仙台市議会 2005-03-15
平成17年度 予算等審査特別委員会(第10日目) 本文 2005-03-15
1: ※会議の概要
◯委員長 ただいまから
予算等審査特別委員会を開会いたします。
本日は、
石川建治委員から欠席の届け出がありましたので御報告申し上げます。
それでは、これより質疑を行います。
昨日に引き続き、第15
号議案平成17年度仙台市
一般会計予算第1条
歳入歳出予算中、歳出第9
款教育費外についてです。
それでは、昨日に引き続き、自由民主党の
田村委員の質疑を継続いたします。
田村委員、質疑席にお着き願います。
〔
田村稔委員、質疑席に着席〕
2:
◯委員長 発言を願います。
3:
◯田村稔委員 質問に入らせていただく前に委員長に一つだけお願いをさせていただきます。昨日は私の質疑の途中で中断ということになりました。正直言ってちょっとつらいものがございました。しかし、日ごろ尊敬している笠原先生が委員長でありますし、時計も6時にならんとしておりましたので了解をしたわけでありますが、ただ、この
予算等審査特別委員会、会派ごとの通告制をとっております。そして、事務局の方、一生懸命質疑する委員のところに行きまして質疑時間の調整等一生懸命頑張っている。そういう姿も見ておるわけでありまして、私も1時間以上の質疑になりますよということは言ってありましたものですから、非常に残念に思っておりました。ひとつ今後はこういうことがないように御配慮をお願い申し上げまして、質問に入らせていただきます。
それでは、きのうは最初に平成16年度の宮城県
学習状況調査について、その次に、引き続きまして課題のある教員についてお聞きしました。次に、教科書の採択についてお伺いをさせていただきます。
ことしは、新しい中学校の教科書、正しくは
教科用図書というんだそうでありますけれども、中学生が使う新しい教科書の採択が行われる年であります。来年度から使う教科書が採択されるまでの今後の採択の日程、
スケジュールをお教えいただきたいと思います。
4:
◯教育指導課長 新年度の
教科書採択の大まかな
スケジュールといたしましては、5月の
教育委員会で採択方針を決定いたしました後、見本本の送付を受け、6月から7月にかけまして
教科書展示会、それから
教科書研究に関する
調査研究委員会、そして
選定協議会の審査を得た後、最終的に7月の
教育委員会におきまして採択する予定でございます。
5:
◯田村稔委員 今回採択される教科書は、本市の中学生が平成18年度から平成20年度まで3年間使用するものであります。慎重にかつ本市の中学生にとって最も適した教科書が採択されるよう祈っております。
さて、どこの発行者のものを教科書として使うかということは、宮城県に仙台市の
教育委員会を含めた八つの
教育事務所がございますが、その八つの
教育事務所にゆだねられておるわけであります。それぞれの
教育事務所がどういういい教科書を使うかというのがゆだねられているわけでありまして、だからこそ
一つ一つ教科書の内容をしっかりと吟味し、そして比較していただいて、実際に使うようになってから、後からこれは本当に協議したのかと、内容について吟味したのかというようなことがないように取り進めていただきたいと思いますけれども、
教育委員会としては、この採択過程での適正な採択が進められるように、そういう事務方を兼ねておるわけでありまして、その適正な進め方として、どのような形で進めていくかという御所見をお伺いしたいと思います。
6:
◯教育指導課長 教科書の採択につきましては、検定本に対して
教育委員会が採択方針を決定し、
調査研究委員会、
選定協議会を経まして、そのプロセスの中で中身のある審議をしていただき、最終的に
教育委員会が適正かつ公正に採択しているところでございます。
7:
◯田村稔委員 今、御説明いただいた
教科書採択の流れ、これについては後ほどまたちょっと改めてお伺いしたいと思いますけれども、実は私、今回自分でも比較のために表をつくってみました。これは御検討いただきたいということで事務局の方にもコピーして差し上げたと思うんですが、3枚つくりました。
1枚目が、今、仙台市を含めて、宮城県、八つの
教育事務所がございますが、こちらで使っている、小学校それから中学校で現在使われている教科書全科目が入っております。2枚目の資料は、全国に13
政令指定都市がございますが、13の
政令指定都市が小学校の主要4科目でどういう教科書を使っているか。3枚目が、同じく全国の13ある
政令指定都市、これが中学校の主要5科目。ただ、主要5科目といいましても社会科は地理、歴史、公民と三つに分かれておりますし、理科は第I分野、第II分野とこれも二つに分かれております。計八つですね。主要5科目が八つに分かれるわけですが、これの一覧表を用意しました。これは教育新聞なんかを見ながらつくったと思います。多分間違いはないと思いますが、何か私の資料で間違いございますでしょうか。
8:
◯教育指導課長 ございません。
9:
◯田村稔委員 ちょっとこれについていろいろお聞きしていきたいと思うんです。
まず、1枚目の資料を見ていただきたいと思うんですが、今、仙台市を含めて八つの
教育事務所で使っている一覧表です。一番使用されている東京書籍、東京書籍のところを全部ブルーで塗ってみました。表を見ると
ブルーだらけなんですね。まず
ブルーだらけ、これが表を見て一番最初に感じるところであります。
その次に、八つ
教育事務所あるんですが、それぞれの
教育事務所が一番いい教科書を選ぶことができるんですけれども、みんな横並びというか、全部同じですね。例えば仙台でここが東京書籍ならば、ほかの事務所も全部横並びと言ってもいいくらいです。これが特徴だと思います。
それから、私なんかも子供のころから、地図というと、ちょっと個別の名前を出しますけれども、地図というと例えば帝国書院なんていうのは有名でありまして、本市でも中学校の地図は帝国書院を使っている。小学校も
帝国書院。そして、ほかの13の政令都市を見ると、やっぱりその地図を使っているものですから、社会科の地理なんかにも、やっぱり統一性なんでしょうかね、非常に
帝国書院を使っている部分がある。
ところが、宮城県、本市は全部社会は、地理、歴史、公民も全部一括で東京書籍になっている。何か特徴があるなと思いますし、それから、ほかの13の政令都市を見ると、こんなに1社独占に近いような形というのはない。みんなうまくバランスよくそれぞれの特色のある出版社の教科書を使っているなというのを感じ取るところができるんですが、今、疑問を含めてちょっと感じたことを申し上げましたけれども、事務局ではいかようにお感じになったでしょうか、御所見をお伺いしたいと思います。
10:
◯教育指導課長 議員御指摘のとおりでございます。
11:
◯田村稔委員 純粋に本当に私たち市民が望んでいる、国民が望んでいるのは、この自分たちの仙台市、本市の
子供たちにいい教科書を使ってほしいと。そして、私は平成15年の決算の
審査特別委員会でもこの教科書の採択に関連していろいろ質問させていただいてます。残念ながら、本市の中学生、教科書の中に間違った記述の多い教科書を使っているんだと。それを具体的に新潟県の中里村の雪国はつらつ条例のこと、こういうことを例にとりまして、ほかにも地理のいろんな部分を具体的に御指摘を申し上げ、こういう教科書を使っているんですよということを御報告させていただいたんです。
先ほど採択の仕組みについて御報告ありましたけれども、これちょっと確認させていただきながら、もし間違っていたら御指導いただきたいと思いますが、まずは流れとして、文科省の方から宮城県の
教育委員会に新しい教科書の採択をしなさいという指示が来るわけですね。そして、宮城県の
教育委員会から仙台市の
教育委員会に、新しい
教科書採択の方針、それを議決しなさいという指導、助言、援助というのがあるということですが、仙台市の
教育委員会はそれを受けて、
教科書展示会、これはいろんな教科書を広報しながら展示をすると。あわせて同じように
選定協議会というのを設置する。
この
選定協議会というのは、有識者6名、大学教授、大学講師、
商工会議所代表、
医師会理事、
青年会議所代表、法人理事、有識者が6名、それから保護者、市立の小中学校のPTAの会長20名、校長及び教員10名、合計36名の
選定協議会をまず設営すると。そして、あわせて同時に、先ほど御報告ありましたけれど、
調査研究委員会、これは校長、教頭でつくってますね。そして、その下に
調査研究委員会専門委員、これは各専門の教諭の方々でつくっているわけです。中学校の国語7名、社会7名、算数5名とずっとあるわけですが、でも実際には、この
調査研究委員会、
調査研究専門委員会、こちらの方で検討してきたものが
教育委員会に上がってくると。そして、上がってきたものを、先ほど言いましたけれども、36名の
有識者たちで選定している
選定協議会の方にかける。
選定協議会で決まったものを仙台市
教育委員会に上げて最終的に決定をする。決定したものを宮城県
教育委員会に報告すると。こういう流れであると思うんですが、いかがしょうか。
12:
◯教育指導課長 はい、ほぼそのような仕組みでございます。
13:
◯田村稔委員 ここできっちりとした本当の教科書に対しての審査、検査というものが行われていれば、先ほど申したようなつまらない誤記のミスであるとか、そして何といっても
学習指導要領に遵守しているかどうかというのはチェックできると思うんですけれども、それが実際には、
調査研究委員会にしても、
調査研究専門委員会にしても、そこまで吟味をしていない。何かの関係で上がってくる。上がってきたものを、その現場の先生たちが選んだんだから、はい、いいんじゃないですかということでやっちゃってるんじゃないかなと思うんです。そうでないとなかなかこういうミスが多いとかっていうのは理解できないし、1社独占なんていう形もなかなか理解できないんですけれども、この辺はどのようにお考えでしょうか、御所見をお伺いしたいと思うんですけれど。
14:
◯学校教育部長 今、御指摘のとおり、今まで確かに教科書の
内容チェックについて甘いところがあったのかなというふうに反省しております。
今年度、16年度、小学校の
教科書採択の年でございました。その際に、先ほど述べられた事例を踏まえまして、教科書の内容を十分チェックいたしまして、そういう誤記、誤植というのも幾つかございました。そういうものは出版社の方に通知いたし、できるだけきちんと直していただくよう要請もいたしておるところでございます。
15:
◯田村稔委員 先ほどもお聞きしたんですが、この
選定協議会、有識者を含めて、大学教授を含めて、PTA、保護者、教員、いろいろありますが、こういう方々のお名前は公表なさいますか。あわせて
調査研究委員会、
調査研究専門委員会、この部分に所属している方々のお名前の公表はなさっているんでしょうか。
16:
◯学校教育部長 選定協議会、
調査研究委員会、その採択前の段階につきましては名前を公表いたしておりません。と申しますのは、採択に至るまで予断を与えないとか判断にいろいろ支障を生じないように公表はいたしておりません。ただ、採択後に
情報センターにおいて名前を公表させていただいております。
17:
◯田村稔委員 さて、
文部科学省は、ことし8月に中学校の
教科書採択が行われるわけですけれども、その
中学校教科書の採択で正常公平な採択環境の確保に向けて制度の改革に乗り出すということを決めたという報道がありましたが、これについてお聞きになっておりますでしょうか。
18:
◯学校教育部長 教科書のそういう改正につきまして、文科省の方にも問い合わせいたしてみましたところ、今、特にそういう具体的な改正はないと聞いております。ただ、国の
中央審議会の方において、今、
義務教育のあり方について諮問をいたし、いろいろ検討されていると聞いておりますので、そういう中で検討事項がもし出てくれば、我々も
十分情報収集に努め、今後いろいろ検討いたすことになろうかと思います。
19:
◯田村稔委員 教科書の採択というのは、
地方行政法で
教育委員が管理執行するというふうに定められておるわけでありまして、ところが実際は、私、先ほどからも申してまいりましたけれども、実際は現場の教師の意向で採択が決まるというふうに多く言われているのも事実でありまして、大変それに憂慮しております。
今、
文部科学省の方で新しい採択のルールをつくって、それぞれの
教科書採択に対しての間違いない、そして、それぞれの教科書の違いがわかる、簡単明瞭にわかるようにするように指導するというような方針も私はお聞きしております。これから変わっていくんじゃないかなと思うわけでありますけれども、
教育委員の決定というものは
選考委員会や
調査研究委員会の下部の機関の示した選定資料に拘束されない。これ一番大事なんです、やっぱり
教育委員の決定というのは。
選定協議会とか
調査研究委員会のこれはあくまでも意見でありますので、最終的な決断は
教育委員にあるわけですから、しっかりとした御判断をいただきたいなというふうに思っておりました。
昨日、仙台の教育を考える会という団体が議長並びに教育長に陳情書を提出したということも聞いております。今、多くの市民も注目しておりますし、国会での議論もあるわけであります。非常に大事な時期を迎えております。これから
学習指導要領を遵守した立派な教科書が、採択権者である
教育委員の見識をもって教科書の中身で選ぶ教科書の採択が実現されることを多くの人々が望んでおります。
最後に教育長にお聞きしたいんです。私、成人式のときに本当に教育長が先頭に立って、ちょっとたまに元気な若いのいましたからね、そういう子の警備に当たっている姿というのを本当に拝見しました。
教育行政の
最高責任者がそうやって先頭に立っている姿というのは非常に感銘を与えるものだと思っております。本市の
教育行政の
最高責任者である教育長の御所見をお伺いしたいと思います。
20:
◯教育長 教科書の採択につきましては、教科書が児童生徒にとっての学習の主たる教材でありますことを踏まえて、公正性、透明性を一層高めながら、本市の
子供たちにとりまして最もふさわしい教科書を採択いたしますようこれからも努力を続けてまいりたいと存じます。
21:
◯田村稔委員 次に、今も
教科書採択の
最高責任者は
教育委員であるというお話をして、教育長の御決意などもお聞きしたわけですけれども、次に、
教育委員の任命についてお伺いいたします。
この
教育委員の任命につきましては、本会議の代表質疑の中で市長にもお聞きしまして、私の考えとしては、市長御自身の教育への明確な意思を反映する、そういう
教育委員を選任すべきではというふうにお伺いをいたしました。それに対し、市長から、
教育行政について大局的な立場から判断できる識見、能力を持っている方を選任してきたという御答弁をいただいたわけであります。大局的な立場から判断できる識見、能力を持っている方、私の身の回りを見ても市長以外にそういう方はいないなというふうに思っておるわけですけれども、ただ、選考の基準を
一つ固まりとして一定のものにしていると、
教育委員というのは同じタイプの人ばかりが集まってしまうのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。市長、お伺いしたいと思うんですが。
22: ◯市長
教育委員の選定に関しましては、おっしゃるようにある一定の枠組みがございまして、それは
教育行政の組織及び運営に関する法律の中において、
教育委員は人格が高潔でというのが前提にございますけれども、そういうことになりますと私は失格であったかと思うんですが、とにかく人格が高潔で教育、学術並びに文化に関して識見を有する者の中から
地方公共団体の長が議会の同意を得て任命すると、こういうことになっておりまして、大きな枠組みというのは、ただいま申し上げましたような人格と、それから識見という、こういうことになるわけでございます。何よりも大事なのは公正性ということであろうかと思います。そういう意味から、大局的な見地からと申しましたのは、その公正性を保てるという、こういう識見ということで申し上げたことでございます。
23:
◯田村稔委員 大局的な立場から判断できる識見、能力を持っている方はいろんな本当に幅の広い物の考え方ができる方なんだというふうに思うわけですけれども、ただ、何となく個性が感じられない。教育の現場では、
子供たちに個性を伸ばす、個性を大事にする教育をしてますよね。
子供たちの個性を大事にするというのは、私もずっとお聞きしているんです。でも、
教育委員に個性がないのはいかがかなと、こういうふうに思うわけでありまして、東京都でも、埼玉県でも、最近、首長の教育に対する非常に明確な
教育委員の選任を行っておるわけです。最も新しいところでは、横浜市が
ヤンキー先生という、義家弘介さんですか、
教育委員に充てる方針を決めて、
市議会に人事案を提出するということであります。義家さんの多彩な経験を横浜市の教育に生かしたいという中田市長の明確な考えだというふうに思うわけであります。市長は、他都市の、他の自治体のこういう動きについてどのような御所見をお持ちか、これもあわせてお聞きしたいと思います。
24: ◯市長 先ほど申したような一定の枠組みが与えられておりましたけれども、やはり教育が今日
地方分権の中で再検討されている。そういう過程の中で、どちらかといえば集権構造の後退といいますか、
地方分権の推進という、こういう流れが起きてきたというような気がいたしますし、また、それが首都圏のあたりから始まっているということを感じているところでございます。
25:
◯田村稔委員 それで、最後の質問にさせていただきますけれども、
教育委員会の位置づけというのは、
選挙管理委員会とか
公安委員会などと一緒に、一般行政とは独立した中立性の高い運営が求められてきました。そのために、どちらかというと、地元というか、地方自治よりも、例えば
教育委員会でいえば文科省の方を向いていたと、文科省の顔色をうかがっていた節があるのかなというふうにも思うわけであります。しかし、今日、
地方分権が非常に叫ばれながらも、ここに来て三位一体改革の過程で
義務教育費の
国庫負担金をどうするかという財政的な問題がございます。
全国市長会の会長はたしか金沢市の市長さんでしたかね。ちょっとお名前を忘れましたが、金沢市の市長さんは、もう
義務教育は地方自治に任せろと、国は余計なこと言うなと。教員のことにしても何にしても地方自治が責任持ってやるんだから、どっちにしろ今までだって教育費、国からは3割しか来てないんだから、もうそんなもの要らない。ただ、全部任せろというような御発言もなさってました。ただ、別の方は、そうじゃないと、
義務教育こそ国がやらなきゃいけないんだと。ほかの県とこの県ではこんな差があったら困るんじゃないかと。そういう議論もあるわけでありまして、ここに来て、じゃあ
義務教育っていうのは本当に国がやるのか、地方が責任を持ってやるのかという究極な課題、これを解決しないと、例えば
教育委員の選任にしても変わってくるのかなというふうに思っておるわけです。ですから、市長さん、どうでしょうか。非常に究極な課題に対しての選択だと思うんですけれども、
義務教育というのは国がやっぱりやるものなんでしょうか、そうじゃない、地方自治体が責任を持ってやるものだと。どちらの方を御選択なさるかお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
26: ◯市長 長い間、日本の教育は国民の教育水準を確保することと教育機会の均等ということで、明治以来、
義務教育の一番大事な部分であるというふうに推進をされてきましたけれども、戦後の教育改革におきまして、既に、一つが教育の民主化、それから二つ目が教育の
地方分権ということがもう既に半世紀前に言われておりまして、そして第3には教育の自主性という、この三つが戦後からずっと底流をなしてきておりましたが、なかなか、国の支配が大変強いといいますか、乳離れできるような状態にはございませんでしたが、最近になりましてようやく
地方分権の動きとともにそうした
中央集権原理が後退をし始めてきている。
しかし、私はこの教育の機会均等と水準の確保の部分につきましては、やはり法令等によりまして国が全国的な一定の役割を果たすべきであろうし、それから、個性なりあるいは創造性といったような部分におきましての教育のそれぞれの地域主義といいますか、その辺については地方が責任を持って行うべきであると。両々相まっての責任を持ちながら、どちらかといえば地方側が大きなウエートを持って推進されていくべきであろうと、こんなふうに思っているところでございます。
27:
◯委員長 次に、公明党から発言予定の方は、質疑席にお着きください。
〔
山口津世子委員、
鎌田城行委員、
菊地昭一委員、質疑席に着席〕
28:
◯委員長 発言を願います。
29:
◯山口津世子委員 私からは、
学校給食費に関連して食育についてお伺いしたいと思います。
本市におけるゼロ歳から14歳までの100万市民に対する比率は、約7%、14万2300人となっております。昨年12月にも一般質問させていただきましたが、1人の人として心身の成長の土台をつくるこの世代の食育への取り組みはとても重要なことだと考えております。今の時代は、
衣食住環境や地域環境、また家庭環境などの変化の中で、正しい食育は
子供たちへの成長、発達に大きいかかわりがあるものと考えています。中でも朝御飯を食べることがとても大切なことだとも言われております。
本市のホームページでも朝御飯を食べようと呼びかけているところですが、先般、大変興味深い新聞記事を見ました。和歌山県
教育委員会で小学校4年生と中学校1年生の6万人の児童に調査をしました。そしてテストの正答率が朝御飯を食べない児童よりも朝御飯を食べる児童の方が16ポイントも上回っているということでした。ほかにもこの県では、学校への持ち物の確認をするとか、家事の手伝いをするとか、家族とよく会話をするという
子供たちが、朝御飯を食べる児童の方がすべてで上回っているというデータがございました。朝食も含めた食育教育というのは本当に大事なことだと思っております。
本市におきましても、小中学生においては学校給食や授業を通して食育について学ぶことがあると思いますが、当局において児童に
アンケート調査を行ったりもしております。本市の
子供たちへの食育について、どのように取り組みをしてきたのか、また、状況分析をされているのか、今後の食育についての取り組みを伺いたいと思います。
30:
◯健康教育課長 健康教育の一環として食に関する
自己管理能力をはぐくむために、給食指導はもとより、家庭科、総合的な学習の時間などで食育に取り組んでおります。具体的には、食に関する
指導推進プランをもとに手引を作成するとともに、食に関する研修会の実施等を行っております。
昨年3月に食生活に関する
アンケート調査を実施いたしましたが、それによりますと、朝食を抜いていたり、朝食の食事内容、おやつや夜食の取り方などに問題があり、望ましい食習慣を身につけさせる指導が必要であることがわかりました。
今後は、各学校で食に関する指導計画を作成し、
学校栄養職員によるチームティーチングや
特別非常勤講師としての授業への参画などを進め、その充実に取り組んでまいりたいと考えております。
31:
◯山口津世子委員 あと、各学校に栄養士が配置されていると思います。
単独調理校とか
センター校とか
いろいろ状況はありますけれども、何人の栄養士の方がいらっしゃって、何校に配置されているのか、お伺いします。
32: ◯教職員課長 平成16年度の配置状況で御報告いたしますが、小中養護学校の
単独調理校につきましては82校で、県費の
学校栄養職員が51名、市費の
学校栄養職員は31名でございます。
センター校につきましては104校が対象校でございまして、六つのセンターに県費の
学校栄養職員は5名、市費の
学校栄養職員は13名ということでございます。
33:
◯山口津世子委員 この方たちは主にどのような活動、仕事──栄養士ですから栄養管理だと思いますけれどもされているのか、お伺いします。
34: ◯教職員課長
学校栄養職員の職務といたしましては、学校給食における例えば献立作成などを中心といたしました栄養管理、あるいは給食指導、給食設備等の衛生管理、食材発注業務などに関します給食用物資の管理などでございます。
35:
◯山口津世子委員 昨年の通常国会におきまして法改正を受けて、学校の栄養士が教員免許を取得して食に関する指導を行う栄養教諭制度がこの4月からスタートされると伺っております。この栄養士と栄養教諭の違いをお伺いしたいと思います。
36: ◯教職員課長 栄養教諭でございますが、給食を生きた教材として活用しながら、家庭科やあるいは保健体育などの教科や特別活動の事業において指導を行うなど、学校における食に関する指導の中核的な役割を担っていくということでございまして、これまでの学校栄養士の業務にさらに今お話ししたような内容が加わるというところが大きな違いじゃないかというふうに考えております。
37:
◯山口津世子委員 といいますと、栄養士が即栄養教諭となるわけじゃないと思いますので、栄養教諭になるためにどのようなことが必要なのか、お伺いしたいと思います。
38: ◯教職員課長 栄養教諭になるためには、栄養教諭の免許状をまず取得していただくことが必要ということになります。教諭や養護教諭になる場合と同様に、大学等の栄養教諭養成課程で所定の科目を履修していただくということが一つございますが、現在、
学校栄養職員といたしまして勤務している方の場合については、一定の講習受講などによりまして先ほど言いました学校栄養教諭免許状を取得できる方法も講じられているところでございます。
39:
◯山口津世子委員 この制度を導入するかどうかは都道府県の判断にゆだねられていると言われております。制度は国で決めて、任用、配置は県、そして採用は市町村であります。本市として県と協議を重ねてきているものと思われます。栄養教諭免許を取得する機会について、どのような話し合いをされているのか、伺います。また、今後の見通し、
スケジュールについてもお伺いしたいと思います。
40: ◯教職員課長 来年度より国からの委嘱により、各都道府県
教育委員会におきまして現職の
学校栄養職員に栄養教諭免許状を取得させるための学校教諭育成講習事業を実施できることになっておりまして、現在その実施方法等につきまして宮城県と協議を行ってきております。
今後の見通しでございますが、宮城県と共催事業ですが、栄養教諭免許状にかかわる認定講習を開設するため、指導大学との調整等を現在行ってきているところでございます。17年の夏季休業期間中にその認定講習を開設することができる見通しとなってございます。
41:
◯山口津世子委員 ぜひ一人でも多くの栄養教諭が誕生するように現在栄養士としてお仕事をしてくださっている皆様に声がけをしていただいて、多くの栄養教諭の誕生を見ていただきたいと思っております。
この栄養教諭の誕生とともに、学校現場での給食に対する取り組みなど、さまざまな状況を乗り越えて対応していってほしいと考えることが多いわけですが、新年度予算にアレルギー除去に対する予算がとられているというふうになっております。どのような対応をされるのか、お伺いします。
42:
◯教育長 ただいまお話ございましたように、食物アレルギーの
子供たちが増加傾向にございます。そのような
子供たちが楽しい給食時間を過ごせるようにといったことでの予算でございます。平成17年度予算案では、食物アレルギー対応実態調査の結果をもとにいたしまして、
単独調理校53校に対して食物アレルギー対応用のコンロの設置など、設備あるいは備品面の改善を行うため279万9000円を計上してございます。対応ができるところから順次配備いたしまして、除去食等の対応も今後拡大してまいりたいと考えているところでございます。
43:
◯山口津世子委員 この問いの最後ですけれども、今後、
子供たちの朝食について、学校給食についてとか、食育教育環境づくりの充実を望むものです。多様な理由はありますが、昨今、食物アレルギーを有する児童が毎年毎年ふえ続けている状況です。今までも多くの議員の方々から質疑がありましたが、特に学校給食におけるアレルギー除去食など、
子供たちの朝食や食育環境づくりに対する大いなる決意を込めまして、また、御答弁をお願いしたいと思います。
44:
◯教育長 このたび
学校栄養職員の制度もできましたので、これらの栄養職員を早目に養成いたしまして、食物アレルギーを持つ
子供たちへの対応、また、それ以外でも楽しく給食をとるためのいろいろな手だてが必要かと存じますので、あらゆる角度から職員が一丸となって給食に対するこれからの向上に努めてまいりたいと考えているところでございます。
45:
◯山口津世子委員 ぜひ、よろしくお願いいたします。
次に、通学合宿についてお伺いしたいと思います。
これも一般質問でさせていただきましたが、そのとき局長の答弁といたしましては、通学合宿をしてはどうですかという問いに対しまして、同様の効果をもたらすものとして、たぐいまれな大倉地域の自然を活用した大倉自然塾などの事業に取り組んでいるところだ。今後これらをさらに充実発展させていきたいという御答弁がございました。この大倉自然塾は青葉区の所管でありますが、これは青葉区の中の学校の子供さんたちが利用しているものなのか。また、本市全域の
子供たちへの対応はどのようになっているのか。そして、今までどのように活用されてきたかということも含めて、御報告などございましたら教えていただきたいと思います。
46: ◯生涯学習課長 大倉自然塾でございますけれども、大倉自然塾は青葉区の
子供たちが対象となっている事業でございますが、自然塾以外にも全市を対象とした事業といたしまして、大倉の十里平地区、それから白木地区等で自然を活用した体験活動事業が行われております。これらの事業を参考にいたしまして、大倉の自然を活用して子供から大人までの体験活動施設として、現在、大倉中学校の跡地に(仮称)大倉ふるさとセンター、これを整備中でございます。平成18年度オープン予定のこの施設で
子供たちの体験活動を全市的に行ってまいりたいと考えております。また、これまでの各学校でのキャンプ活動、それから泉ケ岳少年自然の家などでの宿泊体験活動などもあわせまして、
子供たちの体験活動の充実に努めてまいりたいと考えております。
47:
◯山口津世子委員 それとあわせまして、通学合宿について、今後、調査研究してまいりたいというふうに局長は前回言われております。それから調べられたのか、また、どのような方向でこの通学合宿に対してのお考えを持っているのか、お伺いしたいと思います。
48: ◯生涯学習課長 通学合宿の実施状況につきまして、県内それから
政令指定都市を含めました他都市の実施状況について調査いたしますとともに、
文部科学省で行っております全国調査なども参考に検討しております。その結果、通学合宿のねらいとしまして、集団生活の中で互いに協力することの大切さ、それから規則正しい生活習慣を身につけさせること、家庭や地域の教育力を充実させることなどをねらいに実施されていること。また、課題としまして、宿泊施設や特に入浴施設の確保、
子供たちの活動を支援するボランティアの確保などが課題であるということがわかっております。
49:
◯山口津世子委員 私たち、会派の皆さんで鹿児島の国分市へ訪問しまして、ここでは5泊6日の通学合宿の取り組みをしておりました。以前に私は青森の方でも視察をしてまいりましたけれども、その中で
子供たちや保護者の声を聞いてまいりました。5泊6日ということで、保護者の方も、ほかの子に我が子がついていけるか非常に心配だった。だけども帰ってきた息子を見たときに自信を持って落ちついた表情で帰ってきたので親としても安心をした。そして、親として自信を持てた気がした。子供の力を信じておおらかな目で息子を見ることができるようになった。子供を離してみるというのは親にとってもとてもよいことですねという親の感想、もっとたくさんあるんですけれども、ほとんどの方が長期の通学合宿に子供を出してやってよかったという感想でした。
また、子供自身も、ひとりで寝れるようになったとか、兄弟が仲よくなったとか、それから家の手伝いをするようになった。あと、積極性が出たとか、ありがとうという感謝の言葉が出るようになったとか、本当に
子供たちにとってもいい状況であるということがわかりました。
今、本当に兄弟が少なかったり、また地域の中で外遊びをしようと思うと、いろいろ怖いことがあるからとか、ひとりで外へ行っちゃいけないとか、知らない人に声をかけちゃいけない。もちろんそうでございますけれども、大変制限を受けている
子供たちの地域環境であります。その中にあって、この通学合宿、先ほどボランティアの方や、今、仙台にはたくさんの学生さんもいらっしゃいます。その学生のボランティアの応援をしていただくなどしながら、この通学合宿、泊まりながら学校に通える環境を1カ所でも早く見つけて、そしておふろもまだ本市には銭湯がございます。そういうところで体験をさせるということも大事だと思いますし、この通学合宿の取り組みを今後もっと積極的に考えていただきたいと、そのように思っております。
最後に、この通学合宿に対してもっと検討することはないのか、また、前向きな検討をしていただきたいということを御要望して、お伺いをして終わりとしたいと思います。
50: ◯生涯学習課長 通学合宿につきましては、先ほど挙げました課題のほかにも、登下校時の安全確保、それから
子供たちが十分な体調で授業が受けられるかなど、こういったことへの配慮も必要であろうかと考えております。
今後は、こうした課題も踏まえまして、まずは長期休業中の宿泊体験の合宿などについて研究し、その後で段階的な検討を進めてまいりたいと考えております。
51:
◯委員長 発言を願います。
52: ◯
鎌田城行委員 先週は我が子の幼稚園の修了式や、また、地域の中学校の卒業式に参加させていただきました。自分たちの中学時代には学年で550人以上いたのになと思い出しながら、今も変わらぬ卒業生のまばゆい姿を目の当たりにするとともに、つくづく少子社会を実感したところであります。
私からは、初めに学級の構成について、いわゆる少人数学級についてお伺いいたします。
文部科学省の指導によって40人を超えるとクラスが分割され、本市の小学1、2年生に関しては、県の事業によって35人を超えると分割される仕組みになっています。調査によると、現在、1年生では1学級25人から29人編成の学校が52校で41.3%、30人から35人が34校で27%、一方、20人から24人が18校、15人から19人が8校、そして10人から14人が5校、さらに9人以下は9校となっております。
35人以上の学級編成をしている学校を見てみると、2年生で3校、3年生では29校で23%、4年生では25校、5年生で29校、6年生で34校となっておりまして、7割以上の小学校が34人以下となっているのが実態でございます。
ここで、本市の目標とするところと今後の取り組みについて御所見をお伺いいたします。
53: ◯教職員課長 学級編成につきましては、公立
義務教育小学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律に基づいて行っているところでございまして、小学校1、2年生においては、県の緊急経済産業再生戦略の一つとして、平成16年、平成17年度の2年間、学級編成弾力化事業35人学級を行っているところでございます。
今後は、現在国において検討が進められております
義務教育国庫負担制度の見直しや、それと連動します県費負担教職員制度の推進、学級編成基準にかかわる設定権限の市への移譲等の議論の動向も十分見据えながら慎重に対応してまいりたいと考えてございます。
54: ◯
鎌田城行委員 改めて確認いたしますけれども、国においては20人程度の少人数指導や習熟度別指導を行う少人数学習を進めておりますが、その目的についてお伺いいたします。また、今年度から実施している小学校1、2年生の少人数学級について、本市としての成果、また、課題についてお伺いいたします。
55: ◯教職員課長
文部科学省は、指導方法の工夫改善を行い少人数授業の充実を図るために、県費負担教職員の少人数事業等加配を配置しているところでございます。児童一人一人の個性に合わせたきめ細かな指導を行うことによって児童が円滑な学校生活を送れるようにし、また、基礎的、基本的な学習内容の習得をより確実にしていくということを目的とするものでございます。
少人数学級の本市の成果ということでございますが、学校の現場の方からは、児童一人一人の個性、能力、発達段階に応じた指導等が可能になってきた。担任との触れ合いがふえまして、子供もより親密感や安心感を持って接することができるなどの声が現在寄せられているところでございます。
課題につきましては、15学級の学校には非常勤講師が配置される場合があるということなどが課題として挙げられております。
56: ◯
鎌田城行委員 国の事業に基づいて、学年に41人の子供がいた場合には20人のクラスと21人のクラスに分けられる。また、小学校1、2年生においては、県の事業によって国よりも少人数化が一歩進んでおりまして、学年に36人いた場合、18人と18人のクラスが誕生しております。30人以下の学級編成を求める向きもありますが、実情では制度の基準が厳格に守られていることによって18人にまでなっているというわけです。友達100人できるかなといった歌が私が子供のころには歌われておりましたけれども、こういうことが夢のように聞こえてしまいそうなところでございます。
お母さん方からは、子供が幼稚園や保育所に通っていたときよりもクラスメートが少なくなってしまい、友達をつくる機会も集団の中で社会性を身につけるという環境も後退しているのではないかとの意見も聞かれるところであります。こういったことについて御所見をお伺いいたします。
57: ◯教職員課長 今、委員御指摘のようなケースもあるかとは存じますが、子供の発達段階に応じて社会性が身につくのは、小集団で身につく場合、大きな集団で身につく場合、両面があると考えてございます。県の弾力化事業であります小学校の1、2年生における少人数学級は、始まって1年足らずでございますので、今後ともその事業の検証を引き続きしていきたいと考えてございます。
58: ◯
鎌田城行委員 少人数学級については、これ以上細分化するとかえって弊害が出てきてしまうおそれもあると思います。今後の進め方としては、以前、福島県郡山市の小学校で余裕教室を改造してのユニークな授業の取り組みを調査したことがありましたけれども、副担任や少人数学級の担当教員等を配置して、教科によって1クラスを2グループに分けて習熟度に応じた授業を進めたり、逆に二、三クラスをまとめて一緒に学ぶ機会をふやすなどして、現場において少人数、中人数、多人数といった学習環境をつくることなども、多彩なバリエーションで
子供たちの成長を導き見守ることも重要だというふうに考えますけれども、このあたりの御所見もお伺いいたします。
59:
◯教育長 子供たちが意欲的に学習を展開するためには、児童生徒の実態に応じまして指導の効果が最も期待できる学習形態で実施されていくことが重要であると認識いたしておりまして、各学校におきましては、ただいまお話ございましたように、習熟度別、あるいは児童生徒の興味、関心に応じたグループ別などの少人数学習を行ったり、また、体育の球技、あるいは音楽の合唱等では大きな学習集団で指導するなどいたしまして柔軟な指導形態を工夫してございまして、実践しているところでございます。
今後とも、子供一人一人の個性に応じた学習環境の整備に積極的に取り組んでまいりたいと存じます。
60: ◯
鎌田城行委員 次に、学校施設のバリアフリー化の促進について、お伺いいたします。
障害を持つ子供が学校に通う際に、学校施設のバリアフリー化が求められるところでありますが、これまでの学校現場における整備状況と対応について、お伺いいたします。
61: ◯学校施設課長 学校施設のバリアフリー化の整備状況及び対応についてでございますが、これまでに障害者用トイレは小学校について107校、中学校は54校、スロープにつきましては小学校108校、中学校54校について整備を行ってきているところでございます。そのほか、校舎の新増改築にあわせましてエレベーターの設置をしておるところでございます。
また、今年度におきましては、17年度に入学または進級する障害のある児童生徒に対する個別的施設改善といたしまして、トイレの改修、手すりやスロープの設置などを小学校24校、中学校12校で行うこととしてございます。
62: ◯
鎌田城行委員 仙台市内においては、おおよその学校でバリアフリー化が進められているというふうに認識させていただきます。
ここで、新しく就学する子供の把握とその時期、また、対応の仕方についてお伺いいたします。
63: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 障害のある新就学児の状況につきましては、入学年度の前年の9月ごろから教育相談会を設けまして、さらに10月から12月にかけて就学指導委員会等々でそれぞれの障害の状況を把握いたしまして、それぞれの学校等に準備等を進めていくわけなんですが、施設面の改修につきましては、学校の要請に基づいて入学式前までにはほぼ改修できるような状況になってございます。
64: ◯
鎌田城行委員 教育相談課と学校施設課の両者の、綿密な対応で入学式までに間に合わせていただいているということで、また、入学式まですべてが間に合わないにしても、学習生活の進捗によって整備していただいているようでありますけれども、子供を預ける側からしてみれば、要望し、その要望に対しての対応が十分には図れないこともあるのではないかと思うのでありますが、こうしたときこそマンパワーによる対応が重要になってくると考えます。このあたりの御所見をお伺いいたします。
65: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 障害のある児童生徒が在籍する学校におきましては、施設面の改修だけではなくて、それぞれの地域の方々のボランティア活動とか、あるいは直接的に車いすで生活する児童生徒の場合ですと、2名以上の学校ですと、肢体不自由学級等につきましては、児童生徒の安全を確保する意味でも非常勤講師を配置したりしておりますが、いずれにしても教職員の意識の方の心のバリアフリー化を目指したいなと、そんなふうに思っております。
66: ◯
鎌田城行委員 地域に開かれた学校づくりの観点からは、高齢者にやさしい学校施設が求められますけれども、何よりも子供とともに保護者の方が障害を持っていらっしゃる方もおりますので、この場合に授業参観などで子供の成長をしっかり見ていく、当たり前のこととして見守っていける環境をつくっておくことが必要だと思います。こうしたことに対しまして、本市として現状では子供への対応と同様に対応してもらえるのか、お伺いしておきたいと思います。
67: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 保護者はもちろんのこと、地域の方々には障害のある方々が学校を御利用される場合も多うございますので、平成8年に立ち上げましたひとにやさしいまちづくり条例をもとにして、計画的に学校施設の改善を図っているところでございます。
なお、保護者の方々あるいは地域の方々に安心して御利用いただけるように努力してまいりたいと思います。
68: ◯
鎌田城行委員 地域に開くという観点で、もう一つ少し角度を変えてお聞きしておきたいと思うんですが、ちょっとこれは事前にお話ししてませんでしたけれども、愛知県の扶桑町というところで小中学校における聴講制度の取り組みが注目されているようだというお話があります。意欲があれば、町民の方、年齢を問わず教科や学年を自由に選べて受講ができる。遠足や運動会、そして希望すれば給食も食べられる。学校にとっては、孫のような同級生と机を並べて勉強することによって先生にも緊張感が走って、また、防犯効果も期待できるという、こうした新たな生涯学習の場となっているというのでありますけれども、これは一つ
子供たちの反応も上々で、こうしたユニークな試みはぜひ仙台市でも検討してはどうかと思いますけれども、このあたりについて、できましたら市長の御所見をお伺いできましたらと思います。
69: ◯市長 大変ユニークな試みだと思いますし、これからの少子社会の中で学校自体が維持できなくなるような事態もそうまれな例ではなくなってくると思いますし、同時にまた、高齢者のそうした新しい能力アップといいますか、そういう問題も今問われておりますので、そういう意味からすれば大変有効な実験であると思っております。今後の大きな、学校教育に限らないもっと幅広い教育の、あるいはまた福祉のあり方として貴重なデータであろうと考えます。
70: ◯
鎌田城行委員 ありがとうございます。
次に、学校指定の購入用品などについて、お伺いしておきます。
保護者の方から学校に入学すると運動着や上靴などをそろえるのに出費がかさむといった声が寄せられておりまして、調査をお願いしてきたところでございます。
中学校の卒業式に参加したときにも、卒業生や在校生の足元に見入ってしまいました。私たちが履いていたときのズックとは違って、デザインも洗練された実に走りやすそうな、また、履きやすそうな靴を履いておりました。一体幾らぐらいするのかなと思いながら、こうしたことも含めまして今回の調査結果を見てみますと、特に上靴を例に見てまいりますと、小学校ではこの上靴はおおむね自由だったのに対して、中学校に入ると、デザインから、メーカーから、また、購入する先までが100%指定されておりますけれども、この理由について、お伺いしておきます。
71:
◯教育指導課長 上靴につきましては、中学生は高価なブランド物を買いたがる傾向が強く、また、生徒指導上の問題が特に生じやすい年齢でもございまして、また、体育の授業にも使用することから機能も考慮し、同じデザインのもので色別で学年の区別のつきやすいものを指定して使用させることが多くなっております。
72: ◯
鎌田城行委員 後で少し言いますけれども、価格については1,800円から3,780円、学校によって2倍以上の開きがあります。私の中学校時代にも上靴は色分けされておりましたけれども、色で学年の区別がされればよいというのであれば、親御さんからは、スーパーや靴の安売り店で買えば似たようなものが1,000円程度で買えるのに、購入先まで指定されなくてもよいのではないでしょうかと、こういった声も寄せられております。安いところで購入をした場合を考えると、負担は学校によってその差が4倍とか、また、逆に言えば4分の1というふうになりますけれども、こういった格差、御所見をお伺いしたいと思います。
73:
◯教育指導課長 学校では生徒や保護者の意見も参考にして決めておりまして、機能性や耐久性の違いから若干高目の価格のものが選ばれるケースもままあるようでございます。また、購入先につきましては、地元の商店などを指定店に指定することも多いようです。
74: ◯
鎌田城行委員 先ほどのお話の中で、生徒指導の観点から、また、ブランド物など高額なものを買うような子がいては困るからといったお答えがありましたけれども、これはちょっと実態が合わないような気がいたします。お母さん方が顔を合わせると、また、お金がかかるねといった会話が頻繁に繰り返されているのが現状でございます。こういう声はなかなか校長先生の耳元までは届かない小さな声かもしれませんけれども、こういった声があるのでございます。
ところで、過日、宮城県若柳町で学校指定用品の購入をめぐる業者と学校をめぐる裁判の記事が出ておりました。概略については、これまで学校の指定用品を扱っていた小売店が指定の用品をメーカーから扱いさせてもらえなくなったために、学校の指定するデザインでほかのメーカーのものを独自に調達をし、これまで同様に保護者に販売したところ、これが学校側からはけしからんと、子供や保護者に対して学校指定品ではないから返品するように指示したという、これについて業者側が不当だと訴えを起こしたというものであります。学校指定用品については学校ごとに決められているとのことですが、今回の若柳町のような事案についてはどのような感想を持たれるか、教育長か、もしくは市長の御所見をお伺いしたいと思います。
75:
◯教育長 若柳における件でございますけれども、私ども、報道で知っている程度の資料しか持ち合わせてございません。私も今まで仕事柄いろんな事項につきまして分析をしてまいりましたけれども、残念ながらコメントするだけの資料に至ってございませんので、どうぞ御理解を賜りたいと存じます。
76: ◯
鎌田城行委員 私的には理解はちょっと難しいですけれども、コメントいただけないのであればやむを得ないと思います。
購入用品については、市
教育委員会としてぜひとも適正な価格を提示していただきたいと考えますけれども、これについてはいかがでしょうか。特に業者を指定するというのが地域経済を支える観点からというのであれば、それなりの理由があるとは思いますけれども、例えばこれだけまとめて購入するのだから割り引いてほしいとか交渉したりして、
子供たちの側に立って保護者の負担を減らすような努力をされているのか。よきアドバイスをしていただきたいと願うのでありますが、このあたりについてお伺いしておきたいと思います。
77:
◯教育指導課長 学校では、保護者の経済的な負担が加重にならないように、複数の業者から見積もりを取り寄せ、質、価格とも適正なものを選定しているものと考えております。学校に対しましては、保護者の経済的な負担軽減を十分考慮し、保護者や生徒の意見も入れながら選定するよう引き続き指導してまいりたいと思います。
78: ◯
鎌田城行委員 ぜひともお願いしたいと思います。
ここで、関連して部活動に必要な備品の整備状況と個人負担のあり方についてお伺いしておきたいと思います。
一つは、中学校や高校における吹奏楽部の楽器や剣道の防具など、高額なものについてはどのような形でそろえられているのでしょうか。また、何らかの支援がなされているのか、お伺いいたします。
79:
◯健康教育課長 部活動の物品は、練習着やラケット、シューズなど自分で使用するものは個人負担を原則としておりますが、吹奏楽用の楽器については、高額であり、また、学校行事でも活用しているため、その一部を公費で購入しております。剣道の防具などは体育備品として購入しており、それを部活動で使用している学校もございます。また、生徒会や部活動後援会などの補助で用具をそろえている場合もございます。
80: ◯
鎌田城行委員 学校の備品としてそろえられているものについては、学校によって差が出ないように、できればコンピューター、IT化整備と同様に年次計画を立てて促進を図ることもあってしかるべきかなと考えましたけれども、このあたりについては、当局に実態を伺ったところ、部活動は任意の活動であって分野や種目も学校によってバラエティーにとんでいると。また、吹奏楽部など構成される人数によってグループがあったり部員数も年々増減があって、中には休部したり廃部したりするところもある。活動に必要な経費は生徒会の会計によっているほか、後援会や体育振興会などでフォローされているので、なかなか難しいような問題なのかもしれませんけれども、しかしながら、個人負担の実態について見た場合に、ちょっと家計の限度を超えているのではないかと思うところがございます。
ある高校の運動部では、ユニフォームやジャージ、また、バッグなどメンバーみんなで学校名やネームを入れておそろいのものを用意する。また、遠征のときなどに着用するブレザーなどもそろえたりして、その費用を合わせると年間で30万円ほどもかかって、これを保護者が分割で払っていると。練習についても夜遅くまで一生懸命やって、帰りの夜道が危険だからと保護者が迎えにこなければいけないというふうな申し合わせが父母の会で行われていたり、休日の練習や他校との練習試合など、いろいろと思いもよらない負担が押し寄せてくるようであります。
経済的に大変だから公立の学校に入学させたのにという親の思い、何とかならないのかという相談が寄せられておりますけれども、
子供たちの持っている可能性、才能の芽を引き出すことに教育現場では力を注いでいただきたいし、こうしたチャンスを経済的な理由をもって閉ざしてはいけなと考えるところであります。夢をあきらめさせるようなそうした障害というものは取り除くよう配慮すべきと考えるのでありますが、我が家の家計を考え夢を断念することがあるというようなことは、やるせない思いがしております。一家の一月の給与を超えるような負担がまかり通るような状況は度を超していると考えるのでありますが、この点について御所見をお伺いいたします。
81:
◯学校教育部長 部活動は生徒自身の希望によりまして、任意に自主的に判断して参加するものでございます。確かに種目によっては自己負担がかなり大きな金額となってしまうケースもございます。私どもといたしましても、望ましい部活動のあり方という手引等も作成いたしまして、その中で各学校に対して負担の軽減に十分配慮するよう呼びかけておるところでございます。
今後とも、学校の実情や生徒、保護者の意向を踏まえながら、できるだけ生徒が希望する部活動を負担感なく行えるよう適切な指導を行ってまいりたいと存じます。
82: ◯
鎌田城行委員 今回の質問に当たりまして、民間のクラブ活動であれば、高ければやめればいいと、嫌ならやめればいいと。しかしながら、学校の教育現場において子供の才能、力を伸ばすという観点から部活動が奨励されている環境から見れば、今、御答弁いただいたことをしっかりと取り組んでいただきたいと思うところであります。
例えば、春高バレーや春の甲子園も間もなく始まりますけれども、市内の大会に優勝して県大会やブロック大会、また、インターハイなど勝ち進んだ場合に、激励の意味を込めて何かしらの支援をすることも検討されてはどうかと考えるのであります。
子供たちが青春に汗を流すのは何のためか。栄光を目指し情熱を燃やすのは何のためか。大きく成長して未来に羽ばたく姿を思い描き、従藍而青の故事に倣って、現場の教職員の方々がこの子たちを私以上の人材に育てようと情熱を燃やしてこその学都仙台であると思います。そのために新年度予算が有効に行使されることを願いまして、私の質問を終わらせていただきます。
83:
◯委員長 発言を願います。
84: ◯
菊地昭一委員 私からは、平成17年度予算において学校図書1億2600万円、市立図書館の1億3500万円、それに関連して何点か伺ってまいります。
初めに、昨年の第2回定例会でも質問しております不明本対策、これについてお伺いします。
これは昨年質問したときは、前年度に比べ大変不明本がふえたということで、データを見ますと平成14年が1万133点、平成15年が1万3315点、そして16年度は8,315点と非常に減っているんですね。これは大変な努力をされたのかなと一定の評価をしているところでございますけれども、どのような取り組みをされたのか最初にお伺いします。
85: ◯市民図書館長 仙台市の七つの図書館では、不明本の問題を訴えるポスターの掲示やマナーガイドのパンフレットの配布を初めとしたマナーアップキャンペーンを実施いたしました。これによりまして利用者の皆さんに不明本の問題について御理解をいただくことができ、結果的に各館が年に1回行う蔵書点検時の不明点数が昨年度約1万3000点から今年度約8,000点と大幅に減少したところでございます。
86: ◯
菊地昭一委員 取り組みについて評価させていただきます。正直言いまして、そのマナーアップでこれだけ不明本が減るということは、まだまだ仙台市民の意識は期待できるなというふうに改めて感じた次第であります。
しかしながら、この8,384点、まだ実際不明本点数はあるわけで、昨年、私は札幌の例を出して質問しましたが、札幌市と不明本の割合を見ても、本市は0.56%、札幌市では、ちょっと古いデータですが、0.38%と、本市の方が多いんですね。そういう意味では、さらなる取り組みを求められると思いますし、昨年この不明本対策の有効な手段として貸し出し手続確認装置と、この導入についても質問しましたが、その後の検討状況、そしてさらには、今後の取り組みについて、お伺いしたいと思います。
87: ◯市民図書館長 まず、今後の取り組みについてでございますが、今年度実施いたしましたマナーアップキャンペーンにつきましては、さらに工夫を重ねまして、来年度以降も継続的に実施して不明本の減少に努めてまいりたいと考えております。
また、御指摘の貸し出し手続確認装置につきましては、現在ICチップ対応型の導入事例、実験事例の研究を進めているところでございますが、現在2方式がございまして、価格の高価なのが課題となっております。しかし、盗難防止には効果のあるシステムであると考えておりまして、今後、費用対効果を見きわめつつ検討してまいりたいと考えております。
88: ◯
菊地昭一委員 ぜひ、ゼロとまでいかないにしても、不明本対策、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
続きまして、平成17年度からスタートします仙台市子ども読書活動推進計画、これを踏まえて、学校図書の充実についてお伺いします。
これは平成15年の9月に子どもの読書活動に関する
アンケート調査を実施して、その調査結果を踏まえて昨年12月にこの計画が策定されました。計画期間は22年度までの6年間であります。この計画の中に学校図書館の充実について、本市の学校図書館の蔵書数について一定の水準に達しているが、より一層の充実した蔵書等の整備が必要であると、このように述べられておりますが、この一定の水準とはどのような水準なのか、初めにお伺いいたします。
89: ◯学事課長 この一定水準ということでございますが、本市の小中学校の図書標準の充足率につきましては、平成15年度末で小学校が94.2%、中学校が95.2%となっておりまして、図書標準の90%を超える図書冊数を有していることから、一定の水準という表現となっているものでございます。
90: ◯
菊地昭一委員 この学校図書館の蔵書数、今、出ました学校図書館図書標準というのが設定されております。昨年の定例会の質問では、できるだけ早い時期に達成してまいりたいと、このような答弁をいただいてますけれど、この学校図書の標準の達成については、国の方から平成14年度から18年度まで5年間にわたって毎年130億円の地方交付税の措置があると聞いておりますし、さらなるこの蔵書整備、これを要望するものですが、その後どのような取り組みを行って、いつごろまでにこの図書標準の達成予定なのか、お伺いいたします。
91: ◯学事課長 平成16年度の予算につきましては、図書標準の早期達成が図られるよう交付税措置額を上回る予算を確保したところでございまして、各学校に対しましては、必要な図書を積極的に購入するとともに、古くなった図書を廃棄する際にも、単に購入年度等を基準として安易に廃棄することなく、その必要性の有無についても十分に吟味して廃棄するよう指導しておりますので、学校図書館図書の一層の充実が図られるものと考えておりますし、いつごろ達成するのかという問いにつきましては、来年度以降のその学校の購入あるいは廃棄冊数を現時点では予測できないため、達成時期がいつというふうに申し上げることは困難でございますが、17年度につきましても16年度と同程度の予算を措置しておりますので、同じように学校の方に積極的な図書の購入と廃棄図書の吟味に関する指導の徹底を図りながら、できるだけ早期に図書標準が達成されるように努めてまいりたいと存じます。
92: ◯
菊地昭一委員 ぜひ早期の達成を望むものであります。
さらに、この学校図書の本の中身の充実についてお伺いしていきます。
同じく学校図書の整備、この充実の中に、読みたい本についてこのように書いてあります。子どもの読書活動に関するアンケートの結果によると、学校図書館を利用する際に困るものとして、読みたい本がないが、約4割という高い確率で上げられているということが、計画の中にもうたってありますけれども、この子供が読みたくなる本をそろえるために各学校の図書館の前にリクエストボックスを設置するということがうたってありますけれど、このリクエストボックスというのは全校に設置する予定なんでしょうか。
93:
◯教育指導課長 これまでも図書の購入に当たりましては、児童生徒の発達段階や表現の適正などを考慮するとともに、学習への必要性、児童生徒に人気のあるもの、児童生徒からの希望などを考慮しながら選書するよう学校に対して指導してまいりました。
リクエストボックスは、
子供たちの読書への意欲を高める手法の一つとして有効であると思いますので、平成17年3月発行の学校図書館活用実践事例集におきましても紹介し、推奨してまいりたいと思います。
94: ◯
菊地昭一委員 全校で取り組むんでしょうかと私伺ったんですけれど。
95:
◯教育指導課長 各学校の状態もございますので、その実情に合わせながら紹介をして、広まるようにと考えております。
96: ◯
菊地昭一委員 実情に合わせて、どうして全校でできないんですか。どういう実情があるんでしょうか。
97:
◯教育長 子供たちが読書に親しむように各学校ではいろいろ工夫をしてございまして、リクエストボックスにまさる工夫をしている学校もないとは言えません。私ども、学校の図書館利用につきましては、子供の意見、学校の意見、保護者の意見等も大事にしながら、リクエストボックスもさらに推奨しながら、さらに、もっといいものがあればというふうに考えているところでございます。
98: ◯
菊地昭一委員 リクエストボックスを全校に設置したいけれども、それよりいいものも全校に設置するというようなとらえ方でよろしいんですね、教育長。よろしくお願いします。
続きまして、市立図書館の蔵書数について質問いたします。
この計画の中には、市立図書館では現在60万冊の児童書を有するが、今後とも豊富で多様な図書館資料を学校を初め関係機関と協力しながら整備をしていくと、このようにうたってあります。さらには、平成22年度までの15歳以下の児童1人当たりの平均蔵書数の数値目標を挙げて掲げております。これから仙台市は少子化時代を踏まえて、児童の減少傾向は続くと思いますけれども、今後、どのような基本方針で児童図書の充実を図っていくのか、お伺いいたします。
99: ◯市民図書館長 目標達成に向けまして、まず17年度には児童書につきましては今年度以上の予算を割り当てたいと考えているところでございます。また、
子供たちの幅広い興味、関心にこたえられますように、蔵書の内容につきましてもより深く吟味してまいりたいと考えております。
100: ◯
菊地昭一委員 今、児童図書に関しては本年度以上の予算を平成17年度計上するというふうにお聞きしました。この市立図書館の予算なんですけれども、平成14年度から年々減少しているんですね。平成14年度が1億5400万、15年度が1億4600万、16年度が1億4300万、17年度が1億3500万円ということで、年々減少しているんですけれども、その中で児童図書を予算を増額、それは喜ばしいことなんですが、今後、この減少傾向というのは続くんでしょうか。それとも、今後の予算措置も含めて、学都仙台と言われる仙台ですから、やっぱり蔵書をしっかり整備をしていきたいと思うんですけれども、その予算措置も含めて、今後の蔵書に対する基本的な考え、これをお伺いいたしたいと思います。
101: ◯市民図書館長 図書を購入するための資料費の確保につきましては、これまでも努力してまいったところでございますが、今後、現行の蔵書管理システムの見直し等によりまして運営の効率化を進め、資料費の確保に努めてまいりたいと存じます。
また、限りある資料費の執行に当たりましては、仙台市の図書館、7図書館を全体として考えまして、魅力ある蔵書構成となりますように、7館での集中選書を拡充いたしまして、今まで以上に効率的な資料購入を行ってまいりたいと考えているところでございます。
102:
◯委員長 予算措置も含めてお伺いしたんですけれども、予算としては毎年減っているわけですよね。今後、どのようにこの予算については考えていくのか、お伺いします。
103:
◯教育長 確かに若干減少傾向にございますけれども、これから努力いたしまして、まずは現状維持でまいりたいと、このように考えております。
104: ◯
菊地昭一委員 減ってきているので現状維持、それも一つの成果かと思いますので、しっかりとお願いしたいと思います。
私、これまで図書の充実、ある意味では図書の本の充実ということでハードの面から質問しましたが、幾ら蔵書がそろっても、今度、子供がその本をしっかり読むという習慣がなければこの計画は進まないと思うんですね。その計画の目的の中に、読書の好きな子供にとって一番のよさや大切さは楽しさであり、好きな本の種類も物語や小説であるのに対し、読書が好きでない子供は楽しさよりもむしろ知識や思考力が身につくといった能力向上の効果にそのよさを感じているというふうに書いてありまして、さらに、読書の効果の一つとして生きる力が身につくということが挙げられると。それは純粋に楽しみとして読書をすることにより知らず知らずのうちにもたらされると考えるのが自然と言えるということで、この楽しみとしての読書というのはまさに同感でありますし、大事なことだと思うんですね。
学校就学前は家庭でもって培われるものだと思うんですけれども、学校に入った後は学校での読書推進の取り組みが非常に大切でありますし、特にこれを教える教職員の方が本当にみずから読書が楽しいんだという、そういう意識の啓発がないと大変難しいのかなと。そういう意味で、さらに推進計画には校内体制の整備というふうに書いてありまして、司書教諭や学校図書事務員のみならず、学校長のリーダーシップ、さらには子供にかかわる全教職員が読書の意義や重要性について理解を深めると、これが大切だということが書いてあります。さらに、一般教職員についても、読書指導に関する意識と能力の向上を図るため、各種の教職員研修の中で読書教育に関する内容の研修会を充実させるというふうに書いてありますが、今までどういうふうな研修会をやられてきたのか、さらに、どういうふうに充実をさせようとしているのか、お伺いいたします。
105:
◯教育指導課長 司書教諭に対しましては、先進校の実践発表会や読み聞かせの実技などの研修を、学校図書事務員に対しましては、学校図書館デザイン、選書や廃棄の仕方などの研修を、さらに一般教員に対しましては、ブックトークやパネルシアターの実技などの研修をそれぞれ実施しております。次年度におきましても、これらの研修に加えて新規採用教員への初任者研修にも取り入れるなど、さらに研修の充実、拡充に努めてまいりたいと存じます。
106: ◯
菊地昭一委員 この読書の楽しみを教えるという、そういう中身の答弁には今ちょっと聞こえなかったんですけれども、そういう研修会の中で教職員に対して、本当に読書の楽しみというのを子供に教えるため、教職員が楽しいと思わなければ教えられないんですね。そういう研修というのはどこで行われるんですか。
107:
◯教育指導課長 読書の楽しみという特別の講座はつくっておりませんが、ふだんの
子供たちとの交流の中で本との触れ合いによる交流をさらに深めたり、本を通してお互いの感想を語り合ったりして、お互いの読書に対する意欲を高めていくのが一番の研修と存じます。そのような触れ合いが日常においてもどんどん広まるように努めてまいりたい思います。
108: ◯
菊地昭一委員 それでは研修会の充実に期待をしております。
最後に、市立図書館の今後の運営について一つ伺っておきます。
今の行財政改革の一環としても、公立図書館の民営化、この動きが全国で少しずつ広まっております。例えば東京都中野区、これは昨年の4月から八つある区立図書館の一部を企業とNPOに委託をしました。さらに、北九州市でも本年4月、市立の5館が指定管理者に移行する予定と、このように聞いております。今後の行財政改革を考えたとき、あるいは、私、昨年の質問でも図書館の開館時間を長くすべきだという提案をしました。これも検討しますという答弁が返ってまいりましたが、市民サービスの利便性向上の意味からも、この指定管理者制度等を導入した民営化、これはもう検討する時期に来ているんじゃないかなと。このように考えますけれども、今後の市立図書館の民営化に関する教育長のお考えをお伺いいたします。
109:
◯教育長 図書館業務の委託につきましては、これまでも取り組んできているところでございますが、施設管理やコンピューターシステムの保守、図書館間の資料の配送、移動図書館運営業務など、順次委託する業務範囲を拡大してまいりました。
公の施設の運営のあり方について見直しが進む中で、御指摘の指定管理者制度なども今後の重要な検討課題であると認識いたしているところでございますが、当面は業務委託の範囲をさらに拡大することにつきまして検討してまいりたいと考えているところでございます。
110:
◯委員長 副委員長と交代いたします。
〔委員長退席、副委員長着席〕
111: ◯副委員長 委員長と交代いたします。
日本共産党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔ふるくぼ和子委員、質疑席に着席〕
112: ◯副委員長 発言願います。
113: ◯ふるくぼ和子委員 まず、教育振興費中、理科教育備品等整備費、教材教育備品について伺ってまいります。
私は昨年度も、三位一体改革や
義務教育費国庫負担金の削減などによって国の責任が後退をして、それに便乗して予算を減らすという仙台市のやり方をただして質問を行いました。市は、今年度に減らしただけでなく、来年度も減らして予算を計上するという提案をされておられます。
そこで、まずお伺いをいたしますが、理科教育備品等整備費について、昨年度と今年度の当初予算、来年度の予算案を、小学校、中学校でそれぞれどうなっているのか、また、その配分の仕方についてはどのようにされているのか、お伺いいたします。
114: ◯学事課長 小学校の理科教育備品の整備費予算につきましては、平成15年度が1000万円、16年度が500万円、17年度が250万円でございまして、中学校につきましては、平成15年度が800万円、16年度が400万円、17年度が200万円となっております。また、配分の仕方につきましては、理科教育備品整備の充足率が低い学校から配当いたしております。
115: ◯ふるくぼ和子委員 理科教育備品等整備費には国の補助が出るわけですが、それが年々減額をされて、市の予算もその実績に合わせて減額をしているということです。その結果、今ほどお話しになった金額は、何校にそれぞれどれぐらいの予算が配分をされているのでしょうか。過去3年間についてお示しをください。
116: ◯学事課長 小学校につきましては、平成14年度から平成16年度まで各10校ずつとなっておりまして、中学校につきましては、平成14年度、15年度が各6校ずつ、16年度が5校となっております。また、1校当たりの配当額につきましては、小学校分が平成14年度で49万8000円が2校、46万円が8校、15年度は57万9000円が2校、42万円が8校、16年度につきましては、27万3000円が1校、23万5000円が9校となっております。中学校分につきましては、平成14年度で63万1000円が2校、62万円が4校、15年度につきましては、71万4000円が1校、58万円が5校、16年度につきましては、42万8000円が1校、37万円が4校となっております。
117: ◯ふるくぼ和子委員 もともと毎年小学校では10校程度、中学校で5校程度というところにしか配分をされないで、順番を待っているという状況があります。それでも、やっと回ってきたかというふうに思うと、毎年その金額が減っていて、多い方に配分がされたとしても、今年度でいうと小学校では2年前と比べて半分という、こういう中身です。中学校も同様に大幅の減額です。
理科教育備品等整備費と同様に、理科教材も含めて教材備品を整備するための予算も計上されておられますが、これの昨年度、今年度の当初予算と来年度の予算案はどのようになっているのでしょうか。これも配分方法とあわせて小学校、中学校についてそれぞれお示しください。
118: ◯学事課長 小学校の教材教具備品整備費予算は、平成15年度が1億868万2000円、16年度が8771万4000円、17年度が7638万円でございまして、中学校分は平成15年度が7954万4000円、16年度が6433万5000円、17年度が5643万5000円となっております。また、配分方法についてでございますが、教材教具備品整備費予算については、高額備品購入等のため
教育委員会に一たん保留している予算を除きましては各学校に配当いたしておりますが、学校に配分する方法につきましては、基本金額に学級数に応じて案分した金額を加えまして配当しております。
119: ◯ふるくぼ和子委員 一たん保留分もありながら学級数や生徒数で案分をして配分するということですけれども、先ほどお示しいただいた数字を単純に例えば学校数で割ってみますと、小学校でいうと1校当たり、2003年度、平成15年では約89万円だったのが今年度には62万円、中学校でも1校当たり同じく2003年度には126万円だったものが今年度には89万円です。それぞれ3割も減額がされています。大変な減額だと思います。
理科教材の整備費ばかりではなくて、そのほかの教材の整備費もこれだけ削られたら本当に学校は大変だと思います。備品の品目ですとか金額、その金額を調べましたら、アコーディオンなどでいうと1台約9万円、跳び箱1台で約5万2000円、ローマ字用の黒板約2万8000円などというふうになっていまして、学級数分であるとか児童生徒分で必要台数をそろえようとしても、こういう金額では全然間に合わない。不十分と言わざるを得ない水準だと思います。
昨年も質問させていただいた際に、国に対してはこうした費用を減らさないように求めていきたいということで答弁もいただきましたが、国に対してそういうふうに教育にかかわる費用を減らすなというふうに要望しつつ、市の予算については国と一緒に減らしてしまうということは一体どういうことなんでしょうか、お伺いします。
120: ◯学事課長 先ほども申し上げましたが、教材教具等備品に係る予算の中に高額備品購入等のために一たん保留しております予算がございますので、平成17年度におきましては、これを中心に学校現場に支障のない範囲でシーリングに対応したものでございます。
121: ◯ふるくぼ和子委員 支障がないかどうかというのは、実際に学校の側から見てどうなのかなんですね。私はこういうふうに減ってしまったのでは実際には支障が起こるんじゃないかというふうに伺っていて、そのシーリングをかけるということでいうと、本当に国と全く同じじゃないかなと思います。国は自治体に負担を押しつけ、市は市民に行政本来の責任でよりよい教育を提供すべき子供に対してもこうした負担を押しつける。こういうことで本当にいいんでしょうか。子供や保護者に負担を負わせるということのないように、教育教材備品費は削るのではなくて、ふやす方向で予算を組むべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
122:
◯学校教育部長 私どもといたしましても、これまで整備してきた備品を必要に応じ修繕を行い大切に使用してきております。また、購入の際も必要性、緊急性の観点から優先順位をつけながら必要なものを購入するということで、できる限り教育活動に支障ないよう工夫してまいりたいと、そのように考えております。
123: ◯ふるくぼ和子委員 たったのといいますか、5500万円で2年前の水準へ戻すことができるのですから、今からでも予算の組み替えを行って教育条件整備を充実させるように、この件について強く求めておきたいと思います。
続いて、学校の安全・安心についてお伺いしてまいります。
代表質疑の中でも我が党は、仙台・まもらいだー、これの予算を半分にして事業を縮小し廃止してしまおうとする市の考え方は、学校で今事件が相次いでいるこういう実態から考えて逆行している。むしろ予算をふやして子供の安全を優先に考えるべきだと、このように求めました。市長は答弁の中で、子供を地域で守るという体制が必要というふうにおっしゃっていましたけれども、行政から画一的にボランティアを組織しなさいという、こういう通知を出すのではボランティアの趣旨に反するのではないでしょうか。まして、行政が独自の手間と努力をしていればともかく、今回の提案というのは地域に任せて市は手を引くというものですから大変問題です。また、今、市に求められているのは、学校で学ぶ子供をどう守るのかと、こういうことです。そうした意味で、学校の管理下と管理下外に分けて、学校管理下の取り組みについてお伺いしていきたいと思います。
小学校では、授業が始まれば先生方というのはそれぞれのクラス、教室へ向かっていきます。例えば24学級の小学校、この程度の規模の小学校では、授業中に職員室に先生は何人残ることになるでしょうか、まず、お伺いします。
124: ◯教職員課長 小学校で24学級の場合の教員配置数について最初に申し上げますと、校長1名、教頭1名、学級担任をする教諭24名、担任以外の教諭は2名、少人数等加配教諭は3名、養護教諭1名の計32名が標準となってございます。また、県費の事務職員1名、市費の技師2名が通常配置されているところでございます。
授業時間中で職員室に残っている職員の数について申し上げますと、その日によっても若干違うことになると思いますが、教頭や授業に出ていない教諭、事務職員など四、五名程度は残っているのではないかと考えられます。
125: ◯ふるくぼ和子委員 その日によって違うというふうにおっしゃられました。私はほとんどいなくなってしまうというのが実態だと思います。というのは、先生の中で病欠などがあれば残っていられる先生が当然その補充に入りますし、校長先生や教頭先生、教務主任の先生初め、常に会議や研修や出張というようなことが入っていて、フリーであるはずの先生方も実は職員室にはずっといるということができないのが実態ではないでしょうか。そういうときに
寝屋川市でも事件が実際に起きています。
国では、危機管理マニュアルを作成して
教育委員会や学校に対して対策をとれというふうに言っておりますけれども、この国のマニュアルどおりに対応していても
寝屋川市のような事件が起こっているのですから、それに必要なソフト、ハードの両面での予算措置や支援が今とても必要だと思います。
学校の安全を求めて、日本教育法学会というところでは、安全を専門職とした教育関係者を各校に配置をする必要があるとして、学校安全法をつくって国の役割を果たしてほしいというように提案もされています。市もこうした要望を国に求めていくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
126: ◯学校教育部参事兼教育相談課長
文部科学省では、平成16年1月に学校安全緊急アピールということで、子供の安全を守るためにということで、それぞれの学校あるいは地域、そして地域社会、保護者、関係機関等々に、連携して学校安全に関する具体的な取り組みを行うよう求めております。
なお、本市といたしましては、今後、国レベルでの法整備が行われ国の責任のもとで財政上の措置がとられることが望ましいと考えておりますので、必要に応じて要望してまいりたいと思います。
127: ◯ふるくぼ和子委員 全国では平成15年度に学校で発生した刑法犯認知件数、これは4万6723件、平成6年と比べて1.7倍だと。外部の者が学校に侵入したという事件も平成14年には2,168件で、平成11年と比べて2倍を超えていると、こういう報告もあります。残念ながら、日本社会がそうなっているというところから出発をしなければならない状況になっています。
神奈川県の綾瀬市というところでは、小学校10校に対して1日7時間の巡視員の委託に新たに1200万円の予算を計上したと伺いました。これを仙台市に当てはめてみると1億5000万円でできる仕事だというふうに思います。こういう取り組みが学校の安全・安心を守る取り組みとして、今、市民からも強く求められていると思いますけれども、いかがでしょうか。
128: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 学校の安全管理を推進するに当たりましては、施設面あるいは設備面におきまして対策とともに、教職員の何よりも意識向上であると。その観点から学校の管理運営を行うわけなんですが、学校と地域、保護者の方々、あるいは関係機関、団体等の協力体制の確立のもと、ソフト面でも取り組みが不可欠であると思います。
本市では、児童生徒が特に下校時間あるいは下校後、その後の塾等々に行かせる時間帯に声がけ犯あるいは不審者等々での事件等に巻き込まれるケースが多うございます。そういった観点から、児童生徒の安全確保のために防犯・子どもを守ろうデー等や、あるいは地域ぐるみ等での防犯活動等を中心に取り組んでまいりたいと思います。
129: ◯ふるくぼ和子委員 今、大阪府でも全校に警備員を配置する方向ですし、今ほど紹介しました綾瀬市など、全国の自治体が新たに人を配置して安全を守ろうという取り組みを始めています。国に求めていきながらも、国がやるまでの間は市が努力をするということが必要ではないでしょうか。安全を守る専門の人というのを仙台市でも配置すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
130: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 安全を守る専門職の配置につきましては、さまざまな学校防犯対策の選択肢の一つというふうに考えておりますが、やはり学校が主体となりまして、地域あるいはPTA、警察、防犯協会等々の連携を一層強化いたしまして、総合的な学校防犯体制をつくることが肝要であると思います。
131: ◯ふるくぼ和子委員 仙台・まもらいだーの予算が減らされて事業が縮小して、その先に廃止が決まっているということに対しまして、私のところには、全国で事件が起きていることを考えると本当に人ごとではない。行政が安全対策について考えていかなければならないときに、逆行しているんじゃないか、おかしいよねという声がたくさん届いています。寄せられています。御当局は、今の状況において今回のこうした提案が市民の合意が得られる内容だと思っていらっしゃるのでしょうか。
さまざまな重大事件は、いつでもどこで起こってもおかしくないという、こういう認識が、今、大きく広がってきています。仙台・まもらいだーは、市が市立学校に行った調査の中でも98.4%が有効だというふうに回答しています。まずは、このまもらいだー縮小廃止の方針、撤回をしていくべきだと思いますがいかがでしょうか、伺います。
132: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 これまで国の緊急地域雇用創出事業でございまして、あくまで緊急避難的な事業でございます。新年度から市費による、まもらいだーに移行することになりますので、あわせて国においても地域ぐるみの安全体制整備推進事業を検討されますので、これからの事業との連動を含めて総合的により効果のある防犯対策を講じてまいりたいと思います。
133: ◯ふるくぼ和子委員 緊急避難的に行ったというふうにおっしゃいますけれども、今年度、16年の4月には全保護者に対して仙台市
教育委員会の名前で、子供を犯罪から守り安心して学校生活を過ごせる観点から、新年度より、まもらいだーを仙台市立小学校に派遣し、小学校における児童の日常的な安全確保を図ると、だからぜひ趣旨を理解していただいて協力くださいという、こういうプリントをわざわざ出して行ってきたまもらいだーです。
文部科学省の1月に行った調査、全国の学校の安全管理の体制の整備の状況という調査では、宮城県は警備員の配置という欄で全国第2位でした。県にこれを問い合わせましたら、仙台市のまもらいだーだけが反映をして出た結果だそうです。別の雑誌でも仙台市のこうした取り組みが紹介をされていましたが、全国に先駆けてこうした事業を実施して、これだけ評価をされて有名になっているのに、市は県のみならず全国の水準も下げていくという、こういう役目を果たしていいのでしょうか。
134:
◯教育長 本市の学校防犯対策につきましては、防犯・子どもを守ろうデー、あるいはまもらいだー、あるいは携帯用の防犯ブザー購入補助など、他都市からも参考とされたさまざまな事業に取り組んでまいりました。新年度からは、県警本部との交流人事、あるいは学校ボランティア巡視員事業の展開など新たな試みにも着手いたしまして、何よりも自分たちの地域は自分たちで守るんだという基本理念に基づきまして、さらに知恵と工夫によりまして、さらなる学校、子供の安全確保に努めてまいる所存でございます。
135: ◯ふるくぼ和子委員
子供たちが地域で過ごしているわけですから、そのときに市民が
子供たちを守る協力を惜しむものではない。これははっきりしていると思うんです。自分たちの地域は自分たちで守るというふうに今ほどおっしゃいましたが、仙台市の学校は仙台市がきちっと守ると、こういうスタンスを定めるべきです。
今回、まもらいだーを縮小廃止するということは、
子供たちが学校にいる、在学しているその時間帯に学校の安全・安心を市はどのようにして守るのか。市民にとって最も身近な学校、大事な小さな命や先生方を市はどういうふうにして守っていくのかと。こういうことであって、ここに市民が、今、注目をしているんです。市民との協働というふうに言いながら、市の歩みは一歩後ろに引いていく。市の仕事を後退させて、地域の力だと言って本来市が担うべき仕事を地域の責任にしていくということは到底理解ができません。
市がやるべきことは、学校の安全・安心の予算をふやして、そして安全・安心をさらに強固なものにしていく、こういうことではないでしょうか。こういうことについて、最後に市長の御所見をお伺いしたいと思います。
136: ◯市長 安全・安心を守るということは、これは市政の基本的な課題でございます。おっしゃるように、今日、学校におきましてこうした予測をはるかに超えるような事件や事故が起きているということは、
子供たちにとりましても、また保護者や関係者にとりましても大変大きな不安を募らせていることも、これも否定することができないと思います。
私どもとしましては、子供はやはり地域の生活場面といいますか、生活空間の中で子供のすべての生活時間の中でこの命を守り安全を守るということをまず考えなければならないと思いまして、そういう意味からして、学校だけにその責任を課すわけにはまいらない。やはり学校はもちろん、地域全体のシステムやら、あるいは市全体の仕組みを考えなくてはならないし、また、それに関する環境整備に対しましても同様に予算の措置の問題を含めて最大の努力を払ってまいりたいと、このように考えます。
137: ◯副委員長 この際、暫時休憩いたします。再開は3時20分の予定です。
休憩 午後2時55分
再開 午後3時22分
138: ◯副委員長 再開いたします。
社民党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔八島幸三委員、小山勇朗委員、辻隆一委員、質疑席に着席〕
139: ◯副委員長 発言を願います。
140: ◯八島幸三委員 私からは、昨年に続いて天文台の整備についてお伺いしたいと思います。
いよいよ4月には事業仮契約が締結されるということで、平成19年12月に竣工、そして20年の7月には開館ということになったわけありますけれども、我々社民党もずっと以前から天文台の改築については求めてまいりましたし、そういう意味では新しい施設ができ上がるということについては大変喜んでいるところであります。
ただ、1年間考えても、昨年もいろいろやりとりをしましたけれども、本当に天文台の事業がPFIという手法でなじむのかどうか、まだ私は、当時賛成はしましたけれども、まだ頭の中がすっきりとした状況になってないのも事実であります。そういう意味で幾つか質問していきたいと思いますけれども、まず最初に、入札に参加したグループは幾つあったのか、また、落札した業者、グループはどのような業者だったのか、お伺いしたいと思います。
141: ◯生涯学習課長 入札に参加したグループは2グループでございます。落札したグループは伊藤忠商事を代表企業とする8社からなるグループでございます。
142: ◯八島幸三委員 当時私は、プラネタリウムを製作している業者が五藤光学、そしてミノルタと二つしかないということで、この2社が核となった2グループぐらいしか参加する業者がいないのではないかと。その後、PFI事業手法でやることになじまない一つとして挙げてきたわけでありますけれども、結果的に……。
当時、同時に1球式でのプラネタリウムの整備ということで条件を出しておりましたから、そうすると五藤光学の方が長い経験を持っておりまして、そういう意味ではミノルタと比較して五藤光学の方が有利であり、結果的に五藤光学が参加をするグループが落札するという結果になるのではないかということを言って、PFIになじまないのではないかというふうに当局に御所見をお伺いしたわけでありますけれども、当時の御所見について、改めてどういう御所見だったのか、お伺いしたいと思います。
143: ◯生涯学習課長 プラネタリウムなどの特殊機材の製作業者の数が限られているとの御指摘に対しては、これらの事業者について複数の入札グループへの参加を認めるという予定である旨をお答えしております。また、要求水準を満たすことはこのプラネタリウムのいずれの事業者も対応可能であるとお答えしております。
144: ◯八島幸三委員 当然その業者は、プラネタリウム経験が豊富か豊富でないかは別として、ミノルタもつくっているわけですから、参加資格はあるんだろうと思うんですが、ただ結果的に……。
当時、今、答弁あったように参加業者は二つに限られることなく、例えば五藤光学と、あるいはミノルタと、その組み合わせが例えば二つとか出て、四つとか五つとか、そういうような業者になることもあるだろうというふうに答弁されてたわけでありますけれども、結果的には、結局1業者ずつで2業者ということになったわけでありますけれども、そういう意味では本当に改めて当時の判断がどうだったのかということが問われるんだろうと思っております。
次に、審査基準、審査方法及び二つのグループの提案審査結果について、お伺いしたいと思います。
145: ◯生涯学習課長 審査基準としましては、学識経験者等で構成する事業者選定委員会におきまして慎重な議論を重ね、施設整備や維持管理、運営、事業計画など29項目の審査項目、それから項目ごとの基準を定めたところでございます。
次に、方法ですけれども、両グループの提案が本市の要求水準を満たしていることを確認した上で、委員会においてその内容を十分に吟味し、要求水準を上回る提案に関する加点項目審査と入札価格に関する価格審査を総合的に行いました。この方法で両グループの提案を評価しました結果、伊藤忠グループが優秀な提案として選定されました。
提案内容の中では、特に施設整備におきましては、建物のデザインや諸室の配置計画並びに動線計画の工夫がすぐれていること。運営面においては、教育文化施設としての理念の反映、それから市民参加型の運営の提案などが高く評価されたところでございます。
146: ◯八島幸三委員 ところで、5名の委員がいるわけでありますけれども、このような委員の選定についてはどのような基準から行ったのか。それから同時に、それぞれ加点していって評価をしたということなんですけれども、その場合、審査点数の加点をどういう方法で、例えば委員ごとに加点したものを総合して点数に出したとか、そういう方法があると思うんですが、その2点についてお伺いしたいと思います。
147: ◯生涯学習課長 審査委員につきましては、新天文台の施設の設計、建設、維持管理、運営、これら等に関する提案を審査するに当たりまして、それぞれの分野の提案内容を的確公正に評価できる専門家の方々にお願いしたところでございます。
また、審査の点数ですけれども、委員ごとの加点ではなく、審査項目ごとに委員会の合議制で評価を定めて点数化したものでございます。
148: ◯八島幸三委員 そうすると、5人の委員の人たちがそれぞれ専門家ということで、どういう専門、何の専門家なのか、名前は結構ですから教えていただきたいと思います。
149: ◯生涯学習課長 5名の委員のうちお二人は大学の先生方で、天文関係の先生お二人、それから、お一人、光学研究家の先生は建築関係が担当でございます。また、もう一人、以前に市の科学館の移転に当たりまして担当された委員の方をお一人選んでおります。それから、もうお一人は、銀行、融資関係からお一人で、事業計画、事業性についての担当をしていただいております。
150: ◯八島幸三委員 そうすると、それぞれ審査をする場合に、相当な項目、さっき答弁ありましたけれども、それらについて例えば非常に専門性の高いものと、それから今言ったように金融機関の人で経営的なところとかという、それで専門家を分けたということなんですが、そうすると、それぞれのところで総合評価をするときに、例えば専門家の人が中心となって、例えば天文台、天文学を研究なさっている学者さんだったらば、どちらかというとそういう技術的なものについて意見を述べてもらうと。それらをほかの人たちも聞きながら、これでいいですねと、50点にしますかと、そういうような形で評価をしてきたということで考えてよろしいですか。
151: ◯生涯学習課長 審査項目ごとにお一人あるいは複数で担当の委員の方を決めていただきまして、その委員の方の御意見をもとに委員会としての評価の案をつくりましたけれども、その項目を委員全員でお話し合いをしてただきまして、一つ一つ5段階で評価いたしました。
152: ◯八島幸三委員 次に、ちょっと視点が変わりますけれども、この天文台、平成20年からスタートするわけですけれども、ここで働く人たちがどういう条件で働くのかということが問題になってくるんだろうと思いますけれども、今までこの間、指定管理者制度による委託の場合の働く条件、そしてまた、業務委託したときに委託先で働く人たちの条件ということで、いろいろ最近、ここずっと議論されてきておりますけれども、同じような中身だろうと思いますので、例えば市職員並みとか、あるいは外郭団体並みとかいろいろあると思うんですが、どのような条件を考えていらっしゃるんでしょうか。
153: ◯生涯学習課長 事業者の従業員の方々の労働条件につきましては、市の方の要求水準に含まれる内容ではございませんので、基本的に事業者側の判断によることになりますが、天文台の運営に関して良質なサービスを提供していただくというためにも、良好な職場環境の維持を含め、労働条件については適切な配慮を求めてまいりたいと思います。
154: ◯八島幸三委員 当然のことながら、そのほかのところで議論されているように、例えば健康保険に加入しているとか、各種労働関係の法規を守ると。それに加えて、給与をどの水準まで置くかということについては、これは仙台市がトータルの費用としてどれだけこの業者にお金を払うのかということによって決まってくるわけですから、ぜひ事業推進に当たって、そしてまた、そこで働く人たちの労働条件が賃金も含めて一定の社会的に見てもそれなりに評価されるような状況に考えていく必要があるのではないかと思いますが、改めてお伺いしたいと思います。
155: ◯生涯学習課長 運営の手法等、具体的な中身につきましては、市の方で求めます要求水準に対しての民間事業者側のノウハウとかアイデアという形での運営でございますので、詳細についてこちらでの要求というのは難しゅうございますけれども、先ほどのような労働条件の適切な配慮は求めてまいりたいと思います。
156: ◯八島幸三委員 仙台市側が人件費としてこれぐらい出しますよということを言って、それだけのお金を出せばそういう条件をつくることは可能なわけですから、ぜひ……。教育長はこの3月でおやめになるわけでありますけれども──ならないんでしょうかね、なる予定のようでありますけれども、その場合は、次の方にお話をしていただいて、ぜひそういった対応をしてもらうようにお願いをしたいと思います。
また、最初の方に戻りますけれども、いずれにしましても、冒頭言いましたように、この事業がPFIという事業で本当にいいのかどうか、いまだちょっと頭がクリーンになっていないということを言いましたけれども、それは、先ほど言ったように、参加者が私が当時指摘したように二つのグループしかなかったと。そしてまた、平成20年7月から開館するわけでありますけれども、一部の事業については24年まで直営でやらざるを得ない。これはノウハウとかいろんな引き継ぎとかあるからだと思いますけれども、そういうことからして、またもう一つ、これは30年間という大変長期の期間にわたって、もしこの会社が変なことをしなければ、独占的に民間委託を、業務委託を受けるのと全く同様でありますから、そういう意味ではこのPFI事業になじまないのではないかというふうに相変わらず疑問を持っているわけでありますけれども、改めて御所見をお伺いします。
157: ◯生涯学習部長 この事業がPFIになじまないということで何点かの御指摘でございますけれども、まず入札の参加者は結果的に2グループになりましたが、競争入札の趣旨は果たせたものと考えております。
開館後一定期間直営の部分があることにつきましては、50年の歴史を持つ天文台の運営理念とノウハウを適切に事業者に引き継ぐために必要な措置と考えております。
また、PFIは従来手法では別々に発注しておりました業務を施設の設計から運営まで一体的に一つの事業者に発注するということで、事業期間全体を通したコストの削減を図ることができるものでございます。このため、事業者との契約は長期にわたりますが、事業者選定の段階で安定性、経済性、創意工夫の観点から提案された事業計画を比較し、厳密に審査をした上で選定したものでございますので、一部の事業者を優遇するようなものではないと考えております。
158: ◯八島幸三委員 この場合、平成20年の7月から24年度まで直営でやる分があるんですが、そしてまた、同時に業者に対して指導とか教育もしていくんだろうと思うんですが、その場合の人件費の考え方というのは、当然、市の職員とそれから事業者の職員がダブって仕事をする期間があると思うんですが、その分についての人件費の考え方はどういうふうに考えているんでしょうか。
159: ◯生涯学習部長 直営の部分については当然市が負担いたします。ほかは事業者ということになります。
160: ◯八島幸三委員 だから、仙台市が業者にはノウハウがないからノウハウの指導とか教育をするわけでしょう。本来であれば、その分については業者側が指導料としてお金を仙台市に払わなくちゃならないんじゃないですか。
161: ◯生涯学習部長 これはもともとの計画の中で市の方から一定の引き継ぎを行うためにこういう計画にしておるものでございますので、全体の計画の中で事業者はコストを計算して出してきておりますので、その市からの引き継ぎの分について事業者から負担をいただくということは考えておりません。
162: ◯八島幸三委員 私、持ち時間終わりましたから最後にしますけれども、いずれにしましても、指定管理者制度においても、受託業者は例えば4月1日から受託、仕事をする場合に、それ以前にその施設に行って研修を受けながら4月1日から事業ができるようにするということになっておりまして、そういう意味からすれば、今の話も、指導しながら指導料をもらえないということですが、この業者と仙台市の関係というのはそういう意味では全然関係なくなるわけですから、当然指導料をもらってもいい。このPFI手法の事業展開について、必ずしも全体的に庁舎内での仙台市としての考え方がまとまっていないのではないかというような感じもしますので、ぜひそういったところも今後きちんとした形で整理するよう求めて、質問を終わりたいと思います。
163: ◯企画局長 PFIにつきましては、その事業がPFIになじむかどうかという適否を検討する段階、それから肝心な利益が出るかどうかという、いわゆる導入可能性の調査の段階、それから先ほど来から議論がございました業者の選定の段階、いずれの段階におきましても、それぞれ基準を定めまして冷静に判断をしてきたところでございます。
ただ、基準をあいまいにしてはならないという御指摘はもっともでございまして、ただ、仙台市の場合でございますが、全国でも言ってみれば先頭集団にいるという状況でございまして、PFI事業、始まったばかりでございます。これから経験値を重ねていかなければならないいろいろな課題もあるわけでございまして、事業手法の検討に際しまして、さらに基準や根拠を明確にしながら着実に進めてまいりたいと考えております。
164: ◯八島幸三委員 今、先頭集団だから許されるんじゃないかみたいな発言あったけれど、それはおかしいですよ。終わります。
165: ◯副委員長 発言を願います。
166: ◯小山勇朗委員 私の方からは、この4月以降に試行実施をされようとしている教職員の評価制度に関連して、まずお伺いしていきたいと思います。
先般マスコミで学習到達度調査結果が報じられまして、その中で日本の
子供たちが読解力14位と、学力トップからの陥落というふうな形で報じられておりました。文科省は、すぐさま向上プログラムや、あるいは全国の学力テストなどによる競争する教育の推進というものを打ち出したようでありますが、やはり現場教職員の思いというのは、これまでの
教育行政のあり方について率直にまず検討あるいは検証すべきであって、文科省のように
子供たちを競争で追い立て、さらには教職員を一方的に評価しても学力が向上するとは思えないのであります。逆に、競争によってもたらすものは、できる子あるいはできない子の格差というものが一層助長されていくということで心配をするところであります。やはり
子供たちの声に耳を傾けて、そして
子供たちが学校を好きになり勉強が楽しくなるようにするにはどうすればいいのかというものを真剣に検討すべきというふうに考えますが、どうか伺います。
167:
◯教育長 これまでも
子供たちが楽しい学校生活を送るために、日々私どもも努力してきているつもりでございますが、これからも
子供たちの声に耳を傾け、また保護者の声にも耳を傾けながら、教員みずからの資質向上も図り、また、地域においでになりますスポーツ、文化面で特にすぐれている方などを講師にお招きしたりしながら楽しい授業に努めてまいり、
子供たちの楽しい学校生活に努めてまいりたいと存じます。
168: ◯小山勇朗委員 先ほども言いましたように、勉強が好きになるような学校づくりは、まさに教職員の評価制度のように教職員と管理職間に溝というものをつくり出すようなものではなくて、やはり支え合って、そして学び合うチームワーク等、父母、
子供たち、あるいは地域との協力体制というものが大切だというふうに考えますが、どうか伺います。
169:
◯教育長 ただいまお話がございましたように、教育におきましては、いずれの場合も互いに支え合ったり学び合ったりする、あるいはチームワーク等、あるいは地域との協力体制などが大変大切なことであると認識いたしているところでございます。
170: ◯小山勇朗委員 いろいろ民間企業などでも既に取り入れられている評価制度、成果主義とも言われるこの教職員評価制度は、県教委として、昨年とことし、この2年間を試行期間として実施をされ、2006年から本格導入しようというものでありますけれども、仙台市としては、2003年に教員の評価に関する検討委員会を設置をしながら、今日まで15回程度開催されているようでありますけれども、具体的にはどのような内容について検討されてきたのか、伺います。
171:
◯教育長 まだ結論的なものはございませんけれども、現在、検討いたしております教員評価システムにつきましては、例えば年度初めに教職員が年間の到達目標などを掲げまして、それについて管理職と話し合いなどを深めながら、その達成に向けて努力をするものでございます。この努力の過程におきましては、管理職からの形成的評価などが行われますが、これは互いの信頼関係を深めるためのキーポイントになるのではないかと考えておりまして、私どもといたしましても、今後とも教職員の力量が一層高まるような評価システムが構築されますよう努力してまいる所存でございます。
172: ◯小山勇朗委員 聞いたところでは、仙台市としての評価制度は、この2005年度が試行で、次年度以降については、2005年度の1年間の総括を行って、その上に立って、もう1年試行するのか、あるいは本格実施に踏み込むのかというものの判断の上で結論を出すようでありますけれども、既に民間で実施されている成果主義と同じくとらえられるこの教職員評価制度は、まさに一方的で公正でない評価制度によって処遇などに格差を生じるということになれば、教職員の意欲は減退をしますし、そのこと自体が
子供たちにも敏感に伝わって、学力低下に作用することも危惧されますけれども、その辺についてはどう思うのか、お伺いいたします。
173: ◯教職員課長 これまでも現職の校長あるいは教諭、退職校長や職員団体の代表の方々から御意見をいただきまして、15回の検討委員会を開いてきて現在に至っているところでございます。
今後の予定としましては、この3月ですけれども、末に中間のまとめをいただきまして、その後、パブリックコメント等をいただきまして、一部試行の方向につきましては、準備ができ次第ということになりますが、平成17年の5月から6月にかけて一部試行ということでの考えを持っているところでございます。
174: ◯小山勇朗委員 さっき聞いていることとちょっとずれて答弁されているというふうに思うんですけれども、もう少し私が質問したことについて正確にお答えいただきたいと思います。
175: ◯副委員長 答弁願います。
176: ◯教職員課長 新しい評価システムにつきましては、検討委員会におきまして、管理職が評価結果を本人に提示いたしまして、教育活動の過程や結果について具体的に指導、助言する中で、次年度の教育活動の改善のための手がかりを得ることができるようなシステムが望ましいというふうな意見を検討委員会の方からもいただいているところです。本システムの目指すところは、教員の教育活動を具体的に指導、助言することによりまして教員の意欲や資質、能力の向上を図るものでありまして、そのことが結果的に
子供たちの学力の向上にもつながっていくのではないかと考えているところでございます。
177: ◯小山勇朗委員 試行1年やって総括をして、そして具体的な本格実施というのはその後に判断をされるようでありますけれども、もしどうしても実施をするというのであれば、教職員評価制度は処遇と連動しないと、あるいは成果主義とも異なる、競争原理でもない、要するに各学校ごとに工夫した評価とすべきであります。そういう意味では、上から下にではなくて、情報を交流しながら、主体的な取り組みとして、子供の主体性あるいは独自の評価とあわせながら、教職員間の評価も総合的に判断しながら評価システムづくりにすべきと考えますけれども、この点についてはどうか、伺います。
178: ◯教職員課長 新しい評価システムにつきましては、本人との面談を行うとともに、児童生徒や保護者等からの意見も十分に取り入れていくなど、多面的に評価するシステムを目指していくことで現在検討がなされているところでございます。
179: ◯小山勇朗委員 この教職員評価制度によって、教職員の資質向上なり、あるいは学校の活性化というねらいの達成度などを含めた中間点における検証というものが最も重要と考えております。そういう意味では、その点についてどう考えるのか。また、この評価制度の試行実施、先ほど若干述べられたようでありますけれども、試行実施は4月としてすぐ始められないと思いますし、そういう意味では具体的に何月から具体的な実施をされようとしているのか、お伺いをしたいと思います。
180: ◯教職員課長 中間の報告につきましては現在取りまとめ中で、先ほど申し上げましたように3月末のところで御報告をいただく予定にしておりまして、その後パブリックコメント等をいただくことで考えてございます。
一部試行につきましては、先ほども申し上げましたとおりですが、準備等も整えた段階でというふうに思いますが、5月から6月にかけて実施をしていきたいと考えているところでございます。
181: ◯小山勇朗委員 次に、平成16年7月に実施をされた
アンケート調査でありますけれども、管理職を含め、教諭あるいは養護教諭、PTA会長、
教育委員会事務局など合計851人を対象としたものであります。調査方法、回収率についてどのようなものか、伺います。
また、現行やっている勤務評定について意見を述べていただいている
アンケート調査のようでありますけれども、トータル的な判断としてどうとらえているのか、そしてまた、この結果を受けて、いつの時点でまとめていきながら、そして今後どのように生かしていこうと考えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
182: ◯教職員課長 まず、アンケートについてでございますけれども、学校現場やPTA関係者等を対象に現行の勤務評定制度の課題、それから今後の教員評価のあり方等について意識調査を行ったところであります。
昨年7月に実施いたしまして、PTA会長あるいは校長、園長等を含めまして851名を対象に無記名による形で実施しておりまして、有効回収数は837で98.4%の回収率ということでございます。
それから、現行の勤務評定についてでございますけれども、アンケートの中にもありましたけれども、現行の勤務評定で教員の教育活動を十分に評価することができるというのが17.2%、現行の勤務評定で教員の教育活動をある程度評価することができるというのが55%となっております。しかしながら、評価基準が抽象的で不明確である、また、評価結果がどのように生かされているのか被評価者に見えないといった意見もありましたので、検討委員会におきましてはそのような意見も踏まえまして検討してきていただいたところでございます。
最終報告の件でございますけれども、先ほど3月末の中間まとめが出る予定だということでございますけれども、その中間報告をいただきました後、一部の学校での試行を実施いたしまして、平成17年度中に最終報告をいただくということで考えているところであります。
本市といたしましては、新たな教育の評価システムを生かしまして教員個々の資質を高めまして、子供に生きる力を身につけさせる活力ある学校づくりの実現に今後も努めていきたいと考えているところでございます。
183: ◯小山勇朗委員 今、まとめでお話がございましたように、勤務評定で十分足りるというふうに判断できると思うのは、55%がまず勤務評定で十分達せると。そして、そのほかに17%足せば、72%の方々のアンケート結果として勤務評定で十分というふうな判断にも立てるんではないかと思うんですね。そういうことなども含めて、今後進められようとしている教職員評価制度についても十分に土台として判断をしていただきたいと思います。
次に、学校の防犯と児童生徒の安全対策について伺います。
昨年から始まった警備会社によるまもらいだーの関係は、同僚議員からもいろいろ出てますけれども、1年経過して、まずどのように評価をされているのか、お伺いいたします。
184: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 今年度より実施いたしましたまもらいだーの巡回活動でございますが、実際的には声がけ犯あるいは不審者等々に遭遇する場面はなかったんでございますが、実際、各学校を回りまして、それぞれの保護者あるいは地域住民の安全意識が高まったと、そして大きな抑止力につながっているものというふうに高い評価を得ているところでございます。
185: ◯小山勇朗委員 お母さん方からいろいろお話などを聞いてみますと、地域で見た場合、まもらいだーなのか警備員なのか、なかなか判断がわからなかったと。どこの人だろうと、こういうふうに思う人も多くいたし、あと、お母さんたちからすれば、校内よりも通学路を歩いて守っていただきたいというのが大きな声として出ています。そういう意味では、今、本当に通学路、校内も含めて大変な状況でありますけれども、まもらいだーの配置も、いろいろこれまで言われているように、16年、17年で、18年から廃止をしていくというふうな形であるようでありますけれども、やはり地域に任せるような対応ではなくて、やはり地域の不安、毎日のようにテレビ報道でもあるように、全国的な問題として児童生徒の安全対策というものが、今、強く求められているわけであります。
その意味では、簡単に行政が手を引くというようなことではなくて、ある程度地域の中でそういう、地域のことは地域でというふうな話も出てますけれども、そういう芽が大きくなって、そういう動きが、地域に任せられる状態というものが、それはある程度の期間がかかると思うんです。そういう意味では、そういうものを具体的に行政が築き上げながらそういう部分に移行していくという取り組みが必要だろうと思います。
そういう意味では、16年、17年、国から来ている金があるうちだけやって、あとは市の行政として支出してやる気はないというのではなくて、あくまでも
子供たちの通学の安全も含めて考えるのであれば、そういう対応をすべきだと思いますけれども、そのことについての御所見をお伺いいたします。
186: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 児童生徒が登下校時間帯、特に下校時間帯に声がけ犯あるいは不審者等々に遭遇する場面が多うございまして、そのところの部分につきまして、いかに安全確保をするのかということになります。既に各小中学校の健全育成会を団体といたしまして、約5割方のPTAあるいは地域のボランティアの組織を立ち上げて、実際的に何らかの形で、むしろ下校時間帯あるいは登校時間帯等に巡回活動をさせていただいている学校もございますので、そのような形を含めて、来年度からまだ未組織であるようなところの学校等につきまして、学校ボランティア防犯巡視員という制度を立ち上げまして具体的に進めてまいりたいと、そんなふうに思っております。
187: ◯小山勇朗委員 確かに、のぼり旗のようなものを立てながら道路を回って歩いてるのを私も実際見てますけれども、そういうふうに実際に、今、言われたようにできているところとできてないところあるわけでしょう。これからそれを全体化を図っていくというのであれば、ことし1年でそれができるかどうかというのははっきりしないわけですから、そういう意味では、具体的にそういうものにきちっと移行できる状況判断というのが一番重要だと思うんです。そういうのをきちっと踏まえた上で移行できるという状況であれば、それは移行してもいいだろうし、そういうものを確認できるまでは行政が責任を持ってやるべきだということなんですよ、私が言ってるのは。そのことについてはどうですか。
188: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 議員御指摘のとおりかもしれませんが、なお、先ほどお話ししましたとおり、もちろん学校安全の中で教育活動時間帯よりも登下校時間帯の方がむしろ安全確保をしなきゃならない緊急性、必要性が非常に強うございますので、むしろそちらの方に具体的な活動内容を降り注いでいけたらというように考えております。
189: ◯小山勇朗委員 地域の取り組みにしても、やはり自営業者とか、あるいは勤務している人からすれば、なかなかそこで一緒に活動するということが難しい状況で、ほんの少ししか動けない状況だって出てくるわけです。そういう意味では協力できる範囲というのはごく限られてくるということも十分踏まえて対応していただきたいと思います。
学校の防犯対策として私から、校内的にどう防犯対策をしたらいいかいろいろ研究、検討されて、各学校でいろんな工夫をされていると思いますけれども、例えば急に職員室に入ってきて
寝屋川のような事件が起きたというのを見れば、例えば学校事務職員等の採用時に、教育長のように空手の段を持つような人を考えるとか、あとは校門の門柱に赤色灯の設置とサイレンを取りつけると。そして緊急110番の押しボタンを職員室なり校長室に設置をして、事件事故発生時にそのボタンを押せば自動的に110番へつながるし、赤いランプが点滅しサイレンが鳴るというふうなもので、地域にもそういう非常事態が起きているというものが把握できるような、一つの取り組みとして提言をしたいと思います。
また、現在、地域の商店やタクシー、そういったところでこども110番のステッカーというものをお願いして張ってもらっていますけれども、昨年、彦根市を視察したときに感心させられたのが、公用車すべてに110番のステッカーをつけて走っているというふうなものを目の当たりにして、仙台市としてもぜひ公用車全車両に取りつけて走ってはどうかと考えますけれども、これらについて考えをお聞きいたします。
190: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 議員御指摘の新たな提案ということですが、一定の効果があるとは思いますが、効果的、なおかつ実効的な防犯対策といたしまして適切な手段、方法を見きわめながら、今後とも警察等々の御意見をいただきながら研究してまいりたいと、そんなふうに思っております。
191: ◯小山勇朗委員 こども110番のステッカーについてはどうなんですか。
192: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 ステッカーにつきましては、それぞれの小学校あるいは中学校区単位ごとに地域の中のお店の方で協力いただいて、もう既にステッカーを張っていただいていると思います。さらに平成17年度につきましては、公用車、教育局関係あるいは給食車両、そして巡回メールカー等々についてステッカーを張るような工夫をする予定になっております。
193: ◯小山勇朗委員 その辺はやっぱりきちんと行政全体で、多くの車両が走っているわけですから、そういうものに取りつけをしてぜひやっていただきたいと思います。
次に、学校用地費、土地開発公社で今現在所有している部分で、(仮称)向田小学校用地でありますけれども、これは平成元年に用地費13億9900万円で取得をされ、現在までの利息だけでも8億余万円となっているわけであります。また、荒井小学校用地については平成7年に取得をして、1万5122平方メートル、用地費は22億余万円で、これまで利息も4億余万円となっておりますけれども、事業着手が決定されずに、引き取りもされずに現在まで来ているわけであります。事業に着手できずにいるのはどういうわけなのか、今後どう対応されていく考えなのか、お答えいただきたいと思います。
194: ◯学校施設課長 分離新設校用地といたしまして先行取得いたしました(仮称)向田小学校及び(仮称)荒井小学校の用地でございますが、区画整理事業に伴いまして児童数の増加が見込まれるために取得をいたしたものでございます。ただ、いずれも現在まで児童数の伸びが予想を下回っているために、現在も引き取れないでいるという状況でございます。
それから、今後の対応でございますが、(仮称)向田小学校用地につきましては、今後も児童数の増加が見込めないということから、他の用途に用途変更したいと考えてございます。それから、荒井小学校用地でございますが、土地区画整理事業地内の人口の張りつきが進んでおるというふうな状況がございます。したがいまして、母体校となる七郷小学校の過大規模校化が十分予想されるということから、今後の児童数の推移を見て適切な時期に引き取りたいと考えてございます。
195: ◯小山勇朗委員 向田小学校用地については所管がえをしてやっていくと。これは16年間たってそういうふうな先の甘さがようやくわかったというような感じなんですけれども、ほかの用途に使うというその用途の考え方ね、どこで所管してどういうものに利用していく考えなのかお答えいただきたいのと、あと、荒井小学校用地でありますけれども、七郷小学校の分離を考えて既に10年過ぎているわけですね。さらに、これから増加する状況にあるというわけでありますが、何年ごろにまた分離できるんでないかというふうに読んでいるのか、その辺をお答えいただきたいと思います。
196: ◯学校施設課長 向田小学校の用途変更でございますが、現在のところ、幸町給食センターが老朽化でいずれ移転改築が必要だというふうなことがございまして、その移転候補地ということで現在用途変更というふうなことを考えてございます。
それから、荒井小学校の新設でございますが、七郷小学校の過大規模化という部分につきまして、なかなか児童生徒の推計というような部分が難しいということがございます。そういった部分もございますが、今年度のいわゆる16年度の5月1日現在の推計では、六、七年先には31学級以上の過大規模校になるというふうな予測もできるような状況でございますので、そういった部分で、当分の間、荒井小学校予定地ということで現在の状態で維持をしていきたいと思っております。
197: ◯小山勇朗委員 やはり言っておきたいのは、増加して分離するという読みの方が本当にほとんど当たってないんですね。あとは、西中田小学校とか柳生小学校を見ても、せっかくプレハブ教室が開放されて、ようやく柳生小学校と分離して学校らしいところで勉強できるというふうになった次の年に、またふえ過ぎて、今度またプレハブに入らざるを得ない、あるいは増築せざるを得ない。全く読みというか計算、どういう計算になっているのかわかりませんけれども、そういうのをやはりときちんと計算できるような対応をしていただきたいと思いますし、大変な金を投じてやっているわけでありますから、荒井小学校の用地については22億円と、そしてこれまでも4億円以上の利子を払ってきてるんであれば、七郷は七郷で分離、6年になるのか10年先なのかわかりません。そういう意味では、荒井小学校なら荒井小学校として、これから荒井の土地区画整理も別な形で出てきますから、そういうところにある程度学校用地を確保した方がいいんじゃないかと。逆に今ある用地を別な用途として活用するのか、あるいは売却するのか、そういう判断をするべき段階でないかと思うんですけれども、その辺についてはどう考えるのか、お答えいただきたいと思います。
198: ◯学校施設課長 分離新設に伴ういわゆる先行用地取得の観点でございますが、用地取得をした以降でも設計期間あるいは校舎の建設期間等を勘案しますと、最短でも4年はかかるというふうな状況がございます。その取得する土地の状況によっては、さらに環境調整システムが必要だと、あるいは農用地の解除が必要だと、いろんな庁内の手続等も出てくる土地の状況という場合もございます。そういった意味からいえば、なかなか簡単にその見込みを立てて手放してしまうというふうな部分については、もし万が一、我々想定外の部分で過大規模化が母体校で起きたという場合に、その取得を再度するというふうな形になりますと、かなり長期間を要するということでございますので、そういった観点からはこの学校用地のあり方について慎重に検討していく必要があるんではないかなと思ってございます。
199: ◯小山勇朗委員 時間がないから終わりますけれども、例えば16年たって、そして利子も16年間ずっと払ってきて、最後にそれまでの利子やそういうものは全然なしにして別な用途に使っていくというふうな判断をするのではなくて、もっと有効活用できるような時点での判断というものが最大限求められると思いますので、間違いのないような判断をして進めていただきたいと思います。
200: ◯副委員長 発言を願います。
201: ◯辻隆一委員 私からは、先ほど来、学校の安全管理についていろいろ質疑がされておりますけれども、若干関連をしますけれども、この安全管理の問題、それから2学期制の問題等について幾つかの視点でお伺いさせていただきます。
まず、学校の安全管理の問題でありますけれども、現在、学校の独自で安全管理についてのマニュアルをつくっているのはどういう状況になっているのかお示しください。そしてまた、まだそういうところができてない学校も幾つかあると伺っておりますけれど、それらの対策はどのようにされるのか、あわせてお答えください。
202: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 作成状況でございますが、ことし2月現在段階で、すべての小中学校の個々で作成しております。ただし、そこの中身、内容等につきましては、それぞれの学校の作成等の濃淡がございますので、さらに実効性のある内容等に指導を加えていきたいなと、そんなふうに思っております。
203: ◯辻隆一委員 次に、各学校でも今いろいろ取り組みなされていると思うんですけれども、安全マップというんですか、防犯マップというんですか、その辺についての作成状況はどうなってますか。
204: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 児童生徒の特に登下校時の安全を確保ということになりまして、安全マップを作成している学校が年々ふえておりますが、平成17年の2月現在で小学校が95校、77.2%、中学校が30校、47.6%の作成状況になっております。
205: ◯辻隆一委員 まだまだ安全マップというのは完全に浸透してないんじゃないかなと思うんですね。しかも、安全マップあるいは防犯マップという形でつくっているところも見ますと、大体先生たちの視点であったり、あるいは、たまにPTAが夏休みとかに校外巡視するところだけを危険箇所として大体マップに落としているというのが現状だと思うんですね。それではなかなか子供の安全というのはこれで守れるのかということについて非常に私も疑問に思っているところでありまして、実際、
子供たちが登下校のときに
子供たちの視点で、ここは危ないんじゃないかとか、あるいはまた、ここは危険箇所だから何とかしてほしいという、そういう
子供たちの視点も入れたマップの作成ということが非常に大事だと思うんですね。それはやっぱり子供の防犯意識を高揚させるということにもつながるし、
子供たちを参加させることによってそういったことが実効性あるものになっていくと。こういうふうに思うんですけれど、その辺の視点についての取り組みをお伺いしておきます。
206: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 今、防犯面あるいは交通安全面の中で広く安全確保に役に立つためのもの、非常に具体的な内容のマップを作成することなんですが、特に議員御指摘のとおり、子供の目線でやった場合にはどのような安全対策が講じられているのか、こういった面で意識高揚のためにも具体的に作成された内容等を検証しながら、さらに指導を加えていきたいなと、そんなふうに思っております。
207: ◯辻隆一委員 先ほど小山委員からもありましたけれども、まもらいだーと学校ボランティア防犯巡視員等の関係について二つほどお尋ねしたいと思うんですけれども、一つは、ボランティアをどういう形で募集あるいは選任していこうとしているのかということが1点目です。
もう一つは、当局がことし2月15日に教育長段階で出された資料で、学校ボランティア防犯巡視員の実施方法ということで、これを見ますと、17年4月から18年3月までの間となってますし、ここで、その次はどうするのかというものがちょっと資料では見えないというのが一つ。もう一つは、授業日及び休業中、児童生徒の活動がある日のうち実施可能な日と。要するに、実施ができるところだけやると、こういうふうに説明しているにすぎないわけです。そうすると、まもらいだーとこれが実施されるところのすき間ができる。あるいはまた、地域によってはボランティア体制がすぐできるところとなかなかできにくい状況にあるところと、いろいろ地域的なアンバランスもできてくる。そうすると、そういうすき間ができることがやっぱり問題だと思うんですけれども、その辺の考え方について2点お示しください。
208: ◯学校教育部参事兼教育相談課長 まず、1点目の募集、選任等々のことについてでございますが、学区内のいろいろな団体等々、あるいはPTAの方々、あるいは地域住民の方々に声がけをいたしまして、最低週1回あるいは週数回というようなことで、2人1組の班でグループで回っていただくとか、そんな形で、先ほど委員御指摘のとおり、やれるような状況である地域と、やはりちょっと時間がかかるというふうな地域もございますので、そこについては柔軟な形で対応させていただくというようなことを考えております。
なお、登下校時間帯の部分の時間帯の回数なりあるいは巡視時間等々につきましては、それぞれのボランティアという活動精神にのっとりまして、できる時間帯でやっていただくと。ある地域におきましては、どうしても夕方あるいは夜、夜間とか、そんなようなところで今現在実施している学校もございますので、そのようなところの実例を参考にしていただきながら、これから平成17年度、そして18年度と、まだ組織されていないような地域、学校等につきまして、十分にゆっくりと調整を加えながらさせていただくというふうに考えております。
209: ◯辻隆一委員 今、答弁ありましたけれど、このシステム自体が活動が可能な日と、こうなってますから、そうすると完全にまもらいだーを学校ボランティア防犯巡視員制度で完全にカバーし切れてない、これははっきりされたわけですね。したがって、やはり、私どもも前から求めていますように、このまもらいだーはきちんと、そういうすき間をつくらせないためにどうするかということが大事なので、来年から廃止するということじゃなくて、もっと真剣な検討を要望しておきたいと思います。
次に、学校の安全管理に関連して、実は平成17年、ことしの2月23日付で、これは学事課長の事務連絡ということで来ておりますけれども、市立学校の緑の公衆電話を撤去するということについて通知が出てますけれども、この内容についてまずお示しください。
210: ◯学事課長 2月23日付の通知の内容でございますが、まず、通知文を送付いたしました2月23日の前に、2月15日開催の合同校長会におきまして、NTTから使用頻度の低い公衆電話を撤去したい旨の申し出があったことなどにつきまして御説明申し上げておりました。23日の通知文と申しますのは、これを補足するものといたしまして、NTTからの撤去の依頼文書が送付されましたこと、またNTTでは各学校に十分に説明し理解を得てから撤去する方針で、直ちに撤去する意向ではないということ、したがいまして、実情を説明し納得した上で対応することなどをお伝えしたものでございます。
211: ◯辻隆一委員 現在、学校での公衆電話の設置状況というか、どうなっているのかということと、そのうち撤去の対象になるのは何校かお示しください。
212: ◯学事課長 現在、緑の公衆電話につきましては、小学校で123校中85校、中学校で63校中48校に設置されております。また、今回NTTが撤去対象としておりますのは、小学校で58校、中学校で20校でございます。
213: ◯辻隆一委員 この公衆電話を各学校に設置している意義というものについて、当局としてどのような御認識をお持ちですか。
214: ◯学事課長 学校の公衆電話につきましては、教員ですとか、それから学校を訪れる保護者や学校関係者など多くの方々が御家庭や職場などに連絡する通信手段として一定の意義を有しているものと考えております。
215: ◯辻隆一委員 一定の意義を有しているというふうに言われますけれども、その使用頻度が少ないといってもいろんな差があると思うんですけれども、それでも78校が撤去されるとなれば大変な問題になると思うんですね。そういう意味で、学校側としてはどのような対応を図るべきと考えているのか。それから、NTTに対して
教育委員会としては正直言って困るという態度だったのか、それとも、やむなしという態度だったのか、その辺を含めてどのような対応をされたのか、その辺の考えをお示しください。
216: ◯学事課長 まず、撤去の通知を受けました学校では、これまでの使われ方などから撤去について学校それからPTAなどで十分に御検討いただき、仮に学校の特別な事情によりまして撤去が困難であると判断した場合には、NTTに対し設置の存続を相談するといた対応が必要になると考えております。
また、
教育委員会の対応ということでございますが、今般のNTTの撤去の申し入れにつきましては、収支状況の悪化ですとか、会計検査院の指摘を受けての全国的な対応というふうに伺っております。しかしながら、児童生徒の家庭への通信手段をできるだけ確保してやりたいという考えから、NTTとの協議の都度、できるだけ撤去しないよう粘り強く交渉してまいったところでございます。災害時の通信手段としての有用性からの存続も働きかけてまいりましたが、災害時には他の代替手段があることから、存続は難しいとのことでございます。
217: ◯辻隆一委員 先ほどの説明でも一方的に撤去することはしないということでありましたけれども、そのことをきちんとやっぱりNTTにもう一度再確認をして、一方的に撤去されて結局子供や先生、あるいはまた保護者の方々に負担をかけるということにならないように、きちんと対応していただきたいと思います。
それから、当局のこの23日の文書の中には、PTAと相談して対応しろという中に、ピンク電話を新しく設置した場合の概算が示されています。電話機を購入した場合は16万1000円何がしで月額2,782円かかる。電話機をリースしたら例えば平成16年の場合は2,215円と3,045円の回線使用料がかかると。月5,200円ぐらいかかるということですね。それは結局、PTAと相談しなさいということは、PTAに負担しろと、こういうことに大体置きかえざるを得ないんですね。この文書を見たらやはりだれだってそう思うわけです。やはりPTAにこういったものを負担させるということ自体が私は問題ではないかと思うんですね。先ほども学校の設備の中で大切な設備だと、こういう認識をお持ちですから、そういう視点で考えたときに、やはりPTAとして負担させるということについては問題だと思うんですが、いかがでしょうか。
218: ◯学事課長 確かにピンク電話を設置する場合には、先ほど私どもの通知で申し上げましたような金額がかかりますので多額の費用負担が必要にはなりますが、主に児童生徒や保護者の方々が私用でお使いになるということから、市での設置は難しいものと考えております。
219: ◯辻隆一委員 先ほど必要な施設だというふうに認識をされて、設置しないという言い方も非常に矛盾してるなと思うんですけれども、確かに私的利用というのもあるんですけれども、実際は緊急時、あるいは防犯対策という視点もこれはあるわけですね。特に朝なんかは確かに子供が学校を休むからということで電話をしょっちゅう使って回線がほとんどよそから入りにくいという状況になっていますし、さらにまた、雨とかあるいは暴風とか、そういったときにだれか迎えにきてほしい、あるいは子供が体の調子が悪いとか、そういった緊急時に非常に使われる設備であるということは当局もお認めになったとおりだと思うんですね。そういう視点に立てば、仮に撤去せざるを得ないということになったとしても、そのことについては学校の回線をもう1本ふやすなりしてぜひ検討すべきではないかと思うんですけれど、その際はピンク電話で対応するとかいろいろな方法があると思うんですけれど、そういったことについて具体的に検討して、各学校にもそのような前向きの通知をすべきではないかと思うんですけれど、お伺いしたいと思います。
220: ◯学事課長 ピンク電話の確保につきましては、先ほど申し上げましたように、なかなか市で設置することは困難であると考えておりますが、確かに委員御指摘のように朝などには保護者の方から欠席や遅刻などの連絡が公用電話に集中いたしまして、なかなかかかりにくいという状況の学校もあることは承知いたしております。したがいまして、朝以外の時間帯の使用状況なども実態を調査しながら、必要な学校に対しましては公用電話の回線の増設などについても検討してまいりたいと考えております。
221: ◯辻隆一委員 まず、先ほども言いましたように、一方的に撤去させないと。しかも、この緑電話の所有者はほとんどPTAですからね。父母教師会等が所有者になっているわけですから、勝手に撤去するということないように学校側ともきちんと
教育委員会と相談していただきたいということと、それから回線の増設をきちんと求めておきたいと思います。
あと、時間もありませんけれども、最後に2学期制の問題について二、三点お伺いしたいと思いますが、この2学期制の問題については、副委員長の斉藤議員も一般質問で質問しておりまして、当局は本年1月には児童生徒、保護者、教員を対象にしたアンケートを行い、その回答の分析を進めていると答えておりますけれど、これは具体的にどのように総括をし、そしてどのような方法で周知する予定なのか。
それから、もう一つは、2学期制のメリットを最大限に発揮できるよう工夫してまいりたいと、このようにお答えになっております。しかし、メリットだけが強調されているようですけれども、この間、いろんなところで私も意見を聞いておりますけれども、授業時間の確保が難しいとか、あるいは夏休みの過ごし方に問題あったんじゃないかとか、テストの範囲や回数など、そういった問題でいろいろ不安に思っている問題が指摘されてきているんだと思うんですね。そういういわばデメリットの部分をどう克服していくのかということが大きな課題になっていくと思うんですけれど、この点についてはいかがでしょうか。
222:
◯教育指導課長 2学期制に関する調査結果につきましては、ただいま取りまとめ中でございまして、年度内に取りまとめる予定でございます。
なお、2学期制のメリット・デメリットのうちのデメリットの克服の点についてでございます。例えば夏休みの過ごし方につきましては、面談等で休み中の生活とともに学習の課題について具体的に話し合いをして、有意義な休みとなるように努めております。また、学習の成果などにつきましては、形成的評価を取り入れまして、定期考査のみならずさまざまな機会をとらえて評価して、確かな学力が身につくよう工夫しているところでございます。
今後とも学校現場や保護者の方からも御意見をいただきながら、2学期制のメリットを最大限に生かすよう努力してまいりたいと存じております。
223: ◯辻隆一委員 いろいろ対策をされているということは、そういう心配事、つまりデメリットがあると思うからそういう対策をされていると思うんですね。その点も素直にもうちょっと分析をして対応していただきたいと思います。
特に私が2学期制の問題で一番のデメリットというふうに感じるところは、やはりゆとり教育の柱となっているはずなんですけれども、残念ながら先ほど指摘したような課題もあって、
子供たちやあるいは先生たちにゆとりそのものがなくなっているのが大きな課題になっているんじゃないかと思うんですね。
特にそういう中で、私は昨年の決算特別委員会でも指摘をさせていただきましたけれども、部活がほとんどスポーツ系を中心に土・日も活動して、生活にゆとりが感じられない状況も生まれている。それ以外の
子供たちはほとんど帰宅部というふうに言われて、学校から真っすぐ家に帰って、あとはゲームで遊んだりしてなかなか勉強もしないと。そういう状況が生み出されている。そういう子供がいるからこそ、さまざまなデメリットというか、親の不安というものが拡大されてきているんじゃないかなと思うんですけれど、その点についてはまずどのようにお考えでしょうか。
224:
◯教育指導課長 平成14年度の
学習指導要領の改定によりまして、部活動はみずから希望する生徒のみが所属するものとなりました。部活動に所属していない生徒数につきましては、14年度からの3年間のデータを見ますと余り変動は見られませんが、放課後すぐに帰宅する生徒が少なからずいることは認識いたしております。このような
子供たちに対しましては、放課後の有効な過ごし方について指導していくとともに、部活動などで頑張っている
子供たちに対しては、今後とも十分な支援をしてまいりたいと存じております。
225: ◯辻隆一委員 かつては1人1部活制で、必ずどこかの部に所属するというのがなくなって、結果として帰宅部がふえたということなんでしょうけれども、その中でも特に文化部の衰退というものが著しいんだろうと思うんですね。こういう現状をどのように受けとめておられるんですか。
226:
◯教育指導課長 平成14年度から学校週5日制が始まったことによりまして授業時数が少なくなりましたが、2学期制の導入を機に各学校において学校行事の時期の見直しや重点化を図りまして、残すべきものは残し、その内容の充実に努めているものと認識いたしております。文化祭など中学校の文化的行事につきましては、以前1日か2日間で行っていたイベント的なものから、ふだんの学習の成果を発表する学習発表会に変えるなど、ほとんどの中学校が文化祭的な行事を継続するためのさまざま工夫をしております。
227: ◯辻隆一委員 今、さまざまな工夫をしていると言われましたけれども、週5日制あるいは2学期制になって文化祭を中止している学校がふえてきているのが現実じゃないでしょうか。
228:
◯教育指導課長 ただいま申し上げましたように、調べてみますと、1日で大きな文化祭というふうに掲げてフェスティバル的にやっているのは少なくなりましたが、1週間という長い時間、長期間にわたりまして学習の成果を学年ごとに発表していくとか、テーマごとに発表していくとか、そのような方法で工夫して進めているところが大変多くなっております。
229: ◯辻隆一委員 きのうから要するに部活動の指導者の不足の問題もいろいろ指摘されておりましたけれども、ゆとり教育というのは、
子供たちが勉強だけではなく、また、スポーツ一辺倒ということではなくて、さまざまな価値観を身につけていくということが大きな柱だったはずだと思うんですね。そんなことから見ても、文化部が衰退し文化祭がなくなっていくと、こういうことはやはり本来のゆとり教育という視点からも外れていってるんじゃないかなという気がするんですね。私は2学期制がそのことを促進しているということについても一つのデメリットというふうに受けとめているんですけれども、その点の認識はいかがでしょうか。
230:
◯教育指導課長 確かにそのような見方もございますでしょうが、2学期制によりまして
子供たちがゆとりある長いスパンの中で継続した活動もできるようになりまして、その中でいろいろな能力を伸ばしたりしているというふうなこともあると考えております。
231: ◯辻隆一委員 ちょっとすれ違っているようですけれども、先ほど来私が指摘してることについてもぜひ、もっと2学期制の問題の分析もあわせて、きちんとした取り組みをしていただきたいと思います。
この問題についてもう一つ、最近学力低下の問題もクローズアップされて、先ほど小山委員からも指摘されたところでありますけれども、ゆとり教育とこの学力低下が何かアンチテーゼのようになって、どうも対立しているような気がしておりますけれども、このゆとり教育対学力低下という構図じゃなくて、ゆとり教育の中にどう学力問題を取り組んでいくかということが問われているわけであって、しかも文科省がさまざま言ってることが教育の現場でも混乱や動揺を招くことになっていないのかどうか、その辺についてしっかりした対策を求めておきたいと思いますが、そのことをお伺いして私の質問を終わりたいと思います。
232:
◯学校教育部長 文部科学省におきましても、ゆとり教育につきまして、現行の
学習指導要領の理念や目標に誤りはないという考えを示しおりまして、ねらいとして十分達せられているかとか、必要な手だてが講じられているかとか、そういうような課題認識を持っております。
私どもといたしましても、学力向上につきまして現在取り組んでおりますところの宮城教育大学との基礎学力に関する共同研究をさらに進めていくとともに、授業改善に生かせる指導事例集を作成いたしておりまして、教員に配付、活用するようにいたしておりまして、
子供たちが確かに学力を身につけられるよう今後一層の努力をしてまいりたいと存じます。
233: ◯副委員長 仙台・グローバルから発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔加藤栄一委員、質疑席に着席〕
234: ◯副委員長 発言を願います。
235: ◯加藤栄一委員 文化財普及と啓発、保護に要する経費に関連して質問をさせていただきます。
市内各地域にはそれぞれ長い間先人から伝えられてきたもの、語り継がれてきたもの、庶民の魂と言うべきもの、さらに庶民の願いをあらわしたものなど、地域に生きた人々が残してきたかけがえのない自然や文化財が多く存在しております。心豊かなまちづくりのために大切に後の時代に伝えていくべきものと考えますが、市におかれましては、この文化財の保護に関連してどのようにお考えをされているかお伺いいたします。
236: ◯文化財課長 文化財の保護に関する考え方でございますが、文化財は歴史、文化等の正しい理解のために欠くことのできない貴重な市民の財産であるとともに、将来の文化の向上、地域の発展のため、適切に保存や活用を図ることが重要であると考えております。
237: ◯加藤栄一委員 それで、先人が残した建造物あるいは古文書、歴史資料、無形・有形文化財、史跡等などいろいろありますが、これらを第1には守ることですね。そして、第2には現状を維持していくこと、第3は若い人に正しく伝えるということが非常に大事だと思います。それで、建造物あるいは有形・無形、民族の文化財は、具体的な保護施策、市民の周知など、どのように行われているか、お伺いいたします。
238: ◯文化財課長 指定有形文化財につきましては、修理、それから防災設備の点検等に対して補助等を行っております。指定の無形文化財につきましても、民俗芸能の保持しております団体に対しまして助成を実施しておるほかに、民俗芸能の集い等を開催いたしまして発表の機会の整備に努めております。
なお、市内に所在します文化財の確認調査を行っておりまして、必要に応じまして市指定の文化財指定を行っておるところでございます。
また、市内の文化財情報につきましては、標識の設置、文化財せんだい等のパンフレット、それから文化財のホームページ等を通しまして広く市民の皆様に周知すべく努めているところでございます。
239: ◯加藤栄一委員 それで、文化財を指定して史跡などの管理とか、有形・無形文化財にはそれぞれの民俗の文化を維持するためにいろんなイベントなどを開いて、それなりの方々が十分に参加して文化財を守り、そして正しく伝えていく姿勢に、私たちはそのイベントの行事に参加して非常にその熱心な姿に感動を覚えているところでありますが、今、課長が言われた、公共施設なりあるいは道路建設、そして民間の宅地開発に関連して、やはりまだまだ検証、調査、整理などがしっかりと担保されない面が非常にあると思いますが、その辺はこれらの施設、道路建設に当たってどのように市当局は対応しておるか、お伺いしたいと思います。
240: ◯文化財課長 道路建設それから施設建設に伴いまして文化財に影響があるという場合につきましては、十分な調査期間を事業者に対しまして要請します。その辺の配慮等につきましても事業者等に要請しまして、地域の文化財である遺跡等の保存、保護に努めておるところでございます。
241: ◯加藤栄一委員 この開発の行為につきましては、後ほどまた改めて御質問いたしますが、次に、今、若い人々、特に我々を含めて、文化財に目を向けている人は薄れているわけであります。地元を調べ、考え、つくり上げていく地域学や地域づくりの実践で、市内各地で行われているいろんな市民センターの行事なんかに参加している市民の多くの方々は、市民への文化財周知に大きな役割を果たしているホームページとか文化財標識に強い関心を持っております。例えば宮城総合支所管内で、旧宮城町時代に設置した文化財標識は、いろいろと市民からどうなっているんだろうというようなことも伺われておりますが、当局はどのような状況になっているか、お伺いしたいと思います。
242: ◯文化財課長 宮城総合支所管内の文化財標識につきましては、指定文化財を中心にいたしまして標柱が30基、説明板が4基設置されているところでございます。
243: ◯加藤栄一委員 この標識は二十数年前になるわけですけれども、木柱で立てまして、もう現在古くなって腐っているとか、あるいは風に飛ばされてなくなっているような状況も見られるわけであります。こんなような実態を踏まえた場合に、仙台市への編入後、それぞれの場面でその標識の新たな設置をお願いしてきて、二、三の標識も新たに立てられておりますが、これらの標識につきましても新たな規格で、旧宮城町時代と違った標識が、今、立っているような状況でありますけれども、この標識につきまして今後どのような考え方あるいは工夫をして設置していくか、お伺いしたいと思います。
244: ◯文化財課長 旧宮城町時代に設置されましたもののうち、子愛観音など6基について立てかえを行っているところでございます。また、標識の規格でございますが、原則としてそういう規格を定めて統一して設置しております。記載する内容につきましては、文献や調査に基づきまして、それに裏づけられた内容を記載しておりますが、それぞれの文化財の特色に応じまして表示、デザイン等に工夫してまいりたいと考えております。
245: ◯加藤栄一委員 それで、旧宮城町当時、地域づくりには知恵や力というものを常にそこに住んでいる人たちの暮らしや心の中にあるんだというようなことを踏まえて、その当時、旧宮城町の職員はそれらの状況を敏感に感じ取って、若い職員の発想やアイデアと、そして市民参加の中で、当時の宮城教育大学の平先生を中心にして監修していただいて、仙台市の印刷所でつくってもらった経緯があるわけでありますが、そんな中で、特に文化財の保護ということで、標識は当時の古文書に基づいた内容も加味して、文字自体もそれをそっくりとって標識を設置したんです。それが先ほども言ったように何年かたって現在腐ってどうにもならないような状況がいっぱいあるわけですから、そういうことも踏まえて担当局はどのように設置していくのか、お伺いしたいと思います。
246: ◯文化財課長 設置するに当たりましては、先ほど申しましたとおり、表示、デザイン等について十分その特色を踏まえまして標柱等を設置していきたいと考えております。
また、市内には約260カ所標識がありますが、指定文化財を中心に調査の上、整備の必要に応じまして年度を定めまして計画的に立てかえ等をやっていきたいと思っております。
247: ◯加藤栄一委員 市内260カ所ぐらいあると。特に宮城地区におきましては、何度か強調してきましたけれども、やはり長い文化財を見つめながら、新たにまちづくりをしようというふうな人たちが延々と歴史探訪の中で会を組織して今日までまちづくりに非常に貢献してきているわけです。そんな中で何度も地域のまちづくり推進課とか
教育委員会にもお願いしてきたけれども、なかなか進まないと。先ほど課長が言ったように、子愛観音とか西舘跡地には設置されておりますけれども、まだまだやっぱり、繰り返すようですが、もう腐ってどうにもならないというような状況がいっぱいあります。
それと、かつてこういう文化財を保護するという中で、当時の役場職員と住民が参加した歴史を探訪する人たちと一緒になって、地域の開発について、例えば吉成などの団地造成に当たりましては、臨済院の活用について、その周辺の緑と文化財をどうしても守っていかなければいけないということで、開発業者とかなり戦って、今、すばらしいあの団地の中に緑と空間の緑地地帯を造成されているわけです。そんなまちづくりの貢献に、やっぱりこれは歴史に携わった人たちが非常に貢献しているということもありますし、今回、臨済院が大分屋根などが腐り始めているというようなことも言われておりますが、この標識と同時に臨済院なんかの修理についてはどのようにお考えになっているんでしょうか。
248: ◯文化財課長 旧宮城町地域にありました臨済院は、市指定の史跡に指定されまして、建物も市指定の文化財でございます。その場合、先ほど申しましたけれど、それが傷んで修理が本当に必要であれば、うちの方で調査の上、必要に応じて建てかえに要します費用の補助ということも考えられると思います。
249: ◯加藤栄一委員 ついでに、西舘跡を保存しようということで、新杜計画の事業の一環としていろは姫の物語を作成したんです。そのときに伊達政宗のその時代を知るとともに、当時の時代の状況なり、あるいは自然の状況ですかね、あるいは人と人とのつながりというようなことも比べて、そして今、都市化したこの地域とのまちづくりにどう対応するかというような物語をつくったときに、西舘跡に池があったんです。今、それが文化財として指定されているのでその回復は難しいと言うけれども、今、蕃山に登る人たちが非常に多くなりまして、その途中の休憩所として西舘があるわけですので、ぜひ当時の池を再現したいというようなことも言われておりますので、これらのことについて、いろいろ遺跡の問題で非常に難しい問題があるでしょうけれど、再現にもっと力を入れてほしいというような御要望があるので、市当局の考え方をお伺いしたいと思います。
250: ◯文化財課長 西舘遺跡につきましても市の指定の史跡でございます。再現となりますと、その前段階としまして文化財の調査が前提となります。それにつきましては、時間と一応経費がかかるということもございますので、将来の課題として考えていきたいと思います。
251: ◯加藤栄一委員 今、課長は時間や経費がかかるって言うけれど、そんなに経費はかかりません。特にあの地域は非常に人と人とのつながりがよくて、新たな小学校ができて十数年になっても、旧住民と新しい住民が一緒になって地域づくりにすばらしいネットワークを構成しているんですよね。そんなことを踏まえた場合に、そういう盛り上がりの中でぜひ再度西舘跡の池の、水は入れなくてもいいんだけれど、池のあった跡だけは一応形として残しておきたいというようなことも言われておりますので……。
〔副委員長「時間を延長します」と呼ぶ〕
252: ◯加藤栄一委員 その辺、ぜひ時間をかけずに対応していただきたいと思います。
253: ◯文化財課長 時間をかけずにということでございますが、なるたけ長い時間をかけないで考えていきたいと思います。
254: ◯加藤栄一委員 宮城総合支所管内におきましては、そういう文化財を正しく守って、そして持続していくという運動の中で、長い歴史の中でいろんなことをやってきましたけれども、そんな活動の中で、旧宮城町の歴史探訪会が特に市文化財指定の文化財の赤生木地区の石垣家住宅の活用を提言いたしまして、ようやく新年度から大倉ふるさとセンター整備事業が具体化して、昔の生活体験や生涯体験の場所として活用する古民家等の復元を行うことになっておりますけれども、特に新年度におきまして、この古民家の建設に当たりまして、私は市民参加を募る必要があるんじゃないかなというように思っております。
私も中学生ごろ、春先になると屋根をふくカヤの成長するために火をつけて、京都の大文字のような、カヤ山を燃やして一生懸命水をかけ消した思い出もあるし、あるいは結構田舎なもんですから、カヤぶきの屋根が多くて、お互いに隣組あるいは町内会で講みたいな形でみんなで応援しに行くんですね。そのときに古いカヤを解体する場合には真っ黒けになって、そして今度新しいカヤをふいたいい思い出があるわけですが、今回の大倉ふるさとセンターの復元につきましては、地域は限定されるかもしれませけれども、市民総参加の屋根ぶきに協力してもらう運動はいかがなものでしょうか。
255: ◯生涯学習課長 (仮称)大倉ふるさとセンターに整備されます古民家石垣家の復元に当たりまして、本市施設のPRも兼ねまして、市民参加のイベントは計画しております。その中で、作業の一部にはなりますけれども、カヤぶきや土壁塗りなどにつきましてお手伝いをいただく市民を募集して復元過程を体験していだくことにしております。
256: ◯加藤栄一委員 今、一部と課長は言いましたけれども、せっかくですから、仙台市全体に呼びかけていただいた方がよろしいんじゃないかなと思いますが、いかがなものでしょうか。
257: ◯生涯学習課長 復元に当たりまして、事業者に復元を委託しておるわけですけれども、その中で安全性ですとか、それから工事の進め方などもございますので、全面的にというよりは一部での参加ということで考えております。
258: ◯加藤栄一委員 復元の作業に当たっては、そんなにけがとか事故とか心配する必要ないと思いますよ。ですから、市長がおっしゃっているパートナーシップ、協働の中で、そういう施設も復元するというために市民の力を活用するというのは非常に大事だと思いますが、もう一度お伺いしたい。
259:
◯教育長 大倉ふるさとセンター、これから楽しみな施設になるわけでございます。ただいまお話ございましたが、復元に当たりましては、できるだけ多くの市民に御理解をいただいて、市民の手でつくり上げていくというふうなことにつきましては、大変大事なことであると思いますし、また、その復元に当たりましてどこの部分を市民ができるのか、その辺も検討いたしまして、なるべく多くの市民の方々にもお楽しみいただけるように努力してまいりたいと存じます。
260: ◯加藤栄一委員 私を初め市民が楽しみに待っていると思いますので、御期待を申し上げます。
次に、先人に関した歴史をしのばせる文化財に、地域の方々が調べ、学び、人の心に感動を呼び起こし何か胸に伝わる地域づくりは、若林区とか青葉区等各区で地元学と歴史探訪会とが一緒になってそれなりの成果を上げております。宮城地区においても、平成風土記とか、先ほど申し上げたいろは姫物語とかを初め、仙台藩士会の大年寺歴史散策とか、あるいは青葉区の市民センターで行われた北仙台等の小史などをつくって、地域にいろいろと活動の成果が上がっております。今後、団塊の世代が社会参加する時期が来るでしょうし、その中で多くの歴史愛好家もかなり関心を持ち高まってくるときだと思います。
そんなことを考えた場合、地域に埋もれているいっぱいの文化財を全市で集める大きな目標を掲げることが大事でないかと。そのためには、ゼミの先生が好き勝手にやっているというようなことも言われている中で、それだけではなかなか目標が達っせないから、もう一度しっかりとした体系を立てて、住民参加のしやすい活動をするための大きなプログラムをつくっていくべきでないかと考えておりますが、いかがなものでしょうか。
261: ◯文化財課長 御指摘のとおり、地元の文化財に親しんだり調べるということは、地域にとりましても非常に重要なことだと思います。遺跡の現場説明会、土器づくりなど歴史、文化財にじかに触れるという事業もこちらで
教育委員会で行っているところでございますが、さらに市民の方々が文化財に体験できる、また、参加しやすい状況になるにはどのような支援が望ましいか研究してまいりたいと思います。
262: ◯加藤栄一委員 研究というふうに言われましては……。各地域でそれぐらいの活動をして成果を上げているわけですね。研究どころでないんですよ。やっぱりこの仙台を好きになれる宣伝も、こういう文化財を正しく守ることによってシティセールスができるというように思うんです。そんなことを考えた場合に、この仙台の文化財は、専門的な研究機関である博物館とか、あるいは図書館とか、市民センター、あるいは新しい杜の都づくりの協議会なんかと一緒になりまして、しっかりとして取り組むということが必要ではないかと思いますが、いかがなものでしょうか。
263: ◯文化財課長 委員御指摘にありましたいろんな研究機関とか施設がありますが、大学等も含めましていろんなネットワークを使いながら研究、それから市民のために行っていきたいと思います。
264: ◯加藤栄一委員 最後に、地域や市民活動の課題解決のために、市民が主体的にかかわる地域づくりは、地域の資源を生かしたきめ細かな施策が求められております。これからの仙台の歴史、文化財に触れる機会を多くするために、代表的な歴史遺産仙台城址などの整備が急がれているところでありますが、身近な生活に根差した地域の文化財の活用を通して郷土愛を醸し出す上で大変重要であると考えます。
水と空気のきれいな
子供たちが楽しく遊びお年寄りも安心して過ごせるまち、若者が便利に行き交い元気に働けるまち仙台、世界に向けて発展するこのまち、だれもが住み続けたいと願う仙台の実現の果てしない世界に、我が人生に悔いなしと今日まで全力を尽くしてこられた阿部教育長の足跡を思い、深い敬意を表するものであります。さらに、船形連峰のかなたに近づくほど大きく見え、沈んでなお淡い明るさを残し人々の心にぬくもりをもたらす夕日のような阿部教育長に、先人たちの残したよき文化財、みんなで力を合わせて努める心で次の世代へ引き継ぎ、歴史、文化の再発見の推進についてお伺いいたします。
265:
◯教育長 文化財に対します熱い思いをただいままでちょうだいいたしました。また、お話の中で私の歴史の先生であります平先生の御活躍につきましてもお話しいただきまして胸を熱くする思いでございました。
文化財につきましてでございますが、これを地域づくりに活用すること、これが非常に大切なことだというふうに考えておりまして、御指摘のございましたように、身近な文化財あるいは地域コミュニティの核となるような文化財が地域の方々に認識され愛され、また、それらを正しく伝承するというふうなことにつきましては、歴史の流れを丁寧に私どもがたどっていくには大変重要なことであるというふうに考えております。
今後とも文化財の調査、整備を丁寧に行いながら、文化財の活用の充実に努めてまいりたいと存じます。
266: ◯副委員長 以上で、第15
号議案平成17年度仙台市
一般会計予算第1条
歳入歳出予算中、歳出第9款教育費ほかに対する質疑は総括質疑を除き終了いたしました。
お諮りいたします。本日の審査はこの程度にとどめ、残余はあす行いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
267: ◯副委員長 御異議なしと認めます。
なお、あすは午後1時より開会いたします。
本日は、これをもって散会いたします。...