熊本市議会 2018-03-12
平成30年第 1回定例会−03月12日-07号
平成30年第 1回定例会−03月12日-07号平成30年第 1回定例会
平成30年3月12日(月曜)
┌─────────────────────────────────────┐
│ 議 事 日 程 第7号 │
│ 平成30年3月12日(月曜)午前10時開議 │
│ 第 1
一般質問 │
│ 第 2 発議第1号
熊本市議会会議規則の一部改正について │
└─────────────────────────────────────┘
午前10時00分 開議
○
澤田昌作 議長 ただいまより本日の会議を開きます。
────────────────────────────
○
澤田昌作 議長 日程第1「
一般質問」を行います。
大塚信弥議員の発言を許します。
大塚信弥議員。
〔4番
大塚信弥議員 登壇 拍手〕
◆
大塚信弥 議員 おはようございます。市民連合の
大塚信弥でございます。
今回、私自身3度目となる
一般質問での登壇となります。質問の機会を与えてくださいました先輩・同僚議員の皆様、感謝申し上げます。また、朝早くから傍聴にお越しいただいた皆様、インターネットで中継をお聞きの皆様、年度末の
大変お忙しい中、まことにありがとうございます。
今回の定例会での
一般質問の最後、
代表質問から数えて11番目の質問者でございますので、
質問内容が重複しているものもございます。できる限り切り口を変えて質問に臨みたいと思いますが、重複する部分は、それだけ多くの議員が
問題意識として捉えている重要な問題だと、温かい目で見守っていただけたらと思いますので、どうぞ御容赦いただきますようお願いいたします。
それでは、通告に従い、早速質問に入らせていただきます。
初めに、
大西市長の市政へのお考えをお尋ねいたします。
これまでの質問で、
マニフェストの
達成状況等はお答えになられましたので、私からは少し角度を変えてお尋ねしたいと思います。
本年1月1日、
熊本地震からの
創造的復興の数々の
取り組みや
まちづくりの機運を「まちの理想」につなげたいとの思いから、
熊本経済同友会と
熊本商工会議所が中心になって、熊本市
中心市街地の
まちづくりの
長期ビジョンの要点を
社会的提案として策定された「熊本市
中心市街地グランドデザイン2050」の構想が発表されました。
その目指すところとして、熊本市
中心市街地は、世界に誇る熊本城を初めとする、地域の歴史、文化、自然の魅力を生かすとともに、若い世代が生き生きと活動する未来標準の生活基盤を整えることで、国内はもとより世界からも注目され親しまれる多文化交流の都市、「世界に拓く
城下町都市」となることとなされています。
生かすべき地域の強みや、対策すべき地域の弱みなど、詳細に分析されており、2050年に向けた中長期的な5つの
戦略目標と、15の主要施策も描かれております。
熊本城周辺整備についても、熊本城の入園料のあり方や
サービス内容の検討、また
藤崎台野球場の移転についての考察など、これまで議会でも議論されてきた内容や、
大西市長の掲げられた
マニフェストにも当てはまる内容も見受けられました。
また、
都市圏交通網の強化や、私もこれまで問題視し、過去の
一般質問で取り上げさせていただきました若者の
人口流出と定住環境の対策など、熊本の経済界を担う方々の鋭い視点で提案がなされております。
熊本地震からの復興はもちろんのこと、これから本市は、桜町再開発や熊本駅
周辺事業、また
女子ハンドボール世界選手権、
ラグビーワールドカップの開催等々、大変重要な時期に差しかかります。
以上のことを踏まえ、この「熊本市
中心市街地グランドデザイン2050」についての
大西市長の御見解と、あわせて、今後
熊本経済界に期待することをお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 現在本市におきましては、市民力・地域力・行政力を結集し、一日も早い
熊本地震からの復旧・復興に取り組んでいるところでございます。
このような中、
熊本商工会議所、
熊本経済同友会がみずから、復興の先を見据えて
中心市街地の将来像を示した「熊本市
中心市街地グランドデザイン2050」を取りまとめられたことに対しましては、まずは心から敬意を表したいと思います。
この提言は、
熊本地震を契機とし、熊本市、特に
中心市街地の現状分析と課題を踏まえ、30年後の目指すべき都市像とその実現に向けた中長期的な方向が示されているところでございまして、経済界としましては、今後、県、市などと連携協議しながら、具体的な施策へとつなげていきたいと考えられているところです。
本市といたしましては、今後、幅広く市民の皆様の御意見なども拝聴しながら、この
グランドデザインを本市の
まちづくりにどう生かしていくのか検討していきたいと考えております。
私としましては、新しい
熊本づくりにおいては、市民・事業者・行政がそれぞれ役割を認識した上で持てる力を最大限に発揮するとともに、互いに連携・協力して取り組んでいくことが重要であると考えております。
そこで経済界の皆様には、その主役の1人として、
社会情勢の変化やさまざまなニーズをみずから把握しながら、被災した熊本の復興を牽引していただくとともに、魅力と活力に満ちた熊本の実現に向け、地域に活力を与える
担い手育成や生産性の向上などに力を発揮していただくことを期待しております。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
大西市長は、130項目にも及ぶ
マニフェストを掲げ
熊本市長に当選され、第32代
熊本市長として、全国で20番目となる
政令指定都市である本市のかじ取りをなされてきました。市民の皆様との対話を一番重要とされ、
マニフェストの中でも特に要望の高かった小中学校への
エアコン設置や、11年ぶりに復活した江津湖での花火大会の開催など、就任1年目から精力的に取り組んでこられました。
就任2年目にまさかの
熊本地震が起こりました。地震直後の混乱の際に、SNSを活用した情報発信と収集などを行われ、各方面から高い評価を受けられました。その後、復旧・復興へ向け全力で市政運営に臨んでおられます。
本来であるならば、4年間という任期を使い、今まさにラストスパートをかけ、
マニフェストの
達成状況や今後やり残した課題の検証など精査される時期にあると思いますが、
熊本地震という予期せぬ惨禍に見舞われ、本来の思いとは違った形で現在を迎えられていることと拝察いたします。残りの任期におかれましても、これからの熊本をつくる大変重要な時期でございますので、変わらぬ御活躍を御期待申し上げ、次の質問に移ります。
続きまして、本市における
認知症サポーターについてお尋ねいたします。
少子高齢化の進む日本において、
認知症対策は喫緊の課題であることは皆様御承知のとおりです。認知症の人は高齢化の進展によりさらに増加する見込みで、2012年に462万人、対
高齢者人口で7人に1人であったその数が、団塊の世代が
後期高齢者になる2025年にはその数は約700万人、対
高齢者人口では実に5人に1人に上ると見られています。
認知症の人を単に支えられる側と考えるのではなく、認知症の人が認知症とともに、よりよく生きていくことができるような環境整備が必要です。認知症の人の意思が尊重され、できる限り住みなれた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けることができる社会の実現を目指し、国では新
オレンジプランが策定されました。
ここで、認知症について少しお話しいたしますと、よく
アルツハイマーと混同されがちですが、認知症は症状で、
アルツハイマーは病名です。認知症は大きく4つに分類され、全体の50%ほどを占めるのが
アルツハイマー型認知症です。海馬を中心に脳の委縮があり、
短期記憶力が低下いたします。次に多いと言われるのがレビー小
体型認知症で、レビー小体というたんぱく質が出現し、
脳神経細胞が減少します。これにより幻影を見るようになります。認知症の約70%がこの2つの症状であると言われています。
あと2つも紹介いたしますと、
脳血管障害により脳が部分的にダメージを受ける
脳血管性認知症、そして前頭葉・側頭葉の委縮が出現し、自発性・社会性が低下する
前頭側頭葉変性症となります。
大切なのは、認知症はその症状によって対応が違ってくるということです。
アルツハイマー型認知症は、先ほども述べましたように
短期記憶が低下するのですが、長期記憶は残っています。それを生かして音楽療法などに参加し、脳の
上書き頻度を上げることが重要になります。また、レビー小
体型認知症は、幻視を訴えられたら話を合わせて安心させてあげることが必要になります。
このように、認知症に対して正しく理解し、偏見を持たない、そして地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携のネットワークをつくることが重要になります。そのため
厚生労働省は、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域での認知症の人やその家族に対して、できる範囲で手助けをする
認知症サポーターを、2020年度末において1,200万人を目標値として養成するとしています。
そこで、次の3点をお尋ねいたします。
まず1点目。本市における過去3年間の
認知症サポーター養成講座の開催実績と
サポーター数の推移はどうなっているのでしょうか。また、その数は他の
政令指定都市と比較するとどの位置にあるのでしょうか。
続いて2点目。国は
認知症サポーターの目標値を2020年度末において1,200万人としていますが、熊本市においては今後どのような目標値を設定していくのでしょうか。
最後に3点目。新
オレンジプランにもありますように、
若年性認知症の人の
居場所づくりについて、今後どのように行っていくのでしょうか。
以上、
健康福祉局長へお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎
池田泰紀 健康福祉局長 認知症サポーター制度に関する3点の御質問に順次お答え申し上げます。
まず、1点目の
認知症サポーターの
養成状況でございますが、本市の過去3年間の
認知症サポーターの
養成講座の開催回数及び
養成者数につきましては、平成26年度は254回、1万185人、平成27年度は257回、1万751人、そして平成28年度につきましては
熊本地震の影響もありましたことから、198回、8,029人と推移をし、平成28年度末において6万4,885人となっております。この結果、総人口に占めます
認知症サポーターの割合は8.8%と、本市を除きます19
政令指定都市の平均4.8%を上回り、20市中1位という状況でございます。
次に、2点目の
認知症サポーターの
養成者数に関する目標でございますが、第7期熊本市
高齢者保健福祉計画・
介護保険事業計画におきましては、これまでの
養成実績を踏まえまして、2020年度末で約10万人としたところでございます。
最後に、3点目の
若年性認知症の方の
居場所づくりといたしましては、県と共同で設置をしております
認知症コールセンターに
若年性認知症支援コーディネーターを配置し、
若年性認知症の集いを毎月開催いたしますほか、事業所への就労支援や
介護保険・
障害福祉サービスへつなぐなどの支援を行っているところでございます。
また、
社会福祉法人や
介護サービス事業所等が開設いたします市内約30カ所の
認知症カフェにおきましても、
若年性認知症を含めた本人や家族の相談などに対応しているところでございます。
今後も引き続き、
若年性認知症の方の
居場所づくりを含め、認知症に関する正しい理解に向けた周知活動や必要な支援を継続することによりまして、認知症の方とその家族が地域で安心して暮らせる
まちづくりを推進してまいります。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
本市における
認知症サポーター数は、
政令指定都市中堂々の第1位だということでした。また、目標値については、2020年度末までに約10万人を目指すとのことです。
民間企業においては、社員そろって
養成講座を受けたところもあると聞きます。
認知症サポーターを示す
オレンジ色のブレスレットを身につけた本市職員の方々もよく目にします。これまでに
認知症サポーターに対する周知や
養成講座等を取り組んでこられた成果だと思います。
兵庫県では、2018年度、認知症の人が安心して買い物ができる商店街や
ショッピングセンターを「阪神北・
認知症サポート商店街(仮称)」に認定する事業を始めるとしています。
認知症サポート商店街になる要件は、加盟店舖の
従業員向けに
認知症サポーター養成講座を開き、
認知症サポーターがいます、認知症になっても安心して買い物ができる商店街をみんなで目指していますと記されているタペストリーを掲げるそうです。
また、
認知症カフェについては、全国的に参加者が集まらなかったりスタッフが不足していたりと、悩みを抱える運営者は少なくないと聞きます。沖縄県では、認知症になっても住みなれた地域で暮らせる社会をつくるためには、福祉に携わる若者の育成が重要だ、学生にとって認知症への理解や知識を深める機会になるとして、沖縄国際大学と連携し、若者の育成と
認知症ケアの両方を兼ね備えた
取り組みも進んでいます。
このように、他都市での先進事例などを参考にしながら、今後も
養成講座の開催などにより、目標値である10万人を目指し、認知症の人やその御家族が安心して暮らせる
まちづくりを目指して積極的に取り組んでいってほしいと思います。
それでは、続きまして、本市における
終末期ケアについてお尋ねいたします。
少子高齢化について語るときに必ずと言っていいほど出てくるキーワードの1つに、2025年問題があります。
団塊世代が75歳以上の
後期高齢者になる年のことですが、最近では、さらに先の日本の将来を危惧する文献や論文が数多く出てきています。私も幾つか読んでみましたが、その中で、特に地方自治体が今後解決していかなくてはならない問題を年表形式で記された河合雅司氏の著書「未来の年表
人口減少日本でこれから起きること」から、その一例を御紹介いたします。
2040年、
団塊ジュニア世代が65歳以上となり、大量退職で
後継者不足が深刻化する。2050年には
団塊ジュニア世代が75歳以上となり、
社会保障制度の破綻懸念が強まる。2053年、総人口が1億人を割り込む。2055年、4人に1人が75歳以上となる、といった事例が紹介されています。
言うまでもなく、本市においても
少子高齢化は深刻な問題であります。ここで熊本市
人口ビジョンを見てみますと、本市におきましても
少子高齢化の影響は大きく、2025年には
本市人口の予測値は73万500人、65歳以上の
人口予測値は20万7,500人に上り、人口の約28%。そのうち特に75歳以上の人口は、11万7,650人となります。
団塊ジュニア世代が65歳以上になる2040年には、熊本市の総人口は減少し、約68万5,000人で、そのうち65歳以上の人口は約22万8,400人となり、人口の約33%。
団塊ジュニア世代が75歳以上になる2050年には、熊本市の人口は約64万2,100人と、2040年から4万人強減少いたします。そのうち65歳以上の人口は約22万8,700人で、およそ人口の35%にも上ります。
御存じのように、高齢化の要因の1つは
平均寿命が延びたということです。
平均寿命が延びた背景はさまざまあると思いますが、医療の進歩によるものが大きな要因でしょう。しかし、どれほど医療が発達しても、人間を不老不死にすることはできません。先ほど述べました
人口ビジョンに照らし合わせますと、特に人口の多かった
団塊世代、
団塊ジュニア世代が
平均寿命を迎える年には、いわゆる
多死社会の到来と言うことができるかもしれません。
そこで、熊本市における
平均寿命の推移をお尋ねいたします。
次に、熊本市において
死亡者数の推移、あわせて、
死亡場所の統計も教えてください。
以上2点を
健康福祉局長へお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎
池田泰紀 健康福祉局長 終末ケアに関する2点のお尋ねに順次お答え申し上げます。
まず、本市における
平均寿命の推移につきましては、国の
市区町村別生命表によりますと、平成2年には男性76.9歳、女性83.5歳でありましたものが、平成22年には男性80.9歳、女性87.1歳となっており、20年間で男性が4歳、女性が3.6歳延びております。
次に、死亡数の推移につきましては、国の
人口動態統計によりますと、平成17年には4,881人でありましたものが、平成27年には6,767人となっており、10年間で1,886人、約39%ふえております。
また、平成27年の
死亡場所につきましては、死亡数のうち約87%が病院、診療所、
老人ホーム等の施設内であり、残りの約13%は自宅等の施設外でございます。特に病院、診療所での死亡が最も多く、全体の約8割を占めております。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
今御答弁いただきました平成22年のデータでは、男性80.9歳、女性87.1歳ということでございました。先ほど述べました熊本市
人口ビジョンからすると、つまり、2025年が
団塊世代が75歳以上になる年でしたので、熊本市はその5年後の2030年に
団塊世代の男性が
平均寿命の年になり、2037年に
団塊世代の女性が
平均寿命を迎えるということがわかりました。
また、平成17年の熊本市における
死亡者数と平成27年の
死亡者数を比較すると、ここ10年で、1年間に亡くなる人が1,886人も増加していることがわかりました。
まさしく
少子高齢化の文字どおり、人口は減少するが、
平均寿命の延びなどにより高齢者は増加する。そして年間の
死亡者数の統計も増加している。その死亡先で一番多いのは病院であり、この先も病院で亡くなる人が一番多いというのは変わりそうにないということがおわかりいただけたと思います。
長々と数字を述べましたが、何を申し上げたかったのかというと、今後
多死社会を迎えるに当たって、限られた数の医師や
医療機関だけを頼るというのは、このままいけばそう遠くないうちに必ず限界を迎えるということです。つまり、
在宅医療や在宅で最期をみとれる体制を構築する必要があるのではないかということです。
厚生労働省は、
終末期医療に関し、治療方針の決定手順などを定めた国のガイドラインを改定する方針を決めました。現在は主に病院を念頭に置いているため、自宅や施設でのみとりに活用できるようにとのことです。また、患者みずからが最期の過ごし方を周囲と話し合い意思決定できるように、医師らが支援することの重要性も盛り込むとしています。
そこでお尋ねいたします。
在宅医療を希望する
市民意識調査は行われているのでしょうか。行われていれば、
在宅医療を希望する市民の割合を教えてください。
次に、
在宅医療について学ぶ
市民講座などが開催されていれば、その現状をお示しください。
最後に、これからの
高齢化社会において、先ほどから述べておりますように、
在宅医療についてはその必要性が増加していく可能性が大きいと考えます。
在宅医療を支える
人材育成についてどのようにお考えか、所見をお尋ねいたします。
以上3点を
健康福祉局長にお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎
池田泰紀 健康福祉局長 在宅医療に関します3点のお尋ねに順次お答え申し上げます。
まず、1点目の
在宅医療に関する
市政アンケートにつきましては、平成27年度に実施しております。その結果、例えば、みずからが脳卒中の後遺症が原因で身の回りの手助けが必要となった場合、主にどこで過ごしたいですかの問いには、自宅で過ごしたいと回答した人が最も多く、43.9%。次いで、介護施設、病院の順でございます。また、治る見込みがなく、死期が迫ったときである人生の最期の場面を過ごしたい場所といたしましては、自宅と回答した人が最も多く、42.5%でございます。
次に、2点目の
在宅医療について市民が学ぶ機会といたしましては、
出前講座として「
在宅医療って知っていますか」や、熊本市
版エンディングノートでございます
メッセージノートの普及啓発を進める「あなたが望む人生の最終段階の医療とは」を実施しており、今年度は2月末でそれぞれ8件、246名と、44件、1,346名の方の受講をいただきました。また、市民が
在宅医療に関する理解を深める
市民講演会も、平成25年度より毎年開催いたしております。
最後に、3点目の
在宅医療を支える
人材育成につきましては、
在宅医療と介護にかかわる多くの専門職の顔の見える
関係づくりを支援するための多
職種連携研修会の開催や、市内各地で先進的な
取り組みを行っておりますグループの
活動状況を共有するための
在宅ケア多
職種連携活動発表会の開催に取り組んでおります。
今後とも在宅での療養を希望する方々が安心して生活を送ることができるよう、
在宅医療の提供体制の充実に努めてまいります。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
市政アンケートを実施し、その結果、身の回りの手助けが必要になった場合、自宅で過ごしたいと回答した人が最も多く、また、治る見込みがなく死期が迫ったときに過ごしたい場所も自宅が最も多かったとのことでした。今後いかに
在宅医療が重要になってくるか、よくおわかりになったと思います。
今後、
在宅医療を支える人材の育成を初め、
在宅医療提供体制の充実に、より一層取り組んでもらいたいと思います。
また、熊本市
版エンディングノートである
メッセージノートについては、私も
出前講座に参加させていただきました。参加された皆様からは大変評判がよく、私自身もその重要性を再認識させられました。
講座の中で、認知症のお母さんを介護している娘さんの事例の紹介があり、自分の意思を伝えることなく、本人にかわって家族が選択を迫られる事例となったとき、家族のためにも自分の考えを常
日ごろ周囲に話したり、書き残しておくことの大切さを学びました。無料で配布されておりますので、ぜひ皆様も一度手にとっていただけたらと思います。
それでは、
終末期ケアについての最後の項目です。
本格的少子高齢化を迎えるに当たって、
ひとり暮らし世帯の増加も懸念されています。
国立社会保障・
人口問題研究所の発表した日本の世帯数の将来推計によりますと、22年後の2040年に全世帯の39.3%が
ひとり暮らしになるとしており、世帯主が65歳以上の高齢者の割合も大幅にふえ、2040年の
ひとり暮らし世帯の44.2%にまで上る見込みとされています。
この高齢者の
ひとり暮らしの世帯の増加が生み出すもう1つの大きな社会問題が、無縁遺骨の増大です。
子供がおらず頼れる親戚もいないという
ひとり暮らしの高齢者もおられることと思います。また、火葬費用の負担が捻出できず、かといって親類関係も希薄であったりと、亡くなれば残された親族が引き取り弔うといったことは、もはや常識とも言えない社会になろうとしています。
火葬を担う人がいない場合は、「
墓地埋葬法」などによって、死亡した場所の
市区町村長が火葬し、遺骨もその自治体が引き取ります。先ほど御紹介した河合氏の著書によれば、
ひとり暮らしの高齢者の増加により、納骨堂が満杯になる自治体が今後多数出てくるだろうとしています。また、少子化により、お墓を受け継ぐ子孫がいないといった事例もふえてきていると言います。管理する人が不在の、いわゆる無縁墓の増大も懸念されています。
このように、先ほどから御紹介しているように、医療分野のみならず自分の最期について考える、いわゆる終活が盛んになっていることは、皆様御承知のとおりです。特に、孤立していると感じる高齢者世帯がふえることにより、誰にも相談することができず、ただひたすら自分の没後にも不安を抱き、生きるのが怖いと感じる人たちも出てきています。
そのような中、先進的な
取り組みを行う自治体も出てきています。例えば横須賀市では、エンディングプラン・サポート事業を開始されました。どのような葬儀にしたいのか、どこに埋葬されるのか、財産の処分はどうするのかなど、葬儀、納骨、死亡届人といった終活課題について、生前にあらかじめ解決を図るというものです。
対象者は、
ひとり暮らしで身寄りがなく、蓄えがない高齢者としています。収入や資産がある場合は、弁護士や司法書士を紹介するということです。この
取り組みには、ウイン・バイ・フォーのメリットがあるとされ、1、本人のメリット。身寄りがなく経済的なゆとりがなくても、みずからの意思を実現可能である。過剰な費用負担がなく、余剰金は現在の生活に利用可能。また、安心の確保。2、市のメリットとして、無縁仏の減少、葬祭費の支出の減少、市民の不安の減少。3、地域市民のメリット。身寄りのない人が亡くなった後のさまざまな負担の減少。4、葬儀業者のメリット。新たなサービスの提供。となされています。
そこで、次の5点をお尋ねいたします。
まず、熊本市では、65歳以上の単身世帯の割合はどのようになっているのでしょうか。最新の数値と、2040年までの推移もわかればお示しください。
次に、そのうち、
ひとり暮らし高齢者単身世帯の生活保護受給者の割合はどのようになっているのでしょうか。
そして3点目。引き取り手のない御遺体は、年間どのくらいあるのでしょうか。過去5年間の数値をお示しください。
そして4点目。
熊本地震により、各霊園では墓石の倒壊も多く見られました。熊本市営の墓地においても、いわゆる無縁墓になっており、いまだに倒壊したままのお墓があるのではないかと思いますが、市営墓地の現状について、
熊本地震からの復旧状態も含めお尋ねいたします。
そして5点目。今後熊本市においても、先ほど御紹介した横須賀市での事例のような終活についての
取り組みを行っていくのか、どのようにお考えでしょうか。その御所見をお尋ねいたします。
以上、1点目から4点目までを
健康福祉局長へ、5点目を
大西市長へお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎
池田泰紀 健康福祉局長 まず私の方からは、終活支援に関する4点のお尋ねに順次お答え申し上げます。
まず1点目の、本市における65歳以上の単身世帯の割合につきましては、平成27年国勢調査によりますと、一般世帯31万4,740世帯に対し、3万4,279世帯で、10.9%となっております。
次に、そのうち
ひとり暮らしの高齢者の生活保護受給者につきましては、平成30年2月時点で単身にて居宅生活をされている世帯が約4,300あり、調査の時点が異なるため割合を出すことは適当ではございませんが、相当数の高齢者が一人で居宅生活を送られていることになります。
3点目に、引き取り手のない御遺体につきましては、平成24年度56体、25年度64体、26年度63体、27年度64体、28年度77体となっております。
4点目の市営墓地の現状につきましては、
熊本地震により、市営墓地の全1万8,120区画のうち、5割強に当たります9,828区画におきまして墓石等の倒壊被害がございまして、目視による確認ではございますが、おおむね5割から6割程度は復旧されている状況にございます。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 議員御指摘のように、今後単身高齢者の増加が見込まれる中、身寄りのない高齢者の葬儀、納骨などさまざまな課題に対する支援が求められているところでございます。
本市におきましては、市社会福祉協議会が、昨年9月からモデル事業として、住居の住みかえから死後の事務保証までを包括した支援事業に取り組まれているところでございまして、2月末現在で7件の契約が成立していると伺っております。まずはこのモデル事業の課題や効果を検証し、今後市としての
取り組みを検討してまいりたいと考えております。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
本市においても、やはり相当数の高齢者が一人で居宅生活を送られているとのことです。市社会福祉協議会がモデル事業として行っている、包括した支援事業の課題や効果を検証していくということでしたので、その
取り組みを加速させていただきたいと思います。
また、引き取り手のない御遺体も年々増加傾向にあるということがわかりました。先ほど御紹介いたしました横須賀市のエンディングプラン・サポート事業には、医学や歯学の研究や教育のために、自身の遺体を提供する検体についても、これまでは死後に手続をする遺族がいないため検体登録できなかった身寄りのない高齢者を対象とし、協力を希望する高齢者の意思を尊重しようと、市民が検体を希望する場合、状況に応じて連携先の大学に紹介するといったものも行われております。
身寄りのない高齢者の心配事や希望する最期をかなえるために、こういった他都市での事例を十分検討し、不安なく暮らしていける都市を目指していかなくてはならないと思います。
そして、市営墓地の現状についてですが、倒壊被害のあった墓石などのうち、目視においておおむね5割から6割程度は復旧されているということでしたが、言いかえるならばまだ4割ほどは手つかず、そのままの状態だということです。生活再建が優先されなくてはならないのでやむなしということも十分理解いたしますが、今後、長期的な復興という観点から、ずっと倒壊したままというわけにもいかないと思います。市営の墓地であってもその墓石は個人財産なので、復旧の指導などはできないことだとは思いますが、ある一定の期間が過ぎたら所有者に連絡するなどの対策は、今後考えていかなくてはならないと思います。もしかすると無縁墓も幾つかあり、いつまでたっても倒壊したままの可能性も考えられます。やはりそうなると墓園自体が荒廃してくると思いますので、その管理についても何らかの施策を講じるべきだと思います。
死というと暗いイメージがあり、死について語るのは縁起が悪いとかタブー視をするのではなく、誰にでも訪れる死について考え、そして終活は、死を見つめることによって人生の終末期をよりよく過ごすための前向きな作業だということを、今後啓発していかなくてはならないと思います。また、終活イコール高齢者ということもなく、若者であっても我が身に起こることとして認識し、地域ぐるみで自分の人生の最期について語り合ったりすることができるような仕掛けづくりが今後必要になると考えます。
本格的な
少子高齢化の到来に向け、
終末期ケアについて今後ますますの
取り組みを期待いたしまして、次の質問へと移ります。
それでは続きまして、これまで
少子高齢化の高齢福祉の部分にスポットを当てて質問をしてきましたので、ここからは子育てに関することについて幾つか質問をしていきたいと思います。
まずは病児・病後児保育についてです。
子供の病気というのは、働いている親にとって最大の難関とも言えます。親といえども、子供が心配でそばについて看病してあげたい気持ちがある一方、社会人としての顔も持っています。どうしても外すことのできない会議やアポイントがあることもあるでしょう。特に子供が小さいうちには、病気にかかることが多く、有給があっという間になくなってしまったという話もよく聞きます。
近くに子供を預けられる親戚がいたりすればまだ対応できるのかもしれませんが、他都市から転入してきて、近くに親戚もいない方々は、安心して子供を預けられる人や施設があれば、どれだけ安心して仕事に励むことができるでしょうか。そこで、本市における病児・病後児保育の現状をお尋ねいたします。
1点目。本市において病児・病後児保育を行う施設は8施設であるが、他の
政令指定都市と比較すると何番目の施設数なのでしょうか。
続いて2点目。他都市では受け入れの年齢を小学校6年生までとしているところもあります。本市においては小学校3年生までとなっていますが、なぜでしょうか。また、今後受け入れ対象を小学校6年生まで拡充する計画はあるのでしょうか。
以上2点を
健康福祉局長へお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎
池田泰紀 健康福祉局長 病児・病後児保育に関する2点のお尋ねに順次お答え申し上げます。
まず1点目のお尋ねですが、病児・病後児保育事業は、現在、小学校3年生までの児童が、病気あるいは病気回復期におきまして、保護者が家庭で保育を行うことができない期間、一時的に施設で保育をいたすもので、市内8施設で実施をしているところでございますが、設置数では、指定都市20市中、本市は10番目に位置しております。なお、ゼロ歳から12歳までの年少人口に対する施設で見ますと、5番目に多い状況にございます。
次に、小学6年生までの受け入れにつきましては、乳幼児と高学年の児童を同じ部屋での保育ができないといった課題があり、これまで小学3年生までを対象としてまいりました。今後、昨年7月に実施いたしました病児保育利用者アンケートの結果等を踏まえまして、受け入れ年齢の見直しについても検討してまいります。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
乳幼児と高学年の児童を同じ部屋で保育できないといった課題から、今までは、小学校3年生までとしてきたとのことでした。今後は受け入れ年齢の見直しも検討されるとのことでしたので、十分に施設とも協議の上、保育ニーズにマッチした制度となるよう、拡充に向けた
取り組みをお願いいたします。
続きまして、本市を取り巻く保育環境についてお尋ねいたします。
毎年この時期になると、全国的に4月入園の1次募集の審査結果を受け、さまざまなところで、希望する保育園に入れなかった保護者から悲痛な意見を耳にします。地元紙によりますと、認可保育所に入るための1次選考で落ちたゼロから2歳児が、政令市など66自治体で約3万5,000人だったと報じました。この調査対象は、東京23区と政令市に加え、昨年4月時点の待機児童数が100人以上の、計87市区町村とされています。そのうち、回答があった66自治体で、89%の自治体が枠が足りていないとされましたが、本市では受け入れ枠が申し込み数を上回ったとのことでした。
しかし、私が耳にする話やインターネットでの子育て相談の掲示板などでは、熊本市での子供を預ける保育園を探す、いわゆる保活と呼ばれていますが、その現状はまだまだ充足しているとは言えないと思います。
子供を預ける保育園を探す場合、大抵第1希望は自宅に近いか勤務先に近い、もしくは通勤途中にあるなどの条件で探されていることと思います。そこで点数状況により1次審査に落ちてしまうと、ほかの園を探すことになるわけですが、特に夫婦共働きの御家庭は、送り迎えを考えると、預けられればどこでも構いませんとは当然いかないわけです。
岡山市は、特定の保育所だけを希望している場合には、待機児童に含めないことも可能とするという国の基準について、保育需要を正しくつかめないと判断して、自宅近くにあきがあったとしても、希望した3カ所に入園することができなければ待機児童とみなすとしました。
こういった待機児童の定義が全国で統一されていない問題から、
厚生労働省は2017年3月31日、カウント方法を全国で統一する新たな定義を定めました。
新しい定義では、保育園に預けられずに親が育休を延長したケースでは、復職の意思を確認する条件で、全て待機児童として数えることとなりました。2017年4月から全国の自治体で調査を行うとしていますが、準備が間に合わない自治体は、ことしの4月からとなりました。その一方で、希望した保育園に入れないにもかかわらず、カウントされない隠れ待機児童の一部はそのままで、隠れと言われる最大の理由が、特定の保育園を希望してその保育園に入れなかった場合は待機児童にカウントされていないということです。この隠れ待機児童、また保留児童とも呼ばれますが、待機児童の本当の実態が見えにくいとし、意図的に少なく見せるためではないかと批判をされてきました。
そこでお尋ねいたします。平成30年4月の保育所等入所児童の選考状況はどのようになっているのでしょうか。申し込み数と受け入れ数を教えてください。また、昨年の実績もあわせてお示しください。
次に、隠れ待機児童とも言われる保留児童の定義、市としての捉え方とその数の把握についてはどのように行っているのでしょうか。
最後に、待機児童対策として、ゼロ歳から2歳児までを預かる地域型保育事業の整備が進められてきましたが、卒園後の預け先が見つからず、いわゆる3歳の壁に直面する問題が全国的に取り沙汰されています。本市における3歳の壁についてのお考えをお尋ねいたします。
以上3点を
健康福祉局長にお尋ねいたします。
そして、あわせてもう1点、待機児童、保留児童、病児・病後児保育、事業所内保育など、本市を取り巻く保育環境についての
大西市長の御所見をお尋ねいたします。
〔
池田泰紀健康福祉局長 登壇〕
◎
池田泰紀 健康福祉局長 私の方から本市の保育環境に関する3点のお尋ねに順次お答え申し上げます。
まず、平成30年4月の保育所等入所児童の選考状況につきましては、1次選考終了時点で入所申し込み数は2万1,779人、入所数は2万1,045人、保留児童数は734人となっております。また、平成29年4月時点の実績につきましては、入所申し込み数は2万762人、入所数は2万389人、保留児童数は373人、待機児童数はゼロとなっております。
なお、平成27年4月時点と平成29年4月時点の実績を比較いたしますと、入所申し込み数は約8%増加しております。一方、保育所等施設整備、地域型保育事業の普及、幼稚園から認定こども園への移行など、保育の受け皿確保を進めましたことから、入所数も約11%増加し、待機児童ゼロを達成しております。
今後もきめ細かな入所あっせんを行い、平成30年4月時点につきましても、待機児童ゼロを目指してまいります。
次に、本市における保留児童数の定義でございますが、本市は平成29年3月31日付で国より示されました保育所等利用待機児童数調査要領と同様に定義いたしまして、保留児童数につきましては、入所申し込み数から入所数を除いた数としております。
最後に、いわゆる3歳の壁でございますが、本市では、保育の受け皿確保策として、平成27年度及び平成28年度に3歳未満の子供を預かります地域型保育事業の整備を進めてまいりましたが、地域型保育事業から連携施設へ転園する場合は継続在園児として入所いただいており、連携施設以外へ転園する場合におきましても、入所選考に当たり一定の加点を行うなど、優先的に入所できるよう配慮しているところでございます。
また、地域型保育事業の卒園児の受け皿となる3歳児以上の定員につきましては、一部に地域的な偏在はありますものの、全市的には充足しており、丁寧な利用あっせんにより転園先の確保に努めてまいります。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 熊本市を取り巻く保育環境についてお答えいたします。
まず、本市の保育環境の重要課題の1つであります待機児童について、熊本市保育環境緊急対策を取りまとめ、対策を講じました結果、昨年及び一昨年と、2年連続で待機児童ゼロを達成したところでございます。今後も、保育需要を見極めながら、実質的な待機児童解消に向け、受け皿や保育の担い手の確保及び保育の質の充実に努めてまいりたいと考えております。
また、女性の社会進出等に伴い、子育てや保育等のニーズが多様化しておりますことは認識しておりまして、今後も、病児・病後児保育や事業所内保育などに対して必要に応じた支援を行い、子供を安心して産み育てることができる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
私は、待機児童数のみならず、本当に注目すべきは保留児童ではないかと思います。子供を預けるにも、やはり生活圏内の保育園に預けなくては、何かと無理が出てきます。これまで取り組んでこられた地域型保育事業の整備も、地域ごとの待機児童、保留児童の数などを把握し、数の多い地域には優先してつくれるように、工夫、配慮されてきたことには一定の評価をいたしますが、今後は岡山市のように、希望園に3カ所落ちたら待機児童とみなすなど、特定園を希望することを親のわがままと捉えずに、理由を丁寧にヒアリングし、的確な保育ニーズを把握することが必要なのではないでしょうか。また、親身になって相談に乗れるよう、職員の接遇教育にも力を入れるべきだと思います。
また、3歳の壁については、地域型保育事業から連携施設へ転園する場合は継続在園児としているとのことでありましたが、全国的にも言われているように、せっかく子供と先生の信頼関係ができているのに、別の保育園に通わせることになると、環境が変わり、子供の負担になるのではという声も多数出ています。事業者が保育スペースを十分に確保できる場合には受け入れ人数を拡充したり、また運動できる広場などを設けることができるならば継続して4歳以上の受け入れも可能にするなど、熊本市独自の施策も今後検討すべきではないかと考えます。
市長の御答弁にもございましたように、女性の社会進出等に伴い、子育て、保育のニーズは多様化しております。そのニーズ全てがかなえられれば一番いいのでしょうが、全てを一度にかなえることはできません。特に、
熊本地震で厳しい財政状況にある本市では、一定の優先度を設ける必要もあります。
ここで、私に寄せられた子育て中の女性の意見を1つ御紹介いたします。最近、職場に子供を連れていけるようにするべきではないかとの報道を耳にしますが、私は営業職なので、子供を連れていこうとは思いません。それよりも保育園の数をふやすとか、受け入れの人数をふやしてもらうとかはできないのでしょうか。幸い、私は子供を自宅近くの保育園に預けることができたのでいいのですが、同僚や友人が大変な思いをしているので何とかしてくださいとのことでした。
私は思わず、営業をされているので、子供を連れていくと相手にも気を使わせてしまうとお考えなのですかと聞くと、その方は笑いながら、違いますよ、この寒空の中、子供を連れ回すわけにはいかないでしょうと言われました。このとき、私はある1つの逸話を思い出しました。それは大岡裁きの1つ、子争いと言われるものです。あえてその内容を述べますと、ある子供の母親だと主張する2人の女性が争います。大岡越前は、その子の腕を1本ずつ持ち、それを引っ張り合いなさい。勝った方を母親と認めようと提案します。その言葉に従い、2人の母親は子供を引っ張り合いました。当然ながら、引っ張られた子供はただでは済みません。たまらず痛い、痛いと叫びました。その声を聞き、1人の女性ははっと手を放します。本当の親なら、子が痛いと叫んでいる行為をどうして続けられようかと、お裁きの結果は御存じのとおりです。大岡越前は、母親の持つ愛情をしっかり見切ったというお話です。本市における子育て議論も、肝心の子供たちのことを思う気持ちが抜けてしまっては何にもなりません。
話を戻しますが、限りある財源の使い道も、しっかりと子育てをしておられる方々の、保育に対するニーズを的確に把握することが大切だと私は考えます。そして何よりも、本市の宝である子供たちのことを一番に思う、そのことが、安心して子育てができる環境づくりへとつながるのではないのでしょうか。
また、私ごとで大変恐縮なのですが、私もこの夏には1児の父となる予定でございます。妻だけが子育てを抱え込むのではなく、夫婦で力を合わせて楽しい子育てに臨みたいと思うと同時に、これからも子育て世代の代弁者として、子育てにおけるニーズとは何なのかを把握し、皆様方の声を市政へと全力でつないでいきたいと思います。
それでは次に、競輪場の再開についてお尋ねする予定でしたが、先日の寺本議員の
一般質問での質問に対し、経済観光局長より、ことしの9月までに基本計画を策定する旨の御答弁がなされました。内容がほぼ重複しておりましたので、私からは要望という形で述べさせていただくことといたします。
地元紙の報道によりますと、2018年度にバンクの長さを含め改修規模を検討し、2019年度から工事に入るとのことでした。
大西市長は、事業の採算性を重視して決めた。競輪開催は復興財源につながるほか、災害時の避難場所になる。また、アマチュア選手の練習拠点も確保できるとコメントされております。市長の重視された採算性、つまり競輪事業の安定的運営と、アマチュア自転車の復興・発展には、走路の長さが大きく影響を与えると考えます。
先日、寺本議員からもありましたように、日本一長い直線を持つ熊本競輪場は、数々の名勝負を生み出し、多くのファンを魅了してきました。再建に当たっては、多くのファンからこの500メートルバンクを維持してほしいとの声が聞こえます。しかし、有識者や競輪関係者による外部検討会は、昨年11月に事業の縮小再開を提言いたしました。この縮小がどの程度のものか今後議論されていくことと思いますが、冒頭述べましたように、走路の長さというものが、運営面、コストの面でも大変重要になります。
競輪場のバンク、走路のことですが、333メートル、400メートル、500メートルの3種類があり、全国に43ある競輪場のうち、一番多いのが400メートルバンクで31場、次に333メートルバンク7場、500メートルバンクが熊本含む5場となっています。
収益や経済効果において非常に付加価値の高いのが、G1レースです。現在、G1レースの約8割が400メートルバンクで開催されており、競輪最高峰のレースである競輪グランプリに至っては、1985年の開催以来、過去32年全て400メートルバンクでの開催となっております。G1レースの開催が実現できている333メートルバンクは前橋と松戸の2場のみで、収益性の高いG1レースを誘致するためには、333メートルバンクでは厳しいのではないかと考えます。ちなみに熊本競輪場は、1950年の開催以来、5度のG1レースの誘致に成功しております。
また、アマチュア選手の練習拠点も確保できるというのも再開理由の1つとして挙げてあります。競技性と競技大会の誘致という側面から見ると、333メートルバンクがよいのではないかという見方もありますが、熊本に1つしかない自転車競技場で熊本の競技者全員を受け入れるとなると、小さな333メートルバンクでは許容走行人数が少なくなることから、一度に練習できる人数に制限をかけることが多くなるため、練習機会が減り、強化という面ではマイナスに働く可能性が高いと考えます。また、バンクの傾斜がきつくなる333メートルバンクでは、転倒のリスクも高くなり、ジュニアの育成という面でもリスクが大きくなることが明白です。
以上のことを踏まえ、熊本競輪場は、多くのファンの望む500メートルバンクの維持、もしくは、検討委員会の出した縮小し再開との提言を受け、経営コストの面からバンクの長さも検討されるのであれば、経済効果の大きな競輪最高峰の競輪グランプリの誘致につながる400メートルバンク、そのどちらかの規模での検討を進めていくべきではないかと考えますので、要望とさせていただきます。
それでは、続いて本市における観光戦略についてお尋ねいたします。
ことし1月31日の熊日新聞の「熊本城、観光客V字回復」の見出しを、大変うれしく読まれた方も多いと思います。2017年に熊本城を訪れた観光客が、速報値で約207万人となり、実に9年ぶりに200万人を突破したとのことでした。200万人突破は、本丸御殿が完成した2008年以来のことです。
観光政策課の分析によると、要因の1つはクルーズ船の寄港がふえたことによる外国人観光客の増加ではないかとされています。また、ブルーインパルスの復興支援飛行、年末年始の迎春行事、全国の武将隊が一堂に集結した戦国パークなどのイベントも集客に一役を買っています。
このように熊本市の、そして復興のシンボルとして、熊本城は観光客誘致の拠点としてその存在を見事取り戻してきたと言えるでしょう。
熊本地震が起こる前に策定されたものですが、
大西市長は御自身の
マニフェストで、観光客の回遊性を高めるとされてきました。また、熊本城内、熊本城下町、市電・バスなどのWi−Fiスポットを拡大し、外国人も含めた観光客利便性向上を図るとされています。
そこで、
熊本地震で立ち入り規制がかかり、当初想定されていた熊本城周辺の回遊ルートも変更を余儀なくされたと思いますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、また、先ほど述べたように、クルーズ船の寄港により外国人観光客が増加傾向にある中で、市電やバスなどWi−Fiスポットはどの程度増加させることができたのか、お尋ねいたします。
続いてもう1点、平成30年度当初予算にも計上されておりますが、訪れてみたい
まちづくりとして、伝統文化とエンターテインメントが共鳴するにぎわいを生み出しますとして、NHK大河ドラマ「西郷どん」を活用した魅力創出事業に1,090万円ほどつけてあります。今後ドラマの舞台が幕末から西南戦争へと進むにつれ、熊本城、田原坂など熊本にも注目が集まり、「西郷どん」を見て熊本に訪れる観光客もふえてくると思います。
さきの質問でも御紹介されましたが、西郷隆盛の故郷鹿児島は、PRにその独創性が大変話題となり、テレビやインターネット動画で数多く紹介され人気となりました、鹿児島実業の男子体操部をCMに起用しアピールをしてきました。主人公の生まれ故郷なので、その熱の入りようは当然のことであります。
そこで忘れてはならないのは、「西郷どん」の次の、つまり来年のNHK大河ドラマの主人公は誰かということです。もう既に発表のあったとおり、マラソンの父と言われた金栗四三氏です。金栗氏は、熊本県和水町生まれです。
玉名市は既にマラソン大会開催等でのPRを始めていますが、どうもほかの県内自治体は余り盛り上がっているようには見受けられません。熊本市は先月、熊本城マラソンが行われたばかりです。沿道の応援は日本一とも呼び声の高い熊本城マラソンの開催地である本市こそが、マラソンの父と呼ばれた金栗氏の生涯を描いた作品の放映に当たって、もっと積極的にアピールしていかなくてはならないのではないかと思います。
そこで、来年の大河ドラマ放映に向け、観光誘致に向けた
取り組みをどのように行っていくのかお尋ねいたします。
長くなりましたが、計3点、
大西市長へお尋ねいたします。
〔
大西一史市長 登壇〕
◎
大西一史 市長 まず、熊本城と
中心市街地との回遊性向上の
取り組みについてでございますが、現在も、熊本城の今しか見られない現状を見ようと多くの観光客や市民の皆様が訪れている中、城彩苑湧々座の魅力向上や花畑広場でのイベント開催など、
中心市街地への回遊性強化に取り組んでおりまして、平成29年度の歩行者通行量は、震災前の27年度と比較して大幅に増加しているところでございます。
今後は、桜町・花畑地区において、熊本城ホールを含めた市街地再開発事業やオープンスペースなど、エリア全体の一体的な整備を行うことで交流人口の増加を図り、
中心市街地のにぎわい創出につなげてまいりたいと考えております。
次に、Wi−Fi導入実績でございますが、本市ではこれまで、熊本駅や交通センター、城彩苑、水前寺成趣園、中心商店街など、観光客が多く訪れる主要エリアを優先的に無料Wi−Fi整備を行ってきたところでございます。また、熊本駅と熊本城間を周遊するバス「しろめぐりん」に設置をしているところです。
当初、熊本市電への設置も検討しておりましたが、導入経費が多額になること、また、近年、旅行者みずからが調達いたしますSIMカードの低価格化が進むなど、観光客の通信手段が多様化しているなどの環境の変化を踏まえ検討してまいりたいと考えております。
最後に、大河ドラマ「いだてん」の放映に向けた観光誘致についてお答えいたします。
箱根駅伝の創設者であり、日本マラソンの父と呼ばれる金栗四三氏は、熊本城マラソンの30キロロードレースに金栗記念と銘打たれるなど、本市ともかかわりの深い人物でもございます。このため、本年の「西郷どん」と同様、来年の「いだてん」の放映は、本市のプロモーションにとって絶好の好機と考えております。そこで、熊本県や和水町、玉名市など関係自治体と連携を図りまして、新たな観光客誘致について検討してまいりたいと考えております。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
花畑広場でのイベントの開催などにより、市街地の回遊性強化に取り組んでいるとのことでした。確かに、以前よりも歩行者通行量が増加したというのは、実感としても認識するところです。今後桜町・花畑地区再開発が進むにつれ、ますますのにぎわいを見せることと期待いたします。
また、Wi−Fi導入については、現在順調に設置箇所数も広がっているようであります。実際、海外旅行に行くと、Wi−Fiスポットのありがたみというのがよくわかります。高額請求を防ぐために、通常、海外旅行時にはデータ通信などをオフにしていることが多く、インターネットで現地の情報を取得する場合や、アプリを使って同行者などと連絡をとる際に、どうしてもインターネットが使用できる環境が必要となります。
確かに低価格のSIMカードなども販売されていますが、せっかく海外に来たのですから、少しでも多く現地でのおいしい料理やお土産にお金を使いたいというのが心情なのではないでしょうか。できるだけ通信コストを抑えて楽しく滞在できることが、今後世界での観光地での評価にもつながると思いますので、今後もより効果的な通信環境の整備に向けて取り組んでいってほしいと思います。
また、来年の大河ドラマ放映に伴う本市のプロモーションについてですが、やはり影響力の大きいのはテレビコマーシャルだと思います。「西郷どん」における鹿児島の
取り組みのような、他県のお茶の間に熊本市をPRするようなCMを放映してほしいと思います。
また、他県で開催される大きなマラソン大会には熊本市のアンテナショップを出店するなど、イベントでのPR活動を行うといったような、ありとあらゆる知恵を絞って、このチャンスを最大限に生かしていただきたいと思います。
続きまして、市電のバリアフリーについてお尋ねいたします。
政府は2月9日、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、鉄道など公共交通のバリアフリー化を推進するための改正法案を閣議決定いたしました。事業者に段差解消策などを盛り込んだ計画の作成、公表を義務化し、作成しない場合には50万円以下の罰金を科すとしています。国は、1日の利用客が3,000人以上の旅客施設の段差を、20年度までに解消する目標を設定しています。
ただ、既存施設では、十分なスペースが確保できずにバリアフリー化が困難であったり、大幅な改修でコストが割高になったりする場所が残っていることなどから、法改正で事業者による整備を後押しするとしています。高齢者や障がい者が乗りおりをする際、駅員や乗務員らが声かけなどを行う支援強化の方針も改正案に明記され、対象には、新たに貸し切りバスや遊覧船なども含めることになっています。
改正案には、自治体の
取り組み強化も盛り込まれております。市町村に対し、重点的にバリアフリー化を進める地域を定めるよう努力義務を課すとしています。重点地域内の駅やバスターミナルなどの新設で、バリアフリー化に支障があると市町村が判断した場合、事業者に設計変更などを求めることができるようにするとのことです。
そこでお尋ねいたします。
本市も市電の電停改良を行っていると思いますが、1日3,000人以上の利用者で改良が進んでいない電停はないのでしょうか。
また、
ラグビーワールドカップの開催など、国内外から多くの観光客が訪れるであろうことから、利用者が3,000人以下でも積極的に改良する必要があると思いますが、どのようにお考えでしょうか。
交通事業管理者へお尋ねいたします。
〔西本賢正交通事業管理者 登壇〕
◎西本賢正 交通事業管理者 市電のバリアフリーについてお答え申し上げます。
これまでも、バリアフリー化の整備方法や優先順位などを考慮し、関係部局の支援を受けながら重点的かつ効率的に推進してきたところでございます。現在、1日の利用者が3,000人以上の電停は6電停ございまして、いずれも車椅子での乗降は可能でありますものの、バリアフリー新法に適合した電停は、そのうち熊本駅前と新水前寺駅前の2電停でございます。
新年度には、通町筋電停につきましても、新法に適合する改良に取り組む予定でございます。また、本年2月からは、ただいま申し上げました3電停のほかに、辛島町、熊本城・市役所前、健軍町などの8電停に運行情報を表示する案内モニターや、電車の到着などをお知らせする音声案内装置を設置するなど、障がいのある方の移動の円滑化を図ってきたところでございます。
今後とも、関係機関との協議を行いながら着実にバリアフリー化を推進いたしますとともに、利用者が1日3,000人未満の電停につきましても、さらに利便性の向上に努めてまいりたいと考えております。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
新年度には、通町筋電停も新法に適合する電停へ改良予定ということでございました。さらに今後も、利用者が1日当たり3,000人未満の電停においても、利便性の向上に努めるとの御答弁でした。海外からの観光客の増加が予想される中、バリアフリーに向けた
取り組みが一日でも早くなされることを期待いたします。
また、私もよく市電を利用いたしますが、主要8電停に設置されている運行状況を表示する案内モニターのみならず、スマートフォン、タブレット、従来型の携帯電話、パソコンでウエブページにアクセスすると、リアルタイムに市電の位置情報がわかる熊本市電ナビも導入され、選択した電停に接近している電車の情報や、事故、災害等に伴うダイヤの乱れ等を瞬時に確認することができ、大変便利で助かっています。今後、延伸に伴い、さらに利用者が増加することが予想されますので、観光客のみならず、熊本市民の足を守るべく、安全で快適な運行をお願いいたします。
続きまして、今盛んにテレビCMで放送されているポリ塩化ビフェニル、略してPCBと言われますが、その処理期限が気になりましたので、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正処理についてお尋ねいたします。
ポリ塩化ビフェニルは絶縁性がよく、沸点が高いなど化学的に安定した特性があり、変圧器やコンデンサー等の絶縁油、可塑剤、塗料、ノンカーボン紙の溶剤など、非常に幅広い分野に用いられ使われておりました。一方、昭和43年のカネミ油症を契機にその毒性が確認され、昭和47年に生産・使用の中止等の行政指導を経て、昭和48年にはポリ塩化ビフェニルの製造及び輸入が原則禁止となりました。しかし、その月日の流れにより、平成に入るころには危険性に対する認識も薄れ始めたのか、保管されていた廃棄物が他の産業廃棄物と一緒に安易に処理されるなどといった事例も報告されるようになりました。
厚生省は、平成4年と平成10年に保管状況の追跡調査を実施し、ポリ塩化ビフェニルの安全な化学処理法が確立したことなどから、平成13年にポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法、いわゆるPCB特別措置法が施行され、全国の地域エリアごとに拠点となる5カ所の処理施設が整備されました。その後、平成28年8月には、PCB特別措置法の改正により、熊本市を含む北九州事業エリアについては、変圧器、コンデンサーの高濃度PCB廃棄物が平成30年3月末までに、照明器具に使用する安定器等のPCB廃棄物が2021年3月末までに処理を完了させなくてはならないとされました。
そこで、熊本市内にもこれらポリ塩化ビフェニルを含む電気機器類を使用、あるいは保管している事業所等は存在すると思われますが、それらの状況についてどのように把握し対応をしてこられたのか、また、確実な適正処理に向けて今後どのような指導・周知を行われていくのか、以上2点を環境局長にお尋ねいたします。
〔勝谷仁雄環境局長 登壇〕
◎勝谷仁雄 環境局長 ポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCB廃棄物の適正処理に関しまして2点のお尋ねにお答えいたします。
まず、本市におけるこれまでの対応状況についてでございますが、議員御案内のとおり、PCBの適正処理を目的といたしまして平成13年に制定されましたPCB特別措置法の施行以来、数回にわたる実態調査や法に基づく事業所からの届け出により、PCBの廃棄物の把握に努めてきたところであり、これまでに把握した372の事業所において、保有しておられましたPCB廃棄物を適正に処理いただいているところでございます。
さらに、平成27年度には、環境省のPCB廃棄物の掘り起こし調査を活用いたしまして、高濃度のPCB廃棄物を所有する可能性がある3,283の自家用電気工作物設置事業所に対しアンケート調査を行い、その結果、今月末が処理期限となっております変圧器、コンデンサーを所有する2つの事業所を新たに把握し、指導の結果、今年度内に処理手続が完了することを確認したところでございます。
次に、今後の指導・周知についてでございますが、3年後の2021年3月に処理期限を迎えます業務用の蛍光灯などに使用されていましたPCBを含む安定器の使用・保管状況を把握するため、今年度から、市内3万事業所のうち、その可能性がある建築物を所有する約4,400の事業所に対し、新たに調査を行っているところでございます。現時点で約6割の事業所から回答をいただき、そのうち10の事業所で安定器を所有していることを確認し、期限までに適正に処理手続を行っていただきますよう指導しているところでございます。
今後は、未回答の事業所を対象に再調査を行い、PCB廃棄物の把握と適正処理の指導を徹底しますとともに、市政だよりやフェイスブックで、広く事業所に対しまして繰り返し周知を図ってまいりたいと考えております。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
保管の可能性のある約4,400カ所の事業所を把握し、その約6割から回答を得ているとのことでした。
過去の実例として、東京都では、小学校で照明器具内のPCBを使用したコンデンサーが老朽化のため破裂し、児童にPCBが降りかかるといった事故も発生し、平成12年に閣議了解で、平成13年度末までに交換を終える決定がなされたにもかかわらず、平成25年に至っても北海道の中学校で同様の事故が発生するといったことも起こっております。
今後は、いまだ未回答の事業所に対し再調査を行い、市政だよりなどでも周知を図るとのことでしたので、この眠る爆弾とも言われるポリ塩化ビフェニルの現状把握を急ぐとともに、適正処理を確実に行えるよう指導・周知の徹底をお願いし、次の質問へと移ります。
続いて、インターネット対策強化についてお尋ねいたします。
本市は、教育の情報化の推進として、小中学校の全ての普通教室に電子黒板、実物投影装置を設置するとともに、2020年度までに3クラスに1クラス分程度のタブレット端末の設置を目指し、
政令指定都市トップレベルのICT教育環境を整備するといたしました。
国は、教育用のコンピューター1台当たりの児童・生徒数の目標値を3.6人に設定しています。2016年度の調査によると、全国平均は5.9人、熊本県は平均5.1人でした。県内の各自治体でかなりのばらつきが生じ、整備状況は二極化していると言えます。本市においては12.7人となっており、調査対象1,817自治体中1,780番と、何とも驚きの数字となっています。一般的に、人口の多い都市ほど導入経費がかさみ、導入がおくれがちになることはいたし方ないことでもありますが、このたびの大規模導入が実現すれば、一気に汚名返上となります。
ICT機器の導入による効果は、既にさまざまな報告がなされており、県内でも先進的に取り組む山江村では、全国学力テストの成績が小学校で軒並み全国平均を上回っております。ICT環境の整備は、次期学習指導要綱の要請もあり、欠かすことのできないものとなりました。
このように、教育に対して高い期待が寄せられていますが、今後タブレット等のICT機器がより一層子供たちに身近になるにつれ、懸念されることも出てきます。それは、インターネットによる犯罪に巻き込まれる可能性が高いということです。
SNSなどを通じたいじめ問題だけではなく、最近では、みずからの裸の画像をインターネットで知り合った顔を見たこともない人に送り、その画像が悪用されたりする被害が全国で増加しています。
そこで東京都では、青少年健全育成条例を改正して、携帯電話インターネット接続業務提携者に対して、青少年有害情報フィルタリング効果措置の実施義務が新設されました。中高生らが自分の裸を自画撮りしてメールなどで他人に送り、画像が悪用される被害を防ぐため、18歳未満の子供に画像を送るよう求める行為を禁止して罰金を科す都青少年健全育成条例改正案が12月15日の本会議で成立し、ことしの2月に施行されました。要求行為を禁止とする条例は、全国で初となりました。今後は、4月に兵庫県が続くとしています。また、京都府でも東京都などの条例を参考にして、同様の送信要求行為を禁止する青少年健全育成条例の改正を検討されています。いずれも威迫する、同性に成り済ますなどしてだます、金銭などの対価を約束するといった不当な方法で自画撮り画像を送らせることを禁じ、違反者には罰金を科すとしています。
現行条例は、フィルタリングを利用しない際には保護者に理由の書面提出を求めていますが、改正条例案では、改正案で新たに規定された端末での有効設定を行わないことについても、同様に理由の提出を求めるとしています。
急速なインターネットの普及により、暮らしや学びにおいて便利になる一方で、匿名で誰もがつながることのできることを悪用し、新たな犯罪の土壌となっている部分も、残念ながら出てきています。
そこで、これらの他都市での先行事例を受け、本市は今後どのような
取り組みを行っていくのでしょうか。教育長にお尋ねいたします。
〔遠藤洋路教育長 登壇〕
◎遠藤洋路 教育長 インターネット教育の対策強化に関し、本市における今後の
取り組みについてお答えいたします。
現在、スマートフォン等の急速な普及により、SNS上でのさまざまな問題が取り上げられており、その安易な使用により児童・生徒が犯罪等に巻き込まれる事件が頻発しているため、国も昨年6月に、インターネット上の有害情報フィルタリング強化等に関する法改正を行っております。
これを受けまして熊本県でも、現在開催中の平成30年2月定例会において県少年保護育成条例の改正を提案しており、他県と同様、事業者や保護者に対するフィルタリングに係る義務の強化やタブレット等の対象機器の追加が盛り込まれております。同時に、自画撮り被害を防ぐ条例改正についても、来年度以降の検討を考えていると聞いております。
本市といたしましても、今後も県や県警察本部との連携を密にし、現在行っている立入調査を含め、販売業者への意識啓発を通じ、フィルタリングの推進を図ってまいります。また、地域や学校での健全育成懇談会、非行防止教室や、保護者会等での講話や研修等を通じて、学校現場と協力しながら、児童・生徒やその保護者等に対してインターネットの適切な利用の周知に一層取り組んでまいります。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
昨年1年間に全国の警察が摘発した児童ポルノ事件は、前年より316件多い2,413件で、過去最多を記録いたしました。子供が、コミュニティサイトで知り合った相手にだまされ、自分の裸の画像を送ってしまう自画撮り被害が依然として多いとのことです。面識のないサイト内でやりとりしている相手が同年代の子供を装っているケースも多いそうで、フィルタリングの強化のみならず、学校での教育・指導はもちろんのこと、保護者向けにも、勉強会などを通じ適切な使用を呼びかけていく必要があると思います。
核家族化が進み、夫婦共働きの家庭がふえたことで、子供たちに目が届きにくくなっています。子供たちが知らず知らずのうちに犯罪に巻き込まれることのないように、今後も各方面と連携を強め、インターネットの適正利用に向けた周知・指導に取り組んでいただくようお願いいたします。
それでは最後に、ペーパーレス化の現状についてお尋ねいたします。
私はこれまで2度にわたる
一般質問で、本市におけるペーパーレス化について質問を行ってまいりました。その際、御答弁で、ICTを活用した事務のペーパーレス化について、総合文書管理システムの活用やペーパーレス会議の導入を検討しているとのことでありました。
特にペーパーレス会議については、デモンストレーションでのアンケートの結果などを踏まえ、運用面、技術面の課題がわかり、今後はこれらの課題を整理しながらさらに検討を重ね、ペーパーレス化の着実な推進に努めるとのことでありました。
また、
熊本地震の際には、タブレット端末を利用した物品の管理など、ICTに関してはその必要性をさらに感じたのではないかと拝察いたします。
そこで、熊本市において、今後ICTを活用した独自の
取り組み及び庁内のペーパーレス会議の現状は、その後どのようになっているのでしょうか。総務局長へお尋ねいたします。
〔田畑公人総務局長 登壇〕
◎田畑公人 総務局長 ペーパーレス化の現状についてお答えいたします。
本市におきましては、平成13年度から職員向けの庁内ネットワークシステムを運用しており、平成31年度に運用を開始する新システムにおきましては、クラウドサービスで新たなICT技術を活用し、より自由度が高くさまざまなシーンに活用できる、新たな庁内ネットワークシステムを構築する予定でございます。
具体的には、出張先からの電子決裁やメールの送受信、ウエブ会議等を行うほか、災害時等におきましてもテレワークによる業務ができるなど、事務の効率化が図られますとともに、市民サービスの向上にもつながるものと考えております。
ペーパーレス会議につきましては、平成26年度より庁議等にタブレット端末を使って試行的にペーパーレス会議を行ってきたところであり、平成28年
熊本地震におきまして、災害対策本部会議や避難所等との連絡調整等に利用しますことで、その有効性を改めて認識したところでございます。
今年度は地域担当職員に配付し、地域ニーズの把握や行政サービスの紹介などに活用しているところであり、さらに新年度には幅広い業務でタブレット端末を活用し、検証することとしております。今後、タブレット端末の活用についての検証結果も踏まえ、ペーパーレス会議の推進に取り組んでまいります。
〔4番
大塚信弥議員 登壇〕
◆
大塚信弥 議員 ありがとうございました。
私が初めて質問したときからはや2年半ほどが経過いたしましたが、ICTに明るい
大西市長のもと、クラウドサービスを活用した新たなシステムが運用されるとのことでしたので、大変期待をしております。
また、タブレット端末についても、
熊本地震での活用などを経て、その有効性を再認識されており、今後、地域担当職員への配付など幅広い用途に臨むとのことでしたので、ペーパーレス会議も、資料の追加、差しかえなど事務作業の効率化に加え、印刷物が減るということは環境問題としての
取り組みにもなるということです。今後ますます推進していかれることを期待いたします。
また、本議会においても、平成30年4月から1年間を試行期間とし、タブレット端末の試行導入が行われる予定です。議会においても、膨大な資料を定例会ごとにいただきますので、まずは試行導入を経て、今後は限りある資源のためにも、職員のみならず我々議員も一丸となってペーパーレスに取り組んでいかなくてはならないと思います。
以上が、今回私の用意した質問でございます。
一般質問での最後の登壇者でしたので、
質問内容が重複いたしましたが、我が会派の先輩議員はもちろんのこと、他の会派の先輩・同僚議員からも温かいアドバイスをいただき、無事に終えることができました。感謝申し上げます。
また、年度末のお忙しい中、傍聴にお越しいただいた皆様、インターネットでお聞きの皆様、朝早くからありがとうございました。今後も、皆様方の代弁者として、そして子育て世代の代弁者として、皆様方の声を市政へとつないでまいりたいと思いますので、御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
────────────────────────────
○
澤田昌作 議長 次に、日程第2 発議第1号「
熊本市議会会議規則の一部改正について」を議題といたします。
〔議題となった案件〕
┌────────────────────────────────────┐
│ 発議第1号 │
│
熊本市議会会議規則の一部改正について │
│ 地方自治法第112条及び
熊本市議会会議規則第13条第1項の規定により、熊 │
│ 本市議会会議規則の一部を改正する規則案を次のとおり提出する。 │
│ 平成30年3月12日提出 │
│ 熊本市議会議員 くつき 信 哉 │
│ 同 園 川 良 二 │
│ 同 江 藤 正 行 │
│ 同 津 田 征士郎 │
│ 同 満 永 寿 博 │
│ 同 原 口 亮 志 │
│ 同 高 本 一 臣 │
│ 同 田 尻 将 博 │
│ 同 上 田 芳 裕 │
│ 同 西 岡 誠 也 │
│ 同 浜 田 大 介 │
│ 同 田 尻 清 輝 │
│ 同 上 野 美恵子 │
│ 熊本市議会議長 澤 田 昌 作 様 │
│
熊本市議会会議規則の一部を改正する規則 │
│
熊本市議会会議規則(平成25年議会規則第1号)の一部を次のように改正す│
│ る。 │
│ 目次中「第147条」を「第147条―第147条の3」に改める。 │
│ 第1条第2項中「出産」の次に「、家族の看護又は介護、配偶者の出産補 │
│ 助」を、「ときは」の次に「、欠席届(様式第1号)により」を加え、同条の│
│ 次に次の1条を加える。 │
│ (議場に入ることができる者) │
│ 第1条の2 会議中に議場に入ることができる者は、次に掲げる者とする。 │
│ (1) 議員 │
│ (2) 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第121条第1│
│ 項の規定により議長から出席を求められた者 │
│ (3) 前2号に掲げる者のほか、議長が特に必要と認める者 │
│ 第9条第3項中「地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)│
│ 」を「法」に改める。 │
│ 第86条中「出産」の次に「、家族の看護又は介護、配偶者の出産補助」を、│
│ 「ときは」の次に「、欠席届(様式第2号)により」を加え、同条の次に次の│
│ 1条を加える。 │
│ (委員会に入ることができる者) │
│ 第86条の2 委員会に入ることができる者は、次に掲げる者とする。 │
│ (1) 議員 │
│ (2) 熊本市議会委員会条例(平成25年条例第28号)第16条の規定により説 │
│ 明のため出席を求められた者 │
│ (3) 前2号に掲げる者のほか、委員長が特に必要と認める者 │
│ 第135条中「者は」の次に「、様式第3号により」を加える。 │
│ 第7章中第147条の次に次の2条を加える。 │
│ (欠席の届出) │
│ 第147条の2 協議等の場の構成員は、疾病、出産、家族の看護又は介護、配 │
│ 偶者の出産補助その他事故のため会議に出席できないときは、欠席届(様式│
│ 第4号)により、あらかじめその理由を付して当該構成員が所属する協議等│
│ の場の招集権者に届け出なければならない。 │
│ (協議等の場に入ることができる者) │
│ 第147条の3 協議等の場に入ることができる者は、次に掲げる者とする。 │
│ (1) 議員 │
│ (2) 前号に掲げる者のほか、招集権者が特に必要と認める者 │
│ 附則第2項中「(平成25年条例第28号)」を削る。 │
│ 別表の次に様式として次の4様式を加える。 │
│ │
│ │
│ │
│様式第1号(第1条第2項関係) │
│ 略 │
│様式第2号(第86条関係) │
│ 略 │
│様式第3号(第135条関係) │
│ 略 │
│様式第4号(第147条の2関係) │
│ 略 │
│ │
│ │
│ │
│ 附 則 │
│ この規則は、公布の日から施行する。 │
│ (提出理由) │
│ 議員が会議に出席できないとき等の理由として、家族の看護又は介護、配偶│
│ 者の出産補助を規定するとともに、議場等に入ることができる者を明記する等│
│ のため、所要の改正を行うものである。 │
└────────────────────────────────────┘
お諮りいたします。
本案については、会議規則第36条第2項の規定により委員会付託を省略いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
澤田昌作 議長 御異議なしと認めます。
よって、本案については、委員会付託を省略することに決定いたしました。
これより質疑を行います。
緒方夕佳議員より質疑の通告が提出されておりますので、発言を許します。緒方夕佳議員。
〔6番 緒方夕佳議員 登壇〕
◆緒方夕佳 議員 おはようございます。緒方夕佳です。
今回の議会に、会議規則の改正案が提案されております。内容は、欠席の理由をこれまでより多く想定した、「疾病、出産その他事故」に「家族の看護又は介護、配偶者の出産補助」を加えているものです。また第1条の2、第86条の2、第147条の3として、議場に入ることができる者、委員会に入ることができる者、協議等の場に入ることができる者の条項を新しく設けているものです。
また、第135条はもともとあったものですが、その中に様式の規定が挿入されております。第135条は「会議中、出席又は退席しようとする者は、様式第3号により、議長に届け出なければならない。」、これまでは様式というものがなかったのですが、今回の改正案では様式というものが新たに入ってきております。
これらの改正案について、改正案を出された自民党の会派の代表、津田征士郎議員にお尋ねしてまいりたいと存じます。
私の発言の要旨として、改正案をよりよく理解するために不明点について何点か伺いたいということと、議論の仕方について伺いたいということを前もってお伝えしております。登壇回数が3回と制限されていますため、質問を複数あわせてお尋ねいたしますので、なるべくわかりやすいようにお尋ねしようと思いますので、どうぞ御了承ください。
まず最初の質問です。
今回の改正案についてなのですが、新設された部分がございます。これは今までなくて済んでいたものであります。なぜこの時期に、このように急いでつくられるのでしょうか。一人会派の議員や市民に見えた部分では、改正案を用意したので各会派持ち帰って話し合ってくださいという自民党さんからの言葉と、賛成です、よろしいかと思います、賛成ですの、それぞれ市民連合、公明党、共産党さんからの3つの言葉だけでした。実際の議論については、議事録などはあるのでしょうか。そして、あれば公開していただけるのでしょうか。この改正案を出すことになったきっかけ、理由、そして議論の経過についてお尋ねしたいと思います。
もう一度繰り返しますが、この改正案を出すことになった契機と理由、そして議論の経過についてお答え願います。
〔37番 津田征士郎議員 登壇〕
◆津田征士郎 議員 緒方議員にお答えさせていただきたいと思います。
今回の、ただいまの質問等につきましては、通告制ではないために質問の項目が前もってわかっておりません。できる限り私の気持ちとしてお伝えしたいと思います。
これまで、会議規則上明確な規定がなかったというようなことで、会議がスムーズにいくように、そしてまた混乱を招かないために、明文化したというようなことでございます。
1問目は以上でございます。
〔6番 緒方夕佳議員 登壇〕
◆緒方夕佳 議員 会議、議会がスムーズにいくように、混乱を招かないようにこれをつくったということで、暗に私のことがきっかけであったということかと思います。
議論の経過についてがお答えいただけなかったのですが、これは開かれた場で内容の吟味がなされなければいけないのですが、開かれた場で内容の吟味がなされていないということを問題視しております。
次の質問に移りますが、次が改正案についての不明点が複数ありますので、複数お尋ねいたします。
まず、欠席に関する規定のところに、読み上げますと、「議員は、疾病、出産、家族の看護又は介護、配偶者の出産補助その他事故のため招集に応ずることができないとき又は会議に出席できないときは、欠席届により、あらかじめその理由を付して議長に届け出なければならない。」とあります。このあらかじめとはどれくらい前のことでしょうか。
また、第135条の「会議中、出席又は退席しようとする者は、様式第3号により、議長に届け出なければならない。」とあります。これはどのような状況を想定していらっしゃるのでしょうか。
そして様式を見てみますと、様式には、何月何日の午前または午後というふうに、選ぶようになっています。先週の金曜日には午後の途中で退席した方などもいらっしゃいましたが、この場合どうするのでしょうか。
4番目の質問ですが、議場に入ることができる者、委員会に入ることができる者、協議等の場に入ることができる者とされているんですが、これは細かい言葉のことなんですけれども、議場は場所ですが、委員会は会、委員会室ではなく委員会とされております。これは委員会というのは、ここは場所ではないんですが、こういう表現でいいのでしょうか。
また、議場に入ることができる者として人だけが想定されておりますが、盲導犬など、動物などを想定しないでいいのでしょうか。
また、報道の自由を保障することは、市民の知る権利を保障することにもつながります。この規定によって、報道に対して公平な判断が担保できますでしょうか。
最後に、判断基準が明確に示されておりません。そのことは、議長によって、どなたが議長になるかによって、異なった判断にはならないでしょうか。
今7つだったのですが、あらかじめとはどれくらい前のことか。第135条の「会議中、出席又は退席しようとする者は」のところは、どのような状況を想定していらっしゃるのでしょうか。午後の途中で退席する方などはどのようにするのでしょうか。委員会という表現でいいのか。動物など想定しないでいいのか。報道の自由について。判断基準について。7つあったんですが、お尋ねいたします。
〔37番 津田征士郎議員 登壇〕
◆津田征士郎 議員 緒方議員にお答えしたいと思います。
この議会というのは、本当に市政の重要案件を審議する場であることから、やはりそれに出席できる者としては、参考人や議会事務局を含めて執行部の方々、審議や審査に関係する者ということで私どもは理解しております。
また報道については、報道の自由の観点から、報道の方々については出席をしていただくということでございます。
質問が今7点ほどなされたわけでありますけれども、もっと絞って何点かにしないと、通告してあれば私も答えようがありますけれども、詳しいことはまた議会事務局の方にでもお尋ねを願いたいと思います。絞ってやってください。
以上です。
〔6番 緒方夕佳議員 登壇〕
◆緒方夕佳 議員 今、通告にあればということでしたが、では事務局に出しますので、返答をお願いできたらと思います。ただ、この改正案をじっくり議論して出されていると思いますので、尋ねられて答えをいただけるのではないかと想定しておりました。ぜひそれぐらいに議論をして、回答いただけたらと思うところです。
今余り明確な回答がありませんでしたが、まさにこのことが、今回の件がまだまだ議論がし尽くされていないというところだと思います。今回の件については、今回の決め方についても、私の議員としての発言権が保障されないなどさまざまな問題がありますが、男女共同参画を進めて女性の活躍を進めるという現在の社会の流れに逆行はしていませんでしょうか。144カ国中114位、アジアの中でも最低に近い日本です。
デンマークなど男女共同参画が進んだ国々では、また本市の姉妹都市であるハイデルベルクでも、赤ちゃん連れでの議会参加は可能です。どのようにすると女性が社会参画しやすいか、当事者を含め委員会を設置し、世界の流れと
社会情勢をしっかりと加味して話し合っていく必要があります。
○
澤田昌作 議長 緒方議員に申し上げます。質問の時間を超えましたので、質問を終了願います。
◆緒方夕佳 議員 はい。終了いたします。
○
澤田昌作 議長 以上で質疑は終わりました。
これより討論を行います。
緒方夕佳議員より討論の通告が提出されておりますので、発言を許します。緒方夕佳議員。
〔6番 緒方夕佳議員 登壇〕
◆緒方夕佳 議員 お待たせいたしました。和の会くまもとの緒方夕佳と申します。
今回の会議規則の改正案について、反対の立場で討論をさせていただきます。
去年、本熊本市議会は、去年国会において提出されていた女性の政治参画を進める法案、これを採択するようにという意見書を全会一致で採決しております。これを全会一致で通したその市議会において、この改正案は、男女共同参画を進めることや、社会、議会を多様にしていくこと、これに資する内容であるかどうかの視点でこの改正案について見てまいりたいと思います。
今回この改正案を検討するに当たって、さまざまな自治体の会議規則、申し合わせなどを調査しました。例えば政令市や九州の県庁所在地、そして国について調査して検討いたしました。調査課に尋ねたところ、議場に誰が入れるかという点については、政令市について調査しているという回答でありました。
まず、今回提案されている欠席についての規定のところですが、先ほどお尋ねいたしましたが、あらかじめはどれぐらい前なのかということだったんですが、御回答がいただけませんでした。あらかじめというのが、まず非常に不明瞭だと思っています。例えば子供の急な発熱。先ほどもお話がありましたが、子供は急に熱を出したりします。そのときに対応が難しい状況です。
また、事故とありますが、例えば交通事故なども想定されます。そして本人が連絡できない場合もあります。事後になる可能性もあります。
また、出産についてもあらかじめとありますが、出産においても出産の予定日はわかりますけれども、実際の出産の日にちはわかりません。ですから、あらかじめというのは難しくなってくるわけです。
例えば福岡市議会を見てみますと、ここはあらかじめなどではなく、会議の開始時刻前までにと明らかに書いてあります。このような文言を参考にするのでもいいのではないかと思います。また、本人があらかじめ、前もって届け出ることができない場合ももちろんありますよね。そういうときは、事後にもできるような内容を盛り込むことも必要ではないでしょうか。
また、出産において休むことができるというものがあるんですが、それで休むときも、代弁者として声を届ける仕組みが必要です。私も体験しましたが、私の出産予定日は4月8日だったんですが、3月下旬まで議会がありました。自分の体のことや赤ちゃんのことを考えると、体を休めた方がいい時期です。労働基準法にも産前産後の休暇が設けられている、母体保護のために労働者を休ませなければいけないとされている時期です。そのときに私が休まないことを選んだのは、休んでしまうと、私が代弁者として私の仕事を果たせないと、そう思ったからです。そのときは子供の医療費など重要な案件が出ておりましたし、安心して出産のときも休めるためには、何らかの、私たちが代弁者として市民の声を届ける方法が必要です。これもあわせて規定に盛り込む必要があります。
現在、市議会では、書面で賛否を出しております。しかし会議規則には、採決のときは議場にいなければならないとされていますので、採決の数日前に書面で意思表示をしていたとしても、議場にいなければそれは反映されないというふうに今はなっております。このような規定も、採決のとき議場にいなければならないという規定も、ただし書きのようなものを設けて、書面での賛成、反対の意思表示を有効にするような、そのような規定を設けてもいいのではないでしょうか。
またこれについて、育児のことについては全く触れられておりません。育児との両立についてですね。育休のことなどについてもあわせて考えるですとか、またこれはたびたび申し上げていることですが、傍聴者、来訪者、議員用の託児所の設置など、育児との両立についてもあわせて考える必要があると思います。
また少し細かいことにはなりますが、様式に、期間を定めてとあります。欠席する期間を定めて届け出なければならないとあるんですけれども、規則には期間は入っておりません。規則には理由を付すとだけあるんですが、様式には理由と期間両方届けないといけないことになっております。様式に理由と期間両方あるのであれば、規則にも理由と期間両方入れるべきではないでしょうか。
次に、第135条の「会議中、出席又は退席しようとする者は、様式第3号により、議長に届け出なければならない。」の部分ですが、「会議中、出席又は退席しようとする者」というのは、現在出席したり退席されている方が頻繁にいるように思います。このような短時間の場合はどうするのか。または、子供を病院に連れていき、午前の途中から出席するとき、また午後の途中から出席するときはどうするのかという問題があります。
なぜなら、今回新しく定められたのは、この様式なんですね。この条項は前からありました。「出席又は退席しようとする者は、議長に届け出なければならない。」というのはあったんですが、今回様式が追加されました。そしてその様式をよく見てみますと、何月何日の午前または午後、どちらかを選ぶようになっています。では、子供を病院などに連れていって午前の途中から出席するとき、午後の途中から出席するときどうするのか、この点なども不明確です。まだまだ議論の余地があるのではないでしょうか。
そして先ほども話がありました、第1条の2の議場に入ることができる者のところの規定です。これは先ほど申し上げた政令市、九州の県庁所在地、国などを見ましたが、どこにもない規定です。議場に誰が入れるのか、これはどこにもない規定です。これは、日本で初めての条項として入れるものであるというふうにも考えられると思います。
(「質問ではないでしょう」と呼ぶ者あり)
◆緒方夕佳 議員 今は討論をしておりますから質問ではないんです。
日本で初めての条項として入れる、この重みですね。今、この新しい条項をつくることで、熊本市議会は注目されると思います。この、議場に誰が入れるかということについて、日本で初めての条項を入れるに当たり、本当に議論がし尽くされているでしょうか。ほかの自治体に誇れるような規定になっているのでしょうか。
例えば、第1には、議場に入れる者として議員が規定されております。第2は、地方自治法第121条第1項の規定により議長から出席を求められた者とありますが、この地方自治法を見てみますと、教育長や人事委員会の委員長などが挙げられております。そして3番目として、議長が特に認める者とあります。では、そのほかの職員のことですとか報道のことなどは、ここには定められておりません。
これでは、先ほども申し上げたように、議長が特に認める者というふうに、随分広範囲を議長がその都度認めるような規定になっております。また、どのように認めるのかとかどのような手続をとるのかとか、そのあたりも全く定められておりません。
そして、特に判断基準が示されていないことによって、議長によって異なった判断にはならないでしょうか。認める、認めないの判断の理由を明らかにすることですとか、例えば認められなかった場合は再考してもらいたい場合の再考の請求などの手だてが必要ではないでしょうか。このように、公平な判断というのをできる仕組みが必要だと思います。
そして、そもそもこの条項が必要なのかどうか。日本のその他の議会でまだないような、この条項が必要なのかということもあわせて議論する必要があるのではないでしょうか。
議員というのは、どんな人でもなり得るものです。議会制民主主義において、どんな市民でも、議員になって活動できることが必要です。私は、初めて任期中に出産して、生まれたばかりの赤ちゃんを母乳育児をしながら育てている例です。ほかにどんな社会環境や条件の方がなり得るのか、それらの方を支えて存分に議員活動ができるのか、そのような環境を私たちがつくれているか、その環境をつくることを議論し尽くせていないのではないでしょうか。
現在、私たちの市議会では、議会基本条例の制定について継続審議中です。政令市のほとんどの自治体では議会基本条例を制定し、その他のたくさんの自治体でも現在議会基本条例は制定しておりますが……
○
澤田昌作 議長 緒方議員にお伝えいたします。
会議規則の一部変更についての討論をお願いします。
そしてわかりやすく簡潔にお願いいたします。
◆緒方夕佳 議員 これは改正案についての討論です。議会基本条例というのは、議会の憲法のようなものなんです。そこで多様性を担保し、わかりやすく開かれた議会運営というものをうたっているものがほとんどです。したがって、開かれた議会にすることですとか、どんな人でも議員活動ができるように保障することが議会運営において原則であります。そしてこの改正案は、この原則に即したものになっているでしょうか。
去年の11月22日に私が議会に当時7カ月の長男を同伴して出席しようとしたことによって、国内外で大きな議論が起きました。このように大きな反響は、私にとっては予想外のことでありました。いかに資本主義社会における女性の労働や社会的地位の確立、仕事と子育ての両立、女性の政治参画が普遍的課題であるかを示しております。
政府が女性の活躍、ウーマノミクス等と掲げているように、女性の労働環境の整備は喫緊の国民的課題です。女性の所得が男性に比べて低いことや不安定な雇用条件により、ひとり親、特にシングルマザーの家庭では経済状況が厳しく、子供の貧困と言われるような状況が……
○
澤田昌作 議長 緒方議員。緒方議員に再度お伝えいたします。
発議第1号の討論についての御発言をお願いいたします。
◆緒方夕佳 議員 発議第1号、これについての討論です。議長においては、議場の品位を保つために静粛にお願いするように、発言がスムーズにできるようにお取り計らい願います。
○
澤田昌作 議長 はい。引き続きお願いします。
◆緒方夕佳 議員 政府が女性の活躍、ウーマノミクス等と掲げているように、女性の労働環境の整備は喫緊の国民的課題です。女性の所得が男性に比べて低いことや不安定な雇用条件により、ひとり親、特にシングルマザーの家庭では経済状況が厳しく、子供の貧困と言われるような状況が起きています。一向に解消されない待機児童、産後鬱、それによるゼロ歳児の虐待死や子供の虐待なども深刻な問題です。
これら全て互いに関連する問題であり、これらの課題解決のためには当事者が政策決定の場に必要であり、議員活動と子育ての両立は喫緊の課題です。かみ砕いて言えば、今、子供を犠牲にせずに議員活動ができると思っている女性はほとんどいないのです。
熊本市議会として、身を乗り出して環境整備をすることが必要ではないでしょうか。政策決定の場に女性がふえることで、女性の就労や就業、妊娠出産、また子育て支援の拡充など、さきに述べた課題の解決ができます。これまでの考え方ややり方が少子化を引き起こしていることには、真摯に向き合うべきではないでしょうか。
これまで述べてきましたように、今回の改正案については、まだまだ議論を深める点があります。私がこれまで要望を出してきましたように、ぜひとも委員会を設置して、全員で、当事者を含め、また専門家なども含め、議論していく必要があるのではないでしょうか。この状況で、賛成しますと3回発言があった、それだけの内容で熊本市議会全体として議決をとっていいものでしょうか。私としては、まだまだ議論をする必要があるということで、今回の採決には反対いたします。これで討論を終わります。
○
澤田昌作 議長 以上で討論は終わりました。
それでは採決いたします。
本案に対し、賛成の議員の起立または挙手を求めます。
〔賛成者起立〕
○
澤田昌作 議長 起立多数。
よって、本案は「可決」されました。
────────────────────────────
○
澤田昌作 議長 本日の日程は、これをもって終了いたしました。
この際、お諮りいたします。
明13日から3月25日まで13日間は、委員会開催並び休日のため休会いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
○
澤田昌作 議長 御異議なしと認めます。
よって、明13日から3月25日まで13日間は、休会することに決定いたしました。
次会は、3月26日(月曜日)定刻に開きます。
────────────────────────────
○
澤田昌作 議長 では、本日はこれをもって散会いたします。
午後 0時07分 散会
〇本日の会議に付した事件
一、議事日程のとおり
平成30年3月12日
出席議員 47名
1番 澤 田 昌 作 2番 藤 山 英 美
3番 光 永 邦 保 4番 大 塚 信 弥
5番 山 部 洋 史 6番 緒 方 夕 佳
7番 小 池 洋 恵 8番 三 森 至 加
9番 高 本 一 臣 10番 小佐井 賀瑞宜
11番 寺 本 義 勝 12番 福 永 洋 一
13番 西 岡 誠 也 14番 田 上 辰 也
15番 浜 田 大 介 16番 井 本 正 広
17番 藤 永 弘 18番 原 亨
19番 原 口 亮 志 20番 紫 垣 正 仁
21番 くつき 信 哉 22番 田 中 敦 朗
23番 那 須 円 24番 重 村 和 征
25番 村 上 博 26番 上 田 芳 裕
27番 園 川 良 二 28番 倉 重 徹
29番 満 永 寿 博 30番 三 島 良 之
31番 齊 藤 聰 32番 大 石 浩 文
33番 田 尻 善 裕 34番 上 野 美恵子
35番 白河部 貞 志 36番 藤 岡 照 代
37番 津 田 征士郎 38番 坂 田 誠 二
39番 竹 原 孝 昭 40番 江 藤 正 行
41番 鈴 木 弘 44番 落 水 清 弘
45番 古 川 泰 三 46番 北 口 和 皇
47番 田 尻 将 博 48番 家 入 安 弘
49番 田 辺 正 信
欠席議員 1名
43番 田 尻 清 輝
説明のため出席した者
市長 大 西 一 史 副市長 多 野 春 光
副市長 植 松 浩 二 政策局長 古 庄 修 治
総務局長 田 畑 公 人 財政局長 中 原 裕 治
市民局長 萱 野 晃
健康福祉局長 池 田 泰 紀
環境局長 勝 谷 仁 雄 経済観光局長 中 村 英 文
農水局長 西 嶋 英 樹 都市建設局長 肝 付 幸 治
消防局長 中 村 一 也 交通事業管理者 西 本 賢 正
上下水道事業管理者永 目 工 嗣 教育長 遠 藤 洋 路
中央区長 石 櫃 仁 美 東区長 田 端 高 志
西区長 白 石 三千治 南区長 松 石 龍太郎
北区長 野 口 恭 子 病院事業管理者 高 田 明
職務のため出席した事務局職員
事務局長 田 上 美智子 事務局次長 大 島 直 也
議事課長 本 田 正 文 調査課長 中 川 和 徳...