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平成11年第4回定例会(第4日目) 名簿 1999-12-09
平成11年第4回定例会(第4日目) 本文 1999-12-09

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  1. 仙台市議会 1999-12-09
    平成11年第4回定例会(第4日目) 本文 1999-12-09


    取得元: 仙台市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-24
    1:     午後一時一分開議 2: ◯議長(岡征男)これより本日の会議を開きます。  本日の日程は、お手元に配付いたしました議事日程第四号に記載のとおりであります。             ━━━━━━━━━━━━━━     日程第一 会議録署名議員の指名 3: ◯議長(岡征男)日程第一 会議録署名議員の指名を行います。  本日の会議録署名議員には、会議規則第百十条の規定により、柳橋邦彦君及び山脇武治君を指名いたします。             ━━━━━━━━━━━━━━     日程第二 一般質問 4: ◯議長(岡征男)日程第二 一般質問を行います。  通告がありますので、順次発言を許します。  まず、鈴木勇治君に発言を許します。     〔十七番 鈴木勇治登壇〕(拍手) 5: ◯十七番(鈴木勇治)グローバルネット仙台の鈴木勇治であります。  一般質問をいたします。  自治体行政への市民参加は、古くから叫ばれ重要性が指摘された課題であります。実際の現場では、公聴会、モニター制度、審議会への参加など、市民参加を進める工夫がなされております。  今改めてなぜ市民参加なのかという時代背景には、大まかに二つあります。  第一は、地方分権のスタートであります。地方分権推進法によれば、地方自治体は、住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理するとの観点から、地域における行政の自主的かつ総合的な実施の役割を広く担うべきことを旨とされております。乱暴に言えば、自分たちのことは自分たちで責任を持って決めろということであります。自治体がこの趣旨に沿って行政を進めようとするならば、市民の意見、ニーズを十分に把握し、政策を説明する責任がますます重要になってくる。また、市民の側でも、一方的に行政に要望するという姿勢から、行政とパートナーシップを築きながら、あるいは市民が主体的にまちづくりにかかわっていく時代であろうと考えます。  第二は、人口減少、経済の低成長、価値観の多様化に代表される成熟社会の真っただ中にあるのが今の社会です。社会資本の整備が横並びに行われた従来の行政のあり方から、多様で自立した市民が豊かさを実感できるような方向へと政策を転換すべきときであるのです。さらには、低成長による税収不足と、以前の年度からの事業実施に係る後年度負担が重なっての財政の深刻な状況により、行政サービスの取捨選択をせざるを得ず、市民に対しては納得できる行政を進めるため、これまで以上に多くの時間と努力が必要となるのであろうと考えます。このような時代背景にあることから、これまで以上の市民に対する説明と市民参加、そして市民ニーズの把握を進めなければならないと考えるのであります。  そこで、重要になってくるのは市の行政組織のあり方ではないでしょうか。これまで自治体の行政組織の基本は、必置規制などを通じある程度決定されていたのであります。しかし、これからは自治体がそれぞれ事務事業を最も適切かつ効率よく組み、実施し、管理していくことが一層重要となってくるのでありますから、今こそ地域に根差した政策を実現していくための組織、住民本位、生活者本位の組織、環境変化に柔軟に対応できる組織、職員が生き生きと働ける組織といった、地方分権時代にふさわしい行政組織体制の構築が求められていると言えます。
     今まさに市政に対する住民参加、私は、この住民参加は単に何かの委員として市民が出席するとかということだけではなく、市民がまちづくり等々に対し、どしどし意見を述べてくるということ等も含めてのことでありますが、これを一層推進しなければならない時代を迎えようとするときに、本市の行政組織のあり方、そしてその活性化について、どうあるべきかを早急に再検討すべきと言えますが、市長はいかがお考えになっているのでしょうか。時代認識というか、状況認識を含めお示しください。  次に、本市の来年度以降の組織改正については、どのような部局について検討が進められているのかをお伺いいたします。  これまでの組織改正では、どちらかというと、一プラス一を一とする単純な方法だけ目立ったのでありますが、そのようなことだけではいかにも短絡的であると言えます。  次に、区にある支所・出張所の廃止についてであります。  風聞するに、平成十二年ないし十三年ごろに廃止に踏み切るとの話があるとのことです。支所・出張所は確かに各種証明の発行や納税といった窓口業務が多く、これらについては機械や銀行で済むでしょうが、しかし、大部分の支所は、地域の町内会、老人クラブ等々からの情報が集まる場所であり、かつ地域の成り立ちの中心であったのであります。そのような意味で、これまで支所長の役割は大きいものがあったと言えます。確かにスリム化できる部分もあるでしょうが、このような機能、役割は残すべきと考えますが、いかがでしょうか、御見解をお示しください。  いつもそうでありますが、組織が改正されるのはいつも市民生活に直結するセクションであります。変われば市民は右往左往する。課名を覚えられたかと思えばまた改正がなされるといったぐあいであります。組織は、確かにフレキシブルであって、時代に合わせ改善を加えていくべきものでありましょう。しかし、優先すべきは市民参加であります。市民ニーズが把握されやすく、そしてそれが反映されやすい組織づくりが必要と言えます。また、庁内組織の改正はいつも市民生活に直結している部分だけが目立っております。庁内の内部管理組織の改正はどのようになっているのでしょうか。これについてももっと積極的に進めるべきと考えますが、いかがお考えになっているでしょうか、お示しください。  第二点目として、予算編成のあり方と企画能力の向上についてお伺いいたします。  今まさに財源の厳しき中にあって、担当局では苦労しながら来年度予算の編成作業に当たっているものと推察いたします。予算というものはもともと政策に対する手段であるはずなのに、その主客が転倒し手段が自己目的化し、その中で実質的に予算当局が政策を選択決定することになってきております。ある事務事業の予算要求について、各部課ではそれなりに頑張って企画立案し提出する。これを予算当局が多方面から検討と査定を行い予算をつけるというスタイルであります。しかし、このスタイルでは、仮に市民から要望の強かった事務事業について、予算要求に対しゼロ査定となった場合、市民の目からは、財政担当が現状の理解に至らず、そのようになったとしか見えず、市当局に対して不満を抱かせることになります。  まさに地方分権がスタートし、開かれた行政と効率的な行政が求められていることや財政逼迫の状況が続いていることから、公金の最大限有効な活用が重要課題になっているときであります。市民から理解されやすい予算編成とはどうあるべきかを検討する時期にあると言えます。市長はどのように考えておられるのでしょうか、御見解をお示しください。  今多く耳にするのが説明責任であります。それはだれに対する説明責任でしょうか。それは市民に対してであります。予算編成と事業の実施に当たっての説明責任を果たす方法として、例えば市民と一番身近にある区についての予算については、ある程度枠による配当を行うとともに、区の企画部門の充実を図り、責任性、自主性を高めることを行うとかも考えられますし、また、各局についても同様の方法で実施できるものと考えますが、いかがでしょうか、あわせ見解をお示しください。  第三点目でありますが、新住民基本台帳法に基づく住民ネットワークの構築についてお伺いいたします。  さきの通常国会で成立した新住民基本台帳法は、施行が公布された日から三年以内に住民コードの付番及び本人確認情報の提供を、そして五年以内に住民基本台帳カードの活用や、住民票の写しの広域交付及び転入転出の手続の簡素化を実施するものであり、そのシステムの稼働に向け動き出しております。このため、全国の自治体でも住民台帳ネットワークの構築に向けた準備が必要な時期となっております。  この法律は、国民すべてに十けたのコードを付設し、氏名、出生年月日、男女別、住所を、法律で定めた国の事務などに利用するものであり、システムの運営主体は都道府県となるため、仙台市においても宮城県との協議、仙台市内部においても市民局、企画局及び各区その他関係部局との協議が早急に必要となってくるものと考えますが、その準備及び検討状況についてはどのようになっておりますか、お伺いいたします。  このシステムは、確かに国や地方公共団体にとって、そして市民にとって大きな利便があります。しかし、課題も少なくないのであります。特にプライバシーの保護の問題であります。システム上のチェックも含めて再検討が必要であると考えますが、どのようなシステム体制となるのかをお伺いいたします。  第四点目は、外形標準課税導入に関連して市税財源へどのような影響があるかについてお伺いいたします。  去る七月に政府税制調査会地方法人課税小委員会から、法人事業税への外形標準課税の導入について、できるだけ早期に導入を図ることが望ましいとする報告書が提出されました。資本等の金額を用いる場合には、法人市民税の均等割と事業所家屋床面積と給与総額との組み合わせの場合は事業所税との間で重複することになり、現在の仙台市の財政が厳しい状況にあることをかんがみると、税財源の確保についての対応が急がれるが、どのようなことを検討しているのかをお伺いします。  都道府県財政の厳しさから外形標準課税の導入を急いでいるようでありますが、言ってみればこの方法は、都道府県の財政のツケを市町村に払わせようとするのと同じことであり、このことは地方分権の趣旨に反するのではないかと言えますが、いかがお考えでしょうか、お示しください。  第五点目は、PFI事業のスキームの確立についてお伺いいたします。  PFI、プライベート・ファイナンス・イニシアチブ事業と呼ばれる民間活力導入政策がにわかに脚光を浴びております。これは、公共施設等の設計、建設、維持管理及び運営に民間資金とノウハウを活用し、公共サービスの提供を図る考え方であり、御承知のとおり、一九七〇年代から八〇年代にかけて、巨額の財政赤字を抱えていた英国において、行政改革による市場原理の導入と小さな政府実現の取り組みの中で、規制緩和、民営化、外部委託などの考え方と並んで生み出された手法の一つであります。  今日の行政を取り巻く状況が、PFIを導入するに至った英国の状況と酷似する我が国においても、PFIの導入によって、公共事業の効率化、財政支出の削減、公共部門と民間部門の役割分担の見直し等、行政改革の一層の推進が期待できるものとして、ことし七月には、民間資金等の活用による公共施設等の整備の促進に関する法律が制定されるなど、導入に係る取り組みが本格化している状況にあります。  本市においても、その導入に向けてのスキームを確立する準備が必要な時期に来ているのではないでしょうか。この手法は、確かに地方財政制度の関連で、国からの補助金、地方交付税、地方債の取り扱いなどについての課題等は多々ありますが、しかし、現在の厳しい財政状況の中で限られた資金で最大の公共サービスを供給できるものであり、その導入に向け検討すべきであると考えます。いかがでしょうか、御見解をお示しください。  この手法については、他の自治体でも、大学の整備、レジャー観光施設の整備等々の動きが出ております。他の政令市の動向についてもあわせお伺いいたします。  終わりに、何度となく出ておりますとおり、分権型社会がスタートしたところでありますが、この社会は、地方自治体が主体的に行財政の運営に取り組めるかわりに、自治体の責任が問われるのであります。釈迦に説法になるかもしれませんが、市当局に対しましては、厳しい環境変化の中で、本市の政策形成能力と効率的かつ効果的な行財政運営に向け、なお一層の御努力をお願いを申し上げておきたいと思います。  以上、一般質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 6: ◯市長(藤井黎)鈴木勇治議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、行政組織のあり方についての御質問でございますが、この行政組織につきましては、効率性と市民へのわかりやすさ、これが基本でございまして、この基本原則に立ちまして、社会の変化に的確、柔軟に対応し得るような、そういう組織を整備することによりまして組織の活性化が図られるものというふうに考えております。  今後、地方分権など行政システムの変革が進みますし、また一方におきましては、社会全体が大きな変化をしていくということに伴いまして、市民の声を聞き、市民に対しまして説明を行う場を設けることが、行政の責務として一層求められていくものと認識をいたしております。来年度以降につきましても、このような時代認識を踏まえまして、さまざまな行政課題に迅速、的確に対応できる柔軟な組織とするよう工夫、改善を続けてまいりたいと、このように考えます。  次は、予算編成のあり方についてでございます。  御承知のように、本市の施策体系といたしましては、基本構想に基づいた総合計画とこの具体化に当たっての実施計画がありまして、これに沿った事業が着実に進められるような、そういう予算編成に努めているところでございます。  また、市民の目から見て見やすい、わかりやすい予算ということでございますが、例えば年二回作成しております本市の財政状況に関する公表につきましては、グラフや表をカラー刷りにするなど、市民に理解されるような改善を図ってきておりますけれども、なお一層努力を重ねる必要があろうかと考えております。  いずれにいたしましても、公金の最大限有効な活用が重要課題でございますので、市民とのパートナーシップの確立のためにも、御指摘の点、心いたしまして新年度の予算編成に取り組んでまいりたい、このような所存でございます。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長から御答弁をさせたいと存じます。  以上でございます。 7: ◯財政局長(瀬川安弘)外形標準課税の導入とPFI事業についての御質問にお答えをいたします。  まず、法人事業税への外形標準課税の導入についてでございますが、地方の多様な行政サービスを支える安定的な地方税体系の構築を図るという観点から、政府税制調査会で報告がまとめられまして、現在、政府においてその導入に向けた検討がなされております。  法人事業税の課税標準に外形基準を導入することとした場合には、導入いたします外形基準の内容に応じまして、法人市民均等割や事業所税等の既存の地方税との関係で、所要の調整を行う必要が生じる場合も考えられます。その場合には、各課税団体の所要の税収の確保のために必要がある場合には、都道府県と市町村との間の税源配分を調整するなどの措置についてもあわせて検討すべきとされております。  本市といたしましては、今後の推移を注意深く見守るとともに、他の政令指定都市などと緊密な連携をとり合いまして、適時、適切な対応をしてまいりたいと存じます。  次に、PFI事業についてでございますが、本年七月にいわゆるPFI事業の推進のための法律といたしまして、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律が制定されまして、現在のような厳しい財政状況の中、行政コストの削減や市民負担の実質的な軽減等につながる一つのシステムとしての期待がなされておるところでございます。しかしながら、法に基づきます国で定めることとされております法制上や税制上の措置並びに財政上及び金融上の支援に関する基本的事項がいまだ示されていない状況にございます。今後、この公表を受けまして具体的な検討に着手いたしたいと考えております。  また、他政令市の動向でございますが、千葉市におきまして、PFI的な民間活力による事業展開の実施を前提に準備作業を行っている以外は、まだ具体の検討を行っていない状況でございます。  以上でございます。 8: ◯市民局長(加藤建次)市民局に関する数点の御質問にお答えいたします。  まず、支所・出張所の見直しに関してでございます。  本市には十カ所の支所と三カ所の出張所がございますが、旧泉市及び宮城町との合併や政令指定都市移行に伴う区制施行の経過の中で、東支所、長町支所以外につきましては、これを存続してまいりました。  支所・出張所につきましては、長い間市民の身近な行政機関として地域の方々に親しまれ、御指摘のような機能を果たしてきたことは十分認識いたしております。しかしながら、今日の危機的な財政状況を背景といたしまして、行政運営の簡素効率化が求められており、本市におきましても、平成十年五月に新行財政改革推進計画を策定したところでございます。その中で、社会経済環境の変化に応じた事業の見直しの位置づけのもとに、支所・出張所につきましても、そのあり方を再検討することとし、現在、具体の作業を行っているところでございます。  次に、住民基本台帳ネットワークシステムの構築に当たっての準備状況についてのお尋ねでございますが、現在、国におきまして都道府県レベルとの協議がなされている状況にございます。市町村においてはいまだ具体的な作業段階には至っておりません。本市といたしましては、今後しかるべき時期に関係部局による庁内検討組織を立ち上げ、対応してまいりたいと考えております。  次に、このネットワークシステムに関連して、情報の提供に当たってのプライバシーの保護に関してのお尋ねでございます。  改正法におきましては、情報の提供先や利用目的の制限、関係職員に対する秘密保持等の義務づけ、目的外使用の禁止、民間部門の利用禁止などが規定されております。また、国、県段階のシステムにおきましては、ICカードや暗証番号によるコンピューター操作者の厳重な確認、専用回線上の情報の暗号化、ネットワークシステムの蓄積データへの接続制限などの措置をとることとされております。本市におきましては、従来から住民基本台帳システムの運用において十分プライバシーの保護に努めてまいっておりますが、今回のネットワークシステムの構築に当たりましても、この趣旨を踏まえ、市民のプライバシーの保護に厳格に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。 9: ◯十七番(鈴木勇治)二点ほど、ちょっと再質問させていただきたいと思います。  予算編成のあり方のところでありますけれども、区にある程度枠による配当を行うとともに、区の企画部門の充実を図り、責任性、自主性を高めることを行うことが考えられるというふうなことで先ほどお話をしました。今、何ですか、ふるさと創生事業からだったと思いますが、その流れがあって、一億円とかの枠が配当されていると思います。そのある程度というのは、それを超えてというふうなことの配当でもって、区に対して責任性、自主性を高めるというふうなことができるのではないかということをここでお伺いしたつもりでありますけれども、その辺のところはいかがかなというふうに思うので、もう一度この部分について、可能かどうか御答弁をいただければと思います。  それから、もう一つ、支所のあり方でありますけれども、今まさに検討中であるということでありましたが、私は、機能を残すべきではないかというふうな、いわゆるその機能というのは、答弁の中でもありましたが、これまで果たしてきた機能、いわゆるまちづくりの中での心のよりどころというか、そういった機能とか、情報収集の場所としての機能、このことについて、支所長を初め、支所の方々は役割を果たしてきたというふうに考えますので、こういったところの機能は残すべきではないかというふうにお尋ねをいたしたつもりであります。  この二点についてお示しをいただければと思います。 10: ◯財政局長(瀬川安弘)区に対しては、先ほど御指摘のように、まちづくり推進事業の中での一定の枠というものがございます。この辺につきましても、今度の予算編成の中で十分に検討させていただきたい、こういうふうに考えております。 11: ◯市民局長(加藤建次)支所等の見直しに関連してのまちづくり、あるいは市民からの情報の集約といった機能につきましてでございますが、確かに支所・出張所がそのような機能を果たしておるということは十分に受けとめておりますが、もう一方、コミュニティ・センター、市民センター等の整備も進めてきており、そのような中でも同様の機能が果たされつつある状況もございます。そうした中で、現在、支所・出張所の見直しの中で、そのような機能を大切にしながら検討しているということでございます。 12: ◯議長(岡征男)次に、安孫子雅浩君に発言を許します。     〔五番 安孫子雅浩登壇〕(拍手) 13: ◯五番(安孫子雅浩)民主フォーラムの安孫子雅浩でございます。  少子化が進み、全国の政令市の中でも、幾つかの都市は既に人口減少に転じている中、本市は向こう十年で十万人以上の人口増が推計され、その拡大する人口規模をもとに本市の基本計画が推進されています。  仙台市が二十一世紀にも魅力に富んだ住んでみたい都市としてあり続ける上で必要不可欠な条件の一つに、都市計画街路事業の推進があります。昭和四十二年に計画が立てられ、既に三十二年。計画に対する整備率は平成十年度末で五四・三%であり、計画の達成は見当がつかない状況です。しかしながら、本市が住みやすいまちの魅力を損なわず成長を続けるための必要都市基盤として、都市計画街路事業の推進状況についてお伺いいたします。  本年七月、市中心部へ公共交通を利用しておおむね三十分で移動できる交通体系を構築することを目的に、アクセス三十分構想推進計画を定めました。本構想は、交通問題のみならず、環境、福祉、まちづくりなど多岐にかかわることから、本市全体として取り組みを始めています。市民の皆さんの協力と理解を得なければ、本構想の推進は困難であります。昨今の厳しい財政状況下ではありますが、アクセス三十分構想実現のため、都市計画道路の優先的整備の見直しを現在行っていると聞いていますが、今後どのような考えで取り組もうとしているのでしょうか。そして、整備率の目標を二〇一〇年ごろには何%と見込んでいるかお尋ねします。  本市の都市の魅力を損なう渋滞問題とその対策については、前回の定例議会で同僚議員が取り上げていますが、私からは北四番丁大衡線についてお伺いいたします。  一点目は、本市北部は今後も人口増が見込まれる地域であり、同線は北西部地域の交通のかなめと位置づけられ、優先的整備路線であると考えます。現在の進捗状況と全線開通の時期の見通しについて伺います。  二点目は、この道路は通常の都市計画道路と違い、輪王寺付近は川内南小泉線とトンネルで上下交差する特殊構造と伺っていますが、具体的にどのような工法で工事が行われるのか伺います。  さらに、幹線バス専用バスレーンの導入も検討されていると伺っていますが、専用レーンを導入するとなれば、トンネル部も含め、当初設計の段階からバス優先信号の設置等を織り込んだ上で計画をし、確実な同線の実現に結びつける取り組みが必要と考えますが、今後の対応についてお伺いいたします。  次に、太白区の障害者更生センター保養施設禎祥苑についてお伺いいたします。  同苑は、社会福祉法人共生福祉会が経営するものですが、車いす利用者の宿泊施設としては市内唯一の施設であり、障害者への配慮を最優先にした温泉保養施設であります。障害者の皆さんが宮城県下はもとより首都圏からも団体で利用され、非常に好評でしたが、ここ数年来の不況の影響もあり赤字経営が続き、この十月一日から閉館を余儀なくされました。共生福祉会は、本年三月十一日に仙台市へ、四月二十七日には宮城県に窮状を訴え、公的支援を陳情いたしました。しかしながら、本市は、禎祥苑の設立経緯から法人の独自事業として行っており、市の委託事業に切りかえる必要はないことを主な理由に公的支援に難色を示しています。  しかしながら、私は、この施設の存続是非の検討は、安全性、信頼性の高い市内唯一の身障者用保養施設として、その存在意義の軽重をどのようにはかるかという判断にかかわってくると考えます。それは、すなわち民間社会福祉事業の特性を生かすとともに公共性を高め、社会福祉の向上に貢献せしめるという社会福祉法人制度の根幹にかかわる問題です。社会福祉基盤整備という行政目的の達成に寄与していきながら、一方では、経済原理から導かれた競争社会の真っただ中に置かれているという現実があります。したがって、厳しい経済環境であるほどに行政の積極的な関与が求められるものと考えますが、いかがでしょうか。  閉館に当たって、利用者からは多くの禎祥苑に対する思いが県下県外から寄せられました。障害者本人、障害者を持つ家族から、また、一般のホテルにはおっくうで足が向かないが、気兼ねなく安心して利用できる施設として、年配の方々からも熱い思いが寄せられています。実は私自身も、働いていた老人ホームで、ホームのお年寄りの年一回の一泊旅行に利用したことがあります。お年寄りたちは、温泉旅行ができるなんて夢にも思わなかったと言っては涙を流していました。  去る九月二十九日、宮城県議会では同僚県議が同様の件で県知事の見解をただした折、知事の答弁では、事態は承知していると前置きの上、禎祥苑の指導監督所管は平成八年より仙台市にあり、第三者機関による経営診断結果を踏まえながら、仙台市は共生福祉会と協議を進めていると聞いており、今後は仙台市と連携をとりながら対策を考えていきたいと答えています。本市としては、現在、県とどのような連携を図り、その対策が図られているのかお示しください。  次に、介護保険制度について以下にお伺いします。  本市の介護保険制度のあり方について検討している事業計画策定委員会は、市政だより十月号でその中間報告案を発表し、そして現在、最終報告案の作成作業に入っています。先日の第十一回同委員会では、いわゆる上乗せ、横出しと言われる本市独自の特別給付については行わず、保険法上最低限の法定給付のみにとどめた形で、本市では四月から実施する方向で作業が進められています。同委員会からの中間報告案と最終報告案作成に関して数点質問いたします。  まず、昨今の保険料負担等の見直し議論の中で明らかになっているように、介護保険制度の実施は、地方自治体の体力と創意工夫が問われる極めて政治的な課題です。介護保険事業において本市が全国均一の法定給付のみで始めることは、仙台市としての創意工夫が見られず残念でなりません。また、同委員会では、上乗せ、横出しとして期待される部分については、一般財源からの保健福祉施策として行うよう意見が出ています。  私は、ここで介護保険法の趣旨を確認いたしますが、介護を社会全体で支えていくシステムづくりであることは言うに及ばず、老人医療費の激増に伴い医療保険財政は逼迫し、本来急性期治療を必要とする被保険者の医療保険の利用が窮屈になってしまっている現状を改善するため、要介護老人の社会的入院を介護専門の保険として医療保険から分離することが目的でもあります。そして、介護目的のための財源を確保するために社会保険方式で介護保険料を徴収することになっています。本市の一号被保険者の平均保険料は、現在のところ月額二千九百五十円と言われています。上乗せ、横出しの議論では、一号保険料が三千円を超えずと暗黙の前提があり、介護保険サービス選択の幅を広げる必要性の議論が低調であったことは残念です。  社会的な介護システムを行う財源として介護保険料の徴収があります。しかるに、配食サービスや移送サービス、財産管理等、本市高齢者実態調査でニーズの高かったものや、寝具乾燥、住宅改造費助成等、従来福祉施策として実施しているものについて、介護保険給付ではなく一般の福祉施策で行うということは、四月施行時に一万六千人と想定される介護保険利用者にどの程度の利用が確保されるのでしょうか。現状のそれら福祉施策の給付状況を確認しなければなりません。  これら福祉施策の現況を、利用者数、件数、金額を示していただくとともに、介護が権利として始まる介護保険制度施行後に、限定的な福祉施策で保険サービス利用者のサービス選択のニーズが担保されるものなのか、その考え方をお伺いいたします。  福祉施策としてあるそれら現在の供給量を保険後は需要に伴った量に拡大していくには、相当の一般財源からの持ち出しが必要になると想像しますが、現下の本市の逼迫した財政運営環境の中、介護に関して特別に予算枠を拡大していくことが財政当局には認められるものか、あわせてお答えください。  次年度予算編成の折、今後将来的に膨張していく本市の社会保障関連経費を限られたパイの中でどう吸収し、本市の福祉水準を維持していくべきものか、介護保険制度の実施は自治体の財政運営能力を問い、政治課題を突きつけています。  次に、六月議会、九月議会と重ねて質問している件ですが、質疑後の進捗状況を確認するために、再度継続して以下具体にお尋ねします。  一点目は、要介護認定後の介護サービス計画、いわゆるケアプランの作成に関してです。  一次訪問調査は本市の特徴として専属調査員がいるため、本市での一般的な介護支援専門員の役割は、要介護認定後のケアプラン作成に限定されています。仙台市以外の他市町村では、調査員もプラン作成者も明確に定められず、混乱している状況から考えれば、本市の認定作業の取り組みは高く評価できるものです。  保険認定者想定一万六千名余りに対して、そのケアプラン作成者は三百名程度と想定されていますが、訪問調査に公平性が確保され、その次のケアプラン作成に当たっても公平性の確保がされた、質の高いケアプラン作成者が本市には期待されます。既に本市域では八十余りの事業者が居宅介護支援事業者として知事の指定を受けていますが、それらケアプラン作成事業者として指定を受けた事業者が良質なケアプラン作成を行えるよう、本市として研修指導等の充実が図られるべきと考えますが、その対応はどう進んでいるのでしょうか、お示しください。また、必要人員数の確保見通しもあわせてお示しください。  二点目は、介護保険外の老人福祉施設である養護老人ホームについてお尋ねします。  施設サービス給付の新単価では、特養について金額の底上げが相当図られ、経営的視点からの見通しが立つようになりました。しかしながら、経過措置はあるにせよ、自立または要支援者については、将来的に退所しなければならない現利用者は存在します。その方々の受け入れ先になるであろう保険給付外の施設である養護老人ホームは現在市内に一カ所のみであり、そこには九十名余りの待機者がいると聞いています。  国の与党三党合意案には、介護基盤整備対策として、新ゴールドプラン後の新たな基盤整備プラン、スーパーゴールドプランが検討されているようですが、本市として、養護老人ホームや軽費老人ホーム、ケアハウスなどの保険外の施設拡充を今後数年の間に図っていく計画はどうか、お示しください。  三点目は、在宅介護支援センターについてです。  介護保険の円滑な開始には相談窓口の充実が重要であり、現在市内に十五カ所ある在介センターが、従来の位置づけから、介護保険下では、相談窓口、情報提供窓口、苦情処理等、期待は大きくなるばかりです。しかしながら、介護保険法上の位置づけは明確にありません。そこで、本市としての在介センターの介護保険施行後の位置づけと、介護保険事業の円滑な推進に当たって同センターの認識をお答えください。  また、現在の十五カ所では全市あまねく網羅できるものではありませんが、今後、数値目標として、どのような形態で、どの程度の整備を考えているのかもお尋ねいたします。  四点目は、特別養護老人ホームにおける介護保険開始直後の激変緩和施策についてです。  従来の措置制度から百八十度転換し契約による経営環境下では、毎月の運転資金がホームに確保されていなければなりません。保険施行後は、ホーム利用者の介護報酬点数を国保連合会へ申請し、約二カ月後に報酬代金がホームに支払われることになります。その間の運転資金が必要となりますが、いわゆるつなぎ資金についてはどう支援対応するのか、お答えください。  また、その介護報酬請求に当たっては、レセプトの集計作業等、従来の事務作業とは異なる繁雑な作業がホームの事務方に要求されます。周知研修とその対応策についてお答えください。  五点目は、介護保険に対する苦情処理対策についてです。  介護保険審査会が県に置かれ、事業者の指定取り消し等を行うことになっています。しかしながら、審査会まで上がるもっともっと手前の保険利用者の身近なところに苦情処理窓口があってしかるべきです。昨日の代表質問でも取り上げられ、局長から歯切れの悪い答弁がありました。宮城県と国保連が共同で設置した介護保険苦情処理体制検討会議には本市も参加し、検討を進めているようですが、その検討状況と、また本市独自として、保険利用者に最も身近なところからの苦情処理体制の確立はどう検討されているのか、お示しください。例えば民生委員への周知等は図られているのでしょうか。  六点目は、社会福祉協議会についてです。  現在、仙台市社会福祉協議会は、本格的に始まる社会福祉の基礎構造改革を見据えて、積極的に機能強化に向け取り組んでいるようです。既存事業である小地域福祉ネットワーク推進事業の拡充や、新規事業として、この十月から地域福祉権利擁護事業、ホームヘルパーの養成研修などを行い、さらに介護保険の苦情処理窓口など、介護保険施行後は地域町内会に根差した組織をもって、社協が在宅介護の円滑な推進に貴重な社会資源であることが確かです。介護保険サービス事業者として一民間事業者の性格もあわせ持つ側面はありますが、介護保険施行後の社協の位置づけと担うべき役割について、市長はどう認識をされているのか、お答えください。  市内五区それぞれにある社協は、法人格を持つのは泉区のみであり、区ごとの温度差があるのも事実です。介護保険の施行に当たっては、その体力以上に社会的な期待と要請が大きくなっています。外部団体とはいえ、地域福祉の貴重な社会資源として、本市当局には、仙台市社協の機能強化へ適切な対応と支援が求められると考えますが、いかがでしょうか。  次に、緊急地域雇用特別対策事業中、介護保険に関する二点についてお尋ねします。  介護保険関係以外に、駐輪場対策や森林の除伐、間伐作業などが議案として挙がっています。駐輪場や間伐もその個々の必要性は十分理解いたしますが、しかしながら、この時期に最も緊急性が高いのは、介護保険の円滑な実施に向けての準備施策であり、本年度分わずか三千万円程度ではありますが、その全額を介護保険の制度広報、相談事業やサービス事業者ネットワーク構築に充てるべきものと考えますが、市長はどうお考えでしょうか。  わずか七名の相談員配置で、介護保険の広報、相談がどれほど進むのでしょうか。予算規模の多少にかかわらず、市長の政策の優先順位を見きわめる政治的センスが問われている件であると考えますが、いかがでしょうか。  次に、先日の社会福祉審議会老人福祉分科会で審議された敬老祝金、敬老乗車証の見直しや、家族介護手当の将来的廃止についての当局の考え方をお聞かせください。そして、それらの予算配分の転換先として検討されている配食サービスの拡大や相談機能の充実等も必要であり、具体案をお示しください。
     私が勤めていた老人ホームでも、敬老会では、ほとんどの入所者が敬老祝金を市長からいただいていました。その私の周りにも理解者は多くおり、それら見直し後の新たな使い道の妥当性いかんによって、市民全体の了解が得られるかどうかが決まります。敬老祝金は、政令都市中、本市の支給水準は高い方ですが、本市より高いところはいずれも見直しを進めています。また、家族介護手当は、要介護度が四から五の家族と考えられ、介護保険で三十一万円から三十五万円のサービスを受けられる家族に一万円を上乗せ支給するようなものになり、現在、総額で三億円余りが支給されています。祝金の見直し分と合わせた四億五千万円余りを、例えば在宅介護支援センターの充実に振り向ければ、計算上は約四十カ所つくられることになります。  最後に、今事業計画策定委員会完了後の次期修正期、三年後へ向けた新たな事業計画の策定に向け、市民参加の委員会設置について伺います。  現事業計画策定委員会は、実態調査やアンケート調査をもとにした四月開始時の数量試算を基礎に最終案の取りまとめが行われています。しかし、施行後、実際に保険制度が動き始め、本市の高齢者の生活の質の確保にふさわしい需要と供給関係が明らかになります。実態に即した本市の行き届いた介護保険をつくり上げていくために、施行開始と同時進行で三年後の改正に向けた事業計画の策定に取り組んでいく期間が必要です。  そこでは、被保険者、広く市民の意見を集約できるものとし、実際の介護保険がどのように市民に浸透し、望ましい形で施行されているのか、チェック機能的性格を持たせます。その形式については今後検討し、市民への公募制を行うなど、ぜひ活発な議論のある機関になるよう願います。各種審議会や委員会の形骸化も指摘されて久しいところですが、事、地方自治の試金石である介護保険についてのそれについては、実質のあるものを期待いたしますが、いかがでしょうか。  先月、議長のお許しをいただき、新人議員有志でドイツ、イタリアへ視察調査に行ってまいりました。環境政策、都市交通システム、介護保険、首都機能移転等、多くを学ぶことができ、実に実り多い視察調査となりました。今後の議会活動の中でその成果を折々に反映できるよう努めてまいります。  財政運営に苦慮しているのは、先進国いずれも同じ悩みですが、政策には十二分に吟味された財源策を伴っての議論となります。二十一世紀の二大命題となる地球環境、少子・高齢化に対し、今度は限られたパイの中で行財政運営が求められ、政治の責任はますます重いものになっていきます。私も、一議会人として仙台市の未来に責任を果たしてまいりたいと思います。  御清聴まことにありがとうございました。(拍手) 14: ◯市長(藤井黎)安孫子議員の御質問にお答えを申し上げます。  私からは、まず一般福祉施策として実施される介護サービスに係る財政負担につきましてお答え申し上げます。  これらにつきましては、当該サービスの供給基盤の整備状況や、またいわゆる横出し等で実施した場合の被保険者負担への影響等を考慮しまして、当面は一般福祉施策として実施することが適当という御判断を、介護保険事業計画策定委員会の方からちょうだいをいたしているところでございます。  一般福祉施策として実施することとなりますと、サービスの給付要件等を設定するなど、引き続き限定的な取り扱いとなりますけれども、これらに係る需要は今後とも拡大するものと思われます。一般会計の負担も相応のものになるというふうに見込んでおるところでございます。厳しい財政事情のもと、特別な予算枠をあらかじめ確保するということは困難な状況ではございますけれども、現行のサービス水準の低下を招かないよう極力努めてまいる所存でございます。  次に、敬老祝金等の見直しについてでございます。  敬老祝金につきましては、他の高齢者施策の拡充を視野に入れながら、七十七歳、八十八歳等のいわゆる節目支給の方向で考えております。また、敬老乗車証につきましては、これからの少子・高齢化社会の中における望ましいあり方につきまして検討をいたしてまいる所存でございます。  また、介護手当につきましても、家族介護から社会介護へと向かう基本方向を踏まえまして、国の方針も勘案しながら、現在受給者への経過措置等を講じながらこれを廃止したいというふうに考えております。  これらの見直しに伴う予算配分の転換先についてでございますが、配食サービスの拡充や在宅介護支援センターの整備は極めて重要であると考えておりまして、現在、検討を進めておるところでございます。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長の方から答弁をいたさせたいと存じます。  以上でございます。 15: ◯健康福祉局長(佐藤直敏)禎祥苑及び介護保険に関する御質問にお答えいたします。  初めに、障害者更生センター禎祥苑への行政の関与についてでございますが、禎祥苑の運営費につきましては年々赤字が増嵩いたしておる状況下にございまして、そのような中で委託事業に変更し行政が支えてまいりますということは、他の社会福祉法人が行う事業とのバランスや、本市の厳しい財政状況下の施策の優先度等を考慮いたしますと、なかなか困難な状況であると考えております。  現在、共生福祉会におきましては、法人全体の経営改善に努力いたしておるところでございまして、その中で、禎祥苑のほかの福祉施設への転用など、今後の有効活用について検討されておりますので、その検討結果を受け、私どもとしても必要な支援を考えてまいりたいというふうに存じます。  また、宮城県との連携についてでございますが、現在の状況や対応方針等について、これまで随時情報交換をいたしてまいったところでございまして、今後とも必要に応じ連携を図ってまいりたいというふうに考えております。  次に、一般福祉施策の現況と今後の対策についてでございますが、平成十年度の実績で申しますと、配食サービスが約五万食、事業費で一千六百万円、寝具乾燥消毒事業が三十五人、八十六件、四十一万円、それから高齢者住宅改造費助成事業が五十八件、二千五百万円というふうな実績になっております。  また、本市の場合、対象者を低所得者に限定しておる事業や、全市域を対象にいたすには供給体制が整っていない事業等がございますが、今後のニーズを踏まえながら、サービスの充実等に努めてまいりたいというふうに考えております。  次に、ケアプランの作成についてでございますが、介護支援専門員に対します研修は、宮城県におきまして追加研修の実施も予定されておりますが、本市の場合には、介護保険のメニュー以外の独自の福祉サービスもありますことから、サービスに関する情報の提供を含めまして、公平で質の高いケアプランの作成が行えるよう研修を実施してまいりたいというふうに考えておるところでございます。  なお、この介護支援専門員の関係の確保の状況でございますが、現時点で人数等についてはまだ掌握いたしておりませんが、介護支援事業者の増等もございますので、確保が図っていけるのではないかというふうに考えておるところでございます。  次に、保険外の施設についてでございますが、現在、特別養護老人ホームに入所されておられる方で自立や要支援と認定されました方の受け皿として、養護老人ホームやケアハウスが考えられますので、改定作業を進めております高齢者保健福祉計画の中で位置づけをいたしまして、整備を進めてまいりたいというふうに考えております。  次に、在宅介護支援センターについてでございますが、国におきましては、介護保険制度下におきまして、居宅介護支援事業を実施することを期待しておりますとともに、介護保険の対象外となる方に対する支援として、介護予防、生活支援サービスの調整、実施等を本来機能として果たしていくことを求めておりますので、本市といたしましても、国の方針を踏まえ、中学校区を基準といたしまして今後整備を進めてまいりたいというふうに考えております。  次は、特別養護老人ホームにおける激変緩和策についてでございますが、このつなぎ資金につきましては、現在、国において、社会福祉・医療事業団との契約により所要の運転資金の貸し付けが受けられるよう検討がなされていると聞いておりますので、これにより対応が図られるものというふうに考えております。  また、レセプト請求事務の周知研修につきましては、来年二月ごろに宮城県と宮城県国民健康保険団体連合会が合同で、介護サービス事業者や施設関係者を対象に研修を予定いたしておるところでございます。  次に、苦情処理体制の検討状況についてでございますが、宮城県及び国民健康保険団体連合会におきまして、宮城県医師会、サービス事業者、市や町及び市民団体等の代表を委員といたします宮城県苦情処理体制検討委員会を本年七月に設置し、九月には、サービス事業者、市町村、県、民生委員・児童委員等の役割分担等を定めた苦情処理マニュアルを作成し、民生委員・児童委員等を含め関係者に周知いたしておるところでございます。この委員会は来年六月まで継続いたしまして、マニュアルの見直しを行っていくことといたしております。  また、本市における相談・苦情に係る窓口といたしましては、区保健福祉センターを考えておりますが、利用者にわかりやすい体制の整備に努めてまいる所存でございます。  次は、介護保険制度施行後の社会福祉協議会の位置づけと担うべき役割についてでございますが、措置制度から契約制度へ転換する中、利用者によるサービスの選択を援助するための情報提供、それから権利擁護、苦情処理等の機能、あるいは社会福祉事業者のサービスの質の向上を目的といたしました連絡調整、それから研修等の役割を新たに担うものと考えております。  また、市社会福祉協議会の機能強化につきましては、介護保険制度の施行等社会福祉制度が大きく変化いたす中、地域福祉の充実を図る上で極めて重要な課題と考えておりまして、本年度に派遣職員を増員いたすなど事務局体制の強化を図りましたほか、七月には市社会福祉協議会独自に企画財政委員会を立ち上げ、今後の事業及び財源対策等について検討を開始いたしたところでございます。本市といたしましては、これらの状況を見守りながら、今後とも必要な支援、指導を行ってまいりたいというふうに考えております。  次に、緊急地域雇用特別対策事業における介護保険事業への配分についてでございますが、この対策事業は、現下の厳しい雇用・失業情勢を踏まえ、各地方自治体が創意と工夫によりまして臨時応急の雇用をつくり出す制度でございまして、そのような趣旨に沿った事業を計画いたしたものでございます。  このような枠組みを前提といたしまして、介護保険制度の広報・相談事業につきましても、制度開始の時期に合わせた体制強化を図るものでございますが、市民への広報、相談につきましては、今後とも万全の対応を図ってまいる所存でございます。  最後は、三年後に向けました新たな事業計画策定委員会の発足についてでございますが、当面は制度の実施状況の具体的な把握に努めながら、適切な時期に委員の構成についての検討も踏まえ、その設置を図ってまいりたいと考えておるところでございます。  以上でございます。 16: ◯建設局長(渡邉康夫)都市計画道路整備の今後の取り組みについての御質問でございますが、現在行っておる整備計画の見直しにつきましては、従来からの都市の骨格形成や広域交通機能などの観点に加えまして、アクセス三十分構想による東西線を含めた軌道系交通機関との連携や、バス走行環境改善による自動車交通から公共交通への転換などの視点で見直しを行っているところでございます。  今後は、新たな整備計画に基づき一体的な交通体系を構築することを目標に、都市計画道路の整備に鋭意取り組んでまいります。  また、二〇一〇年ころの整備の目標につきましても、今回の見直しの中で検討を進めておりますので、御理解を賜りたいと思います。  次に、北四番丁大衡線の進捗状況及び全線開通の時期の見通しについてでございますが、現在、四工区について事業を実施中であり、柏木工区は今年度より工事に着手いたしております。星陵及び荒巻本沢工区につきましては来年度より用地買収に着手する予定でございます。残りの北山工区につきましてはただいま詳細設計中でございます。  なお、全線開通の時期の見通しにつきましては、アクセス三十分構想において中期計画路線に位置づけられておりますので、東西線開業時期までを目標といたしております。  川内南小泉線との交差部分についてでございますが、将来、北四番丁大衡線のトンネル上部を川内南小泉線がトンネルで通過することを前提といたしまして、開削によらない一般的なトンネル工法による施工を考えております。  幹線バス専用レーンの導入につきましては、バス専用レーンの導入を前提といたしました設計を行ってまいりたいと考えております。  また、バス優先信号の設置につきましては、関係機関と協議を行ってまいりたいと思います。  以上でございます。 17: ◯五番(安孫子雅浩)議長、数点再質問させてください。  先ほど、現行の一般福祉施策の件で一応数字の提示があったんでございますが、例えば配食サービスは五万食をやっているというふうな理解ですけれども、その中で本市が特養ホームにお願いをしてやっているところというのは、実は二千二百食もやっている。これは数的に見ると、いや、それだけやっているのかというふうな理解があると思うのですが、実は世帯数にして十二世帯、この十月からは白東苑の方でも委託をしてやっているわけですが、そこでやっているといっても十五世帯。一万六千人以上が保険の給付を受けられるという、そういった環境にあって、本市で独自にやっている部分は実は二十七世帯、二十七家族しかその中では給付を受けていないという、こういった水準を、数字のあやの中で見間違わないようにしていただきたいというのが私の本心であります。  寝具についても実は三十五件です。三十五件しかやっていないという現行の私たちの福祉施策の水準である。住宅改修にあっても五十八件である。この五十件とか三十件とか五十世帯とか、その程度の数でもって、四月からは確実に一万六千人以上が要介護で保険を受けていくという環境にあって、その実数が足りるものかどうかという部分の認識を改めて私はお伺いをしたいと思います。  それからもう一点、在宅介護支援センターについて、現行十五カ所ありまして、これを先ほどの局長の答弁では国の指針に基づき中学校区にということであれば、実に六十数カ所、あと五十カ所も整備をしなければいけないということ、これは予算的な裏づけからいって本当に可能なことであるのか、あるいはこの場だけの答弁であるのか、その辺の確認をもう一度させてください。お願いいたします。 18: ◯健康福祉局長(佐藤直敏)三点ございますが、まず、ただいま申し上げました配食サービス等の実際の状況でございますが、この数字の見間違いをしないようにという御指摘でございまして、確かに議員御指摘のように、食事につきましては、お一人当たり例えば一年間受ければ三百六十五食になるわけでございまして、一食としてもそういう数字になる。そういう意味で、まだまだこの対象、実際の利用者の方が少ないということはそのとおりでございまして、我々も、その辺も含めまして、今後の検討に当たっては十分考慮していきたいというふうに思っております。  それから、四月から必要なサービスが受けられるのかという点につきましては、私ども介護保険の制度の中に取り込んで対応いたしますれば、そういう形で対応していかなくてはならないわけですが、今回は円滑な移行ということで、その辺につきましては一般福祉の中で一般財源を活用して実施するということでございますので、限定的になるかもしれませんが、これまでのベースというものをもとにして拡充に努めていきたいというふうに考えております。  それから、介護支援センターの今後の整備でございますが、私ども現在十四カ所の支援センターを持っておるわけですが、これにつきまして、中学校は、全中学校という形になるか、あるいはそれに近い形ということになろうかと思いますが、基本的には大幅にこの支援センターを拡充してまいりたいということで現在詰めを行っておるところでございます。  以上でございます。 19: ◯議長(岡征男)副議長と交代いたします。     〔議長 岡征男退席、副議長 秋山幸男議長席に着く〕 20: ◯副議長(秋山幸男)議長と交代いたします。  次に、笠原哲君に発言を許します。     〔二十二番 笠原哲登壇〕(拍手) 21: ◯二十二番(笠原哲)西暦二〇〇〇年まであと二十三日と迫り、コンピューター二〇〇〇年問題、いわゆるY2K問題を中心に、世界じゅうに不安が蔓延していると言われています。政府は、西暦二〇〇〇年問題対策室を設置し、この対応に当たっており、去る十月二十九日、金融、エネルギー、情報通信、交通、医療といった影響の大きい分野において官民挙げて未然防止や危機管理等の対応を進めた結果、社会インフラ等における日常生活に支障を来すようなサービスの停止等の大きな混乱は生じない、しかしながら万一の場合に備え、各家庭や事業所等に対し、念のための準備を行うことは重要であるとし、その場合の留意事項として十一項目を挙げております。  本市においても対策本部を設置し、今日まで鋭意その対応に当たってきた結果、本市が所管するシステム及び関連機器のうち、市民生活と密接に関連する百八十について対応が終了しており、万一の場合に備え、十二月三十一日から一月一日にかけて特別警戒本部を設置し、市民生活の安定に資することになっていると伺っております。そうした意味では安心して大みそかを過ごせると思うのであります。  しかし、ノストラダムス的な論調で人類の危機を訴える人々もいるのが現状です。オイルショック時のトイレットペーパー騒ぎや九三年の平成米騒動の例を出すまでもなく、極端から極端に走りやすいのが日本人の常であります。楽観するにせよ、悲観するにせよ、根拠のない情報に振り回されてパニックに陥ることだけは避けたいものです。  さて、西暦二〇〇〇年、何も特別なものではなく、時間の経過のいっときにすぎない、したがって通常どおりと言う人もおられますが、一つの区切りであることは確かであります。ある人は、二〇〇〇年一月一日はカレンダーの一日とも言えるけれども、地球上の壁が取り払われ、新しい世界に移り変わることを象徴していると思う。次の千年では自分自身やテクノロジーが違って見えてくるのではないかと世界の未来に期待を込めております。  ミレニアム、千年紀と世界の至るところで話題となり、次の千年、そして二十一世紀という新たな世紀の到来を迎えるべく、さまざまなプロジェクトや催し物が世界じゅうで予定されているようであります。日本政府においても、「二十一世紀の科学技術 夢と希望を語ろう」をテーマに、新しいミレニアム、千年紀の始まりを目前に控え、人類の直面する課題にこたえ、新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組むことを目的として、情報化、高齢化、環境対応の三つの分野について、技術革新を中心とした産学官共同プロジェクトを構築すると、ミレニアムプロジェクトを発表しています。  また、イギリス政府は、ミレニアムプロジェクトの目玉の一つとして、ミレニアムドームの建設を行っており、著名なデザイナーの設計によるこのドームでは、十二月三十一日のカウントダウンセレモニーを初め、次の千年間の人類と地球をテーマとした十四の展示コーナーを設けるミレニアム博覧会などのイベントを予定しているようであります。  その他の国も、総じて二〇〇〇年一月一日から二〇〇一年にかけてさまざまなイベントを用意し、地球、そして人類の未来を憂え、過去の生き方を真剣に考え直す機会にしようとしているようであります。平和、人権、環境、教育、産業のあり方について、過去人類が犯してきた過ちを総括し、今後、軸をどこに置くべきか、どうすべきかを論じ合い、具体的にどう行動、実践するかを、社会を構成する市民一人一人が考えるよい機会にすべきではないでしょうか。  また、小中高生といった未来を担う青少年を対象に、新しい世紀の創造者としての自覚を促す意味でも何らかの働きかけを行ってはいかがでしょうか。こうした視点に立って、市長並びに教育を担当されておられる教育長にはさまざまな思いがおありかと思います。御所見を伺いたいと存じます。  市長に就任してから六年、市民の目の高さでを合い言葉に、一期目は市政の信頼回復、二期目は行財政改革の断行を公約に掲げ、今日までそれぞれに大きな成果が出ていると思いますし、ここ数年の不況対策も厳しい財政の中で懸命に努力されてきており、百万市民の大方は市長に対し評価をしているものと思います。しかし、同時に、市民の間には市長に対し物足りなさも強く感じているように思います。私自身、それは何だろうと考えてみましたが、適当な言葉が浮かびません。二期目もあと一年八カ月余となり、仕上げの時期に入ろうとしています。二十世紀最後の市長であり、そして二十一世紀最初の市長となる藤井市長は、時代の橋渡し役として大変重要な役割があるのであります。  そこで、伺う第一点は、二十世紀の仙台市をどう総括し、二十一世紀に向かおうとしておられるのでしょうか、御所見をお聞かせください。  第二に、行政のトップである市長として、また政治家として六年有余を振り返り、どのような感慨を持たれ、今後の市政をどのような気概で運営されようとしておられるのか、御所見をお聞かせください。  第三に、厳しい財政状況の中で市長として予算編成権を行使するのは、任期中あと二回となります。在職している間に政治家としてこれだけはやり残してはならない、これだけは後退させてはならないといったような御決意をお持ちの案件があろうかと思いますが、ぜひお聞かせください。  第四に、市民の奉仕者となって働く一万人を超える大切な職員に対し、厳しい要望や要求をしなくてはならない局面が多々出てきておりますが、どのように説明し理解を求めていくのか。また、今後新たな世紀を迎える公務員たる職員、そして管理職のあるべき姿にどのような期待をお持ちでしょうか、御所見をお聞かせください。  第五に、市長として市民との対話が不足しているのではという指摘が一部にあります。この問題についてどのような認識をお持ちでしょうか。長い経験だけに安住しては、時代の潮流や市民が本当に何を望んでいるかといった点を見失ってしまうのではないでしょうか、御所見をお聞かせください。  政治の基本はヒューマニズムであると私は思います。先日ある新聞に大人物の徳について三点記載されておりました。一つは、民衆の中、実践の中で生きた学問を体得していくという大知、二つに、あらゆる誘惑をはねつけ、正義を貫き行く人格を言う大仁、三つに、波瀾万丈の闘争にひるまず、ちゅうちょや優柔不断を退けて信念のままに勇気を持って邁進し行く不屈の行動力を意味する大勇、この三つが重要であると断じておりました。無論、市長はこうした徳を備えておられると私は思うのでありますが、これらについての御感想をお聞かせください。  次に、宮城県の財政問題について伺います。  県は、過日、このままでは財政再建団体に転落するとして緊急事態を宣言し、人件費の一律カット、事務事業や施策の見直しなどによって、十二年度予算から五年間、年間約二百億円程度の削減を行うと発表しました。政令市である本市は県と同格とはいえ、宮城県からの一定のルールに基づく補助事業や負担金があり、また、土地区画整理事業や、港湾、空港といった県が主体となっているインフラ整備などの事業も数多くあります。こうした事業にも少なからず大きな影響が出てくると思われますが、現時点で掌握しておられる事業、また事業の完成年次におくれが生じると予想される諸問題について御所見をお聞かせください。  第二点、単独事業の減少や補助金の見直しは、県下市町村の公共投資の大幅な減退に直結します。本県の経済の中心としてある本市の商工業並びに流通経済に大きな影響を与えかねないと思いますが、数字的な影響についてどのような御所見をお持ちでしょうか。  また、県民の消費マインドが低下することが懸念されますが、あわせて御所見をお聞かせください。  第三点は、国体準備やワールドサッカーへの準備や運営に支障がないのかという点です。国体準備に県は平成十年度末で四十億円前後の運営基金を積み立てており、心配はないのかとは思いますが、ワールドカップサッカーの準備や運営にも影響が出ると思われます。本市の二つの準備委員会にどのような影響があるのか、お知らせください。  第四点は、空港アクセス鉄道建設に対する基金の造成や本市の東西線への補助などといった本市との約束の履行が可能なのでしょうか。大きな不安感があります。御所見を伺います。  第五に、日本一の福祉先進県を標榜しながら、高齢者に対するささやかな祝金、そして寝たきり老人を抱える御家庭への年額六万円の介護手当支給廃止を表明するなど、福祉の基本である心の優しさに全く欠けた政治姿勢であると言わざるを得ません。本市ではそれに類した福祉の見直しがあってはならないと思います。市長の御決意を伺いたいと存じます。  次に、本市の財政についてであります。  市債の発行残高の累増、義務的経費の増加、市税収入の低下等々厳しい財政状況が続いており、行財政健全化計画の一段の推進、各企業経営の健全化など進めるべき諸課題が山積しております。本市財政に対する現状認識と改革への推進方途について御決意をお聞かせください。  また、ほぼ同時期に就任した同じ為政者として、県の今回の事態にどのような御所見をお持ちでしょうか、お聞かせください。  人類の生存を脅かすさまざまな問題がありますが、私は、飲料水の安全、そしてエイズの問題の二点について伺ってまいります。  初めに、飲料水の問題について伺います。  市民にとって、日々の生活を支える上で、水は命の源であることは言うまでもないことですが、その水を本当に安心して飲めるのだろうかといった市民の不安は、浄水器の普及状況から見ても消え去っておりません。その要因は、水源となっている河川等の汚染の進行にあります。厚生省は、一九九三年、水質基準の大幅な見直しを行い水質基準項目を四十六項目にふやし、さらに補完目的に快適水質項目を十三項目、監視項目を二十六項目に設定しております。この背景には、微量であっても人体に有害な化学物質によって水源が汚染されているおそれがあるからにほかなりません。  東京都の場合、見直し後の水質データでは、猛毒のダイオキシン類であるジベンゾフランなどの有害物質が五十五種類以上検出されたと言われております。このような有害物質が長年の間に体内に蓄積されれば、健康に大きな影響が出てくるのは当然であると思います。そうした意味でも水道水の安全対策は重要です。  以下、二点について伺います。  第一に、水道水源に対する取り組みです。  本市は、水源地域の重要性を深く認識し、水源地域の保全を図る意味から一部で買収を行っておりますが、全体から見てほんの一部にとどまっています。水道財政は逼迫しており、難しい問題であることは理解できますが、今後どのように水源の保全を図っていくのか、御所見を伺います。  関連して、農薬使用についてどのような見解をお持ちなのでしょうか。さらに、畜産ふん尿対策が進んでいるようには思えませんが、具体の対策について今後の御方針をお聞かせください。  第二に、安心して飲むためにも、また水源地域の汚染防止のためにも水質検査の結果の公表は重要です。病原性原虫クリプトスポリジュウム、水系感染症の原因となるジアルジアなどは検出されているのかどうか。また、発がん性があると言われるトリハロメタンの基準、鉛濃度基準、砒素基準などはどのような状況になっているのでしょうか。市民は情報の公開を求めています。御所見をお聞かせください。  次に、エイズの問題について伺います。  最近、世界保健機構が極めてショッキングなエイズ調査報告を発表しました。世界じゅうでエイズウイルスの感染者が五千万人に達したというのです。さらに、エイズによる死亡者は既に千五百万以上に上るとのこと。アフリカにおける平均寿命はエイズのせいで十年以上短縮したと推測されています。  九月二十八日発表の厚生省エイズサーベイランス委員会による調査結果によると、一月から六月の上半期では、男女とも二十代で異性間性的接触による感染が急増しているようであります。八月から十月のエイズ患者、感染者は、患者五十人、感染者七十六人、うち女性感染者十五人中十二人が十代と二十代と若年層に集中しており、エイズサーベイランス委員会は、高校生、大学生に積極的防止対策を求めています。  十二月一日は国連が決めた「世界エイズデー」でした。予防に向けてさまざまなイベントやキャンペーンが全国各地で開催され、本市でもさまざま実施されています。治療法が確立されていない現在、徹底した予防対策が必要であろうと思いますが、中学や高校などの教育現場での指導体制はどうなっているのでしょうか。また、拡大を抑えるためにもエイズに関する日常的な情報提供が重要です。人類の生存の上からも看過することのできない大問題ですので、御所見を伺います。  以上、質問させていただきました。市長におかれましては、わかりやすく、外来語などは極力使わず、市民の目の高さで御答弁いただくようお願いいたします。  最後になりましたが、戦後五十数年の世紀末、さまざまなシステムが構造疲労を起こしており、その改革のテンポはかなり速くになると思われます。こうした変化に誤りなく対応し、市民生活の安定に寄与していくことが肝心です。心身ともに健康第一に、大知、大仁、大勇に市政を運営されますよう御期待申し上げ、質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)
    22: ◯市長(藤井黎)笠原議員の御質問にお答え申し上げます。  最初は、西暦二〇〇〇年に寄せてのお尋ねでございます。  御質問の冒頭にございましたけれども、いわゆる二〇〇〇年問題に対応すべく、私も関係職員と一緒に市役所の対策本部におきまして新年を迎えることといたしておりますが、御指摘のとおり、新しい千年の始まりというこの歴史的な節目に臨みまして、過去を振り返り、そして未来に思いをめぐらすということは、まさに千載一遇の貴重な機会と考えております。市民各位におかれましても、地球と人類の過去と未来を語り合うべきまたとない契機となることを期待をいたしておるところでございます。  とりわけ仙台の未来を担う青少年に対し、この二〇〇〇年という節目をとらえまして、自覚を促すことができるようなさまざまな機会をつくり出すよう意を払ってまいりたい、このように考えます。  次は、二十世紀の仙台市の総括と市政運営についての各般の御質問でございます。  まず、二十世紀の仙台市の総括と二十一世紀に向けた私の所信についてでございますが、近代化を国是とする二十世紀はかつてない激動の世紀でございましたが、仙台市におきましては、一貫して市民の福祉向上に努めるとともに、杜の都の都市個性を生かしながら都市基盤の整備や高次の都市機能の集積に力を注ぎ、都市圏のみならず、東北全体の発展に寄与する中枢都市としての役割を果たしてまいったと考えるものでございます。  しかしながら、ここに至りまして、二十世紀型社会を構築する原理が限界を露呈し始めておりまして、その変化に対応できずに、その見直しが求められておるところでございます。こうした時代状況の変化に的確に対応しようとするために、私どもとしましては、いち早く市民協働の理念に基づく新しい総合計画を策定をいたしまして、二十一世紀都市・仙台の構築に向けた取り組みを始めているところでございます。  私は、この大きな歴史の転換期を百万市民とともに乗り越え、将来にわたって市民が安心して暮らすことができ、そして一人一人が手ごたえのある人生が送れるようなまちづくりを市民と一緒につくっていきたい、このような期待のもとに、そしてまたそのような意思のもとに持てる全力を傾注してまいりたい、このように考えます。  関連いたしましては、六年有余を振り返った感慨及び今後の市政運営に対する気概という御質問でございます。  顧みますと、就任以来、名実ともに百万都市となった今日まで、透明性、公平性に常に意を用いながら、市政の浄化を初めとして、各種の市民福祉の向上、仙台市の個性の創出に向けた施策に精いっぱい取り組むとともに、新しい枠組みづくりのための各種制度の改革に取り組んできた六年間でございました。市民とともに歩んできたその道筋を思うとき、感慨ひとしおのものがございます。  しかし、それでも課題は山積いたしております。今後は、目前に迫りました二十一世紀社会に向けて既存の概念や制度にとらわれることなく、先頭に立ちまして果敢に事に当たり、市民、事業者、行政の協働による仙台市の総力を最大限生かしまして、二十一世紀を先導する世界の仙台を実現するために渾身の努力を払ってまいりたいと決意するものでございます。  また、政策課題についての御質問でございますが、二期目の市政をお預かりした際に、これからの本市のまちづくりに欠かすことができない施策として市民の皆様にお約束をいたしました百年の杜づくりやアクセス三十分構想、東西線整備推進事業などにつきましては、これまで一定の進捗を見たところであり、また少子・高齢化、国際化、情報化、そして環境の各課題につきましても、それらに対応するまちづくりについて着実に進めてまいっているところでございます。  これらの施策につきましては、これから迎える二十一世紀におきまして、快適で魅力ある都市形成や持続的な都市の形成に直結するものでございまして、議会及び市民の皆さんの御理解、御協力を賜りながら、その実現に向けまして今後とも鋭意努力を続けてまいる所存でございます。  次は、職員への期待等についてのお尋ねでございます。  地方分権の時代を迎えている今日、本市におきましても自主的な判断のもとに事業を執行することが多くなり、また、職員の側におきましても主体的な政策形成が求められるところでございます。厳しい財政事情、行政改革、地方分権の推進などの困難な課題につきましては、庁内情報紙を通じまして、職員が上下を問わず共通の認識を持って取り組めるよう努めておるところでございます。とりわけ、財政状況が非常に厳しい中におきまして、常に原価意識を持って事業執行に当たるよう常に職員に求めておるところでもございます。  また、これらの課題にこたえまして、さらに新たな世紀に起こり得るさまざまな行政課題に対しまして、既成の社会通念にとらわれることなく、新たな発想で取り組むとともに、社会の成熟化に伴う複雑多岐にわたる市民の要請に対しまして、市民の目の高さに立ってこれにこたえていくことが、まさに市民の奉仕者たる職員のあるべき姿であると考えておるところでございまして、特に管理職にありましては、率先垂範して困難な行政課題に立ち向かうよう強力な指導をいたしているつもりでございます。今後ともこの指導を続けてまいりたいと存じます。  次に、私と市民との対話についてでございます。  市民の目の高さでの市政運営が私の信条でございまして、これまでもさまざまな分野におきまして活動なさっておられる多くの市民の皆様と直接的に率直な話し合いをいたしてまいったところであり、また、幅広い年齢層の市民の皆さんからのまちづくり提案などのお手紙も直接拝見させていただいておるところでございます。  また、一人一人の職員が日常の職務の中におきましてさまざまな市民の方々の声に謙虚に耳を傾け、市民の立場に立って改めるべきは改める、こういうことが市の職員としての基本的な姿勢である、こう考えておりまして、組織といたしましても、この時代の市民のさまざまな要請の把握に努めているところでございます。さまざまな価値観が多様化し混在する今日の社会にありましては、より多くの市民の皆さんの生の声、当事者としての思いを聞くことが重要なことでございますので、市民との良好な関係の中で対話に努めてまいりたい、このように考えます。  それから次は、人格目標としての徳目についてでございます。  政治の基本はヒューマニズムにあるとの御認識に基づく御質問であろうかと思います。私は、市政を預かるに際しまして、たびたび申し上げますように、市民の目線に立った市政ということをみずからに課し、市民の皆さんの信託をちょうだいいたしましたが、その思いの底流におきまして、ヒューマニズムに通じるところ少なからぬものがある、このように考えております。都市の規模やその態様、あるいは各種の制度的な条件がいかに整っていたといたしましても、それが市民に幸せの実感を与えるものにならなければ意味があり得ないというふうに思いを日々新たにしながら、市政を運営をしてまいりました。  こうした理念を具現するためには、お示しがありました知、仁、勇の均衡ある資質、実践的な知識と、そして強靱な正義感、さらには信念と勇気に基づく行動力、これらはいずれも指導者にとりまして不可欠な資質でありまして、この三つの徳目、私も少なからず共感を覚え、至らぬながらもたゆまぬ努力を続けてまいりたいと存ずる次第でございます。  次は、宮城県の財政問題に関連しての御質問のうち、まず福祉に関する本市の姿勢についてでございますが、少子・高齢化の急速な進展の中で、多様化するニーズに対応した施策を展開していくためには、これまでの事業につきましても、また将来の負担を見据えながら、さまざまな観点からの見直しが必要である、こう考えております。ただ、福祉の基本理念はやはり心の温かさにあると思いますので、この理念のもとに、本市といたしましては、今後の福祉政策が全体としてはより充実が図られるよう努めてまいる所存でございます。  また、本市の財政の現状認識についてでございますが、本市は、平成元年度に政令市に昇格して以来、毎年、歳出の三〇%を超える普通建設事業費を確保することによりまして、都市基盤の整備に重点的に取り組んでまいりました。加えまして、いわゆるバブル経済崩壊後の平成四年度以降、景気対策としての公共投資に積極的に取り組んできた結果、市税が伸び悩む中で市債残高が急増し、現在の厳しい財政状況に至ったと認識をいたしております。  今後は、健全な財政運営を維持し、将来の市民に過大な負担を残さないためにも、中長期的な市債への依存度を適正な水準としていかなければならない、こう考えておりまして、財政健全化のための新たな枠組みを新年度予算編成を通じて作成をいたすつもりでございます。  また、県の現状に対する認識でございますけれども、本市といたしましても、財政の健全化に向けた取り組みを確固たる決意で臨まなければならないと肝に銘じておるところでございます。  そのほかの御質問につきましては、水道事業管理者並びに関係の局長から答弁をいたさせたいと存じます。  以上でございます。 23: ◯企画局長(小西敦)私からは、県の財政事情がワールドカップの準備や運営に与える影響についての御質問にお答え申し上げます。  新世紀の幕あけの世界的規模の大会であるワールドカップの成功は、仙台市、宮城県だけではなく、東北地方におけるさまざまな地域活性化に大きな効果をもたらすものと私どもは考えております。県におきましても、ワールドカップ開催準備を重点推進事業の一つとして位置づけ、積極的に取り組んでいく方針と伺っております。したがいまして、本市も参画しておりますワールドカップ宮城・仙台推進委員会の準備や運営には支障が出ないものと認識しております。  以上でございます。 24: ◯財政局長(瀬川安弘)宮城県の財政問題に関連をいたしまして、本市の補助事業等の影響についてでございますけれども、宮城県におきましても、新年度の予算編成中でございまして、また県からの説明も今のところございません。現時点におきましては状況が把握できていないという状況にございます。本市といたしましても、今後、県との協議の場などを通じまして情報の収集、把握に努めたいと存じます。 25: ◯健康福祉局長(佐藤直敏)エイズに関する情報提供についての御質問にお答えいたします。  エイズにつきましては、本年四月からいわゆる感染症新法の中に組み入れられたことから、感染症発生動向調査の結果を各区保健福祉センターや各医療機関等に対して提供いたしておりますが、あわせて、本市のインターネットのホームページによりまして年間を通じて情報を提供いたしておるところでございます。今後とも情報提供の一層の充実に努めますとともに、予防や、差別それから偏見をなくす活動を展開してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 26: ◯経済局長(加藤豊)宮城県の財政問題に関連しての商工業、流通業に与える影響についてのお尋ねでございますが、県の予算内容がまだ確定しない現状では、その影響を具体的、客観的にとらえることはできませんが、今回の県の単独事業や補助金についての大幅な削減、見直しは、地域経済や消費動向に少なからず影響があるものと受けとめております。  現在、国においては、公共投資の剥落効果を懸念した積極的な予算編成を進めており、こうした動きも視野に入れ、地域経済が公共投資中心から民間需要が主体となる自立的な景気回復に一日も早くつながるよう、今後とも国、県とともに適時、適切な対策を講じていく必要があると考えております。  以上です。 27: ◯都市整備局長(谷澤晋)空港アクセス鉄道建設と東西線に与える影響についての御質問にお答えを申し上げます。  このことにかかわる県知事との確認書におきまして、県は、仙台空港アクセス鉄道の運営に関し基金制度を創設するなど、第三セクターが将来にわたりまして安定的な経営が図られるよう責任を持って対応することとなっております。県におきましては、仙台空港アクセス鉄道を重点事業として推進していくこととしておりまして、第三セクターの経営安定化に資する県の支援のあり方についても検討中とのことでございますので、確認書のとおり実行されるものというふうに私どもは認識をしておるところでございます。  以上でございます。 28: ◯教育長(小松弥生)西暦二〇〇〇年を迎えるに当たっての所感についてでございますが、御指摘のとおり、来るべき世紀の節目こそ、青少年が未来に思いをはせ、新世紀に生きる力をはぐくむ上で特にふさわしい機会と考えており、教育委員会といたしましても、開府四百年記念事業並びに二〇〇一年開館予定の仮称仙台メディアテークにおける事業などを通しまして、未来を担う青少年の夢を培うような工夫をしてまいりたいと考えております。  次に、県の財政問題に関連して、国体準備業務への影響がないかどうかという御質問でございますが、県からは厳しい財政状況であるとの説明がなされておりますが、競技会場地になる市町村に交付される補助金等につきましては、現在のところ対象や割合等についての変更は特に伺っておりません。引き続きその確保に鋭意努めてまいる所存でございます。  次に、エイズ及び性感染症の増加傾向についてでございますけれども、この増加傾向とその低年齢化が社会問題になっておりますことから、学校におきましては、保健の学習を中心に、その疾病概念、感染経路、予防方法などの正しい理解を深めるとともに、偏見や差別を生まないような指導をしているところでございます。また、学習効果を高める観点から、専門性を有する養護教諭が授業をしたり、あるいは校医の活用を図ったりするなど多様な指導体制の工夫に努めているところでございます。 29: ◯水道事業管理者(蔵田博之)水道事業に関しましての御質問にお答えいたします。  初めに、水道水源に対する取り組みについてでございますが、これまで水道水源保全対策といたしまして、開発の抑制と水質保全を目的とした涵養林の取得、ゴルフ場等の開発行為に伴う負荷増大の抑制、釜房ダム流域における下水道の整備促進や、湖沼法に基づく堆肥舎の整備、合併浄化槽の設置などを進めてまいったところでございますが、今後の取り組みにつきましては、水源保全に係る総合的な対策は私ども一水道事業体のみでは限界がありますことから、国、県や関係市町と緊密な連絡をとりながら推進をしてまいる所存でございます。  次に、水道水と農薬の関連についてでございますが、水道水中における農薬の基準は、水道水質基準項目では四項目、監視項目では十五項目、ゴルフ場使用農薬に係る水道水の水質目標では二十六項目の基準や目標値が設けられております。これらの基準などに基づきまして水質検査を行っておりますが、いずれの項目も不検出となっております。  農薬の使用につきましては、平成四年度に地元農協などに協力をいただきまして、それまで実施しておりました空中散布を中止し、水道水源への影響を少なくする方法へ変更していただいているところでございます。さらに、水源流域内のゴルフ場につきましては、水源水質保全協定書を締結いたしまして、使用農薬を限定するなどの対策を講じておるところでございます。  また、畜産ふん尿対策につきましては、大倉ダムにおける十里平地区家畜ふん尿対策といたしまして、経済局におきまして、平成四年度に家畜ふん尿処理施設の整備を行っております。また、釜房ダムにおきましては、湖沼水質保全対策特別措置法に基づきまして、家畜ふん尿処理施設の整備を実施いたしております。今後とも家畜ふん尿の適正処理につきまして関係機関へ働きかけてまいりたいと考えております。  最後に、水道水の水質検査結果でございますが、平成十年度の結果で見てみますと、クリプトスポリジウム、ジアルジアは検出されておりません。トリハロメタンは〇・一ミリグラムパーリッター以下の基準に対しまして、最高が〇・〇四七ミリグラム、鉛は〇・〇五ミリグラム以下の基準に対して、最高が〇・〇一ミリグラム、砒素は〇・〇一ミリグラム以下の基準に対しまして、最高が〇・〇〇一ミリグラムとなっておりまして、安心して飲んでいただける状況にございます。  また、情報の公開についてでございますが、年度ごとに取りまとめた水質年報を作成しておりまして、市政情報センター並びに各区図書館で公開をいたしております。今後は、水質等で話題となった事項につきまして、できるだけ仙台の水道等で幅広く広報していきたいと考えております。  以上でございます。 30: ◯副議長(秋山幸男)この際、暫時休憩いたします。     午後二時五十八分休憩             ━━━━━━━━━━━━━━     午後三時三十一分開議 31: ◯副議長(秋山幸男)休憩前に引き続き、会議を開きます。  次に、花木則彰君に発言を許します。     〔十三番 花木則彰登壇〕(拍手) 32: ◯十三番(花木則彰)私は、日本共産党市会議員団を代表して、介護保険と地下鉄東西線について質問させていただきます。  来年四月からの介護保険制度の発足を前に、九月には介護保険事業計画の中間案が発表され、十月からは要介護認定の申請と審査も始まりました。市民の関心も高く、それは十、十一月の申請件数の多さにもあらわれていると思います。同時に、このまま四月を迎えていいのか、こういう不安が広がっています。  市長は、ことしの第二回定例会で、東北市長会の会長として、保険料は取るがサービス提供ができないのでは大変だという多くの自治体の不安を解消する方策として、介護基盤が十分整備されるまで保険料の徴収を延期するという意見も申し述べさせていただきたいと発言をされました。国は、ようやくこの大変な事態に気がついて、今回の特別対策となったのだと思います。  現在の介護保険には二つの矛盾があります。一つは、サービス基盤準備のおくれ、そして保険料や利用料の重過ぎる負担です。市長の発言を本当に生かすのなら、この保険料の半年凍結や半分に減らす時期の間に矛盾を解決する努力をすることが必要ではないでしょうか。国の特別対策では、矛盾を先送りするだけで解決の方向が何ら示されていません。ぜひ今度はこの方向での役割を市長に果たしていただきたいと思います。  まず第一は、必要とされる介護サービスが提供できるようにすることです。  仙台市でもサービスの提供が不足しているのは明白です。特別養護老人ホームは定員数で現在千五百三十六人です。入所を希望され、待たされている方は六百八十名です。ほかに、仙台市以外の施設に入所されている市民の方が四百三十八名おられます。この分も仙台市が準備すべき数に加えなければなりません。平成十六年度の目標値二千四百八名でも不足ですが、来年四月での不足は明らかではないでしょうか。保険制度として成り立つ水準、つまり、必要とするサービスを受けられる水準に達したのかどうかが問われています。少なくとも在宅で待っている百五十二人については、保険料徴収延期の間に入所できるだけの施設整備を緊急に行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。  在宅介護はどうでしょうか。ホームヘルプサービスは、仙台市ではここ数年滞在型で二〇%以上の伸び率で充実をさせてきました。平成八年に始まった二十四時間巡回型では倍々でふやしました。在宅福祉公社と民間事業者を合わせて、常勤ヘルパー約百名、非常勤ヘルパー約八百五十名でサービス提供が行われています。それでも、毎年二〇%ずつ供給量をふやして平成十六年で百十五万時間、平成十年と比べると三・五倍という事業計画を立てなければならないくらい、現状は不足しているということでしょう。  介護保険制度として本格的な発足のためには、介護サービス基盤の集中的な整備が求められています。そのための自治体への国からの援助がこの分野でこそ求められています。仙台市でも、周辺部での民間業者のサービス提供が心配されています。介護保険以外にも、障害者へのホームヘルプサービスなど、保健福祉でのホームヘルプ体制の維持が必要です。これとあわせて、市みずから介護サービスを提供する事業者となり必要な人材を確保するなど、すべての市民が安心して介護サービスの提供が受けられるよう努力すべきではないでしょうか。  第二は、保険料や利用料など国民の負担が重過ぎること、特に低所得者には過大な負担となっていることです。  仙台市では、六十五歳以上の方の保険料は平均額で二千九百五十円と試算されていますが、これは本人が市民税非課税の方です。年間では三万五千四百円となります。課税されている方は黙って二割五分増しの三千六百八十八円、年間四万四千円余り。年所得が二百五十万円以上ある方は五割増しの四千四百二十五円、年間五万三千円余りです。  御夫婦でお暮らしの高齢者は各人分を合わせての負担となります。御夫婦で市民税非課税のお宅だとしても年七万円以上、今どき車の任意保険でも随分高いと感じる負担です。要支援・要介護となる方は六十五歳以上のお年寄りの十数%ですから、ほとんどの方にとってはそもそも掛け捨てとなる保険です。それなのになぜ重い負担額になるのでしょうか。月三千円程度との意味が市民に十分伝わっていないのも問題です。特に標準額より高くなる方、中には国保料のかわりに介護保険料を払うと思っていらした方もいらっしゃいました。  市民税非課税となっている方の収入は、生計費であるからこそ、そこには課税しないと判断をされています。そういう生計費からこれだけの保険料の支払いを求めることは、生存権を否定することにもなりかねないことです。一時的な凍結や軽減策でなく、恒久的な制度の改善が必要です。保険料徴収を凍結する間に、六十五歳以上の高齢者は、住民税非課税の世帯、本人とも、国の制度として保険料を免除する制度をつくるよう国に求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。  同時に、国の特別対策では、在宅サービスの利用料についても、三年間に限って低所得者には一〇%ではなく三%にするとしていますが、これでは不十分です。住民税非課税の世帯、本人は利用料を免除する、こうしてこそ、現在無料でサービスを受けている方々が引き続きサービスを受けられる保障となります。ぜひ国に向かって強く御発言をいただきたいと思います。  そして、この立場に立って、仙台市独自にでも、低所得者への保険料、利用料の減免制度あるいは助成制度をつくる決意を表明されることが、市民を励まし、他の市町村を励まし、国に改善を迫っていく力となると思いますが、いかがでしょうか。  特別対策では、その財源を赤字国債に頼るとしていますが、根本的な誤りです。国の財政のあり方を大型公共事業中心から医療福祉中心に変えて充てるべきです。  介護の給付費に占める国庫負担総額の割合は、介護保険の導入でこれまでの四五%から三二・六%に下がります。一方で、国民の負担は二六・三%から四二・四%に上がります。老人福祉に対する国庫負担をこれまでの二分の一から四分の一に引き下げるなど、大幅に国の負担を減らす仕組みを導入したからです。その結果、保険料、利用料の負担は耐えがたいほど高くなり、介護サービスの基盤整備も進まないことになりました。  この構造にメスを入れなければなりません。介護保険は国民的な大事業です。この大事業にふさわしく、国が責任を果たすのは当然です。市長、国の負担総額を給付費の五〇%まで引き上げ、国民の負担を四分の一に引き下げることを求めてはいかがでしょうか。もちろん自治体の負担は四分の一のままです。これによって高齢者、低所得者を制度から排除しない対策が可能になるわけです。  以上、国の特別対策に当たっての市長の姿勢を伺ってきましたが、そのほか、四月実施に向け何点か申し述べさせていただきたいと思います。  要介護認定申請数は、十、十一月の二カ月で約七千人です。それに対して訪問調査、認定審査が少しおくれぎみだと感じています。必要な体制の補充も含めて進めていただきたいと思います。  審査判定の状況として、要介護にも要支援にも当たらない非該当、これまで自立と呼んできたランクの方々が約三・三%いらっしゃいます。市長は、これまで繰り返し現在のサービス水準からは後退させないと表明されてきました。基本的には、高齢者福祉施策として引き続きサービスを受けられるようにしなければなりませんが、既に非該当の通知が送られているのに、四月以降のサービスについては後ほど改めてお知らせしますとの文書が添えられているだけです。具体的に、ホームヘルプサービスをこれまで受けていた方に対するサービス継続について、またデイサービスに通っていた方や、認定からは外れたけれど引きこもり防止の観点から必要とされるサービスについて、四月以降も実施すると早急に市長が約束をされ、お年寄りが安心して年を越せるようお願いをしたいと思います。いかがでしょうか。  事業計画中間案の策定に当たって、委員の方々からも、現行のサービスから後退がないようにとの意見が強く出されました。介護を充実させる制度であるはずが、こんな心配をしなくてはならないこと自体おかしなことです。一つは、介護手当あるいは慰労金など現行のサービスメニューからなくすものがないようにすること。二つ目は、認定から外れたり、これまでのサービス量を受けられなくなる人に対しての手だてを尽くすこと。三つ目に、負担が重過ぎてサービスを受けることができない低所得者への対策など積極的な手だて、これらすべてがしっかり行われて初めて現行から後退しないことになると思います。いかがお考えでしょうか。  敬老パスの有料化や敬老祝金の廃止、介護手当の打ち切りなどとんでもないことです。市長は先日、介護手当について、制度としては今年度で打ち切ると発表されました。この制度は、寝たきりのお年寄りを介護している御家族の労に報いるため、月に一万円を支給している制度です。家族介護から社会介護を目指した介護保険だとはいえ、家族介護が必要なくなるわけではありません。特に寝たきりの要介護度の重い方にとって、御家族の介護は引き続き大切です。  国の特別対策では、要介護度四、五の方で、かつ、ほかの介護サービスを一年間全く受けなかったという人、こういうひどい枠をはめています。現在の介護手当受給者もホームヘルプサービスなどさまざまなサービスを受けているわけですから、現行からの後退となることは明らかではないでしょうか。後退にならないとおっしゃるなら、その理由もお聞かせいただきたいと思います。  さて、来年度の第一回定例会にはいよいよ介護保険条例案が議論となります。私は、仙台が誇れる条例となるよう、以下の提案をさせていただきたいと思います。厚生省から条例準則が示されておりますが、そのままでは仙台らしさが出ませんし、内容上も不十分だと思います。  まず、仙台が行う介護保険の理念を明確にすべきです。加えて、仙台市の責務と市民の権利及び責務、介護サービス事業者の責務を総則で明らかにすべきだと思います。  第二に、市民による介護保険制度の運営を明確にうたうべきだと考えます。  介護保険の事業計画の策定には、公募制で広く市民の参加を求めた自治体も多くありました。仙台では公募にまでは至りませんでしたが、市民参加の意義は言うまでもありません。新しい社会保険制度である介護保険がさまざまな問題も抱えながらスタートしていく中で、計画策定時だけでなく、引き続き多くの市民が主体的に考え、発言をし、改善の取り組みを進めていく必要があります。仙台市の任意設置の組織として介護保険運営協議会を設置することを提案をいたします。  これに関連して、苦情処理の機関として介護保険オンブズパーソンを設けていただきたいと考えます。  市民が苦情や相談に訪れやすいように、区役所はもとより、中学校区ごとにつくる在宅介護支援センター、薬局や医療機関の協力など、相談窓口を多数設けることが大切です。同時に、寄せられる苦情や相談にこたえるためには、専門的な知識を持った相談員が行政の中に一定数必要です。さらに、必要な調査権限と提案能力を持った行政から独立した存在が不可欠だと思います。これが介護保険オンブズパーソンです。  第三に、準則にあるような罰則規定は要らないと考えます。  市民の方に介護保険制度についてお話ししたときに、市民にはこんなにいろいろ罰則やペナルティーが決まっているが、保険料を払っても十分な介護サービスが受けられないような基盤整備をおくれたままにした行政や職員には罰則がないのかい、こういう御意見もありました。介護保険の条例として非常に奇異な感じを受ける部分です。準則でも必要に応じて定める事項となっており、総則で、市、市民、事業者それぞれの責務について書き込むことで十分だと考えます。  これら条例案に関する提案について、市長のお考えを聞かせていただきたいと思います。  次に、東西交通軸について質問をさせていただきます。  さて、この間の議論を振り返ってみると、一つは、ルートをめぐって、利用しやすさと収支見通し、工事費の関係についての議論が多くなされています。二つ目は、機種をめぐって、建設費と輸送力、現実性の問題、そして三つ目に、市の財政の支出に無理やしわ寄せはないかなどの論点で検討されてきました。  一つ一つの議論は議論として成り立っているけれども、全体としてどうもつじつま合わせの感がぬぐえません。運輸事業の認可に当たって、償還年度三十年という一つのめどに何とか合わせる結果になっていないでしょうか。一つ間違えば、市民に大きな負担をかける事態となる大事業です。昨年八月にルート案が発表され、今年度中には機種の選定も行われるという今の時期は、市民にすべての情報を公開して議論し、撤退も含めて検討する大切な時期だと考えます。  まず検討しなければならないことは、東西交通軸建設の目的です。  市長は、平成七年第一回定例会で、東西交通軸は本市の望ましい都市構造形成のために必要不可欠であると認識しておりと述べられています。実際、ルート設定の経過を見ても、市民が期待している、現在の交通渋滞やアクセスの不便さを解決することよりも、どういう都市をつくるのかが重視させられていると思います。端的に言って、都市づくりのための東西交通軸です。  都市の人口がふえる、市域が外延的に広がっていく、その人口をどう張りつけていくのか、効率的な都市づくりをする上で鉄軌道系の交通軸をどう据えるのか、これがこの間検討されてきた内容だと思います。私は、これを従来型の都市づくりと呼ばせていただきます。市長は、この都市づくりのあり方について、従来型の都市づくり、外延的な都市づくりではなく、これまでの財産を生かしたコンパクトシティを提唱されました。仙台市の人口も将来にわたってふえ続けるわけでないことも各種統計で明らかになっています。従来型の都市づくりからの転換が求められています。したがって、東西交通軸自体の考え方も再検討を要するのではないでしょうか。  検討すべき第一のポイントは、市民の将来にわたる負担、ほかの必要な施策への制約と比較して、従来型都市づくりのための東西交通軸が実際に必要なのか、有効性がまだあるのかどうかです。市長の見解を伺いたいと思います。  平成二十二年の仙台市の予測人口は百十二万人、現在より十二万人の増加です。平成四年との比較で増加する十六万人のうち、三分の一以上の六万人が東西線沿線に張りつくという計算で収支見通しがなされています。うち荒井地区には一万四千人の増加が割り当てられています。ここで注意をしなければならないことは、この人口増加を東西線によって沿線に張りつける、中でも荒井の土地区画整理事業に誘導するという考え方は、東西線の収支を成り立たせるための方策ではあっても、仙台市の人口増に対応するための不可欠の方策ではないことです。実際、市内には新たな住宅開発によらなくてもそれだけの人口を吸収する余地は十分にあります。東西線沿線にこれだけの人口増となる必然性はありません。  さらに、意図的にこの地域の人口増をねらったとしてみましょう。沿線の地域にある空き地の六割に周辺と同じ人口密度で人が住むようになると、少し無理な仮定ですが計算をしてみても、東西線ルート上に張りつく人口はそれほど多くならない。そのため、ルートの終点を荒井まで引っ張って、現在の区画整理地区の周辺にさらに土地区画事業を広げて、その人口増加見込み数までも加えないと、収支見通しも立たない状況です。これは、従来型都市づくりの面から見ても、東西線に余り効果が期待できないことを物語っているのではないでしょうか。
     計画では、リニア地下鉄とした場合の建設費は二千七百十億円。関連した都市計画道路や駅前広場などの事業費を加えると、少なくとも三千五百億円を超える巨費が投じられることになります。しかし、建設費二千七百十億円、キロ当たり百九十億円で果たして間に合うのか。市当局は建設費積算の根拠も公開をしておりません。しっかりした検証のためにも公開を求めます。  同じリニア地下鉄をつくった神戸市では、平成五年時の当初見込みで、八・一キロメートル総額千八百億円、キロ当たり二百二十二億円で計算していました。ところが、埋設物、岩盤、地下水の処理施設など予測できない出費で、総額二千四百億、キロ当たり三百億円に膨れ上がりました。来年十二月開業予定の東京都営地下鉄12号線も、十九の工区すべてで設計変更を繰り返し、総事業費六千八百億から九千九百億円に、キロ当たり三百四十三億円に膨らんでいます。京都の地下鉄東西線は、全体で八十回を超える契約変更を市民や議会にも隠したまま繰り返し、当初予算の二倍以上となりました。キロ当たりでは三百六十五億円です。大阪のリニア地下鉄でも、十年も前の工事でキロ当たり二百四十億円かかりました。地下鉄は掘ってみなければ何が出てくるかわからないと言われていますが、それにしても、当初予算から二倍にも建設費が膨張する事態は異常です。ずさんな検討、見積もり、とにかく着工させてから、地下埋設物、工法の変更などを理由に契約変更させるというゼネコン言いなりの実態がそこにはあると思います。  他都市の例を見てみれば、十分予測できる建設費はキロ当たり三百億円以上、仙台に当てはめると総額で四千三百億円です。さて、これで資金計画を立てることができるでしょうか。少ない見積もりで無理に事業をスタートさせれば、市の財政を破綻させることになります。市民の負担を考えると、これだけの投資をする価値が、ディベロッパーや大土木事業に群がるゼネコンを除く大多数の市民に理解されるでしょうか。現在の経済情勢、市の財政難のもとでは非常に困難だと言わざるを得ませんが、いかがでしょうか。  収支見通しについての検討をすると、不安はさらに広がります。まず、先ほど述べた人口フレーム、ゾーンごとの人口配分についての疑問があります。最も権威のあると言われる財団法人日本統計協会の人口推計によると、仙台市では、泉区を除く四区の人口は、西暦二〇〇〇年を超えたあたりから減少を始めます。若林区での減少は顕著です。沿線全体を考えても、開業予定の平成二十二年以降、人口は減り、利用者の増加が見込めないのが実情です。これでは企業債の利子さえ払えず、一般財源から補てんを続けるというパターンに陥ってしまいます。人口フレーム、ゾーンの人口配分に無理があるのではないでしょうか。  人口フレームの計画どおりだと仮定をしてみても結果はよくありません。平成二十二年の東西線沿線の影響を受ける地域、駅勢圏人口予測は約二十四万人、そして一日当たりの利用者数を十三万二千人と見込んでいます。しかし、モデルとした南北線では、平成九年度実績で駅勢圏人口が三十七万六千人のとき、利用者数が一日十六万七千人だったことと比較すると、この見込み数も多過ぎます。パーソントリップ調査からの推計値では、南西地域、都心、東部地域、この各地域間を移動する二十五万六千トリップのうち、三〇%の七万七千トリップが地下鉄によるものとされています。自動車が五%、バスが一五%も減って、その分地下鉄に回るというわけです。何重にも甘い予測と言わざるを得ません。建設費、人口フレーム、利用者見込み数、いずれも市民が安心してゴーサインを出すことができない計画です。  さて、今日市民が行政に期待しているものは何でしょうか。最新の地下鉄でしょうか。私は、そもそも求めているのは、ますます深刻になっている交通ラッシュ、渋滞の解消だと思います。その解決がイコール東西線なら思い切った投資も必要でしょう。しかし、今の計画は、とにかく東西線を成り立たせることに重きが置かれ、具体的に起こっている交通問題の解決は二の次です。少なくとも東西線だけでは交通問題の解決はできない。その他の施策との組み合わせが必要です。実際には、東西線の建設費、維持費がその他の施策を圧迫することになります。現在の問題の解決が東西線の開通後に先延ばしになります。市長が提案をされたアクセス三十分構想も結局東西交通軸待ちとなっていると思います。市長の見解を伺いたいと思います。  今必要なことは、各地域地域の具体的問題を明らかにして方策を考えることです。東西交通軸という一本で無理に考えるのではなく、それぞれの地域に合った解決策を模索すれば、市民に喜ばれ、財政的にも大きな負担とならない方策が見つかるのではないでしょうか。  南西地域では、かつて西公園から八木山、茂庭台までのモノレールが検討され、仙台市が宅地造成した茂庭台団地は、モノレールが通るとのふれ込みで販売されたことは周知の事実です。しかし、今の東西線計画は、こうした茂庭台団地への約束を投げ捨てるものになっています。また、隣接する日本平、人来田、羽黒台団地などの住民の交通要求もあわせ、仙台市はどのようにこたえようとしているのでしょうか。ここにこたえることこそ最優先で考えるべきです。  これから建設する都市計画道路には、必ずほかの車が入り込まないバス専用レーンをつくり、公共交通としてのバスを重視した取り組みを進めるべきだと考えます。若林方面は、バイパスを挟んでの交通がネックになっています。例えば直交する幾つかの道路をバイパスをまたぐ形式にするなどの改善が必要です。現在の交通需要にこたえることを優先するならば、河原町を結節点とし、若林区役所も通る中規模の輸送力を持つ軌道系をつくることで対応できると考えます。LRTないしガイドレールバスを河原町から都市計画道路南小泉茂庭線に合わせて軌道を設置し、バイパスを越え沖野、六郷までの整備を急ぎます。将来的には、荒井から流通団地、原町岡田線沿いに卸町、東仙台南小泉線沿いに、苦竹、東仙台へ結節する軌道系環状として延伸できるのではないでしょうか。  こうしたことも含めて、仙台における交通体系のあり方について、専門家とともに市民を含めた論議を起こすことが必要です。そのためにも、市民に情報を積極的に公開し、十分議論を尽くすことを再度求めて私の質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 33: ◯市長(藤井黎)花木議員の御質問にお答えを申し上げます。  まず、介護保険制度についての御質問のうち、サービス水準の維持についてでございます。  要介護認定の結果、現在ホームヘルプサービスやデイサービス等の在宅サービスを利用されている方が自立と判定された場合などを含めまして、現在受けているサービス水準を維持できなくなる方々に対しましては、一定期間経過措置を講じてまいりたいと考えております。  しかしながら、利用者負担につきましては、制度の根幹にかかわる部分でございますので、今回の国の特別対策の方針も含めまして、全国統一の考え方で行われるべきものと、こう考えております。  介護手当の見直しにつきましては、介護保険制度の施行により家族介護から社会介護へと介護のあり方が大きく変わる中で、国が家族慰労金の制度を示しておりますので、一定期間経過措置を講じながら、十一年限りで廃止をいたしたいと考えております。  なお、廃止に伴う財源を配食サービスを初めとする高齢者福祉の充実に充てて、全体として福祉サービスの水準低下を来さないよう極力配慮いたしていきたいと考えております。  次は、東西交通軸の必要性でございますが、東西線につきましては、本市東西の都市軸を支える骨格交通軸の形成、また軌道系交通機関を基軸とした集約型の新しい都市構造の創出など、本市の持続的な発展を考える上で必要不可欠な都市基盤の整備であると考えております。  さらには、高齢化社会に向けまして、すべての市民にとりまして安全、安心、かつ快適な生活環境の確保、また公共交通機関の利用拡大を通じた自動車交通の抑制や渋滞緩和などにも結びつく、公共交通ネットワークの整備の根幹をなす施策でもございまして、人と環境に優しい都市づくりにも大きく貢献いたす本市の最重要のプロジェクトと位置づけ、事業化の決断をいたしているものでございます。御理解を賜りたいと存じます。  そのほかの御質問に関しましては、関係の局長から答弁をいたさせたいと存じます。  以上でございます。 34: ◯健康福祉局長(佐藤直敏)介護保険制度に関する御質問にお答えいたします。  まず、基盤施設の整備についてでございますが、御指摘のように、平成十一年十月一日現在の待機者は六百八十人となっておりますが、このうち在宅の待機者は百五十二人でございます。これに対しまして、施設の整備状況といたしましては、平成十二年度の早い時期に特別養護老人ホームそれから老人保健施設合わせまして二百五十床、平成十二年の年度末にはさらに両方合わせまして二百五十床と、合わせて五百床が整備される予定となってございますので、在宅の待機者についての対応は可能というふうに考えております。  なお、要介護者が今後も増加することが見込まれますので、各種基盤の整備につきましては計画的に進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  次に、ホームヘルプサービスについてでございますが、現在は仙台市在宅福祉サービス公社と民間事業者八社でサービスを提供いたしており、常勤、非常勤の多様な雇用形態のホームヘルパーを確保し、さまざまなニーズに的確に対応いたしておるという状況でございます。さらに、介護保険制度下におきましては新たな事業者の参入も見込まれますことから、今後のニーズの伸びに対して十分な対応ができるものというふうに考えております。  なお、在宅福祉サービス公社や民間事業者、さらには今後参入いたす事業者がそれぞれの特性を生かしてサービスを提供いたすことにより、市民に満足いただける良質のサービスを安定して確保できるものというふうに考えておるところでございます。  次に、低所得者対策についてでございますが、保険という制度であります以上、低所得者への一定の配慮がなされておりますことを考え合わせますと、ある程度の負担をいただくことはやむを得ないものというふうに考えております。  また、介護総費用に占める国等の負担のあり方につきましては、制度施行後五年を目途といたしまして、制度全般にわたって検討がなされているということになっておりますことから、そうした中で必要な意見を申し述べていくべきものというふうに考えておるところでございます。  最後は、条例案に対します提案についてでございますが、介護保険制度の施行に当たりまして本市で定めるべき事項を盛り込んだ条例案を、平成十二年度第一回定例会に御提案できますよう準備を進めておるところでございます。その詳細につきましては、介護保険法その他の関係法令の内容や、国、県との役割分担等を考慮いたしながら、これから検討を深めてまいるものでございますが、現時点におきましては、御提案がありました運営協議会やオンブズパーソンの設置につきましては予定いたしておらないところでございますので、御理解いただきたいと思います。  以上でございます。 35: ◯都市整備局長(谷澤晋)東西交通軸につきまして、市長が御答弁申し上げた以外の御質問にお答えを申し上げます。  まず、建設費でございますけれども、これにつきましては、これまでも東西交通軸促進のための調査特別委員会の方で、逐次資料を御提出申し上げながら詳しく御説明をしているとおりでございます。この中で、先例でもあります地下鉄南北線でございますとか、他都市の事業実績等も参考にいたしまして適切に試算をしているものでございまして、私どもとしては十分妥当なものであるというふうに判断をしております。  総合交通施策の取り組みについてのお尋ねでございますけれども、アクセス三十分構想におきましては、議員がいろいろ御指摘になられましたような本市が抱えるさまざまな交通問題に総合的に対処するために、東西線整備ばかりではなくて、既存の軌道系交通機関の機能強化でありますとか、交通需要管理等を基本的施策に掲げておりまして、具体的には、幹線道路の重点整備、あるいは既存駅へのアクセス道路や駅前広場の整備、バス路線の再編、交通実験等に積極的に取り組んでいるところでございまして、これらの施策を有機的に結びつけ実施することによりまして、市長からも御答弁申し上げましたように、過度に自動車に依存しない公共交通を重視した総合交通体系の形成を目指していくものでございます。  以上でございます。 36: ◯十三番(花木則彰)再質問をさせていただきたいと思います。  まず、介護保険についてです。  健康福祉局長は、特別養護老人ホームについての私の質問に対して、特養その他の老人保健福祉施設を合わせての計画で対応するんだという御答弁だったと思いますが、これでは答えにはなっていないのではないでしょうか。今在宅で実際に待たれている方が百五十二人いらっしゃる。この方々が入れるだけの特別養護老人ホームは、少なくとも徴収延期になっている間に整備してはどうかという問いですので、ぜひはっきりと答えていただきたいというふうに思います。  また、負担軽減等について、五年間、この後の見直しをするので、そのときに申し述べていくんだというお話をされておりましたが、これは市長にお伺いしたいのですけれども、先日、参議院の国民福祉委員会で参考人が呼ばれました。全国市長会で介護保険問題を担当している社会文教分科会の委員長さんが御出席なされて、そこで御発言をされております。  これは主には国の特別対策に対していろいろな批判、御要望を述べられたものだったのですが、中でも、一時的な施策ではなくて恒久対策をとってほしいと述べられております。そして、その具体的な中身として、高齢者の保険料、利用料の軽減策について、それからサービス基盤の整備について、そしてこれを実施するために、公費の負担の的確な処置について万全の処置をしていただきたいという要望をされております。これは、市長の第二回定例会での発言の方向と同じ御意見ではないかと思うのですけれども、実際に制度が始まって五年間たってから直すんだということではなく、制度が始まる今の時期、特に見直しが行われようとしている今の時期にしっかりした発言を行っていくことが必要なのではないでしょうか。  東西線問題につきましては、これで十分安心できる試算だというふうに局長は言われましたけれども、先ほど述べましたように、どうも不安なのです。これは市民も含めて不安なのだと私、思っているわけです。特にいろいろな仮定の積み上げの上で、これで何とかなるんだという議論の仕方、そして、それがどうしても都市のつくりのためには必要なんだというような言い方というのは、逆に言うと、やはり東西線ができないと交通問題は解決できないという、今の現実の問題の先送りになるのではないかという質問なのですけれども、それについてお答えをいただきたいと思います。  以上です。 37: ◯市長(藤井黎)市町村の介護保険に対する公費負担の関係でございますけれども、全国市長会におきましても当初からこの問題につきまして議論をいたし、大方の希望値ができるだけ各市町村での負担が少なくなるように、こういうことで一貫して国に申し上げてまいったところでございます。  しかしながら、残念ながら今のようなシステムになったわけでございまして、今からということについては、難しい時期にあるのではないかというふうに思いますし、やはりこれからフォローしていく中におきまして、引き続きそれらの修正すべき点は修正をするように働きかけていく、その運動の意思は市長会としてもまだつないでいけるものであろうというふうに思いますし、その折に私もその中で努力をしてまいりたい、こんなふうに思っております。  以上でございます。 38: ◯健康福祉局長(佐藤直敏)私からは、介護基盤の施設整備の関係についての第二問にお答えいたします。  先ほど老人保健福祉施設を含めてということでお答え申し上げましたのは、来年の四月から老人保健施設の運用という中で、現在のように短期で対処するというようなことではなく、特別養護老人ホームと同じように長期間の入所が可能というような形で、特養とおおむね同様の運用を図っていくというふうな国の現在の検討状況がございます。そういった中で、現在こういった施設の有効活用ということで考えますと、この辺については、特養一本やりの視点の考え方というのは、現時点ではちょっと問題があるのではないかというふうに私は考えております。  以上でございます。 39: ◯都市整備局長(谷澤晋)再度の御質問にお答えを申し上げます。  建設費のことについての御不安な点につきましては、私どもはあくまでも自信を持って算出している、こういうふうに申し上げる以外ないのでございまして、今後、調査というのは段階がございまして、より具体的に今後調査をしていくわけでございます。そういった中でもそう大きな差は出てこないというふうに私どもは思っております。  それから、おっしゃるようなさまざまな部分的な渋滞の対応といいますか、そういうことだけではとてもこの大きな交通渋滞問題は解決できないということで、アクセス三十分構想を打ち出し、基本計画の中で申し上げておりますように、軌道系というものを基軸にして、道路系の幹線道路との有機的なネットワークで交通体系を構築していかなければならない、そういう時代に来たんだということで、その中で東西線というのが非常に重要な役割を担う骨格交通だということを再三申し上げているわけでございまして、この点についてはよくよく御理解いただきたいと存じます。 40: ◯十三番(花木則彰)では、健康福祉局長にだけお伺いいたします。  聞いているのは、位置づけの問題ではなくて、先ほど御答弁なされた来年度前半で二百五十床、後半で二百五十床というのは、全部合わせての数を言われたので、特別養護老人ホームについては一体どうなっているのかということでお聞きをしています。よろしくお願いします。 41: ◯健康福祉局長(佐藤直敏)この五百床のうち、特別養護老人ホームにつきましては二百床というふうに考えておりまして、少なくとも若干のおくれは生ずるかもしれませんが、現在の待機者百五十二名という形の部分についてもクリアできるのではないかと思っておるところでございます。             ━━━━━━━━━━━━━━ 42: ◯副議長(秋山幸男)お諮りいたします。本日の会議はこの程度にとどめ、延会したいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 43: ◯副議長(秋山幸男)御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  なお、本会議は、明日定刻再開の予定であります。  本日は、これをもって延会いたします。     午後四時二十分延会...