京都市議会 > 2021-10-01 >
10月01日-04号

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  1. 京都市議会 2021-10-01
    10月01日-04号


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    令和 3年  9月 定例会     令和3年     定例会     京都市会会議録 第4号     9月市会                       令和3年10月1日(金曜日)出席議員(65名)   1番 久保田正紀議員   2番 神谷修平議員   4番 兵藤しんいち議員   5番 森川 央議員   6番 田中明秀議員   8番 やまね智史議員   9番 鈴木とよこ議員  10番 かまの敏徳議員  11番 菅谷浩平議員  12番 こうち大輔議員  13番 小山田春樹議員  14番 森 かれん議員  15番 片桐直哉議員  16番 松田けい子議員  17番 やまずまい子議員  18番 豊田恵美議員  19番 井上よしひろ議員  20番 平山たかお議員  21番 とがし 豊議員  22番 ほり信子議員  23番 山田こうじ議員  24番 森田ゆみ子議員  25番 山本陽子議員  26番 平井良人議員  27番 宇佐美賢一議員  28番 大津裕太議員  29番 江村理紗議員  30番 天方ひろゆき議員  31番 かわしま優子議員  32番 国本友利議員  33番 加藤昌洋議員  34番 森田 守議員  35番 田中たかのり議員  36番 みちはた弘之議員  37番 さくらい泰広議員  38番 くらた共子議員  39番 井上けんじ議員  40番 河合ようこ議員  41番 樋口英明議員  42番 赤阪 仁議員  43番 中野洋一議員  44番 山岸たかゆき議員  45番 安井つとむ議員  46番 青野仁志議員  47番 平山よしかず議員  48番 吉田孝雄議員  49番 しまもと京司議員  50番 椋田隆知議員  51番 下村あきら議員  52番 西村義直議員  53番 吉井あきら議員  54番 山本恵一議員  55番 井坂博文議員  56番 加藤あい議員  57番 西野さち子議員  58番 玉本なるみ議員  59番 湯浅光彦議員  60番 曽我 修議員  61番 大道義知議員  62番 寺田一博議員  63番 津田大三議員  64番 中村三之助議員  65番 橋村芳和議員  66番 繁 隆夫議員  67番 富 きくお議員欠席議員(1名)   3番 小島信太郎議員欠員(1名)   議事日程   開議日時 令和3年10月1日(金)午前10時第1 請願の付託及び陳情の回付   一般質問 (1) 市政一般について  青野仁志議員 (2) 市政一般について  国本友利議員 (3) 市政一般について  松田けい子議員 (4) 市政一般について  天方ひろゆき議員 (5) 市政一般について  片桐直哉議員 (6) 市政一般について  江村理紗議員 (7) 市政一般について  小山田春樹議員 (8) 市政一般について  宇佐美賢一議員 (9) 市政一般について  菅谷浩平議員~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕 ○議長(田中明秀) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。やまずまい子議員と久保田正紀議員とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 日程に入ります。 日程第1,請願の付託及び陳情の回付を行います。 今回受理いたしました請願7件及び陳情283件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託又は回付いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 昨日に引き続き,これより一般質問を行います。 発言の通告がありますので,これを許します。市政一般について,青野仁志議員。 〔青野仁志議員登壇(拍手)〕 ◆(青野仁志議員) おはようございます。中京区選出の青野仁志でございます。国本友利議員並びに松田けい子議員と共に,公明党京都市会議員団を代表し市政一般について質問をいたします。門川市長並びに理事者におかれましては誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 冒頭,新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになられました方々の御冥福をお祈りいたしますとともに,闘病中の皆様に心よりお見舞い申し上げます。また,医療介護をはじめ市民生活をお支えいただいている全てのエッセンシャルワーカーの皆様に敬意と感謝を申し上げます。 それでは質問に入ります。コロナ禍における行財政運営についてお尋ねいたします。令和2年度は予算審議の段階から新型コロナウイルス感染症が拡大,新年度が始まるや,緊急事態宣言が全国に発出,その後も刻々と変化する感染状況の中,市民の命と暮らしを最優先に10回にも及ぶ補正予算を編成するなどコロナ対策に奔走。今年度に入ってからも変異株に置き換わるなどコロナウイルスの感染は更に拡大,今なお第6波が懸念されるなど予断を許せない状況であります。 〔田中議長退席,吉田副議長着席 ◆(青野仁志議員) (続)この間,公明党は国民の命と暮らしを守るため,全国の地方議員と国会議員とのネットワークで現場の声を国に届け続けてまいりました。 昨年4月,公明党山口代表は当時の安倍首相に直談判の結果,一律10万円の特別定額給付金を実現に導き,その後も低所得ひとり親世帯への臨時特別給付金や緊急小口資金,総合支援資金の特例貸付けなど生活支援や事業者支援に取り組むとともに,コロナ収束の決め手と期待されるワクチン接種については,ワクチン確保,無料接種化,後遺症障害への補償を実現するとともに,接種の円滑実施の支援まで一貫して取り組んでまいりました。 京都市では特別定額給付金支給事業ワクチン接種事業など,前例のない規模の事業遂行に次々とかつ速やかに対応され,また,公明党京都市会議員団からの7回にわたる緊急要望にも真摯に対応いただきました。国,府と緊密に連携し,企業,事業者の実情に即した伴走型の経済支援や生活支援,徹底した感染防止対策への取組,中でも国に先駆けての妊産婦へのPCR検査費用助成や中高生の受験生及び家族へのワクチン優先接種など,現場のニーズへのきめ細やかな対応を評価いたします。今後のコロナ対策についても,若年層も含めたワクチン接種の更なる加速化,安心の医療体制の確立,コロナ後遺症対応への着手,コロナ関連の生活支援や心の相談体制の整備,さらにはコロナ過で顕著となった社会的孤立の問題への対応等々課題は多くありますが,引き続き取組をお願いいたします。ともあれ令和2年度は,コロナ対策に始まりコロナ対策に終わったと言っても過言ではありません。財政面で見ても令和2年度一般会計の決算は,コロナ関連を含み前年度より3,000億円もの支出増に,また収入はコロナ禍により宿泊税や施設使用料・手数料などが大幅に減少する一方で,社会福祉関連経費などが増加し,特別の財源対策を講じてもなお3億円の赤字,講じなければ172億円の赤字との厳しい結果となりました。非常事態下で,試行錯誤を重ねながら刻々と変わりゆく感染状況に都度対応し,決断し続けられた市長の御心労は察して余りあります。改めて,陣頭指揮を執られた市長として,令和2年度の決算をどのように評価し,また今なお続くコロナ禍の中で今後の財政運営にどのようにいかしていかれますか。決意も含めてお答えください。 あわせて,今般示された行財政改革ですが,市長が昨年12月時点で財政構造を見直す方針を示され,負担の先送りを解消するとともに,縮小均衡ではなく,これまで京都市が積み上げてきた強みをいかしながら,更に持続可能な行財政構造とする視点で策定されたものと理解しています。私は委員会質疑において,歳出の見直しは市民理解をしっかり得ていくこと,そして市民生活に直結し,特に低所得の方に影響するものについては特段の配慮をすべきであると強く訴えをいたしました。しかし,福祉が切り捨てられるのではないか,保育所がなくなるのではないか等々不安を訴える声が私の下にも多く寄せられています。財政破綻,財政再生団体へ転落などの言葉がマスコミ等で広く取り上げられ,漠然とした不安感が広がっているようにも感じます。市長の示された歳出の見直しについては,財政が厳しいからとの理由が先行し,どうしても市民にすれば極めて後ろ向きの受止めにならざるを得ません。市長はどのように市民の理解を得,この改革を成し遂げようとされているのかお答えください。 次に,行財政改革計画における成長戦略についてお尋ねいたします。行財政改革では,歳出の見直しと併せて,改革の先に希望を見出せるビジョンとして都市の成長戦略を示されました。令和15年度までに一般財源収入を100億円以上,税収ベースで400億円以上増加させる目標数値と成長戦略を先導する京都の強みを有する主な事業を具体的に示されたことを評価いたします。人口減少の流れにあって,都市の活力を維持発展させるためには定住促進は欠かせません。京都で学んだ学生たちをはじめ若者の定住促進に加えて,世界から多様な人材を呼び込む視点を是非強めていただきたい。そういう意味で,私は所属する委員会で成長戦略を進めるに当たって,スタートアップエコシステムアート市場活性化を例に挙げ,世界の潮流を読み産業のインバウンドの視点を持つよう訴えさせていただきました。例えば,コロナ後のイノベーション京都経済活性に寄与すると期待の大きいスタートアップエコシステムであります。世界から多様な人材を呼び込み,産官学の連携や地域企業のネットワークなどオール京都による支援で,スタートアップ企業を次々に生み出すエコシステム,つまり生態系であります。伝統産業に培われたたくみの技術を有する中小・小規模事業者が集積することなどを強みとするこの京都への関心は極めて高く,既に若きクリエーター達が京都を目指す流れができつつあります。また,アート市場活性化については,世界のアート市場にどう関わるかが課題です。現在,世界のアート市場7兆円に占める日本の市場は3.2パーセントと全く蚊帳の外でありますが,今,世界では現代アートが新たな潮流として工芸の可能性に目が向いています。京都の伝統産業が現代アートと結び付くことで新たなトレンドを創り出し,世界の潮流を引き寄せることも十分可能で,悠久の歴史に超絶技巧の伝統産業が今に息づき,美術系大学を多く有し,文化を基軸とした都市経営を進める京都が世界的なアート市場となる可能性は極めて高いと思います。こうした京都の強みに更に磨きを掛け,その魅力を海外に積極的に発信することが重要です。一方,研究者や技術者といった高度人材の獲得競争が世界的に加速している中,早急に取り組むべきは,海外からの優れた人材を受け入れるための住居や教育環境の整備であり,成長戦略を推進するための外部知見の活用や市内外の民間事業者や団体等とのネットワークの構築ではないでしょうか。観光でのインバウンドの教訓をいかし,産業のインバウンドの視点を持って,世界から人や投資を呼び込むためのグローバル戦略に全庁を挙げて取り組んでいただきたい。成長戦略実現に向けての取組と決意を伺います。 まずは,ここまでの質問に対する御答弁を求めます。 ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 青野仁志議員の御質問にお答えいたします。 コロナ禍における行財政運営についてでございます。京都市においては,これまで国の制度が不十分な中,国や他都市の水準を上回る福祉,子育て支援等の施策を維持,充実し,市民生活の豊かさや都市格の向上につないでまいりました。一方,国からの地方交付税の大幅な削減もあり,手厚い行政サービスの水準維持に必要な財源が不足し,公債償還基金の計画外の取崩しなど,将来世代への負担の先送りとなる特別の財源対策によらなければ収支が均衡しない実質的な赤字状態が続いてきました。こうした中,令和2年度決算が国の財源を最大限活用し,京都府とも連携し,感染拡大防止策に万全を期すとともに,市民生活,京都経済の下支えに全庁を挙げて取り組んでまいりました。一方で,コロナ禍により宿泊税,施設使用料等が大幅に減少するなど,コロナ前からの構造的な収支不均衡に拍車を掛け,特別の財源対策を行う前の収支は172億円の赤字となる極めて厳しいものとなっております。持続可能な財政の確立は喫緊の課題であり,これまで守り続けてきた本市ならではの福祉,教育,子育て支援,安心安全の施策をその理念をいかしながら効果を検証しつつ,持続可能なものにすると同時に都市の成長戦略を大胆に進め,担税力を強化してまいります。歳出の見直しにつきましては,単に財政が厳しいから事業を廃止,縮小等するものではございません。行政のデジタル化を一層進めることで市民の利便性を向上させつつ,一層の効率化を図る。また,あらゆる事業の費用対効果や持続可能性を検証することで高齢者や障害者等のニーズの高まりに応じた福祉の財源をしっかりと確保する。こうした視点に立ち,本市が大切にしてきた子育て支援,教育や安心安全といった京都の強みをしっかりと守り続け,得られた財源をより困難を抱える人へ再配分することにより支え,市民生活やセーフティネットを確保してまいります。今市会に提案しております敬老乗車証の制度の再構築につきましても,全国の政令指定都市7市が廃止,又は制度を持たない中で平均寿命の伸びや受益と負担のバランスを踏まえ,制度の持続可能なものとして維持していくための見直しでございます。また,学童クラブ利用料につきましては,利用実態に応じた料金体系とするとともに,減免措置を設け,約7割となる方(後刻訂正)が現行よりも値下げとなるなど,配慮が必要な世帯への支援を拡充するものでもあります。今後も財政の現状と改革の本質を市民の皆様に丁寧に説明し,市民の皆様と共有し,京都の持つ魅力を更に磨きを掛け,未来へ引き継いでいくために,不退転の決意で行財政改革にまい進してまいります。 次に,行財政改革計画における成長戦略についてであります。本市では,これまで豊かな自然や景観,歴史性,文化性,精神性によって国内外の多くの人を引き付けてまいりました。近年は若いクリエーターやクリエイティブな企業が京都を目指す流れも生まれつつございます。京都のまちがこれからも持続的に成長していくためには,こうした世界から人や投資を呼び込む流れを太くし,京都経済を活性化していくことにより,市民の暮らしを豊かにしていくことが極めて重要でございます。そのためには,時代の潮流と京都の強みを掛け合わせて新たな価値を創造し,世界を視野に入れて優れた文化を土壌にしまして,働く,暮らす,投資・挑戦する,支援するまちとして,人と企業に選ばれるための戦略が不可欠でございます。そのため,公民一体となって付加価値の高いものづくり産業などをいかしたスタートアップエコシステムの形成を推進し,国内外の研究者や技術者,起業家等にとってクリエイティブに働くまちとしての魅力の向上につながる取組を進めてまいります。今後はイノベーションが生まれるコミュニティの形成や民間と連携した投資環境の充実に加えまして,インターナショナルスクールへの支援や誘致,外国人研究者家族等への生活に関わる総合的な情報提供など,海外の研究者や技術者等が家族と一緒に安心して暮らせる環境の充実も進めていくことで,海外の優れた人材の獲得にもつなげてまいります。また,本年8月には世界中からいつでも寄付することのできる外国語寄付受付のホームページを開設いたしました。この寄付の受入れを契機といたしまして,世界の人々との新たなネットワークを構築してまいります。こうした環境の整備と合わせまして,都市経営戦略アドバイザーに御就任いただいた入山章栄早稲田大学ビジネススクール教授をはじめ,外部の優れた知見や発信力を持つ市内外の有識者や民間事業者等との連携を深めながらビジネス面における京都の魅力の発信を更に進めてまいります。これらの取組を複合的に展開し,人や投資など国内外の活力を取り込むグローバルな戦略は青野議員御指摘のとおり,今後の市政の柱である成長戦略を進める上で重要なテーマであります。京都市役所が失敗を恐れずに果敢に挑戦する創造的な組織へと変革しながら全庁を挙げて取り組んでまいります。 ○副議長(吉田孝雄) 青野議員。 〔青野仁志議員登壇〕 ◆(青野仁志議員) 続いて,京都スタートアップエコシステムの機能強化についてお尋ねいたします。昨年7月に内閣府による世界に伍するスタートアップ・エコシステム拠点形成戦略グローバル拠点都市に選定され,スタートアップの世界的拠点化を目指す体制が整ったところであります。京都市は伝統産業に培われた技術を先端産業に応用したベンチャー企業を多く輩出し,長らくベンチャーの都とも呼ばれていましたが,近年はグローバルに飛躍的に成長する企業が余り出ていないのも事実であり,上場する企業数も大阪,兵庫に負けております。しかし,古くから京都を支えてきたものづくり,西陣織や友禅,組紐などの伝統工芸から最先端技術まで受け継がれてきたこの技術や情熱は今もなお世界に通用する産業です。京都市は平成9年度からベンチャー企業目利き委員会を設置し,将来性のあるベンチャーを発掘,支援し,その中からは上場企業も輩出しました。そのほか様々なベンチャー支援事業を展開してきました。平成29年9月には京都市との連携の下,若き創業支援者の情熱を形にしたものづくりベンチャー支援拠点京都メーカーズガレージが開設されました。国内外のベンチャー企業のアイデアを京都が誇るものづくりの技術と掛け合わせ,事業を展開につなげるものです。同支援拠点はメディアでも取り上げられ,国内外の著名人も多く視察に来るなど大きな関心が寄せられ,その後も国内外のベンチャーやスタートアップの呼込みに重要な役割を果たしています。京都スタートアップエコシステムは,正にこの国内外から多様な人材を呼び込む仕組みをものづくりの分野にとどまらず,あらゆる分野の人材を呼び込み,オール京都で支援し,次々とスタートアップを生み出すエコシステム,つまり生態系であります。先日,我が会派の曽我修議員と共に,スタートアップエコシステム推進協議会事務局のある京都経済センター京都知恵産業創造の森と京都メーカーズガレージ京都リサーチパークを視察いたしました。コロナ前,京都経済センター交流スペースKOINでは多様な方々の交流が図られ,市内各所でスタートアップに関連する活動が活発に行われていた様子を伺いました。また,エコシステムリーダーを務める牧野成将さんからは京都の歴史や伝統,文化は大きな強みで,日本の中でグローバルに通じるエコシステムの可能性があるのは京都のみと強調されたうえ,課題としてはスタートアップ同士のコミュニティと資金と伺いました。例えば,京都大学ではすばらしい基礎研究をしているものの,残念ながら卒業生が東京に流出してしまう。理由の一つは,京都にはまだスタートアップ同士のコミュニティが不足しており,それが情報不足につながっているとのこと。更にもう一つの要件である資金が絡みます。スタートアップに必要な資金には2種類あり,一つが起業する前の資金です。スタートアップを始める際,補助金や助成金はあるものの,その他の資金調達手段について相談する場所や人が不足しており,学生は東京に行ってしまいます。また,スタートアップが順調に事業拡大し,新規上場を目指す段階になると,数億円から10数億円の資金が必要となりますが,京都のベンチャーキャピタルだと1億円ないし2億円が限界で,そこでまた人材が東京へ流出してしまうとのことであります。このコロナ後を見据え,人材流出の要因であるスタートアップ同士コミュニティ不足の解消と資金面の課題解決に早急に取り組むべきと考えます。今後どのように取り組まれるのかお答えください。 最後に美術館と学校の連携による鑑賞教育の振興についてお尋ねいたします。2020年京都市美術館が京都市京セラ美術館としてリニューアルオープンしました。世界史の大きな転換点となるであろう新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの最中での再スタートとなった同美術館は,混沌の中から新たな価値を世界に発信,市民の誇りと希望になるものと確信いたします。私は3年前の2018年2月,経済活性に多大な影響をもたらす現代アートに着目し,アート市場の形成により文化芸術で京都経済の活性化をと美術を例に訴えた提言「京都美術市場の振興方策に関する調査研究 現代アートの拠点化を目指して」を市長に示させていただき,くわえて,世界市場につながる仕組みづくりをと訴えました。現在,世界のアート市場7兆円に占める日本の市場は3.2パーセントと,世界から大きく後れを取っている中,今後,京都が我が国における発信拠点となる可能性があり,その効果は京都経済活性化に大きく寄与し,全国に波及していくとの考え方を示すとともに,都市戦略の一つとして世界規模のアートフェアの開催,アート市場の振興に欠かせないギャラリーの誘致などについて提言いたしました。これについて,今般示された行財政改革計画において,現在の財政危機からの脱却を図るための都市の成長戦略にリーディング・チャレンジの一つとして掲げられた京都アート・エコシステム実現プロジェクトは,私の提言と合致する政策構想であります。具体的にはこれからの取組だと思いますが,担税力の強化等につながる新規性の高い成長戦略として大いに期待されるものであり,是非ともしっかりと取り組んでいただくことを要望いたします。アートの拠点都市とは世界規模のアートフェアを中心に,アーティスト,ギャラリーなど,アート人材が集積し,海外の出展や人を呼び込み,作品の売買が行われるマーケットが形成されているだけの都市を言うのではありません。芸術が身近にあって人々が親しみ,また,芸術を楽しむことを通じ,人と人が交流する,そうしたことが市民性として習慣付いている,それが暮らしを彩り,まちを活気付けている,そうした都市であります。そこで本題に入りますが,私は,京都美術市場の振興方策に関する調査研究報告に続いて2020年に作成しました報告書,美術館と学校の連携による鑑賞教育の振興に関する調査研究の中で新生京都市京セラ美術館においては,老若男女問わず多くの市民が気軽に立ち寄り,芸術に親しめるような美術館,そして京都のまちをつくっていただきたいと述べました。海外のミュージアムでは子供たちが絵画の前に座り,先生がその絵を巡って子供たちとその絵画についてやりとりをしている光景がよく見られます。人々と美術,芸術の距離をより近いものにしていくこと,それがアート拠点都市の必須条件であります。そのためには,子供の頃から美意識を鍛える,創造性に対して敬意を払う態度を養う,そうした試みが新生美術館がスタートする京都でこそ必要であると説き,美術鑑賞教育の重要性を訴えたところであります。この鑑賞教育に関して先進的なアメリカの鑑賞プログラムは,対話を軸に参加者が体験的に楽しく学ぶ方法が工夫され,しかも最新の芸術観や学習理論に基づいて作成されています。日本でも学校と連携することにより,美術そのものを学ぶだけではなく,社会や歴史,総合学習の時間で応用することができます。最近はコロナ後を見据え,予測が付かない時代を生き抜くすべとしてアート思考に関心が寄せられています。こうした時代の潮流を踏まえ,歴史ある京都から社会と直結する鑑賞教育のモデルケースを発信することが大切だと考えます。こうしたことを踏まえ,美術鑑賞教育において美術館と教育委員会,学校とがより一層連携した取組が必要と考えますがいかがでしょうか。あわせて,現状の課題と今後の取組についてお答えください。 以上で私の質問を終わります。最後までの御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,青野仁志議員の御質問にお答えいたします。 まず,発言内容の訂正をさせていただきます。先ほどの答弁の中で学童クラブの利用料について,減免措置により「約7割の方」が現行より値下げとなると申し上げましたが,正しくは「約4割の方」でございます。謹んで訂正させていただきます。 それでは,スタートアップエコシステムの機能強化についてでございます。革新的な技術や斬新なアイデアで社会課題に挑戦し,経済と社会に活力を生むスタートアップの支援につきましては,昨年7月の国によるグローバル拠点都市に選定されたことを契機に取組を一層強化いたしております。初年度には,補助事業で134社を支援し,府内で25社のスタートアップが誕生するなど大きな成果が出始めております。青野議員御指摘のコミュニティの形成はスタートアップの定着のために極めて重要であり,オール京都でスタートアップを支援する京都知恵産業創造の森の交流拠点KOINにおいて起業家同士が語り合える環境づくりに努めるほか,民間においても様々なコミュニティの場が形成されてきております。さらに,元小学校を活用した拠点,淳風bizQも間もなく開設するほか,梅小路エリアではスタートアップとクリエーターが集積するまちづくりが進んでおり,こうした拠点をつなぎ起業家同士のコミュニティを形成してまいります。また,資金調達につきましては,首都圏や海外のベンチャーキャピタル,投資家等の呼込みにも力を入れており,首都圏等の投資家が京都で活動する動きも見え始めてきております。さらに,起業家の専門家による相談体制を構築し,地元金融機関等とSDGsに係る連携協定もしっかりと活用しながら,事業規模等に応じた資金ニーズに対応できる環境づくりに努めてまいります。都市の成長戦略の大きな柱でありますスタートアップエコシステムの構築は,京都経済の活性化,雇用や市民の皆様の豊かさ,税収増につながるものであり,京都に学ぶ意欲のある方,起業家,意欲のある学生やクリエイティブな人々の集積により,世界にインパクトを与えるスタートアップが生まれるよう魅力ある起業環境を構築してまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(吉田孝雄) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 美術館と学校の連携についてでございます。社会に孤立や対立を生む新型コロナウイルス感染症の影響が続く中,感動や喜びを分かち合い,人と人が心を通い合わせることを可能にする文化芸術の重要性はますます高まってきております。そうした中,青野仁志議員御指摘の鑑賞教育は,子供の頃から美意識を育み,創造性に対して敬意を払う態度を養うことで,文化芸術を通じた人と人との交流を促し,まちの活力の創出にもつながるものであり,文化芸術の分野にとどまらず,コロナ禍からの社会の回復・発展を図るうえでも重要な課題と認識をしております。京都市美術館では子供から大人まで幅広い方々に文化芸術への関心を高めていただけるようリニューアルを機に教えるから学び合いへをキーワードに教育普及活動を再編,充実し,取組に一層力を入れてきております。とりわけ子供たちへの鑑賞教育に関しては,新たに本年3月,美術館と教育委員会・学校が連携し,市立学校において美術館の所蔵作品をデジタル化したコンテンツを活用した授業を試行実施いたしました。これは子供たちが作品を読み解き,創作の思いなどを想像することで芸術の奥深さを知り,本物の作品の魅力に触れてみたいと感じることを目指すもので,子供たちからは美術館に行ってみたいなどの声が数多く寄せられました。この成果も踏まえ,今後,美術館コンテンツ活用授業の実施校の拡大や学びを深めるためのコンテンツの充実,子供たちが美術館に足を運びやすくするための仕組みづくりなど,美術館と教育委員会,学校の連携を一層進め,鑑賞教育のモデルとなる取組を推進してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉田孝雄) 次に,市政一般について,国本友利議員に発言を許します。国本議員。 〔国本友利議員登壇(拍手)〕 ◆(国本友利議員) 左京区選出の国本友利です。青野仁志議員に続き,松田けい子議員と共に公明党京都市会議員団を代表し,本市が直面している課題解決と市民生活を守るとの視点から質問いたします。市長,関係理事者におかれましては,誠実かつ明快な御答弁をいただきますようお願いいたします。 質問に入る前に,新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方へ哀悼の意を表しますとともに,闘病中の皆様に心からお見舞い申し上げます。さらには,市民の命を守るために闘っていただいている医療関係者をはじめ,全てのエッセンシャルワーカーの皆様に心から感謝申し上げます。 それでは質問に入ります。初めに,京都市の自治体クラウドファンディングの在り方についてお伺いいたします。京都市の厳しい財政状況を受けて,行財政改革計画が示されました。行財政改革を推進する中,歳出の削減と共に,収入増の取組が求められています。新型コロナウイルス感染症の影響により,本市では観光関連産業をはじめ多岐にわたる事業者が大きなダメージを受けている状況です。くわえて,従業員の皆様の収入面での影響も大きく,コロナ前までは伸びていた市民税納税者数と税収の落ち込みが顕著であります。市税収入の増加が見込まれない中,税外収入を得る積極的な取組が重要です。そこで,ふるさと納税の中で特に自治体クラウドファンディングについてお伺いいたします。ふるさと納税については,既に広く認知されており,寄付控除に加え,地域の特産物などの返礼品があり,寄付者にとっては人気の制度です。全国の自治体で返礼品競争が激化し話題にもなりました。くわえて,企業版ふるさと納税では企業が国の認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して寄付を行った場合に,企業は最大で寄付額の約9割の税額が軽減される制度となっており,本市としてもこの企業版ふるさと納税の獲得について更に努力すべきです。その中で,現在全国の自治体が力を入れているのが自治体クラウドファンディングです。自治体クラウドファンディングとは,ふるさと納税のシステムを利用したクラウドファンディングの仕組みの名称で,地方自治体がプロジェクトの実行者として立ち上げるクラウドファンディングであります。仕組みとしてふるさと納税が利用されているため,クラウドファンディングにより自治体に寄付をすると,寄付した人の税額が寄付金額に応じて大幅に軽減されます。自治体クラウドファンディングは総務省でも推奨されており注目を集めています。また,寄付金の使い道が明確であり,寄付者は,どのプロジェクトに寄付をするか選択ができるため,共感を得やすい仕組みであると考えます。本市においては文化芸術の支援事業を行うに当たり,令和元年に京都市若手アーティスト応援プロジェクト,令和2年には文化芸術活動再開への挑戦サポート交付金事業,文化芸術活動再開への発表・鑑賞拠点継続支援金事業について自治体クラウドファンディングを活用して資金調達を行いました。それぞれの事業について目標設定金額を超えた御寄付を頂戴し,本市の文化芸術支援について御協力をいただいたことに感謝申し上げます。このように文化芸術活動の支援にクラウドファンディングを活用して資金調達を行ったことは,本市にとって貴重な成功事例であり,今後,各局においても事業の性格を精査しつつ取り組むべきものと考えます。さらには,文化環境委員会において我が会派の松田けい子議員の提案により,京都市動物園のホームページからクレジットカードを利用して1,000円からの寄付ができるようになりました。このような少額寄付についても京都市動物園と動物園ファンとのきずなを深めていくものと考えます。本市の厳しい財政状況の下,税外収入を得ていくことは極めて重要であり,文化市民局など一部の部局の取組に終わらせず,広く各局において事業を進めるに当たり,寄付者の意向が反映されるような,自治体クラウドファンディングや少額寄付を得ていく取組が重要であると考えます。本市の今後の方針についてお伺いいたします。 次に,本市の水災害対策についてお伺いいたします。本年も8月の豪雨により,西日本を中心に全国で大規模な災害に見舞われました。災害によってお亡くなりになられた方に対し哀悼の意を表するとともに,被災された皆様に対し心からお見舞いを申し上げます。大雨による被害は毎年のように起こり,その規模は年々大きくなっています。本年5月には災害対策基本法が改正され,市町村が発令する避難情報が大きく変わりました。その内容は警戒レベル4に当たる避難勧告と避難指示が一本化され,避難勧告は廃止,これまで避難勧告の発令されていたタイミングで避難指示が発令されることとなりました。レベル5は災害が切迫しているか,既に災害が発生している段階で,そこから避難を開始することが困難となるような状況であり,レベル4の避難指示の段階までに避難を行うことが重要であります。近年,気象予報については,気象庁の新しいスーパーコンピューターを活用し,気象予報の精度が大きく向上しています。また,世界一のスーパーコンピュータ富岳を活用し,ゲリラ豪雨の超高速高性能降水予報のリアルタイム予報などの実証実験が行われており,更なる精度向上が期待されています。そのうえで,気象庁は地域防災支援の取組を推進しています。地域交流人材配置による担当チームを気象台にて編成し,担当地域を固定することにより,各市町村固有の課題への対応を含め市町村に寄り添い,担当者同士の緊密な連携関係を構築するとされています。そこで,現在,京都地方気象台と具体的にどのように連携し,本市の水災害対策に反映させているのかお伺いいたします。くわえて,災害時には市民の避難行動が何よりも重要です。気象予報の精度向上と気象台との連携強化と共に避難情報の早期の発信による事前避難が重要ではないでしょうか。特に台風情報については,ある程度の進路が予測されていることから,台風に備えた事前の準備や避難が重要であります。また,コロナ禍においては,感染拡大防止の観点から,3密を避けるため,緊急避難場所への集中避難ではなく,安全が確保できる御親戚やお知り合いの家,ホテルをはじめとした宿泊施設など多様な場所への避難が求められています。これらを踏まえ,本市ではマイ・タイムラインを採り入れた避難行動を推奨しています。マイ・タイムラインとは,住民一人一人の防災行動計画であり,台風等の接近による大雨災害や土砂災害の危機を回避するため,自分自身が採る標準的な防災行動を時系列的に整理し,自ら考え,命を守る避難行動のための一助とするものです。突発的に起こる地震災害ではなく,台風,大雨の災害については気象予報により一定の予測ができ,あらかじめ決めておいた避難行動を採ることが可能と考えます。早い段階で,御自身で決めた安全な場所へ事前に避難いただくことで,行政が指定する緊急避難場所の運営をいただいている自主防災会の皆様方の負担軽減にもつながり,今後の避難行動のスタンダードになるものと考えます。マイ・タイムラインを活用して個々人の避難場所の確保とそれを前提とした事前避難を進めていくための京都市としての取組についてお伺いいたします。 まずは,ここまでの質問について答弁を求めます。 ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 国本友利議員の御質問にお答えいたします。 自治体クラウドファンディングについてでございます。本市におきましても,厳しい財政状況に加えまして,ほかの大都市と同様にふるさと納税による市民税流出額が著しく,令和2年度の流出額は約40億円に上るなど非常に深刻な状況にあります。そこで,令和2年度は組織体制の強化,ポータルサイトをはじめとするPRの強化,そして返礼品を京都の魅力を発信するためのシティセールスのツールとして位置付け,大幅に充実するなど,ふるさと納税の取組を拡大し,前年度比7倍となる過去最高の約18億円という成果が得られたところであります。また,企業版ふるさと納税につきましても本市との関係性の深い企業や市内の大学出身者の企業経営者にアプローチして寄付を頂くなど,全庁挙げて寄付獲得に取り組んだ結果,令和2年度には約1億円の御寄付を頂きました。国本議員御指摘の自治体クラウドファンディングにつきましては全国的にも増加傾向にあり,災害支援,動物愛護,子育て支援など,これまで400以上の自治体で1,000件以上ものプロジェクトが立ち上がっております。本市では,文化市民局において令和元年度に自治体クラウドファンディングによる全国初の文化芸術支援をスタートさせ,これまで合計3回実施して439名の個人,企業の皆さんから2,734万円の御寄付を頂いてまいりました。くわえまして,今年10月にはクラウドファンディングも活用しながら個人,企業者の皆様がふるさと納税により本市が認定した民間の文化芸術事業や本市の文化芸術振興を支援できるなど,より寄付していただきやすい仕組みづくりを整えることで行政の指導ではなく市民,企業,芸術関係者,本市が連携,協働して京都の文化芸術を支える新たな試み,アーツ・エイド・京都の取組をスタートさせることといたしております。今後,一部の取組にとどまらず,各種政策につきまして事業の性格を見極めながら,こうした成功事例のノウハウを全庁で共有のうえ,市民の皆様を含めた幅広い層から支援を得ながら,事業を拡充してまいります。 次に,水災害対策についてでございます。初めに,気象台との連携についてでございます。近年の激甚化,頻発化する風水害を踏まえまして,令和2年度から市町村に寄り添った支援を行うためのあなたのまちの予報官が京都地方気象台に編制されました。平時には毎日2回気象に関する詳細情報の共有や,災害後の振返り会議を行い,また,災害時には専用の衛星回線によるホットラインにより気象予報官から詳細な気象情報を収集し,避難情報の発令や各局区等への指示を行うなど緊密な連携関係を構築しております。 次に,多様な避難場所の確保と事前避難についてでございます。国本議員御指摘のとおり,現下のコロナ禍においては指定緊急避難場所での三つの密を回避する観点からも,安全な御親戚や知人宅などに避難することも一層重要であると考えております。本市では避難場所の確認や備蓄等の平時の備えから災害時の避難のタイミングまで,各御家庭で避難行動,防災行動を事前に決めておくマイ・タイムラインの普及を本年4月から開始いたしまして,自主防災会等を通じた地域での回覧,避難所運営訓練や防災イベント等での周知を行っております。くわえまして,今後,新たに分かりやすい解説動画を作成し,防災ポータルサイトに掲載するなど,マイ・タイムラインの作成支援を強化してまいります。引き続き,市民の皆様が気象情報等に基づきまして安全な避難先を早い段階で見付けて,確保して,避難していただけるようにあらゆる機会を通じましてマイ・タイムラインの普及,作成支援を行うとともに,京都地方気象台をはじめとした関係機関との連携による精度の高い避難情報を発信することにより市民の皆様の命と健康,暮らしを守っていくことにしっかりと取り組んでまいります。 ○副議長(吉田孝雄) 国本議員。 〔国本友利議員登壇〕 ◆(国本友利議員) 次に,デジタル化推進に伴うマイナンバーカードの利便性向上についてお伺いいたします。9月1日にデジタル庁が発足いたしました。政府はデジタル庁の発足を機に,国と地方のデジタル化を進め,住民の利便性を高めることを目的としています。デジタル化を進める中で柱の一つとなるのが,マイナンバーカードを活用した行政サービスの向上です。マイナンバーカードは10月から医療機関や薬局で健康保険証として本格的に使えるようになり,また,来年度中にはマイナポータルから口座を登録すれば,災害時や感染症発生時に別途,国が指定する給付金の支給が可能となるよう目指しています。さらに,令和6年度末までに運転免許証と一体化する仕組みの導入も目指しているところです。本市のマイナンバーカードを活用した市民の利便性向上に当たっては,各種証明書のコンビニ交付が平成31年1月から開始されました。コンビニ交付の利用については,令和元年度が約2万9,000件,令和2年度が約6万9,000件,令和3年度の4月から7月の4箇月間で約4万件と着実に利用率は増加しています。くわえて,マイナンバーカードを利用したマイナポータルからは,様々なオンライン申請ができるようになっています。京都市においては,マイナポータルから子育て関連の申請11項目がオンラインでできるようになっています。マイナポータルでは自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画に基づき,関係省庁が協力して,子育て,介護,被災者支援,その他の35の手続について標準様式,申請フォームのプリセットを進めており,今後,地方公共団体が独自に申請フォームを作成することなくオンライン化することが可能となります。また,マイナンバーカードは被災者支援にも活用できることとされており,内閣府は被災者支援制度におけるマイナポータルの活用に関するガイドライン改訂版を令和2年8月に示されました。このガイドラインでは,被災者支援制度におけるユースケースとしてり災証明書の発行をはじめ,災害弔慰金の支給,被災者生活再建支援金の支給など具体的に10項目が掲載され,その他の類似手続31項目についても示されるなど,今後マイナンバーカード,マイナポータルを活用しての被災者支援が検討されています。マイナンバーカードが市民生活の利便性向上に資するとともに,災害時に被災者支援についても活用されることを大いに期待しています。今後,国がデジタル化を進めるに当たり,マイナンバーカードの活用が本格化していく中で,京都市として国と連携をした取組を進める上で,オンライン申請や被災者支援制度の活用など,市民生活の利便性向上について今後の展開をお伺いいたします。 最後に,賃貸住宅の残置物処分についてお伺いいたします。少子高齢化が進み,独居高齢者が本市も含め全国的に多い状況となっています。その中で,独居高齢者が賃貸住宅にお住まいの場合,お亡くなりになった後の残置物処分が近年の課題であると考えます。最近,遺品整理を行う事業者がテレビにおいて特集で放送されるなど,この課題は全国的にも注目されているところであります。私もここ数年において賃貸住宅や賃貸マンション,アパートでの残置物処分について,御遺族,貸主の双方から御相談をいただいた経験があり,その件数は増加傾向にあると肌身で感じています。御遺族が残置物処分をしていただくことが原則ではありますが,残置物処分の費用が賄えない場合,相続放棄せざるを得ない状況となります。一方,貸主側は残置物処分について,相続に関わることとなるため勝手に処分することができないうえ,遺族が相続放棄し,残置物処分をしない場合,貸主の負担で処分することとなります。本市においては高齢であることを理由に入居を拒まない賃貸住宅であるすこやか賃貸住宅や,協力店の登録,高齢者の見守りや家賃債務保証制度の御案内などを京都市すこやか住宅ネット,京都市居住支援協議会で行っていただいています。また,身寄りのない低所得の単身高齢者が亡くなった後の残置物処理や,葬祭執行等の高齢者自身の不安を解消するため,生前の死後事務委任契約に基づき,亡くなられた後の葬祭執行等を行う京都市単身高齢者万一あんしんサービス事業を行っていただいています。くわえて,京都市居住支援協議会で「見まもっTEL」という安否確認と居室内で亡くなられた場合の葬祭,遺品整理,原状回復の実施を月額1,500円で上限100万円の費用保障をしていただける保険サービスの提供もされています。このように本市として高齢者の住まいの確保のため見守りサービスなど様々な取組を行っていただいているところです。そのうえで,国土交通省では令和3年6月7日に,残置物の処理等に関するモデル契約条項(ひな形)の策定についてを広報発表されました。背景としては賃借人の死亡後,賃借権と居室内に残された家財,残置物の所有権はその相続人に相続されるため,相続人の有無や所在が分からない場合,賃貸借契約の解除や残置物の処理が困難になることがあり,特に単身高齢者に対して賃貸人が建物を貸すことをちゅうちょする問題が生じていることと併せ,現実に残置物処分をどうするべきかという課題があることに起因しています。このような賃貸人の不安感を払拭し,単身高齢者の居住の安定確保を図る観点から国土交通省及び法務省において死後事務委任契約を締結する方法について検討を行い,単身高齢者の死亡後に,契約関係及び残置物を円滑に処理できるように残置物の処理等に関するモデル契約条項を策定されました。その中では,賃借人の死後の契約解除や残置物に関しての受任者の処分が可能となるような契約条項の追記,くわえて,貸主及び借主の残置物処分の費用捻出のための損害保険の加入などを示されております。今後,セミナーの開催等を通じて関係者に対して周知を図っていくこととしています。そこで,この残置物処分の課題解決のため,国の示した残置物の処理等に関するモデル契約条項を基に,京都市居住支援協議会をプラットフォームとして,貸す側,借りる側が安心できる契約方法や保険などを組み合わせることにより残置物の処理がスムーズにいくような仕組みづくりを検討していくべきと考えますがいかがでしょうか。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(吉田孝雄) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 引き続き,国本友利議員の御質問にお答えいたします。 私からは賃貸住宅における残置物処分についてでございます。一人暮らしの高齢者が亡くなられた際の残置物処分については,家主が最も不安に感じる全国的な課題の一つであります。京都市居住支援協議会において実施をしている単身高齢者に見守りや生活相談のサービスを提供する高齢者すまい生活支援事業においても,事業の実施主体である福祉法人から見守りはできるが,亡くなられた際の手続や残置物の処分について現場では対応に苦慮しているとのお声を伺っております。また,実際に高齢者の方にとっても,残置物の処分を安心して任せられる事業者を見付けることは容易ではありません。こういった中,国本議員御紹介のとおり,これらの問題を解決する手法の一つとして国土交通省において残置物処理等のモデル契約条項が示されたところです。この条項は借主が自身の死後に発生する賃貸借契約の解除と残置物の処理に特化した委任契約のひな形を示すものであり,弁護士など法律の専門家に限らず高齢者にとって身近な社会福祉法人や,高齢者の住まいを支援する役割を担う居住支援法人が受任先として明記をされたことでこの仕組みがより活用しやすいものになると考えております。また,この条項の活用には高齢者の入居あっせんをする不動産仲介事業者の理解とサポートが必要ですが,不動産仲介事業者からこの条項の活用方法が分かりにくいとの声もあることから,近々実施される国の研修会の周知を行っているところであり,くわえまして,不動産団体自らにおいてもこの条項の運用に向けた研修を行っていただくよう働き掛けているところです。さらに,居住支援協議会の事務局であり,本市のすまいの総合相談窓口であります京安心すまいセンターをプラットフォームとして,支援を求める高齢者等に対し適切に助言し,受任の受け皿となる居住支援法人を御紹介するとともに,実際の活用事例を広く不動産団体や事業者,福祉事業者に紹介することで普及を図ってまいります。以上でございます。 ○副議長(吉田孝雄) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) マイナンバーカードの活用についてでございます。本市のマイナンバーカードの申請率は全国平均を2.3ポイント上回る47.4パーセントとこの1年で大きく伸びております。今後もデジタル化の基盤であるマイナンバーカードを多くの市民の皆様に保有していただくためには,普及促進と利活用促進を両輪とし,取組をより一層加速させることが重要であります。まず,普及促進につきましては昨年度,商業施設などで出張申請サポートを約240回実施し,約2万2,000件の申請につなげるなど,これまでから積極的に取り組んでおり,本市会で御議決いただいた補正予算も活用し,更に取組を強化してまいります。また,利活用につきましては,これまで各証明書のコンビニ交付サービスやマイナポータルによる子育て関係の申請のほか,昨年度から住民票の写しなどのスマート申請も開始いたしました。マイナンバーカードの普及が大きく進む中,令和2年度のコンビニ交付サービスの利用件数は前年度から倍増しておりますが,より多くの市民の皆様にカードを便利に御利用いただくためにも,マイナポータルの活用も含めた行政手続のオンライン化を更に進める必要があると認識をしております。国においても国本友利議員御指摘のとおり,自治体デジタル・トランスフォーメーション推進計画の中で子育て・介護・被災者支援関係など,特に国民の利便性向上に資する手続を中心にマイナンバーカードを活用したオンライン申請を進める方針が示されているところであり,このうち被災者支援については現在国においてマイナポータルとリンクし,被災者台帳機能などを搭載した全国共通となる基盤システムの開発が進められております。本市におきましては,昨年度から全庁横断的に実施している調査に基づき,民間事業者の専門的な知見も活用しながらオンライン化の進め方などについて分析,検討を行っているところですが,こうした国の動きとも歩調を合わせ,マイナンバーカードの積極的な利活用を促進することで,より多くの市民の皆様が利便性向上を実感できるよう取組を進めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉田孝雄) 次に,市政一般について,松田けい子議員に発言を許します。松田議員。 〔松田けい子議員登壇(拍手)〕 ◆(松田けい子議員) 山科区選出の松田けい子でございます。青野仁志議員国本友利議員に続き,公明党京都市会議員団を代表し質問いたします。市長並びに関係理事者におかれましては,誠意ある御答弁をお願いいたします。 冒頭,新型コロナ感染症によりお亡くなりになられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げます。また,社会生活を支えて下さっている全ての皆様に深く感謝申し上げます。市民の皆様が希望あふれる未来を展望できるよう,本市におかれては,コロナ禍と財政問題という二つの危機を乗り越えて,京都再生へ新たな挑戦の歩みを進めていかれることを強く求めます。 それでは質問に入ります。初めに,社会的孤立防止対策の推進についてお聞きします。家庭や地域など地縁,血縁のつながりが希薄化し,DVや自殺,生活困窮,ひとり親,障害,介護,子育てなど様々な課題が複雑に重なる中,コロナ禍によって社会的な孤独や孤立などの状況が深刻化しています。その影響は,特に女性に強く表れていることから,様々な困難を抱えている女性に対する支援の強化は重要な課題であり,就業支援はその大きな柱の一つと言えます。内閣府のコロナ下の女性への影響と課題に関する研究会報告書では,コロナ下の就業状況は女性に特に厳しいものとなっていると強調。その背景として,女性が多くを占める非正規労働者の割合が高く,とりわけ深刻な打撃を被っている飲食・宿泊業などで就業者数が大きく減っていると指摘しています。育児や介護などの事情によりあえて正規雇用ではなく,パートや派遣など非正規雇用という働き方を選択している女性も多くおられます。コロナ禍はこうした女性たちの雇用の場を直撃しました。この状況を踏まえ,公明党女性の活躍推進本部は,本年5月,政府に対し女性活躍加速のための重点方針策定に向けた提言を行いました。その中で女性の就労支援に関しては,デジタル技能を取得,向上できる学び直しや働く環境の改善等を提案したところです。厳しい雇用環境に置かれている女性の就労においては,給与等の収入面だけでなく,家庭との両立など個別の多様なニーズを踏まえた支援が重要と考えます。市民に最も近い行政機関である本市においては,ひとり親家庭やDVなど様々な相談支援事業等に加え,この7月から不安を抱える女性に寄り添った相談支援事業も実施しているところですが,そうした場面でキャッチした就労に関する個別の支援ニーズを受け止め,国や府の就労支援機関や関連する事業等につなげていく役割を拡充し,孤独,孤立からの脱却を後押しすることが,ひいては女性の活躍推進へとつながっていくものと考えますが,御所見をお聞かせください。 次に,様々な課題を抱える女性の中でも就業や収入などの面で厳しい状況にあるひとり親家庭が,このコロナ禍でとりわけ大きな影響を受けています。私もそうした方々から様々な御相談をお受けする中で,母子家庭になるときに養育費の問題や住居,教育,御自身の自立職業訓練などについて事前にしっかりと準備できるようにしなければその後の安定した生活設計が見通せないということを痛感します。現在,国の母子家庭等対策総合支援事業において,離婚協議開始前の父母等に対して,離婚が子供に与える影響,養育費や面会交流の取決め,離婚後の生活を考える機会を提供する講座の開催や,ひとり親家庭支援施策に関する情報提供等を行う離婚前後親支援モデル事業については,その実施主体が地方自治体とされています。実際に,公的機関がこうした取組を行う上で幾つかの課題があることは認識しておりますが,横浜市をはじめとする一部の政令市や都県などでは,既に同事業が行われているところです。そこでお伺いいたします。本市においてもひとり親家庭支援センターゆめあすや関連する機関において,離婚協議の前後から父母が子供の福祉を念頭に置いて離婚後の生活等を考えるための親支援講座の開催や情報提供,個別の事情を踏まえた相談支援を行うなど,ひとり親家庭になる入口での支援を手厚くすることで,後々困難な状況に陥らないようにすることが重要と考えますがいかがでしょうか。あわせて,こうした取組を広く市民の皆様に広報することも重要と考えます。御所見をお聞かせください。 次に,電子図書館・電子書籍貸出サービスについてお伺いいたします。コロナ禍で外出自粛が求められる中,インターネット上で手軽に借りて読める電子書籍利用のニーズが高まったほか,政府の臨時交付金が出たことも後押しとなり,電子図書館の数は本年7月1日現在,全国で222館となりこの1年間で125館増えました。一昨年度の導入が7館にすぎなかったことを考えると,その急増ぶりがよく分かります。こうした動向も踏まえ新たな図書館の在り方を提案すべく,昨年2月市会の予算特別委員会局別審査,本年3月の予算特別委員会市長総括質疑において,本市における電子図書館・電子書籍貸出サービスの導入を求めたところ,利用者にメリットがあるだけではなく,書籍の修理,書架整理,返却督促等の管理面でもメリットがあるため,導入経費を勘案し総合的に検討するという答弁でした。9月1日にデジタル庁が開設され,教育ICT化や社会インフラの一環としてのオンラインサービスが加速化する中,来年度に向けてデジタル教科書の導入など関連する取組が進展するだけではなく,図書館関係の権利制限規定を見直した改正著作権法が施行されれば,図書館サービスがより便利になることも期待されています。今回,政令市で導入している11市を改めて調査したところ,電子書籍の時間別貸出状況では,おおむね3割の方が紙の書籍の貸出サービスを受けることができない時間帯に電子書籍の貸出サービスを利用していること,また貸出年齢では30代から50代の年代の方が全体の6割と多く利用されていることが分かりました。さらに,紙の書籍の返却督促に係る費用では,本市と同程度の人口規模の市で年間260万円を要しているとのことでした。他都市における電子図書館を導入した理由として,コロナ禍にあって子供たちに癒やし,悩みの解決や生き方のヒントとなる本を提供できること,高齢者や障害のある方等が文字拡大や反転・読み上げ機能等を活用し,読書を楽しんでもらえることなどが上げられています。元より,紙の書籍の重要性はいささかも変わるものではありませんが,デジタル化の進捗や電子書籍の普及状況に鑑み,費用対効果などの課題はあるものの,電子書籍のバリアフリー機能,来館困難者の利便性,デジタルネイティブ世代の利用促進などの利点も踏まえ,図書館の改革や効率化を図る観点,未来志向の魅力あふれる図書館に向けて本市として電子図書館を導入すべきであると考えますが,御所見をお聞かせください。 まずは,ここまでの質問について御答弁をお願いいたします。 ○副議長(吉田孝雄) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 松田けい子議員の御質問にお答えいたします。 不安を抱える女性に寄り添った支援についてでございます。本市では,これまでから,様々な困りごとを抱えておられる方々お一人お一人のニーズをしっかりと支援につなげるために,人に寄り添った丁寧なきめ細やか対応を行っております。さらに,本年4月には,孤独・孤立に起因する様々な社会問題に対する取組の融合,充実,強化を図るために,全庁横断の孤独・孤立対策プロジェクトチームを設置し,関係機関,団体等との連携による重層的な支援ができるよう様々な検討を深めているところでございます。特にコロナ禍で困難を抱えられる女性を支援する取組として,本年4月から国の交付金を活用し,ウィングス京都に新たに相談窓口を設置するとともに,相談窓口案内チラシ付きの生理用品の提供を行う不安を抱える女性に寄り添った相談支援事業を開始いたしております。松田議員御指摘のとおり,厳しい雇用環境にある女性に対する具体的な就労支援事業は重要であり,オール京都体制の輝く女性応援京都会議を運営主体とする京都ウィメンズベースでの学び直し,再就職支援の実施,また,京都勤労者学園やひとり親家庭支援センターゆめあすでの資格取得支援講座の開催など,就職を希望するあらゆる方への支援に取り組んでおります。今後とも国や京都府とも連携し,不安を抱えておられる女性お一人お一人に寄り添い,しっかりと支援する取組を進め女性の活躍推進につながるように取り組んでまいります。 次に,ひとり親家庭支援についてでございます。将来の生活の安定と子供の健やかな成長のために,ひとり親としての生活が始まる前から必要な情報を収集することができ,個別の事情を踏まえた相談ができる環境づくりは今日特に重要だと認識いたしております。本市においてはひとり親家庭支援の総合的な相談窓口でありますひとり親家庭支援センターゆめあすにおいて,離婚前からの支援に取り組んでおり,日常生活の相談に加えまして,離婚に伴う重要な取組事項であります子供の面会交流,養育費,慰謝料,親権等について弁護士による無料法律相談等を実施しております。 また,弁護士を講師として養育費と面会交流をテーマとしたセミナーを年2回実施し,離婚手続や子供に与える影響についても取り上げているほか,希望される方には,セミナー終了後に個別相談も実施しているところでございます。松田議員御指摘の手厚い支援につきましては,個別相談における気付きやセミナー受講者へのアンケート等により必要な方に適切な情報提供ができるようセミナーのテーマの設定や内容等を更に検討してまいります。また,取組の周知につきましては,ゆめあすのLINE公式アカウントやメールマガジンのほかに,ホームページや広報誌及びチラシの配架,ゆめあすを利用される方への個別案内等を実施しているところでございます。引き続き,不安に寄り添い子供たちの健やかな成長のためにしっかりとした支援につなげられるように取り組んでまいります。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○副議長(吉田孝雄) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) 電子図書館についてであります。京都市図書館では,これまでから市民の皆様の利便性向上のためオンラインサービスの充実に努めており,平成18年1月のインターネット予約開始以降,スマートフォンに対応するシステム構築や視覚に障害のある方が利用されるデイジー図書のインターネット提供サービスを開始するなど環境整備に取り組んでまいりました。松田けい子議員御提案の電子書籍サービスにつきましては,図書館の利便性を一層向上させ,ポストコロナ時代において読書バリアフリーの観点とこれまで図書館利用が少なかった世代等の利用促進の観点から,大変有意義であると考えております。一方で,図書館で利用できる電子書籍は現時点で提供されるコンテンツ数が少なく,価格も紙の書籍に比べて高額になり,導入済みの政令市における標準的なモデルである導入初年度に書籍3,000点を購入し,以後毎年1,000点ずつ増やすとした場合,初期導入費として約2,100万円,毎年の書籍代等として約660万円の経費負担が生じるなど,費用対効果の検討が必要であるとともに,電子書籍の導入による我が国の図書館サービス全体の向上に向け,国や都道府県レベルにおいて検討されるべき問題でもあると認識しております。今後こうした課題を踏まえつつ,本市の厳しい財政状況の下,現在の図書館運営に係る経費のより一層の見直しなど必要な財源をどのように確保するかを検討したうえで電子図書館の実現に向け引き続き取り組んでまいります。以上でございます。 ○副議長(吉田孝雄) 松田議員。 〔松田けい子議員登壇〕 ◆(松田けい子議員) 次に,真の共生社会・京都の実現に向けたインクルーシブな公園についてお伺いいたします。多様性と調和を基本コンセプトの一つとした東京2020パラリンピック競技大会が閉幕しました。希望と勇気を世界中に届けてくださった選手はじめ全ての関係者に感謝申し上げますとともに,今後,その理念である共生社会を目指す取組がますます重要になってくると考えます。折しも本年4月,共生社会の実現を掲げた改正バリアフリー法が全面施行されたことから,本市においてもその取組を大きく進展させていかなければなりません。本市の公園施設整備については,これまでバリアフリー法や都市公園の移動等円滑化整備ガイドライン等を踏まえつつ,はぐくみ支え合うまち・京都ほほえみプランに示されているユニバーサルデザイン,人にやさしいまちづくりの推進,すなわち京都に住む障害のある人もない人も,全ての人が暮らしやすいのはもちろんのこと,京都を訪れた人も快適に過ごせるまちづくりを推進するため,ユニバーサルデザインの考え方を採り入れながら,公共交通機関,道路,公園,建築物等のバリアフリー化を更に進めるとの方針に基づいて取り組まれています。現在,我が会派の国本友利議員の提案を踏まえ,公園出入り口のバリアフリー化が必要な公園についても順次対策が講じられているところですが,共生社会の取組を加速するためには,心のバリアフリーの促進も重要であります。そうした観点から障害のある人もない人も一緒に遊ぶことができる公園,いわゆるユニバーサルデザインによるインクルーシブな公園の整備という新たな公園づくりが国内外で進んでいます。インクルーシブな公園は自分に合った方法で利用でき,体を動かす遊びに加え,感覚刺激を伴う遊び,自然を採り入れた遊び,人と関わる社会的遊びなど,遊びのタイプや挑戦のレベルが豊富で多様な誰もが迎え入れられ,人々や地域とのつながりを感じられるなどの特徴が挙げられます。具体的には,車椅子でも利用できるスロープがある滑り台,体を固定して乗ることができるブランコ,手話のアルファベット図解や耳で音を楽しむ遊具など,障害のあるなしにかかわらず,遊びを通して色々な違いがあることを自然に学べるようになっています。実際に利用されたお母さんは,誰もが一緒に遊べる公園を造ることは,ハンディキャップのある子だけでなく,障害のない子供の成長にもつながることができ,今まで関わる機会がなかった子供たちが一緒に遊ぶ姿を見て,子供同士は遊びを通して自然と分かり合えることを実感していますと感想を述べられています。既に砧公園をインクルーシブな公園とした東京都では,更なる整備や仕組みづくりが進められているほか,名古屋市でもその導入が決定しています。また,クラウドファンディングを活用して予算を確保し,インクルーシブな遊具を設置している事例として,三重県松阪市の松阪農業公園ベルファームでは,ハンモック型遊具に加え,目標額250万円に対し300万円を超える寄付が寄せられ,2基目の遊具である車椅子のままでも乗ることができるトランポリン遊具を設置しました。山梨県の県立愛宕山こどもの国公園でも同様の取組が行われています。こうした事例により,今後様々な人々の参加と協力で地域に根差したインクルーシブで魅力的な公園が広がっていくことを期待させます。障害のある人もない人も一緒に遊べるインクルーシブな公園こそ共生社会を目指す本市として整備すべきであり,今後の整備方針においてもメインテーマとして位置付けていくべきではないでしょうか。例えば,私の地元山科区の東野公園や勧修寺公園などを再整備する際には,クラウドファンディングや民間活力をいかしたネーミングライツも積極的に活用するなどして,インクルーシブな公園や遊具を導入すべきと考えますがいかがでしょうか。 最後に,公明党が推進してきた分譲マンションの管理適正化についてお伺いいたします。昨年6月,長期にわたるマンションの安全を確保するため,マンション管理適正化法が改正され,地方自治体に対してマンション管理適正化推進計画の策定と共に管理状況を把握する仕組みや管理計画認定の制度化が求められることになりました。近年,分譲マンションでは建物,設備の老朽化と区分所有者の高齢化という二つの老いに起因し,修繕積立金の不足や管理組合の担い手不足等によって適時適切な大規模修繕工事が実施できず,管理組合の運営ができない等の課題を抱えている事例が多々あることが指摘されてきました。そうした管理不全の状況はマンション住民だけでなく周辺地域へ与える影響も大きく,分譲マンションの適正な維持管理を促進し,管理不全の予防を図ることは,公共性,公益性の観点からも特に集合住宅が集積する大都市においては重要な課題となっています。これまで京都市ではマンション管理セミナーや管理組合に対するアドバイザー派遣制度など,管理不全の可能性がある分譲マンションに対し積極的な支援をされてきていますが,今後,分譲マンションの老朽化が更に進展し,支援を必要とする管理組合が増加することが予想される中で,本市としても本腰を入れて取り組むことが求められています。本市においては,新たな京都市住宅マスタープランにおいて,改正法の趣旨を踏まえた取組を実施していく予定とされていますが,今後,このプランに示された施策を具体化し,管理状況に課題を抱える分譲マンション管理組合に対する適正な維持管理への転換の支援,また,管理不全の可能性を未然に防止するため,管理状況の実態を把握し,早期に支援につなげる取組を講じることで,課題解決が図れるのではないでしょうか。その意味で法改正により新たに創設されたマンション管理計画の認定制度は,管理組合にとって適正な管理に取り組む動機付けとなるだけでなく,マンションのライフサイクルが確立され,資産そのものの価値向上や安定性に資するものと大いに期待されるものです。神戸市では,マンション管理状況の届出制度と共に,全国に先駆けた情報開示制度の運用を本年3月から開始し,金融機関や専門団体と協定を締結し,情報発信や相談,金融支援を提供する等の取組をしていますが,京都市においても,幾つかの自治体で実施されているこうした届出並びに情報開示制度等の先進的な取組も参考にしながら,積極的な取組を進めるべきと考えます。そこでお伺いいたします。今回の法改正の趣旨を踏まえた計画の策定推進と管理計画認定制度の創設など具体的な施策を管理組合並びに区分所有者の住民組織のみならず,住まい関係団体との連携の下に取り組み,持続可能な住まい政策の一環としてマンション管理の適正化を一層図るべきと考えますがいかがでしょうか。御所見をお聞かせください。 以上で私の質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(吉田孝雄) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 引き続き,松田けい子議員の御質問にお答えいたします。 私からは,公園の整備についてでございます。公園は子供からお年寄りまで幅広い世代の方々が利用され,健康の増進や地域コミュニティの形成の場,さらには,災害時の避難場所など幅広い機能と役割を持つ貴重な都市空間でございます。そのため,公園の再整備に当たってはみやこユニバーサルデザイン推進指針に基づき地域の皆様とワークショップを重ね利用者である市民の皆様の多様な視点を採り入れることにより高齢の方にも御利用いただける背伸ばしベンチなどの健康遊具の設置や,幼児や障害のある方も御利用いただきやすい皿型のバスケットブランコ,クッション性のあるボール型の遊具の設置など,全ての方にとって利用しやすい公園づくりに取り組んでまいりました。松田議員御提案のインクルーシブな公園は御紹介いただきましたとおり,障害のある方もない方も一緒に遊ぶことのできる遊具等を備える点で,これまでの公園整備の考え方を更に進化させたものであると認識をいたしております。あらゆる人を包摂し機会を提供するインクルーシブの理念は極めて重要であり,今後,国や他の都市の動向など研究を進めるとともに,公園や遊具の整備に当たりましては厳しい財政状況も踏まえ,市民,事業者の皆様から志や御支援をいただく方向も検討いたしながら,誰もが共に楽しみ,憩うことができる公園づくりに取り組んでまいります。以上でございます。 ○副議長(吉田孝雄) 鈴木都市計画局長。 〔鈴木都市計画局長登壇〕 ◎都市計画局長(鈴木知史) 分譲マンションの管理についてでございます。市内に約11万戸ある分譲マンションは重要なストックである一方,区分所有という性格上,管理組合が適切に維持管理を行わないと空き家化が進み周辺環境に影響を及ぼす懸念もございます。このため本市では専門家による支援制度等を創設し,分譲マンション建替え・大規模修繕アドバイザー派遣事業では,派遣した76マンションのうち73件で改修が進められるなどマンションの適正管理を支援してまいりました。また,新たに策定いたしました住宅マスタープランにおきましても,適正管理を促進するための支援策の一つとして,マンション管理適正化法の改正に基づく適正化推進計画の策定を掲げたところでございます。この計画の策定によりまして,適切な管理がなされているマンションを認定する制度の導入が可能となり,松田けい子議員御指摘のとおり,管理組合にとって更なる適正管理の動機付けにもなると考えております。現在,計画の策定に向けましてマンション管理士会等の関係団体と連携し検討を進めており,この度国から示されました計画認定に当たっての留意事項等に関する指針を踏まえ,今年度中には策定し,改正法が施行される令和4年度には認定制度を導入してまいります。あわせまして,認定されたマンションではその購入に当たり長期のローンを組めるよう金融機関に働き掛け,中古マンションが市場において適切に評価される環境整備を促進してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(吉田孝雄) 暫時休憩いたします。 〔午前11時37分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(田中明秀) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 休憩前の一般質問を継続いたします。市政一般について,天方ひろゆき議員に発言を許します。天方議員。 〔天方ひろゆき議員登壇(拍手)〕 ◆(天方ひろゆき議員) 西京区選出の天方ひろゆきです。民主・市民フォーラム京都市会議員団を代表し,片桐直哉議員と共に質問させていただきます。 初めに,本市ではコロナ禍にありデルタ株が猛威を振るう中,感染によりお亡くなりになられた方に御冥福をお祈りしますとともに,療養中の皆様に対しお見舞い申し上げます。また,昨年に新型コロナウイルスが発生して以来,医療に関わる関係者の方々に対しまして日々の御尽力に感謝を申し上げます。 さて,本市では令和2年度の決算が報告され,対策を実施した結果,歳入,歳出の規模は過去最大となり,一般財源収入や施設の使用料収入が減少する中,社会福祉関連経費の増加などにより172億円の赤字になり,極めて厳しい決算内容でありました。公営企業決算では,市バス・地下鉄事業では,1日当たりの乗客数は市バスは前年度比マイナス30.7パーセント,10万9,000人。地下鉄はマイナス33.2パーセント,13万3,000人の減少,資金不足比率は,経営健全化基準の20パーセントを大きく上回る62.6パーセントとなり,経営健全化団体に陥ります。上下水道局では飲食店の営業中止などにより使用水量が減少し,水道料金,下水道使用料金が大幅に減少しました。そういう状況の中,本市では令和3年度から7年度までの5年間の行財政改革計画が発表され,令和3年度予算での改革を踏まえても令和4年度以降改革が行われない場合,令和8年度に公債償還基金は枯渇し財政再生団体に陥る極めて厳しい内容であります。今後の財政運営を考えると前プランの最終年度の令和2年度はコロナ禍の影響を受けた決算であり,また,国の特別定額給付金などの増加が大半を占めるとはいえ,令和元年度の一般財源は最高額でありながら計画目標であった特別の財源対策からの脱却ができなかった経緯があること,今後もコロナ禍の影響を考えると財政とコロナという二つの危機は行財政改革計画の最大の課題であります。前プランでは社会福祉費の自然増に対応する中,本市の特性であり守り続けてきた高齢者福祉,子育て環境の充実に取り組み,公債償還基金などの取崩しをしてでも市民の福祉政策を実現してきた経緯があります。しかし,この度の計画では保育所などに対する助成や敬老乗車証の交付などの本市独自の事業,雨に強いまちづくりをするための下水道事業や国民健康保険事業への一般会計からの繰出金など,国基準を上回る事業で事業金額が示され,制度を持続可能にするために見直しをするとしています。本市独自の事業では,高齢者,障害者,ひとり親家庭の医療費助成などの社会的,経済的に孤立を感じる弱者に対する事業を実施,国基準を上回る事業では,市立病院や市立芸大,本市の都市格を格付ける文化や観光の振興事業に本市の単費を計上しています。今後,非常に厳しい財政運営をしていくうえで,施策の理念をいかしつつ,政策,制度の主旨を今一度広く市民に認知していただくと同時に,その必要性の聞き取りをし,費用の削減により市民が暮らす上で必要以上の不利益を被らないように細心の注意を払い,今後の政策制度設計に努めていただきたいと存じます。いかがお考えですか。 財政とコロナという二つの危機を考える場合,財政の危機について,歳出は毎年約500件,約200億円の補助金支出では市民目線を採り入れながら今までの経験値とこの度の改革計画を実践しなければなりません。前プラン時には事業額の減少による財政効果を実現してきましたが,今回は事業の見直しが求められます。補助金の支出は,長年の事業執行により支出先との関係が構築されています。支出先の事業が補助の主旨に合致するか,今後自立するにはどうあるべきか,それをサポートする視点が必要です。投資的経費では前プラン後期では新庁舎などに国庫補助金などが活用できず,結果として一般会計の負担になり財政を圧迫していました。今計画では投資的経費の上限値は毎年約170億円にすると決定しました。今まで本市では京都市美術館,南部クリーンセンター第二工場などを建設してきましたが,道路,公園などに見られる公共事業もバブル終えん以降,全国的に予算額が減少してきた中,近年の本市においても充分な予算の確保ができていません。そのうえで,高度経済成長期に多数建設された公共施設が老朽化することが予想される中,本市では平成27年3月に京都市公共施設マネジメント基本計画を策定しました。その経緯を踏まえ既存の施設の存続や投資の必要性を細かく精査していく必要が生じます。財政が厳しいことを考慮し,民間活力の導入や府市協調,国庫支出金などの活用により市民に安心安全の暮らしを提供できるようお願いいたします。いかがお考えですか。 歳入においては,本市の基幹税目は個人市民税,法人市民税,固定資産税が大きな自主財源であります。この税目を他都市と比較すると,個人市民税は高齢者や学生が多く,生産年齢人口の割合が少なく,法人市民税は企業収益に応じて課税される法人税割は,市内上位0.2パーセントの30社が30パーセントから50パーセントを超える税金を納めています。固定資産税では本市は三山に囲まれ,市街化区域では木造家屋が多いなど,他都市に比べそれぞれの基幹税収の対象である労働者や企業,土地などが少ない状況です。税収効果ではマイナス要因に働く要素があるものの,大学生が卒業後働いたり,暮らしたり,99パーセントを占める中小企業が地域企業として活躍していただくこと。その企業で働きやすい環境をつくっていただくこと。また,町家や空き家の利活用も重要です。大学生が,女性が,働く人が,地域企業が,生き生きと活躍され,町家が活用されるなど本市が伴走,支援しながら増収を図ることを求めます。いかがお考えですか。 一方,コロナの危機においては,命の安全と経済の循環という二つの課題があり,飲食ではデリバリーやテイクアウト,市民生活でコロナ環境の安心安全対策やリモートワークでの生活など劇的な変化が起きている中,命の安全はコロナ対策が,国・府に権限が集中するとはいえ,市民が安心安全かの責任を感じるのは第一に本市であり,新型コロナワクチン接種事業をはじめコロナ対策・施策が実行されることを強く求めるものであります。経済の循環については,本市は令和15年度までに都市成長戦略により,一般財源収入を税収ベースで400億円以上増加させるとしています。そのうえで,新たな価値を創造する五つの都市デザインとして若い世代に選ばれる千年都市,文化と経済を創出する都市,持続可能性を追求する環境・グローバル都市,「知」が集うオープン・イノベーション都市,伝統,先端が融合するデジタル創造都市をうたっています。どの都市デザインも企業やNPOなどの民間活力や市民の本市政策への理解が必要ですが,コロナ禍が続く中本市経済は疲弊しています。飲食業のみならず本市経済の実態をしっかり調査することが重要です。行財政局においては,宿泊税の減収,交通局への繰入金の増額が予想されますが,そのうえで,本市の特性である観光・文化の振興,地下鉄,市バスの運行などについて,全局協力の下,再生させる事業を提示し,市民に御協力をいただかなければなりません。それでこそ令和15年までの増収目標の達成について,コロナで疲弊した本市の市民や企業から理解,協力が得られるはずだと思います。いかがお考えですか。 次に,本市の今後の住宅政策についてお尋ねします。本市では人口減少社会の到来や若者,子育て層の市外流出などが喫緊の課題である中,この度新たな京都市住宅マスタープランが策定されました。住宅供給の動向は新築住宅はほぼ横ばいで推移し,既存住宅の流通量は少しずつ増加していますが,若年世代では市内中心部で地価高騰により住宅購入が難しくなっていたり,既存の住宅は民間賃貸住宅を含め空き家は約10万6,000戸であり,所有者が誰か,防犯上どうかという課題があります。賃貸住宅は単身住戸が多く,子育て世帯に適した広さの住宅が少ない。あわせて,分譲マンションの半数以上は10年後,築30年以上で4割程度が高度地区で既存不適格建築物になり,市営住宅は約2万3,000戸の約23パーセントが空き家で平成25年度から公募申込は徐々に減少しています。本市は住宅政策を持続可能にするため京都に暮らす魅力が広く認知され,多様なニーズに応える住まい探しの環境が整い,居住ニーズに対応した住宅及び環境が適切に維持されていることを将来像にしています。少子高齢化が進む中,高齢者になってからや,子育て世代の住み替え,単身者の増加,子育てや趣味や恋愛,ワーク・ライフ・バランスに伴う仕様,単身の高齢者や単身の若者たちが助け合って暮らす仕組みなど,これからの世帯状況の変化や生活スタイルに応じての住宅政策が必要であり,本市の政策に基づいて民間活力導入が必要です。このような課題に対しての住宅提供についていかがお考えですか。住宅政策は民間活力の導入は極めて重要です。土地,住宅の建築や売買について,事業者の知識不足やコミュニケーション能力の不足を感じている市民もおられます。一方で本市の政策やコミュニティの形成を考える協力的な事業者もおられ,高齢者など住まい探しに協力するすこやか賃貸住宅協力店として登録していただいたり,住宅開発時にごみ置き場の定点場所への協力など売却後も協力していただける事業者もおられます。本市の住宅政策を市民に知っていただくと同時に,安心して住宅の購入や優良住宅の紹介などができるように,本市が優良事業者を認定するなど施策に取り組んでいただきたいと存じます。いかがお考えですか。 最後に,洛西地域における公園の利活用についてお尋ねします。本市では,今年4月,大宮交通公園がリニューアルオープンし,緑があふれる公園を多くの家族連れが楽しんでおり,自転車を通じて学び楽しむ場になっています。また,市内の大規模公園である梅小路公園には,京都水族館や京都鉄道博物館,冬期にスケートが楽しめるビバスクエア京都があり,本市の市民に限らず多くの方がこれら公民が連携して整備した施設を利用し,幅広い世代にわたり楽しまれている様子が伺えます。しかし,今後本市の財政が厳しさを増すことから公園建設,特に大きな敷地面積を有する公園の建設は極めて難しい状況となります。そのような中,住民の憩いの場所である身近な公園については,安心安全に利用できること,地域の実情に応じた施設が設けられていること,地域のまちづくりに寄与することの三つが求められていると考えます。私の地元である西京区では,先日,洛西ニュータウン内,福西学区の竹林公園内に子どもの広場がリニューアルオープンし,コンパクトであるものの竹林丘陵地の斜面をいかして京都府向日市の竹の径とも隣接したすばらしい施設となりました。元来,洛西ニュータウン内には比較的大きな規模の公園が配置されておりこの地域における魅力向上につながってきました。しかし,まち開きから長い期間が経過していく中で,施設の老朽化が進み利用者にとって魅力が低下してきたため,平成29年度から洛西ニュータウンの魅力ある公園整備が始まり,今年度まで公園内の施設の新設や更新,繁茂した樹木の整理などが進められています。洛西ニュータウン周辺では松尾から連なる東海自然歩道や唐櫃越え,大原野で農業振興用地を中心に田園風景が広がり,西山山麓には大原野森林公園があります。洛西ニュータウン内の公園を点で捉えるのではなく,周辺地域と共に捉えることで歩行者や自転車で楽しむことができ,それにより本市が進める施策,歩いて楽しいまちづくりにも寄与できると考えます。まちづくりの観点では洛西ニュータウン内の4学区にはそれぞれサブセンターが設置され,開発当時の趣旨である生活に密着した商店街機能などから福祉や教育機能を持つ店舗付き住宅が増加している中,平成28年度のサブセンター利用者アンケートによると,開発当時の住民の期待感からかなりかい離している数字があります。近年では新林サブセンターにおけるスーパーの撤退など,洛西地域では急激な少子高齢化を迎える中,買物環境や交通機能の充実は常々の課題であり,この課題の解決のため,例えば公園にスーパーや飲食店,自治会館などの新たな設置場所としての可能性を見出すことによって公園機能の充実はもとよりサブセンターの未来に向けた新しい取組を促すことも考えられます。さらには,洛西地域を流れる一級河川小畑川の河川敷には本市が管理する小畑川公園があり,住民の皆様により河川清掃や植樹をしていただいたりカワセミなどの野鳥撮影スポットでもあります。また,公園内には文化市民局所管の野球場やテニスコートなどもあります。公園や道路は市民全体で共有するものであり,特定の利益や個人が使用する場合,占用許可などが求められますが,例えばその場所にキッチンカーの乗り入れを許すことにより,魅力が向上することも考えられます。また,公園内やバス停付近の歩道に自転車や高齢者用自動車などの駐車スペースを確保することにより,例えばシェアサイクルの導入により自宅と公園,サブセンター,バス停を結ぶことで買物や食事や趣味を楽しむことができるなど,まちづくりの可能性が広がると思います。洛西にキッチンカーがあり食事が提供できる公園,花や植物の鑑賞や釣りができる自然いっぱいの公園,キャンプやアウトドアが可能な公園,スポーツやスリーエックススリーやスケボーなどができる公園など,民間の力を活用し,公園の機能を充実させることで,幅広い方が利用する公園が増えれば洛西ニュータウンのまちづくりにも大きく寄与します。潤いのある豊かな暮らしが提供できるような公園にするための取組を進めていただきたいと思っています。いかがお考えですか。 これで私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 天方ひろゆき議員の御質問にお答えいたします。 今後の財政運営についてでございます。本市におきましては,長きにわたり国の水準を超える福祉,子育て支援,教育等を維持,充実するとともに,市民生活の安心安全につながる都市基盤の整備,さらには全国をリードする環境政策や京都ならではの文化,景観の保存,再生,創造に取り組み,市民生活の豊かさや国内外から高く評価されている都市格の向上を図ってまいりました。一方,これらの本市の独自施策の財源を確保するために職員数の削減などの改革を間断なく進めてまいりましたが,市税収入が他都市よりも少ない中,地方交付税が大幅に削減されることなどもあって施策の水準の維持に必要な財源が不足し,公債償還基金の計画外の取崩しなど将来世代への負担の先送りとなる特別の財源対策により補填せざるを得ない実質的な赤字状態が続いております。今後も高まる福祉,子育て支援,安心安全のニーズに的確に対応し,市民の皆様とつくり上げてきた魅力あふれるこの京都を次の世代に引き継ぐためには,収入・支出両面での改革を実行し,この赤字状態を解消しなければなりません。改革に当たっては,単に収支の帳尻を合わせるために本市が大切にしてきた独自の施策を国や他都市並みの水準に削減,廃止するのではなく,施策の理念を守りつつ,子や孫たちに将来過度な負担を負わせない持続可能なものにするために,事業の効果を一つ一つ検証のうえ社会経済情勢の変化に応じて再構築し,改革により得られた財源をより公的支援が必要な方に再配分し,セーフティネットを維持してまいります。こうした財政の現状と改革の理念を市民の皆様に丁寧に説明し,共有するとともに必要に応じて関係団体の皆様と意見交換も行いながら改革を進めてまいります。補助金につきましてもその必要性や効果が変化していないか,類似の補助事業の統合等により費用対効果の向上を図れないかなどの視点で見直してまいります。また,投資事業につきましては,将来負担を的確にコントロールしつつ防災・減災事業,子育て・教育環境の充実等に資するものについては着実に進めなければなりません。今後,公共施設の老朽化対策の増加が見込まれることも踏まえまして,施設の総量についても人口減少やデジタル化などの時代の変化や民間によるサービスの充実なども考慮し,見直してまいります。また,財源につきましても後年度負担の少ない市債の活用や民間活力の積極的な導入を進めるとともに,国や府の補助金等についても最大限活用してまいります。今後も市民の皆様と危機感と将来展望を共有しながら行財政改革を進め,京都の持つ魅力を更に磨き上げ,未来へつなぎ,明るい未来を切り開いていくために覚悟を持って改革に取り組みます。 次に,歳入の増加策,成長戦略についてでございます。本市経済の実態につきましては,政府や日銀等の様々な統計資料のほか,本市独自の経営動向実態調査により状況を把握するとともに,経営相談等の実施,金融機関や業界からのヒアリング,経済団体との意見交換を通じてしっかりと事業者の声に耳を傾けながら把握に努めておりますが,コロナ禍の影響が長期化する中,本市の多くの地域企業が極めて厳しい経営状況にございます。そこで,一昨日議決いただきました中小企業等再起支援補助金,応援金を事業の継続を図られる皆様にしっかりお届けするとともに,この間の国,府,市の様々な支援策を活用いただくなど,地域企業の下支えや市民生活と調和した観光の回復により地域の活気を取り戻してまいります。そのうえで,人口減少社会の中にあっても京都のまちがこれからも持続的に発展していくためには,都市の成長戦略により地域企業が活性化し,市民の暮らしが豊かになることで市町村の基幹的な税である個人市民税,法人市民税,固定資産税といった税収をしっかりと確保することが必要でございます。そのために,市民の皆様の暮らしや地域の雇用を支える京都産業の基盤であります地域企業の成長を支援し,その魅力や雇用吸収力を高めることが重要です。具体的には女性,高齢者,学生,障害のある方,様々な能力を有する外国人材等といった多様な担い手が活躍できるように多様性と包摂性のある働き方の定着に向けまして地域企業でダイバーシティ経営の導入支援,多様な働き方に対応できる京町家等を活用したオフィス環境づくりなどに取り組んでまいります。また,多くの学生さんが京都の地域企業を働く場として選択し,卒業後も京都で暮らし続けられ,働けるようにスタートアップやソーシャルビジネスが集積し,イノべーションが生まれるエコシステムの構築や新たなビジネスを生み出す伴走支援,様々なコワーキングスペースやオープンイノべーションの拠点の活用など,経営力,雇用吸収力の向上につながる下支え支援に取り組むとともに,地域企業の魅力発信と学生とのマッチングを一層推進してまいります。こうした取組を進めるために天方議員御指摘のとおり,市内の企業,市民の皆様の御理解と御協力が何よりも大切であります。歳入増加に向けた将来ビジョンを市民,事業者の皆様としっかりと共有し,京都企業の振興はもとより新たな企業の誘致も含めまして,企業の集積が文化や大学,地域力と相まって京都の魅力向上につながる好循環を創出することで,高い目標を掲げた都市の成長戦略を実現してまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 私から2点,まずは住宅政策についてでございます。本市では人口減少,少子化傾向の継続,高齢者の増加,単身化が進んでおり,天方議員御指摘のとおり,これからの住まいは暮らし方,働き方の多様化に加え,世帯状況の変化等に対応していくことが必要です。この度に策定いたしました新たな京都市住宅マスタープランにおきましても,様々なライフスタイルの下で住み慣れた京都に住み続けたい,新たに京都に住みたいという思いに応えられるよう多様なニーズに対応した住宅供給の推進を掲げております。民間企業の御尽力により近年オフィスや工房が共存した住宅や子育てしやすい空間,機能を備えた住宅,単身高齢者の見守りサービスなどがセットとなった住宅,さらには,脱炭素社会を実現するための環境配慮型の住宅など,多様な住まいのニーズに応えた事例が増えつつあります。不動産,建築事業者の皆様とも連携してこれらの事例を数多く収集し,幅広く発信するとともに,金融機関の御協力の下,良質な住宅が市場で評価され,流通しやすい環境づくりを進め多様な住宅の供給促進を図ってまいります。また,プランでは新たに伝わる,伝える住情報の発信を掲げており,市民の住まいに対するニーズが多様化する中,様々な場面で市民の皆様が住宅,住環境や事業者に関して求める情報を分かりやすく入手できる環境が必要です。本市には京都市地域の空き家相談員,すこやか賃貸住宅協力店などの身近な地域の不動産事業者,大工,建築士などのまちのたくみなど,住宅行政の推進に協力的な事業者が多数おられます。また,住まいのワンストップ総合相談窓口であります京安心すまいセンターにおいても,様々な分野の民間事業者・団体同士のネットワークを持っています。これらのネットワークをいかし,今後,不動産,建築・リフォーム,居住支援,空き家,京町家,マンション等に関し実績のある事業者,専門家を登録するとともに,研修等で更なる専門性の向上を図りこのような事業者等を一元的に紹介する仕組みを構築し,住情報発信の充実を図り,市民の皆様の多様な住まいニーズに対して総合的に支援してまいります。 続きまして,洛西地域における公園整備についてでございます。市民一人当たりの公園面積が11行政区で最大である西京区において,とりわけ洛西ニュータウンには生物多様性の豊かな魅力ある公園が多数ございます。本市ではこれまでから将来の世代に受け継ぐ魅力的なまちづくりを目指して策定したアクションプログラムに基づき,地域の皆様との協働の下で公園再生の取組を面的に展開しております。今年7月には洛西竹林公園子どもの広場を子供たちが自然の地形や竹,水などを使って遊べる場所としてリニューアルオープンし,笑顔があふれる公園に生まれ変わりました。また,NPO法人による子供向けのワークショップ等の利活用も始まっております。さらに,公園や緑地の老朽化による魅力低下が課題となっておりましたけれども,小畑川中央公園など10箇所において今年度中の完了を目指し再整備を進めており,身近な憩いと遊びの空間として地域の魅力の更なる向上が期待されます。一方,天方議員御指摘のとおり,買物環境や交通機能などの課題を抱える洛西ニュータウンにおいては,民間活力の導入も視野に入れながらキッチンカーやアウトドア,スケートボード等の利用を可能にするなど,公園ごとの特性をいかして地域の課題解決につながるような公園の利活用を進めることが重要であります。また,地域の皆様からも公園が更ににぎわい,交流する場となるようカフェ等の誘致を求める声もいただいておりますことから,そうしたお声を踏まえ公園の柔軟な利活用のアイデアを募集し試行的に実施する公民連携公園利活用トライアル事業を洛西ニュータウンのエリアにおいても新たに展開してまいります。今後も,この事業で得られた成果を検証しながら,引き続き美しい自然や風景,歴史文化資源など洛西地域の魅力を発信してまいります。同時に,本市の都市づくりの基本方針である京都市都市計画マスタープランにも基づき,人口減少や急速な高齢化,災害の激甚化等の社会的課題の克服にも寄与する持続可能でより多様なニーズに対応したグリーンインフラとしての公園づくりに公民連携で取り組むことで潤いのある豊かな暮らしを創出してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,市政一般について,片桐直哉議員に発言を許します。片桐議員。 〔片桐直哉議員登壇(拍手)〕 ◆(片桐直哉議員) 私は,北区選出の片桐直哉でございます。民主・市民フォーラム京都市会議員団を代表し,天方ひろゆき議員に引き続き,市政一般について質問いたします。 本年8月に今後5年間にわたる行財政改革計画が策定されました。京都市はこれまでから厳しい財政状況を抱えており,2001年の財政非常事態宣言以降,様々な改革に取り組んできました。本来であれば,先の京プラン実施計画において,昨年度末で特別の財源対策から脱却できているはずでありました。なぜ20年も前から財政状況が悪いことは分かっていて,人件費の削減や事業の見直しを繰り返し行ってきたにもかかわらず,同じように改革を繰り返さざるを得ない状況になっているのか,抜本的な解決に至っていないのかという点に目を向けなければなりません。どの支出を削って,どの部分で負担増を求めていくか。いつまでに財政を好転させるのかという結果の部分にしか目が行っていないと,同じ状況が何度も繰り返されてしまうのではないでしょうか。今までと同じように,改革を行ったけれども結局財政は好転をしなかったということにならないよう,これまでの市役所の意思決定過程を検証し,財政再建を軌道に乗せるとともに,行政の質を向上させる改革としていくために組織風土の改革に取り組むことが必要ではないかと考えています。まず,指摘させていただく点は,これまでの市役所の意思決定の中で豊富な行政経験を持つ職員が全員で率直に意見を出し合い,徹底的に議論し,より良い政策決定をしていくということが,これまでからできていたか,他の部局の事業であってももっとこうするべきなんじゃないか,その予算の使い方でいいのか,もっといいやり方があるんじゃないかという議論が活発にできていたかということです。今回,市役所内で部長級以上の職員が主たるメンバーである局区等横断的に開催されている29の会議について資料提供いただきました。多くの会議で基本的には報告と情報伝達が主となっていて,それを受けて全員が発言をするという状況にはなっていないことや,ホワイトボードなどを使い議論を可視化できるようになっていないこと,議事録が作成されておらず参加者が後で会議内容を振り返ることができないなどの課題があると感じました。いかなる個人より全員の方が賢い,これは,本年3月に策定された京都市職員力・組織力向上プラン3rdステージの中に書かれている言葉です。私はこの考え方が本当に今の京都市に必要なものだと思います。資料から分析する限り,行財政改革の議論の中で市長,副市長をはじめ幹部職員が集まる会議において活発な議論が展開される場面がまだまだ少なかったのではないかと感じています。もっと京都市の幹部全員が率直に意見を言い合い,縦割りを排し,前例に捕らわれず議論し新たな挑戦をしていくということができてくればそれぞれの部署での課長級以下の会議や,現場での日常のコミュニケーションにおいても,もっと上司と部下が一体となって考えていける組織風土が生まれてくるのではないでしょうか。実際に,組織開発と呼ばれる風通しの良いチーム力を発揮できる組織づくりの取組を行った先進的な企業や自治体の事例を調査いたしましたが,風通しの良い職場づくりは,スローガンや精神論,個人の資質向上で実現されるものではなく,今まで行われていなかった議論の場の設定や,会議における議論の可視化,全員が発言するというルールづくりなど,率直な意見交換をし,意思決定への納得感を高めていくための具体的なシステム変革が必要であるということが見えてきました。市役所が組織として危機や変化を乗り越えられるチーム力を高めていくために,例えば局区長会などの会議においてもっと積極的な議論を生み出す形に見直していくことが必要と考えますがいかがでしょうか。あわせて,京都市職員力・組織力向上プラン3rdステージに書かれている前例に捕らわれない挑戦・改革の風土のある組織づくりや,個々人の強みをいかし,弱みを補い合う職場づくりには職員が率直に発言したり,懸念や疑問やアイデアを話すに当たって安心して発言できるよう心理的安定性のある環境を作っていくことが必要です。民間企業ではこうした心理的安全性を高める取組として,上司と部下が1対1で話すワン・オン・ワンを実施するところが増えています。市役所でも上司と部下が1対1で話す仕組みとして,人事評価制度の一貫として年3回面談する機会を設けていますが,1箇月に1回などより高頻度に15分程度の短い時間であっても継続的に持つ仕組みを導入していくことが有効なのではないでしょうか。厳しい財政状況ということが言われる中で,職員の意欲,意識を向上させ,能力を引き出すために,また,職場への信頼感や思い入れ,いわゆるエンゲージメントと呼ばれるものを高めていくためにも,京都市役所において上司が部下を指導,指示するだけではなく,ワン・オン・ワンのように上司が部下を一人の人間として尊重しながらコーチングを交えて対話する場を継続的に持つ仕組みの導入をしていくべきではないかと考えますがいかがでしょうか。先ほどの会議手法のことと併せて,単に支出を削るだけにとどまらない市役所全体の組織風土の改革に向けた取組としてお考えをお聞かせください。 次に,今後の行財政改革の取組における市民参加についてお聞きします。行財政改革計画案へのパブリックコメントでは3,610人の方から9,013件のコメントが寄せられました。この多くのパブコメはまちのことを真剣にお考えになって,時間を使って,御自分の言葉で書かれて意見を出されたものです。しかし,改革計画に市民の様々な立場,観点からの御意見が全て反映されたとは言いがたく,結局,言ってもどうせ何も変わらないと失望を持たれた方も多くおられます。また,これまでから様々な事業で市役所と協働してこられた市民や団体の方々の中にも,ほとんど意見を伝える機会もないまま改革計画が策定され,今まで市と一緒にやってきたのは何だったんだろうと疑問が生まれています。そうした方々のまちへの思い,エネルギーをいかしていく方法をしっかり考えていくべきだと私は思います。自分たちの思いを言ったら受け止めてもらえると多くの市民に実感されるようにしていくことが選ばれる都市になっていくことにつながってくるのではないでしょうか。京都市役所においては,これまでから市民協働を市政運営の基本原則にしてきました。市民協働の実現には市民と行政が対等な立場で,互いの立場に立ってそれぞれの声を聴き合い,現状についての対話を重ね,京都市の未来についての議論を深めるというプロセスが必要不可欠であり,行財政改革が参加と協働にはなじまないとは思いません。最近では,京都市は市民協働イノベーションエコシステムというものに注目し,研究も始められています。市民に分かりやすく情報発信するということにとどまらず,財政破綻の危機という課題を市民社会との協働で乗り越えていくことが大切です。行財政改革を進めていくことや成長戦略を形にしていくには,外部の視点を導入して定期的に点検,検討をしていくこと,新たなアイデアを取り込んでいくことが必要であると考えますが,そうした場面で行政が選んだのではなく,自ら手を挙げた一般の市民やNPOや地域企業の方など多くの方に入っていただき,協働して進めていくということはできないでしょうか。そうした協働の中で,今まで掛かっていた予算を減らしても市民の満足を高められるもっといいやり方が見付けられるかもしれません。若い世代が住みたいと思う都市になっていく,もっといいアイデアが出てくるかもしれません。何より市民参加で行財政改革を進めていくことは,失われた京都市の行政運営への市民の信頼を回復していくことにつながってくるのではないでしょうか。コロナ禍で,オンラインを活用して議論をするということに多くの市民も慣れてきています。市役所内に市民協働ファシリテーターもたくさんおられます。広い会場を借りて,大きな経費を掛けなくても,市民参加で議論できる可能性は広がっています。京都の市民力を信じ,職員や有識者の議論だけでなく,市民参加の下で行財政改革の取組を進めていくことはできないかお考えをお聞かせください。 次に,今後の人口増加策についてお聞きいたします。6月に発表された令和2年国勢調査の速報値によれば,前回の平成27年と比べると,京都市の人口は全体で約1万人,0.7パーセントの減となっています。今回の国勢調査結果を,学区ごとの5年間の推移で見たのがこちらの地図です。(パネルを示す)一般に市内における地価の高騰が人口,とりわけ若い世代の流出を招いていると言われてまいりました。ホテルが増えすぎて京都に人が住めなくなっているという指摘もありました。しかし,それだけでは説明できない傾向を見ることができます。全市的に中心部や地下鉄,私鉄の沿線での人口が増加ないし横ばいの傾向であるのに対し,交通の不便な地域での減少が進んでいることが伺えます。また,交通が比較的便利であっても古い住宅が密集するエリアや団地の多いエリアは,人口の減少が進んでいます。地価が上がっても人口が増えているところ,反対に周辺部では地価が下がっていても人口が減っているところもあります。観光投資と地価上昇のために人口が流出しているという指摘に対してどのような認識を持っておられますか。また,それだけが原因でないならば,京都は観光投資の影響で住みにくくなってきているというイメージが定着しないように,正しい発信をしていくべきではないかと考えますがいかがでしょうか。行財政改革計画の中には全国的に人口減少が進む中にあって,令和15年度においても人口140万人規模を維持するという数値目標が書かれています。特に若い世代に選ばれる都市を目指すことが強調されていますが,この間,地上波テレビのニュースやワイドショーでの報道,コメンテーターの発言,ネットニュースなどで京都市の財政難という情報が広く拡散することで,子育て環境がどんどん悪くなるのではないか,過去の負債を自分たちが背負わされるのではないかというような京都市に対してのマイナスの印象を持つ方が増えています。私も何度も市民だけでなく市外に住む方からも京都市は大丈夫ですかという質問をされています。理事者の皆様は報道されていることは違う,一部を切り取っているとお感じになるかもしれませんが,やはり多くの市民や,関西に住む若い世代に対してのメディアの影響は大きいものがあります。これは京都市からの発信を強化するということだけではなかなか効果が望めません。更なる若年・子育て世代の流出を招き,結果として行財政改革が達成できないということにならないよう,メディアでどう報道され,市内外の方にどう受け止められるかを意識した政策設計をしていくことが極めて重要であると考えますがいかがでしょうか。お考えをお聞かせください。 次に,コロナ禍での学校での学びについてお伺いいたします。令和2年度の学校教育は元年度の末から続く一斉休校を延長するのかどうするのかという判断を迫られる状況から始まりました。入学式や始業式などは実施できたものの,1学期の半分以上が休校となる厳しい状況でありました。学習保障をどうしていくのか,また,特例預かりの子供の精神的な負担をどうしていくかなど,昨年度,教育福祉委員会でコロナ禍での学校の学びに関しては何度も質問をさせていただきました。学校が再開されて以降,学校でのコロナ感染拡大をどう防いでいくか,学習の後れをどう取り戻していくのかなど,学校現場と教育委員会が難しい状況がある中で努力と工夫を重ねてこられたことは理解しています。コロナ感染症は収束することなく,今年の8月には4度目の緊急事態の中,また,京都府下においての新規感染者が連日過去最多を更新する中で2学期の学びがスタートしました。京都市で2学期が始まる直前,突如として京都府の西脇知事が府立学校の2学期の開始を一律に遅らせると発表したことを受け,このままでは2学期は無理,京都市も2学期開始を遅らせるべきだ,タブレットを使ったオンライン授業にすべきだという御意見や,また一方では,何とか予定どおり2学期を開始してほしい,学校での学びが重要だという御意見など保護者をはじめ多くの御意見が寄せられたところです。私は,やはり学校での学びは重要であると考えているところでありますが,昨年の一斉休校が子供たちの学びや心身の発達にどういった影響を与えたのか,学校現場からはどういった声が寄せられているのか,現在のところ,教育委員会として昨年の一斉休校に対しどのような認識を持っておられるか,まずお聞きいたします。そのうえで,現在も学校での学びは続けられています。緊急事態は解除されましたが,2学期開始以降,児童生徒の感染が確認されたなどで,学級閉鎖になっている学級も実際にありました。学校での感染拡大に不安を持たれる児童生徒や保護者も少なくありません。SNSを通して様々な情報が飛び交う中で,中には根拠が不確かな情報によって,より不安が広がってしまうこともあります。教育委員会でも学校医と連携し,医学的な見地からも検討して学校での感染防止対策に取り組んでおられることはお聞きしておりますので,そうした学校医や小児科の専門医の皆様の意見も採り入れていることや,コロナ感染の傾向の分析,家庭での注意点,学校で実施されている感染拡大防止策とその効果などを,もっと分かりやすく児童生徒や保護者に伝えていけるように,通知の出し方も工夫をしていくことが必要ではないかと考えておりますがいかがでしょうか。コロナ禍での学校の学びについては,日々状況が変わります。学級内で感染が確認され,学級閉鎖になることもあります。学級閉鎖になったときに,子供や家庭の事情はそれぞれ違いがあります。学級閉鎖とはならなくても自主的に登校を控えるという方もおられます。タブレットを使った自宅学習なのか,プリント学習なのか,方法は幾つかあると思いますが,しっかり希望と御家庭の状況をお聞きして,子供や家庭の状況に最も適切な学習保障の取組をやっていただきたい,この点は要望いたしておきます。 以上,市民により信頼される行政運営が,京都市を更に良い方向へと進めていく良いサイクルになっていくことを期待し質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 片桐直哉議員の御質問にお答えいたします。 行財政改革の取組における市民参加についてでございます。計画案に対するパブリックコメントでは,幅広い年齢層の方々,特に若い世代の方々が関心を持っていただき,本市財政や京都のまちづくりに対して様々な御意見を頂戴いたしました。今まさに直面する財政危機を乗り越えていくためには,片桐議員御指摘のとおり幅広い方々の参画を得て行財政改革を進めていくことが重要でございます。外部の視点を導入した取組といたしましては,本年度,KYOTO CITY OPEN LABOを開設し,行政が単独で解決することが難しい課題に対して本市と民間企業等がチームを組んで新しい技術やノウハウ,アイデア等を提案し,取り組む仕組みを立ち上げました。行財政改革を進めるに当たりましては,パブリックコメントで頂いた御意見を踏まえ社会経済情勢の変化に対応し,中長期にわたって市民生活を支えていくために本市の行政サービスはどうあるべきなのか,どのように再構築するのか,市民の皆様と危機感を共有し,理解と共感を得る取組をすることが重要でございます。これまで本市では京都市未来まちづくり100人委員会,みんなごとのまちづくりの推進事業,U35-KYOTO,京都市地域企業未来力会議など,市民やNPO,地域団体,地域企業といった様々な方々に京都市のまちづくりに参画してきていただきました。千年を超える京都の歴史は大きな危機に直面したとき町衆の力,地域の力を結集して乗り越えてきた歴史でもございます。そうした誇るべき自治の伝統の上に様々な主体が連携して社会課題の解決に取り組むソーシャルイノべーションが今京都で先進的に取り組まれています。こうした強みを更に発展させるとともに,これまで行ってきた市民参加の枠組み等もしっかりといかしながら市民の皆様のお声に向き合い,成長と改革,これを両立させて,そして確実に京都の今と未来に責任を持つ取組を進めてまいります。 次に,人口減少の分析と情報発信についてでございます。本市の人口につきましては,この間の都市格の向上等により,平成23年からコロナ禍前の令和元年までの9年間連続で転入が転出を上回る転入超過となるなど人口減少に一定の歯止めが掛かっております。転出の主な要因は,大学卒業後の就職期に当たる20歳代が東京や大阪に転出し,また結婚や子育て期に当たる30代が住まいの関係から京都府南部などの周辺都市へ転出するなど都市の活力を生み出し,社会を支える中核ともなる若者・子育て層が仕事や住まいを理由に市外へ転出しているためと認識しております。近年の地価上昇については,宿泊施設の建設や開業など観光投資による要因もあるものの,都市部では御指摘のように地価の上昇が続く中でも人口が増加してきたことから,観光投資による地価の上昇のみが人口流出を引き起こしているわけではないと認識いたしております。片桐議員御指摘のとおり,今後,働き方や暮らし方が多様化する中にありまして,若い世代に京都に住むことの魅力に目を向けていただくことが重要であります。京都のまちは職住近接の暮らし,全国トップ水準の保育や教育など子育て支援環境,教育環境,周辺部や山間地域を含めた多様な地域特性,優れた文化と自然など若い世代の価値観に沿った暮らし方,学び,育ち,働き方が体現できる様々な強みを有しております。こうした強みを市民の皆様や民間事業者とも連携し,しっかりと情報発信していくことが更に重要であり,また,こうした魅力を更に磨き上げ,都市計画手法をはじめあらゆる施策を総動員してオフィスや研究開発拠点,製造拠点の立地促進,子育て世代のニーズに対応した住宅の誘導など若い世代を呼び込むための政策にしっかりと反映させてまいります。さらに,暮らすまち,学ぶまち,働くまちとしての本市の魅力が市内外の皆様に受け止めていただけるよう,民間の知見も積極的に採り入れたブランディングに取り組み,共に発信していくことを通じまして,行財政改革計画に掲げる若い世代に選ばれる千年都市の実現に全力を尽くしてまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 岡田副市長。 〔岡田副市長登壇〕 ◎副市長(岡田憲和) 組織風土の改革についてでございます。新型コロナウイルス感染症の拡大と本市の危機的な財政状況という大きな二つの危機をはじめ,前例のない課題に対応していくためには,その担い手である職員が強い責任感とこの危機を乗り越えるという意識,意欲を持ち,その能力を最大限に発揮できる組織風土を作っていかなければなりません。そのため,日頃から風通し良くチーム力を発揮できる組織を作っていくことは極めて重要であり,徹底した働き方改革の推進や管理職員のマネジメント力向上などのほか,庁内会議の活性化や上司・部下のコミュニケーションの充実にも取り組んでいるところでございます。庁内会議につきましては,その会議ごとに目的,例えば方針等を決定する会議だとか,方針等の伝達や情報共有の会議であるとか,自由闊達な議論をする会議であるとか,その目的を明確化するとともに,働き方改革の観点も考慮し,効率的,効果的な運営に努める必要があると考えております。また,新たな社会的課題に対応していくためには,職員間はもとより市民の皆様との対話,共同が極めて重要であり,対話の場づくりや質の向上を担う市民協働ファシリテーターをこれまで108名育成し,市民の皆様と協働した課題解決にも取り組んでおります。また,上司・部下の対話や面談につきましては,人事評価制度のほか人事異動希望や将来のキャリア形成に関する面談,上司や先輩が若手職員の相談に乗り,支援するOJTサポート制度など目的に応じた仕組みを整えておりますので,こうした仕組みが十分に機能しているか,十分に効果を発揮しているかという視点で改めて点検をし,改善をしてまいります。また,議員御紹介いただきましたワン・オン・ワンをはじめ,多様な意見が出やすいオープンスペースでの会議など効果的なコミュニケーションや会議の手法につきましても,工夫を重ね充実を図ってまいります。こうした取組に加えまして,様々な強みを持った職員の採用と育成,働く意欲を高める人事・給与制度の検討,見直しなども進め,全庁一丸で課題に挑戦し,改革を進める組織風土を醸成してまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) コロナ禍の学校教育についてでございます。昨年の全国一斉休校は,感染力等が不明な新型コロナウイルスへの不安感,危機感が強い下で,異なる判断を行うことは困難であったと考えておりますが,休校を通して学校が児童生徒の学びの保障だけでなく,心と体の安心安全を保障する社会のセーフティネットであることを改めて認識いたしました。本市ではこの一斉休校期間中,家庭学習のための全市統一の学習教材の作成,各学校での工夫を凝らしたオンラインコンテンツの作成と提供,KBSテレビ,京都新聞との協働による授業番組の放送や特別紙面の発行等を行うとともに,保護者の就労等により家庭で過ごせない子供たちのための特例預かりを実施する等創意工夫を凝らしてまいりました。これまでの家庭や地域と連携した教育実践に加え,こうしたコロナ禍での学びを止めない取組により,3年前に続いて,今年の全国学力・学習状況調査では京都市立学校が政令市1位,中学校でもトップ水準となり,また子供たちの心の面では,昨年6月の本市独自調査によって8割を超える児童生徒が家族や教職員等の支えの下,学校再開後に前向きに学校生活を送れていることが確認されております。この度の第5波の下では,学校の果たす役割や意義を踏まえ予定どおり2学期を開始する一方,感染拡大防止の徹底のため,感染可能期間に登校している陽性者が一人でも確認された場合は直ちに学級閉鎖して在籍者全員にPCR検査を実施しておりますが,全体の約4,000学級のうち陽性者が確認されたのは3.8パーセントの159学級であり,さらに,そのうち新たな陽性者が確認された学級は約2割と感染拡大を抑制しながら教育活動を進めております。今後とも,片桐直哉議員の御提案の学校以外との連携を図りながら,児童生徒や保護者の皆様への情報発信の在り方等についても工夫し,感染拡大防止と教育活動の両立という公教育の責務を果たしてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,市政一般について,江村理紗議員に発言を許します。江村議員。 〔江村理紗議員登壇(拍手)〕 ◆(江村理紗議員) 地域政党京都党,右京区選出の江村理紗です。京都党市会議員団を代表して小山田春樹議員と共に市政一般について質問いたします。 まず,冒頭に新型コロナウイルスでお亡くなりになられた方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに,コロナ禍で最前線で対応に当たっていただいております保健所,医療従事者の皆様をはじめ,安心して暮らせる京都市のために御協力をいただいております全ての市民の皆様に心より感謝申し上げまして,質問に入らせていただきます。 さて,いまだ光の見えないコロナ禍により,日本全体で経済は疲弊し,とりわけ飲食店,観光産業,交通事業など多くの業種で甚大な影響が出ております。この国難とも言える状況の中で,各自治体はこんなときこそ市民生活を守るための行政サービスを手厚くし,何とか踏ん張っている姿が多く見受けられます。一方,京都市では今になって財政破綻を大々的に叫び,正に行政サービスを削っていく動きが打ち出されております。この事態はこれまで財政がひっ迫しながらも効率的な行政運営の見直しが足りず,毎年のように借金を重ねていた中で市民の皆様の目には見えにくい将来の借金返済のための公債償還基金を取り崩すという手法で黒字運営を強調し,財政悪化の一途をたどってきた,正に財政規律をないがしろにした失政によるものです。私たち京都党は,ずっと以前から京都市職員の給与制度改革や投資の取捨選択,各事業の費用対効果の検証のほか,国に任せられるサービスは思い切って任せるなど,ありとあらゆる側面で財政運営の健全化を求めてきましたが,京都市としての経営を意識した抜本的な財政健全化にかじを切れなかったことに強く反省を求めるものであります。 それでは具体的に,今回京都市より示されました行財政改革計画について伺います。今回,保育所や学童クラブの利用料改定,敬老乗車証の見直しなどが新聞紙上でも大きく取り上げられているところです。マスコミでは,特に市民生活に直接影響を及ぼすところに焦点が当てられがちではありますが,こうした市民負担を求める前に,今回の計画はまず人件費の削減や自治体の電子化,ペーパーレス化による行政の効率化及び市民サービスの向上の取組を全面的に打ち出し,行政自らが覚悟を示す姿勢が強調されるべきであったと思います。実際に財政再生団体に陥った当時の北海道夕張市は,改革のトップに職員給与を30パーセントカットを掲げ,また,同じく財政危機に向き合った大阪府においても,財政再建プログラムで年平均1,000億円を捻出した中で人件費削減が改革の最大の肝となりました。しかし,京都市では今回の計画で掲げる給与カットは,人件費総額の僅か1パーセントにすぎず,また,市民しんぶんでは人件費を215億円削減と広報しながらも,この額は単年度ではなく今後5年間での総額です。保育事業への助成は60億円,敬老乗車証は52億円など単年度の額が示される中でこれだけが5年間の総額で語られるのは,広報の在り方として誠実さに欠けます。実際には政令市平均で年間171億円も人件費が高く,市の財政を圧迫している大きな要因の一つであるにもかかわらず,この改革幅では余りに不十分としか言いようがありません。まずは,政令市平均並みの人件費総額を令和15年度までにと悠長に構えるのではなく,一刻も早い是正を求めます。本質的に伺いたいのは,人件費を減らすことと市民サービスを削ることにおいて,市長としてどちらがより胸が痛まれるのでしょうか。人事委員会勧告を尊重すべきなのはもちろんですが,そんな余裕はないはずです。京都市職員の日々の生活給である本給は,できる限り小幅な減額に抑えつつも,ボーナスを大胆に20パーセントカットすることに加え,人事委員会勧告とは連動しない退職金の額を10パーセントカットするなど,財政赤字を抱える組織であれば当然検討するべきであると考えます。この点において,市長の御見解をお示しください。 また,今回の財政破綻危機に直結している公債償還基金の計画外の取崩しも,令和15年度まで続けるのではなく,来年度にも脱却に努めていただきたいと思います。京都市は今すぐに公債償還基金の取崩しをやめると,市民サービスに急激な負担を求めることとなると述べます。(パネルを示す)しかし,昨年11月に行財政改革審議会に提出されたこの表でも示されているとおり,将来的な京都市の試算では,令和7年度までの財源不足780億円は序章にすぎず,門川市長が今任期を終えられた後,令和8年度以降には2,640億円を改革規模で必要とし,一層厳しい財源不足に陥るシミュレーションが既に出ております。そして,令和5年度までを集中改革期間と定めるものの,特別の財源対策に頼る規模は非常に大きく,その後も将来に負担を回し続ける計画が組まれているため,令和15年度には公債償還基金の本来あるべき額の8割を使い込んでしまい,新たに2,000億円という巨額の補填が必要となります。この待ったなしの状況で1年でも早く財源捻出に努めることこそ市民サービスへのしわ寄せの回避につながります。今後10年以内に財政破綻の可能性があると京都市長自らが認める中で,破綻破綻に直結する公債償還基金の取崩しの来年度脱却を強く求めますが,市長の御決断はいかがでしょうか。 それでは次に,収入増加策について伺います。今回の改革計画プランでは令和15年度までに税収ベースで400億円以上を増加させることが目標数値に掲げられております。京都市から委員会で示されたこの税収増が達成できるイメージは,市内に50階建てのタワーマンションが400棟建った場合の税収に匹敵するものであり,かなり壮大な目標です。ただし,それを実現するための計画の中身は,これまでの京都市の取組の延長線にすぎず,厳しい言い方をすれば総花的であり,そもそもそのことが原因で収入より支出が上回る赤字運営をもたらしてきた傾向から脱却できておりません。今回,財政健全化のために歳出上限を設けていることからも,この状況下で総花的なラインナップの予算を本当に組めるのかさえ危惧するところです。とはいえ,今回,重点取組に位置付けるリーディング・チャレンジにオフィス空間の創出や公民連携による企業誘致プロジェクトが掲げられていることは,大変高く評価しております。京都市は全国でも有数の学生のまちであり,若者を引き寄せる力があるにもかかわらず,市内の大学生は就職時には8割以上が首都圏や他都市へと流出してしまい,続けて家庭を持つタイミングでも再び土地価格が高いなどで近隣自治体への流出が目立っています。本市の担当部署も御認識のとおり,学生の多くが東京や大阪を中心に転出してしまう原因は,学生の人口に対し就職先の規模が足りていないことや,地元の就職先を大学生が選んでいないことが挙げられます。これらを解決するには産業展開と都市機能を強化するよりほかありません。京都党が提言したいのは正に若者たちを寄せて逃さないまちづくりです。そこで何点か提言をいたします。 まずは,大学を基軸とした企業集積です。京都は国内有数の学生数を誇り,理工系大学が集積していることも大きな強みです。スーパーグローバル大学に選定されている京都大学は,最新の世界大学ランキングでも61位となっており,日本勢では東大に次ぐ位置に付けています。アフターコロナ社会で再び国際間で活発な人口流動が起こる中では,国内のみならず世界の先進国が人口減少に直面する中で,人材獲得競争も国際化を伴い,更にダイナミックになることが考えられます。京都はこれまで以上に人材輩出の宝庫としての位置付けを国内や海外に強く打ち出し,企業集積の礎にするべきです。そこで,この人材輩出の強みをいかした戦略的な企業誘致を求めます。京都市の持つ個々の特色を掛け合わせることでターゲットを明確にさせることが鍵となります。例えば,先に挙げた理工系人材の輩出の強みをいかし,研究機関,IT,建築はもとより,海外の製薬会社などを積極的に誘致,くわえて芸術大学も多いことからデザイン部門に重きを置くメーカーの誘致が有効と考えます。京都市の企業立地推進はこれまで対象事業者となる製造業,情報,IT関連で問合せがあった際に,補助金の説明はしているものの,市内の事業者に偏っていることが課題です。海外であれば欧米から来ていただくことももちろん歓迎ですが,立地面や時差でも日本への参入障壁が低い韓国,台湾,インド,タイ,インドネシアなどアジアの企業をターゲットに京都ブランド×理工系や,デザインの人材輩出の優位性を武器に働き掛けを行っていただきたいと思います。また,京都は世界でも屈指の観光都市でありながらも,大手の観光企業本社はありません。本来であれば,観光事業者から見ても京都に本社を構えることはブランド力を高められ,それ相当の価値があるはずです。まちのイメージに合致した企業集積も是非注力いただきたいと思います。これまでは海外からの人材流入は観光と留学生が中心だったところから,今やITのエンジニアやデザイナーの争奪戦が世界的に激化する中,優秀な外国人を採用するのに一度は暮らしてみたいまちとしての京都の存在感をいかすことが求められます。実際,LINEの京都オフィス開設時には約1,000人が応募され,その8割が海外からだったことからも,人材求心力をいかした企業呼込みも加えることで,就職で人を呼び込む採用のまち・京都としての価値を創造するべきです。そうすれば,京都に残りたくとも希望の業種が京都にないために離れてしまう学生を引き止め,また,国内,海外問わず,理工系や芸術系出身の人材を京都ブランドと企業集積を呼び水に引き寄せるまちの姿が見えてくると思います。今回,企業誘致に特化した専門チームを設置されるとのことで,是非そのターゲットに盛り込んでいただきたいと存じます。また,今回,総合企画局の東京事務所において,都市ブランディングと企業連携営業のアドバイザーを副業で募集するスペシャリスト人材の採用を実施されたことは,良いお取組で注目しております。このように専門チームの枠を超えて,他都市や海外との接点を持つより多くの民間企業や,民間人の力も広く創出していくべく,企業誘致の分野においても,是非副業的な形でのスペシャリスト人材の採用を導入いただきたいと思います。くわえて,企業誘致の実現に成果を出していただいた企業や個人といった仲介者へ成果報酬を支払うPFSの導入も要望いたします。企業誘致におきましては,国内,海外問わず人材輩出力及び人材求心力があるという京都の優位性を大々的に打ち出し,広くPRを図るとともに,京都ブランドや人材輩出特性をいかした業種及びアジア,東南アジアに注力したピンポイントでの誘致政策の展開,そして,広く民間活力を仰げる効率的な仕組みの創出を求めます。これらの点におきまして市長の御見解をお示しください。続いて,京都市の企業立地における最大の壁と言えるオフィス創出についてです。京都市のオフィスの供給事情は,コロナ禍前は2017年7月以降,オフィス空室率1パーセント台が続き,企業を呼び込み産業活性化を目指すにも,そもそもオフィス空間用の土地がないことがボトルネックとなっております。コロナ禍で少し緩和しているとはいえ,特に企業の進出意欲が高い四条烏丸,烏丸御池,京都駅周辺においては,需給バランスの改善の兆しが見られません。京都市は今回の行財政改革計画の歳入増加策の中でオフィス等の延床面積を120万平米増やすことも目標に掲げておりますが,具体的にはどういったエリアで増加を目指されるのでしょうか。長く供給が求められ,実現できずにいる大規模オフィスの供給も視野に入れておられるのでしょうか。私たち京都党では,オフィス創出においても京都における企業立地に求められるニーズを最大限に酌み取るために3点の政策を提言します。まず,1点目です。地価の高い東京圏に集積をしている企業については,移転するとすれば,そこより地価が安価で一定規模以上のオフィス面積を有していること,くわえて,当面東京の本社機能を残したまま,若しくは一部東京に機能を残したまま移転される動きが主流です。そうなると,やはり東京圏へのアクセスが優先度の高い条件となります。それを踏まえると,京都駅周辺が最適と言えます。京都市は正に京都駅周辺で崇仁エリアの広大な土地を所有しております。その規模は,現在計画が進められている芸大エリアを除いても10万平米に上り,中心市街地において桁違いの規模感です。京都経済の活性化に大きな可能性を秘めたこの土地は,オフィス創出を最優先に位置付け,開発を強力に進めていただきたいと存じますがいかがでしょうか。続いて2点目は,研究機関,設計,デザイン部門関連の企業誘致における小規模オフィスの創出です。こういった部門では,人数も数十人規模にとどまるものの,町なかの京都のオフィス事情には適合します。交通の便の良い都心部や鉄道沿線での誘致を進めるべきです。最後に3点目は,特定生産緑地の取扱いについてです。京都市では平成4年12月2日に指定された生産緑地が全体の約9割あり,令和4年3月末が特定生産緑地の申請期限となっています。特定生産緑地の指定を受けることで,固定資産税が優遇され市民にとっては申請の促進になりますが,京都市としては,今回の生産緑地が外れる期限が切れるこのタイミングを逃すと,また農地利用が続き,開発の足かせともなります。特に,現在のらくなん進都は工業用地及び商業用地を目指すとしながらも,あちこちに農地が点在し,街の姿は目標とは程遠い状況です。京都党としては,らくなん進都においては,農地利用を減らし働く場所にシフトいただくことを望みますが,生産緑地のエリアにおいても,商業転用することでメリットを得られる仕組みづくりを考えられないでしょうか。いずれにしても,京都市として明確に方針を示すためにも,らくなん進都における生産緑地の考え方を示すべきです。まとまった土地の確保ができないことが,企業立地が進まない一つの大きな要因となっている中で,是非前進することを求めたいと思います。この点の市長のお考えはいかがでしょうか。 従来型の開発・整備から発想を転換し,負担が若者世代に先送りされず,かつ大学卒業後も京都で人生の幅広い選択や自己実現がかなう京都のまちの姿を望み,私たち京都党の代表質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 江村理紗議員の御質問にお答えいたします。 企業誘致についてであります。魅力あふれる京都を未来へつないでいくために,都市の成長戦略において新たな価値を創造する五つの都市デザインを掲げ,スタートアップやソーシャルビジネスの集積,多様な働き方に対応するオフィス環境づくりなどに挑戦することとしており,企業誘致は京都の将来にとって極めて重要なミッションであると考えております。企業誘致に当たりましては,人材輩出力や求心力の観点も含め,良質かつ機能的な都市環境に加えまして,文化力や大学,優れた教育環境,先端産業の集積,自然との共生,環境先進都市,SDGs先進都市,ライフサイエンス分野の研究開発といった京都のあらゆる強みを十分にいかし,戦略的に進めていくことといたしております。これまでも補助金によるインセンティブをはじめ毎年東京で開催している首都圏のIT企業,研究開発型企業やアジア,欧米等の外資系企業を対象とした企業誘致セミナーのほか,ニューヨークで開催された対日投資セミナーへの参画,ボストン等との都市間交流などを通じて新たに立地した企業から見た京都の魅力や産学公連携の取組など,本市ならではのビジネス環境の魅力を私からのトップセールスも含めて広く発信してまいりました。これらの取組をきっかけに,最近ではグローバル企業のデザイン部門やIT企業の研究開発拠点,スタートアップを支援する企業の拠点が集積するなど,着実な成果を挙げてきております。また,本年度は,本市の魅力や特性をいかした企業誘致を更に展開するために,都市ブランディング,企業連携,経営戦略といった様々な知見やノウハウを持つ外部有識者にアドバイザーに御就任いただき,本市のビジネス都市としてのブランディングやプロモーションの企画や企業アプローチのための経営戦略の立案を進めております。成果連動型民間委託,いわゆるPFS手法の活用や企業誘致に特化した専門チームの設置についても,行財政改革計画におけるチャレンジに掲げ,検討を深めているところであります。今後はこれまで以上に多様な民間主体と連携し,ターゲットを意識しながら国内外の企業に対して本市の強みや魅力をアピールし,都市の特性,強みをいかした公民連携による企業誘致プロジェクトを強力に進めてまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 岡田副市長。 〔岡田副市長登壇〕 ◎副市長(岡田憲和) 私からは2点について御答弁申し上げます。 まず,人件費についてでございます。本市ではこれまでから間断なく行財政改革に取り組み,平成20年度以降の13年間で職員数を3,500人,年間の人件費を270億円以上削減をしてまいりました。しかしながら,市域が広いことや市立高校や市立支援学校を多く有していることなど,本市の都市特性,また,退職者数や年齢構成等の影響により,他都市平均を上回っている状況となっております。このため行財政改革計画におきましては,市民の命と暮らしを守るための行政サービスの維持や,新たな行政需要への対応に必要な執行体制は確保しつつ,職員数550人以上の削減や徹底的な働き方改革による時間外勤務の縮減に取り組むこととしております。あわせまして,危機的な財政状況にあっても市民の命と暮らしを守るための財源を確保するため,本年4月から臨時的,特例的な措置として給与カットを実施すること等により50億円を捻出いたします。こうした総合的な取組により,令和7年度までの5年間で215億円を捻出するとともに,他都市平均との差については,令和7年度までにおおむね2分の1に縮小させ,令和15年度までには他都市平均以下となるよう最大限取り組んでまいります。職員の給与水準につきましては,毎年の人事委員会勧告により,市内民間企業の水準と均衡させることが地方公務員法上の原則であり,本市の給与制度もこれに基づくものであります。また,コロナ禍と財政危機という現下の危機の中にあっても,本市,本市職員は市民の皆様の命と暮らしを守るための安定した市民サービスを提供する責務がございます。さらには,二つの危機を克服するためにも,職員が強い責任感と使命感,この難局を何としても乗り越えるという気概,意欲を持ち続けることが欠かせません。こうした観点からも,人件費の削減は職員の士気,意欲に大きな影響を及ぼすおそれのあるようなボーナスや退職手当のカットではなく,しっかりと仕事をしたうえで,徹底的な仕事の効率化による人員削減や働き方改革の推進による時間外勤務の縮減などにより,総合的に取り組むべきものであると考えております。引き続き,職員一人一人と危機感を共有し,改革の意欲を高め合うとともに,しっかりと市民の皆様への説明責任を果たしながら覚悟を持って徹底した行財政改革に取り組んでまいります。 次に,オフィス空間の創出についてでございます。行財政改革計画に掲げる成長戦略を推進し,まちの活力を向上させるためには,市民の働く場となるオフィス空間の創出は重要と考えております。今般見直しを行った京都市都市計画マスタープランにおきましても,土地利用の方針として歴史的都心地区や京都駅周辺など,京都の都市活力をけん引するエリアにおける京都の都市格の向上と,地域経済の活性化につながるオフィスをはじめとする商業,業務機能の立地の誘導を掲げております。 また,京都駅周辺におきましては,京都芸大の移転を踏まえ,文化を基軸に新たな魅力や価値を創出するまちづくりを進めることとし,産学公連携のイノべーション,スタートアップ拠点の創出など,文化芸術と経済の好循環を生み出す取組を全庁挙げて強力に推進しているところでございます。あわせまして,芸大の移転整備と京都駅周辺の魅力向上が相乗効果を発揮し,京都経済の活性化はもとより京都全体の活性化につながるよう,更に取組を強化してまいります。次に,生産緑地につきましては,都市農地を都市にあるべきものとする国の方針を踏まえ,市街化区域内における農地の保全を図っているところでございます。このことはらくなん進都内においても変わりがなく,例えば生産緑地制度の適用を外すといった対応は困難であることから,らくなん進都においても特定生産緑地指定の申請は受け付けており,引き続き,都市農地としての土地利用は一定見込まれるところであります。 一方で,らくなん進都におきましては,新しい京都を発信するものづくり拠点をまちづくりの理念に掲げ,緑地と産業用地等の調和,併存につきましても取組を進めてきたところであり,生産緑地の面積は令和2年度において平成12年度と比べ半減しており,土地利用の転換が進んでいる状況にあります。今後もものづくり企業がオフィスの集積と併せまして,空間的変化に富んだ多様な都市機能が調和したまちづくりを進めてまいります。 今後とも成長戦略に掲げる京都の求心力を受け止める空間づくりにより,地域企業の事業拡大や国内外の企業誘致を促進することで魅力あふれる京都の未来をつくってまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 功刀財政担当局長。 〔功刀財政担当局長登壇〕 ◎財政担当局長(功刀岳秀) 公債償還基金の取崩しについてでございます。将来にわたり市民の命と暮らしを守ることができる持続可能な行財政の確立に向け,公債償還基金の計画外の取崩しなどの特別の財源対策は早期に脱却する必要があります。収支バランスを改善させるためには,経費削減のみならず,市税等の一般財源収入の増加等が必要ですが,歳入増加には一定の期間が必要となります。そのような中で,直ちに特別の財源対策から脱却するためには,行財政改革計画に記載した人件費を削減したうえで,敬老乗車証や施設運営費等からなる消費的経費の削減等を行ってもなお,令和7年度まで毎年230億円の改革が追加で必要となり,市民生活への影響を見極めなければなりません。このようなことから,行財政改革計画では,令和7年度の公債償還基金の残高を1,000億円以上確保することを財政運営の必達目標として設定をしておるところでございますが,令和4年度以降の予算編成に当たりましては,特別の財源対策を所与のものとはせず,目標以上の公債償還基金の残高を確保してまいります。なお,足元の令和3年度の一般財源収入につきましては,国や京都府と一体となって経済の下支えとなる施策を展開してきたこと,事業者に御努力をいただいたこと等もあり,リーマンショック並みと危惧をしておりました市税収入への影響が想定より小さく踏みとどまる見込みであります。しかし,コロナ禍以前からの構造的な赤字状態を脱したわけではなく,収支が好転しても改革による財源捻出額を引き下げず,行財政改革計画以上に収支を改善させ,可能な限り早期に公債償還基金の計画外の取崩しからの脱却を目指してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,市政一般について,小山田春樹議員に発言を許します。小山田議員。 〔小山田春樹議員登壇(拍手)〕 ◆(小山田春樹議員) 右京区選出の小山田春樹でございます。京都党市会議員団を代表して,江村理紗議員に続き市政一般について質問いたします。 まず,質問に先立ちまして,新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになった方々に対し哀悼の意を表し,闘病中の方々の御回復をお祈りいたします。あわせて,医療関係者の皆様の日夜の奮闘に心から感謝申し上げます。 では,質問に移らせていただきます。まず,コロナ禍と教育について質問いたします。新型コロナウイルス感染拡大防止策を進めるに当たり,子供たちの教育をどのように守り,コロナ禍が学習環境に与えるマイナスをどうやって最小限度にしていくかが大きな課題でした。コロナ禍に伴う休校措置で授業の後れは出ないだろうか,学習に支障は出ないだろうかなど,様々な不安がよぎりました。こうした中で,京都市においては,早い段階からタブレット端末を活用した小学校のオンライン授業実施に取り組み,端末を一人1台分確保したことは高く評価させていただきます。令和2年の初頭から今日まで1年半余りの期間において,保護者の皆さん,学校教育の現場の皆さん,教育委員会をはじめ市の関連部署の担当者の御努力によりまして,感染拡大の防止と学習の両立が図られてきました。関係者の皆様に感謝の意を表したいと思います。しかし,まだまだ課題はたくさんあります。それは,各学校によりオンライン授業の実施状況に格差が生じていることです。取組が進んでいる学校がある一方で,それほど進んでいない学校,いまだに対応していない学校があります。京都党市会議員団では,先に門川市長と稲田教育長に対し,希望者全員がオンライン授業を受けられる体制づくり,オンライン授業に関する周知の徹底,この2点を要請いたしました。最近,子供の感染が増加しており,重症化するケースもあるため,学校での感染拡大と家族への感染が危惧される中で,登校を控えたいという保護者の声が多く寄せられております。また,保護者や子供たちは,学校を休んだ場合の誤解や偏見に基づくいじめや差別を心配して,オンライン授業を希望すると言い出しづらい状況があります。他の都市において,いじめが起きているとの情報も寄せられております。コロナ禍でいじめや差別が起きないように細心の注意を払っていかなくてはならないと思います。そこで,市と教育委員会はオンライン授業ができること又は,できるように準備していることをアナウンスして,希望者が手を挙げやすい状況を作り出してほしいと要望いたします。対面授業のみならず,オンライン授業の選択も自由にできるようにしていくことが必要ではないでしょうか。以上について,市長の見解をお聞かせください。これまでの取組を振り返り,どのような成果があったのか,改善すべき点,今後解決しなくてはならない課題は何であるとお考えですか。 さて,コロナ禍の長期化は,私たちの生活に大きな影響を与え,社会,経済生活全般に大きな打撃を与えています。世界的な規模による感染症の拡大と長期化は,未曽有の危機を人類にもたらし,私たちの生き方,働き方,社会の在り方を根本的に転換する機会となっています。従来どおりのやり方では今後の展望を見いだし活路を開いていくことはできません。いやが応でも新しい戦略が求められています。今こそ,全ての領域において大胆に発想の転換を図るときが来たと言えます。京都市は,コロナ禍と同時に財政危機が深刻化しており,このままの状況が続けば数年後には財政再生団体に転落し,地方自治は機能しなくなってしまいます。文字どおり財政再建待ったなしの厳しい状況を迎えています。徹底的な行財政改革により歳出を削減するとともに税収を増やし,歳入増加を図らなくてはなりません。そこで重要になってくるのがこれからの産業政策です。新時代の産業政策を成功させていくことは,財政再建にとって極めて重要な課題だと思います。京都市はこれまで観光産業に大きく依存した収入構造となってきましたが,コロナ禍の長期化により観光客は激減し,市バス,市営地下鉄をはじめとする公共交通機関の乗客数も大きく減りました。ホテル・旅館,飲食店,土産店などの観光関連産業が大きな打撃を受けており,早急に支援策を実施していく必要があります。コロナ禍が長期化する中で,観光産業そのものの今後の見通しが見いだせない状況になっています。ワクチン接種の普及による集団免疫力の向上,治療薬の開発で死亡率が減るなど,今後コロナ禍が収束したとしても観光客がいつ,どこまで回復するかは見通しが立てにくい状況です。法定外新税である宿泊税の税収も回復には時間が掛かりそうです。こうした状況を前にして,これからの観光政策をどうするかは重要な課題だと言えます。私は,市民と対話をする活動の中で,コロナ前に戻ればよいとは思わない,観光客が減っても成り立つ商売をしたいとの声をよく聴きます。市民の間にはコロナ禍を乗り越えた新しい時代の経営の在り方を模索する動きが出ております。市民生活と観光の調和を言うのは簡単ですが,現実には,観光客の増加が市民生活にマイナスに働くことが多々あります。通学・通勤時間帯に,大勢の観光客が嵐電,京福電鉄に乗り込み,通学・通勤客が電車に乗れなくなる光景を私は見たことがあります。市民生活を最優先に考え,市の財政再建を実現していく課題を踏まえたうえでこれからの観光政策をどうするのか,非常に重要かつ難しい課題だと思います。そこで,市長に質問いたします。市長は,これからの産業政策の中で観光産業をどのように位置付けていらっしゃいますか。基本的な考えをお聞かせください。 京都には西陣織,京友禅,京菓子をはじめとする優れた74の伝統産業があります。歴史と伝統に裏付けられたすばらしい独自の文化と芸術があります。しかし,伝統産業を取り巻く環境は年々厳しくなっており,市場規模も従事者数も縮小の一途をたどっており,事業の後継者問題に加えて,原材料や製造用具等の生産者の後継者問題も抱えています。伝統産業に従事されている各事業者は,その中でも多くのチャレンジをされております。先日,みやこめっせで開催された京まふでは,伝統産業の技術でつくられたアニメやゲームのキャラクターグッズが多く並びました。ディズニーとコラボした伝統工芸シリーズなども新しい形を模索されています。伝統産業やその技術を次の世代につないでいくためには,更に思い切った取組が必要ではないでしょうか。昭和49年に施行された伝統的工芸品産業の振興に関する法律では,伝統的工芸品の指定要件として五つの要件が掲げられております。その中には,伝統的な技術又は技法により製造されるものであること,伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ,製造されるものであることという二つの要件があります。ここでいう伝統的な技術や技法,伝統的に使用されてきた原材料というのは,原則として100年以上の歴史を有し,今日まで継続していることが基準となっています。昭和49年の100年前,つまり,江戸時代末期の時点での技法や原材料をそのまま引き継いでいることが要件となっているんです。伝統産業も昔は普通の産業でした。江戸時代までは,環境に合わせ変化を繰り返すことで生存競争に生き残ってきたわけです。それが現代に入って伝統産業というくくりが付くことで,環境に合わせて変化することができなくなり,少しずつ衰退していってしまっているのではないでしょうか。伝産法の定義する技術や技法はこれまでと同様に守っていく一方,環境に合わせた技術,技法,原材料の変化や革新にも寛容になり,京都市として応援していくことが必要ではないかと考えます。また,伝統産業には産業の側面と文化の側面があります。環境に合わせた変化を許容しながら産業として自立を目指すとともに,産業として自立が難しいものは文化として保護をしていくことも考えなくてはなりません。そこで市長に伺います。後継者育成の問題が喫緊の課題となり,今まさに岐路に立つ伝統産業を次の世代に継承していくために,伝統を守ることを基本としながらも,環境に合わせた柔軟な変化を促すため,伝産法の枠組みを超えた伝統産業振興策に取り組んでいただきたいと考えますがいかがでしょうか。 次に,市バス,市営地下鉄の今後の経営ビジョン,特に公共交通の経営改善について質問いたします。コロナ禍長期化の影響で市バス,市営地下鉄の乗客数が大幅に減り,運賃収入減による赤字が深刻になっています。令和2年度の1日当たりの乗客数は市バスは24万8,000人で前年度に比べ10万9,000人減,およそ3割の減少,地下鉄は26万7,000人で前年度に比べ13万3,000人減,およそ33パーセントの減少となり,運賃収入は前年度に比べて市バスは61億円減,地下鉄は88億円減の大幅な減収となりました。有識者による市バス・地下鉄事業経営ビジョン検討委員会の審議の中で経費の削減,運賃の在り方,収入増加策が検討されています。コロナの収束で乗客数がどこまで回復するかなど,予測が難しい面もある中で運賃改定,定期券など運賃の在り方,市バス路線・ダイヤの見直しなど,スピード感を持って早急に実行しなければならない課題がたくさんあります。では,公共交通の使命である市民の足を守り,可能な限り負担増を抑えながら,増収を図り経営の改善をしていくにはどうしたらよいでしょうか。そこで,私は,市バスの通勤定期割引率を引き下げることを提案いたします。分かりやすく御説明するために,1箇月通勤定期を例に取りお話しいたしますが,3箇月定期,6箇月定期についても,同様の考え方に立って割引率を引き下げます。1箇月通勤定期の割引率は,現行の30パーセントから25パーセントに引き下げることで運賃収入の増加を図るのです。他都市の割引率を見ますと,例えば,東京都の都営バス,横浜市の市営バス,川崎市の市営バスは,1箇月通勤定期の割引率が25パーセントであり,京都の市バスが割引率を25パーセントに引き下げることは,東京都や他の政令指定都市などと比較して妥当だと言えます。市の財政再建を進めるに当たっては,他都市の水準と比較して,行きすぎたサービスの提供を改めていく必要があり,通勤定期の割引率を他の政令指定都市の水準に合わせることは合理的であると考えます。確かに通勤定期は,割引率を引き上げることで値上げになりますが,定期券代は企業などの使用者が負担するケースがほとんどであるため,勤労者本人の負担は増えないと思われます。企業には公共交通を守るという社会的責任を果たすための応分の負担を求めるのは当然だと考えます。無記名式の通勤定期ならば,他の従業員が使うことも可能であり,休日には家族が買物に出かけるときに使ったりできますから,通勤定期の割引率を25パーセントにすることは,それほど負担増になるとは言えません。また,通勤定期を利用している乗客は変動の少ない固定客層であるため,割引率引下げが乗客数の減少には結び付かないと思います。そこで市長に伺います。市バスの通勤定期の割引率を25パーセントに引き下げることで増収を図ることを提案いたしますが,いかがお考えでしょうか。 最後に,要望でございます。市バス,地下鉄の運賃改定を行う場合は値上げ幅を最小限に抑え,市民の負担を軽減することが必要だと考えます。特に大学生,中高生など若い世代の負担が増える通学定期券の値上げは避け,現行の額を維持していただくことを強く要望いたします。 以上で私の代表質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 小山田春樹議員の御質問にお答えいたします。 今後の観光政策についてでございます。観光は宿泊や飲食業はじめ小売業,運輸業,伝統産業や製造業,農業などにつながり,幅広く京都経済や雇用を支える重要な基幹産業であります。コロナ拡大前の令和元年度の観光消費額は4年連続で1兆円を超え,これは京都市民約半数の方々の年間消費支出に相当するなど,京都経済の活性化に大きく寄与してきました。例えば現在の市バス,地下鉄の危機的な経営状況等からも多くの方が観光の重要性を改めて実感されておるところでもあろうかと思います。何より観光が文化や自然,暮らしなど京都の光をいかして人々の心や人生を豊かにするとともに,地域固有の文化の継承,発展や魅力的なまちづくりの進展,京都ブランドの向上,多様性を認め合う社会の実現,国際親善,国際平和にも貢献するものであり,またそうであらなければなりません。このような観光の力をいかした地域や社会の課題解決,SDGsの達成への貢献こそ京都の責務であると考えます。その観光が今コロナ禍により未曽有の危機に直面しております。その苦境を乗り越え未来を切りひらいていくためにも,京都観光がその本来の姿を大切に力強い回復が重要であります。その回復に当たっては,観光課題が生じていたコロナ以前の状態に戻すのではなく,安心安全の確保を前提に市民生活と観光が調和し,市民の皆様が豊かさを感じられる観光を実現する必要がございます。そのため本年3月に策定しました観光振興計画に基づき,時期,時間,場所の三つの分散化や混雑状況の見える化に取り組むとともに,京都市観光協会と共に策定しました京都観光行動基準・京都観光モラルの普及,実践など,観光課題対策の強化を図ります。また,地域産品,地域産材の積極的な活用,多様なエリアでの観光資源の掘起こしなど地域経済の貢献の最大化,さらには幅広い産業の振興,文化の継承,創造につなげてまいります。今後とも,市民の暮らしや豊かさの向上,また,地域や社会の幅広い課題解決を図り,地域経済の活性化や宿泊税をはじめとする税収増による本市財政にも貢献する持続可能な京都観光の実現を図ってまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 岡田副市長。 〔岡田副市長登壇〕 ◎副市長(岡田憲和) 伝統産業の振興についてでございます。本市の伝統産業は京都はもちろん我が国の伝統文化と生活文化を支え,さらにはイノべーションによる新産業創出の礎となってきた世界の宝であります。本市は京都市伝統産業活性化推進条例において,国の指定する伝統的工芸品に加えまして,日本の伝統的な文化や生活様式に密接に結び付いている工芸品等も伝統産業として支援するため,国,府が指定する32品目に加えて,独自に42の品目を指定し,計74品目の伝統産業の魅力発信,向上に資する取組を実施してまいりました。平成29年度からの10年間を計画期間とする第3期京都市伝統産業活性化推進計画におきましては,暮らしと文化を支える伝統産業の在り方を継承しつつ,他分野,他業種との積極的な連携やマッチングなど,新たな価値創造に向けたイノべーションの創出にも力点を置くことといたしております。そこで,若手職人を対象としたコンペの実施など,現代のライフスタイルに合わせた商品開発や京まふとの連携による人気作品とのコラボ商品の開発支援などを進め,民間事業者等と連携した魅力発信や若年層をターゲットとした新たな販路の開拓,さらには首都圏で開催される大型見本市への出店等の支援などを業界と一体となって進めてきております。伝統産業の活性化,後継者の確保には,売上げの拡大とそれを通じた雇用の創出が肝要であります。先日御議決いただきました補正予算も旧来の枠組みだけではなく,時代に合わせた新商品開発や販売促進も対象として支援しようとするものでございます。今後とも新たな需要拡大に向けた取組も展開しつつ,市民生活の豊かさと文化を支える伝統産業の活性化につなげてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 山本公営企業管理者。 〔山本公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(山本耕治) 市バス通勤定期券の割引率についてでございます。かつて危機的な経営状況にあった市バス・地下鉄事業はこの間,通勤,通学の御利用はもとより,観光のお客様にも支えられ大幅な増客を実現し,大きく経営改善を果たしてまいりました。しかし,新型コロナの影響により経営環境は激変し,令和2年度は前年度と比較すると,1日当たりのお客様数は両事業とも10万人以上の減少,運賃収入は両事業合わせて約150億円の減少となり,さらに,現時点においてもいまだ大幅な減少が続いております。このため,あらゆる事業を点検し,令和2年・3年度で両事業で14億円の経費節減を行いましたが,大幅な減収分を補うには至っておりません。このことから,現在経営ビジョン検討委員会において持続可能な安定経営に向けた方策等について議論いただくとともに,少しでも早く経営状況を改善し,将来にわたり市民の足としての役割を果たしていけるよう,新たな取組として御利用に応じた路線ダイヤの見直しや業務の見直し等による経費節減,更なる乗車券制度の見直しによる収入の増加策についても検討を行っているところであります。しかし,あらゆる経営努力を行ったとしても,コロナ禍での減収は余りにも大きく,今後の安定経営のためには運賃改定にも踏み込まざるを得ない厳しい状況です。議員御提案の市バス通勤定期券の割引率の見直しは,増収に向けた一つの検討材料と考えておりますが,今後,定期券を含む運賃制度の見直しに当たっては,新型コロナ収束後の混雑緩和に資する料金体系や市民の皆様を中心とする御利用頻度の高い方を優遇する観点も踏まえ検討していく必要があると考えており,見直しの中で総合的に判断してまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 稲田教育長。 〔稲田教育長登壇〕 ◎教育長(稲田新吾) オンライン授業についてでございます。本市では緊急事態宣言下においても,感染拡大防止と学びの保障の両立に向け,感染防止対策を徹底したうえでの通常登校を継続し,教科学習だけでなく,集団生活と対面授業で身に着ける協調性や社会性といった発達の保障にも努めているところであります。同時に,GIGAスクール構想で実現した児童生徒一人1台端末の環境の下,授業支援ソフトやデジタルドリル等を用いた日常的な学習を進めながら,全ての学校で緊急時等にオンライン授業を実施できる体制を整えたところであります。2学期当初には登校に不安を感じられる等御心配がある場合は遠慮なく学校へ相談していただくよう,全ての御家庭に向けて教育長名の文書で周知しており,御相談があった場合には,児童生徒の発達段階や一人一人の状況,保護者の御意向を十分踏まえながら,オンライン授業をはじめ様々な方法を組み合わせたきめ細かい学習保障を進めているところでございます。そうした中,2学期開始以降,登校不安などの個別の事情を踏まえた児童生徒へのオンライン授業を約110校で実施し,さらに,児童生徒等の新型コロナウイルス感染判明に伴う学級閉鎖等や,濃厚接触者特定による自宅待機となった場合などを含めると,約160校で授業のリアルタイム配信が実施されるなど,各学校の状況に応じたオンライン授業が適切に実施されており,御指摘の学校間格差というべき状況は生じていないと認識しております。今後ともICT環境を最大限活用し,緊急時等で家庭学習で活用できるコンテンツや端末を活用した授業の充実など,オンラインによる学習の質的向上はもとより,教職員のICTスキルの向上,児童生徒の情報モラル教育の推進等を図り,全ての児童生徒への最適な学習保障の実現に向けた学校支援に努めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 暫時休憩いたします。 〔午後3時9分休憩〕 〔午後3時35分再開〕 ○議長(田中明秀) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 休憩前の一般質問を継続いたします。市政一般について,宇佐美賢一議員に発言を許します。宇佐美議員。 〔宇佐美賢一議員登壇(拍手)〕 ◆(宇佐美賢一議員) 左京区選出の宇佐美賢一です。日本維新の会市議団を代表し,同僚の菅谷浩平議員と共に門川市長へ質問いたします。 まず,新型コロナウイルス感染症によって事業活動,御家庭,また,学校などでの日々の暮らしに引き続き大きな影響が続いています。お亡くなりになられた方に哀悼の意を表しますとともに,療養中の皆様にお見舞い申し上げます。また,医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様に感謝を申し上げます。日本維新の会としては,安心な京都の暮らしを支えるために,医療体制の充実,御希望者へのワクチン接種の推進はもちろん,飲み薬などのお薬を市民の皆様の身近に速やかに配備できるよう国と地方が連携して推進に努めてまいります。 さて,1番目に長年にわたる京都市一般会計の収支不足と市長の姿勢について質問します。私が議員を目指した理由の一つが京都市の財政問題です。京都市の一般会計の実態の収支が毎年100億円規模で合っていないと主張してきましたが,今まで京都市が市民へ発表してきた資料は実態が判然としないものでした。今回,京都市の決算資料で分かりやすく伝わるようにとマイナス172億円という数字が全面に出され,市民の皆様に激震が走りました。しかし,実はその資料にはまだカウントされていない数値がありました。将来の借金返済のために積み立てたお金を取り崩して帳尻を合わせる手法が,禁じ手だと昨今非難されていますが,それ以前は借金返済用に国から交付税措置された額の一部をそもそも積み立てず,毎年の予算で消費し,帳尻を合わせていました。これについては10年ほど前に,決算資料の細かい数値を計算し,おかしいと分かり当局に確認,その事実が判明。ちゃんと積み立てるべしと主張してきました。しかし,市は事実を認める一方で,後でちゃんと積み立てるから大丈夫ですと長年強弁してきました。なお,今現在は,そういった操作はなくなりました。ちゃんとした数値を市民にお示ししないと,改革のスタートラインに立てない。その隠れている金額も収支不足としてしっかり公表すべきと,私は総務消防委員会で指摘をし,資料を要求。この度公開されました。(パネルを示す)例えば,平成19年の桝本市政では決算発表数値は4億円の黒字,今回の資料ではマイナス164億円,実に168億円も開きがあります。市長,この数字,誰も市民は認識できていないですよ。なぜ今までこういったはっきりした形で市民へ公表してこなかったのですか。その結果,市民へ財政の破滅的状況が浸透せず,財政健全化が後れたのではないですか。その予算を提案した歴代市長や市の幹部職員に大きな責任があることはもちろんですが,その予算を結局は追認し,予算案を可決し続けてきた議会にも責任があると思います。京都市の財政は,この20年をとってみても,今まで何とかなってきたのではなく,一度も帳尻が合っていなかったことを市民に伝えることが本当の意味での京都市再生のスタートになると思います。まずは,なぜ公開してこなかったのかの理由を含め,今般の財政状況に至った市長の反省と謝罪を求めますが,市長自らお答えください。また,平成14年以降のこの収支不足推移を市民しんぶんで速やかに周知を求めますが,併せて答弁ください。 また,この財政状況の中,平成26年から6年連続で門川市長は自らと市会議員の期末手当,いわゆるボーナスアップの議案を提案,賛成多数で可決されてきました。我々維新は,会派結成から一貫してツケの先送りの財政状況ではボーナスアップの機にあらずと反対してきました。この資料でも分かるように,門川市政は,一時は財政が好転の兆しが見えていました。しかし,健全になったとまでは言えず,さらに,平成28年から再び財政数値が悪化。台風災害やコロナが近年続いたと言うかもしれませんが,財政が健全で予備的な基金があれば,ある程度は突発事態に対処できたはずです。ちなみに,大阪市では我が日本維新の会代表でもある松井市長は,コロナ禍で約60億円を掛けて小学校と中学校の給食費を無料とし,働く子育て世代を助けています。維新が財政立て直しを断行したから,今,財政出動できているのです。市長と市会議員のボーナスアップ議案を出したことに表れているように,危機的財政への認識の希薄化,過信,慢心があったのではないですか。それが市民や職員に伝わってしまい,財政の緩みを招き,今回の状況につながったのではないでしょうか。ちなみに,市長はこの2月市会で自らの報酬とボーナスを従来の2割カットから3割カットに減額されました。ボーナスアップの議案を出した当時を振り返り,門川市長はその判断について今どう思われますか。適切だったと言われますか。お答えください。 さらに,このコロナ禍の厳しいときに財政再建という一方で,大規模工事の契約は凍結せずにさっさと済ませる。契約した後で,お金がないと様々な市民負担を求める。市民から批判されても仕方ありません。何を今さら,それが市民の率直な感想ですよ。この際,累計で1億円を超える市長退職金は,減額なり辞退することを進言します。市長自らの答弁を求めます。退職金については,もうこれ以上職員に答弁させるべきではありません。いかがですか。 次に,事業の見直しに当たっての市長の姿勢についてです。今回,例えば児童館を中心に実施されている学童クラブ事業の利用料金の見直し,市民負担が1億円以上上がるという議案も提案されています。その説明を聞いて驚いたのは,約25億円掛かっている事業のやり方やコストの見直しはこれからですとのこと。しかも学区によって提供されるサービス形態が異なるため,利用料に大きく差がある実態もそのまま。検討はこれからですとのことです。ちなみに大阪市では学童クラブに相当する事業,全ての小学校の校内で実施していて市民負担はゼロ,無料です。市長,一体どのような行財政改革の指示を職員に出しているのですか。安直に市民負担有りきになっているのではないですか。一方で,役所内部の改革の内容やコスト削減はどうなっているのでしょうか。全く検討結果が聞こえてきません。いつ公表されるのですか。この場でその状況,スケジュールを答えてください。さもないと,京都市民増税計画とレッテルを貼られますよ。役所縦割りでばらばらと市民負担増を先に出してくるのではなく,納税者である市民の立場を中心に置いた議論,市民負担を求めるなら自らが大胆に発想転換して市民負担増を抑える,また,サービスを向上させる,その姿勢こそが市民の御理解を得るために必要ではないですか。順番が逆ではないですか。市長の改革への姿勢,今の全体の検討状況,お答えください。 3番目に,公園の運営,活用について3点質問します。 まず,松ヶ崎の松賀茂公園拡張予定地です。周囲は坪単価100万円を超える住宅地のど真ん中に,いまや雑木林と化した1,000坪の平らな土地。時価で10億円にはなるでしょう。平成初期まで公園や道路の木々の苗を育てる京都市の苗ほだったものを閉鎖して20年以上です。もういいかげんに戦前からの計画どおりに公園にして市民に開放するか,貸し出すかなど考えるべきです。市民に開放されるわけでもなく,固定資産税や地代などの収入にもならず,毎年草刈りの経費は掛かる。しかも,現在の利用方法は建設局の小さな書類置き場くらいです。私が初当選以来,何度も指摘しています。なぜなら,隣接の今ある松賀茂公園は,松ヶ崎学区の中で小中学生がみんなで集まって遊ぶことができる唯一の児童公園だからです。しかし,狭いためトラブルになりがちで設備も老朽化しています。今後,地元の事情や意向をしっかり踏まえつつ,前向きに実行に移すべきです。いかがでしょうか。 次に,宝が池公園です。これも戦前から公園にする計画ですが,いまだ全面開園できていません。今回特に問題視するのは,その京都市が取得した土地の使い方です。妙法の「法」の山の北側,ちょうど宝ヶ池トンネルの西側。ここは,長年にわたり,建設局がごみ捨て場に使っています。(パネルを示す)道路で廃棄されたごみや作業で出た産業廃棄物,また,災害ごみが市民に見えにくいところで野積みになっています。今回現地調査し,問題ではないかと指摘しましたが,公園予定地であって公園として開園していないから法的には問題ないということですが,考え方がおかしいのではないでしょうか。宝が池公園周辺の山林については,大学,地元,NPO,それこそ京都市も入って保存再生協議会が手弁当で山の保全活動をされています。そんな中,京都市は自らが取得した山には維持管理費用は使うものの,計画予定地で未取得の山の整備は民間に任せきり,さらに,取得した山を産廃置き場にも使っている。山を大事に再生に尽力されている地元に,それで理解が得られるのでしょうか。産業廃棄物を処分し,公園として開放すべきです。それこそ,宝が池公園の利活用を推進しているのですから,ここを例えば臭いや騒音で近隣トラブルになるバーベキューのための有料施設などに活用することで,課題解決にもつなげるべきではないですか。 さらに,未取得の土地についても再三指摘していますがほったらかしの状態はどうかと思います。地元の意向をしっかり踏まえながら,公園の今後を改めて検討し,購入すべき土地は購入し,例えば事実上宅地化されている場所については,公園計画の線引きの見直しも行うなど,これも前向きに実行に移すべきと考えますが,お答えください。 公園活用の最後に,スケートボードについて質問します。オリンピックで日本の若者が金メダルを取るなどの活躍が注目を集めました。京都市の公園でスケートボードが自由にできるのは,南区にある火打形公園のみですが,昨年来,コロナ禍でスケートボードが人気となり,市内各所で公園でのスケートボードが騒音などで問題になっています。しかし,やる場所がないのに青少年を追い出すだけでは解決にならないと考えます。他都市では,専用施設の建設はもちろん,公園やスポーツ施設の駐車場などを簡易に区切って専用場所にするなどの工夫もし,対策に乗り出しています。私は若者,スケートボードショップ,また京都市スケートボード協会様に実情を伺い,京都市にその声を届け,提言してまいりました。その後,京都市でも京都市スケートボード協会様と意見交換を行っているとのことですが,具体的な対策,特に京都市の北側での場所の確保を求めます。いかがでしょうか。また,火打形公園も表面が傷んで安全面で心配のお声が寄せられています。青少年が気持ちよく練習できるように適切な補修も併せて求めます。いかがでしょうか。 最後に,危機的財政状況の中,寺社へも協力を求めることを要望いたします。去る予算市会で,私も活用をすべきと指摘していたふるさと納税の電子感謝券が京都市で導入されたことは評価します。これは,他の自治体の居住者がスマホとクレジットカードで簡単に京都市に寄付ができ,1万円寄付すれば3,000円のポイントがもらえ,京都市内の加盟店や京都市の施設ですぐに使える仕組みです。少ない観光客でも直接的な収入増に直結するため,コロナ禍の状況にも適しています。全国から多くの方がお越しになる寺社へも電子感謝券への参加を呼び掛けてはと予算委員会で提案していましたが,まだ参加されていないようです。古都税のように課税ではないため,京都市にとっても寺社にとっても利用者にとっても負担が増えるものではありません。直接的に導入は無理でも,観光協会などを経由した形,例えば電子感謝券で手に入る共通拝観券などを企画してはどうでしょう。方法はともあれ,危機的な財政の中,寺社へ市長から協力をお願いすることを強く要望いたします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 宇佐美賢一議員の御質問にお答えいたします。 財政状況の公表についてであります。本市では,ぜい弱な税収構造が続く中においても,本市独自の施策により福祉,医療,教育,子育て支援等の充実を図り,市民生活の向上等に取り組んでまいりました。その一方で,市長就任以降の13年間で649億円の事業の見直し,職員数3,500人,年間人件費281億円を削減するなど行政改革に間断なく取り組み,高齢化等に伴い増加する社会福祉予算に充て,確保してまいりました。しかし,三位一体改革以降,地方交付税が大幅に削減されるなどがありまして,現行の市民サービス水準と市民負担の維持に重きを置いた結果,収支の不均衡,特別の財源対策で負担する状況が平成14年度から続いていることにつきましては真摯に受け止めます。今後,行財政改革計画に基づき改革を進め,持続可能な財政確立への道筋を確かなものにすることで,市民の皆様への責任を果たしてまいります。また,本市の財政状況の実態につきましては,特別の財源対策の実態もしっかりと説明したうえで,それを行ったうえでの予算決算であることも含めて,これまでからあらゆる場を通じて発信してまいりました。しかし,毎年の決算においては,他の多くの自治体と同様,地方財政健全化法上の実質収支を発表してきましたが,本市の実態が市民に分かりにくい状態であったことも事実でございます。このため,昨年度徹底した市民公開の下で議論した持続可能な行財政審議会の答申も踏まえまして,令和2年度決算から市民しんぶん等を通じてより分かりやすい発信に努めております。なお,御質問の臨時財政対策債の償還に係る交付税措置額と実際の公債償還基金への積立額との差につきましては,交付税算定において国が使用する積立てのルールと本市のルールの違いによって生じるものであり,他の自治体においても例がございます。しかし,本市におきましては,平成28年度から解消しており,今後この差については縮小してまいります。これまでの実質的な収支不足額の状況も含めまして,今後一層より分かりやすく情報発信し,丁寧な説明に努めてまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 鈴木副市長。 〔鈴木副市長登壇〕 ◎副市長(鈴木章一郎) 私から公園の利活用についてでございます。 初めに,松賀茂公園予定地については,昭和18年から平成9年まで樹木や花きの育成や展示を行うとともに,造園や園芸の相談を受け付ける場所として活用しておりました。昭和36年に西側を松賀茂公園として整備し,一定規模の面積を開園したことから,公園が不足しているその他の地域の整備を優先してまいりました。昨日も御答弁申し上げましたが,今後は,未開園部分の売却も視野に,その在り方を検討してまいります。 次に,宝が池公園についてでございます。宝が池公園の予定地の一部につきましては,災害時に発生する土砂や樹木,また,道路や公園の日常の維持管理の中で出る拾得物等を一時的に置くために使用しておりますが,本市では今年度から公園の新たな利活用を民間事業者等との協働の下で進めており,宝が池公園の御指摘の場所についても,候補地の一つとして活用に向けた検討を進めているところです。なお,未取得の公園予定地につきましては,今後の社会情勢の変化を注視し,必要に応じて検討してまいります。 最後に,スケートボードについてでございます。オリンピックを契機に改めて市民の関心が高まっていることから,スケートボード練習場所としての試行的運用をはじめ,公園の利活用について検討してまいります。また,火打形公園につきましては,地域の方々の御理解,御協力の下,平成16年に開園して以降,必要に応じて補修しており,引き続き適切な維持管理に努めてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 川端監察監。 〔川端監察監登壇〕 ◎監察監(川端昌和) 市長等の期末手当及び退職手当についてでございます。議員,市長の期末手当については,市民ニーズがますます高度化,複雑化する中にあって,重責を担う職としてふさわしい水準であるよう,国との均衡等を踏まえ適切に改定しております。一方で,市長の令和2年6月の期末手当につきましては,新型コロナウイルス感染症における財源確保のため,カット率を10パーセント上乗せするとともに,令和3年度からの3年間は危機的な財政状況を踏まえ,給与及び期末手当のカット率を20パーセントから30パーセントに引き上げたところでございます。市長の退職手当につきましては,地方自治法及び本市条例に基づき支給している一般的な制度であり,市長退任時等に,それまでの任期に応じた手当額が支給されるものであります。また,その水準につきましても,市長の職責や民間企業における支給状況,他都市との均衡等を考慮して適切に設定しており,これまでから平成25年に約13パーセント,平成30年に更に4パーセントの引下げを行っております。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 功刀財政担当局長。 〔功刀財政担当局長登壇〕 ◎財政担当局長(功刀岳秀) 改革内容の検討状況についてでございます。行財政改革計画に基づく改革の推進に当たっては,まず徹底した庁内改革を進めることとしております。具体的には,給与カット等による50億円の捻出,業務の効率化,委託化による670人の減員,時間外勤務の縮減などにより,令和7年度までに総額215億円の財源を捻出するほか,区役所・支所等でのキャッシュレス決済の導入,書かない窓口の取組など行政事務のデジタル化,まち美化事務所などの組織の再編,統合,行政計画の在り方検討,庁内の意思決定の効率化など,行政内部の改革を強力に進めてまいります。そのうえで,あらゆる施策,資産を再点検し,今の子供たちに将来過度な負担を負わせないよう,各種施策が持続可能なものとなるよう再構築してまいります。これにより生み出された財源は,市民生活のセーフティネット機能の維持,強化に再配分していくこととしており,計画に掲げる改革が市民負担有りきのものになっているということはありません。現在,行財政改革計画に基づく改革について,令和4年度予算編成に向けた具体化の検討を重ねているところであり,改革の方向性が定まったものからお示ししてまいります。引き続き,市民目線に立った改革の検討を進めるとともに,見直しの内容につきましては,市民の皆様に御理解を得られるよう丁寧な説明を行ってまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中明秀) 次に,市政一般について,菅谷浩平議員に発言を許します。菅谷議員。 〔菅谷浩平議員登壇(拍手)〕 ◆(菅谷浩平議員) 北区選出の菅谷浩平です。日本維新の会市議団を代表し,宇佐美賢一議員に続いて京都市政一般について質問並びに提言をさせていただきます。 初めに,京都市では8月に策定したばかりの行財政改革計画で今後5年間に消費的経費を77億円削減し,投資的経費を年平均170億円に抑制することを目標としています。支出の効果が単年度若しくは短期的に終わる消費的経費と異なり,効果が将来にわたって残る資本形成のための投資的経費については,これらの一部ではありますが凍結をする,あるいは見直すという市の方針について,重要な考え方であると私も思います。ただし,今年の2月市会で約270億円の費用が掛かる京都市立芸術大学の移転工事契約をこの財政難のさなか進めるなど,市は財政再建への認識が依然として不十分であるとも言えます。来年度以降は市民生活に影響を及ぼさない範囲で,いかにこの投資的経費の執行抑制ができるかも大変重要となります。今後は,耐震性や防災,安全対策のための緊急性を要するような投資的経費を除き,そうでないものについてはオールオアナッシング方式のガバメントクラウドファンディングの積極的な活用を市に提言したいと思います。 オールオアナッシング方式のガバメントクラウドファンディングとは,特定の事業を行うのに必要な財源をふるさと納税による寄付により集める制度で,目標金額に到達して初めて事業が行われるといったイメージの制度であります。これまで京都市は寄付を同時に募ることで支出の抑制を図ってきましたが,目標金額を定めていない,オールオアナッシング方式ではない,いわゆるオールイン方式のため,実際にはほとんどの支出が市の財源によるものとなっております。財政破綻目前の京都市に今求められているのは,なりふり構わず,プライドを捨て,財政再建に向かって突き進むんだというリーダーによる強いメッセージなのだろうと私は思います。緊急性を要しないものや市が一時凍結をしている事業に係る投資的経費については,このガバメントクラウドファンディングの積極的活用により,財源が確保できたものから順に着手するというような,大胆な発想の転換で財政再建を行っていただきたいと思いますが,市長の考えをお聞かせください。ただし,自分たち役所がぜいたくをしていては,助けてくれるものも助けてくれません。正に質素倹約,役所を運営するための経費については,極力ぜいたくをしないという姿勢が重要であります。 そこで次に,市に対して提言したいのは先月から供用が開始された本庁舎に続いて,今月から解体工事が始まる北庁舎の建替えについてであります。約4年にわたる改修工事を終えたばかりの市役所本庁舎については,工期の延長など総事業費は当初の予定よりも多くなるなど,市の見通しの甘さが議会でも度々指摘をされています。関西近代建築の父と称される建築家武田五一氏の監修で西洋,東洋の様式が融合し,近代建築を象徴する建物の一つとして評価が高いこの本庁舎の改修工事では,昭和2年の完成当時の趣を残しつつ,耐震基準を満たしていない,老朽化している,バリアフリー化が十分でないなどの点が改善されております。一方で,式典などに用いられる正庁の間の壁面に織物を張る緞子張りや,茶室として使える畳敷きの応接室を整備するなど式典や来賓の歓迎行事で利用することを想定した改修が行われており,全体的に大変豪華な仕様となっております。しかしながら,北庁舎に関しては今後の市の厳しい財政状況を鑑みても,最大限の工費圧縮に努めることを市には改めて求めておきたいと思います。柱の1本,タイルや窓ガラス1枚の仕様に至るまでコスト意識を徹底して行えば,恐らく数億円単位で歳出削減効果は期待できるものと考えております。市としてどのような目標を持って,2025年度の北庁舎の整備を完了させようとしているのか,市の考えをお聞かせください。あわせて,北庁舎の取り壊しに伴い,これまで北庁舎の屋上に設置されていた喫煙スペースが西庁舎の屋上に移設されたとのことであります。勤務時間中の職員の喫煙のルールについてはかねてより見直しを市に対し求めてきたところであり,職員の喫煙時間に対しても支払われている人件費はそれだけで年間億単位にも及び,決して看過できるものではありません。そちらにいらっしゃる岡田副市長は,北庁舎の建替えに合わせ喫煙所の在り方を検討すると昨年の私の9月市会で答弁されましたが,本気で行財政改革をする気があるのか,改めて,岡田副市長に答弁を求めたいと思います。 ここで一旦,質問を切らせていただきます。 ○議長(田中明秀) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 菅谷浩平議員の御質問にお答えいたします。 ガバメントクラウドファンディングの活用についてでございます。本市では,個人,企業において社会的課題の解決に取り組む機運が高まっている状況を捉え,民間資金の更なる獲得や活用に向け取り組んでいく必要があると考え,既に様々な挑戦をいたしております。例えば,ソフト事業を中心に文化芸術活動の支援や,再生医療の研究開発の支援事業においてガバメントクラウドファンディングを活用し,目標額を上回る金額を獲得しており,今後もこうした成功事例のノウハウを全庁で共有のうえ,更なる活用に向けて取り組んでまいります。また,投資的経費に掛かるオールオアナッシング方式のガバメントクラウドファンディングにつきましては,億円単位の多額の費用が必要となる事業が多い中,寄付を集めることが現実的に可能かどうかという課題もあり,事業の規模や募集期間についても研究が必要であります。今後も,公益目的だから全て税金で負担という発想から脱却し,民間資金を積極的に活用してまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中明秀) 岡田副市長。 〔岡田副市長登壇〕 ◎副市長(岡田憲和) 北庁舎の整備についてでございます。市庁舎整備事業は耐震性能の不足,執務室の分散化に伴う民間ビル賃借等に係る年間8億円の経費負担や,バリアフリー化への対応等の様々な課題を解消するために整備を進めているものであり,北庁舎につきましては,令和6年度末の完成に向けて工事に着手したところでございます。新北庁舎の整備に当たりましては,建築工事においてコスト削減のために仕様書の見直しを行ったうえで入札を実施し,落札額は予定価格から約3.6億円減少したところでございます。また,今後,入札を控えている設備関連の工事につきましても,同様に更なるコストの削減に向けて精査を行っております。くわえまして,財源の確保に当たりましては国費を最大限活用するとともに,後年度負担の少ない市債を充当するなど本市財政負担の抑制を最大限図ることとしております。 職員の勤務時間中の喫煙につきましては,職務に支障がなく,市民の信頼を損なわないよう節度を持って行う限りにおいて認めており,喫煙による長時間の職場離脱を厳に慎むこと等について,機会あるごとに職員に文書等で周知指導を行っております。引き続き社会情勢の変化等を踏まえ,現状確認も継続しながら喫煙所の在り方も含めその検討を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 菅谷議員。 〔菅谷浩平議員登壇〕 ◆(菅谷浩平議員) 前半は歳出抑制について質問と提言をさせていただきましたが,厳しい財政状況下でも必要な投資はすべきとの観点から,後半は質問と提言をさせていただきます。 まずは,開発などによる発掘調査で市内の地中から出土した出土遺物の保管の在り方についてであります。京都市では現在,市内8箇所の収蔵庫で出土遺物の保管をしておりますが,保管状態は決してよくはなく,文化財保護課によれば,刀剣や木簡など出土遺物の一部が劣化や損傷してしまっているとのことであります。現在,市が保管をしている出土遺物は縦40センチ,横60センチ,高さ15センチのコンテナケース約21万個分も保管されているそうでありますが,特に金属や木製の出土遺物は保管方法が大変難しく,乾燥や湿度にも非常に弱いため,適切な管理が必要と言われております。今回,国の財源を活用した補正予算で,置き型の除湿機が購入されるなど一定の環境改善が図られているようでありますが,出土遺物の適切な保管の観点からはそれが十分でないことは火を見るよりも明らかであります。信じられないことに出土遺物を保管する京都市の収蔵庫には,基本的に湿度や温度を調節する機能が完備されておらず,このこと自体がそもそも大問題であります。また,収蔵庫内の保管場所についても,現時点で8施設の合計使用率は既に約95パーセントと数年以内に保管場所がなくなることも分かっております。大阪市や神戸市,奈良市,岡山市といった近隣の都市ですらきちんと保管ができる施設を持っております。財政難であっても京都市は自らを文化都市であるとか歴史都市であると評するのであれば,京都市の歴史的財産である出土遺物を適切に管理,保管するための体制や施設の整備に速やかに取り掛かっていただきたいと思います。市では,現在使われていない市の遊休施設の活用も含め検討されているようでありますが,来年度の予算措置も含め,今後の迅速な市の対応を求めたいと思います。出土遺物の適切な保管の見直しについて,今後の対応をお聞かせください。 次の質問です。京都市が8月に策定をした行財政改革計画では,今から2年前の市長選のときの門川市長の公約がほごにされている点が幾つもあり,市民を代表して質問をさせていただきます。京都市はこの行財政改革計画の中で地下鉄ホーム柵の全駅設置を延期することを表明しており,烏丸線の北大路駅のホーム柵の設置完了後については,何らめどが示されておりません。現在,地下鉄ホーム柵が整備されていない駅では非常ボタンの設置,弱視の方用に注意喚起の線が引かれるなどの対策がしてあるとのことでありますが,目の不自由な方をはじめ,地下鉄利用者の安全確保策については,財政難の中でもできる範囲でより一層図るべきと考えます。市営地下鉄では,平成28年度からの過去5年間で視覚障害者の方の駅ホームへの落下事故は20件のうち1件のみでありましたが,利用客が激減する中でも今年に入って全体の事故は既に3件,そのうち1件が視覚障害の方によるものと聞いております。駅ホーム柵の設置については,巨額の財源が必要となり見送らざるを得ないとしても,費用を抑えた安全確保策は来年度以降にもやはり着手すべきであります。例えば,改札やホームのカメラをAI,人工知能を搭載させたカメラにすることで,カメラが白杖をお持ちの方や盲導犬をお連れの方を自動で認識し,危険を察知した場合に音声ガイドが自動的に流れるような仕組みであったり,点字ブロック上にQRコードを配しておくことで,専用のアプリが視覚障害者の方たちに音声でガイドをするなどの対策などが考えられます。門川市長は市長選の公約でホーム柵の全駅設置を公約に掲げて当選された後,財政難を理由にこれらの凍結を表明されてから9箇月近く経過しておりますので,ホーム柵が整備されるまでの間,どのような代替案で地下鉄利用者の安全に向けた取組を行うのか,改めて考えをお聞かせください。 最後に,行政区の再編について市に提言をしたいと思います。現在,京都市は北区から伏見区まで11の行政区を持ち,人口としては国内で8番目に多い約145万人を抱える大都市であります。この数年は,観光需要などを背景に市税収入が過去最高となるなどしましたが,それ以上に支出が上回る赤字体質からの脱却ができず,数年後には財政破綻かというところまで来てしまいました。そんな中,ほかの政令市では,人口減少による市税収入の減少や福祉経費など今後増加が予想される支出に対応するため,行政運営に係る役所の適正なランニングコストへの移行を検討する自治体が増えてきております。これらの市に共通するのは,行政区当たりの人口が少ない,あるいは行政区や区役所の数が多いとされる都市であり,最近では市を廃止して24ある行政区を四つの特別区に再編し直す大阪都構想を掲げた大阪市のほか,静岡県の浜松市や新潟市でも行政区の合区,再編が現在も議論,検討されております。また,京都市は他都市に比べ職員の数が多く,人件費も高いことが問題点として有識者委員会からも指摘されております。行政区の再編によって市役所と区役所の適正な組織再編を行えば,職員数の見直しにもかなりの効果が現れることは現に行政区の再編を検討している大阪市や浜松市,新潟市での試算,検証からも分かります。さらに,京都市の行政区の再編の可能性について検討すべきかは,別の比較からも見ることができます。例えば,京都市よりも人口が多い札幌市,神戸市,福岡市はいずれも行政区の数が京都市よりも少なく,一方で,市街地の面積が京都市よりも広いことが調べてみると分かりました。つまりこれらの都市は,京都市よりも広い町なかにおいて,一つの行政区で受け持つ人口が京都市よりも多いにもかかわらず,行政サービスを問題なく提供することができております。皆さんの中でこれらの都市の行政サービスが行き詰まっているといった話を聞いたことはありますでしょうか。むしろ福岡市などでは,京都市とは違い人口流入が止まらないといった状況でもあります。行政区の再編を行うことで,行政規模の適正化が図られるとともに,組織の単位を拡大させることで業務量の平準化も図ることができ,より効率的な都市経営が期待できると考えております。京都市は財政破綻しそうなわけでありますから,行政サービスをいかに持続的なものにしていくのか。京都市にふさしい将来的な行政区の在り方を市民と議会と京都市が共に議論しながら検討を進めていく。今がまさにそのときではないでしょうか。京都市内の行政区の適正規模に関する在り方を今からでも検討すべきと思いますが,最後に門川市長の考えをお聞かせいただき,私からの代表質問とさせていただきます。(拍手) ○議長(田中明秀) 吉田副市長。 〔吉田副市長登壇〕 ◎副市長(吉田良比呂) 私から行政区の再編についてお答えをさせていただきます。行政区の区域の見直しについては,地域コミュニティの活動範囲や区民の行政区への愛着,また仮に再編を行う場合には,住所変更に伴う市民負担など市民生活への様々な影響について十分に考慮する必要がございます。そのため,現行の行政区域の下,行政区間の規模の違いから生じる懸念や課題を軽減,解消する方策を講じ,業務の効率化を図ることとしています。区役所・支所においては,まちづくりや福祉,保健,子育て,地域防災など,それぞれの区の特性に応じたきめ細やかな行政サービスを提供する一方,効果的,効率的な体制となるよう税業務の集約化や証明郵送サービスセンターの設置をはじめ,これまでから行政区域に捕らわれない体制の効率化に取り組んでまいりました。本市といたしましては,行政手続のデジタル化に向けた動きが大きく加速している状況を踏まえ,オンライン手続の拡充やICTの活用などスマートな区役所づくりをしっかりと進め,引き続き,市民サービスの向上と業務の効率化に取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 山中文化芸術政策監。 〔山中文化芸術政策監登壇〕 ◎文化芸術政策監(山中博昭) 出土遺物の保管についてでございます。京都は平安遷都以来,千年以上にわたり我が国の都として絶えず新しい文化を創造してきた都市であり,多くの有形,無形の文化遺産が所有者や市民の皆様の御尽力により守り伝えられてきました。京都市域で日々発掘される多くの出土遺物も我が国や京都の歴史及び文化を知る上で欠かせない国民共有の貴重な財産であり,将来にわたって保存すべきものであります。本市では,市内に8箇所の収蔵施設があり,それらの出土遺物を収蔵しております。しかし,近年の民間建物建設などで出土遺物が急増しており,そうした中で収蔵環境についてはより適切にしていく必要があると考えております。今般,9月補正予算におきまして,新型コロナ対策として収蔵施設の空調設備等の導入に必要な経費を提案し御議決いただきましたが,これは収蔵環境の改善の課題にも資するものであります。さらに,新たな保管場所の確保のため,本市が保有する施設の活用について庁内で検討を進めてまいります。厳しい財政状況ではありますが,国民共有の貴重な財産であり,歴史都市・京都の宝でもある出土遺物をはじめとする文化遺産を未来へしっかりと継承できるよう今後とも努めてまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) 山本公営企業管理者。 〔山本公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(山本耕治) 地下鉄ホームの安全対策についてでございます。経営ビジョンでお示しした烏丸線全駅への可動式ホーム柵設置については,新型コロナの影響により大幅な減収となり,やむを得ず延期することとしたものの,設置する方針そのものに何ら変更はありません。ホーム柵の設置がない駅の安全対策として,議員御紹介の新技術については現在国においても研究が進められているところですが,AIカメラで注意喚起する仕組みはまだ実証実験も行われておらず,また,点字ブロック上のQRコードにより案内する仕組みは,ホーム柵のある駅で案内誘導用として導入されているのみで,転落防止用として使用するには十分な安全性の検証が必要とされており,実用化には至っておりません。現在交通局では,他事業者のホームの安全対策の把握に努めながら,有効な対策として非常停車ボタンの設置,列車進入時の警報音の導入,弱視の方にホームの端が識別しやすい赤色の注意喚起ライン設置などのハード対策や駅係員による視覚に障害のある方への積極的な声掛け,お客様同士での声掛けを求める啓発活動等のソフト対策を実施しているところであります。今後も新しい技術の進展を注視しながら,引き続きホームの安全対策に取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(田中明秀) これをもちまして一般質問を終結いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 〔午後4時24分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~          議長    田中明秀          副議長   吉田孝雄          署名議員  やまずまい子          同     久保田正紀 △(イメージ)請願文書表「受理番号1106」「新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金の非課税措置」・請願文書表「受理番号1107」「新型コロナウイルス感染症の影響による国保等の減免の充実等」 △(イメージ)請願文書表「受理番号1108」「学童保育利用料における応益負担の導入の撤回」・請願文書表「受理番号1109」「学童う歯対策事業の継続及び子ども医療費支給制度の拡充」 △(イメージ)請願文書表「受理番号1110」「学童クラブ事業における利用料金の値上げの撤回等」・請願文書表「受理番号1111」「小学校のような全員制の中学校給食の実施」 △(イメージ)請願文書表「受理番号1112」「新型コロナウイルス感染症の影響に対する営業補償等」・陳情文書表「受理番号1576から1732まで」「敬老乗車証制度の見直し案の撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1576から1732まで」「敬老乗車証制度の見直し案の撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1576から1732まで」「敬老乗車証制度の見直し案の撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1576から1732まで」「敬老乗車証制度の見直し案の撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1576から1732まで」「敬老乗車証制度の見直し案の撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1576から1732まで」「敬老乗車証制度の見直し案の撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1576から1732まで」「敬老乗車証制度の見直し案の撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1576から1732まで」「敬老乗車証制度の見直し案の撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1733から1855まで」「学童クラブ事業利用料金の値上げの撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1733から1855まで」「学童クラブ事業利用料金の値上げの撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1733から1855まで」「学童クラブ事業利用料金の値上げの撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1733から1855まで」「学童クラブ事業利用料金の値上げの撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1733から1855まで」「学童クラブ事業利用料金の値上げの撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1733から1855まで」「学童クラブ事業利用料金の値上げの撤回」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1856」「学童クラブ事業における利用料金の値上げの撤回」・陳情文書表「受理番号1857」「北部山間地域における建設残土等に関する指導強化」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号1858」「地域まちづくり構想の見直し等」...