宇治市議会 > 2009-12-11 >
12月11日-05号

  • "行政改革推進法"(/)
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  1. 宇治市議会 2009-12-11
    12月11日-05号


    取得元: 宇治市議会公式サイト
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    平成21年 12月 定例会(1) 議事日程             議事日程(第5号)                        平成21年12月11日                        午前10時 開議第1.一般質問(2) 会議に付した事件   議事日程に同じ。(3) 出席議員   議長     松峯 茂君   副議長    水谷 修君   議員     坂本優子君       中路初音君          浅井厚徳君       長野恵津子君          青野仁志君       堀 明人君          帆足慶子君       山崎恭一君          池内光宏君       真田敦史君          平田研一君       石田正博君          関谷智子君       河上悦章君          川越 清君       向野憲一君          浅見健二君       藤田 稔君          田中美貴子君      鈴木章夫君          坂下弘親君       高橋尚男君          川原一行君       菅野多美子君          矢野友次郎君      西川博司君          小山勝利君(4) 説明のため出席した者        市長            久保田 勇君        副市長           川端 修君        副市長           土屋 炎君        人事監           平本 恵君        市長公室長         梅垣 誠君        政策経営部長        岸本文子君        総務部長          大石昭二君        市民環境部長        五艘雅孝君        市民環境部理事       大橋正明君        市民環境部理事       福田富美男君        健康福祉部長        田中秀人君        健康福祉部理事       佐藤政紀君        理事            大関弘之君        建設部長          三枝政勝君        都市整備部長        石井章一君        会計管理者         坪倉 貢君        消防長           谷村和男君        水道事業管理者       桑田静児君        水道部長          杉村亮一君        教育長           石田 肇君        教育部長          栢木利和君(5) 事務局職員出席者        局長            兼田伸博        次長            薮下龍司        主幹            伊藤裕康        庶務調査係主任       宮本義典        庶務調査係主事       澤田英友        議事係主任         谷 泰明(6) 速記者                      大橋宏子     午前10時30分 開議 ○議長(松峯茂君) これより本日の会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 一般質問 ○議長(松峯茂君) 昨日に引き続き一般質問を行います。 質問は通告の順に発言を許します。 なお、本日の質問形式のうち一問一答方式については、質問者席からの質問を登壇とし、会議規則第56条の規定により、質問の回数が3回を超えることを許可いたします。鈴木章夫議員。 ◆(鈴木章夫君) (登壇)おはようございます。平成21年12月定例会、一般質問を通告の順に行います。 まず新年度予算編成に当たって。 政権交代による本市の影響について。この項につきましては、一昨日お二人の議員さんからも質問がされておりますので重複を避け、2の事業仕分けについて市長の認識と評価についてから始めさせていただきます。 今、平成22年度の国の予算編成が大混乱していると憂慮しております。概算要求基準の廃止により、95兆円に水ぶくれした予算が要求されております。予算の節減効果を出すためには、21年度の予算額を超えない範囲におさめる必要があり、そのためには6.5兆円以上削減しなければ意味がないということであります。95兆円という途方もない予算概算要求を現実的な予算額とするために、概算要求から無駄を洗い出す手法として、国では事業仕分けを活用されました。 この事業仕分けは、公明党が政党として初めてマニフェストで提案し、平成18年の行政改革推進法に盛り込まれたものであります。今回、国が実施した事業仕分けは、従来水面下で見えなかった国の予算編成について、国民の関心を集めたことでは一定の役割を果たしたと考えておりますが、今回の事業仕分けは全体の計画がないまま、つまみ食いで行われており、歳出削減ありきの単なる政治ショーではないかとの批判もあるわけであります。事業仕分けは、本来は行政の無駄削減を進める有効な手法であり、そのためには事業仕分けの対象となる事業の選択は、最初の重要なかぎであると考えます。 新政権が、この事業仕分けの結果を受けて予算編成を行うとすれば、あいまいな基準で選ばれた概算要求の1割程度にすぎない449事業でよかったのかどうか、疑義があるわけであります。また、事業仕分けの判定は、あくまでワーキンググループとしての判断で、最終的には行財政刷新会議で正式に決めるとされておりますが、仕分け人の判断と会議の決定にそごがあったら、それはそれで問題があるし、仕分け人の判断どおりの決定なら法的な裏づけがなく、政治的にも何も責任を持たない、民間人が政治に責任を持って判断すべき予算編成作業に携わったことには、大いに疑問があるわけであります。 また、今回の事業仕分けで目立ったのは、仕分け人の目ききの未熟さで、ミスジャッジだらけの草野球を見せられたような気分だったとの批判もあり、事業仕分けの本来の意味を解さぬまま、目的と手段を転倒させて国家戦略のない政治ショーであったのではないかと考えるわけであります。今回の国が実施した事業仕分けは、本来の我々が考えた事業仕分けとはほど遠いものであり、事業仕分けの本来の意味をゆがめた形で国民に伝えたことになるのではないでしょうか。 しかし、周到な準備を進めて実施された本来の事業仕分けは、国に先駆け多くの自治体で実施しており、行財政の透明性、税金の無駄排除等、多くの面で効果を発揮しております。 そこで市長にお伺いいたします。 新政権が実施した事業仕分けについて、市長はどのように認識され、評価されておりますか。 次に、ムダ根絶へ地方も。 市民の市に対する要望は、どんどんふえているわけであります。少子高齢化がますます進み、福祉を中心とする財政需要はさらに増大すると考えます。財政が厳しくなる中で、市民要望に的確にこたえていくためには、効果の上がっていない事業見直し、行政の無駄を削減していくことが重要であります。そのために我々公明党は、この事業仕分けの有効性について最初に着目し、行政改革法に盛り込んでまいったわけでございます。 平成22年度の宇治市の予算編成に当たって、政治ショーではない、本来の意味での事業仕分けについて、実施を検討するお考えはありませんか。 次に、冬本番を迎え新型インフルエンザの取り組みについてであります。 新型インフルエンザがメキシコで確認されて、約半年が経過をいたしました。11月23日から29日までに、全国約5,000カ所の医療機関から報告されたインフルエンザ患者は、1カ所あたり39.63人で、3週間連続で増加したことが4日、国立感染症研究所の定点調査で判明いたしました。 1週間の推計患者数は約189万人、夏以降の累積推計患者数は1,264万人との報告が報道されておりました。また、京都で100人目に当たる死亡患者が出たとの報道も最近あったところであります。 この冬に向け、さらなる流行拡大を想定した万全の対策が必要であります。こうした中、国内でのワクチン接種が10月14日からスタートいたしました。市内の医療機関では、市政だより号外が11月5日に出てから問い合わせが殺到し、ワクチン不足と相まって「混乱のきわみ」との声も上がっているところでございます。 接種回数も当初の2回から1回に減らすなど、刻々と変化もしてきているところであります。冬本番を前にして、新型インフルエンザに対する市の取り組みについて、数点質問をいたします。 1、市の新型インフルエンザによる発症の実態をどのように掌握されているのか。また、それによる学級閉鎖など小・中学校での対応について。 2、新型インフルエンザワクチン接種の実態と今後の見通しについて。 3、ワクチン接種には、接種費用6,150円の新たな費用が発生することから、国が負担軽減を講じる生活保護世帯住民税非課税世帯に加えて、すべての優先接種対象者に対して費用を助成するよう市長に求めますが、お考えをお聞かせください。 4、市民にとっても新型インフルエンザに対して、正確でわかりやすい情報提供が不可欠であります。混乱を未然に防ぐためにも相談窓口を明確にし、市民の不安にこたえる必要があるわけであります。相談体制についてもお聞きをいたします。 5、受験生にとっては大事な時期であるわけであります。小・中学校における予防と対策について、どのように取り組んでいかれるのか、お答えいただきます。 3、介護保険制度の改善に向けて。 我々公明党は、3,000人を超える地方議員が動き、11月から12月上旬にかけて、介護問題総点検運動を行ってきました。深刻化する介護現場の実態を全国的に総点検し、本格的な高齢社会に対応した介護のあり方など、新たな介護ビジョンを組み立てていこうと取り組んでいるわけであります。このような動きに呼応するかのように、最近、高齢社会の深刻な実態を浮き彫りにするような二つのデータが発表されました。 一つは、厚生労働省が11月20日に発表した65歳以上の高齢者に対する虐待の実態調査結果であります。08年度に家庭内や介護施設などで確認されたのは全国で1万4,959件で、前年度より1,624件、12%増加をしている。このうち、殺害されるなど24人が死亡した深刻な実態を浮き彫りにしているわけであります。 また、家庭内虐待のうち、被害に遭ったお年寄りの45.1%が介護が必要な認知症で、加害者の約4割が息子であった。厚生労働省は、認知症を患った高齢者の報道や言動へのいら立ち、介護の疲れなども背景にあるのではないかとの見方を示しているわけであります。 また、介護保険制度が始まった2000年から昨年10月までの10年間に、全国で高齢者介護をめぐる家族や親族間での殺人、心中などで被介護者が死に至る事件が少なくとも400件に上る。事件は、肉親の介護を背負った家族が疲れ果てた末に起こしているケースがほとんどで、加害者となった介護者のうち4割は執行猶予判決を受けている。行政や周囲の支援を受けられず孤立し、親や配偶者と死を選ぼうとした姿に同情する検察官もあるという、こうした実情が新聞等でも報道されておりました。 前者は、65歳以上の高齢者の親族による虐待の相談や通報を受け、自治体が事実確認した事例の集計であり、後者は警察発表された新聞情報のデータからのもので、氷山の一角とも言えるわけであります。ここには超高齢化、家族の崩壊、貧困、制度の不備などさまざまな問題が絡み合う、介護社会の重い現実を浮き彫りにしていることは、認めざるを得ないと考えるわけであります。介護保険は、これからこそ必要な制度であり改革し育てていくことが必要であります。 以下、介護現場の現状と課題についてお伺いいたします。 1、家族が介護することを前提に介護保険は制度設計をされているわけであります。したがって、独居老人や老夫婦世帯、また認知症の介護が支えられないという現実があります。そのためには、やはり地域での介護力の開発が不可欠と考えますが、市としての取り組みをお伺いいたします。 2、ふえ続ける男性の家族介護者、加害者の約4割が息子という現実から、男性ならではの悩みの傾向など深刻な課題があり、また介護をめぐる事件では、加害者のうち定職を持たない男性介護者が6割を占め、介護を機に離職し収入を失い、経済的に追い詰められる介護者の姿も浮かび上がっているわけであります。 今の介護保険制度では、家族介護が評価されておらず、家族介護者への生活支援が重要と思われますが、市としての認識とその対応についてお聞きをいたします。 3、介護が必要になっても、住みなれた地域で生活が続けられるよう365日、24時間体制でさまざまな介護サービスを提供するのが小規模多機能型居宅介護と聞いております。ことし9月末時点で、全国に2,192カ所あり、団塊の世代が75歳を迎える2025年には3万カ所の整備が必要とされておりますが、市の小規模多機能型居宅介護の現状と課題、また設置目標についてもお聞きをいたします。 4、家庭内虐待のうち、45%が介護が必要な認知症を患ったお年寄りを地域全体でサポートする見守り支援体制の強化が喫緊の課題であります。現状と対策についてもお聞きをいたします。 4、家屋課税漏れ調査とその対策についてであります。 税負担の公平性の観点から2点、平成20年3月議会で質問をいたしました。その後の市の対応について、時間の経過もあり進捗状況について質問をいたします。 市税収入の大きな柱の一つである固定資産税の漏れはないのかと質問したところ、土地については基本的に課税漏れはないが、家屋については新築、増築、滅失、登記制度のもとに基づき、その変化は必ずしも登記されておらず、そのために基本的には課税漏れの出る可能性は十分にあるとし、こうした課税漏れをなくすため、宇治市では平成17年、18年、2カ年政策研究に取り組まれ、平成18年度にはサンプル調査を行った結果、家屋の現状と課税データの不一致家屋が約15%存在することがわかり、全棟調査を実施することとされたわけであります。単年度事業効果で約3,000万円の税の増収になるとのことでございました。 そこで4点質問をさせていただきます。 1、全棟調査のその後の取り組み状況と、調査で判明した物件の課税を具体的にどのように評価をされるのか。 2、平成23年度に課税が行われた後、次回の調査についてはどのように取り組まれるのか。 3、全戸調査は府下初めてとお聞きするわけですが、評価もいたしますが、この経済不況の折、拙速にやることについてはどのようにお考えなのか。 4、調査員の対応について、市民の皆さんから苦情の声もお聞きするわけであります。しっかりとした業者指導を市としてやっておられるのか。 以上、4点を質問いたします。 次に、保育料の滞納者対策の取り組みについてであります。 市の保育料の累積滞納額(5年間)は、平成19年度で8,119万4,155円、平成20年度で7,510万35円、また毎年不能欠損処分する額も、平成19年度で876万2,340円、平成20年度で976万620円となっており、いろいろの手立てを講じてこられたにもかかわらず、なかなか収納率の向上に結びついていないのが現状であります。 こうした状況については、市は受益者負担の原則、公共性の観点からも極めて重要な課題と認識している、このようにお答えいただくわけであります。それであるならば、なおのこと、解消へ向けてもっと力を入れて対応していただかなければならないのではないでしょうか。職員の皆さんの努力につきましては理解をするわけでありますが、98%の保護者の方々は、まじめに支払っていただいておられるわけであります。この経済不況下で収入が激変された保護者の方に対しては、分納等の配慮は申すに及びませんが、これまでの取り組みについてお聞かせください。 最後に、地域課題でございます。 広野地区の交番設置の進捗状況について。 平成18年7月に京都府警本部より出された交番・駐在所等の機能充実・強化プラン再編整備案の中で、宇治市広野町地域への交番新設が予定され、また地元よりも毎年早期実現への要望が提出されていることは、当局も十分承知されていることと思います。 本年の3月議会においても質問をいたしました。当局よりは最適な候補地の選定に向け協議をしており、できるだけ早い時期に候補地の決定を図ってまいりたいと考えているとの答弁をいただいた経過がございます。もう結論が出ている時期ではないかと思いますので、現在の進捗状況についてお伺いいたします。 また、広野地域に新設されることにより、南宇治地域の交番の担当するエリア、または地域防犯強化に果たす役割についても、お聞かせください。 三軒谷川丸山地域の溢水対策について。 この地域の溢水対策については、暗渠化された三軒谷川の排水が悪く、長年、大雨のたびに周辺住宅地で床下浸水を繰り返し、1日も早い改修を地域住民の方々は強く要望を続けてこられました。 市も平成17年度に改修工事に着手していただき、それ以後浸水被害もなく、経過をしてきたわけですが、昨年、そして本年のゲリラ豪雨には対応できず、以前のように床下浸水が発生し、土のうを積まざるを得ない状況となっているわけであります。抜本的な対策が必要と考えます。解消に向けた市の取り組みをお聞きいたします。 また、民有地内に水路の一部が入っており改修ができておらない状況にもあります。地元住民からは、改修済み水路民有地内水路との接続部が水害の原因になっていないのかとの意見が出されておりますが、市の見解をお聞きしたいと思います。 以上、1問目の質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。 ○議長(松峯茂君) 久保田市長。 ◎市長(久保田勇君) (登壇)鈴木議員のご質問に順次お答えを申し上げます。 まず新年度の予算編成に当たって、事業仕分けについてのご質問にお答えを申し上げます。 新政権によります平成22年度の国の予算は、まさに異例ずくめの予算編成となっております。95兆円に膨らんだ予算要求を絞り込みますために、今回初めて事業仕分けを活用されました。事業仕分けにつきましては、日本経済新聞の世論調査では75%が評価をされており、国民の事業仕分けに対する評価は、おおむね好感を持って受けとめられているものと承知をいたしております。確かに国の実施をしております事業や、国の予算編成の過程に国民の目を向けさせ、注目度を高め、今まで知り得なかった国の予算編成の一部を国民が知ることができ、透明性が確保されたのではないかと評価をしているところでございます。しかし、その一方で、私自身も議員と同様に、大きな疑問と失望を感じたことも否定はできないものでございます。 議員ご指摘のとおり、本来、事業仕分けにはなじまない地方交付税が対象事業となるなど、対象となった事業の選考基準があいまいでありました。また議論につきましても、いささか乱暴で、95兆円と膨れ上がった概算要求削減が主目的となりまして、中長期的な視点での未来の日本をどのような国にしていくのかという視点からの論議については、なされなかったのではないかというふうに感じております。 新政権として大々的に実施をされたにもかかわりませず、先ほども申し上げましたように、仕分け事業の選定基準が不透明でありますし、予算要求を行った政務三役が仕分け人になるなど、仕分け人の先行基準も不明確であり、さらに仕分け人の法的な身分の位置づけもあいまいで、また事業仕分けの判定結果につきましては、あくまで参考意見となっているなど責任の所在が不明確となっております。 さらに、相次いで科学技術予算の廃止などの判定をめぐりましては、ノーベル賞受賞者らが反発すると、あっさりと事業仕分けの判定を総理や副総理が覆すなど、事業仕分けの事務的な位置づけや手続のあり方も十分に練られて実施されたものではないというふうに感じております。 また、新聞報道等を見聞きいたしておりますと、事業仕分けの結果に対しまして、閣内での認識が統一されておらず、このことで国の予算編成に重大な影響が出るのではないかと懸念もしているところでございます。 いずれにいたしましても、事業仕分けは今回が初めての試みでございまして、大きな課題を残しているというふうに言わざるを得ないと考えております。しかしながら、日本の国を再び前進をさせ、未来の日本がすばらしい国になることを願っております一人といたしまして、事業仕分けが真の意味で意義のあるものになるように願っているところでございます。 次に、事業仕分けを本市で実施することについてのご質問にお答えを申し上げます。 厳しい財政状況を乗り越えまして、持続可能な効率的な地方自治体を目指しまして、行政が実施をしているさまざまな制度につきまして、本来の意義を見直す実施をするか否か、実施をする場合、実施主体は行政か民間かを整理をし、市民の皆様から納めていただいております税金を市民のニーズにそぐわない無駄遣いをしていないかどうか、市民が望んでいない不必要な仕事を行政がしていないかなどを見直します事業仕分けにつきましては、多くの地方自治体で実施をされていることは承知をいたしておりまして、行政改革を推進し、より質の高い予算を編成する一つの手法として関心を寄せているところでございます。ただ、予算編成におきまして事業仕分けの実施ということになりますと、二元代表制である地方自治体の予算編成は、議院内閣制による国とは随分違うと考えております。 地方自治体のトップは市民によって選ばれました首長であり、本市における予算編成は首長である私の権限で行われ、事務方が取りまとめました予算案については、首長である私が最終的に判断をし、予算案として取りまとめをいたしております。 さらに、その取りまとめました予算案につきまして、市民から選ばれた市民代表の議員の皆様と議論をし、決定をしているという点で、さらには地方自治体自身が納税者から身近な存在であるという点で、地方自治体の予算は民意を十分に反映し、精査ができているものと考えております。 一方、国の予算においては、民意の反映という点から見ますと、最終的には国民が選んだ国会で議論をされますものの、国民が直接、内閣総理大臣を選んでいない、また事業を実施する各省庁も直接内閣総理大臣が統括をされていないなど、随分違うものがあるというふうに考えております。 事業仕分けの有効性につきましては、一定評価はいたしますものの、本市の行政改革や予算編成への導入につきましては、今後慎重に検討する必要があると考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 次に、新型インフルエンザワクチン接種の実態と、今後のワクチン接種の見通しについてのご質問にお答えを申し上げます。 ワクチン接種につきましては、優先接種スケジュールに基づきまして、既に医療従事者、妊婦、基礎疾患を有する方、また1歳から小学校就学前の幼児や小学校低学年の児童につきまして、順次開始をされております。なお、その他の優先接種対象者の1歳未満児の保護者、小学校高学年、中学生、高校生、65歳以上の高齢者については、現時点では平成22年1月以降に開始がされる予定でございます。 ワクチンにつきましては、これまでその供給量が限られているため、接種を希望される優先接種対象者すべてに行き届いていない状況がございますが、今後京都府においては、12月じゅうに約30万人分を供給される予定でございまして、さらに2月末までに国産ワクチン100万人分、さらに輸入ワクチンも追加配布がされ十分数量が確保される見込みとされております。 次に、ワクチン接種費用の負担軽減についてでございますが、今回、国が定めましたワクチン接種費用負担軽減事業におきましては、市民税非課税世帯、生活保護世帯、中国残留邦人等の支援給付受給世帯について、接種費用全額を助成することとされております。本市が独自に優先接種対象者すべてを負担軽減とする場合、独自の負担軽減にかかる費用につきましては、全額本市の単費によりまして賄うこととなるところでございます。したがいまして、厳しい財政状況にある本市におきましては、国が定めた事業費を超える負担軽減措置の実施は難しいと考えております。 次に、市民の新型インフルエンザに関する相談窓口についてでございますが、現在、保健推進課では、新型インフルエンザに関する症状やワクチンの接種費用の助成手続、並びに他の予防接種との関連など市民からのお問い合わせ、ご質問にお答えをしているところでございます。 また、市民への情報提供として、本市のホームページで手洗いうがい、せきエチケットなどの基本的な感染予防法や、京都府インフルエンザインフォメーションセンターの連絡先等を掲載をいたしております。 今後も、新型インフルエンザの感染拡大の防止やワクチン接種などに関する情報につきましては、京都府や関係部署とも連携を図りながら、できる限り早く情報提供をすることにより、市民の不安の軽減、払拭に努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いを申し上げます。 他のご質問につきましては、それぞれ担当からお答えを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 梅垣市長公室長。 ◎市長公室長(梅垣誠君) (登壇)本市の新型インフルエンザに対する取り組みのうち、発症の実態をどのように掌握しているのかとのご質問にお答えを申し上げます。 今回の新型インフルエンザの感染状況の把握につきましては、国内発生の初期段階では厚生労働省の新型インフルエンザ対策行動計画に沿って、京都府が個人単位での感染の全数把握を行っておりましたことから、市内の状況はすべて把握できておりました。 その後、全国的に感染が拡大し、今回の新型インフルエンザは、感染性は強いが季節性インフルエンザと同様に多くの患者が軽症のまま回復しているという症例から判断して、厚生労働省ではすべての患者を把握するのではなく、放置すれば大規模な流行を生ずる可能性のある学校等の集団に属する者について、重点的に把握を行うことに対応が変更されたところであり、京都府におきましても、7月24日以降の発生患者の全数把握は実施しておらず、本市におけます感染状況の全数把握は不可能となっております。 現在、発生状況の概要を把握できます情報といたしましては、京都府感染症情報センターが週単位、保健所単位で発表いたします府内125定点医療機関の平均受診者数のデータがあり、この数値を参考として山城北保健所管内の状況を把握いたしております。 そのほか市独自の情報といたしましては、小・中学校、幼稚園、保育所におけますインフルエンザ用疾患による欠席者数と学級閉鎖等の実施状況を調査しておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)介護保険制度についてのご質問にお答え申し上げます。 まず地域の介護力の開発についてでございますが、本市におきましても超高齢社会を目前に控え、独居高齢者及び高齢者世帯が増加する中で、高齢者の皆様が住みなれた地域で安心して暮らせるまちづくりを実現するためには、介護保険制度の適切な運用を図ることはもちろんのこと、高齢者の皆様が地域において住民同士の助け合いや支え合いにより安心して暮らせるよう、市民の皆様と保健、医療、福祉などの関係機関が連携し、地域のネットワークづくりを進めていくことが大変重要であると認識いたしているところでございます。 そのため、今後さらに民生児童委員の皆様による独居高齢者の方々の見守り活動や学区福祉員の皆様によるB型リハビリ事業などの各種介護予防事業の充実に努めるとともに、若い世代の皆様も地域の中で自主的な活動に参画していただけるよう、認知症サポーター養成講座や、介護力アップを目指すボランティア研修会などの充実を図ることによりまして、地域住民の皆様の取り組みを支援してまいりたいと考えております。 次に、家族介護者への生活支援等についてでございますが、本市における在宅介護の現状を在宅高齢者介護激励金の支給対象者内訳で見ますと、男性が約3割、女性が約7割で依然女性に集中している実態があるとともに、介護者の年齢では約5割の方が60歳から74歳であり、さらに75歳以上の方も約2割近くおられますことから、介護者全体の高齢化が着実に進行しているものと考えております。 こうした現状を踏まえまして、在宅介護者支援策では、日常の介護から一時的に離れ、身体的、精神的にリフレッシュしていただくために、介護者リフレッシュ事業を実施しており、また生活支援としましては、在宅高齢者介護激励金を支給いたしております。さらに、家族介護者を対象に介護者本人の健康づくりや介護者間での交流を図り、心身の負担軽減を図っていただくことを目的に、家族介護者教室を実施するなど各種支援に努めているところでございますが、身体機能や認知面の低下など介護につきましてもさまざまなケースがふえてきておりますことから、引き続き家庭、地域で介護を支える家族の皆様の心身の負担軽減に向け、支援に努めてまいりたいと考えております。 次に、小規模多機能型居宅介護施設につきましては、地域密着型サービスの一つとして、高齢者の方々がいつまでも住みなれた地域で安心した生活が継続できることを目的に、平成18年4月に創設されたものでございまして、これまで施設か病院、またはご家庭かという選択肢しかなかったものが、小規模多機能という新たな受け皿ができたことによりまして、在宅での生活支援に大きな広がりが出てまいったものでございます。 本市における平成23年度までの整備目標数は7カ所で、これまで4カ所の整備が完了し、残る3カ所につきましても事業所が内定いたしたところでございまして、現在、具体的な施設整備及び事業者指定に向け、鋭意努力しているところでございます。 次に、認知症の方の見守り体制の整備についてでございますが、本市では平成13年度より宇治市福祉サービス公社に委託し、認知症予防教室の開催や出張講演会、認知症予防講座などの介護予防事業に取り組んでいるところでございますが、さらに平成18年度より認知症についての正しい知識を持ち、認知症の方やその家族を地域で見守り支援するため認知症サポーター養成講座を開催いたしまして、多くの市民の方に受講していただいております。 今後、認知症高齢者の方々がさらに増加すると見込まれますことから、単に認知症の予防にとどまらず、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを目指し、市民や医療、福祉、保健関係者等が一堂に会する検討会議や、認知症の家族を支援するための教室を開催するなど、さまざまな事業を展開する中で地域の見守り体制の構築を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 大石総務部長。 ◎総務部長(大石昭二君) (登壇)家屋全棟調査について、お答えを申し上げます。 まずこの事業のスケジュール及び現在の状況といたしましては、平成20年度はポスター、チラシを作成し、広報、啓発等を行うとともに委託業者の選定を行い、公募型指名競争入札の結果、写測エンジニアリング株式会社に7,245万円で決定いたしました。平成21年度は、課税の内容をもとに現地調査票の作成をいたしまして、外観から市内すべての家屋を調査する現地調査を実施しております。 平成22年度は、ことしに引き続き5月ごろまでは現地調査を予定いたしております。その後は、現地調査票の整理と職員による調査、評価計算及び課税データの作成を行いまして、課税をさせていただくことになります。現地調査は市内を字単位で29の地域に区分し、各地域の調査時期を定めて全地域を順次調査しております。現地調査では、公道上より建物の外観と課税台帳の外形図の一致を確認しておりまして、外観と課税台帳の外形図が一致しなかった場合には、そのお宅を訪問し増築等の部分についての調査をしております。調査の内容といたしましては、測量と建築年等を聞き取ることになっております。 進捗状況でございますが、11月時点では、羽拍子町、安田町、神明、開町、伊勢田町、明星町、羽戸山、莵道の現地調査が終了しております。調査により増築等が判明いたしました家屋につきましては課税をさせていただくことになりますが、その評価の方法といたしましては、比準評価を予定いたしております。 具体的には、用途、建築年、面積等が同等の家屋の1平方メートル当たり再建築費評点数を評価対象の家屋に当てはめ、測量面積を掛けます。そこに調査時に聞き取りをいたしました建築年より、経年減点補正率を掛けて評価額を算出することになります。 次に、23年度以降の調査でございますが、京都府がGISのデータ更新のため、3年ごとに航空写真の撮影を予定しておりますので、それを活用して形状に変化のあった家屋を抽出し、通常の課税業務の一環として職員が現地調査を行いますことで、適正な課税をしていけるものと考えております。 次に、不況の折に実施することについてでございますが、家屋全棟調査事業につきましては、増築や滅失等の把握漏れによる課税漏れ等を不公平をなくし、公平で適正な課税を実現することを目的として実施しております。このことは、正しく課税され及び納税されている方が、不公平感や不信感を抱かれることのない状態にすることであり、そのことが納税の向上にもつながることと考えております。この不況の折、納税が困難な方もおられることは理解しておりますが、課税は公平で適正でなければならないと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。 次に、調査員の対応についてでございますが、資産税課にも市民の方からの苦情が何件かは寄せられております。内容といたしましては、調査の目的についてや調査員の対応についてなど、さまざまでございます。 調査員である委託業者に対しましては、個人情報の取り扱いについての研修の実施や、調査時の対応マニュアルの徹底等を行うとともに、現地調査中の苦情等も必ず市に報告することとしております。 また、苦情等の内容につきましては、委託業者にも伝え、問題があれば即時調査員に指導、改善する体制をとっております。また、家屋全棟調査事業につきましては、事前に調査対象者個々に通知を行うことが困難なことから、いきなり調査に来られたとの苦情も寄せられておりますので、再度、広報の方法についても検討を行いたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。 次に、広野地域の交番設置についての進捗状況と地域防犯強化について、お答えを申し上げます。 議員のご指摘のとおり、交番設置に関しましては、平成18年7月に京都府警が示した交番・駐在所等の機能充実・強化プランに沿って進められており、それまでの強い要望活動の結果、宇治市におきましても、六地蔵地域と広野地域がプランの中で交番新設が明記をされ、平成20年4月に六地蔵交番が開設をされたところでございます。 残る広野交番の設置に向けて、京都府警察本部と候補地の選定作業等を積極的に進めてまいっているところでございます。京都府警察本部に対しましても、長年の地元要望であり、1日も早い設置についてのお願いをしているところでありまして、現在、候補地につきまして最終的な詰めの段階となっております。 また、南宇治地域の地域防犯強化に関しましては、広野地域への交番設置が広野地域だけでなく、大久保地域等も含めた周辺地域の安全、安心なまちづくりの推進に大きな役割を果たすものと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 田中健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(田中秀人君) (登壇)保育料滞納者対策の取り組みについてのご質問にお答えいたします。 保育料の滞納者対策につきましては、受益者負担の原則、公平性の観点から保育行政の重要な課題として鋭意取り組んでいるところでございます。 具体的な取り組みといたしましては、既に滞納されている保護者に対しては、督促状や催告書の発送、自宅への電話催告や訪問徴収等を行っているところでございます。それらの取り組みに加えまして、平成20年度からは悪質な滞納者に対して預貯金や給与等の財産調査を行い、差し押さえ等の滞納処分についても実施をしているところでございます。 平成20年度の取り組み状況でございますが、悪質な滞納者39世帯に対し、預貯金・給与等調査予告書を送付し、誠意ある回答をいただけなかった7世帯に対し差し押さえ着手通知書を送付いたしました。そして、最終的に2件の差し押さえ処分を行ったところでございます。差し押さえの執行額は2件で、合計62万1,600円となっております。また、これらの取り組みとともに、平成17年度から行っている分割納付誓約書による納付指導の強化により、悪質な滞納を防止するように努めているところでございます。 平成21年度につきましては、現在、金融機関や勤務先等に預貯金や給与の調査を行っているところであり、今後調査が整いましたら、納付相談等に誠意を見せない悪質な滞納者につきましては、順次、滞納処分の事務を進めていくこととしておりますので、ご理解を賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 三枝建設部長。 ◎建設部長(三枝政勝君) (登壇)三軒谷川丸山地域の溢水対策についてのご質問にお答え申し上げます。 三軒谷川沿いの広野町、丸山の一部地域では、過去に集中豪雨によりまして繰り返し浸水被害が発生をいたしましたことから、平成16年度に対策工事として三軒谷川の疎通断面が不足をしておりました区間に、バイパス水路を設置し疎通能力を向上することにより、側溝からの溢水防止を図ったものでございます。 その後、三軒谷川の増水による浸水被害は改善されましたが、平成20年、21年度に発生をいたしましたゲリラ豪雨では、これまでの降雨量を上回る記録的な豪雨が短時間に発生いたしましたことから、平成16年度の対策工事で適用いたしました基準降雨量を大きく上回ったことによりまして、三軒谷川が急激に増水し、市道広野町47号線の側溝が溢水をいたしまして、家屋への浸水被害が発生したものと考えております。 このように排水路整備の基準降雨量を上回りますゲリラ豪雨対策といたしましては、既設排水路を下流域から全線の改修を行いますには、相当な期間と経費を要し、大変困難な状況にございます。したがいまして、当該地を含めましたゲリラ豪雨によります水害対策につきましては、上流域からの流出量を削減する流出抑制対策が最も現実的で、効果的な対策であると考えているところでございます。 現在、雨水流出抑制施設の設置拡大を目的に取り組んでおります流域貯留浸透事業基本計画策定の中で、三軒谷川上流域において有効な候補地を調査いたしまして、流出抑制施設設置に向けました検討を行ってまいりたいと考えております。 また、民有水路と水害の関係でございますが、三軒谷川の一部が民有地に埋設されている部分は、未改修ではございますが点検をいたしましたところ、疎通機能上は特に問題はございませんでした。また、改修済み区間と民有地部の水路との接続部につきましても、上流部の改修時には接続箇所の流下ロスを考慮いたしました設計としておりますが、ゲリラ豪雨は机上の計算では図り得ないものでもございます。 民有地内に埋設されております水路は、管理上の制約がありますことから、民有地内水路の解消につきましては、どのような方策が可能であるか引き続き検討を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 栢木教育部長。 ◎教育部長(栢木利和君) (登壇)新型インフルエンザの取り組みのご質問のうち、小・中学校の学級閉鎖等の状況及び予防対策について、お答えを申し上げます。 まず小・中学校の新型インフルエンザ用症状による学級閉鎖等の学校休業の状況についてのご質問にお答えを申し上げます。 新型インフルエンザ用症状による学校休業の状況でございますが、9月11日に市内で初めて木幡中学校で学級閉鎖を実施して以降、11月末までの累計で254の学級閉鎖、17の学年閉鎖、2校の休校をこれまで実施してきたところでございます。 学校休業の推移といたしましては、10月29日をピークとして依然として現在も学級閉鎖等が継続して発生している状況でございます。 次に、小・中学生の受験に向けての予防対策についてのご質問にお答えを申し上げます。 小・中学校における新型インフルエンザの予防対策といたしましては、市教委より各学校へアルコール消毒液、液体石けん、マスクを配布して予防対策を講じるとともに、養護教諭を初め教職員が一丸となって、うがいや手洗いの励行、マスクの着用、人混みへの外出は避けることなどの保健指導や子供たちの健康観察を行っております。また、学級閉鎖についても、同一学級内において新型インフルエンザ用症状による欠席者が10%から15%程度発生した場合、学校長は学校医と相談し山城北保健所の指導も得ながら、おおむね4日から7日間の範囲で決定することとしております。 新型インフルエンザは、感染力が強く感染拡大が懸念されることから、通常の季節性インフルエンザの対応と比較して、より慎重な対応とさせていただき、新型インフルエンザの感染拡大防止に努めているところでございます。これらの取り組みを今後も徹底して継続していきたいと考えておりますので、ご理解賜りますようよろしくお願いを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 鈴木章夫議員
    ◆(鈴木章夫君) 2問目の質問をいたしますが、大変多岐にわたりまして質問をいたしましたので、要望等まとめ、二、三、2問目の質問にかえさせていただきたいと思っております。 まず家屋税の件でございますけれども、今ご答弁いただきましたように、不公平感、不信感を払拭するためにしっかり取り組むんだというご答弁をいただきました。今、不況の折でもございますし、また調査の後、引き続き税の徴収ということになってくるわけでございまして、市民に対する対応につきましては、十分な配慮をしてやっていただきますようにぜひお願いし、要望としておきます。 あと保育料につきましても、要望でございますけれども、これまでと違ってかなり踏み込んだ対応をしていただいているということを答弁をお聞きして感じました。平成21年度からはさらに預貯金の調査を開始されて、順次、滞納処分の事務を進めていくということでございます。市の悪質滞納者に対する姿勢というものをしっかりと示していただくことが、悪質滞納者に対して何よりも大事なことではないかと、このようにも考えます。そうした意味からも、今後の当局の取り組みに対しては注視もしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 あと、広野地域の交番設置でございますけれども、残念ながら、候補地については明確なお答えがいただけませんでした。大変期待をしておったんですけれども、平成20年4月には六地蔵交番が開所されたということを考えますと、明年の4月がその時期ではないのかなと、こういうふうに推測もいたします。また、候補地につきましても、これは八軒屋谷の緑地の一角は適地ではないかと、これは私が勝手に思っているところでございます。最終的な詰めの段階に来ているということでございますので、これ以上お聞きをいたしませんけれども、1日も早い開所、開設となるようによろしくお願いしたいと思います。 それから、三軒谷川の溢水対策でございますけれども、これも平成17年には大変な費用をかけて対策を打っていただいた、そのことは十分理解をしているわけでございますけれども、このゲリラ豪雨については、どこともこれまでの対応では済まないという状況があちこち出ているわけなんですが、今後、ゲリラ豪雨時の降雨量に対応できるような改修、こういうことはぜひとも早期にお願いしたいと思います。二重手間、二重投資とならないように、これはしっかり見きわめながらやっていただきたいと、このように思います。この際、民有地内に埋設されております水路の開所についても取り組んでいただきますように、このことにつきましても要望とさせていただきたいと思います。 あと2問目ですけれども、この政権交代による本市に対しましては、大きく影響がいろいろと及ぶと、こういう予測をされるわけでございまして、この子ども手当について少し質問をしたいんですが、旧政権下で実現いたしました子育て応援特別手当、これが新政権になって見直しをされまして廃止されました。この政策は、幼児教育の無償化への第一歩となる制度で、我々も非常に期待もし、また子供さんをお持ちの親御さんからも期待を持っていただいただけに、非常に廃止されたということで残念至極でございます。 この安心の子育て、少子化対策の一環として、児童手当制度が現在小学校6年生まで1子、2子5,000円、3子1万円、さらにゼロ歳から3歳、乳幼児加算として5,000円、また親の所得制限も一定緩和もされまして、現在9割の子供さんに支給されるまで拡充してきたわけでございます。しかし、これも今回の政権交代によりまして、この制度も見直し、廃止して、新たに子ども手当ということで、ゼロ歳から15歳すべての子供さんに支給金額1カ月2万6,000円ということが来年度予算で実行されようとしているわけでございます。 制度の是非は別といたしまして、この子ども手当が財務省主導で制度化されますと、新聞報道にもありますように、地方負担を求めてくる可能性があるということでございます。この児童手当では構築されてきました公平な財源構成、国、企業が3分の1、そして都道府県が3分の1、市区町村が3分の1、こうした対応が崩れまして、子ども手当の財源が地方転換による。そして、市は結局負担増となって決して容認でき得るものではないと、私も考えるわけでございます。 そこで、先般資料をいただきまして、現在の児童手当の状況ですけれども、平成20年度では一般財源、市の負担額は3億8,000万少々と、これが今、宇治市の児童手当に対する市の負担でございます。これが今回見直されて子ども手当となりますと、宇治市で今現在15歳までの人口が2万9,000人少々おられるということで計算をいたしますと、2万9,000人に2万6,000をかけますと大体7億6,000万円ぐらいが1カ月ということになりまして、これを12倍いたしますと約90億4,000万と、こういう膨大なお金になるわけで、今はまだ地方に財源転換の話、具体的にはまだありませんけれども、もしも、この1割でも地方に負担をということになってまいりますと、約9億円近くの膨大な地方の負担を強いるということになりまして、この負担額は子ども手当、児童手当の約2.4倍という、そういう負担増に市はなるということで、一昨日の答弁でも全額支給拒否をしていくと、近畿市長会でもまとめているんだと、このように厳しく市長さんはおっしゃっておられました。 きょうの読売新聞にも「子ども手当給付ボイコットも、地方負担案、反発相次ぐ」ということで、これは全国町村会もそういう意見を言っておられます。給付事務のボイコットも辞さない考えを示したということで、先ほどの数字等を勘案しても決して許される、容認できるものではないと、我々もそう思っているところでございます。 そこでちょっとお聞きしたいんですけれども、1問目で質問をいたしましたように、保育料ですね。これが非常に未納が多いと。また学校での給食費等もあるということで、この子供にまつわる費用の未納というものが大きな問題になっているわけでございまして、もしその子ども手当が支給された場合、それを直接そういう未納解消に活用することができないのかということをお聞きしたいと思います。 それから、インフルエンザの点でございますけれども、きょうの読売新聞では、新型インフルエンザ患者が2割減になったということで、少しピークは超えたのではないかと、こういう評価の記事が出ておりました。しかし、これから寒くなるということで、飛び散ったウイルスの生存期間が長くなるために、手洗いなどの感染予防策は怠るべきではないと、決して安心してはいけないというコメントもついているのが現況でございます。 そこで、2問目を一つ、二つほどさせていただくんですけれども、今流行している新型インフルエンザH1N1型は、一般的に感染力は強いけれども弱毒性とも言われていると、発生が目前に迫っていると言われる強毒性のH5N1型、鳥インフルエンザのことのようでございますけれども、ここへの危機感をしっかり持っておくことも大切であると、このように思いますので、市としての認識、今後の対応についてもお聞きしておきたいと思います。 また、2問目で2として、1問目でも申し上げましたけれども、11月5日の号外発行の結果、医療機関でワクチンがないにもかかわらず予約の問い合わせが殺到いたしまして、大きな混乱が現場では起こっているということでございます。一方、11月30日からは、1歳から小学校低学年に対するワクチン接種が開始されます。今後も医療機関に対しても大きな負担がかかると、このようにも予想されます。また、さらに来年の2月以降に感染のピークが来ると、このように言われる中で、小学生の集団接種を行う必要があるのではないかということで、集団接種実施に向けて医師会との協議に取り組まれるお考えはないのか、このことをお聞きしたいと思います。 それからあと、介護保険の問題につきまして2問目、要介護者、家族にとっては費用負担が非常に問題が大きく、要望どおりのサービスをふやせば、施設をつくれば、それがすなわち保険料にはね返ってまいります。このスキームを修正するには、介護保険制度の費用負担の抜本的な見直し以外にないと、このように私どもは考えるわけですけれども、市のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(松峯茂君) 久保田市長。 ◎市長(久保田勇君) (登壇)子ども手当の問題につきまして、お答えを申し上げたいと存じます。 議員もご質問の中で申されましたけれども、ここにまいりまして地方負担の懸念が非常に高まっております。それは閣僚等の発言も通じまして、どうも児童手当で地方負担があるんだから、それは当然だというふうな意識が、私は底流にあるというふうに思っております。しかし、それぞれ自治体に何の裁量権もない問題まで国が実施をするというなら、全額国庫負担が当然でございまして、昨日も6団体が緊急要望をさせていただきまして、その中で町村会の山本会長さんが、近畿市長会の決議と同じような態度、全国みんなそう思っているよということをご発言をされたということでございました。このことにつきましては、市長会等を通じまして、私は徹底して国に対して求めていきたいというふうに思っております。 ご質問の中で、子ども手当を未納対策に活用できないのかということでございますけれども、まさに議員ご指摘のとおり、子供にかかわります公益サービスの受益者負担としての保育料、そして給食費等の未納問題は、本市だけではなく全国的な社会問題であるというふうに認識をいたしておりまして、払えないというのではなく払わないという方の対策が必要でございました。その解決手法として、子ども手当を直接未納回収に活用できないのかというご提案は、私も全く同感でございます。 子ども手当の詳細な制度内容は、現時点では確認はできませんけれども、民主党のマニフェストでは、子供の育ちを応援する観点から制度を創設すると。子どもが育つための基礎的な費用、被服費や教育費などを保障するというふうに制度の趣旨が明記をされております。 現在の児童手当につきましては、受給権が法によりまして保護されており、ご提案のございました保育料未納等に充当するため、差し押さえはできませんし、手当からあらかじめ保育料等を天引きをして支給することも認められておりません。 かつて民主党が議員提案されました児童手当法の一部改正案でも、子ども手当の受給権は児童手当同様に保護がされております。しかしながら、この子ども手当をめぐりましては、民間のシンクタンクの調査等を見ますと、子育て費用に直接使用するという方は、保育、教育、被服などの直接使うという回答は48.6%、半数以下でございました。むしろ将来のための貯蓄、旅行やレジャー、買い物、借金の返済等が非常に多数を占めておりますために、果たして制度創設の本来の趣旨が本当に発揮をされるのか、その政策効果は極めて疑問であるともされております。 子育て支援制度創設の目的と政策効果をより発揮をするという観点から見れば、私は制度による支え方が大事だというふうに思っておりますけれども、未納や滞納の保育料、さらには給食費等に差し押さえができること、またあらかじめ天引きをできること、このことを実施をすることが制度の目的を、効果をより発揮することにつながるというふうに思っておりますことから、法的な整理も含めて制度設計が必要であるというふうに考えております。 つきましては、先ほども申し上げました財源を地方に転嫁をすることがないこと、地方の事務負担を低減をすること、所得制限を検討することなどとあわせまして、全国市長会等を通じまして国に対して要望を強めてまいりたいというふうに考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 次に、介護保険制度の負担の見直しについてでございますが、事業運営に必要な財源につきましては、社会全体で支え合う仕組みとして介護保険法において定められておりまして、国、府、市が50%を負担をし、残る50%を第1号、第2号被保険者にご負担をいただいておりますことから、第1号被保険者の保険料は、サービス料に応じて保険料額を設定をすることとなりまして、サービス料確保のためには一定の保険料負担をいただくこととなるところでございます。 本市では、第4期介護保険事業計画の策定に際しましても、低所得者に配慮をしながら国の標準的な段階設定とは異なる細かい段階数を設定をし、課税層につきましても、被保険者の負担能力に応じたよりきめ細やかな段階数、保険料率を設定することで、第1号被保険者の負担軽減に努めたところでございます。 あわせて、第3段階の一定の要件を満たす方を対象といたしまして、本市独自の軽減措置を引き続き実施をいたしておりますが、現行以上に本市独自の負担軽減策を講じますことは、第1号被保険者の新たな負担を招くこととなることから、実施は困難だというふうに思っておりまして、介護保険制度の改善につきましては、宇治市におきまして、これまでも国に対し独自の要望も行っておりまして、低所得者に対する保険料、利用料の軽減策の確立、人材の確保、育成施策の充実、基盤整備に対する十分な財源援助、国負担の増額等について、今後とも要望を行ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 梅垣市長公室長。 ◎市長公室長(梅垣誠君) (登壇)強毒性の新型インフルエンザの発生に対します本市の認識と今後の対応についてのご質問にお答えを申し上げます。 強毒性の新型インフルエンザは、平成15年以降、東南アジアを中心に大量の鶏などが感染いたしました鳥インフルエンザを引き起こします強毒性のH5N1型ウイルスが変異し、人から人へ感染する能力を獲得することによりまして、ほとんどの人が免疫を持たないために世界的な大流行を引き起こす可能性があると、世界保健機構では指摘をしております。 京都府では、平成16年に高病原性鳥インフルエンザが発生しておりますことから、今後H5N1型ウイルスによります新型インフルエンザの発生に対します懸念は、本市にとりましても現実の問題としてとらえていく必要があるものと認識をいたしております。 今後、強毒性の新型インフルエンザが発生し、感染の拡大が懸念されます場合の対応につきましては、一市町村の対応にとどまらず広域的な対応が求められますことから、基本的には京都府が強毒性の鳥インフルエンザの発生を想定して策定いたしております新型インフルエンザ対策計画及び新型インフルエンザ対応マニュアルに基づきまして、京都府との連携のもと対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)新型インフルエンザワクチンの集団接種に関するご質問にお答えいたします。 ワクチンの集団接種についてでございますが、これまでのように予防接種公表医療機関に予約が集中し、医療機関の診療や事務に大きな混乱を生じさせる可能性を避ける一つの有効な方法であると考えられます。しかしながら、現状ではワクチンの供給量に限りがございますことや、医師やスタッフの確保、集団接種の会場や駐車場の確保、効果的な集団摂取実施日や時間帯の設定、あるいは適正なワクチンの保管管理方法など、さまざまな課題について検討する必要があると考えております。 したがいまして、今後、京都府や医師会とも十分に協議、連携を図りながら検討をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 鈴木章夫議員。 ◆(鈴木章夫君) 2問目の私の質問に対しまして適切にご答弁いただいたと、このように理解をさせていただきます。 最後、3問目は要望とさせていただきますけれども、会計検査院が11月11日に公表した報告書によりますと、2,364億円もの税の無駄遣いと不適切な経理処理のあったことが明らかにされました。これは史上最高の規模と言われまして、検査院が検査した範囲で判明した分でございまして氷山の一角と、このように言われて全体の実態はさらに深刻と見られております。余った予算を物品などを発注したことにして業者にプールする「預け」という手口や、また事業の役割が終わっているにもかかわらず、事業費を国庫に返さずにため込む「埋蔵金」もあちこちで発掘されたと、このように報告されております。 また、受注業者の選定に当たって、競争入札をせずに天下り先業者と随意契約してコスト削減を行っていた事例ということも、多く報告されておりました。我々の市の予算はどのように編成され税金がどのように使われているのか、無駄はないのか、こうした市民の意識は今後ますます増幅されていくのではないかと、このように考えます。 市民、納税者のニーズにしっかりこたえていく市政運営にしっかりと努めていただきますように強く要望して、以上をもって私の質問を終了とさせていただきます。ありがとうございました。----------------------------------- ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)12月議会の一般質問を行います。お昼を挟みますが、少しの時間、よろしくお願いいたします。 まず1問目は、市民の暮らしを守ることについて、お伺いをいたします。 年末年始の生活困窮者への対策についてということで伺いたいと思います。 年末年始を控えて、市民の皆さんの暮らしがますます厳しくなってきています。来年度予算を待つことなく厳しい雇用状況を踏まえて、雇用や生活支援、中小企業資金繰り等の対策を早急に具体化することが求められています。 昨年度は緊急経済対策として補正予算が組まれ、市民生活支援緊急貸付事業や離職者を対象とした市営住宅の確保、公共施設の小規模修繕の前倒し発注などにより、雇用の拡大や離職者などへの対策などが講じられてきました。現状も大変深刻な状況があり緊急の対策が求められていますが、昨年度のような対策を実施しないのかどうか、お伺いいたします。 ○議長(松峯茂君) 田中健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(田中秀人君) (登壇)昨年来の経済状況や雇用状況を受けまして、今年度につきましては、当初予算の段階から引き続く対策を実施してきており、その後の補正予算での対応とあわせまして、昨年末の対策と同様、あるいはさらに拡大した対応等が講じられていると考えております。 具体的には、当初予算におきまして、緊急雇用対策として地域の求職者等を対象とした雇用機会の創出や一時的な雇用・就業機会を創出するための予算を計上し、既に実施しているところでございます。また、離職者を対象とした市営住宅の確保につきましては、昨年に引き続き今年度も実施しているところでございます。 生活支援対策といたしましては、国において生活福祉資金貸付制度の大幅な見直しが行われ、低所得者、高齢者、障害者等に対して効果的な支援が実施されるよう改正され、既にことしの10月から社会福祉協議会が窓口となって実施されております。 さらに、新しい制度として、住宅手当緊急特別措置事業を同じくことしの10月から、市の事業として実施し、住宅を喪失または喪失するおそれのある離職者に対して、賃貸住宅の家賃の給付を行っております。 また、本市のくらしの資金貸付事業につきましては、当初予算の段階から例年より貸付枠を拡大し対応しているところであり、現在、年末年始の生活資金にご利用いただくために受け付けを行っているところでございます。 先ほど申し上げました生活福祉資金貸付制度には、新たな制度として1件10万円を限度とした緊急小口融資制度も設けられ、既に社会福祉協議会において相談に応じられているところです。なお、公共施設の小規模修繕の前倒し発注につきましては、今後の市内の雇用経済状況を注視しながら、必要に応じ検討してまいりたいと存じます。 このように、昨年と異なり、既にセーフティーネットを含めた対応策が一定構築されている状況がございます。今後の対応につきましては、先日国において概要が示されました新たな経済対策の第二次補正予算の内容等を十分注視してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)一定、昨年度から今年度にかけて、さまざまな施策を遂行されているということで、今後は国の経済対策の予算なども見てということでありました。昨年と比べて今年度がどうなのかということなどでも、私たちもやっぱりいろんな方が相談に見えて、非常に厳しい事態は、そんなに昨年とことしも比べて変わらないというような状況があると思いますので、やはり必要な対策についてはきちんととっていただきたいと思っていますので、この点はまた国の動向も見ながら、また必要なさまざまな要望があった場合には、それに対応できるような柔軟な対策をぜひお願いをしたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。 とりわけ雇用対策の強化についてお伺いをしたいと思うんですが、昨日の答弁にもありましたが、緊急の雇用創出ということについては、さらなる努力をしていかれるということなので、この点については要望をさせていただきたいと思っています。その上で、今、雇用の維持、確保、また正規雇用の状況が非常に厳しい状況になっている中で、やはりこの正規雇用を拡大をすること、来年の春の新規採用、高校を卒業した後の子供さんや、大学卒業生の人たちなども非常に厳しい実態だということも言われていますので、そうした拡大に向けて、やはり市長みずからが足を運んで大企業などに対して働きかけを行うことが求められていると思いますが、この点はいかがでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 五艘市民環境部長。 ◎市民環境部長(五艘雅孝君) (登壇)ハローワーク宇治管内の10月の有効求人倍率は0.46倍でございまして、前月より0.1ポイント上昇をしておりますものの、京都府内の有効求人倍率より、さらに0.04ポイント低うございまして、依然として雇用情勢は厳しい状況というふうになってございます。 こうした中で京都府におかれましては、京都労働局と合同で全国に先駆けて「京都求人開拓特別推進チーム」を本年8月に立ち上げられまして、京都府内の各企業に求人の要請を行うとともに、本年10月には京都労働局、京都府、京都市が共同で経済5団体に対しまして求人確保の要請を行われたところでございます。このように、国、府が要請活動を行っておられるというところでございますので、本市といたしましては、市単独で行うということは考えておりませんので、ご理解を賜りますようお願いを申し上げます。 なお、現在、政府におきましては、追加経済対策のための平成21年度第二次補正予算案につきまして取り組みが進められておりますことは、ご案内のとおりでございます。雇用対策を初め、中小企業の資金繰り支援を中心といたします金融対策など、切れ目のない経済対策こそ肝要でございまして、1日も早く第二次補正予算の成立に期待を寄せる次第でございますので、よろしくご理解を賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)今、市単独では実施をしない、要請はしに行かない、国や府が要請活動をしていただいているのでというようなご答弁でありました。こういう労働法制について、京都府と市町村ですみ分けをされているのかどうかわかりませんが、やはり今本当に厳しい状況で、市民の人たちの雇用の実態がこれだけ厳しくなっているという、直接窓口にもそういう声なんかも聞かれて、いろんな相談活動を受けておられる市の窓口で、その長であるトップの市長が、やはりそういう窮状を訴えて企業を動かすということが、今本当に重要な時期になっていると思うんですね。 ですから、京都府と京都市も行かれているということもありますし、市町村のところでも積極的に企業に対して働きかけを強めていただく、こういったことは、やはり市長の大きな仕事の一つでもあると思いますので、私は国に対しても企業に対しても、こういう声を上げるのは当然のことだと思います。この点については、今後何らかの形で市長がやっぱり外に出ていかれる、こういったことを強く求めて次の質問に行きたいと思います。 11月30日に京都のジョブパークで試行的に実施をされたワンストップ・サービス、ここは想定の2倍、100人以上が相談に来られたとお聞きをしています。会場は15のブースに仕切られて、京都労働局や京都府、京都市、そして近畿労金などからも職員の方が派遣をされて、生活資金融資や公営住宅の入居、生活保護などの窓口を開設されて実施をされたとお聞きをしています。 私は年末年始も含めて、こういった本当に1カ所のところでの相談窓口、こういうことを日常的に宇治市でも窓口をつくって、京都府やハローワークなどとも連携をして、一人一人に寄り添った相談や支援体制がとれるような、そういう体制をとっていくことが必要だと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 田中健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(田中秀人君) (登壇)政府の緊急雇用対策のアクションプランといたしまして、雇用や職業訓練の相談、生活保護の相談、日常生活の支援資金、多重債務などの各種の相談手続が1カ所で行えるワンストップ・サービスの実施が掲げられ、これを受けまして京都府におかれましても、11月30日に京都市南区の京都ジョブパークで京都府と京都市、京都労働局が主催し実施され、113名の相談があったとお聞きをしております。 ハローワークでの総合的な相談体制、いわゆるワンストップ・サービスにつきましては、現在試行的に行われているところであり、国において今後どのような実施展開方針が示されるか、動向を注視してまいりたいと考えております。 ただ、本市におきましては、ハローワーク、市役所、社会福祉協議会が比較的に近距離に立地していますので、相談される方の利便性は、他の地域に比べて高いと考えております。いずれにいたしましても、国の方向性や京都府及びハローワークの意向等を確認しながら、本市における必要性につきまして検討してまいりたいと考えております。 なお、年末には、京都府においては京都ジョブパークと福知山市の京都ジョブパーク北部サテライトで、就職や生活に関する緊急相談窓口を設置されると承っておりますので、本市の生活保護に関する緊急を要する事案が発生すれば、的確に対応できる連絡体制を整えることとしております。 また、本市といたしましては、年末を前にホームレスの実態調査を行い、生活保護の必要な市民がおられないのか確認をすることにしております。さらに、解雇等で住居を失った生活保護申請者等に対しましては、京都府の離職者緊急一時宿泊事業なども活用していただく方向で考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)宇治市は、比較的ハローワーク、市役所、社会福祉協議会は近くにある、場所的にはそんなに市民の方がそれぞれのところに行かれても苦痛はないというような形のご答弁だったかなと思うんですけれども、私はそもそも市役所の窓口にいろいろ相談に来られる、来なければならない状況にあるという市民の人たちの、やっぱり気持ちを考えたときに、なかなか、例えば生活保護の申請、本当に解雇にあって自分の家庭を本当に抱えて、じゃあどうしたらいいのかというときに、非常に精神的には大きな負担を抱えながら来られると思うんですね。そういうときに、この窓口は、例えば生活保護の申請は支援課に行ってください、雇用の相談はまたハローワークに行ってください、つなぎ的な資金は社会福祉協議会、これはこっちです、あっちですというような形であちこちに行かれるというような状況は、非常に苦痛を伴ってくるんじゃないかなと思うんですね。 今回、国のほうでワンストップ・サービスで1カ所のところでということで取り上げられたこの相談窓口は、やはり1カ所でできるだけ済ませていけたらいい、その中で相談して解決していける方向性という形で出してこられているものだと思うんですけれども、私はこういうことを本当に一番身近な市役所のところでも、私はやろうと思えばやれるんじゃないかなと思うんですね。 例えば市役所の窓口、どこかの窓口でハローワークの職員の方に来ていただいたりとか、社会福祉協議会、幸い場所的にも近いですから、出張的に来ていただいて、その窓口でいろんなことの相談が受けられる。前回やられたワンストップ・サービスは施行でやられたということなので、まだまだ改善が必要なんですね。例えば生活保護の相談に行かれても、相談はできるけれども申請は結局それぞれの市区町村に行ってくださいという形になってきますので、こういったところを考えれば、やはり宇治市のところでできることから始めていくというのが、本当に市民に寄り添った、そういう行政なのではないかと私は思いますので、この点は、市の中での工夫の中でやりくりできることではないかなと思いますので、そういった点はぜひ現場のところでも検討をいただきたいなと思っていますので、この点は強く要望させていただきたいと思います。 中小企業、地場産業への緊急対策についてということでお伺いしたいんですが、今、国に対して、私は中小企業への休業補償や、例えば固定費の助成、そして直接の支援を緊急に実施をするということや、大企業の中小企業いじめを防止するような法律を制定すること、資金繰り支援の緊急対策を講じること、こういったことを強く求めていただきたいと思っているんですが、いかがでしょうか。そして、国が実施をするには時間がかかってきますので、その間、市としてこういうものづくり、技術力、集積を持っている、そういう機械金属などの町工場の人たち、今本当に大変な状況にありますので、そういった方々への家賃や機械のリース代、また電気代などの固定費への助成、そして緊急の休業補償措置などを行うことが求められていると思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 五艘市民環境部長。 ◎市民環境部長(五艘雅孝君) (登壇)緊急対策につきましてのご質問にお答え申し上げます。 経済産業省の11月30日の発表によりますと、総じて生産は持ち直しの動きで推移をしているとの基調判断をされておりますが、今後はその後に起きました急激な円高が影響してくることが予測をされまして、引き続き厳しい状態が続くものと認識をしておるところでございます。 本市におきましても、機会あるごとに市内企業さんとの懇談を通じまして状況を把握をしているところでございまして、それぞれの企業は生き残り策を必死に考えておられる状況をお聞きをしておるところでございます。 このような厳しい状況にありますことは十分承知をしておりますが、貸し工場の家賃や機械のリース代、電気代などの固定費への助成につきましては、本年9月定例会におけます向野議員のご質問でもお答えを申し上げましたように、助成対象とする業種や、あるいは自社工場の所有事業者さんとの均衡の問題、それから近隣市町との動向など多くの課題がございますことによりまして、助成の制度は困難というふうに考えておるところでございます。また、受注減により休業をしている間のつなぎとしての休業補償というご質問でございますが、この問題につきましても困難というふうに考えておるところでございます。 まずは、現在厚生労働省のほうが実施をされております中小企業緊急雇用安定助成金制度によります休業手当の助成施策や、あるいは本年12月4日に施行をされました中小企業者等金融円滑化臨時措置法、通称モラトリアム法と申されておりますが、そこでの中小企業向け融資対策などと同様に、国、府でのセーフティーネット制度の確立や景気浮揚対策が肝要であるというふうに考えておりまして、こういうような施策の実現に期待をいたしているところでございますので、ご理解を賜りますようお願いを申し上げます。 次に、下請け代金の不払いと大企業の中小企業いじめを防止する法律を制定することの要請についてのお答えを申し上げます。 鳩山政権の政権公約におかれましては、下請いじめを防止するための中小企業いじめ防止法の制定を目指されておりますので、その動きにつきまして注目をしてまいりたいと考えているところでございます。また、下請代金支払い遅延等防止法が遵守をされまして機能することを目的に、経済産業省では今年度、この法律の講習会と無料弁護士相談会を全国246カ所で地域巡回セミナーということで開催をされております。11月12日には、宇治市産業振興センターにおきましても開催をされまして、府南部市町の企業が参加されたというふうにお聞きをしておるところでございます。 このような啓発活動等が継続的に行われることが大切であると認識をいたしておりまして、本市といたしましても、広報に努めてまいりたいと考えているところでございます。 最後に、資金繰り支援の緊急対策を講じることの要請につきましては、先ほど申し上げましたが、国が平成21年度、第二次補正予算に盛り込む追加経済対策の中で講じられると、先ごろ報道されておりますので、その対策に期待をしてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)今、部長のほうからご答弁があって、国や京都府なども、今現在いろんな制度もあるし、実際に市町村のところで、例えば新たな固定費の助成とかさまざまな制度については、なかなか困難な部分もあるというご答弁だったと思うんですね。今の業者さんの状況がどんな状況なのかといいますと、例えば仕事が変わって給与が1カ月入らないので、緊急小口貸付を申し込んだけれども断られた。車の買いかえで融資を申し込んだが、2カ月もかかってしまった。生活福祉資金に3人申し込んだが、返済能力がないということでみんな断られた。毎月2人ずつぐらい仲間が廃業している。機械代のリース代が払えずに、泣く泣く3台あった機械のうち1台を手放さなければならなくなった。固定費の補助をぜひ実現してほしい。こういう声が出ているんですね。 これは11月26日に京都府の商工団体連合会が京都府に要請書を提出をされた際の本当に業者さんの生の声だったんですね。私はこういう声を聞いていると、今の制度、いろんな制度があったとしても、なかなか、じゃあ隅から隅までいろんな業者の人たちが使いたいと思ったときに使えるかといえば結局使えなくて、このままでは年越し越せへん、どうなるんやろうということで、非常に苦しい思いをされている人たちがたくさんおられるんですね。ですから、私はいろんな状況なんかも、市みずからがいろんな声も聞かれているんですから、そういった必要な施策が必要だということで、今、質問の中に取り上げさせていただいたんです。 ですから、このことは、やはりいろんな業者の方々からも直接、生の声も聞いていただいて、いろんなどういうところで一番困って、じゃあ今ある制度でもどういうところの改善が必要なのかということをきちっと対策をとっていただいて、国にも京都府にも求めていっていだきたいなと思いますので、この点については強く求めて次の質問にいきたいと思います。 次は、扶養控除の廃止に伴う市民の負担増加に反対することについてということで、お伺いをいたします。 鳩山内閣が子ども手当の財源として、2010年度税制改正で、所得税の扶養控除の廃止をめぐって新たな問題が浮上をしてきています。扶養控除の廃止は、市民の方々への大きな負担増をもたらすことになります。保育料や公営住宅の家賃の値上げなどにも宇治市の場合つながってまいります。 例えば夫がサラリーマン、年収300万、妻が年収100万、子供さん1歳と3歳の4人家族のケースでいけば、保育所の入所や市営住宅の入居をされている場合、扶養控除の廃止に伴って負担がどれだけふえるのか、この点についてお答えいただきたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 大石総務部長。 ◎総務部長(大石昭二君) (登壇)扶養控除廃止による負担増でございますが、制度が確定しておりませんので、あくまで仮計算ということでお答えさせていただきます。 まず住民税でございますが、住民税の扶養控除額は1名につき33万円でございます。この控除額が課税標準額にプラスされることになります。住民税の税率は市民税6%、府民税4%、合計10%でございますことから、事例の場合は6万6,000円の負担増ということになります。 次に、所得税でございますが、所得税の扶養控除額は、1名につき38万円でございます。ご承知のように、所得税の税率は課税される所得金額によりまして税率が異なりますが、事例の場合の税率は5%でございますことから、税額では3万8,000円の負担増となります。 次に、保育料では、所得税額を基準に保育料の徴収額を決定しております。従来、所得税制の改正が行われた場合、保育料に直接影響が出ないように、国の保育料徴収基準額表が改正されてきた経過がございますので、今回の改正に際しましても徴収基準をどうするのかがあわせて示される必要がございます。まだ示されておりませんので、仮に現行の宇治市の保育料徴収額表をそのまま当てはめたとすれば、事例の場合は月額の保育料が1万4,000円程度ふえることになります。 次に、住宅家賃でございますが、公営住宅の家賃計算での子供の控除と所得税の扶養控除は違うため、所得税の扶養控除が廃止されても直接影響するわけではございませんが、もし仮に、公営住宅法施行令上の子供の控除がなくなるとすれば、月額の家賃算定基礎額は1万6,800円ふえることになります。 このことから、このケースを年間額で見た場合、負担増となるのはほぼ改正が確実な税のみであり、保育料、住宅家賃は不透明なところがございます。仮に税の改正分だけでございますと、10万4,000円の負担増となりますが、子ども手当の支給額が1年目、31万2,000円、2年目以降は62万4,000円となり、収入増となります。また、仮に保育料、住宅家賃が負担増となった場合でも税と合わせ年間47万3,600円となりますが、これも子ども手当支給2年目からは収入増となります。 以上のことから、このケースの場合は負担増にはならないと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)今、私が挙げたケースの場合は、収入は増になると、負担増にはならないということだったと思うんですけれども、今この子ども手当の財源の一部に児童手当を廃止をするということが言われていますよね。そうなってきたら、この家庭の場合でいくと18万円、今まで児童手当という形で受けられていたのが、これがなくなってしまいますので、実際に計算上だけでいけば、いろんな徴収基準の形のこととか、いろいろなことがまだ明らかになっていないのでわかりませんが、実際にもし保育料とか公営住宅に入ってはる場合、家賃が上がるということになっていった場合、この家庭の場合でいくと、ここからさらに今までもらっておられた児童手当がなくなるので、18万なくなりますから、結局、子ども手当62万4,000円をもらったとしても、さまざまなところでふえて子ども手当が減になっていくということになれば、マイナス3万円ということになってくると思うんですね。 私はこういう、この子ども手当、先ほどからさまざまな議論があると思うんですけれども、子育ての応援策、手当という形でいろいろな形で支給されたとしても、一方で市民税や保育料などが上がるということになってきたら、手当として支給をされても、結局、効果が薄くなるということになっていくのではないかと思うんですね。 この点では、この間、税制調査会のところで資料が出されているんですけれども、扶養控除の廃止に伴って、負担増、影響が出てくるという項目がずっと挙げられているんですけれども、例えば市立幼稚園の就園奨励費の補助とか高等学校交通遺児授業料減免、後期高齢者医療制度、障害者自立支援制度、精神障害者措置入院費、助産施設における助産の実施、さまざまなところにかかってきて、今わかっているだけでも23項目影響してくるんではないかということで資料が提出されているんですね。 私が、本当に市民にとって大きな増税になるということであるので、私はやはり、今、市長は扶養控除や、さらにこれから将来的に検討されている配偶者控除の廃止に対しては、政府に対して反対、こんな負担がふえるような控除の廃止については反対の声を上げていくべきだと思うんですが、いかがでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 大石総務部長。 ◎総務部長(大石昭二君) (登壇)扶養控除等の廃止につきましては、民主党の所得税、改革、推進の中で高所得者に有利な所得控除を整理し、控除から手当への転換を進めるとの方針から、子ども手当支給の創設とあわせて、扶養控除や配偶者控除などの人的控除を廃止する方向で論議がされてきたところでございます。 当初は、所得税のみの廃止方針でございましたが、最近では、住民税も廃止対象とされております。直近の状況では、配偶者控除や16歳から22歳まで適用される特定扶養控除は課題が多いことから、改めて協議し、当面は継続していくとのお考えが政府関係者などからコメントをされております。 一方、廃止対象の扶養控除は、ゼロ歳から15歳までと、23歳から69歳までの家族のいる世帯に適用されていますが、ゼロ歳から15歳までの世帯には控除廃止のかわりに子ども手当が支給され、ほとんどの世帯で実質収入増となります。しかし、23歳から69歳までの世帯では手当等がないことから負担増となり、これらの世帯に対する対応が課題とされておりますが、政府関係者が障害者のいる家庭は残したいなど、一部の世帯には何らかの対応を行うとの報道がされているところでもございます。 本市といたしましては、扶養控除廃止で負担増となる世帯があることの懸念はいたしておりますが、国においても課題を認識され、協議されていることを全国市長会でも国に対しまして税制改正の検討に当たっては、地方が制度設計に参画できるよう要望していること、今月中に政府税制調査会で平成22年度の税制改正大綱が決定されることなどの状況から、当面は国の動向を見守ってまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)社会保障制度の多くは、自己負担額などが所得税や住民税、また課税世帯であるかどうかということで基準にして決められていることが多いですよね。ですから、住民税がこういう形で上がっていくことになれば、非常にほかの制度の負担というのが、結局どんどんと大きくなってくることになっていきます。 先ほどご答弁もありましたが、23歳から69歳までの世帯のところでは、今そういう措置がとられるようなこともありませんので、結果的には増税だけが押しつけられるというようなことにもなってしまいます。 さらに16歳から22歳、今回は対象としないということなんですけれども、これも流動的ですよね。この間、12月4日のところでの財務副大臣は、税制調査会の会合後の記者会見の中では、時期のところではこの内容についても課題に挙げていくというようなことも表明をされているということで、今どうなっていくかわからない。非常に大きな負担増となる可能性が多いということで、こういうときには、国の動向を見てそれが決まってから声を上げていたのでは、私は遅いと思います。 市民の暮らしを脅かすような増税には、宇治の市長として反対の声をきちっと上げる、これが市長の努めだと思いますので、この点については、この年内、非常に慌ただしい時期ですけれども、市長に対してはそういう英断を下していただきたいということを強く求めて、次の質問に入りたいと思います。 次は、保育所の課題についてであります。 最低基準の見直しについて。 長妻厚生労働大臣は、認可保育所の国の最低基準を緩和して、待機児童が多い都市部で保育室の面積基準を自治体にゆだねるなどの方針をまとめています。子どもの詰め込みを深刻化し、保育環境を悪化させるものであって、父母や保育関係者からは厳しい批判が上がっています。 そもそも最低基準は1948年に制定をされ、憲法25条の見地から子どもの健康と健全な育成に必要な最低限度の基準とされてきました。当時は、国民生活も貧しくて、経済の進展や国民生活の向上にあわせ、高められるべきものとして位置づけられたものであります。しかし、これまで政府がこういう努力を怠ってきたために、結局、保育士の配置が若干改善された以外は、今でも保育室の面積は61年前のままであります。厚生労働省の委託研究でも、諸外国と比べ面積や保育士配置とも低く、保育室は少なくとも1.2倍以上に改善が必要だと、このように指摘をされています。今でも不十分な基準が緩和をされたら、安心して子どもを預けられるのか、子どもに犠牲を押しつけることになるのではないかと思われます。 せんだって、真田議員の質問の中で「今後、国の議論の動向を注視したい」と答弁がありました。そもそも不十分な最低基準の緩和事態が問題であり、国にこの最低基準の見直しこそ求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。----------------------------------- ○議長(松峯茂君) 暫時休憩いたします。     午後0時25分 休憩     午後1時30分 再開 ○議長(松峯茂君) 休憩前に引き続き会議を開きます。----------------------------------- ○議長(松峯茂君) 日程第1、一般質問を継続いたします。田中健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(田中秀人君) (登壇)現在、国では地方分権改革推進委員会の勧告を受けて、保育所の施設基準につきまして、東京などの大都市部のみ待機児童問題が解消するまでの一定期間に限って居室の面積基準を緩和することなどについての方向が示されているところでございます。今後、全体的な方向が示されることと考えておりますが、さきに真田議員のご質問にお答えいたしましたとおり、現時点におきましては国での論議の動向を注視してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 また、最低基準の引き上げを国に求めるべきとのご質問でございますが、当面焦点となりますのは、基準の緩和について本市の保育にどう影響するのかを見定めることにあると考えておりますので、最低基準の引き上げを求める考えはございません。 いずれにいたしましても、保育所の保育環境を維持する上で最低基準は重要な要素でもございます。基準の緩和につきましては慎重な対応が必要であると考えておりますので、よろしくご理解を賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)ただいま答弁がありましたが、先ほどもちょっと触れさせていただいたんですが、国が進めようとしている最低基準の見直しについては、例えば保育室の面積が基準緩和をされるということになりますと、今でもゼロ歳から1歳の子供さん1人当たり3.3平方メーターで、2歳以上の子供さんになると1.98平方メーターということで、非常に狭い基準になっています。しかも、今回の規制緩和、最低基準の見直しという形になってくると、園庭の面積基準をなくすということも書かれているんですね。それを自治体の判断にゆだねるとされる内容となっています。現行でいくと、例えば2歳児の場合、6人に1人の保育士さんがついておられるんですが、現状でいけば、この6人の子供さんと保育士さんとで、今の最低基準でいって約7畳の部屋なんですね。このお部屋にいろいろ遊び道具もあれば、家具もあり、机もあり、そういう状況の中で子供たちが1日過ごしている。保育士さんも、そこで1日過ごされる。しかも、食べることや寝ること、遊ぶこと、すべてそのお部屋で賄われるというような、これが今の国の最低基準なんですね。ここにさらに規制緩和という形になって、最低基準をその自治体によってどうにでもなるというようなことになっていけば、非常に子供にとっては伸び伸びと育つ環境を保障することができなくなると思われます。 先ほど宇治市のほうの考え方は、今後どう影響するのか見定めていきたいということで、引き上げを求める考え方はないんだということをおっしゃってるんですけれども、私は、市長みずから、もし自分がこういう子供さん6人自分で保育をするということを考えてみられた場合に、本当に7畳という狭い中で、これで保育、本当に今でも非常に苦労されてる中でやっておられるのが、やっぱりこの基準ではだめなんだという考えに立ってもらわない限りは、国に意見を言うこともされないということを思うんですけれども、やはりこの観点に立つべきだと思いますので、この点については強く求めていきたいと思います。 保育関係者からも、厚労省の基準の緩和は待機児童の解消だということが目的にうたわれているけれども、実際には待機児童の解消には保育所をふやすしかないんだということで言われているんですね。規制緩和は効果ないということは、関係者の皆さん、そういうふうにおっしゃってるんですよね。外国から比べても非常に低い水準、ここにきちっとメスを入れて、今あるやっぱり基準をもっと高めていくということが、これから先の子供たち、一日一日本当にそこが生活の場として過ごす子供たちにとっても、この環境を改善をするということこそが求められていることであるので、やっぱり宇治市は認識を改めて、きちっと国に必要な意見については声を上げるべきだ、このことについては強く指摘をさせていただきたいと思います。 次に、保育所の待機児童対策についてお伺いをしたいと思うんですが、11月時点の保育所の待機児童が193人ということで、11月30日に開催された児童育成計画推進協議会の中で目標数値が出され、約470人分の受け入れの確保が必要だということで、今後5年間の計画という形で示されています。 せんだっての答弁の中でも、今後安心こども基金を積極的に活用してということで答弁をされてきました。この間、民間園に対して基金を活用して定数増なども呼びかけておられるけれども、こひつじ園とか、今度の12月補正でも上がってますが、広野保育園とか、合わせて90人という状況で、まだまだやっぱり足りない状況であるのではないかと思っています。とりわけ、この安心こども基金については、一応平成22年度末までの計画の取りまとめ分について対象とされていますので、民間園に対してこの間ずっと働きかけをしていただいてると思うんですけれども、やっぱりなかなか民間園だけに頼っているということでは、この470人分の受け入れの確保は無理だと思います。 公立園のところでの増員についての考え方についてお伺いをしたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 田中健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(田中秀人君) (登壇)公立保育所での定数増につきましては、保育所運営経費の公立・民間の格差につきまして市政運営上、大きな課題としてとらえ、現在保育所民営化に取り組んでいるところであるとともに、行政サービスの向上と行政の効率化の推進という行政改革の基本方針と定員管理の適切な推進という面からも、現段階では慎重に検討する必要があると考えております。現在のところ、民間保育園の施設整備を基本に、あらゆる方策を検討する中で待機児童対策を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)今のご答弁をお聞きしていますと、要するに公立のところはもう定数をふやす考えはないということをおっしゃっているんでしょうか。 いや、そうやなと、そこで返事をしてもらうと困るんですが。 市長は、きのうも、行政改革ということでもう断固進めていくんだという考え方を示されているんですけれども、やっぱり私は市長の言う行政改革、無駄なところを省いていくというのは、ある面必要なことはあると思うんですね。だけど、今保育所に入れない子供さんが、今11月時点で200人近くおられると。これから先ますますふえる可能性あるんですね。この間、民間園でもずっと定数をふやしてきていただいてるんですが、毎年のように保育所の希望者の方の数がふえてきてるんですよね。そういう状況の中で、片一方、やっぱり定員管理計画があるとか行政改革進めなあかんからということで、こういう必要なところまで削らないといけないというのは、私は間違っていると思うんですね。 市民の人たちが何を望んでおられるのか。市長みずからは、去年の市長選挙のときにも保育所の待機児ゼロ対策ということで公約の中にも掲げられてきましたよね。そういう状況の中で、それでもまだいろいろ頑張っていただいているけれども、まだまだ足りない。これから先も、やっぱり保育所あったら、そこに入ってお母さんも働きたいと思っておられる方もたくさんおられるわけですから、やはりここは、民間にもお願いしないといけないことはお願いするけれども、公立のところでもきちっと対応していただく、これが本来の行政のあるべき姿ではないんでしょうか。私は、こういうところでの行革じゃなくて、きのうの定員管理計画のところでも必要な仕事のところではもちろん増員も含めてという話もありましたので、やはりここはきちっと対応していくべきだと思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。 一昨日のところでも、幼稚園とか学校などの施設を活用してという話も出てました。公立園のところでは、この間、定数、昭和の時代ですけれども、削減をしてきていますよね。減らしてきてるんですよね。例えば、北木幡保育所とか善法保育所とかでも定数が10人ずつ削減をされてきた経過がありますし、小倉双葉園保育所でも59年度までは280人の受け入れをされてたんですよね。今現在220人ですけれどもね。ですから、園のスペースでいけば、やっぱり公立園で今すぐにでも定数を戻していくということは可能なわけでしょう。ですから、こういったところできちっと対応していただくということが求められているんですね。これは公立でやるべきことなので、すぐにでもできることだと思います。 現在の施設を改修して、また活用することなどで何人受け入れをふやすことができるんでしょうか。この点についても、あわせてお答えいただきたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 田中健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(田中秀人君) (登壇)公立保育所の定数につきましては、昭和50年代後半から保育所入所児童数が減少し、定数に対して多くのあきが発生した昭和60年度に、現在民間になっておりますが、北小倉保育所を含みまして5園で120人の定数を減員いたしました。その後、平成10年度以降の保育ニーズの高まりの中で、平成17年度には保育所民営化第1次実施計画に基づき、2園で30名の定数を増員してきた経過がございます。 保育所の定数をふやすためには、施設の整備に加えまして、最低基準において定められております職員の配置基準に基づいて職員体制を整えることも必要となってまいります。先ほどの答弁でも申し上げましたが、公立保育所の定数増につきましては、現在宇治市では公立・民間それぞれ同様の保育が行われている中で、保育所運営経費に大きな公立・民間の間での格差のある課題、それから行政改革の課題、また定員管理の課題に取り組んでおります現段階では、公立保育所の定数増について慎重に検討しなければならないと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)今、それぞれ自治体の中でも公立と民間の費用の格差の問題とかがあって、よその自治体でも民営化ということで進められているのは私もよく知っています。 ただ、こういう待機児童が非常にふえてきているというような状況の中で、少し民営化するのを、そのテンポをおくらせてでも、今入れない子供さんたちを何とか対策とっていこうということが逆にやられてきているんですよね。それが本来の行政だと思うんです。例えば、西宮市でも市立保育所民間移管計画というのが出されて、平成21年には1園の園を民営化すると、22年には2園の園を民営化するという話があったんですけれども、だけど、あそこでも130人ぐらいの子供さん、待機児があるということで、その民営化計画を先送りをするということで、ことしの3月に保育所待機児童解消計画というのを新たにつくられてるんですよね。そういう中で、当初民営化しようと思ってた公立はそのまま残して、それで新たに民営化、民間のところにも新たな保育所をお願いするということで、こういう定数、待機児童の解消を図るということで今努力をされてるんですよね。ほかでもそうなんです。 やっぱりそれぞれの市町村がさまざまな努力をされて、何とか公で場所の確保もして、今おられる待機児童を少しでも解消していくという方向をどんどん模索をされながら、待機児童対策に今力を入れておられるというのが実態なので、いつまでも、これから先、将来的に子供さんが減ってきて待機児童が少なくなってくるという状況が出てきて、もう待機児もないというようなことになっていったときに、それは将来的に、じゃあ宇治市の保育所のあり方どうしましょうという形で考えていっていただいたら、それはそのときはそのときで必要なときもあるかもしれません。だけど、今現在保育所に入りたいのに入れない方がこれだけたくさんおられるのに、こういう民間だけのところにお願いするだけでは、私はやっぱり間尺に合わないというか、テンポが本当に追いつかないような実態になっているのではないかと思っているので、やっぱりその辺は公立のところで、先ほどの答弁でいくと、減らしてきたところ、一たんふやしたところもあるけれども、でも、実際今のスペースを利用すれば90人ふやすことできるわけでしょう。今までにそれだけの子供さんが入っておられたわけですから。ですから、そういうことも含めて、公立でも民間でも両方とも努力をして、今入れない子供さんを少しでもなくしていくということが求められていると思いますので、その点はぜひ今後の推移も見ていきたいと思いますが、本当に待機児童ゼロということを掲げてこられている市長が、やはりその辺の英断を下すべきだと思っています。 もう1点お聞かせいただきたいのは、12月5日の城南新報にちょっと書かれていたんですが、黄檗自衛隊の官舎跡地を購入ということで書かれています。社会福祉、子育て施設で利用なのか、待機児多い、保育所を新設かということが載っているんですけれども、この点については具体的に保育所用地として使用されるお考えがあるんでしょうか。 あわせて、木幡、六地蔵などでも非常に待機児童が多くなっているような実態なんですけれども、比較的あいている用地などもありますので、こういった用地などもしっかりと確保しながら、新設の見通しについてお伺いをしたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 田中健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(田中秀人君) (登壇)待機児童対策につきましては、本市の喫緊の重要課題として取り組みを進めることとしておりまして、今後は次世代育成支援対策行動計画における保育所利用見込みの推計に基づいて、地域的な保育需要の偏在も視野に入れまして、待機児童の解消に向け対策を講じてまいることとしております。したがいまして、東宇治地域につきましても待機児童が多いことから、今後あらゆる機会をとらえ、土地の確保も含めまして検討していく必要があると考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)東宇治地域のところで非常に待機児童が多いという実態については認識をされているということなんですけれども、具体的に自衛隊官舎跡地については話が進んできているのかなと、国との関係でいけば。そういったところもあるので、これは保育所用地として使用されるということで確認させていただいていいでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 岸本政策経営部長。 ◎政策経営部長(岸本文子君) (登壇)五ケ庄梅林の未利用国有地につきましては、本年8月31日付で近畿財務局京都財務事務所長から情報提供及び取得要望等の意見照会を受けたところでございます。 当該用地につきましては、先ほどお答え申し上げました待機児童対策を初め、社会福祉施設等、さまざまな利活用が想定されますことから、去る11月30日付で取得要望する旨の回答を行い、財務事務所との事務レベルでの協議を始めたところでございます。今後、国から示されるであろう売却条件と本市が抱えますさまざまな課題解決に向けました条件が整い次第、議会にもご報告をさせていただき、またしかるべき時期には必要な予算措置につきましてもご審議をお願いいたしたいと考えているところでございますので、ご理解賜りますようお願いいたします。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)自衛隊の官舎の跡地のところはかなり面積的にも広いということもありますので、しかも駅からも非常に交通の便もいい場所でもありますので、こういったところが今後どのような形で使われていくのかというのは推移を見ていきたいと思いますけれども、やはり今どこが一番最も必要となっているのかということなんかもぜひ考えていただいて、ぜひ検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 最後に、教育の充実についてということで質問をさせていただきたいと思います。 子供たちの学ぶ権利を守ることについてということで、構造改革による貧困と格差の広がりが子供たちの教育にも大きな影響を与えています。すべての子供に教育を受ける権利を保障し、どの子も伸びる教育が今こそ求められています。 文部科学省は、来年の春から高等学校を実質無償化し、大学の奨学金を大幅拡充するなど、実現に向けた取り組みを行っておられます。しかし、高校生は授業料以外にも制服代、体育用品、教材費、修学旅行費、PTA会費など数十万の負担がかかり、ここを払えない生徒が多いのが実情であります。私立では収入によって公立高校の2倍の支給を行う、このように今、国のほうではおっしゃっていますが、入学料や施設の整備費、制服代、修学旅行費などは自己負担となり、支給を受けても相当額の負担がかかることになります。経済的理由で高校や大学を断念することがないよう、不十分な点の改善を求め、高等学校の無償化と給付型奨学金の創設について国に早急な実施を求めるべきですが、いかがでしょうか。 それと、高校の定時制・通信制課程の定数増加の要望についてであります。 この間、京都市内の定時制高校の募集定員が大幅に減らされて、3年連続大量の不合格者を出しています。2000年度に1,000人あった京都市内夜間定時制の募集定数が、440人の水準まで減らされてきたことが原因にあります。今、経済危機が深刻になる中、授業料が安い公立高校定時制への希望者が増加をしています。定時制で学ぶことを希望する市内の中学生がすべて入学できるよう定数増加を求めるべきですが、いかがでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 栢木教育部長。 ◎教育部長(栢木利和君) (登壇)教育の充実について、2問ご質問いただいております。 まず、高等学校の無償化と奨学金制度の創設の国への要望についてお答えを申し上げます。 すべての子供たちが希望の進路先に進めるということは、市教委といたしましても望ましいことであると考えております。また、民主党のマニフェストには、家庭の状況にかかわらずすべての意思ある高校生、大学生が安心して勉学に打ち込める社会をつくるため、公立高校の実質無償化や希望者全員が受けられる奨学金制度が掲げられております。しかしながら、施策の内容がはっきりしていない現時点においては、国に対して早急な実施を求めることは困難であると考えております。 いずれにいたしましても、国の施策内容が明らかになった段階で教育委員会連絡協議会等で協議を行い、必要に応じて要望してまいりたいと考えております。 次に、高校の定時制・通信制課程の定数増加の要望についてお答えを申し上げます。 市教委といたしましても、100年に1度と言われる厳しい経済状況の中、さまざまな事情により高校の定時制や通信制課程に進学を希望する生徒の増加が予測されるものと認識をいたしております。また、この問題は府議会においても論議されていることは承知をいたしており、京都府教育委員会におかれましては、この間、府立高校の総定員の中でニーズの高い全日制を重視しながら、定時制等の定員を定められているとお聞きをいたしております。 本市の進学希望者の中学生全員が希望の進路に進めることは大変望ましいことと考えており、市教委といたしましては、何よりもそのための学力を生徒一人一人にしっかりと定着させることが重要であると考えております。今後、各中学校の進学状況を十分注視しながら、必要に応じて府教委に対し要望することも検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解いただきたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 帆足慶子議員。 ◆(帆足慶子君) (登壇)経済的な理由で高校や大学を中途であきらめるとか、進学自体をあきらめる、そういう子供たちが今後この宇治市の中から出ないことを私は強く求めていきたいと思いますし、今後国のほうもどういう施策が具体的になっていくのかはわかりませんけれども、必要なことについては必要な意見をしっかり上げていただきたいことは要望させていただきます。 最後に、全国一斉学力テストについてなんですが、文部科学省が8月27日、今年度の全国学力・学習状況調査、いわゆる全国学力一斉テストの結果を公表いたしました。既に都道府県別の公表によってどこどこの県が全国で何位とかいう、こういう学力テストによる競争をあおる風潮が広がっています。中でも、ことしは8月13日、大阪府教委が2007年、2008年度に実施された全国学力テストの結果について、情報公開請求に応じる形で市町村別結果の公表を行ったこともあり、今、実際には過度な競争的な教育、これをさらに進める危険性があると考えています。 全国一斉学力テストについては、この間、市教委には幾つかこの問題については投げかけてきました。教育委員会は、このテストについては必要で、後のこと、子供たちの指導にいろいろ生かしていくということで意見は言われています。私とは立場が全然異なっていることも事実あるんですけれども、やはり一斉学力テストというような形をしなくても、ふだんの授業の中で子供たちの様子を見て、その子に応じた指導を行うということで十分にそういう、どの程度まで学力がついているのか、こういった点についてはわかると思うんですね。学力テスト自体で六十数億円ものお金が毎年使われているというような実態を考えれば、その分、例えば30人学級など教員の指導体制、これを強化をするとか、さまざまなことに手だてとして使っていくことができると思います。 この点では、私は全国一斉学力テストは、抽出調査であったとしても中止をすべきであると思いますし、国に対してしっかりと意見を上げていくべきだ。このことについては、もう時間がありませんので、強く要望させていただいて終わりたいと思います。 ご清聴ありがとうございます。----------------------------------- ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)12月定例会一般質問を、通告に従い一問一答方式で行います。 ここ数日来、市長を初め、数多くの議員の皆様から鳩山政権に対し心温まるご批判やご心配をいただき、感謝いたしております。注目を浴びている事業仕分けは、長年続いた官僚の前例踏襲主義と利益誘導型議員の、あれもこれもから大きく転換する大きな試みの一つでもあります。今回実施されたことで、これまで予算に計上されてきた支出詳細の氷山の一角が初めて国民の目の前に明らかにされ、このプロセスを通じて不要な支出が排除されることは、まさしく歴史的な変革行為であります。日本国民の多数が事業仕分けによる政府支出精査に賛意を示しているのは当然だと思います。大変革は試行錯誤を繰り返す中から確かな道筋を見出していくものであり、始まったばかりの段階で細かな問題が存在することを鬼の首をとったように宣伝し、試み自体を萎縮させることは賢明ではありません。問題点は謙虚に是正し、より望ましい形に修正していく漸進主義をとるのが民主党でございます。ご安心いただきたいと思います。 1、新型インフルエンザのサーベイランスについて。 感染型サーベイランスとは、感染症の発生状況を調査・集計することにより感染症の蔓延と予防に役立てるシステムのことであり、日本では国立感染症研究所感染症情報センターで1981年より開始されています。 本年7月24日、厚生労働省新型インフルエンザ対策本部事務局より、各都道府県、保健所設置市、特別区の衛生主管部へ、新型インフルエンザ(A/H1N1)に係る今後のサーベイランス体制について事務連絡がありました。本市の役割は、クラスターサーベイランスに基づく学校の設置者や社会福祉施設等からの府衛生主管部への連絡を求める内容でした。この事案は、本市にとって危機管理体制の見直しと、さらなる改善、強化につながる大きなチャンスになると考えられます。 季節型インフルエンザは、これまでに発症予防効果や重症化、死亡阻止効果に関する詳細な調査・研究が行われおり、大まかに言えば、発症予防効果は30から50%、死亡阻止効果は高齢者で80%以上となっています。一方、新型インフルエンザについては、今回初めて流行した疾患であり、当然のことながら発症予防効果や重症化阻止効果の詳細は明らかになっておりません。そのせいで、真偽も定かでない情報が乱れ飛んでいたように思います。 インフルエンザは、必ず広まります。100%有効な予防法や特効薬はありません。そのような状況下、地方自治体としてやるべきことは、既存の有効な方法を組み合わせて広がりの程度をできるだけ小さくすることと、新型インフルエンザの感染予防による市民の間にパニックを起こさせないことであります。これは危機管理の基本であり、市民の不安を取り除くためには正しい情報提供が不可欠であります。今回、本市のサーベイランスが正しく機能しているのか危機管理の観点から質問を行います。 1、本市の取り組み状況について。 本市ホームページ、新型インフルエンザの案内を見ても、ワクチン接種の事務手続など目先の対応に関する内容がほとんどであり、市内の流行状況はわかりません。 そこで、本市における新型インフルエンザのサーベイランスの体制についてお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 梅垣市長公室長。 ◎市長公室長(梅垣誠君) (登壇)新型インフルエンザにつきましては、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等で、国・都道府県・市町村の役割が規定されておりますことから、本市における対応につきましては、おのずと限界があると考えております。 新型インフルエンザの感染者数につきましては、国内発生初期段階では、京都府におきまして受診医療機関からの報告による個別監視体制により全数把握を実施しており、本市では京都府からの情報提供を受け、実数の把握を行っておりました。しかし、7月24日以降は厚生労働省が全数を把握する個別監視体制から、集団での感染を早期に探知するための集団発生監視体制に変更いたしましたことから、本市の市立小・中学校、幼稚園、市立保育所及び民間保育園におけるインフルエンザ様疾患による欠席者数の報告などを通じて発生状況の把握を行っていたところでございます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)国の方針が都度変わるせいで自治体の事務作業が膨大となり、大変だということは理解いたしております。しかし、把握でとどまっていたのでは、危機管理としての機能を果たしているとは言えません。日々連絡がある市内関係機関からの報告を集計し、上部団体に報告、それだけでは国や京都府からの指示待ち、情報待ちの状態と同じだというふうに思います。市民や関係機関へ向けた情報提供のための分析は行われていないように見受けますが、ご見解をお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 梅垣市長公室長。 ◎市長公室長(梅垣誠君) (登壇)感染患者の発生等の状況報告は、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律等で都道府県の責務、権限とされております。現在の監視体制では、市は府へのデータの提供が主な業務となるものでございます。市独自で京都府感染症情報センターによる定点患者報告数や市内の小・中学校、幼稚園、保育所等の罹患状況だけをもって情報の分析を実施することは困難であり、府と市の連携により情報の相互提供が必要ではないかと考えております。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)府・市は連携して当然なわけでありまして、京都府のホームページに掲載してあることがすべてであるのかどうか、また京都府から別途、宇治市に対してその分析結果が提供されているのかよくわかりません。 先ほど、市独自で情報の収集・分析をすることは困難という旨の答弁があったと思いますが、宇治市と同規模あるいは小さな自治体でも独自で分析結果を公表している地方自治体は幾つもあります。その中でも、新潟県の上越市、ここは特例市で人口約20万人でありますが、そのほかにも埼玉県の和光市、ここは人口約8万人、この両市以外にも幾つもあるわけでございまして、種々の情報提供や新型インフルエンザ対策行動計画など、刮目すべき調査・分析と情報提供を行っています。インターネットの時代、やる気のある自治体とやる気のない地方自治体は一目瞭然だというふうにも思いますし、いま一度危機管理のあり方から見直していただくことを強く要望いたします。 次に、関係機関との連携についてであります。 確かに、市単独での取り組みにはある程度限界はあるというふうには思います。しかし、限界があるからこそ、地方自治体としての役割を明確にすることと関係機関との連携が重要となってくる。先ほど答弁で情報の相互提供という言葉もありましたが、どのように行われていたのか、あるいは行われているのかお尋ねいたします。 まず、発熱外来について。 新型インフルエンザの発生が確認された当初、発熱外来の設置が進められ、5月22日には全国987カ所ありました。その後、弱毒性ということが明らかになり、その実態にあわせ、6月19日から全医療機関で診察する体制に切りかえられています。 マスコミ報道によると、神戸市では患者が殺到してパニック状態になったとありましたが、本市での状況についてお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)新型インフルエンザの診療が一般の医療機関に拡大されてからの本市の医療機関の状況でございますが、各医療機関におきましては、玄関に発熱とインフルエンザ様症状のある場合にはあらかじめ受付に申し出るようにとの張り紙をするなどの方法で対応されて、また本市ではインフルエンザ様症状の方にはまず医療機関に電話連絡をしてから受診するように啓発を行ったところでございます。 新型インフルエンザの診療等につきましては、京都府や宇治久世医師会との連携のもとで情報収集を行っておりますが、宇治市内や近隣市町村の医療機関におきまして診療体制が変更されたことに伴い、患者が殺到し混乱したなどの情報は、特にございませんでした。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)神戸市の事例については、非常に個人的にも興味深く思っておりますし、関心も持っています。また、今回の件を教訓にされたのか、ホームページの充実ぶりには本当に驚きます。この中には新型インフルエンザ対策・神戸モデルというのもつくられていますので、ぜひごらんになって参考にしていただきたいというふうに思います。 次に、他の議員からも無保険者の診察について質問がありましたが、本市としてどのような対応をとられているのか、とられてきたのか、改めてお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)新型インフルエンザに係る本市国保の資格証明書交付者への対応についてですが、発熱外来のなくなった現段階におきましては、他の病気等の受診と同様、一たん全額を立てかえ、後日、国保の窓口へ申請していただいて、保険給付分である7割分を支給することとなります。 資格証明書はあくまでも保険料を払えるのに払わない、また再三接触を図ってもそれに応じない悪質な滞納者に交付をしているものでございますが、新型インフルエンザに限らず、受診の必要や事情並びに納付相談をいただければ、資格証明書を解除する方針は今までと変わっておりません。また、新型インフルエンザにおきましては、高校生以下の子供たちが罹患、重症化するリスクが高いと言われておりますが、本市におきましては18歳以下への資格証明書の交付は、現在資格証明書交付世帯の中には該当者はおりません。 なお、新型インフルエンザに係る資格証明書の取り扱いにつきましては、引き続き国の動向等を注視し、新たな対策が講じられれば速やかに対応してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)12月9日の毎日新聞の夕刊の一面に、無保険者救済に格差という記事が載っていました。ここでは時間に限りがあるので、記事を全文紹介はできませんが、一部紹介いたしますと、自治体間で国民健康保険の保険料滞納による無保険状態になっている世帯をめぐる新型インフルエンザ対策で格差が広がっている。大半は、厚生労働省の方針に従い、受診前に役所窓口での本人相談を求めているが、短期保険証の一律発行や3割の自己負担に踏み切った自治体もある。専門家は、感染拡大防止の観点からも救済が必要というふうに指摘しています。 本市においては、18歳以下の該当者はいないということでありますが、受診を控えて重症化するということがないよう配慮して、期限つきの短期保険証を配布している地方自治体もあります。本来、国が統一して対処すべき問題ではありますが、本市としても可能な限りのご配慮をお願いしたいと思います。 次に、保育所・幼稚園・学校におけるサーベイランスの徹底について。 学校における感染予防が最も重要で、かつ効果的であると指摘されていますが、和光市のように全学校で児童・生徒の検温を実施するなどの措置や、学校からの欠席者の報告に基づく感染経過や状況の分析などを行ってきたのかお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 田中健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(田中秀人君) (登壇)私のほうからは、先に保育所での対応についてお答えいたします。 本市の保育所での欠席状況につきましては、保育課において公立・民間全保育所から毎日、当日のインフルエンザ様症状による欠席状況を報告いただき、その情報を各保育所に提供しているところでございます。そして、この情報は教育委員会及び危機管理課にも提供し、情報の共有化を図っております。また、本市の幼稚園や小・中学校の学級閉鎖や休校情報につきましても、その情報を各保育所に提供し、兄弟関係などを踏まえた予防策の参考に利用していただいているところでございますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。 ○議長(松峯茂君) 栢木教育部長。 ◎教育部長(栢木利和君) (登壇)幼稚園、小・中学校における監視体制についてお答えを申し上げます。 幼稚園、小・中学校におきましては、体調が悪くなった児童・生徒の検温を保健室等で行っております。また、学級閉鎖等の学校の臨時休業を検討する場合に、対象となる学級の児童・生徒の検温を行うケースもございます。したがいまして、一律的に児童・生徒全員の検温を行うことはしておりませんが、養護教諭を初め、教職員が一丸となって児童・生徒の日常の健康観察に努めているところでございます。 次に、幼稚園、小・中学校の欠席者数でございますが、現在、各園、学校から毎日市教委へ欠席者数の報告を受け、集計いたしまして新型インフルエンザ対策本部に報告をいたしております。また、各園、学校におきましては、その発生状況に応じまして学級閉鎖等の学校休業を検討する際に学校医と相談しておりまして、その地域の発生状況も踏まえていただいているものと考えております。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)次に、子供の面倒はだれが見るのかということでございます。 これは非常に悩ましい問題ではあると思いますが、子供が感染すると、親は看護のために仕事を休まざるを得ません。また、子供が元気でも保育所や幼稚園、学校が学級閉鎖などにより休業すると、子供の面倒をだれが見るのか、そういう問題が発生いたします。これも社会全体で考えなくてはならない問題ではありますが、この点について本市ではどのような見解をお持ちなのかお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 田中健康福祉部長。 ◎健康福祉部長(田中秀人君) (登壇)本市の保育所におきましては、保護者の就労に与える影響等を考慮し、原則休所しないことを基本として現在対策を進めているところでございます。そのため、保護者には日々のインフルエンザ様症状による欠席状況を園からお知らせするように努めるとともに、発生状況によりましては、家庭で保育できる条件があれば保護者に登園を自粛していただくことも検討していただくように依頼するなど、休所に至ることのないように未然の感染予防対策に努めているところでございますので、ご理解を賜りますようお願いいたします。 また、児童が感染した場合は、保護者の方が仕事を休まれたり、あるいは祖父母等のご家族の協力を仰ぐなどして看病に当たられることが基本と考えておりますが、本市では医療機関に委託して病児保育事業を実施しておりますので、ご利用いただくことも可能でございます。しかしながら、新型インフルエンザなどの感染症が流行した場合の対応は、議員ご指摘のように社会的な問題であり、会社や事業所においても休みがとりやすい体制が大切であり、国がリーダーシップをとった取り組みが必要ではないかと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 栢木教育部長。 ◎教育部長(栢木利和君) (登壇)幼稚園、小・中学校において学級閉鎖等を実施した場合、子供をだれが見るのかとのご質問にお答えを申し上げます。 幼稚園、小・中学校における学級閉鎖等の学校休業の基準は、先ほど鈴木議員のご質問にお答えさせていただいたとおり、通常の季節性インフルエンザの対応と比較して、より慎重な対応とさせていただき、感染力の強い新型インフルエンザの感染拡大防止に努めているというものでございます。このように新型インフルエンザの感染拡大防止を最優先に学級閉鎖等の学校休業を行っているものでございまして、仕事をお持ちなどの事情がある保護者の皆様方にご無理をお願いしていることは十分承知をいたしておりますが、保護者の皆様方に学級閉鎖等の趣旨をご理解いただき、ご協力をお願いしているところでございますので、ご理解賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)それでは、次に、独居老人や在宅療養中の方々がインフルエンザにかかった場合の対応についてはどのように行われているのか、把握している内容で結構でございますので、お尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)独居老人や在宅療養中の方々がインフルエンザにかかった場合の対応についてでございますが、急病など不測の事態に備えましては、独居高齢者の方々などを対象に老人福祉電話やシルバーフォンを設置いたしているところでございまして、ご活用いただけるものと考えており、また介護予防事業の一般高齢者訪問指導や高齢者サロンの開催などの際に高齢者の方々の体調把握に努めるとともに、予防に向けた手洗いやうがいの徹底、マスクの着用など、具体的な指導を行いまして感染予防の周知徹底を図っているところでございます。 なお、新型インフルエンザの対応につきましては、情報の提供、予防対策の周知徹底や相談体制、罹患時の対応等が重要でありますことから、対策本部での決定内容につきましては、その都度担当現課を通じまして地域福祉センターや地域包括支援センターに伝達の上、その内容を施設内に掲示し、周知徹底を図るとともに、高齢者の方々からの相談及びその内容について市への報告を随時いただいているところでございます。 幸い、現時点におきましては、重症化等に伴う相談があったとの報告はございませんが、今後ともインフルエンザに限らず、不測の事態に備えて対応を図ってまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)関係機関との連携についてもそうなんですが、今回医療機関への過度の依存という印象を持っております。本市の危機管理は自然災害が対象として構築されているようにも思うわけでありますが、今回の新型インフルエンザへの対応や、ただいま答弁でいろいろいただいたんですが、こういう感染症の場合、みずからで責任範囲の線引きをしているような印象を持ちました。特に、今回の新型インフルエンザへの対応は医療機関へ過度の依存があるのではないか、そのような疑問を持っています。弱毒性でこんなに混乱しているのに、強毒性になった場合、自治体としてどう対応するつもりなのか疑問があります。 私は、医療以外に自治体の責務としてやるべきことはたくさんあると思いますが、ご見解をお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)感染症についての危機管理対策につきましては、従来の危機管理対策に加え、医療的な問題が関係いたしますため、今回の新型インフルエンザにつきましても、2次医療圏ごとに患者の重症度に合わせた医療提供体制をとるなど、京都府におきまして具体的な対応方法が示されております。宇治市内の各医療機関におきましても、山城北保健所の指導のもとに医療提供体制がとられており、その状況につきましては、市にも随時情報提供があり、また医療機関、保健所、行政による合同会議も逐次開催されているところでございます。 医療機関へ依存し過ぎとのご指摘でございますが、感染症の感染拡大など大きな危機への対応につきましては、京都府や医療機関、その他の関連団体や民間企業等とも連携しながら対応を図っていくことが重要であると考えております。そのため、市の関係部署において把握した情報を一元化するとともに、関係各部署で共有化して対策を検討・実施することや、また必要な情報を速やかに市民に提供するなど、効果的な情報の活用・管理については危機管理対策の基本的な手法として重要な課題であると考えますので、今回の新型インフルエンザの感染拡大の中で実施してまいりました対策や情報共有のあり方につきまして、今後さらに効果的・効率的な対応を検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)3番目の市民の安全・安心確保についてでありますが、繰り返しになりますが、インフルエンザが発生した場合、必ず感染は拡大いたします。大切なことは、感染拡大をいかにして最小限にとどめるかであります。今、佐藤理事からもご答弁いただきましたように、市の対応は今の現状でやるべきことはやってこられたということをおっしゃっているのだというふうに理解はいたします。 ただ、今少し落ち着いてきた感もありますが、依然感染拡大中の新型インフルエンザへの対応で得られた教訓を今後どのように生かしておこうと考えておられるのか、改めてお尋ねしたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 久保田市長。
    ◎市長(久保田勇君) (登壇)今回の新型インフルエンザのサーベイランスにつきまして、種々の取り組みを通しまして、平田議員のほうから、今後を見通しまして心温まるご指摘をちょうだいをしたというふうに受けとめております。 今回の新型インフルエンザでは、国内での発生当初はウイルスの病原性や感染力について不明な点が非常に多く、強毒性の鳥インフルエンザへの対応を想定した国のガイドラインや、それに基づきます京都府の対策計画に沿った対応がとられてきたところでございます。その後、今回のウイルスは弱毒性であるとの治験に基づきまして、国・府では医療体制や監視体制等におきまして柔軟に対応を変更されてきたところでございます。市町村での新型インフルエンザの感染拡大防止への取り組みは、一市町村にとどまらず広域的な対応が求められますことや、現在の法制のもとでは市町村としての対策にはおのずと限界がございますことから、国のガイドライン、府の対策計画に基づき対応することが必要であると考えております。 先ほど市独自の取り組みをしておられる自治体として、新潟県上越市の例もご指摘をいただきました。上越市は人口20万7,000、特例市でございまして、この市はかつて国立の病院でございました高田病院を、その閉鎖移管を受けまして、現在約200床の上越市の地域医療センターを持っておられる点もございまして、おのずとかかわり方も私どもとは異なっております。先ほども申し上げましたように、現在の法のもとにおきまして市町村としては限界がございまして、国のガイドライン、府の防災計画に基づきまして適切に対応することが必要でございまして、議員ご指摘がございました拡大防止、情報提供、このことがやはり第一使命として取り組んでまいる必要があるというふうに考えております。 しかしながら、この間を振り返ってみますと、この間の国の対応、新型インフルエンザの発生初期段階におきまして、まさに水際作戦に偏っていたというふうに思っておりますし、当時の厚生労働大臣と横浜市のいざこざ、そして最近ではまさに接種回数をめぐりまして二転三転する国の方針、まさにワクチンの不足が原因と思われる点でございますけれども、そのワクチン接種に係る市町村や医療機関の混乱を考えますと、本来果たすべき国としての統制が十分に機能していなかったのではないかというふうに思っております。したがいまして、本市が果たすべき役割に必要な情報の提供を初め、国に課せられました役割を十分に果たしていただくよう要望をしてまいりたいと考えておりますし、そのことをやる一方で、自治体として果たす役割についてはしっかりと果たしていかなくてはならないというふうに思っております。 今後、強毒性のインフルエンザウイルスが出現いたしました場合には、その特性に応じた対応が国や府からも示されると考えておりますけれども、それらの情報を的確に市民の皆様に刻々お伝えをしながら、私ども、感染の防止、拡大の防止を図るということが本市の危機管理の上で重要であると考えておりますので、ご理解をいただきたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)ただいま市長から答弁いただきましたように、私も同感であります。国の対応については、非常に不満もありますし、至らない点も多々あると思いますので、どうぞその辺はまたご指導を仰ぎたいと思います。 ただ、情報を集約させ、総合的な判断を敏速に行うというのが、国も地方も同じような危機管理課を設置した趣旨だというふうに私は思いますが、きょうも新型インフルエンザのサーベイランスについてのやりとりをさせていただいたわけでありますが、実態は果たしてそうなっているのかなという疑問があります。市長のお好きな野球で例えますと、ポテンヒットのように各関係部課がお互いお見合いをして、きょうも梅垣公室長を初め、田中部長、そして佐藤理事、栢木部長と、そうそうたる豪華メンバーにご答弁をいただいたわけでありますが、もうボールが地面に落ちてしまうのではないかなという気もしております。ぜひともこれらはすべて梅垣公室長にご答弁いただければ本当によかったなと、改めて思うところであります。 危機管理は、事が起きてからでは遅くて、日ごろからの総合調整が重要だというふうに思っておりますし、そういった意味で、各部署の縦割りをそのまま反映していては総合調整がききにくい仕組みが残ってしまっているのではないか。私は、今、久保田市長がおっしゃったように、情報収集体制の強化と情報提供システムの構築が今の宇治市の危機管理の喫緊の課題であるというふうにも思いますし、かなりの部分ではできているということも事実だと思います。ただ、上越市はできている、宇治市はできていないということもそうなんですが、それ以外の宇治市より人口の少ない部分でも情報の提供の仕方というのは工夫しているところがかなりあります。そういうことも謙虚に見て、参考にできるところは参考にしていただくということが大事なことではないかなというふうにも思いますし、確かに危機管理を積極的に行えば行うほど地方自治体の負担はふえるばかりであるというふうにも思います。ただ、今、自治体がすべきことは何かということを改めて私も含めて考えていくことが必要ではないかというふうに思いますので、そのことをぜひお願いして、この項の質問を終わりたいと思います。 次に、大きな2番目の新興住宅地のコミュニティ形成支援についてでございますが、さきの定例会では矢野議員が文化自治振興に関連して、また今定例会では関谷議員が地域コミュニティ形成について質問されていますので、視点を変えて質問いたします。 市政運営において、町内会・自治会組織を初めとした地縁組織に担っていただいている部分が相当あるということは、だれもが理解しているところでもあります。しかし、受け手である町内会・自治会の受けとめ方は、市民アンケートでも明らかなように、必要性、重要性は認めつつも、重荷であるという声が多くあります。しかも、未加入世帯であっても受ける行政サービスは基本的に同じであり、心情的に釈然としない思いを抱えているという意見もいただいています。安全・安心のまちづくりの原点は、住民同士が顔見知りになることであり、顔見知りになって初めて、近所づき合いが始まります。例えば、日々の困ったことをお隣さんに相談したり、地震や災害のときにはご近所同士で助け合ったり、犯罪の増加や高齢化が進む中で、真に頼りになるのは身近に住む人たちとのつながりであるというふうに思います。 そこで、大きな1番として、新興住宅地の町内組織状況についてお尋ねいたします。 宇治市域北端に位置する平尾地域の大規模開発によって誕生した新興住宅地にお住まいの方から、町内会がなくて困っているという相談がありました。事実であれば、この状況を市当局はどのようにとらえているのか、また、この地域と同じように開発時より町内会・自治会がない地域がほかにもあるのかお尋ねいたしたいと思います。また、あるとすれば、その原因はどこにあると考えておられるのか、あわせてお答えください。 ○議長(松峯茂君) 五艘市民環境部長。 ◎市民環境部長(五艘雅孝君) (登壇)木幡、平尾地域の住宅開発につきましては、約460戸という大規模なものとなっておりまして、当該地の開発工事は平成15年4月から平成17年8月にかけて行われました。現在、当該地域では20戸程度を残しまして、すべて入居済み状況となっております。当該地の開発業者へは、開発協議の段階で自治会・町内会の組織化をお願いをしてきたところでございます。現在、当地域におきましては、町内会が1つ組織化されておりますが、開発戸数全体から見ての組織率は15%程度でございまして、エリアの拡大や後に続く自治会・町内会組織化の機運が高まることを期待をしておるところでございます。 また、本市へ連絡をいただきました自治会・町内会範囲図をもとに推測をいたしますと、現在、個々に見ていく中では組織をされていない区域が点在をいたしますものの、このような一団の地域で町内会の組織されていない地域はないものというふうに認識をしております。 それから、原因につきましてのご質問もちょうだいをいたしましたので。 近年、宇治市だけではなく、地域とのつながりの希薄化が問題視をされております。町内会・自治会への参加意識が低下をしております状況の中で、当該地域のように新たに自治会・町内会の組織化を図るとなりますと、個々人では必要性を感じておられましても、リーダー性の発揮となりますとちゅうちょされまして、新たな自治会・町内会がなかなか生まれてこないのではないかというふうに考えております。今議会では、平尾東集会所設置のための条例改正案を提案させていただいているところでございまして、ご可決をいただき、平尾東集会所が開設をされましたなら、本集会所が当該地域のコミュニティの核となりまして、地域コミュニティの活性化あるいは自治会・町内会の組織化につながる役割も期待をしているところでございます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)2つ目として、コミュニティ形成支援の現状と課題ということで、先ほどの質問とかぶる部分もあるんですが、町内会・自治会の必要性というのは十分認識されているということはよくわかりました。 ただ、ない地域に対し、どのようなコミュニティ形成の支援が可能であるというふうにお答えなのかお尋ねしたいと思います。これは、先ほど申しましたように新興住宅地に限った内容で結構でございますので、よろしくお願いいたします。 ○議長(松峯茂君) 五艘市民環境部長。 ◎市民環境部長(五艘雅孝君) (登壇)本来、自治会・町内会とは、そこに住まう住民みずからがお互いを助け合いながら、よりよい人間関係を築き、地域の発展を目的に自主的に組織をされるべきものであるというふうに認識をいたしておるところでございます。そのため、自治会・町内会を新たに組織化するためには、住民の方が自発的に行動いただくということが前提となりますので、現在まで本市から組織化を直接市民の方へ働きかけるというようなことは行っておりません。しかし、地元から市へ自治会・町内会の組織化についての働きかけがありました場合には、組織化のためのお手伝いをさせていただいておるところでございます。 具体的には、設立準備会の立ち上げ、あるいは町内会区域の決定、会則案など必要書類の作成、それから役員の選出方法など、組織化の手順についてのご説明とアドバイス等を行わさせていただいております。 今回ご質問の地域で既に組織化されている町内会設立におきましては、複数の方から個別に町内会を組織したいとのお話がございまして、組織化手順のご説明や、あるいはそれぞれの方の橋渡しをさせていただいてきたところでございます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)今、五艘部長からご答弁いただいたわけでありますけれども、現代の行き過ぎた個の尊重であるとか個人情報保護法の運用に大きな課題がある状況では、町内会・自治会といった地縁組織が自然発生的につくられるというのはほぼ不可能だというふうに私は思います。特に、今回のパターンでいいますと、心ある方々が1つの町内会をつくられたということでありますが、こういう形でつくっていかれたのでは多分歯抜けの状態になる可能性も非常に大きいと思いますし、それで果たして地域の町内会として成り立っていくのかという疑問があります。 ですから、行政サイドに立ったメリットだけではなくて、住民として快適な生活を送るのに不可欠でありますよと、そういうふうな積極的な理由が多分必要になってくるのだというふうに思いますし、このような状況を生まないためには、今回でもそうなんですが、住宅開発、宅地開発の事前相談のときに指導されたということはおっしゃいましたし、多分そうだったと思うんですが、現実としてああいう形になってしまっているということは、販売の形態がいろいろあるということだと思うんです。大きな開発業者が申請して、ただ、それを小割りにして販売してしまう。その過程において、重要な案件というのが抜け落ちてしまっている。だから、ああいう形で町内会ができてこなかったということがありますので、そのあたりについてもしっかりこれから指導の方法について検討していただく必要があるのではないかというふうに思います。これについては、見解はいいです。ということで指摘しておきます。 あと、安全・安心のまちづくりという観点からも、町内会・自治会の存在は不可欠であるわけでございますが、現実的にすぐ、先ほどおっしゃいましたように、すぐ取り組める支援策のヒントとしまして、現在、御蔵山小学校に通っているお子さんが相当数いらっしゃるということも聞いておりますし、その班分けをベースに、参考にしてはどうかなというふうに思います。その単位を基準に、やはり一度関係者全員に集まっていただく必要があるのではないかというふうに思います。有志の方々を集めて1つの町内会をつくると先ほどおっしゃいました。その方法もあるのかもしれませんが、一度、講演会であるとか研修会を通じて、町内会とか自治会の必要性を、こんないい、善意な意見はなかなか難しいなとは思うんですけれども、自分で言っていてそう思っているんですけれども、そういう必要性、必然性に気づいていただくような仕掛けをするのがやはり行政かなというふうにも思いますので、このあたりについて、ああ、いいなというふうに思ったら実施していただきたいと思いますし、それ以上にいい方法があれば何かご意見をいただきたいと思うんですが、ないですね。なければ、もうこれは要望としておきますので、また別途、この本会議ではなくても、後でまたいい意見があればお答えを聞きたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 3番目のコミュニケーションティーチングについてでありますが、文部科学省は11月30日、全国の小中高校を対象にした2008年度問題行動調査の結果を発表いたしました。児童・生徒による暴力行為は前年度から約13%、7,000件増の5万9,618件と過去最多を更新、器物損壊を除く暴力では4件に1件は被害者がけがをして医療機関で治療を受けています。感情を抑圧できずに、けがを負わせるような子供の暴力の実態が浮かんでいます。 暴力行為の内訳は、小学校が6,484件、中学校が4万2,754件、高校が1万380件、学年別に見ると公立の中2が1万5,732件と最も多く、データが比較可能な1990年度以降、初めて公立の中3の1万4,748件を逆転しています。形態別では、子供同士の暴力が3万2,445件で最多、教師に対する暴力は8,120件、今回、病院で治療を受けたケースを初めて調べた結果、1万664件に上がっています。 また、学校が把握できたいじめの件数は約8万4,648件で、最悪だった2006年度の約12万5,000件からは3割減り、この中で携帯電話や学校裏サイトを通じたネットいじめは4,527件、ただ、同省は学校がいじめを見逃している可能性があるとしています。 さらに、自殺は136人と前年度比で23人減、いじめとの関係が疑われたのは3人で、半数を超える73人は原因不明とされています。 京都府内における小中高の暴力行為の発生は前年度より315件ふえ、約2,613件に上っています。被害者が病院で治療を受けたケースは430件。内訳は、生徒間暴力1,382件、器物損壊670件、対教師暴力459件、その他の対人暴力102件で、いずれも前年度を上回り、1,000人当たりの発生は9.2件で、前年度と同じ全国4位の多さでした。府教委は、学校の荒れが広がっているというより一部の学校で件数がふえたと認識している、対人トラブルを暴力でなく言葉で解決できるように、ケースに応じた教育指導を一層強めるとしています。 一方、いじめの認知は小中高のいずれも減少し、計693件、前年度は944件でありました。内訳は、小学校が300件、中学校が226件、高校129件、特別支援学校38件で、携帯電話のメールなどによる中傷は約43件でした。 文科省は、暴力行為がふえた理由を、1、規範意識の低下、2、感情が抑圧できない、3、コミュニケーション能力の不足とし、教職員が一体となって問題行動を早期発見し、警察などと連携して毅然とした対応をするよう都道府県教育委員会等に通知しています。 私は、子供同士、子供と教師、そして子供と親、あらゆる関係でのコミュニケーション不足、対話不足が暴力行為やいじめといった問題行動を引き起こしている最大の要因ではないかと考えています。 そこで、今回、コミュニケーション能力育成に最も効果があると言われているコミュニケーションティーチングに関する質問を行いたいと思いますが、本題に入る前に、本市における小・中学校の暴力件数といじめの実態についてお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 石田教育長。 ◎教育長(石田肇君) (登壇)本市の児童・生徒の昨年度の暴力事象及びいじめの件数でございますが、生徒間暴力、対教師暴力あるいは器物損壊等に係ります暴力事象は、小学校で24件、中学校で275件でございました。また、いじめの件数は、小学校で21件、中学校で24件でございました。 本市の暴力事象の状況は、先日発表されました文科省調査の集計結果及び京都府の傾向と同様であると考えております。特に、中学校の問題事象の中で生徒間暴力、対教師暴力等、暴力事象につきましては、残念ながら19年度より増加をしている状況にございます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)中学校での暴力事象が275件とは驚くべき数字でありますが、逆に、いじめの件数が小中合わせて45件は、把握しにくいという点を考慮しても、少ないのではないかといった印象を持ちます。 いずれにしても、問題行動の本質的な解決には、発生してからの対処ではなく、未然に防ぐことが重要であります。 答弁で前年度より増加しているということをおっしゃいましたが、詳しい数値は明らかにされませんでした。市教委の把握しておられる本市の特徴並びに対応についてお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 石田教育長。 ◎教育長(石田肇君) (登壇)暴力行為の原因といたしましては、文部科学省の分析と同様に、社会的背景としての規範意識の低下やさまざまな原因によります我慢できない子供たちの増加、いわゆる感情を制御できずにキレる子供といわれるような耐性の欠如などが要因として挙げられると思います。また、近年では、児童・生徒間のトラブルやもめ事を自分たちの力で解決する能力や、議員もご案内のとおりコミュニケーション能力の不足も挙げられているところでございます。 こうしたことから、指導に関しましても、その原因をすべて自分以外の他者に押しつける傾向が見られ、ささいなトラブルやいじめでございましても、事態がこじれますと学校現場では相互の理解や解決までの対応に苦慮し、多くの時間と労力を要するケースがふえているのが現状でございます。 各学校におきましては、暴力事象など問題行動への適切な対応や未然防止を図りますために、教師は日ごろから子供たちの内面理解に努め、共感的な人間関係や信頼関係を培いまして、それを基盤とした粘り強い指導を進めていくことが大切であると考えております。また、多様化する問題行動に対応いたしますためには、校内指導体制の確立と組織的な指導、関係機関との連携によります学校、家庭、保護者の相互の信頼関係を基盤とした指導を一層推進していくことが重要であると考えているところでもございます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)それでは、1番目のコミュニケーション教育の現状と課題について。 問題行動解決の切り札としてだけではなく、日本の現状から将来を見据えた場合、超少子高齢社会による人口減少時代の到来、企業の海外流出や流入による交流、また移民の増加など、さまざまなレベルでの国際交流も飛躍的にふえています。 そこで、従来からある日本の常識は通用しない場合が往々にしてあります。大切なことは、他人と自分は違って当たり前、自分の考えを正しく伝え、相手の主張を理解し認めることが求められています。コミュニケーション能力とは、言語学用語として提示されたのが始まりで、相手の感情面に配慮しながら、お互いの理解を深め、そして信頼関係を築くことをいいます。つまり、言葉や文章ではあらわせない微妙な雰囲気を酌み取って相手を理解する能力のことであります。 その手法として最も効果的と言われているコミュニケーションティーチングの現状と課題についてお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 石田教育長。 ◎教育長(石田肇君) (登壇)先ほども申し上げましたが、暴力事象のさまざまな要因の一つには、自分や他者の感情や思いを表現したり、受けとめたりする語彙あるいは表現力が乏しいことによりまして、相手とうまくコミュニケーションがとれなかったり、他者との関係において容易に、いわゆるキレてしまうという児童・生徒もいるところでございます。こうした子供に限らず、日本の子供たちの状況といたしまして、OECD、経済協力開発機構が実施をしておりますPISA、国際学習到達度調査の結果からは、思考したことを意味のあるまとまりとして表現するといった意味でのコミュニケーションの力には課題があるとの報告がございました。こうしたことから、コミュニケーション能力の育成につきましては、新学習指導要領にもその重要性が言われ、そのための言語活動の充実が必要であるとされているところでもございます。 各学校におきましては、各授業や活動など、学校生活のさまざまな場面で児童・生徒のコミュニケーション能力の育成に向けまして、国語科はもとより、各教科領域の学習においても、学年に応じて記録、要約、説明、論述といった活動を計画的に取り入れた授業づくりに努めているところでございます。 一例でございますが、例えば音楽科においては、児童・生徒がイメージした思いを伝え合ったり、他者の意図に共感したりできるようなコミュニケーションを重視した授業を行ったり、例えば道徳の授業では自分の考えをもとに書いたり、討論したりする等の表現する機会を充実をして、自分とは異なる考えに接する中で自分の考えを深め、みずからの成長を実感できるように工夫をいたしているところでございます。また、総合的な学習の時間の例でございますが、問題の解決や探求活動の過程におきまして、他者と共同して問題を解決する授業の工夫や、特別活動における異年齢との交流や体験活動、学習発表会等を年間教育活動の中で計画的に取り組んでいるところでございます。 しかしながら、日常の授業の中で、正解、不正解にかかわらず、いろいろな子供の多様な考えを引き出さなければコミュニケーションも学びも膨らませることは困難だと考えております。また、いわゆる講義方式で進められます授業の日々でございましては、児童・生徒のコミュニケーション能力を育てることは必ずしもできないのではないかと考えております。そのためにも、ふだんに教職員が児童・生徒の多様な意見を認め、励ます習慣とともに、児童・生徒が意見や考えを十分にまとめたり、表現したい内容をじっくり考えたりする教材、そういった場面をつくる、そういったような指導方法の工夫をさらに進める必要があると考えております。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)2つ目のコミュニケーション能力の向上についてでありますが、一時期、空気が読めない、KYという言葉がはやりました。まさに、コミュニケーション能力不足に対する批判的な呼称でありました。現在では、議論やディベートは論理的コミュニケーション能力として位置づけられ、企業においてもコミュニケーション能力を高めるための研修が盛んに行われています。つまり、自分以外の相手とのコミュニケーションを図ることは、社会生活を円滑にするために不可欠な要素となっています。 コミュニケーション教育は、特殊な技術や伝授ではなく、本来の能力をいつでも使えるようにすることが目的で、コミュニケーション能力は、先ほど教育長もおっしゃったように講義では育たないというふうに言われています。子供が他人とかかわり合う機会が少なくなり、あいさつができない、単語でしか話さないなど、自分の意思や感情を言葉でうまく表現できない子供がふえています。これは、まさしく生きる力の欠如であり、教育関係者を初め、いろいろな方が危惧されています。 では、生きる力としてのコミュニケーション力を学校教育の中でどのようにとらえ、育成する必要があると考えているのかお尋ねしたいと思います。 また、去る11月3日、平成21年度京都府地域力再生プロジェクト支援事業で菟道第二小学校3年生とプロの俳優集団、NPO法人フリンジシアタープロジェクトが、5回の演劇ワークショップを経てつくり上げた「演劇で宇治を学ぼう!」を拝見させていただく機会がございました。これは、全国的に注目されているコミュニケーションティーチングの手法を活用し、菟道第二小学校をターミナルにした地域コミュニティ再生を目指したものでありました。この演劇の特徴は、参加者一人一人がすべて主役であり、その生き生きした姿には驚きと感動を覚えました。 講演の後、このコミュニケーションティーチングの先導者でもある平田オリザさん、劇作家で内閣官房参与でありますが、その方と北川達夫さん、フィンランドの教材作家であります。それと、池田修さん、菟二小の教諭の糸井登さん、劇団衛星の蓮行さん、この5人によるシンポジウムも行われました。ただ、非常に有意義なお話ではあったんですが、残念だったのが宇治市と宇治市教育委員会の後援事業であったにもかかわらず関係者の姿をお見受けしなかったことであります。 価値観が多様化し、一人一人の考え方がばらばらになった今、求められるコミュニケーション力も変化しています。日本型コミュニケーションは対立や摩擦を嫌いますが、これからの教育では自分の意見をはっきりと表現する場を設けるべきであります。今紹介いたしました演劇なら発表というゴールに向かって、異なる意見を何とかまとめていく経験をさせることも可能であります。 この演劇を通じてのコミュニケーションティーチング、今後積極的に取り組む予定はないのか、あわせてお尋ねいたします。 ○議長(松峯茂君) 石田教育長。 ◎教育長(石田肇君) (登壇)少子化という社会変化の中で、兄弟姉妹や友達が少なくなり、仲間との会話のみで事足りる生活や、例えば「ご飯」と一言言いますと、すぐに食事が用意をされる、そういった家庭生活など、現代の子供たちの生活は、いわば文章で話す必要がなく、単語のみで会話が事足りる生活となっているのではないかと思っております。また、価値観が多様化をしまして、一人一人の考え方が多種多様になっている状況下では、求められるコミュニケーションの力も変化してきており、従来の人との対立や摩擦を嫌う傾向があると言われます従来の、いわゆる日本型のコミュニケーションの力ではおのずと限界があるのではないかとも言われているところでございます。 国際化や情報化といったこれからの変化の激しい社会に求められておりますコミュニケーション能力とは、相手の価値観を認めながらも、単に自分の意見を主張するのではなく、論拠は何か、自分の考えはどこまで当てはまるのかなどといった論理的な思考をくぐらせることにより、それを表現する技術、こういったものではないのか、また、こうしたコミュニケーションの力こそが他者との真の理解を生むものではないかと考えているところでございます。こうした能力は、お互いを熟知した仲間内の関係の中だけでは自然に身についていくものではございません。コミュニケーションは他者との関係性から引き出されるものでございますから、時には適度の緊張感のある場面のもとでの学習も、意図的に設けていくことが必要になってまいります。 このような考えのもと、各学校におきましては、教科や総合的な学習の時間などの学習におきまして、地域の社会人講師や府教委の夢大使、その道の達人等の専門家派遣事業を有効活用した学習や、地域へ児童・生徒が出向いての学習、こういったものも積極的に取り組んでまいっているところでもございます。議員ご案内の授業も、これらと同様に専門家を活用した授業として、学校長からは効果があったとの報告もいただいているところでございます。 現在、本市が取り組んでおります宇治市生涯学習人材バンクなどへ他の社会人講師、諸団体同様に登録をいただく等の方法によりまして、学校が目的や児童・生徒の実態、ニーズに応じて教育課程に位置づけ、活用を図っていくことができると考えておりますので、ご理解を賜りたく存じます。 ○議長(松峯茂君) 平田研一議員。 ◆(平田研一君) (登壇)日本人の個人に内在するコミュニケーションの潜在能力は、そう低下していないという説もありますが、PISA、国際学習到達度調査からは、思考したことを意味のあるまとまりとして表現するといった意味でのコミュニケーション力に課題があるということが明らかになっています。これらは、個人の能力の問題というより、教育機会の問題ととらえることができます。コミュニケーションは関係性から引き出されるもので、それが教室や家庭で成立しているか、その機会があるかどうか確認しておく必要があります。 また、地域社会や家庭環境の変化を受け、今の子供たちは他人との多様なかかわりを十分に経験していない場合が多く、クラス間や学年間交流あるいは地域の人々との交流など、他者とかかわる機会を意図的に設け、自分をよく知り、人とよりよい関係を築く力を育てていくことも必要です。 繰り返しますが、国際化、情報化が急速に進む今日、子供たちが社会に出たときに必要とされるのは、初対面の人とでも互いの違いを前提とした上で正確な意思の伝達、疎通ができる力であります。そうしたシーンを想定した言語の運用能力の育成も、これからの教育には求められていることを指摘して、またお願いして、私の質問を終わります。 ご清聴ありがとうございました。----------------------------------- ○議長(松峯茂君) 暫時休憩いたします。     午後3時05分 休憩     午後3時20分 再開 ○議長(松峯茂君) 休憩前に引き続き会議を開きます。----------------------------------- ○議長(松峯茂君) 日程第1、一般質問を継続いたします。向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)2009年12月議会一般質問を行います。前回に続きまして最後の質問となりますが、どうかよろしくお願いします。 議長のお許しを得まして、資料を配付しておりますのでごらんいただきたいと思います。 まず最初に、地域医療体制の再生をという項目で質問をいたします。 その中の1つ、府南部の医療体制について、基本的な宇治市の認識を伺いたいと思います。今回の一般質問で行政刷新会議の事業仕分けが問題視をされて、市長も乱暴な手法と厳しく批判をいたしましたが、医療の分野でも、開業医の診療報酬を切り下げるなど、医療確保、救急、周産期対策では予算を半減する事業仕分けとなっています。06年度調査で、京都府の医師数は、資料にもありますように府内を6つに分けた第二次医療圏の山城北医療圏では、人口10万人当たりの医師数では、京都府平均272.9人、全国平均206.3人を大幅に下回り、府北部の丹後医療圏と同じ程度の医療数で153.1人、民間の医療機関に支えられ、地域医療は勤務医が開業医の過重労働の上に成り立っているのが実態であります。市としての基本的認識を伺いたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)京都府南部の医療体制の状況認識についてでございますが、平成20年度に改定された京都府保健医療計画によりますと、平成18年の京都府の人口10万人当たりの医療施設従事医師数は272.9人ですが、二次医療圏別に見ると京都・乙訓は343.8人、山城北医療圏では153.1人、このほか丹後151.6人、中丹200.4人、南丹165.3人、山城南114.4人となっておりまして、京都府内の医療施設従事医師数は京都・乙訓圏域に偏在している状況にあります。 このような状況にありますものの、京都府保健医療計画では診療所も含めた総合的な周産期医療ネットワークが構築されておりまして、このネットワークでは、一般産科医療機関から総合周産期母子医療センターに搬送先を問い合わせれば、システムで一元化された空きベッドの情報をもとに、センター常駐の医師が専門的所見に基づき症状に即した受け入れ先病院を指示するというもので、緊急を要する妊産婦や未熟児などの搬送先の選定が迅速に行われております。また、本市の産科、小児科での救急搬送では、これまで医師不足などにより受け入れ困難になる事例の発生はないことなどから、救急医療体制についても整備されているものと考えております。 なお、地域医療が勤務医の過重労働の上に成り立っているということでございますが、特に産科、小児科医については、これまでから厳しい労働条件等が医師不足につながる問題とされているところでございまして、本市におきましても、近年では担当医師の不足から分娩を休止したり、小児救急医療体制から撤退をするといった状況がございます。 医療体制は、市民が住みなれた地域で生涯生き生きと健康で安心して暮らすための重要な基盤の1つでもありますことから、山城北圏域の医療体制の充実強化が重要な課題であると認識をしておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)医療体制の強化が重要という答弁でありました。それでは、これに対して宇治市は何をしようとしているのかということについて伺いたいと思います。そして、こんな医療体制が本当にひどくなっている状況のもとで政府の事業仕分けでは、先ほども言いましたように予算を半減させる、こういうふうなことをやろうとしておりますが、これについて、国に対して意見を言うべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)政府の行政刷新会議での事業仕分けについてでございますが、医師確保、救急、周産期対策の補助金等についての評価結果取りまとめコメントでは予算半額を結論として、今後の診療報酬見直しの経緯を見ながら、真に必要ならば平成22年度補正予算での対応もあり得ると考えるとされているところでございます。 現時点では具体的な影響がどのようなものなのか明確ではございませんが、医師確保や救急、周産期対策については市民の安全、安心にとって非常に重要な課題であり、これまでから本市においては国や府に要望を行っているところでもあり、今後の国、府の動向を見守ってまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)ただいま、国、府の動向を見守っていくということでありますが、今、来年度の予算編成に向けて取り組んでいるこういう時期にこそ声を上げるというのが行政としての役割だというふうに思いますので、その点を踏まえまして今後対応していただきたいというふうに思います。 それでは、次の2番目に移りますが、産科、小児救急の医療体制の危機についてどう対応するのかということであります。 産科では、2007年11月から第二岡本病院が分娩を休止、小児科でも第二岡本病院が小児救急や時間外診療を中止、産科、小児救急では宇治徳洲会病院が中核を担っているわけであります。病院の説明によると、2004年に小児救急搬送だけで686件だったものが、昨年度は822件にまでふえて、年々救急は厳しくなっているといいます。市は、医療行政は国、府の所管とこれまで言ってまいりました。たとえそうであっても、とりわけ産科、小児救急の問題は市民の安心、安全の最重要課題であります。待ち時間の問題あるいは医療、地域福祉のネットワークなど、市として具体的に何をするのかお答えをいただきたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)京都府におきましては、総合周産期母子医療センターを中心とした周産期医療体制が構築をされており、小児救急医療体制として、山城北医療圏には宇治徳洲会病院と田辺中央病院が周産期医療第二次病院として指定されているところでございます。 また、山城北医療圏内の14の病院が受け入れ病院の当番を編成し、各市町の第二次救急医療体制として、病院群輪番制病院運営事業を実施しております。この事業の運営につきましては、各市町が人口比に応じて各医療機関に対する補助金を交付しているところでございます。 さらに本市では、宇治久世医師会の協力をいただきまして、休日急病診療所を運営し、緊急な医療を必要とする市民に対しまして応急的な診療を行っております。しかしながら、産科医、小児科医の労働条件や医師不足の問題、また、京都府における医師の偏在等さまざまな課題がございますことから、本市といたしましても、これまでから京都府に対しまして地域における小児科医師の偏在の解消と地域の実情に応じた柔軟な小児医療体制の構築に向けて、財政措置も含めた必要な対策を講ずるよう要望をしているところでございますので、ご理解賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)先日開かれました南部の医療を考えるシンポジウム、この中で、京都民医連第二中央病院の門祐輔院長は、国による医療抑制政策のもとで、各地で医療崩壊が起こっている。崩壊を食いとめるには、府南部では公的病院で一般医療を行う公立山城病院の役割がかぎになっている。公立病院と私立病院、開業医の地域での連携をこれからも強化していく必要があると言われました。また、徳洲会病院の副院長さんは、小児科でも勤務時間外の小児科医を呼び出すことが常態化し、産婦人科医師は以前6人ほどいたが、今、常勤は2人になり、1人が15日当直入り、1人が健康上の問題を抱えて倒れたら何ともならない、こういうふうに訴えをされました。 さらには、第二次輪番病院の補助金が年間70万円ほどしかないのに、1施設年間1億円以上の補助金を受けている救命センターが複数搬入拒否した患者をあとの輪番制病院が受け入れる、こういう矛盾も指摘されておりましたが、京都府とも相談して、補助金の増額など対応が必要ではないかと思いますが、お考えをいただきたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)病院群輪番制病院運営事業補助金についてのご質問でございますが、病院群輪番制病院事業は平成7年度から国立京都南病院を含めた山城北医療圏の14の病院で実施をしております。本事業では14の病院が休日の日中もしくは夜間の診療について、年間にして均等の回数を担当していただき、救急搬送の受け入れや救急搬送以外の診療にも対応していただいているところでございまして、山城北医療圏での救急医療体制の重要な基盤を担っていただいております。 また、この事業に対する補助金でございますが、各病院が必要な救急医療体制を確保していただく経費について、その一部を補助金として支出しているものであり、先ほどのご答弁でも申し上げましたが、本市を含めて7市町が人口比に応じて分担をし、各医療機関に対して交付をしているもので、京都府の負担はございません。この補助金の増額などについてでございますが、対応が必要ではないかというご質問でございますが、これまで補助金額についてのご要望などは承っておりませんので、ご理解賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)京都府の補助金はゼロということで、関係する病院からの増額の要請はないということでありますが、十分関係する病院とも相談をしながら、必要なら京都府に増額を要求する、そういうことで取り組んでいただきたいというふうに思います。この間、徳洲会病院の移転の問題が出されて、初日の一般質問で田中議員のほうからそのことを質問され、市長もできる限りの努力をするということでありましたので、最大限努力をして市内にとどまれるように強く要望しておきたいというふうに思います。 次に、水道問題について質問をいたします。 ことし3月に京都府の水道懇がありまして、府営水道の宇治、乙訓、木津の3浄水場系統が来春に接続予定で、京都府は本年3月、接続後の供給料金のあり方について、8月をめどに府水道経営懇談会の答申が出されるとされておりました。宇治市長も構成員の1人でありますが、3月以降の取り組み状況と、作業部会ではどういう議論がされたのかお聞きをしたいと思います。 あわせて、協定水量の見直しについて、私が6月に質問をしたときに、市は課題と考えており、今後協定水量について、府関係受水市町と話し合いの場を持ちたいと答弁をされ、京都府の第38回水道懇でも、基本水量、今後の水需要の動向が検討課題とされています。見直しの見通し等についてお答えいただきたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 杉村水道部長。 ◎水道部長(杉村亮一君) (登壇)平成19年9月11日に京都府知事から、乙訓地域上水道経営健全化に向けての府営水道のあり方及び3浄水場接続後の供給料金のあり方についての諮問がされましたが、3浄水場接続後の料金のあり方についてを議題といたしまして、平成21年3月27日に京都府営水道事業経営懇談会が開催されたところでございます。その中で、今後のスケジュールとして小委員会を設置し、中間報告を経て経営懇談会の提言最終案を8月に取りまとめる予定とされておりましたが、現時点ではまだ提言には至っていないところでございます。 経営懇談会の取り組み状況を京都府に確認いたしましたところ、日程的にはおくれているが、平成21年3月の経営懇談会において拙速過ぎるという委員の方々からの指摘もあって、現時点では最終提言の日程は未定であるということでございましたので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 次に、協定水量につきましては、さきの6月議会において、本市より京都府に将来計画水量として申し入れ、それに基づき布設整備された計画がありますが、水需要の減少から今後の経営状況を考慮しますと、本市においても課題であると考えており、今後、協定水量につきましては、京都府はもちろん他の受水市町との話し合いの場を持ってまいりたいとお答えしたところでございます。 京都府の府営水道経営懇談会においては、基本水量も含めて検討課題とされているところであり、また、本年9月の府議会におきましても、京都府の考えとして基本水量については浄水場の施設整備等多額の先行投資を要しており、負担割合をどういう形で割り当てるかということで基本水量を使っていますので、今後、経営懇談会においても慎重な論議をしていかないと、負担を府民全体に転嫁するのか、転嫁できないとなると府営水道自身の経営が難しくなるという点でどういう判断をしていくかということを前提に考えていくべき問題ではないかと考えていると答弁されております。 本市といたしましては、協定水量につきましても府営水道事業経営懇談会で議論されるということでございまして、その状況を注視してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますお願い申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)最初の提言以降の動向については、3月の懇談会で拙速過ぎる、こういう意見もあって、最終提言の日程は未定だということであります。この間、市長が経営懇談会の中で、宇治浄水系については建設年度あるいは建設経費の違い、こういうことがあって、だから現状におさまっている、安易な値上げはするべきでない、こういう発言をしていたということが報道もされておりましたし、今後ともそういう姿勢で臨んでいただきたい、これは要望しておきたいと思います。 それから、協定水量の関係についてはいろいろ言われましたが、懇談会での議論を注視したいということでありました。要は宇治市がどういうスタンスをとるのか、これが非常に大事であります。資料をお配りしておる中でカラ水量という部分がありますが、これは年間18億円がカラ水量に当たっているという数字であります。これが市町の水道の経営を圧迫しておるわけです。これまで水道管理者は、水需要の減少から今後の経営状況を考慮すると、課題だと。府や受水市町と話し合いを持つというふうに答弁をされておるわけですけれども、しかし、経営懇談会での状況を見守るということであります。 お隣の久御山町の町長はどういうふうに言っているか、基本水量の見直しというものについて、京都府並びに京都府水道事業懇談会に対して強く要望してまいりたい、こういうふうにはっきりと言っているわけであります。なぜ宇治市が経営懇談会の中でこうした主張ができないのか、これについてお伺いしたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 杉村水道部長。 ◎水道部長(杉村亮一君) (登壇)協定水量につきましては、各構成市町から、京都府に対しまして将来計画水量として要望いたしまして、それに基づき京都府において布設整備された経過がございます。水需要が減少したからといって、単に協定水量を減らすということにはならないと考えておりますけれども、先ほどお答えいたしましたとおり、協定水量につきましては、府営水道事業経営懇談会で議論されるということでございまして、その状況を注視してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)経営懇談会には宇治市の市長も参加をされているわけです。だから、その中で宇治市の主張を言わなかったらどうするのでしょうか。府の水道条例には、水量の決定については各自治体が毎年の必要水量を府に申請し、協議して決定するというふうに書かれております。今、市のほうも答弁されましたけれども、京都府に将来計画水量として申し入れた経過があるということでありますけれども、その中で、そうしたら宇治市の協定水量は府と協議した中で、これまでからのその分を一緒に払うというふうな何か特別な約束でもされたんでしょうか。そのことについてお伺いします。 ○議長(松峯茂君) 久保田市長。 ◎市長(久保田勇君) (登壇)協定水量の問題でございますけれども、先ほども水道部長が答弁をさせていただきましたように、京都府として府営水道の設備を拡張するに当たりまして、各構成市町から京都府に対しましてそれぞれの自治体としての将来計画水量として要望し、それに基づき京都府において布設整備された経過がございます。当然ながら各構成自治体は、やはり水道ということを考えますと、まずピークの水量、このことを考え、そのことに十分対応できる水量から算定をするわけでございますけれども、向野議員が議会に提出されました資料を見ていただきましても、これをずっとごらんいただきますと、例えばそれぞれの自治体がその後の人口がその当時に比べてどうであったか、まだふえているのか、そして中には人口の減った市町村もあります。そして、生活形態の変更、さらにはワンルームマンション等の建設によりまして、また、環境問題から節水意識の高揚等もございまして、利用水量の変更というのが、1人当たりの水量が変わってきております。 しかし、そういったことで単に水需要が減少したから協定水量を減らすというふうな単純な問題ではございません。そのことから、水道懇の中で私もそういう意見も申し上げておりますし、水道懇には私は委員として入っておりますので、先ほど議員のほうから紹介ありましたような意見等を含めて、私はしっかりと検討していくべきだと、やはり京都府の役割、そして構成自治体、加入自治体にしても、自分たちが出した要望、そのことが減ったから、では府が全部持ってくださいというふうなことだけで単にいいのかどうかという問題も含めて、しっかりと京都府の役割、そして各構成自治体、受水市町村の役割、このことを見詰めながらしっかりと検討していくべきだという意見を申し上げているところでございます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)今、市長が答弁されましたけれども、各市町村から要望して、そして施設改修をされて、それが協定水量に一定化されているということでありますけれども、水量は水量ということで、条例に基づいてやるというのは当然のことかと思うんです。だから、必要でもない余った水をたくさん契約して、それで無駄にするということはないというふうに考えております。意見として申し上げておきたいというふうに思います。 次に、過大な水需要計画を改めて、水利権放棄、これは天ヶ瀬ダムの再開発ですけれども、水利権を放棄すれば38億円の無駄を省くことができるわけであります。今、市長から答弁がありましたけれども、今日の社会状況の中では水需要が大幅に減っていると。そういう中で、天ヶ瀬ダム再開発による毎秒0.6トンの水利権の確保には約38億円の工事費負担を国に支払わなければなりません。今後、水道料金への上乗せがされます。現状でも余裕がある水量の上に、3浄水場の接続で災害時、渇水時等の水運用も可能になるのに、なぜ水利権をふやさなければならないのか疑問であります。 問題は、宇治浄水場系で暫定水利権として取水している毎秒0.6トン分を、再開発によらないでどう確保するかということ、現在、府の水利権のうちに乙訓系で毎秒0.285トン、木津系で毎秒0.3トン、合計毎秒0.585トンは使われておりません。これを宇治系に振りかえれば、天ヶ瀬ダム再開発と同程度の水量の確保は淀川の水利権の分で可能であります。人口、水需要予測を見直して、天ヶ瀬ダム再開発による水利権を放棄すれば、38億円の工事負担金は要らなくなります。 先日、国土交通省の担当の方から話をお聞きしましたが、水利権は申請主義だというふうに答えております。府に対し、天ヶ瀬ダム再開発による水利権の放棄を求めるようお願いしたいと思うわけでありますが、ご見解を伺います。 ○議長(松峯茂君) 杉村水道部長。 ◎水道部長(杉村亮一君) (登壇)議員ご質問の内容につきましては、さきの京都府議会におきましてもご質問がございまして、京都府の答弁では、府営水道の水利権についても利水安全度も考慮して必要量を確保しており、このうち天ヶ瀬ダムに係る暫定水利権につきましては、あくまでも暫定という形になっているものであり、安定水源にすることは重要なことではないかと考えている。なお、水利権の振りかえについては個々の河川の流況や下流利水者を初め、関係者相互の調整等があり、非常に難しい問題であると述べられているところでございますので、ご理解賜りますようお願い申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)京都府の考えとしては、今部長が答弁されたとおりでありますけれども、宇治市としてこの38億円というのが水道料金にはね返る、そういうことで考えると、市民の立場に立ってこれは水利権を振りかえられるものなら振りかえる努力をする、天ヶ瀬ダムからの水利権の設定は放棄をすると、こういう立場に立つことはできないでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 久保田市長。 ◎市長(久保田勇君) (登壇)先ほど水道部長から答弁をさせていただきましたとおりでございますけれども、水利権の設定というのは、そんな向野議員がおっしゃっているようにあっちとこっちでちょっとずつ削ってここからとってくると、そんな簡単なものではございません。当然ながら河川の治水、利水、そして河川利用、さまざまを考えながら今まで、今日まで河川の整備が行われておりました。その中での調整でこういう形になっているところでございます。 また、あくまで暫定という水利権でございまして、安定的な水源にすることは重要であるというふうに思っております。特に水利権の振りかえにつきましては、先ほども述べました河川のさまざまな今日までの経過、状況、そして治水、利水、さらには下流の利水者を初め関係者間の調整等がございました。そのように簡単に私は振りかえられるものではないというふうに思っておりますし、府営水道の宇治系における安定的な水道水の供給のために安定水源にすることは重要であるというふうに私も考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)先ほどから協定水量の見直しの話をしておるわけでありますが、資料につけておりますけれども、人口需要予測というものがありまして、京都府の予測と、そこに統計があると思いますけれども、今後人口が減少していくというのがあるわけです。平成19年度の府営水の供給実績は1日平均水量約11万立方メートル、最大で13万立方メートル。これに対して、府営水道が確保している水利権は天ヶ瀬ダム再開発分を除いて17.8万立方メートルというのが実績としてあるわけです。大阪府はそういう点で、実績をもとにして予測を立てるということでこれまでダムからの水利権の放棄をしているということがあるわけです。そういう点から考えて、今後さらに水利権を設定して、そしてまた大きな数字に協定水量を結ぶということは、これは問題じゃないかなというふうに思っております。 そういうことで、水利権の設定の関係についても本当に必要かどうかというのを改めて検討をされて、市としても府のほうに強く要望されるように要望しておきたいというふうに思います。 次に、開浄水場問題について質問をさせていただきます。 昨日、開浄水場休止差しとめ請求事件の原告請求棄却との判決を受けて、水道事業管理者は、議会で議決をいただいている開浄水場休止方針に基づき、速やかに府営水に切りかえるべきと考えていると、対象地域の住民にお知らせをして切りかえ作業を実施したいと考えていると。さらには、水道予算を3度にわたって可決された、原告は控訴されるようだが新たな判決が出されるまで判断を待つ考えはない、こういうふうに答えております。 日本の裁判では三審制が原則でありまして、原告は控訴する、こういう立場であります。判決が確定したわけではなく、そうしたもとで速やかに府営水に切りかえるべきと考えている、あるいは新たな判決が出されるまで判断を待つ考えはない、こういうのは乱暴な答弁ではないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 桑田水道事業管理者。 ◎水道事業管理者(桑田静児君) (登壇)昨日の堀議員さんのご質問にお答えをいたしましたように、控訴につきましても、一審での判断は開浄水場休止差しとめ等請求については棄却されたものであり、また、議会におきましても平成19年度から平成21年度まで開浄水場休止を含む予算を3度にわたりましてご議決をいただいておりますが、このことを重く受けとめておりまして、これまでからの市水道部の休止方針に何ら変わりはございません。早期に開浄水場を休止し、安心して給水できる府営水に切りかえることが水道事業者の責務と考えております。 したがいまして、控訴によりまして司法の場で新たな判決が出るまで府営水への切りかえを延期することにはなるとは考えておりませんので、ご理解をお願いいたします。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)昨日の議論の中でも、平成19年3月議会では全会一致で議決されたものとこういうふうに言われております。その前提として、私どもは修正案を出したときに、住民の理解を得るというのは、堀議員も含めまして他の会派も同じように、住民の合意や理解を得るというこれが大前提になっているのではありませんか。 こうした中で、開浄水場を廃止するその当初は、計画もなく、突然部長の、環境省という勘違いから出発をいたしまして、その間データの間違いやごまかし、契約の特殊事情も考慮しない、こうした中で本当のねらいというのは、表向きには原水に環境基準を超える有害物質が含まれている、こういうふうにしておりましたけれども、いろいろ議論する中では、京都府との協定水量によって年間3億円に及ぶカラ水量が押しつけられて水道会計を圧迫する、そういうことから協定水量を減らさずに余り過ぎる府営水を開住民に押しつけようとしているのが根底にあるのではないかというふうに考えております。 特に今回、私は判決の中でこんなことが許されるのかというふうに思ったことは、水道廃止の理由とした水質問題あるいは経費など変更する合理的な理由がない、こういうことについて一切言及はされていない、そしてその中で裁判長は、水道法や公営企業法で事業の運営に当たって経済的な観点からの見直しは当然行うというふうにしたことであります。こういうことでありますと、今後の住民自治とかあるいは市政運営の中で、今でも宇治市内でいろいろな要求運動があって問題点が噴出しておるわけでありますが、こうしたことを理由に何でも強引に通せると市が一方的に決めて、そして住民の理解は得ない、さらには、説明はすると、だけれども決定は変えないというようなことで、今後市政運営がやられるとしたら、これは大きな問題ではないかというふうに思っておりますが、この点についてのお考えをいただきたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 久保田市長。 ◎市長(久保田勇君) (登壇)向野議員のほうから水道問題で判決の中身につきまして、いろいろとご自身の見解を述べられました。昨日も堀議員に答弁をさせていただきました、改めて答弁をさせていただきたいと思います。 開浄水場の休止につきましては、平成20年1月16日に開地区自治連合会などが京都地方裁判所に、開浄水場から水の供給を受ける地位にあることと、開浄水場の休止をして府営水に切りかえてはならないとされまして、開浄水場休止差しとめ等請求事件を提訴されたところであります。 しかし、私ども議会と行政の関係、行政執行という関係から申しますと、この時点で、私は結論を出しても何ら行政として批判をされるものではないというふうに思っております。その後、20年7月15日から平成21年9月29日にかけまして7回にわたる公判が行われました。一昨日、開地区自治連合会の訴えを却下する、開地区自治連合会を除く原告らの請求をいずれも棄却するとして、宇治市が全面勝訴の判決があったところでございます。 裁判では、開浄水場で浄水された水の供給を受ける権利、府営水への切りかえは水道事業者の裁量を逸脱して権利の濫用に当たるとの原告の主張を争点にして公判が行われてまいりました。しかし、判決におきましては本市の主張が認められたところでございます。 判決理由といたしまして、水道事業者の義務及び責務は、水道法によりまして、水道利用者に対する適法な施設から適用な水質を備えた水を給水する義務とされました。特定の水を供給する義務は負わない、水道法で企業の経済性の発揮と公共の福祉増進を求められ、経済的観点からの見直しを行う義務を負っていることを踏まえまして、原告が主張されます特段の事情について否定をされ、また、私ども裁量権につきましても特定の水を受ける権利はなく、開浄水場の休止が被告の合理的裁量の範囲内にあるかを論じるまでもないと判断をされました。原告らの請求は理由がなく、いずれも棄却をすべきものと結論を出されたものでございます。 開浄水場の休止、府営水の切りかえにつきましては、平成18年12月21日に建設水道常任委員会に報告をした上、平成19年度水道事業会計予算を全会一致でご可決をいただきまして以来、平成20年度、平成21年度の各予算につきましてもご可決をいただいているところでございます。市民代表の議会の議決の重みを行政としてしっかりと受けとめながら、議決をいただいて議案の執行をやるという行政の責務からいきますと、早期に切りかえるべきものでございますが、訴訟が提起をされましたことから司法の判断をまたせていただいたところでございます。 行政は市民に対して説明をさせていただきます。しかし、説明をしたところで、例えばとことん反対という方は、私は出てくるというふうに思っております。同意行政ではございません。大多数の理解を得られれば、私は行政として当然のことながらそのことを執行する、公共の利益を追求するのが行政の本来の姿でございます。私は、議会の議決の執行責務、そして予算の議決におきまして、先ほど来、府営水のことに一生懸命触れておられますけれども、開の運営経費は水道事業会計予算の中には何ら計上をいたしておりませんで、全く不必要な支出でございました。市民99%が加入されております水道事業会計の負担になっていることは事実であります。 また、特に市長選での対応、私は告示前日のちょうど1年前でございますけれども、開商店街で街頭演説をさせていただきました。まだ選挙が始まっていないから選挙妨害でないということをおっしゃって妨害行動をとられましたし、対策委員長さんが事前の他の候補、水道を継続するという候補の政治活動に弁士として登場もされておりますし、選挙活動の中でも個人演説会に弁士として登場されておりました。いわば市長選で私は廃止を訴えました。もう一人、対策委員長さんが一生懸命応援をされました候補は残念ながら信任を得ることができなかった。議会の場、そして予算、さらには市長選の対応、このことを考えますと、既に結論はすべて出尽くしているというふうに考えておりました。私は、早期に司法の判断も尊重した上で、速やかに府営水に切りかえるべきであるというふうに考えておりますので、ご理解をいただきたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)私が今質問したのは、こういうふうな判決によって今後の市政運営のあり方、住民自治のあり方が本当にひどくなるような気がしてならないということで伺ったわけです。そういう意味で、判決は一審はそういうことでありますが、これから控訴されるということでありますので、その折には市としてもポンプが早急に壊れないように、十分保守点検をやっていく、それから切りかえについてはしないように改めて求めておきたいというふうに思います。 それでは、次の項に移りたいと思います。 次に、水害問題についてでありますが、まず最初に井川改修について伺います。古川の改修事業とともに、井川の改修事業の完了は、西宇治地域の水害対策にとって重要、現在の進捗状況と完了の見通しについてお答えいただきたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 三枝建設部長。 ◎建設部長(三枝政勝君) (登壇)1級河川井川改修事業の平成20年度末での進捗状況といたしましては、全体延長3,160メートルに対しまして、暫定改修済み区間を含め1,360メートルの整備状況となっており、延長割合で43%の進捗となっております。また、現在京都府の井川河川改修事業に合わせ、遊田橋のかけかえ工事を京都府と連携を図りながら事業を実施しているところでございます。 遊田橋のかけかえ工事は、平成23年度末の完成を目途に、今年度には遊田橋下流右岸の護岸整備を行った後、引き続いて仮橋及び迂回路の設置工事が行われる計画となっております。遊田橋かけかえ以降も、引き続きまして遊田橋より上流50メートル付近までの改修工事が行われる計画と京都府から伺っておりますが、さらに上流部への河川改修工事の延伸につきましては、今後検討を行っていくと伺っております。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)府民の安心、安全をモットーにしている京都府が現在進めている河川改修の完成の計画を持っていないということ自体問題でありまして、完了計画を示すように府に求めるべきであります。井川の改修が終了すれば、その後は名木川の改修と聞いておりますが、その点についてはいかがでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 三枝建設部長。 ◎建設部長(三枝政勝君) (登壇)京都府では現在、1級河川古川改修及び井川改修を優先的に進めておられまして、名木川につきましては下流域での老朽化護岸の改修及びしゅんせつを実施されていると伺っております。本市といたしましては、引き続き京都府に対しまして早期に本格的な改修工事を行っていただきますよう、強く要望してまいりたいと考えておりますので、ご理解賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)改修事業が早期に完成いたしますように強く要望しておきたいと思います。 それから、2つ目に西宇治地域での水害対策の具体化についてお聞きをいたします。伊勢田小学校東側の水害対策は、井川との接続部を下流に向け断面拡幅など実施をする、そして市は今年度実施計画を策定する計画ですが、遊田橋上流での改修工事が進まなければ工事はできないのではありませんか。当面の対策をどうするのかお答えいただきたいと思います。 ○議長(松峯茂君) 三枝建設部長。 ◎建設部長(三枝政勝君) (登壇)伊勢田小学校東側の水害対策といたしまして、毛語水路の井川接続部のネック箇所の改修を目的に、現在、歩道横断部を含めました毛語水路改修工事の実施設計業務を行っております。今後は、改修工事において必要となります歩道の専用物件の移設協議を行いまして、引き続き毛語水路下流部の改修工事に向けました取り組みを行ってまいりたいと考えております。 なお、本改修工事につきましては、現在進められております井川改修工事の進捗との直接的なかかわりはございませんので、ご理解賜りたいと存じます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)次に、伊勢田2号水路流入口付近の水害の原因については、毛語水路からあふれた雨水に加え、府職員住宅からの雨水の流出が主な要因とされています。市内で最も水害の発生する地域で、雨水貯留施設はすぐにでも必要だと思いますが、京都府に対して強く求めるべきだと考えますがいかがでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 三枝建設部長。 ◎建設部長(三枝政勝君) (登壇)京都府の伊勢田若草職員住宅は平成10年に建設をされ、住宅建設に伴います雨水流出路の増大及び周辺地域の水害発生の状況に配慮し、敷地内に雨水の一時貯留施設を設けておられます。しかしながら、近年のゲリラ豪雨は記録的な降雨量が短時間に振りますことから、本市といたしましては、現在、当該地域の浸水被害軽減に向けた取り組みを行っているところでもございまして、京都府初め関係機関に対しまして、雨水流出抑制策についての調査協力をお願いする中で、雨水流出抑制施設等の普及拡大が図られますよう取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)それでは次に、ウトロ地域の水害の要因については、伊勢田8号水路の大幅な疎通能力不足であります。西宇治都市下水路との分岐点で水量調節を実施して、西宇治都市下水路からポンプアップにより一時的に西宇治中学校への貯留施設が必要かというふうに考えます。なお、パラペットのかさ上げについても早急に実施していただきますようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 ○議長(松峯茂君) 三枝建設部長。 ◎建設部長(三枝政勝君) (登壇)ウトロ地域の水害対策といたしましては、今年度から西宇治地域の雨水対策として取り組んでおります洛南処理区雨水排除計画の中で、効果的な施設整備につきまして総合的な検討を行っていく必要があると考えております。 また、西宇治都市下水路の屈曲部で発生しておりますはね上がり現象による溢水対策につきましては、下流への影響等につきまして詳しく検証した上で、護岸のかさ上げを可能な箇所から検討してまいりたいとかように考えております。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)次に、西大久保小学校前の浸水の問題について、昨日浅見議員のほうからも質問がありまして、繰り返しの質問はいたしません。そのときには新川から古川への接続部の改修工事完了後、新川の疎通能力向上の工事を行うと、そして西大久保小学校の雨水貯留施設の設置には優先順位を上げると。それから、上流域から名木川への直接放流について調査検討すると、名木川の改修工事を京都府に強く要望する、こういう対策を今後進めていきたいというふうな答弁かというふうに思っております。また、対策の効果を見る中で、西大久保小学校に設置される貯留施設に大久保5号水路からポンプアップにより対応するなど、さらに実施可能な対策について対応されるように強く要望しておきたいと思います。 それで、最後になりましたが、高齢者の虐待問題についてであります。 厚生労働省の調査によりますと、2008年度、65歳以上の高齢者への親族による虐待の相談や通報は、前年度比8.6%増の2万1,692件、そのうち自治体が事業を確認した事例は1万4,889件に上り、昨年度より12.2%増となっています。死亡事例は24件に及んでいます。2006年4月から高齢者虐待防止法がスタートしており、市の調査でも、福祉サービス公社の地域包括支援センターでは285件の相談があったと。市内全体ではどれぐらいの相談でしたか。さらに、市としてのこの高齢者虐待についての認識と対応策について伺います。 ○議長(松峯茂君) 佐藤健康福祉部理事。 ◎健康福祉部理事(佐藤政紀君) (登壇)本市におけます高齢者虐待の現状でございますが、過去3カ年の市内6カ所の地域包括支援センターに寄せられました高齢者虐待に関する相談件数は、平成18年度は33件、19年度は57件、20年度は23件でございます。平成20年度の各センターごとの件数内訳でございますが、東宇治北が5件、東宇治南が3件、中宇治が2件、北宇治5件、西宇治が4件、南宇治が4件でございました。 また、虐待の種別で見ますと、身体的虐待が11件で最も多く、次に心理的虐待が10件、介護放棄が7件、経済的虐待が2件となっておりまして、複合事案もございますことから合計30件となっております。 最近の傾向として、虐待者側にも精神面など何らかのケアが必要なケースもあり、被虐待者を分離した後、虐待者に対して生活全般の支援などの対応を図らなければ問題の解決には至らないケースが増加をしてきており、これらが虐待事案の複雑化、長期化につながる要因となってきているものと認識をいたしているところでございます。 いずれにいたしましても、こうした現状を踏まえます中で、高齢者虐待の防止に向けての対策といたしましては、まず何よりも被虐待高齢者の生命、身体の安全を最優先し、迅速かつ適切なほうに努めることが重要でございまして、また、初期対応後の在宅復帰などに際しまして、生活全般の支援が必要となる場合も多いことから、保健、医療、福祉などの関係機関及び民間団体との連携の強化やネットワークの構築など、地域包括ケア体制の整備にさらに努めてまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りますようお願いを申し上げます。 ○議長(松峯茂君) 向野憲一議員。 ◆(向野憲一君) (登壇)市当局からもらった資料によりますと、平成20年度の相談件数は延べ472件、虐待の種別は身体的虐待が11件で最も多い、高齢者への虐待は年々増加して死に至るケースにもなりかねない、こういうことから横須賀市では平成16年度から高齢者虐待防止センターを開設、保健師3名を配置し、相談や対応、関係機関との連携などを実施しております。行田市では、児童、高齢者、障害者に対する虐待防止条例をつくって事業を進めております。24時間の虐待通報受理体制、高齢者虐待防止ネットワーク会議の設置など行っております。狛江市でも高齢者虐待防止・見守りネットワーク事業を行っております。 市としても高齢者虐待防止センターを開設したりするべきだというふうに考えておりますし、今後、保健、医療、福祉、介護の連携やネットワークのあり方を議論しまして、虐待防止に対する対策を検討していただきたいというふうに要望させていただきまして、質問を終わらせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。 ○議長(松峯茂君) 以上で一般質問を終結いたします。-----------------------------------
    ○議長(松峯茂君) 以上で、本日の日程は全部終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 次回は12月24日午前10時より会議を開きますので、ご参集願います。     午後4時35分 散会 地方自治法第123条第2項の規定により、ここに署名する。                宇治市議会議長  松峯 茂                宇治市議会副議長 水谷 修                宇治市議会議員  中路初音                宇治市議会議員  浅井厚徳...