板というのはラプチャーディスクと呼んでいまして、これはいろんな内圧がかかるものには安全装置として結構使われておるということをまず申し上げておきます。もっとわかりやすいイメージで言いますと、各家庭にやかんがあります。お湯を沸かします。火にかけますとふたがブクブクします。上に浮いてきます。今は基本的に浮いてこないと思いますが、それはなぜならばふたに穴があいているからです。穴があいていないとあのふたが吹き飛びます。あのふたの穴をイメージしていただければいいと思います。要するに今回、ここで問題になりましたタービンのラインは、基本的には水を蒸気にかえてタービンを回転させ、その蒸気力で発電機を動かして云々という中での蒸気を使いますので、その蒸気圧、内圧がかかることは、ヒューマン的なエラーでミスが出ることを想定し、そういう場合でもそこで安全に機能させようという考え方にしております。今回の設備においては、600ちょっとぐらいありますが、あれぐらいでなおかつ非常に薄い状態で低圧で自動的に破裂するようにしてあるというものでございます。  前段が長くなりましたが、実はこのプラントにおきましては大気放出板というのは予備を1個備えておりました。建設中に、もちろん、設備ですから大気放出板はセットをされました。予備がそのとき1個はございました。昨年の10月に試運転に入ってからいろいろチェックする中でセットした大気放出板が破損をしておるというのがわかりました。そのときに、使えませんので予備を充当いたしました。問題はここです。その予備の補充を怠ってしまった。大体この大気放出板がやられるようなことは、調べてみましたら過去10年間で1回しか起こっていません。したがいまして、各オペレーターが常にやられるという認識にはないし、下手をするとそういう経験を持っていない人も多かったかもしれません。そういう教育はしておるんですが、問題は一番基本の基本、予備がなくなったらすぐ補充をするという動作を怠ってしまったと、ここが一番の問題です。問題はここで補充があれば、聞きますと二、三時間でセットできますので、そうしますと今回のような、いわゆる未燃性の炭化水素類のガスが流れるということはなくて、ゼロじゃないと思いますが、非常に少なくて正規の状態に立ち上げられたのではないかなと。  じゃあなぜなかったかということが次の問題になるんですが、実はこれプラントによりまして、お客さんによって設計の仕様が変わりますのでサイズとかいろいろ変わることによって、すぐ探したんですが、国内になくて実は台湾まで手を伸ばさざるを得なかった。台湾から急遽空輸をし、届けてここにセッティングをしたのですが、最長は六十数時間、最短でも39時間ぐらいかかってしまったと。またここに予備がなかったことにより皆さんに迷惑をかけたと、こういうことになっております。 19: ◯佐藤正昭委員  ミスをしたということでありますし、気の緩みというんですか、こういうことがないようにぜひ今後はしていただきたいと思います。  もう一つ伺わせていただきますけれども、仙台市と三菱重工業さんが発注仕様書というのを平成12年に取り交わしておるんですよ。そういった中で今回問題になりました1号炉に、2号炉、3号炉の排ガスを集めた。この件につきましてこの間、私は仙台市当局に聞きましたところ、1号炉に2号炉、3号炉の排ガスを集めろと、そういう指示を出したのはどなたかというのを聞いたんですよ。そうしましたら、三菱の現場の責任者の方で行ったというふうに聞いているということだったんですけれども、ここの経緯は間違いないでしょうか。 20: ◯土井亨関係者  ただいまのお話のとおり、先ほども御説明いたしましたけれども、極力蒸気が出ないようにして排煙をしたいということから1号炉に2、3号炉の排煙を集めたという運転操作でございます。これにつきましては三菱の運転員の判断で実施をいたしております。 21: ◯佐藤正昭委員  発注仕様書によりますと、第5節、試運転及び運転指導という項目があるんですよ。その中で試運転の項目の3番目にこう書いてあるんですよ。「試運転の実施について支障が生じた場合は、本市が現場の状況を判断し、指示する。受注者は試運転期間中の運転記録を作成し、本市へ提出するものとする」と、こう書いてあるんですけれども、これを読めばその指示というのは仙台市が指示をしなければいけないんじゃないかと思うんですけれども、そしてまたその次に「運転記録を作成し」とあるんですけれども、この運転記録というのは今どのようになっているんでしょうか、お願いをいたします。 22: ◯土井亨関係者  ただいまの運転記録の件につきましては試運転段階の運転を日報というような形で記録をいたしておりまして、それを市の工場の方に御報告申し上げております。先ほどもちょっと御説明をいたしましたけれども、非常に状況としてはまれに私どもも余り経験をしたことがないような状況の中での判断ということで、そのあたり、私どもの現場の判断が先行した部分もあったのかもしれないということで、仙台市さんの御指示のもとで運転をしたかどうかという御質問について、私どもの独断的な判断があったというようなところもあったように考えております。 23: ◯佐藤正昭委員  こういう取り決めをしてやっているわけですからこの仕様書に照らした運転をしてもらわなければいけませんし、そういうふうにやっていかなければいけないと私は思います。  そういった中で今回の一連の流れを見ますと、やはり一番はスピード感に相当欠けるなと。やっぱり市民は早く安心したい、普通の平穏な生活をしたいということですから、そのことを考えるともう少しスピーディーな調査研究があってよかったのかなと思うんですけれども、そういった中で徹底した原因の究明が行われているわけですから、そして責任の所在が明らかになる、そして万全の再発防止対策をとっていく、そして市民の理解を得て試運転の再開という、そういうプロセスを踏んでいかなければいけないんだろうなと思います。そういった中で相当数三菱さんの責任も明らかになりつつあるのかなと思っております。そういった中でぜひ万全の対策をしていただいて再運転を市民の理解を得た中で試運転をしていただければいいかなと思っております。  あとほかの委員さんもいますので、私はこれでまずはお伺いを終わります。 24: ◯赤間次彦委員  きょうは来ていただきましてありがとうございます。いろいろさまざま委員から出ると思いますので、私は2点だけ確認させていただきます。全国でいろいろ経験あるんでしょうから、設計上、この工場は問題ないのか。そして、マスコミ関係でいろいろ言われていますが、6月、今月末には仙台市の方に万全な体制で引き渡したいとあったように思うんですけれども、今、報告の関係を聞いていますと、土井さんの方でまれに見るケースだというお話をされていますが、まれというか、びっくりしたんですね。例えば言葉なんですけれども、「誤操作」、「切りかえ忘れ」、「確認せず」、「運転ミス」、「切りかえおくれ」、「思いがあいまい」、「定期点検は実施なし」、これだけ重なっているのがまれにというか、我々委員会ではこの工場が、施設が必要かどうかからいろいろ審議をしているわけです。それで言葉が出てきますと、次世代型とか、ストーカ方式はどうかとか、経験があるかとか。行政でできないから専門の皆さんの方に契約をしていると思うんですね。これは信頼の上に成り立っていると思うんです。そうしますと、今、佐藤委員から出ましたけれども、この施設には問題なくても動かすのは人間ですから、先ほど歩いていて三菱さんのマークの話は私が言った部分なんですけれども、6月末までの1カ月の間に試運転にマニュアルも含め動かす人の方できちんとできるのか、2点目ですね。設計上、建物に問題ないのか、マニュアル化してこれからとお話しいただきましたけれども、1カ月の間に操作をする人の部分の教育というのか、実習というのか、信頼を回復するためには、1カ月で間に合うのかどうか、この辺、確認をさせていただきたい。  それから一つだけ、逆に言うと不幸中の幸いというのはないんだろうという話もあるんですが、よく危機管理がありますけれども、仙台市からすれば被害管理、他の市町村といろいろ話をしまして、これによりましてどこかの施設がなったときにはどこの自治体と協力できるか、これは仙台市からいろいろやれるというふうになったものですから一つの勉強にはなったかと思うんですが、この2点ですね。施設の問題は全くないのか、先ほど言った追加の機能の部分はありますけれども。それからわずか1カ月でその辺が、先ほど信じられない言葉が五つ六つ続いているんですが、これだけ重なったのをきちんとできるのかなと心配しているものですからお答えいただければと思います。 25: ◯土井亨関係者  まず第1点目に設計上の話ということでございますけれども、それにつきましては今回のトラブルの関連で、先ほどちょっと御説明いたしましたように、警報ですとか、そういったもので若干不足しておったものがあったというふうに認識しております。それにつきましては完全を図ってまいりますが、先ほどのタービン系統でございますとか、こういったところにつきましては機能としてはすべて正常に機能いたしておりますので、この部分につきましては運転管理面の体制を強化し、それによって安全な運転を図っていくということで考えていきたいと思っております。  それから他自治体様への件でございますけれども、私ども、今回非常に大きな問題で御迷惑をおかけしておりますけれども、私どもがお納めいたしました触媒を御使用いただいておりますお客様に対しましては、こういった事例があったということでそれぞれのお客様にどういう対策を打てばいいかということを御説明申し上げて、現在並行して進めさせていただいているところでございます。 26: ◯赤間次彦委員  今、勘違いされたのかなと。私が言っているのは仙台と隣接市町村といろいろやることができたということで今話ししたんですが、それを今、全国規模のほかの20幾つの施設の件だと思いますけれども、もう一つ、2点目の方のわずか1カ月でいろいろ報告書にあった部分の運転するときに、いわゆる市民にこういう人たちが操作しますよという安心を与えるくらいまでにできるんですかと。これだけいろいろなことが重なって出ているものですからその辺の自信があればできますというお答えをいただければ、私の方はああそうかなと思うわけでして、というのは揚げ足をとるつもりは全くございません。ただ信じられない。「確認しない」、「点検しない」とか云々というのが出てきますと、本当なのというふうに思ってしまう部分があるものですから、それが6月には仙台市の方に万全にしてお渡ししますと言われても、建物が来ても動かす人は人ですからその辺、きちんとしたマニュアルどおりいろいろやれる人たちがいるのかという部分が心配なものですから。 27: ◯土井亨関係者  先ほどの対策の中で運転管理というところでいろいろなマニュアルの整備ですとか、それからDCS上でのガイダンスと呼んでおりますけれどもそういう表示関係、こういったものを充実させまして、マニュアル自体もこれだけの大きなプラントになりますと非常に膨大なものになってまいります。今まではそれをすべて網羅するというのはなかなか大変だったんでございますけれども、そのあたりが抜け落ちのないような形で整理をいたしまして間違いのない運転操作ができるように対応していく所存でございます。 28: ◯赤間次彦委員  ほかの委員もあるでしょうから、とにかく万全の体制で仙台市の方に、そして市民が安心する施設を渡していただくようによろしくお願いいたします。 29: ◯斉藤重光委員  どうも御苦労さまでございます。時系列的に御質問したいと思いますが、まずきょうの説明でも23日にもタービンドレン移送ポンプの事故があったと。それが同じことが28日も起きていると。きょうは23日のことは説明がないんですけれども、そういうことがあったということなんですが、23日の事故のとき、復旧をさせたと。また同じところが28日起きていると。この復旧というのは仮にやったんですか、本格的にちゃんと点検をしたんですか、まずそこら辺からお伺いいたします。 30: ◯土井亨関係者  23日、28日ともに現象としては同じでございまして、ドレン移送ポンプの吐出能力が落ちたという現象でございます。この現象はポンプの軸部分から空気の吸い込みがありましてそれによって吐出能力が低下したということが判明いたしております。それにつきましてはポンプの軸封水を、そこに改造を行いましてそれによって対策を完了いたしております。 31: ◯斉藤重光委員  2回も起きているわけですよね。 32: ◯土井亨関係者  23日に起こりまして、それから28日も起こりました。その後、4月になりまして先ほど御説明いたしました軸封の追加改善対策を実施いたしておりますので、それでドレン移送ポンプ関係の対策は完了いたしております。 33: ◯斉藤重光委員  100カ所近く国内の最大メーカーとしてドレン移送ポンプなどのこういう事故というのはしょっちゅう起こることなんですか。 34: ◯土井亨関係者  試運転の初期段階の中でシール部分から空気の吸い込みがあったという状況でございますけれども、こういった事例は私ども、特にございません。試運転段階で多少そういった問題が見られることはあっても最終的な姿といたしまして完全な姿で運転をさせていただいております。 35: ◯斉藤重光委員  23日は仮復旧であったためにまた同じ事故が28日に起こったというふうに私は認識させていただきますが、問題は、それに伴って誤操作で大気放出板が破損をしたということなんですが、この大気放出板というものは一般的に今泉の清掃工場でも葛岡の清掃工場でも大体メーカーでは五つくらいつくって二つはメーカーが持っていて三つくらいをよこすということで、大体受注注文ですので五つはつくるんだと。今回はここに2個しかなかったわけですね。なぜそういうことになっているのか、常識的にはメーカーさんは五つつくるんだと。3個は現地によこすと、2個はメーカーさんが持っているというのが普通なんだと私は聞いている。4個の場合もあるようですけれどもそれが普通なんだということです。なぜそうなったか、メーカーはどこなのか、なぜそういう事態が起きたのかお伺いします。 36: ◯土井亨関係者  まずメーカーでございますけれども、米国のファイクというメーカーのラプチャーディスクを使用いたしております。通常、ちょっと私はその他の事例は承知しておりませんけれども、私どもの場合は先ほどの2個、1工場当たり予備1、本設1ということで手配を実施いたしております。 37: ◯斉藤重光委員  三菱さんではそうしていると。うちの今泉にも葛岡にも確かめましたところ、大体最低3個は現地には持ってきているんだということですけれども、三菱さんとファイクさんとの関係でそういうふうに。普通大気放出板メーカーは1個とか2個でなくて最低そのくらい、受注製品ですからそういうふうになっているんだというふうに言われていますけれども、三菱さんはファイクとそういう契約をしているということなんですね。 38: ◯宮首昭彦関係者  ちょっと私、設計者じゃないものでずれるかもしれませんけれども、先ほど来、申し上げましたように、この大気放出板というのはしょっちゅうやられるものでないというのが我々の基本的な概念です。あと今、斉藤委員がおっしゃられました製作上の問題でたくさんつくって云々というのは、ちょっとこれは我々と他社さんの考え方の相違があるのかもしれませんが、基本的には先ほど申し上げましたように大気放出板が破損するということは装置全体を守る意味での安全弁なので、この安全弁がしょっちゅうやられるという考え方は、先ほど赤間委員からおっしゃられましたオペレーターの教育なりいろいろな面での人間的な問題のお話がありましたけれども、やはり最低限の教育をして、そういう中でこういう安全装置といえどもこれが破損しないようなオペレーションといいますか、操作が必要だろうというふうに思います。したがいまして、我々とちょっと考え方が違うかもしれませんけれども、確かに安全装置ではあるけれどもこれを破損させるということでオペレーションはやってはだめだというのが基本であるということ。それから我々は今回本当にまことにお答えがしづらいんですが、予備を持っていませんでしたから、基本的には予備1個でやっていけると。予備がなくなったら補充をすると。その補充についてはアメリカだから何カ月かかるのかという話がありますが、基本的には国内であるようにすっといかないので1カ月なり2カ月かかる。そこのところが予備に結びついているのかどうかの差か、ちょっとわかりませんが、基本的には我々は今、その形でいっております。したがいましてこれはもう一度考えますが、先ほど来、うちの経験で申し上げましたように、過去10年を調べてみましたけれども、大気放出板はあるプラントで1回使用しただけでございまして、ほかでは使用しておりませんのでその考え方で今やっておるところでございます。 39: ◯斉藤重光委員  私も今泉と葛岡清掃工場に聞きました。今まで壊れたことがないと。その前段に警報なりいろんなものがあってそこでとまっていると。放出板が壊れたなんてことは今までありませんということなんです。しかし、最低3個は工場にはあるんですよと。きょう見せられているもっと小さいものでしたけれどもこういうものが備えてありますと。ですから、三菱さんは全国でつくったときに必ず1個か2個しか置いておかないんですかということを聞いているんです。ほかは日立さんでも日本鋼管さんでも3個は準備しているんですよということを言っているんですけれども、三菱さんはそれでいいのかどうか。ほかの工場でもそうしているのかどうかを私は聞いているんです。 40: ◯土井亨関係者  今回、私どもも宮首が御説明いたしましたように、我々の経験の中では非常にまれなラプチャーディスクの破損というのはあるわけですけれども、ただそれが発生したときの影響の大きさというのを今回非常に感じております。現在、今回のこれを受けまして私、手配の基準を変えまして、今、こちらの工場にも2個、先ほどの1個も含めましてもう1個、予備品を置いておりますけれども、1プラス2で今後対応していくということで進めていきたいと考えております。 41: ◯斉藤重光委員  そのためにさまざまな事故が重なってきているみたいなんですけれども、この大気放出板の誤操作、説明を受けたんですがよくわからないんですが、それはある程度、自動でやれるものなのか、ある程度人間の勘とか技術とか、そういうものが交換するのに必要なものなのか、そのマニュアルというものは、先ほどマニュアル問題も出ていますけれどもマニュアルの記載どおりやらなかったからこういう事故が起きたのか、そこら辺の判断についてはどうなんでしょうか。 42: ◯土井亨関係者  今回先ほど一連の流れで御説明をいたしました操作でございますが、これはそのときの状態の炉の状態でございますとか、いろいろな複雑……、例えばまだ焼却炉が燃え盛っている状態でそういう発生する場合とか、比較的炉が下がっておりまして余り火勢が強くないときにする場合だとか、いろいろなケースで応用問題が発生をいたします。したがいまして、なかなか統一的なマニュアルというのは難しいんでございますけれども、今回の中で一番やってはいけないこと、先ほどのタービンバイパス弁の自動をそのままにして蒸気を流してしまったと。そこで手動モードで閉じておれば何のことはなかったんですけれども、そういう間違った操作をしてしまったということがありまして、このあたりにつきましては現場の判断という要素も強うございますが、マニュアルの中でこれだけはという項目を明確にして今後の対応が柔軟にできるような形に考えていきたいというふうに考えております。 43: ◯斉藤重光委員  だから、ある程度、人間の勘とか技術じゃなくて本当に自動でコントロールされて温度の設定とかさまざまな条件の中で人間のミスがなくてもできるような装置というのはできないんですか。 44: ◯土井亨関係者  今回の中でそれぞれの機能が通常状態の中での機能については自動装置についてもすべて正常に機能しておったんでございますが、先ほど説明いたしましたように、非常に通常の状態ではない状態の中でそういう一つの操作が抜け落ちたということでございます。これを100%自動装置の中で解決するというのは難しいところもございますけれども、先ほどお話し申し上げましたように、そういったものが絶対にそれだけはやってはいけないということを明確にする形の中で、これはマニュアルの中での処置が主体になろうかと思いますけれども、それを防止していくことを考えていきたいというふうに考えております。 45: ◯斉藤重光委員  このタービン発電設備と今回コンデンサの関係で事故が起きているんですけれども、うちの葛岡工場などではこれが2系統あるわけなんですよね、発電設備が。炉ごとになっている。あそこは二つの燃焼炉でそれぞれ持っているわけなんですけれども、今回は3炉ありながら1系統しか発電装置がないと。こういうところで今回みたいなことが起きた場合、予備がないためにすべてストップせざるを得ないような状態になっていると思うんですよね。ですから、少し余裕を持って、例えば低圧のコンデンサだけでなくて高圧の、葛岡などは高圧のコンデンサを持っているんですけれども、最高の発電能力を出すために設備を一つに集約してしまっているというところから来る問題点があるんではないかと私は思うんですが、そこら辺はいかがでしょうか。もう少し余裕を持って予備のバックアップ体制までつくっておくということが必要ではないかと思っているんですが、そこら辺はいかがでしょうか。 46: ◯土井亨関係者  今回の設備につきましては、これが現在の廃棄物処理施設の中では発電の効率を極力上げてという設備を求められているという社会情勢の中で今回600トンのごみ焼却炉の中から最大限の発電が得られるようなシステムということで今回このシステムを御提案申し上げ建設をいたしております。先ほど来、申し上げておりますように、今回のタービン発電設備につきましてはラプチャーディスクの予備品の手配漏れということはございましたけれども、それ以外の点におきましてはまさに正常な運転をいたしておりますし、またそれぞれの機器におきましても必要な部分については予備機の設置、そういったところで安全対策の方は実施をいたしております。こういった設備は現在建設しておりますごみ焼却プラントでも一般的な考え方であるということから、この設備自体については私ども十分信頼性の高いものであるというふうに考えております。 47: ◯斉藤重光委員  この6月中にそういう予備機能とか、そういうものを備える準備はしているんでしょうか。今、ぎしぎしの状態でこの設備が使われていて、効率性を高めるために何か事故があれば全炉がとまってしまうような、こういう状態になっているわけですよね、今のここの設備自身が。ですから、もう少しこういうような人的な事故が起こってもそれに耐えられるようなシステムに、詳しいことはわかりませんけれどもコンデンサを低圧だけでなくて高圧にするとか、高圧のものもつけておくとか、予備の系統もつけられるような体制には持っていけないのでしょうか、そういうことは考えておられないんでしょうか。 48: ◯土井亨関係者  先ほどのお話の中でこの設備自体は仙台市さんの発注仕様書に基づいて私どもが設計した内容でございまして、そういった意味で今回仙台市さんの方から最大発電ができるシステムの御指示があったということで理解いたしております。 49: ◯斉藤重光委員  それでは三菱さんとしては仙台市からこういうものをつくれという発注だからこれで仕方ないんだということですね。問題はその上に立ってどういう防止策を考えるのかということになると思うんですが。  次に埋火状態についてお伺いいたしますけれども、普通の炉では埋火状態だと長くて三、四時間しかこういう状態は続けないと。炉に残っていても大体三、四時間では焼却できるということなんですが、今回は38時間も埋火状態にしておいてそのため未燃化の炭化水素が出てきてしまったということなんですが、今回そういう埋火状態を長く続けたのはなぜそのようにしたのか。普通は三、四時間で燃え尽きるし、そんな長くは絶対しないんだというのが普通の焼却炉の常識だというふうに私は聞いているんですが、それはいかがなものでしょうか。 50: ◯土井亨関係者  それは先ほどの大気放出板が破壊いたしておりますのでボイラーが使用できないということから埋火ということでその状態で維持をいたしました。 51: ◯斉藤重光委員  だから、埋火をやめればガスも出なかったわけですよね。これは直すまでにかなり時間がかかるよと。もう38時間もかかっているわけですから、これは四、五時間で判断をして全部ストップさせればよかったんじゃないかと思うんですが、その判断はできなかったんでしょうか。 52: ◯宮首昭彦関係者  私は素人なのでそれが答えた方がいいかなと思いましてマイクをとったんですが、今、斉藤委員がおっしゃられているのは多分三、四時間で、我々、先ほど対策の中で完全に燃やし切りたい、これが対策の一つです。燃やし切るということは家庭のガスこんろをイメージしてください。上にやかんがのって下である時間、ガスを出しますと、当然、上の水は温度が上がってきます。温度が上がってきてブクブクふたがするのがボイラーと考えてください。そうしますと、いわゆる燃やし切るということは燃料がごみでございます。これを燃やすということはエアーを入れて酸化状態を維持する。そうしますと、上のやかんの水が蒸気化します。蒸気化してそのボイラーが生きている場合は確かにおっしゃられるように短時間で燃やし切ります。こういうケースと上のボイラーが使えないケースがあります。やかんが使えない。そうしますと、やはり燃やせないなということで、今回のケースは先ほど土井が申し上げましたように上のボイラーが使えない、破裂していますので安全装置は外していますからボイラーを使えない状態にインターロックされましたからそれで火を落とさざるを得ない、それが埋火という意味合いで理解していただきますと、したがいまして、中にあるごみの量によって長時間の時間を要してしまうと。したがって、ごみがあっても正規の状態でボイラーが使える状態にするためには、先ほどお見せしました大気放出板というものをセットしますと、安全装置がセットされましたのでそこでボイラーが起動できます。すぐ燃やせます。それを多分三、四時間というお話はその状態が可能なシステムだろうと思います。申しわけなかったんですが、うちは安全装置が外れておりますので安全装置が入るまで作動できなかった。そのために時間がかかったということで、素人の説明で申しわけございませんが御理解いただけましたでしょうか。 53: ◯斉藤重光委員  よくわからないんですけれども、ほかの焼却施設を聞くと、何かあってどんな長くても埋火状態は三、四時間で終わるんだと。そこにあるようなものはそのくらいで全部燃やし切ることが可能なんだということですので、なぜ今回みたいに三十数時間も燃やし続けてガスを発生させたのかなということがちょっと疑問に思うんですね。それで、いろいろシステムが違うんでよくわかりませんけれどもそこを疑問に思います。  それからばいじん濃度計、また出てきました。普通は月に2回くらいは点検をすることが、2カ月に1回ぐらいが法定的にはそうなんですか。うちのほかの工場などを聞くと、月に2回ぐらいは点検をしているというふうに言っていますので、三菱さんはそうではないと言うんであればそれでいいんですけれども、なぜこういうことに気づかなかったのかについてお考えをお聞かせ願いたいと思います。 54: ◯土井亨関係者  まずばいじん計の2カ月に一度というのは、これは先ほど現場でごらんいただきましたけれども現場で校正、すなわちゼロスパン調整と呼んでおりますけれども、そのレンジを合わせる操作、これを2カ月に一遍やってくださいというのがメーカーの推奨でございます。ばいじん計、そのほかにもいろいろな点検項目がございます。例えば現場でごらんいただきましたエアーのチェックですとか、そういったいろいろ日々の点検項目がございますので2カ月に一遍というのはゼロスパンの調整、精度の調整ですね。これが2カ月に一遍ということであるということをまず御理解いただきたいと思います。今回5月13日の段階で発光部が故障しておったということなんでございますが、それはゼロスパン調整を実施しないと発見できない内容でございまして、4月の段階でそれが行われていなかったというのは、これは私どもの管理上の問題がございます。そういった問題がございますけれども、2カ月に一遍以外の項目につきましてもあるということで御理解いただきたいと思います。 55: ◯斉藤重光委員  きょうはほかの焼却施設からばいじん濃度計のものをもらってきたんですが、ほんのちょっとしか、微々たるものしかこの表に出てこないんですよね。こういうのをもう少し精度をよくするとか、もう少し変えるとかして少しわかりやすくするとか、またいろんな工夫が必要なのではないかと思うんですが、そこら辺はいかがでしょうかね。 56: ◯土井亨関係者  現在設置いたしておりますばいじん濃度計はゼロから10ミリグラムのスパンで計測しております。連続的にばいじんを計測できる装置といたしましては、現在の技術の中では最高のレベル、一番微量の方でございますけれども微量のばいじんを連続計測できるものを納めさせていただいております。  それと、あと今回の施設の中には先ほどの中でも御説明いたしましたけれどもバグフィルターが非常に高性能であるということでほとんどばいじんについては常時検出されない状況でございますので、常にゼロの状態が続いておるというのが正常の状態という状況でございます。 57: ◯斉藤重光委員  先ほどのコンデンサの問題から施設全体が余裕のないつくりになっているのではないかということで、それは仙台市さんから仕様書で出てきているので仕方ないんだと、そういう仕様書の中でつくったのが今回の工場であると。その中でこんなにも多くの事故なりミスが起きましてそれの対策が幾つか出ているわけですけれども、非常にソフト的な面が多いんですよね。警報装置とかもありますけれども、果たしてそれがこのようなミスの連続を直せるのかどうなのか、もう少し三菱さんは三菱さんなりに、仙台市から発注されたんだからそのままつくったというだけでなくて、やはりこういう余裕のある設備にしないとだめなんでないかという話し合いをこれからするおつもりかどうかをお聞きして終わりたいと思います。 58: ◯宮首昭彦関係者  冒頭佐藤委員からお話があったことに戻るかと思うんですが、やはり我々はお客さんの要求といいますか、お客さんのニーズに合わせて我々が持っている技術でお客さんのニーズにこたえられるかどうかということで営みをやっております。したがいまして、仕様書といいますか、発注をする仕様書がベースになりますので、今いろいろ余裕云々というお話はわかりますが、言葉としては理解できますが、ここの設備云々といいますと、そのスペックを我々が変えるということになりますと、これはいろいろ問題がございますので基本的にはそのスペックに沿ってつくってきました。したがいまして端的に申し上げさせていただきますと、このスペックに沿って我々は今後やっていきたいというふうに思っております。 59: ◯花木則彰委員  私からも質問を幾つかさせていただきたいと思います。まず事故の直接の要因として触媒への未燃化ガスの吸着があったと。それできょう見せていただいたようにはっきり言って炭みたいに燃えてしまっているわけですよね。こういう触媒への未燃化ガスの吸着という現象といいますか、事象についてその認識が設計段階なり、あるいは操作のマニュアル化する段階であったのかどうか、前回御当局には聞いたんですけれども直接お伺いしたいと思うんですがいかがでしょうか。 60: ◯土井亨関係者  今回のような大量の蓄積、そういったものが蓄積したときにどのような運転操作をするかということにつきましては、申しわけございませんが、私ども知見がございませんでした。 61: ◯花木則彰委員  触媒のメーカーさんが別にあるようでそちらの方で性能試験したということも御説明でありましたが、そのメーカーさんもなかったということでしょうか。 62: ◯土井亨関係者  私どもちょっと触媒メーカーがそれだけの知見を持っておったかどうかにつきましては確認いたしておりません。 63: ◯花木則彰委員  いろいろ問題点はたくさんあってそれが積み重なったことは確かなんですけれども、やはり触媒反応塔を設備に付加をするということを決めたといいますか、そういう設計を行った以上、どういう反応がそこで起こり得るかということについては、ある程度といいますか、知見を持った上で設計がなされないと、やはり相当危険といいますか、何が起こるかわからないわけですから現場で運転している人たちも気をつけようがないというのが実態だと思うんです。既に27のプラントでつけられてきていてこれをつけるかつけないかという、触媒反応塔を付加するかしないかということの検討は相当前々からやられて、いろんな試験だとか実験だとかが行われて今の大きさなり仕組みといいますか、外形も含めてですけれども設計されていくのが普通だと思うんですけれども、非常に基礎的な部分ですよね。触媒反応物質の中でどういうガスができてそこでどういう反応が起こるのか、特に焼却施設ですから当然、普通は完全燃焼したものが来ますけれども未燃化ガスが来るということが全く想定されていないというのもちょっと信じられない気がするんですけれども、未燃化ガスが来るということを想定した実験というのは全く三菱でも、またメーカーさんの方でもやっていなかったということなんでしょうか。
    64: ◯土井亨関係者  私ども、今回採用させていただいております触媒につきましては、その開発段階からいろいろ実際の焼却炉のガスを使ってのいろいろな試験から設計諸元を決めさせていただいております。ただ、その中では通常の運転状態ということで設計諸元の性能についての評価というのを実施しておりますので、今回のような非常に未燃ガスが蓄積するとか、そういったところまでを考慮した試験というのは実態として今まで実施していないというのが実情でございます。 65: ◯花木則彰委員  最初のごあいさつの中にもありましたけれども、市民が安心できるかどうかということの意味では起こり得る事態について相当深く幅広く検討されていて、それで設計がされているということが前提なんだと思うんですよ。わかっていませんでしたというのがこのほかにもあるのかないのかというのが、考えると不安になっちゃうということではいろいろ困ったことが起こってくると思うんですけれども、もう一つ出されているのはばいじん濃度計の話がきのう、具体的には私たちにも知らされました。きょうの御説明でもありましたけれども、そもそもばいじん濃度計が壊れている、光ファイバーからのレーザー光が出ていなかったということが、普通出ていないというか、正常な状態でないときにはわかるような、そういう仕組みというのはそんなに難しい仕組みではないと思うんですね。設計の発想自体がちゃんとしていれば難しくないと思うんですよ。例えば今の場合であれば、こちらからレーザー光が出てちりがあってそこで反射されたものをこっちで受けるんだということであれば、普通のほとんどはこっちに出ているわけですから、ここのところに受光部が一つ設けてあってそこに光が入っていなければそれは異常だというふうに検知できるようにするのはそんな難しい話ではないんだけれども、このばいじん濃度計についてはそういう設計思想ではつくられていなかったと。では、ほかのいろんな測定装置等は正常に働いている場合と異常が起こったときに感知できるような仕組みになっているんだろうかというのが疑問なんですけれども、そこら辺はいかがでしょうか。 66: ◯土井亨関係者  まずばいじん計の発光ダイオードのユニットの件でございますが、先ほどの御説明の中でも申し上げましたように、このダイオード自体は7年程度の寿命が通常あるものでございます。通常、この装置をどういうふうなメンテナンスをするかと申しますと、大体5年程度たちますと基板ごと予防保全的に交換いただいて機能を維持すると、そういうやり方が一般的に実施をされております。そういった中で先ほど御指摘がございました、そういう異常についての検知の機能がこの装置の中にはなかったというのが実情でございます。それに対しましては今回、先ほどの対策案の中で御説明いたしましたが、レーザーユニットの発光部がきちんと光を出しているのかどうか、これを検知する装置を今回設置をいたします。そのほかの組み込まれておりましたHCL計ですとかH2O計、これらについては異常について検知するシステムが設置されております。 67: ◯花木則彰委員  3号炉の立ち上げの時点でスイッチが入っていなかったと。入っていなかったのはばいじん濃度計だけではなくてほかのすべての計器についても入っていなかったと。入っていなかったというときに中央制御室かもわかりませんけれども、入っていなかったということは明らかに普通わかるんじゃないかと思うんですよね。あるいはどれか一つだけ入っていないときにもそれはスイッチが入っていないよということがわかるような表示装置に普通なっているんだと思うんですけれども、今回の3号炉についてはスイッチが入っていないという状況のまま立ち上げ作業に入ったんですよね。これはどうしてそういうことが起こるのか御説明いただきたいと思うんですが。 68: ◯土井亨関係者  私どもの通常DCSと呼んでおりますけれども自動で焼却炉が立ち上がるシステムを今回も入れさせていただいております。その第1の起動画面にはそれぞれ計器類がスイッチオンになっていますかということを確認する文章が出るようになっておりまして、その際に運転員が確認をすると、そういう仕組みになっております。今回、それが一つ漏れました内容といたしましては、今回の埋火後の運転というのがすべて手動で立ち上げを実施をいたしております。そういった中でそういう基本動作に漏れ落ちがあったということで、通常の動作の中においてはそういうガイダンスが出るんでございますけれども手動操作の中でこぼれ落ちたというふうに考えております。 69: ◯花木則彰委員  そこら辺の立ち上げだとかの話というのは、これまでの試運転だとか、あるいはこれからも通常の運転でも炉をとめたり動かしたりといういろんな場面で実際にどういう排ガスの状況が出ているのかということについては、これは常時監視をするんだということが市当局が市民に、あるいは議会に説明するときにも大前提になっているんですよね。ダイオキシン等の常時監視というのは無理だけれどもほかのそういうものについては常時監視すると。それは当然、通常運転のときはもちろんだけれども事故等が起こって異常が起こったときにどうだったのかということが記録に残らないようでは、そもそもの安心の前提である部分が崩れているわけで、ガスの計器がちゃんと動いているということが確認されていないと常に運転しないということは、しっかりとしたマニュアルといいますか、運転の手順に入っていないといけないと思うんです。御説明の中でもありましたけれども、今回の松森の焼却場についてどういう背景があったのかというのは十分承知されているというお話だったので、どこに皆さんが不安を感じていて何をもって安心してもらうのかという点では、これはメーカー側としては相当本来は気をつけてもらわなきゃいけない部分であるのに、そこで十分な設計になっていないとか、あるいは運転方法ができていないというところがやはりあるというのは、大変私は問題だというふうに思っています。  そこで、今回の事故で、いわゆるダイオキシンが発生したのかどうかということについて20日の協議会で質問いたしました。その時点では当局としても三菱としても出たのか出ないのかということを含めてなかなか知見はないということだったんですが、昨日の当局からの発表等を見てもある程度、そこら辺がはっきりしてきたようなんですが、それについて御説明いただけますでしょうか。 70: ◯土井亨関係者  何が出たかという痕跡物というのが結局残っておりますのは煙道の付着物ということで、今回は煙道の付着しておりましたすす、あれを集めましてそのダイオキシンの分析をいたしました。その結果は昨日、報告されましたとおり、1.6ng-TEQ/m3Nデータでございました。そのダイオキシンのデータとしましてはそれが現在判別できるデータでございまして、それをもとに今回9分間の放出においての環境影響評価ということで私どもも検討させていただいて御報告申し上げたところでございます。 71: ◯花木則彰委員  ごみの焼却炉の中で燃えていたものが未燃化ガスということで不完全燃焼ですからそこの部分ではダイオキシンが通常よりは発生をしていただろうと。しかしそれについてはバグフィルターは通っているので通過をしていないんじゃないかと。そうすると、主に煙道の付着物というのは触媒物質が燃えたことによって発生したものということになるわけで、その際にある程度といいますか、基準値よりも高い形で煙突のすすの中にダイオキシンが存在をしていたというふうに理解をしていいわけですか。 72: ◯土井亨関係者  今回計測されましたレベルというのは、土壌環境基準が1ng-TEQ/m3Nでございますけれども、それを若干上回る程度のものでございまして、通常不完全燃焼物におけるそういった物質中のダイオキシンというのはさらにもっと高いレベルにあるんでございますが、そういったところからすると軽微なレベルであったと私どもは理解いたしております。 73: ◯花木則彰委員  ダイオキシン類を発生の量について比較するときにいろいろ比べるのは難しい物質であることは確かなんですけれども、これまで、いわゆる排気ガス中の濃度の問題として0.1ng-TEQ/m3Nの国の基準よりは10倍厳しく0.01ng-TEQ/m3Nで松森はやるんだということでお話になっているわけなんですけれども、その側面から見ると、これはどういう量になっているんでしょうか。 74: ◯土井亨関係者  現在、これは確実に残っている数字ではないんですけれども、現場で運転員が確認いたしましたばいじんの最大数値、先ほどごらんいただきました現場の計器の中で最大時デジタルで一番上の数値を確認いたしましたのが145mg/m3Nという数値でございます。145と先ほどの1.6を掛け合わせますと0.2幾つという数字で、御指摘の0.1よりはレベルとしては高い数値ではありますが、先ほど申し上げましたように、9分間の放出ということでその影響度につきましては極めて現在の環境アセスメント等で仙台市さんが計測されていらっしゃいます環境バックグラウンドのダイオキシン数値、それに対して極めて影響については低いものであったというふうに私どもは評価いたしております。 75: ◯花木則彰委員  どのくらいの影響を与えたのかという後半の部分については、環境局なり、あるいは市民の方が判断する中身になってくると思うんですが、具体的にはここの工場の煙突からどのくらいの濃度で、あるいは総量で出たのかということについてのできる限り正確な推計ができるように引き続きいろいろ調べた中身について後ほどお聞きしたいと思いますのでそちらについてもよろしくお願いしたいと思います。  最後なんですが、技術的にということで質問ということでは、やはり触媒反応塔で今回起こった事故なんですけれども、触媒反応塔というのが今回の松森の施設にとってどういう意味合いを持った施設、設備なのか。特に0.01ng-TEQ/m3Nという仙台市からの要求水準というのをクリアする上で必要不可欠なものとして設置をされているのかどうなのか、その点についてお伺いしておきたいと思います。 76: ◯土井亨関係者  今回設置をいたしました触媒反応塔の目的は二つございます。一つはNOX除去、もう一つがダイオキシンの低減、この二つの機能がこの触媒反応塔に求められている機能でございます。一つのNOXの方でございますが、仙台市さんからの発注仕様書は50ppm以下という規定がございます。現状技術の中でこのレベルを維持するためには触媒反応塔は不可欠でございます。 77: ◯植田耕資委員  お聞きになっていると思いますけれども、今月20日に協議会、その1カ月前にも行政サイドの方から今回の事故に関しましてお聞きしました。各委員の皆さんお聞きして、この事故の構造がどうして起きているのかということを実は行政サイドから聞くとよくわからなかったんですよ。例えばきょう、私が初めて聞いたのは、ドレン移送ポンプがはっきり言えば故障してドレンポットの中の水が高まって、圧力が高まって云々と、なるほどそうなったんだろうなと。そうすると、一番今回の事故の最初の取っかかりというのはこのポンプの問題だったんですか。これは典型的な大型事故の例で、本来ならばほとんど省みられないようなところのポンプなり機械なりが、1個数円のねじのために莫大な損害をしたという例がありますけれども、要するにそれに一つは操作ミスが重なったということ。もう一つは、本来ならばきちっと対応しておかなければならないことを三菱重工さん側が対応していなかったと。先ほどからお聞きしていまして今回は典型的な、そして個々の器具、機械なり、メーターなり、圧力弁なりを一つ一つ直していって対応するというのは極めて当たり前のことであって、ちょっとお聞きしたいんですけれども、いただいた資料の8ページに手動モード切替未実施とあるんですけれども、自動モードから本来は手動モードに切りかえないとここでまた事故を大きくするわけですね。これは手動モードに切りかえるというのはどこで切りかえるんですか、切りかえる場所は。 78: ◯土井亨関係者  中央制御室でございます。 79: ◯植田耕資委員  中央制御室で画面に出ているわけですよ。ただいま自動ですとか、ただいま手動ですというの。そこでボタンを押すと手動になるわけですね。そういうことなんですね。 80: ◯土井亨関係者  中央制御室の画面の中でそういう切りかえが可能でございます。実操作を行います。 81: ◯植田耕資委員  それは私たちがパソコンの画面を見ていろんなものをクリックして操作するのと極めてよく似た問題で、要するにこれも完全に操作ミスですね。  それと、先ほど見せていただいたのは、ばいじんの濃度計、このスイッチが現場に行っていないとスイッチの切りかえができないと、オンとオフが。そういうふうに説明されていました。そうすると、これは中央制御室ではできないんですか。 82: ◯土井亨関係者  実際にきょうごらんいただきました分析計もいろいろな現場での作業というのがございまして、その作業をする際に先ほどの点検モードでございますとか測定モードの切りかえをするということで、そういう作業上の弁を見てあの種のものにつきましては現場にそういう切りかえのモードを設置いたしております。中央制御室の方でもローカル、現場で点検モードに切りかわったということは記録として残ってそれは把握できるようになっております。 83: ◯植田耕資委員  ここが物の考え方なんですよ、要するに。僕が何でこういうことを言うかというと、極めて典型的だというのは、今までの、一昔前までのごみ焼却場だとそれでいいと思うんですよ。ところが、今、ごみ焼却場というのは住民の方々の極めて注目を浴びて、特に排出されるガスの、言ったようにNOXだとかダイオキシンだとかというのは典型的でそのほかばいじんとかいろいろ大変関心を持ってかなりそれを低く抑えるということに対する要望が強いわけです。ここまで要望が強くなってくると、僕は逆で、現場にスイッチオン、オフの切りかえがあっても構いませんけれども、炉を立ち上げていく段階で、運転していく段階で計測計が働いていない場合は炉が動かないと、こういうシステムを導入しないとだめなんですよ。計測できないという先ほどのお話もありましたけれども、ダイオキシンがどのくらい出たなんていうのは現実は周りからとってきてという話でしょう。何でもそうですよ。計測器が作動しないうちは炉は動きませんよと。ジャンボジェットだって同じですよ。三つのコンピューターの中に自分が今いる位置を正確に緯度と経度を三つそろえて入れてやらないとジャンボジェットは動くことができませんから、危険ですから一つのコンピューターでは。三つ同じように入らないといけないと。行き先の緯度、経度を三つに同じように入れてやらないとジャンボジェットは飛ばないことになっているんですよ。これだけ市民の感覚が、関心が深まると、特に計測するということは極めて重要な、ごみを処理するということも一番大事なんですよ。同時にそれを計測するということは附属の問題ではもうなくなっているんですよ。これは大変大事な問題です。それは計測するにはそれだけ技術はありますからその技術が追いつかない問題もありますけれども、先ほどお話ありましたけれども、現時点での最高の技術をもって物を設置しているということであれば、僕は計測計が動かないうちは稼動できないというくらいのシステム的な物の考え方をしておかないとまたやりますよ、忘れましたとか、手動に切りかえるのを忘れましたと。人間というのは同じことをやるんだから。あるいはたまたまどこかの小さいポンプあたりが故障してまた圧力が高まったと。今までのさまざまな事故、全部こういう形で出てきました。極めて古典的な事故ですね。これは三菱重工業さんだけで決まる話ではありません。発注者がそういう思想に立たないと三菱重工業さんが勝手にそういうことをするわけにいきませんので、契約ですから。これは環境局長さんの方に厳しくお願いしておきたいと思います。以上です。 84: ◯渡辺公一委員  400億円近い大した施設が報告をいただいたり説明をいただいたりする中で、ほかの委員さん方も感じたとおり、まことに人間的なミスで、自動的に動く部分もあれば人の指を使わないと動かしたりとめたりすることができないような、そういう部分もあるということで非常にヒューマンだなと、人間的だなと。400億円近いお金をかけた割には本当にさもないところでミスを、そしてまたそのミスの連続で大した事故ということになっているわけでございますけれども、正直言ってこのプロジェクト、賛成している立場の多くの議員、期待をしていた割には非常に一言で言えないほどのがっかり、期待外れだったということは否めない事実でございますけれども、それにしても人がつくったものですから最先端技術であれ何であれ、月に行くロケットであれ、コンピューターであれ、人間が知恵を出してその時代時代の先端技術を入れてロケットを飛ばしたり、車を走らせたり、こういう装置を動かしたりするということをやってきているわけでございます。となれば、当然、原因、今、お話しされた、それが恐らくそうなんでしょう。そういうことのもろもろがすべての原因なんだと私も思いますけれども、ここに出ているそれに対する対策、こういうものが当初、いわゆる装置の追加ということで先ほど部長さんの方から今後の対策の中にチェックをするための装置を追加していくんだということがございました。こういうものというのは、試運転中ないしはプラントを設計していく中で想定できていたのかいないのか、それとも今までの経験でこういうのは要らないんだと。経験則の中でこういうものは要らないんだと思ってあえて、あえてというか、そのまま切ってしまったのか。  それからもう一つ、これだけのものを動かすのに当然、人がかかわるわけでございますけれども、いわゆる普通はこの規模のプラントを動かす場合に何人いれば動かせるのか。どこに行っても最近は人が少ないです。中央制御室にいるのはせいぜい3人、多くて4人とか、そこで全部画面を見ながらやるわけです。原子力発電所ですら、そんな程度の人で動かしているわけですよ、発電所ですら。どのくらいの人数の方々でこれは動かす大きさなのか。  そして、試運転をこの方、やってきておたくの方もこれからいろいろな方で、一つのプラントが永久に使えるわけでございませんので時期が来ればまた新たなものをつくらざるを得ないというような繰り返しで今日まで各自治体とも来ているわけでございますけれども、当然、それを動かすオペレーターないしは技術の方たちを養成をしていくということになるんでしょう、養成をしてきたんでしょう。今回の松森工場立ち上げに当たって、やっぱりおたくの方もそういう技術屋さんの養成という形の中で、育成という形の中でいわゆるスキルの高い人、ないしはスキルの低い人、いわゆる若葉マークの方たち、熟練の方たち、いらっしゃると思うんです。私はそのことを悪いとは思いません。何でかというと、人を育てるためにはこういうところで訓練していく、いわゆる本稼動前の段階で人を育てていったりそういう方たちをいろいろな施設に送らなきゃいけないということはあるんでしょうから、どのくらいの方たちが今日までかかわってきていたのか、そういう方たちのある種トレーニングの過程の中でこういう事故が結果として出たのか、そのことによって対処し切れなくて傷が大きくなったということが考え得るのかどうか、ここら辺はいかがなのか、二つの点をお願いします。 85: ◯土井亨関係者  お答えいたします。まず最初に、追加の設備云々ということで御説明申し上げた内容でございますが、これは先ほども御説明いたしましたように、今回のように長期の埋火で大量の蓄積が発生したというときの技術的な知見というのは、私ども持ち合わせていない内容がございました。万が一、そういうことが起こった場合に何らかの早期に触媒の保全性を確保する意味での追加ということで先ほど御提案させていただいた内容でございます。  それからこの規模のプラントの運転人員の件でございますけれども、今回の松森工場は通常のごみ焼却炉だけではなくて灰溶融の設備を併設いたしております。したがいまして、そういう意味からいたしますと通常の焼却工場に比べまして運転員というのは相当数必要なプラントでございまして少なくとも50名の運転員は必要ではなかろうかというふうに私どもは考えております。  それから、あと今回の試運転スタッフというのは、私どもの数多くの現場の経験を踏まえたスタッフ、今回の起こった事象の際にも7名のスタッフを入れての試運転で望んでおりましたけれども、いろいろな通常のプラントでの数多くの経験はありますが、なかなか非常事態とかそういったものに対する経験の度合いというのは個人の差がございます。そういった中で今回操作上の不適応が発生したというのが実情でございます。 86: ◯熊谷善夫委員  いろいろお話が出たもので簡単にしますけれども、この事故のために仙台市への引き渡しがおくれていって、仙台市当局も市長以下、はっきり言えば非常に迷惑しまして毎日毎日そっちに行ったりこっちに行ったり対策を立てたり、よその自治体にごみ処理をお願いをしたりという状況にあるわけですけれども、そのくらいごみ処理で困るからこの松森工場が必要なんだなんていう意見を言ったり、そんなのは論外だと思いますけれども、いずれにしても今、一番必要なのは一体いつから正常に稼動できるのか。そして、市民、殊さらこの施設の周辺住民にどうやって理解を得て大丈夫なんだなという理解を得るような方策をとっていかなくていけないんですけれども、それは仙台市の仕事なのか、住民理解を得る三菱さんの使命というのはどんなふうに理解されているのか、まずお考えを伺います。 87: ◯宮首昭彦関係者  引き渡し遅延にかかわるいろんな問題が起きているということは、冒頭申し上げましたようにほぼ毎日のようにこちらの新聞を送っていただいて、新聞そのものではないんですが存じ上げております。したがいまして、そのいろんな他へのごみの処理依頼とか、その辺で皆さん方が日夜、奔走されているということも存じ上げております。そういう中で我々としても一刻も早く立ち上げたいなと思っております。そういう意味合いで今般、このように技術的に我々が考えていることを原因から含めてつぶさにお話をさせていただき、この内容はもちろん市民への我々の一つの気持ちを出すという意味合いでも若干は考えております。しかしながら、まず1点目のいかに早くというのは我々の御提案申し上げている内容につきましてここまで至っております実情を勘案しても、やはり皆さん方の安全・安心という意味合いから御承認といいますか、認可をいただかないと我々もスタートできません。したがいまして、5月30日、市長様に私もおわびに参りましたが、一応6月エンドというお話を概略させていただいておりますが、これも我々が想定をしておるスタート日というのが決まらないと日程がずれるという話になってまいりますので、心の中では今からでもゴーをいただければすぐでもいろいろな手を打っていきたいというふうには考えておりますが、やはりスタート点のお話を環境局様と協議、御相談を申し上げながらでないと幾ら心では焦っても事が進まないというふうに考えております。したがいまして、より一層密にお話をさせていただきながら対策に抜けがないかどうか、今般のお話でさらなる、先ほど来、いろいろございますが、それも加味をしながら早期の復旧ということに向けていきたいというふうに考えております。具体的に頭が決まりませんので、申しわけないですがいつから稼動かということについてはこういう答弁で御勘弁をお願いしたいというふうに思います。  それから、おっしゃられるとおり、皆さん方が困っておるというのは私も十分承知をしております。したがいまして、市民へのお話ということに対して会社としてどうするのかということですが、やはり設備そのものは試運転中でありますので我々が責任を持って一刻も早くということですが、こちらにおいてはこちらの事情がございますのでこちらの御指導をいただきながらそれに沿って、いわゆる安心・安全、あるいは一刻も早く復旧という方向に向けていきたいというふうに思っております。 88: ◯熊谷善夫委員  私がちょっと不思議に思ったのは、報道されたこと、あるいは説明で6月いっぱいをめどに頑張りたいと、スタートしないのにケツを押さえることはできないだろうなという疑問を持っておりましたので、これとこれとこれをクリアしていくことによってどのくらいの期間、必要なんだという、きょう、いろんな説明を受けてこれからおやりになること、大体理解はしてきましたけれども、6月いっぱいとか、「よかった。7月からいいんだな」なんていう希望的な期待を余り抱かされない方がいいかなと私は思っておりまして、一体何をクリアすれば引き渡しできますというお話を住民の方にもわかりやすくお願いできればと思っておりました。  それからきょうの御説明でもそのためにも恒久対策というものがなされていまして、恒久なんていう言葉をよく使えるなと思うんですけれども、当面最善を尽くすという意味なのかもしれませんけれども、恒久などしなくても本来はポンプの問題とかタービンの問題、あるいは大気放出板の問題、これがなかったとしたらこんな追加恒久、新しい対策なんていうのは要らなかったわけですね。 89: ◯宮首昭彦関係者  申しわけございません。勝手に恒久なんて使ってしまいましたが、言葉の語彙を知らないことでこれはお許し願いたいと思いますが、とにかくベストを尽くしていきたいと、ベストの設備にしたいという意味合いで使わせていただきます。  それから、今、2点目におっしゃられましたいろんな基本的には恒久対策の中にありました装置につきましては、基本的には我々は先ほど申し上げましたように燃やし切れば、先ほど斉藤委員もおっしゃられましたが、燃やし切ればこういうものは要りません。しかし、それもなぜ出たかと、そういう未燃ガスが吸着したのかということを三十数時間から60時間かけてしまったという、これらは我々の想定外でございます。その想定外は云々といいますと、先ほど申し上げましたように大気放出板があれば、これはもう全くこういう対策はなくてこの設備はこれでということであります。しかし、我々はミスを犯してしまいましたのでそういう意味合いで、先ほど恒久という言葉が使えないという意味合いと同じだろうと思うんですが、現状で大丈夫ですというところに安心・安全というところと結びつかないとおっしゃられると、我々も万が一対策ということで御提案を申し上げさせていただいているということでございます。  もう一つ前の質問で6月エンドがよく出てきたなということなんですが、まことに申しわけないんですが、今、我々が提案をさせていただいた内容を御承認いただければ、かつまた6月の早い時期、最悪でも10日ぐらいと見ておるんですが、そのぐらいで御承認いただければ6月エンドに我々自体が設備を完成できるのかなという意味合いです。ただ、ここは先ほど申し上げましたように、実は自分のペースでスピードと今おっしゃられたんですが自分のペースで走れないところもございまして、いろいろ諸般のマトリックスを1個ずつ埋めながらいくというところが頭が我々として決まりませんので、ぜひきょうはいろいろ御説明をさせていただきました。ここを我々としても一刻も早くゴーをかけたいと思っておりますが、この辺を早く御審議をいただき内容の御承認といいますか、その辺のところを早くさせていただければ一日でも早く上げるようにスタートが決まり、その仕様が決まれば我々は全力を挙げてまいりたいというふうに思います。 90: ◯加藤栄一委員  今後の対策について、事前対策についてお伺いしたいと思います。今まで説明の中で全国の27プラントの中でいろんな試験をやってきて小さな事故、一つぐらいしかなかったと。世の中は絶対安全なものというのはないわけですよね。それで、今回のいろいろな会社の説明の中でそういう事前対策として今までの作業マニュアルなり知見の中で余り事故がなかったからこのような作業のマニュアルをやっていると。その作業のマニュアルの中で今回人的な事項の多さがこの事故の原因になったということを考えれば、今までの経験からしてそういう事故を受けるという事前対策の甘さが作業マニュアルにあったのではないかというふうに思いますが、いかがなものでしょうか。 91: ◯宮首昭彦関係者  ちょっと繰り返しになろうかと思うんですが、先ほど来、こういうタイプのボイラーが仙台市様を入れて27プラント、仙台市様が動いていないので26プラントは動いていますというお話もさせていただき、その中で大気放出板という、先ほど六百数十ミリのものをお見せしましたが、これの破損は1回ですというのも、これも実績で事実でございます。そういう中で今回の直接的な触媒の熱損傷ということについては我々はまず経験がなかったということも事実でございます。かつその前の三十数時間、あるいは60時間まで埋火といいますか、ごみをそのままくすぶらす状況を我々は想定をしておりませんでした。そういうことを想定したことになってなかったことが一つ大きな問題を発生させたということは、先ほど御説明したとおりでございます。そういう意味合いで事前にいろんなことを予知をし、予見をして予防保全をとるということは、私もこの年になりましてこのくらい大きなトラブルは初めてでございます、三十数年勤めて。これは多分個人的に申し上げますと、一生忘れられない問題になってくるなと私自身も思っておりますが、そういう意味合いで私が会社にいる限りにおいては先ほどの加藤委員のお話の、いかに予見をし、いかに思考を深めてこれでもか、これでもかということでリスクを事前に洗い出すことを会社としてやっていかないといけないかなと思っております。答弁になっていないかもしれませんが、以上でございます。 92: ◯加藤栄一委員  今おっしゃられるように経験がなかったから最悪の状態まで考えずに作業に入ったと。今回の尼崎の脱線事故にしてもそういう想定をしないでいて通常やっていたと。事故がないからやっていたと同じように、会社としても、やっぱり社是の中でも言われるように顧客を大事にして世界に、三菱さんとすれば、事故ってのは絶対にないことはあり得ないわけですから、そういういろんな想定に立って、あるいは客観的な事実に基づいて事前対策をするというのは当然なことだと私は思います。今おっしゃられるように、確かにそれが今回三菱さんに欠けていたというふうに私は感じております。  次に、今回の事故の原因の中に赤間委員からも渡辺委員からもお話しされましたが、人はやっぱり必ずミスを起こすんですね。そういうミスを起こすという前提に立っていろんな作業マニュアルを想定していかなくていけない。今まで事故の経験がない、試験的に1カ所しかなかったからというふうな中でその作業マニュアルにもいろんな反省すべき点があるのではないかと。先ほど赤間委員からさてその作業の人的な、今回は渡辺委員の質問に対して、運転の技術者はこの工場は50人必要だという中で、本当に1カ月やそこそこで設備の方が十分になっても運転する、作業する人がそういう技術的なミスを犯さないような訓練は大事だと思います。先ほど他の委員がほかの施設のことも言われておりますが、ほかの施設も市民から見れば作業にいろいろな問題が生じているということは現実言われております。こういう新しい工場の中でそういう技術的な作業マニュアルをしっかりと会社側に強く御指導をして確立していただきたいと思います。いかがなものでしょうか。 93: ◯宮首昭彦関係者  今、私が常々部下に申しておることをまさにそれ以上のところをいろいろお教えをいただいておりまして非常に胸が痛くてなかなか話せないところなんですが、要するに私自身の指導者としての力不足かなというふうに今、総じて思っているところなんですが、そうは言いながら一歩一歩進歩していかないといけない中で、おっしゃられたとおり、私も安全を通じて言っておるんですが、一つはトップの姿勢が非常に重要であろうと。二つ目には専門家というものがだれが専門家なのかを明確にし、その人を中心に技術の伝承なり、そういうものをやっていかないとということを言っておりますし、三つ目にコミュニケーションが非常に大切だということを常々思っております。四つ目に、今、加藤委員からおっしゃられましたが、マニュアルの再読をやってくれと。要はその風化をしておるところは先輩諸氏が過去の痛い教訓といいますか、教えの中で実はできたものがそのマニュアルという形を得たときに、本来ならばそれが生きるべきところが一つの書物化なり、一つのある形でおさまって当時の痛さが反映をし切れていない。もう一度、マニュアルを再読、書を持って読み返そうという運動を今、やっております。そういう中でこういう非常に重大なトラブルを引き起こしたということでお話しする言葉がないんですが、今のいろいろなお話を胸にもう一度今から再度立て直し、仙台のこの工場があのときはいろいろあったけれどもよくやってくれたと一刻も早く言われるように私の決意をさせていただきたいというふうに思います。 94: ◯横田匡人委員  恐らく時間も限られているんでしょうし、また今、一日も早くしっかり立て直しをしたいというお話だったので、私からは1点だけ確認をさせていただきます。  まずお伺いする前に一つ確認をしますが、きょう、取締役の宮首さん初め10名の方、御答弁いただいている土井部長さん初めお見えなんですが、これは当然だと思いますが、この方々はいわゆる試運転の体制表にある試運転の総括責任者云々というスタッフの方々とは当然違うわけでありますか。 95: ◯土井亨関係者  はい、きょうのメンバーの中では先ほど現場を御案内させていただきました山口が現地所長、現場の総責任者ということで今回の工事に対応させていただいております。 96: ◯横田匡人委員  その山口さんという現場の方以外はそうではないと。きょうは御説明と、いわばおわびの担当なわけですね。それから私がいただいている資料では試運転の体制表というのがありまして、先ほど渡辺委員の話の中にもありましたがそれぞれの経験、あるいは実務能力を持った方々が配置をされているわけであります。さらにその選ばれる方々の規定がありまして、いわゆる選任基準というのがありまして、例えば現場の代理人というのはかくあるべきだ、あるいは試運転の統括責任者はこれこれこういう業務についていた方でなければだめだと。以下、運転員の方々まであるわけであります。これは選任の基準どおり選ばれていたかどうか確認をさせてください。 97: ◯土井亨関係者  選任の基準どおりに選ばれております。 98: ◯横田匡人委員  安心をしました。選任の基準どおり選ばれていた方だったと。しかしながら、いろいろな制度や人的なミス、赤間委員のお話じゃありませんが、重なり過ぎたんじゃないかという疑念が私もありますけれども、であれば、今度はしっかりとした内部でのそういったミスが起こらないためのマニュアルづくりと同時に行っていただきたいことが一つあります。恐らくこれは同じ方々が再度の試運転の作業に当たられるんだと思うんですが、これはいかがですか。 99: ◯土井亨関係者  今回の貴重な経験をもとにまた私どもの次の建設工事におきまして試運転ということで対応するということは当然、スケジュール的にはあり得ることでございます。 100: ◯横田匡人委員  私が実はお願いしよう、要望しようと思いましたのはその逆でありまして、教訓にしてとかというのは、これは実は信頼回復にはつながらないんですよ。ですから、それぞれの選任基準、しっかりとした技術や経験を持っていながらだめだった方々は全員今回申しわけないんだが新しい再度の試運転の際には外れていただくというのが市民の皆さんから信頼を再度得ることにつながりますし、一日も早い完全なる復旧といいますか、引き渡しが可能になるんだと思います。申しわけないんだけれども、その方々は再度チャレンジをするという意味で別の機会でぜひこれまでの蓄積されたスキルというものを生かしていただくと。そういった責任のとり方が私は必要だと思います。その上でそうなった際に本日、取締役もお見えでありますけれども、以下の方々の責任の所在というものをはっきりさせてぜひとも仙台市民の生活に今後、影響はまだまだありませんが、市民生活に影響の出ないように努めていただきたいと思います。 101: ◯委員長  それでは、全員の発言をちょうだいいたしましたので、ここで一たん三菱重工業さんに対する質問を打ち切らせていただきます。  それでは引き続きまして、休憩なしでまいりたいと思いますけれども、当局に対する質問等をお受けしたいと思います。 102: ◯佐藤正昭委員  1点だけ聞かせていただきます。前回の協議会で調査の委託をぜひ第三者機関にということで言っておりました。仙台市も今、調査を委託して事故原因、再発防止対策の検証をしているということですけれども、いつごろこの調査結果がまとまるのかについてお教えください。 103: ◯環境局長  質問にお答えいたします。まず、局内におきまして今回の松森工場の改善策の方を検討する委員会を立ち上げて検討を進めてきたわけでございますけれども、その対応策、まとまりつつあるところでございますけれども、今、お話ございましたように外部の専門家の方に見ていただいておると。既に1回は見ていただきましていろいろアドバイスをいただいているところなんですけれども、さらにアドバイスをいただくと。こちらも慎重に進めてまいりたいと思っているんですけれども、こちらの対策案の専門家の方々の検証のスケジュール等も、検証の進みぐあいというのもございまして今すぐいつまでということを言えるわけではないんですけれども、なるべく早目には対策案の方を出してまいりたいと考えております。それが松森工場の試運転、稼動開始の前提条件になりますので、それに関しては速やかに進めてまいりたいと思っております。 104: ◯佐藤正昭委員  ぜひ精力的に速やかにお進めをいただきたいと思います。本日、きょうの説明ですべてを理解したとは我々も、多分委員の人たちも思っていないと思います。そういった中で当局からも第三者機関へ調査を委託している。その検証結果を待って、我々とすれば事故が絶対に起こり得ない体制といいますか、絶対に間違いが起こり得ない体制といいますか、そういうものをしっかりつくっていただかないといけないと思います。そういったことはまた我々、きょうは委員協議会ですけれども、6月の議会の中でも徹底した原因究明と万全の再発防止対策を行って市民の理解を得られなければ試運転の再開というのはないんだろうなという考えを持っているわけです。我々もこの問題についてしっかりとこれからも取り組んでいきたいと思います。 105: ◯委員長  ほかにございませんか。              [「なし」と呼ぶ者あり] 106: ◯委員長  なければ、以上で松森工場の全炉停止に関する質問等を終了いたします。  三菱重工業の方々には本日御出席いただき、大変ありがとうございました。協議会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。  以上をもちまして、協議会を閉会いたします。...