京都市議会 > 2022-12-01 >
12月01日-03号

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  1. 京都市議会 2022-12-01
    12月01日-03号


    取得元: 京都市議会公式サイト
    最終取得日: 2024-09-29
    令和 4年 11月 定例会     令和4年     定例会     京都市会会議録 第3号     11月市会                       令和4年12月1日(木曜日)出席議員(64名)   1番 久保田正紀議員   2番 神谷修平議員   3番 小山田春樹議員   4番 豊田恵美議員   6番 田中明秀議員   8番 やまね智史議員   9番 鈴木とよこ議員  10番 かまの敏徳議員  11番 大津裕太議員  12番 菅谷浩平議員  13番 森 かれん議員  14番 小島信太郎議員  15番 片桐直哉議員  16番 兵藤しんいち議員  17番 松田けい子議員  18番 やまずまい子議員  19番 井上よしひろ議員  20番 平山たかお議員  21番 とがし 豊議員  22番 ほり信子議員  23番 山田こうじ議員  24番 森田ゆみ子議員  25番 山本陽子議員  26番 平井良人議員  27番 宇佐美賢一議員  28番 こうち大輔議員  29番 天方ひろゆき議員  30番 安井つとむ議員  31番 かわしま優子議員  32番 国本友利議員  33番 加藤昌洋議員  34番 森田 守議員  35番 田中たかのり議員  36番 みちはた弘之議員  37番 さくらい泰広議員  38番 くらた共子議員  39番 井上けんじ議員  40番 河合ようこ議員  41番 樋口英明議員  42番 赤阪 仁議員  43番 江村理紗議員  44番 中野洋一議員  45番 山岸たかゆき議員  46番 青野仁志議員  47番 平山よしかず議員  48番 吉田孝雄議員  49番 しまもと京司議員  50番 椋田隆知議員  51番 下村あきら議員  52番 西村義直議員  53番 山本恵一議員  55番 井坂博文議員  56番 加藤あい議員  57番 西野さち子議員  58番 玉本なるみ議員  59番 湯浅光彦議員  60番 曽我 修議員  61番 大道義知議員  62番 寺田一博議員  63番 津田大三議員  64番 中村三之助議員  65番 橋村芳和議員  66番 繁 隆夫議員  67番 富 きくお議員欠席議員(なし)欠員(3名)   議事日程   開議日時 令和4年12月1日(木)午前10時第1 請願の付託及び陳情の回付   一般質問 (1) 市政一般について  山本恵一議員 (2) 市政一般について  西村義直議員 (3) 市政一般について  さくらい泰広議員 (4) 市政一般について  とがし 豊議員 (5) 市政一般について  森田ゆみ子議員 (6) 市政一般について  平山よしかず議員 (7) 市政一般について  曽我 修議員 (8) 市政一般について  宇佐美賢一議員 (9) 市政一般について  大津裕太議員~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕 ○議長(田中明秀) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。山本陽子議員久保田正紀議員とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 日程に入ります。 日程第1、請願の付託及び陳情の回付を行います。 今回受理いたしました請願3件及び陳情1件は、お手元に配付してあります文書表のとおり、所管の常任委員会に付託又は回付いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) これより一般質問を行います。 発言の通告がありますので、これを許します。市政一般について、山本恵一議員。 〔山本恵一議員登壇(拍手)〕 ◆(山本恵一議員) おはようございます。北区選出の山本恵一です。 まず、質問に入る前に、新型コロナウイルス感染症によって今なお現場で懸命に御尽力いただいている医療、福祉、教育をはじめ多くの事業者の皆様、市民の皆様に感謝を申し上げますとともに、お亡くなりになられた皆様に謹んで哀悼の意を表し、また闘病中の皆様の御回復を願っております。 それでは、西村義直議員、さくらい泰広議員と共に議員団を代表して質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 最初に、本市の財政についてお伺いをいたします。令和3年度の決算では、行財政改革計画より447億円の収支改善を達成しました。これについては高く評価するとともに、多くの市民・事業者の皆様の御理解・御協力に感謝しております。この計画を今後もしっかりと遂行することによって、公債償還基金枯渇リスクはほぼ消え去ったと認識しており、大きな不安を抱えておられる市民に対して財政破綻しないということを強く伝えるべきであります。また、令和5年度は行財政改革計画における集中改革期間の仕上げの年であります。緊縮思考でもなく、責任なき財政出動論でもなく、冷静に数字を見極めて市民福祉の向上に資する京都市行政を示す予算編成とするべきであります。過日、我が会派から、改革の趣旨の丁寧な説明、コロナ対策と社会経済活動の両立、子育て世代や若年層、さらには人口問題への対応などに関する要望を行うとともに、この間、照明のLED化や空きスペースの有効活用による賃料抑制など財政的にも効果のある様々な提案を行ってきました。令和5年度予算編成に当たっては、真に必要な事業には恐れず投資をし、見直すべきはひるまず改革を断行する必要があります。特に一般財源を約9億円投入し、我が会派から求め続けている経済対策、物価高騰対策が盛り込まれた物価高騰対策支援金が今11月市会において提案されていますが、これは正に市民生活を見据えた京都市行政の思いであるとも認識しております。予算編成に対する市長の覚悟はいかがかお考えをお聞かせください。 次に、行財政改革の取組を確実に継続していくための条例についてであります。令和4年2月市会における我が会派の寺田一博議員の提案によって条例制定への道筋が付けられ、去る9月市会においては、平山たかお議員の質問に対して、来年2月市会に議案として提出するという方針が示されたところであります。今、本市では、市民生活をしっかりと支え続けることを目的として行財政改革を進めており、この条例は、こうした改革をしっかりと継続させるためのものであるべきと認識しております。行政の本質を見失う条例となってはいけません。そのためには、例えば今般の新型コロナウイルス感染症や大規模災害への対策など、真に必要な施策については柔軟かつ機動的に対応できるものとすべきと考えますが、改めて市長の御見解を伺います。 財政論議は大切である反面、非常に分かりにくいものでもあります。また、守備範囲や解釈の幅広さがあって市政批判の的になりやすいものです。9月市会での議論にもありましたが、公債償還基金枯渇の危機は回避したという一方で、回避させた結果として実質的に85億円の赤字となり、依然として財政状況は厳しいということは矛盾する説明にも聞こえてしまいます。市政運営を行うに当たり市民理解を得ることは何よりも重要であると思います。そのためには、行政が分かりやすく強いメッセージを発するべきであります。そこで、市民の理解・共感を得るため、今後どのように財政状況の発信を行っていくのか市長のお考えをお聞かせください。 次に、気候変動問題に関してお伺いいたします。本年2月市会の市長総括質疑において私がお聞きした脱炭素先行地域について、この度本市が選定されました。本市の提案内容は伏見エリアを中心としたものですが、寺社や商店街の脱炭素転換など京都ならではの取組が掲げられており、これをモデルとして、その他の地域へと展開していくことを期待しております。しかし、こうした取組を進めてもなお2050年CO2ゼロの目標達成に向けては大きなハードルがあって、あらゆる分野の取組を総動員する必要があります。エネルギーの分野では、京都市の地形的特徴を踏まえて太陽光を中心に取り組まれていますが、再生可能エネルギーはこれに限るものではありません。先月、京都で開かれた全国小水力発電大会に参加しましたが、太陽光以外の再エネ活用についても改めて可能性を感じたところであり、今後とも今回の提案内容や地球温暖化対策計画に掲げた取組にとどまらず、様々な対策を進めていただきたいと考えております。例えば、二酸化炭素の吸収源となる森林や農地については、適正管理によって生態系の保全につながることはもとより、森林の利活用や環境保全型農業などに取り組むことで経済効果も期待できます。このように、気候変動に対する取組と生物多様性は切り離せない関係にあるといえます。そうした中、本日は気候変動問題に関して生物多様性保全について取り上げます。私は北区西賀茂の農家で生まれ育ちました。豊かな自然環境の中で様々な生き物たちと暮らすことは、生物多様性という言葉を持ち出すでもなく、ごく当たり前のことでありました。しかしながら、外来生物の増加や気候変動等によって、こうした環境が当たり前ではないということを思い知らされています。農業という自然からの恵みをなりわいとしてきた身として、人間も生態系の一員であること、生態系が崩れれば私たちの暮らしや事業活動が深刻な影響を受け、危機感を覚えずにはいられません。世界経済フォーラムが今年公表した報告書では、今後10年の深刻なグローバルリスクの3位に生物多様性を挙げており、先般開催されたCOP27でも、気候変動と密接に結び付く問題として生物多様性も議論になったものとお聞きしております。京都市においても、これまで生物多様性プランに基づく取組を進めて来られましたが、脱炭素先行地域への選定を契機に、地球温暖化対策と共に生物多様性保全を強力に進めるべきではないでしょうか。また、生物多様性保全にとって、京都市域といった境界があるものではなく、広域的に取り組むことが重要であると考えます。そのため京都府などとも連携を図ることも大事な視点だと考えますが、先日公表された京都府総合計画改革案では、生物多様性センターを設置する構想も掲げられております。この点、当センターを府市合同で運営することなど府市協調の観点で取り組むことが重要であります。このような動きも踏まえながら、本市として府市協調の観点から生物多様性保全を進めていくべきと考えますが、その点についてお聞かせください。 次に、今後の京都観光についてお尋ねいたします。観光は、宿泊業や飲食業だけでなく、製造業、サービス業、運輸業から伝統産業、文化芸術など幅広い分野と関連する京都にとって重要な産業であります。令和4年3月に京都市が発行された、私たちの暮らしと京都観光を見ますと、コロナ禍前の令和元年度には、観光客が市内で消費した金額は京都市民の年間支出額の55.4パーセントにも相当し、宿泊税を含む税収効果は約390億円との試算が示されているように、観光が京都の経済や雇用に力強く貢献してきたことは間違いありません。また、残念ながら現在もロシアによるウクライナ侵攻が続いていますが、観光は人々の交流や相互理解といった面からも極めて重要であります。これまで2年半以上に及ぶコロナ禍の影響により、京都経済、とりわけ観光関連事業者は大きなダメージを受けておりますが、10月中旬からはようやく全国旅行支援も始まり、外国人観光客の受入れに関する規制も大幅に緩和されるなど、観光の本格的な回復が期待されるところであります。京都においても、この間3年ぶりに行列巡行が行われた時代祭、そして秋の紅葉、行楽シーズンに合わせて多くの観光客の方がお越しになり、各地でにぎわいを見せております。一方で、新型コロナウイルス感染症は第8波を迎えており、引き続き感染状況には十分に注意を払わなくてはいけませんが、今後は、観光も含め人々の暮らしや経済活動をできるだけ制限することなく、京都経済の回復・活性化を図るとともに成長戦略にもつなげていく必要があります。本市では、長年京都の夜の風物詩として親しまれ、閑散期対策や夜観光の促進に大きな成果を挙げてきた東山花灯路、嵐山花灯路が、昨年度の開催をもって終了するなど様々なイベントの見直しが行われているところであります。しかし、このような中でも、これまでの成果を無にすることなく、地域や民間とより連携し、また必要な予算についてはしっかりと確保して、国内はもちろんのこと海外からも観光客の皆様にお越しいただくための取組を進め、京都観光の力強い回復を図らなくてはなりません。そこでお尋ねします。ウィズコロナ対策を採り、朝・夜観光や閑散期対策、インバウンド誘致なども含め、京都観光を力強く回復させていくためにどのように取り組まれるのか。また、コロナ以前に生じていた混雑等の観光課題も踏まえ、課題解決先進都市として、市民生活の豊かさにつながる持続可能な観光の実現に向け、本市の観光対策をどのように進めていかれるのか市長のお考えをお聞かせください。 次に、農福連携についてお尋ねいたします。本市では、令和2年度から障害のある方が作業に従事する農業と福祉の連携、いわゆる農福連携のモデル事業として、京都の風土に合った新京野菜を対象とした京都らしい農福連携推進事業を実施し、個人農家が栽培した黄色い唐辛子、京の黄真珠において、収穫時の熟した実の選別作業を複数の福祉施設で受託するなど成果を挙げているとのことであります。この京都らしい農福連携推進事業は3年限定の事業で、今年度が最終年度となりますが、福祉施設側からは、対象品目の拡大や作業内容の多様化を図ることにより障害のある方の更なる働く機会の創出を進めてほしいとの声を聴いております。農福連携が一定の成果を挙げ、次の一手として連携の対象を個人農家から農業法人へ展開し、作業内容を拡充するなど更に推し進めることにより大きな効果が期待できます。そこでお尋ねします。農福連携は、障害のある方が活躍できる就労の場の拡大に加えて、農業の人手不足の解消に寄与する有効策であり、かつ市民に対して周知広報することにより、障害のある方への理解が広がることにもつながるため、この取組を自立化させていくことも見据えつつ更に進めるべきと思いますが、市長のお考えをお聞かせてください。 次に、自転車の新たな利用方法であるシェアサイクルについてお伺いをいたします。自転車は環境に優しく、新たな生活様式においてもシェアサイクルが注目されており、ニューヨークやパリ・ロンドンなどの主要な都市では便利な移動手段として導入が進み、我が国でも導入する都市が年々増えてきております。しかしながら、普及に向けた課題として低い採算性やサイクルポートと呼ばれる自転車を借りて返却する場所の確保があると言われており、国内では、自治体がシェアサイクル事業者に補助金で支援を行う事例や自治体と事業者がシェアサイクルを共同実施している事例もあるなど、シェアサイクルの普及に向けては自治体の関わりが重要であります。また、海外では無秩序な違法駐輪が社会問題化したこともあり、利用者へのルール・マナー啓発や事業者への指導も欠かせません。本市では、現在、複数の事業者がシェアサイクルを運営されていて、都心部ではシェアサイクルの利用者を見掛けるようになりましたが、周辺地域での普及はまだまだこれからで、サイクルポートの設置拡大が必要であります。そこで、昨年10月に策定された京都市自転車総合計画2025においてシェアサイクルを推進すると掲げられていますが、利用車へのルール・マナー啓発も含めて、今後どのように取り組まれていくのかお伺いいたします。 最後に、3年ぶりの京都マラソン開催について要望いたします。年々の開催により、地域のみんなでボランティア活動を行うなどの成果が生まれ、環境に配慮した生活習慣の普及、国際文化観光都市・京都の多彩な魅力の国内外へ発信などにも貢献しております。今秋はコロナ禍の下、金沢や神戸などで都市型市民マラソン大会が無事に開催されました。まずは、感染症対策に万全を期し、2023年京都マラソン大会を安心・安全に開催するとともに、知恵を絞っていただき取り組むことを要望いたしておきます。 これで私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 山本恵一議員の御質問にお答えいたします。 令和5年度予算編成及び条例の制定についてでございます。この間、市民の皆さんの御理解、御協力の下に、京都市ならではの高い水準の福祉、子育て支援、教育等の施策を持続可能なものにするために、またそのために職員数の削減など幅広い改革を実行し、国のコロナ禍の下での特別の措置もあり、令和3年度決算、4年度予算で計画を447億円を上回る収支改善を達成、行財政改革計画策定前に直面していた公債償還基金の枯渇の危機は回避できました。ただし、収支は依然として赤字であります。また、これまで計画外に取り崩してきた公債償還基金の積戻しの課題も残っており、今後、高齢化社会の進展等による社会福祉関係経費の増加が続くことを踏まえ、引き続き緩むことなく改革と都市の成長戦略を進め、持続可能な行財政を確立していく覚悟でございます。令和5年度予算編成に当たりましては、お受けした予算要望についてもしっかりと受け止め、コロナ禍の下、市民の皆さんの命と健康、暮らしを守り抜くとともに、経済再生、人口減少問題など現下の課題に的確に対応した誰一人取り残さない持続可能なまちづくりを進め、明るい展望をお示しできるよう全力を傾注してまいります。そして集中改革の総括とその到達点をお示しするとともに、持続可能な行財政の確立に向けまして改革の必要性や理念、財政運営の目標を明記した計画の策定を義務付ける条例を2月市会に提案いたします。条例の制定に当たりましては、予測できない事態にも機動的に対応し、着実に改革を実行できる京都ならではの条例といたします。また、改革の趣旨につきまして、市民の皆さんの御理解、御協力をいただくためにホームページ、市民しんぶんなどあらゆる媒体をいかし、市民目線で今まで以上に分かりやすい情報発信を行ってまいります。 次に、府市協調による生物多様性保全についてでございます。京都では古くから自然や生き物とのつながりの中で世界に誇る文化を育んでまいりました。しかし、現代社会ではそうしたつながりが見えにくくなっていることに加えまして、気候変動などの生態系を脅かす事態も生じており、人と自然との関係を再構築しながら大都市における生物多様性を守ることが喫緊の課題となっております。このため京都市生物多様性プランを策定し、保全・再生や利活用等の取組を進めておりますが、生物多様性の保全では、多様な主体と協調しながら市域を超えた広域的な視点で取り組むことが重要でございます。山本恵一議員から御紹介のありました生物多様性センターは、知見の集積等に加えまして、保全の担い手の育成やネットワーク化等の機能を持つこととしているものであります。本市では、動物園や梅小路公園のいのちの森に加えまして水族館、さらに昨年度、本市と協定を締結した武田薬品工業様の薬用植物園など保全活動に取り組む主体や資源が数多くあり、これらのネットワーク化などセンターの設置には本市の多様性保全の取組も大きく寄与するものと考えております。京都では、衛生環境研究所や安祥寺川・四宮川など府市間での政策融合を重ねてきた実績がございます。全国トップ水準の府市協調を礎に京都ならではの自然共生社会を実現する決意の下、生物多様性センターの府市による協働設置を目指してオール京都で取り組んでまいります。 次に、持続可能な観光の実現についてでございます。観光は、京都経済や雇用、文化芸術をも支える大切な基幹産業であります。厳しいコロナ禍が続く中で多くの方々が観光の重要性を実感されており、早期に回復を図る必要がございます。山本恵一議員御指摘の朝・夜観光や閑散期対策は、宿泊観光や通年型観光の促進、混雑緩和の観点からも重要であり、花灯路事業の成果をいかした取組をはじめ地域の新たな魅力の創出や情報発信に取り組んでいるところでございます。インバウンド誘致につきましては、高い経済効果と共に、交流、相互理解を通じて国際親善にも寄与するものであり、多言語による魅力の発信や安心・安全情報、観光マナーの発信など一層誘致や受入環境の整備を進めてまいります。また、コロナ禍以前に生じていた観光課題を踏まえまして、地域・時間・場所の分散化、ビッグデータやライブカメラ等を活用し、観光地の快適度の丁寧な発信や混雑状況の見える化、観光協会と共に作成した京都観光行動基準京都観光モラルの周知と実践の促進、観光がもたらす効果を幅広い市民の皆さんに実感していただける取組と市民生活を調和し、市民の皆様にも観光客にも安心して満足して観光できる環境づくりに努めております。これらの取組を着実に推進し、京都観光の力強い回復を図るとともに、観光先進都市から社会課題解決先進都市・京都として、市民、観光客、観光事業者・従事者、全ての皆さんにとって満足度の向上、地域や社会課題の解決、SDGsの達成にも貢献する持続可能な観光を京都から実現し、ひいては都市の成長戦略につないでまいります。 次に、農福連携についてでございます。山本恵一議員御指摘のとおり、農福連携は障害のある方が農業分野で活躍され、同時に後継者不足に悩む農業の担い手確保につながる大変有意義で有効な取組であると認識しております。この考えの下、本市においては、令和2年度から京都らしい農福連携推進事業を実施しており、新京野菜として本市、大学、農家により共同開発された黄色い唐辛子である京の黄真珠を香辛料として商品化する際の完熟した実の選別作業について、この3年間で11か所の障害福祉施設が受託し、延べ185人の障害のある方が従事されております。また、障害福祉施設への商品開発の支援にも取り組んでおり、完熟していない京の黄真珠の実を活用して水尾の柚子などと調合した京都産の柚子胡椒を開発し、販売するなどの成果も挙げております。今後はこれらの成果を踏まえまして、農福連携の取組の自立化も見据えながら、農業を営む法人等への連携対象の拡大や障害福祉施設への農作業受託の促進を図るなど、農福連携に携わる障害福祉施設の増加や障害のある方の更なる就労支援に取り組んでまいります。あわせまして、幅広い市民の皆様に農福連携の取組を広報することにより、障害のある方への理解を一層深めていただき、誰もが生き生きと暮らせる共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。 以下、副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 坂越副市長。 〔坂越副市長登壇〕 ◎副市長(坂越健一) シェアサイクルの推進についてでございます。シェアサイクルにつきましては、京都市自転車総合計画2025におきまして、環境に優しく快適な移動環境づくりの取組として普及促進を図っていくこととしておりますが、サイクルポートの増加等による利便性の向上や利用者へのルール・マナーの啓発などによる安心・安全の確保が課題となっております。このため、サイクルポートの増加に向けましては利便性の高い場所にある公共施設や道路等の公有地をサイクルポートとして、新たに事業者に有償で貸し出すこととし、更なる拡大に向けて取り組んでまいります。また、シェアサイクルの安全な利用の確保に向けましては、ルール・マナーの周知徹底はもとより、GPSやスマートフォンアプリを利用した安全対策などの取組は有効であることから、こうした取組を積極的に行う事業者と連携協定を締結し、事業者の取組を促進するなど必要な支援を行うこととしております。こうした取組を通じて、市民をはじめとした利用者の皆様にシェアサイクルを安心・安全に御利用いただける環境整備を進めることにより、自転車共生都市・京都の実現を目指してまいります。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に、市政一般について、西村義直議員に発言を許します。西村議員。 〔西村義直議員登壇(拍手)〕 ◆(西村義直議員) 西京区選出の西村義直です。自由民主党京都市会議員団を代表して山本恵一議員に続いてさくらい泰広議員と共に質問させていただきます。門川市長をはじめ理事者には、市民の皆様に分かりやすい答弁をお願いいたします。 まず初めに、民生委員・児童委員の担い手確保についてお尋ねします。私の選挙区である西京区においては、昭和の後期にニュータウンなど開発が進み人口が増加しましたが、近年は減少傾向にあります。特に、洛西支所管内は急速に高齢化が進み、65歳以上の高齢化率は市内で最も高い36.1パーセントとなっております。このように超高齢化社会を迎え、独り暮らしの高齢者が増加するなど家族形態や社会環境が変化する中で、地域の最前線で生活上の相談に応じ、見守り等を行う福祉活動や活力ある地域づくりのため日々地域のために尽力されている方々が、民生委員・児童委員、老人福祉員、市政協力委員、自治会、体育振興会、自主防災会などの皆様方であります。こうした方々による地域コミュニティを支える献身的な活動は、住民の生活になくてはならない掛け替えのないものであります。そうした中、地域住民から推薦され、厚生労働大臣が委嘱する民生委員・児童委員は、全国一斉に3年に一度の改選の時期を迎え、京都市においても、市内各学区で民生委員・児童委員や自治連等の地域の役員の皆様を中心に地域ぐるみで候補者を探され、正に本日12月1日から新任の方もお迎えし、全市で2,707名の方々に就任いただいております。定数2,728名に対する充足率は99.2パーセント。これは全国的にも非常に高い数値とお聞きしております。正に京都の高い地域力の一つの表れでしょう。就任された皆様方の御活躍を心から祈念いたします。現在のところ、京都市の民生委員・児童委員は定数に近い人数を確保できておりますが、全国的には厳しい状況で充足率が80パーセント程度の市町村、中にはそれ以下のところもあると報道されております。民生委員・児童委員の定年は75歳ですが、3年後の改選においては、団塊の世代の多くが75歳を迎えるなど担い手不足の問題は更に深刻化することが予測されています。地域では、ひきこもり、8050問題、子供の貧困など、福祉課題の複雑化・複合化が進んでおり、解決に苦慮するものも少なくありません。加えて、このコロナ禍や物価高騰の中です。課題を抱えたまま、必要な支援につながらず、地域で孤立している孤独・孤立の方の問題の深刻化も懸念されています。地域のつながりの希薄化、対人援助への負担感等も相まって、頼まれてなってみたけど思ったより大変、どう相談に応じるのがよいか分からないといった声もお聴きしています。就任いただいている民生委員・児童委員の皆様に、地域活動にやりがいをしっかりと持ち、安心して継続的に活動いただけるよう、本市においても民生委員・児童委員と市政協力委員や地域において重複する方々などへの十分なサポートや、新たな担い手確保などの検討と対策が必要と考えますが、今後の見通しについて伺います。 次に、市有地における資産活用について伺います。現在、本市の基礎的な課題である若年・子育て層の市外への流出や産業用地・空間の不足にしっかりと対応するため、各地域に必要な都市機能が量と質の面から確保され、開発事業者の創意工夫を最大限引き出しながら、京都市の都市特性を踏まえた持続可能な都市構造の実現が図られるよう従来の枠に捉われず思い切った都市計画の見直し案が示されたところです。この見直し案については先月までパブリックコメントが行われていたところですが、私としては、今回の都市計画の見直しが京都市の未来にとって人と企業を引き付け、魅力と活力に満ちた都市となっていくために、また京都市の成長戦略を推進するうえでも大変重要な取組として期待しております。一方で、京都市には、令和4年8月現在で売却も含めた活用方法の検討を進める市有地が60件、貸付けによる活用方法の検討をする市有地が24件あります。これらの市有地については、長い期間、問合せがあるものの、売却や活用が見い出せないまま手付かずの物件が相当数あると見受けられます。なぜ手付かずの物件として残るのでしょうか。活用したいけれども耐震補強がなされていないことや、購入したとしても大掛かりな補強や改修をしなければならず、購入後にも高い費用が見込まれることなど買い手や借り手にとって既存の建築物の存在がネックになっていると思われます。物件それぞれに個別の事情もあると思われますが、例えば、明らかに資産価値のない建築物は除却し、市有地の魅力を高めたうえで活用を図るなど、民間のニーズを踏まえた取組が必要と考えますが御所見を伺います。 次に、歯科施策の維持についてお伺いします。全身の健康は歯と口の健康から。人生100年時代、京都市民の健康寿命を延ばすためには歯と口の健康はますます重要となっております。口は、食べるだけでなく、話したり、表情を作ったり、生活を支える様々な役割を担っています。一方で、長引くコロナ禍の影響でマスクを着用した生活が続いています。感染対策にマスクは重要ですが、口の動きや表情を伝えることが難しくなることで人と人とのコミュニケーションが低下することに加え、口腔の健康を考えると、口腔環境が変化し、虫歯や歯周病のリスクが高くなるなど口の機能低下につながるのではないかと懸念されています。このような中、国においては、骨太の方針2022の中で生涯を通じた歯科検診、いわゆる国民皆歯科健診が盛り込まれました。歯科については、高校卒業以降に義務的な歯科健診の機会が乏しいことが課題とされております。歯や口の問題で日常生活に支障を来した人の8割が、もっと早く受診すればよかったと後悔している一方で、歯の定期チェックを受けている人は、受けていない人に比べ、毎日の生活に充実感があるという調査結果もあります。歯科健診は、口の健康だけではなく全身の健康につながるものであり、口腔に関する関心もますます高くなっています。歯科における大きな目標となっている80歳においても20本以上の歯を保つ8020を達成するためには、子供の時期から生涯を通じた虫歯予防や歯周病対策が重要であります。京都市では、これまでも京都市口腔保健推進実施計画、歯ッピースマイル京都に基づき、京都府歯科医師会の協力の下、子供から大人まで、ライフステージに応じた様々な口腔保健事業に取り組んできました。とりわけ、子供の虫歯予防対策については、フッ化物歯面塗布事業や学童う歯対策事業などの取組の結果、全国平均に比べ虫歯が少ないなど大きな成果を挙げてきました。令和元年の全国20政令指定都市の虫歯のない中学生の虫歯の割合のデータによると、我が京都市の中学生の虫歯の割合は全国で一番低いとの結果が出ております。これも小学生における学童う歯対策事業の成果の表れであります。一方で、虫歯は依然学童期においてり患率の高い疾患であり、う歯の治療は、初期の段階からの治療も求められてきています。生涯にわたる歯と口の健康のためには、学童期の口腔保健対策が極めて重要であり、学童う歯対策事業については、その重要性をしっかりと認識して、京都府歯科医師会と十分に連携のうえ、再点検をしてもらいたいと思いますが、今後の取組について答弁ください。 また、中年期以降に多い歯周病は、糖尿病を悪化させたり心疾患のリスクを高めたりするなど全身疾患にも関与するものであり、歯周病対策は重要です。さらに、高齢化が進む中で口腔機能の低下は、誤えん性肺炎や低栄養につながり、ひいては全身の機能低下につながることから、オーラルフレイル対策の推進はますます重要となっております。コロナ禍やアフターコロナも見据えつつ、京都市民の歯と口の健康を守るため今後どのように取組を進めていくのか御答弁ください。 続いて、京都市における防犯カメラの設置促進の取組についてお伺いします。京都市では、平成26年と令和3年の2回にわたり、京都府警察との間で世界一安心安全・おもてなしのまち京都市民ぐるみ推進運動に関わる協定を締結し、継続して地域団体・区役所・警察署等の関係機関が連携し、防犯カメラの設置促進補助事業をはじめとして、行政区ごとの地域の特性、課題に応じた様々な取組が展開されてきました。こうした京都の地域力、市民力をいかした取組が功を奏し、京都市内における刑法犯認知件数は、推進運動が開始される前の平成25年の2万1,326件から令和3年には6,969件と、約7割減少するなど大きな成果を挙げています。特に防犯カメラは、設置により犯罪を企てる者に犯罪行為を思いとどまらせることが期待できるなど、高い犯罪抑止効果に加えて、警察の犯罪捜査においても防犯カメラに記録された映像により事件解決に結び付くケースも多くあるなど、市民の安心・安全の確保や安心感の醸成のために非常に有効とされており、例えば未解決となっている昭和43年に東京都府中市で発生した現金3億円強奪事件では、事件現場付近に防犯カメラが設置されていれば犯人の特定につながり、解決していた可能性があると言われています。近年、防犯カメラは、民間レベルで個人・事業者等が設置されるケースも増えましたが、例えば私の地元西京区でも、大原野地区などのようにその地域まで向かう進入路が限られている箇所については、その地点に防犯カメラを設置することで犯罪抑止効果を更に高めることができると考えます。京都市が実施している地域団体向けの設置補助事業でも、引き続きそのような観点を持ちながら、市内全域に、より効果的に設置が進むよう取り組んでいくことが必要であります。 さらに、安心・安全に係る令和4年度の予算を見ますと、前年度に比べて大きく減少しておりますが、地域コミュニティの活性化にもつながる防犯の取組はどのような状況下においても継続、発展させることが肝要であり、地域活動の中心に位置付けられるべきものと考えます。そのためには、事業者からの協力を得ながら、取組を拡大させることが重要ではないでしょうか。10月から募集開始をした京の見守り大作戦では、昨日の時点で12事業者・348台のドライブレコーダーを活用していただいております。取組の強化に向けては、防犯カメラの効果的な設置促進にとどまらず、事業者等の協力も得ながら見せる防犯の取組を拡大させ、地域での見守りの目や防犯カメラの設置場所が分かるマップなどを作成して、効果的につなげる必要があるのではないでしょうか。今後のウィズコロナ・アフターコロナ社会や大阪・関西万博の開催などを踏まえ、市民だけでなく京都を訪れる全ての方の安全の確保や安心感の醸成につなげるために、一人でも多くの市民や事業者の皆様の防犯意識を高め、持続可能な安心・安全の取組を実現していくことが不可欠であると考えますが、市長の見解をお聞かせください。 最後に、地元西京区の道路整備について要望させていただきます。かねてから整備中の中山石見線は、現在、事業に必要な本線部用地は全て確保されていると聞いております。事業効果の早期発現のためにも速やかな事業進捗が望まれるところです。今年の8月には厳しい財政状況においても、竹の里本通から一般府道柚原向日線までの北工区の約230メートルが完成し、暫定供用が開始されました。全線供用を待ち望む地域住民の皆様の思いを受け止めていただき、また大原野地域を含む西京区の振興のため、財政状況の見通しが立てば、着実な事業進捗を図り一日も早い全線供用となるよう要望させていただきます。 以上をもちまして会派を代表しての質問とさせていただきます。御清聴賜りまして誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 西村義直議員の御質問にお答えいたします。 民生委員・児童委員の担い手の確保についてでございます。民生児童委員の皆様には、地域の最前線で住民の方々に寄り添った御活動をいただき、地域に信頼され、安心を与える貴重な存在となっていただいております。日頃の献身的な御活動に改めて心から敬意を表します。この度の3年に一度の民生児童委員の一斉改選におきましては、地域の皆様の御理解と御協力によりまして、本市における充足率は99.2パーセントと政令指定都市20市中トップであります。御就任いただいた皆様に改めて心から感謝申し上げます。一方、西村議員御指摘のとおり、地域のつながりの希薄化や少子化の進展等により、民生児童委員をはじめとする地域の担い手確保は本市にとっても年々厳しくなっております。また、近年は地域住民が直面する生活課題の複合化、複雑化が進む中、さらにコロナ禍により、民生児童委員の皆様が困りごとを抱えた方へのアプローチされる際の困難さや活動そのものへの不安や悩みが増している状況にあると認識いたしております。このため、今回の一斉改選を契機に、地域の状況や民生児童委員活動の実態、他の地域役員との兼務の実情等を的確に把握するため、京都市民生児童委員連盟の皆様と共に検討会を早期に立ち上げ、今後の担い手の確保策等につきましてしっかりと検討してまいります。同時に、民生児童委員活動のノウハウや好事例を蓄積・共有化するとともに困難世帯等への支援について相談に応じる体制を整備し、安定的、継続的に御活動いただけるようサポートの充実にも取り組んでまいります。今後とも地域の身近な相談相手、見守り役である民生児童委員の皆様の御活動をしっかりと支援し、京都が誇る市民力、地域力をいかした地域共生社会の実現に向け全力を尽くしてまいります。 次に、歯と口の健康施策についてでございます。西村議員御指摘のとおり、歯と口の健康づくりは口腔や全身の健康、社会生活の維持につながる重要な取組であり、本市では口腔保健推進計画に基づきライフステージに応じた取組を推進いたしております。虫歯になりやすい学齢期などには、全国に先駆けまして全市立小学校でのフッ化物洗口や2、3歳児のフッ化物歯面塗布の実施等に取り組んでおり、引き続き虫歯予防を中心とした歯と口の健康づくりを推進してまいります。学童う歯対策事業につきましては、昭和36年に乳歯から永久歯に生え変わる最も虫歯になりやすい学齢期の虫歯治療の対策として始まった事業であり、大きな役割を果たしてきています。これからの子供の歯と口の健康づくりは、学齢期以前の幼児期からの取組、そして虫歯治療だけでなしに予防の取組も重要でございます。こうした観点も踏まえまして、学童う歯対策事業につきましては、子ども医療費支給制度の一体化なども含めまして、子どもの医療費全体の観点から再点検を行うとともに京都府歯科医師会と十分に連携し、協議してまいります。また、歯周病が進む成人期には、糖尿病の方への歯科受診勧奨、また、生活習慣病対策と連携した運動の取組も進めております。さらに、口腔機能の低下が懸念される高齢期には、飲み込む力などの検査を取り入れた歯科検診や地域に根差したフレイル対策として、口腔機能とともに運動・栄養・社会参加に総合的に取り組んでいるところであり、その中でオーラルフレイル対策を一層推進してまいります。国において国民皆歯科検診が検討される中、京都市としましても、あらゆる機会を通じて定期的な歯科検診の重要性の周知啓発に努め、市民お一人お一人が生涯にわたって歯と口の健康を保つことで全身の健康増進や健康寿命の延伸につなげ、健康長寿のまち・京都の実現を目指してまいります。 次に、防犯カメラの設置促進の取組でございます。京都市では、平成26年7月に京都府警察と世界一安心安全・おもてなしのまち京都市民ぐるみ推進運動協定を締結しました。そして京都府警、そして何よりも地域の皆様方としっかりと連携し、正に市民総ぐるみで様々な取組を実施してまいりました。中でも地域団体に対する防犯カメラの設置補助につきましては積極的な取組を進めてきて、これまでに市内全域2,300台を超えるカメラの設置につなげてまいりました。防犯カメラは犯罪抑止効果を高めるだけでなしに、近年の警察の犯罪捜査や早期検挙においても非常に有効で、市民の皆さんの安心・安全の確保に重要な手段であることから、令和4年度からは、より効果的な設置が促進され持続可能な事業となるように、補助制度の内容を一部見直して実施しております。また、本年10月から開始した京の見守り大作戦では、民間事業者の御協力を得て、ドライブレコーダー搭載の社用車に防犯標語を記載したステッカーを貼付して走行するなどの取組により、市内における見せる防犯の強化を図ったところでございます。防犯カメラ設置箇所のマップにつきましては、防犯体制上の課題も大きいことから慎重な対応が必要でありますが、引き続き地域の皆様としっかりと連携を図り、子供の見守り活動をはじめ様々な防犯活動を実施し、見せる防犯の取組の拡大に努めてまいります。今後とも安心・安全の取組を継続していくためには、京都の宝である地域力、市民力をいかし、第3次京都市生活安全基本計画に掲げるとおり、個々の犯罪への対策をきめ細かく実施し、誰もが安心・安全に暮らせる京都を目指して取組を進めてまいります。 以下、副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 坂越副市長。 〔坂越副市長登壇〕 ◎副市長(坂越健一) 市有地の有効活用についてでございます。都市の成長戦略の実現のためには、本市資産の有効活用もその重要な役割を担うものであり、若者・子育て世帯の定住促進につながる住宅の誘致や産業用地の創出、企業誘致など全ての世代が暮らし・働きやすい、魅力や活力・にぎわいのあるまちづくりに資する観点に立った活用を進めてまいります。また、活用の検討を進める市有地については、早期の段階からホームページ等を通じて情報を発信するとともに、サウンディング型市場調査や市民等提案制度などの取組を通じて民間事業者へ積極的なアプローチを行っており、これらの取組により住宅や企業の立地が進み、着実に成果が出てきているものと認識しております。 しかしながら、西村議員御指摘のとおり、活用を進める資産については、立地や規模・形状、既存建築物の有無などその状況が様々であることから活用に時間を要するものもございます。御質問の建築物が残存している市有地については、他の多くの自治体と同様に一時的に生じる財政負担を回避し、民間事業者の多様な活用計画にスピード感を持って対応できるよう除却せずに引き渡す場合が多く、その場合には土地価格の鑑定評価において当該建築物の除却等に要する費用を差し引くこととしております。それでもなお、アクセスや接道条件、形状などの課題により活用に至っていない市有地もありますが、個々の資産の課題を踏まえた活用の在り方について不断の検討を重ね、民間事業者との対話を通じ、そのニーズを的確に捉えた資産の活用にしっかりと取り組んでまいります。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に、市政一般について、さくらい泰広議員に発言を許します。さくらい議員。 〔さくらい泰広議員登壇(拍手)〕 ◆(さくらい泰広議員) 左京区より京都市会に送っていただいております自民党のさくらい泰広でございます。先輩の山本恵一議員西村義直議員の後を受け、会派を代表して門川市長に質問させていただきます。 去る7月8日、安倍元総理は奈良市で遊説中にマイクを持ったまま凶弾に倒れ、御逝去されました。そして安倍元総理に対する追悼の演説が、10月25日衆議院本会議場において野田元総理により行われ、いつも街頭に立たれている野田元総理は、政治家の持つマイクは単に声を通す道具ではなく、そのマイクには人々のお暮らしや命が懸かっていると述べられました。大変重い言葉であると私は受け止めています。もちろん、今私の目の前にある皆さんも使われているこの議場のマイクにも、京都市民の皆様のお暮らしや命が懸かっています。このこと自覚し、このマイクを通して申し上げる言葉に責任を持って質問に入らせていただきます。 本市における業務継続計画について質問します。自治体における業務継続計画とは、災害などの事態が発生した際、損害を最小限に抑えながら、限られた職員や施設で業務の早期再開を図るために定める行動計画のことです。自治体自らが被災した場合でも、できる限り業務に支障がないよう業務の執行体制・対応手順・継続に必要となる資源の確保などをあらかじめ定めて、迅速な復旧を目指さなければなりません。ただ、過去の大規模災害の事例を見ても、自治体自身が被災者となった場合、日常の業務を遂行することは容易ではありませんでした。今年度、市民生活の安心・安全を更に向上させるため、市内で最大の地震被害が予測される花折断層地震を含め、約20年ぶりに本市における地震被害想定の見直し作業が行われています。この被害想定の見直しの結果も考慮し、市民の皆様のお暮らしや命、財産を地震から守るため、地震発生時に取り組む本市業務の優先順位や職務代行順位などを定めておくことは必須であると考えます。改めて、本市における地震被害に対する業務継続計画について市長の考えを伺います。 また、令和2年1月30日、本市において初めて新型コロナウイルス感染患者が確認されました。当初は手探り状態のコロナ対策でありましたが、今日まで保健・医療体制の構築、ワクチン接種体制の構築など、市民の皆様の命を守る様々な施策を進める中で、一定、本市としての知見も積み重ねることができたと考えます。今は第8波に入ったと言われていますが、恐らく令和2年から始まった今回のコロナ感染も、いずれは終息に向かうことも予測されます。今こそ、近い将来起こる可能性もある次のパンデミックにも備えた本市の業務継続計画を立てておく必要があると考えますが、その作成について現状はいかがでしょうか。 次に、PTA活動の充実に向けた教育委員会の取組について伺います。私は小学校、中学校のPTA会長、そして小学校PTA連絡協議会の理事を経験しました。当時既に本市のPTAの課題については活動の負担の軽減など色々議論がありましたが、単位PTAごとに工夫をされていた印象が残っています。私自身は、PTA活動を通じて、全ての子供を真ん中に置くことがいかに尊いことか身をもって知ることができました。御承知のとおり、昨年、本市のPTA全体の連絡組織である京都市PTA連絡協議会が、上部団体である日本PTA全国協議会からの脱退を検討していることが報道されましたが、極めて唐突であると感じていました。コロナ禍における子供たちを取り巻く環境は決して楽観できない状況である今日、保護者同士も連携し、各学校での学びを支えることはもとより、必要な改善点があれば、本市PTAと日本PTA全国協議会との間でも議論ができることは大切であると考えています。そうした意味からも、結果脱退しなかったことは極めて賢明な判断でした。各校種の単位PTAの保護者が、負担軽減という課題も共有し、必要な改革に向けて行動を共にすることも大切です。もとより、本市の教育は、地域の子供は地域で育てるという明治の番組小学校創設からの市民の皆様の情熱に支えられました。これからも学校・家庭・地域の揺るぎない信頼関係の下で更なる前進を図れるよう、教育委員会としてPTAに対し持続的で充実した支援を行うべきであると考えますが教育長の見解を求めます。 一方で、今年8月には、京都堀川音楽高校でPTA会費を管理していた前事務長のPTA会費の私的流用が発覚しました。流用の内容も報道され、また、我が会派からも橋村団長が常任委員会で厳しく指摘されましたが、前事務長の行為は言語道断であります。今回問題となった特別会計を既に昨年度廃止したPTAもあり、教育委員会では京都市PTA連絡協議会とも連携し、再発防止のためのPTA会費の執行管理の在り方について新たな指針を示すとのことですが、特に厳格な取組を求めます。現状はいかがでしょうか。 次に、本市における森林政策の推進について伺います。私の地元左京区においては、この夏の集中豪雨により、一乗寺松原町や鹿ケ谷徳善谷町において山林から住宅地や道路に土砂が流出する深刻な被害が相次いで発生しています。現地に赴き地域の方から直接お話を伺いました。本市や京都府の関係部署の現地調査にも左京区選出の石田宗久府会議員共々に同行し、早急な対応を要望したところ、それぞれの現場で府市協調の土砂災害対策をきっちりと進められていると大変心強く思っています。山地災害、土砂災害の原因については気候変動の影響、加えて全国的な問題として森林の手入れが行き届かず、放置人工林が増えて山の保水力が低下していることも一つの要因であると言われています。このような現状を踏まえ、私たち自民党市会議員団は従来の林業振興の枠組みに捉われず、災害防止を含めた森林の公益的、多機能的機能を発揮させるための全庁的な体制の必要性を訴えてきました。その結果、昨年度には木の文化・森林政策監が就任され、6月には、副市長を筆頭として京都市木の文化・森林政策推進本部が設置されました。推進本部において林業低迷、担い手不足、獣害、自然災害、人と森の関わりの希薄化という五つの主要課題を設定し、従来の発想に捉われない手法も含めて問題解決に取組んでおられます。さらに、森林文化センター及び京北森林公園については、公共施設としては一旦廃止のうえ、今後は民間事業者のノウハウを活用し、地域活性化を一層推進するための条例が今市会にも提案されています。私の地元左京区をはじめとする北部山間地域の活性化に資する大変重要な取組と認識し、民間事業者や地域の皆様とも連携し進めることを求めます。京都市木の文化・森林政策推進本部設置から1年半が経過し、一定の成果が挙がっていると評価しますが、今日までの取組を総括し、それを踏まえて、山の防災対策も含め、来年度以降に向けた取組の方向性についてどのように考えているのか見解を求めます。 次に、上下水道事業中期経営プランの取組について質問します。水需要の減少や老朽化した施設の増加、さらには、新型コロナの影響や諸事情により工事費の大幅な増加など、京の水ビジョン策定時には想定していなかった課題が生じ、厳しさを増す経営環境の中で、このほどビジョン後期5か年の新たな実施計画となる令和5年度からの中期経営プランの骨子が議会に報告され、現在パブリックコメントが実施されています。その中でも、市民の皆様にとって大変大きな関心事の一つが災害対策であると考えます。気候変動に起因する台風や大雨により毎年大きな被害が発生し、今年7月の大雨では、京都地方気象台観測史上1位となる88ミリの降雨量を記録し、市内中心部で浸水被害が発生しました。本市の下水道整備は他都市に比べて進んでいますが、今後も大きな被害が発生した場合を想定し、ハード・ソフト両面で水道事業における防災対策を着実に進める必要があると考えますがいかがでしょうか。 さらにもう1点、水道事業の広域化・広域連携については、人口減少による水需要の減少、水道のインフラの老朽化が全国的にも大きな課題となり、国においては、都道府県に対して今年度中の広域計画の策定を求めているところであり、将来に向かって本市においても広域化の検討を進めていく必要があります。ただ、府下の各自治体の規模や置かれている状況が異なる中では、規模の大きな自治体に負担が偏るおそれもあることから、引き続き本市のみが一方的に大きな負担を負うことのないように留意しながら、京都府をはじめとした府下自治体とも連携し、水道事業の広域化・広域連携に府内最大の事業体として役割を果たさなければならないと考えますがいかがでしょうか。 次に、市バス路線・ダイヤの見直しについて質問します。先月の9月市会においては、決算特別委員長として市バス・地下鉄事業の決算審議にも臨みましたが、改めて両事業を取り巻く厳しい状況が浮き彫りになったと感じました。交通局では現下の厳しい状況を踏まえ、令和4年3月に経営ビジョンを改訂し、最終手段として運賃改定も視野に入れなければならない状況ではありましたが、まずは、経費削減と収入増加の両面から経営改善を図ることが重要です。そしてこの間、市バスにおいては路線・ダイヤの見直しを進めてこられました。令和3年3月には、近年インバウンドをはじめとする観光利用の増加を受けて、運行の充実を図ってきた系統を見直し、今年3月には、東山や銀閣寺方面を運行する100号系統などの急行系統の休止、さらには、朝夕のラッシュ時間帯などのダイヤは堅持しながら、主に運行回数が多い系統を対象として御利用状況に応じたダイヤの見直しが実施されました。 また、今年度においては、令和6年春以降のダイヤ改正に向け、10年に1度程度実施している旅客流動調査の結果等を踏まえ、より一層効率的な路線・ダイヤの在り方を検討することとし、有識者会議を立ち上げ、現在、基本方針の策定に向けた様々な議論がなされています。今月には、当該基本方針の策定に向けたパブリックコメントも実施予定であり、方針策定に向けての仕上げの時期となっています。現在の市バス路線は、市内にきめ細やかに張り巡らされ、市民生活に溶け込んだ最も身近な公共交通機関です。さらに、市バスは黒字路線で赤字路線を支える構造ですが、赤字といえども市民にとっては貴重な移動手段です。そのため厳しい経営状況にあっても、利便性の水準を極力保ち、引き続き御利用いただく視点も忘れてはなりません。また、11月は紅葉のシーズンでもありましたが、観光客については、国の水際対策の緩和による外国人観光客の増加をはじめ、今後更に増加することが見込まれています。 その一方で、観光客が増えることで思い出すのがコロナ前の混雑していた状況です。オーバーツーリズムと言われ、観光地の混雑や道路の混雑、市バスでは満員でバスに乗れない状況もありました。経営改善のため、観光客の回復により市バスの利用増も期待したいところですが、当時のような状況に戻るのではとも思えてしまいます。よって、今後路線・ダイヤを見直すに当たっては、便利で快適に利用できる市バスを目指すことも必要です。そこでお伺いします。市バスは、市民生活に欠かすことのできない移動手段であり、都市の成長戦略を実現する上でなくてはならない交通基盤です。コロナ禍で厳しい経営状況に直面し、非常に難しいかじ取りが求められる中、市民の足である市バス路線・ダイヤをどのようにして守り抜くのか、今後の市バス路線・ダイヤの見直しに係る考え方や方向性についての見解を求めます。 最後に、地元の要望をさせていただきます。国による国立京都国際会館の整備事業については、2,500人規模のホールを増築し、5,000人規模のホールの建設がいよいよ令和5年度から始まります。この事業については、昨年10月の衆議院総選挙を区切りとされて御勇退された我が自民党の良心ともいうべき元衆議院議長の伊吹文明先生が長年お取り組みいただき、その跡を継がれた勝目やすし代議士が予算化に向けて大変御尽力をいただきました。そして地下鉄国際会館の駅前の整備については、私の地元の岩倉北学区、明徳学区、岩倉南学区の自治会の皆様が本市に対して御要望を継続されています。今後ホールが増築されることを契機に、地下鉄国際会館駅は世界からも注目を集める公共交通の拠点となります。地元から要望されている一般車両の駐車場の整備、地上階の公衆トイレの設置、そして駅地上階からのホールへのアクセスの向上、この3点について改めて要望させていただき質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) さくらい泰広議員の御質問にお答えします。 災害やパンデミックに備えた業務継続計画についてでございます。市民の皆様の命と暮らしを守るため、業務継続計画の策定は、さくらい議員御指摘のとおり大変重要であります。本市では東日本大震災を踏まえまして、被害が最大となる花折断層を震源とする地震を想定し、業務継続計画を策定しております。具体的には、発災直後の混乱期間も含め非常時に優先して着手すべき業務を洗い出し、多数の職員が不在となった場合の決定権の委譲など非常時の対応策を定め発災により低下する業務レベルを速やかに回復させることといたしております。また、ハード面でも、市民の皆様の暮らしに直結する行政機能を担う市庁舎について、地震の衝撃を吸収する免震構造を導入し、危機管理センターを設置するなど防災拠点としての機能を強化いたしております。これらの備えは今般のコロナ禍においても有効に機能し、業務継続計画等を参考にして速やかに全局区等で計画を立て、感染の規模に応じて柔軟に対応してまいりました。この結果、保健所業務への全庁的な応援体制の構築をはじめ市民生活に直結する区役所、ごみ収集や市バス・地下鉄の運行などへの影響を最小限にし、的確に対応できたと考えております。現在取り組んでいる新たな地震被害想定やコロナ禍に対峙してきた知見も踏まえまして、レジリエント・シティ京都としていかなる災害や危機事象におきましてもしっかりと業務を継続し、市民の皆様の命と暮らしを守るための取組を評価してまいります。 次に、森林政策の推進についてでございます。大都市でも屈指の森林面積を誇る本市におきましては、昨年6月、木の文化・森林政策推進本部を立ち上げ、林業の成長産業化や脱炭素社会の実現等に向け、オール市役所で積極果敢に取組を進めております。これにより、例えば小中一貫校整備事業での市内産木材の大胆な活用を可能とする仕組みの構築や民間企業等と北山杉の利用促進協定の締結、木造・木質化の総合相談窓口の設置など今後の森林政策を推進するための土台がしっかりと築けたものと考えております。今後の取組につきましては、本年10月に創設しました川上・川中・川下の幅広い関係団体等19団体が参画する京都市ウッド・チェンジアクション推進会議を軸にしまして、市内産木材の利用拡大や都市の木造・木質化など、公民一体となって森林政策の根幹である林業振興を都市の成長戦略の一つとして強力に推進してまいります。 また、産地災害対策につきましては、緊急を要する案件につきましては、治山や砂防を担う京都府等ともしっかりと連携し、迅速に対処するとともに、森林経営管理制度に基づきまして、手入れされてない人工林を計画的かつ着実に整備し、災害に強い森林へと転換してまいります。京都の森林を守り、未来に引き継ぐことは、市民生活の安心・安全と豊かさに直結するものとの認識の下、市民、民間事業者の皆様と手を携えまして緩むことなく全力で取り組む決意でございます。 次に、市バス路線・ダイヤの見直しについてでございます。京都市ではこれまで通勤・通学、さらには観光利用の追い風もあり、全国的にバス路線がどんどん縮小する中でも、系統数や走行距離を伸ばし、路線・ダイヤの充実により市民の皆様の暮らしと多様な社会経済活動を支えてまいりました。しかし、新型コロナの影響でお客様数は大きく減少し、運賃収入は2年間で約109億円の減収、2年連続で大幅な赤字となっております。このためこの間、二度のダイヤ改正では、御利用に応じた路線・ダイヤへの見直しを行ったところでございます。こうした中、持続可能な市バス路線・ダイヤ編成とするため、令和6年春にダイヤ改正を実施することとしており、現在、次の三つの基本的な考え方を基に、検討委員会で議論いただいております。一つ目は、長期にわたり多くのお客様の御利用に支えられている現在の市バス路線ネットワークについては、効率化を図りながら維持・継承すること、二つ目は、観光利用の回復に応じ、混雑の緩和を図るため増便と合わせて地下鉄をはじめとする鉄道と組み合わせたルートへの分散誘導を進め、市民生活と観光の調和を図ること、三つ目は、移住・定住や企業誘致など都市の魅力や活力を高める都市の成長戦略を力強く支えることの3点でございます。市バス、地下鉄のネットワークを将来にわたり維持、継承していくためには、市民の皆様の御理解、御協力が極めて大切であります。引き続き市民の皆様の御協力の下、人と公共交通優先の歩くまち・京都を推進してまいります。 以下、副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕
    ◎副市長(吉田良比呂) 上下水道事業中期経営プランの取組についてでございます。災害対策は京の水ビジョンの重要課題の一つに掲げており、自然災害が頻発・激甚化する中、次期プランにおいても雨水幹線の整備などによる浸水対策をはじめ防災・減災の取組を着実に推進してまいります。このうち水道事業では、災害発生時に広範囲に影響を及ぼす口径の大きい配水管の更新割合を増加させるなど、これまで以上に優先度を考慮して管路・施設の改築更新・耐震化を推進するとともに、災害時に給水活動を迅速に行うため、他都市や民間事業者と連携した訓練の実施や仮設給水槽等の防災装備の更なる充実を図るなど、より一層実効性の高い災害対策に取り組んでまいります。 また、水道事業の広域化・広域連携については、府内最大の事業者としての役割をしっかりと果たし、これまで進めてきた本市施設を活用した共同研修などの取組に加えて、応急復旧に用いる資器材の相互融通など実現可能な広域連携の取組を進めるとともに、今後も京都府や周辺自治体と協力しながら、それぞれにメリットがあるように長期的な視点、かつ幅広い視野で広域化の取組を検討してまいります。上下水道事業は今後も厳しい経営環境が見込まれますが、市民の皆様からの御意見も踏まえた新たなプランを策定し、着実に推進することで重要なライフラインである水道・下水道を未来に継承・発展させてまいります。 以上でございます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) PTA活動の充実についてでございます。本市のPTAでは、長年学校と子供たちに関わる課題を共有し、行動を共にする中、学校と子供の最大の応援団として子供たちの健やかな育ちに向け、教育活動の充実に御支援いただいてまいりました。しかしながら、核家族化や共働き家庭の増加が進む中、PTA活動の趣旨を大切にした持続可能な取組に向け、不断の見直しが求められていると認識しております。こうした中、現在、京都市PTA連絡協議会においては、さくらい泰広議員御指摘のとおり、単位PTAとも課題を共有し、誰もが負担感なく主体的に参加できる今日的なPTAの創造に向け取り組まれており、教育委員会としてもPTAの主体的な取組を尊重しつつ必要な支援を行ってまいります。 次に、高校事務長によるPTA会費の私的流用の件につきましては、本市教育に対する市民の皆様の信頼を大きく損なうものであり、改めておわび申し上げます。この間、京都市PTA連絡協議会と連携して、PTA会費の管理状況に係る全市調査を実施し、その結果を踏まえ、適切な会費管理の在り方や監査の実施に係る留意点等をまとめたPTA会計管理に係るガイドラインを検討しており、来年1月をめどにPTAと共に策定してまいります。本市PTAは時代が変遷する中にあっても、常に子供たちのために行動するPTAとして先進的な取組を進めてこられたところであり、今後とも京都ならではのPTA活動の充実に向けて京都市PTA連絡協議会と共に取り組んでまいります。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に、市政一般について、とがし豊議員に発言を許します。とがし議員。 〔とがし豊議員登壇(拍手)〕 ◆(とがし豊議員) 左京区選出のとがし豊です。日本共産党京都市会議員団を代表して質問します。 ただでさえ厳しい市民生活にコロナと物価高が追打ちを掛けています。ところが、市長が今年度から実施したことは何だったでしょうか。学童利用料が1億6,000万円も値上げされました。民間保育園の保育士・調理師さんたちへの人件費補助金が13億円も減らされました。昇給が止まり、ボーナスカットなどした保育園もあり、このままでは続けられないと悲鳴が上がっています。敬老乗車証の負担金は2倍に値上げされ、僅かな年金からではとても払えないと、多くの高齢者から生活の足を奪っています。高齢者に外出を促し、介護予防と豊かな生活を保障することで敬老の精神を発揮し、そのうえ500億円もの経済効果のある敬老乗車証制度の根幹が壊されようとしています。低所得の高齢者のインフルエンザワクチンも1,500円に値上げ。小中学生遠距離通学費補助金を135万円削るということまでされました。全て合わせると53億円にもなります。市長はその言い訳として、毎年500億円の財源不足、10年以内に財政破綻と大宣伝されてきました。ところが、その初年度の決算は、何と実質的な単年度収支が102億円の黒字に。3年後にゼロになると言われていた公債償還基金という貯金は減るどころか大幅に増え、その残高の見通しは、2025年度末の必達目標を466億円上回る1,466億円確保とのことです。毎年500億円の財源不足という行財政改革計画の前提は崩れており、民間保育園の補助金削減、敬老乗車証の値上げなど、今年度から実施された53億円の負担増は撤回すべきです。いかがですか。 市長がやったことは改革でも何でもありません。箱物建設・大型開発事業は温存しながら、市民生活を切り捨て、京都市に住み続けられなくなる。一層の人口流出につながるのではありませんか。5年先、10年先を考えても京都市の財政悪化をもたらす悪循環そのものです。今、公共が行うべき仕事は何でしょうか。緊急の課題となっている物価高騰対策をめぐり、奈良市では水道の基本料金を2か月無料にし、3学期の小中学校の給食費を無料に。宇治田原町では2学期の給食費が無料に。大山崎町では給食費を2か月無料にしています。高齢者のインフルエンザワクチンを無料にしたところもあります。市長が提案された補正予算案で事業者支援は盛り込まれましたが、市民への直接の負担軽減は見送られました。京都市においても、物価高騰対策として市民の負担軽減策に踏み込むべきではありませんか。今こそ1兆589億円もの財政規模がある京都市が、公共の力をいかし、市民・事業者の暮らしと営業を支え、温め、豊かにすることで地域を活性化し、その結果として税収も増えるという好循環を作り出すべきではありませんか。市長の基本的認識を伺います。いかがですか。 市長は、社会的課題の解決は税金で、公務員が、行政が行う時代は終わったとおっしゃいますが、その認識を改めるべきです。今こそ、京都市が公共の力を発揮して解決すべき社会的課題として三つの提案を行います。第1に、市民の命と暮らし、地域経済の土台となる保健所・公衆衛生体制の確立です。市長はこれまでのコロナ対応について、市内1か所に保健所が集約化されて効率的に対応できたとおっしゃいますが、市民の実感とはほど遠いものです。また、9月26日から全数把握がやめられた下で、京都市では医療機関で新型コロナと診断された64歳以下の方の健康観察さえも自己責任となっています。和歌山県では、医療機関でコロナと診断された64歳以下の方もフォローアップセンターへの登録を認め、My HER-SYSを使った健康観察を可能にし、自宅療養者の急変に備えています。京都市でもできないものでしょうか。第7波では入院が必要とされながらも入院が許されず、介護施設でお亡くなりになる方が後を絶たない状況でした。その病床不足の背景となった国の病床削減方針を撤回させるとともに、臨時的医療施設と位置付けられた入院待機ステーションが十分稼働できるスタッフ体制と受入基準の見直しが必要です。市長、今の体制がうまくいっているという認識を改めるべきと考えますがいかがですか。第8波への緊急の対策として、第7波以上の規模を想定した保健所・フォローアップセンターの体制と病床の確保を求めます。病院でコロナと診断された64歳以下の方についてフォローアップセンターへの登録を認め、マイハーシスの仕組みも利用し、支援を受けやすくすることを求めます。国に病床削減方針の撤回を迫り、行政区に保健所を戻し、地域の医療機関や住民と密着した公衆衛生体制を確立すべきです。いかがですか。まずは、ここまでの答弁を求めます。 ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) とがし豊議員の御質問にお答えします。 行財政改革計画についてでございます。この改革の趣旨は、将来世代に過度な負担を負わさないよう、また京都ならではの高い水準の福祉、教育、子育て支援など、施策の理念を守りながら持続可能なものになるように再構築するものであります。そのため職員数の削減など幅広い改革に取り組み、また国のコロナ禍における特別措置もあり、令和3年度決算、4年度予算では、計画を447億円上回る改善を達成、公債償還基金の枯渇の危機は回避しました。しかし、令和3年度は85億円の赤字、また公債償還基金の計画外の取崩しは累計505億円に上り、今後の社会福祉経費の増加などもあり、本市の財政状況は依然として厳しく楽観視はできません。将来にわたって支援や配慮が必要な方々へのセーフティネットを維持し、魅力ある京都を未来にしっかりと引き継ぐための改革であります。市民の皆様に丁寧に説明しながら覚悟をもって改革を進めてまいります。 次に、新型コロナ対策についてでございます。京都市では第7波の2倍以上、1週間に5万人の感染者にも対応できるよう保健所やフォローアップセンター等の体制確保、府と連携した1,013床の病床確保、194の往診医療機関の確保など自宅や施設入所者の療養支援の強化などに取り組み、第8波に万全を期しております。医療機関で重症化リスクが低いとされた方には、症状悪化時の連絡先等を記した京都市からの重要なお知らせを配布しており、さらに登録制度も府と連携し近く実施いたします。保健所をめぐる体制は、地域において保健・医療・福祉を総合的にきめ細かく支援するために各区役所、支所に健康福祉部と子どもはぐくみ室を擁した保健福祉センターを設置しており、保健師の配置も含めて体制を充実させております。一方、コロナ禍のような全市的な危機事案には、全市的に明確な指揮命令の下、一貫した対応ができる現在の体制が最善であります。なお、病床に係る国の方針は今後の動向を注視してまいります。以上でございます。 以下、副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 坂越副市長。 〔坂越副市長登壇〕 ◎副市長(坂越健一) 物価高騰対策についてでございます。全国的に食料品やエネルギー等の価格高騰による負担が増す中、京都の市民生活や経済にも深刻な影響が出ております。本市においては、国の第2次補正予算の成立に先立って現時点で増収が見込まれる市税収入9億円も活用し、簡素な手続で迅速な支援ができる中小企業等への支援金21億円も含めた補正予算を本市会で提案しております。今後も国・府とも連携のうえ、生活者・事業者の支援に取り組み、暮らしとなりわいを守り抜いてまいります。なお、料金の一律の無料化はお困りでない方も対象となり、真に支援を必要とする方に支援を行うという観点から、本市においては行う考えはありません。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) とがし豊議員の一般質問の途中ですが、暫時休憩いたします。 〔午前11時41分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(田中明秀) 休憩前に引き続き、会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 休憩前の一般質問を継続し、とがし豊議員に発言の継続を許します。とがし議員。 〔とがし豊議員登壇(拍手)〕 ◆(とがし豊議員) 午前中に続き質問します。 市長は、午前中の答弁で財政が厳しいと言われましたが、税金の使い方こそ問われています。箱物建設・大型開発事業は温存しながら、市民生活を切り捨てる行財政改革計画の撤回を強く求めます。 京都市が公共の力を発揮して解決すべき社会的課題の第2は、市民の暮らしの再建です。とりわけ、物価高に見合った賃上げや負担軽減のために国も京都市もあらゆる手を尽くすべきです。日本共産党は、アベノミクスで150兆円も膨らんだ大企業の内部留保への課税を財源として、中小企業に5年で10兆円規模の支援を行うことと一体に、最低賃金1,500円、手取りで月20万円以上を実現しようと提案しています。京都市にもできることがあります。お金を掛けずすぐできるのが、公契約基本条例に賃金条項を盛り込み、京都で働く人々の賃金を底上げすることです。京都市は設計労務単価などに基づき公共事業や公共サービスを発注しておりますが、そのとおりに賃金が支払われているかの把握ができず、実際にはより低い賃金になっています。川崎市、相模原市など全国27都市では、公契約条例に賃金条項を盛り込むことで業界全体の賃金の底上げにつなげる取組を進めており、京都市もこれらの経験に学び実施すべきです。公共の現場で働く民間労働者の賃上げを実現し、国にも公契約法制定を迫るべきです。あわせて、会計年度任用職員の賃上げも求めますがいかがですか。 また、学費の支払いや奨学金返済の負担を軽くすることが大事です。大学のまちにふさわしく、京都市独自の返さなくていい奨学金制度を作り、専門学校生・大学生・院生などを支援すべきです。さらに、現在行われている京都府の就労・奨学金返済一体型支援事業に京都市が上乗せして企業負担・本人返済分を更に軽減し、年限の延長を図ることを提案します。これは新規採用者を確保したい京都の企業にとっても、京都に住み続けたい若者にとっても喜ばれる制度となること間違いありません。厳しい物価高騰という事態を受け踏み込んだ答弁を求めます。 第3に、不要不急の大型開発事業をやめ、子育てや生活密着の公共事業を行うことです。北陸新幹線延伸よりも、子育て・福祉・公園整備など、住みたいと思えるまちづくりに税金を使うべきです。堀川バイパストンネル・国道1号線・9号線バイパスなどの大型道路計画は、脱クルマ・気候危機対策にも逆行するものであり撤回を求めます。いかがですか。 (パネルを示す)公共の力の発揮が強く求められている事業として、小学校のような温かい全員制の中学校給食の実施を提案します。全ての中学生に、できたて・栄養満点の給食を提供し、健やかな成長を保障すべきです。パネルにもあるとおり、20の政令市のうち17市で実施、若しくは予定されており、京都市の遅れは明らかです。子育て世帯に京都市に住んでいただくうえでも重要です。中学校給食を実施するためには、64校に調理室を新設・増設しなければなりません。すぐに工事を実施できるところ、用地買収も含めて地元の理解が必要なところ、小学校の給食調理室を増設して、そこから中学校に運ぶところなど創意工夫が求められます。5から6年掛けて全ての学校に広げていくという我が党の提案は合理的ではないでしょうか。教育委員会の試算では、総事業費169億円のうち17億円は国の負担です。しかも、地元の工務店が調理室建設の元請けができ、その建設に使った税金が京都の地域経済を温めます。是非実施すべきではありませんか。いかがですか。 (パネルを示す)次に、子供たちの教育についてお聞きします。10月27日に文部科学省が発表した資料によると、全国で30日以上不登校だった児童生徒が約24万人と過去最多。そのうち京都市は2,022人でした。パネルにあるように、この10年で急増し、小学校で4.9倍、中学校で1.6倍に増えています。30日に満たない不登校や保健室・別室登校、校門で引き返した子供などを含めれば、京都では更に数千人が行き渋り・不登校状態にあるのではないでしょうか。子供が学校に合わないなどという言い訳はもはや通用するレベルでなく、学校の在り方がどんどん子供たちと合わなくなってきているのではありませんか。不登校の子供たちの居場所の確保と共に、学校教育の在り方を根本から見直すべきときが来ています。(パネルを示す)京都の不登校の児童・生徒の保護者や支援団体で作る京都の不登校を考える会の皆さんが緊急アンケートを実施されました。御覧ください。これは、不登校児童生徒の保護者に複数回答で、現在行き渋り・不登校の児童生徒がどういうきっかけで登校できなくなったかをお答えいただいたものです。「先生のこと」5割、「友達のこと」35パーセント、「学校の環境、制度が合わない」4割、「勉強のこと」「嫌い・苦手な活動」「学校に行く意味がわからない」3割など、学校にまつわることが大きな割合を占めています。「学校に行こうとしたらおなかが痛くなる」という回答も大きな割合を占めていますが、本人は学校に行きたいと思っていても、体が拒否するという深刻なものです。こうした子供たちのSOSに応え、人の確保も含め、学校が子供たちの多様な在り方を受け止め、柔軟に対応できる場所になる、これがアンケートに答えた保護者、子供たちの切なる願いです。そして、このことは全ての子供たちにとっても、もっと行きたいと思える学校づくりにつながります。 神戸市教育委員会では、各校長が出席扱いとして認定しているフリースクールや居場所提供を行う民間施設との定期懇談会を開いています。また、昨年、不登校支援検討委員会を設置し、不登校当事者・保護者・関係者の意見を直接聴取する機会も設けられています。東京都練馬区は、安心な学校づくり、不登校児童生徒への支援等を検討するための実態調査を行いました。愛知県岡崎市では、全ての中学校に校内フリースクール設置方針を掲げ、子供たちが学校に合わせるのではなく、学校が子供たちに合わせるという教育実践が始められています。京都市においても、学校に子供たちを合わせるのではなく、子供たちに合った学校を作ろう、全ての子供に等しく教育を保障する学校を作ろう、そういう理念を教育委員会も学校も共有していただきたいと考えますがいかがですか。そのためにも、不登校・行き渋りの子供たちも含めた実態調査をし、教育委員会がその理由を様々な角度から把握していただきたい。調査を踏まえ、構造的な課題をつかみ、子供たちが行きたいと思える学校づくりに取り組んでいただきたい。いかがですか。 (パネルを示す)保護者や子供たちはどんなことを求めているでしょうか。子供に合わせた学校制度に改善してほしい、学校以外の居場所の情報を提供してほしい、学校の中にも外にももっと居場所を作ってほしい、経済的な支援や保護者へのサポートも切実な願いです。各学校では保健室登校などで居場所を確保していると言いますが、コロナや健康診断、養護の先生の出張などあれば、たちまち居場所を失います。岡崎市は、中学校に校内フリースクールを設置するに当たって、独自加配の教員を置いて安定した体制を築いておられます。是非、京都市でも検討していただきたい。全ての学校で専門の教職員・スタッフを配置した常設の居場所を作ること。公営のフリースクールとも言うべきふれあいの杜の各教室の在り方を柔軟に運用し、低学年も含めて利用できるようにすること。各校長が出席認定している民間施設の存在について情報を共有し、不登校で悩む親や子供たちに紹介すること。保護者への民間施設利用支援制度を作って学校外の居場所も増やし充実させていただきたい。いかがですか。 次に、新景観政策についてお聞きします。現在進められている京都市各地での高さ規制・容積率・用途地域の大規模な緩和の動きは、新景観政策の骨格を壊すものにほかなりません。既に保存・再生と位置付けられている北部でさえも、新景観政策を破壊する動きが進んでいます。北山エリアは、第二種中高層住居専用地域という用途制限において禁止されているホテルやアリーナ建設などを京都府と結託して推進し、規制緩和で特別扱いしようとしています。相国寺の北側でも、禁止されているはずのホテル建設を認めようとしています。仁和寺門前もしかりです。一般市民には、高さや容積率、用途制限など厳しいルールを守らせることで美しく落ち着いた町並みを作っておきながら、開発資本には例外を認め、その良好な町並みにただ乗りさせるという乱暴なことはやめるべきです。北山エリア開発や相国寺北側、仁和寺門前などに見られるような開発資本への特別扱いや市内各地での高さ規制・容積率・用途地域の緩和などは新景観政策の骨格を壊すものであり、その撤回を求めます。 次に、下鴨神社をはじめとする世界文化遺産・古都京都の文化財包括的保存管理計画の策定についてお聞きします。2017年2月、私は、住民の皆さんと一緒に世界遺産・下鴨神社の境内へのマンション・大型倉庫の建設中止を求めて、パリ・ユネスコ本部にある世界遺産センターと直談判をさせていただきました。その後文化庁とも交渉し、そのかいあって、ようやく京都市・京都府・宇治市・大津市が共同して世界文化遺産・古都京都の文化財包括的保存管理計画の策定に踏み出しました。2012年11月の世界遺産条約採択40周年記念最終会合で採択された京都ビジョンでは、コミュニティの関心と要望は、遺産の保存と管理に向けた努力の中心に据えられなくてはならないと規定されています。さらに、戦争や都市圧力からいかに世界遺産を守るかが議論された2017年の第41回世界遺産委員会では、議論の末、市民社会がどのようにして文化遺産の保存に一層貢献できるか、可能性を引き続き探求することを奨励と明記しました。したがって、古都京都の文化財包括的保存管理計画については、市民参加での検討の場を設けること。世界遺産保護条例を制定し、市民社会が包括的保存管理計画の実施状況をチェックできるように規定することを求めます。いかがですか。 最後に、地元の問題について3点述べさせていただきます。 一つ目は、左京区東部の防災対策についてです。7月・8月の集中豪雨で、一乗寺・北白川・鹿ケ谷では土砂災害が、銀閣寺界隈では一部住戸の下水の逆流が起こりました。白川沿いでは、この2年間で三度目の床上浸水となった方もあり、本当に心が折れそうな状況です。昨年には、南禅寺界わいでの浸水被害もあり、左京区の東部エリア一帯の治山・治水対策を総合的に進める必要があります。何といっても大量に降った雨をできるだけ山に染み込ませ、土砂が流出しないよう、えん堤の設置のみならず下草を再生させる取組・対策が必要です。2018年の台風被害による倒木を処理し、鉄砲水の発生を防ぐ必要があります。流出した水の排水路の確保も急がれます。山の手入れも含め、左京区東部一帯の総合的な防災対策の推進を求めますがいかがですか。 二つ目は、松ケ崎学区の松賀茂児童公園についてです。松賀茂公園は造られてから60年となりますが、いまだに東側6割以上が未整備のままです。子供からお年寄りまで幅広く意見をお聞きしますと、手狭なので、複数の年齢層の子供たちが遊べるように広くしてほしい、新しい遊具が欲しい、今ある緑をうまく利用して落ち着ける空間も、との声が寄せられています。京都市自身が2018年に立てた京の公園魅力向上指針に基づき、各地の公園の改修を進め、この松賀茂公園も老朽化修繕と一体に整備・拡張するべきです。京都市は、災害時に公園の隣にあるノートルダム女子大学が緊急避難場所に指定されていることをもって代替機能があるから廃止すると言いますが、大学の敷地の中に子供たちが自由に出入りできるわけがなく、公園の代わりにはなりません。公園用地としての廃止と売却を正当化するなど許されません。廃止方針の撤回を求めますがいかがですか。 三つ目は、新洞小学校の跡地についての要望です。新洞小学校は、1869年(明治2年)7月11日に上京第33番組小学校として創立されました。地域の皆さんが資金や土地を出し合って造ったものです。名義は京都市であっても、地域の皆さんが地域の子供たちのために、教育のためにという思いで捻出された事実は153年たった今も大変重いものです。閉校した今も地域の皆さんに活発に活用され、大切な場所となっています。こうした歴史的経緯を十分踏まえた対応を要望して終わります。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 坂越副市長。 〔坂越副市長登壇〕 ◎副市長(坂越健一) 私から3点お答えいたします。 まず、公共事業についてでございます。公共事業は、河川氾濫や土砂災害の防止、緊急輸送道路の整備、老朽化した橋りょうの改修など市民生活の安心・安全を守り、経済活動を支え、豊かさの向上につながるとともに、景気の下支え、雇用の創出にも資するものであり、将来世代に過度な負担を残さないよう規律を持って進めてまいります。北陸新幹線については、地方負担の極小化を国に求めております。鉄道や道路の整備は、空港や港を持たない本市において広域的な人流や物流という点に加え、防災・減災、国土強じん化の点においても不可欠なものであります。これまで守り続けてきた本市ならではの福祉、教育、子育て支援などの施策については、持続可能なものとなるよう再構築し、将来にわたって全ての世代が暮らしやすいまちづくりを進めてまいります。 続きまして、新景観政策についてでございます。平成19年からの新景観政策は、平成18年の審議会答申にあるとおり、硬直化することなく刷新を続ける必要があるとの考え方の下、導入されたものです。また、新景観政策では、当初より高度地区の高さ規制を一律に引き下げると同時に、市民生活の向上や円滑な都市活動を図るため、地区計画や特例許可という地域ごとの実情に応じたきめ細やかな高さ規制の仕組みを設けております。今般の地域を見極め、誘導すべき都市機能を明示した都市計画の見直しや個別プロジェクトに関する特例許可等は、いずれもただ今申し上げた新景観政策の考え方に沿って、景観の守るべき骨格は堅持したうえで進めているところであります。また、見直しや許可に当たっては、有識者で構成する審議会での審議を経ることなどにより、景観にも配慮したうえで公正性・客観性を確保しているところであります。 続きまして、松賀茂公園の未整備部分の整備についてでございます。松賀茂公園の周辺状況につきましては、公園が一定整備されていることに加えまして、平成25年度の都市計画審議会においても公園の機能を代替する施設が充足していると整理されております。一方、松賀茂地区を含め本市はこの20年間で少子高齢化が進展しており、地域の活性化、コミュニティの維持が課題であると考えております。このため松賀茂公園予定地については20年以上の長期にわたり空き地となっており、地域にとって有効に活用されてこなかったことから、早期に利活用を検討し、地域の発展、活性化につなげていくことが重要であり、今後都市計画の手続を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 三科危機管理監。 〔三科危機管理監登壇〕 ◎危機管理監(三科卓巳) 左京区の総合防災対策についてでございます。本市では、ハード面の整備等事前の備えから発災後まで、あらゆる事態を想定した対策に全庁横断的な体制で臨むとともに、前例のない避難情報の早期発令など徹底した人命優先の取組を行っております。観測史上最大の時間雨量を記録した本年7月の大雨などにより発生した左京区東部での土砂流出等に対しましても、速やかに道路の土砂撤去、河川のしゅんせつを行ったほか、京都府と連携し土砂流出防止の緊急対策を講じており、引き続き、府市の関係部署で構成する左京区内における土砂流出に関する調整会議により対策を進めてまいります。今後とも、激甚化する災害から市民の皆様の命と暮らしを守る取組に全力を傾注してまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 山中文化芸術政策監。 〔山中文化芸術政策監登壇〕 ◎文化芸術政策監(山中博昭) 世界遺産包括的保存管理計画についてでございます。本計画は、ユネスコから平成17年以降、世界遺産の推薦に際して保全管理の仕組みを明示、提出することが求められているものです。古都京都の文化財は、平成6年登録のため義務付けられていませんが、本市では文化財は文化財保護法で、周辺バッファゾーンは本市都市計画制限等により保全に万全を期しており、これについて十分にユネスコに示し、理解を深めるため今年度中の策定を目指しております。本計画は、既存の制度等の解説を主とする専門的・技術的なものですが、ユネスコに提出するとともに分かりやすい概要版をホームページで公開し、計画の実施状況も市民の皆様に明らかにする等、適切に対応することとしており、条例の制定は考えておりません。 ○議長(田中明秀) 金山財政担当局長。 〔金山財政担当局長登壇〕 ◎財政担当局長(金山昌幸) 公共の現場で働く労働者の賃上げについてでございます。公契約に関わる法律の制定につきましては、国において適切に判断されるべきものと考えておりますが、本市の公契約基本条例に賃金条項を盛り込むか否かにつきましては、多くの団体等から意見を聴取した結果、賛否両論があったこと、賃金は労使間の契約により定められるべきものであり、必要な規制は法律に基づくことが基本であることなどを総合的に勘案したうえで導入しなかったものであり、現在も同様の認識です。 また、会計年度任用職員の賃金については、常勤職員との均衡等を考慮した適切なものとなっておりますが、引き続き、地方公務員法の趣旨やその職務職責に応じた勤務条件であるよう所要の点検・検討を行ってまいります。 ○議長(田中明秀) 下間総合企画局長。 〔下間総合企画局長登壇〕 ◎総合企画局長(下間健之) 学生支援についてでございます。家庭の経済状況にかかわらず学生さんが安心して学ぶ環境を確保することは大切であり、この間、国や京都府と連携・補完しながら様々な取組を進めております。今般の物価高騰の影響を受け、本市においては学生さんの支援のため、本年6月に約1億円の補正予算を計上し、各大学が実施する奨学金の充実等に係る取組を応援するとともに、国や京都府の事業と合わせた一体的な支援を行っております。また、本市と京都府、労働者団体、経済団体の協議に基づき創設された就労・奨学金返済一体型支援制度については、支給要件の拡充や積極的な周知など更なる活用促進に努めております。今後も関係機関と連携し、学生さんの支援に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) まず、中学校給食についてであります。学校給食の実施形態は各都市の実情に応じて決定されるものでありますが、本市では学識経験者、PTA、学校関係者等が議論を尽くし、全ての家庭を対象に誰もが自由に選択できる学校給食を実施し、定着しております。こうした中、小学校のような給食の実施には施設整備等に少なくとも170億円、さらに毎年12億円程度の運営費を要することや自由選択制の中で家庭からの弁当持参を望む保護者・生徒もあることから、子供たちの学びと育ちのために他に優先する課題も多い中、実施は困難です。引き続き現行制度の充実と食育の推進に努めてまいります。 次に、不登校対策と行き渋りへの対応についてでございます。本市では、平成15年度にこども相談センターパトナを開設し、全国でも例を見ないカウンセラー50名以上の配置により平日夜間や土日も相談受付を行うとともに、全国に12校しかない公立の不登校特例校2校を設置するなど先進的な取組を進めてまいりました。また、学校では、行き渋りなどの不登校につながる可能性の高い前兆が見られた時点で登校支援委員会を開き、情報共有を図るとともに、個別事案に対してその背景の分析や対応の見立てを行い、必要に応じて福祉・医療機関とも連携を深めるなどの取組を行っております。本市を含め全国的に不登校が増加傾向にある中、こうした取組により、現在本市の不登校児童生徒の割合は全国平均を下回り、昨年度、政令市20市中17番目の少なさとなっておりますが、引き続ききめ細かな対応を進めてまいります。 次に、不登校に関する学校教育環境の充実についてでございます。ふれあいの杜の利用の低学年への拡大は、通学への配慮等発達年齢を踏まえた慎重な対応が必要と考えており、現時点で拡大する考えはございませんが、在籍校の担任による家庭訪問等の丁寧できめ細かな対応に加え、別室登校やICTを活用したオンラインでの学習支援など引き続き登校支援委員会での情報共有等を踏まえ、各校において教職員総体での取組を進めてまいります。また、民間施設の情報については、既に収集を行っており、今後情報提供する予定であり、引き続き保護者が利用しやすい環境づくりに努めてまいります。 以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に、市政一般について、森田ゆみ子議員に発言を許します。森田議員。 〔森田ゆみ子議員登壇(拍手)〕 ◆(森田ゆみ子議員) 南区選出の森田ゆみ子です。日本共産党市会議員団を代表して質問します。 11月6日から18日までエジプトのシャルム・エル・シェイクでCOP27が開催され、主要議題は温暖化がもたらす損失と損害でした。異常気象がもたらす干ばつでの食糧難や、海面上昇で国土を失った国への資金調達に向け、新しい議題を盛り込むことで合意されましたが、先進国と途上国の交渉が難航し、会期が延長されました。国連の2020年の調査では、気候変動によって移住を余儀なくされた人は約3,070万人です。東京大学大学院の斎藤幸平准教授は、先進国による経済成長ありきの気候変動対策から、人権重視の姿勢への転換が必要と提言されています。環境活動家のグレタさんは、気候変動はみんなが作った問題だと都合のよいうそでみんなの責任にしている。大企業や政治家は、気候変動のツケが誰に来るのか完全に知りながら、現状を変えずに想像を絶するようなお金を毎日稼ぎ続けていると訴えています。この声に対して私たち大人が、しかも政治家が、将来に責任を持つ必要があります。このことから市政に対し環境と暮らしの課題を公的役割から考えたいと思います。 一つ目の柱として、CO2削減の観点から、環境と農林業の活性化、公共交通の役割について質疑します。京都市は、政令市でありながら多くの森林を保有しており、CO2の吸収、防災、木材資源と高いポテンシャルを持っています。しかし、急斜面が多くコスト面でも厳しいことから、後継者が育ちにくく、山の維持管理が大きな課題になっています。森林を所有している知人が、台風の際、放置していた森林で他人の敷地に倒木被害が出て、賠償のため山の一部を売ったと言っていました。京都市でも意向調査の初年度は、2割の方が自治体に管理を任せたいと回答しています。管理の受け手が見つからない山林は、市町村が管理することになっていて、兵庫県佐用町は、今年個人が持て余している山林を買い取って、町有化の事業に乗り出しています。民間に任せてしまうと、利益の出るところは皆伐され、利益の出ないところは放置されてしまう問題があります。京都市に求められているのは、公的役割を発揮して持続可能な林業への道を開くことです。現在、京都市内の製材所では、平材や角材の加工はできますが、ベニヤや集成材は他都市に持っていき加工しなければならず、そのうえ建材に適さない部分はごみになり、コスト面でも課題があります。市内の山から出る木材を全て建材や資源として活用できるシステムを整え、持続可能な林業への支援として、例えば市内で多様な建材に加工できる製材所を造るための支援をし、そして、小型木質バイオマス発電施設等で建材に適さない部分を市が買い取ることで、コストを削減するシステムを構築すべきと思いますがいかがですか。さらに、発電したエネルギーと熱を利用して公的施設の電力と温水などで住民が喜ぶ施設ができると思います。 次に、農家の支援には給食食材の地消地産で大きなポテンシャルがあり、環境対策と仕事おこし、地域経済の活性化での行政の役割について質疑します。フランスのグルノーブル市では、学校給食は常に公共の管理下に置いており、給食食材を地元産有機食材100パーセント目指して、小学生の視察学習を取り入れるなどの努力で成功させています。京都市は、給食食材の地消地産について委員会で質疑した際、京都の農家は少量多品種のブランド野菜を栽培しており、保護者負担になるため給食食材に適さないと答弁しています。本当にそうでしょうか。京北町が京都市に統合される前まで、給食食材のほとんどは地元産で提供されており、食育の観点で農家さんの写真も添えられていたと聞いています。また、大山崎町では、給食に地元産の食材を増やすため地下水をくみ上げるポンプを補助しています。京都市は生産緑地が減少しています。耕作放棄地を農家から借り受け、給食の献立に合わせ計画的に有機野菜を栽培できるように耕作を希望する人を支援するなど、給食の食材は京都で賄うという計画を立てて推進することを求めますがいかがですか。 食育の観点でも、自分たちが食べている給食の食材が、どこで、どのように作られているのか営農体験で収穫、餌やりなどを体験することも情操教育に資する取組だと思いますがいかがですか。給食食材として鶏、豚の飼育で、有機野菜くずは餌として、餌に適さない部分はふんと一緒にバイオガスや農場の肥料として活用することで、輸入による肥料と飼料、ガソリン高騰などのコスト面で、そのうえ仕事づくり、耕作放棄地などの課題が一挙に解決するのではないでしょうか。また、山は広葉樹が減る一方、人が住まなくなった民家の庭にある果物の味を覚えたイノシシや熊による獣害が増えています。里山の課題解決として、奥山に広葉樹を再生させるなど自然環境を回復させ、里山に製材所や公共施設を造ることで、有害獣との境界線を確立できるのではないでしょうか。環境面からも再生可能エネルギーのあらゆる可能性を追求しなくてはなりません。 次に、市民が住み続けられるまちの条件として関心の高い公共交通について質問します。公共交通が便利になれば、自家用車での移動を減らすこともできるため、CO2削減の点からも役割大です。4年前、私の代表質問で市内の交通不便地域に循環バスを走らせること、市バスの乗継ぎを無料にすることを提案しました。次の年の市長選挙では、乗継ぎ無料は市長の公約にもなりました。京都市の市バス路線図には網の目状に隅々までバス路線がありますが、周辺部では2時間に1本とか1日2本とかの路線もあります。バス停からも遠く、市バスでは目的地に行けない方も多数おられます。多くの高齢者は、日常の生活の足として病院、買物、趣味などにバスが必要です。家のすぐ近くに循環バスのバス停があれば、高齢者だけでなく若い世代も乗り換えて目的地まで短時間で行くことができます。地元南区に住む高齢女性に聞いた話では、洛西ニュータウンに住んでいる少年は妹の孫だが、野球の強豪校で南区の高校に入学。しかし、部活が終わってから洛西ニュータウンまで帰るのが困難で、月曜から金曜まで預かっていると言っておられました。私も以前、洛西ニュータウンに用事があり、地図では近距離でしたが、急な上り坂が続いていて阪急洛西口辺りから自転車は押して行き、帰りはブレーキをずっと握っていました。高齢者だけでなく学生も子育て世帯も住み続けられるために、循環バスと乗継ぎ無料を推進してこそ市内周辺部でも住民が増えバスの乗客も増えると思いますがいかがですか。京都市は、市バスのダイヤや路線の検討審議会を行っていますが、審議会の際、交通不便地域にある市の公的施設に委員会の方に公共交通で来てもらい、時間どおりに集合できるのかを実証実験するべきと私が提案したのに対して、交通局は、委員の方は交通問題に熟知しておられるので実証実験の必要はないと答弁しています。しかし、今の状況ではとてもそう思えません。住民の側に立った審議を望みます。 二つ目の大きな柱として、若者が安心して住み続けるために切実な課題解消に向けて質疑します。若者の声には、ブラックな労働環境、子育て支援が少ない、家賃が高くて市内に住めないというものが多数あります。京都市でも格差が大きく広がっています。輸出企業は円安で大もうけした一方で、輸入資材が高騰しても下請企業は価格転嫁できず疲弊しています。国は賃金を引き上げた企業には減税していますが、多くの中小企業では、元々減税されるほどの税金を多く納めることができていませんでした。疲弊している企業やその労働者は眼中にないのでしょうか。新自由主義で格差が広がったヨーロッパでは、格差是正に向けミュニシパリズムの動きが強まっています。ミュニシパルとは市営という意味です。つまり、公的な仕事を民間に置き換えようとしている京都市と全く逆の方法で成果を得ています。有名な観光地という京都と同じ課題を抱えているバルセロナ、アムステルダム、パリなどは、民泊や宿泊施設が増える一方、賃貸住宅の家賃高騰で住民の市外流出が進み、是正するために、既存の民間アパートを買い取って公営住宅として市民に提供しており、若者の住まい確保で成果を挙げています。京都ならではの保存すべき住宅でも空き家が増えています。京都市は、高さ規制を緩和して若者を呼び込む高層マンションを考えているようですが、既存のマンションですら家賃が折り合わず空き部屋が増えています。高さ規制を緩和することで地価が高騰し、家賃が高額になれば余計に住みにくくなるのではありませんか。若者が市外に流出する要因の一つは家賃が高いことです。低廉な家賃を保証することで、若年世帯が安心して暮らせます。民間の既存住宅に家賃補助を行うべきと思いますがいかがですか。 市営住宅は、入居条件で一定収入が増えれば住む権利がなくなり退居を求められるため、ニュータウンなどで高齢化が進んでいます。人気のある中心部は倍率が高すぎ、何度応募してもだめだったと、多くの市民が待ち望んでいるにもかかわらず、空き部屋ができても積極的な新規募集をしていません。市営住宅の入居資格の収入基準を引き上げ、単身者の入居基準から年齢基準を外すべきです。また、募集対象を拡大し、子育て・若年層世帯向け住戸を拡充するべきと思いますがいかがですか。 以前、まちづくり委員会でセーフティネット住宅制度を学習するため豊島区を視察しました。民間のマンションなどを市営住宅と同じ条件で、保証人がない方など住宅確保要配慮者に対して入居を断らないという条件で、登録マンションを増やしています。部屋代の一部補助や残置物の処理なども支援し、DVで避難している方も対象になっています。コロナでDVが増えている中、一刻も早い対応が必要です。セーフティネット住宅の制度を拡充することで、市内全域で住民が住みたい場所に住宅を確保できると思いますがいかがですか。 子育て世代にとって、住まいが確保されて安心して働くために重要なのは保育の充実です。全国で幼児の送迎バスの置去り事故が問題になっています。そもそも人員体制のぜい弱さが招いた事故です。京都市は他都市に比べ保育士の処遇が手厚いと言いますが、ほかの職種に対してケア労働の賃金が低すぎる問題があります。そのうえ京都市は今年度民間保育園の補助金13億円をカットしました。多くの保育園は困惑し、保育の充実とは逆行しています。9月議会に寄せられた陳情にも記載されていた、民間保育園で働く保育者の思いの記述には、援助が必要な子供や保護者に丁寧に対応したいが、ほかの子を待たせてしまう。人手が少なく自分の心身のケアができない。監査の度に提出書類が増え、残業しても手当が出ないとの意見がありました。まとめの文章の中には、保育、福祉職員の多くが人のために頑張る人たちで、頑張りすぎて心身を壊し職員が去っていく、仕事は好きなのに家庭と仕事の両立ができず、疲れて我が子に関われず自己嫌悪に陥り悩んでいる。保育士を使い捨てと見ているのか、保育は専門職で人を育てる仕事を甘く見ないでいただきたいと訴えておられます。京都市の全国トップレベルの保育は、保育士の努力の下、高い水準が保たれています。しかし、このまま補助金をカットされるなら、ゼロ歳児や障害児は受け入れられない保育所が出てきてしまいます。いつでも、誰でも、安心して赤ちゃんを産み育てられる環境を整えることが必要です。民間保育園の保育士や給食調理員の処遇改善を図るために、削減した補助金を元に戻し、運営できるようにすることを求めますがいかがですか。 三つ子の魂百までという言葉のとおり、幼児期の体験は、その後の成長や大人になった後にも大きな影響があります。真剣に考えていただきたい。先日、ママ友が、娘は20歳になったが、結婚するなら京都市以外のところに行きやとアドバイスをしたというので理由を聞くと、市外で働いている夫さんが同僚と子供の医療費の話になりがく然としたそうです。子育て世代の間では、京都市は住みにくいのがみんなの認識となっています。京都府内で子供の医療費の独自施策を行っていないのは京都市だけで、府内でも井手町、和束町、南山城村では独自支援で高校卒業まで無料にしています。若者世帯に京都市を選んでもらうためにも、子供の医療費のせめて中学校卒業まで無料化が求められると思いますがいかがですか。 三つ目の柱として、市民が健康で文化的に住み続けられる本市の公的役割について質疑します。ヘルスピアは、来年の3月廃止が議決されてからも、新聞の投稿欄には月に何度も継続を望む声があり、南区の議員として多くの住民からヘルスピア廃止を撤回してほしいと今でも訴えられています。京都市は、この施設に多額の税金を掛け、近隣住民だけが優遇されているように言っていますが、公共交通の便利な場所にあり市内全域で利用者がおられます。こども未来館は中京区にしかありませんが、私の子供が小さいとき本当にお世話になりました。近所の人は毎日使えてうらやましく思いましたが、なくしてはならない京都市が誇る施設です。ヘルスピアもそんな施設だと思います。市民からの陳情でも、ヘルスピアを存続させるために同じような公的施設の他都市の活用事例や、2年前に税金4,000万円を掛けてプールの天井を直したこと、最近1か月間休んでプールのろ過装置を修理したことなどがつづられています。市民の声を正面に据え、健康増進センター・ヘルスピアを継続するべきと思いますがいかがですか。 先日、高齢女性から、京都市は私らに死ねって言うてるようなもの。買物したら値上げで大変やのに病院の負担は2倍。介護保険は年金から引かれているのに利用料が要るから使ってない。私がお荷物で息子が結婚できないと言っておられました。長寿は喜ぶべきことです。また、60代の女性から聞いた話では、20年前、病気で片足を切断してから障害認定を受け、最近まで要介護2でサービスを受けていたが、認定見直しの際、要支援と判定されたと言っておられました。介護と支援ではサービスが変わり、ベッドも今までのものは借りられず、何でこんなことになったのかと戸惑っておられました。片やケアマネの方は、調査した書類を認定審査会に提出しても思うような認定が下りず、利用者から恨まれていると言っておられました。こんな不安や不満を抱えている市民にとって、2023年通常国会に向けて政府が提案しようとしている介護保険見直し案は、利用料2割、3割負担の対象者拡大、要介護1、2のサービス削減、ケアプラン作成の自己負担導入、福祉用具は貸与から購入への変更などで一部見送りの動きがあるようですが、ひどい内容です。改悪されれば、介護制度の機能は崩れ、介護崩壊を招くものです。京都市は、国に対して断固として2024年の介護制度の改悪はやめるよう求めるべきと思います。今年の2月から国による介護従事者の処遇改善が開始されていますが、介護報酬に取り込まれており、利用者の更なる負担になるうえ、全産業の平均給与から程遠い水準です。しかも、ケアマネージャー、訪問看護師、福祉用具相談員などは対象から外れています。国に対して、介護報酬から切り離して独自に支援し全ての介護従事者に対象を広げるよう求めるべきと思いますがいかがですか。重労働で専門性の高い仕事にもかかわらず、給料が低いため介護従事者がもうこれ以上仕事を続けられないと言っておられます。京都市は独自の支援策を設け、ケア労働の処遇改善で従事者を増やし、安心して介護を任せることができれば家族の負担は随分軽減し、若者も未来に希望を持って結婚や働き方が好転すると思いますがいかがですか。 京都市は、今年度多くの公共施設の利用料を値上げしたため、たくさんの団体が困っておられます。9月の決算議会の局別質疑で、アーティストの活動場所の補償で学校統廃合による廃校の空き教室などの活用を提案したところ、徹底した行財政改革で資産の有効活用を最大限に求められており、アーティスト活動に限定して低廉な使用料で貸し出すのは困難と答弁しています。京都市の文化には1000年以上の歴史があり、文化に触れながら数多くの職人やアーティストが生まれています。アーティスト限定でなくとも、市民の文化的な活動に対して、京都市が所有する通常使用されていない施設の有効活用として無料で、あるいは低廉な利用料で提供するべきと思います。いかがですか。 最後に、公共事業として生活道路の補修、水害対策の雨水幹線、危険な老朽橋の補修は必要な事業であり、否定しません。しかし、環境破壊や危険を伴う北陸新幹線や堀川バイパスなど巨額で無駄な公共事業はやめるべきです。住民の命と暮らし優先の市政を求めて質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 森田ゆみ子議員の御質問にお答えします。 林業支援についてでございます。全市面積の4分の3を占める森林は、CO2の吸収をはじめ様々な広域的機能を有していることから、資源の循環利用を通じた健全な森林の育成が重要である一方、長期にわたる木材価格の低迷等により、人工林の半分以上がいわゆる放置林となっております。このため本市では、CO2の吸収増に寄与する間伐や植林への支援、作業効率化の高い高性能林業機械の導入支援、さらには所有者が管理できない人工林を集約したうえで効率的な林業を実践できる事業者に経営管理を委ねる仕組みを構築するなど、木材の生産コストを軽減する取組等を強力に推進しております。同時に、公共建築物等における市内産木材の率先利用の公民一体となった都市の木造・木質化の推進、木材利用の用途を広げる製材所の機能強化など木材の需要拡大に取り組んでおります。引き続き、木材の生産と需要の両面から林業を振興し、持続可能な林業の実現を目指してまいります。なお、木質バイオマス発電につきましては、本年5月、国から地域脱炭素の取組を支援する交付金の採択を受けており、現在その交付金を活用した民間事業者の支援を検討しているところでございます。 以下、副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 坂越副市長。 〔坂越副市長登壇〕 ◎副市長(坂越健一) 公共交通の利便性向上についてでございます。本市では、人と公共交通優先の歩くまち・京都の理念の下、官民が一体となって公共交通網を形成しています。新たな路線の検討に際しては、交通問題を地域のまちづくりの一環として捉え、地域の総意としてその必要性を共有いただくほか、将来にわたり安定した御利用が見込めることが重要となります。引き続き、事業者や住民の皆様と共に各々の役割を果たすことによって生活交通の確保に努めてまいります。 次に、市バスの無料乗継ぎについてでございます。本市では、令和5年4月から、市民の皆様を中心とした御利用頻度の高い方を対象にICカードによるポイントサービスを導入することとしており、その取組の一つとしてバスとバスの乗継ぎについて、まずは150円の割引として実施いたします。今後につきましては、厳しい経営状況の中、持続可能な事業運営を目指し引き続き検討してまいります。 ○議長(田中明秀) 山中文化芸術政策監。 〔山中文化芸術政策監登壇〕 ◎文化芸術政策監(山中博昭) 文化芸術活動支援についてでございます。芸術家の方々に京都で活発に活動していただき、また、市民の皆様に様々な文化活動を通じて文化芸術の楽しさを享受いただくことは、文化芸術都市・京都の基盤であると考えています。この認識の下、本市では、京都芸術センターにおいて若手アーティスト等に審査のうえ無料で創作場所を提供する事業や小学校跡地施設の空き教室を活用し、芸術家や芸術団体に低廉な使用料で利用いただく取組等、全国的にもあまり例のない取組を実施しております。市民団体等に御利用いただく施設としては、市内5か所の地域文化会館や美術館別館等があり、例えば地域文化会館の創造活動室は公費負担を見直した料金改定後も、1時間当たり平均約4,000円と民間等と比べても低く抑えた額としており、御理解のうえ御利用いただきたいと考えています。このほか市民・企業等と連携したArts Aid KYOTOによる資金援助等により、引き続き活動支援に努めてまいります。 ○議長(田中明秀) 三宅保健福祉局長。 〔三宅保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(三宅英知) 2点についてお答えいたします。 まず、ヘルスピアの廃止についてでございます。ヘルスピアにつきましては、平成5年の開設後、約30年が経過し、設備の老朽化が進む中、現在ではヘルスピアの半径2キロメートル以内に京都テルサをはじめ類似施設が5施設あり、市内全体でも多数の施設が運営されております。このため、本市の公の施設としての設置の必要性及び効果が低下していること、また、今後維持する場合には多額の改修経費を要することから、令和5年3月末の廃止が妥当と判断し、本年5月市会において施設の廃止条例を御議決いただいたものでございます。本市としては、議決の際の付帯決議を踏まえ、ヘルスピアの御利用者に引き続き主体的な健康づくりに取り組んでいただけるよう京都テルサをはじめとする類似施設等の御案内やボランティアの皆様への継続的支援、ヘルスピア廃止後の建物の暫定活用案の検討など閉館に向けて適切に取り組んでまいります。 続きまして、介護保険の見直しについてでございます。全国一律の制度である介護保険については、現在国において持続可能性の確保等の観点から様々な検討が行われているところであり、本市としても被保険者の負担が過重にならないよう、また、安定的に運営できるものとなるよう引き続き国に対し必要な要望を行ってまいります。 次に、介護従事者の処遇改善については、国において、平成21年度以降これまで月額平均8万4,000円の処遇改善が図られておりますが、本市としては、かねてから更なる処遇改善はもとより、ケアマネジャーなど全ての介護従事者に対象を拡大するよう要望しているところです。本市独自に介護従事者の処遇改善を行うことは制度上困難でありますが、引き続き、国に対し全ての介護従事者の処遇改善を働き掛けるとともに、関係団体と協力し、介護職の魅力発信や永年従事者の表彰など介護の担い手確保に向けた取組を着実に推進してまいります。 以上でございます。 ○議長(田中明秀) 上田子ども若者はぐくみ局長。 〔上田子ども若者はぐくみ局長登壇〕 ◎子ども若者はぐくみ局長(上田純子) 民間保育園への補助金についてでございます。本市では、保育園の運営に際して国・府・市が負担する給付金に加え、処遇改善等を目的とした多額の補助金を独自に上乗せして支給してまいりました。実態調査の結果、給付費よりも上乗せである市補助金が先に使用されていること、想定した職種に補助金の使用を限定していなかったため、補助目的が十分に果たされていないことなどの課題が明らかとなりました。このため新たな補助制度では、支出実績に応じて精算し、必要な職種に人件費が行き渡る透明性の高い制度へと再構築いたしました。再構築に当たっては、90人定員の場合では国基準の1.3倍である全国トップクラスの配置基準や全国平均を100万円以上も上回る給与水準など、本市がこれまで大切に培ってきた保育水準等もしっかり確保できる制度とし、約54億円の予算を確保しております。新たな制度は全体として保育水準の維持・充実が可能な制度となっていることから、元の制度に戻す予定はございません。 続きまして、子供の医療費についてでございます。本市の子供医療費支給制度については、国による補助制度がない中、京都府と協調の下、社会全体で子育てを支援することで安心して子供を産み育てられるよう所得制限を設けずに平成5年に制度を創設し、以降これまで8回にわたって拡充しており、令和元年9月からは、3歳以上中学校卒業までの通院時の負担の上限額を1月3,000円から1,500円に拡充しております。令和4年8月の知事と市長との懇談の中で、子ども医療費をできるだけ早期に更に拡充する方向で検討することを確認いたしました。それを踏まえ、京都府において設置された子育て支援医療助成制度あり方検討会議に本市も参画し、医療関係団体や福祉関係団体なども含めて検討を行っております。市会でも決議いただいた真に持続可能な制度とする観点等も踏まえ、京都府と連携して更なる充実を図ってまいります。 ○議長(田中明秀) 竹内都市計画局長。 〔竹内都市計画局長登壇〕 ◎都市計画局長(竹内重貴) 住宅政策についてでございます。若者・子育て世帯の定住促進は喫緊の課題でありますが、民間賃貸住宅の家賃補助につきましては、必ずしも若者・子育て世帯の市外転出を抑制する決め手とは言えず、新たな助成制度の創設は考えておりません。 次に、市営住宅は、住宅に困窮する低所得者のための住宅として住宅審議会の御意見を踏まえ、適切に収入基準や年齢基準を定めております。その基準の引上げや廃止は考えておりません。また、民間住宅におけるセーフティネットにつきましては、本市では高齢者などの入居を拒まない住宅を登録する本市独自のすこやか賃貸住宅、これを全国に先駆けて創設し、現在約5,400戸が登録されております。引き続き、その拡充に努めてまいります。今後とも若者・子育て世帯の定住促進に向けまして、教育や子育てなどほかの分野の施策とも連携しながら、若者・子育て世帯向け住宅を誘導するための都市計画の見直しや若者・子育て世帯にも手が届きやすい既存住宅の流通促進などに全市を挙げて取り組んでまいります。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) 地産地消の給食と食育についてであります。本市の小学校給食では、1日約7万食分の安心・安全な食材を安定的かつ安価に確保しつつ、現在週4回の米飯に全て京都府内産の米を使用するとともに、令和元年度からは年1回、京都京北米を全市立小学校で提供しております。また、年間197回の給食のうち約6割の和食献立を中心に、万願寺唐辛子や賀茂なすなどの府内産農作物の活用による地産地消の取組を進めるとともに、京都名産のしば漬やすぐきの提供などを通して、京都ならではの食の継承にも取り組んでおります。さらに、子供たちが我が国の伝統的な食文化や地産地消も含めた食に関する知識が深められるよう学校教育活動全体で食育の一層の推進を図っているところであり、既に各校の実態に応じて地域の農家等の御支援の下、栽培から収穫までの農業体験等の取組も実施されています。なお、耕作放棄地の問題については、学校給食の食材調達という観点ではなく、国も含めた農業政策全体の中で解決していくべき課題であると考えております。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に、市政一般について、平山よしかず議員に発言を許します。平山議員。 〔平山よしかず議員登壇(拍手)〕 ◆(平山よしかず議員) 西京区選出の平山よしかずです。 京都市は今、行財政改革の断行と共に新型コロナ感染症によって傷んだ市民生活と地域の再生を進めています。私たち公明党京都市会議員団は、福祉・医療・教育・子育て支援施策を持続可能な制度として再構築し、市民の命と暮らしを断じて守り抜くこと、次の京都を創る成長戦略をバックアップし、財政豊かな京都を創ることを目指し、公明党の力である現場力・政策力・実現力を発揮して京都再生へ挑戦してまいります。その観点から、主に子育て支援と地域再生をテーマに、曽我修議員と共に議員団を代表し質問します。市長並びに関係理事者におかれては、前向きで誠意ある御答弁をお願いします。 最初に、子育て支援に関してお尋ねします。(パネルを示す)公明党は、11月8日、結婚、妊娠・出産から子供が社会に巣立つまで切れ目のない支援策を掲げた子育て応援トータルプランを発表しました。子供の幸せ最優先社会を目指し、少子化・人口減少の克服に向けた具体策を示したものです。これまで公明党は2006年に少子社会トータルプランを策定し、そこに掲げた幼児教育・保育の無償化などの施策を着実に実現してきました。しかし、コロナ禍により少子化が想定を上回るスピードで進み、虐待や不登校、自殺の増加など子供をめぐる課題は深刻化しています。 〔田中議長退席、吉田副議長着席〕 ◆(平山よしかず議員) (続)これらの課題を克服し、希望すれば誰もが安心して子供を生み育て、十分な教育が受けられる社会づくりを進めるため、新たなプランを策定しました。山口那津男代表は、子育て支援策がつながっていて一貫性、継続性、恒久性、体系性が、子育て世代をはじめ国民から見えることが少子化を食い止めるとプランの意義を強調しています。子育て応援トータルプランは、児童手当の18歳までの対象拡大や子ども医療費助成の拡充、私立高校授業料の実質無償化の段階的な対象拡大などライフステージに応じた幅広い政策を網羅しています。その中で、妊娠から出産・子育てまでの一貫した伴走型相談支援と経済的支援を一体的に行う事業を政府の総合経済対策に盛り込み先行実施します。支援が手薄とされる出産前後と0から2歳児の子育て世代への支援の全自治体での実施を目指し取り組みます。全国トップレベルの子育て教育環境を目指し成果を挙げてきた本市は、今、財政や若い世代の定住人口増加の点から、京都市における子育て教育環境のあるべき姿を議論し、再構築すべき課題に直面しています。公明党は中長期的な子育て応援トータルプランの実現に全力で取り組み、まずは、子供や子育て世代の一人一人に寄り添う伴走型支援と経済的支援のフレームワークを構築します。本市としては、国と更なる連携を深めていただきたい。そこで、子育て応援トータルプランが示したライフステージに応じた伴走型相談支援と経済的支援について門川市長はどう評価されるのか。また、その評価を踏まえ、市長は今どのように京都市の子育て教育環境の再構築に取り組んでいこうとされているのか。お考えをお聞かせください。 子育て支援に関し、もう一点お尋ねします。先日、知的障害を抱えた小学生の子供を育てていらっしゃるお母様から、放課後等デイサービスを利用している子供に事業所から提供されるサービスが合わない、感情のコントロールができない子供にとって読み書きなどを根気よく学ぶことは難しい、我が子に合った放課後等デイサービスを探すのに苦労したとの御相談をお聴きしました。子供の発達に応じて必要となる基本的日常生活動作や自立生活を支援するための活動を行う放課後等デイサービスは、一部に支援の質が低かったり、適切ではない支援を行う事業所があるとの指摘や、サービス指標がないなどの課題があり、京都市では、施設の総量規制の実施や委託社会法人などによる訪問や研修を行う放課後等デイサービス支援事業によって、サービスの質の向上に一定の成果を挙げていると認識しています。そこで先の御相談も踏まえ、私は、市内の放課後等デイサービスの事業支援へ引き続きしっかりと取り組むことに加え、利用に悩む保護者のお声を受け止め、子供の特性に合わせた最適なサービスが提供される仕組みを強化するなど更なる質の向上へ支援を強めるべきと考えます。いかがですか、お答えください。 ここまでを前半の質問とし、答弁を求めます。 ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 平山よしかず議員の御質問にお答えいたします。 ライフステージに応じた子育て支援についてでございます。京都市では、子育て支援を市政の最重要施策として、保育所・学童クラブの待機児童ゼロや国基準を1.3倍上回る保育所の加配による手厚い職員体制での質の高い保育の実施など、質・量ともに全国トップ水準の施策を実施しております。学校教育におきましても、本市独自の教員加配をはじめ地域や保護者、PTAとの連携した取組により、全国学力・学習状況調査においても小中学校の学力は実質トップ水準、小学校は2年連続政令指定市20市の中で1位となるなど高い水準の教育環境を実現しております。こうした京都市の充実した子育て・教育環境を子育て世帯の方々に知っていただくことも重要であり、しっかりと発信してまいります。公明党の子育て応援トータルプランは、京都市が進めております妊娠期から子ども・若者まで切れ目のない支援、学校教育の充実などと軌を一にするものと認識しております。期待いたしております。 政府の総合経済対策における妊産婦・子育て家庭への伴走型相談支援に当たりましては、政令市で最も多く実施しております親子の交流等を図る地域子育て支援拠点事業等の京都市の強みを生かし、区役所・支所に14か所に設置した子どもはぐくみ室を中心に当事者一人一人に寄り添った支援を実施してまいります。行財政改革の中におきましても、子ども・若者、子育て世帯に対する支援を充実し、持続可能なものにするために引き続き全力で取り組んでまいります。 次に、放課後等デイサービス事業支援の推進についてでございます。平成24年度の制度発足以来、事業者の急増を背景に支援の質の向上が全国的な課題となっております。京都市では、サービス供給量が必要量の見込みを上回る状況にあるため、令和元年度から質の向上を目指して公募による事業者の選定や事業所への巡回指導、研修を行う放課後等デイサービス支援事業を独自に実施してまいりました。現在国の検討会におきまして、放課後等デイサービスを含む障害児通所支援事業の質の向上について、その方策が論議されているところであります。令和6年度に制度の大幅な改正が見込まれるため、京都市としましても国の動向を注視し、更なる質の向上に向け必要な取組を検討し、また実施してまいります。また、障害のある児童の専門相談機関である児童福祉センターにおいて、より一層必要な情報提供や丁寧な相談対応を行うことにより、保護者の方が子供の障害や特性に適した事業所を選択していただけるよう取り組んでまいります。 ○副議長(吉田孝雄) 平山議員。 〔平山よしかず議員登壇〕 ◆(平山よしかず議員) 次に、地域再生に関し3点質問します。 京都市行財政改革計画における都市の成長戦略の冒頭には、全ての世代が暮らしやすい魅力や活力あるまちづくりが掲げられています。住環境の充実、働く場の創出、文化・教育の振興などによって定住人口の増加を成し遂げていくことは、本市が直面している大きな課題です。私は、住宅等の建築に強い規制がある市街化調整区域の土地利用規制のままでは、持続的な農業の継続、集落の維持・継承、ひいては定住人口に支えられた生活の保全が困難との地域の方々のお声を地域の皆様と一緒に門川市長へ届け、今年4月に、地域の合意など一定の条件を満たせば住宅の建築を可能にする全国でも画期的な京都市市街化調整区域における開発許可等の基準に関する条例(都市計画法第34条第11号に基づく条例)が施行されました。この条例には地域の皆様の長年の思いが込められています。条例は出来たのですから、次は条例を適用し、緑豊かなエリアを守りつつ、既存集落の維持・定住人口を確保する取組を本市が能動的に働き掛け、実際に前へ進めることが重要です。そこで、本市として住民の方々と協働した市内周辺部地域の維持・定住人口増をどのように進めていくのかお尋ねします。 2点目に、緑豊かな洛西地域での観光振興について質問します。市街化調整区域が大半を占める洛西地域は、西山から流れる小畑川、善峰川が織りなす豊かな自然に恵まれるとともに、大原野神社、善峯寺、三鈷寺、勝持寺など貴重な文化遺産が残る大変魅力的な地域です。また、洛西ニュータウンや桂坂など、計画的に新たな住宅地の開発やまちづくりを進めてきた地域でもあります。しかし、急速に進む少子高齢化や人口減少の影響を受け、中でも団地が立ち並ぶニュータウンは、高齢化と人口減少が著しく進んでいます。西京区、とりわけ洛西地域におけるまちづくりについては、これまで京都市の各部署はもちろんのこと、地域の方の大変な御努力もあり、様々な取組が実現してきました。近年でも、阪急京都線立体交差化事業、伏見向日町線、中山石見線北工区などの道路整備や洛西竹林公園をはじめとする公園のリニューアル、洛西口駅高架下の活用、さらには、先に述べたように今年4月に市街化調整区域における開発許可等の基準に関する条例が施行されました。また、地域や民間事業者、洛西支所などを中心に様々なイベントや地域活性化の取組も行われています。昨年8月には新たな西京区基本計画も策定され、今後のまちづくりに向けて一歩が踏み出されたところです。私は、魅力的なまちづくりや地域の課題解決、若い世代が住みやすい環境整備などで定住人口の増加を図っていくことによって、全ての世代の方々が将来にわたり安心して暮らすことのできる洛西地域になると確信しています。そのためには団地空き住戸の活用や地域公共交通の再構築、子育て教育環境の充実など様々な角度からの取組が必要です。 そのうちの一つの重要なツールとして観光があります。観光は点にとどまらず、広く面的な連携ができます。観光振興を地城の共通の目標とすることは、様々な分野を連携させ、地域の魅力を発信し、地域を豊かにすることにつながります。洛西地域の豊かな自然・文化をいかした観光を一つの核として、住民、行政、事業者、様々な主体が連携して取り組むことにより地域が潤い、まちづくりが進展するだけでなく、社会課題の解決にもつながるのではないでしょうか。さらには、隣接する亀岡や乙訓地域との観光連携を深めることで地理的にも洛西地域が大きく広がります。また、観光は市内のみならず広く関西へ、全国へ地域の魅力を発信する力があります。観光をツールとした地域活性化の取組は、最大のテーマである若者の移住・定住にもつながっていくものと考えます。洛西地域が目指すまちづくりの将来的な方向性の実現に向け、洛西地域における観光振興にいかに取り組んでいくのか御所見をお伺いします。 最後に、京都市民への最も基礎的なサービスを提供するとともに、地域再生の拠点ともなる区役所・支所庁舎の空きスペースの有効活用について質問します。近年本市では、業務の効率性向上などのため、従来区役所・支所で行っていた税務や医療衛生、介護部門などの業務集約を積極的に進めてこられました。集約後は市民サービスヘの影響にも十分留意したうえで、スケールメリットをいかした効率的な体制をそれぞれ構築され、着実な業務運営に努めておられると理解しています。一方、これらの取組の結果、かつて約3,000人いた区・支所の職員数は、この10年余りで1,000人以上、実に3分の1減少しています。言い換えれば、この間、各庁舎には活用可能な空間が新たに創出されてきたわけです。 このような状況の中、長年の懸案であった市庁舎整備事業で着手されましたが、整備着手後に行われた区・支所業務の集約化の影響によって、市庁舎スペースが新たに不足することが過日大きく批判的に報道され話題となりました。この件について門川市長は、耐震性能の確保やバリアフリー対応と合わせ、市庁舎周辺に部署が分散する状況の改善により、賃借料負担を解消するとした市庁舎整備事業の本来の目的やこれまでの経過に加え、市の事業所移転先として区庁舎を活用している状況などについて明快に説明をされたところです。また、昨年8月策定の行財政改革計画においても、区庁舎を含めた施設の空きスペースなどの有効活用を掲げ、資産の積極的かつ戦略的な活用に取り組むとされています。既に一部の区庁舎には、農業振興センターや消費生活センターなどが移転し、今後も人事委員会事務局の移転が予定されるなど活用が順次進められています。 しかし、市全体を見渡せば、まだ活用可能な区庁舎が存在します。中でも、私の地元西京区では、区民待望の西京区総合庁舎整備事業が令和5年度中の竣工を目指して進められており、その暁には、現在離れた場所にある子どもはぐくみ室に加え、市民窓口課や保険年金課など現庁舎の一部所属も移転するため、活用可能な区庁舎スペースが更に生じます。私は、かつては窓口サービスが区役所業務のほぼ全てであったものが、社会の移り変わりにより、区役所・支所に求められる役割はワンストップサービスやつながる相談、市民生活や地域活動への積極的サポートなどへと大きく変化してきていると感じており、こうした変化に応じて、区庁舎のポテンシャルを最大限活用し、行政拠点としての機能充実を図ることが市民の行政への信頼をより高めることにつながると考えます。危機的な財政状況にある本市として、引き続き、行財政改革の観点から区庁舎の活用を進めることは当然ですが、効率的な行財政運営を追求する中で生まれた貴重な財産である区庁舎の空きスペース、区庁舎スペースについて財政効果を追求することはもとより、住民にとって最も身近な区役所・支所の機能充実に資するという観点も踏まえ、本市にとって、また区民にとっても、よりメリットを感じられる活用を是非お願いいたします。今後の区庁舎の有効活用に向けたお考えをお示しください。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き、平山よしかず議員の御質問にお答えいたします。 市内周辺部地域におけるまちづくりについてでございます。本市の市街化調整区域は、大切に守られてきた豊かな自然環境や地域固有の文化を有する魅力に満ちあふれた地域であります。一方で、人口減少等により地域の生活や文化、コミュニティの維持・継承が困難になるなど地域の持続可能性について強い危機感を持っております。そこで、本市では平山よしかず議員御指摘の都市計画法34条11号に基づく条例を本年4月1日から施行し、区域指定を受けた集落の土地について一定の条件の下で新たに移り住む方の住宅の新築等が行えるようになりました。現在、区役所・支所とも連携を図りながら、地域の自治会・協議会へ出席するなどして条例の適用に向けた支援を進めているところであります。西京区大原野地域の複数の集落では、区域指定の申出を行う準備が整いつつあると聞いております。この条例の活用を契機として、すばらしい自然や農業など地域の魅力や資源をいかし、移住・定住される方を呼び込めるよう住民の方々と協働し、緑豊かなエリアでの持続可能なまちづくりを進めてまいります。 以下、副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(吉田孝雄) 岡田副市長。 〔岡田副市長登壇〕 ◎副市長(岡田憲和) 洛西地域における観光振興についてでございます。平山よしかず議員御紹介のとおり、洛西地域は西山連峰や風情ある竹林風景、タケノコをはじめとする四季折々の農作物、平安貴族や武将とゆかりが深い寺社など豊かな自然や歴史、文化に恵まれており、観光振興の観点からも大変魅力的なエリアでございます。本市では、市内の多様なエリアの魅力を発信するとっておきの京都プロジェクトにおいて、地域団体である大原野保勝会や近隣自治体などと連携をし、竹林キャンプや京都西山の寺社を自転車で巡るイベント、紅葉の名所をタクシーで巡るツアーなど地域ならではの魅力の創出や発信に取り組んでおります。また、この10月に、洛西竹林公園において向日市等と連携して実施をいたしました竹や地元の食材をテーマとしたイベントには大変多くの方が参加をされ、地域の魅力に触れ楽しんでいただくことができました。今後も地域コミュニティの活性化や交流人口の増加など洛西地域の目指すまちづくりの実現につながるよう、地域の皆様と共に目標を共有し、洛西地域京都西山の魅力をいかした観光振興に全力で取り組んでまいります。 ○副議長(吉田孝雄) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 区役所・支所庁舎の空きスペースの有効活用についてでございます。区役所・支所においては、税部門や医療衛生部門を本庁に集約する一方、保健福祉センターを設置するなど多様な市民ニーズに対応した効率的な体制を構築してまいりました。その結果生じたスペースは、本市の事業所などの移転先とするなど既に年間約7,000万円の財政効果を生み出しており、更に活用を進めることとしております。北・洛西・伏見の庁舎に移転した農業振興センターについては、所管地域を再編し、区のまちづくりとの連携も視野に入れており、上京・右京の庁舎では、地域福祉の一翼を担う区社会福祉協議会の事務所を設置するなど財政面にとどまらない効果的な活用を図ってまいりました。今後の区庁舎スペースの活用に向けては、行財政改革の視点はもとより行政拠点としての機能強化による市民サービスの向上も視点に、より付加価値が創出できるよう積極的かつ戦略的に取り組んでまいります。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉田孝雄) 次に、市政一般について、曽我修議員に発言を許します。曽我議員。 〔曽我修議員登壇(拍手)〕 ◆(曽我修議員) 伏見区選出の曽我修でございます。公明党京都市会議員団を代表し、平山よしかず議員に続き質問をさせていただきます。市長をはじめ理事者の皆様には、分りやすく丁寧な御答弁を何とぞよろしくお願い申し上げます。 まず初めに、成長分野の一つであるコンテンツ産業基盤の振興と今後の展望についてお伺いいたします。いよいよ、今年度末には文化庁の京都移転を控え、文化と経済の融合の更なる推進が期待される中、コンテンツ産業の果たす役割はますます重要になると思います。漫画・アニメ・ゲーム・CGなどのコンテンツ産業は、コロナ禍において外出自粛を余儀なくされた人々の心を豊かにするだけでなく、日本のブランド力の強化にも大きな役割を果たすなど今後も成長が期待されております。特に、スマートフォンの普及、通信の高速化などデジタル技術の進展はコンテンツ産業の市場拡大にも大きく寄与しており、いつでも、どこでも、誰もが気軽に世界中のコンテンツに触れられ、インターネットを通じて世界中の人々へ情報を発信し、交流できるようになりました。さらに、メタバースやコピーできないデジタルアート(NFT)の活用といった新たな技術が次々と生まれております。これまでから、京都市では他都市に先駆けてコンテンツ産業の振興や地域活性化、人材育成などを目的に、漫画・アニメの総合見本市京都国際マンガ・アニメフェア(京まふ)の開催など多くの施策に取り組まれてまいりました。京まふは、コロナ禍において一度も途切れることはなく開催されてこられ、今年は我が会派から吉田孝雄副議長がオープニングステージに参加させていただきました。多くのファンが来場され大盛況だったと伺っております。また、クラウドファンディングへの挑戦や若手クリエイターと連携したオリジナルNFTの販売など新たな取組も始められ、今後の展開に大いに期待しております。 特に、漫画家志望の方が自分の作品を持ち込めるマンガ出張編集部やコンテンツ企業向けの就職相談会、国際マンガコンテストなど、幅広くコンテンツ産業の振興や人材育成に尽力されておりますが、依然として日本のコンテンツ制作の環境の多くが首都圏に集中していると言われております。一朝一夕に解決しない課題だと思いますが、京都市の基盤産業の一つとして、より成長させていくためには、更なる企業支援や京都で活躍する学生やクリエイターへの支援など市内における人材の定着に向けた対策が必要であると考えます。今後も成長が期待されているコンテンツ産業を京都市の成長戦略につなげていくためには、京まふのみならず、企業支援や人材育成の視点から、更なる施策を充実させていくことが重要だと考えますが、今後のコンテンツ産業の振興施策をどのように展開されるのかお答えください。 次に、令和5年度当初に予定されている土木事務所とみどり管理事務所の統合についてお伺いいたします。土木事務所、みどり管理事務所は、市民の命と暮らしに欠かせない道路、河川、公園等の公共土木施設の維持管理・保全をはじめ災害時の緊急対応や復旧作業など、安心・安全で災害に強いまちづくりを担う地域の拠点として重要な役割を果たしていただいております。しかし、京都市内の数多くの施設を維持管理していくためには、行政の力だけではなく、やはり市民の皆様の御協力が不可欠だと思います。平成28年5月、本市では誰もが、いつでも、簡単にスマートフォンから道路や公園の損傷箇所を投稿できるみっけ隊アプリを開発され、運用がスタートいたしました。現在の登録者数は5,000人を超え、投稿件数も年々増加し、直近の令和3年度の投稿数では1,400件と運用後最多となったと伺っております。市民協働の維持管理のツールとして多くの市民に活用されており、私ども公明党も創設を推進してきたものであり、大いに評価をいたしております。 そのような中、昨年度策定された行財政改革計画では、既成の概念に捉われず、あらゆる改革を断行していくことが示されました。その一つに、公共施設の維持管理体制・業務についても例外ではなく、組織の再編・合理化に向けた取組として、土木事務所とみどり管理事務所を統合し、体制の充実による機能強化と市民サービスの向上を実現するとともに、民間委託を含めた業務の効率化を目指すとされておられます。土木事務所やみどり管理事務所には、日々多くの問合せや要望が寄せられており、また、みっけ隊の広がりや公園愛護協力会との協働などを通じて身近な行政機関の窓口として定着しております。このような市民との関係性をより強固なものとし、都市の基盤を支える最前線としての役割を将来にわたって担い続けるためには、これまで以上にサービスが向上した、対応がスピーディになったと、市民の皆様に目に見える形で実感していただけることが最も重要であると考えますがいかがでしょうか。また、近年は異常気象が毎年のように発生する状況にあり、平成30年7月や昨年8月のような長期間にわたり気象警報が継続する傾向にある中、災害活動体制の強化を図ることがこの統合の最大の目的とされております。激甚化、頻発化、さらには長期化する自然災害から、市民生活を支える重要な都市インフラである公共土木施設を守り抜く御決意をお聞かせください。 次に、令和5年4月からプラスチック製品の分別回収が始まります。本年4月のプラスチック資源循環法の施行に伴い、プラスチック製品の分別回収が求められ、京都市は他の政令指定都市に先駆けて分別回収をスタートされるとのこと、高く評価いたします。脱炭素社会を目指すためには、プラスチックの焼却は温室効果ガス排出の主たる要因となっていることから、プラスチック製品の分別回収の取組は大変重要であると考えます。これまでから市民の皆様にプラスチックの容器と包装を分別いただいておりましたが、分別のルールが分かりにくいとの声を多数いただいており、また、伏見区の横大路学園において選別作業されている方々が日々御苦労されていると伺っております。今般、プラスチック製品も合わせてプラスチックごみとして出せることとなり、市民の皆様にとっても分別が分りやすくなるものと期待しております。我が会派として、令和5年度京都市予算編成に対する要望書でも、プラスチック製品の分別回収に当たり、市民の分別意識の醸成と分別回収の周知に努めることを要望いたしました。分別ルールが変更になるこの機会に、ごみの減量や資源循環の重要性を改めて市民の皆様に意識していただき、機運醸成につなげてもらいたいと思います。具体的な分別の案内に当たっては、我が会派の松田けいこ議員から、AI技術を活用したチャットボットの導入に関して提案を行ってまいりました。ごみの分別は、繰り返し資源として再生し、効率的にエネルギーを生み出すより質の高い資源循環システムの構築にとって必要不可欠なものであります。現在、こごみアプリや分別を紹介する冊子などで分別の案内をされていると思いますが、プラスチック製品の分別回収が始まるこの機会に、市民の皆様へ効果的な周知啓発を行うためにも、AIを活用した分別案内、情報サービスを充実させ、利便性を高めるべきと考えますがいかがでしょうかお答ください。 次に、市営住宅の空き住戸の活用と運営についてお伺いいたします。向島ニュータウンでは、平成29年3月に向島ニュータウンまちづくりビジョンが策定され、この間、向島秀蓮小中学校の開校やニトリの誘致など地域の活性化に向けた様々な取組が進められてきました。また、ニュータウンのまち開きから50年近くが経過する中、時代の変化を踏まえ、ニュータウン内の住宅全体の在り方などコミュニティミックスの観点から検証を行い、市営住宅など高層住宅の建つエリアにおいても店舗やオフィスの導入など、向島の将来の活性化に向けた都市計画の見直しもなされたところであります。一方で、向島ニュータウン内の市営住宅については、年4回住戸の募集を掛けても、応募数が募集数に満たないという状況も多く、また、設備の老朽化などの改修に多額の経費を要することと併せ、空き住戸が増加していると伺っております。京都市では平成28年度から、空き住戸をリノベーションし、新婚・子育て世帯に供給する取組をスタートさせ、令和3年度から、空き住戸の目的外利用としてグループホームや子ども食堂といった地域の課題解決につながる取組を他の市営住宅に先駆けて進めてこられました。これらの取組を通して、地域の状況や雰囲気が着実に変わってきていると実感をしています。今後、向島市営住宅から始まった空き住戸の活用の取組を広く他の市営住宅にも広げ、地域コミュニティの活性化や若年層の定住促進など、より一層、多様で幅広い形で政策課題の解決につながる空き住戸の活用を進めていくべきであると考えますがいかがでしょうか。 また、市営住宅の入居者の高齢化が進む中、管理や運営面では、全国的な動向として指定管理者制度による民間事業者の参画が進んできております。事業者からは、例えば民間のノウハウをいかした単身高齢世帯への見守りサービスなどが提案され、地域の活性化や安心・安全につながる事例もあると伺っております。こうした流れを踏まえ、本市においても、市営住宅の管理や運営面に積極的に民間の知恵やノウハウを取り入れていくことを検討していくべきではないかと考えますがいかがでしょうか。 最後に、伏見区南西部の羽束師・久我地域の浸水対策について要望いたします。本年9月市会の決算特別委員会をはじめ何度か私から要望させていただいており、地域の学区要望にも上がっております。当地域では浸水被害が度々発生しており、これまでから雨に強いまちづくりの取組の中で、関係局区が連携し対策を講じられておりますが、現在の浸水状況を踏まえると更なる対策が必要です。厳しい財政状況ではありますが、是非とも更なる対策を検討し、実現していただきますよう要望させていただきます。 以上をもちまして質問並びに要望とさせていただきます。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 曽我修議員の御質問にお答えいたします。 コンテンツ産業の振興と今後の展望についてでございます。京都は歴史と伝統、豊かな担い手に育まれた文化芸術の宝庫であり、これらはすばらしいコンテンツを生み出す源泉となっております。これまでから京都国際マンガミュージアムの開設や西日本最大規模となっております京都マンガ・アニメフェア(京まふ)の開催をはじめ伝統産業とコラボ商品の開発、作品の製作支援などコンテンツ産業の振興、担い手の育成に資する取組を全国に先駆けて実施してまいりました。これらの取組によりまして市内大学からアニメーション監督等の優秀な担い手を多数輩出しているほか、京都に拠点を開設するコンテンツ関連企業が近年増加してきております。こうした担い手と企業とのネットワークづくりにつきまして、この10月には新たなプロジェクト、KYO-CCE Labをスタートしており、支援窓口の設置、ビジネス環境の整備と共に、学生と企業との交流会やマッチングなど業種や分野の垣根を超えた連携を強化することで、良質なコンテンツの持続的な創造、発信、利活用等の好循環を生み出しコンテンツ産業の更なる発展につなげてまいります。来春に控える文化庁の京都への移転、また、京都市立芸術大学の京都駅東部への移転は、またとない飛躍の機会でもあります。文化を基軸とした都市経営を更に強力に進め、新たな価値の創出につなげることで、京都の強みをいかした都市の成長戦略の実現、経済の活性化、そして市民の豊かさにつないでまいります。 次に、ごみの分別についてでございます。本市のごみ量は、市民、事業者の皆様の御協力の下、ピーク時の82万トンから21年連続で減少し53パーセント減の38万トンとなりました。国の発表におきましても、家庭ごみと事業ごみを合わせた市民一人当たり1日当たりのごみ量は、政令市はもとより人口50万人以上の都市で最も少ない量となりました。市民、事業者の皆様の御理解、御協力に感謝申し上げます。 一方で、依然として2万トンものプラスチックごみが御家庭から燃やすごみとして排出されており、更なる資源循環の推進のため、全国に先駆けまして令和5年4月から新たにプラスチック製品を分別回収することといたしました。その回収開始に当たりましては、分かりやすい分別方法とするため、プラスチック製品をプラスチック製容器包装と一緒に同じ袋、同じ曜日で排出していただくこととします。分別方法につきましては、市民しんぶん等による広報はもとより、まち美化事務所を中心に市民の皆様に寄り添い、丁寧に周知してまいります。加えて、この機会に現在のこごみアプリに替えまして、曽我議員御提案の分別方法をAIが画面上で答えるチャットボットやGPSで身近な回収拠点も御覧いただける利便性の高いごみ分別アプリを導入し、市民の皆様が気軽に資源物の回収に御協力いただけるように改善いたします。今後も、京都に息付くもったいない、始末の心の精神をいかし、全国のモデルとなる資源循環の取組を全力で進めてまいります。 次に、市営住宅の空き住戸の活用と運営についてでございます。曽我議員御指摘のとおり、向島ニュータウンでは多くの住民参加の下、この度将来を展望し、活性化に向けた都市計画の見直しを行いました。また、本市初の取組として、市営住宅の空き家を転用したグループホームや子ども食堂を開設いたしました。向島5街区市営住宅の空き家や集会所を活用し、地域住民の皆様の活動拠点の場として運営する取組も開始しております。向島から始まった新たな試みを他の団地にも広げ、地域の活性化・社会課題の解決に役立ててまいります。 次に、市営住宅の管理運営への民間活力の導入につきましては、競争によるサービスの質の向上や高齢者の見守りなど民間のノウハウによる新たなサービスが期待できることから、現在本市におきましても、令和5年度に公募による指定管理者が選定できるよう準備を進めております。今後とも住宅セーフティネットとしての市営住宅の大切な役割を果たしつつ、社会情勢の変化等に的確に対応し、空き家や団地再生等により生み出された有効活用地を若者・子育て世帯の定住促進など広く本市の政策課題の解決のために従来の市営住宅の枠組みに縛られることなく、積極的、戦略的に活用してまいります。 以下、副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(吉田孝雄) 坂越副市長。 〔坂越副市長登壇〕 ◎副市長(坂越健一) 土木事務所とみどり管理事務所の統合についてでございます。本市では、8か所の土木事務所と2か所のみどり管理事務所において、公共土木施設の維持管理や防災・減災対策の実施に鋭意取り組んでおります。しかしながら、頻発化・激甚化する自然災害に的確に対応していくためには、更なる機能強化が不可欠であることから、令和5年5月に両事務所を組織統合し、新たに8か所の土木みどり事務所に再編いたします。統合後の事務所では、道路や河川に加え公園や街路樹も一元的に管理することで、市民の皆様からの御要望に迅速にワンストップで対応してまいります。 また、統合により、人員体制を増強することで災害発生時の即応力を高めるとともに、近年顕著である自然災害の長期化に備え、職員が交代しやすい環境を整えるなど災害活動体制の持久力を高めることで災害対応の総合力を向上させてまいります。同時に民間委託を一層進め、本市職員は点検やパトロール等の予防保全型の維持管理に注力することにより、より質の高いサービスの提供を効率的に実現いたします。今後は、充実強化した土木みどり事務所を中心に市民の皆様の命と暮らしを守り抜き、安心・安全で緑豊かな潤いのある暮らしの実現を一層図ってまいります。 以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉田孝雄) 暫時休憩いたします。 〔午後2時57分休憩〕 〔午後3時17分再開〕 ○議長(田中明秀) 休憩前に引き続き、会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 休憩前の一般質問を継続いたします。市政一般について、宇佐美賢一議員に発言を許します。宇佐美議員。 〔宇佐美賢一議員登壇(拍手)〕 ◆(宇佐美賢一議員) 左京区選出の宇佐美賢一です。この後に登壇する大津裕太議員と共に会派を代表し、市政全般について質問いたします。今、市民の皆様から、財政問題についてメディアでも大きく取り上げられている現状に対して、全く恥ずかしい、京都市は何をやっていたのか、政治はどうなっているのだなどの厳しいお声が上がっています。そういった現状も十分に認識されたうえで、市長におかれては誠実に御答弁をお願いいたします。 まず、本市財政状況に対するコロナ禍前とコロナ禍後の市長の認識の変化についてお尋ねいたします。私たちは、一般会計が毎年100億円規模で実質赤字である本市財政運営は問題だと継続して訴え、将来にツケを先送りしないことを主眼とした財政規律条例の制定も求めてまいりました。しかし、これまで本市は、財政運営は計画を策定して行っているので条例までは必要ないと繰返し主張されてきました。ところが、コロナ禍で財政破綻の危機だと市長は突然に市民に発表し、新たに財政健全化を着実に実施するための条例の制定をするとも明言されました。財政健全化計画を今回新たに作ったわけであって、今までの言い分であれば、計画通り進めるので条例は必要ないのではないでしょうか。予想されていたリーマンショック並みの減収はなく、財政的にもコロナ前の水準の悪さ、つまり今までのように約100億円規模の実質赤字状態に戻った中で、あえて条例化に踏み切ったのは、要するにコロナ禍前、市長は財政への危機感が麻痺し、健全化に向けた取組が甘かった。コロナ禍で慌てて条例が必要だと認識を改めたのではないでしょうか。もっと早く認識を改めるべきではなかったか、財政健全化に向けた条例を制定してこなかったことへ反省はないのか、市長お答えください。また、今後策定される条例で、将来へツケの先送りになる財政運営はだめだという趣旨を明確に記載されることを求めますがいかがでしょうか。併せてお答えください。 次に、既存の中学校への全員制給食導入についてお尋ねします。本市では、20年以上前に保護者や専門家の意見を基に、多感な中学生の時期であることから愛情弁当の大事さを考え、弁当持参と業者からのデリバリー弁当のいずれかを自由に選択できる選択制給食を中学校で導入されました。昨今、時代の変化、家庭環境の変化と共に全員制給食への制度変更を求める声がこの議会でも上がっていますが、本市で選択制給食は制度として長年続いて定着していると繰返し答弁されています。本当に定着しているのでしょうか。本市の施設一体型小中一貫校では、校舎を新設する際、保護者や地域の希望を取り入れ、選択制ではなく全員制の給食が中学生にも提供されています。その地域では、もちろん学校統合まで選択制給食が提供されていました。しかし、ゼロベースで保護者が自由に選択した結果、全員制給食を選択されました。正にこれは社会の変化、ニーズの変化の表れといえます。改めて今回教育委員会に確認しましたが、選択制から全員制に変更となったことで、生徒に特に問題が起こっているとは認識していない。選択制と全員制、それぞれによさがあり、優劣があるとは考えていないとのことでした。全国的にも全員制給食の導入が進み、政令指定都市や東京23区において、おおむね全員制給食となる見込みとなっています。京都市に生まれ育ち、東京都へお引越しになった方からは、東京では中学校も全員給食で、子供にとっても保護者にとってもよかったとのお声、また、宮城県から京都市にお越しになった方からは、中学校全員給食がなぜないのとのお声も寄せられています。さて、本市においても、保護者が改めて自由に選べば全員制給食が選択されている今の状況についてどのように御認識されているでしょうか。定着したはずの選択制が選ばれずに残念だとお考えでしょうか。まず、お答えください。 また、育ち盛りの中学生にとって栄養バランスが取れた食事が大事であることは言うまでもありません。学校給食法、また、食育基本法にも栄養バランスの取れた食事の重要性は言及されています。しかしながら、給食の栄養バランスはしっかり管理されている一方、生徒が持参する昼食について本市は栄養バランスの調査・把握をしておらず、食育について家庭や生徒への啓発啓蒙だけにとどまっていることが、去る9月定例会での私の質疑で明らかになりました。教育委員会に確認しましたが、食事の栄養バランスは1か月のトータルで考えるようなもので、学校で食べる昼食だけを捉まえて調査するようなものではないとの認識をお持ちのようです。生徒の昼食の栄養摂取状況にそんなに無頓着でいいんでしょうか。啓発啓蒙で十分、あとは家庭の問題だとお考えですか。栄養バランスが整った給食を全員食べるようにしている自治体との差はお感じにならないのでしょうか。お答えください。 さらに、全員制に移行するに当たって費用の問題も殊さらに強調されますが、選択制給食が議論された20年前に比べ、2重保温食缶などが普及したことで大規模な設備投資なしに高温で長時間の保管が可能となり、調理・配送の手法が広がっています。また、投資の手法についても、本市では選択制給食を導入した際に、調理部分の初期費用は民間事業者が負担、毎回の調理委託費の中で投資回収し、本市は学校での保管や食器の費用だけを負担。一時に多額の費用負担なく事業が実施されています。今回、業者配送の全員制給食を導入する場合の試算をお願いしましたが、学校側での費用は、配膳室や食器、配送のための食缶やコンテナで約5億円、業者側の費用は、配送のための準備スペースや食缶の洗浄機、配送車両の確保や保管スペースなど検討課題が多く、具体的な試算は今は難しいとのことでした。しかし、物理的にできないわけではないと考えます。やはり京都市が既存中学校へも全員制給食導入検討の方針を示し、具体的に指示しなければこれ以上は進まないと考えます。現在の業者の施設や既存の小学校の調理施設を活用、また新たな民間事業者への委託も視野に入れ、前向きに検討することを求めますが、市長の見解はいかがでしょうか。 3番目に、別荘に対する固定資産税住宅用地特例の厳格な適用について質問します。固定資産税の住宅用地特例は、居住用の持ち家促進のために本来の土地の課税を安くし、200平方メートル未満は6分の1、それ以上は3分の1に軽減する制度です。別荘は適用除外とはなっているものの、実務では外観が住宅であれば自動的に特例を適用して安い税を課しているのが実態です。京都市独自の新税である非居住住宅利活用促進税、いわゆる別荘・空き家税の審議の際に、私は、固定資産税の住宅用地特例について別荘には適用せずに本来の高い税率で課税すべきと指摘、今後検討するとの答弁がありました。昨今の円安もあり、京都市でも海外居住者の住宅物件の購入が更に増えることが想定される中で、その方針を決め、明確に発信すべきだと考えます。これまでは別荘かどうかの把握が実務上難しかったとのことですが、今回、京都市の新税の課税の際に実地確認も行うことから、工夫すれば特例を外した課税が可能と考えます。また、家やマンションが建てば、使用目的を確認せず自動的に特例を適用し、軽減した税を課す実務についても、例えば申請があって初めて軽減する方法も違法ではないと聞いており、住宅取得時の課税実務も検討すべきと考えます。他都市と違い別荘目的での物件所有が多数あると見込まれ、今後も増加すると想定される中、京都市独自の固定資産税の課税実務を検討すべきであると考えますが、市長の御見解、今の検討状況はいかがでしょうかお答えください。 最後に、中学校の健康診断での上半身脱衣の見直しについて質問します。メディアでも全国的に取り上げられておりますが、生徒や保護者から、成長期で多感な時期であることから完全に脱衣しないよう見直しを求める声があります。本市では、診察直前まで脱衣せず、1人ずつ仕切りの中で脱衣して診察を受けるなどの方法となってはいるようですが、診察時に上半身脱衣することに疑問の声があるものです。私は、その根拠について教育委員会に尋ねましたところ、文部科学省から、明確に脱衣すべきとの文書はない一方で、背骨や肩甲骨の状態などを診察する方法の図があることや、衣服にすれる音で聴診器が聞きづらい、虐待の痕跡の確認ができないなど説明がありました。(パネルを示す)しかしながら、大人の健康診断で完全に脱衣するよう求められているとは思えず、また、虐待の有無を知るために全員が半裸にという説明にも疑問があります。全国では、脱衣まで求めずに学校の検診が行われている地域もあるようですので、市長におかれては、今一度全国の事例を調査し、学校検診の手順見直しを検討していただきたいと考えますがいかがでしょうか。 質問は以上です。御静聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 宇佐美賢一議員の御質問にお答えします。 財政健全化に向けた条例についてでございます。市長就任以来、職員3,800人の削減、年間人件費270億円削減、全会計の市債の残高は3,794億円、19パーセント削減など徹底した改革を実行し、また成長戦略を強力に推進してまいりました。国の三位一体の改革以降17年間、京都市の税収は330億円、14パーセント増えました。その一方で、国からの地方交付税は大都市に、政令市に不利になったことなどにより、京都市は612億円、47パーセントと大幅に減少しました。これらのことにより長らく収支不均衡が続いております。このため更なる改革が必要と考え、昨年8月行財政改革計画を策定し、この間、着実に実行することで持続可能な行財政の改革に向けまして大きく前進しております。市長自らが財政目標を立て、期間を定めた具体的な計画を策定し、改革を実行する京都ならではのこうした改革が、将来にわたりしっかりと継続されるようこの度計画の策定を条例に義務付けようとするものであります。3年間の集中改革期間の総括とその到達点をお示しする5年度予算と同時に、条例を提案してまいります。私は、これまでから将来世代が過度な負担を負うことのない、また魅力あふれる京都の今と未来を市民の皆様と力強く切り開いていく、これが市長の責務であると表明してきました。条例はこの趣旨を踏まえたものとなるよう取り組んでまいります。 以下、副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 坂越副市長。 〔坂越副市長登壇〕 ◎副市長(坂越健一) 別荘に対する固定資産税の課税についてでございます。本市では持続可能なまちづくりのため税制度を活用し、全国に先駆けた取組を展開しております。現在導入に向けて取組を進めている非居住住宅利活用促進税も、空き家をはじめとする非居住住宅の有効活用を促進し、子育て世代等の定住人口の増加や地域コミュニティの活性化につなげていく全国のモデルとなる京都独自の取組でございます。また御指摘の固定資産税につきましても、抜本的な空き家対策の一つとして、管理不全空き家に対する住宅用地特例を厳格に運用し、特例を解除する取組を全国に先駆け令和2年度から開始しました。全国的に空き家が増加する中、本市では減少するなど成果を挙げてきております。御質問のあった別荘目的で所有される住宅に対する住宅用地特例の適用につきましても、本市の実態に応じた効果的、効率的な手法の下、適正に課税を行うとともに、非居住住宅利活用促進税の導入を契機として更に取組を強化してまいります。 以上でございます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) 初めに、中学校給食についてでございます。本市では、全ての家庭を対象に誰もが自由に選択できる中学校給食を実施しております。こうした中、施設一体型の小中学校における給食実施は、校舎を整備する過程で中学生分も想定した給食室を設置できる施設整備上の条件等を踏まえて検討されてきた結果であるため、中学校全体の給食実施について単純に当てはめることはできないと考えております。また、中学校の3年間は特に心身の成長に大切な時期であり、給食の利用有無にかかわらず、バランスのよい栄養摂取は大変重要と認識しております。この間、本市では、献立の改善や予約手続の利便性の向上等、中学校給食の充実を図るとともに、毎月発行する献立表や食育通信等に中学生の食生活のポイントを掲載するなど家庭と連携した食育を推進しており、今後も取り組んでまいります。なお、全中学校での全員制給食は、子供たちの学びと育ちのために他に優先すべき全市的な課題が多い中、多額の経費を要することや自由選択制の中で家庭からの弁当持参を望む生徒・保護者もあることから、実施は困難です。今後とも現行制度の下、中学校給食の一層の魅力化に取り組んでまいります。 次に、学校における健康診断についてでございます。子供の健康は学校での学びの前提になるものであり、全ての子供が健やかに学校生活を送ることができるよう健康上の支障がないかを把握することを目的に、健康診断を公費により実施しております。こうした中、例えば他都市では、学校健診で脊柱側わん症が見逃されたために症状が悪化したとして訴訟になっている事例が複数あることも踏まえ、本市では、京都市学校医会の先生方とも協議し、検診の重要性や実施方法について児童生徒や保護者に対して丁寧に説明したうえで、正確な心音の聞き取りや脊柱の異常な把握、虐待等の課題の早期発見のため、内科検診及び脊柱検査については上半身脱衣での受診を原則としつつも、プライバシーには十分配慮し、各校の学校医と相談して個別に状況に応じて対応を工夫しながら行っております。なお、国においても、児童生徒等のプライバシーの保護や心情も考慮して実施することと併せて、適切、正確な診察や検査等を実施することが重要であると示されていることから、今後も児童生徒等の健康を守るため、国の方針等を踏まえつつ適切に健康診断を実施してまいります。 以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に、市政一般について、大津裕太議員に発言を許します。大津議員。 〔大津裕太議員登壇(拍手)〕 ◆(大津裕太議員) 中京区選出の大津裕太です。先ほど登壇しました宇佐美賢一議員に引き続き、地域政党京都党・日本維新の会市会議員団を代表して市政一般に対して、とりわけ小中学生の不登校に関して幾つかの視点から質問してまいります。 今年の10月、文部科学省が公表した調査結果によると、全国の小中学校で令和3年度に30日以上欠席した不登校の児童生徒は24万4,940人となり、前年度より24.9パーセントも増加して過去最多となりました。10年前と比較すると、小学生は3.6倍、中学生は1.7倍となっています。京都市内の小中学校で見ても、不登校の児童生徒数は令和元年度が1,537人、令和2年度が1,797人、令和3年度が2,022人と、全国の傾向と同様に著しい増加傾向にあります。さらには、これらの数字には、病気・けが・経済的理由・コロナ感染回避を理由とした長期欠席や、放課後登校や保健室登校などの不登校傾向の児童生徒は含まれていないため、これらの児童生徒も含めると、公表数字の倍以上の子供たちが不登校に苦しんでいる状況にあります。また、子供の不登校は保護者にとっても大変苦しく、原因が自分にあるのではないかと自分を責める、悩みを相談できずに孤独感・孤立感を感じるなどの声を多く聴きます。 不登校の数が増えていることは、いじめの認知件数が増えていることと同様に、必ずしも悪いことではありません。これまでから既に子供たちの中で内在的に起こっていたことが、子供たちの我慢という犠牲の下に表面化してなかった事案が、社会環境の変化の中で表面化しているという側面もあります。しかし、不登校がきっかけで成人後もひきこもるケースが少なくなく、長期化すればひきこもりの我が子を支える親が高齢者になり、家庭で支えきれなくなる8050問題にもつながります。将来のある子供たちが社会で活躍してもらえるよう不登校の問題は優先して取り組むべき課題と考えます。不登校の問題が難しいのは、不登校の原因や本人の感情は千差万別で、どう対応すればよいという一律の答えがないことです。登校促しや登校刺激なども逆効果になるケースが多く、学校も保護者も対応が非常に難しいのが現実です。学校復帰を目指しながらも、学校復帰だけをゴールにする固定概念を捨て、一人一人が最終的に社会で活躍できるように様々な選択肢がなければなりません。本市でもこれらの現状を踏まえ、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーを配置し、保護者や教員の相談を受けながら、学校外の関係機関とも連携し、課題解決に先進的に取り組んでおります。 一つ目の質問は、不登校の予防に学校現場はもう少しできることがないのかという視点です。文部科学省は、毎年児童生徒の問題行動・不登校等、生徒指導上の諸課題に関する調査を行っており、主に学校の教員が回答した不登校の要因が発表されています。一方、令和元年にNHKが不登校当事者の児童生徒本人に不登校の要因についてアンケート調査を実施していますが、文部科学省の結果と大きくかい離がありました。教員が回答をしている文部科学省のアンケートでは教員との関係が2.2パーセント、いじめが0.4パーセント、部活動が2.7パーセント、決まりや校則が3.5パーセントと学校生活に関連する項目の要因が不登校の原因ということが極めて低い中、子供たちが回答しているNHKの調査では、全ての同じ項目がそれぞれ軒並み20パーセントを超えており、学校現場で適切に要因を把握できていない、若しくはアンケート回答の段階でバイアスが掛かっていることが推察されます。これらは京都市のデータではなく全国のデータではありますが、京都市も同様の傾向があるのではないでしょうか。未然に防げる不登校もあるのではと感じていますが、これらの調査結果の差異をどう捉えておられるか、また、教育現場で改善できることはないのかお答えください。 二つ目の質問は、不登校生徒の居場所づくり、学校復帰、社会での活躍に向けた取組の改善です。本市では、洛風中学・洛友中学と不登校特例校が2校あり、別室登校ができるふれあいの杜を5か所設置し、また、こどもパトナで相談を受けるなどの取組がされています。最近ではGIGA端末の活用も進み始めています。同時に、本市のこれらの取組ではなく、フリースクールに支援を求める児童・保護者も多くおられます。これは本市の取組が悪いということではなく、本人に合った場所に行くことが望ましいわけですから、選択肢が広がっているという点でよいことだと感じます。実際に、NPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワークが10月に実施したアンケート結果では、8割を超える保護者がフリースクールが助けになったと回答しています。本市でも、フリースクールとの連携は前に進んでおり、所属している小中学校の校長の判断で、フリースクールへの登校が出席にカウントされるようになっています。フリースクールも千差万別で、不登校解消に向けた取組を熱心に行う校もあれば、単純な居場所の提供にとどまるようなところもあり、一律でくくりにくい事情があります。単位認定に際して、フリースクールに細かい報告を求めることは理解できます。しかし一方で、学校側からフリースクールへの情報提供は極めて少なく、情報が一方通行になっているとの声を聴きます。個人情報の課題もあるかと思いますが、フリースクールで子供に向き合うにもその子供の背景や事情をできるだけ把握できている方が、より最適な対応ができます。個人情報の課題も保護者の了承を得るなどの工夫で乗り越えられるのではないでしょうか。子供たちへのよりよい教育・指導、居場所づくりのためにも、もう少し双方向の情報提供、情報共有が必要ではないかと考えますがいかがでしょうか。 三つ目の質問は、不登校児童を抱える家庭の経済的な観点です。前述と同様のNPO法人登校拒否・不登校を考える全国ネットワークが行った調査では、子供が不登校になったことで、91.5パーセントの保護者がフリースクール代など費用で掛かり、支出が増えたと回答しております。また32.0パーセントの保護者が子供への対応などで働き方を変えるなどの理由で収入が減ったと回答しています。フリースクールの学費は、文部科学省の調査では平均月3万3,000円となっています。登校頻度が高いともう少し高額になりますし、通学に掛かる交通費も掛かります。これらの経済的負担は決して小さくなく、経済的理由でフリースクールへの登校を諦め、不登校解消の機会を失う子供がいることは避けなければいけません。他都市を見ると、東京都は不登校の調査研究協力を名目に月1万円の補助を出しており、大阪市は塾代助成の月1万円がフリースクールにも使えます。草津市では負担割合を50パーセントとしたうえで、月上限4万円の補助を出しています。福岡県ではフリースクール運営団体に最大200万円の補助金を出すことで、学費の減額につなげています。本市は財政状況が厳しい中ではありますが、不登校でかつフリースクールを利用する児童生徒の絶対数はそこまで多くないことから、財源的にも負担は限定的です。京都市でもフリースクールへの登校に対して経済的支援を検討できないでしょうか、お答えください。 四つ目の質問は、発達障害を抱える児童の不登校に関してです。不登校になる児童の一定割合が、診断の有無は別として発達障害の傾向がある児童であることは関係機関でも把握されています。発達障害の傾向がある児童の場合、療育などを通じて社会適応性を向上させることが、不登校解消に大きな効果があります。実際に療育を受けた子供たちが、学校に戻るようになった要因として、無理なことは断れるようなった、言わないといけないことを伝えられるようになった、やらないといけないことに向き合えるようになった、求めていることが分かるようになったなどを挙げています。本市でも、児童療育センター等が子供の療育を行っていますが、いずれも就学前の子供が対象になっており、小中学生は活用できません。小中学生にはLD等通級指導教室の設置などの取組がされておりますが、性質上、必ずしも全ての児童にとって活用しやすいものではありません。また、放課後等デイサービスも療育を担っておりますが、専門的に療育を行っている施設はまだまだ少なく、単なる預かりや学習塾的支援、習い事的支援にとどまっている施設も多くあります。療育の必要性や重要性を周知するとともに、療育を希望する児童・保護者が、切れ目なく療育を受けられる環境を民間の力も活用しながら拡充すべきと考えますがいかがでしょうか。 五つ目の質問は、障害認定の地域格差とそれにひも付く特別児童扶養手当の受給の有無についてです。発達障害の場合、障害認定や特別児童扶養手当の受給が選択肢に入ります。しかし、広域で療育に関わっている方々や保護者の御意見を聞くと、京都府下でも認定に地域格差があるという声が多くあります。近隣の京田辺にある京都府立子ども発達支援センターや亀岡にある花ノ木医療センターに比べて、本市の京都市児童福祉センターでは、発達障害の障害認定が下りないケースが多く、また、児童福祉センターで下りなかった障害認定が、民間の医療機関で再度診断すると認定が下りるというケースがよくあるという声です。これらは地域によって差があるべきものではありません。また、障害認定はしない方がよいと窓口で言われたという保護者もおられます。本人への開示や外部への開示をするかしないかは保護者の判断であり、特別児童扶養手当をはじめ様々な支援を受けられないデメリットを押し付けるべきものではありません。本市の発達障害の障害認定の実態を確認し、地域格差は本当にないのか、必要な方に行政支援が行き届いているのかを改めて見直していただきたいと考えますがいかがでしょうか。 以上で代表質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 大津裕太議員の御質問にお答えします。 発達障害を抱える児童の療育についてでございます。発達障害を抱える児童の支援に放課後等デイサービスが大きな役割を担っております。ただ、放課後等デイサービスにつきましては、平成24年度の制度創設以降、事業者の急増を背景に質の向上が全国的な大きな課題となっており、障害特性に応じた専門性の高い発達支援となっていない事業所の事例も見られます。本市ではサービス供給量が必要量の見込みを上回る状態にあるために、令和元年度から公募による事業所の選定や事業所への巡回指導、研修を行う放課後等デイサービス支援事業により独自に質の向上に取り組んでまいりました。また、小中学校では、LD等通級指導教室を重視し、設置を積極的に進める中で、現在政令指定都市平均が学校数の16.2パーセントの設置率のところ、京都市では必要なところに必要な学級を作っていこうということで3倍もの49パーセント、112校に設置しており、全国最多となっております。現在、国において放課後等デイサービスを含む障害児通所支援事業の質の向上のために検討が進められており、令和6年度に制度の大幅な改正が見込まれることから、本市としても国の動向を注視するとともに、更なる支援の質の向上の取組を検討を行い、小中学校と連携しながら発達障害を抱える児童が切れ目なく適切な支援が受けられるよう必要な取組を進めてまいります。 以下、関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 上田子ども若者はぐくみ局長。 〔上田子ども若者はぐくみ局長登壇〕 ◎子ども若者はぐくみ局長(上田純子) 特別児童扶養手当の障害程度の認定についてでございます。発達障害など障害がある児童への支援施策については、事業ごとに支給要件や認定基準があり、利用に当たってはそれぞれの基準等を満たす必要がございます。御指摘の特別児童扶養手当については、国が定める全国一律の認定基準に基づき、個別の支給事務を都道府県及び指定都市で実施をしております。具体的には、申請者から京都市児童福祉センター診療所のほか、民間の医療機関等でも作成可能な診断書を添付した手当の申請書を区役所・支所の保健福祉センターに提出していただきます。その申請を受けて、本市が委託しているそれぞれの障害に係る専門の医師において、国の認定基準に基づき障害程度の審査を実施し、本市において支給認定を行っております。引き続き、必要な方に行政支援が行き届くよう適切な事務の遂行に努めてまいります。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) まず、不登校の予防についてであります。議員御指摘の調査の数値差が示す教員と子供の見立ての違いは、教員の子供理解の力を更に向上させるべきことを示唆するものと認識しております。国において生徒指導提要がまもなく改訂され、その理念である子供たちの成長を支える取組が示されますが、本市立学校では、これまでからいじめアンケートに加え、本市独自に開発、作成したクラスマネジメントシートを活用して学級内の子供同士や教員との関係を客観的に把握し、子供たちの声を直接把握できるよう努めるなど不登校の未然防止の取組を先進的に進めてきております。不登校には、その背景に様々な要因が複合的に重なっていることを踏まえ、今後とも見逃しのない観察を大切に子供一人一人に応じた最適な対応に取り組んでまいります。 次に、フリースクールとの情報共有についてであります。不登校児童生徒への支援において学校とフリースクール等民間団体が連携し、相互に情報共有を行うことは重要であると認識しています。本市においては、既に平成29年度から全教職員に配布している冊子、心の居場所づくりハンドブックに外部機関との連携の大切さを明記し、教員研修などで具体的な連携方法や留意点などを学び、実践力を高めています。そうした中、各学校において関係法令を踏まえたフリースクール等の学校外の機関との情報共有の促進やフリースクールでの活動を一定の条件下で出席扱いとするなど互いが連携し、子供が安心して学べる居場所づくりにも取り組んでいるところです。今後、更なる連携体制の構築やその下での不登校児童生徒一人一人に沿った支援の一層の充実に向け、継続的に検討し、情報共有に努めてまいります。 最後に、フリースクールへの通所に対する経済的支援についてであります。本市においては、教育支援センターふれあいの杜学習室を市内5か所に設置するとともに、全国12校ある公立の不登校特例校のうち本市が2校を設置するなど公的な施設への子供の居場所づくりに先進的に取り組んでまいりました。また、議員御指摘のフリースクールへの通所に係る経済的支援については、個人への経済的支援は行っておりませんが、京都府に認定されている市内のフリースクール等民間団体3か所に公費で委託し、家庭訪問の支援や体験活動など多様な不登校支援事業を行っているところです。さらに、各学校での別室指導や放課後登校など教職員総体で取り組んだ結果、本市の不登校児童生徒の在籍率は全国平均を下回り、昨年度、政令市20市のうちで17番目の少なさとなっております。引き続き、不登校の子供たちが安心して学べる居場所づくりに取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(田中明秀) これをもちまして一般質問を終結いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 本日はこれをもって散会いたします。 〔午後3時55分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~          議長    田中明秀          副議長   吉田孝雄          署名議員  山本陽子          同     久保田正紀 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