• "十分プライバシー"(/)
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  1. 仙台市議会 2002-09-25
    平成13年度 決算等審査特別委員会(第6日目) 本文 2002-09-25


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:                  ※会議の概要 2: ◯委員長  ただいまから決算等審査特別委員会を開会いたします。  それでは、これより質疑に入ります。  まず、昨日に引き続き平成13年度仙台市一般会計歳入歳出決算中、歳出第3款市民費についであります。  社会民主党仙台市議団から発言予定の方は、質疑席にお着きください。              〔辻隆一委員、質疑席に着席〕 3: ◯委員長  発言を願います。 4: ◯辻隆一委員  私は本会議でも質問させていただきましたけれども、住基ネットの問題について質問させていただきたいと思います。  まず最初に、住基ネットにかけたこまれでの経費についてお伺いしたいと思いますが、全体でどのくらいの経費がかかったのか、それから、そのうち国の補助はどのくらいだったのかお示しいただきたいと思います。 5: ◯区政課長  今回の住基ネットの構築にかかわる費用でございますが、平成13年度はシステムの改修費、ハードウエアリース料などを合わせまして、約4億円でございます。また、今年度14年度につきましては、ハードウエアリース料住民票コード通知のための経費など約3億円で、合計約7億円の経費がかかっております。  この経費につきましては、普通交付税で措置されることになっておりまして、算出基礎に基づき計算いたしますと、平成13年度が約2200万円、平成14年度が約7000万円、2カ年で約9000万円の交付税措置があるということでございますので、市費の相当額というのは、7億円から9000万円を引いた6億1000万円と考えております。 6: ◯辻隆一委員  これだけ6億数千万円の市費を投じて今度のネットが構築されたわけですけれども、よく費用対効果という話をされますけれども、どれだけのメリットがあって、その費用対効果という言葉にふさわしいような市民にとってのメリットがどのような形で示されているのか、その辺の考え方をまずお示しいただきたいと思います。 7: ◯区政課長  本会議でも御答弁申し上げましたが、今回の住基ネットのメリットにつきましては、8月5日から始まりました第一次稼働では、93事務につきましての本人確認情報の関係機関への提供ということになっておりますけれども、今後情報化社会が進展する上で、その基本となるデータベースの役割を果たすということになりますので、情報化社会における市民生活の利便性の向上という将来を見据えた広い観点から判断した場合には、市民にとってのメリットがあると考えております。 8: ◯辻隆一委員  データベースをつくるという意味でのメリットというのを強調されましたけれども、では市民がどのくらいこの住基ネットによって利便性が図られるのか、どのくらいの人がこれを利用して、例えば住民票なりそういったものをとろうとしているのか、そういうことはどのように想定されているんですか。 9: ◯区政課長  まず、現在13年度の実績で申し上げますと、住民票の写しの交付の総数というのが年間で73万6000件ございます。したがいまして、人口100万人で単純に割りますと、1人平均0.7件の住民票の写しを市民の方々がとっているということになります。  今回の住基ネットの役割の一つに、住民票の写しの添付が省略できるということの利便性がありますけれども、これは先ほど申し上げましたとおり、ことしの8月5日時点では、93の事務に限定をされております。この93の事務について、それぞれの事務の手続が完了し次第住民票の添付が不必要になるわけでございますが、総務省の試算によりますと、全国で年間500万件の削減が想定されると伺っております。 10: ◯辻隆一委員  仙台市ではどのくらいと想定できますか。 11: ◯区政課長  93事務についてのそれぞれの対象となる方がどれくらいいらっしゃるかという把握が困難でございますが、先ほど申し上げました500万件の削減ということから全国と仙台市の人口で比例配分しますと、約4万件程度の住民票の写しの省略ができると考えております。 12: ◯辻隆一委員  私から見れば、6億円余の予算を投じてわずかそれだけの事務の削減ができるということで、本当に費用対効果というものが表明できるのか、その辺が私は非常に疑問を感じるところでありますけれども、さらに来年8月から広域交付事業が始まるわけですけれども、これに対しても開発費というものが想定されると思うんですけれども、それはどのくらいと見込んでおられるんですか。 13: ◯区政課長  来年8月の広域交付と二次稼働に向けての経費でございますが、基本的なシステム開発は既に終わっておりまして、これから考えられる経費としましては、住民基本台帳カードの発行機の設置費用やカード発行のためのテスト費用など、約7000万円程度を見込んでおります。
    14: ◯辻隆一委員  これの年間のランニングコストというのは、今数字で出ますか。 15: ◯区政課長  年間約8000万円程度と見込んでおります。 16: ◯辻隆一委員  ここにもこのような大金の市費を投じなければいけないという実態があると思うんですけれども、これはきょうは議論にはしませんけれども、現在93項目ということですけれども、今国で行政手続オンライン化3法案が仮に通りますと、264項目の行政事務がこれに入ってくるわけですね。そうすると、より開発費というものがふえていくということは目に見えていると思うんですけれども、その辺も想定されているんでしょうか。その辺はどのように考えていますか。 17: ◯区政課長  確かに現在対象事務の拡大の法案がオンライン3法案ということで提出されておりますが、対象事務がふえることに伴っての各自治体の費用の増ということは、今のところは想定されておりません。 18: ◯辻隆一委員  市民の皆様方がメリットを享受できるということで本会議の答弁があったし、あるいはまた本会議の答弁の中で、電子市役所構築の重要な基盤だという回答がございました。この、いわゆる電子市役所、IT市役所づくりには、これはどういう位置を持っているのか、その辺の考え方をお示しいただきたいと思います。 19: ◯区政課長  住基ネットに関連しての仙台市のIT市役所づくりについての位置づけでございますけれども、本年7月に策定されましたせんだいITアクションプランの第1章の中で基本的な考え方、その第2節策定の背景の中に、国・地方を通じる基盤整備の推進という項目がございまして、その中で地方公共団体の電子化の第1ステップということで住基ネットは位置づけられております。  また、第2ステップでありますインターネット上での本人確認の仕組みづくり、これはいわゆる公的個人認証サービスのことでございますが、これが位置づけられておりまして、それを踏まえて第3ステップで地方公共団体電子窓口サービスの推進というものにつながっております。  また、このプランの情報自在な市役所になる市民サービスの充実の項目の中に、「電子市役所を実現するためには、電子的な手続の中で本人を証明する公的個人認証サービスを確立し、これによって行政手続のオンライン化が幅広く進むことが予想され、市民、企業の利便性向上が期待されます。」という表現で、ITアクションプランの中に位置づけられております。 20: ◯辻隆一委員  今、公的個人認証サービス等ということですけれども、現在始まった住基ネットは4情報ですよね。果たしてそのことが電子市役所づくりにどれだけの役割を果たしていくのかということが、私にはちょっとわからないんですね。すべて住民基本台帳の方で言う13情報なり、すべてをオンライン化するということも含めて考えておられるのか、その辺はどのように考えていますか。 21: ◯区政課長  まず後段の方の、住民基本台帳の中には確かに13項目の事項が記載されているわけですけれども、現在提出されていますオンライン関係の3法案も出ているわけですが、この中では4項目、コードとか付随情報を入れれば6項目になりますけれども、この項目をふやすという計画はございません。  また、この4情報がどのように活用されるかですが、既存の仙台市の基幹システムの中でも、この住基の4情報というのは基本的な情報でございまして、このデータの上に、具体的に申しますと、税の情報あるいは国保の情報、年金の情報というのがかぶさって、それぞれの業務に重要な役割を果たしているところでございます。したがいまして、住基ネットにつきましても、先ほど御答弁申し上げました、国あるいは関係機関に提供する本人確認情報というものが基礎的なデータになると理解をしているところでございます。 22: ◯辻隆一委員  これを庁内LANとかに接続して、すべてのそういう情報を庁内で一括して管理できるようにするということも、今のIT市役所づくりの中で想定されていることなのか、あるいはそのことについてどのように考えているのか。これは、委員長には大変申しわけないんですが、ほかの局にまたがるかもしれませんが、よろしくお願いしたいと思います。 23: ◯区政課長  住基ネットに関連して、まず私の方から最初に御答弁申し上げますが、住基ネットを庁内LANに接続するということは、今の時点で考えておりません。しかし今後、先ほど来質問にございましたオンラインでの申請が可能になりますと、オンラインで申請を受けたものを、どのようにデータとして今度は市の行政内部に取り込むかということが課題になりますので、そのときには接続あるいは別の方法等も含めて検討することになろうかと思います。 24: ◯企画局長  今市民局から答弁のあったとおりでございまして、庁内LANのシステムと住基のシステムは今は別でございますけれども、将来にわたってもそれが一緒になるということは今のところは考えておりません。ただ、両者の業務の関連が出てまいりますので、そこの間の接続といいますか、受け渡しですね、ファイバーウォールとか適切な個人情報の保護に万全の措置を講じながらどう結びつけるかという問題は将来出てくると思いますけれども、今ところその両者を統合するというか、まぜるような形でのことは考えておりません。 25: ◯辻隆一委員  この住基ネットが始まったときから、庁内LANに接続して全国的にも問題になった自治体が幾つかあるわけです。そういうことで批判をされてきていることは事実だと思うんですけれども、そういったことのないようにしっかり取り組んでいただきたいことを、まず話しておきたいと思います。  次に、プライバシーの保護の問題についてお尋ねしたいんですけれども、まず今度の住民票コードをはがきで通知したわけですけれども、何通出して、どのくらい戻ってきたのか、その辺はいかがですか。 26: ◯区政課長  当初付番の住民票コード通知書は、9月10日に42万915通を発送したところでございます。このうち9月24日火曜日現在、夕方の締め切りでございますが、4,046通が区役所等に戻ってきております。 27: ◯辻隆一委員  約1%弱ということでしょうけれども、これはどういう理由が想定されているんですか。 28: ◯区政課長  その多くは住民票に記載されている住所に御本人の方がお住まいになっていないというのが主な理由でございます。 29: ◯辻隆一委員  通知書が届いたのを確認してからも、本人は市にこういう情報は要らないということで返した方もいると伺っていますが、現段階でどのくらいの数字になっていますか。 30: ◯区政課長  同じく24日夕方現在で、郵送により返送等で戻ってきたものが138通、直接市民の方が窓口の方に持ってこられたものが32通で、合計170通でございます。 31: ◯辻隆一委員  受け取り拒否のほかに、番号を変えてくれという、例えば全国的に9とか4とか、そういう数字が嫌だから変えてくれとか、そういう方もいたと思うんですけれども、そういう数字も実態が明らかになっていますか。 32: ◯区政課長  コード変更の申し出ができることは周知しておりますので、コード変更の申し出が何件かあったことは承知しておりますが、具体の件数までは手持ちには持っておりません。申しわけございません。 33: ◯辻隆一委員  この42万900幾らかの発送ということですけれども、これは家族ごとに出しているわけですね。実はこの家族ごとに通知を出したということだって私はプライバシーを守ったことになっていないと思うんですけれども、例えば別居中の家庭とか、いろんな事情があるんですけれども、そういうことについてはどのように配慮していると考えておられますか。この問題に限ってプライバシーの問題についてはどのように考えておりますか。 34: ◯区政課長  まず、コードの発行単位が世帯単位はいかがなものかという御質問でございますが、そもそも住民票は世帯単位で編集をされておりまして、同一世帯内の中の住民票コード入りの住民票の請求が可能でございます。したがいまして、国の基準では個人ごとでも世帯ごとでもよろしいということにはなっていたのですが、仙台市としては世帯単位で送付をしたところでございます。  また、後段の方の離婚とか別居等ということにつきましては、まず8月5日、当初付番時点で既に御結婚等をされている方については世帯主、通常は旦那さんあてに奥様の分も一緒に通知するというのが原則でございます。ただ、今回事情がございまして発送が9月10日におくれましたものですから、8月5日から9月10日までの間に、理由は離婚とか、あるいは単身で赴任とか、学生さんで上京するとか、さまざまな理由があると思うんですが、少なくとも法で定めた異動届け出等を出している方につきましては、区役所の方に申し出があれば、別途その方には個別にコードの通知書をお送りするとともに、必要があれば職権でコードも変更できますよというお知らせをして、プライバシーの保護に配慮したところでございます。 35: ◯辻隆一委員  私はそのことは、手続上そのように進めたということであって、プライバシーを保護したということとはちょっと質が違うんじゃないかと思うんです。確かにセットになっていれば家族単位にコードは行くと思うんですけれども、しかし今別居中であるとか、さっき話があった単身赴任でいないとか、いろんなケースが考えられるわけなんですけれども、本当は個人に発送して初めてプライバシーというものが守られるのではないかなと思うんですけれども、家族単位でやって、本当に一人一人のプライバシーを守ったとは私は言い切れないんじゃないかと思うんですけれども、その辺の考え方はどうですか。 36: ◯区政課長  私どもは十分プライバシーの保護は図られたものと考えております。 37: ◯辻隆一委員  私はそこはちょっと違うんじゃないかと思います。これは違う角度でまた議論しなければいけないのかもしれませんけれども、次に進みます。  実は昨日も議論になりましたけれども、市の個人情報保護条例との関連でちょっと議論してみたいと思うんですけれども、この個人情報保護条例の第8条で基本的に個人情報を取り扱う事務の目的以外の目的のために個人情報を当該実施機関内において利用し、または当該実施機関以外の者に提供してはならないと。もちろんただし書きがあるんですけれども、個人情報を本市及び国等以外の者に経常的に提供する場合は、仙台市個人情報保護審議会の意見を聞かなければならないと、こういう規定もあるんですけれども、ここのところはどのように判断されているんですか。  もう一つは、第10条にも同様の規定がありまして、個人情報の電子計算機処理を行うに当たっては、本市以外のものとの間において通信回線による電子計算機の結合を行ってはならない。結合を行う場合も個人情報審議会の意見を聞きなさいと、こうなっているはずですけれども、なぜ審議会に諮るようなことはしなかったのか、その理由を教えていただきたいと思います。 38: ◯文書法制課長  住基ネットの接続に関しまして、個人情報保護条例との関係では、御指摘の2カ条が問題になるわけでございますけれども、いずれの場合も法令等に定めがある場合は審議会の議を経ることなく制限が解除されておりますので、問題はないと判断しております。 39: ◯辻隆一委員  確かに第8条第1項の第1号に、法令等に定めがあるときということで除外していますけれども、この法令等というときは何を指しているのか、具体的にお示しください。 40: ◯文書法制課長  住基ネットに接続に関しましては、住民基本台帳法でございます。 41: ◯辻隆一委員  ここで議論しなければいけないのは、これは市の個人情報保護に関する条例ですね。個人情報を守るための法令をきちんと別に定めるということになっていればそれはいいと判断してしかるべきだと思うんですけれども、今は残念ながら全国的に、住基ネットをめぐっては個人情報の保護というものがきちんとしたものになっていないんじゃないかという批判があって、この住基ネットへの接続はやっぱりおかしいんじゃないかという意見もある中で、法令に定められているからということは、私はちょっと問題があるんじゃないかと思うんですけれども、その辺の考え方はどうなんですか。 42: ◯文書法制課長  今回の判断に当たりましても、法令の定めということで形式的に判断したものではございませんで、この場合の事務の根拠になる住民基本台帳法、これは市町村に住基事務を義務づけているものでございますので、任意のものではないということがまず前提としてございます。その上で、個人情報保護に関しましても、住民基本台帳法自体の中に個人情報保護措置が盛り込まれておりますので、その点でも問題はないと判断したところでございます。 43: ◯辻隆一委員  確かに住基ネットでも個人情報の保護は規定しているからということなんでしょうけれども、残念ながら住基ネットが全国的にいろいろ問題になっているというのは、国において個人情報保護法なりそういったものが制定されていない中で、多くの市民の不安や心配というものが想定されているから住基ネットに対する批判というものがあったんだろうと思うんですね。そうすると、ここで法に定めがあるからということで、個人情報保護条例では審議会の意見を聞くことも要らないし、手続にのっとってできるんだということなんですけれども、残念ながらその個人情報保護というところが全国的に非常に問題になっている中で、住基ネットだけを法の根拠にしているというのは私は問題ではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。 44: ◯文書法制課長  確かに御指摘のとおり、個人情報保護の分野で基本法としての位置を占めるべき個人情報保護法が未成立であるということは事実でございますが、この住基事務に関しましては、住民基本台帳法個人情報保護の観点でも基本法となるべき個人情報保護法の個別法たる位置づけを持っておりまして、この分野に関しては個人情報保護措置が法制度上定められていると理解しております。 45: ◯辻隆一委員  そもそも住基ネットは、自治事務なのか、あるいは法定受託事務なのか、その辺の判断はどうなっているんですか。 46: ◯文書法制課長  自治事務と理解しております。 47: ◯辻隆一委員  自治事務であれば、自治体の長が基本的に裁量権を有して判断するべき事務だと私は基本的には理解しているんですけれども、この条例が制定されたのは平成9年で、そもそも住基ネットのようなものは想定していなかったんだと思うんですね。そうすると、個人情報の保護というものが、国あるいはほかの自治体も含めてきちんと保護されるという前提があって、初めて今度の住基ネットと仙台市の条例との関係が成立するんだと私は思うんです。残念ながら、国なりほかの自治体を含めて個人情報の保護というものが保障されていない中で、この法令等に定めがあるからということで、審議会にかけなくてもいいんだという判断をするところに私は無理があるんじゃないかと思うんですね。そういう意味では、条例自体がこの住基ネット等を想定していなかったということもありますから、やはり前提となるべきものを含めて見直していく必要もあると思うんですが、その辺の考え方はお持ちですか。 48: ◯文書法制課長  まず、自治事務ということに関する理解についてでございますが、自治事務というのは、地方自治法の定義からいたしますと、単に地方公共団体が処理する事務のうちで法定受託事務を除いたものというだけのことでございます。したがいまして、自治事務であるからといって自治体が全く自由に判断して処理してよいというものではございませんで、その事務の根拠法令があれば、当然それに従って処理すべきものと考えております。  御指摘のように、個人情報保護条例が制定された時点で、住基ネットということは考えられていなかったわけで、その想定がなかったということは事実かと思いますが、ただ一般的な制度として電子計算機の結合というものがあり得るということは考えられておりまして、その制限は定められております。そこで法令に基づく場合にはその制限を解除するという制度になっておりまして、その判断につきまして、先ほど申し上げたように、特に問題はないと判断をしたものでございますので、御了解いただきたいと思います。 49: ◯辻隆一委員  実は似たような事例で戸籍の偽造事件が昨年ありまして、市長も本省まで行って、いろいろ改定を含めて努力されたということについては、私は評価をするものなんですけれども、想定している法が、いろいろ欠陥があるとすれば、是正していくことについて自治体も努力していくことは当然だと思うんですね。  しかし、残念ながら今度の住基ネットは、先ほど指摘していますように、いろいろ指摘されている点が多いわけですね。今国に出されている個人情報保護法というのは、民間の取り締まりというところだけを強調されているからいろいろ問題があるということが指摘されていることは御案内のとおりでして、ですから、この仙台市の条例自体もそういう住基ネット等を想定していないとすれば、やはり国に対してもきちんとこの欠陥を是正させていくという努力が一方で必要なわけですよね。そういう認識に立てば、この個人情報保護条例の解釈の問題だって違ってくるし、私はやはり審議会なり住民の意見を大切にするという姿勢が大事だと思うんですけれども、その辺の考え方はいかがですか。 50: ◯区政課長  前段の御質問にお答えしますが、現在の住基ネットにつきましては、先ほど文書法制課長が申し上げましたように、改正された住民基本台帳の中で個人情報保護、あるいは目的外利用等も含めまして、一定の個人情報の保護はなされていると認識しておりますので、欠陥があるとは思っておりません。 51: ◯文書法制課長  現行の個人情報保護条例につきましても、最近幾つかの団体で、いわゆる住基ネットに対応した条例改正等が行われていることは把握しておりますけれども、それらを検討してみましても、おおむね現行の仙台市の条例で読み込める内容になっておりまして、特にこの件に関して新たな対応をとる考えはございません。 52: ◯辻隆一委員  さっきの区政課長の答弁は、ちょっと私はおかしいと思うんですね。だって現に仙台市のホームページでも、いざ何かあったらすぐでも切断するということを言っているわけでしょう。常に想定されているから今議論になっているわけですね。なのに欠陥はない、絶対大丈夫だと言い切ることに私は非常に問題があると思うんですけれども、今の答弁は、ちょっと私はおかしいんではないかと思うんですが、いかがですか。 53: ◯区政課長  舌足らずで申しわけございませんでした。私が申し上げたかったのは、今回の住基ネットについては、改正住民基本台帳法の中で措置をされているということを申し上げたものでございますので、御理解をいただきたいと思います。 54: ◯辻隆一委員  しかし、きのうの同じ問題についての区政課長の答弁で、私ちょっと気になったのが一つあるんですけれども、それは国や全国の自治体それぞれが保護の努力をすべきだという答弁があったんですけれども、それは要するにこの住基ネットが完全に個人情報の保護というものが守られていないんじゃないかという心配があるから全国的にいろいろ問題になっているわけで、そういうためにいろいろ聞かれていることに対して、きのうはそれぞれ努力すべきだという表現があったんですけれども、それぞれ努力をするということの裏に、非常に心配事があるということが隠されているんじゃないんですか。現に国の個人情報保護法は違う方向に向かって出されているし、これも改正しなければいけないという国民の意見があります。  また、全国の自治体でも、個人情報保護条例というものを整備しているところは全体の65%しかない、残りの35%は保護する規定がないということになると、いつどこからこの情報が漏れるかわからない、そういう危険性にさらされている住基ネットだというとは明らかになっているわけですね。ですから、自治体や国も含めて保護の努力をすべきだという背後には、今住基ネットは万全だというのとは裏腹で、そういう危険性をはらんでいるということを認めていることになるんじゃないですか。違いますか。 55: ◯市民局長  昨日課長が答弁したものは、いわゆる今回の住基ネットワークシステムの稼働に伴いまして改正されました住民基本台帳法を全国の3,241団体が共通して法のもとで適正に執行してまいるべきだという観点での御答弁でございます。 56: ◯辻隆一委員  私が聞いていたのはちょっと違うような気がするんですね。要するに、今住基ネットは住民基本台帳法で大丈夫だという表現があったから、しかしきのうの答弁では国や自治体はそれぞれ努力すべきだというお話があったわけですね。ということは、やはりいろいろ問題が想定されているから、それぞれ国や地方自治体が努力しなければいけないんだと、こういうことを言ったわけでしょう。その背景には、やっぱりそういう危険性が見え隠れしているからそういう表現になったんじゃないのかと私は言っているんであって、全国3,241団体がどうのこうのということを私は聞いているわけじゃないので、もう一度その辺をお答え願います。 57: ◯区政課長  私が昨日申し上げましたのは、ただいま局長が御答弁申し上げましたとおり、基本的には法律が当然全国共通、これは国も地方も通じて法制度としてございます。こういった法律を受けまして、例えばセキュリティー保護のために総務省の告示で技術的な基準が示されていたり、あるいは都道府県でつくります推進協議会において一定の各団体がセキュリティーを守るための具体的な方策等も明らかになっております。したがいまして、各自治体はこういった法律、基準、あるいは方針に基づいて、その三つを踏まえて個人情報保護のために当然の法にのっとった責務を負うわけでございますが、私が申し上げましたのは、法整備だけでセキュリティー、あるいは個人情報保護が万全かというと、必ずしもそうではない部分があります。  例えば、具体的に仙台市の例で申し上げますと、仙台市も住基ネットに先立ちまして、セキュリティポリシーという市全体の個人情報保護のための指針を設けたり、それに基づいた実施要領をつくったり、あるいはもっと具体的に申し上げますと、現場の職員の方がどのようにして個人情報の保護に努めていくかというマニュアルをつくったりと、そういった全国一律のもの以外に各自治体でも個別個別に努力するところがあるので、それは各自治体ごとに最善の努力をして個人情報保護に万全を期す必要があるという趣旨で申し上げたわけでございまして、危険性があるから云々ということではございません。 58: ◯辻隆一委員  しかし全国的には、庁内LANに結んでいたり、先ほどもお話ししましたけれども、保護条例もつくっていない。仙台市は仙台市として努力したということでしょうけれども、全国的にはそのことは担保されていないわけですよね。仙台市のように全国の自治体がやっているとお思いですか。 59: ◯区政課長  セキュリティーの認識については、非常に各自治体ごとに意識の高さ低さがあるのは事実だと思います。ただ、各自治体とも個人情報を守るために最善の努力をするということが今求められているものだと私は考えております。 60: ◯辻隆一委員  そのことが保障されていないから、今全国的に問題になっているわけですね。実際一つの事例として、私は本会議で第2問のときに質問しましたけれども、中野区が国に対して質問書を出して、それに対する回答が不備だということでネットを切断したんですけれども、その切断理由が、個人情報保護に関する法制が未整備であること、二つ目は個人情報の取り扱い上のセキュリティーに不安が残ること、三つ目は、個人情報保護に関する基本法が成立していない状況のもとで行うべき個人情報保護への配慮に欠ける点があることと、こうなっているわけですね。  こういう心配があることはどこの自治体も同じだと思うんですけれども、仙台市は万全だから全国的にも万全だと。しかし今度のネットは全国と結べばどこから入ってくるかわからない。さっき言ったように、私は穴だらけのネットと言ってもいいと思うんですけれども、そういう状況にさらされていると言ってもいいわけですから、こういう切断理由は、私は全国的にどこの自治体も同じような気持ちを持っているんじゃないかと思うんですけれども、仙台市だけが絶対万全だと言い切るというのは、私はどうかなと思うんですけれども、もう一度その辺の考え方はどうですか。 61: ◯区政課長  今回の住基ネットの運用に当たりましては、当然先ほど来御指摘のあった個人情報の保護についての配慮が当然必要でございます。したがいまして、まず個人情報を守ると。例えば不正アクセスとか、あるいは漏えいとか目的外使用とか、そういったものから個人情報を守るというのが、まず一番大事な第一段階と考えておりまして、その第一段階につきましては、先ほど来申し上げましたように、改正住基法の中で手当てをされていると認識をしているわけです。  しかしながら、個人情報の保護をさらに図ってまいるためには、その第2ステップとして、昨日花木委員からも御質問がありましたが、情報公開の問題とか、確かに新しい制度、新しいシステムでございますので、私どもも幾つかの問題点があろうかとは認識しておりますが、その問題点があるからといって住基ネットから離脱するという判断はいたしておらないところでございますので、御理解をいただきたいと思います。 62: ◯辻隆一委員  どうも私は今のは矛盾だと思うんですね。やっぱり心配だということはお認めになっているんじゃないですか。個人情報が漏えいするような事故が想定されることを、答弁の中でお認めになっているような気がするんですけれども、違いますか。 63: ◯区政課長  まず第1段階の個人情報を守るという視点からは、現在の住基法の中で対応できていると考えております。  ただ、その次のステップとして、さらに万全を期するためには、先ほど来委員が御質問されましたような個人情報保護法案とか、あるいは現制度の中でまだ認められていない開示の問題とか、そういった幾つかの問題があることは理解をしておりますが、ただそれは、新しい制度、新しいシステムが稼働するときには何がしかの課題というのは当然あるわけでございます。その課題をどのように認識して決断をするかということでございますので、私どもとしては、若干の問題点があるかもしれませんが、住基ネットに参加しない、あるいは離脱するというような大きな問題点があるというところまでは考えてはおりません。 64: ◯辻隆一委員  今の発言は、最初の絶対にないと判断しているところからすると、絶対矛盾していると思いますよ。  時間がありませんから、最後に市長にお伺いしますが、オンライン化3法案も今国会に提出され、そしてまた、その事務の量が拡大されようとしているわけですね。そうすると、現在の4情報もまたそのうち13情報まで全部入れろとかどんどんエスカレートして、私たちの情報が一人歩きしていくという、そういう電子監視社会と言ってもいいほどの社会になりつつあると言っても過言ではないと思うんですけれども、そういう状況の中で、本会議でも私は質問しましたけれども、少なくとも個人情報保護条例がある中で、市民の個人情報というものを守る責務が市長にあると思うんですね。  そういう中で、今担当局の方でも、若干の心配はあるんだと言いながら切断する気はないという表現しかしておりませんけれども、私は非常にそういうところに大きな問題があるんだと思うんです。中野区の事例も出しました。あるいはまた全国的に個人情報保護条例等の整備も35%もされていない、あるいはまた、仙台市はしっかりしているという答弁はありましたけれども、技術的な問題だって、まだクリアされていない問題もたくさんある。そういう市民の個人情報の漏えいといったものが心配されている現状にある中で、市長としての判断というのは非常に大事なことだと思うんですね。そういう意味で、最後に市長の判断をもう一度お伺いして、私の質問を終わりたいと思います。 65: ◯市長  本市の住基ネットへの参加を前にしまして、7月の末でございましたけれども、指定都市12市の市長が直接総務大臣、副大臣、それから政務企画官並びに総務省の局長、次長、こういう方々に直接この問題に対しましていろんな質問をし、また注文もいたしました。決して国の言いなりになってこれに参加したということではございませんで、その際に私も、一つは、この住基ネットに対しての国民の周知のあり方についてはまだまだ不十分であるということに対するさらなる努力をしてほしいこと、それから、もちろん個人情報保護法案がまだ継続中でございますが、これの成立をぜひ早急にしてほしいということ、そのほかにも幾つかの要請をいたしました。大部分につきましては了解いたしましたので参加をいたしたわけでございますけれども、やはりこの問題については、二つの大きな問題、プライバシーの問題と、それからセキュリティーの問題、この二つが非常に大きな問題だと思います。  プライバシーの問題につきましては、当然のことながら基本法でございます個人情報保護法の成立があれば、これはそれにこしたことはないわけでございますが、その個別法としての新しい住基法でございまして、その中において、思想は全く個人基本法と同じレベルの中で構築されているということ、それからもう一つは、個人情報保護法の特別法として個人情報保護のさまざまな措置が講じられている、そういうこともございます。それからもう一つのセキュリティーの問題につきましても、これもまた専用回線や、あるいは暗号化等々の措置が講じられ、今の段階においては、ほぼ確立をしているという判断のもとで参加をいたしたわけでございます。  おっしゃるように、これからもこの問題に関してはさまざまな問題が想定されるであろうし、あるいは出てくるかもしれない。想定されるさまざまな問題は、その出現率と同時に考えていかなければいけない。初めての法律でございますので、その教科書のないところで執行いたすわけでございますので、問題はいろいろ考えられるけれども、出現率の問題も同時に考えながら、しかし個人情報保護法、そして3法案につきましても両方とも整合性を持ち、さらに国民的な合意を得て早急にこれを法制化していただきたいと。そのことによって安心感と、それから情報の利便性を国民全体が享受できるような状態が生まれると思いますので、今後ともこれで終わりということなしに、個人情報保護法等をめぐりまして、我々も国に対して運動を続けてまいる所存でございます。 66: ◯辻隆一委員  今の市長の最後の方で、拡大の問題もありました。今国においてオンライン化3法案というもので264項目にふやされようとしているわけですけれども、こういったことだって危険性は増していくということで、やはり個人情報保護法への市長の考え方と同じように、きちんとやはり国に対しても申し入れていくという立場を要求しておきたいんですが、今のところがちょっとあいまいだったので、もう一度お答えいただきたいと思います。 67: ◯市長  オンライン化3法案と個人情報保護法、これは二つとも大事なことだし、おっしゃるような懸念も生じますので、その懸念は不可避の問題でございますので、両方ともお互いに整合性を持ち、国民的な合意を得て早急に成立すること、これを求めていきたいと思います。 68: ◯辻隆一委員  3法案の成立も求めていくと言ったんですか、それともそのことが問題だと表現したんですか、その辺がわからないので、もう一度お願いします。 69: ◯市長  両方とも整合性を持って、さらには国民的な合意を得た上でということでございますので、そういうことで御理解いただきたいと思います。 70: ◯委員長  次に、グローバルネット仙台から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。             〔岡部恒司委員、質疑席に着席〕 71: ◯委員長  発言を願います。 72: ◯岡部恒司委員  私は、市民総務費、歴史的町名と活用推進事業に関連してお伺いをいたします。  まず初めに、13年度の事業内容、簡潔で結構ですのでお願いいたしたいと思います。 73: ◯区政課長  13年度の事業の内容でございますが、今回の事業は平成12年度からスタートしたわけでございまして、12年度末に第一次提言というものを受けました。具体的に申し上げますと、歴史的な町名を通りの名称などに活用していくというようなことを取り上げたらどうかというものも含まれている提言でございましたので、これをもとにしまして、あわせてつくりました歴史的町名と活用推進委員会の方で御議論をいただきまして、一定の原案を取りまとめたという事業を行ってまいりました。 74: ◯岡部恒司委員  歴史的町名を道路の通称名として選定されなかった町名の今後の取り扱いについてお伺いをいたすわけでありますが、その前に、この事業を取り組むに当たって、地名というのを御当局はどのようにお考えになっているのかということをお伺いしたいんですね。  申し上げるまでもなく、地名は地域の顔でもある。地域の歴史をコンパクトに伝える貴重な情報源でもある。人名の先に地名ありと言われるように、姓名の姓の由来にもつながっている。人は移動しますけれども、土地は動かない。地名を安易に考えれば、土地にちなんで生まれたたくさんの人名のルーツなども追跡することはできないだろうと。地名は次世代に引き継ぐ大事な財産であると申している人はたくさんいるわけでありますが、御当局は、その地名の重要性というのをどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。 75: ◯区政課長  今回の事業の目的でございますけれども、城下町仙台の歴史的文化遺産である由緒ある町名や通り名を現在の市民生活に活用し、仙台の魅力の創出と個性あふれるまちづくりに役立て、後世に継承しようというものでございます。  委員御質問の地名につきましては、これは市民生活にとっても非常に重要なものと考えております。ただ、今回の事業はあくまで法的に決められております地名を変更しようというものではなくて、あくまでも通り名の、いわゆる愛称と申しますか、通称と申しますか、そういったものに活用していこうということで取り組んだものでございます。 76: ◯岡部恒司委員  考え方、目的については今お伺いしましたけれども、確認をいたしたいのは、だれのために、何のためにやる事業なのか、ここをもう少しお願いします。 77: ◯区政課長  実は今回の事業は12年度から行ったわけでございますけれども、最初に委員会を立ち上げまして、市民の意向調査ということでアンケート調査、あるいはお宝ミーティングということで市内を8地区に分けまして、地域の各町内会の方々にすべて呼びかけまして、住民の意向等を調査したところでございます。その結果、市民の方々が歴史的な町名について非常に関心がある、あるいはそれを活用していきたいという強い御希望がはっきりと把握できましたので、この事業を推進してまいったところでございます。 78: ◯岡部恒司委員  再度伺います。だれのための事業ですか。 79: ◯区政課長  仙台市の都市の歴史というものを後世に継承していって、そして市民の方にも親しまれ、そしてそれを通じて仙台の都市の魅力アップにもつながるということで、総体的に申し上げますと、市民のためにもなる事業と考えております。 80: ◯岡部恒司委員  数は後でお伺いしますけれども、幾つかの町名を選定したわけでありますが、もともと藩政時代の大昔、ここには幾つの町名があったんでしょうか。それをまずお伺いをしたいんですけれども。 81: ◯区政課長  400年前に伊達政宗公が御城下を開いたときから、江戸時代はずっと城下が拡大してまいりましたので、どこの時点でとらえるかという問題はありますけれども、資料によりますと、江戸時代末期、幕末のときには300を超える町名があったと考えております。 82: ◯岡部恒司委員  昭和37年だったでしょうか、郵政事業の効率化などを目的とする住居表示法が施行された。本市は45年に大幅な町名の統廃合をした。統廃合ということは、町名を廃止したと思うんですが、幾つぐらいこの当時廃止したんでしょうか。アバウトなところでいいんですけれども、どうですか。 83: ◯区政課長  45年に実施されました市の中心部の中央地区について申し上げますと、当時は約137の旧町名があったという記載がございました。 84: ◯岡部恒司委員  それでこの事業、今回幾つの町名を選定したんでしょうか。 85: ◯区政課長  今回は町名を選定したのではなくて、通りの名称でございますが、77の旧町名を活用して通りの名称をつけたところでございます。 86: ◯岡部恒司委員  いろいろどこら辺の判断というのも難しいわけですが、お調べをいたしましたら、先ほどの統廃合で100弱の町名を廃止した。今回は町名じゃなくても、その名前のところを77選定したというわけですね。その選定基準、これも簡潔で結構ですので、ちょっとお伺いしたいと思います。 87: ◯区政課長  選定基準はおおむね五つございまして、一つが仙台藩の城下町の区域内にあること、二つ目が町名等が藩政時代に名づけられ、その由緒、由来が歴史的に明確であること、3番目が市民に深く親しまれ、かつ現に使用されていること、4番目が今日における道路の道筋が史実の道筋とほぼ合致すること、5番目が道路の周辺住民を初め多くの市民の賛同が得られる可能性が高いこと、こういった基準に基づき選定をいたしたところでございます。 88: ◯岡部恒司委員  これについてはまたお伺いしますけれども、当局からこの事業計画資料をちょうだいいたしまして大変気になるというか、当然のことだと思いますが、由緒あるという言葉が盛んに出てきている。この言葉も選定基準の一つになっているんだと思うんですが、ということは、選定されなかった町名というのは、由緒がないというように判断をするんでしょうか。  それと、道路の通称として活用する理由のところで、市が公的に認知し云々と出ていますね。では、この選定されないところは公的じゃないと思う市民がたくさんいるような気がするんですが、その辺はどのようにお考えですか。 89: ◯区政課長  私どもの理解としては、今回の70路線を委員会を通じて、あるいは各市民の方々の御意見等をちょうだいいたしながら選定をしたわけでございますが、先ほど御質問にあったとおり、町名が300以上あったと。したがいまして、通りもこの77路線以外にもたくさんあったことは当然認識しております。  ただ、今回の事業は、冒頭申し上げましたように、歴史的な遺産を後世に継承していく、あるいは市民生活の中に活用していくという趣旨で、いわゆるインセンティブな効果、先導役的な効果を果たすために、委員会から77路線の御提言をいただいたものを採択したものでございまして、私どもとしては今回路線にならなかったものが、例えば歴史的に価値がないとか、あるいは劣っているとか、そういう認識ではございませんで、今回の77路線が市民に定着していくことによって、そのほかの路線あるいは町名についても市民の方々に関心を持っていただいて、そして学習をしていただく、あるいは地域社会の中でそういった由緒ある歴史的な町名、通り名を活用していただくのが趣旨と考えております。
    90: ◯岡部恒司委員  現実に、出ているところと出ていないところがあるわけですよ。そして、この事業は大変市民の関心が高いんでしょう。意識調査をしているわけですから、この中でも大変高い。8,000人のうち40%の関心があるというから、すごく関心があるというわけでしょう。思い入れがあるわけですよ。そうしたら、選定されている住民とされていない住民、どのように思うか。選定されなかった地域の住民の人たちはどう思うか、そこら辺はどのように考えていますかということを聞いているんです。今のお考えは、委員会と御当局の考えであって、住民のことを考えているのかなと、ちょっと不思議なんですけれども、もう一度お願いします。 91: ◯市民局長  ただいま課長から御答弁申し上げましたように、今回はまずもって先導的な役割を果たしてもらうという目的で、今後道路標識等の設置などをしてまいりますと、さらに地域の皆さんの追加的な要望が高まってくるものと私どもは判断いたしております。その時点で、市民の合意、または地域の周辺の道路の形態でございますとか、いろいろなものを勘案しまして、追加的な位置づけについては検討してまいりたいと考えております。 92: ◯岡部恒司委員  それを最後にお伺いしたいと思ったんですが、出てしまいましたので、はしょります。  何回も申し上げるとおり、要望があったはずです。特に課長が話されたとおり、お宝ミーティング等々で要望があったはずです。30ぐらいの要望があった。そのうち20を却下して10を取り上げた。要望があったんですから、要望をされた市民の方々は、大変その地区に思い入れがある方でしょう。でも却下したわけでしょう。当然その人たちは、何だと、うちの地元の名前を入れてもらわないで大変寂しいと思うのは当然だと思うんです。ひとにやさしいまちづくりは、ひとにやさしくないまちづくりと思うかもしれない。それから、住んでよかったと思わないかもしれない。住んでみたいと思わない住民たちがこれからふえてくると思う。それは今回の事業に反することであると思うんですよ。  この事業そのものは大変高く評価しますが、何か一つ欠けているような気がしてならないのであります。市民のさまざまな意見、思いをまとめるには、現在ではまだまだ不十分であると思います。これがすべてではないはずで、まだまだ住民の希望がたくさんあるわけでございますので、自分の地域の町名が載っていないのは大変寂しいというのは、これは当然の話であると思います。ぜひとも息の長い取り組みが必要だと思いますし、ところどころに改訂版をつくるのも、また一つだと思うんですね。地域を思う住民の気持ちを大切にしていただきたいと思うんでありますが、御検討していただくというお言葉をいただきましたけれども、再度この意見に対して局長はどのようにお考えか、お願いします。 93: ◯市民局長  今回の事業の進め方におきましても、いわゆる地域住民の皆さんの意向確認をもとに進めておりますので、今後もそういう意向を踏まえながら進めてまいりたいと考えております。 94: ◯岡部恒司委員  却下した20の地区を見ましたら、辻標が立っているところがある。例えば土橋通、十二軒丁というのもある。ここは別に却下する何物もないと思うんです。検討するのを検討するんではなくて、ぜひ前向きな検討をお願いして、任期中、あと2回議会がございますので、またお伺いさせていただきます。 95: ◯委員長  次に、みらい仙台から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。          〔渡辺博委員、熊谷善夫委員、質疑席に着席〕 96: ◯委員長  発言を願います。 97: ◯渡辺博委員  それでは、私は市民生活費3億1247万円に関して何点か質問をしたいと思います。  まずお伺いいたしますけれども、この市民生活費の内訳、これは説明書を見ればわかるんですが、一応特に力を入れた点を中心に御説明をいただきたいと思います。 98: ◯市民生活課長  市民生活費の内訳と、特に力を入れた事業についての御質問でございますが、市民生活費3億1247万円の内訳でございますが、消費生活センター運営に2176万5000円及び防犯対策に2701万8000円、交通安全総合対策等に5925万2000円、交通指導隊運営に2874万9000円などでございまして、消費生活については消費生活支援計画の策定並びに消費生活センターの充実、防犯関係についてはピンクチラシ対策、それから交通安全については高齢者の交通安全教室を重点的に行っております。 99: ◯渡辺博委員  市長が市政を運営する際の柱が幾つかございますけれども、安心・安全、市民の安全ということはとても大事なことだと思います。市民費の中で市民生活費は、特に市民の安心・安全にかかわる大事な予算だと私は認識しております。  その中で、防犯、それから交通安全について今御説明をいただきましたので、強く意識はされているんだなと安心はいたしましたけれども、私がこの質問に立つというのは、その取り組みがまだまだ足りないのではないかということでございますので、その辺を認識をいただきながら御答弁をいただきたいと思います。  それで、防犯活動について、まず簡単に御説明をいただきたいんです。これは防犯協会、防犯実動隊のことにつきましては、私は議会があるたびにと言うと言い過ぎかもしれませんけれども、議会で折に触れて質問し、あるいは提言もしてまいりましたけれども、なかなか私がイメージする領域までは進んでいない状況があります。一方、仙台の都市化現象というのは、さらにさらに進んできておりまして、市民の安心・安全にかかわるということで非常に心配でございます。  市長は、本会議の答弁でアジアウィークリーでしたでしょうか、仙台というのは極めて安心・安全という点でアジアの上位にあるという御答弁をされましたけれども、そのときに私は、それはそれで我々仙台市に住んでいる者が感じる実感とは大分違うというお話を申し上げたことを記憶しております。それで、ピンクチラシについて特に力を入れられたということでございますけれども、確かにピンクチラシの取り締まりというのは、風俗関係の犯罪を抑止する、あるいは少なくしていくという点で大事な事業だったと思いますけれども、私はまた別にもっと防犯活動についてやるべきことがあったのではないかと思いますけれども、どういう御認識で昨年度はこのことについて努力されたのか御説明をいただきたいと思います。 100: ◯市民生活課長  市民の日常生活の安全と平穏を確保するため、警察とか防犯協会と連携をしながら、犯罪の防止と環境の浄化を目指しまして、防犯団体等への助成等を行ってまいりました。それで、委員おっしゃるように、最近防犯意識が、いわゆる犯罪が増加していてちょっと不安になっている向きもありますが、それに対して地域での防犯意識が希薄になっているというのがまた一方でありまして、防犯意識を高めるためにはどうしたらいいかということの視点から、昨年の全国地域安全運動仙台市大会におきまして、地域における安全づくりにつきましてパネルディスカッションをして、考えを深めてまいったところでございます。 101: ◯渡辺博委員  それはそれでまた結構だったと思いますけれども、我々の仕事というのは、行政もそうだし、我々議員として出していただいている者の仕事というのは、日常いかに効果的な対応、対策をしていくかということだと思います。そういう点で、私は足りないということをずっと言い続けてきたわけですね。防犯協会あるいは防犯実動隊、確かに住民自治の中から出てきたのかもしれませんけれども、もうそれでは限界が来ておりますよというお話を、私は身近な生活の中からそういう話をしてきているんですが、まだ御当局はそこまでどうも認識がないのではないかと思います。  全国の大会があって、パネルディスカッションでそういうことについて理解を深めていくというのはいいことかもしれませんけれども、それで努力をいたしましたということにはならないのではないかと思います。ぜひ来年に向けて、さらにさらに現実的な対応をしていただきたいと私は思うんですけれども、私の認識、今御報告をいただいたことに対する私の認識に対して何か、いや、そうはおっしゃるけれどもとか、お言葉ですがとかということがあればお聞かせをいただきたいと思うんですけれども、市民局長、いかがでしょうか。 102: ◯市民局長  確かに防犯活動に対しましては、地域の皆さんが積極的に取り組んでいただいておりますことに私たちも感謝をしているところでございますが、そのためにも市といたしましては、その活動に対する助成制度とか、それから活動のための装備的な、具体的には反射ベスト等の配付などを通しまして、皆さんが活動しやすい環境の面の条件を整備をいたしているところでございます。  今後につきましても、さらに活動の場面の環境整備に私どもは重点的に取り組んでまいりたいなと考えているところでございます。 103: ◯渡辺博委員  ぜひ重点事項として取り組んでいただきたい。私はまだ足りないと思っております。その点、前の議事録でも繰り返して読んでいただきたいと思いますけれども、やっぱり住民の努力だけではできないところまで来ておりますし、それと補助金を出しておられるというけれども、どの程度の補助金を出しているか。説明をいただけば本当に情けない話になるわけで、これ以上はやめますけれども、答弁にはならない部分だと私は思います。補助金を出すならもっと出して活動しやすい装備を中心に環境をつくっていくべきだという持論を、また改めてこの機会に申し上げさせていただきたいと思います。  続きまして、交通安全対策についてお聞かせをいただきたいと思います。具体的にどういうことをやってこられたのか、まず説明をいただきます。 104: ◯市民生活課長  交通安全対策の内容でございますが、増加の一途をたどっております交通事故から市民の生命財産を守るために、多方面から交通安全の充実に努めておりますが、街頭での交通安全指導を行っております交通指導隊の運営や、幼稚園や保育所を中心とした幼児交通安全教育、また高齢者交通安全教育事業などの実施並びに広報啓発等を行うとともに、交通安全協会など交通安全団体への育成支援を行っております。 105: ◯渡辺博委員  交通指導員という方が仙台市にいらっしゃいますね。大変地味だけれども大事な仕事をしておられると私は思っております。交通指導員の活動状況、それからこの方たちは、例えば違法駐車とか、そういうことの指導をされているんだと思います。御説明は後でいただきたいと思いますけれども、何か法的に指導する権限がある方たちなんでしょうか。 106: ◯市民生活課長  まず、交通指導員の活動内容でございますが、先ほど申し上げた交通安全教室の実施ということでございます。幼児交通安全と高齢者交通安全教室を実施しております。それから、委員がおっしゃったように、違法駐車等の防止活動事業を行っておりまして、これについては条例に基づきまして指導助言啓発を行っております。 107: ◯渡辺博委員  わかりました。これは後で触れるかもしれません。  それで、確かに地味ながら大事な仕事をされておられるということはわかりましたが、私はその中でさらに重点を絞って努力をしていくことが必要なのではないかと感じているところでございますけれども、今、秋の交通安全運動中ですね。9月21日から30日までと承知をしておりますけれども、具体的に何か目標とかを掲げてやっているんだと思いますが、どんなことを重点的にやろうとしているんでしょうか。 108: ◯市民生活課長  ことしの秋の交通安全市民総ぐるみ運動でございますが、運動の重点目標を四つ掲げております。子供と高齢者の交通事故防止、それからシートベルトとチャイルドシートの着用の徹底、三つ目が飲酒運転等悪質・危険な運転の追放、四つ目が自転車の安全利用の促進という四つを掲げまして、まず交通安全のこれらの内容についての啓発、それから警察等関係機関と連携した交通指導隊による街頭指導、それから各地の交通安全キャンペーンを実施しております。 109: ◯渡辺博委員  その中で、やっぱり気になるのが自転車なんですね。自転車の安全な乗り方ということが大変気になります。しかし、私だけではないと思いますけれども、重点にしている割には、相変わらずルール違反と思えるような自転車の扱い方をする人が多いということがございます。これはことしばかりではなくて、昨年度もたしか仙台市の重点目標だったのではないかと思っております。シートベルト、チャイルドシートの着用の徹底とか飲酒運転、あるいは悪質・危険な運転の追放というのは、警察もかなり真剣に取り組んでいますので、市民の間に、これはやってはいけないことなんだという思いがきちんとあると思いますけれども、自転車についてはまだまだというか、ほとんどそういう認識がないのではないかと私は思っております。  重点にしている割にはなぜそうなのかということなんですが、具体的に効果的な対策をとっていないからではないかと私は思っております。伺いますけれども、自転車の正しい乗り方についての推進を重点的にしているということですけれども、それでは具体的に、警察と連携をとりながらだと思いますが、どういうことをしておられるんでしょうか。 110: ◯市民生活課長  自転車の安全対策についての重点的な取り組み内容でございますが、宮城県警察部と連携いたしまして、街頭指導を強化しております。これは4月の交通安全期間、それから今回の秋の交通安全期間などでも自転車の安全利用について指導を強化しているのが一つ。それから、歩道上の自転車の走行がちょっと危険だという、特に高校生の方を危険に感じることが多いということもありますので、市内の高等学校の生徒指導の先生方の協力をいただき、新入生徒の自転車通学許可の際に、本市で作成しましたパンフレットに基づきまして自転車利用の際のルールの遵守を指導していただくなどの取り組みを行っております。 111: ◯渡辺博委員  取り組んでおられるということはわかるんですけれども、結果が出ないことには、これは困るんですよね。私はまだまだ本当に足りないと思っております。こういう交通安全運動期間中でも二人乗り自転車を見かけますし、隊列を組んで、それも横に隊列を組んで走っている自転車もあるようです。ひどいのになると、母親だと思いますが、前と後ろに子供を乗せて細い道を走っているなんていうこともございます。だから、どこで取り締まりをしているのか、どこで指導しているのか、私はわからないんですよね。隠れてやっているわけじゃないんでしょうけれども、指導というのは、もちろんその場所でやるわけですけれども、市民に対する啓発につながるような指導の仕方をしていかなくてはならないんじゃないかと思います。高校生を重点的にということでありますけれども、果たしてどういう指導をしたのか、結果をフォローしているのかどうかということもお聞きしたいところです。言いっ放し、お願いのしっ放しでは先に進まない、成果を得るには至らないという心配を私はするんですけれども、それで委員長、他局にまたがることになりますけれども、お許しをいただきたいと思います。  私は交通安全に関しては、いろいろな要素があるんだろうと思います。例えば教育ですね、小学校、中学校、幼稚園、保育所でやっておられるということですけれども、実際自転車に関しては乗るのは小学生、中学生、高校生、もちろん成人、これも問題ですが、啓発をどういうところでしていくかということが問題だと思っております。それと、啓発活動をしていって、その啓発活動が有効かどうかというチェックも必要だと思いますけれども、それはどこでしているのかということ。  それからもう一つは、自転車が走りやすい環境を整えていくことも私は大事なんだと思いますけれども、もっと切り口があるのかもしれませんが、少なくともその3要素をうまく組み合わせながら自転車の安全な運転ということを実現していくことが私は必要だと思うんです。  教育長にお伺いをしたいのですけれども、小学校、中学校、特に私は小学校のような気がいたしますけれども、自転車の安全運転、あるいは自転車を運転する際に従わなくてはならないルール、こういうものをこの時期に徹底的に教え込むことが必要だと思いますけれども、今現在教育委員会ではどういうことをお考えになりながら取り組んでおられるんでしょうか。 112: ◯教育長  自転車に関します交通安全指導につきましては、直接子供の命にかかわる場合もございますので、大変重要な問題であると認識いたしております。各小学校におきましては、副読本でございます私たちの安全、これを活用いたしまして、各学年の発達段階に応じまして指導をいたしているところでございます。  各中学校におきましては、これに加えまして危険な運転をしないなど、交通ルールの徹底を図るよう努力をいたしているところでございます。これらはいずれも学習指導要領に基づいて行われているところでございますけれども、各学区内の交通事情、自転車通学を許可しているか、あるいはしていないかなどによりましても重点的な指導項目が変わっておりますので、これらも含めましてただいま御指摘いただきましたように、各学校の交通安全指導に対するレベルアップを図ってまいりたいと考えております。 113: ◯渡辺博委員  教育長は御認識をされておられるようなのでこれ以上はやめますけれども、学校によって取り組みに濃淡があるようでございます。今の教本の話ですけれども、これも利用の仕方がどうもばらばらなのではないかと思っております。もっと言えば、せっかく校長先生たちがおつくりになったこの教本がうまく利用されていないという危惧を今持っております。数少ない調査なので、教育委員会で改めてまた調査をしていただいて、対処をしていただきたいと思いますけれども、教育長のおっしゃるとおり、この自転車、オートバイもそうですけれども、事故を起こしたらそれでアウトです。生命に直接かかわることになってまいりますので、ぜひ教育の場で徹底した教育をしていただきたいと思っているところでございます。  また、自転車が走りやすい道路環境の整備ということについて、前にも私は質問をし、提言をしたような気がいたしますけれども、今現在仙台市はどのような整備をしておられて、今後どのようにしていこうと考えているのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。 114: ◯建設局長  私からは、自転車道路の現状といいますか、その整備状況をちょっとお話し申し上げたいと思います。  自転車が走れるということであれば、自転車の専用道路、あるいは自転車と歩行者が歩ける道路と、このように二つあるかと思います。そういう意味で、専用道路につきましては、七北田川沿いの堤防など走っております専用道路で約20キロございますし、さらに午房江とか岩切等の道路の細いところにおいては、通勤用あるいは自転車ということで、歩行者と自転車が通れる道として約10キロ整備しております。そのほかでございますけれども、まちの中心部にございます広幅員の道路、これについては皆様御存じの二番丁通などは歩行者が一緒に歩いているわけでございますが、こういうところは道路交通法上、指定をいたしまして通っていただくということになっております。その延長が約385キロほど設定しているのが現状でございます。 115: ◯都市整備局長  私からは今後の計画と申しますか、そのあたりについてお答え申し上げたいと思います。  環境の面等さまざまなことから、自転車の利用そのものを促進することでございますとか、おっしゃるような自転車を利用する際の安全性の確保、これについては極めて大切なことであろうと考えておりまして、さまざまな難しい課題はございますけれども、これまでそれなりに計画や安全対策を進めてきたところでございます。確かにおっしゃるように、まだ不十分な分もございますので、本年度は都市総研に依頼をいたしましてアンケート調査を行う一方、さらにさまざまな方からの御意見もいただきながら、より積極的に計画あるいは検討を今後深めてまいりたいと考えております。 116: ◯渡辺博委員  環境整備をしてほしいといっても、本当になかなか難しいことだと私もその点は理解をするつもりですが、しかし、だからといって引き下がるわけにはいかないわけで、大変だけれども、しかし登録台数40万台を超えていると言われております。登録しない自転車を入れたら100万市民が一体何台持っているのか、それさえも把握できないくらい自転車があります。そういう手軽な、そしてまた便利な、輸送手段と言ったらいいんでしょうか、これが走りやすい、使いやすい環境をつくるのは、やっぱり行政の責任だろうと思いますので、さらに努力を続けていただきたいと思います。  子供たちはそういうことで教育の中でだんだん身につけていくと思いますけれども、問題は成人でございます。子供をおんぶして、前後に子供を連れてなんていうのも見たことがありますけれども、そんな形で自転車に乗る。しかも雨の日に雪の日に傘を差して自転車に乗る姿も見ることがございます。どこかのサーカスにでも行ったらと思うぐらいのすごいわざを発揮しているわけですけれども、しかしそうばかりも言っていられない、冗談じゃなくもっと認識を深めるべきだろうと。道路交通法上は軽車両という位置づけですけれども、前回申し上げましたけれども、厳しい罰則がございます。それが徹底されていないということがあります。ですから、啓発だけでは私は済まないのではないかと思います。仙台市には取り締まりをする権限がない。条例で交通指導員の方が違法駐車を中心に市民の協力を促しておりますけれども、それだけではもう済まない状況だというのは、だれでも御認識だと思います。  それで、前にも触れましたけれども、宮城県警本部、特に市警察部と、これは正式な議題に上げて、取り締まりも含めて本格的に取り組んでいくべきことではないかと思いますけれども、前回聞きましたら正式にはそういう話はしていないと、しかし口頭ではしているよと、そういう説明だったような気がいたしますけれども、今現在はどうなんでしょうか。ルール違反の自転車の取り締まりについてはお話し合いはしているんでしょうか。 117: ◯市民生活課長  取り締まりの強化につきまして、宮城県警に対しては平成11年6月に市警部との連絡会議の正式な議題としております。その後、機会をとらえまして指導、取り締まりの強化について要望しているところでございます。 118: ◯渡辺博委員  それで、その成果、昨年度はどれくらい取り締まりをして、どういう結果が出たのかというのは、把握されていますか。 119: ◯市民生活課長  取り締まりについては、把握しておりませんが、ことしの4月の警察と交通指導隊の連携しての街頭指導では、5,000件ほどの指導を行っていると伺っております。 120: ◯渡辺博委員  私は成果を得るためには、指導した結果どういう効果が上がっているのかということを毎回毎回チェックしていくべきだろうと、足りなければさらに工夫をしていくという、その積み重ねが必要なのではないかと思います。どうもその努力の部分がちょっと薄いのではないかと私は思っております。ぜひさらに続けてやっていただきたいと思います。  それで、ここにいらっしゃるほとんどの方が車を運転すると思いますし、自転車も運転するわけですけれども、車を運転していてよくわかることは、自転車の無謀な運転ぶりです。すき間があればどんどん入ってくる、ルールなんかもう関係ないという、そんな自転車の運転の仕方をする人たちがたくさんおります。本当は自転車というのは道路の左端を走ると法律できちんと決められているにもかかわらず、右側を走るのは平気ですし、それこそ対面で走ってくるのも平気ですし、夜は無灯火も平気です。二人乗りも、さっきも言いましたけれども、これもまた常態化しております。私がひどいのを見たのは、警察官の前を無灯火で走って警察官が何も言わないという、そういう状況があるんです。  それで、先日も市警察部に行きましたときに感じたんですけれども、手が回らない、足も回らない、それどころじゃないみたいなことでは困るのではないかと思うんです。こんなに口を酸っぱくして質問して、そしてどうなんだと聞くと、やっていますという御答弁をいつもいただきますけれども、その深刻さが何だか自動車に比べると、あるいは暴走族なんかに比べると、深刻さの度合いの認識が違うのではないかと私は思ってしまっております。  これは、仙台市がやっぱりその気になって、さらに真剣に取り組んでいくことによって、警察の皆さん方、忙しいのはわかりますけれども、自転車は基本的な乗り物ですが、命にかかわるその乗り物の安全な運行に対する指導に力を入れてくれるのではないかと私は思います。部長にちょっとお聞かせをいただきたいと思いますけれども、ぜひさらに力を入れてやっていただきたいと思います。  その前に、最近報道されましたけれども、荒川区で新しい試みが行われております。子供を中心として、安全ルールの講習会を開いて、乗り方の実技も含めて、それに合格をすると運転免許証を与えると。これは効果はあるんだと思いますけれども、法的な権限はないそうですが、私はさすがだなと思いました。ただし荒川区の実情を聞きますと、自転車の台数が非常に多いということと、事故も非常に多いと。交通事故の4割以上が自転車事故だというせっぱ詰まった状況でそんな工夫をしたということでございました。  仙台市はそこまでいかない前にやるべきだろうと。報告された数字を見ても1,000件を超えております。報告されないものまで含めれば1,800件、自転車の事故が起きているという状況に今はなっています。死亡者も4人出ているようです。昨年が4人ですから、もう50%オーバーのような状態になっています。1,800件は、ちょっと間違ったら、それは死亡事故につながることだったわけでございまして、荒川区の例を挙げましたけれども、自治体として仙台市が責任を持って安心・安全な生活環境をつくっていくということであれば、その点での努力も私はしていただきたいと思います。それで、部長にお考えをお聞かせいただきたいと思います。 121: ◯生活文化部長  委員御指摘のとおり、自転車につきましては、大変身近な乗り物である、また環境に優しい乗り物であるということもございまして、利活用と安全ということを両輪として考えていかなければならないと考えております。  今後の安全対策についてでございますが、具体的なところで一つ、今後何分にも秋が深まってまいりまして日没が早くなりますところから、薄暮時に先ほど御指摘のあったような無灯火の自転車を指導していくということが非常に大事ではないかと思いまして、交通指導隊員による指導を強化してまいりたいと考えております。  また、自転車は本当に幅広い方々に愛用されておりますので、一人一人のルールの遵守とマナーアップということが交通安全上非常に重要でございます。私どもといたしましては、交通安全を担当しております交通指導員が用務の一環といたしまして、中心部の自転車の通行できない場所で自転車に乗っているような事例を指導するという事業を始めたところでございまして、これにつきまして継続的に行っていって、啓発と、それから違反の状況といいますか、効果といいますか、そういうものを継続的に調査をしていきたい、また、こういったものを発展させてキャンペーンを行うなどいたしまして、効果的な啓発活動を検討しつつ実施していきたいと考えております。 122: ◯渡辺博委員  それをやりながら、しかしそんな状態ではもう間に合わないんだという立場でもう一回私はここに立ったわけでございます。法律があるんですから、違反をする人には厳しく罰則を適用するくらいのことをやっていかないと大変だということです。  例えば、ここに平成14年8月現在死亡事故発生状況というのをいただきました。ここで本当に残念なのは、どうしても自動車を運転している人が加害者と言われるわけですが、軽乗用車を運転していた加害者が、赤信号を無視して横断してきた被害者の自転車と衝突して、赤信号を無視して横断をしてきた自転車の運転者、被害者になったんですが、亡くなったということです。これは赤信号を無視して入ってくることが、果たしてどうなのかということですよね。皆そうなんですよ。問題が起きるのでこれ以上はやめますけれども、自転車の運転者が被害者になって、自動車の運転者が加害者と、今の状況ではどうしてもなってしまいます。  しかし、加害者が被害者、被害者がある意味では加害者という状況も出てくるわけです。これはやっぱりルールが徹底していないからなんですよ。子供たちのことは教育長がやってくださるというので期待をしますけれども、大人たちの対策というのは、市民局が中心になってやる仕組みになっているわけですから、優しいことだけでは済まない状況に今はなっているんです、池田部長。県警本部ともう少し真剣に取り組んで、厳罰で対応することも私はあってもいいんじゃないかと。ここまで言いたくなかったけれども、今の認識だと、また来年同じことをやらなくてはならないとすれば、その間に死亡者が出たりしたら一体どうしますか。これはちょっと飛躍した話ですけれども、私はこれは一日一日むだにできない、そんな思いです。この死亡事故は今4件、たった4件と思うか、4件も出たと思うかで全然取り組みの仕方が違ってくると思います。たった4件と、もしかして思っておられまんせんか。そんなことはないですよね。もう4件も死亡事故が出ているんだということです。1,800件、自転車の事故がもう起きているということ、昨年の実績ですけれども。そういうことで、それが死亡事故にもつながっていく、目の前にそういう状況があるんだという、やっぱりある意味で切迫感を持って取り組んでいただきたいと思いますが、市民局長、いかがでしょうか。 123: ◯市民局長  いろいろ委員の方から、御提言を含めました御質問をちょうだいいたしましたけれども、やはり啓発と取り締まり、これが一体となって取り組むのがより効果的ではないかなと思っております。今後はより効果的に、また委員のおっしゃるとおり目に見えるような啓発事業、そして取り締まりに関しましては、市警本部との定例の連絡会議がございますので、その中で一つのテーマとして仙台市の取り組みを提案しながら、連携が図れるような形で協議をさせていただきたいと思っております。 124: ◯渡辺博委員  ぜひ期待をいたしますので、よろしくお願いをいたします。 125: ◯委員長  この際、暫時休憩いたします。                午後2時48分 休憩                午後3時13分 再開 126: ◯委員長  再開いたします。  発言を願います。 127: ◯熊谷善夫委員  私の質問は、区政推進費中の魅力あるまちづくりのことなんですけれども、決算で1億6000万円ぐらいという、これだけをお伺いさせていただきます。もっとも魅力のないまちづくりをする事業というのは多分ないと思いますけれども、この名前をつけた事業は私の好きな事業ですので、これをちょっとお伺いをいたします。  この魅まちの事業の名称というのは、今年度から予算書からも名前が消えてしまったから、取り上げたってしようがないんじゃないかということもあるかもしれませんけれども、しかしこれはいわゆる発展的に名称を変更して、もっと充実させていくということだと思いますので、よろしくお願いします。  また、前置きがちょっと長いんですけれども、新聞なんかに書いてある言葉を使えば、いわゆる区役所の権限拡大ということで、本当に権限拡大になっているのかどうかわからないですけれども、ソフト面もハード面の事業も区の自由裁量ということでの予算を計上して、区民とつくるまちづくり事業とかとなったわけなんですね。ところで、私の質問には、落ちというのか、お願いというか、ねらいがありまして、それを先に言っておきますと、趣旨と言っておきますけれども、一つは、今後の区政、各区でやる区独自の施策の展開というものは、これまで以上に飛躍的に拡大してほしいと。区独自の施策を展開するには金もかかるわけですけれども、そのことによって区の特色がうんと鮮明にあらわれて、各区、とにかくあの区はこういう区ということを一発で言えるような区の状況が欲しいなという願いを持っているからなんです。  それで、要は何をやるにしても予算とかそういうことですから、一つは、その拡大を望むための質問だと。もう一つは、これは当然のことながら、拡大させるということが区政に対する区民参加も飛躍的に拡大するような施策を講じてほしいということを結びにしたいために、その割には質問は大したことない、少しだけなんですけれども、よろしくお願いをしたいと思います。  それで、答弁というか、御説明をいただくのは、今魅まちをやってきた区そのもの、ある意味では現場と言ってもいいんでしょうけれども、なるべく区長さん方に実感を込めた御説明なりをちょうだいできればと思っております。ただ、私は青葉区におりますから、青葉区長あるいは総務部長にはよくお会いしているからあんまり出てこなくていいと思いますけれども、よろしくお願いします。  ということで、まず平成元年に、たしか区民ふるさと創生事業ということからスタートして、あと平成7年に今の魅まちとなって、今年度区民とつくるとなってきたと思います。なってきたときは、ちょうど私は議会にいたときですからわかるんですけれども、私は一番最初の区民ふるさと創生事業というのが一番いいんじゃないかなと思っているんですけれども、しかし、変わってきたその意義をちょっと御紹介願えればと思います。 128: ◯市民局長  委員のおっしゃるとおり、政令指定都市移行後、区政制度をスタートした時点で、区民ふるさと創生事業ということで、特に区が中心となって区民の参加を求めた形の事業を展開してまいったところでございまして、その後、この事業が平成7年に魅力あるまちづくり推進事業ということで事業展開を図っておりまして、この事業におきましては、区民の皆さんの参加のもとでまちづくりを進めようという観点から、魅力あるまちづくり推進事業という形でスタートしたわけでございます。  今回は、その魅力あるまちづくり推進事業につきましては、各区それぞれが特色ある地域づくりに取り組んでいくということで、7年間も継続して続いてまいったところでございますが、若干やはり事業が硬直したものになりつつあるということから、また区民のニーズに的確に対応できない一面も出てきたということからいたしまして、そういった点を踏まえまして、これまで以上に区民とともにまちづくりを推進していこうという観点から、新たな発想の展開を図りまして、14年度の事業から区民とつくるまち推進事業ということで創設した次第でございます。 129: ◯熊谷善夫委員  それもよくわかりました。発展的にと私も言いましたけれども、拡大していっていただければと思います。  ところで、この事業を推進する直接的な担当というのは、各区役所で多分まちづくり推進課ということなのかもしれませんけれども、まちづくり推進課だけがその事業に直接携わって、区民とも接してきているのかなと。あるいは事業の性格によって、区役所内のほかの組織、建設部だろうが何だろうが皆参加して進めていってるんだという現状なんでしょうか。それはいかがですか。 130: ◯青葉区長  区役所の魅まち事業の所管ということですけれども、この魅まち事業、区の各課で企画実施することができるようになっておりますが、事務分掌上は、総合調整ということで総務課が担当をしております。なお、まちづくり推進課の事業がいろいろ重立って多いことから、それぞれ各事業の実行委員会を組織して、その中で関連する各課が最初から入って連携をとって実施しているような状況でございます。 131: ◯熊谷善夫委員  そういうことだと思います。これは総務課の企画経理係がある程度調整役なんですか。もう一度だけ。 132: ◯青葉区長  そのとおりでございます。区の総務課の企画経理係でございます。 133: ◯熊谷善夫委員  ところで、そういう区長のさっきの御説明なんですけれども、どうも私は区役所に行ったり、あるいは実行委員の人たちとか、一市民ということでもいいんですけれども、この魅まちのいろいろな事業はまちづくり推進課の人しか区役所内では余り関心を持っていなくて、ほかの部署の方はその事業を区民の遊びととらえられているような感じを受けるんですね。  そこでもう一回申しわけありませんが、この事業を推進していくときに、区役所内の全組織で意思の疎通とか意思の統一というものを図る機会というのは、多分会議をしてやっているんでしょうけれども、職員一人一人にそういう意識をどんな方策で浸透させているか、これは区の施策でもあるでしょうし、市長の政策でもあるんでしょうから、どんなことをやっているのか紹介してください。 134: ◯青葉区長  いろいろ魅まちに関連する事業がございますけれども、私どもでは課長が集まった週1回の会議を定例的に持っております。その中でいろいろな事業を説明し、またその中でいろいろと各課からの意見なり何なり、そういったものを吸い上げながら、打ち合わせを持ちながら実施しているところでございます。 135: ◯熊谷善夫委員  それはどうぞよろしくお願いします。  それで、ちょっと外れて申しわけないんですけれども、文句だけつけておいて後は何も要らないんですけれども、この魅力あるまちづくりというのは、この事業に限らずどの事業もそうだと思いますが、さっき岡部委員でしたか、歴史的町名の話が出ましたが、私もこういう話をされて役所に電話したことがあるんです。町名の案が示されたときに、そういう歴史的な町名とかは大変魅力あるまちづくりに役に立つと思って、その人は、いや、この通りの名前はこちらの方ではこうは言っていませんよと。これを考え直してもらえませんかという電話を役所にしたら、うちの方は関係ないから区政課に言ってくださいとか、あるいは、こういうのは実行委員会というのを設けて、そしてしかるべき手続で決めたことで、あなたが一人そんなことを言ったってだめなんだという話をいただいたわけですよ。私もおもしろくないから、わざと聞いたら、やっぱり同じ話だったんですよ。やっぱり魅力あるまちづくり実行委員会の人とか、新しい杜の都づくり協議会の人たちだけでなく、一人一人の意見をはね返さないで、ぜひ受けとめてほしいと思います。それだけのことです。  それで、各区の区長さんというのは、何で区長になっているかというと、やっぱりその区のことに精通しているんだと思います。その区の特質とか個性とかを今認識していると思いますけれども、例えばその区の歴史的な背景とか、あるいは地理的なというか、地勢的な問題や特質もあるでしょうし、昔からそこに暮らしている人たちの暮らし向きとか、いろんなものを勘案しての特質というものがあると思いますけれども、私の方の区がほかの区と断然違う、鮮明に違う特質はこういうことがあるんですよと、どなたか1人でいいですから教えてください。 136: ◯宮城野区長  鮮明からはちょっと外れるかもわかりませんけれども、宮城野区は万葉の昔から歌枕の地として知られ、宮城野に由来する宮城野区は、都市と歴史、自然とが調和した区でございます。北部の丘陵地から田園地帯を経て太平洋へ開けた豊かな自然を背景に、七北田川や梅田川の流れ、蒲生干潟の渡り鳥、そして日本の音風景100選に選ばれましたスズムシ、そしてまた宮城野ハギなどが四季の語らいを育み、区民に潤いをもたらしております。  また、海の玄関口として世界に開かれた国際貿易港を初め幹線道路網など、交通の便に恵まれた宮城野区は、本市経済を支える工業流通の拠点地を有しまして、新世界に飛躍する杜の都にふさわしい活力に満ちた区でもございます。  その一方で、高齢化が進んでいる地域もございまして、人口の年齢構成において地域間の格差が見られるのも宮城野区の一つの特性ということでございます。  そしてまた、これらを反映いたしまして、よその区に匹敵するかどうかわかりませんけれども、よその区も魅まち事業は進めているわけでございますけれども、まず第1点といたしまして、地元学推進事業がございます。これは区民みずからが自分たちのまちを歩いて、聞いて、そして調べることで地元の歴史と生活を再発見するという活動を行うものでございまして、この調査の結果は、小冊子や地元学という冊子にまとめられまして、市民の地域のよさを再発見するよすがとなっております。  宮城野区は、よその区と比較して特異なものというのは特段ございませんけれども、実行委員会などでいろいろなまちおこし、まちづくりを進めておりまして、特に昨年、提案によりますブリッジ宮城野というものを描きまして、これは5区の中でも初めてだと思いますけれども、まちづくりの提案を受けて、選考して五つの提案を受けまして、1件当たり50万円の限度額で補助したというのが、よその区にない事業かなということでございます。 137: ◯熊谷善夫委員  よくわかりました。ただ、私が伺ったのは、特質に基づいた事業の例が欲しかったんではないんです。そういうのは書いてあるからいいんですけれども、それでは、もう一回だけお願いするとすれば、特質、今ちょっと触れていただきましたけれども、そういう特質を区内で把握してというか、認識して、それを事業に生かすときのシステムというか、戦略というか、多分、自分の区の特色をこういう事業に生かそうじゃないかというような会議をやるんだと思いますけれども、その様子をちょっと聞かせてほしいと思ったんです。 138: ◯宮城野区長  先ほど青葉区長がお話ししましたとおり、課長会を通じまして、それでいろいろと地域には特性ある持ち分持ち分があります。先ほどブリッジ宮城野と言いましたけれども、そのほかにも高齢化が進んでおります鶴ケ谷団地の情報誌の発行なども行っております。それは保健センターから上がってきたものをみんなで検討した中で、それを取り入れて進めようということで進めているわけでございます。やり方については、青葉区と同じようなやり方でございます。 139: ◯熊谷善夫委員  多分各区、宮城野区長がおっしゃったようなことでされていると思いますので結構なんですけれども、しかし、区民ふるさと創生事業から来てさっき局長もおっしゃっていましたけれども、事業が少しマンネリ化してきているような気がするんです。しかし、幾らマンネリ化しないようにと立派なアイディアなどを出しても、金がないとできないんだということにもなると思うんですけれども、そのためかどうか、今までの事業は、おおむね施策のソフト面を中心とした、例えばさっきもちょっとスズムシだの何だのと言っていましたけれども、自然を相手にした事業とか、これは自然に触れるとか守るとか、いろいろ自然を対象にしたとか、あるいはまち美化のこととか、あるいはさっきもお話があった地元学の推進とか、またボランティア活動の支援なんかもそうなんでしょうし、そして最たるものは区民まつりというか、それぞれ名前をつけていますけれども、そういうソフト面。これの方がハードより心の時代だということで大事なのかもしれませんけれども、一方、金さえあればという前提で言うと、ハード面からの魅力あるまちづくりというのは、大いに可能だと思うんですね。今年度からそれが若干スタートはしているにしても、今までのことを思い返してみて、ソフト、ハードということでは、ハード面への思いはいかがな感じでしたか。 140: ◯青葉区長  今までの魅まち事業でございますが、確かに委員おっしゃるとおり、ハードではなくてソフトの方が主体でございまして、そういったことから、今年度新たに区民とつくるまち推進事業の中で、地域生活環境整備事業として取り入れられてきているような状況でございます。 141: ◯熊谷善夫委員  そうしますと、今年度に触れて申しわけないんですけれども、ハード面でもまちづくりに貢献するものがあるとしたら、区役所として展望できるハード面というので、何か今進めていること、考えていること、今のことで決算とは違うぞと言われるとしようがないんですが、ちょっとだけ紹介していただければ。
    142: ◯青葉区長  5区ともそれぞれそうだろうと思いますが、特に青葉区では落書きが非常に多いということから、ボランティアを募りまして、落書きのためにしていきたいと。それからもう一つは、やはり安全・安心が基本でございますので、そちらの方に事業として振り向けてまいりたいと、このように考えていたところでございます。 143: ◯熊谷善夫委員  わかりました。これも各区そういうお考えと見ていていいですね。  ところで、さっきも宮城野区長からお話しいただきましたけれども、個々の今までやってきた魅まち事業、一つ一つは楽しくて、参加した人たちもおもしろかったということで、結構だと思いますけれども、特に例としてお聞きしますが、やっていない区はあるのかどうか、地元学の推進、青葉区ではグループを形成し、地元学研究事業とか言ってきたその地元学を推進し、あとは行政と関係ない市民の勝手な地元学研究グループももちろんありますけれども、そうした地元学を推進して、その成果として地元本来のまち資源というか、そういうのを掘り起こしたり、あるいは人材を発掘したりという中から生じた研究の成果で、よし、これはおもしろいと、魅力あるまちづくりに大いに役に立つ資源だなということで始まった事業というのもありますか。 144: ◯若林区長  御趣旨に沿うかどうかわかりませんが、若林区につきましては、いろいろな地域の懇談会等でお話を伺う中で、仙台市が政令指定都市になって以降の過程の中で、どうも近代化に少し取り残されているんじゃないかというお話がございまして、こういう気持ちの中には、少し若林区もという意味がありますけれども、もう一方で、非常に歴史的な背景を持つ地域であると。居住エリアが中心になっているということもありまして、地域コミュニティーはそれなりの醸成されたものがございますということで、一つ若林区において、今お話にありました関係の事業としては、若林区ウオッチング事業というのがございます。  この事業は、藩政時代からの面影を残す地域のまち、荒町とか河原町、こういう地域を取り上げまして、市民ボランティアの方々が取材活動とか情報収集を行うと、そして行政的観点とは違った市民サイドの視点から見たまちの魅力というものを探ることによりまして、地元に残された資源を再確認をする。それを過去・現在・未来へと引き継いでいこうと、こういう事業として構成されております。確かに時がたつにつれまして忘れられ、失われてしまうこういう地元の貴重な体験、地域のエピソードがございます。これらを記録として整理をし、冊子にまとめ、後世に伝えるということで、今までは若林地域考シリーズというのがありまして、地名とか水関係、伝統工芸、あるいは米づくりとか、そのほかもろもろのテーマを冊子にまとめまして、後世に伝える。  あるいは、最近の例ですと荒町界隈物語というようなものをあらわしまして、非常にたくさんの方々に読まれ、好評を得ているという事業がございまして、私どももまずは何よりも区民が主体になって行う、かかわると、こういう事業で非常に今後の地域づくり、まちづくりに関係のある事業として期待をしながら事業を進めていこうと思っているところでございます。  質問の答えになったかどうか、ちょっと自信がございませんけれども、そのような状況でございます。 145: ◯熊谷善夫委員  質問の趣旨に沿った立派な答えをいただきました。ただ、私の質問の趣旨は、最初に言ったように、よしんばとんちんかんなやりとりでもいいんです。要は、そういう地元学推進の中から、魅力あるまちづくりを進めてくださいねというお願いですから。  ところで、魅力あるまちづくり事業は各区それぞれ戦略を練って、あるいは協議会なんかで地元住民の代表者なんかが来てやっていると思いますけれども、五つの区、共通のテーマで何かを競い合うような魅力あるまちづくり事業という、何かそういうのはないですか。例えば、一斉にフラワーロードを競ってみないですかとか、それは今思いついただけの話ですけれども、そういうのは何か経験はないですか。あるいはそういうのはあんまり、さっきの渡辺委員の言う何の効果もない事業なのか、ちょっと感想をお願いします。 146: ◯青葉区長  5区共通のテーマはないかということですけれども、きちんとしたテーマというのは持ち合わせてはおりませんが、まちづくりは人づくりという考え方で5区それぞれ同じ目的に沿ってやってきたものと思っております。そういう意味におきまして、魅まちでは20代から30代の比較的若い層にまちづくりのための調査研究をしていただきながら提言を受ける、いわゆるコミュニティ・フォーラム21というものを5区共通に開催してきたところでございます。 147: ◯熊谷善夫委員  今コミュニティ・フォーラム21なんかでもいろんなアイディアを出していただいて実行に移しているというお話、それは別な項目なのかもしれませんけれども、関連して伺いますけれども、このコミュニティ・フォーラム21、地元の若手、リーダー的な立場の方と区役所の若手職員の方で構成しましょうと、それでも十何人かずつなんでしょうけれども、それで成果もいろいろ表現されていてまとまったものを見せていただいたりしています。そうだとしたら、今度はそれと並行して、うんと年とった住民とベテラン職員の中で話し合って、そうすると豊かな経験から生まれるアイディアというのも期待できると思いますけれども、それが新しい杜の都づくり区民協議会とかいうそれなのか、あるいはそういった組織は要りませんか。 148: ◯青葉区長  先ほど委員からマンネリ化というお話もございまして、青葉区では、昨年半年がかりでいろいろな活動を見直してまいりました。その中で、先ほど申しましたように、やはりまちづくりは人づくりという観点から、いろいろな御意見、御提言を受けました。そんなものですから、ことしは若年層、それから壮年、老年、そういったような人づくりの場を設定するようにしているところでございます。 149: ◯熊谷善夫委員  後はやめますけれども、この事業を進める上での人材に関係があるんですけれども、これまでこの事業が始まる前だってその地域には魅力ある地域づくりにうんと頑張ってきた人たちとか、あるいはこの事業が始まってからうんと協力して、ボランティアも含めてですけれども、そういった人たちもいると思うんですね。そういった人たちは何も褒められようと思ってやっている人なんかは多分いないと思います。ボランティアにしてもまちづくりに協力する人たちの心というのはそういうことだと思いますけれども、しかしそういう人たちに、これまでどうやって感謝の気持ちをあらわすとか、あるいは顕彰するとか、そういったことはしてきたとは思うんですけれどもね。表彰状か何かをお上げしたりというようなこと。その例について、まだ手を挙げていただいていない泉区長さんか太白区長さん、何か例があればお願いします。 150: ◯太白区長  まちづくりに貢献された方々への顕彰でございますけれども、やはり地元というんですか、地域には地道な活動を通じてまちづくりに貢献されているという方々がたくさんいらっしゃると思います。そういう方々に何らかの感謝の意をあらわしたいということで、太白区では、太白区まちづくり推進協議会において、まちづくり活動賞という制度がございます。この制度に基づきまして、そういう地道な活動をしている方、そしてまた、仙台市のそういう表彰規定まではいかないというような方々に、協議会とともに感謝の意を表しているところでございます。今後とも、このような地域で地道に活動している方々の掘り起こしに意を用いてまいりたいと思っております。 151: ◯熊谷善夫委員  ぜひよろしくお願いします。しかし、だれにもわかられないでいる人が結構いますので、そういうのを町内会長さんとかに時々そういう人はいないですかとか聞いてもらうような活動もお願いできればと思います。  最後に、冒頭私が申し上げた質問の趣旨についての所感を局長にお願いしたいんです。というのは、区の個性とか特色を明白にできるものがあれば、それが区の魅力でもありますし、あるいは優劣とかは別にして、その区特有の住みよさということにも結びつくんではないかなと思うんです。つまりいいコミュニティーづくりに絶対貢献していくはずだと。  そこで2点、来年度から、今年度これからでもいいですけれども、区民とつくるまちづくり推進事業ということについては、来年度、今まで述べてきたことをもっと実らせる、拡大していただく意味で、全くびっくりするような予算措置というものに配慮してほしいんです。予算だけつけたってやることはないんですなんて言われたら困るんですけれども、いっぱいあると思いますので、予算措置を願いたいということへの所見ですね。それから、最初に言ったこの事業の原点に返ってというか、住民参加ということも拡大する施策が欲しいわけなんです。これからの時代、今もいろんな広聴事業をやっていて、いろんな意見を聞かれていますから結構なんですけれども、さっきはふざけて言ったんではないですけれども、地域の長老とベテラン職員の組織を持ったらいいんじゃないかなんて言いましたけれども、そういう組織形成も欲しいし、あと、さっき文句を言いました、たった一人が申し出た意見をも受けとめてほしいという、つまり行政と住民が、金のことばかり言って恐縮ですが、それ以上に知恵を出し合うという場を考えていただければという思いで質問しました。この私の質問への感想だけ聞かせてください。 152: ◯市民局長  委員の方からいろいろ御質問を賜りまして、確かにこの7年間続きました魅力あるまちづくり推進事業が、各区とも区民とともにまちづくりについての定着が図られたものではないかなと思っております。その辺あたりも踏まえまして、新年度におきましては、さらに先ほど委員からお話がありましたように、発展的に解消いたしまして、特に区役所が自主的に市民とともにまちづくりを進めていこうとするねらいを持ちまして新しい事業をスタートさせたわけでございまして、今後予算的なこともございますけれども、その点に関しましては若干厳しい財政状況ではございますけれども、この新しい事業の定着を図る上からも各区ともども私ども含めて努力をしてまいりたいと思っておりまして、これからさらに区それぞれが特色ある、区の独自性を発揮した形でのまちづくりが進められていくのではないかなと思っております。 153: ◯委員長  以上で、平成13年度仙台市一般会計歳入歳出決算中、歳出第3款市民費に対する質疑は、総括質疑を除き終了いたしました。  答弁者入れかえのため、少々お待ち願います。                〔答弁者入れかえ〕 154: ◯委員長  副委員長と交代いたします。              〔委員長退席、副委員長着席〕 155: ◯副委員長  委員長と交代いたしました。  次に、平成13年度仙台市一般会計歳入歳出決算中、歳出第4款健康福祉費、平成13年度仙台市国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算、平成13年度仙台市老人保健医療事業特別会計歳入歳出決算、平成13年度仙台市母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計歳入歳出決算、平成13年度仙台市新墓園事業特別会計歳入歳出決算、平成13年度仙台市介護保険事業特別会計歳入歳出決算についてであります。  公明党から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。         〔菊地昭一委員、山口津世子委員、質疑席に着席〕 156: ◯副委員長  発言を願います。 157: ◯菊地昭一委員  私の方からは、平成13年度の決算に関連して、身体・知的・精神の3障害の中でも最もおくれていると言われております精神障害の施策、その中でも直近の課題であります精神科救急システムについて何点かお伺いします。  まず最初に、健康福祉費中、精神科救急システム調査が22万2000円と決算されておりますけれども、金額は非常に少ないんですけれども、平成13年度よりついた調査費と伺っていますけれども、どのような調査を行ったのか、初めにお伺いします。 158: ◯障害企画課長  精神科救急システム調査費の内訳でございますが、広島県等の先進地のシステムの実態を調査するための旅費となっております。 159: ◯菊地昭一委員  広島の調査ということでありますが、私も広島の精神救急システム調査に行ってまいりましたが、ぜひ今後の具体化の取り組みに向けて生かしていただきたいと思います。  続きまして、精神科救急システムに関しては一般質問でも具体的に3点について質問をしました。一つは合併症対応の救急病床の整備、二つ目に専門医を配した24時間電話の相談体制、三つ目に救急医療システムの情報提供、この3点とも重要な課題でありますけれども、この答弁では、宮城県との役割分担や連携の仕組みを十分に考慮しながら、本市としての果たすべき役割を鋭意検討しているとのことでしたが、今後宮城県との検討をどのような形で行っていくのかお伺いします。 160: ◯障害企画課長  精神科救急につきましての宮城県との協議・検討についてでございますが、協議・検討するに際しましては、本市として実施すべき事業の概要についてある程度の成案を得た上で臨むことが必要と考えておりまして、具体的に宮城県と協議を開始するには残念ながら至っておりません。今後、宮城県の事業展開を見きわめながら、本市としての事業案をまとめまして、できるだけ早い時期に協議を行ってまいりたいと考えております。 161: ◯菊地昭一委員  そうしますと、現段階ではいつごろから宮城県と具体的な協議に入るか、時期等もまだはっきりしないということでしょうか。 162: ◯障害企画課長  成案についての検討並びに庁内の調整等を進めまして、可能な限り早期に、新年度には何とか入りたいとは考えております。 163: ◯菊地昭一委員  県の方で救急の体制が、県立名取病院に平成15年度から始まるというのもありまして、その辺を見きわめながらということになると思うんですけれども、確かに宮城県との協議を積極的に進めていただきたいんですけれども、本市としてできることも一つ一つ着実に取り組んでいかなければだめなんじゃないかなと思いますので、そのような観点から、特に24時間の電話の相談体制についてお伺いをします。  平成13年度の決算で、精神障害者の地域生活支援として2551万6000円が計上されております。これはほっとすぺーすへの委託料と伺っています。また同じく精神障害者の地域生活支援事業の補助金として2129万3000円、これは向日葵ライフサポートセンターへの補助金ということに聞いておりますけれども、この二つの施設、ほっとすぺーすは平成10年10月にオープン、向日葵ライフサポートセンターは平成11年10月ですけれども、この二つの施設のこれまでの事業内容も含めた評価についてお伺いします。 164: ◯障害企画課長  現在事業実施中の2カ所におきましては、現在のところ登録人員が180名余り、それから電話や面接、訪問等による相談件数が年間約1万5000件となっております。そのほか給食サービスやもろもろの手続の同行サービス、あるいは地域との交流事業等を展開しておりまして、地域で暮らす精神障害者にとって身近な相談の場、あるいは日中活動の場として重要な役割を果たしているものと認識しております。 165: ◯菊地昭一委員  本会議の答弁でもこの2施設のほかに、平成15年までに新たに2施設を増設をすると。泉区を除く各区に整備されることになるんですけれども、残りは泉区が一つまだ未整備という形になるんですけれども、今後将来的に、泉区にも地域の生活支援センターの整備計画等がありましたらお聞かせください。 166: ◯障害企画課長  泉区での整備につきまして、今のところ具体的な見通しはございませんけれども、今後とも運営できる民間団体の育成等に十分に努めながら、可能な限り早期の整備に向けて努力してまいりたいと考えております。 167: ◯菊地昭一委員  ぜひ各区に整備されるように進めていただきたいと思います。  この精神障害者地域生活支援センターの役割というのが事業概要にありまして、地域で生活する精神障害者の日常生活に関する困り事や悩みに対する支援や相談、情報提供を行うとともに、交流の場の設置等交流事業を行っている。最後の方に、電話相談については、登録者を対象に24時間対応していると、このように書いてあります。現在のこの二つの施設の24時間電話相談体制の現状をお聞かせください。 168: ◯障害企画課長  三居沢にございますほっとすぺーすと呼んでおりますが、そちらにつきましては、生活訓練施設ウインディ広瀬川の宿直勤務体制も活用、あるいは連携しながら、年間4,500件程度の夜間の対応を行っております。もう一つの袋原にございます通所施設併設の向日葵ライフサポートセンター、こちらにつきましては、職員が携帯電話を所持することで対応してまいりましたが、入所施設併設のような体制がとれないといった事情もございまして、現時点では休止するに至っております。 169: ◯菊地昭一委員  24時間の電話相談体制が、向日葵に関しては資料でも平成12年度で終了ということになっています。その主な原因というか、それはどういう理由で対応できなかったのか、ちょっとお聞かせください。 170: ◯障害企画課長  ただいまもお答え申し上げましたとおり、職員が携帯電話を持ち帰って夜間から翌朝まで対応するといった格好で1年半ほど対応してまいりした。その間1日平均5件ほどの夜間の相談にも応じてまいりましたが、何といいますか、職員のそういった対応にも限界があること、あるいは利用者の方にとって、その方の生活リズムにとってかえってマイナスという場面もあるといったような事例もございましたことなどから、現在のところ休止しているといった事情でございます。 171: ◯菊地昭一委員  そうしますと、向日葵に関しては、職員の担当されている方が、簡単に言うとオーバーワークで疲れてダウンしたという事情じゃないかなと思うんですけれども、私もこの向日葵の施設には行ったことがありまして、施設長からもそれに近い話は伺ったことがあります。  問題は、仙台市でも24時間の電話の相談体制をこれから強化しようとしているときに、実際に実績のあった向日葵が休止をしているということは、大変残念なことだと思うんですね。最終的には人手不足をいかに解消できるか、もっと突き詰めて言えば、人を雇うにはお金が要りますから、どのようにしてその財源分を見い出せるのかという部分だと思うんですけれども、仮に向日葵で相談体制を再開するとした場合には、どのぐらいの運営費があれば再開できるんですかね。 172: ◯障害企画課長  現在向日葵ライフサポートセンターにつきましては、国の定める最低の基準どおり、精神保健福祉士等常勤の職員3名と非常勤職員2名、この体制で365日回しております。夜間に1人を確保して、仮に日中の支援の体制を若干薄めるといったような中での取り組みの変更を行ったとしても、常勤換算で2人から3人程度の職員を確保すれば、24時間の対応は可能になるものとは考えております。 173: ◯菊地昭一委員  具体的な金額は算出がしにくいというか、しづらいという感じなので、ただそんなに大きな金額が必要ではないように思うんですけれども、基本的には国の補助金のレベルが上がらないことには現段階では対応できないというお答えだと思うんですけれども、具体的な金額はわかりませんけれども、例えば市独自でその補助額の増額をするという、そういう考えはないんですか。 174: ◯障害企画課長  現行の国の基準につきましては、ただいまお答え申し上げましたとおり、最低5人確保を条件に光熱水費等の物件費も含めて年間2100万円余りが補助基本額になっておりまして、そこに常勤換算で二、三人分の人件費分を市単独で加算するということは、国庫補助基本額に対して相当の加算になるということで、現状におきましては、極めて困難と考えております。 175: ◯菊地昭一委員  税収が伸びなくて財源が大変なので補助がなかなか難しいという、それは大変よくわかるんですけれども、この向日葵の電話の相談件数を見ますと、平成11年、これは少ないんですけれども、平成12年は1,719件も夜間の相談があって、しかもやめた13年からは474件に激減しているんですね。それだけ障害者の方が夜間の電話相談というのを、ある意味では大変頼りにしていた部分というのはあると思うんですね。  もう一つのほっとすぺーすの方は、今でも24時間体制をやっています。これはウインディ広瀬川、生活訓練施設とのタイアップをしながらやっているという実績もあるんですね。そういう意味では、単独の施設一つ一つに24時間の電話の相談体制をつくるとなるとそれなりの事業費もかかるでしょうし、もう少し弾力的に考えていただいて、例えば来年になると四つの施設になりますので、その四つの施設の中でどこが一つはしっかりと24時間の電話の相談体制が確立できるとか、あるいはこういうウインディみたいな施設との併設を考えて、それでもって対応するとか、そういう柔軟な考えで何とか──私が言っているのは、さっきの精神障害者の救急システムの中でも、せめてこの24時間の電話の相談体制だけでも仙台市できちんととれないのかなという思いがあるものですから言っているんですけれども、その辺の考え方はいかがでしょうか。 176: ◯健康福祉局長  お尋ねのように、精神障害者とその御家族にとりまして、夜も含めて24時間の相談体制がきちんと確保されているということは、大変地域で生活をされる中で必要なことと私どもも認識をいたしております。  したがいまして、ただいま申し上げましたように、市独自のかさ上げということはなかなか困難なものがございますけれども、幸い二つの施設が新たにできることもございまして、その四つの施設の中でやり方はいろいろこれから工夫してまいりたいと思いますけれども、その中のやはりマンパワーが大事でございますので、そういったマンパワーの交代としての対応とか、そういうこともマンパワーが四つになりますと出てくるというところもございますので、そういう中で検討させていただきたいと考えております。 177: ◯菊地昭一委員  大変前向きな御答弁だと私も聞こえましたので、ぜひその体制づくりに、15年度になると思いますけれども、前向きの検討をお願いできればと思います。今の質問は、基本的には精神科の救急システムについて質問をしました。本当は一歩踏み込んで、一般質問では専門医もいる相談体制というのを質問しましたが、そこまで一気に行くのは難しい部分もあると思いますので、これからはまず一歩踏み込んだ、専門医も配した電話の相談体制、また合併症対応の病床、あるいは情報システムというのは非常に大事で、課長も広島へ行かれたのでよくわかると思いますけれども、インターネットで検索すると、今こういう人はどこに行けばいいかという緊急医療システムがネットワークになってすぐわかるという、それは大変家族にとっても本人にとっても、ある意味では関係者の方も、その情報があることによってかなりマンパワーが少なくて済むというメリットも出てくると思いますので、今後の精神障害者の施策を一歩も二歩も進めていくという意味で、これからの基本的な考えを再度改めて伺いたいと思うんですけれども、障害者に対する施策の基本的な考えをお伺いしたいと思います。 178: ◯健康福祉局長  精神障害者に限定してのお尋ねでございますが、これはやはり障害者の方々全体に通じて言えることだと思いますが、住みなれた地域でお住まいがきちんと確保され、しかも生活のリズムの中で自分が通っていっていろいろと仕事をする、あるいは授産を受ける、そういった体制が整っていること、これが最も大事だろうと。こういった基盤づくりを私どもとして今後力を入れて取り組んでいく必要があるものと考えておりますし、また精神障害者につきましては、何といっても救急医療の救急体制というものがまだ私どもの中ではございませんものですから、これの確立に向けて力を尽くしていくということが、今後の我々の方向であろうと考えております。 179: ◯副委員長 発言を願います。 180: ◯山口津世子委員  私は児童福祉費中、家庭保育室助成額の決算額が2億9000万円余計上されておりますけれども、この決算額の内訳についてお知らせ願いたいと思います。 181: ◯保育課長  家庭保育室への補助金の内訳でございますけれども、年齢別に補助額が決まっておりまして、ゼロ歳児延べ2,612名で額が7836万円、1・2歳児が合わせて6,393人で1億2786万円、3歳以上児が延べ人数で3,731名で1865万5000円、合計延べ人数で1万2736人、その基本助成額が今の額なんですけれども、そのほかに延長加算あるいは休日加算、夜間開設加算等の加算がございまして、それが6576万1000円、合わせて2億9063万6000円となっております。 182: ◯山口津世子委員  本市における家庭保育室の助成が開始されたのは、何年前のいつごろからでしょうか。 183: ◯保育課長  家庭保育室という制度をつくりまして助成が始まったのは、昭和48年からでございまして、ことしで30年目ということになろうかと思います。 184: ◯山口津世子委員  現在基準にのっとって助成しています家庭保育室の数は、本市においては何園となっていますか教えてください。 185: ◯保育課長  13年度末現在で49カ所ございます。ここ最近、11年が44カ所、12年が48カ所、昨年が49カ所。ちなみにことしですけれども、51カ所となる予定です。 186: ◯山口津世子委員  本市としても30年前からさまざまなそのような助成をしたり、保育事業の充実のためにさまざまな御努力をされてきたと思います。そしてまた、ことしになって待機児童ゼロに向けてさまざまに努力する中で、市長の公約でもありました待機児童ゼロに向けて本市独自のせんだい保育室の設置を行うとして、待機児童ゼロ対策室を設置してこられました。  そこでお伺いしますが、ゼロ対策室の陣容、職員の人数と、それから男女の割合、それから、せんだい保育室と家庭保育室との違いはどのようになっているかお知らせ願いたいと思います。 187: ◯待機児童ゼロ対策室長  対策室の職員体制でございますけれども、室長以下7名でございまして、うち女性の保育士が2名配置されております。  それから、せんだい保育室と家庭保育室の違いでございますけれども、せんだい保育室は、有資格者の割合や児童1人当たりの面積で家庭保育室の基準を上回っておりまして、また保育料の上限設定や多子世帯減免制度などを設けまして、保護者の経済的負担の軽減を図っております。 188: ◯山口津世子委員  せんだい保育室の一番の大きなメリットというか、プラス面は、保護者の負担を軽くするということかなと今お伺いしました。せんだい保育室をつくるに当たって、本市としては5月8日に第1回の説明会を行ったとされております。第1回の説明会を行ってから今日に至るまで、9月には認定がされたわけですけれども、その間大体5カ月の間にどのような質問会とか説明会とか、どのくらい行ってきたのか伺いたいと思います。 189: ◯待機児童ゼロ対策室長  申請者への説明についてでございますが、5月の説明会以降も協議書の提出時や実態調査の折に認定基準を含めまして制度の内容について、個々に十分に説明を行ってきたところでございます。 190: ◯山口津世子委員  十分に説明をしてくださったということでございます。先般9月18日にせんだい保育室の認定の交付が行われました。新聞等にも記事として載っておりましたけれども、A型が1施設、B型が3施設という状況を、当局はどのように分析しておりますか。また、どのくらいの申し込みがあってA型が1施設とB型が3施設なのか、その辺をお伺いしたいと思います。 191: ◯待機児童ゼロ対策室長  協議書の申し込みでございますが、A型につきましては、5カ所から、B型につきましては31カ所からございました。その結果、認定はA型1カ所、B型3カ所になったわけでございますが、この理由といたしましては、年度途中での制度施行ということから、児童1人当たりの基準面積の引き上げに伴いまして、入所児童を調整しなければならないということがございまして、年度途中での移行というのがなかなか難しいかったかなと思っております。 192: ◯山口津世子委員  そういう事情、10月の年度途中の引き上げということについては、懇談会とか説明会を持たれたときに、家庭保育室の皆さんからそういう不安の声とか、またなかなか難しいという声は出なかったんでしょうか。 193: ◯待機児童ゼロ対策室長  説明会の折にも十分時間をとりまして御説明を申し上げたところでございますが、やはり新しいせんだい保育室という制度にのっとって運営してみたいという気持ちが先行したような形の方もいっぱいいらっしゃいまして、とにかく申し込んでみようという方も随分いらっしゃったようで、その辺でなかなか難しいかったのかなというところもあります。 194: ◯山口津世子委員  B型で31施設申し込みをして3園が認定になったわけですけれども、一番の大きな理由は広さの面だけでしょうか。児童に対する広さが十分に確保できなかった、また子供の数を、今は途中なので減らすことができなかったということを先ほど伺いましたけれども、それでは31園申し込んで3園しか認定ならなかった、その漏れたところ、次回となったところに対してどのような手を打たれたのか、また今後どのように園に対して対応していくおつもりなのか教えてください。 195: ◯待機児童ゼロ対策室長  認定に至らなかった施設につきましては、その理由につきまして、個別にお呼びいたしまして御説明を申し上げました。認定基準を満たすように協議も現在継続しておりまして、今後もずっと指導に当たっていくつもりでおります。 196: ◯山口津世子委員  先ほども言いましたように、認可について、新聞報道にはわずか4施設とありましたけれども、私は特にB型に関しては、よくぞ3施設も認定されたと評価しております。というのは、先ほど室長も言われたように、10月という途中であり、本当に家庭保育室においては人数の枠以上に今保育をしてくださっているんですね。それは、何も自分たちがもうけようとか商売にしようとかじゃなくて、本当に地域の中で困っているお父さん、お母さんの相談を受けて、ぎりぎりのところで、本当はだめなんだけれども、じゃ、1カ月お預かりしましょうとか、また保育課の方に相談に行くと、あそこに相談に行ってごらんとか、認可保育所の方は規定がありますので、枠が1人2人ふえてもそれ以上は受けないということもありますし、家庭保育室は地域の中でとても大事な役割をしてくださっています。そしてそれが30年にもわたって営々と、本市から助成を受けながらそのような仕事をしてくださってきた。それはとりもなおさず地域にあっては本当にありがたい場所だと思うんですね。  そういう中で、3園が認可になったということは本当に拍手を送りたいところなんですが、何とかこれをもっともっと引き上げていただきたい。そしてこの家庭保育室の連絡協議会の方々が言っていることは、せんだい保育室になると補助金はふえるんですけれども、保育料が下がってしまう。また我が家を保育室に提供している場合は、保育料は今安く設定しているわけですね。また賃貸で保育園を開園している場合は保育料も高くなっています。そしていろいろな状況があるわけですね。そういうことをどうか現場に入っていただいて、そこの園そこの園の状況を聞く中で、このせんだい保育室にとって何が一番すばらしいやり方なのかということを、もっともっと現場に入って見ていただきたいなと思っております。  そして、室長以下7名のスタッフの皆さんがおられますけれども、私は前回のときも、市政の出前講座という話もさせていただきました。この室の中の皆さんが、どうか地域の園の中に飛び込んでいって、もっともっと語り込んでいただきたいと思っております。  そして、仙台市の保育室制度の概要の中にありますように、5月8日に保育室の説明会を行って、5月31日がせんだい保育室整備協議書提出期限、6月が保育室A型改修助成対象事業者内示、7月が提出者に対する調査・ヒアリング、8月がせんだい保育室認定申請書提出、そして9月が認定となって、9月18日に認定書を交付したとなっております。ここまでは5カ月間しかないわけですね。そして10月から新しいせんだい保育室を開所するということで、本当にこの6カ月間で……。私は、もっと園の立場になって、年度の変わり目でこの事業を起こすような考えを持たなかったのでしょうか、その辺を伺いたいと思います。 197: ◯健康福祉局長  私どもといたしまして、やはり最もスムーズな移行ができるという観点で申し上げますと、今委員御指摘のような年度の変わり目という選択肢もあったろうかと思いますけれども、待機児童がこれだけ多い中にあって、できるだけ早い時期に立ち上げてまいりたいという気持ちが、年度の中途、10月開所というところに至ったものでございますので、御理解を賜りたいと思います。 198: ◯山口津世子委員  そのようなときに、園の方からもさまざまな意見も出たと思います。そして、今何が一番各家庭保育室の中にあって問題なのか、何を望んでいるのかということを、これから来年4月──今年度中も移行していくと伺っておりますけれども、その要望をもっともっと聞いていただいて、そして問題点を一つ一つ解決をしながら、どうかせんだい保育室への移行をスムーズにしていただきたい。  そして、3年の間でこの移行を進めていくと伺っておりますが、今保育園の中では、もし自分のところがその基準に合わなかったらと一番心配をしているのは、子供の数を減らすことができるかどうかなんですね。今、年長さんがいて来年度学校に行くのであれば自然に減るわけです。だけれども、ゼロ歳児とか1・2歳児とか、年齢の少ない子供さんがいる場合には、簡単に減らすわけにはいかないんですね。そういう子供を多く預かっているところでは、この1年、2年の間に子供の数を減らすことは大変困難であるということも伺っております。そういうこともどうか心に入れていただきながら、家庭保育室の皆さんが安心して子供を預かっていけるように。今のままだと不安を抱えながら子供を育てていくということになります。そうなったときに一番心配なのは、何か事故があったとき、また何か問題点があったときに本当に一番心配するわけですので、家庭保育室の皆さんが安心して子育てができるように、そして子供さんをお預かりできるように、また運営補助の見直しなどをどうか検討していただきたい。  最後に、今後そのようなことも含めながら、どのように取り組んでいくつもりかお知らせ願いたいと思います。 199: ◯健康福祉局長  お尋ねのように、家庭保育室は地域にありまして、本当に多様な保育サービスを提供してきていただいている貴重な社会的な資源であると我々も思っておりまして、今般のせんだい保育室制度の移行に際しましては、その家庭保育室における子供たちの保育の質の向上というところを大きな力点にいたしておりまして、一方では、保護者負担の軽減、この2本を柱といたしまして、この制度を立ち上げたわけでございます。  一つの保育施設における保育士の配置基準であるとか、あるいは子供たちの1人当たりの施設面積であるとか、こういったものは、保育内容に大きくかかわる問題でございますので、現在の基準は、これ以上のところの緩和というのはないのかなとは考えておりますけれども、今お話のありました補助金の問題等につきましては、各家庭保育室のお話を十分に伺いながら、そしてまた、この10月からせんだい保育室の運営が始まるわけでございますので、こういった運営の実態等も見きわめながら、今後私どもにおいても検討を深めてまいりたいと、そのように考えておりまして、この3カ年の間に、今の家庭保育室の全部が、できればせんだい保育室に移っていただくというのを目指してまいりたいと考えております。 200: ◯山口津世子委員  最後に、この保育室のことについてですが、保護者の負担軽減と、それから子供が安心して保育を受けられるようにと今局長がお話になりました。あともう一点大事なのは、保育室を行っている、今までやってきてくださった皆さんが安心して保育ができるような環境を整えてあげるべきだと、この3点が必要ではないかと思います。  次にお伺いしたいんですけれども、母子保健費の決算の見たときに、私は一番初めに一般質問をさせていただいたときに、妊婦バッジの交付について提案をさせていただきました。それは、今の子育て支援とか少子化の中で、妊婦の方に優しさをという意味でさまざま御提案させていただきました。そのときは、当時の局長の御答弁の中では、母子保健施策の充実を図る観点から、ニーズの調査をいたしながら検討してまいりたいとお答えをしてくださいましたけれども、今までに検討をしたり、また何か調査をした経緯があるのかどうか、あったらその結果をお知らせ願いたいと思います。 201: ◯こども企画課長  妊婦バッジについてでございますが、平成11年11月に、各区における母子健康手帳交付時に1カ月間、妊婦バッジの着用についてアンケート調査を実施いたしました。その調査結果でございますが、着用を希望する方が20%、希望しない方が69%、わからないという方が11%となっておりました。この調査の結果、早急な導入はなかなか難しいと考えまして、さまざまな観点から検討を続けているところでございます。 202: ◯山口津世子委員  先日新聞にも掲載になっておりまして、またNHKの番組でも取り上げておりましたけれども、今それぞれの地域で、市民レベルでなんですけれども、この妊婦バッジをつくり、またお互いにインターネット上で申し込んだりしながら妊婦の方たちが交流を続けているという記事が載っておりました。  その中にもお話があったんですけれども、妊娠の前期の場合は、体が本当に大変な方は、大変なわけですね。そのときに、例えば電車とかバスに乗って席を譲ってほしいとお願いしたときに、二日酔いじゃないのとか、冷たい目で見られたり、とてもじゃないけれどもできない。そういうときは出なければいいんだと言うかもしれませんけれども、仕事とかをしている方もいらっしゃるわけですし、それを欲しい方に交付をしていただいて、そういうときにバッジがあれば、また優しさを分けてあげることができるんじゃないかということを、この間新聞とかテレビ等で私も見たところでした。  私も先日地下鉄に乗りまして、長町南駅から仙台駅まで向かうときに、優先席が全部あいていましたので座っておりました。大体詰まってきまして、私の前に一人の女性が立ったんですけれども、どう見ても私の経験上、この方は妊婦じゃないかなと思ったんです。だけれども、若いし、どうぞと言うわけにもいかないし、何か言われたら私も格好悪いなと思いましたので黙ってその場は過ぎたんですけれども、ああいうときにバッジでもついていれば、エールを送ったり、また席を譲ることもできたんじゃないかなと。ちょうどそれを新聞で見たときでもありましたのでね。  今これをつくっている方は、1個400円でインターネットで販売をしているということも伺いました。そしてそれぞれの自治体では、自治体として購入をして母子手帳交付のときにお上げをしているというところもあると伺っています。これからまた子育て支援とか、そういうことにこの制度をどのように考えていくか、あわせて子育て支援全般について最後にお伺いをして、終わりたいと思います。 203: ◯こども企画課長  委員御指摘のように、妊娠初期は非常に心身ともに不安定な状況にございます。このような中では、家庭あるいは地域、公共交通、職場での周囲のいたわり、あるいは配慮が非常に大切なことだと考えております。市民レベル、あるいは民間で、御指摘のような活動もなされていますことから、これらの知恵、ノウハウを参考にしながら、今後幅広く検討していきたいと考えております。 204: ◯山口津世子委員  最後に局長、済みませんが、よろしくお願いいたします。 205: ◯健康福祉局長  子育ての大切さ、そしてまた人に優しい対応の仕方をするために、この妊婦バッジを20%の方が必要だという声もあるわけでございまして、聞くところによりますと、ほかの自治体におきましては、NPOなどが中心となりましてそういった活動をやっているということもございますので、そういうやり方も含めまして、私どもとしても検討をさせていただきたいと思っております。 206: ◯副委員長 発言を願います。 207: ◯植田耕資委員  菊地委員の方からは精神障害者の話がありまして、今山口委員の方からは子供さんの話、私の方からは高齢者の話をさせていただきたいと思います。  まず、今年度の末には、介護保険が実施されてちょうど3年たって見直しの検討をするというところへ来ているんですけれども、現時点では2年半ですね。率直にこの制度の、いい点は別にして、何が一番まずいかなということを、感じたことがありましたらちょっと聞かせていただきたいと思います。 208: ◯健康福祉局長  いい点は別にしてということでございますが、やはり保険制度としてスタートいたしたわけでございまして、保険サービスの増嵩がストレートに保険料にはね返っていく制度になっているわけでございますので、この辺の課題が一つあろうかと思います。なお、高齢者を支える仕組みといたしましてこの介護保険制度そのものは大きな柱の一つではございますけれども、全体としてそのほかの高齢者、介護にかかわらない高齢者のあり方、あるいは支援の仕方、そういったものが非常に大事なわけでございますが、この介護保険が大きく話題になり過ぎまして、そういった部分が相対的に少し見にくくなっているというところもあろうかとは考えております。
    209: ◯植田耕資委員  行政の人としては、悪いところは何ですかと聞くと、これだと言いづらいのはわかりますけれども、私は率直に言って、前もこの席で、国は、こんな保険制度をよくもつくったと言ったことがあるんですけれども、まずこの制度の一番よくない点は、頑張ってもだめな制度なんですよ。普通の社会では、頑張ると合格するとか、頑張ると商売がもうかるとか、頑張ると賞品が出るとか。ところがこのシステムは、頑張っても何も出てこない。むしろ悪くなっていくんですよ。  それは何かというと、例えば施設に寝たきりの人が入っている、あるいは車いすの人が入っている。頑張って車いすの人が、松葉づえでも何でもいいから歩くようになると、要するにレベルがよくなってくると収入が減るシステムになっているんです。これじゃ人間頑張らないですよ。寝たきりの人はなるべく入れておいた方がいいんです。このシステムはそういうシステムになりやすいんです。これがこのシステムの最大の欠陥だと私は思うんですよ。見直しといったってすぐできるはずはありませんから、今後5年間くらいかけて、抜本的な見直しになると思うので地方自治体から声を上げていただきたいんです。市長には、努力したら報われるようなシステムにしていただきたい。全員がよくなるわけはないんですから、努力してよくなるようなシステムに。体が悪くて医者に行ったって治らないんだったらだれも医者へ行かないよね。治してくれるから医者へ行くわけですよ。だからお医者さんにそれなりの報酬が入るというシステムになっているんです。これは世界各国どこでもそうなっているわけです。このシステムの最大の欠陥は、私はそこにあると思います。  ことしの9月15日、私はある施設に行きましたけれども、非常に若い人が働いています。それで、希望に燃えてやっていると思います。だけれども、よくすると収入が減るようなシステムというのは、やっぱりどこかおかしい。まず、冒頭にそのように述べさせていただきました。  そこで、市長に最初にお聞きしておきますが、そういう施設が努力していくと体はよくなるけれども、運営している側が困るというシステムではないシステムに変えていただきたいと思うんですが、これは見直しのときにぜひ声を上げていただきたいと思うんですが、その点、市長にまず第1点、お聞きしておきます。 210: ◯市長  今までこの保険制度を実施してまいりましたけれども、ただいま大変衝撃的なお話をちょうだいしました。まだ研究も足りないところもあると思いますので、ぜひさらに研究をし、努力すれば報いられるという、こういう社会的に当然のルールが機能できるように体制整備を図ってまいりたいと思います。 211: ◯植田耕資委員  これは仙台市が幾ら努力をしてもだめなんです。これは国の方で変えてもらわないとどうにもならない問題なんですけれども。  それからもう一つは、これは介護保険と関連してくるのでありますけれども、要するに最近○○療法というのがいっぱいある。最近というよりもともとやっているらしいんですけれども、ただわかってきたのが最近ということで、一番わかりやすいのは、我が会派でもいろいろ主張しました温泉療法、それから園芸療法、それから音楽療法、これは私も奈良市に行って聞いてきました。それからアニマル療法、それからタラソテラピー、これだけ横文字でいいましたけれども、別名海洋療法です。これはアトピーなんかに効くらしいけれども、ほとんど美容のためにやっているということらしいですけれども、要するにそういう○○療法というのがありまして、これは全員に効くというわけではありません。温泉だって血圧が高くて心臓が弱い人を、いきなり熱い温泉にぶち込んだら大体だめだという……。それから、音楽療法なんていうのも、幾ら教えても音痴という人がいますからね。あとアニマルだって、私なんかも犬とか猫は最初から嫌い。でも大好きという人もいます。ですから全員にそれが効くとは思いませんが、ある程度の人にはそれぞれの療法が効果があると。  こうしたものを取り入れていくときに、施設であれ個人であれ……。個人的にというのもあるんでしょうけれども、これはどういう取り入れ方が検討されたのか、この辺をちょっとお聞かせ願いたいと思います。 212: ◯健康福祉局長  私どもが独自に療法に関して取り入れるという形で主体的に検討して施設にお願いしたとか、そういうところまではまだ至っていないわけではございますけれども、現実に施設側におきまして、サービス内容にさまざまな工夫をしておりまして、そういう療法などもやっているという施設もございます。そういったことを私どもといたしましては、施設のリストの中に、こういうことをやっていますよという形でのPR、あるいは市民の方々にお知らせをするということをやってまいっておりまして、今後とも療法の事例、あるいは調査研究の情報の収集なども行いながら、利用者等への情報提供を今後とも図ってまいりたいと考えております。 213: ◯植田耕資委員  仙台市がすべてこれをやるということは、これは現実問題としては無理だと思いますけれども、こういうものの情報提供とか、あるいは何らかの手を打つと非常に取り入れやすいとか、今後出てくると思いますので、推進していただきたいと思います。  それで、実はここからきょう言いたいことがあるんですけれども、昨年、ある80歳を超したおばあちゃんと話していたときに、こういう話があったんです。この方は在宅介護です。そして娘さんやお孫さん、ヘルパーの方々の助けもかりまして要介護度2のおばあちゃんでした。その方が私にぽつんとこういうことを言ったんですよ。それは、介護する方も大変でしょうが、介護される方も大変だと。大変私はショックというよりも、初めて聞いた言葉だったんです。  これはどういうことを意味するのかというと、先ほどお聞きしました介護保険というものを、実はスタート前から何回か我が会派でも御当局から来ていただきまして勉強会をやりまして、そのとき直観的にわかったんですけれども、今のシステムというのは、やる側の論理だと、本多勝一さん流の言い方をすると。殺す側の論理じゃないですよ。いいことをやる側の論理で考えていると。だから、これをやるといいだろう、これをやるといいだろう、これをやるといいだろうと一生懸命考える。だけれども、それを受ける側は必ずしも喜んでいるとは限らないと。  この話はこういう話と結びつく。それは、中坊公平さん───水俣病の弁護をやった弁護士さんですけれども、この方がある雑誌のインタビューに答えていたんです。窒素が水銀を流して、その水銀を食べた魚というか、その魚を食べ続けて脳の中枢神経をやられて病気になったというのが水俣病なんですけれども、窒素が悪い、窒素が悪いと思って中坊さんは患者さんを一軒一軒回ったと。そうしたら患者さんは、窒素が悪いとは言っていないと。私が子供に魚を食べさせたために子供が病気になったと言う。物すごい段差があるというんです、ここに。僕らがテレビや新聞で見ている感性の問題と、現地へ行くと違うというんです。ここからもう一回裁判の弁護の方法を組み立てないとこの問題は解決しないなということをインタビューで言いました。要するに先ほど申し上げました、やる側の論理とされる側の論理というのは違いますよと。  介護保険は40歳以上になっていますけれども、実質的に高齢化という意味では65歳以上。この65歳以上の方々の介護を受ける割合は約1割強と言われていますけれども、高齢者保健計画なんかも拝見させていただいても、その方々の健康をこれからどうやって維持するかと、21世紀は健康がキーワードだと、健康をどう維持するかということで取り組むと。大変結構な中身だと私は思います。当然だと思います。それも40代とか50代とか60代の前半だったら、自分みずからの意思で健康をどうしようかとか、食事をどうするかとか。でも、だんだん年をとってくると、意欲の問題なんですよ、意欲、これが難しいんです。これがわき起こせるような人がいたら、何も高齢化の問題だけじゃなくて、会社だったらどこだって全部、やる気を起こさせるような人が出てきたらと。  私は、いろいろな例を見ますけれども、健康になる、今よりよくなるという意欲をどう高齢の方々に持たせるかというときに、何がキーワードか、何が基本になるかといったら、それは私は話し合いしかない。先ほど山口委員が現場に行っていろいろ話を聞いてくださいと言った、その現場に行っての対話。これは行政マンに全部やれと言ったってとても、65歳以上の年寄り全部に対応して歩けと言ったら、皆さんふだんの仕事ができなくなりますから、ここのところをどのようにシステム化していくかという問題が掲げられていると思います。そうじゃないと、幾ら制度的に完璧にしてさまざまな施設をつくって運営の補助を出してあげても、それを利用するという人が出てこなかったら、結果的にむだになるよりも、相変わらず介護保険でサービスを受ける、要するに状況のひどい人たちがどんどんふえていくというだけの話だと、こういう結論になりますから、それだったら介護保険制度なんて最初からつくる必要はなかった。原点に戻ってみるとそういうことになってしまう。この辺のことをどのようにとらえられているかということを、簡単でいいですけれども、お聞かせください。 214: ◯健康福祉局長  委員の御質問の中での、例を引いてのいろいろなお話につきましては、私どももなるほどなということで聞いていたわけでございます。確かに介護保険そのものは高齢者の施策の柱の一つではございますけれども、冒頭にも申し上げたように、そのほかの周りの施策、そういったものが大事だろうと考えておりまして、特に高齢者が、やはり介護を受けながらも、その中で自己実現を図れるような方向がどちらなのかということが十分に話し合いをされる中で、その方向性がお互い納得する方向に進んでいくというのは大事なことだろうと考えております。 215: ◯植田耕資委員  私と全く同じ考えの局長さんのお答えで、大変ありがとうございます。  それで、高齢化問題というのは、実はいつか行く道なんですよね。いつか来た道というのは有名な言葉ですけれども、これはいつか行く道なんですよ。日本語というのは、非常にボキャブラリーが広い言語ですから、こういう言い方をするとわかりやすいんじゃないですか。いつか行く道。  昨日だったか一昨日だったか、私は聞いていて、市長はいいこと言うなと思ったんです。市長はこうおっしゃったんですよ。要するに東京経由の情報ではなくて、いいことをやっている都市であれば、町であれば、そういうところから情報を集めたいと。何でも東京経由ということではなくて、直でやる時代に入ったんじゃないかと。これは何も高齢化だけじゃありませんよ。ほかも全部そうですよ。東京経由じゃなくて──東京から情報を得てもだめだということを言っているんじゃないですよ。さまざまな横の広がりの情報を取り入れた都市の方が、私はこれから10年、20年となっていったときに、やっぱりおもしろみがあるというか、いいなというか、そういう都市になっていくんじゃないかと思うので最後にお伺いするんですけれども、この高齢化社会の問題、前にも述べましたけれども、スペインのマドリッドの特養ホームの女性の所長さんが、寝たきりなんて絶対出しませんと叫んでいた。まだ27歳の若い所長さんですよ。それからローマの特養ホームは1950年に始まったんですよ。1950年といったら、日本が太平洋戦争で敗れてたった5年後ですよ。朝鮮戦争が始まったころですよ。今ごろ朝鮮戦争と言ったって何のことかわからないというんですから。そのころからもう高齢化社会対策というのが始まったところと、ここ10年か15年ぐらいようやく始まった社会の格差、そこを考えて、高齢化社会はやがて行く道ですから、いいと思ったことはそれこそ世界から情報を集めて、取り入れられるものは取り入れていくと。膨大な金がかかって結果が余り出ないようなことはだめですけれども、取り入れられるものはどんどん取り入れていくということをぜひやっていただきたいと思うので、最後にこの件について市長の御答弁をいただいて、終わりたいと思います。 216: ◯市長  日本の高齢化は、世界的に見ましても非常に特殊でございまして、そのスピードがほかの国にないテンポでもって急進をしたという事情があります。そのために少子とあわせて社会の構造がかつてはそうじゃない状況の中でシステム化されておりましたけれども、こうした急速な人口構造の変化によりまして、それに適応できないような制度なり、あるいは社会構造になっているという不適応状況が今起きているということが一つありますし、もう一つは、その教科書といいますか、モデルがなかなか見い出しにくい。独自にその方法論を確立しなければならないという、しかもまたそれを急がなければならないという、こうした課題にも当面をいたしているわけでございます。  しかし、私どもとしましては、やはり過去にそのモデルを求めるのはもちろんでございますけれども、先ほど挙げられましたように、目を見張り、そしてまた情報のネットワークを駆使しながら、よきものは吸収をし、寝たきり老人を起こすような、そうした施策に結びつけるように努力をしていきたいと、このように思っております。 217: ◯副委員長  次に、日本共産党仙台市会議員団から発言予定の方は、質疑席にお着き願います。             〔正木満之委員、質疑席に着席〕 218: ◯副委員長  発言を願います。 219: ◯正木満之委員  私は2001年度の一般会計歳出決算中、健康福祉費に関連して三つの問題について伺います。  最初に、国民健康保険の問題です。今発行されております国民健康保険証のうち短期保険証に丸短マークが大きく書かれておりますが、これはなぜでしょうか。有効期限がはっきりと明示されているので、わざわざあのような大きなマークを書かなくともいいのではないかと思います。  最近は、保険証やその写しを出かけるときに持参しなさいと子供たちや家族の方が言われる機会が多いわけですが、こういう子供たちの立場を考えたことがあるでしょうか。私はやめるべきだと思いますが、いかがですか。 220: ◯保険年金課長  短期被保険者証に表示をされております丸短マークについてのお尋ねでございますけれども、短期被保険者証の表示につきましては、法的な根拠はございませんが、医療機関で有効期間を間違うことがないよう、大きく判を押すなど印をつけてほしいとの御意見がございまして、現行のような様式になった経緯がございます。  この表示につきましては、医療機関等から御意見を伺いながら、別の表示等も含めまして検討してまいりたいと考えております。 221: ◯正木満之委員  経過はいろいろあっても、昨今のような状況の中で、必要な配慮というのがあっていいと思います。  それで、国民健康保険料の問題なんですが、決算年度の徴収実績はどの程度だったでしょうか、実績を示してください。あわせて決算年度の本年1月に国保の資格証を発行するようになりました。その発行数についても示してください。 222: ◯副委員長  時間を延長いたします。 223: ◯保険年金課長  平成13年度におきます国民健康保険料の徴収実績についてでございますが、介護の分を含めまして、現年度分で194億8150万1000円となっております。また、資格証明書の発行件数でございますが、本年1月に350件、4月に201件、7月に18件を発行しておりまして、累計で569件となっております。 224: ◯正木満之委員  短期証に加えて資格証を発行するようになって、国民健康保険料の徴収率はふえたんでしょうか。後でお示しください。  私は、この資格証の問題にかかわって何点かお伺いしたいんですが、資格証を発行する基準とも言うべき市の事務取扱要領、この第2条では、資格証を交付すべき場合であっても、引き続き保険料の納付指導を行うとなっております。でも、実際問題として資格証を発行してしまえば、病院へ行った窓口で医療費を全額払いなさい、自己負担分の3割を除いた7割部分は後で市役所へ来れば払いますということになっているわけですね。ですから、いわば保険者と被保険者の関係は断絶されると私は理解しています。滞納している保険料の徴収は、ますます困難になるということになりませんか。これは既に仙台市をはるかに上回る他都市の事例でも、資格証の発行が国保料の滞納を防ぐ効力になっていないということは明らかだと私は思っています。市の国保料の滞納が減るわけではありません。一度交付すれば際限のない泥沼に陥るようなものだと思いますが、この問題についてどのように見ておられるのか、発行の経過とあわせてお示しください。 225: ◯保険年金課長  収納率でございますが、平成13年度の収納率は現年の分86.56%、前年対比で0.76%の減ということになっております。  それから、資格証発行に伴う保険者と被保険者との関係ということでございますが、国民健康保険料の長期滞納者につきましては、短期被保険者証を交付をいたしまして、訪問や電話等による納付相談、あるいは更新時における事前の呼び出し等を行いながら相談機会の拡大を図り、接触できるよう努めているところでございます。資格証明書発行時におきましても、弁明の機会の設定や再度訪問を行うなど、可能な限りの実態の把握に努めているところでもございます。  また、資格証明書の発行後につきましても、引き続き訪問を行っており、特別療養費の申請のない世帯の連絡につきましても、可能な限り実施しているところでございます。  資格証明書の効果という部分につきましては、今まで接触困難であった世帯との新たな接触があったことや、そのことにより納付指導が可能となったこともございまして、一定の効果が得られたものと考えております。  なお、資格証明書の発行に当たりましては、今後ともあらゆる機会を通して納付指導に努めてまいり、より効果のある活用を図ってまいりたいと考えております。 226: ◯正木満之委員  実際問題として、資格証の交付を受けた人が、医療機関に行っているんでしょうか。私は、いろいろ聞いた印象から言えば、医療を奪っているとしか理解できません。事実としてどうでしょうか。家計の状態が大変に深刻で保険料が払えない人に医療費の全額が払えるわけがないんです。実際に急病になって病院で診療を受けたときに、医療機関の方が困るだけなんです。資格証の人は断っているという事例も聞いています。私はそういう意味では、簡単に資格証を発行するということはやめるべきだと思います。  それで伺いますが、資格証を発行するような状況になった人の中で、税の未申告者──これはほとんどが所得がない場合が多いんですが、資格証を発行する現実的な意味がないと私は思いますが、こういう方々は発行を見送るべきだと思いますが、いかがでしょうか。 227: ◯保険年金課長  資格証明書の未申告世帯に対する発行件数ということでございますが、569件資格証を発行いたしておりますが、そのうち282件が未申告世帯ということになっております。その方々のうち、7月末までに44件の方が新たに納付誓約等を行いまして、資格証発行世帯ではなくなったところでございます。これまで接触困難となっていた世帯との接触が新たに図れたことにつきましては、効果の一つと受けとめているところでございまして、今後におきましても適正に対処してまいりたいと思っているところでございます。 228: ◯正木満之委員  私は、先ほどの説明でもありましたが、この問題で考えるのは、やはり保険料の納付相談をするということが一番の原則で、それが一番大事なことだと思うんですね。でも、仙台みたいな都市型社会でほとんど社会的な関係が持たれない方とか、夜型の生活をされて日中はほとんど外に出ないとか、いろんな方がおられるんですが、会えない場合、事実上対話ができない人、こういう方々に資格証を発行してしまうというのは、私は行政側の責任を放棄していることになるんじゃないかと思うんです。先ほど報告にありましたように、会えて初めて納付相談をすると。その結果で支払う意思が全くないという人と、会えない人とは明確に区別する必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。 229: ◯保険年金課長  資格証発行世帯の方につきましては、いわゆる長期滞納者、12カ月以上滞納されている方ということでございますが、その方々につきましては、臨戸訪問、不在差し置き、電話催告等によりまして接触の拡大を図っているところでございます。それでもなお連絡がとれず滞納の状況が続いている場合におきまして、被保険者証更新時において、まず短期被保険者証を発行いたしまして、更新のたびに事前通知を行うなど、納付相談の履行をお願いしております。  また、被保険者証の返還を求める場合におきましても、再度滞納に至る特別の事由の有無について弁明の機会を設けるなど、その都度接触の機会が得られるよう努めているところでもございます。また、資格証の交付世帯の方が受診した際の医療費は特別療養費として償還払いということになりますので、申請時には接触が可能となり、有効であると考えております。 230: ◯正木満之委員  都市にはいろんな方が住んでいますから、行政の側が一方的な措置をとればそれに応じた対応が続くというふうにならざるを得ないんじゃないかなと思っているんです。  ただ、私は資格証をやむを得なく発行せざるを得ない場合もあるんじゃないかと思っています。ただ、それは極めて例外的なんだということをはっきりさせる必要があると思います。国民健康保険法とその施行令では、特別の事情で保険料を納められないと認める事情について決めてあります。そういう法や施行令で決めているものと、それに類する事由について、仙台市が10項目にわたって別に定めております。でも私は、市の定めた範囲だけではなかなか実情を正確に拾えないというか、範囲を狭めてしまっているような気がしてならないんですが、この事務取扱要領の第3条第10項のこれらに類する場合であって保険料を納付できないことがやむを得ないと区長が認めるものという規定を、もっと具体的なものにすると。そのことで現場での判断がしやすいようにする必要があるのではないかと思います。  例えば、詐欺、横領、こういうことで被害に遭って財産を喪失してしまった、あるいは交通事故の損害賠償、これには使用者責任も当然出てくるわけですが、そういう損害賠償をしてしまったと。あるいは公害を発生する原因になって損害賠償をしたと。さらにこういう例があります。世帯主の取引先である債務者について、その債務者に対する売掛債務等の回収が不能になって著しく家計が困難になった。さらには、世帯主と生計を一にしない親族が病気や負傷をしたことで、その親族の生計の一部を負担したと。こういう場合は事実上保険料の支払いが困難になるのは明白です。ですから、そういう事由が認められるときは、資格証の発行から除外するということがあってもいいんじゃないでしょうか。いかがですか。 231: ◯健康福祉局長  お尋ねの資格証の交付対象外という件についてでございますが、私どもはお尋ねの中にもございましたけれども、事務取扱要領におきまして、法律が定めております除外の10のほかに、私どもと相談をいただいて分納をしていただくことにしている世帯でありますとか、あるいは徴収猶予がなされている世帯、あるいは本市独自の単独の医療助成を受けているような世帯、こういったさまざまな世帯について9項目定めておりまして、そのほかに今お尋ねの区長が特に認めるというところまで入れているわけでございまして、私どもは資格証の発行に当たりましては、ペナルティーという形で行うということではなしに、極めて限定的に実施していると思っております。  しかしながら、今お尋ねにありました、比較的抽象的な部分もある表現がございますことから、ここにつきましては、各区とも十分に協議をいたしながら検討をさせていただきたいと考えております。 232: ◯正木満之委員  私の指摘はほかの自治体でやっていることですので、そういう方向で仙台市もやっていただければと思います。  次の問題について伺います。乳幼児の医療費助成の問題です。  今、深刻な少子社会が到来していると。それを前にして、子供は国の宝だということで、全国の自治体の多くが乳幼児医療費の助成を国の責任で行うべきだという声が広がっております。市長はこの点についてどのようにお考えでしょうか。 233: ◯市長  乳幼児の医療助成費は、もともと昭和40年代に都市部において自前でこの制度をやるという都市があらわれまして、それが今日のように自治体一般に広がってきたという経緯がございます。しかし、今日少子高齢化という、まさに大きなトレンドの中におきまして、子供を健やかに育てるという環境をつくっていくということが、これは単に地方自治体だけではなくて、国においての当然の責務になりつつあると考えておりますので、今まで私どもはどちらかというと国の財政措置を求めてきましたけれども、それにとどまらず国の総合的な乳幼児の医療費対策を含めた制度の確立を求めまして、国の責任において行うように働きかけてまいりたいと、このように考えているところでございます。 234: ◯正木満之委員  そこで、仙台市の独自の取り組みについて何点かお伺いします。  決算年度における給付対象は何人だったでしょうか。学校入学前人口の何%を占めているのか、あわせてお答えください。 235: ◯こども企画課長  平成14年3月末の給付対象数は4万3223人でございます。また、小学校入学前人口約6万3000人のおおよそ68%となっております。 236: ◯正木満之委員  子供たち、これは仮に学校に上がる前と申し上げますが、子供たち全体の7割弱しか対象にしていないと。このように限定した考え方というのは、子育てを支援するという意味の制度だと考えたときは、少し違いが出てくるんじゃないかと思いますが、こういう限定した考え方を改めるおつもりはありませんか。 237: ◯こども企画課長  助成対象についてでございますが、現在は68%ということになっておりますが、この10月からの年齢拡大に伴いまして、約3,600人増の75%に上がることになります。それでもなお約25%の方が所得制限という観点で支給停止になるわけでございますが、これは所得制限を設けている制度上、やむを得ないものと考えております。 238: ◯正木満之委員  私は子育て、あるいは少子社会を打開するための方策としての支援を考えれば、子供たちにそういう違いをつくっていくというのは改めなければならないんだと思います。通院も入院も、病気やけがで医療機関にかかるという点では同じですから、入院と通院の差をつけるやり方も改めていただきたいなと思います。  横浜市では、中学校を卒業する前までを助成対象にしてやっているという点では、政令市の中ですぐれている事例がたくさんありますから、そういうものにおくれるべきではないと、その流れに近づく努力をすべきだと思いますが、その点ではいかがでしょうか。 239: ◯こども企画課長  対象年齢の拡大についてでございますが、通院につきまして、この10月から仙台市単独事業といたしまして、3歳児までと1歳引き上げたところでございます。今後さらなる拡大につきましては、県の制度や社会情勢、あるいは財政上の問題等を踏まえながら検討していきたいと考えております。 240: ◯正木満之委員  市長はこの決算年度の途中において、この制度を利用しやすい制度にするために現物給付を前向きに検討すると議会で約束されたはずであります。この約束を実行すべきではないでしょうか。現物給付について言えば、政令市では千葉市が来年4月から実施することになります。これで仙台市だけが取り残されることになる。医療機関は、どこへ行ってもこれは歓迎しているわけです。県内では気仙沼地区で社保加入者にも50年からこの制度をもう20年以上やっている。宮城県当局が仙台市の実施を拒む理由は全くありません。そう考えると、もはや障害はなくなっているんじゃないのかと。千葉市の実施におくれることのないように、4月から実施するというお考えはありませんか。 241: ◯健康福祉局長  現物給付方式の導入ということは、やはり使いやすさという観点から望ましいあり方であろうと思っておりまして、さらに本市単独というよりは近隣の県内の市町村の統一的な取り扱いの方がなおよろしかろうということで、私どもといたしまして県下一斉に行うことが望ましいということから、その実現を宮城県市長会などを通じまして県にも強く働きかけているところでございます。今後も県に対して引き続きこの導入を働きかけてまいりますとともに、県の動向を見ながら、私どもといたしましても本市独自の対応も検討してまいりたいと考えているところでございます。 242: ◯正木満之委員  去年の6月の議会で、市長が本会議でわざわざ現物給付については前向きに検討するとおっしゃっているんですね。1年半ですよ。何を検討したのかということが問題になるんだと思うんです。実は高校の入学金や授業料を上げるという問題では、3月15日に議決をして、その4月の初めにはもう新しい負担で払いなさいとやっているんですよ。敬老乗車証の問題でも、有料化を決めてから半年間で有料の実施をするということをやっているんですよ。去年の6月の議会に、会議録にありますけれども、利用しやすい制度とするために助成の方法の改善、いわゆる現物給付につきましてもあわせて検討を進めてまいりたいというふうにわざわざ言及していて、今と同じ答えをいただこうとは思わなかったんです。もし障害があるなら、その点も御説明ください。私はこういう約束は守るべきだと思いますが、いかがですか。 243: ◯健康福祉局長  先ほども申し上げましたように、県と足並みをそろえて県の制度の中でやりたいという思いから、私どもとしては県とのさまざまな協議をしてきた中で、県の内部でもいろいろ検討がなされてきての時間の経過でございまして、それを私どもといたしましては、県の市長会などの場を通じましてもやってまいったということでございまして、全く同じ答えを申し上げているということではございませんので、御理解を賜りたいと存じます。 244: ◯正木満之委員  歯切れは市長よりはるかに悪いですよ。  次の問題でお伺いしますが、所得制限を設けております。先ほどもいろいろ事情の説明がありました。全国的な状況で、市町村ごとにはたくさんあるんですが、県レベルで見たときに、この所得制限を撤廃している方が多数になっているという認識を持っておりますが、いかがでしょうか。 245: ◯こども企画課長  県レベルの所得制限でございますが、現在47都道府県のうち23都道府県で所得制限を実施しているところでございます。 246: ◯正木満之委員  ですから、撤廃している方が多いんですよね。明らかです。私はこの所得制限の物の考え方を整理してみる必要があると思っているんです。一般的によく言う、お金のある人は対象から外すと。金持ちは我慢してくれという意味のように聞こえるんですが、実際どうでしょう。私は、例えば所得が1000万円だ2000万円だという方は遠慮してほしいということならわかるような気もしないでもないんです。しかし、乳幼児の医療費の助成を申請する人でこれだけの所得を持っている人は、本当に数えるほどです。だれが考えてもおわかりですよね。そのために、先ほど来ありましたように子供たちの数、数万人の親の所得を全部調べなければならない。この手間暇、事務経費こそ余計なものじゃありませんか。ですから、大変だし面倒くさいし、やる必要もないから全国ではこういう子育ての問題で、親とか、あるいは保護者の所得が多いとか少ないとかいう議論は少ないんです。私もこの間の経過からいけば、市自身も乳幼児の医療費の助成に、財源がないからだということを正面切って言ったことがありますか。ほとんど聞いたことがありません。私は全国のこういう流れに沿って所得の制限を撤廃するという姿勢で臨んでいく必要があると思いますが、いかがでしょうか。 247: ◯こども企画課長  乳幼児医療費助成制度は、経済的負担の軽減を図る福祉制度でございますので、所得に応じた制度適用は妥当なものと考えており、撤廃は考えていないところでございます。 248: ◯正木満之委員  子供はどういう家庭に生まれてもひとしく喜ばしいし、ひとしく育てられなければいけないんです。行政は、そういう意味ではこの少子社会の対応で、ちょっとお金があるから、あるいはそのように見えるからという理由で差をつけてはいけないと思います。私は、どうしても所得制限をつけなければいけないとおっしゃるなら、例えば千葉県程度の水準で実施なされたらどうでしょうか。当面所得制限が避けられないということにしても、なぜ仙台市が実施しているように老齢福祉年金の福祉基準が必要なんでしょうか。市長はこの問題で議会で答弁しています。わかりやすい制度、基準にすると公約したんじゃありませんか。どうして今でもわかりづらい制度にしているのか、私は不思議でなりません。せめて児童手当の支給基準に改めるというふうにできないでしょうか。これなら来年の1月からできると思いますが、いかがでしょうか。 249: ◯健康福祉局長  この乳幼児の医療費助成の制度と申しますのは、御案内のように、県の事業に県内同一に乗って進んでいる事業でございます。したがいまして、私どもが所得制限をそれと単独に変えていくということになりますと、全く別の制度の運用という形になることから、私どもが単独ではなかなか難しい、あるいはあるべきでないということになるのだろうと考えておりまして、先ほどの老齢福祉年金の基準の問題もまた同じでございまして、私どもとしても認識といたしましてはわかりやすい手当の額の方にという思いはありますが、そういう形での県との統一の制度であるというところから、我々は県の方にこの辺について協議し、要望してまいりたいと考えております。 250: ◯正木満之委員  市長にお伺いいたします。私は、同じ市民サービスにかかわる問題でいろいろな仕事をされているんだと思うんですね。先ほど指摘したように、市民の懐から見ると、出ていくお金が多くなるというときはすぐにでも実施すると。期間がなくてもやると。政府も同じですよ。医療保険の改悪なんかは大変なことで、現場が混乱しているから私は延ばすべきだと思っているんですが、そういうことはやる。しかし、市民の懐から見ると、出ていくのが少なくなる問題については、なかなか検討を約束しても実施されない。これはちょっと違いがあり過ぎるんじゃないかと思っています。  この問題について言えば、先ほど指摘したように、選挙前の公約でもありました。1年以上もたって具体化されないというのは、やっぱり公約は口に苦しということであってはならないんだと思うんですね。そうはさせないということが市長自身の御努力で必要ではないでしょうか。  実はきょうなぜ私がこの問題に触れるかというと、昨年の6月には、私が乳幼児医療費の助成についての条例案を提案したんです。そのときのそれについての判断を議会は求められました。ですから、市長がこの問題をどう考えているかということが議論になったんです。先ほど私が引用した市長の答弁というのは、議会で言えば第1会派の代表質疑で、第3会派の代表質疑で答えたことです。それが1年半もそのまま放置されているということでは、私は問題だと思うんであります。議会での答弁というのは、市民への説明で、市民への答弁ですから、そういう立場でやっていただきたいと思うんです。市長はこの問題について、このテーマについて、今年度の補正予算に、あるいは新年度の予算編成での重要なテーマだという程度の御発言もいただけないんでしょうか。お伺いいたします。 251: ◯市長  その問題の答弁について責任を持つということは当然でございまして、決してこれを放置していたわけではなくて、先ほど局長からも答弁がありましたとおり、これまでもさまざまな検討を進めてまいりました。それは表には見えないさまざまな努力がありますけれども、残念ながら私の努力の限度を超えた県の関門があってみたり、また国の関門があってみたりということで実現を見るに至っておりませんけれども、しかしこれは継続的な課題として受けとめておりますし、なお検討を続けていくつもりでございます。  しかし、基本的には少子社会における当然の義務として、もはや国全体の共通問題として政策的にこれを確立するということがむしろ自治体を超えた我々の、何と申しますか、あるべき方向性であると考えております。しかし、先ほど申したように、お約束を守るためにさらなる努力をしてまいる所存でございます。 252: ◯正木満之委員  三つ目の質問をいたします。それはペルソナージュ栗生保育園を経営する社会福祉法人萌の会による補助金不正受給についてであります。  この法人萌の会による補助金の不正受給と言われるものが発生いたしました。決算年度における問題が事件になったわけです。監査委員は審査意見書に一つも触れていないんですが、一言あっていいんではないかという気持ちがあるんですが、いかがでしょうか。 253: ◯坪山監査委員  監査に関する御質問でございますので、私から御答弁を申し上げさせていただきます。  今お尋ねの事案、確かに役員に逮捕者を出してマスコミでも報道されたし、異例の事件であったという認識をいたしておりますけれども、私どもはずっと考えて、先輩からも引き継いで私どもが進めております決算審査意見書につきましては、これは一定の法が要請する意義、目的、言ってみれば性格といったものがおのずからございまして、その辺のことに照らし合わせますと、今回の事案というものは、端的に申し上げて決算審査意見書の対象にはならないものと考えております。 254: ◯正木満之委員  監査委員の審査意見書は8月26日付で出されておりますから、検討する意思があれば何らかの意思表示が十分やれたんだと思いますが、私はこういう事件が起きたときに、市の行政当局がかかわっている事件ですから、監査をする立場の方々が必要なコメントができるようなものにしていかないと、やっぱり市民的な理解が得られないんじゃないのかという気がしています。監査委員は力を持っていると、無力じゃないと、やる仕事があるということが示されるような仕組みにしていただきたいなと思います。  それで、私はこの間この問題を非常に重視しまして、当局の皆さんにもどうしてこういう事件が起きたのかということについて徹底解明を求めるための取り組みを行ってまいりました。その際、市側が栗生地区への保育園の設置は市の当局の方で誘導してあそこにつくったんだということを言われました。これはどういうことだったんでしょうか。御説明ください。 255: ◯待機児童ゼロ対策室長  栗生地区への保育所の設置についてでございますけれども、保育所の整備に当たりましては、待機児童数や今後の就学前児童数の見込みなどをもとに、その整備箇所を決定しております。栗生地区は既存の周辺保育所の待機状況や就学前の児童数が増加の傾向にありました。また保育所用地の取得が可能になったことから整備することといたしました。 256: ◯正木満之委員  あそこに保育所をつくろうと、そのために法人化をする、あるいは認可する手だてを講じてやるということだったんだろうと思うんですが、補助金の不正受給というのは、本来補助対象になり得る法人としての資格要件に問題があったと、欠けるところがあったと伝え聞いているんですが、この問題についての市側の受け取りはどうでしょうか。 257: ◯健康福祉局総務課長  今回の補助金の不正受給事件でございますけれども、起訴事実といたしましては、法人の設立に当たっての基本財産、保育所の建設運営に必要となる資金が寄附ではなくて一時的な借り入れにより用意された疑いがあるということでございます。その経過につきましては、これからの裁判の中で明らかにされていくものと思いますが、関係者が起訴されたという事実からしますと、法人の設立に必要な要件について問題があったのではないかという認識を持っております。 258: ◯正木満之委員  私たちが8月1日に市側に疑惑の徹底解明を申し入れました。その際、当局の皆さんの中には、これは今回市側がだまされたんだと、率直にそういう認識を示されました。これは大変大事なことだと思うんです。ですから今後の対応については、そういう認識の上に立って対応しなければいけないと思うんですが、そういう対応になっているんでしょうか。 259: ◯健康福祉局長  これまでの協議の中で、法人側から示された資金の調達が起訴事実にありますように借り入れられたものであるとすれば、まさにだまされたということになるわけでございます。補助金を交付いたしました私どもといたしましては、法人設立に当たってどのような資金工面の操作がなされたのか、今回の事件の事実解明をするべきであるとは考えているところでございますけれども、まだ公判の前ということもございまして、関係書類等を目にすることができない状況にあるわけでございます。今後、公判の推移を見ながら具体的な解明に向けて取り組んでまいる所存でございます。 260: ◯正木満之委員  今述べられたように、市をだまして補助金を不正に取得するというようなことはあってはならないことで、言語道断です。ですからこういう事件が起きたときに、先ほどのような監査委員の態度ではなくて、行政全体として、監査委員も含めて適正な判断と処置がとれるような仕組みが要るんだと私は思うんです。  ですから、そもそも事件になった本件の処理をあいまいにしたまま今後の方策をいろいろ議論しても、私は名案は出てこないんだと思うんです。最初から法人の資格を取ると、その条件がないのに行政側を一時的にだましてしまえば、だまし通せばあとは何とかなると、こういうことがあってはなりません。これでは社会に通らないし、市民も納得しない。法人の資格そのものは取り消すというのが当然だと思います。その上に立って保育所運営と子供たちの保育の最良の方策を見出すべきだと思いますが、いかがですか。 261: ◯健康福祉局長  同法人に対する対応につきましては、まずもって当該保育園において現在80余名の子供たちが現に保育を受けているということもございますし、その子供たちへの影響をまず第一に考えてまいるという形で現在まで対応してまいったわけでございます。その上で今後の公判の推移も見守りながら、そしてまた厚生労働省とも十分協議をした上で適切な対応を図ってまいりたいと考えております。 262: ◯正木満之委員  市がこれまで新たに事業を起こすという際に、補助金を交付するとか、新たな法人を認可するということがよくあります。その法人設立の過程が不明朗だとか、実績がないのにどうしてあの人たちが認められたのだろうとか、その市がやっている基準がよく見えないという話を聞かれたことが過去に何回かあります。  私は、今回のような事件はどうして起きるのかとよく考えてみれば、結局保育所を民間福祉法人に運営させると、民営化ありきと、そういう立場から、とにかく民間法人にゆだねればいいんだということで起きている事件ではないのかという気がしてなりません。私は民営化路線そのものに立ち当たって再検討する必要があるのではないかと。今回の事件からの教訓としてこの点を市長はどのようにお考えなのか、お伺いいたします。 263: ◯市長  今回のこの事件は、法人化の資格取得に関しましては、まさにあり得ないことがあったということでございまして、それに対しての万全の方策を庁内全体で講じているところでございます。今後こうした問題は発生しないような対応をいたしておりますので、それと民営、公営の問題の次元はまた別の問題であろうかと考えますので、その辺、御理解いただきたいと思います。 264: ◯正木満之委員  私は先ほど申し上げましたように、本件事案そのものを絶対あいまいにしないということを繰り返し求めて、質問を終わります。 265: ◯副委員長  お諮りいたします。本日の審査はこの程度にとどめ、残余はあす行いたいと思いますが、これに御異議ございませんか。              〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 266: ◯副委員長  御異議なしと認めます。
     なお、あすは午後1時より開会いたします。  本日は、これをもって散会いたします。...