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平成29年6月第3回定例会(第3号 6月21日)

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  1. 水俣市議会 2017-06-21
    平成29年6月第3回定例会(第3号 6月21日)


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    平成29年6月第3回定例会(第3号 6月21日)          平成29年6月第3回水俣市議会定例会会議録(第3号) 平成29年6月21日(水曜日)                  午前9時30分 開会                  午前12時06分 散会  (出席議員) 16人 福 田   斉 君       小 路 貴 紀 君       桑 原 一 知 君 塩 﨑 達 朗 君       田 口 憲 雄 君       藤 本 壽 子 君 髙 岡 朱 美 君       田 中   睦 君       谷 口 明 弘 君 髙 岡 利 治 君       牧 下 恭 之 君       松 本 和 幸 君 中 村 幸 治 君       岩 阪 雅 文 君       谷 口 眞 次 君 野 中 重 男 君  (欠席議員) なし  (職務のため出席した事務局職員) 5人 事 務 局 長 (岩 下 一 弘 君)   次     長 (岡 本 広 志 君) 次     長 (鎌 田 みゆき 君)   参     事 (前 垣 由 紀 君) 参     事 (上 田   純 君)   (説明のため出席した者) 17人
    市     長 (西 田 弘 志 君)   副  市  長 (本 山 祐 二 君) 総合政策部長  (帆 足 朋 和 君)   総 務 部 長 (本 田 真 一 君) 福祉環境部長  (川 野 恵 治 君)   産業建設部長  (関   洋 一 君) 病院事業管理者 (坂 本 不出夫 君)   総合医療センター事務部長                               (久木田 美和子 君) 総合政策部次長 (深 江 浩一郎 君)   福祉環境部次長 (髙 沢 克 代 君) 産業建設部次長 (城 山 浩 和 君)   水 道 局 長 (山 田 雅 浩 君) 教  育  長 (吉 本 哲 裕 君)   教 育 次 長 (藪   隆 司 君) 総合政策部政策推進課長         (梅 下 俊 克 君)   総務部総務課長 (緒 方 卓 也 君) 総務部財政課長 (設 楽   聡 君)         ────────────────────────── 〇議事日程 第3号       平成29年6月21日 午前9時30分開議 第1 一般質問 1 野 中 重 男 君  1 水俣病について              2 水俣市職員の時間外労働とサービス残業について              3 厚生労働省が各県につくらせた地域医療構想水俣市立総合医療                センターの新改革プラン(新公立病院改革プラン)について 2 髙 岡 朱 美 君  1 国民健康保険都道府県単位化について              2 新電力供給実証試験と、さらなる地域資源の活用について              3 発達障害者支援法改正と本市の取り組みについて         ────────────────────────── 〇本日の会議に付した事件  議事日程のとおり         ──────────────────────────                                午前9時30分 開議 ○議長(福田 斉君) ただいまから本日の会議を開きます。         ────────────────────────── ○議長(福田 斉君) 日程に先立ちまして、諸般の報告をします。  本日の会議に地方自治法第121条の規定により、坂本病院事業管理者の出席を要求いたしました。  次に、本日の議事は議席に配付の議事日程第3号をもって進めます。         ────────────────────────── ◎日程第1 一般質問 ○議長(福田 斉君) 日程第1、昨日に引き続き一般質問を行います。  順次質問を許します。  なお、質問時間は、答弁を含め1人70分となっておりますので、そのように御承知願います。  初めに野中重男議員に許します。   (野中重男君登壇) ○(野中重男君) 皆さん、おはようございます。  日本共産党野中重男です。市民生活の向上を願いつつ、質問をします。  さて、今、国政は大揺れです。一昨日の世論調査で、内閣支持率が7社全ての調査で下落いたしました。毎日新聞では、支持が36%、不支持が44%、テレビ朝日では支持37%、不支持41%、日本テレビでは支持39%、不支持41%と、いずれも不支持が支持を上回りました。  共謀罪に関しては、政府が十分説明していると思うかという問いに、81.3%が思わないと答えています。加計学園獣医学部新設に関しては、行政がゆがめられたことはないという政府の説明に多数が納得いかないと答えています。そして、昨日は、加計学園に関する新たな文書が文部科学省から出てきました。それこそ国民が納得するように国会で説明されるべきではないでしょうか。  それでは、以下通告に従い質問します。  1、水俣病について。  ①、水俣病特措法等37条では何が書かれているか。  ②、熊本水俣病においてどのような事実からどのような手続でチッソの加害責任と国や県の加害責任が確定し、社会的に定着したのか。  ③、水俣病資料館は水俣市が設置している。その設立の趣旨と目的は何だったか。  ④、スポーツ大会会場での差別発言事件については3月議会でも質問が出ていた。その後、相手校では子どもたちが学習する機会はつくられているか。また、水俣市教育委員会は学習のためにどのような援助をしたか。  2、水俣市職員の時間外労働とサービス残業について。  ①、今、日本社会では過労死自殺が社会問題になっている。大企業電通では女性職員が自殺した。これはどのような勤務が原因と言われているか。  ②、各課の人件費はどのような経過を経て市の予算案になっているか。  ③、この1年間の全職員の時間外勤務の実態はどのようになっているか。  ④、なお、この時間数は時間外勤務手当が支払われた時間か。  3、厚生労働省が各県につくらせた地域医療構想水俣市立総合医療センターの新改革プラン(新公立病院改革プラン)について。  ①、熊本県の地域医療構想はどのようなものか。また、国と県がつくった必要病床数の推計ではどのような内容が書かれているか。  ②、これらの構想や推計の問題点はどこにあると考えているか。  ③、医療センターが本年3月に新しくつくったプランはどのような内容か。  以上、本壇からの質問を終わります。 ○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。  西田市長。   (市長 西田弘志君登壇) ○市長(西田弘志君) 野中議員の御質問に順次お答えをいたします。  まず、水俣病については私から、水俣市職員の時間外労働とサービス残業については総務部長から、厚生労働省が各県につくらせた地域医療構想水俣市立医療センターの新改革プラン(新公立病院改革プラン)については病院事業管理者からそれぞれお答えをいたします。  初めに、水俣病について、順次お答えをいたします。  まず、水俣病特別措置法第37条では何が書かれているか、との御質問にお答えします。  平成21年7月に成立した水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法通称水俣病特措法の第37条は、見出しは調査研究となっており、4つの項で構成されております。  第1項は、政府は、指定地域及びその周辺の地域に居住していた者(水俣病が多発していた時期に胎児であった者を含む。以下、指定地域等居住者という。)の健康に係る調査研究その他メチル水銀が人の健康に与える影響及びこれによる症状の高度な治療に関する調査研究を積極的かつ速やかに行い、その結果を公表するものとすると記載されております。第2項は、前項の公表に当たっては、指定地域等居住者またはその家族の秘密または私生活もしくは業務の平穏が害されることがないよう適切な配慮がされなければならないと記載されております。第3項は、政府は、第1項の調査研究の実施のため、メチル水銀が人の健康に与える影響を把握するための調査、効果的な疫学調査、水俣病問題に関する社会学的調査等の手法の開発を図るものとすると記載されております。第4項は、関係地方公共団体は、第1項の調査研究に協力するものとすると記載されております。  次に、熊本水俣病においては、どのような事実から、そしてどのような手続でチッソの加害責任と国や県の加害責任が確定し、社会的に定着したのか、との御質問にお答えします。  水俣病は、昭和31年5月1日に公式確認され、発生した当初はその原因はわからず、奇病とされておりました。その後、原因については、専門家により調査研究がなされ、さまざまな説が発表されましたが、昭和43年に政府が、水俣病はチッソ水俣工場の工場排水に起因する公害病であることを発表しました。水俣病が公害に認定されたことによって、水俣病患者団体患者補償をめぐり、厚生省へ補償内容を一任する一任派と、いわゆる訴訟派に分裂し、昭和44年6月、患者・家族28世帯112人は、チッソを相手に賠償訴訟、つまり水俣病第1次訴訟を提訴しました。最大の争点は、チッソの加害責任でした。この訴訟は、昭和48年3月に判決が出され、チッソの加害責任が確定しました。  また、国及び熊本県の水俣病発生、拡大を防止する義務を怠った国家賠償上の行政責任及びチッソの加害責任を追及するため、昭和55年5月には、未認定患者とその家族85人は、国、熊本県及びチッソを相手取り、いわゆる水俣病第3次訴訟による損害賠償請求熊本地裁に提訴しました。同時期に、昭和57年から63年にかけて、関西訴訟東京訴訟京都訴訟福岡訴訟が提訴され、長期的に延べ2,000人を超える原告が裁判で争うようになりました。  このような状況の中、平成2年の東京訴訟を皮切りに相次いで和解勧告が出され、平成7年9月に与党3党による最終解決案が提示され、政府は同年12月に関係当事者間の合意を踏まえ、解決策を決定し、内閣総理大臣談話を発表しました。  平成8年5月には、解決策の実施を受けて、関西訴訟を除く各訴訟の原告団の組織である水俣病被害者弁護団全国連絡会議とチッソとの間で紛争解決のための協定が締結されました。  なお、政府解決案に応じずに続けられた唯一の訴訟である関西訴訟では、平成16年10月の最高裁判決で、国及び県には水質二法・県漁業調整規則の規則権限を行使せず、昭和35年1月以降水俣病の発生拡大を防止しなかったことにつき賠償責任があるとの原判決を支持し、国と県の加害責任が確定して、これらのことが社会的に定着したことになっております。  次に、水俣病資料館の設置の趣旨と目的は何だったか、との御質問にお答えします。  水俣市立水俣病資料館は、平成5年1月に開館し、本年で24年目を迎え、本年中に来館者100万人を達成する見込みであり、現在もたくさんの方々に御利用いただいております。  その設置の趣旨と目的につきましては、水俣病に関する資料を収集・保存し、水俣病の問題の教訓を後世に生かして、環境問題への情報発信に資するため設置すると条例に定めております。  水俣病資料館が設立に当たっての経緯としましては、昭和63年12月に、水俣市百人委員会提言書及びその前年の水俣湾埋立地及びその周辺地域の活用策についての提言書などにより、多くの水俣市民によって建設が望まれる施設として提言を受けたと承知しております。さらには、当時熊本県が検討していた水俣環境センター構想、現在の熊本県環境センターの建設についてをまとめるに当たり、環境の体験学習環境文化の普及、水俣病資料の警鐘を事業化する提案がされており、水俣市としてその提案を真摯に検討してきたと考えております。  平成元年から平成4年には、水俣地域個性形成事業の指定を国土省から受け、水俣地域個性形成推進プログラムの策定に向け、策定委員会を設置し、さまざまな議論を重ねていただいたことは、現在の資料館運営に大きな示唆をいただいていると考えております。  さて、提言をいただいた中で、資料館に求められる要素として、収集された資料を活用して広く人々に語りかけていくためのさまざまな活動を積極的に展開し、発信性の高いものとする。ここに来れば、水俣病に関することが全てわかるという情報の蓄積が必要であり、集積拠点として国内外の人々に認知される。水俣が歩んできた中で関係者団体、人などとの緊密な関係を築き、発信性と網羅性を高める。水俣病の事実を忘れることなく、また環境の大切さを世にアピールするための拠点として、また、環境モデル都市を象徴する施設としての性格を持つ、市民みずからが施設の建設、資料の収集、運営、利活用を推進することで、市民に愛される生きた施設となるといったことを掲げられています。  これらの経緯を踏まえ、熊本県環境センターと連動しつつも、水俣市としての独自性を保つことを念頭とした水俣病資料館の設立がなされるべきといった提言の趣旨や目的に基づき、現在まで資料館の運営を継続してきたものと考えております。  次に、スポーツ大会会場での差別発言事件については、3月議会でも質問が出ていた。その後、相手校では子どもたちが学習する機会はつくられているか。また、水俣市教育委員会は学習のためにどのような援助をしたのか、との御質問にお答えします。  差別発言に係る新聞報道の後、相手校を所管する教育長が本市教育委員会を来訪され、吉本教育長に直接謝罪がありました。  その際、水俣病学習を初めとする人権教育にさらに努めていきたいという決意の言葉を伝えられ、吉本教育長は、ぜひやってくださいと返答し、今後の学習の充実に期待していると聞いております。そして、相手側では、臨時の教育長・校長会議を開かれ、人権教育の推進を指導されており、当該学校の枠を超えて、水俣病学習を初めとする人権教育の推進を図っておられます。さらに、5月に実施されました県の教育長会議の際にも吉本教育長が重ねてお願いをしたところであります。  また、本市教育委員会が主催する学校教育改革プロジェクト会議において、ふるさと学習資料作成委員会を設置し、平成23年に作成しました水俣病学習に係る教師用指導資料である市環境学習資料集改訂作業に着手しています。改訂作業の際に、公開授業を行いますので、県内の各学校に案内し、授業を通した水俣病の啓発を行ってまいります。完成した際には、県内各学校等へ配付し、水俣病学習に活用してもらうとともに水俣のよさを発信する予定であります。 ○議長(福田 斉君) 野中重男議員。 ○(野中重男君) 2回目の質問に入ります。  私は、水俣市政がずっと続く限り水俣で起きたこの水俣病という問題は市政の心に刻むべきものとして、しっかり位置づけておかなければならないことだというふうに思っています。そういう意味で今回も質問をしているということなんです。  改めて、当時のことをああだった、こうだったというふうにあげつらうことはしたいと思いませんけれども、基本的事実は何だったのかということを改めて市長を初め執行部のほうも、あるいは私ども議員もきちっと心に刻まなきゃいけないという趣旨で取り上げているということをまず市長初め御理解いただきたいというふうに思います。  それで、最初に質問しました特措法関係なんですけれども、答弁がありましたように特措法37条3項のところでは、効果的な調査をするためには疫学的な調査をしなければいけないというふうに書いてあるんですね。ところが、環境大臣はことしの5月1日の式典に来たときに、記者会見で潜在患者掘り起こしを目的としないということで言ったというふうに報道されています。ところが今答弁あったように、特措法には疫学的な調査も行う、行わないと詳しいことはよくわからんだろうということを書いてあるんですね。  以前、国は水質二法だとか、あるいは食品衛生法もそうだと思いますけれども、必要な法律があるにもかかわらず、それを適用して法の執行をしなかった。そのことが今、国と県の加害責任が問われる水俣病の責任になっているんですね。同じことを今環境省は繰り返そうとしていないかということなんです。調査をすべきだということを書いてあるのに、それをちゃんとやろうとしない。不作為の違法じゃないかというふうに私は思っていますけれども、この点については、どうお考えでしょうか。  それから、2点目です。  水俣病資料館の設置については、今、市長から詳しく答弁ありましたように、そういう流れで進んだんだと思います。あるいはチッソや国の加害責任についても、今答弁あったように、幾つかの訴訟を経て、現在の状況に立ち至っていると思います。そして、昭和48年3月の熊本地裁判決では、34年12月に締結された見舞金契約も公序良俗に反するということで、これは判決で厳しく糾弾されているという中身になっています。その判決をもとに患者さんたちがチッソと交渉して勝ちとったのが今の協定書であるということなんです。  それで、実はこの判決が出るまで加害責任確定しなかったと。判決が出ても、実は補償協定等がつくられなかったというのは水俣だけじゃないんです。大気汚染についてもイタイイタイ病についても新潟県の水俣病についても、みんな一緒なんです。判決があって、その後、被害者の人たちが加害企業と交渉して今のそれぞれの協定がつくられているというのが日本の公害裁判あるいは公害の歴史でもあります。  それで、振り返りますと、今言った4大公害訴訟で日本で確立したわけですから、その以前はどうだったかと言うと、明治時代に起きた足尾鉱毒事件を振り返って考えなければいけないと思うんですね。  最近、資料を調べました。以前、本は読んでいましたけれども、より正確にするために改めて調べたんですけれども、1899年、群馬県と栃木県の鉱毒事務所が調査したところによると、渡良瀬川のアユは死んで、山は、はげ山になって、水田の稲は立ち枯れになって、死者と流産は1,064人にのぼっているんです。住民が東京に陳情に行こうということで、土手をみんなで行進していると、警察から弾圧されるということも起きたというふうに書いてありました。原因は特定されず、延々と採掘は続いて、精練は続けられた。その結果、谷中村という村が1つ完全に消えてしまうということも起きています。  何を言いたいかというと、要するに明治時代からこういうような状況だったんだということなんです。日本で私たちは例えば交通事故を起こしたら、起こした人が責任の割合に応じてちゃんと賠償する。そのほかでも法的に定着しています。これはどういうことの事実の積み重ねでこういうふうになったかということを考えるときに、この4大公害訴訟でかち取った事実というのは、日本の法体系そのものを変えたんです。
     もっと端的に言いますと、今、子どもたち日本社会や世界で起きていることが当たり前と思っていますけれども、それは明治時代は当たり前ではなかったんだと。人間社会の基礎になっているこういう法体系だとか約束事はどういう事例で確立されてきたのかということを学んでいるんだというふうに考えるべきなんだろうと思うんです。  そういう意味で、一番冒頭に言ったことなんですけれども、水俣市政として心に刻んで取り組まなければいけないことがある。そして、それは私たち議会も一緒だというふうに思いますけれども、事実を包み隠さず、日本と世界に発信するというふうに資料館のところの答弁で言われましたけれども、これからも私はそういう姿勢はずっと貫き続けて進むべきだと思いますけれども、これについては、どうお考えでしょうか。  それから、今回の事件が起きてから、その他の学校などに援助をされたかということについては、県の教育長会議などで吉本教育長が発言されたということも紹介されましたし、あるいは宇城地区の校長会などで人権教育として強化しようというのがありましたけれども、その他の学校での学習などに教育委員会が援助されたという事例があったら示していただきたいというふうに思います。  以上、3点です。 ○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。  西田市長。 ○市長(西田弘志君) 3点ございました。教育関係の部分は、教育長のほうから答弁をさせたいというふうに思います。  まず、1点目の特措法に疫学的な調査を図ると書いてあると。それについて実施しないことについてどう思うか、健康調査についてだというふうに捉えております。  健康調査につきましては、国が実際に行うと水俣病特措法に明記されているわけでございます。現在、国のほうでその調査、手法を開発中と聞いておりますので、本市といたしましては、水俣病の早期解決及び市民の健康不安が解消されるよう、できるだけ早くその調査、手法を開発し、実施していただくよう国にお願いをしたい、そういった考えでございます。  2つ目の資料館についての事実について、正しく伝える立場、そういった運営をしているか、ということだったというふうに思います。  議員御指摘のとおり、市民の財産として存在している資料館の展示につきましては、市の独自性を持って運営し、誰もが異論のないような客観的な事実を伝えられるよう表現するとともに、被害を受けられた方々の意見にしっかりと耳を傾けるよう、これからも努力していきたいというふうに考えております。 ○議長(福田 斉君) 吉本教育長。 ○教育長(吉本哲裕君) 今回の事件が起きてから、その他の学校などに学習の援助をしたことはないのか、というお尋ねでございましたけれども、今回の事件が起きまして、公式確認60年を経た後に今もって水俣病学習の深まりを見ていないという現実を知らされたわけですけれども、非常に私にとっては残念なことでございます。  当該地区の教育長が私のところを来訪されまして、謝罪されたことを受けて、水俣病学習を初め、人権学習にかかわる学習をさらに深めていただきたいということを強くお願いをいたしました。ただ、その他の学校への直接的な学習支援援助ということは今のところ行ってございません。学校以外では、芦北町議会議員から市環境学習資料集の提供依頼がございました。依頼がありましたので、お渡しをしましたところです。  これからも学習についての援助依頼があれば積極的に支援していきたいと考えておりますし、現在、市環境学習資料集の改定を行っているところです。完成いたしましたら、他の地区、県内初めいろいろ必要とされるということであれば、こちらからも学習の援助、資料集を使って援助していきたいと考えております。  以上です。 ○議長(福田 斉君) 野中重男議員。 ○(野中重男君) 特措法については、言われたとおり、法律に基づいてちゃんとするということで、ぜひ働きかけていただきたいというふうに思います。  それで、教育のところは教育長が答弁されましたけれども、やはり基礎的事実をきちっと学ぶことで理解は深まるわけですから、引き続き水俣市の教育委員会ならではの援助をぜひ続けていただきたいというふうに思います。  3回目の質問に入ります。  5月1日に環境大臣がおっしゃったことにもつながるんですけれども、環境大臣は環境省の掘り起こしをしろというふうに言っているんだというふうに言われているんですけれども、そんな話じゃないということなんです。患者団体が要望しているのは、掘り起こしではないんです。  例えば、環境省が特措法で救済対象地域外とした地域でも多くの被害者があなたもそうでしたって認めているでしょう。全部救済された人たちの16.5%は地域外の人たちですから、これを考えても、自分たちが線引きした地域がそれでよかったのかということを当然検討するのが環境省じゃないんでしょうか。ですから、地域外のところの汚染がどうだったのか、健康被害はどうなのかということを調査してくださいという意味で言っているんです、患者団体は。  同じように昭和44年12月以降生まれの被害者は年代的にもう患者ではないというふうに環境省は言っているわけですよね。ところが44年12月以降に生まれた人でも自分たちが調査してみて、そうでしたということで、救済対象にしている人が何人も出てきているじゃないですか。ということは、44年11月までが汚染の範囲、救済対象範囲としてしまって、それ以降はもう汚染はないんだと自分たちが言ってきたことが間違いだということを自分たちで認めているということなんですよ。だったら、もう少し範囲を広げて調査するということをしないと、被害の実態はわからないんじゃないですかというのを被害者団体は言っているんですよね。  これについても、特に44年12月以降の方たちは水俣市内が人数的には多いと思います。そういう市民がいらっしゃるということを前提に市長においては、しっかり環境省にも物を言うということをしていただきたいというふうに思っているですけれども、これについてはどうお考えでしょうか。  以上、1点です。 ○議長(福田 斉君) 西田市長。 ○市長(西田弘志君) 今、議員述べられました特措法で救済対象地域外として、地域住民やまた昭和44年12月以降に生まれた住民が特措法の救済対象となっている事実を踏まえまして、熊本県と連携等をして、健康調査の実施について、環境省のほうにそういった要望をしたらどうかということだというふうに思います。  これにつきましては、先ほども答弁をさせていただきましたが、健康調査の実施については、国が実施するということになっております。現在、その調査、手法を開発中と聞いておりますので、できるだけ早くその調査、手法を開発をしていただき、実施をしていただくよう国には要望をしていきたいというふうに考えております。 ○議長(福田 斉君) 次に、水俣市職員の時間外労働とサービス残業について、答弁を求めます。  本田総務部長。   (総務部長 本田真一君登壇) ○総務部長(本田真一君) 次に、水俣市職員の時間外労働とサービス残業について順次お答えします。  まず、大企業電通で女性職員が自殺した。これはどのような勤務が原因と言われているか、との御質問にお答えします。  新聞等に報道されている内容では、女性職員は、2015年4月に電通に入社し、インターネット広告業務を担当。本採用となった10月以降、仕事量が著しく増加し、1カ月の時間外労働が約105時間にのぼったことにより、心理的負荷による精神障がいで過労自殺に至ったと労災認定されております。  次に、各課の人件費はどのような経過を経て、市の予算案になるのか、との御質問にお答えします。  人件費のうち時間外勤務手当につきましては、各課から当初予算要求の際に現状の人員配置や次年度に実施されるイベントなどの臨時的なものを考慮した上で要求がなされます。要求が上がってきた後、その所属の業務量や職員の人員配置及び非常勤職員や臨時職員の配置などを考慮し、総務課と財政課で査定を行った上で各課に内示を行い、予算案として議会に提案される運びとなります。  次に、この1年間の全職員の時間外勤務の実態はどのようになっているか、との御質問にお答えします。  平成28年3月から平成29年2月までの1年間における時間外勤務の実績について申し上げます。  月ごとの全職員の総時間外勤務時間は、平成28年3月は3,307時間、4月は8,380時間、5月は1,085時間、6月は2,223時間、7月は3,897時間、8月は659時間、9月は1,794時間、10月は2,185時間、11月は1,493時間、12月は2,148時間、平成29年1月は1,026時間、2月は1,244時間でした。  また、職員1人当たりの平均時間外勤務時間は、平成28年3月は14.8時間、4月は22.4時間、5月は7.6時間、6月は10.9時間、7月は12.1時間、8月は5.8時間、9月は7.6時間、10月は9.8時間、11月は8.1時間、12月は6.7時間、平成29年1月は8.8時間、2月は10.1時間となっております。  平成28年3月と4月の時間外勤務が多くなっている原因といたしましては、3月は年度末の業務繁忙期に県知事選挙が重なったことが考えられます。4月は、熊本地震の対応が挙げられます。  次に、この時間数は時間外勤務手当が支払われた時間数か、との御質問にお答えします。  時間外勤務手当は、所属長の時間外勤務命令を受けて行うことになっていますので、時間外勤務命令を受けた時間外勤務については、時間外勤務手当が支払われております。 ○議長(福田 斉君) 野中重男議員。 ○(野中重男君) 答弁いただきましたけれども、電通の高橋まつりさんの残業時間は105時間と言われました。亡くなる直近では130時間を超えていたという資料もあります。しかも、残業時間については、入社以来、労使が合意している70時間と申告しなさいという指導もあっていたというのが国会答弁の質疑の中で出てきております。なお、労使が結んだこの協定70時間を超えたということで、強制捜査が入るということがされたというのが同じく国会答弁で出てきているものであります。  高橋まつりさんのお母さんはこういうふうに言われています。生きて社会に貢献したかったであろう。親としてはそのとおりだろうなというふうに思います。  総務省の統計があります。ちょっと古いんですけれども、2014年度の統計ですけれども、全国で76人の公務員の死亡事故があって、58件が公務死亡で、そのうち23件が労災認定の死亡という統計になっています。ですから、公務員の労働で自殺者が2014年には23人出ているということなんですね。こういうのはそれぞれのみずからの自治体に引き直して考えることも必要ではないかと思っております。  それで、以下質問しますけれども、統計資料が出されましたけれども、特徴は去年の4月の地震時の時間外労働の多さが今おっしゃった統計の特徴であろうと思います。職員の総時間数が8,380時間ですから、本当に一たびこういう災害等が起きると、大変な時間外労働が発生するということがよくわかります。水俣の場合も、例えば避難所の開設だとかがもっと長引けば、この時間が伸びたのではないかなというふうに思います。  資料を紹介しますと、5月30日の熊日新聞は、昨年の熊本地震時の県と熊本市職員の時間外労働の数字を出しています。数字は、100時間以上だった職員は何人か。県職員で818人、市職員で3,432人、2カ月連続で80時間超えて残業している職員は、県職員で668人、市職員で2,925人です。  なお、厚生省が過労死ラインとしている時間はどういうものかというと、2カ月連続で80時間を超える、あるいは月100時間以上の労働は過労死ラインを超えるというふうに厚労省は言っています。東日本大震災のときも、3県においては、長時間の過労勤務が続きまして、長期休暇の職員が大幅にふえているというふうに言われています。具体的な数字はつかんでおりませんけれども、新聞報道によるとふえているということでした。このような時間外勤務の実態からわかるように、いざ災害となったら自治体の職員が住民を守る最前線に立っているということではないでしょうか。  振り返りますと、水俣でも行政改革だというふうに言われて、随分市役所の職員を減らせというのが議会でも言われました。執行部のほうでもそういうことを何回か言われたということを記憶にしていますけれども、しかし、こういう大きな災害がいつ起こるかわからないし、起こったとしたら、市役所の職員がそれこそ市民生活を守るために最前線に立たなきゃいけないというのが事実だというのが明確になってきたと思います。特にこの間の全国で起きている災害等を見て、本当に自治体職員を減らせ、減らせということでいいのかということが今見直されてきているというふうに思います。  それで、もう一つ資料を紹介します。  2001年に厚生労働省は大臣告示を出しています。どういう告示かというと、こういうことになっているんです。脳、心臓疾患の認定基準に関する専門検討会報告書というのがあるんですけど、その日の疲労がその日の睡眠で回復できる状態を維持するには残業時間は月40時間までと結論しているということなんですね。過労死ラインとかいろんな線が引かれているわけですけれども、これらをしっかり守っていかなきゃいけないというふうにも思います。  ですから、改めて1人当たりの時間外労働をなくすという意味でも、あるいは、後で質問していますから出てくると思いますけれども、80時間超え、100時間超えという職員がいるということを確認しているということですから、そういうのが発生しないように適切な人員をきちっと配置するということが必要なんではないかと思いますけれども、これについてはいかがでしょうか。  さて、もう一つの視点からの課題ですけれども、答弁があったように、統計には、支払われていない時間外勤務の時間は集計されていないということでした。今幾つか数字をずっと言われたんですけれども、これは支払われた賃金の時間数の集計であるということですよね。そういうことでいいんでしょうか、これは確認です。  3番目、80時間を超えたり100時間を超えたりする職員は確認できていますか、これは人数まで出していただきたいと思います。  4番目、なぜ、こういうサービス残業が発生するかというのを推測すると、当初予算をつくる段階で各課が要求した時間外勤務の予算要求が査定などを経て最終的に予算になるんですけれども、このつくり方が正確であったかどうかということが点検されなければいけないんではないかなというふうに思います。これについては、原課から予算要求があって、査定があって、それで最終的には予算案として議会に提案されるという、この流れで、基本的な流れはいいかどうかということをちょっと確認したいと思います。  以上4点、お願いします。 ○議長(福田 斉君) 本田総務部長。 ○総務部長(本田真一君) 2回目の質問ですが、まず1人当たりの時間外労働を減らす点からも適正な人員の確保は必要と考えるか、との御質問につきましては、適正な人員確保は必要であると考えております。そのため、毎年退職者の補充、組織機構の見直しや事務量等各課の状況を考慮し、新規職員の採用を行っております。  また、年度途中などであっても人員が不足すると思われる部署については、所属長のヒアリング等をもとに人事異動や臨時職員の採用、配置等を行い、適正な人員の確保に努めております。  次に、支払われていない時間外勤務時間は集計していないということか、という御質問ですが、時間外勤務命令を受けて実施した時間外勤務については把握しておりますけれども、時間外勤務命令を受けていないものについては把握はできておりません。  次に、80時間を超えたり、100時間を超えたりしている職員は確認しているか、との御質問ですが、これにつきましては、平成28年度につきましては、100時間を超えている職員は8名ございます。あと、2カ月連続80時間の職員はいませんけども、月80時間を超えた職員につきましては11名おります。  最後に、各課が時間外勤務の実態を総務課に連絡し、各人が翌月に時間外勤務手当の支払いを受けるか、との御質問につきましては、時間外勤務手当の支払いの方法については、おおむねこのような流れでございます。  以上です。 ○議長(福田 斉君) 野中重男議員。 ○(野中重男君) ありがとうございました。3回目の質問をします。  命令を受けていない時間外労働については把握していないということでしたから、別の統計数字があるのかもしれませんけれども、ここについてもぜひ把握して、次年度の予算づくりに反映するということをしていただきたいというふうに思います。  最後に2点だけお伺いします。  組合との三六協定、三六協定というのは、労使が協定を結んで、時間外労働はここまで認めましょうというふうに取り決めた時間を三六協定というふうに言うんですけれども、三六協定だとか、過労死ラインの把握、それを超えた人がいないかどうか。あるいは先ほど紹介しましたけれども、労働大臣告示、月45時間という話でしたね。サービス残業の実態などは人員体制を整える上で必要ですので、綿密な統計をとっていただきたいというふうに思いますけれども、どうお考えでしょうか、これが第1点目。  2点目は、サービス残業を根絶するには幾つかの方法があると思います。どういう方法が一番いいのかというのは役所で総務課のほうで人事管理をされていると思いますので、その辺のところが一番知恵はあるんじゃないかと思いますので、具体的に言いませんけれども、基本的にはサービス残業をなくすということで、必要な段取りだとか工夫だとかをしていただきたいというふうに思いますけれども、これについていかがでしょうか。  以上、2点です。 ○議長(福田 斉君) 本田総務部長。 ○総務部長(本田真一君) 3回目の質問についてお答えいたします。  まず、サービス残業はどれぐらいされているかなど、人員体制を考える上からも調査が必要と考えるが、統計をとっていかないか、との御質問につきましては、職員の時間外勤務の状況については、これまでも総務課において把握し、長時間の時間外勤務による職員の健康への影響を未然に防止するため、1カ月の時間外勤務が100時間を超えるなどの職員については、産業医の面接指導などを指導するとともに、必要に応じて人員の配置を行ってまいりました。  今後も時間外勤務の実施状況や実情の的確な把握に努め、各所属長にも実態を把握し、対応を行うよう周知し、時間外勤務を減らしていくように努めてまいりたいと思います。  次に、来年度から調査をもとにサービス残業が発生しないようにすべきと考えるが、との御質問につきましては、時間外勤務は所属長の命令を得て行い、その所属長は職員の時間外勤務の必要性や状況などを的確に把握するよう徹底を図ります。また、業務量に見合った人員と予算を確保していくように努めてまいります。 ○議長(福田 斉君) 次に、厚生労働省が各県につくらせた地域医療構想水俣市立総合医療センターの新改革プラン(新公立病院改革プラン)について答弁を求めます。  坂本病院事業管理者。   (病院事業管理者 坂本不出夫君登壇) ○病院事業管理者(坂本不出夫君) 次に、厚生労働省が各県につくらせた地域医療構想水俣市立総合医療センターの新改革プラン(新公立病院改革プラン)について順次お答えします。  まず、熊本県の地域医療構想はどのようなものか。また、国と県がつくった必要病床数の推計ではどのような内容が書かれているか、との御質問にお答えします。  地域医療構想は、国の社会保障費の増加、人口減少、そして2025年問題、いわゆる団塊の世代が75歳以上となる高齢社会を迎え、急激な医療介護ニーズの変化等、社会構造及び課題に対応する施策であります。  熊本県の地域医療構想では、10の構想区域が設定され、構想区域ごとに将来の病床数の必要量、居宅等における医療の必要量及び将来の目指すべき医療提供体制の実現に向けた施策が定められております。構想の中で示されている国と県がつくった芦北構想区域の2025年における必要病床数の推計では、2015年時点で報告されている病床数1,403床が、国の推計によると746床と約47%減少することとなっております。  また、県では、国とは別に独自に3つの算出方法により必要病床数が推計されております。1つ目は、1市2町の人口ビジョンをもとにした算出で861床、約39%の減、2つ目は、過去の病床数の減少率をもとにした算出で1,276床、約9%の減、3つ目は、各医療機関の聞き取り調査から見込んだ算出で1,326床、約5%の減となっております。また、機能別で見た場合、急性期病床と慢性期病床が過剰となり、高度急性期病床と回復期病床が不足するという推計となっております。  次に、これらの計画や推計の問題点はどこにあると考えているか、との御質問にお答えします。  今回の地域医療構想は県単位、構想区域単位で策定されました。しかし、芦北医療圏は、患者の流出率よりも流入率が高く、さらに県境を越えた北薩地域からの流入率が高い状況にあります。このような環境にある医療圏においては、県単位、構想区域単位での調整に加え、県境を越えた同じ生活圏域での将来につながる地域医療構想でなくてはならなかったのではないかと考えているところです。  また、将来の必要病床数の推計については、あくまで算定式に当てはめ、機械的に算出したものであり、そのとおりの病床数となった場合、この地域の救急医療体制は維持できなくなります。今後は、この地域で設置される芦北地域医療構想調整会議において、国や県の推計値を参考としながらも、地域医療の確保の視点に立ち、この地域で必要な病床数や医療機能について、関係機関が連携して協議していかなくてはならないものと考えております。  次に、医療センターが本年3月に新しくつくったプランはどのような内容かとの御質問にお答えします。  昨日の田口議員の一般質問にも答弁いたしましたとおり、県の地域医療構想に基づき、主に3つの取り組みを掲げております。  まず1つ目に、病床機能分化の推進において、院内に回復期機能を持つ病棟と高度急性期機能を持つ病床の導入。2つ目に、経営効率化に向けた取り組みにおいて、バランストスコアカードによる目標管理、後発薬品への切りかえの推進等による経費削減などの取り組み。3つ目にネットワーク化において、くまもとメディカルネットワークの活用や芦北地域医療構想調整会議などの場を通じた調整、また、当院の行動指針としてきました圏域を超えた医療連携の推進という内容となっております。 ○議長(福田 斉君) 野中重男議員。 ○(野中重男君) 答弁ありがとうございました。2回目の質問をさせていただきます。  答弁ありましたように、国の構想では2025年問題があって、2015年のベッド数から2025年には何床減らすかということが数字として示されているということで、国の構想でいうと、700床くらい減るというような数字も出ております。これを見て、私も国の構想あるいは県の構想を読ませていただきましたけれども、これは大変なことだというふうに思いました。それで幾つか2回目の質問をさせていただきます。  1番目です。医療センターは、病院の機能や規模については、芦北地域医療構想調整会議での議論を経て機能とか病床規模だとかを決めるのではなくて、独自に医療センターとしては判断していけるというふうに理解していいのでしょうか。これが1点目であります。  2点目は、この国の医療構想が出てから、いろんな識者が全国で論文を書かれております。そういう論文を読みました。日本が追っかけていると言われているイギリスでは、どんな事態が起きているか。政府が機械的にベッドを減らしたことで救急患者が運ばれたのに入院できずに死亡する例が幾つも起きているそうです。先ほど坂本先生からも救急患者が運ばれたのに入院できずに死亡する、ベッドが減れば救急医療は維持できないというふうに御答弁いただきました。具体的にベッドが減ることによって、救急が維持できないというのをもう少し具体的に御答弁いただけないでしょうか。  3番目は、また、政府の構想では何回読んでも小児救急については書いてありません。これについては、今後どのように考え、どのように対応されていくと医療センターではお考えでしょうか。これが3つ目です。  4点目は、厚生労働省のねらいはベッドを減らして医療費を抑制することだと思いますけれども、この統計のとり方そのものが、2015年のある月のレセプト(健康保険への医療機関からの請求書)を分析して、それにどれくらいの費用の人が何人いるかということで、点数が高い人、費用が多い人を高度救急、その次に高い人を急性期、その次に高い人を回復期ということで、機械的に輪切りにして出た統計でもって出ているんですけれども、これとか、あるいは今答弁ありましたように、社会問題研究所の人口統計等をもとにこういうものがつくられているんですけれども、ただし、僕はこういうふうに厚労省がもくろんだとしても、勝手に医療機関のベッドを減らすことはできないというふうに思っています。  もし、ベッドを医療機関が減らすとすれば、診療報酬での誘導しかないんですけれども、こういうベッドを減らすという動きについては、芦北医療構想調整会議では、どのように今後対応されていくという予定なんでしょうか。その構想としては、調整会議ではどういう議論をしていくということになっているんでしょうか。また、その構成はどのような方々で構成されるのということなんでしょうか。わかる範囲で結構です、御答弁いただければと思います。  5点目は、基本的には減らしたベッドをどうするかというと、在宅に回すんだというのがこの医療構想の中に入っています。じゃあ、600人、700人ベッドが減ったとして、人口が減ったとして介護施設に行きなさい、在宅に行きなさいというふうになったとして、この辺の整備がほとんどできておりません。介護施設については、人員不足になっていますし、あるいは慢性期の患者さんを一定医学管理が必要な人たちを在宅に戻して管理できるのかという問題もあります。あるいは、慢性期病棟、今水俣市内にもたくさんあるんですけれども、水俣、芦北で300床ぐらいあるんですけれども、これをなくしてしまったら、それこそ在宅で管理できるかという問題もあります。それで、今後介護施設や在宅などについてはどのようにすると先生は聞いておられるか、その辺、おわかりのことがございましたら、御答弁いただければというふうに思います。
     以上、5点です。 ○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。  坂本病院事業管理者。 ○病院事業管理者(坂本不出夫君) まず、今回の地域医療構想調整会議での議論を経て、医療センター独自で判断できるかということでございますけれども、病床機能の再編につきましては、これは今回2回目となる公立病院改革プランの策定においても、地域医療構想と整合性を持たせるため、民間機関との調整において手段と目的において、そごが生じた場合には、速やかに我々の改革プランの修正を求めるという文言が入っております。  そういうことで、医療センターの改革においても、事前に医師会や関係機関に増床を目的としたものではなくて、現在ある我々の病床機能の再編成、そういうことで医療と介護の連携強化につながるものであるということを説明し、同意を得て進めているところでございます。  次に、小児救急でございますけれども、これは平成10年代半ば、地域医療崩壊として医師確保が困難になってきた時代がございます。そのとき、県南地域で病院機能の集約化を図るとして、八代地域に拠点病院の設置構想が起きました。そのときに、小児救急及び産婦人科が存続できなければ、若者世代の流出に歯どめがかからなくなると。そして、現在まで我々の実績を評価していただくよう強く県や大学に訴えた結果、拠点病院ではございませんが、強化病院として残すということで現在まで来ております。今後も地域の中核病院として小児救急は使命感を持って継続してまいります。  それとベッド数減少でございますが、病床数が減少するとなると、医師を初めとするスタッフは現在の数を確保できなくなります。特に医師の数が減少すると、医師1人当たりの宿日直及び診療科ごとの待機の回数がふえまして、負担が大きくなってしまうことで、救急医療を維持できなくなってくるものと考えられます。  次に、地域医療調整会議ですが、これは先般、県より通知がありました。まだ、現在芦北地域では開催されておりません。6月30日に熊本県の地域医療構想調整会議、7月3日に熊本県の在宅医療連携体制の検討協議会の開催通知が来ておりますので、その後、7月中旬までには芦北地域の調整会議が開催されると思われます。  協議会の構成でございますけれども、県に確認しましたところ、診療所代表、慢性期を担う医療機関代表、病院代表、医師会、歯科医師会、薬剤師会、看護師協会、1市2町の首長、保健所長ほかという構成で、現在各団体へ推薦依頼中ということでございます。協議会では、限られた医療資源が競合することなく、医療と介護の一体改革を進めるための各機関との連携強化、そして少なくとも標準的なレベルの医療機能が維持存続できなければ、地方創生どころか、明らかに人口減少に歯どめがかからない地域になっていくということを県及び国に理解していただくよう、我々は努力していかなければならないと考えております。  介護施設の問題ですけれども、介護施設や在宅医療については、まだ具体的な協議が開催されていないため、詳しい内容は存じ上げておりませんが、在宅医療では、当院が在宅療養国保支援病院でもありますので、今後もバックアップさせていただきたいと思っております。ただ、これは介護保険と医療保険は全くの別のもの、熊本県の担当課も違って、調整会議も別々に開かれると。医療と介護の一体改革については、今後非常に困難が予想されると私は考えております。 ○議長(福田 斉君) 野中重男議員。 ○(野中重男君) 最後の質問をさせていただきます。  医療センター改革プランにおいては、高度急性期病棟をつくるということですけれども、施設のハードルが高いんではないかなと思いますけれども、その辺については十分確保できるというお見通しでしょうか、これが1点です。  それから、高度急性期機能ができて、あるいは回復期病棟がつくられて、これから市民の方たちが治療する場合、何か変わっていくことがあるのかどうなのか、これまでのように治療を続けられるのかどうか。  以上、2点お聞かせいただけますか。 ○議長(福田 斉君) 坂本病院事業管理者。 ○病院事業管理者(坂本不出夫君) 高度急性期機能を持つ病棟の導入については、昨年度からシミュレーションを行っておりまして、大体35人程度が常時高度急性期の対象患者だと。12床程度であれば、施設基準や採算面でクリアできると考えております。また、高度急性期機能によって、患者さんなどへの対応でございますけれども、高度急性期病床では、術後を初めとした集中管理が必要な患者さんに対して、各課連携による集中的な治療を行うことができます。また、急性期を過ぎ、症状が安定した患者さんは回復期病棟である地域包括ケア病床に移ることで退院に向けた準備や支援が行われ、患者さんの在宅復帰率の向上が期待されております。  なお、地域包括ケア病棟における入院期間は60日までと決められております。 ○議長(福田 斉君) 以上で野中重男議員の質問は終わりました。  この際、10分間休憩します。                                午前10時44分 休憩                                ─────────                                午前10時54分 開議 ○議長(福田 斉君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  次に、髙岡朱美議員に許します。   (髙岡朱美君登壇) ○(髙岡朱美君) 皆さん、こんにちは。  日本共産党の髙岡朱美です。  本日は、時間の関係がありまして、早速通告に従いまして質問に入らせていただきます。  大項目1、国民健康保険都道府県単位化について。  ①、国民健康保険の目的は何か。  ②、国保は構造的問題を抱えているとよく言われるがどのような意味か。  ③、構造的な問題を緩和するために国、県及び水俣市はどのような対策をとってきたか。  ④、平成30年度から都道府県単位化が始まるが、その目的は何か。  ⑤、都道府県単位化によって、県と市町村それぞれどのような権限を持つことになるのか。  大項目2、新電力供給実証実験とさらなる地域資源の活用について。  ①、JFEエンジニアリング株式会社及びJNC株式会社の供給する電力を庁舎で利用する実証実験について、事業概要と現在までの経過はどのようになっているか。  ②、実証実験終了後の事業展開及びそのスケジュールはどのように考えているか。  ③、水俣市分散型エネルギーインフラプロジェクトマスタープランについて、プランの概要と策定した目的は何か。  大項目3、発達障害者支援法改正と本市の取り組みについて。  ①、2016年8月に改正発達障害者支援法が施行された。改正のポイントは何か。  ②、これまでの本市による発達障害者への支援内容はどのようなものか。また改正を受けての取り組みはいかがか。  以上、本壇からの質問を終わります。 ○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。  西田市長。   (市長 西田弘志君登壇) ○市長(西田弘志君) 髙岡朱美議員の御質問に順次お答えします。  まず、国民健康保険都道府県単位化については福祉環境部長から、新電力供給実験とさらなる地域資源の活用については私から、発達障害者支援法改正と本市の取り組みについては福祉環境部長からそれぞれお答えします。 ○議長(福田 斉君) 国民健康保険都道府県単位化について答弁を求めます。  川野福祉環境部長。   (福祉環境部長 川野恵治君登壇) ○福祉環境部長(川野恵治君) 初めに、国民健康保険都道府県単位化について、順次お答えします。  まず、国民健康保険の目的についてお答えします。  国民健康保険法第1条には、社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とするということがうたわれております。国民健康保険は、社会保険や共済といった他の保険制度の加入者以外の全ての方に医療保険を提供する我が国の国民皆保険を支える重要な制度です。  次に、国保は構造的な問題を抱えているとよく言われるが、どのような意味か、との御質問にお答えします。  第1に、低所得の被保険者が多いことがあります。特に近年、定年退職された方や経済情勢等から失業によって無職になった方、非正規雇用の方等の割合がふえていることにより、その傾向は強まっています。第2に、少子高齢化の進行により、年齢の高い層の割合がふえ、医療費の水準が高くなってきております。第3に、経営主体が小規模な市町村であるため、財政基盤が脆弱な保険者が多いことが挙げられます。  次に、構造的な問題を緩和するために、国・県及び水俣市はどのような対策をとってきたか、との御質問にお答えします。  国・県においては、市町村の所得水準、医療費水準、被保険者数による調整を行う保険財政共同安定化事業、市町村間の所得水準を調整する普通調整交付金、市町村間で65歳から74歳の被保険者の加入率の差異を調整する前期高齢者交付金といった制度により、財政的な支援がなされているところです。また、本市においては、特定健診等の受診率向上や生活習慣病の重症化予防といった保健事業を実施することにより、被保険者の健康増進とあわせ医療費水準の適正化に努めております。  次に、平成30年度から都道府県単位化が始まるが、その目的は何か、との御質問にお答えします。  さきにお答えしましたとおり、国保財政においては被保険者の所得水準が低い、高医療費、市町村が経営主体であり、小規模保険者が多いといった問題があるため、これまで市町村が個別に行っていた財政運営を都道府県が責任主体となることで、一定の被保険者数を確保し、安定的な財政運営や効率的な事業の確保等、国保運営に中心的な役割を担い、制度の安定化を図ることが都道府県単位化の目的です。  次に、都道府県単位化によって、県と市町村、それぞれどのような権限を持つことになるのかとの御質問にお答えします。  県の役割は、国民健康保険の財政運営の責任主体として、保険給付に要する経費を国保事業費納付金として市町村ごとに決定します。また、医療給付の費用について、全額市町村に交付します。一方、市町村の役割としては、納付金を県に納めるとともに、資格の管理、保険給付、保険税率の決定や賦課徴収、保健事業といった地域におけるきめ細かな事業を引き続き担うことになります。 ○議長(福田 斉君) 髙岡朱美議員。 ○(髙岡朱美君) 2回目の質問をさせていただきます。  2007年にマイケルムーア監督の「シッコ」というドキュメンタリー映画が公開されました。公的保険制度のないアメリカでは、年間1万8,000人の人が無保険が原因で死亡しているそうです。  映画の中では、保険に入っていないために、切断した2本の指の手術にそれぞれ数千万を提示され、1本を諦めた人、民間の保険会社のもうけ主義により、いざというときに保険が適用されず、結果家族を失った人などが登場します。うそのような話ですけれども、入院費が払えない患者を病院の職員が道端に捨てる場面も出てきます。オバマケアが成立して多少はよくはなったのかもしれませんけれども、アメリカでは医療は福祉ではなくお金で買うサービスという位置づけです。  一方、日本は、戦後の新しい憲法に規定された生存権のもとに、お金がない人が病気で貧困に陥らない仕組みが必要とされ、国民健康保険制度をスタートさせました。御答弁いただいたように、国民健康保険制度は社会保障であることが明記されています。そして第4条にはこれを健全に運営する責任が国にあると言っています。日本の制度が当たり前と思って「シッコ」を見ますと非常に驚きます。そして、ああ、日本に生まれてよかったと思うに違いありません。しかしながら、近年の国民健康保険にかかわるさまざまな報道を見ていますと、本当に社会保障の名に値する制度になっているのか疑問が湧きます。  国保の構造的な問題についてお答えいただきました。そもそものスタートがほかの医療保険制度に加入することができない人を抱え込む保険だったわけで、低所得者対策が必要であるという構造はずっと変わっていません。しかし、近年、その構造的な問題はどんどん深刻になっています。といいますのは、制度ができた初期のころは、被保険者の世帯主のうち農林水産業の関係者が42%、自営業の方が25.4%とその大半を占めていましたが、今は農林水産業関係の方はわずか2.6%、自営業14.3%なのに対し、最も多いのが無職者で43.4%、次に多いのが被用者、いわゆる社会保険に入れない非正規の労働者で35%を占めています。厚労省の平成25年度の調査で、市町村国保の被保険者の8割を所得が200万円未満の世帯が占めていることが報告されています。  一方で、医療給付費が年々増大しており、所得に占める保険料の割合が大きくなってきています。厚労省の報告では、所得30万円未満以下の人では、保険料が占める割合が19.4%、40万円未満で12.5%、60万未満で12.6%などとなっています。これに比べ、他の医療保険加入者の負担率は、協会けんぽが7.6%、共済組合が5.5%、組合健保が5.3%、後期高齢者医療制度が8.4%です。  水俣市の国保被保険者の1人当たり平均所得は33万9,000円と県内で最低水準です。水俣の場合は、水俣病被害地域に対する特別調整交付金が繰り入れられていますので、他市町村よりは負担割合はかなり軽くなっていますが、もしこの交付金がなければ所得40万円で12.5%の保険料を納めなければなりませんので、これを単純に1カ月分に直しますと月3万3,000円の所得から4,100円の保険料を払うことになります。しかも病院に行けば3割の自己負担があります。  今回、熊本県国民健康保険事業状況報告書、過去20年分をもらってきまして、水俣市と県全体の経年のデータを見てみました。  被保険者数がどんどん減っていく。また、所得がじわじわと減っている。その中で医療費は上がっている傾向がはっきりわかります。医療費が上がっているのはどこも同じです。1人当たりの保険料の計算式は、分子が医療費で分母が被保険者の総所得と人数になりますので、この傾向が続くと際限なく保険料が上がっていくことになります。しかし、もう既に負担の限界は超えているというのが実態ではないでしょうか。これ以上負担を強いれば保険料を払うために食うや食わずの生活になってしまって、医療保険の意味がなくなってしまいます。これまでこの問題を解決するために国、県、水俣市がやってきたことをお聞きしました。  そもそも国保は無保険の人をなくす社会保障という性格を持っています。支出の半分以上を国が持つというところからスタートしています。それに加え、地域の実情に応じて国、県がさまざまな交付金を出して調整するということで支えてきました。それでも困って、自治体独自に一般会計から繰り入れを行っているところも多くあります。制度を維持する上で、公費を投入することは問題解決の根幹です。ところが、この公費投入について、国は1984年以降にどんどん後退させてきています。  具体的には、1983年まで総支出に対して60%を国が負担していましたが、現在は23%しか出していません。その分が被保険者の負担にはね返っていることがグラフではっきりあらわれています。しかし、今の国の方向は社会保障支出をいかに減らすかということですので、これをもとに戻すつもりは毛頭なさそうです。かわりに考えたのが医療費適正化という名のもとに大胆な医療費削減を都道府県に担わせようということです。それが地域医療構想だということがわかりました。そして、この地域医療構想と国保都道府県単一化はある意図をもって同時に進められてきたということもわかりました。  先ほど、国保の都道府県単一化の目的についてお答えいただきましたけれども、一定の被保険者を確保して安定的財政運営を行うためというお答えでした。これはよく言われてきたことですけれども、はっきり申し上げまして単なる表向きの理由です。その証拠に、国保財政が最も厳しいのは大都市であったり中核都市のほうです。そこに市町村などの小規模保険者を組み込んだところでなぜ安定するんでしょうか。  これはちょっと余談ですけれども、今回20年分のデータを見ていて気づきましたが、合併した市町村、例えば八代市、あさぎり町など見てみますと小さい市町村は合併前と合併後では保険料が大きな市、町に合わせて大幅に上がっています。どこも上がってはいますが、上がり方が急激です。しかも合併前に国保財政が赤字だったわけではありません。ですから、安定した財政基盤をつくるために広域化するというのは全く根拠のない話だなと思いました。  では、本当の理由は何かといいますと、地域医療構想実施に合わせて、入りと出、つまり保険料収入に見合うよう医療支出を絞る。逆に支出に合わせてしっかり保険料を集めるという仕事を都道府県に一元的にさせるためのプランだということがわかりました。単一化したら県と市はそれぞれどのような役割をするのかについて説明していただきました。これまで市は水俣市民が1年間に使う医療費を予想して、国、県からの交付金を除いて、そして1人当たりの保険料を決めて集めていましたけれども、説明では保険料を決めて集める以外のところを全部県がすることになるという説明でした。  それで、質問をいたしますが、県がそれぞれの市町村に割り当てる納付額の算定方法について今、県で検討しているところですけれども、担当者レベルでは市町村への説明もされていると聞いています。これまで市で集めてきた保険料と比べて多くなるのか、少なくなるのか予想はどのようになっているのでしょうか。  それから2つ目です。もしこれまでより多くなった場合に、市としての対応はどのような選択肢があり、また水俣市はどのような対応をするお考えなのか。  そして、最後にお伺いします。  これまで市として取り組まれてきた特定検診や保健指導についてですけれども、これは医療費削減の手段としては私は最も合理的で、そして結果的には個人の幸せになるというふうに思っております。そこで、これまでに成果があった具体的な取り組み、また今後さらに取り組もうとしていることがありましたらお答えください。  以上、質問は3点です。 ○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。  川野福祉環境部長。 ○福祉環境部長(川野恵治君) 髙岡議員の2回目の質問にお答えします。3点あったかと思います。  まず、県が市町村に割り当てる納付額は、現在、県において検討されていると聞くが、これまで市が集めてきた国保税よりも多くなるのか、少なくなるのかということが1点。また、もしこれまでより多くなった場合の対応として、どのような選択肢があって、市はどのように対応するのか、これが2点目だったと思います。まず、この2つの点についてお答えをしたいと思います。  財政運営の都道府県化に伴い、市にどれぐらいの財政負担が生じるのか、納付金がいまだ試算の途中であり、判然としておりません。したがいまして、国保税についても現時点ではお答えできませんが、もし現状より負担が多くなった場合は、基金の取り崩しや繰越金による対応等のほか、場合によっては、税改正も視野に入れなければならないと思っております。  ただ、本市といたしましては、少なくとも平成30年度から税率を変更することは考えておりません。31年度以降につきましては、今後考えられる状況の変化を見据え、長期的な財政計画の中で税負担をどのようにするのか検討する必要はあると考えております。  3点目、市として取り組んできた特定検診や保健指導についての成果と今後の取り組みについてのお尋ねです。  保健指導につきましては、特に水俣市に多い高血圧症対策を重点的に取り組んできております。特定検診を受けて、最高血圧160、最低血圧100以上の高血圧であった人には個別で一人一人に応じた保健指導、栄養指導を実施しております。その結果、平成20年度には特定検診を受けた人の13.4%が最高血圧160、最低血圧100以上の高血圧でしたが、平成28年度には6%に減少をしております。  また、この間医療費においても高血圧症が原因であることが多い脳血管疾患の医療機関受診件数も減少し、毎年5月の1カ月間における医療費につきましても、平成20年度は約700万円であったものが、平成28年度には約540万円と約160万円の減少傾向にあり、医療費の削減の効果も出てきております。  今後は国の動向と同様に、本市でも糖尿病がふえてくると予想されますので、糖尿病の重症化予防、特に糖尿病性腎症による人工透析がふえないように、生活習慣の改善に向けての保健指導、栄養指導を重点的に取り組む予定としております。  市民の健康維持や増進には、まず毎年の健康診断を受けてもらうことが最も大切であります。  現在、本市の特定検診受診率については、31%と少しずつふえてきてはおりますが、まだ国の目標値の60%には届いておりません。このような状況を踏まえて、今年度はデータヘルス計画、健康増進計画、食育推進計画の見直しの年となっておりますので、これらの計画を実効あるものにしたいと考えております。 ○議長(福田 斉君) 休憩します。                                午前11時16分 休憩                                ─────────                                午前11時17分 開議 ○議長(福田 斉君) 再開します。  髙岡朱美議員。
    ○(髙岡朱美君) 納付額については、まだはっきりしたものがないというお答えでした。また、30年度は基金などを使って税率を上げることはないけれども、31年以降については長期的な見直しも必要になるかもしれないというお答えだったと思います。  実は、大阪府がこの制度をもう先取りして実施しております。大阪府は交付金の傾斜配分を利用して医療費削減、収納率向上、一般財源からの繰り入れの解消を強く指導しており、保険料が上がった市町村が幾つも出ています。下がったところはありません。熊本県が同じかはわかりませんけれども、今後はますます国保の収納業務は厳しくなる可能性があります。  最初に、国民健康保険の目的が福祉の向上だということを確認していただきました。医療を受けるということは健康で文化的な最低限の生活に欠かせないものです。そして住民の生命、財産を守るというのが自治体の使命です。今後の国保行政のあり方については注視していく必要があるということを申し上げまして、3回目の質問をいたします。  最初に御答弁ありましたように、保険料率の決定権は引き続き市にあるということです。市民が払える保険料率の維持のために、一般財源からの繰り入れなども含めまして、あらゆる手を尽くすことをお約束していただきたいと思いますけれども、これが1点目です。  そして2点目は、国が果たすべき役割を果たせという主張を機会あるごとにしていただきたいと思うんです。  こういう話があったと聞きました。都道府県単位化について国との協議をしていた全国知事会は、国保の構造的な問題を解決しない限り保険者にはならないと言っていたそうで、中でも社会保障常任委員会委員長の福田富一栃木県知事は、せめて協会けんぽ並みの保険料にすることが必要で、そのためには約1兆円の財政投入が必要だとして、具体的な公費活用策を示して基盤整備を訴えたそうです。しかし、結局は3,400億円のみでまとまってしまいました。この程度では今の高い保険料を下げることは望めません。私は国に対してはもっと厳しい目を向けるべきだと思います。  今、国保が抱えている構造的問題、つまり働いているのに社会保険に入れない非正規の労働者を大量につくったのは国の規制緩和が原因です。しかも、消費税を社会保障に使うと言って低所得者からも巻き上げておきながら、お金がなくて医療を受けられないという人を本気で救おうとはしておりません。国保は保険者間の相互扶助で成り立っている制度ではなく、社会保障だということを機会あるごとに主張をして、国の財政措置をふやすように働きかけていただきたいと思うんです。ここはぜひ市長に頑張っていただきたいということで、ここは市長から答弁お願いいたします。  最後にいきいき健康課から病院にかからなくて済むための健康づくりについて今後の方針をお答えいただきました。今までも個別指導などによって、随分効果があるというお話をいただきました。やっぱり、家族が病気になると、女性はとても大変ですし、財布に響きます。病気になる前に健康に気をつけようという意識をたくさんの人が持つ、これが私は最も医療費削減の健全なやり方だというふうに思います。  私も非常に関心がありまして、少し調べてみましたら、自治体の健康増進対策も非常にユニークなものがあって、アプリを使ってポイントをためたりとか、いろいろなことをされているところがありました。市長も施政方針の中で健康増進計画を非常に重視をされていました。ぜひ担当課にはいろいろアイデアを出して頑張っていただきたいというふうに思います。これは要望です。  質問は2点です。 ○議長(福田 斉君) 川野福祉環境部長。 ○福祉環境部長(川野恵治君) 3回目の御質問のうち、最初の御質問にお答えします。  市民が払える保険料率の維持のためにあらゆる手を尽くすことを約束してほしいというお尋ねだったと思います。  現在、本市の国民健康保険事業特別会計におきましては、法定繰り入れとして職員給与費及び事務費等に係る費用、出産・育児一時金の市負担分、国保財政安定化支援事業に係る分、国保険基盤安定負担金に係る分を一般会計から繰り入れ、財政運営の安定化に努めているところでございます。  今後とも将来にわたって、被保険者の適正な負担及び国保事業の健全な維持ができるよう図っていきたいと考えております。 ○議長(福田 斉君) 西田市長。 ○市長(西田弘志君) 国保の保険者間の相互扶助ではなく、これはやはり社会保障だということを主張をということでございました。  最初の答弁の繰り返しにもなりますが、国民健康保険の目的は、国民健康保険法第1条にありますとおり、社会保障及び国民保健の向上に寄与するいうことでございます。また、第4条には、国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるように努めなければならない、こういったことがうたわれているわけでございます。そのことを念頭に置きまして、各種の機会がありましたら、こういった主張はさせていただきたいというふうに思っております。 ○議長(福田 斉君) 次に、新電力供給実証実験とさらなる地域資源の活用について、答弁を求めます。  西田市長。   (市長 西田弘志君登壇) ○市長(西田弘志君) 次に、新電力供給実証実験とさらなる地域資源の活用について、順次お答えします。  まず、JFEエンジニアリング株式会社及びJNC株式会社の供給する電力を庁舎で利用する実証実験について、事業概要と現在までの経過はどのようになっているか、との御質問にお答えします。  本事業は、これまで本市が続けてきた環境モデル都市づくりをさらに推進し、地球規模の課題である低炭素社会の実現に貢献することを目的に2月から着手をいたしました。事業概要としましては、市役所仮庁舎の使用電力をJFEエンジニアリング株式会社からの再生可能エネルギーを中心とした電力と、JNC株式会社からの温室効果ガスを排出しない水力発電の電力とをあわせて、JFEエンジニアリング株式会社の子会社のアーバンエナジー株式会社から供給を受けるというものでございます。  去る6月1日から、電気が安定的に供給されるのか、どの程度、電気料金が削減できるのか等を検証するための電力供給が始まったところであります。  次に、実証実験終了後の事業展開及びそのスケジュールはどのように考えているか、との御質問にお答えをいたします。  今回の検証事業では、まず、季節変動等の要因による電力供給の安定性、再生可能エネルギー比率向上によるCO2排出量削減や、料金削減効果等の検証を行う予定となっております。その後、十分な効果があると判断できた場合には、JFEエンジニアリング株式会社、JNC株式会社、そして水俣市の共同出資による地域エネルギー供給会社設立の協議を進めることとなっております。  協議のタイミングについては、十分なデータが出そろい、本市にとっても、また電力を供給いただく2社にとってもメリットがあると判断できる適切な時期に開始されるものと考えております。  なお、将来的には、地域エネルギー会社から供給を受ける電力で水俣市保有施設全ての電力をカバーし、さらなる低炭素社会の実現を推し進めていきたいと考えております。  次に、水俣市分散型エネルギーインフラプロジェクトマスタープランについて、プランの概要と策定した目的は何か、との御質問にお答えします。  まず、策定した目的につきましては、本市では環境モデル都市として、資源循環と低炭素化の取り組みを通じ、自然環境と共存するまちづくりを進めております。その取り組みの一つとして、地域の資源やエネルギーの有効活用により、地域のエネルギー産業を立ち上げ、地域経済の循環を創出することを目的とし、本マスタープランを策定いたしました。  次に、プランの概要につきましては、本市における新たなエネルギーを探る中で、畜産業における排せつ物処理の課題に着目し、コンセプトを「廃棄物系バイオマスの地産地消による環境モデル都市みなまたづくり」と定めました。  内容といたしましては、第1段階として、中山間地のバイオマス利活用によりエネルギーをつくり、第2段階として、それらを含めた地域エネルギーの地産地消を推進することとしております。策定に当たりましては、初めに市民などへのアンケートを通じ、市のエネルギー需給など、策定に係る基礎調査を実施しております。また、学識経験者、各種団体の関係者、市関係課からなる本マスタープラン策定委員会を設置し、畜産バイオマス利活用に係る事業計画の策定、環境や経済に与える効果についての検討を行っております。 ○議長(福田 斉君) 髙岡朱美議員。 ○(髙岡朱美君) では、2回目の質問をさせていただきます。  本市でいよいよエネルギーの地産地消の取り組みが始まりました。大変うれしく思っています。自然エネルギーは、世界で急激に普及、拡大してきています。日本でも原発事故以降電力の買い取り価格制度が導入されて、2016年4月からは、電力小売自由化が始まり、その発電設備の規模は既に原発の発電容量を上回っているとのことです。さらに、普及すればするほど技術的な改良が加わり、コストも下がってきます。環境エネルギー政策研究所の飯田哲也氏によると、この4年間でコストは3分の1にまで下がったといいます。  一方で、原子力発電の方はむしろ事故が起きるたびに安全基準が強化され、建設コストがとめどなく高騰しており、市場原理から言っても原発に未来はないというふうに思います。  ことし4月に無限21議員団のお世話で自治体としては日本初の電力小売会社を設立したみやま市を視察してきました。みやま市は、九州一日照時間が長いという条件を生かして、企業誘致に向かなかった市の土地に市と市内企業の出資で5.5メガワットのソーラーパネルを設置しました。そして、それ以前から独自の補助制度で多くの家庭に太陽光パネルが設置されており、それと合わせ7.5メガワットを電源として、2015年2月にみやまスマートエネルギー株式会社を設立しました。  出資金は2,000万円です。みやま市が55%、筑豊銀行が5%、九州スマートコミュニティー株式会社、これはもともと市内にあった電気会社で、主に営業部門での業務を委託される関係になっていますけれども、ここが40%です。また、新電力に必要なシステムやノウハウは、東京のエプコというコンサル会社と業務提携をしています。  2016年度の決算をお聞きしました。電力の販売額は7億6,000万円で、公共施設のほか、700世帯の家庭に売電したそうです。もちろん九州電力よりお得な料金価格を設定しています。そして、購入に際しても九電よりは1円高く買い取っていて、2016年度は200世帯と契約しています。まだ1年目で収支としては1,600万円の赤字だったそうですけれども、2年から3年後には黒字になると見込んでいるそうです。  みやま市役所の敷地には、みやまスマートエネルギーが経営するレストランがあります。食における地産地消にも取り組んでいます。その電力会社とレストランの経営で40名の雇用が生まれたそうです。ちなみにレストランは、2015年にグッドデザインアワードの金賞をとっています。  そのほか、IT機器により契約家庭の1日の消費電力を会社で管理しまして、そのシステムを利用して高齢者の見守りとかお買い物をするサービスなども行っていてこれがまたすごいのですけれども、ここでは長くなるので割愛いたします。  そして、今後の課題としては、今現在、地元太陽光電力の比率が50%で、ベースロード電源、そしてバックアップ電源を九電に頼っています。これを限りなく100%に近づけたい。そのためには、太陽光以外の安定した再生可能エネルギー、例えば水力などを供給できる近隣自治体と連携をしたいということで、水俣への期待をのぞかせていらっしゃいました。このような話をお聞きしてきまして、今度の水俣市の取り組みについて大変期待をすると同時に、また、どれだけ水俣市民にメリットがもたらされるのかなというのがちょっと心配になりました。  今年度は実証実験をして検証をする。その後、エネルギー供給会社設立の協議が始まるという御答弁でした。今の計画段階では、電力供給するのはJFEエンジニアリングとJNC株式会社ですけれども、水俣市も家庭用太陽光発電設置への補助金を出しており、既に設置している家庭が多くあります。これを使わない手はないと思います。また、市民にも出資をしてもらって、より身近な存在として応援してもらうということも考えられると思います。そのようなお考えはないのか、これが1点目の質問です。  そして、水俣市分散型エネルギーインフラプロジェクトマスタープランについてですけれども、突然このようなプランをいただいてびっくりしたのですが、お聞きしましたら、昨年の12月に各家庭に送られてきたアンケートをもとに作成された事業計画だということでした。そういえば1年分の電気代やガス代とかを書き込んだアンケートがあったなというのを思い出しました。  内容を読ませていただきました。畜産業者の方が処理に困っていたものを利用して発電し、さらに残渣物を堆肥として利用するという大変内容的にもいい計画ですし、非常に綿密につくられているんだなというのが、さっきの答弁でわかりました。  実現できれば、寒川の水力発量に続く地産地消エネルギーになりますけれども、これは実現をさせる計画があるのかどうか。これが2つ目の質問です。  以上、2点です。 ○議長(福田 斉君) 西田市長。 ○市長(西田弘志君) 2点ございました。  まず、エネルギー関係ですね。市民の出資をいただいたり、また市民にメリットがあるような会社にできないか、というふうな質問だと思います。  地域エネルギー会社設立を検討するに当たりましては、今回の実証実験を通しまして、市庁舎への電力の安定供給、CO2排出量削減効果、電気料金削減効果などのデータを今からとりまして、それを精査し、まずは現段階での構想でございます市保有施設への電力供給の実現を目指すことにしております。  また、電力の調達や供給の範囲を拡大するとなりますと、どの程度の需要が見込まれ、幾らで供給するのか、安定供給の仕組みはどうするのかなど、改めて解決すべき課題も出てくるというふうに思っております。電力供給をいただく企業の意向も踏まえながら、ちょっと時間をかけて検討しなければならないというふうに思っております。そのために、まずは当面、市保有施設への電力の安定供給の実現を目指し、今回の実証実験の成果、検証を最優先に進めていきたいというふうに考えております。  2つ目の畜産のバイオマス利用計画、こういったものは実際あるのか、ということでございました。  この畜産バイオマス利用事業につきましては、今後も引き続き廃棄物系のバイオマスの地産地消による環境モデル都市水俣づくり、こういったものの実現に向けて、先進地の視察等の調査、より具体的な事業化への支援を推し進めていきたいというふうに考えております。 ○議長(福田 斉君) 髙岡朱美議員。 ○(髙岡朱美君) 新電力の供給の件はよく実証実験を見て、しっかり時間をかけて検討するというお答えでした。希望を申し上げましたので、ぜひそこを考慮して、検討いただきたいなというふうに思います。  昨年の9月議会に、私が雑草からエタノールを生成する技術を紹介したことがありました。新エネルギー関係の本ですとか、ネットを見てみますと、今、身の回りにあるあらゆる資源からエネルギーを取り出す技術研究がどんどん進んでいます。最近では、飛行機のジェット燃料についてもバイオ化する動きが出ておりますし、岡山県真庭市では、三菱自動車と共同で製材所から出るおがくずでつくったエタノールで今、走行実験をしています。  地域に根差した分散型エネルギー企業というのは、地元に多くの雇用を生んで、地域に落ちるお金をふやすというふうに書いてあります。そうだとすれば、今から水俣でも廃棄物バイオマス地域づくりをしようというお話だったけれども、そういう意味では、本当に地方は宝の山なんだろうなというふうに思います。  先日、ある林業関係の方とお話をしました。水俣の山はさほど急峻ではないので、とても作業しやすい上に新栄合板もありますし、海外向けの輸出にも立地がいいというふうに話されていました。最近は若い人の応募もあって、定着もしているそうです。この林業関係の就職というのは、全国的にも若い人が応募しているのがふえているというのは新聞報道でも見ました。水俣の70%を占める森林の利活用というのは今から大きな可能性を秘めているんではないかなというふうに思います。ただ、地域分散型のエネルギーというのは、地元の企業ですとか、市民のやる気が絶対に必要だというふうに思います。  最後に1点だけ質問をいたしますが、今進化し続けているエネルギー分野のことについて市民や地元企業が一緒に学んで、水俣では何をやれるんだろうかという考える場をつくることができないでしょうか。環境アカデミアという格好の学び舎もできました。ぜひここは市が音頭をとっていただいて、まずは多くの人がどんな技術があるのかということを知る機会を提供していただきたいなというふうに思いますけれども、最後1点だけ質問です。いかがでしょうか。 ○議長(福田 斉君) 西田市長。 ○市長(西田弘志君) エネルギーの地産地消に取り組む、検討する、そういった場を設けられないか、ということだというふうに思います。エネルギーの地産地消に関しましては、これまで久木野、寒川地区における小水力発電の設置等を進めてまいりました。そして今後、先ほど答弁いたしましたJFEエンジニアリング株式会社との新電力供給実証実験及び水俣市分散型エネルギーインフラプロジェクトマスタープランにおいて検討しました畜産バイオマスの利用を進めていきたいというふうに考えているところでございます。  現時点におきましては、まずこの2つの事業を進めていくことが重要だというふうに考えております。今後、これらを進めていく中で、そのような検討の場が必要な状況となりましたら、設置を検討してまいりたい、そういった考えでございます。 ○議長(福田 斉君) 次に、発達障害者支援法改正と本市の取り組みについて答弁を求めます。  川野福祉環境部長。   (福祉環境部長 川野恵治君登壇) ○福祉環境部長(川野恵治君) 次に、発達障害者支援法改正と本市の取り組みについて、順次お答えします。  まず、2016年8月に改正発達障害者支援法が施行された。改正のポイントは何か、との御質問にお答えします。  この発達障害者支援法は、平成17年4月に施行され、発達障害者に対する障がいの定義と理解の促進、発達障害者の自立及び社会参加への支援、国及び地方公共団体の責務や相互の連携、関係機関との協力体制の整備等が主な内容でありました。昨年8月に、制定から10年ぶりの改正となりました。  今回新たに条文に基本理念が追加されており、全ての発達障害者が、社会参加の機会が確保されること、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと、社会的障壁の除去に資すること、関係機関及び民間団体相互の緊密な連携のもとに切れ目ない支援が行われなければならないことと明確に位置づけられました。  改正のポイントとして、1つ目は、ライフステージを通じた切れ目のない支援を実施すること。2つ目は、家族なども含めたきめ細やか支援を実施すること。3つ目は、地域の身近な場所で支援が受けられるよう支援体制を構築することとなっております。  具体的には、地域の実情を踏まえ、身近な地域で必要な支援が受けられるよう配慮することが求められており、都道府県では、発達障害者支援地域協議会や発達障害者支援センターの設置、地域支援マネジャーの配置など、適切な支援体制の構築に努めるよう求められております。  また、各自治体においては、巡回支援専門員の整備や発達障害のある子どもを育てた経験を持つ保護者が支援を行うペアレントメンターを養成し支援していく取り組み、保育所等訪問支援などの障害福祉の専門的な支援を活用し、児童福祉施策への後方支援を図るよう求められております。  次に、これまでの本市による発達障害者への支援内容はどのようなものか。また改正を受けての取り組みはいかがか、との御質問にお答えします。  まず、福祉分野におきましては、乳幼児の健診等で発達に不安のある乳幼児を対象に、発達相談たんぽぽを水俣市保健センターにおいて実施しており、専門医療機関や療育機関、児童相談所への紹介を行い、早期の適切な療育支援、保護者の育児不安の軽減等を図っております。また、いきいき健康課の保健師、福祉課の家庭相談員や担当職員、教育委員会等の職員で保育園、幼稚園を訪問して、情報交換会を実施し、乳幼児健診後の経過観察や支援が必要な園児、次年度就学予定児童について情報を共有して、支援の方向性を検討し、適切な支援につなげております。  そのほか、障がいのある児童や子どもの発達等について不安や心配のある家族等に対して、身近な地域において療育指導、相談等が受けられる水俣芦北地域療育センター事業の運営を光明童園へ委託し、療育機能の充実を図っております。  一方、学校現場では、特別支援教育を推進し、発達障害児童・生徒を含めて、障がいのある子どもの自立や社会参加に向けた主体的な取り組みを支援する視点に立ち、子ども一人一人の教育的ニーズを把握し、その持てる力を高め、生活や学習の困難を改善、または克服するために適切な指導及び必要な支援を行っております。  学校の具体的な取り組みとしては、発達障害のある児童・生徒等やその保護者の教育的ニーズや困り感等を面談等を重ねながら把握し、個別の教育支援計画や教育指導計画を作成し、適切な指導及び必要な支援を継続しております。面談等では、合理的配慮について確認するとともに、その提供に努めています。また、学校内で情報の共有を図るとともに、必要に応じて、専門機関や医療・療育機関への相談や受診を促す等、関係機関と連携し、自立や社会参加に向けた取り組みを行っています。  改正を受けての取り組みについては、現在実施しております水俣芦北地域療育センター事業を見直し、保育所等の施設へ巡回し、障がいの早期発見対応のため、職員や保護者に対する助言等の支援を行う巡回支援専門員整備事業を平成30年度からの実施に向けて検討しております。  また、発達障害のある子どもを育てた経験を持つ保護者を研修等によりペアレントメンターとして養成し、発達障害の診断を受けて間もない子どもの保護者に寄り添った支援により保護者の不安感を軽減する取り組みを水俣芦北圏域において実施を予定しております。  発達障害は、子どもの障がいや発達等について不安を抱える保護者へのサポートや心理的な負担の軽減のみならず、その周囲でかかわっている支援者等へも正しい知識や理解を求め、支援や配慮を受けやすい環境づくりに努めていくことが大事であると考えております。 ○議長(福田 斉君) 髙岡朱美議員。 ○(髙岡朱美君) 2回目の質問をさせていただきます。  発達障害者支援法、10年ぶりに改正をされたということです。発達障害については最近はマスコミでも取り上げられることが多くなりまして、かなり認知されるようになったかなというふうに思います。発達障害には、自閉症、アスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害、学習障がい、注意欠陥多動性障害が含まれます。今、これらのいずれかに当てはまる、または複数当てはまると言われている子どもが15人に1人、つまり1クラスに2人程度はいるという統計結果があります。現場の先生の印象ではもっといるんじゃないかという声もあります。  今挙げた診断名それぞれに特徴的な症状はありますけれども、同じ診断名がついていてもその症状の出方は個人個人みんな違います。しかし、共通しているのは原因が脳機能の障がいであり、治療して治るものではないということと見た目ではわからないということです。  5月21日に放映されたNHKスペシャル「発達障害~解明される未知の世界~」は、当事者の困りごとを科学的に解説した今までにない番組で非常に画期的なものだったなと見て思いました。発達障害の方には感覚過敏の人が多くいます。聴覚過敏の場合は周囲の音によって気分が悪くなったり、触覚ですとか味覚が過敏な人は、肌ざわりの悪いものを避けるので同じ服ばかり着たり、食べられるものが偏ったりします。  番組では聴覚過敏の女性を取材し、この女性の耳には全ての音が同じ大きさで聞こえてくることを紹介していました。通常の人が気にもしない冷蔵庫の音が大きく聞こえたり、目の前で話している人と周りの雑音を聞き分けるのが難しくて、物すごく疲れてしまうというふうに言っていました。  御答弁いただきましたように、10年前にできた法律で、検診や保育所を訪問するなどで、気になる子どもを早期に発見しやすくなり、相談窓口、支援施設などの設置が進んで、当事者が頼れる場所は確実にふえました。また、法律によって学校での支援体制が義務づけられて、特別教室で指導を受けられるようになりました。そのような中で、今回法改正が行われました。その改正のポイントについていろいろお答えいただきましたが、発達障害者への支援は、社会的障壁の除去に資することを旨として行うという基本理念が明記されたのが一番大きいというふうに私は思います。  障がいというのは本人の落ち度によるものではありません。治療して治るものでもありません。障がい者への支援は、できないことも努力すれば克服できるんだという定型発達の人の理論を当てはめてはめてはいけないということなんです。本人のできないことを知って、周りが合わせてあげる、そういう支援を継続して行わなければならないということが社会的障壁の除去という意味です。こういう基本理念のもとで、改正法では学校に対してもできるだけ健常者とともに教育を受けられるよう配慮するとともに、個別支援計画をつくるよう求めております。  そこで、お尋ねをいたします。  今現在、水俣では発達障害、またはその疑いで特別に支援を受けている子どもはどれくらいいるでしょうか。また、それらの子どもに専属でかかわっておられる先生は何人いらっしゃるでしょうか。そして、個別支援計画については既に取り組まれているというお話がありましたけれども、発達障害への支援というのは、できることは伸ばしできないことはそれにかわる方法で対処するということが求められると思うんですけれども、こうした計画づくりの過程に専門的知識を持った人のかかわりですとか、助言を得られているか。そして、改正を受けての新たな取り組みとして巡回支援専門員整備事業を開始するという御答弁があったんですけれども、この事業は学校現場での先生たちへのバックアップにつながるようなものなのか、4つ質問いたします。 ○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。  吉本教育長。 ○教育長(吉本哲裕君) 教育に関して、私のほうから御答弁させていただきたいと思いますが、水俣市内の学校には発達障害、またはその疑いで特別に支援を受けている子どもはどれぐらいいるのか。2つ目に、担当している教職員は何人ぐらいいらっしゃるのか、ということでございますけれども、各学校では特別な教育支援を必要とする児童・生徒を支援するために、現在まで164人の児童・生徒分の個別の教育支援計画を作成しています。  特別支援教育の推進に係る特別支援学級については、浜分校2学級を除いて、22学級と通級指導教室が1学級ございます。そこに在籍する児童・生徒数は79人です。担任は浜分校を除いて20人です。発達障害の疑いのある児童・生徒は、通常学級にも在籍をしており、各担任が支援を行っています。  それから、個別の教育支援計画をつくる過程で、専門的な知識を持った人とのかかわりを得ているのかというお尋ねでございましたが、児童・生徒の学習面や生活面についての困り感に応じて、情報共有や手だて立案のために各学校では、福祉部局やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等を交えてのケース会議を開いたり、医療機関や療育機関、特別支援学校等からの専門的な助言を得たりしていますし、そういう意味で全ての学校でかかわりを得ているということができます。 ○議長(福田 斉君) 川野福祉環境部長。 ○福祉環境部長(川野恵治君) 2回目の質問の4番目の御質問にお答えします。  巡回支援専門員整備事業は、学校現場での先生たちのバックアップにつながるのか、という御質問だったと思います。
     この巡回支援専門員整備事業は、保育園や幼稚園、学童クラブ、子どもセンターなど、子どもやその親が集まる施設や場所に発達障害等に関する知識を有する専門員が巡回支援を行って、施設の職員や保護者に対して助言等を行うということで、早期発見、早期対応を図る事業です。その専門員とは、医師、児童相談員、保育士、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士などで、発達障害に関する知識経験を持っている方です。これまでの医療機関任せや専門家任せではなく、気になる子どもへのかかわり方や現場での支援の仕方について、先生方への助言指導を行って、事例検討や講演会、研修会等を通して、スキルアップも図っていきます。この事業を実施することにより、専門家の配置が困難な学校現場では、職員体制のバックアップにつながっていくと思っております。 ○議長(福田 斉君) 髙岡朱美議員。 ○(髙岡朱美君) 今、数字をお答えいただきました。対象となる児童、これは医師からの診断を受けている児童と、それと先生から見て気になる児童というのを含めてだと思いますけれども、それが164人いらっしゃると、医師の診断を受けて特別学級にいらっしゃる生徒は22学級で、通級が1学級ということなんですね。  診断を受けた生徒については、担任がつくということになると思うんですが、そうでない気になる子どもさんについては、通常の担任が指導するということになりますので、この数からいえば、1人の担任の先生が何人かを見ている状態かなというふうに思います。  さっきもお話ししましたように、この障がいの出方によって、子どもたちの指導というのは本当に一人一人個別に対応しなければならないので、今の学校現場にとっては、きのうの田中議員の話にもありましたけれども、通常の業務も大変な中で、そういう個別指導をするというのがとてもハードだなというふうな印象を受けております。  法改正があって、障がいを持つ当事者にとってはより支援を得られやすい環境になったのは間違いないんですけれども、実際にそれを実現するような人的、財政的な裏づけがないというのが、今の現場の現状で、それでは現場が疲弊するばっかりです。学校現場の仕事量に見合った人員の確保ですとか、それから先ほどソーシャルワーカーとかスクールカウンセラー、それから医療的助言ということであったんですけれども、専門家の方が常駐しているわけではないんですね。ですから、担任の先生がその場その場で対応しなければいけない場面もあります。そういった専門家の配置というのは、今この数からいえば、常駐が必要なんじゃないかなというふうな思いもあるんですけれども、ぜひ、そういう現場の声を教育長からは、しっかり県に伝えていただいて、障がいを持った子どもたちに資するような教育ができるように訴えていただきたいなというふうに思うんですけれども、これが1点目です。  私、昨年の3月議会で大分県の別府市がつくった「ともに生きる条例」の話をさせていただきました。この条例制定の目的は、さまざまな障がいに対する市民の理解を高めて、空間的バリアフリーとともに、心のバリアフリーをつくるというのが目的でした。どんな障がいでも同じなんですが、当事者にとって一番安心できる環境というのは、自分が困ったときに、すぐに隣の人がわかってくれる、そして理解をして手助けしてくれるという環境があることだと思います。  熊本地震の避難所の話ですが、聴覚過敏の方が避難所の騒音に耐えられず、カームダウンボックスという遮音空間をつくる特別な箱があるそうなんですけれども、その箱を置いたところ、邪魔だといって撤去されたそうです。もし発達障害についての理解が周りで進んでいれば避けられたかもしれないというふうに思います。  学校の中では、子どもたちは自然と友達を手助けすることを学んでいます。しかし、学校で手助けされた子どもたちもいずれ社会に出なければなりません。そして、その社会はまだ厳しい現実があります。改正された発達障害者支援法には、障がいへのより深い理解を国民や事業者にも求めています。このような環境づくりをするにはやはり行政による啓発だとか啓蒙活動が不可欠だというふうに思います。以前にも提案しましたけれども、条例の制定という手段も含めて、市として積極的に啓発活動に取り組んでいただきたいというふうに思いますけれども、これについてお考えをお聞かせください。2点です。 ○議長(福田 斉君) 答弁を求めます。  吉本教育長。 ○教育長(吉本哲裕君) 学校現場の状況について、少しお話をさせていただきますと、通常学級においても特別な支援を必要とする児童・生徒がいらっしゃいますので、そういった児童・生徒への適切な指導、支援をしていくために、特別教育支援員を今年度32名配置させていただきました。これは市のほうの経費で配置をしたところでございます。そのほかにも専門的な人材の配置や教員の増員というのが必要であると。その点につきましては、髙岡議員が申されるとおり同感でございます。  私としましても、これまでも各学校の実態をしっかり把握した上で、同様な要望は県の教育委員会のほうにいたしておりますし、今後も強く要望していきたいと考えております。 ○議長(福田 斉君) 川野福祉環境部長。 ○福祉環境部長(川野恵治君) 条例制定も含めて積極的な啓発活動に努めてほしいということであったと思います。  昨年の4月に障害者差別解消法が施行されております。また、熊本県におきましては、「障がいのある人もない人も共に生きる熊本づくり条例」を制定されております。そして、平成24年4月から施行されております。このような法律や条例に基づいて、障がいの有無にかかわらず安心して暮らすことができる共生社会の実現を目指して、関係施設や事業所等の職員、支援者、かかわりのある地域の方々への周知・啓発に努めてまいりたいと思います。また、一般の市民に対しても理解を求め、広報誌等による啓発や市民が集まる場所へのパンフレットの設置など、さらに周知に努めてまいりたいと思います。 ○議長(福田 斉君) 以上で髙岡朱美議員の質問は終わりました。  これで本日の一般質問の日程を終了します。  次の本会議は明22日に開き、一般質問並びに提出議案の質疑を行います。  なお、議事の都合により、あすの本会議は午前9時30分に繰り上げて開きます。  本日はこれで散会します。                                午後0時6分 散会...