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11月28日-03号

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  1. 京都市議会 2014-11-28
    11月28日-03号


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    平成26年 11月 定例会(第2回)       平成26年第2回定例会                京都市会会議録 第3号       (定例会)                   平成26年11月28日(金曜日)出席議員(68名)   1番 江村理紗議員   2番 中島拓哉議員   3番 佐々木たかし議員   4番 片桐直哉議員   5番 清水ゆう子議員   6番 森川 央議員   7番 中村三之助議員  11番 村山祥栄議員  12番 国本友利議員  13番 青野仁志議員  14番 松下真蔵議員  15番 青木よしか議員  16番 山本ひろふみ議員  17番 香川佐代子議員  18番 しまもと京司議員  19番 椋田隆知議員  20番 さくらい泰広議員  21番 加藤あい議員  22番 西村善美議員  23番 とがし 豊議員  25番 平山よしかず議員  26番 吉田孝雄議員  27番 湯浅光彦議員  28番 曽我 修議員  29番 天方浩之議員  30番 中野洋一議員  31番 隠塚 功議員  32番 下村あきら議員  33番 山元あき議員  34番 西村義直議員  35番 吉井あきら議員  36番 田中明秀議員  37番 玉本なるみ議員  38番 くらた共子議員  39番 河合ようこ議員  40番 樋口英明議員  41番 宮田えりこ議員  42番 久保勝信議員  43番 津田早苗議員  44番 井上教子議員  45番 大道義知議員  46番 ひおき文章議員  47番 谷口弘昌議員  48番 山岸たかゆき議員  49番 安井つとむ議員  50番 宮本 徹議員  51番 山本恵一議員  52番 中川一雄議員  53番 寺田かずひろ議員  54番 津田大三議員  55番 大西 均議員  56番 橋村芳和議員  57番 山中 渡議員  58番 井坂博文議員  59番 北山ただお議員  60番 岩橋ちよみ議員  61番 井上けんじ議員  62番 西野さち子議員  63番 今枝徳蔵議員  64番 小林あきろう議員  65番 鈴木マサホ議員  66番 小林正明議員  67番 加藤盛司議員  68番 繁隆夫議員  69番 富 きくお議員  70番 内海貴夫議員  71番 井上与一郎議員  72番 高橋泰一朗議員欠席議員(なし)欠員(1名)   議事日程   開議日時 平成26年11月28日(金)午前10時   一般質問 (1)市政一般について  橋村芳和議員 (2)市政一般について  大西 均議員 (3)市政一般について  香川佐代子議員 (4)市政一般について  北山ただお議員 (5)市政一般について  加藤あい議員 (6)市政一般について  山岸たかゆき議員 (7)市政一般について  松下真蔵議員 (8)市政一般について  ひおき文章議員 (9)市政一般について  津田早苗議員~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕 ○議長(中村三之助) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) 本日の会議録署名者を指名いたします。片桐直哉議員と青野仁志議員とにお願いいたします。 この場合,議長から御報告申し上げます。 今回受理いたしました請願4件及び陳情4件は,お手元に配付してあります文書表のとおり所管の常任委員会に付託又は回付いたします。 以上御報告申し上げます。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) 日程に入ります。これより一般質問を行います。 発言の通告がありますので,これを許します。市政一般について,橋村芳和議員。 〔橋村芳和議員登壇(拍手)〕 ◆(橋村芳和議員) おはようございます。伏見区選出の橋村芳和でございます。自由民主党京都市会議員団を代表いたしまして質問を行います。 まず,平成27年度の財政運営と予算編成についてお尋ねいたします。平成27年度予算が果たす役割は極めて大きいものがございます。私たち自由民主党京都市会議員団は,去る10月27日に,平成27年度京都市予算及び今後の市政方針に対する要望を門川市長に提出いたしました。我々は,市会の最大会派として,最も多くの市民の皆様から信託を受けた市民の代表としての自負と責任を基に様々な要素を盛り込んだうえで,力強い京都,未来にはばたく京都をつくるために市長に強く申入れを行ったところであります。もとより,平成27年度予算は,門川市長にとりましても2期目の総仕上げとなる極めて重要な予算であります。是非,私たちと課題認識を共有していただいたうえで予算編成に臨んでいただくよう強く求めるものであります。 一方で,平成27年度の予算編成に向けて先般示されました財政収支見通しでは,来年度の財源不足の見込みが198億円にも上っており,予算編成の裏付けとなる京都市の財政状況が一段と厳しさを増していることが改めて明らかとなりました。この巨額の財源不足に対し,職員数の削減や事務事業の見直しなど「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画において定めた行財政改革の取組を実行したとしても,なお,行財政改革推進債という特別な市債の発行や市債の返済のために積み立てている公債償還基金の取崩しによる特別の財源対策が128億円も必要と見込まれており,これを毎年100億円程度に抑えるという「京プラン」実施計画の目標を大きく上回る状況となっております。土地の売却など資産有効活用による財源確保の目標額を下方修正せざるを得ないという事情もやむを得ないものと理解するところでありますが,特別の財源対策とは,いわば将来への負担の先送りであり,目標が達成できなかったと言って済まされるものではなく,必ず達成していただくという思いであります。また,今後経済の回復により市税収入の増を期待したとしても,地方交付税等を含めた一般財源収入の見通しは不透明な一方で,社会福祉等に要する経費は右肩上がりで増加するのは必至であり,財政状況は更に厳しさを増していくものと危惧いたしております。こうした中で,特別の財源対策に依存した予算編成から脱却していくためには,これまで以上に選択と集中が必要であります。また,財政構造改革の取組を一層強化していかなければならないと考えております。そこで,以上申し上げたような現状の課題や本市の厳しい財政状況を踏まえて,平成27年度予算編成に臨まれる市長の御決意をお聞かせ願います。 次に,京都市の震災対策についてお伺いいたします。年が明けた1月17日で,阪神・淡路大震災から20年目を迎えることとなります。淡路島北部付近を震源としたマグニチュード7.3の大地震は,これまで経験したことのない都市直下型の激震で,死者が6,434人に上るなど,当時の地震災害としては戦後最大規模の被害をもたらしました。京都市では,この阪神・淡路大震災を教訓に,直ちに消防局に防災対策室を設置するとともに,様々なハード整備を推進する一方,地域における自主防災リーダーを養成するなどにも全庁挙げて取り組んでこられたところであります。また,平成15年度には,阪神・淡路大震災以降進めてこられました地下構造調査等の結果を踏まえ,花折断層を震源とする直下型地震の被害,すなわち,死者5,400人,全壊家屋約12万棟,地震当日の避難者約29万人の被害が最大であるとする第3次地震被害想定を取りまとめておられます。現在は,この花折断層を震源とする直下型地震に対応することを目的として想定した京都市地域防災計画の震災対策編に基づく取組の推進に加えて,平成23年3月の東日本大震災を受けて行った本市の震災対策の総点検の結果,明らかとなってまいりました新たな課題に対応されているところでございます。そこで,阪神・淡路大震災から20年という大きな節目を迎えるに当たり,これまでの本市の震災対策の総括と今後の震災対策充実への市長の力強い御決意をお聞かせ願います。 次に,水害対策についてお伺いいたします。昨年9月の台風18号による大雨の際,京都市が山科川と畑川の合流部に設置している小栗栖排水機場のポンプが4時間にわたって停止したため,畑川があふれ,周辺の300戸を超える住宅や店舗,自動車に浸水被害が発生いたしました。この被害発生の原因については,学識者で構成される第三者委員会において分析,検証が行われ,受託業者職員の人為的なミスによるポンプ停止が浸水被害の原因であるとの検証結果が示されたところでありますが,門川市長は,施設の設置管理者として,市会で謝罪されるとともに,賠償交渉に対応するため小栗栖浸水被害対策チームを設置し,被害者との話合いを進めておられます。 我々自民党議員団は,被害者への賠償について早急かつ真摯な対応を強く要請してきたところであり,600件を超える被害が申告される大変厳しい状況の中,9割を超える方と示談を積み重ねてこられましたことは評価するところでありますが,残る方々との示談交渉を進めるに当たっての課題,そして早期解決に向けた御決意をお聞かせを願います。 次に,排水機場の運営についてであります。京都市では,10箇所の排水機場を管理しており,昨年の11月市会には,全排水機場の水位や運転状況を集中的に監視するためのシステム設計に関する予算が提案されましたが,小栗栖浸水被害に関する十分な総括がなされていないとして,京都市会として異例の警告,付帯決議を付したところであります。その後,小栗栖浸水被害発生についての詳細な検証が行われ,排水機場管理体制の課題と対策が示されたうえでシステムの検討が進められてきたと理解いたしておりますが,今市会の補正予算案につきましても,我が議員団といたしまして,委員会等において経費や安全面について十二分にしっかりと審議してまいりたいと考えております。本市におかれましても,小栗栖と同様の被害を二度と発生させないため,しっかりとした排水機場やシステムの管理運営体制を敷かれることを強く要望いたしておきます。 次に,伝統産業の振興についてお尋ねいたします。京都市では,平成25年1月,自民党市会議員団の提案により,全国で初めて京都市清酒の普及の促進に関する条例を制定いたしました。その後,同様の動きが全国に拡大,今や90を超える自治体で同趣旨の条例が制定されております。乾杯条例を通じた地域振興について,京都から全国に大いにアピールすることができました。こうした中,あす11月29日には,条例制定自治体が一堂に集まる日本酒条例サミットin京都が開催されます。また,伏見区では,地元産の祝米を使ったブランド酒づくりも始まったと聞いております。条例制定から間もなく2年を迎えますが,今後更に京都の清酒を振興していくために,どのように取り組んでいこうとされているのかお聞かせ願います。また,この条例の目的は,清酒による乾杯の習慣を広めることにより,清酒の普及を通した日本文化への理解の促進を図ることにあり,単に清酒の製造量を拡大すればよいというものではありません。74品目に上る本市の伝統産業製品の価値を再確認し,その普及のきっかけとしていくことが必要だと考えております。条例の普及を通して,清酒以外の他の伝統産業製品や和のライフスタイルの振興に向けて,今後どのように取り組もうとされているのかお聞かせ願います。 次に,東京における情報発信拠点である京都館の在り方についてお伺いいたします。昨年,2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催されることが決まるなど世界から日本に注目が集まっています。このようなときこそ,京都に息づく精神文化や自然,景観,京料理に代表される食文化,そしてそれらを支える伝統産業など京都のすばらしい奥深さを広く知っていただき,日本文化を象徴する都市・京都を世界にPRする絶好の機会であります。特に国内外から多くの人々が集まる首都圏における効果的な情報発信の重要性がますます高まっていると考えます。京都市は,首都圏での情報発信の拠点として,東京駅八重洲口に京都館を開設し,ギャラリーとしての伝統産業製品の展示販売や情報コーナーでの旬の観光情報の提供,春の観光キャンペーンなどを通じて伝統産業や観光のPRに努めてこられました。このような役割を持つ京都館ではありますが,私の友人に尋ねましても,誠に残念なことに「知らない」との答えが返ってくることが大変多くございます。京都の方々も含め,その存在が広く認識されているとは言えません。私は,これまでの活動を否定するものではありませんが,オリンピック・パラリンピックの開催決定を契機として,今後ますます大きな発信力,購買力を持つようになるであろう東京を中心とする首都圏において,多くの人々に京都の魅力を伝えていくためにどうすればよいのか,また伝統産業をはじめとする京都の産業の振興にどうつなげていくかということについては,まだまだ工夫の余地があるのではないかと考えております。今年の9月には館長に映画「おくりびと」の脚本や「くまモン」のプロデュースで知られる小山薫堂氏が就任されました。京都館の発信力を高めるための取組の一つと評価いたしますが,今後,京都館の更なる機能強化にどのように取り組んでいかれるのか,市長の考えをお聞かせ願います。 次に,和食文化に触れる学校教育の推進についてであります。我々の日々の食生活を見ると,様々な社会環境の変化を背景として,先人から受け継がれてきた和食文化を地域や家庭で育み,子供たちに伝えていくという営みが減少しており,官民一体となって取り組む必要があります。そうした中,11月13日には,京都市や京都府,京都の料理関係団体などが参画し,オール京都で和食の普及を図るための協議会も設置され,国においても,11月10日に無形遺産登録を踏まえた「和食」の保護・継承を考える検討会議の初会合が開催されるなど,まさにオールジャパンでの取組が始まっております。 そして,本市では,子供たちに和食文化のすばらしさを伝え,受け継ぎ,未来へ向けて発展させるため,学識経験者や料理人,市民公募委員等で構成する学校給食における和食の検討会議を今年度設置し,子供たちが必ず食する小学校の給食において,和食を一層推進するための方策の検討に着手されております。検討会議では,実際の小学校給食の様子の視察等も通じ具体的な方策を検討され,11月初旬には,これまでの検討会議での議論が取りまとめられました。「和食」文化を伝えるための方向性と取組(案)として発表され,現在,多くの市民からのパブリックコメントが実施されています。この取組(案)では,具体的な学校給食における献立の在り方だけでなく,給食で使用されているアルマイト食器からPEN食器等への更新など,使用する食器の在り方,地産地消の推進をはじめとする食育の推進,さらには,家庭との連携,充実など総合的な方向性,多角的な取組の提案がなされており,私自身も今後の具体化に大いに期待し応援していきたいと考えております。そこで教育長にお伺いいたします。学校給食は,市民からの関心も高く,パブリックコメントにおいても様々な御意見が寄せられていると思います。今後,小学校給食における具体的な和食の一層の推進方策について,お考えをお示し願います。 最後に,地下鉄増客につながる東部クリーンセンターの跡地活用についてお尋ねいたします。本市の地下鉄事業は,昭和56年度の烏丸線の開業を皮切りに,平成9年度に東西線が二条駅~醍醐駅間で開業し,平成20年度までに太秦天神川駅,六地蔵駅までそれぞれ延伸し,今や市民の貴重な財産として,市民生活になくてはならない交通機関となっております。一方で,建設費が多額に上ったことなどにより,本市地下鉄事業は全国一厳しい経営状況にあります。この厳しい状況を打破するために,その方策として経営健全化計画では,平成30年度までに1日5万人の増客目標を掲げ全市を挙げて取り組まれた結果,計画策定後4年間で年次目標を大きく上回る増客を果たされましたことは,私どもといたしましても大きく評価をするところであります。しかしながら,将来にわたって地下鉄事業を安定的に運営するためには,残る約2万7,000人の増客に向け,更なる強力な取組が求められております。とりわけ岡崎地域や京都駅西部エリアの活性化の取組,繊維技術センター跡地での同志社大学のキャンパス整備といった地下鉄駅周辺の活性化や拠点整備が増客に与える影響には大きなものがあると考えます。 これらの取組に続き,大いに期待されるのが,東部クリーンセンターの跡地活用であります。広大な敷地であり,地下鉄石田駅に近接した交通の利便性の高い土地であり,有効に活用すれば,その増客効果は特に大きいものと考えられます。あわせて東部クリーンセンターの跡地は,市民の皆様,事業者の皆様の御理解と御協力により,ごみ量をピーク時から4割以上削減することができた結果生み出された京都市民の貴重な財産であります。また,長年にわたり京都市のごみの処理に協力してまいりました醍醐地域にお住いの方々のお気持ちを思うと,必ずや地域,京都市全体の活性化につながる活用を実現しなければならないと考えております。クリーンセンターという特殊な施設の跡地であり,活用に当たっては様々な課題があると考えます。 しかしながら,地下鉄5万人増客は,このように難しい課題を一つ一つ着実にクリアした結果,ようやく達成することができる非常に高い目標であると考えます。地下鉄の増客の観点からも,地下鉄駅周辺の活性化や拠点整備,とりわけ東部クリーンセンター跡地の活用を願ってやまないものであります。この点について門川市長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(中村三之助) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 橋村芳和議員の御質問にお答えいたします。 まず,平成27年度予算編成についてでございます。安倍内閣の経済政策により,景気は回復基調にあるものの,橋村議員御指摘のとおり,市民の皆様や市内の中小企業が幅広くこれを実感できるまでには依然として至っておらず,円安による原材料などの高騰等の懸念材料も現れる中で,来年度予算においては,まず第一に京都経済の活性化と安定した雇用の創出に全力を傾注してまいります。これに加えまして,子育て支援,教育の充実,安心安全,世界一の観光都市に選ばれた世界の文化首都・京都の魅力や都市格の向上など,京都から地方創生を牽引する気概で人口減少社会への対応にもしっかりと取り組んでまいります。 一方,本市財政は,市税や地方交付税等の一般財源収入が大幅に減少したまま回復していない中で,社会福祉関連経費が増加を続け,来年度予算でも198億円もの歳入不足が見込まれる極めて厳しい状況にあります。このため,これまで以上に強力に行財政改革を推進し,公債償還基金の取崩しなどの特別の財源対策を目標のおおむね100億円以下に抑え,28年度以降できる限り早い時期の脱却を目指してまいります。お受けした予算要望は,こうした課題意識を私と共有するものであり,しっかりと受け止め,私の2期目の総仕上げとして,未来に向けた政策の推進と行財政改革を両立させた最善の予算とする決意であります。 次に,震災対策についてでございます。本市では,阪神・淡路大震災を教訓として,消防局防災対策室を新設し24時間の防災体制を確立するとともに,自助,共助,公助の基本理念の下に,市内全学区での自主防災組織の結成と6,200を超える町内会単位の全ての自主防災部での市民防災行動計画づくり,大火災時に消火用水が不足する地域の解消,避難所となる学校施設の早期の耐震化実現など京都盆地の地下構造の調査に基づく第3次地震被害想定をも踏まえて,ハード,ソフトの両面から震災対策に取り組んでまいりました。 また,東日本大震災後は,全庁横断的な調整力を発揮する行財政局に防災業務を移管し,これまでの対策の総点検から得た130項目に上る新たな対策に一層加速して取り組んでおります。具体的には,幅広い年齢層等に配慮した災害用備蓄物資の充実,地域住民主体でそれぞれの避難所を運営するための避難所運営マニュアルの策定,そして訓練,観光都市・京都ならではの観光客等の帰宅困難者対策などを着実に推進しているところであります。自らのまちは自らが守る,これが防災の基本であり,私は,京都の財産である地域力を更に高め,市民の命と暮らしを徹底して守るとの強い決意の下,引き続き,震災対策を全力で進めてまいります。 次に,小栗栖排水機場周辺の浸水被害につきましては,委託業者の人為的ミスが原因であるとはいえ,排水機場の管理者として責任を持って被害に遭われた皆様方の心情に寄り添った示談交渉を精力的に行い賠償を進めてまいりました。この結果,11月19日現在で,被害申告611件中598件について賠償額の提示を行い,そのうち559件の皆様方と示談合意ができたところであります。一方で,本市として,適正に賠償額の算定を行い交渉を進めてまいりましたが,被害者の中には,損害賠償の考え方や金額についてなかなか御納得いただけず,いまだ合意に至っていない方もおられます。今後とも,被害に遭われた皆様方の心情に十分配慮し,引き続き,お話合いを精力的に,また誠意を持って進め,一日も早い損害の回復を図っていただけるよう全力で対処してまいります。 次に,日本酒をはじめとした伝統産業の振興についてでございます。条例制定後,2年足らずの間に,市民の皆様による日本酒での乾杯や民間事業者による様々な催しが日常的に行われるようになり,また,酒どころ京都を全国にアピールすることができました。さらに,伏見地域では酒米の生産から醸造までを全て伏見で行う日本酒づくりも進められております。現在では91の自治体に同趣旨の条例制定が広がり,我が国全体の地酒や地域の振興に弾みが付いたことも大きな成果であり,全国に先駆けて条例を提案,議決された京都市会の先見の明に改めて敬意を表するものであります。 私は,日本酒の振興を契機として,世界で評価が高まる日本の伝統文化,伝統産業を再認識し,次代に継承していくことが,この条例の趣旨であると考えており,明日,みやこめっせで開催する日本酒条例サミットin京都では,全国の条例制定自治体が一堂に会し,伝統産業製品の展示販売や和食文化についてのトークセッションなどを通じて,日本酒をはじめとする伝統産業のすばらしさを全国に発信してまいります。さらに,次代を担う若手職人が結成された「KYO-MONO is cool!プロジェクト」では,百貨店の催事等と連携してバレンタインデーにチョコレートではなくお猪口,それも京焼,清水焼などの伝統産業製品であるお猪口を西陣織の袋に入れて贈るマイ猪口キャンペーンなどの展開も予定しております。今後とも,伝統産業関係者や市民の皆様,さらには全国的な飲食店情報サイトとの連携を強めまして,和のライフスタイルの普及と伝統産業の振興に全力で取り組んでまいります。 次に,京都館の在り方についてでございます。橋村議員御指摘のとおり,東京を中心とする首都圏における情報発信は,京都の産業振興,文化振興,さらには都市格向上を図るうえでの重要な戦略の一つであり,京都館はその拠点としての役割を担っております。しかしながら,私は,京都には世界に誇るすばらしい文化や伝統産業があるにもかかわらず,その魅力を首都圏等において十分に伝えられていないと感じており,更なる創意工夫が必要であると考えております。そこで,京都の伝統ある料亭を引き継がれ,京都を愛され,京都の文化を深く理解されている小山薫堂氏に,東京で京都のすばらしさを発信していただくため館長に就任をお願いしたところ,御快諾をいただいたところであります。御就任後,小山薫堂館長と京都館の在り方について意見交換する中で,京都を愛する人々が集うための上質で居心地の良い空間づくりや,京都館でしか手に入らない京都の若手クリエイター等の作品の販売など,新しい視点から御提案もいただいております。今後とも,小山館長の人間に対する洞察力,優しさから生まれる独創的な発想と豊富な人脈,各方面への強力な発信力を最大限に発揮していただきながら,京都館が東京における情報発信,収集の拠点として,その機能を十分に果たすことができるよう検討を深めてまいります。 次に,地下鉄増客につながる東部クリーンセンターの跡地活用についてでございます。地下鉄5万人増客を実現するためには,地下鉄沿線地域の活力あふれるまちづくりが重要であります。本市では,これまでから,岡崎地域や二条駅地区の活性化,山ノ内浄水場の跡地活用,空き家対策などに積極的に取り組んでいるところであります。東部クリーンセンターの跡地は,橋村議員御指摘のとおり,市民の皆さんの御理解と御協力により,ごみ量をピーク時から42パーセント減少させたことにより,工場を廃止し,出来た京都市民全体の貴重な財産であります。また,4万3,000平米もの広大な敷地であり,地下鉄東西線石田駅から約300メートルの距離に位置しているため利便性も高く,非常に大きなポテンシャルを有しております。今後,民間の幅広い方々から,地域の特性をいかし現在の都市計画の制限等に捕らわれない自由で創造性に富んだ御提案を積極的にいただき,地域の方々の御理解も得る中で,地下鉄の増客はもとより,50年後100年後を見据えまして醍醐地域,さらには京都が未来に大きく飛躍するための活用について,スピード感を持って取り組んでまいります。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(中村三之助) 生田教育長。 〔生田教育長登壇〕 ◎教育長(生田義久) 小学校給食における和食の推進方策についてでございます。橋村議員御指摘のとおり,我が国の豊かな自然の中で育まれ,日本人が大切にしてきた心と知恵が詰まった和食文化を未来へ引き継いでいくことは極めて重要であります。御指摘の食器の在り方につきましては,学校給食における和食の検討会議におきましても,現状のアルマイト食器から,より味わいを感じることができる食器への速やかな更新をすべきとされており,来年度からの計画的な更新を検討してまいります。また,京野菜を使用した献立や京のおばんざい献立などの充実により地産地消の推進を図るとともに,こうした学校における給食や食育に関する情報を発信し,家庭における食生活を見直していただく機会につなげる取組などを充実してまいります。今後,検討会議で示された取組案や市民の皆様からいただいた御意見も踏まえ,学校,家庭,地域が一体となった和食文化の継承に向けた具体的な取組を今年度中に取りまとめ,来年4月から順次実施してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) 次に,市政一般について,大西均議員に発言を許します。大西議員。 〔大西均議員登壇(拍手)〕 ◆(大西均議員) 左京区選出の大西均でございます。これが,最後の代表質問となります。議員として,議会にどのような責任を持って臨むべきなのでしょうか。市民の代表として,自分の持てる能力をフルに発揮できる状態で正論を旨として,常に挑戦する意欲を持って議員活動を行うことが求められていると思っております。 ところで,私は,今任期中である来年4月に満65歳になります。いわゆる定年と言われる年齢です。多くの人から,まだまだ若いと言われますが,自分自身議員として,体力,気力の減退を感じる昨今でございます。私自身,そんな気持ちで議員を続けることは,税金泥棒のそしりを免れないものと思っております。そもそも私は,初当選のときから,力は長く持つものではないとの信念を持っておりました。力は必ずおごりになるからであります。議員在籍20年,私にとって初心を貫くためにも,このあたりが潮時ではないかと思い,後進に道を譲る決意をした次第であります。 質問に入ります。私は,初当選した平成3年以来5期20年にわたる市会議員の任期のうち,ほぼ半分の8年,交通水道委員,交通水道消防委員を務めました。私が希望したものではありませんでしたが,1任期のうちに2度も委員長を仰せつかるという珍事もありました。そこで,まず初めに,交通局の事業経営についてお伺いいたします。思えば私の議員生活における重要な課題の一つが,市バス,地下鉄事業の健全化であったと思います。振り返ると,市バス事業では,運輸収入を上回る人件費負担や歯止めの利かない旅客数及び旅客収入の減少により多額の赤字を抱えており,「交通局職員の給料を支払うためだけに走らせているのか」と当時の桝本市長並びに交通局管理者に詰め寄ったことが,昨日のことのように思い起こされます。しかしながら,当時私がお役所天国とやゆした交通局は,規制緩和による新規参入の荒波にもまれながら劇的に生まれ変わりました。生き残りを掛け,ありとあらゆる経営改善策を実施され,15年度から現在に至るまで黒字基調を続けています。さらに,近年は,路線,ダイヤの拡充や,バス待ち環境向上の取組を矢継ぎ早に展開され,25年度決算において会計制度の改正前の数字ではありますが,積年の懸案であった累積の赤字を全て解消されました。地下鉄事業においては,私が議員になって間もない平成6年,地下鉄東西線の建設費膨張という事実が突如発覚し,京都市に暗たんたる空気が満ちておりました。当時の田邊市長に猛省を促すため,本市会でも2度にわたる警告を緊急決議したことが思い出されます。このように全国一厳しい経営状況から,全国の公営地下鉄事業者で唯一の経営健全化団体となりました。この京都市財政の屋台骨を揺るがしかねなかった状況を打破するため,経営健全化計画には,旅客数を1日当たり5万人増加させるという高い目標を盛り込まれました。我が議員団といたしましても,今度こそはとの思いを込めて計画に賛同した次第であります。 門川市長は,計画に掲げた目標達成に向け,全市を挙げた取組を展開され,確実に健全化を進めてこられました。両事業の経営状況とも,私が議員になった頃とは隔世の感があります。先の9月決算市会におきましては,西村管理者から今後の抱負をお伺いいたしましたが,本日は改めて市長から,この間の両事業の取組を総括いただくとともに,今後どのように経営していかれるのか,その展望をお伺いしたいと思います。 次に,上下水道局の事業について質問いたします。地球上で人が容易に使える水は,全体の1万分の1と言われており,その貴重な水を70億人を超える世界の人々が分け合って生活をしています。そのような貴重な水でありますが,日本は,水道が整備され,蛇口をひねると安全で安心な水が利用できるという世界でもまれな国なのであります。私たちの住む京都のまちの水道は,明治45年に京都市三大事業として飲料水を目的とする琵琶湖第二疏水を建設して水道の供給を開始し,以来102年の歴史を刻んできました。また,下水道は,昭和5年に失業応急事業として事業を開始して84年となりました。今,私たちは,当然のように安全な水道の水を利用し,清潔で気持ちよい水洗トイレを使用していますが,これは先人たちの並々ならない努力によって築き上げられた水道,下水道の恩恵によるものであり,私たちは改めて,このことを胸に刻む必要があるものと考えております。 さて,水道,下水道を所管する組織の歴史を振り返りますと,水道を所管する組織は,明治45年3月の水道課から,昭和10年6月に水道局となり,この名称は,戦中,戦後の一時期を除き長きにわたって親しまれてきました。下水道を所管する組織は,昭和5年8月の事業開始当時は土木局都市計画課下水係でした。昭和7年6月からは下水課として,長くは水道局の組織の一部でありました。下水道局としては,観光都市・京都の悩みであった下水道事業の立ち遅れを解消するために,昭和47年4月に独立させ,これを機に下水道整備を一層強化したと聞いております。水道局,下水道局の体制は,それから32年間続き,平成16年4月上下水道局として再編されました。以来,今年の4月でちょうど10年を迎えました。当初の目的は一定達成され,確かに事業は推進されているとは思いますが,さて,市民の間に上下水道局という名称が親しまれているでしょうか。私は,上下水道が,上水道と下水道を合わせたものだと理解していますが,上水道という名称が一般的に耳慣れないものだと感じてきました。また,残念ながら上下水道局という名称からは,水道水を提供して,各家庭から出る汚水を処理する組織というイメージがいまだに根強いのではないかと疑問も持っております。もちろん,それが上下水道局の中心的な役割であることは理解できますが,京都市民の生命を守り,衛生的で快適な生活を支えることに加え,局を超えての対応が必要な総合的な浸水対策や地下水利用に係る諸課題など,今日の水道,下水道事業の役割は,より幅広いものと考えます。 そこでお尋ねいたします。本年は,水循環基本法が制定,施行され,国段階で基本計画を策定しようという年でございます。これを契機に,私は,局の名称を見直すことも必要ではないかと考えます。あえて私から具体的な命名は控えますが,市民の貴重なライフラインを担う役割を持つ局として,全国的にも先駆的な新しい名称を御検討いただけるよう提言し,市長の御決断を求めたいと思います。 次に,本市の少子化対策についてお尋ねします。これは,人口減少問題,晩婚化対策にほかなりません。この人口減少を克服するために,国は,東京に集中している若者人口を地方に戻すこと,そして,若い世代が安心して働き,結婚し,子供を産み育てることができるような社会経済環境の実現,さらに,中山間地域において心豊かな生活を確保することなどを柱に据えた地方創生を進めることとしております。しかし,こうした対策は,これまでから言われてきたことであり目新しいことではありません。私に言わせれば,どこまで真剣に取り組むか,そしてどこに重点を置いて取り組むかの腹をくくることの方が重要だと思っています。 今日,ここで国策について議論する気はありませんので,京都市の人口の特徴に目を向けますと,大きく三つのことが言えます。一つは,平均初婚年齢が男女共に全国平均より高く,晩婚化が進行していることです。二つには,未婚率も男女共に全国平均を上回っていることです。例えば25歳から29歳の男性の未婚率は約77%,女性の未婚率は約70%にも達しています。三つには,出生率が全国平均を下回り,元々低いと言われる指定都市20市の中でも,下から2番目の低さになっていることです。国の調査では,結婚する意思はあっても結婚できない理由として,男女共に資金不足ではなく,出会い不足が最も大きなネックとなっていることも明らかになっています。京都市の市民アンケート調査では,男性は経済的な不安の方が多いのでございますが,女性は全国調査と同様,出会う機会がないことが結婚できない理由の1番となっています。これだけの結果が出ているにもかかわらず,先般発表されました,平成27年度予算の編成についてにおいて,1番に人口減少社会への対応がうたわれているものの,その対策として,人口減少問題の最大の要因でもある,晩婚化,非婚化の対策には触れられておりません。平成25年11月定例会で,同僚のしまもと議員が質問されておりますが,少子晩婚化対策として,婚活が有効な手段となっていることを指摘しております。国においては,一人の女性が生涯に産む子供の数の推計を示す合計特殊出生率を,平成25年の1.43から1.8程度に引き上げる目標を掲げました。京都府でも,5年後に出生数の2,000人増を目標に掲げ,より具体的に結婚に導くための少子晩婚対策に取り組まれております。 昨今の状況と若者たちの意識を考えたとき,京都市が少子化対策として,最も重点的に取り組むべきことは,結婚してもらうということに尽きるのではないでしょうか。出生率を上げるには,まず婚姻率を上げるべきというのが私の持論でございます。 ところで,門川市長が独身者,未来の若者のために,自ら,婚活の支援をされているのは承知しております。特に,一部の認定NPO法人に対する支援と申しますか,協力と申しますか,大変露出度が多いように思います。山田知事も同様のことをされているようですが,市民の一部から,特定法人への肩入れではないかなどの意見が,私の元に寄せられています。市長もこのことは,十分御承知であろうと思います。それほど,婚姻率向上に力を入れられていることなのでしょうと市長の心の内をお察し申し上げます。ただ,市長の動きや思いと,現場の職員の熱意との温度差を感じられる場面も多々見受けられます。 京都市に,少子化対策について問えば,雇用確保,子育て支援,住居問題など総合的な取組が必要だと答えます。婚活,晩婚対策の窓口ができたものの,出会いから,カップリング,結婚まで導く,より具体的なサポート体制が見受けられない状況です。私は,こうした出会いと交流の場の提供をはじめ,結婚を望む人に結婚してもらうための事業にこそ,さらにもう一歩踏み込んだ取組をしていただきたいと思うのでありますが,いかがでしょうか。 先に申し述べましたNPO法人への協力支援の考えと,出生率向上に向けた具体的取組を,あわせてお聞かせください。 次に,過疎対策について質問いたします。小さなほこらがある。そこに鎮座する小さなお地蔵さんがある。その前でひたすら手を合わせる人がいる。神社と呼ぶには余りにも小さな社がある。そこには,人の営みの歴史がある。ささやかに支えられた伝統行事がある。守ることに喜びがある。守ることに誇りがある。四季折々の変化を,周りの木々や草花が,風が,人々に伝えてくれる。人は自然の恵みと移ろいを,五感で感じながら,互いに支えあい,人情味豊かな暮らしを営んでいる。野生鳥獣が里に下りてくる環境の中での生活がある。「動物のえさを作ってますのや」と諦め顔で野菜作りをする人々。どの家にも,少なからず田や畑があり,自分で作って食べられるものは自給する生活。人間本来の営みと言える暮らしが,そこに生活する人々の顔を,心を穏やかにしているのでしょうか。そこには,人間本来の暮らしがあるように思います。私がこの地域の人々と接するとき,その表情は常に穏やかでありました。市長は,この地を,京都市の宝とも言える地域であると言われました。さて,この地はどこでしょう。そう,その地は,左京区北部山間地域と言われるところです 一方,私のように,ここよりははるかに便利なところに住んでいる者が,何かにつけ不満を抱いてしまう。交通の便も良く,買い物に何不自由ないと思われる住民が,やれバスの便が少ないと言い,やれスーパーが遠いと言う。やたらと権利ばかりを主張する。思わず義務を果たしているのかと自らに問い掛け反省したくなります。余りにも便利すぎるのか,主張すれば手に入ったのか,欲が尽きず,満足というものを知らない。人間の幸福とは何ぞやと思わず嘆きたくなります。そう言えば,ブータン国の若き国王夫妻が京都を訪れました。その幸福度に満ちた顔を忘れられません。決して豊かな国とは思えないが,国民も幸福だと言います。私は,ブータン国に行ったことはありませんが,左京北部山間地域は,ブータン国をほうふつとさせます。 しかし,しかしであります。その穏やかな顔にも限界があります。生身の人間が生活しております。私が市会議員に初当選した平成3年から現在までの23年間におきましても,実に211人,約29パーセントもの人口が減少しました。この地域には,国道477号及び京都広河原美山線がありますが,広域的な幹線道路であるとともに地域住民の生活道路でもあります。しかしながら,唯一と言ってよい生活道路は,狭い幅員と花脊峠の九十九折れカーブに加え,冬季の積雪や濃霧の発生などにより,車両の安全な通行は非常に困難な状況にあります。台風や大雨によって,通行ができなくなることもしばしばです。このままでは伝統行事の継承はおろか集落自体が消滅しかねない危機にさらされております。住民が京都市に編入されて以来,初めてと言っていいのではないでしょうか。大きな声を上げました。「花脊トンネルを造ってほしい」。それは請願という形式となり,本年2月に提出された花脊峠トンネルの実現に向けた請願は議会において審議され,現地視察も行われました。そして去る9月市会において請願は採択されました。議会の意思は明確になりました。あとは市長の決断を待つのみであります。 この度,安倍内閣の主要政策としてまち・ひと・しごと創生法が成立し,国家百年の計として,国は少子高齢化の進展に的確に対応し,人口の減少に歯止めを掛けるべく,国民が個性豊かで魅力あふれる地域社会で潤いある豊かな生活を営めるよう,それぞれの地域に応じた環境を整備することとしております。こうした国を挙げての地方創生の機運の中,京都市として,この左京北部山間地域をどうしようと考えておられるのか。将来的にどのような地域にしていくという明確な目標を持ち,そのために何をすべきかを考えると,この地域の創生の切り札は,花脊トンネルの実現化しかありません。 トンネルの実現に当たっては,事業費の確保や費用対効果の検証など様々な課題があることも事実です。しかしながら,今すぐにでも早期のトンネルの実現を決断しないとするならば,人間本来の営みを否定し,京都の誇るべき伝統文化を捨て去るとともに,この地域に暮らす住民を見捨てることにほかならないと思いますが,いかがでしょうか。 以上で,私の質問を終わりますが,市長が,京都の宝とも言えると言われたこの地域に対して,私は,何をしてきたのでしょうか。これまでに何ができたのかを考えると,内心じくじたる思いがあります。市長におかれましては,私の遺言とも言える質問でありますので,未来にわたる心ある御答弁,御決断をいただけるよう切にお願い申し上げまして,私の最後の質問を終えさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(中村三之助) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 大西均議員の御質問にお答えいたします。 まず,市バス,地下鉄事業の総括と今後の展望についてでございます。近年,市バス,地下鉄事業の歴史は,正に利便性の向上と経営健全化の両立を追求してきた血のにじむような努力の歴史でありました。市バス事業では,急激なマイカーの増加や交通手段の多様化を背景に,お客様の数が減少し続け,重い人件費負担により収支が悪化し,平成14年度には累積欠損金が過去最高の163億円に達しました。また,地下鉄事業では,そもそも巨額の建設費を要する事業であることに加えまして,東西線の建設が建設費高騰のバブル期と重なったことなどにより,企業債残高が平成20年度には5,000億円近くにまで膨張いたしました。私が市長に就任した当時,地下鉄事業は,このような危機的な経営状況であることから,地下鉄事業の経営健全化なくして京都市財政の健全化は成し遂げられないとの強い認識の下,大胆な経営健全化に着手いたしました。折しも当時両事業共に財政健全化法に基づく経営健全化団体となりましたが,私は,ピンチをチャンスと捉え,この機会に経営健全化を現実のものにするために,地下鉄のお客様数の1日当たり5万人増加をはじめとする様々な高いハードルを明確な目標に掲げ,その達成に向け,交通局職員の努力をはじめ全庁を挙げた増客の取組を積極果敢に推進してまいりました。その結果,多くの市民の皆様の御支援,御理解を得る中で,市バス事業は,24年度決算において計画よりも3年前倒しで経営健全化団体から脱却,地下鉄事業においても,25年度決算では,1日当たりの赤字額を,私が市長就任前の4,600万円から1,100万円にまで縮小することができました。1日当たりのお客様の人数は,目標の5万人に対し,本年度上半期時点で3万人を超えるまでになりました。このように計画を大きく上回る進捗を図ることができてきております。しかし,これからが大切であり,問題であります。今後におきましては,全国一のお客様サービスの実践や全庁挙げた地下鉄5万人増客目標の確実な達成などに取り組み,全国一厳しい地下鉄事業の経営を健全化させていく,同時にバス事業も含め,更なる利便性の向上を図り,多くの市民や観光客の皆様に喜んで御利用いただける攻めの経営を一層推進し,市バス,地下鉄を基軸とした公共交通優先の歩くまち・京都の推進に全力で努力してまいります。 次に,上下水道局の名称についてでございます。京都市の水道事業は,徹底した水質管理の下,安全安心で,おいしい水道水をお届けして102年,下水道事業が市民の皆様の快適で衛生的な暮らしを支えるとともに,流域の水環境を守って84年の歴史を数えており,先人たちのたゆまない御努力の中で今日の上下水道が築き上げられてまいりました。こうした事業を運営する組織体制につきましては,水道事業は明治39年に水道課として,下水道事業は昭和4年に土木局下水係として発足し,その後様々な組織改正を経て,平成16年には総合的な水の管理や効率的な事業運営を進めるため,水道局と下水道局を1局に統合して名称を上下水道局として,今年4月には10年を迎えております。京都市では,同じく平成16年に流域全体を見据えた治水対策,良好な水環境の創造などを基本方針とする京都市水共生プランを策定し,水に関する諸課題の解決に取り組んでまいりました。さらに,平成19年には,10年間に上下水道事業が取り組むべき課題や目標をまとめた京の水ビジョンを策定し,琵琶湖,淀川水系の中流域に位置する都市として下水の高度処理を推進するなど,これまでから流域全体の水環境を見据えた事業を展開しており,これは水循環基本法の趣旨を先取りしたものと考えております。また,近年は,多発する局地的な集中豪雨への備えや地下水利用の拡大への対応など上下水道事業者としての役割は多様化するとともに,その重要性は一層高まっております。先人たちが築いた貴重なライフラインを50年後,100年後の未来にしっかりとつないでいくためには,上下水道事業に対する市民や事業者の皆様の更なる御理解,御協力が不可欠であります。このため,大西議員御指摘のとおり水循環基本法の施行を好機として捉えまして,水道水の供給や汚水の処理にとどまらない水道事業,下水道事業が担う幅広い使命をより総合的に的確に表現する新たな局の名称に変更することについて,経費などの課題はありますが市民の皆様の御意見もお聞きしながら,私は検討し,また改革していくべきだと考えております。 次に,花脊峠トンネルについてでございます。左京区北部山間地域は,山紫水明の地として美しい山々と水源の役割も担う清らかな水の流れをはじめとする自然が大きな魅力となっております。私も大好きな場所であります。また,農林業を中心とした暮らしと,これに根差した国の重要無形民俗文化財である久多花笠踊や各地域での松上げなどの伝統行事が地域の皆様の御尽力により脈々と受け継がれております。その一方で,近年,人口減少が進み,集落としての活力が失われてきており,自然環境の保全と地域の活性化との調和を基本に定住できる活力ある里づくりを進めていく必要がございます。このため,これまで山村都市交流の森や花背山の家を整備するとともに,小中一貫のすばらしい学校づくりを行ってまいりました。また,市街地と山間地域を結ぶ道路につきましては,橋梁の耐震補強をはじめとする防災,減災対策を進めるとともに京北町との合併特例債を活用し国の資金を得まして,今年度末の開通を予定している二ノ瀬トンネルの整備や京都広河原美山線鞍馬北工区における道路改良事業を進めてまいりました。今後につきましても定住支援のための空き家の活用や農林業の振興など交流,定住人口の増加に資するソフト対策も重要であり,地域の皆様と共に地域の活性化に取り組んでまいります。 花脊峠につきましては,大西議員も御指摘のとおり,急勾配でカーブも多く積雪などにより通行困難となることもありますが,トンネルを実現するためには,トンネルだけで60億円から80億円程度と推定される巨額の事業費が必要となります。さらに加えまして,平地の少ないトンネル坑口付近に大規模な工事用設備を配置するための施工ヤードが必要になること,掘削用の大型機材や大量の掘削残土を運搬するためのルート整備が必要であるなど技術的に克服すべき課題等もたくさんございます。このため花脊峠のトンネル化については,直ちに事業化することは困難な状況でありますが,地域の皆様の思いや,本年9月市会で採択された請願を受け止めまして,今後の左京区北部山間地域の幹線道路網の在り方について検討を進めてまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 結びに,大西議員が長年にわたる精力的な活躍を実行してこられたことに,心から敬意を表したいと思います。 ○議長(中村三之助) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 婚活支援についてでございます。大西議員御指摘のとおり,本市においては,未婚率,平均初婚年齢が共に全国平均より高く,合計特殊出生率につきましては全国平均を大きく下回る状況にございます。その要因として,平成26年度に本市が取りまとめました調査におきましては,未婚の理由の約5割が結婚したい異性にめぐり会えないからとの結果も出ております。少子化対策につきましては,雇用確保や子育て支援をはじめ真のワーク・ライフ・バランスや男女共同参画の視点も含めた総合的な施策が重要でありますが,更に進んで,結婚を望む人に対する支援も必要と考えております。そうした中,本市では,平成22年度から結婚を望む市民に出会いと交流の場として,京都商工会議所青年部との共催による京都婚活を全国に先駆けて実施してまいりました。そして平成24年度には本市基本計画の重点戦略の一つである真のワーク・ライフ・バランス戦略のリーディング事業に婚活支援事業を位置付け,従来の京都婚活に加え料理体験を通じて少人数で交流を行うクッキングde京都婚活など事業を拡充して実施してまいりました。京都婚活は毎回募集人数を大幅に上回る応募をいただき,多くの方から,この事業が結婚を考え行動する第一歩となったと聞いており,めでたく御結婚された方もおられます。また,この事業をモデルといたしまして,NPO法人など様々な民間団体や区役所によります地域に根差した婚活イベントも開催されるようになり,御指摘の点に関しましても,それぞれの事業に対して主催者からの御要望に応じて行政としての可能な支援を行っております。平成26年度からは,これらの民間団体からの支援を求める声にお応えし,またこうした団体がお得意とおされるきめ細やかな取組に期待して補助金制度を創設したところでありまして,工夫を凝らした様々な婚活イベントやセミナーについて申請をいただいており,要綱に基づき適正に交付決定をいたしたところであります。今後もこの補助制度等を通じまして積極的に各団体の支援を行い,結婚を望む方の出会いの場を広げるとともに来年1月開催予定の婚活に係るシンポジウムなどによりまして,一層効果的な婚活支援の在り方を探ってまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) 次に,市政一般について,香川佐代子議員に発言を許します。香川議員。 〔香川佐代子議員登壇(拍手)〕 ◆(香川佐代子議員) 中京区選出の香川佐代子と申します。まずは,伝統ある京都市会本会議での代表質問の機会をお与えいただきましたこと,諸先輩方に心から厚く御礼を申し上げますとともに,先輩議員である橋村芳和議員,大西均議員に引き続き,自由民主党京都市会議員団を代表し質問させていただきます。 私は,中京生まれの中京育ちで,小学校校区は和装着物業界の商家が軒を連ねる活気ある室町の呉服問屋街として何百年の昔から栄え続け,その近隣町には,着物に携わる各種の職人さんが職住一体を成し,コミュニティの発展したまちで,それはそれはにぎやかな地域でしたが,高度成長の後の一大建築ラッシュ,車社会の到来により,瞬く間に狭い道路に車があふれ出しました。そして昭和から平成の時代に掛け,新世代の若者は,親の仕事を継ぐことなく次々と他都市へ飛び立ち,独立世帯を成し,今,地域の多くの家庭は高齢化世帯へと変わり,ちゃぶ台を囲んだ家族団らんの場は過去のものとなりました。世相の流れは,いの一番に着物離れとなり,和装産業は営業不振に陥り,規模縮小から社員のリストラ,倒産,廃業へとドミノ倒しのごとく,悪しき流れは室町の問屋街のみならず,地域の着物制作工房の各種の職人,また,まちに寄り添い営んできた零細小売店も,高齢化といった地殻変動を来し,祇園祭を支えた由緒あるまちには多くのマンションやオフィスビルが林立し,昔ながらの地域コミュニティが発展したこのまちは,取り返しのつかない状況になりつつあります。 また,中京区全体では人口の増加が続いているにもかかわらず,各学区自治連合会の加入登録者の大幅減,つまり,新たに建ったマンション住民の多くの方々は町内会に加入せず,学区事業に参加されないといった問題があります。地元自治会ではあらゆる努力をされておられますが,今も新しいマンションが次々と建ち,小,中学校の生徒の新,旧住民の比率は年々拡大し,市民しんぶんも受取りを拒まれます。このままの状態が進行し,昔からの在来人口の減少が進めば,京都市の各学区にある自治連合会及び各種団体活動も役員の高齢化により機能不能の状態になりかねません。方丈記に同じような言葉が出てまいります。「昔ありし家は稀なり,所も変わらず,人も多かれど,いにしえ見えし人は,二,三十人が中に,わずかひとり,ふたりなり」と。時代の変遷とは,こういうものでしょうか。新築については,京都市の相次ぐ建築基準条例の規定と審査を経て,工事許可が下り,そこまでが行政の仕事ですが,後は地元との関係となります。御縁にて,この地に住むのであれば,やはり地元の自治会活動等に御理解いただき,積極的に参加していただくことを願います。 そこで,お伺いいたします。京都市では,平成23年に京都市地域コミュニティ活性化推進条例が制定されておりますが,今日の状況を踏まえ,更に一歩踏み込んだ対応を採るべきだと思います。市長,いかがお考えですか,お答えください。 次に,日本の伝統文化である和装着物の復活と将来の見通しについてお伺いします。昨年12月,日本の和食が世界無形文化遺産に登録されました。喜ばしいことです。この9月3日付けの京都新聞では,大工技術を無形文化遺産に申請する会の発足を伝えております。私は同じく,日本の和装着物一式も無形文化遺産として提案し登録申請されてはいかがかと考えます。過去,日本では,歴史と伝統文化の継承と選択を誤ったと思われる時代がありました。 一に,明治維新の大改革による旧弊打破の下,天皇を中心とする神道国教化政策にて廃仏毀釈を進め,富国強兵思潮に始まり,あらゆる分野での国の在り方を欧州文化の導入に求め,日本国民は国策に沿い,こぞって坂の上の雲を目指し駆け上がり,明治の末には驚異的な成長を成し遂げ世界の列強国となりましたが,余りにも急ぐ余り,多くの日本古来の精神も伝統文化をも忘却しました。フェノロサや岡倉天心の進言がなければ,貴重な美術工芸品の海外流出は限りなく続いたことでしょう。今,その多さに驚きます。 二は,先の敗戦後,米国文化の導入であり,衣食住に至るまで,アメリカナイズに憧れ,洋風化に酔いしれました。以降,日本経済の順調な回復と好景気時に国民生活は向上いたしましたが,民族衣装である着物は遠く彼方へ置き忘れられ衰退の道をたどっております。私が必要と思うのは,日本の生活の原点とその良さの見直しです。和装着物の復興と復活もその一つです。日本独特の四季,春夏秋冬,花鳥風月に親しむ自然との協調,季節をめで,自らの感性を楽しむための装いが着物であると思っております。男女とも日常着から冠婚葬祭の正装着まで,あらゆるTPOに適した物がそろっており,特に着物は日本女性の体形を見た目にも一番美しく強調できるように装う物であると信じております。近年,和装着物で京都を散策するのに,着物と小物一式を揃えたレンタル屋さんが増えてきました。喜ばしいことです。また,修学旅行生が列を成して男女ともレンタル着物姿で観光地へ向かわれるのを時々見かけます。そして,今年も祇園祭や京の七夕まつりでは,浴衣姿の若者をたくさん見かけました。京都はきもの文化の原点,観光客は「そうだ,京都に行こう」と入洛されます。門川市長は常々,「日本に京都があって良かった。住んで良かった,住み続けたい都」と自信満々に発信されておられます。そこでもう一声,「京都へ行って着物を着よう」と旅行者へ呼び掛けられるとともに,京都市民にも自信を持って和装着物の着用を奨励されてはいかがでしょうか。 また,更に取組を進め,例えば,小学校教育の一環として,京都の伝統文化にも焦点を当て,神社仏閣を見学させ,歴史と京都の良さをより学ばせ,中学校では,浴衣から和装着物の着付け指導し,それを身に付けさせれば,本人にとっても一生の宝物です。長じて海外や他府県に住もうが,自分のふるさと,山紫水明の京都を懐かしみ,年老いて再び京都に帰りたいと思われる郷土愛を子供の頃から育むことにつながるのではないでしょうか。今,男性で着物姿で職務に励んでおられるのは,神官と僧侶,更にもうお一人,全国の市長の中で我が京都の門川市長さんだけです。御公務の大半を和装着物でお勤めの門川市長,着物文化の将来をどのようにお考えですか。あわせてお聞かせください。 次に,日本楽器を取り入れた邦楽教育の実施についてお伺いいたします。20年前に,急激な少子化により私の地元中京区でも10の小学校が2校に統合され,私の出身校が廃校となり,その後,中学校も統合により廃校となりました。明治以来の地元の拠り所,核がなくなり悲嘆いたしておりましたが,幸いにして,京都堀川音楽高校が移転され,早や4年と8箇月がたちました。今では,地域にすっかり溶け込み,ニューイヤー,敬老祝い,クリスマスや音楽フェスティバルと様々なコンサートも開催され,学校と地域が一体となり,音楽を楽しみ,発展に地域も努力をいたしております。しかし,私は思います。明治維新時に外国の軍楽隊を招き,洋楽による式典や行進時に,夜会パーティ等に演奏し,以降すっかり日本の楽器演奏は影を沈めました。決して日本の音楽や楽器が悪いのではないと思っております。日本には芸能文化の粋,雅楽から能,狂言や歌舞伎,日本舞踊があり,また祇園祭の山鉾や,神楽舞,壬生狂言,六斎念仏,民謡など,今も奏でられるはやしは日本楽器です。それらの中に無形文化財や民俗文化財もあります。ただし,祇園祭のはやし方は皆,個人指導です。いちひめ雅楽会もしかり,それら楽器演奏を指導されておられる方々も公ではなく,個人指導では敷居が高く習いにくいものです。 そうした中,堀川音楽高校は日本で唯一の公立音楽高校であり,特にここは京都です。文化と芸術を重んじる都です。堀川音楽高校に邦楽部があってもおかしくないと思いますがいかがですか。京都には,歴史ある銅駝美高や京都芸大があり,したがい堀川音楽高校に市立の邦楽部門の新設をされ,日本文化芸能の歴史と保存研究,またその技の継承に寄与,貢献する学部があって当然と考えます。今,このまま野放しにすれば,近い将来,邦楽部門は消滅いたします。「故きを温ね新しきを知る」,京都市しかできないことですがいかがでしょうか。中央省庁にも働き掛け,文化庁誘致の布石として,1220年の悠久の歴史の中に生きる文化芸術の新光悦村を創設し,市内各所の団体に呼び掛け,新しい時代を築くべきと思います。京都三大祭りと共に,また各所に散らばる文化芸能の継承を後世にも伝えてこそ,京都の果たすべき使命と考えます。近くに京都芸術センターがあり,堀川音楽高校に邦楽専攻科が設置されれば,共存,共栄できると思いますがいかがでしょうか。あわせてお答えください。 次に,40年来の体振活動での経験から,今後行われる大規模な国際大会を見据えた今後のスポーツ振興の在り方についてお伺いします。スポーツ大好きの私は,若いときはママさんバレーで楽しみ,二順目の国体時には,スポーツ婦人普及員として参加,そして今は,地元体振役員で京都マラソンのボランティアとして毎年参加させていただいております。京都市では,平成23年3月に市民スポーツ振興計画を策定され,する,見る,支えるの三つの観点から様々な取組を行い,京都マラソンの開催をはじめ生涯スポーツ講習会や各種のスポーツ教室の開催など,市民が気軽に体を動かし,よりスポーツに親しめる環境づくりを進められています。そして,支えるスポーツとして,全国に類いのない伝統と実績を持ち,市民生活に深く根差した京都市体育振興会への活動支援や,市民に身近な存在であるスポーツ推進指導員の充実などに御尽力されるなど,この間の成果に対し高く評価し感謝もいたしております。 さて,今後,2019年のラグビーワールドカップ,2020年の東京オリンピック・パラリンピック,そして2021年の関西ワールドマスターズゲームズと大規模な国際大会が日本で連続して開催されます。この2019年からの3年間は,日本中がスポーツで盛り上がり,世界中から日本に注目が集まる大きなチャンスであります。折しも来年度は,京都市市民スポーツ振興計画の計画期間の中間年であり,計画の点検,見直しが行われると伺っております。私は,市民のスポーツへの関心がどんどん高まってくると思われ,これからの期間が非常に大切であり,この絶好の機会を計画の見直しにどのように生かすのかが大きな課題であると思っております。大規模な国際大会を一過性のものとして終わらせるのではなく,少なくともこの3年間に向けて何をどう取り組み,その結果として後に何を残すのかといった視点が必要なのではないかと考えますが,これまでの取組の成果等も踏まえ,どのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。 最後に,京都市動物園の将来像についてお伺いいたします。私には三人の孫がおります。夏休みにも来てくれます。来れば迷わず動物園に行きます。我が子のときは正直言ってゆとりがなく,その反省から,孫たちには動物の名前を覚えさせ,住んでいる国や気候風土まで学ばせ,そのうえで,それぞれの動物たちの全てに命のあることを学ばせたいと毎回意気込んでいます。孫たちは,大きなゾウやキリン,カバさんが第一の不思議です。近頃はおりの前の説明板が読め,動物の名前,その国名や生息地を子供のノートに控えさせます。園内のどこに何の動物がいるのかよく知っています。ゴリラのゲンちゃんが木の上で寝ているとか,カバのツグミちゃんはいつ来ても水の中から出てこないと文句を言っています。園内は安全ですし,車の心配もありません。好きな動物さんのところへ行きなさいと自由行動にします。その方が孫たちの学ぶ力になると思うからです。園内を十分に楽しみ,さて次は,他の遊園地と違い乗り物が少ないのですが,それでも喜んで乗っています。最後にグッズショップで一人一品ずつのお買物,蹴上から地下鉄で帰ります。 夜御飯の後は,ジイジの時間。世界地図,動物図鑑を並べ,書いてきた国を探させます。なぜそこにしかいないのかの説明,人と動物が仲良く住むのは難しく,本来ならば,大草原や,ジャングルで家族と一緒に住めばいいのですが,今は動物園でしか住めません。人間が動物たちの住んでいたところを取ってしまい,また,動物さんは強いから人間を襲えば危険ですから動物園でしか飼ってはいけないのです。人間が囲い,守っていかねばなりません。だから,ゾウさんやライオンさんは動物園にしかいません。 美都ちゃんは一頭では寂しそうでしたが,京都の門川市長さんがラオスという国の偉い人に会いに行き,京都の動物園に子供のゾウさんを4頭も贈っていただくことが決まり,つい先日,京都に来てくれました。来年の春には会えそうです。大切なゾウさんです。ゴリラのゲンタロウ君みたいに,この動物園で赤ちゃんが生まれてくれたら一番いいのにねとお話を聞きつつ孫たちは眠りに就きます。見学ノートは預かり,大人になったときに返してやろうと思っております。動物園は子供に夢を与えるとともに,いろいろなことを考えさせ,将来,環境問題,自然保護,動物愛護,同じ命を持つ動物たちのことや絶滅危惧種の問題にも心を通わせる情操教育の場です。人にも動物たちにも心優しく成長してくれればと願っております。 動物園は孫たちと行く,まだ見ぬ世界旅行です。すっかり美しくなりつつある園内は,飼育室も大きくガラス張りで,いろいろな方向から楽しめます。ベンチもたくさんあり,疏水の流れや,噴水の向こうのインクラインまで見渡せます。その疏水は明治の初期,京都に水と電気をもたらした偉大なる事業です。しかし,現状では西の出口から帰られたら,わざわざ疏水記念館まで足を運ばれません。ですが本来,未来の京都を担う子供たちにこそ,知っておいてほしい記念館のはずです。そこで御提案です。園内からの通路や白川に階段を架けるなどし疏水記念館に直接見学に行けるようにすれば,もっと入館者も増えるのではないでしょうか。リニューアルするこの時期に合わせ,動物園を単なる一公共施設にとどまらせず,周辺施設との相互連携を更に進めるべきと考えますが,こうした動物園と疏水記念館の連携の在り方を含め,どのようにお考えでしょうかお聞かせください。 動物園は大人も楽しいところです。ゾウさんも一日も早く京都の気候や食べ物,施設に慣れ,桜の咲く頃,子供たちと笑顔でいっぱいの動物園にしてください。動物さん,飼育員さん,関係者の皆さん,ありがとうございます。そして,疏水記念館共々,京都市民になくてはならない施設であり続けることを祈念いたしまして私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(中村三之助) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 香川佐代子議員の御質問にお答えいたします。 まず,地域コミュニティの活性化についてでございます。ただ今,香川議員の御質問をお伺いしながら,香川議員と同じく,京都の中京区で地域の方々に温かく見守られながら育てていただき,地蔵盆や祇園祭に心ときめかせていた子供の頃を懐かしく思い出し,改めて,地域のきずな,コミュニティの大切さ,そして和装産業等の振興の重要性を再認識いたしました。 本市では,平成24年4月に全国的に先進的な地域コミュニティ活性化推進条例を施行するとともに,平成32年度までの9年間を期間とする地域コミュニティ活性化推進計画を策定し,あらゆる機会を捉えた啓発をはじめ,共同住宅を新設する際の連絡調整担当者の本市への届出開示制度の創設など様々な取組を全庁挙げて,また市民の皆様と共に強力に推進してまいりました。そして,例えば平成24年度に創設した地域コミュニティ活性化のための助成制度を84の町内会やマンション管理組合等が活用されることにより,2年間で946世帯が新たに自治会,町内会に加入されるなど一定の成果を挙げているところであります。しかし,香川議員御指摘のとおり新築マンション等にお住まいの方の自治会活動が依然として低調であるなどいまだ課題が山積しております。このため,現在,学識者やマンション業界,地域団体の代表者などで構成する地域コミュニティ活性化推進審議会におきまして安心安全の推進,マンション住民や学生をはじめとした若年層の自治会等への加入促進など多角的な視点から現行計画の点検,見直しについて議論を開始していただいたところであります。来年度中の計画改定に向けまして更に議論を深め,より実効性のあるコミュニティ活性化に取り組んでまいりたいと考えております。 次に,和装産業の振興についてでございます。京都は,茶道や華道,日本舞踊等の和の文化の中心地であり,その中で洗練され磨き抜かれた西陣織や京友禅に代表される京都の着物は世界に誇る民族衣装であります。このすばらしい和装文化を次の世代に継承するため,本市では,需要拡大や後継者の育成,支援等の和装振興施策を幅広く実施してまいりました。また着物の着用機会を増やす取組として,伝統産業の日においてきものクラシックコンサートや,きもので乾杯などの多彩な事業を実施しているほか,市職員が率先して新年の仕事始めを着物姿での登庁,あるいは祇園祭を浴衣姿で迎えるなどの事業にも取り組んでおります。こうしたことも作用し,着物姿の若者や観光客も増えてまいりました。私は,和装文化を振興するためには,こうした取組に加えまして,着物に対する国民の関心を呼び覚ますことが重要であると考えております。そのため,今後,関連業界や経済界の皆様と連携し,着物のユネスコ無形文化遺産登録を目指し気運を醸成するなど積極的に取り組んでまいります。 また,香川議員御指摘のふるさとを愛する心を育てる教育も重要であり,浴衣の着付けなど子供の頃から京都の暮らしの文化に親しむとともに,2020年のオリンピック・パラリンピックに向けまして,子供たちが伝統文化,伝統産業を学び,英語を使って外国人観光客に京都の魅力を発信できるよう,伝統文化教育,英語教育の充実に努めております。 和装文化の振興は,京都市長である私の使命でございます。今後とも,この掛け替えのない世界の宝を後世に伝えていくために全力で取り組んでまいります。この面も含めまして,香川議員の幅広い活躍に敬意を表したいと思います。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(中村三之助) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕
    ◎副市長(藤田裕之) 私からは,2点,お答え申し上げます。 まず,市民スポーツの振興についてでございます。本市では,平成23年3月に市民スポーツ振興計画を策定して以降,スポーツをする,見る,支える,それぞれの観点から,施設整備はもとより京都が誇るべき財産である体育振興会,体育協会をはじめとする各団体と連携した事業の実施,誰もが気軽にスポーツを楽しんでいただける場の提供,プロスポーツ振興,スポーツを支える人材の育成などの取組を着実に推進してまいりました。そうした中,2019年から3年連続で国内におきまして大規模な国際スポーツ大会が開催されるこの機会は,香川議員御指摘のとおり,市民スポーツの振興に大きく弾みを付けるまたとないチャンスであり,これまで以上に市民の皆様のスポーツに対する関心や意欲を高め,スポーツに親しむきっかけとなるだけでなく,地域のきずなをも深める絶好の機会であります。来年度実施いたします振興計画の中間見直しでは,これまでからの取組に加えまして,こうした国際大会の意義等を十分に踏まえながら,子供から高齢者まで世代を超えて,また障害の有無を問わず誰もが共に汗を流せる仕組みづくり,ライフステージに応じたスポーツ活動の推進など新たな視点を盛り込んでまいります。これらの視点を地域での日常的なスポーツ活動に浸透させていく中で,市民の皆様の健康づくりを積極的に推進するとともに,スポーツを通して地域のきずながより一層かたく結ばれるまちづくりに,市民の皆様の御参画を得て進めてまいります。 次に,京都市動物園における周辺施設との連携についてでございます。香川議員御指摘のとおり,動物園の更なる発展のためには周辺施設との連携による魅力創出が不可欠であり,とりわけ疏水記念館との連携につきましては,昨年度に新たなグッズショップ等を備えました東エントランスを設け,また現在ゾウの森の整備を進めていることなど動物園の東側エリアが活性化する中でますます重要になると考えております。そのため,既に東エントランスの南側に確保されております疏水記念館への出入口につきまして,より分かりやすい標示の設置や動線の工夫を行うなどアクセスの向上につながる方策を検討してまいります。加えて来年は琵琶湖疏水が竣工125周年を迎え,春には疏水の船下りの試行実施も予定されていることを絶好の機会と捉え,共同での事業実施,広報に取り組むなど更なる連携を図ってまいります。来年度に再整備が完了しリニューアルした動物園が,生物の多様性や命の大切さを体感できる,近くて楽しい動物園として,これまで以上に子供からお年寄りまで幅広い市民の皆様に愛されるよう,教育プログラムやサービス向上等ソフト面の充実を図りますとともに,疏水記念館をはじめ生まれ変わるロームシアター京都,京都市美術館などの周辺施設や京都岡崎魅力づくり推進協議会等の関係団体とも十分に連携し,岡崎地域の活性化により一層寄与するよう全庁的に取組を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 生田教育長。 〔生田教育長登壇〕 ◎教育長(生田義久) 邦楽教育についてでございます。香川議員御指摘のとおり,生徒一人一人が日本の伝統文化や芸能を理解し,それらを尊重する態度を育成するとともに,文化芸術都市・京都において,こうした伝統を次代に継承していく取組の充実を図ることは極めて重要であります。こうした下,全国唯一の音楽専門の公立高校として,世界で活躍する音楽家の育成を目指している京都堀川音楽高校では,日本の伝統音楽への造詣を深めることが世界に飛躍する音楽家として必要な素地となるとの認識に立ち,2年生の全員が履修する科目である日本音楽史において,雅楽や琵琶等の日本音楽の歴史について学ぶ機会を設け,その伝統的な文化的価値への理解を深めるとともに,音楽表現にいかす能力を養っております。また,生徒全員が古典音楽や能,狂言,歌舞伎などの日本の伝統文化に触れる鑑賞学習も実施しているところであります。今後,三味線や琴などの和楽器を体験する新たな講座や科目,部活動としての邦楽クラブの創設を検討するとともに,我が国の伝統音楽研究の核となることを目指し活動を展開されている京都市立芸大の日本伝統音楽研究センターや若手芸術家の活動を幅広く支援し文化芸術の情報発信をされている京都芸術センターとの連携を深めるなど,京都の文化力を最大限にいかし更なる邦楽教育の充実に取り組んでまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) ここで,暫時休憩いたします。 〔午前11時44分休憩〕 〔午後1時01分再開〕 ○議長(中村三之助) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) 休憩前の一般質問を継続いたします。市政一般について,北山ただお議員に発言を許します。北山議員。 〔北山ただお議員登壇(拍手)〕 ◆(北山ただお議員) 私は,日本共産党議員団を代表いたしまして,市長並びに関係理事者に質問いたします。 衆議院総選挙が12月,間もなく行われます。今回の解散総選挙は,安倍暴走政治が,国民の世論と運動によって追い詰められての解散になったということであります。集団的自衛権行使容認,海外で戦争する国づくり,消費税の10パーセント増税,原発再稼働,沖縄辺野古に基地建設強行,雇用と社会保障の改悪など,どの課題を取っても国民の怒りと批判が広がっております。それに加えて政治とカネの問題が噴き出して,自民党の古い金権体質があらわになりました。日本共産党は,比例代表選挙でも小選挙区でも,参議院選挙に引き続いて躍進するために全力を挙げる決意でございます。 質問の第一は,消費税10パーセント増税を中止させることについてであります。安倍政権は,来年の10月から消費税を10パーセントにするとしていました。しかし,今年4月から消費税8パーセント増税の影響はどうでしょうか。国内総生産GDPは,7月から二月で年率1.6パーセント減少して,2四半期連続減少となり,国内はもとより国外からも景気後退が指摘されております。総務省が発表した9月の国民の消費支出は5.6パーセント減少であります。先ほどの報道では,10月の家計調査,これも1世帯当たりの消費支出は4パーセント減少で,7箇月連続のマイナスとなっているのであります。京都商工会議所の調査でも企業経営動向は4月から6月期で40.6パーセントが下降と回答されております。雇用の面でも,増えたのは非正規雇用労働者が123万人の増加ですが,正規雇用は22万人も減少しているわけであります。個人消費は2兆円以上も減っております。働く皆さんの実質賃金は15箇月連続で対前年比後退となっております。一方で,資本金10億円以上の大企業はもうけを7月から9月期で4兆円以上も拡大をさせております。アベノミクスは大企業や大資産家には巨額のもうけをもたらした一方で,貧困層が拡大する格差拡大を招いたのであります。安倍首相は,1年半後には景気がどうあろうとも10パーセントに増税することを断言しておりますけれども,そうなれば市民生活と京都経済に大変な打撃を受けることになりませんか。市長はどのようにお考えでしょうか,認識をお尋ねいたします。そして10パーセント増税は先送りの実施ではなく,明確に中止すべきと私は考えますが,市長はこの点をどのようにお考えになるでしょうか,あわせて答弁を願います。 政府は,さらに,外形標準課税を中小業者にまで対象を拡大しようとしております。外形標準課税は,賃金や資本金などに課税されるもので所得に関係なく赤字企業でも課税されます。現在資本金1億円を超える法人に適用されておりますが,これを中小業者にまで拡大しようとするものでありまして,赤字でも課税となれば,中小業者の経営は一層立ち行かなくなることは明らかであります。現在7割を超える企業が赤字と言われておりますけれども,零細な規模の多い京都経済にとっても大変な打撃を与えることは明らかであります。日本商工会議所や全国商工会連合会,全国中小企業団体中央会,全国商店街振興組合連合会の中小企業関係4団体は断固反対の立場を表明され,日本専門店会連盟や全国商工団体連合会などの中小業者団体,さらに全国労働組合総連合や日本労働組合総連合などの労働組合にも反対の声は広がっております。外形標準課税の対象拡大は京都経済を一層苦しめることになるという認識がありますか,市長の認識を伺うものであります。 次に,京都経済の振興について質問いたします。身近なお店がシャッターを閉め,お店がなくなって買物難民が問題になっております,京都はものづくりのまちなのに売上げは激減し後継者はなくなり,技術継承もできないなど深刻な事態であります。とりわけ西陣織物業界など存亡の危機になっているとの認識が必要であります。そこで,地域経済再生の道について三つの提案をいたしますので市長の見解を伺います。 第一は中小企業振興基本条例の制定であります。今年7月の国会で小規模企業振興基本法が制定されました。文字どおり小規模企業の持続的発展を掲げております。私は2月20日の代表質問で,京都市中小企業振興基本条例の制定を求めました。産業観光局長の答弁は,他都市の成果を検証し経済団体の意見を聴くなど引き続き検討を進めると答弁されております。しかし,国が法律をつくった下で地方自治体が検討しているだけでは前に進まないわけであります。具体化が迫られております。京都経済の厳しい今こそ,中小企業振興基本条例を実現すべきでありますがお答えをください。 第二は,ものづくりへの支援についてであります。10数年前,京都市が実施したものづくり調査では,京都は,4人以下の零細な業種が主流であることや経営,後継者,資金などにおいて支援が求められることが明らかになりました。残念ながら,今日に至るまで明確な支援体制がとられておりません。今こそ全国に広がる住宅リフォーム助成制度を制定して事業支援をすることが必要と考えます。既に実施している京都府与謝野町では波及効果が24倍にもなっていることをこれまでも紹介してまいりました。全国では実施している自治体が628市町村にも及んでいて,その効果は証明済みであります。さらに我が党議員団は高崎市に視察に行きました。そこで実施されております商店リフォーム助成制度についても調査してきたところであります。商店リフォーム助成制度は,店舗の改装,設備に掛かった費用の半分を助成するリニューアル事業です。高崎市の商工会議所副会頭を務める方のお話をお聞きしました。その方は,「商店街の活性化は全国共通の課題だが,その打開策を打ち出せないでいた。住宅リフォームに続くこの制度は金額的にも大きく,次の世代に胸を張って継がせようと後押しをしてくれる制度だ」と高く評価され,全国の注目を集めているのであります。今こそ,京都市において住宅リフォーム助成制度や商店リフォーム助成制度を制定して京都経済の再生に貢献すべきでありますがいかがでしょうか。 第三は,公契約条例の制定であります。その内容は,公共施設,公共サービスの充実で,お金を地域で循環させ地域経済の再生を図るということであります。公契約条例については,東京都多摩市や千葉県野田市,川崎市,相模原市など全国に広がっております。市長は,選挙公約で公契約基本条例を策定すると表明され,我が党は早期制定を求めてまいりました。今年9月29日の本会議で副市長の答弁では,「今年度は学識経験者や関係団体からの意見聴取等を進めており,これらを基に更に検討を進めていく」と答弁されておりました。もう3年近く経つのに内容も明らかにされておりません。本当にやる気があるのでしょうか。どのような検討をされたのか,その骨子を明らかにすべきではありませんか。公契約条例の基本となる地元発注や事業の質の確保,雇用者賃金の確保などを盛り込むことを強く求めておきます。待ったなしの厳しい京都経済において,早期に制定すべきではありませんか。市長公約としての責任を一日も早く果たされることを強く求めるものであります。 次は,災害に強いまちづくりについて質問いたします。昨年と今年は台風被害や豪雨による土砂災害被害が相次ぎました。昨年の山科における台風18号の被害対策についてお聞きいたします。山科区では,床上,床下浸水229件,土砂崩れ,冠水,倒木,落橋,山腹崩壊などと共に地下鉄東西線,京阪京津線の不通,牛尾道の崩壊など市民生活に大きな被害と影響を受けたのでありました。それは,京都府の管理河川の四ノ宮川,安祥寺川,旧安祥寺川の氾濫と浸水が原因でありました。河川改修の遅れが災害発生の一因であることは明らかであります。昨年11月26日に開かれた宇治川圏域河川整備検討委員会で,京都府は,安祥寺川,四ノ宮川は近年氾濫等による大きな被害がなかったということで,実施時期としてはすぐ着手しないという整理をしていたと河川整備に対する判断の誤りによる整備の遅れがあったことを認めております。さらに,京都府管理河川について,京都府議会で我が党議員がただしましたところ,京都府の資料で四ノ宮川の河川改修率はゼロパーセントで,全く実施されていないということが明らかになりました。私は,地元関係者の方々と京都府土木事務所に改善の申入れに行きました。担当者の方は,「多額の財政が掛かる,費用も掛かるので待ってほしい,検討中」との回答でありましたが,同席された地元の方から,「私は20年来住んでいるが,改修する話は聞いたこともない,20年間ほっておいて今更検討などと言われても納得いかない」と怒りの声でありました。京都府が,河川改修率は全国で41位,河川改修予算も平成10年では約233億円だったものを25年度には96億円に削減されておりました。市長は,京都府に対して,どのようにこれまで要望されてきたのでしょうか。しっかりと改修を求めて,一日も早く安全な山科にしていくことを求めるものであります。市長の明解な答弁を求めるものであります。 次に交通問題についてお尋ねいたします。二つの要望と二つの質問をいたします。要望の第一は,現在のバス待ち環境の充実を着実に進めることであります。バス停のベンチや上屋の設置をもっと進めること,バス接近表示システムを今後2年間で200基を設置する計画の達成,路線についても住民要望のある地域について積極的な検討と実現を求めるものであります。第二の要望は,市内一円を均一区間に設定してサービスの拡大を図ることであります。昨年,嵐山まで均一区間の拡大があり,利用者の皆さんは歓迎されております。しかし,市内で調整区間は数多くありますから,1日乗車券や企画券が利用できないことに対する不便の声が多くあります。市長は,京都市が観光都市として世界一になったとよく言われるわけでありますが,観光客が京都に来てみると日本一高い初乗り運賃や複数の運賃制度では困るのではありませんか。均一区間の拡大について,これまでの答弁では民間バスとの調整を理由にされていますが,積極的な調整をされて実現することを強く求めるものであります。 質問の第一は,民間バス地域におけるサービスの拡大です。私の住む山科区には市バスがなく,私は,一貫して市バスの継続を求めてきましたけれども,民間バスになっても必要なサービスを行うことを求めてまいりました。この間,バス停の1箇所が新しい上屋になったぐらいで大きな進展がありません。今後,鏡山地域で実現した路線のダイヤを増やすことや小金塚でのバス路線の具体化,山科東部や南西部などにおけるバス路線の設定など住民の声が実現されるよう京都市,区役所,交通局,都市計画局などの努力を求めるものであります。御答弁を願います。 質問の第二は,公共交通優先のまちづくりについて,とりわけ実効ある車の乗入れ規制についてであります。京都市は,歩くまち・京都総合交通戦略により,自動車分担率を20パーセントにすることを目標にパークアンドライドや優先レーンの設定,府警との協力で優先信号などに取り組まれてまいりましたが,肝心なことはいかにして車の乗入れを規制できるかということであります。京都市は,今年から京都のまちの活力を高める公共交通検討会議を立ち上げて検討されているわけでありますが,学者や専門家だけにとどまらない市民,利用者などの声をきちんと制度的に聴く場を設けていくべきではありませんか。市民の声をどう取り入れていくのか,流入抑制とあわせてお答えください。 最後に,日本を戦争する国づくりに進める集団的自衛権行使容認と特定秘密保護法についてであります。集団的自衛権とは,我が国が攻撃されていなくても海外で武器を取って戦闘行動に入ることができるというものでありまして,日本防衛ではなく海外で戦争ができるということであります。安倍政権は閣議決定を行うと,国会の議論もされず,ましてや主権者である国民の声も聴かず,日米軍事協力のガイドラインの再改定に向けて突き進んでおります。中間報告は,集団的自衛権行使の閣議決定を適切に反映するとしたうえで,従来のガイドラインにあった二つの制約を取り払うものとなっております。第一に,従来のガイドラインは,周辺事態の際に日米軍事協力をするという建前でした。ところが中間報告には「周辺事態」という言葉がなくなっております。これは,地理的な制約を一切なくして,地球の裏側まで行ってアメリカ軍と一緒に戦争をするということにほかなりません。第二は,従来のガイドラインは,米軍への支援は,後方地域,非戦闘地域に限るとしていました。ところが中間報告では「後方地域」という言葉がなくなりました。従来の戦闘地域まで行って米軍と一緒に戦争するということであります。つまり,地球の裏側や戦闘地域まで行って米軍と一緒に戦争する,これがガイドライン再改定の正体であります。こんな重大な戦争計画を,国会での審議もせずに,米国との協議を先行させて勝手に決めてしまうということは,国民不在,国会不在,民主主義否定の最たるものではありませんか。日本共産党は,閣議決定を撤回して憲法の平和の原則をしっかり守り,平和の声を世界に発信することこそ国の責務であることを求めてきたわけであります。 京都市会において,この問題で我が党が質疑を行いますと,副市長の答弁では,「国において,しっかりと議論が進められるもの」と他人事のような答弁でありました。一旦武力行使の事態になれば,巻き込まれるのは市民であります。国民保護の名の下に,消防や交通,上下水道,医療,保健所などが総動員されていくわけでありますから,戦争への道に無関係という態度は許されないのであります。明確に平和を守ること,とりわけ憲法順守を明確に示すことが求められますが,市長は閣議決定の撤回を求めるべきでありますが決断はいかがでしょうか。 さらに,昨年国民の反対の声を押し切って強行された特定秘密保護法についてであります。政府は10月14日に運用基準と,その施行期日を定める政令を決定して,12月10日から施行することを決定しています。日本弁護士連合会は,市民の知る権利と民主主義を危機に陥れかねないとの会長声明を出して廃止を求めておられます。日本民間放送連盟は,多くの国民や報道機関の懸念が払拭されない部分が残されていると報道委員長の声明を発表されておられます。日本ペンクラブも,毅然と戦う覚悟であるとの談話を出され,これに対するパブリックコメントでも国民の知る権利が奪われ,政府のコントロールが許されてしまうという危険性を指摘しております。秘密保護法は,暗闇政治と戦争の道を開くことは明らかであります。秘密は国だけにとどまらず地方自治体に対しても情報が届かず,市民も自治体も知らぬ間に戦争に引き込まれてしまうことになります。市長の見解はいかがでしょうか。明確に秘密保護法の廃止を表明すべきと私は考えますがいかがでしょうか。 これをもちまして,質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(中村三之助) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 北山ただお議員の御質問にお答えいたします。 山科区の河川改修についてでございます。本市では,市内を流れる380の河川のうち340の河川を京都市が管理しておりますが,一昨年,宇治市等で発生した豪雨災害を受け,過去に浸水被害があった河川等を直ちに総点検し緊急対策を実施しました。その結果,昨年の台風18号の際にもこれらの河川では被害は発生しませんでした。現在,更に対策を進めております。一方,京都府が管理する四ノ宮川,安祥寺川,旧安祥寺川につきましては,台風18号による浸水被害を受け直ちに京都府に対策の実施を強く求めた結果,しゅんせつや通路橋の撤去等の応急対策が速やかに実施されたところであります。過日開催した府市懇談会においても改めて私から山田知事に対し,京都府管理河川の抜本的な浸水対策に早急に取り組むよう強く要請するとともに,今後も府市の緊密な連携と協力の下,浸水対策を推進することで合意しました。なお,国においては厳しい財政状況の下,全国的に河川改良予算が削減傾向にあります。そのため,国に対し予算確保の要望を毎年行っており,この度,国においては,今年度より総額170億円に上る桂川における緊急的な治水対策をおおむね5年掛けて実施することが決定しました。引き続き,国,府共連携しつつ,雨に強いまちづくりを推進し市民の皆様の安全を確保してまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(中村三之助) 塚本副市長。 〔塚本副市長登壇〕 ◎副市長(塚本稔) 京都経済の活性化についてでございます。本市の企業の99パーセント以上は中小企業であり,まさしく中小企業は地域経済と雇用を支える京都の宝であるとの認識の下,本市では,成長と下支えを両輪とした支援に全力を挙げてまいりました。また,従来から経済情勢に応じた適切な支援策を実施しており,今市会におきましても急激な円安に伴う原材料の高騰等の影響を緩和するための補正予算案を提案しているところでございます。御指摘の中小企業振興条例につきましては,今年6月に制定されました小規模企業振興基本法の趣旨を踏まえまして,引き続き他都市の事例を検証しながら検討を進めてまいります。 次に,住宅や商店のリフォームにつきましては,市民の皆様が住宅の耐震化,省エネ化を目的とした改修をされる場合に助成しておりまして,今般,より多くの方々に御利用いただけるよう,例えば下請が市内業者である場合でも利用ができますように改善したところでございます。また,市内産木材を活用した住宅に加えまして店舗におきましても,新築,増改築をされる場合に助成するなど,政策上の重要度,緊急度を明確にして,優先的かつ重点的に取り組んでおります。なお,外形標準課税の対象の拡大は,本市中小企業を取り巻く環境が依然として厳しく,その経営に大きな影響を与える恐れがあることから,引き続き中小企業への影響を注視し,国に対して慎重な検討と配慮を求めてまいります。 次に,集団的自衛権及び特定秘密保護法についてでございます。集団的自衛権の行使は,国民の安心安全と平和な暮らしという国家,国民の基本に関わる問題であることから,政府においては引き続き国民の声をしっかりと受け止め十分な説明責任を果たしていただくとともに,今後関連法案が審議される際には国権の最高機関である国会におきまして慎重かつ丁寧に議論を積み重ねていただく必要があるものと考えております。次に,特定秘密保護法につきましては,特定秘密の保護による我が国及び国民の安全の確保と国民の知る権利の保障,その両方の両立が図られる必要があると認識しております。そのため法律の運用に当たっては国において構築される秘密の指定や解除の適否を検証,監察する仕組みを十分に機能させることが重要であると考えております。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 小笠原副市長。 〔小笠原副市長登壇〕 ◎副市長(小笠原憲一) 山科区におけるバス交通についてでございます。山科区では,各地域における交通問題を解決するため,平成23年5月に交通事業者や区役所等の関係行政機関で構成する山科区公共交通利用促進協議会を設置いたしました。この協議会では,山科区の公共交通ネットワークの充実に向け,公共交通の利便性向上と利用促進を図るための取組を進めております。具体的には,鏡山地域におきまして平成25年3月から循環バスの実証運行を行っております。現在,本格運行の実現に向け,このバスを更に御利用いただくためのチラシあるいは時刻表を学区の全世帯に配付するなどのモビリティ・マネジメント事業を,地域の皆様の主体的な御参画の下に取り組んでいるところでございます。山科区の公共交通につきましては,今後ともこの協議会が中心となりまして住民の皆様のニーズをしっかり把握しつつ,市役所全体として地域と一体となった取組を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 堀池交通政策監。 〔堀池交通政策監登壇〕 ◎交通政策監(堀池雅彦) 自動車の乗入れ規制についてでございます。本市では,歩くまち・京都の実現に向け,市民の皆様と共に全庁挙げて取り組んでまいりました結果,移動手段で自動車の利用割合を示す自動車分担率は平成12年の28パーセントから24パーセントと近畿圏で最大となる減少幅となりました。自動車の乗入れ規制につきましては,嵐山地区において住民の皆様などと研究会を組織し,本年秋には新たに渡月橋の一般車両通行規制の実験にも取り組んでおります。また,8年間にわたり地元の皆様と検討を重ね今月着工いたしました四条通の整備につきましては,大都市のメインストリートの車線を減少させる全国でも先進的な取組と評価されており,自動車通行量の抑制につながるよう取り組んでまいります。議員お尋ねの京都のまちの活力を高める公共交通検討会議では,10年後の公共交通の在り方について専門的な見地から施策の洗い出しを行い,その後,市民の皆様をはじめとする幅広い分野の方々に御参画いただいている「歩くまち・京都」推進会議において御議論をいただいてまいります。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 後藤財政担当局長。 〔後藤財政担当局長登壇〕 ◎行財政局財政担当局長(後藤友宏) まず,消費税率の引上げについてでございます。今般の消費税率引上げは,社会保障制度を将来にわたり持続可能なものとするため,あらゆる世代が広く負担を分かち合い,国,地方を通じた社会保障に要する財源を安定的に確保していくために行われるものであります。本市経済は,全体として緩やかな回復基調にありますが中小企業の景気回復に遅れが見られることに加えまして,消費税率引上げによる影響や昨今の急激な円安による原材料価格の上昇等の影響が見られるところであり,全国的にも同様の状況にあると認識いたしております。このような状況の中,政府においては経済状況等を総合的に勘案し消費税率引上げを1年半延期することとされました。今後,その動向を十分注視してまいります。 次に,公契約基本条例についてでございます。本市では,「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画とその年次計画におきまして,公契約基本条例の制定を明記し,平成27年度までに条例制定に取り組むこととしております。昨年度,条例化に向けた課題を取りまとめた中間報告を公表いたしまして市会に報告するとともに,事業者へのアンケート調査を実施し,現在これらを基に経営者団体や労働者団体,学識経験者からの意見をお聴きしながら検討を深めているところであり,着実に取組を進めてまいります。また,本市の公共事業の発注に当たっては,京都経済の活性化のため条例制定を待つことなく従来から市内中小企業への発注に最大限努め,あわせてダンピング受注対策として最低制限価格制度の適用範囲を大幅に拡大するなどの入札制度改革を毎年度実施しており,今後も必要な取組を迅速かつ的確に実施してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) 次に,市政一般について,加藤あい議員に発言を許します。加藤議員。 〔加藤あい議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤あい議員) 左京区選出の加藤あいです。日本共産党市会議員団を代表して質問します。 まず,原発問題について伺います。安倍自民党,公明党政権は,原発事故の教訓を忘れ,全国の原発再稼働の突破口として,川内原発の再稼働を年明けにも強行しようとしています。巨大噴火への備えも避難計画もない何の保障も根拠もないまま安全だと強弁して突き進もうとするもので,正に命と安全が置き去りにされようとしています。今も福島では12万人を超える方々が避難生活を余儀なくされ,事故の収束も原因究明もできていないのに再稼働など論外です。稼働原発ゼロは1年2箇月続いてきました。その間の国民の省エネ努力は原発13基分に当たると言われています。原発が稼働していなくてもやっていけることが証明されたのではないでしょうか。ドイツでは原発ゼロの決断をして,再生可能エネルギーの割合が,この10年で6パーセントから28.5パーセントへ飛躍的に拡大し,主要電源になりました。原発ゼロの立場に立ってこそ再生可能エネルギーへ大転換することができます。市長,今こそ原発ゼロの立場に立ち,再稼働に反対し,国に再稼働をやめるよう声を上げるべきです。 川内原発がある薩摩川内市の隣,いちき串木野市市長は,周辺自治体の意見も十分聴いてほしいと言い,姶良市議会は再稼働反対と廃炉を求める意見書を可決しました。原発から30キロ圏の周辺自治体に対して行ったマスコミのアンケート調査では,全体の54パーセントが周辺自治体の同意が必要と答えています。周辺自治体が同意なしに再稼働すべきでないという声を上げていることについて市長はどのように考えますかお答えください。 そもそも,アメリカでは事故時の住民の避難計画について規制委員会の認可を受けない限り原発を運転することができませんが,日本では住民の避難計画は審査対象ではなく,住民避難を想定しない規制基準になっています。次の焦点は高浜と大飯です。高浜原発は来春以降にも再稼働判断と言われています。このままいけば避難計画はどうあれ高浜原発を動かすということになるではありませんか。そこで問われているのは市長の立場です。先のマスコミアンケートでは,国の再稼働判断の審査対象に避難計画を含めるべきかどうかも問われましたが,市長は,含めなくてよいとお答えになりました。いざというときに逃げる手立てはどうあろうと動かすという国の姿勢になぜ物を言わないのですか。避難計画を再稼働の要件にしないで,どうやって安全性を確保するのでしょうか。国に対し避難計画を審査対象に含めるよう求めるべきです。いかがですか。 原発を廃炉にすることが最大の安全対策であることは言うまでもありません。しかし,原発はその特性から停止後も監視管理が必要です。原発事故の際に可能な限り被害を少なくする有効な避難計画を一刻も早く策定する必要があります。先般,国の原子力規制委員会において,放射性物質が煙のように大気中に漂って移動する放射性プルームへの対応を検討する検討チームが設置されました。しかし,10月に一度会議が開かれただけ。指針見直しが一体いつになるのか見通しが立っていません。本市の避難計画見直しも国待ちになっています。滋賀県の独自シミュレーションでは,大飯原発で福島第一原発並みの事故が起きた場合の放射性ヨウ素の拡散予測で,24時間積算甲状腺被曝線量が50ミリシーベルトを超える区域が京都府を越えて大阪の河内長野にまで広がりました。京都市右京区のほぼ全域と北区の一部は汚染度の高い100ミリシーベルトから500ミリシーベルトとなっています。UPZを半径32.5キロ圏域とする機械的対応では不十分であることは明らかです。独自に被害予測を行い,京都市全域を対象とした計画を一刻も早く策定すべきと考えます。いかがですか。 次に,「京プラン」実施計画について伺います。市長は,2期目当選されて以来,「京プラン」実施計画での市政運営を進めてこられました。4年間の計画期間のうち2年が過ぎましたが,その内容は大きくは二つです。一つは一部地域や施設への過大な税金投入を進める一方で,持続可能な財政と制度を口実にして市民負担を増加させていることです。昨年度だけでも京都市の公共料金を15億円値上げしました。保育料や市営墓地使用料など揺りかごから墓場までの値上げを行い,そして,今度は敬老乗車証制度を改悪しようとしています。二つ目は,民間でできるものは民間でとする行政の公的責任の放棄です。これまでに,市立看護短大の廃止,リハビリテーションセンター附属病院の廃止を決定されました。今後は,ごみ収集業務委託化を70パーセントにまで広げ,公営保育所6箇所の更なる民間移管を進めようとしています。いずれを巡っても,市民の反対の声が大きく上がっています。これは,市民にとって多大な痛みとなっているからであります。市民負担の増加と行政の公的責任の放棄,「京プラン」実施計画で進んだのはこの二つに尽きるのではありませんか。市長が幾ら市民生活を守る取組が進んでいると言っても,市民生活を守る点で大幅な後退となっているのは明らかではありませんか。いかがですか。ここまでで,一旦答弁を求めます。 ○議長(中村三之助) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 加藤あい議員の御質問にお答えいたします。 「京プラン」実施計画についてであります。徹底した市民参加の下に議論を深め市会の議決を経て作成しました京都市基本計画を実行するために,平成24年3月に策定した「京プラン」実施計画は,福祉,教育をはじめとする重点戦略の推進と,それを支える持続可能かつ機動的な財政の確立を目指すものであります。これに基づき,税収や地方交付税など一般財源収入が大幅に減少したままの厳しい財政状況の中にあっても,効率的な職員配置や徹底した事業の見直しで捻出した財源を活用することにより,「京プラン」実施計画策定後の3年間で社会福祉関連経費を170億円増額するなど福祉,教育の充実を図ってまいりました。具体的には,例えば保育料を本市独自に国基準よりも3割低い水準に維持しながら,保育所の新設等を積極的に推進し待機児童ゼロの実現をはじめ質,量共に全国トップ水準の保育環境を整備,充実してまいりました。また,介護保険施設や地域密着型サービスなど介護サービス基盤の整備も着実に推進しており,命と暮らしを守る取組が大きく前進しております。今後とも「京プラン」実施計画を着実に推進することにより,市民の皆様の安心安全な生活をしっかりと支えてまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(中村三之助) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 原発の再稼働についてでございます。原発再稼働につきましては,稼働の必要性を明らかにしたうえで万全の安全性を確保し,立地自治体だけでなく原発からおおむね30キロメートル圏の緊急時に防護措置を準備する区域,いわゆるUPZを含む関係自治体及び住民への十分な説明と理解が必要であると考えており,これまでから本市独自に,あるいは関西広域連合の一員として国に申し入れております。また,避難計画につきましては,国の責任においてその実効性を確認することが再稼働の判断に際して大変重要であると考えており,現に鹿児島県川内地域の避難計画につきまして,県,関係市町,内閣府及び環境省等が具体的かつ合理的であることを確認のうえ内閣総理大臣が議長を務める原子力防災会議の了承を得ております。 次に,本市の避難計画につきましては,全原発を対象に,国が統一的に実施した拡散シミュレーションを参考に定めたUPZ内の地域を対象に策定しております。その他の地域の防護対策につきましては,現在,原子力規制委員会が進めておりますプルームの影響を考慮したUPZ外の対策についての検討結果を踏まえて適切に対応してまいります。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 加藤議員。 〔加藤あい議員登壇〕 ◆(加藤あい議員) 「京プラン」実施計画では,2015年度以降には,社会保障と税の一体改革や地方財政制度全般にわたる改革で一般財源収入の増加を図るとしています。つまり,国の政策に期待して,京都市政の運営を進めてきたのです。しかし,その結果,地域の経済は大打撃を受けております。また,国民の権利としての社会保障が危機にさらされ,市民生活をますます厳しいものに追い込んでいます。「京プラン」実施計画そのものを撤回して公的責任を果たし市民の福祉増進を図る立場に立つことを求めます。 次に,公営保育所の民間移管について伺います。公営保育所において,新たに6箇所の移管方針が発表されました。現在23箇所の公営保育所を17箇所に減らすというものです。この方針に,子ども・子育て会議の幼児教育保育部会では異論が続出しました。パブリックコメントでは民間移管反対や慎重意見が99パーセントを占め,基本方針見直しを求める署名が10日間で1万4,000筆集められるなど多くの反対意見が出されました。これだけの意見があるのに,民間移管をあくまでも押し通すという姿勢は余りにも市民不在ではありませんか。 公営保育所の廃止は市民の行政サービスを後退させる重大な問題があります。第一に,障害を持つ子供たちの入所が保障されるのかという点です。これまでから,障害を持つお子さんの受入れについては,公営保育所が大きな役割を果たしてきました。現在,入所児童に対する障害児の割合は民間保育所では3.75パーセントですが,公営保育所では10.48パーセントとなっています。職員加配が公営の方が手厚いためであります。改定された方針では公民の配置基準の統一化が示されましたが,公営保育所の基準に民間の基準を引き上げるとは言わず,適切に見直すというばかりで,現状より後退し行き場のないお子さんや保護者を生むのではないかという疑念がぬぐえません。第二に,地域子育て支援拠点事業についてです。御家庭で子育てをしておられる保護者やお子さんへの支援でも公営保育所の役割は大きいものがあり,それが後退をするのではないかという点です。御家庭への訪問や子育て相談など専任の保育士を配置して行われています。ネットワーク形成で機能強化を図るといわれますが,全市16箇所の拠点事業を10箇所程度に減らすことになれば,対応範囲が広域化して支援が薄まることになるのではありませんか。第三は,保育士確保についてです。民間の認可保育所は今,保育士の確保ができないと悲鳴を上げています。ボーナスが出ない,賃金が低いなど極めて公的な仕事であるにもかかわらず,低い処遇でしか雇用することができない状況となっています。そして国の制度のみならず民間保育所のいわゆるプール制の補助金削減や改悪がその事態に拍車を掛けています。民間の認可保育所への支援を後退させておきながら,更に公営保育所の廃止により保育の現場から保育士としての豊富な経験を蓄積した公務員を追い出すなど,余りにもひどい話ではありませんか。市長は,こうした行政サービスの後退についてどのように考えるのですか。お答えください。 既に,三つの乳児保育所と二つの南区の保育所の廃止に着手されました。しかし,一つは何度も公募した後,結局移管先が決まらないままです。二つの乳児保育所は今年の4月から全面移管が始まったばかりです。つまり,民間移管がどのような影響を市民にもたらすのか検証は全く行われていません。先に指摘したように問題が山積しているのに民間移管の検証すらしないのですか。答弁を求めます。今でも1割しかない公営保育所を更に減らし,保育士確保も後退させる民間移管は中止すべきです。 次に,学校給食について質問します。今年の夏,党議員団で今治市へ地産地消の学校給食について調査に行きました。自校方式を基本として学校給食が実施され,調理場ごとに栄養士を配置し,独自献立方式で進めておられます。米飯給食は100パーセント今治産減農薬米を使用,週2回のパン給食でも多くが地元産小麦で賄われています。いずれも通常の食材と比べて割高になるので差額は市として補助されています。野菜は,今治産,県内産で78パーセントを占めています。給食の時間に校内放送で「今日の野菜は誰々さんが作りました」とアナウンスされるなど,生産者の顔が見える給食になっていると紹介がありました。有機農産物の使用についても一部の地域で取り組んでおられます。担当の方が,「大量に遠くから運んできたものの方が安い,でも地産地消を進めるためには割高であっても地元の食材を使う必要がある」と説明していたことが大変印象に残りました。食料の安全性と安定供給体制を確立する都市の宣言の決定や今治市食と農のまちづくり条例策定など市政の大方針として地産地消を掲げ,それを軸に農林振興課が学校給食を大きく位置付けられています。 京都市の学校給食の野菜使用は2013年度で使用量ベースで京都市産は0.45パーセント,京都府内産は42.7パーセントですから,食材の一括購入の在り方を検討するなど更なる工夫が求められます。地産地消の学校給食を更に大きく進めるために,教育委員会のみならず産業観光局も含め全市挙げての仕組みづくりを検討することを求めます。 学校給食における和食の検討会議の意見を元にした方向性と取組案も示されました。これまでから市民が求めてきた学校給食の食器の改善方向も示されています。アルマイト食器から,PEN食器などへの全校更新が早期にできるよう計画を持つこと,地場産業の業界とも連携し,ランチルームへの清水焼食器などの導入等を積極的に進めることを求めます。 また,中学校給食の改善が切に求められています。今,日本では子供の6人に1人が貧困に陥っています。7月の厚生労働省の発表では,子供の貧困率が過去最悪の16.3パーセントとなり,一人親家庭の貧困率は54.6パーセントにもなります。1日のうち,まともな食事は給食だけ,経済的な理由で,おなかいっぱい食べることもままならない子供たちが増えています。食育基本法では,子供たちが豊かな人間性を育み,生きる力を身に付けていくためには,何よりも「食」が重要であると位置付けられています。親御さんや生徒の選択に委ねるということでなく,教育として給食を位置付け保障していく,中学校給食にもそうした立場が必要ではありませんか。選択制の中学校給食から全員制の給食への転換が必要であります。自校方式の全員給食の実現を求めます。 最後に,左京区のまちづくりに関わって質問します。まず,北泉通への架橋についてです。橋の建設で立ち退きを迫られている松ヶ崎の地権者の方々は,「心配で毎晩眠れない」と御心痛の声を上げておられます。東側の養徳学区泉町ではどうでしょうか。交通量の増大について多くの不安の声が上がり,北泉通沿いの住民が次々出ていかれる状況が発生し,住環境が破壊されています。先日も,ここに橋を架けるのはやめてほしいと残っておられる住人の方から切実に訴えられました。8億円ものお金を掛けて,新たな橋を架けることについて反対意見があります。強行すれば,将来に大きな禍根を残すことになるのではありませんか。河合橋については安全対策を求める請願が全会派一致で採択されたにもかかわらず,抜本方策と耐震補強は2017年度以降の第二期プログラムでの検討にとどまっています。こうしたものこそ優先すべきであります。答弁を求めます。 また,左京区のまちづくりを巡って大きな課題となっているのが区役所の問題です。3年半前,区役所が吉田学区から松ヶ崎学区へと移転されました。私どもは,左京区南部への支所機能の設置など極めて不便な現状の打開を求めてきました。しかし,市長は,解決策を示すどころか,旧左京区役所跡地は売却,岩倉出張所は廃止,先般は旧区役所の駐車場跡地まで地元の意見も聞かず売却するに至りました。左京区の自治体要求連絡会で行った左京区民アンケートでは約2,000通の回答のうち7割の市民が移動に困る場所を区役所と回答しています。交通アクセスだけでも早急に行うべきとくり返し改善を要望してきましたが,採算性を理由にほとんど対策が採られていません。市民の行政サービスを受ける権利に関わる問題であり,改善は急務です。支所の設置を行うとともにシャトルバスを走らせるなど,予算措置も採り,一刻も早く改善を図ることを求めます。 以上,答弁を求めまして質問を終わります。(拍手) ○議長(中村三之助) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 引き続き,加藤あい議員の御質問にお答えいたします。 私からは,市営保育所の民間移管についてでございます。本市では,これまでから民間でできることは民間にお願いしながら,公民が一体となって増大かつ多様化する保育ニーズに応えていくという方針の下,市営保育所の民間移管を進めてまいりました。本年10月に改定いたしました基本方針に基づき,障害のある児童が身近な保育園においてより積極的に受け入れられるよう,市営保育所の加配の在り方も見直しつつ民間保育園における職員の加配を充実するとともに,市営保育所における地域の子育て支援拠点事業につきましても,広域的なネットワークづくりや子育て家庭への訪問事業等の実施により機能強化を図ってまいります。また,保育士確保につきましては,京都市保育人材サポートセンターを設置いたしますとともに,これまでから民間保育園に対しまして年間約43億円もの本市独自の補助金を投入し,全国トップ水準の保育士の処遇を確保しております。今後とも保護者,移管先法人,京都市から成ります三者協議会における意見や検証等を踏まえ円滑な民間移管に取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 藤原建設局長。 〔藤原建設局長登壇〕 ◎建設局長(藤原正行) 北泉通の高野川への架橋と河合橋の安全対策についてでございます。北泉通は,白川通と下鴨中通とを東西に結ぶ延長2,230メートルの都市計画道路であり,既に約92パーセントの区間が完成しておりますが,橋梁部を含む170メートルが未整備でありますため,地域の防災拠点でもあります左京区総合庁舎へのアクセスなど地域の道路ネットワーク機能が発揮できていない状況となっております。このため,周辺地域の多くの皆様からの早期完成を求める強い御要望に応えられますよう,なお一層,用地取得や整備に全力で取り組み,一日も早い完成を目指してまいります。なお,橋梁の改修は,第一次緊急輸送道路などの重要な路線に架かる橋梁を最優先で進めており,お尋ねの河合橋につきましては,これらの事業が完了した後に,歩行者,自転車の通行環境の確保などの安全対策を含めた整備を検討してまいります。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 西村公営企業管理者。 〔西村公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(西村隆) 左京区役所への交通アクセスについてでございます。平成23年3月に区庁舎の移転に合わせまして,百万遍方面から岩倉方面を結ぶ市バス65号系統の経路を新庁舎に接続するよう大幅に変更いたしますとともに,平成25年3月には出町柳駅方面と北山駅方面を結ぶ市バス4号系統を,南北両方向とも,左京区総合庁舎前バス停留所に停車するよう改善するなど区役所へのアクセス向上にできる限りの努力を行ってまいりました。御承知のとおり市バスはたくさんのお客様の御利用と採算性を基本とする路線バス事業を担っております。議員御要望の左京区役所へのシャトルバスなどの運行につきましては,運行に見合うお客様の御利用が見込めない中での新規路線の創設は難しいと言わざるを得ません。御理解いただきますようお願い申し上げます。 なお,先ほど答弁のございました北泉通への架橋につきましては,左京区役所へのアクセス向上にも大きく寄与するものと考えております。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 生田教育長。 〔生田教育長登壇〕 ◎教育長(生田義久) 学校給食についてでございます。小学校給食におきましては,これまでから,京野菜を使用した献立や京のおばんざい献立を実施するなど,地産地消や食に関する様々な知識を深める取組を進めてまいりました。本年4月には学校給食における和食の検討会議を設置し,日本の伝統的な食文化を子供たちに引き継いでいく取組について検討いただき,現在,市民の皆様からの意見を募集しているところであります。食器につきましては,既に希望する学校全てにランチルームで使用する強化磁器食器を配分しており,教室で使用するアルマイト食器につきましても,今後,より味わいを感じることができる食器への更新を検討してまいります。また,地産地消の観点から,産業観光局との連携の下,地域の農家の協力をいただき,児童が農作物の栽培から調理までの体験を行う取組を進めております。選択制中学校給食については,各中学校において円滑に運営され,ここ数年,喫食率も増加傾向にあり,施設整備費だけでも約200億円もの巨額の経費を要する自校調理方式での全員給食の実施は全く考えておりません。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) 次に,市政一般について,山岸たかゆき議員に発言を許します。山岸議員。 〔山岸たかゆき議員登壇(拍手)〕 ◆(山岸たかゆき議員) こんにちは。伏見区選出の山岸たかゆきです。民主・都みらい京都市会議員団を代表し,後の松下真蔵議員と共に市政一般について質問します。どうぞよろしくお願いします。 先日,議員団全員で合計113項目にわたる来年度の京都市予算編成に対する要望書を門川市長に提出しました。特に新規項目として福祉,教育分野を充実させ,来年4月の統一地方選挙のマニフェストも盛り込みました。門川市長におかれては,できる限りの予算への反映をよろしくお願いします。 さて,本市の向こう10年間の基本計画「はばたけ未来へ!京プラン」が策定されて間もなく4年となります。キーワードは市民の市政への参加と協働,門川市長がモットーとされる共に汗する共汗に相通ずるものですが,その核となるのが地域コミュニティの活性化であると考えます。以下,それに関連して3点質問します。 まずは,伏見桃山城の今後の在り方についてです。伏見の歴史と言えば,酒づくり,寺田屋や坂本龍馬といった幕末の歴史が想起されます。しかし,伏見のまちには豊臣秀吉と徳川家康が天下を治めたかつての伏見城を中心とする城下町という大変重要な歴史もあり,それを切り口に伏見のまちを今後更に活性化できるのではと私は常々考えておりました。そのためには,城下町伏見の歴史の中心であり伏見のシンボルである伏見桃山城をいかすことが必要不可欠です。近鉄から無償譲渡された後,耐震強度不足等により天守閣への立入りは禁止され,いまだ有効な活用策が見つかっておりません。 私は,昨年築城50周年を迎える伏見桃山城について代表質問したことを実行に移すべく,城下町伏見の歴史を広報しお城の今後を考えるきっかけを市民に提供しようと,この間市民有志と共にできることを実践してきました。まずは今年3月末完成の伏見・お城マップの取組です。かつての伏見城を中心とした城下町伏見の歴史や史跡を知り,楽しく散策していただく目的で作成しました。(パネルを示す)これがマップでございます。こちらが表紙で,伏見城にまつわるこぼれ話も掲載し,伏見桃山城の年表というのも分かりやすくまとめさせていただきました。それから,こちらがマップの本体でございますけれども,皆さん見えるかどうか分からないですが,かつての伏見城や城下町伏見の歴史を分かっていただこうと,そういうことをマップの中に掲載をいたしました。それと散策コースを定め,歴史や史跡を楽しく巡っていただく,こういうようなマップを作って配付をさせていただきました。伏見区役所の区民によるまちづくり支援活動「伏見をさかなにざっくばらん」,愛称ふしざくの取組を活用し,ふしざく参加の皆さん等に呼び掛け,チーム「お城マップ」を結成,当初は数名程度だったのが最終的には30名を超える市民の賛同と協力を得ることができました。ちなみに今後は,子供向けのマップを作成する予定です。 また,桜や桃が咲く4月6日,語呂合わせで「シロの日」にちなみプチ花見を企画,5月6日には,伏見・お城マップウォーキングを実施し150名の参加がありました。現在大河ドラマ「軍師官兵衛」の放映中ですが,9月3日,京都市の御協力で,酒どころ伏見にふさわしい「酒は飲め飲め飲むならば」で有名な「黒田節」誕生の地の駒札も建立しました。そして,取組の総仕上げに,9月7日,伏見桃山城周辺で伏見・お城まつりを開催しました。(パネルを示す)これがそのチラシでございますけれども,公共施設とか,それからお店,そして駅にもこれを置いていただき,そして商店街などでチラシを配付して,できるだけ多くの皆さんに参加をしていただくように呼び掛けさせていただきました。当日は大天守閣1階フロアの一部使用が認められたため,復元された黄金の茶室の公開やキャッスルランド時代の写真展,伏見城の各種歴史資料や金箔瓦など発掘品の展示,琴の演奏やお茶席などを催しました。一方,お城前広場では,太鼓演奏,殺陣のショー,伝統芸能,御当地ゆるキャラの競演,子供向け参加型ゲーム,ジャズ演奏,小学生写生教室など多彩な催しを実施しました。チームお城マップのメンバーを中心に実行委員会を立ち上げ,伏見区役所地域力推進室,文化市民局市民スポーツ振興室にも御協力いただきました。準備期間が5月のウォーキング終了後3箇月余りと短いうえに予算も非常に制約され,残暑厳しい中で提供する飲食物も制限されるなど様々な困難を伴いました。しかし,メンバー全員が一致団結して準備を進めた結果,動員目標1,000名をはるかに上回る約5,000名の方々に参加していただきました。また,門川市長にオープニングから御出席いただき,御挨拶していただくサプライズもありました。そこで,門川市長に伏見・お城まつりに参加された御感想をお伺いします。 この祭りは単に伏見桃山城築城50周年を祝うだけでなく,参加者の皆さんにお城の今後を考えるきっかけにと開催したことからアンケートを実施,530名の皆さんに御協力いただきました。それによると,当日は伏見区のほか伏見区以外の京都市内や市外からの参加が3割以上ありました。また,お祭りにはおおむね満足,中でも大天守閣1階フロアの公開に満足の方が8割以上ありました。そして,お城の今後の在り方については,補修して活用すべきと回答した方が実に9割近くあったことは大変心強く感じた次第です。ただ参加者が多く,お城へ続く道路で車の大渋滞が起こった点は今後の課題です。 以上,この1年間の数々の取組で実に多くの皆様に御協力いただきました。この場をお借りして心より御礼申し上げます。 平成15年1月末にキャッスルランドが閉園となり,近鉄から本市に無償譲渡された伏見桃山城。そのときから市民のお城となりました。天守閣を備えたお城は市内にはここしかありません。政令市でお城を所有しているところは様々な工夫をしながら維持管理に力を入れていますし,静岡市では駿府城天守閣の再建に数十億の予算を投じることが議論されています。伏見桃山城は補修が必要とはいえ既に存在しています。これを活用して伏見のまちの活性化に役立てていくべきではないでしょうか。市長の御所見をお伺いします。その際,これまでの担当部局内での検討ではなく,全庁的に,しかも広く市民に呼び掛けて伏見桃山城の有効活用を検討する機関を設置し,それを担うにふさわしい部局を再度検討すべきと考えますがいかがですか。 次に,市営住宅における地域コミュニティの活性化について質問します。本市の管理する市営住宅は,現在99団地,678棟,2万3,526戸あり,都心部周辺に位置する行政区への立地割合が高く,特に私の地元伏見区では全戸数の50パーセントを占めています。ここ10年間の入居状況の推移のうち入居者に占める65歳以上の割合は22.6パーセントから36.4パーセントと1.5倍以上となる一方,入居者に占める16歳未満の割合は15.7パーセントから11.5パーセントと3割近く落ち込んでいる状況です。本市平均のそれぞれ26.0パーセント,13.1パーセントと比較してもかなり進行しています。どの地域でも問題の少子高齢化が市営住宅において深刻な形で数値に表れています。それが自治会等の担い手不足を引き起こし,地域のきずなも弱まり,地域コミュニティの活性化に影響を及ぼしている状況です。この問題に対応し,市営住宅を持続可能で活気あるまちに再生するには,次の三つの取組が必要です。一つ目は,住環境が整備されていること。老朽化に対応した改善事業の着実な実施が基本となります。二つ目は,コミュニティバランスが取れていること。そして三つ目が地域コミュニティの活性化です。本市も現行の住宅マスタープランにおいて,コミュニティバランスに配慮,内外との交流や地域コミュニティ活性化機能の充実の方向性等が示され,その下での市営住宅ストック総合活用計画において団地再生計画を策定し,上述の課題に対応するとなっています。 これまでの取組状況ですが,住環境の整備については,建替えから既存住宅の活用に大きく方針転換し,厳しい財政状況の中で優先順位を付けながら進めている状況です。また,コミュニティバランスについては,平成20年度から,それまでの一人親世帯優先入居に加え子育て世帯優先入居の公募により,これまで合計約100戸公募した実績があります。地域コミュニティの活性化については,団地の集会所等を活用し,高齢者の集いの場の提供等は行われていました。そこへ平成24年度の地域コミュニティ活性化推進条例の施行に伴い,同年8月,市営住宅における自治会活動等に関する調査が実施され,それが先日の本市,京都橘大学及び醍醐中山団地町内連合会の地域連携事業に係る協定締結となって実を結びました。このように地域コミュニティの活性化に向けてようやくその第一歩が踏み出された状況です。 本市の取組は始まったばかりですが,住民が懸命に取り組んでいる事例も御紹介します。私の地元伏見区の向島ニュータウンでは,平成17年の向島駅前地域の空き地活用問題をきっかけに向島駅前まちづくり協議会が結成され,向島駅前まちづくり憲章が制定されました。その後,住みよい向島を共につくる一環として,住民の手づくりで当初は春,近年は秋の祭典が毎年開催されています。平成26年3月には,区役所予算を活用して第1回向島ニュータウン駅前健康福祉のまちづくりアンケート調査結果報告書がまとまり,課題に挙がった地域包括ケアが検討されていると伺っています。また,平成25年1月にオープンの京都文教マイタウン向島,愛称マイタウンMJは,商店街の空き店舗を活用して京都文教大学,京都市住宅供給公社,地域住民から成る運営団体により子供からお年寄りまで幅広く交流できる向島地域の新たなまちづくり拠点となっています。 ところで,約2年前,私は,主に再生可能エネルギーをテーマに京都市会海外行政調査団の団長としてドイツとスペインを訪問しました。その際,両国の調査先で社会的弱者に救いの手を差し伸べようと市営住宅の整備に力を注いでいるのが印象に残りました。そこでは省エネ改修を積極的に実施し,入居者の光熱費負担の軽減に努め,住環境を常に良好に保つことで治安対策も行い,それよって周辺地価が高く保たれ,税収へ良い影響をもたらしていると現地でお聞きして大変感銘を受けました。 そこで,どの地域でも大きな問題となっている地域コミュニティの活性化について,本市が住宅政策に直接関わる市営住宅において積極的に取り組み,懸命に頑張っている地域には十分な支援をお願いします。ここで本市のモデル事例ができれば他の地域に広がり,結果として本市の地域コミュニティ全体の活性化につながると考えます。住宅マスタープランも今年度末で計画期間の折返しに差し掛かり,来年度には中間見直しが完了する予定と伺っています。是非この機会を捉え,市営住宅における地域コミュニティのより一層の活性化に向け全力で取り組んでいただきたいと考えますがいかがですか。 最後に,自主防災会の災害対応力の向上と本市の指導力強化について質問します。近年日本において東日本大震災以降ほぼ毎年のようにどこかの地域で大規模な震災や水害,土砂災害などの自然災害が発生しています。本市においても昨年9月15,16日に掛けて台風18号が市内各地を襲い,幸い死者はなかったものの,広範囲で甚大な人的,物的被害をもたらしました。本市はこれらの自然災害を教訓に,その都度災害対策の総括を行い,将来起こり得る災害に備えています。その中で昨年の台風18号では,公助のみならず,共助,すなわち地域の災害対応力の重要性が改めて認識され,被害の減少につながっていることが特記されました。国においても,昨年12月,消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が施行され,地域の災害対応力の充実強化が規定されました。特に中核的な役割を担う消防団については抜本的強化を目指し,加入促進のほか処遇や装備,教育訓練の改善等がうたわれています。本市においても消防団の強化は重要な課題であり,消防団員の社会的背景も考慮しながら,今後ともその強化に取り組んでいただきたいと思います。 消防団のほか地域の災害対応力の主な担い手として,地域住民自らが防災活動に取り組む自主防災組織があります。本年9月30日現在で,学区単位の自主防災会が227組織,町内会単位の自主防災部が6,311組織です。これまで本市では自主防災部で災害時の防災行動をまとめた防災行動計画づくりが進められてきましたが,避難所の開設,運営など学区単位で行動する必要性に鑑み,現在,自主防災会ごとの防災行動マニュアルの検討が進められています。その際,各自主防災会が現段階の災害対応力を客観的に認識でき,そこを出発点に課題を生み出し,災害対応力の向上に目標を掲げて取り組む仕組みが必要ではないでしょうか。本市としても地域の災害対応力をきめ細かく把握でき,各自主防災会で求められている取組も明らかとなり,より的確に指導できることが見込めるからです。また,自主防災組織の指導体制ですが,自主防災会には消防署の隊長,副隊長クラスの防災指導責任者,自主防災部には消防署の隊員が複数担当する体制を採っています。過去の災害を教訓とした自主防災組織の課題として,避難所の開設,運営,要配慮者への支援,情報収集,伝達の在り方などが挙げられ,今後役割はますます重要になってきます。よって,担当する職員の指導力向上も欠かせません。今回の防災行動マニュアルづくりを通じ,自主防災会と自主防災部がより密接に連携し,学区全体として災害時にしっかり行動できるよう,それぞれの組織の役員を市長より委任するなど,本市の工夫に期待することもあわせて申し上げておきます。 以上,自主防災会の災害対応力向上と本市の指導力強化についてのお考えをお伺いします。 結びに,衆議院解散総選挙について申し上げます。アベノミクスで国民の生活は果たして良くなったのでしょうか。物価は上昇するものの賃金は上がらず,国民の多くは生活がますます苦しくなり格差は拡大する一方です。また,安倍政権は特定機密保護法案の強行採決や集団的自衛権容認の閣議決定など,国民不在で強権的な態度を採り続けてきました。今こそ流れを変えるとき。今回の大義なき解散を厳しくただし,我々民主党こそが国民本位の政治を実行し,国民の生活を真の意味で豊かにできる政党であることをしっかりと訴え,それぞれの選挙区で勝利するために,全力で戦うことをお誓い申し上げ代表質問といたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(中村三之助) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 山岸たかゆき議員の御質問にお答えいたします。 まず,伏見桃山城の今後の在り方についてでございます。伏見桃山城運動公園は,平成19年4月にオープンして以来,多くの皆様にスポーツを楽しんでいただく場であると同時に,天守閣周囲の庭園ゾーンについては散策などができる憩いの場として,また,各種のイベントや映画撮影のロケ地としても大いに活用されており,単なるスポーツ施設という機能だけでなく,お城のある運動公園として広く市民の方々に親しまれ御利用いただいております。去る9月の伏見・お城まつりに,私も参加させていただきましたが,実行委員会の皆様が,ひた向きに祭りの企画から運営に取り組まれているお姿に感激しました。このことは,正に区民の皆様と区役所がここ数年積み上げてきた,伏見をさかなにざっくばらん,ふしざくの活動などを中心とした市民参加のまちづくりの取組が着実に実を結んだものであると実感いたしました。また,伏見区役所においても地域の皆さんと共に8月に「伏見のシンボル伏見桃山城の50年」と題した写真,パネル展を開催するとともに,9月にはNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の放映にちなみ全国的に有名な民謡「黒田節」誕生の地の駒札を御香宮前に設置し,11月には京都一周トレイル東山コースに伏見・深草ルートを開設して伏見桃山城をルートに組み入れるなど伏見桃山城の魅力を発信する取組を行ってきております。今後も伏見のまちの活性化に資するよう,引き続き今回の伏見・お城まつりのように,お城を見て楽しむイベントを地元の皆様と伏見区役所関係局が連携しながら検討し実施していきたいと考えております。 天守閣の活用に当たりましては,耐震補強工事のみならずエレベーターや電気,水道などの設備整備に多額の経費を要することから,費用対効果を踏まえた活用計画の検討が不可欠であります。この間も,民間事業者から活用策について何件か打診があったところでありますが,現時点では,実現に至っておりません。こうしたことを踏まえまして,今後は更に広く民間から活用策を積極的に募るとともに,全庁的な視点で検討を進めまして,具体的に取りまとめていく中で,最も適切な担当部局を定めてまいりたいと考えております。 次に,市営住宅におけるコミュニティ活性化の取組についてでございます。近年,居住形態や生活様式の変化に伴い,地域住民相互のつながりが希薄になってきた結果,子育てや高齢者の生活の支援,災害時の活動等のために必要な地域コミュニティの活力が低下していっている,これが大きな原因であります。このことから,本市では,京都の宝である地域力,それを支える人間力をいかしてこの課題を解決するため,平成24年4月に地域コミュニティ活性化推進条例を施行し,地域コミュニティサポートセンターの開設など様々な取組を進めてまいりました。とりわけ市営住宅においては,市内平均と比べて少子高齢化が進んできており,コミュニティの弱体化が大きな課題となっております。このため,平成22年3月に策定しました京都市住宅マスタープランに基づき,多様な世代が共に暮らす団地づくりを目指して,子育て世帯の入居収入要件の緩和や優先入居の対象となる子供の範囲の拡大を内容とする制度改正を平成25年度に行い,入居の促進を図ってきております。また,団地の周辺地域との交流を通してコミュニティの活性化を図るために,団地の集会所を活用した団地内外の子育て世代や高齢者の交流促進にも取り組んでまいりました。さらに,この度,大学での講義だけでなく地域活動を通じて学生を育てていくという理念に基づき,地域貢献に極めて積極的に取り組んでおられる京都橘大学が本市と連携して,伏見区の醍醐中山市営住宅の自治会と共に地域自治活動を推進するという全国初の取組を開始できる運びとなりました。この取組は,醍醐中山市営住宅の実情と特性をいかし,地地コミュニティの活性化,市営住宅ストックの有効活用だけでなく,京都の強みである大学のまち,学生のまちという視点を加え,それらの政策の融合により推進するものであります。こうした取組については,全市の市営住宅の全世帯に配付している公営住宅ニュースで広く紹介し,各団地の自治活動の参考にしていただくとともに,活動の推進,充実に有効な手立てについて,自治会と一緒に考えてまいります。さらに,現在進めている住宅マスタープランの中間見直しにおきましても,その検証をしっかりと行い,熱心な自治会活動を支援する仕組みづくりなど新たな施策についても検討を重ね,市営住宅のコミュニティの一層の活性化に向けて取り組んでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(中村三之助) 小笠原副市長。 〔小笠原副市長登壇〕 ◎副市長(小笠原憲一) 自主防災会の災害対応力向上と京都市の指導力強化についてでございます。災害対応力の向上につきましては,阪神・淡路大震災を教訓に,町内版の防災計画である身近な地域の市民防災行動計画づくりを推進し,市内ほぼ100パーセントの自主防災部で策定が完了し,地域の集合場所での安否確認,あるいは避難誘導などについて一定の成果を挙げてまいりました。しかし,昨年の台風18号における市民の避難行動を検証した結果,より広域的に学区単位で設置いただいている自主防災会の防災計画の必要性が認められたため,地震,水災害,あるいは土砂災害の災害種別ごとの行動手順や,事前に備えておくべき事項について定めた防災行動マニュアルの策定について現在検討を進めております。山岸議員御指摘のとおり,自主防災会ごとの防災行動マニュアルを策定するに当たり,当該学区の災害対応力の現状を客観的に評価し認識していただくことは非常に有効であると考えております。具体的には,災害発生時にどこへ,どのルートで避難するのかといった避難体制や,消防,区役所からの災害情報をどのように住民に伝達するのかといった情報伝達体制などがどの程度策定できているのかを確認できるチェックシートを導入してまいります。これにより,自主防災会自らが災害対応力を把握し,弱いと判明した部分の充実,強化を図り,また消防職員がその部分を的確に指導することで自主防災会の災害対応力の向上を図ってまいります。本市の指導力強化につきましては,大学のまち・京都の特性をいかしまして,様々な災害に関する大学における研究者を講師に迎えた防災研修,さらには防災クロスロードやDIGと言われる災害図上訓練など効果的な市民指導の手法を習得するための職員研修を大学の専門家などと共に実施しておりまして,引き続き内容を充実させてまいります。近年多様化する自然災害への対応に当たりましては,避難所運営や要配慮者への支援など地域コミュニティに根差した自主防災会の役割がますます重要になってきておりまして,引き続き,消防局,区役所,あるいは関係機関と連携の下に職員の指導力の強化に努め,いざというときに自ら考えて行動できる自主防災会組織づくりを推進してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) 次に,市政一般について,松下真蔵議員に発言を許します。松下議員。 〔松下真蔵議員登壇(拍手)〕 ◆(松下真蔵議員) 私は,山科区選出の松下真蔵です。山岸たかゆき議員に続き,民主・都みらい京都市会議員団を代表し質問を行います。 まず,コミュニティソーシャルワーカーの導入についてであります。去る9月市会において,いわゆるごみ屋敷対策の条例が可決,成立しました。これまで解決が難しかった問題に対応する条例が出来たことは評価に値するものですが,現在市内において,このごみ屋敷問題以外にも子供の虐待,若者のひきこもり,お一人暮らしの高齢者世帯の増加,認知症高齢者の徘徊など多種多様な地域問題が顕著化しつつあります。中には制度の狭間や複数の福祉課題を抱えるケースも多く,既存の福祉サービスだけでは対応しきれない事象が生じています。その解決に向けた取組を行うために,昨今,全国の自治体でコミュニティソーシャルワーカーの導入や,また導入に向けた検討が進められています。コミュニティソーシャルワーカーとは,生活が困難な家庭や家族など支援を必要としている人や地域に対しての援助を通し,地域と人とを結び付けたり,あるいは生活支援や公的支援制度の活用を調整するためのコミュニティソーシャルワークを実践するものです。 先般,当議員団では,お隣の大阪府で行われているコミュニティソーシャルワーカー配置事業の視察を行いました。大阪府では,昨年度末時点で府下38市町村に154名のソーシャルワーカーを配置。これはおよそ中学校区単位を基準に,約7割の校区で配置を完了されたそうです。昨年度における個別相談件数は約9万件,公的サービスにつないだ件数は6,000件,各種サービスの利用申請支援の件数は3,300件と数多く,また導入したことによって困難な問題解決が図られた事案も少なくありませんでした。コミュニティソーシャルワーカーが大きな役割を果たしていると同時に,一方でそれだけ多くの対応が困難な問題が,今まででは潜在化していたということがうかがえました。今後は,現在行っている個別支援を地域支援に発展させ,要援護者を見守り支えるボランティアグループの組織化や,要援護者支援のための新たなサービス,仕組みの開発を通じたセーフティーネット体制づくり,また地域福祉計画や他の分野別計画の策定など福祉施策推進に向けた行政への提言を目指していくそうです。 近年,急速な高齢化の進展や雇用情勢の悪化に伴い,福祉課題を抱える要援護者が増加しているほか,児童虐待件数の増加や高齢者の孤独死に代表される地域での人と人のつながりが希薄な社会になるなど福祉を取り巻く環境は大きく変化しております。今後ますます要援護者と地域の社会福祉協議会,包括支援センター,NPO,民生児童委員,住民等との間の問題解決に向けたコーディネートの役割が重要となってくることは間違いありません。本市においても,要援護者を早期に発見し必要な事業につなぐといった機能の構築が求められます。真に必要な人に,必要なとき,必要なサービスがきちんと届くよう要援護者を見守り,生活上の課題を発見し,相談を受けながら課題解決や自立支援に結び付ける,地域の健康福祉セーフティーネットたるコミュニティソーシャルワーカーについて,これを本市でも現在の試行配置から一歩進め,計画的に推進すべきと考えますが,市長のお考えをお聞かせください。 次に,子供たちの自尊感情を高める教育についてお伺いいたします。自尊感情とは,自己に対する評価感情で,自身を基本的に価値あるものとする感覚と定義されています。幾ら勉強を教えても,自分自身に価値がある,将来,自分は社会の役に立つんだという思いを子供たちが持たない限り頑張って勉強しようという気持ちにはなりませんし,また教わったことも身に付きません。無力感のある子供たちが,登校したら教室ではなく保健室で過ごすということも近年珍しくなくなりました。我が国においては,子供たちは身体的な健康は他国よりも優れている反面,精神面での健康,あるいは幸福度といったものが圧倒的に悪いということが以前より問題となっています。児童精神科医の古荘純一先生は,その著書の中で,「現代社会のように,子供たちを取り巻く環境が激しい変化にさらされていたり不安定な社会情勢の中にあっても,なお自分が生きていく力を持ち続けるためには,自分が好きで自分を大切にする,自分の存在を自分で受け入れる考えを持つということが大変重要である」と述べられています。また自尊感情が保てないまま成人を迎えてしまうと,自身の学校や家庭を含めた社会での抑圧,無視,ときには暴力行為によって非常に傷付いて無力感を持ってしまい,その感情が処理できていないと,その抑圧された自分を大切にしたいというエネルギーが,より弱い相手である自身の子供を抑圧することにつながって手を上げてしまう。その被害を受けた子供は,また自尊感情が低下して,悪循環から脱却できないといったケースもあるそうです。 この様に,自尊感情は子供たちの健全育成において非常に重要なものではありますが,平成25年度に実施された全国学力・学習状況調査において,例えば,自分には良いところがあると思いますかといった複数の自尊意識や規範感情を調査する項目において,本市はいずれも全国平均を下回る結果となってしまいました。二代続いて教育長出身の方が市長を務め,また門川市長も教育分野には今でもかなり力を入れておられることを考えますと,非常に残念な結果と言わざるを得ません。これからの時代,少子化の流れはすぐには改善できるものではありませんので,より少ない若者が多数の高齢者を含む社会を支えていく必要があります。その少ない若者が自分自身にすら希望を持っていなければ,社会は一体どのようになってしまうのでしょうか。子供たちが自尊感情を持ち,また同時に他者のこともしっかり認められる教育に力を入れることが,今まさに求められていると私は考えます。門川市長には,教育長としての経験をいかして,是非積極的な取組を行っていただきたいと思う次第ですが,その決意をお聞かせください。 続いて,華やぎ支援事業並びにサービス事業推進室の今後の方針についてお尋ねいたします。かつて市職員による不祥事が多発したことをきっかけに,現業職の在り方を見直した結果,区役所,コミュニティセンター,本庁各課の作業員さんが集約されました。平成20年度から新たな事業としてリスタートを行って,現在78名の職員さんが美化活動や自転車のマナーの啓発,各種イベントのお手伝いなどに従事されています。この事業については,過去の委員会等の質疑の中で,民間でできることは民間で行うという大原則の中での当面の事業であるということが答弁されております。ただ当面の事業という位置付けの割には,今後の方針がはっきりしておりません。この間,この新たな事業になじめない方たちは早期に退職され,また逆に意欲のある方は中級事務職の試験を受けられて,平成25,26年度にそれぞれ1名の方が転任されたということであります。しかしながらまだ職員さんの中には30代,40代の若い方も19名おられ,この当面ということが,この方たちが定年退職するまでを指しているのかは定かではありません。 美化活動や啓発活動といった民間でも十分できることを公務員の仕事として今後も続けていっていいものでしょうか。残念ながら現在の業務内容が,給与が同程度である他の一般職員さんと同レベルの業務内容であるかといえば,甚だ疑問に感じるところであります。もちろんこの間,理事者の皆さんが様々改善に努められ,業務内容が少しずつ向上していっていることは否定するものではございません。ただ一方,非常に厳しい財政状況が継続することが予想され,特別の財源対策を毎年行い,また職員数の削減に取り組まなければいけない状況下では,今後も聖域なき改革を行わなければならないことは明白です。職員数がピーク時の3分の2となり,今後更に削減を進めれば,人手が不足する部署も生じるはずです。一般事務職をはじめとした,そういった部署への配置転換ができるように今から積極的に取組とサポートを行うとともに,配置転換や能力向上に消極的な職員さんに対しては,給与をもらう以上,それに見合った仕事をしなければいけないということを認識していただき,市民理解がしっかりと得られるようにしなければなりません。華やぎ支援事業並びにサービス事業推進室の在り方について,時代に対応した見直しを行い,今後の方針を再検討する時期かと考えますが御見解を答弁願います。 最後に,山科区に関連する質問を2点させていただきます。まず,今後のまちづくりについてであります。先般,第3期山科区地域福祉活動計画に基づいた地域福祉モデル事業として,ある学区で社会福祉協議会さんが安心安全の福祉のまちづくりを推進するためのアンケート調査を学区内の全世帯を対象に実施されました。そのアンケートの回収率は50パーセントと,この種の調査としては非常に高い数値となりました。これは関係各位の御尽力や山科区の誇るべき自治意識の高さの表れであると同時に,本市で2番目に高い高齢化率となった山科区で,それだけ多くの方が日常生活において,何らか困っておられること,課題と感じることを抱えておられるという表れかと感じました。住民の皆さんの生の声を調査,分析できた今回の事業は,私は非常に有意義であったと高く評価しますが,一方,行政としてはその声にしっかりと応えていく必要があろうかと思います。 このアンケートで調査された,地域で何とかしなければと思っていることという質問事項に対する上位3回答は,子供の遊び場や安心して過ごせる場所が少ないこと,災害や緊急時の連絡や避難のこと,一人暮らしの高齢者や高齢者夫婦世帯のことでありました。また,暮らしや福祉・医療の面での困り事や心配事という質問項目に対しては,同じく,老後のこと,生活費など,経済的なこと,家族の健康や病気でありました。つまり多くの方が,老後も安心して地域で暮らせる環境,子供たちが安心して成長できる環境を望んでおられる,そういったまちづくりを求めておられるということであります。 これはこの学区に限らず,山科区の多くの学区,地域で共通した思いであると私は思います。平成24年2月市会で行った私の今後の山科区の方向性に関する代表質問の答弁で,門川市長は,環境先進区として力を入れたいという趣旨を述べられました。もちろん今の時代,環境は非常に大切なことではありますが,区民の皆さんはそれよりもより身近で現実的な課題の解決を望んでおられます。平成23年度から始まった第2期山科区基本計画の中でも,山科区のまちづくりの課題の一つとして住民福祉の充実した安心安全なまちへということが掲げられておりますが,これらの課題を踏まえて,例えば子供たちの遊び場の確保であれば,民有地借上げによる公園整備など具体的施策でより一層強力に進めていく必要があるのではないでしょうか。また相談窓口や機関,施設で知っている利用した事があるものという質問では,多くの方が区役所や福祉事務所を挙げられており,これからの時代,その役割はより一層重要なものとなってきます。窓口での相談,サポート体制の拡充も欠かすことはできません。地域住民の要望に寄り添った今後の山科区のまちづくりについて,御答弁をお願いいたします。 2点目に,公共交通不便地域の解消についてお尋ねいたします。この件は山科区選出の各会派の議員が登壇する度に出ておりますが,言い換えますと,やはりそれだけたくさんの声が各議員に寄せられており,地域にとっては深刻な課題ということであります。私の地元である鏡山学区でも長年の課題でありましたが,京阪バスさんに強く働き掛けを行っていただいて循環バスを試験運行していただいたこと,また本格運行に向けての支援を行っていただいていることに私も感謝を申し上げます。御高齢者を中心とした大勢の地域の方からも喜びの声を聞いております。まだ1日2便の運行ですが,日によってはバス停に多くの方が待たれていることも見掛けるようになりました。本格運行に向け,引き続きの御支援をお願いいたします。 残念ながら一方で,まだ余り進展が図れていないのが小金塚地域であります。平成24年12月には1週間にわたって社会実験として試験運行が行われ,また本格運行に向けて私道の移管事業も行われております。現在,移管はおよそ6割進んでいるということでありますが,残りの4割についてなかなか進捗が図れていません。その原因として,所有者の方が私道を寄付することに難色を示されていたり,また開発から50年近くが経過し,所有者が行方不明のものも相当数あるということをお聞きしました。しかしながら路線バスを走らせるためには,何とかこの問題を解決していかなければなりません。難色を示している方に対し私道を所有し続けることのデメリットをしっかりと説明するとともに,所有者不明の私道の法的扱いについては何らか手段を講じなければなりません。所有者不明の私道は,これは小金塚に限らず他の地域でも今後維持管理の問題が生じることであろうと思います。小金塚地域のバス運行に向け,私道の残り4割の移管をどのような手立てで進めていくお考えかお聞かせください。 以上で私からの質問とさせていただきます。御清聴いただきまして,ありがとうございました。(拍手) ○議長(中村三之助) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 松下真蔵議員の御質問にお答えいたします。 コミュニティソーシャルワーカーについてでございます。コミュニティソーシャルワーカーは福祉の専門職として,制度のはざ間にある方や行政等の支援を拒まれる方お一人お一人に寄り添い,働き掛け,具体的な支援につなげることにより,社会的孤立等の解消に大きな役割を果たすものと認識しております。本市ではこれまでから,政令指定都市トップの充足率を誇る志の高い民生児童委員の方々や,本市独自の制度である老人福祉員など,身近な地域で親身になった相談や見守り等に取り組まれている皆様と,区役所,支所に配置したケースワーカーや保健師等がしっかりと連携し,京都ならではの高い地域力をいかした要援護者への支援を行ってまいりました。松下議員御指摘のコミュニティソーシャルワーカーにつきましては,地域あんしん支援員という形で今年度から京都市社会福祉協議会に委託して3名を試行的に配置しており,行政や関係機関等と共に支援方策の検討を行い,実効性のある支援に結びつくよう,これまで培われてきた地域力をしっかりといかし,日々取組を進めているところであります。こうした取組状況については,京都市社会福祉審議会と共にしっかりと検証を行い,今後の展開等を検討してまいります。 次に,自尊感情を高める教育についてでございます。松下議員御指摘のとおり,子供たち一人一人が,生まれてきて良かったと自分を大切に思う,将来人のために,社会のためにお役にたつ人間になりたい,なれるという自信を育むことが極めて重要であり,そのためには,学校での取組と共に親や地域が何より一人一人の子供を大切に個性を尊重し共に育んでいくことが重要であります。そうした中,本市では,子どもを共に育む京都市民憲章の理念の下,社会全体で行動の輪を広げ,学校,家庭,地域,更に企業等も一体となって子供たちの今と未来のために取り組んでまいりました。例えば,中学生が市内の3,700の事業所の御協力を得て職場ボランティア体験に取り組む生き方探究・チャレンジ体験推進事業等を通して,子供が社会の一員として自己の在り方を見つめる中で,自立心や自己有用感を育むとともに,「親が子どもの一番のファンになろう」を合い言葉とする親自身が学び育つためのPTAの研修など京都の地域力,文化力をいかした取組がまち全体で推進されてきております。こうした活動により,全国学力・学習状況調査の結果においても,本市の子供たちの自尊感情は近年改善されてきており,本年度については,全国を全体として上回る状況になってきております。今後とも,子供たちが自らを掛け替えのない存在と思い,同時に,他人を思いやる気持ちを更に高められるよう,市民ぐるみの取組を一層推進してまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(中村三之助) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 今後の山科区のまちづくりについてでございます。山科区は,豊かな自然に恵まれ歴史と伝統に彩られた地域の強いきずなと高い自治の伝統が息づくまちであります。こうした山科の強みを生かし,平成23年3月に山科区民の皆様の英知を結集して第2期山科区基本計画を策定し,区民の皆様と共に汗する共汗,協働による魅力あふれるまちづくりに取り組んでまいっております。この基本計画におきましては,五つの基本施策の一つに,保健,福祉,子育て支援の充実を掲げ,住民福祉の充実した安心安全なまちの実現に向けた様々な取組を地域の皆様と共に推進しているところであり,区役所と社会福祉協議会,地域包括支援センター等の連携による介護,医療の相談,サポート体制の充実や子供から高齢者まで誰もが気軽に集える居場所づくり等,住民福祉のより一層の充実に向けた取組を進めております。今後とも区内13学区の自治連合会,社会福祉協議会等の地域団体,関係機関と区役所が緊密に連携し,区民の皆様の相談,支援をはじめとしたまちづくりのネットワークの更なる構築に努めるとともに,区民提案・共汗型まちづくり支援事業予算等を活用いたしまして,地域の皆様の主体的な取組をしっかりと支援することにより,誰もが住みたい,住み続けたいと思っていただける山科区のまちづくりに取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 小笠原副市長。 〔小笠原副市長登壇〕 ◎副市長(小笠原憲一) 山科区小金塚地域の私道の本市への移管についてでございます。小金塚地域は,昭和40年代に民間事業者により宅地開発された地域であり,地域内の道路は,住宅の所有者がそれぞれ個別に所有権を持つ私道でありますが,将来にわたって維持管理していくことに不安を抱かれた地元の皆様方からの強い要望を受けまして,平成19年度から,土地の寄付を受け付けたうえで,本市が公道として良好に維持管理していくことを目指して取組を進めてまいりました。この取組に当たりましては,本市職員が自治連合会役員の皆様方と共に土地の所有者を個別に訪問し,本市の管理道路となることのメリットを説明することにより地域内の道路敷地約1,000筆のうち570筆の土地の寄付がなされたところでございます。また,地元の皆様からの要望が強い路線バスの本格運行には,想定される運行ルートの私道の本市への移管が前提となりますが,現在のところ対象となる124筆の土地のうち88筆の土地が寄付されております。今後とも,引き続き,地元の皆様と共に私道の本市への移管の取組をより粘り強く進め,早期の路線バスの運行の実現を目指してまいります。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 田中人材育成政策監。 〔田中人材育成政策監登壇〕 ◎人材育成政策監(田中照人) サービス事業推進室の今後の在り方についてでございます。サービス事業推進室は,区役所や,既に廃止いたしましたコミュニティセンターの作業員等を1箇所に集約し,その職員力を最大限に活用して様々な市民ニーズに応えるため平成20年度に創設したものでございます。創設当初から実施しておりますまちの美化活動,違法駐停車防止活動,自転車利用マナー啓発活動などにつきましては,府警など関係機関との連携を図る中,市民,観光客の皆様にも喜ばれ評価の声も多くいただいております。また,これらに加えまして,東山区の車いす観光マップの作成,違反屋外広告物に係る事前調査業務など,これまでの技能労務職の枠を超えた業務にも積極的に取り組むなど,日々,業務レベルの向上を図っております。その中で,職員自らが率先して京都検定を受験し,自己研さんに努める,あるいは大学近辺での自転車マナーの啓発等,職員の発案による新たな事業にも着手するなど職員の意識も大きく変わってきております。今後,そうしたマンパワーや,これまで蓄積されてきた事業ノウハウ等を最大限活用し,市民ニーズにきめ細やかに応えることができる新たな業務の拡充に努めますとともに,将来の職員数の縮減に応じた,より効率的,機動的な組織の在り方等につきましても引き続き検討してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) ここで,暫時休憩いたします。 〔午後3時0分休憩〕 〔午後3時25分再開〕 ○議長(中村三之助) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) 休憩前の一般質問を継続いたします。市政一般について,ひおき文章議員に発言を許します。ひおき議員。 〔ひおき文章議員登壇(拍手)〕 ◆(ひおき文章議員) 北区選出のひおき文章です。私は公明党京都市会議員団を代表して,市政一般について質問いたします。この放映を御覧いただいている皆様と共に,市政の課題について考えたいと思います。 私たち公明党は,11月17日結党50年を迎えました。これを機に,「大衆とともに」の立党精神を一層体現し,国民政党として更なる飛躍をしてまいります。公明党市会議員団としても,小さなお子さんから高齢者の方々まで,生き生きと安心して住めるまち・京都,世界があこがれるまち・京都の実現に向かって精力的に取り組んでまいりますので,よろしくお願いいたします。それでは質問に入ります。 1点目に,平成27年度予算編成方針について質問します。平成27年度予算は,門川市長2期目仕上げの予算です。市長選挙のマニフェスト,未来の京都まちづくりマニフェスト「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画の最終年度となります。 〔中村議長退席,井上副議長着席〕 ◆(ひおき文章議員) (続)2期目の仕上げに当たって,市政において何に力点を置くのか,市長の思い,決意等を市民に発信すべきです。例えば,安倍政権は,地方創生,女性が輝く社会等を新たなテーマとし,山田知事は府政運営の指針明日の京都の中期計画の見直しにおいて,少子化,防災に力点を置いています。門川市政平成27年度予算編成方針では,予算編成の基本理念として,1,人口減少社会への対応,2,京都で暮らす方,訪れる方,全ての安心安全を守る取組の加速,3,京都が誇る地域力,人間力をいかした参加と協働による政策推進を掲げています。特徴的であるのは,人口減少社会への対応が基本理念のトップに上げられていることです。予算編成方針の基本方針,基本理念のトップに人口減少社会への対応が来たのは初めてです。本市においても,人口減少問題が大きな課題であるとの認識が明確です。 そこで,まず人口減少社会への対応についてお伺いします。今年5月に民間の日本創成会議が地方自治体の半数を消滅可能性都市として公表した増田リストの衝撃が続いています。今後30年で若年女性が半減するとの試算結果が示された896自治体は危機感を強めながら対策を急ぐ構えを見せており,国も人口減少対策に改めて積極的に取り組む姿勢を打ち出しています。日本創成会議座長の増田元総務相が述べているように,我が国は人口急減社会回避に向け国と地方の連携が急務です。日本の総人口は平成20年の約1億2,800万人をピークに減少に転じました。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると,合計特殊出生率がこのまま1.4前後の水準で推移すると,平成72年(2060年)には現在の3分の2の約8,700万人まで減少するとされています。全国知事会も人口減少を国家の基盤を危うくする重大な岐路として少子化の非常事態宣言を採択するなど危機感を強めています。 京都府は昨年11月より京都少子化対策戦略会議を設置し少子化対策を検討しています。先ほど述べたように,府政運営の指針,明日の京都の中期計画の改定に向けた中間案では少子化に力点が置かれ,平成30年に出生数を平成25年より約1,900人増やして2万2,000人にするとの数値目標が初めて盛り込まれました。そして具体的な対策を推進するために,少子化対策条例を制定する予定です。京都市においては「京プラン」で,人口減少をできる限り食い止めるための政策を掲げ,全庁挙げて推進してきました。その取組もあって,直近の推計人口は約147万人と,「京プラン」を策定した平成22年度時点147万4,000人からは微減にとどまり,当時の推計に比べて多くの人口を維持できていますが,中長期的には減少傾向が進む見通しです。本市においても全庁的な推進体制を作り,京都市少子化対策条例(仮称)を策定して,多岐にわたる人口減少社会への対応策を具体的に強力に行うべきですが,いかがでしょうか。 次に,平成26年度財政収支見通しについて質問します。平成27年度予算編成の基本方針や,平成28年度以降も見据えた財政健全化の推進等の取組を進める大前提として,先般公表された平成26年度の普通交付税と臨時財政対策債の本市への交付額が,予算額を18億円下回るという厳しい状況にある中,26年度予算についても一層,適正かつ効率的な執行,経費の節減及び財源の積極的な確保により,決算黒字の確保に努めると述べられています。平成27年度以降につなげるためにも,一般会計はもちろんのこと全会計の連結実質収支の黒字を確保すべきです。現在この目標に向けて全力で取り組んでいますが,平成26年度予算の決算黒字の見込みはどのようになるのかお伺いします。 第2点目に,京都経済の活性化について,観光産業の振興とコンテンツ産業の活用について質問します。観光産業の振興については,先月10月に,従来の振興計画に代わり,新たに京都観光振興計画2020が策定されました。近年多様な面で日本の文化に対する世界の関心が高まっている中,平成32年のオリンピック・パラリンピックの東京開催が決まり,これから我が国は一層注目を浴びてきます。正に京都の文化を広く発信し観光産業を強力に振興する大きなチャンスです。この大きなチャンスをいかし,スピード感を持って取組を進めるための次期計画の前倒しでの策定には,観光産業の振興に掛ける市長の並々ならぬ決意を感じます。本市は,5,000万人感動都市を目指して取組を進めてきましたが,今回の計画では,更に進化させて,感動の先にある世界があこがれる観光都市を目指すことになります。市長の強い決意とリーダーシップの下,是非とも目的を達成してください。 今回の新しい計画で述べられているように,観光に取り組む意義は大変大きなものがあります。世界においては,近年,経済力と共に文化力,ソフトパワーが評価される時代となっています。正に京都は日本の文化力発信の中心であり,京都観光に求められる役割はますます拡大しています。世界で最も影響力を持つ旅行雑誌の一つ,「トラベル・アンド・レジャー」誌の読者投票で,京都市が1位に選ばれたことは,京都の持つ文化力が評価されたものです。また,観光産業は,正に総合産業であり,観光産業の成長は他産業への需要創出効果や雇用創出効果などをもたらし,地域の経済全体にとって非常に高い経済効果を期待できます。京都市では市内総生産の約10パーセントを観光産業が占めると推計されています。京都経済の牽引役として,安定的な雇用を創出し,税収の増加や都市格の向上を通じて市民生活の向上につながります。そのためには,世界や他の地域の動向も見据えながら,時代を先取りした観光振興に取り組むことが必要です。 このような背景のもとに策定された今回の京都観光振興計画2020は,従来以上に強化された体制の下,ダイナミックかつ確実に推進すべきです。そのためには,全庁挙げた体制かつ関係者,市民,観光客をも巻き込んだ体制で取り組むべきです。現在考えられている京都市の推進体制として,1,市民及び若手職員が参加する全庁的なプロジェクトチームを設置し,各取組の充実や新たな取組の検討など実施効果の最大化を図る,2,市民,社寺関係者,文化関係者,観光関連業界,地元企業,大学,学生,観光客などが,目標必達に向けて一丸となって取組を推進するとなっており,それぞれに期待される役割を明記しています。また具体的な計画目標も,観光に関する京都の観光消費額年間1兆円の達成など従来以上に積極的,挑戦的なものとなっています。これだけ広範にわたる体制で目標達成に向けて計画に掲げられた事業を推進するためには,条例の制定が必要ではないかと考えます。現在,産業観光局の個別分野の条例としては,京都市伝統産業活性化推進条例があります。平成17年9月に制定されたこの条例は,伝統産業が厳しい環境に置かれている中にあって,京都の伝統産業の重要性を再確認し,伝統産業の活性化が京都経済の活性化に大きな役割を果たすとともに,日本文化を世界に発信することを目指しています。当時の桝本市長は,平成16年の市長選挙において,伝統産業活性化のための条例制定を公約しています。私は,伝統産業と同じ重みを観光産業は持っていると確信しています。以上の点から,今後の観光産業の更なる発展のために,伝統産業振興の取組と同様に京都市観光振興条例(仮称)を制定し,事業の推進に強力に取り組むべきですがいかがでしょうか。 京都経済の活性化の2点目は,これから発展が期待できるコンテンツ産業を活用し,京都市の観光産業,伝統産業の魅力を国内外に発信すべきということです。アメリカはかつて世界恐慌を克服するために,映画産業に力を入れ,映画と共に自国の車や家電製品等を海外に売り込みました。映画の映像を通してアメリカ国民の生活に溶け込んでいる車や家電製品をアメリカンスタイルという自然な形で売り込み,世界市場の開拓に成功しました。アメリカの映画による世界戦略と同様に,京都は,漫画,アニメ等のコンテンツ産業を活用して,京都の観光や伝統産業並びにその製品を売り込むべきです。このことにより,アメリカの映画産業と同様に,特に作品の制作,国内外への発信を通して京都のコンテンツ産業の活性化,人材育成,雇用の促進を図ることができます。また海外の若い世代にもPRすることにより,若い世代に京都の魅力を知ってもらうとともに,将来にわたって京都のファンになってもらうことができます。このことは,外国人観光客の増加と共にリピーターの増加にもつながります。以上の点から,これから発展が期待できるコンテンツ産業を活用し,観光産業,伝統産業の魅力を国内外に発信すべきと考えますがいかがでしょうか。 第3点目に,安定した雇用の創出について質問します。国,京都府,京都市の連動した雇用対策の推進により,雇用環境は好転しています。「京プラン」実施計画の主な共汗指標である京都府の完全失業率は平成21年実施計画策定時の値5.2パーセントから25年は3.8パーセントと1.4パーセント改善し,27年の目標値4.5パーセントは既に達成し大幅に改善しています。有効求人倍率も京都府,京都市とも1.0倍を超えており,向上しています。しかし,雇用の非正規率は平成24年で京都府は全国平均を大幅に上回っており,京都市も政令指定都市中最上位となっています。この問題に対し,現在オール京都体制で取り組むため京都雇用創出活力会議があり,正規雇用3万人の拡大を目指して取組がなされています。今後の成果に期待します。 このような状況にあって,今後は若者,女性,高齢者,障害者等の視点から,きめ細かに雇用対策を推進すべきです。そこで今回の質問では,取組の強化が急がれます障害者雇用対策について質問します。障害者雇用を進めていく根底には,共生社会実現の理念があります。障害者がごく普通に地域で暮らし,地域の一員として共に生活できる社会を実現するためには,職業による自立を進めることが重要です。このために障害者の雇用の促進等に関する法律では,事業主に対して,その雇用する労働者に占める身体障害者,知的障害者の割合が一定率,法定雇用率以上になるように義務付けています。さらに,この法律では,少なくとも5年ごとに,この割合の推移を考慮して政令で定めるとしており,平成25年4月から障害者の法定雇用率が引上げになりました。民間企業の実績を見ますと,全国の1.82パーセントに対して,京都府は1.95パーセントと全国の数値を上回っていますが,今後更に雇用率の向上に取り組まなければなりません。本市においては,平成21年8月に設置された京都市障害者就労支援推進会議において,障害者就労支援事業を行っています。この会議の目標は,障害のある人が適切な支援を受けながら働くことが当たり前の地域社会をつくるため,京都市障害福祉計画に掲げた福祉施設から一般就労への移行目標,年間50人以上の達成や福祉的就労の底上げを図ることにあります。この目的に沿った事業を積極的に行い,福祉施設から一般就労への移行目標年間50人以上は大幅に達成しており,平成25年度の移行者数は121人となっています。今年度も目標は大幅に達成される見込みです。現状では,一般就労の促進と共に,一般就労後の職場定着が課題となっています。今後とも大変重要となります障害者の雇用の促進のために,障害のある方々の一般就労の促進を図っていくとともに,一般就労後の長期就労に向けた定着支援を強力に進めていくべきですがいかがでしょうか。また,第4次京都市障害福祉計画の策定に当たっては,これまでの一般就労実績を踏まえ,新たな目標を設定していく予定ですが,具体的にどのようにされるのかあわせてお答えください。 以上をもちまして,私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(井上教子) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) ひおき文章議員の御質問にお答えいたします。 人口減少社会への対応についてでございます。本市では,「はばたけ未来へ!京プラン」に,人口減少への対策を重視する方針を掲げ,子育て支援,教育の充実,経済の活性化と安定した雇用の創出,都市の魅力向上など,あらゆる政策を融合し総合的に進めてまいりました。その結果,ひおき議員御指摘のとおり,「京プラン」策定時の推計では,平成26年の本市人口は平成17年比2.2パーセント減となる144万3,000人と想定しておりましたが,現在0.4パーセント減の146万9,000人を維持しております。しかしながら,本市の合計特殊出生率が,全国平均の1.43を大きく下回る1.26と低い水準にあることを考えると,中長期的には極めて厳しい状況にあります。こうしたことから,現在,基本計画点検委員会において,人口減少社会への対応を重要な視点に据え,政策の総点検を行っており,今年度内にまとめていただく提言を,来年度策定する次期「京プラン」実施計画にしっかりと反映し,全庁的な推進体制の下,一層強力に進めてまいります。また,国が人口減少対策として進めている地方創生の動きもしっかりと踏まえ,かつて明治維新で都の地位を失い,人口が3分の2に激減する人口減少の危機を市民ぐるみで克服した京都から全国のモデルとなる取組を進めてまいる決意であります。なお,御提案の少子化対策条例につきましては,京都府が条例制定を検討されていることから,新たな二重行政が生じないよう,その必要性も含めまして研究してまいります。 次に,観光振興と観光振興条例についてでございます。ひおき議員御指摘のとおり,観光振興は,京都経済の活性化,安定した雇用の創出,伝統文化,伝統産業の維持継承を図る上でも,更には都市格の向上からも極めて重要な意義を持っております。私は,観光を産業にとどまらず,文化,芸術,教育,大学,農林業,福祉,環境,安心安全,景観,都市計画等あらゆる分野を横断する都市の総合政策,総合行政と考え,政策に横串を差すため,観光政策監を局長の上に置き,全庁一丸体制の下,観光政策を推進してまいりました。この間に,2010年に策定した未来・京都観光振興計画に掲げた116の事業全てに取り組み,本年7月には京都が世界一の観光都市と評価されるに至りました。ひおき議員の御提案につきましては,これまで以上に市民の皆様に観光産業の意義や効果を十分御理解いただき,市民ぐるみで観光振興に取り組むことが重要との御趣旨であると認識いたしております。観光振興条例の制定も一つの方策でございますが,御提案の御趣旨をしっかりと踏まえ,まずは本年10月に徹底した市民参加の下に策定した京都観光振興計画2020に基づく191の取組を市民の皆様と共に着実に推進し,世界があこがれる観光都市の実現に向けて全力を注いでまいります。 次に,障害のある方の就労支援についてでございます。障害のある方にとって,就労は,生きる喜びや自信につながる何にも代えがたい社会参加の機会であり,その支援が極めて重要であります。このため,ひおき議員御指摘のとおり,教育や福祉にとどまらず企業関係者やハローワーク等,幅広い分野の35の団体等と四人の学識経験者で構成する京都市障害者就労支援推進会議を平成21年度に設け,オール京都体制で取組を強力に推進しております。その結果,福祉施設から一般就労への移行については,現在の年間50名以上の目標を平成22年度以降4年連続で達成し,25年度では121名と21年度の28名から100名近く増加しております。さらに,今年度から,障害者職場定着支援等推進センター事業を本市独自に実施し,就労後の相談体制や仲間づくりの場を設けるといった定着支援についても充実を図ったところであります。今後とも,障害のある方の働く力,福祉施設や総合支援学校などの支える力,そして企業の雇用する力,この三つの力をしっかりと強化し取組を融合し,今年度策定する新たな障害福祉計画における数値目標については,現行の3倍となる150名をめどとして検討してまいりたいと考えております。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(井上教子) 塚本副市長。 〔塚本副市長登壇〕 ◎副市長(塚本稔) コンテンツ産業の活用についてでございます。京都市は,日本初のマンガ文化の総合拠点である京都国際マンガミュージアムや,マンガや映像を学問として学べる大学,また,世界的なコンテンツ企業が集積し,更には,我が国の映画文化を先導してきた歴史を有する正にコンテンツ文化の中核でございます。こうした強みをいかした産業振興を図るため,京都市では,平成24年度からマンガ・アニメの総合見本市「京都国際マンガ・アニメフェア」を開催し,伝統産業などとコラボした商品の開発,若手クリエイターの育成,支援などに取り組んでまいりました。また,フランス,パリで毎年開催されておりますヨーロッパ最大の日本文化の祭典ジャパン・エキスポへの出展などにより,海外においても京都のコンテンツ文化のすばらしさを発信してまいりました。ひおき議員御指摘のとおり,マンガ,アニメ,映画などのコンテンツは,見る者に言葉の壁を越えて分かりやすく伝える情報伝達の手段でもあり,産業として大きく発展する可能性を持っております。今後はこれまでの取組に加えまして,オリジナルキャラクターも使い,また,京都を舞台にしたマンガや映像などを最大限に活用して,若い世代を中心に京都の魅力を世界に向けて積極的かつ戦略的に発信することで,伝統産業や観光の更なる振興を図るとともに,京都のコンテンツ産業そのものの活性化,成長,発展にもつなげてまいります。以上でございます。 ○副議長(井上教子) 小笠原副市長。 〔小笠原副市長登壇〕 ◎副市長(小笠原憲一) 今年度の収支見通しについてでございます。まず,一般会計についてでございますが,市税収入はおおむね予算額を確保できるものと考えておりますが,これと並んで重要な収入であります地方交付税等につきましては,普通交付税と臨時財政対策債の本市への交付決定額が予算額よりも18億円下回る厳しい状況にあります。また,土地売却などの資産有効活用等による財源確保につきましても,予算額では50億円と見込んでおりましたが,来年度の収支見通しにおいて目標を30億円に下方修正せざるを得ないように見通しは非常に厳しく,大幅に予算額を下回ることが想定されます。現時点では歳入歳出とも不確定な要素も多い中ではありますが,徹底した経費の節減に一層取り組むことはもちろん,市税等の徴収率向上や土地売却収入の確保など,あらゆる方策を講じることにより,黒字の確保に全力で取り組んでまいります。 次に,公営企業等の状況でございますが,市バス,地下鉄の上半期の旅客数が前年同期よりも増加するなど現在のところ堅調に推移しております。引き続き,経営健全化を進め,全会計の連結決算についても黒字幅の拡大を目指してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(井上教子) 次に,市政一般について,津田早苗議員に発言を許します。津田議員。 〔津田早苗議員登壇(拍手)〕 ◆(津田早苗議員) 伏見区選出の津田早苗でございます。ひおき文章議員に続き,公明党京都市会議員団を代表して代表質問をさせていただきます。市長並びに関係理事者には誠意ある御答弁をお願いいたします。 まず初めに,アジアをはじめとする国際交流についてお伺いします。本年2月市会において,私は,インドは急成長を続ける経済国として世界中から注目をされ,経済をはじめ文化,観光など様々な面での交流が,日本にとっても今後大きな経済の拠点や市場になると思われると指摘し,インドをはじめ交流の薄い国々とのパートナーシティ交流の支援を積極的に進めるべきだと質問をいたしました。藤田副市長からは,これまで交流の薄かったインドをはじめとする国々の都市とも積極的にパートナーシティ提携を進め,教育,文化,経済をはじめ様々な分野における市民交流の促進に向け取り組んでいくとの御答弁をいただき,早速,8月末にインドのモディ首相が京都に来られ,安倍首相同席の下,バラナシ市と京都市のパートナーシティ提携に向けた調印式が行われたことはうれしい限りです。さらに,10月末には,小笠原副市長がインドで開催された第8回日印都市開発会議に出席され京都市の景観政策をPRするとともに,バラナシ市との今後の連携や交流活性化に向けた道筋を付けていただきました。歴史都市として文化,学術の交流はもとより,経済や環境保全,都市整備に係る支援など両国の発展に向け京都の知恵と経験を大いにいかしていただきたいと思います。 門川市長は,「第14回世界歴史都市会議の成果として,揚州宣言に歴史都市の責務として地球環境の保全,そして都市のグリーン成長に取り組むという内容が含まれたことは大変有意義である」と述べられています。11月5日から,イクレイ東アジア地域理事会が京都市で開催され,パートナーシップによる東アジアの持続可能な都市づくりを目指す京都宣言が発表されました。私が参加した京都環境シンポジウムにおいて,イクレイ東アジア事務局設立代表が,東アジアには世界人口の4分の1が暮らし世界の4分の1のGDPを生み出している,地球上の文明にとって東アジアにおける持続可能性は大変重要であると訴えていました。また,来年は,ラオス人民民主共和国と日本国外交関係設立60周年を記念し,両国の友好の象徴としてゾウ4頭が寄贈され,17日に京都市動物園に到着し,国内では珍しいゾウの群れ飼育による繁殖研究が始まることになりました。ラオスの首都ビエンチャン特別市は,経済的な開発やインフラ整備を進める一方,環境やごみ問題,下水道等の分野での協力要請があり,京都市職員や民間団体が支援に行かれたのも伺っております。まさに今,世界歴史都市のリーダーである京都の知恵と経験をいかしたパートナー交流が必要であると思います。今後アジアをはじめ世界の経済発展や環境保全に大きく貢献する京都市ならではの国際交流,国際協力をどのように取り組んでいかれるのか市長のお考えをお伺いします。 次に,世界一安心安全・おもてなしのまち京都市民ぐるみ推進運動についてお伺いします。私は,147万人京都市民が,毎日安心安全な生活を送ることができるまちを地域の皆様と行政とが手を携えてつくっていくことが大事であり,そのことがひいては世界からのお客様を温かくお迎えする優しさあふれるおもてなしのまち・京都につながると思います。本市においては,平成11年4月に施行された京都市生活安全基本条例に基づき,地域の皆様や京都府警察と連携をしながら様々な取組を推進してきた結果,平成25年の京都市内の刑法犯認知件数は2万1,326件と,ここ10年間で大きく減少してきました。しかし,京都府内で刑法犯で検挙された14歳から19歳の少年は,平成21年,人口1,000人当たり18.8人と全国平均12.5人を上回り,全国ワースト1位でありました。スクールサポーターの増員や府市教育委員会の人事交流などにより,平成25年には9.5人,10位まで改善されましたが,依然として少年非行情勢は厳しい状況にあります。また,本年に入って,自転車の盗難などの街頭犯罪や高齢者等を狙った特殊詐欺が多発しており,子供や学生,女性が被害を受ける犯罪も発生するなど社会的弱者を狙う犯罪が増加していることは重大な問題であり,決して安心できるものではありません。 こうした状況を踏まえ,本年7月31日に京都市長と京都府警察本部長が世界一安心安全・おもてなしのまち京都市民ぐるみ推進運動を締結され,地域の特性,課題に応じた行政区単位の犯罪防止に向けての取組を全区において実施することを決定されました。私の地元の伏見区においては,9月末現在ではありますが,刑法犯認知件数は2,734件で,自転車の盗難が610件,ひったくりが20件発生しているなど学生や女性が被害を受ける犯罪が発生しております。また,8月には向島地域で,連続放火事件という本当に痛ましい事件も発生しました。京都市がこれまで取り組んできた地域力,人間力をいかし市民ぐるみの運動を基盤に,国内外の旅行者に対し世界一安心安全なまちとしてお迎えするためのおもてなしの対策や学生のまち京都として学生が犯罪に巻き込まれない対策を行い,さらには,平成32年の東京オリンピック・パラリンピック等の開催に向け,一層安心安全なまちが実感できる結果を出していただきたいと思います。そこで市長にお伺いします。26年度中には先行実施行政区としてモデルとなる行政区を選定し,27年度以降,順次全区において取組を開始すると伺っております。改めて協定締結の趣旨と今後の取組についてお聞かせください。 次に,土木事務所と市民との協働によるまちづくり,ICTの活用についてお伺いします。現在,市民が道路の陥没等を発見したときは,住所や場所を電話やファクスで土木事務所に連絡します。それをどう処理してくれたのか,発信者に返事ができたのかという問題を解決するために,曽我修議員がかねてより提案しておりました,市民の皆様が地域のサポーター隊として危険箇所や改修箇所の情報を気付いたときに,時間や場所を選ばずメールで土木事務所に投稿していただき,土木事務所の職員はそれらの情報から発生箇所や現場状況を把握したうえで現場対応を行うというシステムの構築をし,市民の皆様との情報共有や相互理解を深めることで,公共土木施設の市民協働にもつながり,安心安全なまちづくりができると思います。 昨年,まちづくり委員会で他都市調査に行かれた千葉市では,スマートフォンなどの情報通信技術を使って市民が地域の課題を解決するちば市民協働レポート(ちばレポ)を昨年の実証実験を経て,本年9月から本格的に取組を実施しています。公園や道路の不具合いなど地域の課題を見つけた市民が,スマートフォンでレポートを送るとウェブに公開され,行政や他の市民らと情報共有できる仕組みで,行政の対応状況もリアルタイムにホームページで分かることができます。レポーターは11月25日現在で1,273人が登録し,道路の陥没や公園遊具の破損など393件のレポートが寄せられています。課題は,道路,公園,ごみ,その他の4分野で,対応状況は,受付済み(黄色),対応中(青),対応済み(緑)で色分けされており,それぞれのピンをタップすると詳細を見ることができます。そこで市長にお伺いします。スマートフォンをはじめとする情報通信技術の発展と共に,ここ数年の急激な普及を踏まえ,京都市においても,土木事務所で日常行われている従来の電話やファクスでの道路の補修等の通報に加えスマートフォンの活用など新たなツールを利用して,市民との協働による公共施設の維持管理にいかす方策を検討していただきたいと思います。そもそも京都は門掃きに象徴されるように,市民が自らのまちを守るという意識が昔から根付いてきた地域です。この市民力をいかし,京都らしい市民主体のまちづくりの推進に取り組んでいただきたいと思います。いかがですか。 次に,子ども医療費助成制度についてお伺いします。子育て家庭の経済的負担を軽減し,安心して子育てができるようにするため,保護者が支払う医療費の一部を支給する制度であり,大変喜ばれているのと同時に,年齢や制度の拡大してほしいというお声を多く聞いております。子ども医療費支給制度については,平成5年度より自己負担額が入院及び通院とも1医療機関月200円に設定し,ゼロ歳から1歳までを対象とした乳幼児医療費支給制度として創設されて以来,京都市においては,京都府とも連携し,これまで度重なる拡充をして,今日の対象年齢に拡大してきました。制度の拡充に当たっては,市会においてもこれまでから様々な議論を重ねてきたところであり,平成24年3月に京都市子ども医療費支給制度に関する決議を可決し,これを踏まえ,平成25年9月から医療機関の窓口での支払いを1医療機関1箇月3,000円までとする現物給付方式への改善ができました。 先月の京都府議会,決算総括質疑において,公明党小鍛冶議員の,「通院の医療費助成を中学校卒業まで拡大を早期に実施すべき」との質問に対し,山田知事は,「当面の目標は義務教育までとし,現在,検討部会において有識者等の意見を聞きながら検討している,システムの改修や住民への周知が必要であり,最短で27年9月ぐらいと考えている」との答弁があり,更なる拡充に向けた期待が高まっています。 少子化問題や人口減少問題に対応していくためにも,子育て支援施策の拡充は重要な課題であり,世帯状況や就労状況を問わず全ての子供を対象とした本制度の更なる拡充は,子育て世代の全てが待ち望んでいます。本来,子ども医療費支給制度は,子供の命を守るセーフティーネットとして,国の責任において実施されるべきものであり,現在京都市が置かれている厳しい財政状況を踏まえ,将来にわたり持続可能で現実的な制度として拡充していくことが必要です。市会決議において一年一年検証する中で,現実的かつ計画的な制度拡充を求めておりますが,京都市として,本制度の更なる拡充に向け,どのようにお考えかお伺いします。 最後に,地域包括ケアシステムについてお伺いします。我が国における高齢化が急速に進展する中,団塊の世代が75歳以上となる2025年を見据え,高齢者が安心して暮らせる地域社会を作り上げていくことが極めて重要な課題となっています。高齢化社会に対応するための医療,介護,住まい,生活支援が,住み慣れた地域で一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を進める上で,高齢者が必要な支援やサービスを利用しながら要介護状態にならないための予防や能力の維持向上に取り組むことが重要であります。京都市においては,第6期京都市民長寿すこやかプランの中間報告によりますと,2025年の65歳以上の人口は約43万人,高齢化率は30パーセントを超え,特に注目されるのは,市民の五人に一人が75歳以上となり,いまだ経験をしたことがない超高齢化社会になります。そのとき大きな問題になるのは医療です。とりわけ心身機能が低下する75歳以上の方にとって,医療と介護,医療と福祉との連携が重要になってきます。この連携体制の整備が必要であり,医師会,介護人材の確保や養成,生活支援コーディネーターなどの地域づくりの専門家の養成など広範な取組が必要となってきます。一方,元気な高齢者については,地域でボランティア活動に従事するなど要介護にならないための生きがいづくりや,社会参加促進施策などを展開する必要があります。 門川市長は今年9月市会の久保勝信議員の代表質問に対し,来年度から地域の医師会をはじめとする関係機関の参画を得て,医療,介護,福祉が更に緊密に連携し,地域包括支援センターの活動範囲を標準とする会議を新たに設け,機能別,エリア別に地域ケア会議の再構築を図るとの旨を表明され,今後大いにその成果を期待しております。先日の京都市高齢者施策推進協議会における中間報告では,地域ケア会議を軸として,医療,介護をはじめとする多職種の顔の見える関係を築き,医療,介護の連携を更に進めていくという方向性が示されており,会議の参画機関,とりわけ地域の医師会への期待は大きなものがあると思います。来年度から新設される圏域レベルの地域ケア会議において,どのような医療と介護の連携を進めていこうとされているのか御所見をお聞かせください。 また,圏域レベルの地域ケア会議を充実させていくためには,その推進役となる地域包括支援センターの果たす役割も大変重要です。市内61箇所のセンターそれぞれにおいて,個別支援ケースから出てきた地域課題等を集約し,医療,介護をはじめ多職種が参画する地域ケア会議での有意義な検討に結び付けていくため,センターについてどのような支援をされていくのかお聞かせください。 公明党は,11月17日に結党50周年を迎え,次の50周年に向けて「大衆とともに」の立党精神を胸に人間主義を掲げて戦ってまいります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(井上教子) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 津田早苗議員の御質問にお答えいたします。 アジアをはじめとする国際交流についてでございます。私は,世界文化自由都市を都市の理念に掲げる京都市にとって,国際社会の一員として,またアジアの一員として,国家間の枠組みを超えた都市間交流や市民交流を通じた協力関係を築いていくことが何よりも重要であると考えております。このため,姉妹都市やパートナーシティはもとより,103都市が加盟し本市が会長を務める世界歴史都市連盟や持続可能な開発を目指す自治体協議会であるイクレイを通じた多様な国際交流を積極的に進めてまいりました。この間,津田早苗議員御指摘のとおり,インドや東南アジアの都市との交流も積極的に始めており,インドのバラナシ市とは,京都大学とヒンドゥー大学による学術交流を進め,ラオスのビエンチャン特別市に対しては,廃棄物処理や上下水道の分野における技術提供や人材育成を通じた環境改善の取組をはじめ,市民の皆さんの知恵や経験をいかした協力を進めてまいります。 〔井上副議長退席,中村議長着席〕 ◎市長(門川大作) (続)1000年以上の長きにわたり都であった京都の歴史は,国際交流と国際協力の歴史であったといっても過言ではありません。今後とも,市会の皆様との緊密な連携を図りながら,1000年以上かけて作り上げてきた掛け替えのない歴史,文化,芸術,ものづくり,そして人々の暮らしの哲学,市民力をいかした京都ならではの国際交流を進めまして,世界の平和と繁栄に貢献してまいります。 次に,世界一安心安全・おもてなしのまち市民ぐるみ推進運動でございます。津田議員御指摘のとおり,本市における刑法犯認知件数は,この10年で4万2,000件から2万1,000件へと半減しましたが,依然として高齢者や女性,子供や学生が被害を受ける犯罪が後を絶ちません。こうした状況を踏まえ,去る7月31日に山下京都府警察本部長と私とで,世界一安心安全・おもてなしのまちを目指す協定を締結しました。早速9月には市会で補正予算を議決いただき街頭防犯カメラ設置促進補助事業を拡充し,10月までには京都府警察から3名の防犯の優れた専門家をお迎えし,本市も人員体制を大きく強化しました。今後は全ての行政区で区民ぐるみの取組を進めてまいりますが,その一つの手立てとして,二つの行政区をモデル区と設定いたします。既に幾つかの区で推進運動組織が立ち上がるなど盛り上がってきており,心強い限りであります。17年前,市民ぐるみで世界一美しいまちをつくろうと様々な取組がスタートしました。当時,「世界一」は言い過ぎだとの揶揄の声もありましたが,門掃きの復活や年間20万人を超える美化活動など市民の皆様の実践のおかげで,現在外国人観光客に一番評価していただいているのがまちが清潔で美しいということであります。目標を明確にし,市民ぐるみで取り組んだ市民力の成果であります。こうした先例に倣い,京都ならではの地域力,人間力,これを最大限にいかせば,世界一安心安全で優しさあふれるおもてなしのまち京都の実現も可能であります。市民の皆様と共に事業者や本市,区役所,そして警察が一体となって,本運動を引き続きスピード感を持って強力に推進してまいります。 次に,ICTを活用した市民と土木事務所等との協働についてでございます。本市では,約3,600キロメートルに及ぶ道路や340の河川,約900の公園等の公共土木施設につきまして,毎日のパトロールや市民の皆様からの電話による通報等を基に,土木事務所やみどり管理事務所が年間約2万件に及ぶ補修や整備を行っております。今後これらの公共土木施設を適切に維持管理していくためには,津田議員御指摘のとおり,長年にわたり受け継がれてきた本市の強みである市民力,地域力を最大限にいかし,迅速かつ的確に対応することにより,市民の皆様の満足度を向上させる取組が重要でございます。そこで,貴会派からのかねてからの御提案を踏まえて,普及が進むスマートフォン等のICTを活用し,道路や街路樹の損傷等の情報をいつでも投稿できるシステムを来年度に構築し,実証実験を行ったうえで,速やかに全市に展開してまいります。システムの構築に当たりましては,先行する他都市において,匿名による無責任な情報が大量に投稿され,混乱を招いたこと等の経験を踏まえまして,本市では,あらかじめ登録していただいた市民サポーターの皆様から的確な情報をいただくとともに,公共土木施設の維持管理にも関わっていただけるような京都ならではの工夫を凝らした市民協働の仕組みを導入し,安心安全なまちづくりを力強く推進してまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(中村三之助) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 子ども医療費支給制度の拡充についてでございます。子ども医療費支給制度につきましては,国による補助制度がない中,府市協調の下,今日まで度重なる制度の拡充を図っており,平成24年9月には,通院について対象年齢を小学校6年生まで拡大するとともに,昨年9月からは市会決議を踏まえまして,津田早苗議員御指摘のとおり,本市独自で通院医療費の支払方法につきまして改善を行ったところであります。こうした中,来年9月からの中学生までの対象拡大を視野に,京都府とも連携し拡充内容につきまして現在鋭意検討を進めております。制度拡充に当たりましては多額の経費も必要となることから,市会の決議やこれまでの実施状況等を踏まえまして,市民の皆様が安心して子供を産み育てられるよう,また,将来にわたって持続可能で現実的かつ効果的な制度となるよう,京都府とも協調し検討を尽くし近く結論を出したいと考えております。なお,津田議員御指摘のとおり,子ども医療費の負担軽減につきましては,国の責務として全国一律に実施されるべきであると考えております。国に対しては,これまでから補助制度の創設を求めているところでございますけれども,引き続き他都市とも連携し要望を行ってまいります。以上でございます。 ○議長(中村三之助) 高木保健福祉局長。 〔高木保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(高木博司) 地域包括ケアシステムについてでございます。地域包括ケアシステムの構築には,医療,介護等の幅広い関係者が参画する地域ケア会議の役割が大変重要であります。本市におきましてはこれまでから学区,区域,市域を単位といたしました地域ケア会議におきまして,高齢者の支援や地域のネットワークの構築に取り組んでまいりました。平成27年度はこれらに加えまして,新たに地域包括支援センターの活動範囲を標準とする会議を設け,地域の医師会をはじめとする関係者に参画いただき,多職種による顔の見える関係づくりを通じまして,医療と介護の緊密な連携を進めてまいります。具体的には,テーマに応じまして,医師から専門的な指導,助言をいただくとともに,在宅医療等に関する多職種の研修や地域住民向けの相談会等地域の実情に応じた取組が広がるように努めてまいります。あわせまして,推進役となります地域包括支援センターの機能の充実や質の向上を図るため,新たに専門的な研修の実施等に取り組んでまいります。今後とも地域ケア会議を軸として,地域包括支援センターを中核とする京都市版地域包括ケアシステムの構築を進め,健康長寿都市・京都を実現してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(中村三之助) これをもって一般質問を終結いたします。 本日は,これをもって散会いたします。 〔午後4時20分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~             議長    中村三之助             副議長   井上教子             署名議員  片桐直哉             同     青野仁志 △(イメージ)請願文書表「受理番号341」「人種差別を禁止する法律制定の要請」・請願文書表「受理番号342」「子ども・子育て支援事業計画における保育の推進方策の見直し」 △(イメージ)請願文書表「受理番号343」「就学前幼児の医療費の無料化」・請願文書表「受理番号344」「全員制の中学校給食の実施」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号96」「伏見の酒蔵風景のミニチュア作品等の展示公開」・陳情文書表「受理番号97」「リハビリテーションセンター付属病院廃止の撤回等」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号98」「小規模保育事業の充実」・陳情文書表「受理番号99」「休日急病歯科南部診療所の存続」...