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  1. 仙台市議会 2005-03-01
    平成17年第1回定例会(第6日目) 本文 2005-03-01


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:          ────────○────────     午後一時開議 ◯議長(鈴木繁雄)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第六号に記載のとおりであります。          ────────○────────     日程第一 会議録署名議員の指名 2: ◯議長(鈴木繁雄)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条第一項の規定により、岡部恒司君及び花木則彰君を指名いたします。          ────────○────────     諸般の報告 3: ◯議長(鈴木繁雄)この際、報告いたします。  会議規則第二条の規定により、郷湖健一君から、本日の会議に欠席の届け出がありました。          ────────○────────     日程第二 一般質問 4: ◯議長(鈴木繁雄)日程第二 一般質問を行います。  順次発言を許します。  まず、菊地昭一君に発言を許します。     〔十九番 菊地昭一登壇〕(拍手) 5: ◯十九番(菊地昭一)公明党の菊地昭一でございます。一般質問をさせていただきます。  まず初めに、市長の施政方針を踏まえ、ごみ減量、環境対策について質問を行います。
     市長は、施政方針の中で、環境政策について、新年度は一般廃棄物の重量八割を占める紙類と生ごみのリサイクルに重点を置いて、百万人ごみ減量大作戦に引き続き取り組むとともに、市民や事業者の自覚と協力のもとに、地球温暖化対策グリーン購入などの本市の先進的な取り組みを進め、循環型の地域社会の形成に努めると述べております。  そこで、新年度、環境対策の中で重点的に取り組む施策について何点かお伺いします。  初めに、地球温暖化対策についてであります。  昨日は、岡本議員から事業所の取り組みについて質問がありましたので、私からは市役所、市民の取り組みについてお伺いをいたします。  地球温暖化については、直接私たちの日常生活に影響があらわれることが少ないこともあり、温暖化対策についての市民意識が薄いのが現状ではないかと思います。その中で、本市の地球温暖化防止への先進的な取り組みに対しては評価をいたすところであります。  地球温暖化による影響は、後退する氷河、異常気象等が挙げられておりますが、最大の問題は、温暖化により農業の生命線である気温と降水量を変え、食料の生産現場である農業に決定的な悪影響を及ぼすことにあると言われております。既、にこうした影響は世界各地で起こっており、世界一の食料輸入国である日本の安全保障にかかわる問題と指摘されております。  このような状況を踏まえ、一九九七年十二月に地球温暖化防止京都会議で先進国等に対し、温室効果ガス削減の数値目標を盛り込んだ京都議定書が採択され、いよいよ本年二月十六日に発効し、今後の温暖化対策の実効性に期待をするところであります。  本市におきましても、仙台市地球温暖化対策推進計画を二〇〇二年五月に全面改定、数値目標を設定し、市民、事業所、行政のさらなる取り組みを推進しているところであります。さらに、本市の積極的な取り組みの背景には、本市の二酸化炭素排出量の伸びが一九九〇年度から一九九八年度までの八年間で、市民一人当たり約一六%増と、国全体の伸び率の約五倍となっていることがあると考えられます。昨日も、二酸化炭素排出量が増加傾向にあることが推測される旨の答弁がありましたが、温暖化対策の計画期間は三年ごとの区分となっております。本年三月で第一期が終了いたしますが、これまでの取り組み状況について、初めにお尋ねいたします。  二点目は、本市の事務、事業実施に伴う温室効果ガス削減目標についてであります。  本市自体が大規模な事業所、消費者であるとの観点から、仙台市環境率先行動計画を策定し、積極的に温暖化防止に取り組み、一定の成果を出しております。ここは評価をいたすところであります。今後の進捗状況の見通しでありますが、市の事務、事業の実施に伴う温室効果ガス排出量を二〇〇五年度において、一九九九年度より四%減らすとの削減目標について、現段階での達成見通しはどうか、お伺いをいたします。  三点目に、市民レベルの取り組みについてであります。  本市計画では、市民に求められる取り組みとして、低公害車や省エネラベル表示製品を購入するグリーン購入の推進、また、エコドライブの実践や冷暖房温度の適性化等のエコライフ行動の実践等々、細かく三十二項目にわたり挙げられております。一つ一つ重要な項目で、今後の取り組みが求められるところであります。  しかし、削減効果が目に見えてこないことなどから、取り組みに対する市民の意識に格差があるようです。温室効果ガス削減には、さらなる市民意識の向上が不可欠であります。これまで市民の意識啓発にどのように取り組んできたのか、また、今後の取り組みについて、お伺いをします。  この市民意識啓発の取り組みについて、提案があります。本市が百万人ごみ減量大作戦で一定の成果を上げたワケルくん、セツコさんのような市民が親しみやすい地球温暖化防止キャラクターやキーワードがあれば、さらに効果的ではないでしょうか。  そこで提案ですが、もったいないという言葉をキーワードにしてはいかがでしょうか。このもったいないという言葉は、アフリカに三千万本の植樹を推進したグリーンベルト運動ノーベル平和賞を受賞したケニアの環境副大臣ワンガリ・マータイ氏が、先日来日した際に紹介した言葉であります。マータイ氏は、このもったいないという言葉には、自然を尊敬しよう、有限な資源を有効に活用しようという、とうとい心を感じると述べております。非常に示唆に富んだ言葉で、私たち日本人が忘れかけていた心ではないかと感じました。  そこで、本市の地球温暖化防止の意識啓発に、ぜひこのもったいないをキーワードにしてはいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。  次に、温室効果ガスの削減に不可欠な焼却ごみの減量についてであります。  焼却ごみの減量は、即温室効果ガスの削減につながります。一九九九年度ベースでの本市の事務、事業における温室効果ガス排出量の内訳を見ますと、一般廃棄物焼却による二酸化炭素の発生量が本市事務、事業の全体の四二%を占めており、この一般廃棄物焼却の減量が温室効果ガス削減につながるとのデータであります。  そこで、一般廃棄物焼却の減量対策について、数点伺っていきます。  平成十五年度の一般廃棄物排出実態調査によると、家庭ごみ、事業ごみとも生ごみ、紙類が大きな割合を占めており、今後の発生抑制、リサイクル推進が大きな課題となっております。本市の一般廃棄物処理基本計画の見直し案でも、家庭ごみの中の生ごみ、紙類がそれぞれ四割と高い割合となっていることから、今後は、生ごみ、紙類に力点を置いた施策を全市的に検討する必要があると指摘しております。これまでも、百万人ごみ減量大作戦の中でも、生ごみ、紙類のリサイクルは重要課題として取り組んできております。しかしながら、家庭ごみに占める割合が、平成九年度調査で生ごみが三九・六%、紙類が三一・七%で、平成十五年度の調査では、生ごみが四二%、紙類が三五・七%で、生ごみについて二・四%増、紙類についてもプラ分別で占める割合がアップしたとはいえ、四%の増となっております。このような現状をどのように分析しているのか、初めにお尋ねいたします。  二点目に、家庭ごみで大きな割合を占めている紙類の分別収集についてであります。  家庭ごみの中で資源化が可能な紙類は、新聞、雑誌、段ボール等の割合が多いようであります。この新聞、雑誌、段ボール等は、集団資源回収の対象となっており、この事業の推移を見ますと、ここ数年、実施団体はふえておりますが、回収総量は余りふえておらず、平成十五年度は逆に前年度に比べ、少しではありますが減っております。本市では、毎年度一億円以上の奨励金を出して集団資源回収事業を推進しておりますが、回収総量が頭打ちの現状をどのように分析しているのか、お尋ねいたします。  三点目に、紙類の分別収集の今後の取り組みについてであります。  資源化可能な紙類がいまだに分別されず、家庭ごみに混入し、収集されるケースがまだまだ目につきます。原因の一つに、集団資源回収の回数が少ない、また、実施団体が限定されていることなどが考えられます。新年度でも、古紙等の定期回収モデル事業紙類民間拠点回収整備事業等の新規事業が予定されているようであります。私は、資源化可能な紙類がさらに分別しやすいように、収集回数をふやすとか、システムの再構築が必要ではないかと考えます。新規事業の効果をどのように見ているのか、また、今後の取り組みの基本的な考えについて、お伺いをいたします。  次に、生ごみのリサイクルの視点から、仙台市堆肥化センターの運営について数点伺います。  この施設は、学校給食センターから排出される生ごみ、公園樹、街路樹の剪定枝葉及びし尿系脱水汚泥を処理し堆肥化するもので、十一億円の総事業費で平成十四年三月に完成いたしました。私もオープンのときにここの堆肥化センターを見学いたしましたが、最新の設備で装備されており、リサイクル推進の点からも今後の運営に期待をしておりました。しかし、仙台市一般廃棄物処理基本計画の取り組みの中でも、この堆肥化センターの位置づけ、運営方針が明確でないように思います。  この施設の設立趣旨については、リサイクル推進モデル事業と位置づけ、平成十一年第三回定例会での私の質問に対し、当局は次のように答弁しております。この施設は、製造した堆肥の成分分析や栽培実験による有効性の調査、悪臭、騒音など周辺環境への影響等の調査、研究を行い、生ごみを今後どのように資源化し、有効利用していくのかを検討する施設と位置づけ、さらに、本施設の稼働後は、その運営管理状況を公開いたしますとともに、実施した調査、研究につきましては、一定の成果が得られた時点で公表すると答弁をしております。  そこで、仙台市堆肥化センターの設立趣旨について、改めてお伺いをいたします。  二点目に、本施設における調査、研究成果の公表についてであります。  堆肥化センターで製造した堆肥の成分分析や栽培実験による有効性の調査等、一定の成果が得られた時点で公表するとしております。既に、施設稼働後三年が経過しておりますが、調査、研究成果の公表はされているのか。また、運営管理状況についても公開するとしておりますが、どのようになっているのか、あわせてお伺いをいたします。  三点目に、生成されました堆肥の活用についてであります。  平成十五年度で三百二十五トンの肥料が生成されて、杜のめぐみの愛称で活用されているようであります。どのような有効活用がされているのか、また、生成された肥料は一般に販売できる程度の品質なのか、お伺いをいたします。  四点目に、堆肥化センターの処理能力についてであります。  本施設は、一日最大三十トンの処理能力を持っているにもかかわらず、現在は一日二十トンで約七〇%の処理量であります。さらに処理量をふやし、本市の一般廃棄物に占める割合の大きい生ごみ等をリサイクルの面からもより多く堆肥化するなどできないものでしょうか、お尋ねをいたします。  五点目に、施設の今後の運営方針についてであります。  この堆肥化センターは、施設運営管理費として平成十七年度予算案でも六千三百八十九万円が計上されており、費用対効果の面からの運営方針はどうするのか、さらに循環型社会におけるリサイクル施設としても重要な施設であります。今後どのような位置づけで堆肥化センターを運営していくのか、お伺いをいたします。  環境対策の最後に、光害、騒音、悪臭の感覚公害についてお伺いをいたします。  過日、市民の方から光害に関する相談を受けました。早朝から深夜まで点灯している広告用ネオンサインが近くに設置されたため、明るくて周辺住民の方は安眠妨害で困っているとの相談でした。早速、環境局に相談しましたら、すぐに対処していただき、時間の短縮等の対策を講じてもらいました。  このような周辺に影響を及ぼすようなネオンサイン等を設置する際の規制、また、設置後の周辺住民からの苦情に対して、規制する方法はないのか調べましたら、環境省で光害防止に関するガイドラインを示している程度で、取り締まる法律はないとのことでした。条例で規制している他都市はないか調べましたら、浜松市で平成十六年十月一日に「浜松市音・かおり・光環境創造条例」を施行し、光害等の感覚公害の規制をしておりました。その中で光害を、照明器具または光源から発せられる光のうち、その目的とする照射範囲の外に漏れる光、または過剰な輝きが周辺に及ぼす安眠の妨げ、天体観測への影響、道路標識、信号等の視認性の低下等の影響と定義づけております。さらに、エネルギー問題にも触れ、光害対策による消費電力量の削減は、二酸化炭素の発生抑制につながることから、地球の温暖化防止へも貢献すると意義づけております。  本市においても、市民の良好な生活環境に支障を来す光害へ、光力の規制、照射時間、照射範囲等の一定の規制を設けるべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。  また、市民からの公害苦情件数の内訳を見ますと、総件数が百七十七件で、騒音に関する苦情が六八%で最も多く、次いで悪臭の一七%となっております。種々のアンケート調査でも、常に住みやすい都市の上位にランクされており、高い評価を得ている本市であります。さらに、住んでよかった都市と言われるように、ますます快適な生活環境を目指し、他都市に先駆けて、光害のみならず、騒音、悪臭も含めた感覚公害を規制する条例の制定をすべきではないでしょうか。あわせて御所見をお伺いいたします。  仙台市の今後のまちづくりについて、市長に御所見をお伺いします。  施政方針の中で市長は、これからの人口減少時代における持続的な都市発展の方策について触れられ、質的充実を追求すべき時代、それに対応できる持続可能な都市構造への再生を図ることはもとより、未来への投資を積極的に進めることによって、成熟時代における都市の新たな活力を生み出していく必要があると述べられております。  過日、本市の人口の伸びが、政令市に移行した一九八九年以降最低の伸びになったことが報道されました。少子化時代を考えますと、今後、人口が減少することは当然予想されることであり、市長の言われる人口減少時代におけるまちづくりは、非常に重要な課題であります。市長は、本市のライフラインの整備状況から判断しまして、仙台市の適正人口はどのぐらいと算定されているのか、初めにお伺いいたします。  平成十七年度新規事業でも、成熟時代のまちづくりの基本方向に関する調査研究等として二千五百万円が計上されております。  そこで二点目に、施政方針でも触れられております成熟時代とは、具体にどのような時代を指し表現されたのか、お伺いをいたします。  また市長は、イタリアルネサンス期を例に引かれ、人口増加なき時代にあっても都市の繁栄を創り出すことは可能と述べられております。このイタリアルネサンス期の例とは、どのような都市発展の方策を指しているのか。また、本市の今後のまちづくりにどのように生かしていくのか、具体にわかりやすく御所見をお伺いいたします。  最後に、市役所改革について数点伺います。  市長は、施政方針の中で市役所改革に触れ、市役所自身が時代の要請に対応し得る十分な経営能力を備えた組織となるよう、改革に取り組み、特に行財政改革については、従来の枠組みにとらわれることなく、その取り組みを進めると決意を述べられております。  地方分権の流れの中でも、行財政改革、そして地方の行政のスリム化は最重要な課題であります。その施政方針を踏まえ、市役所改革について、順次お伺いします。  市役所改革については、本市もこれまで種々取り組んできており、一定の成果が出ていると評価しております。しかし、時代の流れは分権時代の責任主体として高い都市経営能力を備えるための、本格的な経営改革が不可欠と言われるように、これまでの枠組みにとらわれない市役所改革が求められております。  昨年、札幌市が取り組んでいる、「市民のために!挑戦する市役所」という札幌市市役所改革プランを視察してまいりました。これまで札幌市では、平成六年からのダイナミック・プログラム、平成十年からの行財政改革推進計画に基づく取り組み、さらに平成十四年から新たな都市経営の取り組みなどを通じて、さまざまな努力を重ねながら市役所改革を進めてきたようであります。しかし、改革の取り組みが徹底されていない、改革の努力や成果が市民に十分に伝わっていない、市民と市役所との間に距離感があるなど、市役所に対する不信感があるとの認識から、今回の札幌市市役所改革プランの策定に至ったようであります。  そこで初めに、本市としてこれまで取り組んできた市役所改革の成果に対する認識について、お伺いをいたします。  次に、札幌市の改革プランの中で私が感じた特徴的な点を紹介します。  一つ目の大きな特徴は、プラン策定に当たり、公募した市民十五名で構成する市役所改革市民会議を発足、市民の目線で活発な議論を展開し、提言をまとめ、その提言を十分に踏まえて策定した点であります。その結果、市民サービスの改革には、市民へのあいさつ、声がけの徹底、名札の着用など当たり前の徹底等、市民の素朴な意見がプランに反映されております。  二つ目に、取り組み期間を明確にしている点であります。平成十六年度から平成十八年度までの三カ年とし、局、区ごとの取り組み期間、取り組む項目が明確になっております。  三つ目は、どうしても内部の評価は甘くなりがちであり、改革を実効的に推進していくために、改革の進捗状況を外部からチェックする仕組みづくりを行っているところであります。  その他さまざまな先進的な改革の取り組みも策定しておりますが、視察をして感じたのは、何と言っても市長のリーダーシップが不可欠という点であります。  そこで、札幌市市役所改革プランに対する市長の御所見をぜひお聞かせ願います。さらに、本市の今後の取り組みについて、市民の目線に立ったわかりやすい改革を目指すべきと考えますが、あわせてお伺いをいたします。  最後に、市役所改革について、藤井市長の今任期中に改革についての一定の方向性を示すべきではないかと考えますが、御所見をお伺いし、一般質問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 6: ◯市長(藤井黎)菊地議員の御質問にお答えを申し上げます。  今後のまちづくりについての御質問のうち、まず成熟時代についての御質問でございます。  人口や経済の右上がりの成長が終えんする中におきまして、それらにかわる新たな価値、例えば質の高さや個性の重視、多様性や生きがいの充実などを通じまして、新しい活力をつくり上げていくべき社会といたしまして、成熟時代というものをイメージいたしたところでございます。  こうした時代におきましては、まちづくりの方向性としましても、質的、文化的な豊かさを一層重視しながら、内なる需要を掘り起こし、都市に新たな活力をもたらすような、そうした取り組みが必要であると、このように考えるものでございます。  関連いたしまして、イタリアルネサンス期の都市発展と本市のまちづくりについてでございます。  この時代におきましては、イタリア半島全体としては大幅な人口減少が見られたにもかかわらず、各都市が自立し、競い合いながら富を創造し、芸術文化を花開かせて都市の繁栄を築き上げた、こういう認識をいたしておるところでございまして、同様の傾向が我が国におきましても江戸期における、いわゆる化政時代にその例を見ることができるかと思います。  成熟時代における本市のまちづくりにとりましても、このイタリアルネサンス期におけるような創造力を生かした都市戦略が求められるところでございまして、その観点から新たな都市の発展に向け取り組んでいきたいと、このように考えておるところでございます。  次は、市役所改革に関する幾つかの御質問でございます。  まず、これまでの本市における改革の成果についてでございますが、これまでの画一的な社会システムが変革を迫られている中において、行政におきましても、個性が発揮され、活力に満ちた地域社会の実現を可能とするような分権型の社会システムを構築していくことがまさに時代の要請にかなうものと、このように認識をいたしております。  本市はこれまでも、こうした時代の流れに対応いたしまして、迅速にして的確に対応できるような自律的な市役所となるように、職員の意識や組織風土の改革を含めて行財政改革を進めるなど、さまざまな行政運営の効率化に向けた取り組みを積み重ねてまいったところでございます。これらは、職員数の削減や市民協働の取り組みなどの面におきましても、着実にその成果として結実が見られるものと考えておるところでございます。  次に、札幌市の市役所改革プランに対する所感についてでございます。  札幌市の市役所改革プランは、前例や慣習にとらわれずに市民の視点から抜本的な市役所改革を行う必要があると、こうした認識のもとにまとめられたものと伺っております。これは、私が常に目指しております市民の目の高さでの市役所運営という理念に相通ずるものでございまして、同時にまた、本市がこれまで進めてまいりましたさまざまな改革ともその方向性をひとしくするものであると、このように考えておるところでございます。  最後は、今後の市役所改革の取り組みについてでございます。  今後の改革に当たりましては、施政方針におきましてもお示しを申し上げたとおり、分権時代の責任主体として、市役所自身が高い都市経営能力を備えた組織となることを目標といたしまして、従来の枠組みにとらわれることなく、市の施策全般につきまして費用対効果の検証のもとに、目に見える形で市民サービスの向上が図られるように、全市、全庁、全職員の英知を結集して抜本的に取り組んでまいる所存でございます。  そのほかの御質問に関しましては、担当の局長の方から答弁をさせたいと思います。  以上でございます。 7: ◯企画局長(佐藤信夫)ライフラインの整備状況から見た適正人口についての御質問にお答えをいたします。  本市のライフラインの整備につきましては、総合計画の人口フレームに基づきまして、平成二十二年時点で夜間人口百十二万人を支え得るという、そのような想定を基本にしているところでございます。  なお、ライフラインの整備状況は、都市の人口を左右する大きな要素ではございますけれども、我が国の人口が停滞基調に入りつつございます今日におきましては、就業機会、それから生活環境、こういった都市の質的な魅力がこれから左右する大きな要因となるというふうに考えてございます。その意味でこれらの充実を図る観点での都市づくりが、より重要になってくるというふうに考えております。  以上でございます。 8: ◯環境局長(荒井崇)私からは、環境局所管の御質問にお答えいたします。  最初に、温暖化対策に関する数点の御質問にお答えいたします。  まず、温暖化対策取り組み状況についての質問でございます。  温暖化対策の実施に当たりましては、市民、事業者、行政の協働による幅広い実践活動が重要でございます。そのため、地域団体、事業者、NPO、行政で構成されます仙台市地球温暖化対策推進協議会を設置いたしまして、同協議会との連携のもと、温暖化防止キャンペーンやフォーラムの開催などによりまして、市民、事業者の皆様に具体的な取り組みを呼びかけてきております。  また、小学校を中心とする本市施設には太陽光発電設備を設置いたしまして、新エネルギーに関する環境教育にも役立てております。さらに、青葉区国見地区におきまして、エネルギー特区制度を活用しました、コージェネレーションや太陽光発電などによる分散型発電の実証試験も始まることとなっております。  また、これらの取り組みとあわせまして、大規模な事業者、消費者でございます本市みずからが率先して温暖化対策に取り組むため、リーディングエコプラン実施に当たりまして、地球温暖化対策実行計画を定め、本市の事務、事業により排出される温室効果ガスの削減を推進いたしております。  続きまして、削減目標の達成見通しについての御質問でございます。  大規模事業者でもございます本市は、これまでも率先して温室効果ガスの排出の低減に取り組んできたところでございます。本市、地球温暖化対策実行計画に基づく四%の削減目標につきましては、電力やガス、ガソリンなどの使用に伴う排出量が、既に削減目標を達成しているところでございまして、これらにごみ、下水汚泥の焼却に伴う排出量などを加えた本市全体の目標値につきましても、十分に達成可能であると考えております。  続きまして、市民の意識啓発についての御質問でございます。  本市の温室効果ガスは、家庭やオフィスからの排出の占める割合が高くなっております。このような傾向を受けて、エネルギー消費のふえる夏、冬の期間を中心に、地球温暖化対策推進協議会や市内のNPO、事業者と連携したキャンペーンを展開し、ライフスタイル、ビジネススタイルの見直しを市民、事業者の皆様に幅広く呼びかけてまいりました。  今後は、このような協働の取り組みをさらに強化するとともに、特に、各家庭におきます省エネや各事業所におけるエコドライブなどを促すための、具体的な取り組みを図ってまいりたいと考えております。  また、議員から御提案がございました、もったいないという言葉は、省エネなどの地球温暖化防止に向けた取り組みの精神を体現する貴重なキーワードでございます。今後、もったいないという言葉が体現いたします有限な資源の有効活用ですとか地球環境の保全の精神を、市民、また事業者の皆様に強く訴えかけるような、効果的な意識啓発のあり方を幅広く検討してまいりたいと考えております。  次に、一般廃棄物の減量対策に関する数点の御質問にお答えいたします。  まず、家庭ごみに占める生ごみと紙類の割合についてでございますが、議員御指摘のように、ペットボトルやプラスチック製容器包装を資源物として分別収集したことによりまして、家庭ごみの排出量が減少し、相対的に紙類と生ごみの組成割合が上昇したものと考えております。  ただ、市民一人当たりの家庭ごみにおける排出量で比較いたしますと、生ごみはやや減少し、紙類はほぼ横ばいとなっている状況でございまして、今後、これらの減量、リサイクル推進のためには、新たな施策展開が必要であると考えております。  続きまして、集団資源回収総量の現状についての御質問でございます。  集団資源回収実施団体に関しましては、マンション管理組合が増加しているものの、集団資源回収への参加世帯数の多い子供会が減少している状況にあるため、実施団体数は増加しながらも総体としての世帯数はふえておらず、結果として回収総量についてはほぼ横ばいになっていると考えております。  また、団体当たりの実施回数が平均で年八回となっており、排出機会が必ずしも十分でないことや、地域内での周知が徹底されていない実施団体があることなども要因と考えておるところでございます。  続きまして、紙類分別回収の今後の取り組みの基本的考えと新規事業の効果についてでございます。
     市民の排出機会を増加させるなど、これまで以上に市民が参加しやすいシステムを構築することが必要であると考えております。そのため、紙類の回収箇所を倍増させる拠点回収の拡充を行うほか、ごみ集積所を利用した古紙等の定期回収モデル事業を行うなど、新たな紙類の分別回収を進めてまいりたいと考えており、これらの取り組みにより、紙類のリサイクルの一層の促進が図られるものと考えております。  次に、堆肥化センターに関する数点の御質問にお答えいたします。  まず、堆肥化センターの設立趣旨についてでございます。  本施設は、循環型都市づくりを目指す本市の事業者としての責務を果たすため、本市の施設から排出される有機性廃棄物の有効利用に率先して取り組むとともに、本施設の情報を提供し、今後の同種の事業の一助となるように計画されたものでございまして、民間事業者のリサイクルを促進するためのモデル事業的な一面を持っているものでございます。  続きまして、堆肥の成分分析や栽培実験の有効性等の調査、研究成果につきましては、まだ積極的な形での公表はいたしておりませんでしたが、今後は多くの方々に情報を提供できるよう、できるだけ早くホームページ等でこうした調査、研究成果を公表してまいりたいと考えております。  また、原料搬入量や製品量等の運営管理状況の資料につきましても、あわせて公開してまいりたいと考えております。  続きまして、生成された肥料につきましては、仙台市の公共施設の緑化や公園の植栽工事などの公共事業で使用するほか、イベント等で市民の皆様に配布を行い、花づくりや家庭菜園に活用されております。  品質につきましては、肥料取締法の規定に基づく各種試験に合格し、農林水産省の肥料登録を受けておりまして、市販されているものと同等の品質であると考えております。  続きまして、堆肥化センターの処理能力に関する御質問ですが、平成十四年の稼働後、施設の運転状況を確認しながら順次処理量をふやしてきており、平成十六年度におきましては、単独調理校五十五校の給食生ごみを、平成十七年度には本庁舎、北庁舎、泉区役所の生ごみを処理することといたしております。  今後、可能な限り処理量をふやすことにより、市の施設から排出される生ごみのリサイクルの推進を図ってまいりたいと考えております。  続きまして、堆肥化センターの今後の運営方針に関する御質問でございますが、循環型社会の構築を目指します本市としましては、排出業者としてみずからの責任のもと、有機性廃棄物のリサイクルに努めることは重要であると考えており、今後とも適切な運営に努めてまいりたいと考えております。  また、そこから得られたノウハウなどの情報を積極的に公開いたしまして、民間事業者が行う有機性廃棄物のリサイクル事業に寄与してまいりたいと考えております。  最後に、光害等感覚公害に関する二点の御質問にお答えいたします。  まず、光害の規制についての御質問でございます。  光の強さ、照射時間、照射範囲等につきましては、照明の種類、方式がさまざまである上に、地域により規制すべき光源ですとか保全すべき環境が異なるといった事情から、許容限度の設定などにおいて、一律の基準等を定めていくことは難しいものと考えております。  現在、市民の皆様や事業者の方々から寄せられるさまざまな相談に関しましては、個々の事例に応じ、環境省の光害対策ガイドラインを参考としながら対応しているところでございますが、今後とも関係者の皆様と協議しながら、その円滑な解決が図られるよう努めてまいりたいと考えております。  最後に、感覚公害を規制する条例の制定についてでございますが、御指摘の感覚公害のうち騒音、悪臭につきましては、騒音規制法、悪臭防止法、また、宮城県及び本市の公害条例に基づきまして規制、指導を行っているところでございます。  感覚公害の問題につきましては、都市化の進展や生活様式の多様化に伴い、市民の皆様の要求も変化している中で、生活環境保全や、よりよい快適な生活環境を創造していく上で重要な課題でございますので、今後、幅広くこの問題について検討してまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。 9: ◯議長(鈴木繁雄)副議長と交代いたします。     〔議長 鈴木繁雄退席、副議長 斎藤建雄議長席に着く〕 10: ◯副議長(斎藤建雄)議長と交代いたします。  次に、福島かずえ君に発言を許します。     〔三十六番 福島かずえ登壇〕(拍手) 11: ◯三十六番(福島かずえ)日本共産党の福島かずえです。  ことしは、第二次世界大戦終結六十周年であり、同時に国際連合の創設と国連憲章策定六十周年に当たります。私は、この年にふさわしく戦争のない世界に向けて取り組むべき課題について、一般質問いたします。  アジアの中で、国際都市を目指そうとする仙台市やそのトップリーダーである市長に求められる認識、対応について伺うものです。  ことし、アジアの多くの国は、植民地支配から解放され、独立六十周年を迎えます。そうした国が一九五五年、インドネシアのバンドンにアフリカの国々とともに集まり、全世界の植民地の解放と国連憲章をさらに一歩進めた平和の諸原則を掲げました。いわゆるバンドン会議、平和十原則と呼ばれるものです。この精神を受け継いだ非同盟諸国会議は、ことし四月、同じバンドンでアジア・アフリカ会議五十周年を記念する首脳会議を開きます。現在、非同盟諸国会議には百十六カ国が加盟し、国連加盟国百九十一カ国の六割を占めています。  また、一月二十七日には、ポーランドのオシフィエンチム市にあるアウシュビッツ強制収容所跡で解放六十年記念式典が約五十カ国の首脳を集め、過去最大規模で催されました。ここには、ナチスの蛮行の記憶を風化させてはならないという人々の願いと、和解と対話路線の成果でEU加盟が進んでいるヨーロッパの新たな動きが示されています。そして、ラテンアメリカでは、ベネズエラ、エクアドル、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイなどがアメリカの干渉をはねのけて、自主的、進歩的な政策を追求する政権をつくり、大きな地殻変動が起きています。  このように、世界では国連を中心とする平和の新しい国際秩序を築こうと努力する流れが力強く発展しています。国際紛争の解決を武力に求めるのではなく、道理と対話の外交努力で解決しようというこの流れこそ、二十一世紀の主流ではないでしょうか。これを大きくし、これに沿っていくことが、今、国際社会から求められていることですが、市長はいかがお考えでしょうか、伺います。  仙台市は、新年度に有事法制の一つである国民保護法に基づく、(仮称)仙台市国民保護計画の策定作業に着手するための予算を約六百七十万円計上し、ことし中に国民保護対策本部や諮問機関の国民保護協議会の設置条例を上程する予定です。予算を新たに計上し、担当職員を一名増員してまで行う新規事業であるにもかかわらず、市長の施政方針ではこのことに全く触れていませんでした。予算案提案理由説明にも、予算や主要事業の説明資料にも全く一言も見当たりません。市民や議会に隠れてこっそり予算を通し、秘密のうちに事を進めていこうとしか思えない行為です。行政の情報公開、説明責任の徹底を求める市民の声にも背き、市民や議会を欺くものです。できるだけ市民にわからないように有事体制を整えようとする意図が市当局にあるのなら、民主主義も自由もない、戦前の暗黒時代へ逆戻りしたものと言えますが、どういう意図だったのでしょうか、真意を伺います。  武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律、いわゆる国民保護法は、二〇〇三年六月に成立した武力攻撃事態法の具体化を図るもので、翌年六月に制定が強行された有事関連七法の一つです。国民に重大な影響を与える内容であるにもかかわらず、国会では極めて限られた審議しかされていません。自民、公明の与党と民主党とが密室協議で成立させました。武力攻撃の事態を想定し、自治体に住民への情報伝達や住民避難のマニュアルづくり、訓練を求め、平時から有事に備える普及啓発活動なども義務づけています。この法律は、国と地方自治体が、国民の生命や財産を守るかのような幻想を国民に与えています。しかし、実際は、アメリカ軍や自衛隊が軍事活動を自由に行うため、国民保護の名で国民の営業権、財産権、報道権など各種の人権を著しく制限し、国民を統制、管理、動員することがねらいです。有事法制は、アメリカ軍が日本周辺で軍事介入したり、イラク戦争のような戦争を起こして、政府が武力攻撃事態とみなせば、自衛隊を戦闘地域まで出動させ、アメリカ軍を支援し、この作戦に政府機関だけでなく、自治体、民間企業、国民を動員することができる枠組みをつくりました。その一つである国民保護法は、いわば平時の有事化を進め、訓練や啓発活動を通じて戦争遂行を可能にする国民や自治体をつくり出そうとしています。  これに対して、憲法の平和主義、基本的人権の尊重、国民主権主義、地方自治の原則に抵触するとして、日本弁護士連合会などの法律家団体は反対しています。絶対主義天皇制の戦前には、民主主義も地方自治の考え方もありませんでした。その中で、地方行政も住民に戦意高揚をあおり、戦争推進のために働き、多くの住民を戦場へ送り出す役割を果たしました。そうしたことの反省から、戦後の憲法には地方自治の原則が盛り込まれました。  国と同等とされる地方自治体の本来の位置づけを思い起こし、政府の行為によって再び危険な方向に突き進むことに歯どめをかける積極的な対応が必要です。有事法制の具体化である国民保護計画の策定や国民保護対策本部と協議会の設置をやめ、新年度に計上している関連予算案を撤回することを求めますが、いかがでしょうか、市長に伺います。  今、戦争への道を許さない自治体の首長の決意が問われています。市長は、再び日本が戦争する国へ戻ってもいいと思っているのでしょうか。過ちは二度と繰り返さないという戦後日本の出発点である憲法の非戦の誓い、憲法九条を変えてもいいと思っているのか、それとも、九条を守り、戦争推進への道をきっぱりと否定する立場なのか、どちらであるのか伺います。明確にお答えください。  政府は、国民保護法制に関して必要な財政措置を整え、退職自衛官の就職を自治体へあっせんしています。宮城県でも、新年度から幹部自衛官OBを課長級の危機対策企画専門監に採用するとしています。市が新年度に予定している担当職員は、退職自衛官なのでしょうか。どういう人を予定しているのか、お答えください。有事法制にかかわっての退職自衛官の採用は、やめるべきです。  関連して、自衛隊の訓練によって発生する市民への被害について伺います。  二月十八日、陸上自衛隊東北方面霞の目駐屯地から相馬市へ場外着陸訓練に出たヘリコプター四機が、目的地を誤り、授業中だった中学校のグラウンドに合計七回も誤着陸しました。幸い、事故やけがなどがなかったものの、一歩間違えば大事故になったとんでもない事件です。今回の訓練では、地上に保安員や応援部隊の配置がなく、安全性の確保という点で大きな問題があったと言えます。有事法制が整う中で、災害対応などを名目に仙台市内でも自衛隊の基地の外での訓練がふえています。  一昨年は、東北方面隊直轄の砲兵大隊が市街地で夜間歩行訓練をしました。約百五十人が迷彩服を着て小銃をかつぎ行進している姿は、住民に威圧感と不安を与えるものでした。  また、昨年七月には深沼海岸で、北方機動特別演習の部分訓練として、ホバークラフトを使った車両の揚陸訓練がありました。平穏な海水浴場が一瞬、戦場になったかのような不気味な光景が繰り広げられました。  市民の安心、安全を守るため、市域内における自衛隊の基地の外での訓練には、事前に市の十分な判断、許可が求められます。そして、住民へ不安を与えるおそれや安全性が確保されない場合は許可しないという対応が必要です。しかし、その点での市の窓口や対応、仙台市と自衛隊とのルールは未確立です。早急にルールづくりをすべきですがいかがでしょうか、伺います。  また、霞の目駐屯地の周辺住民は、ヘリコプターの騒音や振動などに日常的に悩まされ、生活が脅かされています。特に、自衛隊の創立記念や特別演習の際は、耐えがたい騒音で市民から毎年苦情が出されます。昨年九月、創立記念祭の訓練時に行ったジェット機やヘリコプターの低空飛行は、これまでにないすさまじい轟音を発生しました。周辺の小学校では、子供たちが脅え、授業にならずテストを中止したという事態さえ招いています。軍事基地と市民生活は両立しないことは、沖縄でのたび重なる事故や今回のような事件でも明らかです。市長は、自衛隊に必要な訓練であれば、住民に我慢を強要しても、迷惑をかけてもいいと思っているのでしょうか。住民に不安や迷惑をかけている訓練は中止するよう自衛隊に申し入れることを求めます。  また、市街地の飛行演習は危険であり、霞の目駐屯地の騒音や振動は市民に被害を与えています。霞の目駐屯地は、存在そのものが住民には迷惑です。撤去を国に働きかけるべきではないでしょうか、お考えを伺います。  次に、仙台での戦争の傷跡を風化させない取り組みについて伺います。  一九四五年七月十日未明に起きた仙台空襲は、子供や女性、お年寄りなどの非戦闘員を中心に、死者約千四百人、負傷者千六百八十九人を出しました。仙台駅から西側の市街地およそ五百ヘクタールは、一面焼け野原になり、焼失家屋約一万二千棟、罹災者五万七千三百二十一人という大きな被害を生みました。百年を超える仙台市の歴史の中で、最も痛ましい悲惨な出来事です。  仙台市では、毎年七月十日に戦没者・戦災死者合同慰霊祭を行っています。また、二十四年前に戦災資料の常設展示室も設けた戦災復興記念館を建設しました。そして、ここを会場にして毎年七月十日を中心に戦災復興展も開催しています。こうした施策を継続して行っている努力は評価に値します。しかし、戦争の実相を知らず、知らされない世代が多くなる中で、歴史をゆがめた侵略戦争美化論が横行、台頭しています。私自身も、直接の戦争体験はありません。戦争を知らない私たちが、未来に向けて戦争の過ちを繰り返さないためには、あの十五年戦争のことをよく学んでおく必要があります。なぜ防げなかったのか、どうしたら二度と戦争をしないで済むのか、さらに未来に伝えていくために教えてほしいと思います。仙台での戦争の事実を風化させず、そこで得られた教訓を伝えていく一層の努力、施策の充実を市長に求めますがいかがでしょうか、伺います。  まず、六月十二日を市民防災の日にしているように、七月十日を仙台空襲の日として設定し、戦争の実相と平和のとうとさを市民に伝えることを提案します。  次に、戦災復興展は、市民の身近なところで、もっとたくさん開催すべきです。一昨年から期間が九日から四日間へ短縮されてしまいました。そのかわり、持ち回りで毎年一カ所の区役所で行うようにしたようですが、十分とは言えません。せめて区役所のロビーなど各区で毎年行うべきです。  また、仙台市における加害の歴史はいまだ明らかではありません。仙台市からも開拓団として中国東北部、かつて日本がつくった傀儡国家の満州国に住民が移住し、仙台村をつくったということや、仙山線をつくった労働者の多くは朝鮮から連れてこられた人たちで、難工事のためたくさんの犠牲者が出たこと、戦争遂行のため市がどんな役割を果たして、市民を戦争に駆り立てていったのかなど、十分伝わっていないことがまだまだあります。ぜひ加害の歴史も明らかにしていく努力を求めます。  これら三点についての市長のお考えを伺います。  記念館にある資料展示室は、現在、年間約一万人が訪れています。そのうち三割から四割が子供たちであることは重要です。しかし、近年入場者が伸び悩んでいます。また、いまだにこの常設展示室があることを知らない市民もたくさんいます。  私は、戦後六十年の節目のことし、思い切った予算をとり、特段の努力を行って資料展示室のさらなる充実策を求めます。新年度予算で会館入り口に案内板の設置や子供向けのしおりの発行、ホームページの作成など検討されているようですが、予算は今年度に比べ約七十万円の増額にしか過ぎません。ささやかなものです。これにとどまらない充実を求め、以下、具体に伺います。  来春、開館二十五周年を迎える記念館の記念事業として、仙台空襲や仙台における戦争の事実を改めて掘り起こし、伝えていく事業をことしから来年にかけて行うことを提案します。体験者の高齢化は、個人での保存を困難にし、資料の散逸を招きます。博物館の学芸員などの専門家や公募で市民の参加を得て、市民ぐるみで本格的にもう一度資料や記録、証言の収集、保存に力を入れて行うべきです。お考えを伺います。  また、資料展示室には、広島市から貸与されている貴重な被爆資料があります。仙台市には現在、百五十四名の被爆者の方がいらっしゃいます。痛む体と心を抱えながらも、語り部の活動をしている方々の御協力を得て、被爆体験を定期的に語ってもらうなどの取り組みも進めていくべきではないでしょうか。あわせて、こうした被爆者の方々が戦災復興記念館や福祉プラザで行っている原爆展や追悼記念式など平和の取り組みについて、会場使用料の減免など、市としてできる支援策を講じることを求めますが、いかがでしょうか。  戦災復興記念館を単なる貸しホール、貸し会議室の会館に変質させることなく、平和の殿堂として将来にわたり充実、発展させていくことが重要です。既に、記念館には指定管理者制度が導入され、現在は一年ごとの契約で、ひと・まち交流財団で運営しています。こうした施設になじまない赤字論やコスト論を振り回して、適切な団体もないのに、指定管理者を公募すべきではありません。いかがお考えでしょうか、伺います。  そして、常設の資料展示室のPRをもっと徹底し、入場者をふやす取り組みを積極的に行うことを求めます。市政だよりに掲載するだけでよしとするのではなく、ホームページやマスコミなどあらゆるメディア、方法、手段を活用、工夫すべきです。交通局や経済局の協力を得て、るーぷる仙台のパンフレットやガイドブックへの掲載、車内で施設案内のアナウンスなどは、観光で仙台を訪れた人たちに記念館訪問を促すために有効な手段です。広島、長崎への原爆投下日、終戦記念日と重なる七夕の時期からお盆にかけては、多くの人が仙台市を訪れる時期です。こういう時期に夜間まで開館時間を延長し、それをPRすることも必要ではないでしょうか。毎年、市外、県外から子供たちが多数団体で訪れています。ほとんどが小中学生のグループ学習のようです。県内、隣県などの教育委員会や学校、公民館にもっと独自にPRすべきです。  また、ボランティアの方たちの手をかりて、展示資料の説明や仙台空襲の実相を語り伝える語り部の活動も行っています。そのことをもっと広範な市民に知らせ、利用していただくために旺盛に宣伝を行うべきです。同時に、そういうボランティアを支援し、さらに募集、育成することも必要です。あわせてお考えを伺います。  最後に、核兵器廃絶について伺います。  被爆六十周年のことし五月に、国連本部で核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれます。五年前の会議で、アメリカを含むすべての核保有国が核兵器の完全な廃絶を達成する明確な約束を行いました。さらに、今回の会議では、目標期限を設け、具体的に核兵器廃絶が前進することが期待されています。  現在、再検討会議に向けて、世界中から核兵器を二十一世紀の早い時期になくそうという取り組みが進められています。自治体の取り組みも活発です。広島市、長崎市を初め、百十カ国、地域の七百十四都市が賛同、参加し、国際的な活動をしている平和市長会議では、各国政府に二〇二〇年までにすべての核兵器廃絶に向けたロードマップ、行程表を採択するよう働きかけています。全国市長会は、先月二十七日、核兵器の廃絶を求める決議を上げ、NPT再検討会議の重要性と一日も早い核兵器の廃絶を訴えました。改めて、自治体として核兵器廃絶の意思を明確に訴える非核平和都市宣言を行うよう藤井市長に求めます。核兵器廃絶を実現するためには、国の外交政策にゆだねているだけでは進んでいきません。国政の課題と逃げることなく、明確にお答えください。  憲法が生きる日本、核兵器も戦争もない二十一世紀を心から願って、私の第一問といたします。  御清聴大変ありがとうございました。(拍手) 12: ◯市長(藤井黎)福島議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、平和に関する私の考え方についてでございます。  国際社会における平和の実現、これは人類共通の切実な願いでございまして、国際紛争の解決は、まず対話に基づく外交努力によってなされるべきでありますし、それに向けて国際社会が、そして世界の人々が力を結集し、継続的に努力しなければならないことも論を待たないところでございます。  私といたしましても、このことを常に念頭に置きながら、国際理解を深めるための交流を初めとする本市の各般の施策、事業の推進に努め、平和を願う市民の期待にこたえてまいりたいと考えているところでございます。  次に、憲法九条についての認識でございます。  我が国憲法第九条に掲げられる正義と秩序を基調とする国際平和希求の理念、これは国民主権と基本的人権の尊重とともに国民の総意によって後世に誤りなく引き継がれていくべきものと、このように考えております。  最後にございました非核平和都市宣言についてでございます。  去る一月の全国市長会正副会長会議におきまして、全国市長会として核兵器のない世界が一日も早く実現されるよう強く求める旨の決議を行ったところでございまして、私もその思いはひとしくするものでございます。  地方自治体としての宣言につきましては、これまでも申し上げてまいりましたように、我が国におきましては国家として非核三原則を国是として明確に打ち出しておりますし、また、全国市長会においてこのたびもこのことを国とは別の位置によって決議をいたしておりますので、あえて行うべきとは考えておらないところでございます。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長の方から答弁申し上げます。  以上でございます。 13: ◯総務局長(佐藤正一郎)自衛隊の訓練に関する二点の御質問にお答えを申し上げます。  初めに、自衛隊との窓口や対応、ルールに関するお尋ねでございますが、本市におきましては、例えば、防災対策上の訓練である場合には消防局が窓口となるなど、自衛隊の活動内容によって、それぞれの事業や施設を所管する担当部局が対応することといたしてございます。今後ともこれを基本としながら、各局、区の連携を密接に図りながら、適切に対応してまいりたいと考えております。  次は、霞の目駐屯地に関するお尋ねでございますが、自衛隊における記念行事や各種訓練につきましては、自衛隊本来の役割を果たしますとともに、自衛隊活動に対する地域住民の理解を深めるため、自衛隊業務の一環として実施されており、必要な活動と認識をいたしております。  霞の目駐屯地の撤去につきましては、国防に関する問題でもございまして、基本的には国政の場において議論されるべきと考えますが、各種訓練等の実施に際しましては、今後とも事前の情報収集に努め、市民生活への重大な影響が懸念される場合には必要な申し入れを行うなど、市民の不安解消を図ってまいる所存でございます。  以上でございます。 14: ◯市民局長(稲葉信義)私から、戦争の教訓を伝える取り組みについて及び戦災復興記念館について数点の御質問に答弁を申し上げます。  まず、仙台空襲の日の設定についてでございます。  戦後六十年の今日、平和のとうとさを希求する心を伝え育てていくことは、極めて重要なことと考えております。  このことにつきましては、国を挙げて年ごとにその気持ちを新たにすべく、八月十五日を終戦記念日とし、すべての戦争犠牲者の方々への慰霊の気持ちをあらわし、不戦の誓いの場としているというふうに認識いたしております。  本市といたしましても、この終戦記念日に際し、市民の皆様とともに平和への誓いを新たにするとともに、毎年七月十日を挟む数日、仙台空襲を語り継ぐため、戦災復興展を開催し、記憶の継承に努めているところでございます。  次に、戦災復興展の各区での開催についてでございますが、毎年、戦災復興展の開催に合わせまして、区役所でも開催をいたしているところでございますが、開催場所や日数等の拡大につきましては、予算や体制等々の制約もございますが、今後、検討させていただきたいと考えております。  次に、本市の加害の歴史の掘り起こしをとのお尋ねでございますが、さきの大戦は、期間も規模も我が国にとって最大のものでありましたことから、多くの事柄がこれに関連をいたしておりますが、本市といたしましては、戦災復興記念館を中心に戦前の仙台の様子をしのぶ資料を保存するとともに、戦災の惨禍と復興の過程の記録を後世に残すことを目的としまして、事業の運営を行っております。歴史の検証という点では、さまざまな立場からの作業が行われるものと考えておりますが、それらの記録、保存についても、館の設置の趣旨を踏まえつつ努力をしてまいりたいと存じます。  次に、戦災復興記念館の開館二十五周年記念事業についての御提案でございます。  本市といたしましては、新年度に終戦六十年を記念した事業を予定いたしているところでございます。戦争体験者の高齢化とともに、資料や体験談等の収集が難しくなりますことから、この記念事業の一環で、お話にございましたようなボランティアの御協力もいただき、これらの収集に努めますとともに、デジタル化等による保存にも努力してまいりたいというふうに考えております。  次に、被爆者体験の伝承等についてでございますが、現在、来館者の御要望に応じて仙台空襲の体験談や展示室の説明、案内等をボランティア及び職員により対応いたしているところでございますが、被爆の体験談に関しましても、同様に取り組んでまいりたいと考えております。また、戦災復興記念館や福祉プラザを初めとします、市の施設のそれぞれの料金や使用料の減免につきましては、条例や要綱等で定めておりますことから、お申し出がありました時点で団体の行事の内容等を要綱に照らし、個別に検討をして判断をいたしたいと存じます。  次に、指定管理者についてでございますが、戦災復興記念館は現在、仙台ひと・まち交流財団を指定管理者としておりますが、今後につきましては、戦災復興展の開催や展示室の運営等を十分に勘案して判断をしてまいりたいというふうに考えております。  次に、館事業の広報とボランティアについてでございますが、戦争の体験を風化させることなく、次の世代に伝えていくことは、私どもの大きな責務であると考えております。戦災復興記念館につきましては、市内の小学校の副読本やどこでもパスポートを初めとします、無料パスポートで県内の多くの小中学生に紹介をいたしておりますほか、戦災復興展につきましても市政だよりやマスコミでの周知、さらに昨年からは新たにホームページでの広報にも努めてまいったところでございます。  事業PRの拡充に関するさまざまな御提案につきましては、今後、検討させていただきたいと存じます。  以上でございます。 15: ◯消防局長(可沼伸一)国民保護法制に関する御質問にお答えをいたします。  初めに、計画策定の情報公開等についてでございますが、今年度中に政府が基本指針を策定しまして、これに基づき十七年度に都道府県が、政令指定都市におきましては都道府県からそれほどおくれずに取り組みを行うようにとの考え方が国から示されているところでございますので、本市といたしましても準備を進めることといたしたものでございます。  しかしながら、施政方針につきましては、国の基本指針が明らかにされていないこと、県においてもその取り組みが明確になっていないことなどの諸事情から、現段階では盛り込まないことにいたしたところでございます。  また、予算につきましても、準備に要する委託料等の経費でございまして、国のスケジュールに対応した事業ということから、明示をしなかったものでございます。  次に、本市の対応についてでございますが、いかなる態様の危機であっても、その状況を想定し、その対応策を準備しておくことは、市民等の安全を保持するという地方自治体に課せられた重要な責務でございます。今後、示されます国の基本指針などに基づき、国及び県、さらには指定都市間の情報収集、情報交換を行いまして、スケジュールに沿って適切に対応してまいりたいと考えております。  なお、新年度に予定している担当職員についてでございますが、国民保護法への対応に限らず、危機管理全般にわたる業務を担当する職員を想定しておりまして、本市職員で対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 16: ◯三十六番(福島かずえ)私、第一問で仙台市における平和の施策について多く質問いたしまして、具体的な御答弁をいただいた中で、満足できるものもあれば、十分ではないなということもありますので、細かい点につきましては新年度の予算を審議する特別委員会に回すこととして、大きく二点について市長にお伺いをしたいというふうに思います。
     一つは、先ほど市長は、憲法の九条は将来にわたって守り伝えていくべきものだというふうに明確に御答弁いただきました。そういう思いを踏まえ、さらにその憲法に同時に盛り込まれている基本的人権の尊重、国民主権、そして地方自治、この原則は非常に重要だというふうに思います。戦前であれば、国が決めたからそれはもう地方行政としては従わざるを得ないということがありました。それがあの悲惨な戦争を巻き起こしたということになりますけれども、その反省から地方自治がはっきりと書き込まれたわけですから、国が指針を示す、あるいはこういうスケジュールを示すという中でも、自治体なりの対応があって、工夫があっていいというふうに私は思います。  先ほど消防局長からは、国の示すスケジュールに合わせて予算を組んだというふうなお話がありましたが、私のところでほかの政令市、あるいは宮城県のことも調べてみましたら、予算を当初議会に出しているところはそんなに多くはありません。宮城県も条例は出しましたけれども、それが通ってから補正で予算を出す、そうした形で審議してもらうというスタイルをとっております。これに比べても、仙台市の対応は、市長の施政方針に盛り込んでいないだけでなく、予算書のどこをくくってみても言葉が見当たりません。これではまるで、先ほど私が指摘したように、知らないうちに予算は通して既成事実化しているのではないかというふうに市民が思っても無理がないというふうに思います。いや、そうではないんだということであるならば、この国民保護計画、あるいはこうしたことについて進めていくときには、十分な市民への説明、合意、それから議会でのやりとり、それが担保されるべきでありますが、そうした手続についても今回は不十分なものであったと言わざるを得ません。改めて、こうした予算は撤回していくべきことが正しいあり方ではないかというふうに思いますので、市長のお考えを伺っておきたいというふうに思います。  それから、もう一点は、非核平和都市宣言です。  確かに一月の末に全国市長会で廃絶の決議を上げました。ただ、その力になったのは、広島市、長崎市の自治体のこうした動きだけではなく、全国二千を超える自治体が平和都市宣言を行っている、そうした積み重ねの中でそうした動きが出てきたものというふうに私は思います。政令市として、そして政令市長会の副会長として全国の自治体の長の中でリーダー的な役割を果たしている市長が、自分のまちで市民とともに非核平和都市宣言を行うということは、これもまた非核の地球をつくっていくために重要な第一歩だというふうに思いますので、改めてお考えを伺いたいというふうに思います。お答えください。 17: ◯市長(藤井黎)前段に関しましては、先ほど消防局長の方から答弁申し上げましたとおり、いまだに予定はありますけれども、具体的なスケジュールなり、あるいは内容につきまして示されておらない状況にございますし、国、そして県という流れの中で、次が市町村という、こういう段階を踏んでからの中身でございますので、予定としては今年度中には条例化、あるいは計画策定の作業が予定されますので、当初に計上いたしたと、こういう経過がございます。いずれ、後の議会におきまして具体にそれらのことにつきましては御提案する機会があろうかと思います。  それから、非核廃絶宣言につきましては、この前は市長会において会長、副会長の間で決議をし、全体の決議としてこれを持っていったと。これはおっしゃるように広島の市長からの切なる要望によりまして、これを取り上げたわけでございまして、ことしアメリカにおいて行われる会議にそのことを持っていくということで、これは全国市長会のトータルの意思でございますので、御理解をいただきたいと思います。  以上でございます。 18: ◯三十六番(福島かずえ)まず、前段についてですけれども、設置条例が出てから議論するのでは私は不十分だというふうに思います。当初予算にこのように計上するのであるならば、その時点で市民にどういうことでこういう予算を計上したんだという説明がきちんとあってしかるべきだというふうに思います。ところが、施政方針に盛り込まれていないばかりではなくて、私どもに渡されている予算説明書のどの項目をくくってもありません。加藤副市長がお話しされた予算案の説明資料の中にも出てきませんでした。新規事業でこうした重大なことを審議することであるならば、そういう場合にきちんと明確に示すのがあるべき姿だというふうに思います。  スケジュールのことをおっしゃるのであるならば、当初予算でこうした予算を出さなくとも十分に間に合うというふうに思いますので、改めて撤回することと、それからこうした予算説明、それからそうした書類にこの予算計上が示されていなかったことについて、市長はそうした意図を当初から知って、市長も相談づくでこうしたことがあったのかどうか、その点について確認したいというふうに思います。  また、非核平和都市宣言の話でございますけれども、やはり自治体の長として、ほかがやっているからそれでいいんだということではなくて、市民に向けて、そして世界に向けて仙台市が国際都市として発信しようというのであるならば、平和の問題でもそうした視点を示すのが有効であるというふうに私は思います。この点につきまして、非核平和の運動を進めてきたのは国の力だけではなくて、住民の草の根の運動が大きな核廃絶の力となってきたことも思い起こし、もう一度お伺いしたいというふうに思います。 19: ◯市長(藤井黎)いろいろさまざまな見方もありますし、また、お立場もあろうかと思いますけれども、私としましては、やはり市民の安全を守るということは地方自治体の基本的な責務と考えておりまして、法の定めるところに従いまして粛々と対応しようと、こういうことでございます。  また、核廃絶の関係につきましても、やはり市民の意思を私は全国市長会に代表してと申しますか、集約して伝え、それを国際社会に伝えていくと、こういうことで認識をいたしておりますので、御理解を賜りたいと思います。  以上です。 20: ◯副議長(斎藤建雄)次に、斉藤重光君に発言を許します。     〔二十三番 斉藤重光登壇〕(拍手) 21: ◯二十三番(斉藤重光)議長のお許しをいただきましたので、一般質問をいたします。  まず、仙台湾の津波の対策について伺います。  昨年末、インド洋スマトラ島沖で発生した津波は記憶に新しく、すさまじい破壊力と被害範囲の広さ、その結果もたらされた被害の大きさは、我々の想像する津波のイメージをはるかに超えたものでした。その死者は三十万人を超えるとも言われております。犠牲になられた方の御冥福をお祈りいたします。  さて、津波対策に当たり、本市が想定している津波の規模は、平成九年三月に策定された仙台市防災都市づくり基本計画が基本となっております。想定宮城県沖地震が連動して発生した場合に、風や潮の諸条件を合わせたものが想定される最大の規模で六メートルの高さの津波になるであろうとしております。しかし、その後出された津波情報伝達システム報告書では、大きな被害がもたらされたことが歴史的に伝えられている貞観津波のことも述べ、巨大津波の存在に注意を促す提案もなされておりますが、明確な警告とはなっておりません。東北大学理学研究科教授の箕浦幸治氏のコメントによれば、この貞観津波とは、今から千百三十六年前の貞観年間に仙台平野を襲った未曾有の巨大津波であり、津波は今の多賀城市の陸奥の国の国府に達し、犠牲者は千人を超えたと当時の記録にあります。また、最近の数値的津波復元により、この津波の規模は、仙台平野の海岸で最大九メートルの高さの波が繰り返し襲ってきたと推測されております。同教授の地質学調査によると、巨大な津波がごく近い将来、つまり千年周期で再び襲ってくると懸念され、まさにスマトラ島沖地震による大津波は対岸の火事ではありません。  津波は、きれいな水が押し寄せてくるのではないことは、スマトラの津波の報道を見てもわかりますが、泥と砂を大量に含む水が押し寄せて被災地を覆います。この砂は、堆積地層として後世まで残される大津波の物的証拠であります。津波堆積層が存在する地域は、巨大津波が再来するハザード地区に当たり、その調査は私たちが津波対策を策定する上で欠くことのできない情報となると考えます。津波対策の基本となる報告書により存在が指摘され、注意が必要であるとされていながら、その規模や周期を知る上で重要な津波堆積層の調査を行ったことはあるのでしょうか。早急に本市の広範囲での津波堆積層調査を求めますが、御所見をお伺いいたします。  津波が発生した場合、まず何よりも津波が着岸する前に安全な場所へ人々を避難させることが大事なわけです。一般的には、大きな津波は大きな地震のときに襲ってくるのだと思われています。ところが、最近、津波地震と言われるメカニズムの地震に注目が集まっていると言われております。プレートや断層の境界面の摩擦特性などの要因により、ゆっくりと地殻変動を起こす地震の存在であります。実際に発生すれば、地面は余り揺れていないことから、無警戒でいる人々を巨大な津波が襲うことになります。そして、津波地震は、地震波の測定により津波を推測する現在の津波警報システムは不確実であります。また、今のシステムでは、地震発生から警報、注意報発表までに三分ほどの地震モデルによるシミュレーション解析する時間が必要であり、限界を感じます。そのために、津波の波高をリアルタイムで感知できるGPS津波感知システムや二〇〇七年度実用化を目指して研究が進められている海洋短波レーダーによる津波観測、警報システムの導入を求めますが、いかがでしょうか。  さきのスマトラ島沖地震の際にも、浜辺で津波の予兆である引き波をビデオ撮影して避難しようとはしない様子が報道されております。津波が来ることと自身が避難することとが結びついていない、いわゆる正常化の偏見という心理状態であり、こういった人々をどのように避難行動に移させるのかが課題となっております。津波情報伝達システム報告書を見ても、気象庁の発表する津波警報や注意報は、津波の可能性を知らせるに過ぎないといった考えが蔓延しており、津波警報が出ても避難行動に移らない人の割合がかなりあります。より強く確実な状況を提供し、ダイレクトに逃げろと言わないと避難を促すことができないと考えます。つまり、GPSや短波レーダーをもとに津波の発生の直後に直接検知して、確実な情報をもとに避難を呼びかければ、正常化の偏見から目覚めさせることができるのではないでしょうか、御所見をお伺いいたします。  しかし、避難といっても、一体どこへ避難すればよいのでしょう。現在、想定されている最大で六メートルの高さの波に耐えられるのは、三階建て以上の耐震設計の鉄筋コンクリート建造物の上階部分に限定されます。若林区の海に近いところでは、荒浜小学校、特養ホーム潮音荘くらいであります。ここへは一体何人が避難可能なのでしょうか。海水浴シーズンには、地理に不案内な人々も多く集まる地域であります。皆が十分に避難できるスペースはあるのでしょうか。大津波の避難所として十分機能させるためには、階の建て増しや対津波補強が必要なのではないでしょうか。現在ではどのような想定をなさっているのか、御所見をお伺いいたします。  三重県大王町に今月完成する簡易型避難塔、タスカルタワーは、鉄骨製で高さ七・九メートル、四、五十人が避難でき、階段を上れないお年寄りを引き上げるための滑車も備えており、住民からの近くの避難場所をとの声にこたえたものであると聞いております。予算は、八百万円から一千万円ぐらいとのことであります。  また、三重県紀勢町は、避難コースの確保が難しい地域に緊急避難塔、錦タワーの整備を行いました。錦タワーは、円筒形の鉄筋コンクリート製で、高さ二十一・八メートルの五階建てであり、五百人程度避難できるスペースが確保され、避難、救助しやすいように建物の外側にらせん階段が設置されております。錦タワーは、津波災害から生命を守る安心の塔として地域住民から親しまれ、防災意識の高揚が図られております。仙台市へも津波避難塔を新設すれば、住民の意識も高くなり、啓蒙と避難場所の両方が提供できると考えられますがいかがでしょうか、お伺いいたします。  あわせて、津波対策としての防潮林の松くい虫対策についても御提言いたします。  海岸林は、津波のエネルギーを減少させるのに有効であることが、京都大学防災研究所の原田教授らの研究によって明らかになっております。しかし、仙台の海岸林は松くい虫の被害に遭っており、ぼろぼろの状態であります。津波防災対策の面からも、ぜひ早急な松くい虫対策と植林等の海岸林の整備を行うよう要望いたしますがいかがでしょうか、お伺いいたします。  次に、広瀬川を管理する権限の仙台市への移譲について伺います。  二〇〇〇年の河川法の改正以降、政令市の仙台市が管理することができることとなり、市長は母なる川である広瀬川の管理を移譲するよう希望を表明してきたところであります。昨年六月より、宮城県と仙台市の政策課題協議会の場で、広瀬川の管理等に係る今後のあり方に関することが協議事項となり、広瀬川を優先に移譲を受ける条件について協議を行っていると聞いておりますが、協議の進捗状況について、お伺いいたします。  二〇〇〇年の河川法の改正において、河川法と密接に関連する水防法、砂防法、特定多目的ダム法などが改正されておりませんので、水系一貫管理の原則の中では大変難しい課題があると考えますが、当局はどのように認識されておるのか、お伺いいたします。  先日の新聞報道では、宮城県は仙台市の求めに応じて移譲する方針を固めたが、仙台市の方が将来の整備に要する費用、管理に要する費用が不明確なため、判断する段階ではないと報じられておりました。専門家の話を伺いますと、仙台市が広瀬川を管理するためには、さらにスキルと能力を上げる必要があるとのことであります。また、支川を管理するためにあと数年、広瀬川本川を管理するまでには十年以上かかるとまで言われております。県が現在、広瀬川で進めている四十年に一度の降雨に対応する整備でさえも数十億かかると言われ、さらに将来的には百五十年に一度の降雨に対応させる方針であると聞いております。  これらのことを踏まえると、広瀬川の管理権限の移譲を受けるということは、治水、利水の観点から見て一大事業であるとの認識に立たざるを得ません。河川管理権限の移譲には、県との連携のあり方や財源、人的体制など、なお多くの課題があり、その解決にはかなりのハードルがあるものと推測されますが、今後の見通しについて、お伺いいたします。  さて現在、市民との協働で進めている広瀬川創生プランができ上がりつつあると聞いております。このプランを円滑に推進するためにも、管理権限の移譲と並行して、まずは包括占用許可制度の活用を図りながら、市の河川管理能力を高めた上で管理権限の移譲について計画的に取り組むべきと考えますが、管理権限移譲に関する市長の御所見をお伺いいたします。  次に、仙台東部治水対策について伺います。  若林区六郷、七郷、宮城野区高砂連合町内会と東土地改良区で構成されている仙台東部地区治水対策推進協議会が、本年二月二十三日、国土交通省に貞山運河への堤防整備前倒しを要望し、三、四カ年程度の前倒しは可能との回答を得たと報じられました。総事業費は七十億から九十億円とのことであります。今までの説明では、予算がつけば八、九年で平成二十四年度で完成すると言われておりましたが、約五、六年、平成二十一年度ころには完成することとなります。内水対策が急がれますが、ポンプ設置問題を含め、どのような進捗状況なのか、お伺いいたします。  次に、昨年に引き続き、精神科救急について伺います。  昨年の答弁では、精神保健福祉審議会の答申を待って対応するとのことでありましたが、ことし二月十日に審議会の答申がなされております。答申の内容は、基幹施設を総合病院内に設置する、二十四時間、三百六十五日対応型で、十床以上の隔離室を含め五十床程度のベッドが必要であり、救急医療と総合病院の外来とを備え、身体合併症患者の医療にも対応できるようにするとし、病棟、外来構造、院内他診療科との連携、人材育成体制、職員体制とともに、地域保健、医療、福祉との連携についても具体的な提言がなされ、基幹施設の設立までに年次計画を策定し、早急に実施することを求める内容となっております。  市長は、既に新しい市立病院に精神科救急システムを取り込んだ構想として取りまとめたいと言明しておりますが、新市立病院の移転新築には十年程度かかるとも表明しており、その空白となる十数年間、どのように対応するのかが問われております。ワーキンググループの調査によると、推定では現時点でも千百十件の診察応需があり、二百五十二件の入院応需が必要であり、昨今の社会情勢から考えると、救急対応が求められる件数が今後とも増加することは間違いないとのことであります。  今回の答申が明快で具体的な内容となった背景には、切迫する問題であると認識されているためであると思われますし、仙台市として今どうするのか、施設とマンパワーの確保を含めて具体的な結論を出すべきであります。いつまでも先送りできる課題ではありません。市長の前向きな対応を求めますが、いかがでしょうか。  最後に、小中学校の二学期制について伺います。  先ごろ、仙台市の中学校校長会において、中体連の新人大会の代休をなくし、秋休みを短縮するという方針が示されました。学力低下が指摘される中、長い連続休暇に保護者から批判があったためと報道されております。  そもそも秋休みというのは、二〇〇二年度から二学期制が実施されるに当たり、新しく設けられたものであり、秋休みへの批判は二学期制への批判であるとも言えます。  さて先日、小中学校のお母さんたちの五十名ぐらい集まる会合に出席した際、ほとんどの皆さんが二学期制に反対であると表明され、私も多少の反対はあるものと考えておりましたが、これほど大多数が反対であるとは驚いております。その理由は、今までのように夏休み前に通知表が欲しい、つまりこれは、学習に明確に区切りをつけた上で長い夏休みを迎えた方がけじめがつくということであろうと考えます。テストの範囲が広くなり負担が大きい、これは児童生徒にとってだけでなく、一つのテストに広い範囲を網羅しなければならなくなり、問題を作成する教師の負担や問題の質の低下だろうと思います。入試に向けて挽回できる機会が減る、これは部活動を頑張っている生徒が中体連以降に入試に向けてシフトしてくる関係上、三学期制の方が理にかなっているということであります。会合はこれらの心配、不安の声であふれておりました。  また、二〇〇三年五月に実施された仙台市教職員組合のアンケート調査でも、いまだに二学期制の何がいいのか理解できない、秋季に教師の校務、行事が重なり、ゆとりは生まれていない、学期の長期化に学習効果はない、時間数の確保にもなっていないという結果が出ております。  当局のうたう各学校がさまざまな創意工夫を行い、ゆとりを生み出すので、子供たちにとって二学期制は意義のあることだとの意見と、お母さん方や現場の教師の意見ではかなりの差が感じられますが、いま一度立ちどまって、当局と子供たち、その親、現場の教師がおのおのの学校で徹底的に意見交換をし、仙台市としてもアンケート調査を実施して、もう一度討論すべきであると考えますがいかがでしょうか、御所見をお伺いいたします。  以上、御清聴ありがとうございました。(拍手) 22: ◯市長(藤井黎)斉藤重光議員の御質問にお答え申し上げます。  私からは、精神科救急体制の整備につきましてお答えを申し上げます。  精神科救急システムの構築につきましては、先般、仙台市の精神保健福祉審議会から、本市における精神科救急基幹施設として二十四時間、三百六十五日型の精神科医療機関を総合病院内に整備することにつきましての答申をちょうだいしたところでございます。これを受けまして、私としましては、新しい市立病院構想の検討の中におきまして、この基幹施設の整備について具体的な検討を進めてまいる所存でございます。  また、現在の精神科救急の実態や今後のニーズ動向を考慮いたしますと、この基幹施設の整備までの間の対応についても、御指摘のように揺るがせにできない大きな問題であると、このように認識をいたしております。  今後、県立精神医療センターやほかの医療機関等との役割分担をしたり、また、連携なども十分に検討しながら、精神科医を初めとするスタッフの確保、あるいは対応する施設整備など、さまざまな課題がございますので、それらの解決を図るべく、できるだけ速やかに年次計画を定め、可能な限り順次実施をしてまいる考えでございます。  そのほかの御質問については、関係の局長から答弁させます。  以上でございます。 23: ◯建設局長(中村克正)私からは、松くい虫、広瀬川の管理、東部治水対策についてお答えいたします。  初めに、海岸林の松くい虫対策についてでございます。  海岸公園の松林群は、津波対策や農作物を塩害から守るため重要な役割を担っております。そのようなことから、海岸林の松くい虫による被害防止のため、これまでも伐倒駆除に努めてまいりましたが、松くい虫の被害が深刻化していることから、本年度より対策を効果的に進めるために詳細な調査を行っているところでございます。今後とも、国や県とも連携しながら被害の防止に努めるとともに、松くい虫に抵抗性のある松の更新などを検討してまいりたいと考えております。  次に、広瀬川の管理権限の移譲についてでございます。  これまで移譲の対象となる河川の範囲、それから権限の内容、大倉ダムの管理、さらに河川整備に要する費用、必要となる組織体制等々について協議を行ってまいりました。その過程において、水防法やダムの管理に関する事務は、依然として県に残ることになりまして、下流域を管理する国とあわせて、管理が国、県、市の三重の構造となることや、あるいは治水の安全を確保するため、将来、相当の財政負担が生じることなどの課題も明らかになっております。  本市のシンボルである広瀬川を新たな魅力の創出を図り、次世代に引き継いでいくためには、本市が主体的に管理することが望ましいとの認識は同様でございますが、同時に、治水、防災面における課題もございますので、その解決が前提と考えております。  制度面の課題に関しましては、他政令指定都市と協働して働きかけを行うことも視野に入れながら、移譲に当たっての条件の整備に取り組んでまいりたいと考えております。  また、当面は、御指摘の包括占用許可制度を活用しまして、市民との協働による広瀬川の利活用が可能となるよう取り組んでまいる所存でございます。  最後に、仙台東部地区の内水対策についてでございます。  国が進めていく名取川左岸堤防の完成にあわせて内水対策が実施できるよう、現在、ポンプ場などの施設整備の具体の内容、手法に関して、コスト面や事業効果などの検討を進めておりまして、関係機関と連携しながら実効性のある計画を急ぎ取りまとめてまいりたいと存じます。  以上でございます。 24: ◯消防局長(可沼伸一)津波対策についての御質問にお答えを申し上げます。  初めに、津波堆積層の調査につきましては、国や大学の研究機関で地質学と地震学の融合を目指す先端的な研究として取り組まれていると伺っております。  これまで国内で実施された例を見ますと、湖底や湿原等、地層の改変が少ない地点で行われているようでございまして、本市といたしましては、このような調査はこれまで実施してきておりません。しかしながら、仙台平野を対象に津波堆積層の調査が行われているところでもございますので、今後これらの推移を見守りつつ、専門家の御意見もいただきながら研究をしてまいりたいと考えております。  次に、GPS津波感知システム等の導入と確実な情報提供による避難誘導についてでございます。  本市におきましては、昨年四月より津波情報伝達システムを整備、運用しているところでございますが、御指摘のように、現段階では気象庁が地震発生から約三分後に発表する津波予報に基づき避難情報とあわせて伝達をするものでございます。  現在、気象庁におきましては、津波予報発表の迅速化に取り組んでおりまして、緊急地震速報に基づき、地震後一分をめどに津波予報を出すための検討が進んでいると伺っております。しかしながら、日進月歩で津波や地震の感知、観測技術が進展していることも事実でございます。より高度で確実性のある技術等を取り入れることによりまして、いわゆる正常化の偏見を排除し、迅速な避難を確保することは、今後の大切な課題であると認識をいたしております。現在、国などの研究機関におきまして、御指摘のシステム等の研究や実用化が進められておりますことから、その推移を見守りながら対応してまいりたいと考えております。  次に、津波避難場所の想定と津波避難塔の設置についてでございますが、本市では、津波情報伝達システム等によりまして、対象地区にいる市民に大津波警報等を伝達し、津波が到達する前に津波警戒区域の外に避難していただくことを基本といたしております。  荒浜地区の場合は、津波警戒区域は海岸線から比較的短いことから、第一波が到達すると言われている五十分以内に警戒区域外の県道塩釜亘理線や潮音荘周辺に避難できるものと考えております。また、区域外に避難できない方が想定されますことから、三階以上に一千人強が避難できます荒浜小学校校舎に一時的に避難していただきたいと考えております。  次に、御提案の津波避難塔の設置についてでございますが、本市では、津波避難ビルの協力事業者について調査をしているほか、内閣府におきまして、津波避難ビル等に係るガイドラインづくりを進めておりますことから、その動向等を踏まえまして研究をしてまいりたいと考えております。  以上でございます。 25: ◯教育長(阿部芳吉)小中学校の二学期制に関する御質問にお答えを申し上げます。  本市では、平成十四年度から二学期制を導入いたしておりますが、この間、全国から一千名以上の参加者がございました教育改革フォーラム、あるいは仙台市PTA協議会との懇話会等におきまして、保護者を初め広く市民や全国の教育関係者の方々とも二学期制について前向きな議論を積み重ねてまいりました。  また、本年一月には、児童生徒、保護者、教員等を対象に、二学期制を含む現行の教育課程の実施状況に関するアンケート調査を行ったところでございまして、現在、集まった回答の分析を進めているところでございます。それらの結果も踏まえながら、今後も引き続き二学期制のメリットを最大限に発揮できますよう工夫してまいりたいと考えております。  以上でございます。 26: ◯二十三番(斉藤重光)一点だけ市長にお伺いいたします。  広瀬川の権限移譲の件ですが、包括占用許可という制度がございまして、部分的に許可してくれると。でも、なかなか難しいようで、中身については基本計画を立てたりしなければならないので難しい課題であるということは聞いておりますけれども、昨日も西公園の整備の問題、あるいは市民団体からは霊屋からの遊歩道について早急につくってくれないかとか、そういう要望などもたくさん出ていますし、広瀬川創生プランも近々完成するということでございますので、この包括占用許可制度について早急に決断をして県に求めていってほしいというふうに思うんですが、市長の御決意、市長から直接お伺いしたいなというふうに思いますが、いかがでしょうか。 27: ◯建設局長(中村克正)河川の占用をする場合には、市民の方が国管理の区間は国に、県管理の区間につきましては県の方に占用願を出すわけでございます。これに対しまして、包括占用と申しますのは、それぞれのニーズを把握した上で市が国、県に一括して占用を申請するものでございまして、そうすることで市民の方々は区間を問わず市を窓口にできるという制度でございます。最近、東京の荒川などで行われているものでございます。  このニーズにつきましては、現在、広瀬川創生プランなどで把握に努めておりますけれども、全体のニーズがどれくらいあるのかということにつきましては不明なところもございますし、また、占用の手順などにつきまして詳細がちょっとよくわからないところもございますので、その時期等につきましてはお時間をいただきたいというふうに考えております。 28: ◯副議長(斎藤建雄)この際、暫時休憩いたします。     午後二時五十二分休憩          ────────○────────     午後三時二十一分開議 29: ◯議長(鈴木繁雄)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、高橋次男君に発言を許します。     〔十三番 高橋次男登壇〕(拍手) 30: ◯十三番(高橋次男)みらい仙台の高橋次男です。議長のお許しをいただきましたので、大きく三点につきお伺いをいたします。  まず初めに、河川の管理権限に関連してお伺いをいたします。  藩政時代の政の要諦は、治山、治水、すなわち山を治め、川を治め、よって藩の財政を豊かにし、領民の生活を安寧に導くことでありました。「山高きを以て尊きとせず、樹在るを以て尊きと成す」とか、洪水から農地を守った信玄堤などは、これらを象徴する言葉や事業として今に語り継がれているところであります。  今日でも政治は、市民を豊かに安寧に導くという点では基本的に昔と変わるところはありません。しかし、産業が高度に発達する中で、二酸化炭素の排出や森林の無計画な伐採、開発など、新たに自然環境保全の問題が引き起こされております。  特に、本市においては、水循環も含めた水環境の保全が杜の都仙台の自然的、歴史的に価値のある資源を保全していくという点で大きなテーマとなっております。幸い本市は、昭和六十三年に水辺の環境保全と創造についての将来構想、水辺のマスタープランを策定し、丘陵地の開発と緑の保全などについて広く考える契機としてまいりました。また、平成八年には、仙台の恵まれた環境の恩恵を将来にわたって市民が受けられるようにと環境基本条例を制定し、翌九年には条例に基づく環境基本計画として杜の都環境プランを定めるとともに、十一年には同プランを推進する個別計画として、水環境プランを策定してまいりました。  水環境を考えるとき、河川の役割を抜きには考えられません。本市には、豊かな水環境を支える名取川、広瀬川、七北田川を主軸として、多くの中小河川があります。これらの河川のうち、広瀬川と七北田川は、下流域までのほとんどが本市の市域になっており、この流域ごとの一貫した施策の可能性が高くなっておることは、先ほど斉藤議員が質問したとおりであります。しかし、名取川については、その源流域は川崎町と本市であります。  地方分権が叫ばれている中で、河川法が改正され、河川の権限移譲が明確化されました。それによれば、一級河川のうち、国土交通省が都道府県が行うとされた管理は、この規定にかかわらず、当該一級河川の部分の存する指定都市の長がこれを行うことができると改正されたのであります。まさに本市の今日的課題であります水循環を含めた水環境の保全を体系的、政策的に実施する背景が整うことで、その意義は大変大きいことであります。そのことから、河川法で言う市域内での河川の完結は、極めて重要であります。  川崎町は、支倉家の祖先がよってたったところとされており、慶長遣欧使節として波乱に富んだ生涯を政宗に捧げた支倉常長の霊が眠っている地でもあります。また、笹谷街道で仙台とも結ばれ、青根温泉などは伊達一門の湯治場として栄えたなど、本市との結びつきの深い町であります。また、百万都市仙台誕生の源が川崎町にあったことにも思いをいたすことができます。  釜房ダム建設の経緯をひもとけば、昭和十三年、当時内務省仙台工事事務所長金森成之は、名取川の洪水はんらん防止策として川崎町小野の釜房山にダムの建設計画を立案、あわせ仙塩地区に工業地帯を造成し、東北仙台に百万都市を建設する構想を打ち立てたのであります。同十五年、その認可を受け、翌十六年、四分の一まで用地を取得するわけでありますが、太平洋戦争激化のため事業は中断、その後、幾多の変遷を経て、昭和四十五年十月、金森構想から三十年を経て釜房ダムは完成へとこぎつけたとあります。  まさに、釜房ダムは、今日の百万都市仙台誕生の黎明期を担い、今なお治水・農工業用水、飲料水、電力の多くを供給し、仙台発展の礎となる役割を果たしていると言っても過言ではありません。  道州制への移行が話題になって久しいところであります。そのあり方がどうなるのかは定かではありません。しかし、都市基盤の整備、産業、文化、経済の面からしても、本市はその州都を担える最短位置にあるものと思うものであります。であるからこそ、これからも杜の都仙台にふさわしい治水政策、すなわち潤いのある自然環境、とりわけ水環境の保全、育成を本市の英知を結集し、源流部から流域を一貫した体系的政策として模索、検討し、展開していく必要性を痛感するものであります。
     時限立法である市町村合併特例法の期限が迫り、全国の市町村合併が話題になっております。川崎町は、このことについて動きは見せませんでしたが、本市は、これまで述べたことも踏まえ、特例法に関係なく、じっくりと川崎町との合併を真剣に検討すべきと考えるものであります。  もし、川崎町から何らかの動きがあり、合併がなれば、北の船形山から南の蔵王国定公園の刈田岳までの雄大な自然を連結したものとしてとらえることができ、杜の都仙台の自然環境の魅力を飛躍的に高めることにもなります。特に、日本を代表する自然景観と言える蔵王のお釜を広瀬川や青葉山と並ぶシンボルとすることもできます。そのことは、新しい市民のアイデンティティーを形成し、市民の郷土愛を高めるとともに、シティセールスの貴重な資源を提供することにもなると考えます。さらに、名取川のほぼ全流域が本市に含まれるようになり、広瀬川と並ぶ市民の親しめる河川として改めて認識されるようになるでありましょう。  川崎町と山形市との境にあったとされる有耶無耶の関は、古くからの往来の証でありました。その歴史を今に生かすとともに、新しい文化的、経済的交流圏域、仙山圏が提唱され、さまざまな試みが行われております。笹谷峠を挟んで山形との人的、物的な交流を直接行うことも容易になります。  奥羽山脈の懐に抱かれた青根、峩々の両温泉と作並温泉、秋保温泉のネットワークを形成し、仙台圏の温泉を広くアピールすることができます。さらに、山形市の蔵王温泉などにその輪を広げれば、我が国を代表する仙台、山形、仙山温泉郷として売り出すことも可能になり、両市観光の発展を促すことにもなります。さらに、政令指定都市の権限として、国道二百八十六号線、同四百五十七号線等が仙台市の管理となり、今後の整備を一体的にできるようにもなります。また、生活に直結するさまざまな行政サービスを宮城県経由ではなく、直接実施できるようになり、行政と市民、事業者などが協働で地域の発展のために行動することが容易になるなど、合併によるメリットも大きいところがあります。  このように、自然の豊かさの享受のみならず、産業、文化、経済面においても両自治体市町民に寄与する点が大きいと考えるものであります。もちろん、合併はこれから一緒になってまちづくりを進めていこうという住民の意識、熱意こそが最も大事であります。現状において、このような機運が十分醸成されているとは言いがたい、そのことは承知をしておりますが、市長が施政方針でも述べておられますように、これからの行政には主体性、自立性が強く求められています。道州制を展望するとき、州都たる仙台にとって大事な近隣自治体である川崎町と今後どのような関係を構築していくのか、合併を含め、御所見をお伺いいたします。  次に、今議会でもたびたび話題となっております宮城県沖地震の再来に備える各般の事業のうち、道路に関する対策についてお伺いをいたします。  がけ崩れなどによる道路の災害を考えるとき、市域を越えた連携強化もまた重要と考えております。地震などの災害が発生した場合は、広域的な救援や復興支援が必要となりますが、仙台都市圏で見た場合、隣接する川崎町と連絡する道路の数が限られております。高速道路を除けば、国道二百八十六号線と四百五十七号線の二つの路線がありますが、国道四百五十七号線、このうち秋保と川崎町本砂金の間にかかる竹の内橋は、幅員が狭く、大型車のすれ違いも困難な状況であり、また橋の付近は道路勾配が急である上にクランクにカーブする状況にあります。この道路は、国道二百八十六号線が使えなくなった場合の迂回路の役割を担う重要な道路でもあることを考えますと、竹の内橋の一日も早いかけかえがぜひとも必要と考えます。  平成十七年度予算において、この事業にどのように取り組んでいかれるのか、また今後の予定も含めたスケジュールについて、お伺いをいたします。  終わりに、南仙台駅駅前広場整備についてお伺いをいたします。  JR公表の資料により、仙台市内各駅の乗車人員数を見ますと、南仙台は仙台駅、あおば通駅に次いで三番目の利用者数となっております。ちなみに、平成十五年度の一日平均乗車人員は、七千七百七十五人の利用となっております。したがいまして、バスや鉄道などの公共交通の利便性を強化し、自動車から公共交通への転換をさらに促すためにも、当駅周辺の環境施設整備は重要なものと考えております。  御当局の努力により、昨年八月、西口駅前広場は完成し、バス停も従来より駅に近い場所に移設され、上屋も近々設置される予定で、大変便利になると喜んでいるところであります。引き続き、東口駅前広場の整備ということになりますが、現在の進捗状況と今後の整備予定について、お伺いをいたします。  あわせて、東西の駅前広場が完成いたしましても、これを連絡する既存の自由通路にエレベーター等がなく、身障者やお年寄りには大変使いにくい施設となっておりますが、バリアフリー化に向けた計画についてもお伺いをいたします。  さらに、南仙台駅舎の基本設計は、大正十三年陸前中田駅として開設された当時のままであります。当時の中田村は中心が旧四号線沿いにあったため、改札口が東口のみに設置され、今日に至っております。昭和四十年代後半より西部地区の開発が進み、西中田、柳生方面より利用される市民はほぼ半数以上で、この方々には大変な御不便をおかけしているわけであります。早晩、近代的駅舎として生まれ変わるものと地元住民の期待が大きいところでありますが、両駅前広場完成後の本市の南仙台駅舎に対する基本的な考え方と、これからの日程についてもお伺いをいたします。  以上、一般質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 31: ◯市長(藤井黎)高橋議員の御質問にお答えを申し上げます。  私からは、隣接の川崎町との関係に関する御質問にお答え申し上げます。  現在、東北の各自治体におきましては、間近に迫った市町村合併特例法の期限を視野に入れまして、あるべき将来像を懸命に模索をいたしている状況にございます。  御質問の川崎町におきましては、これまでの町民意思の確認等をもとにいたしまして、合併は行わず、今後とも独自のまちづくりを進めるという方針であると、このように伺っておるところでございます。  御指摘のように、本市と川崎町とは、歴史的、文化的なつながりや産業経済面でのかかわりが深いところでございまして、また、今日の日常生活圏も行政区域を越えて結びついているなど、密接な関係にございますが、本来、合併の問題は住民に与える影響が極めて大きいことから、住民の機運の盛り上がりが何よりも重要であると、このように考えております。  こうした町としての方針や機運の盛り上がりなどから判断いたしますときに、本市としては、現在の時点におきましては、川崎町との合併問題を積極的に検討すべき状況には置かれていないと、このように判断しておるところでございまして、引き続き広域行政協議会の場を通じまして連携を深めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。  なお、三位一体改革などによりまして、基礎自治体としての市町村のあり方そのものが今日大きく変わりつつあるということから、今後の両市町の望ましいあり方等につきましては、状況の変化等を踏まえて、常に柔軟な視点で判断してまいる所存でございます。  そのほかの御質問に関しましては、建設局長の方から答弁させたいと思います。  以上でございます。 32: ◯建設局長(中村克正)私からは、竹の内橋と南仙台駅に関しての御質問にお答えいたします。  初めに、国道四百五十七号竹の内橋についてでございます。  この路線は、災害時の緊急輸送道路として指定されておりまして、国道二百八十六号が非常の際にはその代替機能をあわせ持つなど、道路機能に高い信頼性が求められる路線と考えております。  竹の内橋は、御指摘のように幅員の問題などがございますので、広域的な災害対策の充実という点も考慮いたしまして、平成十五年度より測量、設計に着手しておりますが、平成十七年度には用地買収を行いまして、順次、工事を進め、平成二十一年度の完成を予定しております。  次に、南仙台駅東口駅前広場の整備についてでございます。  現在、JRと協定の締結に向けた協議を進めております。新年度にはこの協議を終えまして、工事に着手しまして、早期の完成に向けて努力してまいりたいと考えております。  次に、南仙台の駅舎についてでございますが、御指摘のように、駅西側地区からの利用者の利便性向上を図るため、西口改札口の新設ですとか、あるいは駅の橋上化等の可能性や整備効果につきまして、JRと協議を開始したところでございます。  また、自由通路へのエレベーター設置などのバリアフリー化につきましては、必要性は十分認識しておりますけれども、駅舎の整備に係る動向を見きわめながら対応してまいりたいということで考えております。  以上でございます。 33: ◯議長(鈴木繁雄)次に、柳橋邦彦君に発言を許します。     〔二十八番 柳橋邦彦登壇〕(拍手) 34: ◯二十八番(柳橋邦彦)議長のお許しがありましたので、これより一般質問をいたします。  市長の施政方針についてであります。  しかし、その前に、まず何といってもこの八月には現市長の任期が終わります。引き続き四期目の市長として現市長がその職につくのか、あるいは別の新しい市長が誕生するのかは、まさに神のみぞ知る、ただいまの状況であります。  市民の関心はまさにその一点にあり、各界による候補者選定の作業がゆっくりと、しかし確実に進んでいると感じます。今のところ、複数の方々の名前が挙がっていますが、絞り込みにはまだまだ時間がかかるようですので、ここは時間をかけても、この人ならばという方を草の根を分けても探し出す、このことであります。もちろん、当然、現市長の続投を願う方々も数多くおいでになるだろうと思います。  私たち議員にとって、この任期中最大の仕事は何か。それは、次期市長の候補者をこれと定め、そして当選せしめることだと言っても決して言い過ぎにはならない。これは、現市政における最重要課題であります。  市長は拝見するところ、あえてこのことからその身を遠ざけようとしているように見えていて、この定例会ではその去就について表明しないということを先立ってアピールすることで、このことに関する論議に先手を打ったかのように見えます。申すまでもなく、市長のその思いはいろいろおありでしょう。しかし、政治家としての市長には、公人としての責務が課せられておりますので、これをおろそかにするということも、また、でき得ないことなのであります。  議員各位のそれぞれの思いも、まさにそのことであったろうと思います。そして私は、願わくは、藤井市長がレームダック、すなわち死に体の政治家となりませんようにと案じております。  さて、そうした状況の中、ことしの施政方針を拝見いたしました。幾つかの重要と思われるポイントがありますので、それらを指摘しながら市長の見解を伺うこととしたいと思います。  多くは既に同僚の皆様のお尋ねで明らかではありますが、私はまず、経営というキーワードをもって伺いたいと思っております。  私は、経営という言語にはいささかの思いがあります。思えば、平成三年に初当選をしてからしばらくして感じましたことは、行政というのは、経営の場に比べると、まあ何と時間のかかるものだということと、いま一つ、経営感覚、わけてもコスト意識とはほど遠いものだということであったと思います。当然、置かれる立場、目的、手法あるいは時間といったものがそれぞれに違いますから、行政と会社を一概に比較することを正しいとは申しません。しかし、そこにある圧倒的な違いは、行政は与えられた状況への対応能力にはすぐれていても、状況そのものをつくり出す能力にいささか欠ける嫌いがあるということであります。それは、集まり来るお金、すなわち税金、これを配分し、成果を求める仕組みだからであり、会社は無から有を生み出し、後に得た成果をもって次の状況をみずからつくり出す仕組みであるからです。会社を動かすことで顧客を生み出し、利益を得、租税を納めて雇用を続け、そして社会貢献をなす、そのことを経営と言うわけですから、本来、行政に対して経営の仕組みというものがそのまま当てはまるわけではありません。しかし市長は、今回の施政方針の中で何度も経営という言葉を使われています。いわく都市経営を取り巻く情勢、いわく都市経営に普遍的な基本条件、いわく自立的な都市経営の確立、いわく高い都市経営能力、あるいは市役所自身が十分な経営能力を備えた組織となるや、さらには都市経営の改革等々であります。  行政の運営に経営感覚を持ち込むというそのことは、しばらく前から言われていたことでした。意味することの多くは、コストダウントと、入るをはかり、出ずるを制する。このことであります。  そこで伺いたい一つは、この都市経営という市長の言葉そのものの持つ意味合い。時宜的な要素。行政の持つ慎重性と経営の持つ迅速性との整合。状況をつくり出す力をどれだけ数多く、そしてスピーディーに発信できるのか。また、政策の柱の数とスピード感とが都市の持つパワーの源であるとしたときに、仙台市の現状。これについてであります。具体的処方として、どのような手法をお考えか。経営的視点から、数値目標や到達への手法、さらには結果に対する評価の方法があるはずではないかと思いますので、おっしゃる抜本的行財政改革とはいかなることを指すのか。特に、費用対効果への考察を加え、それぞれ所見をいただきたいと思います。  また、コストダウンとは、詰まるところ人件費です。そして、ローコスト経営とは、少人数経営と同じ意味です。となれば、仙台市役所全体のありようを、どのように抑えていくのか。すべての要素を組み入れて規模というものを考えるとき、いかがでしょうか。さらには、要求される必要経費の削減作業は、この上、乾いた雑巾をなお絞ることでしょうから、先に小さな雑巾をつくっておくよりも一層難しいと思われるのです。まなじりを決していくのでしょうか、市長の決意をお聞かせください。  概して言えば、行政は政策の展開をすることにかけてはすご腕だと私は思っております。しかし、それを評価する段になると、途端に弱いような気がします。  そこで、議会が納得をする行政評価とそのあり方について、市長の考えをお示しください。  また、そうした評価に基づいて、次の政策展開を考えていくことになるのでしょうが、市長のおっしゃる高い都市経営能力、これを備えるためには経営という言語の発想を大転換する必要があります。しかし遺憾ながら、内なる発想は常に改革、改善にとどまりがちです。今、まさに必要なことは、外からの発想となる政治家としての市長の発想であり、議会からの発想であり、わけてもそれに参画しようとする個々の市民からの発想が特に重要な意味を持つと思われますので、その点に対する考えはいかがなものか、伺います。  市長は、施政方針の中で次のように述べておられます。都市の活力の根源である地域力を最大限発揮し得るまちづくりを求め、地域の多様な主体が協力し合って公共を担う、新しい自治のあり方を展開していく。このことであります。  私はこの言葉が、これからの仙台が将来に向けて進むときに必要な最も大切で基本的な哲学であろうと思います。個々人の決意と行動、これこそがとうといものであり、それこそがすべてのものを動かしていく原動力となるものであるからです。  次に、スポーツ界での構造改革と行政の支援のあり方について伺ってみたいと思います。  構造改革。この言葉をさまざまな分野で耳にするようになりました。私は、サッカーJリーグの誕生以来、スポーツ界にも構造改革の波が押し寄せてきていると感じております。  これまで、さまざまなスポーツ競技を支え、競技力向上のためにそのエンジンとなってきた学校スポーツ並びに企業スポーツを基礎とした構造が、地域型のクラブチームを基礎としたものへと移行しつつあるのではないかということであります。Jリーグはまさにその端緒でありました。そして、マイチーム、楽天イーグルスの地域密着にも、その姿をかいま見ることができます。  この秋には、三つ目のプロスポーツとして、プロバスケットボールチームの仙台エイティーナイナーズが誕生する予定だと伺っておりますが、このbjリーグ構想もまた、私が申し上げるスポーツ界における地域型への構造改革の一つではないかと考えるところですが、まず、この認識についていかがなものかを伺っておきたいと思います。  bjリーグは、この十一月には立ち上げたいということのようで、過般、関係者の訪問を受け、その情熱に圧倒されました。幾つかの課題も感じられましたが、地元の出身者である若い青年の夢と希望に、でき得る限りの支援をしてあげたいと、これは私の正直な気持ちです。  そこで、仙台市に対する正式なコンタクトはあったのか。その際感じた問題点は何であったか。そのための解決策は検討されているのか。整理された範囲で答えていただきたいと思います。  さて、「センダイ一遇のチャンス」とか「仙台タナボタ」と市長が言ったとか言わなかったとか、なかなかにかまびすしかったのでありますが、実はこれ、東北楽天ゴールデンイーグルスのことなのであります。  ライブドアの堀江社長の挙手と発言以来、今日までの仙台市のこの一連のことへの全体的な取り組みと対応は、宮城県のそれと比べて、まず事前の準備の周到さで圧倒的な差をつけ、極めてスマートであったと私は高く評価しております。議会にありましても、議長を初めスポーツ市議の会の皆さんの支援と協力は、まことにスピード感にあふれ、見事な連携であったと申せます。結果、四月一日、フルキャストスタジアム宮城での開幕に向け、目下大車輪であります。  ここで伺いたいことは、昨年十一月二日に球団の誕生が決まってから、一気に躍り出た言葉、地域密着。このことであります。  球団側は、地域密着推進の担当セクションをつくり、地元ファンとの交流会の開催、少年野球への指導など、さまざまなメニューを打ち出している、そのことは周知のとおりであります。ところが一方では、ここに至って、地域密着ってこんなことだったのという声が、あちこちでささやかれ始めているように感じます。  具体的に言えば、球団が提示した球場内看板の広告料が高く、地元の企業にとっては参入しがたいとか、キャラクターやロゴマークの使用に制限があることだとかが見えてきた結果、せっかく蜜月状態であろうとする球団と地元の間にすきま風が吹き出してきたというのが、現状のようであります。  私には、このことがいささか危惧すべき事態のように思われます。楽天球団は、五十年ぶりに誕生した新球団であり、さらには、日本野球界に新しいビジネスモデルを構築できるか否かを今大きく問われているところであります。もちろん、企業として採算性を上げようとする姿勢は余りに当然のことですが、これらの状況を十分に踏まえつつ、あるべき姿を我々も模索していく必要があるように思います。  事態を整理すると、地元の中にある地域密着を疑う声には、三つのパターンがあると思われます。  一つは、さきに申しましたが、看板広告やロゴのように、球団が設定する各種の料金が高額に過ぎて地元の実勢とはかけ離れているために、事実上利用できないというもの。二つ目は、例えば球団の応援歌をモーニング娘が歌うように、球団としてのさまざまなマネジメントの中で、その多くを中央の企業を多用し、地元の資源を十分に生かしていないのではないかということ。そして三番目は、この機会に地元のいろいろな名物や物産を売り込みたいという猛烈なアピールが四方八方から寄せられる中で、そのための十分な機会が果たして与えられたかという不満。  概略、以上のように整理されると思うのですが、これらが不平不満となってちまたでささやき続けられることは、球団と地元関係者双方にとってまことに不幸なことであります。  私としては、単に球団が来たからもうかるはずだ、地域密着だから地元企業を優先してほしいという、でき上がった状況にただ甘えただけの考え方を持ってほしくはありません。つまり、球団という金づるがやって来たのではなく、試合を見に来る観客という新しい顧客が誕生したのであって、その人々を対象にしてどのようにアピールをし、地域みずからが行動を起こして新しいマーケットとしてどう育てていくのか。そのための知恵と工夫が我々に、今、求められているのだという認識が、最も大切なのではないかと思うのであります。  けれども、すべての人がこうしたラインに立っているわけではないし、また、球団経営の側にも、さまざま考え直してほしい面も多々あるわけです。それらを一人一人が、もごもごぶつぶつつぶやいているだけでは何の解決にもならないわけであって、これからの両者の幸せなパートナーシップを育てていくためには、仙台市としても、こうした事態をただ静観せずに、関係者の意見をよく聞き、伝えるべきを伝え、また、地元企業の企画力や販売力の向上に向けて、さらにも積極的な指導、調整を図る必要があるのではないかと思われますし、何よりも最初が肝心なわけであります。  そこで、この地域密着混乱の行方について、どのように受けとめ、どう対処していかれようとしているのか、その考えを伺うものです。  しかし、何はともあれ、三つのプロスポーツを抱えるまちは、東京、大阪に続いて仙台であるとのことでもあり、このまちのエンターテイメント性は一気にアップすることになって、うれしい仙台、わくわく仙台になること請け合いであります。  加えて、いま一つ、長屋の人情話が聞ける常設の演芸小屋があったらなと、これは夢見るきょうこのごろの私の思いであります。  市長、我がまちの百万人には、百万の知恵と力があります。この百万の多重で多様な知と力に大動員を求め、その個々人の決意と行動の中から仙台というフィールドに共感と共有を見出していく。異質なものを排除しようとせず、あるがままにその存在を認め、そして市民一人一人が持続的発展のために力を尽くす。このような中にこそ未来はある。この認識を持ちながら、今、ここにある我々もともに、きょうの日を歩みいきたいものであります。  以上、御清聴ありがとうございました。(拍手) 35: ◯市長(藤井黎)柳橋議員の御質問にお答えを申し上げます。  最初の施政方針についての一連の御質問にお答えを申し上げます。  その第一は、都市経営についての御質問でございます。  成熟社会を迎え、地域課題の複雑化、多様化、そして厳しい財政状況を背景といたしまして、従来の延長線上の取り組みはもはや通用しない時代に直面をいたしております。そのため、都市の資源を適切なコストで最大限に活用するとともに、御指摘のように、新たな活力源を無から創造するというような経営的な視点で都市を運営することが不可欠と認識をいたし、あえて都市経営という用語を用いたところでございます。  変化の時代におきまして、タイムリーな施策を展開してまいるためには、行政の基本として公平性、透明性を確保しつつも、迅速性を最大限に向上させることが極めてこれからは大事になってまいるところでございます。  こうした点に加えまして、コスト意識を研ぎ澄ましながら、市役所自身の抜本的な行財政改革や市民との協働型の政策評価の仕組みなど、地域経営的な視点からの取り組みを進めてまいりたいと存ずるところでございます。  次に、抜本的行財政改革についてでございます。  単に人員、組織の削減や行政コストの縮減にとどまることなく、市のすべての事務事業につきまして、行政がみずから行うべき公的サービスかどうか、あるいは担うべき主体も含めまして、より効果的な執行方法はどうあるべきかなどにつきましての徹底した検証をもとにいたしまして、都市経営の視点も加えて市の事務事業の再構築を図ろうとするものでございます。  御指摘の人件費などのコストダウンについてでございますが、本市におきましては、一般行政部門の職員について、他の政令市と比較いたしましても、現状において既に相当に効率的な組織となっておりますものの、なお一層の効率化が必要と認識をいたしておるところでございまして、今後二年間でさらに二百名以上の人員削減を進めるとともに、市の施策全般につきまして、費用対効果の検証のもとに、より一層効率的な運営手法の構築に努めてまいる所存でございます。  施政方針に関する御質問の最後は、行政評価のあり方についての御質問でございます。  市民ニーズに的確に対応し得る都市経営の推進のためには、政策の評価につきましても、行政内部の取り組みにとどまることなく、外部からの視点を大きく取り入れて、多くの市民の参画を得た、いわゆる市民協働型の政策評価の仕組みが必要になってまいると認識をいたしております。  具体的な仕組みの構築につきましては、早速検討してまいりますけれども、これからの都市経営に適合した創造的な政策管理の仕組みをつくるという、こうした観点から、指標の設定や評価の手法につきまして、十分検討を進めてまいりたいと、このように考えます。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長の方から答弁をさせたいと思います。  以上でございます。 36: ◯市民局長(稲葉信義)私から、スポーツ関係について二点、答弁を申し上げます。  まず、スポーツ界における地域型への構想改革についてでございますが、bjリーグは、地域による地域のためのリーグとの理念を掲げて昨年秋に設立され、まさにスポーツ界における地域型への構造改革の結果、誕生いたしました、Jリーグに続く地域型のプロスポーツであるというふうに認識をいたしております。  こうした流れを受けて、市民とプロスポーツのかかわり方は、これまでの専らテレビ鑑賞によるスタイルから、会場に足を運び、さらにはボランティアとしてチーム運営に携わるなど、より身近な、そして選択肢の広がったものと変貌しつつあり、このことに伴いまして、自治体とプロスポーツとのかかわり方もより重要性を増しつつあるというふうに認識をいたしております。  次に、bjリーグ設立に向けた問題点と解決策についてでございますが、昨年秋のリーグ発足に際しまして、コミッショナー及び運営会社より本市に対する説明と協力依頼があり、以後、随時打ち合わせを行ってまいりました。  その結果、チーム立ち上げに当たっての課題といたしまして、試合会場と練習会場の確保に係る要望が先方から示されまして、本市において調整に努めてまいったところでございます。  平成十七年度は、試合会場につきましては、既に仙台市体育館を確保し、練習場につきましても、一般市民の方々の利用と調整をしながら、本市のスポーツ施設などを提供する方向で検討してまいる考えでございます。  以上でございます。 37: ◯経済局長(五十嵐悦朗)新球団と地元関係者の調整についての御質問にお答えを申し上げます。  プロ野球球団の誕生に伴い、地元企業の期待感の大きさと現実との間にずれが生じているとのことでございますが、これは広告協賛金等の問題に加えて、設立間もないという事情もあり、球団側の窓口体制や地元に対する説明が十分ではなかったことに起因するものと考えております。  また、地元企業みずからが、球団の持つ集客力を大きなビジネスチャンスとしてとらえ、知恵と工夫を発揮すべきことは、御指摘のとおりと認識をいたしております。  今後は、球団側の体制も整いつつありますので、十分な意思疎通を図りながら、地域に根ざした取り組みの可能性を広げてまいる必要があると考えております。
     当面、仙台ビジターズ産業ネットワークにおきまして、ビジネスチャンスを創出する支援を行いますとともに、楽天イーグルス・マイチーム協議会の場などを通しまして、応援フラッグの掲出など、新球団をまちの活性化の力とする事業に対し、支援を行ってまいることといたしております。  以上でございます。 38: ◯議長(鈴木繁雄)これにて一般質問を終結いたします。          ────────○────────     日程第三 第一号議案から第七十三号議案まで及び議第一号(継続議) 39: ◯議長(鈴木繁雄)日程第三 第一号議案から第七十三号議案まで及び議第一号、以上七十四件を一括議題といたします。  お諮りいたします。ただいま議題となっております議案のうち、第一号議案から第三十一号議案まで、第三十八号議案、第四十号議案、第四十三号議案、第四十四号議案、第四十六号議案、第四十七号議案、第四十九号議案、第五十二号議案、第五十三号議案、第五十五号議案及び第五十七号議案、以上四十二件については、全議員六十人の委員をもって構成する予算等審査特別委員会を設置し、これに付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 40: ◯議長(鈴木繁雄)御異議なしと認めます。よって、第一号議案外四十一件については、全議員六十人の委員をもって構成する予算等審査特別委員会を設置し、これに付託することに決しました。  なお、予算等審査特別委員会の委員長及び副委員長の互選は、委員会条例第八条第一項の規定により、会議散会後、特別委員会室において行います。  お諮りいたします。ただいま議題となっております議案のうち、第三十二号議案から第三十七号議案まで、第三十九号議案、第四十一号議案、第四十二号議案、第四十五号議案、第四十八号議案、第五十号議案、第五十一号議案、第五十四号議案、第五十六号議案、第五十八号議案から第七十三号議案まで及び議第一号、以上三十二件については、お手元に配付いたしました議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 41: ◯議長(鈴木繁雄)御異議なしと認めます。よって、第三十二号議案外三十一件については、議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託することに決しました。          ────────○──────── 42: ◯議長(鈴木繁雄)以上で、本日の日程はすべて終了いたしました。  なお、本会議は、委員会の報告を待って再開の予定であります。  本日は、これをもって散会いたします。     午後四時十七分散会...