京都市議会 > 2003-09-08 >
09月08日-02号

  • "本能特別養護老人ホーム"(/)
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  1. 京都市議会 2003-09-08
    09月08日-02号


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    平成15年  9月 定例会(第3回)     平成15年第3回               京都市会会議録 第2号     (定例会)               平成15年9月8日(月曜日)出席議員(69名)   1番 村山祥栄議員   2番 湯浅光彦議員   3番 隠塚 功議員   7番 津田大三議員   8番 樋口英明議員   9番 宮田えりこ議員   10番 加藤あい議員   11番 木村 力議員   12番 曽我 修議員   13番 山岸たかゆき議員   14番 小川裕樹議員   15番 砂川祐司議員   16番 安孫子和子議員   17番 中川一雄議員   18番 田中英之議員   19番 中村三之助議員   20番 加地 浩議員   21番 玉本なるみ議員   22番 赤阪 仁議員   23番 くらた共子議員   24番 河合ようこ議員   25番 久保勝信議員   26番 津田早苗議員   27番 竹内ゆずる議員   28番 井上教子議員   29番 天方晶英議員   30番 宮本 徹議員   31番 橋村芳和議員   32番 小林正明議員   33番 加藤盛司議員   34番 繁 隆夫議員   35番 富 きくお議員   36番 内海貴夫議員   37番 せのお直樹議員   38番 井坂博文議員   39番 岩橋ちよみ議員   40番 井上けんじ議員   41番 西野さち子議員   42番 柴田章喜議員   43番 久保省二議員   44番 大道義知議員   45番 日置文章議員   46番 谷口弘昌議員   47番 今枝徳蔵議員   48番 鈴木マサホ議員   49番 小林あきろう議員   50番 巻野 渡議員   51番 田中セツ子議員   52番 磯辺とし子議員   53番 二之湯 智議員   54番 井上与一郎議員   55番 川中増次郎議員   56番 北山ただお議員   57番 山中 渡議員   58番 藤原冬樹議員   59番 倉林明子議員   60番 山本正志議員   61番 佐藤和夫議員   62番 ふじい佐富議員   63番 宇都宮壮一議員   64番 山口幸秀議員   65番 高橋泰一朗議員   66番 椋田知雄議員   67番 中村安良議員   68番 北川 明議員   69番 国枝克一郎議員   70番 西脇尚一議員   71番 青木ヨシオ議員   72番 加藤広太郎議員欠席議員(なし)   議事日程   開議日時 平成15年9月8日(月)午前10時第1 議第161号 京都市事務分掌条例及び京都市外部監査契約に基づく監査に関する条例の一部を改正する条例の制定について第2 議第162号 京都市報酬及び費用弁償条例の一部を改正する条例の制定について第3 議第163号 京都市廃棄物の減量及び適正処理等に関する条例の一部を改正する条例の制定について第4 議第164号 食品衛生法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係条例の整理に関する条例の制定について第5 議第165号 京都市老人デイサービスセンター条例の一部を改正する条例の制定について第6 議第166号 京都市老人福祉センター条例の一部を改正する条例の制定について第7 議第167号 京都市老人介護支援センター条例の一部を改正する条例の制定について第8 議第168号 京都市老人医療費支給条例等の一部を改正する条例の制定について第9 議第169号 京都市心身障害者扶養共済事業条例の一部を改正する条例の制定について第10 議第170号 京都市伝統的景観保全に係る防火上の措置に関する条例の一部を改正する条例の制定について第11 議第171号 京都市地区計画の区域内における建築物の制限に関する条例の一部を改正する条例の制定について第12 議第172号 京都市自転車等駐車場条例の一部を改正する条例の制定について第13 議第173号 京都市立西京高等学校附属中学校入学志願者入学選考手数料条例の制定について第14 議第175号 京都市立小学校条例の一部を改正する条例の制定について第15 議第176号 京都市立中学校条例の一部を改正する条例の制定について第16 議第177号 京都市立養護学校条例の一部を改正する条例の制定について第17 議第178号 京都市立幼稚園条例の一部を改正する条例の制定について第18 議第179号 京都市・京北町合併協議会規約の設定及び京都市・京北町合併協議会の設置の協議について第19 議第180号 京都市北部クリーンセンター新設工事工場棟新築工事等)請負契約の締結について第20 議第181号 京都市北部クリーンセンター新設工事電気設備工事)請負契約の締結について第21 議第182号 京都市北部クリーンセンター新設工事空気調和設備工事)請負契約の締結について第22 議第183号 京都市南部クリーンセンター第一工場改修及び増築工事請負契約の締結について第23 議第184号 京都市本能特別養護老人ホーム(仮称)等新築工事請負契約の締結について第24 議第185号 京都都市計画京都国際文化観光都市建設計画)道路事業Ⅰ.Ⅲ.47号向日町上鳥羽線新設工事橋りょう下部新設工事)請負契約の締結について第25 議第186号 京都市消防活動総合センター(仮称)新築工事請負契約の締結について第26 議第187号 京都市右京まち美化事務所新築工事請負契約の変更について第27 議第188号 指定管理者の指定について(京都市成逸老人デイサービスセンター)第28 議第189号 指定管理者の指定について(京都市洛西老人福祉センター)第29 議第190号 指定管理者の指定について(京都市成逸在宅介護支援センター)第30 議第191号 指定管理者の指定について(京都市太秦自転車等駐車場)第31 議第192号 市道路線の認定について第32 議第193号 市道路線の廃止について第33 議第194号 損害賠償の額の決定について第34 議第195号 損害賠償の額の決定について第35 議第196号 地方自治法等の一部を改正する法律(平成14年法律第4号)による改正前の地方自治法第242条の2第1項第4号の規定による訴訟に係る費用の負担について第36 議第197号 地方自治法等の一部を改正する法律(平成14年法律第4号)による改正前の地方自治法第242条の2第1項第4号の規定による訴訟に係る費用の負担について第37 議第199号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第38 議第200号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第39 議第201号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第40 議第202号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第41 議第203号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第42 議第204号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第43 議第205号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第44 議第206号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第45 議第207号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第46 議第208号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第47 議第209号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第48 議第210号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第49 議第211号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第50 議第212号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第51 議第213号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第52 議第214号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第53 議第215号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第54 議第216号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第55 議第217号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第56 議第218号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第57 議第219号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第58 議第220号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第59 議第221号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第60 議第222号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第61 議第223号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第62 議第224号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第63 議第225号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第64 議第226号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第65 議第227号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第66 議第228号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第67 議第229号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第68 議第230号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第69 議第231号 京都市長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票に関する条例の制定について第70 報第4号 京都市乳幼児医療費支給条例の一部を改正する条例の制定について第71 議第174号 京都市教職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例の制定について第72 報第5号 平成14年度京都市病院事業特別会計決算第73 報第6号 平成14年度京都市水道事業特別会計決算第74 報第7号 平成14年度京都市公共下水道事業特別会計決算第75 報第8号 平成14年度京都市自動車運送事業特別会計決算第76 報第9号及び議第198号 平成14年度京都市高速鉄道事業特別会計決算 ほか1件   一般質問 (1) 市政一般について  加地 浩議員 (2) 市政一般について  加藤盛司議員 (3) 市政一般について  中川一雄議員 (4) 市政一般について  井坂博文議員-------------------------------- 〔午前10時1分開議〕 ○議長(田中セツ子) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は、席上に配付致しておきました。 本日の会議録署名者を指名致します。佐藤和夫議員久保省二議員とにお願い致します。-------------------------------- ○議長(田中セツ子) この場合、議長から御報告申し上げます。 本日受理致しました請願3件及び陳情6件は、お手元に配付してあります文書表のとおり、所管の常任委員会に付託又は回付致します。 次に、人事委員会から議第174号京都市教職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例の制定についてに関する意見書並びに職員の給与に関する報告及び勧告が参っております。これらの写しは、いずれもお手元に送付致しておきました。 以上、御報告申し上げます。御了承願います。-------------------------------- ○議長(田中セツ子) 日程に入ります。 日程第1ないし日程第76については、前回の議事を継続し、これより順次上程することと致します。 日程第1ないし日程第70、議第161号京都市事務分掌条例及び京都市外部監査契約に基づく監査に関する条例の一部を改正する条例の制定について、ほか69件、以上70件を一括議題と致します。 本案は、ただ今お手元に配付してあります議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託致します。-------------------------------- ○議長(田中セツ子) 日程第71、議第174号京都市教職員の給与等に関する条例の一部を改正する条例の制定についてを議題と致します。 お諮り致します。本案は、委員会付託を省略のうえ、原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田中セツ子) 御異議なしと認めます。よって本案は、原案のとおり可決されました。-------------------------------- ○議長(田中セツ子) 日程第72ないし日程第76、報第5号平成14年度京都市病院事業特別会計決算、ほか5件、以上6件を一括議題と致します。 田中英之議員。 ◆(田中英之議員) 議事進行について動議を提出致します。 ただ今議題となっております議案6件については公営企業決算特別委員会を設置し、これに付託のうえ慎重審議願いたいと思います。なお委員の数は23名とし、委員は議長から御指名願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり) ○議長(田中セツ子) ただ今田中英之議員から動議が提出され、動議は成立致しております。 お諮り致します。ただ今の田中議員の動議のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田中セツ子) 御異議なしと認めます。よって田中議員の動議のとおり決します。 なお委員は、ただ今お手元に配付してあります名簿の方々を指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(田中セツ子) 御異議なしと認めます。よってただ今指名致しました方々を公営企業決算特別委員に選任することに決定致しました。-------------------------------- ○議長(田中セツ子) 暫時休憩致します。 〔午前10時4分休憩〕 〔午後1時1分再開〕 ○議長(田中セツ子) 休憩前に引き続き、会議を行います。-------------------------------- ○議長(田中セツ子) これより一般質問を行います。発言の通告がありますので、これを許します。市政一般について、加地浩議員。 〔加地浩議員登壇(拍手)〕 ◆(加地浩議員) 私は北区より選出をいただいております加地浩でございます。今回、私にとりまして5回目の本会議での質問になりますが、一番最初にやらせていただくのは今回が初めてでございます。先輩、また同僚議員に感謝致しております。 さて、先ほど自由民主党の総裁選挙が始まりまして、小泉総裁は自由民主党を改革を推進する政党に変えていくということを公約の一つに掲げられておりますけれども、我が自由民主党京都市会議員団は、既に改革を進めている現在進行形の議員団であります。(発言する者あり) それではまず最初に私の方から、親孝行できる社会について市長に見解を聞くわけですけれど、一般市民の皆さん、また職員の皆さん、先輩、同僚議員の皆さんにも親孝行できる社会について皆さん方からも御意見をお聴きしたいと思いますので、お聞きいただきますようよろしくお願いします。 4月12日、選挙の最終日の最終の演説会で私がこのテーマについてしゃべりましたことがたまたまテープに取ってありましたので、それをそのままテープ起こしをした原稿がここに、約10分程度あります。その5箇月ほど前に話したことですから多少タイミング的にずれていることや、あるいは口で言ったことをそのまま加筆修正致しておりませんのでちょっとお聞きづらい点もあるかもしれませんけれども御了承いただきますようお願い致します。 ポスターに書いてありますように、私のスローガンとして親孝行できる社会をつくろうということでいろんな形で皆さんにお手紙を出したりする中でも書いてあります。親孝行できる社会をつくろうということは8年前の選挙では一切言っておりませんでした。8年前に28歳で京都市議会最年少当選ということで、事務所で万歳をした後にNHK、KBS、新聞各社、全社が取材に来られまして取材を受けました。TV局のリポーターの方から色々と質問をされました。そしていろんなやりとりがありましたが、最後の方で加地さんはどういう京都市にしていきたいですかと聞かれました。そこで、打ち合わせしていない質問だったのですが親孝行をできる社会をつくりたいと言ったのです。それでインタビューが終わって映像がテレビ局のスタジオの方に戻って、アナウンサーの方が、加地さん、親孝行をできる社会とは良いことを言われてますねと褒めていただいたわけであります。テレビの影響とはすごいもので、後でテレビで見たけどええこと言うてるなとたくさんの方からお褒めをいただきました。また先輩議員からも、ええスローガン言うてるな、ポスターにも書くべきやと褒められたのです。私自身は、そのときにはそうかなと思っていたのですが、ところで親孝行できる社会とはどんな社会やと聞かれました。それから改めて親孝行できる社会とはどんな社会かと私自身も考えました。また私の後援会の総会に市長や国会議員の先生が来られて、加地君は親孝行できる社会をつくろうと言っているが今までの政治家にはない公約だ、加地君は恐らくこういうことを考えて言いたいのだろうといろんな場面で教えていただき、なるほどそういう視点があるのかとどんどん考えが膨らみました。例えば、親孝行と言いましても、私の両親に親孝行ができているかと言えばできておりません。むしろこのような選挙に出て逆に親不孝をしているのかもしれません。また親孝行という気持ち、親が10人いれば、子供が10人いれば、その親孝行の形、気持ちは十人十色で色々違うと思います。子供がこんなことをしたら喜ぶやろうな、あるいは親はこんなことをしてもらいたいという気持ちが一致するのは難しいです。しかし、子供の教育として家庭での親から子へのしつけ、あるいは学校で先生から教えてもらう教育、また地域社会、就職後、職場の上司、先輩から社会のルールを教えてもらうこともあるでしょう。しかし、今の若い世代の親御さんが果たして自分の子供にきちんと家庭でしつけ教育ができているでしょうか。最近家庭内における幼児虐待、児童虐待の悲しいニュースがたくさん入ってきます。小学校、中学校、高校の先生の指導力不足により小学校では学級崩壊の話も聞きます。あるいは指導力のない先生が指導がちゃんとできていない、教師による体罰、教師のえこひいきから来るいじめなど色々な問題があります。教育委員会も、指導力のない問題のある先生については現場に出さない、その代わり1年間特別な研修を受けてもらう。それで改善されないなら退職を勧める。これは京都府も京都市も教育委員会は行ってます。全国の教育委員会も始めてきました。また指導力がないだけではなく、公職に就いているにもかかわらず破廉恥な事件も新聞に出ています。問題教師が多く、大学教授のセクハラの新聞記事を見ても驚きもなくなってきました。会社、職場でのいじめなどたくさん問題があります。これは子供だけの問題でなく、大人も、おじいちゃん、おばあちゃんの世代も日本人としての長年の良き伝統文化風習の中ではぐくまれてきた日本人としての心を失いかけているのではないでしょうか。ですから子供だけでなく全世代の人がお互いの立場を考えて接する、行動する、発言していく、そういう日本人の心を取り戻さなくてはならないのではないかと思います。 今の京都、ひいては日本、高齢化社会、それも超高齢化社会です。そして、この高齢化社会に対応するために3年前から介護保険制度がスタートしました。この介護保険制度のスタートに合わせて特別養護老人ホームとかデイサービスセンターと色々な施設が出来ました。介護の仕事に就くホームヘルパーさん、ケアマネジャーさんの資格を持った人、介護のお仕事に就く人、民間から介護事業を始めた所もたくさんあります。しかし建物が出来た、人が増えた、それだけでは高齢化の問題は解決しません。介護保険制度がスタートして3年たったということで介護保険料や介護報酬も4月から見直されました。介護に携わる事業で一番大切なのは介護に携わる事業者、働いている人が高い倫理観、道徳心を持ってこのお仕事に就いてもらわなければなりません。皆さんから頂いている介護保険料によって、介護が必要な人の度合いによってその人に対しては月幾らと決めて、その中でケアマネジャーさんにプランを立てていただきサービスを受ける。そしてサービスを提供した事業者に介護報酬を支払う。しかし京都でも、例えばAさん宅に介護のお仕事に行っていますとしておきながら実はBさん宅に行っていた。1日行っていたと言いながら実は半日しか行っていなかった。サービスを提供していないのにもかかわらずサービスを提供したと報告書を出して介護報酬を不正に受け取っていた事例が1件だけでなく複数あります。既に事業者として取り消されて刑事告発もされて裁判で決着が付いたのもあれば現在係争中のものもあります。また不正が発覚して府の立入りがあって事業免許が取り消され裁判を控えたものもあります。京都だけでも何件もあります。全国的にもこれから増えそうです。行政側も事業者をきちんと指導監督していかなければならない。しかしスタートして3年で行政側もまだまだきちんと指導できていなかった。ですから介護保険制度の問題もまだまだ見直し改善していかなければならないわけであります。高齢化社会になって、施設に入ったり行くだけでなく家庭で高齢者の方に対して手すりを付けるとか段差をなくしてバリアフリーにするとか、そういうことに対して京都市でも一部補助金の制度はありますが、まだまだ十分ではないので充実していかなければなりません。 親子2世代、3世代が一緒に住めれば良いのですが、住宅事情の関係で住めないという問題もあれば、子供たちが勉強して高校、大学を卒業して、さあ仕事をしようと思って、京都の多くの伝統産業、地場産業に従事されている方がおられますが、家業を継がせようと思っても今の経済状況では子供に仕事を継がすより公務員や会社員にさせたい。しかし就職難で公務員試験はすごい競争倍率です。しかし就職しなければならないが京都では仕事がない。そうすると会社や事業所の多い東京、大阪などに就職口があるのならどこへでも行かなければならないのです。京都でも伝統産業、地場産業に京都市も多くの支援策を出していますがもっと支援していかなければなりません。また京都には新しい仕事を作るハイテク産業の京セラや任天堂、ローム、島津製作所などベンチャービジネスを育ててきた京都のまちとしての風土があるわけです。1200年の都だったということで、昔の時代から全国から技能を持った職人さんが集まり育てていったまちの風土がハイテク産業も作ってきたわけです。京都市も創業者支援、ベンチャービジネス支援の政策を打っていますがまだまだ十分ではありません。もっと京都で新しい産業を作っていく、地元で育った子供たちが地元で就職できる、そういう職場をもっと増やしていかなければなりません。 こういうふうに私なりに考えさせていただいた親孝行できる社会をつくろう、それに含まれた理念、政策課題は非常に多いです。まだまだ挙げればたくさんありますが、この程度にさせていただきます。私がもし3度議会に送っていただけますならば、この親孝行できる社会をつくろうの理念を中心に据えて様々な問題解決に取り組み、研究し提言して参りたいと思います。もし次に当選させていただいても4年間でこのスローガンに含まれた課題の全部の解決は到底無理だと思います。私自身が議会に送っていただいて、この先も政治家として活動させていただけるのなら、この親孝行できる社会をつくろうのスローガンの問題は解決し難いかもしれませんが、私自身は全力で取り組んで参ります。市長、お聞きいただいてお考えがあるかと思います。御見解をお伺いします。 次に地球温暖化対策について質問します。私は、去る8月19日よりロシアのモスクワとサンクトペテルブルグを訪問して参りました。その目的は、温室効果ガスの削減を義務付ける国際的な取決めである京都議定書の批准をロシア政府に促すために全国の地方議員約180人で組織している日本環境議員の会とNPO法人国境なき環境協働ネットワークの代表団16名の一員として訪問したのであります。京都からは、我が自民党の内海貴夫議員、富きくお議員、中村三之助議員、田中英之議員サンクトペテルブルグと姉妹都市である京都府の府会の菅谷ひろし議員と私の6名が参加致しました。8月20日にモスクワにおいて、ロシア連邦政府水理気象環境モニタリング庁でウトキン補佐官や担当官と会談致しました。席上ウトキン補佐官は、個人的な見解とした上で、ロシア政府は今年の9月29日からモスクワで開かれる世界気候変動会議の前までに京都議定書を批准する立場を決定すると説明されました。これまでは9月末までに政府決定があるだろうとされていましたが、これで9月上旬にはプーチン大統領による政府決定の可能性が強くなりました。会談では、第1に世界の国の地方議員が代表団を組んで直接要請に来たのは初めてである。COP3では日本側がロシアの代表団のためにすばらしい条件を作らなかったら京都議定書は生まれていなかった。議定書批准による法律上の問題はクリアしている。ロシア連邦政府は議定書を国際法にするために協力している。アメリカ政府の議定書離脱は残念である。議定書批准に対しては前向きな立場であることなどが話し合われました。代表団一行は会議終了後、全員が署名した京都議定書の早期批准を要請するメッセージをプーチン大統領あてに手渡ししてきました。メッセージは次のとおりであります。地球温暖化は、海面上昇や異常気象、伝染病の流行域の拡大をはじめとして自然環境や人間社会に大きな影響を及ぼすことが指摘されています。このような深刻な問題をもたらす地球温暖化を防止するため、国際社会では長い年月を費やして気候変動枠組条約と京都議定書を採択しました。本年で気候変動枠組条約が採択されて11年、京都議定書が採択されて6年が経過しますが、京都議定書はいまだ発効しておらず、その間も地球の温暖化は更に進んでいると言われております。現在、京都議定書は貴国が批准されれば発効する段階に来ており、貴国が批准の決断をされることを全世界が期待し注目しております。私たちは、地球の未来のため国際社会がこれまで努力を積み上げてきたことを踏まえ、貴国が早期に京都議定書を批准され国際社会と協調して地球温暖化防止の道を歩まれることを強く願います。 そこでお尋ね致します。本市では平成9年12月に開催されたCOP3地球温暖化防止京都会議以前の7月に京都市地球温暖化対策地域推進計画を策定されました。そして本年6月に同計画の改訂版を発表されたところであります。京都議定書発効による日本の温室効果ガスの削減義務は1990年比6パーセント減ですが、本市の計画では10パーセント減と非常に高い目標が掲げられております。本当に実現可能なのでしょうか。市民、事業者、本市すべてが省エネルギー型ライフスタイル、低公害車の導入、ごみ減量、緑化推進などの取組が必要ですが現実課題として高い費用の負担や努力をしなければなりません。 次に同和助成金にかかわる問題について質問致します。同和問題に関しましては、我が党議員団は、10年以上にわたり毎回本会議や委員会等で指摘して参りました。また今回もしなければならないのは非常に残念であります。本件について、京都市は去る7月22日に京都市同和対策事業助成要綱に基づく捕助金の交付に係る調査委員会の最終報告を出され、市会へも報告があったところであります。本件については、昨年の11月市会においてこの問題が発覚以来、市民や議会の京都市の同和行政に対する信頼を損なう事態となりました。このことを受け、京都市は12月4日に調査委員会を設置され徹底的な調査により事実関係の解明を行い3月の中間報告を経て最終報告を取りまとめられました。この調査報告書の内容を見ますと、平成9年度以降、同和補助金の交付を受けた運動団体、自治会等の団体が実施した宿泊を伴う学習事業について調査が行われ、交付したすべての団体において不適切な実態があったこと。またバス庸車料、委託料とこれまで明らかになっていなかった問題についてまで踏み込み、この問題が生じた経過、背景、原因や返還請求に関する考え方が明らかにされており、正に京都市同和行政の総括とも言える報告内容であり、補助金問題のみならず関連する問題についても全容解明に向け徹底的な調査により自らメスを入れられたことについては率直に評価したいと思います。 京都市は、これまで約半世紀にわたり同和問題の解決を市政の最重要課題の一つに掲げ、市民の基本的人権にかかわる問題として積極的に取り組まれ大きな成果を挙げられました。とりわけ桝本市長就任以来、強力なリーダーシップを発揮され、平成9年度を同和行政の改革元年と位置付け、同和問題の早期解決、社会正義の実現に向け、改革、見直しに積極的に取り組まれた結果、政策料金や個人給付事業等の見直しはもとより、いわゆる雇用、交渉等の見直し等、各種事業の見直し、改革を推進し、平成13年度末には特別施策としての同和対策事業を終結しましたことは高く評価しているところでありますが、この改革見直しの最終段階において今回の事態が生じたことは誠に残念であります。今回の同和対策事業助成要綱に基づき交付した宿泊を伴う学習事業への補助金に関し、これまでの補助金の交付を受けてきた運動団体のみならず自治会等においても不適切な実態があり、また京都市組織においても、長年にわたり不適切な事務処理が是正されず毅然とした組織的対応がなされなかったことは遺憾であります。この問題に対する行政の対応が不十分であれば今後の同和問題に対する真の解決には至りません。今日、行政、地区住民や関係団体、多くの市民の努力が相まって地区の住環境や地区住民の生活実態は大きく改善されてきました。しかし、市民意識や教育などにおいていまだ課題は残っており、今後、市民の共感と理解の下、同和問題をはじめあらゆる人権問題の解決を図る取組を進める必要があります。それゆえに京都市は、今回の問題にかかわる経過及び背景、原因を真摯に受け止め、今一度原点に立ち返り市民とのパートナーシップの下、人権文化の構築を目指し取組を進めていくことが重要であると私は考えます。そこでお尋ね致します。京都市は、この調査委員会の最終報告を踏まえて、この報告結果をどのように認識し受け止めておられるのか、また今後の人権文化の構築に向けてどう生かしていこうとしているのか市長に見解をお伺いします。市長は、不適切なものについては厳正に毅然と対応するとしているが、補助金の返還に係る現在の状況について文化市民局長にお伺い致します。 次に本市職員による市営住宅の家賃滞納問題について質問致します。8月29日の新聞各紙の報道などによりますと、京都市内の改良住宅に入居している京都市職員の家賃滞納は異常な状況である。借家などに住む市職員には1万円余りの住居手当が支給されているにもかかわらず家賃滞納は悪質である。市会等でも度々問題になっており是正を求める決議もなされてきたが、いまだに見るべき改善策が採られていない。京都市担当部局は代々、家賃徴収を怠り長期にわたる滞納を黙認してきた。監査委員において厳正な監査を実施され、京都市の被った損害を一刻も早く回復するため、京都市長に対し滞納している市職員を相手取って滞納家賃の支払と明渡しを求める訴訟を起こさせるとともに、関係職員に対して賠償命令あるいは損害賠償請求を行うなど必要な措置を採ることを求めるとの監査請求が市民団体から提出されたとのことであり、我々自民党議員団も非常に憤りを禁じ得ないところであります。そこでお尋ね致します。京都市は、この住民監査請求をどのように認識し受け止めておられるのか市長の御見解をお伺いします。また京都市は、あってはならないこと、給料の差押えも含む厳しい指導をしていきたいと表明しておられるようですが、現在の滞納者の状況及び今後の納入に対する取組内容及び今後のスケジュールについてもお伺い致します。 生活保護における住宅扶助費の代理納付について質問致します。市営住宅の家賃収納率の向上を市政改革大綱における取組の一つに掲げておられます。取組の結果、収納率は年々向上し目標の97パーセントに着実に近付いていると聞いており、今後とも指導を徹底して目標は必ず達成していただきたいと思います。ところで納入指導に応じず滞納している方の中には生活保護受給中で住宅補助、つまり家賃相当分を生活保護として京都市から受給している人がいると聞いております。なぜ家賃のために生活保護費を支給しながら、それを家賃の支払に充てる受給者への指導を徹底しないのでしょうか。仮にそうした指導をこれまでも行ってきたが、なかなか効果が出ないということであれば、例えば保護の受給者の同意を得たうえ、住宅扶助費を本人に支払うのではなく住宅の家主に支払う方法もあるのではないでしょうか。他都市の多くはこの制度を採り入れているのに本市ではまだ採り入れておりません。この方法を使えば住宅扶助費は確実に家賃の支払に充てることができます。生活保護を受けている方の一部にはお金の管理が苦手な方もおられると思います。住宅扶助を受けても他の用途に使ってしまって、家賃を支払いたいと思っても既に使ってしまって滞納となってしまったという方もおられるのではないでしょうか。もちろん受給者本人の自覚によるところが大きいと思いますが、代理納付の方法を活用すれば、他の用途に使ってしまい家賃の支払ができなくなるということが確実になくなります。他都市においては、住宅扶助費の代理納付の方法を活用している所が数多くあると聞いております。これは財政非常事態宣言下の本市の財政にも大きく寄与するものであります。本市においても、できる限り早期に住宅扶助費の代理納付の方法を導入すべきであると考えます。いかがでしょうか。具体的な課題とも併せて保健福祉局長の御見解をお伺い致します。 次に京都市における公文書取扱いにおける押印と署名の実態についてお尋ね致します。本市におきまして、市民等から提出される押印の見直しについては、市民サービスの向上と事務手続の簡素化を図る観点から京都市新世紀に向けた市政改革の取組の一つとして位置付け全庁的に取り組んでこられ、申請書類全般にわたる見直しの検討の結果、平成11年12月より従来の取扱いを大幅に改善されました。その時点で、見直し対象1,707帳票のうち474帳票については押印廃止、939帳票については記名押印又は署名のいずれかで良いとする選択制とされました。その一方、京都市公文書取扱規程によりますと、公文書を作成して意思決定を行う場合は決定書、供覧書用紙を用い、次の各号に定めるところにより決定書を作成しなければならない等の規定があり、現在もその規定により市長以下、本市職員の方は業務を遂行されているわけであります。ここに今年3月14日に市会本会議において可決された市会議案を市会に提案するかどうかについての決定書の写しがあります。これでありますが、何と39個の判こが押してあります。規定によりますと、判こでも署名でも良いとなっているのにもかかわらず一つも署名はありません。高木副市長におかれましては、市長の代理決定者としての分も含め2個も押してあります。私は、市会議員になる以前、4年半ほど外資系の銀行員として勤務していた経験があります。大蔵省や日本銀行などの社外に提出する書類などには判こが押してあるのを目にしたり、私が押したりしておりました。しかし、社内における伝票や稟議書や回覧文書に判こが押してあるのは見たことがありませんでした。判この代わりにすべて本人によるサインでありました。私自身も、入社する以前に会社では自分の判こは使わないことを知らされ、他人に簡単にまねされず、それでいてかっこ良いサインを色々と考え練習したのを思い起こします。私は、日本においての判こ、印鑑を使用する文化を決して否定する考えではありませんが、自署するサインをする制度はかなり合理的であると考えます。自分の決裁やチェックしなければならない書類には必ず自分でサインしなければならなかったわけであります。また私のいた会社ではサインをレジスターブックに登録しておりました。つまり印鑑登録みたいなものです。聞くところによりますと、本市において決定書などに押す判こは印鑑登録などはされておらず、いつでも好きなものが使用でき変えられるようであります。言い換えれば、同姓の方の判こを借りたり他人が代わりに押したりすることもあり得ると考えますし、実際にあると思います。そこでお尋ね致します。私は自分で署名、サインする方が、その人が本当に決裁や回覧される文書に目を通したことの証明になると思いますが、本市では規定がありながら実際の運用はされていないのはなぜであり、どういう御見解でしょうか。ちなみに先日、郵便局に留守中に配達に来られていた書留郵便物を受け取りに行ったとき、身分証明証の提示を求められ運転免許証を提示し番号を控えられました。印鑑も用意しており押印しようとしたら押印ではなくフルネームの署名を求められました。 未曾有の財政危機の中で平成16年予算編成から新たに戦略的予算編成システムが導入され、政策評価や事務事業評価を活用した予算配分方式が実施されることは大変画期的なことであると評価しているところであります。予算については我が党同僚議員である加藤議員がお尋ねしますので、私は、これに関連して人、組織の在り方について質問致します。私は常々、効率的な市政運営を進めていくためには予算、人、組織の三つが連携して機能することが何よりも大切であると考えております。今回の予算編成方法の改革は、限られた財源の戦略的、重点配分を徹底する一方で市民のニーズに精通した各局が予算編成を行うことにより財源の効率的配分を行うものとしてマスコミにも採り上げられ、選択と集中による予算編成を更に徹底される市長の決意が私たちにも伝わってきますが、その一方でこれでいいのかという思いが致します。それは予算編成において個々の事業の選択が各局にゆだねられるのなら、当然その予算を執行する組織や人員配置の在り方も問われるべきではないかと考えるからであります。ところが人や組織の在り方についてのメッセージが何ら伝わってこないことに懸念を覚えるものであります。京都市では、従来から職員定数、組織について大きな成果を挙げてこられたわけですから、今回の予算編成の改革に合わせて職員定数、組織についてもなお一層の改革を図られるべきであると考えますが、市長御自身の御見解をお聞かせください。 また度重なる職員による不祥事件や職員の市営住宅家賃滞納など一般市民の目線からすると信じられないことがたくさんあります。本市に採用されるすべての職員の方は次のような宣誓書に署名、押印することになっております。私は、ここに主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、かつ擁護することを固く誓います。私は、地方自治の本旨に徹するとともに公務を民主的かつ能率的に運営すべき責務を深く自覚し、市民の奉仕者として誠実かつ公正に職務に従事することを誓います。こういうものであります。職員の方の能力とやる気を十分に引き出し発揮できる人、組織を作っていただきたいと思います。非常に難しいことではあると思いますが、どんなことをしてもやる気の出ない方や、市民をだまし欺くなど公序良俗、社会正義に反する方は本市職員を辞めていただかねばなりません。辞める勇気のない方は市長の決断により解雇しなければならないと思います。このことは我々議員にも言えることだと私は思います。市会議員も選挙で選ばれますが、その身分は特別地方公務員であり、その報酬は市民の皆さんからの税金により、支払者は市長であります。その立場を悪用し私利私欲に走ったり市民を欺いたりする方は議員を辞めるべきであるし、そもそも議員に立候補すべきでないと私は考えます。以上で私の質問を終わらせていただきます。御清聴誠にありがとうございました。(拍手) ○議長(田中セツ子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 加地浩議員の御質問にお答え致します。 初めに親孝行できる社会についてでございますが、青少年の心の荒廃や人間関係の希薄化が指摘される今日、誠に簡潔にして時宜にかなったスローガンであり、また親孝行という具体的なテーマから市政の多岐にわたる課題を論じていただいた加地浩議員の熱い思いに深く敬意を表する次第でございます。 今日、我が国の淳風美俗である親孝行が物質的に豊かな社会の中で失われがちであることは誠に残念であります。近年、核家族化や少子長寿化の進展の下、例えば介護は社会全体で支えていくべきものであり、京都市としてもサービスの一層の充実を図って参りますが、親孝行できる社会に向けた条件作りとは、加地議員御指摘のとおり、いかに施設や制度が整備されたとしてもそこに魂を入れてこそ本物になるものであり、そのことが学校教育、家庭教育はもとより広く市民ぐるみの課題でもございます。今後とも加地浩議員のスローガンである親孝行できる社会が本市の安らぎのあるまちづくりと軌を一にするものであるとの認識の下、本市政策のあらゆる分野で心が通い合い魂が響き合う社会づくりに努めてまいります。 次に温室効果ガスの削減についてでございます。私は、京都議定書誕生の地の市長として京都市民を代表し、これまで議定書の早期発効の願いを込め各国首脳へメッセージを発信して参りましたが、この度、加地浩議員をはじめ有志の議員の皆様がロシアを訪問され、批准に向け積極的なお取組を展開されたことに対し深く敬意を表するものであります。間もなくロシアでも議定書が批准されることとお聞きし、いよいよ発効の可能性が高まったことは私と致しましても感慨深い思いでございます。本市では、COP3開催の地として京都地球温暖化対策地域推進計画を策定し、二酸化炭素排出量10パーセント削減という高い目標を掲げ、これまでからバイオディーゼル燃料化事業、京エコロジーセンターの開所、更には市施設への太陽光発電の導入や住宅用太陽光発電システム設置への助成制度の創設など多彩な取組を進めて参りましたが、この目標は家庭からの温室効果ガスの主な発生源である電気の消費量削減につながる省エネルギー型家電製品への買替え、低公害車、低燃費車への積極的な買替え、更には我が国で初の制度であり国の制度の先例ともなりました京都市独自の環境マネジメント制度でありますKESの認証取得による事業所、店舗などのエネルギー消費の削減などが広く普及、促進されることにより達成可能であると考えております。私は、このような市民や事業者の取組が着実に実行されるよう支援、促進するとともに、全国に例を見ない地球温暖化防止条例を制定することとし、10パーセント削減の目標を何としても達成するとの不退転の決意をもって全力で取り組んで参ります。 次に同和補助金に係る御質問についてお答え致します。私は、市長就任以来、凛とした姿勢で同和行政の見直し、抜本的改革を行って参りました。その最終段階においてこのような事態が生じ、市民の市政に対する信頼を損なったことは痛恨の極みであり、議会や市民の皆様に深くお詫び申し上げます。最終報告に示したように、補助金に係る不適切な事務処理が長年にわたり行われていたことは本市組織上の重大な問題であります。これを組織的に是正できなかった責任について重く受け止めており、私をはじめ管理監督すべき立場にあった職員に厳重な処分を行ったところでございます。また今回の問題の反省と教訓を生かすためにも組織対応力の強化に努めるとともに、前例を無批判に踏襲せず事務処理方法やチェック機能の在り方を徹底的に点検するよう厳命したところでございます。今後は今回のことを教訓として市民の共感と理解を得ながら、暮らしの中に人権を大切にし尊重し合う習慣が根付いた人権文化を築き、すべての人が生き生きと暮らせるまちの実現を図って参ります。 京都市職員による改良住宅等の家賃滞納に係る住民監査請求についてでございますが、私は、これまでから全体の奉仕者としての使命感に徹すべき京都市職員が自らの住宅の家賃を滞納していることは言語道断であり、このようなことは市民の信頼を失わしめる公務員としてあるまじきことであると認識致しております。こうした認識の下、昨年の11月市会におきまして、平成15年度中には家賃の納入に応じない者がいなくなるよう取り組む決意を申し上げ、現在、強力な納入指導を行いながら給与差押えに向けた手続に着手致しました。こうした取組を進めている中、この度、住民監査請求がなされたわけでございます。請求の内容につきましては監査委員の御判断を待つところでございますが、私と致しましては、引き続き京都市職員の家賃滞納の回収に向け毅然とした姿勢で厳正に取り組み、平成15年度中には家賃の納入に応じない者をゼロに致します。 次に新たな予算編成システムの導入に伴う職員定数の配分及び組織の改革についてでございます。私は、厳しい財政状況の下、市民の皆様方に高品質で満足度の高いサービスを提供するためには、市民ニーズに精通した局長、区長の権限を強化すべきであると考えており、平成16年度予算から予算編成方式の改革の一つとして各局への枠配分方式を導入することと致しました。加地議員の御指摘にありますとおり、私も職員定数の配分、更には組織の改革につきましても、この趣旨にのっとった見直しを行わなければその効果が十分発揮できないと考えております。そこで職員定数につきましても、局長、区長が事務事業の見直しに応じて人員を配置できる枠配分方式に改めることと致します。この方式を採用することにより予算と職員定数の効率的配分を行い、より一層の選択と集中を進めることができると考えております。また組織につきましても、市民の皆様のニーズに柔軟かつ機動的に対応できる組織運営が可能となるよう、本庁においては係制の全廃も視野に入れ、局長の裁量で係長以下のグループを編成できる新係長制の拡大や権限の移譲など庁内分権を一層推進し、局や区の主体的な経営機能の強化を図って参ります。 以下、松井副市長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中セツ子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕 ◎副市長(松井珍男子) 私からは署名による決裁行為についてお答え致します。本市の公文書取扱規程におきましては、決定書案等を承認又は確認した者は押印又は署名をすることとしておりますが、加地議員御指摘のとおり、ほとんどが押印となっているのが実情でございます。このことの要因と致しましては、判こ、印鑑を使用する日本の伝統的文化が背景にあると考えられることや、経費支出など権限が集中する職にあっては一時に多くの決定書等を決裁する必要があり、そうした際には押印の方が迅速に処理できることなどが考えられます。本人であることの確認や偽造防止という点では署名が優れていることは御指摘のとおりでありますが、本市においては、文書を電子的に管理する新たな文書管理システムの導入に向けて今年度から設計に着手し、その中で電子決裁を導入することと致しておりますので、これによりまして本人であることの確認や意思決定の迅速化が可能となり、議員御提案の趣旨が反映できるものと考えております。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 柴田文化市民局長。 〔柴田文化市民局長登壇〕
    ◎文化市民局長(柴田重徳) 京都市同和対策事業助成要綱に基づく補助金の返還についてお答え致します。私を委員長と致します京都市同和対策事業助成要綱に基づく補助金の交付に係る調査委員会では、住民訴訟となっています61件をはじめ、それ以外にも平成9年度から平成13年度に要綱に基づき補助金を交付した学習会事業及びそれに関連する事項について可能な限り調査を行い、去る7月22日にその調査結果を公表致したところでございます。中間報告に係る61件につきましては既に全額の返還が完了しており、今回の調査結果に基づき補助金等の返還の対象となる各団体に対し返還を求めているところであります。既に返還を受けた団体もありますが、その他の団体につきましても、現在、返還方法等について具体的な協議を行っているところでございます。いずれに致しましても速やかな返還に向けて厳正に対処して参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 折坂保健福祉局長。 〔折坂保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(折坂義雄) 生活保護における住宅扶助費の代理納付についてでございます。生活保護法においては、扶助費は世帯主に直接交付することとされております。通知等による別の定めをもって被保護世帯以外の者に交付することができるということになっております。住宅扶助費の代理納付につきましては、福祉事務所の指導によっても滞納がなお是正されない場合に、公営住宅に入居されている生活保護受給者に限り住宅管理者に直接家賃を支払う旨の委任状等を提出させることを条件として実施しても差し支えないという国の通知が示されているところでございます。保健福祉局と致しましては、都市計画局との協議を継続するとともに、平成16年度から電算システムの改善やそれに伴う人員の確保等、準備を進めて参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 海堀都市計画局長。 〔海堀都市計画局長登壇〕 ◎都市計画局長(海堀安喜) 京都市職員による改良住宅等の家賃滞納の問題についてでございます。京都市職員の改良住宅等における家賃滞納につきましては、平成13年度決算時102名であったものが平成14年度決算時には71名に減少しております。更に取組を進め現在の滞納者数は62名となっており、そのうち54名は即決和解の成立や分納などの指導に応じており、今なお納入指導に応じない者は8月末で8名に減少しております。今後につきましては、納入指導に応じない者に対して今月には給与差押えに向けた支払督促の申立てを行い本年12月に給与の差押えを執行する予定であり、本年度中に納入指導に応じない者をゼロにするため強力な指導を進めて参ります。以上でございます。-------------------------------- ○議長(田中セツ子) 次に、市政一般について、加藤盛司議員に発言を許します。加藤議員。 〔加藤盛司議員登壇(拍手)〕 ◆(加藤盛司議員) この夏、ヨーロッパでは異常な熱波で多くの方が亡くなっておられますが、日本ではオホーツク高気圧の勢力が強く長雨と冷夏をもたらしました。9月に入り西日本では記録的な残暑となっていますが、この冷夏の影響で米の作柄は10年ぶりの不作で、これから色々な影響があるのではないかと心配されます。こんな中で京都から元気印が発信できますよう16年度の予算編成方針、金融対策、観光振興などについて、同僚の加地議員に続き中川一雄議員と共に質問を致します中京区選出の加藤盛司です。 去る7月22日、平成14年度の京都市一般会計決算概況が発表されました。それによりますと、長引く景気低迷の影響を受けて2年連続の赤字決算とのことです。その決算の内容を見ますと、特に注目されるのは市税収入が13年に比べ5.4パーセント、135億円も落ち込みました。これは過去最大の落ち込みです。このうち法人市民税については13年度収入額の3分2近くまで落ち込み、最も収入が多かった平成元年の500億円と比べると実に44.2パーセント、半分以下に減少しています。京都市では、これまでからも市政改革を強力に推進してきました。平成13年10月には、政令指定都市では最初に財政非常事態宣言を出し、全職員の給与カットをはじめとする緊急的な経費削減策を採っているところです。しかしながら、これらの対策を講じても市税収入の減少が経費削減をはるかに上回っており、平成14年度決算は2年連続で赤字決算となったわけです。このままではいけない、何か対策を講じなければならない。この議場にいる誰もがこうした同じ思いを持っているに違いないと思います。私自身、非常事態にある本市の財政の行く末に危機感を募らせており、この4月に発足致しました財政改革プロジェクトチームの取組に期待を抱いているところです。このプロジェクトチームの最初の取組として、先日、行政評価システムの導入を発表されました。政策評価と事務事業評価を予算編成に導入し、政策重点化枠と局配分枠という形で予算を配分する画期的なものであり、この三つを実施するのは政令指定都市では初めてのことです。こうした先見性は困難な状況に真っ向から立ち向かっていく桝本市長の姿勢を示すものと高く評価するところです。一方で、この制度が本当にうまく機能するのか、私なりに幾つかの疑問を感じているところもありますので率直にお尋ね致します。 まず1点目は、政策の重点化についてであります。先般発表された政策評価の結果を基に政策重点化の方針を決定されるとのことでありますが、この政策評価は、試行実施ということもあり仕方ない面はあるとは思いますが、市民の皆さんの思いや市政に対する満足度、また政策の達成度を的確に捕らえたものとなっているかということです。いわば、この入口の部分が的確な評価になっていないと、幾ら立派な重点化方針を決めたところで市民の皆さんに役立つものではありません。本格実施に向けた改善点というものも含めてお答えください。 2点目は、事務事業評価制度についてであります。以前に自治体関係者から、事務事業評価制度を予算編成に活用することは容易なことではないとお聞きしたことがあります。新しい予算編成システムでは、事務事業評価の評価結果を基に事務事業の見直しを推進されるとのことですが、いずれの事業にも利害関係者はたくさんおられます。財政非常事態の下、事業の再構築を進め限りある財源を政策重点分野に優先的に配分することが必要なことは私も十分に承知致しておりますが、しかし事務事業一つ一つの有効性などを評価しただけで、その見直しまでつながるとは思えません。事務事業評価を活用することについて担当者の冷静な判断、的確な決断力と共に京都市独自の工夫といったものも必要ではないでしょうか。お答えください。 3点目は、財源確保の問題についてであります。新しい予算編成システムでは、まず市税や地方交付税などの収入を見積もり、その範囲内で政策重点化枠や局配分枠に財源を配分するとされていますが、これは予算編成の基本中の基本というべきものであり多くの市民の皆さんから支持をいただけるものと思います。しかしながら、先ほども述べたように京都市では市税収入が大幅に減少し、予算を組もうとしても大幅な財源不足に陥っているのがここ数年の状況です。平成14年度、15年度の予算編成にしても、財政健全化債という国からの交付税措置が採られない特別の地方債を発行したり、市庁舎整備基金から借入れを行って何とかやりくりをして財源を確保したところです。平成16年度においても税収が大きく増加するといったことは考えられず、果たして市税や地方交付税だけで予算が編成できるのでしょうか。財政の健全化を急ぐ余り市民サービスを急激に低下させては断じてならないと考えております。平成16年度の市税収入の動向と財源確保対策についてお答えください。 次に中小企業支援、特に金融対策について質問致します。株価が1万円台に戻したとはいえ景気は回復したとは言えず、中小企業にとって厳しさは変わらないものと言われています。先日、地元の金融機関のトップが新聞のインタビューで、リストラ一辺倒だった企業がようやく雇用回復に向かい始めた。本年度に入って京都府内の企業倒産も急減した。府と京都市が1月に設けた中小企業あんしん借換融資の効果も挙げられよう。経営悪化に苦しむ企業がリストラを進め、方向感を見出すための時間を稼げ、経済を下支えする効果は大きい。当行の不良債権の劣化も止まっている。とはいえ、まだ改善に向かう状況ではないのが実情だと言っておられます。本市の15年度4月から6月までの3箇月間の融資実績は申込件数は4,154件、昨年同期比で約2.7倍、成立件数は4,023件、昨年に比べ約3.1倍、融資金額は680億円と、これは昨年に比べ約6.5倍と大幅に増加しています。こういう数字からもうかがえると思います。また、この成立件数4,023件のうち、あんしん借換融資が3,252件と80.8パーセントを占め、融資金額も全体680億円のうち、あんしん借換融資が635億円と93.4パーセントを占め大きな成果を挙げています。この数字は、今年1月27日に府と共同で創設したあんしん借換融資が創設直後から非常に多くの利用者があったこと、また長引く景気低迷の中、中小企業の経営環境が厳しく月々の返済金額の軽減を可能とし、資金繰りの改善がなされ倒産件数の減少にもつながったと推測されます。実際、今年1月から7月までの市内の負債金額1,000万円以上の企業倒産件数は170件で前年同期比では76.6パーセント、負債金額は約634億円で昨年の約40パーセントであり、過去5年間で比較しても件数、負債金額とも最も低い水準となっています。あんしん借換融資が中小企業の倒産を抑制していると民間調査機関も分析しています。 さてここで、このように中小企業の皆さんに利用されているあんしん借換融資等不況対策は今年一杯継続されることが決定されていますが、逆に今年で打ち切っていいのかということです。当然、まだ必要とされる方がある以上、年明け以降も継続すべきと考えますがいかがでしょう、お答えください。 また、あんしん借換融資創設等で飛躍的に制度融資の利用者が増加していますが、4月の当初予算で準備されている新規融資枠は700億円で、いずれこの枠が埋まっていくと予想されます。そこで新規の融資枠確保のためにも預託金の積み増しが必要と考えますがいかがお考えでしょうか、お答えください。 冒頭の金融機関トップのインタビューで、設備投資をする企業も増えているのではという質問に対して、出てきているのは確かだが有利子負債を返済した企業がキャッシュフローの余裕を設備投資に回している例が多く、銀行融資が急速に伸びる状況にはない。融資を受けてまで設備投資に踏み切るのはベンチャー企業などごく一部。日本経済を浮揚させる規模にはなっていないと答えられています。このことは、あんしん借換融資をはじめとする不況対策は当面の企業の資金操りの改善には有効であるものの、現状は景気回復の指標となる設備投資まで資金が回らないのが実態です。今後はこうした企業の業績回復のきっかけをしっかり捕らえ、京都の経済を支えている多くの企業の方々を幅広く力強く支援する取組が必要であると思います。まだまだ下落し続ける地価や長引くデフレ不況など、不動産担保や過去の決算状況にこだわった従来の融資審査方法では有効に機能しないのも事実であり、中小企業の将来性や経営者の熱意が正当に評価される抜本的な融資制度の改善が求められていると考えます。融資の申込時の書類の煩雑さや申込みから実行までの時間の短縮など、手続面でも利用者にとってはまだまだ改善の余地があると思います。新しい時代に即した融資制度の改善をはじめとした今後の中小企業支援の在り方についてお答えください。 現在、全国的に京都が大きなブームになっています。先日、新聞にもこんな記事が採り上げられていました。京都が今人気を呼んでいる。過去最多の観光客に加え、メディアにも多彩な京都情報があふれ返る。その中で、今の京都人気は揺るぎない。確実に売れますと東京の大手出版社の編集長が述べ、それを裏付けるように下京の書店では京都本コーナーを店内に4箇所設け約400種を並べていると紹介されています。私は、特に子供が小さいときには、観光といえば東京ディズニーランドや大阪のユニバーサルスタジオなど遊園地やテーマパークを思い浮かべましたが、これらの施設はバブル経済崩壊後、一部施設の独り勝ちとなり多くの施設は苦戦し閉園に追い込まれた所もたくさんあります。しかし京都観光を考えるとき、社寺、庭園などもありますが、戦後の高度成長や物質的な豊かさの象徴である箱物観光から、心の時代と言われるように精神的な豊かさや、いやしという言葉に象徴されるような新たな観光視点が注目を浴びていると思います。京都は794年の平安建都以来、1,000年以上にわたり日本の政治、文化など歴史的な中心の舞台であり、他の都市にはない伝統文化や美しい風情、もてなしの心、社寺仏閣をはじめとする歴史的建造物など日本人の心のふるさとが京都なのです。また京都経済を考えるとき、147万人の人口のうち観光に関連する仕事に就かれている方が約15万人おられ、年間の観光消費総額は4,447億円と京都市にとっても基幹産業と位置付けられます。そして桝本市長は、21世紀初頭、2010年には年間5,000万人の観光客が訪れる5,000万人観光都市の実現を掲げ、平成13年1月に策定された京都市観光振興推進計画おこしやすプラン21においては、前期5年間、2005年までに実施又は着手する施策、事業を掲げ取り組まれているところであります。 さて先日、昨年度の観光調査年報が発表されました。この中で年次別観光客の推移を見ますと、昭和50年代後半から平成元年までは大体3,700から3,800万人台で増えたり減ったりしていました。そして平成2年には初めて4,000万人を超えましたが、その後減り続け3,800万人台となります。次に平成6年に3,960万人と盛り返しますが、平成7年には一気に3,530万人まで減少しました。増えた平成2年には大阪で花博があり、平成6年には建都1200年のイベントがあった年です。また減った平成7年は阪神大震災があった年です。これらのことから京都の観光客は3,700から3,900万人ぐらいで安定していて、外的要因が加われば多少上下する程度でした。桝本市長は、平成8年の就任以来、観光産業の振興を大きな目標に掲げ、以来一貫して京都を訪れる観光客は増え続けています。そして昨年は初めて4,200万人台に乗せることができたのです。これは一昨年の同時テロや、また不況の影響で外国旅行を控えた人が国内旅行にシフトしたとも言われていますが、出版をはじめとする色々な仕掛けの中で京都ブームが起こっていると思います。決して努力なしにブームは起こらないということです。一方では、やがてこの京都ブームも終焉を迎えるであろうと言う方もおられます。2010年に5,000万人の皆さんをお迎えするためにはまだまだ努力や工夫が必要と思います。 そこで何点か質問や提案をしたいと思います。1点目は、おこしやすプラン21発表後2年余りたちます。この間、順調に観光客が毎年約100万人ずつ増えていますが、このおこしやすプラン21の現時点での進捗状況と今後の観光振興の問題点についてお答えください。2点目は、平成16年度予算編成に当たり京都創生懇談会から京都創生について提言がされていますが、京都の歴史的、伝統的ないわゆる京都らしい町並み景観を国家戦略として位置付けたうえで、必要かつ十分な財源確保をはじめ仮称歴史都市再生法の制定など何点か提言されています。この中で京都らしい町並みを形成するために電線類の地中化を集中的に実施することとあります。実はこれが歌舞練場の前から花見小路を見た写真です。地中化前です。それが地中化して整備するとこういうふうに変わるということで、明らかに京都らしい町並みを観光資源と考える大変すばらしい提言であると思います。具体策として電線類の地中化について本市としてどのように推進されるかお答えください。 3点目は、京都にはまだまだ全国に発信できていない観光資源が多くあるのではないでしょうか。例えば祇園祭です。山鉾巡行を中心とする情報は新聞や雑誌などで多く発信されていますが、17日と24日に氏子町内を練り歩く三若、四若、錦の三社の御輿は京都の人でも見たことがないと言われる方がたくさんおられるのではないでしょうか。これが今年の祇園祭に使われたポスターなんですけれども、八坂神社の前で三社の御輿が勢ぞろいして、今年の場合、担ぎ手約2,000人を合わせて8,000人の方がこの御輿を出迎えられたと言われています。御輿会や氏子の皆さんの御尽力ですばらしい巡行が行われています。もちろん祇園さん以外にも、春や秋には色々な地域で御輿の巡行が行われていますが、色々なメディアには余り紹介されていないのではないでしょうか。情報化時代の情報発信の工夫が必要ではないでしょうか、お答えください。 4点目は、今年築城400年を迎える二条城についてでありますが、ユネスコ世界歴史都市遺産に登録され、多くの国宝や重要文化財を有する京都市民の財産であると同時に年間120万人の方が訪れる観光資源でもあります。特に観光という視点から見れば、夜間公開、ライトアップ、音楽をはじめとするイべントの開催、期間限定ですが和装の方の無料化など色々な工夫がされてきています。そこで築城400年記念京都市二条城整備計画委員会で検討、提言された南門の架橋についてお尋ね致します。この橋は城内南地区にある梅林や桜の園を見学してもらうだけでなく、出た所には地下鉄の出入口があり、またその周辺には神泉苑や二条陣屋があり、観光客の皆さんにとっては大変利便性の高い橋となります。歴史的には、この門は大正天皇の即位のときに門と橋が建設され、その後、橋だけが撤去されました。大正時代の門ですので文化財の指定も受けていませんが、世界歴史都市遺産登録の関係で文化庁の許可がなかなか得られないとも聞いています。現在、京都市として架橋についてどのようにしていこうと考えておられるのかお答えください。 5点目は、来年NHKの大河ドラマで放映される新撰組をいかに観光資源として活用するかであります。今年放映されている宮本武蔵の関係では、この夏、巌流島に渡る連絡船は何時間も待たなくてはならないぐらい人が押し寄せたそうです。同様にドラマの舞台となる壬生界隈や明治維新にかかわる色々な施設は全国から観光客の皆さんが多く見えられると思います。そこで現在公開されている壬生寺や八木邸のほかにも新撰組にゆかりの深い所がたくさんあります。しかし、これらの所は現在でも居住されているなどの理由で非公開となっている所が多いのです。本市としてもドラマの放映に併せて色々な取組を考えておられると思いますが、全国からお見えになる観光客や新撰組ファンの皆さんにも、埋もれた新撰組ゆかりの地の発掘などの努力も必要ではないでしょうか、お答えください。 次に地下鉄についてお尋ね致します。京都市が21世紀においても光り輝くまちであり続けるために、平成13年1月に策定した京都市基本計画においても地下鉄東西線の醍醐六地蔵間と二条天神川間の延伸が位置付けられており、私どもも支援してきたところであります。特に大変厳しい財政状況にある本市や国にとっても、多額の財政負担を必要とする地下鉄工事は容易なことではありませんが、多様な都市活動を支える交通基盤づくりの大きな柱として位置付けられており、高速で大量の人を安全に運ぶ輸送手段として優れ、京都市としても最重要施策として取り組んでいるところでもあります。また地下鉄は、二酸化炭素の排出量も自動車に比べ1人当たりでは15分の1と少なく、環境に優しい乗り物であることは今更言うほどのことでもありません。いよいよ二条天神川間の延伸工事が本格的に始まりました。私ども中京西部や右京区の住民にとっては待ち望んでいましたし、桝本市長も常々悲願であると言っておられる洛西までの延伸の第一歩でもあると思います。この二条天神川間の工事が事故なく予定どおり完成することを強く期待しております。 さて、醍醐六地蔵間の延伸工事はこの5月24日に全区間のトンネルが貫通し、平成14年1月に異常出水に見舞われ工事の再開まで5箇月を費やし、当初計画より大幅に遅れるのではないかと危惧したところですが、再開後順調に進んでいることを率直に喜びたいと思います。京都市の地下鉄建設の歴史は、工期の遅れと建設費の膨張が常に付きまとっていました。特に東西線の醍醐二条間は、工期は当初6年8箇月の予定でしたが2年7箇月遅れ、工事費も当初2,450億円の予定がその倍近い4,515億円に膨張し、この市議会でも論議になったところです。今回の醍醐六地蔵間の工事が順調に進んでいる中でやはり気に掛かるのは工事費の問題です。異常出水を止めるのに約5億円の費用が掛かったと言われていますが、そのときにも交通局はコスト縮減に努め、当初の予算以内に収めると市会でも答弁されていましたが、土木工事も一定のめどが付いた今、建設費に関してどのような見通しであるかお答えください。また工事は来年12月に完成すると聞いており、その後、検査などもありますが、一日も早い開通を待ち望んでいるところであります。開通に向けた見通しについても併せてお答えください。 次に教育問題についてお尋ね致します。今回の教育改革は画一的平等から個の尊重へと教育の在り方を大きく転換させるものと言われております。同時に各学校が責任を持って子供たちの教育を行うため、地域、保護者との連携の下、大いに特色や個性を発揮することが求められています。京都市では全国をリードして、そうした教育改革、学校改革が進められていると高く評価されておりますが、実はこうした取組は既に10年以上前、桝本市長が教育長に就任された平成4年にスタートしたと私は思っております。教育長就任直後の桝本市長は、当時316あった学校、幼稚園を丸1年掛けてすべて訪問され、管理職はもちろん多くの教職員と直接話するとともに学校の実態も把握されました。常に学校現場から出発するという、こうした姿勢こそ京都市の教育の良き伝統である一人一人の子供を徹底的に大切にする教育の原動力でもあることは言うまでもなく、今回の教育改革においてもその精神は遺憾なく発揮されています。個の尊重とは、言うまでもなく子供たちの可能性を開花させることであり、それぞれの学校がそれぞれの子供に対して特色ある教育活動を行うことが求められています。このような特色ある学校づくりの取組は、既にこれまでから21世紀の学校づくりとしても進められ、各学校において校長先生の責任と権限の下で特色ある教育活動が展開されておりますが、昨年度、文部科学省から全国3万5,000ある小中学校の中でたった9校だけが受けたのですけれども、中京区の御所南小学校が新しいタイプの学校の研究指定にされたのを契機に、学校長の裁量による講師の募集や選考、副教頭の設置など、これまでにない学校運営が実現しています。更にこうした取組は高倉小学校、京都御池中学校においても実施され、保護者や地域の方々の学校運営への参画を既に市内全校で実施されている学校評議員の枠を超えて進める地域学校協議会を設置され、教育改革の先進を行っておられるようにも思いますが、こうした学校の裁量権の拡大を他校においても進めていくべきであると考えます。今後どのようにされるのかお答えください。 最後に中学校統合の跡地活用についてお尋ね致します。今春開校した京都御池中学校の新校舎建設となる柳池中学校跡地では校舎の解体工事も終わり、現在、埋蔵文化財の発掘調査が行われています。平成18年4月の新校舎完成が待たれているところであります。さて京都市では、これまでに子供たちに快適な教育環境を残したいという地元の熱い情熱により37の小中学校が統合され11校の新しい学校が誕生しました。その結果、いずれの学校においても小規模校特有の学習指導上のマイナス面は解消されて、より良い教育環境が実現し、子供たちは学習活動やスポーツ活動に積極的に参加し生き生きとした学校生活を送っています。こうした学校統合に伴う跡地の活用に当たっては、地元の意向をできる限り尊重して取り組むべきことは無論でありますが、都心部における小学校に関しては各界の学識経験者の方から成る跡地活用審議会が設けられ様々な見地から検討が重ねられておりますが、中学校については跡地活用審議会の対象となっておらず過去の統合例も数少なく、これまで銅駝中学校は京都市立銅駝美術工芸高等学校に、初音中学校が子ども相談センターパトナに活用されております。本年6月には下京区の五つの中学校の地元19学区から統合を求める要望書が提出されたとの報道がありました。こうしたケースが今後とも出てくることが予想され、近い将来には中学校の統合に伴う跡地活用についても明確な方向性を確立する必要があるのではないかと思います。現在、京都御池中学校敷地となっている城巽中学校跡地については、昨年10月に地元城巽自治連合会から、かつて堀川高校音楽科分校から独立開校した京都市立音楽高校を再び堀川の地に誘致したいとの要望書が提出されています。そこでお伺いしますが、京都御池中学校が平成18年4月に新校舎に移転した後、旧城巽中学校の跡地についてどのような活用を考えておられるのかお聞かせください。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中セツ子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 加藤盛司議員の御質問にお答え致します。 まず政策評価制度についてお答え致します。本格的な地方分権の時代を迎え、自己決定、自己責任による持続可能な自治体経営の確立が求められている今日、本市の財政は長引く平成大不況のあおりをまともに受け危機的な状況にございます。私は、この困難な状況を克服する切り札として、政令指定都市初の市政全般にわたる政策評価の実施や戦略的な予算編成手法の導入など不退転の決意で大胆な市政の改革に取り組んでいるところでございます。政策評価は、政策の重点化や予算編成、人事などにおいて選択と集中の徹底を図るうえで極めて重要な役割を果たすものであります。今年度は試行実施と致しておりますが、今後は加藤盛司議員御指摘の点を踏まえ、政策の達成度を的確に捕らえる指標を充実させるなど、より信頼度の高い評価となるよう来年度の本格実施に向けてなお一層の制度の改善を図って参ります。 次に事務事業評価制度についてでございます。今年度から約1,700の全事務事業を対象に本格実施する本市の事務事業評価の大きな特徴は予算編成と完全に連動させることにございます。本市では、平成13年度以降、試行を重ねてきた結果、例えば行政がどこまで関与すべきかといった観点から、市民と行政の役割分担をワークシートの設問により点数化して客観的に評価する手法等を開発し、各局が自主的に事務事業の見直しに活用できる先進的な取組が構築できたと考えております。しかしながら、加藤盛司議員御指摘のとおり、評価結果のみで機械的に見直しの判断ができるものではございません。このため本市では、事業に精通する各局が評価結果を基に配分された予算枠を考慮しつつ、より総合的、多角的な観点から検討した結果を受けて、更に政策的に総合判断する場を設けるなど万全を期して参りたいと考えております。 次に平成16年度予算編成に向けた財源確保についてお答え致します。平成16年度の市税収入は、個人所得の低迷や地価下落などの影響を受けて、今年度の当初予算から更に減収が予測されることに加え地方交付税も先行きが不透明であり、本市財政は依然として誠に厳しい非常事態にございます。このため歳入に見合った歳出の規模を調整する、いわば身の丈に合った予算を編成する新たな手法を導入したところでございます。平成16年度予算の編成に当たっては、引き続き市税徴収率の更なる向上や地方交付税の確保に努めることは言うに及ばず、財政健全化債の活用をはじめとした考え得る限りの財源対策を講じ147万人の京都市民の暮らしを守る予算として参りたい所存でございます。 あんしん借換融資制度についてお答え致します。私は、この厳しい不況下において京都経済の中核たる中小企業の方々が一刻も早くこの不況を克服し、やる気と活力を持って個性を発揮していただくことを強く願っております。このためには、まず中小企業の金融対策が重要かつ喫緊の課題であるとの認識から本年1月、御指摘のとおり従来にない新しい支援策として府市協調によりあんしん借換融資を創設致しました。これは国の政策に発展し借換制度が全国に広まるなど、デフレ不況下における不況対策の全国的なリーディングケースになったと自負致しております。また当初、本年6月末までとしていた実施期間につきましては、年末の多くの資金需要にもこたえられるよう12月末まで延長し、8月末現在での京都市内の中小企業の方々の御利用は5,128件、約1,040億円にも上っており、企業倒産を抑えるなど大きな効果を挙げて参っております。しかしながら、年度末には資金需要が増加することが想定されることから、あんしん借換融資の更なる延長につきましては実現の方向で積極的に関係機関と協議を行って参りたいと考えております。このため新規融資枠700億円を確保しているところでございますが、その増額が必要となる場合には制度融資預託金について補正予算をお願いしたいと考えております。 次に今後の中小企業支援の在り方についてお答え致します。加藤盛司議員御指摘のとおり、京都経済の発展のためには中小企業の将来性や経営者の熱意が正当に評価される抜本的な融資制度の改善が必要でございます。このため、例えば物的あるいは人的担保を必要としない京都独自の融資制度の創設や手続の簡素化など、分かりやすい借りやすい融資制度の構築に向けて検討を始めているところでございます。併せて新事業の創出を支援する地域プラットフォーム事業や経営革新の取組を促進する企業価値創出支援制度を通じて、やる気のある中小企業の方々を技術面や運営面から積極的に支援するなど京都の中小企業の底力を最大限に引き出す取組を一層推進して参ります。 おこしやすプラン21の進捗状況についてお答え致します。私は、観光が経済の活性化だけでなく新しい文化の創造、快適で魅力的なまちづくり、国内外との交流の促進など都市活力創造のかぎを握るものであり、21世紀の京都を牽引する重要な役割を果たすものであると考えております。全市全庁を挙げまして観光振興に取り組むため具体策として計画致しましたプラン21でございますけれども、京都を挙げてその推進に取り組んで参りました結果、合計119事業を計画致しましたが、現在、その計画の約9割に着手することができ、全国的な和風京都ブームとも相まって平成14年度の観光客数は前年を85万人上回る4,217万人と過去最高を更新致しました。今後の課題でございますが、2月、7月等の観光客の減少する時期の対策や京都の本物の良さを満喫していただくための宿泊客増加対策などがあり、今後一層気を引き締めて5,000万人観光都市京都の実現に全力を尽くして参ります。 次に地下鉄東西線の六地蔵延伸についてのお尋ねでございます。地下鉄は147万人の京都市民の足として大きな役割を果たしており、大変厳しい財政状況の下ではありますが東西線の六地蔵及び天神川への延伸に全力で取り組んでおります。加藤議員御指摘のとおり、六地蔵延伸の建設に当たりましては、かつて平成6年の東西線醍醐二条間建設事業における建設費膨張問題を教訓とし、建設費の縮減を強く指示し、これを踏まえて交通局において的確な執行管理と徹底した建設費の縮減に取り組んで参りました。本年5月に全区間のトンネルが貫通し、土木工事がほぼ完了したことから現時点で建設費の点検を行いました結果、平成10年度の事業免許取得時に見込んでおりました総建設費712億円が612億円となり100億円を削減できる見通しと相なりました。その内訳でございますが、利用者の利便性の向上のための出入口の増設や異常出水による建設費の増はありましたが世界初の大断面矩形シールドという新たな工法を採用するなどにより工事費で36億円、更に物価が低水準で推移したことにより33億円、企業債利率の低下により31億円の削減となっております。現在、工事は順調に進捗しており、市民の皆様に一日でも早く御利用していただけるように平成16年12月末の完成に向け万全の体制で取り組んで参りたいと決意しております。以上でございます。 以下、副市長、教育長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中セツ子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) 私から2点お答え致します。まず観光情報の発信についてでございます。京都には、議員御指摘のとおり市内各地の季節の祭りや路地の奥にありますほこらやお堂など他都市では及びもつかない豊富な観光資源がございます。現在、こうした観光資源を掘り起こし、既存のガイドブックなどには載っていないような文化観光情報を提供するためにぶらり京都逍遙という観光マップ作成事業を進めているところでございます。今後はこれを活用致しまして、関係者の御協力をいただきながら本物の京都を味わっていただくために創意工夫を凝らしたPRを進めて参りたいと考えております。 次に新撰組を活用した観光振興でございますが、来年のNHK大河ドラマ新撰組が放映されますことは京都への新たな観光客誘致につながる絶好の機会でございます。そこで各種のイベントや観光コースの設定などと併せまして、この度、新撰組とその時代に活躍した志士たちの活動や歴史、史跡などを網羅したハンドブック京都ザ新撰組、この冊子でございますが、これを30万部作成致しまして無料で配布することに致しております。議員御指摘の多くの新撰組ゆかりの地につきましてもこの冊子に掲載しておりますが、その公開等につきましてはそれぞれの関係者にこれから御協力を要請致しまして、全国から来られる観光客の皆様の御期待に沿えるように努めて参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕 ◎副市長(河内隆) 私からは京都らしい町並み形成のための電線類地中化についてのお尋ねにお答え致します。世界に通用する京都らしい町並みの景観は、国際文化観光都市京都でありますだけに観光資源としても重要なことは議員御指摘のとおりであります。本市では、この魅力ある市街地景観を形成しつつ、安全、快適な通行空間を確保するため電線類地中化につきましては、これまで幹線道路を中心に約40キロメートルの整備を行って参りました。本年6月、京都創生懇談会から国家戦略としての京都創生の提言を頂きましたが、この提言の中に電線類の地中化を集中的に実施することで京都らしい町並み景観を形成すべきであるとの提案も盛り込まれたところでございます。本市と致しましては、この提言を重く受け止め、まずは日本文化の象徴である歴史都市京都を電線のない美しいまちのモデル都市とするため、鴨東地区等における集中実施や電線類の地中化を義務付ける新たな制度の導入を国に具体的に提案しているところであります。今後、本市におきましては、重要伝統的建造物群保存地区や京町家の集積する職住共存地区などにおきましても電線類地中化の面的な整備を進めて参りたいと考えております。この事業の実施に当たりましては、有効な手法の研究を深めますとともに市民の皆様や電線管理者等事業者の幅広い意見をお聴きし、また御協力もお願いする中で景観の阻害原因となる電線類をなくしていき、京都らしい魅力あふれる都市景観の形成に向けて積極的に取り組んで参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 柴田文化市民局長。 〔柴田文化市民局長登壇〕 ◎文化市民局長(柴田重徳) 二条城南門の橋についてでございますが、御指摘のとおり大正4年の大正天皇即位の大礼の際に架橋され、御大典終了後に撤去されたものでございます。平成11年8月の築城400年記念京都市二条城整備計画検討委員会からの提言に基づき文化庁と協議致しましたが、江戸期の二条城の形態を変える現状変更はできないとの文化庁の考え方から実現は困難な状況にございます。しかしながら、二条城は、市民の貴重な財産であると同時に本市有数の観光資源であり、地下鉄出入口など周辺施設との連携や地域活性化のため粘り強く文化庁と協議して参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕 ◎教育長(門川大作) 特色ある学校づくりについてでありますが、本市では、2学期制の導入や小学校での教科担任制、小中学校の校種間連携など創意ある取組を全市画一ではなく、校長の権限を拡大しその主体性と地域、保護者との連携の下に展開しております。更に御指摘の3校では、地域とのより密接な連携を深める中で、全国をリードする研究指定校として教員公募や予算面での校長の権限の拡大などにより創意あふれる教育活動を進めております。今後は3校の貴重な成果を全市に発信し、各学校において新たな発想を生かした特色ある学校づくりをより一層推進して参ります。 次に城巽中学校跡地についてでありますが、その活用は全市的な観点に立ちつつ、統合の御英断をいただいた地元の御意向を踏まえる必要があります。御指摘のとおり地元から誘致の要望をいただいております音楽高校は、ツトム・ヤマシタ、佐渡裕、葉加瀬太郎など世界に羽ばたく音楽家を多数輩出するなどすばらしい教育実践を展開しておりますが、現在の校地は運動場が道路として使用される計画が具体化しており、音楽高校の要望も踏まえ更なる飛躍を目指し教育環境のより一層の充実を図るために移転を前提に検討して参りました。つきましては城巽自治連合会の要望を踏まえ移転の具体化を検討して参ります。以上でございます。-------------------------------- ○議長(田中セツ子) 次に、市政一般について、中川一雄議員に発言を許します。中川議員。 〔中川一雄議員登壇(拍手)〕 ◆(中川一雄議員) 私は、最も人口の多い伏見区から選出していただいております中川一雄でございます。新人ではございますが、桝本市政を支える最大与党自由民主党の先輩諸氏の御好意により、加藤、加地先輩議員に続きまして、自由民主党を代表致しまして桝本市長並びに関係理事者の方に質問致します。どうか具体的かつ明確な御答弁をいただきますようお願い申し上げます。 まず伏見西南部地域の道路整備、公共交通網整備についてでございます。未来を見詰めた京都市都市計画マスタープランを拝見しました。各行政区の整備に関しましては、正に京都市の未来はこのようになっていてほしいと願う大変立派なものでありますが、問題は計画を具体的にどう進めていくかであります。御存じのように伏見区は市の南部に位置し、道路網、公共交通網のかなめとも言える要所にあり、区民人口も市の行政区の中で最大となっております。京都高速道路の新十条通や油小路線整備が着々と進められ、また本年3月には第二京阪道路、8月には京滋バイパスと名神高速道路が接続され、それに合わせた一般道路の油小路通も九条通りから久御山までつながり、京都南部地域の交通渋滞の解消に向けた道路網の整備が着実に進んでいることは伏見区の住民の一人として大いに感謝しているところであります。しかしながら、マスタープランにおいて住宅建設が進み人口が増加しているとされる久我、羽束師、向島等の地域の道路網や公共交通網の整備に関してはまだまだ脆弱であると言わざるを得ません。久我、羽束師地域の幹線道路であります水垂上桂線の通勤時の交通渋滞は正に危機的状況にあります。地元の農家の皆さんは、農作業の機械を耕作地まで運ぶのに早朝4時や5時に移動させなければ畑や田んぼに行けないという状況でございます。これは南北に縦断する道路がほかになく、羽束師橋の完成後に撤去された仮橋の影響によるもので、仮橋とはいえ地域住民の皆さんには大変重要な生活道路でした。仮橋である以上、完成後の撤去は致し方ないとはいえ、現在の羽束師橋は外環状線の一部であり、桂川を横断する東西の道路が不足してる現状では、朝夕の交通量は非常に多く、国道1号線、府道京都守口線の交差点では慢性的な渋滞が発生しております。更にこの渋滞を避ける車が水垂上桂線に迂回することにより、同地域の住民の皆様の唯一の公共交通機関であります市営バスの運行にも大きな支障を来し、緊急車両である救急車や消防自動車、警察車両の通行にも支障があります。マスタープランにもあります南部地域最大の商業圏である大手筋界隈へ買物に行くのにも、市バスを利用すれば同じ区内でありながら往復で半日も掛かるというのが現状でございます。このような状況を解決するには、未整備の都市計画道路羽束師墨染線や伏見向日町線の橋梁整備に早期に着手していただきたい。当面の渋滞緩和策と致しまして、現在架け替え中の久我橋と羽束師地域を結ぶ区間に桂川右岸の堤防に沿った道路整備を検討すべきです。地元の住民の声をお届けします。実現に向けてお考えをお聞かせください。 向島地域に関しましても同様の事態であります。向島は昭和44年、大規模な開発が始まり、現在11街区7,000戸弱の戸数に2万人以上の方が暮らす京都を代表する大規模なニュータウンであります。近年では、近鉄向島駅は準急停車駅になるとともに、平成14年10月に策定されました京都市交通バリアフリー全体構想において近鉄向島駅周辺を中心とする向島地区が重点整備地区に選定され、今後、駅やその周辺道路、駅前広場などのバリアフリー化を重点的、一体的に進める運びとなるなど鉄道を利用する地域住民の長年の願いがかなおうとしており、私も大変喜ばしいことと思っております。しかしながら、一方では生活交通を支える道路の整備状況を見ますと、向島地域は慢性的な交通渋滞が発生しております。また駅から遠い街区にお住まいの方は、買物や病院に行くための路線バス等の生活交通が決して満足のいく状態ではありません。今となっては新たなる道路整備を待つよりも、まずこのような状況を改善すべく民間事業者と連携して地域を循環するようなバス運行のシステムなどを構築して地域住民の利便性を重視した活性化につながる公共交通優先の施策が必要ではないでしょうか。高齢化しつつある方々のために自家用車等に頼らない、発想を変えた新しい交通体系の早期の整備を望みます。厳しい財政状況にあることは十分に承知しておりますが、京都市南部地域の理想的な発展のためにも、今後どのように公共交通網の整備に真剣かつ具体的に取り組んでいかれるのかお答えください。併せて横大路、納所、淀地域については、淀競馬場開催日の自家用車利用者によります交通渋滞が地域の皆さんに大変迷惑を掛けております。一時報道されました京都パープルサンガスタジアムの横大路グラウンド移転が実現すれば、駐車場の確保と交通混雑に更なる拍車が掛かりはしないかと非常に危惧致します。そこで京都パープルサンガスタジアムの建設の進捗状況についても関連してお尋ねします。更には、南部地域全体の問題として従来よりお聞きしております分区問題、市長公約でもあります伏見区総合庁舎の整備等がその後どのように進展しているのかも関連してお尋ねしておきたいと思います。 次に地域福祉計画とファミリーサポート事業についてでございます。現在策定作業を進められている地域福祉計画と昨年度から実施されています市民が相互に育児を支援するファミリーサポート事業についてお尋ね致します。まず地域福祉計画の策定でありますが、地域には様々な障害のある方、高齢者、子供たちなどが暮らしておられます。今日、地域社会は、核家族化や都市化の中で家族機能の低下や地域における人々のつながりの希薄化が進んでおります。このような中で子育てや介護などこれからの福祉施策は、自らの努力である自助と行政施策、事業である公助と共に地域において住民同士が互いに支えて生活していく共助への取組が非常に重要な柱となると考えます。サービスを必要としている方や家族に対する相談や情報提供の体制を整えスムーズに必要なサービスが提供されることや、提供まで至らない方でも孤立化の防止や仲間づくりを進めていってこそ行政施策が活用されるものだと考えます。市民一人一人が手を携え誰もが安心して健やかに暮らしていけるまちづくりが重要でございます。現在、地域での福祉活動を推進、支援していくのに地域福祉計画の策定作業が進められていると聞いておりますが、私は、この計画策定に多くの市民に参画していただき、単なる行政計画に終わらせない、市民自らのものとして実感できる計画にすることが必要だと考えます。今後どのような形で市民参加を得て策定作業に取り組んでいかれるのかお考えをお尋ねします。 次に保育所、児童館とは別の形態での子育て支援について、市民活動の推進という立場からお尋ね致します。景気回復の兆しが見られない厳しい経済状況の中で、夫婦共働きの家庭が相当増えてきていると思います。働く女性にとりまして育児は大変な重荷となり、それが国家を挙げての問題であります少子化の大きな一因でもあります。きめ細かい支援体制が必要不可欠でありますが、現在の保育所、児童館等の施設は、施設として立地していることからどうしても限界が生じます。仕事の都合で時間が遅くなると心配でなかなか就職できない、パートで働きたいけど時間的な制約があり就職できないといった声をよくお聞きします。保育所は、保育に欠ける児童の健全育成を図っていくため社会福祉法人をはじめとした公共的団体にゆだねることが大事です。しかしながら、一方で市内には民間のボランティアサークルや子育て支援サークル等があります。これからは育児に当たっても市民が相互に助け合い支え合いながら安心して働ける環境を提供し、少しでも少子化の歯止めになるような対応をしなければなりません。民間の活力導入とは、そうした小さな市民活動を支援して大きな力に育てていくことではないでしょうか。平成14年度から、市民が相互に育児を支援していくファミリーサポート事業が実施されています。私は、この事業に大変期待をしておりますが、先日の新聞報道では、育児等の支援を行う提供会員が援助を望む依頼会員の半数しかいないという状況が出ておりました。地域の子供は地域で育てるといった考え方を普及させていくためにも、提供会員の確保が今後ますます重要になると考えます。また、この事業を充実させるためには提供会員にも活動費等を支援して人材を確保することが大切ではないでしょうか。京・子どもいきいきプランに基づく保育所や児童館の整備充実に加え、このファミリーサポート事業の充実に向け今後更に前向きな対応を望みますが、お考えをお聞かせください。 次に学校週5日制完全実施後についてお尋ね致します。学校5日制が完全実施されてから1年半を経過しましたが、マスコミ報道等では、この制度の前提であり、かつ条件として進められているいわゆるゆとり教育が子供たちの学力低下の原因となっているとの指摘が多く見られます。私は、小学校、中学校、高等学校と20年余りPTA活動にかかわり保護者の身近な相談にも応じて参りました。広く御意見を伺う機会も多いのですが、確かに最近、子供の学力低下について不安の声が大きくなっていることは否定できません。もちろん、その中には、例えば円周率を3.14ではなく3としか教えなくなるといった誤った情報も含まれていますが、実際には子供の教科書を見てください。3.14と書かれてあります。教える内容が雑になっているわけではございません。聞くところによれば、円周率の話は、ある学習塾が生徒募集の際に保護者の不安をあおるために宣伝したものをマスコミ等が事実も確認せずに既成事実化したことが原因のようであります。また、分数のできない大学生といったセンセーショナルな話題ももてはやされたものです。少なくとも、この問題の大学生が分数を習ったのは学校5日制が完全実施される以前ですし、いわゆる詰め込み教育の時代の結果かもしれません。 平成15年5月に全国的な各教科ごとの学力調査の結果が発表されました。複数の資料から推論して答えを出すことや他人の意見に対して自分の考え、その根拠を説明するといった思考力や判断力、更に実験や自然体験、生活体験の不足が明らかにされています。そもそも子供の教育は決して学校だけで行われるものではないと思います。先進国の中で我が国の子供は、家庭での学習時間が最も低いという状況はどのデータにも共通して指摘されております。本来、家庭や地域は、子供たちに学びの刺激を与える最大の環境であり、目的意識を培うきっかけの場所でした。このごろの親の教育はというよりも近年の大人社会は子供の自主性を尊重する余り子供に教えるべきことをあいまいにしているように思われます。そうそうたる学歴で専門分野でもすばらしい技術や知識を持った若者がオウム真理教により何の判断力も持たず平気で尊い命を奪い社会を混乱に招き入れたあのとき、我々は受験テクニックや細切れの知識でなく人間としての判断力や考察力を形成することこそ教育の使命だと痛感したはずではなかったでしょうか。今大切なのは、学校、家庭、地域が連携協力して一人一人の子供たちに豊かな学びの体験の場を作り、それぞれの役割を果たしていくことだと考えます。京都市においては、既に大学との連携の下で学校支援ボランティア制度が導入され、子供たちや保護者からも大変期待されていると聞いております。そこで教育長にお尋ねします。子供たちの学力向上に向けて、保護者に対して責任を持つ立場から今後どのような取組をされようとしているのかお尋ねします。 また、学校の取組を進める主体は教師の指導力であります。先生方が頑張ってくれるかどうかに大きく掛かっています。京都市では、全国でも唯一教育センターが夜9時までオープンし、多くの先生方が研鑽を積んでいるとお聞きしています。連日、様々な趣向を凝らした研修会が催されマスコミ等にも採り上げられるなど、多くの先生方が身を粉にして昼夜を分かたず励んでおられるのも承知しております。現実には、保護者にとって新年度の最大の関心事は、自分の子供の担任の先生が俗に言う当たりか外れかであります。それだけ子供たちにとりまして先生の存在が大きいのです。先生の中には当たりや外れがあっては困るのです。熱心に研修を重ね、生徒指導に夜遅くまで走り回り、休日も行事に参加しておられる先生と、ごく一部ではありますがそうでない先生が給料や手当が基本的に同じといった現行制度にも大きな問題があると考えます、いかがでしょうか。 保護者、生徒は、教師を選ぶことができません。しかし、生徒と教師の人間関係が全く合わないといったケースも保護者の方から多く聞きます。京都市では、昨年度、優秀な先生を対象に教育実践功績表彰制度を設け約550名の先生を表彰されたそうですが、それぞれの先生方の頑張る姿勢が客観的に理解でき、頑張っている先生方の励みにもなる取組と私は評価をしております。そこでお尋ねしますが、学校教育を支える熱意のある先生を正しく評価し、熱意のない先生には信賞必罰体制を確立すべきであると考えます。教員の評価につきましても、教育委員会は今まで総合教育センター等で具体的にどのような取組を行われてきたのか、今後どのように対応されるのかお尋ね致します。 最後に観光都市と環境美化整備についてお聞きします。教育問題と併せて考えていかねばならないのが環境の美化整備だと思います。京都を訪れた観光客が増えていると報道されていますが、大変喜ばしいことです。観光産業関係の方々の御努力も相当あったのではないか、またそれをより充実させるために京都市の努力もあったと私は評価致します。一時は、このままでいいのかと心配するほど減少傾向にありました。そこで観光客増加の詳しい分析や適切な対応をして、一時的ではなく長く持続させなければなりません。その一つに周辺環境の美化と整備が重要な課題であると考えます。観光客の皆さんがすばらしいと感じられることは、その地域の住民の皆様にもすばらしい環境であります。町並みが美しい、緑が豊かである、歴史の重みが感じられるといった町並みや風景が京都市内には至る所にあります。しかし、私が心配するのは、その陰で増えてきつつある放置された大型ごみや、特に気になりますのは道路上に放置された自動車です。このように大きなものが、また持ち主を特定しやすいものがなぜこうも簡単に放置されるのでしょうか。御存じのように、自動車にはナンバープレートが付いていて所有者が特定できます。車検証には車種や車体番号等が記載され、廃車するにはこのナンバープレートと車検証を返還します。この返還時にどのようにその自動車を処分したのか証明書等の提出を義務付ければ持ち主は勝手に放置できなくなります。自動車税や登録関係は京都府です。軽自動車に関しましては市町村です。しかし、放置されているのは京都市内の至る所であります。持ち主の無責任な所業ではありますが、毎日この有りさまを見て大きくなる子供にどのように説明できますか、またみんなで町並みを大切にしようと言えるでしょうか。各地域で色々な場所で清掃奉仕活動が行われています。川が美しくなり魚が戻ってきたといった報道を見ますとうれしくなります。一人一人の捨てたごみですが、みんなで美しくしようとする活動には心から敬意を表します。放置された自動車は、こういった活動では到底処分することができません。京都市では、自動車放置防止条例を制定し、平成14年4月から対策を実施されているとお聞きします。放置自動車に対する苦情は一向に後を絶ちません。取組状況はどうなっているのかお尋ね致します。 つい先ごろ報道されました世界遺産登録で富士山が余りにもごみが多いという理由で見送られたことは、皆様、記憶に新しいと思います。京都市は観光都市宣言なるものをしておられます。富士山の例を教訓にして考えれば、このままで声高に観光都市宣言ができるのでしょうか。各地域で盛り上がる子供たちの清掃奉仕活動を無駄にしないようにしてやってほしいと思います。以上、伏見区選出の新人市会議員として、疑問に感じましたことや訂正した方がいいのではないかと感じましたことを素直にお尋ね致しました。市長はじめ関係理事者の具体的な御回答を期待致します。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(田中セツ子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 中川一雄議員の御質問にお答え致します。 まず伏見区久我、羽束師地域の橋梁整備の御質問についてお答え致します。桂川に架かる新しい橋の建設は、交通渋滞を緩和し都市活動の活性化を促すなど京都市南西部地域の発展に欠くことのできない重要な役割を果たすものと認識致しております。このため久我橋及び仮称第二久世橋の整備に現在全力を挙げて取り組んでいるところでございます。今後、中川一雄議員御指摘の趣旨も十分踏まえ、都市計画決定済みの羽束師墨染線などの橋梁整備につきましても長期の事業にならざるを得ませんけれども、周辺の整備状況や整備による効果を考慮しながら順次取り組んで参りたいと考えております。なお、桂川右岸の堤防道路の整備につきましては、年内には開通予定の久我橋及び天王山大橋の整備の効果を見極めながら引き続き河川管理者である国と協議して参ります。大変これは難航致しております。 次に京都市南部地域の公共交通機関の整備についてお答え致します。京都市南部地域につきましては、産業による高度集積を図るなど21世紀京都の新たな活力を担う創造の地域であることから、多様な経済文化活動を支える交通基盤づくりを着実に行うことが必要であると認識致しております。このため現在、高度集積地区と竹田駅や伏見の旧市街地を接続するような公共交通機関網の整備や、既存の鉄道における結節機能の強化など鉄道やバス交通による総合的な公共交通ネットワークの在り方等につきまして調査検討を行っているところでございます。今後とも市民の皆様が安心快適に暮らせる活力ある京都創造に向けた交通体系の確立を目指して参ります。 次に行政区の分区についてでございます。現在、行政区制度検討調査会におきまして行政区の目指すべき将来像や区役所の在り方について総合的な検討調査を行っており、今後この中で市民の皆さんの利便性や行財政の効率性の観点から行政区の適正規模の検討を行うことと致しております。今年度末にいただく調査会の最終報告を踏まえて分区、合区の必要性についての結論を見出して参りたいと考えております。 次に私の公約でもあります伏見区総合庁舎の整備につきましては、平成11年12月の私と荒巻前京都府知事との話合いにおいて府立医科大学附属病院伏見診療所跡地と府保健環境研究所敷地を活用して建設することで基本合意に至っております。現在、京都府用地の取得に向けた協議を鋭意進めるとともに、本年度に整備基本計画を策定し、平成16年度、17年度には設計を行うなど伏見区の活性化と更なる飛躍の拠点となる総合庁舎の建設に向け一層強い決意の下に取り組んで参りたいと考えております。 以下、副市長、教育長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中セツ子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) 私からはサンガスタジアム計画についてお答え致します。京都パープルサンガの本拠地となりますサンガスタジアムにつきましては、その建設の前提となります伏見桃山城キャッスルランド跡地での運動公園の整備構想策定と併せて取組を進めております。サンガスタジアムの実現に当たりましては、建設費及び管理運営費の負担、新駅の設置をはじめ議員御指摘の観客用の駐車場の確保や交通渋滞など極めて多くの課題がありますので、現在これら一つ一つにつきましてそれぞれ関係者と協議を行っているところでございます。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕 ◎副市長(松井珍男子) 私からは2点についてお答え申し上げます。まず地域福祉計画についてでございます。個人が人としての尊厳を持ち障害の有無や年齢にかかわらず地域の中でいつまでも安心して生活が送れるよう支援していくため、地域福祉活動の推進が非常に重要な課題となってきております。この度策定する地域福祉計画は、この考え方を実現するための法定計画、法律で決められた計画であり、市民参加を得て策定していくことが最も重要であると考えております。このため策定に当たりましては、市民参加推進条例の趣旨を踏まえ委員会の公開や委員の市民公募はもとより、約300人の住民の参画を得た懇談会であるオピニオン300を各行政区で開催し、今後は市域全体でのシンポジウムの実施やパブリックコメントなどにも取り組み、市民の皆様の御意見を計画に反映し、自助、共助、公助の連携による新しい福祉社会への構築を目指して今年度中に策定して参りたいと思っております。 次にファミリーサポート事業についてでございます。この事業は、市民が相互に育児等を助け合う共助に基づいた子育て支援策として昨年10月から実施しているところであります。現在予想を上回る1,100人を超える登録会員を得て月に約370件の活動実績がございます。しかしながら、中川議員御指摘のとおり、依頼会員に比して提供会員が不足気味となっており、市民しんぶんやちらし等による周知や委託先である児童館学童連盟での取組等を通じて会員の確保に努めているところでございます。更に今後は会員の中から地域ごとに選任を予定しているサブリーダーの活動の一つとして地域に密着した形で会員確保等の活動を行っていただくなど地域レベルでの事業の活性化を図り本事業の充実に向けた取組を進めて参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 野嶋建設局長。 〔野嶋建設局長登壇〕 ◎建設局長(野嶋久暉) 放置自動車対策の取組状況についてでございますが、平成14年4月1日に施行致しました京都市自動車放置防止条例は、自動車放置防止の目的の明確化が一つ、二つ目には民有地も含めた幅広い適用の範囲、三つ目には廃自動車認定基準の適用による迅速な処理を特徴と致しております。条例施行後の取組と致しましては、平成14年度には約1,000台の放置自動車を撤去し、そのうち条例の効果の一つであります警告に基づく所有者等による自主的な撤去台数は前年度に比べまして80台から158台に増加致しました。また処理期間につきましては、約8割の自動車を1箇月以内に撤去致しております。今後につきましては、議員御提案の放置させない仕組みづくりのため道路運送車両法の厳正な適用、平成16年施行の使用済自動車の再資源化に関する法律、自動車リサイクル法でございますが、この効果的な運用の実現に向けて引き続き関係機関に強く働き掛けて参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕 ◎教育長(門川大作) 学力向上についてでありますが、子供たちに基礎基本を確実に身に付けさせ、それを基にして自ら学び自ら考える力など生きる力をはぐくむことが重要であり、そのためには学校の取組はもとより家庭、地域との連携が御指摘のとおり不可欠であります。こうした中、学校においては、少人数授業や習熟度別指導など一人一人に応じた指導の工夫改善を行うとともに、きめ細かな保護者との懇談などを通じてより適切な家庭学習の課題を与えるなど家庭における自学自習の習慣化を目指す取組を進めております。また地域の皆様の御協力の下、子供たちの自然体験や職場体験、奉仕体験などの充実にも努めております。今後とも学校、家庭、地域がそれぞれの教育機能を発揮する中で一層の学力の向上を図って参ります。 次に教員の評価についてでありますが、本市では、教育活動における実績を重視し、市民、保護者の代表も参画していただいた教員表彰制度の創設や自己研鑽を奨励する研究助成制度の飛躍的な拡大など、教員の熱意に積極的にこたえる取組を推進し着実な成果を挙げております。一方、指導力不足教員については、資質向上に向けた指導を徹底し多くは改善しておりますが、改善の見られない場合には退職勧奨も含め厳正に対処し、この5年間で約60人が退職致しました。更に本年5月に保護者や学識経験者を含む教員の評価に関する調査研究協力者会議を設置し、処遇への反映を視野に入れた教員の評価システムの構築に向け精力的に検討を行っております。今後とも本市教育の一層の飛躍のために意欲あふれる実践を展開する教員の育成と、その努力が報われるよう取組の更なる充実に向けて努力して参ります。以上でございます。-------------------------------- ○議長(田中セツ子) 暫時休憩致します。 〔午後3時16分休憩〕 〔午後3時40分再開〕 ○議長(田中セツ子) 休憩前に引き続き、会議を行います。-------------------------------- ○議長(田中セツ子) 休憩前の一般質問を継続致します。 次に、市政一般について、井坂博文議員に発言を許します。井坂議員。 〔井坂博文議員登壇(拍手)〕 ◆(井坂博文議員) 日本共産党の井坂博文です。日本共産党市会議員団を代表して北山ただお、加藤あい議員と共に市長及び理事者に質問致します。 まず政局と地方政治の在り方にかかわってお聞きします。平和の問題です。日本共産党は、有事法制にもイラクへの自衛隊派兵法にも反対を貫いて国連憲章と憲法を守るために全力を挙げているところです。有事法制は、アメリカの先制攻撃の戦争に自衛隊を海外で参加させ、そのために国民を総動員するものであります。更にイラク特別措置法も、イラクを軍事占領するアメリカ、イギリス軍の国民弾圧作戦を支援するために日本の自衛隊を派遣するための法律です。そもそも米英の首脳や小泉首相が戦争の最大の大義名分とした大量破壊兵器はいまだに発見されず、自衛隊は非戦闘地域に派遣するものと言いながらイラク全土ではいまだに戦争状態が続き、バグダッドの国連事務所さえも爆弾テロの標的となり多くの死者が出ました。占領支配に対する反撃にとどまらず、人道的にも許せないテロ行為にまで及んでいるのであります。イラク特措法は強行されましたが、現地の状況から見ればイラク特措法そのものが明確に破綻しているではありませんか。そこで市長に端的にお聞きします。市長は、自衛隊派兵に反対するのか賛成なのか、また住民の基本的人権や財産権を脅かす有事法制に反対するのか賛成なのかお聞きします。はっきりとお答えください。 次に小泉構造改革の問題です。小泉政治の下で今ほど暮らしが痛め付けられているときはありません。痛みを我慢すれば2年ほどで明るさが見えてくると言ったのは2年前の参議院選挙での小泉首相の公約です。ところが、明るさどころか倒産と失業者の増大、深刻な不況です。連続して年間3万人にも及ぶ自殺者の中で激増したのは40代から50代の男性、自殺の最大の理由は不況とリストラです。ところが首相のコメントは、今の構造改革がなければもっと痛みが増えるというものでした。国民の痛みを全く感じないどころか、骨太の方針の名前で消費税2桁への大増税、お年寄りの年金からも課税するという弱者切捨ての構造改革を推進しようとしています。更に三位一体改革の名による地方政治の切捨てです。その中身は、福祉や教育を狙い撃ちにして国庫補助負担金を約4兆円削減し、その削減額の8割分を地方に回すものの残り2割の8,000億円は地方の責任で新たに財源を確保するよう押し付けるものであります。それに伴う京都市の影響額は約400億円の削減で新たな負担は80億円と言われております。これに対して市長は、記者会見の席上で地方分権改革の第一歩、主張がほぼ反映されたと評価する見解を述べられました。しかし、地方にお金を回すというものの、これまで自治体関係者が求めてきた税源移譲とは全く異なるものであります。しかも一層の福祉、教育の切捨てがその条件であり、自治体は住民にとって必要な仕事さえできなくなるのであります。理財局が発行する冊子、京都市財政のあらましの中でも、仕事の量は変わらないまま歳入が減り、必要な仕事さえもできなくなるとの心配があると指摘しているではありませんか。このまま三位一体改革が進めば地方自治は大きく破壊されてしまうことは明らかです。今ほど国の悪政に対して市民の暮らしと地方政治を守り闘うという市長の確固とした姿勢が強く求められているときはありません。市長は、地方政治切捨ての三位一体改革に対して明確に反対の意見を上げるべきであります。いかがですかお答えください。 さて京都市政が桝本市政になって8年になります。私は、その8年間を振り返り、検証しながら市政と市民生活にかかわる点についてお尋ねします。桝本市長は、市長就任以来、活力、元気と言い続けてこられました。しかし、京都のまちと市民の暮らしに活力や元気が出てきたでしょうか。5月に京都市が行った京都市市民満足度調査があります。その中で、子供と高齢者に関する調査では、子供たちが伸び伸びと健やかに成長できる仕組みづくりがあるかとの問いにあると答えたのは14.6パーセント、ないと答えた人は47.6パーセントに上っています。高齢者とその家族を支えるサービスが充実しているかとの問いについても、充実していると答えたのは25.6パーセント、思わないと答えたのは38.9パーセントでした。また市民の市政参加に関しては、その仕組みがないと答えたのが42.6パーセント、あると答えたのはわずか7.6パーセントでありました。市民生活に直接かかわる問題について、市政に対する市民の思いは満足どころか不満の声が強いことがはっきりしたではありませんか。(発言する者あり)更に桝本市政8年間は、京都市財政を破綻させ大借金財政へと追い込んだ8年でした。市債残高は96年の7,870億円から2003年には1兆357億円と大幅に増額し、実に市民1人当たりの借金は53万円から70万円となったのです。その借金返しのための公債費は毎年増え続け予算編成を圧迫しております。ところが市長は、その責任を取るどころか財政破綻の付けを市民に押し付けて乗り切ろうとしているではありませんか。(発言する者あり)あなたが市長に就任した96年から2003年の間で市民の負担増は約210億円にも上っています。内訳は、市バス、地下鉄運賃や上下水道料金、国保料、保育料などの公共料金の値上げが160億円、補助金カットや事務事業見直し、廃止で43億円、市税減免制度廃止で7億円と、どれを取っても市民生活に密着したものばかりではありませんか。そのうえに市バス路線の廃止、縮小と民営化による市バス切捨てのルネッサンスプランを策定し、財政非常事態宣言では政令市で初めて市職員の本給カットまで強行したのです。そして今年4月には理財局内に財政プロジェクトチームを発足させ、市民生活の細部にわたりサービスの切捨て、福祉水準の後退につながる市政改革を専門的に追求するチームまで作り、市民リストラのバージョンアップを図ろうとしております。更に市政改革と事務事業評価を連動して、今後の家庭ごみ収集の有料化や敬老乗車証制度の見直し、お年寄りの緊急通報システムや児童公園の維持管理も見直しや廃止の検討を始めると言います。これではまちや市民の暮らしに活力や元気が出てくるはずがないではありませんか。(発言する者あり)それでも市長は、活力、元気を言い続けるのですか、お答えください。また、これらの見直しや廃止は行わないと明確に言い切れますか。併せてお答えください。(発言する者あり) 私どもが先日視察しました金沢市では、ふらっとバスというコミュニティバスを走らせております。説明された事業担当者は、一般会計からの補助金も多い。しかし採算の問題ではなく、お年寄りが気軽にふらっと買物や社会活動に出掛けてもらい、元気に暮らしてもらうための投資であるときっぱりと言い切っておられました。これが当たり前だと思うのです。この姿勢を市長、あなたも見習っていただきたい。強く求めておきます。 次に京都市政がいかに市民に冷たい市政か具体的にお聞きします。暮らしと福祉にかかわる問題です。まず高すぎる国保料の問題について。本来国保は安心して病院に掛かるための命綱です。しかし、長引く不況の影響で保険料を払いたくても払えない加入者が増えています。南区では国保料減免申請に1週間で1,500人もの方が区役所に押し寄せたそうです。北区の歯科技工士の方は、収入が増えず借金して保険料を納付していたが、それでも払えず月1万円ずつ分納していた。それでも滞納分が残り3箇月の短期証を交付された。子供が他県の学校の寮に入っているので短期証では困ると交渉してようやく保険証をもらったと苦しい実態を語っておられます。市長は、口を開けば過去最高の繰入額を確保したと自慢されますが、市民1人当たりの繰入額は政令市で下から2番目、最高の札幌市の半分にも及びません。そして注目すべきことは、保険証の取上げ件数が桝本市政になって急増しているということです。市長が就任した96年では、短期証と資格書発行交付世帯は3,554世帯であったのが、2003年では1万8,237世帯へと5倍以上になっているのです。市長は、これらの実態を御承知ですか。もはや一刻の猶予もありません。直ちに滞納者からの保険証取上げの制裁措置を撤回し、無条件に保険証を発行すること、他都市並みに一般会計からの繰入金を増額し、保険料の値下げを行い払える保険料にすること、そのことを強く求めます。お答えください。 他都市と比べても福祉が切り捨てられ、制度が大きく立ち後れている事例はほかにもあります。介護保険の平均保険料は4月の値上げで3,866円、政令市で2番目の高さ、アップ率は30.7パーセントで全国最大です。値上げの通知を受け取った方から数多くの苦情と問い合わせが殺到しております。年金の支給額が減ったところに3割もの値上げ、これから一体どうしたらいいのか。怒りの声が渦巻いています。にもかかわらず本市独自の減免制度は他都市と比べて大きく立ち後れたままです。 次に在宅酸素療法に関して。昨年の老人医療の改悪によって治療の中断や在宅酸素機器の契約解約が相次いでおり大きな社会問題となっています。そういう中で政令市は、既に札幌、仙台、千葉、名古屋、神戸、広島の六つの市が医療費助成を行い無料にしています。ところが本市では、このような措置を採っておらず全く冷たい対応です。更に上下水道料金の福祉減免制度は、他の政令市すべてで生活保護世帯や福祉施設などに独自の減免制度を設けていますが、本市はかたくなに制度創設を拒否しております。せめて他都市で当たり前の独自の減免制度や助成制度の措置を採るよう強く求めるものですが、市長いかがですか。併せて市民の世論と運動で入院について、就学前まで拡充された子供の医療費助成制度について、通院に係る8,000円までの自己負担を廃止し、入院も通院も就学前まで無料にするよう強く求めます。併せてお答えください。 次に京都経済の現状と再建の道筋に関してお聞きします。事業所・企業統計による事業所数は、86年と比較して2001年では本市はマイナス18.8パーセントと政令市の中で最悪の減少率です。従業員数でも全国的にはプラス4.3パーセントの増加傾向にあるにもかかわらず本市はマイナス8.5パーセントで、北九州市に次いでワースト2位という状況です。また伝統産業で見れば、伝統的工芸品17品目の事業所が90年から8年間で56パーセントに、従業員数では60パーセントに、年間生産高では何と41パーセントという大変な落ち込みであります。その一方で、桝本市政になって大型店は急増し、94年には売場面積のシェアが30パーセントであったのが2002年には44.6パーセントとなり、このままではこの2年から3年で5割突破は確実です。大型店のシェア拡大に拍車を掛けたのが島津五条工場跡地への大型複合商業施設への特別の対応です。市まちづくり条例の運用第1号でありながら、京都市自らが決めた商業施設の上限枠2万平方メートルを1割増しまで認めるという異例の緩和策でした。正に大型店や大企業には大変思いやりのある市政であることがはっきりしました。そこで京都経済の基幹産業である伝統産業、とりわけ西陣と和装産業振興の支援策について伺います。西陣の地で、西陣を守ろう、西陣で生活できるように、これを合言葉に粘り強く運動を進めている西陣問題対策協議会があります。京都府や京都市に働き掛けて、学校教育で伝統工芸品を活用する事業がスタートし、昨年は協議会グループの職人さんが手分けし織物の額、織額を作成し、学校に展示され喜ばれています。これがその織額です。これだけ動きのある西陣織はこれまでありませんでした。そこから職人同士のネットワークが始まっています。また市立小中学校でも、2学期から緊急雇用対策事業として学校施設を利用した伝統産業実演授業が始まります。このような仕事の発注を産地組合への丸投げではなく、行政が職人の人材登録、仕事のあっせんを行い、効果的な横請けのネットワークを形成し、仕事の配分ができるよう支援を行うよう求めます。お答えください。 更に私が昨年の9月市会本会議質問で指摘しましたように、伝統工芸を支える技術と道具の保存と育成を抜本的に強めるよう改めて求めます。この分野の率直な現状は、担い手や作り手の高齢化と営業としての採算が取れないことです。例えば西陣織の経糸の間に緯糸を通す「ひ」は、力織機でも手機でも欠かせない道具ですが、作り手は上京区在住の70歳の方が現在国内でただ1人、最後の職人となっています。このような現状は伝統工芸品の他の分野にも共通しています。金沢市は、公設の職人大学校を設立し、伝統工芸9品目の技術者を講師にして技術継承のために無料の訓練校を運営し後継者育成に行政が直接責任を負っています。伝統産業を基幹産業と位置付けている京都でこそ伝統工芸を守り発展させる先頭に立つよう強く求めます。 日本共産党と関係者の共同した運動で金融問題と伝統産業を軸としたものづくりの分野で貴重な変化が生まれています。借換融資制度です。京都発のこの制度は全国に広がり、国の制度として確立し、本市の最新の融資実績は件数で5,128件、金額で1,040億円と抜群の実績を挙げ大変喜ばれています。そして市内製造業約9,200社の全事業所実態調査です。訪問、聞き取りによる全事業所調査は、私どもがかねてから求めていたものであり実施は当然のことであります。かつて実態調査をして景気が良くなったという話を聞いたことがないとうそぶいた京都市幹部もいましたが、この調査を受けた西陣のある賃織業者は、独り親方の私の所まで来てくれた。初めてのことだと述べています。この調査を通じてものづくりの技術から流通販売の工夫、後継者育成に関する現場の声と生活実態を今後の産業経済施策にしっかりと反映させるよう強く求めておきます。 続いて本市のまちづくりにかかわってお聞きします。無駄と環境破壊の大型開発型の公共事業の見直しは全国の大きな流れです。ところが本市はその流れに逆行しています。桝本市長が前市長から引き継ぎ増大させたものがバブル期に国や関西財界の意向を受けて打ち上げられた建都1200年事業です。前市長によって本市の財政規模をはるかに超える膨大な予算を投入した大プロジェクトが着手され、桝本市長就任後の京都アクションプランによって一層拍車が掛けられました。その典型が地下鉄東西線関連の大型開発プロジェクトです。しかし、その計画は見事に破綻しています。御池地下街は毎年様々な名目で40億円近くの税金を投入し、更に赤字補てんとして15億円を追加投入しながら11億円を超える累積赤字です。また二条駅周辺整備事業も累積赤字は3億円を超え、失敗は明らかです。二条開発株式会社への出資比率は90パーセントであり、ほとんど丸抱え状態です。しかも誘致を予定したシネコンは3度失敗という全く惨憺たる状況ではありませんか。そのうえ新たにPFI方式や政府の都市再生緊急整備地域指定を利用して民間丸投げのまちづくりを進めようとしています。行政の仕事は、それをやりやすいように支援するだけであり、明らかに行政によるまちづくりの責任の放棄であります。しかも南部開発の目玉としている高度集積地区では、税金負担を支援すると呼び掛けても新しく進出する企業はなかなか現れず、今年7月になってようやく3企業が決定したばかりであり、京都の再開発動かずとマスコミからも酷評される始末です。更に島津五条跡地のジャスコ建設計画に続いて、今度はキリンビール京都工場跡地開発で大型商業施設と住宅施設構想にも多大の便宜を図ろうとしています。このままでいいのでしょうか。 更に指摘したいことは、開発型の第三セクターに財政支援を行う一方で、本市を退職した幹部が役員としてそこに再就職し、その給与と多額の退職手当が支給されている問題です。本市が25パーセント以上出資している外郭団体における元局長級の本市退職者が14年度末に受け取った退職手当は最高350万円、平均でも260万円であります。ここに本市開発型団体が二重、三重に優遇される中で税金の無駄遣いと京都破壊を進めている実態があります。各政令市の中では、既に川崎市、千葉市、大阪市などでは外郭団体、第三セクターの役員の退職手当を廃止する若しくは廃止の方向で検討しています。本市でも、すぐにできるこの退職手当の廃止を強く求めます。併せて第三セクターの情報公開と財政支援の抜本的見直しを行うよう求めます。いかがですかお答えください。 次に市政を巡る重要争点となっている教育問題について伺います。言うまでもなく教育の原点は、すべての子供が等しく成長を保障されることにあります。プールやトイレ、体育館の改修を、窓枠の改修を、すぐに普通教室にもクーラーの設置をなどの切実な要望は放置しながら、一部の学校、一部の生徒だけのためには多額の予算を注ぎ込む今の教育行政でいいのでしょうか。まず西京高校への中高一貫教育の導入です。説明会には6,000人の参加がありましたが、実際に入学できるのは120人だけです。そのことを見ても、みんなの願いにこたえられるものではないことは明らかです。説明会の席上で教育長は、桝本市長になって市庁舎改築を凍結して堀川高校の改築に回した。次は西京だと事実とも違うことを平気で語り、一つの学校が先進を走ることが他を活性化させる。入ってもらうのは120人だが、すべての中学校が活性化すると批判をかわそうと躍起になっています。中高一貫校化を含めた西京高校関連の整備予算は99億円です。一方で小学校1年生の35人学級実施に掛ける予算は1億7,000万円です。また学校現場からの要求である校舎の改修予算の現状から見ても税金の使い方がゆがんでいるのではないでしょうか。一部の子供にしか光が当てられないだけでなく、多くの税金を投入して子供たちを分断し、保護者の期待と願いを逆手に取って受験競争の低年齢化を一気に進めるものだと言わざるを得ません。 第2に養護学校における全国で初めての給食のクックチル方式の導入の提案です。来年4月から養護学校における自校方式の直営給食を民間委託化し、クックチルという冷蔵食、調理して数日たったものを温め直して食べるものですが、これを採り入れるというものです。全国のどこの学校でもやっていない、とんでもない方式を障害を持つ子供たちの養護学校でまず実験的に始めようとする桝本市政は、正に現代の貧困な教育の典型であります。市長、あなたほど教育の現場に競争と採算性という市場原理を持ち込み、学校には序列化、子供には競争を押し付け、障害児に冷たい市長はありません。即刻どの子も伸び伸びと学び成長できる学校を目指して現在の教育行政の転換を図ることを求めますが、お答えください。(発言する者あり) 次に同和行政を巡る不正問題について市長責任の認識と今後の決意をお聞きします。7月22日、調査委員会による実質的な最終報告が発表され、市民と市議会に激震が走りました。報告書によれば、同和補助金は事業のあるなしにかかわらず毎年一定の金額を支給するという団体補助金であったこと、その手続における書類を市職員が代行して作成していたことを認めました。そして市長以下57名の市職員の処分が発表されました。しかし、これで幕引きは許されません。この問題の本質は、報告書にもあるように幹部職員が同和補助金の実態を認識しながら個々の職員に不正な事務処理を引き継がせてきた本市の構造的体質にあり、その組織的責任は市長、あなたにあるのです。市長は、発表当日の市長訓示において、長年にわたる課題が組織的に是正できなかった責めを問うべくと自らの減給処分について言及しておられますが、余りにも他人事です。第1に、1987年、青年国内研修事業における空事業の疑いについて我が党議員団が独自調査を行い水増しの事実を指摘し厳しく追及しました。当時、教育委員会幹部であったあなたは、空事業の実態を把握しておられたはずです。更に第2に、市長就任後の97年を同和行政の改革元年と称し凛とした改革を強調されたものの、補助金に関しては金額を減らしただけで不正を調査する市長権限がありながら今日まで放置してきたのです。第3に、しかも97年といえば市長の指示の下で難病団体など各種市民団体の補助金が打ち切られる、若しくは5年間で半額にカットされるという市政改革の大なたが振るわれた年です。その際、各団体には従来の団体補助を事業補助へと切り替えるとの説明が行われました。ところが、最終報告書にあるように同和補助金に関しては団体補助金としてその後も長らく続けられていたのです。二重、三重の市民に対する背信行為ではありませんか。市長、あなたの責任が問われているのです。まずその責任に対する認識をお答えください。 次に公金詐取という明確な社会的犯罪を行った部落解放同盟への対応です。当事者である解放同盟幹部の市職員の中には、最終報告で処分が決定される前に退職金を手にして今年3月に早期退職した者さえいます。許せるでしょうか。重要なことは、この解放同盟に対して市長が全く毅然とした態度を取れないことです。これまでの関係を反省するどころか、今後も解放同盟の内部会議である企画推進委員会に市職員を参加させ、今後の施策を説明し相談するという全く不正常な関係を継続しようとしています。更に全国の特別行政終結の流れに逆行し、同和地区の子供にだけ返済免除の特別奨学金支給を継続しています。また、長年続けられた同和行政のゆがみを温床にした覚醒剤使用などの職員不祥事や、公共事業発注において特定の同和関連企業が受注を独占する事態には何もメスが入っていません。結局、改革どころか不正と癒着を許す体質を温存し拡大してきたのが市長、あなたではありませんか。そこで市長にお聞きします。最終報告に当たって事件からどのような教訓を引き出し、職場において何がどう変わろうとしているのか明確にお答えください。そのうえで部落解放同盟との特別なあらゆる関係を一切断ち切ること、企画推進委員会への市職員の参加をきっぱりとやめること、そして一切の同和に関係する残事業をきっぱりと終結することを求めます。市長の決意をお聞かせください。 最後に、市長、あなたの政治姿勢に関して指摘致します。今、京都でも、市民の声と運動が市政を大きく動かしています。ところが、このような政治を変えたいと願う人たちに無党派層あるいは無党派候補というのは、やはり大変難しい問題を起こす可能性が極めて強いと悪罵を投げ付けたのが市長、あなたです。併せて、公費と各種団体を使った自己宣伝です。本市が発行した市政報告書は、市長の顔写真と実績紹介が大半で大量に4万部印刷配布されました。更に有名タレントを呼んでのイベントも盛んに計画されています。それに加えて今度は市長の写真集まで刊行されております。他の政令都市で現職市長が選挙を前にして写真集を発行されたという話は聞いたことがありません。無党派層を中傷し公費を使って自己宣伝するような市長は、伝統と文化のある京都にはふさわしくありません。京都の市長には、住民参加、暮らしを応援し情報公開を進め、特定団体との癒着や利権を許さない勇気と実行力のある人が最もふさわしいのではないでしょうか。(発言する者あり) 併せて桝本市政を支えてきたオール与党の在り方も問われています。全国でも京都でも無党派の皆さんと日本共産党の共同による新しい地方政治の流れが広がっています。オール与党政治という古い政治の枠組みはもう時代後れであり、この京都で終わりにしようではありませんか。日本共産党京都市会議員団は、今の市政に対して何とかしなければと考え、市政転換を願う広範な皆さんと共同し京都の新しい歴史を切り開くために全力で奮闘する決意を表明しまして私の第一質問と致します。(拍手) ○議長(田中セツ子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕 ◎市長(桝本頼兼) 井坂博文議員の御質問にお答え致します。 三位一体改革についてお答え致します。地方分権時代における最もふさわしい自主自立のまちづくりを進めるためには国の関与を縮小するとともに、地方税財源の充実確保により国に過度に依存しない地方税財政制度を確立することが不可欠でございます。地方の時代を迎え、基幹税による国から地方への税源移譲を基本とする三位一体改革には基本的には賛成でございます。しかしながら、税源移譲の先送りなど国の財政再建に軸足を置くものであるならば、それはもはや三位一体改革とは呼べず、到底認められないものでございます。本年6月に国が取りまとめました改革の基本的な考え方は、いまだ大枠を示したものにすぎず、今後、真に地方分権の推進に資するものとして国の予算編成において着実に具体化が図れるよう市議会の先生方の御理解と御協力を賜り御一緒に行動し、更に他の自治体とも協力し大都市税財源の拡充強化と併せ引き続き国に対し強力に要請して参りたい決意でございます。 次に和装産業振興支援策についてお答え致します。京都市の基幹産業の一つである和装産業につきましては、京都経済の活性化に欠かすことができないと認識しており、あらゆる機会を通じてその振興に努めているところでございます。お尋ねの伝統産業関連の緊急雇用対策事業についてでございますが、京都市では、今年度から予算額を2億円に倍増し、新たに京の匠先生として小中学校へ職人さんを派遣する事業や西陣織や京友禅などの製作実演を各所で実施し、多くの皆様に和装品をはじめとする伝統工芸品の魅力に触れていただき、仕事の確保だけではなく、その需要拡大にもつながるよう取り組んでいるところでございます。また事業の実施に当たりましては、産地の実情を把握されている産地組合と十分協議を行い、今年度からは産地組合の職人さんだけではなくハローワークも活用して募集するなど、より多くの皆様が就業機会を得られるよう取り組んで参っております。今後とも全国で初めて制定した伝統産業の日関連事業の一層の充実など業界と一体となって和装振興を図り、着物のまち京都の更なる発展に向けて取り組んで参ります。 次に同和補助金に係る御質問にお答え致します。私は、市長就任以来、同和問題の早期解決に向けて勇気を持って同和行政の見直し、抜本的改革に取り組んで参りました。その取組の結果、平成13年度末をもって特別施策としての同和対策事業を終結したところでございます。京都市同和対策事業助成要綱に基づく補助金につきましても、平成10年度には一気に従前の額のおおむね2分の1に縮減し、平成13年度をもって全面的に廃止したことは御承知のとおりでございます。しかしながら、当該補助金の執行に関し、適正、厳格な事務処理を徹底できなかったことは京都市の組織的責任が極めて大きいものがございます。その責任については重く受け止めており、私をはじめ管理監督すべき立場にあった職員に対し厳しい処分を行ったところでございます。今後は、今回のことを教訓として、市民の共感と理解を得ながら、暮らしの中に人権を大切にし尊重し合う習慣が根付いた人権文化の構築を目指し取り組んで参ります。 以下、副市長、教育長及び局長が御答弁申し上げます。 ○議長(田中セツ子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕 ◎副市長(高木壽一) 私から2点お答え致します。まず有事法制及びイラクへの自衛隊派遣についてでございます。有事法制は、我が国に対する武力攻撃事態への対処につきまして基本的な事項を定め、我が国の平和及び国民の安全を確保することを目的とするものでございます。国会におきまして慎重な審議が重ねられ、基本的人権の尊重を明文化する修正が行われましたほか、国民保護法制の整備を1年以内を目標として実施するとの決議を付帯して既に公布施行されているところでございます。現在、国におきまして国民保護法制について検討が行われておりまして、京都市と致しましては、市民の生命、財産を守る立場から必要な意見を申し上げていきたいと考えております。またイラクへの自衛隊の派遣は、人道復興支援活動あるいは安全確保支援活動を行うことを定めたイラク復興特別措置法に基づくものでございますが、現下のイラク情勢にかんがみ政府におきまして慎重に対応を検討されているところと認識致しております。 次に運動団体との関係の在り方等についてお答え致します。京都市同和対策事業助成要綱に基づく補助金の調査に係る報告で明らかにしておりますとおり、補助金等の執行の過程で不適切な実態がありましたことは事実として真摯に受け止めております。その反省と教訓を生かすために、先ほど市長も申しましたとおり組織としての対応力の強化に努めると同時に事務処理の方法やチェック機能の在り方を徹底的に点検するように厳命致したところでございます。特別施策としての同和対策事業は、既に平成13年度末をもって終結致しましたが、今なお教育や啓発など同和問題の解決に向けて課題が残っていることも事実でございます。今一度原点に立ち返り、残された課題の解決と共にあらゆる人権問題の解決に向けまして、市民の共感と理解を得ながら京都市が毅然とした主体性を持って取り組んで参ります。なお市政を推進していくうえでは、多くの市民の皆様の御意見を市政に反映させることが重要でありまして、同和問題の早期解決に向けた取組につきましても、そのような視点から関係する団体との必要な協議は行って参ります。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕 ◎副市長(松井珍男子) 私からは3点についてお答え致します。まず家庭ごみ収集等をはじめとした4点の見直し等の検討についてでございます。事務事業の見直しにつきましては、21世紀にふさわしい自治体運営と財政健全化に向け行政の守備範囲や実施主体、受益者負担の妥当性を十分に検討したうえで実施すべきものと考えております。家庭ごみ収集の有料化につきましては、京都市廃棄物減量等推進審議会におけるごみ処理基本計画の見直しの中でごみの減量に果たす効果や市民の皆様の費用負担における公平性の確保などから、様々な意見が出されておりますが、当面は市民の皆様がごみの減量、リサイクルに取り組むための仕組みづくりが必要であると考えております。 敬老乗車証につきましては、対象者が年々増加するに伴い事業費が拡大する一方、公平性の観点をはじめ様々な課題が指摘されていることから、存続を前提にこれらの課題の検討を内部的に行っており廃止するものではございません。 緊急通報システムにつきましては、高齢者の緊急時の救援体制を整えるため順次拡充を図っており、制度の見直しの検討は行っておりません。 それから児童公園の維持管理につきましては、市民の憩いの場として適正に管理できるよう今後も公園愛護協力会などの地域の方々の協力を得ながら効率的な運営に努めていくこととしております。市民の皆様の暮らしや福祉などを守っていくことは行政に課せられた使命であり、事業の見直しは、当然これを根底に置き市民の皆様の御意見を十分にお聴きしながら進めていくべきものであると考えております。 次に乳幼児医療費助成制度についてでございます。少子化が進む中、次代を担う子供たちに対する施策の充実や更なる少子化対策が求められております。このため本市におきましては、社会全体で子育てを支援し安心して子供を産み育てられる子育て支援都市京都の充実に向け様々な施策の推進を図っているところでございます。その取組の一貫である乳幼児医療費助成制度の拡充につきましては、5月市会で御承認をいただき本年9月から府市協調の下、小学校就学前まで対象年齢を引き上げたところでございます。また実施に当たりましては、本会議での付帯決議を踏まえ受給者証提示義務の緩和や外来の医療費支給申請書の簡素化などを図ったところでございます。更なる制度の拡充につきましては、本市の厳しい財政状況を踏まえ今回の拡充後の受診動向などを十分に見極めて参ります。 次にいわゆる第三セクターなど外郭団体の改革についてでございます。本市では平成12年3月に京都市外郭団体再整備計画を策定し、他都市に先駆けて外郭団体経営評価システムを導入するなど経営健全化に向けた取組を積極的に強化して参りました。こうした経営評価に基づき、時機を逸することなく昨年7月に2団体を統合し経営健全化を図ったほか、外郭団体全体の単年度の損益総額が黒字となるなど総じて年々経営改善が進んでおり、指導の成果が着実に上がってきております。また情報公開につきましても、毎年度、経営評価の結果を含む各団体の状況を取りまとめて公表しているほか、昨年10月施行の本市情報公開条例に基づき、現在、対象団体の約8割が情報公開の制度化を行うなど一層の充実に努めております。しかしながら、他都市での経営破綻の事例が伝えられるなど外郭団体を取り巻く環境は決して楽観できない状況にあることから、今後とも相当の危機意識を持って外郭団体の再整備に取り組んで参りたいと考えております。併せて本市を退職し外郭団体に再就職した職員の退職手当につきましても、その在り方を検討して参りたいと考えております。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 折坂保健福祉局長。 〔折坂保健福祉局長登壇〕 ◎保健福祉局長(折坂義雄) 国民健康保険制度についてでございます。まず資格証明書及び短期証の発行につきましては、本市では、保険料滞納者に対して区役所、支所への来所を求めるなどできる限りの接触を図り制度の趣旨を十分に御説明するとともに、減免制度の活用を含めたきめ細かな納付相談を行っており、資格証明書や短期証の機械的な発行は従来から行っておりません。しかしながら、保険料を特別な理由もなく滞納している方に対しましては、法令に基づきやむを得ず資格証明書や短期証を交付しているところでございます。本市での発行数、増加率は共に他の指定都市と比べて特段高いわけではなく、市政運営に問題があるかのように言われるのは見当違いと申し上げざるを得ません。(発言する者あり) 次に国民健康保険料につきましては、平成15年度において一般会計繰入金を11億円増額し、過去最高となる146億円を確保することにより医療分保険料を前年度と同水準に維持しております。本市国民健康保険財政は90億円を超える多額の累積赤字を抱えている状況であり、保険料の引下げの実施は困難でございます。 次に上下水道料金の福祉減免制度についてでございます。生活保護世帯につきましては、制度上、上下水道料金をはじめとする光熱水費、食費など、最低限度の生活を維持するために必要なすべての日常一般の経常的需要に対する費用は生活扶助基準に含まれており、上下水道料金についてもその中で対応できるものと認識しております。また社会福祉施設等への減免制度につきましては、一定期間料金を据え置く経過措置期間が平成13年度末で終了したところであり現段階で実施は考えておりません。以上でございます。 ○議長(田中セツ子) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕 ◎教育長(門川大作) 教育行政についてでありますが、市議会並びに桝本市長の御理解の下、教育を福祉と共に最重要視していただき、本市の教育改革は今一人一人の子供に焦点を当て大きく前進致しております。各学校では、保護者、市民の信頼と期待にこたえるべく校長を中心に教職員が一丸となり一人一人の子供を徹底的に大切にし、確かな学力、豊かな心、たくましい体をはぐくむ学校づくりに邁進しております。こうした学校における熱意ある教育実践を支えることが教育行政の使命でもあり、教職員、保護者、地域の方々の参画を得て論議を尽くしながら開かれた学校づくりをはじめとした教育改革に力強く取り組んでおります。保護者はもとより全国的にも高い評価を受けているところであります。厳しい財政事情の中ではありますが、すべての学校の教育条件の充実にも努めており、御指摘の中高一貫教育の導入をはじめとする西京高校改革や、障害のある子供たちのための総合制、地域制養護学校の新設と再編、子供一人一人に適した最新のクックチル方式による給食につきましても、幅広い市民、保護者の大きな期待と御理解の下で取組を進めております。今後ともこうした方針を堅持し、幅広い保護者、市民の願いにこたえる本市教育の創造に努めて参ります。以上でございます。(発言する者あり) ○議長(田中セツ子) 井坂議員。 〔井坂博文議員登壇(拍手)〕 ◆(井坂博文議員) ただ今、答弁をいただきました。まず市長に対して。市長、あなたは選挙で選ばれた政治家です。副市長は役人です。市長の政治姿勢を伺ったのですが、市長自らの口から答弁がなかったのは誠に残念であります。併せて他都市で当たり前の施策がなぜ京都でできないのかとお聞きしたのですが、いつもの繰り返しでお金がないという大変冷たい答弁の決まり文句でありました。そのうえで先ほどの保健福祉局長の国保料滞納者に対して市政問題として論じるのは見当違いという発言、答弁は、人の命をどう考えているのか、営業と暮らしをどう考えているのか、撤回を求めるものであります。(発言する者あり)撤回しないのであればこれからの委員会で厳しく追及するものであります。(発言する者あり)その一方で、税金の使い方が間違っていると指摘しましたが、開発型第三セクターに対する財政支援、そして天下った市職員元幹部の退職手当の支給見直しについては従来のとおり検討するという答弁であり重大であります。他都市でできること、お金を掛けずにできること、直ちにやっていただきたい。そのうえで副市長からありました敬老乗車証については廃止しないという答弁は今後も堅持していただきたい。(発言する者あり) 最後に同和補助金と同和残事業の問題について。私は、質問で3点にわたって市長の政治責任を伺ったのですが、質問にはまともに答えず自画自賛の答弁でありました。(発言する者あり)静かに聴いてください。これでは現場で解放同盟との軋轢に悩み、苦しみ、不正なことと知りつつ補助金の支給手続を余儀なくされていた市職員はたまったものではありません。そのうえで報告書発表以降の職場の変化をお聞きしたのですが具体的な答弁はありませんでした。これではやっぱり何も変わらないのか、市長、あなたには職員の怒りと嘆きの声が聞こえないのですか。市民的にも怒りと批判の世論が高まることは必至です。企画推進委員会への出席をやめるとなぜ言い切れないのですか。先ほどの自民党議員への答弁で、前例を無批判に踏襲しないとあなたはおっしゃいました。そうであるならば、まずこの企画推進委員会への職員参加から実行すべきではありませんか。(発言する者あり)職員参加をきっぱりとやめるように強く求めるものであります。 自立促進援助金に関しては、奨学金を返還する能力を持った人になぜ返還を求めないのですか。昨年の奨学金返済に関する住民監査請求に対する監査委員の意見でも、奨学金と自立促進援助金について運用方法を改善せよと厳しい指摘がされているではありませんか。繰り返すまでもなく、行政の主体性を発揮するよう改めて強く求めて私の質問を終わります。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)-------------------------------- ○議長(田中セツ子) 本日は、これをもって散会致します。 〔午後4時35分散会〕--------------------------------        議長    田中セツ子        署名議員  佐藤和夫        同     久保省二 △(イメージ)請願文書表「受理番号9」「向島地域への区役所出張所の設置」・請願文書表「受理番号10」「敬老乗車証の改善」 △(イメージ)請願文書表「受理番号11」「市バスの充実と地下鉄のLRTでの早期延伸」・陳情文書表「受理番号8」「浜岡原発の運転停止の要請」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号9」「浜岡原発の運転停止の要請」・陳情文書表「受理番号10」「浜岡原発の運転停止の要請」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号11」「浜岡原発の運転停止の要請」・陳情文書表「受理番号12」「障害者共同作業所の補助金の増額」 △(イメージ)陳情文書表「受理番号13」「朱雀大路の復活」・地方公務員法第5条第2項の意見について △(イメージ)職員給与に関する報告及び勧告について △(イメージ)職員給与に関する報告及び勧告について △(イメージ)職員給与に関する報告及び勧告について △(イメージ)職員給与に関する報告及び勧告について △(イメージ)職員給与に関する報告及び勧告について △(イメージ)職員給与に関する報告及び勧告について △(イメージ)職員給与に関する報告及び勧告について △(イメージ)職員給与に関する報告及び勧告について △(イメージ)職員給与に関する報告及び勧告について △(イメージ)職員給与に関する報告及び勧告について・議案付託表 △(イメージ)議案付託表・公営企業決算特別委員...