8:
◯渡辺博委員 ことしから始まることなものですから、これからに期待をしたいと思います。伺いましたのは、これまで準備があったわけですから、どれほどの心構えで取り組まれたのかなということをお聞きしたかったからでございます。大いに期待したいと思います。
それで、これは
仙台市民はもちろん周知なわけですけれども、館長には
井上ひさしさんをお迎えしてあるわけでございます。名誉館長ではなくて館長だったと思いますけれども、
井上ひさしさんがいいとか悪いとかということではなくて、どのような経過で
井上ひさしさんが選ばれたのか。また、大いに役割を期待してと思いますけれども、どの程度館長として責任を担われておられると考えたらいいのかということをお聞かせいただきたいと思います。
また、逆に仙台市としてどの程度の役割を期待しているのかということもお聞かせいただきたいし、差し当たりの任期をどの程度に考えておられるのか。その点をまずお聞かせいただきたいと思います。
9:
◯市民局長 井上ひさし文学館長についてでございますが、文学館の館長といたしましては、仙台にゆかりがあって、また高い文学的な見識を備えた、そして全国的な文学館の顔としてふさわしい方にお願いいたしたいということで種々検討いたしました結果、仙台で青春時代を過ごされ、また日本を代表する作家のお一人でもあるということで
井上ひさしさんが最もふさわしいということでお願いし、お引き受けいただいた経過でございます。
井上館長の文学館についての考え方につきましては、さまざまな市民の皆さんが集い、そこで気持ちが安らぎ、多くの書物や貴重な資料を通して仙台が生んだ
文学者たちの生き方に触れながら、自分の中に隠れている個性を引き出す魂の休憩所あるいは
引き継ぎ所と、こういった館になることを目指したいということでございました。
また、
仙台文学館の館長に期待している役割といたしましては、高い文学的な見識から、館の事業の基本計画など、運営上特に重要な事柄につきまして方向を示していただき、市民や全国の
文学ファンに親しまれる施設となるような御指導を期待しているというところでございます。
任期につきましては、特に定めてございません。
10:
◯渡辺博委員 館長はやっぱり文学館を代表する顔になるんだと思います。
井上ひさしさんといういろいろな意見がある方ですが、私は個人的に親しみを持っている人ですけれども、そうでない方もいるかもしれない。しかし、いわゆる文学界の中にさまざまな人脈を持っておられるということで、私は適任ではなかったか、よくお引き受けいただいたなと思う立場でございますが、心配をするのは、館長の運営に取り組む考え方はとても高尚ですばらしい考え方でございますけれども、設置者は
仙台市長になるわけです。例えば、市長を代表とする設置者側と館長との意思のそごというんでしょうか、言ってみれば意見がぶつかり合うようなこと、事文学に関してはないようでいてあるいはあるかもしれない、もしかすると激しい衝突があるかもしれないと私は思う立場なんですが、そういう場合はどういう対処の仕方を考えておられるんですか。始まったばかりのものについてこんな質問をするのは杞憂に過ぎるかもしれませんけれども、参考のためにお聞かせいただきたいと思います。
11:
◯市民局長 館の運営に関して、設置者と現実の館長の意見の相違ということでの御心配があってのお尋ねと思いますが、館長をお願いするに当たりましては、先ほど
文化振興課長が御説明申し上げましたような文学館に対する仙台市の基本的な考え方を御説明し、それに御理解をいただいた上でお引き受けいただいております。また、就任後も館の運営につきましてはいろいろ御相談しながら進めておるということで、特に意見の違いというような心配はなかろうかと感じております。
12:
◯渡辺博委員 それであればよろしいんですけれども、あくまで設置者は
仙台市長である、市民の財産であるということでございます。館長に大いにらつ腕を奮っていただく──らつ腕というのが適当な言葉かどうか今自信がありませんけれども、大いに見識を示していただく、その力を発揮していただくということは大事だと思いますから、あくまで仙台市の文学館であるということでの主体性というのをきちんと持っていっていただきたいと思うところでございます。
質問するに当たって、私も文学は好きな方なんですけれども、乱読をした時期は
青少年時代でございまして、最近はかなりジャンルが偏った読み方をしております。こういう席に立つのもいささか分不相応だなと思いながら立っているんですが、我が仙台はいわゆる文学者ばかりではなくて本当にたくさんの文化人が生まれ、あるいはこちらに集まって活躍をした、あるいは通過点としてここにとどまって大きな足跡を残された、あるいは中央に行って
仙台時代を踏まえた活躍をされたといいますか、そういう歴史を持っておるところでございます。ここに「仙台市の歴史」から抜粋したのを見ても、哲学者の
阿部次郎先生を初めとして、宗教史学の
石原謙先生、
中国文学の青木先生初め、本当に私ども耳では聞いたけれどもよく知らない、しかし世界の台頭みたいな方たちがたくさんいらっしゃいます。工学部の基礎を築かれた
本多光太郎先生もそうですし、さまざまな科学者もいらっしゃいます。
教育者吉野作造、
志賀潔先生もいらっしゃるし、本当に国の最高の栄誉である
文化勲章を受けておられる方もたくさんいらっしゃるわけでございます。
近代史の両雄と言われた晩藤時代と後世評価される
土井晩翠、あるいは
島崎藤村のような方たちも仙台で生活をされた、あるいは
文学活動をされたということを我々は大変誇りに思っていいのではないかと思います。時代のせいか、
デジタル化が進んで、なかなか
土井晩翠とか
島崎藤村とかの作品に触れる人たちというのか少なくなってきた、限られてきたと言われるわけですけれども、仙台にゆかりのある方たち、文化人、文学者、さまざまな分け方がありますけれども、そういう方たちに対してこの際光を当てていくことが大事ではないか。それを市民の共有の
文化的財産にしていくとでも言ったらいいんでしょうか、そういういい機会が
仙台文学館の開館されたこの時期ではないかと思います。そういう意味では、仙台市はいわゆる
文化行政に対する新しい時代を迎えているように思います。
心配なのは、文学館の中でだけそういう活動が行われてしまうということ、つまり閉ざされた
文化活動になることを私は心配する立場でございます。文化人、文学者は市民として、あるいは旅人としてでもいいんですけれども、仙台市という大きなフィールドの中で生活をされておったわけでございまして、そういう生活の痕跡というのを我々は身近に感じる必要があるのではないかと思います。それがまたそれぞれの新しい文学にしろ文化にしろ、目を開いていくこと、関心を持っていくことにつながっていくことを期待しているということで申し上げるんですけれども、しかし今申し上げたようなことを考えると、痕跡の残っている方もいらっしゃれば、残っていない方もいらっしゃいます。例えば、晩藤時代、
日本近代史を開いたと言われる
土井晩翠さんについては晩翠草堂を中心にございますけれども、晩翠賞という──これは藤井市長が大変力を入れて、世界的なというにはまだ早いのか、日本的な賞にした晩翠賞というのもございます。しかし一方、同じ近代詩でも叙情を中心にした新しい詩の形態をつくった
島崎藤村については、その痕跡さえもないわけでございます。しかも、
島崎藤村は仙台7カ月弱、1年足らずの滞在でしたけれども、東京に戻ってから若菜集という今申し上げた新しい時代をつくる詩集を発刊しているということがあるわけです。
島崎藤村に限らず、世界から見て、日本から見て仙台というのはすごいところだ、そういう歴史を持ったところだという評価があるにもかかわらず、我々はそれを当然のように、空気のように、余りにも身近過ぎて評価をしないというところがあるのではないだろうかと思っております。
大変くどい前置きになりましたけれども、そういうゆかりの人たちを我々市民の身近な存在としてもう一度光を当てる、あるいは見直すという意味で、もう一度歴史を検証し直すとか、あるいは具体的に言えばゆかりの地を発掘をして整備をするとか、そういうことを始めてみたらいかがかなと今思っているところでございますけれども、いかがでございましょうか。
13:
◯市民局長 文学館は、文芸、詩歌、小説等の文芸分野の拠点となる施設でございまして、特にお話のように仙台市が明治以降多くのすぐれた文人たちが集い、そしてその芸術を芽吹かせてきた場所でもあると。こういった文芸風土を踏まえて、継承、発展させていくという意味で、
文化行政における大きなエポックメイキングになるものと考えております。
そういうことで、仙台市におきましては文学者が居を構えたり、活動を行った場所、あるいは作品の背景となった具体的な場所などが数多く存在いたしております。特に、戦後の
まちづくりの中でそういう
文学遺跡が失われ、あるいは見えなくなったというケースもございますが、そのようなものの掘り起こしも含めまして、このような
文学史跡というべき場所につきまして
案内マップを整備したり、あるいは散策の
モデルコースを設定するなどといったことも
文学館活動の一環として大変重要な意味を持つものと考えております。今後強力に進めてまいりたいと考えます。
14:
◯渡辺博委員 このことにつきましては、1年ぐらい前の本会議で市長と
質疑応答をしたときに、市長からも屋根のない文学館というイメージでの御答弁をいただいた記憶がございます。文学者あるいは文化人を一つの器の中に閉じ込めてしまうのではなくて、広く市民に開放するというか、ちょっとうまく言えないんですけれども、それが
先ほど説明をいただきました市民に身近な文学館として発展をさせていくことにつながっていくと思いますので、よろしくお願いいたします。
一知半解で申し上げますけれども、大急ぎでことしの
夏ヨーロッパを何カ国か通過してまいりまして改めて感じたのは、やっぱりどんな小さな町でも歴史と文化を誇りにしているということでございます。我々外国から行った者が案内されるのはそういうところでございます。物珍しさばかりではなくて、我々はその歴史と文化を大事にする風土、国民性に敬意を表する、そういう気持ちが生まれます。
我々仙台市も仙台市から情報を発信するということでさまざまな施策にその視点を置いておるわけですけれども、世界から見られるとすれば、やっぱり仙台市が文化、歴史、伝統をどう大事にしているのか、どういうものがあってどう大事に育てているのか、守っているのか、そういうことが仙台市を評価する大事な尺度になっていると私は思います。そういう点で仙台市をもう一度見直していくことがこの
文学館開館一つで終わるのではなくて、大事なことだと思っておりますので、要望として申し上げさせていただきたいと思うところでございます。
それではもう一つ、今度は本当に市民に身近なことなんですが、市政の根本にかかわることにつながるのではないかという観点からの質疑をさせていただきたいと思います。
まず、またかと言われるかもしれませんけれども、仙台市警察が
宮城県警本部に設置されて
平成元年政令市がスタートをしたわけですけれども、昨年度
市警察部が自主的に独立をして、仙台市が抱える都市問題について真正面から取り組んでくれるという時代になったと認識しているところでございます。それででございます。余計な話ですけれども、政令市になぜ
市警察部が設置されているのかということについてもう一度確認をしたいと思うんですけれども、その目的あるいは法的根拠についてまず御説明をいただきたいと思います。
15:
◯市民生活課長 仙台市警察部が設置される法的根拠及び目的についてのお尋ねでございますが、警察法第52条第1項に「指定市の区域内における
道府県警察本部の事務を分掌させるため、当該指定市の区域に
市警察部を置く」と規定されているところでございます。
16:
◯渡辺博委員 今、目的説明をいただきましたが、その辺をもう少しお聞きしたいんですけれども、
大都市特有の諸問題に的確に対応していくために設置されているという認識を持っておりますけれども、仙台市御当局として
大都市特有の問題というのは具体的にどういう問題だと認識されておられますか。
17:
◯市民生活課長 いわゆる
大都市特有の諸問題という観点でございますけれども、人口の集積とともに、膨大で多様な経済活動あるいは文化、
娯楽活動等が営まれることに付随しまして、交通事故あるいは渋滞等の交通問題、また凶悪犯罪や風俗関係の犯罪など、さまざまな犯罪が発生することなどが挙げられるものと考えております。
18:
◯渡辺博委員 それででございますけれども、この問題については同僚議員もそうでしたけれども、私も数回にわたって質疑をしてきました。いわゆる専任化について重点を置いてきたわけですけれども、政令市になってその統計を見ますと、例えば今お話がありました
防犯関係につきましては、検挙率が極端に下がってきているという問題があります。市域が広くなったということもあるんだと思いますけれども、政令市になって
市警察部ができて、諸問題に的確に対応して
一つ一つ解決をしていくということが達成されていない、目的が達成されていないという問題意識を私は今でも持っているところでございます。しかしながら、昨年度専任化になって、独自に仙台市と連携をとりながら的確に対応できる体制はできたわけで、これから期待をしたいと思っているわけですけれども、昨年度
市警察部と仙台市とどのような協議をされてきているのか、どういう行動をしてこられたのか、あわせてお聞かせをいただきたいと思います。
19:
◯市民生活課長 昨年度の本市と
市警察部との
協議事項等についてでございますけれども、本市と
市警察部との間で
連絡会議というのを設けてございます。その
連絡会議における
協議内容等について申し上げますが、主なものとして5項目ほど挙げられるかと存じます。
まず第一に、警察署及び交番の新設等に関して協議を行っておりまして、若林区警察署の設置も要望しているところでございますけれども、これにつきましては要員の確保等の観点から困難との見解が示されておるところでございます。しかしながら、若林区内の
安全対策強化のため、本年4月に若林区
中央幹部交番が設置されております。このほか、六郷交番の人員増などの対応が図られているところでございます。
また、第2点目といたしましては、バスの
定時性確保に向けた
バス専用レーンの拡大等についても協議してございます。
専用レーンの拡大については、全体計画の中で検討していくということになっておりますけれども、具体的な取り組みとして本
年度バスレーンクリーン作戦が警察との連携の中で実施されているところでございます。
第3といたしまして、
違法駐車対策でございますが、これにつきましても協議をいたしておりまして、
取り締まりの強化、さらには仙台駅前
クリーンロード対策等が講じられております。このほか、本市の
交通安全指導員と連携いたしました
違法駐車抑止システムの活用や警察官の同行などが実施されてきているところでございます。
第4といたしまして、
ピンクチラシ等の排除対策でございます。まき屋の逮捕など、
取り締まりを強化するとともに、関係団体と連携して国分町等の
クリーン作戦を実施いたしております。
また、第5に児童の登下校時の安全確保についても協議をいたしておりまして、
子ども110番の設置促進がなされ、約1,800カ所設定されてきておるところでございます。
20:
◯渡辺博委員 着実に効果を上げつつあると理解をし、期待をしたいところでございます。
今までの経過を振り返りますと、
平成元年市警察部ができて、兼務で長くきたと。仙台市の我々の代表である市長と県警本部との交流さえなかった、そういう時代が長く続いたわけですけれども、今現在はそれも行われるようになってきている。年1回必ず会議には出ていただいているそうでございまして、まず大変そういう意味では隔世の感があるなと思っておるところでございます。
結論を言うようなことになりますけれども、かつて仙台市と宮城県の
事務連絡会議でそうであったように、お互いに言いっ放しということではなくて、お互いの要望をそれこそ出し合って、予算も含めてお互いの努力で解決をしていくと、私はこれからはそういう会議であってほしいと期待をしているところでございます。
大変具体的な質問になりますけれども、我々に身近な団体の一つとして
交通指導隊と
防犯指導隊──我々の地域では
防犯実働隊というんですけれども、指導隊に改めつつあるということでその辺も聞きたいんですけれども、
防犯指導隊、
交通指導隊についてお聞かせいただきたいと思います。
まず、
交通指導隊と仙台市との関係について。それから
地域防犯協会と
防犯指導隊、これは一体になっているわけですけれども、それと仙台市との関係をそれぞれ御説明をいただきたいと思います。
21:
◯市民生活課長 まず、
交通指導隊についてでございますけれども、
交通指導隊は仙台市
交通指導隊条例に基づきまして、市長が委嘱いたしておるものでございます。地域における交通安全の確保に向けた街頭活動、地域イベントにおける交通指導、あるいは学校における安全教室での指導等を行っているものでございます。
それから、
地域防犯協会及び
防犯指導隊についてでございますが、地域の特性に応じた自主組織でございまして、防犯に関する啓発活動等を行っております。仙台市といたしましては、側面的に運営補助を行いますとともに、連携をとりながら地域安全運動を推進しているところでございます。
22:
◯渡辺博委員 交通指導隊は条例があると。
防犯指導隊はそうでないということのように私は理解をしておるんですけれども、私たち市民の立場で物を考え、感じますところから申し上げますと、
交通指導隊あるいは
防犯指導隊は、それぞれ役割は違いますけれども、同じ重さで市民生活に大変かかわり合いを持っているということを感じるわけでございます。
しかし一方、外見から見てもそうですけれども、かなりの差がある。指導隊は条例で支えられているものですからそうなんだと。
防犯指導隊はそうでないからということでは済まされないものを実は感じておるところでございます。前にも触れましたけれども、例えばユニホームを見てもみんなばらばらです。ユニホームの調達方法もまたそれぞれ違う。それから、万が一の生命にかかわるようなことに対するものも、それは市民のボランティア保険ということでのサポートはありますけれども、しかしそういう全体の中での位置づけしかされていない。言ってみればワン・オブ・ゼムですね。その他大勢の位置づけしかされていないような印象を私は持っておるんです。
お聞きしたいんですけれども、
交通指導隊と仙台市の関係というのは条例があるのできちんとしたやりとりがあると思いますけれども、例えばどういう問題提起、要望が出ているんだろうかということ、それに対しどういうふうにこたえているのか。それから、防犯協会、
防犯指導隊からはどういう要望が出て、仙台市としてはどういう対応をしているのか、まずお聞かせをいただきたいと思います。
23:
◯市民生活課長 交通指導隊及び
防犯指導隊、それぞれの観点からの問題提起の状況についてでございますけれども、
交通指導隊の運営に関しましては、指導隊長会議等によりまして意思疎通を図りながら行っておるところでございまして、そういった会議の場を通しましても、隊員からの特段の問題提起、要望といったものはございません。
一方、防犯協会の関係でございますけれども、
地域防犯協会、
防犯指導隊等を包含する地区防犯協会連合会及びそれらを束ねました仙台市防犯協会連合会につきましては、仙台市が運営補助を行っておりますものの、基本的には自主的な運営による公益的な任意の団体と理解しております。理事会等には市側も参加いたしておりますが、意見交換の場で、例えば広報や財政的な面でさらなる支援を求められるといったこともございました。また、活動時の災害補償の観点から条例化をというようなことを求められたこともございましたけれども、災害補償の観点からの条例化につきましては、市民活動保険の適用を受けておりますことから、そうした問題はクリアされているものということで、現時点では特段の問題提起はないものと理解しているところでございます。
24:
◯渡辺博委員 それでお伺いいたしますけれども、特に今御説明をいただいた以外のことについては要望がないという御認識のようでございますけれども、私ども生活する立場で地域に戻る、あるいは市民の皆さんと同じ市民同士で意見を交換する際に感じることは、かなり大きな問題があるにもかかわらず、それが届いていないのではないかと懸念を持つ、そんなふうな立場でございます。
それでまずお聞きしたいんですけれども、組織図を見ますと、仙台市全体で防犯協会連合会というのがございます。いただいた資料を読み上げますと、名誉会長が
仙台市長になっておられるわけでございます。理事が市民局長と教育長、それから5区の区長、そして専務理事が生活文化部長渡邉さんになっておられる。幹事はミキ幹事と。事務の大事な役職は仙台市が担っているわけでございますけれども、私の立場でいうと、名誉会長が
仙台市長がなっておられることに大変重さを感じます。前にも触れましたけれども、たしか地方自治法で
仙台市長は
仙台市民の生命の安全についてその責任を負うという定めがあるはずでございます。これは法によれば、旅行者に対しても
仙台市長は責任を持っているということでございます。意味を感じるというのは、この防犯協会連合会の名誉会長に市長がおなりになっていること、名誉という名前はついておりますけれども、そういう認識のもとに多分お引き受けになって、役割を担っておられるんだろうと私は善意に解釈をして、そういう観点から質問させていただきたいと思います。
私は民間の方が実質的な会長になっておられると聞いておりますけれども、やはり
仙台市長は市民の生命の安全を守るという法的な責任からも、もう少し実情を把握されるような努力をされていっていいのではないかと、そういう認識を持っておるところでございます。しかし、防犯協会連合会の会合の様子を聞きますと、今御説明いただいたようなことで、何か問題がないようだと、財政の問題と広報の問題とかその程度しか出てこない。その他について出ませんかというと、どうも末端の単位防犯協会で抱えている問題はたくさん、しかも重要なものがあるようですけれども、それが伝わっていないという思いをしておるところでございます。
それで、提案でございますけれども、
仙台市長のそういう法的な立場からいっても、事務局の皆さん方はもっと単位防犯協会の実情を把握するための努力をされていいのではないかと私は思っておるんです。今までしてきましたかとは聞きません。これからさらに把握をするための努力をされて、そして防犯協会、
防犯指導隊あるいは実働隊の皆さん方がもっと十分な活動ができる環境をつくっていく、これが大変大事な仙台市の役割ではないかと思っているのでございますけれども、いかがでございましょうか。
25:
◯市民局長 防犯協会につきましては、警察を中心にして市と、それから地域が一体となって地域の安全を確保していくといった中で日夜御苦労いただいておるわけでございまして、私どももそういう組織的に地区単位あるいは区、全市とまとまってきた意見が全体を集約し、代表しているという考えに立ちがちでございますが、いろいろ地域なりに悩みもあろうかと思いますので、ぜひ地域の声を直接伺えるような方策を工夫してみたいと考えます。
26:
◯渡辺博委員 ぜひしていただきたいと思います。これはまたひんしゅくを買うかもしれませんけれども、やっぱり我々の仕事というのは市民生活と本当に身近なところ、一体のところにその存在意義があるんだと思います。仙台市の行政というのはそういうものだと思いますし、我々市議会議員も天下国家を憂える気持ちを持ちながらも、しかし仙台市議会という立場の中では市民生活に身近な問題にまず大いなる関心とその解決に努力を向けていくことが議員の存在価値だと思っております。そういう意味では、組織を通じて上がってきたものを、精選されたものを上部団体が検討していくことも大事ですけれども、と同時にそれの裏づけが一体どこにあるのか、その根拠がどこにあるのかということを政策決定者の皆さん方は自分で直に確認をしていく、漏れているものはないかという点検をしていく、こういうことが仙台市行政全体に必要なのではないか。机の上で仕事をするだけでは私はだめだと思っている立場でございます。もっとそれこそフィールドに出て、歩いて意見を聞くという姿勢が仙台市に今さらに必要とされているのではないかと私は思っているところでございます。
ちょっと結論を急いでしまったんですけれども、そういう点でもう一つ大事な触れなくてはならないことがございました。自転車の問題でございます。これはことしの3月の予算議会でも触れまして、あと1年我慢すればよかったんですけれども、見るに見かねてもう一度質問させていただきたいと思います。3月の予算議会でこの件についてお聞きしたところ、市民局長から例えば
市警察部との
連絡会議の中で自動車の違法駐車については話し合ったけれども、自転車については議題になりませんでした、話をしておりませんということの御答弁がありました。今年度になって議題の中に入れていただいたという御説明をいただいておるわけでございますけれども、しかし今まで違法駐輪については法的な責任もあって莫大なお金を通じて駐輪場の整備をしてまいりましたけれども、自転車を扱う立場でのさまざまな問題についての対策を我々仙台市が余りしていなかったということは大いに反省すべきことではないかと思っております。
もう一度繰り返しになりますけれども、私の調べによりますと防犯登録をした自転車だけで43万台を超えております。いわゆるバーゲンセール、安く自転車を売っているお店の販売した台数というのはこれに入っていないんだそうで、推定ですけれども2倍だろうと。80万台くらい仙台市には自転車があるのではないかというお話でございます。しかも、平成10年度の事故をもう一度繰り返して申し上げますけれども、警察に届けられたものが902件あって4人亡くなっている。けがをした人が978名。これは警察が取り上げただけです。これも推定ですけれども、実際は警察に届けられないものを考えればその2倍になっているのではないかということが自転車にかかわる人たちの間では常識になっているということでございます。
市長を初め職員の皆さん方も御経験があると思います。我々は日常経験しているわけですけれども、無灯火あるいは本来左側通行であるのに右側通行、一時停止をしない、そんな自転車がそれこそ老いも若きも仙台市内を走り回っているわけでございます。お聞きしましたら、警察はそれなりの指導をしておるようでございますけれども、現象から見ると効果が全く上がっていないと、そんな状況が今の仙台でございます。この自転車の問題については余りにも身近過ぎて、昔風で言えば自分のげたか草履みたいな感じになっているものですから、余りにとんちゃくがなさ過ぎると。我々が子供のころは無灯火とか二人乗りなんていうのは違反だということを子供心にわかっていたんです。それでも隠れてやった。それで、見つかればしかられたと、地域にそういうものがあった。今は全くそれがなくなってきているんです。これは時代だからあきらめろというには余りにも命にかかわる問題でありますだけに、これはやっぱりみんなの知恵を集めて取り組むべきものではないか。ときには厳しい規制をしなければならないこともあるだろう。ときには中長期的な感じで自転車にかかわるモラルというものを育てていくということが必要なのではないかと思います。
これは事は自転車ばかりには限りません。遵法精神、社会のルールを守る、社会のルールを認識してみんなで決めて、そして守る遵法精神につながる。これは本当に大きな社会運動ではないかと私は思っているところでございます。そういう点で、今までのことはともかくとして、この間も言いましたが自転車文化というんですか、こういうものを創造していく、もう一回再構築していくために、やっぱりもう一度全市的にお考えをいただきたい。宮城県警、
仙台市警察部とも連携をとりながら、遠回りのようでもしかし着実な方法を考えていくべきだと思っておりますけれども、実務、現場の責任者として市民局長の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
27:
◯市民局長 前にも申し上げましたが、自転車というものは環境にも優しいし、それから交通渋滞もなかなか起こさない。身近な乗り物ということで大変都市交通の中でも将来とも大きな役割を担っていくべきものと思っておりますが、一方でそういうこともございまして、身近過ぎてついルールを無視した使い方、使われ方がされているといった面もあろうかと思います。私どもといたしましては、これまでも交通安全教育の中で正しい乗り方の啓発に努めてきたところでございますが、やはり関係部局、関係機関等との連携の中でこういう運動を広げていかなければならないという気がいたします。
例えば、交通安全教育面では教育委員会と連携をとるとか、あるいは警察関係機関とも連携をとりながら具体の運動を展開していきたいと考えております。
28:
◯渡辺博委員 ぜひ努力をしていただきたい。我々の問題でもありますので、私も私のできることを考えて実行してまいりたいと思っております。世紀末と言われて、世の中がおかしいのは当然みたいな雰囲気もあります。しかし、言葉に振り回されるのは愚の骨頂だろうとも思っているんですけれども、ことしがすべてのスタートだという気持ちを持つことによって、新しい歴史をみんなでつくっていきたいと思います。
先ほど私たちの仕事についての自分の見解を申し上げました。市民に日常起こる問題の解決のために、我々は選ばれてこの議会に出していただいている。そのことに努力するのは当然ですけれども、しかし一方なぜそのことが起きるのか、そういう問題が市民生活に起きるのかということから全体を見ていく、構造的な問題があればそれを解決していくということもまた私たちの大事な役割だと思っております。そんなことを考えておりまして、何か適当な言葉をと思っていたんですが、文学問題から始まったものですから最後はちょっと文学で締めたいと思っておりまして、チェーホフの「三人姉妹」の中から適当な言葉がありまして、ここでちょっと申し上げたいと思います。「この世でつまらないささいなことが、ふとしたはずみで我々の生活に重大な意味を持つことがままある」。ささいだと思っていることが重大な問題につながるということです。これはチェーホフの「三人姉妹」の中で男爵トーゼンバフという人がいるんだそうですが、彼が言っておるわけでございます。本当に重大な出来事、変化には必ず原因がある、遠因がある。それは最初はささいなことに思えるけれども、それが本当にだんだんと積み重なって我々人の力ではとても押しとどめられないような問題になっていってしまうということだと思います。
自転車の問題は本当にささいなことのように思えるかもしれませんけれども、これをほうっておきますと我々が社会生活を営んでいくための基盤に大きくかかわっていくのではないかという心配をいたします。さっきも触れましたけれども、やっぱりルールを守る、遵法精神を育てていくと、これは本当に最低限のことですが、それにかかわっていくことになっていくということでございます。
そういうことで、もう一つ申し上げたいんですけれども、やっぱり政策を決定する責任にあるポストの方たちというのは、現場をよく知っていただきたいと思います。ただ、組織を通じて上がってくることで物事を判断するばかりではなく、ときには現場を歩いていただいて、現場の声に耳を傾けていただく、これが仙台市の仕事の根本なんだと思います。官僚制というと何かあしき制度のように言いがちです。私もそういう使い方をしてしまいますけれども、中央の官僚制を批判しながら我々自身が官僚制になっていないかどうかということも常に自戒をしていくことが大事だと思っております。
挙げれば切りがなく幾つも挙げられるんですけれども、例えばごみゼロ、5月30日にいよいよポイ捨て条例、いわゆる散乱ごみのないまちをつくるための条例がスタートしましたけれども、一体どこが頑張っているか。これは仙台市全体の問題であるにもかかわらず、環境局と一部にしか見えないんです。これは全体の問題だと思うんです。しかし、あれは環境局だよねと遠巻きにしている局がないだろうかという懸念を私は持っております。いろいろな御意見があると思いますけれども、私は一市民の立場で本当に大海の水を耳かきでかくような本当に小さな了見かもしれませんけれども、しかしそういうふうに見える場合もあるわけでございまして、釈迦に説法かもしれませんけれども、市民のために本当に役立つ行政、そしてそのために働く我々議会であるためには現場を知るということを大事にしていきたいと、行政には特にお願いをしていきたいなと思うところでございます。
仙台市の人事は適材適所ということでお進めをいただいておりますので、そのように理解をしたいと思っておりますけれども、ポストに座ったからその道の専門家では決してないと思います。むしろ専門家であればあるほど現場を見るものだろうと私は思っております。決算というこの議会の中で──釈迦に説法かもしれません。何度も申し上げますけれども、このことを責任者の皆さん方にぜひお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
29: ◯
柳橋邦彦委員 この決算議会から区長もお出になられまして、後ほど機会があれば区長たちの御感想なども聞いてみたいななんていう気持ちもむずむずしているんです。
せんだって定禅寺のジャズフェスティバルがありまして、多くの市民、全国からも多くの方々が駆けつけて演奏もし、また市民も大勢参加して、この議会の議員あるいはまた御当局の方々の中にもそれぞれ出演をなさって大いに仙台市の点数を稼いだ方々もいらっしゃるわけですけれども、仙台は昔から七夕ということで大きなイベントは一つととらえられてきたんですけれども、青葉まつりもありますし、さまざまなお祭りが定着してきました。また、これからは例の高知から発祥して札幌に飛んで今や札幌では180万人という観客動員があって百数十億の経済的効果があるだろうというよさこいなどというのも、今度は仙台で第2回目をこれから企画をされておると聞いております。だんだんそういう形で市民の方々がそういったお祭りに参加して、
まちづくりに直接的に自分たちの得意分野でその能力を発揮していいまちをつくっていこうみたいな感じが少しずつ見えてきている。
そういう中で、市民局がいろいろと所管をしております文化振興という分野というのは、大変実は大切な仙台市のある意味基本にかかわる部分の大事なパートだろうなという感覚でこれを見ていかなければならない。そんなことで、この決算19億3000万円というのを見てみますと、わずか数行の間の中からやはり仙台市の文化振興に対するさまざまな基本的な姿勢であるとか、それに対する市民の感じ方、あるいはかかわり方というのがこの数字の中からいろいろと見えてくると思います。実は、この19億3300万円のほとんど、大方のところは
仙台文学館の建設、5ないし10年度の継続事業としての9億8700万円、それと運営のための約2億6000万円で大勢を占めてしまっていて、残りの中で支倉のオペラに約1億5000万円、文化事業団に1億8000万円、そして仙台フィルの運営補助に2億4000万円。それだけでも大体6億円ぐらいのお金を使っていますから、残るところはもう余すところ1億そこそこの中でこの文化振興というもののその他のことそれぞれにお進めになっていっておられるようなんです。そうなると、
一般会計4000億円を超えて5000億円に迫らんとするこの仙台市の
一般会計の中で、文化振興の占める割合というのはまことにわずかなものだなという中で今度は若い音楽家のための仙台国際コンクールを立ち上げようとか、さまざまな大きなものもやっていこうとなさっているわけです。
そこで、この項目をずっと見ていきますと、下から2番目のところに古典芸能振興というのがあるわけです。これが何とたったの196万2000円だというわけなので、前にも私が古典芸能といってもいろいろあるんだけれども、古典芸能というのは一体何なんだということになったら、いや、能楽だと。ああ、そうかと。では、能に絞っていいんだな。そういうことだというので、能、狂言をあわせて能楽というんだけれども、能楽について特化してお聞きをしようというのが今回の私の試みなわけです。
やっぱりまちが成熟化していく中で、あらゆるものが西欧化していく。こういう中で日本古来の伝統芸能あるいは歴史と文化というと非常に大きいけれども、こういったものが市民の中でどういうふうにとらえられているのか。そして、それに対して行政がどういうメニューを提供していっているんだろうかという現状をまず把握しなければならないだろう。そんな中で、伝統文化、わけても能楽といったものに対する基本の姿勢を一言まずお伺いしたいと思います。
30:
◯文化振興課長 お尋ねでございますけれども、古典芸能と一口で言いましても、三大古典芸能、もしくは四大古典芸能と呼ばれておりますけれども、雅楽、舞楽を一つ初めに言えば、それに能狂言、それから文楽、人形浄瑠璃、それから歌舞伎というふうになるわけでございまして、その中の能楽、特に能と狂言というのがこれの代表格であります。これにつきましては私どもの方の文化振興の体系の中でもとりわけ精神性の高い芸能でございますけれども、これも大事な分野の一つであると認識しておりまして、昨年度もそのような形で事業に取り組んだというところでございます。
31: ◯
柳橋邦彦委員 意気込みは大変感じるんですけれども、しかし196万2000円という予算の中で果たして10年度にどれだけのことが行えたのかと、やっぱり首をかしげたくなるというような感じがあるわけです。
そこで、質問の定番ではあるけれども、10年度に一体この決算の中でどういった事業を行ってきたのか、かいつまつんでお話をいただきたいと思います。
32:
◯文化振興課長 古典芸能振興事業の昨年度の内容でございますけれども、一つには市民向けの普及啓発事業といたしまして、1月17日に仙台市能楽協会が実施しました講座に支援を行いました。それから、1月31日に有識者と能楽師を招きまして、市主催によりますジーンズ能楽講座というものを実施いたしました。また、古典芸能振興策の調査といたしまして、2回の講座に参加した市民へのアンケート調査、それから能楽師等専門家に対しての聞き取り調査などを行っております。専門家からは仙台市は金沢あるいは岡山と並びまして能楽の盛んな藩だということで、未完成の謡曲というのが450ほどあるのだそうですが、その中でかなりが仙台藩から出ているというような指摘なども受けております。こうした専門家に対する調査のほか、能の愛好家の方々に練習場や発表の場などに対しての状況につきましてアンケート調査を実施したところでございます。
33: ◯
柳橋邦彦委員 さまざまいろいろやっておるように感じます。今もお話がありましたように、仙台というのは割合昔から能というものについては藩祖公の伊達政宗初め、当時のものからいってもかなりハイレベルな印象が今もってあるわけですけれども、喜多、観世、宝生、金剛、金春、仕手方五流といった中から仙台は喜多、観世、そして宝生、このあたりが資料によりますといろいろな会派の数が多いみたいですね。そういう中で、さまざまな専門家からそういったお話を聞いて、そしてこれからまた仙台のいわゆる日本古来の伝統芸能の中でも能、狂言、いわゆる能楽に対するさまざまなことを深めていこうとされていることはよくわかるんですけれども、今御説明の中でジーンズ能楽講座というのがありましたけれども、このジーンズ能楽講座というのは──ジーンズというのはジーパンですよね。ジーンズ能楽講座というからには、これは何か特にこのネーミングをした理由、そしてその内容についてはどんなもんでしょうか、お話をしていただけませんか。
34:
◯文化振興課長 この講座でございますけれども、能楽といいますととかく敷居が高いというようなことでございますので、親しみを持っていただこうということでジーンズなどという表題をつけさせていただいたところでございます。ここの中で能楽の由来、あるいは鑑賞の仕方ということにつきまして、初心者にも気軽に入っていただけるような形で実施した次第でございます。
内容としましては、1部、2部に分けまして、1部は大学の先生の講座ということで能の歴史、あるいは世阿弥などのことについてビデオだとかスライドだとかでひもといていただいた。それから、2部といたしまして若い能楽師、金剛流の今井さんという方に来ていただきまして、実際に舞をやっていただきまして、それから一緒に参加者も手ほどきをしていただいたというような内容でございます。
35: ◯
柳橋邦彦委員 実はこの質問をするに当たっていろいろ勉強しておりましたらば、偶然ジーンズ能楽講座に参加したという人に二、三日前に出会ったんです。いろいろお話を聞いておりましたら、非常にやっぱり興味深いことがいろいろ聞けるわけです。その中で、時間もないですからごく簡単にお話すれば、極めて若い方に最近そうしたものに対する精神的な回帰というのかどうか、こうしたものに対して気持ちのよりどころを求めていくという風潮がいい意味で出てきている。今の若い方々にさまざまな思いがそれぞれにあろうと思います。倫理観の問題であったり、あるいは宗教観の問題であったり、そういったところに対して今の若い方々が私たちの想像を超えたところでさまざまに気持ちが揺らいでいて、何かによっていこうとしている、そういうところがある中で、それの一環なのかどうか、和の世界といいますか、お茶もお花や舞踊や今言った能楽というかなり専門的なところにまで若い方が興味を示していく、こういうことが非常に多いんだと。まさに時宜を得たかのようにジーンズ能楽講座というものを設定なさって、しかもそれに対して参加をしてくる方々がお年寄りばかりではないと聞きました。この2回の中で、手持ち資料によれば1回目は五、六十歳の方々が多かったけれども、2回目のときには二、三十歳代の方が見えられていると。このような状況にあるようですけれども、その辺の分析についてはいかがですか。
36:
◯文化振興課長 御指摘のように、2回行った中ではジーンズ能楽講座の方が若い方が大変多くございまして、私どもの方も喜んでいるわけです。おっしゃられるように、いろいろ今の世の中、ヒーリングといいますか、何かいやしを求める風潮というのが大変出てきております。これは能楽に限らずと思いますけれども、特に能楽に関しましてはそういう精神性といいますか、あるいは奥深いところがございまして難しいという話もありますけれども、同時にそういう面を持っているのかなと思います。
その中で、アンケート調査をいたしますと、やはりこういった普及講座というものについては、余り実際に触れる機会がなかったということで、特に実際の能楽師に直接教えていただくということが大変よかったというようなことで、このような企画をシリーズ化してほしいとか、そういった御意見が随分あったと思っております。
37: ◯
柳橋邦彦委員 確かに幽玄の世界といいますか、死んだ後のことを演じたりするような演目も多いわけなので、どちらかというと見ているとほとんどは途中で居眠りしてしまうんですけれども、やっぱりそういったものに20代、30代の若い方々が引かれていくということについては、この能楽という一つの側面から結論は得にくいけれども、しかし何かそういった今の日本全体を覆っているものの中からこういったものに対しても光を当てていかなければならないのではないのかなという感じが非常にするわけなので、わざわざたった百数十万円と言われる決算の中でもやっぱり踏まえておきたいなと思ったのがここにおける意図なわけです。
さて、そのときに仙台市の方で参加者や何かの方々にアンケートをとっていますね。そのアンケートの資料をいただいて見ましたけれども、非常に興味深いさまざまな内容がこの中から読み取れるわけなんです。その精神的な部分は非常に論議が長くなるので余りできませんが、どんな特徴がこの中から読み取れると思っておられますか。
38:
◯文化振興課長 アンケートの調査結果でございますけれども、これにつきましては能を手ごろな料金で頻繁に開催してほしいと。それから、能を解説する講座などが希望としては際立って多いわけでございますが、特に市に対しての要望ということでございますと、入門講座などの普及活動については44%の方が希望されておる。それから、専門施設の整備ということでは33%。それから、公演回数の増加ということでは28%。それから、すぐれた公演に対する助成ということで25%などとなっております。
こうしたことで、今後とも入門講座などを含め、能楽普及の事業が大切であると受けとめております。
39: ◯
柳橋邦彦委員 直接的にかかわりを持つ方々の数が大体1,200というデータも出ています。しかし、それでは本当に片隅の地味な存在でしかないわけだけれども、そこから発せられて、先ほど言った若い人たちの精神回帰、いやしの気持ち、そういったものを求めるところからいきますと、その広がりというのはかなり大きなふうにも感じられてきます。そうした中で、仙台市が先ほど来お話がありましたように岡山、金沢と並んで能楽の非常に主流をなしてきているいろいろな貴重な経験、体験を持っているまちだと、資料も多く持っているということの中から、実は今のアンケートの調査の中からわけて挙げられませんでしたけれども、会場に対するさまざまな要望が出ていますね。これについて主だったものの中にはどういうものがありますか。
40:
◯文化振興課長 この会場等につきましては、能楽協会に加盟する57団体からの回答をまとめたものでございまして、練習場に関しましては、まず第一に予約がとりにくいが63%、あるいは駐車場がないとか少ないが36.8%。それから民間施設におきましては時間が限られているというのが50%。それから会場が狭いというのが40%。それから個人宅では会場が狭いが87%ということでございました。
こういったことで、能楽団体に限らず、舞台芸術活動団体の共通の悩みかと思いますけれども、特に能楽の方の希望といたしましては、舞台があること、あるいは板張りであるということが練習会場にとって必要だということが浮かび上がってまいったところでございます。
それから、発表会場につきましては、必要な客席数というところでございますが、100席以下で十分というのが49%、それから300席以下というのを合わせますと93.9%ということで、発表会場につきましては余り大きな会場は期待されていないということがわかったところでございます。
41: ◯
柳橋邦彦委員 ここで大事なんですけれども、いろいろなジャンルのこういう発表したいという意欲を持った芸術、芸能関係の方々の中で非常に多く聞く要望が、仙台市は練習場が足りないという話なんです。発表する場所については、まあそこそこ立派なものもあるし、随分整ってきたと。しかし、練習場がないということなんだそうです。これからぜひ施策の中で小回りの──例えて言うと悪いかもしれないけれども、馬小屋のような形の中で練習を専門にするそういった場というものがあらゆるジャンルから要望がある。こういったものがこれから必要になってくるなというのがこのアンケートの中からも強く感じられる皆さんの希望なんだということがあります。
それと、2番目に要望といいますか、不満が多いのは、利用する時間、つまり締め切り、閉館時間といったものに縛られて遅くまで利用できない。というのは、社会人とかいろいろな都合のある人がある一定の時間、6時からやろうと思っても、何かでこぼこで集まってくる時間がそれぞれだというので、そろってやろうといったときにもうあと残りわずかしかないんだという中で、ずっとだれかが回ってきてみんな片づけてすぐ帰ってくださいみたいなことになってくると、なかなか落ち着いて練習をする場所と時間が足りないと、こんなようなことがありますので、そこらは市民局の方でもさまざまな場所を管理をしておられる中で少し考えていただけないかなと、一つみんなの希望をかなえてあげられないかなという感じなんですけれども、その辺はどうでしょうか。
42:
◯文化振興課長 私が聞いております範囲内では、能楽の関係者は主に土日の昼に使うという方が30%ぐらいと多うございまして、平日の夕方、夜というのもまた25%ということで同等にあるわけでございますが、そんなわけで確かに公共の施設を使う場合には開館、閉館時間が決まっておりますので、それぞれの団体が苦労されていると。それから、特にこれは能楽ということではございませんが、ほかの演劇の集団の方がむしろ遅く始まるのが多いと聞いております。
43: ◯
柳橋邦彦委員 ですから、閉館時間等についてもぜひ御考慮をいただければとお願いをしておきたいと思います。
与えられた時間がありませんので、あと1問にいたしますけれども、こういうことの中で若い方々のそういった要望、あるいはこのジーンズ能楽講座などについては広報の仕方もよかったようでして、それで若い方がそこに集まってきたということでしょうし、せっかくそういう軸をつくってこれから広げて大事な伝承文化の分野ですからないがしろにしないで、この世界というものについてはやはり精神文化といいますか、いわゆる仙台のいろいろなイメージの中でも非常にいいイメージを持たれる一つの分野で、仙台は能が非常に盛んなんだってねというその一言で仙台を表現されていくような分野でもありますから、ぜひお心を砕いていただきたいと思います。
ときに平成11年6月22日といいますからことしの6月ですが、市長決裁によりまして能楽堂の検討委員会設置要綱というのが出されました。ということは、能楽堂検討委員会というんですから、音楽堂のことを検討するわけではないのでありまして、能楽堂のことを検討するわけなんですけれども、これは委員の名簿などを見ますとそれなりの方々がやっぱりおいでになるし、能楽堂をつくろうという基本的な考えのもとで当然ながら委員会を設けられたんだろうと思いますけれども、そこらの経過と行き先の目標をどの辺に置いておられるのかお伺いしたいと思います。
44:
◯市民局長 能楽堂の検討委員会でございますけれども、これは能を中心とする古典芸能の支援につきまして、能楽堂を含めまして、仙台市の現状を踏まえ、これからどう取り組んでいったらいいのかといったようなことで検討をお願いした組織でございまして、検討期間といたしましては平成12年度の末までの約2カ年間の御議論の中で十分御検討いただき、その結果を踏まえて市としての方針を決めてまいりたいということでございます。
45: ◯
柳橋邦彦委員 能楽堂の設置について検討すると。検討した結果、やっぱりやめたということになるのかもしれないんですけれども、同時に何度も言いますが、この能楽堂を抽象的といいますか、精神的な一つの文化の象徴としての存在として位置づけるならば、やはり能楽堂の設置については積極的に検討することによって仙台市の一つの顔づくりというものを──それはいろいろやらなければならないことはたくさんありますし、みんなやれといってもこれは無理ですし、やるなというのも何だか寂しいしということで、非常に心中複雑なものがあるんですけれども、やっぱりこういったものを大切にしながらいくということの姿勢というものは、今後ともぜひ強くお持ちになって、わずかな予算、決算の働きの中でこれほどのさまざまなことがあるわけですから、ぜひ大切、丁寧に考えてやっていってもらいたいなと思うんです。
また、後ほど時間があれば総括などで市長の気持ちなども聞いてみたいとは思いますけれども、そういうことでぜひ能楽堂検討委員会については前向きに設置の方向にいかれるように期待いたしながら、この古典芸能振興196万2000円についての質問を終わらせていただきたいと思います。
46: ◯
鈴木勇治委員 それでは、私の方は第5款の労働費に関連して数点お伺いしたいと思います。
これまで行財政改革の一環として市の出資法人といったものの統廃合を進めてこられたと思います。そんな中で、平成10年4月1日から
財団法人仙台市勤労者福祉サービスセンター、それから財団法人泉ケ岳勤労者野外活動センター、そして財団法人勤労者福祉協会を統廃合したということがあったと思います。この統合後の勤労者福祉協会の人員体制がどのようになったのか、そのうち市職員のOBの数はどういうふうになったのか、まずお示しいただきたいと思います。
47: ◯勤労市民課長 福祉協会の人員体制でございますが、統合前は3財団合わせて職員数104名、うち市のOB職員は7名となっておりますが、統合後は職員数102名、うちOB職員は5名となっております。
48: ◯
鈴木勇治委員 人員体制もそれなりに減少させたということでございますけれども、この統合によって事業内容等についてどのような効果があって、かつどのようなところにどのような形であらわれたのかということをお示しいただきたいと思います。
49: ◯生活文化部長 統合後の効果でございますが、これまで三つの財団法人の名称が類似し、事業内容を混同したり、利用窓口も個々で行っていることから、利用者に対しては非常に煩わしく御不便をおかけしておりましたが、この統合がなされたことによりまして、その解消が図られたことでございます。
さらに、理事長等の役員数の削減や事務の効率化が図られたところでございます。
50: ◯
鈴木勇治委員 続きまして、この勤労者福祉協会が運営する施設として太白区の茂庭にあります茂庭荘についてお伺いするわけでありますが、まずこの茂庭荘の設置目的についてお伺いしておきたいと思います。
51: ◯勤労市民課長 茂庭荘は、勤労者の保養及び福祉の向上に資するため、勤労者保養所として設置した施設でございます。
52: ◯
鈴木勇治委員 では、この茂庭荘の人員体制についてお伺いするわけですが、以前たしかOBが配属されていたと思います。過去はどのような職員といいますか、位置で何人程度いたのか、そして現在これらの人たちがこの体制でどういうふうになっているのかお示しください。
53: ◯勤労市民課長 財団統合前は、理事兼総支配人として1名のOB職員を配置しておりましたが、統合後は茂庭荘にOB職員は配置しておりません。
54: ◯
鈴木勇治委員 それでは、次に茂庭荘の運営及び経営状況についてお伺いしますけれども、資料をいただいたところによりますと、つい数年前まではかなり好調な運営、そして経営状況を見せていたわけでありますけれども、近年の状況について利用者数、収支などについて概略お示しいただきたいと思います。
55: ◯勤労市民課長 茂庭荘の利用状況でございますが、宿泊、休憩を含めまして、平成8年度が8万2786人、9年度が7万7310人、10年度が7万6946人となっております。また、収支状況では、平成8年度までは黒字で推移しておりましたが、平成9年度の収入が約5億7800万円、支出が6億1000万円で赤字が3200万円となっており、平成10年度においても収入が5億8400万円、支出が5億9100万円で、赤字が700万円となっております。
56: ◯
鈴木勇治委員 ただいまのお話ですと、平成9年度に大幅な損失を計上しておるわけであります。平成10年度では大分損失の幅が縮小されているということでありますけれども、損失であるということであります。この損失が計上された理由、発生した理由、平成10年度及び今年度において大きな改善を図っていると聞くわけですけれども、この改善した理由、この2点についてお示しください。
57: ◯勤労市民課長 損失を生じましたのは、宿泊者数が減少しているのが主な原因になっております。これは昨今の経済状況から、企業の宿泊研修が減少していることによるものでございます。
損失解消の改善策につきましては、茂庭荘、杜の茶屋等の各施設間での兼務体制をとりまして、繁忙する時期や時間にあわせた人員配置等により、効率的運営に取り組むなど、経営努力を重ね、経費節減に努めているところでございます。
58: ◯
鈴木勇治委員 今のお話ですと、経済状況が悪いというようなことで、したがって企業の方でもなかなか利用が少ないということだろうと思います。何といっても利用者数の増加策ということが必要なんだろうなと思うわけでありますけれども、このあたりについては当局の方としてはどのようにお考えになっているのか、あればお示しください。
59: ◯勤労市民課長 茂庭荘の利用につきましては、従来は企業における宿泊研修等に多く御利用いただておりましたが、昨今の経済状況からこれらの研修が減少している状況にございますことから、各業界の代表者で福祉協会の理事をなさっている方々等を通しまして、企業への働きかけ等に取り組んでいるほか、新聞への折り込みや地域情報誌等により、広くPRを行っているところでございます。
また、昨年より茂庭荘独自の企画としまして、1人1泊8,800円の飲み放題コースや1人1万円でできる結婚式等を設定いたしまして、利用者の増加策に取り組んでおるところでございます。
さらに、本年度の年末年始は、休みなしで営業を行うこととしておるところでございます。
60: ◯
鈴木勇治委員 飲み放題とかという話を聞いたんですけれども、同じ太白区でしかも近くにおるんですが初めて聞かされまして、ぜひ今度は利用してみたいなと思います。
たしか平成10年度内においてこれらの打開策の一環として、利用者の状況、意向調査というものを行ったはずだと思います。この調査でどのような結果が見られているか、お客さんの意向がどのようなものが多いのかということをここで御披瀝いただきたいと思います。
61: ◯勤労市民課長 調査につきましては、茂庭荘を利用された方を対象といたしまして、利用目的及び料理、設備、サービス等についての満足等についてアンケート調査を行いました。期間は昨年の7月1日から9月30日までの3カ月間で行い、430人の方から御回答をいただいております。
アンケートの結果につきましては、料金やサービス、料理面では約60%を超える方が満足との回答をいただき、普通と答えた方が35%おりますが、不満と答えた方も5%ございました。また、設備の面では、満足との回答が58%、普通と答えた方が34%、不満との回答が8%となっておりまして、これらの結果を今後の運営に反映してまいりたいと考えております。
62: ◯
鈴木勇治委員 結構な満足感があるという結果なんでしょうけれども、私もこの施設をたびたびいろいろな会合等で利用させていただくわけであります。もう少し不満があるのかなと思ったら、満足感の方がやや多いという結果でございました。しかし、平成7年に新館が建設されまして、本館の方ですか──旧館といったら怒られたんですが、本館の方は建設後もう約20年ぐらい経過しているんでしょうか、かなりの老朽化が目立つわけです。聞いたところによりますと、例えば温泉の湯量の減少があるとか、あと浴槽等の水回りの水漏れ、汚れ、それから床とか外壁など、厨房の衛生設備、こういったところにかなりの老朽化があって、安全性、衛生上、またイメージ上もよくないと思うんです。かなり問題が出ているのではないのかなという中で、そんなに満足感があるということは、何か別の意味でのサービス面でのかなり高いものがあったりということなんでしょうか。
私はこういったところを早急に改善すべきなのではないのかなと思いますけれども、御当局の方ではどのように見ておられるのかお示しください。
63: ◯勤労市民課長 本館につきましては昭和55年の建築でございますが、これまで安全面や衛生面を第一に考えまして、リフォームが必要な箇所につきましては早目の対応をしております。今後とも必要に応じて施設の改善等を講じてまいりたいと考えておるところでございます。
64: ◯
鈴木勇治委員 ぜひ早目にお願いできればと思います。
先ほども申し上げましたけれども、この施設は市内の勤労者はもちろん、それから近辺の生出、山田、西多賀、鈎取、あの辺の諸団体からの利用も多いはずであります。実際私もそういった意味でお邪魔をさせていただくことが多いわけでありますけれども、設置の意義ということでは非常に大きいものがあると思います。改めて設置の意義を当局はどのように考えておられるのかお示しください。
65:
◯市民局長 茂庭荘の設置目的につきましては、先ほど勤労市民課長から御説明したとおりでございますが、近隣の方々にも広く利用されておるということにつきましては、勤労者のみならず多くの市民に愛される施設であるという意味で、大変望ましいものと考えております。
66: ◯
鈴木勇治委員 先ほどお話しましたが、サービス面でかなり努力しているといいますか、従業員も素早い対応をし、そしてまた本当に心温まるような応対をしというようなところが随所に見受けられるわけであります。先ほどの平成10年度で収支が大分改善しているということも、これもまた現場職員の努力というものも大きいだろうと思うわけでありますけれども、当局はこの辺はどのように見ておられるのでしょうか。
67:
◯市民局長 現場職員の努力ということでございますが、昨今のこの大変厳しい経済情勢、経営環境の中で、茂庭荘の職員がサービスの向上により一層努めておるほか、繁忙時における福祉協会内の施設間での応援体制をとるなど、効率的執行に一丸となって取り組んでおると理解しておるところでございます。
68: ◯
鈴木勇治委員 今日の経済状況は本当に御承知のとおりであります。特に、市内の中小企業は大変切迫した状況であります。また、これから公共事業が少なからず減少していくというような中で、土木、建設、そしてこれらの関連する業界は厳しい経営環境になるわけであります。そうしますと、どうしても人件費の抑制、そして福利厚生費の抑制ということで、福利厚生面が非常におろそかになってくる。そういった中で、茂庭荘といったところの勤労者の福祉というのは非常に大切になってくると思いますし、またそういったできないところに市の方が応援をしていくというようなこの体制は非常に重要なことだと思うわけであります。
茂庭荘の話に戻るわけでありますけれども、何も華美な形で設備を整えろというわけではなくて、最低限これだけは必要だというところを早急に改善していかなければならないのではないだろうかと思うわけでありまして、たしか286号線沿いを見ますと、ある福祉法人のやっています
禎祥苑、これは身体障害者等を中心にサービスを提供しようということ、それから釜房にありましたたしか中小企業の団体等が運営していたもの、これもだめになりました。それから、二口の県の福祉事業団がやっていたもの、このようにどんどんだめになっていっているということ。これは何でかと考えますときに、適切な時期に対応していなかったというところに問題があるわけです。1回投資してもう2度目は投資しない、そのままというのが大きかったわけであります。そうすると、どうしてもリピーターというものがなくなってしまう。そういったことで、どんどん悪循環に陥って売り上げが低下して、そして廃止ということの結末だったわけです。
先ほど局長の方からもお話をいただいたとおり、茂庭荘の意義というものは大きいわけでありますから、ぜひとも早急な改善を望むわけであります。たしか7万数千人の利用、そしてそのうち宿泊客が4万5000人、落ちてもこの程度の数字を維持しているわけでありますから、その辺を十分勘案して取り組んでいただければと思うわけでありますけれども、その辺を局長はどうお考えになっているか。
69:
◯市民局長 茂庭荘の利用形態につきましては、先ほども申しましたが、これまでは研修などということで従業員のための企業単位での利用というのが中心でございました。最近の経済状況から、このような利用が極端に減少する一方、レジャー等もさま変わりいたしまして、勤労者自身での利用ニーズも変わってきているというようなこともあろうと思います。そういうことで、利用者数が落ち込んでおりますが、建物につきましては本館が建築後19年たっておるということで、一部の施設については改修が必要ということは認識しております。これまでもその都度メンテナンスを行い、対応してまいったところでございますが、今後とも維持管理、サービスの向上により一層力を入れまして、多くの方々の御利用を御期待申し上げたいと思っております。
70: ◯
鈴木勇治委員 もう一つなんですけれども、意思決定機関として理事会があります。大学の先生とか県の労働福祉協議会の会長とか、それから建設業協会の会長とか、いろいろな団体の主だったそうそうたるメンバーがいらっしゃるようであります。この意思決定機関、役所の局長も入っております。本当にいろいろなすばらしい頭の持ち主の方が入っておるわけでありますけれども、どうも本当に当事者能力を持ってこの理事会が対応しているかどうかということに少しく疑問を持つ場合があるわけであります。形式的な理事会で終わっているのではないのかなという気もするわけであります。きちんと経営目標を立てさせ、単年度だけではなくて長期的な目標、中期的な目標、そういったことも立てさせて、そしてその目標管理をしていくという体制ができていないと、やはりその数字的なもの、そしてまた本当に利用者をどう増加させていくのかという部分、こういったことがうまく機能していかないのではないかなと思うわけであります。
そういったときに、コンサルティング機能を持っているところの部署を持っている経済局の局長もメンバーに入っておるようでありますけれども、中小企業に対してコンサルティング機能を持っている中小企業指導センターを活用して、そういったことのチェックをしていくということも局長、可能ですよね。
71: ◯経済局長 今お話があったようなことは当然可能でございまして、現実に一部そのようなものを取り入れてやっているというところでございます。
72: ◯
鈴木勇治委員 ぜひそういったところの活用というものも十分考えていただいて、積極的な経営をしていただきたいと思いますし、またこの理事の中にいわゆる金融機関の方も入れて、その数的なものも厳しくチェックしていくということも方法としてはあるのかなと思いますし、ぜひともそういったことも考えてすばらしい施設としてやっていただければと思うわけであります。
73:
◯委員長 暫時休憩いたします。
休憩 午後2時52分
再開 午後3時11分
74:
◯委員長 再開いたします。
副委員長と交代いたします。
〔委員長退席、副委員長着席〕
75: ◯副委員長 委員長と交代いたしました。
民主フォーラムから発言予定の方は、質疑席にお着き願います。
〔日下富士夫委員、安孫子雅浩委員、田中芳久委員、質疑席に着席〕
76: ◯副委員長 発言願います。
77: ◯日下富士夫委員 私からは、総務費に関連してお伺いいたします。
代表質問で申しましたように、これまで我が会派の基本政策の基本認識の中で、行政の守備範囲を明確にした上でNPOや市民ボランティア、また企業など民間活力を主体に市民と協働して市政を進めるべきである。と同時に、市民もすべてを行政に依存することなく、これまで以上に自助、共助の努力を進めることが求められているという提言を行ってまいっております。市長は、平成10年度の施政方針の中で、市民活動サポートセンターの整備に向けて取り組むとともに、各種の市民公益活動の支援事業を開始することを表明いたしました。21世紀都市仙台の
まちづくりには、市民の皆さんと行政の協調が最も大切として、他都市に先駆けて諸施策を実施してこられたことは敬意を表するところでございます。公益的な市民活動への支援策の一つとして、平成8年度から市民活動保険制度を導入し、昨年その対象となる活動範囲を広げるといったことなどもされてきているわけですが、その市民公益活動支援について数点私からお伺いいたします。
まず、昨年11月に市民公益活動支援のための基本方針を策定しているわけですが、支援を行っていく際の基本姿勢について若干お伺いいたします。
78: ◯市民局次長 支援の基本姿勢についてでございますが、市民公益活動支援のための基本方針では、市民公益活動の特性や社会的意義を踏まえ、本市が支援しようとする市民公益活動への基本姿勢といたしまして4点を掲げてございます。
第1点は、自主性・主体性の尊重でございます。これは、多様で自主的な市民公益活動の主体性を尊重し、その力を十分発揮できるように活動環境の整備など、側面的な支援を推進するというものでございます。
第2点目は、先駆性・多様性の尊重でございまして、市民公益活動が持つこれまでの行動様式とは異なる先駆性や多様性を尊重しながら支援を推進していこうとするものでございます。
第3点は、客観性・透明性の確保でございます。これは支援に当たって客観的、中立的な姿勢を保つとともに、支援の基準や内容を公開するなど、透明性を確保しながら推進するものでございます。
第4点は、パートナーシップの構築でございます。多様な活動を行う市民公益活動と行政が相互の特性を理解し、尊重しながら良好なパートナーシップを構築できるよう支援策を展開するというものでございます。
79: ◯日下富士夫委員 ただいま4点お伺いしたわけですけれども、私はその4点目のパートナーシップの構築というところに大変関心を持っているわけです。市長は平成11年度を市民協働元年と位置づけた上で、市民の皆さんの主体的、公益的な活動を積極的に支援していくことから、市民公益活動に関する条例を制定をして、その活動の拠点となる市民活動サポートセンターをことし6月に整備をされたわけですけれども、7月から8月にかけての利用状況についてお伺いいたします。
また、東北で初めての施設ということもあって、他都市からの視察も大分多いと聞いておりますけれども、受け入れ状況についてお伺いいたします。
80: ◯地域振興課長 市民公益活動を総合的に支援する拠点施設といたしまして去る6月30日開館いたしました市民活動サポートセンターの利用状況についてでございますが、7月及び8月の利用者は、セミナーホール、研修室、交流サロンと合わせまして約2,900名ほどでございました。7月が約1,600名ほどだったのに比べまして、8月は若干減少して1,300名ほどとなっておりましたが、この9月に入りまして半月で既に8月1カ月間を超えた利用となってございます。
利用団体で見ますと、福祉や医療、環境問題に取り組む団体を初め、国際交流や芸術振興、スポーツ振興などの団体のほか、コンピューターの西暦2000年問題に取り組む団体など、多彩なものとなっておりまして、市民活動の多様性を改めて認識させる利用状況となっております。
また、他都市からの視察の受け入れ状況についてでございますが、施設自体がまだ全国的にも数が少ないことや、管理運営をNPO団体に委託していることなどの面で関心が高いものと思われまして、全国から7月、8月合わせまして13自治体からの視察をいただいたところでございます。
81: ◯日下富士夫委員 2,900人ということで私も大分多いのではないかなと思ってびっくりしているわけなんですけれども、この辺は当初予想された数字と比較してどんな感じに受け取っていらっしゃるんでしょうか。
82: ◯地域振興課長 サポートセンターの性格自体が市民公益活動促進に関するものということで、市民の関心が大変高いということも最初から予想されておりましたけれども、これほど多くの方々に利用されるとは思ってはおりませんでした。
83: ◯日下富士夫委員 ついでで恐れ入りますけれども、他都市からの視察の中で関心を持たれている点といったものを一、二点ありましたらお願いしたいと思います。
84: ◯地域振興課長 他都市からの視察でございますが、北は北海道から南は鹿児島市まで全国にまたがっておりますが、やっぱり自治体ということでこれからの市民活動をサポートしていく上でそれらの団体においてもサポートセンターを整備していくということが主眼点になっておりまして、そこの中で行われているいろいろなサポートセンターの中での機能とか事業とか、そういうものについて高い関心を示されております。
85: ◯日下富士夫委員 NPOやボランティアの皆さんに大いに利用されているという点については、大変喜ばしいことではないかと思っております。
さて、市民、企業、行政の協働による
まちづくりを進めていく上で、お互いのコミュニケーション、いわゆる双方向の情報交換が大切だと思うわけですけれども、またそれができなければ今抱えているいろいろな課題についての合意形成には至らないと思うわけですが、そういったことはこのセンターにおいて既に行われてきているのか、そういった情報交換をどういった形で行っているのか、具体的なものがあれば例を挙げていただきたいと思います。
86: ◯地域振興課長 サポートセンターの中には地域振興課の支援室というところも入っておりまして、これらと受託を受けているNPO団体というものとが一つの部屋で仕事を行っておりまして、常日ごろからNPOやボランティアの抱える問題等について話し合いをしていると。あるいは、交流サロン等もございますので、そういうところで情報の提供なり交換というものを行っております。
87: ◯日下富士夫委員 それでは、次に市民公益活動に関する条例に基づいて、市民公益活動の促進に関し必要な事項を調査・審議するための促進委員会を置くとしておりましたが、その委員会の設置に向けた準備の状況はどうなっているのかお聞かせ願いたいと思います。
88: ◯地域振興課長 市民公益活動促進に関する条例におきまして、本市の市民公益活動の促進に関し、必要な事項を調査・審議するために、学識経験者や市民公益活動を行う者など、12名以内の委員で構成いたします市民公益活動促進委員会を設置するということになってございます。
現在の状況でございますが、うち2名の委員につきましては公募することといたしておりまして、これは既に公募いたした結果15名の方々から御応募いただいて、その中から選考を進めて、現在2名決まっておるところでございます。その他の委員の人選等もほぼ終わっておりまして、10月中に委員会を立ち上げて審議を始めてまいりたいと考えております。
89: ◯日下富士夫委員 それでは、前述の条例の基本施策の中に市民公益活動を行う者の活動資金に関することが項目の一つとして挙げられていると思います。もちろん市民公益活動とは、市民が自発的に行う公益性の活動で、営利を目的としないものという定義になっているわけです。しかし、昨年12月から施行されたNPO法においても税制の優遇措置が盛り込まれなかったこと、あるいは対象となる活動が大分限定されていることもあって、NPOやボランティアの活動を展開していく上では、やはり資金面の課題が大きいという声をよく聞くわけです。
そこで、本市における市税上の対応について可能なものがあればお聞かせ願いたいんですが、また現在既にもう行っているというものもありましたらば紹介していただきたいと思います。
90: ◯市民局次長 税制面における対応についてでございますが、特定非営利活動法人、いわゆるNPO法人につきましては、収益事業を行わない場合に限り、法人市民税の均等割の免除制度がございますが、今後の対応につきましては国の動向等を見ながら対応してまいりたいと考えてございます。
91: ◯日下富士夫委員 それでは関連して、各自治体の支援状況についても大分関心のあるところなんですけれども、特に阪神・淡路大震災の貴重な経験から、大阪市、神戸市あたりが大分進んでいると聞いております。先進他都市の支援状況について若干紹介をしていただいて、それらと比較した場合の仙台市の位置づけについてどんなふうにとられているのかお聞かせ願いたいと思います。
92: ◯地域振興課長 他都市の実例ということでございますけれども、仙台市のような市民活動のためのセンターを設けているというところは、政令市の中では仙台市が一番早いということでございますし、またさまざまな個別の事務事業に対する支援等につきましても他都市でも行われておりますけれども、仙台市についてかなり幅広くやっているということでございます。
また、条例につきましても他の政令市にはまだございませんで、仙台市が先駆けてやってきたということでございます。
93: ◯日下富士夫委員 大体わかりましたけれども、そうしますと仙台市よりも進んでいるというところは他の政令市でもないということで理解してよろしいんでしょうか。
94: ◯地域振興課長 個々の事務事業に関する支援策等について手元に資料がございませんが、総体的に見ますれば仙台市としてはかなり進んだ充実した状況になっているということでございます。
95: ◯日下富士夫委員 それでは、次に移ります。
個性ある地域づくりに市民の皆さんのアイデアを生かす、言いかえれば市民が主体となった
まちづくりを行ってみようと、ちょっと冒険を試みるというか、私は行政としてこれまで余り得意としなかったところに踏み込むという勇気に新鮮味と魅力を感じているわけでございますけれども、つい先日
まちづくり活動企画コンペの公開審査会が行われたと思います。その概要について、できれば会場の雰囲気が伝わるようにリアルにお伝えをしていただきたいと思います。
96: ◯地域振興課長
まちづくり活動企画コンペについてでございますが、これは市民公益活動支援の一環としまして、市民の創意を生かした個性ある地域づくりを推進することを目的にして、地域の課題解決に取り組む創意と工夫にあふれる自主的、自立的な
まちづくり活動の企画に対しまして、公開により市民の皆様の委員会によって審査して助成を行うという制度で、今年度から始めたものでございます。
去る9月11日に公開審査会を開催しまして、これは公開審査会でございますので、各団体に5分ずつプレゼンテーションをしていただいたと。そのプレゼンテーションは、単にお話だけのところもあれば、お芝居をする、5分間の寸劇みたいなものをして強くアピールすると。審査につきましても、プレゼンテーションの割合が4割ぐらい、書類審査が6割ということで、かなりプレゼンテーションのウエートを高くしましたので、そういうところで合格になった団体等もありました。
会場の雰囲気は、皆さん真剣な中でも非常に和気あいあいとした中で行われて、我々としても成功だったのではないかと考えております。
応募25団体中14団体の活動企画及び助成額をその場で決定したところでございます。各団体はこれからそれぞれの企画に基づいた活動を展開いたしまして、その活動結果の報告会等も計画しているところでございます。
97: ◯日下富士夫委員 ただいま状況が伝わるような形で回答していただきまして、ありがとうございました。
そこで、そのコンペの中でグループが二つあったと聞いておりますけれども、その中で助成金の最高額は幾らになっているんでしょうか。
98: ◯地域振興課長 部門といたしましては、「初めの一歩部門」というものと「もっともっと活動部門」というものがございます。「初めの一歩部門」というのは、これから新たに企画を持って一歩を踏み出していこうというものと、「もっともっと活動部門」というのは、ある程度活動していてそれを拡大していくというようなものがございまして、「初めの一歩」部門は10万円を限度としております。「もっともっと活動部門」は50万円を限度としておりますので、最高限度は「もっともっと活動部門」の中で50万円を助成しているということでございます。
99: ◯日下富士夫委員 最高50万円ということで、当初600余万円の予算が多分計上してあったと思うんですが、私はこの600余万円の予算が決して大きいとは思わないわけですけれども、市民のアイデアが十分生かされて、住み心地のよいおらがまちが現実のものとなっていくとすれば大変すばらしいことであって、効果は投資の数倍になるということも考えられるのではないかと思います。今後とも継続した取り組みを期待したいと思います。
それでは、最後になりますけれども、市民公益活動にかかわる市民と行政のパートナーシップ構築についてのお考えをお聞かせ願いたいと思うわけですけれども、これは都市総合研究機構の中でも若干述べておりましたけれども、まちは行政がつくるのではなくて人がつくるんだと。市民と一緒にやるとなかなか時間ばかりかかって大変だという発想ではなくて、むしろ時間と能力をかけて市民と一緒に
まちづくりをやっていこうという発想の転換が必要ではないかと言われております。
それで、あわせてその辺の職員の資質の向上という面においてもどんなふうにお考えなのか、これは市長にお願いしたいと思います。
100: ◯市長 これまでの都市づくりの方式を考えてみますときに、行政が目標とするところと市民のニーズというのがほぼ一致するところがございましたので、勢い都市づくりの方程式は行政主導型ということで十分だったと思うわけでございますけれども、最近に至りましてシビルミニマムがほとんど満足されるようになってから、市民のニーズというのは多様化し始めてまいりました。そういう段階におきまして、行政はすべての面をカバーするということに対して反省もあり、またみずからの本来的な役割というのは何かというあたりを考えるようになりました。当然のことながら、行政の行うべき領域と、それから市民の自主的、自発的なものにお願いするような領域ということで、市民の方の動きもNPOの活動に見られるように、非常に活発になっていきました。行政と市民とのパートナーシップによって、これからの
まちづくり、21世紀型の
まちづくりというのはそういうスタイルで行われるということがやや明らかになってきたわけでございますけれども、これから先は恐らくそういうスタイルが定着をし、一般化していくのではないかと思われます。
今日NPO活動がこのようにその萌芽が見られますけれども、それを仙台市では今年度市民協働元年ととらえまして、先進的にこれの定着を図っていきたいと。まだ出発して間もない段階ではございますけれども、その構築を推進し、努力をし、21世紀に向けた万全な体制をつくっていきたいと思っているところでございます。
101: ◯日下富士夫委員 それに伴っての職員の意識改革についてもあわせてお願いします。
102: ◯市長 もちろん職員の今日までの行政の意識ではそれに適合するというわけにはいきませんので、職員の研修のほかにもあらゆる機会を通じまして意識改革に対して啓発を行っていくことも同時にしなければならないと考えておりまして、そのことも同時に進めておるところでございます。
103: ◯安孫子雅浩委員 私の方からは、第2項企画費の第1目企画管理費の中にございます2002年ワールドカップサッカー大会開催準備の件でお伺いさせていただきます。
決算では1100万円の金額になっておりますけれども、この内訳を御紹介ください。
104: ◯企画調整課長 1100万円でございますが、これは2002年ワールドカップの宮城・仙台開催準備委員会に対する負担金でございます。
105: ◯安孫子雅浩委員 全額準備委員会の負担金であると理解してよろしいのでしょうか。実は、先月に準備委員会という体制から今度は推進委員会と組織改変がなされたと思うんですが、今までの経緯を顧みたときに、初めは招致委員会という形、そして招致が決まった後は平成8年12月から開催準備委員会になりました。そして、今回推進委員会と変わっておりますが、招致委員会までは県と市と双方からお金は負担をするし、かつ職員も派遣をしておりましたが、開催準備委員会に至ってからは1人も職員を派遣しておりません。この理由をお示しください。
106: ◯企画調整課長 準備委員会はことしの7月に今お話のように推進委員会に変わったわけですが、推進委員会に至る準備期間ということで、この間は県の方のワールドカップ準備室の方が事務局ということで、職員は派遣しておりませんでした。
107: ◯安孫子雅浩委員 準備委員会の中では市の方から職員を派遣せずに費用だけは負担をしていたということですが、この費用についても実は県の方が2200万円で本市が1100万円ということで、3分の2対3分の1ということですが、この根拠というのは何なのでしょうか。
108: ◯企画調整課長 10年度は同額でございましたが、11年度──本年度でございますが、県の方と私どもの方で11年度の活動についてのすり合わせの時間が間に合いませんで、私どもとしては1100万円で十分であろうということで予算措置をいたしましたところ、県の方でその倍程度の予算措置をしたといった事情でございます。
109: ◯安孫子雅浩委員 それでは、今回準備という段階から推進委員会というふうに2002年に向かって本番の体制に入ったというところですが、であるのであれば、負担金も従来のような1100万円ではないであろうし、また人員の派遣についても本市としても──実は6月の議会でも私も質問させていただきましたが、市長からはやはり開催の成功に向けて積極的に取り組むという答弁もいただいております。そういった御見解から考えるに、これは今後推進委員会という体制の中では人的な配置及び金額的、予算的な負担という点についてはいかがでしょうか、お尋ねいたします。
110: ◯企画調整課長 ことし推進委員会に衣がえいたしましたが、実質的な活動はこれからということで、来年度以降が本番ということになります。したがいまして、私どもとしては今県の方の事務局と事業の内容であるとか組織体制について協議をしておりまして、十分な対応をしてまいる所存でございます。
111: ◯安孫子雅浩委員 これは本市の21世紀の入り口の大変な華でありますし、これから仙台市の
まちづくりについての夢づくりであるというふうに私も理解しておりまして、ぜひ成功していただきたいと思うからJAWOC並びにさまざまなところで今勉強をしておりますけれども、その点やはりお金も出すし汗もかくという姿勢を今後予算等のときにも私はお考えをただしていきたいと思っております。