平成14年 11月 定例会(第4回) 平成14年第4回 京都市會會議録 第2号 (定例会) 平成14年11月21日(木曜日)出席議員(70名) 1番
小島健市議員 2番 竹内 譲議員 3番
小川ひろき議員 4番
砂川祐司議員 5番
田中英之議員 7番
磯辺とし子議員 8番 井上けんじ議員 9番
玉本なるみ議員 11番 安井 勉議員 12番
井上教子議員 13番 山口 勝議員 14番
安孫子和子議員 15番 中村十一議員 16番
石黒利雄議員 17番 加地 浩議員 18番
橋村芳和議員 19番
加藤盛司議員 20番 繁 隆夫議員 21番 せのお直樹議員 22番
岩橋ちよみ議員 23番
中村かつみ議員 24番
西野さち子議員 25番
柴田章喜議員 26番
久保省二議員 27番
大道義知議員 28番
日置文章議員 29番
天方晶英議員 30番 宮本 徹議員 31番
鈴木マサホ議員 32番 富 きくお議員 33番
内海貴夫議員 34番 大西 均議員 35番 巻野 渡議員 36番
田中セツ子議員 37番
北山ただお議員 38番
倉林明子議員 39番
井坂博文議員 40番
加藤広太郎議員 41番
佐藤和夫議員 42番
谷口弘昌議員 43番
高嶋弘恵議員 44番
中西賢治議員 45番
可児達志議員 46番
中西正三議員 47番
今枝徳蔵議員 48番 梅林 等議員 49番
小林あきろう議員 50番
伊藤義浩議員 51番 二之湯 智議員 52番
中野竜三議員 53番
井上与一郎議員 54番
川中増次郎議員 55番
高橋泰一朗議員 56番 森
ます子議員 57番
藤原冬樹議員 58番 若宮 修議員 59番 山中 渡議員 60番
山本正志議員 61番
三宅誠孝議員 62番
有吉節子議員 63番
宇都宮壮一議員 64番
山口幸秀議員 65番
椋田知雄議員 66番
中村安良議員 67番 北川 明議員 68番
国枝克一郎議員 69番
西脇尚一議員 70番
青木善男議員 71番
津田幹雄議員 72番
坂口芳治議員欠席議員(2名) 6番 中村三之助議員 10番
東山洋子議員 議事日程 開議日時 平成14年11月21日(木)午前10時第1 請願審査結果について(
厚生委員長報告)第2 議第180号及び議第182号ないし議第184号 平成14年度京都市
一般会計補正予算 ほか3件第3 議第181号 平成14年度京都市
土地区画整理事業特別会計補正予算第4 議第185号 京都市市税条例の一部を改正する条例の制定について第5 議第186号 京都市区の
所管区域条例の一部を改正する条例の制定について第6 議第187号 京都市
青少年問題協議会条例の一部を改正する条例の制定について第7 議第188号 京都市児童館及び
学童保育所条例の一部を改正する条例の制定について第8 議第189号 京都市
知的障害者授産施設条例の一部を改正する条例の制定について第9 議第190号
京都都市計画(
京都国際文化観光都市建設計画)
職住共存特別用途地区建築条例の制定について第10 議第191号 京都市
都市計画関係手数料条例の一部を改正する条例の制定について第11 議第192号 京都市土地利用の調整に係る
まちづくりに関する条例の一部を改正する条例の制定について第12 議第193号 京都市
建築基準条例の一部を改正する条例の制定について第13 議第194号 京都市
教育相談総合センター条例の制定について第14 議第195号
京都市立永松記念教育センター条例の一部を改正する条例の制定について第15 議第196号 京都市
右京まち美化事務所新築工事請負契約の締結について第16 議第198号 市道路線の認定について第17 議第199号 市道路線の廃止について第18 議第200号 損害賠償の額の決定について第19 議第201号
当せん金付証票の発売金額について第20 議第202号 町の設置及び町の区域の変更について第21 議第203号 訴えの提起について第22 議第204号 訴えの提起について第23 議第205号 訴えの提起について第24 議第206号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第25 議第207号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第26 議第208号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第27 議第209号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第28 議第210号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第29 議第211号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第30 議第212号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第31 議第213号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第32 議第214号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第33 議第215号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第34 議第216号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第35 議第217号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第36 議第218号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第37 議第219号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第38 議第220号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第39 議第221号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第40 議第222号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第41 議第223号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第42 議第224号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第43 議第225号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第44 議第226号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第45 議第227号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第46 議第228号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第47 議第229号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第48 議第230号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第49 議第231号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第50 議第232号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第51 議第233号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第52 議第234号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第53 議第235号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第54 議第236号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第55 議第237号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第56 議第238号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第57 議第239号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第58 議第240号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第59 議第241号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第60 議第242号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第61 議第243号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第62 議第244号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第63 議第245号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第64 議第246号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第65 議第247号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第66 議第248号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第67 議第249号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第68 議第250号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第69 議第251号 訴えの提起(裁判上の和解を含む。)について第70 議第252号
山科市営住宅改修工事請負契約の締結について第71 議第253号
山科市営住宅改修工事(給排水,衛生及び
ガス設備新設工事)請負契約の締結について第72 議第197号 京都市
北部クリーンセンター新設工事(
建設用地造成工事等)請負契約の締結について第73 報第10号 平成13年度京都市
一般会計歳入歳出決算第74 報第11号 平成13年度京都市
母子寡婦福祉資金貸付事業特別会計歳入歳出決算第75 報第12号 平成13年度京都市
国民健康保険事業特別会計歳入歳出決算第76 報第13号 平成13年度京都市
介護保険事業特別会計歳入歳出決算第77 報第14号 平成13年度京都市
老人保健特別会計歳入歳出決算第78 報第15号 平成13年度京都市
地域水道特別会計歳入歳出決算第79 報第16号 平成13年度京都市
中央卸売市場第一
市場特別会計歳入歳出決算第80 報第17号 平成13年度京都市
中央卸売市場第二市場・
と畜場特別会計歳入歳出決算第81 報第18号 平成13年度京都市
農業共済事業特別会計歳入歳出決算第82 報第19号 平成13年度京都市
土地区画整理事業特別会計歳入歳出決算第83 報第20号 平成13年度京都市
駐車場事業特別会計歳入歳出決算第84 報第21号 平成13年度京都市
土地取得特別会計歳入歳出決算第85 報第22号 平成13年度京都市
基金特別会計歳入歳出決算第86 報第23号 平成13年度京都市
市公債特別会計歳入歳出決算 一般質問 (1) 市政一般について
西脇尚一議員 (2) 市政一般について
井上与一郎議員 (3) 市政一般について
田中セツ子議員 (4) 市政一般について せのお
直樹議員--------------------- 〔午前10時2分開議〕
○議長(
磯辺とし子) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付致しておきました。 本日の
会議録署名者を指名致します。
大西均議員と
谷口弘昌議員とにお願い致します。
---------------------
○議長(
磯辺とし子) この場合,議長から御報告申し上げます。 本日,中村三之助議員は,公務のため出席されておりません。 以上,御報告申し上げます。御了承願います。
---------------------
○議長(
磯辺とし子) 日程に入ります。 日程第1,請願審査結果についてを議題と致します。
委員会報告書は,配付致しておきました。 お諮り致します。本件は,
厚生委員会報告書のとおり,1件を採択することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
磯辺とし子) 御異議なしと認めます。よって本件は,
厚生委員会報告書のとおり決しました。
---------------------
○議長(
磯辺とし子) 日程第2ないし日程第86については,前回の議事を継続し,これより順次上程することと致します。 日程第2及び日程第3,議第180号及び議第182号ないし議第184号,平成14年度京都市
一般会計補正予算,ほか3件及び議第181号平成14年度京都市
土地区画整理事業特別会計補正予算,以上5件を一括議題と致します。
加地議員。
◆(
加地浩議員) 議事進行について動議を提出致します。 ただ今議題となっております議案5件については
普通予算特別委員会を設置し,これに付託のうえ慎重審議願いたいと思います。なお委員の数は47名とし,委員は議長から御指名願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
磯辺とし子) ただ今
加地浩議員から動議が提出され,動議は成立致しております。 お諮り致します。ただ今の
加地議員の動議のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
磯辺とし子) 御異議なしと認めます。よって
加地議員の動議のとおり決します。 なお委員は,ただ今お手元に配付してあります名簿の方々を指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
磯辺とし子) 御異議なしと認めます。よってただ今指名致しました方々を
普通予算特別委員に選任することに決定致しました。
---------------------
○議長(
磯辺とし子) 日程第4ないし日程第71,議第185号京都市市税条例の一部を改正する条例の制定について,ほか67件,以上68件を一括議題と致します。 本案は,ただ今お手元に配付してあります
議案付託表のとおり,所管の
常任委員会に付託致します。
---------------------
○議長(
磯辺とし子) 日程第72,議第197号京都市
北部クリーンセンター新設工事(
建設用地造成工事等)請負契約の締結についてを議題と致します。 井坂議員。 〔
井坂博文議員登壇(拍手)〕
◆(
井坂博文議員)
日本共産党市会議員団を代表して提案説明を行います。当議員団は,議第197
号北部クリーンセンター新設工事請負契約の締結は,解明すべき問題点や疑問が多くあり,
委員会付託を行って徹底審議を行うよう求めておりますので,代表して提案理由の説明を行います。 第1に,今回の契約締結に至る経過に関する疑問です。この間の経過は,今年の4月に熊谷組等4社が落札し仮契約を行ったところ,5月2日に千葉県で熊谷組が関与した談合と口利き問題が発覚し,当時の
井上参議院議長が議員辞任に追い込まれたことによって5月議会への議案提出を取り下げ仮契約を破棄したのが発端でした。その後7月に再入札を行い
鹿島建設等4社の
共同企業体が落札したものの,4社の中で1社が倒産し
会社更生法の適用を申請したのに続き,鹿島建設が京都府下で事故を起こし死亡者を出して1箇月間の指名停止を受けたことによって辞退届を提出し9月議会に議案提出ができなくなったものであります。そして今回改めて入札を行ったところ,再び熊谷組等4社の企業体が落札したのであります。これについては新聞報道でも談合疑惑が指摘され,局内で調査を行い疑惑は何もなかったとの説明はありましたが,疑惑は十分に解明されたものではありません。それらの過程で落札が適正に行われたのか,談合疑惑は本当になかったのか,なぜ再び熊谷組に落札したのか,
委員会審議で十分に解明することが市民の負託を受けた議会に課せられた責任ではありませんか。そもそもこの間の京都市政における公共事業の入札を巡っての特定の業者と行政幹部との癒着の構造に
市民的批判が高まっているとき,この構造にメスを入れて根絶する先頭に立つのが議会と議員の責務ではありませんか。 第2に,環境局が即決の理由としてスケジュールの遅れとそれに起因して南部第二工場の耐用年数が過ぎることによって発生する再
延命化工事費用約5億円などの無用な財政支出を抑えることを挙げていますが,このことは
大手ゼネコンの不祥事と不始末が原因であり市民や議会には何の責任もありません。各会派の努力もあって,昨年から提出議案を
委員会付託し慎重審議してきた経過を尊重すれば,今回の議案も同様に
委員会付託することは当然であります。
大手ゼネコンの事情による特例であしき前例を作ってはなりません。1箇月もある議会日程を調整すれば,
委員会審議を行い臨時本会議を開催し議決することは十分に可能ではありませんか。本議案を即決で議決するのではなく,
委員会付託を行って徹底した審議を行うことを強く求めて私の提案説明と致します。(拍手)
○議長(
磯辺とし子) ただ今
井坂博文議員から動議が提出され,動議は成立致しております。 お諮り致します。ただ今の井坂議員の動議のとおり決することに賛成の方の起立を求めます。 〔
賛成者起立〕
○議長(
磯辺とし子) 少数であります。よって井坂議員の動議は否決されましたので
委員会付託を省略致します。 これより表決を採ります。本案は,原案のとおり可決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
磯辺とし子) 御異議なしと認めます。よって本案は,原案のとおり可決されました。
---------------------
○議長(
磯辺とし子) 日程第73ないし日程第86,報第10号平成13年度京都市
一般会計歳入歳出決算,ほか13件,以上14件を一括議題と致します。
加地議員。
◆(
加地浩議員) 議事進行について動議を提出致します。 ただ今議題となっております決算14件については
普通決算特別委員会を設置し,これに付託のうえ慎重審議願いたいと思います。なお委員の数は47名とし,委員は議長から御指名願いたいと思います。(「賛成」と呼ぶ者あり)
○議長(
磯辺とし子) ただ今
加地浩議員から動議が提出され,動議は成立致しております。 お諮り致します。ただ今の
加地議員の動議のとおり決することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
磯辺とし子) 御異議なしと認めます。よって
加地議員の動議のとおり決します。 なお委員は,ただ今お手元に配付してあります名簿の方々を指名することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(
磯辺とし子) 御異議なしと認めます。よってただ今指名致しました方々を
普通決算特別委員に選任することに決定致しました。
---------------------
○議長(
磯辺とし子) 暫時休憩致します。 〔午前10時11分休憩〕 〔午後1時1分再開〕
○議長(
磯辺とし子) 休憩前に引き続き,会議を行います。
---------------------
○議長(
磯辺とし子) これより一般質問を行います。発言の通告がありますので,これを許します。市政一般について,
西脇尚一議員。 〔
西脇尚一議員登壇(拍手)〕
◆(
西脇尚一議員) 国の内外を問わず,政治,経済,社会すべてが激動激変している昨今でございます。当然のことながら本市においても全く例外ではないと思います。本市においては,平成13年に本市の基本計画を策定されて以来,今日までこれが実現に向かって鋭意努力を続けてこられたところでございます。正直申し上げて,これらを完全に
計画どおりに実行していくためには相当な努力と決断が要ると思います。我々
自由民主党市会議員団は,責任与党として目先の利害得失に捕らわれることなく将来展望をしっかりと見据えて,小泉総理ではございませんけれども聖域なき構造改革,人件費の削減,更には諸施策の見直し等,厳しく指摘もしながら,また時には行政の前盾ともなってその責に甘んじてきたこともございます。常に日の当たる場所ばかり歩んでいるのではございません。市長,これだけは理解しておいていただきたいと思います。人間の真の価値というものは,順風満帆で進んでいるときには案外評価されません。しかし難問に遭遇したとき,いかにこれに対処していくかということによってその評価が決まります。そうした意味では,長期政権を担っていただく市長にとっては,逆に絶好の力を発揮すべきときではないかなと高く評価するものでございます。以上申し上げましたような観点に立って
自由民主党京都市会議員団を代表致しまして質問なり提言を致して参りたいと思います。申し遅れましたが,下京選出の西脇尚一でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。さて,本来でございましたら丁度今は平成15年度の予算編成の時期でもございます。色々な問題を採り上げたいと思っているわけでございますが,今回は余り時間もございませんので,ごく数点に絞って提言なり質問をして参りたいと思います。 まず第1点,過日市長さんは,平成15年度の予算編成に当たっては,平年度並みに編成を考えたときには約730億円の財源不足ということを言っておられました。その予算不足をどのような形で埋め,そして執行を考えていかれるのか,税の増収,経費削減,
起債発行等色々あろうかと思いますが,新年度の予算編成に当たって基本的にはどういう考えで対処されていくのか,まずその辺についてお伺い致しておきたいと思います。 次に地方分権に伴う税配分等の問題についてでございます。去る10月でございましたか,国の方で
地方分権改革推進会議から小泉総理に最終報告が提出されました。しかしながら,よく見ますと,
役割分担等については割合にしっかりと明記されておりますけれども,これに伴う税配分等については先送りされた感じでございます。毎年新年度の予算要求につきましては,
政令指定都市は
政令指定都市として共同で,また本市は本市の独自の立場で予算要求を続けているところでございます。
政令指定都市の場合は,ごく一般的な
大都市政策ということで,これはこれなりに評価されるわけでございますけれども,新たに
政令指定都市に入られた都市,そしてまた以前の旧五大都市といいますか,その間では歴史的な経過,そしてまた各々の立地条件が相当異なります。その中でも,いわゆる旧五大都市といえども他の横浜,名古屋,大阪,神戸,これは臨海都市でございます。京都の場合は内陸都市でございます。そういうことを考えますときに,行政の色々な施策を考えてみましても
行政コストが一番高く付いているわけでございます。加うるに,御案内のように本市は日本人の心のふるさとと言われ,多くの伝統的な文化財,景観を保存していかねばなりません。言うなれば
国家的財産を守っていると言っても決して過言でないと思います。これから地方分権がどんどん進んでいく中で,その出発点である今,しっかりとした税源移譲をも含めた基礎を作っておかなければ,これから後はその数値に応じたパーセントで進んでいくというのが今までの国家予算の配分の方法でございますので,万遺憾のないようにされているとは思いますけれども,御参考までに,例えばフランスのパリの旧市街地の保存地域については大方国費で管理維持していると仄聞致しておりますので,そういうことを踏まえまして現況の所見をお伺い致しておきたいと思います。 次に経済の活性化問題でございますが,今,政治,行政の緊急課題は,何といいましても経済の活性化であろうと思います。しかしながら,正直申し上げて政治,行政が経済にかかわり合う,その
かかわり合い方というのは非常に難しい問題があると思います。かつては政経は分離ということで,いわゆる
商業資本主義といいますか,そういう中で回っているうちは余り政治,行政がこれに関与しなくてもお互いに切磋琢磨して活性化を図っていくという時代でございましたし,それですべてが許されていたと思うのでございますけれども,昨今のようにどんどんと
金融資本主義になり,一方で規制緩和が進んでいくと,一部の地域,また一部の業種によっては弱肉強食というようなことが起こることもあり得るのではないかと心配致します。このような事態が起こらないように,こうした時代にはある程度政治,行政が介入して,公平でかつバランスの取れた発展と活性化を図っていかねばなりません。今,国の方でも竹中大臣が色々苦慮されている問題も,押しなべていえばこの問題に尽きるのではないかなという感じが致します。こうした基本理念を念頭に置きながら具体的に本市の
経済活性化の問題について二,三提言を致しておきたいと思います。 御案内のように本市には世界に誇れる知的産業,IT産業が数多くあり,経済基盤をしっかり支えてくれております。これらの企業に対しては,予算を精査して行政権で配慮できる部分はできるだけのお手伝いをしていただくことが肝心だと思うのでございますけれども,何といっても本市企業の99パーセントを占める
中小企業者の方々の活性化がまず第一義であろうかと思います。本市におきましても,
緊急融資枠の拡大,借換融資の期限延長など,そしてまた商店街に対してはインフラの整備,活動の助成等色々と努力されていることは十分承知致しておりますけれども,これらの施策は,どちらかと言えば後ろ向きな施策と言ってもいいのではないかなという感じが致します。丁度容器の中の水をかき回しているようなもので,かき回しているうちは高低差がありますけれども,手を放せば元の木阿弥ということではなかろうかと思います。要は消費の絶対量をいかにして増やしていくかということが最大の課題であろうと思います。昨今のように衣食共に満ちあふれている時代に消費の絶対量を増やすのは,何といっても観光客をはじめとして消費人口の市内への流入,そして一方では,京都市民の皆さんをもっともっと動かす諸施策を講じていくことだと思います。人が動けば必ずそれに対して消費が伴って参ります。新年度予算編成に当たって,小売業者の皆様があっと驚かれるような何か思い切った目玉施策を打ち出してはどうかと思いますがいかがですか,何か所見があったらお伺いしておきたいと思います。 私なりに二,三提言致しておきたいと思います。まず一つに,京都駅周辺の活性化といいますか,整備問題でございますが,この問題については,私も地元に住んでおりまして,今日まで事あるごとに論議して参りました。行政側も色々な都市政策上,市内の商圏が二極,三極に分かれている方が好ましいということで京都駅を中心にここに新しい商圏を作り出し,とりあえず二極化するということで色々な施策を講じていただいて参りました。京都駅を中心にということですから当然南口も入るわけなんでございますけれども,この南口の問題につきましては,後ほど
田中セツ子議員の方から厳しく指摘があるそうでございますので,私は北側の問題に限ってお話を進めていきたいと思います。正直申し上げて駅ビル内は大勢の人であふれておりますけれども,周辺には余り流れず初期の構想とは相当違っております。初期の構想では,東西両本願寺,そしてまた枳穀邸,更には梅小路公園などに色々な商業施設を誘致して一大商圏を作り回遊性を高めていくということでございましたが,案に相違致しまして人は流れず放置自転車ばかりが寄ってくるという状況でございます。お断りしておきますが,私はここで行政がどうだとか駅ビルがどうとか文句を言うつもりは毛頭ございませんので,これだけはお間違いのないようにしていただきたいと思います。 人は目的がなければ動きません。少々まちが明るかろうが,また歩道がきれいであろうが,そうした意味では,やはり有力なテナントの誘致,そしてまた地元の企業そのものが活性化していく努力をしていくことが必須条件であることは承知致しております。そこで市長さん,京都,大阪,神戸,この3都市は関西圏を云々するときは当然協調していかなくてはなりません。しかし,3都市はある意味では競争していかなければならないこともまた事実でございます。そういう意味では交通機関を持っている京都駅が更に拡充されること,そしてまた周辺の企業がしっかりとこれを支えてやっていくことがここに新しい商圏を作り活性化していく大きな要因になっていくのではないかなという感じが致します。そこで一つ提案でございますが,御案内のように京都駅から東へ三,四百メートル参りますと崇仁の同和地域がございます。今崇仁学区においては,新しい
まちづくりということで自治連合会を中心に色々と構想を練り論議を積んでいただいているところでございます。過日,京都府警のある会合に行きましたら,今,我々が持っている自動車の運転免許証の更新は伏見の羽束師でやっております。これをせめて書換えだけでも市内の中心部へ持ってきたら云々という話を仄聞したことがございます。何か打診でもあったのか,もしなかったとしても,この地区の整備活性化の第一弾として働き掛けたら正に一石二鳥の効果があるのではないかという感じがするわけでございますけれども,所見をお伺い致したいと思います。 次に中央市場第一市場の問題でございます。ここには有力な業界の代表者の方がたくさんおいででございます。私が余りここで物申すとかえってややこしくなるかも分かりませんけれども,この機会に一石投じておきたいなという感じがしますのでお聞き取りいただきたいと思います。最近生鮮食料品の流通は大きく変わって参りました。量販店等は産地直送で仕入れをし,更に中国,東南アジアなどからは大量の食料品が輸入され,これらの商品は中間流通業者を抜きにして直接小売販売されているのが現状でございます。また一方では,BSE,牛海面状脳症に端を発して商品の偽装表示,そしてまた残留農薬等の問題が発生致しまして市民の皆様方に食材に対する不安が非常に大きく広がっているのも事実でございます。こうした問題を少しでも解消し,市場の活性化を図っていくためにまず第1点,提案として,中央市場を経由した食料品は絶対に安全でございますという論拠を示しこれを表示する,そして例えば市民しんぶん等で広報活動もやる。更に小売屋さんの店頭に中央市場扱い商品というステッカーでも張ってPRすれば少しでも流通量が増えて中央市場の活性化につながっていくのではないかなという感じが致しますので,御所見をお伺い致したいと思います。 2点目は,この京都は日本の食文化の原点とも言われております。中央市場近隣の大阪ガスなどの遊休地も視野に入れて,これを中心に食生活,食文化,食教育,そしてまた食観光をも考える一大拠点を作り,一方では土地の有効利用を図り市民が集えるような施設も併設すれば市場の高度利用,活性化は言うに及ばず本市全体の活性化にもつながっていくのではないかという感じが致しますので,この際,所見をお伺い致しておきたいと思います。 次に中京区の中学校の統合による御池中学校の新築工事についての質問でございますが,これは中京区の問題でございますので,中京区の同僚の議員の皆様方にはちょっと申し訳ないのでございますけれども,実は私たちの下京区におきましても,今中学校の統合問題が色々と議論になっておりますので,研究課題ということで御了承いただきたいと思います。ところで,今日僕が代表質問するということで四,五日前にこの原稿を書きました。そして理事者の皆さん方も何を聞くのか分からぬさかいに答弁をしっかりやっておかないかぬということでこの原稿を上へ上げておきました。そうしたら昨日の京都新聞の夕刊に,今度の御池中学校の新築工事に当たっての大変詳しい記事が出ました。いつどこで何が間違ってきたのか,また合っていたのか私には真意の程は分かりませんけれども,少々観点が違いますので質問を続けて参りたいと思います。御了承いただきたいと思います。 仄聞するところでは,今回の御池中学校の校舎新築に当たっては,旧来とは全く異なった発想で新たな施策を考えておいでになるということでございますが,今の時代背景に即したといいますか,学校が完全週休2日制になり,その余暇を各種の福祉体験,そしてまた事業所等に出向致しまして勤労体験,更には幼児との触れ合いなども経験させ広く社会性を身に付けさせようと各学校が現場で実施している実態でございます。今回の発想は,今度それを逆に致しまして,それらを一堂に集めて,朝から晩まで日々こういう人と触れ合うという発想でございます。そして総合的な幅広い教育を実施していこうということで,当然種々議論があろうとは思いますけれども,僕らの言う産・官・学の小型版とでも言いますか,私は大変高く評価しているわけでございます。これが完成したらノーベル賞とまではいきませんけども,それこそ日本の教育改革はこの京都からの大きな旗印になるのではないかなと思うのでございますけれども,確かにこれが実現に当たっては相当難しい問題があろうと思いますので,そのような問題につきまして詰めていきたいと思います。ただ申し上げておきたいことは,例えば航空機,飛行機でもマッハを超えるときにはものすごい激音がします。だけどそれを越えてしまったら後は平静に飛行を続けるものでございます。更にもう1点,丁度今から30数年前,ある団体が日本の革命はこの京都からと全国的なベースで活動を展開されたことを今思い浮かべております。そのときに何がどう変わってきたのか今は分かりませんけれども,今回のこの発想は,今大きく論議になっている教育の改革,そして正常化,これの第一歩と言っても決して過言でないと思いますので,鋭意その実現に向かって努力していっていただきたい,これは要望にしておきます。 そこで二,三,まず第1点は全体のレイアウトでございます。一面は,本市が将来に夢を託した御池シンボルロードに面しており,その意図する町並みとの整合性,更に各種福祉施設,老人施設,そして幼児施設,言うなれば社会的にどちらかといえばまだ弱い人たちと元気あふれる中学生との接点をどういう形で持っていくのかというのが一つ大変心配になる。それともう一つ,東側の土地を買収されて,僕も昼休みにちょっと見てきたんですけれども,確かに大きな面積であることは分かります。だけれども,今申し上げましたような色々な施設を併設するときには,まだまだ用地の絶対量が足りないのではないかなという感じがするわけでございますけれども,教育純粋論からいって高層建築になった場合にそういうことがいいのか悪いのか,その辺がもう一つ私にも分かりませんので,この点についても概要をお知らせいただきたいと思います。 それからもう一つ,今回の計画の中にいわゆるPFI,一般市民の皆様方には分かりにくいアルファベットかと思いますけれども,簡単に言いますと,要するにこういう物を造るときに民間のノウハウとか民間資本を導入してやっていくという意味でございますので御了承いただきたいと思います。この方式は,単品を建ててそれをリースするというときには,原価計算とかそういうものは非常にやりよいわけでございますけれども,今回のように複合の公共施設を建てて,建築,管理,運営を一緒にやっていく場合に果たして彼らがそういうノウハウを持っているのかという心配を致します。行政は縦割りでいきますと福祉局の問題とか教育委員会の問題とか色々とあると思うのですけれども,そういうものを民間のノウハウでしっかりと建てていけるのかということを大いに心配致しますので,意図されることは十分理解致しますけれども,この辺の整合については十分検討されてやっておかれることが将来に禍根を残さないことになろうかと思いますので,これも申し添えておきたいと思います。 次にNPO,この問題について少々話を進めたいと思います。要するに民間非営利団体ということでございますが,阪神・淡路大震災以後,このNPOの活動が非常に盛んになって参りまして,随所で活動されておることに対しては深い敬意と感謝を申し上げておきたいと思います。更に平成10年でしたか,国の方でもこれに対する法律が成立し政令も出来まして今実行され,それから後どんどんとNPOの活動者の方が増えてきたというのは私たちも承知致しております。これは府の所管でございます。本市におきましては余り詳しいことはまだ掌握されていないだろうと思いますので詳しいことは結構でございます。ただちょっとお聞き致しておきたいのは,今府で登録されている事務所とか主会場が市内であるというのは当然あると思います。そういう人たちに対して本市はどういうかかわり合いをしているのか,例えば事務所を貸しているとか具体的に何かの問題について委託しているとか,そういうことがあるのかないのかちょっとこの機会にお聞かせいただきたいなと思います。 実は,私が今日言いたいのはこの問題ではなしに,私たちのこの京都は非戦災都市ということもございます。市民の間には,町衆のまちという意識が以前から根付いております。これらに呼応して先代の高山市長のときに,例えば市政協力委員さんとかこれに関連する色々な地域のボランティア団体がございます。地味ではございますけれども今日まで鋭意努力されているわけでございます。正に本市がこれは他の都市に誇れる一大財産であると言っても決して過言でないと思います。ところが,このボランティアの方々の活動を見ますときに,よく新聞などで大きく活動されている状況が出るわけで,当然新聞でございますから新しく聞くということで当たり前なので,これはこれでいいんですけれども,日々各地域でボランティア活動を地道に継続している方々にしてみると,何となく自分たちのやっていることにわびしさを感じると耳にするわけです。だから,こういう人たちに対する顕彰,本市は自治記念日とか色々な催しのときに顕彰されているのは十分承知致しておりますけれども,この際こういう人たちにももう少し物心両面における顕彰をしてあげることにより京都が全国に誇るすばらしい組織を更に拡充発展させていったらなという感じがしますし,こういう人たちに何かそういう違和感というのか倦怠感というのか,わびしさというものがどんどんと蔓延してきて活動が鈍ってくると大変なことになるのではないかなという心配を致しますので,これも一つ何とか頑張っていただくように所見があったらお願い致しておきたいと思います。 それから,市長さんは,これに関連致しまして市民の社会参加ということをよく言われます。僕も休みには色々な地域の団体に参加してやっているわけなんですけれども,ちょいちょい市の職員さんを見ることがございます。当然ここで名前を言うべきではないのでございますけれども,市民参加ということと,今度は逆に職員さんの社会参加ということを提案されてはどうかなと。今回企業のノウハウを行政の中に入れるということで今何か試験をされております。いわゆる企業家を途中で辞めて市役所へ入ってこぬかという試験やそうです。当然これはこれなりに一理あるのですけれども,それと並行してそういう市民参加,行政の社会参加,今区役所も地域振興で色々やっていただいております。あれはあれで十分やっていただいておりますけれども,そういう組織で云々ということではなしに,全く個人でそういうものに自主的に参加する。そうしてみんなの中で色々と世の中の仕組みとか物の考え方とかを十分に身に付けて帰ってきたら,それがこれから行政を運営していく中で大きく寄与していくのではないかなと思いますので,これも一つ検討していただきたいと思います。 余り時間がございませんので,最後に下京区の河原町五条下るの旧菊浜小学校跡地に市民活動総合支援センターが出来ることになりました。私も当然地元におりますので,この計画の初めから色々と関係してきたわけでございます。行政当局からそれなりの説明は聞いて参りましたけれども,ああそうかという感じでございます。しかし,どうも昨今見ておると,入ってくる組織が種々雑多,悪い意味ではないんですけれども,色々なものが入ってくる。そういう中で,初め我々が聞き,意図したようなものになるのかという心配をするわけです。我々は要するにそれが地域のみんなに喜ばれて,ああいいのが出来たな,学校がなくてもいいやないかということになると期待して,これに協力して参ったわけでございます。そういうことで最終的にこれから決まると思うのですけれども,使用料の問題であるとか営業時間の問題とか,そういうものをひっくるめて地元の我々があああれをして良かったなということになるようにひとつ頑張っていただきたい。所見があったらこれもお伺い致しておきたいと思います。 以上,大変早口で申し上げましたけれども,第一問を終わらせていただきたいと思います。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(
磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼)
西脇尚一議員の御質問にお答え致します。 まず平成15年度の予算編成についてのお尋ねでございます。私は,平成14年度予算編成に当たり多額の財源不足に対処し市民の生活を守り京都の将来の発展に真に必要な事業を確実に実施するため,昨年10月指定都市で初めての財政非常事態宣言を行い,市役所自らが身を削って努力する全職員の給与カットや新規施設建設の一時凍結など誠に厳しい内容の緊急対策を講じたところでございます。それにもかかわらず今日の本市財政は,市税の大幅な減収などにより更に悪化の度を強め,平成15年度の収支見通しにおける財源不足額は730億円にも膨らむ予定であります。この著しく巨額の財源不足の解消は並大抵の努力では成し得ず大変な困難が伴いますが,私は断固たる決意でこの解消に取り組んで参ります。 まず第1に緊急対策の2年目の取組でございます。緊急対策を引き続き断行することは,給与の減額が続く職員にも施設の建設を待ち望んでおられる市民の皆様にも我慢を重ねていただくことになりますが,私を先頭に市役所一丸となってやり抜かなければならないと考えております。第2に更なる選択と集中の徹底でございます。歳入の根幹を成す市税の減収が続き,平成15年度の市税収入は平成14年度に比べ80億円もの減収となる見込みであり,事業実施に必要な財源の確保は極めて困難な状況であります。したがって京都の将来を見据え,今何をなすべきか,市民の暮らしを守るため何ができるのかを徹底的に考え抜き,真に必要な事業に限られた財源を重点的に配分するいわゆる選択と集中を更に徹底しなければならないと決意を新たに致しております。第3に歳入の確保に向けた取組でございます。市税徴収率の向上等による増収対策や市債の活用はもとより地方交付税の総額確保を国に強く要望するなど考えられるあらゆる手立てを講じ歳入確保に最大限の努力をして参ります。 平成15年度予算編成は,平成14年度を上回る極めて逼迫した状況下での作業となりますが,こうした取組を通じて決して縮小一辺倒に陥ることなく,福祉,教育を最重点政策に位置付け,併せて京都議定書発祥の地としてすべての分野で環境を基軸とした政策の展開を図ることを基本とし,第1に少子長寿化に対応する子育て支援,教育環境の整備と高齢者福祉の充実,第2に京都の特性を生かした基幹産業の活性化と新産業の創出,第3に新たなまちの活力を生み出す基盤整備という市民の暮らしを守り将来の京都の発展のために真に必要な施策をしっかりと進めていく決意でございます。 次に地方分権の推進に伴う税源の拡充についてでございます。西脇尚一先生の御指摘のとおり,本市をはじめ大都市においては福祉の充実や生活環境の整備,都市機能の活性化など財政需要は増大の一途をたどっておりますが,これを支える都市税源は誠に厳しい状況でございます。このため地方分権の推進に当たりましては,地方税を中心とする自立的な財政構造を確立することが不可欠であり,地方とりわけ大都市への税源移譲を引き続き国に強力に働き掛けて参ります。更に議員御指摘のとおり立地条件なども踏まえた本市固有の財政需要に見合った財源確保の取組も極めて重要であります。とりわけ御指摘のとおり京都は日本文化の象徴,日本人の心のふるさとであり山紫水明の豊かな自然環境と都市環境が一体となった本市特有の歴史的景観の保全の継承は正に国家的課題でございます。このため1200年の歴史にはぐくまれた京都の特性を十分に生かした
まちづくりを実現できるよう,従来から伝統的建造物群保存事業の充実や歴史都市のストックである京町家の再生保全などに対する支援策を国に求めているところでありますが,今後も国家的見地から財政措置を含めた総合的な政策が講じられるよう国に強く求めて参りたいと存じております。 次に食文化に関する拠点づくりについてでございますが,第一市場は,我が国最初の
中央卸売市場として今日まで市民への生鮮食料品供給の基幹的な役割を果たして参りました。西脇議員御指摘のとおり,市民や観光客に開かれた食文化に根差す活力ある市場づくりを進めるため,子供たちに食の大切さを伝える出前板さん教室を開催するとともに,市場夏まつりや京の食を考えるフォーラム等の取組を行い多数の皆さんの参加を得てきたところでございます。今後とも単なる食材供給拠点にとどまらず,下京区という都心の立地条件を生かして京都の食文化にふさわしい魅力ある食の拠点となるよう施設整備を含めて更に研究して参りたいと考えております。 次に京都御池中学校の新校舎についてでありますが,14もの元学区にわたる地域や保護者の皆様の教育にお寄せいただく熱い思いと尊い御英断によって誕生する統合中学校にふさわしいものとなるよう全力を傾けて参る所存でございます。具体的には東側隣接地を含めた敷地に,長期的な展望に立ち生徒数の増加にも対応できるよう校舎,グラウンドの面積を最大限確保すると同時に,中京区東部の地域において必要性の高い老人デイサービスセンター,在宅介護支援センター,保育所を複合的に整備して参ります。また御池通シンボルロードにふさわしいにぎわい施設としての民間施設やオフィススペース等も併設し,新しい発想による我が国の大都市の都心部の人づくり,
まちづくりのモデル的な拠点施設となるよう,更には建築や建築デザインにつきましても伝統と創生のまち京都の新名所とすべく地元関係者との協議の下,計画を進めて参ります。これにより,中学生にとっても乳幼児や高齢者も交えた相互交流による心の触れ合いを図る取組等が進められるものと期待しており,運用面での課題につきましては,関係者による十分な協議を行って参りたいと存じております。建設に当たりましては,民間の活力や発想を採り入れ良質な公共サービスを効率的に提供していくため,本年6月に策定致しました京都市PFI導入基本指針に基づき調査研究に取り組んでいるところでございます。実現すれば本市として初めてのPFI手法の導入となるものであり,御指摘の点も踏まえ万全の体制で取り組んで参ります。 次にボランティア活動への市職員の参加についてでございます。先生からもお話がございましたように,私も色々な場面で職員がボランティア活動に頑張っている姿を見掛けることがあり大変うれしく思っております。職員がボランティア活動に参加することは,市民の目線から行政の在り方を捕らえる機会となり極めて意義深いものであると考えております。そのため本市におきましては,平成10年1月に策定致しましたボランティア活動推進のための基本方針に基づき,市内の福祉施設での市職員の体験研修や更にはボランティアコーディネーター養成講座等の研修を実施しており,今最も人気の高い講座となっていることを御報告申し上げたいと存じます。今後ともこうした取組を通じて職員のボランティア意識を更に高め,西脇議員御提案のように,より多くの場面で市の職員が自発的に参加する姿が見られるよう努めて参りたいと存じております。 以下,副市長及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(
磯辺とし子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕
◎副市長(高木壽一) 私から2点お答え致します。まず本市の
経済活性化についてでございます。今日,我が国経済は深刻なデフレが進行しておりまして,議員御指摘のとおり国内外から多くの人々が集いにぎわいを創出することは,消費を拡大しその経済波及効果によって深刻な京都経済の改善につながる有効な方策であると考えております。こうした認識の下に,京都市では来年3月に開催致します京都・花灯路事業や伝統産業の日関連事業のほか,二条城築城400年記念事業など人が集まり人が動く様々な催事を積極的に展開しているところでございます。来年度におきましても極めて深刻な財政状況ではございますが,引き続きこうした観点からめり張りのある予算を編成致したいと考えております。 次にNPO法人の活動状況及び地域でのボランティア活動に対する顕彰についてお答え致します。NPO法人につきましては,御指摘のように阪神・淡路大震災以降その活動が活発になり,現在市内では京都府認証のNPO法人,内閣府認証のNPO法人合わせまして189の法人が保健福祉や環境,社会教育,そして
まちづくりなど多様な分野で活動しておられます。こうした中で京都市では初めてのことになりますが菊浜小学校跡地に建設中の市民活動総合センターの運営をNPO法人にお願いすることと致しました。一方,本市におきましては,これまでからまちに息づく自治の伝統の下に自治会や町内会などの地縁組織,そして地域女性会や体育振興会,少年補導委員会など様々な団体がそれぞれの市民活動を通して市政を進めるうえで大きな役割を果たしていただいているところでございます。こうした市民活動に携わる多くの市民の皆さんの熱意にこたえるために,市民憲章に掲げる取組の推進者には市民憲章推進者表彰を行っております。また地域における美化活動や交通安全などの地道なボランティア活動を続けておられる方々に対しましては,毎年自治記念式典において感謝状の贈呈や表彰を行って参りました。今後とも市民の皆様がやりがいと生きがいを持って自発的に活動を続けていただけますように,こういった表彰の拡充と併せまして市民しんぶん等を活用して多彩な活動を広く紹介して参りたいと考えております。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕
◎副市長(松井珍男子) 下京区の菊浜小学校跡地における施設建設についてのお尋ねでございます。本施設につきましては,市民の皆様とのパートナーシップによる市民参加型社会の形成と豊かで活力ある長寿社会の実現を目指した四つの複合施設として,先般,人と人をつなぐというセンターの特徴を端的に表すひと・
まち交流館京都というすばらしい愛称を付けていただきました。この愛称にふさわしい施設として子供や若者から高齢者の方まで人が集い交流するまち京都における市民活動の拠点として運営できるよう積極的に取り組んで参ります。また本施設は,地元の皆様の御理解と御協力の下,小学校跡地を活用して整備を進めてきたという経緯があり,今後の管理運営に当たりましては,西脇議員御指摘のとおり地域の皆様にも喜んでいただけるよう地域コミュニティ活動にも十分配慮して運営して参ります。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) 島田産業観光局長。 〔島田産業観光局長登壇〕
◎産業観光局長(島田與三右衞門)
中央卸売市場の活性化と食品の安全性の表示についてでありますが,第一市場におきましては,本市衛生公害研究所の検査室を場内に設置し,適宜食品の抜取り検査を行い,青果物については残留農薬や放射能等,水産物についてはPCBや水銀,細菌類等の衛生検査を実施致しております。また青果・水産部に本市と卸,中卸業者で食品衛生対策協議会を組織し,細菌感染予防策の徹底指導を行いますとともに,産地及び小売業者とも連携して農薬等の問題が生じたときの即応体制を整えるなど市場を通る食品の安全対策に努めているところでございます。今後更に食品の安全対策を充実するとともに,議員御提案の趣旨に沿ってこのような市場の努力をより多くの市民の皆様に積極的に広報し,併せて小売店とも連携した市場の活性化策についても検討して参りたいと考えております。
○議長(
磯辺とし子) 海堀都市計画局長。 〔海堀都市計画局長登壇〕
◎都市計画局長(海堀安喜) 崇仁地区への運転免許更新施設の設置についてお答え致します。崇仁地区の
まちづくり計画においては,地区の一画に公的施設導入ゾーンを設け交通至便な立地を生かし市民の方々のための公的施設の導入を検討しています。御指摘の自動車運転免許更新施設につきましては,現在京都府警察本部において伏見区羽束師にある運転免許試験場の機能の一部をより利便性の高い場所に移転することが検討されていると聞いております。現在,本市に対する具体的な打診などはございませんが,議員御提案のような公的施設を導入すれば市民のサービス向上はもとより,崇仁地区の
まちづくりにとりましても有意義なものであると考えており,本市と致しましても,今後京都府警察本部などの意向を確認しながら地元の皆様とのパートナーシップによる
まちづくりの中で様々な角度から検討して参ります。以上でございます。
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○議長(
磯辺とし子) 次に,市政一般について,
井上与一郎議員に発言を許します。井上議員。 〔
井上与一郎議員登壇(拍手)〕
◆(
井上与一郎議員) 右京区選出の井上与一郎でございます。先ほどの
西脇尚一議員に引き続いて
自由民主党京都市会議員団を代表致しまして質問致します。 まず最初の質問ですが,京北町の編入合併問題についてお尋ね致します。去る11月7日,石浦道男京北町長さん並びに草木節夫町議会議長さんなど10数名の方々が市役所にお越しになり,市長並びに市会議長に対して編入合併の要望書を提出されたことは皆さん御承知のとおりであります。いよいよ本格的な地方分権の時代が到来し,今後,地方自治体はますます高度化,多様化する住民ニーズに的確に対応するため,今まで以上に個性豊かで活力に満ちた地域社会を実現していかなければなりません。この時にあって効率的で効果的な行政を推進するうえで有効な方策として市町村合併特例法が制定されたわけであります。この特例法に基づき目下全国の各地で合併問題が協議され推進されております。こうした全国的な流れの中で,京都府でも昨年2月市町村行財政研究調査会を立ち上げられ,京都市を除く府内の43市町村について検討され26通りの合併試案を示されたとのことであります。そして京都府下の丹後,中丹,中部,南部の四つの地域に対して合併の議論が進められ,現在,丹後の6町と宮津市,与謝郡の1市4町においては特例法に基づく合併協議会が設置され,また相楽郡の7町村と南部の7市町においては任意の合併協議会が設置されましてそれぞれ合併に向けての協議が進められていると聞いております。 こうした中,京都中部圏の船井郡・北桑田郡8町の枠組みにおいて検討を続けてこられた京北町では,現在の市町村合併の流れや小規模自治体を取り巻く情勢から,京北町の今後の発展のためには合併は避けて通れないと判断されたと伺っております。そのうえで編入先としては,歴史的経過や地理的条件をはじめ,通勤通学や経済活動など住民の方々の日常生活圏が京都市になっていることから船井郡・北桑田郡という枠組みではなく京都市への編入を希望されたことはもっともなことと思います。今年6月から7月にかけて住民の方々約4,500人が京都市との合併を求める署名を町当局と町議会に提出されております。この署名数は実に有権者の80パーセントを超えるものであり,これを受けられた町議会においても,住民の強い意思の結集であると要望書を理解し賛成するとの決議もされ,京都市への編入合併要望は文字どおり京北町住民の皆様の総意であると言っても過言でないと思います。更に申し上げますなら,京北町では約50年前にも京都市への編入を希望されながら広河原地域の編入のみに終わった経過もあり,その機運は一層高まっていると伺っております。去る11月7日,京北町の町長さんや議長さんが自民党議員団にもお越しになり,中村安良団長に要望されました。私も同席させていただきましたが,京都市への編入が京北町の皆さんの長年の悲願であることを実感致しましたし,私も京北町の皆さんの熱い思いをしっかりと受け止めたいと考えております。しかしながら,編入に向けては解決しなければならない課題も少なくないように思います。現時点においては,京北町がごみ処理や消防などで広域事務組合を構成しておられる周辺の町との具体的な話合いはこれからのようですし,今朝の新聞報道では山田京都府知事さんが昨日の記者会見の席上,この件については諸問題があり簡単でないとの消極的な発言があるなど京都府や関係自治体の理解が十分な状況ではないように思えます。かつて乙訓3市町の合併問題が失敗したこともありましたので,その轍を踏まないためにもより円満な解決が必要であります。また人口147万人の京都市と6,800人の人口で,しかも山間地に位置する京北町では実施している施策の内容も重点も異なります。合併してから,こんなはずではなかったということにならないよう十分な協議が必要であります。そして京都市民にとっても京北町の方々にとっても合併して良かったと言えるものにしなければなりません。更に申し上げますと,合併特例法では平成17年3月までに合併した自治体には合併特例債や特別交付税措置など有利な条件もあります。こうした条件も十分考慮に入れ,京北町の住民の方々の意思を尊重しつつ,市長と我々市会の意思を基本にし,府市協調を求めて今後の作業を進めていただきたいと考えております。そこで市長にお尋ね致します。市長はこの合併問題について,京北町の方々の熱意を受けて前向きに取り組まれると思いますが,今後の見通しも含めてどのように対応されているのかお聞かせください。 次に右京区水尾地域の自治会が取り組んでこられたバス事業について質問致します。市長は,昨年この水尾地域の長年の要望でありました地域水道の施設を完成され,水尾の人々はおいしい水が飲めるということで大変喜んでおられます。しかし,山間地域である水尾にはまだまだ京都市の支援を必要とする課題が多くあります。その中でも最も急を要する問題は,地域の人々の日常生活に欠くことのできない交通手段の確保であります。私が昨年の市会でも申し上げましたが,この水尾地域では地域の皆さんだけで自治会バスを運行してこられました。しかしながら,地域では過疎化,高齢化が進み,これ以上続けることはもはや限界に来ています。本年5月,右京区内21学区の自治会連合会長連名で水尾地域の現状を右京区の住民全体で支援していこうということで,公的支援等により安定した交通輸送手段の確保を求める要望書が市長に提出されたところであります。さて,昨年の私の質問に対する答弁では,バス輸送の確保に対して公的な支援策を検討し,民間事業者等との協力により山間部のバス輸送の確保を目指していきたいと積極的なお答えをいただきました。ところで本年2月,皆さん御承知のとおり道路運送法が改正されまして乗合バス事業の需給調整規制が廃止され,いわゆる規制緩和により水尾地域への新たなバスの運行も期待されたところでありましたが,残念ながらこのような動きは全くありません。地域のバスが住民の足としてなくてはならないこと,自治会だけではバス運行を続けることが限界に来ていること,更にはこの解決は右京区全体の問題として位置付けられていることなどなどを考えますと一刻の猶予もないと思います。是非とも支援を行うべき時期に来ていると考えますが,市長の決意をお聞かせください。 次に道徳教育の充実についてお尋ね致します。今,子供たちは情報化が進む中,知識は豊富に持っていますが,どのように使うかを知らない状態になっていると言われています。しかも,その情報にしても必ずしも子供たちの発達段階にとって望ましいものばかりとは言えないのが実情ではないでしょうか。心の教育にせよ道徳にせよ,あるいは市民的モラルにせよ表現は違っても子供たちの何かがおかしいと警鐘を発するのは子供たちの未来に責任を持つ大人として当然のことであります。昨年8月,市教育委員会が現在文化庁長官の河合隼雄先生を座長として設置されました道徳振興市民会議で実施された1万人市民アンケートに対しまして実に2万2,000人を超える回答が寄せられたとのことであります。いかに市民や保護者の皆様が道徳に対しての関心が高いかがうかがえます。残念ながら今も道徳と聞くだけでアレルギー反応を示される一部政党や進歩的文化人もおられることも否定は致しません。戦前回帰とか修身復活などと叫んでいるだけで果たして荒れ果てた現状を改善できるのでしょうか。権利に伴う義務,自由に伴う責任といった市民生活を営むために必要な秩序をはぐくもうとしない状況こそ問題なのではないでしょうか。教育基本法の見直しを論議されてきた中央教育審議会が去る11月14日に発表された中間報告においても,その基本理念として国を愛する心や公共の精神,自律心などが打ち出され,その公共の精神については,社会の一員としての使命,役割を自覚するとともに道徳心や倫理観,規範意識をはぐくむことが求められているとしているように,ここでも国民要望の道徳教育の必要性を求めております。これは当然のことであります。そこでお尋ね致しますが,京都市教育委員会として道徳教育の更なる充実発展に向けて,先の市民会議の論議や中教審の中間報告を踏まえて今後どのように取り組もうとされるのかお答えください。 次に9月市会で論議し徹底究明を求める決議をした京都民医連中央病院の検査虚偽報告及び不正請求事件について,その後どのように解明されているのかについてお尋ね致します。この事件の概要は,京都民医連中央病院において医師が治療のため必要と指示した細菌検査について,指示を受けた細菌検査室が検査を実施していないにもかかわらず医師に対しては菌を検出せずとの虚偽の報告を行う一方,保険診療報酬については検査を実施したとして診療報酬請求を4年間にもわたって行っていたというものであります。この事件がマスコミで報道されてからは,このようなことがほかの病院でも行われているのではないかといった病院というものに対する不信感が,更には医療に対する不信感が市民の間に出たことは医療関係者と患者との間で長年培われてきた医療のうえで最も大切な信用と信頼を失わせたことになり,単に京都民医連中央病院だけの問題ではないのであります。この事件の発覚後,本市は京都民医連中央病院細菌検査虚偽報告対策チームや医療監視チーム,診療報酬チームを設置し,更に医療法に基づく中央病院への立入調査を京都府と合同でこれまでに5回実施したところであります。そして虚偽報告件数は約2,500件,うち死亡者は243名であったことが確認されたのであります。そして中央病院においては,京都市と京都府が推薦する5名の専門委員で構成する原因究明委員会を設置してこのようなことが起きた原因を究明することにしているのであります。そこで現在この事件はどのように解明が進んでいるのか,また今後のめどはどのようにされるのですかお伺い致します。 また民医連加盟の医療機関では,これまで共産党と密接なつながりを持っており共産党支持のポスターなどを医療機関の内外に張り出していたのであります。この事件が発覚した後,共産党議員諸氏はこれらの医療機関とは関係がないと言っておられましたが,そんなことはないのであります。(発言する者あり)確かに事件に関しては直接に関係はないとしても,民医連医療機関と共産党との関係は明らかで,両者は車の両輪であります。その証拠にごく最近でも民医連加盟の紫野診療所には共産党の政治活動ポスター,共産党の国会議員の事務所の看板,来春の府市会議員選挙に立候補される予定者の顔写真入りポスターが張り出してあり,また上賀茂診療所にも同様のポスターと看板があります。(発言する者あり)調べればまだまだあると想像できますが,これでも共産党は民医連加盟医療機関と関係がないと言われるのですか。(発言する者あり)
○議長(
磯辺とし子) 静粛に。
◆(
井上与一郎議員) (続)各種の選挙中,民医連の看護師などが選挙運動をやっていることについては先の9月市会でも指摘されましたが,およそ患者との信頼関係が大切な医療機関とも思えない行動と言わねばなりません。これらについては共産党並びに民医連に猛省を促しておきます。(発言する者あり) この事件に対して我が
自由民主党京都府支部連合会は,この事件の一日も早い解明と今後の対策について真剣に取り組み,市民の医療に対する不信を取り除くため先月11月9日に民医連系医療機関問題対策本部を設置致しました。市民の皆様の御協力と情報をお寄せいただきますよう期待致しております。(発言する者あり) 次に京都市立病院の院外処方箋についてお尋ね致します。もとより医療の原則は患者本位の医療を行うことであります。この患者本位の医療を行うために,医師と薬剤師との二つの職能が独立してそれぞれの専門性を発揮し両者が密接に協力し合って患者に最良の医療を施すことが最も重要であります。そのため医薬分業が推進されているところであります。この医薬分業の最大のメリットは,医師の処方に対して薬剤師がチェックすることにより医薬品のリスクを回避することにあると言えます。そのために,どの家庭も日ごろから身体の調子を知ってもらって,身体の調子がおかしいときに気軽に診察を受けたり相談したりできる掛かり付けの医師を持つことが良いとされています。それと同様に気軽に薬についての相談ができる掛かり付けの薬局を持つことも必要ではないでしょうか。そのため特に公立の医療機関としては院外処方箋の発行を推進し,患者の皆様に自分の身体の状態を熟知している掛かり付けの薬局を持つよう指導することも重要な役目ではないかと考えるのであります。しかも,この掛かり付けの薬局で薬剤を受けるということは,1人の患者が複数の医療機関に掛かった場合,それぞれの医師からの処方箋に対して薬剤師が医薬品の重複や相互作用などのチェックができ,患者個別の服薬指導や薬剤に対する疑問をただすことにもなり,患者は薬剤に関する情報を得て一日も早い健康回復ができる利点もあると思います。このことから医薬分業の推進は重要で一層拡充する必要があると思います。社団法人京都府薬剤師会が行われました京都市内の公立医療機関の院外処方箋発行率の調査によりますと,平成14年11月1日現在,国立京都病院90パーセント,京都大学附属病院約80パーセント,京都府立医科大学病院73パーセントであると推定しておられます。京都市立病院については平成14年6月末時点で26.4パーセントであります。この調査が示しますように京都市立病院は他の公立病院と比較にならないほど院外処方箋発行率が低く,また全国平均45パーセントと比べても低いのであります。医薬分業の趣旨からして患者の皆様に掛かり付け薬局を持つよう指導する意味で,更に院外処方箋の発行を推進すべきと考えますが,今後どのようにされますか市長の明快なお考えをお聞かせください。 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(
磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼)
井上与一郎議員の御質問にお答え致します。 まず初めに京北町からの合併要望についてでございます。本格的な地方分権の時代を迎え,住民に最も身近な基礎的自治体である市町村の重要性がますます増大している今日,多様化する住民ニーズへの対応や効率的,効果的な行政運営が強く求められております。その手段として現在推し進められているのが平成の大合併と言われる今回の全国的な市町村合併でございます。もとより市町村合併は,住民の生活と地域の将来の発展に大きな影響を与える地方自治の根幹にかかわる問題であり,実施に当たっては自治体や住民の方々の自主的,主体的な意思が十分尊重されるべきであることは言うまでもないことであります。こうした中,先般11月7日京北町から京都市に対する編入合併の要望書を頂だい致しました。要望書を持参された石浦道男町長や草木節夫町議会議長からは合併要望に至るまでの経過や京都市との合併が京北町住民の方々にとって大変大きな,そして長年の熱い願いであるということをこもごもお聞かせいただき,私は,この度のお申出を有権者の8割を超える署名に基づく京北町住民の総意として厳粛に重く受け止めたところでございます。しかし合併問題は,これも申し上げるまでもないことでありますが京北町の皆様にとりましては,京北町民から京都市民になるという抽象的な問題だけではなく具体的な様々な場面での住民生活に直接かかわってくる問題でもあります。また京都市にとりましては,合併特例法により財政上の優遇措置が講じられるとはいうものの,非常に厳しい現在の財政状況下で将来をも見据えたうえで特別な財政負担が今後生じてくるのかどうかといった問題も検討する必要がございます。更に私どもは指定都市でもありますから都道府県行政との関係も出て参ります。
井上与一郎議員御指摘のように,こうした合併に伴う様々な課題について,事前に関係者間の協議検討を十分にしたうえでその方向性について京都市民及び京北町民の皆様に御理解いただく必要があると考えております。そのため庁内に早急に準備体制を整えまして京北町当局とも御相談のうえ,来年1月には京都市,京北町合同の合併問題研究会を設置したいと考えております。研究会における協議検討内容につきましては議会に御報告し,今後の合併の進め方について十分御相談申し上げたいと存じております。なお最終的に合併の方向で進めることとなった場合には,当然のことながら各種の有利な条件が設定されている合併特例法の期限である平成17年3月に向けてその手続を進めていく必要がございます。いずれに致しましても,この問題は住民の方々の自主的,主体的な意思が十分尊重されるべきものであり,関係者の皆様と府市協調の精神を大切に進めて参りたいと考えております。 次に水尾地区の生活交通の確保策に関する御質問にお答え致します。水尾地域をはじめとする市内周辺の山間地域では,過疎化の進行により基礎的な生活条件にかかわる様々な課題が生じております。私は,こうした課題の解決に向け,道路整備や地域水道の事業化など山間地域における活性化対策を鋭意推進して参ったところでございます。御指摘の水尾の自治会バスにつきましては,地域の皆さんが35年以上の長きにわたり通学,通勤,通院に係る交通手段を自ら確保するため御努力,御苦労を重ねてこられましたことはよく存じておりましたが,これまでは井上先生御指摘のとおり道路運送法に基づく国の許可が得られないという法的問題があり,具体的な支援策を講じることができない状況にありました。しかし,私は水尾地域の高齢化が進んでいる状況の下,自治会バスの運行は住民の皆さんの日常生活を守るために必要不可欠であると認識し,右京区21学区の自治連合会の総意としての御要望を踏まえ,法的課題の解消に向けまして国と協議を進めて参りました。その結果,水尾地域のこれまでの経過を踏まえ,安定した運行財源の確保と運行上の安全対策等が講じられれば道路運送法に基づく許可を行う方向で検討するとの前向きな見解を得ることができました。私は,水尾地域の住民の皆さんがこれまで自らの足は自らの力で確保すると固く決意されて取り組んでこられたことに対しまして深く敬意を表しますとともに,こうした法的課題の解消に向けて展望が見えてきた今,具体的な支援策について住民の皆さんと協議し,日常生活に欠くことのできない足の確保を早急に図って参りたいと考えております。 次に院外処方箋の発行についてでございます。この手法は,薬剤を選択する役割を持つ医療機関と供給する役割を持つ薬局がそれぞれの判断に基づいて適正な医療を提供するという医薬分業の考え方に基づいて導入されているものであります。井上議員御指摘のとおり,医薬分業により複数医療機関から発行された処方箋の重複に伴う相互作用や薬剤使用歴作成によって過去にさかのぼって安全性をチェックすることが可能となり,副作用等を回避できるという医療面における効果がございます。また外来における調剤に要する待ち時間の解消等が図れるという患者サービスの向上にも寄与することなどから全国的な取組が進められており,その必要性については京都市も十分認識しているところでございます。市立病院におきましては,平成12年8月から9診療科において原則院外処方を導入し,平成14年11月現在21診療科全体での発行率は26.1パーセントとなっております。全診療科への院外処方箋発行の拡大につきましては,依然医療機関において薬剤も併せて処方してほしいという患者の皆様の声があることや経営面に及ぼす影響も無視できないことなどから,薬価基準の推移を見守りながら今後慎重に検討を進めていかなければならないと考えております。 以下,松井副市長及び教育長が御答弁申し上げます。
○議長(
磯辺とし子) 松井副市長。 〔松井副市長登壇〕
◎副市長(松井珍男子) 私からは京都民医連中央病院における細菌検査虚偽報告についてお答え致します。今回の不正事件は,4年以上もの長期にわたって虚偽の報告がなされるとともに,関連の医療機関の患者の方も含め1,437人にも及ぶものであります。このようなことは市民の命と健康を守る立場にある医療機関において決してあってはならない誠に遺憾なことであります。本市と致しましては,本件の重大性を認識するとともに,10月8日の市会決議を重く受け止め,市民の医療に対する不信感,不安感を払拭するため京都民医連中央病院に対して京都府と合同で医療法に基づく立入検査をこれまで5回実施し,虚偽報告件数等について事実確認を行うとともに病院全体の管理体制や検査室の実態について調査を行って参りました。また関係患者及び不幸にもお亡くなりになられました御遺族の皆様に対して十分な説明を行うよう他の民医連関連医療機関も含め強く指導しているところであります。現在,虚偽報告の行われた経緯や長期間発覚しなかった理由などを解明するため必要な報告を求め,更には提出を受けた資料について精査を行うなど鋭意調査を進めているところであります。今後につきましては,引き続き立入検査を実施し,本市独自に設置した対策チームにおいて全容の把握に努める一方で,原因究明委員会の審議結果を受けて京都府と協議を行いながら本市として京都民医連中央病院に対し医療法上の厳正な指導を行って参ります。また保険診療報酬の不正請求につきましては,レセプトの抽出などについて調査権限を有する京都府などに保険者として積極的に協力しているところであり,不正利得分の確定後は速やかにその返還を請求するなど適切に対応して参ります。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕
◎教育長(門川大作) 道徳教育の充実についてでありますが,次代を開く生きる力の核として子供たちに豊かな人間性を育成することは,今日大人に課せられた重大な責務であります。本市では,独自の道徳教材の作成,授業の創意工夫など学校における道徳の時間の充実はもとより,すべての教育活動を通して体験を重視した道徳的実践活動を心をたがやす教育として全小中学校で推進しております。こうした中,市民みんなで共有できるしなやかな道徳教育の在り方を検討していただくために河合隼雄現文化庁長官を座長として市民からの公募による委員も参画した京都市道徳教育振興市民会議を設置致しました。市民会議では,やっていいこと悪いこと,市民みんなで一緒に考えてみませんかと呼び掛け,幅広い市民層から予想を大幅に超える2万2,300もの回答を得た市民アンケートを基に子供たちにどのような道徳的実践力を育てるのか,そのために家庭,地域で大人が何をなすべきかについて会議の全面的な公開の下,開かれた場で熱心な議論が重ねられております。今後中間報告をいただき,それに対するパブリックコメントの募集や来年2月に河合隼雄長官を迎え開催する道徳教育フォーラムなどにより広く市民の声を反映した提言をいただき,市民ぐるみで進める道徳教育の一層の充実に取り組んで参ります。以上です。
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○議長(
磯辺とし子) 次に,市政一般について,
田中セツ子議員に発言を許します。田中議員。 〔
田中セツ子議員登壇(拍手)〕
◆(
田中セツ子議員) 自由民主党の田中セツ子でございます。先輩議員に引き続き
自由民主党京都市会議員団を代表致しまして質問致します。限られた時間ですので市長並びに関係理事者におかれましては明快な御答弁をお願い致します。 それではまず都市再生緊急整備地域の指定に関連し数点お尋ね致します。平成13年5月8日,環境,防災,国際化等の観点から都市の再生を目指す21世紀型都市再生プロジェクトの推進など,都市の再生に関する施策を総合的に推進することを目的として,閣議決定を受け小泉総理大臣を本部長とする都市再生本部が内閣に設置されました。この都市再生本部は,平成14年6月1日都市再生特別措置法が施行され,都市の再生に関する施策を迅速かつ重点的に推進するための機関として法律に位置付けられたものであります。京都市では平成14年9月18日,この都市再生本部に対し京都駅南地域,京都南部油小路通沿道地域,更にキリンビール京都工場跡地の3地域を都市再生緊急整備地域として指定の申出を行い,10月25日に指定されました。この地域指定により,一般的には民間開発事業者に対する無利子融資,公共事業の優先実施と民間事業者が都市計画の変更を提案できるメリットがあると伺っておりますが,京都市内のこの3地域については具体的にはどのようなメリットを考えておられるのでしょうか。今回の地域指定の狙い,つまりどういうメリットを想定して地域指定の申出をされたのかお伺い致します。 次に3地域の整備方針についてであります。まず京都駅南地域については,京都駅のすぐ南側に当たり国際文化観光都市京都の南部市街地の玄関口ともいうべき場所です。都市計画マスタープランなどにおいて新しい施設を誘導すべきゾーンとして位置付けられている竹田街道から油小路に至る12ヘクタールの地域です。駅前広場の整備計画については都市計画決定から約60年経過し,新幹線開業から約40年たちましたが,駅前広場の再整備は一向に具体化されていないのが現状です。この駅前広場の再整備についての取組状況と財団法人民間都市開発推進機構が所有する場所の開発に関する京都市との協議状況についてお聞かせください。また,この地域は近くに東寺という歴史的資源のある地域ですが,良好な都市環境を確保するという観点から今後どのような開発を誘導しようとしているのかお伺い致します。 次に京都南部油小路通沿道地域は,高度集積地区のうち油小路通の沿道を中心とした特に拠点形成地区として都市機能整備の誘導を推進する必要のある面積213ヘクタールの広範囲にわたる地域であります。現在,京都高速道路油小路線の整備が進められておりますが,この地域において都市を再生するような具体的な民間プロジェクトがあるのかどうかは甚だ疑問であります。今後,京都市は今回の指定を足掛かりにこの地域の可能性を十分に引き出すべきだと思いますが,その取組,見通しをお聞かせください。 次にキリンビール京都工場跡地についてお伺い致します。面積約28ヘクタールのこの地域は,京都府と京都市が共同で地域指定の申出をした所です。地域の東側をJR東海道本線が走り,新駅の設置が検討され,西側は阪急京都線の新駅が今年度末を目標に整備されることから交通の利便性が飛躍的に向上することが期待できる京都市にとっても向日市にとっても重要な地域であります。この地域はキリンビール株式会社が事業を行うことになると思います。この場所を整備するに当たっては,京都市と向日市とが十分に協議して進めていくことが必要であることは言うまでもありませんが,京都府の支援なくしてはこの地域の
まちづくりはあり得ないと思います。是非京都府との協調で進めていただきたいと思いますが,市長のお考えとその決意をお聞かせください。 次に京都市職員の不祥事に対する再発防止の取組についてお尋ね致します。京都市職員の不祥事が相次いでいます。京都市発注の公共工事を巡り幹部職員が業者に入札情報を漏らしたり賄賂を受け取るなど業者との癒着の実態が京都府警の捜査で次々と判明致しました。公務員の服務は,全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すると集約されています。一部職員とはいえ特定業者の利益を図り,その見返りに賄賂を受け取ったことは重大な逸脱行為として許されません。そうした非行,不正が後を断たないことは市民の信頼を裏切る行為であり許すことのできない重大な問題です。先の市議会財政総務委員会において,昨年の職員懲戒処分115人,3年連続100人を超えたとの報告があり議員からは厳しい意見や質疑がありました。部局別では交通局が全体の6割近い67人,覚醒剤の使用で逮捕された職員4人を免職等々です。また交通違反で警察の出頭要請に応じない悪質な交通違反者を京都府警は一斉に検挙しました。一斉検挙は7回以上呼出しに応じない142人のうち30人を逮捕したものです。その中に市職員が逮捕されています。不祥事の原因は色々ありますが,私は,都市計画局営繕部の場合,職域が狭く異動範囲が限られる職種の間で,在職期間が長く公私にわたってぬるま湯につかった問題意識の乏しい人間関係と強い仲間意識があり,組織として緊張感がなくなって適正な事務の遂行の妨げとなってしまっていることが一因ではないかと思います。そんな中で10月1日付けで都市計画局営繕部の人事異動がありました。営繕部長の後任に担当部長が,担当部長の後任に課長がところてん式に昇任しています。職種が違うと言われると思いますが,営繕部長と建築指導部長と交代させるぐらいの思い切った人事異動でないと人事の刷新はできません。どこの職員でも課長補佐や係長級,主任級が仕事を一番よく知っています。幹部職員は各部署の方針や進行管理,職員の能力をいかに発揮させていくかが必要であって,仮に営繕部長と建築指導部長が交代しても支障はないと考えます。これまでも職種が医師から区長へ,そして消防職から区長へと思い掛けない人事もありましたね,仕事は支障を来していますか。京都市は,平成12年に業者との付き合いを制限する職員倫理保持条例を制定し,やむを得ない飲食についても届出を義務付けました。そして平成15年度に弁護士や警察OBら専門家を交えた独立組織,公正職務執行委員会(仮称)を新設することを決め事件の再発防止に取り組むことになりました。市民や市議会でも再発防止策を巡って議論が沸騰しています。私も地元の方から市役所は得をされましたなあと言われました。何がですかと答えましたら,市職員の不祥事が続いて新聞報道されていましたが,島津製作所の研究者田中耕一さんのノーベル賞受賞が決まって不祥事問題は載らぬようになったと言われました。この明るいニュースをきっかけに職員の意識改革を目指して市役所の明るいニュースを載せてもらいたいと思います。市民は,不祥事の教訓が生かされているかどうか今後も注目しておりますので,不祥事根絶への市長の決意をお聞かせください。 次にリバースモーゲージ制度の導入についてお伺い致します。高齢社会の進展に伴い介護を必要とする高齢者が増加しています。少子化や核家族化により介護する側の力が弱体化する中,介護の必要な高齢者を社会全体で支えていくため介護保険が導入されました。この介護保険制度を利用するためには保険料のほか1割の利用料負担が必要です。厚生労働白書にもありますように,高齢者の多くは年金生活者でありますが,その一方,土地や預貯金などの貯えがある方も多く,高齢者のニーズに応じこれらの資産を介護保険料をはじめとした高齢期の生活に必要な費用に活用できるようにしていかなくてはなりません。このため高齢者が所有している住宅や土地などの不動産を担保として生活,介護資金を借り入れ,死後に清算,返済するリバースモーゲージ制度は,高齢者が住み慣れた住宅で親しい地域の人たちに囲まれながら楽しく一生を送るための制度として非常に有効な制度であると考えております。今月の14日付けの新聞報道によりますと,厚生労働省は,都道府県の社会福祉協議会の事業として高齢者が所有する住宅や土地などの不動産を担保に介護保険料や生活費などを貸し付けるリバースモーゲージ制度を早ければ来年年明けには実施するそうであります。私も高齢者の生活を支える制度として大いに期待しているところです。しかしながら,この制度は,現在のところ低所得者を対象として導入されると聞いております。高齢者の生活形態が多様化する中,高齢者が子供には世話にならないで自らの意思で幸せな生活を続けていくためには,低所得者だけではなく高齢者のあらゆる層にリバースモーゲージ制度を利用する機会を提供し,すべての市民が安心して老後を過ごせる社会を構築していかなければなりません。行政サービスの提供に当たっては多様な市民のニーズに迅速に対応できるよう,これまでの行政主導型の社会から民間の自由な発想や活動による施策の推進が基本であり,低所得者以外への施策の展開は民間金融機関等が担うことにより有効に機能するものと考えます。リバースモーゲージ制度の導入は,国の制度に先行して武蔵野市をはじめ近畿では大阪市,神戸市などが既に実施しています。しかしながら,制度が抱える一つには不動産価格下落リスク,二つ目には金利上昇リスク,三つ目には長命リスクのいわゆる3大リスクを補う必要から十分な制度となっておらず利用者も少ない状況にあります。民間主導型で制度を実施していくにしても,これらの制度が抱える課題や行政が持っている情報の提供など行政と民間が協力しながら進めていくことが大切であります。京都府におきましても,これから厚生労働省の低所得者向けの制度である長期生活支援資金貸付制度の実施が検討されると思われます。京都市としても高齢者のあらゆる層を対象とした京都市にふさわしい制度が出来るよう民間金融機関などと京都市が連携し研究会を立ち上げるなど検討を進めるべきと考えますが,京都市の検討状況と今後の見通しについて保健福祉局長にお伺い致します。 次に同和問題についてお尋ね致します。京都市では,約半世紀にわたり同和問題の解決を市政の最重要課題の一つとして同和地区の環境改善,生活改善や子供たちの自立に向けた教育の充実など各種施策に取り組んできました。とりわけ昭和44年の同和対策事業特別措置法施行以来,格差是正と低位性の克服を目指し3,200億円余りの予算を投じ,多くの職員が心血を注ぎ総合行政として同和問題の一日も早い解決に取り組んで参りました。京都市の同和問題の解決に向けた様々な取組は,同和地区の住環境と住民の生活実態は大きく改善され,今日においては市民意識や教育,一部の地区における環境改善などにおいて課題が残っていますが大きな成果を挙げてきました。これらを踏まえ平成14年3月をもって特別施策としての同和対策事業を終結したことは評価するところであります。しかしながら,一方では長年にわたる特別施策の継続により,住民の自立意識の妨げや行政依存の傾向など幾つかの課題があることも事実であります。議会においてもその点に関して我が党を中心に同和行政に関する決議を提案し可決して参りました。私は,地域改善対策特定事業に係る財政上の特別措置に関する法律が失効したからといって同和問題が解決したとは決して思っておりません。実際,啓発,教育,一部の地域における環境改善の課題のほかにも住宅の老朽化に伴う建て替えや人口の減少や少子高齢化の急速な進展など現代社会の課題が顕著に現れているほか,いまだ結婚や就職差別につながる身元調査などが行われている実態があることも承知しております。同和地区の各施策は一般施策に移行した,移行すると言いますが,市民に理解の得られないような手法で事業が推進されるようでは同和問題の解決も終結も認めるわけには参りません。誰もが納得できる開かれた事業の推進を強く求めておきます。 私は,同和問題について,これまで改良住宅の家賃の問題をはじめ市立浴場の運営や崇仁地区における改良事業などについて質問させていただきました。今回は改良住宅家賃の滞納についてお尋ね致します。先の建設消防委員会で市営改良住宅の家賃の滞納について質疑がありました。家賃を滞納している市職員が99人だそうです。資料によりますと,今年5月時点で市職員102人が家賃を3箇月以上滞納し3人が完納です。滞納者のうち51人が分納に応じましたが,48人については納入指導中です。そのうち14人は5年以上,3人が10年以上滞納しています。滞納している市職員は,京都市は法的措置は絶対しないと侮っているのではありませんか。家賃の徴収も以前よりは徴収率は上がっていますが,徴収不可能であれば徴収事務を民間に委託してはいかがでしょうか。滞納者の市職員は毎月の給料も住宅手当ももらっています。改良住宅の建設も市職員の給料も市民の貴重な税金で賄っております。こういった悪質な行為は公務員としてあるまじき行為で市民の理解を得ることはできません。公務員としてのモラルの徹底が市内部で図られていないのが現実であります。徴収事務の在り方を含めた抜本的な改革が必要だと考えますが,市職員の家賃滞納の取組を含め御所見をお伺い致します。 次に教育問題についてお尋ね致します。10月8日の市議会本会議で京都市教育委員の提案があり,鈴木千鶴子さんが教育委員に任命されました。
政令指定都市で最年少委員であり,女性は田中田鶴子委員長に次いで2人目です。子育てなどに取り組む若い世代の保護者代表の声を生かすための起用で女性の立場からうれしい人事であり,今後の活躍を期待しています。さて,少子化の進行により学校運営は冬の時代に突入しています。学校の合併共学化や校名の変更,統合再編など学校の特色を前面に打ち出し学生確保に懸命です。このような中,高校では40年ぶりとなる文部科学省の全国一斉学力テストが11月12日,約1,400の国公私立高校の3年生10万5,000人を対象に始まりました。かつては教職員の反対で裁判になった学力テスト。学力低下の懸念が高まる中,今回は反対運動もなく静かなスタートとなったと報道されました。また,行きたい学校を選べる学校選択制度も広がりつつあり,画一的だった校舎も授業も独自色を出そうと各校が新しい時代の新しい学校づくりを目指しています。京都市でも様々な分野で教育改革を進めておられますが,京都市の目指す新しい学校づくりをお聞かせください。 去る10月30日
地方分権改革推進会議は,事務事業の在り方に関する意見を小泉首相に報告されましたが,今回の意見では地方への税源移譲について具体的に踏み込んでいないことは誠に残念であります。特に約5,000億円という巨額に上る退職手当,共済費長期給付負担金などの経費を義務教育費国庫負担金の負担対象経費から外すという提言については,歳出削減が不可能な義務的経費に係るものであり財源措置も明確に示されておらず到底受け入れることはできません。退職手当だけ見ても,京都市では平成14年度40人の退職見込数で約12億円の額であり,平成22年には退職見込数290人,退職手当は90億円にも達するのであります。更に共済費長期負担金は年額約40億円が必要であります。人件費を見ても,教職員数6,042人,人件費総額は638億円,そのうち国庫負担金268億円,府の負担が370億円となります。義務教育費国庫負担金は,本来国と道府県とは2分の1ずつの負担でありますが,超過負担及び国の基準を上回って独自に府県が定数を配置しているために道府県の負担が増えております。そのために,もし税源移譲がなされないままに5,000億円もの負担金が削減されるとすれば地方の負担は大変重いものとなり,現在の教育水準を維持することはできないのではないかと危惧しております。とりわけ京都市において現在実施されております少人数学級の推進,そして平成15年度から導入されようとしている小学校1年生の35人学級,16年度からは小学校2年まで拡大されようとしておりますが,京都市は,来年度財源730億円不足という状況の中,これらの施策の実現が厳しくなり変更せざるを得ないのではないかと心配しております。桝本市長は,今回の
地方分権改革推進会議の意見が報告された後,税財源の確保のために積極的に運動を展開されていると存じます。他の
政令指定都市と具体的にどのような取組をされているのかお聞かせください。そして今回の報告の中で述べられている道府県負担の教職員給与を
政令指定都市負担にして義務教育に関する権限,つまり学級編制の基準や教職員定数の設定に関する道府県の権限を
政令指定都市に移譲する方向で見直すという意見をどのように受け止められているのか市長の御所見をお伺い致します。 近ごろ教育界では問題教員ばかりが注目されがちですが,多くのまじめな教員が献身的に頑張っていることを忘れてはならないと思います。先の教育改革国民会議でも,教員の意欲や努力が報われ評価される体制の重要性が提言されています。横並びのあしき風習から脱し保護者から信頼される学校づくりを応援する最大の方策として,最前線で頑張っている優秀な教員については正しく評価し勇気付ける取組を充実させることが必要ではないでしょうか。学校教育や学校運営などの活動に貢献が目覚しい教員には,表彰するだけでなく給与面においても校長職の給与にするなど何らかの措置をしてはと思います。また評価は誰もが納得できる公正な方法で献身的な先生を選んだか検証できる仕組みも必要です。教育長のお考えをお聞かせください。 最後に向日町上鳥羽線及び第二久世橋の整備についてお伺い致します。大阪,神戸方面から車を使用して京都に入る場合,名神高速道路以外では国道1号又は国道171号を利用することになりますが,両国道とも京都市に入った途端大渋滞に見舞われ,私たち市民も含めた道路利用者にとっては非常な苦痛を感じるものであります。こうした状況の中,今般,油小路通については去る8月30日に九条通から十条通間について4車線による供用が開始され,残る区間についても開通が間近に来ており,開通すると国道1号の渋滞緩和に大きな効果を発揮するものと期待しています。しかし,この都市計画道路油小路通の都市計画決定は昭和10年4月であります。都市計画決定から今日まで油小路通九条から十条間は67年も経過しています。一方,国道171号に目を転じてみますと,元来,桂川以西地域における幹線道路の整備が市内の他の地域に比べて遅れており,更に桂川に架かる橋も鴨川に比べて数少ないことから1日5万台強という車両が行き交う久世橋付近の交通渋滞は激しさを増すばかりであります。京都市においては,この渋滞緩和の決め手として現在向日町上鳥羽線及び第二久世橋の整備に取り組まれているところでありますが,整備着手からかなりの期間が経過しているにもかかわらず,いまだ橋梁工事は行われておりません。また道路整備については国道171号から大藪街道までは進んできましたが,その先は未整備という状況であります。地元関係者への事業説明会も昨年の12月に開催される予定が中止になり,10箇月後の10月23日ようやく事業説明会が開催されたばかりです。どうしてこのように遅れるのでしょうか。地元の方からは,よその橋は早う出来るのになぜ久世橋の建設は遅いのかとよく言われます。私たち南区民にとりまして向日町上鳥羽線及び第二久世橋の完成は油小路通の開通と並ぶ長年の悲願であります。向日町上鳥羽線及び第二久世橋の整備状況と今後の見通しについて建設局長にお伺い致しまして,以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(
磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼)
田中セツ子議員の御質問にお答え致します。 まず都市再生緊急整備地域についてのお尋ねでございます。私は,我が国の社会経済構造の転換を進めるうえで都市の再生が喫緊の課題となっており,京都市におきましても都市再生を強力に推進していかなければならないと考えております。また21世紀においても京都が世界の中で独自の存在感を持った安らぎと華やぎのある都市として新たな発展を遂げていくためには,京都市南部地域における創造の
まちづくりが不可欠であり,その具体化を図るためこの10月に本市の要望どおり都市再生緊急整備地域の指定を受けたところでございます。本市の3地域につきましては,現時点ではいずれも具体的な民間プロジェクトが定まっていないため,今後どのような特例措置が活用されるかは明らかではございませんが,京都市と致しましては,今回の指定によりその具体化が促進され公共施設の整備と相まって良好な都市機能が集積される大きな弾みとなることを期待している次第でございます。 次にキリンビール京都工場跡地につきましては,京都市と京都府が共同して都市再生緊急整備地域の指定の申出をした地域でございます。申出に当たりましては,向日市を含め十分に協議調整を行ったうえで複合的な都市機能の導入,JR新駅の設置に併せた公共施設の整備,阪急京都線の立体交差化など地域整備方針に盛り込む事項につきましても同一の内容で申し出たものであり,目指す
まちづくりの方向は一致しているところでございます。今後とも向日市はもとより京都府とも緊密な連携を図り最大限の協力をいただきながら民間活力を生かした良好な都市開発事業を誘導することにより都市再生緊急整備地域の地域整備方針にありますように京都大学桂キャンパス地区や京都市の南西部の玄関口ともなるにぎわいと潤いのある複合拠点の形成を目指して参ります。 職員の不祥事につきましては,田中議員御指摘のとおり市民の市政に対する信頼を失わせる重大な背信行為であり,市民並びに議員の皆様に対しまして大変申し訳なく深くお詫び申し上げます。また誠実に職務に取り組んでいる職員の士気を低下させるなどその影響は大きく,より高い職業倫理を求められる公務員として断じて許されるものではございません。このため信賞必罰をより明確にすべく職員の懲戒処分に関する指針をこの10月に策定し,全職員に周知徹底するとともに,この間の公共工事に係る一連の事件を受けて取りまとめました中間報告に掲げている入札予定価格の事前公表や公正職務執行委員会の設置などの再発防止策を早期に具体化し,これを最終報告に盛り込むよう指示しているところでございます。また最終報告の取りまとめに併せて,組織としての責任を明確にするため組織のトップである私をはじめ管理監督者を含む関係職員の厳正な処分を行います。今後とも昨今の京都市職員に対する市民の厳しい目線を十二分に認識し,私が先頭に立って不祥事の根絶に全庁挙げて取り組む決意でございます。 次に,この度の
地方分権改革推進会議による義務教育費国庫負担金削減の提言は,地方分権を進めるものではなく義務教育に対する国家の果たすべき役割の基本的理念や税源移譲についての具体的な明示もないなど哲学なき財政負担の地方への転嫁と言わざるを得ないと私は認識しております。一方,義務教育に関する府県から指定都市への権限移譲につきましては,大都市の主体性を生かし特色ある教育を推進するうえで,また二重行政の弊害解消のためにも基本的には望ましいと考えております。しかしながら,確かな財源措置がなければ人件費総額およそ638億円もの巨額の財政負担を新たに本市が負うこととなります。現行の地方財政制度は,恒常的な財源不足を招くなど今やまさに構造的な諸課題を抱えております。
地方分権改革推進会議は,地方分権を推進する観点からこうした問題を改革改善し,地方が自立的な財政運営を可能とするための機関でありながら,これに逆行した今回の提案は
政令指定都市の財政を破綻に導くものであり,一方では,国は大都市の再生という大きな政策を実施しながら誠に矛盾した政策提言である,その極みであると私は思っております。決して納得できるものではございません。財源の移譲なくしては到底受け入れられないと思います。こうした認識の下,地方への財政負担転嫁とならないよう国に対し指定都市の緊急アピール等を直ちに行ったところであり,今後とも議会のお力も得て国等に対し強力に要望して参らなければならないと考えております。どうぞよろしくお願い申し上げます。 以下,河内副市長,教育長及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(
磯辺とし子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕
◎副市長(河内隆) 私からは三つの御質問にお答え致します。まず京都駅南地域における開発についてでございます。京都駅南口駅前広場の再整備計画につきましては,平成14年5月に策定致しました京都市都市計画マスタープランとの整合性を図りながら,タクシープールや観光バスプールなどの交通結節機能の向上や歩行者のたまり空間,広い歩道などの安全で快適な歩行者空間の創出につきまして引き続き検討を行っているところでございます。 次に財団法人民間都市開発推進機構所有地についてでございます。当該地は,平成10年3月に松下興産株式会社から本機構へ譲渡されており,本機構の土地保有年限である10年の間に民間活力による開発が求められておりますが,現在のところ民間事業者から具体的な相談はまだ受けておりません。いずれに致しましても今般都市再生緊急整備地域に指定されたことを契機と致しまして,この京都駅南地域を京都の顔にふさわしいまち,人の流れが南に広がるまちとして魅力あるものとするよう良好な民間開発事業の促進を図って参ります。その開発に際しましては,議員御指摘の良好な都市環境を確保するために国の地域整備方針や本市の都市計画マスタープランに基づき,近くに東寺があるという歴史的特性などの都市環境に配慮したものとなるよう誘導して参ります。 次に京都南部油小路通沿道地域における取組についてでございます。本市が指定を要望致しました当該地域は,油小路通等の交通基盤整備の進展によりまして沿道地域における開発機運が徐々に高まりつつあります。こうした状況を踏まえて,本市におきましては21世紀の本市の基幹産業となり得る先端分野の集積を図るため特別の企業立地促進助成制度を本年4月に創設したところでございます。また本年度内に作成することとしておりますプロモーションビデオにより南部創造の
まちづくりを国内外に積極的にPRすることとしております。更に議員御指摘のとおり,この地域が国の地域整備方針において新たな都市機能の集積により京都の都市活力を担う先導的な中核拠点を戦略的に形成する地区と位置付けられたことを契機と致しまして,良好な民間開発や企業立地を積極的に誘導促進して参る所存であります。とりわけ先に本市が発表致しました産業支援等複合施設につきましては,民間活力の導入を図るなど市民や経済界とのパートナーシップによりこの地にふさわしい施設整備を実現して参る考えですが,この産業支援等複合施設の整備をそのための大きな弾みとしたいと考えております。 最後に改良住宅等に居住する本市職員の家賃滞納問題についてであります。言うまでもなく市職員は,全体の奉仕者として使命感に徹し自らに厳しい道徳律を課さなければならない立場にあります。にもかかわらず自らの住宅家賃を滞納していることは断じて許されるものではなく,市民の信頼をも失わしめる公務員としてあるまじきことと認識しております。したがいまして,これまでからの各任命権者との連携を更に強化し,住宅の明渡しを求める法的措置を含め毅然とした姿勢で納入指導に全力を挙げて参ります。(発言する者あり)それでもなお指導に応じない者に対しては,これまでにない新たな措置を導入するなど,より一層厳しく対処して参ります。以上でございます。(発言する者あり)
○議長(
磯辺とし子) 西保健福祉局長。 〔西保健福祉局長登壇〕
◎保健福祉局長(西晴行) 不動産を活用して老後の生活資金の融資を受けるリバースモーゲージについてのお尋ねでございますが,この制度は,高齢者が住み慣れた住居でいつまでも安心して生活できるようにしていく方策として期待されております。このため国におきましては都道府県の社会福祉協議会を実施主体とし低所得者を対象とした制度の導入が予定されております。本市と致しましては,高齢者が更に増加し,その生活様式も多様化していく中で老後の暮らしを自らの意思や希望に基づき自由に設計していくために非常に有効な制度であり,議員御指摘のとおりこの制度が広く利用されるためには民間金融機関等での実施が不可欠であると考えております。このため京都府の動向に注視しつつ,狭小な住宅への適用も視野に入れた京都ならではの制度が構築できるよう金融機関をはじめとした関係機関と共に研究して参ります。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) 野島建設局長。 〔野島建設局長登壇〕
◎建設局長(野嶋久暉) 向日町上鳥羽線及び仮称でございますが第二久世橋の整備についてお答え致します。議員御指摘の路線でございますが,国道171号久世橋付近の著しい交通渋滞の解消と市南部地域の活性化を図るため国道171号から桂川東岸の吉祥院下鳥羽線に至る区間の整備を進めているところでございます。まず国道171号から大藪街道までの区間につきましては,現在街路築造工事を実施しており,今年度末の部分供用を目指し取り組んでおります。次に大藪街道から吉祥院下鳥羽線までの区間につきましては,用地買収に鋭意取り組んでいるところでありまして,そのうち桂川に架かります仮称第二久世橋の工事に今年度から着手致します。今後橋梁部と取付道路部との工事を並行して進めることにより工期短縮を図り,予定どおり平成19年度の完成に向け全力を挙げて取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) 門川教育長。 〔門川教育長登壇〕
◎教育長(門川大作) 新しい学校づくりの取組についてでありますが,双方向の信頼関係に基づく家庭,地域に開かれた特色ある学校づくりを進めることが重要であります。そのためまず何よりも教職員の意識改革と指導力の向上が不可欠であり,教育評価の改革についての全員研修など実践的な研修の充実に全力を傾注しております。また昨年度全国に先駆けて学校評議員を全校に設置するとともに,来年度には外部評価も含めた学校評価システムを導入し,家庭,地域の声を反映した学校づくりの一層の充実に努めて参ります。更に堀川高校の輝かしい実績に続き,エンタープライズ科の新設と中高一貫教育の導入を核とした西京高校改革に取り組むとともにスポーツ活動や道徳教育,読書活動,美化教育,情報教育,障害のある子供の教育の振興,更に不登校問題の克服など各種の教育課題に対処するプロジェクトを発足させ,開かれた市民的論議を進め実践を展開しており,今後とも市民とのパートナーシップの下,教育改革を推進して参ります。 次に優秀な教員の評価についてでありますが,御指摘のとおり本市の教育は子供たちへの限りない愛情を持ち熱意にあふれる実践を昼夜を問わず展開する多くの教員に支えられており,それらを適正に評価し努力に報いることは極めて重要であります。しかし,現行の給与制度は,そうした実践が反映されるものとはなっておらず,国でも論議されているところであり,それらの状況を見守りつつ関係機関とも協議して参りたいと考えております。そうした下で本市独自に実現できる措置として,本年度表彰制度を抜本的に改善し学校教育活動のあらゆる分野を対象として優秀な教員を顕彰する教育実践功績表彰制度を新たに設け,より一層教員の意欲を喚起し活力ある教育活動を推進していく考えであります。また市民や保護者の代表を選考委員に含め幅広く意見を求め,より公正かつ適正な選考に努めて参ります。以上でございます。
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○議長(
磯辺とし子) 暫時休憩致します。 〔午後3時18分休憩〕 〔午後3時42分再開〕
○議長(
磯辺とし子) 休憩前に引き続き,会議を行います。
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○議長(
磯辺とし子) 休憩前の一般質問を継続致します。 次に,市政一般について,せのお直樹議員に発言を許します。せのお議員。 〔せのお直樹議員登壇(拍手)〕
◆(せのお直樹議員) 日本共産党京都市会議員団を代表して質問致します。 まず最初は,市民の暮らしにかかわる国政問題と地方自治体の在り方,税金の使い方の基本について市長の見解を伺います。先行きの見えない深刻な不況の下で市民の暮らしは一層深刻になっています。30年以上も京都の伝統産業を支えてきた働き盛りの優秀なろうけつ染の職人が仕事を失い,高校生と同じ時給,10万円程度の月収で歯を食いしばって生活されています。長年勤めた会社をリストラされた方々が家族の顔を思い浮かべながら懸命に職安で仕事を探しておられます。来春卒業予定の高校生の就職内定は33.4パーセントと過去最悪,大学生も3人に1人以上就職先が決まらず青年の将来に暗い影を落としています。少ない年金で生活されているお年寄りの苦労は言うに及びません。ところが政府は,今年から来年にかけて医療費,雇用保険料,介護保険料の値上げ,年金の切下げなど社会保障の分野だけで総額3兆円を超える負担増計画を進めています。既に10月から高齢者の医療費の値上げが強行され,窓口負担が850円から1万円を超えるに至った例も出ています。介護保険料は,京都市では基準額で1,000円以上の引上げが必要との試算も出されました。これは全国の政令市でもトップの上げ幅です。年金が切り下げられたうえに医療費や介護保険料は上がる。これほどひどいお年寄りいじめがあるでしょうか。加えて配偶者特別控除や特定扶養控除の廃止縮小,赤字で苦しむ中小企業に重くのし掛かる法人事業税への外形標準課税の導入など庶民,中小企業増税が目白押しです。橋本内閣による消費税増税や医療費値上げによる9兆円の負担増は景気をどん底に突き落としました。小渕内閣では,景気の立て直しという名目で公共事業と大銀行へ巨額の税金が投入され,国と自治体の借金はこの5年間で200兆円も増えました。不況の下で国民に巨額の負担増を押し付ければ経済も財政も共倒れとなることは既に証明済みであります。小泉内閣になってからのこの1年間で見ると,京都市内の企業倒産は負債総額1,000万円以上で417件,完全失業率は9月で全国平均5.4パーセント,京都を含む近畿は7.6パーセントと大きく上回り最悪です。京都市の勤労者世帯の1箇月間の可処分所得は12.9パーセントも減り7万7,000円減っております。これほどまでに市民生活を悪化させた政府自民党,公明党の責任は重大であります。併せて不良債権の早期処理という方針の下で中小企業への貸し渋り,貸しはがし,金利の引上げなどが猛烈に進められました。返済の条件さえ変わらなければ続けられるのにと無念の涙を流しながら多くの企業,業者が倒産,廃業に追い込まれました。京都府下でも中小企業向け貸出しは1年間で2,250億円減り,5年前の63パーセントにまで落ち込んでいます。早期処理の号令の中,地元業者のために融資したくてもできない状況も広がっています。その結果,この1年間で全国で10兆円の不良債権が小泉内閣の方針どおり処理されましたが,新たに20兆円の不良債権が発生致しました。小泉首相は,不良債権処理を本格的に加速し,平成16年度には不良債権問題を終結させますと述べましたが,そんなことを進めれば大変なことになります。今月の共同通信社の世論調査でも,政府の総合デフレ対策について期待できるとは思えないとの回答が70.9パーセントに上っており,国民からも支持されていません。今一番求められていること,それは日本経済の6割を占める経済の主人公,国民の懐を直接応援する政策です。日本共産党は,社会保障の3兆円負担増の中止,国民や中小企業への増税はやめる,不良債権処理の名による中小企業つぶしの政策を転換する,無法なリストラをやめさせ失業者の生活を保障する,この4点を緊急に実施すべきと提案しています。国民生活の再建なくして日本経済の再建なしという立場での提案です。不況のさなかでの社会保障の改悪など巨額の国民負担増,不良債権処理の加速という方針は双方とも既に大失敗が証明済みの政策です。市長は,京都経済の立て直し,市民生活を守る立場から政府に対して根本から再検討するように求めるべきです。明確な答弁を求めます。 住民の暮らしを守るべき自治体の責任が今ほど問われているときはありません。京都市内高速道路計画は,自動車を市内に呼び込んで環境を悪化させ膨大な予算を伴うものです。8月に発表された政府の道路関係4公団民営化推進委員会の中間整理では,
計画どおりの交通量の伸びが見込めないことなどから建設中の油小路線も今までどおりでは建設できないことになります。今月15日に開かれた民営化推進委員会では,民営化した会社で造れない路線は国と地方で造れということですから,そんなことになれば京都市の負担は膨大なものになります。久世橋線,堀川線,西大路線については全く見通しがなく論外です。現在の負担率で計算しても新十条通と油小路線の二つだけで京都市は少なくとも329億円の負担になりますが,それが今後どんどん膨張するおそれがあります。正に無駄と財政破綻を進める無謀な大型公共事業であります。京都市は,この5年間で普通会計の借金を1,240億円増やして借金総額は1兆円を超えることになります。市民1人当たり69万円もの借金です。借金払の公債費は今年度892億円です。そのうえ政府の失政により不況が深刻化し,市税収入は減少。市長は,来年度は財源不足が730億円にもなると言って暮らしに必要な施設の建設も抑え込み,市民税減免制度の廃止,見直しなど市民への更なる痛みの押し付けを進めようとしておりますが,見直すべきは公共事業の無駄遣いではありませんか。日本共産党京都市会議員団は,大型公共事業の徹底した見直しと市民の暮らしに密着した事業への転換,暮らしと福祉を応援し京都経済を元気にすること,一切の無駄と浪費へメスを入れることなどの実行で住民本位の施策を進めながら市財政を再建することは十分に可能と考えます。市内高速道路計画についてはきっぱりと中止し,国民健康保険料や介護保険料の引上げなどの市民負担増は行わず,暮らしや福祉,教育など住民の願いを実現する方向に税金の使い方を切り替えるべきです。またお年寄りの医療費については,限度額を超えた分の市による立替払,委任払はやる気になればすぐにできることであり,早急に実施すべきです。答弁を求めます。 次に平和,外交問題についてです。イラクは,国連安全保障理事会決議が求める大量破壊兵器の査察を受け入れました。国連安保理が一方的な武力行使を認めない決議を全会一致で採択し,イラクが査察の受入れを決めたのは国際社会の努力の大きな成果です。日本共産党も独自にイラクを訪問し無条件に査察を受け入れるように求めるなど平和確保の努力を続けてきました。ところがアメリカのブッシュ政権は,今なお独自の判断で軍事行動に踏み切る可能性を否定していません。一方的な武力行使は,国連憲章を無視した先制攻撃であり今回の安保理決議にも反するものです。国際社会の努力によって戦争が避けられないものではなく,問題を国連の枠組みで平和的に解決できることが示されてきています。世界の歴史都市,この京都から戦争反対の意思を発信することは極めて大きな意味があります。市長は,アメリカの先制攻撃戦略にきっぱりとした反対の態度をとるべきです。答弁を求めます。 継続審議となった有事法案は,法案修正についての文書が政府与党から示されましたが,アメリカの戦争に日本が参戦し国民の権利と自由を奪う本質には何の変わりもありません。国民保護法制の輪郭も示されましたが,国民保護を名目にしながら罰則付きでの国民統制措置が盛り込まれています。有事法制の下では,自治体は財産も職員も軍事最優先で使用,動員されることになります。市バス,市立病院,会館,体育館,公園,水道など自治体の施設は自衛隊が優先して使用することになります。かつて小樽港に入港した米軍の航空母艦のために小樽市の水道局が夜間も含むフル稼働で水の供給作業をさせられたという例もあります。自治体の権限を根こそぎ奪うのが有事法制であり,戦争協力を無理やりさせられるものです。市長は,自治体の長として有事法制に反対すべきです。明確な答弁を求めます。 最後に北朝鮮との国交正常化交渉と拉致問題について触れておきます。(発言する者あり)これまで日朝間には国交はおろか交渉ルートもなく,日朝間の紛争問題については双方とも軍事的対応でこたえるという危険な状況が続いていました。日本共産党は,70年代初めの金日成に対する個人崇拝の押し付けや1980年代に起こされたラングーン事件,大韓航空機爆破事件などについても北朝鮮を厳しく批判してきました。しかし,そういった無法な国であり,両国間に様々な問題があるからこそ政府間の対話のルートを開き交渉によって解決すべきだと1999年の国会で建設的な提案を行いました。したがって今回の交渉の再開を強く支持するものです。日朝交渉の中で北朝鮮が拉致を認めたことは真相解明への一歩ですが,全面的な究明が必要であり,更に責任者の処罰,被害者への謝罪と補償などを今後の交渉の中で強く求めていくべきです。1988年の日本共産党議員の国会質問で,政府は初めて北朝鮮による拉致の疑いがあるとの見解を示しました。日本共産党は,その後も拉致問題解決への努力を積み重ねてきました。(発言する者あり)日本共産党があたかも拉致問題に対して無責任な態度を取ってきたかのように歴史の事実をゆがめて宣伝している政党がありますが,拉致問題という命にかかわる問題で国民誰もが心を痛めているとき,党利党略に利用することは断じて許されません。日朝関係が対立から協調へ転換することは,北東アジアの平和はもちろん世界の平和にとっても大きな意味を持っており,日本共産党はそのために引き続き全力を尽くすことを表明するものであります。(発言する者あり) 次に続発している本市の汚職事件とその根絶に向けた対策,決意を伺います。今年5月には元クリーンセンター所長が設計価格を業者に漏らした容疑で逮捕,起訴,8月には幹部職員が設計価格を教える見返りとして業者から海外旅行の接待を受けていた容疑で逮捕,9月には元営繕部担当部長が収賄で逮捕,起訴されました。この間,市職員の自殺,自殺未遂,5回にわたる市への家宅捜索と正に異常事態です。一連の事件での贈賄側の逮捕者4人は,京都市公認水道協会のトップ及び役員でした。水道協会は,上下水道局の管理者が連絡機関として特別に承認した団体です。同時に水道協会と一緒に水道局の委託事業を行っている京都市水道サービス協会もトップは同じで,サービス協会の仕事のほとんどが市の委託事業です。サービス協会は役員7名のうち3名が水道局職員,1名は嘱託の元水道局職員,残り3名は水道協会から来ています。平成13年度の水道局発注の工事契約実績では,逮捕,起訴された前会長の会社が1,153件2億4,600万円を超える仕事を受けており,指定業者の中でも群を抜いているなど業界団体と京都市の癒着の疑惑をマスコミも指摘しております。これらの事実は,一連の事件が単に職員のモラルに係る問題ではなく,京都市と業者の癒着の構造が生み出した事件であることを物語っています。この点での市長の見解を伺うものです。業界団体と一緒に運営しているサービス協会の在り方についても改めて検討すべきであり,オール京都市として疑惑の解明,抜本的な再発防止の手立てを採るべきです。市長の決意を伺います。 次に同和問題について質問します。本来,同和と名の付く行政施策は,法律の期限が切れる今年3月で終結するはずでした。既に地域間の格差は解消されています。ところが本市では一般施策への移行や激変緩和を口実に,事実上,地区住民だけを対象にした特別対策が続けられています。その中身づくりのための協議の場となっているのが部落解放同盟の企画推進委員会です。過去,数年間にわたって市の幹部職員と部落解放同盟の幹部とで行われているこの委員会は議事録も公開されておりません。部会ごとに今年度も計6回も開催され,10月29日には部落解放センターを会場にして本市職員が30名も参加する合同部会も行われています。本市には,市民の意見を聴く機会としての各種の審議会もありますが,それぞれの開催はせいぜい年1回程度です。障害者のためのモデル街づくり推進懇談会などは,この4年間でたった2回しか行われていません。その一方で特定の団体とは繰り返し繰り返し話合いが行われ,その内容すら明らかにされない。正に異常です。特別扱いの継続も目に余るものがあります。昭和50年から同和地区対象に実施してきた市立浴場の高齢者等入浴券,要するにただ券ですが,今も高齢者,障害者に月15枚も配られています。今年度も約3,000人分5,850万円の予算です。入浴料は,一般の公衆浴場は350円ですが,市立浴場は220円です。市立浴場運営財団の自主事業というものの京都市の補助事業であり,同和個人給付事業の継続以外の何ものでもありません。市立浴場運営財団は100パーセント市の出えん金で作られた財団です。年間6億6,500万円の予算が市から出されており,これは財団の収入の大半を占めています。京都市が看板を替えて同和特別事業の継続をしていると言わざるを得ません。ところが,このような看板だけを替えた同和特別事業が大幅に拡大されようとしています。部落解放同盟が進めるNPOネットからすまの動きです。NPOネットからすまの設立趣意書には,同和問題は心理面での課題や教育,福祉及び
まちづくりでの課題は法の期限切れ後も依然残されたままであるとし,人権を守る取組や京都における住民主体の
まちづくり事業に参与していきたいとしています。既に同和地区ごとの地域NPOが東三条,改進,崇仁で立ち上げられています。部落解放同盟の解放新聞京都市版には,NPOネットからすまを中心とした運動の展開でないと運動は生き残れない。21世紀型部落解放運動の担い手として生まれたのがネットからすまなんだとの幹部の発言を紹介しています。法期限後,同和行政は人権行政に,隣保館はコミュニティセンターに,同和行政の受皿は解放同盟が進めるNPO法人,看板だけ替わって実質は同じでは市民の理解は得られません。10月29日の企画推進委員会合同部会で,解放同盟幹部は何回となく合同部会を行う必要性が出てくるかもしれないと発言。これに対して京都市幹部が今後とも真摯に議論していく。法があろうがなかろうが一日も早い同和問題の解決に向け頑張っていきたいという決意を固めたと報じられています。事実とすればとんでもない話です。部落解放同盟の企画推進委員会への参加はきっぱりとやめ,新たな受皿づくりには一切協力しないなど同和行政の真の終結に向けた毅然とした態度を取るべきです。また,市立浴場でのただ券配付や激変緩和を口実とした同和奨学金の継続,今後28年間も続けることになる返済免除の自立促進援助金制度などの特別扱いは直ちにやめるべきです。市長の明確な答弁を求めます。 次に住民基本台帳ネットワークシステム,いわゆる住基ネットについて質問致します。住基ネットは,6自治体400万人が参加しないという異常なスタートとなりました。本市でも4,000世帯近くの市民がコード番号通知の受取りを拒否し,300人近くの市民が不服の申立てをされています。10月24日には小倉山を見つめる会,水と緑を守る連絡会,市民オンブズパースン委員会や自治体要求連絡会など七つの団体に所属されている方々が連名で住基ネットからの離脱を求める申入れを市長に提出されるなど運動も広がっています。ネット稼働後に東京都中野区は離脱しコンピューター端末も撤去致しました。その理由は,国などへの提供先に対する区の調査,報告権限がない,稼働の前提だった個人情報保護法に代わる安全策が講じられていない,国への個人データの提供方法の安全保護措置が明確でないなどです。いずれももっともな理由です。ほかにも離脱を検討している自治体もあります。市長は,9月議会で我が党の議員の質問に対し,住基ネットは市民の利便性の向上と行政の効率化を目指すもの。個人情報保護に万全を期すと答弁されていますが,市民の利便性の向上と行政の効率化に11桁の番号など不要です。ましてや全国ネット化する必要性は全くありません。将来的には11桁の番号一つですべての国民の生まれ育ちや行動の詳細までが1枚の薄っぺらいICカードに入力されて国家によって管理されるようになる。そしてその情報が漏れない保障は技術的にもない。正にプライバシーの消失であります。国民の要求から出発したのではなく,政府,財界の意向であり有事法制と軌を一にしたものと言えます。国民総背番号制につながる住基ネットについては,市は離脱し国に中止を求めるべきです。改めて市長の決断を求めます。 西京区での交通問題と市バスの在り方について質問します。西京区の洛西ニュータウンはまちが造られて25年。多くの住民は地下鉄が来ることを前提に移り住んでこられました。私は,4年前の5月議会で住民アンケートを基に公共交通優先の西京区での総合的な交通体系の在り方を提案しました。地下鉄のLRT新型路面電車での延伸,阪急の新駅とJRの新駅の設置,桂川の橋の増設や駐輪場の増設,循環バスの運行など市バスの充実がその柱でした。その後,LRTについても研究が始まり,阪急新駅は来年3月に設置され,JR新駅も検討されるなど前進し始めています。ところが市長は,交通事業ルネッサンスプランで,7年間で管理の受委託,民間委託を市バス全体の2分の1まで拡大する。まず不採算路線の比率の高い洛西営業所から始めると発表しました。交通局は,民間委託をコストが削減できる,市バスを守る唯一の道と説明していますが,詭弁としか言いようがありません。今までも市バスの経営改善として何度も計画が出され,その度に市民の足を守るためと繰り返し説明されてきましたが,実際には市バスの縮小,廃止,民営化を急速に進めるものでした。この6年間で1日の市バスの走行キロは2万4,800キロ,車両は135両,職員は655人も減らされています。1日乗客が12万5,000人も減ってしまうのは当たり前です。市バス破綻の道を意識的に突き進んできたのです。今度のルネッサンスプランもお客さんを増やすための積極的な策のない,今までの市バスリストラ路線の延長線上にすぎないものです。委託を受けた民間バス会社が独立宣言したらどうなるでしょう。京都市は拒否できません。そうなれば残るのは運転手がいない市バスの車両だけです。市バスが撤退し民間バスになればどうなるでしょう。赤字を出してまで民間バスは営業しません。路線も走る回数も大幅に減らされることになります。市民の足は確保されません。地下鉄開通と同時に市バスが撤退した醍醐,山科の例を見れば明らかです。西京区への地下鉄延伸の具体的な計画もないままに洛西営業所から市バスの民間委託,市バス崩壊への道を進めるのは二重の意味での住民への裏切りではありませんか。市長は,ルネッサンスプランを撤回し市バスを守るべきです。そして西京区での循環バスの運行など市民の足を守る積極的バス事業を展開すべきです。また地下鉄延伸については,早くて安くでき便利なLRT新型路面電車での実現を目指した具体的な検討を始めるべきです。答弁を求めます。 最後に民医連中央病院の問題について述べておきます。民医連中央病院の検査技師による虚偽報告は医療技術者として絶対に許せない行為です。日本共産党は,原因究明と再発防止策を行って患者の安全と医療に対する信頼回復に万全を尽くすよう求めてきました。この問題は検査技師の虚偽報告の事態を病院がつかみ,保健所に自ら指導を求めたことに始まります。虚偽の検査報告がされていた患者に対する内部調査を終えて,現在京都府と京都市の指導の下,原因究明委員会が設置され詳細の調査が進行中という段階です。原因究明と再発防止の取組のさなかに,いたずらに医療に対する市民の不安をあおり党利党略に利用することは許せません。(発言する者あり)自民党議員の質問の中で,民医連の診療所に共産党のポスターが張ってある,密接なつながりがあるといった発言がありましたが,(発言する者あり)より良い医療の実現を目指して要求で一致する団体や政党が力を合わせるのは当然のことではありませんか。政治活動の自由まで否定するつもりなのでしょうか。(発言する者あり)自民党は,国政では国民を医療機関から遠ざける医療改革を公明党の助けで強行しております。国民の命と健康にかかわる医療制度の重大な改悪を行ったことこそ猛省すべきではないでしょうか。以上で私の質問を終わります。(発言する者あり)(拍手)
○議長(
磯辺とし子) 桝本市長。 〔桝本市長登壇〕
◎市長(桝本頼兼) せのお直樹議員の御質問にお答え致します。 国の構造改革に関するお尋ねについてでございます。小泉内閣においては,日本経済再生のシナリオとして骨太の方針を基に構造改革を推進され,本年6月にはその第2段階の方針を発表し取組を進めておられるところであります。その内容は,第1に税制改革や地方行財政改革,社会保障制度改革などの着実な推進,第2に小さな政府を実現する歳出改革,第3に構造改革特区の創設など
経済活性化戦略の推進による景気回復であります。私どもと致しましては,こうした取組に強く期待しているところでありますが,とりわけ京都経済の回復や市民生活の安定を図るためには,当面日本経済の再生,総合デフレ対策に重点を置いた早期取組が必要であると考えており,こうしたことをあらゆる機会を捕らえて要望して参りたいと考えております。 次に予算編成についてのお尋ねでございます。本市では,市民の福祉を向上させるための身近な施設整備から京都発展に不可欠な都市基盤整備に至るまでバランスの取れた社会資本の整備に努めて参りました。とりわけ京都高速道路は,慢性的な交通渋滞の解消と社会経済活動の活性化を促すものであり,21世紀における本市の発展と豊かな市民生活の実現にとって是非とも必要な都市基盤施設であると考えております。また福祉,教育については,今年度ファミリーサポート事業の繰上げ実施や全国初の総合制,地域制養護学校の整備など,財政非常事態の下ではありますが限られた予算を重点的に配分し,その充実に努めたところでございます。なお国民健康保険料,介護保険料につきましては,保険という制度を用いて自助,公助,共助のバランスを保ちながら市民に対する社会保障の構築をしていくものであり,一定の御負担はやむを得ないものと考えておりますが,過重な負担を招くことのないよう本市独自に軽減策を講じてきたところでございます。御案内のとおりでございます。 以下,副市長,公営企業管理者,上下水道事業管理者及び局長が御答弁申し上げます。
○議長(
磯辺とし子) 高木副市長。 〔高木副市長登壇〕
◎副市長(高木壽一) 2点お答え申し上げます。まずイラクを巡る情勢でございますが,イラクの大量破壊兵器の保有開発疑惑は,我が国を含む国際社会全体に対する深刻な脅威であると受け止めております。去る11月8日には国連安全保障理事会において大量破壊兵器の査察受入れ問題について対イラク決議が採択され,日本政府はその履行を強く求めてきたところでございますが,この度イラク政府が無条件受諾を表明するなど進展が見られたところであります。私どもと致しましては,今後とも平和的解決が図られるよう期待致しております。 次にいわゆる有事法制3法案につきましては,近畿市長会の提案に基づき,全国市長会から国と地方の役割分担や地方自治体にかかわりのある事項の明確化並びに国会における十分な審議等について要望を行ったところであります。その後,政府においてこの間の国会審議で課題となりました避難に関する措置や被災者の救助など国民の保護のための法制について種々検討が加えられ,去る11月11日の衆議院有事法制特別委員会に法制の輪郭が提出されたところであります。今後におきましても,国民の生命,身体及び財産を守る観点から先の市長会の要望を踏まえ更に十分な審議が尽くされるべきものと考えております。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) 河内副市長。 〔河内副市長登壇〕
◎副市長(河内隆) 私からは二つの御質問にお答え致します。まず本市公共工事を巡る不祥事への対策についてでございます。去る10月1日には東部クリーンセンター事件対策委員会としての中間報告を発表したところでございます。現在,同委員会の中に設置しました対策プロジェクトチームを中心に事件の発生を単に個人に起因する問題としてのみ捕らえるのではなく,事務の進め方や執行体制等に問題はなかったかという点にまで踏み込んで調査を進めているところでございます。先ほど市長が御答弁申し上げましたとおり,今後二度とこのような不祥事及び不幸な犠牲を出すことのないよう再発防止に向けて万全を期すとともに,市政に対する市民の皆様の信頼の回復に努めて参ります。 次に地下鉄東西線の西伸についてでございます。地下鉄東西線の天神川以西への延伸につきましては,天神川以西における道路網整備の進捗状況や京大桂キャンパスをはじめとする周辺の施設の整備状況,更には大変厳しい交通事業の経営状況や本市の財政状況を十分勘案したうえでどのような整備手法が望ましいのか詳細な検討を行う必要があると考えております。なおLRTすなわち次世代型路面電車につきましては,環境にも優しく経済性にも優れた公共交通システムとして注目しておりますものの,専用軌道を確保するために既存の道路における自動車交通を制限する問題や事業主体の問題,更には需要量や採算性の確保など解決すべき課題が数多くあるため現在本市におけるLRT等の新しい公共交通の在り方につきまして調査検討を進めているところでございます。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) 杉原文化市民局長。 〔杉原文化市民局長登壇〕
◎文化市民局長(杉原和彦) 同和行政の終結に関する御質問についてお答え致します。本市におきましては,特別施策としての同和対策事業は平成13年度末をもって終結し,平成14年度以降は教育や市民意識の問題など同和問題を解決していくうえで残された課題について一般施策による取組を進めております。本市では,市政の運営に当たってはこれまでから市民とのパートナーシップを基本に進めており,企画推進委員会との懇談もこの方針に基づく意見交換等の場として必要に応じて行っているものでございます。また京都市基本計画に掲げられた市政の重要課題の一つである人権文化の構築に向けた取組を推進していくに当たっては,特定非営利活動法人などの民間団体との連携や協力も必要なことであると認識致しております。 次に個人給付事業の御質問についてでございます。進路支援事業につきましては,同和問題を解決していくうえで残された課題の一つである教育の重要性にかんがみ,これまでの取組の成果を損なうことのないよう地域改善対策就学奨励金制度の所得基準,貸与限度額を大幅に見直したうえで5年間に限っての経過措置を設けたところでございます。今後,段階的に一般施策としての日本育英会制度への円滑な移行を目指して取り組んで参ります。また市立浴場の高齢者等入浴助成事業は,京都市立浴場運営財団の独自事業として実施されているものであり,現在その見直しに向けて検討が行われているところでございます。 次に住民基本台帳ネットワークシステムについてお答え致します。本年8月5日改正住民基本台帳法の施行に伴い,本市におきましても全国3,200余りの自治体と共にシステムの運用を開始したところであります。本システムは,個人情報保護につきまして制度面,運用面,技術面において十分措置されており,加えて本市におきましても個人情報保護には十分留意しているところであります。また本市と致しましては,法令を遵守する義務があり本システムから離脱することは考えておりません。今後ともより一層の個人情報保護が図られるよう個人情報保護法の早期成立を国へ要望して参りますとともに,併せて市民の皆様に制度について御理解いただけるよう周知に努めて参ります。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) 西保健福祉局長。 〔西保健福祉局長登壇〕
◎保健福祉局長(西晴行) 高額療養費の支給手続についてでございますが,本年10月から70歳以上の高齢者の外来分につきましては,完全定率負担となったことにより窓口で自己負担額の全額をいったんお支払いいただき,その額が支払限度額を超えた場合には後で払戻しを受ける償還払の手続を行っていただくことになりました。受領委任払制度の導入につきましては,高齢者自身に受診内容に対する費用を御理解いただくという制度の趣旨を損なうおそれがあることから実施は困難であります。また窓口負担が比較的少額な一般の外来診療には実施の必要性が小さいと認識致しております。なお償還払の手続に当たりましては,該当される方へ申請を勧奨することや代理申請を認めることなどの配慮を行って参ります。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) 江草公営企業管理者。 〔江草公営企業管理者登壇〕
◎公営企業管理者(江草哲史) 京都市交通事業ルネッサンスプランについてお答え致します。この計画は,規制緩和による本格的な自由競争時代を迎え本市交通事業が危機的な財政状況にある中で公営交通を堅持し将来にわたって京都市民の足を守るために策定したものであります。ルネッサンスプランの大きな柱の一つであります管理の受委託の拡大につきましては,京都市が路線の確保,運賃の決定などに全責任を負いながら徹底した低コストでの市バスの運行を可能にする最も有効な方策であり,議員が御指摘のような市バスが撤退し民営化に道を開くものではございません。今後とも全職員が一丸となって147万人の京都市民の皆様に愛され信頼される市バス,地下鉄となるようそのネットワークの積極的な活用やお客様サービスの向上に努め,本市交通事業の健全化に全力で取り組んで参ります。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) 吉村公営企業管理者。 〔吉村公営企業管理者登壇〕
◎公営企業管理者(吉村憲次) 社団法人京都市公認水道協会及び財団法人京都市水道サービス協会とのかかわりについてお答え致します。水道サービス協会は,昭和48年4月に公認水道協会の協力部を前身として本市及び公認水道協会からの出資により設立され,以降,水道サービス協会の一部役員につきましては,公認水道協会から選任されることとなったものであります。なお今回の不祥事の関係者につきましては,公認水道協会の役職を辞任し水道サービス協会の役職については解任されております。また水道サービス協会につきましては,平成13年度の下水道包括外部監査報告書での監査意見に水道サービス協会の財務諸表の公開など本市の公的関与に努めるよう指摘もあり,今後本市の出資率を高めることにより水道サービス協会への指導,監督を強め,市民の皆様にも分かりやすい体制づくりに努めて参ります。以上でございます。
○議長(
磯辺とし子) せのお議員。 〔せのお直樹議員登壇(拍手)〕
◆(せのお直樹議員) 市長の答弁の中で,小泉構造改革の再生のシナリオに強く期待するという発言がありましたが,市長,昨日市役所前に多くの労働者の方々などが集まって座り込みをされていたのは御存じでしょうか。府庁前でもその取組をされました。その中には建築関係の方もたくさんいらっしゃいました。今ほとんど全く仕事がなくて,晴れの仕事日和の日でも家におらざるを得ないという人が非常に増えているのです。そういう現実を私たちは多くの方々との対話を通して痛いほど身にしみているから,今の小泉構造改革の路線については,既に失敗が証明済みのものであると指摘して市長にはっきりと国に物を言えと言っているわけであります。この点でも極めて不十分な答弁であったということを指摘して,私の質問を終わります。(拍手)
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○議長(
磯辺とし子) 本日は,これをもって散会致します。 〔午後4時31分散会〕
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磯辺とし子 署名議員 大西 均 同 谷口弘昌
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厚生委員会報告書・
議案付託表
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普通予算特別委員・
普通決算特別委員...