京都市議会 > 2022-03-01 >
03月01日-03号

  • "環境先進都市"(/)
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  1. 京都市議会 2022-03-01
    03月01日-03号


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    令和 4年  2月 定例会     令和3年     定例会       京都市会会議録 第3号     令和4年2月市会                        令和4年3月1日(火曜日)出席議員(63名)   1番 久保田正紀議員   2番 神谷修平議員   3番 小山田春樹議員   4番 豊田恵美議員   5番 森川 央議員   6番 田中明秀議員   8番 やまね智史議員  10番 かまの敏徳議員  11番 菅谷浩平議員  12番 こうち大輔議員  13番 森かれん議員  14番 大津裕太議員  15番 小島信太郎議員  16番 兵藤しんいち議員  17番 松田けい子議員  18番 やまずまい子議員  19番 井上よしひろ議員  20番 平山たかお議員  21番 とがし豊議員  22番 ほり信子議員  23番 山田こうじ議員  24番 森田ゆみ子議員  25番 山本陽子議員  26番 平井良人議員  27番 宇佐美賢一議員  29番 片桐直哉議員  30番 天方ひろゆき議員  31番 かわしま優子議員  32番 国本友利議員  33番 加藤昌洋議員  35番 田中たかのり議員  36番 みちはた弘之議員  37番 さくらい泰広議員  38番 くらた共子議員  39番 井上けんじ議員  40番 河合ようこ議員  41番 樋口英明議員  42番 赤阪 仁議員  43番 中野洋一議員  44番 山岸たかゆき議員  45番 安井つとむ議員  46番 青野仁志議員  47番 平山よしかず議員  48番 吉田孝雄議員  49番 しまもと京司議員  50番 椋田隆知議員  51番 下村あきら議員  52番 西村義直議員  53番 吉井あきら議員  54番 山本恵一議員  55番 井坂博文議員  56番 加藤あい議員  57番 西野さち子議員  58番 玉本なるみ議員  59番 湯浅光彦議員  60番 曽我 修議員  61番 大道義知議員  62番 寺田一博議員  63番 津田大三議員  64番 中村三之助議員  65番 橋村芳和議員  66番 繁 隆夫議員  67番 富きくお議員欠席議員(3名)   9番 鈴木とよこ議員  28番 江村理紗議員  34番 森田 守議員欠員(1名)   議事日程   開議日時 令和4年3月1日(火)午前10時第1 請願の付託及び陳情の回付第2 議第1号ないし議第38号,議第40号ないし議第65号,議第67号ないし議第72号,議第179号及び議第194号 令和4年度京都市一般会計予算 ほか71件第3 議第39号 京都市文化財保護条例の一部を改正する条例の制定について第4 議第66号 京都市消防団員等公務災害等補償条例の一部を改正する条例の制定について第5 議第178号 京都市国際親善交流基金条例の一部を改正する条例の制定について第6 議第180号 京都市細街路にのみ接する建築物の制限等に関する条例の一部を改正する条例の制定について第7 議第181号 京都市地区計画の区域内における建築物等の制限に関する条例の一部を改正する条例の制定について第8 議第182号 京都市緑化・公園管理基金条例の一部を改正する条例の制定について第9 議第191号 市道路線の認定について第10 議第192号 市道路線の廃止について第11 議第193号 損害賠償の額の決定について第12 議第170号ないし議第177号及び議第183号ないし議第190号 令和3年度京都市一般会計補正予算ほか15件(予算特別委員長報告)   議事日程(追加)第13 市会議第15号 姉妹都市キエフ市をはじめとする各都市へのロシアによる軍事侵攻に抗議する決議について~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕 ○議長(田中明秀) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。加藤昌洋議員と山本陽子議員とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 日程に入ります。 日程第1,請願の付託及び陳情の回付を行います。今回受理いたしました請願6件及び陳情30件は,お手元に配付してあります文書表のとおり所管の常任委員会に付託又は回付いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 日程第2,議第1号ないし議第38号,議第40号ないし議第65号,議第67号ないし議第72号,議第179号及び議第194号令和4年度京都市一般会計予算ほか71件,以上72件を一括議題といたします。 昨日の議事を継続し,質疑を続行いたします。 湯浅光彦議員に発言を許します。湯浅議員。 〔湯浅光彦議員登壇(拍手)〕 ◆(湯浅光彦議員) 皆さん,おはようございます。右京区選出の湯浅光彦でございます。公明党京都市会議員団を代表して平山よしかず議員,青野仁志議員と共に令和4年度京都市予算案に対する代表質疑を行います。 質疑に先立ち2点申し上げます。 まず1点目は,ロシア軍によるウクライナ侵略は断じて許されるものではない。即時停戦と撤回を強く求めるものであります。とともにキエフ市民をはじめウクライナ国民の無事を心より祈念いたしております。 2点目は,今回の新型コロナにおけるオミクロン株感染拡大は,いまだ経験したことのない猛威を振るっております。病床使用率現状75.2パーセント,まん延防止も延長されると報道されております。亡くなられた方々に心より哀悼の意を表し,闘病生活を送られている方々にお見舞い申し上げます。またこの2年間,医療関係者の方々をはじめ全てのエッセンシャルワーカーの御献身に改めて心より感謝御礼申し上げます。今回のオミクロン株は未就学児などへの感染も甚大な数であり,学校や保育園など保護者支援も含めて,市長におかれては全力で対策に取り組まれることを強く要望しておきます。 ある識者は,「今回のパンデミックは未曽有の脅威であることは間違いないかもしれない。しかし将来,歴史を分かつものは何だったのかを顧みたとき,それを物語るものを甚大な被害の記録だけで終わらせてはならない。歴史の行方を根底で決定づけるのはウイルスの存在ではなく,あくまで私たち人間にほかならない。想像もしなかった事態の連続で戸惑いネガティブな出来事に目が向きがちであるが,危機の打開を目指すポジティブな動きを希望の光明と捉え,その輪を広げていくことが大切になる」と言われております。門川市長におかれましては,市民の皆様にとり未来への希望をつなぐ明快な答弁を期待いたします。 それでは質問に入ります。コロナ禍と財政危機という二つの危機に直面する現在,公明党京都市会議員団は昨年10月18日,門川市長へ94項目にわたる予算要望を提出いたしました。 〔田中議長退席,吉田副議長着席〕 ◆(湯浅光彦議員) (続)今回の予算案では,新型コロナウイルス感染症対策,防災・減災対策,フレイル対策,医療的ケア児支援デジタル化支援など我が会派の要望に真摯にお応えいただき予算化されたことをまず評価いたします。詳細についてはこれからの局別質疑の中で議論をしてまいりたいと思います。市長は昨年10月,京都市SDGs未来都市計画を策定し,2030年のあるべき姿としてあらゆる危機を乗り越え,将来にわたって人々が生き生きと暮らせる魅力と活気に満ちた持続可能な京都のまちを掲げ,文化を基軸としてSDGsに貢献するという基本姿勢の下,地球温暖化の加速,人口減少の本格化,グローバル化の進展,産業構造の転換と厳しい京都市財政の四つを喫緊の課題として上げ,環境,社会,経済の三つの側面での取組を行うとしております。ただ単に財政危機だからとの視点ではなく,2030年を目指してどのような視点で令和4年度予算を編成されたのか,まずは総括的に伺います。 次に,今回提案されました予算案では,市民生活の安心・安全,都市の成長戦略の推進,財政構造改革の3点を重点とし,政府の経済対策と歩調を合わせ,令和3年度2月補正予算と一体的に編成したとのことであります。公明党,自民党による政府与党として強力に推進した持続化給付金や雇用調整助成金,緊急小口資金貸付けなど経済の下支え等により,リーマンショック並みと危惧されました市税収入の減少をこれらにより回避をし,かつ国の地方財政政策で地方一般財源が維持・確保されたことによる結果,一般財源収入は前年度予算から56億円増の4,415億円を見込み,また行財政改革計画の大きな柱である公債償還基金の残高を令和7年度に1,000億円以上確保することについても1,330億円以上を確保し,喫緊の財政危機は確実に回避されたと表明しております。この間マスコミ報道などを通して多くの市民が心配をされました。市長からしっかりとこのことについても発信していただきたいと思います。と同時に,今回の予算案では有識者会議の提言も受け,多くの事業について見直しを行い,厳しい財政状況の中にあっても他都市に勝るきめ細やかな施策を長年実施してきた事業もあれば,本来であればもっと早い段階で見直すべき事業もあり,これらについては大いに反省していただきたいと申し上げておきます。また,見直しの中には,高齢者のインフルエンザ予防接種事業に関して市民税非課税者への一律1,500円を負担いただく案が提案されておりますが,この点については高齢者の感染症対策の観点からは懸念を抱かざるを得ないということを強く申し上げておきます。そのうえでSDGs未来都市に掲げる誰一人取り残さないとの理念は,私は最も困難を抱えた人に手を差し伸べることであると確信をしておりますが,市長は誰一人取り残さないとの理念をどのように予算案に具現化されたのかお聞きします。 まずは,ここまでの答弁を求めます。 ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 湯浅光彦議員の御質問にお答えいたします。 令和4年度予算におけるSDGsの理念などについてでございます。本市においてはこれまでから一人一人を大事にする福祉,教育,子育て支援,雨に強いまちづくりなどの防災・減災対策,京都議定書誕生の地としての気候変動対策,環境先進都市としての取組など全国のモデルとなる取組を市民の皆様と共に進めてまいりました。ここに新たに国の「SDGs未来都市」という称号を得て,来年度予算において2030年,さらにその先も未来も見据えて,SDGsと本市が培ってきたレジリエンスの理念を全ての施策の基本に据え,あらゆる危機を乗り越え,将来にわたって人々が生き生きと暮らせる魅力と活気に満ちた持続可能なまち・京都の実現に強い決意で臨みました。多様性を尊重し,包摂性のある社会,誰一人取り残さない社会を目指して,来年度は医療的ケアが必要な児童生徒への通学支援,困難を抱える女性への相談・就業支援,児童虐待防止のための相談体制,ひとり親家庭への支援などを充実してまいります。 また,2030年までに先行して脱炭素を実現する国のモデル地域の京都での創出や再生可能エネルギーの拡大とその環境価値を地域経済に循環させる新たな取組,社会課題の解決へ向けてのスタートアップエコシステムなど地域,企業,大学,NPO,行政など多様な主体が連携・行動する仕組みを構築いたします。こうした取組をESG投資やSDGsを学ぶ修学旅行生など人や投資の京都への呼込み,経済の活性化,市民の皆様の暮らしの豊かさ,ひいては京都のまちの持続可能な成長につなげてまいります。同時に,施策をしっかりと支える持続可能な行財政の確立が急務でございます。 来年度予算においては,市民・事業者の皆様の御努力により市税収入が堅調であること,歳入歳出の構造改革を徹底したこと等により,公債償還基金の計画外の取崩しを行財政改革計画の試算から104億円圧縮いたしました。令和7年度末の公債償還基金の残高につきましては,令和5年度から7年度においても行財政改革を着実に達成することで,令和2年度決算と同水準の1,330億円以上を確保,資金枯渇の危機を回避できるめどを立てることができました。改革の実行に当たりましては,まず人件費の削減など行政の効率化を徹底し,改革が市民生活に与える影響を最大限配慮したうえで施策・制度を持続可能なものに再構築してまいります。これらにより,より困難を抱える市民の皆様に寄り添ってセーフティネットをしっかりと維持し,誰一人取り残さないSDGsの達成に向けて取り組んでまいります。今後も市民の皆様と共に全ての市民の皆様が希望を持って持続可能な魅力あふれる京都のまちづくりにその実現に全力を尽くしてまいります。 ○副議長(吉田孝雄) 湯浅議員。 〔湯浅光彦議員登壇〕 ◆(湯浅光彦議員) 次に,このSDGsの観点から,私共公明党市会議員団は令和3年度政策調査研究「子ども未来創造都市・京都をめざして」を2月17日門川市長へ提出いたしました。(実物を示す)こちらでございます。先の衆議院選挙において公明党は子育て・教育を国家戦略に位置付け,今回の提言では,子供は社会の未来を体現するものであり,未来の幸福こそが現社会の幸福であり,SDGsという理念から現在の子供を取り巻く課題について子供の未来と結び付けてモニタリングすることが重要であります。さらに,コロナ禍にあってこうした状況が子供たちの未来にどれほどの影響を及ぼすのか,我々大人たちは想像力を働かせなくてはならないと考えます。これらの視点を踏まえ,子供の未来を創造する都市のモデルとなること切に期待をし提言いたしました。京都市はほかの政令市に先駆けて,平成19年,京都はぐくみ憲章,同23年,子供を共に育む京都市民憲章の実践の推進に関する条例を制定,さらに,公明党市会議員団が強く求めてまいりました子ども若者はぐくみ局を平成29年に創設し,妊娠から子供・若者に至るまで切れ目のない支援を進めてこられたことは評価しております。しかし,今回局長が収賄により逮捕されたことについては甚だ遺憾であることを申し上げておきます。 今回の提言では,子どもSDGs京都指標としてSDGsの17のゴールを子供目線で独自に設定をいたしました。例えば貧困問題の解消というゴールでは,子供の貧困率や生活保護受給率子ども食堂充足率等を設定したうえで,京都市の現況は,貧困関連指標は改善傾向だが政令市の中では下位,子ども食堂の充足率は政令市では上位など政令市の中での相対的位置なども示し,京都市の強みや課題をまとめております。ほかにも,飢餓をゼロにでは痩身傾向児出現率肥満傾向児出現率,朝食を毎日食べている中学生の割合などを指標とし,質の高い教育では国語・数学の平均正答率など,また平和と公正を全ての人にでは児童相談所における児童虐待相談対応件数やいじめの認知件数などを指標といたしました。SDGsの目標は,貧困や格差の解消等危機の克服にありますが,大人だけでなく子供もそうした危機にさらされていることを改めて認識すべきです。貧困の克服など大きなテーマは人類共通の課題としてある一方,現代日本の子供たちに特有の課題も存在しています。今我々大人たちは未来志向を持ち,子供・若者が生きていく上で京都市は何ができるか,京都市の強みである文化力や教育力,都市ブランド力などをどういかすかといった視点が重要であります。参加型民主主義こそがSDGsの主要なエンジンであり,その基盤となるのは可能な限り子供・若者の意見を政策立案にいかす仕組みであると考えます。なぜなら,京都市はぐくみプランが掲げているように,子供・若者は若き市民であり,彼らにしか言えない意見があり,それを酌み取るとともに,それ以上に彼らが意見の表明を通じて地域や社会が変わる可能性があることを実感することが重要だからであります。これらを踏まえ六つの提言を行いました。一つ,SDGs教育の強力な展開,二つ,ヤングケアラー,貧困など困難を抱える子供の総合的支援,三つ,京都ならではの豊かな文化芸術に触れる機会の提供,四つ,子供の権利条約批准国に設置が求められております,子供自身や子供の保護者などからの声に対応する子供のための独立した人権機関とも言えるオンブズマン的な役割を果たす中立的な機関,(仮称)京都子どもコミッショナーの設置,五つ,子どもSDGsプロジェクトチームの設置,六つ,京都市子ども基本条例の制定であります。子育て環境日本一を目指す門川京都市政として是非ともこの提言を実現に結び付けていただきたいと存じますがいかがでしょうか,お答えください。 次に,食品ロス削減の取組について伺います。食品ロス削減は世界共通の課題として,SDGs目標12のターゲット3において2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の1人当たりの食料の廃棄を半減させ,収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させるとしております。 一方,2019年8月に気候変動に関する政府間パネル,IPCCが公表した土地関係特別報告書には,食品ロス及び廃棄物の削減などを含む食料システム政策が温室効果ガスの低排出シナリオ等を可能にする確信度が高い,つまり効果があることが示されました。日本全体でも年間で570万トンもの食品ロスが発生しており,国民一人1日当たりお茶碗1杯分を捨てていることになります。こうした中,公明党は独自に食品ロス削減推進チームを立ち上げ,令和元年10月施行の食品ロスの削減の推進に関する法律の制定を主導してまいりました。国では平成12年度の約980万トンを令和12年度には半減させる目標を掲げ,食品ロス削減に取り組んでおります。 一方,京都市では,国に先立ち新・京都市ごみ半減プランでピーク時から令和2年度に半減させるという目標を全国で初めて設定し,取組を進めた結果,令和2年度にはごみ量の半減を達成し,食品ロスについても目標まであと一歩となるピーク時9.6万トンから4割削減の5.7万トンまで削減することができたことは,市民・事業者の皆様の御理解と御協力があったからこそと思います。内訳は家庭ごみが平成25年の3.3万トンから令和2年で2.6万トンと約20パーセント削減,事業ごみが平成25年3.5万トンから令和2年3.1万トンと約10パーセント削減となっております。しかし,食品ロスの処理費用は年間20億円以上掛かっております。また依然としてごみの4割は生ごみであり,さらにその4割の5.7万トンが食品ロスとしてごみとして捨てられております。私はこれまでから,食品ロスの取組強化を訴え,30・10運動の推進や飲食店はもとよりコンビニエンスストアをはじめとした小売業界を含め,事業者の皆様にも食品ロス削減の輪を広げる取組を推進するよう様々な提案をさせていただきました。この間,食べ残しゼロ推進店舗や販売期限延長などの取組がなされてきたと承知をしております。これら京都市の取組については政府・企業・国際機関,研究機関のリーダーによる食品ロス削減を目指す世界的連合Champions12.3のメンバーでもある食品ロス問題ジャーナリストの井出留美氏も多くの著作の中で,(実物を示す)これもその中の一冊ですが,取り上げて評価をされておられます。また,今年度,文化環境委員会で我が会派の松田けい子議員が販売期間延長の取組を進化させ,賞味・消費期限の近い物から購入するてまえどりの普及促進を促し,とてもユニークでインパクトのあるポスター掲示も手伝い,前年同月比で食品廃棄率が,商品にもよりますが3割から7割も減少し,かつ店舗全体の廃棄率も減少するなど大きな食品ロス削減効果があったとのことであります。また近年は,ICTやAI等の新技術を活用した未利用食品の販売や食品の需要予測,セルフレジ機能付きスマートショッピングカート,AIカメラによる棚管理などDXによる食品ロス削減にも効果的なビジネスが展開されてきております。昨年10月京都市では,国の方針も受けAIやICT,IOTを活用した食品ロス削減の取組として食品関連事業者にサービスの内容や利用方法,メリットなどの認識を深め,さらにはサービス提供事業者とのマッチングの場を提供する説明会,相談会を開催されております。今後更なる食品ロス削減に向けては,民間事業者との連携・協力が欠かせないと思います。また困窮する世帯や子供たちへのフードバンク,フードドライブへの支援も食品ロス削減への有効な手段であると思います。そこでお尋ねします。今後,食品ロスの更なる削減と食品ロスの有効活用に向け,SDGs未来都市・京都としてどのように取り組まれるのか,お答えください。 次に,女性のエンパワーメントつまり能力開花による就労支援,とりわけ女性のデジタル人材育成への取組について伺います。昨年の男女共同参画白書には,地方創生のために重要な女性の活躍推進として地方の企業における女性の参画拡大,多様で柔軟な働き方の実現に向けて女性が活躍できるよう各省庁が施策の推進に取り組んでいることが報告されています。今後の経済においても女性の活躍推進は欠くことのできない基盤として重要な政策であると認識しております。しかし一方で,今回のコロナ禍において大きな影響を受けたのは非正規などで働いておられました女性を中心に減収や失業などで困窮する方が増え,大変な御苦労をお掛けしております。 一方で,ポストコロナ社会デジタル化社会になることは間違いないとも言われ,最大で79万人もの人手不足が懸念されております。デジタル分野はどちらかというと男性が占める割合が高く,女性の進出がこれまで大きく拡大することはありませんでした。しかし,今回のコロナ禍におけるデジタル分野では,感染の影響を受けにくいうえ,介護や育児をしながらでもテレワークで取り組める利点があります。希望する女性がデジタルスキルを習得し仕事ができるようになることは,京都市としても大変大きな意味があると思います。公明党はこれらの点も踏まえ,昨年の衆議院選挙の公約として,女性デジタル人材育成10万人プランを掲げ訴えさせていただきました。昨年末に閣議決定されたデジタル社会の実現に向けた重点計画にも,公明党の強い主張により女性デジタル人材育成の推進が追加されたことは評価しているところです。 また,1月24日の衆議院予算委員会で,公明党の竹内譲政調会長から,この女性デジタル人材10万人育成の取組を強力に進めるべきとの提案に,野田聖子男女共同参画担当大臣より,今年の春をめどに新たに女性デジタル人材育成プランを取りまとめるとの答弁がありました。現在国会で審議されている令和4年度予算案には,昨年に引き続き,女性のデジタルスキルの向上や就労の支援に地方自治体が活用できる地域女性活躍推進交付金が計上されております。現在国においても,厚労省の職業訓練受講給付金を受給できる求職者支援制度や経産省の巣ごもりDXステップ講座情報など推進されておられます。また,宝塚市では,コロナ禍で困難を抱える女性への支援の一環としてパソコン講座を実施するなど各地方自治体でも取組が進んでいます。今後国の動向も踏まえ,京都市として女性のデジタル人材育成に積極的に取り組む必要があると思いますがいかがでしょうか,お答えください。 以上で私の質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,湯浅光彦議員の御質問にお答えいたします。 子供目線でのSDGsの達成についてでございます。本市ではSDGsの誰一人取り残さないの理念の下,子供を地域の宝として大切に育むはぐくみ文化を醸成するとともに,京都市はぐくみプランに基づき妊娠前から子供・若者に成長するまでの切れ目のない支援を推進しているところであります。今回の子ども未来創造都市・京都を目指しての御提言につきましては,可能な限り子供・若者の意見を政策立案にいかすという視点から,子供・若者の最善の利益が大切にされたものとなっており,誰一人取り残さない社会の実現を目指す中にあって大変貴重なものと考えております。 御提言のSDGs教育の強力な展開につきましては,例えば本市の私立幼稚園においてSDGsの理念を園児が理解できるように,おいしく御飯を食べる,動物や植物の生き物に親しむといった身近なことに例えながら分かりやすく伝える取組を実践されておられます。また市立小中学校においても,SDGsをテーマとして地域や企業と連携して課題解決に取り組む探求的な学習課題を実施しており,高校・大学においても取組が進んでおり,連携を深めて推進してまいります。困難を抱える子供への総合的支援につきましては,児童相談所相談専用ダイヤルの設置やこども相談24時間ホットラインへの短縮ダイヤル,♯7333の設定等相談体制を充実してきております。また,全学校に設置したスクールカウンセラーや全中学校区等に配置したスクールソーシャルワーカーなど専門職も含めまして,チーム学校としての教育相談機能の向上を図っております。とりわけヤングケアラーにつきましては,昨年7月から中学生,高校生本人等や学校,支援者等の団体を対象に幅広く調査を実施いたしました。令和4年度におきましては,調査結果と有識者からの御意見を踏まえ,まずは社会的認知度の向上,さらに市民向けの普及啓発や支援者向けの研修を実施し,当事者が声を上げやすく周囲からも早期発見・把握ができる環境づくりに取り組んでまいります。さらに,背景にある家庭の介護や医療など複合的な課題を解消していくために,庁内における横断的な対応はもとより関係機関や支援団体とも連携し,支援する体制づくりを進めてまいります。今後とも子供や若者が将来に展望を持つ,希望を持って成長するとともに,誰一人取り残さない持続可能なまち・京都の実現に向けてしっかりと取組を進めてまいります。 次に,食品ロスの削減についてでございます。本市のごみ量は20年連続で減少,ピーク時から半減以下となりました。市民・事業者の皆様の御尽力に改めて感謝申し上げます。しかし,いまだに生ごみの4割が食品ロスであり,年間5万7,000トンもの食べ物がごみとして捨てられる現状に私も心を痛めております。本市では,この間食品ロス削減目標を全国で初めて設定し,市民の皆様には食べ切り,使い切り,水切りといった生ごみ3キリ運動をはじめとした食品ロスの削減を呼び掛けるとともに,事業者の皆様にも政令市内で最大の1,754店舗まで広がった食べ残しゼロ推進店舗認定制度を通じた店舗での食べ残しを出さない工夫や販売期限の延長の取組に御協力いただいているところであります。くわえまして,今年度棚に陳列された商品を手前から取っていただくてまえどりの取組を市民・事業者の皆様と共に実施し,食品ロス削減に対する意識の向上と削減効果を確認したところでございます。こうした中,近年民間事業者におきましてSNSを利用した情報発信やAI,IOTなどのデジタル技術を活用した新たなサービスが展開されており,湯浅議員御指摘のとおり,民間事業者の皆様との連携協力が食品ロス削減に極めて重要であると考えております。このため令和4年度には食品スーパー等のアプリケーションなどを活用し,てまえどりをはじめとする食品ロス削減に関する情報を効果的に市民の皆様にお届けできるよう事業者の皆様と連携した取組を進めてまいります。 また,本市のホームページ上にフードシェアリングや食品の需要予測などのサービス提供事業者のほか,フードバンク団体や食品に関わる事業者の皆様の情報を掲載するコンテンツを設けまして,事業者や団体の皆様同士のマッチングを促すなど食品ロス削減に取り組む事業者の輪を広げてまいります。今後ともデジタル化の進展や民間サービスの充実など食品ロスを取り巻く環境の変化を的確に捉え,市民・事業者の皆様の連携や協力の下,SDGs未来都市・京都として全国をリードする食品ロス削減のまち・京都を目指し取り組んでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(吉田孝雄) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 女性のデジタル人材育成についてでございます。本市では,国・京都府・経済団体と連携した輝く女性応援京都会議をはじめオール京都体制で様々な課題,困難を抱える女性,ひとり親家庭や中小企業への支援,学び直しやキャリア形成に対する支援など女性活躍を推進する施策を着実に実施してまいりました。御指摘のとおり,社会のデジタル化が進展する中,それを支える人材の育成は極めて重要な視点であるとともに,特にデジタル分野における女性の参画拡大は女性活躍の推進はもとより企業の多様な人材の確保にもつながるものと考えております。 また,デジタル分野はテレワークも実施できるなど男女共家事・育児と仕事の両立がしやすく,ウィズコロナ,ポストコロナ時代の生活スタイルに合わせた多様で柔軟な働き方の促進にもつながります。湯浅議員御提案の女性デジタル人材育成については,国の地域女性活躍推進交付金を最大限活用し,男女共同参画を推進する拠点であるウィングス京都の機能も最大限いかしながら,就業意欲やデジタルスキルの向上に資する講座,ひとり親家庭向けのデジタル分野も含めた専門的な資格取得支援などを実施することにより,きめ細やかな就労支援に取り組んでまいります。 また,都市の成長戦略である伝統と先端が融合するデジタル創造都市を目指すための中小企業の支援として,京都府中小企業団体中央会と連携して実施している中小企業デジタル化推進事業を拡充するとともに,デジタル・トランスフォーメーションに必要な知識,スキルなどを学ぶ担い手育成講座などの支援を行ってまいります。引き続き,国における女性デジタル人材育成プランの策定などの動きを注視しながら,オール京都体制で昨年9月に策定した第5次男女共同参画計画の下,女性の活躍推進を加速化させてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉田孝雄) 次に,平山よしかず議員に発言を許します。平山議員。 〔平山よしかず議員登壇(拍手)〕 ◆(平山よしかず議員) 西京区選出の平山よしかずです。連続する新型コロナウイルスの感染拡大の波を受け,市民の皆様から健康への不安や社会生活の困難に関する様々なお声を私の事務所へいただきます。識者は,皆で生きる喜びを分かち合える社会の建設こそ私たちが目指すべき道であるとして,次のように提言されています。「人類共通の危機に対して,リスク管理的な発想に立つと自国に対する脅威の影響だけに関心が向きがちになってしまう。そうではなく,困難を乗り越えるためのレジリエンスの力を一緒に育み,鍛え上げることが今まさに求められています。そして,その原動力となる連帯の精神は,気候変動をはじめとする多くの課題を打開する礎ともなっていくものです。この連帯の精神に基づいて,いかなる脅威にも屈しない地球社会の建設を進めることこそが,未来の世代に対する何よりの遺産になると確信してやみません」と。パンデミックに直面する人々に寄り添い同苦し,眼前にある課題がいかに困難なものであろうと,希望はある。連帯すれば必ず乗り越えられるとのメッセージを確信を持って伝え行動に移すことが,国際社会でも地域でも今,最も必要とされているとの提言に心を揺さぶられます。 私は,いただいたお一人お一人のお声を丁寧にお聴きし,共に悩み,微力ながらその御不安を少しでも和らげていくことができるようにとお応えしています。今こそ私たち公明党が,小さな声を聴く力を存分に発揮するときと決め,市民に寄り添う活動を続けてまいります。この立ち位置を改めて表明し,湯浅光彦議員,青野仁志議員と共に公明党京都市会議員団を代表し質疑します。市長並びに関係理事者におかれては,前向きで誠意ある御答弁をお願いします。 最初に,行財政改革計画を完遂するための取組体制に関しお尋ねします。行財政改革計画は,国や他都市の水準を上回る福祉,子育て支援などの施策を維持してくことや都市基盤整備を継続していくことが困難となるほどの厳しい財政状況に直面している本市財政の構造改革,つまり必要な財源を確保し持続可能な財政を確立するための今年度から5年間の改革実施計画です。この計画では,行政内部の徹底した効率化等による組織・人員体制の適正化,人件費の削減を進めるとともに,事業の見直しと受益者負担の適正化に取り組むとしています。また,都市成長戦略を具現化し成果を挙げるとしています。これらの取組を着実に実行し,財政基盤を安定させる目標を完遂しなくてはなりません。令和7年度までの行財政改革計画の目標が達成され,本市の財政構造改革の道筋を確かなものにすることで市民が安心して生活でき,そして京都を訪れる方をはじめ全ての方に魅力ある京都市へと再生されるのです。極めて重要なのは,今年度決定した行財政改革計画を令和7年度までぶれずに実行するための進捗管理と達成度管理です。令和7年度までの期間には,計画策定に携わった当事者,つまり市長は任期満了を迎え職員の方々は人事異動が避けられません。計画を審議した議会も任期満了を迎えます。 また,本市を取り巻く社会状況が変化し,計画で掲げられている条件が変わることや,計画執行に対する様々な市民の御意見をいただくこともあるでしょう。最適解を求め計画で位置付けられた事業執行の一部を見直す場合も出てくるかもしれません。しかし,持続可能な財政基盤を確立するという財政構造改革の目標はいささかも揺らいではならないし,成し遂げねばならないのです。私は,行財政改革計画を本市の最重要プランにしっかりと位置付け,計画策定当初の危機感や思いを京都市役所と京都市民が共有し継続したうえで,進捗管理,達成度管理を第三者的視点をもって検証しながら進めねばならないと強く思っています。市長は行財政改革計画を市政にどう位置付けをするおつもりでしょうか。また,財政構造改革を成し遂げるための計画の実行と管理を具体的にどう進めていくおつもりなのか,お答えください。 次に,京都市におけるデジタル化の推進に関してデジタルを活用する市民の立場から何点かお尋ねします。先頃,誰一人取り残さない,人に優しいデジタル化を根底に据えた京都市DX推進のための基本方針が定められました。社会全体のICT・デジタル化の流れにあって,国と連携した京都市のDX推進が大切です。今進めているマイナンバーカードを活用するなどした区役所窓口サービス向上の取組は,市民への行政サービスを格段に向上させるものです。加えて,公金受取口座の情報をマイナポータルにあらかじめ登録することで,コロナ禍のような大きな経済変動や大規模災害などの際に,給付金などの迅速かつ正確な支給が可能ともなります。マイナンバーカードは市民が行政デジタル化のメリットを受けるための鍵です。この間,市民の皆様から,資産などの個人情報を政府に監視されるのではないか,セキュリティに問題はないのかなど,不安や懸念の声をお聴きすることがあります。我が党の竹内譲政調会長が衆議院予算委員会において不安を払拭すべきと問うたところ,牧島デジタル大臣から,公金受取口座の登録により行政機関が個人の資産を把握できるようになるという事実はない。行政機関が個人の口座の内容などを確認できるのは,従来と同様,法令に基づき必要な社会保障の資力調査や税務調査などを行う場合に限られる。これは,公金受取口座の登録の有無により変わるものではないと答弁がありました。そこで,本市においてもマイナンバーカード取得に関する市民の不安を取り除き,正しい理解を進めるように積極的な広報周知を行うべきではないでしょうか,いかがですか。 デジタル化された様々な行政サービスを活用するツールとして市民の最も身近にあるのがスマートフォン,スマホです。高齢の方のスマホを活用したいが,デジタルは苦手だなどのお声に応えて,本市ではソフトバンクとの連携協定を締結し,出張スマホ講座を行っています。この高齢者へのスマホ講座に関し,愛知県は受講者と同世代の高齢者デジタルサポーターを派遣し,受講者と講師が同じ目線で丁寧なやり取りを行えるようにし受講者の理解度と満足度を高める工夫を凝らしています。文字どおり人に優しいデジタル化の推進です。また,御高齢の初心者の方は,スマホを介してネットにつながった際に,ネット上の悪意ある情報の穴に陥ってしまうことが心配されます。そこで,本市のスマホ講座が,特に高齢者にとって分かりやすく満足度の高い内容となっているのか点検しながら必要な改善措置を講ずること,また,スマホ講座での情報リテラシー講習をしっかりと行うこと,これらを更に進めていただきたい。いかがですか。 DX推進基本方針には,全ての職員がDXの担い手を目指し,職員のデジタル力の底上げを図るとともに,DX推進に強い意欲を有する職員を発掘し,組織の壁を越えた活躍を促すと明記されています。本市の大型汎用コンピュータのオープン化事業のつまずきから学べることは,ICT・デジタルスキルの高い人材の確保と育成です。片や東京大学大学院の森川博之教授は,「逆説的だが,デジタル変革の時代だからこそアナログの人間力が必要だ。デジタル化は現場の理解なしには進まない。職人が働く中小企業の工場でデジタルを導入すると言っても抵抗がある。デジタルに疎い事業者などをやる気にさせるには,いろんな人たちを巻き込むことのできる共感力の高い人材が不可欠だ。私がそれに気づいたのは,大手通信会社の女性社員有志によるアグリガールの取組だ。情報通信技術,ICTを駆使して第1次産業の生産者の中に入り込み,課題解決へと導いた。こうした人材がデジタルを浸透させるうえでとても重要になる」と述べていらっしゃいます。DXを担う行政職員には,デジタルスキルとともに地域と住民に寄り添い,様々な課題解決に取り組む力量を備えていることが必須と考えます。本市はDXを担う職員の育成・確保にどう取り組んでいくのかお答えください。ここまでを前半の質問とします。御答弁をお願いします。 ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 平山よしかず議員の御質問にお答えいたします。 行財政改革計画の達成に向けた取組でございます。財政再建は私の4期目の公約に掲げた最重要課題であります。その目的は将来にわたって住民福祉を持続可能なものにすることであります。行財政改革計画はその解決に向けた市政運営の根幹に関わる計画でございます。そして京都の未来のためにぶれることなく着実な実行が必要であり,今後行財政改革の必要性やその理念,財政運営の目標を明記した計画の策定を条例に位置付けるなど改革を確実に継続できるよう検討し,取り組んでまいります。この間個々の改革の実行については検討内容を早い段階から公開してきたこともあり,市会,市民,関係団体など様々な立場の方々から多くの御意見をいただきました。分野ごとの審議会でも専門的な見地からアドバイスをいただいております。引き続き早い段階から考え方や案をお示しし,皆様と議論を重ねてまいります。 次に,改革全体の進捗管理につきましては,この間全ての財政情報をフルオープンにしてきたことに加えまして,今回の予算案におきましても歳出上限や必達目標に対する達成状況をお示ししました。今後も情報共有を分かりやすい指標により,改革の進捗の見える化を図ってまいります。こうした取組により進捗状況を市民の皆様と共有し,市会での御議論をいただくことはもとより,例えば監査委員による決算審査でも第三者的視点で審査いただけるものと考えております。改革を持続的かつ着実に推進するためには,市民の皆様の御理解と御協力は欠かせません。そのためにも市民の皆様,議会,有識者をはじめ広く第三者の御意見もいただきながら着実な進捗が図れるように取り組んでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(吉田孝雄) 岡田副市長。 〔岡田副市長登壇〕 ◎副市長(岡田憲和) デジタル化の推進について御答弁申し上げます。まず,マイナンバーカードにつきましては現在交付率が42.8パーセント,申請率では51.4パーセントとなり,共に全国平均を上回っておりますが,更なる普及に向けましては,取得のメリットと共にカードの安全性をしっかりと周知していくことが不可欠でございます。そのためこれまで以上に安全性についての広報を強化し,市民の皆様の御理解につなげるとともに,出張申請窓口などの充実を行いカードの取得を更に加速化させてまいります。 次に,国や事業者等との連携し実施をしているスマホ講座につきましては,御高齢の方も含めこれまでに延べ1,300名を超える方々に受講いただき,多くの方から高い評価をいただいております。平山よしかず議員御指摘のとおり,不断の点検は重要であり,スマホを安全に使用するための情報リテラシーの視点も含め講座の充実を図ってまいります。 DXを担う職員の育成・確保につきましては,職員研修の充実と共にDXに強い意欲を有する若手職員チームの創設やICTデジタル枠による経験者採用などにより,職員全体のデジタル力の底上げと高いデジタル力を持つ職員の育成・確保を図ってまいります。そうした職員のデジタル力と日頃から市民・事業者に寄り添いニーズや課題を把握する職員の業務に関する知識,経験等を掛け合わせることにより,また外部人材の専門的知見もいただきながら,誰一人取り残さない人に優しいデジタル社会の形成に全力で取り組んでまいります。以上でございます。
    ○副議長(吉田孝雄) 平山議員。 〔平山よしかず議員登壇〕 ◆(平山よしかず議員) 次に,市内周辺部の交通とまちづくりに関して質問します。古代ローマは,ローマ街道と上下水道,市民の集う公衆浴場,政治・商業の中心地フォロロマーノなどの社会インフラを基盤として,広大な国土とパクスロマーナ,ローマによる平和を長年にわたり維持しました。中でも紀元前312年から建設が始まったアッピア街道をはじめとするローマ街道は,国内の都市と都市を結び,地域と人の交流を促し,市民生活の向上,安全保障に大きく寄与しました。ローマ街道は首都ローマと地方を結ぶ幹線道路の機能にとどまることなく,その真骨頂は,国内に張り巡らされた道が経済,文化,教育,安全面において,ピーク時には6,000万人とされる全ての国民を結び付けたところにあります。現代の京都市においても,市内外を結ぶ交通網の充実を移動機能の利便性の側面からのみ捉えるのではなく,多様な市民を結び付け市民生活を向上させる基本的インフラの問題と捉えるべきです。 2020年1月に門川市長が発表した京都市創造都市圏・環状ネットワークは,地下鉄及び民間鉄道などの既存交通網の延伸・再整備に加え,新交通システムも検討し,京都市南部,乙訓,洛西などを結ぶ新たな都市圏域の構築であり,私はまさに環状地域の人と人を広く結び,生活を豊かにするものと期待をしました。地下鉄延伸を悲願とする西京区,洛西地域の方々にも歓迎されました。しかし,当時から厳しかった本市財政の危機は今,行財政改革計画を断行しなければならないほど切迫しており,新たな交通インフラの構築は,財政面からも現時点では困難であることを理解しています。が,京都市創造都市圏・環状ネットワークで示した人と人を結び京都を豊かにする構想そのものは,引き続き温めていくべきと考えています。2020年1月の発表から2年,これまでの調査研究・検討の状況と今後の方針をお答えください。 一方,私たちの生活は現に公共交通や道路などの交通インフラによって支えられています。今,市営地下鉄と市バスは経営再建が課題となり,洛西地域では一部民間バス事業者がダイヤや運賃の見直しを行うなど,地域交通の安定が揺らぎ始めています。だからこそ市内周辺部においては地域交通の在り方を検討し,その再構築を図るべきときであると考えます。例えば西京区においては,西1から西8まである市バス系統は適切か,嵐山・松尾地域,大原野地域のバス便数や連絡は適当か,人材確保などの地域交通事業の現状と課題,同時に,高齢化が顕著であるニュータウンでの買物,通院や桂川駅開業・周辺再開発による人の流れの変化,隣接する向日市,長岡京市との人的・文化的交流の促進などの地域社会の現状と課題を踏まえ,移動の利便性向上にとどまることなく,地域経済や住民生活,まちづくりを踏まえた地域交通の最適解を検討し,できるところから再構築を進めるべきです。 歩くまち・京都総合交通戦略2021には,地域の特性やニーズに応じた生活交通の維持・確保のために,地域交通のマスタープランとなる地域公共交通計画の策定が掲げられています。まちづくりや市民生活などの視点を踏まえた多様な方々の参画を得て,市内周辺部の地域公共交通計画策定の検討を早急に開始していただきたい。その際には,長年にわたり地域交通の充実が課題である西京区にも地域公共交通計画検討の会議体を立ち上げていただくことを求めますがいかがですか,お答えください。 次に,病院や介護施設への通院,買物などが必須の高齢者への移動支援について質問します。令和元年11月市会代表質問で我が会派の吉田孝雄議員が,高齢者など交通弱者と言われる方々の移動支援について質問をしました。日常の買物や通院など生活を維持していくために必ず移動しなければならない状況を支援していくことは,福祉行政として肝要な課題です。そこで代表質疑では,現在の介護予防・日常生活支援総合事業の仕組みを拡充して高齢者の移動支援にいかしてはどうかと提議したのです。これに対し,理事者から,地域の通いの場への送迎や,通院・買物の送迎時の介助等を行う総合事業の訪問型サービスにおける移動支援に,例えば途中での買物立ち寄りなどができないのか,第8期京都市民長寿すこやかプランの策定過程において積極的に検討するとのお答えがありました。昨年度策定された同プランでは,施策番号110に介護予防・日常生活支援総合事業における介護予防活動の場への外出支援などの新たなサービスの実施が位置付けられました。そこで本市として,高齢者の移動には介護予防の取組においてどのような課題があって,実施施策に位置付けられたのかお尋ねします。またあわせて,この介護予防・日常生活支援総合事業の枠組みでの移動支援を来年度のいつ,どのような形で具体的事業として実施されるのか,お答えください。 最後に,学童期の子育てに関して質問します。私は,令和2年11月市会の代表質問で児童相談所と関係機関の連携強化を,昨年9月市会の決算特別委員会総括質疑で児童相談所への第三者評価のブラッシュアップを取り上げ,児童相談所の機能強化による児童虐待防止を訴えてきました。 一方,そもそも児童虐待という悲惨な出来事を未然に防ぐためには,家庭で子育てをする大人の側が,子供の生命の大切さや子供の成長と向き合うことの必要性を理解することが欠かせません。本市では,生後4箇月までの乳児のいる全ての御家庭へは保健師や助産師などが家庭訪問し,赤ちゃんの健康状態の確認,お母さんの産後の体調や生活,育児等について相談をお受けするこんにちは赤ちゃん事業を,また,産後1年までの母子へは,産科医療機関等でのショートステイやデイケアを通じて,母親の心身のケアや育児サポートを行うスマイルママ・ホッと事業を実施しています。これらの事業を通して子供と向き合うことを支援しています。しかし,働き方が多様化し,情報が氾濫,孤立化が顕著であると言われる現在,一般的には,子供が成長し,学童期,思春期と年を重ねるにつれ,家庭内であるいは地域で大人が子供と向き合う機会や時間が減ってくるのは必然です。本市の児童虐待発生件数の34.7パーセントが学童期の子供に対するものであることからも,私は,子育てをする大人が,とりわけ家庭において学童期の子供と向き合う支援を新たに実施すべきであると考えます。国において,社会全体で子供を応援するこども家庭庁の創設が進められている今,本市として,学童期の子供に対して大人が向き合える子育て支援の在り方の検討を始めていただきたい。御見解をお聞かせください。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,平山よしかず議員の御質問にお答えいたします。 京都市創造都市圏・環状ネットワーク構想と市内周辺部の交通についてでございます。同構想は平山議員御指摘のとおり,単なる交通アクセスだけでなく,本市の西部・南部地域と周辺自治体を含む地域を広域的な都市圏として活力と魅力あふれる地域に発展させ,中長期の目標を明確にして持続可能な都市経営を進めていこうとするものでございます。これまで西脇知事と同構想の認識を共有し,京都市基本計画や昨年11月策定の歩くまち・京都総合交通戦略2021にも位置付け,また自動運転技術による新たな交通システムの調査研究もフォローしており,未来の京都に向けて幅広く検討してまいります。広域的な都市圏の実現には,将来を展望し国の力強い支援等も得てオール京都で進める必要があり,まずは,同構想に資する市内周辺部の既存交通の効率的・効果的な運用についても検討を進めてまいります。 一方,公共交通を取り巻く環境は,人口減少や高齢化,さらにはコロナ禍の影響等により厳しさを増しており,本市では市内周辺部を含めた市全域を対象に地域の輸送資源も総動員し,生活交通の維持確保に向けて京都市地域公共交通計画の策定に新年度早々に着手いたします。計画策定に向けまして地域課題を先行して議論してきました山科地域に続きまして,西京区におきましても四つのバス事業者と鉄道事業者と共に取り組んできた洛西地域の検討ワーキングを地域公共交通会議に発展させて検討を深めてまいります。今後も京都の未来に資する交通システムの構築等により,活力ある持続可能なまちづくりに全力で取り組んでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(吉田孝雄) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 私からは2点について御答弁をさせていただきます。 高齢者に対する移動支援についてでございます。介護予防においては,地域や人との関わりを保ちつつ,心身機能の維持や社会参加にもつなげていける地域の通いの場での取組が重視されています。御指摘の介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスにおける移動支援は,こうした地域の通いの場への送迎などを行うために国において設けられた仕組みです。本市では,地域の通いの場に送迎があれば通える人もいるのにといった地域で高齢者を支援している方々からの御意見・御要望を踏まえ,第8期京都市民長寿すこやかプランにおいて新たに実施する取組として位置付けたところでございます。今後関係機関との調整などを経て,実施事業者の選定を進め年内にモデル事業を開始し,効果・課題を検証したうえで本格実施を目指してまいります。取組の具体化に当たりましては,地域の通いの場への送迎だけではなく,送迎の途中で買物などに立ち寄ることもサービスに組み合わされるようにし,高齢者の方ができる限り自立した生活を送っていただけるようにしてまいります。 このほか,令和4年度から全行政区に拡大して実施することとしているフレイル対策支援事業の取組などと併せまして,今後とも誰もが生涯にわたり健やかに過ごせる健康長寿のまち・京都の位置付けに向けて着実に取り組んでまいります。 次に,学童期の子育て支援についてでございます。本市では,各区役所・支所の子どもはぐくみ室を中心に全ての子供と子育て家庭を対象に,妊娠期からの切れ目のない支援に取り組んでおります。平山よしかず議員の御指摘のとおり,子供は成長につれ小学校や学童クラブ,塾や習い事,スポーツ教室など家庭以外で過ごす時間が多くなります。このことは子供が社会性を身に着けていく大事な過程でもありますが,支援が必要な家庭については要保護児童対策地域協議会を活用し,子どもはぐくみ室を中心として学校や民生児童委員などの関係機関が連携して見守るとともに当該家庭や子供に関する情報を共有しております。各機関が同一認識の下で役割分担し,支援の必要な子供や保護者のその時々の状況に応じた働き掛けなどを行うことにより,保護者が子供に適切に関われるよう取り組んでおります。 また,SNSの普及も踏まえ,子供との関わり方に悩みを抱える保護者が相談・支援につながりやすい環境を整備するため,児童相談所でSNS上の相談対応を開始すべく必要経費を令和4年度予算案に計上しております。子供の年齢にかかわらず全ての大人が適切に子供と子育て家庭に向き合い,子育ての楽しさを十分に感じていただけるよう切れ目のない保護者支援,関係機関との連携に更に取り組み,子供・子育て家庭への支援の推進に全力を尽くしてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉田孝雄) 次に,青野仁志議員に発言を許します。青野議員。 〔青野仁志議員登壇(拍手)〕 ◆(青野仁志議員) 中京区選出の青野仁志でございます。湯浅光彦議員,平山よしかず議員に続き,公明党京都市会議員団を代表し,令和4年度京都市予算案及び市政の重要課題について質疑いたします。門川市長並びに理事者におかれましては,誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 最初に,文化芸術による経済の活性化についてお尋ねします。昨年8月に策定された行財政改革計画における成長戦略は,令和15年度までに税収ベースで400億円以上増加させようという大変に挑戦的な計画でありますが,何としても実現していただきたい。令和4年度はそのスタートであり,まずは予算案に掲げられた取組を着実に進めることが重要です。私は,委員会質疑において成長戦略を進めるに当たっては,世界の中の京都とのグローバルな視点で臨むべきと訴えてきました。そうでなければ,京都の強み,魅力を最大限にいかし切れないとの思いからであります。昨年9月市会本会議では,グローバル戦略を立てて計画の推進に当たるべきとも訴えました。 さて私は,4年前の2018年,経済活性化に多大な影響をもたらす現代アートに着目し,アート市場の形成により文化芸術で京都経済の活性化をと訴えた政策提言「京都美術市場の振興方策に関する調査研究・現代アートの拠点化を目指して」を市長に手渡しました。その中で,世界のアート市場において日本が大きく後れをとっている中,今後京都が我が国における発信拠点となる可能性があり,その効果は京都経済に大きく寄与し,全国に波及するとの考えを示すとともに,都市戦略として世界規模のアートフェアの開催やアート市場の振興,税だけでなく企業からの投資や協賛の募集,アートとビジネスの融合などについて示唆及び提言を行いました。これについては,行財政改革計画において成長戦略の一つに位置付けられた京都アート・エコシステム実現プロジェクトが私の政策提言と合致する政策構想であり,昨年9月市会本会議においても早期に具体化し,しっかり取り組んでいただくよう求めたところでございます。 そして,今般示された新年度予算案において,京都アート・エコシステム推進事業としてArts Aid KYOTOによる個人・企業の寄付の推進やアート×ビジネス推進事業,そしてアート市場活性化などを組み合わせて取り組むとの提案がなされました。構想の具体化に直ちに着手されましたことを高く評価いたします。中でも,アート市場活性化については,特に国内にとどまらず世界におけるアート市場の拠点化を目指さない限り真のアート市場活性化はないというのが私の提言の趣旨であります。京都で学んだ芸術系大学の卒業生や若きアーティストの多くが,芸術分野と異なる職に就くか,芸術の道を目指す人は東京のギャラリーでデビュー。その東京ですら世界市場から大きく後れを取っているのが日本の現状です。京都から世界で活躍するアーティストを多く輩出してこそ,世界の人が目指す京都となります。その実現のためには取り組むべきことを明確にし,着実に実施していくことが必要です。例えば鑑賞教育や社会啓発などを通じて,市民や企業がアート作品を購入する生活スタイルへと転換する機運の醸成,またアーティストを支え育てるギャラリストやキュレイターが不可欠であり,その分野の一流の人材の育成や集積などが課題と考えます。 京都には文化芸術を支えていただいている多くの画廊があります。画廊にも役割により種類がありますが,画廊主が新進作家の才能を見出し,自らの眼力に掛けてその作品を買い取るプライマリーギャラリーの割合を増やすことも課題です。そのためにはどのように取り組めばよいか,アート市場関係の方々とも連携し,意見を聴き,施策に反映していくことが必要です。そうしたことも含め,芸術家はもとより,芸術を支える事業者や関係者の皆さんにも京都市の芸術分野の成長戦略の目標を共有していただき,世界に通用するアート市場の仕組みづくりを含めたアート・エコシステムの環境づくりに共に取り組んでいくことが重要です。そこで,新年度予算案で示された京都アート・エコシステム推進事業について,今後どのように進めていこうとしているのか,芸術家や芸術関係者との連携の観点も含めてお考えをお聞かせください。 次に,京都市中央卸売市場の周辺地域の活性化について質問いたします。近年,この地域には若きクリエイターやアーティストが地域内の空きビルなどで創作活動を始めるなど,多くの人が集まりにぎわいを見せています。こうした様子は多くのメディアにも取り上げられるほど注目が集まり,世界銀行発刊の日本を紹介する本にも大いに発展が期待される地域であると取り上げられるほどです。もともとこの地域は2015年に京都市が策定された京都駅西部エリア活性化将来構想に位置付けられています。同構想策定から7年目の今,梅小路公園を中心に水族館や鉄道博物館,JR新駅,中央市場隣接のにぎわい施設等々着実に実現してこられました。現在は日本の食文化をけん引する中央市場の再整備が進められているところです。 2017年9月,その場外市場の一角に京都市等がものづくりベンチャー戦略拠点として京都メーカーズガレージを設置しました。あらゆるものがインターネットとつながるいわゆるIOTの流れの中,国内外のものづくりスタートアップを支援する拠点として,テレビ・雑誌の取材,国内外の自治体や企業の視察,さらには関連ファンドへの大手企業からの出資を得る,そういった状況となりました。さらに,若きクリエィターだけでなく芸大生たちも利用し始め,この地域の醸し出すノスタルジックな雰囲気に魅了されたアート系の若者が多く集まるようになり,2018年にはゴールデンウィークを中心に京都市内各所を舞台に開催された京都グラフィー国際写真祭のメイン会場となって,更に多くの人がこの地を訪れるようになりました。このような変貌に,構想を進める京都市の担当幹部の方は,想定していなかったが,地域資源をいかしたにぎわい創出というコンセプトを体現していると前向きに捉えておられます。こうした動きは例えばニューヨークのブルックリンやサンフランシスコ,あるいはロンドンなどでも見られる,いわばまち再生の世界の潮流でもあります。 2020年12月には,地元金融機関などが国の外郭団体と協働し株式会社梅小路まちづくりラボを設立し,新たなまちづくりを加速させる取組が進んでいます。地域内には既存の建物をいかしたアートホテルなども進出。今後,梅小路公園,京都市立芸術大学を中心とする文化芸術ゾーン,さらに東の清水焼の産地と連動する京都の文化・芸術・産業のベルト地帯の形成へと発展していくものと期待をしております。私は約40年前,学卒後就職し,最初に配属されたのが中央市場界隈を営業エリアとする支店でしたので,当該地域の新たなにぎわいの発信地への変貌は大変に感慨深いです。今後,中央市場の再整備が更に進み,にぎわい施設も開業する中,市場機能を損なわず同時に同地域で進むまちづくりを阻害することなく,より一層にぎわい活性化していくよう行政としても積極的に関わっていただきたい。こうした状況を踏まえ,同地域の活性化をどのような視点,あるいは考え方で今後進めていかれるのか御答弁ください。 まずは,ここまでの答弁を求めます。 ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 青野仁志議員の御質問にお答えします。 京都アート・エコシステム推進事業についてでございます。今後のウィズコロナ・ポストコロナ時代に向けまして大きな痛手を負った社会と経済の回復と同時に,疲弊した人々の心の回復が喫緊の課題であると認識しております。京都アート・エコシステム推進事業は,まさに今後の京都を見据えた都市の成長戦略としてこれらの課題に一体的に取り組むとともに,新・文化庁の京都への全面的な移転や京都芸大の京都駅東部エリアへの移転等,文化芸術都市・京都の大きな進展の機を捉えまして,京都の強みをいかした文化と経済の融合と好循環を創出してまいります。具体的には,まずアート市場活性化事業として若手芸術家等の作品の魅力により多くの人が触れていただき,購入される機会をオンライン等で創出し,アート市場の裾野を広げるとともに,世界的アートフェアの誘致等にも取り組み,アーティストの育成やギャラリストの集積を図りながら国際的なアート市場の拠点づくりを目指します。 また,京都芸術センターにおいて,京都ならではの多様なアートの蓄積とスタートアップ支援の取組を融合し,芸術家と新規ビジネス開拓者等とのマッチングや交流の促進により新たな価値創造を目指す文化と経済の融合推進事業を実施いたします。さらに,多様な文化芸術活動を個人・企業等の御寄付を通じて社会全体で支える仕組みとして昨年創設したアーツエイド京都等の更なる進展を図るとともに,こうした取組を有機的に連動させながら文化と経済が好循環するアート・エコシステムの形成につなげてまいります。これらの推進に当たりましては,青野議員御指摘のとおり,文化芸術の担い手であり,アートの現場をけん引する芸術家や芸術関係者の方々との協働が不可欠でございます。しっかりと連携を図りながら,京都にしかできない文化と経済の融合により,都市の成長戦略の具体化と実践に力強く取り組んでまいります。 次に,中央卸売市場周辺地域の活性化についてでございます。我が国初の中央卸売市場が開設された本地域には,風情ある町並みや商店街,産業支援機関や最先端の企業が集まる京都リサーチパーク,その中には本市の産業技術研究所,アステムもございます。さらに,来園者がこの間年間100万人台から約500万人増加した梅小路公園と多彩な資源が集積しており,新旧が融合した独特の活気と魅力に満ちております。こうした中,京都の価値創造に志を持つ民間事業者が主体となられまして,伝統から最先端のものづくり,アート,食の魅力を掛け合わせて,活動・交流拠点を創造するクリエイティブタウン化の構想の取組が着実に進んでおります。ベンチャー戦略拠点,京都メーカーズガレージやアート系ホテル,KAGANホテルなどといった滞在型創作活動施設が若手クリエイターやアーティストによる意欲的な活動も始まっております。そこで本市といたしましても,この機運を捉えまして民間事業者とも連携を深め,にぎわいの創出を一層進めるとともにスタートアップエコシステムの充実につなげてまいります。 また,青野議員御指摘のとおり,中央市場の再整備とまちづくりを連動させることがとりわけ重要でございます。既にJR梅小路京都西駅につながる七条通では,市場再整備に伴いまして,にぎわいゾーンにおきまして宿泊や魅力発信の機能を誘致し,新たな人の流れを生み出しておりますが,今後一層京の食文化を支える流通拠点として強化する中央市場の魅力を地域社会全体の活性化にいかすことはもとより,再整備完了後に新たに創出する約3.7ヘクタールの広大な用地の活用も視野に入れまして,積極的に検討を進めてまいります。さらに,京都芸大の移転を契機とした京都駅周辺での文化芸術都市・京都ならではのシンボルゾーンの創生の取組とともに,しっかりとこれらを連動させることによりまして,京都ならではの魅力が集積し多様な人々が行き交う地域特性を存分にいかして,新たな価値を創造・発信するクリエイティブなまちづくり,活気に満ちたまちづくりになるように共々に進めてまいります。 ○副議長(吉田孝雄) 青野議員。 〔青野仁志議員登壇〕 ◆(青野仁志議員) 次に,台風や地震等の災害時に高齢者や障害のある市民の皆様の命を守る取組についてお尋ねします。我が国の75歳以上の高齢者人口は,阪神淡路大震災時の1995年に約717万人で,2020年には約1,870万人と2.6倍に急増しました。そして近年の災害では,高齢者や障害のある方などが逃げ遅れたり,その後の避難生活で非常に厳しい状況に陥っています。平成30年の西日本豪雨では,亡くなった方のうち高齢者が約7割,令和2年の7月豪雨では約8割と,逃げ遅れて犠牲となった方が多くおられます。その中には施設そのものが被災し高齢者が亡くなる事例も出ています。公明党は,防災・減災を政治,社会の主流にを掲げ,積極的に防災政策に取り組んできました。昨年5月,国における災害対策基本法の一部改正にも大きな貢献をしたところであります。その目的は,頻発する自然災害に対応して災害時における円滑かつ迅速な避難の確保及び災害時の実施体制の強化を図ることであり,私は災害時にあっても誰一人取り残さない社会実現の第一歩の取組だと捉えたい。 京都市では,平成20年から避難行動要支援者名簿を作成し,災害時に自ら避難することが難しい高齢者や障害のある方の避難支援,安否確認に備えているところです。この名簿を平常時から地域へ提供する場合,本人の同意が必要であることから,これまでは対象者の2割程度の提供にとどまっていましたが,昨年の11月市会で新たに条例を制定し,情報提供に不同意の意思を示された方以外の名簿情報は支援関係者に提供できるようになることから,名簿が飛躍的に充実し,災害時の地域による円滑かつ迅速な避難体制につながるものと期待をしています。現在対象者への意向確認が進められており,4月には支援団体と協定を締結する予定とのことですが,条例に基づいた新しい名簿の作成を速やかに進めていただくようお願いをいたします。 さて,災害対策基本法の一部改正に盛り込まれた避難行動要支援者の一人一人の避難方法等を事前に取り決めておく個別避難計画については,京都市では令和4年度予算案に同計画の作成に係る推進事業を盛り込まれています。計画を優先して作成する対象者は,介護保険の要介護認定や障害支援区分が高く,土砂災害特別警戒区域や浸水想定3メートル以上の区域等にお住まいの方としていますが,その方々だけでも対象者数は約7,400人となります。取組の目標とされる令和7年度までの4年間で作成していくためには,相当迅速かつ効率的に進めなければなりません。さらには,災害時にも誰一人取り残さない社会の実現には,作成した個別避難計画に基づき実際に安全な避難を確保する必要があり,そのためには,要支援者本人が家族及び関係者と共に計画策定のプロセス,避難訓練,検証,見直し等を通じて災害対応の意識を醸成し,避難の意欲を高めることが重要と考えます。具体的にどういった手法で作成の取組を進め,また災害時における有効活用に向けてどのような取組をされるのか,お答えください。 また,京都市では,災害時に福祉施設に開設する福祉避難所も現在約300箇所と取組が進んでいますが,現在の仕組みでは,まずは学校等の一般の避難所へ避難していただいたうえで,福祉避難所の受入体制が整った施設から順次必要な方に移っていただくことになっています。一方,障害のある方等は福祉避難所以外の避難所で過ごすことが難しく,少しでも早く福祉サービスを利用するため,平素から利用している施設へ直接避難したいとの声もあり,昨年国が改定した福祉避難所に係るガイドラインでは,福祉避難所への直接避難の促進もうたわれています。くわえて,社会福祉施設等においては,災害時にあっても最低限のサービス提供を維持していくことが求められており,事業継続に必要な事項を定める事業継続計画・BCPを速やかに策定していくことが必要ですが,これらの現在の取組状況と今後の展望についても併せて御答弁ください。 最後に,データを活用した健康長寿のまちづくりについてお尋ねいたします。デジタル化が大きなテーマとなり,官民挙げて取組が急ピッチで進められております。国はデジタル庁を設置,京都市においてもデジタル化戦略監の下,鋭意取組が進められているところです。医療や健康分野でもデジタル化が進み,最近PHRという言葉を耳にする機会が増えました。PHRとは英語のパーソナルヘルスレコードの頭文字を取ったもので,個々人が自身の医療に関わる情報や健康に関するデータを記録し,それを自身の手元で管理する仕組みです。もともと日本では,母子健康手帳で生まれてくる赤ちゃんの情報について手帳の中で一元的に記録を付ける文化がありました。これもある意味PHRと言えますが,現在PHRが意味するものはデジタルを活用した管理です。 そこで,これまで個人が受けてきた様々な医療機関での治療履歴,診療履歴や日常的な測定値,さらには検診データなどを統合的に管理し,健康管理・増進に役立てていこうという動きが急速に進んでいます。コロナ禍の影響で,感染すると重症化しやすい高齢者が外出を自粛した結果,運動不足で体力が低下したり,人と話す機会が減り,全国的に高齢者のフレイルが進んでいるとの調査結果もある中,コロナ禍でのフレイル予防に個人の医療データと歩行速度などの生活データを組み合わせたPHRをつなげるような取組も全国各地で企業と大学が連携し進んでいます。 また,健康寿命の延伸のため,病気の早期発見や重症化予防を目的に特定健診・特定保健指導や各種がん検診事業が行なわれていますが,折角の取組も受診率の低さが課題となっています。そこで,PHRとAIを活用し,過去の受診履歴データを基に,より効果的に勧奨できる人を選定したり,各個人のリスク状況を分かりやすく伝えることで受診率向上を実現する取組もあります。 京都市では,現在データを活用した予防・健康づくりの実証事業に取り組まれています。私も会場となっている地元中京区の元教業小学校体育館で見学をさせていただきました。自身のデータを自分に応じた健康管理に使うことで,より健康になれます。京都の皆さんに利用をいただけるようにしたいんですと,指導されている京都大学石見教授のお話も伺うことができました。スマートフォンアプリを利用したPHRの仕組みを活用し,ウォーキングなど日々の健康づくり活動の成果がデータで分かる仕組みを構築するとともに,データに基づく健康づくりのアドバイスを行うというものです。収集・蓄積した健康データの利活用により,客観性があり効果が高い健康づくり,証拠に基づく政策形成,市民一人一人に最適な健康づくりの情報提供など,新たな健康づくりにつながるものと大いに期待するものです。こうした実証事業の結果を分析のうえ,是非とも市民の予防・健康増進にいかしていただきたいと思います。 国は,2024年度からマイナンバーカード取得者向けサイトのマイナポータルで電子カルテを閲覧可能にし,医療データを個人で管理できるようになります。こうした状況を踏まえ,データを活用した健康長寿のまちづくりに積極的に取り組んでいただきたいと考えますが,現状の課題と活用についての考え方及び今後の取組についてお答えください。 以上で私の質疑を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,青野仁志議員の御質問にお答えいたします。 個別避難計画作成の推進等についてでございます。近年大規模災害が全国各地で頻発しており,多くの方々の尊い命が失われていること大変心痛めております。とりわけ青野議員御指摘のとおり,自力で避難が困難な高齢者や障害のある方が犠牲になっておられる現状に対して,行政,地域住民の皆様,福祉関係者が連携した強固な仕組みづくりが大変重要であると認識いたしております。 始めに,令和4年度予算案に盛り込んだ個別避難計画につきましては,避難支援が必要な優先度の高い方お一人お一人について日頃から対象者の状況をよく把握し,信頼関係も構築されているケアマネジャー等の福祉専門職の方に御尽力いただき,家庭訪問等の機会を活用するなど迅速に作成してまいります。作成した計画につきましては,支援者の方々と共有することにより御本人も含めた災害への対応力を高めてまいります。 次に,福祉避難所の直接避難につきましては,例えば日常的に利用されている福祉施設への直接避難なども考えられ,福祉施設関係者の御意見も十分にお聞きしながらその仕組みづくりを検討してまいります。また,福祉施設の事業継続計画につきましては,既に関係団体が研修会を開催されるなど作成に向けた取組も進められており,本市からも事業者への集団指導の場での周知や施設への実地指導時に確認するなど策定に向けて強く働き掛けてまいります。今後とも,いつ発生するとも限らない災害時に市民の皆様の尊い命を守っていくために,迅速な避難支援や福祉サービスの事業継続の取組を一層力強く進めてまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(吉田孝雄) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) データを活用した健康長寿のまちづくりについてでございます。国民の健康寿命の延伸などを目的として,健康・医療・介護におけるICT化をはじめとするデータヘルス改革の取組は大変重要であると認識しております。本市では,独自に令和2年度から国民健康保険や介護保険のレセプトデータなどの統合データベースを用いて,市民の健康づくりに役立てていくためのデータ分析に取り組んでおります。さらに,令和3年度においては,青野議員御指摘のとおり,スマートフォンアプリのパーソナルヘルスレコードの仕組みを活用し,参加者自身が記録した歩数や体脂肪率などのデータ収集・分析をすることで健康づくりのアドバイスなどを行う実証事業にも地域のベンチャー企業と共同で着手をいたしました。こうした取組の推進には,より多くのデータを適切に収集・分析し,効果的・効率的に活用していく必要があり,今後とも大学や企業などとの緊密な連携の下で,事業成果を検証しつつ市民の健康づくりに役立ててまいります。 また,平成28年度に健康長寿のまち・京都推進プロジェクトを開始し,これまで市民の皆様の主体的な健康増進のきっかけづくりをテーマに取り組んでまいりましたが,令和4年度からは更に一歩進め,本市独自のデータ分析などの成果などに基づき,市民・地域主体の健康行動の定着につながるものとなるよう再編をしてまいります。今後,具体的な取組内容について有識者の皆様に御議論いただいたうえ,市内121の団体で構成する健康長寿のまち・京都市民会議などとしっかりと連携し,誰もが幾つになっても笑顔で生き生きと過ごせる健康長寿のまち・京都の実現に向けて取り組んでまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉田孝雄) 暫時休憩いたします。 〔午前11時39分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(田中明秀) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行いたします。中野洋一議員に発言を許します。中野議員。 〔中野洋一議員登壇(拍手)〕 ◆(中野洋一議員) 私は東山区選出の中野洋一です。民主・市民フォーラム京都市会議員団を代表して山科区選出の小島信太郎議員と共に令和4年度予算について質疑をいたします。 コロナの禍が世界を覆い2年がたちました。お亡くなりになった皆さんへお悔やみ申し上げますとともに,闘病中の方,後遺症を患っていらっしゃる方へ心からお見舞い申し上げます。また,市民生活を守るため社会を支えていただいている皆さん,保健所など京都市・京都府の皆さんには改めて御礼申し上げます。 今日は大きく三つのタイトルで質問いたします。 まず,最初のタイトルが,行財政改革の取組と令和4年度京都市予算についてでございます。最初の項目,市民に負担をお願いする以前に京都市がどう率先垂範するのかでございます。今回の予算は市民の皆さんにとっても厳しく新たな展開を求められるものになりました。この原因として考えられるのは二つあります。一つ目,コロナ禍が続き,市民生活に一時停止が求められ,国内外の観光客も激減し京都経済が大きく打撃を受けたこと。二つ目に,様々な事業の改善,見直し,廃止を適宜進めておくべき機会を残念ながら逃し,多くの決断が先送りされ,詰まりに詰まった果てに一気に取り組まざるを得なくなったこと。この原因を解明,克服し,2年前の市長選挙で訴えていた未来への責任をどう果たすのか,市長の言葉で財政的に墜落寸前を浮上させ,次の世代に渡すべくどうやっていくのか。門川市長の任期は残り2年でございます。この2年であらゆる分野にメスを入れ,この行財政改革を逆戻りさせず進めていかなければなりません。現在進めている改革では「隗より始めよ」という言葉にのっとり,京都市内部の取組や成果を市民の皆さんにまずしっかりと示すべきであり,辛抱や負担をお願いするのはそれからであると考えています。取り組んだ具体的な成果とこれからの改革日程を伺います。 そして借金を返すために蓄えている基金がございます。本来は使ってはいけない基金でございますが,公債償還基金というものでございます。今回の予算案では,この基金を平成17年度,西暦2005年度以来17年間借りっ放しだったものを初めて返すことができました。これから4年で残り636億円返さなければなりません。一方で,今回も相変わらず基金に手を付けなければ予算が作れない,このことは大きな問題だと考えています。市長の残り2年の任期とその後の2年合わせて4年で,果たして誰が責任を持ってどう返していくのか。実現可能な返済計画について伺います。 そして市民や事業者に負担をお願いする前に,職員もそれ以上に辛抱していくことが改革を成就させるためには必要です。職員に危機的な財政状況を認識してもらい,実施中の職員給与の減額など自らも辛抱している状況をお知らせし,市民と職員とで一緒に乗り越えていくことが,市長の言う共汗,共に汗するにつながると思います。職員の更なる貢献をどう市民に示し,そして市民の協力を得て,どう改革の成果に結び付けるのか伺います。 そして二つ目の項目,改革をやり切る先に見えるまちの未来像でございます。ゴールの見えないマラソンはきついとあるように,負担をお願いする際には,いつまで辛抱してゴールの先にはどういう未来が花開くのか,具体的に時間軸を持って示す。文学的に言えば夢を語る必要がございます。この改革をやり切ると,このまちはどういう姿になりますか,何に期待することができますか,お答えください。 そして三つ目の項目,公共施設マネジメント計画の早急な具体化でございます。京都市の公共施設を大幅に見直し,徹底した統廃合を進めて資金を捻出し,墜落寸前の財政を再建させるのに欠かせない策がございます。改革の五つの目玉の一つとして提示した公共施設のマネジメントです。しかし,予算を議論するこの段階になってもこの計画が詰め切れていません。市民に負担をお願いする前にしっかりとした計画を示し,それによる削減額も示すといった真摯な姿勢を見せるべきだと考えます。幾ら削減でき,市民生活への影響はどう回避できるのか,この公共施設マネジメント計画をいつまでに,どういう具体策でやり切っていくのかお答えください。 以上が前半の私の質問でございます。 ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 中野洋一議員の御質問にお答えいたします。 行財政改革計画についてでございます。行財政改革計画策定前の試算において,一般財源収入が増えない中,社会福祉関係経費が増加し,何ら改革を行わなければ公債償還基金が枯渇してしまうという厳しい見通しでしたが,歳入歳出両面から改革を徹底し,さらに堅調な市税収入もあって,行財政改革を着実に達成することにより基金枯渇の回避のめどが立ちました。改革に当たりましては市民生活への影響を最小化するために,まち美化事務所の再編など,より一層効果的な行政に知恵を絞りました。そして職員も定数削減等に加えまして,何よりも全職員が危機的な財政状況を共有し,市民の皆様に対して説明責任が果たせるよう率先実行してまいります。行財政改革計画を着実に達成したうえで,その後も人件費の他都市平均とのかい離の解消等により,基金の計画外の取崩しから早期に脱却を確かなものにしてまいります。 また,集中改革期間における計画の達成状況等を踏まえまして,令和6年度に改めて中期の収支試算を再算定し,財政運営の目標等改定する予定でございますが,それに先立ちまして,目標等を明記した計画の策定を条例に位置付けるなど改革を確実に継続できるよう検討してまいります。こうした取組を継続することで,次のステップである公債償還基金の借入・取崩しの復元につなげてまいります。 公共施設マネジメント基本計画につきましては,実効性を持たせるため明確な数値目標を設定し,今後10年間で延床面積を5パーセント削減することにより,改修,建替え等に不足する120億円の財源を捻出するとともに,複合化・集約化・民間活力の導入,デジタル化の進展等を踏まえまして,新しいサービスの導入により市民サービスを維持しつつ保有量の最適化を図ってまいります。これらの取組を通じ,京都の強みを徹底していかしながら行財政改革を達成し,その先に文化,自然,景観が暮らしに息づき,あらゆる世代の方々が集まり生き生きと安心して暮らせるまち,子育ても楽しめるまちを目指してまいります。 ○議長(田中明秀) 中野議員。 〔中野洋一議員登壇〕 ◆(中野洋一議員) 市長から答弁がございました。さらに具体的に,そして回避のめどが付くのはあくまでも予定でございます。しっかり実現を目指すため共に議論を積み重ねていきたいと,こういう風に思っているところでございます 次の項目です。人生100年時代,年齢フリーの政策です。まず,学びの場である図書館の在り方についてでございます。人生100年時代と言われて久しくなりました。今議論している京都市の予算は何のためにあるのか。市民の命と暮らしを守るため,そして市民一人一人が楽しく健康に年を重ねることができるまちを作っていくためだと考えています。あわせてこのコロナ禍で,多くの方が改めて認識されたことがあります。健康こそ自分への最大の投資である,そして健康は楽しく元気に暮らす全ての源であるという考え方です。私は,コロナ禍だからこそ,スポーツと文化と芸術を積極的に活用して市民生活を盛り上げていくべきだと考えています。同時に,そこには年齢フリーという考え方が欠かせません。年に関係なくいつでもチャレンジできる,思い立ったが吉日を実践できるまち・京都。改革しつつもこの予算には慎重な活用が求められます。 その中で,改めて学ぶ,楽しいから学ぶという市民の皆さんが,学ぶ機会を得る中心核だというのがこの図書館だと思います。楽しく健康に年を重ねることができるまちにとっては欠かせない場所です。今回図書館の在り方にも改革の手が入ります。開館時間を朝9時半だったものをお昼前の11時半に変更したり,閉館時間を夜8時半だったものを夕方5時に変更したりすることで,運営時間を短くし人件費や光熱水費を抑えるというものでございます。しかしこれを続けると,経費の削減はできますが,どんどん使いにくくなり,最終的に図書館を縮小や廃止するという結論に行きつく危険性も十分にあります。私たちの会派では,数多くの改革された図書館を今まで見てまいりました。民間企業や団体と連携して運営される図書館が,朝9時から夜9時までやっていて,そして入口の喫茶店は開館前の朝8時から夜10時までやっている。赤ちゃん連れから若い方,お年寄りまで頻繁に出入りしている。こういう光景を見て,図書館の更なる可能性を考えさせられました。静かに音楽が流れ,子供が小さな声で話していても周囲に迷惑にならずに親がじっくり本を選ぶことができる。子供コーナーが充実していてその場にいさせても安心できる。読書ばかりか研究や執筆も十分にできるなどすてきな施設が今までの常識から脱皮して各地で存在を新たにしています。 図書館の運営改革は,成功事例をもっと活用して進めるべきだと考えています。同時にこの運営改革は,市民にとっては楽しく学べる使える図書館になり,京都市にとっては改革することで財政再建に貢献し,働く職員の方にとっては図書館含め今まで以上に働きがいのある場を得ることにつながるということで,この三者にとって非常に益のある話だと思います。私たちの会派では,以前から図書館は市民の書斎であり,市民の居場所であるべきだという風に主張し,予算要望で求めてまいりました。改めてここに力点を置いて考えていくべきだと考えてます。現在の運営時間を短くする一方の先細り的発想を大きく転換させ,本来の目的をかなえる図書館改革に取り組むべきだと考えますがいかがでしょうか。 そして二つ目の項目,スポーツ政策の充実でございます。人生100年時代,楽しく健康に年を重ねることができるまちを,私は皆さんと一緒につくっていきたいと考えています。その中でスポーツ政策の充実について申し上げます。スポーツは,身体にいい,健康にいいだけではなく,仲間ができる,また気分転換ができる,そして今課題となっている抑鬱状態から抜け出せるなど様々な長所が言われています。スポーツを軸に市民生活を盛り上げている体育振興会の皆さんにも更に協力いただきながら,コロナ禍だからこそ,この政策を充実させていくべきだと考えています。一例として京都マラソンがあります。来年こそリアルの大会が実現できることを願っていますが,もう一つ,おんらいん京都マラソンがございます。今大会に7,500名の方が参加されました。京都つながりで日本中に走るきっかけを提供できたこと,これは誇りだと思っています。このおんらいん大会もリアルの大会と合わせて引き続き開催すべきだと考えています。いろんな世代の方に運動するチャンスを提供することで,楽しみながら,仲間と,また一人で身体を動かすことにつながり,それがスポーツの振興にもつながります。 (実物を示す)私が最近読んだ本でこの書籍でございますが,「経済学者が語るスポーツの力」というこの本がございます。この中で著書の佐々木勝さんは,「11年間累積した1人当たりの介護費用を比べると,全く参加してない人よりも週1回以上スポーツの会に参加している人は,61万円介護費用が少なくなる」というデータを紹介しています。また,対象地域の研究を通してスポーツクラブ・趣味のクラブの参加人数をそれぞれ10パーセント増やせば,1億6,000万円分の介護費用を抑制することが可能となるとも紹介しています。このスポーツ政策の充実は,市民の皆さんが楽しく健康に年を重ねるにつながるばかりか,京都市の財政再建にも大きく貢献します。政策の充実とこれからの京都マラソンの方向についてお答えください。 そして三つ目の項目,これは小学生からの提言です。地元の小学生の皆さんから提言をいただきました。遊ぶ場所をつくってほしいということです。学校の校庭はクラブ活動などで使っている,閉校の校庭は使う時間が決まっている,公園はボール遊びできない,行き着く先は道路というのが現実です。外で遊んでこいと言われますが,遊ぶ所がないのが今の京都です。ドラえもんに出てくる何の変哲もないあの広場。実はあの漫画に出てくる子供たちにとっては,成長するには欠かせない貴重な場所というのは,あの漫画を読んだ方には十分お分かりいただけることだと思います。現在,財政再建のために公有地は積極的に売り,民間企業に高く買ってもらえたら助かるというのが現状です。一方で,子供たちの成長の場として広場が求められています。買い手の現われない市有地などを広場として使用するといった,これからの京都を担う世代がたくましく元気に生きることを支える取組を求めておきます。 そして最後のテーマ,未来への責任でございます。今回の予算案には,これからの京都市のまちづくりの方向性を五つ具体的に提示していますが,最初に来るのが若い世代に選ばれる千年都市です。それに関して三つにわたって提言いたします。 健康が自分に対しての最大の投資なら,子供への政策はまちの未来への最大の投資であるとこういう風に思っています。財政再建のため削減縮小が続く中,私が高く今回評価しているのは,子供たちが文化芸術に触れる機会の創出というこの事業の充実などです。京都の強みは1200年の歴史の中で育まれてきた本物の文化です。あらゆる可能性を持つ子供たちに本物の文化に触れる機会をありったけ提供することが大人である私たちの責任だと思っています。 (実物を示す)もう一つ,これは最近読んだ本です。書籍「下り坂をそろそろと下る」の著者である平田オリザさんは,この著書の中で子供たちの間における文化資本の格差の拡大に警鐘を鳴らしています。子供の成長に大きな影響を与えている文化資本,この格差は発見されにくいという風に述べています。つまり,親が劇場や美術館やコンサートに行く習慣がなければ,子供だけでそこに足を運ぶことはあり得なく,その格差は社会で共有されにくいということでございます。しかし,社会がこの格差を解消させて,子供たちの文化資本を育てることもできるという風にも述べて,本物に多く触れさせる以外に方法はないとこういう風に書いています。京都ほど本物の文化に恵まれている所はありません。財政は厳しくも子供たちの文化政策は,京都の文化芸術家の皆さんの力をお借りして様々な機会を子供たちに積極的に提供する。そうあるべきだと考えています。毎年の京都市の文化功労者の皆さん,また,京都文学賞の受賞者の方,稲盛財団の京都賞の受賞者などによる小学校や中学校での講義や実験会も魅力的だと思っています。京都で暮らしたら,何といっても子供たちが文化・芸術・スポーツをじっくり楽しめる・学べる・触れられる,そういうまちであるというものが,若い世代に選ばれる京都をつくる基礎になり,セールスポイントになると考えています。これからのまちづくりはここに力を注いでいくべきだと考えますがいかがでしょうか。 二つ目に,若い世代に選ばれるために若者・子育て世帯の移住や定住を実現させる,そのためには路地空間の再生と防災・防火策を積極的に進めるとしています。京都市内に残る古い町並みの多くに路地があり,独自のまちの風景をつくっていますが,戦後に制定された建築基準法により,路地はその存在・存続を将来的に否定されました。私が多く相談いただくのは,路地に面している家屋を持っているが,売れない,買ってもらえない,借りてもらえない状況が続き,危険な空き家になってしまい,どうしたらいいのかというものです。市内に住みたいと希望される方と路地に面している空き家物件をうまく引き合わせることで,移住・定住される方を増やせるはずです。ただし,火災被害を路地で遭われたというケースもございます。災害防止を図ると同時に,路地を正式な道として認めて,面積を減らすことなく新しく家を建てることができる3項道路の指定の積極的な活用をするなど,今までの取組以上に絶大な効果を挙げ,若者・子育て世帯の移住や定住を実現していくべきと考えますがいかがでしょうか。 三つ目に,京都市の再建のためには,市民の皆さんや寺社仏閣,民間企業などにも積極的に参画してもらい,物心ともに協力していただくことが必要だと考えます。京都では,明治維新の翌年に地域の皆さんが土地や資金の提供で番組小学校をつくり,子供たちへの教育をスタートさせました。京都には,生活する皆さんの力で町をつくっていくというDNAが昔からあります。その流れの中,現在東山区には東山3K基金があります。環境・観光・交通という言葉の頭のKを取り,区内の個人・団体・寺社仏閣・企業の皆さんが寄付をされ,観光シーズンでも市民が安心して暮らせるようにとできた基金で観光などを中心とした課題解決に役立てています。京都市には京都みらい夢基金というものがございます。多くの皆さんに,子供たちのこれからのためにという名目でふるさと納税の仕組みを活用して寄付をお願いし,力を貸していただくことができないかと考えています。頂いた浄財は子供たちのために徹底して活用していくことで,京都市の子供第一の持ち味を伸ばし,若い世代に京都を選んでもらうことにつながると考えています。京都みらい夢基金を活用して,その浄財で子供たちのための政策を充実させていく,この点についてどうお考えでしょうか。 今回私の代表質疑で何度かコロナ禍,「コロナ禍」と書きますが,コロナ禍という言葉を使いました。私たちには禍転じて福となすという心強い言葉があります。私の周りにはこの禍転じて福となすために,コロナ禍だからこそということで様々取組をされている方が多数います。できた時間で家族とのコミュニケーションを増やし,家族第一を改めて感じている,そんな方もいますし,また健康増進のために鴨川を歩いたりジョギングされたり,またスイミングプールに通ったり,そういったお年寄りもたくさんいます。また,できた時間を活用して,せっかくなのでということで英検1級を取るため必死に勉強されている,こういった方もいます。こういった方々をぜひ励まし,そして支えていく,そして一方で,コロナ禍で本当に困ってらっしゃる方,そういった方々の下支えをしていく,こういったまちを私は皆さんと一緒につくっていきたいとこういう風に思っています。そのうえで市民が一人一人楽しく健康に年を重ねることができる,こういったまちを皆さんと共につくり,またそのために文化・スポーツ・芸術,これを積極的に活用してそれぞれが楽しく年を重ねられる,そういったまちを皆さんと共につくっていきたいと,このことを改めてこの場をお借りいたしまして皆さんにお誓い申し上げまして,私の代表質疑を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,中野洋一議員の御質問にお答えします。 子供に対する文化施策についてであります。京都は長い歴史の中で優れた文化の創造とそして継承の営みを連綿と重ね,それが類いまれな豊かな文化の土壌となって京都ならではの魅力と強みを形成し,千年を超える発展の礎となってまいりました。その優れた文化の土壌をより豊かにしながら,未来に続き更なる都市の発展につなげることは京都の使命でございます。そのため未来の担い手である子供たちに京都の多彩な文化芸術に触れ,ほんまものの魅力を知り,さらに未来に引き継ぐ使命を共有してもらうことが大変重要であると認識しております。 また,文化芸術は子供たちの豊かな感性や創造性を育み,生きる力を高めることに大きく寄与します。このため本市では,これまでから伝統文化や現代芸術まで幅広い分野の一流の芸術家の方々を小中学校等に講師として派遣して行うワークショップや能楽堂等での伝統公演の鑑賞事業,小学校での茶道体験,中学校での華道体験など京都ならではの多彩な取組を実施し,毎年多くの子供たちに参加・体験していただいております。これらの取組につきましては,厳しい財政状況の中にありましても,国補助金や寄付の活用等も含めまして来年度予算案では更なる事業の拡充を図ってまいります。 また,京都に移転する新・文化庁ともしっかり連携しながら,引き続き文化芸術を通じて子供たちが京都をもっと好きになり,誇りに思い,その思いが更なる千年都市への実現につながるようしっかりと取り組んでまいります。 次に,京都みらい夢基金でございます。京都みらい夢基金はふるさと納税寄付金などを積み立てることを目的に設置したものでございます。ふるさと納税におきましては,寄付者に指定していただく使い道のうち子供たちや若者支援に関するものとして,京都ならではの「はぐくみ文化」を活かした子供・若者への支援と,未来を担う子どもたちを応援!子どもたちの教育環境の充実を掲げており,寄付額におきましては全23の使い道の中でもいずれも上位となっております。 また,企業や幅広い団体等の皆様から本市や児童福祉施設等への寄付も含めて様々な御支援をいただいているところであります。東山区の3K基金についてもすばらしいものと認識いたしております。中野議員から御紹介いただいております番組小学校につきましては,明治維新で京都の存亡の危機があった時代に,竈金の精神により集められた寄付によって創設されたものであり,京都は子供を地域の宝として大切に育むはぐくみ文化が息づくまちであります。子供たちを健やかで心豊かに育むための市民共通の行動規範であります京都はぐくみ憲章の理念をより一層推進するとともに,子供たちのために貢献したいという志のある市民の皆さん,また企業や様々な団体等の皆様の思いを京都みらい夢基金を通じて,子供たちの健やかな育ちに寄与する取組という具体的な形にしていただけるように京都夢基金の趣旨をしっかりと周知してまいりたいと考えております。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 路地の再生と防災対策についてでございます。路地におけるヒューマンスケールの空間は,京都らしい風情を醸し出し,細やかなコミュニティーが息づく等,歴史都市京都の魅力であります。このような路地の魅力を維持しつつ,防災性の向上とストックの再生を図るため,個々の路地の特性に応じた制度を体系的に整備し対策を推進してまいりました。その中でも,建替え時の敷地の後退により十分な居住空間を確保できない細街路については,沿道建築物に対する安全・防災上の制限を付加したうえで3項道路の指定により建物の後退距離を緩和し,建替え等を促進させるなど路地再生の取組を進めております。今後は,更に建築物の安全性や地域の環境を高めつつ,京町家等の大規模な改修や老朽化した木造建築物の更新が図っていただけるよう,地域の特性に応じた建築基準法の接道許可の制度や路地内で隣り合った敷地を一つの敷地とみなして建築を認めるいわゆる連担建築物設計制度の更なる柔軟な運用を令和4年度から順次実施してまいります。 くわえて,不動産・建築,金融に関わる専門家と連携し,路地のみに面した土地での購入や建物の改修・更新のための課題を整理し,必要な手続を分かりやすくまとめ,融資や流通が円滑化するための仕組みづくりを進めてまいります。これらの取組を総合的に推進し,若い世代に選ばれる千年都市の実現を目指してまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) スポーツ政策の充実と京都マラソンについてでございます。スポーツは健康で心豊かに生活していく上で欠かせないものであるとともに,地域の絆を深め経済活性化の原動力となるものです。コロナ禍でスポーツ環境が変化した今だからこそ,中野議員御指摘のとおり,スポーツ政策の充実は重要であります。そのため現在取組を進めている京都市市民スポーツ振興計画の計画期間の延長に当たり,ウィズコロナ,ポストコロナ社会でのスポーツの振興の観点などから,市民及び関係団体の皆様の声も踏まえ,新たな施策の追加を検討しているところでございます。その中でも京都マラソンについては,次回大会をウィズコロナにおける安心安全なフルマラソン大会として開催するとともに,過去2回のオンライン大会の経験もいかし,魅力をより一層高め,更に進化した大会となるよう京都マラソン実行委員会において検討をしてまいります。今後とも,体育振興会をはじめスポーツ関係団体などとも連携を図り,将来にわたり市民スポーツの振興を推進していくことで,市民の健康寿命を延ばすことはもとより,スポーツをいかしたまちづくりを進め,京都の発展にもつなげてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) 図書館の在り方についてであります。中野洋一議員御指摘のとおり,図書館は人生100年時代において重要な役割を果たす市民の学びと交流の拠点であります。本市ではこうした図書館の実現のため,昭和56年の中央図書館開館時から全国に先駆けた財団委託による民間活力の導入で柔軟かつ効率的な運営を図り,夜間や休日開館の実現,地域に根差した20館の整備や全館のネットワーク化など図書館サービスの充実に努めてまいりました。この度の図書館の開館時間の見直しにつきましては,本市の厳しい財政状況の下,より一層の効率的な運営を進める一方で,生み出した財源も活用し,電子書籍サービスを新たに導入し,初年度は3,000点の書籍を配備することにより,コロナ禍において高まった市民ニーズに応え利便性の向上を図るものであります。今後,本市図書館の在り方の検討を進めるに当たっては,新たな魅力を創出するため,にぎわい施設や商業施設との一体的な整備,他の公共施設の整備に合わせた複合化等,図書館サービスの利便性の一層の向上や更なる付加価値の創造につながるよう他都市の先進的な事例も参考にしながら検討してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,小島信太郎議員に発言を許します。小島議員。 〔小島信太郎議員登壇(拍手)〕 ◆(小島信太郎議員) 山科区選出の小島信太郎です。民主・市民フォーラム京都市会議員団を代表しまして中野洋一議員に引き続きまして質疑いたします。 本市会は,行財政改革計画に基づき初めてまとめられた予算を扱う場であり,改革に向けた正念場と認識しておりますので,まずは行財政改革を進める上での懸念を申し述べます。門川市長より,行財政改革の必要性について語られた際,その前提として伝えられたのが本市の財政危機,財政破綻の危険性でした。今更申し上げるまでもなく,急激な市民サービスの低下や負担増などあらゆる悪影響を生み出すだけでなく,破綻自治体というレッテル,ブランドの低下による住民や企業離れを招くことで,本市の持続可能性に致命傷を与えるものである財政破綻,財政再生団体への転落は断固として避けなければなりません。財政破綻を回避するために必要な改革を行うという正論であることから,このような説明・広報の在り方については理解をしておりましたが,実際に情報が伝播する中で,発信者の意図と異なった形で受け止められていることを切に感じております。それは,行財政改革の必要性を伝えることが主眼であったにもかかわらず,その前提,いわば枕言葉として語られた財政危機についてばかりが注目されてしまっており,あげくに様々な情報媒体から報じられるうちに,財政破綻の危機が,財政破綻が既定路線であるというニュアンスに変化し,さらには,京都市はもう財政破綻しているといった風に伝えられているという事態に陥っています。漠然とした,また尾ひれはひれが付いた状態で,財政の危機という負のイメージだけが拡散されていることは,市民から市政運営への疑心暗鬼を生み出すとともに,対外的なブランディングの低下などを引き起こし,行財政改革の道筋,更には本市の将来を脅かしかねません。そもそも本市の財政上の課題として収支の不均衡の是正,とりわけ公債償還基金の計画外の取崩しをなくすべきことは,かねてから京都市会から度々指摘があったことであり,全くの想定外であったコロナ禍や財政破綻の危険性にかかわらず,行財政改革は根本課題の解決のため,本来的にやるべき改革であったはずです。また,制度制定から半世紀前後経過した本市独自の取組の中には,社会情勢や国制度の変化により,意義が薄れてしまっているものや継続が困難であるものが存在しているのも事実です。現状として厳しい財政状況にあることは確かですが,余計な枕言葉を付けずに,将来のためにやるべき改革について覚悟を決めてやってやり抜くという前向きな決意のみを伝えることこそが,今一度求められているのではないでしょうか。財政危機を前提にしたことによって,本来喜ぶべきコロナ禍による税収減が想定より小幅であったことすら行財政改革の横やりとされているのも事実です。また,市民理解を得る上では,財政の危機的な状況について,これまでの財政改善に資するあまたの取組については理解し評価するところではありますが,現状を真摯に反省する態度が求められるのではないでしょうか。今一度,行財政改革について財政危機を回避するための改革なのか,財政の根本課題を解決するために責任と覚悟を持って断行するものなのか明確にお答えください。 財政危機という負のイメージが拡散されることの最も大きい懸念は,京都市の若者離れを加速させることです。若年・子育て世代は情報に敏感な世代であり,あらゆる媒体から得た情報を住居地選択の参考とします。最近では,他の自治体の境界付近で,かつ若年・子育て層に人気なエリアにおいて,この財政危機を理由にほかの自治体側に住居を購入される方までおられるという話まで漏れ聞いております。本市では,これまでから子育て環境日本一を掲げ,手厚い保育士加配など実質的な取組を積み重ねてきたところではありますが,実際に子育てをされる世代から,子育てがしやすい自治体と評価される上では,様々な要素からなるイメージが大きく関わってきます。残念ながら,イメージ面において財政危機への疑心暗鬼が広まってしまっている中で,今一度子育てに関しては手抜かりをしないというマイナスイメージを打ち消す強いメッセージ発信が不可欠です。 先に申し上げますが,私は子育てに関して本市が取り組んできた全ての施策を守れという立場にはありません。先ほど半世紀ほどの間に社会状況が全く変化したという風に触れましたが,子育てに関しては,ここ10年程の間に幼児教育・保育の無償化をはじめとする国制度はもちろん世論にも大きな変化が生じています。もちろん子育て世代のニーズにも変化がある中,むしろ制度や取組に関しては,今求められるものに改革することが必要です。ただ,全体として後退しているという印象を与えないことが重要であり,そのためには本市が目指す子育て環境の目指す方向性,看板施策が求められます。 さて,本市の子育て施策の最も象徴的なものは,保育所等の待機児童ゼロとその継続だと認識しています。政令市の中でかなり早い段階で待機児童ゼロを達成されたことは誇るべき実績であり,本来ならより評価されるべきであったということはこれまでから質問で触れきたところです。しかしながら,この国基準の待機児童ゼロに対しての評価も,ここ数年で大きな変化が起きてしまっています。当初横浜市が政令市で初めて待機児童ゼロを達成した時期には,このことが大きく話題になり,横浜市イコール待機児童ゼロイコール子育てがしやすいまちというイメージの獲得にまで至りました。しかしその後,子育て世代が本当の意味で望んでいる希望する保育所に入ることができることと,国基準の待機児童ゼロにはかい離があるということが明らかになるにつれて,待機児童ゼロという基準が誇っていたアピール力もゼロに近づいてしまっています。一つの例として,近年,若年・子育て層から子育てがしやすいまちというイメージを獲得し,人口流入や出生数の増加に成功している兵庫県明石市では,2018年に全国ワースト1位の待機児童が発生しておりますが,そのことが自治体の子育て環境に対する印象を大きく下げることはありませんでした。本市の子育て環境を語り,伝えるための看板施策としては,国基準の待機児童ゼロは残念ながら物足りないものになっていると言わざるを得ません。また,ゼロへのこだわりが,既存の保育所等の負担となっている点についても言及させていただきます。今一度,若年・子育て層が本市に持つイメージを一新し,京都市で子育てすることに関心や好意を持っていただくための新たな看板施策が必要です。先ほど例示しました明石市では,子育てに掛かる費用について大胆な無償化を行うことで子育てしやすいというイメージを獲得しましたが,本市において同様の取組を求めることは,自治体規模や財政面から考えれば残念ながら現時点では絵空事になってしまいます。しかし,重要なことは,子供とその保護者にとって直接受益感を得られる他都市にはない施策を実施することです。例えば,まず本市で生まれた子供に対し本市独自の直接給付を行うことはできないでしょうか。残念ながら,本市の出生数は昭和45年には2万2,000人ほどであったところ,年間現在9,000人程度まで減少してしまっています。第2子,第3子と条件を設ければ更に対象者は少なくなり,予算額は決して大きなものにはならないはずです。あわせて,ふるさと納税やクラウドファンディングなど新たな資金調達の方法や,市内に存する企業,大学,寺社仏閣等の協力を募ることで,京都市だからこそできる給付に結び付け,京都市で子育てをすることに関心や魅力を生み出すことを目指すべきだと考えます。 行財政改革のゴールは,歳出削減ではなく削減した予算の一部を重点施策に振り分けることだと存じます。国の方針,他の自治体における取組に鑑みれば,子育て支援が重点施策であることは間違いありません。今,本市の子育てに係る取組は大きな転換点を迎えています。行財政改革がイメージの低下につながるのではなく,子育て世代の期待と関心に結び付くよう,指摘・提案した点も踏まえまして今後の子育て施策の方針をお聞かせください。 また,もう一つの本市の看板施策の一つであります京都はぐくみアプリについて提案を申し上げます。いち早く子育て世代のニーズを踏まえ,アプリという形で子育て情報等を提供したこと,今なお多くのダウンロード数,関心を誇ることなど,すばらしい実績であったと認識しております。しかし,前回の代表質問で触れましたように,開発から7年が経過する中で,一定使いづらいものになってしまっていることを極めて残念に思っております。使いやすさ,いわゆるユーザビリティーの向上に資する提案として,現在全国の140以上の自治体で利用されている民間会社が提供する母子モというアプリを紹介いたします。このアプリの全てがすばらしいということではありませんが,多くの自治体で基本機能を共有することでスケールメリットにより経費が抑えられることが可能である点,運営会社により随時アップデートがなされる点など明確な長所が挙げられます。また,ユーザビリティーの評価という点では,App Storeにおけるはぐくみアプリの評価が2.4点,母子モは4.4点とユーザーから高い評価が得られていることが挙げられます。あわせて,費用面ではこのアプリを契約している人口100万人前後の政令市を参考にすると,年間約66万円程度と想定します。初期コストは発生しません。はぐくみアプリは年間のランニングコストが80万円程度であるのに加え,数年に一度,改修コストが発生することを踏まえると,費用はむしろ削減されることになります。もちろん,京都はぐくみアプリには18歳まで切れ目なく支援するという趣旨があり,その点については互換できないという課題はあるものの,このようなアプリのニーズが最も高いのは,子育てに不安を抱え,情報を要する産前産後の時期であることは間違いなく,他方でその他の時期の支援はホームページ等で代替可能であると言えます。アプリとしての機能面,何より利用者にとって使いやすいものを提供したいという観点から民間アプリの活用について提案申し上げますがいかがでしょうか。 まずは,ここまでの質疑にお答えください。 ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 小島信太郎議員の御質問にお答えいたします。 行財政改革計画の意義についてでございます。本市では長きにわたって福祉,教育,子育て支援,安心・安全など高い水準の施策を実施するとともに,文化を基軸とした都市経営に取り組み,市民生活の豊かさや地域と連携した保育,教育の充実を通じて,例えば子供たちの学力が全国トップ水準であるなど国内外から高く評価される都市格の向上につなげてまいりました。 一方で,国の三位一体改革以降,地方交付税の削減が続き,職員数の削減など行財政改革を徹底してきましたが,現行の市民サービスの水準の維持に重きを置いた結果,社会経済情勢の変化等に応じた更なる改革が不十分となり収支不均衡が続いてきたことは,真摯に受け止め反省しなければなりません。このような中,この収支不均衡を公債償還基金の計画外の取崩しなど将来世代への負担の先送りによって補填せざるを得ず,何ら改革を行わなければ公債償還基金は枯渇してしまい,急激かつ大幅な市民サービスの低下が危惧される状況でありました。こうした状況の下,この2年間本市財政の全てを公表し,徹底した議論を行い,議会とも議論を深めていただき,行財政改革計画を昨年8月に策定し,覚悟を決めて未来のために取り組むことといたしました。 ただ,小島議員御指摘のとおり,行財政改革計画は大きな反響があり,新聞・テレビなど様々な場面で議論され,本市の現状を知っていただく貴重な機会になった一方で,本市財政の正確な状況や改革への理念,またその方針等が正しく伝わらなかったことも事実であります。今回の改革の理念や必要性について市民の皆様にしっかりとお伝えするとともに,文化庁の京都への全面的な移転と京都市立芸術大学の京都駅近隣への移転などを契機として,文化を基軸とした都市経営を更に深化させ,文化と経済の好循環や社会課題解決へスタートアップ支援など京都の強み,ポテンシャルを徹底的にいかした成長戦略により,京都の持つ魅力を更に磨きを掛ける改革であること,魅力あふれる京都を未来へつなぐ改革であること,また全国トップ水準の教育,子育て支援を持続可能なものとして引き続き充実させていく改革であること,これらについてしっかりと説明し発信してまいります。行財政改革計画におきまして,市民生活の影響を最小化するために人件費の削減をはじめ行政内部の改革を徹底したうえで,単に財政収支の帳尻合わせではなく,社会経済状況の変化や時代の潮流を捉えて施策を持続可能なものに再構築することを徹底してまいります。 一方で,一般財源収入の増加に向けた成長戦略の効果の発現には一定の期間を要することから,枯渇リスクを回避しつつ市民生活を守るため,公債償還基金の計画外の取崩しを一定期間行わざるを得ず,令和7年度の公債償還基金の残高は1,000億円以上確保することを行財政運営の必達目標と設定しました。令和4年度予算におきまして,リーマンショック並みと危惧された市税収入の減少を回避できる見込みであることに加え,歳出の改革を着実に実施したことや地方交付税の増額などにより,計画を大きく上回って収支を改善,そして今後も行財政改革を着実に実行することにより,令和7年度末の公債償還基金の残高を1,330億円以上確保し,基金枯渇の危機を確実に回避してまいります。 本市財政の目指すべき姿は,公債償還基金の計画外の取崩しから脱却し,収支が均衡する持続可能な財政の確立でございます。さらに市債発行額をコントロールし,公債費を減少させるとともに人件費は他都市平均とのかい離を解消させます。同時に,京都の持つポテンシャルを最大限にいかし,従前の延長ではない成長戦略を強力に推進し,経済の活性化・市民生活の豊かさにつなげ,一般財源収入を増加させることにより収支不足を圧縮・解消してまいります。今後も市民の皆様と危機感と将来展望を共有し,改革の必要性を丁寧に説明のうえ,私が先頭に立ち行財政改革を着実に進めまして魅力あふれる京都,また未来へ,京都の今と未来に責任を果たしてまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 今後の子育て支援施策についてでございます。始めに,待機児童対策については保育所整備,幼稚園でのニーズに対応した預かり保育の実施や保護者に寄り添った丁寧な入所調整などに加え,保育園・幼稚園関係者の皆様の御協力もあり,8年連続となる国定義での待機児童ゼロを達成し,小学校入学前児童に占める保育所など利用児童の割合は,人口100万人を超える大都市の平均が44.4パーセントのところ,本市は最も高い52.5パーセントとなっております。こうしたことは,4月入所を希望される皆様に対しては確実に保育施設などを利用できる安心感を与える本市の強みと考えております。 また,誰一人取り残さないSDGsの理念を踏まえ,配慮が必要な障害児,医療的ケア児についても,本市独自に保育士や看護師を加配して受入れを行う中での待機児童ゼロの継続は全国的に高い評価を得ております。 次に,子供への新たな給付については本市の厳しい財政状況から難しいと考えますが,本市では生まれた子供への支援として全ての家庭を対象とするこんにちは赤ちゃん事業のほか,新生児聴覚検査の費用助成や出産直後の母親への心身のケアや育児サポートなどの支援を行う産後ケア事業などを行っており,引き続き施策を利用する際の負担軽減などの支援を通じて子育て家庭を支えてまいりたいと考えております。 次に,子供・若者のために何かしたいという善意に対しては,子供用の書籍,物品などの現物や現金を寄付いただく京都市はぐくみ未来応援事業の紹介やふるさと納税による寄付金をはじめとした民間資金の獲得に向けて具体的な活用事例を発信するなど,関心や実感を得られるように取り組んでまいります。今般の行財政改革においては,少子化をはじめ社会情勢の変化に対応しながらこれまでの子育て支援の理念をしっかり守りつつ,改革すべきは改革し,将来にわたって持続可能なものとなるよう着実に進めているところであり,引き続き取り組んでまいります。 最後に,京都はぐくみアプリについては,平成27年2月に導入以来,子育てに関する情報をより得やすいよう環境整備をするものとしてこんにちは赤ちゃん事業などの際に周知しており,現在も多くの市民の方々に御利用いただいております。一方,小島議員御指摘のように,使いにくいといった声もあることから,できる限り経費を掛けずに必要な改修やコンテンツを整理するなどの充実を図ってきたところです。 また,議員御提案の母子モも含め,日進月歩する民間企業のアプリなどの活用も踏まえながら,今後とも国の動向を注視しつつ検討を重ね,子育て環境の充実に努めてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 小島議員。 〔小島信太郎議員登壇〕 ◆(小島信太郎議員) これまでの施策を改革する以上,これまでの実績だけではなく,これから何をするかを伝えられる子育て施策を求めてまいります。 さて,コロナ禍はいまだにあらゆるところに影響をもたらしていますが,最も大きなダメージを受けた局の一つが交通局,市バス・地下鉄事業ではないでしょうか。先の9月市会では,市長総括質疑におきまして厳しい経営状況に鑑みる上でも,料金改定には極めて慎重である必要性とともに,利用促進,中でも経営の根幹であり,テレワークの推進が利用離れにつながっている定期券利用の回復に向けて,定期券利用に付加価値を加えるサブスクリプション型サービスの紹介,提案を申し上げたところですが,来年度は試行実施されると伺っております。利用者にとって魅力的なサブスク型サービスを提供するには,駅ナカビジネスの事業者の協力が肝になってきます。既存の店舗,事業者との連携はもとより,今後更なる駅ナカビジネスの展開に当たって,デジタル化やコロナ禍の影響でビジネスモデルが変化し新たなビジネスチャンスが期待できることから,これまでは対象とならなかった乗降客数が2万人以下の駅やわずかなスペースで事業を行うアイデアについて幅広く募り,受け入れることの必要性について提案申し上げ要望といたします。駅というものが単に電車に乗り降りするための場所ではなく,地域貢献をもたらし生活に華やぎ,QOLの向上に資するものとなるよう期待をいたします。 しかしながら,根本的に利用客を増加するには交通局の取組だけでは足りません。定期券を利用される方の多くは駅の近くに住んでいるか働いている方々であり,定期券利用を根本的に拡大するには,すなわちまちづくりの観点から取り組まなければなりません。先般,山科を研究される方からおもしろい資料を拝見しました。山科地域にはじめて京阪電車が開通した際の周辺の人口動向の資料であり,鉄道が開通した周辺地域では人口が4倍から9倍に急増したという内容でした。もちろん明治期の資料ですので直接的な参考にはなりませんが,改めて鉄道の開通,インフラの整備が地域の発展に与える影響の大きさを感じられるものです。この間財政危機について語られるうえで,いわば悪役となってしまっている地下鉄東西線の建設費用ですが,単に利用料金のみで考えるのではなく,地下鉄の開通が沿線の発展にいかに寄与しているか,また十分に寄与していないのであれば,今後どのように発展のポテンシャルをいかしていけるかについて検証していかなくてはなりません。 都市の発展とは単純化すれば産業の振興と人口の増加の二つでありますが,本市は政令市で140万人以上の人口を抱える大都市であると同時に,京都という古都としての町並み,歴史・景観を守ることがほかに類なき本市の都市特性,魅力を高めるために重要な責務であり,現代の都市としての発展と古都としての魅力を守ることの両立がこれまでからのまちづくりの課題でありました。ある意味,両立不可能といえる双方向のまちづくりを実現するためには,市内をエリアに分けてそれぞれのエリアにおける特性を発揮していかなくてはなりません。昨年の都市計画マスタープランの改訂の趣旨は,いわば各エリアの特色をいかし,めり張りの効いた都市計画の下で京都市の発展を目指すものだと理解をしております。歴史・景観を堅持しながら,周辺部等では一定京都らしさや環境を維持しながら,企業立地などによる産業振興や人口増加に取り組まなければなりません。 そもそも,古都としての京都と京都市という自治体の範囲は大きく異なっており,画一的な規制等は合理性を欠きます。現在,その非合理が顕著に表れているのが他の自治体との境界エリアです。都市としての発展,特に若い世代に望まれる住宅を設ける上で,まずもって重要視すべきが利便性の高い地下鉄沿線・駅周辺地域であることは間違いありません。しかし,山科区を例とするなら,ターミナルである山科駅や区役所のある椥辻駅周辺では一定のにぎわいが見られるものの,その合間となる駅ではまだまだ発展のポテンシャルがいかされているとは言えず,実際に乗降客数も低迷しています。駅周辺のにぎわいづくりは,地域住民や事業者,土地所有者のみでは成し難く,行政として企業や大学・病院等も巻き込んだ仕掛けづくりが必要になります。また,エリアによっては,高さ規制の緩和や用途地域の変更も選択肢とするべきです。現在,京都市駅周辺等にふさわしい都市機能検討委員会が実施されているところであり,本市の発展に向けた柔軟かつ大胆な都市計画の取組に期待をいたします。行財政改革を貫徹するためには,歳出削減だけではなく税収増のための成長戦略が不可欠とされています。古都・京都の町並み,ブランドを守る姿勢と現代の都市としての発展を目指す攻めの姿勢,まちづくりにおけるめり張りが求められ,そのうえで地下鉄沿線の重要性を訴えますが,いかがでしょうか。 最後に地域要望を申し上げます。若い世代に選ばれるまちづくりについて質問いたしましたが,山科区においては近年ブランディング事業に注力されています。山科区域では,市内中心部と比べて住宅の価格が比較的安価である傾向があり,若年・子育て層の市内居住に当たっての大きな課題の一つが解決されていることに加え,住みやすいまちとして必要な要素を兼ね備えており,ブランディングにより定住促進を図ることは大変有意義に思います。他方で,駅周辺などの利便性の高い地域とバスを含めて公共交通が乏しい地域との交通格差が存在するのは課題であり,コロナ禍が水を差す形となってしまっている地域のMM活動,モビリティマネジメント活動の更なる支援について併せて要望させていただきます。 山科区のブランディング事業の特徴として,業界最大手の住宅情報サイトSUUMOと連携し情報を掲載すること,また住宅のプロの視点で山科区の魅力を深掘りし,魅力的な誌面を作成していることが挙げられます。この方法がベストとするものではありませんが,住宅を探す方が目にする媒体に掲載することにより,事業の目的とターゲットの需要がうまくマッチングされていること,また第三者による外向けの視点で,かつ住宅のプロの視点から地域の魅力を伝えることで,移住者の求める情報を的確に供給することが期待できる手法であると評価しています。本市の若年・子育て層の移住・定住促進を図るうえでも,山科区のブランディング事業は重要であり,取組の推進を応援することを求めますとともに,本市の移住政策を進めるうえでの参考とすることを提案いたします。また,移住された方がまず訪れるのは山科区総合庁舎であり,ブランディングに資する重要な玄関口となる庁舎の再整備について考える必要があります。財政面から課題があることはもちろんですが,住民はもとより移住者からもより愛される庁舎となるよう,様々な観点から積極的な検討を行うことを求めます。 質疑全体を通して若年層に焦点を当てたものとなりましたが,放っておけば人口減少と少子高齢化が進行する中,持続可能な京都市政を推進する上では,若い世代に選ばれる都市を目指すことこそ全ての世代が支え合う地域づくりに不可欠と考えます。本市の未来のため真摯な答弁を期待し質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 引き続いて,小島信太郎議員の御質問にお答えします。 駅周辺地域におけるまちづくりについてでございます。京都の都市の持続性を高めていくためには,都市計画マスタープランにおける保全・再生ゾーンの豊かな自然,歴史,文化といった京都ならではの魅力と創造・再生ゾーンで生み出す都市活力を好循環させていくという都市づくりの基本的な考え方が重要です。とりわけ創造の部分を今後いかに伸ばしていくかが重要と認識をしており,都市計画マスタープランの中においても,周辺部の主要な駅近傍での若年・子育て層のニーズに合った居住環境の充実や近隣都市との市境地域での将来的な都市計画道路の整備や都市開発を見据えた多様な都市機能の適切な配置・誘導などといった新たな魅力や価値を創造する京都の未来の絵姿を描いたところでございます。 その中でも,都市計画マスタープランの中で即地性の観点から新たに定めた方面別の指針の中で,地下鉄東西線沿線の山科区,伏見区を含む東部地域につきましては,京都の東の玄関口として次の世代にも選ばれる新たな魅力を創出・発信するなど,これからの京都の可能性を引き出すエリアと位置付けております。この地域では,地下鉄東西線や新十条通の整備などにより高まったアクセス性をいかすなど,京都市持続可能な都市構築プランで地域中核拠点エリアとして位置付けた地下鉄駅周辺や幹線沿道を最重要視してまちづくりを進め,その効果を沿線・沿道及び本市の市境も含めた全体に波及させていくべきと考えております。 議員御指摘のとおり,行財政改革を実効性あるものとするために,都市の成長戦略において都市計画は大きな役割を果たすべき分野であると考えており,ハード・ソフト両面のあらゆる分野との施策連携を深めながら,各地域の特性に応じた戦略的な都市計画を推進していく必要があります。このため昨年の12月に立ち上げました京都市駅周辺等にふさわしい都市機能検討委員会におきましても,都市計画マスタープランに掲げた課題への対応や将来像の実現に向け,現行の都市計画の制限が各地域のポテンシャルに見合ったものとなってるか,逆に十分に足りているかといった観点で,今後都市計画の見直しを有効な手法の一つとして対象エリアや具体的な方策の検討を進めていただくことにしております。公共交通拠点であります駅周辺等における都市機能の集積・充実はもとより,若年・子育て層が京都で住みたい,学びたい,働きたい,子育てをしたいと思えるような空間の魅力創出に向けて,成長戦略に掲げる若い世代に選ばれる千年都市の実現を着実に目指してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,大津裕太議員に発言を許します。大津議員。 〔大津裕太議員登壇(拍手)〕 ◆(大津裕太議員) 中京区選出の大津裕太です。地域政党京都党市会議員団を代表して令和4年度京都市予算案について質疑いたします。 冒頭に,この間オミクロン株の流行により,感染したり濃厚接触者になったりする方が爆発的に増加しました。保育園や幼稚園の休園,学校の学級閉鎖も相次ぎ,また職場では人員が足りず業務が回らない,飲食店等はまん延防止等重点措置の再発令で経済的な痛手を受けるなど多くの影響が出ております。り患された皆様にお見舞い申し上げるとともに,影響を受けた全ての皆様の御苦労に心を痛めております。また,保健所職員をはじめ医療関係者,エッセンシャルワーカーの皆様の御尽力に感謝申し上げます。一日も早いパンデミックの収束を祈りつつ,行政として京都市にもっとできることがないか,京都党としても考え,当局にもお願いしてまいりたいと思います。 質問に入らせていただきます。最初に,本市の人口動態とその課題についてでございます。日本の人口は,総務省統計局の発表によると2010年に約1億2,800万人でピークとなった後,少子化の影響で減少局面に入りました。現在は1億2,500万人を少し上回る水準ですが,2030年には1億2,000万人を下回り,2050年頃には1億人を下回る見込みとなっています。本市の状況は京プラン2025によると,2005年から2015年にかけて約147.5万人で10年間横ばいだったのをピークに減少局面に入り,2030年に142.3万人,2045年に129.7万人と推計されています。 さて,ここからが本題です。多くの市民の皆様の認識は,京都市の人口は横ばいで微減し始めたという認識ではないでしょうか。しかし,実は統計上の最新である2020年の数字では,京都市は全国の約1,700の市町村の中で最も人口が減った自治体でありました。よく目にする人口減少率では,京都市より減少率が高い自治体は多くありますが,絶対数である人口減少数では本市が全国で最も多いのです。その数は8,982人で自然減が5,795人,社会減が3,187人となっています。自然増減数は出生数と死亡数により決まりますが,本市は高齢化比率が政令指定都市の中でも高く,死亡者数が多くなる傾向があるとともに,出生率は全国平均1.34の中,本市は1.21と全国最低水準であり,出生数も少なく構造的に他都市より自然減が多くなるそ上があります。2020年は自然減5,795人でしたが,今後も少しずつこの減少数が増加していくものと推定されます。 社会増減数は,転入数と転出数により決まります。2020年はコロナ禍の影響で大学の授業がオンライン中心になったことなどにより,本来なら市内に転入してくる大学生が引っ越しをせずに実家から授業を受けるなどの特殊事情がありましたので,2020年の単年度の数字だけで判断できない側面もあります。しかし,大学等の教育機関から卒業した若者たちが就職をきっかけに他都市に出て行ってしまっていること,本市の住宅価格を中心とした高い物価水準などを原因に,20代後半から30代の世帯が滋賀県や京都府下の自治体に出て行ってしまっていることは,京都市の社会減の大きな要因なのは御存知のとおりです。20代,30代の流出は今後の出生数の減少に更に拍車を掛けることとなりますので,本市の人口動態は大変厳しい状況にあります。昨年の2月市会の京プラン2025の審議において,我が会派から人口減少に対する見解を質問しました。しかし,その答弁は大変頼りなく,具体的な数値目標もなく人口減少の本市への影響も曖昧で,人口減少を少しでも抑制するということに終始するものでした。 また,本市が示している推計では2020年の人口が147.2万人とされていましたが,現実は145.8万人と既に下振れし始めています。今後の推計も自然減の数や今後更に少子高齢化が進むことを勘案すると,本市予測を更に大きく下振れすることが予想されます。そこで市長にお伺いいたします。本市の人口減少に対する認識・向き合い方は大変甘いように感じますが,全国で最も人口減少数が多いという事実をどのように捉えられているか,本市の人口推計より現実が大きく下振れする可能性が極めて高いことをどのように捉えておられるかをお聞かせください。 また,経営再建の真っただ中の市営地下鉄や市バス,そして,財政再建のために必須の歳入増を計画する都市の成長戦略をはじめ本市の多くの計画は,人口減少による影響が大変大きいと考えますが,人口減少や人口推計の下振れを織り込んだ計画となっているのでしょうか,お聞かせください。 そのうえで御提案をしたいと思います。自然減に関しては長期的に解決していく必要はあるものの,高齢化比率の高さや出生率の低さを解決することは一朝一夕でできることではなく,世界的に見てもこの問題を解決できた事例はほとんど見当たりません。特に出生率の向上は不断の努力をしていく必要がありますが,差し当たって目の前の対策としては,社会減を食い止め社会増に転換する政策をしていく必要があります。京都市の目下の課題は,住宅価格をはじめとした様々な環境を背景に本市を離れていく若者世代,子育て世代の流出を防ぐことです。そして逆に流入する環境に持っていくことです。本市でも全体としては人口流出傾向にありますが,伏見区の羽束師,久我地域など現在も人口流入は多い地域もあります。西京区の桂川地域も同様に大変人口が増えています。少し遡れば,中京区の御所南学区も小中一貫教育のモデル校の創設により子育て世代が多く流入した事例であります。 これらを考えるに,本市が戦略としてターゲットすべきは,交通利便性が高いにもかかわらず住宅価格,土地価格が比較的安価なエリアの開発ではないでしょうか。具体的には,地下鉄東西線沿線の山科区・伏見区です。例えば,山科区は山科区基本計画にも課題として挙がっておりますが,まちの実態とイメージのギャップが指摘されています。一昔前のイメージが定着しておりますが,現実は山科区は犯罪件数もほかの区より少ない傾向にあり,イメージの払拭次第で大きなポテンシャルを抱えております。他都市で見ても,一番大きな事例で言えば川崎市,関西でいうと尼崎市の一部エリアなどが同様の課題を克服して子育て世代から人気のまちへと変貌を遂げております。 また,東西線沿線のこれらの地域は,立地的に見ても景観による規制などももう少し柔軟にする余地があるのではないでしょうか。東西線沿線の山科区・伏見区エリアの駅前のマンション等の高さ規制の緩和や,小中学校や保育施設,教育施設への注力,広報戦略によるまちのリブランディングをしっかり行えば,滋賀県や京都府下への人口流出は止められると考えますが,本市の見解をお聞かせください。 まず,ここまでの答弁を求めます。 ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 大津裕太議員の御質問にお答えいたします。 人口減少に対する認識でございます。我が国はこれまでに経験したことのない人口減少社会を迎えております。今後も当面は高齢化が進み,少子化傾向に歯止めが掛からない厳しい状況が続くと見込まれております。また,本市固有の顕著な人口動態として都市の活力を生み出す,また社会を支える中核となる20代の方々が就職のために首都圏等へ転出,さらに30代の子育て世帯の方が市内の住宅価格が高いことなどによって近郊都市へ流出する状況がございます。私はこのような状況に強い危機感を抱いているところであります。なお,地域の居住の実態をより正確に表す令和2年度国勢調査の結果によれば,令和2年度の前回調査から本市の人口減少数は政令市の中で6番目に多い結果となっております。さらに京都は大学のまちで,1万人を大きく超える留学生がおられます。外国からの留学生が大幅に減少しています。社会減の93パーセントは外国人であります。そうした留学生の影響が今回は大きく出ていると推測しております。急に若い人がどんどん出られたということではないんではないかと。ただし計画の策定に当たっては,人口減少問題を短期的な面だけでなく中長期的な視点から考察することが重要であると考えております。そのため,はばたけ未来へ!京プラン2025をはじめ本市の様々な計画において人口減少を深刻かつ中長期的な課題として捉え,策定してきたところであります。 また,行財政改革計画では,成長戦略における五つの都市デザインを筆頭に若い世代に選ばれる千年都市を掲げており,都市計画手法をはじめとするあらゆる手法を総動員して,様々なチャレンジに取り組むこととしております。その具体策として,令和4年度においては地域ごとの特性を踏まえ,オフィスや住宅など都市機能の集積や充実した都市計画上の方策の具体化,空き家をはじめとする非居住住宅の有効活用,若者・子育て世帯が魅力に感じる住まいの供給促進,市街化調整区域における大規模な産業用地の創出,全庁を挙げた企業誘致に取り組む体制の整備などを進めていくこととしております。今後も人口減少問題に真正面から向き合い,若い世代に選ばれる魅力あふれるまち・京都の実現を目指してまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 山科区・伏見区エリアにおけるまちづくりについてでございます。本格的な人口減少社会が到来する中,若年・子育て層の市外流出は本市の喫緊の課題であります。特に就職期に当たる20代の東京・大阪への流出,結婚・子育て期に当たる30代の住宅価格の高騰等による近郊都市への流出が見られることから,京都の未来を担う若い世代が京都で住みたい,働きたい,学びたい,子育てしたいと思えるまちづくりを進める必要があると考えております。 そこで,昨年9月に見直しをした都市計画マスタープランにおいても,土地利用の方針として定住人口の求心力となる地域中核拠点エリアにおける若年・子育て層のニーズに合った居住環境の充実や,多くの人々の生活の場である日常生活エリアにおける身近な生活圏で暮らしを支える多様な機能が充実した居住環境の形成などを掲げております。さらに,このような方針を即地的に,より具体化するために今回のマスタープランでは市内を五つの方面に分け,方面別に特徴を明らかにし指針を定めております。 山科区また伏見区を中心とした東部地域につきましては,この方面別の指針において次の世代にも選ばれる新たな魅力を創出・発信するなどこれからの京都の可能性を引き出すエリアと位置付けております。地下鉄東西線や新十条通の整備などにより高まったアクセス性をいかすなど,安心・快適で歩きたくなるようなにぎわいと潤いある都市空間の形成を目指してまいります。このために昨年12月に立ち上げた京都市駅周辺等にふさわしい都市機能検討委員会におきましても,都市計画マスタープランに掲げた課題への対応や将来像の実現に向け,公共交通拠点である駅周辺等における都市機能の集積・充実はもとより,若年・子育て層が住みたい,働きたい,子育てしたいと思えるような都市計画上の方策や対象エリアについて御検討いただき,具体化を進めてまいります。さらに,若年・子育て層に確実に情報が伝わるよう,多様なニーズに応える住宅や住環境に関する情報の発信の強化などにも取り組むとともに,税制,産業,子育て,教育等といったあらゆる関係施策とも連携を深め,若年・子育て層の移住・定住を促進してまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 大津議員。 〔大津裕太議員登壇〕 ◆(大津裕太議員) 本市の自然減の人数を5,795人と申しましたが,昨年5,795人を超える人口減少があったまちは神戸市と京都市のみであります。社会減も当然一時的なものもありますが,自然減だけでも非常に厳しい環境であるということを改めて御認識いただきたいと思います。 次に,本市の財政と行財政改革計画に関しての質疑をします。令和4年度予算は,行財政改革計画の実効性を担保するための試金石として大変重要な予算編成です。その意味では,社会福祉関連経費をはじめとした経常経費も公共工事などの投資的経費も定めた歳出上限の範囲内で抑え,69億円の余剰を生み出せたことは大変評価しております。長らく財政の問題を指摘し何度も繰り返し提言しては,門川市長にそれは縮み志向だと否定されてきた京都党としては,なぜこれがもっと早くからできなかったのか,もっと早く取り組めばここまで市民生活に影響が出るような急激な市民サービスカットをしなくても済んだのではないかというじくじたる思いがあります。 また,進行中の令和3年度も想定よりコロナ禍により税収への影響が少なかったことなどを背景に,過去に行った公債償還基金からの借入れを187億円返済するなど単発的なこととはいえ財政の改善が見られたことも好材料です。しかし,これらの好材料を基に財政危機克服の見通しが立ったという門川市長の発言はいささか楽観的過ぎ,また市民への誤ったメッセージになりかねません。門川市長もお忘れではないと思いますが,平成28年度から令和2年度までの京プラン第2ステージでは,実質の赤字である特別の財源対策を毎年おおむね100億円に抑え,令和2年度には脱却するという計画を失敗しております。振り返れば,京プラン第2ステージ期間も,中期財政見通しの下方修正を続け,何度,計画失敗の可能性を指摘しても,後半年度で挽回するなどの根拠のない発言でごまかしてきた経緯があります。見通しの甘さも計画失敗の大きな要因だったにもかかわらず反省はいかせているのでしょうか。 令和4年度予算の特別の財源対策は,依然と117億円もの巨額を計上しており,先ほど述べた前プラン時に掲げていたおおむね100億円を大きくオーバーしております。この間の行財政改革は総論としては一定評価しておりますが,数字だけを見ればコロナ禍前の水準に戻っただけと言えます。市長からすると,基金枯渇がすぐに起きる事態を脱却したと思っておられるかもしれませんが,それは最低限のことで,本市の収支バランスが回復する具体的な道筋がついて初めて見通しが立ったと言えるのではないでしょうか。この状態で見通しが立ったなどという楽観的な発言は,改革を先導するリーダーとしては極めて不適切な発言です。見通しが立ったならこれ以上の市民サービスの削減は必要ないと受け取る市民の方が出てくるのは当然です。今後も様々な市民サービスの見直しをしていかなければいけないにもかかわらず,なぜ見通しが立ったのに更なる市民サービスの見直しがされるのだと不信感を与えかねません。御自身の発言に関する認識を改めて市長にお伺いします。 また,財政危機克服の今後の見通しが示されました。この見通しによると,令和15年度までの歳出を令和3年度水準で維持し続けるという点と,都市の成長戦略による担税力強化による100億円の財源捻出が前提となっております。歳出を横ばいで維持するという考え方は賛成ですが,しかし一方で,社会福祉経費が増え続ける中で,歳出を横ばいにするためにはどの程度の歳出削減が必要なのかが示されておりません。これでは本当にできるのか全く判断ができません。そして,担税力強化による100億円の財源捻出も考え方は大賛成です。しかし,税収ベースで400億円もの増収はコロナ禍前の過去10年の増収が約150億円だったことを考えると生半可なことではありません。9月市会でも指摘したとおり,この金額の根拠は財源不足額から逆算しただけと総合企画局が公式に答弁するお粗末なものです。人口問題でも指摘しましたが,人口が大きく減少し,特に現役世代がどんどん少なくなる社会背景の中で本当に達成できるのでしょうか。 また,市長も常々言っておられるように,地方交付税は削減が続くと予想されますがその点は一切触れられておりません。京プランの第2ステージで財政の立直しに失敗した際に,門川市長に失敗の理由を質問したところ,増え続ける社会福祉経費と削減され続ける地方交付税を挙げ,不測の事態だったというのが答弁でありました。今回の計画も全く同じてつを踏んでないでしょうか。前回の失敗の反省がどういかされているのか改めて説明を求めます。 また,歳出横ばいのために必要な歳出削減額と地方交付税の削減などの歳入減をしっかり数字で記載した令和15年度までの財政見通しを御提示いただくように求めますが,いかがでしょうか。 以上で私の代表質疑を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 功刀財政担当局長。 〔功刀財政担当局長登壇〕 ◎財政担当局長(功刀岳秀) 令和4年度の予算と行財政改革計画についてでございます。行財政改革計画策定前の試算では,拡大する収支不足に対して何ら改革を行わず,公債償還基金の計画外の取崩しを続けた場合,令和6年度に公債償還基金の枯渇が見込まれておりました。このため行財政改革計画では歳出上限を設定し,令和7年度末の残高を1,000億円以上確保することを必達目標として掲げて,あらゆる施策を総点検するなど改革に取り組んでまいりました。 くわえて,リーマンショック並みの減収を回避できたこともあり,令和4年度当初予算での到達点といたしまして計画を300億円上回って収支を改善いたしました。今後,令和5年度から7年度においても行財政改革計画を達成することにより,令和7年度末の公債償還基金の残高は1,330億円以上と令和2年度決算の水準を維持し,公債償還基金の枯渇を確実に回避してまいります。この明るい見通しは,行財政改革計画の着実な実施達成を前提としており,本市は依然として117億円の実質的な赤字予算で厳しい状況にあります。この状況につきまして,市民の皆様と共有をしながら決して楽観視することなく緊張感を持って明るい見通しを確かなものとしてまいります。 さらに,市債のコントロールによる公債費の低減,人件費の他都市平均とのかい離の解消,京都の強みをいかして市民の豊かさにつなげる都市の成長戦略の推進により,収支不足を圧縮し公債償還基金の計画外の取崩しから可能な限り早期に脱却してまいります。行財政改革計画では,京プラン実施計画期間中の財政運営の課題を踏まえ,収支が悪化した場合には更なる改革に踏み込むことを明記しており,引き続き緩むことなく収支を改善させてまいります。そのうえで,まずは行財政改革計画の着実な達成に全力を挙げ,令和5年度までの集中改革期間終了後にコロナ禍の収束状況と,それまでの行財政改革計画の達成状況を踏まえ,中期収支試算の再算定を行い,財政運営の目標を改めて設定してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,神谷修平議員に発言を許します。神谷議員。 〔神谷修平議員登壇(拍手)〕 ◆(神谷修平議員) 下京区選出の神谷修平です。地域政党京都党市会議員団を代表して大津裕太議員に引き続き質疑いたします。 まず冒頭に,新型コロナウイルス感染症と最前線で向き合っておられます医療従事者の皆様,保健所関係者の皆様,そして自粛や感染対策に御協力をいただいております市民の皆様に心より感謝申し上げます。 それでは質疑に入ります。令和4年度の本市の一般財源収入は,コロナ禍の影響により当初リーマンショック並みに減少すると危惧されていましたが,その減少幅は回避でき,国の地方財政対策もあり前年度予算から56億円増の4,415億円を見込んでおります。しかし,想定していたよりも収入を確保できる兆しがあるとはいえ,本市の令和4年度予算案における実質的な赤字額は117億円であり,この赤字を補填するための56億円の公債償還基金の計画外の取崩しや44億円の行政改革推進債,17億円の調整債の発行という将来世代への負担の先送りとなる禁じ手の使用からは脱却ができておりません。本市財政はまだまだ予断を許さない状況であります。 そこで,まず,これらの禁じ手の中の調整債についてお聞きいたします。この調整債というのは,法人住民税法人税割の税率引下げなどに伴い減収が生じる都道府県・市町村に対し,建設地方債の特例債として措置されるものです。税率減による税収減を補填するものではありますが,その趣旨は税収の不足分を補うものであることから,都市の成長戦略などで法人税収が増加し始める局面では発行すべきものではありません。昨年,おととしと新型コロナの影響があり,法人税収が減収している中での発行は妥当だと考えられますが,今年は税収が上がっているにもかかわらず発行されることに疑問を覚えます。本市として今後法人税収を増加させていく計画の中で発行し続けることは,適切ではないのではないでしょうか。本市は調整債という新たな借金に手を出すことで,更に将来へ問題を先送りしているにすぎません。本当に次年度以降も禁じ手である調整債を発行し続ける予定なのでしょうか,お答えください。 次に,公債償還基金残高に関してでありますが,現状の試算では令和7年度の残高は1,335億円となるとされています。しかし,令和7年度の本来あるべき公債償還基金残高というのは2,508億円であり,このままではほぼ半分に当たる約1,200億円の基金を取り崩している状態になります。将来に少しでも負担を残さないためにも更なる改革をスピード感を持って行っていく必要があります。だからこそ,市長の残り任期であり責任を持って自ら指揮をとる集中改革期間の間に改革を更に進めていただきたく存じます。 今回の予算案では多くの市民サービスの見直しが示されておりますが,改革に当たっては市民生活への影響が多分であることからも,まずは行政内部の改革を本気で徹底し覚悟を示さなければ,市民の方々からの御理解は到底得られるものではありません。そういった観点から2点質疑いたします。 まず1点目は,本市の人件費に関してです。昨年の11月市会において可決されました京都市職員の給与の額の特例に関する条例の一部を改正する条例についてでありますが,改めてその意味を考えていただきたいと思います。本条例は令和5年度までの3年間の集中改革期間に職員の給与カットを総額50億円を行うことに関する条例改正でありました。この改正内容は,人事委員会から人件費削減の勧告がなされたことに伴い,人事委員会勧告による給与改定分24億円を含め50億円を捻出した時点で給与カットを終了するというものでした。毎年実施している人事委員会勧告に倣って行われる給与改定分を改革の中に含めるということは,言い換えれば給与を50億円カットすると市民の方々に発表しながら,実際には26億円に規模を縮小させているということになります。市民サービスの見直しが進む中,職員の給与カットが当初の予定よりも縮小されて終了することに本当に市民の方々の御理解が得られているのでしょうか。身内に甘い中途半端な改革では市民の方々は納得されません。人事委員会勧告による給与改定分を含めない当初計画されていた自力での50億円の給与カットは最低でも実施していくべきです。市民の方々への負担を強いる前に行政内部の改革を徹底的に行い,改革の途中で外的要因などにより当初より計画が上振れしようとも,改革のスピードを緩めず徹底すべきです。市長は特別の財源対策からの脱却を目指し,将来世代への負担の先送りをなくしていくべきだとうたってらっしゃる一方で,なぜ市長は今回この改革幅でよしとされたのでしょうか。市民の方々が納得できる理由を御説明していただきたいと思います。 次に,改革を行う覚悟を示す上で,市民の方々から重要な指標として捉えられ,関心の高い市長の退職金についてお聞きいたします。市長の退職金は任期ごと,つまり1期4年ごとに退職金が出ます。市長は現在4期目でございますから,市長としての退職金を計4回受け取られる予定です。退職金のおよその額は,1期目が4,069万円,2期目が3,536万円,3期目が3,402万円,4期目が予定として3,402万円,合計すると1億4,000万円を超えます。これは市長としての退職金の合計です。しかし,門川市長におかれましては,市長の退職金以外にも既に退職金を三度受け取っておられます。市長は,市長となられる以前は教育長をされておられました。教育長は2期お務めになられているので,このときにも2回退職金を受け取られています。教育長の退職金の1期目が1,096万円,2期目が712万円であり,その合計は約1,800万円です。さらにですが,教育長の前は教育次長をされておられました。教育次長,これは役職でいうところの局長級に当たります。門川市長が教育次長を退職された当時の本市の局長級の平均の退職金というのがおよそ3,800万円ほどでしたので,大体同じような額を受け取られたと推察されます。(パネルを示す)つまり,現在市長は,市長としての退職金は2期目分まで受け取られているので,教育長のときの2期分と教育次長のときの退職金をあわせると,既に計5回の退職金を受け取られており,その総額は1億3,000万円になります。更にまだ受け取られてない3期目と4期目の市長の退職金を受け取ることとなれば合計7回,総額2億円近くもの退職金を受け取ることとなります。市長の退職金に関して市の答弁では,地方自治法及び本市条例に基づき,在職中の功績ないし功労に対する報償として支給しているものであり,一般的な制度であるなどといった答弁をされておられます。確かに条例などで決められ,それらに基づいているとしても,これほどの退職金を受け取ることが市民の方々の御理解を得られるのでしょうか。 市長は,「特別の財源対策からの脱却を最大のテーマとして4期目に挑戦した。これを成し遂げるのが一番大事な仕事だ」とおっしゃられています。そうであれば,しっかりとその目標を成し遂げたうえでなければ市長の責任を果たしたとは到底言えません。来年度からは財政難による多くの市民サービスの見直しが始まり,あらゆる局面で市民生活への影響が如実に出てまいります。今のこの京都市の現状をつくり上げてしまった張本人でありながら,本当に市長は6回目,7回目の退職金を受け取られるのでしょうか。受け取られる場合,ではどういう根拠で受け取られるのでしょうか。市民の方々が納得ができる御答弁をお願いいたします。 最後に,コロナ禍における学校のオンライン授業についてお聞きいたします。新型コロナの第6波では全国的に感染者数が急激に増加し,京都市でも1日に2,000人を超える方々が感染される日もありました。また今回の第6波では子供たちの間で感染が急増し,京都市内でも10代以下の感染者が1月中旬以降から全体の30パーセント以上となりました。市立小・中学校では,3学期開始以降,多くの学級閉鎖が起こりました。3学期に入ってからは先月10日までに学級閉鎖を実施した小学校は全体の96パーセントに当たる148校,中学校でも96パーセントに当たる62校と,ほぼ全ての小中学校で学級閉鎖が起こりました。以前に比べこの第6波では学校という教育現場への影響が多大であったと言えます。 そんな中,学校によって学級閉鎖になった場合の対応に差が生まれました。以前からも度々指摘をしておりますが,オンラインでの対応ができている学校とできていない学校の対応の差が更に明らかとなったのです。保護者の方々からは,連日のようにオンライン授業での対応をしてくれませんといったお声が私たち会派に届きました。詳しい状況をお聞きすると,オンラインでの対応ができていない学校では,教職員の方々がプリントを児童生徒の自宅まで届けに行ったり,学級閉鎖の間,1週間教科書とノートだけで自習するだけの所もあったようです。正にこういった事態に対応するために,京都市では端末を一人1台配備し,ネット環境がない御家庭のためのLTE端末も早期に配備されてきました。さらに,昨年9月の補正予算においては国の臨時交付金を約17億円計上し,教員用の高性能な配信用端末を8,000台確保し,こちらは今月末には各学校に配備される予定です。国の臨時交付金は医療機関の支援,まだまだ厳しい中小企業・小規模事業者の支援などの拡充などに計上することもできたわけですが,学級閉鎖や登校不安のためのオンライン授業配信の必要性の高まりやコロナ禍でも子供たちの学びを止めてはいけないということで多額の予算が計上されたわけです。財政が厳しい中,多額の予算を掛け整備をしたのであれば,しっかりと活用していかなければ市民の方々からは無駄遣いだと言われかねません。 そこで今回の反省として,教育委員会におかれましては今後の更なる感染の拡大や自然災害への備えとして十分な検証と事前準備を実施すべきだと考えます。まずは,各学校現場におけるオンラインの対応の状況を認識されるところから始めるべきです。今回の第6波においてオンラインで対応できなかった学校は何校あったのか,なぜ対応できなかったのか,そういった部分を把握していただきたいと思います。個別の事情として,オンライン授業に対応できる先生が感染された,もしくは濃厚接触者となられオンラインでの対応ができなかった学校もあったようです。しかし,対応できない先生がいること自体を問題と捉えるべきであり,今後は誰でも対応できる体制を構築していかなければなりません。具体的な方法として,教育委員会が各学校に対しアンケートを行い各学校ごとの課題を把握し,各々に適切なサポートを責任を持って行うべきと考えますが御見解はいかがでしょうか。 さらに,今後は避難訓練のように事前に練習を行うことを提案いたします。例えばオンライン授業参観などから各学校で学級ごとに順次実施し,一度はどの学校・学級でもオンライン配信の経験をし,そこで問題点を抽出し改善していくというプロセスを踏めば,いざというときの備えになるのではないでしょうか。実際,寝屋川市では事前の練習を行っていたことでスムーズに各学校でオンライン授業配信を導入できております。学級閉鎖となってから慌てるのではなく,日頃から対応に備えておくべきです。併せてお答えいただきたいと思います。公教育において差があるのは是正していかなければなりません。昨日も保護者の方からオンライン授業についてメールをいただきました。どうぞ御検討のほどよろしくお願いいたします。 以上で私の質疑を終わらせていただきます。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 神谷修平議員の御質問にお答えいたします。 職員の給与についてでございます。令和3年4月から実施しております最大6パーセントの給与カットは,危機的な財政状況にあっても災害や新型コロナなど不測の事態に際して市民の皆さんの命と暮らしを守る財源を早期かつ確実に捻出することを目的として,臨時的,特例的に実施しているものであります。引き続き,来年度も給与カットを実施することにより,昨年の人事委員会勧告による期末手当の削減分も含めまして令和4年度内に目標の総額50億円を基金に積み立てる予定でございます。そして非常時に備えてまいります。なお,給与カットを予定より縮小したとの御指摘でございますが,昨年2月市会での給与カットを条例提案時にも勧告による給与改定分も含めた趣旨を御説明させていただき可決いただいております。 一方,財政健全化への道筋を確かなものにするためには,京都は市域が広いことや市立高校,また障害のある児童生徒が学ぶ市立支援学校を数多く有していること等,京都の都市特性,教育を重視していること,さらに職員の年齢構成等の影響により,市民1人当たりの人件費が他都市の平均を上回っている状況がございますが,全体としてその解消が急務であります。そのため5,500人(後刻訂正)の職員数削減,時間外勤務の2割縮減と行財政改革計画に掲げる取組を着実に推進し,令和7年度までの5年間で総額215億円の人件費を削減するなど,令和15年度までに他都市とのかい離を解消してまいります。引き続き市民の皆様への説明責任をしっかりと果たしながら,決してスピードを緩めることなく人件費はもとより行政内部の徹底した改革に取り組んでまいります。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 川端監察監。 〔川端監察監登壇〕 ◎監察監(川端昌和) 市長の退職手当についてでございます。市長の退職手当は地方自治法及び本市条例に基づき支給しております一般的な制度でございます。その水準については,市長の職責や民間企業における支給状況及び他都市との均衡等を考慮して適切に設定しており,平成25年に約13パーセント,平成30年に更に4パーセントの引下げを行うなど間断なく見直しを行っております。また,本市一般職の職員の退職手当につきましても,これまでから民間水準を踏まえた国の退職手当の見直しに準じて改定を実施しております。 議員御指摘の教育次長及び教育長としての退職手当につきましては,市長就任とは関わりなく一般職として任用されていたそれぞれの在職年数等に応じて条例に基づき算定され,適正に支給されております。市長の退職手当は,就任前の職歴に関係なく市長退任時等に条例に基づきその任期に応じて支給されるものであります。なお,市長の給与及び期末手当につきましては,市長就任以後,継続してカットを実施してきており,令和3年度からの3年間は危機的な財政状況を踏まえ,カット率を20パーセントから30パーセントに引き上げたところでございます。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 功刀財政担当局長。 〔功刀財政担当局長登壇〕 ◎財政担当局長(功刀岳秀) 調整債についてでございます。調整債は,地方公共団体間の税収格差の是正を目的として行われた個人住民税法人税割の税率引下げに伴う減収を補填するために発行できる市債でございます。平成30年度までは,税源の豊かな地方交付税の不交付団体のみに発行できるものでございましたが,令和元年度の制度改正により,本市をはじめとする交付税の交付団体も発行できることとなり,本市といたしましても令和2年度から発行しております。調整債には,後年度の市債償還に対する交付税措置がなく,全額が本市の将来世代への負担となることから,本来は発行せずに財政運営を行うべきものではあります。このため本市では,歳入増加策や歳出改革のあらゆる対策を尽くしてもなお収支が不足する場合にのみ行う,いわゆる特別の財源対策に位置付けているところでございます。 一方で,現在借金返済のための準備金である公債償還基金の計画外の取崩しから脱却することが,本市において最も優先すべき課題であり,この取崩しからの脱却と合わせて調整債や行政改革推進債の発行からの脱却も目指してまいります。 また,行財政改革計画において調整債や行政改革推進債を含めた市債の発行上限額を,令和4年度から7年度までの4年間で1,600億円以内に抑制することとしております。さらに,令和8年度以降もこの水準を継続することにより,高まりを続ける公債費を令和7年度から15年度にかけて100億円減少させるなど市債発行額を適切にコントロールし,将来負担の抑制を図ってまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) オンライン授業についてでございます。本市では第6波の急速なコロナ感染拡大の状況下でも子供たちの学びを止めないため,学級閉鎖等の際に一人1台端末の環境を最大限活用し,オンラインの授業配信等による学習支援に取り組んでおります。小学校低学年等で集中力が続かないなどにより長時間の動画視聴が難しい場合には,プリントによる学習課題で対応すると児童の発達段階や個々の状況を踏まえ取り組んでおります。さらに,オンライン会議システムを活用した朝の健康観察や家庭でも活用できる学習コンテンツの発信,デジタルドリルや授業支援ソフトを活用した学習課題の配信等,議員御要望の授業配信に限らず様々なオンラインでの学習方法を活用し,きめ細かに対応しております。 こうしたオンライン学習の実施体制を全市的に整えるため,GIGAスクール構想における本格活用元年と位置付けた今年度当初から,各種ソフトの活用研修をはじめ全校に配置しているGIGAスクール推進主任を中核として様々な実践事例を共有し,各学校での研修を通じて周知するなど取組の充実を図ってまいりました。さらに,昨年の2学期当初にはオンライン学習の実施状況を調査し,成果や課題を検証するとともに,9月には家庭に持ち帰った端末への授業配信テストを全ての学校で完了すると環境整備を着実に進め,高い水準で活用できていると認識しております。現在感染拡大により担任等複数の教員が不在となるケースなど厳しい状況もありますが,引き続き,教育委員会としてもプロジェクトチームにより各校の課題に応じた支援を進めるとともに,不登校や障害のある子供たちの学習支援においても積極的にオンライン学習をはじめICT機器を活用し,子供たちの発達段階や一人一人の状況を十分踏まえた最適な学習保障に努めてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 発言の内容を訂正させていただきます。先ほど職員の削減数につきまして5,500人と申し上げましたが,正しくは550人でございます。謹んで訂正させていただきます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 暫時休憩いたします。 〔午後2時58分休憩〕 〔午後3時21分再開〕 ○議長(田中明秀) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行いたします。こうち大輔議員に発言を許します。こうち議員。 〔こうち大輔議員登壇(拍手)〕 ◆(こうち大輔議員) 右京区選出のこうち大輔です。日本維新の会京都市会議員団を代表し,久保田正紀議員と共に質疑を行います。 質疑に先立ちまして2点申し上げます。 一つ目に,ロシア軍によるウクライナへの侵攻につきまして,力による現状変更はあってはならないことであり,私たち京都市の姉妹都市であるキエフ市民,ウクライナ国民を傷つけることを許してはなりません。我々日本維新の会京都市会議員団はその思いを共有し,微力ではありますが自分たちにできることを実行してまいる所存です。 二つ目に,この間の新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに,闘病を続けておられる皆様の一日も早い御快復をお祈り申し上げます。また,この厳しいコロナ禍において,市民の命や生活を守るために献身いただいている全ての皆様に対しまして心より敬意と感謝を申し上げます。ありがとうございます。 それでは質疑に移ります。令和4年度予算案は,昨年8月に行財政改革計画が策定されてから初めての予算案であります。市長は予算編成に当たり,コロナ禍で厳しい状況にある市民の皆様,地域企業,中小企業等の皆様を守り抜く。同時に,財政危機を乗り越え明るい未来を切り開く。この両立を図り,京都の今と未来に責任を果たすため,全庁一丸となって予算編成に当たりましたとおっしゃいました。私は,市長が言われる今と未来に責任を果たすという観点から質問をいたします。 まずは,職員の人件費削減についてです。先ほど他の議員からも同様の質疑がありましたが,我々にとっても非常に大事なことですので質疑をいたします。来年度の一般会計予算においては,総額9,203億円のうち人件費として1,606億1,400万円が計上されており,歳出予算全体の17.5パーセントになります。その割合は政令市20市で見ると,上から5番目の位置になります。また,市民1人当たりの人件費としては上から6番目の位置です。京都市行財政改革計画において,今年度から令和7年度までの5年間で人件費を215億円削減する計画で,そのうち集中改革計画期間と位置付けられている今年度から3年間で職位に応じて2.5パーセントから6パーセントの幅で給与カットされており,その間の職員の給与カット総額として50億円が掲げられています。しかしながら,昨年11月市会においても議論されましたが,総額50億円のうち24億円が人事委員会勧告によるもの,つまり,民間給与との比較において民間給与水準が引き下がっているから,制度として引き下げられたものになっています。これでは,改革による給与カットとは言えず,実質改革によって削減した額は50億円から24億円を差し引いた26億円になっていることを改めて申し上げます。少なくとも,人事委員会勧告による引下げについては,行財政改革で当初計画された50億円には含まず,純粋に改革としての給与カットを行うべきです。 また,給与カットの期間は令和5年度までの計画ですが,学童クラブの利用料引上げや市施設の料金引上げ,敬老乗車証の負担料引上げが来年度始まります。また,今後様々な市民サービスに影響が出ることが想定される中,市民負担は残して給与カットは早々に終了することが市民の理解を得られるとは思いません。今と未来に責任を果たす内容になっているでしょうか。行財政改革計画における職員給与カットの考え方の見直しと期間の再考を求めますがいかがですか,お答えください。 次に,市長が掲げてきた子育て環境日本一についてです。まず,今回の京都市はぐくみ局長収賄疑い逮捕につきまして一言申し上げます。現在,事の真偽につきましては警察の範ちゅうでありますので,市長もおっしゃっているとおり捜査への全面協力を求めるものでありますが,京都市の保育行政への信頼が揺らいでいることは確かであると思います。そして,市長がこれまで掲げてきた子育て環境日本一に対しての信頼が揺らいでいると私は思います。行財政改革計画において掲げていた保育料の値上げについては,4月の改定は見送られると方針を明らかにされましたが,当初は値上げの検討が行われていました。市長の看板政策の一つ,子育て環境日本一があるにもかかわらず,その方針を掲げ二転三転されています。子育て世代の市民の皆様はどう思われるでしょうか。私は今回見送られたことに関しては賛成ですし,今後の検討に関しても慎重に考えるべきだと思います。京都市が財政難によりその看板を下ろしてしまうのか。若い世代は見られていると思います。その結果が現在の京都市の子育て世代人口の減少と無関係だとは思えません。昨年10月の住民基本台帳によると,25歳から44歳は32万930人で前年同月比8,781人の減になっています。先般の議会におきまして,我々は学童クラブの利用料引上げに反対いたしました。それは,未来のために投資すべきと考えているからです。今回の2月市会の広報ポスターには,子育て環境日本一,どうやって守っていくのとの見出しがありますが,今と未来に責任を果たすと言われる門川市長の子供予算と子育て環境日本一に対する考えを改めて問います。お答えください。 また,子育て環境の一つとも言える中学校全員給食の実施についてですが,これまで我が会派から何度も提案し質問してまいりましたが,先般2月1日の衆議院予算委員会にて,我が党の堀場さち子衆議院議員が末松文部科学大臣に対し,京都市など一部の自治体で中学校完全給食を実施していないところがあることについての考えをお聞きしました。その回答は,地域差が少し見られるものの学校給食法があるので,学校給食については限りなく100パーセントが目標ですとのことでした。また,文部科学省としては,様々な機会を通し,学校給食の意義を周知することにより実施率の向上に向けて理解を求めてまいりたい。食育の観点からも必要と認識をしているとの答弁をいただきました。この末松文部科学大臣の答弁について,門川市長はどのように思われお考えになられますか,お答えください。 次の質問に移ります。公園は,都市の魅力,活力,憩いを生み出す貴重な空間であり,現在のコロナ禍においてその価値はますます高まっています。一方で,市内にある公園の多くが老朽化しており,厳しい財政状況や将来的に人口減少する社会情勢を見据える中で,このままでは公園の維持管理が立ち行かなくなる危惧もあるかと思われます。そのことは他のインフラや公共施設などを見ても明らかです。現在の京都市営の公園は938箇所あり,その面積は602万6,586平方メートルあります。その面積は東京ドーム約128個分になります。 そして,来年度予算においては公園維持管理に約12億円が計上されています。京都市において,例えば梅小路公園のようにカフェやレストラン,にぎわい施設を整備し,使用料収入等を得ることにより,公園の維持管理経費の一部を賄える公園もあり,民間企業の知恵や活力を借りて創意工夫ができれば,公園の魅力がより一層高まるとともに管理コストを引き下げることにもつながります。しかしながら,そういったことができる公園は非常に限られています。 また,一口に公園といっても,それぞれの立地や規模,周辺状況等によって求められる役割は異なります。例えば,今年度から実施している公民連携公園利活用トライアル事業は,民間企業や市民の皆様の様々なアイデアを取り入れて公園の利活用に実験的に取り組むことができ,それぞれの公園が持つ可能性を広げる有効な方策だと思われます。また,実施状況をお聞きしますと何より楽しさを感じます。都市に楽しさは何より必要だと思います。このように公園の在り方は過渡期を迎えており,経営の視点・公園ごとの特性にあった活用・必要性等の精査がより一層重要であります。そこで,市長に質問をいたします。先に例を出しました梅小路公園など収益や経済波及効果を見込める公園については,公園単体で運営ができるように明確な目標を掲げ,今後の運営に当たるべきだと考えます。 また,公民連携公園利活用トライアル事業については,公園の可能性を今後より一層見極めていくために,対象公園を更に拡大し,来年度中にも追加できるような体制を考えていくべきと思います。また,今後の公園の指定管理の在り方についてですが,一つの公園であれば考えられることも限られますが,幾つかの複数の公園を同時に指定管理にすることによって,その地域ごとの特性をいかしながらスケールメリットを持って事業を考えることが可能になると思います。そのような新しい指定管理の在り方も考えていただきたいと思いますがいかがでしょうか。そして,公園を活用してどういったことができるのかを市民の方がまだまだ知らないと感じます。公園の可能性を更に広げるために,市民の方へのより一層の周知が必要だと考えますがいかがですか,お答えください。 次の質問に移ります。少子高齢化や流出による人口の減少は,全国共通の認識であり喫緊の課題であります。20ある政令指定都市のうち,昨年度における京都市の人口増減率はマイナス0.64パーセントと最下位,15歳以上64歳未満の生産年齢人口増減率ではマイナス0.84パーセントと17位であり,いずれも本市の人口状況を如実に表しております。 そのうちの一つの原因と考えられますここ10年で2倍前後に高騰している地価により,印象付き始めている若い世帯が住みにくいまちを少しでも払拭するべく,若い世帯も手の届きやすい既存住宅の流通促進についてお伺いします。来年度の新規事業として若者・子育て世帯の移住・定住促進事業に2,190万円の予算が組まれており,その中で路地等に面する既存住宅の改修,建替え及び流通促進事業があります。新築物件の受け皿として路地の中の空き家を活用すべく,金融・不動産業界などとの連携を図り,話合いの場を今後設けるとされています。そこでの発展的な内容をいかに具体的施策として実行していけるかが大きな課題になると考えます。 また,その中でも再建築不可物件は避けられない案件ではないでしょうか。建築基準法上の接道義務を果たしていない土地に建つ物件は,リフォームは可能ですが一度更地に戻すと再度の建築が原則不可能であり,再建築不可物件とされます。京都市内には1.8メートル未満の細街路が市内およそ165キロにわたり約3,400本あり,仮に路地1本あたり3軒の建物があるとすると,それだけでも1万件以上の再建築不可物件があると想定されます。 そこで,市長に質問いたします。まず,既存物件の流通促進策に力を入れることが,若い世帯の定住に今後より一層必要と考えますが,専門家との話合いや連携により見込んでいる具体的な目標値や展望はどのようにお考えでしょうか。くわえて,規制誘導策の活用件数の増加を目指すべきと考えますがいかがでしょうか。そして更なる広い周知・利用促進が必要と考えますがいかがでしょうか。今後の目標や更なる周知方法など具体的にお教えください。 以上で私からの質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) こうち大輔議員の御質問にお答えいたします。 子育て支援施策についてでございます。子育て支援につきましては市政の最重要施策の一つとして一貫して取り組んでまいりました。この点については今もゆるぎなく同じ思いであります。保育料改定につきましては令和4年度は実施しないことといたしました。この判断につきましては,行財政改革計画における方針に基づき子育て支援の観点や依然厳しい経済情勢など総合的に勘案したうえでの決定でございます。今般の行財政改革においては,これまで守り続けてきた京都の子育て支援の理念をいかし,守るべきものは守り,改革すべきは改革していこうとしており,民間保育園等への人件費補助につきましては,全国水準を大きく上回る保育士の現行の給与水準,更に行き届いた保育士の配置基準を全体として維持・充実しつつ透明性の高い制度へと再構築してまいります。行財政改革の着実な達成に全力を挙げることと合わせまして,妊娠前から子供・若者までの切れ目のない支援を推進し,京都に住み,働き,子育てすることが幸せと希望を感じ,暮らし続けたいと思える京都のまちを更に充実させてまいります。また,京都の持つ魅力を未来へとしっかりと引き継げるよう力強く取り組んでまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 岡田副市長。 〔岡田副市長登壇〕 ◎副市長(岡田憲和) 職員の給与についてでございます。令和3年4月から実施している最大6パーセントの給与カットは,危機的な財政状況にあっても災害や新型コロナなど不測の事態に際して市民の皆様の命と暮らしを守る財源を早期かつ確実に捻出することを目的として,臨時的・特例的に実施しているものであります。今回の給与カットにつきましては,人事委員会勧告による給与改定分も含め総額50億円を基金に積み立てることとしており,このことは昨年2月市会での条例提案時にも御説明したうえで可決いただいております。今後は,昨年11月市会で可決いただいた内容を基に来年度も給与カットを実施し,令和4年度内に目標額を基金に積み立てる予定としております。 一方で,人件費の適正化につきましては,徹底した事業見直しや効率化等による550人の職員数の削減,徹底的な働き方改革による時間外勤務の2割縮減と行財政改革計画に掲げる取組を着実に推進し,令和7年度までの5年間で総額215億円以上削減するとともに,計画期間終了後の令和8年度以降も改革を継続することで,令和15年度までには市民1人当たりの人件費を他都市平均以下に抑制してまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 私から2点答弁申し上げます。 まず,公園の利活用についてでございます。公園は子供からお年寄りまで幅広い世代の方々が利用される憩いと潤いの場であるとともに,地域コミュニティー活性化の拠点やにぎわいの創出の場として更なる利活用が期待されております。本市では,これまでから梅小路公園等におきまして指定管理者制度を導入してきたほか,大宮交通公園でパークPFIによる再整備を行うなど民間活力を積極的に活用してまいりました。令和5年度からは,円山公園や東本願寺前市民緑地へ指定管理者制度を拡充することとしており,今後も地域の様々な課題解決や活性化に向けて活用するとともに,収益が見込める公園を中心に地域企業の活躍も念頭に置きつつ民間活力をいかした手法,枠組みについて検討してまいります。 さらに今年度から実施している公民連携・公園利活用トライアル事業においては,民間事業者の創意工夫によりバーベキューやアート展示など地域と連携した多彩な取組が展開され,多くの皆様から好評をいただいております。令和4年度は対象公園の拡大を図るとともに,こうした取組を積極的にPRし,さらに多くの市民の皆様に貴重な都市空間である公園の魅力を感じていただけるよう取り組んでまいります。 続きまして,住宅の流通促進についてでございます。本市では,都市の成長戦略に若者・子育て世帯の移住や定住を実現する施策を掲げ,これらの世帯が魅力に感じ選択できる多様な住まいの供給を促進することとしています。住宅マスタープランでは,中古住宅の売買件数を年3,000件以上とする等の目標を掲げ,空き家や中古マンションなど既存住宅の活用・流通促進,路地空間の再生,地域の魅力等住宅や住環境に関連する情報の発信強化を総合的に進めることとしています。特に市内に約2,650箇所ある幅員1.8メートル以上4メートル未満の袋路には,必ずしも路地全体の合意形成を経ずとも改修や建替え等が可能な物件も相当数ございます。来年度専門家と連携し,これらの円滑な流通のための手続等を整理したうえで,これまでの防災まちづくりで構築した地域や専門家とのネットワークも活用し,きめ細やかに周知啓発し有効活用を働き掛けてまいります。 一方で,1.8メートル未満の路地にある再建築不可物件につきましては,建物の安全性や地域の環境を高めつつ建物の更新が図れるよう,地域の特性等に応じて建築基準法に基づく制度の更なる柔軟な運用に取り組み,一つでも多くの成功事例を生み出してまいります。これらの取組により若者・子育て世帯の居住ニーズに応じた住宅の供給につなげてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) 中学校給食についてであります。本市では学識経験者,PTA,学校関係者等が議論を尽くし,平成12年度から学校給食か家庭からの弁当持参かを全ての生徒,保護者が自由に選べる完全自由選択制を導入し,学校給食法に合致したものと認められております。また,生活保護世帯と就学援助世帯の給食費は無償とするなど生徒一人一人の実情に応じた制度として学校現場で定着しております。御指摘の文部科学大臣答弁における完全給食の定義は法令の定めのとおり,パンまたは米飯とミルクとおかずの三つがそろった給食ということであり,その実施率は喫食生徒の割合ではなく実施校数の割合の答弁であったと文部科学省に確認をしております。 国の第3次食育推進基本計画において,中学校の完全給食の目標値が90パーセント以上となっていた中,本市では併設する高校の食堂が利用可能な西京高校附属中学校を除き,全ての中学校でこの完全給食を実施しており,京都市は中学校完全給食を実施していないとの御指摘は明らかな事実誤認であります。もとより給食の役割や食育の推進は大変重要であり,今後とも令和元年度の実態調査を踏まえ,魅力的な献立の充実,スマートフォン等から1週間単位や卒業までの一括申込ができる給食予約システムの活用など更なる利用拡大を図りながら,引き続き現在の選択制の中学校給食を一層の充実及び学校・家庭での食育を推進してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,久保田正紀議員に発言を許します。久保田議員。 〔久保田正紀議員登壇(拍手)〕 ◆(久保田正紀議員) 伏見区選出の久保田正紀です。日本維新の会京都市会議員団を代表して,こうち大輔議員と共に質問させていただきます。 質問に先立ちまして,この度の新型コロナウイルス感染症においてお亡くなりになられた方々に心から哀悼の意を表するとともに,今なお治療中の方,後遺症に苦しまれている方々の一日も早い御回復を祈念をいたします。また,危険と隣り合わせで懸命に御対応いただいている医療従事者の方々をはじめ,御対応いただいている全ての皆様に心より感謝を申し上げ,質問に入らせていただきます。 まず初めに,新型コロナウイルス感染症関連についての御質問をさせていただきます。令和2年1月30日に初めて市内での陽性者が確認されてから2年1箇月が経過をいたしました。今年に入り,新型コロナウイルスオミクロン株のまん延,いわゆる第6波が到来し,これまでとは比べようもないほどの感染者急増とともに,教育現場や保健所などをはじめ,多くの所でこれまで以上の影響が出ております。これまでの本市の様々な感染防止対策や保健所体制の体制強化など対策を講じてきた効果については評価をしております。現在は感染力がより高いと言われている新たな変異株ステルスオミクロン株についても取り沙汰されております。更なる対策強化も考えていく必要がある反面,経済効果などを踏まえた出口を見据えた取組も進めていかなければならないとも考えております。そのためにも,まずは,これまでの対応についての振返りをする必要があるのではないかと感じております。これまでの新型コロナウイルス感染症に対しての本市の対策・対応についての検証と総括を求めますが,市長いかがでしょうか。 また,2月18日から京都市新型コロナ陽性者臨時フォローアップセンターを開設するなど,更なる陽性者対応の体制強化に努めていただいておりますが,あわせて保健所の業務軽減を考えていく必要性を感じております。その対策として,例えば感染者等情報把握管理支援システムのハーシスの入力を医療機関に対応いただくことを義務化,もしくは更に強く依頼するように検討することなどはいかがでしょうか。御見解をお伺いいたします。 また,日本維新の会として,1月13日に新型コロナウイルス感染症対策に関する提言第10弾を後藤厚生労働大臣に提出をいたしました。その中において,新たにワクチン接種が開始される5歳から11歳の新型コロナワクチン接種の努力義務規定の適用除外を検討するように求め,その後,国の方では5歳から11歳の新型コロナワクチン接種の努力義務規定を適用除外するとの発表をされました。本市の担当部署に最近の陽性者について確認をすると,若い世代の発生届における重症の届出はほぼないとのことでした。この点からも,特に子供へのワクチン接種については先行する成人への接種より丁寧に実施されることが必要であると考えております。もちろん大前提としてワクチン接種は発症予防や重症化予防効果など接種をすることに大きな意味があることは言うまでもありません。ただ,重症化がほぼ見られない5歳から11歳の子供たちがワクチン接種をするに当たっては,メリット,デメリットを保護者や子供が十分に理解できるなどの説明の機会や資料の準備をしていただく必要があると考えております。さらには,接種前,接種実施時,接種後のきめ細かいフォローアップ体制の構築をする。また,ワクチン接種を希望しない子供と保護者に対しては,差別などの特別扱いをされないよう十分な配慮をすることを求めます。以上のことを踏まえ,5歳から11歳の子供たちへのワクチン接種について本市のお考えをお示しください。 また,感染拡大により教育現場で学級閉鎖など児童に大きな影響が出ております。学習機会の確保については,各学校の状況に応じて対応できる内容で補填をされていることは確認しておりますが,具体的な対応内容が学校ごとに違いがあることに課題を感じております。平等な学習機会の確保について直接の補講時間を確保するなど共通の取組指針を定めていただくことを要望いたします。 次に,デジタルトランスフォーメーション,DXを活用した障害者施策の推進についてお伺いをいたします。昨年4月に,デジタル化戦略室及び情報化推進室,標準化企画担当を設置するなど体制を整備され,来月で1年を迎えることになります。今年の1月には京都市DX推進のための基本方針を策定され,その中で三つのDXの目指す姿を示されたところであります。その目指す姿の実現に向けた重点事項の一つである暮らし・まちのDXの中には福祉への取組の記載もありますが,私としては初めての代表質問をさせていただいたときから,障害者施策を取り上げさせていただいたように,一貫して障害者施策を推進することを求めてまいりました。そのうえで,今後更なる少子高齢化が進んでいく中において,福祉の現場,特に障害者施策のDXの活用は必要不可欠なものになっていくと感じており,様々なデジタル技術の活用を積極的に検討していくべきであることを指摘をしておきます。 その中で,今日は一例を紹介させていただきたいと思います。(パネルを示す)こちらは,スマートシティの先進都市であるバルセロナ発祥のナビレンスというAI標識と言われるデジタル技術であり,こちらは日本発祥の点字ブロックを基にスペインで開発されたものになります。点字ブロックは視覚障害者の単独歩行に大きな進展をもたらしましたが,点字ブロックだけでは自分が行きたい場所がどちらなのかを知ることができません。その課題を解決すべく研究を開始し,10年の開発期間を経て誕生をいたしました。専用のアプリで読み取ることができ,行き先の案内をしてくれるものになります。 社会には障害や困難なこと,数多くのバリアが存在します。階段や段差,柱などの構造物だけではなく,分かりにくい表記の標識や社会の理解不足もバリアになり得ます。平成28年4月に障害者差別解消法が制定され,障害のある方への合理的配慮がより求められるようになりました。障害者施策のより一層の推進のためにはDXの活用は必要不可欠であると言えます。DXを更に活用して障害者施策を推進し,誰一人取り残さない,人に優しいデジタル社会の形成を本気で進めていただきたいと思いますが,市長のお考えをお伺いいたします。 次に,本市の真のワーク・ライフ・バランスの実践と女性活躍社会の実現についてお伺いをいたします。昨年9月の決算特別委員会の総括質疑で,男女共同参画計画及び真のワーク・ライフ・バランス推進を質疑したとおり,これまで私は一貫して障害者施策の推進と同時に働き方改革を取り上げてまいりました。この件は,私の議員活動の一つとして取り組んでおりますので改めて質問させていただきたいと思います。働き方改革関連法が改正,順次施行され,仕事と子育ての両立ができる環境が整いつつあり,京都モデルワーク・ライフ・バランス宣言をされた市内企業は1,885社に増えております。京都市のわかもの就職支援センターの京のまち企業訪問ウェブサイトでは,企業が自社の働き方改革を自己診断され,学生や求職者,育児と両立に取り組まれている企業を容易に検索することができます。様々な取組の結果,民間においても男性の育児休業取得率が向上しておりますが,中小企業への働き掛けが何より重要であり,そのためには京都市が率先して取り組み,各企業が先行しされている取組の横展開が必要と考えております。そのうえ副市長から前向きな答弁があったと記憶しております。 さて,女性の就業率は,女性活躍推進法が成立した平成27年の64.6パーセントから70.6パーセントに増加をいたしました。女性をはじめとした多様な社員の能力を最大限に引き出し,その活躍を支えるダイバーシティ経営を実現することは企業の成長にとって必須です。しかし,働く女性の8割が育児休業を取得する時代でありながら,約5割の女性が出産・育児により離職されていると聞いております。誰もが自らの働き方を選択できる社会の実現を目指して,望めば性別に関わりなく働き続けられる環境を整えることが必要であります。実際に最近,妊娠したことを会社に告げたところ,退職を示唆されるいわゆるマタニティハラスメントに遭われた方から御相談を受けました。子供を産み育てる喜びより前に,目の前の離職による経済的な不安と会社への失望はいかばかりかと察するところであります。令和4年4月からは,中小企業にも新たなハラスメント防止措置が義務化されます。人間らしく生き生きと効率的に働き,同時に育児や介護などの家庭生活も大事にし,地域活動や社会貢献活動が調和することで,人間力が高まり,心豊かな充実した人生を送る考えを提唱される市長にお尋ねをさせていただきたいと思います。今後,どのようにハラスメント対策をはじめ真のワーク・ライフ・バランスの実践を進めていかれるのでしょうか。 また,コロナ禍で非正規雇用で働く女性の失業,シフト減など経済的困窮だけでなく長引くコロナ禍で先行き不安や人間関係の不安の増加など,複合的な困窮がクローズアップされました。困難や不安を抱える女性への支援として,相談事業,居場所づくり,さらに既存の就業支援につながる取組を行い,より一層の女性の活躍を推進することで,誰もがあらゆる分野で活躍できる社会の実現に向けて取り組むことは有意義な事業だと感じておりますが,私は,こうした京都市の取組が対象となる市民に伝わっていないのではないか,広報,周知についての工夫が不足しているのではないかという点を改めて指摘をさせていただきたいと思います。 多くの方がスマートフォンで情報を入手されております。去年の9月市会での総括質疑においても,伝える広報ではなく伝わる広報の大切さを申し上げましたが,届ける広報としてプッシュ型の周知に取り組むことの徹底を改めて要望させていただきたいと思います。さらに,拡充された予算は国の地域女性活躍推進交付金を利用し,本市の一般財源の支出を縮減していることは厳しい財政状況からも当然だと評価をいたしますが,京都府においても交付金を活用し,相談事業などに取り組まれております。二重行政とならないように取り組むべきであると考えておりますが,オール京都でどのように連携をされていくのでしょうか。市長のお考えをお伺いいたします。 最後に,地元伏見区に関する要望を2点させていただきたいと思います。 まず一つ目が,伏見港を起点とした伏見区のまちづくりの促進についてであります。全国唯一の内陸河川港湾である伏見港は,京都と大阪を結ぶ河川水運の要衝として大きな役割を果たしてきた歴史ある場所であり,昨年の令和3年4月30日に国土交通省のみなとオアシスに登録をされました。これを契機に伏見区の更なる発展につなぐべく本市が国・府及び民間の交通業者や商店街などの地元事業者と連携をして伏見区の更なるまちづくりの発展をしっかりと進めていっていただけるように要望しておきたいと思います。 2点目が,藤森小学校の通学路及び墨染街道の通行の安全確保についてであります。藤森小学校周辺においては,道幅や歩道幅の狭さや交通量の多さ,車のスピードなどの危険な課題があり,多くの保護者から通学路の安全性の確保について相談を受けております。また,地域住民の御協力で成り立っている登下校の安全見守りの方々につきましても,様々な課題から人数が減少傾向にある状況であります。子供たちが安心して登下校できる環境整備を関係各所と連携をして取り組んでいただきたいと思います。そして,近隣住民の方々が安心して墨染街道を歩けるように,現状の調査と環境整備の着手について改めて要望させていただきたいと思います。長引くコロナ禍の中において,本当に多くの市民が大変な環境に直面している状況であります。お困りの方々の声を聞きしっかりと向き合い覚悟をもって取り組んでいくことをお誓い申し上げ,私の代表質疑を終わらせていただきたいと思います。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 久保田正紀議員の御質問にお答えいたします。 新型コロナウイルス感染症対策についてでございます。新型コロナ対応が既に2年を超え,この間変異するウイルスの性格や感染者数の動向,治療薬やワクチンの導入など刻々と変化する状況に京都市として全庁挙げて迅速かつ臨機応変に対応し,市民の皆様の命と健康を守るために全力で取り組んでまいりました。とりわけ医療を必要としている方に確実に医療につないでいくために,京都府の入院コントロールセンターや医師会,市立病院協会等と緊密に連携し,医療・療養体制を確保してきたところであります。 また,第6波における保健所機能は,全庁を挙げた職員の応援等により増員を行い562名の体制を確保するとともに,訪問看護ステーション等と連携した健康観察業務などを民間の力もお借りして,いかしてオミクロン株の特性を踏まえた高齢者の方等の重症化リスクのある方に重点的に対応しております。さらに,2月18日からは,無症状者や軽症者についても的確に医療につないでいくことを目的に,容態等の変化等の相談をお受けする京都市新型コロナ陽性者臨時フォローアップセンターを新たに設置し,保健所機能の強化を図りました。ハーシスの利用につきましては,既に1月末に医師会や私立病院協会を通じ各医療機関にハーシスを利用した発生届の提出や健康観察等の対応をお願いしており,医療機関と保健所との情報共有を迅速に行ってまいります。 次に,5歳から11歳までの子供さんへのワクチン接種は,昨年から医師会等としっかりと協議を重ねてきておりますが,接種義務の努力義務がない中,接種の効果や副反応等のリスクを十分に御理解いただいたうえで接種を御判断いただくことが重要であります。このため,国,京都府と連携し正しい情報をお伝えするとともに,日頃から体調や疾患を把握しておられるかかりつけ医等とよく相談することもお勧めしております。接種につきましては3月7日から,まずは特に接種が推奨される基礎疾患を持つお子さんから優先して開始し,3月19日からは170の医療機関に加えまして,市役所に集団接種会場を設けまして希望される方の接種を進めてまいります。 また,接種の有無による差別やいじめ等が起きないように,引き続き積極的に啓発してまいります。子供さんへの感染が増え関心も高まっている中,保護者の御同意の下に希望される子供さんへの接種が安心・安全かつ円滑に行えるように,医師会,私立病院協会,看護協会等ともしっかりと連携し取り組んでまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 真のワーク・ライフ・バランスと女性活躍社会の実現についてであります。希望する全ての方が育児をしながら就業を継続できる社会の実現には,多様で柔軟な働き方が選択できる環境整備や子供を社会全体で支えるという社会の意識改革が必要です。本市では第5次男女共同参画計画の重点分野の一つに真のワークライフバランスの推進を位置付け,国・府・経済団体と連携したオール京都体制で仕事と家庭の両立支援や男女が共に能力を発揮できる労働環境の整備に努めているところでございます。 また,令和4年4月から,パワーハラスメント防止措置の義務化が中小企業まで拡大されることを受け,あらゆる機会を通じ情報の周知を行うとともに,相談窓口の案内に努めているところでございます。誰もが安心して働ける労働環境の整備については,とりわけ中小企業における取組の後押しとなるよう経済団体と協力してオール京都で取り組む必要があり,引き続き国や京都府とも連携し,様々な機会を活用して社会全体での機運醸成に努めてまいります。 次に,不安を抱える女性を対象とした支援について,令和4年度は今年度設置したウィングス京都での相談窓口を引き続き運営するとともに,これまで構築したNPO法人などのプラットフォームを活用した居場所づくりに加え女性の就業支援にも新たに取り組んでまいります。また,情報が伝えるべき方に適切に届くよう,ホームページやSNSなども活用しながら様々な機会で周知を図ってまいります。今後とも国・京都府・経済団体で構成する輝く女性応援京都会議において,各団体の役割を踏まえた連携の下,効果的な取組を引き続き進めてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 三宅保健福祉局長。 〔三宅保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(三宅英知) 障害者施策におけるデジタルトランスフォーメーション,いわゆるDXについてでございます。本市では令和4年1月に,京都市DX推進のための基本方針を定め,デジタル技術や多様なデータを有効に活用し,市民の皆様の生活をあらゆる面でよりよくするというDXの取組を推進しております。障害者施策分野においては,区役所に配置している手話通訳者がタブレット端末を活用し,必要に応じて他区の遠隔手話通訳も行うことで,区役所における手話ニーズに隙間なく効率的に対応しております。 また,障害者手帳の提示に代えて手帳の内容を証明できるスマートフォンアプリで確認する取組を本市の美術館や動物園等60施設で取り入れるなど,障害のある方の利便性の向上に努めております。さらに,障害福祉サービス事業所に対しては,見守りセンサー等のICT技術の導入,在宅就労を推進するためのテレワーク導入に必要となる費用助成を実施し,介護業務の負担軽減と働きやすい職場環境の整備を進めることで,障害福祉サービスの充実にも取り組んできたところです。 議員に御紹介いただきましたナビレンスをはじめ様々なアプリが日進月歩の速さで開発されており,それらのデジタル技術を活用することにより,障害のある方の利便性の向上が期待できます。一方で,その活用に当たっては,障害のある方の自立支援や支援者の負担軽減の効果と導入コストを十分考慮していく必要があると考えております。今後ともDX推進の視点もしっかり持って,障害者施策を検討し,障害のある方が利便性,安心安全,豊かさ,快適さを実感できる誰一人取り残さない人に優しいデジタル社会の形成を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) これをもって質疑を終結いたします。 井上よしひろ議員。 ◆(井上よしひろ議員) 議事進行について動議を提出いたします。 ただ今議題になっております議第1号から議第38号,議第40号から議第65号,議第67号から議第72号,議第179号及び議第194号の72件については,現在設置されております予算特別委員会に付託のうえ,慎重審議願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(田中明秀) ただ今,井上よしひろ議員から動議が提出され,動議は成立いたしております。 お諮りいたします。ただ今の井上議員の動議のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田中明秀) 御異議なしと認めます。よって井上議員の動議のとおり決します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 日程第3ないし日程第11,議第39号京都市文化財保護条例の一部を改正する条例の制定について,ほか8件,以上9件を一括議題といたします。 2月17日の議事を継続いたします。 本案はただ今お手元に配付してあります議案付託表のとおり所管の常任委員会に付託いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 日程第12,議第170号ないし議第177号及び議第183号ないし議第190号令和3年度京都市一般会計補正予算,ほか15件,以上16件を一括議題といたします。 予算特別委員長の報告を求めます。予算特別委員長,しまもと京司議員。 〔しまもと予算特別委員長登壇(拍手)〕 ◆予算特別委員長(しまもと京司) 本委員会に付託されました議第170号令和3年度京都市一般会計補正予算ほか15件につきまして,審査の経過と結果を御報告申し上げます。 当委員会といたしましては,2月17日の本会議で付託を受け,18日に第1分科会では環境政策局,行財政局,文化市民局,消防局及び選挙管理委員会事務局に対して,第2分科会では保健福祉局,子ども若者はぐくみ局,都市計画局,建設局及び教育委員会に対して,第3分科会では産業観光局及び交通局に対してそれぞれ質疑を行い,24日に各分科会の報告を受けた次第であります。 今回の補正予算は,新型コロナウイルス感染症への対応として3回目のワクチン接種や公共交通事業者への支援,生活困窮者への自立支援金の増額を行うとともに,政府の防災・減災,国土強じん化の推進など安心安全の確保の財源等を活用した道路や橋りょう,河川等の防災・減災,安全対策を実施するなど,国・府支出金や市債等を財源として総額513億5,200万円を補正しようとするものであります。 以下,審査の過程において論議されました主な事項について順次申し上げます。 まず,補正予算全般に関しましては,一般財源収入が見込額よりも大幅に増加した理由,地方創生臨時交付金に係る国からの未交付金の交付見通し,国からの交付額が見込みよりも少ないことも想定し,柔軟に対応する必要性などについて質疑や御意見がありました。 次に,一般財源収入の一時的な増加への対応についてでありますが,公債償還基金借入金の返済に関しては,一般財源収入増加分を他の施策への活用ではなく借入金返済に充てた理由,借入金返済による行財政改革計画の進捗への影響,公債償還基金借入金の返済が本市にとって重要であることを発信する必要性,一般財源収入の増加分を借入金の返済ではなく,市民の暮らしや中小企業に対する支援に充てるべきとの指摘などについて質疑や御意見がありました。 次に,新型コロナウイルス感染症への対応についてであります。まず,新型コロナウイルスワクチン接種事業に関しては,ワクチンの供給状況及び3回目接種希望者の接種完了時期の見通し,教職員や保育士等への早急な3回目接種に向けた取組内容,小児へのワクチン接種の今後の進め方,小児へのワクチン接種について必要な情報を保護者にしっかりと発信する必要性などについて質疑や御意見がありました。 次に,市バス・地下鉄事業への運行に対する奨励金に関しては,運賃収入の大幅な減少が見込まれる中での今回の奨励金の効果,経営ビジョンで示された運賃改定率が同ビジョンの検討委員会の答申よりも抑えられた理由,コロナ禍で厳しい経営状況に置かれている交通局への支援ではなく,公債償還基金借入金返済を優先した臨時交付金の活用方法への疑問などについて質疑や御意見がありました。このほか地域公共交通における運行維持確保緊急対策事業に係る予算の積算根拠及びこれまでの実施状況,介護施設等における家族面会に関する国の方針及び各施設への周知の状況,新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金の支給において給食要件が緩和されたことをしっかりと周知し,多くの対象者が救われるよう取り組む必要性,一般会計からの繰入金を増額し,国民健康保険料率を差し置く考え,保健所業務が厳しい状況にあることを踏まえ,大学等と一層連携し,戦略的に大規模検査を実施する必要性などについて質疑や御意見がありました。 次に,国の補正予算等を活用した事業の推進についてであります。まず道路,河川,公園等の防災・減災対策等に関しては,三条大橋のみならず鴨川にかかる橋全体の魅力向上に取り組む必要性,学校の近辺等交通事故が憂慮される箇所に対して地域や学校等と連携し,環境整備を進める必要性,東本願寺市民緑地を核として京都駅周辺地域の活性化や回遊性の向上につなげる必要性などについて質疑や御意見がありました。 次に,保育などの現場で働く方々の収入の引上げに関しては,処遇改善の具体的な確認方法及び年度末の繁忙期であることを踏まえ,スムーズに予算を執行する必要性,各施設の職員に処遇改善を実感してもらうために制度の趣旨や内容を丁寧に説明する必要性,事業者の裁量に委ねるのではなく職員一人一人に確実に行き渡る仕組みを検討する必要性などについて質疑や御意見がありました。 次に,マイナポータルからの転出届等のオンライン手続に係るシステム改修に関しては,転出届等のオンライン化を既に実施している都市もある中で,本市においてこのタイミングで実施する理由,オンライン申請の利用率向上にとって重要であるマイナンバーカードの取得率向上に向け,効果的な周知に取り組む必要性などについて質疑や御意見がありました。 次に,中央市場施設再整備事業に関しては,多額の費用を要する再整備事業の進捗状況を可視化し,市民理解を進める必要性,再整備における京都府の財政負担の状況及び京都府と共に取り組む必要性,再整備の6割を場内事業者の使用料等により賄うとする再整備計画の目標から見た現在の市場の取引高や売上げ金額に対する認識,市場間競争の状況及びコロナ後を見据えた世界に向けての輸出拡大の取組内容,輸出偏重や過度な整備とならないよう取り組む必要性などについて質疑や御意見がありました。 次に,議第183号から議第190号新北庁舎(仮称)新築工事電気設備工事請負契約の締結についてほか7件,以上8件の工事請負契約議案については,設計労務単価の変更や資材価格の高騰による契約変更が続いていることに対する認識,工事の簡素化など事業のコントロールをしなければ行財政改革計画どおり投資的経費を抑制することは困難であるとの指摘,契約変更による上乗せ分が元請けのみならず下請け事業者にも行き渡るよう取り組む必要性,市庁舎整備の設計を簡易にして建設費を縮減する必要性などについて質疑や御意見がありました。 概略,以上のような審査の後,更に各会派等において御検討いただき,その結果を25日の委員会で御発表いただきましたところ次のとおりでありました。すなわち,自民党,公明党,民主・市民フォーラム,京都党,日本維新の会の各議員団及び無所属3名の委員は,いずれも原案に賛成する。共産党議員団は議第170号から議第172号,議第174号,議第175号,議第183号から議第190号に反対し,その他の議案についてはいずれも原案に賛成するとのことでありました。そこで直ちに表決を採りましたところ,ただ今お手元に配付してあります委員会報告書のとおり,議第170号から議第172号,議第174号,議第175号,議第183号から議第190号については多数をもって,残余の議案3件については全会一致をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。 以上であります。これをもちまして委員長報告を終わります。(拍手) ○議長(田中明秀) これより討論を行います。発言の通告がありますのでこれを許します。樋口英明議員。 〔樋口英明議員登壇(拍手)〕 ◆(樋口英明議員) 日本共産党京都市会議員団は,議第170号令和3年度一般会計補正予算に反対との立場を表明していますので,私はその理由を述べ討論いたします。 今回の補正は,新型コロナウイルス感染症への対応として82億円が計上され,ワクチン接種事業や介護施設への支援事業,子育て世帯への生活支援事業や困窮者への自立支援事業,民間交通事業者への支援事業などを行うとしています。これらはどれも必要な予算と考えます。また,国の補正予算等を活用して事業の推進を図る予算として113億円が計上され,橋りょうの耐震化や道路の改修や防災対策,保育や学童保育の職員の賃上げ,学校施設の改善などを行うとしており,これらも多くは必要な事業です。しかし,今回の補正予算には大きな問題があります。 1点目は,2021年度の収入見込みが200億円多くなったにもかかわらず,そのうち187億円を公債償還基金の返済,つまり積立に充てると説明している点です。この財源はコロナ禍で苦境に陥っている市民の命と暮らしを守るために,つまり今この瞬間に緊急の支援を必要としている市民のために使うべきです。公債償還基金の積立は計画的に行えばいいもので,187億円についての優先順位は市民の暮らしの支援にあることは明らかです。この財源を活用することで,少なくとも来年度の25億円の市民負担増を中止する,補助金カットなど27億円の制度改悪を中止する,全庁体制でコロナ対策に当たる職員の147人,12億円の削減を中止するべきです。この三つを合計しても64億円でしかありません。付け加えて言えば,国民健康保険料については27億円の累積黒字がありますから,今回の収入増を使わなくても保険料14億円の値上げを中止することが可能です。 問題の2点目は,職員の賃金をカットしている点です。全庁体制でコロナ対策に当たっている職員の皆さんに対して,激励が必要であるときに逆に賃金をカットするというのはあまりにも酷な話です。人事委員会の勧告に基づくものとはいえ,今は景気を底支えするためにも賃金カットをやめ,民間の賃上げと公務の賃上げの好循環をつくることこそ政治の役割です。そのほかにも,中央卸売市場第一市場整備の総事業費が過大になっているものが是正されていない点や,市バス・地下鉄会計への一般会計からの支援が不十分な点も問題です。市バス・地下鉄会計については,そもそも国に対して支援の抜本的強化を求める必要があります。本市が受益者負担や独立採算制ばかりを強調することは,公の責任を放棄するものにほかなりません。今こそ自治体本来の在り方に立ち戻り,住民福祉の増進を図ることに最大限の力を尽くすための予算とすることが必要であることを述べて討論といたします。(拍手) ○議長(田中明秀) 次に,大津裕太議員に発言を許します。大津議員。 〔大津裕太議員登壇(拍手)〕 ◆(大津裕太議員) 地域政党京都党市会議員団は,議第170号令和3年度一般会計補正予算について賛成するとの態度表明をしておりますので,会派を代表して討論いたします。 令和3年度の最後となる今回の補正予算は,市税収入・府税交付金・地方交付税等の一般財源収入の想定外の増収と国の補正予算を主な財源にして,新型コロナウイルス感染症への対応や防災・減災対策,保育・福祉従事者の待遇改善,市バス・市営地下鉄の支援,社会福祉関連経費の不足分の補填,公債償還基金からの借入れの返済等に活用するというものです。 コロナ禍の第6波は,お亡くなりになられた方や重症になられる方の割合は少なくなりましたが,感染力が大変強く,学校や保育園,幼稚園の休校・休園が相次ぎ,仕事も休まざるを得ない方が大変増え,社会生活に大きな影響を与えております。引き続き,感染拡大防止,そして市民生活の下支えに多くの予算を要することは必然であります。 一方で,第5波までとはウイルスの性質が大きく変質していることから,対応の仕方そのものを見直す議論も必要です。保健所の対応は限界を超えており,職員の労働環境の劣悪化だけにとどまらず,連絡の遅延や検査結果の遅延により,感染者や濃厚接触者,その御家族に混乱が広がっております。また軽傷・無症状の方々の対応に忙殺される中で,本当に医療を必要としている方に医療が行き届かないリスクも高まっております。国や京都府とも協議をし,状況改善に努めていただくよう要望いたします。 次に,歳入についてです。一般財源収入の増収は,結果として公債償還基金の借入れを返済することにより財政が改善したことは喜ばしいことですが,一時的なものであること,そして歳入は予算から大きくかい離することがあり得るということを肝に銘じておかなければいけません。今回は,コロナ禍の影響を国も本市も予測できなかったことが要因ですし,増収の方にかい離したのでよかったわけですが,振り返ると平成28年度は,決算の際に一般財源収入が当初予算より140億円も下振れし,公債償還基金に加えて,財政調整基金も取り崩さざるを得ませんでした。先日の市長の記者会見を見ていても,公債償還基金からの借入れを返済したことを受けて,基金枯渇の危機回避の前進と捉えられているような側面がありましたが,大事なことは改革をしっかり行って収支が均衡することであります。市民に誤解を与えるような発信は気を付けていただきますようお願いいたします。 最後に,今後の行財政改革に向けてです。今回の補正予算では,社会関連福祉経費では10億円もの不足を補填する歳出があり,繰越明許費では芸大移転と新庁舎整備においてインフレスライドによる工事金額の引上げがありました。行財政改革の収支の見通しでは,社会関連経費は年間25億円ずつの増と想定されているわけですが,年度内に10億円もの上振れがある中で,本当に25億円のシミュレーションで大丈夫なのかと感じます。また,各種公共工事のインフレスライド等による工事金額の上振れも,収支の見通しで考慮されていないとの答弁でした。世界各国でインフレ傾向にあり,資材の高騰のリスクも高い中で,こちらも不安要素となります。後から振り返って想定外だったとならないよう,慎重な見積りと着実な改革推進を求めておきます。 以上で,賛成討論を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 次に,宇佐美賢一議員に発言を許します。宇佐美議員。 〔宇佐美賢一議員登壇(拍手)〕 ◆(宇佐美賢一議員) 日本維新の会市議団は,第170号令和3年度京都市一般会計補正予算について賛成の態度を表明しております。ワクチン接種をはじめとする新型コロナウイルス対応,市民生活の下支え,公共交通への緊急支援,防災・減災対策,保育などの現場で働く皆さんの収入の引上げ,また予算の過不足の調整については必要な事業であると認めますので賛成します。 今回,当初は大幅減少と予想していた令和3年度の本市税収が予想より大幅に多くなる見込みとなった一方,その分本来は国からの交付税が減額されるところ,特例的に減額されず令和3年度予算に余裕が生まれたうちの大半である187億円を公債償還基金からの借入金,つまり借金返済に充てることとなっています。コロナ禍での国からの資金的な援助ともいうべきこの特例的な措置に対して,一定程度は許容できるものの,市民の生活や地下鉄・バスの運賃値上げの解消に回すような議論にもならない。この京都市役所の現状は痛恨の極みです。こういった形でも今までのずさんな市役所運営のツケが市民に回っている現状にもかかわらず,公債償還基金の枯渇は回避できたと強調することで,さも今後安心かと市民に誤解を与えるような記者発表する市長の姿,財源の生まれた理由について,改革かどうかは気にしないという改革への組織的な意識の薄弱さを見れば,なぜ京都市財政が長年にわたって帳尻が合ってこなかったか,ある意味よく分かるのではないでしょうか。我々の維新会派は会派結成以来,財政規律条例の制定を一貫して求めてきましたが,もっと早く健全な財政運営に努めていれば,このコロナ禍でも他都市のように例えば給食費の無償化など大胆な生活応援もできたはず。このことを直視し,今までの京都市運営の反省をしっかり行うことを改めて求め討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) これをもって討論を終結いたします。 これより表決を採ります。 まず,議第170号ないし議第172号,議第174号,議第175号及び議第183号ないし議第190号を一括表決に付します。 本案は,委員長報告のとおり,原案のとおり可決することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○議長(田中明秀) 多数であります。よって本案は,原案のとおり可決されました。 次に,残余の議案3件を一括表決に付します。 本案は,委員長報告のとおり,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田中明秀) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    ○議長(田中明秀) この場合,日程の追加についてお諮りいたします。ただ今市会議員全員から市会議第15号姉妹都市キエフ市をはじめとする各都市へのロシアによる軍事侵攻に抗議する決議についてが提出されました。 この案はお手元に配付いたしておきました。よって,本日の日程に追加して直ちに上程いたしたいと思いますが,御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田中明秀) 御異議なしと認めます。よって本日の日程に追加して,これより直ちに上程することにいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 日程第13,市会議第15号姉妹都市キエフ市をはじめとする各都市へのロシアによる軍事侵攻に抗議する決議についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は議案の説明及び委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田中明秀) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 本日は,これをもって散会いたします。 〔午後4時37分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~          議長    田中明秀          副議長   吉田孝雄          署名議員  加藤昌洋          同     山本陽子 △(イメージ)請願文書表「受理番号1116」「市民活動総合支援センター会議室及びいきいき市民活動センター利用料金の値上げの中止」・請願文書表「受理番号1117」「いきいき市民活動センターの利用料金値上げの中止」 △(イメージ)請願文書表「受理番号1118」「ひと・まち交流館会議室有料化の反対」・請願文書表「受理番号1119」「教育条件の改善」 △(イメージ)請願文書表「受理番号1120」「教育に係る保護者負担の軽減」・請願文書表「受理番号1121」「小学校のような全員制の中学校給食の実施」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号2708」「公共施設の集約と利用料金値上げの中止」・陳情文書表「受理番号2709」「在日朝鮮人・韓国人へのヘイトクライムの根絶と民族差別の解消」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号2710」「岩倉証明書発行コーナーの存続」・陳情文書表「受理番号2711」「洛西地域における中核病院の婦人科の存続等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号2712」「ひと・まち交流館の会議室有料化の撤回等」・陳情文書表「受理番号2713」「難聴者の補聴器購入に対する補助制度創設の要請」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号2714」「国民健康保険料の引下げ等」・陳情文書表「受理番号2715から2736まで」「敬老乗車証負担金及び学童保育利用料の値上げの反対等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号2715から2736まで」「敬老乗車証負担金及び学童保育利用料の値上げの反対等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号2737」「西陣織産地への機械メンテナンス対策の強化」・議案付託表 △(イメージ)〈議案〉予算特別委員会報告書 △(イメージ)市会議第15号「姉妹都市キエフ市をはじめとする各都市へのロシアによる軍事侵攻に抗議する決議について」...