京都市議会 > 2014-02-21 >
02月21日-03号

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  1. 京都市議会 2014-02-21
    02月21日-03号


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    最終取得日: 2021-07-19
    平成26年  2月 定例会(第1回)       平成26年第1回                 京都市会会議録 第3号       (定例会)                    平成26年2月21日(金曜日)出席議員(67名)   1番 江村理紗議員   2番 中島拓哉議員   3番 佐々木たかし議員   4番 片桐直哉議員   5番 清水ゆう子議員   6番 森川 央議員   7番 橋村芳和議員  11番 村山祥栄議員  12番 国本友利議員  13番 青野仁志議員  14番 松下真蔵議員  15番 青木よしか議員  16番 山本ひろふみ議員  17番 香川佐代子議員  18番 しまもと京司議員  19番 椋田隆知議員  20番 桜井泰広議員  21番 加藤あい議員  22番 西村善美議員  23番 とがし 豊議員  25番 平山よしかず議員  26番 吉田孝雄議員  27番 湯浅光彦議員  28番 曽我 修議員  29番 天方浩之議員  30番 中野洋一議員  31番 隠塚 功議員  32番 下村あきら議員  33番 山元あき議員  34番 西村義直議員  35番 吉井あきら議員  36番 田中明秀議員  37番 玉本なるみ議員  38番 くらた共子議員  39番 河合ようこ議員  40番 樋口英明議員  41番 宮田えりこ議員  42番 久保勝信議員  43番 津田早苗議員  44番 井上教子議員  45番 大道義知議員  46番 ひおき文章議員  47番 谷口弘昌議員  48番 山岸たかゆき議員  49番 安井つとむ議員  50番 宮本 徹議員  51番 山本恵一議員  52番 中川一雄議員  54番 津田大三議員  55番 中村三之助議員  56番 大西 均議員  57番 山中 渡議員  58番 井坂博文議員  59番 北山ただお議員  60番 岩橋ちよみ議員  61番 井上けんじ議員  62番 西野さち子議員  63番 今枝徳蔵議員  64番 小林あきろう議員  65番 鈴木マサホ議員  66番 小林正明議員  67番 加藤盛司議員  68番 繁 隆夫議員  69番 富 きくお議員  70番 内海貴夫議員  71番 井上与一郎議員  72番 高橋泰一朗議員欠席議員(1名)  53番 寺田一博議員欠員(1名)   議事日程   開議日時 平成26年2月21日(金)午前10時第1 議第1号ないし議第21号,議第23号,議第25号,議第26号,議第28号ないし議第59号,議第63号ないし議第70号,議第73号ないし議第75号,議第77号,議第78号,議第80号,議第81号,議第84号ないし議第92号,議第95号,議第98号ないし議第102号,議第105号,議第245号及び議第281号 平成26年度京都市一般会計予算 ほか88件第2 議第22号 京都市地球温暖化対策条例の一部を改正する条例の制定について第3 議第24号 京都市土地利用審査会条例の一部を改正する条例の制定について第4 議第27号 公立大学法人京都市立芸術大学が譲渡等について市長の認可を受けなければならない重要な財産を定める条例の一部を改正する条例の制定について第5 議第60号 京都市民生委員の定数に関する条例の制定について第6 議第61号 地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について第7 議第62号 京都市衛生関係手数料条例の一部を改正する条例の制定について第8 議第71号 京都市介護保険法に基づく事業及び施設の人員,設備及び運営の基準等に関する条例の一部を改正する条例の制定について第9 議第72号 地方独立行政法人京都市立病院機構が譲渡等について市長の認可を受けなければならない重要な財産を定める条例の一部を改正する条例の制定について第10 議第76号 京都市駐車場条例の一部を改正する条例の制定について第11 議第79号 京都市建築基準条例の一部を改正する条例の制定について第12 議第82号 京都市道路附属物自転車等駐車場条例の一部を改正する条例の制定について第13 議第83号 京都市自転車等駐車場条例の一部を改正する条例の制定について第14 議第93号 京都市社会教育委員の定数等に関する条例の全部を改正する条例の制定について第15 議第94号 京都市久世ふれあいセンター条例の一部を改正する条例の制定について第16 議第96号 京都市教職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例の制定について第17 議第97号 京都市立小学校条例の一部を改正する条例の制定について第18 議第103号 指定管理者の指定について(京都市老人保養センター)第19 議第104号 関西広域連合規約の変更に関する協議について第20 議第106号 阪神高速道路株式会社による京都市道高速道路1号線等の料金の額の変更に係る同意について第21 議第246号 京都市社会福祉奨学基金条例の一部を改正する条例の制定について第22 議第247号 子どもを共に育む京都市民憲章の実践の推進に関する条例の一部を改正する条例の制定について第23 議第248号 京都市児童館及び学童保育所条例の一部を改正する条例の制定について第24 議第249号 京都市衛生環境研究所条例の一部を改正する条例の制定について第25 議第250号 京都市地区計画の区域内における建築物等の制限に関する条例の一部を改正する条例の制定について第26 議第251号 京都市市営住宅条例の一部を改正する条例の制定について第27 議第252号 京都市緑化・公園管理基金条例の一部を改正する条例の制定について第28 議第253号 京都市京都駅八条口西自転車駐車場及び京都市京都駅八条口東自転車駐車場新設工事請負契約の締結について第29 議第254号 京都会館再整備工事請負契約の変更について第30 議第255号 市道路線の認定について第31 議第256号 市道路線の廃止について第32 議第257号 損害賠償の額の決定について第33 議第258号 損害賠償の額の決定について第34 議第259号 損害賠償の額の決定について第35 議第260号 損害賠償の額の決定について第36 議第261号 損害賠償の額の決定について第37 議第262号 損害賠償の額の決定について第38 議第263号 損害賠償の額の決定について第39 議第264号 損害賠償の額の決定について第40 議第265号 損害賠償の額の決定について第41 議第266号 損害賠償の額の決定について第42 議第267号 損害賠償の額の決定について第43 議第268号 損害賠償の額の決定について第44 議第269号 損害賠償の額の決定について第45 議第270号 損害賠償の額の決定について第46 議第271号 損害賠償の額の決定について第47 議第272号 損害賠償の額の決定について第48 議第273号 損害賠償の額の決定について第49 議第274号 損害賠償の額の決定について第50 議第275号 損害賠償の額の決定について第51 議第276号 損害賠償の額の決定について第52 議第277号 損害賠償の額の決定について第53 議第278号 損害賠償の額の決定について第54 議第280号 訴えの提起について第55 議第282号 崇仁市営住宅増築工事請負契約の締結について第56 市会議第1号 京都市会定例会回数条例の一部を改正する条例の制定について第57 市会議第2号 京都市会会議規則の一部を改正する規則の制定について第58 市会議第3号 京都市会委員会条例の一部を改正する条例の制定について第59 議第235号ないし議第244号及び議第279号 平成25年度京都市一般会計補正予算 ほか10件(予算特別委員長報告)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時2分開議〕 ○議長(橋村芳和) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。くらた共子議員と曽我修議員とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) この場合,議長から御報告申し上げます。 今回受理いたしました請願5件及び陳情7件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託又は回付いたします。 以上,御報告申し上げます。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 日程に入ります。 日程第1,議第1号ないし議第21号,議第23号,議第25号,議第26号,議第28号ないし議第59号,議第63号ないし議第70号,議第73号ないし議第75号,議第77号,議第78号,議第80号,議第81号,議第84号ないし議第92号,議第95号,議第98号ないし議第102号,議第105号,議第245号及び議第281号,平成26年度京都市一般会計予算,ほか88件,以上89件を一括議題といたします。 昨日の議事を継続し,質疑を続行いたします。 鈴木マサホ議員に発言を許します。鈴木議員。 〔鈴木マサホ議員登壇(拍手)〕 ◆(鈴木マサホ議員) おはようございます。2月定例市会の代表質疑,今日は2日目になりますが,トップバッターを切らせていただきます。どうぞよろしくお願いします。 民主・都みらい議員団を代表して,平成26年度予算案などについて質問いたします。左京区選出の鈴木マサホです。今日は内の議員団から中野洋一議員,そしてまた天方浩之議員が続いて質問しますので,よろしくお願いいたします。私は今回分割方式で質問させていただきますので,その分をよろしくお願いします。 門川市政が誕生したのは平成20年,2008年の2月のことでした。以来丸6年,2期目3年目の予算編成となります。思い返せば門川市政が発足した当時,北海道は夕張市の破綻問題や,また,リーマンショックで世界的な金融不安の中で,京都市においても地下鉄事業による巨額の負債を抱えて,地下鉄事業の抜本的な見直しや大胆な市政改革を進めないと財政再建団体になると危機感がありました。この間,地下鉄の労使を挙げての経営健全化計画を推進,駅ナカビジネスの展開,オール市役所としての乗客増対策に取り組まれてまいりました。また事務事業評価を活用し事業の見直しや職員の削減,給与のカットなど間断のない財政再建と市政改革に取り組まれ,ようやく極めて危機的な財政状況を突破して一息付けたところに来ていると考えています。 〔橋村議長退席,隠塚副議長着席〕 ◆(鈴木マサホ議員) (続)歳入について振り返ると,就任当時は市税収入が2,660億円,うち法人市民税は420億円。それが景気の悪化によって減収続きで,昨年度の法人市民税は230億円まで落ち込み,市税全体では2,660億円から2,400億円に落ち込んでいます。26年度の当初予算では,市税は2,510億円に回復,法人分においては,前年比30パーセントの増収で301億円を見込んで予算が組まれました。2008年から各自治体は連結決算が導入されることになり,予算についても連結の視点が意識されるようになりました。市債残高では,一般会計で156億円の減,見込額が9,264億円,全会計で267億円の減,1兆8,271億円になっています。評価をしたいと思います。一方で歳出ですが,社会福祉関連経費は右肩上がりで増え続けています。さかのぼること20年前は,市税収入の4割程度の1,000億円ほどだったのが,少子高齢化と不景気などの影響で,市長就任当時は1,850億円前後,新年度予算では,ほぼ市税収入に匹敵する何と2,400億円程度と増加しています。 さて平成26年度予算は,「はばたけ未来へ!京プラン」の実現に向けて,一般会計は7,400億円,公営企業会計,特別会計を合わせて総額1兆6,400億円です。基金特別会計の廃止の影響などを考慮すると,実質的には前年比318億円増の積極予算です。中身は,経済対策と雇用,福祉,教育の充実,台風第18号被害の総括を踏まえ,また震災対策も含めた災害に強い安心安全なまちづくりを進め,市民の命と暮らしを守る施策の充実,また,世界の文化首都として京都の魅力を内外に発信するという視点で編成され,消費税増税対策にも配慮しながらの予算ということであります。 以上,市長就任以来のこの6年間の財政の動きを説明しましたが,市長はどう分析されているのかお答えください。諸施策については,予算特別委員会で議論することになりますが,新年度予算編成に当たっての市長の最大のセールスポイントは何かお答えください。 以下,今日は限られた時間なので,テーマを幾つかに絞って質疑をいたします。この4月は,京都府知事選挙であります。山田知事が4期目を目指して出馬を表明。民主党京都府会議員団を中心にこの間の山田府政の評価をして,おおむね良ということで民主党京都府連としても推薦を決定いたしました。さて,京都府知事と京都市長同士が昔犬猿の仲のときもありましたが,近年は府市協調の取組もされています。平成20年から府市行政協働パネルが開催されてきました。特に目を引く成果としては,鴨川の放置自転車対策や新年度予算も付いている京都市衛生環境研究所と京都府保健環境研究所の共同化に向けた整備計画や京都動物愛護センターの新設などがあります。府市協調,府市連携,あるいは二重行政と言う方もありますが,京都市民は京都府民でもあり,都道府県と政令指定都市の関係においても課題があるのは事実です。そこで民主党京都府連では,二重行政あり方検討委員会を設置して,市内選出の府市会議員が類似しているから二重行政で無駄ということではなくて,効率化や強化などの視点も必要ということで,京都市と京都府の類似した施設と施策について点検する作業を進めています。例えば,京都府は文化博物館と総合資料館を,京都市は考古資料館と歴史資料館を運営しています。もちろん規模も展示の中身も設立経過も違いますが,どう連携するのかが問われるのではないかと思います。また,地下鉄御陵駅の浸水事故で安祥寺川のことが話題になりましたが,河川管理のことも課題です。鴨川は京都府の管理,中小河川の多くは京都市ですが,治水対策など総合的な計画が求められます。このような課題を整理して,民主党として,府と市の関係について提言をまとめたいと考えています。 山田知事にインタビューをしたことがありますが,山田知事は,「府市の関係は夫婦関係みたいなもので,2倍,3倍の力が発揮できるかもしれない,反目してうまくいかないと半減してしまう。そういう関係であることを京都府と京都市が意識してやっていれば私は心配していない」と言っておられます。我々議員団は,二重行政を見直し,更なる府市連携,府市協調をすべきと考えていますが,市長の考えはいかがですか。ともあれ,この4月6日が投票日の知事選挙,府市連携,協調のできる山田知事の再選を心から願い,我々民主・都みらい議員団も全力で応援する決意であります。 さて,あれから3年,3・11東日本大震災と福島原発事故は大きな衝撃をもたらしました。京都市会として原発に依存しないエネルギー政策への転換と再生可能エネルギーの普及拡大を決議したのは,2012年2月市会でした。そこで,原発に依存しない持続可能なエネルギー社会を目指すという理念の下に策定された京都市エネルギー政策推進のための戦略について,市民協働発電,太陽光発電と小水力発電の再生可能エネルギーに関して質問します。原発問題については,後ほど中野洋一議員が触れますのでよろしくお願いいたします。 市民意見募集では,144人と5団体から372件の意見が寄せられ,この原発に依存しない持続可能なエネルギー社会を目指すという理念に対して多くの評価を頂いているほか,省エネの取組やバイオマスエネルギー,太陽光発電,小水力の普及など再生可能エネルギーの促進にも評価と提案が寄せられ市民の声も関心が高いことを表しています。私は,2011年9月市会の代表質問で原発問題と再生可能エネルギー問題について問い,阪東嘉昭君という青年が提案してくれた太陽光発電の里親制度の確立について質疑をしました。阪東君は,残念ながら昨年病に倒れ,闘病むなしく亡くなりました。心より御冥福を祈りたいと思います。彼の提案を受けて太陽光市民協働発電制度が実現しました。昨年来,二つの一般社団法人が運営主体となって西京高校など3箇所の市の施設で太陽光発電が始まり,また,太陽光発電屋根貸し制度を作って市内に事業所のある法人などに有償で屋根に太陽光発電設備を設置して関西電力に電気を売却して,その利益で環境学習など地域に貢献活動を実施してもらおうというプランです。第一次募集では京都府電気工事工業協同組合などや錦林小学校など20箇所にこの制度を活用して太陽光パネル発電設備を設置し,また現在,第二次募集も行われています。伏見の水垂のメガソーラーに続いて昨年夏には鳥羽水環境保全センターも完成しました。今年の予算では,新年度予算で松ヶ崎浄水場にも設置されるとのこと,期待しております。また,既に幾つかの地域でPTAや自治連から学校の屋根を使って発電したいという要望があるようですが,これまでの市民出資に限定した制度のみならず,そうした地域団体が一定の手続を踏まえて公共施設の屋根を活用できる仕組みがあってもいいのではないか。ただし来年度以降の買取り価格が大きく下がる可能性があり,円滑に取組を進めるに当たり,差し当たり京都市が設備認定を取得し,地元の事業主体が確定し次第,認定を継承するような仕組みも考えられるのではないか。また,地域団体にはこうした取組などを進めるための十分なノウハウがない場合もあり,既に市民恊働発電制度に取り組んでいる法人や京エコロジーセンターなどがこうした団体のサポートを行うことも考えられるのではないかと思います。 次に,自然エネルギーのもう一つの恵みである小水力発電についてお尋ねします。昨年4月,疏水記念館の水路にて足立善彦先生を指導者とする伏見工業高校の生徒たちの試作によるらせん状の小水力発電の実験が行われました。嵐山の小水力発電は先達者として有名であります。左京区においても八瀬では若い夫婦が自転車の車輪を利用しながら小水力の試作品を手作りで作っています。また先日,静原に出掛けて行きまして水車を見てまいりました。NPO法人洛北静原の里の方が,静原小学校運営協議会と共同で制作された2基の水車を見学しました。僕らの世代にとって水車は懐かしい風景であります。再生エネルギーを見直すという視点で作られた水車は50万円。その水車で生まれた電気は,鹿や猿の被害から守るための電柵に利用されるのです。また,将来は水車を精米,製粉にも活用して,農家レストランなど田舎暮らしの体験ができて,エネルギーだけではなくて地産地消,自給自足の里づくり,地域おこしのシンボルとして水車に設置をこれからも考えておられます。ほかの自治体では,設備導入に至るまでの調査費用や合意形成などハード設備に補助金を出せない代わりに,ソフト面で民間や市民を応援する方策を出しています。小水力発電は,ダムを造らず,自然の河川の流れを利用して環境や景観を損なわない発電方法は,京都の自然にふさわしいと考えます。市内の河川で発電可能なのかどうか,その中のポテンシャルを見極めるまでの事前調査にも多額の費用や時間が掛かり,小水力発電にチャレンジしてみたいとの意欲を萎えさせる原因になっています。市民から,ここで小水力発電をやれないかという問掛けがあった場合,市としてどのような支援,応援ができるのか考えるべきではないかと思いますがいかがですか。 京都市エネルギー政策推進のための戦略は,産官学の連携と市民力,地域力で省エネの推進と再生可能エネルギーの飛躍的な普及拡大に取り組もうとする計画です。自立分散型エネルギー利用促進事業として,2億7,860万円予算が組まれ,太陽光発電システムの助成やワンストップ相談窓口の設置などが計画されています。今後,市民協働発電制度の更なる展開と小水力発電の取組への支援など再生可能エネルギーの飛躍的な拡大を図ろうとされているのか,市長の決意をお聞かせください。 以上,ここまでの質問について,市長の答弁を求めたいと思います。よろしくお願いします。 ○副議長(隠塚功) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 鈴木マサホ議員の御質問にお答えいたします。 まず,来年度予算についてでございます。私が市長に就任した当初,19年度決算で全会計の連結実質赤字が373億円に上り,また,20年度決算ではリーマンショックの影響で税収が大幅に減少するなどにより一般会計が過去最大の30億円の赤字となるなど,本市財政は極めて憂慮すべき危機的な状況にありました。このため,私を先頭に全職員一丸となり,市会をはじめ市民の皆様の御協力を得て徹底した財政構造改革に取り組み,22年度に一般会計の赤字を解消,23年度には全会計の連結実質赤字を解消し,財政健全化のスタートラインに立つことができました。来年度予算は,こうした財政健全化の取組を一層前進させると同時に,スピード感を持って力強く私が市民の皆様にお約束したマニフェストで示した政策を推進する積極予算であり,これら財政構造改革と政策推進を両立させたところに大きな特徴があります。改めて事務事業の見直しなど財政構造改革を全庁にわたって徹底して議論し実行することに加えまして,市税収入の増加が見込まれることもあって,特別の財源対策の必要額を実施計画の目標概ね100億円の半分以下となる47億円にまで圧縮し,臨時財政対策債を除いた実質市債残高も,27年度末までの5年間に,全会計では1,000億円以上,一般会計では500億円以上縮減するという実施計画の目標を前倒しで達成するなど大きく前進させることができました。同時に,京都の強みを徹底していかした都市の成長戦略の推進,市民の命と暮らしを守る取組の充実,京都の魅力と都市格の向上の三つを視点にして重視した予算といたしております。しかし,本市の財政基盤は脆弱であり決して気を緩めることはできない状況にございます。市民生活の安心安全を守り,未来の京都への責任をしっかりと果たすため,本予算に盛り込んだ取組を着実に実践するとともに,財政構造の改革についても引き続き努力してまいります。 次に,府市協調についてでございます。現行の大都市制度では,法令により府市双方に設置義務や役割が定められているものが多く,そのうえ京都府の施設が京都市内に設置されることで市民からは二重行政に見えるケースがあります。また,産業政策等の任意行政で行政サービスが重複するなど,二重行政が生じやすい仕組みとなっております。そのため私が市長就任以来,知事と直接協議を行う懇談会だけではなく幹部職員同士がオープンな場でテーマを決めて議論をし解決策を見出す府市協働パネル,現在,10のテーマで開催しております。こうしたことに取り組むとともに,あらゆる機会を捉えて市民に最も身近な基礎自治体重視の視点で,企画構想段階から徹底的に議論し府市の政策の融合や連携を強化する,いわば京都方式で二重行政の打破はもとより,鈴木議員御指摘のとおり,一層の市民サービス向上と行政運営の効率化に努めてまいりました。また,衛生研究所など法令により府市双方に設置義務や役割が定められているものについても,可能な限り一本化するなど,既成概念に捉われることなく大きく踏み込んだ視点で改革に取り組んでいるところであります。動物愛護センターにつきましても,全国初の共同設置,共同運営が実現いたします。さらに,現在類似する施設や施策のリストアップを進めておりますが,動物愛護センターや衛生研究所の成功事例を基に徹底した市民目線で,その一つ一つを点検し,市民,府民にとってよりよい形にしていくことが極めて重要と考えております。今後議会の御意見もいただきながら府市協働パネルを最大限に生かし,施設の一体化,施設問の連携強化,事業の共同化等による効率化など府市の政策の融合や連携を進めるとともに,エネルギー政策,雇用の創出などの成長戦略を経済界とも一体となって推進し,全国トップレベルの府市協調を更に進化させてまいります。 次に,再生可能エネルギーの拡大についてでございます。本市におきましては,これまでから市民,事業者の皆様との共に汗する共汗の下,全国をリードする市民協働発電制度太陽光発電屋根貸し制度により太陽光発電設備を普及させるとともに,小水力発電につきましても嵐山保勝会による発電事業への支援や岡崎地域における伏見工業高校との協働による実証実験など再生可能エネルギーの普及拡大の環境づくりに努めてまいりました。このたび策定いたしました京都市エネルギー政策推進のための戦略においても,京都の自然の恵みを生かし地域ぐるみで生み育て地域経済の活性化にもつなげる再生可能エネルギーの飛躍的な普及拡大を中心施策の一つに位置付けたところでございます。鈴木議員御指摘のとおり,福島の原発事故以来,地域住民やコミュニティが主体となって太陽光や小水力を活用した再生可能エネルギーを導入しようという機運が一層高まっております。こうした地域主体の協働発電の推進に当たっては,適切な立地場所の確保や資金調達,さらに地域における合意形成などの課題の対応が一番重要であります。このため,来年度予算において再生可能エネルギーの導入に意欲的な地域ヘコーディネーターを派遣し,事業化に向けた課題の検証とその解決に向けた助言を行うなど地域の特性に応じた適切なサポートを行う制度を創設いたします。今後,これらの取組を通じまして,地域主体による太陽光や小水力の協働発電事業をしっかりとサポートし,市民,事業者,行政の共汗により再生可能エネルギーの飛躍的な普及拡大を図ってまいります。 以上でございます。 ○副議長(隠塚功) 鈴木議員。 〔鈴木マサホ議員登壇〕 ◆(鈴木マサホ議員) 最初の答弁,ありがとうございました。続きまして,それでは次の質問に入っていきたいと思います。 一昨年,10月の本会議で,私は,障害のある人と共生のできる社会を目指して総合支援教育と障害者の就労支援やバリアフリーのまちづくりなど,障害児,障害者福祉施策の充実を求めるテーマに絞って一般質問をいたしました。我が議員団の山本ひろふみ議員も発達障害児のことについては度々質疑をしています。今日は総合支援教育について多くは述べませんが,障害があろうとなかろうと,あらゆる子供が地域の学校に包み込まれ必要な援助を提供されながら教育を受けること,障害があるからといって障害児だけの特別の場で教育を受けるのではないというインクルーシブ教育という,包含的な教育ということでありますが,これを基本に置きたいと思っています。 そこで就学支援シートについてお尋ねします。京都市では,特別な配慮が必要な子供に対する支援の充実を図るため,平成23年から幼稚園,保育園から小学校への子供たちの情報の伝達を目的に,保護者の了解の下で,子供たちの特性などを記載した就学支援シートを試行実施してきています。こうした子供たちへの支援は,早期から継続的に一人一人に合わせて行うことが重要であることは言うまでもなく,現在,試行実施されている就学支援シートの活用を,保健福祉局との連携の下,保育園や幼稚園の協力を得ながら早期に全市に展開すべきと考えますがいかがですか。ただし,この就学支援シートは,例えば,普通学級で学ばせたいという保護者の意向を無視して活用されることがないようにしなければなりません。あくまでも一人一人の子供の個性を尊重して,その児童の健やかな成長を見守る指針,ないしは学校の体制づくりの支援となるような就学支援シートでなければならないと考えますが,あわせて,教育長の考えをお尋ねします。 次に,この市会で上程されている京都市身体障害者リハビリセンターの病院の廃止の条例について質問します。この問題が沸き起こったのは1年前の秋でございました。リハビリセンターを利用されている人たちが中心となって京都バリアフリー連絡会を立ち上げて8,731筆の署名を集めて,リハビリセンター再編に向けての機能充実を求める請願が出されました。とある縁があり,ただ一人,私が紹介議員となり,教育福祉委員会でも請願者の切ない思いを伝えるべく趣旨説明をさせていただきました。先日も連絡会の皆さんと京都頸椎損傷者連絡会のメンバーら15人ほどが車椅子で来所され,担当者らと医療の拠点となるように病院機能の存続を願い,障害のある人が相談に乗るピアカウンセラーの配置や在宅支援としてのデイケアのサービスや災害時の避難受入れの拠点施設や,施設運営の当事者参加などの項目について切ない思いをそれぞれ訴えられ,京都新聞には「見きり発車『難民』懸念」と見出しで記事が載りました。今,通院されている人,リハビリ中の人のアフターケアを責任を持って対処,フォローしなくてはなりません。皆さんの不安に対していかが対処されるつもりなのかお答えください。 また先日は,身体,知的,精神の3障害の相談や支援の強化のために,こころの健康増進センターと児童福祉センターを市立病院北側に設置,障害者支援の拠点にしたいと発表されています。今後は当事者も含めて,関係者の意見を真摯に受け止めながら,立案,実現に向けて取組を進めていただきたいと思いますが決意はいかがですか,お答えください。ここにいる我々もいつ何時,脳梗塞や心筋梗塞,交通事故などで障害者になるかもしれないということを忘れてはならないのであります。 次に,地元左京の話題について質問いたします。平成22年2月市会本会議で岡崎地域の活性化について提言,質問をいたしました。翌23年には,地元住民の理解と協力があり,岡崎活性化ビジョンが策定されました。レッドカーペットやプロジェクションマッピングなどときあかりの開催,去年は台風第18号のために中止になり残念でしたが,今年は市長以下,好天になるように関係者の皆さんがてるてる坊主を作っていただきたいと思っています。また,動物園の再整備も順調に進み,昨年は京都会館の再整備,ロームシアター京都の着工式も行われ,また,京都市美術館も将来構想を年度内に策定される予定です。新年度予算では,平安神宮の前の神宮道を歩行者専用空間にするプランが実行に移されようとしています。時代祭のとき,平安講社の一員として毎年神幸列を歩かせていただいていますが,歩いて楽しい文化,交流ゾーンを創出することを願っている一人です。そして岡崎地域公共施設間エネルギーネットワーク形成実証事業ということでCEMS,コミュニティエネルギーマネジメント(地域エネルギー管理システム)を導入してエネルギーとエコのショーケース化を目指そうとしています。周辺には,国際交流会館,疏水記念館,そしてまた成人式や京都マラソンのゴールとなり,また国際マンガ・アニメフェアの開催の場所としてみやこめっせがあり,地下には伝統産業ふれあい館もあり,周辺には南禅寺,永観堂,金戒光明寺などがあり,これらが一体化して,文化と歴史,産業などのメッカとして世界の人々が集い本物に出会う京都岡崎を作り上げてほしいと願っています。市長の思いをお答えください。 さて,一昨年夏に浮上した左京区は高野,カナート洛北横のパチンコ店計画については左京選出の議員が紹介議員となった請願が採択されました。その後,まちづくり条例による説明会も行われ,また中高層条例に基づく説明会の開催や調整も行われていましたが,業者は,昨年8月22日の調整に出席するように求められたにもかかわらず理由なく拒否,その旨を12月26日の京都市公報にて業者名が公表されています。また,事業者が民間機関に建築確認申請を提出したところ,この1月には,建築基準法第6条の2第9項の規定により不適合との結果。理由は,申請敷地に2以上の建築物が計画されているが,当該敷地は建築基準法施行令第1条第1号に規定する敷地に該当しないためとされています。要はカナート洛北との増築ということが認められなかったのです。こういう不適合の結果が出るのは,まれのようであります。60日以内に不服申立てができるらしいのですが,さて業者はどう対応するのか。まだ予断は許しませんが,「住宅地にパチンコ店は要らない」と高野赤レンガ憲章の制定など,まちづくりにも取り組んでいる反対住民の願いと我々の願いが届いたかなと思っています。住民と左京選出の議員の願いに応えていただくためにも,引き続き粘り強く指導と毅然とした対応を取っていただくように市長に強く要望をしておきたいと思います。 なお,現在,まちづくり委員会で請願審査が行われていますが,哲学の道の法然院前の宅地開発については,防災と環境や風致保全の面からも請願趣旨に書かれているように適切な行政指導をされることを要望しておきたいと思います。 色々な課題がありますけれども,市長におかれましては是非とも地元の様々な要望も含めて頑張って取組をしていただきたいと思います。 御清聴ありがとうございました。(拍手) ○副議長(隠塚功) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 引き続き,鈴木マサホ議員の御質問にお答えいたします。 岡崎地域活性化ビジョンについてでございます。鈴木議員から岡崎地域の活性化に対しまして大きな期待とエールを頂き心強く感じております。岡崎地域は,明治の初め,京都はもとより日本の近代化への発展の礎となったエリアであります。私は,岡崎が擁する文化や産業の力,国内でも類を見ない近代建築物群,東山山麓の寺院や庭園群,琵琶湖疏水,そして岡崎地域の盛り上がりに参画をいただいた市民や事業者の皆様など岡崎のあらゆる資源と力を結集し,この地を世界を視野に,国内外の人々が集いにぎわいあふれる一大文化,交流ゾーンとして発展させていきたいと考えております。そのため多くの英知を結集し策定した岡崎地域活性化ビジョンを市民の皆様と共に力を合せて着実に推進いたします。京都市では,動物園,ロームシアター京都の再整備に続いて神宮道の歩行者空間化と公園の再整備に着手する一方,200団体とのネットワークを構築している京都岡崎魅力づくり推進協議会では,オール岡崎で京都岡崎レッドカーペットなどの魅力を生み出すイベントの開催や,マンガ・アニメフェア(京まふ)との連携の強化など総合情報発信の強化に取り組んでまいります。京都市と協議会の取組が両輪となりまして,平成27年度には地域全体が世界に誇る新たな文化芸術の拠点として動き出し,また,エリア全体のエネルギーの地産地消と融通を行うスマートシティを推進することで先進的な環境政策をリードしてまいります。今後こうした岡崎における創造的なまちづくりを原動力として京都全体の活性化をけん引していくよう全力を傾注してまいります。 私からは以上でございます。以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○副議長(隠塚功) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 身体障害者リハビリテーションセンターについてでございますが,障害があっても住み慣れた地域で生活を続けていただくためには,リハビリを推進し身体機能等の維持向上を図っていくことが重要であります。このため,医療,福祉等の専門家の皆様に真摯に御議論いただいてまいりました本市の社会福祉審議会の答申を踏まえてリハビリ行政の基本方針を策定し,障害種別を問わない一体的な相談や地域でのリハビリの推進,さらには,民間では難しい高次脳機能障害のある方への支援等を今後進めていくこととしております。医療につきましては,在院日数に制限のない障害者施設等入院基本料の適用の病院が現在市内に22箇所,約1,700床に増加しており,リハビリテーションセンターの附属病院が占める割合は,そのうちのわずか2.3パーセントに当たる40床にとどまることや,機能的にも民間の病院と比べて特別なリハビリは行っていないことから,公民の役割分担の下,病院機能は廃止し,医療専門相談や事業者への指導等,公が果たすべき今日的な役割を本市としてしっかりと担ってまいります。なお病院の閉院につきましては,1年以上先の平成27年3月末と提案しており,患者の皆様には必要な体制を確保し,在宅復帰を基本に入院,外来を問わず全ての方の行き場を確保いたします。また,鈴木議員の御指摘を踏まえ今後とも障害のある方の御意見もお聞きしながら,障害のある方当事者の方自らが相談を行うピアカウンセリングなど基本方針に掲げた施策に着手するとともに,将来的には京都市立病院北側の用地にリハビリテーションセンター,こころの健康増進センタ-,児童福祉センターを合築し,障害種別を問わない総合的な支援を展開する拠点としてまいります。以上でございます。 ○副議長(隠塚功) 生田教育長。 〔生田教育長登壇〕 ◎教育長(生田義久) 就学支援シートについてでございます。鈴木議員御指摘のとおり,障害のある子供の将来の自立と社会参加を実現していくうえで,その成長段階に応じて切れ目のない支援を行い,生活や学習上の困りを克服できるようにしていくことは大変重要であると認識いたしております。就学支援シートは,こうした認識の下,保護者と保育所,幼稚園が子供たちの状況について十分に話し合い,共同して作成し,保護者自らが子供の状況や障害に応じた必要な支援をシートを通じて小学校に伝え,学校生活の円滑なスタートと,きめ細かな支援の充実などにつなげていくことを目的としており,平成23年度から保健福祉局の協力も得て試行実施しております。試行に伴うアンケートでは,事前に小学校に伝えることで安心感が高まった,子供の様子,保護者の不安や希望がよく理解でき連携が円滑に行えているなど,保護者や学校等から高い評価をいただいております。このため本年度は,保育所,幼稚園の関係団体の御協力をいただき,全保育所,幼稚園対象の説明会を開催するなど事業のより一層の周知に努め,京都市内の保育所,幼稚園のほぼ9割に当たる313園で実施されております。今後とも関係団体との連携を深め,当初計画を1年前倒しし,来年度から就学支援シートを全保育所,幼稚園で実施するとともに,障害のある子供とない子供が共に学び育つインクルーシブ教育の理念に基づき,小学校からの各学校段階において障害のある子供一人一人の能力と可能性を最大限伸長させる取組を進めてまいります。以上でございます。 ○副議長(隠塚功) 次に,中野洋一議員に発言を許します。中野議員。 〔中野洋一議員登壇(拍手)〕 ◆(中野洋一議員) 私は,東山区選出の中野洋一と申します。民主・都みらい京都市会議員団を代表して,鈴木議員,天方議員と共に市長に質問いたします。どうぞよろしくお願いいたします。 さて,私の質問は全部で五つ,一つ目は,安全で安心して暮らせるにぎわいのある路地への改革についてでございます。平成19年の初当選以来,機会あるごとに議会で提言してまいりました。路地は,京都の良き町並みを形成している大切な要素の一つです。それらを取り壊して失うのではなく,今ある路地をいかして再び多くの人でにぎわう場所として立て直せないか,防災上の条件を付け,現在の路地に建て替えたりして住んでいくことはできないのか。東山区に多く存在する,人がほとんど住んでいない路地を見るにつけ,今ある路地に多くの方が住める策を私は求めて議論してまいりました。これらの原因の一つは,路地の道の細さにあります。建築基準法で路地に面している家屋は,建て替えるときに中心から2メートル下がらなければならないのですが,今でも広くない土地の上に建っている家を下げれば,住むスペースが減ってしまうではないかというのが実際のところです。それにより建替えや二世帯住宅にして親子での同居ということが進んできませんでした。しかもこういった制限の付いた土地であり,売れない,貸せない,買ってもらえないと最終的に放置され誰も住まない空き家になり,傷んで崩れかけ,周囲に危害を及ぼしてきました。この循環が繰り返されることで,人が住まなく空き家が多い路地がたくさん生まれてきてしまったのです。3項道路指定という今ある路地を道として指定することで,ほぼ現在の面積で家を建て替えられるという特例もございますが,これは京都市が独自に指定できる道具ではありますけれども,現在までほとんど使われてきませんでした。平成26年度予算案では,路地への取組事業として幾つか計上されています。また,新たに路地の活性化策として条例案も提出されています。去年の議会で成立した空き家条例と併せて,路地の活性化のためにも積極的にこういった道具を駆使して,路地に多くの方が住み,にぎやかな町を取り戻すための今後の取組と方向をお尋ねいたします。 二つ目に,これも私がこだわって何度も議論の俎上に上げている課題,政策の融合,雨に強い,まちづくりです。今回の予算案でも計上されていますが,門川市長が初当選以来取り組んでいるものが政策の融合です。京都が直面している一つの大きな課題に対して各部局が連携してこれらを解決していこうというものでして,この雨に強いまちづくりというのは,その中の目玉の取組でもございます。山が傷み,森の保水能力が落ち,町には雨が降ったときに水を蓄える役割を果たしていた畑や田んぼ,公園などが大幅に減り,土の道は全てアスファルトで覆われ,水を吸い込む余地もございません。こんな状況では下水管をどんなに太くしても大量の雨を飲み込むことは難しく,どんなに川をコンクリートで固めても集まる水はさばききれないでしょう。こう考えると,集中的に雨が降る機会が増えている今,まちが水につかるおそれは頻繁に出てくるというわけでございます。各部局で様々議論を重ね取り組んできたことで,去年の9月16日台風第18号による水害に対して効果を発揮することができました。非常に評価するところでございます。しかし一方,被災された地域もあり早急な再発防止策を展開していく必要もあります。 雨に強いまちづくりの今後の策として,まず山の整備などは時間が掛かりますが,将来水を蓄える大きな役割を果たします。また,公園や庭園など緑や街路樹などを増やすことも水をためる環境の充実には欠かせません。道のアスファルトをはがすわけにはいきませんから,流れてきた雨水を一時的に蓄える取組も不可欠です。各家庭で雨水タンクを設置することや,浸透升を付けることもその一つです。下水管や河川の整備も更に求められてきます。いざというときの準備,訓練,物品の備えも必要です。効果が見えるまで時間的に長く掛かるものもあればそうでないものもあり,お金の掛かり方も多い少ないあり,様々な取組策が混ざっています,この政策の融合,雨に強いまちづくり。各部局が連携して,これから更に速度を上げて取り組む必要があります。だからこそ全体を掌握して指揮する役も新たに作っていくべきだと強く求めます。また,今後の進め方についてもお答えください。 三つ目は,(パネルを示す)カメラさん,寄れますか,京都市が保有する世界遺産,元離宮二条城の更なる活用策です。私は,この城の可能性をもっといかして,多くの方に歴史や文化を楽しく味わえる機会を提供したい,同時に稼ぐ施設として独り立ちさせたい,そして京都の文化振興の松明役として文化首都・京都の象徴の立場に押し上げたい,こういった夢があります。二条城は毎年140万人の観光客が訪れる京都観光の中心です。入場料などで年間2億円の黒字であり,収入的に実は隠れた稼ぎ頭の施設なのです。残念ながらその収入の全てを二条城のみに使えないということは付け加えておきます。まだまだその可能性を生かせていないところもあります。私たち民主・都みらい京都市会議員団では,毎年京都市の取組に対して事業仕分けを多くの皆さんの御協力で行っています。その中で二条城の運営について様々議論して厳しい指摘もいたしました。また,私自身も歴史好きに高じて議会で機会あるごとに活用策の提言を続けてきました。これらを受けて今回の予算案では二条城関連の予算を多岐にわたって計上することができました。城の修復には,今後100億円必要ですが,そのうち50億円を京都市が独自の予算で行う予定です。ただそのための蓄えや財源は乏しいと頭を抱えているのが現状です。 こういった中で,私から応援も含めて具体的な提言を申し上げます。根本は,二条城にどうしても訪れたい方をどう増やすか,訪れた方にいかに再び来たいと思っていただけるか,これに尽きると思います。まずは,お城に入る導入部分が不十分です。堀川通沿いの駐車場は全体の風景として非常に無粋です。入場前から歴史の香りが漂う状態が欲しい。是非,城の風景に併せた造り替えを早急に進めることを求めます。 次に,外国では湖のほとりの古城や歴史ある美術館など歴史施設を会場にした大規模な会議がよく行われます。なぜ最新鋭の会議場ではなくて,ともすれば使い勝手の悪い歴史施設なのか。理由は,会議より会場にひかれて多くの方が出席する傾向が強いからです。そこから考えると二条城も多くの方を魅了する会場です。是非,国際会議などで積極的に活用することで,この城の持つ可能性を更に伸ばせると考えます。会場使用料も発生し城の修復に一役買うことができるでしょう。いかがでしょうか。 次に,訪れた帰りの楽しみは,何と言ってもお土産でございます。(パネルを示す)もう一回,カメラさん,寄ってください。例えばこれはほかのまちのお土産です。故宮博物館の持っている絵画をそのまま転写したマウスパッド,例えば大英博物館の所有するロゼッタストーンをそのままいかしたマウスパッド,こういったものもあります。例えば子供用のこういった案内,分かりやすく書いてあります。これは美術館と,これは博物館の冊子,それからもう一つこだわりは,そういったお土産を包む袋も持っている作品をそのまま転写して紙袋に活用したりと,こういったこだわりも持っているところが多数ございます。特にふすまを写し取った画像とか貴重な歴史的工芸品などを大量に持っている二条城が,それらを活用して希少価値のある限定商品を開発すること,そしてそれらが並んだ粋な売店をキャッスルショップとして生まれ変わらせること,そうしたことがお土産を通じて思い出を持ち帰り,再び訪れてもらうことにもつながります。あわせて,休憩所でございますが,実際行かれたことがない方はちょっと分からないですけれど,お城の中に,こういった休憩所があります。これは外観ですね。そして内部,カメラさん見えますか,ここが全体の椅子とテーブルが置いてあって,売店が二つあります。広い空間というところです。大分老朽化が進んでいるというところでございます。この休憩所でございますが,多くの来訪者が更に安心してくつろげる歴史的な空間として再生させることが必要です。限定商品の開発とキャッスルショップ,休憩所の再建を強く求めますがいかがでしょうか。 そして修復に協力いただく方法として取り組んでいるのが,二条城一口城主の取組。もうちょっと寄ってもらえますか。これが二条城の一口城主の協力したときのシール,これ寄付されると,逆にこういったバッジがもらえます。是非協力してください。多くの方から浅く広く寄付を募るという取組も更に充実させる必要がございます。こういった二条城を文化首都・京都の象徴として活用していくことと二条城を活用して稼いでいく政策を推し進めること,今後の取組に対して具体的にお答えください。 四つ目は,図書館の充実策です。予算案で幾つかありますが,私は,朝早くから夜遅くまで開館して,今まで利用されたことがない方にも使ってもらい日本一多くの方に利用される,そういった利用者拡大に貪欲さを持ちつつ図書館を更に楽しく充実した場所に変えていくべきだと考えています。自分の時間を活用して楽しく勉学されている方が増えています。社会人の方が改めて大学に通ったり,退職された方が文化センターなどに通う姿も普通になりました。その中で一生涯楽しく勉学するセンターとなるのがまちの図書館でしょう。更に多くの方に学ぶ空間を提供していくべきです。もっと利用しやすいように休館日を減らし,10時から5時までの開館時間を早朝からにして朝活に活用してもらい,閉館時間をもっと遅くして仕事から帰った後の市民の書斎として活用してもらう。よそには決して負けない先取の精神で今までの図書館から脱皮をしていってもらいたいと考えます。あわせて,どうしても図書館には行けない方には,本の返却が地下鉄の駅でできるようになりました。せっかくですし京都駅や四条駅など大きな駅では予約した本を受け取ることができる仕組みも欲しいところです。そうすれば,もっと色々な本が借りたくなったと図書館に足を運ぶ機会が生まれます。朝活のセンター,楽しく学べる書斎,いつでも勉学できる自学自習室,図書館外でも本の貸し借りができる仕組みなど,もっと色々な方に使ってもらうために様々な仕掛け作りをしていくこと,図書館をより一層楽しく充実した場所にすること,開館時間や休館日の改善などを強く求めますがいかがお考えですか。 そして五つ目。先月の1月末,小林,松下,片桐の3名の議員有志とで福島県の原子力発電所の事故の被災地に参りました。検問所まで行き,東日本大震災からもうすぐ3年になりますが,復興どころか解決の糸口もなかなか見つけられていない福島県の被災地の現場を目の当たりにして非常にショックを受けました。ちょうど夕暮れ時,国道の向こうに立ち並ぶしゃれた多くの家からは明かりは全く見えず,人気は一切ありませんでした。立ち並ぶ誰も住んでいない家を縫うように走る道路にはポツポツと点く外灯の白い電気がその物悲しさを強調しているようにも見えました。原発事故が起こるまでは,食卓を囲んで色々な話をする家族がいて,学校の部活を終えて皆で談笑しながら帰宅する学生たちがいて,買物に自転車で走るおばあさんがいてと,温かい田舎の風景が毎日続いていたわけです。それがあの日を境に誰も二度と住めなくなってしまいました。あの日を境に先人が築いた大事なふるさとを失わせてしまいました。地域を愛し国を愛する私たちは,人ごととかお気の毒さまとかゆめゆめ思ってはならぬ重大事故であり,同時に重大事件だと現場で私は思いました。首都圏で電気を使う人たちは,自分たちの生活のために人様が大切にしていたふるさとを失わせてしまったということに対して心の底からわびる気持ちを持っていかなくてはならないと思います。翻って私たちはどうか。京都に住む私たちは,自分たちの生活のために福井県に多数の原発を置かせていただいています。福島県での原発事故を考えれば,福井県の皆さんが先人から積み上げてこられてきた歴史と伝統を持つ大切なふるさとを,私たちが奪い去ってしまうおそれと背中合わせだということを改めてかみ締める必要があります。福井県にある原発で出来た電気をも使ってきた私たちは,その危うさをもっと強く認識し,これからの在り方を深く考えるべきだと思います。相手のふるさとを大切に思えない人が,自分のふるさとを大事にして,愛することができるわけがありません。これが,福島県の原発事故の現場に足を踏み入れての率直な私の思いです。 今現在,平成25年9月15日から17の原子力発電所の48基中稼働はなく,再び原発ゼロの状況を迎えています。原発稼働ゼロの日本が現実に今ここに存在しています。こう考えると,今私たちは,脱原発依存の絶好のチャンスを迎えていると言えなくもありません。私たち民主党も2030年代までには原発ゼロにすると訴えています。今こそ次のエネルギー開発に全力で取り組むと同時に,エネルギーを湯水のように使い,むさぼり食っていた私たちの生活を全面的に見直す機会でもあるのです。何でも挑戦してきた京都の先人の遺伝子を引き継いでいる私たちにはきっとできると思っています。 先ほど鈴木議員も触れましたが,今度は別の角度で市長に伺います。あの福島県の原発事故を受けて新しいエネルギーの開発や確保といった戦略に取り組まれています。そして生活スタイルの転換も様々発信しています。予算案で脱原発依存のこれからの京都を市民の皆さんとどう描いていく覚悟なのかお聞かせください。 さて,私も議会で機会あるごとに,フルマラソンを開催すべきと過去提言してきましたが,今予算案で計上されている京都マラソン,町なかコース設定などを通しての要望を述べます。今年の2月2日日曜日,第31回京都木津川マラソンを走ってきました。南は精華町,北は久御山町までの木津川の土手を42.195キロひたすら走る素朴で温かい手作り感あふれる大会でございました。都市型マラソンの代表格の一つでございます大阪マラソンも走ってきました。でも,比較対照する中で,地元びいきかもしれませんが,やっぱり京都マラソンは楽しくてすばらしいと痛感しました。町なか,自然の中,歴史が漂う中を走る。多くのボランティアの方の応援や沿道からたくさんの声援がある,町並みを見ながら苦しさを忘れて走る,沿道での皆さんからの応援で元気を頂いて走る。(実物を示す)カメラさん,寄れますか。ずっと寄ってください,ずっと。これはあめです。御覧いただいている皆さんにとっては普通のあめかもしれません。ただ第2回の京都マラソンで走ったときに,冷たい小雨の中,その後すごい強い冷たい風に吹かれました。心が本当に折れそうになって,もう完走できないかと思うぐらいへこんでいました。そんなときにボランティアの方から頂いたこのあめ,大事に持って,一つ一つなめながら,ようやく完走することができました。こう考えていても,京都マラソンは走ってもボランティアでお手伝いしても感動があります。来年の大会に向けて改善を積み重ね一層魅力ある大会にして,更に多くの方が走られるよう力を尽くすことを要望いたします。あわせて,鴨川や御所などを走る方と擦れ違うことが多いのですが,この大会が自分のまちにあり,いつかは出場できる機会があり,頑張ってやると,みなぎるランナーが非常に多いのを実感いたします。この大会がまちの誇りになり,同時にスポーツ振興のエンジンにもなっているのを感じています。京都マラソンをスポーツを始めるきっかけ作りとして更に活用して,そのためのスポーツする樣々な環境整備も積極的に進めていくべきだと要望いたします。 最後に,地元の案件について申し上げましょう。東山区南部の三つの小学校と一つの中学校が統合して今年4月3日に東山泉小中学校として新しいスタートを切ります。現在,新しい立派な校舎が完成しつつあり,地域の皆さんは中身もすばらしいものにすべく,日本一の学校にしようと意気込みを持たれて奔走されています。是非この地域の皆さんへの更なる支援を要望いたします。あわせて,この学校,1年から5年までは小学校舎,そして6年から9年,つまり中3までは中学校舎で勉学に励むことになっています。今までと勝手が違ってくることもあり,大きな期待がある反面,若干の不安を持たれている保護者もいらっしゃいます。地域の皆さんと連携して,是非丁寧に不安を取り除いていっていただきたく併せて要望いたします。私も5年後この学校の保護者になります。すばらしい学校になるよう色々な面で住民の一人として地域の皆さんと一緒になって汗をかいていきたいと思います。 私の代表質疑はこれで全部です。今回も御清聴いただきありがとうございました。(拍手) ○副議長(隠塚功) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 中野洋一議員の御質問にお答えいたします。 まず,細街路対策,細い道,いわゆる路地の対策についてでございます。中野議員御指摘のとおり,路地の活性化のためには,空き家対策と密集市街地対策と細街路対策の三つをしっかりと融合させていくことが必要不可欠と考えており,来年度からこれらを地域や民間との連携も含めて総合的に本格的に展開してまいります。細街路対策としては,平成19年度から3年間,東山区においてモデル事業に取り組むとともに,平成24年7月に策定した京都市細街路対策指針に基づき,避難安全性を確保するための助成事業や個々の家屋の建替えを特例的に許可する制度の整備等,細街路の特性に応じた体系的な対策を展開してまいりました。この2月市会においては,更に一定の要件の下,安全性を確保しつつ道路後退を緩和するなどにより狭い路地に面した家屋の建替えを可能とする新たな道路指定制度の創設の条例改正を提案いたしております。また,この新たな制度を円滑に活用していただけるよう,沿道住民の合意形成を支援する事業や空き家対策などとも連携し総合的に事業を推進する空き家の改修助成や防災広場の整備助成等の総額約2億7,000万円の予算案を提案いたしております。これらの事業を推進することにより路地の良さを生かしたまちのたたずまいを残しながら,安全性の向上,快適な住空間の創出,地域コミュニティの活性化などにつなげてまいります。京都のまち再生なくして京都の未来はない,その思いの下,京都ならではの地域力を生かし,空き家対策,密集市街地対策,細街路対策を融合し,あらゆる手法を市民の皆様,事業者の皆様と一丸となって総合的に展開してまいります。 次に,雨に強いまちづくりの取組についてでございます。本市では,これまでから河川改修と下水の雨水幹線整備を2本の柱として浸水対策を強力に進めてまいりました。また,近年頻発するゲリラ豪雨や昨年9月の台風第18号による長時間にわたる記録的な大雨などにより浸水被害が発生しましたが,建設局,上下水道局,行財政局,産業観光局,消防局,区役所等が緊密に連携し雨に強いまちづくりに取り組んできたことなどで被害を最小限に食い止めることができたと考えております。現在,これら関係部局が連携して策定した雨に強いまちづくり推進計画に基づきまして,浸水被害が発生した箇所及び発生のおそれがある箇所への対応として,京都駅周辺における塩小路幹線,山科駅周辺における山科三条雨水幹線の整備,第二太田川流域の一乗寺公園地下への雨水貯留施設の整備や森林,農地の保全による保水機能の向上などの取組を進めています。また,来年度からは梅津地域の浸水対策の検討や昨年10月に策定した普通河川整備プログラムに基づく河川整備及び阪急桂駅東側地域における新川6号幹線の整備に新たに着手することとしております。さらに,緊急時における対策といたしまして国土交通省が整備を進めているXRAIN雨量情報を活用したきめ細やかな土砂災害避難情報の提供や,多メディア一斉送信システムの拡充による災害時要援護者への迅速な避難の呼掛けなどを新たに取り組みます。こうしたハード対策はもとよりソフト対策も含めた総合的な浸水対策を推進してまいります。昨年の台風第18号の大雨による教訓をいかしまして,今後の浸水被害を最小化するために,担当副市長を中心に危機管理監の調整の下,関係各局が更なる連携を強化し着実に雨に強いまちづくりを推進してまいります。 次に,エネルギー政策についてでございます。東日本大震災による福島第一原発事故という未曽有の大災害から学んだ教訓を決して風化させてはならないという強い決意の下に,本市が推進すべきエネルギー政策にスピード感を持って取り組むため,京都市エネルギー政策推進のための戦略を昨年12月に策定いたしました。この戦略の基本方針は,エネルギーの大消費地である京都市として,自立分散型エネルギーの活用比重を高め,原子力発電に依存しない持続可能なエネルギー社会を目指すことであります。そのため市域全体のエネルギー消費量を抑制する徹底した省エネルギーの推進を政策の基本に据え,同時に多様な再生可能エネルギーの飛躍的な普及拡大を着実に推進する必要がございます。そこで来年度予算においては,住宅の省エネ改修に対する助成制度を新たに創設するとともに地域ぐるみのエコ学区の活動支援や事業者の省エネ活動を積極的に支援してまいります。また,再生可能エネルギーの普及拡大を図るため,住宅の省エネ,耐震改修に併せて太陽光発電や太陽熱利用設備を設置される場合の助成額の大幅な増額や太陽エネルギー導入のワンストップ相談窓口を開設するほか,木質バイオマス発電についても取り組んでまいります。さらに,市内の全ての道路照明灯を3年間でLED照明に切り替える取組や,新たに整備する市役所庁舎に先進の環境,エネルギー技術を徹底して取り入れていくなど,本市自らが率先して実践してまいります。こうした取組をはじめエネルギー戦略に掲げる事業を着実に推進し,市民,事業者など市域のあらゆる主体と共に汗する共汗により,原子力発電に依存しない持続可能なエネルギー社会を実現してまいります。 私からは以上でございます。以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。
    ○副議長(隠塚功) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 二条城の活用,魅力をいかした取組についてでございます。京都屈指の観光施設でもあります世界遺産二条城は,平成13年度には年間120万人弱であった来城者数が,春のライトアップや秋のお城まつりなど様々な取組の充実により近年150万人に達する一方,来城者の増加に伴う多数の観光バスの駐車等により二条城の玄関口であります東側の景観が損なわれており,特に観光シーズンは混雑により歩行者の通行に支障を来す状況であります。そのため,世界遺産にふさわしい景観への改善と,来城者,歩行者,自転車利用者等と車両の安全性,快適性の確保を目指し,エントランス広場,駐車場及び歩道の整備など28年秋を目途に取組を進めてまいります。また,本年3月から,二条城の二の丸御殿台所,清流園などを国際会議,各種イベント,企業の展示会等に使っていただく取組として,世界遺産二条城MICEプランを実施し,その使用料を本格修理の財源に充当するとともに,利用された方々に二条城の魅力を体感していただき,一口城主募金への支援拡大につながるよう努めてまいります。大休憩所につきましては,今後耐震改修に伴い平成28年春のオープンを目指して売店を含めたリニューアルを行うほか,中野議員御提案の二条城にふさわしい限定商品の開発につきましても検討を進め,来城者サービスの向上と収入増に努めてまいります。今後二条城の更なる魅力を市民はもとより広く国内外に発信し,歴史,文化,観光,MICEといった幅広い観点から生きた文化財として利用の拡大を図ってまいります。以上でございます。 ○副議長(隠塚功) 生田教育長。 〔生田教育長登壇〕 ◎教育長(生田義久) 京都市図書館の利用促進についてでございます。図書館は,市民の生涯学習を推進していくうえで最も基本的な役割を担う施設であり,中野議員御指摘のとおり,市民の皆様の身近な施設として生涯にわたり大いに活用していただけるよう,より便利で,より魅力ある図書館としていくことが極めて重要であると考えております。本市では,中央図書館が開館いたしました昭和56年当時から,全国に先駆けて中央図書館において夜間,祝日開館を導入し,更に各行政区への地域図書館の整備を進めるとともに,勤め帰りの方にも御利用いただけるよう地域図書館での夜間開館を拡充してまいりました。平成18年のインターネット予約システムの導入,翌19年からの全館での夜間開館実施等により図書館の来館者数はここ5年間で約50万人増加し,年間延べ約410万人に達しております。本年4月からは一層の利便性の向上を図るため,市民の皆様からの御要望も踏まえ,地域図書館の第2,第4水曜日の休館日を開館日とするほか,6月からはこれまでの開館時刻を約30分早め,全館9時30分開館としてまいります。さらに,児童コーナーのリニューアルや乳幼児,児童向けの魅力ある催しの実施,利用者の調べものの支援や相談に対応するレファレンスサービスの充実等を進めてまいります。御提案いただいております開館時間の更なる拡大,自習スペースの確保や図書館以外での本の貸出しなどにつきましては様々な課題はございますが,市民ニーズを的確に把握しながら多角的な検討を進め,市民の皆様がより一層楽しく学ぶことができ,使っていただきやすい図書館となるようサービスの向上に努めてまいります。以上でございます。 ○副議長(隠塚功) 次に,天方浩之議員に発言を許します。天方議員。 〔天方浩之議員登壇(拍手)〕 ◆(天方浩之議員) 民主・都みらい京都市会議員団,西京区選出の天方浩之です。鈴木マサホ議員,中野洋一議員に引き続き代表質疑をいたします。 まず始めに,本市の観光予算についてお伺いします。昨年,訪日外国人客数はついに1,000万人を超えました。また,2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決まり,国においては2020年までに訪日外国人2,000万人の達成を目指しております。さらに,関西地域では2021年のワールドマスターズゲームズの開催が決定したことで京都にもますます多くの外国人観光客が訪れることが予想され,今からしっかりとした準備を行う必要があると考えています。平成26年度当初予算案には,東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据えて観光客誘致の更なる充実,受入れ環境の整備として8,400万円の予算が計上されており,これは門川市長の観光面での取組の充実が必要であるとの認識の表れであると大変評価しておりますが,私が危惧いたしますのは,そもそも本市の観光予算が年間約6億円から7億円で推移してきたこと,非常に規模が小さいということであります。ちなみに一般会計予算のおおよそ0.1パーセントにすぎません。ほかの政令指定都市では観光予算が10億円,20億円規模というところもあり,都市によっては算出方法が違うため単純比較はできないものの,日本の観光をけん引する京都の観光予算としては物足りなさを感じるのであります。ややもすれば京都は観光資源が豊富で,何もしなくても観光客が来てくれるとあぐらをかいてしまいがちですが,観光はこれからの京都経済を支えるエンジン産業であります。最近の京都市内の中小企業の景況は緩やかな回復傾向にあるものの,まだまだアベノミクス効果が実感されておらず,円安に伴う仕入れ価格の上昇や消費税の引上げなどの影響なども懸念される中,官民がしっかり連携,役割分担して受入環境の整備はもとより効果的な誘客策を展開しなければなりません。本市の厳しい財政状況を考えますと,単純に予算を増額することは難しいことと思いますが,官民のしっかりした役割分担の下,民間の力を引き出すような投資が必要です。本市の今後の観光予算の充実や施策を求めますが,市長のお考えをお聞かせください。 次に,観光客を迎える京都市民のおもてなしについてお伺いします。本市は,国内外から年間5,000万人もの観光客をお迎えする世界でも有数の国際観光都市であります。本市では,平成22年に策定した京都市観光振興計画において,「旅の本質を堪能できる世界で一番のまちを目指す」としています。旅の本質とは,その土地ならではの風景に出会い,その土地の食べ物を味わい,そしてその土地を愛する地域の人々と触れ合う中で堪能できるものであり,そのためには,市民ぐるみのおもてなしが必要不可欠であります。今から60年近く前の昭和31年に制定された京都市市民憲章においても,「わたくしたち京都市民は,旅行者をあたたかくむかえましょう」と明記されておりますが,観光事業に携わる方々はともかく,一般の市民の方が日々の生活の中でどこまで意識されているものでしょうか。中には,観光客を迷惑に思っている方もおられると聞きます。また,観光客を迷惑に思わないまでも,市内には多くの世界遺産などがあるにもかかわらず,近くにあるからいつでも行けると思っておられるのか,ほとんど足を運んだことがないといった,住みながらにしてすばらしい文化に触れることのできる幸せな環境であることに気付いておられない方も多くおられるようです。観光客に対して本当の意味で温かくお迎えするためには,市民自身が京都市民であることの誇りを持ち,京都の魅力を知り,味わい,自分の言葉で語ることができなければなりません。今後,観光客のため,市民を巻き込んだ観光施策を展開すべきと考えます。いかがお考えですか。 次に,ごみの減量対策についてお伺いします。高度経済成長による大量生産,大量消費,大量廃棄の社会経済システムへの移行により,ごみの量が爆発的に増加し,本市では平成12年度にごみ量のピークを迎え82万トンとなりましたが,その後,家庭ごみ有料指定袋制などの様々なごみ減量の取組が進められ,昨年度のごみ量は48万1,000トンとピーク時から4割以上も削減されました。一昔前は,一升瓶やビール瓶,いわゆるリターナブル瓶を酒屋に返したり,肉や魚も量り売りが当たり前でしたが,今では余り見られなくなりました。ごみ減量の観点で見れば,そうした販売方法の復活が望まれますが,今すぐには難しいのが現実であります。そこで,ごみ減量のために,まずどなたでも取り組んでいただけることは分別であります。本市では,新聞,雑誌,段ボールなどのいわゆる古紙は,地域の自主的取組が進み,古紙業者による回収が他都市と比べて根付いております。しかし,同じ紙である紙箱や包装紙などの雑紙の分別の必要性は,市民に十分理解されているとは言えない状況であり,これまでから市民しんぶん等での広報や,まち美化事務所によるイベント等での啓発などに取り組んでこれらたものの,まだまだ分別は不十分である中,本市会に予算を提案されている雑紙などの紙ごみ分別・リサイクル徹底推進事業によって,どのような手法で雑紙の分別を浸透させていこうとお考えでしょうか。また,雑紙を行政が回収する自治体も出てきている中,本市はコミュニティ回収の拡大や古紙業者の利用拡大を軸に取り組むこととした理由もお聞かせください。 次に,ピーク時からのごみ半減に向けた更なる取組についてお伺いします。ごみ半減の目標を達成するためには,昨年の12月末の速報値では47万3,000トンであり,平成32年度の最終目標値の39万トンまでは,今年の4月からの今後7年間でおおよそ約8万トンのごみ減量が必要であります。分別だけではクリアできない高いハードルではないかと思われます。国は,昨年5月に第三次循環型社会形成推進基本計画を策定し,ごみの発生抑制であるリデュース,再使用のリユースの二つのRを合わせた,2Rの取組がより進む社会経済システムの構築を今後取り組むべき主な課題の一つに位置付けられました。資源小国である我が国にとって,そもそもごみを出さない発生抑制の取組を強化し消費する資源の量を節減することは極めて重要であります。例えば,食べ残しや手付かず食品がたくさんごみになっていますが,我が国の食料自給率の低さを考えれば,もったいないの意識をもっと高めなければならず,本市の,買った食材を使い切る「使いキリ」,食べ残しをしない「食べキリ」,ごみを出す前に水を切る「水キリ」の生ごみ3キリ運動は,今後とも力を入れていく必要があると思っております。また,現在検討されている容器包装の削減についても,本市ではレジ袋の削減に関する市民,事業者との協定を全国に先駆けて締結し,それを契機にレジ袋の有料化が全国に波及しつつありますが,加えて,先ほど述べたリターナブル瓶や量り売りのような昔ながらの買物の仕方に少しでも近付けるように市民,事業者の取組を促進することも必要ではないでしょうか。他都市では,家庭ごみ有料指定袋制導入後に一旦減ったごみが増えることも多い中,本市では今もなお減量効果を維持しており,これは,本市の市民力の高さのあかしであります。しかし,近年は微減にとどまっており,また,有料指定袋制のような特効薬的な減量策を見いだすことも難しいと思われます。このため,ピーク時からのごみ半減の実現に向けては,そもそもごみを出さない発生抑制の取組を一層強化すべきと考えますが,今後どのような展開をお考えなのかお伺いします。 次に,本市の運動部部活動の活性化についてお尋ねします。先程述べましたが,昨年2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定されました。また,今開会されているソチ冬季オリンピックでも大きな感動を呼んでいるところであります。そこで,本市で学ぶ子供たちの中から一人でも多くの子供が世界の舞台で活躍することを期待し,2020年の東京オリンピックにも,是非,本市の子供たちが成長して選手として活躍してくれることを願っております。そのためにも本市立学校で取り組まれている運動部部活動の活性化を通じて,全ての子供たちがチャレンジできる環境を整えていただきたいと願っております。本市の学校運営の基本理念を示す学校教育の重点においては,学校教育の基本指針として,確かな学力の育成,豊かな心の育成,そして健やかな体の育成を掲げられていますが,これまでからも申し上げてきたとおり,子供たちがスポーツや文化活動に全力で打ち込むことのできる部活動は,物事に一生懸命に取り組むことの大切さや苦しさ,またやり遂げたときの達成感や失敗したときの悔しさを通して多くのことを学ぶことができ,日ごろの授業や学習活動と同様に大変重要な活動であると考えています。本市においては,これまでから,去る2月9日に開催され冬の風物詩となった全国で唯一公道を走る大文字駅伝をはじめ,全国的にも珍しい小学校部活動を実施されるとともに,中学,高校における運動部部活動の強化指定など部活動が活性化するための取組を進めてこられました。しかし,現状においては,指導に関する専門的な知識と経験を持った指導者の不足や小学校部活動に合った種目が進学先の中学校にないといった様々な課題もあります。教員の採用や異動,また通学区域など一定の制約はやむを得ないこととは認識しておりますが,オリンピックの自国開催が決定したこの時期に,スポーツを通じて頑張りたいと考え,その主役となる可能性のある子供たちが,自らの夢に向かって全力で取り組める環境づくりを更なる工夫により進めていただきたいと願います。教育長,いかがお考えですか。 次に,大学のまち・京都の特性を生かした教育の実践,特に京都大学との連携強化についてお伺いします。今,本市では子供たちが自らの将来について夢や希望を持ち,学校から社会,職業への円滑な移行や子供たちの社会的,職業的自立を目指して,企業や地元商店などの産業界とも連携され,継続的,系統的なキャリア教育を進められています。また,オール京都としても,市内に37大学,短期大学を有する利点を生かし,京都商工会議所とも連携される中で,京都府内全ての高校,大学が参画する京都高大連携協議会を平成15年度に発足され,市立高校においても各高校の特性も踏まえ,京都大学をはじめとする様々な大学との連携事業を推進されてきました。私の地元西京区でも,時を同じくして,平成15年10月,テクノロジーとサイエンスが融合した新しい研究拠点として京都大学桂キャンパスが開設され,ちょうど10年が経過しましたが,この間,桂イノベーションパークとの連携により,産学公連携の軸として国内外をリードされるとともに,高校と大学の連携にも力を入れて取り組まれ,多くの高校が桂キャンパスで工学系の最先端研究を学び,生徒が自らの将来への夢や学ぶ意欲を高めてきたのではないかと考えています。最先端の研究を身近に感じ探求することの魅力を学ぶことは,子供たちの知的好奇心を刺激し知的創造力を高めるために大変有効であることは言うまでもありません。また,子供だけでなく,教員が最先端の学問に触れ,自らの学びにつなげ,その指導力を高めるきっかけとしても大学との連携推進の重要性はますます高まってくると考えます。そうした中で,本市では先日,京都府教育委員会と共同してiPS研究に代表されるように,国内でもトップクラスの世界最先端の研究が集積する京都大学との連携強化を打ち出されました。今回の協定を契機として,今後,これまでの成果や課題を踏まえ,知の集積地である京都大学の有形無形の資源を,どのように本市の子供たちの教育の充実に活用されていくのか,教育長のお考えをお聞かせください。 次に,地元の西京区における公共交通の利便性向上についてお尋ねします。西京区においては,第二外環状道路や千代原口トンネルが開通し阪急電鉄の高架化事業が進められるなど道路環境が大きく変化し,バスの定時性も向上していると伺っております。折しも交通局では今年3月に市バスの運転計画を見直し,バス車両の増車や鉄道との結節強化,夜間運行の充実など攻めの経営を進められております。バスの利便性向上により乗客が増加し,これに呼応して事業者が更なるサービス向上に取り組む好循環を生み出すことができるか,そのことが,攻めの経営の成否の鍵を握っております。このような動きが見られる今こそ,皆さんに公共交通の御利用を広く呼びかけるべきではないでしょうか。歩くまち・京都総合交通戦略では,3本柱の一つに,交通事業者のネットワーク構築による公共交通の充実を掲げられております。西京区の特色として,バス運行会社が多岐にわたるということが挙げられます。市バスの取組とも歩調を合わせて,民間バス会社も利便性向上が図られるよう,バス事業者間の更なる連携強化が望まれます。ただ,公共交通が便利になったところで,地域住民がその情報を得なければ,利用者増にはつながりません。最近市内各地で展開されているモビリティ・マネジメントは,公共交通を御利用いただくうえで大変効果的な施策であると聞いておりますので,これを積極的に展開することも必要であります。また,洛西地域では特に住民の高齢化が進んでおり,今後,公共交通の担う使命はますます重要になってまいります。そこで,今回の攻めの市バス運転計画を契機に,車利用から公共交通利用にシフトしていただけるための諸施策を積極的に進めるべきであると考えますがいかがでしょうか。 次に,西京区,洛西ニュータウンの今後のまちづくりについてお尋ねします。洛西ニュータウンは昭和51年の入居開始後40年近く経過しており,近年,急激なペースで高齢化を迎えております。そういう現状で,エリアマネジメントという地域再生,活性化の考え方で,地域内の住民や事業者を中心に地域内総合行政機関である洛西支所が事務局を務める洛西ニュータウン創生推進委員会が平成19年6月に創設され,洛西ニュータウンまちづくりビジョンの実現に向けて尽力されてきました。住民の皆様からのまちづくりに対する様々な意見や要望を聴くという意味では成果があったと思われますが,今後,魅力のあるまちづくりを目指すための大きな目標が示されるところまでには及んでおりません。現在,高齢化を迎えている住民の皆様の要望を限りある予算の中でこつこつと地道に実現をしていくということは重要なことであり,それを実現していくのは結果的には高齢化に特化したまちづくりを目指すものになるのではないかと私自身は考えていましたが,本市は,全ての世代が暮らすまちづくりとの方向でした。ならば,今後のまちづくりに向けて,若年世代にも共感される暮らしやすい魅力のある具体的誘導策が必要であります。洛西地域の魅力は,京都府内でも芦生原生林に次ぐ規模の多様な植物群が存在する西山原生林,鳥獣被害を受けながらも種の保存活動を続ける大原野森林公園,洛西ニュータウン内の大蛇ヶ池公園や新林池公園,春になると桜でいっぱいの小畑川公園,向日市への竹の径に通じる竹林公園があり,もちろんニュータウンに隣接する大原野,大枝,御陵には豊かな自然環境が残っており,京都市内で一番空気がおいしい小さな都会と言っても言い過ぎではありません。例えば,学術的な研究対象となり得るような多種多様な植物の花や緑でいっぱいにし,地域住民や学生ボランティアが維持管理をし子供から高齢者までが憩い交流ができる地域にしたり,隣接する地域の大原野や大枝との連携で市民農園の展開や新鮮野菜の地産地消タウンを目指すのも想像しやすいのではないでしょうか。このような洛西全体の自然環境をベースにまちづくりを進めるのも重要だと考えます。また,交通インフラは,第二外環大原野インターチェンジに接続される久世北茶屋線の延伸は今月中に完成の目途であり完成を見るところであり,沓掛インターチェンジと京都市立芸術大学の移転による大規模跡地は隣接している地域でもあります。本市と特に亀岡市以北の丹波,丹後への出入口になることも考え合わせなければなりません。そこでお尋ねします。今後の洛西ニュータウンのまちづくりに欠かせないエリアマネジメントの担い手として,洛西ニュータウン創生推進委員会が成長し,地域コミュニティが活性化する取組を強力に推進すべきと考えますがいかがですか。また,そこで出されたアイデアの実現に必要な行政施策を本庁の関係部署も積極的に展開すべきと考えますがいかがでしょうか。お答えください。 以上で私の質疑を終わります。御清聴いただきありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(隠塚功) 天方議員の質疑の途中ですが,暫時休憩いたします。午後1時に再開いたします。 〔午前11時43分休憩〕 〔午後1時2分再開〕 ○副議長(隠塚功) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(隠塚功) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行いたします。天方浩之議員の質疑に対する答弁を求めます。門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 天方浩之議員の御質問にお答えいたします。 観光振興施策の充実についてでございます。来年度予算におきましては,新しい観光振興計画の策定をはじめ国内外における観光振興施策の充実を図り,観光立国日本を京都がけん引してまいります。私は,文化,芸術,景観,歩くまち,公共交通の利便性の向上等,あらゆる政策が観光都市・京都の魅力,ひいては都市格,ブランド力の向上につながり,観光振興につながると考えており,世界遺産二条城の積極的な運営や,祇園祭や五山送り火等の伝統行事の充実,それへの助成,屋外広告物,看板への抜本的な対策,歩いて楽しいまちなか戦略,公共交通優先のまちづくり,また,2月の閑散期に行う京都マラソン,あるいは京都国際現代芸術祭,琳派400年などなど,観光予算としては表れないものの観光振興に資する数多くの事業を拡充して積極的に実施しているところであり,また,あらゆる政策を観光振興と融合させております。民間の力の活用につきましても,京都水族館や京都鉄道博物館,世界的に知名度の高いホテルの誘致など,この間大きな成果を上げているところであり,引き続き,国において京都市内に認められた観光振興に関する総合特区制度を活用するなど民間投資を更に促進してまいります。また,市民ぐるみのおもてなしの輪を広げるため,京都の魅力発信に貢献していただく京都観光おもてなし大使の任命や,次代を担う子供たちが京都の伝統文化を学ぶジュニア京都検定の実施等の取組を進めております。来年度は,これらの取組に加えまして,旅館や土産物店等において京都に関する幅広い知識を生かし満足度の高いサービスを提供しておられる従業員の方々を京都観光おもてなしコンシェルジュとして認定する制度を創設いたします。さらに,京都の子供たちが,将来,海外からの観光客を温かくお迎えし自信を持って日本の文化などを紹介できるよう,日本や京都の文化への理解を深めるとともに実践的な英語力の強化を図ってまいります。京都はほっといても人がたくさん来られる,いいなとおっしゃる方がおられますが,決してそうではありません。この市会でも議論いただき,前市長のときに4,000万人に満たなかった観光客を5,000万人にしようということで,100を超える事業を展開してまいりました。そうしたことをしっかりと引き継ぎ,更に充実させてまいります。今後とも,市民の皆様に国際文化観光都市・京都の奥深さを知り誇りを持っていただくことで,市民ぐるみの温かいおもてなしを実現できるよう力強く取り組んでまいります。 次に,ごみ減量の対策についてでございます。本市のごみ量は,家庭ごみ有料指定袋制の導入,事業者収集ごみの透明袋制の義務化などの取組を通じ,また市民,事業者の御協力を得て推進した結果,ピーク時の平成12年度の82万トンから今年度末推計では47万3,000トンと4割以上削減し,市民一人当たり1日の家庭ごみ量,全国の政令市平均が600グラムであるのに対して本市は450グラムと4分の3であるという最も少ない状態になってきました。そして焼却炉施設は五つから三つに,あるいはごみ収集の回収経費は94億円から54億円と大きく減少させることができました。しかし,ここ数年はわずかな減少にとどまっております。いわゆるごみ半減プランに掲げる平成32年度に39万トンという目標の実現に向けてはごみ減量を更に加速していく必要がございます。このため家庭ごみの約3割を占める紙ごみのうちリサイクルが進んでいない包装紙などの雑紙の徹底した分別を来年度から全市で展開してまいります。具体的には,京都ならではの市民力,地域力を生かすとともに,本市のリサイクル事業の一翼を担っていただいている古紙業者の力を最大限に生かし,市民の皆様によるコミュニティ回収の拡大と古紙業者による確実な回収を図ることにより実施してまいります。さらに,ごみ半減プランの達成に向け,中間目標年度である平成27年度を待たず,前倒しで取組を見直し,例えばレジ袋の有料化やポイント制導入の義務化,また,家庭ごみの2割弱を占める食べ残しや手付かずの食品の削減といったごみの発生抑制の強化など,これまでの取組から大きく踏み込んで,ごみ減量に取り組んでまいります。 次に,洛西ニュータウンのまちづくりについてでございます。まち開きから30年を機に洛西ニュータウンのまちづくりの課題に対応する組織として地域住民,関連事業者,行政で構成する洛西ニュータウン創生推進委員会が発足して今年で7年目を迎えます。委員会はこれまで豊かな緑,美しい街路樹を守るための緑のまちづくりに向けた提言,交流を深め魅力あるまちづくりを進めるための洛西高校への地域住民による出前授業,また,まち歩きの開催などコミュニティの活性化に向けた住民主体の取組を着実に進めてこられ,私自身も多くの取組に参加し,地域の方々の熱意をひしひしと感じております。私は,洛西地域の他に類を見ない魅力あふれる豊かな自然環境を最大限に生かしつつ,多世代が快適に暮らせる環境を再整備する上で,この創生推進委員会が担っていただく役割は非常に大きいと考えております。同時に少子高齢化の更なる進展や住宅及び商業施設の再生といった課題にも対処していくためには,これまでの住民主体の活動に加えまして,地域に関わる事業者の参画や行政機関とも一層連携していただくことが重要であると考えております。そのため今後,創生推進委員会と洛西支所が一体となって事業者への働き掛けを行うとともに,都市計画や商業振興をはじめ環境保全,教育,福祉,コミュニティの活性化など幅広い分野での全庁的な連携をより強化し,緑とゆとりを守り,各世代が支え合い心豊かに共生できる洛西ニュータウンのまちづくりを進めてまいります。 私からは以上でございます。以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○副議長(隠塚功) 平口副市長。 〔平口副市長登壇〕 ◎副市長(平口愛一郎) 西京区における公共交通の利便性向上についてでございます。天方議員御指摘のとおり,西京区周辺では道路整備の進捗や阪急電鉄の高架化などによりバスの走行環境が改善され,また,JR桂川駅周辺においては,今後,学校や大型商業施設が開業し,鉄道,バスの結節点としての重要性がますます高まるなど西京区における公共交通を巡る環境が大きく変わろうとしております。こうした中,本年3月の市バス新運転計画では,JR桂川駅止まりであった路線の洛西地域までの延長運行や京都駅と洛西地域を結ぶ73号系統の増便,阪急電鉄との接続を考慮した桂駅を24時に発車する深夜バスの新たな運行などを実施することとしており,これにより西京区のバス利便性が一層向上します。本市ではこの機会を逃さず,民間バス事業者に対しても増便や等間隔運行などの利用しやすいダイヤ設定などを働き掛けてまいります。また,住民の皆様に公共交通を更に御利用いただくため,京阪京都交通,阪急バス,ヤサカバス,そして京都市交通局,この四つのバス事業者が一体となった洛西地域の全バス系統の路線図,時刻表を作成し配布するなどのモビリティ・マネジメントに取り組んでまいります。今後とも西京区における公共交通の利便性向上により利用される方が増加し,また,そのことが更に利便性の向上につながるような好循環の実現に向けた施策を積極的に進めてまいります。以上です。 ○副議長(隠塚功) 生田教育長。 〔生田教育長登壇〕 ◎教育長(生田義久) 運動部活動の活性化についてでございます。本市では,保護者や地域の方々の御支援の下,全小学校で運動部活動を実施しており,約7割の児童が参加し,体力向上や自主性,連帯感の醸成はもとより,生涯にわたって運動に親しむ資質や能力の基礎を育んでおります。中学校においては,天方議員御指摘のとおり指導者の確保や希望する部活動の有無などの課題があり,近隣学校との合同部活動や外部コーチの派遣など可能な限り小学校で親しんだ競技を継続し専門性の高い指導を受けられるよう取り組むとともに,小中連携の下,部活動体験や合同練習を実施するなど中学校部活動に参加しやすい環境づくりに努めております。高等学校においては強化指定部を設け,強化合宿や強豪校との交流試合の開催,専門トレーナーの起用など競技力向上を図っております。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定は,子供たちがスポーツに親しむ機運を高める絶好の契機であり,今後,日本を代表する選手から直接指導を受ける機会の創出や,各校種の体育関係団体や競技団体等と連携の下,種目ごとの指導者講習会の充実,強化指定部の拡充等を図るとともに,7,000名を超える子供たちが参加する京都市スポーツ少年団など各種スポーツ団体とも連携し,子供たちがスポーツの魅力に触れ,様々なスポーツに親しむとともに,専門的な指導を受け,その力をより一層高めることができる環境づくりを進めてまいります。 次に,京都大学との連携強化についてでございます。本市では,大学のまち京都という都市特性を最大限に生かし,現在104大学等との連携協定の下,年間2,000人を超える学生ボランティアに教育活動を支援いただくとともに,うち23大学と包括協定も締結し共同研究や学生のインターンシップ等を進めております。とりわけ京都大学とは,中学生が大学の最先端の学問,研究を体験できる京都大学ジュニアキャンパスの共同開催が今年で10回目を迎えるほか,高校における学生,院生のティーチングアシスタントなど充実した取組を重ねてまいりました。こうした連携をより強固なものとするため,平成19年に締結した京都大学との包括協定を更に発展させ,去る2月6日に再締結をいたしました。今後,これに基づき,高校生が京都大学の特別講義を受講できる機会を設けるなど高大連携を更に推進するとともに,これまで進めてまいりました京都大学総合博物館や花山天文台との連携を一層深め,小中学生等の大学や研究機関等での体験学習や大学生と交流する機会を充実してまいります。さらに,教員が大学の最先端の研究に触れる機会を創出するとともに,学部を横断した気鋭の若手研究者グループと連携し新たな教材開発を進めるなど授業の高度化をはじめ教育活動の充実につなげる京都ならではの連携の取組を展開してまいります。以上でございます。 ○副議長(隠塚功) 次に,ひおき文章議員に発言を許します。ひおき議員。 〔ひおき文章議員登壇(拍手)〕 ◆(ひおき文章議員) 北区選出のひおき文章です。私は,公明党京都市会議員団を代表して,今議会に提案されている平成26年度予算案に対して質問します。この放映を御覧いただいている皆様と共に,市政の課題について考えたいと思います。 昨年の参議院選挙で自公連立政権は過半数を獲得し,長年続いてきた衆参のねじれを解消しました。今年は,安定した政権の下,日本経済の再生,東日本大震災の復興のスピードアップ,社会保障制度の更なる進化,より良き国際関係の構築等,様々な重要課題の克服に果敢に挑戦し,国民が実感できる成果を出さなければなりません。京都市においても同じです。経済の再生と雇用の創出,福祉,教育の充実,防災,減災対策の推進,文化首都・京都の国内外への発信等,国,府との連携も含め強力に取り組んでいかなければなりません。「経営とは変化への対応である」とは,アメリカの鉄鋼王カーネギーの言葉です。変化の激しい現代において,あらゆる組織,団体に当てはまります。しかし,私は,今後,変化への対応に加え,変化を作り上げるという強い意志と行動が必要ではないかと考えます。公明党は,今年11月17日結党50周年を迎えます。本物の政党として更なる進化を目指し,今年1年間必死で頑張る決意です。そのためにも,この京都から市民のための新たな変化を起こし,これを日本の,世界の変化へとつなげていきたいと思います。それでは質問に入ります。 まず初めに,平成26年度予算案の全体について質問します。今回の予算案を変化への対応という観点から見ると,国の予算案に連動していることが認められます。 〔隠塚副議長退席,橋村議長着席〕 ◆(ひおき文章議員) (続)国の予算案は歳出総額95兆9,000億円と過去最大の規模であるとともに,公共事業費も防災,減災を目的として,2年連続増額となっています。本市の予算案も平成25年度予算を上回る額を確保するとともに,一般会計の公共投資の規模も大幅増となった今年度並みの705億円を確保しています。安倍晋三首相は,施政方針演説で経済の好循環を掲げて日本再生への決意を訴えました。門川市長も予算編成に当たって重視した視点として,国の経済対策に積極的に呼応し公共投資を増額するなど,京都経済の活性化と安定した雇用の創出に向けた取組を更に強化という点を挙げています。また,国の経済政策と本市の成長戦略があいまって市税収入が大幅に増加し,財政構造改革を大きく前進させる見込みとなりました。これらの内容については評価します。国と同じく本市においても経済の再生,デフレからの脱却等が中小零細企業や各家計において早く実感できるように政策をしっかりと推進することを門川市長に強く期待しています。しかし,平成26年度は門川市政2期目後半の折り返しであるとともに,最終年度である平成27年度で全てを結実させるための環境を作り上げる重要な年度です。先ほど述べたように,変化への対応に加え変化を作り上げる強い意志と行動が大変重要になります。この点において,門川市長はどのように取り組まれるのかお伺いします。 第2点目に,京都市の人口問題について質問します。人口については,国勢調査の数値に増減を反映させた推計人口と,住民基本台帳を基にした,いわゆる定住人口の二つの指標があります。本市の現状を見ますと推計人口は平成25年10月現在147万人,定住人口は平成25年3月現在138万人であり,推計人口は過去4年間で3,519人の減少,定住人口は6,332人の減少となっています。京都市基本計画策定時の予測では,京都市は平成22年6月現在で146万4,000人である人口が平成32年には141から142万人に,さらに,平成47年には,127から130万人まで減少する見込みです。総務省が昨年8月に発表した平成25年3月末時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査によると,全国の日本人の人口は前年同期より26万6,000人少ない1億2,639万人と4年連続で減少しました。急速な少子高齢化や人口減少は,労働力人口や消費者の減少を意味し,こうした人口構造の変化は日本経済の活力を弱め,年金,医療,介護など社会保障制度の基盤を揺るがすおそれがあります。本市においても,平成25年3月時点での推計では,先ほどの基本計画策定時の予測に比べると,「はばたけ未来へ!京プラン」の推進等により減少幅は改善しているものの人口減少が続いています。同期間の定住人口の他の政令市の状況を見ますと,京都市が6,000人減少しているのに対し同規模の札幌市は2万5,000人増加,川崎市は3万7,000人増加,神戸市は4,000人増加,福岡市は5万人増加と全て増えています。さらに問題なのは年齢区分別人口の推移です。本市においては,平成21年度以降の4年間で,15から64歳の生産年齢人口が3万1,000人減少し,65歳以上の高齢人口が3万3,000人増加しました。4年間で6万4,000人,すなわち毎年約1万6,000人ずつ高齢人口が生産年齢人口に近づいているという現実があります。この人口構造の変化が,先ほどの国の動向と同じく,京都市の経済を中心とした活力を弱め,財政基盤を弱めることになります。本市でもこの点に強い危機感を持っており,昨年10月に通知された「平成26年度予算の編成について」において,初めて定住人口の増加に関する記述がなされました。それは以下のとおりです。1,本市として,産業政策分野にとどまらないあらゆる分野において,地域経済の活性化や雇用の創出,定住人口の増加につながる成長戦略を大胆に推進する,2,今後の生産年齢人口の減少に対し,若年層の市内定住促進など人口増加に資する政策を展開し,財政基盤の強化を図るとの二つの記述です。ここには,人口,特に定住人口の減少に対する本市の危機感が表れております。本市の最重要課題は人口増加,特に定住人口の増加です。今こそ,人口目標,定住人口目標の設定と取組が必要です。同規模の政令指定都市を見ますと,札幌市,神戸市,福岡市は推計人口150万人を超えており,札幌市,神戸市は定住人口も150万人を超えています。福岡市は昨年5月に推計人口が150万人を突破しました。定住人口も150万人を超える見通しのようです。人口の増加は,都市の魅力のバロメーターの大きな要素であり,本市においても,推計人口147万人,定住人口138万人を共に150万人にする目標を明確にして150万都市・京都の実現に向け取り組むべきであります。特に定住人口増加のためには総合的な取組が不可欠であり,明確な目標の下,従来にない強力な推進体制を作り取り組むべきと考えますがいかがでしょうか。 また,この課題に対し,京都市立芸術大学の移転整備に伴う京都駅東エリアの総合的なまちづくりを具体的なケースとして取り組んではどうかと考えます。私は,京都の活性化に向け,中小企業を中心にした京都経済の再生と雇用の創出を強く求めてきました。あわせて,京都の都市力を強くするためには定住人口を増やすことが必須で,それに向けた総合的なまちづくりが必要であることも述べてきました。市長は,1月6日の年頭記者会見で,10年後をめどに京都市立芸術大学の崇仁地域への移転を表明されました。崇仁地域は,京都駅に隣接するという一等地にもかかわらず,全市で最も高齢化率が高く少子化も著しい地域です。人口流出が止まらず9,000人を超えていた人口は約1,600人と最盛期の6分の1に激減しています。正に大学移転がまちの再生のラストチャンスです。定住人口の増加に向け,特に若者や子育て世代が住み続けられるよう市営住宅の空き室への学生入居や留学生住宅の建設,子育て世代の優先入居といった住宅政策に加え,子育て支援政策,産業,商業振興政策,芸術文化政策など,正に総合的なまちづくり,活性化策が必要となってきます。また,定住人口増加に向けた規制緩和など特区的な発想が必要であります。下京区西部エリアの活性化については現在総合企画局が中心となり進めています。南区や東山区も視野に入れた京都駅東エリアのまちづくりこそ,総合企画局が先頭に立って全庁を挙げて総合的なまちづくりを推進する執行体制を執るべきと考えますがいかがでしょうか。 第3点目に,女性職員の管理職への積極的な登用について質問します。人口減少,少子高齢化,国の活力低下等の悪循環を断つには,女性や若者,高齢者の活力を生かすことが不可欠です。中でも,女性の活躍が重要ですが,我が国は先進国の中では突出して女性の社会参画が遅れていると言われています。そのため平成22年12月閣議決定された第3次男女共同参画基本計画において,社会のあらゆる分野で平成32年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30パーセント程度とする目標が設定されました。指導的地位の定義としては,1,議会議員,2,法人,団体等における課長相当職以上の者,3,専門的,技術的な職業のうち特に専門性が高い職業に従事する者が適当となっています。しかしながら,世界経済フォーラムが作成しているジェンダー・ギャップ指数(男女平等指数)では,昨年日本は136箇国中105位にとどまっています。米国のある投資証券会社のリポートによれば,女性の雇用を男性並みに改善できたら,日本のGDPが15パーセントアップするという試算が出たそうです。女性の能力を引き出すことが今後ますます重要になってきます。 このことは京都市政の活性化においても同様です。京都市では,京都市人材活性化プランで平成24年度までに役付職員の比率20パーセントを目標に女性職員の登用拡大に取り組み,係長級以上20.3パーセントと目標を達成しました。しかし,課長級以上は13.3パーセントと国の目標である30パーセントには程遠い状況です。平成25年3月策定の京都市職員力・組織力向上プランでも,管理職への積極的な女性の登用が掲げられていますが具体的な目標はありません。今後,課長級以上の登用の目標も検討し具体策を推進すべきです。係長級の人材の裾野が広がっており,従来以上に環境を整備することにより課長級以上の女性幹部の登用は確実に拡大するものと考えます。最近では米国において女性の登用が話題となっています。一人は,米自動車最大手ゼネラル・モーターズの次期最高経営責任者への抜擢で,重厚長大産業の代表的企業のトップに女性が就くのは異例です。もう一人は,米連邦準備制度理事会議長への女性の就任です。創設100年のFRBで初の女性議長となります。このような世界的な流れを見ますと,日本においても女性の活用に本腰を入れるべきです。そのためにも,本市においても先進的に女性職員の幹部登用を推進すべきと考えます。さらに,できる限り早い段階で,今まで出ていないラインの女性局長を誕生させるとともに,将来的には三人の副市長のうち一人は女性を登用することを検討すべきと考えます。ただし,女性職員の幹部登用は,あくまでも人物本位であるのは当然です。本市の職員として仕事にチャレンジ精神を持って取り組みたいという意思のある女性職員の方には,是非とも頑張っていただきたいと思います。このことにより本市職員全体のレベルアップが図られ,女性の視点によるまちづくりと市政の推進を強化することにより,門川市長の目指す都市格の向上にもつながるものと確信します。以上の点を踏まえ,市長の女性職員の幹部登用に対する考えと,具体的な取組についてお伺いします。 第4点目に,教育行政における課題について質問します。一番目は教育委員会の在り方についてです。地方教育行政の権限はどこが持つべきか。文部科学省の諮問機関である中央教育審議会が昨年12月に答申した教育委員会制度の改革案が波紋を呼んでいます。権限を首長に移す案と教育委員会に残す案が事実上の両論併記となった答申案が議論を呼んでいます。現在の教育委員会は,教育行政の執行機関として教育方針や人事などの最終的な決定権限を持っています。しかし,教育委員会は,教育長を除き非常勤で合議制の執行機関であるため,「責任の所在が不明確」「迅速な意思決定ができない」などと指摘されています。滋賀県大津市で,いじめを受けた中学生が自殺した事件では,市教育委員会の不適切な対応が批判を浴びるとともに,こうした教育委員会の問題点がマスコミで取り上げられました。中教審の答申で示された改革案の一つは,教育行政の権限を首長に移し責任と一体化させるものです。この場合,首長は,教育政策の理念や目標を定める大綱的な方針を決定し,教育委員会は,同方針を審議する諮問機関のような位置付けとなります。教育長は首長が任命し,首長の補助機関として教育行政の事務を担います。首長は教育長を罷免することもできます。一方,この案では政治的中立性の観点から「首長の影響力が強くなりすぎるおそれがある」として,答申には,教育委員会の性格を改めたうえで権限を残す案も併記されました。具体的には,教育委員会は執行機関のままとし,首長と協議したうえで大綱的な方針を決定します。そのうえで,教育長を教育委員会の補助機関として日常業務の責任者に位置付け,教育委員会がその業務状況をチェックします。首長は教育長の任免権を持ちますが,教育長に直接指示はできません。中教審の答申を受け,現在政府与党で改革案の検討を進めています。教育の政治的中立性や継続性,安定性を確保したうえで,責任の所在を明確にする改革が求められています。この件については,門川市長も臨時委員としてほぼ全ての会議に出席し議論に参画するとともに,その他,自民党教育再生実効本部会議や,公明党文部科学部会でも意見発表されています。公明党としては,中教審の答申で両論併記された案について,教育委員会の改革は必要と考えるが,政治的中立性,継続性,安定性の観点から,執行機関を首長とする案については慎重にならざるを得ないとの立場を取っており,私も同じ考えを強くしています。教育は国家100年の大計であり,時代の変遷に耐える制度にしなければなりません。そこで,教育長と首長の双方を経験し,全国トップレベルの公教育の推進と発信に努める門川市長に率直な見解をお伺いします。 教育行政における課題の二番目は,英語教育改革についてです。文部科学省は昨年12月,小中高校で教える内容や授業時間を定めている学習指導要領を平成28年度に全面改訂する方針を固めました。この中で,国際的に活躍できる人材育成を目指し英語教育を充実させることが盛り込まれており,文部科学省は,子供たちの実践的な英語力を養うための英語教育改革実施計画を発表しました。語学教育を抜本的に見直しグローバル時代に対応した使える英語を身に付けた人材の育成を目指します。英語教育改革実施計画で特に注目されるのは,小学校における英語教育の拡充です。小学校では平成23年4月から,英語による外国語活動が5,6年生を対象に全国で実施されています。週1回の活動で,英語教材は各学校独自で選択されています。歌やクイズで英語に親しむ内容が中心です。授業は担任が指導し,成績評価もありません。新計画は,5,6年生を対象とした英語教育を週3回程度増やし体系的に教える教科として授業します。教科書を使用し読み書きも指導します。専門教員が担当し成績評価も実施するなど一歩踏み込んだ取組となります。これまで対象ではなかった3,4年生でも週一,二回の外国語活動を導入します。新たな英語授業は,中高の英語教育改革と合わせ,東京五輪が開催される平成32年を目標に実施されます。 日本の英語教育の遅れは目立っています。韓国は平成9年に小学校での英語を必修教科として導入しました。フランスでは,全ての子供が2箇国語以上の外国語を学習しています。文科省が抜本的な英語教育の見直しに取り組む背景には,日本の英語教育が実践的な英語能力の向上につながっていないとの反省があります。TOEFLでの日本の順位は,163箇国中135位,アジアの中では30箇国中27位という低さです。新計画は中高の英語教育も見直します。中学校では自らの考えを表現できる力などを生徒に身に付けさせるため,英語教育は原則として英語のみで行うとなっています。既に今年度から英語のみの授業が行われている高校では,高校卒業段階で準1級程度の英語力を身に付けることを目標とします。新計画の実施で課題となるのが,教員の英語力の底上げや人材確保です。日常生活で英語に接する機会が少ないうえに,日常業務でも多忙な教員の能力向上の機会をどう確保するかが課題です。文科省は打開策として,小学校については担任教員の英語研修を早ければ来年度から開始するとともに,高い英語力のある外部人材が小学校で指導できるよう特別免許の創設なども検討しています。また,より実践的な指導力が求められる中高の英語教員に対しては,必要な英語力,英検準1級程度の獲得を求めます。日本英語検定協会が今年7月に公表した小学校の外国語活動の現状調査,国公私立5,207校が対象によると,平成23年度からの英語教育導入で7割近い学校が,児童の聞く力などが付いたと回答しています。多くの学校が英語教育の効果を実感していることが分かりました。しかし,小学校での成績評価の導入などで児童が英語を楽しむ余裕を失う可能性もあります。高度な英語教育を行う中高でも同様の問題は起こり得ます。正に成績評価に偏らない柔軟な英語教育が求められます。本市では,平成6年度より小学校英語活動の実践研究を開始し,全国に先駆けてその指導方法や教材の開発に取り組みました。さらに,平成17年度には小中連携英語教育の中学校卒業段階での目標として京(みやこ)・英語スタンダードを定め,小中9年間を見通した英語教育にも取り組んでいます。これらの成果を踏まえ,文科省の新計画を見据えて,今後どのように取組を強化するのかお伺いします。 以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) ひおき文章議員の御質問にお答えいたします。 まず,来年度予算編成についてでございます。私の2期目の市政の折り返し点となる来年度予算は,積極予算として市民の皆様にお約束したマニフェストを全て盛り込んだ「京プラン」実施計画を力強く推進するとともに,財政構造改革についても大きく前進させる予算として編成いたしました。現在,政府の経済対策により景気は着実に回復に向かっております。これを京都の隅々にまで行き渡らせ京都経済の確かな成長を実現するため,あらゆる京都の強みを生かした成長戦略の推進と安定した雇用の創出に全力を傾注してまいります。また,和食のユネスコ無形文化遺産の登録や議員提案で制定いただいた日本酒条例の全国への普及など京都発の取組は内外で大きく注目されております。来年度予算におきましても,文化芸術や景観など京都の魅力と都市格に更に磨きを掛け,東京オリンピック・パラリンピック開催等を機に,観光立国・日本をけん引し世界の文化首都・京都への歩みを確かなものとする文化芸術施策を展開するなど全国をリードする政策を推進してまいります。そして,京都ならではの空き家対策,密集市街地対策,細街路対策の総合的な展開や,京都駅の東に新たな文化芸術シンボルゾーンを創造する京都市立芸術大学の移転整備,未来の京都,日本にふさわしい新たな交通分野でのイノベーション誘発に向けた研究開発の着手など時代を先取りし,20年後,50年後の未来を見据えた取組を積極的に進めてまいります。今後とも市会からの御提案等も踏まえながら,福祉,教育,子育て支援の一層の充実や防災,減災対策など市民生活の安心安全を守り,未来の京都への責任をしっかりと果たすとともに京都が先頭に立って新しい時代を築いていく中心的な役割を果たし,将来,「京都から新しい日本の未来が開けた」と語られるよう引き続き全力を傾注してまいります。 次に,人口増加に向けた取組についてでございます。人口の増減は都市の発展と活力の維持に多大な影響を及ぼすことから,京都の未来を左右する極めて重要な課題と認識しております。一方,我が国の人口は,今後100年間で半減し100年前の明治後期の水準に戻るという歴史上類を見ない急激な人口減少時代を迎えると言われており,現在人口が増加しております札幌,川崎,神戸,福岡の各市も含めて,全国で人口減少が見込まれております。人口の目標値につきましては国においても設定されていない中で慎重に検討していく必要がございますが,人口の減少を食い止め増加につなげていくためには,私は,定住人口に加え交流人口も視野に,また,世界を視野に入れてあらゆる分野で京都の魅力と都市格を高めていくことが不可欠であると考えております。このため,今,京都において次の4点が最も重要であり,推進してまいります。1点目は,安心して住みやすく魅力的なまちづくりとして,都市の生活機能を駅などの交通拠点の周辺に集約する仕組みを構築するとともに,総合的な空き家対策等を推進してまいります。また,京都の発展の鍵となる地域として,ひおき議員御指摘の京都駅東地域の活性化を図るため,下京区西部エリアと共に総合企画局をはじめとして全庁挙げて再生に取り組んでまいります。二つ目は,京都で子供を産み育て,学び,暮らしたいと思っていただくための取組として,全国最高水準の福祉,医療,子育て支援,教育環境のより一層の充実を図ってまいります。三つ目は,京都経済の活性化と安定した雇用の創出に向け,観光MICEの更なる推進や正規雇用3万人の実現にオール京都で取り組み,四つ目は,交流人口の拡大を視野に入れた取組として,国際化の推進や大学生,留学生の一層の受入れを拡大してまいります。そして新たな国土軸としてリニア中央新幹線の京都駅ルートの実現に向けた取組を一層加速させてまいります。人は魅力ある都市に集まります。今後とも,より多くの人に京都に住んでいただき,また,訪れていただけるよう,総力を結集して京都の未来を切りひらいてまいります。 次に,女性職員の登用についてでございます。私は,市民の目線に立って,多様なニーズに的確に応える市政を推進するとともに,本市が活力あふれる組織であり続けるため,意欲,能力の高い女性職員を積極的に登用し,女性の視点を市政の隅々にまで行き渡らせることが極めて重要であると考えております。このため,まずは女性役付職員の裾野を広げるという観点から,係長級以上の役付職員に占める女性比率を20パーセントにするという目標を明確に掲げ強力に推進してきました。市長就任直後の15パーセントから平成24年4月には20パーセントへと急速に拡大し,既に目標を達成しました。また,課長級以上の幹部職員に占める女性比率でも,昨年4月の定期異動では,課長級昇任者の三人に一人は女性を登用するなど積極的に取り組み,9パーセントから14パーセントへと大きく広がっております。数値目標を設けて女性登用に努めることは男女共同参画社会の実現のために重要であることから,今後も幹部職員への女性登用の具体的な数値目標の設定についても検討してまいりますが,同時に,登用に当たっては,ひおき議員御指摘のとおり,人物,能力本位であることは言うまでもありません。本市では,これまでから区長をはじめ市政の最重要施策を担う観光政策監や文化芸術担当局長,また人事課長,秘書課長といった枢要な職に女性職員を抜擢するなど適材適所の人事を行ってまいりましたが,今後,更に市政をけん引する職への登用を図ってまいります。また,女性の登用には人材育成と共に,その能力を十分に発揮できる職場環境の整備が不可欠であり,時間外勤務の縮減や子育てと仕事の両立支援など真のワーク・ライフ・バランスの推進の取組と併せまして,研修の充実や先輩職員の経験談の発信など女性職員のキャリアアップの意欲を喚起する取組についても,しっかりと推進してまいります。こうした取組により,ひおき議員御指摘の女性の視点によるまちづくりと市政の推進が着実に根付く組織の充実を積極的に進めてまいります。 次に,教育委員会制度についてであります。現行の地方教育行政の在り方につきまして国民的議論が深まっていく中,教育委員会の使命と役割が大きく問われております。今後の方向性を左右する重要な時期と私は認識しております。教育の営みは,一人一人の子供たちに豊かな人格の形成と社会で生きて働く力を身に付けさせることを目的として,保護者や地域の願いをしっかりと受け止め,情熱あふれる教職員と保護者,地域とが互いの立場を超えて一体となり,課題と行動を共有しながら社会全体で継続して取り組んでいくものであります。したがって,政治的な対立が学校に持ち込まれることはあってはならず,時々の首長が学校運営に直接関与しないという現在の教育委員会制度の根幹は何としても守るべきと考えております。そうした観点から,委員として参画いたしました中央教育審議会,昨年,私は11回出席しましたが,政治的中立性の確保,安定性,継続性などを訴えてまいりました。教育委員会を首長の附属機関とするのではなく,独立した執行機関として維持することを前提に,問題となったいじめや虐待等の緊急に対応する事項については迅速かつ的確に対応できるよう必要な改革をすること,具体的には,首長が教育委員会と協議し,議会の議決を経て,教育の大綱的,長期的な方針を示すこと,そのうえで教育長を事務執行の最終責任者と位置付け,責任の所在を明確にすることを訴えてまいりました。昨年12月の答申におきまして,首長を教育行政の執行機関とする案と共に,教育委員会を執行機関として維持する案を併記させることができました。その後もひおき議員御指摘のように,公明党,自民党の会議にも出席し,私の考えと,京都での市民ぐるみの実践を述べさせていただきました。現在,政府・与党では,首長を執行機関とする案は退けられ,教育委員会の執行機関としての体制を維持しつつ,教育委員長と教育長を統合した代表教育委員を新設し,責任体制を明確にする,また,首長が主催する会議で教育委員会の意見も聞き大綱的な方針を定める案で取りまとめが進められております。私も評価しているところであります。ひおき議員御指摘のとおり,教育は国家100年の計であります。今後とも本市においては首長と教育委員会がそれぞれの役割と責任をしっかりと果たし,教育行政の在るべき姿を示し,市民ぐるみで教育の充実に取り組んでまいります。 私からは以上でございます。後は関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(橋村芳和) 生田教育長。 〔生田教育長登壇〕 ◎教育長(生田義久) 英語教育の改革についてでございます。本市では,平成9年度から小学校英語活動の実践を開始,さらに本市独自テキスト「ハローフレンズ」を作成し,全国実施の3年前の平成20年度から5,6年生における週1時間の授業を全校で実施してまいりました。また,平成14年に意欲あふれる教員を中心に,全国に先駆け小学校英語教育研究会が発足し,平成16年に小学校英語の全国大会の第1回大会を京都で開催して以来,過去10回のうち6回を本市で開催し,平成17年には小学校英語教育国際シンポジウムを開催するなど全国をリードする取組を進めてまいりました。また,当時,指導主事として全国大会開催の中心となった本市教員が文科省に招聘され,現在,教科調査官として全国の小学校英語教育の中核を担っております。今後,文部科学省の計画も踏まえ,国際文化観光都市・京都にふさわしい,より実践的な英語教育を先駆けて展開してまいる考えであります。このため小中学校9年間を見通し,その到達目標を示した本市独自の京(みやこ)・英語スタンダードに基づき,来年度から新たに全小中学校で子供たちが毎日英語に触れるイングリッシュシャワー事業を実施するとともに,実践的英語力を培うため中高生の半数程度を目標に補助制度を設けて実用英語検定の受験を奨励してまいります。また,小中連携の視点に立ち実践研究校16校を指定し,英語教育指導員の配置やタブレットパソコンの導入等の条件整備を行い,将来の教科化を見据え,小学校での専科教育や先進的な教材研究等に取り組んでまいります。さらに,小学校の採用1年目,10年目教員を対象としたネイティブスピーカーからの指導や指導法向上に向けたワークショップ形式の協議を行う悉皆研修を新たに実施するとともに,中学,高校教員の英語力の更なる向上に向けた研修の充実に取り組んでまいります。今後とも英語を用いて積極的にコミュニケーションを取ろうとする意欲,態度を子供たちに育み,それを基盤に実践的英語力につなげる京都ならではの英語教育を推進してまいります。以上でございます。 ○議長(橋村芳和) 次に,津田早苗議員に発言を許します。津田議員。 〔津田早苗議員登壇(拍手)〕 ◆(津田早苗議員) 伏見区選出の津田早苗でございます。ひおき議員,吉田議員と共に,公明党京都市会議員団を代表し,平成26年度予算案について質問いたします。市長並びに関係理事者におかれましては誠意ある御答弁をお願いいたします。 まず初めに,魅力ある通年型観光政策についてお伺いします。昨年は,富士山が世界文化遺産として認められ,また平成32年に東京オリンピック・パラリンピック開催の決定,さらには,和食がユネスコ無形文化遺産に登録されるなど,日本,京都にとってうれしいニュースが続いてありました。世界に向けて日本文化の魅力を発信できる絶好の機会と捉え,全世界の人々に日本に関心を持っていただき,たくさんの方々に来日していただきたいと思います。 先日,法務省が発表した平成25年の外国人入国者数は,前年より208万人増の1,125万4,841人と過去最高となり,初めて1,000万人を超えました。これは円安で韓国や台湾を中心に観光客が増加し,またタイやマレーシアの旅行者のビザが免除されたことも影響したと見られています。外国人観光客の傾向は東京のような大都市だけでなく,伝統的な雰囲気を残す地方に関心を抱く人が多いと言われ,先日もたくさんの台湾の方が美山の雪景色を見に来ているお話を伺いました。門川市長は,この機を捉え,「東京でスポーツを,京都で文化芸術を」を合言葉に京都の魅力を発信すると言われておりますが,海外からのお客様をおもてなしするためには,もっと私たちが自国の文化や魅力を知ることが必要です。しかしながら,日本人が日常的に日本文化に触れる機会は極めて少なく,1200年を超える悠久の歴史や多くの国宝や重要文化財,茶道,華道,京料理など,日本の文化が集まっている京都がその魅力を発信して,まずは多くの日本人に日本文化に触れる機会を持ってもらうことが必要であり,京都の果たすべき役割は重要です。京都の宿泊観光客は約1,220万人,うち外国人宿泊客は約84万人であり,宿泊客の大半は国内の方であります。誘客するには,今までと同じようなことをしていては,ディズニーランド等の関東方面や北陸新幹線開通が間近に迫る北陸方面など京都にとっては逆風の要素も数々あり,日本人観光客の減少につながりかねません。人口減少に伴い縮小傾向にある国内観光において,例えば学生のまち・京都で二十歳,成人式を迎えた人が,少し大人になった10年後の節目に京都で三十路式を行い,若いころと違う京都の魅力に触れ発見していただくとか,二条城をはじめ特に閑散期における和婚の取組とか,観光都市として1年間通じておもしろい魅力があるという通年型観光の推進に向けた観光コンテンツの発信を強化していくとともに,東京オリンピック・パラリンピックやワールドマスターズゲームズを機に,日本人が改めて日本を知る,日本人が改めて京都を知る取組をどのように推進していかれるのか市長の所見をお聞かせください。 次に,国際交流と外国人観光客誘致策についてお伺いします。去る1月5日から12日まで公明党山口那津男代表は,インド政府の招聘により訪印をして,経済や文化でつながりが深い日印両国の関係を一段と深めることができました。マンモハン・シン首相は,会談で,「日本とインドの戦略的パートナーシップにより,自動車産業や地下鉄事業などを通して,日本の支援がインドの経済を支えてくれています。インド人は日本人を高く評価しており,今後は教育をはじめとする様々な分野で2国間の協力関係を強化していきたい」と訴えていました。インドは人口12億人,世界第2位で,近年,急成長を続ける経済国として世界中から注目されています。経済をはじめ文化,観光など様々な面での交流が更に拡大されていくことは間違いなく,日本にとっても今後大きな経済の拠点や市場になると思われます。しかし,日本からインドへの訪問者は約17万人に対し,インドから日本への訪問者は約6万人となっていて,京都市においては世界の134箇国地域から4万323人が居住していますが,インド人は220名とわずかなのが現状です。門川市長が会長を務める世界歴史都市連盟が発足して今年はちょうど20周年目の節目を迎えます。加盟都市もインドのヴァラナシ市を含め100都市を超え,歴史都市という共通のきずなで世界平和の貢献,文化交流を通して更なる発展をすることを目的に賛同し,多彩な国,地域の都市が集まっています。 京都市は,26年度予算において外国人観光客誘致施策の充実として,海外情報発信,収集拠点をドバイや香港に新設,また,東南アジアや中東に対し海外新規市場の開拓の拡充に取り組み,新たな京都ファン獲得と共に観光客の満足度アップの向上に取り組まれます。現在,京都市国際化推進プランの中間見直しを行っていますが,世界歴史都市連盟の一層の活性化や多文化共生都市として,より幅広く世界の都市と民間レベルでの交流を主体とした文化芸術,学術研究,教育,経済などの分野で,インドをはじめとするまだまだ交流の薄い国々とのパートナーシティ交流の支援を積極的に進め,京都の魅力を十分に情報発信して,更なる外国人観光客を誘致していただきたいと思いますがいかがでしょうか。 次に,認知症対策についてお伺いします。厚生労働省によると,2025年,平成37年には,65歳以上の高齢者数は3,657万人と約三人に一人が高齢者になると予測されており,世帯主が65歳以上の単独世帯700万世帯と夫婦のみの世帯650万世帯を合わせると全体の25.7パーセントを占めるとされています。京都市においても,平成25年10月推計によると,前年より1パーセント増となり京都市民の4分の1に当たる36万8,662人が65歳以上となっています。この増加は過去10年間のうち最大幅となっており,いよいよ本格的な超高齢社会を迎えます。厚生労働省の推定では,全国認知症高齢者は平成37年には470万人に達すると見込まれて,認知症予備軍とされるMCI(軽度認知障害)も含めると800万人以上に上ると言われて,京都市においても約10万人と見込まれています。政府は初期段階の認知症高齢者の早期診断,早期対応を行うために,保健師,看護師や社会福祉士など専門チームを平成27年度から全市町村に設置する方針を固め,26年度はモデル事業で100箇所で専門家チームを設け本格実施に向け課題や効果を検証します。 認知症高齢者は増加しており,私も高齢者とお会いして話を聞いたところ,振り込め詐欺の被害に遭っていて,認知症であることも発見でき,地域包括支援センターにつなげることができました。最近,認知症高齢者に対して,見る,話す,触れる,立つという四つの基本の接し方を変えるだけで,心身ともに良い状態になるというフランス発のユマニチュードという介護の療法が注目されています。ユマニチュードは人として接するという意味で,フランスのイネ・ジネスト氏等が考案したもので,相手の目を見て,体に触れながら,優しく話し掛けて,自分で立つように支援するといった普通のしぐさを通して,「あなたを人として尊重している」との思いを伝えるという療法であり,日ごろの人間関係にも活用できそうです。私は,これまでも,高齢者や介護の問題が重要であると認識して,安心して暮らせる長寿社会の構築についてお伺いしてきましたが,誰もが当事者になる可能性がある認知症については,今後,最重要課題として取り組んでいくことが大切と考えています。 京都市長寿すこやかプランにおいては,認知症をはじめとする要援護高齢者支援の推進を重要課題の一つに掲げ,医療と介護の連携体制の強化や早期発見に向けた取組として,25年度の地域で気づき・つなぎ・支える~認知症総合支援事業において,昨年12月に,自己診断できる「認知症?気づいて相談!チェックシート」を作成されました。このチェックシートは,地域の身近な相談窓口を紹介した地域資源情報資料とセットで,相談ツールとして地域包括支援センター等による個別訪問活動や地域での啓発活動に広く活用されて,チェックシートが普及することにより相談に出向くきっかけが広がります。また,昨年10月に策定された京都認知症総合対策推進計画(京都式オレンジプラン)において,25年度から29年度までの5箇年間に,認知症の早期診断,早期対応や地域での生活を支える医療や介護サービスの構築など取り組む指針が示されました。住み慣れた地域で暮らし続けられる体制づくりを目指すものとして,26年度は認知症ケアパスの作成の推進が掲げられています。認知症ケアパスは,認知症の本人の状態に応じた適切な医療と介護サービス提供の流れを整理して,本人,家族,地域住民に対して,認知症の人を地域でいかに支えていくか明示したものです。京都市の26年度予算には,認知症ケアパスの検討,作成を充実させることが計上されていますが,在宅介護におけるユマニチュードの普及も含め,認知症の人や家族を地域ぐるみで支援する取組としてどのように推進していくのかお伺いします。 次に,ワーク・ライフ・バランスの取組についてお伺いします。少子高齢化が進む中,労働力人口が減少する日本では,女性,若者,元気な高齢者,障害者など,働きたいと希望する人たちが十分に能力を発揮して働ける全員参加型社会への移行が不可欠です。そのためには,多様な働き方を選択できるワーク・ライフ・バランスの実現に向けた施策の充実が求められます。去る2月14日,私ども公明党京都市会議員団は「京都産業の未来の価値を生み出す ワーク・ライフ・バランス~経営判断の新機軸として~」と題する25年度政務調査研究報告書を門川市長に提言させていただきました。なぜ今,京都市において,ワーク・ライフ・バランスの取組をもう一歩進める必要があるのか,3点のポイントを挙げております。1点目は,定住人口の減少が喫緊の課題です。2点目は,京都経済の再生を目指した産業の再興があります。3点目は,市民力の向上が挙げられます。以上の点から,従来の福祉的な側面だけでなく経済的側面も重視し,京都産業に未来の価値を生み出すワーク・ライフ・バランスの具体的な推進施策として10項目の支援策を提言いたしました。時間の関係上,何点かを申し上げます。企業におけるワーク・ライフ・バランスを推進するには,大前提として介護や育児など個別の事情に対応できる社会基盤の整備が必要です。企業の価値は人材にあり,それぞれの人材が個別の事情を抱えています。限られた人材を有効に活用していくためには,逆に個別の事情を企業価値の向上に結び付けていく発想の転換も大事です。育児中の社員による手作りチームで商品開発に成功したカルビーなどワーク・ライフ・バランスを企業価値の向上に結び付けた成功例は多くあります。京都の中小企業が一層のワーク・ライフ・バランスを進めるためには,まず社員の個別の事情を把握する社員ニーズ調査の実施が有効であり,その啓発と実施への支援策を検討すべきです。さらに,社員ニーズ調査の結果を企業価値の向上へ結び付けていく支援策も必要です。産業技術研究所など市内の産業支援機関において人材という切り口を付加した支援を行うなど,これら関連機関と中小企業がタッグを組んだオール京都での推進体制を築いていくことを提案します。また,社員の能力開発策としての半業半Xを導入する企業誘致に向けた支援を提案します。半業半Xとは,半分本業,半分は農業や地域活動等に従事する近年若者世代に起きている働き方で,本業の能力やクリエイティブ力を高めていく働き方です。京都は豊かな文化や伝統産業,都心から30分の距離で広がる自然環境を生かした産業があり,地場産業の活性化と合わせて,個人,企業のワーク・ライフ・バランス推進に取り組んでいくことはとても有効です。京都市は,「はばたけ未来へ!京プラン」の実施計画の中に,仕事と家庭,社会貢献が調和できる真のワーク・ライフ・バランス戦略を掲げ,25年度までに企業に対しては推進企業支援補助金や推進企業表彰の制定やアドバイザー派遣を行っています。また,市民を対象とした取組では,イクメンや地域活動を通して実践エピソード募集と表彰を実施してきました。26年度には,ポータルサイト開設によるWEB版コーディネート窓口を実施すると伺っています。市長は,これまでの真のワーク・ライフ・バランス戦略推進の成果をどう捉えていらっしゃいますか。率直な御感想をお聞かせください。また,私どもが提案させていただいたように,企業活性化の視点を併せ持った真のワーク・ライフ・バランス戦略への一層の深化を図っていただき,誰もが仕事と社会に参加しやすい京都のまちづくりの実現に向けて力強い取組を進めていただきたいと存じますが,御所見をお聞かせください。 最後に子育て支援についてお伺いします。私たち公明党は,子育てを社会全体で支援するチャイルドファースト社会の構築を目指して子育て支援策の充実に取り組んでまいりました。近年,少子化,核家族化が進み,地域のつながりの希薄化や周囲からの孤立化等,子育てを取り巻く環境は子供を産み育てることに不安を抱える妊婦にとって大変厳しく,子育て支援は非常に重要な問題であることは論を待ちません。京都市においては,こうした課題に対応するため,母子健康手帳交付時に全ての妊婦を対象として面接をする妊婦相談事業や,初妊婦や継続支援を必要とする妊婦を訪問するこんにちはプレママ事業などを通して,妊娠の早い段階から妊婦の健康管理や不安解消に取り組んでいただいています。また,出産後は,生後4箇月までの乳児を抱える全家庭を訪問するこんにちは赤ちゃん事業や産後の体調不良等で支援を必要とされる方にヘルパーを派遣して家事や育児の支援をする育児支援ヘルパー派遣事業など,妊産婦のニーズに応じてきめ細やかな支援が行われています。私は,妊娠,出産,育児に至るまでの切れ間のない支援の取組が,子供を産み育てやすい社会を実現し,児童虐待の早期発見にもつながる大切な取組であると思い,母子の命と健康を守る取組の拡充を訴えてきました。これまでは,里帰り出産などで,実家の両親や親族が家族ぐるみで妊婦を支えてきましたが,晩婚化によって高齢出産により両親も高齢化していて家族からの支援を受けられない状況等もあります。昨年行われた京都市母子保健に関する意識調査によると,「あなたはお子さんを妊娠中や出産後の間もなく,精神的に落ち込むことやイライラを感じることがありましたか」という問いに対して,「よくあった」「時々あった」と答えた方が61.6パーセントあり,不安や戸惑いを抱える様子がうかがえます。こうした中,今,産後ケアが注目されています。世田谷区では,平成20年に産後ケアセンターを開設し,出産直後の母子を対象に,体調管理や新生児の授乳や沐浴等のケアのアドバイスを行っており,大変好評とのことです。京都市において,26年度予算案に,産後ケア対策スマイルママ・ホッと事業の取組が盛り込まれ大いに期待します。そこでお尋ねします。この事業を進めていくためには,関係団体等との連携を図り,これまで実施している妊産婦支援に係る取組と融合させて的確に支援できる仕組みが必要であるとともに,事業の広報,周知徹底を図っていただきたいと思います。いかがですか。 26年度予算案に子育て支援情報発信の充実として,スマホアプリの作成が盛り込まれています。公明党議員団は,これまでから,スマートフォンの普及が進んでいる状況を踏まえ,スマホアプリを活用した子育て支援情報の発信について提案をしてきたところであり,大変評価いたします。このアプリ作成に当たっては,利用者である保護者にとって,自分が今知りたい情報を手軽に入手できるよう使いやすく役に立つものを作っていくことが重要です。若いお母さん方はほとんどの方がスマートフォンで情報を入手していて,授乳スペースやおむつ替え設備など情報が分かるようにしてほしいとの御要望も頂いております。子育てに関する情報発信については,単に行政施策の情報を提供するにとどまらず,乳幼児連れで出かける際に役立つ情報は何か,子育て中の保護者が日常生活で求められる情報は何かといった視点から,アプリから発信する情報や機能を考える必要があります。市長は,京都で子育てしてよかったと心から実感できる子育て支援を推進されていますが,子育て支援情報発信の新たな手法として,利用する保護者のニーズに応えるために,どのような機能を盛り込むことを検討されているのかお答えください。 以上,私の質問とさせていただきます。公明党は「どこまでも大衆と共に」の立党精神を胸に,人間主義の下,一生懸命に頑張ってまいります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 津田早苗議員の御質問にお答えいたします。 まず,通年型観光の推進と日本人が日本文化の本質「ほんまもん」の魅力を知ることの大切さについてでございます。津田議員御指摘のとおり,オリンピック・パラリンピックの東京開催決定などを契機に,世界の注目が日本に集まっている今,日本,更には京都の魅力を内外に発信する絶好の機会であります。同時に,私は,世界のお客様をお迎えするおもてなしの機運を醸成することも,日本人の心を引き継いできた千年の都・京都の使命であると考えており,花灯路や京の七夕をはじめ,2月に1,500店舗で開催している京都レストラン・ウインタースペシャル,本年から2月開催とした京都マラソンなど,観光の閑散期にも京都の魅力を存分に味わっていただく施策に取り組んでまいりました。海外の流行には敏感なのに日本のすばらしい伝統文化には関心がない,そのような日本における風潮の中,今,改めて日本人が日本文化の持つ価値に気付くことが大切であります。そのため,議会の御提案による全国初の清酒の普及の促進に関する条例の制定や,京の食文化を京都をつなぐ無形文化遺産として選定し,次に,花街の文化の選定作業を進めるなど,京都に伝わる日本文化の魅力を再認識し発信していく取組も進めてまいりました。さらに,新年度予算では,世界遺産二条城や寺社に代表される京都ならではのしつらえで,和装や京料理,伝統産業製品の引き出物など和を基調とした結婚式を挙げる京都ブライダル・ツアー,10年,20年,50年などの節目に同窓生と再び京都を訪れ,より深く文化を学ぶ大人の修学旅行といった新たな観光を提案してまいりたいと考えております。日本文化の神髄に触れ日本の良さを知る,同時に日本の文化力を世界に向けて発信する,私は,そうした取組を市民の皆様と共に京都から展開し,京都ならではの観光振興につなげてまいります。 次に,真のワーク・ライフ・バランスの取組についてでございます。本市では,仕事と家庭生活の調和に加えまして,地域活動や社会貢献も含めて真のワーク・ライフ・バランスと名付け,京都ならではの市民ぐるみの取組を進めております。本市には中小零細企業が多く,昨今の厳しい経済状況の中で,ワーク・ライフ・バランスの取組を進めていただくことは大変な困難を伴うものであると承知しておりますが,私は,ワーク・ライフ・バランスの取組を進めることは必ず京都企業の価値を高めるものであり,経済界,労働界,市民,行政が共に手を携えて取組を進めることで全ての人が人間らしく生き生きと働き暮らせるまちづくりが実現するものと確信しております。これまでの取組の成果として,例えば,父親の子育て参加に理解のある企業を認定するOK企業,おやじが子育てオーケーという意味ですけれど,OK企業の取組にも1,000を超える企業に御賛同いただくなど,ワーク・ライフ・バランスに取り組む企業は着実に増えております。しかし,社会全体への浸透という点では決して十分ではありません。こうした状況にあって,公明党市会議員団からこの度頂きました経営判断の新機軸としてのワーク・ライフ・バランスに向けた御提言は,私もじっくりと拝読させていただきましたが,大変時宜にかなったものであり,未来を展望できるものと認識いたしております。今後とも多くの企業,事業所や幅広い市民の皆様と共に真のワーク・ライフ・バランスを実践することにより,子育て環境を整え,地域コミュニティの活性化や京都経済の再生を図り,京都のまちの魅力が一層高まるよう,更なる取組を皆さんと共に進めてまいります。 次に,産後ケアについてでございます。子供の誕生は親にとって何よりの喜びと大きな感動でありますが,出産直後は心身共に十分なケアが必要な時期でもあります。しかし,近年,核家族化の進展等により十分な支援を受けられない産婦が増えており,社会全体で支える仕組みが重要となっております。このため,本年7月から産科医療機関に宿泊いただくなどにより,母親の心身の回復に向けたケアや授乳,育児指導等を提供するスマイルママ・ホッと事業を新たに実施してまいります。実施に当たりましては,これまでから取り組んでおります妊婦相談事業やこんにちはプレママ事業,こんにちは赤ちゃん事業による保健師の家庭訪問等を通じて周知に努めるとともに,妊娠の段階から支援が必要な方を的確に把握し本事業の利用へとつなげてまいります。さらには利用後の継続的な家庭訪問や育児支援ヘルパーの派遣等様々な取組との融合を図り,切れ目のない支援を一層推進してまいります。 次に,スマートフォンアプリにつきましては,リアルタイムな情報や位置情報を活用したサービスが提供でき,また,利用者にはいつでもどこでも利用できるという特性がございます。これらを生かして,子供連れの方に優しい施設が分かるお出かけ支援マップの作成,また,本市や地域の方々による子育て支援の取組の情報発信,さらには子供の年齢や住所地等の利用者の状況に応じて情報を取り出せる機能を盛り込むなど,使いやすく役に立つアプリとしてまいります。加えて,子供の健やかな育ちや市民生活の安心安全を阻害しないよう,スマートフォンの望ましい使い方も啓発してまいります。これらの新たな取組もしっかりと進めまして,子育て環境日本一の実現に向けて市民ぐるみで全力を傾注してまいります。 私からは以上でございます。以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(橋村芳和) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) まず,国際交流についてでございます。本市では,これまでから姉妹都市交流はもとより,世界歴史都市連盟の活動やパートナーシティ提携等を通じて,多様な都市とのネットワークづくりを進めてまいりました。このうち世界歴史都市連盟につきましては,現在61の国と地域から100を超える多彩な都市が加盟されており,今後,国際機関としての情報発信力を高めるため,加盟都市の更なる増加や加盟都市間の日常的な交流の促進,他の国際機関との連携強化などに取り組んでまいります。また,近年では中国の青島市,ベトナムのフエ市,トルコのイスタンブール市と市民主体の国際交流を促進するためのパートナーシティ提携を行うことにより,幅広いアジア諸国の都市との市民交流も深まっております。今後とも,市民レベルの交流の実績や将来の見通し,相手都市の意向等を踏まえつつ,津田早苗議員から御指摘いただきました,これまで交流の薄かったインドをはじめとする国々の都市とも積極的にパートナーシティ提携を進め,教育,文化,経済をはじめ,様々な分野における市民交流の促進に向け取り組んでまいります。同時に,こうした多様な都市との交流を推進する中で,現地で活躍されている方に京都国際観光大使に御就任いただくことや,在外公館や日本企業,海外メディア等との一層の連携を深め,相互理解と友好交流の促進,とりわけ外国人観光客や留学生の更なる誘致につながる京都の魅力発信を積極的に行ってまいります。 次に,認知症対策についてでございます。本市では,高齢者本人やその家族等が,なるべく早く認知症の症状に気付き,地域包括支援センターや掛かり付け医等につなぎ,そして治療や介護サービス等が切れ目なく提供され,地域全体で本人や家族を支えていけるよう,今年度から,地域で気づき・つなぎ・支える~認知症総合支援事業に取り組んでおります。今年度は,早期発見,早期相談に向けた認知症チェックシートの作成や地域包括支援センターの相談対応力の向上に向けたガイドブックの作成をはじめ,気付き,つなげる視点に重点を置いて取り組んでまいりました。こうした成果を踏まえ,来年度は地域での医療と介護,福祉の連携強化を図るモデル事業の拡充や,医療と介護の様々な地域資源を明らかにし,認知症の方や家族を症状の進行状況に合わせて,いつ,どこで,どのような地域資源により支えていくのかを具体的に示す,いわばカルテとして,京都市版の認知症ケアパスを作成し,支援に携わる皆様に広く活用していただけるよう普及に努める等,つなぎ,支える視点に着目した取組を展開してまいります。あわせて,お一人お一人に寄り添い,思いを通わせ,支えていくという津田議員御紹介のユマニチュードにも通じる京都の介護の現場で培われてきましたケアの考え方を更に市民に広げてまいります。今後とも,御本人と御家族を支える取組を積極的に進め,京都府医師会をはじめとする関係機関との緊密な連携の下,総合的かつ重層的な認知症支援体制の確立に鋭意取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(橋村芳和) 次に,吉田孝雄議員に発言を許します。吉田議員。 〔吉田孝雄議員登壇(拍手)〕 ◆(吉田孝雄議員) 上京区選出の吉田孝雄でございます。平成19年に当選させていただいてから7年。おかげさまで,多くの市民の皆様から御信頼と御期待を頂戴し,市民相談も4,000件を突破することができました。また,爽やか訪問対話活動や草の根ミーティングなどでひざ詰めの対話を繰り返して,市民生活に根付いた生の声をお聞きしてまいりました。本日は,ひおき,津田両先輩議員に続き,公明党京都市会議員団のラストバッターとして平成26年度予算案について質問いたします。市長並びに理事者におかれましては,誠意ある御答弁をお願いいたします。 まず,エネルギー戦略についてお聞きします。今,原発に依存しない社会への舵取りは,待ったなしの喫緊の課題です。化石燃料の需要が増大して,地球温暖化対策と両立できるのかとの懸念も大きくなっている中,COP3京都議定書の舞台である京都市は,昨年12月にエネルギー政策推進のための戦略を策定しました。多角的かつ具体的な戦略を網羅しており大いに期待するところでありますが,その中で私が注目するのは,全国に先駆けて進めている都市油田発掘プロジェクトと都市熱活用プロジェクトという前人未到の最先端の研究開発事業でございます。 都市油田発掘プロジェクトは,生ごみや紙ごみを砕いて発酵させる特殊技術で,ガソリンの代替燃料となるエタノールを精製する事業です。現在でもアメリカやロシア,アジア諸国など世界ではエタノールはガソリンに10パーセント混合されており,ブラジルでは100パーセントエタノール燃料の車が走っています。これらの国で砂糖きびやトウモロコシなどの食糧との競合による価格の高騰が心配されているのに対し,このプロジェクトでは家庭から出されるごみが原料です。まさに夢のような再生エネルギーではありませんか。将来は車の燃料だけでなく都市ガスへの供給も可能であるとのこと。公明党市会議員団は,昨年12月に西京区の西部圧縮梱包施設を訪れ,このプロジェクトの実証実験プラントを視察しました。団長が瓶を持っていますけれども,全くアルコールのにおいもしないものでありました。温室効果ガス削減とエネルギーの安定供給という喫緊の課題への対策において世界をリードすると言っても過言ではないこの事業は,国内の各都市から大きな注目を集めています。 二つ目の,都市熱活用プロジェクトは,左京区の東北部クリーンセンターでNEDOや民間企業と本市が共同研究しており,ごみ焼却の際に発生する熱で高温のお湯を作り,冷却水の温度差を利用して特製チューブで電気を作り出すものです。このチューブも非常に細い小さいもので,これが10本入っているということであります。私は,先月に現地を訪れて詳しくお聞きしましたが,日進月歩で技術が進化しており,実際にこの設備からテレビも映っていて大変に驚きました。同時に大いなる希望を抱くことができたのであります。 国の予算措置を受けて京都市が民間企業とタイアップして強力に進めているこれらの事業は,太陽光や風力といった自然を利用するものとは違い,今まで廃棄するだけであったごみを有効利用するという,文字通り究極の地産地消のエネルギー戦略です。是非この環境に優しい京都ならではの取組を実用化するため,今以上に国との連携を促進していただきたいと申し上げます。世界の最先端技術である都市油田発掘プロジェクト,都市熱活用プロジェクトを,今後どのように本格的に実用化させていくのでしょうか。ロードマップをお示しください。あわせて,平成30年度に完成予定の南部クリーンセンターに都市油田プロジェクトで推進されているエタノール精製施設を稼働するよう検討していただきたいと考えますがいかがでしょうか。御答弁をお願いいたします。 次に,犬や猫のふん尿被害,いわゆるふん害の対策についてお聞きします。私のもとに,犬などのふんが路上や公園などに放置されているとの声が寄せられています。保健センターに寄せられた苦情は,平成24年度の集計では犬442件,猫561件という数値ですが,氷山の一角ではないかと思います。なぜなら,多くの市民はよほどひどい被害でない限り行政に通報せず,雨で流れるのを待つか自分で水をまいているケースがほとんどで,実態の全容把握は困難だからです。私自身,地元を自転車で移動する際に気をつけて道路を見ていると,1日に1回は必ず発見します。ある会社では,「ここは犬のトイレではありません」という紙が塀にあるので社長さんに聞くと,余りに頻繁なので業を煮やして貼ったとのこと。一昔前と比べて飼い主の清潔なまちづくりへの意識が向上し,散歩の際にふんを処理する器具を持っている人が増えています。しかし,減少したとは言え全くなくなったわけではありません。自分の家の前にふん尿を放置された人の不快な気持ちに思いを馳せ,踏み込んだ対策を打つべきであると申し上げたい。 その思いで私は,3年前の教育福祉委員会で城陽市のふん害防止に関する条例などの先行事例を紹介して法整備の必要性を訴えたことを皮切りに,各委員会の場で議論を重ねてきました。その中で,昨年3月の予算特別委員会市長総括質疑において,部局の壁を越えたプロジェクトチームを作って責任の所在を明確にし,実態調査と具体的施策を協議するべきであると論じたところ,12月に庁内横断の犬猫等ふん尿被害対策検討プロジェクトチームが発足。二つの分科会に分かれて本格的な協議が開始されました。一歩前進であり,大いに期待したいと思います。 京都府の動物の飼養管理と愛護に関する条例では,飼い主に公共施設を汚さないように義務付けていますが,具体的な対策は基礎自治体に任せるという方針のため,城陽市や木津川市,久御山町ではタイトルに「ふん害」と明記した条例を制定して,明確な理念と責務,具体的な施策を明らかにしており,全国でも約450の自治体で既に施行されています。昨年の8月,私は全国で最初に罰則付きの条例を施行した城陽市を現地調査しました。駅前や大型公共施設の近辺を歩きましたが,道端にふんは見当たらず,犬を連れて散歩中の方も処理用の器具をお持ちでした。見晴らしのいい箇所には幾つかの看板もありました。地元の議員さんとも話しましたが,ふん害に関する声は余り寄せられていないとのこと。条例は一定の効果を発揮していると感じた次第です。 ただし,義務を課して規制するだけでなく,行政側も市民に協力していただくための目に見える施策を実施することが必要であると考えます。この点,参考になるのが京都市と同じ国際観光都市であるパリ市です。私は,海外行政調査団の一員として,7月28日から8月5日までドイツ,フランス,イギリスの動物愛護政策を現地視察した折に,パリ市で取り組まれたふん害対策を学びました。この20数年間,ふん処理専用スタンドを設置するなどの社会実験を繰り返したうえで,現在は刺激的な内容のポスターを作製するなど啓発の強化を図るとともに罰則を課した条例を施行し,毎日80人の担当者が市内パトロールを実施しています。同時に飼い主がふんを家に持ち帰らなくてもよいように,市内3万箇所に透明のビニール袋を8メートル間隔で設置して毎日収集しています。パリと同じことをするべきと言うつもりはありません。しかし,中途半端にせず徹底した具体策にチャレンジしていく中にこそ,市民のニーズに合った施策が形成されていくのだと痛感しました。その意味では,現在プロジェクトチームが実施しようとしているアンケート調査で市民から寄せられる生の声を,是非とも積極的に取り入れていただきたいと申し上げます。 本市は26年度予算で,京都動物愛護憲章の策定を計上しました。これは平成24年2月議会で我が会派の大道議員と曽我議員が提唱したもので,人と動物が共生する社会を市民ぐるみで構築する機運が促進されると期待されています。美しいまちづくりのため,ふん害対策のマナー向上への理念を京都動物愛護憲章にどのように反映させていくとお考えでしょうか。お答えください。あわせて,京都市の地域特性に合った実効力のある条例の制定と,それに向けた具体的なふん害対策の検討に着手していただきたいと考えますが,いかがでしょうか。まず前半はこの二つの政策課題についての御答弁をお願いします。 ○議長(橋村芳和) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 吉田孝雄議員の御質問にお答えいたします。 世界最先端の技術を活用したバイオマスエネルギープロジエクトの実用化に向けた今後の取組についてであります。京都は,琵琶湖疏水や日本初の商業用水力発電所の建設など,京都策と呼ばれる近代化政策に見られるように,これまでから常に進取の気風に富んだ先進性を生かし,京都ならではの新しい展望を切りひらいてまいりました。昨年12月に策定いたしました京都市エネルギー政策推進のための戦略では,こうした京都の先進性を生かし,地域特性に応じたバイオマスエネルギーの利用拡大や環境先進技術の事業化などを施策推進の方向性に位置付けるとともに,本市がリーダーシップを発揮し,この間,民間事業者の知恵や国の資金を活用し融合して最新のバイオマスエネルギー技術の実用化に取り組んでいるところでございます。具体的には産学公の連携により,ごみから純度の高いエタノールを製造する都市油田発掘プロジェクトを進め,これまでに,ごみ1トンから純度99.5パーセントのエタノールを約60リットル製造し,発電機の燃料として二条城のライトアップ時に活用するなど着実に成果を上げてきております。今年の秋には,実証プラントの規模を週1トンから5トンに拡大しコスト等の課題を検証するとともに,エタノール製造後の残渣をバイオガス化するための実証試験を新たに開始する予定であります。また,民間事業者と協働によりにごみ焼却時の廃熱を利用して発電する都市熱活用プロジェグトにつきましては,現在実施している実証試験を継続し,連続運転時の耐久性等の検証を重ねてまいります。今後,平成31年度から稼働予定の伏見区横大路南部クリーンセンター第2工場の建替え,これは今までのクリーンセンターとはイメージを超えまして,世界最先端の環境学習施設ともいたしますが,これと併せまして,これらの二つのプロジェクトの実用化を目指すとともに,動植物性の廃油から軽油と同等の品質のバイオ軽油を製造する産学公の連携による世界初の技術を活用したプラントを整備し,世界最先端の環境学習の拠点として世界からも注目され多くの研究者等が訪れる環境先進都市・京都のモデルとなる取組につなげてでまいります。 次に,ふん害対策についてでございます。悠久の歴史の中で培われてきた美しいまち・京都は,市民の皆さんの門掃きにも表れるように,自らのまちを誇りに思い,他者を思いやる行動ができる品格のあるまちであります。しかし,犬や猫のふん尿の放置は世界一美しいまちを目指す京都の美観を著しく損なうだけでなく,生活環境の悪化にもつながる憂慮すべき事態であり,人と動物とが共生できる,潤いのある豊かな社会を目指す本市にとって喫緊に解決しなければならない大きな課題と考えております。このため,私は,昨年12月1日付けで犬猫等ふん尿被害対策検討プロジェクトチームを設置し,人と動物との共生やまちの美化,生活環境の保全等,様々な観点から総合的に実効性のある対策を全庁一丸となって検討するよう指示し,現在,鋭意取り組んでいるところでございます。プロジエクトチームでは,飼い主のモラルの向上とふん尿の抑止と除去のそれぞれの観点から効率的に検討を進めていくために二つの部会を設置して犬のふん尿の放置を禁止している,いわゆるまちの美化推進条例をはじめ,本市においてこれまで実施してきた取組や全国各地の事例の検証を行うとともに,地域での実態やふん尿被害に関する意識等を把握するため市民アンケート調査を実施することといたしております。これらの結果を踏まえ,京都の市民力,地域力を生かして,飼い主の意識を変革させる働き掛けやマナー違反を許さない機運の醸成,発生したふん尿の除去等,有効な方策をできるだけ早期に実施するとともに,こうした対策の実効性を高めるため条例の在り方についても検討を進めてまいります。 こうした中,吉田議員御指摘の京都動物愛護憲章については,動物を飼っている人もいない人も,お互いの立場を尊重し合い,人と動物とが真に共生できる社会の実現に向け,全ての市民が共有できるものとする必要がございます。このため,憲章において,動物を最後まで責任を持って飼うことや飼っている動物が人に危害や迷惑を掛けないようにすることはもとより,飼い主として当然に果たすべき責務としてふん尿の放置により生活環境を悪化させないことを明確にうたってまいります。以上でございます。 ○議長(橋村芳和) 吉田孝雄議員。 〔吉田孝雄議員登壇〕 ◆(吉田孝雄議員) 引き続き質疑をいたします。 まず,老朽化マンションの再生促進対策についてお聞きします。全国約590万戸のマンションのうち19パーセントに当たる約106万戸が,昭和56年5月以前の旧耐震基準で建てられ,震度6以上の大地震で倒壊する危険性が指摘されています。阪神・淡路大震災で被災したマンションでは,再生への協議が難航し合意形成が困難を極めたというニュースが記憶に残っています。これは人ごとではありません。現在は新築でも30年40年たてば例外なく老朽化マンションになります。ましてや,京都市では5年後の平成31年度に築30年を超える高経年マンションの数が現在の2倍を超える663マンション,全体の35.6パーセントに上ります。その意味で,綿密な状況分析に基づいた対策を進めるために京都市が高経年マンション実態調査を定期的に実施していることは他都市からも注目されており大いに評価されると思います。平成23年度の最新調査によると,分譲マンションでありながら平均19パーセントが賃貸であり,空き家率は6パーセント,高齢化率は2割から4割が全体の半分を占めています。住宅マスタープランで要支援と判定され建物に深刻な劣化が認められるマンションが5パーセントに当たる34棟,深刻な劣化が多数あり建替えの検討が必要と判定されたマンションが2パーセントの13棟もあることが明らかになりました。耐震調査を実施済みのマンションはわずか7パーセントにとどまっており,耐震補強計画策定については,実施済みと予定ありを足してもわずか1.3パーセントでした。残りは,予定なしが31パーセント,分からないが18パーセント,無回答が50パーセントと,大変に心配な数値です。同時に,実態調査に協力したマンションが663のうち半分以下の302にとどまったことも無視できないと言わざるを得ません。ここから浮き彫りになる課題は何か。私は,マンションの住民自身が実態を認識して問題意識を共有し,意識を変えていかなければならないと考えます。 そこで京都市よりも10年以上マンション建設時期が早く老朽化問題が深刻化していると言われる首都圏の取組を取材するため,今月3日に東京都と千葉県を訪れ,平成22年にスタートした千葉市分譲マンション再生合意形成支援制度と昨年施行された豊島区マンション管理推進条例について,行政担当者や東京の議員さんと意見交換しました。そこから明らかになったのは,耐震改修や建替えが必要な緊急事態に直面する前の段階で再生への合意形成をする必要があったとしても,世代や価値観がばらばらのため多くのマンションでは現状維持を選択して先送り状態になっており,この事態を打開するための支援制度を強力かつ的確に推進することが急務であるということです。私の調べた範囲では,多くの自治体でマンション管理セミナーや無料相談会,専門家の派遣を実施するとともに,耐震調査や改修の助成なども制度化していますが,千葉市では建替えの助成制度にまで踏み切っておられました。豊島区ではもう一歩踏み込んでおり,条例で全てのマンションに管理状況の届出を義務付けて,チェックシート提出を怠った場合は罰則を課し,提出したところには実情に合った支援を講じています。状況把握ときめ細かな具体策が誘導されるのではないでしょうか。住民の所有権に行政がどこまで関わることが妥当なのか議論の分かれるところですが,私は,豊島区で管理組合の活動が活性化されるきっかけになったとの喜びの声が寄せられている点を重視したいと思います。住民の意識変革のきっかけづくりのため,行政の役割は大きいと申し上げたい。 そこで注目するのが,26年度予算で発表された京都市分譲マンション管理支援事業です。要支援マンションに対して行政の側から積極的に出向いて意識変革を促し,合意形成まで粘り強く働き掛けるというアグレッシブな事業であり,大いに期待しているところです。分譲マンションの合意形成を支援して再生を図る事業の重要性を多くの市民に理解していただくために,インパクトのある広報周知の充実を求めます。同時に,官民共同の仕組みづくりを進めて現場の声を反映させていくとともに,他都市の先行事例を積極的に研究してより良い内容に進化していくべきと考えますがいかがでしょうか,御所見をお聞かせください。 最後に,映像アーカイブについてお聞きします。過去の貴重な映像を保存し活用するアーカイブという観点の重要性について,私は,平成20年9月議会の本会議代表質問で取り上げ,その後も粘り強く研さんを重ねてまいりました。建造物や美術作品だけでなく映像も文化財です。しっかりと保存収集して,その価値を後世に伝えていくべきであります。しかしながら商業映画と比べて個人や企業が記録用に撮影した古いフィルムの収集,保護の動きは遅れており,自治体レベルでの保管も統一性がなくばらばらで,多くが劣悪な保存環境を余儀なくされている状況です。倉庫や蔵の中に保管されている文化,芸能,風俗を伝える貴重な映像は研究機関や自治体に寄贈されるケースはほんの一部にとどまり,ほとんどがフィルムの劣化への対策が不十分なまま朽ち果てているのです。明治,大正,昭和の古きよき時代の風俗を映し出した映像を守るアーカイブの取組は,歴史都市・京都の文化遺産を守るとの観点からも極めて重要な事業であると確信を込めて申し上げるものでございます。 京都市は,平成13年から15年に掛けて,文化市民局と京都映像資料研究会,京都デジタルアーカイブセンターの三者が協力して古い写真を収集,調査する事業を展開し,「古写真で語る京都~映像資料の可能性」という写真集を編さんしましたが,現在は終結しています。福島県は,映像文化アーカイブ事業を平成22年から2年計画で実施し,会津若松市の県立博物館に県内の貴重な映像を収集されました。福島県の担当者の方や劣化フィルム修復に携わった京都市の業者さんにお聞きしたところによると,約500本の8ミリフィルムを提供された方にはDVD化して返却し,本データを保管して有効利用する取組でしたが,運動会やレジャーなど家族の記録映像が多い中で県内の風景や風俗をドキュメンタリータッチで撮影した貴重な映像も保管することができたとのことでした。特筆すべきは,全ての事業を終えたのが震災の直前であったということです。すなわち,歴史的な映像が永遠に失われる事態をはからずも回避できたのと言えるのではないでしょうか。そう考えますと,戦災を免れた私たち京都市には,想像を超える貴重な文化遺産が眠っているとの期待が膨らむのです。是非,先駆的なアーカイブ事業を推進していただきたいと申し上げます。 今議会で上程された26年度予算に,上京区の共汗型まちづくり支援事業の一環として上京の魅力を発信するアーカイブ事業が計上されました。これは,蔵の中に眠っている古い写真やフィルムの提供を呼び掛けデジタル保存し,NPOと連携して伝承活動に力を入れるきっかけづくりを始めるというもので,極めて時宜を得た取組と高く評価されるものであります。区の単独事業で終わらず,市としても段階を踏んで事業を進めるべきではないでしょうか。そこでお聞きします。今回の上京区アーカイブ事業をモデル事業と位置付け,将来的には市内の各家庭や企業の倉庫に眠っている映像を収集していく本格的なアーカイブ事業に拡充していく計画を推進するべきであると考えますがいかがでしょうか。 また,これに関連し,私は,1月,地元上京区にある京都市歴史資料館を訪れ,歴史資料の保管や活用についてお聞きしました。歴史資料館では,平成19年度に映像展示室をリニューアルし,京都の歴史や文化に関する16ミリフィルムを鑑賞することができます。今年度からは,古文書を撮影したマイクロフィルムの修復作業を予算化しています。しかしながら,昭和57年に建てられたという築31年という古い施設で,フィルムを保管する収蔵状態は必ずしも良好とは言えません。是非,段階を踏んで充実すべきではないでしょうか。歴史資料館の将来の改築時には,映像の保管なども想定した最新設備を備えた収納スペースの新設も含め,より充実した京都ならではの施設となるよう取り組んでいただきたい,いかがですか,御答弁を求めます。 私たち公明党は,結党50周年を迎え,これからも地域に根を張った草の根のネットワークで地道に着実に頑張ってまいります。よろしくお願いいたします。 以上で,質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) 平口副市長。 〔平口副市長登壇〕 ◎副市長(平口愛一郎) 引き続き吉田議員の御質問にお答えいたします。 分譲マンシヨン管理支援事業についてでございます。京都市内の分譲マンションは約1,900棟,9万5,000戸と,今や住宅総数の12パーセントを占め,多くの市民が暮らしを営む場となっています。しかしながら,分譲マンションの中には,管理組合が十分に機能しておらず意見の集約ができないために,大規模修繕等の維持管理が円滑に進まず建物の劣化が進行しているものもございます。こうしたことから,本市では,管理組合の要請に応じて区分所有者の合意形成を支援する事業を実施してきており,とりわけマンション管理士等の専門家を派遣しアドバイスする建て替え・大規模修繕アドバイザー派遣事業では,これまで派遣を行った39のマンションのうち既に23のマンシヨンで修繕工事が行われるという具体的な成果を上げております。来年度からはさらに一歩踏み込んで,建物の劣化が著しく管理組合が機能していないマンションについて,マンション管理士などの専門家が管理組合の役員となってマンションの住民の皆様と共に再生を目指す要支援マンション再生支援事業を実施してまいります。一方で,吉田議員御指摘のとおり,マンションの住民の皆さん自身に合意形成に向けた意識を高めていただくことも大変重要です。本市では,これまで市内全てのマンションの管理組合に対して,本市の施策やセミナーの開催などの情報を定期的に提供してまいりました。今後更に市内のマンション管理に関わる民間団体と連携しながら,高経年マンションが抱える課題や本市が実施してきた各種の支援事業により得られた具体的な成果を,管理組合のみならず個々のマンションの住民の皆様へもダイレクトにお届けしてまいります。これら本市独自の先駆的な事業を進めるとともに,国や他都市の事例も参考にしながらマンション施策を強力に推進してまいります。以上です。 ○議長(橋村芳和) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 近代の文化,芸能,風俗を伝える写真及びフィルムの収集,保存,公開を行う映像アーカイブ事業についてでございます。古い写真や動画は,地域の歴史,文化を知る上で貴重な資料であります。吉田議員御指摘のとおり,戦火を免れた京都には膨大な数の戦前のフィルムが埋もれていることに加え,戦後のアマチュアカメラマンによる作品も数多いことから,京都における映像アーカイブの意義は大変大きいと考えられます。そこで本市では,平成8年から映像資料について調査を進め,その成果として,平成11年には近代京都における庶民の生活を記録した写真集を刊行するとともに,日本人により撮影された国内で最も古い時期の湿板の肖像写真を京都市有形文化財に指定いたしました。さらに民間調査団体との共同事業による古写真の調査を行い,その成果をWEB上にて公開してきたところでございます。このように市内には古い写真やフィルムは,まだまだ膨大に存在するものと推測されておりますが,一方,京都文化博物館が貴重なフィルムのライブラリー化事業を実施しているほか,市内の大学等におきましても取組を実施されているところであります。今後におきましては,京都府等との役割分担や連携を踏まえつつ,また,来年度から市民に身近な視点で上京区役所が取り組みますアーカイブ事業の状況や成果も生かしながら資料の調整,収集,保存,公開のための体制や経費,収蔵機能等の課題解決に向けて対応を検討してまいります。また,歴史資料館につきましては,京都の歴史に関する資料を調査,研究,保存し,展示などを行うことにより,京都の歴史を後世にしっかりと伝えていくため世界の文化首都・京都として重要な施設であります。市内の旧家や社寺,また,市民の方々から寄贈,寄託を受けた歴史資料は年々増加し,現在では古文書等14万6,000点にも上り,収蔵スペースの狭あい化が問題となっております。議員御指摘の施設整備につきましては,私どもも課題として認識はしておりますが,厳しい財政状況の下でもあり,今後,映像資料も含む歴史資料の保存策などについて検討を行ってまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 暫時休憩いたします。 〔午後3時1分休憩〕 〔午後3時25分再開〕 ○議長(橋村芳和) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行いたします。 中島拓哉議員に発言を許します。中島議員。 〔中島拓哉議員登壇(拍手)〕 ◆(中島拓哉議員) 南区選出の中島拓哉です。京都党を代表いたしまして村山祥栄議員と共に平成26年度予算案について質疑をいたします。私からは,公債償還基金の取崩し,ごみ収集業務の在り方,京都市都市整備公社の完全民営化について質疑をいたします。 まずは,公債償還基金の取崩しについて質問をいたします。平成25年12月末,国の借金が財務省より発表されました。国の借金は民主党政権下でも自民党政権下でも増加の一途をたどり,ついには1,000兆円を突破しております。赤ん坊からお年寄りまで含んだ国民一人当たりの借金は800万円を超えております。もちろんこれはあくまで国の借金であり,地方の借金は含まれておりません。地方の借金を含めば一体幾らになるのか計算をしました。京都市の借金も京都府の借金も2兆円を超えております。つまり市民一人当たり市の借金は約150万円,府の借金は約80万円あります。つまり国と府と市の借金を合わせれば,市民一人当たりの借金は1,000万円を超えております。4人家族で言えば一家当たりの借金は4,000万円を超えているというのが今の現状であります。このように国においても地方においても借金は膨らみを続け,将来世代に対して大きな負担を残していると言わざるを得ません。しかしながら,かつての地方自治体には赤字を出すことを恥とする文化がありました。各自治体はラジオ税やミシン税,時にはアイスキャンディー税などを作り課税しておりました。フランスの地方自治体は赤字予算を避けるために,住民に増税を求めるか歳出の削減をしなければなりません。だからこそ,地方議会においても高い投票率があるようであります。若者をはじめとする現代日本の政治への無関心は赤字の問題を将来へと先送りし続けてきたことにこそあるのではないでしょうか。ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ブキャナンは,政府や政治家は有権者の支持を得るために,常にばらまき的な予算を取りがちであると指摘しております。来年度の政府予算においても,ばらまきへの先祖返りであると,京都新聞が社説で批判しておりました。議会はコストを負担する面と,サービスを受ける面の代表でなければなりません。しかしコストを意識せずサービスに注文を付けるばかりの代表になってしまった一面も否定できないのではないでしょうか。だからこそ,京都党は,未来に責任を持つ政治を目指し,徹底した行財政改革を訴え続けております。 目指すべき政治の在り方として無借金経営都市を主要施策の一つとしております。本年度の借金の返済の予算は,約1,600億円であり,これは教育予算の3.5倍です。これは正に大人たちのツケを子供たちに負わせていると言わざるを得ません。さらには今年度の本市の予算は子供たちにツケを残すばかりか,将来の借金返済のための積立金である公債償還基金を93億円も取り崩す予算案でありました。この取崩しは国からの要請であった地方公務員の給与引下げに応じなかったのが主たる理由であります。一方,昨年の11月市会においては地方公務員の定年退職後の再任用に関する国からの要請には応じ,結果として全ての再任用職員の年収が少なくとも約30万円,職務によっては約300万円も増える条例案が市長から提案されました。京都党市会議員団は回避不可能となる本年度の93億円の当初予算案にも再任用職員に関する条例案にも反対をしました。国からの地方公務員給与の引下げに関しては,その一部に応じる補正予算案が6月市会において成立し,この取崩しの一部削減が実現しました。24年度予算案,61億円公債償還基金の取崩しがありましたが,9億円まで減額できました。そして22年度,23年度においては取崩しの全額の回避が達成いたしました。将来負担を発生させないためにも徹底した行財政改革に取り組み,経費の削減の努力や収入増加策に取り組むべきであります。そこでまず1点目の質問をいたします。来年度予算案に計上されている12億円の公債償還基金の取崩しは更なる行革の推進により回避が見込めるかどうかをお尋ねいたします。 次に,本市のごみ収集業務の在り方についてお尋ねいたします。平成18年,度重なる職員の不祥事を受け,信頼回復と再生のための抜本改革大綱を策定し技能労務職採用の凍結を定めました。しかし,この技能労務職採用の凍結は突如として解除され,技能労務職,いわゆる現業職の採用再開を発表しました。この採用再開に対し京都党は徹底して反対の声を上げ,同士と共に条例案も提出いたしましたが,残念ながら他会派の皆様の賛同を得られず採用再開が始まりました。大阪市は現業職の給与に関する民間比較を実施し,民間を上回る給料削減を人事委員会が指摘しました。このように他都市では,徹底したコスト削減に取り組んでおります。大阪市は更に民間出資の新会社を設立し,現業職員を民間会社へと転籍をさせる方針であります。同じ政令市においても,福岡市や北九州市では,100パーセントのごみ収集業務完全民間委託が進んでおります。本市においても更に民間委託を進めるべきであります。市民アンケートによりますと,ごみ収集について最も高い要望は早い時間帯の収集であります。本市の場合,午後2時,3時過ぎまでごみ収集が終わらず,ごみ袋が路上に残されている場合もあります。景観上やカラス対策などの問題があり,ごみ収集はできる限り早い時間帯に回収をされるべきであります。フルタイム労働を基本とする現業職員によるごみ収集の場合,午前中だけに業務を集中させることは困難ですが,アルバイトやパート労働といった民間活力を生かせば午前中に業務を集中させることが可能であり,より早いごみ収集業務の完了が見込めるのではないでしょうか。そこでお尋ねいたします。更なるごみ収集業務の民間委託と,より早いごみ収集業務の完了に向けての取組を求めますがいかがでしょうか。 まずは,ここまでの御答弁をお願いいたします。 ○議長(橋村芳和) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 中島拓哉議員の御質問にお答えします。 公債償還基金の取崩しなどについてでございます。本市の財政は,市民一人当たりの市税収入が他の政令指定都市平均を下回り,お隣の大阪市との差は一人当たり約7万円,147万人口に換算しますと1,000億円以上も少ないなど財政基盤がぜい弱であります。市税収入は,来年度2,513億円まで回復しますが,依然リーマンショック前の水準を150億円下回り,ピーク時の平成9年度との比較では200億円も減少しております。その一方で,同じ平成9年度に1,200億円であった社会福祉関連経費は,福祉施策の充実や高齢化等により一貫して右肩上がりで増え続け,来年度は2倍となる2,414億円にまで増加いたします。私は,市長就任以来これまで全国トップ水準の福祉や教育の推進に必要な財源を確保するため,7年間で人件費を約190億円削減するなど徹底した行財政改革を断行し,財政の健全化と市民生活,また未来を守る政策を力強く推進してきました。さらに,市民が返済しなければならない借金,起債残高については,確実に減らしてきました。そのような中でもなお財源が不足し,行財政改革債の発行や公債償還基金の取崩しといった特別の財源対策に依存せざるを得ない危機的な状況がなお続いております。公債償還基金は将来必要となる市債の償還のために毎年計画的に積み立てていくものであり,これを財源不足対策として活用するために取崩すことは可能な限り避けなければなりません。そのため近年,予算の執行段階において市税徴収率の徹底した向上を目指し,そうした財源確保と適正な競争入札の実施など,あらゆる場面で徹底した経費節減に努め,決算では公債償還基金の取崩しの回避,または大幅な縮減を実現してまいりました。今年度も当初予算で計上した93億円の取崩しをこの2月補正で42億円にまで圧縮しております。来年度予算では更なる行財政改革の断行等により,特別の財源対策を京プラン実施計画の目標であるおおむね100億円の半分以下の47億円にまで圧縮し,そのうち,公債償還基金の取崩しも12億円にまで縮減できたところでありますが,予算執行に当たりましても全庁挙げて経費節減と財源確保を強力に推進し,可能な限り取崩し額の減額,回避に努めてまいります。引き続き,日本を代表する徹底した行財政改革を取り組んでおりますが,進めてまいります。以上です。 後,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(橋村芳和) 塚本副市長。 〔塚本副市長登壇〕 ◎副市長(塚本稔) ごみ収集業務についてでございます。本市のごみ収集業務につきましでは,民間でできるごとは民間へを基本に,徹底した行財政改革に取り組んできております。その結果,ごみ収集体制を有料指定袋制実施前の258班から3割,70班減らし,また,現業の職員数も1,000人から600人へと4割削減するとともに,ごみ収集経費につきましても94億円から54億円へと40億円もの削減を図るなど大きな成果を上げてまいりました。引き続き取組を強力に進めまして,ごみ収集業務の50パーセントの委託化,これは議員御指摘の信頼回復と再生のための抜本改革大綱におきましてもお約束をいたしたところでございまして,また,ごみ収集業務改善実施計画にも掲げているところでございますが,平成27年度当初には確実にその50パーセント委託化を達成させてまいります。しかしながら依然として厳しい財政状況の下,更に徹底した効率化とごみ収集業務の改善を進める必要がございます。一方,まち美化業務員の将来のリーダーを育成するためのノウハウの継承や年齢バランスの改善,さらには,災害時に即応するための直営体制の確保等につきましても,しっかり対応していく必要がございます。そのため学識経験者や市民等で構成するごみ収集業務の在り方検討会議において,これまで5回の検討を重ね,昨年末には意見の中間的なまとめを行ったところでございます。その中では,主に3点について御意見を頂きました。まず1点目は,災害発生時などに即応できる必要最小限の体制を維持しつつ更なる委託化を進めること,2点目は,コストの削減効果が高いごみ減量,リサイクルを,市民との協働により一層進めること,3点目は,全ての燃やすごみについて,現在でも午前中に8割以上の収集をしておりますけれども,コストを増加させずに早い時間帯での収集に努めること,この3点であります。今後,市会での御議論はもとより,検討会議における御意見や今後実施するパブリックコメントも踏まえまして,来年度早期に今後のごみ収集業務の在り方を策定いたしまして,業者指導や災害時の対応等を踏まえた委託化の推進や,また,市民との協働によるごみ減量,リサイクルの取組,また,全ての燃やすごみの早い時間帯での収集等について具体的な方向性を明らかにしてまいります。以上でございます。 ○議長(橋村芳和) 中島拓哉議員。 〔中島拓哉議員登壇〕 ◆(中島拓哉議員) ただ今市長より御答弁を頂きまして,公債償還基金の取崩しの回避に向けて,日本を代表する行革に取り組むという大変に力強い御答弁をいただきました。ごみ収集業務の民間委託を進めることも,この行革の一つであります。更なる民間委託の推進と,より早い時間帯でのごみ収集業務の完了を改めて要望いたします。 続きまして,京都市都市整備公社について質問をさせていただきます。京都市都市整備公社は本市が100パーセント出資する外郭団体であります。66箇所の駐車場と12箇所の駐輪場を保有し,京都市からは多数の駐車場や駐輪場の管理が委託されております。公社は,この駐車場事業によりまして赤字を生み出すことの多い外郭団体としては例外的に多額の利益を計上しております。平成23年度末には約30億もの純資産を築きました。そして公益法人制度改革によりまして,そのうちの約26億円も京都市に寄付をしていただけることになりました。本市にとって大変にありがたい財政的な貢献であります。そして公社は,この寄付金を除いた残りの4億円をもう一つの事業である土地区画整理事業に支出する計画であります。公社は,土地区画整理事業で本市に大きな貢献をしてまいりましたが,担当する区画整理事業も残り2箇所となりました。予定では25年度中にこの2箇所の区画整理事業も終了する計画であります。この土地区画整理事業2箇所が完了すれば,公社の事業は,駐車場経営のみとなります。「はばたけ未来へ!京プラン」実施計画に外郭団体の在り方の抜本的な見直しが定められております。民間事業者による代替可能な事業を主たる業務とする場合,外郭団体を廃止する方針としております。土地区画整理事業が完了した後,公社の事業,先ほど申し上げたとおり,主たる事業,駐車場事業のみとなり,正に本市の外郭団体の廃止条件に合致いたします。公社にとりましても本市の外郭団体を外れれば,より自由な経営が可能となり,京都市で培った経験を全国へと展開させていくことができます。また,本市にとりましても,収益性の高い事業をする団体を株式会社化するなどして民間へと売却すれば,財政の厳しい本市にとっても大きく財政的にも貢献をいたします。そこでお尋ねいたします。京都市都市整備公社の完全民営化を要望いたしますがいかがでしょうか。 地域政党京都党は,市民与党として,これからもええもんにはええ,あかんもんにはあかんとしっかり声を上げて,是々非々で議論をしてまいります。 以上をもちまして,私,中島拓哉の代表質問を終了させていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) 河嶋建設局長。 〔河嶋建設局長登壇〕 ◎建設局長(河嶋敏郎) 引き続き,中島拓哉議員の御質問にお答えいたします。 一般財団法人京都市都市整備公社の民営化についてでございます。京都市都市整備公社は,昭和43年9月に財団法人京都市駐車場公社として設立して以降,道路交通の円滑化のため,駐車場,駐輪場の設置,運営を行うとともに交通安全の普及に取り組んでまいりました。平成21年4月には財団法人京都市土地区画整理協会と合併し,土地区画整理組合からの受託業務も行っております。現在では洛北第三及び桃山東第二の土地区画整理事業について,早期完了に向け取り組んでいるところでございます。平成24年4月の一般財団法人への移行に当たり公益目的に財産を支出する必要があり,公社では,7年間で25億9,400万円を本市に寄付することを主な内容とする公益目的支出計画を策定し,昨年度は12億9,000万円を寄付しております。今年度以降も,各年度の事業活動収支差額から必要な経費を除いた全額を寄付する予定でございます。また,公社では,平成22年度から将来を見越し自律した経営が行われるよう直営駐車場の開設も精力的に進めております。今後におきましては,公社の主要業務は民間においても広く営まれている駐車場,駐輪場事業であることから,外郭団体としての存続の必要性も含め,その在り方について検討を進めてまいります。以上でございます。 ○議長(橋村芳和) 次に,村山祥栄議員に発言を許します。村山議員。 〔村山祥栄議員登壇(拍手)〕 ◆(村山祥栄議員) 京都党の村山祥栄でございます。26年度の予算案に関連し2点質疑をさせていただきたいと思います。 まず1点目は,リニア誘致に向けた具体的な取組についてでございます。1月,リニアの決起会が先日開催され,次年度の予算にもリニア関連予算が500万円と増額されました。大変喜ばしいことであり,機運作りは正にこれからだというところでございます。ただ,先日の今回の議会の冒頭におかれましての市長の予算提案の中で,東京~大阪間の全線の同時開通を一生懸命頑張りたいと,こういう御発言があったかと思うんですが,これは関西広域連合としては進めていかなければならない課題ではありますが,全線開通をやろうと思いますと,この一,二年ないしは三年以内に具体的なルート設定をしなければなりません。そういった観点から行きますと,今,京都市におかれている状況で全線開通を議論を前に進めていくことは,余りにも危険極まりないということで,私は余りそこに一生懸命付き合わずとも,まずはしっかりと京都にリニアを引っ張ってくるという議論をし,また,市民機運を高めていくことが肝要であると私は考えております。 いずれにしても,前進したことは大変喜ばしいことでありまして,京都党はかねてからリニアをしっかりと誘致できる体制づくりをしようということで,マニフェストにも予算要望にもリニアの推進室をしっかりと整備をするべきだということを申し上げてまいりました。北陸新幹線の誘致でも,福井県,石川県,金沢市,福井市という風に,各都道府県,各市町村が新幹線の推進室を整備し,また,リニアについては,ライバルであります奈良市,奈良県,それから三重県,そして現在話が進んでおります山梨県,長野県,甲府市,飯田市,中津川市と,こういうところでもしっかりと整備をされ取組を進められているところでございますので,しっかりと一刻も早い整備を進めていただき,これは昨日御答弁もございましたので,答弁につきましては具体的に踏み込んだものは頂けないと思いますが,しっかりと整備をし,具体的な誘致運動を進めていただきたいと改めて思います。 さて,リニアの誘致についてでございますが,これは皆様御承知のとおり,大変な京都市にとっての難題であります。国土計画を一から変更し直して,既に決定していることをひっくり返すと,これはそう簡単にできることではございません。しかもこの問題につきましては,JR,また国の方からは後出しじゃんけんに対する批判が大変強うございます。つまり地元負担が必要ないと言った後に,京都は手を挙げたんじゃないかと,当然そんなつもりは京都はないわけでありますが,世間的にはそういう評価をされてしまっているのは事実であります。 私はリニアを誘致していく上で,改めて大切なことは,やはり不要と言われた地元負担をどう考えていくかという部分ではなかろうかと思っております。北陸新幹線におきましても,各自治体は約1,000億円単位での地元負担を強いられております。京都党は,とにかく財政再建をしっかりとやっていくという財政再建路線の急先鋒に立って,これまでから議論をしてまいりました。しかしながら,それでもなお大変な負担でありますが,このリニア誘致は京都にとって,京都の未来にとって不可欠な,大変重要な課題でございます。そういった観点から市民理解がしっかりと得られるように,自治体として地元負担の検討を私はしていく必要があるのではないかと思っております。特に駅舎の整備につきましては地元負担が迫られる可能性は大変高く,駅舎の建設についてのコスト,在り方というものを,誘致自治体としてまず検討していくべきではなかろうかと思います。地下の40メートルの大深度に駅を造るときのコスト,地上駅を造る場合のコスト,こういったものをしっかりと検討したうえで,ありとあらゆる可能性を探るべきではないでしょうか。 今回,芸大の移転用地が崇仁に決まりました。今回の芸大の移転用地は,唯一の京都駅に隣接している大規模用地でございまして,これは京都市所有の至高の,私は行政財産だと思っております。先日の決起会で,高松伸先生が地上駅に駅舎を造るならということでプレゼンテーションをしていただきましたが,もし地上駅を京都駅で造るとすれば,今回,芸大を誘致しようとしているあの場所以外に誘致できる場所は見当たらないのではないかと私は思います。また,今回,この無理難題のあるたくさんの交渉を国とJRに対して交渉をしていかなければいけない観点で考えますと,私はあの土地を地元負担の一部として拠出するという考え方も一つでございますし,丸すっぽJR東海さんにお渡しをして,共に再開発を進めていくという考え方もあるのではなかろうかと思っております。特にJR東海は,JR西日本所管の京都駅において,八条口のコンコース以外に土地を持っておりません。そういう中でリニアを京都に持ってきたい,また,JR東海の手でリニアを京都に駅を造りたいという観点でいきますと,JR東海からすれば京都駅に新たに土地を取得して活用できるというのは大変大きな魅力なのではなかろうかと私は思っておりますし,そういった観点から考えますと,最大の交渉カードになり得る可能性を持っている土地だと私は思っております。 崇仁への芸大移転の意味は,私もしっかりと理解をしているつもりでございますし,また,それは一つのやり方かもしれませんが,崇仁地区も広うございます。そういう意味でいきますと,駅の南もございますし,河原町の東側もございますし,また塩小路の北側もございます。どうしても崇仁なんだというのであれば,私は今回のあの立地を外して検討いただくことを是非とも御再考いただきたいと思います。それが先日市長が御発言になった京都のありとあらゆる力を結集してリニアを誘致するんだという言葉に沿った考え方なのではないかと思っております。改めて御再考をお願いして御意見を頂きたいと思います。それでは,まずこの2点につきまして御答弁を頂きたいと思います。 ○議長(橋村芳和) 平口副市長。 〔平口副市長登壇〕 ◎副市長(平口愛一郎) 村山祥栄議員の御質問にお答えいたします。 リニア中央新幹線についてでございます。リニアは日本の新たな国土軸となるもので,その計画につきましては費用対効果や経済波及効果などを検証したうえで国家政策として決定されるべきです。そのため,本市では,京都,関西,そして日本の未来のために京都駅ルートの実現,大阪までの全線同時開業,関西国際空港へのリニア延伸に向け取り組んでおります。なお,京都駅ルートの実現につきまして,現在,現行ルートと比較した需要予測や経済波及効果などの客観的な数値を取りまとめており,調査結果につきましては来月上旬に市民の皆様にお示ししてまいります。推進体制についてですが,来年度には誘致推進のための専門部署を設置し体制を強化するなど市役所の持てる全ての力を結集し,市民の皆様,京都府,経済界をはじめとするオール京都での誘致活動を加速してまいります。 御質問のリニアの建設費につきましては,建設主体であるJR東海が駅舎を含めて自己負担で整備する旨を表明し,地元自治体に対しては,乗客等の利便性を高めるための待合室や駅前広場の設置を求めているところであります。 次に,リニア京都駅の設置場所につきましては京都駅の真下とし,乗客がエレベーター等で垂直に移動できる京都駅南口の地下が最適であると考えております。京都駅南口の地下とする理由として,一つ目には,東海道線,山陰線,湖西線,近鉄,市営地下鉄などの多くの既存の鉄道に短時間でアクセスすることができることでございます。二つ目には,リニアは都心部において地下40メートル以下を通ることとなっております。したがって,駅は構造上も技術的にも地下に建設することとなり,また,地下駅とすることは環境面や騒音の減少等の点でも優れております。三つ目といたしまして,リニアの駅は,東海道新幹線を上回る,直線1キロ,幅60メートル程度の規模の平面が必要とされており,これを地上で確保することは困難でありますが,京都駅南口の地下であればそのスペースの確保が可能となります。以上3点から,リニア京都駅についでは,近接しているとはいえ通りを二筋隔てた崇仁地区では不適切であり,京都駅南口の地下に設置することが最も適していると判断しております。なお,学識の専門家と京都府,京都市,商工会議所により,平成22年に設置した明日の京都の高速鉄道検討委員会においても,駅は京都駅との結節に優れ,既存のターミナル機能を活用することができる南口の地下を想定しており,また,土木技術や地質の専門家からのヒアリングにおいては,南口地下の地質は強固で施工上の課題もないとのお話を伺っているところでございます。 一方,市立芸術大学の移転ですが,昨年3月に大学から市内中心部の崇仁地域への移転を望む要望書が提出されました。その後,地域の方々から,芸大の移転に協力を惜しまないとの要望書を頂き,さらに,下京区全学区からも移転歓迎の要望を頂戴したところです。移転決定に際しては,芸大の移転が,平成22年に策定された創造,交流,賑わいのまちを目指す崇仁地域の将来ビジョンに合致することや,京都駅東の地域に新たな魅力,活力をもたらし,周辺地域への波及効果も含めて京都全体のまちづくりの一層の進展につながること,世界の文化首都・京都の都市格の向上に資することなどを踏まえ熟慮のうえ決定したものであり,計画予定地への移転が京都の発展にとって最も望ましいと確信しています。以上です。 ○議長(橋村芳和) 村山祥栄議員。 〔村山祥栄議員登壇〕 ◆(村山祥栄議員) ただ今,御答弁を頂く中で,議論が一歩前に進んで,南口についてこう研究を進めていらっしゃるということが聞けたことは大変喜ばしいことだと思っております。ただし,これで本当にその計画でリニアを誘致できるのであれば私は何も申し上げるつもりはありません。ただ,この問題については相手のあることでございますし,相手がどう考えているかということも含めて,ありとあらゆる角度からありとあらゆる可能性を探っていく必要性が私はあると思っております。そういう意味で,一つの可能性を示していただけたことはよろしかったと思っておりますが,まだまだ課題は山積しております。改めて崇仁の在り方については御検討いただきたいということを申し上げておきたいと思います。 さて,続きまして,双京構想について御質疑をさせていただきます。双京構想は,平成22年10月議会で大西議員が一番最初にここでお話をされて以来,この話はずっと議会でも繰り返し議論がなされてきたわけでありますが,実は皇室のお住まいを京都でしていただくということ以外,踏み込んだ議論は実は何もございません。また,そういった中で,京都市が具体的に何をしていきたいんだということも見えてこないまま,ここまで来ております。改めて双京,二つの都で日本を引っ張っていくんだという,この二つの都という概念についてお尋ねしたいと思います。 そもそも,首都というのは,国際的にも国内的にも定義はございません。首都を定めた法律はこの国にはございませんし,国際的には政府所在地を首都と言っておりますが,例えばアムステルダムは,三権と国家元首がいらっしゃるのはハーグでございますが,憲法ではアムステルダムを首都と定めております。南アフリカでは,プレトリアに行政の都がございますし,立法はケープタウン,経済もケープタウンでございます。マレーシアはプトラジャヤに首都を移しましたけれども,実質全ての機能が国会を含めてクアラルンプールに残っておりまして,実質的な首都はクアラルンプールだという認知をされております。そういう意味で,実はこの首都という定義,都という定義というのは非常に曖昧模糊としたものでございまして,具体的にそういった踏み込んだ議論がなされていないのも事実です。明治の初期に明治天皇が京都から東京に行幸にお出になったきり,明治4年にお帰りになったときも,また行幸としてお戻りになっているという,明治の時代に大変な色々な過渡期がある中で,曖昧模糊としてしまったわけでありますが,いまだに高御座は御所にあるということもあり,この首都をめぐる考え方について一旦整理をする必要があるのではなかろうかと思っております。かつて国をにぎわした首都機能の移転問題もあえて首都移転ではなくて,首都機能移転という表現でぼやかされているのもそのためでございます。そういう意味で,改めて市長にお尋ねいたします。今,京都は都なのでしょうか。もし都でないとすれば,いつから京都は都ではなくなったのでしょうか。心のふるさとといったような抽象的なものではなく,踏み込んだ御見解を頂きたいと思います。また,あわせて,私ども京都党は,文化首都をしっかりと定義する特別措置法の制定を国に対して進めていくべきだと考えておりますがいかがでしょうか。 さて,双京構想が議論がなかなか前に進まなかった最大の大きな要因は,私は,皇室の政治利用だという批判が後を絶たなかったからではないかと思っております。しかしながら,明治10年,陛下が京都に行幸でお戻りになられたとき,京都の寂れた姿を大層お嘆きになり,御所の保存が当時決まりました。即位礼はたくさんの人がお越しになるからということで,即位礼と大嘗祭は京都でやろうということに決まりました。明治天皇のお墓に当たります御陵は東京に置かれていることが当時決定をしていたにもかかわらず,今,皆様がよく御存じのあの伏見桃山の伏見桃山御陵に陛下の亡きがらを置くことを決めたのも陛下御自身であります。そういう意味でいきますと,御所の保存をはじめこれらの配慮は,これは皇室のため,国のため,京都のため,色々な理由があるんだと思いますが,私は,利用しようとして保存したのであって,ただ単に置くために保存したのではないと思います。そういった観点に立ち返りますと,利用してはいけないということそのものが陛下の御心に反する考え方であり,だからこそ私たちは,これをしっかりと利用していく必要があるのではなかろうかと,改めて思うわけであります。 高御座はいまだに一旦東京に即位礼のときお持ちになったにもかかわらず,再び京都の御所に戻ってきております。日本に御所は6箇所ございますが,そのうちの3箇所は東京でございますが,残り3箇所は京都に残ったままでございます。別荘,宮殿と言われている離宮も全ての離宮が元離宮になったにもかかわらず,京都の修学院離宮と桂離宮だけは離宮としてあえて保存をし続けております。しかしながらこれらも観光客が見学に来る以外,全く利用されていないというのが実態でございます。私たちはそういった観点に立って,改めて色々な観点から双京構想について議論を深めていく必要があるのではなかろうかと思っております。前回の即位礼は東京でございましたが,今度こそは京都でやるんだということを声を上げていくのも一つでございますし,今,大宮御所は陛下のホテルになっておりますけれども,それ以外の皇室の皆さんはホテルにお泊りになっております。京都に皇室に何とかお帰りいただきたいんだということをおっしゃるのであれば,例えば皇室の宿泊施設を市民の皆さんの手で寄付を集めて御所の中に造ろうという運動があってもいいのではなかろうかと思います。事実,昭和35年に再建をされました吹上御所は,戦後長らくの間,再建されずに,市民の手で寄付を集めて御所の再建をやろうという運動が当時東京であったようであります。また,大阪城の天守閣も市民の寄付を持って天守閣の再建がなされております。そういうことを考えますと,例えばそういうような発言が京都からあってもいいのではなかろうかと思いますし,また,京都の御所の中には観光できる場所というのが今は全くございません。また,御所の説明をするようなものもありません。そういう意味でいきますと,例えば御所の博物館なんていうのが御所の中にあってもいいでしょうし,今は三の丸の収蔵館というところに皇室の財宝は全部保管をされておりますが,こういったものの一部も,京都御所の中にもたくさん収蔵されております。そういうものを市民の皆さんに公開をしていくというような動きがあってもいいのではないかと思いますし,そういったことも含めて私は加速度的にこの双京構想をどう進めていくか,どうありたいのか,京都市民の思いはどうなのかということの観点に立って,京都の繁栄を願う私たち京都市民の手で,これを前に進めていくことが何よりも,先ほどから申し上げておりますように,陛下の御心に沿った我々の取るべき道だと私は考えております。慎重なのはいいことでございますけれども,もっともっと闊達に議論し,実現に向けた機運づくりをしっかりと進めていくことが肝要であると思います。いかがでしょうか,御答弁を頂いて,私からの代表質問に代えたいと思います。御清聴,誠にありがとうございます。(拍手) ○議長(橋村芳和) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 村山祥栄議員の御質問にお答えいたします。 双京構想についてであります。京都は1,000年以上もの長きにわたり我が国の都として繁栄を続けた世界でも稀有な都市であり,私たち京都人は常にそのことを深く意識し,明治維新の後に実質的に首都が東京に移った後も,京都が日本の歴史や文化,芸術,学問,物づくりを象徴する世界に誇る文化首都であると自負しております。現在,日本の首都がどこにあるのか自体を定めた明文の規定はありませんが,我が国の政治,経済の中心として,東京が日本の首都であると言えると思います。しかし,我が国では,天皇の遷都宣言に基づき天皇が移り住まれることで遷都が繰り返されてきましたが,794年に桓武天皇によって平安京へ都が移されて以降,このような宣言は出されておりません。また,京都には現役の御所があり,天皇の玉座として即位の礼に用いられる高御座は,京都御所にしかございません。御指摘のとおりであります。こうしたことから,私は,皇室の弥栄のために,京都にも皇室の方にお住まいいただき,東京と京都が名実共に都としての機能を双方で果たす双京構想の実現を目指すことが,京都が果たすべき大きな使命の一つであると認識いたしております。村山議員御提案の特別措置法の制定につきましては,我が国において首都を定める法律がないという現状の中で,京都を文化首都と定義することの法制化を求めるのではなく,そのことが当然のこととして受け止められるように地道な取組の積み重ねの中で,自然に国民的な合意形成を図っていくことが一番大事であると,そのように認識いたしております。 また,今日もお昼に世界的な芸術家,京都賞も受賞されていますが,ウィリアム・ケントリッジさんがお越しになりましたが,京都こそが文化首都である,このようにもおっしゃっていました。このようなことを踏まえまして,双京構想の実現のためには,市民の皆様はもとより国民の皆様の御理解,そして世界の方々の評価を高める京都の都市格の向上,さらには,皇室の方にお越しいただく機会を創出していく,頻繁に京都にお越しいただく,そうした機運を作っていく,こういうことが必要であります。とりわけ,市民の皆様をはじめとする多くの方々の御理解を得ることが重要であり,このことが闊達な議論や実現に向けた機運を高めることにつながるものと考えております。このため,私自身,講演や会合など,あらゆる機会を通じて,双京構想の理念をお話しし,多くの方々に共感を得ております。そして本日,そして来月に,生涯学習総合センターで開催する皇室にまつわる講演会,京都学講座を継続的に開催するとともに,国家戦略としての京都創生の取組とを連携させまして,一層強化し,国民的な機運の醸成を図ってまいります。 双京構想を打ち出しましてから,まだわずかな時間でありますけれども,関西の四つの商工会議所がそのことに賛同していただくなど,取組は京都だけではなしに大きく広がっているということも感じております。さらに,全国に類を見ない景観政策や歴史的,文化的資産の継承,活用を推進するなど.世界の京都としての国際的な評価も併せて高められるよう,京都の都市格を今以上に磨きを掛けるとともに,文化,芸術,学術等の分野においても様々な会議や催しを一層京都に誘致し,できる限り皇室の方が京都にお越しいただく,京都の事業に御参加いただく機会を増やすなど様々な取組を積み重ね,双京構想の実現に関係者の皆様と共に取り組んでまいります。 なお,平口副市長が御答弁申し上げましたが,こうした観点からも,リニア中央新幹線の京都駅ルートの推進は是非とも実現しなければならない,改めてそのことを認識しており,あらゆる取組を通じて実現を図ってまいります。以上でございます。 ○議長(橋村芳和) これをもって質疑を終結いたします。 椋田隆知議員。 ◆(椋田隆知議員) 議事進行について動議を提出いたします。 ただ今議題となっております議第1号から議第21号,議第23号,議第25号,議第26号,議第28号から議第59号,議第63号から議第70号,議第73号から議第75号,議第77号,議第78号,議第80号,議第81号,議第84号から議第92号,議第95号,議第98号から議第102号,議第105号,議第245号及び議第281号の89件については,現在設置されております予算特別委員会に付託のうえ,慎重審議願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(橋村芳和) ただ今,椋田隆知議員から動議が提出され,動議は成立いたしております。 お諮りいたします。ただ今の椋田議員の動議のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋村芳和) 御異議なしと認めます。よって椋田議員の動議のとおり決します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 日程第2ないし日程第55,議第22号京都市地球温暖化対策条例の一部を改正する条例の制定について,ほか53件,以上54件を一括議題といたします。 2月14日の議事を継続いたします。 本案は,ただ今お手元に配付してあります議案付託表のとおり,所管の常任委員会に付託いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 日程第56,市会議第1号京都市会定例会回数条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は,議案の説明を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋村芳和) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 日程第57,市会議第2号京都市会会議規則の一部を改正する規則の制定についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は,議案の説明を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋村芳和) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 日程第58,市会議第3号京都市会委員会条例の一部を改正する条例の制定についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は,議案の説明を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋村芳和) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 日程第59,議第235号ないし議第244号及び議第279号平成25年度京都市一般会計補正予算,ほか10件,以上11件を一括議題といたします。 予算特別委員長の報告を求めます。予算特別委員長山本恵一議員。 〔山本予算特別委員長登壇(拍手)〕 ◆予算特別委員長(山本恵一) 本委員会に付託されました議第235号平成25年度京都市一般会計補正予算ほか10件につきまして,審査の経過と結果を御報告申し上げます。 当委員会といたしましては,付託を受けました2月14日の本会議終了後,正副委員長の互選並びに分科会の設置及び正副主査の互選を行い,17日に第1分科会では環境政策局,行財政局,総合企画局,文化市民局及び産業観光局に対して,第2分科会では保健福祉局,都市計画局,建設局及び教育委員会に対して,第3分科会では消防局及び上下水道局に対してそれぞれ質疑を行い,18日に各分科会の報告を受けた次第であります。 今回の補正予算は,国の好循環実現のための経済対策に伴う有利な財源を活用し,道路,河川等の都市基盤に係る防災,老朽化等の対策や都市の魅力向上に向けた施設整備のほか,消費税率引上げに対応した本市独自の中小企業等への支援策を創設する一方,市税収入の見込増を活用し,特別の財源対策として予定している公債償還基金の取崩しを減額するなど,国,府支出金や市債等を財源として総額49億3,600万円を補正しようとするものであります。以下,審査の過程において論議されました主な事項について順次申し上げます。 まず,補正予算全般に関しましては,経済好循環のための補正予算であることを踏まえた市内事業者への発注と入札制度の見直し,特別の財源対策に依存しない財政健全化への更なる対策の必要性,臨時財政対策債を含めた市債残高が増加していることへの認識などについて質疑や御意見がありました。 次に,国の経済対策に呼応した防災,老朽化等の対策や都市の魅力向上に向けた公共投資の推進については,現在整備中の動物愛護センターに対する市民の理解を促進するため京都府と連携して情報発信に取り組む必要性,ゾウの森整備工事に係る減額補正の具体的内容と減額した交付金の使途,国の補助制度の積極活用による市営住宅耐震改修の更なる推進,舗装路面下空洞調査の対象路線の選定条件と早急な対策の実施,教育環境だけでなく防災拠点の観点からの快適トイレの整備などについて質疑や御意見がありました。 次に,消費税率引上げに対応した本市独自の中小企業等への支援や雇用対策については,専門家派遣事業の実績とニーズを踏まえた今後の展開,消費税増税の中小企業への影響等に関する十分な調査の実施,起業支援型商店街活性化事業の内容と継続的な取組の必要性,特色ある店舗の創出や免税店拡大等における中小事業者に対する支援,市内産木材の地産地消による雇用や消費拡大に向けた取組の推進などについて質疑や御意見がありました。 そのほか,焼却灰溶融炉に関する訴訟に際し,議会での参考人招致などこれまでの議論を踏まえ住友重工に対し強い姿勢で臨む必要性,トラブル続発にもかかわらずこれまで住友重工との契約を解除しなかった理由,生活扶助費引下げの根拠とされる物価下落の把握方法に対する疑問,子宮頸がん予防接種の勧奨を差し控えた後の国の動向及び本市の方針,社会参加への意欲喚起の観点から一次予防に重点を置いた介護予防事業の実施,東大路歩行空間創出事業によりもたらされる利便性向上効果の積極的な周知,工業高校特有の施設整備のために教師の意見を聴取する考え,大型救急車を本市独自仕様とすることによる費用及び整備期間への影響,耐用年数に達しない中で給油取扱所地下タンクに不具合いが出た原因,上下水道局保有資産の有効活用に際し,売却と有償貸付を選択する判断基準,簡易水道再整備事業の工事の遅延による地元への影響とその周知状況,市職員の退職者数が当初の見込みと乖離している理由などについても,質疑や御意見がありました。 概略,以上のような審査の後,更に各会派等において御検討いただき,その結果を19日の委員会で御発表いただきましたところ次のとおりでありました。すなわち自民党,共産党,民主・都みらい,公明党,京都党の各議員団及び無所属2名の委員はいずれも原案に賛成するとのことでありました。そこで直ちに表決を採りましたところ,ただ今お手元に配付しております委員会報告書のとおり,全会一致をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。 以上であります。これをもちまして委員長報告を終わります。(拍手) ○議長(橋村芳和) これより討論を行います。発言の通告がありますので,これを許します。井坂博文議員。 〔井坂博文議員登壇(拍手)〕 ◆(井坂博文議員) 私は,議第235号平成25年度一般会計補正予算に対して,日本共産党京都市会議員団を代表して賛成討論を行います。 今回の補正予算は,先ほどありましたように,国の好循環実現のための経済対策とする大規模な財政出動に対応して,消費税率の引上げに伴う需要の落込みを緩和し地域経済の着実な底上げを図ることを目的に編成したとされています。したがって,今補正予算の検討に当たっては,消費税増税に対する本市の対応及び41億円の公共事業が市民生活と地域経済にとってどういう役割を果たすのかが問われております。 第一に,消費税率引上げに伴う需要の落込みへの対応策として1,500万円が計上されております。しかし,消費税増税がもたらす影響は計り知れないものがあり,税率引上げを転嫁できない中小業者が多数を占めていることから,廃業せざるを得ない業者が生まれることが懸念されております。増税による影響を緩和し中小企業の経営を支援するのは行政の当然の責務でありますが,支援するのであれば補正予算であっても金額,内容においてもふさわしい支援が必要であります。そして根本的には,消費税増税を中止するよう国に求めるよう指摘しておきます。 第二に,焼却灰溶融施設の契約解除に伴い,住友重機械工業が損害賠償請求に応じないために訴訟を行うための経費は当然であります。毅然とした対応を求めておきます。また,道路や橋りょうなどの基盤整備,市営住宅の維持修繕,学校トイレの整備など総額41億円の公共事業は市民生活の安心安全を向上させるために必要な事業であります。そのうえで,この事業を地域経済の底上げに着実に結び付けるためには,事業を市内企業に優先発注し,低入札を改善し,適正な下請単価を保証して,かつ労働者の賃上げにつながるよう行政がイニシアチブを発揮するよう強く求めておきます。 第三に,工業高校の再整備であります。立命館中学,高校の用地取得のための債務負担行為に21億円が計上されていますが,再整備を理由に工業高校の統合を進めるものであり,問題があることを指摘しておきます。 第四に,小栗栖排水機場周辺浸水被害に係る損害賠償金について8億8,000万円もの繰越明許が提案されています。繰越明許は制度上必要なものでありますが,市長は,昨年の損害賠償提案の際にスピード感を持って対応すると言明されました。それが,示談交渉が大きく遅れて当初計画の93.6パーセントもの繰越しをせざるを得なくなっていることは問題であることを指摘しておきます。 以上,申し述べまして補正予算に対する賛成討論といたします。ありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) これをもって討論を終結いたします。 これより表決を採ります。本案は,委員長報告のとおり,原案のとおり可決することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋村芳和) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 本日は,これをもって散会いたします。 〔午後4時32分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~          議長    橋村芳和          副議長   隠塚 功          署名議員  くらた共子          同     曽我 修 △(イメージ)請願文書表「受理番号237」「京都市美術館のアトリエの存続」・請願文書表「受理番号238」「子ども・子育て支援新制度の充実」 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