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05月19日-03号

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  1. 京都市議会 2017-05-19
    05月19日-03号


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    平成29年  5月 定例会     平成29年     定例会       京都市会会議録 第3号     5月市会                    平成29年5月19日(金曜日)出席議員(67名)   1番 森 かれん議員   2番 菅谷浩平議員   3番 こうち大輔議員   4番 やまずまい子議員   5番 大西ケンジ議員   6番 豊田貴志議員   8番 山本陽子議員   9番 平井良人議員  10番 やまね智史議員  11番 江村理紗議員  12番 大津裕太議員  13番 宇佐美けんいち議員  14番 森川 央議員  15番 西山信昌議員  16番 かわしま優子議員  17番 国本友利議員  19番 平山たかお議員  20番 寺田一博議員  21番 西村善美議員  22番 ほり信子議員  23番 山田こうじ議員  24番 森田ゆみ子議員  25番 村山祥栄議員  28番 山本ひろふみ議員  29番 青野仁志議員  30番 平山よしかず議員  31番 吉田孝雄議員  32番 湯浅光彦議員  33番 加藤昌洋議員  34番 森田 守議員  35番 田中たかのり議員  36番 みちはた弘之議員  37番 くらた共子議員  38番 河合ようこ議員  39番 樋口英明議員  40番 加藤あい議員  41番 赤阪 仁議員  43番 天方浩之議員  44番 中野洋一議員  45番 隠塚 功議員  46番 山岸たかゆき議員  47番 安井つとむ議員  48番 曽我 修議員  49番 久保勝信議員  50番 しまもと京司議員  51番 椋田隆知議員  52番 下村あきら議員  53番 西村義直議員  54番 吉井あきら議員  55番 田中明秀議員  56番 山本恵一議員  57番 山中 渡議員  58番 井坂博文議員  59番 北山ただお議員  60番 玉本なるみ議員  61番 西野さち子議員  62番 井上けんじ議員  63番 鈴木マサホ議員  64番 大道義知議員  65番 ひおき文章議員  66番 津田大三議員  67番 中村三之助議員  68番 橋村芳和議員  69番 小林正明議員  70番 繁 隆夫議員  71番 富 きくお議員  72番 井上与一郎議員欠席議員(なし)   議事日程   開議日時 平成29年5月19日(金)午前10時   一般質問(1)市政一般について  富 きくお議員(2)市政一般について  しまもと京司議員(3)市政一般について  みちはた弘之議員(4)市政一般について  西野さち子議員(5)市政一般について  ほり信子議員(6)市政一般について  吉田孝雄議員(7)市政一般について  大道義知議員(8)市政一般について  天方浩之議員   文書質問   市政一般について  豊田貴志議員~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕 ○議長(寺田一博) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) この場合,議席の変更を行います。20番津田大三議員を66番に,66番寺田一博議員を20番に変更いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) 次に,本日の会議録署名者を指名いたします。田中たかのり議員森田ゆみ子議員とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) これより一般質問を行います。 発言の通告がありますので,これを許します。市政一般について,富きくお議員。 〔富きくお議員登壇(拍手)〕 ◆(富きくお議員) おはようございます。自民党山科区選出の富きくおでございます。自由民主党京都市会議員団を代表し,本日は,同僚のしまもと京司,みちはた弘之両議員と共に市政一般について質問をいたします。 まず,文化庁の京都移転に関してです。文化庁の京都全面移転の方針が決定して1年余り。先月,先行移転として文化庁地域文化創生本部が,本市の上下水道局旧東山営業所を使って業務を開始いたしました。文化庁の一部とはいえ,ようやく京都への移転が実現したわけであります。この地域文化創生本部は,本格移転に向けた準備と共に,これまでの文化行政の枠組みにとらわれず,新たな政策ニーズに対応した事業を地元の知見やノウハウなどをいかしながら先行的に実現するための組織であり,京都や関西の協力,連携が大いに期待されています。こうした要請に応えるため,この推進本部には場所の提供と併せて,京都市と京都府からそれぞれ5名のほか,関西広域連合の構成自治体,京都経済界や関西経済界の企業などからも職員を派遣するなど,京都だけでなく関西を挙げて支援していく体制が築かれたところであります。事業の実施においても,この推進本部と京都市がしっかり連携していかなくてはなりません。地域文化創生本部が発足して1箇月半。まず,この本部に対する期待や京都市としての決意など,市長の思いを伺います。 また,本格移転についても,その実現に向けた検討,協議を加速していく必要があります。今年の8月末までに移転してくる組織の規模や移転の時期がある程度明らかになってくるとのことであります。文化庁は,この京都への移転決定に合わせて,地方創生や文化財の活用など,新たな政策ニーズに対応して機能強化を図るとされています。これにより,体制を拡充しつつ,国会対応や外交関係など東京に残す機能を切り分けるための抜本的な組織再編をしたうえで移転することになっておりますが,昨今,東京の文化芸術団体などが移転に否定的な見解を表明しているとか,また,官僚が骨抜きにしようとしているのではないかなどの新聞報道も見受けられます。 この度の文化庁の全面的な移転は,そもそも東京一極集中の是正と,京都だけでなく全国の地方創生のために政府が率先垂範して,中央省庁の地方移転を進めようという大きく,かつ高まいな方針の下に英断を下したものであります。東京には国会対応など最小限の体制だけを残し,最大限全面に近い内容での京都移転が早期に実現することを強く求めるものであります。我々,自由民主党市会議員団といたしましても,引き続き党本部やまた政府に強力に働き掛けてまいりますが,京都市としても,誘致の際にオール京都で示した庁舎建設への応分の負担や職員の受入れに対する協力などについて,市民の理解の下,京都府や経済界とも一体となってしっかり対応していく必要があると考えます。本格移転に係る協議がいよいよ大詰めを迎える中,全面的な移転の早期実現に向けた市長の決意を伺います。 次に,来年の明治150年に向けた取組について伺います。先ほど質問いたしました文化庁が担う我が国の文化政策は,その起源は明治時代に始まります。この文化政策をはじめ様々な政策や国の形の基礎は,明治以降,近代化に向けた歩みを進めることで築き上げてきました。例えば,内閣制度や議会の設置,国際社会への対応,義務教育の導入など,今日の日本社会の形成につながる取組は,実に多岐にわたっています。明治という時代は,長い歴史の中の一つの時代という以上の大変重要な意義を持つ時代であると言えます。そして,幕末から大政奉還,明治維新に掛けて,激動の時代の中心地であり,明治という時代の誕生へと我が国の歴史を導いたその地,そのまちこそ,正にここ京都であったのであります。 折しも,来年平成30年は明治元年から満150年の節目に当たります。国においては昨年10月,内閣官房に明治150年関連施策推進室を設置し,取組を推進しようとしています。京都市では,こうした国の取組に先駆けて今年度,幕末維新にゆかりのある21都市が京都に集い,歴史を学びながら未来に向けて交流,連携する大政奉還150年記念プロジェクトをはじめ,独自の取組を進めています。明治23年に建設されたこの時代を代表する歴史・文化遺産である琵琶湖疏水は,山科とも関わりが深く,今回船下りを復活し,先人の偉業を学ぶとともに,沿線地域の活性化を図る取組も進められています。今日,急激な人口減少の進展など困難な時代を迎える中,私は,明治期の困難克服の歩みを改めて振り返り,将来につなげていく取組を国とも連携しながら,京都こそが先頭に立って行うべきであると思います。本番は来年ですが,京都市が今年度進めている大政奉還150年などの先行した取組をいかし,来年の明治150年へと市民の皆さんと共に機運を高め,積極的に全国の取組をリードしていくべきと考えますが,市長の考えを伺います。 次に,京都の更なる安心・安全のまちづくりについてお伺いします。千葉県で小学生女子児童が殺害されるなど,子供の安心・安全を脅かす凶悪な犯罪などが後を絶ちませんが,京都市内で同様の事件を絶対に起こしてはなりません。これらの事件では,防犯カメラの効果が大きく報道されており,防犯カメラの設置が犯罪の早期解決に大きな役割を果たしています。もちろん,まず第一は,犯罪を起こさせないために防犯環境を良くすることが最も重要です。防犯カメラの設置は,単に設置による直接の犯罪抑止効果が見込めるだけではありません。何よりも地元自治会を中心とした地域住民の方々が,防犯カメラの設置場所の選定などを通じて地域の安全点検や危険箇所の検証の議論を重ねていく,その積み重ねが,地域住民の防犯意識の高揚や防犯活動の活性化につながり,同時に地域住民に安心感を与えることにもなっていると,私自身も防犯カメラの設置に関わり,お手伝いをする中で実感いたしております。京都市では,これまでに数多くの防犯カメラの設置補助を行ってまいりましたが,近年,地域からの申請件数が非常に多く,交付台数を上回っております。今後も継続して設置の促進,拡大に向けた強力な支援が必要です。いかがですか,お答えください。 京都市と京都府警は,平成26年7月に世界一安心安全・おもてなしのまち京都市民ぐるみ推進運動協定を締結し,各行政区では様々な防犯対策に取り組んでいます。協定締結から間もなく3年を迎えようとしておりますが,犯罪件数は大幅に減少してきており,私の住む山科区では,平成23年の犯罪件数2,091件から平成28年には873件と,この6年間で6割も減少いたしました。その他の行政区でも同様に減少しており,これは地域住民の皆さんによる地域力アップ防犯カメラ設置による効果であると確信いたします。これまでの取組をどのように総括,評価し,また,今後どのように運動を推進していかれるのか伺います。以上,京都市初の女性副市長,村上圭子副市長よりお答えください。 次に,民泊対策についてお尋ねいたします。京都観光が大いに活況を呈する中,急増する外国人観光客の受皿の不足から,民泊ビジネスが市内各所に広がり,騒音をはじめ,ごみ問題など地域住民との様々なトラブルが絶えず,私の周りにも多数の苦情や相談が寄せられています。このままでは,外国人観光客の増加や宿泊施設の開業に対する抵抗感がますます強まり,おもてなしどころではないと感じる市民が増えれば,質の高い宿泊施設の拡充を図ることにより,旅行者の満足度や市民生活の豊かさ,都市格の向上に寄与するという本市の施策に対して,市民の皆さんの理解が得られなくなるのではないかと危機感を覚えます。このため,上質な宿泊施設の誘致はもちろん必要ですが,それ以上に無許可営業や管理のずさんな違法民泊対策を徹底して進めていくことが重要であると考えます。本市では,今年度,取締体制の強化など民泊対策の取組を更に進めるということですが,現在の取組状況についてお答えください。 違法な民泊のまん延を招いた最大の原因は,インターネット上の仲介事業者の存在にあります。利益を優先する余り,違法な民泊であってもノーチェックで掲載されてしまうことが法令を無視し,周辺住民への配慮に欠ける一部の迷惑旅行者が後を絶たない現状につながっております。これに対しては,現在,国会で審議中の民泊新法に基づいて新たな制度が構築されようとしています。一方で,本市のこれまでの民泊対策の取組により旅館業の許可取得が急増するなど,違法な民泊を許さない地域の環境づくりがある程度進んだものと考えられます。地域における実効性のある対策も引き続き重要ですが,何より違法民泊の営業を絶対に許さない環境が必要です。今後,民泊新法の制定も念頭に,本市において違法な民泊を断じて許さない取組をどのように進めていくのか,市長の考えを伺います。 次に,京都市内周辺部の生活交通を支える民間バス事業者の支援についてお尋ねいたします。市バスが走っている市内中心部のバス状況は年々改善する一方,民間バスが運行する市内周辺部の状況は,私の地元山科区でもバス停などバス待ち環境も運行ダイヤも不便なまま一向に改善されず,市内中心部との格差はますます拡大しております。これまでも,再三にわたりこの問題を指摘し,我が会派としても市会本会議などにおいて改善について強く要望してまいったところであります。 今回,今年度予算で市内周辺部を走行する民間バス事業者に対し,バス待ち環境の整備,バス路線の維持改善を支援する事業予算6,500万円が措置されました。バス事業者に対する補助としては異例の5分の4という高い補助率,すなわちそのほとんどが市の単費補助で,この事業を取り組むことは要望を重ねてきた我々にとりまして大変うれしく,高く評価いたすところであります。一方で,本市の広いエリアにおいて市民の生活の足の役割を果たしている民間バス事業者の皆様方の経営状況は,どこも苦しいと聞いており,本市がたとえ税でもって支援すると言ったところで,民間バス事業者の腰はなかなか上がらないのではないかとの不安も感じております。 民間バス事業者の皆さんには,今回の取組が京都市の単費で行われる補助であること,つまり,市民の税金を投入することを十分に御認識をいただき,行政と共に地域や利用者の声をしっかり聴き,公共交通の担い手であるとの高い自覚の下,バス運行事業に当たっていただきたいと切に切に民間バス事業者の皆様方に望むものであります。特に,バス停などバス待ち環境の整備,バス走行環境の改善,中でも新規路線の開設や,ダイヤの増便に向けて,住民主体での取組が進む地域,例えば自治連合会を挙げて取り組んでいる山科区の小金塚地域や鏡山地域などにおける民間バス運行支援については,市民の皆さんの声を反映させるよう市内周辺部を走る全ての民間バス事業者に対し,強く京都市の方から要請をしていただきたい。そのうえで,住民主体での取組を受けて,運行の意向を示す民間バス事業者の皆様方に対しては,京都市としてでき得る限りの協力と支援をお願いする次第でございます。市長におかれましては,周辺部の市民の足を守るため,大きく一歩を踏み出されたこの事業について,今後どのように進めていかれるのか,来年度以降の継続も含めお尋ねいたします。 最後に敬老乗車証制度についてです。高齢化の進展に伴い,財政状況が厳しくなる中,社会福祉関連経費は年々増大しております。この制度についても,現在,年に46億円もの市税を投入し,今後もその経費が更に増大することが予想され,本制度に対しては,今後一定の見直しを図ることはやむを得ないと考えます。しかし,平成25年に策定されました敬老乗車証制度の今後の在り方に関する基本的な考え方が示されてから4年が経過し,一部の市民の間には,敬老乗車証は廃止されるのではとの不安が広がっております。見直しイコール廃止という風評が立っているようです。どういう方々がおっしゃっているのか分かりませんが,もし敬老乗車証廃止という誤った情報が広まっているのであれば,看過できない問題であり,しっかり払拭しておく必要があります。敬老乗車証制度については,社会情勢の変化や財政状況を踏まえ,一定の見直しを行うとしても,この制度自体は今後とも存続させることを市長から再度明確にしていただきたい。そのうえで,今後どのように見直しを進めようとされているのかお伺いいたします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(寺田一博) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 富きくお議員の御質問にお答えいたします。 まず,文化庁の京都移転についてでございます。本年4月,東山区に文化庁の地域文化創生本部が発足し,松坂事務局長を先頭に文化と観光,産業,まちづくりなど様々な分野を連携させ,移転のメリットを全国に示すための検討や取組が精力的に進められており,大変心強く感じております。文化庁の京都への全面的な移転は,全国各地の多様な文化に光を当て,東京一極集中の是正と文化による地方創生を目指すものであり,文化を基軸とした国づくりへの歴史的転換点となる国家プロジェクトであります。その達成のためには,文化庁の機能を強化したうえで,国会対応や外交関係,各省庁との調整のうち最小限の機能のみを東京に残し,全面的な移転が早期に実現されることが不可欠であり,市会の先生方の御支援を頂きながら,引き続き,オール京都で国に強く求めてまいります。 同時に,京都も大きな責任を負うものであります。本市としても,文化庁の庁舎建設や職員の受入れに係る地元の協力について,京都府,経済界等と一体となって誠実に実行するとともに,文化庁地域文化創生本部との緊密な連携の下,衣食住などの生活文化をはじめ,京都の強みである文化力を基軸にあらゆる政策を融合させ,文化の力で日本を元気にする取組を展開し,市民の皆様はもとより全国の人々に文化庁が京都に移転してよかったと実感していただけるよう全力を傾注してまいります。 次に,明治150年の取組についてでございます。明治以降,我が国は近代国家へと大きく歩み出しました。しかし,京都は明治維新で都の地位を失い,人口が3分の2に激減する深刻な人口減少と都市衰退の危機に直面しました。しかし,極めて困難の中,私たちの先人は,地域の力による全国に先駆けた小学校の創設,琵琶湖疏水の建設,日本初の芸術大学や工業高校の開校など先進的な取組に挑戦し,今日の発展の礎を築いていただきました。明治期の危機に際し,100年,200年先を見据えて人を育て,文化芸術を創造し,産業を振興させ新たな時代を切り開いてきた京都こそ,混迷する現在の国内・世界情勢を見据えて,今日的な課題を解決し,未来を展望するための人々の知恵や志,まちづくりの哲学が息づいていると私は確信しております。その確信の下,来年の明治150年に向け,これまでの歩みを振り返り,学び,いかす取組を京都から率先して進めてまいります。まずは,全庁のプロジェクトチームを近々立ち上げるとともに,市民の皆様や地域との協働により明治ゆかりの施設や歴史,先人の偉業や志に光を当て,それらを発信し,未来につなげる取組を企画,推進してまいります。 さらに,本年10月に,二条城で行います大政奉還150周年記念・都市サミットでの共同宣言などを通じて,明治150年に向けた機運を高め,全国をリードする取組を進めてまいります。 次に,違法な民泊対策についてでございます。宿泊施設につきましては,安心・安全の確保と地域との調和が大前提であり,本市では,いち早く民泊通報・相談窓口を設置し,これまで延べ2,143回もの現地調査を行い,300の違法な施設の営業を中止させるなど,徹底して違法民泊対策に取り組んでまいりました。さらに本年4月には,各区役所の衛生部門を医療衛生センターに集約し,民泊対策に特化した18名の強力な専門チームを設けるとともに,民間事業者の持つ独自のノウハウを活用して営業者等を特定する調査を6月から開始するなど取組を強化してまいります。民泊新法については,インターネット等で営業する仲介事業者に違法民泊の紹介を禁止するための規制や,地域の実態を反映した各々の独自のルールの設定など,柔軟で実効性のある制度となるよう,これまでから国に対し再々にわたって強力に要望しており,法案の審議状況に応じ,今後とも必要な要望を行ってまいります。さらに,法成立後,直ちに本市独自の条例制定についても検討してまいります。今後とも,市民と観光客の安心安全や地域住民の生活環境を大きく損ねる違法で悪質な民泊は断じて許さず,一方で,旅館をはじめ良質な宿泊施設の拡充を図ってまいります。 次に,市内周辺部の民間バス事業者への支援についてでございます。市バス運行エリアでは,この間,地域の皆様と交通局の協働により,路線・ダイヤの拡充やバス待ち環境の改善等の取組が大きく前進している一方で,民間バスエリアでは,市バスエリアとの間でサービスに格差が生じてきているとの御指摘を議会から頂いております。このため,昨年度バス停の標識及び上屋の道路占用料を免除する制度を新たに設け,民間バス事業者を支援しております。さらに今年度,市内周辺部で運行する民間バス事業者が行うバス待ち環境整備費用に対し,通常の補助率を大きく上回る5分の4の補助をするほか,山科区の鏡山や小金塚地域のように,地域住民,事業者,区役所等行政が議論を重ね,一体となって取り組むバス路線の充実のための社会実験を支援いたします。 さらに,本市としては民間バス事業者に対して,公共交通の担い手として地域の生活交通を守るべく,地域と共に取り組むよう強く働き掛けてまいりますとともに,来年度に向け補助メニューの拡大等を検討いたします。今後とも,地域の皆様の主体的な取組に呼応し,バス事業者を支援することにより,公共交通を一層充実し,人と公共交通優先の歩くまち・京都を推進してまいります。 次に,敬老乗車証制度についてでございます。敬老乗車証制度は,高齢者の社会参加を促し,健康長寿のまちづくりを進める極めて重要な施策であります。低所得の方に対する負担に配慮しつつ,利用ごとに相応の負担をお願いする応益負担の仕組みへと転換を図るという社会福祉審議会の答申を踏まえて,既にお示ししております本市の基本的な考え方は,高齢化が今後も進行していく中で,この制度を持続可能なものにするためのものであり,敬老乗車証制度を廃止する考えは一切ございません。富議員御指摘のとおり,本市財政は一般財源収入が平成12年度のピーク時の4,205億円から385億円もの大幅な減少となる中,社会福祉関連経費の増加が続き,職員数の削減をはじめとした徹底した行財政改革を進めておりますものの,なお今後も非常に厳しい状況にございます。 こうした財政状況や敬老乗車証制度の維持に現在46億円もの市税を投入している一方,利用者の負担は総事業費の1割に当たる6億円となっております。また,5年後には本市の市税負担が58億円,交付率によっては83億円まで増大する見込みであることなどを踏まえますと,これ以上の市税の投入を避け,高齢者人口の増加にも耐え得る世代間の負担のバランスも考慮した持続可能なものにしていく必要がございます。このため,今後,市民の皆様に敬老乗車証制度の見直しの必要性を御理解いただけるよう,まずは制度を取り巻く課題等を分かりやすく丁寧に説明してまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(寺田一博) 村上副市長。 〔村上副市長登壇〕 ◎副市長(村上圭子) 安心・安全のまちづくりについてでございます。防犯カメラは,犯罪の抑止効果や早期解決が期待できることから,本市では平成23年度以降,地域の団体等に対し,約1,100台の防犯カメラの設置を補助してまいりました。加えまして,京都府警察との協定に基づき全区で推進組織を立ち上げ,地域ぐるみの運動を展開してきた結果,市内の犯罪認知件数は,運動開始前の平成25年の2万1,326件から,平成28年には1万3,830件となり,この3年間の減少率が全国平均を10パーセント以上上回る大きな成果を得ました。正に富きくお議員御指摘のとおり,防犯カメラの設置とそれをいかした地域の皆様による取組が相まって,大きな犯罪抑止効果を生んだものと考えております。防犯カメラの設置に向けた今年度の予算は,昨年並みの約5,600万円を確保しておりますが,引き続き地域住民の皆様や京都府警察と緊密に連携し,更なる拡大に向けて効果的な設置に努めるとともに,区役所・支所を中心としました地域の安心・安全のまちづくり運動をしっかりと推進してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) 次に,市政一般について,しまもと京司議員に発言を許します。しまもと議員。 〔しまもと京司議員登壇(拍手)〕 ◆(しまもと京司議員) 自由民主党南区選出のしまもと京司でございます。先の富きくお議員,次のみちはた弘之議員と共に,自民党京都市会議員団を代表して質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。 まず初めに,本市の経済・景気対策の中でも,特に近年問題となっております市内の中小企業の人材不足問題について質疑させていただきます。2012年に始まったアベノミクス景気は,ついに戦後3番目の長さとなりました。日銀発表直近の企業短観における大企業製造業DI値もプラス12となって更に改善が続き,IMF見通しにおける我が国のGDP成長率も今年,来年分共に上方修正され,内閣府速報値では11年ぶりの5期連続プラス成長となるなど,世界経済の回復も背景に生産や輸出も好調で,4月の倒産件数は27年ぶりの低水準となり,今後も底堅い回復が続く見通しです。本市経済においても,設備投資の需要拡大や求人情勢などを見ると,各種経済政策も奏功し回復傾向にありますが,雇用状況においては,平成29年3月期の有効求人倍率が1.45となり,これは平成22年同月0.53の274パーセントで,高度経済成長期であった昭和48年以来の高水準を2箇月連続でマークし,かつて雇用低迷にて就職氷河期とまで言われていた労働力マーケットも完全に売手市場へとシフトしている状況です。 このような中,市内中小企業においては近年,特に人手不足と採用難の問題が深刻になりつつあると感じています。このままでは人材不足のためにせっかくの業務もこなせず,受注や販売の機会を逃して収益性も低下し,場合によっては,事業存続も危ぶまれる厳しい経営状況や労務型倒産の可能性,そして回復基調にある景気の制約要因となって,社会的経済総力の低下にもつながる重大な懸念材料となります。製造業や建設,食品,サービス業はもとより,農林業での人手・後継者不足,社会的な問題ともなっている物流業の労働環境課題,観光都市としての宿泊業では旅館などの運営・担い手不足と廃業問題,本市ならではの伝統産業も後継者不足で産業空洞化の現象等々,言うまでもなく,京都経済の屋台骨を支えているのは全企業の実に99.7パーセントを占める零細・個人事業を含む中小企業であります。本市経済活性化のためには,この中小企業の持続的発展と,そのための担い手不足の解消に向けた雇用,正規雇用の拡大が,そして待遇改善などの取組が今,喫緊の課題であります。 一方,担い手側の観点から考えると,京都市人口は10人に1人が大学生であるというほどの大学のまちでありますが,各大学の就職政策としては,どうしても大企業へ,首都圏へとの斡旋傾向も強く,相対的に労働生産人口の割合が減少しています。せっかく京都で就学している多くの若い方々には,環境,条件面や質的,内容面においても,他都市大企業や首都圏に引けを取らない本市の優良な中小企業に就職していただき,そのまま京都市に住み続け,生涯を過ごしていただきたい。そのためにも,例えば市が率先して各学校横断的な就職セミナーや紹介,斡旋のコンベンションを開催し,多くの市内中小企業に参加してもらって,学生向けプレゼンやマッチングをというような方法も一つとして,京都で働いてもらうための取組を強力に推進していくべきと考えます。いかがでしょうか。市内中小企業の存続・死活問題にもなりつつある人材確保,人手不足解消に向けて,市は多方面からどのように取り組んでいくべきと考えておられるのかお聞かせください。 次に,京都市も取組を始めている京都未来交通イノベーション研究機構の推進に関してお聞きします。近年,社会的に車の自動運転,自動走行に関する報道や話題が増えてきました。これまで自動車というものは文字どおり自ら動く車としてドライバーが操作したとおりに動くだけであったものから,技術の進歩に伴い衝突回避や誤操作防止など,運転そのものの自動化の開発研究も進み,部分的な機能は実用化されるようになってきています。今後は官民で研究が進む情報通信技術と走行制御テクノロジーに,高精度デジタルマップなどの開発も組み合わせた高度道路交通システム(ITS)の飛躍的な進展によって,交通安全性や渋滞解消はもとより,社会問題ともなっている物流面での課題や効率化,エネルギー・環境問題,過疎地の交通対策,都市内LRTに次ぐ新世代BRT,災害時対応や緊急車両の運行支援等々,市民生活や様々な産業分野にも画期的な変革をもたらす可能性が非常に高いものと考えます。 国においては,日本再興戦略改訂2015の中で初めて車の完全自動走行を見据えた環境整備の推進を掲げ,2020年東京五輪・パラリンピック時に向けた実用化を目指すとともに,先般発表された新成長戦略(原案)の中でも重点項目として制度整備の大綱策定を予定し,2025年を一定のフルオート走行実現目標年として様々な実証実験も計画されています。これら日進月歩で進む技術面においては,今後ますます大きな発展が予想されますが,こういった未来の交通イノベーションを見据えた社会実現のためには,乗り越えていくべき多くのハードルもあるかと思います。万が一事故が起こった場合の責任の所在,交通法規や保険制度の整備に加え,多くの車が自動走行する状況を市民がどのように受け止めていくのか,技術の発展に伴う機械と人,そして生活との関わりについても多岐にわたる検討が必要でしょう。 それら課題の克服と技術導入には更なる年月を要するものかもしれませんが,京都市は世界的観光都市でもありながら,密集市街地に狭あい路も入り組む都市構造であるからこそ,マイカー抑制と公共交通利用による歩くまちの実現のためにも,そしてまた,市民生活に大きな利便性をもたらし新たなビジネス創出などの可能性にも挑む探求都市としても,この自動運転の導入に向けた研究やインフラ整備においては,他都市に先駆け積極的,先導的,そして長期的に取り組んでいく必要があると考えますが,いかがでしょうか。市として今後,この課題に対してどのように向き合い,いかなる計画や施策をもって取り組んでいかれるのか,そのお考えをお答えください。 まずは,ここまでの御答弁をよろしくお願いいたします。 ○議長(寺田一博) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) しまもと京司議員の御質問にお答えします。 中小企業の人材確保対策についてでございます。市内事業所の99パーセントを占め,雇用の70パーセントを生み出す中小企業は,地域を支える京都の宝であり,その担い手不足は極めて重要な課題であります。担い手の確保に向けましては,京都市,京都府,国の労働局,経済界,労働界代表で組織する京都労働経済活力会議において,オール京都で取り組むことを確認しており,本市においても,昨年4月に京都市わかもの就職支援センターを設置し,大学での出張セミナーや経営者と学生が直接語り合う交流会のほか,学生が自ら中小企業を取材し,その魅力をWEBサイトで発信するなど,あらゆる手法で学生が京都の中小企業の魅力に触れる機会づくりに取り組んでおります。 さらに今年度は,とりわけ担い手不足が深刻な観光関連産業において,首都圏の学生等が京都の魅力ある旅館等でインターンシップを行うほか,専門家による個別相談や従業員向けセミナー等を実施するなど,担い手確保に加えまして正規雇用化を促進する取組を進めてまいります。今後とも,しまもと議員御提案の趣旨も踏まえまして,大学のまち・京都の特性を最大限にいかし,大学と連携したきめ細やかな就職相談,京都の中小企業の魅力発信及び学生をはじめとする求職者等とのマッチング,さらには京都ならではの働き方改革の推進など,中小企業の担い手確保に向け多角的に全力で取り組んでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(寺田一博) 植村副市長。 〔植村副市長登壇〕 ◎副市長(植村哲) 自動運転に関する取組についてでございます。この自動運転は,交通事故の減少,交通渋滞の解消などの大きな効果が期待され,国内外の自動車メーカー,情報通信関連企業において技術開発が進められておりまして,御質問にもございましたように,国においても2020年,平成32年までの自動運転の実用化を目指し,公道実証実験などを通じて必要な法令制度,インフラ整備等を進めていくこととしております。 本市では,平成26年度に研究者等で構成いたします京都未来交通イノベーション研究機構を設立し,同機構を通じて,自動運転に関する基礎的な研究等に対する助成を行ってまいりました。今年度は,京都における自動運転の在り方について検討を行う会議体を設置いたしまして,コンパクトな町並みの中に都市施設と文化財,観光資源が点在し,生活交通と観光交通が混在するといった京都のまちの特性に応じた自動運転の活用方法について幅広く検討を進めることとしております。市民にも観光客にも便利かつ安全,快適な自動運転の活用方策は何か,また,お年寄りや障害のある方も安心して自動運転を利用できるよう,市民の皆様に受け入れられるための課題は何かといった点につきまして,人と公共交通優先の歩くまち・京都の理念の下に検討し,国際文化観光都市であるこの京都から自動運転活用モデルを発信してまいります。以上でございます。 ○議長(寺田一博) しまもと議員。 〔しまもと京司議員登壇〕 ◆(しまもと京司議員) 大変前向きな御答弁を頂きました。私どもも更に取り組む努力を続けてまいりますので,何とぞよろしくお願いいたします。 続きまして,健康長寿のまち・京都の実現に向けた取組についてお伺いいたします。私は議員とならせていただくまでの数年間の間,現代においては,たとえ子供や若者の数が少なく長寿化する社会であっても,その高齢者となられる方々が10歳でも20歳でも若返り,生き甲斐を持って新しい技術や能力を身に付け,更なる社会参画と活躍を長く元気に続けていただければ,何ら社会的に憂うものではないとの信念の下,この京都市内において多くの御年配の方々を対象とする健康,文化,教養,技術等々の習学講座運営センターを創設経営いたしておりました。その経験を基に,この6年間は,議会や委員会ほか様々な場面において,市民の健康寿命を延伸する取組の重要性や方法なども多々主張してまいりました。また,我が会派においても,全議員が幅広い提言を行っていることも踏まえていただき,今年度は関連予算の更なる充実や取組の広がりが実感できるものになっていると評価させていただいております。 その中でも特に,庁内推進本部を先頭として多くの市民団体等が参画する健康長寿のまち・京都市民会議とも連携した取組が進められ,例えば昨年度から実施しているいきいきポイント制度も毎日の健康づくりの点数化やそのポイント応募による賞品プレゼントなど,私たち市民一人一人が自主的に健康づくりに取り組むきっかけとなる積極的事業であると感じています。ただ,これはまだ始まったばかりのプログラムでもあるため,今後,更なる周知やより多くの,とりわけ高齢者の方々の参加と健康増進努力に対するインセンティブの工夫といった様々な企画やイベント等の増設,また,それによって周辺地域やその商店街などの活性化にもつながればと願っています。こういったあらゆる観点から,市としては,今後市民の健康長寿に向けた取組が一層進むよう,どのような方法をもって世界一健康長寿のまち・京都の実現に向けて努力していかれるのか,ここで具体的なお考えをお聞かせください。 次に,公契約基本条例の取組についてお尋ねします。平成27年11月,市発注公共事業の市内中小企業による受注機会の拡大や適正な労働環境と契約の履行及び質の確保,そして社会的課題の解決に資する取組などの推進による地域経済の健全な発展及び市民福祉の増進寄与等を目的として京都市公契約基本条例が施行され,1年半がたちました。私も,一貫してこれによる市内循環経済の活性化や本市中小企業力の強化,首都圏や他都市巨大企業への一極集中化の防止,条例の実効性を確保するための庁内体制増強や技術系職員,組織力の向上と整備,または入札形態やデザインビルド方式並びに巨大企業資本,技術に依存するPFI手法等の問題点のほか,条例には賃金規定を盛り込むべきではないなどの議論等々も積み重ねてまいりました。そうした中,市は仮に契約先が他都市大企業,大手企業となってしまう場合であっても,下請や人員雇用,資材,その他の様々な条件においては,極力京都市内発注に誘導する御努力をしていただいているとお聞きしています。 これら具体的な運用方法と今後の更なる相乗効果を期待したうえで,現在の入札や契約に至る企業のランク付け及び評価考察点などについても,本条例の重要な目的である社会的課題の解決や市民福祉の増進寄与といった観点から,例として地域と社員の消防団活動に理解・協力する企業への優遇措置のように,京都市の様々な取組や条例,例えば地域コミュニティ活性化条例や景観政策,ごみ・廃棄物,町家や空き家の保全・活用等々といった多くの重要施策に貢献する企業評価点を盛り込むといったようなことや,プロセス,手続的には,仮契約時点からの時間的ロスのない議案提出,審議,本契約への流れなども,今後の課題として考えられるのではないかと思います。 そこで,この条例が施行されて1年半が経過した現時点において,それ以前の時期と比べた数値的効果検証や発注総額に占める下請中小企業等の市内景気,経済波及効果などに関する総括的な見解をお示しいただいたうえで,今後,更にいかなる実効性と目的達成に向けた課題や運用の取組方法があると検討されておられるのかをお答えください。 最後に,私ども地元南区の諸地域や重要拠点,用地等の有効活用とまちづくりについて質問及び要望を申し上げます。まず,東九条地域・京都駅東南部エリアについて,京都市立芸術大学がこの地に隣接する北側地域に移転するとの構想を受けて以来,私たちはその計画に伴い,是非この地にも芸術,文化といったものをコンセプトとしたまちづくりを進めていただきたいと願い訴えてまいりました。それ以前からも,私は,文化や芸術の創造拠点といったものは,京都市の中でも特に北側地域に偏っているのではないかとの指摘のうえで,是非この南区や他の周辺区においても充実させていただきたいとの要望をし続けていたものでございます。かつて議員研修会でもありましたが,都市社会学者リチャード・フロリダの「創造性指標」では,地域再生においては工場誘致よりも創造的な人材を地域に誘引できることが経済的パフォーマンスにも優れているというものが指標で示され,それは三つのT,アルファベットのTですね,すなわち Talent 人材,Technology 技術,そして Tolerance 寛容性,の三つで構成されているということです。 この中で最も注目すべき3番目のTolerance寛容性,つまり,今までにないもの,新しいものを,柔軟性を持って受け入れるという意味においては,長年多文化共生にも取り組んできたこの東九条地域にも,まさに新たな文化や芸術といった創造的な人材,若者が自然に集まり融合できる場所としての取組をどんどん仕掛けて,活気あるまちを創造すべきと願っておりました。その折,市において,京都駅東南部エリア活性化方針が策定されるに至りました。これは,文化庁京都移転の機運も高まる今,京都駅に近接する非常にポテンシャルの高いこのエリアにおいて,文化や芸術を基軸とした新しい価値を創造し,世界中の人々を引き付ける活気あるまちづくりを目指すというもので,大いに期待すべきものと感じています。と同時に,年度末の報道にもありましたが,市長はこのエリアを岡崎,梅小路に続く第3の文化ゾーンとなるようにとも述べておられます。文化芸術は歴史ある伝統的なものから,前衛的,斬新で現代的,未来を先取りしたものまで様々です。この地域に見合った新しい,文化芸術の空気感が息づく地域創造を推進していただきたいと願います。と同時に,今後,活性化方針に基づく取組を着実に進めていただくに当たっての市長の強い決意の程をお聞かせいただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 南区にはこのほかにも,東に元陶化小学校跡地,西には塔南高校の移転予定後の跡地,中央には老朽化している南区役所に隣接する元南警察署の跡地,また,現在余裕ある広大な使用状況となっているようにも見られている重点的交通要所の九条車庫など数々の大きな市有地も遍在し,これら拠点用地がエアポケット的にどこも閑休地のようになって,それぞれの地域発展を遅れさせるものとならないよう,今後も可能な限り文化的,または地域の活性化に資するような有効利用や新たな将来的活用計画を早期に策定していただきたく希望します。 加えて,御承知のとおりの問題ともなっております西大路十条近辺,約1万坪の広大な民有・工場跡地は,長年にわたって未利用状態のまま,周辺地域環境,治安の悪化や非活性化の根源にもなっている場所です。市は,このエリアがいまだ工業・準工業地域でもあり,昨今の地域特性として民間活用のビジョンにおいても制約的な用途地域となっていることも踏まえ,ここも同様に,文化的または地域の活性化に資するような利用促進の誘致,誘導的行政施策を講ずるよう強く要望いたしまして,私の代表質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(寺田一博) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,しまもと京司議員の御質問にお答えいたします。 健康長寿のまち・京都の取組についてでございます。本市では昨年5月,90もの幅広い市民団体,関係機関等の御参画の下に設立された市民会議と連携し,いきいきポイント事業の実施やポータルサイトの開設など,世界一健康長寿のまち・京都の実現に向けて,市民の皆さんを主体とした健康づくりの取組をスタートさせました。2年目となる今年は,取組を更に発展させていく重要な年でございます。そのため,紙媒体であったいきいきポイント事業については,新たにアプリを開発し,情報発信を強化していくことで,より多くの市民の皆様に広げてまいります。また,市民会議に参画いただく各団体の特徴的な取組の紹介や,市民の皆様の健康づくりの励みとなる表彰制度の創設について,市民会議にもお諮りし,実施を検討してまいります。 さらに,地域に根差した取組を広げていくことが何よりも重要であるため,各区役所・支所の新たな組織であります保健福祉センターの保健師をはじめとする専門職員が地域に積極的に出向き,自治会や民生児童委員,社会福祉協議会,地区の医師会や歯科医師会等医療団体等の地域で活動されている様々な団体と連携を強化し,健康づくり教室等を開催するなど,市民の皆様の自主的な健康づくりを積極的に後押ししてまいります。本市ならではの文化力,地域力を存分にいかし,全ての市民の皆様が生き生きと暮らすことができる世界一健康長寿のまち・京都の実現に向け,今後とも全力で取り組んでまいります。 次に,京都駅東南部エリアの活性化についてでございます。 京都駅の東南部に位置する東九条地域には,かつては厳しい住環境などの課題を抱える地域がございましたが,長年にわたる地元の皆様の御熱意と御努力,そして行政の取組により,大きく改善が図られてまいりました。このような中,本エリアにおいて文化芸術と若者を基軸としたまちづくりを進めるべきとの答申を地元代表も参画する京都駅東南部エリア活性化方針策定委員会から頂き,この度活性化方針を策定できたことは,誠に感慨深いものでございます。私は,京都市立芸術大学の下京区崇仁地域への移転,さらに文化庁の京都への全面的な移転を見据え,京都駅に近接するこのエリアを,次代を担う若手芸術家や若者が国内外から集い,学び,住まいし,そして世界で活躍する担い手として羽ばたいていく,このような日本の文化芸術をけん引する文化首都・京都の一大拠点としてまいりたいと考えております。このため,活性化方針に基づき,様々な方の知恵と力を結集し,エリア内にある市有地を活用した新たな文化ゾーンにふさわしい創造,発信拠点の誘致や,文化芸術によるまちづくりに向けた機運の醸成,若手芸術家等の居住,制作,発表の場づくりを見据えた重点的な空き家対策などに,地域の皆様と共にスピード感をもって力強く取り組み,文化芸術の力で京都はもとより日本の地方創生をけん引してまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。
    ○議長(寺田一博) 植村副市長。 〔植村副市長登壇〕 ◎副市長(植村哲) 公契約基本条例についてでございます。本市では,経済の活性化,あるいはその雇用の創出のためには,市内中小企業の持続的な発展が不可欠であるとの認識の下に,市内中小企業の受注機会の増大を基本方針の第一に掲げるとともに,適正な労働環境,履行水準の確保などを目指して,平成27年11月に公契約基本条例を制定いたしました。この条例の制定を受けまして,公契約の発注に際して,可能な限りの分離分割発注はもとより,市内中小企業の下請参入を強く求めるなど,市内中小企業への発注を全庁的に徹底いたしました結果,市内中小企業への工事発注率でございますが,条例制定前の平成26年度と比べ5ポイント増の約84パーセント,市内中小企業の下請参入率も約7割に達しております。こうした取組と本市公共投資予算の確保などが相まって,市内中小企業の持続的な発展の下支えにつながっているものと考えております。今後とも,市内中小企業の受注機会の確保を力強く継続するとともに,議員御指摘いただきました社会的課題の解決に資する取組,あるいは仮契約期間の短縮などの課題,こうしたものにつきましても市内中小企業の皆様を応援し,ひいては京都経済の活性化に資するという観点からより効果的な運用を検討してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) 次に,市政一般について,みちはた弘之議員に発言を許します。みちはた議員。 〔みちはた弘之議員登壇(拍手)〕 ◆(みちはた弘之議員) 私は伏見区選出のみちはた弘之です。自由民主党京都市議員団を代表して,富きくお議員,しまもと京司議員に引き続き,市政一般の質問をさせていただきます。理事者におかれましては誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 門川市長は常々,「子育て・教育環境日本一を目指す」と言っておられます。一人一人の子供たちや青少年が,社会経済構造が大きく変わる中にあっても,たくましく生き抜くことができるよう,地域や家庭と連携し,知・徳・体のバランスが取れた生きる力の育成,他者を理解し尊重し,思いやり,助け合うことができる,他者と共に生き合う力を身に付けることを目指して取組をされてきました。地域社会を基盤とする京都市ならではの子育てと人づくりの伝統をいかすとともに,子供の成長段階に応じた切れ目のないきめ細やかな取組をより効果的かつ強力に推進するために子ども若者はぐくみ局を4月に創設され,また5月から各区役所・支所では,はぐくみ室がスタートしました。新局の創設が,子供たちが生き生きと輝く京都の実現につながっていくことに大いに期待しています。 一人一人が,京都で産んでよかった,子育てしてよかったと実感でき,また子供たちが京都で産まれてよかった,京都で育ってよかった,京都で学んでよかったと感じられるよう施策の一層の充実に取り組み,子供たちが安心・安全で,健やかな育ちを地域全体,社会全体で支え,支援,応援するまちづくりを進めていくことが大切であります。新局及び子どもはぐくみ室を中心に今後どのように取り組んでいかれるのか,市長のお考えをお聞かせください。 平成7年,初めて待機児童数が全国で約2万5,000人いることが公表されました。平成7年度から緊急保育対策など5箇年事業が開始され,保育ニーズに対応する施策を行ってこられました。平成13年度から待機児童の定義を見直し,また,潜在的な待機児童の存在が社会的な問題となっていることを踏まえ,今年度から新たな考え方に基づき待機児童数が算定されると聞いています。京都市においては,3年連続待機児童がゼロと発表されていますが,本年4月1日現在において待機児童数はどのような現状なのかお聞かせください。 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が先日,日本の将来推計人口を公表しましたが,平成27年に1億2,709万人だった人口は,50年後には約8,800万人に減少し,そのうち0歳から14歳までの年少人口は,約1,600万人から約900万人になるというものでした。また,昨年1年間の出生数が約98万人で,昭和22年の国の統計開始以来初めて100万人を下回りました。人口減少,少子化が加速していく中で,いずれは待機児童が解決されると言われています。そのうえで,ポスト待機児童問題を今から考えておく必要があると思います。10年後には特別な地域を除いて待機児童が解消され,それどころか施設余りの時代が到来します。現に伏見の醍醐地区にはその兆候が現れてきています。需要減に伴う供給過剰がもたらす混乱,利用者に不安や混乱を招かないように配慮しながら,どのようにソフトランディングするかは今後の課題であります。そういう状況の中,昨今の保育の量的拡大が保育士などの質の低下を招いていると言われています。全国保育協議会では,保育の質を支える要件として,物的環境の向上,保育士などの配置基準の改善,保育内容の向上,保育士などの資質・専門性の向上が挙げられています。保育の質を低下させないためにも保育士などの資質・専門性を向上し,頑張る保育士を評価し,応援する仕組みが必要であると思います。お考えをお聞かせください。 地球温暖化対策についてお伺いします。京都市は環境先進都市として,我が国で初めて地球温暖化対策に特化した条例を制定し,高い温室効果ガス削減を掲げ,市民,事業者と一体となって地球温暖化対策に取り組んでこられました。平成20年度に京都市は温室効果ガスの大幅な削減目標を掲げ,先駆的な取組にチャレンジする環境モデル都市として国から選定されました。この環境モデル都市としての取組については,国から直近の3箇年連続で,全ての環境モデル都市のうちで最も高い評価を獲得していると聞いています。しかしながら,今,世界に目を向けると地球温暖化による平均気温の上昇は続いており,各地で記録的な豪雨や干ばつなどによる被害が頻発し,日本でもこれまで経験したことのない集中豪雨による河川氾濫や土砂災害も度々発生しており,気候変動の影響は全ての生命にとって重大な脅威となっています。 これらのことを考えますと,これまで取り組んできた温室効果ガスの排出量を削減するための対策に加えて,既に起こっている気候変動による影響や被害の防止や軽減を図る,いわゆる適応策を講じる必要があると痛感しています。適応策については,京都議定書の約束期間中である2010年に,気候変動枠組条約の全ての締結国が適応策を強化することに合意され,昨年11月に発効されたパリ協定では,産業革命前からの世界の平均気温上昇を2度より低く十分保つといった目標のほかに,気候変動に適応するための世界全体の目標の設定や各国が適応計画を立案することなど,適応策に関することも掲げられています。 我が国では同条約の締結国として,パリ協定が採択される前から幅広い分野の専門家が参加し,気候変動及びその影響に関する観測や研究,予測,評価などを進め,国の中央環境審議会からの意見具申も踏まえて,平成27年11月に気候変動の影響への適応計画が閣議決定されました。その適応計画の五つの基本戦略の一つに,地域での適応の推進が掲げられ,気候変動の影響の内容や規模などは地域特性によって異なることから,地域の現場において主体的に検討し,取り組むことが重要であるとされています。京都市でもこれを受け,本年3月に京都市地球温暖化対策計画を改定し,新たに1章を設けて,京都市における適応策の方向性が具体化されました。オール京都で温室効果ガスの排出抑制に率先して取り組んできたように,適応策においても気候変動の影響を受ける分野が連携し,全庁横断的に取り組むとともに,国や周辺自治体とも連携していくことが必要と考えますが,今後の適応策をどのように推進していくのか,お考えをお聞かせください。 次に,市立高校における特別支援教育についてお伺いします。平成24年度に実施された文部科学省の調査によると,全国の公立小中学校の通常学級に在籍する児童生徒のうち,人とコミュニケーションがうまく取れないなどの発達障害の可能性のある小中学生が6.5パーセントに上るとされており,40人学級1クラスに付き2,3人の割合になります。京都市ではこの間,幼稚園,保育園,認定こども園などに通う気になる子供の様子について,保護者と連携して就学支援シートを作成しています。保護者と共に就学支援シートを作成することは,子供の得意なこと,苦手なこと,困っていることなどについて,お互いの気づきを促進し,早期発見,早期支援につながり,また幼稚園の幼児指導要録,保育園の児童保育要録,認定こども園の子ども要録などより早い時期に小学校に届くため,支援の必要な子供たちの学校生活をより円滑にスタートさせられるなど,支援,配慮の充実が図られていると聞いています。 就学支援シートを通して,保護者と小学校が情報共有し,継続的な支援などにつなげるとともに,小学校入学後に普通学級で学ぼうとした児童に対して,一人一人の状況に合わせた丁寧な支援を行うため,個別の指導計画などの作成や総合育成支援員や総合育成支援教育ボランティアの配置,また,LDなど通級指導教室を活用した学習支援など,子供たちへのきめ細かな支援にも取り組んでこられました。さらに,小学校から中学校へ着実に個別の指導計画を引き継ぎ,LDなど通級指導教室の設置や総合育成支援員の配置を拡充する中で,切れ目のない支援充実にも取り組んでこられました。 これらの取組により,中学校で通級による指導を受ける生徒は年々増加していますが,障害のある生徒の進路は,主として高等学校の通常の学級と特別支援学校高等部に限られており,インクルーシブ教育システム,すなわち人間の多様性の尊重などの強化,障害者が精神的及び身体的な機能などを最大限まで発達させ,自由な社会に効果的に参加することを可能とする目的の下,障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みの理念を踏まえ,高等学校における適切な特別支援教育が実施されるよう多様な学びの場の整備が必要であります。文部科学省では,28年3月に出された高等学校における通級による指導の制度化及び充実方策についてを踏まえ,30年度から高校における通級指導を制度化することとされています。こうした中,今後,市立高校における特別支援教育をどのように推進していくのか。お考えをお聞かせください。 次に,働き方改革についてお伺いします。前段にも述べましたように,50年後の人口は今より3割減って8,800万人となり,中でも働き手の中心となる生産年齢人口は更に減少率が高く,4割減になることが見込まれており,将来において大変危機感を覚えます。また,現下の雇用情勢を見ると,有効求人倍率は1.45倍で,昭和48年以来高い水準であり,募集しても人が集まらない,人手不足が深刻な状況にあります。このような中,高度経済成長時代から続くこれまでの働き方では労働者の増加が見込めず,働き方を抜本的に見直す時期に来ており,国においては安倍首相の陣頭指揮の下,働き方改革実行計画が策定されました。京都市においても,これまでから京都市基本計画における重点戦略として真のワーク・ライフ・バランス戦略を掲げ,企業における働き方改革の取組を支援するなどの施策を進めてこられ,本年4月の組織改正では,真のワーク・ライフ・バランスの推進を担当する文化市民局と,企業における働き方改革支援を担当する産業観光局において,働き方改革の専任体制が新設されるなど,体制の強化が図られ,働き方改革の推進に掛ける市長の熱い思いが込められていると感じています。そこで,これまでの真のワーク・ライフ・バランスの推進に係る取組を踏まえ,これから京都市が目指される働き方改革の姿とその実現に向けた取組方針をお聞かせください。 次に,桃山御陵前地区のバリアフリー化についてお伺いします。平成18年12月に施行された高齢者,障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律,いわゆるバリアフリー新法や平成14年10月に京都市独自の取組として策定された京都市交通バリアフリー全体構想に基づき,歩くまち・京都の実現のため,高齢者や障害のある人等が安全で快適に安心して移動できる交通環境を整える様々な施策が推進されています。私の地元の近鉄桃山御陵前駅及び伏見桃山駅周辺では,徒歩圏を中心とした桃山御陵前地区を対象に,桃山御陵前地区バリアフリー移動等円滑化基本構想が平成19年9月に策定されました。 この地区には,近鉄桃山御陵前駅,京阪伏見桃山駅があり,伏見区役所などの官公庁施設や大手筋商店街,納屋町商店街などの商業施設など,伏見区の主要な施設が集積している地域で,洛南最大の祭礼が行われる御香宮神社など名所史跡の歴史資源が数多く存在し,城下町,門前町,港町としての風情が残された地域であります。この地域では,歩道が設置されていない,または歩道の幅員が狭い,縦断・横断方向に勾配がきついなどの課題があります。基本構想では,駅や駅周辺のバリアフリー化の推進に当たっての基本的事項を定めて,目標年次までに公共交通特定事業,道路特定事業,交通安全特定事業,その他の特定事業の四つの事業を原則として完了させることとし,道路特定事業,すなわち道路のバリアフリー化については,平成20年2月に策定された桃山御陵前地区道路特定事業計画において,平成22年2月に可能な限り事業完了する計画が掲げられましたが,まだ継続して事業が進められていると聞いています。 平成23年3月に納屋町通歩車共存道路工事が,平成26年3月に南部町通東側歩道工事が完成し,今年度中に毛利橋通の北側の歩道工事,南部町通の歩車共存道路工事が予定されていますが,まだまだ整備が必要な生活関連経路があります。特に大手筋通,京町通から御香宮前交差点までのバリアフリー化の早期実現を求める声が,地元の皆様から数多く聴かれています。また,桃山御陵前だけではなく,もちろん京都市内全体の道路のバリアフリー化についても,更なる整備の推進が強く求められています。この道路特定事業の更なる促進に向けた今後のお考えについてお伺いいたします。 これをもって私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(寺田一博) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) みちはた弘之議員の御質問にお答えいたします。 まず,子育て・教育環境日本一に向けた取組についてでございます。市民の英知を結集した子どもを共に育む京都市民憲章の制定から10年。本市ならではの地域に根差したはぐくみ文化を発展させていくため,この度,子ども若者はぐくみ局を創設しました。さらに,全ての区役所・支所に子どもはぐくみ室をこの5月に設置し,職員が子育て支援コンシェルジュとして子供と御家庭にしっかりと寄り添い,子供に関する相談に総合的に対応していく取組を進めております。今後,新たな局と室が一体となって,子供,若者の施策を一元的かつ強力に推進するとともに,地域に出向き,地域ぐるみの子育て支援活動の活性化を図ることで,子供や若者はもとより,お年寄りらも含めて地域全体が元気になっていく,地域のコミュニティが活性化していくまちづくりを実現してまいります。 次に,保育所等待機児童対策につきましては,市長就任以来,保育所,幼稚園関係者はもとより,地域の皆様の御協力を得ながら,保育所等の入所定員を2万4,718人から3万189人にまで約5,500人増やし,さらに,幼稚園でのニーズに応じた預かり保育の抜本的な充実など全力で取り組んでまいりました。その結果,例えば就学前児童のうち保育所等を利用する児童の割合は11ポイント増加し,人口100万人を超える大都市で最高の48パーセントになりました。昨年の大都市平均は34.8パーセントであり,大都市平均の約1.5倍となっております。 さらに,本年4月当初において国が新たに設定した基準においても待機児童ゼロとなり,平成26年以降4年連続の待機児童ゼロを達成いたしました。また,保育士の資質・専門性の向上に向けた取組につきましては,これまでから厳しい財政状況の下にありましても,年間40億円を超える本市独自財源により,充実した保育士の配置と全国平均の1.4倍となる平均年収約430万円の給与水準を確保してきております。さらに,今年度において,国において創設された保育士の技能,経験を処遇に反映させるキャリアアップの仕組み等の導入に伴いまして,新たに本市独自財源も捻出し,14億円もの予算を確保しております。今後とも,保育士の皆さんが誇りを持ち,専門性を高めていけるように研修をはじめ保育士の御努力を積極的に評価し,応援する取組を進めてまいります。 次に,地球温暖化に伴う気候変動への適応策についてでございます。本市では,今年採択20周年を迎え,パリ協定へと大きく飛躍した京都議定書誕生の地としての誇りと使命感を持ち,市民,事業者の皆様と一体となって,徹底した省エネやごみ半減,歩くまち・京都の推進など,全国をリードする取組を進めてまいりました。 一方,猛暑やゲリラ豪雨等の異常気象が多発し,市民生活に大きな影響を与える中,地球温暖化による被害の防止や軽減のための,いわゆる適応策の推進が喫緊の課題となっております。そのため,本市では,今年3月,地球温暖化対策計画の改定に際し,新たな計画の大きな柱の一つに適応策を位置付け,熱中症予防や都市緑化,浸水対策等を強化してきております。適応策の推進に当たりましては,みちはた議員御指摘のとおり,本市のあらゆる施策の融合が必要であり,私を本部長とする地球環境・エネルギー政策推進本部の下にプロジェクトチームを設置し,全庁横断的に取り組んでまいります。 加えまして,地域での適応計画の立案,実施を促進するために国が設置する地域適応コンソーシアムに参画し,国や他の自治体との連携を深めてまいります。今後とも,市民,事業者の皆様と共に適応策を含めた地球温暖化対策を着実に推進し,安心・安全で,よりしなやかで強じんな持続可能なまちづくりを力強く進めてまいります。 次に,我が国の喫緊の課題である働き方改革についてでございます。本市では,人間らしく生き生きと創造的に働き,家庭を大切にし,地域などで社会貢献をすることにより,心豊かに生活でき,地域も活性化する真のワーク・ライフ・バランスの実現を目指した取組を進めており,現在,ワーク・ライフ・バランスの推進に取り組むことを宣言した市内中小企業も1,800社を超えるなど,取組の輪が広がってきております。また,全国的に働き方改革に向けた議論が盛んになる中,長時間労働の是正や勤務条件の見直しを行う企業も徐々に増加してきているところであります。私は,働き方を見直すことにより,人間らしい生き方に立ち戻ることが重要だと考えております。文化庁地域文化創生本部が京都で立ち上がった今,長時間労働の是正や生産性の向上にとどまらず,人間を大切にし,生活の中に文化を息づかせ,また,地域のきずなの大切さを再認識する取組を進めることが京都に課せられた使命であると考えております。本市では,4月に文化市民局,産業観光局それぞれに専任の職員を配置するとともにプロジェクトチームを設置し,議論を開始したところであり,今後,外部有識者の皆様や本市経済の大きな担い手であります中小企業の皆様,子育てや介護など,人手不足が深刻な事業者の皆様の御意見をしっかりと取り入れた京都ならではの働き方改革を市民ぐるみで実践してまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(寺田一博) 植村副市長。 〔植村副市長登壇〕 ◎副市長(植村哲) 桃山御陵前地区をはじめとした道路のバリアフリー化についてであります。本市では,高齢者や障害のある方をはじめ誰もが安全で快適に移動できるよう,道路のバリアフリー化事業に取り組んでおりまして,桃山御陵前地区については,基本構想及び道路特定事業計画に基づきまして,近鉄桃山御陵前駅及び京阪伏見桃山駅と,伏見区役所,御香宮神社等を結ぶ約1.5キロをバリアフリー化すべき道路に位置付けて整備を行うこととしております。今年度は,現在,毛利橋通において旧伏見区役所の用地を利用いたしました歩道の拡幅及び段差改善などの工事を行っているところでございます。南部町通では,路肩のカラー舗装によりまして,歩行空間の明確化を行うこととしております。さらに,みちはた議員御指摘いただきました大手筋通でございますが,歩道幅員が狭く,勾配や段差等の課題があることから,安全で快適に通行いただけるよう歩道整備に向け測量設計に着手することとしておりまして,その中で具体的な改善策を検討してまいります。引き続き,桃山御陵前地区をはじめ,市内各地区のバリアフリー化事業を促進し,全ての方が安心,安全で円滑に行き交うことのできる歩いて楽しいまち・京都の実現に取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(寺田一博) 在田教育長。 〔在田教育長登壇〕 ◎教育長(在田正秀) 高校での特別支援教育についてでございます。本市では,発達障害のある子供につきまして,政令市初となる保育園や幼稚園など全ての就学前施設での保護者と共に作成する就学支援シートの実施や,子供一人一人の教育的ニーズに応じた指導目標や内容を記載する個別の指導計画の活用,また小中学校の通級指導教室につきましては,全国平均の2倍以上を設置するなど,就学前から切れ目のない支援に取り組んでおります。こうした中,小中学校で通級指導を受ける児童生徒は年々増加し,進路先となる高校での支援の在り方が重要となっております。本市では,とりわけ支援の必要な生徒が多い定時制高校で,26年度から国の委託を受け,ケース会議の実施等,支援に当たる組織体制や生徒の困りに応じた指導方法等につきまして,調査研究を行ってまいりました。 みちはた弘之議員御指摘の高校での通級指導につきましては,専門家も参画するプロジェクトチームを来月に立ち上げ,全ての市立高校を巡回して生徒の実態を把握するとともに,伏見工業高校定時制で7月頃から通級モデル事業を実施するなど,障害のある生徒もない生徒も共に学ぶ授業づくりや生徒の実態に応じた具体的な支援策を検討してまいります。こうした研究や実践の成果を踏まえ,来年度から全ての市立高校におきまして,通級指導を実施できるよう準備を進めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) 次に,市政一般について,西野さち子議員に発言を許します。西野議員。 〔西野さち子議員登壇(拍手)〕 ◆(西野さち子議員) 伏見区選出の西野さち子です。日本共産党市会議員団を代表して,市政一般について質問します。 まず,今,国会で審議されているテロ等準備罪法案,いわゆる共謀罪法案が市民や地方自治体に与える影響についてお聞きします。安倍内閣は,4月19日にテロ等準備罪法案を提案し,今日にでも衆議院での採決を強行しようとしています。このテロ等準備罪法案は,犯罪行為がなくても相談,計画しただけで処罰するもので,行為を罰するという日本の刑法の大原則が壊され,内心の自由や思想と良心の自由を保障した憲法第19条に違反する悪法です。例え名称をテロ等準備罪に変え,対象犯罪を絞ってもその本質はこれまで三度も廃案になった共謀罪に変わりはありません。安倍内閣は2020年の東京オリンピック・パラリンピックを開催するためにはこの法律が必要だと言いますが,テロ対策という口実は崩れています。日本は既にテロ防止のための国際条約を締結し,57の重大犯罪について,未遂より前の段階で処罰できる国内法があります。また,テロを防ぐ国際組織犯罪防止条約を批准するためとしていますが,この条約はテロ対策が目的ではなく,マフィア等の組織犯罪が対象になっているのですから共謀罪は全く関係ないのです。誰を対象にするのかの判断をするのは捜査機関です。共謀しているのかどうかをつかむためには,多くの国民が盗聴や監視の対象となり,極めて広い範囲にわたって捜査権限が濫用されるおそれが否定できません。共謀罪が成立していない今でも,多くの国民が利用しているLINEが1,000件もの情報提供を行っていたことが明らかになっています。 また,一般人は対象にならないと言いますが,国会答弁で誰もが対象になり得ることが明らかになりました。かつての治安維持法の下,市民や宗教者の皆さんなど数十万人が逮捕され,獄死者も出たという歴史の事実があります。3月末の時点で,共謀罪法案の反対・撤回を求める意見書を採択した地方議会は45議会に上り,140人を超える多くの刑事法研究者や日本弁護士連合会,日本ペンクラブも法案に反対声明を出すなど批判は国民の中に大きく広がっています。現代版治安維持法と言える共謀罪(テロ等準備罪)法案は,市民の誰もが捜査の対象になり得る危険性があります。市長は,もの言えぬ監視社会をつくり,憲法に保障された自由な社会を壊す違憲立法だとの認識はありますか。 次に,高浜原発の再稼働について質問します。今年3月28日に大阪高裁から高浜原発再稼働を認める決定が出され,一昨日,4号機が再稼働され不安が広がっています。高浜原発は今年1月にはクレーンの倒壊で核燃料保管の建屋を壊す事故等が続き,免震棟は未完成でフィルター付きベントは未設置です。さらに,通常炉よりも事故の危険性が高まるプルサーマル発電であり,使用済みMOX燃料に至っては再処理のめどは全く立たず,保管自体が危険で長期になります。本市の原発事故を想定した避難計画や訓練も全く不十分です。事実上再稼働を容認している関西広域連合も,4月28日の連合委員会で関西電力の高浜原発再稼働方針に対して,クレーン倒壊事故など住民の不安が大きい,近隣住民の懸念払拭に向けた真摯な対応と万全の安全対策を求めるとともに,国に対して再稼働に際して同意を求める自治体の範囲を明確にするよう申入書をまとめました。そして新聞報道では,滋賀県知事は再稼働の同意手続の法定化や使用済み核燃料の処分の道筋が見えてこないとして,再稼働を容認できる環境にないと言っている自治体があるということを関西広域連合の文書に入れるように求めています。市長は,このように様々な不安や問題が解決していないことは重大だとの認識はあるのでしょうか。放射能汚染の危険性は30キロ圏にとどまらないことは,福島原発事故でも明らかです。京都市から,再稼働に反対の声を上げ,市民の安全を守るべきではありませんか。いかがですか。 次に,介護保険制度についてお聞きします。要支援1・2の方を対象にした総合事業による悪影響について,我が党は以前から指摘をしてきました。4月1日から事業が開始され,まだ1箇月余りしかたっていませんが,既にあちこちで混乱の声が噴出しています。ある包括支援センターの方に現状をお聞きしました。総合事業の訪問介護事業所登録をしている所でも,登録はしたがまだ検討中なのでヘルパー派遣を見合わせているところが多いとのことです。また,既に撤退を決めた全国規模の事業所もあるなど,生活支援型ヘルパーが全く足らないとのことです。事業所の運営が困難にならないように家事援助のみでも総合事業前と同じ報酬に戻すべきではありませんか。いかがですか。 利用料についても問題があります。先日,75歳と78歳の御夫婦にお話をお聞きしました。夫は脳梗塞で半身不随まではいかないが,歩くことも手の動作もぎこちなく,生活には介護が必要だということです。ところが,この方は介護保険料の滞納がありました。親族が努力をして滞納分を分割で払われたのですが,時効に間に合わず,利用料の3割負担というペナルティが課せられています。介護が必要な状況にあるけれど,利用料の3割負担は重過ぎて利用に踏み切れないでおられるのです。自宅で生活するためには手すりなどを付ける必要がありますが,3割負担ができないため,自宅の改善ができない状況です。妻は入退院を繰り返しておられ,医療費負担などが月に5万円以上掛かり,利用料の3割負担と合わせれば負担の限界を超えてしまいます。負担ができないからと利用を控えている人もあるのではないかと考えられますから,対策が必要です。3割負担のペナルティは余りにも重過ぎます。まずは,1割負担でのサービスを保障すべきです。京都市独自の措置として,必要な方には必要な介護が受けられる制度に改善してこそ,自治体本来の役割が果たせるのではありませんか。いかがですか。 2015年の改悪で,年金収入のみで280万円以上の人の利用料が1割負担から2割負担に改悪され,全国で45万人に負担増が押し付けられました。その結果,21世紀・老人福祉の向上をめざす施設連絡会の調査では,100を超える特別養護老人ホームで,支払い困難を理由にした退所が発生したということです。このような状況があるのに,利用料の3割負担への改悪が参議院で審議中です。今回の改悪が実施されれば全国で12万人,京都市でも約1,700人程度が負担増になるということですから,現状を更に悪化させることは誰の目にも明らかです。3割負担ではなく,2割負担を元の1割負担に戻すべきです。地方公聴会も開かず,関係者の声もまともに聴くこともなく,たった22時間の審議で衆議院で強行採決を行った自民,公明,維新の責任は重大です。現状の介護保険制度でも介護が受けられない介護難民といわれる高齢者がおられる状況にありますから,京都市として利用料の軽減策を採ると同時に介護保険制度の度重なる改悪に対して,国に反対の声を上げるべきではありませんか。いかがですか。 午前中の質問の最後に,本市の文化行政について一言指摘をしておきます。市長は,京都の最大の強みである文化力を基軸にするとしていますが,実態はどうでしょうか。京都市は本市の名誉市民である桑原武夫氏が88年に寄贈された貴重な蔵書を遺族に無断で破棄したのに続き,京都市美術館が委託して制作・所蔵しているモニュメントを自ら切り刻んで撤去する工事を強行しようとしています。前代未聞の暴挙に抗議し,切断工事を中止するよう強く求めまして,午前中の質問とします。 ○議長(寺田一博) 植村副市長。 〔植村副市長登壇〕 ◎副市長(植村哲) 西野さち子議員の御質問にお答えいたします。 高浜原発の再稼働についてでございます。本市は,平成24年3月の市会決議を重く受け止めまして,平成25年12月に京都市エネルギー政策推進のための戦略を策定し,原子力発電に依存しない持続可能なエネルギー社会の実現を目指すことを明確に掲げるとともに,国に対しては,原子力発電所のできる限りの早期の全廃に向けたエネルギー政策の抜本的な転換を求め,中長期的には,脱原発依存を強く主張し続けております。そのうえで,原発に依存しない電力供給体制が構築されるまでの間,やむを得ず再稼働する場合には,国においてその必要性を明らかにし,世界最高水準とされる新規制基準に基づく安全性の確保に向けて,これまでにも増して万全を期すとともに,関西電力をはじめとした関係者が徹底した安全対策に取り組んだうえで,分かりやすく周辺住民の皆様に説明し,理解を得ることがとりわけ重要であると考えております。今回の高浜原発の再稼働に際しましても,本市も関西広域連合の枠組みにおいて,国及び関西電力に安全確保等の申入れを行っております。なお,本市では,平成25年度に策定した京都市地域防災計画原子力災害対策編に基づきまして,UPZ内の地域において,迅速な情報伝達,避難,除染,安定ヨウ素剤の配布等を行う原子力防災訓練や空間放射線,水道水,農産物等のモニタリングを実施するなど,万が一の原子力災害から市民を守るための防災対策にしっかりと取り組んでいるところであり,引き続き,その充実に努めてまいります。以上でございます。 ○議長(寺田一博) 藤原総合企画局長。 〔藤原総合企画局長登壇〕 ◎総合企画局長(藤原正行) テロ等準備罪についてでございます。テロ等の国際組織犯罪や国内における組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪から国民をより良く守ることを目的として,テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法の改正案が国会に提案され,審議されております。この法案のテロ等準備罪は,これまでの国会における御議論を踏まえ,組織的犯罪集団や準備行為の明確化,対象犯罪の限定列挙など犯罪構成要件の見直しが図られてきているものと認識をしております。条文の解釈や法の運用を含め,本法案につきましては,日本国憲法の基本理念でもございます基本的人権を尊重しつつ,国家,国民の基本である安全に関わることとして,国会において十分に議論されるとともに,国民への丁重な説明責任を果たしていただくことが必要であると認識しております。以上でございます。 ○議長(寺田一博) 高城保健福祉局長。 〔高城保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(高城順一) 介護保険制度についてでございます。まず,平成29年4月から実施しました介護予防・日常生活支援総合事業については,現行相当のサービスはもとより,人員基準を緩和した家事援助のみを行う生活支援型ヘルプサービスや短時間型デイサービスなどの新たに設けたサービスも含め,多くの事業者に参入いただいており,円滑なサービス利用が進んでおります。今後とも,引き続き実施状況を把握し,適切な対応を必要に応じて行ってまいります。また,生活支援型ヘルプサービスの報酬単価については,要介護認定を受けた方の家事援助サービスと同じ単価にするなど,サービス内容や提供時間が近い要介護者に対するサービスの報酬と同等としており,サービスに見合った適切な報酬体系であることから,これを見直す考えはありません。 次に,介護保険料の滞納により,利用者負担を3割にするなどの給付制限については,介護保険法に定められた措置であり,負担の公平性を確保する観点からも,本市独自に利用者負担を1割とすることは考えておりません。本市といたしましては,これまでから,滞納者が制度の仕組みを理解しないまま,給付制限を受けることがないよう事前に文書による督促,催告を行うほか,面談や電話等により,丁寧な納付指導に取り組んでいるところであり,今後とも,滞納者に対して個別の事情をお聴きし,給付制限に至ることのないよう取組を進めてまいります。 次に,現在,国会において審議されている高額所得者の利用者負担を3割とする法改正案につきましては,高齢化の進展に伴う保険料の上昇を可能な限り抑制し,介護保険制度を今後も持続可能としていくためのものと認識しております。介護保険制度は全国一律の制度であり,利用者負担の割合を本市独自に変更することはできません。本市としては,今後とも介護保険制度が持続可能な制度となり,かつ被保険者の負担が過重とならないよう,国に対し必要な要望等を行ってまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) 西野さち子議員の一般質問の途中ですが,暫時休憩いたします。 〔午前11時50分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(寺田一博) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) 休憩前の一般質問を継続し,西野さち子議員に発言の継続を許します。西野議員。 〔西野さち子議員登壇〕 ◆(西野さち子議員) 午後の最初に民泊問題についてお聞きします。京都市は宿泊施設誘致・拡充方針を作成し,訪日外国人宿泊客数を2020年に約440万人から630万人と見込み,宿泊施設が足らないと国の方針に基づき観光客を呼び込む政策を展開しています。この方針の下で,激増する民泊によって今,京都の町が変貌し市民生活に大きな影響が出ています。共産党市会議員団に寄せられた声や議員団が現地調査をした例を紹介し,質問します。 まず,京都の町がどのように変貌してきているのかという問題です。民泊関連の業者による空き家の買い占めなどが異常に進んでいる地域があります。例えば,東山区では空き家が次々と売却され,改装されたかと思うと民泊になっています。50坪で3億8,000万円の値段で土地家屋が売りに出されたということもお聞きしますから,土地の価格が2倍,3倍に高騰し,かつてのバブル期の様相で一般市民には手が届かなくなっています。ある狭あいな道路に面した路地では丸ごと民泊になる勢いであったり,9軒中6軒が民泊になり,町内会が機能しないだけでなく,生活実態のない町になっていく不安を住民の方々は語られています。このように民泊が急増する例は,今,市内の中心部にとどまらず,周辺部にも広がっています。町が変貌する下で市民生活に及ぼす影響も深刻さを増しています。1町内に10軒以上の民泊が出来,周辺住民の静かな生活が壊されている地域もあります。深夜のキャリーバックの音にとどまらず,ある商店が目印にされ,宿泊者の荷物の配送先にされたという考えられないことが起こっています。連棟の一つが民泊になり,宿泊客の大きな話し声が騒音として住民を悩ませています。ここでも住み続けることができない町になりかねない深刻な問題が起こっています。市長は,この現状についてどのように認識されていますか。ますます深刻になっているという認識はありますか。お聞かせください。 市内の民泊は,エアビーアンドビーだけでも昨年2月に4,650件と増え続けていますし,他のサイトを含めれば5,000件を超すことは明らかです。市民にこれだけの被害が出ているにもかかわらず,京都市は,11の行政区で90人体制であった民泊対応の部署を1箇所18人に集約し,「重点的,集中的,機動的に対応できるよう集約し,専門のチームを作って対応していく。実態調査も民間のノウハウ,情報をしっかり把握して,行政として適切に対応していく」と答弁してきました。しかし,区役所で地域の状況がつかめなくなり,市民が何度電話をかけて違法行為を訴えても改善されないなど,現状はますます深刻の度を増しています。現状を改善するために,旅館業法関連の部署を各行政区へ再配置することとしっかり対応できる職員体制の充実を求めます。いかがですか。 更に問題なのは,京都市が許可をした簡易宿所周辺でもこれらの住民被害が引き起こされている現状です。その原因は,元あった帳場がない,緊急連絡先が分からない,看板がないなど明らかに違反している施設が増えていることにあると考えられます。一旦許可をすれば,あとは野放し状態では許可の意味がありません。ホテル,旅館等の許可件数は昨年だけでも838件,5月10日現在で市内2,135施設の許可が出されています。全ての施設に対して許可条件が守られているのか,周辺住民への被害がないのかどうかのチェックが必要です。そして,問題があれば許可の取消しをすべきです。そのための職員体制の強化を求めます。いかがですか。 観光客が増加して宿泊施設が足らないと言いますが,無制限に観光客を増やしてよいのではありません。観光客の方々が,京都に何を求めておられるのかをしっかりと見極めることが重要です。落ち着いた雰囲気の町並みや歴史を感じることのできる京都を見失ってしまったのでは,取返しのつかないことになります。2015年の京都観光総合調査における満足度調査でも,京都を再び訪れたいと言う人が日本人で減少し,日本人観光客は前年比112万人減少しています。京都らしさがなくなり,そのうえ地域住民が住めない町になってしまっていいのでしょうか。これでは全くの本末転倒です。誘致一辺倒ではなく,観光の在り方への検討が必要ではないでしょうか。市内で起こっている民泊問題に拍車を掛けている宿泊施設の誘致・拡充方針の見直しが必要です。そして,京都市が5月1日から5年計画で取り組んでいる上質宿泊施設誘致制度は,これまで規制されてきた地域でも京都市が上質と認めれば宿泊施設が可能になるというのですから,まち壊しにつながる危険があります。撤回すべきです。 一方,自宅で海外からの観光客に宿泊してもらうホームステイ型民泊で交流を深めておられる方もあります。日本の文化に触れ,人と人との交流をしたい,日本の生活を体験したいという思いを持っている観光客も多いそうです。畳の部屋に押入れや仏壇は驚かれるようです。また,地域の商店街で買物をして,おなじみさんになることもあるそうです。リピーターになって,また来たいと言う人もあるといいますから,これが交流を目的とした本来の民泊の姿ではないでしょうか。今,京都市が進めようとしている京町家の保全にもつながります。ホームステイ型民泊に取り組んでおられる方々も違法民泊には反対されています。違法民泊を根絶し,地域と良好な関係を築き,共存できるようにすべきではないでしょうか。観光の基本は,住んでよし,訪れてよしと言われていますが,観光客で混雑し過ぎている町,コミュニティが壊され,住みにくい町になっている現状について,市長はどのように認識されていますか。観光の本来の在り方に立ち戻るべきと考えますが,いかがですか。 また,今でも市民生活に深刻な被害をもたらしている現状があるうえに,国が今進めようとしている新法住宅宿泊事業法は,許可制を届出制にして違法民泊を合法化するものです。これでは市民への被害はとりとめもなく広がっていく危険がありますから,市長として新法の撤回を国に強く求めると同時に帳場への人の常駐,住居専用地域や集合住宅での民泊を条例で禁止すべきことを強く求めておきます。 次に,市営住宅ストック総合活用計画についてお聞きします。 最初に,空き部屋改修の問題です。市営住宅は年4回一般公募が行われています。毎回の応募倍率は団地による差はありますが,昨年12月の公募結果では平均で7.6倍,高いところでは一般で49倍,単身者で77.5倍,単身者向けシルバーハウジングでは86倍と非常に高くなっています。京都市住宅マスタープランの中間見直し後のプランでは,市営住宅について,住宅確保要配慮者の住居の安定を確保するための中核的な役割を担うことが求められるとされています。住宅マスタープランに基づいて,市民が安心して住み続けることができる住居を提供することは京都市の果たすべき使命です。ところが,公募倍率が高い一方で空き部屋が目立っています。極端な所では,階段型の所では,一つの階段で10戸のうち2戸しか入居されていないところもあります。1階や2階でも空き部屋が目立つ状況です。高齢化が進み,4階,5階から下に住替えを望んでおられる方も多い中,空き部屋のままで放置されているのですから,市民から,何とかしてほしいという声が上がるのも当たり前です。 また,空き部屋の増加で自治会活動にも支障が出かねない状況も深刻です。「改修に費用が掛かるから,簡単に改修できるところから進めている」といつも答弁されます。しかし,改修をして入居してもらえば家賃収入が増えるわけですから,空き部屋のまま放置すべきではありません。空き部屋の改修を進め,住宅を必要とする方の住居の安定確保に向けて京都市の責任を果たすべきです。いかがですか。 前回の10年間計画に引き続き,2010年から10年間の計画で市営住宅ストック総合活用計画が進められています。耐震改修やバリアフリー化が進められていますが,耐震化は計画内に90パーセントありきではなく,少しでも前倒しをすべきです。また,バリアフリー化については,前回の計画が70パーセントを目標にしていたものを,51パーセントにしか進まなかったことを受けて,今計画では70パーセント以上という消極的な目標にとどまっています。今年度はどこまで進める計画になっているのでしょうか。年次計画を立てることが必要です。そして,年次計画を前倒しにしてでも耐震化,バリアフリー化のどちらも急ぐ必要があります。いかがですか。 また,ストック活用計画では旧改良住宅を集約し,跡地を市営住宅ではなく,他の施策への活用が検討,実行される計画になっています。旧改良住宅を含めての市営住宅の管理戸数の維持がされなければ,住宅マスタープランの住宅確保要配慮者の住居の確保は後退するではありませんか。 また,今進められている集約も含めて住民に説明が全くされていないことも重大です。集約と規定されているが,いつ頃に計画が動くのか住民にとっては分からず,不安が募るのみです。そして集約棟はどれだけ空き部屋が増えても公募はしないために,治安が不安な現状もあります。耐震改修もせず,放置されたままでは余りにも無責任です。旧改良住宅は交通の便の良い場所が多いのですから,老朽化した旧改良住宅の建替計画を策定し,市営住宅としての活用を進めるべきです。旧改良住宅の集約による管理戸数の減少は許されません。市営住宅の管理戸数の減少を進める市営住宅ストック活用計画の見直しを求めます。いかがですか。 また,入居者からは,入居環境の改善についての請願が何度も寄せられています。その結果,風呂釜の改修についての改善が行われ,大変喜ばれています。ただ,シャワーの設置と浴槽の改善はされておらず,要望が強く出されています。浴槽は高さが60センチから65センチのものが最も多く,高齢者は足が上がらず入浴ができない方が増えています。本当に危険ですから早急な改善が必要です。取り替えるには高額の費用が必要となり,我慢されている方も多いのが現状です。市営住宅の改修について,シャワーの設置と浴槽の取替えや,特に高齢世帯には優先して安全に使用できる低い浴槽に取り替えるなど,公私負担区分の見直しをして対応をすべきです。いかがですか。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(寺田一博) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 西野さち子議員の御質問にお答えいたします。 民泊対策をはじめとする観光政策についてでございます。本市では,宿泊施設については,安心・安全の確保と周辺住民の生活環境との調和が大前提であることから,違法民泊対策にいち早く取り組んでまいりました。具体的には,平成27年度に立ち上げた民泊対策プロジェクトチームによる徹底した実態調査を踏まえ,平成28年度には,全国に先駆けて民泊通報・相談窓口を設置し,寄せられた通報等を基にこれまで延べ2,143回の現地調査を行うなど,全庁を挙げて厳正な指導を進めてまいりました。その結果,違法状態にある300施設の営業を中止させたことに加えまして,平成28年度の法令に基づく簡易宿所の許可件数は前年度の3倍以上の813件となっており,取組の成果を実感いたしております。 しかしながら,窓口には引き続き市民の皆様の通報,相談が数多く寄せられており,更に指導を行うべき施設等も依然存在しております。このため,今年度から各区役所にあった衛生課の業務を医療衛生センターに集約化し,民泊対策に特化した強力な専門チームを設置することで,指導,監督すべき施設が集中する地域への重点的な取組や複数の行政区にまたがって営業する事業者への的確な対応など,柔軟でかつ機動的で更に強力な取組が可能な体制を構築したところであります。 さらに,違法な民泊施設の所在地や営業者等を特定するため,民間事業者の持つ独自のノウハウを活用した調査を6月から実施するなど,指導の強化に向け一層の取組を行ってまいります。こうした新たな取組により,京都府警とも更に連携を強化し,違法な民泊施設の根絶を目指して,全庁を挙げてき然と対応してまいります。 あわせて,許可施設に対しては,これまでから実施しております定期監視において,法令に基づく施設基準や衛生面の確保の観点からの指導に加えまして,昨年12月から新たに実施しています指導要綱に基づき,周辺住民の安心安全や生活環境との調和の確保の徹底を図るとともに,地域住民の皆様からの御相談にも丁寧に対応してまいります。今後とも,京都の強みである文化を中心に観光の本質に迫る観光振興を引き続き明確にし,伝統文化,伝統産業の振興や中小企業の活性化,安定した雇用の創出など市民生活の豊かさや都市格の向上につなげ,観光客の皆様に感動を与えると同時に市民生活との調和を図り,京都に住んでいてよかったと市民の皆様が実感していただけるよう全力を尽くしてまいります。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(寺田一博) 鈴木都市計画局長。 〔鈴木都市計画局長登壇〕 ◎都市計画局長(鈴木章一郎) 市営住宅についてでございます。本市では,市営住宅を長期間有効に活用するために,各住棟の活用方針や目標とする数値を定めた京都市市営住宅ストック総合活用計画を策定し,適切な改善,改修を実施しながら全市営住宅約2万3,000戸を管理しております。入居者の退去などにより発生する空き家につきましては,過去の応募倍率や,市内の地域間のバランスなども考慮しながら計画的に整備し,近年では,年間平均700戸を超える住戸の供給を行っております。また,昨年度から,長期間の居住によって傷みの程度がひどく,整備費が高額となる住戸について,国の補助金を活用した子育て世帯向けのリノベーションを実施し,供給戸数の更なる上積みを図っております。 次に,耐震改修につきましては,入居者の皆様の安全を最優先に取り組んできました結果,4,217戸の改善を図り,耐震化率を18ポイントアップさせるなど着実に事業を進捗させております。引き続き,積極的な国費の確保や民間活力の導入により,現在,事業を進めております楽只団地や八条団地など5箇所の団地再生事業に加え,醍醐南団地や樫原団地など4箇所の改善工事に鋭意取り組み,バリアフリー化も含めた市営住宅整備と新たなまちづくりを進めてまいります。このストック計画では,公営住宅にしっかりと改善工事を施し,長く大切に使うこととしており,新たに公営住宅を建設する考えはございません。 最後に,シャワーの設置やまたぎやすい高さの浴槽への取替え等を本市の負担で行うことにつきましては,本市の厳しい財政状況の中で現状では困難であり,まずは浴室のない住戸への浴室設置を優先的に進めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) 次に,市政一般について,ほり信子議員に発言を許します。ほり議員。 〔ほり信子議員登壇(拍手)〕 ◆(ほり信子議員) 右京区選出,ほり信子です。日本共産党京都市会議員団を代表して四つの分野に関わって質問いたします。 まず,教育に関わっての質問です。 1点目は,教育勅語の問題です。森友学園問題を通して,教育勅語の問題点が国民の間に明らかになりました。教育勅語は,12の徳目の最後を「一旦緩急あれば,義勇公に奉じ,もって天壤無窮の皇運を扶翼すべし」とし,天皇のために命を賭して戦うことを美徳として臣民に求め,子供たちを侵略戦争へと駆り立てる精神的支柱としての役割を果たしました。このことは紛れもない事実です。だからこそ,1948年に衆院で排除,参院で失効確認が決議されたのです。衆院での排除決議は,教育勅語の基本理念が主権在君や神話的国体観に基づいていること,また基本的人権を損ない,国際的な信頼関係を裏切るものであることを指摘しています。さらに,この決議は,「政府は直ちにこれらの謄本を回収し,排除の措置を完了すべきである」と締めくくっています。それを受けて,文部省は教育勅語等の取扱いについてという通達を出し,この決議の徹底を図っています。今国会の中で,この通達は今日でも政府・文科省が引き継いでいることを確認しています。 3月31日,安倍政権は,教育勅語を憲法や教育基本法に反しない形で教材として用いることまで否定されることではないとした答弁書を閣議決定しましたが,現憲法がある限り,この1948年の教育勅語排除・失効決議とその趣旨徹底の文部次官通達を守らなければなりません。つまり,教育勅語は主権在民に反するものです。戦後教育の原理である民主主義と平和主義に反しているがゆえに,公教育から排除,失効したものです。教育長,このような事実に対する認識はいかがですか。 2点目は,改訂学習指導要領の問題です。3月31日,文科省は幼稚園教育要領,小学校及び中学校の学習指導要領を発表しました。幼稚園は2018年度,小学校は2020年度,中学校は2021年度から本格実施となります。今回の学習指導要領は,2006年の教育基本法の改悪で定めた愛国心などの教育目標に沿って,本格的に子供の学習を統制しようとするものです。教育が人格の完成を目指すと言いながらも,社会,産業界の要請する人材育成になっているということです。 特に,初めて国として子供たちが身に付けるべき資質,能力を規定し,その達成を求めていることは,人格そのものへの国家統制につながる重大な問題です。学習を通して,子供の人間性や能力をどう育むかは国民それぞれが考えることであり,国が立ち入るべきではありません。さらに,資質,能力の効率的達成のために,授業方法や評価の方法まで細かく記述していることは,大綱的基準である学習指導要領の域を逸脱し,創意工夫した授業など教員の自主性を奪うことにもなりかねません。 京都市においては,教職員に配布した今年度の教育の重点の中で,指導要領の改訂の趣旨,内容を全教職員が理解を深め,教育課程の編成・検証,アクティブラーニングの実現に向けた授業改善の取組を進め,2020年度からの実践に向け,万全を期す重要な時期と位置付けています。このアクティブラーニングはアメリカの大学教育の指導方法からもたらされたものですが,既に,日本は一方的な講義型の学習方法によらない豊かな学習方法の蓄積があり実践されているのではありませんか。憲法と教育基本法は,行政権力に教育内容への介入の抑制を求め,学校,教員の自主性を保障しています。子供たちには確かな学力・豊かな学びを,学校,教員には自主性を保障するために,改訂学習指導要領は大綱的基準であり参考にとどめるべきだと考えますが,いかがですか。そして,教育行政は教育条件整備にこそ力を入れるべきだと考えます。教育長のお考えをお聞かせください。 3点目は,就学援助の問題です。子供の貧困対策としてこの就学援助はとても有効であり,対象を増やすために準要保護の認定基準を広げることが重要だと考えます。政令指定都市の多くは,京都市の基準以外に,市町村民税の非課税や減免,国民年金の免除,国保の減免・猶予などを認定基準の対象にしています。認定基準の対象を広げるべきです。また,経済的理由による就学困難な状態の認定における所得基準額は,ここ数年は変更されておりません。この所得基準額は生活保護基準のほぼ1.3倍ということですが,これを例えば,1.5倍にするなど基準額を引き上げるべきです。認定基準の対象を広げること,所得基準額を引き上げることについていかがですか。 また,就学援助の周知の方法です。この間,毎年進級時に学校で就学援助の書類を配布するよう求めてきました。政令指定都市でも,毎年進級時に配布していないのは北九州市と京都市のみです。就学援助制度を利用しやすくするために,毎年,制度の案内を教育委員会としてとるべきです。いかがですか。 さらに,新入学学用品費等の早期支給についてです。2月市会で,京都市として早期支給を検討するとのことでした。2年前,私は9月市会の代表質問でこの問題を取り上げました。また,局別質疑でも,せめて中学校の新入学学用品費は,就学援助を継続する生徒については6年生段階で,遅くとも4月中にと要望してきました。市教委から返ってくる言葉は,転学したときに返金が難しいという冷たいものでした。子供の貧困が進む中,新入学学用品費等が倍近く引き上げられました。そして,さらに文科省は,2018年度春の入学者から小学校に入学する前に支給できるよう規則を変更しました。これで,中学校だけでなく小学校でも入学前に支給できる条件が整いました。長年の懸案だった新入学児童生徒学用品費等の支給は,小学校,中学校の入学準備に間に合うように実施されることを求めます。いかがですか。 4点目は,教職員の働き方の問題です。4月28日,文科省は2016年度の教員勤務実態調査を公表しました。10年前と比べて勤務時間が増えています。大手新聞各社の見出しでも「部活動,授業増響く」,「文科省調査,電通だけじゃない」,「過重な業務,教員悲鳴」,「中学の6割過労死ライン超え」,「長時間労働解消進まず」とあります。土日の勤務も増え,小学校では学習準備,中学校では部活・クラブ活動,成績処理を原因としています。京都市では,今年1月に京都市立中学校運動部活動ガイドライン,4月に京都市立小学校運動部等活動ガイドラインが作成されました。小学校では過度な負担による身体機能障害が起こらないように活動日や活動時間など限定しています。これは,子供たちの健康面と共に教師の超勤縮減にも意義ある取組です。どの学校もこのガイドラインどおりに実施されているか,教育委員会として検証する必要があると考えます。いかがですか。 また,この教員勤務実態調査の中に,小学校では,担任する児童数が多いほど長時間勤務の傾向にあるという結果が出ていました。当然のことですが,1クラスの人数の改善は,実務量を減らし子供たち一人一人と向き合う時間を増やします。公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部改正により,少人数指導等の推進のための基礎定数の新設があり,少人数学級の拡大に活用してもよいと初等中等教育局長が認めています。文科大臣が,「少人数学級はよりきめ細やかな指導が可能となり,有効な施策だ」と述べているように,基礎定数の新設を活用し,京都市として小学校3年生から中学校2年生まで計画的に35人以下学級の実現を求めます。そして,財政的に国が責任を持つ基礎定数の改善で35人以下学級を進めるよう,国に対して京都市の重点としての予算要望に位置付け,実施することを求めます。いかがですか。 次に,保育に関わって質問します。 1点目は待機児童解消と公的責任の問題です。先ほど待機児童4年連続ゼロと答弁がありましたが,実態はどうでしょうか。京都市は,初めて第一次入所保留通知を856人に送ったことを公表しました。ある保護者は,保留通知を受け取り,仕事をしながら8日間のうちに二次募集をしている園を必死で回らなければなりませんでした。また,自宅近くに保育園があるのに,遠くの保育園になってしまった保護者もいます。兄弟が同じ保育園に入れなかった保護者が今年もいます。入所を断念した保護者や希望する保育園に入れなかった保護者がいることは重大な問題です。募集をしても保育士さんが集まらないため,受け入れたくても,断らざるを得ないという保育園もあると聞きました。昨年も途中入所ができず待機児童が発生していることを考えれば,保育園が足りないということではありませんか。京都市では,民間保育園の耐震改修に伴って,定員増を条件に改築を促進しています。また,幼稚園の預かり保育や小規模保育で定員を増やしています。今年は新規入所希望者が7,000人を超え,右京区などでは過去最高の申込みがあったと聞きました。要望に応えられていないことは重大な問題ではありませんか。京都市未来こどもはぐくみプランでは,保育の量の見込みを,今年度をピークにその後の2年間は増やしていません。保育の量の見込みの見直しが必要と考えます。いかがですか。待機児童解消に向けて,民間保育園に増員を頼るばかりでなく,京都市の公有地に保育所を建てること,京都市として保育士さんを確保するために処遇改善を更に取り組むことが必要ではないでしょうか。それが,保護者や民間保育園に対する公的責任を果たすことにもなると考えますが,いかがですか。 2点目は,京都市崇仁保育所の民間化の問題です。京都市は,崇仁地域への京都市立芸術大学整備計画に伴い,突然2019年度から京都市崇仁保育所を民間化すると発表しました。このことが知らされたのは今年1月の教育福祉委員会でした。3年後には,新しい場所で,保育士も入れ替わった状態で保育を始めることは,保育園児にとって二重のストレスとなり,成長発達に悪影響があると専門家も指摘しています。園児の成長発達にとって,保育の継続性が重要であることは明白です。 また,下京区でたった一つしかない市営保育所がなくなることは,京都市自らが決めた市営保育所の今後のあり方に関する基本方針にも反します。民間への移管についても,配置バランスを考慮し,市営保育所が複数所在する地域の保育所を対象としています。崇仁保育所はその対象にもならないし,なってもいませんでした。移転整備に当たっても,入所する児童への影響や保護者の意見に十分配慮した丁寧な説明になっておらず,市の方針を一方的に伝え,納得するよう求めるだけです。この間の説明では,信用して任せられる状態ではないと保護者の方は訴えています。今年度中に,新施設の整備・運営する民間法人等を選定し,2018年度には引継ぎを開始するという異例のスピードで進められようとしていることは,園児の発達保障にも保護者の願いにも反する重大な問題です。さらに,市営保育所ならではの役割,機能としての子育て支援拠点事業は,おうちに保育士さんと養育不安や困難を抱える家庭への訪問指導として大変喜ばれています。それをなくし,東山区の三条保育所に統合することは,市営保育所ならではの機能である子育て支援拠点事業の後退につながります。崇仁保育所は市営保育所として運営をし,地域子育て支援拠点事業を続けることを求めます。いかがですか。 次に,「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画に関わって質問します。 1点目は,3施設の合築・一体化の問題です。2014年2月,保健福祉局から障害保健福祉施策の総合的な推進と児童福祉施策の充実・強化に向けた取組方向で,身体障害者リハビリテーションセンター,こころの健康増進センター及び児童福祉センターの合築化が報告されました。2012年「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画に基づき,2015年3月に策定された京都市公共施設マネジメント基本計画に取り入れられました。この3施設の一体化は,建替え費用や施設運営費等,財政負担を少しでも軽減しようとするリストラ計画にほかなりません。 4月に開かれた教育福祉委員会での質疑を通して見えてきたことは,3施設の合築・一体化という方針だけが先行し,合築後の施設の姿や役割,機能について具体的に市民に示せる形になっていないということです。分かっていることは,合築される場所と合築したら狭くなるということです。3施設合築で,身体,知的,精神の三障害相談窓口の併設によるワンストップ化を実現するとしていますが,ニーズの異なる様々な相談者が,同じ建物にある相談窓口を利用するということでしかなく,相談や手続が1箇所で完結するわけでもありません。そして現在より便利になるわけでもなく,むしろ,合築によってそれぞれの機能が後退するのではないかと危惧します。今,必要なことは,それぞれの施設がそれぞれの役割を果たせるようにすることです。3施設の一体化は,子供たちの育ちを保障し,障害のある人たちの権利を保障するという自治体本来の役割である福祉の増進に逆行するものではありませんか。いかがですか。 2点目は,区役所業務の民間委託の問題です。「はばたけ未来へ!京プラン」後期実施計画の中で,5年間の積上げで600億円もの社会福祉関連経費等の削減を宣言し,公的サービスの民間委託をあらゆる分野で進めようとしています。今年度の予算でも区役所窓口サービス向上,業務効率化に向けた取組として3,200万円が計上されています。引越し,婚姻,出生などをきっかけに,戸籍,住民登録と合わせて生じる複数の手続を,できるだけ一つの窓口で受け付ける総合受付窓口の創設や各区役所のバックヤードで行っているデータ入力や郵便請求処理事務を集約するなど,業務の民間委託を視野に入れて窓口改革の検討を進め,今年度は調査・検討を行うとしています。 2014年1月,東京都足立区では戸籍事務を民間委託しましたが,3月には,法務局から戸籍法違反を指摘され,7月には,東京都労働局から偽装請負と認定され,8月には,戸籍事務の転入・転出届の受付等を区の職員に戻す是正措置を採りました。2020年4月施行で政府は,公権力を含む窓口業務を地方独立行政法人にさせることが可能とするような法改正を検討していることは重大な問題です。住民と身近に接する窓口業務は,自治体の顔としての役割があります。そして,あらゆることに対応できる高い専門性が必要です。不安や迷いを抱えてやってくる市民の思いをしっかり受け止め,対応をすることが求められ,機械的に処理することはできません。市民の信頼に応えるサービスの提供が必要とされる区役所の窓口業務の民間委託は,個人情報が漏えいする危険性も高く,大問題です。民間にできることは民間にと歯止めなく職員の削減を進め,公的サービスの民間委託や集約化を進めることは,自治体の公的役割を放棄し,住民サービスの低下につながるものです。区役所業務の集約化・民間委託はやめるべきです。いかがですか。 最後に,市バス・京都バス一日乗車券カードの適正化という値上げに関わって質問します。2月市会において,一日乗車券カードの値上げ検討が表明されました。一日乗車券カードは,市バス・京都バスの均一運賃区間が,ワンコイン500円で1日乗り放題とする乗車券であり,多くの市民や観光客に利用されています。交通局は懇話会を立ち上げ,8月にも結論を出し,年内にも実施すると言われていますが,この日程は,市民や利用者の声も聴かない,余りに拙速で市民不在と言わざるを得ません。右京区嵯峨・嵐山地域は,2014年3月から,市バス運賃が均一区間になり,やっとその恩恵を受けることができるようになりました。均一運賃区間になる前は,観光客と運転手が一日乗車券を巡ってやり取りしている場面が多々ありました。均一運賃になったことで,一日乗車券カードが使用できるようになり,地域の方から大変喜ばれています。なぜなら,来たバスを利用し,乗継ぎをして目的地に早く着くことができるようになったからです。そしてワンコインで1日乗れるからこそバス利用をしているのです。初乗り運賃が日本一高い市バスにとって,一日乗車券カードは市民に寄り添った施策として,利用者の増加と市バス事業の黒字化に大きな役割を果たしてきたことは明らかです。それが値上げとなれば,利用者に大きな負担を与えるとともに,経営改善にも逆行することになるのではありませんか。市民負担を押し付ける一日乗車券カードの値上げ検討は,撤回することを強く求めます。いかがですか。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(寺田一博) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) ほり信子議員の御質問にお答えします。 保育環境の整備についてでございます。京都市では,保育所,幼稚園をはじめ地域の方々の御協力の下,市有地の活用等も含め,保育所等の整備を強力に推進してきた結果,本年4月当初時点で,国の新しい基準におきましても待機児童ゼロとなり,平成26年以降,4年連続の待機児童ゼロを達成いたしました。さらに,来年度平成30年4月に向けて,過去最高となる1,115人分の受入枠の新たな確保に向けて現在全力を挙げて取り組んでおります。なお,子ども・子育て支援事業計画については,これまでから,子ども・子育て会議において事業等の進捗状況を点検,評価いただいており,今後も御意見を踏まえ,必要な取組を進めてまいります。 次に,保育士の処遇改善につきましては,これまでからも厳しい財政状況の下にあっても,年間40億円を超える本市独自財源により,充実した保育士の配置と共に全国平均の1.4倍となる平均年収約430万円の給与水準を確保しております。さらに,今年度は,国の改善策の導入に伴い新たに本市財源も捻出し,14億円もの予算を上乗せして確保しております。引き続き,子育て教育環境・日本一に向けた取組に力を尽くしてまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(寺田一博) 村上副市長。 〔村上副市長登壇〕 ◎副市長(村上圭子) 地域リハビリテーション推進センター,こころの健康増進センター及び児童福祉センターの施設一体化についてでございます。3施設の一体化は,基本構想に掲げた総合的な相談を受けるホットラインの創設や,ワンストップで専門的な相談,支援を実施していくことで,ライフステージや障害種別に関わりなく,切れ目のない手厚い支援を行っていくため整備を図っていくものでございます。これにより,各施設の専門性をいかし,精神的な課題を抱える保護者へのケアや,全体の4分の1に当たる方が身体,知的,精神のいずれかの重複障害があるといったことへの支援の充実,さらには,高次脳機能障害や発達障害といった施策のはざまにある方への対応を進めることができるようになります。このように3施設の一体化は,子供たちや障害のある方の福祉の増進に寄与するものであり,今年度策定する基本計画におきまして,施設の内容の具体化を図ってまいります。 次に,区役所業務の民間委託についてでございます。区役所の窓口業務につきましては,隔年で実施している来庁者アンケートなどにおいて市民の皆様から高い評価を頂いておりますが,この結果に甘んじることなく,今年度から更なる窓口サービスの向上と,より一層効率的な業務の執行体制を確立するため,ICTの活用によるサービスの向上や業務の効率化に向けた検討を本格的にスタートしております。この窓口改革の取組では,市民サービスの低下を招くことなく,持続可能な行財政を確立するため,民間委託を含めた業務の集約化など,効率的な執行体制の構築を検討すると同時に,様々な届出をワンストップで対応する総合受付窓口の創設など,更なる市民サービスの向上を実現してまいります。以上でございます。 ○議長(寺田一博) 久保子ども若者はぐくみ局長。 〔久保子ども若者はぐくみ局長登壇〕 ◎子ども若者はぐくみ局長(久保敦) 崇仁保育所の民営化についてでございます。市営保育所の在り方については,基本方針改定版において,地域の保育ニーズ,供給量を勘案し,公・民の役割分担の観点から不断の検証を行うこととしております。これを踏まえて,崇仁保育所については,本年3月に策定いたしました京都市立芸術大学移転整備基本計画において,実績のある社会福祉法人等の豊富な経験と国の補助制度を活用し,よりよい施設整備と運営を実現するため,公募により整備・運営を行う民間事業者を選定することとしたものでございます。また,下京区の地域子育て支援拠点事業については,隣接する行政区の市営保育所においてしっかりと継続して実施してまいります。以上でございます。 ○議長(寺田一博) 山本公営企業管理者。 〔山本公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(山本耕治) 市バス・京都バス一日乗車券カードについてでございます。平成12年に700円から500円へ値下げしたこのカードは,近年の均一運賃区間拡大をはじめとする利用範囲の広がりにより,カードの割安感が格段に高まっております。一方,多くの方がこのカードで4回以上御乗車されており,1回当たり125円と,普通運賃の230円と比べて大きな価格差が生じているため,適正な価格に見直すこととしたものです。これと併せ,地下鉄も御乗車いただける京都観光一日乗車券等の値下げを実施し,市バスの混雑緩和と地下鉄への利用誘導につながる公共交通全体の利用促進を積極的に進めてまいりたいと考えております。なお,これらの見直しに当たりましては,市会の付帯決議を踏まえ,慎重な議論と丁寧な説明を行いつつ,市民の皆様の利便性を向上すべく,しっかりと取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(寺田一博) 在田教育長。 〔在田教育長登壇〕 ◎教育長(在田正秀) 私からは5点お答え申し上げます。 まず,教育勅語についてでございます。政府答弁書におきまして「教育勅語は,日本国憲法及び旧教育基本法の制定等をもって法制上の効力が喪失した」ものであり,「教育の唯一の根本とするような指導を行うことは不適切であると考えているが,憲法や教育基本法等に反しないような形で教育勅語を教材として用いることまでは否定されることではない」とされております。現在,文部科学省検定済みの中学校,高校の社会科や日本史等の教科書におきましては,時代背景等を理解するための教材の一つとして教育勅語が取り上げられており,政府答弁書の趣旨を踏まえ,児童生徒の発達段階に即した適切な取扱いが行われるよう指導助言を行ってまいります。 次に,学習指導要領についてでございます。学習指導要領は,学校教育法等の規定に基づき,教育課程の基準として文部科学大臣が告示として定める公的拘束力のある法規としての性格を有するものであり,学習指導要領を遵守することは教員の義務であります。今後とも,法令に基づく適切な教育活動が行われるよう努めてまいります。また,本市では,厳しい財政状況の下,独自予算での少人数学級の導入,総合育成支援員や学校司書の全校配置等人的措置を行うとともに,全国に先駆けた全ての普通教室の冷房化の実施や環境に配慮した校舎の大規模リニューアル,防災機能を強化した体育館の改築等にも積極的に取り組んでおり,今後とも,保護者や市民の皆様の公教育に対する期待と信頼に応える教育条件の充実に取り組んでまいります。 次に,就学援助についてでございます。認定基準につきましては,この10年以上,生活保護基準の引下げや消費者物価指数の下落などに準じた引下げを行わず,厳しい財政状況の下でも実質的に認定基準を緩和するとともに,援助内容対象の充実拡大などに努めてまいりました。また,毎年,全ての保護者へ配布する学校だよりや家庭教育新聞,さらには,教育委員会や各学校のホームページを通じて制度の周知を図っております。新入学児童生徒学用品費の入学前支給につきましては,今年度から実施する場合には,新たに約1億6,000万円の財源が必要となるほか,他都市転出等により入学しなかった場合の返還などの課題がありますが,制度の充実に向け検討してまいります。 次に,教職員の働き方についてでございます。本市では,部活動が子供たちにとって過度な負担とならず,より充実した活動になるとともに,教員にとりましても,時間外勤務の縮減にも資するよう校長会や体育関係団体等と共に制定した部活動等のガイドラインにつきまして,その中で小学校では活動日を週3日以内とすること,中学校ではできれば週2日の部活動休養日を設け,土曜や日曜日を含めることが望ましいとするなど,具体的な基準を設けて運用しているところでございます。各部の活動状況や個々の教員の時間外勤務の状況につきましては,これまでから継続的に調査し,実態把握に取り組んでいるところであり,今後とも部活動等のガイドラインの適切な運用に努めてまいります。 最後,少人数学級の推進についてでございます。本市では,国に先駆け,小学校1・2年生での35人学級,また中学校3年生での30人学級を本市独自予算で実施するなど,国基準を上回る教職員配置により少人数学級を推進してまいりました。また,この度,法律が改正され,少人数指導等の推進のための基礎定数が新設されましたが,これまでの国裁量による加配定数が児童生徒数等に基づいて算定される基礎定数に振り替えられたに過ぎず,定数が増加したわけではございません。小学校3年から中学校2年まで全ての学年で35人学級を実施するには,毎年約24億円もの巨額の本市独自予算が必要となりますが,義務教育における教職員定数の拡充は,本来国の責任で実施されるものであり,今後とも教職員定数の改善につきまして国に要望してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) 次に,市政一般について,吉田孝雄議員に発言を許します。吉田議員。 〔吉田孝雄議員登壇(拍手)〕 ◆(吉田孝雄議員) 伏見区選出の吉田孝雄でございます。この度,公明党京都市会議員団の副団長という重責を仰せつかりました。京都活性化のため全力で働いてまいります。 地方分権一括法の施行から17年。東京一極集中を是正し,市民に身近な地方自治体がきめ細かな政策を主体的に推進する重要性が大きくなっています。地域に根を張った草の根ネットワークに基づいた市民目線の政策が求められている今,諸先輩が築いた伝統を受け継ぎ,公明党議員団の更なる飛躍を誓うものでございます。本日は,この後に控える大道義知議員と共に,議員団を代表し市政一般について質問いたします。市長並びに理事者におかれましては,誠意ある御答弁をお願いいたします。 まず,子供の貧困問題についてお聞きします。今年度から子ども若者はぐくみ局が新設され,この5月から各区役所・支所に子どもはぐくみ室が設置されました。子供の成長に応じた切れ目のない支援が充実し,子育てを温かく見守り,支え合う地域づくりが一層推進されると,各方面から大きな期待が寄せられています。これまでは,子育て支援の施策が分散しており,局を横断する課題に対応できにくい実態がありました。区役所などでも市民が窓口を回らなければならないケースも少なくなかったので,総合的かつ専門的な窓口の設置によるワンストップ化が実現されることで,今まで以上にきめ細かくスムーズな支援が実現されるものと確信するところです。私は,子ども若者はぐくみ局が生まれたことで,ここ数年クローズアップされている子供の貧困問題への対策が大きく進むと期待しています。この問題は,過去に例を見ない人口減少の超高齢化時代における喫緊の課題であり,希望あふれる京都の未来のために対策を強化するべきであると,かねてから議会などの場で発言するとともに,子ども食堂など貧困家庭への支援に貢献する方々と意見交換を重ねたほか,大阪や京都で開催されたシンポジウムに何度か参加するなど,現場の生の声を聴いてきました。 〔寺田議長退席,久保副議長着席〕 ◆(吉田孝雄議員) (続)昨年8月に実施されたアンケート調査で,貧困などの困難を抱える家庭では,親子関係が希薄で周囲から孤立しがちであり,子供の自己肯定感や学力にも影響があることが明らかになりました。貧困の連鎖を断ち切り,地域活性化を促進するべく本年3月に策定された貧困家庭の子ども・青少年に関する実施計画では,子供たちの生活や学習への支援,保護者の不安や負担を軽減するための経済面及び就労などの支援,地域や各種機関の連携で支援のネットワークを強化するとの三本柱が示されました。中でも,生活困窮家庭の子供への支援として行われている居場所づくりが,各地域の実情に合わせて継続的に行われるように,子ども食堂などの活動を支援することと,学習面の支援や相談相手になる事業を立ち上げるという施策が計画されています。 意見交換の場やシンポジウムで学んだことは,子ども食堂や学習支援などの活動に取り組む方々を行政などの公的機関がいかに適切にサポートするか,現場の第一線では試行錯誤の段階であるということです。実際に他府県の先行事例の報告では,福祉と教育と若者支援の窓口を右往左往したジレンマが語られていました。情報が錯そうしたり行き違いがあったりすると,市民ぐるみの活動が先細りしてしまいかねないとの懸念を覚えた次第です。といっても,貧困家庭への支援活動をしている方々は,企業や自治会組織などのような本部の下に各支部があるピラミッド型の組織ではなく,緩やかな共同体的な実態があります。したがって,子供の貧困問題の活動に取り組んでいる団体に対しては,子ども若者はぐくみ局が,様々な情報を集積するターミナル的な場を提供することが大事と考えます。このようなプラットホームを構築するとともに,具体的な相談を専門家につなぐなどの支援策を今以上に充実していただきたい。いかがですか。御答弁を求めます。 次に,子育て世帯を支援する住宅政策についてお尋ねします。私は,子育て世代が市内から流出するのではなく,市内に転入してもらえる誘導策として住宅政策の充実が大事だと考え,平成21年9月市会の本会議代表質問で二世帯住宅改築への助成制度の創設を提案し,27年9月市会でも,子育て世帯への総合的な住宅政策の拡大を求める質問をいたしました。それに加え,今回は空き家予防とも連動した提案をさせていただきたいと思います。 空き家対策は京都市が先進都市として注目を集めており,本年3月に東京で開催された空き家対策セミナーでも,本市が平成22年度からスタートした地域連携型空き家対策促進事業がクローズアップされ,地域と専門事業者のつなぎ役として地域ぐるみの対策が進められている取組が,他都市に先駆けている効果的な事例として紹介されていました。空き家所有者と地域,事業者をコーディネーターがつないで,スムーズな流通を推進するという点で効果は大きいと思いますが,相続問題がこじれて長期化するという懸案を解消するためにも,空き家予防の観点が極めて大きくなってくると考えます。その意味で,今後は高齢者と子育て世帯をマッチングする住替制度は大きな可能性があると考えます。この制度は,広い住宅に少人数で暮らす高齢者の持ち家を借り上げて,狭い住宅に暮らしている子育て世帯に貸し出すというもので,2階を昇り降りすることが困難な高齢者が家賃収入を元にコンパクトな住宅に住み替えることができますし,子育て世帯は適正な家賃で子育てに適した広い住宅に入居することができるというものです。現在,一般社団法人移住・住みかえ支援機構が運営しているマイホーム借上げ制度がありますが,現時点ではなかなか認知されていないのが実情です。広報啓発面のバックアップと窓口の簡素化や見える化の充実が必要であると申し上げたい。子育て世代が京都に住みたいと思っていただけるような誘導策としてだけでなく,空き家予防のためにも,住宅住替制度は大きな効果があるのではないでしょうか。是非,積極的に強化していくべきと考えるものです。 3月のセミナーでは,空き家対策の第一人者である米山秀隆氏が,千葉県流山市などで本格的に実施されている高齢者住替支援制度を紹介しておられ,終了後に名刺交換した際に詳しく質問したところ,行政の助成制度が充実すればもっと普及するはずと指摘されていました。この点,先月の参議院本会議で可決成立し,秋から施行される改正セーフティネット法の施策と連動できないでしょうか。是非,検討していただきたいと存じます。同法では,住宅の確保が困難な世帯向けの賃貸住宅として登録した場合,家主が行うバリアフリー工事や耐震改修の費用を国と自治体が最大200万円補助するほか,家賃の債務保証料も支援するという仕組みがあり,単身高齢者の住宅確保として注目されていますが,本市では子育て支援の強化策として,引越し費用などを補助するなどのアレンジも検討してはいかがでしょうか。子育て世帯と高齢者世帯をマッチングする住替制度をグレードアップするためにも,広報啓発の拡充と窓口の簡素化,見える化を推進していただきたい。また,国の制度を活用し,リフォーム工事の費用などを助成するなど,京都市独自の補助制度の創設を検討するべきと考えますが,いかがですか。 次に,自転車政策についてお聞きします。本年初頭,自転車専門の(冊子を示す)月刊雑誌「パーキングプレス」の編集部がはるばる京都市役所まで取材に来られ,この市役所をバックに表紙も撮影をしていただきました。私が手にしているこの2月号では,京都市の自転車政策が6ページにわたって紹介され,不法駐輪が平成20年と比べ10分の1に減少したことが大きく取り上げられていました。ほかにも自転車安全教育や保険加入の義務化など,本市が意欲的に推進した取組への高い関心が寄せられていると実感した次第です。特に,レンタサイクル観光向けサイトである自転車よくばり観光ナビに反響がありました。国際観光都市・京都への高い評価であると誇りに思うとともに,今後の更なる充実を求めたいと考えます。 東京オリンピック・パラリンピックをはじめとする様々な国際的イベントが控える今,インバウンドが日本の国際戦略の鍵を握ると言っても過言ではありません。その中でも本市は他都市の模範としての役割を担っていると自覚し,今まで以上に斬新な取組を積極的に着手するべきであると申し上げるものです。現在,外国人観光客のレンタサイクル利用が増加しています。トラブル対策等のノウハウも蓄積している段階であると思いますので,これらを精査して外国人向けの観光ガイドブックにも反映していただきたい。その中でも,特に自転車ルールを徹底する工夫を求めたいと思います。4月に完成し,約6万部発行された日本語表記のリーフ「Enjoy自転車life in Kyoto」(冊子を示す)こちらは啓発用として要を得たものですが,16ページもありまして,外国人向けでは分量が多いのではないでしょうか。また別に,中京区が独自に製作した(冊子を示す)この折畳み式の英語版もございます。これらを参考にして,この中間のサイズで中身をコンパクトにした複数言語の外国人向けのリーフを製作していただきたいと存じます。まずこの点を要望しておきます。 私は,昨年から今年にかけて,東京や大阪の自転車団体の関係者と意見交換を重ねています。これらの方々は,自転車走行環境の充実が不可欠であり,京都市の整備事業が中途半端にならないようにと注目されています。断続的,場当たり的にならず,ネットワーク化を忘れてはならないと申し上げたい。本市では,平成27年5月に自転車政策審議会の走行環境整備ガイドライン部会を立ち上げ,第一線の学識者や専門家などを招へい。これらの方々の御意見を反映したガイドラインを策定し,都心部を中心にベンガラ色の矢羽根による自転車走行推奨帯を設置する工事が本格的にスタートしました。(パネルを示す) 私も,先日,河原町から烏丸までの丸太町通で施されたピクトグラム型の路面標示を実際に視察しましたが,矢羽根に逆行して右側を走る自転車がなかったので一定の効果はあると感じました。しかしこの写真にも写っているように,歩道を走行するケースが少なくなく,一層の広報周知が必要ではないかと痛感したところです。同時に,今後の実状に合った整備の拡大に向けて,推奨帯を設置した効果をシビアに観測する調査も必要ではないかと思います。そこでお聞きします。自転車走行推奨帯の啓発を強化充実するとともに,設置の効果を測定するアンケート調査を実施していただきたい。いかがですか。同時に,自転車を利用する外国人観光客がどの道を通って観光スポットを周遊するのか,レンタサイクル事業者などの協力を得て調査を行い,今後も走行帯の整備を推進し,より実効力あるものとしていただきたいと思います。いかがでしょうか。市長の御答弁を求めます。 最後に,伏見観光への誘導策について質問いたします。昨年12月にキャンパスプラザで開催された第12回京都から発信する政策研究交流大会を傍聴しました。これは,京大や府立大,同志社や立命館などの政策学部で学ぶ学生の代表が観光,防災,経済,福祉,環境,交通などの政策を研究した成果を発表するもので,ここ数年連続して見学に伺い,刺激を受けています。今年度は9大学83グループ,307名の斬新かつユニークな発表がありましたが,中でも観光振興の分科会では11グループが,夜の観光へのシフトチェンジや外国人をリピーターへなどという観点で論じておられました。 特に「伏見へ観光客の流れをつくるには」とのテーマの京都橘大学の発表は,市内中心部の観光スポットの案内が充実しているのに対して,京都駅以南への誘導が弱いのではないかとの問題意識を基に現地調査を重ね,観光案内所の整備や案内板の充実などを提案。頼もしく思うと同時にうれしい気持ちに包まれました。私は,先月から今月にかけて伏見稲荷大社や御香宮,大手筋商店街などの伏見区が誇る観光スポットを訪れました。多くの外国人観光客や修学旅行生でにぎわっていましたが,そこから次の観光スポットへの誘導という部分では,改善の余地があるのではないかと感じたのも事実です。 伏見の観光振興に20年以上尽力されているNPOの方と意見交換させていただきましたが,そこで痛感したのは2点あります。一つは,京都観光の中で伏見をクローズアップしていただきたいということ,もう一つは,伏見全体の観光振興のうえからも,各々の観光地を点から線へ,そこから面へと拡大するコーディネートの重要性です。本年は寺田屋事件で有名な坂本龍馬が亡くなって150年,来年は鳥羽伏見の戦いから150年という歴史の節目でもあります。伏見観光の飛躍を期する絶好のチャンスと捉え,今まで以上に力を入れていただきたい。とともに,区内の観光スポットを回遊するキャンペーンを官民共同で実施するべきと考えますが,いかがでしょうか。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(久保勝信) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 吉田孝雄議員の御質問にお答えします。 まず,貧困家庭の子供への支援についてでございます。私は,親族や集落で協働しながら子育てをしてきた人類の歴史の中で,現在ほど,親が孤立して子供を育てている時代はないのではないかと危機感を感じております。昨年8月に行った1万8,600件ものアンケート調査でも,貧困等の困難を抱える家庭では,他者とのつながりの希薄化等により,子供に社会体験の不足や自己肯定感の低下等を招いている実態が明らかとなりました。こうした実態を踏まえ,13の新しい事業も含めた133の取組を掲げた実施計画を今年3月に策定いたしました。そして,4月には子ども若者はぐくみ局を創設いたしました。さらに,今年度をはぐくみ文化の創造と貧困家庭の子供への支援の元年として位置付け,取組を進化させてまいります。 吉田孝雄議員御指摘のとおり,子供の居場所づくりは非常に有効な取組であり,より幅広い地域で,自主的かつ継続的に行われていくことが重要でございます。このため,開設に係る初期費用の助成事業を今月末から速やかに開始するとともに,既に実施されている居場所づくりのノウハウを収集・伝達するなど,きめ細やかなサポートを行うアドバイザー派遣事業等も実施してまいります。さらに,子ども若者はぐくみ局と各区役所・支所の子どもはぐくみ室が一体となって,子供の居場所と地域関係団体等との連携を強めまして,地域ぐるみで子供を育む機運を高めることで,取組の内容を地域ぐるみで一層深め,進めていきたいと考えております。 次に,自転車走行環境の整備についてでございます。自転車は,観光はもとより,環境,健康増進,交通など様々な政策の推進に資するものであり,京都のまちに欠かせない交通手段であります。昨年10月に策定したガイドラインに基づく自転車の走行環境整備につきましては,学生の多い京都大学周辺の生活道路や丸太町通などの幹線道路に,矢羽根型の路面表示の設置を進めており,来年3月までに,京都御苑周辺の生活道路も含めまして,約33キロメートルの面的整備を行ってまいります。これにより,ガイドライン策定前と合わせますと,約63キロメートルの自転車走行環境を構築することができることとなります。あわせまして,路面表示を設置した箇所におきまして,整備前後で自転車の走行がどのように変化したかなど,整備の効果を検証する調査を順次進めてまいります。 吉田議員御指摘の自転車利用者や地域住民の声を聴くことにつきましては,重要な視点であり,今後,設置した路面表示に沿って車道左側の走行を呼び掛けることと併せまして,ルール・マナーの啓発に併せましてアンケート調査を実施してまいります。また,自転車を利用して市内を移動する,国内外の観光客が増加する中で,安全,快適にレンタサイクルを利用していただくため,レンタサイクル利用者に対して,訪れた観光地や走行ルート等の利用実態を調査し,今後の走行環境整備やルール・マナー啓発にいかしてまいります。引き続き,走行環境の整備や関係機関と連携した啓発活動の充実,さらには,自転車保険の加入義務化など様々な施策を推進し,世界トップレベルの自転車共存都市・京都を目指してまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(久保勝信) 岡田副市長。 〔岡田副市長登壇〕 ◎副市長(岡田憲和) 伏見地域の観光振興についてでございます。伏見は,外国人観光客にも人気のある伏見稲荷大社のみならず幕末から明治にかけて歴史の舞台となったゆかりの地が数多くあり,港町・伏見の水辺風景や天下の酒どころとして知られる日本酒を中心とした豊かな食文化など,様々な魅力があふれる地域であります。本市では,こうした伏見の魅力を知り,堪能していただくため,昨年度は伏見区内に新たに13箇所の名所を説明する立札を設置いたしましたほか,伏見の史跡や見どころを巡るウォーキングツアーや老舗料亭で食事を楽しむプランなどを企画,実施してまいりました。しかしながら,吉田議員御指摘のとおり,東山や嵐山といった地域に比べますと,伏見への観光客の動きは面的な広がりには至っておりません。点から線,さらには面へと広げるためには,伏見を愛する地元の方々や地域の観光関係団体,大学や商店街など民間事業者による様々な取組をしっかりと結び付け,伏見の魅力の更なる向上と奥深い魅力の発信強化が重要であります。本年は大政奉還150年,そして来年は明治150年という歴史的な節目を迎えます。本市といたしましては,こうした機会を捉え,京の冬の旅キャンペーンをはじめ交通事業者と連携したPRを実施し,伏見への更なる誘客を図りますとともに,地域内での回遊性を高め,好調な観光客の流れを伏見全域に広げてまいります。今後とも,観光によるにぎわいを市内全域に広げ,地域と京都経済全体の活性化につなげるべく全力で取り組んでまいります。以上でございます。 ○副議長(久保勝信) 植村副市長。 〔植村副市長登壇〕 ◎副市長(植村哲) 子育て世帯を支援する住宅政策についてでございます。吉田議員御指摘のとおり,子育て世帯への住宅支援策として,子育て世帯と高齢者世帯の住まいに対するニーズを踏まえたマッチングを行うこと,これは重要であると認識しております。これを支援する取組の一つといたしまして,50歳以上の方が所有する住宅を一般社団法人移住・住みかえ支援機構が借り上げて転貸するマイホーム借上げ制度がございますが,本市においても,平成28年度から本制度に係る説明会,相談会を開いたしますとともに,市内の不動産事業者が制度の仲介事業者となるために必要な登録料の助成制度を創設したところでございます。今年度は,新たに,固定資産税納税通知,こちらの方に制度内容を記載したチラシを同封いたしまして,広く制度の周知を図ったところであります。 また,秋頃をめどに,住まいに関するワンストップ総合窓口でございます京安心すまいセンターに,マイホーム借上げ制度の相談窓口も開設してまいります。これらに加え,区役所・支所との連携の下,各地域における空き家対策の取組の中でも積極的に制度を周知してまいります。また,この度改正されました住宅セーフティネット法に基づく支援制度を活用したリフォーム工事に係る費用等の新たな補助制度の創設につきましては,今後,国の方から示される制度の詳細も踏まえ,さらにその不動産事業者の皆様ともしっかり連携しつつ,施策の在り方も含めて研究を進めてまいりたいと,このように思っております。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(久保勝信) 次に,市政一般について,大道義知議員に発言を許します。大道議員。 〔大道義知議員登壇(拍手)〕 ◆(大道義知議員) 南区選出の大道義知でございます。吉田孝雄副団長に引き続き,公明党京都市会議員団を代表し,質問をいたします。どうか誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。 それでは,初めに,持続可能な都市・京都の実現に向けて二つの視点から質問いたします。 第1点目は,ダイバーシティ,いわゆる多様性という視点です。「文化の多様性と多元性は,交流と革新と創造の源であり,都市は,文化創造の多様性に基づく持続可能な開発を推進するために主要な役割を担わなければならない」。この言葉は,私が一昨年秋,イタリアのフィレンツェ市で開催された「多様性の結束」と題する国際政治フォーラムに京都市民を代表し参加させていただいた折,趣旨に賛同した各都市の代表と共に署名いたしましたフィレンツェ憲章の一文であります。世界から50を超える都市が集ったこの会議では「平和と人権推進を追及するための最も効果的な施策は何か」との命題に対し,人権と文化,教育と文化,女性と文化,そして宗教間の対話と文化という四つの政策分野の議論を踏まえたうえで,人類が直面しているこれらの重要な課題解決には,何よりも多様性の結束という理念の共有化が不可欠であることを,参加都市の総意として確認したところでございます。 こうした多様性に着目した世界の動向は,国連の動きでも顕著であります。既に2015年9月には,持続可能な開発サミットを開催し,我々の世界を変革する持続可能な開発のための2030アジェンダ,いわゆるSDGs2030を採択し,多様性の調和を図りながら持続可能な社会を実現するため,17の指標を提起しています。その根底に一貫して流れている精神は,誰も置き去りにしないとの理念の下に暴力や争いではなく,人権を守る方向へと心を向け,多元的で誰も排除されない社会の実現に自分ごと,みんなごととして共に行動していくことを求めています。ますます混迷する時代にあって,人権に関わる課題がこれまで以上にクローズアップされているこうした世界的潮流の中,来年には世界人権宣言70周年を迎えます。世界の人々が交流する舞台であり,世界文化自由都市を宣言する本市としては,どの都市よりも人権文化の息づく都市でなければなりません。そのためには,市民一人一人が,多様性を尊重できる世界市民として自覚し,行動することが不可欠であると思います。その意味から,これまでの人権文化推進の取組を一層充実させることは当然のこと,多様性を尊重できる心の国際人を育むため,世界市民講座や地球市民講座などを創設し,平和,人権意識をグローバルな視点から捉えた新たな人権文化推進施策を展開することが求められているのではないでしょうか。多様性の調和を基軸とした人権文化施策を推進し,世界市民の醸成を図っていくべきと考えますが,いかがですか。市長の答弁を求めます。 2点目には,レジリエントという視点であります。本年2月に京都市を訪れたロックフェラー財団のローレン・ソーキン・アジア太平洋地域ディレクターは,「世界の他都市にモデルを示す可能性を京都に期待する」と語っております。レジリエント・シティに選定されたことにより,持続可能な都市のモデル構築が京都市の世界的使命となりました。世界歴史都市連盟でリーダーシップを発揮されたように,今後,世界100のレジリエントシティの中核として,そのネットワーク力を遺憾なく発揮していただきたいことを望んでおります。 さて,2月のワークショップの開催を皮切りに,藤田前副市長がレジリエント統括監に就任され,4月末には第1回目のレジリント推進本部会議が開催されるなど,今後の取組に期待しているところでありますが,何よりも増して市民協働の取組が重要であることは言うまでもありません。しかし,残念ながらレジリエントという概念もまだまだ市民には浸透していない状況にございます。そこで市長にお尋ねをいたします。市長は,レジリエント・シティ構築への思いを市民に対して今後どのように啓発啓蒙され,戦略策定と憲章制定につなげていかれるのか。市民と共に創るレジリエント・シティ構築への決意と,今後の更なる取組について具体的にお示しをいただきたいと思います。 次に,今月の図書館振興月間にちなみ,活字文化の振興と図書館の新たな役割についてお尋ねいたします。情報化が進展する中,読書や国語に関する各種世論調査結果を見ても,我が国における活字文化の現状は,憂慮すべき現状にあると言えます。私は文化庁の京都移転を踏まえ,公立図書館こそ活字文化の振興の核となるべきとの問題意識から,昨年より,活字文化の振興と図書館の新しい役割をテーマに調査研究を行い,その成果を具体的な七つの提言を含む報告書としてまとめ,去る5月10日に門川市長に提言をいたしました。本市の図書館行政は,これまで,我が党が推進してまいりました文字・活字文化振興法や子ども読書活動推進法の理念を踏まえながら,地域図書館の整備拡充やネット予約,開館時間の拡大,図書返却ポストの増設や障害のある方へのサービスなど,市民に開かれた図書館として先進かつ多様な事業を展開されてきており,図書館事業としては,トップレベルの取組をされてきたものと高く評価しております。 しかし,こうした中で,今,公共図書館が,保存,蔵書,貸出サービス中心の図書館から,いわゆる地域の課題解決型サービスを提供する図書館へ変わろうとしております。他都市の事例でも,ブックスタートのフォローアップ事業として子育て支援の各施設との相互連携型図書館や図書,情報を活用し,地場産業と連携しながら創業支援にバックアップをするビジネス支援型図書館,認知症の人や家族に優しく寄り添い,高齢者をサポートする高齢者支援型図書館など,地域の課題や市民生活をサポートする暮らしの図書館としての動きが活発化しております。こうした動向を踏まえ,私は本市においても地域課題と多様なニーズに対応する図書館行政の新たな取組を一層推進し,これまで教育や生涯学習分野だけでなく,子育て,高齢福祉,観光,まちづくり,地域経済など,各局連携の下に文化力を基軸とした政策分野の融合を図り,全庁体制で活字文化の一層の振興を加速する新たな図書館行政に取り組むべきではないかと考えます。いかがですか。図書館の新しい役割と今後の具体的取組及び推進体制について市長の見解を求めます。 次に,今,本市にとって重要な政策課題となっている観光戦略としての宿泊政策についてお尋ねいたします。本市では,昨年10月に宿泊施設拡充・誘致方針を策定し,宿泊の質を高め,観光の質を高めることが量の確保につながるとの方針の下に,地域や市民生活との調和,市民と観光客の安心安全の確保,多様で魅力ある宿泊施設の拡充など,五つの方針に立って宿泊政策を進められようとしております。方針では,上質な宿泊施設として,歴史文化,自然環境とマッチする都市格を向上させるラグジュアリータイプ,あるいは産業の振興や国際会議の誘致等に資するMICEタイプ,そして山間山麓の自然環境をいかしたオーベルジュタイプに分けております。 いよいよ,5月から平成33年度末までの5年間を運用期間として上質宿泊施設誘致制度がスタートいたしましたが,工業地域を多く有する南区に住んでおります私としては,特に,このMICEタイプの取組に注目している一人であります。これまで宿泊施設の立地が制限されている工業地域等において,今後の経済活性化と連動した宿泊施設を誘致,拡充することは,地域だけでなく世界的な企業が集積する本市において,極めて重要な課題だと考えます。外国からの長期滞在の研修生や研究者が,事業所の近くで会議や研修と宿泊と連動した施設を確保できることは,企業にとっても多くのメリットがあるものと思います。しかし,京都市としては初めての取組となるだけに,その具体化に向けては経済界,産業界をはじめ当該地域住民にその趣旨を十分に御理解いただくためにも,その方策と共に事業者とのマッチングの方策を講じながら,本市独自にニーズ調査を実施するなど,本市がリーダーシップを執り,戦略的に推進することが重要であると思います。MICE型宿泊誘致制度の具体化に向けた今後の戦略について市長のお考えをお示しいただきたいと思います。 なお,地域課題ともなっている民泊については,昨年秋以降,指導要綱の下に適正化を進めてきておられますが,国の住宅宿泊事業法いわゆる民泊新法が施行すれば,今まで以上に民泊事業が展開されることが予想され,地域や市民生活の調和が一層課題になるものと考えます。そこで,私は本市が目指している上質な宿泊施設の形成を図る手立てを講じるため,京町家等の建築及び景観情報や,家主及び管理者在宅の有無などの施設管理情報,協定書の締結の有無などの地域情報など,いわゆる民泊に係る詳細な情報を関係局連携の民泊カルテとして一元管理することを提案いたします。民泊情報のカルテ化は,様々な課題別分野ごとに分析検証できるだけでなく,良質な民泊を形成するための貴重な基礎資料となるのではないでしょうか。実現化に向けた検討を強く要望しておきたいと思います。 最後に,健康長寿のまち・京都食育推進プランについてお尋ねいたします。本市では,平成17年7月に施行された食育基本法に基づき,第1次,第2次の食育推進計画を策定し,平成21年度からは,食育指導員の養成など食育政策を積極的に展開されてまいりましたが,しかし,家族構成や生活スタイルなど,昨今の社会環境の変化に伴って市民を取り巻く食環境も大きく変化してきていることを踏まえ,平成25年に策定された第2次の市民健康づくりプランを見直し,新たに平成28年から32年までの計画として,健康寿命の延伸を目標とした健康長寿のまち・京都食育推進プランとして融合させ,昨年3月に策定されたところであります。 見直しに当たっては,今後の課題を整理すべく市民の食生活についての実態調査をされました。その結果,旬の野菜やおばんざいという京都独自の食生活や食育指導員の養成など,地域での食育施策は,しっかりと取り組まれておりますけれども,朝ごはんを食べる習慣や家族みんなで揃っての食事の機会,またバランスの良い食生活と適度の運動の取組は,残念ながら極めて低い評価となっており,現状の課題が浮き彫りになっております。中でも,朝ごはんを食べない年齢別実態では,20歳代の男性が一番低く,次に30代の男性,そして20代の女性,続いて中学生と,若者世代の食育が大きな課題となっております。 また,現在,本市では健康長寿を目指し,運動,食生活,生きがいや社会参加を促進するため,いきいきポイント手帳による取組を進められておりますが,残念ながら直近の市政総合アンケート調査でも明らかなように,制度を知らない人が9割,知っていても取り組んでいない人が8割にも達しており,市民周知と広報も大きな課題となっております。このような中,健康長寿のまちと融合させた今回の食育プランの推進にあっては,現下の課題を克服できる実効ある取組としなければなりません。そのためにも,まず,いきいきポイント手帳については,市民の声を反映させ,市民目線に立って誰もが解りやすく,取り組みやすく,使い勝手の良い手帳となるよう改善をするとともに食育に関するポイントも更に組み入れるべきであると考えます。 また,健康づくりの取組を継続的に推進できる環境を構築するため,今年度から,健康長寿のまち京都のいきいきアプリを開発されると伺っております。私は,食育を一層推進する観点から,アプリ開発については,健康長寿と食育とを融合させたアプリとして開発運用し,若者世代の食育への関心と行動を促し,それが市民全体へとつながるよう,未来を担う若い世代をイノベーターとして食育推進に積極的に取り組むべきと考えますが,いかがですか。お答えください。 以上で,私の質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○副議長(久保勝信) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 大道義知議員の御質問にお答えいたします。 まず,人権文化施策の推進についてでございます。21世紀は人権の世紀と言われており,来年は世界人権宣言が70周年を迎えます。今後,東京オリンピック・パラリンピックをはじめとする世界的な行事が開催される中,ますます人や文化の交流が加速していくことから,多様性の調和を基軸とした人権文化の役割が一層高まってまいります。本市は,大正11年に日本初の人権宣言と言われる全国水平社宣言が行われ,また,昭和53年には世界文化自由都市宣言を行い,全世界の人々が平和のうちに,人種,宗教,社会体制の違いを超えて,自由な文化交流を行うことを理想とし,人権を尊重してきた都市であります。世界情勢が混沌とする中,これまで本市が培ってきた互いに違いを認め合い,多様性を尊重する文化を世界に発信していくことが,京都の使命であると考えております。本市では,これまでから障害のある方の社会参加,男女共同参画の推進,同和問題の解決など,様々な人権施策を市民ぐるみで推進するとともに,人権尊重の理念を基本としてあらゆる政策を進めてまいりました。今後とも,引き続き人権文化の息づくまち・京都の実現に向けて,大道議員の御指摘の多様性,国際性の視点をしっかりと十分に踏まえ,これまでの取組に加えまして,更に広い視点から,手話の普及,子供の貧困対策など今日的な新たな人権課題の解決に向けた取組も含めまして力強く推進してまいります。 次に,レジリエント・シティについてでございます。レジリエント・シティの取組は,1000年以上の長い間,途絶えることなく都市としての機能を維持してきた京都市において,自然災害やテロ,サイバー攻撃はもとより少子高齢化や人口減少等も含め,あらゆる目に見える危機と目に見えない危機から直ちに回復し,よりしなやかで強じんな都市として発展していくために,ロックフェラー財団の100のレジリエント・シティに選定された世界の100都市と連携して進めていくものであります。本市では,これまでも東日本大震災の教訓を踏まえたハード・ソフト両面にわたる300を超える防災減災対策や,人口減少社会の克服を目指した京都創生の取組等を進めてきておりますが,これらを土台に様々な政策を更に融合し,市民ぐるみで世界最高水準の危機事象等への対応を目指してまいります。この取組を進めるに当たりましては,何よりも市民の皆様に,レジリエンスを自分ごととして受け止めていただくことが重要であると考えており,フォーラムの開催等を通じて,できる限り多くの市民,関係団体等の皆様との対話や協働を進め,憲章の必要性等も検討し,まずは,今後の取組指針となる京都市レジリエンス戦略を来年度早期をめどに策定してまいります。引き続き,私,そして藤田統括監を先頭に世界のモデルとなる持続可能な都市の構築に向け,その礎をしっかりと築いてまいります。 次に,活字文化の振興と図書館の新たな役割についてでございます。先日,大道義知議員から,図書館行政や地域課題の解決に向けた図書館の在り方など示唆に富む御提言を頂き,深く感謝いたしております。本市図書館は,年間入館者が420万人を超えるなど身近な図書館として市民の皆様に親しまれてきており,また地域と共に地域の魅力を再発見する企画など,各館が特色ある取組を展開しているところでありますが,大道議員御提案の地域の課題解決型サービスを提供する機能を加えることが,これからの地方創生の時代に重要であると考えております。これまで,例えば醍醐中央図書館等では病院との連携により,認知症の方に対する読み聞かせや昔を思い出す体験で認知機能の改善を図る回想法の取組を実施しておりますが,こうした取組を他の図書館へ拡大していくとともに,各館の集積した図書や情報と国会図書館をはじめとする全国に広がるネットワークをいかし,ビジネスや子育て支援等に向けた情報提供など,京都市の図書館が培ってきた利用者の相談に応じるレファレンス機能の拡充などについても取り組んでまいります。今後,先月設置した文化首都・京都推進本部における議論も踏まえまして,関係団体等と連携し,図書館の機能充実を図ることで,活字文化の一層の振興を図ってまいります。 次に,MICE型宿泊施設の誘致制度についてでございます。上質の宿泊施設誘致制度は,宿泊施設の立地が制限されている地域において,地域住民の皆様と事業者の皆様を本市が橋渡しし,地域の魅力を最大限にいかした,地域の活性化に寄与する上質な宿泊施設を誘致しようとするものでございます。このうち,MICE型につきましては,ものづくり都市・京都の更なる発展を目指し,地元企業や地域産業の特性をPRするブース,研修室など産業の利便性を高める施設や機能を有することを要件といたしておりますが,実際の誘致に当たりましては,地元企業の皆様や地域のニーズをしっかりと把握することが重要でございます。大道議員の御指摘も踏まえまして,早急にらくなん進都をはじめとする,ものづくり関係者の皆様との意見交換を行うとともに,市内企業への訪問時におけるヒアリングや各区役所を通じた情報収集を実施するなど,あらゆる機会を通じて地域ごとの実情やニーズの把握に努めてまいります。さらに,4月から新たに専門職員を配置して体制の強化を図りました旅館・ホテル等拡充・誘致総合窓口におきまして,経済界や地域の皆様から把握したニーズに基づき,事業者とのマッチングを進めてまいります。今後とも,地域の特性に応じた上質な宿泊施設を誘致することにより,地域産業の魅力の向上を含め,京都経済の発展と豊かな市民生活へつなげることをしっかりと進め,京都の未来にしっかりと責任を果たしてまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(久保勝信) 村上副市長。 〔村上副市長登壇〕 ◎副市長(村上圭子) 食育の推進についてでございます。若者世代に食育を進めることは,御自身の生活習慣病予防に寄与するとともに,その世代が親となった際,子供たちに健全な食生活を伝えていくことにつながるものであり,大道義知議員御指摘のとおり,健康長寿の実現に向けて大変重要なことでございます。とりわけバランスの取れた食事や,規則正しい食習慣を身に付けていただくことが大切と考えており,これまで大学に栄養士を派遣し,食習慣チェックを行うなどの体験型イベントを実施してまいりましたが,更に今年度からは,毎朝朝食を取るよう大学の食堂に朝食提供を働き掛けるといった具体的な取組を実施してまいります。加えまして,若者世代に食育を一層効果的に進めていくために,今年度新たにいきいきアプリを開発してまいります。開発に当たりましては,朝食を取る意義や栄養バランスの取れた食事の例の紹介等に加え,朝食を食べたことを入力するとポイントが付与されるなど,若者たちの関心を高め,行動を促す内容となるよう検討してまいります。あわせまして,いきいきポイント手帳につきましても,アプリ開発の際に得ました検討内容をいかしまして,市民の皆様全体にとって分かりやすく,取り組みやすい内容となるよう工夫して改善を図ってまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(久保勝信) 暫時休憩いたします。 〔午後2時52分休憩〕 〔午後3時16分再開〕 ○議長(寺田一博) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) 休憩前の一般質問を継続いたします。市政一般について,天方浩之議員に発言を許します。天方議員。 〔天方浩之議員登壇(拍手)〕 ◆(天方浩之議員) 西京区選出の天方浩之です。民進党京都市会議員団を代表し,質問いたします。 まず初めに,本市の少子化対策についてお尋ねします。我が国の平成27年度合計特殊出生率は1.46と緩やかな回復傾向にあるものの依然として低い状況にあります。本市も同じ状況で,平成27年京都市の合計特殊出生率は,平成26年度から0.04ポイント増加し1.30となり,平成6年以降21年ぶりに1.3台に上昇しましたが,依然として低い状況にあり,大きな課題となっています。本市では,子育て環境の充実やワーク・ライフ・バランスや男女共同参画社会の実現を目指して保健福祉局や文化市民局などを中心にそれぞれ事業を実施されてこられました。 また,子育て環境の充実では,3年連続の待機児童の解消,学童クラブは預かる年齢の拡大を小学校3年生までを6年生までにするなど,子供が誕生してからの環境の充実に取り組んで来られましたし,ワーク・ライフ・バランスの観点では,本市では99パーセントを占める中小・零細企業に対しても,企業における職場環境整備を支援するために,推進企業支援補助金制度の創設なども実施。家庭生活,結婚生活を送るうえで,基礎となる人権教育などを実施されてきました。これらの取組は本市にかかわらず,子供が誕生してからの施策が多いのが現状です。先ほど本市の取組の一部を紹介しましたが,少子化対策は本来,総合的な対策が必要であるのは言うまでもありません。 そのうえで,昨今の生涯未婚率の上昇についても課題であると考えます。2015年における生涯未婚率は過去最高の数字であり,国立社会保障・人口問題研究所の調査では,男性23.37パーセント,女性14.06パーセントであり,同研究所は今後も生涯未婚率は上昇し,20年後の2035年には男性は29パーセント,3人に1人,女性は19パーセント,5人に1人が未婚者になると予測しております。内閣府が発表した平成26年度の結婚・家族形成に関する意識調査は,全国の20歳~39歳男女7,000人を対象に調査を実施されました。そのうちの未婚者・恋人がいない人を対象にした結婚観についての質問では,必ずしたほうがよいが14パーセント,できればしたほうがよい54.1パーセント,無理にしなくてよい29.3パーセント,しなくてよい1.7パーセントという結果で,結婚をしたいと考えている方は約70パーセントであり,結婚までたどりつかない男女が増加しています。 その原因は,非正規雇用の増加に伴う雇用の不安定化による経済面での不安や,出産や子育て環境の不安なども一つの原因であると考えられますが,そこには結婚に至らないたくさんの課題があるように思われます。先ほどの調査によると,交際への不安についての質問では,そもそも出会いの場所がない,自分は魅力がないのではないか,自分が恋愛感情を抱けるのか不安だという結果が報告されています。恋愛しない若者たちの存在,出会いをいかせないコミュニケーション能力の低下,考え方やライフスタイルの多様化,草食男子・肉食女子の存在など出会いや恋愛の入口で右往左往している状況が見られるように感じます。福井県では少子化対策の下,今までにも若者出会い交流応援事業として200人の結婚相談員が県内12地区において月2回以上の定期相談会を開設し,政治学者の早稲田大学教授森川友義氏は,大学で恋愛学と結婚学を普及する立場の学者として講義を持ち,地方自治体などでも少子化対策として講演も実施されています。もちろん本市では,民間の力も借りて文化市民局で婚活事業など出会いの場を提供していますが,今年4月に子ども若者はぐくみ局が新設されたことを契機として,先ほどの福井県などの事例などを含めて,少子化対策の一つとして婚活事業の更なる充実を求めますが,いかがお考えですか。 先ほどの調査において,結婚観についての質問では,必ずしたほうがよいが14パーセント,しなくてよい1.7パーセントであり,結婚について明確に意思表示をしているのは,全体からは少数派であります。一方で,できればしたほうがよい54.1パーセント,無理にしなくてよい29.3パーセントと合計83.4パーセントの方々がおられ,結婚に対する認識が必ずしも明確でないように感じます。高度経済成長時に見られた,結婚をして子供と共に暮らすというモデルが,社会全体からは少数派となり,結婚をしてからの生活における充実感がイメージできないのではないか,恋愛や結婚するまでに自分を知ることや他者を知ることが不足しているのではないかなどの課題があるのではないかと思います。 本市において,平成27年2月に策定された京都市人権文化推進計画では,各重要課題が提示されています。女性と男性が互いに人権を尊重し,支え合うまちづくり,子供と共に育む社会づくり,高齢者の人権尊重と支え合う健康長寿のまちづくりなどの計画などが推進されていますが,改めて,恋愛の楽しさや結婚生活や子供を育てる楽しさなどが感じ取れる機会の提供が必要だと考えます。これについては,要望にとどめておきます。 次に,外国人観光客対策についてお尋ねします。平成12年に,本市は観光客5,000万人構想を発表し,平成20年には,本市への観光客入洛5,000万人を達成しました。平成22年に策定した未来・京都観光振興計画2010+5では,質の向上に取り組み,平成31年にはラグビーワールドカップ2019,平成32年には東京2020オリンピック・パラリンピック,平成33年には関西ワールドマスターズゲームズ2021などの世界的なスポーツ大会の開催が予定され,本市もそれに伴っての観光客対策が迫られているところです。 外国人観光客の急激な増加傾向が見られる中,日本人観光客の減少傾向も昨今見られる状況であります。今後,質の向上を図るうえで,観光消費額についても考えなければなりません。観光消費額については,観光客の宿泊に伴う売上げは大きな要素を占めています。そのうえで,本市として多様な宿泊施設と日本や京都が感じられる施設が必要だと考えます。本市の日本的な旅館は,畳,床の間や和のしつらえの庭,和食,和装などの日本文化を感じられるところであり,市内の旅館については,10室以下の小規模な施設が全体の39.1パーセントと全国平均の6.5パーセントと比較して非常に多いことが特徴であり,外国人宿泊客比率は43.7パーセントと高く,旅館の果たす役割は大きく,旅館業の許可はあるものの営業されていない旅館の掘り起こし,付加価値のある経営が確立した旅館などの提供が必要だと考えます。あわせて,日本の文化が誇れるお寺の宿坊についても,全国的にも,どの宗派についても空寺があり,本来の主旨から逸脱するという意見もあろうかと思われますが,それぞれの檀家の皆様の御理解をいただく中で,京都ならではの多様な宿泊施設の提供が必要であると考えます。いかがお考えですか。 過日は,京都市会本会議場で日本在住の経営者で日本の文化財の専門家でもあるデービット・アトキンソン氏から貴重なお話をお聞きしました。世界的に見ても,観光産業は自動車産業を抜いて,エネルギー,科学製品などに次いで第3位になる基幹産業になり得る可能性を秘めた産業であり,日本にとっても多大な成長が望めるというお話であったと思います。観光戦略を実現するには,気候・自然・文化・食の4条件が必要であるという研究報告がされており,その4条件を満たす国は,世界において10箇国あるが,日本はその一つであり,より観光産業に力が入れやすいというものでありました。 観光消費額は,一般的に観光客数掛ける観光消費額単価と言われますが,観光客数については,日本が人口が減少する中で,日本人観光客が減少することが予想され,外国人観光客を迎えられる観光都市としての基盤づくりが更に必要です。日本では,そもそも,外国人観光客を想定した戦略がなかったり,GDPに対して,外国人観光客が落とす外貨の比率については世界129箇国中126位であり,いかに商品や価値について消費してもらうかが課題であります。外国人観光客の日本観光における主たる趣向要素は,一般的に報じられている,治安がいい,電車が時間どおり来る,おもてなしがいいなどではなく,ほとんどの場合,会いたい人がいる,体験したいものがある,食べたいものがある,飲みたいものがあるなど,今後,増大する外国人観光客の趣向を的確に把握することも必要です。 観光消費額単価を上げるには,付加価値の創出,本物の提示,分かりやすい日本文化の提示などの取組が必要です。例えば,平成27年の1月から12月における本市の京都観光総合調査によると,外国人観光客の本市への来訪回数は,初めてと答えた方は77.8パーセントであり,訪問地トップ25においては,東山周辺か嵐山を中心に,観光で訪れる地域は大きな偏りを見せていますが,訪問地の分散化も今後は必要です。例えば,茶道,華道,工芸品作製などの実体験,日本人観光客が土産品として購入する生八つ橋や漬物など,和菓子や和食の文化を知る機会の提供など,京都らしさを印象付けることも必要です。本市の観光消費額の上昇は,本市観光産業に関わる企業の経営環境の改善と労働者の所得上昇を生み,結果として本市の法人・個人市民税の増収にも寄与すると考えます。以上,今後,増大する外国人観光客の趣向の把握や,既存の商品や価値をいかに消費してもらうか,京都の伝統が感じられる本物の提供について,本市はどのように今後取り組まれますか,お答えください。 本市の公園利用の在り方についてお尋ねします。本市では,平成24年,梅小路公園内の京都水族館,平成27年,上鳥羽公園における府市協調による動物愛護センター開業など,本市所有公園の有効活用を進めています。一方で,市内では今後,年間の利用者が多い,住民の憩いの場である宝が池子どもの楽園などに見られる大規模公園の新規建設は物理的に難しい状況で,住宅開発に伴っての街区公園がちらほら出来上がっているのが現状です。 そのような中,公園の質の向上の観点で市民のニーズに合った公園の設置も必要だと考えます。今年1月に発刊された「統計から読み解く都道府県ランキングVOL.2消費行動編」では,京都府民の25歳以上の園芸・ガーデンニング人口,釣り人口,ボランティア人口などが47都道府県の中で相対的に低く,一方で,25歳以上,サイクリング人口,登山ハイキング人口,スポーツ人口などは相対的に高いという結果が報告されています。もちろんこの報告は京都府民全体の調査結果でありますが,本市の施設や機会の不足などによって,その潜在需要に本市が対応できていないのではないかと感じます。全国的には平成27年,高知県長岡郡本山町,土佐清水市,高岡郡越智町はアウトドア商品の販売を行うモンベルやスノーピークと連携したアウトドア拠点をつくる計画を発表されました。本山町ではモンベルと提携し,平成30年度の開業を目指し,中学校跡地にアウトドア拠点施設や宿泊施設を計画,同じく越智町ではキャンプ場を整備する観光型拠点を平成30年4月の開業を目指しているところです。また,滋賀県長浜市は,今年の2月,モンベルと包括連携協定を結び,文化・スポーツ振興,観光振興,環境保全,防災及び災害支援など8項目で連携されると発表されました。 本市財政は,依然として厳しい状況ですが,民間の力を導入して,高齢者に人気のグラウンドゴルフや若者に人気のフットサル,スケボーなどのスポーツ,アウトドア,キャンピングカー待機場,釣り池,アスレチック,ガーデニングなどを目的とした新たな公園利用を進めるための環境整備が必要だと考えます。まずは,公園面積や区民1人当たりの公園面積が11行政区で1番である西京区をモデルにして整備をしてはどうですか。特に洛西地域においては,大蛇ヶ池公園,新林池公園,境谷公園,小畑川公園,大原野森林公園など,自然豊かな魅力ある公園が数多く存在しております。いかがお考えですか。 西京区の洛西地域のまちづくりについてお尋ねします。平成25年,京都第二外環状道路の大山崎インターチェンジから亀岡篠インターチェンジまでが開通し,大原野インターチェンジ,沓掛インターチェンジが開設されました。続いて平成27年,京都縦貫道路丹波インターチェンジから京丹波わちインターチェンジ間が開通されたことによって,北は宮津・天橋立まで,南は大山崎インターチェンジを起点に名神,京滋バイパスなど接続され,京都南部地域や大阪からの移動時間が格段に速くなり利便性が向上しました。本市は,今年度4月から門川市長のマニフェストでもうたわれた洛西ニュータウンアクションプログラムが策定され,今後の4年間について事業が実施されてまいります。現在も大原野地域ブランドの育成や平成27年12月に結ばれた包括的連携協定による,洛西口駅から桂駅間プロジェクトにおいての高架下距離1キロの空間の利活用や市立芸大移転後の跡地活用についても議論を深めています。 今後まちづくりをするうえで,他地域と洛西地域との交流人口や外国人を含む観光客の増加の対応とアクションプログラムの推進による価値の創出や,それに伴っての雇用の創出を実現していかなければなりません。洛西ニュータウンは,開発から約45年余りが過ぎ,その当時の交通機能においては,本市の地下鉄の西伸がうたわれておりましたが,現状は地下鉄の西伸については実現性の乏しい結果になっています。その経緯がある中で,本市として,洛西地域の交通機能の充実を改めて考える必要があると思います。そのうえで,大原野インターチェンジ・沓掛インターチェンジの開設は,まちづくりの上でも非常に重要であり,洛西地域が本市における西部地域の玄関口になると同時に,周辺市町村から短時間でのアクセスができること,洛西ニュータウンからJR桂川駅,阪急洛西口駅へは約4キロと距離的に近く,バス交通網が整備されていること,洛西ニュータウンへの入口にも位置付けられる桂川駅は,京都駅から約6分,阪急洛西口駅へは四条河原町駅から約10分であり,その駅周辺は,イオンモール桂川や今後展開される阪急洛西口駅付近の高架下の施設があること,洛西地域では西山山麓や京都における農村という原風景が見られるのと同時に,緑豊かな洛西であることをアピールすることが重要であり,変化していく洛西をどのように広報していくかが課題であります。いかがお考えですか。 あわせて,本市は歩くまち・京都を展開するうえで,公共交通の利用を推進しています。阪急桂駅や洛西口駅,JR桂川駅の利用を促すために,大原野,沓掛インターチェンジ付近にパークアンドライド駐車場や観光バス駐車場などの設置等が必要と考えています。さらに,全市的に進めている自転車を利用しやすくする環境整備は,今後の外国人を含めた観光客対策に必要です。いかがお考えですか。また,市の主導により,洛西地域で運行する4バス事業者,2鉄道事業者で構成される洛西地域公共交通利便性向上検討ワーキングは,平成20年度より,地域公共交通の利便性向上に取り組んでこられましたが,民間バス会社を含め,バス交通の利用者を増やし,収益を上げる仕組みを更につくることは,洛西地域の活性化と都市格の向上にも寄与すると思います。いかがお考えですか。 最後に,市バス西系統を中心に西京区のバス交通の維持及び強化についてお尋ねします。いわゆる郊外の洛西ニュータウンから市内中心部へは,阪急桂駅西口を起点とする市バス西系統や平成15年に開業した阪急洛西口駅,平成20年に開業したJR桂川駅などを結ぶ本市バスを含めた民間バス会社4社による協力体制による路線の二つの動線によって,西京区洛西地域の市民の足が確保されています。また,隣接をしている大原野・上里の住民は,阪急バスなどで阪急東向日駅やJR向日町駅へ行き来をされているのも現状です。近年では,市バスにおいては攻めの経営に転じる中で,平成26年10月,イオンモール桂川の開業を契機に,特西4号系統の土休日運行が開始され,昨年3月には,地域住民との協働の取組であるモビリティ・マネジメントの成果として,同系統は平日運行も開始されました。このようにして,今までにも西京区については交通局が一生懸命やっていただいているところでございますけれども,阪急桂駅西口を起点とする西系統については今後も維持,そしてその西系統を中心に西京区の市バス交通について発展を願うところでございますので,よろしくお願い申し上げまして私の代表質問を終了したいと思います。 誠に御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(寺田一博) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 天方浩之議員の御質問にお答えします。 外国人観光客対策についてでございます。日本の人口が減少傾向にある中,観光による交流人口の拡大は地域の活性化のためには必要不可欠であります。特に,外国人観光客は観光消費額が高く,外国人観光客9人で人口1人分に匹敵する経済効果があるとも言われております。今後も国際観光客市場は成長が見込まれるため,京都の観光振興にとっても大変重要であります。これまでから,毎年,国内・外国人観光客それぞれに大規模なアンケート調査を京都市独自で実施し,結果の分析に基づいてきめ細やかなニーズの把握を行い,例えば13もの言語対応のホームページでの京都の魅力発信,Wi-Fiの整備,免税店の大幅な拡大など,誘致から受入環境整備まで民間事業者や文化団体等と共に戦略的に取り組んでまいりました。京都観光総合調査では,外国人観光客の来訪動機のうち伝統文化鑑賞や着物・茶道等の伝統文化,伝統産業の体験ニーズは高く,京都の奥深い魅力を満喫していただける取組の強化が今後更に求められております。そこで,新たに京都市観光協会に配置したコンテンツ専門官を中心に京都市認定通訳ガイド等と連携し,市内の多様な地域における伝統産業の工房や二条城をはじめ文化財の本質に触れるツアーの造成等を図ってまいります。 天方議員御指摘の旅館につきましては,これまでから,旅館関係者の皆様と密接に連携し,旅館への修学旅行生の更なる誘致や海外でのプロモーション活動などに取り組んできたところであります。引き続き,旅館を京都に伝わる和の文化を存分に体験していただける外国人向けの重要な貴重なコンテンツとして位置付けまして,その魅力をいかした旅館宿泊のPR画像の作成など,旅行プランの開発も含めましてしっかりと対応し,外国人宿泊客の受入れのノウハウや語学の研修,施設の改修支援など,魅力の発信と利便性の向上による利用促進を図ってまいります。 さらに,本市がこの度行った旅館に関する調査では,担い手の不足や売上げの減少に苦慮している旅館や後継者不足等により休業や廃業となっている旅館があることなどが改めて明らかになっていることから,担い手の不足解消に向けた支援や経営相談,旅館の開業を希望する事業者との事業承継に向けたマッチングなど,きめ細やかな施策に取り組んでまいります。 このほか,京都の暮らしに根付いた歴史と文化が感じられ,特別な体験が得られる京町家の宿や宿坊など京都ならではの多様な宿泊施設も関係者と共に拡充を進めてまいります。今後とも,外国人観光客のニーズ等を踏まえまして,文化を基軸に日本,京都の奥深い魅力をストーリー性を持って,しっかりとお伝えすることで,伝統産業・伝統文化の振興につなげるとともに,今日問題になっております違法な民泊等に対しましては,き然とした対応を徹底し,観光振興が市民生活の豊かさと世界があこがれる観光都市の実現,都市格の向上にしっかりとつながって向上していくように目指してまいります。 次に,洛西ニュータウンをはじめとした洛西地域の活性化についてでございます。豊かな自然や歴史文化資源に恵まれた洛西地域では,近年,交通アクセスの利便性も大きく向上しており,また,本年3月には徹底した住民参加の下に,洛西ニュータウンアクションプログラムを策定し,「来て観て,住み続けたくなるまち」を合言葉に,交流人口の呼び込みや雇用の創出など,地域の活性化を目指す新たな取組も始まっております。今後,生物の多様性をはじめ自然,歴史,文化など多様な地域資源が織り成す洛西の様々な魅力をしっかりと紡ぎ合わせて,都心部や観光地,周辺都市との交通至便性も内外に広くアピールするなど,訪れたくなる,そして住みたくなる洛西を目指し,アクションプログラムに基づく取組を前進させまして,ターゲットを明確に意識したうえで,戦略的にかつ今後の基盤整備の進展などに応じてタイムリーに情報発信してまいります。 さらに,第二外環のインターチエンジや鉄道駅,バス路線など近年充実してきた交通インフラを十分にいかせるよう,パークアンドライド駐車場の一層の充実や更なる利用の促進,鉄道駅を拠点としたサイクルツーリズムなど,観光客にとっても快適,便利に移動しやすい環境整備について,引き続き検討してまいります。 次に,洛西地域公共交通利便性向上検討ワーキンググループの取組及び市バス路線の維持,充実についてでございます。歩くまち・京都総合交通戦略の下,全国的に見ても先進的な取組として,洛西地域で運行する全てのバス事業者,鉄道事業者でワーキンググループを結成し,公共交通の利用促進,鉄道との乗継ぎを考慮したバスダイヤの調整,共通時刻表の掲示等の停留所施設の改善などをこの間進めてまいりました。その効果もあり,バスの利用者数は着実に増加し,地域の活性化や公共交通の利便性向上に大きな役割を果たしていると考えております。 また,市バスは新駅や大型商業施設の開業など沿線のまちづくりの進展に合わせ西4号系統,特西4号系統の新設,さらには地域住民の皆様と一体となった利用促進の取組により,土曜・休日運行であった特西4号系統を毎日運行に増便するなど,路線・ダイヤの充実を図ってまいりました。洛西地域の少子高齢化,人口減少が課題となる中,公共交通とりわけ市バスが果たす役割は大きく,引き続き地域の皆様の暮らしやまちの活力を支える取組をしっかりと進めてまいります。このような活動を通じまして,今後とも洛西地域の活性化に取り組んでまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(寺田一博) 村上副市長。 〔村上副市長登壇〕 ◎副市長(村上圭子) 婚活事業の充実についてでございます。天方浩之議員御指摘のとおり,少子化に歯止めをかけるためには,子育て支援をはじめ地域コミュニティの活性化,真のワーク・ライフ・バランスや男女共同参画の視点も含めた総合的な施策が重要でございます。本市では,平成27年に策定いたしましたまち・ひと・しごと・こころ京都創生総合戦略におきまして,人々や地域の優しさあふれる子育てしやすい環境を高め,若い世代の就労・結婚・出産・子育ての希望をかなえることを基本目標の一つに掲げ,妊娠・出産・育児期の切れ目のない子育て支援施策に取り組んでおります。 また,結婚を望む市民に対する支援策として,平成22年度から,京都商工会議所青年部との共催による京都婚活を実施し,広く出会いと交流の場を提供してまいりました。京都婚活は,毎回募集人数を大幅に上回る応募があったことから,より多くの方に御参加いただけるよう,新たに料理や文化体験をしながら交流を深める事業も実施するなど,一層の参加機会の拡充に努めております。さらに,平成27年3月からは,婚活に関する情報提供を行うウェブサイトを開設し,各区で開催されるイベントを含め,市内で開催される様々な婚活イベント情報を幅広く提供するとともに,婚活アドバイスや結婚に至った方へのインタビューなども掲載し,結婚をためらう方も一歩踏み出すきっかけづくりとなるような取組を行っております。婚活事業につきましては,今年度はこれまでの事業に加え,京町家を活用した本市ならではの取組を展開するなど,更なる充実を図るとともに,少子化対策につきましては,引き続き総合的な観点から幅広く取組を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(寺田一博) 鈴木建設局長。 〔鈴木建設局長登壇〕 ◎建設局長(鈴木知史) 公園利用の在り方についてでございます。公園は,市民生活に憩いと潤いをもたらす空間であり,また,健康増進やコミュニティ形成の場,災害時の避難場所としても大変重要な施設であります。本市におきましては,非常に厳しい財政状況により公園の新設が困難な中,既存の公園における老朽化した施設の改修やバリアフリー化などの再整備に重点を置いて取り組んでおり,その整備に当たりましては,ワークショップを開催するなど,身近な公園を利用する皆様の御意見や御要望をできる限り反映させることとしております。そうした中で,利用者のニーズと公園の広さや立地条件を十分踏まえ,近隣の方の御理解を得たうえで,議員から御紹介いただいたようなドッグラン施設やスケートボード広場といった特徴のある施設の整備に至ったケースもございます。また,民間との連携として,京都水族館や京都鉄道博物館が誘致できたことなどにより,梅小路公園は,来場された皆様の笑顔があふれる京都にとって誇るべき公園に生まれ変わったところであり,今後ともこうした連携の在り方について研究してまいります。 なお,議員御指摘の西京区洛西地域には,生物多様性豊かな緑あふれる公園が数多くございます。当地域では,本年3月に策定した洛西ニュータウンアクションプログラムの中で,緑豊かな公園の再生による憩いの空間づくりをうたっており,今後とも洛西地域にふさわしい魅力ある公園の在り方について地域の皆様と共に議論を深めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) これをもって一般質問を終結いたします。 次に,文書質問であります。市政一般について,豊田貴志議員から質問主意書が提出されました。その写しを配付いたさせます。 〔質問主意書配付〕 ○議長(寺田一博) この質問に対する答弁書は,今審議期間中に提出願います。なお,答弁書の写しは作成次第配付いたします。以上,御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(寺田一博) 本日はこれをもって散会いたします。 〔午後3時52分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~          議長    寺田一博          副議長   久保勝信          署名議員  田中たかのり          同     森田ゆみ子 △(イメージ)質問主意書(豊田貴志議員) △(イメージ)質問主意書(豊田貴志議員)...