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10月02日-04号

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  1. 京都市議会 2013-10-02
    10月02日-04号


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    平成25年  9月 定例会(第4回)       平成25年第4回                 京都市会会議録 第4号       (定例会)                    平成25年10月2日(水曜日)出席議員(68名)   1番 江村理紗議員   2番 中島拓哉議員   3番 佐々木たかし議員   4番 片桐直哉議員   5番 清水ゆう子議員   6番 森川 央議員   7番 橋村芳和議員  11番 村山祥栄議員  12番 国本友利議員  13番 青野仁志議員  14番 松下真蔵議員  15番 青木よしか議員  16番 山本ひろふみ議員  17番 香川佐代子議員  18番 島本京司議員  19番 椋田隆知議員  20番 桜井泰広議員  21番 加藤あい議員  22番 西村善美議員  23番 とがし 豊議員  25番 平山よしかず議員  26番 吉田孝雄議員  27番 湯浅光彦議員  28番 曽我 修議員  29番 天方浩之議員  30番 中野洋一議員  31番 隠塚 功議員  32番 下村あきら議員  33番 山元あき議員  34番 西村義直議員  35番 吉井あきら議員  36番 田中明秀議員  37番 玉本なるみ議員  38番 くらた共子議員  39番 河合ようこ議員  40番 樋口英明議員  41番 宮田えりこ議員  42番 久保勝信議員  43番 津田早苗議員  44番 井上教子議員  45番 大道義知議員  46番 ひおき文章議員  47番 谷口弘昌議員  48番 山岸たかゆき議員  49番 安井つとむ議員  50番 宮本 徹議員  51番 山本恵一議員  52番 中川一雄議員  53番 寺田一博議員  54番 津田大三議員  55番 中村三之助議員  56番 大西 均議員  57番 山中 渡議員  58番 井坂博文議員  59番 北山ただお議員  60番 岩橋ちよみ議員  61番 井上けんじ議員  62番 西野さち子議員  63番 今枝徳蔵議員  64番 小林あきろう議員  65番 鈴木マサホ議員  66番 小林正明議員  67番 加藤盛司議員  68番 繁 隆夫議員  69番 富 きくお議員  70番 内海貴夫議員  71番 井上与一郎議員  72番 高橋泰一朗議員欠席議員(なし)欠員(1名)   議事日程   開議日時 平成25年10月2日(水)午前10時   一般質問(1) 市政一般について  今枝徳蔵議員(2) 市政一般について  山岸たかゆき議員(3) 市政一般について  山本ひろふみ議員(4) 市政一般について  谷口弘昌議員(5) 市政一般について  井上教子議員(6) 市政一般について  青野仁志議員(7) 市政一般について  佐々木たかし議員(8) 市政一般について  江村理紗議員   議事日程(追加)第1 議第184号ないし議第187号 平成25年度京都市一般会計補正予算 ほか3件(予算特別委員長報告)第2 市会議第29号 台風18号による豪雨災害に関する意見書の提出について第3 市会議第30号 京都御苑周辺の環境保全に関する決議について~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開会〕 ○議長(橋村芳和) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。とがし豊議員と国本友利議員とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) この場合,議長から御報告申し上げます。 今回受理いたしました請願3件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託いたします。 以上,御報告申し上げます。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 昨日に引き続き,これより一般質問を行います。 発言の通告がありますので,これを許します。市政一般について,今枝徳蔵議員。 〔今枝徳蔵議員登壇(拍手)〕 ◆(今枝徳蔵議員) おはようございます。民主・都みらい京都市会議員団を代表いたしまして,山岸君,山本君共に3名で今日は質問をさせていただきます。 質問をする前に,台風18号によりまして色々と被害をお受けになりました方々に対しまして,心よりお見舞い申し上げたいと思います。 それと今更ながら京都はすごいとこやなと思ったのは,職員の皆さん,そして一般市民の皆さんを含めて多くの方々が即対応していただきまして,「京都を守ろう」という気持ちが,あの18号のことで大きく感じられました。色々と御協力をいただきました皆さんにこの場から改めて厚く御礼申し上げたい,本当に御苦労様でございました。 それでは質問に入ります。まず一つ目ですが,台風18号のことで,実は市民の方から声が掛りました。自分とこの家が,大文字山の左側の登り口らしいんですが,自分ところの家が半分埋まってしまったと,そして道路も半分埋まったということで,京都市から来てもらったんやけれども,それが全く,公道はきちっとできたんですが,自分ところの家は私道やということで,書いたもののとおり,こういう対応されたということで,私の方に「何とかしてほしい」という話がありました。そして,幹部の方と話をしましたら,「こんなときにそんなしようもないことを言いましたか,それは申し訳ない,すぐに対応しましょう」ということで,即,またそういう対応をしていただきました。京都の職員さんも話が分かるようになったなと,私は市長の教育が非常にええなと思ってびっくりしたんですが。そういう出来事がございました。 そしてまた,言い忘れました,職員さんの資質についてという今日は質問でございますので,よろしくお願いいたします。 景観条例というのを前の桝本市長が,「50年先,100年先にきちっとこの京都を守るんだ」という気持ちで中心になってお作りになって,今,それがどんどん進んでおります。ところが全てもうみんな同じやということで対応されていまして,今一生懸命規則に基づいてやっておられる方もあります。 〔橋村議長退席,隠塚副議長着席〕 ◆(今枝徳蔵議員) (続)ところが「みそもくそも一緒になった」という言葉も昔からございますが,そういう対応がありました。例えば三条の寺町の所のかに道楽の看板,それから子供のかんの虫を押さえる,これ120年も続いた店の古い古い看板,そういうものも,それからNHKのあれになっている東華菜館の看板,あのNHKの天気予報の見本にまでばっと景色になっているあの上の看板,それも全てあかんということなんで,私はそのことを役人さん皆来ていただいて,都市計画の方と話をしました。そうしたら,今そういうことについては規則は規則として,考えることはまた別に考えようやないかという姿勢で今どんどんと進めていっていただいています。私はこれを見まして,「ああ,なかなか役人さんも大したもんやな」という風になりました。 ただ,この間から色々な不祥事がありました。不祥事についてはきちっとせないかんということで,今,監察監を作って,そしてその下で色々指導して教育して,きちっとそういうことがないようにと,それはそれで必要やと思います。それよりももっと私が常日ごろからこの役人さんが「お役所仕事やな」と市民から言われないような,そういうような内容の取組が大事ではないかという風にいつも思うています。それは上の人が常に下の人の面倒を見ていないから,私らの世代でしたら,「いや,わしがこんなことをしたら,もうわしの親分に何を,こんなこと自分はでけへん」というような気持ちでそういう対応をしてきた時代やったんですが,今はきちっと書類のとおり物をするから,心が通じていないものもあります。ですから上の人が常に下の面倒を見ていたら,下の者は,「俺がこんなことしたら上の人に迷惑掛かる」というようなことがもっともっと膨らんでくる。これは市長の得意の分野やと思いますので。そういうなんをもっともっとこれからやっていっていただいて。職員さんの中でやっぱり常日ごろからの心の通う,そういう職員さんの資質の作り方というのをやれば。余り僕は監察監作って,もう常日ごろから何やして,上からしようと,もうそれは余り僕は好きやないんです。それより心を通わせて,「もう親分,子分や,しゃあない」と。ところが子分はもう親分に下手売らされへん。そういう感覚も役人さんはもっともっと指導していってほしいなという風に思います。 前にも言いましたけれども,課長,部長のときはようやるなと思うたんが,局長になった途端に,もう去年の書類出してきてって,もうそれ以上のことせんといてって,何を考えてはるのや知らんけれどというのは,私が見ていてありました,この30年の間に。だからそういうことのないように,上の人が,ここにずらっと並んでおられるえらい人が,常に下の人を,何かいいことやった,「よっしゃ,任せとけ。その代わりすかたんしたら俺が責任取ったる」という,そういう姿勢でやってほしいという風に思うわけでございます。これから,そういうことで,これからそういう職員さんの役人さんの資質の作り方をひとつ,市長,十分に考えていただきたいなと思います。 それから,次に,東京オリンピック,パラリンピック,これですが,私はこの機会に京都に。京都は東京から2時間ちょっとで来れるわけです。もうほとんど全部言うていいほど京都に来はると思うんです。そのときに,やっぱりみんなでお迎えをしようという姿勢を作ることが大事。京都は仏教界とのことの失敗をしたり,経済界とももう一つうまいこといってへんなという部分が私も感じていましたんで,そういうこと。それから市民の皆さん,みんなが一緒になってありました,「お・も・て・な・し」,これですね。うまいこといきましたか。この精神でひとつやっていただきたいなという風に思いますので,その点,よろしくお願いしたいと思います。 それからその次に,京北地域の活性化についてお話をさせていただきたいと思います。京北,私は京北と統合したときの委員になりました。自分の方から何や,これは何でやいうたら,子供たち,京都は統合してええ学校ようけ出来ています。しかし物すごい施設はええけれども,あっこで育った子供たちはやっぱり箱の中で育てたカブトムシみたいなのが多いです。どうしても,見かけは変わらへんけど弱いというのが多い。だから京北と一緒になって,そしてこっちからどんどん行く,向こうから来る,そして交流をして,傷なんて僕らは男の勲章や思うて生きてきた人間です。だからそういう強い,心の強い子供たちを,ちょっとすりむいたら,もうこれは学校の責任や先生の責任やて,そんな親がいっぱいいますから,そういうことのないように,「傷ぐらい何言うてんねん」っていうような親も一緒に行って,そういう体験をさすというような。その証拠に子供たちはそれを望んでいるんですわ。だから花背山の家はなかなか取れないというようなことを聞きますので,やっぱり第二の花背山の家みたいなのを京北町でという気持ちで僕は合併の委員になって,そして京都と右京区にひっついたということを,この経過がありますので。ところが行こう思うても,あの峠でくりくりくりっとバスに乗っていったら,全部目回ってしもうて,向こうへ行ったらこてんといってしもうてあかんです。だから今回待望の,市長が頑張ってくれはりました。もうよう分っています,この栗尾トンネルというのが出来ました。これを機会に京北をもっともっと京都の宝物にしてほしいなというのは私の望みでございます。 これは今回京北にはふるさと公社というのがあります。あっこを核にしていただいて,大きな核にして,こっちから行って色々やっても京北のこと分からへんです。京北は京北として,もうほんまに道の隅っこまで知っておられる方ばかりです,京北行ってお話ししていましたら。ですから,京北はやっぱりよく御存じのふるさと公社,それとあっこに連合会があります。その連合会長を中心にして,公社と連合会が,そういう方々が一緒になって京北を盛り上げてもらうと。そんなときに僕は市長うまいことやってくれたなと思っていますが,右京の所長,右京の副区長を京北のトップに上げてということで,今,やってもろてます。あれはよかったなと思います。ですから,向こうのふるさと公社,そして連合会,そして京都から行っているそのトップの右京の副区長,そういう方で京北をこれからどう生かしていくんやということを十分に考えてほしいなと思うんです。それで具体的にはやっぱり道の駅,ああいうものもこれから道の駅ウッディ京北,それから宇津峡公園,そういうすばらしい所があります。そしてそういうところをもっともっと充実して,それからふるさと公社も聞いていましたら,もう年が過ぎすぎて非常に不便な,それから耐震も心配やというようなことも聞きますんで,そういうのも一度,また右京の副区長とお話しいただいて,そういうのもひとつ,どうして今後やっていったらということで。 それから,今度は向こうは,僕は統合の印したときに思ったんは,子供と年寄り,これはもう公で向こうへどんどんどんどん入れて向こうで生活してもらうのもええ,真ん中の人はトンネルが抜けたら,もうほっといてもお金持っていってもうけよう思うてこれは行かはります。だからもうそれはほっといても。とりあえずお年寄りと子供,これ,それにはやっぱり病院をしっかりせさなあかんと,前にも言うた覚えがありますが,その病院,今,うまいこといっているみたいで,もっともっと病院に力を入れていただいて,そして病院をきっちりとした安心した病院にしていただいて,そして京北を京都の一つの大きな宝物にしてほしいというのが僕の気持ちなんで,どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 それから,合併記念の森,これは何したらいいのやろう,色々なことを言われていますけれども,取り組んでもまだはっきり言うて,そんなにどんどんどんどんあっこが動いているという風にはないと思いますので,あそこもやっぱりラグビーなんか聞いていたら,信州の菅平,あこまでラグビーの選手,合宿行ったりするんですから,それならあっこの運動場やったら何ぼでもできるんですから,そういうなんを行ってやったり,それか佐川印刷さんが,滋賀県のほうで,民間も滋賀県の方まで行って野球やとかサッカーとかグラウンドを造ってやってはりますが,そういうものも30分でこれからもうトンネル抜けたら行けるわけですから,どんどんどんどん民も含めて,知恵を。どんどんトンネル。ちょっとおもろいこと聞いたんですけどね,「トンネルが抜けたらもっともっと向こうからこっちへ出てくる人が増えて,向こうの人口が減るの違うか」というようなあほなことを言う人がいやはる。いや,そんなばかなことさせたらとんでもない話やということで,あこはこっちから,僕に言わせたらこっちから行くトンネルやというのを十分に意識してもろてやってほしいなという風に思いますので,どうぞよろしくお願いします。 それから,学校なんですけれども,学校も合併記念の森,前は平成11年には6校あったんが3校になった。そのときは750人いた。現在はその半分の380人に今なっているというようなことなんで,できれば学校の統合を,子供たちはやっぱり人数少なかったら競争心がでけへんのであかんので,ひとつそういうことを考えていただいて。周山中学と,今,小中一貫教育というのも,こっちも御池のところもやっていますが,ああいうのをどんどんどんどん進めていただいて,統合も含めて京北に,京都の一つの宝物やと,すばらしいまちやという風になるように,お願いをしておきたいと思います。 それから次に,下京の西部エリア,私は中央市場の出身なんですけれども,中央市場の周りがずっと変わっています。水族館,おかげで物すごい反対をしていただいたおかげで,この京都のシンボルになってしまいました。タワーも反対のおかげでということで,反対されたところは全部京都のシンボルになってしまったと,私はそう思うていますので,もう反対をたくさんしていただいたおかげで,あれは今,ありがとうございました。どっち向いて言うていいのや分らんけれども。もっともっと,できれば京都会館ももう少し反対をしてもらえばもっとええもんが建つの違うかと思うているぐらいですので,ひとつまたよろしくお願いしたいんですが。 水族館,それから鉄道博物館,これもまた反対に来ておくれやっしゃ,頼みまっせ。そういうことですね,鉄道博物館が出来ますし,それから島原,これから五条通に産業大学の中学と高校,これも子供は朝すごいですよ。うわ,水が流れるように出てきますし,夕方もうわっと入ってきますよね。それから五条通が今度拡幅されます。そうしたら五条の七本松のところに,今,リサーチパーク,これは世界の頭脳,そうした企業が結集しています。そういうところ,中央市場の周りが今どんどんどんどん民間で変わってくる。市長はやっぱりそこにきちっと目を付けられて,下京西部エリアの開発ということで,今位置付けてやっておられます。これはすばらしいなと思います。今度初めて子供の遊具,チンチン電車の箱に京都市がお金入れてもろうて,京都市お金入れんと,みんなが民間でやっていただく,有り難い話なんで。これをひとつもっともっと進めていっていただきたいなという風に思いますので,よろしくお願いをしたいと思います。できれば,今言いましたようなところはずっとようけ出来てきましたんで,それから京果会館というのが七条の入口にある,あれも下を,1階,2階を,みんな子供たちが喜ぶ食堂にしようということで,今やってもろてますし,そういう風になりますわ,今後ここも人があふれてきます。 そうなりますと,やっぱりバスの方ですね,交通局長にも十分言うべきだと。循環バスを僕作ったらどうやろうなと思うているんです。西大路の七条,それから京都駅,それから五条の烏丸,それからまた西大路五条という風に,くりっとこれら循環バスを作れば,非常にその間には西本願寺,龍谷ミュージアム,色々なものがありますので,そういう循環バスをひとつ考えていただいたらどうやろうなという風に思うていますので,これもちょっとお考えをいただきたいと思います。 それから停留所ですけれども,全部今,七条大宮で水族館行く人が降りてしまいますので,今度鉄道博物館も出来ることですし,できれば今言いました京果会館の向かい側の梅小路の入口の所に停留所でも作って,あれが,あっこやったら,もう降りたら子供危のうないし,そのまま自動車来ても,中へぱっと入ったら安心なんですから。向こうよりちょっと100メートルほど遠いだけなんです,水族館行くのに。そやけど鉄道博物館に行くのはこの方が早いんで。その停留所のこともひとつ考えていただきたいなという風に思いますので,どうぞよろしくお願いいたします。 それから,そういうことで緑の館ももう少し人の利用率が少ないので,それもちょっと考えてほしいなという風に思います。 それから建都1200年の模型,あれまだ,もう一遍アスニーに入れてもろたんですけど,この頃また誰も見てないという話なんで,あれもできればということで,だいぶ水族館,緑の館と考えたら,ちょっと場所が狭すぎてあかんので,これもどこかにそういうことが,あれをやっぱり生かさんと,億以上のお金が掛っている。私もすごいもんやなと思いますので,世界の人が来られてあんなん見られたら,京都ってもっとすごいなと思われるので,あれもひとつ有効にいかしてほしいなという風に思います。 それから,そういうことで下京の西部エリア,周りがずっと変わってきて活性化してきたら,日本一の中央市場としてまた市場もこれから頑張るというておっしゃっていますので,ひとつよろしくお願いをしたいと思います。 それから,京都芸大,この移転,これについては,実はこの間,学生さんが考え出した島原の活性化委員会があって,そのときに宗田先生,府立大学のまちづくりの色々お手伝いをしていただいている先生が色々なお話の中で,ぱっと先生が言わはった,10年先にはもう芸大がこっち来るようなことを先生がおっしゃったんです。それは先生違いますよいうことで聞いてみたら,まだまだこれからせんなんことがあって,早くても20年先と違いますかと,僕は自分の感覚で言うたんですけど,これがお金のこと,それからあっこの崇仁小学校の5倍の土地が要るという話なんで,そういうこと,中身,とりあえず,ですから,市民の皆さんに余り,そやけど期待してもらうということはわしはうれしいなと思うて,これはもううれしかったですよ,物すごく。ただ,誤解して期待されたらいかんので,そこんとこ,今日こんな機会ですので,テレビも映っていますので,市民の皆さんにきちっと説明をしてほしいなと思いますので,よろしくお願いをしたいと思います。 それから,最後になりますけれども,これはもう返事は要りませんけれども,もう言いたい放題で今日も言わせてもらうつもりで来ていますので言いますけれども,ゼスト御池,前にも言いました。このゼスト御池については,私,これヒントを得たんですが,民間の,この前,新聞にバンと載っていました。民間の社長さんに来ていただいて,私も社長さんと何や初め社長さんとこの前に一回ここでやったと。そのときに社長さんが,「あのがき何言うねん」言うて社長が怒っていたということを聞きまして,そして「社長と一遍」言うて話したら,結構馬が合うて,今もう兄弟みたいに仲よくしているんですが。社長もやる気満々で一生懸命,今までの,僕がここで前にだいぶ言いましたけれども,「今までのことはもう大変やった」というようなことを言いながら,しかし大変や言うていてもあかんので,わしが来た限りはわしが何とかという,本当に社長やる気で,私もこれはええなと思うたんで,社長にもつい言うていたんですが,あこを,あるお母さんが私に言わはったことは,ここで物を買物していてても,子供ぱっと目を離しても,階段上がったらしゃあないけど,安心やもんというようなことを言われました。ですから,あこで子供の,店がもうそれずぼっと買えというのは,これは無理な話です。だから店が空いていったときに,子供のもの,ずっといっちょいっちょ子供のものを増やしていって,子供のもので色々なものあります,パーマ屋さんとか散髪屋さん,あれでも今,伊勢丹へ行ったら,もう並んでいるんですよ。おしゃれなお母さんがおって,子供,全部男の子もパーマ屋へ連れて行くんですわな。そやから,パーマ屋さん,それで前にテレビ置いてパーッと七,八人でやったら,それはもう場所は取れん,やってもらうのが順番が取れへんというぐらいにようはやっています。それからお医者さん,お医者さんも8時以後,8時までやったらどこでもお医者さん,どこなっとあります。ところが8時以後,熱出した,何した,かんしたというたら,8時以後にはそのお医者が診ていた,ああ,これは注射一本でいける,これはちょっとこうしたらしまいやという,これはもうちょっとさす,たらしまいやとか,もうそんなお医者。これは大変やで,これはと言ったらまた大きい病院へ移してもらうとか,そういうお医者さん一つにしても子供専門のお医者さんをあこへ来てもらう。 この辺,物すごい若い,これも門川さんの手柄のおかげやけど,学校が教育が地価を上げたと私は前に言いましたけれども,この辺のマンションでも高うなってしもうて,もうどんどんどんどん若いお母さん,子供たちが今物すごい増えています。ですから,前にも子供たちの遊び場所を造ってもらったというようなこともありますので,もうそういう子供のための地下街。あっこ下りたら子供,べっぴんはん知っているか言うたら,何や知らんという,役人さんでもここの人に聞いたら,ほとんど名前知らんかった,何ていうのか。ですからユニクロやとかシャネルいうたらぜんぶ知ってはりますわ。ですから,高級な人やとかそこそこのもんやとか,もう色々あるわけですわ,層が。そやから,向こうへ下りたらもう子供の,それから本も上へ行ったら何ぼでも本屋があるわけです。それも子供対象の本,それから食べ物も子供の喜ぶような食べ物,そうしたら親ついてくるんです。 そして前に駐車場,一時満タンになりましたね,私もちょっとそのお手伝いして。また国のえらい人にならはった増田さんのときに,増田副市長のときに1箇月でそれをやらはって,上限何ぼとしたらいっぱいになりました。ところが今また,上に100円パークがようけできてきたんで,ちょっとだいぶすいているという話もあります。子供を連れてくるのに,やっぱり小さい子供の手を引いて地下鉄やとかバスやったら危ないというので,やっぱり車で来はります。そうしたら駐車場埋まります。ですから,あの地下街はこれから変えていくときに,子供対象の,何か一つこういうコンセプトのある,こういう風な,ここにおったらこういうものがそろうんやと,こういうとこやという何かがなかったらあかんので,御池の地下街はもう子供,こういう風に位置付けてやったらいい。それには一番東の方に地図がありますわ。それ知らない人もようけあります。せっかくあれがお金掛けて作って,それ何やいうたら丸竹夷のあの歌ですね,あれが柱の前にセンサーぱっと付けといて,そこへぱっと立ったら,あの丸竹夷のあの歌があるんです,わらべ歌。あれをパンとあの画面に映るようにしたら,あの地図も生きてきて,そうしたらタクシーの運転手さんも初めてタクシーに乗った人はそれを覚える,あっこ下りてきて物買うて行かはりますわ。 だからとりあえず子供を中心にしたら,それに伴うて大人もついてくるというようなことになるんと違うかなと思いますので,とりあえず何かがなかったら,初めからスタートはあこは失敗やったと私は思います。ですから,僕,前にもちょっと失礼なことを言いましたけど,京都ホテルのところからこっち側の駐車場を見て,「おーい」言うて,「ここやぞ」と言うたら,ぱっと分かるって,そんな地下街,商店街見たことないですよ。ですから,そういうのをひとつ色々と含めていただいて,あの御池の地下街は子供たちに安心して,あこで買物ができる,ほかにも言い出したら切りがないぐらい子供のものをあこでありますやん。もうそういうものを集約させていくという風にされたらどうかという風に思いますので,どうぞよろしくお願いをしたいと思います。 それから,先ほど言いました建都1200年の模型ですけど,梅小路があかんのやったら,どこかで何かできませんかな。それをちょっと考えておいてほしいんです。ここで返事は要りませんよ。だから返事は要りませんから,とりあえず1億以上のお金が掛っているんですわ。ですからそれをひとつよろしくお願いしたいと思います。 京都はそんなことで,京都はすごいとこやなと私自身も思うていますし,もっともっと手を入れて,うまく手を入れれば世界の人がこのまちに憧れて来る,求めて来るということですので,ほんまのおもてなしを市長を中心にしてやれる体制を築いていきたいと思いますので,どうぞよろしくお願いします。ということで,第一質問を終わります。(拍手) ○副議長(隠塚功) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 今枝徳蔵議員の御質問にお答えいたします。 まず,職員の仕事に対する姿勢等についてでございます。スピード,パワー,ハート,仕事を進めるに当たり,私は常にこれをモットーとし,職員にも求めてまいりました。ハートとは熱い心,情熱であり,感性であります。この度の台風18号に当たりましても,今枝議員御指摘のとおり,市職員が市民の皆さんと共に緊急の行動をし,また市民の皆さんから評価もいただいております。公務員が仕事をする際には,法令を遵守し,適正にまた公平に,時に毅然として対応することが当然に必要であります。しかし同時に困っておられる市民の方を前にしたとき,その市民の方の立場に立ち,その心情をしっかりと受け止める感性,これを持ち,迅速に判断し行動に移す,そうした職員が求められております。そのため私は,就任当初から市民目線が徹底された職場づくりを目指し全庁共汗実践運動に取り組みました。それぞれの職場でしっかりと議論をし行動していく,そういうことであります。そして仕事面だけでなく人間としての側面にも大いに着目し,職員の抜てきや登用に努めてまいりました。また,幹部職員に対しては,前例に捉われず業務を改革する力や部下の力を引き出し結集する人望と強いリーダーシップを何よりも大事と考え,そうした力を養う新たな研修なども実施しているところであります。そうした積み重ねにより,いわゆるお役所仕事や縦割り行政を脱却し徹底した市民目線の市政改革が前進してきており,引き続きその効果を全ての職場の隅々までの浸透を図っていく,こういうことが大事だと思っています。着実に,かつ大胆に取り組んでまいります。また,部下に対しての熱いハートを持って接し,時に厳しく,時に温かく,人間の機微に触れた指導ができる上司を育成,登用することが,ひいては不祥事を起こせない職場づくり,市役所づくりにつながると,そのように確信しております。そうしたことが必要であると,今枝先生の御指摘も全く同感であります。今後とも組織の基本は人である,市政の推進力は職員力であるとの考えの下に,全庁挙げて職員力の向上,熱いハートを持った職員の育成に全力を傾けてまいります。 次に,東京オリンピック,パラリンピックを契機としたオール京都体制の取組でございます。私は,2020年の東京オリンピック,パラリンピックの開催を京都市の都市格を向上させる絶好の機会と捉えており,開催までの7年間を特に大事にし,この間に何をしていくかが重要であると考えております。そのため,私は,これまで東山及び嵯峨嵐山地域での京都花灯籠,あるいは京の七夕などを通じて培ってきました経済界,あるいは仏教界や神社本庁等宗教界,大学,文化関係団体との強いきずな,非常に関係良好でございます。これをしっかりといかし,オール京都の共通の目標として具体的な施策を示した次期観光振興計画を来年秋までに前倒しで作成することといたしました。2020年を年次目標とするこの計画は,例えば子供たちがオリンピックのときに京都を訪ねられた外国人に京都に伝わる日本の文化をしっかりと英語で伝えられる,道案内ができるといった,具体的な目標を持って英語教育を進める,あるいは京都の魅力を存分に伝えることができる案内人としてコンシェルジュの養成,あるいはおもてなしの精神に根差した人材の育成ということに視点をしっかりと当てていく,こういうことが大事だと思います。 また,京料理や日本酒などの食文化,茶道,華道,能,狂言,こうした京都が誇る伝統文化を,とりわけ若い人々が積極的に学び,たしなみ,そして世界の方々に発信していく,こういうことが大事であると思います。京都の真髄である奥深い魅力を自らが体得して,そして発信していく,そんな力を付ける7年間にしていきたいと思っています。 この取組を単なる一過性のものにしないということが大事であります。経済界,宗教界,大学,文化関係団体,特に京都が誇る地域力をしっかりといかし,京都ならではのおもてなし力に一層磨きを掛け,世界の京都,国際観光都市の都市格を,ブランド力を更に高めていく,そして次の世代に引き続いていく,そうした取組を力強く推進してまいります。 次に,下京区西部エリアの活性化についてでございます。梅小路公園とその界わいでは,京都水族館に引き続きまして,国内最大級,最高水準の鉄道博物館,これが建設が決まりました。また食をテーマにしたにぎわい施設へと大きくリニューアルされる京果会館など大きな集客施設が民間活力で進められている一方で,本市では市電ひろばやすざくゆめ広場の拡張整備など,更に梅小路公園が憩いとにぎわいの核となるよう整備を進めております。 また,商店街での地域交流事業や西本願寺,東本願寺と京都駅を連携したイベントが下京区役所などの力も含めまして開催されるなど,下京区西部エリアでは民間活力と本市の施策が融合する形で活性化の機運が大きく高まってまいっております。本市では,こうした機運を千載一遇のチャンスとして捉え,昨年7月に下京区西部エリアの活性化を目指す検討会を設置し,活性化に向けた英知を結集する体制を整えました。そしてエリア全体で今できることから始めようと,島原や本願寺界わいを含む貴重な地域資源をモデルコースで紹介するマップ型情報冊子の作成配布と下京西部の大きな集客力を周辺地域へ回遊する形でつなげていくウオークツアーを10月から開始することとしております。 今枝議員御指摘のように,梅小路公園内の緑の館につきましては,水族館と朱雀の庭,いのちの森を一体に巡る自然観察会をはじめ,民間事業者との連携によりまして,例えば庭園ウエディングやミニコンサートの実施による利用率の向上など有効活用に鋭意取り組んでまいります。また,停留所の設定や循環シャトルバスなど市バスサービスの更なる向上やベロタクシーの活用策については来訪者のニーズに合わせ精力的に検討を進めてまいります。今後,活性化を目指す検討会議や下京区西部エリアの活性化の核となる第一市場施設整備基本構想の検討の成果などを盛り込みながら,来年度に将来構想を策定し,多くの市民や企業,関係団体の皆様と共に,にぎわいと創造のまちづくりをしっかりと進めてまいります。 次に,京都市立芸術大学の移転についてでございます。芸術大学は現在西京区大枝にキャンパスを設置しておりますが,施設の老朽化,狭あい化,耐震不足などの課題が顕著となってきております。加えまして我が国における18歳人口が減少し大学間競争が激化する中で,文化芸術都市・京都の象徴として生き残りを懸け,より魅力と活力ある大学への変革が今求められております。そうした中,大学では学内で侃々諤々の議論を重ね,その結果,現状の課題を克服するとともに,世界に冠たる芸術大学として一層の飛躍を目指したいとの熱い強い思いを込め,本年3月,大学の総意として,京都の玄関口京都駅東側の崇仁地域への移転を望む要望書が建畠晢理事長から私に提出されました。私は,大学の大きな覚悟と決断を重く受け止め,また,実現すれば崇仁地域,下京区のみならず世界の文化首都を目指す京都の発展に,さらに京都経済の活性化にも大きく寄与する考えから,直ちに庁内の関係部局により前向きに積極的に検討するよう指示いたしました。その後,崇仁地域から芸術大学の移転を待望する要望書を頂き,さらに下京区全体の住民の皆様の熱いお声も聞いております。多くの方々から期待しているという声を聞いております。私自身,大変心強く受け止めております。また,現在地の西京区の地域の皆様とも真摯に前向きなお話を重ねております。そうした市民の皆様の熱い思いも踏まえながら,事業費やスケジュール等の問題も含めまして,移転に係る検討を進めているところであります。 京都市立芸術大学の移転は,単に一つの芸術大学の存続,発展に関わる問題だけではなく,当大学が世界の文化首都・京都の発展の原動力としてより大きな役割を果たし,京都のまちづくりと融合して大胆に飛躍できるかどうかが問われている問題だと考えます。10年後,50年後に,あのときあの決断をしたからこそ今日の京都市立芸術大学の発展がある,文化芸術都市京都がある,そのように全ての市民の皆さんに感じていただけるような取組が大事だと思います。しっかりと検討を深め,今年度中に結論を出してまいりたいと,このように考えております。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(隠塚功) 塚本副市長。 〔塚本副市長登壇〕 ◎副市長(塚本稔) 京北地域の活性化についてでございます。京北地域は豊かな森林や清流などの美しい自然環境に恵まれ,歴史,文化に彩られた魅力のある地域でありますが,その一方で人口の減少に伴う地域活力の低下が懸念されております。このため京都市では,京北地域の活性化に向けてこの4月に新たに副区長を配置するとともに,水道施設の再整備など合併建設計画に基づく各種事業の着実な実施をはじめ,地域挙げての植樹運動である花降る里けいほくプロジェクト,また木材をエネルギーとして活用するペレット工場,地域の大豆を使ったみそ加工施設,まごころみそといいますが,その建設の支援,新京野菜,京豆腐などの開発,生産振興に鋭意取り組んでまいりました。また,道の駅ウッディ京北は,合併前と比較して売上高が約4倍,入館者数も約5倍となりまして,トイレの改修など施設の更なる機能充実も進めているところでございます。今枝議員御指摘のとおり,地域の皆様の悲願である栗尾トンネルの開通を契機に,交通の利便性が飛躍的に向上いたしますことから,都市と農村の交流,更には地域の活性化への期待が高まっているところでございます。 こうした中,きょうと京北ふるさと公社は,これまでから京北ふるさとバスの運営や農作業の代行など地域を支える様々な事業に取り組んでおり,今年の7月には公益財団法人へ移行し,今後その役割は一層大きくなってまいります。本市といたしましても,このふるさと公社へ,さらには自治振興会など地元組織と連携をいたしまして,過疎地域の自立に向けた新たな計画づくり,合併記念の森や宇津峡公園など既存施設の活用,充実など地域が元気になる取組を積極的に進めてまいります。 また,京北地域の四つの小中学校では,本市に編入以後も児童生徒数が減少傾向にございますが,信頼される学校教育の充実とすばらしい自然,文化をいかした教育環境の整備は京北地域の活性化に重要な要素であると考えておりまして,学校統合による小中一貫校の創設も含めまして,保護者,地域でしっかりと議論していただけるよう取り組んでまいります。以上でございます。 ○副議長(隠塚功) 今枝議員。 〔今枝徳蔵議員登壇(拍手)〕 ◆(今枝徳蔵議員) 今,本当に前向きなそれぞれの考え方を披露してくださいまして心強く思いました。やっぱりお役所仕事と,これは市民から出てこないようにひとつよろしくお願いしたいと思いますし,このオリンピックまでの7年間,これは色々なことをすることがまた後に残っていくわけですから,それもひとつよろしくお願いしたいと思います。 それから,今,副市長答えていただいた京北についてはふるさと公社,これはやっぱり隅から隅まで知っている人がおられるわけですから,そこを中心に力を,それから向こうと交流をもっともっと,特に子供たちでもそういうものをどんどんどんどん進めていっていただきたいなと,こういうように思います。 それから循環バス,それから停留所の考え方,バスはやっぱりうまいこと走らせたらもうかるんですよ。梅小路,もうかりましたね。初めは「オリックスのために何でバス走らせんのや」という声もありましたけれど。もうけるために交通局のためにバスを走らせるということで,ひとつ前向きによろしくお願いします。ありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(隠塚功) 次に,市政一般について,山岸たかゆき議員に発言を許します。山岸議員。 〔山岸たかゆき議員登壇(拍手)〕 ◆(山岸たかゆき議員) 皆さん,こんにちは。伏見区選出の山岸たかゆきです。先の今枝議員,後の山本議員と共に,民主・都みらいを代表して質問します。 最初に,京都市を襲った台風18号について申し上げます。幸い人的被害はほとんどなかったものの,床上・床下浸水の建物被害,土砂崩れ等の道路被害や通行規制,鉄道,バスの運休など大きな被害をもたらしました。被災された市民の皆様にこの場をお借りして心よりお見舞い申し上げます。また,水害における各種団体の皆様の御尽力に深く感謝いたします。現在京都市では,全庁挙げて災害復旧に懸命に取り組むとともに,補正予算も提案いただいたことは大変心強い限りです。私たち議員団も速やかに災害対策チームを設置し,民主党京都府連内の京都豪雨災害対策本部と連携し被害状況を把握しつつ,市民の皆様の相談に応じる活動を鋭意進めております。また,9月19日には議員団として門川市長へ台風18号による大雨洪水被害対策に関する要望を提出し,一日も早い復旧と被災者の生活再建を強く要望しました。今も被災されお困りの市民の皆様がいらっしゃることと存じます。私たち議員団一同,京都市としっかりと連携し,被災された市民の皆様が一日も早く普段の生活に戻れるよう全力でお支えすることをお誓いいたします。京都市におかれては今回の水害を教訓に地域ごとに市民の皆様の声をお聴きし,国,京都府と協調してなお一層災害に強いまちづくりに取り組まれるようお願いいたします。 それでは平成24年度決算についてお尋ねします。この度は実質収支の黒字を拡大し,全会計で前年度比85億円増の176億円,一般会計で前年度比約5億円増の19億円となりました。その要因として,一般財源収入が落ち込む中,総人件費の削減や事業の見直しなどの行財政改革を推進したこと,市バス,地下鉄の経営健全化が成果を上げ,特に市バスにおいては計画より3年前倒しで経営健全化団体から脱却できたことなどが挙げられます。また,実質市債残高についても,市債発行額の総額を市債償還額の総額以下に抑えることにより,全会計で前年度比302億円,一般会計で前年度比178億円それぞれ縮減し,将来にツケを残さない取組も着実に進められました。しかし本市の財政状況を見てみると,今後とも市税収入及び一般財源収入の増加が見込めるかどうかは依然不透明な状況です。その一方,社会福祉関連経費は国と同様に着実に増加し,平成24年度決算においてはほぼ市税収入に匹敵する規模となっています。さらに,実質市債残高は着実に縮減しているものの,臨時財政対策債を含む市債残高は増加している状況です。 以上から,今後の財政運営において,1,京都の強みを最大限にいかした成長戦略の推進については,その効果をしっかり検証し効率よく進めること,2,医療費をはじめとした社会福祉関連経費については,極力サービスを低下させることなく市民の皆様の御協力を得ながら増加に一定の歯止めを掛けること,3,市債残高については,国への働き掛けを含め,臨時財政対策債も視野に入れた総額を縮減するための取組を強めることが大変重要と考えます。そこで,今回の決算の総括と今後の財政運営についてお考えをお伺いします。 次に,リニア中央新幹線京都駅ルートの実現について質問します。私は,3年前の平成22年,国において中央新幹線の整備計画が具体的に議論され始めた頃,5月市会定例会の代表質問でこの問題を取り上げました。その重要性を御理解いただき,6月には本市の国家予算要望活動において京都ルート実現を早速要望していただきました。その後,毎年,国家予算要望に取り上げられ,平成24年からは一番目で,かつ京都府と共同の要望項目となっています。実は京都の行政,議会,経済界のトップから成る京都府中央リニアエクスプレス推進協議会が平成2年に設立され,その後,毎年,国に対し京都ルートの実現を要望していましたが,効果を上げるには至りませんでした。それが平成24年9月の総会で,京都,関西,全国レベルでの要望や啓発活動を柱とする取組を確認し,リニア誘致に向け本腰を入れた活動が始まりました。今年に入り5月に京都の未来を考える懇話会で,30年後の京都の姿を示す京都ビジョン2040の最終提言で京都駅ルート推進が明記されました。また,9月には府市懇談会で京都駅ルート実現を関西広域連合に働き掛けることで門川市長と山田知事が合意,ますます活動が強まっています。昨年末からは積極的な広報活動も始まっています。京都府リニアエクスプレス推進協議会では,PRポスターの掲示,チラシの配布やロゴマーク名刺シールの配布,最近では約7,000台のタクシーの後部窓にPR広告の掲出などを行っています。本市も独自に市民しんぶんをはじめ,新聞,テレビ,ラジオ等でPRし,リニア誘致のムードを盛り上げようとしています。そうした活動が功を奏し,民間レベルでもリニア誘致の機運が高まりつつあります。例えば,京都観光おもてなし大使等を中心に,「リニアを,京都へ。」京の会が結成され,署名活動が展開されていますしPRポスターの作成も進んでいます。10万部発行の月刊情報誌の御厚意で毎回1ページをリニア誘致PR用に無償提供もしていただいています。また,全国の文化,学術,経済界などの著名人に賛同の輪を広げる活動により,約150名が集まりました。この間,京都市会も平成22年9月にリニア誘致の決議を採択,平成24年10月には議員連盟も結成されました。私もその一員として議員連盟の皆さんと共に京都駅ルートの実現を目指し全力で取り組んでまいります。 ところで,最近リニアに関する動きが活発となってきました。今年8月,山梨実験線の走行試験を営業車両L0系で再開,9月には環境影響評価準備書を公表し,東京~名古屋間の駅の位置や詳細ルートが発表されました。来年度早期の工事着工も予定されています。これで東京~名古屋間の整備計画は実行段階となり,次はいよいよ名古屋~大阪間の整備計画の具体化ですが,国とJR東海は奈良市付近とした現行の整備計画どおりに手続を進める態度を変えておりません。そこで,リニア中央新幹線京都駅ルートの実現に向け,1,国への働き掛けを強める,2,リニア誘致の機運を盛り上げる,3,リニア誘致が当然と思わせるだけの説得力のある情報を発信するとともに都市の魅力を一層高めるの3点について取組強化に向けたお考えを具体的にお聞かせください。 次に,海外の取組に関し1点要望と1点質問します。私は,今年1月26日から2月4日までの日程で,主に再生可能エネルギーの先進事例を調査するため京都市会海外行政調査団の団長としてドイツとスペインの諸都市を訪問しました。現地では本市の取組事例を紹介する一方,日本と異なる考え方,文化をベースとした様々な取組を学べ大変有意義な調査となりました。今回の調査を踏まえ,私たち調査団は,3月13日,市庁舎整備の基本構想へ意見書を提出する,5月14日の報告会の場で市政へ政策提言するなど単に調査するだけでなく,調査で得られた知見を市政に積極的にいかす取組も行いました。政策提言は次の4点です。1,建物の省エネ化,新築,既築とも建物自体の省エネ性能を向上させる,2,山間地域におけるエネルギーの自立化と林業振興,山の資源をいかしエネルギー産業で地域経済を活性化させる,ドイツ型林業の導入,3,本市の率先垂範,今後整備予定の市庁舎を環境,エネルギー政策のシンボルにする,市営住宅の省エネ改修,4,原子力分野の専門家の確保です。既に市政にいかされた提言もありますが,今後順次いかしていただけるよう要望いたします。 ところで,門川市長は,9月2日から4日まで韓国水原市でのイクレイ(持続可能性をめざす自治体協議会)東アジア地域理事会や関連事業に議長として出席されました。先ほど申し上げたように,海外の事例を本市の政策にいかすとともに,本市の誇れる取組を海外に発信することの重要性を門川市長も会議に出席しながらその思いを強くされたのではないでしょうか。東アジアは世界の温室効果ガスの約3割を排出しており,地球温暖化の進行を食い止めるのは,中国をはじめ成長著しい東アジアの国々の取組いかんに掛っています。急速な発展の一方,公害などの環境問題で悩んでいる国も少なくありません。PM2.5といった有害物質が海を超えて日本に降り注ぐ時代です。環境技術で世界をリードする日本が東アジアで先導的な役割を果たすことが強く求められているのではないでしょうか。しかし今,国レベルでは領土問題や歴史認識で対立が続いており連携して取り組む雰囲気ではありません。こういう時こそ国レベルでなく自治体レベルで,地球温暖化対策をはじめ環境問題でお互い連携し問題解決に当たることが重要ではないかと思います。そこでイクレイ東アジア地域理事会議長である門川市長の決意と今後の抱負をお伺いします。 ところで,今年5月までの1年間,私は京都市会副議長を務め,大変貴重な経験をさせていただきました。その時に強く感じたことを質問します。京都市会では,毎年11月3日に市内在住及び在学の小学校4から6年生の生徒,その保護者を対象に親子ふれあい議場見学会を実施しています。多い年では100名を超える親子が参加されます。私は,議会を代表し本会議場に集まった皆様へ議会の役割についてお話しした後,記念撮影に加わりました。その際,子供たちと握手し,参加への感謝の意を伝えると,「副議長に握手できた」と大層喜んでくれたことが大変印象に残りました。後ほど届いたお礼の手紙にも本会議場を見学できた喜び,議会の役割がよく理解できたこと,地方政治への関心が高まったことなどが実に生き生きとつづられておりました。昨今は政治への関心,特に若者の政治への関心の低下が叫ばれており,そのことは過去からの若者の投票率の推移にはっきりと表われています。それが今後も長く続くと,全世代にわたる政治への関心の低下につながることになりかねません。 財団法人明るい選挙推進協会が平成22年1月に取りまとめた若い有権者の意識調査によると,学校で政治,選挙を学んだ記憶がある人とない人では,政治,選挙への関心に有意な差があるとのことです。調査結果を踏まえ,小中学校レベルの早い段階から政治,選挙教育の展開が望まれるとも述べています。本市においても学校で地方議会に関する一定の学習は行われておりますが,時間は限られており,必ずしも子供たちに地方議会を学んだことを強く印象付けることにつながっているとは言えません。実は先ほど紹介した親子ふれあい議場見学会のほかに,小学校高学年及び中学生を対象に市役所開庁日で市会閉会期間,通常年140日余りの間は子ども議場見学が用意されています。しかし平成24年度までの過去5年間を平均すると1年当たり数校程度です。平成24年度の市役所関連施設の見学のうち水道関連施設が150校以上であるのと比べると大変少ない状況と言わざるを得ません。見学後,お礼の手紙や感想文が市会事務局に寄せられますが,親子ふれあい議場見学会の子供たちと同様,見学したときの感動が素直に表現されているものばかりでした。そこで,子ども議場見学を活用するなど,地方自治は民主主義の学校と呼ばれる基となる地方議会を身近に感じ,政治への関心を高める教育を充実させる必要があると考えますがいかがですか。 ○副議長(隠塚功) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 山岸たかゆき議員の御質問にお答えします。 まず台風18号の被災者支援に引き続き全力を挙げますとともに,災害に強いまちづくりへ努力してまいります。 さて,決算の総括と今後の財政運営についてでございます。昨年度におきましては,京都経済の再生,雇用の創出,安心安全を最優先に政策を力強く推進するとともに,全庁挙げて行財政改革を更に徹底しました。また,市民の皆様の御理解を得て過去最高の市税徴収率を達成することができました。さらに市バス事業が計画よりも3年前倒しで経営健全化団体を脱したことなどにより,一般会計,全会計共に実質収支の黒字を維持,拡大することができ,財政健全化の取組が着実に進んでおります。しかし市民一人当たりの市税収入は他の政令指定都市平均を大きく下回り,構造的に財政基盤が脆弱なうえ,山岸議員御指摘のとおり,社会福祉関係経費の増加傾向が続くなど本市財政は依然として極めて厳しい状況にあります。このため行財政改革を更に徹底するとともに,「京プラン」実施計画に掲げた京都の強みをいかした多彩な成長戦略を効果的,効率的に推進することにより将来の税収増につなげてまいります。また,社会福祉関係経費の増加に対しましては,例えば社会福祉施設の民間委託など民間活力の更なる導入や京都の地域力,市民力をいかした医療,介護,福祉の連携による京都市版地域包括ケアシステムの構築,さらには市民の皆様の日頃からの健康づくりや検診での病気の早期発見,早期治療による医療費の適正化などが大切と認識し推進してまいります。これらにより極めて厳しい財政状況の中にあっても,市民の皆様の命と健康をしっかりと守る取組を進めてまいります。さらに臨時財政対策債を除いた実質市債残高を着実に縮減するとともに,国に対しまして他の政令指定都市とも連携し,地方交付税の法定率を引き上げ,臨時財政対策債の廃止を引き続き強く求めてまいります。これらの取組を着実に進めることにより,持続可能かつ機動的な財政運営の確立を目指してまいります。 次に,リニア中央新幹線の京都駅ルートの実現でございます。東京・名古屋間の詳細な計画が公表され,国民の関心が非常に高まっております。今だからこそ名古屋・大阪間について東海道新幹線の老朽化や事故に備えた第二新幹線として40年前に決められたルートを踏襲するのではなく,日本の未来のために国家戦略として大きな議論が極めて重要であります。これまで国土交通省を中心に要望を行ってきましたが,次のステージとして議員連盟の先生方とも一層連携を深め,国政の場で議論いただけるような取組を進めてまいります。また,関西広域連合に提案し,東京~大阪間の同時開業については広域連合としても国に要望することとなり,さらに関西全体として最適のルートについて広域連合の広域インフラ検討会のテーマの一つとするまでになりました。一層具体的な議論が深められるよう積極的にあらゆる機会を捉えて働き掛けを強めてまいります。 また,山岸議員御指摘のとおり,市民の皆さんによって結成された「リニアを,京都へ。」京の会による署名やポスターの掲示などの活動も始まりました。大変心強い限りであります。こうした市民の主体的な取組とも更に連携を深め,京都誘致の機運を高めてまいります。 京都駅ルートの実現は,東海道本線,湖西線,山陰本線などと連結し,より広いエリアの中にリニアの整備効果を享受していただけます。最新データを基に,京都駅ルートについて費用対効果などの優位性を更に分りやすく示すとともに,想定されるリニア京都駅の場所や構造など客観的に検討する委員会を早急に立ち上げ,資料を広くお示しするなど具体的に訴えてまいりたいと考えています。1000年を超えて日本の国土軸の中心にある日本の精神文化の拠点都市・京都,世界の方々を魅了し続ける京都がこれからも我が国の文化首都として使命を果たせるよう,市会の先生方の御支援を賜わりながら京都駅ルートの実現,大阪までの全線同時開業,関西国際空港までのリニアの延伸,この三つを全力で取り組んでまいります。 次に,東アジアにおける環境問題の取組についてでございます。京都市は,京都議定書誕生の地として,桝本前市長の提唱により創設された気候変動に関する世界市長・首長協議会とも連携し,観光分野での国際的な自治体連携組織であり,国連とも連携しているイクレイにおいて,世界規模の地球温暖化対策について先駆的な役割を今日までも果たしてまいりました。このような中,本年9月に私が議長として韓国・水原市で開催したイクレイ東アジア地域理事会では,中国におけるPM2.5をはじめ大気や土壌,水質汚染等の対応や全世界の24パーセントを排出している温室効果ガスの削減が喫緊の課題とされました。そして中国の自治体がいかに主体的に環境問題に取り組んでいただくかということを大きなテーマの一つにして議論を語りました。私からは,中国の自治体のイクレイへの参加を強く働き掛ける重要性を訴え,評価を得,承認されたところであります。さらに私は,理事会と同時に開催されたエコモビリティ世界大会等にも参加し,京都において市民,事業者,行政が連携して課題解決に取り組む京都方式による環境政策や交通政策について講演をいたしましたが,多くの都市から大きな反応があり,早速水原市から京都市の先進性に学びたいとごみ減量の取組やバイオディーゼル燃料化の事業に関する調査団の受入れについて要請がありました。こうした都市間交流につきましては,京都市ではこれまでから友好都市である中国・西安市の大気環境汚染に向け,京都市の優れた公害技術を習得いただくために協力事業を実施してきております。西安市において自動車排気ガス汚染防止条例の制定,石炭ボイラー排気ガス排出基準設定計画の策定など着実な成果を上げております。引き続きPM2.5などの削減に向けた技術協力を強化してまいります。今後におきましては,来年度,京都市においてイクレイ東アジア地域理事会を開催し,環境先進都市京都の発信はもとより,国内のみならず中国をはじめ東アジアの自治体に対しイクレイへの加盟を促すなど,世界の環境政策を牽引してまいりたいと考えております。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○副議長(隠塚功) 生田教育長。 〔生田教育長登壇〕 ◎教育長(生田義久) 政治への関心を高める教育の充実についてでございます。将来の社会の担い手である子供たちが政治の仕組みや役割を学び,政治と自らの生活の結び付きを学ぶこと,とりわけ最も身近な地方議会についての理解を深めることは社会へ参画する意識の高揚につなげる上で大変重要であります。小中学校におきましては,地方自治体が実施している施策や地方議会の仕組み,税金の働きなど地方自治に関する学習を通じて政治の働きを理解するとともに地方自治の主体がその地域の住民であり,自らが積極的に参加することの重要性を学んでおります。 こうした学習に当たって,関連するホームページや資料を活用した調べ学習に加えて子供たちは公共施設などを訪問し,職員に聞き取りを行うなどの体験学習を行うことは理解を深める上で非常に効果的であります。山岸議員御指摘の子ども議場見学につきましては,子供たちが市会議場の雰囲気を体験しながら市会について学ぶことができるものであり,地方議会や政治への関心を高めるうえで意義深いものであります。今後とも効果ある体験学習としての活用を各学校へ奨励してまいります。また,親子で市会について学ぶことができる親子ふれあい議場見学会や京都市会のホームページに掲載されている京都市会の歴史や仕組み,役割などについて学ぶことができる市会紹介DVDなど地方議会を身近に感じることができる有意義な取組の積極的な活用を進めてまいります。以上でございます。 ○副議長(隠塚功) 山岸議員。 〔山岸たかゆき議員登壇〕 ◆(山岸たかゆき議員) (パネルを示す)これは伏見桃山城の写真ですけれども,来年にこの伏見桃山城が築城50周年を迎えるということで質問をさせていただきます。 9月8日,2020年の東京オリンピック招致が決まりました。私も大変うれしく思います。オリンピックの成功と招致の際話題となった東日本大震災の復興が成就することを心より祈念申し上げます。ところで,昭和39年10月に1回目の東京オリンピックが開かれました。同じ年の3月20日,5年余りの歳月と当時のお金で6億3,000万円の巨費を投じて伏見桃山城が完成しました。そのときの模様を京都新聞から抜粋しますと,「優美華麗な桃山芸術を昭和の現代に再現した伏見桃山城の完工式は,20日午前9時半から河野建設大臣ら来賓,関係者1,200人を春雨煙る大天守閣に招いて盛大に行われた」,「式場の大天守閣正面広場には紅白のまん幕が張られ,数百発の祝賀花火を合図に府警音楽隊がマーチを演奏,華やかに始められた」とあります。この日を迎えるまでの道のりは決して平たんではありませんでした。昭和33年9月,京都商工会議所会頭の中野種一郎氏が伏見城復元を志し,京都の政界,財界を中心にそうそうたるメンバーを集めて会社を設立。34年10月に起工式を挙行。その後,資金繰りが徐々に苦しくなり工事が中断。37年9月には第二室戸台風により甚大な被害を受け重大な危機に直面しました。しかし,38年5月より近鉄が経営参加してから工事は急ピッチで進められ,ついに完成となりました。 このお城ですが,キャッスルランドという愛称から,一企業が遊園地用に造った歴史的価値のないお城という印象の方が大半ではないかと思いますが,決してそうではありません。まず,お城そのものは,史実や文献を忠実に採り入れた桃山様式で,金のしゃちほこ,朱塗りの高欄など豊臣秀吉の築城当時そのままを再現したものです。また,お城の当初の営業方針は,豊臣秀吉の偉業をしのび,桃山時代を懐古するにふさわしい施設,桃山御陵と一体を成す洛南史跡公園として来場者の期待に応え得るものとなっており,お城が遊園地用に造られたものでないことは明らかです。ちなみに,お城の完成後に遊園地が順次整備され,キャッスルランドの愛称も昭和45年10月からです。さらに,お城を建てたのは桃山観光開発株式会社,後の株式会社桃山城ですが,その際に地元の皆様から株を買ってもらい,資金集めもしました。ですから単に一企業のお城でなく,みんなのお城,伏見区のシンボルと言っても過言ではありません。 その伏見桃山城が来年に築城50周年という大きな節目を迎えます。私は,先日お城の今後を考えるには現場が大事と,お城の内部を調査しました。電気,水道が1階部分しかなく,懐中電灯で照らしながらの調査となりました。展示物を見ながら階段を上り,大天守の頂上にたどり着き,景色を眺めました。北は京都市の中心市街地,西は伏見区や乙訓地域,南は男山や天王山,三川合流地点を一望できるその眺望に大変感動しました。また,遠方からお城を見に来られた方々に会い,お城の存在の大きさを改めて思い知らされました。そのとき,やっぱりこのお城は伏見区のシンボルとして後世に残さねば,私が大天守からの眺めで受けた感動を多くの人々にも体験してもらえればと強く感じた次第です。現在の伏見桃山城天守閣は耐震基準を下回っており,一般市民の立入りができない状態です。また,天守閣内部の活用を図るには耐震補強工事に加え,電気,水道の整備やエレベーター更新などに数億円もの経費が必要です。これまで本市においてその活用が検討されていますが,いまだ結論は出ておりません。来年の築城50周年は,伏見区民,市民の財産である伏見桃山城の将来を考える機運を盛り上げる絶好のチャンスです。そこで今後の検討に弾みをつけるため,所管のスポーツのみならず文化や観光の部局,伏見区役所,更に地元が一体となり,50周年を祝う記念事業を展開すべきと考えますがいかがですか。 私自身もワークショップ・伏見をさかなにざっくばらん,通称「ふしざく」をきっかけに仲間の皆さんとお城の興味深い歴史を発掘し,伏見桃山城散策マップを作成することで,微力ながらお城の50周年を盛り上げていきたいと思います。 また,来年のNHK大河ドラマが黒田官兵衛に決まりました。豊臣秀吉の軍師で,秀吉を天下人にした功労者の一人です。当然伏見桃山城も脚光を浴びることになります。先日大河ドラマ決定に沸く黒田官兵衛誕生の地・姫路を訪問し,大河ドラマ誘致の中心人物にお会いしました。すると,黒田官兵衛は京都に色々と足跡を残しており,伏見にも幾つかゆかりの地があるとのことでした。また,「酒は飲め飲め飲むならば」で有名な御存じ黒田節,その歌詞は伏見の地で起きた出来事を基にしていることも分かってきました。そこで,来年の大河ドラマ黒田官兵衛にあやかり,その足跡や黒田節で酒どころでもある伏見をPRすることにより,京都経済,観光の活性化と共に,伏見桃山城築城50周年を更に盛り上げてはいかがでしょうか。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
    ○副議長(隠塚功) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 伏見桃山城築城50周年記念事業と大河ドラマの活用についてでございます。伏見桃山城が位置します伏見桃山城運動公園は,近畿日本鉄道株式会社から無償譲渡を受け,平成19年のオープン以降,野球場や多目的グラウンドを備えたお城のある運動公園としてスポーツや散策,憩いの場として広く市民の方々に御利用いただいております。中でも伏見桃山城は地域のランドマークとして長年伏見区民はもとより市民や観光客の皆様に親しまれており,また,映画撮影のロケ地としての活用実績につきましても,平成22年度には2件であったものが,24年度は9件,今年度はもう既に8件となっており着実に増加しております。しかしながら,天守閣につきましては,全ての階層において耐震性の基準を下回っている等の課題があることから有効な活用方法を見出せずにおりますが,山岸議員御提案の来年度築城50周年を契機にその活用の在り方につきまして,市民ぐるみで検討していく機運を高めていくという趣旨には大いに賛同するものでございます。今後につきましては,地元と伏見区役所,関係局が連携しながら,築城50周年事業をはじめ伏見桃山城の魅力を発信する取組を検討してまいります。 また,議員御紹介のように,酒どころであります伏見には来年の大河ドラマで取り上げられます黒田官兵衛のゆかりの地など歴史ファンの心をくすぐる魅力的な場所が点在しております。しかし残念なことに建築物や史跡など具体的な形が残っているものがないため,古地図を活用したマップを製作し郷土史家によるガイドツアーを実施するなど地元の皆様の協力を得た取組が必要であると考えており,大河ドラマの放映を契機に隠れた伏見の魅力を再発見し,まちづくりにつなげるとともに,京都観光の活性化にも努めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(隠塚功) 次に,市政一般について,山本ひろふみ議員に発言を許します。山本議員。 〔山本ひろふみ議員登壇(拍手)〕 ◆(山本ひろふみ議員) 民主・都みらい京都市会議員団,伏見区選出の山本ひろふみです。会派を代表し,今枝議員,山岸議員に引き続き市政一般について質問を行います。市長並びに関係理事者におかれましては,丁寧で分かりやすい御答弁をよろしくお願いいたします。 まずは決算議会ですので,平成24年度決算についてお伺いいたします。一般会計については先ほど山岸議員からありましたので,私からは,主に公営企業の決算と先日の台風18号の豪雨災害についてお伺いいたします。 まずは水道事業についてです。水需要の減少により,使用量収入は平成24年度も引き続き前年度比4億6,000万円の減収となりました。市民の節水意識の向上や節水機器の進歩により,この傾向はしばらく続くものと見込まれています。さらに,昨年度は,山ノ内浄水場廃止に伴う未償却資産の除去費や一昨年6月に西京区で発生した水道管破損に伴う損害補償を特別損益として58億4,000万円が計上されたことなどにより,単年度収支では6年ぶりの赤字。また,この間黒字を維持してきた繰越欠損金もマイナス2億円と,29年ぶりの赤字決算となりました。また,下水道事業については,こちらも水道事業同様に水需要の減少等により使用料収入は前年度比5億4,000万円の減収となったものの,人件費の抑制などにより単年度収支プラス9億2,000万円となり,3年連続の黒字決算となりました。また,昨年度は,山ノ内浄水場廃止に伴う配水区域の切替えという全国的にも余り経験をしたこのとない大事業が行われましたが,大きなトラブルもなく無事に完了されたことは高く評価をしておきたいと思います。今後も,今年度から5年間の実施計画である中期経営プランにのっとり,市民の命の源である水の安心安全を守るために奮闘されますことをお願いしておきます。 次に,交通事業についてです。まずは市バス事業についてですが,平成24年度決算では,1日当たりの乗客数が前年度より約7,000人増,経常損益も26億円の黒字となり,経営健全化計画よりも3年前倒しでの経営健全化団体からの脱却となりました。また,地下鉄事業につきましても1日当たりの乗客数が前年度より約5,000人増,現金収支は69億2,000万円の黒字となり,経営健全化計画を大きく上回る収支の改善が図られています。いずれにつきましても,交通局はもとより京都市総体として取り組まれた結果であり,今後も引き続き安心安全を第一に財政規律を守りながら更なる経営努力を続け,京都市にとって重要なインフラである公共交通を守っていただきたいと思います。 さて,過日の台風18号の豪雨により市内でも多くの被害が発生しました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。私たち議員団といたしましても,一日も早い完全復旧に向けて全力を傾注してまいります。さて,地下鉄では東西線御陵駅が冠水し,およそ4日間にわたって烏丸御池~小野駅間において地下鉄が運休する事態となりました。不眠不休で復旧に当たられた皆様には心より敬意を表しますとともに,その経済的な損失も多大なものになると思いますし,今後の対策も十分に講じる必要があると存じます。まずは,西村管理者に,これまでの市バス,地下鉄事業における経営健全化の総括と今後の取組に対する決意,この度の台風18号による豪雨災害の損失,更には今後の対策についてお伺いいたします。 次に,発達障害について申し上げます。長年にわたりその原因もはっきりせずに社会の福祉制度のはざまで取り残されてきた人たちをしっかりと支援するため,2004年12月発達障害者支援法が成立し翌年の4月1日より施行されています。現在では医学的な知見から,発達障害は先天的な一種の脳の障害であり,家庭環境によって発生することはあり得ないとされています。厚生労働省のホームページには,自閉症スペクトラム障害は1から2パーセント,注意欠如,多動性障害は3から7パーセント,学習障害は2から10パーセントの割合で発生していると掲載されています。近年,京都市においては,昨年4月に第二児童福祉センターを開設し,相談体制の強化や療育の充実,発達障害の啓発など積極的に取り組まれてきたことは評価をいたします。また,児童相談所における診断希望者数も10年前から比べると倍増しており,社会における発達障害に対する認識も大きく広がっている状況にあると思いますが,法律施行からおよそ9年,改善が見られたところは評価もしながら,まだまだ見受けられる幾つかの課題について質問いたします。 先日,伏見区で定期的に開催されている発達障害の子を持つ親が集まる会に参加をさせていただき,実際に発達障害の子を持つ親の悩みや行政の制度にはまだまだ壁があるということについて様々な御意見をいただいてまいりました。それぞれ国や京都府で取り組むべきこともありましたが,今回は京都市で今後取り組むべきことを提案させていただきます。 まずは療育手帳の発行についてです。現在,京都市においては,療育手帳を発行する一つの基準として,IQと言われる知能指数や,DQと言われる発達指数が75以下であることとされています。一方で,医師に高機能自閉症やアスペルガー障害などの高機能広汎性発達障害と診断されているにもかかわらず,IQ,DQが76より高いがゆえに療育手帳が発行されていないという事態も発生しております。そもそも療育手帳は発達障害ではなく,知的障害のある方々を対象にした制度を運用の範囲で発達障害にも適用していることに起因する問題です。こういう事態に対して,横浜市では,療育手帳制度の実施要綱で,知能指数が非該当の場合であっても,判定機関の長が特に必要と認めた場合は軽度と認定できるとして療育手帳を発行していますし,札幌市でも同様の取組を行い,高機能広汎性発達障害を持つ子供たちに療育手帳を発行しております。IQやDQなどの数値で一律に発行の基準を決めるのではなく,子供の状況に応じて療育手帳が発行することが求められています。療育手帳があれば,国税や地方税の控除や減免,鉄道旅客運賃の割引などのサービスを受けることができるようになります。京都市でも,紹介した他都市同様に専門的な知見から判断をし,例えば児童精神科医等による明確な診断がある場合などは療育手帳を発行することにより必要なサービスを受けられるようにし,子供の健全な育ちと子育てを支援するべきだと考えますがいかがですか。 次に,診断に至るまでの待機についてです。そもそも,先ほど紹介をした発達障害者支援法の最大の目的は早期発見,早期療育であります。家庭と保健センター,児童相談所,児童療育センター,民間の医師や大学病院,更には保育園,幼稚園,児童館,学校などが緊密に連携をし,早期発見,早期療育につなげることが目的です。同時に,親や周囲の人たちにとってはその事実を受け入れる覚悟が必要であり,心理的なサポートも必要です。一方で,現在,児童相談所において最終的に診断に至るまで,およそ1年10箇月の待機状態です。第二児童福祉センターの開設や専科科医の増員により,およそ2年超の待機状態であった頃からは幾分緩和はされていますが,親にとってこの待機時間は大変苦痛なものです。1歳半健診で指差しができないなどの違いが見つかるが,保健センターでは「経過を見ましょう」ということで約1年間の経過観察。2歳半の頃に,保健センターから,やはり専門的な機関に診てもらった方がいいということで児童相談所を紹介されて,それから診断まで約1年10箇月の待機です。1歳半健診から考えると3年弱もの時間が経過をしていることになります。確かに診断があったからといって,何かが現時点で劇的に変わるわけではないかもしれません。診断がなくても状況に応じて療育につなげる取組もされています。ただし,悩みをもつ親にとって,診断は精神的にも次へのステップの入口になり得ます。保育園や幼稚園,学校など周りの理解も大きく変わります。制度で言うと,生活保護や国民健康保険などにおける障害者加算,特別児童扶養手当は医師の診断か療育手帳がなくてはなかなか認定されません。療育手帳に関する問題は先ほど申し上げたとおりです。自分の子供が何かしらの障害があると分かりながら診断も手帳もなく苦悩している親がたくさんいます。現在,児童相談所には,第二児童福祉センターも含めて正規で7名,嘱託で4名,合計11名の児童精神科の医師がおられるとのことですが,これではとても足りません。市内には児童相談所以外にも大学病院や民間の病院に児童精神科の先生が何人かおられます。また,民間の専門的な知識を持った小児科医などとも連携をし,特に診断を希望される親からの相談や要請があった場合などはそういった方々を紹介するなどして,早期診断を後押しするべきです。診断における民間との連携についていかがお考えですか。市長の御見解をお伺いします。ここまでで一度御答弁をいただきます。 ○副議長(隠塚功) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 山本ひろふみ議員の御質問にお答えします。 発達障害についてでございます。山本議員の質問,じっくり聞かせていただきました。発達障害の子供を持つ親御さんにとって,自分の子供の症状を知り,必要な支援を受けたいという思いは痛切であり,大きなものであると認識しております。このため本市では,全国に先駆け,平成7年度に児童福祉センターに自閉症外来を,また平成17年度には発達相談所を設置し,相談,支援,診察,療育の一貫した支援体制を整え,早期発見,早期療育に取り組んでいるところであります。 まず,発達障害の方に対する療育手帳の交付についてでありますが,発達障害児者支援法においては,独自の手帳制度がなく,療育手帳や精神障害者保健福祉手帳を交付しているのが実態でございます。とりわけ療育手帳の交付については法律で規定されておれず,山本議員御指摘のとおり標準的な基準となっている知能指数より少々高い状況にあっても,医師の診断に基づき社会適合能力に支障がある場合等は交付を認めている自治体もあり,その結果,税控除や各種運賃割引・減免などについて自治体間で取り扱いに不均衡が生じております。本市といたしましては,第一義的には法整備も含めて全国統一の基準で運用されることが必要であると考えており,他都市とも連携して引き続き国に改善を求めてまいりますが,本市独自に療育手帳を交付していくことについても,今後併せて検討してまいります。 次に,発達障害の診断における民間との連携についてでございます。発達障害の診断につきましては,児童精神科の医師は全国でも極めて少なく,およそ200人台にとどまるとされています。そんな中で,京都市では最大限の努力をし,昨年度3名,今年度に1名増員して,現在11名が市の児童福祉センターに勤務しております。さらに小児科医を含めて15名の体制で診断を行っているところであります。診断に至るまでの期間は現在1年9箇月が最長となっておりますが,緊急性が高い場合は早期に診察を実施するなど対応しております。また,山本議員御指摘の民間の医療機関との連携につきましては,本年5名の小児科の医師の協力を得て,発達診断につながる取組を試行的に実施しております。今後も関係機関との連携を更に深め,可能な限り早期に診断ができるよう取り組んでまいります。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○副議長(隠塚功) 西村公営企業管理者。 〔西村公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(西村隆) 市バス,地下鉄事業の経営健全化の総括と今後の取組についてでございます。交通局では厳しい財政状況の下,これまで間断なく経営再建に取り組み,平成22年3月には経営健全化計画,昨年11月には中期経営方針を策定し,市民の皆様の御理解と御協力の下,積極的な増収,増客策や徹底したコスト削減,さらに一般会計からの財政支援を含むオール京都市の支援を得て全力で経営の健全化に取り組んでまいりました。その結果,市バス事業ではお客様数は目標の1日32万人を達成し,ピーク時,平成17年度に143億円あった累積資金不足は32億円まで縮小し,3年前倒しして経営健全化団体から脱却することができました。地下鉄事業では,1日当たりのお客様数が過去3年間で1万2,000人増え,さらに今年度は同志社大学の移転効果も大きく,この8月末時点で前年度より約1万人増加するなど計画を上回るペースで収支改善を図っております。 しかしながら,企業債残高がなお4,300億円を超え,年間100億円近い利息を支払っており,経営健全化の道のりはまだまだこれからが正念場でございます。今後におきましては,中期経営方針に基づき歩くまち・京都の中核を担う公共交通として攻めの経営,すなわち安全と利便性の向上を高めることによりお客様の利用拡大を目指す経営をより一層推進し,市バス事業では平成27年度に累積資金不足の解消に目途を付け,一般会計からの任意補助金をゼロとする自立経営を目指してまいります。地下鉄事業ではまずなによりも5万人の増客,非常に高いハードルではございますが,その目標達成に全力を挙げ,両事業一体となった健全化の推進に気を引き締めて取り組んでまいります。 次に,台風18号による損失と今後の対策についてでございます。この度は地下鉄東西線の一部区間が4日間にわたり運休となり,多大な御迷惑を掛けましたこと,深くおわびを申し上げます。今回の冠水はこの間の調査により記録的な大雨に加えまして,京阪山科駅西方を流れる府が管理する安祥寺川の水が道路上にあふれ,京阪京津線の線路を伝って御陵駅のトンネルに大規模な流入をしたことが原因であることが判明し,被害額は現時点で約3億円程度と見込んでおります。再発防止策としましては,京都府と共同でプロジェクトチームを立ち上げ,京阪電鉄と共に河川改修を含め地下鉄への流入抑制策に取り組み,また災害発生以降の対応を時系列で十分検証し,他の交通事業者や関係機関と事前協定を締結するなど危機管理体制の強化を図ってまいります。以上でございます。 ○副議長(隠塚功) 山本議員。 〔山本ひろふみ議員登壇〕 ◆(山本ひろふみ議員) 御答弁をいただきありがとうございます。地下鉄東西線の区間運休については現時点では約3億円の被害ということです。徐々にその原因も明らかになってきておりますが,今後は京都府,京阪ともしっかりと連携し,徹底した原因究明と再発防止策を講じていただきますようお願いいたします。また,今後議論されるであろう補償問題についても,毅然とした態度で挑んでいただきたいと思います。 また,発達障害についても前向きな御答弁をいただきありがとうございました。市長をはじめ執行機関とは問題意識の共有ができていると感じております。制度の問題,人材不足の問題,一朝一夕で解決できる問題ではないことは承知しております。引き続き市民に寄り添った更なる努力をお願いしておきます。 引き続き2点質問をさせていただきます。 昨日から東京オリンピックの話題も出ておりますが,私からは京都市における生涯スポーツの充実について質問させていただきます。最近,幾つかの高齢者の会に出席をさせていただいて感じることは,グラウンドゴルフの愛好者が実に多いということです。私の家の近所にある北堀公園では毎日のように,さらには地域の小学校でも週末や夜間などを利用して様々な団体がグラウンドゴルフを楽しんでおられます。高齢者にとって,グラウンドゴルフなどの気軽に楽しめるスポーツをすることは人と人とのコミュニケーションを活発にするのはもちろん,健康の維持増進,介護予防などにより,自治体における医療費,介護費の削減につながるなどの副次的な効果も期待をされます。人気の高まりにつれて,当然のごとく,よりいい環境で,より本格的にグラウンドゴルフを楽しみたいという市民のニーズも高くなります。公益社団法人日本グラウンドゴルフ協会が認定する認定コースは京都府内に10施設ありますが,京都市内に認定の専用コースはなく,伏見区の水垂地区や左京区大原の大見などでその期待が膨らんでいます。そんな市民のニーズに応える水垂地区における計画が平成20年3月に策定されています。水垂地区における基盤整備のための構想を推進する運動公園の整備基本計画です。これがその計画書に描かれているイメージ図です(図を示す)。この計画では,伏見区水垂埋立地の約15ヘクタールを利用してグラウンドゴルフ場のほかにも,野球,サッカーなどに対応できる多目的グラウンド,散策や環境学習などができる活動の森,更には多目的広場やイベント広場などを整備することが盛り込まれています。また,災害時には応援部隊の活動拠点として利用したり,広域防災拠点として活用するなどといったことも計画されています。 元来この計画は,策定から6年の歳月と約19億円の予算を掛け,平成26年度中,つまり来年度に完成する予定でしたが,平成22年度より,その予算計上が見送られており実質の凍結状態です。今,改めて,平成22年度予算を審議した当時のことを思い出してみると,サブプライムローン問題に端を発し,リーマン・ブラザーズが破産申請を行ったのが平成20年9月,以降,未曽有の景気後退の中で,法人税などの大幅な減収が見込まれる中,京都市においては,未来まちづくり推進枠の圧縮や全職員の給与カット,公共事業の抑制など非常に厳しい状況の中での予算編成であり,事業の凍結に私たちも理解をしておりました。それから約3年半が経ちました。もちろん,京都市の財政状況が厳しく,予断を許さない状況であることに変わりはありませんが,昨年度決算において,市バス事業は経営健全化団体を脱却し,地下鉄事業も計画を大きく上回るペースで着実に健全化の道を歩んでいます。退職不補充による職員数の削減などによる総人件費の抑制,市場の景気も回復傾向にあり,現況は平成22年当初とは大きく変わりつつあると認識しています。また,この基本計画には触れられていませんが,今年4月には京都第二外環状道路,いわゆる「にそと」が開通し,大山崎~大枝間がつながり,京都の中北部と南部が高速道路でつながりました。また,今年の12月には阪急の西山天王山駅が開業をし,それを機会に京阪淀駅と阪急西山天王山駅を結ぶ公共交通の整備も検討されており,水垂地域の交通インフラは現状より改善されることが見込まれています。この計画は,「はばたけ未来へ!京プラン」の年次計画書では平成27年度からの事業再開が予定されておりますが,2020年の東京オリンピック,そして2021年関西での開催を目指しているワールドマスターズゲームズなど,スポーツに対するニーズが高まることが予測される中,この凍結されているプロジェクトを一刻も早く動かすべきだと考えます。計画策定から約5年,先ほど指摘したとおり交通事情も変化しており,若干の計画変更も検討されることでしょうが,何としても東京オリンピックには間に合わせる必要があります。今後は詳細設計や都市計画決定などの手続も必要ですし,施工方法についても民間活力の活用など最適の手法を検討しなくてはならず,それなりの時間も要することでしょう。一刻も早い事業再開が市民福祉の向上,市政の発展につながると確信しております。事業再開に向けたお考えをお聞かせください。 最後の質問です。最近,夕方以降,四条通や三条通,木屋町や河原町などの繁華街を歩いていて大変気になるのが客引きです。以前はカラオケ等の店の前で呼込みがされている程度と余り気にもしませんでしたが,最近は何店舗もの居酒屋のメニューを持ち,店の紹介,呼込みをする人物も多く見受けられ,「居酒屋いかがですか」と声を掛けてきます。時によっては,もっと卑猥な言葉で客引きをする人物もおります。河原町で居酒屋を営む友人に話を聞くと,客引きには二つのパターンがあるとのことです。一つは,従来からある,店の店員が店の前,店の周辺で自分の店への勧誘を行うもの。そして,もう一つは,最近,特にここ1年で急増している他店舗紹介型と呼ばれている客引きです。どこのお店にも属さず,和洋中など数店舗のメニューを持ち歩き,店に紹介をした場合は飲食代の数パーセントを報酬として受け取る仕組みだそうです。いずれにしても,このような客引き行為に,多くの市民はもちろんのこと京都に観光に来られているお客様もいい思いはしてないのではないでしょうか。上質で世界最高の観光都市を目指す京都市にとって,そういった客引きはふさわしくありませんし,このような行為を放置しておくことは京都市の都市格を下げることにもつながります。 同様の問題を抱え,新宿区などでは条例化による客引きの規制に乗り出しました。日本最大の繁華街・歌舞伎町を抱える新宿区では,ここ数年,法律や都条例で規制されていない居酒屋等の客引きが目立っており,こうした光景は区民や新宿を訪れる方に不快感を与えているとして,客引き行為等をなくし誰もが安全で安心して楽しめるまちの実現を目指して,客引き行為等を規制する新宿区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例が議会で可決され,この9月1日から施行されております。この新宿区の条例では,法律や都条例で規制されていない,居酒屋,カラオケ店の客引きそのものを規制するとともに,路上スカウト行為などの禁止も盛り込まれています。また,大阪市においては行政罰も課する客引きの行為を禁じる条例の制定が検討されているとのことです。 京都市においても,客引きなどの行為については,いわゆる風営法や京都府の京都府迷惑行為防止条例により規制をされていますが,いずれも主に風俗店に対する規制であり,今回問題視している居酒屋や,法律の枠組みでは風俗店ではないとされる「ガールズバー」と呼ばれる業態については,所持品を取り上げたり進路に立ちふさがったりするなど特に執拗な方法でない限り規制されていないのが現状です。市民や観光客の安心安全,地域における犯罪の未然防止,さらには京都の都市格を守り引き継ぐために,京都市が主体的に商店街や警察とも連携を取りながら,ふさわしくない客引き等の行為を規制すべく条例の制定も見据えた取組が必要だと考えますが,いかがお考えですか,お答えください。 以上,都みらい京都市会議員団を代表しての質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(隠塚功) 山本ひろふみ議員の一般質問の途中ですが,暫時休憩いたします。 〔午前11時44分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○副議長(隠塚功) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(隠塚功) 休憩前の一般質問を継続し,山本ひろふみ議員の質問に対する答弁を求めます。 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 山本議員の御質問にお答えします。 水垂運動公園の整備についてでございます。同公園につきましては,グラウンドゴルフの専用コースや多目的グラウンドを備えた運動公園として整備する計画で,平成21年度までに基本計画の策定等を終えていたところであります。しかし,本市の厳しい財政状況の中,地元の皆さんの御理解を得て,平成22年度以降予算計上を見送っております。このような中,この間,府市協調で京都府の資金を投入した京都市のスポーツ施設の整備を進めることに合意し協議を促進しておりますが,先月9月11日に開催した府市懇談会において京都の未来のために現在計画づくりを進めている府市協調によるスポーツ施設の整備について,私と山田知事との間で改めて次のとおり確認いたしました。 まず,緊急の課題である防災拠点の機能を生かした横大路運動公園の整備や西京極総合運動公園の再整備につきましては,今年度中に整備実施計画を策定いたします。また,三川合流地域等におけるスポーツ施設の整備については,水垂運動公園も含めた戦略プランを策定することといたします。 山本議員御指摘のとおり2020年の東京オリンピック,翌2021年に開催を目指しているワールドマスターズゲームズ関西大会は市民の皆様がスポーツをより身近に感じ親しむ大きなきっかけになるものと考えており,同運動公園の整備は市南部地域の活性化と同時に本市における生涯スポーツの振興に大きく寄与するものと確信しております。今後につきましては,誰もがいつでもどこでも色々な形でスポーツに親しんでいただけるよう府市協調によるスポーツ施設の着実な推進と併せ,水垂運動公園整備についてより効率的な事業手法や計画内容について,今日的な課題の検討,見直しを行い,同計画の再開に向けて府との協議を含めて取組を進めてまいります。 私からは以上でございます。以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○副議長(隠塚功) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 客引きの規制についてでございます。本市では,これまでから木屋町,河原町地域等における安心安全で犯罪のない地域のまちづくりを応援するため,地域の安心安全ネットワーク形成事業や地域団体が設置する街灯防犯カメラに対する設置促進補助事業を実施するとともに,地域のボランティアの皆様が巡回しにくい夜間において安心安全青色防犯パトロール事業を行うなど,誰もが安心して暮らせるまちを目指し様々な施策に取り組んでおります。客引き行為につきましては,風俗店の場合は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律及び京都府迷惑行為防止条例において禁止されており,また,居酒屋やカラオケ店等風俗店以外の業態につきましては,京都府迷惑行為防止条例において,人の身体または衣服を捉え,立ちふさがり,つきまとう等,執拗な方法で客引きすることは禁止されております。しかしながら木屋町,河原町地域等においては,地域の皆様と関係機関の連携による自主的なパトロールや京都府警察による集中取締り,注意,指導が行われているにもかかわらず,山本ひろふみ議員御指摘のとおり,現在規制の対象となっていない居酒屋等の客引きが目立ってきており,市民や観光客の方が不快な思いをなさっていると地元からの改善要望の中でも伺っております。このような状況を踏まえ京都府警察には更なる集中取締りを要請するとともに,京都府には風俗店以外の業種についても客引き行為を禁止するよう京都府迷惑行為防止条例の改正を要望するなど,市民や観光客の方が安心して気持ちよく歩ける京都のまちにふさわしい規制の在り方について今後検討を進めてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(隠塚功) 次に,市政一般について,谷口弘昌議員に発言を許します。谷口議員。 〔谷口弘昌議員登壇(拍手)〕 ◆(谷口弘昌議員) 伏見区選出の谷口弘昌でございます。後に続く井上,青野両議員と共に公明党京都市会議員団を代表して市政一般について質問いたします。市長はじめ関係理事者におかれましては誠意ある御答弁をどうかよろしくお願いいたします。 質問に入る前に,去る9月15日から16日にかけて降り続きました台風18号によるこれまでに経験したことのない大雨によって,気象庁は運用以来,全国で初めての大雨特別警報を発表いたしました。京都市内においては,南区,右京区,西京区,伏見区の4区約27万人に避難指示が発令され,伏見区の2,063人をはじめとする2,499人の方々が避難所に避難をされました。けがをされた方をはじめ,床上・床下浸水,民間駐車場の車の浸水など被害に遭われた方々に対し心よりお見舞いを申し上げますとともに,一日も早く普通の生活に戻られますよう心から念願しお祈り申し上げる次第でございます。私ども公明党市会議員は,16日早朝より被災現場へ駆け付け,被災された皆さんを激励するとともに,数々の御意見,御要望をお聞きいたしました。去る9月19日には門川大作京都市長に対し京都市大雨洪水被害対策に関する緊急要望を提出し,被災をされた方々の生活再建へ最大限の支援を行うよう強く申入れをしたところでございます。引き続き,私たちは,災害に強い京都市構築のため市長と連携を図りながら頑張ってまいる決意でございます。 〔隠塚副議長退席,橋村議長着席〕 ◆(谷口弘昌議員) (続)さて,平成24年度の京都市歳入歳出決算が示されました。 京都市全会計における収支は176億円の黒字となり,一般会計においても19億円の黒字となり,23年度決算と比較しても実質収支の黒字を維持,拡大しました。一般会計の単年度収支では,一般財源収入が対前年度比66億円減少し,財政状況が厳しさを増す中,予算編成において総人件費12億円の削減,事業見直しで28億円の削減など徹底した行財政改革を推進し,執行に当たっても滞納市税の回収や経費節減を徹底し,市税徴収率については過去最高の97.4パーセントまで改善し,単年度収支5億円の黒字を確保しました。特に公営企業会計では経営健全化を表す資金不足比率が大幅に改善し,市バス事業については,23年度25.9パーセントから8.7ポイント改善し,経営健全化基準の20パーセントを下回り,計画より3年前倒しで経営健全化団体から脱却いたしました。地下鉄事業については依然基準の20パーセントを上回っているため,引き続き改善に向けた経営努力を傾注していただきたいと思います。また,市債残高についても一般会計では対前年度比178億円縮減し,全会計では対前年度比302億円縮減しました。以上の内容から,本市財政は着実に健全化に向けての改善をしているものの,一般会計では依然として脆弱な財政基盤の下で社会福祉関連経費の増加など当面特別の財源対策に依存する状況が継続しており,公営企業会計においても地下鉄事業は依然として経常赤字であり,上下水道事業についても水需要の減少が継続しており,全体として依然厳しい財政状況が続いております。したがって,門川市長の強力なリーダーシップの下,油断することなく的確な財政運営が求められると考えますし,今後開会されます決算特別委員会において私どもは徹底した審議を行ってまいりたいと思います。 それでは質問に入ります。まず最初に2021年ワールドマスターズゲームズの招致について質問いたします。先月9月8日未明アルゼンチンで開催された国際オリンピック委員会総会において,2020年オリンピック,パラリンピックの開催地として東京に決定されました。決定に至るまでの関係者の御努力に対し心より敬意と感謝の意を表するとともに,オールジャパンで大成功の開催となりますよう心から念願するものであります。小学校5年生のとき,国道24号線を通り抜けていく聖火を同級生と共に声援を送った記憶が鮮明に残っております。今から49年前のことでありますが,何かしら大きな盛り上がりの中で,期待,感動と共にスポーツが与える大きな力を実感したことを覚えております。2020年の東京オリンピック,パラリンピックの翌年に開催されますワールドマスターズゲームズ2021年大会について,去る8月29日開催の第36回関西広域連合委員会において,正式に関西広域連合としてゲームの招致を決定されました。残念ながら,松井大阪府知事は,大阪府としても応援はするが大阪府域内では競技を開催せず費用も負担しない旨の発言をされ,また,橋下大阪市長も,ワールドマスターズゲームズに関しては大阪市は財政面,人員面の負担はしない旨の発言をされたことは残念でございます。 こうした状況の中,門川市長は,関西広域連合視察団団長として,鳥取県知事と共に,本年7月31日から8月5日までイタリアトリノ大会を視察され,先頭に立って招致に取り組まれてきたことに対し高く評価をしたいと思います。私ども公明党京都市会議員団は,毎年,政策提言を門川市長に対して行ってきておりますが,2012年2月に2011年度政策調査研究報告書・京都におけるスポーツ文化の向上に向けて,「スポしょ!きょうと」でつなぐ京のまちづくりを門川市長に提出をさせていただきました。市民の健康,体力づくりの観点から,コミュニティ活性化の観点から,観光振興等経済活性化の観点から,総合政策的な観点から提言をし,特に総合政策的な観点の中で,京都をマスターズスポーツのメッカにし,成人,中高年を対象とした世界最大の生涯スポーツイベント,ワールドマスターズゲームズを京都に誘致するべきであると提言させていただきました。京都から関西広域連合と地域的には広がりましたが,今回の招致決定を大いに評価し,期待するものであります。 ワールドマスターズゲームズは,おおむね30歳以上の成人,中高年の一般アスリートを対象とした生涯スポーツの国際総合競技大会で,国際マスターズ・ゲームズ協会が4年ごとに開催をしております。予選はなく,登録をすれば誰でも出場が可能であり,陸上,水泳など約30競技から成るプログラムに複数エントリーすることも可能であります。大会期間は平均9日間で,施設は既存のものを使用し開催されます。今年開催されたイタリア・トリノ大会の参加者は107カ国,約1万9,000人で,2009年に開催されたオーストラリア・シドニー大会では95カ国,約2万8,000人で,選手の家族を含めるとそれ以上の多くの方々が訪れました。次回大会となる2017年はニュージーランドのオークランドで開催の予定となっております。 国際大会の招致は,市民のスポーツに対する関心を高め,生涯スポーツの大きな底上げにつながるものと思いますし,これは,京都市が2011年3月に策定し取組を進めております,スポーツの絆が生きるまち推進プラン「京都市市民スポーツ振興計画」の推進にも大きな弾みを付けるものと思います。また,それだけにとどまらず経済活性化の大きな効果も期待できますし,国際文化都市・京都の誇るべき自然,都市景観,歴史,文化芸術などを世界に向けて発信する絶好の機会にもなると考えます。先日9月26日,関西広域連合を構成する府県市はもとより,関西経済界を含めたワールドマスターズゲームズ2021年関西大会準備委員会が設立されたと伺っております。今後,国際マスターズゲームズ協会の正式決定を受けて,更に本格的な開催準備が進められることになると思われます。実際に現地トリノでワールドマスターズゲームズ大会を視察されて,経済効果や地域活性化の視点も含めどのように感じられたのか,市長の率直な感想をお聞かせいただきたいと思います。また,京都市がリーダーシップを取りながら,経済界はもとより様々な団体とのネットワークを強め,成功へ向けての取組が求められると思いますが,市長のお考えと決意をお示しいただきたいと思います。 次に,給食による食物アレルギーの事故防止について質問いたします。2012年12月20日,東京都調布市の市立小学校で乳製品アレルギーのあった小学校5年生の女子児童が食物アレルギーが原因で死亡するという痛ましい事故がありました。この事故を受けて文部科学省の有識者会議は,再発防止策の検討を重ね7月29日に中間報告をまとめました。その内容のポイントとして,各学校がそれぞれの状況に合った対応マニュアルを作成する,校長など管理職を含む全教職員向けの研修を充実する,主治医と学校,保護者が情報を共有し献立づくりの段階から配慮する,自己注射薬エピペンの使用が必要な場合など緊急時に備え消防署との連携強化を行うことが挙げられました。このうち研修については,食物アレルギーの重篤な症状であるアナフィラキシーショックが出た場合,症状を緩和する自己注射薬エピペンを適切に使えるよう日頃から医師などと連携して積極的に訓練を行うよう提示しております。 2008年,文部科学省は,食物アレルギー対策の取組を強化するため,日本学校保健会が作成したガイドラインを全国の学校に配布いたしましたが,現場の教職員には内容が周知されず十分に活用されていないなど対応の不備が指摘されておりました。今回,文部科学省は,そうした状況も踏まえ,アレルギーがある児童生徒への対応に関する全国調査を行い,最新の実態把握をして今後の施策に反映させるとしており,この秋にもその結果をまとめるとしております。京都市においては,アレルギーのために給食を欠食している児童数は2005年度の52名を最高に2012年度の32名とここ数年30名前後で推移しております。食物アレルギー児童にとっての学校給食は,子供の健康,生命に直結する大変重要なものであり,アレルゲンによっては,ごく微量の混入であったとしてもアナフィラキシーショックを起こす場合があることから,学校給食については,これまでからも慎重な対応を行ってきているとのことであります。2008年に文部科学省が配布したガイドラインは現場の教職員に周知されず十分に活用できていなかったことなどと対応の不備が指摘されておりましたが,京都市におけるこのガイドラインの現場における理解,活用などの取組の評価はどうであったのか十分に検証する必要があると考えます。いずれにしても,学校内での食物アレルギーの緊急対応は現場の教職員が担わなければなりませんが,学校ごとの判断や解釈で対応の格差が生じることも考えられます。そうした意味から組織立ったチームとしての情報の共有,理解が大変に重要になってくると思います。東京都教育委員会では,管理職,養護教諭,学級担任,栄養職員などからなる食物アレルギー対応委員会を公立の幼稚園と小中学校に設置しチームとしての取組をしているとのことでありますが,京都市においてもこうしたチームとしての取組対応が重要だと考えます。また京都市としては,文部科学省の最終報告を待たずに,京都市として独自の統一マニュアル作りを積極的に進めていくべきであると考えます。いかがですかお考えをお示しいただきたいと思います。 次に,京都市美術館の将来構想に関連してお尋ねいたします。京都市美術館は,1928年京都で行われた昭和天皇即位の礼を記念して1933年11月13日に大礼記念京都美術館の名称で開館いたしました。本館の設計は前田健二郎氏で,公立美術館としては東京都美術館に次ぎ日本で二番目の大規模美術館として,関西財界はもとより多くの市民からの寄付を得て建設,開館されました。東京都美術館が改築された現在においては,公立美術館として創建当時の姿を残すシンプルな前後左右対象形の重厚で歴史ある外観を誇る由緒ある建物となっております。 本年,京都市美術館は開館80周年を迎えるわけでありますが,今後も国内外の多くの人々を魅了する世界に誇れる美術館を目指して更に発展していかなければなりません。そのため本年6月5日に開催した京都市美術館評議委員会において,門川市長は,京都市美術館評議員会に対し京都市美術館将来構想の策定について諮問を行いました。これを受けて,京都市美術館評議員会の下に市民公募委員2名を含む17名で構成された京都市美術館将来構想検討委員会が設置され,本年7月30日に第一回の検討会を開催され将来構想に向けた検討が始まりました。京都市美術館開館80周年を契機に老朽化施設の改修などハード面の整備も含め,次世代へ継承する京都市美術館将来構想を策定することになっております。京都市美術館については,これまでからもトイレの問題をはじめ休憩場所の確保,展示スペースの狭さなど老朽化施設の耐震化も含めてハード面での指摘,また京都市美術館としての企画展の取組,そのための学芸員の増員などをはじめとするソフト面での課題などが以前から指摘されておりました。今回,京都市美術館将来構想検討委員会が設置され検討が進められていくわけでありますので,そうした課題の解消に向けた検討も含め,文化芸術都市・京都に占める今後の京都市美術館としての位置付けについても,積極的な検討がなされるよう大いに期待したいと思います。これまで,既に指摘をされてきた様々な課題については,速やかにその解決のための取組を進めていかなければなりません。そのためにも京都市美術館将来構想の答申を受けて策定し,次は基本計画の策定へと次の段階へと順次進めていかなければなりませんが,今後の具体的なスケジュールについてお答えいただきたいと思います。 京都市美術館は,岡崎地域に立地するという大きな利点を持っております。平安神宮,京都国立近代美術館,京都府立図書館,京都会館,動物園,京都市勧業館みやこめっせなどをはじめ,周辺には民間の美術館,博物館,有名な寺院,神社が集積しており,琵琶湖疏水の景観と水を活用した優れた水辺の庭園群も集積しております。また岡崎公園を中心に多くのイベントも開催されており多くの観光客をはじめとする人々が集まってきております。そうした立地の状況と共に,近年京都会館の再整備によるロームシアター京都のオープン,京都市動物園のリニューアル,さらには京都市立芸術大学の京都駅前移転予定など京都市美術館にとって好材料となる動きも出てきております。そうした点も生かした岡崎地域トータルとしての活性化の視点からのアプローチも大変重要ではないかと考えますが,この点についてのお考えをお示しいただきたいと思います。 京都市美術館は,当時関西財界はもとより多くの市民から寄付が寄せられ設立,開館いたしました。今後将来構想が答申され,基本計画が策定され実際に整備が進められていく中で,そのための財源確保も大きな課題になってくると思います。世界に誇れる京都市美術館の整備を進めるに当たり,広く経済界や市民の皆様にも御協力をいただく取組も検討されてはどうかと考えます。いかがでしょうかお答えをいただきたいと思います。 最後に,冒頭にも触れさせていただきましたが,台風18号による浸水被害について地元小栗栖森本町周辺の対応についてお尋ねいたします。去る9月15日から16日にかけて降り続きました台風18号による大雨によって,気象庁は運用以来,全国で初めての大雨特別警報を発表いたしました。地元小栗栖森本町においても約300戸を超える世帯で床上・床下浸水が発生し,民間駐車場に止めていた多くの自動車も浸水し使用不能となりました。また,小栗栖市営住宅では車椅子専用住宅が床上浸水になり,お住まいの方は集会所に避難したり,辛うじて床上浸水になったものの畳の間が一段高くなっていることから,そこで水が引くのを待つなど不安な一夜を過ごされました。地元小栗栖森本町の300戸を超える浸水被害について,京都市建設局が管理をする小栗栖排水機場の排水ポンプが約4時間にわたって一時停止し,町内を流れる支流で氾濫した水を山科川に排水できなかったことがその大きな原因であったことが9月20日,市の調査で明らかになったと京都新聞に掲載されておりました。 私は,16日午前8時過ぎ,現場にバイクで行きましたが,現場に通じる道路は,消防職員及び警察官により通行規制され通行が不能となっておりました。浸水現場周辺から見た小栗栖森本町は,軽自動車が水没するほどの冠水箇所もあり,300戸を超えて床上・床下浸水の被害が発生しておりました。町内にある民間駐車場も浸水し,多くの車が使用不能になりました。特に西森本町内会では,全ての世帯で床上浸水が発生しました。被災地域では泥の掃き出し,洗浄,使用不能になった家具や電気製品の持出し,廃棄など,2週間たった今も体力的,精神的な負担の中で復旧の作業を進められております。前述しましたとおり,京都市が管理をしている排水機場のポンプが一時停止したことにより,ここまで被害が拡大したことを考えると,京都市として被災者に対し誠意ある速やかな生活再建に向けての取組をしなければなりません。浸水被害で発生した大型ごみをはじめとするごみ収集の期間延長,浸水で使用不能になった家庭電化製品及び車をはじめとする生活備品の買替え資金の融資制度の創設など被災をされた方々に寄り添った様々な支援を進めなければなりません。さらに,排水機場のポンプが一時停止したことにより浸水被災をされた方々に対する,正確な調査に基づく賠償保障の問題についても誠意を持って取り組んでいかなければならないと思います。過去の例で見ますと,2年前の西京区における配水管破損による賠償保障事案がありますが,時間を置かずに速やかな対応を強く求めたいと考えます。いかがお考えですか,市長の明確な御答弁をよろしくお願いいたします。 以上であります。重ねて市長並びに関係理事者の誠意ある答弁を求めて,私の質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 谷口弘昌議員の御質問にお答えいたします。 まず,ワールドマスターズゲームズについてでございます。私は,関西広域連合の視察団の団長として8月に行われましたイタリア・トリノ大会の開会式をはじめ陸上,野球,バスケットボールなど計10箇所以上の会場を視察するとともに,主催団体である国際マスターズゲームズ協会の会長やトリノ市長などと精力的に協議してまいりました。トリノ大会では107箇国から約1万9,000人の方が参加され,中には90歳を超えられた日本人の女性もおられるなど高齢者の方々が生き生きと競技に励まれ,また,応援されている姿を拝見して大変感動いたしました。視察を通じてワールドマスターズゲームズはスポーツの国際総合競技大会にとどまらず高齢化社会を迎えた中での生きがいづくりや地域コミュニティの活性化という観点からも大変意義深いものであると実感したところでございます。また,多くの競技参加者とその家族や友人がトリノに集まり,観光やショッピングを楽しまれており,関西で開催される際の経済波及効果などが140億円と試算されるなど,経済的にも非常に大きな効果が期待できると考えております。さらに大会の開催には谷口議員御指摘のとおり,関西広域連合だけでなく経済界,スポーツ団体,地域の皆さんとの連携を強め一団となって取り組むことが重要であり,そのような取組を通じまして,より一層関西を盛り上げることができると確信いたします。 このような率直な感想を関西広域連合委員会で申し上げ,関西広域連合として2021年大会の招致を決定し,去る9月26日には関西広域連合の関係府県市や関西の主要な経済団体,府県の体育協会が一丸となって大会の招致や大会開催に必要な方針の策定等に取り組む準備委員会を設立したところでございます。同時にそれまでに関西でワールドマスターズゲームズを盛んにしていこう,こんな取組もすることを決めました。この大会は地域に根差した生涯スポーツの機運づくりに資するものであるとともに,東京一極集中を打破し,関西から日本を盛り上げ,また京都の魅力を世界に発信する絶好の機会であると考えております。公明党議員団から昨年いち早くいただいた「京都をマスターズゲームズのメッカに」との政策提言の御趣旨にもかなうよう,関西の誘致を何としても成功させ,また多くの集客が期待できる開会式や各競技を京都市内で開催できるよう全力で取り組んでまいります。 次に,京都市美術館の将来構想についてでございます。京都市美術館は,昭和天皇御即位を記念して昭和8年に開館され,我が国を代表する美術館として今日まで大きな役割を果たしてきました。本年開館80周年を契機に京都市美術館再整備を進めるため世界的な視点で提案いただける専門家や市民の御参画を得て,将来構想検討委員会を設置し,目指すべき方向性,展覧会,コレクションの在り方,それに伴うハード整備など様々な視点から御議論いただいております。その中で所蔵品による京都ならではの常設展,京都の今を発信する現代美術などの企画展,また運営体制をはじめ新たな展示スペースとしての新館の創設,ミュージアムショップやカフェ等の新設,アメニティ空間の充実など具体的な御意見をいただいております。今後近代建築として高い評価を得ている現在の建物を生かしつつ展示スペースの拡充を含む施設全体の在り方についても検討委員会で議論いただき,パブリックコメントを実施したうえで,本年度中に将来構想を策定いたします。 また,現在,近隣の地方自治体においても美術館の再整備が具体的に進んでおり,本市としても将来構想と併せて早急に基礎的な調査に着手し,できるだけ早期の完成を目指して再整備に取り組んでまいります。 また,美術館のある岡崎地域は比類なき文化交流ゾーンであり,平成23年3月に策定した岡崎地域活性化ビジョンに基づきまして様々な施設や地域の方々と連携し,美術館が京都のみならず世界の新たな文化交流拠点として役割を果たせるよう整備を進めてまいります。 今後の最大の課題は,谷口議員御指摘のとおり財源の確保でございます。京都市美術館は設立当初市民の方々の多くの御寄付も得て建設されたものであり,今回の再整備に当たっても広く経済界や美術界,市民の皆様にも様々な形で御協力をお願いする取組を積極的に進め,世界の人々を魅了し愛され続ける美術館を目指して全力で取り組んでまいります。 次に,台風18号による浸水被害についてでございます。この度の台風18号により被災された多くの市民の皆様に改めて心からお見舞い申し上げます。谷口議員御指摘のとおり,伏見区醍醐小栗栖地域におきまして多くの住宅が床上・床下浸水という大変な浸水被害が発生いたしました。小栗栖地域には山科川とその支線である畑川の合流地点に排水機場を設置しており,その維持及び運転開始は民間事業者に委託しております。今回の大雨による山科川の増水により畑川への逆流を防ぐため,15日午後8時51分に水門を閉鎖するとともに畑川の水を山科川に流すためポンプを稼働させていましたが,16日午前2時50分から3時間57分にわたりポンプが停止するという異常事態が発生しました。このポンプ停止は,委託業者の職員が洪水対策の作業中に事故で気を失い,異常事態に気付いた応援職員が駆け付けるまでの間,ポンプを稼働できなかったことが原因であります。また委託業者との契約では,運転監視は2名以上で対応すべきところ,1名で作業をしていたことが明らかになっております。この度の小栗栖地域の大規模な浸水被害につきましては,特別警報が発せられるような記録的な雨量であったことと,このポンプの一時停止が要因と認識しており,民間事業者に委託していたとはいえ本市に管理責任があり,小栗栖地域で被災された皆さんに心からお見舞いとおわびを申し上げます。 現在,建設局内にプロジェクトチームを設置し,ポンプの一時停止と浸水被害の関係について詳細な調査を行っております。この調査を基に客観的な検証と原因の分析を行うために専門家などで構成する第三者委員会を早期に立ち上げるよう指示いたしました。この委員会において当日のフローやポンプの稼働状況等浸水被害の関係について客観的な検証を行い,ポンプ停止と浸水被害の因果関係などに関して早急かつ的確な審議をしていただきます。被災された皆様への支援といたしましては,緊急措置として喪失した被災者住宅等再建支援補助や被災された低所得の方への家財の購入等を対象に社会福祉協議会が実施している生活福祉資金貸付等につきまして周知に努めてまいります。また,今回の被害の補償につきましては,被災された皆様に大変な御心労をお掛けいたしておりますが,第三者委員会による客観的な原因分析に基づいて対処してまいります。 なお,浸水被害で発生した家財道具等のごみ処理につきましては,発災時の16日午後から直ちにまち美化事務所において特別体制を編成し無料で収集するとともに,クリーンセンターに持ち込まれた浸水ごみについても罹災証明書を省略しごみ手数料を無料とするなどの取組を行ってまいりました。10月1日からは罹災証明書の提示により無料で収集することといたしておりますが,小栗栖地域をはじめ被災地域の現場の状況に応じて柔軟に対応してまいります。また,河川の氾濫による土砂や流木などの処理について,まち美化事務所と土木事務所等が現場で連携し,迅速に対応を行ってまいります。今後も小栗栖地域の復旧のために全力を尽くしてまいります。 以下,関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(橋村芳和) 生田教育長。 〔生田教育長登壇〕 ◎教育長(生田義久) 給食による食物アレルギーについてでございます。調布市での痛ましい事故のように食物アレルギーはごく微量のアレルゲンであっても命に関わる重大な事態が生ずる可能性があることから,より一層慎重な対応が必要となります。本市では,調布市での事故の後,直ちに食物アレルギーを有する子供たちへの適切な対応について全校に通知し再度徹底を図っておりますが,学校給食では各校で就学時健康診断等により,子供たちのアレルギーの実態を把握し,その実情に応じた対応を行っているほか,献立表での使用原材料の明示や医師の指導等によるアレルギーの原因となる食物の除去,家庭との連携の下,児童に弁当を持参していただくなど日頃からその児童に応じた食事となるよう配慮をいたしております。 また,アナフィラキシーショックに対して用いられる自己注射薬であるエピペンの使用に関する研修を実施するなど,子供たちの安心安全な学校生活のために取組を進めており,年明けには対象者を養護教諭から全職種にまで拡大し,新たなエピペン使用研修を実施いたします。 谷口議員御指摘のとおり,食物アレルギーの対応に当たっては教職員の組織的な対応が重要でありますが,現在の国のガイドラインは内容が専門的で教職員には理解しにくく,即座に活用しにくいなどの課題があると認識しており,国においても来年3月頃には新たなガイドラインが示される予定であります。そうした下,本市では去る9月2日,校長や養護教諭,栄養教諭,給食調理員など教職員の代表の参画の下,食物アレルギー対策検討会を立ち上げました。今後この検討会議において食物アレルギーを有する子供たちの症状の正確な把握と教職員間の情報共有の模索,緊急時に連携して適切に対応できる学校体制の構築や対応マニュアル等について検討を進め年度内を目途に取りまとめるなど,子供たちが安心して給食を食べることができるよう取組の更なる充実に全力を傾けてまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 次に,市政一般について,井上教子議員に発言を許します。井上議員。 〔井上教子議員登壇(拍手)〕 ◆(井上教子議員) 下京区選出の井上教子でございます。公明党京都市会議員団を代表し,谷口議員に引き続き,市政一般について質問をさせていただきます。門川市長並びに理事者におかれましては前向きな御答弁をよろしくお願い申し上げます。 まず初めに台風18号により被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。公明党議員団といたしまして,国会議員の皆さんともしっかり連携し,一日も早い復興のために全力を挙げてまいります。 それでは質問に入ります。まず初めに京都動物愛護センター(仮称)についてお尋ねいたします。9月20日から26日にかけての動物愛護週間に全国各地で様々なイベントが開催されました。京都においては,全国からの多数の応募の中から京都動物愛護センター(仮称)の愛称が動物愛ランド・京都に決定いたしました。本年9月1日,国において人と動物が共生できる社会を目指し,改正動物愛護管理法が施行され,ペットの飼い主や動物を扱う業者に対して最後まで大切に飼育する責務や,動物を販売する場合には一度は必ず対面をして適切な飼育方法等について説明することなどが義務付けられました。京都市では,平成21年4月に京都市動物愛護行動計画-京・どうぶつ共生プランを策定し,動物の捕獲,収容,殺処分に重点を置いていた従来の方針から,人と動物が共生できる都市・京都を目指し,動物愛護行政への転換を図っております。このプランを実現するための中核施設として京都市動物愛護センター(仮称)を設置するための構想委員会での議論とパブリックコメントを踏まえ,平成23年12月に京都市動物愛護センター(仮称)構想が発表されました。さらに平成24年8月9日には門川市長と山田知事の懇談会において平成26年度に竣工を目指す新センターを府市の共同設置,共同運営とすることが決定されました。今回の国における改正動物愛護管理法の施行は,新センターの役割を大きく変える要因ともなっており,海外では,動物愛護は環境保護と一体的に扱われる傾向が強く,新センターの整備と運営に観光都市,環境都市・京都の国際戦略を盛り込むことも重要となっております。 このような視点から,新センターの整備充実と有効活用に向けて,中村三之助議員を団長とする8名の海外行政調査団が結成され,私も公明党議員団を代表して津田議員,吉田議員と共に7月28日から8月5日にかけドイツ,フランス,イギリスの3箇国を訪問し,海外の先進的な事例の調査を行いました。今回の調査に当たり出発直前まで専門家の視点から様々な御指導をいただきました,ペットの法律と社会システム研究の第一人者で弁護士でもあられる吉田眞澄先生をはじめ,お世話になりました皆様にこの場をお借りし心より御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。 ドイツでは犬のしつけを行うための犬の訓練学校やヨーロッパ最大規模の動物保護収容施設ティアハイム・ベルリンなどを訪問し,動物行政や施設の管理方法,設備の仕様,ボランティアとの連携など本市の動物愛護センターの整備や運営方法に大きな示唆を与える調査となりました。次に,フランスでは,パリ市とフランス農水省を訪問し,ペットのふん害問題を解決するための住民との合意形成方法や動物保護に関する法規とその現状について意見交換を重ねることができました。イギリスでは,環境・食糧・農事省や世界最古で最大の動物保護団体,王立動物虐待防止協会などを訪問し,危険犬の対応策や動物保護施設と動物医療センターとの連携や動物虐待通報制度の実施方法などについて説明を受けました。ドイツで通訳として同行してくださった獣医師のアルシャー京子先生は,「動物愛護センターという限りは,京都ではガス室は絶対に作るべきではない」と強く訴えられていました。今回京都府との協議が整い,犬猫の処分を麻酔薬注射による方法に統一されたというニュースが報道されたその日のうちに全国を駆け巡り,ドイツのアルシャー先生のもとにも届いたということで,「大変うれしく安堵した」とおっしゃっておりました。日本全国,世界からも注目されていたということだと思います。協議に携わっていただいた方々に心より敬意を表します。 私たち調査団は,今回の調査の成果を京都市の施策に反映できるようにするために,9月18日に門川市長に対し新センターの実施設計に反映させるための緊急提言,京都動物愛護センター(仮称)の整備に係る提言書を提出いたしました。提言の内容として大きく3点を掲げました。1点目は,今回調査した動物保護収容施設ティアハイム・ベルリンをはじめヨーロッパの先進施設では,ふん尿対策をはじめとする衛生管理やストレスの軽減策などが十分なされていることを踏まえ,個体管理を原則とし,水洗清掃や消毒が容易に行うことができる施設構造とするなど収容する犬,猫に十分配慮すること,2点目は,新センターが全ての人にとって命の大切さを感じることができる施設にするために,人と動物との触れ合いの場が十分に確保できるような構造とすること,3点目は,新センターが全ての市民にとっても意義ある施設であるために,整備に当たっては先進的な環境技術を取り入れ,環境先進都市としてふさわしい施設とすること,以上のようにハード面を中心とした内容となっております。そこで,市長にお尋ねいたします。今回の海外行政視察調査団の緊急提言を動物愛ランド・京都の実施設計等にどのように反映されていくのかお答えください。 次に,京都市民長寿すこやかプランについてお尋ねいたします。本市は,平成24年度から26年度までの3箇年を計画期間とする第5期京都市民長寿すこやかプランに170項目の施策,事業を掲げ,初年度に当たる平成24年度には,全170項目中164項目を実施,または着手されました。その重点課題の一つである地域包括支援センターによる独り暮らし高齢者への訪問活動の実施については各センターに1名ずつ職員を増員し,各学区の民生児童委員協議会や社会福祉協議会と連携する中で,平成24年6月から平成25年5月末までの1年間に約7万人を対象に訪問活動が実施されました。各区役所も様々なサポート体制を採っていただいたと伺っております。御尽力いただいた方々に心より感謝申し上げます。この事業の実施状況を見てみますと,お独り暮らしの65才以上の高齢者7万1,448名のうち,面談ができた方は2万6,481人で全体の37.1パーセント,何らかの理由で面談を辞退された方が2万4,253名で33.9パーセント,事前の訪問のお知らせに返答がなく,訪問したが面談に至っていない方が2万714名で29パーセントとなっております。年齢階層ごとの実施状況を見てみますと,高齢サポートからの訪問活動に応答がなかった方のうち,65歳から69歳では約6割,70歳から74歳では約5割となっています。仕事を持っている方やまだお元気な方は訪問活動に対し,自分には全く関係がないものと判断され応答しない傾向にあるということです。 本年8月6日に提出された社会保障制度改革国民会議の報告の中で,医療,介護サービスの提供体制改革の一項目として,医療と介護の連携と地域包括ケアシステムというネットワークの構築が掲げられております。その内容として,医療から介護へ,病院,施設から地域,在宅への観点から,医療の見直しと介護の見直しは一体となって行うこと,平成27年度からの介護保険事業計画を地域包括ケア計画と位置付けることなどが盛り込まれております。厚生労働省研究班の最新調査によりますと,65歳以上の高齢者の約15パーセントが認知症であるということで,その数は実に400万人以上に上るということです。しかし,最近の認知症治療は進んできており,抗認知症薬を処方することで,患者さんの認知症の進行を遅らせたり感情表現が豊かになったり自発性や周囲への関心が高まるなどよい効果が出てきているようです。ただ,薬の処方だけでは効果が長続きしないということで,適切なケアを組み合わせることによって,更に大きな効果を生み出すことができるということです。 この適切なケアとして注目されているのがパーソンセンタードケアです。これは,英国のトム・キットウッド氏が提唱したもので,認知症を持つ人を一人の人として尊重し,その人の視点や立場に立って理解しケアを行おうとする考え方です。最近,我が国でもパーソンセンタードケアを取り入れ,諦める支援からよみがえらせる支援への転換を図る事業者が増えています。先日,私は山口県のデイサービス施設夢のみずうみ村を視察させていただきました。この施設の藤原茂代表は,「どんなに高齢になっても,体はたとえ不自由になったとしても,一人一人みんな違うのだ。それを認める施設づくりをしよう」と,利用者ができることは極力自分でやっていただくことを大原則とされています。一般のデイサービスでは,利用者が同じメニューを行う集団同時一斉方式が主流ですが,みずうみ村では自己選択自己決定方式で200種類ものメニューの中から毎回やりたいことを自分で選びます。選んだメニューを実行するためには,この施設だけで使えるユーメというお金が必要です。ただでは何もできません。ユーメを稼ぐためには,リハビリに精を出さなければなりません。私が訪問した日に施設見学の案内をしてくださったのは,夢のみずうみ村の利用者であるBさんでした。Bさんは「夢のみずうみ村水先案内人」という肩書が明記された名刺を出され,汗をびっしょりかきながら施設の隅から隅まで一生懸命案内してくださり,そのお姿に本当に感動いたしました。Bさんは藤原代表の著書にも登場する方で,元郵便局員さんです。Bさんは52歳のとき脳卒中で倒れ,辛うじて一命は取り留めたものの右半身に麻痺が残りました。当初は自分の足で立つこともままならない状態だったそうです。しかし,この施設で懸命にリハビリに取り組む中で歩けるようになり,藤原代表から水先案内人をやってみないかとの提案に,やってみたいと応じられたそうです。病気の発症で退職されたBさんは郵便局時代の最後の課長代理の名刺を1枚だけずっと保管をしておられたそうです。8年ぶりに自分の名刺を手にされ,文字どおり第二の人生が始まった喜びを感じておられるということです。みずうみ村は決して設備の整った新しい施設ではありません。ほとんどが手作りの施設ですが,喜々として活動される利用者の様子を目の当たりにし,これからの介護サービスの在り方について考えさせられました。そこで,お尋ねいたします。本市の介護サービスの質的向上を図るため,広く市民や介護サービス事業者などを対象にパーソンセンタードケアなど介護される本人を中心に考える先進的な取組を紹介するシンポジウムや研修会を開催すべきと考えますがいかがですか。お答えください。 また,先ほどの独り暮らしの高齢者の訪問活動の結果として,65歳から74歳までの方々は訪問活動が自分には全く関係がないものと思っておられる傾向が強いということでしたが,その中でも男性の割合が高いという結果が出ております。私は,地域との関係が薄い男性の方々にどのように地域デビューをしていただくかが重要だと思います。特に団塊の世代の方々に医療や介護などについての正しい知識を持っていただき,むしろこれまで社会の中で培ってこられた能力を生かしていただき,地域のネットワークを作るための支え手になっていただけるような取組が必要ではないでしょうか。お答えください。 次に,子育て支援についてお尋ねします。平成24年8月に成立した子ども・子育て関連3法に基づき,子供を産み育てやすい社会の実現に向けて子ども・子育て支援新制度が創設されました。平成27年度からの新制度スタートに向け,国において子ども・子育て会議が設置されました。平成25年4月から今日まで6回開催され,様々な内容について議論が行われています。これを受け,本市においても本年7月22日に第1回京都市子ども・子育て会議が開催され,七つの部会の設置等の協議や子育て支援に関する市民ニーズ調査等の実施について活発な議論を行っていただいたと伺っております。私は,本年3月門川市長に提出させていただいた提言の中で子ども・子育て会議には子育て当事者をはじめ幼稚園,保育所関係者,認可外保育施設の運営者,子育て支援に関わるNPO法人,ファミリーサポート事業の関係者や有識者などに参画していただき,新制度についてそれぞれの立場を超えて共通理解する場とすることや,市民参加型京都市版子ども・子育て支援新制度フォーラムを開催することを提案いたしました。今回の京都市子ども・子育て会議並びに専門委員会には大変広範囲な分野の方々が委員として参画していただいており,京都市の子育て支援の充実のために御尽力いただいておりますことに心より敬意を表し感謝を申し上げます。 また,今後のスケジュールの中に制度周知や中間取りまとめ報告のフォーラムの開催が2回予定されていることは大変有り難いです。新制度の大きなポイントとして,子供や子育て家庭に関係するお金の仕組みを一本化し,財源も確保することで必要なサービスを過不足なく提供できるようにすることです。今回実施される子育て支援に関する市民ニーズ調査は,地域でどんなサービスがどれだけの量必要なのかを把握するために大変重要です。更に重要なのは,潜在的なニーズがどのようなものなのかをしっかり把握し,保護者が家庭や仕事の状況に合わせて多様なサービスを選択できるようにすることです。私は認可外の保育所や病児保育所などを調査し,その現場にこそ潜在的なニーズがあると感じました。今後,開催が予定されているフォーラムなどを通じて潜在的なニーズをすくい上げ,子育て支援の現場の声が市政にしっかりと反映できるようにしていただきたいと思いますがいかがですか。お答えください。 最後に,ロームシアター京都についてお尋ねいたします。半世紀以上の長きにわたり京都市民の文化芸術や幅広い市民活動の拠点として大きな役割を果たしてきた京都会館の整備が進んでおります。「ロームシアター京都」と新しい名称に変わり,平成28年1月の開館を目指し,オープニング事業検討委員会が設置されました。今回,オープニング事業検討委員会の委員長に世界的指揮者の小澤征爾先生が御就任いただいたことは,京都市民にとりまして大変うれしいニュースでした。小澤先生は7月18日の共同記者会見において,「この度新しくホールを造ること,そして名前も変えて大出発しようという,これだけ皆が大掛かりにやろうというのは,京都にとってすばらしいチャンスだし,これがこれから長い間の成功に,そして市民と周りに住んでいる人の宝物になる建物にしなければならないと思います」と抱負を述べられました。門川市長は「開館から1年間,ロームシアター京都におけるオープニング事業を世界を視野に,文化芸術,また幅広い市民活動の発表の場にしていきたい」と決意を述べられました。チケットを売り切る劇場として有名な兵庫県立芸術文化センターでは,自ら創造し,県民と共に創造するパブリックシアターを基本理念に無料会員制度を取り入れて,平日のお昼に気軽に行けるワンコイン・コンサートや週末に家族で行ける2,000円から3,000円の公演など自主事業に力を入れ,観客にとって魅力ある劇場づくりに職員の皆さんが一丸となって取り組んでおられます。そこでお尋ねいたします。門川市長はオープニング事業全体について来年の夏ごろには具体的な内容を示したいとおっしゃいました。市民に愛されるホールとしていくためにどのような取組をされていくのかお答えください。 以上をもちまして,私の質問を終わります。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 井上教子議員の御質問にお答えします。 まず,京都動物愛護センター,動物アイランド・京都についてでございます。海外行政視察調査団の先生方にはこのほど海外の先進的な事例に基づき,三つの視点から緊急提言を取りまとめていただいたところであり,深く感謝申し上げます。議員の先生方が視察されましたヨーロッパ諸国では,動物愛護の精神が長年にわたって文化として根付いていると伺い,私はこれからの国における動物愛護施設の先進的な取組を,日本一を目指す動物アイランド・京都のハード,ソフト両面の取組,最大限生かしていきたいと決意し,早速今回いただいた提言内容を実施計画に反映させるよう関係局に指示したところでございます。 まず,提言の1点目でございますが,収容した犬,猫の管理につきましては,それぞれの犬,猫の特性等が尊重されストレスなく快適に施設内で過ごすことができるよう個体管理を原則とし,個室とするとともに,その構造や材質も工夫することで徹底した衛生管理を講ずることといたします。2点目の人と動物の触れ合いにつきましては,樹木や芝生の緑があふれる動物ふれあい広場において子供からお年寄りまで動物アイランド・京都を訪れる全ての人が自由に伸び伸びと動物と触れ合うことができ,命のぬくもりや尊さを感じられる場といたします。3点目の最新の環境技術の導入につきましては,この度の補正予算で御承認いただいたところでありますが,国からこの度確保することができましたグリーンニューディールの基金を活用することにより,地中熱利用システムや太陽光発電設備,LEDの公園照明灯などを設置し,環境先進都市・京都にふさわしい施設といたします。今後とも議会の先生方によります海外視察の貴重な成果を市民,府民,関係団体等との連携の下,動物アイランド・京都の拠点とした動物愛護行政に反映させ,世界に誇れる人と動物が共生でき潤いのある豊かな社会を京都で実現してまいります。 次に,子育て支援についてでございます。私は,子ども・子育て支援新制度の実施に当たりましては,関係者の皆さんが長年築いてこられた京都の優れた幼児教育,保育の水準を更に向上させ,全ての子供たちの良質な子育て環境を保障し,子供を大切にする社会を実現すること,それとともに女性が輝き活躍する社会となり,抜本的な少子化対策につながるよう,子育て家庭の現状や多様なニーズを的確に把握し取組を進めることが何よりも重要であると認識しております。 こうした観点から,本年7月に設置しました京都市子ども・子育て会議につきましては,子供の成長段階,児童虐待や発達障害など子供を取り巻く状況に即した七つの部会を設置し,学識経験者をはじめ経済界,労働界や子育て支援に積極的に取り組む企業の方々など幅広い御参加をいただき,幼稚園や保育園の関係者はもとより昼間里親,認可外保育施設,病児保育,認定こども園の関係者,子育て支援関係の事務事業,子育て中の保護者や子育て関係施設の職員の方々と共にオール京都のみならず我が国を代表する著名な識者の参画を得て,全国的な視野で徹底的に議論を深めていただきたいと考えております。また,子育て家庭について子育て支援や働き方の改革や,さらには結婚,妊娠,出産の支援の分野に至る幅広いニーズを把握するために,子育て支援に関する市民ニーズ調査や結婚と出産に関する意識調査などにつきましても,会議の委員の皆様からいただいた京都の実像を踏まえた設問の設定や保護者の方々の答えやすい記載への配慮といった御意見も踏まえまして,今月から実施するとともに,こういう幼稚園,保育園だけでなく認可外保育施設や病児保育施設等も含めた施設の運営実態調査も併せて実施してまいります。さらには子育て中の保護者や子育て支援の第一線で活躍されている方々に新制度を広く周知し,直接お声をお聞きする市民フォーラムを開催するなど,井上議員御指摘の子育て家庭の潜在的なニーズも含めた多様なニーズをきめ細かく把握し,今後策定する新たな子育て支援に関する計画にしっかりと反映させてまいります。 次に,ロームシアター京都についてでございます。ロームシアター京都が昭和35年に京都会館として開館以来,多彩な文化活動が繰り広げられる文化の殿堂として,また幅広い市民活動に多目的に利用活用されるホールとして多くの市民の皆様をはじめ全国の芸術家から長年にわたって親しまれてまいりました。先日,起工式を行い完成が待ち望まれているところでございます。さて,平成28年1月からの開館1年間にわたるオープニング事業につきましては,検討委員会を設置し,委員長には世界を代表する指揮者であられる小澤征爾先生に,また,京舞井上流家元の井上八千代様など各界を代表する方々に委員に御就任いただき,現在熱心に議論を深めていただいているところであります。第1回検討委員会の際に小澤征爾委員長から,「京都の人たち,とりわけ子供たちが親しみを持てるホールにしたい」と話され,委員の皆様方が賛同されました。私も長年教育行政に携わっていた経験から,京都の未来を支える子供たちに対して本物の文化,芸術に触れる機会を設けることの大切さを痛感しており,委員の皆様と思いを共感したところであります。私は,オープニング事業につきましては,ロームシアター京都の魅力と感動を,子供たちをはじめ,より多くの方々に実感していただき,伝統芸能をはじめとして,また世界につながる音楽や演劇等,京都の持つ文化力をいかんなく発揮することが重要であると考えております。 また,オープニング事業として実施する自主事業を開館2年目以降の事業展開につなげるほか,これまでの貸し館事業に加えまして,みやこめっせと連携し観光MICE戦略へも対応するなど様々な取組を幅広く進めることにより更なる魅力を創出してまいりたいと考えております。新たに生まれ変わるロームシアター京都が京都の文化,芸術と京都の都市の魅力を世界に発信し,京都のまちが世界の文化首都として一層発展するために,京都に欠かすことのできない存在として,これまで以上に市民の皆さんに愛されるように全力で取り組んでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(橋村芳和) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 高齢者福祉についてでございます。四人に一人以上が高齢者という超高齢社会を迎え,今後団塊の世代をはじめとする元気な高齢者が増加する一方,認知症高齢者をはじめとする支援を必要とする方の急激な増加が見込まれております。今,介護の現場におきましては,御本人の思いや人生の物語にしっかりと耳を傾け,その人らしさ,その人が存在する意味を十分尊重した介護サービスが日々提供されております。こうした取組こそが井上教子議員御指摘のパーソンセンタードケアであり,全ての介護に通じる基本的な考え方として,更に広げていくことが極めて重要であると考えております。そうした観点から本市ではこれまでから介護従事者を対象とした研修を実施してまいりましたが,今後は新たな取組として京都地域密着型サービス事業所協議会等と連携し,広く市民の皆様や介護事業者を対象としたセミナーの開催などにより先進的事例の紹介等を行うことで,利用者本位の質の高いサービスが提供されるよう理念や実践の普及に努めてまいります。 また,議員御指摘のとおり,団塊の世代の皆様がこれまで培ってこられた能力や経験を生かし,地域活動やネットワークの支え手となっていただくことは,京都の地域力を更に高めていくことになると考えております。このため団塊の世代をはじめとする高齢者の皆様が,まずは御家庭で閉じこもることなく様々な活動に御参加いただけるよう今後各種のイベントや高齢者の各種サークル活動等の情報提供を充実するとともに,高齢者の皆様が持たれる知恵や経験,技能等を生かしていただくための仕組みである知恵シルバーセンター事業について地域への一層の周知を図ってまいります。さらには自治会,町内会,各種団体や子供たちの見守り活動への参加など,地域社会で頼られる存在として御活躍いただけるよう,区役所や関係団体とも連携して取り組んでまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 次に,市政一般について,青野仁志議員に発言を許します。青野議員。 〔青野仁志議員登壇(拍手)〕 ◆(青野仁志議員) 中京区選出の青野仁志でございます。谷口,井上両議員に続き,公明党京都市会議員団を代表し,市政一般について質問をさせていただきます。門川市長並びに理事者におかれましては,誠意ある御答弁をよろしくお願いいたします。 それでは最初に,中小企業支援についてお尋ねします。政権交代後,デフレ脱却,景気回復への期待感で空気は一変,また2020年の東京オリンピック開催も決まり経済再生への環境も整ってきました。しかし中小企業の多くはいまだ厳しい状況にあります。したがって,引き続き規模や業種,それぞれの現状に即した下支え支援の強化はもちろん,技術力向上や販路拡大など経営支援の更なる充実を強く要望いたします。同時に私は,京都経済の更なる発展のため,今こそ成長分野にスポットを当て,京都独自の産業基盤となる新たな地場産業創出に積極的に取り組む絶好のときと考えます。今年度,市は,新産業振興室を新設し,ライフ分野に加え成長分野として,これまで環境政策局の所管にあったグリーン分野を環境産業として,また文化市民局の所管にあった伝統文化をコンテンツ産業と捉え,成長分野の柱として産学公連携で京都独自の産業基盤創出に向けスタートを切られました。正に時宜に適った英断であると評価し大いに期待しています。 過日,アニメフェア会場を訪れ,想像以上の人出と熱気に圧倒されました。クールジャパンを代表するアニメの新産業としての可能性を実感いたしました。また,ベンチャー育成のための公的賃貸施設であるクリエイション・コア京都御車も視察いたしました。入居事業者のiPSアカデミアジャパンは,iPS細胞関連分野の事業化の過程で様々な実験装置が段階ごとに必要となる。そうした需要に速やかに対応できるのは大手ではなく中小企業であるとのこと。ライフ分野の事業化が中小企業にとって受注拡大につながると実感,新産業への期待は一段と高まりました。しかし一方で,ベンチャー企業が事業化する過程では,多くの課題を乗り越えて,なお本格的な事業化段階に来て,資金調達の苦労など困難に直面する,これを死の谷と呼ぶそうですが,この谷を1,000社に1社も超えることができるかどうかというのが現実との話も伺いました。つまり新分野における産学連携事業は,その事業化に多大な時間と困難を要する,ましてや既存の中小企業に波及させる仕組みをどう作るかは極めて難しい課題であります。本当に京都経済再生の切り札となるのか,疑念の声も聞かれます。そこで,今後10年後,20年後,京都の経済基盤を支える産業を育成していくため,どういった取組を展開されるのか,進捗状況も踏まえ希望の持てるビジョン及びプランを具体的にお示しください。 次に,防災対策に関してお尋ねいたします。台風18号により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。復旧に向けて被災者並びに関係職員の皆様の連日の懸命なる御努力に敬意と感謝を申し上げます。今後は地震対策に加え,水害への対応を盛り込んだ防災対策の見直しが求められます。時間の経過と共に,多くの課題が明らかになってきています。今後聞き取り調査なども含めて,様々な事案や情報を収集し検証のうえ,災害対策の見直しに反映していただきますよう重ねて要望いたします。 さて,本年6月に改正災害対策基本法が成立しました。改正のポイントは,災害時要援護者の名簿作成の義務付けや,被災者が各種支援策を受ける際に必要な罹災証明書を遅延なく発行することなどが明記されたことです。また,避難所における生活環境の整備を明記したことも今回の改正のポイントです。東日本大震災では,昨年3月31日現在で震災関連死の約9割が66歳以上で,その死亡原因としては,主に避難生活の肉体的,精神的疲労であると指摘されています。この教訓から,公明党の主張により避難所の生活環境整備についての努力義務が定められました。内閣府は避難所の生活環境整備に関連し,備蓄品について味や栄養バランス,食物アレルギーに留意した非常食や,感染症予防のマスクの用意,また高齢者や女性,乳幼児に配慮した紙おむつや生理用品の準備なども指針で示しています。本市においては,現状のアルファ化米と粉ミルクに新たな品目を加えることや,身一つで避難された方への配慮も必要でしょう。また,避難所の機能強化については,全避難所に発電機,照明,プライバシーテントなどの資機材の整備が必要であります。さらに備蓄食糧については現状の1日1食では余りに少ない。また,対象も避難所以外に,帰宅困難者や災害対応に当たる市職員,あるいは在宅被災者にまで拡大すべきでしょう。そのために要する費用についても,しっかりと予算を確保していただきたいのであります。花折断層地震,あるいは南海トラフ地震により想定される被害状況から避難所生活の長期化は避けられない中,避難所の生活環境整備の充実は喫緊の課題です。そこで今後,避難所機能強化及び備蓄品の拡充に関し,品目,備蓄場所,数量並びに整備スケジュールを具体的にお示しください。 また,今回の災害対策基本法の改正では,住民の責務として備蓄及び防災訓練が追加されるなど,改めて住民の防災意識の向上なくして災害対策の強化はないとの意を強くした次第です。そこで本市の備蓄に関する取組と住民の責務としての備蓄との兼ね合い,並びに住民への周知徹底についてお答えください。 また,ゲリラ豪雨対策についても御提案申し上げたい。近年ゲリラ豪雨が頻発,今年8月5日の豪雨では地下街に雨水が流入するなど市内中心部でも被害を受けました。全国的にゲリラ豪雨が多発し,かつ規模が巨大化し,尊い人命までもが失われています。ゲリラ豪雨は突然発生することから予測が困難と言われていますが,最近の技術向上でかなり正確に雨量を予測でき,これまで以上に早く対処することも可能となっています。現在,土砂災害指定地域では,避難の遅れが命取りとなり得ることから,気象庁では土砂災害警報を発令しています。しかし,京都市においては,行政区単位での発令であり局所発生するゲリラ豪雨に的確に対処できていないことから,かねてから,より迅速かつピンポイントの情報が求められています。そこで,Xレイン雨量情報の活用を提案します。Xレインは国土交通省が整備を進めており,従来のレーダーよりも高分解能,高頻度で観測ができること,2種類の電波を使った観測で雨量の推定精度が高くなることから,ゲリラ豪雨の早期発見を担う都市型豪雨の監視網として期待されています。改めてXレイン雨量情報を積極的に活用すべきと考えますがいかがでしょうか。お答えください。 続いて防災,減災のための路面下空同調査についてお尋ねいたします。公明党は,今後想定される南海トラフ地震などに備え,防災,減災対策として,老朽化するインフラ整備などに集中的に取り組み,雇用確保にもつなげる,防災・減災ニューディール政策を提唱してまいりました。既に本市も橋りょうについてはいのちを守る橋りょう健全化プログラムに基づいて整備に着手,また,公共建築物の耐震化等にも鋭意取り組んでいるところであります。 一方,過日豊中市での陥没事故が報じられておりましたが,全国各所で路面下の空洞による道路の陥没事故が多発しており,路面下空洞調査の必要性が高まっております。空洞発生のメカニズムはほぼ明らかになっており,多くは水道管などの埋設管が劣化により破損して発生しますが,それ以外に河川護岸の裏側の土砂が吸い出され,川沿いの道路下が空洞として残り陥没の引き金となるケース,あるいは地下鉄駅舎など大型の地下建造物のわきには埋戻しの砂が分布しますが,振動等により砂がふるいにかけられたように圧縮され沈み込むことにより,大規模の空洞が発生することも確認されています。本市では,災害時の緊急輸送道路である烏丸通や御池通の地下には市営地下鉄が通っており,駅舎を中心に空洞発生が懸念されます。また,鴨川沿いを走る川端通のように市内には川沿いの緊急輸送道路も存在しますが,最近では先の台風による大雨やゲリラ豪雨の多発により河川護岸に予想以上の圧力が掛っていると思われ,護岸裏側の土砂が流出している可能性も否定できません。地下埋設管の老朽化は既に周知のとおりであり空洞が発生しているかもしれず,少なくとも災害発生時に陥没により緊急輸送道路が寸断されるようなことがないよう,事前に路面下の空洞調査を実施し対策を講じるべきと考えます。 また,橋りょうについては,橋りょうを構造体としての耐荷性,耐震性から長寿命化を図ることは重要ではありますが,橋の骨組みの上に敷かれた,コンクリートなどの板,つまり実際に車両等が通行する部分である床板が抜け落ちる事故も全国的に発生しており,いのちを守る橋りょう健全化プログラムによる維持更新に,道路ネットワークの機能確保の視点から床板内部の劣化調査を別途追加し,早期発見,早期対応で,事故防止に努めていただきたい。 路面下の空洞調査と床板内部の劣化状況を市内全域,少なくとも消防署や拠点病院など防災施設を結ぶネットワーク機能を有する緊急輸送道路については直ちに調査し対策を講じるべきであります。なお,空洞調査技術は格段に進歩しており,市内主要部なら三,四箇月で正確に調査することが可能とも聞いています。また費用面もコストダウンが図られていることに加え,国の交付金対象にもなると聞いています。花折断層地震あるいは南海トラフ地震が確実視される中,一刻も早く本市全体の路面下の実態を一体的に把握し,計画的に対策を講じるために,直ちに路面下空洞調査を実施すべきと考えますが御所見を伺います。 次に,地方公会計制度改革についてお尋ねいたします。公明党は,これまで公会計制度改革による財政の見える化の必要性を訴えてきました。税金が何に幾ら使われているのか,それを見える化し,開示することで無駄を見付けやすくします。また様々な行政サービスについて幾ら掛っているかも見えるようになり,職員にコスト意識が生まれ,無駄発見のツールの一つとなります。京都市は,多くの自治体と同様,現行の公会計制度の下,現金の移動のみを記録する現金主義・単式簿記を採用しています。行政サービスを実施するに当たっては,議会で承認された予算を前提としており,予算が適正,確実に実施されたかどうかが重要とされ,現金の動きが分かる現金主義・単式簿記が適しているからであります。しかし,現金主義・単式簿記には,現金以外の資産や債務の把握ができない,また減価償却費や引当金などの見えにくいコストが明らかにされないといった課題があります。そこで発生主義・複式簿記の考え方,つまり企業会計的手法を導入し,財務諸表の作成,活用を通じて,より詳細な財務情報を公開し,資産,債務の適正な管理を一層進めようというのが公会計制度改革であります。 地方公会計研究センターの浅田隆二代表理事は,「無駄削減や行財政改革は掛け声だけでは実現できない。民間でも合理化やコスト削減は全部数字に基づいて行っている。国や地方においても数字に基づいた計画を作るうえで公会計制度改革が急務だ。複式簿記・発生主義の公会計を導入した自治体では,借金が解消されていくとともに,例えば老朽化した社会インフラ更新に掛かる莫大な費用も判明してきた。防災,減災を着実に進めるうえでも,公会計制度の改革が不可欠だ」と述べています。6月14日の閣議決定において「ストックも含めた財政情報の透明化を進め,企業会計原則を前提とした地方公会計の整備を推進する」と明記されました。また同僚議員とともに参加した新地方公会計推進セミナーの席上,総務省の課長補佐からは,「総務省の今後の新地方公会計の推進に関する研究会より,公共施設の維持管理,更新等の把握の観点からの固定資産台帳の整備,そして検証可能性を高め,より正確な財務書類の作成を可能とする複式簿記の導入の方向性が示された。今後いつまでにどの程度のものを導入していくかなど引き続き検討し,来年4月には最終報告が示される」とのことでした。いよいよ地方公会計制度改革が大きく進むと実感しています。 東京都は国や他の自治体に先駆けて2006年から複式簿記・発生主義会計を本格導入した結果,将来の財政負担が把握しやすくなり,都債返済,つまり借金返済のための積立金不足など約1兆円の隠れ借金が判明しこれを2年間で解消,税収減少の事態に備えた活用できる基金の残高の一兆円積み増しも達成しました。東京都に続き,大阪府や新潟県あるいは愛知県などが導入しましたが,特徴的なのはほとんどが首長のトップダウンで進められたことであります。公会計制度改革を支えるのは,適切な会計制度と,信頼できる会計情報を分析,活用してアカウンタビリティの達成とマネジメントの強化を図ることのできる人材であり,その育成が課題となります。新しい公会計制度を円滑に導入し効果的に活用するには,全部局の日々の業務にも関わることから周到な事前準備と知識の共有が必要です。そのためには何よりも全職員の意識改革が不可欠であり,だからこそ強力なリーダーシップ,すなわち市長の決意と覚悟がなければ改革の実は上がりません。先行導入している東京都,大阪府,大阪市,愛知県などでは知事や市長の陣頭指揮の下,公会計制度改革を断行し大きな成果を挙げています。私は,他都市に比べて財政基盤の弱いこの京都こそ門川市長の強いリーダーシップで公会計制度改革を進め,行財政改革の更なる推進を図っていただきたいのであります。市長の御答弁をお聞かせください。 最後に,京町家や近代建築をはじめとする,いわゆる歴史的建築物の活用とそれに関わる安全確保についてお尋ねいたします。先日,東京オリンピックの開催が決定され,京都においても,その時期に日本文化の祭典を行うとの構想が発表されました。ますます観光施策の充実が求められると考えます。京都市の基本計画である「はばたけ未来へ!京プラン」では,観光施策の一つとして,京町家等の旅館活用を掲げていますが,京町家や近代建築をはじめとする歴史的建築物を宿泊施設だけでなく様々な用途に活用し保存することが,景観,文化のみならず,京都の観光にとって大切なことと考えます。京都市内には,京町家を改装し,旅館業法の許可を受けたうえで,一棟丸ごと貸し切れる宿があり,家族連れや女性の一人旅,あるいは外国人観光客らが利用し,京都の風情を感じられるなど人気も上々でリピーターも増えているとのことであります。また,龍谷大学の深草キャンパスは,建築基準法を適用除外した先進的な事例として承知しています。これらの歴史的建築物を保存しながら活用するケースは,減少しつつある京町家等の保存にもつながっていると認識しています。 しかし,現実には建築基準法等の法に適合させるには対応に難しいところがあり,改修に踏み切れず老朽化するものや無許可営業につながるケースもあると聞いております。例えば,京町家を旅館に用途変更することなく,宿泊客と賃貸契約を結ぶことで住宅として宿泊させているケースがあると聞いております。このようなものは,宿泊客の安全確保の面で課題があるのではないかと考えます。そこで,安全性を確保しながら,合法的に用途の変更や改修を可能とする仕組みを更に充実させ,それらの活用が容易にできるようにすることが必要と考えますがいかがでしょうか。そして,京町家も含めた歴史的建築物の保存,活用を促進するために,支援制度の拡充が必要と考えますがいかがでしょうか。また,安全性が懸念される京町家等を活用した宿泊施設等については,状況を把握のうえ,課題を抽出,整理し,今後の対応を検討すべきと考えますがいかがでしょうか。御所見を伺います。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 青野仁志議員の御質問にお答えします。 まず,京都経済の地盤を支える産業の育成についてでありましたが,本市ではこれまで桂イノベーションパーク,京都バイオシティ構想,知的クラスター創生事業などを推進する中で,研究施設の誘致や国の競争的資金の獲得など積極的に国の政策を京都で実現し,新産業の振興の基礎づくりなどに大きな成果を挙げてまいりました。また,ベンチャー企業を発掘,育成する目利き委員会では101社を,中小企業の新事業展開を支援するオスカー認定では128社を認定するとともに,京都市産業技術研究所において伝統産業と先端産業の融合により新ビジネスの製品開発を推進するなど次代の京都経済を担うベンチャー企業の創出や中小企業の育成にも力強く取り組んでまいりました。こうした取組の上に立ち,更に強固な経済基盤を築くため,グリーン,すなわち環境,ライフ,すなわち健康医療,そして漫画,アニメ,映画などのコンテンツの三つの分野を京都市における成長産業と位置付け,本年4月に推進体制の強化を図り重点的に取組を進めているところであります。本年11月伏見地区らくなん進都に開設いたします京都市成長産業創造センターを拠点に,大学の最先端の緊急成果を中小企業に技術移転する取組,また省エネルギーに大きく貢献する新たな半導体の開発等の緊急開発プロジェクトを中小企業と一体となって推進することにより,新事業,新産業の創出を加速させてまいります。また,京都国際マンガミュージアムを核としてコンテンツ産業の集積や人材育成を促進するとともに,京都国際マンガ・アニメフェアを通じてコンテンツビジネスの環境づくりに努めてまいります。今後ともオール京都体制で京都経済を牽引する新たな成長産業の振興を図り,中小企業の活性化に京都市として力を尽くしてまいります。 次に,地方公会計制度の改革についてでございます。私は,都市経営を的確に行っていくためには,市会をはじめ市民の皆様と本市の財政に係る情報と課題を共有し御理解いただくことが不可欠だろうと確信いたしております。青野議員御指摘の地方公共団体の新たな会計制度につきましては,法令で定められたこれまでの現金の移動のみを基調とする予算,決算に加えまして,それだけでは見えにくい市債やコストに係る情報をお示しするために,いち早く平成12年度から民間企業の会計で用いられる,いわゆる発生主義の考え方に立ち,それらを取り入れた貸借対照表や行政コスト計算書を作成し公表しております。 今後,この新しい会計制度につきましては,現在,全国的に三つの方式が併存していることになっておりますが,本市はその中で最も多くの地方公共団体で採用されている方式,すなわち複式簿記を用いない方式を導入したうえで,京都市としてより一層財務の見える化を図るために最善の努力をしてまいりました。具体的には私の市長就任後,平成21年度からは公表する財務処理に新たに純資産変動計算書及び資金収支計算書を加え,また平成23年度には土地や建物などの固定資産1件ごとに時価や減価償却の状況も反映した正確な評価を完了させました。この結果,資産の状況や減価償却等のコストについても,より正確にお示しすることが可能となりました。こうした取組は,政令指定都市でもまだ一部しか実施されておりません。しかし他都市との比較や分析が統一されていませんのでできないなど,更なる活用のためには,全国的に方式の統一が不可欠であると考えております。現在,国において公式の統一に向け専門家による検討が進められております。本市が独自にこれに先行することは二重投資となるおそれもあるために,今後国の検討結果を踏まえて取組を進化させていくこととし,それに向けまして新しい会計制度を活用できる知識や能力をつないだ職員の育成に決意を新たに全力で取り組んでまいります。 以下,副市長が御答弁申し上げます。 ○議長(橋村芳和) 平口副市長。 〔平口副市長登壇〕 ◎副市長(平口愛一郎) まず,防災,減災のための路面下空洞調査の実施についてでございます。平成23年3月に発生した東日本大震災による被災状況を目の当たりにし,また花折断層地震,あるいは南海トラフ地震が想定される中,災害時の支援ルートとなる緊急輸送道路の維持管理の重要性はますます高まっていると認識しております。一方,青野議員御指摘のとおり,道路に埋設された管等に起因して発生する道路の路面下の空洞化については,平常時においても人的被害を引き起こす場合もあることから,市民の安心安全を支える道路を管理するうえで大きな懸念材料の一つとなっています。本市では,これまでから緊急輸送道路をはじめとする主要な道路については土木事務所によるパトロールでの点検を実施するとともに,橋りょう耐震補強災害防除対策等を優先して実施しており,また道路の路面下の空洞調査についても大規模地下構造物が設置されて以降,空洞や陥没が発生している四条通,烏丸通を重点的に毎年調査してまいりました。道路などの路面下空洞調査につきましては,道路陥没の未然防止や防災,減災の観点から大変重要であると認識しており,継続して四条通,烏丸通の調査を実施するとともに,その他の道路についても緊急輸送道路を含め調査が必要な路線を選定し,計画的に実施してまいります。なお調査に当たっては,国費の活用など財源確保に努めるとともに,国や他自治体における実績,最新の技術開発に係る情報などを収集分析し,調査対象路線の拡大に向け検討を進めてまいります。今後とも市民の皆様の安心安全な生活をしっかりと支えるため,道路の適切な維持管理に全力で取り組んでまいります。 次に,歴史的建造物の保存及び活用についてでございます。国際文化観光都市である京都として,景観や文化の重要な構成要素である京町家や近代建築など歴史的建築物の保存活用は大変意義深いことと認識しております。これまでは大規模な改修や増築等の際,建築基準法に適合させる必要があり,将来に残すことができないケースが多くあったことから,保存活用と安全確保の両立を目指し研究を進め,対策を講じるとともに,国への要望を続けてまいりました。その結実として,法改正等により一定の保存活用が可能となりました。しかしながら,なお手法が限定的で課題が残っておりました。そこで安全性の向上を図りながら,建築基準法を適用除外し保存活用可能とする伝統的な木造建築物の保存及び活用に関する条例を昨年我が国で初めて施行しました。さらに,本議会にこの条例を進化させ対象を木造以外の建築物に拡大するため条例改正を提案させていただいているところです。保存活用に係る支援制度につきましては,景観や文化財保護の観点から既に補助制度を設けておりますが,さらに,計画策定などに関する支援制度等についても検討してまいります。また,保存活用に当たって安全確保が最も重要と認識しております。特に宿泊を伴う施設については,関係部局による対策会議を開催し,現状の把握,課題の整理に着手しており,安全確保ができないおそれがあるものについて指導するなど,より高い安全の確保を目指してまいります。今後とも京都の資源としての歴史的建築物を良好な状態で活用し継承できるよう取り組んでまいります。 ○議長(橋村芳和) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 防災対策についてでございます。避難所機能の向上に資する備蓄品につきましては,自らの身の安全は自ら守るとの視点に立ち,各家庭や事業所等において三日分以上の備蓄を呼び掛けるとともに,本市による公的備蓄の充実に努めているところでございます。さらに,本年度は災害時に食料品や生活用品を提供していただけるようコンビニエンスストア2社と,また避難所等への配送を円滑に行うため,宅配業者2社と協定の締結を行ったところであり,今後も民間事業社からの支援の拡充に取り組んでまいります。加えて東日本大震災を教訓により望ましい備蓄の在り方を検討するため,学識者を含めた備蓄計画策定検討会を設け,在宅避難者,観光客を含む帰宅困難者及び災害対応に従事する本市職員も視野に入れた新たな備蓄計画の検討を進めており,年内を目途にまとめてまいります。今後はこの備蓄計画に基づき備蓄の品目,数量,備蓄倉庫等の充実を図るとともに,市民,事業者の皆様にも万一に備えた日頃からの備蓄に向けて一層の啓発に努めてまいります。 次に,ゲリラ豪雨対策についてでございます。近年,局地的な集中豪雨が増加傾向にある中,青野議員御指摘のXレインは国土交通省が整備を進めており,リアルタイムでピンポイントの雨量観測が可能であるなど,防災の観点からも有効なものと考えております。このためXレインの雨量情報を現在本市が独自に進めております土砂災害危険箇所ごとの避難基準となる雨量情報と組み合わせて,市民や観光客の皆様により迅速に,かつ的確な避難行動を呼び掛けることができるシステムの導入を検討してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 暫時休憩いたします。 〔午後2時50分休憩〕 〔午後3時25分再開〕 ○議長(橋村芳和) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 休憩前の一般質問を継続いたします。 市政一般について,佐々木たかし議員に発言を許します。佐々木議員。 〔佐々木たかし議員登壇(拍手)〕 ◆(佐々木たかし議員) 中京区から選出いただいております佐々木たかしでございます。地域政党京都党市会議員団を代表いたしまして質問をいたします。 まず初めに,先日の台風18号で被災された皆様にお見舞いを申し上げますとともに,御支援いただきました皆様に心より感謝申し上げます。数十年に一度レベルの大雨で発令される特別警報が出された今回の台風ですが,8月5日に発生した豪雨をはじめ,世界的な異常気象,温暖化などを踏まえれば,いつ今回のような事態が発生しても不思議ではないという危機感を持ち対策を行っていかなければなりません。幸い京都市内では人的被害はほとんど発生しませんでしたが,課題も多数ありました。災害ポータルサイトの問題をはじめ京都府をはじめとした関係機関との情報共有や伝達,連携,市民に対する避難指示のタイミングや在り方,避難所開設までの流れ,復旧へ向けた体制構築などなどしっかりと検証を行い,次の災害への備えを行わなければなりません。自助,共助,公助の役割もしっかりと定義し直し,周知を図ることにより公助の役割をしっかりと果たせる体制を早急に構築していただくことを強く要望いたします。 続きまして,安心医療都市・京都の可能性について質問いたします。近年,たらい廻しや医療の危機,医療の崩壊などという言葉を耳にするようになりました。この背景には高齢化が進み患者数は増える一方で,医師不足や医師の偏在,自治体病院の赤字経営,自治体の財政難など様々な要因があります。では,京都市はどのような状況にあるかを見ていきたいと思います。まず救急出動の件数ですが,これは年々増加しており,平成20年は6万9,187件であったものが平成24年には7万7,997件と約9,000件も増えていることが分かります。また,特徴的なことは,救護人員の52.1パーセントが65歳以上の方であるという点です。このように出動件数は年々増加している一方で,119番通報を受けてから現場までの到着時間は全国政令市の中で3位の早さとなっており上位に位置しております。また,病院への搬送受入れ問合せ回数ですが,3回以内の問合せで96.7パーセント決まっており,比較的スムーズに搬送できていることが分かります。京都市の場合は他都市とは違い救急指令センターで受入先の問合せを行っており,この取組が効率的な運用につながっていると考えられます。そして救急医療の要となる3次救急医療体制ですが,100万人に1箇所を目標に設置されてきた重篤患者を受け入れる救急救命センターは京都市内だけで4箇所も設置されております。さらに,厚生労働省の調査では,平成22年末時点で人口10万人対医師数は京都市が全国1位,診療所数は全国6位となっております。このように京都市は医療において非常に恵まれた状況にあることが分かります。 京都市立病院では今年の春に新棟が完成し,救命救急部門の拡張,専用処置室,診察室の確保,救急病床を併設した救急部門の設置,手術室の増設,集中治療室の増床,ヘリポートの設置など救急医療の受入体制の充実が図られました。また,周産期医療に関しても,合併症妊娠・分娩やハイリスク妊娠,他の医療機関からの母体搬送などに対応するべく,新生児特定集中治療室,新生児治療回復室が6床ずつ設置されました。先日視察に伺った際には,拡充された施設や医療機能を十分発揮するためには,まだ看護師が不足していること,ヘリポートについては運用開始に向けて準備段階にあるとの説明を受けましたが,京都市の救急医療,周産期医療体制が大きく前進していることは確かです。自治体病院には公共性と効率性を両立していくという非常に難しいかじ取りが要求されている中で,心強い取組がなされておりました。 今,少子高齢化社会を迎え,社会の宝とも言える子供を安心して産める環境を用意することは必須です。そして,この国を支えてこられたお年寄りの方々が安心して暮らせる環境も作っていかなければなりません。京都市が恵まれた医療環境をいかし安心医療都市・京都を実現することはこれらを同時に実現するものであり,正にこの時代に求められているものであります。京都市にとっては多くの人々を魅了する強力なブランドを手にすることになるでしょう。ブランドという概念は様々な定義付けがされておりますが,その一つに顧客との約束というものがあります。市役所にとっては市民がこの顧客に当たるわけですが,例えば119番をすれば,どこのまちよりも早く救急車が駆け付けます,24時間,いつでも専門医がしっかりと診察します,ハイリスク分娩にも高度な医療体制で対応します,このような市民との約束を掲げることができれば,京都市は医療によって選ばれるまちになるはずです。日本最速の救急車到着時間の実現,市立病院の看護師確保,ヘリポートの早期運用開始など今ある課題にはしっかりと対応し必要な投資を行うとともに京都の恵まれた医療環境をいかして安心医療都市京都を実現する。ぜひ門川市長が先頭に立ち,PRも含めこの取組を進めていただきたいと思いますがいかがでしょうか。 2点目の質問に入ります。2月定例会の市長総括質疑では,庁内分権,特に区役所の権限強化について議論をいたしました。今回は更にもう一歩踏み込んだ地域分権について質問いたします。今,幾つかの自治体では地域に権限や予算を移譲し,地域のことは地域が責任を持ってまちづくりを進めていこうという取組が行われております。 事例を紹介いたしますと,大阪の池田市では,自分たちのまちは自分たちでつくろうという掛け声の下,11ある市内の小学校区全てに地域コミュニティ推進協議会が設立され,各学区600万円から700万円程の予算提案権が付与されました。市全体では個人市民税の1パーセントに当たる約7,000万円が上限として設定されています。この地域コミュニティ推進協議会は,自治会やPTAなど地域の各種団体と地域住民とが連携し自発的に活動するための組織として設立されました。地域の各種団体と対等の関係の中で,各種団体のネットワーク化,相互補完を図り,それぞれの地域の特色をいかした組織とするとされています。なお,メンバーは公募制で選ばれます。市はこの協議会から出された提案について,法令や条例等,現行制度との整合性,公正公平性の確保の観点から審査を行い,実施する必要があると認められる事業について予算面をはじめ必要な措置を講じ,それらについて協議会に報告します。最終的には議会で予算が承認されて執行されるという流れです。実際に実施された事業としては,安全パトロールカーの購入,運行,道路の歩車道分離のカラーペイント,防犯灯,防犯カメラの設置,住民交流事業の実施など多岐にわたりますが,住民の身近な課題に対応した事業であると言えます。この制度を導入した倉田元池田市長はいずれは各学区1億円規模の予算提案権に拡大したいとおっしゃっておりました。 三重県の名張市では平成15年から「ゆめづくり地域予算制度」という名前で同様の取組が進められてきました。地区公民館を単位とする15の地域で地域づくり組織が設立され,この制度を担っております。予算の規模は400万円から1,500万円と大きく,地域づくり組織の構成も地域により異なります。地域の企業も巻き込んだ取組が進められていることも大きなポイントの一つです。平成14年に財政非常事態宣言を発令し,行財政改革が求められる中で,この予算制度が創設されたことも注目しなければなりません。このゆめづくり地域予算制度の財源はこれまで各地域に交付していた補助金を廃止し,その分を充当し運用されてきました。地域の実情に応じた優先順位の下,活動が進められたことにより,市民の満足度も高まり,補助金の廃止による悪影響も出なかったとのことです。そして最大の成果として地域住民の行政頼み,補助金頼みの意識が減り,コミュニティ意識が強くなったことにより自ら考え自ら行うという機運が高まりました。 以上,代表的な事例を御紹介いたしましたが,確かにこれらの取組は比較的歴史の浅い新しい試みだと言えるかもしれません。ただ,そもそも公共とは何かを考えたとき,この取組は何も新しい取組ではなく,原点に立ち返った取組であると言えるのではないでしょうか。自分でできることは自分でする,地域でできることは地域でする,そして市でしかできないことを市がする。府も国も同様です。この原点に立ち返った役割分担の見直しこそが,地域主権改革の議論においても本質であるべきです。そして,道州制や特別自治市といった大きな枠組みの議論ももちろん大切ではありますが,こういった地域分権や庁内分権の議論こそが,これからの公共を考えるうえで正しい答えを導き出すはずです。 今,少子高齢化時代を迎え,厳しい財政状況を真正面から見据えたとき,支出の削減は避けて通れない道であります。では,支出の削減と同時に,公共の役割を削減してもいいのかと言われれば,答えは逆で,むしろ公共の役割というものはますます求められるようになってくるでしょう。だからこそ,その公共を誰がどのような形で担っていくのかということを本格的に見直さなければならない時期を迎えているのです。今回テーマに選びました地域分権,この考え方は市長が掲げておられる共に汗すると書く,共汗という考え方の究極形だと私は認識しております。京都市では100人委員会や区民提案共汗型まちづくり支援事業など実験的な取組も既に行われていますが,それらを更に大きく進化させるべきときに来ているのではないでしょうか。これらの事業には約2億5,000万円程予算が付けられておりますが,このほかにも地域に使われている予算を今一度大きく見直し予算を捻出したうえで,それぞれの地域が地域の実情に合った形で優先順位を決め,地域自ら実施していける仕組みを構築していくべきです。町衆精神の宿るこの京都から,誇り高き主権者に権限と責任を移譲し,あるべき公共の姿を日本全国に示す,これこそが私は京都という町の歴史的使命ではないかと考えます。この歴史的使命を果たすべく,日本の夜明けに向けた大きな一歩を踏み出していただきたいと思いますがいかがでしょうか。 以上で私,佐々木たかしからの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 佐々木たかし議員の御質問にお答えします。 安心医療都市・京都の実現についてでございます。佐々木議員におかれましては京都市の救急医療や周産期医療体制を詳細に御調査いただき誠にありがとうございます。東京オリンピック招致に当たって日本の優れた精神文化であるおもてなしが改めて注目されております。おもてなしの原点であるここ京都において,訪れる多くの観光客の皆様への究極のおもてなし,これは安心安全の確保であります。そこで急病のときにも迅速に適切な医療を提供する体制を構築してきております。同時にこれは観光客の皆様のみならず,何よりも京都で生活しておられる市民の皆さんが安心して充実した医療をお受けいただく体制でもあります。佐々木議員御指摘のとおり,こうした京都市の恵まれた医療環境を更に充実させるとともに,積極的に広報,アピールしていくことは大変重要であると私も認識しております。 本市では,土日祝日も運営する京都市救急急病診療所を早くから開設するとともに,患者さんのいわゆるたらい回しを防ぐために,本市と市立病院,また民間病院等が協定を結び,京都市から補助金を支出して61の病院がベッドを確保して重症患者を持回りで受け入れる仕組み,病院群輪番制を構築し,休日や夜間を含めた全市的な救急医療体制の確保をしております。また,市内の看護師養成所への補助を行い,看護師の養成を支援するとともに,京都市立看護短期大学の教育的支援を継承した京都看護大学の来年4月の開学に向け鋭意取り組んでおります。平成23年に地方独立行政法人化した京都市立病院につきましては,法人化のメリットを最大限にいかし,内藤理事長を先頭に病院関係者が一丸となり患者さんの立場に立った改革を推進しております。例えば平成22年度から25年にかけて医師について148人から197人へ大幅に増員し,また,看護師についても458人から471人へと増員するなど改正を充実し積極的な病院経営に取り組んでおります。さらに本年4月には救急医療機能や周産期医療機能を大幅に拡充した新館を開設したところであります。この新館の本格的な機能の発揮のため,専門知識を有する看護師の更なる確保等に現在取り組んでおります。また,新館整備に伴い屋上に設置したヘリポートにつきましては今月15日から運用を開始することとし鋭意準備を進めております。 次に,佐々木議員御指摘の救急車の到着時刻でございますが,救急車の出動件数はこの10年間で1万2,000件増の7万8,000件,大幅に増加している状況であります。このような中,体制の充実を図り京都市全体における救急車の現場到着の平均時刻は全国平均の8分台に対して6分台を維持しております。引き続き市内の救急活動の実態を詳細に分析し救急体制の強化を図るなど現場到着時間の短縮に努めてまいります。今後とも救急体制と市立病院をはじめとする病院の取組を進化させ,また連携を深め,脳疾患や心疾患などの救急対応や周産期医療の充実を図ってまいります。そして赤ちゃんから妊娠されている御婦人,また高齢者に至る全ての市民の皆さんに,さらには観光客の皆様を含め誰もが安心して迅速に適切な医療を受ける京都市の取組を更に進化させ,安心医療都市・京都の姿を積極的に広報してまいります。 次に,地域分権につきましては,現在,各区長を先頭に区役所が区民の皆さんと共に努力しております。区長から副市長に就任しました副市長から御答弁します。 ○議長(橋村芳和) 藤田副市長。 〔藤田副市長登壇〕 ◎副市長(藤田裕之) 地域分権についてでございます。京都は,住民自治の歴史が古くは町衆の登場に始まり,また明治2年に番組小学校が設立されて以降,学区単位の地域コミュニティが全国に先駆けて成立し,それが今も脈々と引き継がれ,更に市内周辺部においても定着している全国にも例のない大都市でございます。佐々木議員御指摘のとおり近年全国各地で新たな地域コミュニティを創設しようとする動きがございますが,既にここ京都では,京都が誇る地域力と,それを支えてこられた人間力をいかし,市民の皆様が地域において自らの知恵や力を出し合い個性をいかしたまちづくりを進めていただいております。さらにそうした取組を発展させていくことが今重要であると考えております。同時に京都ならではの市民力をいかし,従来の学区単位の地域コミュニティの枠組みのみに捉われない様々な立場や経験をお持ちの市民の皆様が集われ,京都のまちづくりの諸々の課題の解決に主体的に取り組んでおられる未来まちづくり100人委員会活動も展開されております。また,この100人委員会と同様の手法を取り入れ,各区役所・支所におきまして学生や若者,子育て世代など幅広い区民の皆様がまちづくり等についての意見交換を行い,自ら実践を行うまちづくりカフェ事業など区民まちづくり会議の取組も広がりつつございます。さらに,各学区におきましては安心安全の観点から市内411箇所の避難所における地域住民の皆様自らが設営し運営される避難所運営マニュアルの策定が順次進められるとともに,環境面におきましても地域ぐるみでライフスタイルを転換させていくエコ学区事業の市内222全学区における実施に向けた取組が進められるなど地域自治の伝統の裏付けられた京都ならではの取組が進められております。こうした地域力や市民力によるまちづくりを更に進めていくため,本市では自分たちのまちは自分たちでつくっていくという地域住民によるまちづくりを区役所がしっかりと支えていく仕組みとして地域主権時代にふさわしい区民提案共汗型まちづくり支援事業予算を創設したところでございます。制度創設の初年度であります平成24年度におきましては,区民の皆様自らが企画し実践される提案型支援事業として178の事業が各地域で取り組まれ,真に地域が主体となったまちづくりが着々と進められております。また125に及ぶ区民の皆様や学生,NPO事業者等と各区役所・支所が協力,共同して取り組む多彩な共汗型事業が力強く進められたところであり,既に多くの成果が上がってきております。今後ともそうした市民の皆様と共に汗する共汗の精神の下,子供たちからお年寄り,障害のある方等,全ての市民の皆様が生き生きと安心して暮していただけるまち京都の実現に向け,全国をリードする京都ならではの地域力,市民力をいかした取組を多くの市民の皆様の御参画の下,区役所・支所を中心に,また区長を先頭に全庁挙げて推進してまいります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 次に,市政一般について,江村理紗議員に発言を許します。江村議員。 〔江村理紗議員登壇(拍手)〕 ◆(江村理紗議員) 右京区選出の江村理紗でございます。地域政党京都党市会議員団を代表して市政一般に対し質問いたします。 まず初めに,9月15,16日の台風18号における嵐山の風評被害について触れさせていただきます。桂川の氾濫により嵐山の渡月橋付近の様子が繰り返しテレビ報道で流されましたが,現在は地域住民の方々の迅速かつ懸命な御努力もあり急速に復旧しております。しかし有名観光地であるがゆえに浸水被害の印象が助長されてしまい,嵐山の旅館やお店には,今でも「水に浸かった器はどうされるの」など心ない問合せもあるとお聞きしております。また,中には,嵐山全体には当分行けないほど壊滅的な被害を受けているのではないかとの誇張認識もあるようです。しかし,台風の影響はごく一部であり,この秋も紅葉が美しくすばらしい観光を満喫してもらおうと地元では懸命な努力が続けられているところです。そのため,京都市としても,何とか今回の風評被害に打ち勝つ後押しを引き続きよろしくお願いいたします。 続きまして,決算全般に対しお尋ねいたします。京都市の平成24年度決算は,一般会計の実質収支が19億円の黒字であるため臨時財政対策債を除く実質市債残高においてもピーク時には2兆円以上にまで膨らんでいたところから,現在では1兆8,786億円へと縮小しております。しかし財政力指数は,政令指定都市の中でも7番目と依然として低く,その分ほかの指定都市と比べても国の地方交付税に依存せざるを得ません。肝心の地方交付税は,近年交付額が増えているものの,気になるのは臨時財政対策債の割合です。平成22年度から臨財債の割合は一気に増加し,平成24年度においても実に40パーセントを占めております。これにより現在京都市の臨財債は累計2,728億円に上り,全会計の市債残高も臨財債を含めると2兆1,514億円と平成14年度の実質市債残高のピーク時を上回っています。こういった市民,国民に見えにくい借金を生み出してしまったのは国の責任ですが,地方がこの対処にすがりすぎるのは危険です。そのため現在の法定率引上げの主張も必要ですが,例えば鳥取県では市のホームページにも示されているように,あくまでも臨財債は地方自治体の責任において行う借金であるという認識に立ったうえで,借金の状況については住民の監視が必要であることを示すべきです。また三重県松阪市のように,できるだけ臨財債に依存したかじ取りをせず,事業の中身を徹底して精査し全体の予決算総額を抑制する努力が重要だと考えます。もちろん臨時財は国が満額返済すべき債務です。しかし現状としてあくまで市が起債していることからも,私たち京都党としては,通常の市の借金と同じ重みで取り扱うべきだと考えます。そのうえでお尋ねいたします。市長は,適切な財政運営を行うために,今回の臨財債を含む決算にどのように向き合われたでしょうか,また今後この臨財債の取扱いについてどのようにお考えでしょうか,この2点についてお示しください。 次に,今年度に入り相次いで発生している京都市職員の不祥事についてお尋ねいたします。本来不祥事や逮捕者はゼロが当たり前のはずですが,今年度は消防局の男性職員が逮捕されたことに始まり,既に5人の職員が逮捕され,昨年の2倍以上となっています。京都市は,市長直轄の監察監を設置し業務監査体制の強化を図ることとしておりますが,この対応だけでは不十分な感は否めません。一つ間違えば不祥事が多発して市民や報道機関から厳しい指摘を受けた平成18年,19年度と変わらない事態です。昨年度より,我々京都党は,不祥事の横行した現業職の新規採用に対し,信頼回復と再生のための抜本改革大綱を守るよう指摘し続けてまいりましたが,京都市は,「改革大綱の事項は既に満たしている」とし新規採用に踏み切りました。しかし今回の不祥事について先日の経済総務委員会では,「改革大綱が形骸化していた」との御答弁もあり,局によって改革大綱の認識に差があるのではないかと危惧しております。市長はこの御答弁についてどうお考えでしょうか。改めて改革大綱を重視すべきなのではないでしょうか。それに伴って,現業職の新規採用を再開すべきではないと考えますがいかがでしょうか。お答えください。 次に,国内でも急成長しているMICE観光について,今後の京都市の更なる戦略強化に向けお尋ねいたします。国際会議や展示会など多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどを意味するMICEは,例えば神戸国際観光コンベンション協会が2009年に調査した結果から,「通常の観光に比べMICE観光客は一人当たり7倍の経済効果をもたらす」と発表されるなどその経済効果は絶大です。一般の観光と異なり広範な分野に多大な経済波及効果をもたらすために,JNTO日本政府観光局によると,日本では1万人規模の国際会議が開催された場合の経済波及効果は約38億円との見込みも示されております。そのため近年国内では横浜市や福岡市が急激に誘致数を伸ばすなど,MICEの誘致競争は更に高まっております。 京都市は国内としては早い段階からMICE誘致に取り組み,高い歴史性と文化性から国際会議などの開催地として潜在的ニーズは非常に高く,今年観光庁が選定したグローバルMICE戦略都市の5都市のうちの一つともなっています。ただ2012年の京都市のMICE誘致件数は189件と前年比138パーセント増でしたが,おととしの東日本大震災による落ち込みからの回復幅が大きく,専らの目標は,未来・京都観光復興計画2010+5で定めているとおり,2014年度までに年間の国際会議開催数250件を目指すことです。そのためにはまず会場のキャパシティ拡大のための京都国際会館の拡充はもちろんのこと,中小規模のMICE受入れに向け大学へ国際会議主催を促す積極的なアプローチが必要です。また,MICEはとにかく開催地ならではのおもてなしが成功条件のため,例えばMICEに積極的な都市として二条城の1月,7月,8月,12月の火曜日休業には受入れ難いものがあります。文化財保護とはいえ,多くの外国人が二条城前で観光の予定を狂わせられている姿は非常に申し訳なく,また観光都市としてもったいなく感じます。そのほかにも京都市は国際会議,イベントに付随して楽しんでいただくための体験型の観光とも言えるエクスカーションにもっと力点を置くべきです。京都市よりも国際会議の誘致数を上回る東京都や福岡市では伝統文化の体験や観光スポット巡りなど豊富なエクスカーションコースがホームページでも大々的に紹介されています。本来,日本文化に触れ,観光を楽しんでいただくことは京都市は得意とするはずですが,その価値をPRし切れていないため,今後は海外の有力旅行代理店への更なる売込みの一層強化を図り,テーマ別に豊富なプランを提供したうえで世界各国とのコネクション作りに励まなければなりません。そのためにはもちろんコンベンションビューローの組織強化も必要です。また,新たに実施しているムスリム観光客誘致のための宗教上の配慮も大変重要な取組であるため,今後更に枠を広げる価値があると思います。以上のことから,エクスカーションの充実及びキーマンへのコネクション作り,受入環境の充実に向け組織強化も含め次年度予算を増強すべきと考えますがいかがでしょうか。今後,MICE誘致戦略を財政収入の一つの柱とするためにも,市長の御決意をお示しください。 続いて,京都市の世界無形文化遺産について質問させていただきます。京都市では,古都京都の文化財として17の社寺が世界遺産として,また祇園祭が無形文化財としてそれぞれ登録されています。また,新たに府市協調で,京の食文化の無形文化遺産登録に向けた動きも始まり市民の期待が高まっているところです。しかし,社寺などの有形文化に比べ,無形文化に分類される社会的慣習や儀式,祭礼行事は世界遺産の登録数が圧倒的に少なく,それというのも文化財行政として有形文化の保護法の適用はしやすい一方,無形文化においてはその価値をどのように継承,保護していくかの定義が難しいというのが根本にあります。しかし,ソフトパワーの宝庫として世界に誇るべき無形文化にあふれる京都だからこそ,国内の先頭に立って無形文化の価値を伝えていくべきではないでしょうか。 そこで今回,京都市の誇るべき無形文化として非常に象徴的な五山送り火を国内の世界遺産登録暫定リストに加えることを御提案させていただきます。もともと送り火そのものは,盆の翌日に行われる仏教的行事であり,再び死後の世界に帰る精霊を送るという意味を持つ盆行事の一形態です。五山の山々にそれぞれの歴史が伝えられておりますが,その起源には平安初期,室町中期,江戸初期と,俗説も様々で確かな記録も残されていません。しかしそれは,五山送り火が宗教的行事でありながらも,ある意味,宗教という枠を超えて地元の人々によって始められ受け継がれてきたため記録にとどめられなかったのではないかとも考えられています。そして現在,数百年という歴史を市民によって受け継がれているのです。また,大文字は,例えば車で京都市に入った際にカーナビで画像が表示されるほど全国的にも京都を象徴するイメージと言え,京都市民にとっても祇園祭と共に京のだいご味を感じることができる夏の風物詩です。私は,この五山送り火の持つ類いまれな歴史が,長い年月を掛け市民の努力により作り上げられてきたことに敬意を表するとともに,その仏教的意味,伝統,地域力などは,今後,日本,そして京都の持つソフトパワーを発信する大きな力になると信じおります。 世界遺産の登録は,改めて対象物の文化的価値を高めるとともに,そのネームバリューを国内外にアピールする絶好の機会になります。日本や世界中から旅行者が訪れ,近隣の住民の勢いや士気も活気付き,正に人,物,お金の好循環を生み出します。今まさにユネスコの世界文化遺産登録により周辺地域に莫大な経済効果をもたらしている富士山がその例です。そしてまた世界から保存活動に対する理解も得られるため,援助も受けやすくなります。世界遺産への登録を目指すためには,周辺環境をグローバルな視点から見詰め直す必要があるため,伝統を重んじてまちづくりを行ってきた京都市といえども決して簡単なことではありません。しかし,日本の文化の都でもある京都の地域風土や伝統を後世につないでいくためにも,市民の力だけでなく行政においても揺るぎない努力が必要です。 そこで最後にお尋ねいたします。京都に訪れてこそ感じる魅力を象徴する無形文化を,今後更に世界へ発信するべきだと考えますがいかがでしょうか。また京都市として五山送り火を世界無形文化財にできるよう国の暫定リストへの追加に向け取り組んでみてはいかがでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。 以上で私の質問を終えます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) 門川市長。 〔門川市長登壇〕 ◎市長(門川大作) 江村理紗議員の御質問にお答えします。 技能労務職の採用についてでございます。私は,市長就任以来,民間でできることは民間にを基本方針として徹底した行財政改革を断行してまいりました。現在,14業務ある京都市の技能労務職の業務についてもその方針に基づき,そのうちの12業務については民間委託を積極的に進め,今後一切採用はいたしません。残るごみ収集業務と道路,河川等の維持管理業務の2業務に限っては,今回の台風18号の被害のように市民の暮らしと安全を守る基礎的な業務であることから,必要最小限の体制を直轄で維持することとし,少数精鋭の体制を構築するために少数の職員の採用を試行的に再開したものであります。今後の採用につきましては,この試行採用の検証結果や業務執行体制の見直し状況,またごみ収集の在り方検討委員会の御意見等を踏まえまして判断してまいります。 次に,抜本改革大綱の取組についてでございますが,全力を挙げて取り組んだ結果,不祥事を抑制する仕組みや制度は整えい,職場の組織風土は大きく変わり,多くの職員が生き生きと頑張っております。しかし今年度に入り一部の職員による公務外,職務外での非行をはじめとした不祥事が続きました。ざんきに堪えません。これは大綱の取組が形骸化したのではなく,職場ごとの危機管理意識に温度差が生じていること,この間,不祥事が激減したことで一部の職員の間に緊張感が緩んでいることなどがその一因であると考えております。このため今般全庁的な監察体制の強化を図ったところであり,これまで成果を挙げてきた様々な取組を徹底的に点検し直し,魂を入れ,緊張感と使命感がそれぞれの職場の隅々まで行き渡るようしっかりと取り組んでまいります。 以下,副市長及び関係理事者が御答弁申し上げます。 ○議長(橋村芳和) 平口副市長。 〔平口副市長登壇〕 ◎副市長(平口愛一郎) 臨時財政対策債についてでございます。臨時財政対策債は,地方交付税の代替として国の算定方式に基づき機械的に配分されるものであり,この方式が22年度から25年度に掛けて人口に基づく配分から財政力に基づく配分へ変更されたことから,発行額が年々増加しております。ただしその元利償還の全額を国が責任を持って地方交付税で措置することが法令で決められており,現に毎年度実行されております。こうしたことから本市では,臨時財政対策債を除く実質的な市債の発行をコントロールすることで将来世代に過度な負担を残さないこととしており,24年度決算でも実質的な市債残高を前年度から全会計で302億円,一般会計で178億円縮減いたしました。引き続きこの実質市債残高を縮減してまいります。現在の地方財政制度は各地方自治体ごとに標準的な歳出に対する歳入の不足額である財源不足額を算出し,それを国により各自治体ごとに地方交付税と臨時財政対策債に配分し,両者により財源不足額を埋めることとされております。このような制度下においては,地方交付税と共に臨時財政対策債を活用せざるを得ません。しかしながら地方の財源不足は地方交付税で対応すべきものであり,地方交付税の法定率の引上げと臨時財政対策債の廃止を求めてきており,これまで以上に強く国に求めてまいります。なお,臨時財政対策債の発行額や残高につきましては,ホームページなどにより市民の皆様にお示ししているところであります。 ○議長(橋村芳和) 村上観光政策監。 〔村上観光政策監登壇〕 ◎観光政策監(村上圭子) 国際会議や大規模イベントの誘致をはじめとするMICE戦略の強化についてでございます。本市においては平成22年日本初となるMICE戦略を策定するとともに,昨年4月には民間から人材をヘッドハンティングし市職員の派遣を増強するなど京都のコンベンションビューローの体制を抜本的に強化し,国際観光客と国際会議の誘致に総合的に取り組んでおります。さらに京都の強みである寺院や庭園をいかした会場の活用や観光地を巡る多様なエクスカーションの紹介,キーパーソンとのネットワークづくりなど積極的に行ってきた結果,世界的なラグジュアリー層向けの旅行商談会であるILTMの日本での初開催や国からのグローバルMICE戦略都市への選定など大きな成果を挙げてまいりました。また,受入環境の整備として,今後急激な成長が見込まれる東南アジアをはじめとするイスラム圏からの観光客に関し事業者との意見交換会の実施をするなど先進的な取組を展開しているところでございます。国際会議を誘致するには,少なくとも3年から4年先を見据えた取組が必要であることから,早急に開催地決定の要因や開催効果の分析を詳しく進めるなどMICE戦略の更なる高度化を図り,国際会議等の誘致の拡大に努めてまいります。以上でございます。 ○議長(橋村芳和) 平竹文化市民局長。 〔平竹文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(平竹耕三) 無形文化遺産の取組についてでございます。京都には世界文化遺産に登録されている寺院,神社や二条城に代表される有形の文化財だけではなく,世代を越えて暮らしの中で伝えられている数多くの無形文化遺産があります。これらを世界に発信することは日本文化の原点と言える京都の責務であり,京都観光を振興する上でも極めて重要な取組であると認識しております。無形文化遺産のうち能,狂言や祇園祭,六斎念仏などは国の文化財に,五山の送り火や各地の松上げ,剣鉾差しなどは京都市の文化財に指定登録し,その維持継承と魅力発信に努めております。これに加えて今年度京都市独自の無形文化遺産制度を創設し,第一号として京の食文化を選定し,今後,花街の文化や地蔵盆を取り上げ,京都ならではの無形文化遺産の価値を広く発信することとしております。 江村議員御提案の京都五山の送り火は,そのスケールや歴史の長さなどから京都を代表する無形文化財であり,本市としていち早く昭和58年に民俗文化財に登録し,その維持継承,内外への発信を支援しております。なお,ユネスコ無形文化遺産への登録につきましては,まずは国の文化財に指定されることが必要であり,その可能性について文化庁をはじめ関係者と既に研究しているところでございます。以上でございます。 ○議長(橋村芳和) これをもって一般質問を終結いたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) この場合,日程の追加についてお諮りいたします。 ただ今お手元に配付してあります文書のとおり,日程第1から日程第3までを本日の日程に追加し,これより上程いたしたいと思いますが御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋村芳和) 御異議なしと認めます。よってこれより順次上程することといたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 日程第1,議第184号ないし議第187号 平成25年度京都市一般会計補正予算,ほか3件,以上4件を一括議題といたします。 予算特別委員長の報告を求めます。予算特別委員長山本恵一議員。 〔山本予算特別委員長登壇(拍手)〕 ◆予算特別委員長(山本恵一) 本委員会に付託されました議第184号平成25年度京都市一般会計補正予算,ほか3件につきまして,審査の経過と結果を御報告申し上げます。 当委員会といたしましては,付託を受けました去る9月30日の本会議終了後,直ちに委員会を開会し,第1分科会では環境政策局,行財政局,文化市民局及び産業観光局に対し,第2分科会では保健福祉局及び建設局に対して,第3分科会では消防局及び上下水道局に対してそれぞれ質疑を行い,10月1日に各分科会の報告を受けた次第であります。 今回の補正予算は,台風第18号による被害に対し,スピード感を持って的確に対応するため,第一弾の緊急財政措置として被災者等の住宅再建に係る支援や中小企業者等への金融支援,都市生活基盤の迅速な復旧に要する経費及び早期に復旧した京都の姿を全国に向けてPRするための経費等について国庫支出金等を財源として41億7,800万円を補正しようとするものであります。 以下,審査の過程において論議されました主な事項について順次申し上げます。 まず,被災者へのきめ細かな支援につきましては,被災者の実態を踏まえた申請しやすい体制の構築,被災者の心情を踏まえて床上・床下などの被災区分を柔軟に判断する必要性,住宅再建にとどまらない生活再建のための支援制度拡充の要請などについて質疑や御意見がありました。 次に,被害を受けた中小企業者等への復旧支援につきましては,府及び金融機関と連携した融資制度周知の必要性,緊急融資制度における更なる金利引下げの検討,融資ではなく補助制度拡充による中小企業対策の必要性などについて質疑や御意見がありました。 次に,道路等の都市生活基盤の迅速な復旧につきましては,今回の水災害を教訓とするための総括の必要性,琵琶湖第一疏水への土砂流入の原因究明の今後の対策を検討する必要性,流量の増加だけではなく水位の上昇などダム放流の下流への影響の分かりやすい説明,地域の住民の安心安全の確保のために関係局で連携し水路等の点検を行う必要性,土砂崩落等今後の二次災害を防ぐための関係機関との連携強化,河川のしゅんせつや堤防のかさ上げ等日常からの治水対策の必要性,河川敷にある運動公園の早期復旧,再開の必要性,浸水ごみの収集量と処理に要する期間の見込み,市民からの浸水ごみ収集に関する問合せ状況及び京都いつでもコールとの連携,高規格救急車及び小型動力ポンプ付き積載車の納入までの対処方法などについて質疑や御意見がありました。 次に,早期に復旧した嵐山をはじめとする京都の観光PRにつきましては,早期に復旧した京都の姿をPRする事業の早期着手,全国の商工会議所等と連携した風評被害対策にとどまらない観光情報発信を行う必要性などについて質疑や御意見がありました。 これらのほか,議員報酬削減分を今回の補正予算の財源である財政調整基金の取崩しに補填する考え,災害時におけるフェイスブック等を活用した情報発信の必要性などについて質疑や御意見がありました。 概略以上のような審査の後,更に各会派において御検討いただき,その結果を昨日の委員会で御発表いただいたところ次のとおりでありました。すなわち自民党,共産党,民主・都みらい,公明党,京都党の各議員団及び無所属2名の委員は,議第184号及び185号については共同して修正する,そのほかの議案2件につきましては原案のとおり賛成するとのことでありました。そこで直ちに表決を採りましたところ,ただ今お手元に配付しております委員会報告書のとおり,議第184号及び185号については全会一致をもって修正可決すべきものと決定し,残余の議案2件につきましては全会一致をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決定した次第であります。 次に,委員会の修正内容について申し上げます。修正の内容は,2月市会において全会一致で決定しました議員報酬の1割削減により生じた7,900万円を今回の台風第18号による被害への対応策の財源に活用し,財政調整基金の取崩額を減額しようとするものであります。 以上であります。これをもって委員長報告を終わります。(拍手) ○議長(橋村芳和) これより討論を行います。発言の通告がありますので,これを許します。桜井泰広議員。 〔桜井泰広議員登壇(拍手)〕 ◆(桜井泰広議員) 自由民主党京都市会議員団は,議第184号及び議第185号の委員会修正案について賛成するとの態度を表明いたしております。私は,議員団を代表して賛成討論を行います。 今回市長から提案されました補正予算案は,台風18号による被害に対し,スピード感を持って的確に対応するための第一弾の緊急財政措置として,被災者へのきめ細かな支援,被害を受けた民間社会福祉施設や中小企業者等への復旧支援,道路等の都市,生活基盤の迅速な復旧,早期に復旧した嵐山をはじめとする京都の観光PRに要する経費等が盛り込まれています。この内容は,我々自由民主党京都市会議員団が市長に対し緊急要望した多数の事項が含まれており,速やかに御対応いただいたことを評価いたします。また,地域団体や災害ボランティア,関係機関との連携と協働により,被災者の生活再建はもとより,公共土木施設の復旧,観光業や農林業の復興等に全力で取り組んでいるとする京都市の,必要なところに必要な施策を迅速にかつしっかりと実施する姿勢に,我が自由民主党市会議員団としても賛同するところです。 ただし,市民生活はまだまだ再建とまでは至っていないのが現状です。桂川や中小河川の氾濫による約1,200件の建物の床上・床下浸水被害,土砂崩れ,農地の冠水,道路橋の落橋,地下鉄東西線御陵駅への浸水など京都市内の至る所で大きな被害を受けました。京都市はいち早く被災ごみの処理や緊急融資などを実施されていますが,いまだ9行政区において通行規制が掛けられていることや文化財等への甚大な被害が認められるなど,現在でも完全復旧とは言い難い状況にあります。今回の台風18号の被害は,10年に一度とも言われる大きな被害であり,私どもとしては何とかして市民生活に寄り添い,被災した市民が日常生活に一日も早く戻れるよう最大限支援を行っていく必要があります。そこで議会として提案するのが今回の修正案です。 引き続き厳しい京都市の財政状況の中で,本市は,国補助の上乗せや法の対象外の被災者の方々に対しても幅広く支援を行うため,また,速やかな災害復旧のため積極的に補正予算案を組まれました。そしてその財源のうち2億3,600万円につきましては財政調整基金の取崩しにより確保されていますが,この財政調整基金は,年度間の財源の調整を図り本市財政の健全な運営に資するために設けられた大切な貯金といった性質のものであり,その取崩しはできるだけ少なくするべきものでもあります。そこで,今回の補正予算の審議に際しましは,私ども議会といたしても本年2月市会において自らが決断した議員報酬の1割削減によって生じた7,900万円を活用することを慎重に検討した結果,それを台風18号による被害への対応策の財源に充当させることで財政調整基金の取崩額を減額させることを全会派一致で決定したものであります。 この補正予算の執行に当たっては,こうした私たち議会の判断を重く受け止め,被災した市民の一日も早い生活再建と共に市民の要望に迅速に応えていただき,市内河川等の一層の洪水対策や雨水幹線の整備充実などにも取り組まれることを求めますとともに,今回の災害において見受けられた防災情報の伝達方法や避難所に避難された市民の少なさなどといった課題に対しても速やかに見直しを行っていただきたいと思います。 引き続き,我が自由民主党京都市会議員団といたしましても,市民生活の安心安全の向上と京都市財政の健全化に全力で取り組む決意を表明し賛成討論とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(橋村芳和) これをもって討論を終結いたします。 これより表決を採ります。まず議第184号及び185号を一括表決に付します。本案は,委員会の修正案のとおり,修正することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋村芳和) 御異議なしと認めます。よって本修正案は可決されました。 次に,ただ今議決いたしました修正部分を除く残余の部分は原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋村芳和) 御異議なしと認めます。よって本案の修正部分を除く残余の部分は原案のとおり可決されました。 次に,残余の議案2件を一括表決に付します。本案は,委員長報告のとおり,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋村芳和) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 日程第2,市会議第29号台風18号による豪雨災害に関する意見書の提出についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は,議案の説明及び委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(橋村芳和) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 日程第3,市会議第30号京都御苑周辺の環境保全に関する決議についてを議題といたします。 お諮りいたします。本案は,議案の説明及び委員会付託を省略のうえ,原案のとおり可決することに賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕 ○議長(橋村芳和) 多数であります。よって本案は,原案のとおり可決されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(橋村芳和) 本日は,これをもって散会いたします。 〔午後4時29分散会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~          議長    橋村芳和          副議長   隠塚 功          署名議員  とがし 豊          同     国本友利 △(イメージ)請願文書表「受理番号172」「市営保育所の民間移管反対等」・請願文書表「受理番号173」「市立工業高校の統合校設置候補地の再検討」 △(イメージ)請願文書表「受理番号174」「マンション建設の指導(南区久世高田町)」・予算特別委員会報告書 △(イメージ)予算特別委員会報告書・市会議第29号「台風18号による豪雨災害に関する意見書の提出について」 △(イメージ)市会議第29号「台風18号による豪雨災害に関する意見書の提出について」・市会議第30号「京都御苑周辺の環境保全に関する決議について」...