以上、趣旨を御理解いただき、各位の御賛同をお願いする次第であります。
8: ◯議長(鈴木繁雄)これより質疑に入ります。
質疑はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
9: ◯議長(鈴木繁雄)質疑なしと認めます。
お諮りいたします。ただいま議題となっております
意見書案第十号については、会議規則第三十三条第二項の規定により、委員会の付託を省略いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
10: ◯議長(鈴木繁雄)御異議なしと認めます。よって、
意見書案第十号については委員会の付託を省略することに決しました。
これより討論に入ります。
討論はありませんか。
〔「なし」と呼ぶ者あり〕
11: ◯議長(鈴木繁雄)討論なしと認めます。
これより採決に入ります。
意見書案第十号 県補助金における格差の是正を求める件は、原案のとおり決することに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
12: ◯議長(鈴木繁雄)御異議なしと認めます。よって、本
意見書案は原案のとおり可決されました。
副議長と交代いたします。
〔議長
鈴木繁雄退席、副議長 斎藤建雄議長席に着く。〕
13: ◯副議長(斎藤建雄)議長と交代いたします。
────────○────────
日程第二 一般質問
14: ◯副議長(斎藤建雄)日程第二 一般質問を行います。
順次発言を許します。
まず、斎藤範夫君に発言を許します。
〔二番
斎藤範夫登壇〕(拍手)
15: ◯二番(斎藤範夫)みらい仙台の斎藤範夫でございます。
議長のお許しをいただきましたので、通告に従い質問をさせていただきます。
まず、環境と廃棄物の問題について、数点お尋ねをいたします。
地球温暖化を防ぐ
京都議定書が採択されたのは、一九九七年、平成九年十二月十一日です。環境問題に国際的に取り組む仕組みが、初めて具体的な形で構築された意義は大きく、
宇宙船地球号の未来に明るい光が差したかに見えました。
しかし、あれからちょうど六年がたちましたが、いまだ発効の見通しが立っておりません。
温室効果ガスの最大の排出国であるアメリカが離脱し、オーストラリアも批准に反対しております。
京都議定書発効のかぎを握るのはロシアであると言われておりますが、そのロシアについては、年内にも批准との観測が流れておりましたが、いまだ流動的な状況にあります。
温室効果ガスの
排出量削減の目標年次である平成二十二年まで残すところ七年という現在に至っても、
京都議定書の発効の見通しが立たず、
宇宙船地球号の未来に差した光も消えかかっているかのようであります。
ところで、本市では、
京都議定書の趣旨を踏まえ、仙台市
地球温暖化対策推進計画を平成十四年度に全面改定し、本市域から排出される
温室効果ガスについて、平成二十二年度までに市民一人当たり七%削減する数値目標を定め、
地球温暖化防止に向けた取り組みを進めております。
また、百万人のごみ減量大作戦の数値目標も、
温室効果ガス削減目標の七%とリンクしているなど、本市の環境分野の主な計画は、
京都議定書と密接な関係にあるといっても過言ではありません。
京都議定書が発効できないからといって、本市の計画が無効になるわけではありませんが、
地球温暖化防止を初めとする環境分野の取り組みは、一自治体で完結できるものではありません。国内外の多くの地域との連携が求められております。
本市は、環境の分野で数々の先進的な取り組みを積み重ね、国内外に情報を発信してまいりました。また、幸いにも、市長はこのたび
国際環境自治体協議会、イクレイの理事に就任されております。
そこでお尋ねいたしますが、
環境先進都市・仙台の首長として、また、イクレイの理事として、この
京都議定書問題に対してどのようなアクションを起こされるのか、市長の意欲のほどをお伺いいたします。
次に、百万人のごみ減量大作戦についてお尋ねをいたします。
本市では、仙台市
一般廃棄物処理基本計画を踏まえ、ごみの減量・
リサイクルに対する市民、事業者の関心を高めるため、平成十一年度から
キャンペーンを展開してまいりました。この間、平成十三年四月から粗大ごみの有料化、平成十四年四月からは、
プラスチック製容器包装の分別収集が全市域で実施されてまいりました。
キャンペーンキャラクターのワケルくんの人気も絶大で、全国的な反響があったと聞いております。
しかし、ここ数年、ごみの排出量は減少傾向にございましたが、平成十五年度、今年度の上半期には、生活ごみ、事業ごみとも増加に転じたようであります。作戦がスタートしてから四年が経過しておりますが、ワケルくんの大活躍とは裏腹に、作戦の成果は上がっていないのでありましょうか。作戦の成果と
数値目標達成の見通しについてお伺いいたします。
次に、紙類の
リサイクルについてであります。
家庭ごみの約四割を占める紙類の
リサイクルが課題となっており、今年度に入り、
キャンペーンキャラクターとしてワケミちゃんを投入するなど、大々的な
キャンペーンが展開されております。
しかしながら、現在行われている
集団資源回収や
紙類回収庫の設置による回収では限界があるのではないでしょうか。
集団資源回収の主力を担っている子ども会、この子ども会の数が減少傾向にあり、
集団資源回収全体として大きな伸びが期待できない状況にあります。また、
紙類回収庫の設置は、最近、急激に整備したようではありますが、全部でわずか三十三カ所であり、利用できる曜日や時間も限られております。現在の
回収システムの充実を図る一方で、新たな
回収システムを検討し構築すべきと考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、生ごみについてであります。
家庭ごみの三割から四割を占める厨芥類、いわゆる生ごみの減量・
リサイクルも大きな課題であります。現在行われております生
ごみ堆肥化容器購入費補助事業や
家庭用電気式生ごみ処理機購入費補助事業は、一つ一つの世帯を対象とした点の事業であり、本当に本腰を入れた取り組みを行うのであれば、地域を対象にした面の事業が求められてまいります。
そこで、お尋ねいたしますが、市民の理解と協力のもと、
モデル地区を選定し、生ごみの減量・
リサイクルのモデル的な取り組みを行ってはどうか、御所見をお伺いいたします。
次に、学校における
プラスチック製容器包装、いわゆるプラごみの分別についてであります。
現在、仙台市立の百九十五の学校から二十校のモデル校を選定して、この分別を実施しております。残りの学校では、そのほかのごみとまぜて
事業系一般廃棄物として、本市の
ごみ処分システムで言うところの可燃ごみとして処理されております。したがって、ほとんどの学校では、プラごみを分別するのではなく、その他のごみとまぜて処理されており、学校には、ワケルくんではなく、マゼルくんがいるようであります。
しかしながら、学校という場を考えれば、
教育的配慮に欠ける取り扱いではないでしょうか。子供たちから見れば、家庭でも学校でもプラごみはプラごみです。家庭では、お父さんやお母さんが分別しなさいと、しかし、学校ではまぜなさいという指導では、子供たちの環境に対する意識は向上いたしません。
中には、保護者や地域の人が集まる学校行事の際、教育的な配慮ということで、わざわざプラごみを分別して集め、行事が終わった後では、また、わざわざプラごみとそのほかのごみをまぜ合わせて処理している事例もあるやに聞いております。
環境先進都市として、何と悲しい実態ではないでしょうか。
しかし、このことを責めることはできません。それだけ、プラごみの分別という意識が市民の間に定着しているからであります。今行っているモデル校による実施ではなく、仙台市立のすべての学校で、
プラスチック製容器包装の分別に早期に取り組むべきが施策の本質であると考えますが、御所見をお伺いいたします。
また、仙台市の幼稚園、保育所、児童館ではどのような実態にあるのでしょうか。今後の取り組みについてもあわせてお伺いをいたします。
次に、学校給食の残食、いわゆる食べ残しの問題についてであります。
本市の学校給食における食べ残しの割合は、平成十四年度には、小学校で一四・四%、中学校では一七・七%となっており、量的には年間一千トン以上の食べ残しが発生していると思われます。
現在、保護者が負担している給食費、これをもとに食べ残し分を金額に換算しますと、総額で五億数千万円にもなるようであります。そして年間二千万円近くの経費をかけてその食べ残しを処理しております。子供たちの食べ残しが、これほどまでの金額になるとは全く驚きであります。
そこで、お尋ねいたしますが、この実態を逆手にとって、環境教育の生きた教材として活用してはいかがでしょうか。食べ残し分の五億円があれば、体育館とプールをつくってもまだおつりが来ると。食べ残しを廃棄物として処理することで、どれだけ環境に負荷をかけているか、そういうことを教えてはどうでしょうか。結果として、食べ残しも減少するのではないでしょうか。
また、これだけ膨大な食べ残しが発生する原因として、どのようなことが考えられるのか、お伺いをいたします。
次に、街路樹を中心とした杜の都の緑の管理について、数点お尋ねをいたします。
緑豊かな街路樹は、私たちの暮らしの中に快適な生活環境を確保し、潤いと安らぎを与えてくれます。また、特色のある緑の並木は街の顔とも言えます。定禅寺通や青葉通の
ケヤキ並木は、仙台を代表する景観ともなっております。並木と一体となったイベントも行われております。きょうからスタートする
SENDAI光のページェントなどは、その代表的なものと言えましょう。
本市では、平成十一年に百年の
杜づくり行動計画を策定し、緑の
回廊づくりや百万本の森づくりなどの重点施策を推進しており、緑が量的にも質的にも充実し、自然とまちが溶け合う杜の都・仙台の実現が期待されているところであります。
ところで、市中心部から目を転じ、その周辺部や郊外の街路樹を見ますと、驚くような光景を目にいたします。大胆に剪定され、本来の樹形とはかけ離れた無残な姿をさらしている街路樹が、至るところで見受けられます。また、枝葉が繁茂し過ぎて街路灯や信号機を覆い隠し、防犯や交通安全の妨げになっているもの、あるいは
イヌエンジュという木ですが、この木のように、害虫の分泌物で通行の妨げになるほど周囲の歩道を汚している事例もあります。
これらは、電線の真下や狭隘な歩道空間に、ケヤキなどの大木となる種類の木を植栽し、また、害虫がわきやすい種類の木を植栽したことなどによるもので、明らかに樹種の選定、街路樹の管理のあり方に問題があります。
このため、地域の生態系、景観、安全等を考慮した樹種の更新なども含めた街路樹の管理のあり方について、基本的な方針を策定する必要があると考えますが、御所見をお伺いいたします。
次に、市民協働による緑の管理についてであります。
街路樹を初め、市内の緑は着実にふえ続けておりますが、厳しい財政事情から、維持管理に要する予算は年々減少し、適切な維持管理を欠くおそれが生じております。維持管理の伴わない緑の創出では困ります。緑の創出、これと緑の維持管理は一体的に考えていく必要があります。
一方で、このような事態を打開するため、百年の杜づくりの理念である、市民、事業者との協働による維持管理が重要な課題となっております。
公園愛護協力会の例もありますことから、街路樹の管理についても広く市民参加の手法を検討すべきと思いますが、御所見をお聞かせ願います。
また、昨年度から、各区において百年の
杜づくりフォーラムが開催され、地域に根差した緑づくりや市民参加のあり方について話し合いが行われてきたようでありますが、この
フォーラムをどのように総括し、今後、どのような展開をお考えなのか、お伺いをいたします。
次に、
救急救命士の処置範囲の拡大に関連して数点お尋ねをいたします。
救急救命士制度の充実につきましては、平成十四年第二回本
市議会定例会において意見書を採択し、国に提出したところでありますが、全国の自治体の強い要望を受け、大きな前進を見るに至っております。
まず、この四月から
メディカルコントロール体制の構築を前提として、医師の具体的な指示なしでの除細動が可能となり、
心肺停止患者に対する迅速な処置ができるようになりました。
そこでお尋ねいたしますが、本市においては、どのような実施による効果が得られているのでありましょうか。除細動の実施状況、心拍再開の状況などについて、具体的なデータがあれば、お示し願います。
また、
メディカルコントロール体制は、救急出場時における、患者の観察や処置に係る医師の直接的な指導や助言、そして、
救急患者収容後の事後検証など、よりレベルの高い
救急サービスを提供しようとするシステムであるととらえておりますが、これまでの実施状況を踏まえ、より効果の高いシステムとするための課題と今後の対応についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。
次に、平成十六年の七月に予定されております気管挿管、
気管内挿管とも言っておりますけれども、この気管挿管に対する取り組みについてであります。
医療機関での三十症例に及ぶ気管挿管の経験が必要とされるなど、
救急救命士に気管挿管を認めるためには、非常に厳しい条件が課されていると聞いております。この三十症例以上の気管挿管の経験は、
実習医療機関の協力が非常に大きく影響するものと考えますが、
実習医療機関の確保と協力体制についてどのような状況にあるのか、お伺いをいたします。
また、気管挿管を行える
救急救命士をいつごろまでに何名程度養成するかなど、今後の具体的な計画についてのお考えをお伺いいたします。
厳しい条件下にあっても、より高度の救命処置を行える
救急救命士を積極的に養成し、一人でも多くの市民の命を救える体制が早急に整備されることを念願するとともに、市長並びに市当局の明快な御答弁を御期待申し上げ、私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
16: ◯市長(藤井黎)
斎藤範夫議員の御質問にお答え申し上げます。
私からは、御質問の最初にございました
京都議定書問題について、お答えを申し上げます。
この問題は、御質問にもございましたように、一九九七年、平成九年の十二月に採択されてからちょうど満六年になりますが、今日まで依然として国際交渉の間で要件が整わずに、発効がおくれておる現状にございます。しかし、
地球温暖化は、日に日にその深刻さを増している状況から、一日も早い発効を望んでおるところでございます。
この地球規模の環境問題に対しまして、私は、イクレイの理念でもございます地域の実践が世界を動かすという理念に基づく行動が、世界じゅうに求められていると認識をいたし、痛感をいたしているところでございます。
今後は、イクレイの理事の一人といたしまして、来年、本市で開催を提案し、そして、イクレイでも賛同を得て、その実施を予定されております第一回
グリーン購入世界会議等を通じまして、世界の自治体にこの協調を求め、その推進に努力をしていくとともに、本市といたしましても、市民、事業者との協働のもとに、
地球温暖化対策推進計画の目標達成に向けまして、さまざまな取り組みを実践し、それを世界に向けて発信してまいりたいと、このように考えるものでございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長の方から答弁させます。
以上でございます。
17:
◯健康福祉局長(山浦正井)
プラスチックごみに関してのお尋ねでございますけれども、公立の保育所や児童館におきましては、
プラスチック製の容器包装は、他の廃棄物とあわせまして、
事業系一般廃棄物として処理しているのが現状でございます。
排出される量はわずかではございますけれども、ごみ減量や、子供のときからの環境に対する意識の向上などの観点から、早期に
リサイクルが実現できますように検討してまいりたいと思います。
18:
◯環境局長(佐藤孝一)ごみ減量に関する御質問にお答えをいたします。
初めに、百万人のごみ減量大作戦についてでございますが、今年度は、七月に
ごみ分別事典の全戸配付、十一月には
紙類リサイクルをテーマに新聞やテレビなどの
各種メディアを使った広報、
ごみ分別体験会や事業者を対象とした
古紙リサイクルの講習会など、さまざまな啓発活動を実施しているところでございます。市民の分別意識の向上によりまして、十一月末までの
プラスチック製容器包装の収集量は、対前年度比で約六%増加をするなど、一定の成果があったものと考えております。
また、目標達成の見通しについてでございますが、平成十五年度上半期のごみ総量は、御指摘のとおり、前年度比で一・三八%の増加となってございましたが、その後、十月、十一月でございますが、前年同月比でマイナスとなってございます。十一月までのごみの総量は、前年度比で〇・六五%の微増の状況でございます。これをもとに、今年度の市民一人当たりのごみ量を推計いたしますと、ほぼ目標値は達成できるものと考えております。
今後とも、市民及び事業者の御理解、御協力をいただきながら、一層のごみ減量・
リサイクルの推進を図り、目標の達成に向けて努めてまいりたいと考えております。
次に、紙類の
リサイクルについてでございますが、本市の紙類回収は、
子ども会等による
集団資源回収を大きな柱といたしまして、それに加えて、
市民センターや商業施設などにおける拠点回収を実施いたしておりますが、紙類の
リサイクルに対する取り組みは、まだまだ十分ではないものと認識をしておるところでございます。
現在、
マンション単位での
集団資源回収実施の働きかけなどを行っておりますほか、町内会や
資源回収業者との連携によります、
ごみ集積所を利用した紙類回収をモデル的に実施をいたしておりまして、そういった
モデル事業の課題等を検証しながら、多くの市民が利用しやすい新たな
紙類回収システムの構築に向けて、検討を進めてまいりたいと考えております。
最後は、生ごみの減量・
リサイクルについてでございますが、家庭から出る生
ごみリサイクルにつきましては、現在、生
ごみ堆肥化容器、あるいは
電気式生ごみ処理機の
購入費補助制度により進めておるところでございます。しかしながら、生ごみのより一層の減量・
リサイクルを進めるためには、地域を対象とした面的な取り組み、これも必要であると認識をいたしております。
現在、さきに実施をいたしました
町内会単位での生
ごみリサイクルの
環境社会実験、これの成果等を踏まえまして、集合住宅や町内会などを対象とした地域的な生ごみの減量・
リサイクルへの取り組みについて検討を進めており、その実現に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
以上でございます。
19:
◯建設局長(加藤秀兵)私からは、緑の管理に関する数点の御質問にお答え申し上げます。
まず、街路樹の管理のあり方についてでございますけれども、街路樹は、緑豊かな
市街地形成の基軸としての一つの手法でございまして、街路樹による緑化については、重点的に取り組んできたところでございます。
しかしながら、御指摘のように、
新興住宅地等におきましては、開発者などによりまして、早く成長する高木が望まれたという経緯もございまして、数十年経過した今日、狭隘な歩道空間、あるいは架線の影響などで、本来の樹形を保てない街路樹が見受けられるようになってきたことも事実でございます。
したがいまして、今年度から、街路樹の更新も含めました管理のあり方等について検討を始めたところでございます。今年度は現況調査を実施しておりまして、それらをもとに、今後、課題の分析や住民の意向なども踏まえながら、地域性や
道路幅員等を考慮した
モデルプランなども提案しながら、杜の都にふわさしい街路樹の管理のあり方について指針を作成してまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。
次に、市民協働による緑の管理についてでございますが、厳しい
財政状況下であって、新たな緑の創出や樹木の成長に伴いまして、これらの管理に要する費用は、確実に膨らんでいくことは当然でございますが、市民参加による街路樹の管理のあり方等についても、工夫をしていく必要があると考えております。
したがいまして、街路樹の里親を募りまして、愛情を持って維持管理に参加していただくような手法でございます里親制度といいますか、このようなことについても、今、検討を進めているところでございます。
街路樹は道路上にございます。したがいまして、高さもございまして、技術的な面、あるいは交通安全上の問題、こういう諸問題もございますけれども、いろんな方面からの検討を進めながら取り組んでまいりたいと、こんなふうに思っております。
次に、百年の
杜づくりフォーラムについてでございますけれども、これは、市民協働による百年の杜づくりを一層促進するために開催しているものでございます。
昨年度は、参加者から市民活動の提案等をいただくということで、各区ごとにこの
フォーラムを開催したところでございます。今年度は、昨年の提案を受けまして、市民参加の具体的な活動のあり方等について熱心な御議論をいただき、新たな活動団体の立ち上げ、あるいはネットワークの構築が図られたところでございまして、大きな成果があったものと考えております。
今後は、緑に係る人材の育成を図りながら、市民活動の場の提供など、実践に向けた取り組みを行ってまいりたいと、このように思っています。
以上でございます。
20:
◯消防局長(山内伸一)
メディカルコントロール体制をベースとした
救急救命士の
処置範囲拡大に関する数点の御質問にお答えを申し上げます。
最初に、医師の具体的な指示なしによる除細動の効果についてでございますが、本年上半期においては、二百八十七人の
心肺停止患者のうち、六十一人に対し除細動を実施しており、その実施率は二一%となっております。また、そのうちの二十八人が心拍再開しており、除細動実施件数に対する心拍再開率は約四六%となっております。
昨年同期と比較いたしますと、除細動実施率で九ポイント、心拍再開率で四〇ポイント向上しており、高い効果が得られているという状況にございます。
次に、より効果的なメディカルコントロールシステムとするための課題と今後の対応についてでございますが、上半期を振り返りますと、患者の観察や処置について、
救急救命士を含めた救急隊員個々のさらなるレベルアップを図るための事後検証や症例検討会の検討結果を有効に救急活動に反映させる手法の確立や、救急隊と直接的に指示、指導、助言を行う医師との情報連絡体制の充実を図ることが重要であると考えておるところでございます。
今後は、地域メディカルコントロール協議会の場などでこれらの課題を検討し、より効果の高いメディカルコントロールシステムが運営できるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、気管挿管の病院実習に関する医療機関の確保と協力体制の状況でございますが、
救急救命士に気管挿管を行うことが認められる条件といたしまして、宮城県消防学校において六十二時間の講習を受け、さらに、医療機関において気管挿管三十症例の実施を経験することが必要とされております。
このようなことから、市内の主な医療機関に
救急救命士の気管挿管に係る病院実習を受け入れていただけるか、事前の意向調査をさせていただいているところでございますが、複数の医療機関から御協力をいただける旨の回答をちょうだいしており、今後、協力医療機関と具体的に調整してまいりたいと考えております。
また、気管挿管を行える
救急救命士の養成計画についてでございますが、養成期間につきましては、平成十六年四月から予定している、
救急救命士の医療機関における気管挿管実習の実績などを踏まえて検討をする必要がありますが、将来的な養成計画といたしましては、市内のすべての救急車に、気管挿管を実施することができる
救急救命士が常時一名以上乗車できる体制づくりを目指したいと考えております。
なお、このためには、百名程度の気管挿管を実施することができる
救急救命士を計画的に養成してまいりたいと考えております。
以上でございます。
21: ◯教育長(阿部芳吉)プラごみの分別と給食の残食についての御質問にお答えを申し上げます。
初めは、学校における
プラスチック製容器包装の分別収集についてでございます。
この分別収集は、容器包装
リサイクル法に基づくものでございまして、これは家庭から出されるものを対象といたしており、学校は、法律上、事業所として扱われておりますので、対象外とされているところでございます。
しかしながら、御指摘のとおり、児童生徒の環境教育を推進する観点からも、学校でも家庭と同様の取り組みを行うことが必要と考えまして、独自に、収集業者、
リサイクル業者とそれぞれ契約をいたしまして、モデル校による取り組みを行っているところでございます。
現在、幼稚園では行っておりませんが、小中学校合わせて二十校で実施いたしておりますけれども、今後、この数をさらにふやし、さらに取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次は、給食の残食についてでございます。
本来、子供たちの栄養のバランスを考えてつくられた給食の一部が、生ごみとなっていることは決して望ましい状況ではございません。これにつきましては、食生活が豊かになり、食べたいものがいつでも、どこでも自由に食べられることや、子供たちの嗜好も、そうした食べたいもの、好きなものに偏ってしまっていることなどが、その原因となっているものと認識いたしております。
残食につきましては、環境教育の一環として、堆肥化を図るなどの取り組みを進めておりますが、今後、御提案の趣旨も十分踏まえまして、食に関する指導等を通じ、少しでも残食を減らすことができますよう努力してまいりたいと存じます。
以上でございます。
22: ◯副議長(斎藤建雄)次に、安孫子雅浩君に発言を許します。
〔十六番 安孫子雅浩登壇〕(拍手)
23: ◯十六番(安孫子雅浩)
フォーラム仙台の安孫子雅浩です。
初めに、先月、イラクにおいてテロの凶弾に倒れ殉職をされた奥克彦大使、井ノ上正盛一等書記官に対し、深甚なる敬意と心からの御冥福をお祈り申し上げます。
十一月十日、ヘルシンキ市において、フィンランド健康福祉センタープロジェクト協力合意書が調印されました。フィンランドは世界有数の国際産業競争力を持つ国であり、このプロジェクトが、これから本市産業の国際化を促進し、本市の競争力を高めていく成長エンジンになっていくことを大いに期待するものです。
そこで、水の森に整備されるフィンランド健康福祉センターについて、三点伺います。
センターには、健康福祉機器、サービス研究開発施設、R&D施設、フィンランド型福祉を取り入れた特別養護老人ホームが設置される予定と伺っています。この特養ホームは、本市営の特養ホーム鶴寿苑を廃止し、新たに東北福祉会を建設・運営団体として開所されるものですが、新たな移床先施設は、完全個室、ユニットケア式の最新型施設になり、生活環境は大きく変化することになります。そこで、鶴寿苑に現在入所中の百名の方々とその身元引受人への周知は、どのように進められるのか、お伺いをいたします。
第二点は、従来型から新型特養への移床により、ホテルコストなど入所者の新たな費用負担もふえることになりますが、その対応策をお伺いいたします。
第三点は、同センター内のR&D施設と特養ホームは緊密な連携を図ることになっていますが、どのような連携になるのでしょうか。R&D施設の設置目的と特養ホームとの連携についてお伺いをいたします。
次に、本市介護保険の第一期事業運営期間における実施状況に関連して、以下に四点お伺いいたします。
在宅介護を支える三本柱、訪問介護、ショートステイ、デイサービスの中で、緊急時に利用が可能なショートステイの確保は、介護保険スタート時からの課題でした。そして、ことし五月より、老人施設協議会などからの強い要望にこたえ、緊急時用ショートステイ専用床が市内に整備されています。しかしながら、現在までの稼働状況は予測を下回っているようです。より利用しやすい緊急時用ショート専用床の効率的な運用へ向けた今後の対応をお伺いいたします。
第二点、八月から運用されている特別養護老人ホーム優先入所制度は、運用前と運用後では待機者数が三割も減り、制度の周知が進んでいることを評価いたします。一方、運用後の入所決定者の平均要介護度は三・三から四・二と重度化し、最重度の要介護者が五割を占めることになっています。したがって、この制度は、要介護度が高いほど優先度は高く評価され、要介護度が低い申込者の施設利用は難しくなっていく傾向になります。
そこで、要介護度が低く居宅介護が困難な方々への入所施設整備が、今後、本市の課題になっていくと思われますが、国で示している小規模多機能型施設など、本市の施設系基盤整備の今後の方向について、御所見をお伺いいたします。
第三点、第百四十七号議案に関連しお伺いします。
先日の質疑にもありましたが、市営住宅入居者の高齢化の進行が課題となっています。市内高齢者地域の
モデル地区と称される鶴ケ谷地区に、次期シルバーハウジングの施設整備を期待するものですが、整備計画をお伺いします。
これまでのところ、相談所を担当する生活援助員は、近接する社会福祉法人に委託されており、鶴ケ谷では鶴寿苑が廃止されるため、新たな相談所体制が検討されるものと考えます。
第四点、ことしの厚生労働白書によれば、ひとり暮らし高齢者は、この十年で二倍にふえ、都市部では今後急速に増加することが見込まれています。本市でも、これから七十五歳以上後期高齢者とひとり暮らし高齢者世帯の増加傾向に拍車がかかると予測されています。
一方、厚生労働省では、いわゆる団塊の世代が高齢者人口入りする十年後を見据えた、二〇一五年の高齢者介護研究を進めているところです。二〇一五年の高齢化率は二六%、七十五歳以上後期高齢化率は一二・五%となり、また、高齢者の死亡者数は激増することから、ターミナルケアまでを含めた高齢者介護のあり方が、今後課題であると報告されています。本市も、今後十年、急速な高齢化社会を迎えていくことになりますが、御所見をお伺いします。
次に、補正予算中、心身障害児(者)ホームヘルプサービス事業について伺います。
障害者保健福祉計画は、今年度から平成十九年度までを計画期間としてスタートしていますが、その初年度において、ホームヘルプサービス事業は、予算に対し延べ利用者数で一三七%、支出見込み額で一四八%の伸びと、大きく予算と実態とに乖離が生まれたことになります。障害者福祉が支援費制度に移行した初年度に事業予算が大きく補正されることは、今後の障害者保健福祉計画全体の進捗にも不安を与えるものです。
先日の答弁によれば、大幅な補正となった原因は、制度移行の理解が進んだためとのことでしたが、来年度以降の課題と障害者保健福祉計画の円滑な運営についてお伺いをいたします。
次に、これら介護保険の運営や各保健福祉計画を初め、各局が、それぞれ短期・長期の事業計画を実施していくに当たり、その基本指標に用いられる本市基本計画の人口フレームについて伺います。
九月議会では、地下鉄東西線事業の追加申請に関して、その計画値と実績値の乖離が注目されたところです。本市が、厳しい財政運営の中、主要施策を実施していく上で、基本指標となる人口フレームの数値は、事業の効率的な執行に大きくかかわるものと考えます。
例えば、介護保険の運営では、ことし十月の時点で総人口が約三万五千人も実績と乖離していますが、当局では、来年度から三年間の新たな次期実施計画を取りまとめているところと聞いています。本市人口フレームは、その実施計画の中でどのように取り扱われるのか、お伺いします。
都市の活力は、人口の増加によってもたらされる側面が大きく、少子化で自然増が期待しにくく、また、景気の低迷で新たな流入人口も厳しい現在では、政策的な人口増に向けた積極的な展開が求められています。
次に、先月行われた総選挙に関連し伺います。
若年世代の低投票率対策については、九月の決算等審査特別委員会で取り上げましたが、今回の選挙でも、残念ながら投票率は前回より下がり、特に今回は、四十代、五十代の中堅世代の投票率低下が特徴的だったようです。一方で、不在者投票は選挙のたびにふえる傾向にありますが、不在者投票の増加と本投票の投票率には関連性がないことも明らかになりました。
今月一日から、その不在者投票制度が期日前投票に移行しました。これは、従来の不在者投票では、選挙人が投票用紙を内封筒、外封筒の二重に入れ署名し、投票していたところを、期日前投票では、通常の投票と同じく、投票用紙を直接投票箱に入れることができるようになるものです。これまで、不在者投票の増加傾向により、事務執行の負担も相当なものと聞いていましたが、今後は事務負担が大幅に軽減されるものと思われます。期日前投票の施行について、当局の御所見をお伺いします。
また、この制度移行により、低下する一方の投票率に歯どめがかかることを期待していますが、御見解をお伺いします。
また、衆議院選挙と同時に行われる最高裁判所裁判官の国民審査では、意味がわからない、難し過ぎて判断できない、紙と労力のむだだからやめてもいいのではなど、有権者から多くの意見を伺っています。しかしながら、我が国の民主主義制度の根幹をなす司法権の独立を確認する審査であるので、国民審査そのものをやめてしまうことはできません。
今回、仙台市内における国民審査の信任票・不信任票の審査結果と、不信任が多かった裁判官の記述上の特徴があれば、お示しください。
また、審査開票作業は、毎回かなりの作業負担になっていると聞いていますが、今後、電子機器の積極的な導入など、簡素化した審査方法への移行は検討されていないのか、お伺いをいたします。
次に、今年度から市民局にスポーツ行政の担当課が設置され、本市を舞台にした国際スポーツ大会が積極的に開催されています。将来のワールドカップサッカー代表選手が激突した仙台カップ国際ユース大会や、オリンピック金メダル有力国が戦ったワールドカップバレーボール女子大会などは、昨年のワールドカップサッカーの感動をそのままに、市民が世界レベルのスポーツに接することのできたすばらしい大会でした。担当当局には敬意を申し上げます。
そして、来年はオリッピックメダル候補の日本代表ソフトボールチーム国内最終壮行試合が、イタリア代表を相手に実施されることが既に決定しています。そこで、今後、各種国際大会などが定期的に開催されることを想定し、開催に当たっての市民運営組織の立ち上げが必要と考えます。開催準備期間の周知活動や市民団体との交流事業、美化活動や大会会場のボランティアなど、ことしの場合は、一昨年のみやぎ国体、昨年のワールドカップ大会にかかわった経験が、町内会や体振など各種団体関係者に残っていたため対応できたものと思います。しかし、来年以降、今後継続していく上では、例えば、仙台国際文化スポーツ大会開催委員会のような運営組織づくりが必要であると考えます。
先日、仙台国際音楽コンクールが、国際コンクールとして最上級の評価を得たことは大変喜ばしく、来年は第二回大会の開催年でもあります。スポーツと文化でもっと豊かな、もっと幸せな仙台市へ、市民運営組織の立ち上げについて、御所見をお伺いします。
最後に、十一月二十九日、J2降格が決定したベガルタ仙台について伺います。
会場の大分ビッグアイは、昨年のワールドカップでイタリア代表が予選突破を決めた会場であり、あの日以来の仙台からのサポーター軍団が、今回は二千人以上集まり、あの日、大分のサポーター三万人を向こうに、応援では決して負けませんでした。しかし、結果は、三年連続して昇格目前で涙をのんできた大分のJ1への執念が、仙台にまさりました。
大分から最も遠いホームタウン仙台から、今季最も多くのサポーターがやってきたことは、大分でも話題となりました。四分間の長いロスタイム終了の瞬間を私たちは忘れない。その光景を胸に刻み、再来年のJ1復帰を果たそう。これは、千六百キロの道のりを駆けつけた仙台サポーター全員の共通した思いです。
そこで、ホームタウン協議会会長としてはせ参じ、ゴール裏のサポーターと一緒になって応援された、ベガルタを愛する藤井市長の胸にはどんな思いが刻まれたのでしょうか、お伺いさせていただきます。
来期は、フロントも新社長のもと、新たな体制で一年でのJ1復帰を目標に臨むことになります。チームは選手の大幅な入れかえが行われ、来期は、シーズンを通じて安定した力を持ち、J1に定着できるチームづくりをしていくことが期待されています。と同様に、フロント側もJ1レベルの体制づくりに取り組んでいくことを強く要望いたします。
J1での二年間、チームを支える市民支援組織は着実に成長してきました。その代表であるベガルタ仙台市民後援会とベガルタ・ボランティア・ネットワークは、九月下旬に仙台で開催された全国ホームタウンサミットにおいて、Jリーグ関係者からも高く評価されています。ベガルタ仙台を支えるこれら市民活動が、今後より活発な活動をしていく上でも、フロント側の体制整備と各担当の専門性の確保は喫緊の課題であると考えます。ホームタウンである仙台市として、御所見をお伺いします。
昇格した年からきょうまで、ベガルタの活躍によって、仙台は全国に発信され続けた三年間でした。特にことしは、札幌、仙台、広島、福岡の政令指定都市間で唯一のJ1都市としての仙台であり、ホームゲーム集客率は今季も抜群の一位で、東北日本に仙台ありと示し続けた一年でした。
勝つことに久しくとも、仙台スタジアムには変わらずに毎試合満員の市民が入り、あらゆる世代の男女が、仙台、仙台を叫び続けました。勝つことがすべてのプロスポーツの世界で、今季の仙台市民の姿は、Jリーグの理念そのままが、仙台でははぐくまれていると高く評価されていることは言うまでもありません。
また、仙台スタジアムで今季から環境美化社会実験としてスタートしたごみ減量への取り組みは、来期はJリーグ全体で仙台モデルを参考に取り組んでいくことになるようです。この三年間で、ベガルタ仙台は、着実に仙台市になくてはならない都市インフラに成長したものと考えます。したがって、再来年のJ1復帰へ向けて正念場となる来期、本市は、今年度と同水準の行政支援を行っていくことを、市民サポーターを代表して市長にお伺いをいたします。
三十試合目の最終節までもつれ込み、残留をかけた戦いが、J1の北端と南端のローカルチーム同士の決戦になったことは、大変残念なことでした。残留の念願がかない喜びに沸く大分も、一方では、来期に向けて、スポンサー資金の確保とチーム経営は課題が山積であると、地元紙では報じています。
プロチームである以上、チームの強さは運営母体の資金力次第と言われていますが、ベガルタは、他のJ1チームのような強力メーンスポンサー企業がいない中、これほど多くの普通の市民サポーターが、チームを愛し、ベガルタを応援しているのです。
同じ地方都市ながら、来期J1で戦っていく新潟、広島、大分へ、地方都市の同志としてエールを送り、私からの第一問といたします。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
24: ◯市長(藤井黎)安孫子議員の御質問にお答えを申し上げます。
最初は、介護保険事業に関連する高齢者介護のあり方についてのお尋ねでございます。
御指摘のとおり、二〇一五年までには、戦後の第一次ベビーブームの時期に生まれた、いわゆる団塊の世代のすべてが六十五歳を超え、高齢者の仲間入りをすることになります。
団塊の世代は、これまでにも大量生産・消費のメカニズムを支え、あるいは、新しい文化を生み出したりいたしまして、社会のあり方にも大きな影響を与えてまいりました。この世代の高齢化は、単に高齢者の数の増大にとどまらずに、高齢社会のあり方にも大きな変化をもたらすことは、当然予測されるところでございます。
今後のまちづくりに当たりましては、これまでのような高齢者を社会で支える存在という、こうしたとらえ方から、むしろ、高齢者を社会を支える担い手として位置づけ、高齢者の持つ活力を地域で生かしていくような仕組みづくりを進めていくことが重要であろうかと考えます。
また、高齢者介護の面におきましても、来るべき変化への対応という点におきまして、これからの十年の間は、重要な意味を持つ期間であると認識をいたしております。
今後、本市といたしましても、高齢者が自分らしい生活を自分の意思で選択でき、尊厳を持って暮らし続けることができるような地域の環境整備を目指し、高齢者の健康づくりや介護予防を初め、在宅での介護を支える新たな介護サービス体系の構築、さらには痴呆性高齢者ケアの確立など、国の動向等も注視しながら、これに主体的に取り組んでまいる所存でございます。
次は、ベガルタ仙台についてのお尋ねでございます。
御質問にもございましたように、先月の十一月二十九日、大分スタジアムばかりではなくて、地元におきましても、雨の中、パブリックビューイングや、またテレビの前でも、多くの市民サポーターがベガルタ仙台の勝利を信じて熱い声援を送ったところでございました。
結果は、無情にも引き分けに終わりまして、チームの奮闘やサポーターの精いっぱいの応援が報われることなく、紙一重のところでJ2に降格をいたしたことは、返す返すも残念なことでございます。応援をした市民も、また選手も最後まで希望を失わなかったという、このことが大変感銘を与えたところでございます。
しかし、結果はどうであれ、ベガルタ仙台を応援する仙台のサポーターやボランティアの団体が全国的に高い評価を得ていることは、ホームタウンである仙台市にとりましても大変喜ばしいことであると考えます。
御指摘のようなフロントの体制整備なども確かに必要であると考えますけれども、その問題は、一義的には運営会社でございます東北ハンドレッドみずからの責任で解決をすべきことと理解をいたしております。
現在、ベガルタ仙台を取り巻く環境は、スポンサーの撤退がささやかれるなど大変厳しいものがございます。しかしながら、ベガルタ仙台が、市民にとってかけがえのない存在であり、感動を生み出す原動力にもなっているということは、これまでも申し上げてまいったところでございますし、本市といたしましても、ベガルタ仙台が地域に密着したチームとして活躍をし、早々のうちにJ1に復帰いたしますよう、可能な限り本市としての責務を果たしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
そのほかの御質問に関しましては、関係局長並びに選挙管理委員会事務局長の方から答弁させたいと思います。
以上でございます。
25: ◯企画局長(開出英之)次期実施計画における人口フレームの取り扱いについてお答えいたします。
人口フレームは、まちづくりを行う上での最も基本的な指標であり、すべての施策に影響を及ぼすものであることから、将来における人口の動向を見据えながら、中長期的な政策課題を含め、総合的に検討する必要があるものと認識いたしております。
したがいまして、現在策定中の次期実施計画におきましては、将来の人口動向についての現時点での認識及び当面の政策課題をお示しし、それに対応した都市ビジョンの実現に向けた戦略的な取り組みを明らかにするという対応をとってまいりたいと考えております。
以上でございます。
26: ◯市民局長(稲葉信義)文化スポーツ等各種イベントに係る市民運営組織の立ち上げについて、お答えを申し上げます。
これまで、国際的なイベントに際しましては、その都度、運営ボランティアを公募したり、あるいは関係団体などに協力をお願いして実施をいたしてまいりました。
このように市民にスタッフの一員として国際的なイベントを支えていただくということは、大会そのものの盛り上がりを図るという上からも、そして、市民と協働のまちづくりを進めるという観点からも、非常に重要なことであると認識をいたしております。
今後は、国際的なイベントの開催などに際して、市民のさまざまな参加意欲や思いをどのようにして生かしていくのか、また、どのようなイベントを対象とした組織づくりが可能なのか、そのあり方につきまして、十分検討をいたしてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
27:
◯健康福祉局長(山浦正井)私からは、大きく三点の御質問にお答えを申し上げます。
初めに、フィンランド健康福祉センターに関してのお尋ねでございます。
まず、鶴寿苑の入所者等に対する施設移転の周知についてでございますけれども、鶴寿苑の代替施設となります(仮称)水の森老人福祉施設への入所者の転居は、平成十六年十二月ごろを予定しております。
入所者の転居を円滑に進めていくためには、転居についての御理解をいただくことが不可欠でございますことから、施設の移転の概略につきましては、昨年の夏以降、入所者や御家族の方にお知らせをしてきたところでございます。
40: ◯副議長(斎藤建雄)この際、暫時休憩いたします。
午後二時五十五分休憩
────────○────────
午後三時十六分開議
41: ◯議長(鈴木繁雄)休憩前に引き続き、会議を開きます。
次に、福島かずえ君に発言を許します。
〔三十六番 福島かずえ登壇〕(拍手)
42: ◯三十六番(福島かずえ)日本共産党の福島かずえです。私は、仙台東部地区の雨水災害を抜本的に解決することと、関連して、仙台市の林業施策の振興、充実を求めて一般質問を行います。
仙台東部地区は、名取川と七北田川、そして海岸沿いを流れる貞山堀に囲まれ、地盤高も低い低平地となっています。この地域の排水は、幹線排水路と排水機場により貞山堀に排水されます。しかし、集中的な豪雨時には、名取川、七北田川が一気に増水し、許容量を超える水が貞山堀に流れ込み、あふれんばかりになります。やむなく貞山堀に排水する機場のポンプをとめる結果、田畑や住宅地に内水被害が繰り返し生じている状況です。
私も、満水の大堀や二郷堀、そして、そこからあふれる水が収穫間際の稲を襲い、あたり一面水浸しの状況を幾度も目の当たりにしています。住宅や農作物への浸水被害を警戒して、夜も寝ないで対応している消防団や住民の皆さん、機場で徹夜の当番をされている方々の心配や御苦労を一日も早く解消しなければならないと痛感してきました。一刻も早い抜本的な解決策を講ずるとともに、現に被災されている方々への救済に万全を尽くすことが必要です。
住宅への浸水被害についてはもちろんのこと、農作物被害への補償を充実することが切実な課題です。この地域の農家では、水害で田畑が冠水すると収穫量の減少や品質低下がもたらされるため、たびたび減収を余儀なくされています。しかも、今ある米の共済制度や野菜の価格安定補償制度は、掛金制度であり、補償の要件も厳しいものです。農家の負担なしに、水害補償を自治体の責任で行うべきです。人命や住宅を守るため、自然のダムの役割を果たしている田畑のその農作物被害に対して、市独自の新たな助成制度をつくるべきですがいかがでしょうか、伺います。
また、減反地や耕作放棄地も水害時には貴重な遊水地になっています。こうした多面的な機能を評価し、これらにも、災害対策という点から、固定資産税の減免など、何らかの助成制度をつくり、農地の保全を進めるべきです。いずれも緊急避難的な対応策ですが、水害に幾度も見舞われている農家の皆さんの営農意欲を励ますためにも、施策化を求めますがいかがお考えでしょうか、お伺いいたします。
去る九月十日開かれた二十一世紀の名取川・広瀬川を考える懇談会において、国土交通省仙台河川国道事務所から、名取川河口の左岸、藤塚地区に外水対策のための堤防・水門建設計画の案が示されました。私は、藤塚地区に堤防と水門をつくるという治水効果を一概に否定するわけではありません。しかし、これをつくればこの地域の水害が解消されるとも思えません。この地域の水害は、外水と内水による複合的なものであり、外水を遮断するという築堤対策のみでは解決できないと考えますが、いかがでしょうか。
林業の衰退やゴルフ場、宅地開発による河川上流部分の涵養能力の衰え、地面の舗装や空地、田畑の減少などによる市街地の保水、浸透力の低下、
地球温暖化による集中豪雨の多発などが内水被害の原因と考えられます。そして、森林の涵養能力の衰えはダムや川の治水機能の低下をもたらし、この地域特有の外水被害にも影響を与えているのではないでしょうか。
昔はなかった水害が、年を経るほど深刻に頻繁に起こるようになった原因を特定し、それを取り除いていくことなしには、低平地のこの地域の複合的な水害は防げないと思います。特に、百年の杜づくりを掲げながら、虹の杜団地開発などに見られた森林破壊を伴う開発への市の手ぬるい姿勢を根本的に改める必要がありますが、いかがお考えでしょうか。
仙台市は、環境基本条例に基づいて環境基本計画、杜の都環境プランを九七年に決定しました。そこでは、雨水の地下浸透を図るために、透水性舗装の導入や雨水浸透桝などの整備、保水能力の向上では、森林や農地の適切な維持管理、市街地の緑化を図るとしています。
しかし、目指すべき具体的な定量目標は、雨水の地下浸透、地下水の涵養能力についてのみ、二〇一〇年までに、計画決定時のレベルで維持するとあるだけです。ほかについては何もありません。目標自体が低く、あいまいです。これでは施策として不十分です。もっと具体的な数値目標をそれぞれ掲げて、予算も充当し、効果が目に見えてあらわれるよう進めていくべきですが、市長はいかがお考えでしょうか。
仙台市では、仙台東部地区治水対策検討会を国、県などの関係機関とともに設立し、今年度中には治水対策計画を策定すると伺っております。現在、どのような対策を講じていこうとしているのか、検討状況と、先ほどの堤防・水門建設計画とのかかわりを伺います。
藤塚地区への築堤計画は、二〇〇〇年に国が名取川水系の河川整備計画策定のために設立した名取川水系環境検討会において具体化されてきました。当初計画されていたものは、貞山堀、井土浦の開口部を直線的に締め切るという案です。
この案は、余りにも周辺の自然環境、景観に影響を与えるということで見直しされ、新たに湿地帯を迂回して築堤する案が示されたようです。概算事業費は約六十八億円と見積もられています。今後、この築堤計画はどのように進んでいくのか、市のかかわり方や市民参加のあり方はどうなっているのか、あわせて伺います。
希少種も多く生息している井土浦の干潟は、蒲生と並び日本国内でも有数の評価を得ている貴重なものです。また、貞山堀は埋蔵文化財にも指定され、その景観は歴史的に見てもすぐれたものです。市では、この地域の自然環境や景観の調査をどのように行い、どう評価しているのか。また、その保全策としてどんな施策をとっているのか、伺います。
貞山堀沿いの散策路や松林は、身近で本格的な自然を味わえるところとして、多くの市民がなじみ親しんでいるところです。市内唯一の海水浴場や貴重な地域資源がたくさんあり、自然や農林漁業に親しむ体験学習ができる場所です。私は、地域の特性を生かしたまちづくりや雇用策を図っていくことが十分可能な地域だと思っています。いわゆるグリーン・ツーリズムやブルー・ツーリズムの普及のため、地元の町内会や自治会、農協、漁協とも協議しながら、勉強会から始めるなど、具体的で本格的な市の支援策を求めますが、いかがお考えでしょうか。
そのためにも、ここの自然環境や景観という地域資源は、一層保全の努力を行い地域の魅力に磨きをかけていくべきではないでしょうか、伺います。
私は、仙台東部地区の治水対策についても、自然生態系を重視する環境負荷の少ない循環型で解決を図っていくべきであると思いますが、市長のお考えを伺います。
また、多額の建設費用をかけ、貴重な自然環境や景観を大きく損なうおそれのあるこの堤防・水門建設は、もっと本格的で慎重な市民的論議が必要です。しかし、現状は、一部の住民にしかこの計画は伝わっておりません。国からも市からも、市民への情報の公開と提供が不十分です。治水効果の点でも、環境や景観保全という点でも、十分な市民的論議を起こし、市民とともに国の計画をチェックしていく役割を市長は果たすべきですが、いかがお考えでしょうか。そのためにも、市民への徹底した情報の公開と提供を、市が積極的に行うことを求めます。あわせてお答えください。
私は、水害をなくすためにも、仙台市は林業にもっと力を注ぐべきだと考えています。仙台市の森林面積は四万五千二百三十四ヘクタールで、市域面積の約六割となっており、県内で最大の森林面積です。そのうち私有林が五一・五%、県有林が〇・八%、市有林が四・一%で、残りの四三・六%が国有林です。また、仙台市の林家数は千七百五十戸あり、林家以外の会社や社寺、組合や共同などの林業事業体は五百十六です。
市が、二〇〇一年三月に策定し、ことし七月に変更した仙台市森林整備計画によると、市内森林面積の半分以上を占めている民有林で、木材価格の低迷による採算性の悪化や従事者の高齢化によって林業経営意欲が著しく低下し、保育、間伐などの適正な管理が行われず、森林の荒廃が顕著になっているとあります。
市内における国有林も、その手入れの不十分さは、多くの方から指摘があるところです。海岸部を初め、八木山、岩切などの松枯れは深刻な事態です。特に、海岸部の松林の松くい虫の被害は、一刻の猶予も許さない状況です。当議会でもたびたび防除の充実を求めて質問に取り上げられておりますが、思うように対策は進んでおりません。
日本は、緑豊かな森林国です。減っているとはいえ、今もなお森林面積は国土面積の六四%に達しており、世界九位の面積率を誇っています。しかし、六〇年代以降、経済成長優先の開発で、表面的な豊かさの裏で森林の破壊が急速に進行してきました。一九六四年には木材の国内自給率は八七%を誇っていたのが、二〇〇一年では一八・四%まで落ち込み、林業就業者の減少と高齢化、森林の手入れの放棄、無秩序な森林のリゾート開発、国有林野事業解体の危機など、世界でも例を見ない深刻な事態が進行しています。こうした事態は、自民党中心の政府が長年とってきた外材依存政策によって、林業が産業として成り立たなくされていることから起きています。
人工林を健全に育成するためには、下刈りや除間伐の手入れなどの整備が欠かせません。また、伐採した後には植林などの造林作業が必要です。しかし、国産材の六割を占める杉の立木価格は、十年前の半分にしかならず採算がとれないため、立木を伐採したまま放置しておくなど、手入れをしたくてもできない状況になっています。
ことし起きた北海道や九州での水害では、森林の荒廃が大量の流木を引き起こし、被害を増幅しています。森林の荒廃を防ぐには、開発至上主義のリゾートや大規模林道などの乱開発を改めるとともに、森林を直接整備する林業活動が持続的、安定的に行えるようにすることが大切です。
私は、国の責任により、林業、木材産業を山村地域の産業として大事にし、国産材の利用促進と輸入の抑制による林業の再建を目指すことが環境保全という視点からも切実に求められていると思いますが、市長はいかがお考えでしょうか。
近年、林業を産業として再建していこうとする自治体の努力も広がっています。長野県や鳥取県など約三分の二の府県で、地元産木材を使って住宅を建てると助成する制度を独自につくり、需要の拡大に取り組んでいます。少なくない市町村では単独でも行っています。構造材の半分以上に地元産木材を使うなど一定の条件を満たせば、利子補給や低利融資、補助金支給などを行うというものです。森林を守り、地元業者を支援し、雇用を創出するという地域経済活性化策です。仙台市でも導入すべきではないでしょうか。
また、岩手県紫波町では、学校や児童館、保育所、JRの誘致駅舎など多くの公共施設を木造で建設しています。地元産木材を使い、地元の建設業者を活用するという、地域内の経済循環、地域内の再投資を重視した施策に取り組んで全国的に注目されています。県内でも、七ケ浜町や津山町で小学校が木造で建設されました。仙台市でも、宮城地区や秋保地区、生出、福岡など中山間地域を初めとして、学校や地域の公共施設建設に地元産木材を使う木造建設を取り入れていくことを求めますが、いかがでしょうか。
地元産木材の需要を促進し、地元の製材業や建設業者を活用することにつながり、雇用を生み出す効果が大きく期待されます。林業や建設業の担い手の育成を図り、森林と集落を守る施策でもあります。お考えをあわせて伺います。
需要の拡大策とともに、間伐や枝打ち、下刈りなどの手入れ作業の充実も大切です。市有林の手入れは林業費として計上されているほか、緊急雇用対策として、ことしも四千五百八十万余円計上されて行われています。しかし、仙台市の林業費は全体として減少傾向にあり、決算ベースで、十年前の九三年は約三億八千万円ありましたが、昨年度は緊急雇用対策事業を含めても二億五千四百万円足らずであり、ことしは補正予算を合わせても一億五千九百十二万円というまことに厳しいお寒い状況です。本格的な松枯れ対策も、お金がなければ進んでいくわけがありません。杜の都環境プランでは、環境保全に寄与する産業を振興するとありますが、これに林業が入っておりません。市の認識や位置づけの不十分さがここにあらわれています。
一方、市が募集した森林アドバイザー養成講座には、定員を超える百四十八人の応募があり、森林ボランティアの活動には延べ五百九十人もの参加があったそうです。森林の持つ環境保全や災害対策という多面的機能が、既に市民に認識されていることを物語っています。しかし、ボランティア頼りには限界があります。市として、林業の位置づけをもっと高め、それに見合う思い切った予算の増額を行い、施策の充実を図るべきではないでしょうか、伺います。
また、仙台市内の民有林の人工林は、保育、間伐などの手入れが最も必要な七齢級以下が六割を占めており、主伐しなければならない立木も増加する傾向にあります。経営の維持が大変厳しい状況に置かれている中山間地域の農林家に対して、既に行われている補助の充実とEUで確立している所得補償の手だてをつくっていく必要があると思いますが、市長はいかがお考えでしょうか。
市長は、
国際環境自治体協議会、イクレイのアジア太平洋地域の理事として、十一月にアテネで開かれた理事会と総会に出席し、世界に向けて
環境先進都市としての仙台をアピールされてきました。そういう立場や振る舞いに恥ずかしくない施策の展開を実際の市政運営で貫くべきですが、市長の所見を伺って、私の第一問といたします。
御清聴、大変ありがとうございました。(拍手)
43: ◯市長(藤井黎)福島議員の御質問にお答えを申し上げます。
私からは、最後にございました、
環境先進都市としての市政運営についてお答えをさせていただきます。
環境先進都市としての市政運営でございますけれども、本市は、地球環境時代を先導する悠久の杜の都を目指しまして、さまざまな環境への取り組みを先進的、積極的に行ってまいったところでございます。それらに対する評価が、私のイクレイ理事就任にもつながったものであろうというふうに考えております。
このことは、同時に、仙台市が世界を視野に入れた環境施策を推進すべきという、そうした責務を与えられたということでもあろうかと受けとめているところでございます。そのためにも、福島議員御指摘のように、
環境先進都市として恥ずかしくないような、そうした施策展開が必要であることは、私も同様の認識をいたしているところでございます。
幸いにも、本市は杜の都の風土に恵まれ、また加えて、市民によります河川浄化、あるいはスパイクタイヤの撤廃等の運動を初め、百年の杜づくりや百万人のごみ減量運動など、市民、事業者、そして行政の協働実績、これは、本市の環境行政において有形、無形の財産、かけがえのない資産であろうと考えておるところでございます。これらの財産を大事にしながら、今後とも、世界をリードできるような
環境先進都市に向けまして、市民と一体となった施策を展開し、まちづくりを進めてまいりたいと、このように考えるところでございます。
そのほかの御質問に関しましては、関係局長の方から答弁させたいと存じます。
以上でございます。
44:
◯環境局長(佐藤孝一)二点お答え申し上げます。
杜の都環境プランにおける定量目標についてでございますが、これは、このプランで目指します四つの都市像の実現のために取り組むべき環境施策の中で、特に重要と考えられる項目を重点目標として、その進捗状況を定量的に示すために掲げたものでございます。
例えば、雨水浸透桝の整備など具体的な施策でございますが、それにつきましては、それぞれの施策における個別計画、あるいは事業の実施の中で必要な数値目標等を掲げまして、進捗状況の評価を行っておるところでございます。今後とも、このプランの総合的な推進を目指して、各事業の進行管理を着実に図ってまいりたいと考えております。
次は、地域資源の保全についてでございますが、井土浦の干潟や貞山堀などの地域の自然や歴史的、文化的な所産といった環境資源は、人と自然のかかわり合いの中で、長い時間をかけて守られ、あるいは築き上げられてきたものでございます。これらの保全と活用を図ることによりまして、魅力ある地域づくりを行うことは、杜の都環境プランにおきましても都市像の一つとして掲げておるところでございまして、市民の地域への愛着と環境意識を高めていくためにも必要であるものと考えております。今後とも、地域の魅力を高め、多様性に富んだ都市が形成されるよう努めてまいる所存でございます。
以上でございます。
45: ◯経済局長(佐藤正一郎)農林業及び観光に関する数点の御質問にお答えを申し上げます。
最初は、農地の水害補償として、新たな助成制度を創設してはどうかというふうなお尋ねでございます。
農業は、食糧生産という本来の役割はもとより、緑豊かな都市空間の創造、自然環境や国土の保全など、多面的な機能を有しております。
本市といたしましては、これら農業の重要性を踏まえ、農作物災害対策として各種の支援策を講じてまいったところでございまして、御提案のような助成制度の施策化は困難なものと考えております。
次は、グリーン・ツーリズムなどの普及のための支援策についてでございます。
グリーン・ツーリズム、ブルー・ツーリズムは、農山漁村の持つ価値を再発見し、受け入れ側への経済的効果を目指す一方、その魅力を共有したいとする都市生活者からのニーズにこたえるものとして、各地でさまざまな取り組みが行われております。
御提案の貞山堀周辺地域では、海水浴場開設を通して、日ごろから地域の方々と話し合いを続けておりますので、そういった場で今後検討を行ってまいりたいと存じます。
次は、国の責任による林業再建についてでございます。
森林・林業基本法では、林業が森林の有する多面的機能の発揮に重要な役割を果たしていることを踏まえ、林産物の適切な供給及び利用の促進を初めとした施策を国が総合的に策定し、実施する責務を有するとされているところでございます。
本市といたしましては、森林の持つ役割を今後とも発揮できるよう、国の施策と連携を図りながら、林業の持続的かつ健全な発展に努めてまいりたいと考えております。
次は、地元産木材の需要拡大についてでございます。
本市におきましては、秋保大滝レストハウスや定義交流センターを木造で建築したほか、秋保文化の里センターなどの建設に当たりましても、木材をふんだんに取り入れております。
また、経済局として、木材の利用促進について庁内関係部局に要請するなど木材の需要拡大に努めておりまして、学校建設に際しては、内装など木質化が図られているところでございます。
なお、御提案の地元産木材使用に伴う助成制度につきましては、各自治体の助成内容がさまざまでございまして、今後とも研究してまいりたいと考えております。
次は、林業の位置づけなどについてでございます。
本市におきましては、森林の持つ公益的機能に着目し、森林施業の重要性を認識しておりまして、これまで、手入れ不足による荒廃森林の増加を防ぐため、年次計画に基づく保育や除間伐の実施を初め、平成十一年度から緊急雇用対策事業も活用しながら、その対策に努めてきたところでございます。
林業費予算につきましては、昨年度に比べ、御指摘のように九千四百万円ほど減額となっておりますが、これは林道整備がほぼ完了したためでございまして、林道整備費を除きますと、昨年度とほぼ変わらない水準にございます。今後とも、必要な予算の確保に努めてまいりたいと存じます。
また、中山間地域の林業支援につきましては、国の森林整備地域活動支援交付金事業などを活用し、森林施業の推進に努めておるところでございます。御提案の中山間地域の農家林家に対する補助の充実及び所得補償につきましては、さまざまな課題もございますので、今後の研究項目とさせていただきたいと存じます。
以上でございます。
46: ◯都市整備局長(谷澤晋)林地開発に対する市の姿勢についての御質問でございますけれども、本市の都市計画の方針におきましても、水害の防止策として、森林などの保全による自然の保水力維持が掲げられているところでございます。
この方針の中では、貴重な自然資源などに配慮すべき地域を自然環境ゾーンとして位置づけておりまして、さまざまな施策により開発を抑制しているところでございますけれども、さらに、郊外部を対象とする土地利用調整システムの構築などに取り組んでいるところでございます。関係の部局と連携を図りつつ、これらの取り組みによりまして、森林が持つ保水力の維持にもつながるよう、自然環境や緑地環境の保全を図ってまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
47:
◯建設局長(加藤秀兵)私からは、仙台東部地区における雨水災害対策についてお答え申し上げます。
初めに、藤塚地区の水害の解消と東部地区の治水対策についてでございます。
当地区の水害は、御指摘にもあったように、大雨における名取川の外水位と貞山堀の内水位が複雑に影響し合いながら発生しているものと認識しております。
このたびの藤塚地区での名取川堤防と水門の整備計画は、外水対策といたしまして、内水に対する影響を大きく削減するものと考えておりまして、さらに、内水対策を講ずることによって、この地区で発生しております水害状況を大幅に削減できるものと、このように考えております。
なお、内水対策といたしまして、東部地区治水対策の検討状況でございますけれども、現在、名取川への強制排水や海域への直接放流なども含めまして、さまざまな案の比較検討を行っているところでございます。
今後、国、県などで構成しております仙台東部地区治水対策検討会において調整を図りながら、東部地区治水対策の策定に向けて作業を進めてまいりたいと、このように考えております。
次に、藤塚地区への築堤の進め方でございますが、具体的なスケジュール、あるいは事業計画等につきましては、今後、国と県が協議をしながら定めてまいるということになっております。
また、市民の御意見を伺う場などについてでございますけれども、これまで、二十一世紀の名取川・広瀬川を考える懇談会などを開催するとともに、今後、河川法に基づく、この築堤計画を含む名取川全体の河川整備計画が策定されますが、その際にも、公聴会が開催されることになっております。
さらに、事業実施に際しましては、市も参加いたしまして説明会を開催するなど、市民からの御意見を伺う機会を多く設けていきたいと考えております。
次に、井戸浦の干潟等の環境調査と保全対策に関してでございますけれども、この地域につきましては、昭和六十年に、海岸公園基本構想の見直しに際しまして、野性動植物の現況調査を行っております。干潟を初めとし、歴史的な資産でもございます貞山運河や松林群、都市近郊に残されたすぐれた景観と豊かな自然環境ゾーンとして認識しているところでございます。
したがいまして、こうした貴重な自然環境を次世代に引き継ぐことは、重要な使命と受けとめておりまして、現在、海岸公園整備事業計画区域に取り込みまして、私有地を買収するなど、その保全に努めているところでございます。
また、公園整備に当たりましても、自然観察のための最小限の施設設置等にとどめまして、できる限り自然に手を加えないように配慮してまいりたいと、このように考えております。
次に、環境負荷の少ない治水対策についてでございますけれども、環境負荷の少ない循環型都市の構築は、本市のまちづくりにおいて最も重要な施策と考えております。
治水対策におきましても、このような観点から、山林、農地等の保水機能や浸透機能を十分に生かせるよう配慮しながら、治水計画の策定に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
築堤計画に関する情報の公開と提供についてでございますが、これまでも、東部地区の治水対策に関する地元説明会、あるいは懇談会などにおいて情報を提供してまいりました。さらには、御意見を伺いながら、今後も開催される予定の公聴会、説明会などにおいても、これらの機会をとらえて、市民への情報の提供を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
48: ◯三十六番(福島かずえ)市長がおっしゃいましたように、この仙台は、本当に豊かな自然にまだまだ恵まれている地域だと思います。どうしてそうなっているかと言いますれば、先人たちが、特に産業として農林漁業の一次産業を営んでいく中で、そうしたものを振興させていく、やっていく中で、自然が大事だということで環境の保全も進んできたというふうに思いますが、残念ながら、食糧の自給率も、先ほど述べたように木材の自給率も低下する中で、こうした一次産業の農林漁業が置かれている環境は大変厳しくなっています。
先ほど、
環境先進都市として仙台を、世界に誇って、頑張って発信していきたいという御発言がありましたけれども、ぜひ、一次産業を大切にする、そうしたことを実際の予算の中でも反映させて、さらに、仙台は百万都市でありながら、こうしたすばらしい自然が残っているんだということを実際に具現化して、今後の施策の中に入れていただきたいというふうに思いますので、環境保全という観点から、一次産業、農林漁業の重要性につきましての御答弁をもう一度お伺いしたいと思います。
49: ◯市長(藤井黎)農業も林業も漁業も、いずれも生産的な側面と同時にそのほかの環境的な面だとか、あるいはレクリエーション的な側面だとか、多面的な機能を持っておりますので、同時に環境的な側面をカバーするには、当然のことながらそうしたほかの機能もカバーできるということになりますので、相互の関連性も十分に踏まえた上で総合的に対応してまいりたいと、このように考えます。
以上でございます。
50: ◯三十六番(福島かずえ)特に林業は、この十年間で二億円も予算が減っております。その点につきまして、さらにもう一言お願いいたします。
51: ◯市長(藤井黎)林業だけに限りますと、林業を支える需要側の方が、住宅のブームだとか、建築側における需要の急速な増大等がございまして、それに対応するいろんな木材の輸入やら、あるいは新建材の開発やら、そうした川下側における条件が変化した上で、林業そのものが伝統的な経営形態を保てなくなったという、こういう事情もございますので、やはり新しい観点から林業というものを見直していかなければならないし、私どもも、そこだけで予算を見ると確かにそうかもしれませんけれども、先ほど申したように、環境の側面とかさまざまな面でトータルしてこれを換算していくという、こういうことでもまた評価をしていただければというふうに思います。
以上でございます。
52: ◯議長(鈴木繁雄)これにて一般質問を終結いたします。
────────○────────
日程第三 第百三十四号議案から第百五十九号議案まで、議第二号及び議第三号(継続議)
53: ◯議長(鈴木繁雄)日程第三 第百三十四号議案から第百五十九号議案まで、議第二号及び議第三号、以上二十八件を一括議題といたします。
お諮りいたします。ただいま議題となっております第百三十四号議案外二十七件については、お手元に配付いたしました議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
54: ◯議長(鈴木繁雄)御異議なしと認めます。よって、第百三十四号議案外二十七件については、議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託することに決しました。
────────○────────
55: ◯議長(鈴木繁雄)以上で、本日の日程はすべて終了いたしました。
なお、本会議は、委員会の報告を待って再開の予定であります。
本日は、これをもって散会いたします。
午後三時五十八分散会...