平成30年12月 定例会(第4回) 平成30年第4回
宇土市議会定例会会議録 第3号 12月7日(金)午前10時00分開議1.議事日程 日程第1 質疑・一般質問 1.
野口修一議員 1
ユニバーサルな地域社会 2 発達障がいの理解と支援 3 網津地区の水害対策 4 八代港からの物流道路 2.
中口俊宏議員 1
日本遺産認定に向けた取組について 2
地域婦人会連絡協議会への支援について 3 独居高齢者の孤独死対策について 3.
芥川幸子議員 1 子育てに優しいまちづくりについて 2 市民の健康長寿に対する取組について 3 障がい者の自立支援に向けた取組について 4 市民の安全・安心を守る対策について 4.福田慧一議員 1
小中学校体育館への
エアコン設置について 2 子どもの貧困対策について 3
中小企業対策について 日程第2 常任委員会に付託(議案第81号から議案第107号) 日程第3
常任委員会に付託(請願・陳情)2.本日の会議に付した事件 議事日程のとおり3.出席議員(18人) 1番 佐美三 洋 君 2番 小 崎 憲 一 君 3番 今 中 真之助 君 4番 西 田 和 徳 君 5番 園 田 茂 君 6番 宮 原 雄 一 君 7番 嶋 本 圭 人 君 8番 柴 田 正 樹 君 9番 平 江 光 輝 君 10番 樫 崎 政 治 君 11番 野 口 修 一 君 12番 中 口 俊 宏 君 13番 藤 井 慶 峰 君 14番 芥 川 幸 子 さん 15番 山 村 保 夫 君 16番 杉 本 信 一 君 17番 村 田 宣 雄 君 18番 福 田 慧 一 君5.欠席議員(なし)6.説明のため出席した者の職・氏名 市長 元 松 茂 樹 君 教育長 太 田 耕 幸 君 総務部長 杉 本 裕 治 君 企画部長 石 本 尚 志 君
市民環境部長 瀧 口 卓 也 君
健康福祉部長 宮 田 裕 三 君 経済部長 小 山 亨 君 教育部長 山 本 保 廣 君 会計管理者 舩 田 元 司 君 総務課長 野 口 泰 正 君
危機管理課長 江 河 一 郎 君 財政課長 光 井 正 吾 君 企画課長 田 尻 清 孝 君
まちづくり推進課長 淵 上 真 行 君
環境交通課長 草 野 一 人 君 福祉課長 加 藤 敬一郎 君
高齢者支援課長 岡 田 郁 子 さん
子育て支援課長 中 山 好 美 さん
健康づくり課長 中 熊 照 美 さん
商工観光課長 藤 本 勲 君 土木課長 渡 邉 聡 君
都市整備課長 山 崎 恵 一 君
学校教育課長 渡 辺 勇 一 君 指導主事 前 田 至 誠 君 生涯
活動推進課長 文化課長 野 田 恵 美 さん 湯 野 淳 也 君7.
議会事務局出席者の職・氏名 事務局長 小 山 郁 郎 君 次長兼庶務係長 湯 野 良 子 さん 議事係長 牧 本 誠 君 議事係参事 永 守 未 和 さん 午前10時00分開議
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○議長(柴田正樹君) これから,本日の会議を開きます。
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△日程第1 質疑・一般質問
○議長(柴田正樹君) 日程第1,質疑並びに一般質問を行います。発言通告があっておりますので,順次これを許可します。 11番,野口修一君。
◆11番(野口修一君) 皆さんおはようございます。平成30年第4回議会で質問の機会をいただきありがとうございます。今回の一般質問は,
ユニバーサルな
地域づくりについて,発達障がいの理解と支援について,ほか2点について質問をさせていただきます。執行部におかれましては,簡潔明瞭な回答をお願いして,これから後は質問席にて質問させていただきます。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) まず初めは,
ユニバーサルな地域社会というテーマで七つの質問をいたしたいと思います。 熊本県は,国内での
バリアフリーに対する啓発と改善は早かったのですが,宇土市の
バリアフリー化の取組はどうか,聞きたいこと。また
ユニバーサルデザインは国内でも最も早く啓発活動が始まったのは熊本県ですが,そのきっかけは前知事の潮谷義子さんが提唱されて始まり,国内に広がりました。もともと熊本市では全国でも早く
バリアフリーの推進を市民が提唱して取り組んできたので,低床電車や低床バスが導入されてきました。この
バリアフリーの考え方の確認と,
ユニバーサルデザインを目指す方法の違いも含め,市としての理解加えて現在の宇土市での実施状況を含めて報告をお願いします。総務部長お願いします。
○議長(柴田正樹君) 総務部長,杉本裕治君。
◎総務部長(杉本裕治君) おはようございます。まず,
バリアフリーと
ユニバーサルデザインの違いについてお答えいたします。
バリアフリーとは,障がい者や高齢者等が社会生活を営む上で障壁となる,いわゆるバリアを除去し,物理的障壁だけではなく,社会参加を困難にする社会的,制度的,心理的な全ての障壁の除去に対処するという考え方でございます。 一方,
ユニバーサルデザインとは,あらかじめ新しいバリアが生じないよう,誰にとっても利用しやすくデザインするという考え方であり,その意味では
バリアフリーを包含し,発展させたものと考えることができます。 なお,
ユニバーサルデザインにつきましては,本県において前知事の力強いリーダーシップのもと,他自治体に先駆けて,積極的に取り組んでこられたところであります。 次に,本市における
バリアフリーと
ユニバーサルデザインの取組状況についてお答えいたします。 本市におきましては,これまで「住んでみたい,ずっと住み続けたい,宇土市」を目指し,障がい者や高齢者をはじめ,妊婦や子ども連れの方など,全ての方が安全で快適に
公共施設等を利用できるよう,市総合計画や市障がい者プラン等において,
バリアフリー化や
ユニバーサルデザインを取り入れた施設整備を図ることを重要施策として位置づけ,
公共施設等はもちろん,店舗等においても県補助金を活用した改修工事の一部を助成する制度を設けるなど,積極的な導入に取り組んできたところでございます。 今後,本市におきましては,新庁舎や中央公民館の建設を予定しておりますが,高い耐震性を有することはもちろん,
ユニバーサルデザインを積極的に取り入れるとともに,既存の
公共施設等においても利用者に配慮した
バリアフリー化の推進を図るなど,引き続き全ての方が安全で快適に利用できるよう取り組んでまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 詳しく御説明いただきありがとうございます。また新庁舎にも
ユニバーサルデザインを取り入れることについても,御説明いただき賛同するところです。御説明のように,
バリアフリーは問題を除くこと,
ユニバーサルデザインは問題とならないように事前に多様な問題対処に取り組むことだと私は考えております。これからの社会は,問題・課題に対処する火事場的な行政支援ではなく,
ユニバーサルデザインのような将来問題になることを検討し,準備する行政が必要ではないかと考えております。また,全く需要がないのに準備するのは無駄なので,社会の変化や要望に関心を持ち,状況を察知して準備する
ユニバーサルデザイン的な
地域づくりも必要と考えております。それには,これまでに起こった様々な出来事から問題点を掘り起こし,整理していくことが重要と考えております。 そこで次の質問に移るのですが,熊本地震が起きて,多くの方々が避難生活をされました。その避難所の共同生活では,多様な人たちが生活を共にされたのですが,いろんな困りごと,心身のストレス,それを解消するためにどんなことがなされたのか報告をお願いします。多様な人たちとは,心身障がい,発達障がい,精神障がい,多国籍の人々,宗教の問題,育児,介護などなど,
インクルーシブの考え方も入れて報告をお願いします。総務部長お願いします。
○議長(柴田正樹君) 総務部長,杉本裕治君。
◎総務部長(杉本裕治君) 御質問についてお答えいたします。 平成28年熊本地震における避難所の状況につきましては,危機管理課で把握しております案件について御報告いたします。 まず,畳で寝ると体が痛いという相談があり,
段ボールベッドを設置することで対処いたしました。 次に,同じ避難者の生活音がうるさい,という苦情がございましたので,避難所内で場所の移動を行っていただきました。 次に,障がいのある子どもと避難したいが,小部屋を確保してもらえないか,という要望がございました。小部屋を確保することが難しく,お断りした経緯がございます。 さらに,7月から避難所を走潟
地区体育館,轟地区農業者トレーニングセンター及び
緑川地区農業者トレーニングセンターに集約した後も,避難者間の共同生活の中で支障等があった際に,個別に対応しております。 例えば,ある高齢者の方が頻繁にトイレに行くため,トイレに近い場所に配置したり,夜,消灯後でもトイレに行けるよう,トイレまでの動線上に小さいランタンを設置して対応いたしております。 また,避難者の方に,風邪や
インフルエンザ等の感染症の疑いがあれば,他の避難者から離れた場所へ移動していただきました。 最後に,避難者が孤立しないように
避難所従事者が声かけや,部屋割りに配慮いたしております。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 御説明ありがとうございます。私も避難所の支援を受けたのですが,大きな問題を抱えた方は当初は避難所におられたと聞きましたが,周りに配慮をされたのか早い時期に自宅や親戚に移動された話を後で聞きました。避難所での困りごと解消には,市の担当の方々の早め早めの対応された話をたくさん聞きました。献身的な避難所対応には感謝をするところです。 次の質問に移ります。次の内容は多様な人たちの教育についてです。私の言う多様な人たちというのは,前に挙げた様々な障がいと多国籍の人々,宗教の問題を含めた教育に対応することと加えて,LGBTの方々を含めた
インクルーシブの考え方も入れた教育支援についてお尋ねします。教育部長お願いします。
○議長(柴田正樹君) 教育部長,山本保廣君。
◎教育部長(山本保廣君) 御質問の学校における多様な人たちの教育への対応や,
インクルーシブの考え方についてお答えいたします。 LGBT等への理解の教育については,小学校では学習を行っておらず,中学校では,全ての中学校で保健体育や学活の時間において,性の多様性,性差別,性同一性障がいといった内容で学習を行っております。また,発達障がいなど特別な支援が必要な児童生徒については,学校において合理的配慮を明記した個別の指導計画・個別の
教育支援計画を作成し,学級担任,
特別支援学級,通級指導教室,
特別支援教育支援員等で支援体制を整えております。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 簡潔明瞭に御説明いただいたのですが,小学生の性教育に関しては現在様々な議論をいただいているところですが,性の多様性,性差別,性同一性障がいに関する学びも,今後は小学生においても必要になってくると考えております。それは次に質問するいじめや不登校の問題と非常に関連することなので,わざわざいじめや不登校の質問の前に挙げました。先進国のデータによりますと,青少年の自殺の大きな原因にLGBTがあり,性同一性障がいが原因でいじめや不登校になったケースが多くあると聞いております。これは日本でも起こっていることでもあり,LGBTが話題になればなるほど学校現場で気を付けてほしいのです。よろしくお願いをいたします。 そこで,多様な人たちの理解と支援,いじめ等について質問いたします。
インクルーシブ的な教育の現場では,様々な障がいを持つ外国籍の人たちや個性的な性格を含めた様々な違いから,偏見やいじめ,さらには差別発言,ヘイトスピーチにつながることも問題視されています。その個性の理解と支援について,現在どんな支援をしているのか。加えて,欧米の青少年の自殺に大きな原因と言われるLGBT(
性的マイノリティ)の理解と支援についての考えもお願いします。教育長お願いします。
○議長(柴田正樹君) 教育長,太田耕幸君。
◎教育長(太田耕幸君) 御質問の多様な人たちの理解といじめ,差別についてお答えいたします。 性の多様性の理解については,人間の性意識にはそれぞれ個人差があり,それを知らずに相手も自分と同じだと思い込んだり,自分の気持ちを一方的に押し付けたりして,相手を傷つけてしまうことがあります。また,相手から嫌われたくないと思い,我慢して相手に従ったために,自分自身が傷ついてしまうこともあります。一人一人の体と心が違うこと,多様な考え方,感じ方があることを理解することで,お互いを尊重した関係を築くことができます。これまで学校では,児童生徒やその保護者から性についての相談を受けた実績はありませんが,今後相談があることも予想されるため,対応として,職員トイレの使用や職員更衣室の利用など,児童生徒の
マイノリティの状況や要望に合わせた配慮が大切であると考えます。
インクルーシブの考え方については,一般的には障がいのある児童生徒と障がいのない児童生徒が共に学ぶ
仕組みづくりを指しますが,障がいのある児童生徒と障がいのない児童生徒はもちろん,外国籍の人や宗教の問題も含めた
マイノリティである児童生徒がいた場合の対応についても,学校において状況に応じた合理的配慮を行っていくべきと考えております。 いじめや差別をなくすためには,お互いを尊重し理解するための学びが大切です。今後も学校において,多様な人たちについて理解するための学びを深めてまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 詳しく御説明いただきありがとうございます。多様な人たちの共同生活の場となる学校は,国際化の視点だけでなく,多様な性の志向にも関心を持ち,子どもを理解し支援していくことが,これからの教育に必要と考えております。特に性の問題は生徒の精神的な成長にも関係があると思います。私はLGBTの方々に関して,人の能力と性指向は分けて考えることが大事と考えています。最近国会議員が,同性のカップルは生産性がないといった差別的な発言がありましたが,配布した新聞紙等にあるように日本文学の研究者であるロバート・
キャンベル教授や
ノーベル平和賞を受賞された南アフリカの
マンデラ大統領の人生のパートナーは同性であることはよく知られています。人の能力と性指向は別のことであることを子どもたちが理解するのはなかなか難しいと思いますが,教師たちが理解を深める研修を重ねていくことで,学校に関わる方々に理解が広がり,子どもたちの理解につながると考えますので,今後取り組んでいただくことをお願いいたします。
インクルーシブ教育に関する感想と意見は,このテーマの最後の答弁の後に述べたいと思います。 次の質問に移ります。新聞では先月の
熊本市長選挙で,同一カップルが
男女カップルの権利と同等に認める
パートナーシップ制度の条例化を希望する団体が,熊本市議会へ要望書を提出したことから,両市長候補の政策テーマとなったことを知らせています。そこで,この
パートナーシップ制度のような支援策について,宇土市としての理解と先進地の状況について御報告をお願いします。総務部長お願いします。
○議長(柴田正樹君) 総務部長,杉本裕治君。
◎総務部長(杉本裕治君) 多様な人たちを理解し支援する行政の仕組みについてお答えいたします。 御質問の
パートナーシップ制度につきましては,現在,東京都渋谷区をはじめ,本年11月現在で9自治体が導入しており,県内では先日の新聞報道のとおり,熊本市が4月からの導入を予定されております。 この制度は,自治体が
同性カップルをパートナーとして証明書等の交付により公的に認めるものであり,例えば,公営住宅へ
同性カップルとしての入居が可能となるほか,事業所によっては,生命保険金の受け取りや携帯電話等の割引制度が利用できるなど,
各種サービスの拡大が図られております。
同性カップルの方々にとって,当該制度の導入は,何よりもカップルであることを公的に認められるということに大きな意義があると考えられます。LGBTなどの
性的少数者に対する
社会的認知度を深める大きな契機になるものと考えております。 LGBTなどの
性的少数者に対しては,依然として根強い偏見や差別があり,多くの方々が声を潜め苦しんでおられます。 そのため,まずは市民一人一人が,LGBTなどの
性的少数者に対する正しい知識と認識を深め,お互いを尊重しあえる意識を醸成することが重要ではないかと考えております。そのような状況を踏まえ,現在,本市においては,平成22年に策定しました宇土市人権教育・
啓発基本計画に基づき,全ての人の基本的人権が尊重され,全ての人が共に生きることができる社会の構築を目指し,人権教育・啓発活動の推進に取り組んでいるところであります。 なお,
当該基本計画につきましては,LGBTなどの
性的少数者をはじめ,複雑化・多様化する人権問題に対応するため,平成31年3月の第2次改訂に向け作業を進めている状況であります。 今後,本市におきましては,
パートナーシップ制度の導入事例は全国的に少ない状況ではありますが,まずは先進自治体の制度内容等の情報収集を行い,併せて国の動向等に注視するとともに,常にLGBTなどの
性的少数者の皆様のお気持ちに寄り添いながら,
パートナーシップ制度を含め,どのような支援制度が必要であるか研究してまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 詳しく調査をいただき,加えて
パートナーシップ制度を説明してもらいありがとうございます。答弁の初めに御報告された,熊本市は大西市長の決断で来年4月から
パートナーシップ制度が始まることで県内に広がることを願っているところです。しかし,
欧米先進諸国からすれば日本でのLGBTの認知と理解,さらに
パートナーシップ制度の普及は始まったばかりです。この熊本にも日々苦しい思いを持たれている方がおられることは変わりませんので,啓発活動を積極的に進めることと,早め早めの準備が必要と考えておりますので,市民から要望があった折にはすぐ対応できるよう,お願いしたいところです。それと来年3月にまとめられる宇土市
人権教育啓発基本計画に,
LGBT性的マイノリティの方々を支援する
仕組みづくりも加えていただくことをお願いして,次の質問に移ります。 これまで多様な方々の生活に関する質問を取り上げましたが,その中で特に
性的マイノリティ,LGBTの方々の理解と支援ついて,今後,宇土市はどう取り組んでいくのか,市長の見解と考えをお尋ねします。お願いします。
○議長(柴田正樹君) 市長,元松茂樹君。
◎市長(元松茂樹君) お答えをいたします。 昨今,生物学的な性であるからだの性と,自分の性をどう認識するかというこころの性が一致しないという方々,日常生活の中でいろんな場面において奇異な目で見られるなど精神的な苦痛を受けておられます。また,就職をはじめ,自認する性での社会参加が難しいなど,社会の無理解あるいは偏見のため不利益や差別を受けておられる状況にあると思います。 また,同性愛者や両性愛者の方々は,少数であるということもあって,根強い偏見や差別があるため,当事者の多くは自らの性的指向や悩みを周囲に相談したり,公言して生活したりすることができにくい環境にもあると思います。 このようなLGBTなどの
性的少数者の人権を守るためには,教育現場や職場,地域社会など周囲の人々が性に対する多様なあり方を認識する,そして理解を深めていくことが必要であると考えます。特に,児童生徒などによっては,いじめや差別につながる恐れがありますので,学校の状況に応じた合理的な配慮を行いながら,児童生徒のみならず教職員一人一人がお互いを尊重し理解するための学びを行うなど,学校における支援体制の充実に努めていく必要があると考えております。 先ほど総務部長の答弁にもありましたが,本市におきましては,平成22年に宇土市人権教育・
啓発基本計画を作成し,行政,学校,企業・民間団体,家庭・地域が,それぞれの主体が担うべき役割を踏まえながら,相互に連携し,人権教育・啓発活動の推進に取り組んできたところであります。その中で,市民に対してLGBTにまつわる偏見を人権課題として正しく理解していただくために,今年の広報うと9月号において,性同一性障がい・性的指向をめぐる人権に関する記事を掲載するなど啓発活動を行ったところでございます。また,来年2月に開催するハートフルフェスタにおきましても,性的指向と性自認に関する啓発パネルの展示や,
人権擁護委員など地域社会で人権教育の指導者となられる方々を対象とした
市人権教育指導者研修会において,各小中学校の
人権教育主任などにも参加を呼び掛けて,性の多様性についての理解を深めるために研修会を開催する予定としております。 また,本市における
パートナーシップ制度導入という件に関しましてですが,先ほど部長の答弁にもありましたとおり,現在,全国で導入している自治体が九つとまだまだ例が少ない状況にあります。どのような問題が発生しているのか,そのあたりもまだつかみきれていない状況ではございますが,まずは,先進自治体の制度内容などの情報収集を行い,併せて国の動向に注視しながら,
パートナーシップ制度を含め,本市にとってどのような支援制度が必要であるか検証・研究を行ってまいります。そのためには,LGBTなどの
性的少数者の方の声を聞きながら,実現可能な施策を共に考えていくことが大切であると思うところでございます。 今後もLGBTなどの
性的少数者の人権に関して理解を深めるために,さらには多様性を認め合い,自分らしく暮らせる地域社会にしていくため,本市としても今年度中に改訂を予定しております
当該基本計画に沿って,行政のみならず関係団体と連携し,啓発活動などを積極的かつ継続的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上です。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 市長,御答弁ありがとうございます。他市の状況も踏まえ詳しく御説明いただき,また,今後の取組についても触れていただき当事者の声にも耳を傾けていただく考えも賛同するところです。今後は苦しい状況にある
性的マイノリティの方々の理解と支援,さらに交流もできるような未来が早く宇土市にもできるようにするには,私自身も何が必要か勉強してまいりたいと思っております。 次の質問に移ります。
ユニバーサルな地域社会の最後の質問です。宇土市の
インクルーシブ教育について,これまで
ユニバーサルな地域社会というテーマの質問を踏まえて,市として今後の取組,教育方針等があるのか御説明ください。教育長お願いします。
○議長(柴田正樹君) 教育長,太田耕幸君。
◎教育長(太田耕幸君) 宇土市の目指す
インクルーシブ教育についてお答えいたします。 宇土市では,平成27年度に文部科学省より
インクルーシブ教育システム構築モデル事業の委託を受け,宇土小学校をモデルスクールとして,合理的配慮を見いだすためのチェックシートの作成や,学校・家庭・専門機関における連携体制の強化,
ユニバーサルデザインの授業づくり等の実践を行いました。また,平成29年度には宇土小学校において公開授業を開催し,全ての幼稚園,小・中学校において,障がいのある子どもと障がいのない子どもが,できるだけ同じ場で共に学ぶことができる
インクルーシブ教育システムの構築を目指しているところでございます。
インクルーシブ教育システムの構築のためには,障がいのある子どもが一般的な教育制度から排除されないこと,障がいのある子どもに対する支援のために必要な教育環境が整備されること,障がいのある子どもに対し,その状況に応じた合理的配慮が提供されることが必要となります。 具体的には,通常の学級,通級教室,
特別支援学級の環境整備の充実を図るため,市独自の非常勤支援員の配置を行っております。宇土小学校と花園小学校には,非常勤の合理的配慮協力員を配置しております。また,障がいのある子どもの支援の充実のため,特別支援学校の巡回相談やスクールカウンセラー,スクールソーシャルワーカー等の専門家の活用も図っております。 今後も引き続き,
ユニバーサルデザインに基づいた,何を学ぶのかが分かるめあての提示,めあてに沿ってじっくり考えはっきり表現させる場の設定,何を学んだのかが分かるまとめの提示等,全ての子どもたちが分かりやすい授業の実践や,多様な学びの場の教育環境づくり,個別の指導計画,個別の
教育支援計画の活用による個人差に応じた学習への対応等に取り組み,発達障がいをはじめ多様な特性のある子どもたちに対する合理的配慮が行えるよう取り組んでまいります。また,教諭免許を持った市独自の非常勤支援員の確保と教職員の研修の充実を図るとともに,子どもの障がいの状況に即した教材備品や特別支援教育備品の整備を行い,子どもたちが学習活動に参加している実感・達成感を持ちながら,充実した時間を過ごしつつ,生きる力を身に付けていけるような宇土市における
インクルーシブ教育システムの構築を推進してまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 教育長には詳しく御説明いただきありがとうございます。
ユニバーサルデザイン的な思考と視点を持って,一人一人の子どもたちの教育状況,成長段階に合わせる教育支援をするという教育方針と受け止めました。ただ,
インクルーシブ教育の視点が障がい者,発達障がい児の子どもたちを教育に加えて,共生の視点での学校運営が答弁の中心だったように思います。私のやってほしい
インクルーシブ教育の解釈は,これまでの教育で1年生,2年生と進学する段階で,少し理解が足りない子どもが置き去りにされている風景を何度も見てきました。それは家庭事情だったり,子ども自身の心の問題だったり,あるいはいじめが原因だったりがあったと思います。福祉の分野では,一般的に
インクルーシブを日本語に訳すと社会的包摂と訳しますが,最近の福祉の取組を見る中で,生活が崩壊しホームレスになったり,あるいは例えは悪いですがテレビなどで紹介される大阪の日雇い労働者が集まるあいりん地区など厳しい状況にある方々を,一人も見捨てず社会へ再度復帰させる活動を
インクルーシブの社会づくりとして国も推進をしています。また4年前の夏休み中に北九州から教師の菊池省三先生を招き,荒れた教室を改善する誉め言葉のシャワーの指導法で,落ちこぼれの生徒を一人一人輝かせ,やる気のある子どもに変えていく授業を今中議員と西田議員とともに宇土市民会館で開催をしました。菊池先生の模擬授業には,宇城地域だけでなく,県下各地からも教師や保護者が参加され,熱心に傍聴されました。その模擬授業で実践された発達障がいの子どもの目を輝かせる授業とはどんなものかを知ってほしいと願います。菊池省三先生は,もともと北九州の工業地帯で教鞭を取り,不況で家庭崩壊した子ども,海外から移住した子どもが増え,そんな教室をコントロールできず,荒れたクラスを改善していく中で,一人一人の成長に合わせて褒めて育てる教育実践の教育法を見つけ出された方です。是非,宇土市でも取り組んでいただきたい教育実践と考えています。私の願いでもある一人一人の個性的な子どもたちを誰も見捨てない。年齢で教えるのではなく,一人一人の心身,家庭環境も踏まえて成長に合わせる
インクルーシブ教育を推進していただくことをお願いして,このテーマの質問を終わります。 次のテーマは,発達障がいの理解と支援の在り方についてです。昨年から私が発達障がいの理解と教育に関心がある仲間と始めた,宇土市発達障がい児・者の教育を考える市民公開講座の中で,乳幼児の発達障がいの対応に戸惑って親からの相談が増え続けるということに驚きました。小学校での発達障がいへの対応は進み始めていますが,幼児・乳児への対応はどうなっているのか。加えて幼稚園・保育園での職員の発達障がいへの理解と育児対応についての研修等は現在どうなっているのかをお尋ねをします。
健康福祉部長お願いします。
○議長(柴田正樹君)
健康福祉部長,宮田裕三君。
◎
健康福祉部長(宮田裕三君) まず,幼児保育施設の発達障がい児対応の研修についてお答えいたします。 公立幼稚園では,県主催の研修への参加や園内独自の研修においても,発達障がい児対応についての研修に積極的に取り組んでおります。また,野口議員が関わっておられる市民公開講座に自主的に参加した教諭もおりました。さらに,教育委員会が主催した宇土市特別支援連携協議会の研修においても,発達障がい等に関する内容で講話を行うなど,障がいのある子どもが学び育つため一人一人のニーズに応じた適切な教育が図られるよう取り組んでおります。 また,保育所等においても,県や保育協会等主催の研修への参加や園内の研修において,発達障がい児対応についての研修に積極的に取り組んでおります。 次に,幼児保育施設の発達障がい児に関する相談窓口についてお答えいたします。 幼児保育施設では専門の相談窓口の設置はありませんが,公立幼稚園においては,年度初めの家庭訪問,毎学期の面談,保護者や専門機関を交えた園内ケース会議を行っております。また,保育所等においても,保護者から相談があった場合には,個別に話を聞くなどの面談の機会を設けております。 これらのことから,幼児保育施設では,個別に園に相談があった際は,教諭や保育士は保護者の心情を受け止め,共感的理解に努めるとともに,必要に応じて市保健センターや専門機関への相談をお勧めしております。また,次年度新入学時については,教育委員会の就学相談をお勧めしております。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 説明ありがとうございました。実は何度も同じような質問をしておりますが,今年の夏休みに開催をしました先ほどの第2回宇土市発達障がい児・者の教育を考える市民公開講座で,文部科学省初等中等局特別支援教育課特別支援教育調査官中村大介氏が,全国の児童生徒の中で発達障がいの子どもが増え続けていること,その対応に学校現場が追われていることを報告されました。私自身,事前打ち合わせのために文部科学省へ出向き,中村氏と詳しくうち合わせをする中で思ったことは,宇土市は早め早めに準備していかないと大人数の学校は大変になると危機感を感じました。特別支援教育調査官中村氏から早い段階での診断が必要,対応が早いほど保護者も発達障がいを理解し,子どもの個性に合わせる対応が可能となると説明をされました。 先週の土曜日,熊本県と熊本市の発達障がいの担当課が主催した発達障がいに関する講演会に参加をしました。講師は落語家の柳家花緑師匠で「発達障がいは私にとってギフトでした!発達障がい落語家誕生!」が講演のテーマでしたが,11人も弟子のいる花緑師匠の診断がつい最近であることは驚きました。花緑師匠の発達障がいは,学習障がいの中で字を覚えることが困難な識字障がい,ディスレクシアの症状だそうです。花緑師匠の小学校の5教科の通信簿は常に1か2だったこと。発達障がいの診断を受ける前まで自分は字を覚えるのが下手で,イコール勉強ができないと思い込んでいたそうです。しかし,字を覚えることが困難な学習障がいと分かり,気がとても楽になったと話されていました。これは診断前のことだそうですが,花緑師匠の日々の生活で困った例として,病院で診察前に書かされる問診票はとても困ると言われていました。文字を思い出せない,緊張するとさらに思い出せなくなると紹介されました。しかし,今は病院に行って識字障がいと伝えると,ゆっくりと字を思い出す時間を取れるとのことです。天才落語家と高評価の柳家花緑師匠が学習障がいだったことを知り,修行時代には相当努力されて今があるのだなと頭が下がる思いです。発達障がいの相談はなるべく早くしたほうがよいと思います。 そこで注目したいことが一つあります。ペアレント・プログラムという福祉の分野の子育てのものなんですけれども,これについての質問ですが,中村氏の説明と柳家花緑師匠の話からも発達障がいへの対応は早いほどよいと考えたら,私は妊娠してから出産前の段階で受ける親になる勉強の研修に取り入れるべきと考えております。そこで厚生労働省が推奨しているペアレント・プログラムについての説明と,宇土市では出産前の段階で受ける親になる勉強をどんなことをしているのか。また,今後どんな取組をするのかお尋ねをします。
健康福祉部長お願いします。
○議長(柴田正樹君)
健康福祉部長,宮田裕三君。
◎
健康福祉部長(宮田裕三君) ペアレント・プログラムは,子育てに難しさを感じる保護者の方がお子さんの行動の理解の仕方を学び,楽しく子育てをする自信をつけることと,子育ての仲間を見つける機会とすることを目的としたプログラムで,厚生労働省が推進する発達障がい者支援策の一つとして,各自治体での実施が呼び掛けられております。 また,このプログラムの目標は,1点目,保護者が子どもの性格ではなく,行動で考えることができるようになること。2点目,子どもを叱って対応するのではなく,できたことに注目して褒めて対応すること。3点目,保護者が仲間を見つけられること。以上の3点となっており,発達障がいやその傾向のある子どもをもつ保護者だけでなく,育児に不安の強い保護者,良い仲間関係が築けず困っている保護者等を,効果的に支援できるように設定されており,地域の保護者支援の充実が期待されております。 本市では,先月11月に,初めてお子さんの発達に不安をもつ保護者の茶話会を開催いたしました。参加された保護者の方々から御好評をいただき,平成31年2月に2回目を開催することとしております。併せて,発達障がい児の子育て経験のある方で,その育児経験を生かし,子どもが発達障がいの診断を受けて間もない保護者に対して相談や助言を行うペアレントメンターの養成も実施しています。 今後は,プログラムの導入に向け,発達障がい児及びその家族に対し柔軟で,きめ細やかな対応ができる支援体制の構築に取り組んでまいります。 また,親になる前の準備段階で特段の取組は,現在行っておりませんが,妊婦に交付される親子健康手帳の中に,「きづいてあげよう発達障がい」という項目を設け,子どもの成長に応じた必須知識として紹介しております。今後は,さらにより多くの方々へ,発達障がいに関する正しい知識の普及啓発に努めてまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 詳しく説明いただきありがとうございます。親になる前の育児研修では,実際に子どもが生まれていないので分からない部分があると思いますが,私も子育てした経験から子どもは兄弟で個性が全然違うこと,ましてや発達障がいとなると,じっくり子どもを観察して対応するしか方法はないというのも現実だと思います。発達障がいや先ほどの性同一性障がいの子どもを理解するのは,子どもの発達段階の個性的な言動を観察し,理解して指導・支援する必要があります。そのためにも,早期診断に取り組むとともに,多様な子どもたちを周りが理解し受け入れることがその後の育児と成長を助けることにつながります。この受け入れに関して柳家花緑師匠は,私の発達障がいの診断を実は私の兄はまだ受け入れていないと話されていました。まさか自分の身内がという思いなのでしょう。家族の受け入れが大きな問題だなとそのとき思いました。家族にとって子どもは宝です。この子どもは地域,この宇土市の将来を支える人材でもあります。多様な個性の子どもがのびのびと成長できるよう,ペアレント・プログラムをさらに発展させた宇土方式と言えるような取組がなされることを要望してこの質問を終わりたいと思います。 次の質問に移ります。次は,網津地区の中心部の水害対策について質問します。2年前の豪雨被害の工事が進んでおりますが,選挙中に地域を回りいろいろと御意見をお聞きした中で,網津小学校は地盤も高くなり,さらに校舎の床面も高い位置になった。今年から業務が始まった網津防災センターと網津支所は,前の道路も嵩上げされ敷地も高く,さらに防災センターも高い位置に建設されたことは皆さん御存じと思います。そのとき,一番弱い一番の弱者である乳幼児のいる網津保育園が以前のままであること。2年前の水害直後の対応で泥出し,片付けが大変だったこと,一時休園もありました。若い世代定着の大きな要因となる保育園です。網津保育園の水害対策は緊急を要すると思いますので,質問のテーマにしました。市として今後網津保育園の防災対策,特に水害対策についてどうしていくのか,しょっちゅう氾濫する網津川の危険性を考え,水害対策について考えをお尋ねします。
健康福祉部長お願いします。
○議長(柴田正樹君)
健康福祉部長,宮田裕三君。
◎
健康福祉部長(宮田裕三君) 網津保育園の水害に対する防災対策についてお答えいたします。 網津地区におきまして,平成28年6月豪雨時の網津川の氾濫による水害では,大きな被害を受けたところです。網津保育園につきましては,床上浸水の被害となり,建物内には泥水跡が残り,園庭の大きな遊具も園の出入口付近まで流されるような状況でありました。 網津保育園では自然災害発生に備え,風雨災害時マニュアルを定められております。これは,保育園での災害対応の基本的事項や行動手順等について,関係者の共通認識を図るとともに,災害発生時には速やかで的確な対応ができることを目的とされております。 このマニュアルでは,マスコミや宇土市から発信される避難情報等を収集し,網津川の氾濫が予想される場合には,網津小学校へ避難することとなっております。 市といたしましては,災害時マニュアルに定められた計画及び避難訓練の実施状況を点検するとともに,災害に係る情報提供を行うなど連携してまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 答弁ありがとうございます。予想どおりというか市としての対応は民間へ委譲した保育園ですから,このような答弁になるんだと思います。なぜ分かりきった答えの質問するかといいますと,網津小学校が建て替わり,敷地が嵩上げされ,建物の床面が以前より1メートル以上上がりました。今年,網津支所と網津防災センターが新築され,取り付け道路が嵩上げされ,建物は公園の地面よりもさらに嵩上げされて建設されました。網津保育園は,県道バイパスと網津防災センターの前の道路で囲まれる場所にあります。網津防災センター前の新しい道路面と,保育園の床面の高さがほぼ同程度になりました。もし2年前のような水害が発生すれば,保育園の床面をはるかに超える浸水が予想されます。民間保育園なので建て替えをする場合,建物には国からの補助がありますが,地盤の嵩上げには助成は出ないと聞いたことがあります。もともと保育園は市の保育園だったこと,支所,防災センターで嵩上げされた取り付け道路の影響から,水害の危険性が増していることを知ってもらうため,あえて網津地区の水害対策として質問テーマにしました。もし将来,網津保育園の園舎が建て替えをする場合,水害対策として地面の嵩上げの盛り土の費用を市から助成すべきではないかと考えます。2年前の水害がまた来ないといえないのが,水害がしょっちゅう発生するのが網津地区です。一番低い位置にある網津保育園は,最も弱い立場の乳幼児が日々暮らす場所ですので,早々に御検討お願いしたいところです。また,先輩の御意見として聞いたのは,西日本豪雨で救助に使われた救命ボートが役立ったんですが,網津地区の田んぼは,多くは干拓地で2年前の水害被害で分かるように,増水した水面よりも田んぼ地面がはるかに低い特徴があります。昔はそれぞれの家に水害のときに避難する小船があったと話されました。2年前の水害を教訓にして,岡山の水害で使われたような救命ボートを,網津防災センターに一つか二つか備えておくのは過剰準備ではないと思いますので,それもお願いしてこの質問を終わりたいと思います。 最後の質問に移ります。宇土市街地を大型トラックや大型トレーラーが通過して,南のウキウキロードを通り,八代外港方面へ。また国道501号を通り大牟田や佐賀,福岡方面へ毎日深夜にも車両が増えています。これは,熊本県が八代外港を輸出入の拠点として整備に力を入れているからだと考えております。先日,八代外港のコンテナヤードを見に行きました。まだまだゆとりがある広さで,もっと量は増えると考えております。私は地域の発展を検証するのに一般道を使い,福岡・佐賀方面に時折走りますが,久留米市から筑紫野市,春日野市を経由して,福岡のメイン道路渡辺通りへつながる道路があります。その県道は,特に久留米から筑紫野市までは高規格道路のような専用道路が通っております。先日も筑紫野市に所用があり,大牟田から久留米へ向かう209号を通り往復しましたが,大きなトレーラーをたくさん見ました。この久留米へ向かう八代外港からのトレーラーは,大牟田を経由して久留米方面や湾岸道路で佐賀方面へ向かっています。要は宇土市街地を通るルートは,熊本市街地の国道3号線の常態化した渋滞を避け,費用の掛からない一般道を使い,八代から久留米,福岡方面へのバイパス機能を果たすようになっていると考えています。もし,これからも熊本県が八代外港を輸出入の拠点として拡充していくなら,宇土市街地を通過せずに,八代外港から大牟田,久留米へ向かう物流の道路整備が急務と考えております。 前置きが長くなりましたが,八代外港から大牟田へ抜ける,宇土市街地を通らない物流道路の整備について市長の見解をお聞きしたいのと,加えてさらに緊急の課題として,宇土市街地から57号線への三角線踏切が一旦停止のため,朝夕信号待ちで長蛇の列になります。肥薩線の南熊本駅近くの旧浜線の踏切のように,一旦停止せず,遮断機と信号を連動させ,道路信号で通過できる仕組みに変えると,少しは朝夕の渋滞も解消するのではないかと思いますが,市長の考えを尋ねします。市長お願いします。
○議長(柴田正樹君) 市長,元松茂樹君。
◎市長(元松茂樹君) お答えいたします。 野口議員の御質問にもありますように,八代から福岡方面に抜ける場合,多くの車両が広域農道から宇土市街に入り,501号を通過して玉名方面へと行かれているかと思います。市としましても,トレーラーを含む大型車両が宇土の街中を走行する状況でありまして,騒音や振動の問題が発生しております。また,過去には事故等も発生しており,街中を通行しないような対策が必要ではないかと思っております。本町通りの通行規制をかけましたが,これもこの一つでございました。 また,議員御提案のバイパスの考えもあるようでございますけれども,ウキウキロードから大曲の501号交差点につなぐという考えではないのかなと思うんですけれども,以前もお話がこれはあったものかと思っておりますが,新設の道路整備をするには,非常に大きな費用が掛かります。市単独ではとてもできる状況ではないというのはもう言うまでもないことでございます。しかしながら,深刻な問題になっているということ,迂回させる道はじゃあどこにあるんだということを考えると,今後は隣接する市町村,あるいは県等とも協議をしながら,具体的な可能性について検討していかなければならないと思っております。 続いて,宇土市街地から国道57号への渋滞対策でございますが,大曲踏切に踏切用の信号機を設置できないかという御提案であると思います。踏切の通過については,道路交通法におきましては,車両等が踏切を通過しようとするときは,踏切の直前で停止し,かつ,安全であることを確認した後でなければ進行してはならない。ただし,信号機の表示する信号に従うときは,踏切の直前で停止しないで進行することができるとされております。 そのため,議員御提案の渋滞対策のため,踏切での一旦停止をしないで通行するためには,新たに踏切用の信号機を設ける必要が生じます。その場合なんですけれども,踏切用の信号と国道57号交差点の信号の位置が極端に近くなります。道路構造上の問題も生じてくると思われます。 実際に踏切用の信号機が設置できるかにつきましては,踏切を管理するJRと交通規制を行う熊本県公安委員会,国道の道路管理者であります国土交通省と協議をしてみないと分からないところでございますが,かなりハードルが高いのではないかと思っております。 しかしながら,御質問にありますとおり,時間帯によっては,宇土市街から国道57号へ出るためにはかなりの渋滞が発生していることから,まずは交差点の信号の制御により渋滞の緩和ができないか,交通規制の担当部署であります宇城警察署交通第一課と協議を行っていきたいと思っております。 以上です。
○議長(柴田正樹君) 野口修一君。
◆11番(野口修一君) 市長,ありがとうございました。詳しい状況報告と問題点もお示しいただきありがとうございます。なぜこんな質問をするかと言いますと,先日高規格道路の要望活動で,福岡の国土交通省九州地方整備局での意見交換の中で,熊本に赴任経験のある柳田氏から,要望は無理な計画と思っても言い続けないと何も実現しない。熊本は道路整備が遅れているとありました。私は地域を挙げて要望をし続けることが安心安全な道路網を実現することにつながると考え,今回ばかげた質問かもしれませんが質問を挙げましたけれども,天草五橋の実現は,あきらめず要望し続けた格闘があったからだということは,皆さん御存じだと思います。天草五橋もですが,本四架橋も初めは夢のような話でした。八代から久留米に向かう宇土市街地を迂回する物流道路の実現に向けて言い続けないといけないと考えております。とんでもない計画と思われず,完成すれは県南振興にもつながり,宇土市発展のチャンスにもなると思いますので,御賛同いただきますれば幸いでございます。是非,県南地域の自治体とタッグを組んで県を巻き込み実現できるよう要望活動を起こすことをお願いしてこの質問を終わります。 これで,私の全ての質問を終わりました。今回の一般質問は,
ユニバーサルな地域社会について,発達障がいの理解と支援について,網津保育園の水害対策について,八代港からの物流道路について質問いたしました。執行部におかれましては,簡潔明瞭な回答をいただき感謝いたします。これで私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○議長(柴田正樹君) それでは,議事の都合により暫時休憩いたします。11時10分から会議を開きます。
-------○------- 午前10時58分休憩 午前11時10分再開
-------○-------
○議長(柴田正樹君) 休憩前に引き続き,会議を開きます。 質疑並びに一般質問を続行いたします。 12番,中口俊宏君。
◆12番(中口俊宏君) おはようございます。中口でございます。本定例会におきまして,質問の機会をいただき感謝を申し上げます。質問は,一つが
日本遺産認定に向けた取組について,二つ目が婦人会への支援について,三つ目が孤独死対策,3点を質問いたします。 質問席から質問いたします。
○議長(柴田正樹君) 中口俊宏君。
◆12番(中口俊宏君) 質問の一つが,
日本遺産認定に向けた取組について質問いたします。日本遺産とは,地域の歴史的魅力あるいは特色を通じて,日本の文化及び伝統を語るストーリーを認定する文化庁による事業。この日本遺産として認定された場合,国内のみならず海外にも戦略的に発信することで地域の活性化を図るという目的が定めてあります。 本市としてこの事業の取組につきまして質問いたします。その一つが,この日本遺産につきまして説明と認定を受けた際のメリットについて質問をいたします。二つ目が,本市としてこの事業につきまして,現在取り組んでいる現状につきまして質問をいたします。三つ目が,県内の他市の取組状況。この3点につきまして,教育部長に質問いたします。
○議長(柴田正樹君) 教育部長,山本保廣君。
◎教育部長(山本保廣君) 御質問にお答えします。 文化庁では,地域の歴史的魅力や特色を通じて我が国の文化や伝統を語るストーリーを日本遺産として認定し,ストーリーを語る上で,不可欠な魅力ある有形・無形の様々な文化財群を総合的に活用する取組を支援しています。 日本遺産として認定されるストーリーには,地域型とシリアル型があります。前者は単一の市町村内でストーリーが完結するもの,後者は複数の市町村にまたがってストーリーが展開されるものです。現在,全国で67件が認定されています。 認定に伴うメリットとしては,認定された地域の認知度が高まるとともに,日本遺産を通じた様々な取組を行うことによって,地域住民のアイデンティティの再認識や地域のブランド化等にも貢献し,ひいては地方創生に大いに資することが期待されます。 本市においては,市指定名勝,網田海岸一帯を含む御輿来海岸を主たる構成資産とする日本遺産の認定について,どのような取組が必要なのかを現在検討している段階ですが,認定要件として国指定若しくは国選定の文化財を必ず一つ含めなければならないことから,まずはその前段階である県の文化財指定を目指す必要があります。 また,単一の市町村内でストーリーが完結する地域型で申請する場合には,歴史文化基本構想若しくは歴史的風致維持向上計画と呼ばれる計画書を策定済みの市町村であることとされていますが,現在,本市においてはこれらの計画が未策定という課題があります。 県内においては,平成27年度に人吉市及び周辺自治体による「相良700年が生んだ保守と進取の文化」,平成29年度に山鹿市及び周辺自治体による「米作り,二千年にわたる大地の記憶」が認定されています。これまで県内においてはこの2件のみの申請で,いずれも認定を受けております。なお,平成30年度については,県内自治体からの申請はありませんでしたが,八代市が「石づくりの文化」をテーマとして,平成31年度の認定を目指しています。 今後は,このような状況を踏まえ,国や県,市の関係部署等と連携して積極的に情報を共有し,
日本遺産認定を見据えた具体的な取組を進めてまいりたいと思います。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 中口俊宏君。
◆12番(中口俊宏君) 部長から,今後日本遺産の認定に向けた取組をやっていきたいという言葉がありました。例えば,キーワードを水,海水を含めた水,そして各地区の水に関する遺跡,伝承地,祭りなどをストーリー的にまとめたらどうかというふうに思っております。まず,日本名水の轟水源,日本最古の轟泉水道,これに関する高月邸の井戸,本町の県道沿いにあります井戸,そして船場橋の横にも井戸があります。それに網田地区の宮の前には景行天皇が手を洗われたという伝説がある御手洗の水源もあります。また,有明海の干満から生じる網田の御輿来海岸,長浜・住吉の海床路,それに海苔時期の海苔の養殖場,清流にクレソンが自生します網津川の上流など,これらをパッケージにして検討したらどうかというふうに思っております。この事業を進める上で,主管課は文化課かと思いますけれども,文化課は遺産の保護・保存が主たる目的かと思います。これを地域の経済の活性化に進めるためには,これに観光事業等々を兼ねた組織が必要ではないかというふうに思っております。検討事項の一つかと思っておりますので,よろしくお願いいたします。また,先の県議会におきまして,この日本遺産に関する質問があっております。その中で県の教育長は,今後,日本遺産を目指す地域に対しては,時間的な制約もありますけれども,認定が得られるよう精一杯の支援をしてまいりますというような答弁があっております。この地域には宇土市も当然含まれます。本市においても,この
日本遺産認定に向けた取組を是非進めていただきたいというふうに思っております。元松市長は3期目に当たり,マニフェストに御輿来海岸を日本遺産指定に向けた取組を今後の課題の一つとして挙げられておられます。これらを踏まえて,今後の取組について元松市長の見解をお尋ねいたします。
○議長(柴田正樹君) 市長,元松茂樹君。
◎市長(元松茂樹君) お答えをいたします。 日本遺産につきましては,これまで個々の文化遺産を個として指定・保存してきた従来の文化財行政とは異なり,点在する地域の遺産である有形・無形の文化財を面として活用し,発信することによって地域のブランド化の促進を狙いとしております。また,物語性を重視しているため,地域に受け継がれた多様な文化財が対象となっており,未指定文化財も含めることができるなど,これまでの文化財の捉え方を大きく広げるものとなっています。そういう意味で何とかこの御輿来海岸をメインとして,日本遺産指定できないかというような思いを持っているところでございます。 しかし,先ほど部長答弁にもございましたけれども,認定条件として国指定若しくは国選定の文化財を,必ず一つ含めなければならないということがまずあります。単一でやる場合は別の計画をまずつくるということがあるんですが,この国指定の文化財といいますと,実は有明海の沿岸には,国指定の文化財が存在しておりません。宇土市の周りですね。そういうことでいくと,まず何か国指定を取ろうと思えば,県指定から国指定という段階を踏むと。そうなってきたらいつになるのか分からないというような状況であるというのが,これどうしたものかなと考えているところでもございました。 そんな中で,今,中口議員から海水を含めた水をキーワードとしてはどうかというような御提案がございました。そう考えてみると,クリアができる部分が出てまいります。といいますのも,宇土市には,轟水源がありますが,水源の上には大太鼓収蔵館もござます。ここの大太鼓も雨乞いという水に関連した,水を大事にする文化的なものでもございます。この雨乞い大太鼓は国の重要有形民俗文化財に指定をされました。ということは構成資産としては一つ大きなハードルがクリアできると,大太鼓を含めた場合。そういうことがありますので,捉え方を私は有明海の海の暮らしというような思いをずっと持っていたわけなんですけれども,農村から漁村に移り変わるような幅広い,もう少し広い範囲での水をテーマにした暮らしと考えれば,これは成り立つのかなというところを今感じているところでございます。雨乞い大太鼓のほかにもですけれども,日本の名水轟水源がございまして市民の憩いの場となっておりますし,この水源を源流とします轟泉水道は,今から350年以上前の江戸時代前期に敷設された水道でございます。現役のものとしては日本最古の上水道であり,その文化財的価値は非常に高く評価されております。またこれは,市としても国の指定に持っていきたいというところで動いているものでもございます。さらには,門内町にある旧高月邸は,現存する家臣クラスの武家屋敷としては県内最古という貴重な文化財でございますし,そこには轟泉水道から引き込んだ飲み水用の井戸が今も使用できる状態で残っているということです。内陸部というか,街部,轟から山側のほうを含めたところにはそういうものがあって,それから先には先ほど申しましたように御輿来海岸という海の暮らしを支えて来てくれた海岸があります。有明海も今,海苔等がありまして,県民の暮らしを支え続けている海でもございます。海に関する地域資源も数多く残っているというのも実情でございます。 住吉神社も非常に歴史のある神社でございますが,その下にはたはれ島という小島があり,清少納言の枕草子に詠まれた,たはれ島がこの島であると言われております。 また,長部田海床路も,近年観光スポットとして極めて脚光を浴びております。また馬門で採れる石を使った石棺が,はるか遠く近畿まで大王の墓として,ひつぎとしてつくられ,運ばれたというような歴史的な事実も明らかになってきております。こういったことを考えていきますと,有明海というだけではなく,水,江戸時代からの水にまつわる暮らしあたりをテーマにしていくと,非常に面白い構成になるのかなと考えているところでございます。文化財というのは,どうしても市でいくと文化課のほうが所管する分野になるんですけれども,ただ地域活性化という面で考えますと,文化課だけでできる話ではこれはないという状況であると思います。そういう意味では,まちづくりや観光振興に関連する部局あるいはいろんな組織,団体とも協力・連携しながら,その取組を進める必要があるのかなと感じているところでございます。 今後,認定に向けた課題をまだちょっと漠然としているものですから,整理をしまして,御輿来海岸一帯あるいは県や国の文化財等も併せて,あるいはそちらのほうの指定を目指すことも重要であると思いますが,より広い視野で
日本遺産認定に向けた取組について具体的に検討を進めていきたいと思っております。 以上です。
○議長(柴田正樹君) 中口俊宏君。
◆12番(中口俊宏君) 市長の答弁にありました今後地域の活性化,宇土市の発展について,是非取組を早めにスタートさせていただきたいと思っております。 次に,二つ目の質問に入ります。二つ目の質問は,地域婦人会の現状と支援について質問いたします。本市の地域婦人会の活動につきましては,先の熊本地震の際の婦人会の方々の活動,これは皆さん記憶に新しいものがあるかと思います。各地域で婦人会の方々が中心になって炊き出し等々をされておりました。この婦人会が地域にとって欠かせない存在,こういうことを改めて十分に認識されているかと思います。また,環境問題をはじめ,福祉,交通,青少年育成など多くの社会活動をされております。熊本県
地域婦人会連絡協議会の資料によりますと,県内では最近この10年で,団体数が187から100団体に減少している。会員の方は,約3万人から1万2千人に激減しているそうであります。 そこで,本市における婦人会の現状と本市の婦人会への支援について,教育部長に質問をいたします。
○議長(柴田正樹君) 教育部長,山本保廣君。
◎教育部長(山本保廣君) 御質問にお答えします。 まず,本市の地域婦人会の過去5年間の会員数につきましては,平成26年度が2,288人,平成27年度が2,231人,平成28年度が2,049人,平成29年度が1,998人,平成30年度が1,982人と年々減少傾向にあります。 しかし,このように会員数が減少する中,地域婦人会の会員の皆様には,心豊かな人づくり・
地域づくりを努力目標として,教育・環境・文化・スポーツ・福祉・防災などあらゆる分野で,大変活発に地域に根差した活動をされており,本市の各地域の活性化に貢献していただいているところでございます。 現在,市のほうから地域婦人会に対して,活動費の一部補助として商工観光課,環境交通課,生涯活動推進課などから補助金を支出しておりますが,今後も地域婦人会の活動状況を見守りながら,関係各課と連携して様々な支援を行っていきたいと考えております。 また,地域婦人会活動の意義や必要性が広く市民に周知され,多くの会員の賛同を得て,地域婦人会の組織及び活動が維持・拡大していくよう本市としても支援・協力にさらに努めてまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 中口俊宏君。
◆12番(中口俊宏君) 今,答弁がありました。予算関係,婦人会への補助について申し上げます。各団体等の性格等から単純に比較はできませんけれども,本年度,宇土市から婦人会への補助金,これは25万4千円です。老人クラブ連合会補助金は93万2千円,また老人クラブ活動補助金は140万円です。先日,熊本県
地域婦人会連絡協議会に赴き,県内の婦人会の活動等々についていろんなことを聞いてまいりました。検証いたしました。また資料も頂きました。会長さんいわく,宇土市の婦人会の方々,一生懸命いろんな方面で活動されております。また,市での会員数は今年が1,998名だそうです。トップです。熊本県内で一番多い市町村は宇土市です。そして,いろんな活動をやっておられるということで高く評価されておりました。しかし,この資料にありますように,市からの補助金少ないですねというようなことでした。ここに平成29年度の資料がありますけれども,ただいま申しました宇土市の会員数1,998人,これは熊本県内でも一番多い会員数です。予算は25万4千円です。宇城市,会員数740人です。予算は123万2千円です。上天草市,会員数1,398人,予算は140万円です。これを会員1人当たりで換算いたしますと,宇城市1人当たり約1,664円です。上天草市1人当たり約1,001円,宇土市1人当たり約127円です。この資料を見て,なんで宇土市,特にこの補助金が少ないのか。理由は何だろうかと思いました。何か問題があったんだろうかというふうに思いました。本市の婦人会への補助金はどうして少ないのか。他市と比較してなんで少ないのか。婦人会は本市の行政運営上必要不可欠な団体であります。必要な活動もされております。また,自主的な研修あるいは交通費等々も必要ということです。これが年間24万5千円です。主管課はもちろんですけれども,予算編成時期に入っております。財政課長,経済部長,そして総務部長,そして元松市長にも他市のことも含めて十分に検証されて,適切な措置をよろしくお願いいたします。本件は,質問ではなく要望といたしますのでよろしくお願いいたします。 次に,三つ目の独居高齢者の孤独死対策について質問いたします。その一つが独居高齢者の世帯数の過去10年間の推移と現在の対策,これにつきまして,
健康福祉部長に質問をいたします。
○議長(柴田正樹君)
健康福祉部長,宮田裕三君。
◎
健康福祉部長(宮田裕三君) まず,市の独居高齢者数の推移について,住民基本台帳上の数値でお答えいたします。 平成21年度末には,市全体の総世帯数1万3,917件のうち,65歳以上の独居世帯は1,655件で,全体の11.9%でありました。 平成29年度末は,総世帯数1万5,028件のうち,65歳以上の独居世帯は2,415件で,全体の16.1%となっております。特に網田地区においては,全世帯のうち23.4%が独居高齢者世帯となっており,ひとり暮らしの高齢者が増加しております。 次に,独居高齢者対策の現状についてお答えいたします。 独居高齢者を対象とした事業として,緊急通報体制等整備事業による通報装置の設置を行っております。これは急病や災害発生時に,委託している警備会社に迅速に通報できる体制を確保するものです。同時に,その委託業者が月に2度,利用者に安否コールを行い,日常生活の相談や健康状態の確認を行っております。 さらに,食の自立支援事業として,宅配業者が対象者の自宅に弁当を届ける際に,併せて健康状態や安否確認の把握を行っています。 また,本年7月末からは,ふるさと納税の返礼品の一つとして,月1回郵便局員が自宅を訪問し,生活状況を確認する,みまもり訪問サービスを開始しております。 地域におきましても,民生委員の協力のもと要支援者名簿を整備し,独居高齢者の実態把握に努めているほか,社会福祉協議会,老人クラブ,地域婦人会などの各種団体による自宅訪問や見回りなどがなされており,市・地域住民・関係団体の活動を通じて,独居高齢者の方が,健康で安心した暮らしができるよう取り組んでおります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 中口俊宏君。
◆12番(中口俊宏君) 部長から答弁がありましたように,独居高齢者の世帯数が増加しており,割合としては網田地区が高い傾向を示しております。宇土市全体では2,415世帯であります。この独居高齢者の孤独死対策について質問をいたします。孤独死,特に法的な定義はありませんけれども,一般に孤独死とは,主に独り暮らしの人が誰にも看取られることなく,当人の住居などで生活中の突発的な疾病などによって死亡することを指すと。特に重篤化しても助けを呼べずに亡くなっている現状をいうということであります。本市においても9月と11月孤独死があっております。9月には築籠町の袋内団地,ここで69歳の方が遺体で発見されました。この遺体,室内の状況からして相当な日数が経っているとのことでした。また,11月には網津町で新聞が相当溜まっていることから,室内を確認されたところ89歳の方が遺体で発見されております。この独居高齢者の孤独死対策といたしましては,各自治体で安否確認等々の活動が実施されております。あさぎり町では独居及び特定高齢者訪問事業,高齢者安否事業等々が実施されております。本市での対策につきまして
健康福祉部長に質問いたします。 また,市営住宅の件についてですけれども,遺体発見から今日まで部屋の明け渡しなど,こういったことができていないとのことであります。これを一つの教訓として,市営住宅の管理等々につきましてもマニュアルを作成するなど対策も必要かと思います。この市営住宅の件につきましては,
都市整備課長に質問をいたします。まず,
健康福祉部長,次に,
都市整備課長に答弁をお願いいたします。
○議長(柴田正樹君)
健康福祉部長,宮田裕三君。
◎
健康福祉部長(宮田裕三君) 独居高齢者の孤独死対策についてお答えいたします。 独居高齢者の孤独死を防止するには,地域での見守りや安否確認が必要です。このため,民生委員及び各種団体が行っている実態把握や,訪問活動等は非常に大きな役割を担っております。今後も継続して活動いただけるよう連携を図ってまいります。 また,独居高齢者の方が孤立しないよう気軽に相談でき,交流が行える場の提供として,社会福祉施設である老人福祉センターやあじさいの湯などがございますので,その利用について周知をさらに強化してまいります。併せて身近な行政区の公民館等で実施しているお元気クラブやふれあいクラブでは,体操やお茶会を行い,住民同士が顔を合わせ,お互いの安否を確認する機会になっておりますので,そこへの参加を促してまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君)
都市整備課長,山崎恵一君。
◎
都市整備課長(山崎恵一君) お答えいたします。 現在,市営住宅の入居世帯数は,今年10月末現在で630世帯になります。このうち65歳以上で独居生活の高齢者の方は158世帯で,全体の約25%を占めております。この158世帯の男女別世帯の内訳につきましては,男性が46世帯,女性が112世帯と全体の約70%が女性の独居世帯となっております。 このような中,今年9月に68歳男性の方が,市営住宅の自宅室内で死亡されていた事案が1件発生しております。このケースは独居世帯であることから発見が遅れ,死後数日が経過している状態で発見されました。さらに,死亡後の各種手続きや市営住宅の退去に関する手続きにおきましても様々な問題が発生し,対応に大変苦慮しております。 議員から御質問いただいております,市営住宅の独居高齢者世帯の孤独死対策についてですが,孤独死を未然に防止する対策としまして,団地内の住民同士で入居者の姿を数日見ない,あるいは郵便物等がポストに溜まっているなど,孤独死が想定される情報につきましては,市へ通報していただき市が早急に対応を行うなど,このような取組について団地内住民の方々に周知活動を進めることや,このような事態が発生した場合に職員が迅速,適切な対応ができるよう,課内でもマニュアルを作成するなどして,市営住宅の管理に対しましてスピード感を持った取組を進めたいと考えております。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 中口俊宏君。
◆12番(中口俊宏君) それぞれ答弁がありました。この市営住宅につきましては,諸問題がありますけれども,この問題が早期に解決されること要望して質問を終わります。
○議長(柴田正樹君) それでは,昼食のために暫時休憩いたします。午後1時から始めますので,よろしくお願いいたします。
-------○------- 午前11時44分休憩 午後1時00分再開
-------○-------
○議長(柴田正樹君) 午前中に引き続き,会議を開きます。 質疑並びに一般質問を続行いたします。 14番,芥川幸子さん。
◆14番(芥川幸子さん) 皆様お疲れ様でございます。公明党の芥川でございます。今定例会におきまして,質問の機会を与えていただきましたことに感謝を申し上げます。今回の質問は,市民の皆様から頂きましたお声を基に,子育てにやさしいまちづくりについてなど4点につきまして質問させていただきます。執行部の皆様には前向きな御答弁をいただきますようお願いいたしまして,質問席より質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
○議長(柴田正樹君) 芥川幸子さん。
◆14番(芥川幸子さん) それでは通告に従いまして,順次質問をさせていただきます。初めに,子育てにやさしいまちづくりにつきまして,何点かお伺いしたいと思います。まず,子育て世代包括支援センターにつきましてお伺いをいたします。平成27年9月議会の中で母子を取り巻く環境からフィンランドの「ネウボラ」という子育て支援の制度を参考に,妊娠から出産,子どもが生まれた後,基本的には6歳まで切れ目なくサポートを提供する総合的な支援サービス,「日本版ネウボラ」「子育て世代包括支援センター」が全国に注目されていることを紹介させていただきました。妊娠初期から子育て期において,それぞれの段階に対応した支援やサービスの情報や助言が子育て家族に伝わり,理解されるよう現状の支援のあり方を利用者目線で再点検する必要があるというそのような状況の中,母子保健法の改正が行われ,妊娠期から子育て期にわたって切れ目のない支援を行う子育て世代包括支援センターが新たに規定され,平成29年4月から同センターを市町村に設置することが努力義務とされました。さらに,ニッポン一億総活躍プランにおきましては,平成32年度末までにセンターの全国展開を目指すとされております。センターの全国展開によって,どの市区町村に住んでいても妊産婦及び乳幼児等が安心して健康な生活ができるよう,利用者の目線に立って一貫性,整合性のある支援が実現されることが期待されております。しかし,子育て世代包括支援センターの設置には,様々な課題もありますので,その課題等を把握しながら随時ガイドラインの見直しもされているところでございます。そのような中ではありますが,全国の自治体の中ではその地域に応じた子育て世代包括支援センターが次々と開設をされております。例えば,埼玉県の加須市では,本年4月に市保健センターに開設したすくすく子育て相談室は,保健師や助産師の資格を持つ母子保健コーディネーターや家庭児童相談員が常駐し,母子手帳の交付や子どもの健診で,保健センターに来所する際,併せて利用されるケースが多いということでございます。また,市庁舎と保健センターが隣接しており,専門部署へ迅速に連携できるということであります。本市でも子育て世代包括支援センターの開設に向けて取り組まれているところだと思いますので,現在の状況と今後の取組につきまして,また,いつでも相談ができ,ワンストップでの対応を行っていくための課題等について,
健康福祉部長にお伺いいたします。
○議長(柴田正樹君)
健康福祉部長,宮田裕三君。
◎
健康福祉部長(宮田裕三君) ただいま芥川議員が申されましたとおり,子育て世代包括支援センターは,ニッポン一億総活躍プランにおいて,母子保健サービス,子育て支援サービスを,妊娠期から子育て期にわたり,切れ目のない支援を提供するために平成32年度までに全国展開を目指すこととされております。 市といたしましては,現在,平成32年4月開設を目標に,関係課と検討を重ねながら準備を進めているところです。県内先進地の情報を収集し,必要な事業内容や体制を模索する中で,当センターで実際必要なアセスメントの研修に参加し,現在活用できるものは取り入れながら,開設に向けて動き始めております。 次に,ワンストップでの対応を行っていくための課題についてお答えいたします。センターの満たすべき3要件として,切れ目のない支援,ワンストップ相談窓口の設置,地域における連携体制の構築があります。要件を満たした上での運営のための全体的な体制づくりをどうするかという課題があります。 住民にとって相談しやすいセンターとはどうあるべきかを念頭に置きながら,問題に取り組み検討してまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 芥川幸子さん。
◆14番(芥川幸子さん) 御答弁ありがとうございました。開設に向けて動き始めているとのことでございますが,ガイドラインの中には,市町村の実情に応じてそれぞれの機能ごとに複数の施設,場所で役割分担をしつつ必要な情報を共有しながら,一体的に支援を行うことも可能であると書かれております。本市でも様々な課題が山積していることは承知をしておりますが,本市の実情に合わせた子育て世代包括支援センターが一日も早く開設されることを期待をいたします。そして,このセンターに行けば何らかの支援につながる情報を得ることができる,安心して悩みや相談事,家庭の状況などについて話すことができるというような環境整備,できれば対面での相談の際にはプライバシーに配慮した個室も整備していただければと思いますので,どうぞよろしくお願い申し上げます。 次に,ロタウイルス胃腸炎の予防につきましてお伺いをいたします。ロタウイルス胃腸炎は,乳幼児期にかかりやすい病気で,感染力が強く5歳までにほぼ全ての子どもさんが感染すると言われております。乳幼児は激しい症状が出ることが多く,何回かかかることがありますが,特に初めて感染したときに症状が強く出ます。主な症状は急激な嘔吐と下痢,発熱,腹痛で,嘔吐や下痢に伴う脱水症状がひどくなると点滴が必要になり,入院が必要になることもあります。5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち,40%から50%はロタウイルスが原因で,腎不全,脳炎,脳腫瘍などの合併症を起こすこともあります。しかも感染力が強く,保育所などでもあっという間に流行します。根本的な治療法がないため,ワクチンによる予防が重要になります。このロタウイルス胃腸炎は,ワクチンで防ぐことができる病気の一つでございます。ワクチンで防げる病気をVPDと呼びますが,毎年多くの子どもさんたちがVPDに感染して,苦しんだり後遺症を持ったり,死亡したりしているケースもあります。VPDは子どもたちの健康と命に関わる重大な病気であります。このようにワクチンで防げる病気と知っていても,接種をしなければ予防はできません。ロタウイルスワクチンは現在のところ任意接種となっております。定期接種は無料で受けることができますが,任意接種でお金が掛かるのでは大変受けにくいものでございます。このロタウイルスワクチンは,2回接種と3回接種の二種類ありますが,いずれにしても自己負担金がトータルで3万円ぐらい掛かります。保護者の皆様のお声を聞きますと,皆さん声を揃えて「1回1万円はとても高くてつらいです」という声を聞きます。経済的な事情で子どもの予防接種が受けられない状況を排除していく必要があると考えます。そこで,
健康福祉部長にお伺いをいたします。熊本県内においては,荒尾市がロタウイルスワクチン接種費用助成をしております。本市でもロタウイルスワクチン接種費用の助成を検討していただけないか,本市の見解をお伺いさせていただきます。
○議長(柴田正樹君)
健康福祉部長,宮田裕三君。
◎
健康福祉部長(宮田裕三君) ロタウイルスによる胃腸炎は,衛生状態に関わりなく発症するもので,突然の嘔吐,発熱に続き,水溶性下痢を認め,脱水症になる可能性が高く合併症で入院が必要になることもあります。1週間ほどで症状は回復しますが,症状回復後約1週間は,多量のウイルスが便中に排泄されていると言われていますので,おむつの適切な廃棄,石けんでの手洗いの徹底,消毒剤の使用等,適切な方法で対処する必要があります。このロタウイルス胃腸炎を予防する方法として予防接種がありますが,一定の期間内に2回若しくは3回経口接種するというものです。 次に,予防接種費用の助成についてお答えいたします。現在のところ,任意の予防接種となっておりますので,全額自己負担により接種されております。助成を行っている自治体も出てきているようですが,今後,市といたしましては,国の動向や県内自治体の実施状況を踏まえながら検討していきたいと考えます。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 芥川幸子さん。
◆14番(芥川幸子さん) 御答弁ありがとうございました。今後とも前向きな御検討をよろしくお願いいたします。 次に,小さな子どもたちが安心して遊べる公園の環境整備について質問させていただきます。よちよち歩きができるようになると,公園デビューをして遊ぶ子どもたちのかわいらしい姿を見ることがあります。今回は,2歳ぐらいまでのお子さんがいらっしゃるお母様方からの声を聞かせていただきましたので,質問に取り上げさせていただきました。現在,本市には,子育て世代の御家族が宇土に家を建てて移って来られた方がいらっしゃいます。そういう方たちや小さい子どもさんがいらっしゃる保護者の方から,小さな子どもたちを連れて遊びに行くことがあるけれども,子どもたちが遊べる遊具がある公園が少なくて,どこに連れて行って遊ばせようか悩んでいるという意見がございました。また,公園にある遊具は老朽化をしているものや,腐食して使えなくなっているものもあり,事故なく安心して遊べるのか不安だという声も聞きます。このようなことから,子どもたちが安心して遊ぶことができる公園の環境整備ができないか検討をお願いしたいと思います。
都市整備課長に現状と今後の対応につきましてお伺いをいたします。
○議長(柴田正樹君)
都市整備課長,山崎恵一君。
◎
都市整備課長(山崎恵一君) 今回,質問されております小さな子どもたちが安心して遊べる公園の環境整備についてお答えいたします。 まず,本市が管理しています公園の中で遊具を設置しているところは,市役所前の中央公園や椿原町のつつじヶ丘農村公園,それに宇土市運動公園などのほかに,市営住宅の公園やチビッ子広場などの公園を含めますと全部で30か所ございます。これらの公園の利用状況ですが,小学生くらいの児童から比較的小さな子どもを連れた方々が公園を利用されておりまして,遊具も利用されているものの,3歳以下の子どもたちが遊べる遊具につきましては設置数が少ないのも現状です。 現在,市において公園に設置しています遊具施設に関しましては,年に1回専門業者による定期点検と併せ,市職員が日常点検を実施し,遊具施設の安全管理を行っております。特に子どもたちが多く利用しているつつじヶ丘農村公園は,整備後約20年経過していることもあり,遊具本体や部材等に経年による劣化や腐食が進み,年々修繕の必要なところが増加しております。 そのため,市としましても,小さい子どもたちも安心して過ごせる遊びの場としてふさわしい環境を整えるためにも,3歳以下の子どもたちを対象とした遊具の設置も含め,既存公園の再整備などの検討を進めたいと思います。 また,既存の施設や遊具の定期的な点検や確認につきましても継続し,危険な箇所があれば早急に対応するなど,市民の方々がいつでも安心して利用できるように,今後も適切な維持管理を進めてまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 芥川幸子さん。
◆14番(芥川幸子さん) 御答弁ありがとうございました。小さな子どもたちも安心して過ごせる遊び場としてふさわしい環境を整えるためにも,3歳以下の子どもたちを対象とした遊具の設置も含め,既存公園の再整備などの検討を進めたいと思うという御答弁がございました。今後とも適切な維持管理とともによろしくお願いいたします。 次に,結婚新生活支援事業につきまして,お伺いをさせていただきます。少子化や若い世代の人口流出に歯止めをかけようと多くの自治体では工夫を凝らして,結婚や新婚生活などを応援する取組が増えております。国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調査によりますと,結婚の意思のある未婚者を対象に1年以内に結婚するとしたら何が障がいになるかということを調べたところ,男女とも結婚資金との回答が最も多く,男性で43.3%,女性で41.9%に上っておりました。また,結婚のための住居との回答も男性で21.2%,女性で15.3%となっておりました。このように経済的な理由で結婚をためらう若者が増えれば出生率の低下につながり,少子化が進む恐れがあると考えられます。また,内閣府が20代から30代の未婚者,そして結婚3年以内の男女を対象に結婚を希望する人に対して,行政に実施してほしい取組を聞いたところ,結婚や住居に対する資金貸与や補助支援を挙げた人が42.3%に上っておりました。これらの調査結果などを踏まえ,国は結婚支援や子育て環境の充実を重点的に推進し,自治体の取組を支援する地域少子化対策重点推進交付金も2015年度から盛り込んでおります。結婚に伴う負担軽減のため,住宅費や引越費用なども補助する結婚新生活支援事業は,同交付金の柱の一つで,対象者は夫婦が共に34歳以下で,年間所得合計が340万円未満の世帯で,最大30万円,国が2分の1の負担です。これが補助されるということでございます。この事業を活用して新婚世帯を支援する自治体が現時点で259自治体が活用しております。実施されている自治体の中で,アンケートを採られた際に,利用者からの反響は「補助金を足しにして結婚式をすることができ,とても感謝をしております。」とか「結婚する上で大きな後押しとなりました。」などといった喜びの声が多数寄せられているそうでございます。県下でも荒尾市や玉名市でも取り組まれているようでございますが,本市での新婚世帯への支援の一つとして結婚したいと思っている方が,結婚へ一歩踏み出せるように活用できたらと思うところでございます。この結婚新生活支援事業を実施している県内の状況をお伺いしたいと思います。また,本市での結婚に向けての取組や結婚後の支援などの取組など,現在の状況をお伺いしたいと思います。企画部長に答弁をお願いいたします。
○議長(柴田正樹君) 企画部長,石本尚志君。
◎企画部長(石本尚志君) 御質問にお答えいたします。 まず,県内で先進的な取組を行っている玉名市,荒尾市の状況について申し上げます。芥川議員からも御説明がありましたが,両市共に国の地域少子化対策重点推進交付金を活用し,結婚に伴う新生活を経済的に支援し,少子化対策の推進及び移住定住の促進を図るため,結婚新生活支援事業を実施されております。事業内容については,年齢制限や所得制限等はございますが,新婚世帯へ住居費や引越費用の補助を行っておられます。玉名市につきましては平成28年度から取り組まれ,平成28年度が4件,平成29年度が15件。荒尾市につきましては平成29年度から取り組まれており,6件の利用があっているそうでございます。 次に,本市の婚活への取組としましては,昨年度から婚活に向けての講座を開設しており,平成29年度は男性のための自分磨き講座,平成30年度は男女を対象に魅力アップセミナー講座を開催し,それぞれ7名と6名の方が受講されております。 また,婚活パーティー等の出会いの場の提供につきましては,宇城広域連合や市内NPO法人等と連携をとりながら進めている状況でございます。 しかしながら,先ほど申しました荒尾市や玉名市のような結婚後の支援につきましては,現在のところ全庁的に具体的な検討を行っていない状況にあることから,まずは先進自治体の動向を注視してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 芥川幸子さん。
◆14番(芥川幸子さん) 御答弁ありがとうございました。結婚後の支援につきましては,現在のところ全庁的に具体的な検討を行っていない状況にあるということなので,この結婚新生活支援事業も選択肢の一つとして検討していただけたらと思いますのでよろしくお願いいたします。 次の質問に移らせていただきます。次は,元気な高齢者を増やすためのフレイル予防についてお伺いをいたします。年齢を重ねると徐々に心身の機能が衰えていくというのは,大変自然なことだと言えます。人はどのような部分から衰え始めるのか,いかに要介護状態にならず,自立状態を維持し歳を重ねることができるのか,多くの方が関心を持たれることだと思います。フレイルとは余り聞き慣れない言葉ですが,加齢に伴って栄養状況や筋力,認知機能,社会とのつながりなど心身の活力が低下した状態を指します。フレイルは英語で虚弱,ぜい弱などを意味するフレイルティからつくられた言葉で,介護が必要となる状態と健康な状態の間の期間,つまり介護が必要とまではいかないけれども,様々な機能が衰えてきた状態とされております。2014年に日本老年医学会が提唱して以来,介護予防のキーワードとして注目を集めております。東京大学の高齢社会総合研究機構が飯島教授の下で,2012年から千葉県柏市で地域在住の高齢者を対象に,大規模長期縦断追跡コホート調査柏スタディを実施して,人間のフレイル,虚弱について調査をしております。その調査からフレイルには筋力低下などが起きる身体的フレイルのみならず,認知機能の低下やうつから起きる精神・心理的フレイル,歯や口の衰えから起きるオーラルフレイル,一人暮らしや閉じこもりを背景にした社会的フレイルなどの要素も含まれており,複雑に関連しているとしております。そして,健康長寿のための必要なポイントとして栄養,運動,社会参加という三つの柱があり,その三つの柱が相互に影響し合っていること,身体が衰える最初の入り口になりやすいのは,社会参加の機会の低下であることなどが明らかになっております。こうした取組は既に厚生労働省でも紹介をされております。フレイルは70歳を過ぎる頃から顕著になると言われています。これまで健康長寿には生活習慣病の予防が需要と言われてきましたが,高齢になればなるほど,生活習慣病の予防だけでは健康を保てないことが分かってきておりますので,70代が今後増えていく中で,今,要介護状態にならず,自立状態を維持しながら歳を重ねていくには,このフレイルの予防が大事であると注目をされているわけです。このように,高齢者の心身機能が低下するフレイルの兆候を見逃さないようにする取組が,自治体に広がっております。介護が必要になる手前の段階で適切に指導し,高齢者が健康な生活が維持できるようにするのが目的です。早期に対策をとれば,健康な状態に戻ることもあるためでございます。フレイルを予防する取組をこの柏市では2015年度から始めておられ,市内の地域包括支援センターなどで月1回以上,年40回程度開催をされているそうです。高齢者に自身の衰えに気づいてもらい,自発的に健康づくりを促す手段として考案されたフレイルチェックを行い,研修を受けた市民サポーターが参加者にフレイルチェックの測定を行ったり,フレイルを予防するための知識などを伝えております。本市でも「お元気クラブ」などをとおして,フレイル予防にも取り組まれておられると思いますが,柏市のような取組も是非取り入れていただいて,本市の皆様の健康寿命が延伸する対策を講じてほしいと思います。
健康福祉部長にお伺いをいたします。
○議長(柴田正樹君)
健康福祉部長,宮田裕三君。
◎
健康福祉部長(宮田裕三君) フレイルとは,加齢とともに運動機能や認知機能が低下してきた状態で,要支援や要介護に至る前の状態をいいます。 フレイルに陥ると,転倒・骨折リスクや認知症の恐れが発現し,要支援や要介護状態となるリスクが高まり,社会的には医療費や介護給付費の増加という多岐にわたる悪影響を及ぼします。 宇土市におけるフレイル対策への取組は,まず,地域包括支援センターや高齢者支援課窓口で実施する基本チェックリストへの記入が,フレイルチェックの役割を担い,運動機能や認知機能,口腔状態や低栄養の有無を確認することができます。 この基本チェックリストでフレイルの恐れがあると判断された方を,介護認定申請や総合事業の実施につなげることで,重度化の防止に努めております。 次に,フレイル予防のための取組についてですが,お元気クラブでの口腔ケアや運動プログラムの実施及び低栄養の方の早期発見,老人福祉センターやあじさいの湯でのいきいき体操教室,各事業所で参加者が自己負担で自主的に行うトレーニング機器を使用した運動など,多様な事業を実施しております。 このように,市内の多くの場所で多様なプログラムを行うことで,地域全体でのフレイル予防を推進し,さらにフレイル予防が
地域づくりの一環となるものと考えておりますので,今後も事業展開を図ってまいります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 芥川幸子さん。
◆14番(芥川幸子さん) 御答弁ありがとうございました。フレイル予防につきましては,高齢者のみならず幅広い世代にフレイル予防の大切さを周知していただくことも大事だと思いますので,よろしくお願いいたします。 次に,障がい者の自立支援に向けた取組としまして,福祉型コンビニの設置につきましてお伺いをしたいと思います。全国の自治体の中には,市役所の中に障がい者の自立支援に向けた取組の一つとして,障がい者の方の雇用創出への取組と来庁者の利便性向上を目的として,福祉コンビニを設置しているところがあります。福祉コンビニは,従業員の中に障がい者の方を雇用して就労支援をしていくということでございます。コンビニ各社におきましては,障がい者の方が働きやすい環境づくりを進めながら,障がい者の活躍の場を広げようとしております。昨年11月に宇土市精神障がい者家族会から,福祉課への要望として,新庁舎内に障がい者雇用の福祉コンビニを設置できないかを検討してほしいということでございました。その後の経過などを企画部長にお伺いをいたします。
○議長(柴田正樹君) 企画部長,石本尚志君。
◎企画部長(石本尚志君) 御質問にお答えいたします。 先ほど芥川議員から経緯については御説明がありましたけれども,新庁舎内における障がい者雇用の福祉コンビニの設置につきましては,昨年11月に宇土市精神障がい者家族会から福祉課へ御要望があったことを受けまして,市内部で新庁舎への導入が可能かどうかを調査検討いたしました。 まず,庁舎内に福祉コンビニを導入している自治体の規模や導入形態について調べましたところ,人口約30万人規模の自治体で,大手コンビニエンスストアが出店し,障がい者を雇用する形態で導入されておりました。 1例を申し上げますと,滋賀県の大津市,ここは人口規模約34万人でございますけれども,ここに店舗面積95平方メートルのニューヤマザキデイリーストア大津市役所店,兵庫県の明石市,人口規模約29万人の都市ですけれども,ここに店舗面積78平方メートルのセブンイレブン明石市役所店などです。こういったものがございました。これら大手コンビニエンスストアが出店する目安としまして,店舗面積では最低10坪程度の広さが必要であること,また,来庁者数と職員数を合わせた1日当たりの利用見込み人数が800人から1千人程度ということが出店の基準となっているとのことでございました。 御案内のとおり,現在,設計者と庁舎内の配置について協議を進めており,限られた建築面積の中で福祉コンビニ用のスペースが確保できるのか。また,来客が限られた中で,採算ベースで考えた場合,公募を実施しても応募する企業があるのか。クリアすべきハードルは高いと考えますが,市内部で新庁舎に必要な機能を検討する中で,来庁者や職員にとって利便性の面で売店は必要であるという意見が多くありましたので,今後,障害福祉サービス事業所による売店経営も選択肢の一つとして検討してまいりたいと思います。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 芥川幸子さん。
◆14番(芥川幸子さん) 御答弁ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。 最後に市民の安全・安心を守る対策につきましてお伺いをいたします。近年,地域の防犯対策として,防犯カメラの設置が急速に進んでおります。警視庁によると刑法犯認知件数は減少傾向にあるそうです。ピークだった2002年の約285万件に比べ,昨年は約91万件と3分の1程度に減少しております。特に車上狙いや空き巣,ひったくりなどが激減しております。本市においても同様に犯罪認知件数は減少している状態だと思います。減少した要因の一つに防犯カメラの設置台数の増加を挙げております。防犯カメラは犯罪抑止効果だけではなく,映像の記録を通じ,発生した事件,事故の解決に大きな役割を果たしています。今や防犯カメラは,地域住民を犯罪や事故から守るツールに定着したと言えます。また,地方自治体が防犯カメラの設置,運用に関与するケースも数多く存在をしています。そこで,本市が管理する施設などに防犯カメラが設置してあるのか,現状や今後の整備計画をお伺いいたします。 また,本市には市外からも多くの人が訪れる干潟景勝地や轟水源などがありますが,その場所には防犯カメラが設置されているのでしょうか。もし設置されていないのであれば,設置する方向で検討していただきたいと思いますが,今後の整備計画はどのようになっているのかをお伺いしたいと思います。それから,地域でも防犯カメラを設置したいとの意見もお聞きしますが,防犯カメラの設置費の助成をする形で防犯カメラの設置の推進をお願いしたいと思いますが,市ではどのような対応を考えておられるのか,
市民環境部長にお伺いをしたいと思います。よろしくお願いします。
○議長(柴田正樹君)
市民環境部長,瀧口卓也君。
◎
市民環境部長(瀧口卓也君) 芥川議員の質問にお答えいたします。 防犯カメラとは,熊本県から出されている防犯カメラに関する運用指針によりますと,犯罪の予防を目的として設置され,不特定多数の人を撮影する画像撮影装置で,画像記録を有するものとされておりまして,近年,犯罪抑止やトラブルや事件,事故が起こった際の監視カメラとしての利用を目的に,いろいろな場所での防犯カメラの設置が広まってきております。 市の施設においても,犯罪抑止などを目的に防犯カメラを設置しており,録画機能をもったカメラの設置状況としましては,現在17の施設に全部で61台のカメラが設置されております。 内訳を申しますと,市が直接設置しているものが,網津防災センターに4台,宇土駅東口・西口・自由通路に13台,防災行政無線用アンテナに1台,学校に1台。 警備会社が施設警備委託の一環として設置しているものが,仮設庁舎・防災棟に5台,文書管理書庫に2台,網津支所に1台。 各施設の指定管理者等が設置しているものが,宇土マリーナ物産館に8台,宇土マリーナに6台,市民会館に13台。 指定金融機関が市役所内派出所に設置したものが1台。 そのほか,一般社団法人全国安全環境ネットワーク協会が設置したカメラ付き自動販売機を設置しているものが,健康福祉館あじさいの湯に1台,宇土駅東口駐車場に1台,各仮設住宅に4台が設置されており,今年度中に,あじさいの湯にもう一台カメラ付き自動販売機を設置予定としております。 なお,議員からお尋ねのあった干潟景勝地や轟水源などの観光地への防犯カメラの設置については,現在のところございません。 今後の防犯カメラの設置予定については,現在のところございませんが,今後施設利用者や観光客の安全を守るため,必要性があると認められる場合には,カメラの設置を検討したいと思っております。 また,地域での防犯カメラ設置に関する対応につきましては,近年,行政区等から,子どもたちの通学や老人の徘徊等の見守り,犯罪抑止のため,防犯カメラを設置したいとのお話を伺っておりまして,市としましても設置を行う行政区などに対し,防犯カメラの設置補助について現在検討を行っているところでございます。 以上です。
○議長(柴田正樹君) 芥川幸子さん。
◆14番(芥川幸子さん) 御答弁ありがとうございました。いずれにしましても市民の皆様の安全・安心を守るためにも,前向きな御検討をお願いいたします。 これで質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。
○議長(柴田正樹君) 18番,福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 日本共産党の福田です。今回は,
小中学校体育館への
エアコン設置など3点について質問いたします。担当部長の誠意ある答弁を求めまして,質問席より質問をいたします。
○議長(柴田正樹君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) まず,第1点の
小中学校体育館への
エアコン設置について質問をいたします。地球温暖化が進む中,今年は命に関わるほどの暑さや災害級の暑さなど,これまで経験したことのない猛暑が続き,市民生活や学校教育にも大きな影響が出ております。小中学校の教室ではエアコンが設置されているため,今年の猛暑の中でも,子どもたちは安心して勉強に集中できると大変喜んでいるわけでありますが,体育館にはエアコンの設置がないため,熱中症から子どもを守るため体育授業を早めに切り上げたり,全校集会や学期末の終業式をエアコンの入った教室で分散して行うなど,学校運営にも支障が出ております。今年のような厳しい猛暑は今後も続くと予想されているが,教育委員会としてどう対応されるか教育部長にお聞きいたします。
○議長(柴田正樹君) 教育部長,山本保廣君。
◎教育部長(山本保廣君) 御質問にお答えいたします。 屋内運動施設である学校体育館の利用状況につきましては,学校教育活動として,授業での教科体育をはじめ,入学式・卒業式・始業式・終業式等の各種行事や,全校集会等において利用をしております。 近年の深刻な暑さは異常であることから,熱中症を引き起こし,危険な状況に陥りやすいことから,7月に実施した1学期の終業式を各教室で校内放送を利用して行うなど,児童生徒が安全・安心に学校生活を過ごせるように体調管理に気をつけるとともに,体育館内の気温などに十分に注意を払いながら利用している状況であります。 また,暑さが厳しい夏場の体育の授業では,プールで水泳の授業を行うなど,児童生徒の熱中症予防に取り組んでいます。 学校体育館の利用については,学校の児童生徒だけの利用にとどまらず,宇土市立小学校及び中学校施設の開放に関する規則に基づき,一般の方々にも開放し利用していただいております。学校が利用しない夜間や休日などは,各種団体等が行うスポーツ活動や研修等で利用している状況であります。 以上でございます。
○議長(柴田正樹君) 福田慧一君。
◆18番(福田慧一君) 教育部長の答弁では,体育館に
エアコン設置がないために学校行事や授業に既に支障が出ているとのことでありますが,熱中症から子どもを守るためにはエアコンの設置は急がなければならない,このように思うわけであります。小中学校の体育館は災害の点からみても大規模災害時の避難所に指定されておりますが,夏場の猛暑の中では熱中症や関連死などの恐れがあり,避難所としての運営に問題があると思うわけであります。市としてどう対応されるのかお聞きいたします。 総務省はこうした小中学校の体育館が避難所として指定されている公共施設に対し,緊急防災・減災事業債が活用できるとしております。この事業債は東日本大震災を受けて,2012年度に創設された制度で,2017年度からは熊本地震の教訓から指定避難所への
エアコン設置も対象になり,起債の充当率も100%,初年度の一般財源が必要なく事業が進められ,元利償還の70%が交付税措置とされるため,地方の負担は30%で大変有利な制度であります。この制度を利用し,小中学校の体育館にエアコンを設置すべきだと思いますが,この点につきまして総務部長にお聞きいたします。
○議長(柴田正樹君) 総務部長,杉本裕治君。