向日市議会 2012-06-22
平成24年第2回定例会(第5号 6月22日)
平成24年第2回定例会(第5号 6月22日)
〇出席議員(20名)
1番 松 山 幸 次 2番 常 盤 ゆかり
3番 丹 野 直 次 5番 北 林 重 男
6番 和 田 広 茂 7番 山 田 千枝子
8番 杉 谷 伸 夫 9番 飛鳥井 佳 子
10番 天 野 俊 宏 11番 新 矢 宗 弘
12番 小 野 哲 13番 西 川 克 巳
14番 永 井 照 人 15番 辻 山 久 和
16番 長 尾 美矢子 17番 冨 安 輝 雄
18番 石 原 修 19番 中 村 栄 仁
20番 磯 野 勝 21番 太 田 秀 明
〇欠席議員(なし)
〇
事務局職員出席者
事務局長 江 口 藤喜雄 次 長 岩 田 均
係 長 松 本 司 主 査 高 橋 雄 太
〇
地方自治法第121条の規定により説明のため出席した者
市 長 久 嶋 務 副 市 長 兒 玉 幸 長
教 育 長 奥 野 義 正
市長公室長 五十棲 敏 浩
総 務 部 長 植 田 茂
市民生活部長 酒 井 信 一
健康福祉部長 小 林 賢 次
建設産業部長 大 野 勘一郎
教 育 部 長 大 島 完 治
上下水道部長 田 村 恒 彦
〇議事日程(本会議 第5日)
日程第 1 ・
会議録署名議員の指名
日程第 2(議案第26号) ・専決処分の承認を求めることについて(平成23
年度向日市
一般会計補正予算(第6号))
日程第 3(議案第27号) ・専決処分の承認を求めることについて(平成23
年度向日市
国民健康保険事業特別会計補正予算
(第4号))
日程第 4(議案第28号) ・専決処分の承認を求めることについて(平成23
年度向日市
介護保険事業特別会計補正予算
(第5号))
日程第 5(議案第29号) ・専決処分の承認を求めることについて(平成23
年度向日市
下水道事業特別会計補正予算
(第4号))
日程第 6(議案第30号) ・
住民基本台帳法の一部を改正する法律等の施行に
伴う関係条例の整備に関する条例の制定について
日程第 7(議案第31号) ・
乙訓福祉施設事務組合の共同処理する事務及び乙
訓福祉施設事務組合規約の変更について
日程第 8(議案第32号) ・訴えの変更について
日程第 9(請願第 1号) ・
福島原子力発電所の事故原因が究明され、安全性
が確認されるまでは大飯原発の再稼働を行わない
ことを求める請願
日程第10(意見書案第7号)・
再生可能エネルギーの導入促進に向けた環境整備
を求める意見書
日程第11(意見書案第8号)・「防災・
減災ニューディール」による社会基盤再
構築を求める意見書
日程第12(意見書案第9号)・
福島原子力発電所の事故原因が究明され、安全性
が確認されるまでは大飯原発の再稼働を行わない
ことを求める意見書
日程第13(意見書案第10号)・最低賃金の引き上げ及び中小企業の支援強化を求
める意見書
日程第14(意見書案第11号)・消費税の増税中止を求める意見書
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
午前10時00分 開 議
○(
辻山久和議長)
おはようございます。
定刻であります。
ただいまの
出席議員数は、20名であります。
地方自治法第113条の規定による定足数に達しておりますので、会議は成立いたします。
よって、開会中の定例会第5日目の会議を開きます。
これより日程に入ります。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
日程第1、
会議録署名議員の指名を行います。
会議録署名議員は、会議規則第123条の規定により、9番・
飛鳥井佳子議員、20番・磯野 勝議員の両議員を指名いたします。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
日程第2、議案第26
号専決処分の承認を求めることについて(平成23年度向日市
一般会計補正予算(第6号))を議題といたします。
本案は、3
常任委員会に分割して付託しておりますので、その審査結果報告を求めます。初めに、
冨安厚生文教常任委員長。
○(
冨安輝雄厚生文教常任委員長)(登壇)
おはようございます。
議案第26号、本
委員会所管分についての審査経過と結果をご報告いたします。
主な質疑の概要といたしましては、一委員より、
子ども手当の制度変更による市の財政と業務への影響について質疑があり、これに対して、市は法に基づいて仕事をするものであり、どのような変更があっても法に基づいて粛々と仕事を進めるべきと考えているとの答弁がありました。
一委員より、
社会福祉援護費・
福祉医療費・
老人福祉費・障がい福祉費の減額の詳細について質疑があり、これに対し、
社会福祉援護費については
住宅手当緊急特別措置事業が当初見込んでいた18世帯に対して、実際の利用者は8世帯であったことによるものである。
福祉医療費については、12月の補正時においてそれまで7カ月分の執行額が前年の同期と比較して106%、直近2カ月では109%、直近1カ月では115%の伸びを示していたことから補正を行ったが、結果的に補正を行った後の残り5カ月分については対前年度と比較して101%の伸びにとどまったことによるものである。
老人福祉費についても同様の傾向によるものである。障がい福祉費について、障がい
者自立支援給付費のうち
自立支援医療給付費の増については、生活保護の心臓の対象の方が当初見込みより多かったことによるものである。障がい
者自立支援給付費については相対的に当初見込みよりも上回ったものであるが、特に給付の伸びがあったのは、居宅介護の分である。障がい
者生活支援事業費の減額については、
共同作業所入所訓練委託料が減額になっているが、これは
共同作業所が年度途中に新体系に移行されたことから対象者が減となったことによるものであるとの答弁がありました。
一委員より、
私立幼稚園就園奨励費の減額の主な理由についての質疑があり、これに対して、当初見込みに対して人数が少なかったことよるもので、前年度と比べると18人の減であるとの答弁がありました。
一委員より、事務局費の職員手当の詳細について質疑があり、これに対して、現在行っている
耐震化工事などによる事業量の増加等による超過勤務であるとの答弁がありました。
一委員より、
人権問題啓発事業の内容についての質疑があり、これに対して、昨年については、2回開催しており、第1回目は8月の
人権強化月間に、
阪神淡路大震災と3.11福島の経験をふまえてという内容でボランティアを通した経験をお話しいただいて、人を思いやる心を学ぶ内容であった。第2回目は12月の人権週間に「子供の人権尊重と、より良い育ちのために」と題して、家庭地域での子どもの人権とのかかわり方について学ぶ内容であったとの答弁がありました。
一委員より、
留守家庭児童会保護者協力金の減額について質疑があり、これに対して、
入所児童数が平成23年当初466人であったが、今年の3月末には423人となっていることによる納付者数の減少による減額であるとの答弁がありました。
その他若干の質疑と要望があり、採決の結果、挙手全員により本
委員会所管分については承認することと決しました。
なおよく、本会議におきましてご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○(
辻山久和議長)
次に、
北林建設環境常任委員長。
○(
北林重男建設環境常任委員長)(登壇)
おはようございます。
議案第26号、本
委員会所管分についての審査経過と結果を報告いたします。
主な質疑の概要として、一委員より、平成23年度の繰越明許が出ているが、それ以外にあるのかとの質疑があり、ありませんとの答弁がありました。
一委員より、
市公共交通実態調査業務の繰越明許の関係で、
パーソントリップ調査がなぜこんなにおくれているのかとの質疑があり、当初の予定では昨年末であった。調査方法を訪問調査から
郵送調査方式に変更され、記入漏れやミスもあって、その整理のためにおくれているとの答弁がありました。
関連で、一委員より、余りにもおくれ過ぎるが、アクションを起こしているのかとの質疑があり、2月には問い合わせをし、24年度に入ってからも早期公表を要請しているとの答弁がありました。
関連で、一委員より、国交省への要請は文書等で行っているのかとの質疑があり、口頭で行っているとの答弁がありました。
関連で、一委員より、文書で要請できないのかとの質疑があり、検討したいとの答弁がありました。
一委員より、
市公共交通検討委員会の任期について質疑があり、人事異動等により担当職員は一部かわることになるが、委員さんには
パーソントリップ調査がおくれていることから、
委員会開催がおくれていることを通知しているとの答弁がありました。
一委員より、
パーソントリップ調査結果が出なければ、
検討委員会が進められないのはおかしい、巡回バスを早く実現してほしいのは市民の切実な要望であり、しっかりめどを立てて進めるべきではとの質疑があり、
パーソントリップ調査結果が出ないと総合的な判断ができないとの答弁がありました。
関連で、一委員より、議会で請願が複数回採択されており、巡回バスを実際に走らせてみて検討を重ねることが大切だ、国に頼らず早急に進めるようにとの要望がありました。
一委員より、先日の物集女町長野地内で発生した火災とその公表についての質疑があり、現在、調査中である、個人情報以外は議会に知らせることは可能であるとの答弁がありました。
一委員より、
防災拠点整備業務の繰越明許についての質疑があり、全額繰り越したが、現在、設計を進めているとの答弁がありました。
一委員より、農地費の減額についての質疑があり、当初は工事費500万円を計上したが、450万円で確定したことにより、地元30%負担を50万円から15万円を減額したとの答弁がありました。
関連で、一委員より、30%の地元負担についての質疑があり、地元要望で擁壁をつくり、
アスファルト整備を行ったためであるとの答弁がありました。
一委員より、カシノナガキクイムシの駆除予算は執行されているが、はり湖山の植樹計画はどうなっているのかとの質疑があり、残された緑は貴重であり、緑の基本計画に基づき整備を行うとの答弁がありました。
関連で、一委員より、西ノ岡の乱開発により洪水の危険性が生じた。工事方法と指導をきちんとすべきではとの質疑があり、市民の暮らしを守るために努力するとの答弁がありました。
一委員より、
公園整備基金の残高と公園台帳の内容についての質疑があり、基金残高は2億1,969万8,665円である。公園台帳をデジタル化して、名称や設置年月日、施設内容、平面図などを組み込むとの答弁がありました。
関連で、一委員より、公園遊具の設置や更新についての質疑があり、公園遊具は
地元町内会と相談し、設置や更新を行っているとの答弁がありました。
一委員より、
木造住宅耐震工事の補助事業の減額と実績について質疑があり、
耐震診断件数は20戸を見込み、14戸の実績、
耐震工事件数は20戸を見込み、12戸の実績であるとの答弁がありました。
一委員より、
木造住宅耐震化事業の広報について質疑があり、広報や回覧板を含めPR方法を考えていきたいとの答弁がありました。
その他意見・要望が出され、採決の前に一委員より、
パーソントリップ調査のおくれは無責任すぎる、文書で国に申し入れること。調査結果を待っている間に、それ以外の作業を早くしてもらい、巡回バスの早期実現を。
木造住宅耐震改修助成事業のPR方法の改善を。公園遊具については利用度の調査とアンケートもとってほしい。本補正については賛成するとの意見がありました。
一委員より、公園に遊具が設置され安全性を確保されているところもあり、遊具が何もないところもある。もう少し樹木も含めて工夫し、はり湖山についても工夫してほしいとの意見がありました。
採決の結果、挙手全員により、本
委員会所管分については承認すべきものと決しました。
なおよく、本会議におきましてご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○(
辻山久和議長)
次に、
西川総務常任委員長。
○(
西川克巳総務常任委員長)(登壇)
おはようございます。
議案第26号、本
委員会所管分について、その審査経過と結果をご報告いたします。
主な質疑の概要として、一委員より、
ふるさと応援基金積立金の内容について、
財政調整基金の現在高についての質疑があり、応援基金は平成23年度は20件で、金額は190万8,488円であった。財調の現在高は、今回の6号補正後で18億942万円になる見込みであるとの答弁がありました。
一委員より、退職手当に関連して、退職者のうち再任用を希望されている人数について、また、希望者の配置についての質疑があり、平成23年度の退職者は25名で、そのうち定年が21名である。再任用の対象になるのは定年の方であり、14名の方が再任用を希望されて採用されている。平成22年度は、再任用は9名であった。希望者は100%が再任用されている。再
任用希望者は100%採用していくというのが基本であるという考えを持っている。再任用の振り分けについては、人事担当で退職の状況を踏まえた上で総合的に調整を図り、配置をしているとの答弁がありました。
関連して、一委員より、別法人に配置する場合はどうかとの質疑があり、公益3法人については、要請があれば話をすることになるとの答弁がありました。
その他活発な質疑があり、採決の結果、挙手全員により、本
委員会所管分について、承認すべきものと決しました。
なおよく、本会議におきましてご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○(
辻山久和議長)
ただいま
委員長報告が終わりましたので、
委員長報告に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を行います。
まず、反対討論を求めます。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
次に、賛成討論を求めます。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
1番、
松山幸次議員。(拍手)
○1番(
松山幸次議員)(登壇)
おはようございます。
私は、
日本共産党の松山幸次です。議員団を代表いたしまして、以下の要望、意見を述べ、今回追加されました補正予算(第6号)について賛成討論いたします。
第1は、
子ども手当費が9,116万円減額されていますが、その主なものは
子ども手当国庫負担金が8,301万円減額されたことによるもので、民主党政府による公約違反の
子ども手当削減と
自治体事務の煩雑化の押しつけは全く許せないものであります。
第2は、
財政調整基金が1億9,024万円積み立てられていますが、これは職員削減などの人件費や
福祉切り捨てなど、市民いじめの
行革プログラムを推進してきたためであり、子どもの
医療費助成拡充を初め、市民の願いに積極的にこたえるべきであります。
第3は、事業が年度を越えることになった
繰越明許費補正が1億5,448万円となっていることであります。
1点目として、
市公共交通実態調査業務916万円については、
市地域公共交通検討委員会に係る委託料で「
市内巡回バス」の早期運行は、
交通利便性の低い向日市の責務であり、とりわけ高齢者の強い要望であります。したがって、次回開催の
検討委員会で「報告書」を受け、市長が「巡回バス」実現へ速やかな決断をされることを強く求めるものであります。
2点目は、
防災拠点施設整備と
市道路改良事業1億4,346万円については、市民の安全・安心を守るため、工事の速やかな執行を望むものであります。
3点目は、
西ノ岡中学武道場建設設計業務186万円についても繰越明許とされましたが、常盤議員が指摘いたしましたように、施設整備とともに柔道授業の事故防止に特段の努力を求めるものであります。
第4は、
中学校エアコン整備事業債の4,600万円減額など、地方債の1億5,220万円の減額と、安心・安全な
学校づくり交付金、
学校施設環境改善交付金など、
教育費国庫補助金1億3,268万円の
特定財源内訳が計上されましたが、今年も予想される猛暑に備え、中学校の
エアコン整備事業の一日も早い完了と、すべての小学校での
エアコン設置について整備計画の早期作成を強く求めるものであります。
第5は、今議会で中学校の給食の実施について
日本共産党と公明党、そして
市民クラブの3会派の議員が一般質問で取り上げるという初めての出来事がございました。私も過去にこの問題は取り上げましたが、改めて他市の状況調査とともに、常盤議員が提案いたしましたように、実施を前提に教職員や保護者の声をよく聞き、生徒の昼食について直ちに実態調査を行うことを強く求めるものであります。
第6は、平成24年5月22日付で辻山議長より久嶋市長に提出した「公文書の適正な取り扱いについて(申し入れ)」に対し、市長は「反省とおわび」を表明しておられますが、
市情報公開審査会答申(平成24年1月20日)では、「実施機関の説明により6つの報告書案が存在したことが明らかにされている」と明確に示されており、今回の市長回答にある「当時、私は公文書としての認識がなく、廃棄した」という行為の重大性は強く糾弾されなければならないし、
水野弁護士の「その作成過程における未完成の案文は特に保存しておりません」という回答は、市民の立場から見て向日市の
顧問弁護士としての資質に欠ける不誠実なものであると言わなければなりません。
第7は、今議会で向日市と
指定管理者契約を結んでいる「
社会福祉協議会事務局長」人事に久嶋市長が深くかかわった疑いがあるのではないかということが一般質問と
常任委員会質疑で取り上げられ、福祉の専門家とは言えない新事務局長の給与が前事務局長と比べ「極めて高いのではないか」と言われる疑惑などは、9月決算議会で明確にされなければなりません。第6の公文書の管理と共通することは、市政の私物化であり、不適切な財政支出であり、それらを正す力を市役所内にしっかり確立することも議会の責務であります。
日本共産党議員団は、消費税の大増税や大飯原発再稼働に反対するとともに、市民の皆さんの要求実現の先頭に立って、引き続き奮闘する決意を表明し、本議案の賛成討論といたします。
以上です。(拍手)
○(
辻山久和議長)
ほかに討論ありませんか。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
9番、
飛鳥井佳子議員。
○9番(
飛鳥井佳子議員)(登壇)
おはようございます。
市民クラブの
飛鳥井佳子でございます。(拍手)
平成23年度向日市
一般会計補正予算(第6号)の賛成討論を行います。
計算上の予算の数字や内容につきましては誤りがございませんので賛成をいたします。
しかし、予算のチェックを議員がする場合の最大のポイントは、我々と市長や行政との信頼関係のあるなしと考えます。それがないのに挙手だけするのはいかにもむなしく、職を汚すことになると思いますので、市長が今議会、最低限しなければならないことを怠ったことへの大いなる不満と怒りについて、この場をかりて訴えたいと存じます。
こう申し上げれば、ここにいらっしゃる議員の皆様は何のことかおわかりと存じますが、5月22日に我が
市議会議長の辻山議員さんが市長あてに
公共下水道、石田川2
号幹線事業における
損害賠償請求にかかる
顧問弁護士作成の公文書である報告書を、市長が破棄したことについて、市長が
顧問弁護士に依頼をして公開せよとの議会の総意である第1390号の要請がされた事案についてであります。
市長は、我々の一般質問がすべて終わった後の6月13日にとんでもない回答をされています。「当時、私は公文書としての認識がなく、廃棄したために市民の皆様や
市議会議員各位に対し説明責任を果たせなかったことについて深く反省し、おわび申し上げます。」と。2億円もの損害が出たのに、全く軽い市長の回答でございます。
あれだけしっかりした内容の8ページもある2名の
弁護士連名の報告書を公文書と思わず捨ててしまうとは狂気のさたです。子どもが読んでもJRCに勝訴でき、2億円取り返せるということがわかるもので、市民がごらんになれば大喜びされる内容でございました。
なぜ市長はこれをだれにも見せずに捨ててしまったのか、アルフレッド・ヒッチコックも真っ青な「疑惑の影」が漂っております。しかもどうやら勝訴できるとした報告書は1本や2本ではないらしい。市長は6本目の敗訴としたものだけを公文書として公開し、勝訴できるほうは次々と捨てられました。だれが考えても狂気のさたでございます。後に平成20年10月の見事な勝訴できる報告書が発覚しても、まだ残る4本を公開しないのは一体なぜなのか、まさにサスペンスです。
2億円をみすみすどぶに捨てるのは不思議です。その上、
水野弁護士のあきれた回答です。これは6月6日に提出されておりますが、すぐに出してくだされば、私も一般質問することもできましたが、私の手元には13日の15時56分に届きました。期待を裏切られ、がっかりいたしました。このようにあれこれ周到に計画されたことが功を奏し、不問となるように導くおつもりでございましょうが、そうは問屋が卸しません。
水野弁護士は、「公文書である5本の報告書は特に保存しておらず、議会の要請にこたえられない。」とのご回答ですが、わずか3年前に一つ一つが10ページ近くにも及ぶ大作の6本の報告書をつくっておきながら、5本分も記憶をなくしてしまうというのはあり得ない話でございます。
市長は、これからも
水野弁護士を雇うおつもりだとのことでございますが、普通はどこかご病気でしょうから、よい病院を紹介しましょうと言ってあげる話だと私は思います。
何億円もの
下水道料金アップをされた市民の身になって考えてください。市長がぺこりと頭を下げて謝られても全く許せないことだと存じます。また、弁護士は
市長サイドには立たないでほしい、市民の税金で雇われていることに自覚を持ち、即刻、正直に5本の報告書について明らかにし、話すべきであります。これ以上、議会を侮辱することは許されません。
なぜこんなことになってしまったのかわからぬまま、
市議会議長の申し入れにもこたえず、議会に泥を塗ったまま幕引きをすることは絶対にあり得ません。これを放置する議会なら、市民は議会こそ税金の無駄とおっしゃることでしょう。
市長は、なぜか
水道管理者におさまられ、人事権を乱用し、職員を次々と配置転換し、証拠隠滅に奔走されましたが、真実は必ず明るみに出るものでございます。JRCへの平成15年の1,039万5,000円、また平成16年の892万5,000円の調査業務を委託したのは市長です。
また、佐藤工業の平成18年12月の14億4,795万円もすべて市長が委託者でございます。公金をこれほど使った事案について、議会に裁判も辞さずと言っておきながら、市長は何も覚えていないとは恐ろしいことでございます。幾ら市長がそのときに向日町駅の橋上化をJRに頼んでいる最中であったとしても、きちんと
水道管理者がいたなら、きっと覚えていたはずですし、そして裁判に勝訴もしてくれていたことでしょう。一体だれが、何があって急ブレーキをかけてしまったのでしょうか。
6本の報告書は、皆、市民のものです。市民の税金で雇われている弁護士と市職員さんが勤務時間内に協議をして頑張ってつくられた勝訴できる成果品のあの報告書は一体どこへ行ってしまったのでしょうか。今議会中、建設環境
常任委員会でも、本日、最終本議会でも、とうとう公文書を提出しなかった罪は大変重いと思います。9月議会までにすべて報告書を耳をそろえて提出するよう要請をいたしたいと思います。
そうでなければ、これから1億4,898万2,950円もの北野台の雨水貯留槽の裁判をこの弁護士と市長に任せるわけには参りません。
ところで先日、府民税(住民税)の納税通知書の中の問い合わせ先が間違っていて、市役所の電話番号が間違っていたために、訂正のおわびはがきを税務課のほうで51万3,483円かけて1万533件に出されました。私の家にも参りました。
このミスについて、議会に直ちに報告がございました。人間、だれでもミスを犯すことはあります。問題は、それを隠さずに正直にわびることができるかどうかが、今後の行政と議会との健全な関係をつくれるかどうかにかかわってまいります。当然のことながら、私はこのことを議会におわびをされた税務課は正しいご判断をされたと評価をいたしております。
市長も、幾ら市政に身を入れておられなかったとしても、5本の報告書について、その内容や、いつどこで捨てられたのかくらいのご記憶はおありのはずですが、先議会の私の一般質問に全くお答えになりませんでした。これではちっとも謝ったことにはなりません。うそで塗り固めているとしか思えません。どうか市職員を見習い、正直に真実を公開していただきたいと存じます。
さて、ここに市長が必死で隠された報告書のうち、新たに平成20年9月の勝訴できる10ページの報告書が出てまいりました。だれもが見たい公文書でございますので、辻山議長に参考資料としてお渡ししていることを申し上げ、賛成討論とさせていただきます。
以上です。(拍手)
○(
辻山久和議長)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
それでは、討論を終結して採決いたします。
議案第26号について、承認することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手全員であります。
よって、議案第26号は、承認することに決定いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
日程第3、議案第27
号専決処分の承認を求めることについて(平成23年度向日市
国民健康保険事業特別会計補正予算(第4号))を議題といたします。
本案は、厚生文教
常任委員会に付託しておりましたので、その審査結果報告を求めます。
冨安厚生文教常任委員長。
○(
冨安輝雄厚生文教常任委員長)(登壇)
議案第27号についての審査経過と結果をご報告いたします。
主な質疑の概要といたしまして、一委員より、療養諸費の減額の背景についての質疑があり、これに対して、平成22年度までの療養諸費の伸び率を勘案して当初予算を組んでいたが、23年度については、一般被保険者は減少しているが退職被保険者が人数的にはふえている。しかしながら高額にかかる医療費が前年度と比較してかなり減ってきていると推測している。そのため全体の医療費としては21年度並みの医療費に戻ったと考えているとの答弁がありました。
一委員より、高額療養費の支出が減少してきているがこれは特定健康診断の効果が発揮されてきたものと理解してよいのかとの質疑があり、これに対して、全体的に高額療養費の費用自体が少なくなっており、一般も退職も1人当たりの医療費の額が前年度と比べてかなり少なくなっている。特定健診とのかかわりについては、特定健診自体は肥満対策の一環として平成20年度から開始された制度であり、向日市では平成20年度から受診率は41%前後の横ばいであるが、市民の方の意識は高まっていると考えており、これも医療費減少の一因ではあると考えているとの答弁がありました。
関連して、一委員より、特定健康診断の受診率を高めるための努力について質疑があり、これに対して、国民健康保険に加入されている40歳から74歳までの方を対象としており、個別に郵送をして受診をしていただくようにお知らせをしているとの答弁がありました。
一委員より、人間ドック・脳ドック健康診断の受診件数の推移について質疑があり、これに対して、平成22年度の受診者数は563人であったのに対し、平成23年度見込みは583人で前年度比3.6%増を見込んでいる。今回減額したのは受診申し込みが当初かなり多かったために補正予算を組んでいたが辞退される方がかなりおられたことから一定額を減額したところであるとの答弁がありました。
その他若干の質疑と要望があり、採決の結果、挙手全員により承認することと決しました。
なおよく、本会議におきましてご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○(
辻山久和議長)
ただいま
委員長報告が終わりましたので、
委員長報告に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を省略して、直ちに採決したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
ご異議なしと認め、採決いたします。
議案第27号について、承認することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手全員であります。
よって、議案第27号は、承認することに決定いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
日程第4、議案第28
号専決処分の承認を求めることについて(平成23年度向日市
介護保険事業特別会計補正予算(第5号))を議題といたします。
本案は、厚生文教
常任委員会に付託しておりましたので、その審査結果報告を求めます。
冨安厚生文教常任委員長。
○(
冨安輝雄厚生文教常任委員長)(登壇)
議案第28号についての審査経過と結果をご報告いたします。
主な質疑の概要といたしまして、一委員より、地域密着型介護サービス給付費及び施設介護サービス給付費の減額の詳細について質疑があり、これに対して、地域密着型介護サービス給付費については、認知症対応型グループホーム、小規模特養、小規模のケアハウスなどが地域密着型の施設であり、減額に至った理由は、第4期の計画の中で施設整備を行ってきたが、小規模特養、小規模ケアハウス、認知症対応型グループホームについて開設が当初予定よりも遅れたことで利用者数が見込みより減ったことによる減額である。施設介護給付費については、市内の三つの施設を含めて合計で385人の利用者数を見込んでいたが、実際は345人で40人の減であったことによる減額であるとの答弁がありました。
一委員より、特別養護老人ホームの入所待機者の状況について質疑があり、これに対して、23年6月1日で重複を除いて132名であったが、その後に施設整備がなされた関係上、現在ではかなり減っていると考えているとの答弁がありました。
一委員より、自民党がまとめている社会保障改革案では、ふえ続ける介護保険料に対して、国及び地方自治体が負担して、今後、利用者からの負担を求めないようにする案がほぼまとまっているが、これが実現した場合、自治体の財源をどうするのかという問題が出てくるが市としての見解はいかがかとの質疑があり、これに対して、介護保険に限らず後期高齢者医療や国保を初めとする社会保障の課題については、よりよい案を国において練っていただき、地方においてはそれにあわせて進めていくものと考えているとの答弁がありました。
その他若干の質疑と要望があり、採決の結果、挙手全員により承認することと決しました。
なおよく、本会議におきましてご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○(
辻山久和議長)
ただいま
委員長報告が終わりましたので、
委員長報告に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を省略して、直ちに採決したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
ご異議なしと認め、採決いたします。
議案第28号について、承認することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手全員であります。
よって、議案第28号は、承認することに決定いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
日程第5、議案第29
号専決処分の承認を求めることについて(平成23年度向日市
下水道事業特別会計補正予算(第4号))を議題といたします。
本案は、建設環境
常任委員会に付託しておりましたので、その審査結果報告を求めます。
北林建設環境常任委員長。
○(
北林重男建設環境常任委員長)(登壇)
議案第29号についての審査経過と結果を報告いたします。
主な質疑の概要として、一委員より、汚水事業費の減額理由と繰越明許での北野台の道路改良により雨水対策は大丈夫なのかとの質疑があり、汚水事業費の減額は支出を減らした努力であり、負担金については処理場の
耐震化工事が安かったことなどによるもの。道路下の暗渠工事は本日供用開始した。公園下の工事については供用開始は7月下旬を予定している。これによりおおむね1時間61ミリの雨であれば対応できるとの答弁がありました。
一委員より、公園下の貯留槽が使用開始すれば何ミリの雨が大丈夫なのか。汚水費の節約で支障は出ないのかとの質疑があり、北野台の公園下に727トンの貯留量を設ける予定で、この2件の工事が完了すれば80ミリの雨量でも大丈夫だ。汚水費の節約で特に支障は出ないとの答弁がありました。
関連で、一委員より、万が一この工事で貯留量が足らなかったら、どう対処するのかとの質疑があり、開発箇所に貯留槽を入れることにより大雨に対処できるとの答弁がありました。
関連で、一委員より、万が一のときは補正して対策されるのかとの質疑があり、大丈夫と考えている。万が一の場合は対処するとの答弁がありました。
一委員より、歳入の下水道使用料の減についての質疑があり、当初予算に比べ、有収水量が15万7,000トン、2.7%の減となったとの答弁がありました。
関連で、一委員より、減少は予想以上だったのかとの質疑があり、水道の使用水量が約3%減ったのが原因と考えているとの答弁がありました。
一委員より、19年度に水道料金の着服問題が発生した。報告されてないが全部返済されたのかとの質疑があり、毎月定期的に返済されており、100万円以上が残っているとの答弁がありました。
一委員より、働く職員のメンタルケアについての質疑があり、職員のメンタルケアについては若い職員も含めて取り組んでいるとの答弁がありました。
関連で、一委員より、職員の氏名が出されればバッシングもあり、人権上の配慮が必要ではとの質疑があり、十分に配慮したいとの答弁がありました。
採決の前に一委員より、本補正には賛成する。北野台開発については市民に雨水被害も出た。雨水対策は全市的に取り組んでほしい。開発から3年もかかったのは問題であり、早く手を打つことが大切であるとの意見がありました。
採決の結果、挙手全員により、承認すべきものと決しました。
なおよく、本会議におきましてご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○(
辻山久和議長)
ただいま
委員長報告が終わりましたので、
委員長報告に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を省略して、直ちに採決したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
ご異議なしと認め、採決いたします。
議案第29号について、承認することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手全員であります。
よって、議案第29号は、承認することに決定いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
日程第6、議案第30号
住民基本台帳法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定についてを議題といたします。
本案は、総務
常任委員会に付託しておりましたので、その審査結果報告を求めます。
西川総務常任委員長。
○(
西川克巳総務常任委員長)(登壇)
議案第30号について、その審査経過と結果をご報告いたします。
主な質疑の概要として、一委員より、今回の
住民基本台帳法の改正により、対象となる人は何人になるのか、難民の方の現状はどうか、特別永住者の人たちへの意見聴取はされているのかとの質疑があり、対象となる方は、5月7日の時点で、中長期の在留者が139人、特別永住者は297人の合わせて436人が対象である。難民の方は、現在おられない。また、周知については、1月に広報により行っている。さらに7月にも広報に掲載する予定である。また、ホームページにも掲載する予定である。また関係者には、事前に通知をしている。意見聴取については行っていないとの答弁がありました。
一委員より、
住民基本台帳法の附則第23条の関係で、住民基本台帳から漏れる恐れのある人の救済はどのように取り扱うのかとの質疑があり、行政サービスは従前どおり引き続き行うものである。附則第23条に関しては、必要な処置を講ずることになっており、国から各担当へも通知が来ているとの答弁がありました。
関連して、一委員より、今回の条例改正により、住民基本台帳から漏れる人はいないのか、漏れる可能性があるのではないかとの質疑があり、在留期限の切れている人が7名おり、そのうち5名が既に出国されており、残りの2人については入管手続をされ、申請があり次第登録をすることになるので、現在の時点では漏れる人はいないと考えている。しかし、不法滞在の場合は漏れる可能性はあるが、情報を正確につかむよう努力していくとの答弁がありました。
一委員より、在留外国人は外国人登録がなくなり、それにかわり、住民基本台帳に登録することになる。いろいろな懸念の声がある。在留資格のない方は台帳に登録されない。台帳から漏れる人たちの行政サービスはどうなのかとの質疑があり、外国人登録のときと同じで、台帳に載らない方については、各制度の趣旨に基づいて行政サービスを行っていくことになっているので、必要な措置はとっていくとの答弁がありました。
一委員より、在留資格の有無にかかわらず、外国人の義務教育小・中学校への修学支援を行うと政府の答弁があるが、向日市ではどうかとの質疑があり、今のサービスを継続していくことで対応していくことになる。また、現在のところ対象者はいないとの答弁がありました。
その他若干の質疑があり、採決の結果、議案第30号について、挙手多数により、原案どおり可決すべきものと決しました。
なおよく、本会議におきましてご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○(
辻山久和議長)
ただいま
委員長報告が終わりましたので、
委員長報告に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を行います。
まず、反対討論を求めます。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
8番、杉谷伸夫議員。(拍手)
○8番(杉谷伸夫議員)(登壇)
市民クラブの杉谷伸夫です。反対討論をさせていただきます。
7月9日より外国人登録制度が廃止をされ、新しい在留管理制度がスタートをします。大きな制度変更であり、在留外国人の方にとって影響が大きいものであることから、本条例について慎重に検討した結果、特に向日市児童福祉手当支給条例の改正について問題があるということから、反対をしたいと考えます。
在留管理制度変更の内容についてですが、3カ月以上日本に在留する外国人は、これまでは市町村で外国人登録をして、外国人登録証が交付され、それが身分証明書のかわりをしていました。それがこの7月9日からは外国人登録制度がなくなり、外国人も日本人と同様に住民基本台帳に登録することになります。市町村が発行する外国人登録証のかわりに法務省が在留カードを交付し、それが身分証明書の役割を果たすようになります。
ここで委員会審議の中で私は二つの問題点を指摘しました。
一つは、これまで市町村が行っていた外国人登録の事務がなくなり、専門窓口がなくなり、外国人登録原票も管理されなくなるとすれば、市町村にお住まいになる外国人に対して行ってきた向日市の行政サービスの水準が果たして保障されるのかということです。この点につきましては、行政担当部門より、従来と同様の人員体制で対応するので心配は要らないとの答弁でしたので、しっかり対応していただきたいと思います。そして外国人の市民が相談する窓口がはっきりわかるようにすることが大切だと思います。
もう一つの問題点は、これまでならば外国人登録証が交付されて行政サービスを受けることができたのに、7月9日以降、新しい制度のもとでは住民基本台帳に登録されず、これまで受けることのできた行政サービスを受けることができなくなる人が生まれる可能性があることです。それは非正規滞在者のことです。
現在の制度では、たとえ在留資格がなくても市町村の窓口で外国人登録ができ、外国人登録証が交付をされ、基本的な行政サービスを受けることができます。しかし、新しい制度では在留資格のない人は、法務省から在留カードが交付されず、市町村で住民基本台帳に登録されなくなります。したがって、そういう人は行政サービスから閉め出される心配があります。
この点については、国会で附帯決議がなされ、在留資格がなく住民基本台帳に登録されない非正規滞在者に対しても、これらの権利・サービスが後退しないよう、市町村や政府機関が適切に対応するよう求めており、また政府も国会答弁や総務省通知でその旨を明言しています。本市の総務
常任委員会審議においても、行政から「現在受けることのできるサービスは、制度が変わっても低下させない」との趣旨の答弁がありました。
ところが、本条例で示されている内容は、その答弁と矛盾します。「向日市児童福祉手当支給条例の改正」では、支給を受けることのできる対象者の要件が「住民基本台帳または外国人登録原票に登録されている者」という現行の規定から「外国人登録原票に登録されている者」が削除されています。これは外国人登録制度がなくなるから、機械的に削除したものかもしれませんが、その結果、これまでは外国人登録されていたのに、新しい制度では住民基本台帳に登録されなくなる非正規滞在者は、この制度の対象から排除されてしまいます。これは「制度が変わってもサービスは低下させない」との答弁に反します。
ここで在留資格がない非正規滞在者のことについて、一言触れておかなければなりません。在留資格がない非正規滞在者は、正確な人数はわかりませんが、全国で10万人近くいらっしゃるようです。その多くは、かつては在留資格があったけれども、在留期限が過ぎてしまったという方が多いようです。在留資格が切れたまま日本で働き、家庭をつくり、子どもも含めて一家全員在留資格のない、そういう方も多数いらっしゃいます。在留資格がないこと以外は、何ら問題はなく、いわゆる3K職場で働き、日本経済を底辺から支えている方が多いといいます。日本政府も、そうした方々に対して、人間としての最低限の権利、例えば子どもの教育を受ける権利、母子保健や医療に関するサービスを受ける権利などは在留資格の有無にかかわらず保障されるとしてきました。また、これは国際条約が求める基準でもあります。
今回の条例改正で問題になっているのは、この向日市児童福祉手当支給条例だけですが、そのほかにも規則や要綱で助成の対象として「外国人登録されている者」という規定がされているものが幾つもあります。私がちょっと調べただけですけれども、例えば、子育て支援医療費助成規則や
福祉医療費助成規則などです。ここにもそういう規定があります。もし、こうした規則からも同じように「外国人登録されている者」という規定を削除する改正を行うならば、「制度が変わってもサービスは低下させない」との答弁に反し、非正規滞在者は、実際には向日市の多くの行政サービスから排除されてしまうのではないでしょうか。
国の法律改正によるものだから仕方がないということでは全くありません。むしろ、さきに述べた国会決議や政府通達に従うならば、現行サービスを維持できるよう、そういうように条例・規則の改正内容にするべきでしょう。例えば一例ですが、「住民基本台帳に登録されている者」という規定ではなくて、「向日市に住所を有する者」、そういう規定にすることなどが一例として考えられます。実際、向日市の規定の幾つかは、対象者が「向日市に住所を有する者」という規定になっているものがあります。いずれにしろ、「制度が変わってもサービスは低下させない」ということが保障される改定内容にするべきではないかと考えます。
これから向日市の関連規則等の改正を行っていくことになると思いますけれども、機械的に「外国人登録されている者」の規定を削除するのでなくて、私がさきに指摘した点から改めて検討していただきたいと思います。
できれば、本条例に反対するだけでなくて、これまでに述べた趣旨を反映した修正案を準備できればよかったのですが、そこまでは全く調査・準備ができていません。しかし、このような問題を抱えたまま条例改正をするのではなく、改めて検討し直すことを訴えて、反対討論とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○(
辻山久和議長)
次に、賛成討論を求めます。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
3番、丹野直次議員。(拍手)
○3番(丹野直次議員)(登壇)
私は、
日本共産党議員団、丹野直次でございます。ただいま上程議題となりました議案第30号
住民基本台帳法の一部を改正する法律等の施行に伴う関係条例の整備に関する条例の制定について賛成討論をさせていただきます。
今回の条例改正の目的は、
住民基本台帳法の一部改正に伴う整備を行うものであります。向日市事務分掌条例の一部改正、向日市印鑑条例の一部改正、向日市手数料条例の一部改正、そして向日市児童手当支給条例の一部を改正する四つの市条例改正につながっておるものでありますが、外国人登録制度の廃止に伴って住民基本台帳の登録台帳に外国人を追加するというものであります。全国の市町村で住民票を作成していく行政事務が始まるというものでございます。
そのことによって、もし他の市町村に転入、あるいは転居された場合でも住基台帳カード継続利用が可能とされていくというふうにされております。
自治体が行政サービスを行うためには、これは必要なものだというふうに思います。しかし、この制度には新たな在留管理強化をねらうなど、そういったことを持ち込むことが懸念されていることから、
日本共産党国会議員団は法案には反対をさせていただきました。
また、国の制度改正によるものであって、今回、法務大臣から在留資格の変更通知を受けた場合、適正でないとされた外国人は住基台帳から削除されるということも言われております。
そういった問題も踏まえながら、以下、意見を述べさせていただきたいと思います。
第1は、日本に住んでおられる在日の韓国、朝鮮人の方々には、特別永住者として「特別永住者証明書」がこれまでは常時携帯義務がありましたけども、それが今回廃止されたということでございます。ところで、市内には中長期滞在者が139人、特別永住外国人が297人で合計436人がお住まいでございます。外国人住民には医療・教育などを受ける権利を保障するためには住民基本台帳を整備しておかなくてはならないという必要性が発生したというふうに考えるわけであります。
第2は、住民基本台帳に記載される対象以外のいわゆる「在留資格を有しない外国人」は行政サービスから排除されることが危惧されます。
国会におきましては、平成21年6月に審議された際、法務大臣は
住民基本台帳法附則第23条に、今後、検討事項を設けるとされておりました。
その後、2年たちまして、昨年、法の修正がされてきたところでありますが、現実には全国で222万人の滞在者のうち、在留資格を有しない外国籍住民は全国で、政府の発表の国会答弁の中で、非正規と言われる滞在者は1万8,000人の方々であるという見込みであると言われておりました。そこで、従来受けておられたサービスが受けられるかどうかが非常に懸念されるのであります。
現在、居住されているのに、これらの各種行政サービスから受けられない事態は絶対に避けなければならないということでございます。そこで、修正された
住民基本台帳法附則第23条におきましては、それまで受けておられた行政サービスを継続するための措置であるというふうに考えていかなければなりません。
向日市では非正規の滞在者、資格のない方でありますが、つまり、法務省が発行する「在留カード」を持たない方は2名おられるということでございましたが、そうした人たちの日々の生活があるということを、実態を反映する必要があると思います。向日市は「住民の福祉の増進を図る」ことを目的にした利便増進に向け、少なくとも現行サービスの維持が実現されるように、排除はしないようにしていただきたいというふうに思います。そのことが法の精神であるというふうに思います。
また、難民申請中で仮放免となっている人であっても、除外していることは問題でありますが、基本的人権は原則として保障されるべきであります。国際人権規約の医療・社会保障を受ける権利を侵害してはならないと定めておるところでございます。今のところ、向日市内では難民申請中の方は、そういった該当者はおられないという委員会答弁でありましたけれども、
日本共産党は、そうした人たちを生まないように国会で要求してきたことを申し上げておきたいと思います。
最後に、市内在住の外国人など関係者への説明やご意見をお聞きするように求めておきたいと思います。外国人の細部にわたる個人情報の収集や一元管理が行われていくわけであります。そうしたことから、プライバシー問題、また今回、漢字使用を行う際に「判こ」が必要となってまいりますが、「判こ」の意味や理解を含め、個人名の表記については簡体字など正字の置きかえることなど、対象者一人一人への慎重な対応を求めるものであります。国籍や民族の異なる方々が地域社会の構成員として、ともに生きていける向日市となるようにすべきであることを要望しておきます。そして多文化における共生社会をともに実現できるよう強く望むものであります。
以上、若干の意見・要望を述べさせていただきまして、議案第30号の賛成討論とさせていただきます。(拍手)
○(
辻山久和議長)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
それでは、討論を終結して採決いたします。
議案第30号について、原案どおり決することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手多数であります。
よって、議案第30号は、原案どおり可決いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
ここで議事の都合により、暫時休憩いたします。
(休 憩) (午前11時08分)
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長) (午前11時15分)
定刻であります。
ただいまの
出席議員数は定足数に達しておりますので、会議は成立いたします。
よって、休憩前に引き続き会議を開きます。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
日程第7、議案第31号
乙訓福祉施設事務組合の共同処理する事務及び乙
訓福祉施設事務組合規約の変更についてを議題といたします。
本案は、厚生文教
常任委員会に付託しておりましたので、その審査結果報告を求めます。
冨安厚生文教常任委員長。
○(
冨安輝雄厚生文教常任委員長)(登壇)
議案第31号についての審査結果と経過をご報告いたします。
主な質疑の概要といたしまして、一委員より、
住民基本台帳法の改正によって記載不要となった外国人登録の対象者が適用除外されるようなことが起こる心配はないかとの質疑があり、これに対して、そのようなことはないとの答弁がありました。
その他質疑なく、採決の結果、挙手全員により原案どおり可決すべきものと決しました。
なおよく、本会議におきましてご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○(
辻山久和議長)
ただいま
委員長報告が終わりましたので、
委員長報告に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を省略して、直ちに採決したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
ご異議なしと認め、採決いたします。
議案第31号について、原案どおり決することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手全員であります。
よって、議案第31号は、原案どおり可決いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
日程第8、議案第32号訴えの変更についてを議題といたします。
本案は、建設環境
常任委員会に付託しておりましたので、その審査結果報告を求めます。
北林建設環境常任委員長。
○(
北林重男建設環境常任委員長)(登壇)
議案第32号についての審査経過と結果を報告いたします。
主な質疑の概要として、一委員より、石田川築造工事に関する公文書の扱いについても問題があり、任せられない。信頼の置ける弁護士にかえてはどうかとの質疑があり、気持ちは受けとめたが、全幅の信頼を置いている弁護士であり、今回の訴訟も任せた。弁護士をかえるつもりはないとの答弁がありました。
一委員より、弁護士には問題があると思う。公開できないものもあると思う。もし裁判で勝てなければ市民負担になるのかとの質疑があり、市民負担をなくすため裁判で闘っているとの答弁がありました。
一委員より、石田川築造工事における5本の文書内容を正直に公表すべきではないのかとの質疑があり、その時点で公文書としての認識はなく、その都度廃棄していた。これからは慎重に進めたいとの答弁がありました。
関連で、一委員より、公文書を公表し、市長はけじめをつけるべきではとの質疑があり、庁内のどこにも文書は残っていないとの答弁がありました。
関連で、一委員より、今議会中に報告書を公表するよう要望がありました。
一委員より、裁判の今後のスケジュールについての質疑があり、スケジュールについては決まっていない。追加3者については訴訟告知に出てきたので弁護士と相談をして進めた。市側の一方的な主張は差し控えたいとの答弁がありました。
一委員より、この裁判は本当に大丈夫なのかとの質疑があり、
水野弁護士とほか2名の3名体制で進めているとの答弁がありました。
一委員より、今、訴えの変更が必要なのかとの質疑があり、この機会を逃さずに進めたいとの答弁がありました。
その他活発な質疑があり、採決の前に一委員より、市長の責任は重い。対策が遅すぎた。危機管理については強く申し上げる。本議案には賛成するとの意見がありました。
一委員より、議案への態度は保留とし、採決前に退席させてもらうとの意見がありました。
採決の結果、挙手全員により、原案どおり可決すべきものと決しました。
なおよく、本会議におきましてご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○(
辻山久和議長)
ただいま
委員長報告が終わりましたので、
委員長報告に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を行います。
まず、反対討論を求めます。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
次に、賛成討論を求めます。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
7番、山田千枝子議員。(拍手)
○7番(山田千枝子議員)(登壇)
議案第32号について。
日本共産党議員団の山田千枝子でございます。議員団を代表して訴えの変更について意見を述べ、賛成討論を行わせていただきます。
私は、何よりも北野台雨水貯留槽下地域の浸水対策を一刻も早く改修することを強く望むものです。特に今は梅雨時期でもあり、平成21年7月の浸水以後、3年もの間、雨が降るたびに不安な思いで暮らしてこられた地域の皆さんのことを思いますとはかり知れないものがあります。
ようやく6月15日からは市道2073号線下の雨水貯留が供用開始されました。また、北野台公園下の貯留槽は7月下旬に完成予定であり、2カ所の雨水貯留対策ができる。大雨でも大丈夫とのことですが、ゲリラ豪雨などにも対応できるように望むものです。
議案第32号は訴えの変更となっております。この内容は被告となるべき者として、昨年7月の洛西建設株式会社のみから、さらに追加して株式会社大高、エバタ株式会社、東ソー・ニッケミ株式会社の3者を加えること及び請求金額を当初の8,659万3,500円から1億4,898万2,950円に改める訴えの変更となっております。この訴えの変更について幾つかの意見を申し上げるものです。
一つ目には、久嶋市長の責任は免れるものではなく、その責任は重大であるということです。
日本共産党議員団は、3年前の浸水被害発生後、丹野議員を先頭に、いち早く議会で取り上げ、被害の原因究明及び対策を早期に行うよう求めてまいりました。この浸水被害での対応については、久嶋市長の危機管理意識のおくれと行政管理能力のなさが露呈しました。
昨年3月の市長の辞職勧告決議までに至ったように、この問題の対応のおくれなどについて、久嶋市長に責任があることです。
二つ目には、向日市を指導してきた京都府に責任があるということです。京都府は北野台住宅開発許可に当たって1,000トンの雨水対策が必要だとし、1,000トンの雨水貯留槽を設置することを条件に、府の本庁で開発許可の判こを押しています。そして、向日市に帰属し、府はその雨水貯留槽が施行不良だったと知っても開発許可をした責任もとらず、向日市任せになっていることです。京都府の開発許可責任及び業者指導責任をとろうとしていません。
市長は京都府に弱腰ではないでしょうか。京都府の開発許可責任及び指導責任を強く求めていただきたい。
三つ目には、市長は市民負担をしないという辞職勧告決議に従いますと昨年答えておられます。市長は「裁判に勝つことしか考えていない」とのことですが、市長の言葉を信じなさいと言われても、安全神話ではありませんが、市民はそういうわけにはまいりません。市民負担にしないことが市長に求められていることを強く申し上げておきます。
また、要望として、裁判経過については、その都度、市民に情報公開していただきたいことです。裁判所での経過は、公的にも明らかにされていることではないでしょうか。莫大な工事費用であり、その裁判結果は多くの市民が注目しています。ぜひ公開していただきたい。
また、特にこの梅雨どきに北野台地域はもちろんのこと、浸水箇所での一刻も早い対策が求められます。災害に強いまちづくり対策を進めていただくことも強く申しまして、本議案に反対するものではないと考え、賛成させていただきます。(拍手)
○(
辻山久和議長)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
それでは、討論を終結して採決いたします。
(
飛鳥井佳子議員 杉谷伸夫議員 退席)
○(
辻山久和議長)
議案第32号について、原案どおり決することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手全員であります。
よって、議案第32号は、原案どおり可決いたしました。
(
飛鳥井佳子議員 杉谷伸夫議員 入場)
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
日程第9、請願第1号
福島原子力発電所の事故原因が究明され、安全性が確認されるまでは大飯原発の再稼働を行わないことを求める請願を議題といたします。
本案は、建設環境
常任委員会に付託しておりましたので、その審査結果報告を求めます。
北林建設環境常任委員長。
○(
北林重男建設環境常任委員長)(登壇)
請願第1号についての審査経過と結果を報告いたします。
審査に入る前に、請願者の方から本請願についての説明をさせてほしいとの申し出があり、委員の了承の上で委員会を閉じ、委員協議会に切りかえて請願者の代表の方から説明をいただき、委員から請願者の代表の方への質問がありました。その後、委員協議会を閉じ、委員会を再開いたしました。
一委員より、原発の運転再開には慎重であるべきだと思っている。一方、この夏の暑さの中で節電もしなければならない状況になれば、医療機関や患者、会社も計画停電は困ると訴えておられる。暫定的な稼働もあり得るかなと考えた。請願には不採択とするとの意見がありました。
一委員より、福島であれほどの事故があったのに政府は安全としている。福井で原発事故が起これば大変なことになり、経済は疲弊してしまう。政府の安全宣言は全く信用できない。向日市は屋内退避箇所にかかっており、未来の子どもたちのことを真剣に考えれば放射能汚染の原因になることはやめるべきだ。だれのための再稼働なのかしっかり見きわめる必要がある。請願には賛成であるとの意見がありました。
一委員より、ことしの3月議会で全会派の議員の賛成で意見書が可決されている。大飯原発再稼働の問題は真剣に考えなければならない。政府は安全性を確保したとしているが、何一つ安全性は確保されていない。福島原発事故の原因究明もされていないのに「安全神話」の復活は許されない。議員は3月議会の意見書を可決したことを考えなければならない。本請願には賛成であるとの意見がありました。
一委員より、この請願は必要ない。この夏の暑さで熱中症が出てくる。計画停電は市民生活にも大きな影響があり、企業の経営にも打撃になる。福井県の中で専門家に託されて安全とされた。本請願には反対であるとの意見がありました。
一委員より、再稼働すれば福島事故以上の被害を及ぼす危険性がある。子どもを被害に遭わせないことが重要。フィルターがついてからでよい。日本人が生き残れるかが問われる。政治家として判断が大切だとの意見がありました。
一委員より、国はどれだけの需要を減らし、供給をふやすかを真剣に検討していない。数字も示されていない。すべての人の命を大切にするために再稼働をしなくてもやれる方法こそ大切だとの意見がありました。
一委員より、原発は最終的に人間が被曝しなければとまらない。核兵器への転用も考えられており、原発労働者を救うために再稼働をやめる必要があるとの意見がありました。
採決の結果、挙手少数により、本請願は不採択すべきものと決しました。
なおよく、本会議におきましてご審議いただきますよう、よろしくお願いいたします。
○(
辻山久和議長)
ただいま
委員長報告が終わりましたので、
委員長報告に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を行います。
まず、賛成討論を求めます。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
6番、和田広茂議員。(拍手)
○6番(和田広茂議員)(登壇)
私は、
日本共産党議員団の和田広茂でございます。党議員団を代表して、請願第1号
福島原子力発電所の事故原因が究明され、安全性が確認されるまでは大飯原発の再稼働を行わないことを求める請願に賛成討論をいたします。
賛成する理由の第1に、本請願と全く同趣旨の意見書が、前3月議会(平成24年第1回定例会)において全会一致で可決されております。しかも前議会で可決した意見書と今回提出された本請願は、その趣旨のみならず、文章表現の一字一句に至るまで、その文面はおおむね違いがありません。請願者は、恐らく向日市議会の前議会の事情を知らず、今回の請願に及んだのではないかと思います。したがって、前議会での意見書に賛成した者としては、本請願に反対するいわれは一切なく、当然に賛成すべきものと考えるのであります。
第2に、請願についての我が党の立場を若干述べておきたいと思います。まず、原発がたどった経過を振り返ると、原発は決して安全でないことを証明しております。スリーマイル島原発事故、チェルノブイリ事故、そして今回の福島第一原子力発電所の事故、どれをとっても一たん事が起これば放射能を収拾できない事態となっており、空間的、時間的、そして社会的にも深刻な被害を拡散しております。
一方、核廃棄物の最終処理を考えると、10万年単位で対応せざるを得ないというのが現実であり、未来の人類に過酷な負荷を強いることにもなるのです。原子力エネルギーの利用の技術は、いまだ未完成の技術であり、したがって、事が起これば手のつけようがない事態にまで至る危険性を持っております。この現実を見ると、いまだ原発と人類は共存することができないということであります。
このことを踏まえ、我が党は原発から一刻も早く、おおむね5年から10年という期限を切って撤退すべきと考えております。原発などに頼らなくても、幸いに我が国にはあり余る自然エネルギー、
再生可能エネルギーが存在することを環境省はデータ公表をしております。当面は天然ガスなどの活用も図りながら、抜本的には
再生可能エネルギーへの転換を推進すること、また大量生産、大量消費、大量廃棄という現在のエネルギー消費型社会から、人間としてゆとりある省エネルギー社会への転換を図ることを目指すのが我が党の立場であります。その立場からは、原発の再稼働はもってのほかとも言うべきもので、本請願は賛成であります。
第3に、前議会後に起こった大きな動きとして、去る6月16日に野田政権は大飯原発3、4号機を再稼働すると決定しました。野田首相は、西川福井県知事の同意をもって、「立地自治体の理解を得られた」からとしていますが、福井県民の同意が得られたわけでは決してなく、また、オール関西を含む圧倒的多数の国民は再稼働に反対しております。今回の再稼働決定は、福島第一原子力発電所のあの事故を踏まえ、国民の命と安全を守る立場に立つなら、絶対やってはならない暴挙であります。今回の再稼働の決定に対しては、市民の皆さんとともに強く抗議し、その撤回を求めるものであります。その点からも請願には賛成であります。
第4に、野田政権は原発に関する「国の安全確保への一層の努力と支援」を約束したと言っておりますが、そうとはとても言えません。そもそも福島原発事故の原因究明もなされておらず、政府みずからがとりあえずの対策として指示した30項目の「安全対策」さえまともに行われておりません。また、日本海側で発生し得る地震・津波の調査と研究も「来年から着手する」というだけであります。それにもかかわらず、野田首相は「福島を襲ったような地震や津波が起こっても事故を防止できる」と断言しているのであります。全くつじつまが合いません。
一方で、具体的根拠や対策を何ら示すこともせず、「電力不足」だといって国民をおどかし、大飯原発3、4号機の再稼働を強行しようとしていることは、最悪の形での「安全神話」の復活そのものです。本市議会の建設環境
常任委員会の質疑の中でも、「夏の暑さの中で節電も進めなければいけない。停電も危惧される。中小企業などの物づくりにも電力が要る。暫定的な原発の再稼働もあるのではないか」とか、「請願される必要はない。熱中症・計画停電・経済的打撃が懸念される。福井県は努力していただいており、専門家の安全判断も重く考えていかなければならない」などの意見が出されました。
野田首相の意見と同様の内容でありますが、野田首相などがキャンペーンする「電力不足」ということに対しては、道理と根拠を示すことなしに原発再稼働のためにするものだとの批判があります。NPOの環境エネルギー政策研究所によると、「設備を再点検して供給力をチェックし、需要も2011年の夏並みの節電を、もっと楽な方法で実施すると、原発が全停止でも17%以上の電力の余裕がある」と報告を発表しております。また、産業技術研究所の歌川 学氏は、「節電の技術は日進月歩で、省エネ手段はたくさんあります。労働、生活環境を維持しながら電力だけを減らすやり方があります」と指摘し、その具体的な対応策を詳しく提示されております。
気候ネットワークからも昨年7月、全原発を停止しても、この夏の最大需要を供給力が上回るとの試算が出され、「政府試算は過大需要と過小供給だ」と指摘しております。さらに日本太陽エネルギー学会元会長、明治大学名誉教授の藤井石根氏は、高知県梼原町の風力・太陽光・バイオマス発電による地域活性化の実例を示し、
再生可能エネルギー活用の広大な条件が開かれていることを示されておられます。
一方、福井県の大飯原発再稼働に「イエス」のお墨つきを与えた福井県の原子力安全専門委員会委員12名のうち6名に対して、原発利益共同体の中核団体である「日本原子力産業協会」の会員企業(三菱重工、日本原電、関電が100%出資して設立した関西原子力懇談会、奥村組、原子燃料工業、グローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン)から6年間で実に1,810万円の資金提供がなされており、公平で公正な第三者としての安全判断がなされたとは到底言いがたいものであります。
野田首相は、今回の再稼働は「国民生活を守るためだ」と述べておりますが、国民の命と安全を危険にさらす無責任きわまりない態度であると言わざるを得ません。最近の世論調査によると、依然として再稼働反対が50%から77%の結果となっております。京丹後市、舞鶴市を初め、府北部の市町の首長さんはそれぞれ反対を明確にしております。
向日市議会では、去る6月8日の本会議において、議員質問に対して久嶋市長は「福島第一原子力発電所の事故は収束しておらず、本格的な原因究明はこれからの状況において、国の示している基準は住民の合意が得られているとは言いがたい」と述べられ、その上で原発の再稼働については「安全性確保を十分見きわめた上で、将来のエネルギー政策について国民的議論を尽くして慎重に対応するよう強く求める」と答弁されておられます。
小田長岡京市長が会長を務めておられる京都府市長会も大飯原発の再稼働について慎重な対応を政府に求める決議を採択しております。山田京都府知事と嘉田滋賀県知事は、去る6月6日に共同記者会見を行い、原発事故で大きな影響を受ける「被害地元」として、政府にさらなる対応を求める7項目の要望を行ったことを報告されておられます。
そもそも原発は、放射能という異質の危険を持ったものであり、「電力不足」などといって原発再稼働と、はかりにかけられるものではありません。このことを踏まえ、請願に賛成であります。
第5に、福島原発事故はいまだに収束せず、その被害は福島県民はもとより、日本社会に深刻な影響を与え続けております。福島原発事故の除染、賠償、子どもたちの健康を守り、地域を再生させるための見通しと責任すら果たそうとしない政府が、再び原発を稼働し、原発固執の道を突き進もうとすることは断じて許されないことであります。「バイバイ原発」、「原発の再稼働反対」の声は、向日市、乙訓地域はもとより、6月17日には原発の地元福井県において2,200人を超える県内最大規模の大集会の成功となって広がっております。
また、再稼働に断固反対する署名は700万筆を超えて、さらに進められております。来る7月16日には東京の代々木公園で10万人の大集会、同29日には国会大包囲行動が行われることになっております。
私たち
日本共産党議員団も向日市民の皆さん、そして多くの国民の皆さんとかたく連帯して、人類と共存できない原発を撤退させるため奮闘する決意を述べて、本請願に対する賛成討論といたします。皆さんのご同意を心から訴えるものであります。(拍手)
○(
辻山久和議長)
次に、反対討論を求めます。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
14番、永井照人議員。
○14番(永井照人議員)(登壇)
おはようございます。
それでは、請願第1号
福島原子力発電所の事故原因が究明され、安全性が確認されるまでは大飯原発の再稼働を行わないことを求める請願について、反対討論を行います。
初めに、福島第一原子力発電所の事故により、長年住みなれたふるさとを離れることを余儀なくされました被災地の皆様には、心からお見舞いを申し上げます。
また、福井県の皆様におかれましては、過去に京都や和歌山といった原発候補地の激しい反対運動を経て、非常に重いリスクを背負っての原発立地県として、今日まで、そしてこれからも原発を受け入れていただけることに消費地として心から感謝を申し上げるものでございます。
3月議会の意見書は、地元の了解が得られるまでという条件がついておりました。そして昨日、東京電力による事故原因の発表が行われました。これを踏まえて、反対討論をいたします。
大飯原発の再稼働は、国を二分するほどの大変大事な問題であり、特に関西電力管内は50%に近い電力を原発に頼っているため、最も重大かつ深刻な問題であります。それゆえ、新政クラブでは、会派を挙げて、この請願に慎重かつ真剣に取り組んでまいりました。
本来なら、国は原発を社会に受け入れられるために、1番、国の中長期的な方向性での役割と意義、必要性ですね、そして2番、技術的な安全性、3番、実施主体や制度の機能とその信頼度、これは組織の信頼性ですね、そして4番目は、原子力安全に対する心理的需要、これは安心という、四つの説明が必要でありました。
しかし、政府はこの四つのことを抱合する十分な説明を、事故後の早いタイミングで国民に示し、必要な改善策を速やかに進めるべきでありましたが、首尾一貫した姿勢を示さなかったことから、原子力への不信と不安の空気を国民の間に浸透させる結果となりました。原子力の専門家である山名 元さんも述べておられます。
また、第3プラス世代の原発を初めとする代がえエネルギーが今すぐには確保できないという中で、デフレや円高など、深刻な問題から脱却が急務になっている我が国では、特に関西電力管内では計画停電が実施されたら、7月の1カ月だけでGDPが年間1兆円押し下げられると試算されております。
また、エネルギー安全保障の面からも、発電の種類を分散させておかなければ、原発を稼働せず火力発電に頼った場合、火力発電の原料である石油8割、LNGの3割は、超危険地帯のホルムズ海峡を通って日本に輸入されているので、価格高騰の危険性があり、また今の段階では原子力発電という選択肢を残しておかないと、産油国に足元を見られ、燃料価格の交渉のときのワイルドカードを失ってしまい、買い取り価格の上昇を招いてしまいます。
このまま原発が稼働しないとなると、以前と比べると燃料費が3兆円上昇し、国の財力が海外に流出するなど貿易赤字の拡大を招いてしまい、これが続けば当然電力料金はかなりの値上げはされるし、やがて国は社会保障を含む財政緊縮策をとらなければならなくなります。そうすると、国民の暮らしは間違いなく苦しくなり、まちには失業者があふれ、自殺者や凶悪犯罪も増加いたします。
身近な問題を取り上げても、もし仮にことし大飯原発が稼働せず、計画停電が行われたなら、停電中に乙訓地方が激しい雷雨に見舞われれば、JRのガードをくぐって東西に結ぶ本市の交通網は浸水により完全に遮断されてしまいます。これはほんの一例であります。この例をとってみても、いかに安定した余裕のある電力が必要であるかわかります。
しかし、世間は事業主体、制度、政府、関連組織などへの信頼の喪失と失望、そして安全への不安を抱いています。前にも述べたとおり、深刻なデフレや円高など、日本にとって深刻な問題から抜け出すためには、体質批判だけを繰り返している時間の余裕などないのが現実であります。改めて四つの事柄について総合的な見解を国民の間で共有した上で、安全性の改善や推進体制の体質の改善を加速していく段階に来ています。
また、山名さんは残念なことに、原子力の推進体制や仕組みに対するこの会議や反発の空気が、本来交わされるべき安全性や必要性などの本質的な議論をまないたの上にすら上げられないような非常に否定的な雰囲気を醸し出してしまったことであり、そうした不信と否定の空気が国民感情をにしきの御旗にしてしまって、原子力にかかわる冷静な議論にブレーキをかける流れとして定着してしまったと言い、社会的にもこの空気は同行してしまって、インターネットでも関係者への誹謗、中傷を初め、原子力性悪説を前提としたメディア報道など、正当な議論を排除するような異常な言論空間が形成されてしまっている、一部のメディアの報道では原子力村批判として、原子力関係者をからかい、排除しようとする動きまで見えるとし、村の構造的な問題が現にあるとしても、原子力に携わる技術者や専門家の多くは原子力利用による国益や社会への貢献を目指して取り組んできたまじめな人々であり、彼らを追放することは大きな損失こそあれ、何ら利益はないと述べておられます。
大飯原発稼働に当たっては、京都府の山田知事は安全性に関する安全基準について国の示す判断基準とは原子力の専門家で組織する原子力安全委員会の審議が必要でないため、安全委員会の審議が必要である安全基準を求められておりました。そして、福井県の西川知事が求められる使用済み燃料の消費地処分については、消費地では賄えないため、国の責任でしっかりとやっていくことも求められております。
そんな中で、このたび政府は三つの安全性基準として、基準1、安全対策の実行、基準2、安全性の総合評価、基準3、安全性向上へ向けた事業者の事業計画、市政の明確化などを取りまとめ、地元の大飯町、そして福井県知事の再稼働容認の回答を受け、野田首相の国民への説明の順序を経て、再稼働にこぎつけたものであります。
また、一昨日には再稼働の際の安全基準を取りまとめ、再稼働の権限を持つ原子力規制委員会の設置法が可決されました。これを受け、当会派としても政府による中長期的な国の電力計画を策定し、将来的には原子力発電にかわる新しいよりよい安全な発電システムを早期実現を要望して、まずは関電管内の経済の活性と人々の暮らし、生活弱者などを守ることを優先し、免震棟の設置やフィルターつきベント設備、そして防潮堤のかさ上げの完成は先送りされておりますが、福島原発より、以下の点で安全が高いことを評価し、次の発電システムが立ち上がるまでの間という条件をもって暫定的には容認するものであります。
1番、原子炉自体が福島と違い、2次水を加熱してタービンを回す加圧水型で、燃料棒の制御が簡単で、原子炉格納器容量が大きく、水素が高圧になりにくいこと。
2番、福島の地震で失われた外部電源が複数のところから供給されていること。
3番、冷却水など取水口が内海に面し、津波による直接の影響を受けにくい地形であること。
4番、万が一、津波に襲われても電源車や発電機の浸水対策が行われていること。
5番、消防ポンプなどによる水源の確保も十分されていること。
6番、バックアップに必要な燃料の備蓄や配管、配線の確保がされていること。
以上のような意見をもって、請願第1号の反対討論といたします。
○(
辻山久和議長)
ほかに討論ありませんか。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
8番、杉谷伸夫議員。(拍手)
○8番(杉谷伸夫議員)(登壇)
市民クラブの杉谷です。大飯原発の再稼働に反対する請願へ賛成討論いたします。
私たちは知りました。原発事故とは、一体どういうものか。この福島原発事故で、本当に多くの国民が知ったと思います。広範な地域が放射能汚染され、二度と人が住めなくなってしまうことを。チェルノブイリの大事故は、それでもやはり遠く離れた国の出来事だったけれど、福島事故は、その危険が私たちのすぐ隣にあることを教えてくれました。
私たちは知りました。原発から日々生み出され続けている死の灰は処分方法がなく、何十万年も管理が必要で、人類の手にはとても負えないことを。はるか先の子々孫々に至るまで、私たちの世代がつくり出した負の遺産をつけ回しするのだということを。
私たちは知りました。原発の安全神話の実態を。都合の悪い事実は見ないことにして、事故は絶対に起こらないとうそをつき、そしてうそをついていたその本人たちが、自分たちのうそを信じ込んでいただけであったことを。
私たちは知りました。原発政策を進めてきた為政者たちは、事故が起こっても国民をだまし続けることを。住民の命にかかわる重大な情報が、どこまでも隠され続けています。
私たちは知りました。事故が起こってもだれも責任をとらないことを。政治家が「私の責任で決定します」と言ったところで、責任のとりようなどあるはずがありません。
私たちは知りました。危険な原発を過疎地に押しつけ、原発に依存しなくては成り立たない経済構造にしてしまったことを。若狭の危険な原発は、京阪神が使う電気を供給するために存在するのであり、若狭の原発の真の地元は、電力消費地の都会なのだということを。
そして私たちは知っています。この夏の計画停電を回避するために原発を再稼働するのではありません。原発を再稼働するために、この夏の計画停電が演出されたわけです。一度動かした原発は、ずっと運転する、こう言っているわけです。
大飯原発は、素人にもわかる重大な欠陥があります。原発の直下に活断層があることが新たに明らかになりました。福島原発にさえあったベントがなく、万一の際には格納容器は爆発です。福島原発にさえあった免震施設もなく、万一の際には制御不能になります。大津波対策の防波堤の建設は、まだこれからです。
こんな状態なのに、政府は「大飯原発の安全性は確認された」というのです。こんなことをまともに信用する人はだれもいないでしょう。うそと欺瞞の塊で大飯原発の再稼働を決定することは、まさに人間の良心に対する罪です。
福島原発事故の大きな犠牲によって、私たちは私たち社会のありようを根本から見直すことを迫られました。この機会を逃し、まるで福島事故などなかったかのように、再び元の道に戻ってはなりません。私たちは、私たちが受け継いだこの社会を未来の世代に受け継がなければなりません。その責任があります。未来の世代にさらなる大きな負担を強いる原発の再稼働決定は、未来の人たちに対する罪です。
そして、福島事故によって原発の危険な真実を私たちが知ってしまった今、原発の再稼働を黙認することは、こうした罪に対し加担することになると思います。
本請願は、先日の立派な市長見解に完全に沿った内容であり、私はこの請願を本議会において採択するべきだと思います。
先日、福井県小浜市で現地の原発反対運動の代表的な存在である中嶌哲演さんのお話を聞きました。そのお話の最後に、中嶌哲演さんが詩人、坂村真民さんの詩を朗読されました。私もここで朗読させていただき、本請願に対する賛成討論としたいと思います。
「あとからくる者のために」
あとからくる者のために
苦労をするのだ 我慢をするのだ
田を耕し 種を用意しておくのだ
あとからくる者のために
しんみんよお前は 詩を書いておくのだ
あとからくる者のために
山を川を海を きれいにしておくのだ
ああ後からくる者のために
みんなそれぞれの力を傾けるのだ
あとからあとから続いてくる
あの可愛い者たちのために
未来を受け継ぐ者たちのために
みな夫々自分でできる何かをしてゆくのだ
ありがとうございました。(拍手)
○(
辻山久和議長)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
それでは、討論を終結して採決いたします。
請願第1号について、採択することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手少数であります。
よって、請願第1号は、不採択とすることに決定いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
ここで議事の都合により、暫時休憩いたします。
(休 憩) (午後 0時07分)
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長) (午後 1時10分)
定刻であります。
ただいまの
出席議員数は定足数に達しておりますので、会議は成立いたします。
よって、休憩前に引き続き会議を開きます。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
日程第10、意見書案第7号から日程第14、意見書案第11号まで、以上5意見書案を一括議題といたします。
お諮りいたします。
意見書案の提案理由の説明については、会議規則第38条第2項の規定により省略したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
ご異議なしと認め、提案理由の説明は省略することに決定いたしました。
まず初めに、長尾美矢子議員ほか3名から提出の意見書案第7号
再生可能エネルギーの導入促進に向けた環境整備を求める意見書に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を省略して、直ちに採決したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
ご異議なしと認め、採決いたします。
意見書案第7号について、原案どおり決することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手全員であります。
よって、意見書案第7号は、原案どおり可決しました。
本意見書は関係者に送付することにいたします。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
次に、冨安輝雄議員ほか1名から提出の意見書案第8号「防災・
減災ニューディール」による社会基盤再構築を求める意見書に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を省略して、直ちに採決したいと思いますが、ご異議ありませんか。
(「異議なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
ご異議なしと認め、採決いたします。
意見書案第8号について、原案どおり決することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手多数であります。
よって、意見書案第8号は、原案どおり可決いたしました。
本意見書は関係者に送付することにいたします。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
次に、杉谷伸夫議員ほか1名から提出の意見書案第9号
福島原子力発電所の事故原因が究明され、安全性が確認されるまでは大飯原発の再稼働を行わないことを求める意見書に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を行います。
まず、反対討論を求めます。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
次に、賛成討論を求めます。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
9番、
飛鳥井佳子議員。(拍手)
○9番(
飛鳥井佳子議員)(登壇)
市民クラブの
飛鳥井佳子でございます。福島原子力発電の事故原因が究明され、安全性が確認されるまでは大飯原発の再稼働を行わないことを求める意見書の賛成討論を行います。
原発の安全性について、医学的見地から論じます。
まず、「被曝する」ということは、どういうことでしょう。原爆による被曝と原発による被曝は同じです。
物体が放射線に被爆すると、その放射線の持つエネルギーが物質の科学的結合を壊します。放射能というのは放射線を出す物質のことです。こういう性質を持った物質を「核物質」と言います。物質が放射能を出すということは、その物質の構造が不安定なためで、放射線というエネルギーを出して、他の物質に変わっていくのです。
例えばウラン238は、約45億年かかってトリウム234にかわり、また次の物質に転換していき、最終的に鉛206となって安定します。この間の放射能が半分になる期間を「半減期」と言い、耳かき1杯で数万人が死亡する猛毒が半分になる「半減期」は2万4000年です。これはプルトニウムですけれども。
放射線には、自然のものと人工のものがあり、そのどちらも人体に有害な作用をもたらすという点では同じです。しかし、人工の放射線、放射能は、人体がそれに備える機能を持っていないという点で格段の危険性があります。放射線を浴びれば「放射線障害」になります。
放射線は細胞を傷つけたり、殺したりするわけですから、線量が多くなれば、それだけ傷つけられたり、殺される細胞が多くなります。したがって、放射線障害は浴びた放射線量のみに比例します。つまり、何回かに分けて浴びても障害効果は同じだということになります。人間は、3から5億の細胞からできておりますが、放射線によって殺された細胞が多ければ多いほど人体の組織や器官の働きは衰えて、年をとった人のようになります。これを「加齢現象」と言います。
細胞が異常な働きをするようになると、組織や器官の機能がおかしくなったり、細胞の分裂・増殖がコントロールできなくなって、異常な細胞が増殖したりします。これがいろいろながんや白血病になります。
人が放射線に被曝する場合、「外部被曝」と「内部被曝」の2通りがあります。
外部被曝は身体の外から放射線を浴びた場合の被曝で、主としてガンマ線によります。
内部被曝は放射性物質が身体の内部に入り込み、ある器官にたまって、そこからごく限られた範囲の細胞に放射線を浴びせるというもので、ほとんどアルファ線被曝です。
内部被曝の場合、放射性物質の化学的性質のために、たまる臓器が異なります。
例えば、ストロンチウムは骨に、ちょっと人の体の図面がありますが、このストロンチウムは骨に影響します。また、生殖腺にはセシウム、プルトニウム、また腎臓にはウランとか、筋肉にもセシウム、肝臓はコバルトとかセリウム、肺はプルトニウム、首のところは甲状腺沃素、皮膚はクリプトンとか、いろいろあるわけですが、放射性沃素は甲状腺にたまります。内部被曝は、このように臓器を直接傷つけるために、外部被曝より致命的になる可能性が大きいと言えます。
放射線障害は主として二つに区分されます。
一つは、「急性放射線障害」で、これは大量の放射線を浴びた結果、放射線に敏感な細胞、例えば骨髄細胞とかが殺されたり、傷ついたりしたために生じるものです。特に原発労働者には今この悲劇が襲っております。
いま一つは、「後障害」です。これは何年か後まで続く「不定愁訴」、苦しみや悲しみを嘆き訴えることという意味ですが、この「不定愁訴」や何十年も後になってあらわれるがんなどを指しております。そのため「おくれた死」と言われています。
「氷山の一角」という言葉がありますが、氷山と同じように、細胞レベルの放射線障害それ自体は水面下に隠されています。しかし、実際には誘発された病気のうち、がんなど統計のとれる病気だけが放射線障害だとみなされることになります。統計のとれない病気は切り捨てられてしまうのです。放射線障害は、細胞レベルの障害なので、医学的には因果関係を証明することが難しいのです。
1986年のチェルノブイリ原発事故による甲状腺がんについてのベラルーシの症例がございますが、これを見ますと、1986年にチェルノブイリ原発事故があって、それから5年後ぐらいから、三つ棒グラフがありますが、ゼロ歳から4歳と、5歳から9歳と、10歳から14歳と、この三つに分かれておりますが、5年目の1990年ごろから突然ゼロ歳から4歳の子どもたちがウナギ登りにがんになっています。放射線が体に及ぼす影響度、これを「放射線感受性」と言いますが、幼い子どもたちほど活発に分裂している細胞が多いので、この細胞分裂や増殖が盛んな組織や未分化な細胞(造血組織、生殖腺、皮膚など)ほど放射線感受性が大きくなります。10歳から14歳でもやっぱりどんどん。だから、今、福島で何も起こってへんと思ってはるかもしれんけども、これから子どもたちが5年後、大変心配だということでございますが、放射線と体への影響というのは大変なものがございます。
局部被曝では、これですけども、4,000ミリシーベルトぐらいで生殖腺がやられますので、子どもは生まれてきません。それで永久に不妊になります。全身被曝では、500ミリシーベルトで白血球が減少し、1,000ミリシーベルトぐらいになって、だんだんとリンパ球が減ってきて、もう3,000ミリシーベルトぐらいになりますと半分の人が死亡、これがもうちょっと行って7,000ミリシーベルトぐらい浴びると100%、だれも生き残れない、みんな死ぬということで、これを日本被団協の医師、肥田舜太郎先生が、もうすごい前に私、これ買うたんですけど、34年前の1978年にアメリカのピッツバーグ大学医学部の放射線物理学教授のアーネスト・J・スターングラス博士の書を翻訳して、時事通信社から発行しておられます。
「死にすぎた赤ん坊−低レベル放射線の恐怖」。これによりますと、イリノイ大学構内にあるトリガ原子炉周辺の乳幼児の死亡率調査の結果、1962年からフル運転に達した1965年、この3年間の間に乳幼児死亡率は4倍に増加し、この調査の中で「先天性奇形による死」を初めて知ることになったと書かれています。詳しく調査をしますと、この時期にこの大学のあるアーバナでは、先天性奇形による死が1962年から1965年の間に1962年の10万人につき3.5人だったものが、23.5人と6倍に増加し、1968年に原子炉が閉鎖された後、6.6人に下がり、乳幼児死亡率も下がったと述べておられます。
スターングラス氏は、この本の中で「蓄えられた放射能エネルギーの1000万分の1ぐらいを常に垂れ流してきた、これらの原子炉の平常運転だけでも恐ろしい被害を廻りに与えてきたことを考えると、1回大きな事故があれば、たちまち核戦争規模の漏洩が起こり、国家的な大災害になるおそれがある。もし、一般国民がこのことを知ったなら、恐らく大部分の人は原子力エネルギーの危険は容認するには余りにも大き過ぎるとみなすことになるだろう。しかし、原子炉技術が開発されてきたこれまでの全期間を通じて低レベル放射線の危険性については、それが死の灰によるものであれ、原子力発電所からのものであれ、軍隊、産業界、そして原子力活動に認可のスタンプを押してきた政府は、一緒になって、公に否定し続けてきたのである。警告は無視され、すべてが秘密にされてきた。まだたくさん埋蔵されており、持続的な使用が可能である化石燃料の石炭のガス化やMHD発電など、安全性がより大きく効果的な原子力にかわるエネルギーの追及のためには、ほんのわずかの資本さえも投じられようとはしなかった。地球の殻の中に貯蔵される莫大な地熱エネルギーや汚染のない太陽エネルギーを統御する手段の発見のために、何一つ効果的な取り組みは行われなかった。しかもこのような電力生産のための他の手段が成功裏に開発できたであろうことは、ほとんど疑いがないのである。」と書かれています。
今、大飯を動かすことは、安全な自然エネルギーの開発・発展を邪魔することにもなってしまうと私は考えます。
経済産業省、資源エネルギー庁は、管轄下にある東電、関電などの10電力会社を一般電力事業者と名づけておりますが、その一方で、電気の小売事業に新規参入している事業者のことを「特定規模電気事業者」(PPS)と言います。最近は「新電力」と呼ばれるようになり、期待が集まっております。
50キロワット以上の高圧電力までが対象となっておりますが、利用できる範囲はかなり広いです。このPPSを導入すると電気代が安くなり、電力自由化が進み、脱原発への道が加速できます。
ところで先日、飯舘村を追われた6,000人の村民のドキュメントの本が出ていました。飯舘村は、原発交付金とも無縁で、自立を目指して美しい村づくりを頑張ってされてきたところでございます。それなのに、アメリカから高濃度放射能ホットスポットであるという情報を早くからもらっていたにもかかわらず、政府は隠し続け、避難者の多くの方々が村民とともに被曝をさせられました。
その上、危険な状態のままの福島4号機のあたりで、いまだに地震がやみません。政府や細野大臣はすべて津波のせいにしておりますが、より深刻な大飯の問題は、地震の活断層の上に乗っているからであります。
大飯で事故が起これば、福島に同情してくださった世界じゅうの人々が、今度は反省のない日本を見放します。
小松左京の「日本沈没」ではありませんが、近畿じゅうの人間が被曝し、流浪の民になっても、アジア諸国は決して受け入れ、助けてくださらないことでしょう。仏教の因果応報、自業自得のたぐいで、日本製品は一切買ってもらえなくなり、経済が崩壊します。その上、近々、TPPによって日本農業も壊滅してしまい、我々は戦時中のような飢えに苦しむことになります。
原発はよく「経済か命か」、要するに金か命かと言われますが、実は「金も命も」失うのが原発でございます。日本海に放射能を垂れ流すのですから、何世代にもわたり日本は許されない大罪を犯した国、はた迷惑な国として大変哀れな末路を私たちの孫子が歩まなくてはならなくなります。親として何とかしてやらねばならないと、多くの人たちが必死で立ち上がっているときに、向日市議会は何をしているのかと言われないように頑張っていかなくてはならないと思います。
先日の建設環境
常任委員会では、公明党の議員の方が机の上に「公明新聞」をどっかと広げて置いておられまして、その「公明新聞」に大見出しで「大飯原発再稼働は拙速」と書かれておりまして、さすが正しいことを伝える新聞だなと喜んで見ておりました。本日、公明党の方が挙手されますと、そのすばらしい「公明新聞」どおりの意見書が国に送付されますので、頑張っていただけると大変幸せでございます。
最後に、これは6月14日、向日市民の方々150人ぐらいとウォーキングに行ったときの大阪の万博公園の太陽の塔の写真でございます。かわいい目をした巨大な太陽の塔が大きく手を広げて、森の中にありまして、その太陽光パネルは「本日の発電電力量70キロワット」と出ておりました。この森の中に美しくそびえる青空に輝くすばらしい塔の前に立ち、人間の愚かさをしかる芸術家の心情に思いをはせ、「反原発が人類の未来を守る」と確信をして帰ってまいりました。
私たちはご先祖様にこれからなるわけでございますから、後から来るかわいい子どもたちのために全員で頑張っていかねばならないと、ぜひこの問題についてだけは党派を越え、みんなで、子どものことですから、力を合わせて意見書を可決していただけますように心からお願いを申し上げまして、討論を終わらせていただきます。ご清聴ありがとうございました。(拍手)
○(
辻山久和議長)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
それでは、討論を終結して採決いたします。
意見書案第9号について、原案どおり決することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手少数であります。
よって、意見書案第9号は、否決いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
次に、丹野直次議員ほか3名から提出の意見書案第10号最低賃金の引き上げ及び中小企業の支援強化を求める意見書に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を行います。
まず、反対討論を求めます。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
次に、賛成討論を求めます。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
2番、常盤ゆかり議員。(拍手)
○2番(常盤ゆかり議員)(登壇)
私は
日本共産党議員団の常盤ゆかりでございます。党議員団を代表いたしまして、意見書案第10号最低賃金の引き上げ及び中小企業の支援強化を求める意見書について賛成討論をいたします。
昨年3月11日に起きた東日本大震災は、リーマンショック以降の落ち込みから、一たん回復の兆しを見せていた日本経済を再度直撃し、内需拡大で地域経済の活性化を図るなど、本格的な基調に変える機会を奪いました。震災以降、日本の経済はますます深刻な状況におかれています。今、何より求められているのは、被災地を含めた地域経済の再生と国民にとって「安心して住み続けられる地域社会」をどうつくっていくのかという視点での施策を強化することではないでしょうか。
意見書案の賛成理由として、この間のワーキングプアの増大、3人に1人と言われる非正規雇用の拡大が景気悪化の悪循環から抜け出せなくなっており、地域経済を冷え込ませていることから、最低賃金を1,000円に引き上げることが喫緊の経済対策であると考えるからであります。
働いても働いても健康で文化的な最低限度の生活ができない労働者がふえています。このことを放置したままで、まともな社会とは言えないと「少なくとも時給を1,000円以上に」と訴える「最低賃金裁判」も全国各地で闘われています。裁判では、その原告自身が労働とみずからの生活の実態をリアルに法廷で陳述し、2007年の最低賃金法改正後も最低賃金額が生活保護基準額を下回ったままという現実を、事実で告発し続けています。
労働総研が2009年11月18日に発表した「経済危機打開のための緊急提言」によれば、「最低賃金を1,000円に引き上げた場合の生産波及効果は、1次、2次合わせて国内生産を13兆3,700億円拡大させることになる。」としています。さらに「家計調査」から収入増の結果、どのような費目の支出がふえるかを調べ、さらに各産業に対する生産誘発額を計算してみると、対個人サービス、食料や飲料、たばこ、運輸、通信、光熱水道、軽工業品など、比較的中小業の多い分野の生産活動が誘発されるとしています。この結果、最低賃金の引き上げは、中小企業の経営にプラスの効果があると指摘しています。
そして、経済団体からも低賃金のままでは地域経済が盛り上がらないと意見が広がっています。同時に、中小企業に対しての支援策も重要です。中小企業の多くは財務体制の弱さから人件費の負担を最小に抑える一方で、経営資源として「人材」を重視する傾向が強く、支援をきちんと打てば、雇用の維持確保が進む可能性が高いことは明らかです。最低賃金の引き上げに伴う中小企業の人件費の増加に対して、政策的な財源補てんという形での支援を行うことは内需拡大へつなげると同時に、雇用対策にもなるのです。
労働者の賃金引き上げを初め、農漁民、中小商工業者、年金者など、あらゆる国民階層に最低限保障される所得の向上と、そのことがもたらす地域の需要、活性化の創出のために最低賃金の引き上げは、今、国策として早急に取り組むべき重要課題ではないでしょうか。
だれもが働く喜びと仕事への誇りを持って生活できる賃金と、人間が人間らしく生きられる社会づくりのために、最低賃金の大幅引き上げと地域経済を支える中小企業支援対策の強化を求めることは重要であることとし、本意見書案に対する私の賛成討論とさせていただきます。(拍手)
○(
辻山久和議長)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
それでは、討論を終結して採決いたします。
意見書案第10号について、原案どおり決することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手少数であります。
よって、意見書案第10号は、否決いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
次に、北林重男議員ほか3名から提出の意見書案第11号消費税の増税中止を求める意見書に対する質疑を行います。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
質疑なしと認め、質疑を終結いたします。
討論を行います。
まず、反対討論を求めます。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
次に、賛成討論を求めます。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
7番、山田千枝子議員。(拍手)
○7番(山田千枝子議員)(登壇)
日本共産党議員団の山田千枝子でございます。議員団を代表して、意見書案第11号消費税の増税中止を求める意見書案について、賛成討論を行わせていただきます。
皆さんも覚えておられるように、2年10カ月前、民主党の公約には消費税増税をしないとありました。しかし、今、野田首相はその公約はどこ吹く風で、国民への公約投げ捨て、国民を裏切り、政治生命をかけて消費税増税をすると公言しました。その後、消費税大増税実現を最優先し、短期間で、あの手この手を使いました。あげくの果てには民主党でまとまらず、自民・公明に呼びかけ、民・自・公の3党で密室談合を行い、民主党案を棚上げして、自民党の対案をもとに「合意」しました。
そして昨日、会期を9月8日までの79日間延長することを多数で押し通しました。
日本共産党国会議員団は会期延長の強行に対しても「消費税法案を何が何でも押し通すため」の延長であり、厳しく反対し、数の力で押し切ったことに強く抗議をいたしました。
どんな世論調査でも5から6割が反対している大増税法案を押し通すのは、民意にも、また、みずからの公約にも背く暴挙であり、許されないことです。
3党合意で提案される修正案の「社会保障制度改革推進法案」は社会保障の基本理念である医療、年金、介護、子育て、生活保護など、各分野での「改革」の方向を規定した全くの「新法」です。国会では、昨日にこの法案を議員に配るという状況で全く審議されていません。それを26日に採決するというのは、議会制民主主義をじゅうりんする暴挙です。
また、国会での審議を全くせずに採決するということは、国会の役割を否定し、議会制民主主義を破壊する前代未聞の暴挙であり、国民は断じて許しません。国民生活に大きな影響を与える法案をまともな審議もせずに、このような形で来週の26日にも強行採決することは絶対に許せません。
仮に向日市議会でもこのような議会運営をすれば、市民の信頼もなくなってしまう議会となります。民主主義に対する暴挙をした国会は、今後、大きな汚点を残し、国民がその審判を下すことになるでしょう。
6月20日、
日本共産党、社民党、みんなの党、きずな、新党大地、新党日本の6党の書記局長、幹事長が横路衆議院議長に「会期末を迎え、今回の消費税増税法案については廃案にすべきである」との立場を伝えました。
日本共産党は、法案の採決を強行させないよう全力で闘い、今、国民に知らせていきます。
また、
日本共産党は、先日、向日市議団でも北林議員が市長に一般質問で示させていただきましたとおり、消費税の増税に頼らず、無駄の削減と負担能力に応じた税制改革で社会保障の財源を確保し、同時に国民の暮らしを豊かにする経済対策を進めることで財政の危機も打開していくことを提言しております。
この提言は、今後の景気回復や地域経済もよくしていく道であり、消費税の増税をストップしていくものです。今、国民・市民生活が厳しく、貧困格差が広がるもとで、私たちのもとにもたくさんの悲鳴が届いています。
先日もJR向日町駅で宣伝をしておりましたら、高齢者の方が「これ以上消費税を上げるのはやめてほしい」を走り寄って私に話に来られました。また、東向日の商店の方は「5%でも身銭を切って商売をしている。これ以上上がったら店をたたむしかない。消費税の増税もやめてもらいたい」と言われました。
年金生活者からは、「なるべく家から出ないようにしている。一歩出たらお金がいるので、お金を始末しているんだ」と、そのように言われました。また「介護保険料や住民税や国保料の納付書が先日来たけれど、負担はふえるばかり。その上に消費税が上がったらどうして生きていけばいいのか」と、こういった声など、本当にこの向日市の市内では切実な声ばかりです。
世界は富裕層や大企業に応分の負担をという流れです。これ以上、地域経済が冷え込んだら市税の収入等にも大きく影響します。これ以上の景気の悪化をもたらす消費税をやめるべきです。
向日市民の命と商売と暮らしがかかっていることを、我々議員はしっかりと考えるときではないでしょうか。国民・市民の将来がかかっています。平成元年から導入された消費税は3%から5%になりました。もうこれ以上上げることはやめにしようではありませんか。
私は本意見書案に全議員が賛成され、消費税増税を許さない大きな山場であるこのときに国会の暴挙をも許さない、そのことを向日市議会からも声を上げていくよう強く申し上げ、賛成討論とさせていただきます。(拍手)
○(
辻山久和議長)
ほかに討論ありませんか。
(「議長」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
9番、
飛鳥井佳子議員。(拍手)
○9番(
飛鳥井佳子議員)(登壇)
市民クラブの
飛鳥井佳子でございます。消費税の増税中止を求める意見書の賛成討論を行います。
消費税設置前の1988年度の法人税は18.4兆円、所得税は18兆円、2010年はおのおの6兆円、12.7兆円、そして消費税9.6兆円です。つまり、消費税は大企業と金持ち優遇の減税に使われ、社会保障の補てんになっていないのです。それだけでなく、輸出取引の場合、輸出売上には消費税が課税されません。さらに、仕入れで負担した消費税が還付されるのです。2010年度にはトヨタ自動車は2,106億円もの還付金を得ています。
トヨタを含め、全輸出企業に対する消費税の還付総額は3兆3,762億円にもなり、消費税収12兆475億円の28%を占めました。10%に増税されたら大企業は大増収であります。
また、中小企業は仕入れ品にかかる消費税を価格に上乗せできず、負担を抱え込み、年間3,000億円以上滞納していると報道されています。10%になったら倒産します。
社会保障のための消費税というのは全くのうそです。大企業は労働者の賃下げと非正規雇用の拡大を強行して、250兆円の利益をため込み、これはアメリカの2倍です、地方、役員報酬と株式配当金を急増させています。例えば、カルロス・ゴーン日産社長は15億円余り、かの東電社長は7,200万円など、5,000万円超を得ている者がこの10年間で2.5倍、2万人となり、株式配当金は4倍を越えていると言われています。にもかかわらず、所得税は1984年までは19段階、最高税率は8,000万円を超える方が70%でしたが、今は6段階、同じ1,800万円を超えて40%となり、また「新証券税」2003年、あるいは「相続税減税」これも2003年、「役員ボーナス税制改定」これが2006年など、金持ち大減税が行われ、所得税が大幅に減少したのであります。
働く者は、この12年間連続で賃金を下げられ、超過労で体を壊し、さらに「配偶者特別控除」も2004年に廃止され、「定率減税」も2007年に廃止と増税されています。そもそも大企業は、正規労働者を安価でいつでも首を切れる非正規労働に切りかえてきました。この両者のために貧困化が進み、特にひとり暮らしの女性世帯の貧困率(2007年で所得が114万円以下の層)は勤労世代(20歳から64歳)で32%、65歳以上で52%、母子世帯で57%と発表されています。これは国立社会保障・人口問題研究所のデータです。「少子化」が進むのは当たり前ではありませんか。
日本社会は「1%の超金持ちと99%の貧者」、貧乏人の社会へと突き進んでいます。消費税を10%に上げると年収250万円未満4人家族で約12万円の負担増になります(4.8%増です)、1,500万円以上では約26万円増(1.7%増)と試算をされています。第一生命経済研究所のデータです。むち打ちです。「社会保障と税の一体改革」なるものは社会保障費を、将来的には消費税を主たる財源とし、また国民相互の「自助、共助」に切りかえるとしており、ゆえに社会保障の切り捨て、これは今も年間2,000億円削減されていますが、これとさらなる消費税増税を目指すものです。大企業と金持ち優遇の原資と確保と財政赤字の削減のために、消費税増税を叫び立てる経団連などの要求にこたえるものです。絶対に反対しなければなりません。向日市民の多くの叫びが日に日に高まっております。
よく日本がギリシャのようになるというおどし文句を聞きますが、実は消費税が5%であることに、世界は日本が福島原発事故の大災害があっても大丈夫なんだ、「日本は強い経済国」という国際信用をおいています。だから少々格下げになっても、日本は商品が売れております。日本の車やあらゆる製品にいまだ信頼を得て競争についていっているわけでございます。
食品への非課税など北欧のような弱者対策をせずに10%に上げますと、やっぱり日本はもう落ち込んでるんや、だめなんやと、もう日本ははい上がれないんだと世界じゅうから烙印を押されます。消費増税で日本は崩壊します。
選挙で国民の生活を守るといって政権を取った詐欺集団の民主党と、もとより大企業の手先の自民党に、その上、看板の平和と福祉をかなぐり捨てた公明党が組めば、悪事はやりたい放題でしょうが、いつまでも甘い蜜月のぬくもりは続かないことをやがて近々思い知る日が来ることでありましょう。
野田政権打倒のために不退転の決意で望むことをお約束して、賛成討論といたします。
○(
辻山久和議長)
ほかに討論ありませんか。
(「なし」と言う者あり)
○(
辻山久和議長)
それでは、討論を終結して採決いたします。
意見書案第11号について、原案どおり決することに賛成の方は、挙手願います。
(賛 成 者 挙 手)
○(
辻山久和議長)
挙手少数であります。
よって、意見書案第11号は、否決いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
以上で、今期定例会に付議されました事件の審議は、全部終了いたしました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)(登壇)
第2回定例会の閉会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
今期定例会は、5月29日開会以来、本日までの25日間にわたり、市長から提出されました、物集女財産区管理委員、人権擁護委員推薦の人事案件を初め、条例の一部改正案、平成23年度各会計補正予算などの専決処分の認定、北野台雨水槽漏水事故に係る訴えの提起の変更議案、さらには意見書や請願など、重要案件を慎重かつ熱心にご審議賜り、本日ここに無事閉会することができたところでございます。これも、ひとえに議員各位のご協力によるものと厚くお礼を申し上げます。
また、久嶋市長を初め理事者各位、幹部職員の皆様におかれましては、本会議での一般質問や各
常任委員会での審議の間、常に真摯な態度でご協力をいただいたところでございます。そのご精励に対し深く感謝申し上げますとともに、今期定例会を通じて各議員から述べられました意見なり要望等につきましては、特に意を払われ、今後の市政執行に反映されますようお願いをいたします。
さて、東日本大震災に端を発した福島第一原子力発電所事故は、その安全性に対する市民の不安を引き起こし、原子力政策に対する信頼を大きく損ねる結果となっています。それに起因し、この夏の電力需給の逼迫化が懸念され事態となり、原発再稼働について国民的議論がなされる中、地域を挙げての節電が必要で重要なものとなっています。
市長におかれましては、節電・停電対策について、公共施設はもとより広く市民に情報提供するとともに、市民生活に大きな混乱が生じないよう適切な対応を望むものであります。
また、亀岡市において発生した児童登校中の不幸な事故を教訓として、本市通学路等の早急な安全対策の実施に全力を挙げていただくことをお願いいたします。
結びに当たり、議員各位を初め理事者並びに職員の皆様には、気候不順な梅雨どきでもあり、また、暑さも一段と厳しくなってまいりますが、健康には十分ご留意をいただき、ご活躍いただきますことをご祈念申し上げ、6月議会閉会に当たりましてのごあいさつとさせていただきます。
まことにありがとうございました。(拍手)
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
次に、市長からごあいさつがございます。
○(久嶋 務市長)(登壇)
定例会の閉会に当たりまして、市長として一言ごあいさつ申し上げます。
去る5月29日開会されました平成24年6月定例会におきましては、物集女財産区管理委員、人権擁護委員に関する人事案件を初め、向日市税条例、都市計画条例の一部改正案、また平成23年度各会計補正予算の専決処分、
住民基本台帳法の一部改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定など、重要案件について慎重なご審議を賜り、全議案につきまして原案どおり可決いただきましたこと、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
本会議や委員会におきまして議案のご説明し、また、ご質問にお答えをする中で誠心誠意ご説明を申し上げ、ご理解を賜りますよう努めたところでございます。会期中、議員の皆様方から賜りましたご指摘、貴重なご意見、ご要望等につきましては、真摯に受けとめ、今後の市政運営に生かしてまいりたく存じております。今後ともなお一層のご指導、ご鞭撻賜りますようお願い申し上げます。
最後になりましたが、これから暑さが増す季節を迎えますが、皆様方には健康には十分ご留意をいただき、なお一層ご活躍されますようお祈り申し上げ、閉会に当たりましての市長としてのごあいさつとさせていただきます。
どうもありがとうございました。
――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
○(
辻山久和議長)
これをもって、向日市議会平成24年第2回定例会を閉会いたします。
午後 1時56分 閉 会
地方自治法第123条第2項の規定により署名する。
向日
市議会議長 辻 山 久 和
会議録署名議員 飛 鳥 井 佳 子
会議録署名議員 磯 野 勝...