京都市議会 > 2005-02-24 >
02月24日-02号

  • 児童虐待(/)
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  1. 京都市議会 2005-02-24
    02月24日-02号


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    最終取得日: 2021-07-19
    平成17年  2月 定例会(第1回)       平成17年第1回               京都市会会議録 第2号       (定例会)           平成17年2月24日(木曜日)出席議員(64名)   1番 村山祥栄議員   2番 湯浅光彦議員   3番 隠塚 功議員   7番 田中セツ子議員   8番 樋口英明議員   9番 宮田えりこ議員   10番 加藤あい議員   11番 木村 力議員   12番 曽我 修議員   14番 山岸たかゆき議員   15番 砂川祐司議員   16番 安孫子和子議員   17番 津田大三議員   18番 中川一雄議員   19番 田中英之議員   20番 中村三之助議員   21番 玉本なるみ議員   22番 赤阪 仁議員   23番 くらた共子議員   24番 河合ようこ議員   25番 久保勝信議員   26番 津田早苗議員   27番 竹内ゆずる議員   28番 井上教子議員   30番 宮本 徹議員   31番 加地 浩議員   32番 橋村芳和議員   33番 小林正明議員   34番 加藤盛司議員   35番 繁 隆夫議員   36番 富 きくお議員   37番 せのお直樹議員   38番 井坂博文議員   39番 岩橋ちよみ議員   40番 井上けんじ議員   41番 西野さち子議員   42番 柴田章喜議員   43番 久保省二議員   44番 大道義知議員   45番 日置文章議員   46番 谷口弘昌議員   47番 今枝徳蔵議員   48番 鈴木マサホ議員   49番 小林あきろう議員   50番 内海貴夫議員   52番 磯辺とし子議員   54番 井上与一郎議員   56番 北山ただお議員   57番 山中 渡議員   58番 藤原冬樹議員   59番 倉林明子議員   60番 山本正志議員   61番 佐藤和夫議員   62番 ふじい佐富議員   63番 宇都宮壮一議員   64番 山口幸秀議員   65番 高橋泰一朗議員   66番 椋田知雄議員   67番 中村安良議員   68番 北川 明議員   69番 国枝克一郎議員   70番 西脇尚一議員   71番 青木ヨシオ議員   72番 加藤広太郎議員欠席議員(2名)   51番 巻野 渡議員   55番 川中増次郎議員欠員(3名)   議事日程   開議日時 平成17年2月24日(木)午前10時第1 議第1号ないし議第22号,議第24号ないし議第27号,議第31号ないし議第34号,議第37号ないし議第50号,議第52号ないし議第58号,議第60号,議第61号,議第63号ないし議第67号,議第69号,議第71号,議第72号,議第79号ないし議第81号,議第84号,議第86号ないし議第91号,議第93号ないし議第124号及び議第239号 平成17年度京都市一般会計予算 ほか103件~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕 ○議長(田中セツ子) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、席上に配付致しておきました。 本日の会議録署名者を指名致します。津田大三議員と隠塚功議員とにお願い致します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中セツ子) この場合、議長から御報告申し上げます。 市長から澱川右岸水防事務組合及び桂川・小畑川水防事務組合の議会の議員の任期満了に伴う選挙の依頼が参っております。 次に今回受理致しました請願3件は、お手元に配付してあります文書表のとおり、所管の常任委員会に付託致します。 以上、御報告申し上げます。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中セツ子) 日程に入ります。 日程第1、議第1号ないし議第22号、議第24号ないし議第27号、議第31号ないし議第34号、議第37号ないし議第50号、議第52号ないし議第58号、議第60号、議第61号、議第63号ないし議第67号、議第69号、議第71号、議第72号、議第79号ないし議第81号、議第84号、議第86号ないし議第91号、議第93号ないし議第124号及び議第239号、平成17年度京都市一般会計予算、ほか103件、以上104件を一括議題と致します。 前回の議事を継続し、これより質疑を行います。発言の通告がありますので、これを許します。富きくお議員。 〔富きくお議員登壇(拍手)〕 ◆(富きくお議員) 山科区選出の富きくおでございます。私は、平成17年度予算案に関して、ただ今より質疑を行います。私に続いて橋村芳和議員、中村三之助議員、以上3名でもちまして自由民主党京都市会議員団を代表し質疑を行います。 先日、またもや小学校を舞台に衝撃的な事件が発生し、男性教諭1名が死亡、女性職員2名が重傷を負いました。大阪教育大附属池田小学校、宇治小学校などの事件後、侵入防止のために設置されたインターホンも防犯カメラも結局侵入者を阻止できなかったわけで、学校の安全対策は緊急の課題であります。子供たちは、登下校時には誘拐の危険性や、また家庭での虐待も深刻な問題で、それらの原因を根本的に取り除くには時間を掛けて社会全体で考え直してゆかなくてはなりません。しかし、今直面する危険を防ぐための学校の危機管理意識と危機管理体制が改めて問われています。学校、家庭、地域が一体となって地域の子供は地域で守る、そのための取組が更に重要です。今後の対応策についてまず市長にお伺い致します。 次に平成17年度当初予算案について質問致します。一般会計約6,900億円、特別会計7,600億円、企業会計2,900億円、合わせて約1兆7,450億円の予算で、歳入面では景気の回復傾向を反映して法人市民税、個人市民税とも増え4年ぶりの増収となる見込みです。歳出面では、政策重点枠に基づき京都創生、環境、福祉、子育て支援などの6分野に重点配分し、新規事業は178項目となっております。生活保護費や保育所整備などの社会福祉費は前年度と比べて増加し、予算全体の3割以上を占めております。また教育文化費も前年度と比べ増加し、全体の約1割を占め、福祉と教育で4割を占めていることになります。財政が厳しくても福祉と教育は後退させないとの市長の公約どおりであります。また産業経済費も前年度と比べて4割以上の大幅な増加となっており、福祉と教育、そして景気対策に手厚い予算となっているのが特徴です。 また財政健全化プランで示された財政収支見通しでは、平成17年度から20年度までの4年間で1,645億円の財源不足が見込まれており、17年度の不足額は325億円の見込み。ところが今回の予算編成では、財源不足は187億円となっており、138億円もの収支改善が図られております。そのうち、人件費や公共事業など投資的経費の抑制、いわば自らの努力で48億円の削減を達成しており、財政健全化に向けた成果を評価致すものであります。 京都市政を取り巻く状況は、景気回復の気配がややうかがえるものの、財政見通しは極めて厳しく、少子高齢化の急速な進行や環境問題など多くの課題があります。市長は、これらを克服するため市政改革、政策推進、財政健全化、この3者を一体的に推進するとともに、市民の皆さんとの公約であるますもとマニフェスト、いわゆる市民との公約、また私たち議会与党との約束、このことの着実な実行に取り組んでおられます。しかし借金である市債発行については、826億円と発行額は抑制したものの、平成17年度末の市債残高見込みは、今回合併する京北町の85億円も含め1兆928億円となっており、市民1人当たり74万3,000円の借金ということで、前年度より1人当たり1万9,000円も増えております。財政の健全化をより確かなものとするには、市債残高の増加を極力抑制することも重要であると思いますが、この点についてどのようにお考えか市長にお伺い致します。 今回、施設の利用料の改定が提案されております。施設により引上げもあれば引下げ、あるいは据置きの所もあります。改定に当たっての基本的な考え方をきちんと市長よりお示しいただきたい。 また平成16年度から導入し、今回で2年目の戦略的予算編成システムについてお聞き致します。このシステムは、行政評価を活用した選択と集中を徹底的に行うことにより、限られた予算を各局の裁量により最も効果的に編成しようとするものでございますが、初年度の16年度を検証し、その効果についてはいかがでしたか市長に伺います。 次に京北町との合併に関連して要望致します。4月1日の合併を目前に、前町長が収賄罪で逮捕、更に再逮捕、そして起訴という最悪の事態となったことは誠に遺憾であり残念であります。まるで出鼻をくじかれたような気持ちであります。特に私たち自由民主党京都市会議員団は、京北町町民の皆様の合併への熱い思いを受け、精力的にこの問題に取り組んで参りました。今回、合併関連予算として64億円を計上致しておりますが、これは京北町の16年度予算の約1.3倍の額で、合併建設計画に掲げられた37事業のうち30事業に実施のめどが付いた予算であります。京都市と京北町がそれぞれの伝統や規模の違いを乗り越え、真に一体となるためには、スタートに当たり行政事務レベル面での歩調をしっかりと合わせる必要があります。そのためにも京北町職員との交流をしっかりと図るとともに、是非とも本市の優秀な職員、行政マンがまずその任に当たるよう強く要望致しておきます。 次に職員の不祥事と綱紀粛正に関して、大阪市の職員に対する過剰な待遇に関連して質問致します。大阪市において、多額の公費を投入して過剰な福利厚生や首をかしげたくなるような特殊勤務手当が出されていることなどが連日のように報道されております。その中身は、闇年金、闇退職金と言われているものや生命保険掛金の公費負担、職員の親睦団体への公費助成などであります。更には水道局の係長以下、これはあくまでも大阪市の水道局です、水道局の係長以下の全職員に特殊勤務手当が一律支給されているなど特殊とは言い難い勤務にも幅広く手当が支給されており、総務省の指摘を受けていると聞きます。正に至れり尽くせりといった感で驚くばかりであります。大阪市では、超過剰、過剰を超えているということですが、超過剰とも言える職員への待遇に大阪市民からの苦情が殺到し、もう税金は払いたくない、市役所は大阪市から出て行けという声も出ていると聞いております。またマスコミの論調においても、役人天国、更には税金も食い倒れかと誠に厳しいものがあります。このようなマスコミの報道は大阪市にとどまらず、例えば京都府における眼鏡の購入補助としての公費投入、大阪府における銀婚記念品と称する商品券の支給など、あきれるような実態についての報道もあり、全国の各自治体を巻き込んだ住民の地方行政への不信につながらないかと危惧致しております。私の所へも幅広い市民の方々から、京都市はどうなのか、本当に大丈夫なのかといった問い合わせや心配の声が殺到致しております。私だけではないと思います。ほかの議員の皆様方にもそういう声が届いていようかと思います。 もとより福利厚生そのものは民間企業でも広く行われており、また困難な業務に対し支給される特殊勤務手当の制度自体は意味があり必要であると考えます。しかし忘れてならないのは、公費すなわち市民の税金が投入されているということであります。税金を納めている市民の納得が得られないような過剰な待遇が許されるはずがありません。そこでお尋ね致します。京都市において、このような手厚すぎる福利厚生制度や過剰な公費投入はありませんか。また給与制度について、市民の批判を浴びるようなお手盛りや、総務省から指摘を受けている特殊勤務手当はありませんか。ないのであれば、ないと明言し市民の皆さんに安心していただきたいと思います。もしあれば、今後の見直しの方向性も併せて市長よりお答え願いたいと思います。 市長は、かねてより市民に奉仕する行政のプロとしての職員の意識改革を推し進めるとともに、職員の不祥事の根絶を公約として掲げておられます。そして市民とのパートナーシップの下、市民に信頼される市政の実現を目指していますが、残念ながら職員の不祥事は後を絶ちません。先日も中京区役所に勤務していた職員が切手約230万円余りを横領、80円切手で3万枚分です、金券ショップで換金した疑いで告訴され、そしてこの職員は、一昨日逮捕されました。誠に遺憾であります。これ以外にも懲戒処分を受けた職員は、政令指定都市の中でも特に割合が高いのが現状です。京都市のほとんどの職員の皆さんは、まじめに真剣に仕事に取り組んでおります。こうしたごくごく一部の職員の不祥事で市民との信頼関係が大きく傷付いてしまうのは誠に残念でなりません。このような状況を市長はどう認識しているのか、徹底した信賞必罰で綱紀粛正に取り組むべきです。今後の防止策と併せてお答えください。 次に子育て支援について政策監に質問致します。市長は、かねてよりまちづくり、国づくりの基本は人づくりと、誰もが安心して子供を産み育て、健やかに成長できるよう子育て支援と教育の先進都市を目指すと宣言されました。しかし京都市の出生率は1.14人まで低下し過去最低を更新致しました。少子化対策に即効性のある特効薬はなく、思い切った子育て支援策を着実に積み重ねてゆくよりほかないと私は考えます。働く若い母親が切実に望んでいるのは、安心して子供を預けられる保育所と学童保育所の充実であります。市長は、従来から待機児童ゼロに向けて積極的に取り組んでこられ、17年度予算においても約10億4,000万円と思い切った予算を計上していますが、17年度で本当に待機児童ゼロにできるのかお尋ね致します。 次に保育所について聞きます。私は、昨年2月の本会議のこの代表質疑で、すべての公設民営保育所民設民営保育所に移行するよう提案致しました。これは公立保育所運営費の一般財源化や指定管理者制度の導入によるためで、民営化により特色ある保育所づくりを精力的に推進するとの答弁でございましたが、その後の進捗状況はどうなっているのか、また今後の課題についてお尋ね致します。保育所運営は、少子化対策のまさしく中核を成すものでありますが、国の定めた基準では不十分と言わざるを得ません。したがって本市独自で従来から子育て支援のための予算をでき得る限り計上し、親の負担を軽減しているのが現状であります。国民全体で次の時代を担う子供の育成を支えるためにも、国に対し十分な財源措置を更に強力に求めてゆくべきと考えます。 保育料の徴収についてお尋ね致します。昨年の決算委員会におきまして、我が会派の田中英之議員が提案致しました保育料滞納世帯に対する徴収方法についてです。今までの福祉事務所に代わり保育所が徴収する方法で醍醐地区をモデル地区として実施したところ、全市平均をかなり上回る徴収実績を上げることができました。保育園の園長先生方から話を聞きますと、支払う能力があるにもかかわらず滞納しているケースも見受けられるとのことで、平成20年度末の目標徴収率98.5パーセントに向かってモデル地区を早急に全市に拡大すべきであると考えますがいかがでしょうか。今後のスケジュールも含めお伺い致します。以上お答えください。 次は国民健康保険について市長にお尋ね致します。国民健康保険制度は、高齢者や低所得者の加入割合が高く構造的に財政基盤が脆弱で、制度発足以来40年以上を経過して今や制度そのものが破綻の危機に瀕しております。とりわけ京都市では108億円という制度発足以来最大の累積赤字を抱え、一般会計から多額の繰入れを行わなければ予算が組めないというのは誠に異常な事態と言わざるを得ません。17年度予算では、過去最高の154億円を一般会計から繰り入れる予定ですが、今後更に長寿化が進展する中で、医療費の増加や低所得者が増えることが予想され、果たして将来にわたってこの制度を維持できるのか不安です。国民健康保険制度は国の制度であるため、こうした問題は市町村の立場では解決できません。これ以上被保険者や地方自治体に負担を押し付けることのないよう医療保険制度全体の抜本的な改善を私たち議会も市長も、ずっと国に対して今日まで求め続けて参りましたが、いまだに実現しておらず誠に遺憾であります。 今回、保険料の改定が提案されています。医療技術の発展などに伴い医療費が増加することにはやむを得ない面がありますが、景気低迷の時代であるからこそ、京都市は保険者の立場で創意工夫を凝らし保険料の増加を抑える取組が求められています。保険者として京都市はどのように取り組んでいくのか、まず市長にお伺い致します。 また保険料の算定方式の見直しについても提案されています。私は、市民の方々から、1人世帯では少しの給料でも市府民税が掛かり保険料が高いといった話や、中間所得者は、近隣の市町村から京都市へ引っ越したら保険料が上がるが、逆に所得の低い方が京都市からほかの市町村へ引っ越したら、その市町村では突然保険料が跳ね上がるといった話をお聞き致しており、私は、かねてより京都市の保険料の在り方については検討が必要であると委員会などで指摘して参ったところであります。今回、提案の見直しは、保険制度本来の趣旨である相互扶助の考え方により、それぞれが応分の負担をすることによって今までとりわけ負担の大きかった中間所得者層の負担を軽くしようということであり、この点については改善されるものであります。しかし保険料の総額が決まっている中では、所得が低い方にも一定の負担を求めざるを得ないこととなります。本市の国民健康保険加入者50万人、24万世帯のうち住民税非課税世帯、いわゆる所得の低い世帯は全体の約7割も占め、保険料のうちの所得割の部分が免除され保険料が低くなっております。一方、残りの3割の世帯で全体の所得割保険料を負担しているため、所得が150万円から250万円の中間所得者層の負担が非常に大きくなっており、比較的低い所得でも保険料が年額、最高限度額の53万円にも達してしまいます。この見直しによって保険料が下がる世帯、そして保険料が上がる世帯が出て参りますが、例えば年金で生活されている御夫婦の場合、保険料はどうなるのか、年金に対してどの程度の負担となるのか、他都市と比較してどうかなど影響について具体的にお答えいただきたい。今回の保険料改定や算定方式の見直しに当たっては、市民の方々に京都市の国民健康保険事業が置かれている状況を正しく伝えることが何よりも重要であります。同時に負担が増える世帯への更なる配慮、また今まで以上にきめ細かく窓口での納付指導や相談を行うことも必要であると考えますがいかがですか。 次に中小企業対策です。冒頭の予算関連質問でも申し上げましたように、景気の回復傾向を反映して法人市民税、個人市民税が増加致しております。しかし私自身が商店主や経営者の方に聞くと、景気回復が実感できないとの声が圧倒的に多いのですが、産業観光局としては、京都市の景気動向を現在どのように判断しているのか局長にお尋ね致します。 次に来年度予算では、中小企業への低金利融資の預託金積み増しなどで産業経済費は45.7パーセントの大幅な増加となっております。市内事業所の70パーセント以上を占め、地域経済を支える小規模企業者を積極的に支援することにより活力あふれるまちづくりが可能となるわけで、これは高く評価致すものであります。また中小企業金融対策としてあんしん借換融資や京都独自の無担保無保証人融資として小規模企業おうえん融資など全国に先駆けて先進的な支援対策に取り組んでいます。ところで、資金面だけでなく中小企業者は様々な問題を抱えておりますが、経営指導や税金に関する問題などに対して専門家による人的支援体制は十分に採られているのでしょうか。市の中小企業支援センターから企業への専門家派遣実績は、昨年度ではわずか17件しかありません。支援センターには、税理士や中小企業診断士など200名以上の専門家が登録されていながら十分に活用できない状況で、専門家の派遣制度そのものがまだまだ事業者に知られておりません。PR不足なのではないか。そして融資は融資、税務相談は税務相談と縦割りに区切ってしまうのではなく、病院のカルテのように一つの企業に対し1枚のカルテで窓口を一本化し、それぞれの専門分野で相談できるようなシステムとすることにより、その企業を断片的に捕らえるのではなく総合的に捕らえたサポートができるよう、PRと共に対応方法を考えてはいかがでしょうか。局長にお伺い致します。 次に交通事業についてお尋ね致します。初めに地下鉄です。昨年開通致しました六地蔵醍醐間の延伸工事については、異常出水のため工期の遅れがあったにもかかわらず、その後の徹底した工程管理により予定を約1箇月早めて開通されました。また建設費につきましても、醍醐二条間の建設費膨張問題の教訓を生かし、努力の結果、約100億円の削減が可能になったわけであり、厳しい財政状況の下で大変喜ばしいことであります。東西線の二条から天神川間の延伸についても、平成19年度中の開通に向け工事が順調に進捗していると聞いております。今回の建設費につきましては745億円とのことですが、天神川延伸においては更なる削減を強く求めるものであります。是非とも努力していただきたいと思います。工事の進捗状況及び建設費の見通しについて市長よりお聞かせください。 次にバス事業です。これまでも交通局においては、4次にわたる経営健全化対策に取り組まれ、5パーセント以上の大変厳しい給与カットを断行するなど健全化に努力してこられました。この成果として、平成15年度決算では、11年ぶりに8億円の経営黒字とするなど取組の効果が着実に現れていると私どもも評価致します。市バス・地下鉄のネットワークを生かし、147万京都市民はもとより4,500万人を超える観光客の足として、しっかりとした事業運営を行い今後ともより一層の経営健全化に努めていただきたいと存じます。ところで、京都のバス事業については、エムケイの参入問題もいまだ決着しておらず、民間事業者の市内への新規参入は今後も出てくると考えられ、事業者間の更なる競争激化が予想されます。このような中で、京都市のバス交通を考えるために京都市とバス事業者だけでなく初めてタクシー事業者を加えた形で京都のバス事業を考える会が昨年8月に結成されました。この会は、京都市の周辺部の赤字路線、つまり市民の足として守っていかなければならない路線をどう維持するか、公営だけでなく民間事業者と共に考えるため結成されました。そして様々な議論を経て1月18日に中間答申が市長へ提出されたものであります。この中間答申では、現状の市バス路線を市バスに代わり小型バスや乗合タクシーで運行する代替運行のモデル実施が必要であると言われており、先日、市長からは今年の7月には実施したいという発言もありました。モデル実施に当たっては、官であれ民であれ公共交通機関として市民の足をいかに確保するかが大前提でなければならず、そのためのモデル実施であることを忘れてはならないと思います。今後の代替運行のモデル実施の具体策とスケジュール、また交通局として今回のモデル実施を今後の事業運営にどう生かしていこうと考えておられるのか副市長にお伺い致します。 最後に道路、側溝などの維持管理について要望致しておきます。市民の皆さんが日常生活の中で自分たちの納めた税金がきちんと使われていると実感できるのは、恐らく身近な道路が舗装されていたり街路灯やカーブミラーが必要な場所に設置されたときであろうと思います。また厳しい財政状況の下、新規事業を行うことが困難な今日、道路や側溝などの整備により市民の安全と美しいたたずまいのまちづくりがなおさら求められると思います。今回の予算案では、道路補修に8億4,000万円、排水路改修に5億8,000万円と前年度に比べると増額はされておりますが、十分な予算と言えるのでありましょうか。また京都市は私道が多く、私道舗装に補助を行っておりますが、補助額を拡大するとともに私道の維持管理などについても、もうそろそろ市が徐々に着手すべきだと私は考えます。また私道の認定道路化、いわゆる私道を京都市の道路に寄付していただくこと、これは要件が整っているという条件でございますが、これについても建設局が積極的にその地域、また土地の所有者に働き掛けるよう強く要望致しておきます。以上をもちまして私の質疑を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中セツ子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 富きくお議員の御質問にお答え致します。 この度、寝屋川市の小学校で起きました痛ましい事件は、学校の安全対策に先進的に取り組んで参りました京都市と致しましても痛恨の極みであり心から哀悼の意を表する次第でございます。議員御指摘のとおり子供たちの安全確保は、学校、家庭、地域の連携の下、社会全体で取り組むべき重要な課題であると認識しております。こうした下、本市では、来年度新たに全教室への防犯用緊急インターホン整備に着手するとともに、安心安全情報を保護者の携帯電話等に直ちに一斉配信できるシステムを構築して参ります。更に現在、保護者、地域ぐるみで進められている登下校の安全確保の取組など、京都ならではの地域コミュニティを生かした安心安全ネットワークづくりをより一層推進して参ります。 次に財政健全化についてでございます。まず市債残高についてであります。将来の京都発展に必要な都市基盤整備のためには市債の活用が不可欠であります。しかしながら、御指摘のとおり元利償還金が財政運営の過度の負担とならないよう市債残高の増加を極力抑制することが重要であります。この考えの下、財政健全化プランに基づき、平成17年度当初予算においてもプライマリーバランスの13億円の黒字を確保しております。 次に公の施設の使用料につきましては、平成17年度予算編成において初めて統一的な考え方に基づき適正化に取り組みました。具体的には、管理運営等の費用のうち、利用者に御負担いただく割合、すなわち受益者負担割合について施設ごとの目標値を設定し、これに近付けるため使用料改定を実施することと致しました。その際、現行の受益者負担割合が目標値を上回る3件の施設については、初めて使用料を減額改定し、併せて有料運動公園に子供料金を新設することと致しております。また改定による増収額約1億6,700万円全額を施設の機能やサービスの充実に充てて参ります。 次に戦略的予算編成システムにつきましては、平成16年度予算において事務事業評価を活用した徹底的な見直しにより約100億円の財源を捻出し156項目の新規政策を実現するなど、初年度から真価が発揮できたと考えております。平成17年度予算編成では、更に改善を重ね基本計画第2次推進プランの着実な推進を図っております。 大阪市の職員厚遇問題に関連したお尋ねについてでございます。まず職員の福利厚生につきましては、地方公務員法においてその実施が義務付けられており、本市では、職員厚生会等を設置し事業を行わせております。厚生会等に対する本市の交付金につきましては、平成13年度に見直しを行っており、現在政令指定都市の中では中位の水準にあります。また事業の内容につきましても、職員の元気回復を図るという法の趣旨にのっとり適切に実施されており標準的なものであると考えております。しかしながら、職員が在職中に死亡した場合等に支給する弔慰金の保険料を本市が負担していることにつきましては、昨今の社会状況下で市民の皆様の理解が得られないと判断し平成17年度予算から廃止することと致しました。 次に給与制度についてでございます。地方公務員の給与等については、国に準じるとともに他都市や民間企業との均衡を図ることが原則とされております。本市の給与水準につきましては、国家公務員との比較に用いるラスパイレス指数が99.9であり、政令指定都市の中でも最も低位な部類に属することからも、その原則から逸脱するものではないと考えております。 特殊勤務手当につきましても、これまでから廃止を含む大幅な見直しを既に実施しており、現在、職員に対する一律支給など手当本来の趣旨に合致しない不適切なものはございません。総務省から検討対象として公表されている6種類の手当につきましても、国において同趣旨の給与上の措置があることなどを十分に考慮した上で対象範囲を限定し支給しているものでございます。今後とも職員の福利厚生及び給与制度につきましては、議員御指摘の趣旨を踏まえ、時代の変化、他都市の動向等に十分留意しつつ市民の皆様の理解と納得が得られるものとなっているか、常に点検、検討を行い、適正なものであるよう努めて参ります。 次に職員の不祥事に関するお尋ねについてでございます。議員御指摘の中京区役所の事案につきましては、本市職員が業務上横領の容疑により堀川警察署に逮捕されました。職員の不祥事により市民の皆様の市政に対する信頼に大きく背くこととなりましたことを深くお詫び申し上げます。本件につきましては、発覚後、速やかに調査チームを立ち上げて調査を開始し、警察署とも協議を重ね、2月10日に告訴し、一昨日の逮捕に至ったものでございます。こうした不祥事が発生するということは、過去の切手を巡る不祥事の反省と教訓が生かされていなかったと言わざるを得ず、管理監督職員を含め厳しく処分するとともに、現金及び金券の管理の徹底や組織的なチェック体制の強化など再発防止策に万全を講じて参ります。不祥事は、市民の信託を受けた公務員としてあるまじき行為であり、市民の市政に対する信頼を損ねるだけでなく、多くの職員が営々と積み上げてきた実績や成果を無にするものであり断じて許されるものではありません。こうした認識の下、信賞必罰はもとより全庁を挙げて綱紀粛正の更なる徹底に努め、信頼される京都市政の実現に向け全力を傾注して参ります。 次に国民健康保険料の改定についてでございます。国民健康保険制度は、構造的に財政基盤が脆弱であり、本市におきましては約108億円という巨額の累積赤字を抱え、平成17年度におきましても単年度赤字が見込まれることから、収支均衡を図るため厳しい財政状況の中、一般会計繰入金を8億円増額し過去最高となる154億円を確保するとともに、4年ぶりとなる医療分保険料の改定を行わざるを得ない状況であります。 また所得割保険料の算定方式につきましては、これまでの市府民税を基礎とする方式から所得に比例する方式への変更を提案致しております。これによりまして例えば2人世帯で年間所得300万円の自営業世帯では約15万円保険料が減少し、年間240万円の年金を受給している世帯では約5万円増加すると試算しておりますが、年金や給与収入に対する負担の割合を見ますと、従来は最大で12パーセントであったものが9パーセント程度にとどまり、近隣市町村の水準に近付くこととなります。また最高限度額に達する所得につきましても300万円から450万円へと大きく引き上がります。これは保険制度の趣旨にのっとり広く薄く保険料を御負担いただくことにより、制度運営の安定化と共に所得割保険料が集中している中間所得者層の負担軽減を図るものであります。 一方、新たに所得割保険料が掛かる住民税非課税世帯に対しましては2年間の保険料減額措置を実施致します。この見直しにつきましては、被保険者の皆様に趣旨を御理解いただくため、こくほだよりや市民しんぶんなどにより分かりやすい広報に努めるとともにお問い合わせや御相談に窓口で丁寧に対応するなど万全を期して参ります。また今後の保険料の安定化に向けましては、本市として事業運営安定化計画に基づき健康づくりや医療費の適正化、保険料徴収率向上などの取組を引き続き推進して参ります。(発言する者あり) 次に地下鉄東西線の二条天神川間の延伸事業についてのお尋ねでございます。本事業は、平成14年11月に工事に着手し、現在シールドマシンによるトンネル掘削も開始するなど土木工事は最盛期を迎え、進捗率は50パーセントに達しており順調に推移致しております。地下鉄建設費につきましては、将来にわたる本市財政や地下鉄事業の運営に大きな影響を与えることから、議員御指摘のとおり工法の改良等により六地蔵延伸と同程度の削減を目標として取り組むよう強く指示しているところでございます。今後とも関連する天神川駅周辺整備事業との連携を図り、平成19年度中の完成を目指し取り組んで参ります。 以下、毛利副市長、子育て支援政策監及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中セツ子) 毛利副市長。 〔毛利副市長登壇〕 ◎副市長(毛利信二) 市バス代替モデルの実証実験についてのお尋ねでございます。現在、実証実験の対象としている市バス8系統につきまして、現行の市バス運賃を前提に民間交通事業者の創意工夫を生かした御提案をいただき、運行回数やコストなど代替運行の具体的な実施内容について検討を進めております。本年3月末を目途に代替運行の委託事業者を決定し、地元の皆様にお知らせする期間を十分設けたうえで7月には実証実験を開始して参ります。この実証実験につきましては、市民の皆様への周知や効果の検証のため、平成17年度予算案で1,000万円を計上致しておりまして、お客様の様々な御意見をお聴きするとともに実態調査を行うなど実験の効果を十分に検証致しまして、市民生活に欠かせない生活支援路線の今後の効率的な運行と利便性の向上に生かして参ります。今後とも引き続き議員御指摘のとおり、本市が責任を持ち市民の足を確保することを大前提として市会の御理解を得て一丸となって市バス改革を一層推進して参ります。 ○議長(田中セツ子) 浅野子育て支援政策監。 〔浅野子育て支援政策監登壇〕 ◎子育て支援政策監(浅野明美) 保育所及び学童保育の待機児童の解消についてでございます。保育所や学童保育は、子育てと仕事の両立支援や子供たちの健全育成を図る場として重要な役割を果たす施設であり、必要な方すべてに御利用いただけるよう待機児童をゼロにすることが喫緊の課題であります。このため平成17年度予算において、保育所につきましては4月当初の待機児童約350人に対応できるよう新たに3箇所の保育所を新設するほか、既存保育所の増築などにより昭和58年以降最大規模となる365人の定員増を図って参ります。また250人の待機児童が見込まれる学童保育につきましては、児童館4箇所の新設、4箇所の増築をはじめ既存施設の再整備や学校施設の活用などにより設計120人分を含め400人の受入児童の増加を図って参ります。これらに要する予算は、前年度の2倍以上に当たる10億円を超える規模であり、京都市基本計画第2次推進プランに掲げた保育所及び学童保育の待機児童ゼロを実現するための施設整備などを実施して参ります。 次に公設民営保育所の民設民営化についてでございます。これは昨年2月に議員の方から御提案いただいたものであります。民設民営化は、運営法人、本市それぞれにメリットがあることから、その後鋭意検討を進め、昨年秋に条件を提示したうえで各法人に働き掛けたところ、36箇所のうち実に32箇所に上る公設民営保育所がその意向を示されました。現在、運営法人に対し適正な価格で売却できるよう保育所建物の本鑑定評価をはじめ必要な手続を行っており、平成17年4月の円滑な移行に向け各運営法人と連携を密にしながら取組を進めて参ります。 次に保育料の徴収対策の強化についてでございます。保育料の徴収については、平成10年度から保育料滞納整理嘱託員による納入指導を実施した結果、平成12年度以降、徴収実績は年々向上しております。更に平成15年10月から醍醐地域を対象に、保育所長が滞納者に対して保育料の納入指導などを行う徴収協力員モデル事業を実施したところ、平成16年度の上半期の徴収率は事業開始前の平成15年度と比較すると、全市平均では0.3ポイントの上昇に対し醍醐地域では1.0ポイントと確かな効果を上げております。モデル事業の拡充につきましては、まずは平成17年度において、その半数となる7区支所に拡大することとしており、平成18年度には全市展開を図って参ります。この取組により当面の目標である財政健全化プランの平成20年度末までの98.5パーセントの徴収率達成に向けて精力的に取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 中野産業観光局長。 〔中野産業観光局長登壇〕 ◎産業観光局長(中野美明) 京都市の景気動向についてでございますが、近畿の失業率が4パーセント台に低下したほか、市内大手企業の収益が大幅に改善するなど明るい動きが見られるものの、中小企業全般におきましては、機械金属業など好調な業種がある一方、伝統産業などは依然として低迷するなど業種間の格差があり、景気回復を実感するまでには至っておりません。京都市が四半期ごとに実施している市内中小企業に対するアンケート調査では、これまで緩やかな回復傾向が続いておりました景況感が昨年12月調査では7期ぶりに下降に転じるなど現在の景気は踊り場の状況にあると認識致しております。 次に中小企業支援策についてでございますが、中小企業支援センターでは、中小企業診断士による相談窓口において相談内容を相談カードに記録し、その後の相談業務に活用しております。今後は、コーディネーターが直接企業を訪問する京都ものづくり企業縁むすびプロジェクトにおいて専門家派遣事業をはじめとする既存の支援策をも積極的に活用できる仕組みづくりを考えて参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 次に橋村芳和議員に発言を許します。橋村議員。 〔橋村芳和議員登壇(拍手)〕 ◆(橋村芳和議員) 私は、伏見区から選出いただいております橋村芳和でございます。過去を遠くまで振り返ることができれば、その分未来も遠くまで見渡すことができる、これはイギリスの大宰相であり、偉大な歴史家として知られますウィンストン・チャーチルが残した名言でございます。本年は、あの阪神・淡路大震災から10年、そしてオウム真理教の引き起こしました地下鉄サリン事件から10年、自民党が誕生致しまして50年、戦後60年、遠くは日露戦争の勝利から100年という大きな節目の年でございます。 桝本市政におかれましても、今年で10年の節目をお迎えになります。極めて厳しい財政状況の下、また地方分権の推進など国が大きく変革する多難の時代にあって、逆風をものともせず、立ち向かう楽観主義を標榜されまして市民の皆様との約束であるますもとマニフェストのすべてに着手され、市民中心の政策の推進に強い決意をもって臨んでこられました。こうしたことからその手腕と実績を高く評価され、次期の全国市長会の会長に推す声が大変高まっているとお聞き致しております。改めて敬意を表するものでございます。私にとりましても、山あり谷ありでございましたが、在職10年を務めさせていただくことができました。御指導、御支援を賜りました皆様に心から感謝を申し上げ、決意も新たにただ今より自由民主党を代表致しまして平成17年度予算案に関し質疑を行います。 市長は、先月の定例記者会見で2008年に日本で開催される主要国首脳会議、サミットについて、いよいよ京都の番だと述べられ誘致に向け名乗りを上げられました。府や京都商工会議所とも協力して誘致のための組織を発足、開催地を決定する政府に対し世界的に知名度の高い歴史文化遺産の蓄積や国立京都迎賓館の存在などをアピールされると聞いております。サミット開催に伴う効果は、会議や関連イベントの運営経費、関係者の滞在に伴う消費等といった経済効果は言うまでもなく、より重要なことは国内外のマスコミに対して京都の優れた自然や歴史、文化等が世界に発信され京都の魅力を国内外に知ってもらうことにより観光客の誘致の更なる増加や国際会議及びイベントの誘致が期待できることであります。特に4月23日に開館記念式典が予定されております国立京都迎賓館は、1200年を超える悠久の歴史にはぐくまれた京都の伝統技能の匠の技に海外からの賓客が直接触れ、我が国の歴史や国民性を実感し理解を深めていただける施設であります。日本文化の真髄とも言える京都文化、すなわち京都ブランドの日本文化を世界に発信することができる大変意義深い施設であります。間接的な効果として、国際会議のノウハウの蓄積、市民のホスピタリティの向上等、国際化に対応した人材の育成にも大きく貢献致します。大阪府も既にサミット誘致を表明され、関西サミットとして京都との共催も視野に入れておられるとお聞きしますが、もし関西サミットとなってもフランスのランブイエでの第1回のサミットが開催され既に30年が経過、会議の目的も経済問題を中心とした議題から最近では政治や環境問題もテーマに上るなど内容も多様化致しておりますことから、国際会議場に加え今回国立京都迎賓館が開館、また温暖化防止京都会議、世界水フォーラム等の国際会議を成功させた実績をアピールしていただき、首脳会議については、是非ともこの京都で開催されるよう強力に取り組まれることを望みます。市長の京都サミットの誘致に向けた決意をお伺い致します。 サッカースタジアムの建設についてお尋ね致します。今年度の予算の重点枠に府、京都商工会議所と共同しサッカーを中心とした多目的スタジアムの整備に係る調査検討を行うとして調査費300万円が計上されております。これまでの経緯を振り返りますと、平成14年に京都スポーツ文化研究会から新スタジアム建設の提言があり、みやびの杜プラン推進委員会が発足、30万人を目標に署名活動を展開、明けて15年元旦に絶妙のタイミングで京都パープルサンガが天皇杯を制し熱気は頂点を迎えた感がございました。以降、昨年のますもとマニフェストにも盛り込まれ、12月には、府、市、商工会議所で構成する研究会からサッカースタジアムについての基本的な考え方が発表されたところであります。しかし新年早々の新聞に横大路スタジアム、2008年度オープンへという見出しが踊りました辺りから不協和音が大きくなって参りました。総事業費100億円のうち府が20億円、市が15億円を負担する方向で、残る65億円については、稲盛和夫京セラ名誉会長や京都経済界が寄付を集めると新聞報道されたことから、建設費はどの程度で、市の負担は15億円で済むのか。全国のスタジアムの経営状況は大変苦しく、どこも年間数億円の管理費が自治体財政を圧迫していることから、運営費の負担はどうするのかといったような声であります。 横大路運動公園は、西京極運動公園、梅小路公園、京都府立植物園、向日町競輪場の候補地の中から独自に絞り込まれたということでありますが、地元の伏見区では、伏見の活性化につながる、イメージアップになる、子供たちに夢を与える施設であるという期待の声、また一方では、土壌環境は大丈夫なのか、区画整理事業との整合性はしっかりあるのか、淀の競馬場だけでも交通渋滞で困っているのにといった声があります。時期につきましても、伏見桃山城運動公園の整備は始まったばかりであり、市民スポーツの拠点がなくなってしまうと心配する声も寄せられております。更に交通アクセスについては、京阪電車の新駅設置も大きな課題となるところであります。このような状況を踏まえ、サッカースタジアムの建設について今後どのように取り組まれるのかお伺い致します。 私たち京都市会でも超党派の有志の議員43名によりましてパープルサンガの応援議員連盟を結成し、試合の応援は当然のこととして、地下鉄に頑張れサンガのステッカーを張ったり支援をして参りました。施設整備によりサンガが強くなり、京都のスポーツ、文化の振興につながることも十分に認識しているところであります。しかし市の財政をしっかりと考え、多くの意見を聴きながら議論を交わし、将来を見据えていただきたいと思います。フライングと申しますか、サッカーでございますので、どなたもオフサイドがないような慎重な取組を望んでおくところでございます。 サッカー以外にも、今予算では全天候型運動施設基本構想策定に向けて新規で100万円が付けられております。いわゆるドーム施設は、天候に左右されず、みんなが利用しやすい施設です。市民スポーツの振興に資する施設として一日も早い建設が待たれております。平成7年に京都市体育振興会連合会から早期建設を求める請願が提出され、市会の文教消防委員会において全会派一致で採択されまして早10年が経過致しております。東京ドーム等のいわゆる大規模集客施設ではなく、京都にふさわしいものとして検討が進められ、17年度には一定の方向が示されることになっておりますが、ランニングコスト等の課題について十分に研究していただきまして促進されることを強く望んでおくところであります。 次に敬老乗車証の見直しについてお尋ね致します。この制度は、昭和48年以来約30年もの長きにわたり70歳以上の高齢者が生き生きと様々な活動に参加することに役立ってきました。私の耳にも、毎日バスや地下鉄に乗る度に感謝の気持ちでいっぱいだとか、もうすぐ70歳になるが利用できる日が待ち遠しいといった声がよく聞かれるのであります。すっかり京都市民にも定着した感のある制度ですが、一方で高齢化の進展に伴い対象者が年々右肩上がりに増加致しております。約50億円もの多額の経費が必要となり、京都市が1人当たり3万2,000円を負担致しております。更に団塊の世代と言われております方々が70歳に到達する約15年後には莫大な経費が必要になります。かねてより我が党も、高額所得者も対象者になっていることや利用できる地域の公平性等の問題を指摘する中で強く改善を求めて参りました。昨年末には、敬老乗車証制度についての市民アンケート調査が実施されたところ約6割の方から何らかの見直しが必要であるとの回答がありました。今月初めには社会福祉審議会からの答申が出ました。このような状況を踏まえてのことかと思いますが、17年度予算案に敬老乗車証制度の改正が盛り込まれております。本市会で議論していくことになっております。 この間、新聞の投書の中でも様々な意見が掲載されておりますが、その中でも無料だから肩身の狭い思いをすることがあるとの声は大変注目すべきであると考えております。また財政難から廃止されるのではないかといった誤った風評も流れております。そこでお尋ね致します。制度に対する基本的認識や、今回の一部負担の導入に当たっての額の設定の考え方などについて市長のお考えをお示しいただきたいと思います。併せて私の地元である醍醐地域におきまして、まさにNHKのプロジェクトX並みの取組を市民、住民主体で進めていただいております醍醐コミュニティバスが営業運行を開始致しまして先日1周年を迎えました。是非とも敬老乗車証を利用できるようにしてほしいという強い声が地元でよく聞かれるところでございます。近い将来において、その願いが実現されるのかどうかについても併せてお答えいただきたいと思いますのでよろしくお願い致します。 さて昨年は、過去最多の10個の台風が上陸するなど豪雨災害や新潟県中越地震の発生、更には年末にはスマトラ沖の大地震、インド洋の大津波など大災害の多い年でありました。これらの災害により被害に遭われました皆様方に心からお見舞いを申し上げる次第でございます。 また去る1月17日には阪神・淡路大震災から10年の節目を迎え、地元兵庫県においては阪神・淡路大震災10周年追悼式典や国連防災会議などが行われたところであります。また全国各地において阪神・淡路大震災10年の節目に防災訓練等が行われ、私たちの京都市においても、災害対策本部運用訓練や地域における防災講演などの開催等、あの大震災の経験と教訓を基に、この10年間の取組の検証など防災の再点検が行われました。京都市においては、これまでから積極的に防災対策を推進していただき、災害情報の収集と伝達体制を強化する防災情報システムの整備や活断層調査、地下構造調査の結果を活用した地震被害想定の策定、地域防災計画の見直し、備蓄物資の増強など着々と市民の皆様を守る取組が進められているところであります。阪神・淡路大震災から10年を迎えた今、京都市がこれまで取り組んでこられた防災対策について、桝本市長はどのように総括し今後どのように取り組まれようとしているのか御所見をお伺いしたいと思います。 備えあれば憂いなしと申します。午後から登場して参ります中村三之助議員の提案から実行されました全区役所、消防署、また全小学校における非常用持出し物品の実物展示の実施により一時は防災グッズを備える家庭も増えたようですが、月日がたちますとともに、その意識が低下致しております。この10年の節目に各家庭での準備状況などを再点検し、また更なる充実化を図り啓蒙啓発に努めていただきますよう求めておくところであります。 次に文化財防災についてお伺い致します。御承知のとおり京都市は、1200年を超える歴史にはぐくまれ、今も日本の伝統、文化が生き続ける世界が誇る歴史都市であります。この歴史の中には、その時代時代のすばらしい精神や貴重な財産が蓄積されておりますが、京都のまちに脈々と流れる防火思想も、その歴史の中ではぐくまれてきた一つの大きな成果ではないかと思っております。人口1万人当たりの出火率を見ても日本の大都市の中で最も少なくなっておりますし、全国に先駆けて火災予防対策を推進してきた行政の御努力もさることながら、京都のまちに流れる防火の精神がうまく連動し、すばらしい成果となっているのではないでしょうか。さて御承知のとおり本市には世界に誇る文化財が多くあります。全国の国宝の約20パーセント、重要文化財の約14パーセント、これらの文化財を火災から守るために本市消防局では、発足当時から文化財の関係者と地域住民の方々の相互協力の下に広く文化財の愛護と防火思想の普及に努めてこられました。このような中、平成12年、文化財保護法制定50年という節目にこの取組を更にレベルアップし、具体的な行動計画を策定し体制の整備を図ろうと文化財市民レスキュー体制の構築に取り組み、平成15年度末でその目標を達成したと聞いております。この取組も全国に先駆けてのものであり、行政と住民との協働による京都市独自の取組であります。このような取組は、まさしく京都市の実力であります。歴史と伝統に裏打ちされた進取の取組を着実に実行し、安心安全を高め全国にも世界にも大いに発信できる事業ではないかと考えております。桝本市長には、消防審議会の委員をされていると聞いておりますし、是非この京都の歴史と伝統によりはぐくまれてきた防火思想と言いますか、良き取組を全国に発信すべきと考えておりますが、どのようにお考えであるかお伺い致します。 次に消防団に関しましてお聞き致します。京都市の消防団は、京北町との合併に伴い定数が京北町の定員420名を引き継ぎ4,970名になるとの条例改正案が今議会に上程されており、組織、人員とも大きく拡大して参ります。しかしながら、全国的には、消防団は団員の減少や高齢化等の課題を抱え、国でもこれらの課題を解消し消防団の充実強化や活性化のための施策を推進されているところであります。国の施策もさることながら、地域のことは地域が最もよく承知しているところであり、国の施策に連動する形で地域の取組を強化することが大事であります。私も消防団員として所属致しております伏見区では、地元消防団長を中心に募集検討委員会が設置され、地域の実態に即応した取組や消防署と連携した訓練を数多く実施した結果、従来と少し違う傾向で、公務員や若い女性の保母さんや、また地域女性会の会長さんが5名の女性と共に入団されるなど、その伸び率は市内でトップクラスにあります。地域防災のかなめである消防団をより一層魅力あるものとするために地域の実情に合わせた斬新で特色ある活動を展開し消防団の充実強化、活性化に向けた取組を推し進めるべきであると考えておりますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 次に京北町の森林伐採についてであります。本年4月、京都市は、区域面積の93パーセントを森林で占める林業の町京北町と合併致します。その結果、京都市の森林面積も現在の4万ヘクタールから6万ヘクタールに増加、市域の約4分の3が森林という自然環境が大変豊かな大都市になります。くしくも京都議定書がロシアの批准により1997年12月の採択から7年の年月を経て今月発効致しました。このような記念すべき年に京都市が森林の町京北町と合併するということは誠に意義深く喜ばしいことであり、合併を機に世界に恥ずかしくない緑豊かな環境都市京都の維持、創造に力を注いでいただかなければなりません。そのためには京都市としても、今後は森林行政を市政の大きな柱として位置付け、林業の衰退により荒廃化が懸念される森林の保全対策をより強力に進めていくことが必要でありましょう。このような思いから先般京北町を視察して参りましたが、そのとき大変胸の痛む光景を目の当たりに致しました。162号線を京北町に向かって進み栗尾峠に差し掛かった辺りから広大な森の木がすべて伐採され、再植林もされていない区域が数箇所目に飛び込んで参りました。あのような状態を放置しておきますと、環境の視点のみならず土砂崩れ等の災害にもつながりかねませんし大変危惧されるところでございます。御承知のとおり我が国の林業の状態は、木造住宅の減少や外材の輸入増加等によりまして国産材価格は長年低迷を続けております。大変厳しい状態の中で林業家は伐採後の再植林までの投資力がないのが現状でありましょう。このうえは行政がより積極的に林業家の再植林を支援する体制を採らなければ、きっと現状のまま放置され後世に禍根を残すことになるのではないでしょうか。京北町の森林でこのような状態が起こったいきさつについて京都市としては把握しておられるのでしょうか。加えて4月以降、合併して当該区域が京都市に編入された際、京都市としてはどのような対策が採り得るのかお聞かせいただきたいと思います。 山と言えば川でございます。白河上皇が、この世で意のままにならぬもの、それは鴨川の水、比叡山の僧兵、サイコロの目と嘆いて以来、約900年後の昭和28年の宇治川左岸の堤防決壊により向島地域が被害を受けた大水害まで、京都の河川は幾度もはん濫を繰り返して参りました。しかし、それ以後はダム建設による洪水調節などが進むとともに地道な治山治水対策が功を奏し、意のままにならぬ川も次第に人の手によるコントロールが可能な時代を迎え、しばし大きな水害とは無縁の時代が流れておりました。しかしながら、先月には、琵琶湖、淀川水系の河川整備の在り方について検討を重ねてきた淀川水系流域委員会がダムに関する意見書などを国土交通省近畿地方整備局に提出して第1期の活動を終えられました。治水と利水が目的であったこれまでの川づくりに環境の保全と回復の視点を明確に位置付けたことが大変注目されるところであります。しかし一方で、昨年の台風23号来襲時には桂川の水位が上昇、嵐山渡月橋付近で浸水被害が発生、下流域の久我、羽束師では堤防の天端近くまで水位が上昇したという報告があります。また府下の由良川流域で大きな被害が発生したのは記憶に新しいところでありますが、雨域が少しずれていれば、京都市内の桂川流域に被害が発生してもおかしくなかったとの報告もあり住民の不安も高まっているところであります。また淀生津町の木津川右岸で国土交通省が堤防の浸食防止用に施した石積みが一部崩れ、施工から1年余りで崩落、住民から川幅を広げ流れを緩やかにする抜本的な対策が強く求められているところであります。桂川、木津川は国土交通省の管理河川でありますが、被害を受けるのは京都市民であることから管理者の垣根を越えた行政間の連携や協力体制の確立が必要であり、また河川整備を進めるに当たっては、治水利水と共に環境についての課題が相互に関連していることを十分に認識し、住民の合意を得ながら対策を立案していくことが必要であると考えます。こうした状況をしっかりと踏まえ防災と環境に配慮した河川管理の今後について、京都市から河川管理者に求めることがあると考えますがいかがでございましょうか。 次に京都市の危機管理体制と国民保護法についてお尋ね致したいと思います。近時、地下鉄サリン事件や高病原性鳥インフルエンザの発生など多くの人々の生命や身体にかかわり、これまで予想できなかった事態が発生し、ますます市民の不安が高まっております。このような状況に対応するため、桝本市長は、昨年4月に危機管理監や防災危機管理室を設置、組織体制の整備を図られるとともに、年末には危機管理の対応指針というべき危機管理基本計画を策定され着々と危機事象に対応する体制を整えておられますが、今後ともテロ事件などが発生した場合に迅速に対応することが市民の安全を守る観点からもますます重要となって参ります。また昨年6月には多くの国会議員の賛同を得て国民保護法が成立致しましたが、大規模テロへの対応を含めた国民保護への取組を積極的に推進していくことが必要であると考えるところであります。国民保護法については、今年度末に国民保護法に関する国の基本指針の要旨が示され、来年度中には京都府において国民保護計画の策定がされる予定であると聞いておりますが、京都市においても有事の際の市民の生命、身体、財産の保護に万全を期するという観点から国民保護に関する取組を着実に進めていく必要があると考えております。国民保護の取組に対する市長の御決意をお伺い致します。 日本では、少し以前まで空気と安全はただだと言われ、日常生活における安心安全が保障されているのが当然と多くの方が考えておられました。しかし残念なことですが、私たちの生活を取り巻く様々な事情が変化し、極端に言えば自分自身や家族の安心安全は、自らが守らないと誰も守ってくれない時代になりつつあります。しかし、ここで大事なのは、一人一人が個々に自己防衛するのではなくコミュニティとして地域の人たちと一緒になって活動することであり、時間も労力もコストも節約できる有効な方策であるとみんなが認識し、そのためには、これまで以上に地域の人たちが互いに身近に感じ親しみを持って接することを可能にする仕組みづくりが必要となって参ります。平成16年度、市内の4学区で地域の安心安全ネットワーク形成事業がモデル実施されました。伏見区の砂川学区では、各種団体長会議に地元の龍谷大学の参画を得て安全推進委員会を設置、防犯、防災の観点からワークショップやタウンウォッチングを実施され、まち点検カードを作成、門灯の点灯を呼び掛ける砂川・まちキラっと運動を推進、年末には安心安全パトロールを実施されるなど大きな成果が上がったとお聞きしているところであります。本年度のモデル実施を踏まえ世界に誇り得る安心安全なまち京都の実現のために、今後地域の安心安全ネットワーク形成事業の取組をどのように進めていかれるのかお聞かせください。 次に新伏見区総合庁舎整備を契機とした伏見中心市街地のまちづくりについてお伺い致します。長年の課題でありました新庁舎の建設に向け、現在平成20年度の完成を目指し新伏見区総合庁舎の基本計画策定作業が進められております。これに区民の意見を盛り込もうとアンケートやホームページでの意見募集、ワークショップを開催、多くの区民の方々から参加いただき議論されております。間もなくこのワークショップ参加者が自分たちの意見を取りまとめ、提案書という形でまとめられると伺っております。多くの意見が反映されてすばらしい総合庁舎が出来ることを期待致しております。さて、その総合庁舎が建った後のことでございます。昭和27年に建築された現在の伏見区役所はどうされるのでしょうか。また築20年を経過している現伏見中央図書館は、新しい総合庁舎の前に残したままにされるのでしょうか。折角道路に面した貴重な形状の整った土地であります。伏見区に集う方々の交流のためのスペースとして有効活用できないものでしょうか。単に寄せ集めの大区役所としての総合庁舎を建てるだけではなく、伏見区のシンボル、区民の誇りとなり得る多くの人々の交流拠点施設として、まちづくりという視点で四方を道路に囲まれた部分を整備していただきたいと考えておりますが、御所見をお伺い致します。また新年度は重点施策として中心市街地活性化基本計画の見直しが挙げられております。現在の福祉事務所、青少年活動センターや保健所の跡地などが地域の活性化にどのように貢献できるような仕組み、使い方を考えておられるのか。単に土地が空いたから代わりの何かを建てる、財政が厳しいから売ってしまうのではなく、地域の将来的な発展を見据えた活用の在り方を求めておきます。現時点でのお考えをお聞かせください。 今は平成の大合併の時代を迎えております。伏見区は、昭和6年に伏見市、深草町、醍醐村など九つの市町村が京都市との合併編入により誕生致しております。昭和25年に羽束師村が久我村と共に、昭和32年に淀町を編入して現在に至っております。市内最大の行政区でございます。28万人、35学区の大行政区の区民の皆さん方にこたえていただく答弁を求めまして私の質問を終わらせていただきます。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中セツ子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 橋村芳和議員の御質問にお答え致します。 まずサミットの誘致についてでございます。世界の主要国の首脳が一堂に会するサミットを京都で開催することは、山紫水明の豊かな自然や1200年を超える悠久の歴史の中ではぐくまれた日本文化の真髄ともいうべき優れた京都の文化を世界に発信するまたとない機会であります。また文化力が世界的に重視される今日、日本人の精神の原点として我が国の歴史や文化の中心的な役割を担う京都の地において、世界が直面する重要な問題を幅広く論じていただくことは大変意義深いことであると考えております。折しも今年4月に京都に培われた伝統技術の粋を結集した国立京都迎賓館が開館致します。これまで気候変動枠組条約第3回締約国会議COP3や世界水フォーラムなど様々な国際会議の舞台となった国立京都国際会館と併せて万全の受入環境が整うことから、2008年に我が国で開かれる予定のサミットを是非とも京都で開催したいと考えており、市民の皆様の御理解と御協力を賜り、京都府、商工会議所と連携したオール京都の体制で積極的に誘致して参る決意でございます。 敬老乗車証制度についてでございます。本制度は、高齢者の社会参加や生きがいづくり、更には介護予防に大きく寄与しており、豊かな長寿社会を構築していくため、なくてはならないものでございます。一方、今後とも交付対象者が増え多額の経費を要する中で、将来にわたっても持続可能な制度としていくため熟慮に熟慮を重ねて参りました。この度の改正案は、慎重な審議を経て頂だいした京都市社会福祉審議会の答申や全体の6割の方が見直しをすべきとお答えいただいた昨年末の市民アンケート結果も踏まえ提案させていただいております。負担額については、例えば全体の70パーセントを超える市民税非課税の方は、月額250円の御負担で市バス、地下鉄全線をいつでも利用できるものとなっております。またかねてからの課題でありました市バスが運行していない地域における民営バスと市バス・地下鉄敬老乗車証の重複交付も実施することとしており、市会の承認を得たうえで市民の皆様の御理解が得られるよう説明責任をしっかりと果たして参ります。敬老乗車証を醍醐コミュニティバスにも適用することにつきましては、今後の市内の交通体系の動向を十分見極めていく必要はございますが、次の大きな課題であると認識致しております。 次に本市の防災対策についてでございます。大震災の悲惨な光景を目の当たりに致しました阪神・淡路大震災から10年の月日がたちましたが、この間、本市では大震災を教訓として、震災後直ちに24時間体制で対応できる消防局に防災業務を一元化し初動体制を確立するとともに、自助、共助、公助の基本理念の下、消防等応急活動体制の強化や広域応援体制の整備、情報収集システムの整備、備蓄、避難所等の増強、公共施設の耐震化、自主防災組織の市内全地域での100パーセント結成、防災マップの全戸配布、更には全国で初めての消防活動総合センターの建設の着手など全庁を挙げてハード、ソフトの両面から全力で取組を進めて参りました。 一方、活断層や地下構造の調査の先進的な成果を基に策定した第3次地震被害想定により、昨年7月には地域防災計画の大幅な見直しを行い、今後の取組の目標を明確にしたところでございます。私は、行政の災害対応力の強化はもとより自らの安全、自らのまちは自らが守るという防災の基本に立ち、市民防災会議の創設や6,200全自主防災部での市民防災行動計画づくりをはじめとする地域の防災力の充実強化を図り、市民の皆様と公助を担う行政との力強いパートナーシップにより災害に強いまちづくり、人づくりを一層進めて参る所存でございます。 次に文化財防火の取組の発信についてのお尋ねでございますが、本市におきましては、1200年の歴史に培われ市民に根付いている文化財の愛護や防火思想の土壌の下、早くから消防局において全国唯一の文化財防火を推進する部署の創設や自主防火体制の強化など先駆的な取組をしており、これまでも国内外に対し積極的に発信して参りました。議員御指摘の市民と行政とのパートナーシップによる文化財市民レスキュー体制については、本市で開催致しましたアジア消防長会議において、アジア各国と国内900の消防本部に紹介するとともに、外務省から100箇国の日本大使館に提供されている広報ビデオに採り上げられ大きな反響が寄せられております。また現在、全力で取り組んでおります歴史都市・京都創生策においても、文化財防火の積極的な取組とその重要性を盛り込み、本市のホームページなどを通じて広く発信しております。更に国家戦略としての京都創生の重要な柱である日本の京都研究会におきましても、京都ならではのこれらの取組について参画いただいている中央省庁から高い評価を得ております。今後も色々な機会を捕らえ文化財防火のトップランナーとして京都から全国に、更には世界に積極的に発信して参ります。 次に国民保護の取組についてでございます。京都の平和な暮らしがいつまでも続いてほしいとの願いは147万人市民の皆様のすべての願いであり、ますもとマニフェストにおいても安心安全な生活を支えることをお約束しているとおり市民の皆様の生命、身体、財産を守ることは私の市政の基本でございます。市民の皆様の願いにこたえるためには、世界的に発生している大規模テロなど様々な事態を想定し、市民の安全を守る備えに取り組んでいかなければならないと考えております。昨年6月に国会で圧倒的多数の賛成を得て成立した国民保護法は、国、地方自治体、関係機関が力を合わせて武力攻撃や緊急対処事態における国民の保護の取組を進めるものでございます。本市と致しましても、国の基本指針や京都府の国民保護計画策定の取組も踏まえながら、来年度には京都市国民保護協議会を設置し、国、府、関係機関とも十分な連携を図り国民保護のための取組に万全を期して参ります。 以下、高木副市長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中セツ子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) 4点につきまして私からお答え致します。まずサッカースタジアムの整備についてでございます。平成16年1月に京都市、京都府、そして商工会議所の3者で研究会を設けまして、スタジアムの規模や機能、場所などの基本的な事項につきまして調査検討を行い、昨年12月にサッカースタジアムについての基本的な考え方として取りまとめを行いました。その内容は、サッカーを中心とした3万人規模の多目的な施設とし、建設候補地は横大路運動公園が最も可能性のある場所というものでございます。今後の取組と致しましては、交通アクセスやごみの埋立地であったという土地の特性など、研究会で提起された課題に加えまして特に建設主体の在り方や運営面での採算性についての具体的な検討を進めていく必要がございます。御指摘のとおり市政にとって重要な課題でありますので、市会をはじめ広く関係者の御意見をお伺いしながら、京都府や商工会議所と連携致しまして慎重に検討を進めて参りたいと考えております。 次に京北町の森林伐採についてでございます。議員御指摘のとおり現在、地域木材の需要低迷により林業事業者は極めて厳しい経営を強いられておりまして、自助努力のみによる再植林には限界がございます。合併後は、京北町より補助率が高く充実した京都市の森林総合整備事業を活用致しまして事業者を積極的に支援致しますとともに、森林法に基づいた秩序ある再植林を強く指導し、京都市民にとっての貴重な森林資源を再生して参ります。栗尾峠付近の伐採につきましては、森林法に基づく手続を経て平成14年から森林所有者が林業生産活動の一環として行っているものでございますが、法手続と同時に立てられました再植林計画の実行が一部で遅れている旨の報告を京北町からは受けております。本年度中に京北町が栗尾峠付近の伐採地の地質など調査を実施致しますので、合併後、京都市がその調査結果に基づきまして、速やかに再植林等の必要な対策を実施致します。なお平成17年度からは杣人の工房事業など市内産木材の需要拡大対策にも取り組みまして、事業者の林業経営意欲を高め健全な森林整備を促進したいと考えております。 次に地域の安心安全ネットワーク形成事業についてでございます。犯罪や災害など様々な問題が深刻化致しております中で、市民生活を守るためには行政がしっかり取り組むことはもとより京都ならではの地域力がますます重要になっております。そこで平成16年度には、市民の皆様と行政の連携によりまして、防犯や防災、子供の安全、地域福祉など様々な問題に幅広く対応できる総合的なネットワークを学区単位で形成するために4箇所のモデル学区で地域特性に応じた様々な取組を実施致しました。そして議員御指摘のとおり地域課題の解決に向けたタウンウォッチングや門灯点灯運動の取組など各々大きな成果を上げることができました。平成17年度には、残る区と支所の10学区でモデル事業を実施致しますとともに新たな支援制度を設けまして平成16年度の4モデル学区での取組の継続充実や、その区におきます他の学区への取組の拡大を図って参ります。できるだけ早期に市内全221学区に地域の安心安全ネットを広げ、安心安全のまち京都の実現に全力を挙げて取り組む決意でございます。 最後に伏見区総合庁舎についてお答え致します。議員御指摘のとおり新庁舎の整備に当たりましては、伏見のまちづくりに寄与するという観点が極めて重要でございます。市民参加のワークショップでもユニバーサルデザインによる庁舎整備や区民の交流スペースの設置のほか、緑化の推進、現庁舎跡地を活用した市民や観光客が憩える空間の整備など多くの意見をいただいております。こうした意見をしっかりと受け止めまして、庁舎内に区民が交流できるスペースを設置するほか、隣接します伏見中央図書館との一体性を考慮するとともに、現庁舎跡地も含めまして様々な人々が集い交流し新たなまちの活力を生み出す拠点として整備して参りたいと考えております。更に中心市街地活性化基本計画の見直しを進め一層の商業の振興を図り、まちににぎわいを創出して参ります。なお伏見保健所等の跡地につきましては、現在のところ具体的な計画は決まっておりませんが、財政健全化プランを踏まえ、地元の御意見もいただきながら全市的な観点からその有効活用を検討して参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 中島建設局長。 〔中島建設局長登壇〕
    ◎建設局長(中島康雄) 防災と環境に配慮した河川管理についてお答え致します。昨年の京都府北部などにおける豪雨災害に見られるような異常な降雨に対応するためには、議員御指摘のとおり河川管理者の垣根を越えた行政間の協力体制の一層の充実が求められております。そのため国土交通省では、本市をはじめ周辺の自治体や地域住民などで構成する水害に強い地域づくり協議会を発足させ、情報伝達や避難体制の充実などの取組を進めております。本市と致しましては、この協議会に積極的に参画する中で、国に対し桂川の引堤事業の早期完成や木津川の堤防補強など環境にも配慮した治水対策について住民の意向を十分に踏まえ引き続き強く要望していくとともに、市民との連携を一層強化し災害に強い安全で安心して暮らせるまちづくりに取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 森澤消防局長。 〔森澤消防局長登壇〕 ◎消防局長(森澤正一) 消防団の充実強化、活性化に向けた取組についてでございます。消防団は、自らの地域は自らが守るという精神に基づきまして、平常時における火災予防の啓発活動はもとよりでございますが、大災害発生時の消火活動等幅広い分野で地域の防火防災を中心として重要な役割を担っていただいております。議員御指摘のとおり、地域の実情に合わせた消防団活動は非常に大切な取組であると考えております。このため、こうした取組を紹介した活動事例集やビデオの作成、更には報道機関への情報提供など、きめ細かい特色ある消防団活動を積極的に支援しているところでございます。 また大規模災害時における各消防団の情報連絡体制の確保に向けまして全消防分団に消防無線の配備を進めておりますけれども、平成17年度からは広大な山間部を管轄している消防分団の機動力を高めるため消防車両の配備を行うなど地域特性に応じた装備の充実を図って参ります。今後とも消防団と消防署が連携し、より地域の実情に応じた魅力ある消防団活動を推進して参ります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中セツ子) 暫時休憩致します。 〔午前11時51分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(田中セツ子) 休憩前に引き続き、会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中セツ子) 休憩前の議事を継続し、質疑を続行致します。中村三之助議員に発言を許します。中村議員。 〔中村三之助議員登壇(拍手)〕 ◆(中村三之助議員) 私は、上京区選出の中村三之助でございます。同僚の富議員、橋村議員に引き続き自由民主党市会議員団を代表して平成17年度予算案に関し質疑をさせていただきます。 さて今回で5回目の代表質疑になりますが、これまで主に教育問題、地球環境問題、和装産業振興、そして防災対策等について質問、提案させていただきました。そしてそれらの提案の中から幾つか実現化していただいたものもありますが、振り返り吟味してみますと、ますます事の重要性を実感するのが人づくりと地球環境問題であります。今世紀最大の課題は、世界的規模では地球環境問題であり、我が国においては教育再建であると以前から申して参りました。いずれも時間が掛かるものですが、余裕はなく待ったなしのテーマであります。世界中で度重なる異常気象からも、これは温室効果ガスによる地球温暖化によるものとようやく人間の暮らしへの影響も実感されつつあるように思いますが、現実はそんな悠長なことは言っておられない状況であります。 国連による陸地から沿岸、海に至るまで地球の生態系全体の健康診断と言われるミレニアム生態系アセスメントによると、1950年からの40年間で森林や草地の14パーセントが消失、過去20年間にマングローブ林の約35パーセントが破壊されるなど、人間の活動により世界で生態系の劣化が進み生物種の絶滅は何と自然の1,000倍の速さで進んでおります。今の傾向が続けば2050年までに残された草地や森林の20パーセントが破壊され、その結果、人間の生活自体が立ち行かなくなると警告しています。また地球温暖化がこの傾向を更に悪化させると言っております。すなわちこのままでは危篤状態であり、今から数十年間の取組が地球の生態系の将来を決することになるという極めて深刻な報告であります。 そういう中で、今最もホットな話題が京都議定書発効であります。先進国の温室効果ガス排出削減目標を定めた京都議定書が世界141箇国の批准を受け、ようやくつい先日の16日に発効し、それに伴う国際会議や各種イベント、パレードなど数多くの記念行事が世界中で繰り広げられました。京都市役所では、朝、始業時一番に桝本市長より全職員に対し地球温暖化防止に向けた市長訓示が行われました。私も放送を聴いておりましたが、大変中身ある内容と重みある行為であったと高く評価させていただく次第であります。また夕刻からは国際会館で行われました記念行事に参加致しました。基調講演、パネルディスカッション、更に世界からのメッセージリレーということで小池環境大臣進行の下、小泉首相、国連のアナン事務総長やカナダのディオン環境相ら9箇国10名の代表がテレビ、インターネットを通じて発効に寄せるメッセージを世界に伝えました。気候変動の実情、温暖化防止の必要性や緊急性など我々の子や子孫を救うための熱いメッセージが送られました。小泉総理は、世界の先頭に立って温暖化対策に取り組むと全世界に向けて力強い決意表明を致しました。この度の発効の意義は、一つには地球規模で温暖化防止への取組が現実化したこと。二つ目には持続可能な開発に貢献することになったこと。三つ目には2013年以降の枠組みの議論をすることが可能になったことであると思っております。これは歴史的な第一歩でありますが、最初の一歩であり、次の一歩を踏み出さなくては何もなりません。もはや議論の時ではなく行動の時であります。これから世界が、また日本政府がどうこたえていくかが問われるわけであり、新たに新制度導入が実施されてくると思いますが、当然議定書採択の地京都として、できる限り最大限の努力をしていかなければなりません。 京都市は、全国初の温暖化対策条例をこの4月から施行致します。強制的な規定がないため実現困難という一部報道がありましたが、我々自民党京都市会議員団は、3年ごとに見直し進化していく本条例は世界に誇れる内容であると高く評価し、地球温暖化防止への取組は、我が会派の最重要課題であると今年の初めに全戸配布致しました自由民主党京都市会議員団ニュースに詳しく掲載しております。本条例は、京都議定書で日本に課せられた温室効果ガスの削減目標を2010年までに1990年比6パーセント減より踏み込んだ10パーセントとしております。そこでまずは京都議定書が発効した今、京都市としてこの削減目標に向けた決意と実効策はどうお考えなのかお聞かせください。正直言って目標達成には大胆な対策を大英断し実行していかなければならないと思います。まずは子供たちへは、学校において環境教育を充実強化し、しっかり教え込むことが肝要と考えます。近未来を考えるとき、今の子供たちには我々が学び体験してきた以上の環境学習をさせ、環境保全意識の極めて高い人間を育てなくてはならないと考えております。京都市の環境教育は、小中学校で独自の副読本を作成し系統立った環境学習が実施されたり、花背山の家や奥志摩みさきの家を活用した自然体験学習など、あらゆる場を通じて環境への関心を高める教育活動が展開されていることはよく承知しておりますが、その充実化と更なる取組の必要性を感じるわけであります。現在、環境という教科はありませんが、これから必要とされるぐらいのウエイトを持つ領域と思います。 今京都市青少年科学センターにおいて、小中学校の環境学習の様子のパネル展示がされております。すばらしい取組が多く成果もあると聞いております。来年度予算で環境教育実践事例集の作成など理科・環境教育の充実として3,900万円が計上されておりますが、このような成果を更に充実発展させるためにも、京都市の方針として総合的な学習の時間などを活用し全校重点的に環境教育に取り組むようにしてはいかがでしょうか。また豊かな自然体験は、自然環境保護の精神をもはぐくみます。幼少期に豊富な自然体験をした子供は、大人になって決して自然破壊をするような行動に走らないということは、野外活動を基盤とするボーイスカウト活動において長年多くの子供たちを育て見てきた私にとって自信を持って言えることであります。更に豊かな自然体験は、今のすぐキレる子、また不登校、引きこもりの子供への改善につながり、生きる力、豊かな人間、人格を形成します。このことは以前から申し上げてきたところでありますが、これらのことからも、更なる自然体験学習の拡大と充実を図るべきと考えます。幸い京北町の新たな広大なステージも出来ることですからいかがでしょうか。 地球温暖化問題とエネルギー問題とは表裏一体で考えるものであり、当然すべての大人も同じ認識を持って大量消費社会を根本から見直し、我々一人一人のライフスタイルを変えていかなければなりません。生活や事業活動を環境の視点から点検し改善する社会システムを築いていくことが必要なわけであります。市民へエコライフ意識を高揚させていくには、これから環境保全を基軸とする新たな共通の価値観をできる限り早く構築し、皆が共通認識するような取組を早急に行うことが肝要と考えます。これは例えば大きな車に乗っているよりハイブリッドカーや小さな車に乗る方が良いことであるとか、買物袋を持参してスーパーなどへ行くことは決して格好悪いことではなくそれが常識であることなど、いかに環境に配慮した行動を採っているかが人物、また事業所の評価になるのだという新しい環境を基軸にした価値観を皆が共通認識していくように社会システムを作っていくことであります。それはどうすれば構築できるのか。それは学校から子供とその親へ、また幼稚園、保育所から親と子へ、そして学校と区役所が連携し元学区の各種団体、各種サークルを通じて地域の大人たちへと素早く情報伝達される社会システムを作っていく取組です。今京都市の学校は、多くの取組から地域、家庭との連携が年々充実し強固になってきております。そこで必要なのが区役所を含めた連携とネットワークであります。この構築に向けた調整役を市民コーディネーターのようなボランティアでその任を担うには現実無理があります。やはり行政でその役を務めていって初めて進んでいくものであります。教育委員会には家庭地域教育支援課があり、文化市民局には地域づくり推進課があり、区役所にはまちづくり推進課があります。また保健福祉局には児童家庭課があります。すべて地域の人づくり、まちづくりにかかわる所であります。全庁横断的に互いに連携協力し、エネルギーを結集し効率ある取組とシステムが必要なわけであります。そこで来年度は、まずは区役所のまちづくり推進課が中心となり、地域調整官というかコーディネーター役を行っていって地域の各学校、各種団体と連携しながら地域の情報伝達社会システムの構築に向けて取り組むのです。これは文字を通しての伝達ではなく、人から人へを中心とした伝達であります。そして今、京都市が市民の皆さんに知らせたい情報、また実行していただきたいエコライフの具体的な行動、例えば暖房の温度を1度低くするとか、空ふかしはしないとか、買物袋を持ち歩くことなどが本庁から区役所や事業所へ、また学校を通じ全市一斉に伝達され、市内すべての子供も大人も皆がその行動を実践する。そしてその内容は、市民しんぶんをはじめ市バス、地下鉄の広告や市のあらゆる印刷物に掲載されたりマスコミの協力も得る。更に市長はじめ区長、学校の先生、各種団体長さんなどが、いつもあいさつのときには必ず皆が同じ時期に同じ事柄を話すなど、市民に必要な行動や環境に関する新しい価値観を徹底して植え付けることが重要と考えます。 いいことをそれぞれで行うより一斉にやれば1足す1が3の効果になるのです。また皆がやるから自分もやり始めるのです。世の中そういうものです。パンフレットなど文字で啓蒙啓発してもほとんど効果はありません。人間ある程度の強制力と繰り返しの連続がなければ意識改革と実践はできません。私が申しております地域調整官の仕事は、副区長、副校長的な権能を持ち、地域の自治会また警察、消防署へも積極的にかかわっていき各組織を連携、調整してネットワークを作り、まずは情報伝達社会システムを構築していくことであります。このことは、地域では少年補導、体振、PTA、また民生児童委員会などが同じ地域の子供を対象にして、秋になれば毎週また同じ日に同じような行事が実施されるというようなことがないように調整し、地域力の効率化も図れるでしょうし、また以前から申しております変えてはならない大切にしなくてはならない不易の価値観を再認識していくネットワークづくりができ、地域コミュニティの再構築につながります。家庭や地域社会の価値観の変容や希薄化した地域社会の人間関係を取り戻し、かつての地縁的な人間関係を基盤とするコミュニティ機能であります。正に人づくりであります。良き人づくりは良きまちづくりにつながり、良きまちづくりは良き人づくりから始まるということであります。そこで、このような人づくり、まちづくりにつながる地域の情報伝達社会システムの構築の提案と、それを推進する仮称地域調整官の必要性について御見解をお聞かせください。 さて京都市の新しいキャッチフレーズは、時を超え美しくひと輝く歴史都市・京都であります。これは国家戦略としての京都創生の理念につながる京都ならではの悠久の歴史にはぐくまれた美しい自然や町並みをイメージされたものということでありますが、その京都を支えてきたものの一つに伝統産業があります。この伝統産業は、景観、文化、観光のいずれにも深くかかわるものであり、この活性化は特別の意味を持つものと考えます。しかしながら、伝統産業界はまだまだ厳しく、ものづくり産業として伝統産業の活性化を図ることはもちろん、様々な事業や情報発信の充実と共に観光客5,000万人構想の実現のためにも伝統産業と観光産業と連携した取組が一層必要と考えます。そこでまず平成17年度に伝統産業活性化条例の制定を目指して、検討委員会において中間報告が示され今パブリックコメントを実施しておりますが、今後どのように取り組んでいくのかお聞かせください。 また来月は春分の日に制定された伝統産業の日がやって参ります。この事業は、丁度4年前の本会議において私がまち中が着物姿で一杯という風情を意図的に作り出してはと提案したことがきっかけで実現した事業でありますが今回で3回目を迎えます。これまで観光事業や和装業界との連携や効果的なPR活動の必要性、更に着物姿の人に対する地下鉄・市バスの無料乗車事業については、気軽に乗りやすくするための提案などを何度も行って参りました。2回目は、花灯路事業とも連携し来場者数も9万4,000人と初回の2.5倍に増えたと聞いております。産観局並びに御関係の皆さんの御努力に敬意と感謝を申し上げます。とはいえ今はまだまだ餌をまいている段階であり、事業の継続によりぐんぐん成果は上がると思っております。ついては、観光、和装業界との連携、PR活動、地下鉄・市バスの無料乗車事業などについて、今回一層充実される取組と今後の展望をお聞かせください。 またこれまで国の緊急地域雇用創出特別交付金を活用して小中学校などへの職人さん派遣事業や西陣織会館、伝統産業ふれあい館などでの実演、体験教室が実施されてきました。しかし16年度でこの国の交付金制度が廃止されると伺っておりますが、今後もその卓越した技能を市民や観光客に直接触れていただき、本物のものづくりを体験していただくことは有意義であり必要と考えますがいかがでしょうかお答えください。 次に宇多野ユースホステルの全面改築についてお尋ね致します。私は、5年ほど前に宇多野ユースホステルへ同僚議員と訪れ、この施設の老朽化を目の当たりにするとともに、近い将来改築されるという建設構想を伺っていたのを思い起こしますが、その後、財政非常事態宣言を受け結局凍結のまま今日に至っております。宇多野ユースホステルは、個人的にも昔にボーイスカウトでキャンプファイヤーをやらせていただいたり、研修会で使わせていただいたりして思い出多い所でもあります。この施設の全面改築については、委員会でも指摘させていただいておりますし、またほかの多くの議員からも要望されているところであります。既に45年が経過したこの施設は、先日訪問したときには5年前より更に老朽化し、施設設備等がいつパンクするか誠に心配な状態であります。ますもとマニフェストに施設が老朽化している宇多野ユースホステルを海外への京都観光情報の発信基地として、また観光ニーズの多様化に対応した外国人観光客や若年層の宿泊型観光の拠点の一つになるよう整備すると掲げてありますが、予定どおり平成19年度完成を是非お願い致したいわけであります。また建物はやはり京都らしく和風調の建物であるべきと思いますが併せてお答えください。 次に色覚バリアフリーの取組についてお尋ね致します。以前に本会議でも採り上げられましたが、まだまだ認知度は低く、対応も遅れていると思っております。日本人の約40人に1人が色覚障害を抱えているという現状は世間では認識されていないでしょう。日本全国では約318万人となり、身体障害者の総計を超える数となっています。世界的にはAB型の血液型の頻度に匹敵し、極めてありふれた存在であります。治療などで改善できるものではなく、ほとんどが遺伝による先天性のものであるわけですが、自分が色盲であることを隠す人が多いことや、色盲であっても実際にはかなりの色を不自由なく見分けられることから、これまで色盲の人が不便さを積極的に訴えることは少なかったと言えます。そのため、色盲がこのようにありふれた現象であるにもかかわらず、バリアフリー対策の対象となっているほかの障害に比べ色覚に対するバリアフリー対策の意識は低いのが現実であります。文部科学省では、色覚問題に関する指導の手引を発行するなど色覚障害者への教育上の配慮をしておりますが、国土交通省などほかではまだガイドラインが出されておりません。実は先月、私の友人が自分は大半を占めている赤と緑の区別が付きにくい赤緑視覚障害者であることを告げ、京都市交通局のホームページに掲載されている地下鉄の路線図が赤と緑で分かりづらいのでどうにかならないかという相談がありました。早速交通局と話をさせていただいた結果、迅速に改善へ取り組んでいただきました。平成16年6月に京都市ホームページ作成ガイドラインが策定されましたが、まだまだ全庁横断的に浸透していないと思います。東京のことではありますが、平成14年に東京地下鉄路線図を題材に色覚バリアフリーの具体的方策を考えるための実証調査がされ、路線図や駅表示が色覚障害の方々に見やすいように改善されたと聞いております。また平成16年3月には、神奈川県から色使いのガイドラインという色覚バリアフリーの正しい知識と具体的な対策や色使いで配慮すべきことを解説した小冊子が発行されています。京都市は今回、京都市みやこユニバーサルデザイン推進条例の制定が議案となっております。条例案には、年齢、性別、言語、習慣、心身の状態にかかわらず、すべての人にとって生活しやすい社会環境の整備に積極的に取り組む必要があると記載されています。私は、他都市の取組なども参考としながら、行政機関だけでなく市民、事業所へも積極的に働き掛けたガイドラインを作成するなどより一層の取組が必要であると考えます。この度の条例制定を機に色覚バリアフリー化をどのように推進していくのかお答えください。 次に地域のニーズを踏まえ市民生活の大抵のことに対応できる便利で満足度の高い総合行政機関である区役所の総合庁舎化についてお尋ね致します。これは順次整備され、19年度に右京区総合庁舎、20年度には伏見区総合庁舎が完成致します。誠にうらやましい限りであります。まだ未整備区は、上京、左京、西京区でありますが、上京区役所は老朽化、狭隘化し、特に保健所は最も古く40年以上もたっており、エレベーターもなく、2階へ行かれる際に職員の介添えが必要なときもあり、設備関係全体がいつパンクしても不思議でない深刻な状態であります。財政難の中、順次整備していくことは分かっておりますが、上京区もようやく各学区の皆様による総合庁舎建設候補地検討会議が何度も開催されていく中、選定作業も進んできておりますので、17年度中には候補地を決定し、来る記念すべき上京区制130周年に当たる平成21年度にはどうにか着工できるようにしていただき、130周年記念に華を添えていただきたく存じます。いかがでしょうか。 最後に、みどりの風に色はえて、この京都市歌についてお尋ね致します。京都市歌は、昭和26年3月6日から5月10日まで全国的に公募され、北海道から九州まで何と2,511点の応募の中から選ばれたという大変格調高いものであります。その副賞賞金は何と10万円であります。当時初任給が数千円という時代の10万円ですからかなりの大金でありました。先日、京都市スポーツ表彰の式典に寄せていただいた際、京都市歌演奏の場面がありました。テープだけ流れて歌声はほとんど聞けませんでした。よくあることであります。国に国歌が、学校に校歌が、そして京都市に市歌があって当然であり歌うのが当たり前であります。私は、セレモニーと儀式における歌は大変重要と思っておりますし、実際教師をしていたときもまたボーイスカウト活動における開閉会儀礼の際も大事にして参りました。儀式は節目をきちっと付けること、また規律ある厳粛さを体感することに大きな意義があります。規律があってこそ秩序が培われるわけであります。京都市歌が歌えないのは知らないからであり、それは歌う機会がなかったからであります。現在、京都市小学校の指導計画の中には、国歌君が代と京都市歌の指導が明記されております。5年生のコンサートホールでの音楽鑑賞の際に京都市歌の独唱を聞いておりますが、通常の学校生活ではほとんど接する機会がないのが実情であります。京都市歌を変えればという意見もありましたが、私は、継承すべきと思います。なぜなら新しいものはいつでも作れますが、古いものはなくなればお仕舞いです。歴史と伝統の京都であります。京都市歌の誕生は由緒ある格調高いものであります。また仮に新しい市歌が出来たとしても、きっとどこかで聞いた節だなあと思うことでしょう。今はこれまでの旋律の組合せによって曲が生まれてきている時代であります。私は、学校の大きな儀式では、例えば国歌と校歌は初めに歌い、最後に京都市歌を歌って終えるという流れを提案致します。セレモニーの初めと終わりに歌うことによりまとまりができ、きちっと締まるのです。またそのことは、学校だけでなく行政機関でも実行していただきたいです。そして我々議員も定例市会の初日の本会議では皆で斉唱したいと提案させていただきたく思いますが、皆さんいかがでしょうか。(発言する者あり)御賛同誠にありがとうございます。国歌や校歌のように宙で歌えるところまで行かなくても、せめて歌詞さえ見れば歌える京都市民でありたいと思いますが御見解をお願い致します。以上をもって私の質疑を終えさせていただきます。長らくの御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中セツ子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 中村三之助議員の御質問にお答え致します。 まず温室効果ガスの削減についてでございます。この度7年有余の歳月を経て幾多の困難を乗り越え、京都議定書が発効しましたことは誠に感慨深いものがございます。昨年12月、全国に先駆けて進化する条例として制定致しました京都市地球温暖化対策条例につきまして、議員をはじめ多くの方々から高い評価をいただき心から感謝申し上げるとともに大変意を強くしているところでございます。世界が待ち望んだ京都議定書発効という記念すべき2月16日には、この掛け替えのない青く輝く地球を次の世代に引き継ぐため、市民の皆様や世界に向けて共に行動することを呼び掛けました。今後、本条例に基づき具体的な対策を定める地球温暖化対策計画を策定するとともに、本年4月には私自らが先頭に立つ全局区を挙げた新たな推進体制である京都市地球温暖化対策推進本部を設置し、全庁を挙げて強力に取組を進めて参ります。私は、議定書誕生の地の市長として、何としてでも温室効果ガス10パーセント削減を達成するとの不退転の決意を持って、市民、市民団体、事業者の皆様と共に世界に誇る環境共生型都市京都を築いて参る所存でございます。 伝統産業活性化条例の制定と今後の取組についてお答え致します。議員御指摘のとおり歴史都市京都は、我が国にとって特別な役割を持つ都市であり、京都市の伝統産業は、その活性化を通して我が国の財産である京都を創生する役割を担っております。しかしながら、伝統産業を取り巻く状況は大変厳しく、悠久の歴史の中ではぐくまれてきた伝統産業を守り発展させるため、我が国初の条例を制定し業界のみならず市民、行政が一丸となった取組を図る必要がございます。条例につきましては、現在実施しております提言、中間報告へのパブリックコメントの募集後に伝統産業活性化検討委員会によって取りまとめられます最終提言を基に、更に広く市民や業界の方々の御意見をお伺いしつつ本年9月市会に提案させていただきたいと考えております。 伝統産業の日の事業についてでございますが、業界団体や観光文化事業との連携を図り、昨年は9万4,000人もの市民や観光客の方々に御参加いただくなど全国的にも定着し評価をいただいております。今年度は、着物着用者の二条城など無料入場事業の対象施設を20施設に倍増するとともに、市バス・地下鉄の無料乗車事業につきましては、事業の実施期間中、市バス車内、地下鉄駅構内等に無料乗車券を用意し、その場で御利用いただけるよう利便性を向上致します。更に呉服店やデパートと連携し、着物の着崩れを無料で直していただく取組も新たに実施するなど民間事業者との連携をより一層図ります。 また京都・花灯路事業との連携を進めるとともにちらしの印刷部数を3万3,000部から25万部へと大幅に増やし、その配布先についても業界団体や京都市関連施設に加えまして、新たに旅館、ホテル、デパートなど観光関連集客施設にも拡大しPR活動の充実を図って参ります。今後は、より一層業界団体や観光業界との連携を深め伝統産業の振興につながる取組に全力投球致します。 京都市歌についてでございますが、その歌詞とメロディーは、世界の京都や美しい自然、悠久の歴史、その上に成り立つ光の都を表現しております。制定以来55年を経た今も心に響く品格ある歌であり、市民の皆様に京都市歌に親しんでいただくことは京都のすばらしさを理解し、京都を大切にする心情を培うよすがとなるものと考えております。そのため京都市では、自治記念式典や成人式、発令式等において市歌を斉唱するとともにホームページで歌と楽譜を発信するなどITを活用した普及にも取り組んでいるところであり、更に式典等での活用を図って参ります。また学校においても京都の発展の担い手である子供たちに音楽の時間や学校行事などで発達段階に応じて京都市歌に親しみ歌うことができるよう教育委員会において取組の更なる工夫を進めてもらうようお願いしております。今後とも多くの市民の皆様に対して気軽に口ずさんでいただける機会づくりに積極的に取り組んで参ります。 以下、副市長、観光政策監、教育長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中セツ子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) 2点お答え致します。まず地域の情報伝達社会システムの構築と地域調整官の設置についてでございます。議員御指摘のとおり魅力あるまちづくりを推進するためには、様々な行政課題に関する情報伝達機能の強化が必要であります。そのためには区役所がコーディネーターの役割を担い、行政組織や学校、地域との一体化を強めなければならないと考えておりまして、御提案の地域調整官の役割を区役所の職員一人一人が果たすことが極めて重要であります。今年度から始めました区政改革におきましては、区長のリーダーシップの下に区内の行政機関や学校との横断的な連携をより一層強め、区政の総合的な推進を図るために従来の区行政連絡協議会を再編強化した区行政推進会議の創設に向けて取り組んでおります。また区民との情報共有を目指して、区長の説明責任の強化を図るため区政運営の理念や具体的な取組を広く区民にお示しする区運営方針の策定と公表などにも取り組んで参ります。各区の実情に応じて区役所が情報伝達と地域づくりのコーディネーターとしての役割をどのように担うのか、御提案の地域調整官につきましても区政改革を進める中で十分に検討して参りたいと考えております。 次に上京区総合庁舎についてお答え致します。区庁舎の総合庁舎化につきましては、区民の皆様方の利便性の向上と区役所のより効率的な業務の推進を図るため、極めて厳しい財政状況の中ではございますが用地の確保など条件の整った所から順次着手しているところでございます。現在の上京区庁舎は、老朽化と狭隘化が著しく、そのうえ保健所が別庁舎になっておりまして新庁舎の建設が必要であると認識しております。新庁舎建設のためには、まず庁舎建設が可能な規模と利便性を備えた用地の確保が必要でございますので現在内部で検討を続けております。上京区民の皆様からも強い御要望をいただいておりまして、上京区基本計画に掲げる区民の自治活動の拠点ともなる総合庁舎の早期実現を目指して引き続き努力して参ります。具体的な計画につきましては、今しばらくお時間をいただきますようにお願い申し上げます。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕 ◎副市長(松井珍男子) 私からは色覚バリアフリーについてお答え致します。赤色や緑色など特定の色の識別が困難な方は、色だけの情報や多くの色が用いられている情報を十分に理解できないという生活上の不便を感じておられます。このため本市におきましても色覚特性に配慮したホームページの更新を図ったところでございますが、このような取組を市民、事業者等に広げていくことが重要だと認識致しております。本市会に提案させていただいております京都市みやこユニバーサルデザイン推進条例では、施策を総合的に実施するための指針を策定することと致しております。この指針の中で御指摘の他都市の取組なども参考にしながら、市役所内での議論や市民、事業者などとの協働を通じて色覚バリアフリーについての具体的な配慮の在り方、更には市民、事業者等も含めた行動目標を明確にしていきたいと考えております。今後とも色覚特性のある人をはじめ、すべての人にとって暮らしやすい活力ある京都の実現に向けて積極的に取組を進めて参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 清水観光政策監。 〔清水観光政策監登壇〕 ◎観光政策監(清水宏一) 宇多野ユースホステルの改装についてお答え致します。宇多野ユースホステルは、昭和34年に開所して以来45年を経過し、老朽化が進むなど多様化する利用者のニーズに十分対応できていない状況にあります。そのため外国人や障害者にも快適な宿泊型観光の拠点施設として、また青少年の健全育成や市民レベルの国際交流の場として抜本的に再整備していきたいと考えております。建て替えに当たりましては、議員御指摘のとおり周辺の豊かな自然景観や閑静な町並みと調和した和を基調とした施設を目指したいと考えております。現在、建て替え工事に必要な地質調査を行っているところであり、5,000万人観光都市京都にふさわしい施設となるよう今後デザインや機能、運営について更に検討を進め、平成17年度には基本設計及び実施設計、平成18年度半ばには本体工事に着手し平成19年度中の開所を目指して参ります。 ○議長(田中セツ子) 中野産業観光局長。 〔中野産業観光局長登壇〕 ◎産業観光局長(中野美明) 伝統産業振興対策についてお答え致します。京の職人さん雇用創出事業は、今年度で終了となりますが、伝統産業の卓越した技術や職人技のすばらしさを市民や観光客の方々に触れていただくことは非常に重要なことと考えており、新たに京都市独自に京の匠ふれあい事業を実施して参ります。具体的には、伝統工芸品を制作する職人さんを市内の小中学校に派遣し、制作体験教室を行う取組や京都伝統産業ふれあい館や西陣織会館などの観光施設におきまして制作実演や体験教室等を行うなど、伝統産業の匠の技に直接触れていただく取組を進め、観光産業と連携し伝統産業の振興を図って参ります。なお、国において雇用機会の創出や求職者等の能力開発などの事業を行う地域提案型雇用創造促進事業が新たに制度化されました。そこで今後京都市が中心となって経済団体等と共に協議会を設置し、伝統産業と観光産業の連携による雇用創出事業の提案を行い採択されるよう強力に取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕 ◎教育長(門川大作) 環境教育についてでありますが、本市では、京都議定書発効の歴史的意義を踏まえ、去る2月11日に開催した京都子ども環境フォーラムにおいて先進校の実践発表や各学校の記念パネル展を行うとともに、いち早く子供たちが自ら地球を守る決意を子ども環境宣言として全市、全国に発信致しました。また毎年度すべての学校で取り組むべき指針を示した指導の重点では、来年度、地球環境を守り豊かにはぐくむ担い手づくりを目指し、教科学習や総合的な学習の時間をはじめ、あらゆる教育活動を通して環境教育を充実させることとしております。 こうした中、新たに本市独自の実践事例集の作成や環境にやさしい学校認証制度の全校実施に向けた取組、環境学習情報の提供、発信など、学校、家庭、地域が連携した取組を推進して参ります。更に花背山の家や奥志摩みさきの家で開発した環境学習プログラムに沿って全児童生徒が自然体験活動を行っており、今後京北町の豊かな自然や野外活動施設を活用することにより子供たちに自然環境保護の精神をより一層培って参りたいと考えております。以上です。 ○議長(田中セツ子) 次に山中渡議員に発言を許します。山中議員。 〔山中渡議員登壇(拍手)〕 ◆(山中渡議員) 私は、下京区より選出されております山中渡でございます。日本共産党市会議員団を代表して2005年度予算案について質問致します。 最初に予算案に対する市長の基本姿勢について伺います。第1は巨額の市民負担増の問題です。予算案ですが、保育料、敬老乗車証の有料化、公共施設の使用料など31項目、総額14億円を超える値上げ、負担増をはじめ国民健康保険料では値上げ総額8億円、障害者医療の有料化で総額2億円など市民に巨額の負担増を押し付けるものとなっています。更に2004年度で100億円の市民サービスが削減されましたが、今予算についても同じやり方で市営葬儀の廃止など総額56億円もの市民サービス予算を削減しているのであります。内容についても例えば国民健康保険料では中間層の負担を軽減したと言っています。しかしその中身は府市民税非課税世帯への新たな負担増や低所得者層の保険料の大幅値上げなど所得の低い世帯への極端なしわ寄せがされているのであります。正に子育て世代、高齢者、障害者、低所得者世帯直撃の本当にひどいものです。この予算案を押し通すなら、国の本格的大増税のうえに市の大負担がのし掛かることになり市民生活に計り知れない悪影響を与えることは必至です。 市長に伺います。今、国において年金保険料の引上げに加えて介護利用料の負担増、生活保護費の老齢加算の廃止、定率減税の縮小廃止、国公立大学授業料の値上げ等々既に決まっているものや、これからのものを含めると2年間で7兆円もの国民負担増の計画が進められようとしています。このことは市長も御承知でしょう。国の大負担計画についてマスコミ各紙は、本格的増税路線と報道し、財界の中からも橋本内閣の失政の再現との声が出されたほどのひどさです。国民の堪忍袋の緒が切れる日も近いと書いた新聞もありましたが、市長は、こうした国の国民負担増、大増税路線が市民生活に与える影響についてどのように認識されていますか。 市民生活の実態はどうでしょう。市民所得の減少傾向に歯止めが掛からない。国民健康保険料を払えない世帯は増加を続け、引下げを求める声は日々大きくなっています。保育料についても、保護者の中には夫婦ともフリーターという世帯も生まれるなど子育て世代の収入と雇用の不安定が拡大する中での値上げです。高齢者の方を取り巻く環境についても、医療、社会保障の高負担など深刻さが拡大しています。国の負担増だけでも耐え難いというのが市民生活の現状ではありませんか。こうしたうえに本市の巨額の市民負担増を押し付け、それも子育て世代や高齢者、障害者など生活弱者を狙い撃ちするやり方に何の痛みも感じないかという問題です。市民生活の実態を本当に理解しているなら、このような負担増をかぶせることはとてもできないことと考えますが、市長はいかがですか。 市長は、この予算をマニフェスト実現の有言実行予算とされています。低所得者への新たな負担増や市民サービス削減の内容がマニフェストのどこで示されたのでしょうか。市長は、この1年で学校管理費や保育所運営費の削減など公約違反の市政運営で市民不安を広げました。そして今回、公平さを入口に新たに幼稚園入園料の負担の仕組みを作りました。また、利益に応じた負担だといって公共施設の使用料などの軒並み値上げを当然としたのであります。先ほど述べたように、国保料では非課税世帯に新たな負担を課しました。市民負担増のやり方を広げたのであります。公約違反にとどまらない行政の役割を更に変質させたと言えます。市長は、常々福祉を後退させないと述べておられますが、本当にそうお考えならこんなことはできません。市民負担増とサービス切捨ての計画をいったん撤回するのが筋ではありませんか。 敬老乗車証の有料化について伺います。70歳以上の方に総額6億円を負担させようとするものです。敬老と高齢者の社会参加を目的に創設された制度であることは市長も承知のはず。楽しみにされ、元気の源とおっしゃっている方、70歳を心待ちにされている方が本当にたくさんおられます。厚生労働省も、バス乗車は高齢者の閉じこもり予防になると公共交通料金の助成を推奨しているではありませんか。市長は、老人ホームなどボランティア活動をされている高齢者の方を御存じですか。健康な間はできることはしたいと敬老乗車証の無料制度を最大限活用して参加されています。有料化はこうした高齢者の方の生きがいや楽しみをもお金に換えようとするものであり、積極的な社会参加に水を差すものです。今、様々な負担増の下で高齢者の方の生活環境は日々深刻になっています。敬老と社会参加の妨げになり、更なる負担増となる敬老乗車証の有料化についてはいかなる理由を付けても行うべきではありません。市長いかがですか。 次に三つのプランなどリストラ計画について伺います。昨年、京都市は、市政改革実行プラン、財政健全化プランなど3プランを公表しました。職員削減、民間活力導入の推進、4年間で総額400億円の市民サービス予算削減、都市再生法の活用などの方向が示されています。そこからは、第1に行政の仕事の民間開放の促進。第2に市民への自立、自助の強要と本市の公的役割の後退、公共サービスの削減、市民負担増の推進。そして第3に民間投資の呼び込みによる開発推進の方向が見えてきます。市長に伺います。市政改革や財政健全化プランは一体誰の目線のプランかという問題です。この間、日本の大手企業は、海外生産と大量の人減らしを進める一方、財界団体を通じて地方自治体の在り方にまで言及、公的仕事の民間開放、地方自治体の自立、自助の促進、国庫補助負担金、地方交付税の削減、都市再生法の活用を求める提言を繰り返し行っています。こうした下で昨年9月、京都市は、法の定めのあるもの、公権力行使、企画立案以外のものはすべて民間委託の対象と全面的な民間開放を内容とする公民協働の考え方を発表しました。ここでは財界の意向がそのまま採用されています。例えば昨年の委員会で、キリンビール工場跡地の大商業施設について、自民党の議員の方から既存の商業が脅かされることがないのかとの計画を懸念する質問がありましたが、財界提言は、そういう声に対しても空洞化の懸念に圧されてはならないとしているのであります。プランが京都市民の目線で作られたものではない一例だと言えます。このようにプラン全体の示す方向は、国民に痛みを強要する国や財界の目線であり、住民の暮らしを守るという自治体の本来の役割を失わせ変質させるものでしかないと考えますが、市長いかがですか。 市長は、行財政改革に不退転で取り組むとされていますが、改革には身を切るような痛みを伴うともされています。本市において今の自治体リストラにつながる市政改革が始まったのは10年前です。今日まで4回の改革計画が出されてきましたが結果はどうでしょう。市民の負担は増え続け、所得は下がり続けています。痛みの先に更に新しい身を切るような痛みが待っていただけではありませんか。事態好転の展望を全く語らず、市民の痛みと不安だけを大きくしたと言えます。更に財政計画の問題です。市長の掲げる戦略的予算編成システムの下で2004年度に続いて2005年度も市民サービス56億円の削減です。今後2008年度まで毎年80億円、120億円、160億円と削減額が拡大されることになっています。市長は、先進的手法と自画自賛されていますが、国の財政削減計画の枠の中に市の財政運営をはめただけであります。今予算案でも公債償還基金からの借入れや市債の活用など借金と負担の後年への付け回しを拡大させています。本市財政基盤を更に掘り崩し、更に財政危機を進める道でしかありません。民間の格付け機関の評価でも、本市の信用力は政令指定都市中最低ランクです。あなたの進めた改革は、行政サービスの低下と本市の信用力の低下をもたらしただけではありませんか、市長いかがですか。 次に無駄な大型公共事業の問題について伺います。今年秋、阪神高速道路公団は民営化されます。同公団の通行料金収入の減少率は公団の中でも筆頭です。また民営化後45年で借金の返済をすることとなり、新会社では今までどおりの高速道路の建設ができないとして関係自治体に出資率の引上げと事業区分の見直しを求めています。昨年、市長は、出資率の引上げはやむなしとされ、また事業区分の見直しにより更に百数十億円の新たな負担が生じると答弁されました。市長は、今年と来年度の2年間で市民サービス予算を140億円以上削る提案をされていますが、このやり方でいけば市民サービスを削った分がそっくり京都高速道路建設の新たな負担に注ぎ込まれることになるではありませんか。ランプの工事では、他都市にはほとんど例のない市負担の手法を率先して採用、既に160億円規模の市税投入をやっているのであります。負担に継ぐ負担です。市民の負担増と痛みで捻出した財源をこれからも高速道路計画に次々と注ぎ込むおつもりですか、市長お答えください。 現在、京都市と公団は油小路線、新十条通の2路線について民営化後を想定した事業見直しの協議を続けています。ところが公団の民営化という高速道路建設の仕組みが根本的に変わり、事業や財政計画が大きく変わろうとしているのに、その全体像は明らかにされていません。分かっているのは、公団が本市に対し出資率のかさ上げと280億円分の区間を一般街路事業としてやるように求めていることだけです。本市が事業主体となって建設を進めた場合は、費用の半額負担だけでは済みません。今後の高速道路の維持管理も本市負担となり巨額の費用を要します。事業決定がされていない西大路線や久世橋線、堀川線については、今回の百数十億円の市負担増にとどまらない深刻な問題があるのであります。そういう下で市長は3路線についても進めるとしていますが、油小路線、新十条通で既に財政破綻となっているのであります。未着工の3路線の総事業費は2,900億円と試算されていますが、既に阪神道路公団は、民営化後新会社が事業主体になるのは困難としています。京都市が事業を引き取るしか道はありませんが、そうすれば本市財政はたちまち破綻です。完全に事業破綻に突き当たっているのであります。決断が遅くなればなるほど市民犠牲が拡大するだけです。事業破綻を認め計画全体の凍結中止の決断を直ちにすべきです。市長お答えください。 京都迎賓館問題について一言申し述べておきます。間もなくオープンとされています。今後巨額の維持管理費が発生するとされています。この地元負担について、先月、京都新聞は、元京都府知事が地元の応分の負担の約束を交わしていたとする声や、自民党国会議員の方の地元が運営費を出すから国がこの施設の建設を認めたなどの声を紹介しました。また同記事は、計画を渋る国に対して当時の金丸信自民党副総裁が交通事故に遭ったものと思って付けてやれよといって予算を付けさせたことも紹介しています。こうした施設に200億円を超える国費が注ぎ込まれたこと、地元利用については極めて危うく、負担については具体化されかねない市民不在の施設であったということの一端をうかがわせるのではないでしょうか。 次に三位一体改革について伺います。市長は、地方への税源移譲など地方分権の流れを作るものとして三位一体改革の理念は賛成と表明されています。ところが三位一体改革の実態はどうでしょう。昨年に示された全体像では、例えば本市会で問題となった生活保護費負担金の補助率見直しについては先送りされただけです。そして昨年の議会で、あるべき財源の移譲、これがほとんど顧みられていないところに大変ないら立ちと強い危機感を持っていると市長も答弁されたように、三位一体改革で実際に行われていることは自治体の首を絞めることだけではありませんか。改革とは名ばかり、地方の財源を削ることだけが三位一体改革の目的であることがはっきりしています。こうした実態に市長が本当にいら立ちと危機感を持つなら、国に対して真の権限移譲を要求する行動を起こすべきではありませんか。今、国が削ろうとしているのは、教育や福祉の補助金であり地方の裁量の余地がほとんどないものです。本当に地方の裁量を発揮するのであれば、ひも付きと批判の高い大型公共事業の国庫補助負担金を廃止、縮減して、その分の税源移譲を求めるべきではありませんか。そうしてこそ地方の権限で自由に使える財源を増やす道が開かれると考えますが市長いかがですか。 地方交付税削減についても国への強い対応が必要です。三位一体改革の全体像で、地方団体の安定的な財政運営に必要な地方交付税、地方税などの一般財源総額は確保するとしていますが信頼できるでしょうか。昨年、市長は、財務大臣の大幅削減案について地方の財源需要については一顧だにされていない。噴飯ものとされましたが、三位一体改革の全体像は、国の歳出削減に努めることや地方財政計画の合理化を掲げるなど、更なる地方交付税の削減を進めるとしているではありませんか。また国の中期地方財政ビジョンでは、地方交付税の大幅削減に2007年度以降本格的に取り組むとしています。交付税削減を許さない取組を思い切って強化することが必要ではありませんか、市長の見解を求めます。 次に憲法問題について伺います。党議員団は、これまでも憲法に対する市長の基本認識を伺ってきました。憲法調査会が設置されて以降、改憲論議は一層盛んになりましたが、昨年、一昨年の議事録を見ましても、市長がこの問題で直接答弁されたことはありませんでした。最近では、副市長答弁がありますが、ここでは日本国憲法が希求する平和は、日本国民のみならず人類共通の願いであることは論をまたないとされています。今起こっている改憲論議の中心はどこにあるのでしょうか。自民党が昨年いったん提出した案では、自衛隊の武力行使が明記され、民主党も集団的自衛権の問題について触れています。集団的自衛権の行使や海外での自衛隊の武力行使を求める改憲の動きは、現行憲法が求める平和の希求に明らかに違反することではありませんか。また、制定後半世紀以上たち、憲法改正を巡って様々な意見が出され広く議論が進められるべきとする副市長答弁がありますが、改憲の流れに同調するものでしかありません。憲法第99条は、すべての公務員は憲法を尊重し擁護する義務を負うとしています。本市においてもすべての職員が憲法を尊重し擁護することを誓う宣誓書に署名し仕事に就いています。市長を先頭に職員が職責を全うする上でも憲法の尊重と擁護の行動が今強く求められているのではありませんか。市長の見解をお示しください。 次に危機管理計画と安心安全ネット戦略プランについて伺います。市民の社会不安や生活不安の解決は市民共通の願いです。また住民による防犯の知恵集めなど自主的取組も広がっています。木屋町通など中京区、下京区の繁華街では、長年にわたり市民参加の防犯パトロールが取り組まれ、念願であった移動交番の設置など安全確保策が進みつつあります。社会全体において地震、台風被害、犯罪、テロなど市民の生命や財産、安全を脅かす事態に対して、それぞれの原因と背景に応じた有効な対応策が必要なことは論をまちません。ところが昨年12月と今年1月に発表された京都市の危機管理基本計画と安心安全ネット戦略プランがこうした市民の望む方向とかみ合っているかという問題です。まず安全安心プランです。そこでは地震、風水害、犯罪、食品の安全からミサイル攻撃、大規模テロなど市民の安全を脅かす様々な事態が一括して危機あるいは危険として扱われ、そのための住民組織づくりなどが提起されています。これでは個々の事象に応じた対策に結び付きません。市長に伺います。本市の安心安全戦略プランで今後の安全対策について、ここでは行政施策によって安全を確保しようとする体制から地域の自助、共助の活動を重視する動きへとやり方を変えるとありますが、安全確保の行政体制をなくすおつもりですか。更にプランは、住民による犯罪を起こさない地域づくりの方向を目指すとしていますが、先に例に挙げたように木屋町通での交番設置など警察本来の仕事の強化こそ住民の願う安全確保の基本です。行政施策を後退させ、住民の活動に安全確保の責任があるかのように求めることは住民の願いへの逆行ではないでしょうか。不安の内容に応じた個々の対策強化こそ必要と考えますがいかがですか。 危機管理計画ですが、この計画はテロや犯罪など本来警察の仕事として対応するものとそうでない自然災害などを同列に扱い、区別を付けさせないようにして制定された国民保護法の具体化です。国民保護法は、武力事態等の際の住民避難計画です。自衛隊に避難誘導の要請ができること、また警察官などは立入制限地域を指定することやその地域からの退去命令ができるとしています。住民が従わない場合は罰則を適用するなど強制力を伴うものとなっています。危機管理計画は、今市民の中にある様々な不安や安全を求める声を酌み取る形で一挙に有事の体制を作ろうとするものです。更に住民組織づくりについても、自衛隊や警察の指揮命令の系統に住民組織を組み込もうとする方向が示されています。現在、住民が行っている自主的な防犯パトロールや地域の勉強会などとは全く性格の違うものであります。市民の中にある様々な不安解決や安全を求める声を逆手に取って有事体制づくりを進め、住民の相互監視に結び付きかねないような住民組織づくりは行うべきではないと考えますがいかがですか。 次に震災対策について伺います。今年1月、台風、新潟中越大地震、スマトラ沖地震と大津波による大被害の傷跡が大きく残る下で6,400名の命を奪った阪神大震災から10年目を迎えました。今なお被災地では豪雪と闘っておられる皆さんもおられます。被災地の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。 今日において阪神大震災の教訓をどう生かすのかが改めて問われていると言えます。本市においても耐震性貯水槽の設置拡大、災害情報処理機能の向上など消防力強化や地域ごとのハザードマップ公表などの対策が進められてきました。阪神大震災の起こったその年の議会で、私はハザードマップの作成と公表を求めましたが、当時の答弁は、市民生活に大きな影響を与えるので慎重に検討して参りたいとしていましたから、その変化には大きなものがあります。そのうえで3点伺います。第1は、住宅の耐震改修の支援です。緊急性と切実性があるとして、共産党議員団は、昨年の11月定例市会に木造住宅の耐震改修工事費助成条例と住宅改修工事費助成条例の提案を行いました。ここでも指摘しましたが、本市の木造住宅に対する耐震支援対策が市民から全く相手にされなかった極めて問題のある制度でした。根本からその見直しが求められています。そもそもこの施策に対する予算は幾らであったのか。2004年度600万円、対象戸数はわずかに10戸です。初めからやる気のない施策でした。ところが来年度予算はどうか。ここでも600万円しか計上されていません。本当にやる気があるのかという問題です。本気で市民の不安にこたえようとすれば、地域限定や助成率や助成額の低さなど使いにくさの垣根を取り払い、誰もが安心して気軽に利用できる制度に改善すること。それを保障する予算拡充を行うなど制度の抜本改善です。市長いかがですか。 第2に公共施設や市立の学校の耐震対策も遅れたままです。元々老朽校舎が多く他の都市に比べても特別の対策が求められていました。遅れた事態が改善されていません。公共施設の耐震補強対策など計画の目標を前倒して取り組むべきだと考えますがいかがですか。 第3に住宅再建問題に対する本市の対応の基本を今の時期に国に対して明確に求めておくことも急務と考えます。被災者生活再建支援法は出来ましたが、住宅の再建には使えません。台風被災地、中越地震の被災地でも大問題になっています。鳥取県は、住宅再建の助成策を全国の自治体のトップを切って実施しましたが、こうした点にもしっかり学ぶ必要があると考えます。京都市として独自の支援策を練るとともに、国に対し真の住宅再建策につながる法整備を求めていくべきと考えますがいかがですか。 次に同和問題について伺います。平成13年度をもって特別施策としての同和対策事業は既に終了しております。繰り返される本市の答弁です。ところが来年予算案には、例えば自立促進援助金ですが2億6,000万円が計上されています。自立促進援助の制度は、国が奨学金制度を給付から貸与に変更した際、京都市が1984年に創設したものです。この自立促進援助金制度が出来たことにより、貸与された奨学金は返さなくてもよいという仕組みが出来上がりました。1985年に初めて適用されましたが、この人たちの援助は2005年度でようやく終了です。奨学金制度が2006年度まで延長されたことによって、自立促進の援助が終了するのは実に24年後の2029年です。本市の中で貸し付けたものを返さなくてもよいとする仕組みはこれだけしかありません。特別対策そのものではありませんか。この制度の下で今後総額50億円規模の財政が費やされることになります。財政危機を叫び巨額の市民負担増を市民に求めておきながら、こうした特別扱いを残していることはいかなる理由を付けても説明の付くことではありません。市民の間に不信と不公平を広げるだけではありませんか、市長いかがですか。 また、この制度を続ける理由として教育の機会均等の保障、就職の機会の保障、学力の向上を挙げていますが、これらのことは市民全体に共通している問題です。こうしたときに特別対策をこれから24年間も続け、50億円もの税金を費やすことに市民の納得が得られるでしょうか。更に自立促進援助金の見直しの遡及はできないとしてこれまでの支出を合理化し施策を続ける理由にされていますが、国が貸与に切り替えたとき、京都市が給付を継続させたことに元々の問題がありました。その反省もなく、今後は日本育英会の基準を超えるものについては返還を求めるとしていますが、特別対策を続けようとする言い訳でしかありません。直ちに中止すべきです。お答えください。 最後に京北町の編入合併問題について伺います。今年1月、京北町の編入合併の大臣告示がされました。その直後に京北町長が収賄容疑で逮捕され、他の件で再逮捕に広がりました。町民の皆さんをはじめ関係者の皆さんから怒りと真相究明を求める声が上がったのは当然です。編入合併を前に京北町の住民の皆さんは様々な不安を抱えておられます。また町長の事件が不安を大きくもしました。市長は、合併して良かったと思われるようにしたいと発言されていますが、そのためには何が必要かという点です。京北町の基幹産業である農林業の抜本的強化、また高すぎる国民健康保険料問題の解決など住民の暮らしを守る立場が今後の市政と区政運営の基本に据わるべきと考えております。こうした市政、区政運営が進められることを強く求めておきます。ここでは緊急を要する問題のみについて質問致します。その第1は農林業対策です。合併で本市の林業面積は4万ヘクタールから6万ヘクタールへと格段に広がります。基幹産業としての位置付けが一段と高まりました。市内と京北町の林業支援策の底上げを図るなど施策の根本強化が必要です。また昨年からの積雪による倒木被害は、市内と京北町で総額3億1,000万円と現時点で推定されています。倒木の引き出し費用すら捻出できないというのが地元の実態です。緊急を要します。支援の決意をお示しください。 第2は治山治水対策です。栗尾峠付近において市内の民間業者が所有していた山林が広範囲にわたって伐採される事態が起こっています。党議員団としても現地調査を行いましたが、伐採地域は、幹線道路、上桂川、人家の直近にまで及ぶなど極めて危険な状態となっていました。地元の皆さんはこのままでは数年で根腐れが起こり地滑りなどが起こりやすくなると不安の声を上げておられました。府や町ともよく連携を取り調査と対策に直ちに乗り出すべきと考えます。以上についての見解を求めまして私の第一質問を終わります。(拍手) ○議長(田中セツ子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 山中渡議員の御質問にお答え致します。 まず市民負担についてのお尋ねでございます。我が国は、世界でも類を見ない速さで少子長寿化が進行し、平成19年から人口の減少が始まると言われております。このような中で、社会経済の活力を維持しつつ増え続ける福祉をはじめとした財政需要にどのようにこたえていくのかが国、地方共通の重要な課題であります。行政サービスは、給付水準と税や保険料、利用料といった負担のバランスによって成り立っているものでございます。国における様々な改革は、このバランスをどう保っていくかについて真剣な真摯な議論がなされ出された結論であると認識しております。本市におきましても、その考えに変わりはなく、本予算案における受益者負担の適正化を中心とした改革は、利用者に十分満足いただけるような水準の行政サービスを将来にわたり持続可能なものとするため、またサービスを受けておられる人と受けておられない人や世代間の公平性をいかに確保していくかという観点から提案させていただいているものでございます。受益者負担の適正化は、市民の皆様に新たな御負担をお願いすることとなるだけに、管理経費の節減を徹底することはもちろんのこと負担増を抑制するための対策を可能な限り講じるほか、低所得者の方に対する配慮も致しております。私は、今財政の健全化にしっかりと取り組まなければ京都の将来の発展はないと考えており、今後とも強い覚悟と信念を持って市政運営に邁進して参ります。(発言する者あり) 次に敬老乗車証制度についてでございます。本制度は、70歳以上の高齢者の方の社会参加や生きがいづくりに大きく寄与している重要な施策でございます。この度の改正案は、制度が廃止されるかのような誤解も解けつつあったことから、京都市社会福祉審議会や市民アンケートなど開かれた議論を行ったうえで提案させていただいたものであります。負担額につきましては、例えば全体の70パーセントを超える市民税非課税の方は月額250円で、市バスを1回乗車いただくのとほぼ同等の額とするなど所得に応じた無理のない額と致しております。一部負担の導入は、この制度がいつまでも持続できるようにしていくためのものであり、市民の皆様の御理解を得ながら進めて参ります。 次に京都市市政改革実行プランなど三つのプラン及び戦略的予算編成システムについてでございます。右肩上がりの成長経済の終焉や急速な少子長寿化の進展、地球環境問題の深刻化など時代の大転換期にある今日、市民生活をしっかりと守り世界に誇る光り輝く京都を実現していくためには、何もせずにひたすら状況の好転を待つわけには参りません。このため新たな時代にふさわしい公民の役割分担の明確化や2,500人を超える職員の減員をはじめとした厳しい内部努力など、これまで間断なく市政改革に凜とした姿勢で取り組み、およそ1,000億円の財政効果を上げて参りました。こうした改革によって生み出された貴重な財源を生かすことによって基本計画を着実に推進し、全国的にもトップクラスの福祉や教育水準を確保するなど市民サービスの維持向上を図ることができたものと考えております。しかしながら、予測をはるかに上回る市税収入の減少などにより、いまだ本市財政は非常事態にあります。このような状況の下、基本計画第2次推進プランを着実に実現していくため、戦略的予算編成システムの活用による施策、事業の一層の選択と集中や民間活力の導入などにより市政改革実行プラン、財政健全化プランに掲げた行財政の改革に取り組んでいるところでございます。今後とも市民生活の安心安全と将来の京都の発展のために三つのプランの実現に向けて不退転の決意で取り組んで参ります。 以下、副市長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中セツ子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) 私から3点についてお答え致します。まず憲法と平和についてでございますが、制定後半世紀以上がたちました現在、憲法の改正を巡りましては、国レベルで衆参両院に憲法調査会が設置され、安全保障や国際協力、国民の権利及び義務など広範かつ総合的な調査が行われております。憲法が希求しております平和につきましては、日本国民のみならず人類共通の願いであることは論をまたないところでございます。今日の国際社会にあって、国民の安全を守り世界の恒久平和をいかに実現するかという観点から、引き続き徹底した情報開示の下に広く国民全体で議論が進められるよう期待しております。なお私ども公務員が国の最高法規であります憲法を尊重し擁護すべきことは当然のことと存じます。 次に安心安全ネット戦略プランについてお答え致します。この度取りまとめました戦略プランの素案におきまして地域住民の皆さんによる活動を重視しておりますのは、危険や不安に対する行政の施策の充実に併せまして地域住民の皆さんと行政が一致協力して取り組むことが各々の施策の効果をより確かなものにするという認識を示したものでありまして、決して住民の皆さんに責任を転嫁しようとするものではございません。プランの素案では、まず京都市の安心安全に関する約340の施策を市民の目線に立って横断的に総点検し、関係行政機関との連携を含め取組を一層強化することと致しております。また地域における先進的な取組の成果を踏まえ、自治会や各種団体と区役所をはじめとする地域の行政機関との連携により地域の力を最大限に発揮できるネットワークづくりを進めることに致しております。本年度中にプランを策定し、京都の総力を挙げて安心安全に暮らせるまちの実現を目指して参ります。 最後に京北町との合併に伴う農林業対策についてでございます。まず雪害対策につきましては、近年の木材の需要低迷によって事業者が極めて厳しい林業経営を強いられておりますので、雪害を被った森林所有者の再植林に対する意欲の低下を懸念致しております。そこで今回の雪害対策につきましては、再植林に対する支援を中心に積極的に行って参りたいと考えております。また栗尾峠付近における森林伐採につきましては、森林法に基づきまして跡地植林の指導を徹底致しますとともに京都市の森林総合整備事業を活用致しまして森林所有者が行う再植林を支援致します。本年度中に京北町が当該地の地質等の調査を実施することになっておりますので、その調査結果を踏まえまして再植林等の必要な対策を進めて参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 毛利副市長。 〔毛利副市長登壇〕 ◎副市長(毛利信二) 危機管理基本計画についてでございます。京都市危機管理基本計画は、予期せぬ事態が頻発する今日の自然環境や社会状況を踏まえ、市民の皆様の生命、身体、財産に重大な被害が生じ、又は生じるおそれのあるあらゆる災害、事故、その他の緊急事態に対し行政としてその未然防止を図るとともに、危機発生時に迅速かつ的確に対応するため昨年12月に京都市危機管理規則に基づいて全庁的な危機管理体制の運用指針として策定したものでございます。御指摘のような武力攻撃等の有事を想定した住民組織づくりを行うことを求めた計画ではございません。今後この基本計画に基づき、各局等において危機管理計画を定めるなど市民の安心安全の確保に万全を期して参ります。 次に震災対策についてでございます。京都市では、地震に強い安心安全まちづくりの推進に向けて地震被害想定や防災都市づくり計画を策定し公表して参りました。また木造住宅につきましては、耐震診断士の派遣、耐震改修への助成や融資など具体的な支援策に取り組んでおります。このうち耐震改修に対する助成につきましては、耐震改修促進助成制度を平成16年度に創設したところでありますが、平成17年度につきましては、更に多くの市民の方々に利用していただけるよう、その要件を緩和し適用地域の拡大を図ることとしております。平成17年度予算額につきましては、本年度の実績と要件等の拡大を勘案して提案させていただいたものです。 一方、防災活動や避難の拠点となる公共施設の耐震化につきましては、大地震発生時に災害応急機能を確保し、市民の皆様の安全の確保と都市の機能の維持を図る上で大変重要であると位置付けております。中でも学校施設の耐震対策につきましては、これまでも子供たちの安全確保と地域の防災拠点となる学校施設の安全性を高めるため精力的に実施して参りました。昨年度には、新たに全校の耐震補強工事完了までの年次計画を策定し耐震診断を平成17年度までに、そしてその耐震診断の結果に基づき必要な耐震補強工事を平成22年度までに完了させることとしております。また昭和56年の耐震基準実施以前に建築され防災や避難の拠点となるその他の市所有の建築物につきましても、耐震診断及び補強工事等の耐震化対策を着実に推進して参ります。なお被災時の住宅再建に係る助成につきましては、他の都市の状況などを参考に研究して参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 小池理財局長。 〔小池理財局長登壇〕 ◎理財局長(小池裕昭) 三位一体改革についてのお尋ねでございます。まず公共事業に係る国庫補助負担金につきましては、昨年の国庫補助負担金改革に関する地方六団体案などに示されておりますとおり、本市におきましても、かねてから税源移譲の対象とすることを求めてきているところでございます。また地方交付税につきましては、昨年11月の政府与党合意において平成18年度まで地方の所要一般財源総額を確保するとともに、地方財政計画と決算の乖離を是正のうえ中期地方財政ビジョンを策定することとされております。こうした国の動向を注視しつつ、今後とも地方の行政サービスの安定的提供のため必要な地方交付税の総額の確保など、真の三位一体改革の実現に向け地方が一丸となって国に働き掛けて参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 柴田文化市民局長。 〔柴田文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(柴田重徳) 自立促進援助金についてお答え致します。自立促進援助金制度は、同和地区の生徒がその就学に当たり本市から貸与を受けた地域改善対策就学奨励金等を20年分割で返還することを支援するための制度でございます。したがって自立促進援助金は返還金としてそのまま同額が本市の歳入になりますので、実質的には新たな支出を伴うものではございません。(発言する者あり)なお平成16年度貸与分からは、平成16年3月に改正しました自立促進援助金支給要綱に基づき所得証明書等により客観的に判定を行ったうえで必要な人に支給して参ります。以上でございます。(発言する者あり) ○議長(田中セツ子) 中島建設局長。 〔中島建設局長登壇〕 ◎建設局長(中島康雄) 京都高速道路についてお答え致します。阪神高速道路公団は、民営化後45年で債務を償還するという枠組みの中で採算性を確保するため出資率のかさ上げや事業区分の見直しを求めております。本市と致しましては、出資率のかさ上げについて償還期間の短縮と他の出資団体の状況を勘案すると、事業の進捗を図るためにはやむを得ないものと考えております。(発言する者あり)しかし事業区分の見直しについては、国や公団等と協議しているところであり、本市の平成17年度予算では特段の対応をしておりません。京都高速道路は、本市にとって必要不可欠な都市基盤施設であり、新十条通及び油小路線については、早期完成に向けて全力を挙げて取り組むとともに、残る3路線については社会経済情勢等を勘案し事業化に向けた取組を推進して参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 山中議員。 〔山中渡議員登壇〕 ◆(山中渡議員) 国と京都市の巨額の負担増についてお聞き致しましたが、市長は、持続可能な仕組みづくりのためとの認識を示されました。私は、市役所の上から市民を見た目線だと考えます。市民生活は持続可能どころか、子育て世代から高齢者まで各層にわたって所得が下がり続けて不安が広がっています。また今度の市長の提案されました予算案の中には、健康の維持や生きるためには欠かせない、そういう方の補助金も削減する、あるいは敬老乗車証など高齢者の皆さんの社会参加や生きがい、こういう所についても財源の対象にしたというのが今度の予算案の中身です。私は、暮らしを守る点でもこうした負担増予算案については撤回すべきだということを改めて申し上げたいと思います。今後の委員会でも、更に他の課題につきまして市長の姿勢を正すことを申し上げまして私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中セツ子) 暫時休憩致します。 〔午後2時48分休憩〕 〔午後3時13分再開〕 ○議長(田中セツ子) 休憩前に引き続き、会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中セツ子) 休憩前の議事を継続し、質疑を続行致します。くらた共子議員に発言を許します。くらた議員。 〔くらた共子議員登壇(拍手)〕 ◆(くらた共子議員) 上京区選出のくらた共子です。私は、日本共産党市会議員団を代表して質問致します。 まず初めに国民健康保険料値上げの問題についてお聞きします。年を取り夫婦2人で何とか暮らしていこうと頑張るが、わずかな年金も減らされてしまった。介護保険料の天引きに、2日に一度の買物には消費税が掛かり、町内会費の支払も辛い。この先は病気が悪くなっても医者代などとても払えない。これが市民の切実な声です。ところが京都市は今回、保険料の計算方法を変えて住民税の掛からない5万4,000世帯からも所得割保険料を集めようとしています。更に平均保険料も値上げとなることで所得が33万円以下の世帯と合わせ全体でおよそ20万世帯への負担増となります。今でも高い保険料を払おうと分割払で頑張っている家庭が短期証にされてしまったり、資格証明書を受け取りながら必要な医療を受けられないことが重大な問題となっています。そこへの保険料の値上げです。2年間の激変緩和措置が採られるとは言うものの、年間所得が100万円の2人世帯では、9万3,984円が15万8,298円と何と7割増しの大幅値上げです。中間所得世帯の負担を軽くすることを口実に低所得者を苦しめる、こんな見直しは絶対に認めるわけにはいきません。長引く不況に年金の改悪、定率減税の縮小、国の施策が市民の暮らしを破壊している今、市民の命を守るため保険料は値下げこそすべきです。今回の保険料改定が実施されれば、重圧に耐えられず保険料が払えなくなる方が急増することは必至です。そもそも住民税非課税世帯とは、負担する力がないと公的に認められた世帯です。ここに負担を負わせることは、憲法25条が定めた生存権にも租税民主主義にも反するものとなるのではないでしょうか。このように圧倒的に低所得者の負担となる保険料値上げはすべきではありません。値上げはやめるべきです。いかがですか、はっきりとお答えください。今やるべきは支払の限界を超えている中間所得世帯の負担引下げはもちろん低所得世帯の負担も引き下げることではないでしょうか。 次に保育料の問題です。今回、京都市は、保育園の特例保育利用料の値上げを行うとしています。長時間保育である特例保育を受けている子供は2分の1、今や特例保育は、保護者が安心して働き続けながら子供を育てる上でなくてはならないものと言えます。しかも子供の出生率の低下が大きな社会問題となっている中、本市の合計特殊出生率は全国平均を下回る1.14という低さです。市が行った子育て支援に関する市民ニーズ調査でも、子育てする上で行政に求めるものに経済的負担の回答が上位を占めました。ある保育園の園長先生が、保護者の所得の下がり方は近年大変厳しい。お父さんがアルバイトでお母さんは短期雇用の派遣社員。正規職員の家庭も一時金が減るなどで家計は大変な状況になっている。収入の増えない長時間労働で家庭で子供と過ごす時間が年々短くなっていると深刻な実態を指摘されています。2歳児と5歳児を保育園に通わせながら働いているお母さんは、朝の30分、夕方の1時間の特例保育がなければ今の職場で働くことはできない。長く働いているからといって収入が増えるわけではない。それでもこの職を失ったら今の生活を守ることができない。必死に働き、必死に子育てしているのに、なぜもっと応援してもらえないのだろうかと訴えておられます。保育料値上げは、子育て支援と逆行するものではありませんか。子育て世代の負担を増やす保育料の値上げはきっぱりと中止すべきです。いかがですかお答えください。 子育て支援は次の時代を作ることです。他府県では、若い世代が子供を産み育てやすいようにと保育料の負担を軽くする施策が打たれています。名古屋市では、3人以上の子供がいれば3人目以降の子供が3歳になるまで保育料を免除しています。また3人の子供を同時に保育園に通わせている家庭に対し、3人目の保育料を無料にしている政令市は札幌市、さいたま市、大阪市、神戸市となっています。京都市も名古屋市と同じとまではいかなくても、せめて3人以上を同時に保育園に通わせている家庭の3人目からの保育料ぐらいは免除すべきではないでしょうか。これはわずか500万円の予算でできるというではありませんか。いかがですかお答えください。 次に介護保険制度について質問します。国は、今国会に提案した介護保険見直し案で、今年10月から介護保険施設での食費、居住費の原則実費徴収を打ち出しました。新たな費用負担は上限額があるものの、4人部屋の居住費と食費負担が住民税非課税で年間収入が80万円以下の方でも1人当たり何と年間26万4,000円、準個室になれば32万4,000円の新たな負担となります。ある特別養護老人ホームでお話をお聴きすると、これでは払えない人が続出すると言っておられました。負担できない人にどうせよというのでしょうか。施設にはこうした方々を追い出せばよいとでもいうのでしょうか。こんな利用者や施設も苦しめる負担の押し付けはきっぱりとやめるよう国に強く求めるべきですがいかがですか。 制度の見直しを目前にした今、緊急に解決しなければならない問題は、介護を必要としながら保険料や利用料の過重負担によりサービスを受けることができない低所得者への対応です。保険料が強制的に年金から天引きされ続けるのに、必要なサービスの利用ができないまま放置されていることは絶対に許されません。京都市は、国による保険料、利用料の減免制度を作るように求めるべきと考えますがいかがですか。東京都は、低所得者を救済するために保険料、利用料の減免、減額制度を拡充しました。本市でも保険料の減免、減額の制度を思い切って拡充するとともに、利用料の独自の軽減制度を作り、国に対して国庫補助金を元の50パーセントに戻すこと、まずは緊急に30パーセントに引き上げろと迫るべきです。いかがですかお答えください。 次に京都市に求められる対応についてお聞きします。先日もケアマネジャーの学習会で、国が昨年の4月から要介護者が病院を受診するときのヘルパーによる介助は病院の入口まで、院内の介助は保険で認めないと言っているが、独り暮らしで自分の体の具合いを説明できない人や一人で全く移動できない人を置いては帰れない。どうするのかと行政担当者に相談したところ、受け答えに差があり対処に困っているという意見が多数出されていました。ヘルパーサービスの利用者からは、急にヘルパーの通院介助ができないと言われ大変困った。頼める身内もいない。かといって実費負担のサービスなど使えるわけがない。何とかしてほしいと不満がケアマネジャーに集中しています。こんな中で、やむにやまれずケアマネジャー自身がヘルパーに代わり受診に付き添わなければならない状況も生まれているのです。こうしたことが起こる背景には、国の介護給付費削減がありますが、利用者の生活支援に直結する問題だけに重大です。そこでお聞きします。介護サービスの円滑な提供を図るためには、市民の暮らしの実態に沿って制度の運用を進める細やかさが必要です。ケアマネジャーは、利用者へのサービス給付に責任を持ち利用者が安心して暮らしていけることを目的に活動を行っていますが、保険給付の内容が急激に変わるなど利用者の療養に影響を及ぼす場面では利用者への素早い対応が求められます。そこで京都市に必要なのは、正確な情報の提供とケアマネジャーの相談に即座に対応できるシステムではないでしょうか。またとりわけ介護現場で求められているのが複雑な家庭環境で経済的な問題も抱えるなど処遇の困難な方々への対応です。介護保険だけでは暮らせない方の処遇をケアマネジャーや事業者任せにするのではなく、京都市はきちんと責任を果たしてほしい、この切実な市民や介護事業関係者の声にこたえられるよう福祉事務所がしっかりと相談の対応などの機能が果たせるようにすべきと考えますが、いかがですかお答えください。 次に小規模多機能施設についてお聞きします。私は、この間長野県の取組について調査を行ってきました。長野県では、住民が安心して地域に住み続けられるための施策として、地域の特性を生かした小規模多機能施設の開設を積極的に進めています。県の担当者は、民家の活用やNPOの取組も支援し、事業内容も独自性を尊重している。宅幼老所という名前だが、様々な障害のある方も含め多様なサービスに対応できる事業としている。19年度内には400箇所の設置を目標に頑張っていると胸を張っておっしゃっていました。本市でも、家庭的な小規模施設が身近な所にあってほしいという市民の要求は強く、宅老所でボランティア活動をされている方からも、こうした場所が自分の老後の暮らしを支える場だ。必要なときに泊まることもできればどんなに心丈夫かとおっしゃっていました。介護保険サービスが不足する過疎地域などには、柔軟な機能を持つ小規模な施設はなくてはならないものと切望されています。京都市では、本年度伏見区に1箇所の小規模多機能施設のモデル事業が始まるとのことですが、是非とも各地域の特性に応じた施設建設を積極的に進めるべきと考えますがいかがですか。 次に障害者の医療、福祉制度の問題についてです。国は、今年の通常国会で障害者自立支援法案の成立を目指しています。これにより所得の少ない障害者に原則10パーセントの定率負担の導入をしようとしています。国の改革の目的は、介護保険制度との統合を視野に入れ、所得の少ない障害者に応益負担制を導入するなど財政の削減にあります。11月の議会で我が党の玉本議員が質問致しましたが、精神に障害を持つ方の医療保障となっている通院医療公費負担制度では、現在5パーセントの窓口負担で治療を継続することができるようになっています。ところが法案では、知的、身体、精神の三つを統合し、10月からは前倒しで定率負担を負わそうとしています。費用負担が10パーセントにもなれば、慢性の経過をたどりやすく長期化する精神障害者が受診しにくくなることは必至です。先日も22歳で発症し現在38歳になられる方が、月曜日から金曜日まで早朝のアルバイトをした後、作業所に通う毎日を送っている。親も年金生活でこれ以上の負担はとても掛けられない。医療費の公費負担制度がなくなれば、とても医療費を払い続けることはできない。作業所に通うにも収入を超える高い利用料を払うことになれば通っていけない。生きていくなということかと訴えておられます。精神科では、診察時の処方薬だけでも1回に5,000円、新薬など高価な薬になれば1万円にもなります。これ以外に精神科デイケアでは、毎日通う必要のある方は月に4万5,000円も掛かることになり、負担できなければ中断することとなります。治療の中断は再発を招き、病状悪化につながると専門医の方が指摘されています。更に仕事も失うことにつながっていきます。これらのことからも、障害を持つ方に負担を求めることがいかに重大な間違いであるか、やってはならないことであるかが分かります。京都市は、国がこんなとんでもないことをやろうとしていることに対して防波堤の役割を果たすべきです。ところがどうでしょうか。京都市は、この10月からの国の公費医療の1割負担導入に合わせ、市の独自制度で行ってきた更生医療の無料制度などを見直すとしています。京都市の社会福祉審議会では、更生医療と補装具及び日常生活用具の減免制度も見直す答申を出していますが、これらはいずれも生きていくためにどうしても必要なものです。決して利益などというものではありません。市がこれまで行ってきた独自の制度を引き続き守り、国に対して障害者の負担を増やす法案の撤回を強く求めるべきです。いかがですかお答えください。 続いてサービス基盤の問題についてお聞きします。今でも求められるサービスの不足が大きな問題となっています。最近にも、他都市より移り住んでこられた知的障害を持つ方と一緒に暮らし始めた高齢の御家族より本人が通える適切な施設もなく大変困っていると相談が寄せられています。行政区の担当者も懸命に対応いただいているところですが、既存の授産施設は定員を超えており、新たに対応できる状況にありません。また精神に障害を持っておられる方の通所施設でお話を伺うと、以前にも知的な障害を持っている方が一定期間通ってこられたが、障害の違いから落ち着いてここで生活することができず、通所を断念されたとのことでした。私は、このことから改めて障害を持つ方が安心して地域で暮らせるための必要な施策と施設が不足していることを痛感しています。京都市は、来年度に知的障害者及び精神障害者の授産施設をそれぞれ1箇所ずつ建設しようとしています。更に定員をはるかに超える授産施設の実態や小規模通所施設の状況を早急に改善することが必要です。今回見送られた共同作業所補助金の増額、通所施設の抜本的な整備計画を示してこそ、本当の障害者自立支援の一歩だと言えるのではないでしょうか。いかがですかお答えください。 最後に伝統産業の振興と西陣の産業を支えている職人の雇用について質問致します。17年度中に伝統産業活性化条例が制定されることになりました。伝統産業活性化条例の制定は、関係業界の皆さんの長年の要望でもありました。党議員団も1999年に関係者の皆さんの意見をお聴きしながら、伝統・郷土産業の振興を求める提言を発表し、伝統産業振興条例の制定を求めてきました。是非とも実効あるものとなるよう強く求めるものです。今、京都の伝統産業を取り巻く現状は極めて厳しく、西陣織の生産額は93年1兆400億円が97年1兆円を切る状況、京友禅・京小紋は600億円が400億円に、京焼・清水焼では70億円が50億円となっています。ここで大切なのは、産地の実態に焦点を当て条例制定を機会に伝統産業振興の抜本的な強化を図ることです。平成15年度の京都市ものづくり産業調査報告書の後継者に関するアンケート回答では、繊維関連業種の事業者は、事業継承したいが後継者がいないが23.3パーセント、事業継承については分からないが43.9パーセントとなっており、更にはこのように回答した事業者のうちの64.9パーセントが今後の予定について廃業すると答えています。こうした状況を打開するには、財政的裏付けを持って支援策を具体化することが必要です。ところが来年度の予算を見ても、全体として伝統産業関係の予算が減らされており重大な問題です。これでは今後京都市は本気で伝統産業支援に取り組むのかと心配の声が出されても仕方がありません。抜本的な改善が必要です。そこで京都市は、条例の制定に向け当面3月11日までとなっているパブリックコメントに寄せられる市民や関係者の意見をよく聴き反映させること、次に業種別の具体的な振興策を打つための業種別の実態調査を早急に行うこと、三つ目に財政的な支援策の具体化を抜本的に強化すべきですが、いかがですかお答えください。 次に西陣の職人の雇用問題についてお伺いします。西陣産業にかかわる職人が高度な技術を持ちながら生産活動の場を失う深刻な生活実態は後を絶ちません。そのような中で現場の職人からは、平成15年度からの取組となった緊急雇用創出事業で西陣織の技術を生かした商品開発の場を得たことが今後の仕事を考えるよい刺激になった。職人のプライドを確認することができた。引き続き生産活動の機会を確保してほしいとの声が多く出されています。本市の伝統産業京の職人さん雇用創出事業では、16年度2億円の委託金額により24業種延べ9,360人の雇用効果を上げています。17年度は、国の補助事業が打ち切られた中でも市独自の雇用対策事業の継続が図られることとなりました。その中で伝統産業関係の予算は2,000万円となっています。また国の地域提案型雇用創造促進事業を活用するとのことですが、昨年度実績を下回らないように努力すべきですがいかがですか。京都府でも伝統産業の振興に関する条例の制定に向けた取組が進められています。府との連携も視野に入れ、職人が安心して技術を後継していけるよう本腰入れた雇用創出対策を京都市が打ち出すべきと考えます。 また西陣職人による織額は、何とかして出番を作りたいとする職人の願いと共にその技の確かさをアピールしました。来年度に向けては、この事業を更に発展させより多くの職人が制作にかかわる機会を増やし商品化に向けた努力が求められています。伝統の技を生かし、新しい作品の形を創り出した職人の努力を仕事興しにつなげるための支援が求められています。本市が新しく始める京都ものづくり企業縁むすびプロジェクトは、中小企業を対象とした活性化支援策ですが、同時に織額のような努力を次の仕事につなげていく支援策は、ものづくりの支え手職人の切実な願いです。是非とも職人も含めた商品開発と販路開拓にもつながるよう抜本的に拡充すべきです。いかがですか。西陣織は世界に誇るブランドです。作品の意匠は、保存再生できても職人の技はできません。500年以上もの歴史を紡いできた西陣織を次の時代へ継承させるため、職人を機の前に戻す施策を強く求め私の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中セツ子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) くらた共子議員の御質問にお答え致します。 国民健康保険料の改定についてでございます。保険料は、事業を安定的に運営するための基幹的な財源であり、被保険者の皆様に御理解と御負担をお願いしております。本市におきましては、約108億円という巨額の累積赤字を抱え、17年度においても更なる赤字が見込まれるため一般会計繰入金の8億円の増額と併せ、やむを得ず4年ぶりとなる医療分保険料の改定を行うものであり、御指摘のように保険料全般を引き下げる考えはございません。また保険料の算定方式の見直しは、制度運営の安定化と共に所得割保険料が集中している中間所得者層の負担軽減を図るものであります。なお新たに所得割保険料が掛かる住民税非課税世帯に対しましては2年間の保険料減額措置を実施することと致しております。本市と致しましては、見直しの趣旨を被保険者の皆様に御理解いただけるよう様々な機会を捕らえ、その周知を図って参ります。(発言する者あり) 次に伝統産業の振興についてお答え致します。京都市の伝統産業は、これまで京都経済に大きな位置を占めて参りましたが、生活様式の変化による需要の減退などにより生産額、企業数、従業者数のいずれもが急速に減少してきており大変厳しい状況にございます。この状況を打破し、伝統産業の活性化を早急に図るための条例の制定に際しましては、検討委員会による30回にわたる業界ヒアリングなどの実態調査を踏まえるとともにパブリックコメントの募集により広く市民や業界の皆様の御意見を聴取し反映致します。その後、条例の趣旨を踏まえ、速やかに基本計画を策定し伝統産業の活性化の具体的な施策を実施する考えでございます。 以下、松井副市長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中セツ子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕 ◎副市長(松井珍男子) 私からは3点についてお答え申し上げます。まず保育料についてであります。本市におきましては、これまでから国徴収基準の約65パーセントとなる保育料とし保護者の負担を最大限に軽減しております。一方、保育料につきましては、通常保育といわゆる長時間保育である特例保育で比較すると、同一の所得階層でありながら1時間当たりの額に格差が生じております。このため特例保育の内容の充実を図るための予算を増額したうえで平成17年4月からその是正を図るものであります。多子世帯に対する経済的負担の軽減につきましては、保育所に入所されていない世帯との公平性や本市の経費負担も踏まえ引き続き検討して参ります。 次に介護保険における保険料、利用料の減免制度の創設等についてであります。保険料、利用料につきましては、低所得の方々がサービス利用を制限されることのないよう国の責任において適切な措置が講じられることが必要であり、この度の制度見直しの中で保険料段階の細分化や高額介護サービス費の限度額の引下げ等が新たに盛り込まれております。本市独自の保険料減額制度につきましては、平成15年4月にその適用基準を大幅に緩和し、16年12月末の適用者数は14年度の2倍を超える2,126人となっております。また財政負担につきましては、今後とも地方自治体に過重な負担を招かないよう国に対して要望して参ります。 次に障害者自立支援法案についてでございます。この法案は、介護、就労支援や医療等、各種のサービスを身体、知的、精神の3障害共通の枠組みで提供しようとするものであります。具体的には、精神保健福祉施策の推進や地域生活への移行促進に向けたサービス体系の見直し、更には国の財政負担の義務化と利用者負担の定率化などを本年10月以降順次実施することとされております。本市と致しましては、法案の理念を踏まえ、障害のある方の自立を真に支援できる制度となるよう今後とも国に要望して参ります。また更生医療等における本市独自の減免制度につきましては、来年度1年を掛けて検討して参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 中野産業観光局長。 〔中野産業観光局長登壇〕 ◎産業観光局長(中野美明) 伝統産業の職人さんの雇用創出事業についてお答え致します。議員御指摘のとおり、京の職人さん雇用創出事業は今年度で終了となりますが、依然として伝統産業業界の雇用は厳しい状況にございます。このため伝統産業のPRと緊急的な雇用の創出という点で事業効果の高いものについて、京都市独自に京の匠ふれあい事業として実施して参ります。また国において雇用機会の創出や求職者等の能力開発の事業を行う地域提案型雇用創造促進事業が新たに制度化されました。そこで今後、京都市が中心となって経済団体等と共に協議会を設置し、伝統産業と観光産業の連携による雇用創出事業の提案を行い採択されるよう取り組んで参ります。 次に伝統産業の活性化に向けた縁むすびプロジェクト事業についてでございます。この度新たに事業を実施致します京都ものづくり企業縁むすびプロジェクトにつきましては、優れた技術力を持つ意欲ある市内のものづくり系中小企業を対象としたものであることから、基本的には個々の職人の商品開発や販路開拓につなげていくものではございません。しかし伝統産業活性化検討委員会の中間報告におきまして、職人がグループを形成して研究開発に取り組むことに対する支援は必要であるという御指摘をいただいており、この点につきましては、条例制定後の施策展開の中で検討して参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 折坂保健福祉局長。 〔折坂保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(折坂義雄) 介護保険施設における食費や居住費の実費徴収についてでございます。これは居宅生活をされている方との負担の公平性の観点から、現在国会に提出されている介護保険法の改正の中で提案されているものであります。本市におきましては、今回の制度見直しに当たって、利用者に過重な負担を招かないよう他の大都市と共に国へ要望して参りました。この結果、食費等の実費徴収に当たっては、国において所得等に応じた負担上限の設定や高額介護サービス費の限度額の引下げなどにより低所得の方々に配慮された軽減策が講じられることとなっております。 次に介護保険に係る福祉事務所の機能の充実等についてでございます。本市におきましては、これまでから各区役所、支所で市民の皆様や制度のかなめであるケアマネジャーからの相談等に対し適切な対応を行って参りました。また家庭的、経済的な問題を抱える処遇困難な方々の対応につきましては、福祉事務所が中心になって関係機関等と連携し適切な対応を行っているほか、ケアマネジャーの資質向上に向け居宅介護支援事業者やサービス提供事業者との連絡会において事例検討等一層の向上を図っております。 小規模多機能施設の整備についてでございます。この施設は、住み慣れた地域で多様なサービスを一体的かつ複合的に提供するものであり、平成18年度からの介護保険制度において地域密着型サービスの一つとして新たに創設されるものであります。本市におきましては、今年度からモデル事業を開始し、現在伏見区内で1箇所の整備を進めております。平成17年度につきましても、引き続きモデル整備事業を行うとともに、小規模多機能施設等調査推進事業を通じて具体的な整備や経営、適正な運営等に関する課題等を明らかにし本格導入に向けて取組を進めます。 障害者福祉施設の整備等についてでございます。本市では、障害者施策推進プランを策定し通所施設も含め平成19年度までの数値目標を掲げ取組を進めております。平成17年度におきましても、授産施設について2箇所の整備と既存施設の定員拡大により101人分の定員増を行うほか、地域生活支援センター、グループホーム、こころのふれあい交流サロンの増設など着実な推進を図るための予算を確保しております。共同作業所につきましても、昨年度一般財源で局で45億円の削減をした厳しい中でも増額しております。その結果、政令市で3番目に高い補助水準を維持し、また運営の安定化に向け小規模通所授産施設等の法定施設への移行を支援しております。これらの取組により12の数値目標のうち7項目がおおねね80パーセント以上の進捗率となっており、今後ともプランの達成に向け取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 次に北山ただお議員に発言を許します。北山議員。 〔北山ただお議員登壇(拍手)〕 ◆(北山ただお議員) 私は、日本共産党京都市会議員団を代表致しまして、先ほどの山中渡議員、また、くらた共子議員に引き続いて市長並びに関係理事者に質疑を致します。 第1の質問は、京都経済の再生に向けての取組についてであります。今、日本経済はどのように報じられているでありましょうか。踊り場現象ながら緩やかな景気回復とか、また先ほどの答弁でも明るい見通しなどと言われておりますし、京都市予算の概要での予算編成方針の中では、長期の停滞から民間需要中心の成長への移行が着実に進んでいるなどと報じられているわけであります。しかし果たしてそんな状況にあると言えるのでしょうか。景気回復と言いましても、これはトヨタなど一部上場大企業だけのことでありまして、しかもその内容もアメリカや中国などへの輸出増加と雇用の削減、賃金の抑制という異常な企業のリストラによるものでありまして、中小業者や国民の消費は依然として低迷しているままであります。厚生労働省の発表した2004年の毎月勤労統計調査を読みますと、月平均の現金給与総額は4年連続で減少致しております。消費の低迷が一層進んでいることを示しているわけであります。家計の貯蓄率の急激な減少、完全失業率は一時より回復したとはいえ4.6パーセントと依然として高水準のままであり、24歳以下の青年失業率は11.2パーセントと最悪の状況であります。1週間前発表されました内閣府の発表でも、GDP国内総生産が3期連続のマイナス成長と報じられているではありませんか。このような大変厳しい下で、京都の中小企業、伝統産業、地場産業の振興育成は京都市政の中心課題であります。これらに対しまして、これまでの議会答弁で副市長は、京都市の経済施策のすべてが中小企業振興対策であると考えているという答弁をされて参りました。ではすべてが振興策と言ってきた京都の中小企業の実態がどうなっているのでありましょうか。事業所の減少率は全国でも最大規模、廃業率は起業率を大きく上回り、伝統産業の出荷額は大幅に減少していることは皆さんも御承知のとおりであります。私の知人の友人を訪ねました。友禅業の方でありますが、もう3箇月も仕事が来ない。仲間もみんなそうですと深刻な実態を語っておられました。 そこでまず振興策の一つとして制度融資に関して質問致します。金融は経営の命でありますけれども、大手銀行の貸し渋り、貸しはがし、これは依然として大変厳しいわけであります。国内銀行の企業への貸出しは85箇月連続で減少しております。小泉内閣発足直前の2001年1月から以降を見ますと、約76兆円も減っているわけであります。そのうち大手の銀行は68兆円も減らしておりまして実に9割は大手になっているわけであります。京都市内でも同時期で1兆4,600億円も減少しているわけでありますし、過半数は大手の銀行であります。いかに激しい貸し渋り、貸しはがしなど金融上での困難が続いているかということがうかがえるわけであります。更に政府はどういうことをしようとしているかというと、公的信用保証制度の抜本見直しと称して全額保証から部分保証へと貸し渋りをあおる法制度に着手しているわけであります。こういう厳しいときだからこそ京都市の融資における役割が極めて重要になっていると言わざるを得ません。2004年度の京都市の制度融資の貸出実績を見ますと過去最高となっておりまして、資金需要の大変大きいことがよく分かるわけであります。しかし制度融資の窓口が今回は銀行になってしまいました。これまで受付窓口となっておりました中小企業支援センターは、相談は受け付けても具体的な貸付けは銀行でということになってしまったわけであります。融資担当の職員が6名も削減されております。私も業者の方からの相談の中で、銀行で融資を断られても今までなら支援センターに行って実情を話せば分かってもらえたが、今度はそうもいかないと失望され、また別の方からは、銀行はオーケーしてくれたが保証協会から断られた。どっちの言い分もよく分からず本当に困っているというような内容でありました。ですから私は、支援センターに融資機能を回復すること、少なくとも相談に来られた業者の方に融資が実行されるまで相談態勢を拡充することを求めるものでありますが、いかがですか答弁を求めます。 次に4年前には、無担保無保証人制度融資に保証料の補給制度がありましたが現在は廃止されております。私は、これまでの委員会の中で、この保証料の補給制度の復活を再三求めて参ってきたわけでありますけれども、京都市の答弁は、2004年度から京都府と共同で作った制度融資を低利で運用している、それが支援と言って拒否されてきているわけであります。しかし府内の12市では、すべて何らかの形で利子又は保証料の補給制度があるのです。その低利という制度のうえに更に保証料の補給を実施しているわけでありますから、京都市のこれまでの理屈は成り立たないと言わなくてはなりません。京都市でも直ちに保証料の補給制度の復活をすべきと考えますが、いかがでしょうか答弁を求めます。 日本共産党市会議員団は、中小企業を京都市の基幹産業と位置付けて振興を図るために、これまで京都市地域経済振興条例を制定することを求めてきたところであります。深刻な中小業者の営業に希望を与え、自治体としての責任を明確にするために例えば他都市では八尾市や東京都墨田区、中央区など全国で地域経済振興条例の制定が進み、中小企業の役割が次々と明らかにされているわけであります。全国に誇る京都の産業を再生振興させていくために、今こそ京都市地域経済振興条例を制定し中小業者の暮らしを守る京都市の責任を明確にしていくべきではありませんか。いかがでしょうか。なお、こうした条例の実現に向けまして、私ども日本共産党市会議員団は全力を尽くしていく決意であります。 次に大型店の参入対策について質問致します。今、京都市内をはじめ京都府内でも大型店の出店ラッシュとなっております。昨年、市内にダイヤモンドシティ・ハナが出店しましたが、それに続きまして京都駅西口のビックカメラの進出計画やJR丹波口にスーパーマツモトの出店が計画され、京都府内を見ましてもコーナン宇治店だとか八幡市のイズミヤ、木津町高の原ショッピングセンターだとか精華町光台ユニーなど出店目白押しとなっているわけであります。京都市内での小売店舗面積に占める大型店の割合は1994年では30パーセントでありましたが、今や過半数を超える勢いにもなっております。こうした中、6年前、多くの商業者が反対する中で大型店の出店調整の役割を果たしてきた大規模小売店舗法が廃止されまして、まちづくり三法が制定されました。まちづくり三法とは、都市計画法の改定、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法の三法であります。大店立地法が定めるのは、出店による生活環境などへの配慮だけのことで、商業需給調整機能はありませんから現実には機能していないというのが実態であります。当時、政府は、三法を活用すれば大型店の出店調整と中心市街地の活性化は守れると説明しておりました。しかし今日の大型店出店ラッシュの状況を見れば、そのこととは全く食い違っていることは明らかであります。過日、経済産業省が大店立地法の運用指針の改定原案を公表しました。しかし中小商業団体などが求めた抜本的な改正意見は反映されておりません。昨年、日本商工会議所や全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会、全国商店街振興組合連合会の4団体が連名でまちづくりに関する要望を提出されておりますが、この中で、まちづくり三法が制定され6年が経過したが当初期待された効果は得られず、全国の中心市街地は活性化するどころか三法制定時より更に寂れていると現状を述べ、具体的な要望として大型集客施設の立地に関する広域調整の仕組みの創設を求めております。日本共産党も、この指針の見直しに当たりまして三つの提言を致しております。第1は大型店の立地と事業活動、道路交通と駐車場、環境対策や商店街、商業集積の在り方について地域の主人公である住民と地方自治体が自ら決定できるようにすること。第2は大型店に商店街、生活環境、まちづくりなどの地域環境影響評価、いわゆるまちづくりアセスを義務付けること。第3は異常な深夜営業を制限する、こういう3点を提言致しました。指針見直しにとどまらず大型店出店に当たっての調整機能を自治体に確保することや出店アセスを義務付けること、深夜営業の制限など、まちづくり三法の改正を今こそ国に求めるべきではありませんか。同時に京都市のまちづくり条例も出店届出の内容や指導を強化する方向で改正すべきと考えます。答弁を求めます。 次に小売商業調整特別措置法の活用についてお尋ね致します。昨年、中京区の西新道商店街は、商調法に基づき京都府知事に対してJR丹波口に進出予定のスーパーマツモトの出店計画内容について調査の申立てを行っておられます。これまでも東京都では、書店商業組合が過去に数箇所で商調法を活用した運動を取り組み大企業の書店への出店参入について交渉し成果を上げているという事例があります。商調法は、中小小売商団体の相当数の経営の安定に悪影響を及ぼすおそれのある大企業者事業に対して、知事に調査を申し出て知事が申出に相当の理由があると認めたとき必要な調査をすることができるわけであります。またあっせん、調停の申請があれば速やかに行うことになっており、大企業者の事業の開始や拡大時期の繰下げ、規模の縮小を勧告できることになっております。西新道商店街の申立てに対して、権限を持つ京都府は、大店立地法に基づく届出の内容以上の調査を行おうとはしておりません。極めて消極的な態度であります。自らの御商売の存亡を懸けて京都市内の商店街が申立てをしているわけでありますから、政令市である京都市が京都府に対して早急に商調法の活用で大手の出店に必要な規制ができるようにすることを主張すべきことを私は求めるものであります。市長の明確な決意を求めるものであります。 次は環境問題についてお尋ね致します。2月16日に懸案の地球温暖化防止の京都議定書が発効致しました。私も環境省、京都府、京都市の主催する京都議定書発効記念行事に参加してきたわけでありますが、議定書の発効は、温室効果ガス削減の第一歩としながらも、今後の取組が大切だという極めてシビアな声が特徴的だったと感じました。現状はどうでしょうか。国連気候変動枠組条約事務局の調査で、日本国内の温暖化ガスの総排出量は、1990年比較で8パーセントの増加となっており、京都ではマイナス0.1パーセントということになっております。昨年、京都市は、地球温暖化対策条例を制定致しましたが、具体的な二酸化炭素削減の取組はこれからというのが現状であります。そしてこのマイナス10パーセント目標を掲げた京都市地球温暖化対策地域推進計画、これはこのままでは国頼み産業界頼みになってしまうのではありませんか。産業界の総本山、日本経団連は、環境自主行動計画を出しておりますが、この中で産業界の目標はマイナス7パーセント、これは目安である、法的規制については拒否だとの態度を示しております。経済産業省の調査でも、電力や鉄鋼など製造業10の業種が自ら掲げた二酸化炭素削減の目標は達成できないと言っているではありませんか。これでは京都市が掲げたマイナス10パーセントの削減は裏付けがないと言わざるを得ません。京都議定書と銘打ちながら京都市が達成できないのでは世界に向かって何と言うのでありましょうか。ヨーロッパ諸国では、イギリス、ドイツ、フランスをはじめ各国が京都議定書の目標達成を射程距離に置き、国と自治体、国民挙げての本格的な取組を進めております。本市では、チェーン店や自動販売機の総体としての届出が条例に規定されましたが、飽くまでも自主削減計画を出すというものであります。東京都では、既存の大規模な工場、事務所等の二酸化炭素排出削減目標をガイドラインに基づいて設定しており、長野県では県内の自動販売機を半減する。24時間営業のコンビニの営業時間を3分の2にするとのプロジェクトを打ち出しております。このように踏み込んだ具体化が必要であります。市長の決断を求めるものであります。 次は市バス事業について質問致します。2003年度の市バス事業決算が8億円の黒字となって内外で色々と議論を呼んでおります。2004年度も黒字が堅いと言われておりますが、内容を見ると日本一高い運賃と路線の縮小、車両台数の減少、そして事業の半分を民間に委託する民営化の方向でありますから、これでは単純に喜ぶことはできないでありましょう。これまで市長も交通管理者も、口を開くと市民の足は守ると答弁されて参りました。しかし桝本市政の下でバス事業は限りなく縮小、廃止、民営化の道を歩み、市民、乗客、労働者に限りない負担と不便を押し付けてきたわけであります。あなたが初当選されました1996年と2003年度のこの間に、市バスの1日走行キロ数は10万1,000キロから7万7,100キロと4分の1の減少となり、バスの車両数は855両から750両と105両も減りました。乗客数は1日当たり41万1,000人から32万1,000人へと3割以上も減少し、職員も半減しているわけであります。(発言する者あり)バス路線や乗客を減らしてなぜ足を守るなどと言えるのですか。政府の強行する規制緩和でバスの需給調整ができなくなり、参入、撤退が自由になった結果、民間バス事業者がどんどん乗り込んでくるようになっている現在、ますます市民の足を守るための必死の取組が今こそ求められているのであります。 私は、市民の公共交通としての役割を市バスが果たすために幾つかの提案をこれまでもして参りました。第1は市民、利用者の声を聴き乗客サービスの向上を徹底して行うことであります。2003年4月に京都市交通事業審議会の提言が出されました。そこでは市民や利用者の声を反映させた事業の展開、交通サービスの提供がうたわれております。交通モニターの皆さんの声でも、定時性の確保や分かりやすい路線などが述べられております。つまり思い切った乗客サービスの取組こそ今求められているのであります。循環バスを山科区など市民要望のある所に走らせることや乗り継ぎ運賃制度の思い切った改善で便利にすること、不法駐車を徹底してなくし市バスの走行環境を改善して定時性を確保すること、バス停留所の改善や点字ブロックの整備などを改善することなど直ちに実施すべきであります。市バスに対する市民の要望はたくさんあるわけでありますから、限りなく乗客サービスを向上させて乗客増加に徹することを強く求めるものであります。 第2には市バスの民営化に道を開く民間委託をストップさせ積極的な市バス事業に転換することであります。京都市は、現在の市バス事業を半分まで管理の受委託として民間事業者に委託することを決め現在強行しております。バスもバス停も市バスと一緒なのに、運行は民間会社というのが民間委託の内容であります。交通局は、ダイヤ管理や運行管理は交通局がするから大丈夫だと言っておりますけれども、民間委託は、市バスの民営化に道を開くものであることは明らかであります。この間、委託路線が拡大されましたが、委託を受ける民間会社間で委託料のダンピング合戦のようになっているではありませんか。そのうえ民間会社では、更に分社化、再委託を行おうとしております。結局限りない人件費や労働条件の切下げがその内容になっているわけであります。これで今後、利用者の安全性が守れるのか、乗客が減少すれば結局路線もダイヤも削減されるのではないか、国が民間委託は半分までとしているが、いずれ拡大するのではないかなど様々な不安と疑問が付きまとうわけであります。いったん委託された路線はもう戻ってくることは不可能であります。今回、京都の市バス事業を考える会などが中間答申を出し、小型バスや乗合タクシーなどを活用することが提案されておりますが、今こそ思い切ったサービスの体制を採り市バスを市民の足として公営として堅持し積極的な事業展開を行うことを求めるものであります。 第3に公営交通を最も困難にしているのが地方公営企業法による独立採算制の押し付けと、バス事業に対する抜本的な補助制度が欠落していることであります。私どもは、バス事業のこうした独立採算制の打破や、また補助制度の抜本的な改善を国に対して厳しく求めることを強く求めるものであります。これらの提案についての市長の答弁を求めるものであります。 また地下鉄運賃の値上げが昨年より取りざたされておりますが、市民、利用者の暮らしを直撃するものでありますから、断じて値上げすべきでないことを申し上げておきます。 次に特定障害者に対する特別障害給付金支給についてお尋ね致します。高齢化社会を迎えているにもかかわらず、無年金の国民が200万人とも300万人とも言われている現状は異常な状況であります。京都市議会では、2001年の3月23日に無年金者問題の解決を求める意見書を全会派一致で採択して政府に送っております。今、無年金者をなくして希望を持って人生を過ごすことは国民的な課題であります。この中で、学生時代に重い障害を負って国民年金に未加入であったため障害基礎年金を受給できていない方が多数おられます。1991年の年金法改正以前は、学生の加入は任意であり当時の政府の広報がほとんど行き届いていなかったためであります。現在、無年金の30名の方が全国九つの地方裁判所で年金給付を求めて裁判で争っておられます。昨年3月24日、東京地方裁判所及び10月28日に新潟地方裁判所では次のような判決が下されております。それは制度上の不備によって年金を受給できる障害者と受給できない障害者に分けられることを不合理な差別と判断し憲法14条に違反することと、これを正そうとしなかった立法不作為が存在し国家賠償法上、違法の評価を免れ得ないと判決が下されております。こうした流れの中で、今回政府は91年以前の国民年金任意加入対象であった学生、そして86年度以前の国民年金任意加入対象であった主婦、そして任意加入期間内に初診日があり、1、2級相当の障害に該当すると認定された方に特別障害給付金を支給することになったわけであります。深刻な生活状況を改善するものとして法改正の第一歩を踏み出したものとしての評価はできます。しかし障害基礎年金とは違う特別の給付金とされていること、受給対象者が限定され在日外国人などが対象にならないこと、支給金額が基礎年金に比べて低額であることなど不十分な内容となっていますので、法改正や年金の支給を求めて裁判は続けられております。今回の給付金支給は、全額国負担で実施は市区町村となっております。京都市では、保健福祉局保険年金課が受付窓口になるとのことでありますが、今回の受給対象者の把握はどのようにされているのでありましょうか。また受付窓口はすべての区役所や支所など広く設定し制度の周知徹底を図ることが必要であり、すべての対象者が漏れなく受給できるように態勢を採らなくてはなりません。更に手続につきましても簡素にしていくことが求められるものであります。実施時期を前にしてその決意を求めます。 最後に浸水被害のない安全なまちづくりについてお尋ね致します。昨年は災いという言葉に表されるように台風被害や大地震、自然災害など多くの被害が発生致しました。昨年の7月及び8月の集中豪雨で山科区をはじめ各地で床下浸水や道路冠水などが起こり、山科区の竹田川では西野大鳥井町で50件を超える浸水被害がありました。現在、東部土木事務所を中心に竹田川の河床を切り下げる緊急工事が予定されており、予算にも計上されております。住民合意の下で早急に工事を実施すること、同時に抜本的な安全対策を行うことを強く求めるものであります。更に西野楳本町でも側溝の改良工事や流入水の排除の工事が予定されるなど対策が採られております。昨年の9月市議会で同僚の宮田市会議員が指摘しましたように、河川改良工事の京都市予算は4年前30億円ありましたが、今年度は16億4,000万円と半減しているのであります。これでは市民の安全が守れないことになります。直ちに必要な予算確保を行い、そして住民の安心安全を確保することを強く求めまして私の質問と致します。ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中セツ子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 北山ただお議員の御質問にお答え致します。 地域経済振興条例についてお答え致します。私は、中小企業が京都市の経済活動のみならず地域社会の担い手として誠に重要な役割を果たしており、豊かな市民の暮らしを支えるためには中小企業の活性化が不可欠であると認識致しております。京都市におきましては、中小企業を取り巻く経済状態が依然厳しいことから、あんしん借換融資や小規模企業おうえん融資を創設するなど中小企業の資金調達等を強力に支援して参りました。平成17年度には、新規事業として京都ものづくり企業縁むすびプロジェクトを創設し中小企業の販路開拓を支援するほか、新たな融資制度を創設するなど日々中小企業の実態を的確に把握し必要な施策に着手致しております。またこれまでから中小企業の活性化を視野に入れ、京都市スーパーテクノシティ構想、おいでやす京の商い~京都市商業ビジョン2004~の策定のほか、伝統産業の活性化に向けた条例の制定を目指すなど、それぞれの分野において必要な取組を進めているところでございます。今後とも中小企業振興施策を本市の重要施策としてしっかりと取り組んで参りたいと考えております。 次に地球温暖化対策の推進についてお答え致します。本市の地球温暖化対策条例では、10パーセント削減を当面の目標として明記するとともに京都市、市民、事業者、観光旅行者の責務等を定めました。更に施策の評価、点検を行うための体制を整備し、おおむね3年ごとに条例の見直しを行うなどの実効性を高めるための独自の規定も設けております。今後この条例に基づき具体的な対策を定める地球温暖化対策計画などを策定し、市民、市民活動団体、事業者の皆様とのパートナーシップの下、目標達成に向け実効性ある取組を進めて参る所存でございます。温暖化対策は、それぞれの自治体で地域の実情に応じた取組が進められておりますが、京都市の取組は、現在取り得る最善のものであると考えております。なお議員御指摘の長野県の営業時間の短縮などにつきましては、市民や事業者の理解と協力を得る上で大きな課題があり、いまだ検討段階にとどまっていると認識致しております。 以下、副市長、公営企業管理者及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中セツ子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) 大型店の出店対策についてお答え致します。京都市におきましては、大店立地法を補完するために平成12年6月以来、独自のまちづくり条例及び京都市商業集積ガイドプランに基づきまして、無秩序な商業開発の規制を目的として過度の大型店の出店を抑制し、都市づくりの目標と整合した商業配置の実現に努め大きな成果を収めて参りました。全国的なモデルとなるなど商業関係者をはじめ多くの関係者から高い評価をいただいております。今後とも市民生活を支える地域商業の振興に全力を挙げて取り組んで参ります。なお国におきましては、産業構造審議会流通部会と中小企業政策審議会との合同会議におきまして今後まちづくり三法の検証が行われる予定でございますので、必要な要望を行うとともにその動向を注視して参ります。また小売商業調整特別措置法につきましては、一律に大型店の出店を規制する法律ではなく中小小売商団体がかかわる個別の紛争処理の手続を規定したものでございます。京都府におかれましても、同法の趣旨に基づき適正に対応されているものと考えております。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕 ◎副市長(松井珍男子) 私からは特別障害給付金についてお答え致します。これは過去に国民年金に任意加入せず、その間に一定以上の障害となった元学生の方やサラリーマンなどの配偶者の方に対する無年金問題に対応するため本年5月から支給されるものでございます。手続につきましては、御本人の請求に基づいて市町村が受付を行ったうえ国が対象者の認定や支給を行うものでありますが、学生期間やサラリーマンなどの配偶者であった期間、障害の初診日などを特定する必要があり、対象者をあらかじめ把握することは困難であります。このため本市と致しましては、国と協力連携し市民しんぶん等で制度の広報に努めるとともに受付窓口を各区役所、支所に設置し請求手続が円滑に進められるように努めて参ります。以上でございます。(発言する者あり)はい。 ○議長(田中セツ子) 毛利副市長。 〔毛利副市長登壇〕 ◎副市長(毛利信二) 市バス事業のサービス向上策についてお尋ねがございました。まず御指摘の循環バスにつきましては、全国の事例などを見ますと、自治体における多額の財政負担や利用者の減少など運行に関する課題が数多く見受けられます。そのため本市と致しましても、地元での取組の状況や採算性などにつきまして多面的に検討する必要があると考えております。 次に市民や利用者の声をいただくための取組と致しましては、これまでも委員の公募による市バス・地下鉄モニター会議や交通バリアフリー基本構想策定のための連絡会議などを通じまして多くの皆様方からの御意見をいただき具体的な市バスサービスの改善に取り組んで参りました。更に京都のバス事業を考える会におきましても、市民の足を守り、より利便性の高い公共交通網を目指すため市バスのサービス向上策について議論をいただいているところであります。今後ともお客様や市民の声をいただきながら更なる市バスサービスの向上に取り組んで参る考えでございます。 ○議長(田中セツ子) 中野産業観光局長。 〔中野産業観光局長登壇〕 ◎産業観光局長(中野美明) 中小企業支援センターの機能充実についてでございますが、昨年4月から小規模企業おうえん融資など新たな融資制度を開始するに当たりまして、御利用いただく方の利便性の向上や融資手続の迅速化を図るため市内200店舗を超える身近な金融機関の窓口で申込みが行えるように改めました。その結果、特に大きな混乱もなく金融機関において申込みが行われ、昨年度の件数を大幅に上回る御利用をいただいております。また中小企業の方々への支援は、金融、経営の両面から実施することが重要であるため、中小企業支援センターの組織を再編し新たに経営支援部を設け、これまで以上に経営、金融一体となった相談体制としており、平成16年度におきましては約1,200件の相談を受け付けております。今後とも中小企業者の皆様方に役立つ様々な支援制度や幅広い情報提供を行うとともに、他機関との連携の強化を図るなど相談体制の一層の充実に努めて参ります。 次に保証料補給制度についてでございますが、保証協会の保証料は、本来利用する方々に御負担いただくものであると考えておりますとともに、取扱金融機関に対する預託金や保証協会に対する財政支援など融資制度運営のために京都市としては多額の財政負担を行っております。そのため融資制度の運営に対する財政負担のない府内の各市で行われている保証料の補給制度を京都市で実施することは、非常に厳しい財政状況の下、困難であります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 中島建設局長。 〔中島建設局長登壇〕 ◎建設局長(中島康雄) 浸水対策についてお答え致します。本市におきましては、治水事業基本計画に基づき河川改修事業を積極的に進めております。竹田川につきましても、浸水被害の早期回復を図るため改修事業に取り組むこととしており、今後地元の合意、協力を得ながら改修計画の早期実現を目指して参ります。また厳しい財政事情における予算ではありますが、浸水被害の発生状況などを踏まえた重点的な河川改修を実施するとともに、流域全体を視野に入れた総合的な治水対策の推進を図ることにより市民の皆様の生命、財産を守り安全で安心して暮らせる災害に強いまちづくりに取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 島田公営企業管理者。 〔島田公営企業管理者登壇〕 ◎公営企業管理者(島田與三右衞門) 公営交通の堅持についてのお尋ねでございます。規制緩和実施に伴い民間バス事業者の新規参入などバス事業を取り巻く厳しい状況の下、市民の足である市バス事業を堅持していくためには経営健全化の取組が不可欠であると考えております。このため京都市交通局が定める運賃、路線等のサービス水準の確保を前提に運行を民間バス事業者にお願いする管理の受委託方式を導入し、人員の削減をはじめとするコスト削減を推し進めてきたところでございます。また赤字であっても市民生活に欠かせない市バスの生活支援路線の効率的な確保策について京都のバス事業を考える会に諮問し、この度小型バス、乗合タクシーによる代替モデル実証実験を提案いただいたところでございます。今後、管理の受委託を市バス車両の2分の1まで拡大するとともに、この実証実験を実施しその成果を採り入れることにより市民の足の確保に努めて参ります。 次にバス事業に対する独立採算制等についてのお尋ねでございます。本市公営交通事業は、地方公営企業法にのっとり公共の福祉の増進、すなわち京都市民の足を守るという基本的な責務を担っているものであり、そのためにも常に公営企業といえども経済性の発揮を念頭に置いて効率的、効果的な事業運営に努めなければならないのは当然であると考えております。もとより人に優しいバリアフリー化や環境対策などにつきましては、一層推進する必要があり引き続き国に対して制度充実を要望して参ります。以上でございます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○議長(田中セツ子) 本日の審議は、この程度にとどめ延会致したいと思いますが御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田中セツ子) 御異議なしと認めます。よって本日は、これをもって延会致します。 〔午後4時34分延会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~          議長    田中セツ子          署名議員  津田大三          同     隠塚 功 △(イメージ)澱川右岸水防事務組合及び桂川・小畑川水防事務組合の議会議員の任期満了に伴う選挙の実施について(依頼) △(イメージ)請願文書表「受理番号274」「公衆浴場の確保」・請願文書表「受理番号275」「マンション建設の指導」 △(イメージ)請願文書表「受理番号276」「マンション建設の指導」...