表2の
児童虐待相談件数をごらんください。
虐待の内容といたしましては、
身体的虐待が最も多く、平成15年度におきましては126件、47%となっております。また男女ほぼ同数の相談がまいっております。
相談件数は
虐待防止法が制定された直後は急増いたしましたが、先ほど御説明いたしましたとおり近年は横ばいの状況でございます。しかし、家族の課題が多様化、深刻化していることにより、長期的な対応を要する困難なケースが増加いたしております。
次に、4ページ目の表3、年齢別の
虐待相談件数をごらんください。
平成15年度で3歳未満が57件、21.3%、3歳から
小学校就学前が65件、24.3%、小学生が101件、37.7%などとなっております。
乳幼児期からの不適切な養育などによりまして、幼児期後半から
小学校学童期にかけて問題が深刻化、複雑化しまして、虐待として把握されるケースが増加する結果となっております。
次に、表4、
虐待相談の主な虐待者でございます。主な虐待者の6割強が実母である状況にございまして、子供にとって虐待問題の深刻さをこの数字が物語っているものと感じております。
次に、表5、
相談処理の状況でございます。
虐待の対応につきましては、児童の人権、生命安全の確保を最優先といたして本所は対応をいたしております。本所が親子とかかわっていくことによりまして、結果として
助言指導や
児童福祉司が
継続的かかわり合いを持つといった
在宅指導による対応が9割となっており、
施設入所措置などによる
親子分離には至らない
援助ケースが大半を占めているところでございます。
5ページ目の表6、
相談経路別の
受け付け状況でございます。
福祉事務所、
児童委員、保健所、学校などさまざまな経路から相談を受けておりますが、平成12年の
虐待防止法の施行後、虐待についての認識が世間に広がったことなどによりまして、近隣、知人といった一般の市民からの通告の割合が最も多く、これに家族、親戚そして学校等が多い状況となっております。
さて次に、
児童相談所の機能として、(3)に掲げてある
里親委託業務がございます。平成14年10月より新しい
里親制度が施行され、従来の
養育里親、
短期里親に
親族里親と
専門里親が加えられるとともに、里親の
機能強化策として、
各種研修の受講が義務づけられたところでございます。
表7の
里親登録数と
委託児童数等でございますが、新たに加わった里親で
専門里親はまだ実績がございませんが、現在まで
登録里親数が年々増加している状況になっております。
次に6ページ目の(4)一時
保護業務でございます。
一時保護は家庭の事情等で
保護者が養育できなくなって児童、虐待を受けている児童、非行などを理由に警察に補導された児童のうち、行動面や
家庭環境などから
保護者に看護させることが不適当と判断される場合などに、
当該児童を一時保護所に入所させ、その後の処遇を定めるために、
行動観察や
生活指導を行うものでございます。
表8の
保護実施状況のとおり一時
保護児童はふえておりますが、一時保護後児童の置かれた環境や
保護者の状況を十分に把握し、関連する機関とも連携をしながら適切な対応に努めておりますところから、一人当たりの
平均在所日数は、平成15年度には47.3日と
入所期間の短縮が図られてきております。
最後に今後の課題でございます。
第1に、現在、国会に提案、審議されております
児童福祉法の一部改正に伴い、
児童相談に関し、市町村―
政令指定都市の場合には区役所ということになりますが、市町村の担う役割が新たに法律上明確化されることとなり、区役所とより専門化した
児童相談所との
業務分担と連携による体制の充実が課題となっております。具体的な内容につきましては、今後、改正法が成立した後の政令等の詳細な内容を受けて、本市としての体制のあり方について検討してまいりたいと、かように考えております。
第2に、
児童虐待の防止等に関する法律の一部改正に伴う
対応強化でございます。今般の改正によりまして、虐待の
通告義務につきましては、これまでの虐待を発見した場合に限らず、虐待の疑いの段階で
通告義務が明記されたことなどによりまして、
情報提供や通告を受けた後、迅速な
初期調査や組織的な判断に基づく適切な
初期対応が求められることとなり、これまで以上に虐待に対する強化策が課題となっております。
第3に、一時保護所の
施設整備でございます。一時保護所では絶えず相当の数の児童を受け入れる状態が続いておりますが、加えて同じ要
保護児童として、非行系の児童も一緒に入所してまいることから、養護系と非行系の児童を分離して保護できる
施設整備が課題となっているところでございます。
以上、
児童相談所の業務について御説明をさせていただきました。
5:
◯委員長 ただいまの説明を含めて、本件について質問等はありませんか。
6:
◯石川建治委員 児童虐待に関連して幾つかお伺いをしたいというふうに思っております。
児童虐待の件数が減ってきているということは非常に喜ばしいことなんですけれども、ただ一方で、ただいま所長から報告があったように、
相談件数が減少したけれども、しかし家族の課題が多様化、深刻化していて
長期的対応を要するケースが増加しているということになっておりますが、具体的にその深刻化している中身、その辺わかれば教えていただきたいということです。
それから、これまで
児童虐待について本市が非常に積極的に取り組んできまして、先ほどあった
対応チームも結成し、そしてまたその前には、たしか虐待の
対応マニュアルなんかもつくって非常に充実を図ってきたというふうに思うのですが、そういう
専門チームなどをつくって取り組んできたことと、長期的な対応を要するといったときに、今後もこれまでの対応の中で十分やっていけるのかどうかということが気になったもんですから、まず、その点伺いたいと思います。
7:
◯児童相談所長 近年、家庭の中の養育力が低下をしているというふうに言われているわけですが、その養育力の低下というのは、とりもなおさず
保護者の問題でございます。私
ども児童相談所は、もちろん
児童福祉のためにさまざまな活動を展開しているわけでございますが、基本的には、やはり
保護者の方に対して御理解なり、御協力なり、あるいは自分の間違いを認めていただいて態度を改めてもらう、そういったことが必要でございます。ただ、今は親御さん方にもそれぞれお考えというものがございまして、私
ども児童相談所の人間がお話をしたから、はいわかりました、ということはめったにないと。それから
核家族化が進んでおりますので、例えば、私どもが申し上げたこと、あるいは御援助申し上げたことをおじいちゃん、おばあちゃんが同居していれば、ああ
児童相談所の言うとおりですよ、というケースも出てくるんでしょうが、今言ったように子供さんと
保護者の方だけという家庭もございます。そういった意味でなかなか困難な事例がふえているということでございます。
それから後段の質問でございますが、専任のチームは
初期対応をいたしております。その後、初期的な調査が終りまして
一定程度の
対応方向が決まれば、その後は
地区担当のケースワーカーが引き継いで対応するということになります。それで私どもといたしましては、現在のところはこの体制の中で最善を尽くしているところでございます。
8:
◯石川建治委員 次に、6ページ目の一時
保護業務の関係なんですが、一時
保護実施状況を見ますと、
保護児童数が増加しているけれども、一時
保護期間が短縮されているということですね。この表を見ると約半分くらいですかね、非常に大きく短縮されているということなんですが、この要因についてお知らせください。
9:
◯児童相談所長 この数字はいわゆる数値でございますので、例えば、ある年度に極めて長く在所する児童がいますと、この数字は上がってしまうという傾向はもちろんあるわけですが、そのほかに、現在私どもの方で入所させた児童については、初期的な調査、
周辺調査をできるだけ早い時間に行いまして、例えば、
施設入所であれば施設側とこちらの方として正式に決定する前に、施設側と事前に調整をするとか、そういったことをやっております。また、御家庭に復帰させる場合につきましても、
お母様方、お父様方、あるいは
保護者の方々に何度かこちらにいらっしゃっていただくなり、あるいは来れないというときにはこちらの方で家庭を訪問するなり、前向きに処遇の方針を決める努力をいたしておりますので、その結果が
平均在所日数の減少につながっているものというふうに考えております。
10:
◯石川建治委員 わかりました。
これまで数年間の
取り組みを通じて、虐待を受けている
子供たちに対する対応というのが、ある意味ではかなりのペースで進んできたのかなというふうに思っております。そういった面では
大変苦労の多い仕事ではありますけれども、そういった職員の方たちや、相談所を中心とした皆さんに、まずは敬意を表しておきたいというふうに思っております。
そこでちょっと気になっているのは、4ページの主な虐待者のところなんですね。どうしても実母というところが非常に数値が高くならざるを得ないというふうに思っておりますが、その要因というのをどのように考えていらっしゃるかお聞かせください。
11:
◯児童相談所長 実母が多くなっているという要因ということだろうと思います。
やはりまだ我が国では、子供を育成するのは大半が母親の仕事という側面がぬぐい切れません。結果といたしまして母親が育児の大半を担っている、イコール、トラブルがあれば
母親絡みになるということで、実母の数がずば抜けた数になるということでございます。
12:
◯石川建治委員 生まれたときから、という
かお腹の中に入っているときから24時間ずっと接していくと。そういった中で必ずしも母親が
心身ともに健康な状態―
子供たちがぐずったりするときも的確に対応できるという状態にないときもありますし、さまざまな苦労が多いと。そういった面では、非常に
ストレスがたまるというふうにも理解できるんです。聞くところによりますと、国の
アンケート調査でも虐待をしてしまっている母親が、正確な数字は忘れましたけれども、共働きをしている方で約40数%が
ストレスを感じると、あるいは
専業主婦をやっている方が70数%に上るという話も伺っております。そういった面では、子供と多く接している母親のところが、どうしてもそういう場面になっていくという可能性が非常に高いというふうに理解をしているわけです。そのときに、先ほど言った
子供たちに対する行政の手だてが非常に進んでいる一方で、そういう
専業主婦を含めた母親とか父親とかそういった方たちへのケアというのが求められているというふうに思うんですが、そういったことについての本市の現在の
取り組みと、もし考えがあれば、今後のケアの充実といいますか、そういったものがあればお示しをいただきたいと思います。
13:
◯健康福祉局長 児童相談所長が述べておりますように、特に虐待をしてしまうという父親、母親、特に母親でございますけれども、御質問いただいたように、特に一人で子育てをしている、自分一人が大変なことをしているというようなことで、確かに
仲間づくりとかを通しまして、結局同じような思いをしながら子育てをしている方がいっぱいいるということで、ある意味ではお互いに語り合ったり、
仲間づくりをすることによって子育てに対する自信というものも生まれてくると思いますし、虐待に至らないまでの前段として、その
仲間づくりなり、そういった意味での
子育て支援―特に
保育所等に預けていない、以前の段階として、特に
専業主婦の方に対する
支援づくりをこれから強化していきたいなというふうに思っております。
14:
◯石川建治委員 そこで、ぜひ今後の施策に生かしていただきたいのが、基本的には
子育て支援、さまざまな支援策がありまして、他の課との連携が非常に求められている、
子育て支援という相対的な施策の充実ということが求められていると思うんです。その際に、例えば保育所での
相談業務とか、あるいは一時預かりとかですね、それから児童館とか、すくすく
サポートセンターでしたか、そういったところのさまざまな
関連施設も含めて、これまで以上に拡充を図っていく必要があるだろうというふうに思いますが、まずそのことについて、どのように考えているのかお聞きしたいということが一つです。
それから2点目が、うちの会派でも前、議会で取り上げましたけれども、
母子手帳の交付とか定期健診のときに、
一定程度の時間を取って子育てに対する指導といいますか、そういったことをやっていましたよね。そのことが今、都合のいい時間に手帳を取りに来るだけでなかなか説明もできないということがあるんですが、そういったことをもう一度考える必要があるんじゃないかというふうに思っているんですが、そのことについてが2点目。
3点目は、これまでずっと求めてきましたけれども、基本となる子供の人権ということについて、市民の皆さんも理解をし、子供の尊厳を守るための条例が市を挙げて必要ではないかと。子供の
権利条例ですか、そういったことが仙台市でも必要になってきているのではないかと思うんですが、その3点について、当局の考えをお聞かせいただきたいと思います。
15:
◯健康福祉局長 まず、第1点の
子育て支援のあり方といたしまして、御指摘いただきましたように、私どもとしては児童館なり、保育所なり、それぞれの
専門機関や施設を利用した
子育て支援なり、そういった意味での多様な対応を御指摘いただいた趣旨で進めていきたいというふうに思っております。
それから、
母子手帳の交付につきましては、以前にも御質問いただいて、それぞれの方の御事情もひとつ反映しながらということで、定例的な交付ではなくて、という形を取っております。
ただ、その中でも必要な方につきましては、そういう時間を十分に取って対応しております。その辺の進め方については、より徹底をしていきたいと思っておりますし、そういう機会を通じての
児童虐待なりの防止に向けた
取り組みを強化していきたいと思っております。
ただ、定例的に戻すというのはなかなか難しいのかなというふうには思っております。
それから子供の
権利条例に関してでございますけれども、これにつきましては、たびたび議会等で御質問いただいて御答弁申し上げておりますけれども、私どもといたしましても、
マニュアルだとか、これまでも
取り組み、進めてきております。こういった
取り組みを進めていく中で、人権に対する認識なり、意識を高めていく中で、その向こうに
条例制定というものを視野に入れて進めていきたいというふうに思っております。
16:
◯石川建治委員 母子手帳の交付のときに、日にちを決めてというのはなかなか難しいということなんですけれども、先ほど局長が言ったように、母親の
仲間づくりといったときに同じ地域の出産を控える
お母さんたちが集う場にもなるわけですね。それは
仲間づくりのきっかけにもなるというふうにも思うので、これまでのような形に復活をさせるのかどうかは別にしても、ぜひとも検討していただきたいということを要望しておきたいと思います。
それから、虐待というのがよく虐待の連鎖といわれて、虐待された子供が大人になって自分が親になったときにまた虐待をしてしまうという、そういう連鎖があると。その連鎖を断ち切るためには長期の期間を必要としているというふうに私は理解をしているのですが、そういうことからすると御苦労も多い仕事です。職員の方たちが
ストレスをためることにもなる業務でもありますけれども、ぜひともこれまで以上の
職員体制の充実とか、そういったことも含めて虐待を減らしていくと、なくしていくのが一番いいんですけれども、すぐにはなくならないということでありますから、少なくしていくと。そしてそのことが仙台市が子育てしやすいまちなんだということもまたアピールできるんだろうというふうに思いますので、ぜひとも今後の御努力を要望して終りたいと思います。
17:
◯舩山由美委員 私からも、
児童相談所の業務について伺います。これまで議会の論戦の中でも、会派として
児童虐待を防止するための
取り組みを強化をする点と、
子供たちが健やかに成長発達していけるという点で論戦に取り組んでまいりました。
まず、
児童相談所の体制についてですが、昨年との比較で体制がどのように変化しているのかについてお伺いいたします。
18:
◯児童相談所長 昨年度と比較いたしまして2点ございます。
1点は、
兼務職員が1名専任化をされております。それからもう1名、これまでは嘱託の
精神科医の先生をお願いいたしまして御相談申し上げておったところでございますが、このたび仙台市の職員といたしまして
精神科医を1名採用することになりました。この
精神科医は、
児童相談所の1階の方にございます
親子こころのクリニックとの兼務ではございますが、
嘱託職員とは全く異なる、兼務とはいえ
正規職員でございますので、この2点について強化されたというふうに考えております。
19:
◯舩山由美委員 嘱託の
精神科医の先生が専任化されたということは、専門的な
アプローチをスピーディーに行えるという点で、現場の相談にかかわる職員の方にとっても大変心強いことだと思います。これまで
児童虐待防止チームを編成して、強化をして進めてきたという点では非常に歓迎するものなんですけれども、実際にはまだまだ
児童福祉司の配置の面からすると、深夜にも及ぶような24時間体制の問題ですとか、勤務が終ってもまだ拘束されているような、そういう状況からは免れないという点でも、先ほど
石川議員の方からもありましたが
ストレスの連続だと思うんですね。そういった点で
児童福祉司の
配置人数について、現在の体制についての御認識を伺いたいと思います。
20:
◯児童相談所長 児童福祉司の配置の基準でございますが、
児童福祉法施行令の中では、おおむね人口13万ないし10万人に1名ということになってございます。それから
地方交付税の
算定基準の中では、おおむね人口7万4000人に1名という基準が設けられてございます。一番厳しいのが
地方交付税の基準でございますので、ざっと仙台市の人口100万を割ってみますと約14という数字になりまして、現在、当所では
児童福祉司は14名配置されております。他の都市の状況をお伺いいたしましたところ、
地方交付税の
算定基準にも達していない
児童相談所が半分近くあるというお話も伺っております。決して十分な体制ということではないのかもしれませんが、
一定程度の基準は満たしておりますので、鋭意
職員一丸となって努力をしてまいりたいというふうに考えております。
21:
◯舩山由美委員 現在の配置の状況で、法律に関する
配置基準では満たしているというお答えでしたが、実際の現場からの御意見を伺いますと、今の体制ではまだまだ足りないというのが実感ではないかと思います。全国の
児童相談所長の会議でも、人口5万人に一人の
体制強化を求めるという要望を出しておりますので、ぜひ
配置基準を上げるように国に対する働きかけを強めていただきたいと思うんですが、特に
子供たちが虐待を受けて、その後の子供の成長、発達に対して
アプローチをし続けるという点と、
自己肯定感情といいますか、自己を愛する気持ちや他者を愛する気持ち、人間らしく感情を表出する、そういう意味からいっても粘り強いかかわりが求められるんだと思います。また、虐待をする親も過去に虐待を受けていたというケースが多数占めているということもありますので、その連鎖を断つためにも、親子再生機能も含めると、しっかりとした
相談業務に当たれるような
児童福祉司の
配置基準というのが必要だと思うのですが、その点について国に対して働きかけるべきだと思うのですが、御認識を伺います。
22:
◯健康福祉局長 配置基準の問題よりも、私どもといたしましても、現場の方から体制の充実について求められてきております。それで、今後の課題のところに記載されておりますように、
児童相談所が、市町村との機能とどういうふうに分けていくかという問題、それとの連携をどうするかという課題もございますし、2番目で言われているように、虐待の疑いがある場合についても、通告を受けて
初期対応をしていかなければならないということもございまして、そういったところを総合的に勘案しながら、私どもとしては引き続き必要な人員体制の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
23:
◯舩山由美委員 もう1点、連携の強化について伺います。
予防から自立までの切れ目ない支援というのが非常に求められるんだと思うのですが、養育力の不足している家庭を早期に発見していくという点と、発見したときにきちんと支援の手を差し伸べるということが非常に重要だと考えています。そうした点で、各区の保健師の役割というのが非常に重要だと考えます。保健福祉
センターの保健師ですとか、
児童相談所、学校、医療機関などの連携を日常的に密にしていくということが、虐待を未然に防いだり、また自立につなげていくという上では欠かせないことだと思うのですが、この連携の強化の、今現在の
取り組みについて伺いたいと思います。
24:
◯児童相談所長 私
ども児童相談所は先ほどから申し上げておりますように、一生懸命やっておるわけですが、
児童相談所長だけではやはり対応できない部分がございます。それで現在は、例えば、ある情報が区役所のあるセクションを通じて入った場合には、その情報に対する対応を考える関係の職員で集まって、いわばネットワークセッションとでも申し上げたらよろしいんでしょうか、そういった関係者の共同の場を設けて打ち合わせをした上で、例えば
児童相談所はこういう対応をする、保健福祉
センターではこういう対応をする、そういった対応をいたしておりますので、連携という意味ではかなり高レベルな連携が図られているというふうに考えております。
25:
◯舩山由美委員 ぜひ、連携を密にとって進めていただきたいと思うのですが、もう1点は先ほど局長の方からも法律の改正に伴う中で、業務体制について検討していくというお答えでしたけれど、今後の課題のところで出している
児童福祉法の一部を改正する法律案の中で、今、
児童相談所の役割をさらに要保護の高い事例に対応する施設にするですとか、後方支援に重点を置いて、一方で市町村の担う役割を明確にしていくというようなことで法改正がなされているんだと思うんですが、具体的に本市において法律案改正に伴う対応についてどのように検討されていらっしゃるのか、今現時点の状態で構いませんので、お伺いをいたします。
26:
◯児童相談所長 今回法律改正案が成立いたしますと、市町村の役割が明確化されるわけでございます。ただ、我が市は
政令指定都市でございまして、いわゆる通常の県が設置している
児童相談所と市町村との関係とはちょっと異なっておりまして、例えば、私
ども児童相談所も
健康福祉局という同じ組織に入っていて、保健福祉
センターも同じ組織に入っております。仙台市というこれまた一つの組織体に属しておりまして、県と市町村の関係というのとは微妙に違うところがございます。先ほど御説明いたしましたとおり、私どもといたしましては、区役所と現在の
児童相談所の連携は100点満点とはいかないまでも、相当できているのではないかと思っています。ただこういった法律が成立いたした後、詳細な政令とか省令が出てまいると思いますので、それらの内容と現在仙台市がやっている連携とを十分に比較いたしまして、機能の強化、役割分担の明確化などをいたしまして、
児童福祉のより高度な実現に努力してまいりたいというふうに考えております。
27:
◯舩山由美委員 今後、省令等を見て
取り組みをしていくという御報告でしたが急いで仕組みづくりをしていくということが、今後求められていくんだと思います。その点で、今想定されていますこの法改正に伴う業務内容の変更によって、どのようなことが心配されるのか、本市として分析している点があればお答えいただきたいと思います。
28:
◯児童相談所長 これはあくまでも一般論でございますが、
業務分担をいたして、例えば現場となる市町村の方で、これは簡単な問題あるいは軽易な事項なので
児童相談所には報告しないでおこうというものが出てくると思うんですね。そのときの線引きをきちんとやっておきませんと、現場の市町村では軽易と考えたのですが、より高度な専門性を持っている私
ども児童相談所からみれば、背景に大きな問題があってそれに気づいてほしいということもあると思うんですね。ですからなかなか何の問題が予想されますかと言われてもちょっと難しいところはございますが、
業務分担の線の引き方、どこで引くかというところではちょっと迷いが出てくるかなと。これが一つ問題だと思われます。
29:
◯舩山由美委員 これまで
児童相談所の果たしてきた総合的な役割、ソーシャルワークや、クリニック機能や一時保護措置の機能も含めて、総合的な機能も持ち合わせていた
児童相談所の役割と、あとは実際に市民にとって身近な窓口である各区の窓口が、連携を持って市民の困難を解決していく対応が求められていくんだと思うんですが、この法改正によって後退するようなことがあってはならないし、さらに虐待を防止する施策を前に進めていくことが必要だと思うんですが、国に対しても、先ほど福祉司の増員の
配置基準を高めるべきだということで御質問させていただいたんですけれども、今まさに審議を進めているわけですから、国に対してしっかりと福祉司の
配置基準を見直して増員していくという点と、予算措置も伴ってしっかりとした体制をつくるように求めていく必要があると思うんですが、その点について御認識を伺います。
30:
◯健康福祉局長 先ほど申し上げましたように
配置基準につきましては、それに特にとらわれることなく必要な体制を私どもとしてもとっていきたいと思っておりますし、特に子育てをめぐる市町村の対応を申し上げますと、どちらかというと
児童相談所だけではなくて、例えば、総合的な
取り組みをしていかなければならないだろうと思っています。その一翼として、
児童相談所もそれなりの
専門機関として取り組むわけでございまして、行政を挙げて、例えば教育委員会も含めて、そういった連携のもとで私どもとしては
子育て支援なり虐待対応なり取り組んでいきたいというふうに思っております。
31:
◯舩山由美委員 ぜひ進めていただきたいと思うんですが、あと、最後の一時保護所の
施設整備にかかわる点について1点だけ伺います。
養護系と非行系を分ける点が課題であるということが分析されていますけれども、特に心に傷を持った
子供たちが一時保護という形で施設に入っている。その中でさまざまなトラブルが生じてしまったり、養護系と非行系ではケアの仕方も、対応の仕方も全く異なると思いますので、この点については
施設整備をしっかり進める必要があると私は考えています。市独自でもできる課題ですので、この点についてどのように検討しているのか伺います。
32:
◯児童相談所長 委員御指摘のとおり、養護系の児童と非行系の児童ではそのケアの方式に差異が生まれてまいります。非行系の児童の中には往々にして粗暴と申しますか、乱暴な子供が結構混じるというのが実態でございます。それらの子供と養護系の子供を私どもとしてはやはり一緒にしているのはまずい、分離して養護したいと考えているのは、意見は全く同じでございます。ただ現実にその
児童相談所の現在の一時保護所の敷地、それから建物の面積、そういったものを考えますと、増築などをして対応せざるを得ないのですが、これは物理的な問題でございますので、きょうあす解決するというわけにはまいりませんので、若干長期的視野の中で改善を図ってまいりたいというふうに考えております。
33:
◯舩山由美委員 今、変化しながら仕組みをつくっていくという大変な一年だと思うのですけれども、そうした中でも課題として挙げている、これまでも解決すべきだということで検討されてきている中身ですので、ぜひともその
施設整備をしっかりと進めていくということを取り組んでいただきたいと思います。
34: ◯山口津世子委員 私の方からも何点かお願いします。今所長の方からさまざまな御説明をいただいたんですが、アーチルに移行したことによって障害
相談件数が減ったということで、その部分では
児童相談所の方の件数も減っているところですが、先ほどからいろいろ議論があったように主な虐待者が実母であるということで、本当に私も子育てをしてきた中で、瞬間的にいろいろな命が出てくるというのが本音でございまして、悲しい思いをしたり、また楽しい思いをしたりいろいろなのですが、実母と実父でだいたい90%以上になっているところですね。例えば、実母の虐待なんかでも、今核家族が多くなってきてという御説明もありました。そしてそういう部分ではもっと地域力ということを本当に考えていかなければいけないのではないかなというふうに思っております。そして表6のところで虐待の通報というんですか、近隣・知人からというのが一番多いとなっているんですけれども、これを見ても本当に地域の中で子育てをしていくということがとっても大事なことだろうと思いました。
また、実母からの虐待が多いということと、ゼロ歳から3歳未満の子供に関しては、行政的な部分でも、地域でもいろいろな手助けをしていけば、ゼロ歳から3歳未満の虐待はもっともっと減るのではないかなと。例えば動くようになってとか、学校に入ってから、いろいろな状況の中で手を上げるとかそういうことがあったにしても、ゼロ歳から3歳未満の虐待をなくすということは、もっといろいろ考えていけばできるのではないかなと思っています。そして今、日本の中でも、本市ではないのですけれども、こういう小さな子供さんたちが命に及ぶような虐待をされているということが、テレビとか新聞のニュースになっているところを見たときに、このことについてもう少し区の保健福祉
センターの方と連携をとりながら訪問するという、何かがあって
児童相談所の方に相談に来てから対応するということも大事なんですけれども、ここに来る前に手だてをすることはできないのかなというふうに、この表を見て、いろいろお話しを聞いて思っておりました。出産の後の産後ヘルプ事業とかありますけれども、出生した後にもっと保健師さんがまめに訪問して、相談体制を強化していただくということが本市としてできないのかどうか、その辺ちょっと伺いたいと思います。
35: ◯こども企画課長 国の事業といたしまして、育児支援家庭訪問事業という事業ができております。これにつきましては、今年度、仙台市としましても、対象者の絞り込みとか対象施設の把握とか対象施設に見合った訪問指導の体制づくり等について、早急に検討していくような形で現在考えているところでございます。
36: ◯山口津世子委員 先ほども関係者のネットワークッセッションというんですか、一人の子供に対していろんな分野の人たちが、その子供さんを守るために、その家庭のためにどうしたらいいかというので、いろんな関係者の方がいろいろな形で協議をして解決策を見つけられているということを伺いました。私も現場でいろいろ聞いていて、本当にすばらしいことだなと思っておりました。例えば、家庭で子育てをしている
専業主婦の方が、今、保育所の方で受け入れをしてくださって、週に何日間とか行って保育所に入っている子供と遊べる時間なんかも持っているんですけれども、そこに行ける人はいいんですけれども、行けないお母さん、
子供たち、そこに、今御回答いただきましたように、こちらから訪問して、声がけをして、地域の中に入っていけるような状況づくりをしていただけたらいいなというふうに思っております。そのことによって
児童相談所に駆け込む件数がもっと減るのではないかなというふうに思いましたので、その点は提案もさせていただきたいと思っております。
最後に、あともう1点、一時保護のことについて。今も、舩山委員の御質問に答えられていました養護系と非行系の児童を分離して保護できる施設が必要だということで、これはハードの面もありますし、早急にということはできないと思いますけれども、ぜひこれは検討していっていただいて一日も早い解決を見ていただきたいと思っております。先般の予算特別委員会で我が会派の幹事長も総括質疑の中で言われたのですが、福岡のえがお館というところに私たちも行かせていただいて、ここのえがお館は、
児童相談所、青少年相談
センター、育児110番、教育相談とか子供に対するもの全部を一括して見ている
センターなんですね。そういうことで、例えばこれは
児童相談所ですよ、これはどこですよ、じゃなくて、その子供さんのことについて、警察も入ってすべてそこでいろいろな形で検討できるというえがお館を見まして、ぜひこれからハード面の部分で最初から立ち上げるのではなくて、今あるところで使えるところも見ていけばあると思います。私もあの辺がいいのかな、なんて思うところもあるのですけれども、ゼロからつくり始めるとなれば大変な予算も必要なわけですけれども、何か工夫をしてそういうところを一日も早く立ち上がれるような体制づくりをしていただきたい、それが一時保護についての提案というか、お願いでございまして、終わりにします。
以上です。
37:
◯委員長 ほかにありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
38:
◯委員長 なければ、これをもって委員会を閉会いたします。...